(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ヒドロキシチロソールの経口バイオアベイラビリティを改善するポリフェノールの使用及びポリフェノールをベースとする組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/05 20060101AFI20230331BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20230331BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20230331BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230331BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230331BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230331BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P9/10 101
A61K47/46
A61K47/10
A61P9/00
A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549378
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2021054840
(87)【国際公開番号】W WO2021170806
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】PCT/ES2020/070147
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522266438
【氏名又は名称】バイオサーチ,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】バヌエロス ホルティゲラ,オスカル
(72)【発明者】
【氏名】ブランコ ロホ、ルス
(72)【発明者】
【氏名】マルドナド ロボン,ホセ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス マルティネス,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ロペス ララメンディ,ホセ ルイス
(72)【発明者】
【氏名】オリバレス マルティン,モニカ マリア
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4B018MD61
4B018MD66
4B018ME06
4B018ME14
4B018MF01
4C076BB01
4C076CC11
4C076DD38N
4C076EE58N
4C076FF34
4C206CA20
4C206KA01
4C206KA18
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA72
4C206NA11
4C206ZA36
4C206ZA45
(57)【要約】
本発明は、天然起源の組成物に関し、本組成物は、ヒドロキシチロソールと、ヒドロキシチロソールではなくかつオリーブの木(O.ユーロパエア)に天然には生じないポリフェノールとを含み、いったん経口投与されると、ヒドロキシチロソールの特別高いバイオアベイラビリティ及びヒドロキシチロソールの特別高い抗アテローム硬化活性を可能にすることを特徴とする。本組成物は、植物抽出物の混合物からなるものであることが可能である。本発明は、循環器疾患、特に粥状動脈硬化の治療のための本組成物の使用にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるための、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるための、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールの使用。
【請求項2】
ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるのに、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるのに使用される、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じないポリフェノール。
【請求項3】
粥状動脈硬化の治療に使用されるヒドロキシチロソールであって、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じないポリフェノールと組み合わせて経口投与される、ヒドロキシチロソール。
【請求項4】
ヒドロキシチロソールではない前記ポリフェノールは、経口投与される、請求項1に記載の使用、請求項2に記載の使用のためのポリフェノール、又は請求項3に記載の使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項5】
前記ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である、請求項1若しくは4に記載の使用、請求項2若しくは4に記載の使用のためのポリフェノール、又は請求項3若しくは4に記載の使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項6】
前記ヒドロキシチロソールがその一部分である前記植物抽出物は、オレア・ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物である、請求項5に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項7】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、この化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項5又は6に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項8】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなるポリフェノールの群より選択される、請求項1、4~7のいずれか1項に記載の使用、請求項2、4~7のいずれか1項に記載の使用のためのポリフェノール、又は請求項3~7のいずれか1項に記載の使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項9】
前記フラボノイド群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される、請求項8に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項10】
前記リグナン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される、請求項8に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項11】
前記スチルベン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、請求項8に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項12】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である、請求項1、4~11のいずれか1項に記載の使用、請求項2、4~11のいずれか1項に記載の使用のためのポリフェノール、又は請求項3~11のいずれか1項に記載の使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項13】
前記ポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、オレア・ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない、請求項12に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項14】
前記少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、及び、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される抽出物である、請求項12又は13に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項15】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、スチルベンであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、
請求項14に記載の使用、使用のためのポリフェノール、又は使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項16】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項14又は15に記載の使用。
【請求項17】
前記ポリフェノールは、経口投与されるヒドロキシチロソールの重量を基準にして、重量で少なくとも2.7倍多く使用される、請求項1、4~16のいずれか1項に記載の使用、請求項2、4~16のいずれか1項に記載の使用のためのポリフェノール、又は請求項3~16のいずれか1項に記載の使用のためのヒドロキシチロソール。
【請求項18】
ヒドロキシチロソールと少なくとも1種のポリフェノールとを含む組成物又はパーツのキットであって、前記少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じない、組成物又はパーツのキット。
【請求項19】
前記ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である、請求項18に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項20】
前記ヒドロキシチロソールがその一部分である前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物である、請求項19に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項21】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、この化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項20に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項22】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなる群より選択される、請求項18~21に記載の組成物。
【請求項23】
前記フラボノイド群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記リグナン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記スチルベン群のうちの前記ポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である、請求項18~25のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項27】
前記ポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない、請求項26に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項28】
前記少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される抽出物である、
請求項26又は27に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項29】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、
請求項28に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項30】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%w/w、好ましくは30%w/w含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%w/w、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%w/w、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項28又は29に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項31】
前記ヒドロキシチロソールの含有量は、前記組成物又は前記パーツのキットの構成要素の合計を基準にして、少なくとも0.05%~10%w/w、好ましくは少なくとも0.9%w/wであり、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールの含有量は、前記組成物又は前記パーツのキットの構成要素の合計を基準にして、少なくとも1%~95%w/w、好ましくは少なくとも26%w/wである、請求項18~30のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項32】
前記ヒドロキシチロソール:ポリフェノールw/w比は、1:1~1:50、好ましくは1:24.3、より好ましくは1:28である、請求項18~31のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項33】
前記組成物中の前記ヒドロキシチロソールの含有量は、前記組成物の合計を基準にして、少なくとも0.05%~10%w/w、好ましくは少なくとも0.9%w/wであり、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、アーモンド皮のポリフェノール組成物であり、アーモンド皮の前記ポリフェノール組成物の含有量は、前記組成物の合計を基準にして、少なくとも10%~50%w/w、好ましくは少なくとも26%w/wである、請求項18~32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物を得る方法であって、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソールではなく、かつO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物とを、接触させることを含む、方法。
【請求項35】
ヒドロキシチロソールを含む前記組成物は、植物抽出物であり、及び/又は前記少なくとも1種のポリフェノールを含む前記組成物は、植物抽出物である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物であり、好ましくはこの化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1種のポリフェノールを含む前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される、
請求項34~36に記載の方法。
【請求項38】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%w/w、好ましくは30%w/w含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%w/w、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%w/w、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項34~38に記載の方法により得られる組成物と、薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項40】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項34~38に記載の方法により得られる組成物と、栄養上許容される賦形剤とを含む補助食品又は栄養補助食品。
【請求項41】
医薬に使用される、請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物若しくはパーツのキット、請求項34~38に記載の方法により得られる組成物、請求項39に記載の医薬組成物、又は請求項40に記載の補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項42】
循環器疾患の予防及び/又は治療に使用される、請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物若しくはパーツのキット、請求項34~38に記載の方法により得られる組成物、請求項39に記載の医薬組成物、又は請求項40に記載の補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項43】
前記循環器疾患は、粥状動脈硬化、脳血管発作、末梢血管疾患、及び冠疾患からなる群より選択される、請求項42に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項44】
前記組成物、前記パーツのキット、前記医薬組成物、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品は、高コレステロール血症の患者、好ましくは中等度高コレステロール血症の患者に投与される、請求項41~43のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項45】
前記ヒドロキシチロソール及び前記少なくとも1種のポリフェノールは、別々に投与される、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のためのパーツのキット。
【請求項46】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを7.5 mg/日で及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを210 mg/日で投与することを含む、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項47】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを提供する植物抽出物を67 mg/日で、及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを提供する植物抽出物を700 mg/日で投与することを含む、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項48】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、複数用量の前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品を、少なくとも1週間投与することを含む、請求項41~47のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は食物若しくは栄養補助食品。
【請求項49】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品を、少なくとも1日量1回分、好ましくは1日量2回分で投与することを含む、請求項41~48のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項50】
前記キットの前記構成要素は、前記投与前に混合される、請求項41~49のいずれか1項に記載の使用のためのパーツのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させ、循環器疾患、より具体的には、粥状動脈硬化、脳血管発作、末梢血管疾患、及び冠疾患の予防及び治療におけるヒドロキシチロソールの治療活性を上昇させるための、ヒドロキシチロソールを含むポリフェノール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
循環器疾患(CVD)は、依然として世界の主要な死因であり、CVDを原因とする死亡例は、2017年には約1780万件であった。これは、この10年間で死亡率が、12.5%上昇したことを表す。
【0003】
アテローム硬化性血管疾患(ASVD)すなわち粥状動脈硬化は、CVDの最も重要な原因の1つである。これは、酸化ストレス及び内皮機能障害が関連する慢性血管炎症性疾患であり、そこでは酸化型低密度リポタンパク質(oxLDL)が重要な役割を果たすことが示唆されてきている。oxLDLは、複数の受容体に対して未変性LDLが結合するよりも高い親和性で結合するので、マクロファージによるoxLDLの吸収はより速く、このことが、コレステロールの蓄積及び動脈硬化プラークの形成を招く。そのうえさらに、oxLDLは、内皮細胞の活性化及び機能不全、血管平滑筋細胞の遊走及び増殖、並びに血小板活性化を促進して、炎症反応、内皮機能障害を引き起こし、アテローム生成プロセスを悪化させる。結果として、循環oxLDLの濃度は、粥状動脈硬化の進行の最も重要なバイオマーカーの1種とみなされている。
【0004】
