(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ヘアトリートメント組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20230331BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230331BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/02
A61K8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022543100
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2021050497
(87)【国際公開番号】W WO2021144272
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】エーンジャー,ニコラス・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,ルイーザ・ゾーイ
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ヨアナ・スーザン
(72)【発明者】
【氏名】フォレスト,リチャード・アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ルイーズ・ジャネット
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド,ポール・ステファン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC541
4C083AC542
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD151
4C083BB07
4C083BB34
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE05
4C083EE23
(57)【要約】
ピロクトン化合物、および両性界面活性剤とエトキシル化アニオン性界面活性剤とを含むクレンジング界面活性剤であって、アニオン性界面活性剤が、2.5以上の平均エトキシル化度を有するクレンジング界面活性剤を含むパーソナルクレンジング組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ピロクトン化合物、および
ii)両性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを含むクレンジング界面活性剤
を含むパーソナルクレンジング組成物であって、
前記アニオン性界面活性剤が、エトキシル化アルキルサルフェートを含み、
アニオン性界面活性剤の総レベルが、2.5以上の平均エトキシル化度を有する、パーソナルクレンジング組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項3】
前記エトキシル化アニオン性界面活性剤の前記平均エトキシル化度が、2.5以上、好ましくは3以上である、請求項1または2に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項4】
前記エトキシル化アルキルサルフェートがラウレス硫酸ナトリウム(3EO)である、請求項1から3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記両性界面活性剤がコカミドプロピルベタインである、請求項1から4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記ピロクトン化合物がピロクトンオラミンである、請求項1から5のいずれか一項に記載のパーソナル組成物。
【請求項7】
カチオン性ポリマーをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
シリコーンをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
エトキシル化アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との比が、2:1~6:1、好ましくは3:1~4:1である、請求項1から8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
組成物全体の3~20重量%、好ましくは5~15重量%、最も好ましくは6~12重量%の総クレンジング界面活性剤レベルを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
組成物全体の0.1~5重量%、好ましくは0.2~3重量%の総レベルのピロクトン化合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
シャンプーである、請求項1から11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物を毛髪または頭皮に塗布することを含む、毛髪または頭皮を処理する非治療的方法。
【請求項14】
使用後に前記組成物が洗い流される、請求項13に記載の非治療的方法。
【請求項15】
ピロクトン化合物の堆積を増強するための、請求項1から12のいずれか一項に記載のクレンジング界面活性剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物、特にフケ防止シャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フケは、世界中の多くに影響を及ぼす問題である。この状態は、頭皮から死んだ皮膚細胞の塊が脱落することによって現れ、これらは色が白く、審美的に不快な外観をもたらす。フケに寄与する1つの要因が、マラセチア(Malassezia)酵母の特定の成員である。これらの酵母に対抗するために、フケ防止効果のための様々な活性物質を含むヘアトリートメント組成物が開発されている。ピロクトンオラミンなどのピロクトン化合物は、そのような活性物質の1つである。
