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特表2023-514666一体化されたセンサを有するエネルギーチェーンのためのプラスチック部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】一体化されたセンサを有するエネルギーチェーンのためのプラスチック部品
(51)【国際特許分類】
   F16G 13/16 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
F16G13/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022541958
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2021050202
(87)【国際公開番号】W WO2021140162
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】202020100143.4
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト ヘイバリング
(57)【要約】
本発明は、概略として、ケーブルキャリア(2)すなわちチェーン構成要素、特にリンクプレート(11;21;31)及びケーブルキャリア(2)のためのガイドチャネル(3)のガイド構成要素(14)に関する。チェーン構成要素(11;21;31)又はガイド構成要素(14)は、プラスチック製であり、センサ機能を有する電気的機能回路(24;34)が配置される成形部品(22;32)を備える。本発明によると、機能回路(24;34;44)は、導体トラック構造物(25;35)のサポートとして成形部品(22;32)上に構成された少なくとも1つの導体トラック構造物(25;35;45)を備え、例えば、トラック構造物は付加製造法によって成形部品に適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン部品、特にエネルギーチェーン(2)のためのチェーンリンクプレート(11;21;31)であって、前記チェーン部品、特に前記チェーンリンクプレート(11;21;31)は、動作パラメータの取得のためのセンサ機能を有する電気的機能回路(24;34)が配置される、特に射出成形によって作製されるプラスチック製の成形部品(22;32)を備え、
前記機能回路(24;34)は、少なくとも1つのトレース導体構造物(25;35)を備え、該トレース導体構造物(25;35)は該トレース導体構造物(25;35)のキャリアとしての前記成形部品(22;32)上に構成され、前記機能回路(24;34)が、好適には予め製造された、プラスチック製の前記成形部品(22;32)に対して特に付加製造法によって、適用された、チェーン部品。
【請求項2】
エネルギーチェーン(2)を有するラインガイド用システム(1)のガイドトラフ(3)のガイド用部品(14)、特に滑動レール又は滑動ストリップであって、前記ガイド用部品(14)は、特に射出成形によって作製される、プラスチック製の成形部品(42)を含み、該成形部品(42)は前記ガイドトラフ(3)にガイドされるエネルギーチェーン(2)のための滑動面(47)を備え、
前記成形部品(42)上に、動作パラメータの取得のためのセンサ機能を有する少なくとも1つの電気的機能回路(44)が配置され、該電気的機能回路(44)は、少なくとも1つのトレース導体構造物(45)を含み、該トレース導体構造物(45)は該トレース導体構造物(45)のキャリアとしての前記成形部品(42)上に構成され、前記機能回路(44)が、好適には予め製造された、プラスチック製の成形部品(42)に対して特に付加製造法によって、適用された、ガイド用部品。
【請求項3】
前記成形部品(22;32;42)は、前記機能回路(24;34;44)のための回路キャリアとして、特に射出成形された回路キャリアとして、予め製造されて作用する、請求項1又は2に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項4】
前記機能回路(24;34;44)は、前記動作パラメータに対して感度を有する検出領域(26;36;46)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項5】
前記成形部品(22;32)は、他のチェーンリンクプレート(11;21;31)上及び/又はガイドトラフ(3)の滑動レール(14)上を滑動するための前記チェーンリンクプレートの狭面に滑動面(27;37)を備える、請求項1に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)。
【請求項6】
前記検出領域は、前記デバイスの新たな状態において前記滑動面から規定距離にあり、特に前記滑動面に対向する面上に設けられる、請求項4又は5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記機能回路(24;34;44)が、前記成形部品(22;32;42)の面(28;38;48)上に適用され、特に前記面(28;38;48)に一体化された、請求項1から6に記載のいずれか一項、特に請求項6に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項8】
前記検出領域が、検出されるべき摩耗限度に少なくとも部分的に沿って延在することにより、前記摩耗限度の超過が前記機能回路によって検出可能となる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項9】
前記成形部品は、前記機能回路が少なくとも部分的に又は完全に存在する予め製造された圧痕(28)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記トレース導体構造物(25;35)が、前記予め製造された成形部品に、好ましくはMID法によって、直接及び/又は一体的に蒸着され、前記成形部品に基板間結合によって接続された、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記トレース導体構造物(25;35)が、前記成形部品の前記プラスチックよりも大幅に高い導電性を有する材料、特に銀、銅及び/又は炭素含有の材料で作製された、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記トレース導体構造物(25;35)は、AM法によって付加的に適用されて、好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下の、第1の層厚を0.5~5mmの導体幅とともに有するトレース導体と、同じ前記AM法によって付加的に適用されて、前記第1の層厚よりも大幅に大きく、好ましくは200μm以上、特に250~500μmの範囲内の、第2の層厚を有する解放可能な接触のための接触領域(29;39;49)と、を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記機能回路は受動構成のものであり、特にトレース導体及び接触領域からなり、特に導体断線によって、抵抗性摩耗検出に使用される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記機能回路は、誘導性、容量性、感温性又は圧電抵抗性の検出領域、特に当該デバイスに対して移動する他のデバイスに対する当該デバイスの位置の変化を検出するための検出領域を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記成形部品は、トライボポリマーを含み、特に、ベースポリマー及び固体潤滑剤並びに好ましくは強化繊維及び/又はフィラーを含むトライボポリマーから予め製造される、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス、特に請求項2に記載のガイド用部品。