一般に、粥状動脈硬化の治療は、生活習慣をより健康的なものに変化させることからなる。しかしながら、それでは不十分な場合、通常は薬物の投与が併用される。この薬物は、ほとんどの場合、血圧及び/又はコレステロールの低下を目的とするものである。進行した症例では、狭窄した動脈(単数/複数)を拡張するために外科処置が必要になる場合がある。したがって、当該技術分野の現状では、健康な生活習慣の有益性の向上が粥状動脈硬化の発達を上回ることを可能にする処置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、オリーブ油中に存在するヒドロキシチロソール(HT)を、オリーブの木(オレア・ユーロパエア(Olea europaea))中にもオリーブ油中にも天然には存在しないポリフェノール、例えば、アーモンド皮抽出物、グレープフルーツ、亜麻、又はタデ抽出物中に存在するものと組み合わせることにより、HTをポリフェノールと併用せずに投与した場合と比べて、HT経口投与後のHTのバイオアベイラビリティを上昇させることが可能であるという知見に基づく。そのうえさらに、本発明者らは、中等度高コレステロール血症の対象(治療群)に対するHTとアーモンド皮ポリフェノール(ASP)とを含む組成物の投与が、どのように酸化型低密度リポタンパク質(oxLDL)の血清レベル、及びoxLDL/LDL比を低下させるかを観察した。しかしながら、偽薬で治療された中等度高高コレステロール血症の対象(対照群)では、治療後、oxLDLの血清レベルは上昇し、oxLDL/LDL比もまた同様である。
【0006】
したがって、本発明の第1の態様は、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるための、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるための、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア(O. europaea))の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールの使用に関する。
【0007】
第2の態様において、本発明は、経口投与後に、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるのに、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるのに使用される、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールに関する。
【0008】
第3の態様において、本発明は、粥状動脈硬化の治療に使用されるヒドロキシチロソールであって、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールと組み合わせて経口投与される、ヒドロキシチロソールに関する。
【0009】
第4の態様において、本発明は、ヒドロキシチロソールと少なくとも1種のポリフェノールとを含む組成物又はパーツのキットであって、ポリフェノールは、ヒドロキシチロソールではない及び/又は少なくとも1種のポリフェノールはO.ユーロパエアの木に天然には生じない、組成物又はパーツのキットに関する。
【0010】
第5の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物を得る方法であって、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソールではなく、及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物とを、接触させることを含む、方法に関する。
【0011】
第6の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物、又は本発明の第5の態様の方法により得られる組成物と、薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0012】
第7の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物、又は本発明の第5の態様の方法により得られる組成物と、栄養上許容される賦形剤とを含む補助食品又は栄養補助食品に関する。
【0013】
第8の態様において、本発明は、医薬に使用される、本発明の第4の態様の組成物若しくはパーツのキット、本発明の第5の態様の方法により得られる組成物、本発明の第6の態様の医薬組成物、又は本発明の第7の態様の補助食品若しくは栄養補助食品に関する。
【0014】
第9の態様において、本発明は、循環器疾患の治療に使用される、本発明の第4の態様の組成物若しくはパーツのキット、本発明の第5の態様の方法により得られる組成物、本発明の第6の態様の医薬組成物、又は本発明の第7の態様の補助食品若しくは栄養補助食品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】偽薬又は抽出物を摂取した対象の、治療の開始時、4週間後、及び8週間後のoxLDL-コレステロール/LDL-コレステロール比の図である。平均値は点で表してあり(対照群は暗灰色、抽出物群は明灰色)、標準誤差は、垂直線で表してある。異なる文字は、各群の各時点間の有意差について示す。アスタリスク(
*)は、対応する時点での群間でp<0.05であることを示す。
【
図3】
図3Aは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)及びアーモンド抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)を分離する280 nmでのクロマトグラムである。
図3Bは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及びアーモンド抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する330 nmでのクロマトグラムである。
【
図4】
図4Aは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及びグレープフルーツ抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する280 nmでのクロマトグラムである。
図4Bは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及びグレープフルーツ抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する330 nmでのクロマトグラムである。
【
図5】
図5Aは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及び亜麻抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する280 nmでのクロマトグラムである。
図5Bは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及び亜麻抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する330 nmでのクロマトグラムである。
【
図6】
図6Aは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及びタデ抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する280 nmでのクロマトグラムである。
図6Bは、オリーブの木抽出物ポリフェノール(上部クロマトグラム)及びタデ抽出物ポリフェノール(下部クロマトグラム)を分離する330 nmでのクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明者らは、HT以外の、O.ユーロパエアの木では天然に見出されないポリフェノールの数種の群が、HT経口投与後のHTのバイオアベイラビリティを上昇させることを観察した。そのうえさらに、HTと、アーモンド皮ポリフェノールとを含む組成物を、中等度高コレステロール血症の対象に投与すると、oxLDLの血清レベルが低下する。
【0017】
ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティ及び抗アテローム硬化活性の上昇に使用されるヒドロキシチロソール以外のポリフェノールの使用、及びヒドロキシチロソールをヒドロキシチロソールではないポリフェノールとともに投与することによる粥状動脈硬化の治療に使用されるヒドロキシチロソール
【0018】
第1の態様において、本発明は、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるための、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるための、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールの使用に関する。あるいは、本発明の第1の態様は、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させる、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させる方法に関し、本方法は、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを投与することを含む。
【0019】
第2の態様において、本発明は、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるのに、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるのに使用される、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールに関する。
【0020】
第3の態様において、本発明は、粥状動脈硬化の治療に使用されるヒドロキシチロソールであって、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールと組み合わせて経口投与される、ヒドロキシチロソールに関する。あるいは、本発明の第3の態様は、患者における粥状動脈硬化を治療する方法と定義され、本方法は、当該患者にヒドロキシチロソールを経口投与することを含み、このヒドロキシチロソールは、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールと併用して、経口投与される。
【0021】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソール」という用語は、当該名で当業者に一般的に知られるポリフェノール化合物を示す。天然には、ヒドロキシチロソールは、オリーブの木(例えば、オレア・ユーロパエア種)中に存在し、主に葉及び果実中に集積している。特定の実施形態において、この用語は、IUPAC名4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゼン-1,2-ジオールを持つ化合物を示す。
【0022】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノール」又は「ヒドロキシチロソールではないポリフェノール及び/又はそのうちのヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、O.ユーロパエアの木に天然には生じない」という表現は、上記で定義されるとおりの、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノール(すなわち、このポリフェノールの特徴は、上記のヒドロキシチロソールの定義で記載される生成物のものと一致しない)を示す。これに代えて又はこれに加えて、この表現は、使用される栽培法に関係なく、好ましくはO.ユーロパエア種の変種に関係なく、より好ましくは当該抽出物が得られる当該種の個体に関係なく、O.ユーロパエア種の木が天然に合成することのない(すなわち、ヒトが当該種に属する木の生成及び選択又はその栽培に介入する必要がない)ポリフェノールを示す。したがって、特定の実施形態において、O.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールとは、まさに記載したとおり、O.ユーロパエア種の木により合成されないものである。特定の実施形態において、O.ユーロパエア種の木は、一般的なオリーブの木の野生変種、すなわち、オレア・ユーロパエア・シルベストリス(sylvestris)変種である。別の特定の実施形態において、O.ユーロパエア種の木は、以下からなる群より選択される亜種のものである:O.ユーロパエア・ユーロパエア(europaea)、O.ユーロパエア・ケラシフォルミス(cerasiformis)、O.ユーロパエア・クスピダータ(cuspidata)、O.ユーロパエア・グアンチカ(guanchica)、O.ユーロパエア・ラペリネイ(laperrinei)、及びO.ユーロパエア・マロッカナ(maroccana)。別の特定の実施形態において、O.ユーロパエア種の木は、当該亜種のうちのいずれかの変種である。別の特定の実施形態において、この木は、言及されるO.ユーロパエアの分類学的ランクのうちの1つに含まれる任意の生物である。特定の実施形態において、本発明のいずれの態様においても、言及されるO.ユーロパエアの種は、O.ユーロパエアL種を示す。
【0023】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールではなく、任意選択でオレア・ユーロパエアの木のいずれかにおいて天然には生じないポリフェノールは、本発明の任意の態様において、「ヒドロキシチロソールではないポリフェノール」、「ヒドロキシチロソール以外のポリフェノール」、又は「ヒドロキシチロソールとは異なるポリフェノール」という表現で示される。
【0024】
上記で定義されるとおり、或るポリフェノールがO.ユーロパエア種の木で天然に生じるかどうか、すなわち、当該木により天然に合成されるかどうかを判定する方法は、当該定義において記載されるとおりの木の少なくとも1つの植物産物由来の植物抽出物を得ることと、当該抽出物中にポリフェノールが存在するかどうかを判定することとを含む。抽出物中に当該ポリフェノールが存在しないことは、当該ポリフェノールが当該木中に見つからず、当該ポリフェノールが当該木により合成されないことを示す。植物産物から植物抽出物を得る方法は、以下に記載する。植物抽出物中に存在するポリフェノールを特定する方法は、以下に記載する。植物抽出物及び植物産物の定義もまた、以下に提示する。
【0025】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールは、O.ユーロパエアの木の果実中又は葉中に天然には生じず、好ましくはこのポリフェノールは、O.ユーロパエアの木の葉中に天然には生じない。当業者なら分かるだろうが、或るポリフェノールがO.ユーロパエアの木の果実中及び/又は葉中に天然に生じるかどうかを判定する方法は、前記した方法を含み、この方法において、植物抽出物は、該当する植物産物、すなわち、O.ユーロパエアの木の果実及び/又は葉から得られたものである。
【0026】
本発明において使用される場合、「ポリフェノール」という表現は、当該名で当業者に一般に知られる化学物質の群を示す。これは、具体的には、1つ以上のフェノール環及び共役二重結合の存在を特徴とする、植物中で見られる化学物質を示す。ポリフェノールは、主に共役型で見つかり、-OH基で結合することで炭水化物と会合しているが、炭水化物とフェノール基との直接結合も存在する。ポリフェノールが他の化合物、例えば、カルボン酸及び有機酸、アミン、脂質、更には他のフェノール基とも会合することは、一般的である。本発明で使用するのに適切なポリフェノールとしては、限定されないが、フェノール酸(ヒドロキシ安息香酸又はヒドロキシケイ皮酸誘導体)、スチルベン、リグナン、フェノールアルコール、及びフラボノイドが挙げられ、フラボノイドは、最大のサブクラスを構成する。ポリフェノールのこれらの群もまた、本発明において、該当する名前で当業者に一般的に知られるポリフェノールの群を示すのに使用される。
【0027】
具体的には、本発明において使用される場合、「フラボノイド」という用語は、植物界におけるポリフェノールの最大のサブクラスを示す。フラボノイドの化学構造は、ジフェニルプロパン骨格(C6-C3-C6)からなり、この骨格は、2つの芳香環が3個の炭素原子を通じて結合して酸素化複素環(C)を形成することにより形成される。フラボノイドにはサブグループが複数存在し、これらの化合物の分類は、複素環(C環)の酸化状態及びB環の位置に基づいて行われる。各ファミリー中に、OH基の個数及び位置が互いに異なるとともに、存在する可能性のある官能基(メチル、糖類、有機酸)が異なる広範囲の化合物が存在する。本発明に従って使用するのに適したフラボノイドとして、フラボノール、フラボン、フラバノン、イソフラボン、アントシアニジン、及びフラバノール(カテキン及びプロアントシアニジン)が挙げられる。食物中の最も代表的なフラボノールは、フラバン-3-オールであり、フラバン-3-オールは、アントシアニジン単量体(カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、及びエピガロカテキン)として、互いに縮合した二量体として、若しくはオリゴマー(プロシアニジン)として生じることが可能であり、又はフラバン-3-オールは、重合体(プロアントシアニジン又は縮合タンニン)として生じることが可能である。当該化合物及び化合物群は、該当する名前で当業者に一般的に知られるものである。フラボノイドの限定ではなく例として、以下が挙げられる:プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステイン。
【0028】
本発明において使用される場合、「リグナン」という用語は、フェノール化合物二量体、フェニルアラニン誘導体、及びケイ皮アルコールを示し、その基本構造は、β-β’結合により結合した2つのC6C3(n-プロピルベンゼン)単位からなる。
【0029】
本発明において使用するのに適したリグナンのサブグループは、複数存在し、例えば、単純リグナン、複合リグナン、又はシクロリグナン、フラボリグナン、クマリノリグナン、スチルベンリグナン、又はキサントンリグナン等がある。当該化合物群は、該当する名前で当業者に一般的に知られるものである。リグナンの限定ではなく例として、以下が挙げられる:セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、シザンドリン、デオキシシザンドリン、ゴミシン、プレゴミシン、セサモリン、セサモール、セサミノール、セサモリノール、又はピノレシノール。
【0030】
本発明において使用される場合、「スチルベン」という用語は、式C14H12のポリフェノール化合物を示し、この化合物には2種の異性体が存在する:trans-1,2-ジフェニルエチレン(E-スチルベン)及びcis-1,2-ジフェニルエチレン(Z-スチルベン)である。スチルベンという用語は、単純スチルベンのヒドロキシ誘導体及びアルコキシ誘導体、並びにそのヘテロシド(グリコシド)型及び重合体を含む。特定の実施形態において、この用語は、trans-1,2-ジフェニルエチレンというIUPAC名を持つ化合物を示す。スチルベンの限定ではなく例として、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、プテロスチルベン、イソラポンチゲニン、ラポンチン、ポンチシン(ponticin)、ピセイド、又はアストリンギンが挙げられる。
【0031】
本発明において使用される場合、「フェノール酸」又は「フェノールカルボン酸」という用語は、フェノール環及び有機カルボン酸官能基(C6-C1骨格)を有するフェノール化合物を示す。フェノール酸の限定ではなく例として、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、カフェイン酸、パラクマル酸、フェルラ酸、シリンガ酸、及びシナピン酸が挙げられる。
【0032】
本発明において使用される場合、「フェノールアルコール」という用語は、アルコール官能基及びフェノール官能基を有するフェノール化合物を示す。フェノールアルコールの限定ではなく例として、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、又はp-クマリルアルコールが挙げられる。
【0033】
好ましい実施形態において、本発明に従って使用されるヒドロキシチロソール又は本発明において使用されるポリフェノールは、植物抽出物の一部分として見つかる。
【0034】
本発明において使用される場合、「植物抽出物」又は「抽出物」という表現は、当業者が一般的に知っている用語を示す。これは、化合物、成分、又は物質を含む組成物を示し、この組成物は、植物生物、木、又は植物の産物又は組織から、当業者に一般的に知られる方法により抽出されたものである。当該方法の限定ではなく例として、植物産物を液圧プレスに導入して絞る圧搾、蒸留、又は関心対象の植物産物の切断及び続いて当該植物産物の内容物又は組成物の試料の抽出が挙げられる。植物抽出物を得る一般的な方法の別のものは、植物抽出物を得ようとする産物又は組織を、溶媒で処理することからなる。溶媒の限定ではなく例として、水、エタノール、含水アルコール、酢酸エチル、CO2、メタノール、アセトン、酢酸、又はヘキサンが挙げられる。
【0035】
特定の実施形態において、植物抽出物は、新鮮な又は乾燥した関心対象の植物産物又は組織から、温度約40℃~100℃で1時間~10時間、溶媒を用いて、得られる。特定の実施形態において、溶媒は、水性、好ましくは水である。別の特定の実施形態において、溶媒は、含水アルコール、好ましくはアルコール含量が10%~96%の含水アルコールであり、このアルコールは、好ましくは、エタノール又はメタノールである。このプロセスは、同じ又は異なるアルコール含量である、同じ又は異なる溶媒を用いて植物産物を抽出する複数の抽出段階を含むこともでき、得られた抽出物をまとめてプロセスを継続する。別の特定の実施形態において、このプロセスは、重合体吸着樹脂を用いたクロマトグラフィーによる濃縮工程も、複数含む。次いで、得られた抽出物を、活性炭で処理し、次いで除去する。最後に、また代替的に、精製抽出物を乾燥させる乾燥工程を行う。
【0036】
したがって、特定の実施形態において、植物抽出物を得る方法は、
(i)新鮮な又は乾燥した関心対象の植物産物又は組織から、温度約40℃~100℃で1時間~10時間、溶媒を用いて抽出することと、
(ii)工程(i)で得られた抽出物を活性炭で処理し、次いで活性炭を除去することと、
を含む。
【0037】
別の特定の実施形態において、植物抽出物を得る方法は、