【0003】
ピロクトン化合物の一般的な問題は、洗浄プロセス中の所望の表面上への該活性物質の堆積が最小限であることである。所望の表面は、典型的には頭皮および/または毛髪である。例えば、ピロクトンオラミンなどのピロクトン化合物は、通常、ヘアトリートメント組成物に含まれるクレンジング相の界面活性剤に可溶性である。過剰なすすぎプロセス中、ピロクトンの大部分は、界面活性剤とともに洗い流されやすい。不十分な堆積は、フケ防止活性の低さと相関しているため、フケの悪影響の緩和はほとんどない。今日まで、ヘアトリートメント組成物中のピロクトンオラミンのレベルを増加させることによって、この欠点を相殺しようと試みられてきた。そのような手法は、コストの増加、製剤の潜在的な不安定性、および毛髪の感覚に対する潜在的な悪影響などの様々な問題を引き起こす。したがって、それは該業界が好む手法ではない。
【0004】
ドイツ特許第102012203240号は、フケ防止効果が増大し、毛髪の櫛通り、光沢、弾性が改善されたヘアトリートメント組成物を記載している。組成物は、ピリチオン亜鉛、クリンバゾール、オクトピロックス、ケトコナゾール、二硫化セレン、セレン含有植物油、セレン含有植物抽出物およびカチオン性アミノシリコーンから選択されるフケ防止剤を含む。例には、Octopirox(登録商標)(ピロクトンオラミン)、アミノシリコーンおよび界面活性剤を含むシャンプーおよびコンディショナーが挙げられる。
【0005】
米国特許第2013/0059929号は、塩化ベンゼトニウム、メチルイソチアゾリノン、ピロクトンオラミンおよびラウロイルエチルアルジネートのうちの少なくとも1つを含み、フェノール基を含む防腐剤を含有しない化粧用または皮膚科学的調製物を記載している。調製物は、改善された感覚特性および十分な微生物学的安定性を示す。
【0006】
米国特許第2002/0035161号は、連続水相中に分散された不連続脂肪相を含み、有効量の少なくとも1つの生物学的活性剤(A)と、効果量の乳化系(B)とを含む化粧用/医薬水中油型エマルジョンであって、したがって、上記少なくとも1つの生物学的活性物質(A)が、微粒子化粒子状態でその中で非可溶化されており、数値的に少なくとも80%の上記微粒子化粒子が1~10μmの範囲の直径を有し、また数値的に少なくとも50%が5μm未満の直径を有する化粧用/医薬水中油型エマルジョンを記載している。
【0007】
米国特許第2020/000690号は、低レベルの界面活性剤と界面活性剤可溶性フケ防止化合物とを含むフォーム組成物を開示している。
【0008】
あらゆる先行技術にもかかわらず、洗浄プロセス中の頭皮および/または毛髪の表面上へのピロクトン化合物、特にピロクトン酸またはピロクトンオラミンの堆積を改善する必要性が依然として存在する。また、感覚性、製剤レオロジーおよびコンディショニング性能に対する有害な副作用を伴わず、上記表面上への堆積を改善することも依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ特許第102012203240号
【特許文献2】米国特許第2013/0059929号
【特許文献3】米国特許第2002/0035161号
【特許文献4】米国特許第2020/000690号
【発明の概要】
【0010】
本発明は、パーソナルクレンジング組成物に関する:
i)ピロクトン化合物、および
ii)両性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを含むクレンジング界面活性剤であって、アニオン性界面活性剤が、エトキシル化アルキルサルフェートを含み、アニオン性界面活性剤の総レベルが、2.5以上の平均エトキシル化度を有するクレンジング界面活性剤。
【0011】
本発明はまた、上記パーソナルケア組成物を塗布することを含む、毛髪または頭皮を処理する非治療的方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、ピロクトン化合物の堆積を増強するための上記組成物の治療的使用に関する。
【0013】
疑義を避けるために、本発明の一態様の任意の特徴が、本発明の他の任意の態様において利用されてもよい。「好ましい」と記載された任意の特徴は、さらに好ましい1または複数の特徴と組み合わせて特に好ましいと理解されるべきである。本明細書では、特定の実施形態の任意の特徴が、本発明の任意の他の実施形態において利用されてもよい。用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。以下の説明で与えられる実施例は、本発明を明確にすることを意図しているが、本発明を限定することを意図するものではない。すべてのパーセンテージは、他に指示がない限り重量/重量%である。操作および比較実施例、または他に明示されている場合を除いて、材料の量、または反応条件、物理的特性、または材料および/または使用を示す本明細書中のすべての数字が、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で使用するためのピロクトン化合物には、ピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級、第二級および第三級オラミン塩(ジエタノールアミン塩およびトリエタノールアミン塩など)ならびにそれらの混合物、好ましくはピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級オラミン塩(すなわち、Octopirox(登録商標)としても知られているピロクトンオラミン)およびそれらの混合物が含まれる。
【0015】