【請求項16】
エネルギーチェーンのガイドトラフのための、長手方向に長細い本体及び前記長手方向に垂直な開放断面を有する滑動レールであり、特に傾斜プロファイルとして構成された請求項2に記載のガイド用部品。
【請求項17】
前記滑動レールは請求項3、4又は6から15に記載の構成の1つを備え、及び/又は前記ガイド用部品は該ガイド用部品の長手方向に相互から離間された複数の機能回路を備える、請求項16に記載の滑動レール。
【請求項18】
ガイドトラフ(3)に装着するための装着領域(410)を備え、該装着領域(410)は前記ガイドトラフのサイド部分に装着するためのプロファイル要素(411)を備える、請求項17に記載の滑動レール。
【請求項19】
2面の広面(211、212;311、312)及び4面の狭面(213、214、215、216;313、314、315、316)を有し、前記狭面の少なくとも1面(216、316)は滑動レール(14)又は他のチェーンリンクプレート(11;21;31)の狭面(216;316)上を滑動するために構成され、並びに/又は前記広面の少なくとも1面(211、212;311、312)は、連続するチェーンリンクプレート(11;21;31)の間の仮想旋回軸を各々が有する関節状ジョイントを構成するように少なくとも1つのピン(218;318)及び/若しくは少なくとも1つの対応するレセプタクル(220;320)を備え、
前記機能回路(24;34)が、前記少なくとも1つのピン(218;318)及び/若しくは前記少なくとも1つのレセプタクル(220;320)並びに/又は前記狭面の少なくとも1面(216;316)上に付着又は印刷された、請求項1又は3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)。
【請求項20】
相互に対して可動な2つの接続点(6、7)の間の供給ライン(9)の動的ガイドのための、特に長い移動経路のための、エネルギーチェーン(2)を有するシステム(1)であって、
前記エネルギーチェーン(2)は請求項1若しくは3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)を少なくとも1枚備え、及び/又は前記システム(1)は請求項2から4若しくは6から18のいずれか一項に記載のガイド用部品(14)を少なくとも1つ有するエネルギーチェーン(2)のためのガイドトラフ(3)を備え、前記システム(1)は前記機能回路(24;34;44)への信号用接続、特に解放可能な接続、を有する評価回路をさらに備える、システム(1)。
【請求項21】
特には前記機能回路(24;34;44)との前記評価回路の解放可能な接続のためのスプリング接触ピンを有する、前記評価回路に接続される接触デバイスを備える請求項20に記載のシステム(1)。
【請求項22】
前記評価回路は、前記機能回路(24;34;44)の補助によって少なくとも1つの動作パラメータを評価し、評価結果を上位の監視システムに送信するように設定された通信モジュールを含む、請求項20又は21のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項23】
相互に対して可動な2つの接続点(6、7)の間の供給ライン(9)の動的ガイドのための、特に長い移動経路のための、ラインガイド用システム(1)における請求項1若しくは3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)及び/又は請求項2から4若しくは6から18のいずれか一項に記載のガイド用部品(14)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、第1の接続点とそれに対して可動な第2の接続点との間のケーブル、ホースなどの供給ラインの保護された動的なガイドのためのエネルギーチェーンの分野に関する。
【0002】
本発明は、具体的には、一方では、エネルギーチェーンの部品、特に、例えばチェーンリンクプレートなどのチェーンリンクの部品に関し、他方では、ガイド用部品、特に、エネルギーチェーンのためのガイドトラフのための滑動レールに関する。本発明は、特に、ただし排他的にではなく、高い移動速度及び/又は長い移動経路のエネルギー供給システムを必要とするラインガイド用構成に適用可能である。
【背景技術】
【0003】
エネルギーチェーンは、通常、関節状に接続されたチェーンリンクを備え、一般に、相互に旋回可能に接続された2本のストランドのチェーンリンクプレートから構成され、リンクプレートのストランドは相互から離間され、対向するチェーンリンクプレートの各対に対するクロスバーによって横断方向に相互に接続される。
【0004】
ラインガイド用構成は、特に長い移動経路の場合、エネルギーチェーンをガイドするためのガイドトラフを備えることがあり、ガイドトラフ内にエネルギーチェーンがガイドされる。ガイドトラフでは、特にガイド用途において、摩擦を低減するために、すなわち、エネルギーチェーンに作用するそれぞれの力を低減するとともにエネルギーチェーンの摩擦起因の摩耗を低減するために、例えば、滑動レール又は滑動ストリップなどの特殊なガイド用部品が一般に設けられる。
【0005】
エネルギーチェーンの運用寿命が進むと、特に高い移動速度及び/又は長い移動経路の場合に摩耗が発生する。適時に検出されないチェーンリンク、特にチェーンリンクプレートの臨界的摩耗は、例えば、エネルギーチェーンの破断をもたらし得る。ガイドトラフのガイド用部品においても、過大な摩耗は、動作の途絶の原因となり、又はエネルギーチェーンの損傷をもたらし得る。
【0006】
ガイドされているラインの損傷及び/又は供給されている機械若しくは機器の生産休止時間など、エネルギーチェーンの故障及び結果として起こる損傷を防止するため、摩耗した部品を適時に交換するために臨界的摩耗が早期に検出されるべきである。
【0007】
エネルギーチェーンの一般的な部品は、プラスチック製の成形部品を備える。同じことが、ガイドトラフのガイド用部品にも当てはまる。異なる構成のラインガイド用システムのプラスチック構成要素は、古くから知られており、市場で充分に確立され、例えば、igus GmbH、独国、ケルン、51147から入手可能である。
【0008】
プラスチック製のチェーンリンク及び滑動レールは、金属部品による従来的な解決手段に対して、軽量化だけでなく、種々の有利な効果をもたらす。摩耗の監視は、プラスチック部品では一般的にかつ特に望ましい。さらに、それだけではないが特に予測的保守の目的で、監視性の向上を可能とするセンサ機能を関連部品に装備することは基本的に望ましい。
【0009】
エネルギーチェーンについて、過度の摩耗を検出するためにセンサ機能を有する機能電気回路がプラスチック成形部品上に装備されたチェーンリンクプレートが知られている。
【0010】
この種のチェーンリンクプレートは、例えば、特許文献1から既に知られている。特許文献1による機能回路は、圧力嵌めの態様でチェーンリンクプレートにおけるチャンバに保持されたスプリング接触要素を備える。スプリング接触要素は、電気ケーブルによって電気回路に接続される。チャンバの壁部は、チェーンリンクプレートの摩耗の影響を受け易い地点に配置され、意図する破断点を有する。壁部の劣化によって、意図する破断点における破断、スプリング接触の開放、及び電気回路が断線をもたらされる。したがって、このシステムは、複数の機械的及び電気的構成要素からなり、複雑な製造を要する。
【0011】
