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特表2023-514668パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、およびパネルの積層多層構造における追加層の使用
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  • 特表-パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、およびパネルの積層多層構造における追加層の使用 図1
  • 特表-パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、およびパネルの積層多層構造における追加層の使用 図2
  • 特表-パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、およびパネルの積層多層構造における追加層の使用 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル、およびパネルの積層多層構造における追加層の使用
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20230331BHJP
   E04F 15/10 20060101ALI20230331BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
E04F15/02 A
E04F15/02 E
E04F15/10 104A
E04F15/10 104F
E04F13/08 A
E04F13/08 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022542093
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 IB2021050165
(87)【国際公開番号】W WO2021140493
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】2024632
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521446624
【氏名又は名称】ノーザン ビルディング ソリューションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NORTHANN BUILDING SOLUTIONS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】リ,リン
【テーマコード(参考)】
2E110
2E220
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110AB03
2E110AB04
2E110AB05
2E110BA05
2E110BA12
2E110BB12
2E110BB23
2E110DA03
2E110DB03
2E110DB22
2E110DC06
2E110EA04
2E110GA04Z
2E110GA07Z
2E110GB52Z
2E110GB54Z
2E220AA33
2E220AA39
2E220AB12
2E220AB14
2E220BA04
2E220BB05
2E220BB12
2E220DA11
2E220DB03
2E220EA03
2E220FA02
2E220GA22X
2E220GA25X
2E220GB35X
2E220GB37X
(57)【要約】
パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって、コア層、コア層の上の化粧層、化粧層の上の透明なトップ層、および化粧層とトップ層との間に位置する中間層、を備える積層多層構造を有し、中間層が透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から実質的に作製されている、パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネル。パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルの積層多層構造における追加層の使用であって、追加層が好ましくは透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から実質的に作製されている、使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって、
- コア層、
- 前記コア層の上の化粧層、
- 前記化粧層の上の透明なトップ層、および
- 前記化粧層と前記トップ層との間に位置する中間層、
を備える積層多層構造を有し、
前記中間層が透明であり、実質的に、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から作製されているパネル。
【請求項2】
前記積層多層構造の各層が、直接的または間接的に、互いに接着されている、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記ポリウレタン組成物が熱硬化性ポリマー材料であり、好ましくは、架橋ポリマーである、請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