ピロクトンオラミンは、ヒドロキサム酸誘導体ピロクトンのオラミン塩である。これは、一般に、商品名Octopirox(登録商標)を有するピロクトンエタノールアミンとして知られている。
【0016】
本発明によるピロクトンオラミンは、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジノンと2-アミノエタノールとの1:1化合物であり、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩とも呼ばれる。CAS番号は68890-66-4であり、該化合物は以下の一般式(I)を有する:
【化1】
【0017】
ピロクトン化合物、特にピロクトンオラミンは、好ましくは組成物全体の0.01~5重量%、さらに好ましくは組成物全体の0.1~5重量%、最も好ましくは0.2~3重量%で存在する。
【0018】
化粧用組成物は、1つのクレンジング界面活性剤を含む。界面活性剤とは、それらが溶解している水溶液の表面張力を低下させるように作用する親水性部分および疎水性部分を有する化合物である。クレンジング界面活性剤は、両性界面活性剤とエトキシル化アニオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤は、2.5以上、好ましくは3以上の平均エトキシル化度を有する。
【0019】
エトキシル化アニオン性界面活性剤のアルキル鎖は、好ましくは8~18個、さらに好ましくは10~16個の炭素原子であり、不飽和であってよい。好ましいアルキルエーテルサルフェートは、式(I)のものである:
R-O-(CH2CH2-O)n-SO3
-M+(I)
【0020】
式中、Rは、8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキル鎖であり、nは、3以上、好ましくは3の平均エトキシル化度であり、(Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。好ましい例は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。最も好ましい例は、3以上の平均エトキシル化度、好ましくは3の平均エトキシル化度を有するSLESであり、好ましくは、界面活性剤はラウレス硫酸ナトリウム(3EO)である。
【0021】
アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートを含む好ましい両性または双性イオン性クレンジング界面活性剤、ここで、アルキル基およびアシル基は、8~19個の炭素原子を有する。好ましい両性界面活性剤には、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココベタイン、コカミドプロピルベタインおよびナトリウムココアンホアセテートが含まれる。特に好ましい両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0022】
好ましくは、エトキシル化アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との比は、2:1~6:1、さらに好ましくは3:1~4:1である。
【0023】
本発明で使用するためのシャンプー組成物中のクレンジング界面活性剤の総量は、組成物の総重量に基づいて、総重量界面活性剤により、一般に3~20%、好ましくは5~15%、さらに好ましくは6~12%である。
【0024】
存在し得るが好ましくない追加のクレンジングアニオン性界面活性剤の非限定的な例には、アルキルサルフェート、アルカリールスルホネート、N-アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アシルアミノ酸系界面活性剤、アルキルエーテルカルボン酸、アシルタウレート、アシルグルタメート、アルキルグリシネートおよびその塩、特に、それらのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩ならびにモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩がある。先の一覧のアルキル基およびアシル基は、一般に、8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であり得る。
【0025】
クレンジング界面活性剤の追加の非限定的な例には、アルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドを有し、一般に6~30個のエチレンオキシド基を有する脂肪族(C8~C18)第一級または第二級直鎖または分岐鎖アルコールを含む非イオン性クレンジング界面活性剤が挙げられ得る。ただし、非イオン性クレンジング界面活性剤が存在しないことが好ましい。他の代表的なクレンジング界面活性剤には、モノ-またはジ-アルキルアルカノールアミド(例には、ココモノ-エタノールアミドおよびココモノ-イソプロパノールアミドが挙げられる)およびアルキルポリグリコシド(APG)が含まれる。本発明に使用するのに適したアルキルポリグリコシドは、市販されており、例えば、BASF製のPlantapon 1200およびPlantapon 2000として特定される材料を含む。本発明で使用するための組成物に含まれ得る他の糖由来界面活性剤には、例えば、国際公開第9206154号および米国特許第5194639号に記載されているC12~C18 N-メチルグルカミドなどのC10~C18 N-アルキル(C1~C6)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、ならびにC10~C18 N-(3-メトキシプロピル)グルカミドなどのN-アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる。
【0026】
