(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ガスの流れから種を収集するためのシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
B03C 3/40 20060101AFI20230331BHJP
B03C 3/41 20060101ALI20230331BHJP
B03C 3/47 20060101ALI20230331BHJP
B03C 3/68 20060101ALI20230331BHJP
B03C 3/36 20060101ALI20230331BHJP
B03C 3/49 20060101ALI20230331BHJP
B03C 3/45 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
B03C3/40 A
B03C3/41 A
B03C3/47
B03C3/68 Z
B03C3/36 A
B03C3/49
B03C3/45 C
B03C3/45 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542694
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020040352
(87)【国際公開番号】W WO2021173178
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522012765
【氏名又は名称】インフィニット クーリング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダマック, マヘル
(72)【発明者】
【氏名】カリル, カリム
(72)【発明者】
【氏名】ブラーズ, カール フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラナシ, クリパ
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA09
4D054AA20
4D054BA01
4D054BB02
4D054BB26
4D054BC03
4D054BC05
4D054BC06
4D054BC07
4D054BC08
4D054BC31
4D054BC34
4D054CA18
4D054EA16
(57)【要約】
種収集システムの例は、複数の離間した導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエミッタ電極が、隣接するコレクタの間に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエミッタ電極は、(例えば、少なくとも1つの次元で)コレクタを超えて延びる。コレクタは、出口からのガス流の方向に整列され、ガス流への干渉を最小限に抑えながら収集を容易とし得る。異なるエミッタ電極は、異なる電圧に維持され得る。いくつかの実施形態では、コレクタはコレクタフレームに取り付けられ、エミッタ電極は、コレクタフレームから電気的に絶縁されたエミッタフレーム(複数可)に取り付けられる。コレクタはガス出口にまたがることができ、エミッタフレーム(複数可)はコレクタの外側(例えば、ガス出口の外周部外側)に配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流れ(例えば、冷却塔からの排気)から種(例えば、水)を収集するためのシステムであって、
離間された複数の導電性コレクタと
複数のエミッタ電極と、を備え、
前記複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、前記複数の導電性コレクタのうちの2つの間に配置される、前記システム。
【請求項2】
前記複数の導電性コレクタにおける隣接するコレクタの対のそれぞれについて、前記複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、前記隣接するコレクタの間に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、2つのエミッタ電極を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記2つのエミッタ電極は、前記複数の導電性コレクタが離間している方向とは垂直な方向に離間している、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記2つのエミッタ電極のうちの一方が第1の電圧に維持され、前記2つのエミッタ電極のうちの他方が第2の電圧に維持され、
前記第1の電圧が前記第2の電圧よりも高い、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記2つのエミッタ電極のうちの前記一方が、前記2つのエミッタ電極のうちの前記他方よりもガス出口に近い、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の電圧は、(例えば、コロナ放電を介して)ガスの流れの中にイオンを生成するのに十分であり、前記第2の電圧は、前記ガス流中にイオンを生成するのに不十分である、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つは、前記複数の導電性コレクタ内の隣接するコレクタの対の間に配置され、
前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つエミッタ電極の隣接するエミッタ電極との間のエミッタ離隔距離は、前記隣接するコレクタ間のコレクタ離隔距離の4分の1から5倍である、請求項3~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記2つのエミッタ電極は、2つの同一でないエミッタ電極である、請求項3~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記2つの同一でないエミッタ電極は、第1のワイヤと、前記第1のワイヤよりも曲率半径が小さい第2のワイヤとを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エミッタ電極が、前記コレクタを超えて、少なくとも1次元(例えば、1次元のみ)に延びる、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の導電性コレクタにおける2つの隣接するコレクタの少なくとも1つの対に対して、導電性プレートと、前記複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つとが前記2つの隣接するコレクタの間に配置され、
前記導電性プレートは、前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つから横方向に分離されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記導電性プレートと、前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つは、共通の平面内にあり、前記共通の平面に平行である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記プレートが、前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つよりもガス出口から離れて配置されている、請求項12又は請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プレートがある電圧(例えば、前記複数のエミッタ電極のうちの前記少なくとも1つが維持される電圧よりも低い電圧)に維持される、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
コレクタフレーム及び第1のエミッタフレームを含み、前記導電性コレクタは前記コレクタフレームに取り付けられ、前記複数のエミッタ電極は前記第1のエミッタフレームに取り付けられ、
前記コレクタフレームは、前記第1のエミッタフレームから電気的に絶縁されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のエミッタフレームは、1つ以上の導電性の細長いエミッタ接続部材(例えば、1つ以上の金属棒)を含み、
前記複数のエミッタ電極のそれぞれは、前記1つ以上のエミッタ接続部材の少なくとも1つに取り付けられている(例えば、少なくとも部分的に巻き付けられている)、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
1つ以上の導電性の細長いエミッタ接続部材(例えば、1つ以上の金属棒)を含む第2のエミッタフレームを含み、
前記複数のエミッタ電極のそれぞれはまた、前記コレクタの反対側に配置されている、前記1つ以上のエミッタ接続部材及び前記第2のエミッタフレーム及び前記第1のエミッタフレームのうちの少なくとも1つに取り付けられている(例えば、また、少なくとも部分的に巻き付けられている)、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のエミッタ接続部材は、空間的に(例えば、均等に)(例えば、ガス出口からのガス流の方向に沿って)分離され、相互に平行である複数のエミッタ接続部材である、請求項17又は請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1つ以上のエミッタ接続部材は、前記導電性コレクタのそれぞれの表面に垂直である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれについて、前記エミッタ接続部材に取り付けられた前記複数のエミッタ電極のそれぞれは、(例えば、単一電圧に)(例えば、前記エミッタ接続部材を介して)共通に電気接続されている、請求項17~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれについて、前記複数のエミッタ電極のサブセット(例えば、全部又は一部のみ)が前記エミッタ接続部材に取り付けられ、
前記サブセットのうちの異なるエミッタ電極が、前記複数の導電性コレクタの異なる隣接する対の間に配置されている、請求項17~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれに取り付けられた前記複数のエミッタ電極のそれぞれが、前記1つ以上のエミッタ接続部材の前記それぞれに沿って等間隔(例えば、5%以内)に離間されている、請求項17~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記1つ以上のエミッタ接続部材は複数のエミッタ接続部材であり、
前記複数のエミッタ電極のそれぞれが、前記複数のエミッタ接続部材のうちの少なくとも2つに取り付けられている(例えば、少なくとも部分的に巻き付けられている)、請求項17~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のエミッタフレームを前記コレクタフレームに取り付け、前記コレクタフレームを前記第1のエミッタフレームから電気的に絶縁する1つ以上の電気的絶縁部材(及び、例えば、前記第2のエミッタフレームを前記コレクタフレームに取り付け、前記第2のエミッタフレームを前記コレクタフレームから電気的に絶縁する1つ以上の電気的絶縁部材)を含む、請求項16~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記1つ以上の電気的絶縁部材のそれぞれが、それぞれのハウジング内に封入されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記1つ以上のエミッタ接続部材がそれぞれのハウジング内に延びる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記それぞれのハウジングが、導電性材料(例えば、金属)又は電気的絶縁性材料(例えば、ガラス繊維又はガロライト)を含む、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
前記1つ以上の電気的絶縁部材がそれぞれのケーシング内に配置されている(例えば、それにより、前記1つ以上の電気的絶縁部材を環境的に密封する)、請求項25~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1のエミッタフレーム(かつ、例えば、前記第1のエミッタフレームを前記コレクタフレームに取り付ける前記1つ以上の電気的絶縁部材)が、ガス出口の外周部外側に配置されている[かつ、例えば、前記第2のエミッタフレーム(及び、例えば、前記第2のエミッタフレームを前記コレクタフレームに取り付ける前記1つ以上の電気的絶縁部材)が前記ガス出口の前記外周部前記外側に配置されている]、請求項15~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記複数の導電性コレクタは少なくとも部分的に(例えば、ガス出口の外周部の周りが)(例えば、1つ以上のパネルからなる)シールドによって囲まれている、(例えば、前記複数の導電性コレクタが取り付けられている前記フレームは少なくとも前記シールドにより部分的に囲まれる、)(例えば、前記シールドはガス流方向に沿って開いており、それ以外は囲まれている、)請求項1~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記複数の導電性コレクタが相互に平行である(例えば、10度以内)、請求項1~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
隣接する前記複数の導電性コレクタ間の間隔のばらつきが10%以下(例えば、5%以下、3%以下、又は1%以下)である、請求項1~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数の導電性コレクタにおける隣接するコレクタ間の離隔距離が1インチから3フィート(例えば、2インチから2フィート)である、請求項1~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
フレームを含み、
前記複数の導電性コレクタが前記フレームに取り付けられている、請求項1~34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数のエミッタ電極が前記フレームに(例えば、1つ以上の電気的絶縁部材によって)取り付けられている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記導電性コレクタが、1つ以上の張力ケーブルによって張力をかけて保持されるメッシュである、請求項1~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記1つ以上の張力ケーブルが、(例えば、1つ以上の剛性エッジを含む)剛性フレームに取り付けられている、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記導電性コレクタのそれぞれが1つ以上のエッジに取り付けられ、
前記導電性コレクタが張力をかけて保持されるように、前記1つ以上のエッジが(例えば、1つ以上のばねによって)張力をかけて保持される、請求項1~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記複数の導電性コレクタのそれぞれの内部部分に取り付けられた1つ以上のそれぞれの剛性化部材(例えば、ロッド)を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