前記ポリエステルポリオールが、500~20,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数5~8個の直鎖状モノマーを有するポリエステルポリオールを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項5】
前記ポリエーテルポリオールが、400~10,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数2~5個の分岐状モノマーを有するポリエーテルポリオールを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項6】
前記イソシアネートが、ジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネート、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアネートである、請求項1から5のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記保護材料が、5~50重量%の反応後のポリエステルポリオールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記保護材料が、10~40重量%の反応後のポリエーテルポリオールを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記保護材料が、5~20重量%の反応後のイソシアネートを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項10】
前記保護材料が、添加剤として充填材、例えばマイクロファイバーおよび/またはアルミナを、好ましくは前記保護材料に対して0.2~5重量%の範囲で含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項11】
前記中間層が前記化粧層および/または前記トップ層に直接接着されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項12】
前記トップ層の上面がレリーフでエンボス加工されており、前記レリーフが、好ましくは化粧層の装飾用画像に対応する、請求項1から11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項13】
前記中間層が、20~80g/m2の坪量を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項14】
前記中間層が無色である、請求項1から13のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項15】
前記中間層が、4%、3%、2%またはそれ以下の、比較的低い反射率を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項16】
第1の連結形状を備える第1のパネル端部と、好ましくは前記第1のパネル端部の反対側にあり、隣接するパネルの前記第1の連結形状と水平方向および垂直方向の両方において嵌合することによって係合するように設計されている、第2の連結形状を備える第2のパネル端部とを備え、好ましくは、2枚のパネルが下降運動によって互いに連結され得るように、前記第1の連結形状および前記第2の連結形状が構成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項17】
第3のパネル端部および第4のパネル端部にそれぞれ位置する、少なくとも1つの第3の連結形状ならびに少なくとも1つの第4の連結形状を備え、
前記第3の連結形状が、
- コアの上面と実質的に平行な方向に延びる横向き舌片部、
- 前記横向き舌片部から離れて位置する、少なくとも1つの第2の下向きフランク、および
- 前記横向き舌片部と、前記第2の下向きフランクとの間に形成された第2の下向き溝部
を備え、
前記第4の連結形状が、
- 隣接するパネルの前記第3の連結形状の前記横向き舌片部の少なくとも一部に適合するように構成された第3の溝部を備え、前記第3の溝部は、上方縁および下方縁によって規定され、前記下方縁は、上向きロック要素が設けられ、
前記第3の連結形状および前記第4の連結形状は、前記2枚のパネルが回転運動によって互いに連結され得るように構成され、連結状態において、前記第1のパネルの前記横向き舌片部の少なくとも一部が、隣接する、前記第2のパネルの前記第3の溝部に挿入され、前記第2のパネルの上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1のパネルの前記第2の下向き溝部に挿入されている、請求項1から16のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項18】
前記パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルの積層多層構造における追加層の使用であって、前記追加層が好ましくは透明であり、実質的にポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から作製されている、使用。
【請求項19】
前記ポリウレタン組成物が熱硬化性ポリマー材料であり、好ましくは、架橋ポリマーである、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記パネルの積層多層構造が、
- コア層、
- 前記コア層の上の化粧層、
- 前記化粧層の上の透明なトップ層、
を備え、
前記追加層が、前記化粧層と前記トップ層との間に位置する中間層として適用されている、請求項18または19に記載の使用。
【請求項21】