特許文献2(図9A~9B)では、出願人は、例えば、後に閉じられるチェーンリンクプレート上の凹部における、摩耗検出のための電気回路、すなわち、検出器要素付きの無線回路を有する別個のモジュールの付着を記載する。ここでも、生産は比較的複雑であり、モジュールのための適宜のレセプタクルが必要となる。
【0012】
エネルギーチェーンのチェーンリンクのための他のセンサが、特許文献3に提案されている。ここでも、生産工程への簡素化された安価な統合が望ましい。したがって、本発明の第1の課題は、エネルギーチェーン、特にチェーンリンクのチェーンリンクプレート又はガイドトラフの滑動レールにおいて又はそれとともに使用される部品であって、動作パラメータをセンシングするための機能電気回路が装備され、コスト効率良くかつ確実に量産可能でもある部品を提案することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1521015号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/129805号
【特許文献3】国際公開第2019/201482号
【発明の概要】
【0014】
ここで、解決手段は、エネルギーチェーンの部品それ自体、特に、そのチェーンリンク、例えば、チェーンリンクプレート及びクロスバーに対して、及びガイドトラフのガイド用部品、特に滑動レールに対して同様に適するべきである。
【0015】
この課題は、例えば、請求項1の構成を有する部品によって達成される。有利な実施形態が、従属請求項によって提供される。
【0016】
この第1の課題を達成するために、請求項1の前文によるエネルギーチェーン部品、特にチェーンリンクプレートにおいて、機能回路が、トレース導体構造物のプラスチック成形部品上に構成された少なくとも1つのトレース導体構造物を備えるべきであり、成形部品自体がトレース導体構造物のキャリア又は基板を構成することが提案される。機能回路は、特に付加製造法によって、好適に予め製造された成形部品上に適用可能である。
【0017】
ラインガイド用システムのガイドトラフのための一般的なガイド用部品、特に、滑動レール又は場合により滑動ストリップは、通常は同様に、エネルギーチェーンがガイドトラフ内にガイドされるための滑動面を有するプラスチック成形部品を備える。したがって、上述の第1の課題を達成するために、請求項2の前文によるガイド用部品では、成形部品が同時にトレース導体構造物のキャリアとして動作できるようにトレース導体構造物の成形部品上に構成される少なくとも1つのトレース導体構造物を備える、動作パラメータを検出するためのセンサ機能を有する少なくとも1つの電気的機能回路を成形部品上に配置することが同様に提案される。この目的のため、機能回路は、特に付加製造法によって好適に予め製造されたプラスチック成形部品上に適用可能である。
【0018】
したがって、提案される解決手段は、チェーンリンクの構造部品、すなわち、特にチェーンリンクプレート(横方向リンクプレート又はサイドプレートともいう)及びそれらを接続するクロスバー(クロス部材又は開放クロスバーともいう)を生産するためだけでなく、同様にチェーンリンクと相互作用するそれ自体任意選択的なガイドトラフのそれら構造部品を生産するために使用可能である。
【0019】
いずれの場合も、提案される構造は、それ自体、所望の特性を有して生産が安価なセンサが成形部品に直接統合され、すなわち、自動化の程度が増加し及び/又は追加の製造工程が省略可能となるという有利な効果を有する。
【0020】
この場合における用語「トレース導体」は、所定の幅及び所定の厚さ(全体高さ)の任意の長さの個々の導電性接続要素として理解される。トレース導体の厚さは、その幅に対して大幅に、特に少なくとも2倍、及び一般的には約一桁分小さい。したがって、それらは、印刷回路基板においては従来的なトレース導体と同様の幾何形状を有して通常は平坦な構造の接続要素である。
【0021】
成形部品は、特に、予め製造されていてもよく、又はトレース導体構造物若しくは機能回路の適用前に適宜の形態で既に存在していてもよく、結果として回路キャリア又は基板として利用可能である。
【0022】
したがって、従来の印刷回路基板、すなわちPCBは不要である。
【0023】
本発明によるトレース導体構造物は、種々の技術によって適用され、例えば予め製造された成形部品上に導電ラッカーを蒸着させることによって生成され、及び/又は例えば3D印刷によって成形部品上に印刷され得る。好ましくは、機能回路全体、ただし少なくともトレース導体構造物が、予め製造されたプラスチック成形部品上に直接適用され、特に印刷される。
【0024】
機能回路は、例えば、付加金属化法によって、金属を金属化可能なプラスチック上に電気メッキすることによって、又は熱蒸着、例えば噴霧によって、成形部品上に適用可能である。
【0025】
本発明による機能回路は、一般に付加製造法によってプラスチック成形部品上に適用又は蒸着可能である。
【0026】
これは、特に、適宜のMID(成形回路部品)技術の補助によって行われ得る。
【0027】
機能回路はまた、それ自体公知の他の適宜のAM法によって、特に、標準VDI3405又はDIN EN ISO17296-2(Part II)の意味の範囲内の付加製造法として指定される方法によって付着されてもよい。
【0028】
AM法によって、通常は層毎の構造に基づいて、実質的に任意の種類の複雑な幾何形状の本来的に自動的なコンピュータ補助による製造が可能となる。
【0029】
適切なAM法は、特に、印刷材料の自己硬化による直接印刷又は重合化による3D印刷、結合による3D印刷及び焼結/溶着による3D印刷である。
【0030】
ここで、機能回路は、特に他の任意の独立した電気的構成要素なしに、連続的な付加製造工程において完全に又は一体的に生産可能である。特に、加熱された熱可塑性ポリマーの化学的硬化又は物理的固化のいずれかによる押出し式(EB)法が、この目的に適する。例えば、FDM(熱溶解積層方式)法が適切であると考えられる。例えば、光の作用によって固化するフォトポリマーを用いることで、MJ(材料噴射)法も可能である。いわゆるBJ(結合剤噴射)法は、3DP法としても知られており、同様に適切である。
【0031】
原則として、全てのいわゆる3D印刷技術が適切である。EB法は、比較的粘性の高い導電性ペーストに対するそれらの適性のために好適である。特に、FLM(熱溶解レイヤ方式)又はFFF(熱溶解フィラメント製法)法が、付加製造には好適である。
【0032】
成形部品は、特に射出成形法によって生産可能である。
【0033】
機能回路は、インモールドラベリングによって、又は印刷フィルムを射出成形工具に挿入してプラスチックでバック成形することによっても適用可能である。機能回路は、さらに、ホットスタンピング(加圧及び加熱下での粘着フィルムの適用)によって付着可能である。
【0034】
機能回路は、回路の一部としても理解される。機能回路は、特に、他の回路に接続されることによって初めてその実際の機能を実行可能となるので、特にそれ自体が電気回路を構成する必要はない。例えば、機能回路は、電気的な2極を構成し、その電気的特性は検出される動作パラメータに依存する。
【0035】
成形部品は、機能回路が適用される前に既に予め製造されていてもよく、特に、例えば繊維強化ポリマーから一体的に予め製造されていてもよい。
【0036】
例えば、密着性を促進するために又は追加の電気絶縁性の目的で、成形部品と付加的に印刷又は蒸着された機能回路との間の中間層を設けることも可能である。
【0037】
トレース導体構造物又は機能回路は、成形部品上に、特に成形部品の表面に構成可能である。トレース導体構造物又は機能回路は完成品デバイス(チェーンリンクプレート又はガイド用部品)の表面から直接アクセス可能でなくてもよく、それは完成品デバイスにおいて1層以上の保護層で被覆又はコーティングされてもよい。コーティングは、例えばオーバーモールドによって生成され得る。有線信号接続の場合には、回路に対するアクセス開口は、好ましくは、接触の目的のために開放されたままとされ又は切り取られ、あるいは接触デバイスがそれとともにカプセル化される。