(例えば、1つ以上の剛性エッジを含む)剛性フレームを含み、前記導電性コレクタが前記剛性フレームに(例えば、前記導電性コレクタの周囲で)取り付けられている、請求項1~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数の導電性コレクタのうちの1つのエッジに配置された(、例えば、前記複数の導電性コレクタのうちの少なくともいくつかに共通の樋、又は前記複数の導電性コレクタのうちの前記1つのみのための個別の樋である)(、例えば、下向きに傾斜している)樋を含む、請求項1~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数の導電性コレクタのうちの1つの前記エッジが、前記樋内に配置されている(、例えば、前記樋が前記複数の導電性コレクタのうちの1つの対向する2つの表面に取り付けられている)、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記樋は(例えば、収集された流体を前記樋内に向けるための)1つ以上の収集翼を含む、請求項42又は請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記樋は、前記複数の導電性コレクタのうちの1つから流体が排出され得る(、例えば、円形又は長方形の断面を有する)管状部材を含む、請求項42~44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
前記樋は収集導管と流体連絡している、請求項42~45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
可動ステージを備え、
前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極が前記可動ステージに(例えば、直接的又は間接的に)取り付けられ、前記可動ステージは前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極を移動させるように動作可能である、請求項1~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記可動ステージが、前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極のうちの異なるものを独立して移動させるように(、例えば、異なるフレームに取り付けられたそれらのサブセットを独立して移動するように)動作可能である、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記複数の導電性コレクタと前記複数のエミッタ電極とが固定された相対位置に留まっている間に、前記可動ステージが移動する動作が可能である、請求項47又は請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記可動ステージは、前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極をガス出口に対して垂直に移動させるように動作可能である、請求項47~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極が、[例えば、ガス出口からのガス流の方向に平行(例えば、10度以内)でありつつ、]湾曲した(例えば、半球形)又はピラミッド状の構成に配置される、請求項1~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記システムがガス出口(例えば、冷却塔出口)上、内部、又は上方に配置されている、請求項1~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極が、前記ガス出口の少なくとも0.5m上に配置されている、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記複数の導電性コレクタ及び前記複数のエミッタ電極は、ガス出口からの距離が前記ガス出口の範囲(例えば直径など)の5倍を超えずに(例えば、3倍を超えずに)配置されている、請求項52又は請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記システムは前記ガス出口の近く(例えば、上又は内部)に配置され、前記複数が前記ガス出口[例えば、前記ガス出口(例えば、冷却塔の出口)を出る空気の最大含水量の表面]を出るガスの最大流体含有量の表面(例えば、平面)の近く(例えば、内部)(例えば、8m以内)に配置される、請求項52~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
複数の導電性コレクタが、ガス出口から出るガスの流れの方向に整列されている、請求項52~55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記複数の導電性コレクタが前記ガス出口に対して垂直(例えば、10度以内)である、請求項52~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記複数の導電性コレクタ内の隣接するコレクタの少なくとも1対について、前記複数のエミッタ電極の第1のエミッタ電極及び第2のエミッタ電極は、前記隣接するコレクタの間に配置され、
前記第1のエミッタ電極は、前記第2のエミッタ電極よりも前記ガス出口から離れて配置されている、請求項52~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1のエミッタ電極がワイヤであり、前記第2のエミッタ電極がより小さな直径のワイヤである、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記複数のエミッタ電極の少なくとも一部が、前記ガス出口からのガス流方向に対して水平又は垂直に向けられたワイヤである、請求項52~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記導電性コレクタはそれぞれ、前記ガス出口の幅にまたがる幅を有する、請求項52~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記導電性コレクタがそれぞれ、以下の式
【数3】
によるh
0から20h
0の範囲にあるインチでの高さを有する、請求項52~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記複数の導電性コレクタのそれぞれの、長さ対幅のアスペクト比が1より大きく、長さと幅のうち長い方がガス出口からのガス流方向と整列している、請求項52~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記複数のエミッタ電極が、丸形ワイヤ、角形ワイヤ、鋭いエッジを有するロッド、及び針のアレイのうちの1つ以上を含む、請求項1~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記複数のエミッタ電極が、張力をかけた(例えば、少なくとも0.5Nかつ20N以下の張力をかけた)ワイヤを含む、請求項1~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
前記複数のエミッタ電極のそれぞれが、チタン、タングステン、銅、鋼(例えば、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、又は軟鋼)、インコネルのうちの1つ以上を含む、請求項1~65のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項67】
前記複数の導電性コレクタのそれぞれが、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、軟鋼、アルミニウム、銅、チタン、及びインコネルのうちの1つ以上を含む、請求項1~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記複数の導電性コレクタのそれぞれが、(例えば、複数のワイヤを含む)メッシュ、又は(例えば、1つ以上の貫通穴を有し、かつ/又は波板である)プレートである、請求項1~67のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
前記複数の導電性コレクタのそれぞれが、平面状、円筒状、らせん状、又は円錐状である、請求項1~68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記システムは1つ以上の収集パネルを含み、前記1つ以上の収集パネルはそれぞれ、前記複数の導電性コレクタのうち少なくとも1つと、前記複数の導電性コレクタのうちの少なくとも1つに取り付けられ、かつ前記1つ以上の収集パネルから電気的に絶縁されている、前記複数のエミッタ電極のうち少なくとも1つを含む、請求項1~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記複数のエミッタ電極は前記複数の導電性コレクタから電気的に絶縁され(例えば、分離され)、前記複数の導電性コレクタは接地されている、請求項1~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記複数のエミッタ電極はある電圧に維持されており、前記複数のエミッタ電極のうちの少なくともいくつかの前記電圧は少なくとも1kVであり、任意選択で500kV以下[例えば、少なくとも5kV、少なくとも10kV、少なくとも15kV、少なくとも25kV、少なくとも50kV、少なくとも100kVの電圧)(かつ、例えば、250kV以下、100kV以下、又は50kV以下)]である、請求項1~71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
エミッタ電極と、
メッシュ導電性コレクタと
1つ以上の張力ケーブル(例えば、金属ケーブル)と、を含む種収集デバイスであって、
前記1つ以上の張力ケーブルが前記メッシュコレクタを通り、前記1つ以上の張力ケーブルが張力をかけてメッシュを保持する、前記種収集デバイス。
【請求項74】
前記エミッタ電極が、前記メッシュ導電性コレクタの1メートル以内に配置されている、請求項73に記載のデバイス。
【請求項75】
フレームを含み、
前記1つ以上の張力ケーブルが前記フレームに取り付けられている、請求項73又は請求項74に記載のデバイス。
【請求項76】
ガスの流れから種を収集するためのデバイスであって、
コレクタフレームに取り付けられた複数の導電性コレクタと、
エミッタフレームに取り付けられたエミッタ電極と、を備え、
前記エミッタフレームは前記コレクタフレームの外側に配置され、前記エミッタ電極は前記複数の導電性コレクタから電気的に絶縁されている、前記デバイス。
【請求項77】
ガスの流れから種を収集するための方法であって、
(例えば、種がエアロゾル化された、又は蒸気である)ガスの流れ内に分散された種(例えば、極性分子、例えば、水)を含む前記ガスの流れを、ある方向に流すことと、
前記種を帯電させることと、
電場を使用して導電性コレクタの表面の前記帯電した種を収集することと、を含み、
前記導電性コレクタは前記方向に整列している、前記方法。
【請求項78】
前記帯電した種を重力を介して樋の中に排出することを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
エミッタ電極が、(例えば、1つ以上の自由電荷を、例えばコロナ放電を介して前記ガス流の中に提供することによって)前記帯電を引き起こす、請求項77又は請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記エミッタ電極は、2つの隣接する前記導電性コレクタの間に配置されている、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
請求項1~76のいずれか一項に記載のシステムを提供することを含み、
前記システムが前記導電性コレクタ(及び、例えば、前記エミッタ電極)を含む、請求項77~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記電界が75~800kV/mの強度を有する(、かつ、例えば、前記エミッタ電極を使用して生成される)、請求項77~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記電界が、前記ガス流の前記方向に沿った距離の関数として空間的に変化する、請求項77~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記電界は前記ガス流の近位端において第1の強度を有し、前記ガス流の遠位端において、前記第1の強度とは異なる(例えば、前記ガス流の前記方向に沿って空間的に分離された異なるエミッタ電極に異なる電圧を印加することによって引き起こされる)第2の強度を有する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記ガスの流れが流れ出すガス出口の比較的近くに配置された第1のエミッタ電極に第1の電圧を印加することと、
前記ガス出口から比較的遠くに配置された第2のエミッタ電極に第2の電圧を印加することと、とを含み、
前記種を帯電させることと、
前記帯電された種を収集することとは、少なくとも部分的に、前記第1の電圧及び前記第2の電圧を印加することによって起きる、請求項77~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記第1の電圧は、前記第1のエミッタ電極に(例えば、前記ガスの流れの中でのコロナ放電を介して)イオンを生成させ、前記種を帯電させるのに十分であり、
前記第2の電圧は、イオンを生成させずに前記種をコレクタに向けて偏向させるのに十分である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
周囲の風をガス出口に向け、前記ガス出口の近くの空気中の水でプルームを形成することを含み、
前記種が前記プルーム内に分散される、請求項77~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
1つ以上の風よけを含む、請求項52~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項89】
前記1つ以上の風よけが、ガス出口の上方及び前記複数のエミッタ電極及び前記複数のコレクタの上部の下に配置される、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記1つ以上の風よけは、1つ以上のルーバー(例えば、地面に対して角度が付けられている)を含む、請求項88又は請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記1つ以上の風よけは、(例えば、前記ガス出口に対して同心円状に配置されている)1つ以上の湾曲した構造を含む、請求項88~90のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願