前述のアニオン性、非イオン性および両性クレンジング界面活性剤のいずれかの混合物も好適であり得、好ましくは、第1の界面活性剤と第2の界面活性剤との比は、シャンプー組成物中のクレンジング界面活性剤の含有重量に基づいて、1:1~10:1、さらに好ましくは2:1~9:1、最も好ましくは3:1~8:1である。
【0027】
パーソナルケア組成物は、少なくとも1つのカチオン性堆積ポリマーを含み得る。好適なカチオン性ポリマーは、カチオン置換されているホモポリマーであり得るか、または2種類以上のモノマーから形成され得る。ポリマーの重量平均(Mw)分子量は、一般に100000~200万ダルトンである。ポリマーは、第四級アンモニウム基もしくはプロトン化アミノ基、またはそれらの混合物などのカチオン性窒素含有基を有する。ポリマーの分子量が低すぎると、コンディショニング効果は不十分である。高すぎると、注いだ際に組成物の曳糸性をもたらす高い伸長粘度という問題が存在し得る。
【0028】
カチオン性窒素含有基は、一般に、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部に置換基として存在する。したがって、ポリマーがホモポリマーでない場合、それはスペーサー非カチオン性モノマー単位を含むことができる。そのようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性モノマー単位と非カチオン性モノマー単位との比は、一般に0.2~3.0meq/gmである必要な範囲のカチオン電荷密度を有するポリマーを与えるように選択される。ポリマーのカチオン電荷密度は、米国薬局方に記載されているケルダール法により、窒素決定のための化学試験下で好適に決定される。
【0029】
好適なカチオン性ポリマーには、例えば、カチオン性アミン官能基または第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、水溶性スペーサーモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、アルキルおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンならびにビニルピロリジンとのコポリマーが含まれる。アルキルおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1~C7アルキル基、さらに好ましくはC1~3アルキル基を有する。他の好適なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが含まれる。
【0030】
カチオン性アミンは、組成物の特定の種およびpHに応じて、第一級、第二級または第三級アミンであり得る。一般に、第二級および第三級アミン、特に第三級アミンが好ましい。
【0031】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミン形態で重合し、次いで四級化によってアンモニウムに変換され得る。
【0032】
カチオン性ポリマーは、アミン置換モノマーおよび/または第四級アンモニウム置換モノマーおよび/または適合性スペーサーモノマーに由来するモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0033】
好適な(非限定的な例の)カチオン性ポリマーには、以下が挙げられる:
・例えば、該業界(CTFA)ではそれぞれポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7と呼ばれている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、およびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーを含むカチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー;
・3~5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノ-アルキルエステルの鉱酸塩、(米国特許第4,009,256号に記載);
・カチオン性ポリアクリルアミド(国際公開第95/22311号に記載)。
【0034】
使用することができる他のカチオン性ポリマーには、カチオン性多糖ポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体が含まれる。
【0035】
本発明で使用するための組成物に使用するのに適したカチオン性多糖ポリマーには、以下の式のモノマーが含まれる:
A-O-[R-N+(R1)(R2)(R3)X-]
【0036】
式中、Aは、デンプン無水グルコース残基またはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基である。Rは、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基またはそれらの組合せである。R1、R2およびR3は、独立して、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシアリール基を表し、各基は最大約18個の炭素原子を含む。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R1、R2およびR3の炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0037】
別の種類のカチオン性セルロースには、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第四級アンモニウム塩が含まれ、これは該業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれている。これらの材料は、例えば、商品名Polymer LM-200の下、Amerchol Corporationから入手可能である。