【0038】
本発明による解決手段の有利な効果は、丈夫な構造と組み合わされた比較的廉価な製造にあり、それは、例えば屋外用途などの有害環境条件にも適する。
【0039】
成形部品は、付加的に適用される機能回路のための、特に、基板又は回路キャリアとして、好ましくは射出成形回路キャリアとして作用し得る。
【0040】
成形部品は、熱可塑性物質を含むものであってもよいし、実質的に熱可塑性物質から生産されるものであってもよい。熱可塑性材料は、とりわけ再利用のために特に適切である。金属化合物は、任意選択的にプラスチックと混合されてもよく、それは、例えば、MIDのためのLDS(レーザー直接構造化)生成法に対して有利である。
【0041】
好ましくは、機能回路は、基板間結合によって成形部品に強固に接続される。機能回路は、好ましくは、成形部品に一体化され、すなわち、生産後に成形部品の一体部品として存在する。
【0042】
機能回路は、センサ機能を実行するために監視される動作パラメータに対して感度を有する検出領域を備え得る。原則として、任意の検出構成要素又は検出器構造が、好ましくは機能回路の付加製造時に一体的に生産される検出領域として適切である。
【0043】
検出領域は、特に、例えば回路断線によって摩耗を検出するための抵抗性検出領域であり得る。例えば、近接検知などのための誘導性又は容量性作用の機能回路も、本発明の範囲内である。またさらに、例えば、温度測定又は変形若しくは応力測定のための他の検出コンセプトも可能である。用語「検出領域」は、特に、計測学的な観点でのピックアップ(DIN1319-1参照)、すなわち、所望の測定変数又は検出される変数に直接応答する装置の部分のことをいう。
【0044】
特に、付加製造を促進するために、機能回路は、成形部品の表面に適用され又は設けられてもよく、特に表面に一体化されてもよい。完成した機能回路は、成形部品の表面に予め製造された凹部構造体に少なくとも部分的に又は好ましくは完全に埋め込まれ又は埋没され得る。射出成形によって低い許容差で生産可能な凹部構造体であれば、例えば未だ完全には硬化していない導体材料のフローによってもたらされる付加製造における不正確さを軽減又は補償することができる。
【0045】
上面凹部構造体における機能回路の好ましくは完全な収容は、とりわけ、センサ機能で強化されたデバイスが、既存のデバイス又は既に量産されているものの部品の幾何形状と後方互換的なままであるという有利な効果を奏する。
【0046】
凹部構造体は、機能回路の付加製造後に表面に向かって外側に開放したままであってもよいし、又は例えば環境的な影響からのより良好な保護のために、任意選択的に適宜の付加製造技術を用いて後にカプセル化されてもよい。
【0047】
チェーンリンクプレートの一実施形態では、成形部品は、チェーンリンクプレートに対して移動するラインガイド用システムの構成要素の、特に他のチェーンリンクプレート及び/又はガイドトラフのガイド用部品の対向面との滑動相互作用のための滑動面を有していてもよい。
【0048】
それ自体公知の広範に用いられているエネルギーチェーンでは、リンクプレートストランドの2枚の連続するチェーンリンクプレートが、それらの長手端部の各々で相互に部分的に重なり、関節状ジョイントによって相互に旋回可能に接続される。チェーンリンクプレートのこれらの重なり領域は、この関節状ジョイントを構成するジョイントピン及び/又はジョイントレセプタクルを備え得る。この場合におけるチェーンリンクプレートのジョイントピンは、重なるチェーンリンクプレートのジョイントレセプタクルに収容され得る。チェーンリンクプレートが旋回軸周りに相互に対して旋回する場合、これらの滑動相手は相互に対して滑動し、それは不可避的に摩耗をもたらす。
【0049】
チェーンリンクプレートは、例えば、関節状ジョイントの横方向安定化のために、重なるチェーンリンクプレートの溝にチェーンリンクプレートの突出部が収容される場合、他の滑動面を有していてもよい。
【0050】
またさらに、チェーンリンクプレートは、通常、他のチェーンリンクプレートに対して又は滑動レールに対して滑動するために、その狭面に上記滑動面を備える。同様に、エネルギーチェーンのための、長い移動経路の場合に摩擦を低減するように別個の成形部品として狭面に装着されるいわゆるグライドシュー(glide shoes)についての用途も、本発明の範囲内である。これらのグライドシューも、この観点において部品として理解され、機能回路が有利に装備され得る。
【0051】
機能回路の検出領域は、少なくともデバイスの新たな状態において、成形部品の滑動面から規定距離にあり得る。検出領域は、概略として、成形部品上の規定位置に配置され得る。
【0052】
検出領域は、特に、滑動面に対向する成形部品の面に設けられ得る。
【0053】
一実施形態では、検出領域は、摩耗限度又は許容可能な劣化の超過が機能回路によって検出可能となるように、検出されるべき摩耗限度に少なくとも部分的に沿って延在していてもよく、又は少なくともデバイスの新たな状態において滑動面の許容可能な劣化に対応する実際の滑動面から所定距離に存在していてもよい。このように、デバイスは、故障が発生する前に適時に交換可能となる。
【0054】
成形部品は、機能回路が少なくとも部分的又は完全に埋め込まれる予め製造された圧痕を有していてもよい。
【0055】
機能回路は、好ましくは、特にMID法によって、予め製造された成形部品上に直接及び/又は一体的に蒸着される。
【0056】
機能回路は、好ましくは基板間結合によって成形部品に接続される。
【0057】
機能回路は、好ましくは、成形部品のプラスチックよりも大幅に高い導電性を有する材料から、特に銀、銅及び/又は炭素含有による材料から作製される。このように、機能回路は、成形部品の本体と機能回路のトレース導体構造物との間の追加の絶縁層がなくても、成形部品に直接蒸着可能である。
【0058】
付加製造によって導電性構造体を生産するための種々の材料は、既に知られている。例えば、銀含有、銅含有及び/又は炭素含有(例えば、グラファイト又はカーボンブラック(CB))による印刷可能なペースト、液体又は熱可塑性物質が採用され得る。例えばDupont(登録商標)製の5064H(データシートMCM5064H/2011参照)などの、例えば銀粉体を有する液状樹脂など、銀系導電性ペーストが好適に採用される。機能回路のトレース導体の完成品材料が回路キャリアのプラスチック又はトライボポリマーよりも大幅に高い導電性を有するものとして、導電性粒子を有するポリマーマトリクスの他の混合物、特に、より廉価な炭素粒子(グラファイト又はCB)が好適である。
【0059】
機能回路はトレース導体を備え、それは、好ましくはAM法によって付加的に適用され、特に層厚又は200μm以下、好ましくは100μm以下、例えば5~50μmの範囲の厚さを有し、好ましくは0.5~5mmの導体幅を有する。トレース導体は、特に検出領域として作用し得る。
【0060】
機能回路は、さらに、例えば、検出領域のトレース導体構造物と同じ付加製造法によって成形部品上に適用される別個の評価回路又はエネルギー源を有する機能回路の解放可能な接触のための特定の接触領域を有していてもよい。接触領域は、好ましくは層厚又は200μm以上、特に250~500μmの範囲の厚さを有する。
【0061】
付加製造された機能回路は、好ましくは純受動的であり、すなわち、それ自体のエネルギー源なしに構成される。それは、特に、接触領域によって別個の評価回路に接続される2極として構成され得る。機能回路は、特に検出領域及び接触領域として排他的にトレース導体からなっていてもよいし、又は独立した電気的若しくは電子的構成要素なしに構成されてもよい。この特に簡素な形態によって、例えば、特に機能回路の検出領域内のトレース導体構造物における断線の抵抗性監視による抵抗性摩耗検出も可能となる。