請求項2から17のいずれか一項に記載のパネルにおける、請求項20に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様による本発明は、パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルに関する。第2の態様において、本発明は、パネルの積層多層構造における追加層の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
建築分野では、積層多層構造に基づくパネルの使用が一般に知られている。それらは、床、壁、天井などの表面を覆うために高い汎用性があることが判明している。特に、積層多層構造であって、
- コア層、
- コア層の上の化粧層、
- 化粧層の上の透明なトップ層、
を備える、積層多層構造を使用することは魅力的である。
【0003】
近年の発展により、多層構造が形成されると、そのようなパネルのトップ層の上面に、エンボス加工と呼ばれる特定の修飾を施すようになっている。エンボス加工では、トップ層の上面に、木製パネルから知覚されるような自然な上面を模倣したレリーフが設けられる。エンボス加工の特殊な方法として、化粧層に対応するレリーフ、例えば木目模様のある木製パネル表面の装飾用画像に対応するレリーフを設ける、見当合わせエンボス加工(embossing in register)がある。
【0004】
そのようなパネルの製造において、トップ層のエンボス加工は、トップ層のコンプレッション、ミリング、化学エッチングなどのいくつかの技法で実行することができる。レリーフが上面にエンボス加工された後、エンボス加工された表面を細かく研削または研磨するなどのさらなる仕上げステップが必要になる場合がある。
【0005】
パネルのトップ層のエンボス加工および/または仕上げの間、下にある化粧層の完全性または外観が悪影響を受け、損傷を受けることさえあることが判明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上で定義したような積層多層パネルの製造において、トップ層のエンボス加工および仕上げステップにより、下にある化粧層の完全性または外観が変化し得ることを防止するのを、さらに確実にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって
- コア層、
- 前記コア層の上の化粧層、
- 前記化粧層の上の透明なトップ層、および
- 前記化粧層と前記トップ層との間に位置する中間層、
を備える積層多層構造を有し、
前記中間層が透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から実質的に作製されている、パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルを提供することによって上記目的を達成する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記中間層の特定の保護材料は、パネルのトップ層のエンボス加工および仕上げの間における任意の摩耗または圧痕に対して化粧層を保護するために、十分に高い硬度を有することが見出された。
【0009】
本発明のパネルとの関係において、用語「上」および「上部」は、パネルが床などに施工されると、パネルが向く方向に関する。用語「実質的に」は、中間層の少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは100重量%が、保護材料から作製されていることを包含する。
【0010】
前記化粧層は、パネルが床パネル、天井パネル、または壁パネルとして使用されるときに見える化粧層の上面に(印刷された)装飾用画像を含有してもよい。前記中間層は、前記中間層が装飾用画像の視認性に影響を与えないように、十分な透明品質のものである。
【0011】
本発明のパネルでは、前記積層多層構造の各層が、直接的または間接的に、互いに接着されていることが典型的である。
【0012】
好ましくは、本発明のパネルの前記ポリウレタン組成物は、熱硬化性ポリマー材料であり、特に、前記ポリウレタン組成物は、架橋ポリマーである。
【0013】
熱硬化性ポリマー材料は、当技術分野において、ホットメルト接着剤としても知られており、熱硬化は通常100~160℃の熱軌道(heat trajectory)にわたって起こる。
【0014】
パネルの製造時、前記中間層は、パネルの隣接する層にしっかりと接着させるために、ホットメルト状態で塗布され得る。
【0015】
本発明のパネルにおいて、前記ポリエステルポリオールは、好ましくは500~20,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数5~8個の直鎖状モノマーを有するポリエステルポリオールを含む。
【0016】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えばヘキサンジオールをアジピン酸と反応させて形成されたポリエステルなどのポリエステルグリコールを挙げることができる。
【0017】
本発明のパネルにおいてさらに、前記ポリエーテルポリオールは、好ましくは400~10,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数2~5個の分岐状モノマーを有するポリエーテルポリオールを含む。
【0018】
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルグリコールを挙げることができる。
【0019】