(i)新鮮な又は乾燥した関心対象の植物産物又は組織から、温度約40℃~100℃で1時間~10時間、溶媒を用いて抽出することと、
(ii)これを、重合体吸着樹脂を用いたクロマトグラフィーにより濃縮することと、
(iii)工程(i)で得られた抽出物を活性炭で処理し、次いで活性炭を除去することと、
を含む。
【0038】
特定の実施形態において、上記方法のいずれであってもその工程(i)は、初期溶媒又は異なる溶媒を用いて植物産物から抽出する抽出段階を複数含み、得られた抽出物をまとめて、プロセスを継続する。溶媒が含水アルコールである場合、これら抽出段階のアルコール含量は、初期溶媒と等しいか、又は異なっている。別の特定の実施形態において、上記の方法のいずれであっても、抽出物を乾燥させる乾燥工程を含む。
【0039】
特定の実施形態において、本発明のいずれかの態様で記載されるO.ユーロパエアの1つ以上の産物の植物抽出物は、前述の実施形態のいずれかに記載される溶媒を用いて植物抽出物を得る方法により得られ、この溶媒は、水性、好ましくは水である。
【0040】
別の特定の実施形態において、本発明のいずれかの態様で記載されるプルヌス・ダルシス(Prunus dulcis)の1つ以上の産物の植物抽出物は、前述の実施形態のいずれかに記載される溶媒を用いて植物抽出物を得る方法により得られ、この溶媒は、水性、好ましくは水である。
【0041】
別の特定の実施形態において、本発明のいずれかの態様で記載されるシトラス・パラディシ(Citrus paradisi)の1つ以上の産物の植物抽出物は、前述の実施形態のいずれかに記載される溶媒を用いて植物抽出物を得る方法により得られ、この溶媒は、含水アルコールである。
【0042】
別の特定の実施形態において、本発明のいずれかの態様で記載されるリナム・ウシタチッシマム(Linum usitatissimum)の1つ以上の産物の植物抽出物は、前述の実施形態のいずれかに記載される溶媒を用いて植物抽出物を得る方法により得られ、この溶媒は、含水アルコールである。
【0043】
別の特定の実施形態において、本発明のいずれかの態様で記載されるポリゴナム・カスピダツム(Polygonum cuspidatum)の1つ以上の産物の植物抽出物は、前述の実施形態のいずれかに記載される溶媒を用いて植物抽出物を得る方法により得られ、この溶媒は、含水アルコールである。
【0044】
本明細書中において使用される場合「活性炭("activated charcoal", "activated carbon")」という用語は、当該技術分野の専門家に既知の用語を示す。これは、増大した吸着性を有するように加工された炭素の一形態である。活性炭は、大抵、低容積の小さい細孔を有するように加工されており、これにより、吸着又は化学反応に利用可能な表面積が増大する。
【0045】
本発明において使用される場合、「植物生物の産物」又は「植物産物」という用語は、植物生物の任意の部分を示し、そのような部分として、植物生物の組織、植物生物の生殖器の組織、植物生物の非生殖器の組織、葉、茎、根、果実、果実の組織、果実の外果皮、果実の中果皮、果実の内果皮、果実の果皮、果実の殻、果実のさや、果実の種子、又は植物生物のさやが挙げられる。特定の実施形態において、植物産物は、直前に記載した植物生物の部分のいずれかの全体を示す。別の特定の実施形態において、この用語は、直前に記載した植物生物の部分のいずれかの一部分を示す。
【0046】
植物抽出物中のヒドロキシチロソール含有量又は植物抽出物中のポリフェノール含有量を特定する方法は、当業者に一般的に知られている。当該方法として、組成物中の化合物の量及び種類を特定することを可能にする任意の方法、例えば、質量分析法等が挙げられる。好ましく使用されるのは、質量分析法、高速液体クロマトグラフィー接続型質量分析法(HPLC-MS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)接続型紫外吸収検出器、ガスクロマトグラフィー接続型質量分析法(GC-MS)、液体クロマトグラフィー接続型質量分析法(LC-MS)、ダイレクトインフュージョン質量分析法若しくはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析法(FT-ICR-MS)、キャピラリー電気泳動接続型質量分析法(CE-MS)、超高速液体クロマトグラフィー接続型質量分析法(UHPLC-MS)、超臨界流体クロマトグラフィー接続型質量分析法(SFC-MS)、フローインジェクション分析と質量分析との併用(FIA-MS)(四重極質量分析法を含む)、任意の逐次接続型質量分析法、例えば、MS-MS又はMS-MS-MS等、誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)、熱分解-質量分析法(Py-MS)、イオンモビリティー質量分析法若しくは飛行時間型(TOF)質量分析法、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESIMS)、ESI-MS/MS、ESI-(MS)<n>、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF-MS)、表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(SELDI-TOFMS)、ケイ素上脱離/イオン化法(DIOS:desorption/ionization on silicon)、二次イオン質量分析法(SIMS)、四重極飛行時間型(Q-TOF)、大気圧化学イオン化質量分析法(APCI-MS)、APCI-MS/MS、APCI-(MS)<n>、大気圧光イオン化質量分析法(APPI-MS)、APPI-MS/MS及びAPPI-(MS)<n>、四重極質量分析法、フーリエ変換質量分析法(FTMS)、及びイオントラップ質量分析法であり、これらの方法において、nは、0より大きい整数である。当該技法は、例えば、Nissen, Journal of Chromatography A, 703, 1995: 37-57、米国特許第4,540,884号又は同第5,397,894号に開示されている。好ましくは、(Garcia A. and Barbas C. 2011, Methods Mol. Biol. (Clifton NJ) 708:191-204)に記載のとおりのガスクロマトグラフィー接続型質量分析法が使用される。更により好ましくは、(Riera-Borrull M. et al. 2016, J. Am. Soc. Mass Spectrom. 27(1):168-177; Kind T. et al., 2009, Anal. Chem. 81(24): 10038-48)に記載のとおりの四重極飛行時間型ガスクロマトグラフィー接続型質量分析法(GC-qTOF/MS)が使用される。好ましい実施形態において、試料中のヒドロキシチロソールレベルの特定は、濃度既知のヒドロキシチロソールパターンにより得られた較正線を用いて、上記クロマトグラフィー技法のいずれかにより行われる。
【0047】
好ましい実施形態において、植物抽出物中のポリフェノール含有量の特定は、酵素法を用いて、より好ましくは、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法(Singleton VL et al., 1999, Methods in enzimology, vol. 299: 152-78)を用いて行われる。
【0048】
本発明において使用される場合、「バイオアベイラビリティ」という表現は、投与された用量の化合物が、その治療標的(細胞受容体、チャネル、キャリア)に到達する割合及び速度を示し、治療標的への到達は、その化合物が作用する組織への到達を意味する。これは、当該化合物を摂取した又は投与された対象の体循環において到達したレベルと等価であると見なされる。実用面において、バイオアベイラビリティが、化合物の投与後に血漿中に生じる化合物のパーセンテージにより特定されるのは、このためである。
【0049】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティ」という表現は、上記で定義されるとおりのバイオアベイラビリティを示し、この場合、化合物は、ヒドロキシチロソールである。したがって、「ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティ」という表現は、ヒドロキシチロソールが対象に経口投与された後の、体循環中、すなわち血漿中のヒドロキシチロソールのパーセンテージを示す。当業者なら分かるだろうが、消化管にある安定ヒドロキシチロソールが多いほど、より大量のヒドロキシチロソールが腸管腔における吸収に利用可能となり、より大量のヒドロキシチロソールが血液供給に到達する。したがって、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの消化管における安定性が高くなるほど、そのバイオアベイラビリティは高くなる。したがって、ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを特定することを可能にする方法は、ヒドロキシチロソールを投与された対象の血清中のヒドロキシチロソールのパーセンテージを特定すること、又はヒドロキシチロソールを経口投与された対象の消化管中でのヒドロキシチロソール安定性を特定することを含む。対象の血清中のヒドロキシチロソールのパーセンテージを特定する方法の限定ではなく例として、上記で示した植物抽出物中のポリフェノールの存在を判定する方法のいずれかが挙げられ、これらの方法を当該対象の血清試料に適用する。消化管中でのヒドロキシチロソール安定性を特定することを可能にする方法の限定ではなく例として、材料及び方法についてのセクションBで記載される方法及び本出願の実施例3に記載される方法が挙げられる。当該方法は、本出願の当該セクションに記載されるものの改変型であることも可能であり、具体的には、本出願の方法の組成物それぞれにおけるヒドロキシチロソールの含有量を検出する工程は、上記で示した植物抽出物中のポリフェノールを検出する方法のいずれかからなる場合がある(この場合、ポリフェノールはヒドロキシチロソールであり、植物抽出物は、本出願の方法においてヒドロキシチロソールがインキュベートされた該当組成物に置き換えられる)。
【0050】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させる」という表現は、参照値を基準にして、対象におけるヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、少なくとも200%上昇させることを示す。特定の実施形態において、当該参照値は、ヒドロキシチロソールではなくかつO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールを併用せずにヒドロキシチロソールを経口投与した後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティであり、当該ポリフェノールは、上記並びに本発明の異なる実施形態において定義及び記載されるとおりである。当業者なら分かるだろうが、当該参照値は、活性成分がヒドロキシチロソールのみである合成物の経口投与後の、ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティである。当該合成物は、ヒドロキシチロソールと、少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とからなる組成物からなる場合があり、当該賦形剤は、本発明の医薬組成物に関して本発明の態様で示されたもののどれでも可能である。ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを特定する方法、例えば、直前で記載されたもの等は、ヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティが、参照値を基準にしてそれより高いのか低いのか、何パーセンテージであるのか特定することを可能にする。当業者なら分かるだろうが、当該方法は、参照値として定義されるヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを測定すること、したがって、本定義で示される参照値を特定することも可能にする。
【0051】
「粥状動脈硬化」、「アテローム硬化性血管疾患」、又は「ASVD」という用語は、慢性炎、脂質の蓄積、動脈壁の血管細胞の変容、及び動脈硬化プラークすなわちアテロームの形成を特徴とする循環器疾患を示す。当該プロセスは、動脈管腔の狭窄を引き起こす。酸化型低密度リポタンパク質(oxLDL)は、アテローム発生の開始及び進行において、重要な役割を果たすと見なされている。oxLDLは、複数の受容体に対して未変性LDLよりも高い親和性で結合するので、マクロファージによるoxLDLの吸収はより速く、このことが、コレステロールの集積及び動脈硬化プラーク、すなわちアテロームの形成を招く。そのうえさらに、oxLDLは、内皮細胞の活性化及び機能不全、血管平滑筋細胞の遊走及び増殖、並びに血小板活性化を促進して、炎症反応、内皮機能障害を引き起こし、アテローム生成プロセスを悪化させる。結果として、循環oxLDLの濃度は、粥状動脈硬化の進行の最も重要なバイオマーカーの1種とみなされている。
【0052】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果」という表現は、対象にいったん投与されたヒドロキシチロソールの持つ、粥状動脈硬化の予防、治癒、反転、又は治療を助ける活性を示す。ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果の適切な指標として、対象に、好ましくは経口で投与された後の、血清中oxLDLの濃度の低下、又は血清中oxLDL/LDL-コレステロール比の低下が挙げられる。
【0053】
本発明において使用される場合、「LDL」、「LDL-c」、又は「LDL-コレステロール」という表現は、当業者が一般的に知っている用語を示す。この用語は、具体的には、低密度リポタンパク質、すなわちLDLを示す。LDLは、体内で細胞外媒体において脂肪分子を輸送するリポタンパク質の主な5つの群(ULD、超低密度リポタンパク質;VLDL、極低密度リポタンパク質;IDL、中間密度リポタンパク質;HDL、高密度リポタンパク質;及びここで定義されるとおりのLDL)のうちの1つである。ほとんどのコレステロールは、対象の血液中で、タンパク質とLDLを形成して一緒になって輸送される。
【0054】
本発明において使用される場合、「ox-LDL」又は「oxLDL」という表現は、上記で定義されるとおりのLDLリポタンパク質が酸化されたものを示す。酸化型LDLは、酸化により修飾された構造要素を持つLDLリポタンパク質の総称である。フリーラジカルによる攻撃の結果として、LDLの脂質部分及びタンパク質部分のどちらも酸化される可能性がある。血管壁で起こる酸化反応がox-LDLを生じさせることに加えて、LDLの脂質の酸化は、食事による酸化脂質にも由来する可能性がある。ox-LDLは、粥状動脈硬化の発生と関連する。アテローム発生に対する酸化型LDLの影響は、酸化により修飾されたLDLの構造をLDL受容体が認識せず、これによりLDL粒子の正常代謝の発生が阻止され、最終的に動脈硬化プラークの発生を招くことによると説明されてきた。
【0055】
当業者なら分かるだろうが、本発明において使用される場合、「ox-LDL/LDL-コレステロール」又は「ox-LDL/LDL」という表現は、上記で定義されるとおりの特定のox-LDL媒体中の濃度と当該媒体中の上記で定義されるとおりのLDL濃度との比を示す。
【0056】
本発明において使用される場合、「ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させる」という表現は、アテローム硬化性効果の定義における上記特定の実施形態で示される効果のいずれかを、参照値を基準にして少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、少なくとも200%、少なくとも210%、少なくとも220%、少なくとも230%、少なくとも240%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%上昇させることを示す。特定の実施形態において、参照値は、ヒドロキシチロソールではなくかつO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールを併用しないヒドロキシチロソールの投与に際して、アテローム硬化性効果の定義における前出の実施形態の該当するもので示されたヒドロキシチロソールの投与によるパラメーター変化の値であり、当該ポリフェノールは、上記及び本発明の異なる実施形態において定義及び記載されるとおりである。好ましくは、参照値を特定するために投与されるヒドロキシチロソールは、活性化合物がヒドロキシチロソールのみである組成物、具体的には、ヒドロキシチロソール及び任意選択で薬学上許容される賦形剤のみを含む組成物からなり、賦形剤は、本発明の医薬組成物に関して本発明の態様で定義されるとおりである。
【0057】
特定の実施形態において、「ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させる」という表現は、参照値を基準にして、血清中oxLDL濃度を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、少なくとも200%、少なくとも210%、少なくとも220%、少なくとも230%、少なくとも240%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、好ましく少なくとも20%低下させることを示す。特定の実施形態において、参照値を基準にしたこの低下は、少なくとも50%のものである。別の特定の実施形態において、これは、少なくとも70%のものである。特定の実施形態において、当該参照値は、ヒドロキシチロソールではなくかつO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールを併用せずにヒドロキシチロソールを経口投与した後の血清中oxLDL濃度であり、当該ポリフェノールは、上記及び本発明の異なる実施形態において定義及び記載されるとおりである。好ましくは、参照値を特定するために投与されるヒドロキシチロソールは、活性化合物がヒドロキシチロソールのみである組成物、具体的には、ヒドロキシチロソール及び任意選択で薬学上許容される賦形剤のみを含む組成物からなり、賦形剤は、本発明の医薬組成物に関して本発明の態様で定義されるとおりである。当該低下を特定する方法は、血清中oxLDL濃度を特定するために本出願の材料及び方法についてのセクションA(具体的には「生化学パラメーターの分析」セクション)で記載される方法と、得られた値を参照値と比較することとを含む。別の特定の実施形態において、「ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させる」という表現は、参照値を基準にして、血清中oxLDL/LDL-コレステロール比を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、少なくとも200%、少なくとも210%、少なくとも220%、少なくとも230%、少なくとも240%、少なくとも250%、少なくとも275%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、好ましくは少なくとも25%低下させることを示す。特定の実施形態において、参照値を基準にしたこの低下は、少なくとも30%のものである。別の特定の実施形態において、これは、少なくとも50%のものである。特定の実施形態において、当該参照値は、ヒドロキシチロソールではなくかつO.ユーロパエアの木に天然には生じないポリフェノールを併用せずにヒドロキシチロソールを経口投与した後の血清中oxLDL/LDL-コレステロール比であり、当該ポリフェノールは、上記及び本発明の異なる実施形態において定義及び記載されるとおりである。好ましくは、参照値を特定するために投与されるヒドロキシチロソールは、活性化合物がヒドロキシチロソールのみである組成物、具体的には、ヒドロキシチロソール及び任意選択で薬学上許容される賦形剤のみを含む組成物からなり、賦形剤は、本発明の医薬組成物に関して本発明の態様で定義されるとおりである。当該低下を特定する方法は、本出願の材料及び方法についてのセクションA(具体的には「生化学パラメーターの分析」セクション)で記載される血清中oxLDL濃度を特定する方法、及び当業者に一般的に知られる血清中LDL濃度を特定する方法を含む。当該方法の限定ではなく例として、直接法(G.D. Garcia Aguilar et al., 2006, Quimica Clinica, 25(2): 58-63)、フリードマン法(Friedewald WT et al., Clin Chem. 1972;18(6):499-502)、又は超遠心を用いたベータ定量法(Warnick GR et al. Lab Med. 2008;39(8):481-90)が挙げられる。次いで、当該値間の比を特定し、関心対象の血清試料で得られたoxLDL/LDL-コレステロール比の値(単数又は複数)を、参照値と比較する。
【0058】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエアに天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールと組み合わされて、すなわち、同一の組成物中の一部分として、投与される。あるいは、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール自体ではない及び/又はオレア・ユーロパエアに天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールに関して順次投与される。あるいは、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール自体ではない及び/又はオレア・ユーロパエアに天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールに関して別々に投与される。
【0059】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である。
【0060】