【0062】
一方、測定変数ピックアップの観点で他の種類の検出領域又はセンサも、付加製造によって生産可能である。したがって、例えば、容量性又は感温性のセンサ構造物も、付加的に適用可能である。圧電抵抗構造物は、AM法に関するより最近の専門文献で既に記載されている。AM法によって生産可能な圧電抵抗検出器は、例えば、Leigh SJ、Bradley RJ他(「A Simple,Low-Cost Conductive Composite Material for 3D Printing of Electronic Sensors」;PLoS ONE7(11);2012)に記載されている。
【0063】
検出領域は、特に、他のデバイスに対する当該デバイスの位置又は当該デバイスに対して移動するラインガイド用システムの構成要素の位置の変化を検出するのに使用可能である。適切な例は、例えば、相互に対して旋回可能な2つのチェーンリンクの旋回角の検出、又は例えば静止ランに対する若しくはガイドトラフに対する端部領域の位置によるエネルギーチェーンの位置検出などである。
【0064】
動作の監視について又は任意の動作パラメータ、特に、運用寿命に関するデータを表すものの検出について、本発明によって生産されるセンサも、一般に本発明の範囲内にある。
【0065】
ガイドトラフのガイド用部品のために特に有利なデバイス又はガイド用部品の実施形態では、成形部品は、トライボポリマー(摩擦学的に最適化されたプラスチック)を備え、特にトライボポリマーから予め製造される。潤滑剤なしの軸受のためのトライボポリマーは、それ自体公知であり、通常はベースポリマー及び微細固体潤滑剤を備える。さらに、トライボポリマーは、強化繊維及び/又は強化フィラー若しくは他のフィラーを含み得る。これらの種類のデバイス及びガイド用部品は、ベースポリマーの所定の摩耗を受けることが意図されており、合わせ面との固体潤滑のために固体潤滑剤粒子を放出する。これにより、摩耗検出は、ここでは特に有利となり、付加製造法において安価に達成可能である。摩擦学的に最適化されたポリマー(トライボポリマー)は、特に滑動レール又はグライドシューに採用可能である。この目的に適する材料は、例えば、igus GmbH、ケルン、D-51147によるiglidur(登録商標)製品群からのポリマーである。
【0066】
チェーンリンク又はチェーンリンクプレートについては、igus GmbH、ケルン、D-51147によるigumid(登録商標)製品群からの耐摩損ポリマーが、特に適する。ただし、チェーンリンク又はチェーンリンクプレートの部品は、他の摩擦学的に最適化された他のポリマー又はトライボポリマーから作製された領域も備え得る。
【0067】
したがって、記載される実施形態の1つによるガイド用部品は、長手方向に長細い本体及び長手方向に垂直な開放断面を有する滑動レールであり得る。ガイド用部品の長手方向は、ガイドトラフの長手方向又はエネルギーチェーンの移動方向に対応する。滑動レールは、特に傾斜プロファイルとして構成され得る。これらの滑動レールの有利な効果は、それらが射出成形によって安価に生産可能であることである。開放断面は、さらに、滑動面に対向する又は滑動面と逆を向く成形部品の表面への機能回路の適用を可能とする。
【0068】
ガイド用部品は、ガイド用部品の長手方向に相互から離間された複数の機能回路を有し得る。機能回路は、特にそれらが誘導性、容量性又は圧電抵抗性のスイッチとして作用する場合に、移動経路に沿うエネルギーチェーンの位置又は移動を監視するのに特に使用され得る。機能回路は、ガイド用部品の全長にわたって又はガイド用部品の一部分にわたって分散されてもよい。
【0069】
ガイド用部品は、好ましくは、ガイドトラフ上にガイド用部品を装着するための装着領域を備える。エネルギーチェーンのためのガイドトラフは、概略として、ガイドトラフの長手方向に垂直な横断方向に相互から離間されたサイド部分及びそのサイド部分間のチャネル底部を備える。サイド部分は、ここでは特に、金属製、例えばアルミニウム製又は鋼板製であり得る。サイド部分及び/又はチャネル底部はエネルギーチェーンに対する接触面を与えることになり、接触面上をエネルギーチェーンが移動し、特に滑動することができる。それらの接触面は、滑動レールを有し得る。サイド部分は、チャネル内を移動するエネルギーチェーンのチェーンリンクプレートの広面と相互作用する滑動ストリップを有し得る。
【0070】
エネルギーチェーンがガイドトラフ内を移動する場合、チェーンリンクプレートの広面は滑動ストリップと接触してそれに対して滑動することができる。装着領域は、ガイドトラフのサイド部分において、ガイド用部品又は滑動レール及び/若しくは滑動ストリップを装着するためのプロファイル要素を有していてもよく、その場合、サイド部分はガイド用部品の装着領域と一致するプロファイルを有する。
【0071】
一方、本発明は、特に、エネルギーチェーンそれ自体の部品であるプラスチック成形部品に関する。
【0072】
記載される実施形態の1つによるチェーンリンクプレートは、通常は例えば2面の広面及び4面の狭面を備え、狭面の少なくとも1面は滑動レール上又は他のチェーンリンクプレートの狭面上を滑動するために構成されている。広面の少なくとも1面は、各々が連続するチェーンリンクプレート間の仮想旋回軸を有する関節状ジョイントを構成するためのピン及び/又はレセプタクルを有し得る。本発明の一実施形態では、機能回路は、1つのピン上及び/若しくは1つのレセプタクル内並びに/又は狭面の少なくとも1面上に直接付着又は印刷され得る。複数の同軸ピン/レセプタクルが設けられることも任意選択的に可能である。
【0073】
したがって、本発明は、相互に対して可動な2つの接続点間の供給ラインの動的なガイドのための、特に長い移動経路のためのラインガイド用システムにも関し、それは上述した実施形態の1つによる少なくとも1枚のチェーンリンクプレートを有するエネルギーチェーン及び/又は上述した実施形態の1つによる少なくとも1つのガイド用部品を有するエネルギーチェーンのためのガイドトラフを備える。
【0074】
システムは、好ましくは、機能回路への信号用接続、特にラインによる信号伝送のための解放可能又は交換可能な接続を有する評価回路を備える。この目的のため、例えば、特殊な接触面が、評価回路と機能回路の間に設けられてもよい。好ましくは、システムは、エネルギー供給部、例えば評価回路のためのバッテリを追加的に備える。
【0075】
ラインガイド用システムは、評価回路に接続される接触デバイス、特に、機能回路及び特にその接触領域を有する評価回路の解放可能な接触のためのスプリング接触ピンを有する接触デバイスを有し得る。これは、特に予測的保守によって、機能回路を備える部品の交換を促進する。したがって、生産がより複雑又は高価な構成要素が、摩耗の影響を受け易いシステムの部品上に配置可能となる。
【0076】
評価回路は、特に、機能回路の補助によって少なくとも1つの動作パラメータを評価することができ、評価結果を上位の監視システムに送信するように設定された通信モジュール、特に無線通信モジュールを備え得る。いずれかの公知の有線又は無線データ転送技術が、この目的のために採用可能である。
【0077】
またさらに、本発明は、相互に対して可動な2つの接続点間の供給ラインの動的なガイドのためのラインガイド用システムにおいて、摩耗検出、破断の検出、故障の検出及び/又は正常移動からの偏差の検出を可能とする、上述した実施形態の1つによるチェーン部品、特にチェーンリンクプレート及び/又は上述した実施形態の1つによるガイド用部品の使用に関する。本発明によるチェーン部品又はガイド用部品が装備されたラインガイド用システムは、摩擦及び他の機械的応力が発生する長い移動経路及び高い移動速度に対して特に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】ラインガイド用システムの例示的実施形態の模式的側面図である。