本発明のパネルでは、前記イソシアネートがジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネート、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアネートであることが特に好ましい。
【0020】
前記保護材料に関しては、次の好ましい重量パーセントが適用される:
- 前記保護材料は、5~50重量%の反応後のポリエステルポリオールを含有する;
- 前記保護材料は、10~40重量%の反応後のポリエーテルポリオールを含有する;
- 前記保護材料は、5~20重量%の反応後のイソシアネートを含有する。
【0021】
前記保護材料が、添加剤として充填材、例えばマイクロファイバーおよび/またはアルミナを、好ましくは保護材料に対して0.2~5重量%の範囲で含むことがさらに好ましい。
【0022】
この種類の充填材は、要求される保護材料の硬度にさらに寄与し、それによって、保護材料の耐磨耗性が向上する。
【0023】
本発明のパネルでは、前記中間層が化粧層および/またはトップ層に直接接着されていることが好ましい。
【0024】
そのようにして、要求される化粧層に視認性を最も好都合に達成することができる。
【0025】
本発明のパネルとの関係において、前記トップ層の上面がレリーフでエンボス加工されていることが好ましく、前記レリーフは、好ましくは前記化粧層の装飾用画像に対応する。
【0026】
本発明のパネルでは、前記中間層が20~80g/m2の坪量を有することがさらに好ましい。
【0027】
そのような坪量により、前記化粧層の最適な保護、ならびに前記化粧層の最適な視認性が達成されるような範囲に前記中間層の厚さが決定される。
【0028】
本発明のパネルでは、前記中間層が無色であることが有利である。そのようにして、前記化粧層の外観は、パネルの上面におけるいかなる色相によっても変化しない。
【0029】
本発明のパネルでは、前記中間層が、4%、3%、2%またはそれ以下の、比較的低い反射率を有することが好ましい。
【0030】
そのような中間層は、ガラスと同等、またはガラスよりも低くさえあり得る反射率値を有する。当分野において、反射率値は、材料の反射係数とも呼ばれる。
【0031】
前記中間層のそのような反射率値により、少量の光のみが反射されるのに対し、透過光量が比較的多いため、下にある化粧層の最適な視認性が達成される。
【0032】
本発明との関係において、前記中間層が比較的低い屈折率、好ましくは1.0~1.3の間の屈折率を有することがさらに好ましい。
【0033】
本発明のパネルのさらなる好ましい特徴としては、以下が挙げられる:
・パネルは、コア層の下面に接着された支持層を含む;
・パネルの厚さは3~10mmの間である;
・パネルは平らであり、4つの側端部を備える矩形の輪郭を有する。
【0034】
さらなる好ましい実施形態において、本発明のパネルは、第1の連結形状を備える第1のパネル端部と、好ましくは前記第1のパネル端部の反対側にあり、隣接するパネルの前記第1の連結形状と水平方向および垂直方向の両方において嵌合することによって係合するように設計されている、第2の連結形状を備える第2のパネル端部とを備え、好ましくは、そのような2枚のパネルが下降運動によって互いに連結され得るように、前記第1の連結形状および前記第2の連結形状が構成されている。
【0035】
そのようなパネルにより、相互に連接された多数のパネルで平面を適切に被覆することが可能になり、その結果、全体として堅牢なパネルの被覆が達成される。
【0036】
上記第1の連結形状および第2の連結形状に加えて、または代替的に、パネルは、第3のパネル端部および第4のパネル端部にそれぞれ位置する、少なくとも1つの第3の連結形状ならびに少なくとも1つの第4の連結形状をさらに備えてもよく、前記第3の連結形状は、
- コアの上面と実質的に平行な方向に延びる横向き舌片部、
- 横向き舌片部から離れて位置する、少なくとも1つの第2の下向きフランク、および
- 横向き舌片部と、第2の下向きフランクとの間に形成された第2の下向き溝部
を備え、
前記第4の連結形状は、
- 隣接するパネルの第3の連結形状における横向き舌片部の少なくとも一部に適合するように構成された第3の溝部を備え、前記第3の溝部は、上方縁および下方縁によって規定され、前記下方縁は、上向きロック要素が設けられ、
前記第3の連結形状および前記第4の連結形状は、前記2枚のパネルが回転運動によって互いに連結され得るように構成され、連結状態において、前記第1のパネルの前記横向き舌片部の少なくとも一部が、隣接する、前記第2のパネルの前記第3の溝部に挿入され、前記第2のパネルの上向きロック要素の少なくとも一部が、前記第1のパネルの前記第2の下向き溝部に挿入されている。
【0037】
第2の態様において、本発明は、パネル、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルの積層多層構造における追加層の使用であって、
前記追加層が好ましくは透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から実質的に作製されている、使用に関する。
【0038】
そのような追加層の使用により、パネル製造中に、例えばパネルのトップ層でのレリーフのエンボス加工中に行われる、任意の高衝撃技術へのパネルの積層構造を保護する保護層が形成される。
【0039】
本発明による前記追加層の使用において、ポリウレタン組成物は熱硬化性ポリマー材料であることが好ましく、ポリウレタン組成物は、好ましくは架橋ポリマーである。
【0040】
そのような好ましい種類のポリウレタン組成物は、追加層の意図された機能のために好適な硬度、すなわち、パネル製造中の任意の摩耗または圧痕に対して積層多層構造を保護するために、十分に高い硬度を有する。