本出願は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/982,737号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、ガスの流れから種を収集するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
冷却塔は、水の流れを目的の温度に冷却するために使用される熱除去システムである。湿式冷却塔は蒸発冷却を使用し、空気の顕熱と蒸発潜熱の両方を介して熱伝達が行われる。冷却塔は水の喪失を伴い、それを補うために大量の水を使用する。水は主として蒸発で失われる。熱を排除するために水が蒸気に変換されると、生成された蒸気は周囲の空気に放出され、そこで永久に失われる。
【0004】
蒸気が塔を出るとき、特定の周囲条件下では冷却塔を出る際に凝縮し、霧のプルームを形成する可能性がある。これは通常、周囲の空気が冷たい、かつ/又は湿度が高いときに発生する。安全性(プルームが漂うことでは道路や空港の視界が低下し得る)及び美観に関する規制上の要求により、一部の冷却塔はプルーム軽減システムの装備が義務付けられている。これは一般に放出する蒸気を熱し、熱交換器によって、又は高温の乾燥した空気を吹き付けて放出する蒸気と混合することによって、その水分含量を減らし、塔の出口での霧粒の形成を防ぐ。これらの軽減システムはプルームの外見を取り除くことができるが、プラントは同量の水を消費し、創り出す、又は冷却塔の出口にリダイレクトしなければならない追加の熱のため、全体的な正味エネルギー効率を低下させる。
【0005】
冷却塔の出口での霧を減らすために、いくつかのプルーム軽減システムが開発された。1つの設計は、タワーを出る飽和空気に対する熱源を追加することに依存している。塔の「湿った部分」、例えば空気が飽和している部分に熱交換器を配置することにより、水分含量を増やすことなく空気を加熱する。これにより、出口空気の相対湿度を低下させ、もはや飽和していない空気が塔を出るときにプルームが形成される可能性が低くなる。別の設計は、「乾燥セクション」で空気を加熱し、それを飽和した出口空気と混合することに依存している。また、熱交換器にも依存し、これは周囲の空気の一部を加熱する。次に、空気がファンを介して塔の湿った部分に引き込まれ、湿った空気と混合される。その後、出て行く混合物は相対湿度が低いため、霧が発生しにくくなる。3番目の設計は、凝縮モジュールを追加することからなる。これは、出て行く湿った空気を冷却する熱交換器であり、その一部を熱交換器の表面に凝縮させて、空気中の水分含量を減らす。その結果、凝縮モジュールを経て塔を出る空気は相対湿度が低く、周囲の空気と接触するときに霧が発生する可能性が低くなる。これらの3つの設計はすべて、冷却塔の設備とエネルギーにかなりの追加投資を必要とし、それらの一部(特に上記の最初の2つの設計)は水を回収できない。
【0006】
プルームの除去に加えて、水の喪失は冷却塔にとって重要な問題であり、一部のデバイスは、冷却塔から出る蒸気を収集して、循環して再利用するように設計されている。蒸気を捕捉する1つの方法は、液体の収着によるものである。液体乾燥剤を使用して出て行く湿った空気と接触させることにより、乾燥剤への蒸気収着が起こり、水が回収されて乾燥剤に貯蔵される。この方法では、出て行く蒸気のかなりの部分を捕捉できる。ただし、収集した液体を次に乾燥剤から抽出するには、かなりのエネルギーを供給する必要がある。別の方法は、固体乾燥剤を使用した固体収着による方法である。この方法は、乾燥剤として固体を使用することを除いて、前の方法と似ている。それは一般的に非常に低い水分含量を達成することができ、より高価である。3番目の方法は、冷却による凝縮である。これは、塔の湿った部分で熱交換器を使用して空気を冷却し、その一部を凝縮することで構成される。その後、凝縮液が捕捉され、再利用できる。このようなセットアップは、機器にコストがかかり、冷却の方法によっては、エネルギー面でも犠牲が大きい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、とりわけ、ガスの流れから1つ以上の種を収集するためのシステム及びそれらの使用方法を説明する。種がガス流から収集される可能性のある用途の例には、冷却塔、煙突、蒸気ベント、蒸気排気、HVACシステム、及び燃焼排ガスが含まれる。収集される種は、水などの、エアロゾル化又は気化した流体である可能性がある。本明細書に記載のシステムは、ガスの流れの出口の近く(例えば、冷却塔の出口)又はガスの流れの中(例えば、排気システム又は他のHVACシステムのダクトに沿ったどこか)で種を収集するために使用することができる。エミッタ電極を使用する特定の実施形態では、ガスの流れの中の液滴を帯電させ、それらを電界で導電性コレクタ(例えば、収集電極)に引き付けるためにイオン注入が使用される。イオン注入は、エミッタ電極を高電圧(例えば、10kV以上)に維持することによって引き起こされるエミッタ電極周辺のコロナ放電によって発生し得る。本明細書に記載のシステムは、プルームを軽減し、併せて流体(例えば、水)を収集し、(必要に応じて)後で再利用することができる。いくつかの実施形態では、プルーム軽減は、少なくとも動作に必要なエネルギーが従来のシステムよりもはるかに低い可能性があることもあり、従来のシステムよりもはるかに低いコストで起こり得る。
【0008】
種収集システムは、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極を含み得る。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、隣接するコレクタの間に(例えば、少なくとも部分的に)配置される。例えば、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、2つのコレクタの間に配置され得る。例えば、コレクタの隣接する対のそれぞれは、それらの間に配置された少なくとも1つの(例えば、複数の)エミッタ電極を有し得る。コレクタは、ガス流への干渉を最小限に抑えながら収集を容易にするために、出口(例えば、冷却塔の)からのガス流の方向に整列させることができる。異なるエミッタ電極は、異なる電圧に維持され得、かつ/又は異なる曲率を有し得る。いくつかの実施形態では、コレクタはコレクタフレームに取り付けられ、エミッタ電極はエミッタフレーム(複数可)に取り付けられ、エミッタフレーム(複数可)はコレクタフレームから電気的に絶縁されている。コレクタは、(例えば、冷却塔の)ガス出口にまたがるサイズを有し得、エミッタフレーム(複数可)は、コレクタの外側(例えば、ガス出口の外周部外側)に配置され得る。
【0009】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、他の種捕捉(例えば、プルーム軽減)システムに対する1つ以上の利点を有することができ、以下の利点のうちの1つ以上を含む。冷却塔やその他の排気は圧力降下に敏感であり、効率を制約し得る。コレクタをガス出口からのガス流の方向に(例えば、それらが互いにかつガス流方向に平行であるように)整列させることにより、本明細書に開示される種収集システムの存在によって引き起こされる圧力降下を最小限に抑えることができる。本明細書に開示されるシステムは、広範囲の条件(例えば、風速、液滴サイズ)において高効率を有することができる。システムは、例えば、細いワイヤエミッタ電極やワイヤシステムは、例えば、細いワイヤエミッタ電極やワイヤメッシュコレクタなどの低密度構成要素で構成することにより、軽量にすることができる。システムは、また低消費電力であることができる。例えば、異なるエミッタ電極又は導電性要素(例えば、プレート)が異なる電圧に維持されるいくつかの実施形態では、高い種捕獲率を維持しながら、電力消費を低減することができる。これら及びその他の利点は、後続の段落でさらに詳しく説明する。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、ガスの流れ(例えば、冷却塔からの排気)から種(例えば、水)を収集するためのシステムに関する。このシステムは、離間された複数の導電性コレクタを含み得る。システムは、複数のエミッタ電極を含み得る。複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、複数の導電性コレクタのうちの2つの間に配置され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタ内の隣接するコレクタの対のそれぞれについて、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つが隣接するコレクタの間に配置される。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、2つのエミッタ電極を含む。いくつかの実施形態では、2つのエミッタ電極は、複数の導電性コレクタが離間している方向に垂直な方向に離間している。いくつかの実施形態では、2つのエミッタ電極の1つは第1の電圧に維持され、2つのエミッタ電極の他方は第2の電圧に維持され、第1の電圧は第2の電圧よりも高い。いくつかの実施形態では、2つのエミッタ電極のうちの1つは、2つのエミッタ電極のうちの他方よりもガス出口に近い。いくつかの実施形態では、第1の電圧は、ガスの流れの中にイオンを生成するのに十分であり(例えば、コロナ放電を介して)、第2の電圧は、ガスの流れの中にイオンを生成するのに不十分である。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、複数の導電性コレクタにおける一対の隣接するコレクタの間に配置される。複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つのエミッタ電極の隣接するエミッタ電極との間のエミッタ離隔距離は、隣接するコレクタ間のコレクタ離隔距離の4分の1から5倍であり得る。いくつかの実施形態では、2つのエミッタ電極は、2つの同一でないエミッタ電極である。いくつかの実施形態では、2つの同一でないエミッタ電極は、第1のワイヤと第1のワイヤよりも小さい曲率半径を有する第2のワイヤとを含む。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、少なくとも一次元(例えば、一次元のみ)にコレクタを超えて延びる。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタにおける2つの隣接するコレクタの少なくとも1つの対に対して、導電性プレートと、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つとが2つの隣接するコレクタの間に配置され、導電性プレートは複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つから横方向に分離されている。いくつかの実施形態では、導電性プレートと、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つは、共通の平面内にあり、共通の平面に平行である。いくつかの実施形態では、プレートは、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つよりもガス出口から離れて配置されている。いくつかの実施形態では、プレートは、ある電圧(例えば、複数のエミッタ電極のうちの少なくとも1つが維持される電圧よりも低い電圧)に維持される。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、コレクタフレーム及び第1のエミッタフレームを含み、導電性コレクタはコレクタフレームに取り付けられ、複数のエミッタ電極が第1のエミッタフレームに取り付けられ、コレクタフレームは第1のエミッタフレームから電気的に絶縁されている。いくつかの実施形態では、第1のエミッタフレームは、1つ以上の導電性の細長いエミッタ接続部材(例えば、1つ以上の金属ロッド)を含み、複数のエミッタ電極のそれぞれは、1つ以上のエミッタ接続部材の少なくとも1つに取り付けられている(例えば、少なくとも部分的に巻き付けられている)。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の導電性の細長いエミッタ接続部材(例えば、1つ以上の金属棒)を含む第2のエミッタフレームを含み、複数のエミッタ電極のそれぞれはまた、コレクタの反対側に配置されている、1つ以上のエミッタ接続部材及び第2のエミッタフレーム及び第1のエミッタフレームのうちの少なくとも1つに取り付けられていれる(例えば、また少なくとも部分的に巻き付けられている)。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材は、空間的に(例えば、均等に)(例えば、ガス出口からのガス流の方向に沿って)分離され、相互に平行である複数のエミッタ接続部材である。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材は、導電性コレクタのそれぞれの表面に垂直である。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれについて、エミッタ接続部材に取り付けられた複数のエミッタ電極のそれぞれは、(例えば、単一の電圧)(例えば、エミッタ接続部材を介して)共通に電気接続されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれについて、複数のエミッタ電極のサブセット(例えば、全部又は一部のみ)がエミッタ接続部材に取り付けられ、サブセットのうちの異なるエミッタ電極が、複数の導電性コレクタの異なる隣接する対の間に配置されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれに取り付けられた複数のエミッタ電極のそれぞれは、1つ以上のエミッタ接続部材のそれぞれに沿って等間隔(例えば、5%以内)に離間されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材は、複数のエミッタ接続部材であり、複数のエミッタ電極のそれぞれが複数のエミッタ接続部材のうちの少なくとも2つに取り付けられる(例えば、少なくとも部分的に巻き付けられている)。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、第1のエミッタフレームをコレクタフレームに取り付け、コレクタフレームを第1のエミッタフレームから電気的に絶縁する1つ以上の電気的絶縁部材(及び、例えば、第2のエミッタフレームをコレクタフレームに取り付け、第2のエミッタフレームをコレクタフレームから電気的に絶縁する1つ以上の電気的絶縁部材)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の電気的絶縁部材のそれぞれが、それぞれのハウジング内に封入されている。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ接続部材は、それぞれのハウジング内に延びる。いくつかの実施形態では、それぞれのハウジングは、導電性材料(例えば、金属)又は電気的絶縁性材料(例えば、ガラス繊維又はガロライト)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の電気的絶縁部材がそれぞれのケーシング内に配置されている(例えば、それにより、1つ以上の電気的絶縁部材を環境的に密封する)。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のエミッタフレーム(かつ、例えば、第1のエミッタフレームをコレクタフレームに取り付ける1つ以上の電気的絶縁部材)がガス出口の外周部外側に配置されている[かつ、例えば、第2のエミッタフレーム(及び、例えば、第2のエミッタフレームをコレクタフレームに取り付ける1つ以上の電気的絶縁部材)がガス出口の外周部外側に配置されている]。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタは少なくとも部分的に(例えば、ガス出口の外周部の周りが)(例えば、1つ以上のパネルからなる)シールドによって囲まれている(、例えば、複数の導電性コレクタが取り付けられているフレームは少なくともシールドにより部分的に囲まれる)(、例えば、シールドはガス流方向に沿って開いており、それ以外は囲まれている)。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタは相互に平行である(例えば、10度以内)。いくつかの実施形態では、隣接する複数の導電性コレクタ間の間隔のばらつきが10%以下(例えば、5%以下、3%以下、又は1%以下)である。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタ内における隣接するコレクタ間の離隔距離は、1インチから3フィート(例えば、2インチから2フィート)である。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムはフレームを含み、複数の導電性コレクタがフレームに取り付けられている(例えば、フレームがコレクタフレームを含む)。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極がフレームに(例えば、1つ以上の電気的絶縁部材によって)取り付けられている(例えば、フレームは1つ以上のエミッタフレームを含む)。