図2A】チェーンリンクプレートの例示的実施形態であり、斜視図である。
図2B】チェーンリンクプレートの例示的実施形態であり、側面図である。
図2C】チェーンリンクプレートの例示的実施形態であり、図2Bに係る断面図である。
図2D】チェーンリンクプレートの例示的実施形態であり、図2Bに係る断面図である。
図3A】斜視図におけるチェーンリンクプレートの他の例示的実施形態である。
図3B】斜視図におけるチェーンリンクプレートの他の例示的実施形態である。
図3C】斜視図におけるチェーンリンクプレートの他の例示的実施形態である。
図3D】斜視図におけるチェーンリンクプレートの他の例示的実施形態である。
図4図1に示すようなシステムに対する滑動レールの例示的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本発明の更なる詳細、構成及び有利な効果は、添付図面を参照して、以下の好適な例示的実施形態の詳細な説明から、上記教示の一般性を限定することなく、解釈可能である。
【0080】
図1に単に例として示すラインガイド用システム1は、エネルギーチェーン2及びこのエネルギーチェーン2のためのガイドトラフ3を備える。エネルギーチェーン2は、固定的に位置決めされた接続点(固定点)4から移動端5、例えば、供給される機器部品上の可動接続点まで供給ライン9をガイドする。ここで、エネルギーチェーン2は、ここでは符号6(左)及び7(右)で示す2つの端部位置間の長手方向Lにおけるその移動経路に沿って意図するように移動し、説明の目的のために同じエネルギーチェーン2を両端部位置において示す。
【0081】
ガイドトラフ3は、少なくとも端部位置6と端部位置7の間に長手方向Lに延在し、延在端部位置6に向かうその長さの約半分にわたって多数の配列滑動レール14で装備される。個々の滑動レール14をより詳細に図4に示す。エネルギーチェーン2は、移動時に下側ラン12、上側ラン13及び偏向カーブ15を構成する。図示する例示的実施形態では、エネルギーチェーン2は滑動的に移動し、すなわち、上側ラン13は、移動端5が固定点4と端部位置7の間に位置する場合には最初に下側ラン12上を滑動し、又は移動端5が固定点4と延在端部位置6の間を移動している場合には滑動レール14上を滑動する。
【0082】
エネルギーチェーン2は、横断方向に相互から離間されて適宜のクロスバー(不図示)によって接続された2つのリンクプレートストランドから構成される。リンクプレートストランド及びクロスバーは、ガイドされている供給ライン9が収容される、エネルギーチェーン2における受容空間を構成する。リンクプレートストランドは、相互に接続されたチェーンリンクプレート11から構成され、2枚の連続するチェーンリンクプレート11はいずれも制限された程度で相互に対して旋回可能である。
【0083】
図2A~2Dは、本発明によるチェーンリンクプレート21の例示的実施形態の種々の図を示す。チェーンリンクプレート21の本体は、射出成形によって熱可塑性物質から生産されるプラスチック成形部品22として構成される。チェーンリンクプレート21は、プレート状であり、2面の広面211及び212並びに4面の狭面213、214、215及び216を備える。広面211、212は、長手方向及び長手方向Lに垂直な高さ方向が存在するチェーンリンクプレート21の主面に平行に延びる。狭面215、216は長手方向Lに延び、狭面213、214は実質的に高さ方向に湾曲して延びる。チェーンリンクプレート21は、同じリンクプレートストランドの他のチェーンリンクプレート21とともに関節状ジョイントを構成するようにレセプタクル219に対する円筒ピン218(図3B参照)、及びクロスバーに接続するための戻り止め突起の形態の突出部230をさらに備える。図2Cは、突出部230を通る断面である。図2Dは、レセプタクル219を通る断面である。
【0084】
チェーンリンクプレート21の狭面215、216は、滑動を目的とする滑動面27を意図的に備える。チェーンリンクプレート21で構成されるエネルギーチェーン2の上側ラン13が滑動レール14、44又は下側ラン12上を滑動する場合、チェーンリンクプレート21の狭面216の滑動面27は滑動レール14、44の滑動面47又は下側ラン12のチェーンリンクプレート21の滑動面27上を滑動する。特に、長い移動経路又は高速の場合、滑動面27は、不可避的な摩耗を受ける。運用寿命の増加に伴い、過度の摩耗によってチェーンリンクプレート21が損傷又は破断することにもなり、これはエネルギーチェーン2の破断をもたらすことになり、最悪の場合、ガイドされている供給ライン9の破断をもたらし得る。これを防止するために、エネルギーチェーン2の少なくとも多数のチェーンリンクプレート21に、摩耗を検出するための特殊な機能回路24が装備される。
【0085】
機能回路24は、チェーンリンクプレート21の本体上、すなわち、プラスチック成形部品22上に、本発明に従って適用される。ここで、成形部品22は、機能回路24のための回路キャリアとして作用する。
【0086】
機能回路24は、検出領域26及び2つの接触領域29を有するトレース導体構造物25を備える。機能回路24は、受動的でありかつ2極として構成され、この例では、それは抵抗性摩耗検出のために、すなわち導体断線によって使用される。それは、検出領域26及び接触領域29のトレース導体のみからなる。検出領域26は、トレース導体構造物の部分として、例えば、銀含有粒子又は銅含有粒子からなり、それは予め製造された成形部品22に3D印刷によって印刷されている。検出領域26は、5~100μmの層厚及び0.5~5mmのトレース導体幅を有する。接触領域29は、同様に、予め製造された成形部品22に3D印刷によって、好ましくは検出領域26の印刷による一工程で印刷されている。ただし、接触領域29は、より大きな、特に250~500μmの層厚を有する。
【0087】
ラインガイド用システム1は、スプリング接触ピンによって接触デバイスを通じて機能回路24の接触領域29との解放可能な接触を行う適宜の評価回路(不図示)をさらに備える。このように、機能回路24は、評価回路の一部となる。摩耗検出は、以下のように作用する。摩擦起因の摩耗は、トレース導体が検出領域26内で損傷するまで、設計段階で決定された摩耗限度まで滑動面27の劣化又は摩損をもたらし、検出領域26はトレース導体断線が発生する程度に摩耗限度を印し又は摩耗限度に沿って延びる。したがって、電気回路が断線され、臨界的摩耗が検出可能となる。他の測定原理、例えば、誘導性又は容量性の測定原理も可能である。
【0088】
図3A~3Dは、チェーンリンクプレート31上の機能回路34の他の構成を示す。チェーンリンクプレート31は、広面311上のピン318及び対向する広面312上のレセプタクル320を有するいわゆるクランク型チェーンリンクプレートであり、連続するチェーンリンクプレート31のピン318及びレセプタクル320はその関節状ジョイントを構成する。ピン318及びレセプタクル319は、滑動面37を有する円筒領域を有する。2枚のチェーンリンクプレート31が相互に対して旋回すると、ピン318及びレセプタクル319の相互に隣接する円筒面は相互に対して滑動し、すなわち、それらは特に高い引張力の下で、すなわち、比較的長い又は速く移動するエネルギーチェーン2において摩耗の影響を受け易い。関節状ジョイントの滑動面37において、例えばレセプタクル319又はピン318の表面の圧痕において、対応する滑動面37から所定距離に機能回路34を配置することも可能である。この場合の機能回路34の構造は、図2に対応し得る。この滑動面37の劣化は、機能回路34におけるトレース導体の断線として検出可能である。
【0089】