【0041】
一般に、本発明による使用は、パネルおよび各追加層に関する好ましい特徴を含むことができ、該特徴は、本発明の第1の態様によるパネルおよび各中間層の観点から既に上述した好ましい特徴に対応する。
【0042】
特に、本発明による追加層の使用において、パネルの積層多層構造が、
- コア層、
- 前記コア層の上の化粧層、
- 前記化粧層の上の透明なトップ層、
を備え、
前記追加層が、前記化粧層と前記トップ層との間に位置する中間層として適用されることが好ましい。
【0043】
既に上で説明したように、そのような中間層は、パネル製造中の任意の摩耗または圧痕に対して化粧層を保護するのに最も効果的である。
【0044】
一般に、本発明の第2の態様による追加層の使用は、本発明の第1の態様によるパネルにおいて適用されることが好ましい。
【実施例
【0045】
本発明は、添付の図に示す詳細な好ましい実施形態によって、さらに明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明のパネルの積層多層構造の断面を示す図である。
図2】本発明のパネルに好適な2種類の係合連結形状の断面を示す図である。
図3】本発明のパネルに好適な2種類の係合連結形状の断面を示す図である。
【0047】
図1には、互いに直接連接された複数の層から構成されるパネル100の積層多層構造の断面が模式的に示されている。これらの層は、支持層101、コア層102、装飾用画像が設けられた化粧層103、中間層104およびエンボス加工されたトップ層105を含む。エンボス加工されたトップ層は、トップ層の上面に、化粧層105から上向きの装飾用画像の模様に対応するレリーフが形成されるように、凹部106および凸部107を含有する。中間層104は、本発明による保護材料から形成され、無色透明である。
【0048】
図2および図3は、本発明による2枚の相互に連接しているパネル400A、400Bの、それぞれ2種類の係合連結形状401A、401B、係合連結形状402A、402Bを示す。パネル400Aおよび400Bは、エンボス加工されたトップ層410を備える。全体として、各パネルは、図1に従う積層多層構造を有する(ただし、図2および図3ではさらに詳細に示されていない)。
【0049】
図2は、パネル400Aおよび400Bであって、第1の連結形状401Aを備える第1のパネル端部440Aと、第1のパネル端部440Aの反対側にあり、隣接するパネルの前記第1の連結形状401Aと水平方向および垂直方向の両方において嵌合することによって係合するように設計されている、第2の連結形状401Bを備える第2のパネル端部440Bとをそれぞれ備え、そのような2枚のパネルが下降運動によって互いに連結され得るように、第1の連結形状401Aおよび第2の連結形状401Bが構成されている、パネル400Aおよび400Bを示す。
【0050】
図3は、パネル400Aおよび400Bであって、第3のパネル端部441Aおよび第4のパネル端部441Bにそれぞれ位置する第3の連結形状402Aおよび第4の連結形状402Bをそれぞれ備える、パネル400Aおよび400Bを示す。第3の連結形状402Aおよび第4の連結形状402Bは、2枚のパネル440A、440Bが回転運動によって互いに連結され得るように構成され、連結状態において、第1のパネルの横向き舌片部404Bの少なくとも一部が、隣接する、第2のパネルの溝部404Aに挿入され、前記第2のパネルにおける上向きロック要素406Aの少なくとも一部が、前記第1のパネルの第2の下向き溝部406Bに挿入されている。
【0051】
本発明は、上記に示し、説明した実施例に限定されるものではなく、当業者には明らかである、添付の特許請求の範囲内において多数の変形が可能であることに留意されたい。
【0052】
本明細書で使用される動詞「comprise」およびその活用形は、「備える」のみならず、「含む」、「から実質的になる」、「により形成される」という表現およびその活用形も意味するものと理解される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(100)、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルであって、
- コア層(102)
- 前記コア層の上の化粧層(103)
- 前記化粧層の上の透明なトップ層(105)、および
- 前記化粧層と前記トップ層との間に位置する中間層(104)
を備える積層多層構造を有し、
前記中間層(104)が透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から作製されており、前記ポリウレタン組成物が熱硬化性ポリマー材料である、
パネル(100)
【請求項2】
前記積層多層構造の各層が、直接的または間接的に、互いに接着されている、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記ポリウレタン組成物が架橋ポリマーである、請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
前記ポリエステルポリオールが、500~20,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数5~8個の直鎖状モノマーを有するポリエステルポリオールを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項5】
前記ポリエーテルポリオールが、400~10,000の範囲の重量平均モル質量Mwを有し、好ましくは炭素原子数2~5個の分岐状モノマーを有するポリエーテルポリオールを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項6】