「植物抽出物」という表現は、上記で定義されている。特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の任意の植物産物から得られ、この植物産物は、上記で示される「植物産物」の定義において示されるもののいずれかである。本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールがその一部分である植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実、好ましくは葉の抽出物である。
【0061】
本発明において使用される場合、「~は植物抽出物の一部分である」という表現は、その特定化合物が植物抽出物に含まれていることを示し、「含まれる(comprised)」、「含む(comprise)」という用語は、その植物抽出物が、当該化合物を含んでいなければならないが、任意選択で、更なる化合物又は成分を含有していてもよいことを示す。
【0062】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の少なくとも2つの植物産物から得られたものであり、植物産物は、植物産物の定義において示されたものから選択され、当該産物はそれぞれ、同じであるか異なっている。別の特定の実施形態において、当該産物はそれぞれ、O.ユーロパエアの異なる木から得られたものであり、各木は、好ましくは異なる亜種のものであり、より好ましくは、各木は、異なる変種のものである。
【0063】
特定の実施形態において、本発明の任意の態様の任意の定義又は特定の実施形態において言及されるO.ユーロパエア種の木は、O.ユーロパエア種の木の任意の変種である。別の特定の実施形態において、これは、一般的なオリーブの木の野生変種、すなわち、オレア・ユーロパエア・シルベストリスの変種である。別の実施形態において、これは、以下からなる群より選択される亜種の木である:O.ユーロパエア・ユーロパエア、O.ユーロパエア・ケラシフォルミス、O.ユーロパエア・クスピダータ、O.ユーロパエア・グアンチカ、O.ユーロパエア・ラペリネイ、及びO.ユーロパエア・マロッカナ。別の特定の実施形態において、これは、上記亜種のうちの任意の変種である。
【0064】
特定の実施形態において、本発明の任意の態様の任意の定義又は特定の実施形態において言及されるO.ユーロパエア種の木は、O.ユーロパエア種の木の任意の変種のそれぞれぞれである。別の特定の実施形態において、少なくとも1種は、一般的なオリーブの木の野生変種、すなわち、オレア・ユーロパエア・シルベストリスの変種である。別の実施形態において、少なくとも1種は、以下からなる群より選択される亜種の木である:O.ユーロパエア亜種ユーロパエア、O.ユーロパエア・ケラシフォルミス、O.ユーロパエア・クスピダータ、O.ユーロパエア・グアンチカ、O.ユーロパエア・ラペリネイ、及びO.ユーロパエア・マロッカナ。別の特定の実施形態において、少なくとも1種は、上記亜種のうちの任意の変種である。
【0065】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールを1%~100%(w/w)、1%~98%(w/w)、1%~95%(w/w)、1%~90%(w/w)、3%~90%(w/w)、5%~90%(w/w)、7%~90%(w/w)、8%~90%(w/w)、9%~90%(w/w)、10%~90%(w/w)、10%~85%(w/w)、10%~80%(w/w)、10%~70%(w/w)、10%~60%(w/w)、10%~50%(w/w)、10%~40%(w/w)、10%~30%(w/w)、10%~25%(w/w)、10%~20%(w/w)含有する。好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールを、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、30%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、55%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.25%(w/w)、99.5%(w/w)、99.7%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、99.95%(w/w)、9.99%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは10%(w/w)含有する。
【0066】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールを10%~90%、好ましくは10%(w/w)含有する。
【0067】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の別の特定の実施形態において、少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなるポリフェノールの群より選択される。
【0068】
本発明で使用される場合、「フラボノイド」、「リグナン」、及び「スチルベン」という用語は、当該名で当業者に一般的に知られるポリフェノールを示す。具体的には、これらは、上記で定義されるとおりのポリフェノールを示す。
【0069】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、フラボノイドの群の中の、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される。
【0070】
本発明で使用される場合、「プロシアニジン」、「プロペラルゴニジン」、「プロデルフィニジン」、「カテキン」、「エピカテキン」、「ケルセチン」、「ケンフェロール」、「イソラムネチン」、「ナリンギン」、「ナリンゲニン」、「ゲニステイン」、及び「ルチン」という用語は、当業者が理解するとおりの該当する用語を示す。
【0071】
本発明において使用される場合、「プロシアニジン」という用語は、(エピ)カテキンのみで構成されるプロアントシアニジンの群を示す。本発明において使用される場合、「プロペラルゴニジン」という用語は、(エピ)アフゼレチン単位を(エピ)カテキン単位と合わせて有するプロアントシアニジンを示す。本発明において使用される場合、「プロデルフィニジン」という用語は、少なくとも1つの(エピ)ガロカテキン単位を(エピ)カテキン単位と合わせて有するプロアントシアニジンを示す。本発明において使用される場合、「プロアントシアニジン」又は「縮合タンニン」という用語は、植物界に広く分布するフラバン-3-オールのオリゴマー及び重合体を示す。最も量の多いフラバン-3-オール単位は、(+)-アフゼレチン、(+)-カテキン、及び(+)-ガロカテキン(2R:3S形)、並びにそれらの各ジアステレオ異性体、(-)-エピアフゼレチン、(-)エピカテキン、及び(-)-エピガロカテキン(2R:3R形)である。B型のプロシアニジン/プロペラルゴニジン/プロデルフィニジンでは、フラバン-3-オール単位は、上部単位のC-4炭素と下部単位のC-6又はC-8炭素が結合しており、C4-C8異性体の方がC4-C6異性体より多い。A型プロシアニジンは、このインターフラバンC-C結合に加えて、上部単位のC-2炭素と下部単位のC-7炭素のヒドロキシル基との間にエーテル型結合を有する(Porter L.J. (1988) Flavans and proanthocyanidins. In The flavonoids (Harborne J.B., Ed.) Chapman and Hall, New York, pp. 21-62)。
【0072】
したがって、特定の実施形態において、本発明の任意の態様で示されるフラボノイド群のうちの、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールは、プロアントシアニジン群に属する任意のポリフェノールが可能である。特定の実施形態において、これは、プロシアニジン群のうちの任意のポリフェノールであり、好ましくは、これは、B型プロシアニジンである。特定の実施形態において、これは、B1型プロシアニジン、B2型プロシアニジン、B3型プロシアニジン、B4型プロシアニジン、B5型プロシアニジン、B6型プロシアニジン、B7型プロシアニジンからなる群より選択されるプロシアニジンである。別の特定の実施形態において、これは、C1型のプロシアニジンである。特定の実施形態において、これは、A型のプロシアニジンであり、好ましくは、プロシアニジンA1、プロシアニジンA2からなる群より選択される。別の特定の実施形態において、これは、プロペラルゴニジン群のうちの任意のポリフェノールであり、好ましくは、A型プロペラルゴニジンである。別の特定の実施形態において、これは、A型プロペラルゴニジンであり、より好ましくは、これは、B型プロペラルゴニジンである。別の特定の実施形態において、これは、プロデルフィニジン群のうちの任意のポリフェノールであり、特定の実施形態において、好ましくは、A型プロデルフィニジンである。
【0073】
具体的には、本発明において使用される場合、「プロシアニジンB1」又は「B1型プロシアニジン」という用語は、(2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-8-[(2R,3R,4R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0074】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンB2」又は「B2型プロシアニジン」という用語は、(2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-8-[(2R,3R,4R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0075】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンB3」又は「B3型プロシアニジン」という用語は、(2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-8-[(2R,3S,4S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0076】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンB4」又は「B3型プロシアニジン」という用語は、(2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-8-[(2R,3S,4S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0077】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンB5」又は「B5型プロシアニジン」という用語は、(2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-6-[(2R,3R,4S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0078】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンB6」又は「B6型プロシアニジン」という用語は、(2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-6-[(2R,3S,4R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0079】
「プロシアニジンB7」又は「プロシアニジンB7型」という用語は、本発明において使用される場合、(2R,3S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-6-[(2R,3R,4S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールの名前を持つ化合物を示す。
【0080】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンC1」又は「C1型プロシアニジン」という用語は、(2R,3R,4S)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4-[(2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-8-イル]-8-[(2R,3R,4R)-2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-3,5,7-トリヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-4-イル]-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3,5,7-トリオールIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0081】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンA1」又は「A1型プロシアニジン」という用語は、(1R,5R,6S,13S,21R)-5,13-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4,12,14-トリオキサペンタシクロ[11.7.1.02,11.03,8.015,20]ヘンイコサ-2(11),3(8),9,15,17,19-ヘキサエン-6,9,17,19,21-ペンタオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0082】
本発明において使用される場合、「プロシアニジンA2」又は「A2型プロシアニジン」という用語は、(1R,5R,6R,13S,21R)-5,13-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-4,12,14-トリオキサペンタシクロ[11.7.1.02,11.03,8.015,20]ヘンイコサ-2(11),3(8),9,15,17,19-ヘキサエン-6,9,17,19,21-ペンタオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0083】
本発明において使用される場合、「プロペラルゴニジン」という用語は、2-[[2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3-イル]オキシ]-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロクロメン-3,4,5,7-テトラオールのIUPAC名を持つ化合物を示す。
【0084】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の別の特定の実施形態において、リグナン群のうちの、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択される。
【0085】
本発明において使用される場合、「セコイソラリシレシノールジグルコシド」、「マタイレシノシド」、「ラリシレシノール」、「ピノレシノール」、「セサミン」、及び「セコイソラリシレシノール」という用語は、当業者が理解するとおりの該当する用語を示す。
【0086】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の別の特定の実施形態において、スチルベノイド群のうちの、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される。
【0087】
本発明において使用される場合、「レスベラトロール」、「ピセタノール」、「ピノシルビン」、「プテロスチルベン」、及び「ラポンチゲニン」という用語は、当業者が理解するとおりの該当する用語を示す。
【0088】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である。
【0089】
別の特定の実施形態において、上記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の植物産物の抽出物ではなく、好ましくは、これは、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない。
【0090】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、以下からなる群より選択される抽出物である:
プルヌス・ダルシス(Miller)D.A. Webbの植物産物の抽出物
シトラス・パラディシMacFadの植物産物の抽出物
リナム・ウシタチッシマムLの植物産物の抽出物
ポリゴナム・カスピダツムSieb. et Zuccの植物産物の抽出物
【0091】
特定の実施形態において、前述の実施形態で言及される植物産物はそれぞれ、上記で提供される「植物産物」の定義において示されたもののうちの1種である。
【0092】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、以下からなる群より選択される抽出物である:
プルヌス・ダルシス(Miller)D.A. Webbの果皮の抽出物
シトラス・パラディシMacFadの果実の抽出物又はシトラス・パラディシMacFadの果実の種子の抽出物
リナム・ウシタチッシマムLの果実の種子の抽出物
ポリゴナム・カスピダツムSieb. et Zuccの根の抽出物
【0093】
前述の実施形態で特定される、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、各例において示される種に属する任意の植物又は野菜、好ましくは各例において示される種に属する任意の変種から得られる。特定の実施形態において、木は、プルヌス・ダルシス(Miller)D.A. Webbの種のものである。
【0094】
特定の実施形態において、本発明の任意の態様で使用されるプルヌス・ダルシスという用語は、プルヌス・ダルシス(Miller)D.A. Webbという用語と同義である。別の特定の実施形態において、本発明の任意の態様で使用されるシトラス・パラディシという用語は、シトラス・パラディシMacFadという用語と同義である。別の特定の実施形態において、本発明の任意の態様で使用されるリナム・ウシタチッシマムという用語は、リナム・ウシタチッシマムLという用語と同義である。別の特定の実施形態において、本発明の任意の態様で使用されるポリゴナム・カスピダツムという用語は、ポリゴナム・カスピダツムSieb.et Zuccという用語と同義である。
【0095】
特定の実施形態において、特定の種から得られる、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む植物抽出物は、当該種の木、植物、又は野菜の2つ以上の植物産物から得られ、当該産物はそれぞれ、同じであるか異なっている。別の特定の実施形態において、当該産物はそれぞれ、異なる木、植物、又は野菜から得られ、これら木、植物、又は野菜はそれぞれ、同じ種のもの、好ましくは、同じ変種のものである。
【0096】
したがって、特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、以下からなる群より選択される抽出物である:
少なくとも2つの植物産物の抽出物、それぞれは、上記「植物産物」の定義で示された植物産物の一覧から選択され、少なくとも2本の異なるプルヌス・ダルシスの木から得られたものであり、各木は、好ましくは、異なる変種のものである。
少なくとも2つの植物産物の抽出物、それぞれは、上記「植物産物」の定義で示された植物産物の一覧から選択され、少なくとも2本の異なるシトラス・パラディシの木から得られたものであり、各木は、好ましくは、異なる変種のものである。
少なくとも2つの植物産物の抽出物、それぞれは、上記「植物産物」の定義で示された植物産物の一覧から選択され、少なくとも2つの異なるリナム・ウシタチッシマムの植物から得られたものであり、各植物は、好ましくは、異なる変種のものである。
少なくとも2つの植物産物の抽出物、それぞれは、上記「植物産物」の定義で示された植物産物の一覧から選択され、少なくとも2つの異なるポリゴナム・カスピダツムの植物から得られたものであり、各植物は、好ましくは、異なる変種のものである。
【0097】
特定の実施形態において、
プルヌスの1本以上の木の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果皮の抽出物の一部分である、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択されるフラボノイドである。
シトラス・パラディシの1本以上の木の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果実の種子の抽出物の一部分である、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択されるフラボノイドである。
リナム・ウシタチッシマムの、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果実の種子の抽出物の一部分である、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択されるリグナンである。
ポリゴナム・カスピダツムの1つ以上の植物の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、根の抽出物の一部分である、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、スチルベンであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択されるスチルベンである。
【0098】
本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の好ましい実施形態において、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択される。
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択される。
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される。