例えば、容量性、感温性又は圧電抵抗性の検出領域による機能回路の他の実施形態も、本発明の範囲内にある。それらは、例えば、2枚の重なるチェーンリンクプレート31の距離又は相対配置の摩耗起因の変化を検出するのに使用可能である。チェーンリンクプレート上に適切な機能回路があれば、特に、ピン318とレセプタクル319の間の関節状ジョイントにおける隙間又は重なり領域内のチェーンリンクプレート31の広面311と広面312の間の隙間の発生が、例えば、国際公開第2019/201482号(特許文献3)に記載されるような、例えば容量性又は誘導性測定によって検出可能となる。したがって、電気的に適切な機能回路及びその構成に関する国際公開第2019/201482号からの対応する教示は、ここに取り込まれる。
【0090】
狭面313、314も、滑動面を有し得る。図3A~3Dによるチェーンリンクプレート31では、例えば、チェーンリンクプレート31の湾曲端面突出部321が、横方向安定化のために、重なるチェーンリンクプレート31の対応する凹部又は溝322に収容される。例えば横方向の破断が発生していないかを確認するために、機能回路34が、この領域に設けられてもよい。
【0091】
図4は、例えば図1によるガイドトラフ3のための滑動レール14を示す。滑動レール14は、意図するように滑動面47を備える。動作位置において、滑動面47がエネルギーチェーン2のための支持延長面を与えるように、滑動レール14はガイドトラフ3内に配置される。図4に、滑動レール14を下面からの斜視図で示し、それは滑動面47と逆を向く。滑動レール14は長手方向に長細い本体を有し、それは好ましくはトライボポリマーから射出成形によって成形部品42として生産される。本体は、傾斜プロファイルとして形成される開放断面を有する。本体は、ガイドトラフ3のサイド部分に装着するための装着領域410を有する。装着領域410は、この目的のためにプロファイル要素411を備える。
【0092】
成形部品42は、機能回路44のための回路キャリアとして本発明に従って作用する。図4には、1つの機能回路44のみを示す。滑動レール14はまた、滑動レール14に沿う種々の地点における摩耗を検出するため及び/又は妥当性確認のために長手方向において相互から離間された複数の機能回路44を、その全長に応じて有していてもよい。機能回路44は、滑動面47とは逆を向く滑動レール14の面48に付着される。機能回路44は、上述の機能回路24と同様にトレース導体45及び接触領域49で実質的に構成され、上述の抵抗性の原理によって動作する。ここで、各機能回路44は、その構造において、例えば、動作パラメータに対して感度を有する検出領域を有する、図2による機能回路24に対応し得る。容量性又は誘導性原理が代替例として又は追加的に機能回路44において利用されることも可能である。
【0093】
ここで、図2~4による機能回路24、34、44は少なくとも1つのトレース導体構造物25、35を備え、それは、トレース導体構造物25、35のためのキャリア又は基板として作用する成形部品22、32又は42に対して直接に適宜の付加製造法によって適用され、比較すると大幅に低い導電性を有する。
【符号の説明】
【0094】
図1
1 ラインガイド用システム
2 エネルギーチェーン
3 ガイドトラフ
4 固定点
5 移動端
6、7 端部位置
9 供給ライン
11 チェーンリンクプレート
12 下側ラン
13 上側ラン
15 偏向カーブ
14 滑動レール
L 長手方向
図2A~2D
21 チェーンリンクプレート
22 成形部品
24 機能回路
25 トレース導体構造物
26 検出領域
29 接触領域
27 滑動面
28 圧痕
211、212 広面
213、214、215、216 狭面
218 (ジョイント)ピン
219 (ジョイント)レセプタクル
L 長手方向
図3A~3D
31 チェーンリンクプレート
34 機能回路
35 トレース導体構造物
37 滑動面
311、312 広面
313、314、315、316 狭面
318 ピン
319、320 レセプタクル
321 突出部
322 溝
図4
14 滑動レール
42 成形部品
44 機能回路
47 滑動面
48 面
410 装着領域
411 プロファイル要素
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン部品、特にエネルギーチェーン(2)のためのチェーンリンクプレート(11;21;31)であって、前記チェーン部品、特に前記チェーンリンクプレート(11;21;31)は、動作パラメータの取得のためのセンサ機能を有する電気的機能回路(24;34)が配置される、特に射出成形によって作製されるプラスチック製の成形部品(22;32)を備え、
前記機能回路(24;34)は、少なくとも1つのトレース導体構造物(25;35)を備え、該トレース導体構造物(25;35)は前記成形部品(22;32)上に直接構成され、前記成形部品(22;32)自体が前記トレース導体構造物(25;35)のキャリアを構成し、前記機能回路(24;34)が、好適には予め製造された、プラスチック製の前記成形部品(22;32)に対して特に付加製造法によって、適用された、チェーン部品。
【請求項2】
エネルギーチェーン(2)を有するラインガイド用システム(1)のガイドトラフ(3)のガイド用部品(14)、特に滑動レール又は滑動ストリップであって、前記ガイド用部品(14)は、特に射出成形によって作製される、プラスチック製の成形部品(42)を含み、該成形部品(42)は前記ガイドトラフ(3)にガイドされるエネルギーチェーン(2)のための滑動面(47)を備え、
前記成形部品(42)上に、動作パラメータの取得のためのセンサ機能を有する少なくとも1つの電気的機能回路(44)が配置され、該電気的機能回路(44)は、少なくとも1つのトレース導体構造物(45)を含み、該トレース導体構造物(45)は前記成形部品(42)上に直接構成され、前記成形部品(22;32)自体が前記トレース導体構造物(25;35)のキャリアを構成し、前記機能回路(44)が、好適には予め製造された、プラスチック製の成形部品(42)に対して特に付加製造法によって、適用された、ガイド用部品。
【請求項3】
前記成形部品(22;32;42)は、前記機能回路(24;34;44)のための回路キャリアとして、特に射出成形された回路キャリアとして、予め製造されて作用する、請求項1又は2に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項4】
前記機能回路(24;34;44)は、前記動作パラメータに対して感度を有する検出領域(26;36;46)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項5】
前記成形部品(22;32)は、他のチェーンリンクプレート(11;21;31)上及び/又はガイドトラフ(3)の滑動レール(14)上を滑動するための前記チェーンリンクプレートの狭面に滑動面(27;37)を備える、請求項1に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)。
【請求項6】
前記検出領域は、前記デバイスの新たな状態において前記滑動面から規定距離にあり、特に前記滑動面に対向する面上に設けられる、請求項4又は5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記機能回路(24;34;44)が、前記成形部品(22;32;42)の面(28;38;48)上に適用され、特に前記面(28;38;48)に一体化された、請求項1から6に記載のいずれか一項、特に請求項6に記載のデバイス(11;21;31;14)。
【請求項8】
前記検出領域が、検出されるべき摩耗限度に少なくとも部分的に沿って延在することにより、前記摩耗限度の超過が前記機能回路によって検出可能となる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項9】