【0020】
いくつかの実施形態では、導電性コレクタは、1つ以上の張力ケーブルによって張力をかけて保持されるメッシュである。いくつかの実施形態では、1つ以上の張力ケーブルは、(例えば、1つ以上の剛性エッジを含む)剛性フレームに取り付けられている。いくつかの実施形態では、導電性コレクタのそれぞれが1つ以上のエッジに取り付けられ、導電性コレクタが張力をかけて保持されるように、1つ以上のエッジが(例えば、1つ以上のばねによって)張力をかけて保持される。いくつかの実施形態では、システムは、複数の導電性コレクタのそれぞれの内部部分に取り付けられた1つ以上のそれぞれの剛性化部材(例えば、ロッド)を含む。いくつかの実施形態では、システムは、(例えば、1つ以上の剛性エッジを含む)剛性フレームを含み、導電性コレクタは、剛性フレームに(例えば、導電性コレクタの周囲で)取り付けられている。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の導電性コレクタのうちの1つのエッジに配置された(、例えば、複数の導電性コレクタのうちの少なくともいくつかの共通の樋、又は複数の導電性コレクタのうちの1つのみのための個別の樋である)樋を含む。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのうちの1つのエッジは、樋内に配置されている(、例えば、樋は、複数の導電性コレクタのうちの1つの対向する2つの表面に取り付けられている)。いくつかの実施形態では、樋は、(例えば、収集された流体を樋内に向けるための)1つ以上の収集翼を含む。いくつかの実施形態では、樋は、複数の導電性コレクタのうちの1つから流体が排出され得る(、例えば、円形又は長方形の断面を有する)管状部材を含む。いくつかの実施形態では、樋は、収集導管と流体連絡している。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムは、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極が可動ステージ上に(例えば、直接的又は間接的に)取り付けられ、可動ステージは複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極を移動させるように動作可能である。いくつかの実施形態では、可動ステージは、異なる複数の導電性コレクタと、異なる複数のエミッタ電極とを独立して移動させるように(、例えば、異なるフレームに取り付けられたそれらのサブセットは独立して移動するように)動作可能である。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタと複数のエミッタ電極とが固定された相対位置に留まっている間に、可動ステージが移動する動作が可能である。いくつかの実施形態では、可動ステージは、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極をガス出口に対して垂直に移動させるように動作可能である。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極は、[例えば、ガス出口からのガス流の方向に平行(例えば、10度以内)でありつつ、]湾曲した(例えば、半球形)又はピラミッド状の構成に配置される。
【0024】
いくつかの実施形態では、システムは、ガス出口(例えば、冷却塔出口)上、内部、又は上方に配置されている。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極が、ガス出口の少なくとも0.5m上に配置されている。複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極は、ガス出口からの距離がガス出口の範囲(例えば直径など)の5倍を超えずに(例えば、3倍を超えずに)配置されている。いくつかの実施形態では、システムは、ガス出口の近く(例えば、上又は内部)に配置され、それによって、複数がガス出口[例えば、ガス出口(例えば、冷却塔の出口)を出る空気の最大含水量の表面]を出るガスの最大流体含有量の表面(例えば、平面)の近く(例えば、内部)(例えば、8m以内)に配置される。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタは、ガス出口からのガス流の方向に(例えば、25度以内に)整列されている。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタは、ガス出口に対して垂直(例えば、10度以内)である。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタ内の隣接するコレクタの少なくとも1対について、複数のエミッタ電極の第1のエミッタ電極及び第2のエミッタ電極は、隣接するコレクタの間に配置され、第1のエミッタ電極は、第2のエミッタ電極よりもガス出口から離れて配置されている。いくつかの実施形態では、第1のエミッタ電極はワイヤであり、第2のエミッタ電極はより小さな直径のワイヤである。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極の少なくとも一部は、ガス出口からのガス流方向に対して水平又は垂直に向けられたワイヤである。いくつかの実施形態では、導電性コレクタはそれぞれ、ガス出口の幅にまたがる幅を有する。いくつかの実施形態では、導電性コレクタはそれぞれ、以下の式
【数1】
によるh
0から20h
0の範囲にあるインチでの高さを有する。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのそれぞれの長さ対幅のアスペクト比は1より大きく、長さと幅のうち長い方がガス出口からのガス流方向と整列している。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の風よけを含む(例えば、ガス出口の外周部の周り、例えば、種収集のためのシステムの外周部に配置される)。いくつかの実施形態では、1つ以上の風よけは、ガス出口の上方、かつ複数のエミッタ電極及び複数のコレクタの上部の下に配置される。いくつかの実施形態では、1つ以上の風よけは、(例えば、地面に対して角度が付けられている)1つ以上のルーバーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の風よけは、(例えば、ガス出口に対して同心円状に配置されている)1つ以上の湾曲した構造を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極は、1つ以上の丸形ワイヤ、角形ワイヤ、鋭いエッジを有するロッド、及び針のアレイを含む。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極は、張力をかけた(例えば、少なくとも0.5Nかつ20N以下の張力をかけた)ワイヤを含む。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極のそれぞれは、チタン、タングステン、銅、鋼(例えば、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、又は軟鋼)、インコネルのうちの1つ以上を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのそれぞれは、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、軟鋼、アルミニウム、銅、チタン、及びインコネルのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのそれぞれは、(例えば、複数のワイヤを含む)メッシュ、又は(例えば、1つ以上の貫通穴を有し、かつ/又は波板である)プレートである。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのそれぞれは、平面、円筒形、らせん状、又は円錐形である。
【0028】
いくつかの実施形態では、システムは1つ以上の収集パネルを含み、1つ以上の収集パネルはそれぞれ、複数の導電性コレクタのうち少なくとも1つと、複数の導電性コレクタのうちの少なくとも1つに取り付けられ、かつそれから電気的に絶縁されている複数のエミッタ電極のうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、複数のエミッタ電極は、複数の導電性コレクタから電気的に絶縁され(例えば、絶縁され)、複数の導電性コレクタは接地されている。複数のエミッタ電極のうちの少なくともいくつかの電圧は少なくとも1kVであり、任意選択で500kV以下[例えば、少なくとも5kV、少なくとも10kV、少なくとも15kV、少なくとも25kV、少なくとも50kV、少なくとも100kVの電圧)(かつ、例えば、250kV以下、100kV以下、又は50kV以下)]である。
【0029】
いくつかの態様では、本開示は、エミッタ電極及びメッシュ導電性コレクタを含む種収集デバイスに関する。種収集デバイスは、1つ以上の張力ケーブル(例えば、金属ケーブル)を含み得る。1つ以上の張力ケーブルは、メッシュコレクタを通ることができ(例えば、メッシュコレクタを通って織られる)、1つ以上の張力ケーブルが張力をかけてメッシュを保持する。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、メッシュ導電性コレクタから1メートル以内に配置されている。いくつかの実施形態では、デバイスはフレームを含み、1つ以上の張力ケーブルがフレームに取り付けられている。
【0030】
いくつかの態様では、本開示は、ガスの流れから種を収集するためのデバイスに関し、デバイスはコレクタフレームに取り付けられた複数の導電性コレクタとエミッタフレームに取り付けられたエミッタ電極とを含む。エミッタフレームは、コレクタフレームの外側に配置することができる。エミッタ電極は、複数の導電性コレクタから電気的に絶縁され得る。エミッタフレームは、(例えば、冷却塔の)ガス出口の外周部外側に配置されてもよい。
【0031】
いくつかの態様では、本開示は、ガスの流れ(例えば、冷却塔からの排気)から種(例えば、水)を収集するためのシステムに関する。この方法は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る。ガスの流れ内に分散された種(例えば、水などの極性分子)を含む、(例えば、種がエアロゾル化されている又は蒸気である)ガスの流れをある方向に流すステップ、種を帯電させるステップ、及び帯電した種を導電性コレクタの表面電界を使用して収集するステップ。導電性コレクタは、方向と整列させることができる。いくつかの実施形態では、この方法は、重力を介して、帯電した種を樋内に排出することを含む。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、(例えば、コロナ放電を介して、1つ以上の自由電荷をガス流に提供することによって)帯電を引き起こす。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、2つの隣接する導電性コレクタの間に配置される。いくつかの実施形態では、この方法は、本明細書に開示されるようなシステムを提供することを含み、システムは、導電性コレクタ(例えば、エミッタ電極)を含む。いくつかの実施形態では、電界は、75~800kV/mの強度を有する(例えば、エミッタ電極を使用して生成される)。いくつかの実施形態では、電場は、ガス流の方向に沿った距離の関数として空間的に変化する。いくつかの実施形態では、電界は、ガス流の近位端において第1の強度を有し、ガス流の遠位端において、第1の強度とは異なる(例えば、ガス流の方向に沿って空間的に分離された異なるエミッタ電極に異なる電圧を印加することによって引き起こされる)第2の強度を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、ガスの流れが流れ出すガス出口の比較的近くに配置された第1のエミッタ電極に第1の電圧を印加することを含む。この方法は、ガス出口から比較的遠くに配置された第2のエミッタ電極に第2の電圧を印加することを含み得る。種を帯電させることと、帯電された種を収集することとは、少なくとも部分的に、第1の電圧及び第2の電圧を印加することにより起こり得る。いくつかの実施形態では、第1の電圧は、第1のエミッタ電極に(例えば、ガスの流れの中でのコロナ放電を介して)イオンを生成させ、種を帯電させるのに十分であり、第2の電圧は、イオンを生成させずに種をコレクタに向けて偏向させるのに十分である。
【0033】
いくつかの実施形態では、この方法は、周囲の風をガス出口に向け、それによってガス出口の近くの空気中の水でプルームを形成することを含み、種はプルーム内に分散される。
【0034】
本明細書では、図面は例示を目的として示しており、限定するためではない。図表の縮尺は、必ずしも正確ではない。添付図面とともに以下の説明を参照することによって、本開示の前述及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、より明らかになり、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムを示す。
【
図1B】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムを示す。
【
図1C】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムを示す。
【
図2A】本開示の例示的な実施形態による、導電性コレクタ及び2つのエミッタ電極を含むパネルを示す。
【
図2B】本開示の例示的な実施形態による、導電性コレクタ及び2つのエミッタ電極を含むパネルを示す。