【0099】
特定の実施形態において、プルヌス・ダルシスの1本以上の木の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果皮の抽出物は、フラボノイドを1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~60%(w/w)、5%~50%(w/w)、5%~40%(w/w)、10%~30%(w/w)、好ましくはフラボノイドを5%~60%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態は、フラボノイドを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、前出のフラボノイドの一覧から選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in Enzymology, vol. 299: 152-78)。
【0100】
好ましい実施形態において、プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物は、フラボノイドを1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~60%(w/w)、5%~50%(w/w)、5%~40%(w/w)、10%~30%(w/w)、好ましくは5%~60%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態において、抽出物は、フラボノイドを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、前出のフラボノイドの一覧から選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in Enzymology, vol. 299: 152-78)。
【0101】
別の特定の実施形態において、シトラス・パラディシの1本以上の木の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果実又は果実の種子の抽出物は、フラボノイドを1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、10%~80%(w/w)、10%~60%(w/w)、15%~50%(w/w)、20%~50%(w/w)、30%~50%(w/w)、好ましくは10%~80%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択される。特定の実施形態において、抽出物は、フラボノイドを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは45%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in enzimology, vol. 299: 152-78)。
【0102】
好ましい実施形態において、シトラス・パラディシの果実の抽出物、又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物は、フラボノイドを1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、10%~80%(w/w)、10%~60%(w/w)、15%~50%(w/w)、20%~50%(w/w)、30%~50%(w/w)、好ましくは10%~80%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択される。特定の実施形態において、抽出物は、フラボノイドを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは45%(w/w)含有する。好ましくは、当該フラボノイドは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われるSingleton VL et al., 1999, Methods in Enzymology, vol. 299: 152-78)。
【0103】
別の特定の実施形態において、リナム・ウシタチッシマムの1つ以上の植物の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、果実の種子の抽出物は、リグナンを、1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~60%(w/w)、5%~50%(w/w)、5%~40%(w/w)、10%~30%(w/w)、好ましくは、リグナンを5%~50%(w/w)含有する。好ましくは、当該リグナンは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態において、抽出物は、リグナンを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有する。好ましくは、当該リグナンは、上記一覧から選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in enzimology, vol. 299: 152-78)。
【0104】
好ましい実施形態において、リナム・ウシタチッシマムの種子の抽出物は、リグナンを、1%~100%(w/w)、1%~90%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~70%(w/w)、5%~80%(w/w)、5%~60%(w/w)、5%~50%(w/w)、5%~40%(w/w)、10%~30%(w/w)、好ましくは、リグナンを5%~50%(w/w)含有する。好ましくは、当該リグナンは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される。特定の実施形態において、抽出物は、リグナンを1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、12%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、22%(w/w)、25%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、90%(w/w)、95%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有する。好ましくは、当該リグナンは、上記一覧から選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in enzimology, vol. 299: 152-78)。
【0105】
別の特定の実施形態において、ポリゴナム・カスピダツムの1つ以上の植物の、1つ以上の植物産物の任意の上記抽出物、好ましくは、根の抽出物は、スチルベンを10%~100%(w/w)、20%~100%(w/w)、30%~100%(w/w)、40%~100%(w/w)、50%~100%(w/w)、60%~100%(w/w)、70%~100%(w/w)、80%~100%(w/w)、85%~100%(w/w)、90%~99.9%(w/w)、90%~99.8%(w/w)、90%~99.5%(w/w)、90%~99.25%(w/w)、90%~99%(w/w)、92%~99%(w/w)、95%~99%(w/w)、好ましくはスチルベンを50%~100%(w/w)含有する。好ましくは、当該スチルベンは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択され、より好ましくはレスベラトロールである。特定の実施形態において、これは、レスベラトロールと、前出の一覧に示されるその他のスチルベノイドのうちの少なくとも1種との組み合わせである。特定の実施形態において、抽出物は、スチルベンを50%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.75%(w/w)、99.8%(w/w)、99.85%(w/w)、99.9%(w/w)、99.95%(w/w)、99.99%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有する。好ましくは、当該スチルベンは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択され、より好ましくはレスベラトロールである。特定の実施形態において、これは、レスベラトロールと、前出の一覧に示されるその他のスチルベノイドのうちの少なくとも1種との組み合わせである。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in Enzymology, vol. 299: 152-78)。
【0106】
好ましい実施形態において、ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物は、スチルベンを10%~100%(w/w)、20%~100%(w/w)、30%~100%(w/w)、40%~100%(w/w)、50%~100%(w/w)、60%~100%(w/w)、70%~100%(w/w)、80%~100%(w/w)、85%~100%(w/w)、90%~99.9%(w/w)、90%~99.8%(w/w)、90%~99.5%(w/w)、90%~99.25%(w/w)、90%~99%(w/w)、92%~99%(w/w)、95%~99%(w/w)、好ましくはスチルベンを50%~100%(w/w)含有する。好ましくは、当該スチルベンは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択され、より好ましくはレスベラトロールである。特定の実施形態において、これは、レスベラトロールと、前出の一覧に示されるその他のスチルベノイドのうちの少なくとも1種との組み合わせである。特定の実施形態において、抽出物は、スチルベンを50%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.5%(w/w)、99.75%(w/w)、99.8%(w/w)、99.85%(w/w)、99.9%(w/w)、99.95%(w/w)、99.99%(w/w)、100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有する。好ましくは、当該スチルベンは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる一覧より選択され、より好ましくはレスベラトロールである。特定の実施形態において、これは、レスベラトロールと、前出の一覧に示されるその他のスチルベノイドのうちの少なくとも1種との組み合わせである。好ましい実施形態において、ポリフェノール含有量の特定は、フォリン・チオカルト試薬に基づく方法を用いて行われる(Singleton VL et al., 1999, Methods in Enzymology, vol. 299: 152-78)。
【0107】
好ましい実施形態において、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物は、フラボノイドを5%~60%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有し、フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物は、リグナンを5%~50%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有し、リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される。
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物は、スチルベノイドを50%~100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有し、スチルベノイドは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0108】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールは、経口投与されるヒドロキシチロソールの重量を基準にして、重量で少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍、3.1倍、3.2倍、3.4倍、3.5倍、3.75倍、4倍、4.25倍、4.5倍、4.75倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、10倍、11倍、12倍、51倍、18倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、24.2倍、24.3倍、24.5倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍、32倍、35倍、40倍、好ましくは2.7倍多く使用される。
【0109】
別の特定の実施形態において、第1の態様、第2の態様、又は第3の態様で使用されるヒドロキシチロソール:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールのw/w比は、1:0.5~1:100、1:1~1:50、1:2~1:40、1:2~1:30、1:2~1:28、1:2~1:25、1:2~1:24.5、1:2~1:24.3、1:2~1:24、1:2~1:20、1:2~1:17、1:2~1:15、1:2~1:10、1:2~1:7、1:2~1:5、1:2~1:4、1:2~1:3、好ましくは1:1~1:50である。
【0110】
別の特定の実施形態において、第1の態様、第2の態様、又は第3の態様で使用されるヒドロキシチロソール:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールのw/w比は、少なくとも1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.3、1:2.5、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.2、1:3.5、1:3.7、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:15、1:17、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:24.1、1:24.2、1:24.3、1:24.4、1:24.5、1:24.6、1:24.7、1:24.8、1:24.9、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:32、1:35、1:37、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:80、1:75、1:80、1:90、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:200、好ましくは1:2.7、より好ましくは1:24.3、更により好ましくは1:28である。
【0111】
特定の実施形態において、第1の態様、第2の態様、又は第3の態様で使用されるヒドロキシチロソールを含む植物抽出物:ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む植物抽出物のw/w比は、1:0.5~1:100、1:1~1:75、1:2~1:50、1:3~1:40、1:4~1:30、1:5~1:25、1:7~1:20、1:10~1:15、好ましくは1:2~1:50である。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む植物抽出物のw/w比は、少なくとも1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:17、1:20、1:22、1:25、1:27、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:70、1:80;1:90、1:100である。
【0112】
2.本発明の組成物及びパーツのキット
第4の態様において、本発明は、ヒドロキシチロソールと、ヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノール、O.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノール、又はヒドロキシチロソール以外でありかつO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールとを含む組成物又はパーツのキットに関する。
【0113】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールと、ヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノール、O.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノール、又はヒドロキシチロソール以外でありかつO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールとは、本発明の組成物の化合物と称する。
【0114】
本発明において使用される場合、「組成物」という用語は、化合物又は成分の組み合わせを示す。組成物の成分は、別々に又は1つの剤形で供給することができる。したがって、組成物が対象に投与される場合、組成物に含まれる化合物は、当該剤形中に混合されているか、投与前に混合することが可能であり、別々に供給されるのか、別々に供給及び投与されるのかにかかわらず、いったん対象に摂取されれば混合される、すなわち対象の体内で混合される。そのうえさらに、組成物の成分の一部はまとめて投与し、他のものは別々に投与することが可能であるが、これらは、いったん対象に摂取されれば全て混合される、すなわち対象の体内で混合される。
【0115】
本発明による組成物は、様々な形式で供給することができる。限定ではなく例として、錠剤、被覆錠剤、丸剤、水性又は油性懸濁剤、液剤、分散性散剤又は粒剤、乳剤、硬又は軟カプセル剤、シロップ剤又はエリキシル剤、ペースト剤、ゲル剤等が挙げられる。当該組成物は、任意の既知の方法により調製することができ、そのような組成物は、本発明の組成物で上記に示される化合物に加えて、薬学的に洗練された心地よい組成物を提供する1種以上の作用剤を含有することができ、作用剤は、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤からなる群より選択される。組成物が供給されるときの形式は、いずれの形式であっても、活性成分(複数の場合もある)を、当該供給様式の製造に適切な無毒の薬学上許容される賦形剤との混合物中に含有することができる。こうした賦形剤としては、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム等;造粒剤及び崩壊剤、例えば、コーンデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアカシアゴム;並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルク等が可能である。組成物が供給されるときの様々な形式は、被覆しないことも可能であれば、既知の技法で被覆して、消化器系中での分解及び吸収を遅らせ、それにより長期間にわたり持続する作用を提供することも可能である。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリン等の時間遅延材料を使用することができる。こうした形式は、制御された投与用に被覆することもできる。例えば、「徐放性」製剤形は、投与直後から異なる時点で生成物又は物質を放出する。徐放系の例として、復効錠及びカプセル剤、並びに腸溶コーティングされた錠剤が挙げられ、この場合、計画された放出が、バリアコーティングを通じて達成される。
【0116】
本発明による組成物は、経口用に硬ゼラチンカプセルとして配合することもでき、この場合、活性成分(複数の場合もある)は、不活性固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合され、又は、軟ゼラチンカプセルとして配合することもでき、この場合、活性成分(複数の場合もある)は、水及び油性媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される。
【0117】
本発明による組成物は、水性懸濁剤として配合することができ、この場合、活性成分(複数の場合もある)は、水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤との混合物になっている。そのような賦形剤としては、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及び、アカシアゴムがある。分散剤又は湿潤剤としては、レシチン等の天然ホスファチド、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン等、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチルエノキシケタノール(heptadecaethylenoxyketanol)等、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート等、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート等が可能である。水性懸濁剤は、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤、及び1種以上の甘味剤、例えば、スクロース又はサッカリン等を含有することもできる。
【0118】