【0038】
他の好適なカチオン性多糖ポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号に記載されている)、およびエーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(例えば、米国特許第3,958,581号に記載されている)が含まれる。そのような材料の例には、一般に該業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれる、Dow製のポリマーLRおよびJRシリーズが挙げられる。
【0039】
使用することができる特に好適な種類のカチオン性多糖ポリマーには、カチオン性グアーガム誘導体、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(RhodiaからJAGUAR商標シリーズで市販されている)がある。そのような材料の例には、JAGUAR C13S、JAGUAR C14およびJAGUAR C17がある。
【0040】
上記カチオン性ポリマーのいずれかの混合物を使用してもよい。
【0041】
カチオン性ポリマーは、一般に、組成物の総重量に基づいて、カチオン性ポリマーの総重量により0.01~5%、好ましくは0.02~1%、さらに好ましくは0.05~0.8%のレベルで、本発明で使用するためのシャンプー組成物中に存在する。
【0042】
好ましくは、本発明の組成物、特に本発明で使用するための水性シャンプー組成物は、懸濁剤をさらに含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤によって架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの例には、Carbopol 1342がある。Carbopol(商標)材料はいずれも、Goodrichから入手可能である。
【0043】
アクリル酸とアクリレートエステルとの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0044】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0045】
懸濁剤は、一般に、組成物の総重量に基づいて、懸濁剤の総重量により0.1~10%、好ましくは0.15~6%、さらに好ましくは0.2~4%のレベルで、本発明で使用するためのシャンプー組成物中に存在する。
【0046】
化粧用組成物は、任意の成分が前述の必須成分と物理的および化学的に適合性であり、そうでなければ感覚性、製剤レオロジーおよびコンディショニング性能を過度に損なわない限り、1つ以上の成分を含んでいてもよい。そのような任意の成分の個々の濃度は、組成物全体の0.001重量%~10重量%、好ましくは0.01重量%~5%重量%の範囲であり得る。そのような成分には、コンディショニング剤、芳香剤、染料、顔料、pH調整剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、防腐剤、ならびに植物成分、果実抽出物、糖誘導体およびアミノ酸などの天然毛髪栄養素が含まれ得る。
【0047】
好ましい任意の成分のうちの1つが懸濁剤である。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコール3ジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能剤によって架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941およびCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの例には、Carbopol 1342がある。Carbopol(商標)材料はいずれも、Goodrichから入手可能である。アクリル酸とアクリレートエステルとの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1またはPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えばKelzan muとして入手可能なものである。上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0048】
懸濁剤は、含まれる場合、一般に、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2.5重量%、さらに好ましくは0.25~1重量%のレベルで組成物中に存在する。
【0049】
別の好ましい任意の成分は、コンディショニング効果をもたらすコンディショニング剤である。典型的には、化粧用組成物に使用される最も一般的なコンディショニング剤は、鉱油などの水不溶性油性材料、トリグリセリドおよびシリコーンポリマーなどの天然に存在する油である。コンディショニング効果は、油性材料が毛髪上に堆積されて膜を形成することによって達成され、これにより、毛髪がさらに滑らかになり、乾燥しにくくなる。好ましくは、コンディショニング剤は不揮発性であり、これは25℃で1000Pa未満の蒸気圧を有することを意味する。
【0050】
好ましくは、組成物は、50ミクロン未満、好ましくは30ミクロン未満、さらに好ましくは15ミクロン未満、最も好ましくは10ミクロン未満の平均液滴径(D3,2)を有する水不溶性コンディショニング剤の分離した分散液滴を含む。水不溶性コンディショニング剤の平均液滴径(D3,2)は、例えばMalvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定され得る。
【0051】
水不溶性コンディショニング剤は、炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物などの非シリコーン油性材料または脂肪性材料を含む非シリコーンコンディショニング剤を含み得る。好ましくは、水不溶性コンディショニング剤は乳化シリコーン油である。