【
図2C】本開示の例示的な実施形態による、導電性コレクタ及び2つのエミッタ電極を含むパネルを示す。
【
図3】A、Bは、本開示の例示的な実施形態による、張力をかけてフレームに取り付けられたエミッタ電極を示す。
【
図4】A、Bは、本開示の例示的な実施形態による、種収集システムの構成を示す。
【
図5A】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムの例を示す。
【
図5B】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムの例を示す。
【
図5C】本開示の例示的な実施形態による、種収集システムの例を示す。
【
図6】A、Bは、本開示の例示的な実施形態による、種収集システムを使用したガスの流れからの水滴の収集を示す。
【
図7】A、Bは、本開示の例示的な実施形態による、種収集システムで使用することができる樋を示す。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、導電性コレクタからエミッタ電極を電気的に絶縁するために(例えば、パネル内で、又はエミッタ及びコレクタフレームを使用して)使用することができる絶縁部材を示す。
【
図9】A~Eは、本開示の例示的な実施形態による、絶縁部材の図を示す。
【
図10】A、Bは、本開示の例示的な実施形態による、印加電圧(印加電界)がある場合とない場合の、水プルームの種収集システムとの相互作用を示す。
【
図11】種収集システムの様々な例示的な構成についての、コレクタに沿った距離に対する水収集率のプロットである。
【
図12A】本開示の例示的な実施形態による、1つ以上の風よけを含む種収集システムの例を示す。
【
図12B】本開示の例示的な実施形態による、1つ以上の風よけを含む種収集システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示のシステム、デバイス、方法、及びプロセスは、本開示に記載された実施形態からの情報を使用して開発された変形及び適合を包含することが企図される。本明細書に記載されているシステム、デバイス、方法及びプロセスの適合又は修正は、関連技術の当業者によって実施されてもよい。
【0037】
説明の全体にわたって、物品、デバイス、及びシステムが特定の構成要素を有する、含む(including)、若しくは含む(comprising)と説明されている場合、又はプロセス及び方法が特定のステップを有する(having)、含む(including)、若しくは含む(comprising)と説明されている場合は、さらに、列挙した構成要素から本質的に構成される(consist essentially of)、若しくは列挙した構成要素から構成される(consist of)、本開示の特定の実施形態による物品、デバイス、及びシステムが存在し、また、列挙した構成要素から本質的に構成される(consist essentially of)、若しくは列挙した構成要素から構成される(consist of)、本開示の特定の実施形態によるプロセス及び方法が存在すると企図されている。
【0038】
本出願では、文脈から特に明らかでない限り又は特に明記しない限り、(i)用語「a」は「少なくとも1つの」を意味するものと理解してもよく、(ii)用語「又は」は「及び/又は」を意味するものと理解してもよく、(iii)用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」は、それらだけが示されているか又は1つ以上の追加構成要素又はステップとともに示されているかにかかわらず、箇条書きにした構成要素又はステップを包含するものと理解してもよく、これは、(iv)用語「約」及び「ほぼ」は当業者であれば理解するであろう標準偏差を許容するものと理解してもよく、(v)範囲が与えられた場合、端点が含まれる。ある特定の実施形態では、用語「およそ(about)」又は「約(approximately)」は、別途記載のない限り又は別途内容から明白でない限り(かかる数が可能な値の100%を超えるような場合を除く)、述べられた参照値のいずれかの方向(上回る又は下回る)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれ未満である値の範囲を指す。
【0039】
ステップの順序又はある行為を行う順序は、動作可能性が失われない限りは、重要でないことを理解されたい。さらに、2つ以上のステップ又は行為を、同時に行ってもよい。
【0040】
本明細書に開示されるシステムは、とりわけ、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極を含み得る。導電性コレクタは、少なくとも第1の次元で(例えば、ガス出口に対して水平に)離間され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエミッタ電極が、2つのコレクタの間に(例えば、隣接する複数のコレクタの間に)配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエミッタ電極は、コレクタを超えて(例えば、少なくとも1つの次元で)延びる。エミッタ電極は、ワイヤ、針、又は他の高曲率の導電性部材であり得る。任意の2つの(例えば、隣接する)コレクタについて、複数のエミッタ電極をそれらの間に配置することができる。コレクタは、ガス流への干渉を最小限に抑えながら収集を容易にするために、出口(例えば、冷却塔の)からのガス流の方向に整列させることができる。2つのエミッタ電極は、複数の導電性コレクタが離間している方向に垂直な方向に離間していてもよい。異なるエミッタ電極は、異なる電圧に維持され得る、かつ/又は異なる曲率を有し得る。いくつかの実施形態では、コレクタはコレクタフレームに取り付けられ、エミッタ電極はエミッタフレーム(複数可)に取り付けられ、エミッタフレーム(複数可)はコレクタフレームから電気的に絶縁されている。コレクタは、(例えば、冷却塔の)ガス出口にまたがるサイズを有し得、エミッタフレーム(複数可)は、コレクタの外側(例えば、ガス出口の外周部外側)に配置され得る。
【0041】
コレクタは導電性の部材である。コレクタは、(例えば、冷却塔の)ガス出口からのガス流方向に整列することができる。例えば、コレクタは、ガス流方向に平行(例えば、10度以内)であり得る。コレクタの例としては、平面メッシュ、平面プレート、円筒メッシュ、円筒プレート、ワイヤのアレイ、波形プレートがある。コレクタは金属を含む場合がある。使用できる材料には、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、軟鋼、アルミニウム、銅、チタン、及びインコネルが含み得るが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態では、種(例えば、液滴及び/又は粒子)は、それらがコレクタ間を移動するときに(例えば、コレクタ間に配置されたエミッタ電極(複数可)のために)帯電し、コレクタに収集される。いくつかの実施形態では、コレクタ(複数可)からは、少なくとも部分的に重力のために、樋内に排出される。樋内に集められた流体は、例えば、樋に取り付けられた収集導管を通って、他の場所に輸送され得る。いくつかの実施形態では、コレクタは、ガス出口の幅にまたがる幅を有する。コレクタ間の距離は様々であり、一般に1インチ~3フィート(例えば、2インチ~2フィート)である。コレクタの高さは、コレクタ間の距離、液滴及び/又は粒子のサイズ、及びそれらを運ぶ空気の速度などの複数の要因に応じて選択できる。高さHの一般的な範囲は、[h
0-20h
0]である。ここで
【数2】
である。隣接する複数の導電性コレクタの間の間隔のばらつきは、10%以下(例えば、5%以下、3%以下、又は1%以下)である。コレクタは、(例えば、そのエミッタ電極もまた取り付けられるフレームである)フレーム(例えば、コレクタフレーム)に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、複数の導電性コレクタのそれぞれの長さ対幅のアスペクト比は1より大きく、長さと幅のうちの長い方は、ガス出口からのガス流の方向に整列されている。いくつかの実施形態では、コレクタは平行ではない場合がある。いくつかの実施形態では、コレクタは、平面ではなく、円筒、スパイラル、及びコーンを含むがこれらに限定されない他の形状を有し得る。
【0043】
エミッタ電極は導電性部材である。エミッタ電極は金属を含み得る。1つ以上のエミッタ電極をコレクタの間に配置することができる。1つ以上のエミッタ電極は、少なくとも一次元でコレクタを超えて延びることができる。隣接する2つのコレクタ間のスペースには、0個、1個、又は複数のエミッタ電極があり得る。エミッタ電極は、丸形ワイヤ(例えば、直径50μm~10mm(例えば、直径50μm~2mm又は50μm~250μm又は100μm~200μm))、角形ワイヤ(例えば、辺長50μm~10mm(例えば、50μm~2mm又は50μm~250μm又は100μm~200μm))、鋭いエッジを有するロッド、針のアレイ、又は曲率の高い場所を持つその他の形状であってもよく、又はこれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、チタン、タングステン、銅、インコネル、及び鋼(例えば、ステンレス鋼)のうちの1つ以上を含む。エミッタ電極は、2つの電極(例えば、導電性コレクタ)の中央に配置することができる。隣接するコレクタ間に複数のエミッタ電極がある場合、それらの間の距離は、通常、コレクタ間の距離の4分の1から5倍の間であり、例えば、エミッタ電極間は垂直方向の離隔距離であり、コレクタ間は水平方向の離隔距離である。エミッタ電極には、(ガス流方向に対して)水平又は垂直に走るワイヤが含まれる場合があるが、水平がより一般的である。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、特定の電圧に維持されるように電源に接続される。いくつかの実施形態では、同一でないエミッタ電極が使用される。例えば、種収集システムは、(例えば、ガス出口により近い)下部において小さな半径を有する水平ワイヤを備え、次に(例えば、ガス出口からより遠い)上部において大きな直径のワイヤを含むことができる。ワイヤエミッタの後には(例えば、ガス流方向に)プレート又は低曲率電極を続けることもできる。プレートは、イオンを放出するのではなく、単にコレクタの上部領域における、種(例えば、液滴及び/又は粒子)を引きつける力を高めるための強い電場を維持するために機能し得る。
【0044】
図1A~1Bは、種収集システム100の構成例を示している。
図1Aを参照すると、導電性コレクタ110は、プルーム152が放出される冷却塔150の出口に対して水平方向に離間されている。コレクタ110は、プルーム152のガス流の方向に沿って整列している。コレクタ110をガス流の方向に整列させることにより(例えば、それらを流れに対して垂直に配置するのではなく)、コレクタをわたる圧力降下を低減することができる。エミッタ電極(コレクタ110によって隠されている)及びコレクタ110は、
図1Aに示される構成で収集パネルとして組み立てられる。(例示的な収集パネルの詳細については、
図2A~2C及び以下の説明を参照されたい)。
図1Bは、種収集システム100の異なる図を示している。エミッタ電極120及びコレクタ110は、フレーム105に取り付けられ、フレーム105は、可動プラットフォーム140に取り付けられ、可動プラットフォーム140は、次に、冷却塔150に取り付けられる。追加の構成要素130a~bが冷却塔150に含まれる。可動プラットフォーム140及び追加の構成要素130a~bは、後続の段落でさらに議論される。
【0045】
いくつかの実施形態では、シールド(例えば、覆い及び/又はケーシング)が(例えば、ガス出口の外周部の周りで)複数のコレクタを少なくとも部分的に囲んでいる。シールドは、1つ以上のパネルを含むことができる。シールドは、ガス出口からのガスの流れの方向に沿って開いていてもよく、オプションで、他の方法で囲まれていてもよい。シールド160を含む種収集システム100の例が
図1Cに示されている。シールドは、エミッタ電極とコレクタを外からの風から保護することができる。それはまた、追加の構造的支持を提供することができ、コレクタ及び/又はエミッタ電極を取り付けるために使用される取り付け位置(例えば、コレクタ及び/又はエミッタ電極にそれぞれ結合するコレクタフレーム及び/又はエミッタフレーム)を有することができる。シールドは、クレーンでシステムを持ち上げ/運ぶための便利な構造を提供し得る。
【0046】
シールドは、風の悪影響からシステムを保護することができる。したがって、シールドは、金属又はプラスチック/複合材料のいずれかで作ることができる。材料は完全に不透明、又は部分的に透明な材料であってもよい。シールドは、コレクタメッシュよりも開放された領域の割合が低いため、シールドに当たる風の大部分を捕らえることができる。シールドは、いくつかの方法でコレクタに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、コレクタは共通の構造的支持(例えば、それらがすべて張力をかけられて、それらのすべてが上から下まで保持される、2つの円形構造部材)を共有する。コレクタを所定の位置に保持するこれらの構造リングにシールドを取り付けることができる。シールドは、冷却塔から流れ出るプルームへの支配的な影響を減らすような方法で、風を捕らえ、かつ/又は方向を変えることができる。したがって、種収集システム内を上昇するときにプルームを水平方向に変位させる風に捕らわれることなく、プルームは種収集システムを通ってより容易に垂直に上昇することができる。
【0047】
シールドは、またシステム全体の剛性を潜在的に高める。導電性メッシュコレクタが張力をかけられたシステムは、システム全体をクレーンを介して持ち上げ、その上部から抜き取られるときに座屈しないような、追加の剛性の恩恵を受ける可能性がある。いくつかの実施形態では、シールドは、エミッタ電極とコレクタのみを包み込む。いくつかの実施形態では、シールドは、またコレクタ及びエミッタ電極の下に延び、それによってガス出口(例えば、冷却塔)の覆いと部分的に重なりあい、システムとガス出口の間のいかなる間隙においても風の影響をさらに目立たなくすることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば、
図12A及び12Bに示されるように、1つ以上の風よけを、種収集システムのガス出口の上方、及び/又はガス出口を出た後、並びにエミッタ電極及びコレクタの前及び/又はエミッタ電極及びコレクタに沿って配置して、横風から保護することができる。風よけ(複数可)は、風を遮断するだけでなく、風を導いて、外気の出口から出てくるガスとの混合を誘発するためにも使用でき、それによって、例えばプルームの形成を誘発することができる。プルームの形成を誘発することにより、種(例えば、水)の収集が向上される可能性がある。風よけのいくつかの例は、(例えば、
図12Aに示すような)風の一部をそれでも(例えば、減速された速度で)受け入れる傾斜したルーバー、又は風の流れの一部を接線方向に導入する(例えば、ガス出口と同心である)湾曲した(例えば、
図12Bに示すような)構造である。いくつかの実施形態では、湾曲した風よけの追加の利点は、風を導入した後に渦を誘発し、ガス出口とコレクタとの間の領域でさらなる混合を引き起こすことである。
【0049】