本発明による組成物は、活性成分を、植物油、例えば、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ種子油、若しくはココナッツ油に、又は鉱物油、例えば、流動パラフィンに懸濁させることにより、油性懸濁剤として配合することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば、ミツロウ、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有することができる。上記で示したもの等の甘味剤及び香味剤を添加して、経口で受け付けられる組成物を提供することができる。こうした組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することにより保存可能である。
【0119】
本発明による組成物は、水を加えて水性懸濁剤の組成物とするのに適切な分散性散剤及び粒剤形に製剤することができる。そのような散剤及び粒剤中の活性成分は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤との混合物として提供される。分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、上記ですでに言及したものが例となる。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、及び着色剤も、存在することができる。
【0120】
本発明による組成物は、水中油乳剤の形状にあることが可能である。油相は、植物油、例えば、オリーブ油若しくはピーナッツ油、又は鉱物油、例えば、流動パラフィン、又はそれらの混合物が可能である。適切な乳化剤として、天然ゴム、例えば、アカシアゴム又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば、ダイズレシチン、及び脂肪酸とヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、並びに部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等が可能である。乳剤は、甘味剤及び香味剤も含有することができる。
【0121】
本発明による組成物は、シロップ剤及びエリキシル剤として配合することができる。シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースとともに配合することができる。そのような製剤は、粘滑薬、保存剤、及び香味剤、及び着色剤も含有することができる。粘滑薬は、刺激、特に粘膜又は劣化組織への刺激を緩和するために主に使用される保護作用剤である。複数の化学物質が、粘滑薬特性を保持する。そのような物質として、アルギン酸化合物、粘液、ゴム、デキストリン、デンプン、或る種の糖類、及び重合多価グリコールが挙げられる。他のものとして、アカシアゴム、寒天、ベンゾイン、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、ヒドロゲル等が挙げられる。
【0122】
経口投与に適切な製剤として、スクロース、アカシアゴム、又はトラガカント等の香味付基材中に本発明の組成物の化合物を含む錠剤及び被覆錠剤、並びに、ゼラチンとグリセリン又はスクロースとアカシアゴム等の不活性基材中に当該化合物を含む丸剤が挙げられる。
【0123】
当業者なら、本発明の組成物の液剤、及びそれの固形類似体を適切に配合することができるだろう。この液剤は、選択された添加剤又は補助剤(support)に応じて、本発明の組成物の各化合物を適切な量で含有する。
【0124】
本発明において使用される場合、「パーツのキット」という表現は、様々な成分、構成要素、又は化合物を含む製品を示し、これらの成分、構成要素、又は化合物は、物理的に分離されており、この分離は、好ましくは、キット中の各成分、構成要素、又は化合物を、輸送及び貯蔵が可能になるようにして、別々に梱包することにより行われる。当然のことながら、本発明による「パーツのキット」において、個別の活性成分、構成要素、又は化合物は、治療薬であるが、ただし、これらの化合物の使用は、同時、別々、又は逐次に関わらず、本文書で記載されるとおり、一緒になって新規の予期せぬ治療効果をもたらし、この効果は、各化合物が互いに対して独立していては達成できない。実際、後で結果により実証されるとおり、特許請求される活性成分の組み合わせは、既知の作用剤の単なる集合体とはならなかった。そうではなくて、有益な、驚くべき特性を持つ新規組み合わせであり、この組み合わせた効果は、これらの活性成分を別々に用いる場合に観察される効果の単純合計を遥かに超える重要なものである。パーツのキットは、典型的には、適切な容器中にその構成要素を含む。キットの構成要素を梱包するのに適切な材料として、ガラス、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等)、ボトル、バイアル、紙、ポーチ等が挙げられる。例えば、各容器は、バイアル、ボトル、ねじ式ボトル、ジャー、密閉スリーブ、サシェ若しくはポーチ、チューブ若しくはブリスター、又は他の任意の適切な形状にあることができるが、ただし、容器は、構成要素の不十分な混合を防ぐように構成されている。異なる構成要素のそれぞれを別々に提供することもできるし、異なる構成要素の一部を一緒に(すなわち、同じ容器に入れて)提供することもできる。そのうえさらに、本発明のキットは、キットに含まれる異なる構成要素の同時、逐次、又は別個使用についての説明書を含むことができる。当該説明書は、印刷物の形状にあることもできるし、対象が説明を読むことができるように説明を記録することが可能な電子媒体、例えば、電子記録媒体(磁気ディスク、テープ等)、光学媒体(CD-ROM、DVD)等の形状にあることもできる。媒体は、追加で又は代替的に、当該説明書を提供するインターネットアドレスを含むこともできる。
【0125】
当然のことながら、本発明の組成物又はパーツのキットは、上記成分、化合物、又は構成要素を含む、本質的にそれらからなる、又はそれらからなることができる。
【0126】
本明細書において、「含む("comprising" or "comprises")」という用語は、記載される組成物が、列挙される成分(複数の場合もある)を含有するものでなければならないが、この組成物は任意選択で追加成分を含有することができることを示すのに使用される。「~から本質的になる("essentially consisting of" or "essentially consists of")」という用語は、記載される組成物が、列挙される成分(複数の場合もある)を含有するのでなければならず、この組成物は他の成分を少量(例えば、最大5重量%、又は最大1重量%、又は0.1重量%)で含有することもできるが、ただし、抽出物又は組成物の必要不可欠な性質に影響を及ぼす追加成分はないことを示すのに使用される。「~からなる("consisting of" or "consists of")」という用語は、記載される組成物が、列挙される成分(複数の場合もある)のみを含有するのでなければならないことを示すのに使用される。
【0127】
特定の実施形態において、本発明の第4の態様による組成物又はパーツのキットは、ヒドロキシチロソール及びヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールに加えて、追加の成分を含む。特定の実施形態において、これは、ヒドロキシチロソール及びヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールに加えて、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも9種、少なくとも10種、少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも25種、少なくとも30種、少なくとも40種、少なくとも50種、少なくとも60種、少なくとも70種、少なくとも80種、少なくとも90種、少なくとも100種の成分を含む。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール及びヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、キットを構成する合計量のうち、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%、少なくとも100%を構成する。
【0128】
「ポリフェノール」という用語、並びに「ヒドロキシチロソールではないポリフェノール、この場合、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノール、及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じない」という表現は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で定義されている。当該定義、並びに当該用語及び当該表現を記載する特定の実施形態は、本発明のこの態様に適用される。
【0129】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である。
【0130】
したがって、特定の実施形態において、当業者なら分かるだろうが、本発明の第4の態様の組成物及びパーツのキットの「ヒドロキシチロソール」化合物又は成分は、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物からなる。
【0131】
「植物抽出物」、及び「植物抽出物の一部分である」という表現は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で定義されている。したがって、当業者なら分かるだろうが、特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールは、本発明の第4の態様の組成物に植物抽出物として供給される。
【0132】
特定の実施形態において、本発明のこの態様のヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の実施形態及び定義のいずれかにおいて記載されるヒドロキシチロソールを含む抽出物と同様である。
【0133】
したがって、特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の任意の植物産物から得られ、この植物産物は、本発明の第1の態様、第2の態様、又は第3の態様に示される「植物産物」の定義において示されるもののいずれかである。
【0134】
本発明の第4の態様の好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールがその一部分である植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実、好ましくは葉の抽出物である。
【0135】
特定の実施形態において、上記抽出物は、O.ユーロパエアの1本以上の木の1つ以上の植物産物の、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で言及される任意の抽出物、好ましくは葉又は果実の抽出物、より好ましくは葉の抽出物である。
【0136】
特定の実施形態において、この態様のヒドロキシチロソールを含む抽出物中のヒドロキシチロソール含有量は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該態様のヒドロキシチロソールを含む抽出物について示されるもののいずれかである。
【0137】
本発明の第4の態様の好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールを10%~90%、好ましくは10%(w/w)含有する。
【0138】
別の特定の実施形態において、本発明の第4の態様のヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノールは、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で定義及び記載されるヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノールである。したがって、本発明の第4の態様のヒドロキシチロソールではないポリフェノールは、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で示され、ヒドロキシチロソールではないポリフェノールの群に属すると定義されるポリフェノールのうちのいずれかである。
【0139】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなるポリフェノールの群より選択される。
【0140】
別の特定の実施形態において、フラボノイド群のうちのヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される。
【0141】
好ましい実施形態において、プロシアニジンは、B型プロシアニジンであり、好ましくは、B1型プロシアニジン、B2型プロシアニジン、B3型プロシアニジン、B4型プロシアニジン、B5型プロシアニジン、B6型プロシアニジン、及びB7型プロシアニジンからなる群より選択される。別の特定の実施形態において、これは、C1型プロシアニジンである。特定の実施形態において、これは、A型プロシアニジンであり、好ましくは、プロシアニジンA1、プロシアニジンA2からなる群より選択される。
【0142】
別の特定の実施形態において、プロペラルゴニジンは、A型であり、より好ましくは、B型プロペラルゴニジンである。
【0143】
特定の実施形態において、プロデルフィニジンは、A型である。
【0144】
別の特定の実施形態において、リグナン群のうちのヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される。
【0145】
別の特定の実施形態において、スチルベン群のうちのヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択され、好ましくはレスベラトロールである。
【0146】
本発明の組成物又はパーツのキットの別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である。
【0147】
別の特定の実施形態において、当業者なら分かるだろうが、本発明の第4の態様の組成物又はパーツのキットの「ヒドロキシチロソール以外のポリフェノール」である成分又は化合物は、植物抽出物からなる。
【0148】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の植物産物の抽出物ではなく、好ましくは、これは、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない。
【0149】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様で定義及び記載されるとおりである。
【0150】
したがって、好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である植物抽出物は、以下からなる群より選択される抽出物である:
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物
【0151】
特定の実施形態において、本発明のこの態様のヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む各抽出物に含まれるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、本発明の第1の態様、第2の態様、又は第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0152】
本発明の第4の好ましい態様実施形態において、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択される。
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択される。
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される。
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、スチルベンであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択され、より好ましくは、レスベラトロールである。
【0153】
特定の実施形態において、プルヌス・ダルシスの1本以上の木の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果皮の抽出物に含有されるフラボノイドの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0154】
別の特定の実施形態において、シトラス・パラディシの1本以上の木の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果実又は果実の種子の抽出物に含有されるフラボノイドの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0155】
別の特定の実施形態において、リナム・ウシタチッシマムの1つ以上の植物の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果実の種子の抽出物に含有されるリグナンの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0156】
別の特定の実施形態において、ポリゴナム・カスピダツムの1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは根の抽出物に含有されるスチルベンの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0157】
したがって、好ましい実施形態において、プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物は、フラボノイドを5%~60%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有し、フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物は、リグナンを5%~50%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有し、リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される。
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物は、スチルベノイドを50%~100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有し、スチルベノイドは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0158】
特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物又はパーツのキット中、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールは、組成物又はパーツのキットに含まれるヒドロキシチロソールの重量を基準にして、重量で少なくとも1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍、3.1倍、3.2倍、3.4倍、3.5倍、3.75倍、4倍、4.25倍、4.5倍、4.75倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、10倍、11倍、12倍、51倍、18倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、24.2倍、24.3倍、24.4倍、24.5倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍、32倍、35倍、40倍、54倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、80倍、85倍、90倍、95倍、100倍、好ましくは2.7倍多く、より好ましくは重量で24.3倍多く、更により好ましくは重量で少なくとも28倍多い。
【0159】
本発明の第4の態様の別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールのw/w比は、組成物又はパーツのキット中、1:0.5~1:100、1:1~1:50、1:2~1:40、1:2~1:30、1:2~1:28、1:2~1:25、1:2~1:24.5、1:2~1:24.3、1:2~1:24、1:2~1:20、1:2~1:17、1:2~1:15、1:2~1:10、1:2~1:7、1:2~1:5、1:2~1:4、1:2~1:3、好ましくは1:1~1:30である。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールのw/w比は、組成物又はパーツのキット中、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.3、1:2.5、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.2、1:3.5、1:3.7、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:12、1:15、1:17、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:24.1、1:24.2、1:24.3、1:24.4、1:24.5、1:24.6、1:24.7、1:24.8、1:24.9、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:32、1:35、1:37、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:80、1:75、1:80、1:90、1:100、1:110、1:120、1:130、1:140、1:150、1:200、好ましくは1:2.7、より好ましくは1:24.3、更により好ましくは1:28である。
【0160】
特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物又はパーツのキット中、ヒドロキシチロソール:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールのw/w比は、1:1~1:50、好ましくは1:24.3、より好ましくは1:28である。