【0052】
好適なシリコーンには、ポリジオルガノシロキサン、特に、CTFA名称ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが含まれる。また、本発明の組成物(特にシャンプーおよびコンディショナー)に使用するのに適しているのは、CTFA名称ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。例えば、国際公開第96/31188号に記載されているように、架橋度の低いシリコーンガムも本発明の組成物に使用するのに適している。好ましくは、シリコーン油は、ジメチコン、ジメチコノールまたはそれらの混合物を含む。
【0053】
乳化シリコーン自体(エマルジョンまたは最終ヘアケア組成物ではない)の粘度は、典型的には、25℃で少なくとも10,000cSt(センチストークス=mm2・S-1)、好ましくは少なくとも60,000cSt、最も好ましくは少なくとも500,000cSt、理想的には少なくとも1,000,000cStである。好ましくは、配合を容易にするために、粘度は109cStを超えない。シリコーン油の動粘度を測定するための好適な方法は、当業者に公知であり、例えば、毛細管粘度計である。高粘度シリコーンの場合、一定応力レオメーターを使用して粘度を測定することができる。
【0054】
組成物に使用するのに適した乳化シリコーンは、シリコーンの供給業者、例えば、Dow CorningおよびGE siliconesから、予め形成されたシリコーンエマルジョンとして入手可能である。そのような予め形成されたシリコーンエマルジョンの使用は、シリコーン粒径の加工および制御を容易にするために好ましい。そのような予め形成されたシリコーンエマルジョンは、典型的には、好適な乳化剤をさらに含み、乳化重合などの化学的乳化プロセスによって、または高剪断ミキサーを使用した機械的乳化によって調製され得る。
【0055】
好適な予め形成されたシリコーンエマルジョンの例には、いずれもDow Corningから入手可能なDC1785、DC1788、DC7128が挙げられる。これらはジメチコノール/ジメチコンのエマルジョンである。
【0056】
使用され得るシリコーンの別のクラスは、官能化シリコーン、例えば、少なくとも1つの第一級、第二級もしくは第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味するアミノ官能性シリコーンである。好適なアミノ官能性シリコーンの例には、CTFA名称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。
【0057】
好ましくは、シリコーンエマルジョン液滴は、例えば国際公開第03/094874号に記載されているように、高分子量の特定の種類の表面活性ブロックポリマーとブレンドされてシリコーンエマルジョンを形成する。疎水性部分および親水性部分としてポリオキシプロピレン基およびポリオキシエチレン基をそれぞれ有する表面活性ブロックポリマーの1つの好ましい形態は、式Vを有し、BASF製の商品名「Pluronic」の下に商業的に知られているCTFA名称ポロキサマーを有する。
V)HO(CH2CH2O)x(CH(CH3)CH2O)y(CH2CH2O)x H
【0058】
好適には、式I中のxの平均値は、4以上、好ましくは8以上、さらに好ましくは25以上、さらになお好ましくは50以上、最も好ましくは80以上である。xの平均値は、典型的には200以下である。好適には、yの平均値は、25以上、好ましくは35以上、さらに好ましくは45以上、最も好ましくは60以上である。yの平均値は、典型的には100以下である。
【0059】
表面活性ブロックポリマーの別の好ましい形態は、式VIによるものであり、CTFA名称ポロキサミンを有する。これらは、BASFから商品名「Tetronic」の下に市販されている。
VI)(HO(CH2CH2O)a(CH(CH3)CH2O)b)2-N-CH2-CH2-N-((OCH2CH(CH3))b(OCH2CH2)a OH)2
【0060】
好適には、aの平均値は、2以上、好ましくは4以上、さらに好ましくは8以上、さらになお好ましくは25以上、最も好ましくは40以上である。aの平均値は、典型的には200以下である。bの平均値は、好適には6以上、好ましくは9以上、さらに好ましくは11以上、最も好ましくは15以上である。bの平均値は、典型的には50以下である。
【0061】
好ましくは、表面活性ブロックポリマーはポロキサマーおよび/またはポロキサミンであり、さらに好ましくは、表面活性ブロックポリマーはポロキサマーである。
【0062】
好ましくは、表面活性ブロックポリマーはジメチコンとブレンドされる。ブレンド中のジメチコンと表面活性ブロックポリマーとの重量比は、好ましくは2:1~200:1、さらに好ましくは5:1~50:1、さらになお好ましくは10:1~40:1、最も好ましくは15:1~30:1の範囲である。
【0063】
水不溶性コンディショニング剤は、一般に、その中に包含されるあらゆる範囲を含め、組成物の総重量に基づいて、0.05~15%、好ましくは0.1~10%、さらに好ましくは0.5~8%、最も好ましくは1~5%の量で組成物中に存在する。
【0064】
組成物は、好ましくは、真珠光沢剤を含んでもよい。好ましい真珠光沢剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4885107号に開示されているエチレングリコールエステルである。好ましくは、エチレングリコールエステルは、グリコールのモノ-またはジ-エステル、さらに好ましくはグリコールのジ-エステルである。
【0065】