いくつかの実施形態では、システムは、ガス出口の上方、並びに複数のエミッタ電極及び複数のコレクタの下方かつ/又はこれらに沿って配置される1つ以上の風よけを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の風よけは、(例えば、
図12Aに示されるように、例えば、地面に対して角度が付けられている)1つ以上のルーバーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の風よけが、(例えば、ガス出口に対して同心円状に配置される、)(例えば、それらが風をガス出口に向けて接線方向に向けるように、)(例えば、
図12Bに示されるような、)1つ以上の湾曲した構を含む。
【0050】
コレクタ(及び/又はエミッタ電極)は、(例えば、冷却塔の)ガス出口から放出されるプルーム内に配置することができる。多くの場合、水プルームは一時的な状態にある。それらは、(例えば、冷却塔の)出口で飽和空気として始まり、過飽和状態に達すると凝縮し、さらに空気が混入されると再び蒸発する。それにより、水滴が空気中にあり、収集が望ましくはそこで行われる小さな空間ウィンドウ(冷却塔のサイズと比較して)のみが存在する可能性がある。コレクタは、収集を最大化するために、最大含水量の表面に一致して(例えば、表面内に)配置することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、システムは、冷却塔の出口と収集システムの底部との間に間隙がある特定の高さに保持され得る。その高さは、水と空気の流量、もしあれば外からの風、排気から出てくる空気と周囲の空気の温度と湿度などのパラメータの関数として調整され得る。いくつかの実施形態では、高さは、ガス出口直径の0から5倍(例えば、0から3倍)の間である。
【0052】
いくつかの実施形態では、1つ以上の収集パネルは、流体収集を最大化するように配置されている。例えば、軽減されている冷却塔からのプルームは一時的な状態にある。プルームは、冷却塔の出口で飽和空気として始まり、過飽和状態に達すると凝縮し、さらに空気が混入されると再び蒸発する。したがって、いくつかの実施形態では、水滴が空気中にあり、収集が好ましくはそこで起きる可能性がある比較的小さな空間ウィンドウのみが存在する可能性がある。最も収集できる場所に収集パネルを配置できるように、最大流体含有量の表面を予測するモデルが開発された。最大含水量の表面の位置(又は位置の範囲)はまた、様々な時間(例えば、様々な周囲条件下)での測定(例えば、湿度測定)から経験的に決定することができる。最大流体含有量の表面は、平面又は非平面表面(例えば、三次元的に丸みを帯びた表面)であり得る。表面の物理的な位置と形状は、例えば、空気出口又はダクトの形状、ガスの流れに分散された流体の量、及び温度や圧力などの周囲条件に依存する場合がある。表面の物理的な位置又は形状は、風速の変化(例えば、方向及び/又は速度)に基づいて変化する可能性がある。最大流体含有量の表面から比較的遠くに収集パネルを配置すると、流体収集が減少する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、フレームは、ガス出口を出るガスの最大流体含有量の表面から8m以内(例えば、5m以内又は3m以内)に1つ以上の収集パネルが配置されるように、ガス出口の近くに配置される。いくつかの実施形態では、流体収集は、例えば、ダクトの中央など、ガスの流れ全体にわたる流体分布が比較的均一である場合、収集パネル(複数可)の特定の位置にほとんど又は完全に依存しない。
【0053】
いくつかの実施形態では、収集パネル(複数可)は、例えば、最大流体含有量の表面の位置の変化のために(例えば、強風又は他の周囲条件の場合)、それらの位置を適合させることができるように、可動ステージに取り付けられる。例として
図1Bに戻ると、フレーム105は、冷却塔150に取り付けられた可動ステージ140に取り付けられている。(フレーム105は、可動ステージ140を介して冷却塔150に取り付けられていると見なすことができる。)可動ステージ140は、周囲条件(例えば、温度、圧力、又は風速)の変化に基づいてコレクタ110及び/又はエミッタ120の位置を調整するために、フレームを(例えば上に、又は下に)移動させるように動作可能である。可動ステージ140は、例えば、条件が変化した後の流体収集を強化するために、コレクタ110及び/又はエミッタ電極120の位置を(例えば、独立して)調整することができる。可動ステージ140は、例えば、20m以下(例えば、10m以下、5m以下、又は1m以下)の可動範囲など、ある程度の関連可動範囲を有してもよい。可動ステージは、自動又は手動で操作できる。可動ステージには、1つ以上のねじジャッキ又は1つ以上のアクチュエータ(例えば、油圧、空気圧、又は電気アクチュエータ)が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、可動ステージは、異なる導電性コレクタ及び/又はエミッタ電極を独立して移動させる(例えば、異なるフレームに取り付けられたそのサブセットを独立して移動させる)ように動作可能である。いくつかの実施形態では、可動ステージは、複数の導電性コレクタ及び複数のエミッタ電極が固定された相対位置に留まっている間に移動するように動作可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、種収集システムは、1つ以上の追加の構成要素を含む。例えば、種収集システム100は、
図1Bに示されるように、追加の構成要素130a~bを含む。追加の構成要素は、1つ以上の収集パネルから一定距離離れて(例えば、冷却塔の内部に)配置され得る。追加構成要素の例としては、冷却メカニズム、加湿メカニズム、粒子インジェクタがある。追加の構成要素130a~bは、冷却塔150の内側にあるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の構成要素は、(それらが冷却塔又はダクト内の状態を変えるために動作する場合でも)冷却塔又はダクトの外側に物理的に配置されている。一般に、必ずしもそうではないが、例えば、以下の段落で明らかになる理由のために、追加の構成要素が、1つ又は複数の収集パネルの前のガスの流れのガス流の方向に配置される。
【0055】
冷却機構は、例えば、熱交換器(例えば、外部熱交換器)を介して冷却を供給することができる。冷却機構は、冷却塔の種回収システムの例では、周囲の気象条件が、出口空気の追加冷却によって霧の発生が多くなり、それによって運転中の水の回収が多くなるような場合に、を使用され得る。電極(複数可)をすでに形成された液滴の収集サイトと流れる蒸気の凝縮サイトの両方として機能させて、冷却を収集パネルの1つ以上の収集電極で直接行うこともできる。
【0056】
加湿メカニズムを使用して、液体の収集を向上させるために霧の生成を促進することができる。冷却塔の種収集システムの例では、冷却塔によって冷却されたプラント(例えば、発電所)からの廃蒸気を使用して、塔の出口を加湿して、流体の収集を増やすためにさらなる霧の生成を促進することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、種収集システムは、粒子インジェクタを含む。凝縮核として機能することができる小さな粒子を注入することによって、(例えば、凝縮に必要な過飽和を下げることによって)凝縮速度が増加する。粒子インジェクタを使用すると、霧がさらに発生する可能性がある。粒子インジェクタは、荷電粒子を注入することができる。粒子インジェクタは、大きさが異なる粒子を注入することができる。例えば、粒子インジェクタによってガスの流れに注入された粒子は、マルチモーダルサイズ分布を有する可能性がある。粒子インジェクタによって注入された粒子は、注入前に(ガスの流れの周囲温度に対して)事前に冷却することができる。用途及び作業条件に応じて、これらの粒子は、流体が1つ以上の収集パネルで収集された後、例えば中間フィルターを使用して、フィルターで除去される場合とされない場合がある。
【0058】
コレクタ及びエミッタ電極は、収集パネルの形で互いに(例えば、電気的に絶縁されて)取り付けられることができる。複数の収集パネルは、(例えば、ガス出口からのガス流方向に整列された)離間されたスタックに構成することができる。ここで、
図2A及び2Bを参照すると、ガスの流れから1つ以上の種を収集するのに使用するための、
図1A~1Cに示された種収集システム100に使用するためのパネル200の例が示されている。
図2A及び2Bに示すように、パネル200は、エミッタ電極アセンブリ部材220及び種収集部材210を含む。エミッタ電極アセンブリ部材220は、(エミッタ電極である)金属ワイヤ222a~b、エミッタ電極フレーム124、キャプスタン212、ばね126a~b、及びワイヤコネクタスタッド128a~bを含む。金属ワイヤ222aは、金属ワイヤ222bとは異なる直径であり得る。例えば、エミッタ電極として機能するより大きな直径のワイヤは、エミッタ電極として機能するより小さな直径のワイヤよりもガス出口から遠くに配置され得る。他の場所で説明されているように、より大きな直径のワイヤを使用して帯電種を偏向させ、より小さなワイヤを使用して(例えば、コロナ放電によってイオンを生成することによって)種を帯電させ(また偏向させ)ることができる。種収集部材210は、収集フレーム114に取り付けられた導電性メッシュコレクタ112(収集電極である)を含む。エミッタ電極アセンブリ部材220は、種収集部材210に物理的に取り付けられ、電気的に絶縁されており、この例では、電気的絶縁部材206を使用している。この例では、6つの電気的絶縁部材206が使用されている。電気的絶縁部材206は、エミッタ電極フレーム224及び収集フレーム214に特に取り付けられているが、他の接続位置を使用することができる。導電性メッシュコレクタ212は、この例では、電気的絶縁部材206によって、金属ワイヤ222a~bから物理的に分離されている。コレクタ212は、エミッタ電極アセンブリ部材220よりも大きな面積を有する。エミッタ電極アセンブリ部材220は、種収集部材210から0.5m以内に配置されている。導電性メッシュコレクタ212は、例えば、パネル200が収集システムに設置されている場合、接地することができる。
【0059】
1つ以上のエミッタ電極は、1つ以上のワイヤを含み得る。エミッタ電極として使用されるワイヤは、金属製であってもよい。例えば、ワイヤには、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、銀、金、チタン、及びタングステンの1つ以上が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、ワイヤは、50μmから10mmまでの直径を有する。例えば、ワイヤは50μmから250μm、又は100μmから200μmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、304ステンレス鋼からなる。例えば、ワイヤはスプリングバック(硬化)304ステンレス鋼で作ることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤは、少なくとも1GPaの引張強度を有する。特定の理論に拘束されることを望まないが、より高い引張強度を有するワイヤは、パネルの動作中のワイヤのたわみ又はワイヤの振動の原因によるワイヤの断線の障害を部分的又は完全に軽減することができる。1つ以上のエミッタ電極は、張力をかけて(例えば、
図1A~1Bに示されるように)エミッタ電極フレームに取り付けられ得る。1つ以上のエミッタ電極は、例えば、1つ以上のキャプスタンを使用して(例えば、後続の段落で論じられるように)、エミッタ電極フレームに巻き付けられ得る。いくつかの実施形態では、エミッタ電極は(例えば、曲率半径が小さい)針である。パネルは、針の1次元又は(例えば、コレクタに垂直に配置された)2次元アレイを含むエミッタ電極アセンブリ部材を含み得る。いくつかの実施形態では、パネルは、1つ以上のエミッタ電極で、少なくとも1kV、及び任意選択で500kV以下の電圧を維持するように動作可能である。例えば、パネルは、1つ以上のエミッタ電極で少なくとも25kV、少なくとも50kV、又は少なくとも100kV(かつ、例えば、250kV以下)の電圧を維持するように動作可能であり得る。
【0060】
1つ以上の収集電極は、導電性コレクタを含み得る。コレクタは、例えば、導電性メッシュ又は多孔質表面であり得る。コレクタは、例えばステンレス鋼などの金属を含み得る。メッシュは、例えば、ゲージ厚の大きい金属ワイヤで作ることができる。別の例として、コレクタは多孔質金属板であり得る。コレクタは平面状であってもよい。1つ以上の収集電極は、平面構成で配置することができる。いくつかの実施形態では、コレクタは、(例えば、パネルが水平面に対して30度から60度の角度で配置されている場合、後退接触角と前進接触角との間の差が40度以下である)低い接触角ヒステリシスを有する。低い接触角ヒステリシスは、種の収集中に水を流すのに役立ち得る。
【0061】
再び
図2A及び2Bを参照すると、ワイヤ222a~bがキャプスタン221を使用してエミッタ電極フレーム224に巻き付けられ、一端がワイヤコネクタスタッド228a~bによって、他端がばね226a~bによって保持される。エミッタ電極フレーム224は電気的に絶縁されている。例えば、エミッタ電極フレームは、ガラス繊維強化プラスチックから作製され得る(それにより、電気的絶縁性でありながら、比較的高い剛性を有する)。電気的絶縁性エミッタ電極フレームは、エミッタ電極フレームからの動作中の追加の放電及びイオン生成を回避又は低減することができる。ワイヤ222a~bはその長さに沿って張力がかかっている。例えば、ワイヤ222a~bの全体は、例えば、それらの全長に沿って、少なくとも0.5Nかつ25N以下の張力がかかっていてもよい。いくつかの実施形態では、エミッタ電極(複数可)の全体は、それぞれ少なくとも6Nかつ8N以下の張力がかかっている。ばね226a~bは定力ばねである。定力ばねを使用して、より均一な張力を生成することができ、したがって、エミッタ電極は、パネルの領域全体にわたってより均一な特性(例えば、電気的特性)を有することができる。ワイヤ222a~bは、収集領域全体に間隔をおいて配置するために、エミッタ電極フレーム224上で離間されているキャプスタン221に(例えば、完全な1回転未満)巻き付けられている。キャプスタン221は低摩擦であり、それにより、巻かれているワイヤ222a~bの張力にほとんど影響を及ぼさない。
図2Cは、エミッタ電極フレーム224に取り付けられたキャプスタン221の1つに巻き付けられたワイヤ222の1つを拡大して示している。いくつかの実施形態では、各エミッタ電極は、少なくとも3つのキャプスタンに巻き付けられている。
【0062】
エミッタ電極フレームに配置されたワイヤエミッタ電極の追加の例が
図3Aに示されている。