前記成形部品は、前記機能回路が少なくとも部分的に又は完全に存在する予め製造された圧痕(28)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記トレース導体構造物(25;35)が、前記予め製造された成形部品に、好ましくはMID法によって一体的に蒸着され、前記成形部品に基板間結合によって接続された、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記トレース導体構造物(25;35)が、前記成形部品の前記プラスチックよりも大幅に高い導電性を有する材料、特に銀、銅及び/又は炭素含有の材料で作製された、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記トレース導体構造物(25;35)は、AM法によって付加的に適用されて、好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下の、第1の層厚を0.5~5mmの導体幅とともに有するトレース導体と、同じ前記AM法によって付加的に適用されて、前記第1の層厚よりも大幅に大きく、好ましくは200μm以上、特に250~500μmの範囲内の、第2の層厚を有する解放可能な接触のための接触領域(29;39;49)と、を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記機能回路は受動構成のものであり、特にトレース導体及び接触領域からなり、特に導体断線によって、抵抗性摩耗検出に使用される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記機能回路は、誘導性、容量性、感温性又は圧電抵抗性の検出領域、特に当該デバイスに対して移動する他のデバイスに対する当該デバイスの位置の変化を検出するための検出領域を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記成形部品は、トライボポリマーを含み、特に、ベースポリマー及び固体潤滑剤並びに好ましくは強化繊維及び/又はフィラーを含むトライボポリマーから予め製造される、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス、特に請求項2に記載のガイド用部品。
【請求項16】
エネルギーチェーンのガイドトラフのための、長手方向に長細い本体及び前記長手方向に垂直な開放断面を有する滑動レールであり、特に傾斜プロファイルとして構成された請求項2に記載のガイド用部品。
【請求項17】
前記滑動レールは請求項3、4又は6から15に記載の構成の1つを備え、及び/又は前記ガイド用部品は該ガイド用部品の長手方向に相互から離間された複数の機能回路を備える、請求項16に記載の滑動レール。
【請求項18】
ガイドトラフ(3)に装着するための装着領域(410)を備え、該装着領域(410)は前記ガイドトラフのサイド部分に装着するためのプロファイル要素(411)を備える、請求項17に記載の滑動レール。
【請求項19】
2面の広面(211、212;311、312)及び4面の狭面(213、214、215、216;313、314、315、316)を有し、前記狭面の少なくとも1面(216、316)は滑動レール(14)又は他のチェーンリンクプレート(11;21;31)の狭面(216;316)上を滑動するために構成され、並びに/又は前記広面の少なくとも1面(211、212;311、312)は、連続するチェーンリンクプレート(11;21;31)の間の仮想旋回軸を各々が有する関節状ジョイントを構成するように少なくとも1つのピン(218;318)及び/若しくは少なくとも1つの対応するレセプタクル(220;320)を備え、
前記機能回路(24;34)が、前記少なくとも1つのピン(218;318)及び/若しくは前記少なくとも1つのレセプタクル(220;320)並びに/又は前記狭面の少なくとも1面(216;316)上に付着又は印刷された、請求項1又は3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)。
【請求項20】
相互に対して可動な2つの接続点(6、7)の間の供給ライン(9)の動的ガイドのための、特に長い移動経路のための、エネルギーチェーン(2)を有するシステム(1)であって、
前記エネルギーチェーン(2)は請求項1若しくは3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)を少なくとも1枚備え、及び/又は前記システム(1)は請求項2から4若しくは6から18のいずれか一項に記載のガイド用部品(14)を少なくとも1つ有するエネルギーチェーン(2)のためのガイドトラフ(3)を備え、前記システム(1)は前記機能回路(24;34;44)への信号用接続、特に解放可能な接続、を有する評価回路をさらに備える、システム(1)。
【請求項21】
特には前記機能回路(24;34;44)との前記評価回路の解放可能な接続のためのスプリング接触ピンを有する、前記評価回路に接続される接触デバイスを備える請求項20に記載のシステム(1)。
【請求項22】
前記評価回路は、前記機能回路(24;34;44)の補助によって少なくとも1つの動作パラメータを評価し、評価結果を上位の監視システムに送信するように設定された通信モジュールを含む、請求項20又は21のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項23】
相互に対して可動な2つの接続点(6、7)の間の供給ライン(9)の動的ガイドのための、特に長い移動経路のための、ラインガイド用システム(1)における請求項1若しくは3から15のいずれか一項に記載のチェーンリンクプレート(11;21;31)及び/又は請求項2から4若しくは6から18のいずれか一項に記載のガイド用部品(14)の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
特許文献2(図9A~9B)では、出願人は、例えば、後に閉じられるチェーンリンクプレート上の凹部における、摩耗検出のための電気回路、すなわち、検出器要素付きの無線回路を有する別個のモジュールの付着を記載する。ここでも、生産は比較的複雑であり、モジュールのための適宜のレセプタクルが必要となる。
特許文献4は、摩耗層の摩耗に応じて信号を出力して摩耗限度にいつ達したかを特定する一体化摩耗検出器ユニットを有するチェーンリンクを記載する。特許文献5は、摺動サポートの検出要素とエネルギーガイドチェーンのセンサとの間の摩耗層の摩耗が検出要素とセンサとの間の距離を測定することによって特定されるデバイスに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
エネルギーチェーンのチェーンリンクのための他のセンサが、特許文献3及び特許文献6に提案されている。ここでも、生産工程への簡素化された安価な統合が望ましい。したがって、本発明の第1の課題は、エネルギーチェーン、特にチェーンリンクのチェーンリンクプレート又はガイドトラフの滑動レールにおいて又はそれとともに使用される部品であって、動作パラメータをセンシングするための機能電気回路が装備され、コスト効率良くかつ確実に量産可能でもある部品を提案することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1521015号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/129805号
【特許文献3】国際公開第2019/201482号
【特許文献4】独国実用新案第202018100339号明細書
【特許文献5】独国実用新案第202019104826号明細書
【特許文献6】独国実用新案第202018101842号明細書
【国際調査報告】