好ましくは、エチレングリコールモノ-またはジ-エステルは、C12~22脂肪酸のエチレングリコールモノ-またはジ-エステル、さらに好ましくは飽和C12~22脂肪酸のエチレングリコールモノ-またはジ-エステルである。パルミテートとステアレートとの混合物を含むジエステルが最も好ましい。ステアレートの量は、約10%~約42%の範囲、または約55%~約80%の範囲であるべきであり、パルミテートが残部を占める。ステアレートの量は、好ましくは約60%~約75%、さらに好ましくは約80~95%、最も好ましくは100%である。真珠光沢剤の最も好適な例は、エチレングリコールジステアレートである。また、真珠光沢剤は、懸濁剤としての機能を果たし得る。
【0066】
エチレングリコールエステルのレベルは、好適には、組成物全体の約0.5重量%~約6重量%、好ましくは約1重量%~約4重量%であり得る。
【0067】
組成物の粘度は、好適には、ブルックフィールドV2粘度計(スピンドルRTV5、1分、20rpm)を30℃で使用して測定した場合、3,000~10,000mPa.s、好ましくは4,000~8,000mPa.s、さらに好ましくは5,000~7,000mPa.sの範囲である。
【0068】
本発明の組成物のpHは、好ましくは3~9、さらに好ましくは4~8、最も好ましくは4.5~6.5の範囲である。
【0069】
リンスオフ組成物は、使用後に水を用いて使用者の頭皮を洗い流すことを意図している。リンスオフ組成物が好ましい。リーブオン組成物は、使用直後(すなわち、組成物の塗布後少なくとも最初の2時間以内、好ましくは少なくとも4時間以内)に使用者の頭皮から洗い流さないことを意図している。本発明の文脈では、リンスオフ組成物には、シャンプーおよびコンディショナー、ならびに洗い流す前に0.5分~最大15分、好ましくは1分~10分、さらに好ましくは1分~10分にわたり頭皮上に残され得るトリートメント組成物が含まれる。
【0070】
化粧用組成物の好ましい使用は、シャンプー、特にリンスオフシャンプー中である。本発明で使用するためのシャンプー組成物は、一般に水性であり、すなわち、それらは、それらの主成分として水または水溶液またはリオトロピック液晶相を有する。好適には、シャンプー組成物は、組成物の総重量に基づいて、50~98重量%、好ましくは60~92重量%の水を含む。このような組成物は、水性塩基を有すると称される。
【0071】
これより、以下の非限定的な実施例によって本発明を説明する。
【0072】
[実施例]
表1に従って組成物を作製した
【0073】
【0074】
清潔なダークブラウンヨーロピアンヘアヘアピース10個を水で完全に濡らすことによって(2.5g/6’’)、ピロクトンオラミンの堆積を測定した。各シャンプー組成物について5つのレプリカを試験した。0.25gのシャンプーを1つのヘアピースに塗布し、続いて30秒間マッサージした。次いで、ヘアピースを水によって30秒間すすいだ。0.25gのシャンプーを再度塗布し、続いてさらに30秒間マッサージした。次いで、シャンプーを水によって30秒間洗い流した。ヘアピースを自然乾燥させた。乾燥したヘアピースを50mlのエタノール中で抽出した。抽出物をUV光に曝露しないように注意した。UPLCによって、ピロクトン酸堆積について抽出物を分析した。結果を表2に示す。
【0075】
【0076】
表2の結果は、本発明の実施例(エトキシル化度3を有するエトキシル化界面活性剤を含むが、比較例よりもピロクトンオラミンを堆積させるのに効果的であることを実証している。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)
ピロクトン酸、ピロクトン酸の第一級、第二級および第三級オラミン塩(ジエタノールアミン塩およびトリエタノールアミン塩など)ならびにそれらの混合物から選択されるピロクトン化合物、および
ii)両性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを含むクレンジング界面活性剤
を含む
シャンプー組成物であって、
前記アニオン性界面活性剤が、エトキシル化アルキルサルフェート
からなり、
アニオン性界面活性剤の総レベルが、
3以上の平均エトキシル化度を有
し、
組成物全体の6~12重量%の総クレンジング界面活性剤レベルを含み、
エトキシル化アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との比が3:1~4:1である、シャンプー組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の
シャンプー組成物。
【請求項3】
前記エトキシル化アルキルサルフェートがラウレス硫酸ナトリウム(3EO)である、請求項1
または2に記載の
シャンプー組成物。
【請求項4】
前記両性界面活性剤がコカミドプロピルベタインである、請求項1から
3のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物。
【請求項5】
前記ピロクトン化合物がピロクトンオラミンである、請求項1から
4のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物。
【請求項6】
カチオン性ポリマーをさらに含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物。
【請求項7】
シリコーンをさらに含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物。
【請求項8】
組成物全体の0.1~5重量%、好ましくは0.2~3重量%の総レベルのピロクトン化合物を含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載の
シャンプー組成物を毛髪または頭皮に塗布することを含む、毛髪または頭皮を処理する非治療的方法。
【請求項10】
使用後に前記組成物が洗い流される、請求項
9に記載の非治療的方法。
【請求項11】
ピロクトン化合物の堆積を増強するための、請求項1から
8のいずれか一項に記載の
組成物の使用。
【国際調査報告】