図3Aは、エミッタ電極アセンブリ部材320の例の概略図である。エミッタ電極アセンブリ部材320は、エミッタ電極フレーム324、(金属ワイヤである)エミッタ電極322a~b、定力ばね326a~b、キャプスタン321、及びワイヤ接続スタッド328a~bを含む。電気的絶縁部材306は、エミッタ電極フレーム324に取り付けられている。エミッタ電極322aの一端は、ワイヤ接続スタッド328aにおいて(この例では、電極フレーム324に)固定されている。エミッタ電極322aは、複数のキャプスタン321に巻き付けられ、他端は定力ばね326aに取り付けられている。定力ばね326aそれ自体は電極フレーム324に取り付けられている。エミッタ電極322bの一端は、ワイヤ接続スタッド328bにおいて(この例では電極フレーム324に)固定されている。エミッタ電極322bは、複数のキャプスタン321に巻き付けられ、他端は、定力ばね326bに取り付けられている。定力ばね326bそれ自体は電極フレーム324に取り付けられている。定力ばね326a~bを使用することにより、エミッタ電極322a~bは一定の張力に保たれる。キャプスタン321は、低摩擦のプラスチック(例えば、PTFE)円筒である。キャプスタン321は、エミッタ電極フレーム324の上下反対側に配置されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、エミッタ電極としてワイヤを使用することが好ましく、特にいくつかの実施形態では、一定の張力に保たれるワイヤを使用することが好ましい。したがって、ワイヤの変形は、通常の負荷(例えば、周囲の風や冷却塔からの振動)では低くなり得る。また、ワイヤの弾力性により断線のリスクは低い可能性がある。一部のアプリケーションでは、雨滴やその他の物体との衝突時にワイヤが変形し、そして(例えば、定力ばねが存在する場合は、部分的にそのため)元の張力に戻り得る。キャプスタン(例えば、低摩擦係数の、例えば小さなプラスチック円筒)を使用することにより、ワイヤを(部分的に)巻き付け、それによって望ましい間隔を実現し、張力への影響を僅少としうる。ワイヤのすべての部分の張力が許容範囲内になるように、ワイヤあたりのキャプスタンの好ましい数を決定することができる。
図3Bは、ワイヤ張力の実験結果を示すグラフである。
図3Bからわかるように、ワイヤが少数のキャプスタン(この場合は約1.5mまでのパネル)にのみ巻き付けられた後、平均ワイヤ張力は安定する。(ワイヤ番号は、例えば
図3Aに示すように、パネルの左右間でのパス数を指す。したがって、ワイヤ番号2は、ワイヤ番号1の約2倍の長さのワイヤに対応する。)
【0064】
本明細書に開示されるシステム及び方法で使用され得る、エミッタ電極及びコレクタ(例えば、収集電極)を含む追加の収集パネル及びその構成要素は、2019年8月1日に出願された米国仮特許出願第62/881,814号及び2019年8月1日に出願された米国仮特許出願第62/881,691号に記載されており、これらのそれぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。エミッタ電極及び導電性コレクタを使用してガスの流れから種を収集する、本明細書に開示されるシステム及び方法に適用可能な方法は、2018年3月26日に出願された米国特許出願第15/763,229号に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
種収集システムの最適なパフォーマンスのために、エミッタとコレクタの間の距離は実質的に一定(例えば、5%以下の変動)に保たれるべきである。ひとつには、コレクタを可能な限りまっすぐに維持することにより、間隔を部分的に良好に維持することができる。いくつかの実施形態では、コレクタメッシュは、より剛性の高い金属エッジ又はフレームの側面に取り付けられ、張力下に保たれる。例えば、1つ以上のばねが、コレクタに取り付けられた金属エッジに張力を加えることができる。張力システムは、コレクタへのより均一な力の伝達を達成するために、剛性のエッジに張力を加えることができる。張力の付加は、例えば、ばねや引き締めねじを使用して行うことができる。メッシュコレクタにプレテンションをかけると、エミッタとコレクタの離隔距離を維持しながら、風や振動によるメッシュの潜在的なたわみを減らすことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、剛性化部材(例えば、ロッド)がコレクタの長さに沿って追加されて、コレクタの剛性を高める。いくつかの実施形態では、1つ以上の張力ケーブル(例えば、金属ケーブル)が、(例えば、メッシュコレクタの開口部を通して)コレクタを通過している。張力ケーブル(複数可)は、メッシュコレクタに張力をかけ、それによってそれをまっすぐにするように、剛性フレーム又はエッジに取り付けることができる。さらに、コレクタのエッジング/フレームは、張力ケーブル(複数可)を収容するように特に設計されていてもよく、それにより、(例えば、張力ケーブル(複数可)を1つ以上のキャプスタンに通すことによって)エッジ/フレームに張力ケーブル(複数可)を縫うように進ませるのを容易とすることができる。エッジ/フレームはメッシュコレクタに均一に固定されるため、ケーブルが張力をかけて引っ張られると、張力がメッシュ全体によく分散された力として加えられる。
【0067】
いくつかの実施形態では、エミッタ電極は、高電圧(例えば、1kVから500kVの間)に維持され、したがって、好ましくは、コレクタから電気的に絶縁されている。導電性コレクタは接地することができる。高電圧に維持されるように動作可能な1つ以上のエミッタ電極と接地された1つ以上のコレクタを含む種収集システムの場合、(例えば、
図2A~2Cの収集パネル200のように)1つ以上のエミッタを高電圧絶縁体を介して1つ以上のコレクタに直接取り付けることができる。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの(例えば、すべての)エミッタ電極はエミッタフレームに取り付けられ、エミッタフレームは、コレクタフレームに物理的に接続され、かつそれから電気的に絶縁されており、コレクタフレームには1つ以上のコレクタが1つ以上の絶縁部材を介して取り付けられている(例えば、
図4A~4B、5A~5Cに示す)。2番目のケースでは、絶縁体の寸法の制限が一般的に少ないため、既製のセラミック又はポリマー絶縁体を含め、より長さの大きい絶縁体を使用できる。いくつかの実施形態では、すべての構成要素が導電性であり、電源に接続されている場合、エミッタフレーム全体が共通の(例えば、単一の)電圧に保持されるであろう。エミッタフレームをコレクタフレームに取り付ける絶縁部材はそれらを環境からさらに隔離するためにそれぞれのハウジング内に配置されてもよく、それにより、潜在的に、電気的絶縁性能を低下させる可能性のある劣化(例えば、汚染物質及び/又は汚れによる)を遅らせることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のエミッタ電極は、少なくとも1kV、かつ任意選択で500kV以下の電圧[例えば、少なくとも5kV、少なくとも10kV、少なくとも15kV、少なくとも25kV、少なくとも50kV、少なくとも100kV)(、かつ例えば、250kV以下、100kV以下、又は50kV以下)の電圧]に維持される。
【0068】
図4A及び4Bは、種収集システム400を示している。種収集システムは、導電性の細長いエミッタ接続部材407を含むエミッタフレーム405bを含む。エミッタ電極420は、エミッタ接続部材407に取り付けられている。上部エミッタフレーム405bは、電気的絶縁部材406によって、コレクタフレーム405aに取り付けられコレクタフレーム405aから電気的に絶縁されている。(いくつかの実施形態では、エミッタフレーム405b及びコレクタフレーム405aは、集合的にフレームと呼ばれる。)エミッタ電極420は、コレクタ410の間に配置され、一次元でコレクタ410を超えて延びる。隣接するコレクタ410の対のそれぞれについて、エミッタ電極420のうちの2つがコレクタ410の間に配置される。コレクタ410は金属板であり得る。種収集システム400は、設置されるときに、ガスがエミッタ電極420に対して垂直に流れる又は平行に流れるように向けられ得る。樋460は、コレクタ410に取り付けられ、コレクタ410に収集されそこから排出される種を収集するために使用される。
図4Bは、電気的絶縁部材406、エミッタフレーム405b、及び導電性の細長いエミッタ接続部材407の詳細を示している。
【0069】
エミッタ電極はエミッタフレームに取り付けられ得、コレクタはコレクタフレームに取り付けられ得る。エミッタフレーム及び/又はコレクタフレームは金属製であり得る。したがって、システム内のエミッタ電極のサブセット(例えば、すべて)は、共通に電気接続され得る。システム内のコレクタのサブセット(例えば、すべて)は、電気的に共通に接地され得る。エミッタフレームは、異なるコレクタの対の間に異なるエミッタ電極が配置されている場合でも、エミッタ電極を共通に取り付けることができる(例えば、少なくとも部分的に巻き付ける)ことができる1つ以上の導電性の細長いエミッタ接続部材(例えば、金属ロッド(複数可))を含み得、それによってエミッタシステムへの配線を簡素化する。したがって、エミッタ電極とコレクタとの間のスペースは、(例えば、
図2A~2Cに示される収集パネル200の場合のように)絶縁部材の長さ又は寸法によってではなく、エミッタ電極がエミッタ接続部材にどのように取り付けられ、エミッタフレームがコレクタに対してどのように固定されるかによって簡単に設定できる。これにより、任意の長さの絶縁体を使用でき、一方、エミッタとコレクタの間隔は、エミッタがエミッタ接続部材に取り付けられている場所だけによって設定される。したがって、既製の絶縁体などのより長い絶縁体を使用することができ、それによって全体的な設計が簡素化される。
【0070】
図5A~5Cは、種収集システム500の構成を示している。種収集システムは、(ワイヤである)エミッタ電極520、(ワイヤメッシュである)導電性コレクタ510、及び(コレクタフレーム505a及びエミッタフレーム505bからなる)フレームを含む。エミッタフレーム505bは、電気的絶縁部材506によって、コレクタフレーム505aに取り付けられコレクタフレーム505aから電気的に絶縁されている。コレクタ510は、コレクタフレーム505a内で張力をかけて保持されている。エミッタフレーム505bは、コレクタフレーム505aに側面取り付けされている。種収集システム500は、エミッタフレーム505b及び電気的絶縁部材506がガス出口の外周部外側にあるように配置することができる(例えば、コレクタ510はガス出口にまたがることができる)。エミッタフレーム505bは、エミッタ電極520が取り付けられている(例えば、少なくとも部分的に巻き付けられている)導電性の細長いエミッタ接続部材507(この例では金属ロッド)を含む。エミッタ電極620にかかる張力は、例えば、それらがエミッタ接続部材507にどれだけしっかりと巻き付けられるかによって制御することができる。異なるエミッタ接続部材507は、異なる高さ(及び等間隔)にある。2つだけが表示されているが、より多くが含まれ得る。エミッタ電極520は、エミッタ接続部材507上の位置決めにより、等間隔に(そして隣接するコレクタ510の異なる対の間に)配置されている。エミッタ電極520は、一次元でコレクタ510を超えて(ガス流の方向590に垂直に)延びる。コレクタ510は、ガス流の方向590に1より大きい高いアスペクト比を有する。電圧は、電源509を介してエミッタ電極520に印加することができる。
【0071】
(例えば、エミッタフレームをコレクタフレームに接続する)絶縁部材の汚れと劣化は、プルームに絶えずさらされている場合(例えば、水及び、水に溶けている可能性があり時間の経過とともに表面に付着するであろう汚染物質が原因で)、時間の経過とともに発生する可能性がある。コレクタの外側に(例えば、エミッタフレームを使用して)エミッタ電極を側面取り付けすることにより、例えば、コレクタがガス出口にまたがる場合、コレクタの外側にも絶縁部材を配置することができる。絶縁部材をプルームの外側に保持することにより、劣化を減らしたり、かつ/又は有害な劣化レベルに達するまでの時間を長くしたりすることができる。絶縁部材の劣化をさらに遅く及び/又は低減するために、それらをハウジング(例えば、それぞれのハウジング)内に配置することができる。
図5Cは、絶縁部材506がそれぞれのハウジング511に配置され、ハウジング511により環境的に隔離され得る絶縁部材506の例を示している。絶縁部材506のシェッド及び表面は、少なくとも周囲への曝露が低減されることとなり、かつ、その間、絶縁部材506は、エミッタ電極520及びエミッタ接続部材507を電気的に接地されたコレクタ510及びコレクタフレーム505aから電気的に絶縁(例えば、絶縁)することを可能にする。いくつかの実施形態では、ハウジングは、エミッタ接続部材が電気的に短絡することなく(例えば、安全なクリアランス及び高電圧絶縁を使用して)、それを出入りすることに対応するように形作られる。絶縁部材のハウジングは、例えば、設計の寸法に応じて、導電性材料(例えば、金属)又は電気的絶縁性材料(例えば、ガラス繊維又はガロライト)から作製され得る。
【0072】
コレクタが電気的接地に接続されている間に、電源を使用してエミッタに電圧を印加することができる。この構成では、エミッタとコレクタの間に電界が発生する。1つ以上のエミッタ電極に印加される電圧を最適化して、小さな領域での収集を強化し、消費電力を最小限に抑えることができる。エミッタ電極とコレクタの間に生成される電界の強さの一般的な(ただし非限定的な)値は、2~20kV/インチである。
【0073】
いくつかの実施形態では、異なるエミッタ電極(例えば、隣接するコレクタの同じ対の間に配置される異なるエミッタ電極)に印加される電圧は、異なっていてもよい。エミッタ電極の電圧は、エミッタ電極がガス出口から離れている距離に基づいて設定することができる。例えば、第1の距離内にあるすべてのエミッタ電極は第1の電圧に維持され得、第1の距離よりも遠いが第2の距離内にあるすべてのエミッタ電極は第2の電圧に維持され得る。第2の電圧は、第1の電圧よりも低くてもよい。したがって、システムは効果的にセクション又はスライスに分割され、各セクションは特定の電圧のエミッタを有する。このような構成により、より効率的な電力使用が可能になる。さらに、パフォーマンスをさらに最適化するために、様々なセクションで様々なエミッタの配列を使用できる。例えば、より低い曲率(より大きな直径)のワイヤは、ガス出口から離れたセクションでエミッタ電極として使用され得、より高い曲率(より小さな直径)のワイヤは、ガス出口に近いセクションでエミッタ電極として使用され得る。
【0074】
システムが経済的に実行可能で魅力的であるためには、消費電力を低く抑えることが望ましい。一例として、コロナ放電は、エミッタ電極からコレクタへのイオンの流れを確立することによって電力を消費する。したがって、ガスの流れ(例えば、プルーム)内のすべての種(例えば、水滴)を最小限に完全に帯電させるイオンの最適な生成速度でエミッタ電極を動作させることで、最小限の電流を使用でき、それによってエネルギー消費を最小限に抑える。多段階設計は、収集プロセスを別々の帯電段階と偏向段階に分割することにより、この取り組みに役立つ。コロナ放電は帯電段階でのみ有用であり、種が帯電されると、通常の静電界を使用して、追加の電流、したがって電力消費を加えることなく、帯電された種を偏向させることができる。したがって、帯電した種の偏向を追加でもたらし、種の収集を強化するには追加の導電性部材(例えば、エミッタ電極)をコレクタ間に含めることが望ましいが、そのような導電性部材のすべてが、イオンを生成するのに十分な電圧で動作する必要はない。したがって、いくつかの実施形態では、第2の段階又はセクションにおいてより低い電圧(したがってより少ない電流)が使用される。追加的又は代替的に、電流を生成する傾向がより少ない、異なる導電性部材(複数可)(プレート又はより大きな直径のロッド又はワイヤなど)を、比較的高い電圧に維持されるエミッタ電極(複数可)よりもガス出口からのガス流の経路に沿ったさらに先に配置することができる。
【0075】
図6A、6Bは、種収集システム600の一部の異なる構成を示している。