【0161】
特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物又はパーツのキット中、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む植物抽出物のw/w比は、1:0.5~1:100、1:1:~1:75、1:2~1:50、1:3~1:40、1:4~1:30、1:5~1:25、1:7~1:20、1:10~1:15、好ましくは1:5~1:25である。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物:ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む植物抽出物のw/w比は、少なくとも1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:17、1:20、1:22、1:25、1:27、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:70、1:80;1:90、1:100、好ましくは少なくとも1:10である。
【0162】
別の特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物中のヒドロキシチロソール含有量は、組成物合計を基準にして、少なくとも0.02%~20%(w/w)、少なくとも0.025%~15%(w/w)、少なくとも0.5%~10%(w/w)、少なくとも0.5%~7.5%(w/w)、少なくとも0.6%~5%(w/w)、少なくとも0.7%~2.5%(w/w)、少なくとも0.8%~2%(w/w)、少なくとも0.9%~1.5%(w/w)、より好ましくは少なくとも0.05%~10%(w/w)である。別の特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物中のアーモンド皮のポリフェノール組成物は、組成物合計を基準にして、少なくとも5%~100%(w/w)、少なくとも7%~75%(w/w)、少なくとも10%~50%(w/w)、少なくとも15%~40%(w/w)、少なくとも20%~30%(w/w)、好ましくは少なくとも10%~50%(w/w)である。別の特定の実施形態において、本発明の第4の態様の組成物中のアーモンド皮のポリフェノール組成物は、組成物合計を基準にして、少なくとも5%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも12%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも17%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも21%(w/w)、少なくとも22%(w/w)、少なくとも23%(w/w)、少なくとも24%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、少なくとも26%(w/w)、少なくとも27%(w/w)、少なくとも28%(w/w)、少なくとも29%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも32%(w/w)、少なくとも35%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも45%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも55%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、好ましくは少なくとも26%(w/w)である。
【0163】
好ましい実施形態において、本発明の第4の態様の組成物中のヒドロキシチロソール含有量は、組成物合計を基準にして、少なくとも0.05%~10%w/w、好ましくは少なくとも0.9%w/wであり、組成物中、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、アーモンド皮のポリフェノール組成物であり、このアーモンド皮のポリフェノール組成物の含有量は、組成物合計を基準にして、少なくとも約10%~50%w/w、好ましくは少なくとも26%w/wである。
【0164】
特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様の定義及び特定の実施形態は、本発明の第4の態様に適用される。
【0165】
3.本発明の方法
第5の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物を得る方法であって、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソールではなく、かつO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物とを、接触させることを含む、方法に関する。
【0166】
「組成物」という用語は、本発明の第4の態様において定義されている。「ヒドロキシチロソール」及び「ヒドロキシチロソールではないポリフェノール」という用語は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において定義されている。
【0167】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールは、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、及び第4の態様のいずれかの定義及び特定の実施形態において定義されるとおりである。
【0168】
本発明において使用される場合、「接触(させる)」という表現は、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む組成物との、一方の組成物の成分が他方の組成物の成分により取り囲まれるようになっている混合物又は組み合わせを示す。その結果、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む組成物とを含む組成物が得られる。当該接触により得られる生成物は、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、又は第4の態様の組成物である。
【0169】
上記接触は、以下で記載されるとおりin vitroでの実行も可能であるし、対象が、ヒドロキシチロソールを含む組成物及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む組成物を、同時に又は別々に摂取した後に実行されることも可能である。この場合、両組成物間の接触は、それらが対象の体内に入ると生じる。
【0170】
ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む組成物との混合物又は組み合わせは、同一容器中に、両組成物を入れ、容器の内容物を、一方の組成物の成分が或る一定の均一性で他方の組成物の成分の間にあるように動かすことにより、実行可能である。特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、又は第4の態様の組成物を製造するのに適切な少なくとも1種の無毒の薬学上許容される賦形剤が、混合物に含まれる。当該賦形剤は、第4の態様で、当該態様の組成物が含むことができるとして示される、不活性希釈剤、水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤、植物油、増粘剤、抗酸化剤、分散剤若しくは湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、又は香味剤のうちのどれでも可能である。
【0171】
当業者なら、選択した賦形剤又は添加剤に応じて、ヒドロキシチロソールを含む組成物を適切な量で、及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む組成物を適切な量で含有する混合物を適切に配合することができるだろう。
【0172】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む組成物は、植物抽出物である。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物は、植物抽出物である。
【0173】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む組成物は、植物抽出物であり、及び/又はヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物は、植物抽出物である。
【0174】
ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、本発明の上記態様のいずれかにおいて定義されるヒドロキシチロソールを含む植物抽出物と同様である。
【0175】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物、好ましくは葉の抽出物である。
【0176】
特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む抽出物中のヒドロキシチロソール含有量は、本発明の上記態様のいずれかにおいて示される当該抽出物中のヒドロキシチロソール含有量のいずれかである。
【0177】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールを1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する。
【0178】
ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む植物抽出物に関して、これは、本発明の上記態様のいずれかにおいて定義されるヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含むいずれかの抽出物と同様である。
【0179】
好ましい実施形態において、ヒドロキシチロソールではない少なくとも1種のポリフェノールを含む植物抽出物は、以下からなる群より選択される:
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、及び、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物。
【0180】
特定の実施形態において、プルヌス・ダルシスの1本以上の木の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果皮の抽出物に含有されるフラボノイドの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0181】
別の特定の実施形態において、シトラス・パラディシの1本以上の木の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果実又は果実の種子の抽出物に含有されるフラボノイドの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0182】
別の特定の実施形態において、リナム・ウシタチッシマムの1つ以上の植物の1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは果実の種子の抽出物に含有されるリグナンの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0183】
別の特定の実施形態において、ポリゴナム・カスピダツムの1つ以上の植物産物の本発明で言及されるいずれかの抽出物、好ましくは根の抽出物に含有されるスチルベンの含有量及び種類は、本発明の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様において当該抽出物に関して示されるものである。
【0184】
特定の実施形態において、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物は、フラボノイドを5%~60%w/w、好ましくは30%w/w含有し、このフラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、このフラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物は、リグナンを5%~50%w/w、好ましくは20%(w/w)含有し、このリグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される。
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物は、スチルベンを50%~100%w/w、好ましくは98%(w/w)含有し、このスチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、好ましくは、レスベラトロールであり、より好ましくは、レスベラトロールに上記で示したスチルベンのうち少なくとも1種が組み合わされたものである。
【0185】
特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、及び第4の態様の定義及び特定の実施形態は、本発明の第5の態様に適用される。
【0186】
4.本発明の医薬組成物
第6の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物、又は本発明の第5の態様の方法により得られる組成物と、薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0187】
本明細書中において使用される場合、「医薬組成物」という表現は、ヒト又は動物に投与したときに、典型的には、アレルギー反応又は類似の好ましくない反応、例えば、胃障害、めまい等を生じさせない、任意の生理学的に忍容性のある組成物を示す。
【0188】
上記組成物は、少なくとも1種の薬学的活性成分と、1種以上の薬学上許容される補助剤とを含む。「薬学上許容される補助剤」、「薬学上許容される賦形剤」、「薬学上許容される希釈剤」、又は「薬学上許容されるビヒクル」という用語は、本明細書中において同義で使用され、任意の従来型の固体、半固体、又は液体の製剤の、無毒の充填剤、希釈剤、助剤、又はカプセル化材料を示す。薬学上許容される補助剤は、本質的に、使用される用量及び濃度で受容体にとって無毒であり、製剤の他の成分と適合性がある。適切な補助剤として、水、ブドウ糖、グリセロール、生理食塩水、エタノール、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。補助剤は、追加の作用剤、例えば、湿潤剤若しくは乳化剤、pH調節剤、又は製剤の有効性を向上させるアジュバントを含有する場合がある。アジュバントは、水及び油等の滅菌液体からなる群より選択されるものが可能であり、油としては、石油由来、動物起源、植物起源、又は合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、ワセリン油、ゴマ種子油等が挙げられる。水又は水性生理食塩溶液及び水性のブドウ糖及びグリセロール溶液、特に注射用のものが、ビヒクルとして好適に使用される。適切な医薬用ビヒクルは、''Remington's Pharmaceutical Sciences'' by E.W. Martin, 21st Edition, 2005に記載されている。従来の補助剤が活性成分と適合性ではない場合を除いて、治療用又は医薬組成物における補助剤の使用が企図される。薬学上許容される賦形剤には、第4の態様で、当該態様の組成物が含むことができるとして示される不活性希釈剤、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤、植物油、増粘剤、抗酸化剤、分散剤若しくは湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、又は香味剤のいずれかもまた含まれる。
【0189】
医薬組成物は、本発明のいずれかの態様の植物抽出物を治療上有効量で含む。本明細書中において使用される場合、「有効量」という用語は、「治療上有効量」、「有効用量」、又は「治療上有効な用量」と同義であり、本発明において使用される場合、この用語は、本発明のいずれかの態様の植物抽出物が、所望の治療効果を達成するのに必要な最小用量を示し、この用語には、少なくとも1つの循環器疾患症状、好ましくは粥状動脈硬化を低減するのに十分な用量が含まれる。本明細書中において記載される疾患又は病態の治療における有効性は、血清中oxLDLレベル及びoxLDL/LDL比の降下を観察することで特定することができる。特定の実施形態において、本明細書中において記載される疾患又は病態の治療における有効性は、本発明の第1の態様、第2の態様、又は第3の態様において「ヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果の上昇」という表現について示した特定の実施形態のいずれかにおいて提供される記載にある。その場合、該当する参照値は、当該実施形態で示されたもの、又はどのような種類の治療も受けていない対象由来の血清試料における該当するパラメーターの値、又は医薬組成物が投与される同一対象由来の当該投与の少なくとも2週間前若しくは投与の少なくとも4週間前に得られた血清試料における該当するパラメーターの値であることが可能である。したがって、本明細書中において記載される疾患又は病態の治療における有効性を測定する方法は、本発明の第1の態様、第2の態様、又は第3の態様の当該実施形態にもまた記載されている。
【0190】
当業者なら、単位用量で投与する場合の本発明組成物の治療上有効量を特定することができる。本明細書中において使用される場合、「単位用量」は、本発明の組成物又はパーツのキットが最大効果の50パーセントの反応(すなわち、ED50)をもたらすために必要な量を示す。単位用量は、in vitro又は動物モデルでの試験用システムに由来する用量反応曲線の外挿により推定することができる。特定の障害又は病態の治療に有効となる本発明の組成物中の化合物量は、障害又は病態の性質に依存することになり、標準的な臨床技法により特定することができる(例えば、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Joel G. Harman, Lee E. Limbird, Eds.、McGraw Hill, Nueva York, 2001、The Physician's Desk Reference, Medical Economics Company, Inc., Oradell, N.J., 1995、及びDrug Facts and Comparisons, Facts and Comparisons, Inc., St. Luis, Mo., 1993を参照)。製剤に使用すべき正確な用量は、投与経路、及び障害又は障害の重篤度にも依存することになり、医療専門家の評価及び各患者の状況に従って決定されなければならない。複数の投与パターンが、当業者には明らかであるだろう。
【0191】
そのうえさらに、本発明の上記態様のいずれかの化合物(すなわち、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノール、及び/又はヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを含む抽出物)の繰り返し投与が用いられる場合、当該化合物の有効量は、更に、複数の要因に依存することになり、そのような要因として、限定ではなく、投与頻度、化合物の半減期、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0192】
本発明の組成物を投与する投薬量の範囲は、所望の治療効果をもたらすのに十分な大きさである。好ましくは、本発明による組成物は、1日1回又は2回、定期的に投与される。ヒトに投与される典型的な用量は、組成物約20 mg~約5 gであり、好ましくは組成物200 mg~1 gである。
【0193】
本明細書中において提供される組成物は、当該技術分野で既知である多数の適切な方法により、対象に投与することができる。適切な方法の例として、以下が挙げられる:(1)筋肉内投与、皮内投与、表皮内投与、又は皮下投与、(2)経口投与、及び(3)外用塗布(例えば、点眼、鼻腔内塗布、及び膣内塗布)。しかしながら、好ましい実施形態において、組成物は、経口投与用に配合される。
【0194】
実施形態によっては、本明細書中において提供される組成物の好ましい投与経路は、経口である。そのような場合、経口用途用の組成物は、本発明の第4の態様において本発明の組成物について記載される様式、形状、又は配合を有する。
【0195】
特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、及び第5の態様の定義及び特定の実施形態は、本発明の第6の態様に適用される。
【0196】
5.補助食品及び栄養補助食品
第7の態様において、本発明は、本発明の第4の態様の組成物、又は本発明の第5の態様の方法により得られる組成物と、栄養上許容される賦形剤とを含む補助食品又は栄養補助食品に関する。
【0197】
本発明において使用される場合、「補助食品」又は「栄養補助食品」という用語は、可食生成物から得られる栄養又は他の物質の濃厚原料を示し、その目的は、普通食を補助することである。本発明による補助食品又は栄養補助食品として、機能性食物の組成物、すなわち、食物、飲料、ペット用食若しくは餌、又は補助食品、飲料、ペット用食若しくは餌、栄養補助食品、香料若しくは香味剤、環境に配慮した又は美容製剤が挙げられる。一般に、「補助食品」又は「栄養補助食品」という用語は、以下を意味する場合もある:
(i)食事を補うことを意図した製品であり、以下の栄養成分のうち1種以上を有する又は含有するもの:[A]ビタミン、[B]ミネラル、[C]ハーブ若しくは他の植物性要素、[D]アミノ酸、[E]栄養の合計摂取量を増加させることにより食事を補うためにヒトが使用する栄養物質;又は(F)項目(A)、(B)、(C)、(D)、若しくは(E)に記載されるいずれかの成分の濃縮物、代謝産物、構成要素、抽出物、又は組み合わせ;又は、