前記イソシアネートが、ジイソシアネートおよび/またはトリイソシアネート、好ましくはメチレンジフェニルジイソシアネートである、請求項1から5のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項7】
前記保護材料が、5~50重量%の反応後のポリエステルポリオールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項8】
前記保護材料が、10~40重量%の反応後のポリエーテルポリオールを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記保護材料が、5~20重量%の反応後のイソシアネートを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項10】
前記保護材料が、添加剤として充填材、例えばマイクロファイバーおよび/またはアルミナを、好ましくは前記保護材料に対して0.2~5重量%の範囲で含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項11】
前記中間層(104)が前記化粧層および/または前記トップ層に直接接着されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項12】
前記トップ層(105)の上面がレリーフ(106、107)でエンボス加工されており、前記レリーフが、好ましくは化粧層(103)の装飾用画像に対応する、請求項1から11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項13】
前記中間層(104)が、20~80g/m2の坪量を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項14】
前記中間層(104)が無色である、請求項1から13のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項15】
前記中間層(104)が、4%、3%、2%またはそれ以下の、比較的低い反射率を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項16】
第1の連結形状(401A)を備える第1のパネル端部(440A)と、好ましくは前記第1のパネル端部の反対側にあり、隣接するパネルの前記第1の連結形状(401A)と水平方向および垂直方向の両方において嵌合することによって係合するように設計されている、第2の連結形状(401B)を備える第2のパネル端部(440B)とを備え、好ましくは、前記2枚のパネル(400A、400B)が下降運動によって互いに連結され得るように、前記第1の連結形状(401A)および前記第2の連結形状(401B)が構成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項17】
第3のパネル端部(441A)および第4のパネル端部(441B)にそれぞれ位置する、少なくとも1つの第3の連結形状(402A)ならびに少なくとも1つの第4の連結形状(402B)を備え、
前記第3の連結形状(402A)が、
- コアの上面と実質的に平行な方向に延びる横向き舌片部、
- 前記横向き舌片部から離れて位置する、少なくとも1つの第2の下向きフランク、および
- 前記横向き舌片部と、前記第2の下向きフランクとの間に形成された第2の下向き溝部
を備え、
前記第4の連結形状(402B)が、
- 隣接するパネルの前記第3の連結形状の前記横向き舌片部の少なくとも一部に適合するように構成された第3の溝部を備え、前記第3の溝部は、上方縁および下方縁によって規定され、前記下方縁は、上向きロック要素が設けられ、
前記第3の連結形状(402A)および前記第4の連結形状(402B)は、前記2枚のパネル(400A、400B)が回転運動によって互いに連結され得るように構成され、連結状態において、前記第1のパネル(400B)の前記横向き舌片部(404B)の少なくとも一部が、隣接する、前記第2のパネル(400A)の前記第3の溝部(404A)に挿入され、前記第2のパネル(400A)の上向きロック要素(406A)の少なくとも一部が、前記第1のパネル(400B)の前記第2の下向き溝部(406B)に挿入されている、請求項1から16のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項18】
前記パネル(100)、特に床パネル、天井パネルまたは壁パネルの積層多層構造における追加層(104)の使用であって、前記追加層(104)が透明であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびイソシアネートの反応生成物であるポリウレタン組成物を含む保護材料から作製されており、前記ポリウレタン組成物が熱硬化ポリマー材料である、使用。
【請求項19】
前記ポリウレタン組成物が架橋ポリマーである、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記パネル(100)の積層多層構造が、
- コア層(102)
- 前記コア層の上の化粧層(103)
- 前記化粧層の上の透明なトップ層(105)
を備え、
前記追加層(104)が、前記化粧層(103)と前記トップ層(105)との間に位置する中間層(104)として適用されている、請求項18または19に記載の使用。
【請求項21】
請求項2から17のいずれか一項に記載のパネルにおける、請求項20に記載の使用。
【国際調査報告】