図6Aを参照すると、複数のエミッタ電極620が隣接するコレクタ610の間に配置されている。エミッタ電極620は、ガス流Uの方向に垂直に張力がかけられたロッド又はワイヤである。エミッタ電極620は、コレクタ610が離間している方向に垂直な方向に等間隔に配置されている。コレクタ610は、例えば、導電性メッシュ又はプレートであり得る。エミッタ電極620は、一定のサイズであるとして示されているが、異なるサイズであり得る。例えば、最も遠いエミッタ電極620は、より大きくてもよい。より大きな直径のエミッタ電極は、電流を生成する可能性が低く、したがって、より電力効率が高い可能性がある。あるいは、又はさらに、より小さな電圧を、(例えば、冷却塔の)ガス流Uが発生するガス出口からさらに離れたエミッタ電極620に印加することができる。直径が大きく、及び/又は電圧が小さい場合でも、電場が生成され、種670(例えば、水滴)をコレクタ610に向けて偏向させる。種670の軌跡が示されている。近位エミッタ電極620は、それらが流れるときに存在する種670及び他の任意の種670を帯電するのに十分な電圧がそれに印加され得る。
【0076】
図6Bを参照すると、種収集システム600の構成では、単一のエミッタ電極620及び導電性(例えば、金属)プレート625が、コレクタ610の間に配置されている。エミッタ電極620は、ガス流Uの方向に垂直に張力をかけられたロッド又はワイヤである。コレクタ610は、例えば、導電性メッシュ又はプレートであり得るプレート625及びエミッタ電極620は、共通の平面にある。エミッタ電極620は、(例えば、冷却塔の)ガス流Uが発生するガス出口の近位にあり、プレート625は遠位にある。エミッタ電極620は、通過する種(例えば、水)を帯電するのに十分な電圧(例えば、少なくとも1kV)に維持され得る。プレート625は、エミッタ電極620が維持される電圧よりも低い電圧に維持され得る。プレート625が維持される電圧は、通過する種を帯電するには(例えば、イオンを生成するために)不十分であり得るが、種670を偏向させる電界を生成するためには依然として十分である。いくつかの実施形態では、種収集システム内の隣接するコレクタのいくつかの対の間は複数のエミッタ電極があり、システム内の隣接するコレクタのいくつかの他の対の間にはプレートと少なくとも1つのエミッタ電極がある。
【0077】
いくつかの実施形態では、樋は、コレクタ(例えば、複数のコレクタのそれぞれ)の底部に配置される。樋をコレクタに取り付けることができる。樋には、コレクタの下部に配置された溝が含まれる場合がある。集められた種(例えば、水)は重力のためにコレクタを流れ落ち、樋に落ちる。樋は、その内容物がシステムの外周部に向かって流れやすくするために、下向きに(例えば、平らな地面に対して)角度を付けることができる。樋は、収集された種を移送するために、例えば、システムの外周部で収集導管(例えば、管又はパイプ)に接続され得る。樋は複数のコレクタに共通である場合もあれば、各コレクタが独自の樋を持っている場合もある。導電性コレクタのエッジは、樋内に配置することができる。例えば、樋は、コレクタの2つの対向する表面に取り付けられ得る。樋は、例えば、収集された流体を樋内に向けるために、1つ以上の収集翼を含み得る。樋は、流体が排出できる管状部材を含み得る。収集翼を備えた樋は、液滴がコレクタ(例えば、メッシュ)を流れ落ちたときに、コレクタと樋の境界面にぶつかって外側に向きを変えてシステムから滴り落ちるのではなく、樋に注ぎ込まれるように形作られ得る。
【0078】
図7A、7Bは、導電性コレクタ710に取り付けられた樋760の詳細を示す。導電性コレクタ710はワイヤメッシュである。樋760は、収集翼762a、b及び管状部材764を含む。管状部材764は、円形の断面を有するが、長方形又は三角形の断面を有する管状部材など、他の断面を有する管状部材も使用することができる。
図7Bの写真では、樋760は、収集された流体をシステムの外周部に向かって排出するために使用することができる流体導管770と流体連通している。
【0079】
パネルは、1つ以上の電気的絶縁部材を含み得る。
図8及び
図9A~9Eは、それぞれ、電気的絶縁部材806及び電気的絶縁部材906の概略図である。電気的絶縁部材806、906は、例えば、長期間の霧又は持続する降雨の存在下での湿潤状態下での動作電圧に耐えるように設計されている。電気的絶縁部材806は、中央コア806a及びシェッド806cを含む。電気的絶縁部材806は、締結具806b(例えば、ねじ又はボルト)を使用して、エミッタ電極アセンブリ部材及び/又は種収集部材に物理的に接続することができる。締結具806bは導電性であり得るが、中央コア806aは電気的に絶縁性であるため、電気的絶縁部材806を通る導電性経路を提供しない。電気的絶縁部材906は、中央コア906a及びシェッド906cを含む。シェッド906cには、例えば、
図9B、9C、及び9Dに示すように60
°のナイフエッジがある。電気的絶縁部材906は、締結具(図示せず)を使用してエミッタ電極アセンブリ部材及び/又は種収集部材に物理的に接続するための穴906d(例えば、ねじ穴906d)を含む。いくつかの実施形態では、種収集部材は、1つ以上の電気的絶縁部材(例えば、少なくとも4つ又は少なくとも6つの電気的絶縁部材)を使用して、エミッタ電極アセンブリ部材に物理的に接続される。絶縁部材806、906などの絶縁部材は、エミッタフレームをコレクタフレームに取り付けるために使用され得(例えば、
図5A~5Cのように)、そのような絶縁部材は、より長い寸法及び/又は追加のシェッドを有し得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、電気的絶縁部材の絶縁材料、シェッドの形状、及び全体の寸法が、湿潤状態での短絡に対する電気的絶縁部材の抵抗を最適化するように選択される。電気的絶縁部材は、少なくとも200kV/cm(例えば、少なくとも400kV/cm)の絶縁耐力を有し得る。電気的絶縁部材は、25mN/m以下の表面エネルギーを有し得る。いくつかの実施形態では、シェッドは、電気的絶縁部材の端から端までの表面伝導経路を遮断し、表面アーク放電又は表面電気破壊を防ぐために利用される。電気的絶縁部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得る。いくつかの実施形態では、電気的絶縁部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)円筒を含む。PTFEは有用な誘電特性(約600kV/cmの絶縁耐力)を有し、(約20mN/mの表面エネルギーを有し、)疎水性である。PTFEの疎水性は、湿潤イベント中の水の効果的な排水を促進し、電気的絶縁部材の表面に沿った停滞した水パッチによるアーク放電を防ぐ可能性がある。電気的絶縁部材は、(例えば、円筒形の体積範囲を有する)円筒形であり得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、電気的絶縁部材は、1つ以上のシェッド、例えば3つのシェッドを含む。いくつかの実施形態では、シェッド(複数可)は、中央コアに対して特定の半径を有する。これら2つの値の差は、電気的絶縁部材の「シェッドオーバーハング」寸法として知られている。シェッドは、所与の電気的絶縁部材において同じ又は異なるオーバーハングを有し得る。いくつかの実施形態では、近くのシェッドは、隣接するシェッドの間でピッチ又はシェッド離隔距離を設定する、中央コアに沿ってシェッドを均等に配置する特定の寸法だけ離間されている。シェッドオーバーハング対シェッドピッチの比率は、導電性部材が噴霧され又はさらされている流体(例えば、水)の導電率の関数としての最適な比率の相互関係を示す経験的データに基づく、特定の最適な比率を超えて維持され得る。この比率は、導電性部材に沿って排出される流体の導電性が増加するにつれて増加する。導電性部材の全長は、エミッタ電極と流体収集電極との間の所定の(例えば、最適な)間隔によって決定され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、電気絶縁部材の1つ以上のシェッドのそれぞれは、ナイフエッジ(例えば、約60°のナイフエッジ)を含む。ナイフエッジは、各シェッドから効果的に液滴が排出されるのを容易にし、シェッドの下端に溜まるのを防ぐことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、流体収集部材とエミッタ電極アセンブリ部材とは、1つ以上の電気的絶縁部材(例えば、少なくとも4つ又は少なくとも6つの電気的絶縁部材)を使用して物理的に接続されている。1つ以上の電気的絶縁部材は、少なくとも200kV/cm(例えば、少なくとも400kV/cm)の絶縁耐力を有し得る。1つ以上の電気的絶縁部材は、25mN/m以下の表面エネルギーを有し得る。1つ以上の電気的絶縁部材のそれぞれは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含み得る。1つ以上の電気的絶縁部材のそれぞれは、1つ以上のシェッドを含み得る。1つ以上の電気的絶縁部材のそれぞれは、3つのシェッドを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のシェッドは、電気的絶縁部材の中央コアから10mmから20mmの距離だけオーバーハングしている。いくつかの実施形態では、1つ以上のシェッドのそれぞれは、10mmから30mmの距離だけ隣接する各シェッドから分離されている。距離は17.5mmから22.5mmまでであり得る。1つ以上のシェッドのそれぞれは、2mmから3mmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のシェッドのそれぞれは、ナイフエッジ(例えば、約60°のナイフエッジ)を含む。1つ以上の電気絶縁部材のそれぞれは円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の電気絶縁部材のそれぞれは、長手方向の長さを有し、長手方向の長さは、25mmから150mm、例えば、25mmから75mmであり得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、収集された流体は、(例えば、冷却塔の)冷却還流水、温水ライン、冷却塔の水盤、施設の所在地、又は配水システム(例えば、市営水道)に供給され得る。これは、収集量の流体を関連管路に向けて直接供給することにより行われてもよいし、別のタンクに供給し、その後、所望の還流水、管路、水盤、施設、又はシステムに供給することによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、水は、プラントの他の部分(例えば、発電プラント)で使用することができる、又は別途販売することができる。
【0085】
周囲条件と収集された流体の品質に応じて、収集された流体を特定の基準(例えば、凝縮器冷却水品質基準)に精製するための中間濾過ステップを使用できる。特定の基準は、種収集システムの場所と設備によって異なり得る。粒子インジェクタを使用してガスの流れの中でのガスの凝縮速度を高める場合は、濾過が好ましい場合がある。
【0086】
冷却に使用される流体は、例えば、汽水又は海水などの水であり得る。ガスの流れから流体を収集することは、プルームを軽減しながら水を脱塩するという追加の利点をもたらす可能性がある。すなわち、海水を、例えば、冷却のために使用することができ、純粋な脱塩水が本明細書に記載のシステムを使用して収集され得る。いくつかの実施形態では、システムは、給水として海水又は他の汽水を使用する冷却塔と組み合わされ、超低コストの淡水化システムをもたらす。沿岸発電所は冷却塔で海水を使用する場合があり、設置された種収集システムは、冷却塔から出てくる純水を収集でき、家庭、工業、又は農業のニーズに使用できる。
【0087】
収集された流体は、後にガスの流れの中に分散されるソース流体よりもはるかに純粋であり得る。例えば、収集された水は、冷却塔で循環する水よりもはるかに純粋であり得る。プルーム内の蒸留水と共に収集される漂積物の存在から、汚染物が収集された流体に入る可能性がある。いくつかの実施形態では、収集された流体は、流体がガスの流れに入る前の流体の純度と比較して、純度の高さが少なくとも5倍かつ50倍以内(例えば、汚染物質濃度の低さが少なくとも5倍かつ50倍以下)である純度を有する。集められた水は、冷却に使用する必要はなく、他の地方自治体の用途に使用できるため、淡水の供給源として使用できる。例えば、収集導管は収集された流体を、収集パネルから、貯蔵タンク、地方自治体用水システム、又は他の水循環システムに向けて運ぶことができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、冷却塔の最適化アルゴリズムを、水とエネルギーの両方の消費を最適化するように変更したシステムが冷却塔に設置される。以前のシステムでは、再循環水の温度は、ほとんどの場合、(例えば、ポンプなどによる)エネルギーコストを最適化するように選択されていた。本明細書に開示されるような収集システムを追加することにより、諸要素において水を考慮にいれた新しい最適化を使用することができ、冷却塔を別の方法(例えば、より高い水温)で動作させた場合、より多くの水を収集できるため、さらに高度の節約につながる可能性がある。
【0089】
図10A、10Bは、プルームから水を収集するために使用されている種収集システム1000の例を示している。
図10Aでは、電圧が印加されていないので、プルーム内の水は帯電せず、水を偏向させるための電場もない。プルームは種収集システム1000を通過する。
図10Bでは、電圧が種収集システム1000のエミッタ電極1020に印加され、それがプルーム内を通過する水の帯電と、それをコレクタ1010に向けて偏向させる電界とを生じさせる。プルームからの水はコレクタ1010に集められ、重力のために樋1060に排出される。絶縁部材1006は、エミッタ電極1020からコレクタ1010を電気的に絶縁し、コレクタ1010が取り付けられているフレーム1005にエミッタ電極1020を物理的に取り付けるために使用される。(エミッタ電極1020はコレクタ1010に直接取り付けられていない。)フレーム1005は金属製である。コレクタ1010は平行(例えば、10度以内)であり、プルーム内のガス流方向と整列している。エミッタ電極1020は、キャプスタンに巻き付けられたワイヤである。
図10Bに見られるように、十分に高い電圧で、プルームは、種収集システム1000によって完全に軽減され、その結果、向こう側に何も通過していない。
図11は、印加されたエミッタ電極電圧、(エミッタ電極(複数可)の)ワイヤ規格、及びワイヤエミッタ電極によって帯電した水を偏向させるために使用される任意選択の偏向プレートの様々な組み合わせについて、プルームからの集水率とコレクタに沿った距離(水が収集されるガス流方向で測定)のプロットを示している。
【0090】
本開示の特定の実施形態が以上に記載された。しかし、本出願はこれらの実施形態に限定されず、本出願で明確に説明したことへの付加及び変更も本出願の範囲に含まれることが意図されていることが明確に示される。また、本開示で説明した種々の実施形態の特徴は互いに排他的でなく、種々の組み合わせ及び並べ換えで存在し得ることが、たとえこのような組み合わせ又は並べ換えが明示されなかったとしても、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であることを理解されたい。これまで、種捕捉システム、装置、及び方法の特定の実施態様を説明してきたが、本開示の概念を組み込んだ他の実施態様を使用できることが、当業者には明らかになるであろう。したがって、本開示は特定の実施態様に限定されてはならず、むしろ以下の請求項の趣旨及び範囲によってのみ限定されなければならない。
【国際調査報告】