(ii)製品であって、(A)消化されることを意図したもの;(B)従来の食物として又は食事(a meal or the diet)の独自製品としての使用になっていないもの;及び(C)栄養補助食品として標識されているもの。
【0198】
本発明による「補助食品」又は「栄養補助食品」は、通常、経口投与され、対象の食事と一緒に提供される。これは、全く異なる形状にあることが可能であり、そのような形状として、錠剤、カプセル、懸濁液、乾燥粉末、湿潤組成物、乾燥経管栄養、又は湿潤経管栄養が挙げられる。これは、栄養製剤として、例えば、医療食、例えば、経管栄養の形状にあるもの又は完全食として経口栄養形状にあるものとして、食事の一部分として、食品添加物として、溶液用粉末、例えば、健康飲料用粉末として、溶液として、調製済飲料として(飲料としては、ジュース、シェーキ、ヨーグルト飲料、スムージー、又は豆乳飲料等がある)、バーにして、又は任意の種類の食物中に分散させて提供することができ、そのような食物として、例えば、焼き菓子、シリアルバー、乳製品バー、ファストフード、スープ、朝食用シリアル、ミューズリー、キャンディー、クッキー、ケーキ等が挙げられる。
【0199】
本発明において使用される場合、「栄養上許容される賦形剤」又は「栄養上許容される補助剤」という用語は、上記で定義したとおりの補助剤であって、可食性であり、かつ経口投与される溶液の調製に関係するものを示す。典型的な、栄養上許容される補助剤、希釈剤、及び賦形剤は、当業者に既知であるだろう。そのような補助剤の限定ではなく例は、米国特許第6,258,846号、同第6,576,666号、及び同第7,112,609号に提供される。
【0200】
ヒト又は動物用の栄養補助食品組成物、栄養製品、又は食物製品(例えば、機能食品の組成物、すなわち、食物、飲料、ペット用食若しくは餌、又は補助食品、飲料、ペット用食若しくは餌)、栄養補助食品、香料、又は香味剤、薬物(医薬組成物又は製剤)、獣医学的組成物、環境に配慮した又は美容製剤の中に存在する本組成物の量は、用途に応じて変化することになる。典型的には、補助食品又は栄養補助食品中に存在する本組成物の量は、栄養補助食品組成物、栄養製品、又は食物製品、栄養補助食品、香料若しくは香味剤、環境に配慮した製剤のうち、重量で約0.001パーセント~約50パーセント、例えば、約0.01パーセント~約10パーセント、又は約0.1パーセント~1パーセントになる。
【0201】
特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、及び第6の態様の定義及び特定の実施形態は、本発明の第7の態様に適用される。
【0202】
6.本発明の医薬としての使用
第8の態様において、本発明は、医薬に使用される、本発明の第4の態様の組成物若しくはパーツのキット、本発明の第5の態様の方法により得られる組成物、本発明の第6の態様の医薬組成物、又は本発明の第7の態様の補助食品若しくは栄養補助食品に関する。
【0203】
第9の態様において、本発明は、循環器疾患の治療に使用される、本発明の第4の態様の組成物若しくはパーツのキット、本発明の第5の態様の方法により得られる組成物、本発明の第6の態様の医薬組成物、又は本発明の第7の態様の補助食品若しくは栄養補助食品に関する。
【0204】
本発明において使用される場合、「循環器疾患」又は「CVD」という表現は、心臓及び/又は血管に影響を及ぼす疾患を示す。CVDとして、冠動脈疾患(CAD)、例えば、狭心症及び心筋梗塞等が挙げられる。他のCVDとして、粥状動脈硬化、脳卒中、心不全、高血圧性心疾患、リウマチ性心疾患、心筋症、不整脈、先天性心疾患、心臓弁膜疾患、心炎、大動脈瘤、末梢動脈疾患、血栓塞栓性疾患、及び静脈血栓症が挙げられる。末梢血管疾患、脳血管発作、又は冠動脈疾患は、粥状動脈硬化と関連しており、一般的に、粥状動脈硬化の存在を伴う。
【0205】
特定の実施形態において、本発明の第9の態様の循環器疾患は、粥状動脈硬化、脳血管発作、末梢血管疾患、及び冠疾患からなる群より選択される。
【0206】
「粥状動脈硬化」という用語は、本発明の第1の態様、第2の態様、又は第3の態様で定義されている。
【0207】
本発明において使用される場合、「末梢血管疾患」又は「PVD」という表現は、冠動脈、大動脈弓、又は脳血管構造の一部ではない大動脈の閉塞を示す。これは、急性又は慢性の虚血(血液供給の欠如)を引き起こす。EVPは、狭窄、塞栓症、又は血栓形成をもたらす炎症性プロセスである粥状動脈硬化と因果関係にある可能性がある。一般に、EVPという用語は、下肢におけるアテローム硬化性封鎖を示すのに使用される。
【0208】
本発明の第4の態様の特定の実施形態において、末梢血管疾患は、粥状動脈硬化の存在によるものである。
【0209】
本発明において使用される場合、「脳血管発作」、「脳発作」、「脳卒中」、又は「脳梗塞」という表現は、脳の一部に向かう血流が停止され、細胞死を引き起こす状況を示す。「虚血性脳血管発作」又は「虚血性脳卒中」は、血液供給の不在によるものであり、これらは、出血による「出血性脳血管発作」又は「虚血性脳卒中」とは異なる。本発明において使用される場合、「虚血性脳卒中」又は「虚血性心血管発作」という表現は、脳本体に供給する動脈のいずれかの閉塞による血流の突然の即時中断を原因として大脳構造がその血液供給を失う状況を示す。当該閉塞は、フィブリン又はカルシウムの集積による場合もあれば、赤血球異常による場合もあるが、一般的には、粥状動脈硬化によるものであるか、別の場所、基本的には、心臓又は他の動脈(例えば、頸動脈又は大動脈弓二分枝)から来る塞栓によるもの(脳塞栓症)である。本発明において使用される場合、「出血性脳卒中」又は「出血性脳発作」という表現は、脳血管が破裂し、それによりこの血管、一般的には動脈に依存する脳の範囲が血液供給を失う状況を示す。溢血は、他の血管も含めて大脳構造を圧迫し、それにより脳の患部を増幅させる。
【0210】
本発明の第9の態様の特定の実施形態において、脳血管発作は、虚血性であり、好ましくは、粥状動脈硬化の存在によるものである。
【0211】
本発明において使用される場合、「冠疾患」又は「冠動脈疾患」という表現は、冠動脈の血流すなわち冠血流と心臓の筋肉、すなわち心筋の酸素必要量との間に不均衡が存在する状況を示す。この不均衡は、虚血を引き起こし、その影響は、代謝的(乳酸の上昇、アシドーシス、ATPの減少、ホスホクレアチンの減少)、機械的(心収縮力の低下、虚血範囲の伸展性の低下等)、及び電気的(静止電位及び活動電位の改変、電気的不安定、及び続発心拍障害)である。冠疾患の主な原因は、粥状動脈硬化による、心臓に血液を供給する冠動脈の狭窄である。
【0212】
本発明の第4の態様の特定の実施形態において、冠疾患は、粥状動脈硬化の存在によるものである。
【0213】
障害及び治療される対象、並びに投与経路に応じて、本発明の組成物、パーツのキットの構成要素、医薬組成物、補助食品、又は栄養補助食品は、様々な用量で投与することができる(すなわち、治療上有効な用量で、当該物を必要とする患者に投与される)。これに関して、当業者なら分かるだろうが、哺乳類、特にヒトに投与される用量は、本発明の文脈において、合理的な時間枠の間、哺乳類に治療効果をもたらすのに十分なものでなければならない。特定の実施形態において、当該治療効果は、本発明の第6の態様で指定される本明細書中において記載される疾患又は病態の治療における有効性に相当する。当業者なら分かるだろうが、用量及び精密な組成の選択並びに最適な投薬レジメンもまた、製剤の薬理学的特性、治療される病態の性質及び重篤度、並びに受容体の物理的状態、並びに治療される患者の年齢、状態、体重、性別、及び反応、並びに疾患のステージ/重篤度に影響されることになる。
【0214】
本発明において使用される場合、「対象」という用語は、哺乳類、好ましくは、ヒトを示す。
【0215】
治療される対象は、哺乳類、好ましくは、ヒトである。本発明に従って治療される対象は、循環器疾患に関連した複数の基準、例えば、血清中oxLDL及び/又はLDLレベル、又は該当するoxLDL/LDL-コレステロール比に基づいて選択することができる。
【0216】
特定の実施形態において、対象は、高コレステロール血症、好ましくは中等度高コレステロール血症を呈している。別の特定の実施形態において、対象は、急性高コレステロール血症を呈している。
【0217】
したがって、好ましい実施形態において、本発明の第8の態様又は第9の態様で使用される組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品は、高コレステロール血症、好ましくは中等度高コレステロール血症の患者に投与される。
【0218】
本発明において使用される場合、「高コレステロール血症」という用語は、高い血中コレステロールレベルを特徴とする病態を示す。コレステロールが水に不溶性であることを考慮すると、これは、血漿中でタンパクと一緒になってリポタンパク質を形成して輸送される。リポタンパク質は、それらの密度により、極低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、及び高密度リポタンパク質(HDL)に分類される。全てのリポタンパク質は、コレステロールを輸送するが、HDL以外のリポタンパク質、特にLDL輸送コレステロール(LDL-コレステロール)は、レベルが高くなると、動脈壁に沈着する傾向があり、沈着によりアテロームプラークが形成され、粥状動脈硬化及び冠疾患、脳卒中、並びに抹消動脈疾患の発症に好都合になる。一般に、コレステロールレベルは、全血中コレステロールの濃度が200 mg/dlを超える、及び/又はLDL-コレステロール濃度が100 mg/dlを超える場合に高いと判断される。
【0219】
本発明において使用される場合、「中等度高コレステロール血症」という表現は、全血中コレステロールの濃度が200 mg/dl超かつ250 mg/dl未満であり、LDL-コレステロール濃度が100 mg/dl超かつ175 mg/dl未満であることを特徴とする高コレステロール血症を示す。本発明において使用される場合、「急性高コレステロール血症」という表現は、全血中コレステロールの濃度が250 mg/dl超であり、かつLDL-コレステロール濃度が175 mg/dl超であることを特徴とする高コレステロール血症を示す。
【0220】
本発明の組成物、パーツのキットの構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品は、それら自体が投与可能であるものの、本発明は、組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素のうち少なくとも1つが、組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素の残部とは別々に投与される可能性も企図する。
【0221】
したがって、本発明の第8の態様及び第9の態様の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールは、別々に投与される。
【0222】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールは、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールとは別々に、又はヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む抽出物とは別々に、投与される。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールは、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールとは別々に、又はヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む抽出物とも、本発明の組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素の残部とも別々に、投与される。
【0223】
別の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールとは別々に、又はヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む抽出物とは別々に、投与される。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールとは別々に、又は、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む抽出物とも、本発明の組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素の残部とも別々に、投与される。
【0224】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールとは別々に、又はヒドロキシチロソールを含む抽出物とは別々に、投与される。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールとは別々に、又は、ヒドロキシチロソールを含む抽出物とも、本発明の組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素の残部とも別々に、投与される。
【0225】
別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールとは別々に、又はヒドロキシチロソールを含む抽出物とは別々に、投与される。別の特定の実施形態において、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールを含む植物抽出物は、ヒドロキシチロソールとは別々に、又は、ヒドロキシチロソールを含む抽出物とも、本発明の組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の構成要素の残部とも別々に、投与される。
【0226】
特定の実施形態において、本発明の第8の態様及び第9の態様で使用されるキットの異なる要素部分(parts)は、別々に投与することが可能であり、又は投与前にひとまとまりにすることが可能である。本発明の第8の態様及び第9の態様の好ましい実施形態において、パーツのキットの構成要素は、投与前にひとまとまりにされる。
【0227】
本発明の第8及び第9の態様の実施形態において、組成物、パーツのキットの構成要素、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の第4の態様の組成物、パーツのキットの構成要素、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品を、複数回用量で、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも1週間、少なくとも1.5週間、少なくとも2週間、少なくとも2.5週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間、更により好ましくは少なくとも4週間、又は少なくとも8週間投与することを含む。
【0228】
別の実施形態において、組成物、パーツのキットの構成要素、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の組成物、パーツのキットの構成要素、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品の1日量を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、15回、20回、好ましくは2回投与することを含む。
【0229】
当業者なら分かるだろうが、本発明の組成物の適切な治療用量の初期設定は、in vitroで及びin vivoの動物モデル系で、並びにヒトでの臨床試験で、特定することができる。当業者なら、毒性又は他の副作用を発生させることなく安全に投与可能な用量を特定するための動物実験及びヒトでの経験の活用の仕方が分かっていると思われる。血清中oxLDLレベル、血清中oxLDL/LDL比を実質的に修復することが望ましい急性治療の場合、治療用量は、好ましくは最大耐用量に近いものとなる。慢性の予防的使用の場合、長期効果に関する懸念により、用量が少ない方が望ましい可能性がある。
【0230】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを、1 mg/日、2 mg/日、3 mg/日、4 mg/日、5 mg/日、6 mg/日、7 mg/日、7.5 mg/日、8 mg/日、8.5 mg/日、9 mg/日、9.5 mg/日、10 mg/日、10.5 mg/日、11 mg/日、11.5 mg/日、12 mg/日、13 mg/日、14 mg/日、15 mg/日、17 mg/日、20 mg/日、22 mg/日、25 mg/日、30 mg/日、35 mg/日、40 mg/日、45 mg/日、50 mg/日、60 mg/日、70 mg/日、80 mg/日、90 mg/日、100 mg/日、好ましくは7.5 mg/日で投与することを含む。
【0231】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の特定の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを、20 mg/日、30 mg/日、40 mg/日、50 mg/日、60 mg/日、70 mg/日、80 mg/日、90 mg/日、100 mg/日、125 mg/日、150 mg/日、175 mg/日、190 mg/日、200 mg/日、205 mg/日、210 mg/日、215 mg/日、220 mg/日、230 mg/日、240 mg/日、250 mg/日、275 mg/日、300 mg/日、325 mg/日、350 mg/日、375 mg/日、400 mg/日、好ましくは210 mg/日で投与することを含む。
【0232】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の特定の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを1 mg/日、2 mg/日、3 mg/日、4 mg/日、5 mg/日、6 mg/日、7 mg/日、7.5 mg/日、8 mg/日、8.5 mg/日、9 mg/日、9.5 mg/日、10 mg/日、10.5 mg/日、11 mg/日、11.5 mg/日、12 mg/日、13 mg/日、14 mg/日、15 mg/日、17 mg/日、20 mg/日、22 mg/日、25 mg/日、30 mg/日、35 mg/日、40 mg/日、45 mg/日、50 mg/日、60 mg/日、70 mg/日、80 mg/日、90 mg/日、100 mg/日、好ましくは7.5 mg/日で投与すること、及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを上記で示されるmg/日の用量のいずれかで、好ましくはヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを210 mg/日で投与することを含む。
【0233】
したがって、本発明の第8の態様及び第9の態様の特定の実施形態において、本発明の組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを7.5 mg/日及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを210 mg/日で投与することを含む。
【0234】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の特定の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の第1の態様~第4の態様に定義されるとおりのヒドロキシチロソールを提供する植物抽出物を、10 mg/日、15 mg/日、20 mg/日、25 mg/日、30 mg/日、35 mg/日、40 mg/日、45 mg/日、50 mg/日、55 mg/日、57 mg/日、60 mg/日、61 mg/日、62 mg/日、63 mg/日、64 mg/日、65 mg/日、66 mg/日、67 mg/日、68 mg/日、69 mg/日、70 mg/日、72 mg/日、75 mg/日、77 mg/日、80 mg/日、82 mg/日、85 mg/日、87 mg/日、90 mg/日、95 mg/日、100 mg/日、110 mg/日、120 mg/日、150 mg/日、170 mg/日、200 mg/日、225 mg/日、250 mg/日、275 mg/日、300 mg/日、好ましくは67 mg/日で投与することを含む。
【0235】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の特定の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の第1の態様~第4の態様に定義されるとおりのポリフェノールを提供する植物抽出物を、50 mg/日、70 mg/日、100 mg/日、125 mg/日、150 mg/日、175 mg/日、200 mg/日、225 mg/日、250 mg/日、275 mg/日、300 mg/日、325 mg/日、350 mg/日、375 mg/日、400 mg/日、425 mg/日、450 mg/日、475 mg/日、500 mg/日、525 mg/日、550 mg/日、575 mg/日、600 mg/日、625 mg/日、650 mg/日、675 mg/日、680 mg/日、690 mg/日、700 mg/日、710 mg/日、720 mg/日、730 mg/日、740 mg/日、750 mg/日、775 mg/日、800 mg/日、825 mg/日、850 mg/日、875 mg/日、900 mg/日、950 mg/日、1 g/日、2.5 g/日、3 g/日、3.5 g/日、4 g/日、5 g/日、6 g/日、7 g/日、8 g/日、9 g/日、10 g/日、好ましくは700 mg/日で投与することを含む。
【0236】
本発明の第8の態様及び第9の態様の別の特定の実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の第1の態様~第4の態様に定義されるとおりのヒドロキシチロソールを提供する植物抽出物を、10 mg/日、15 mg/日、20 mg/日、25 mg/日、30 mg/日、35 mg/日、40 mg/日、45 mg/日、50 mg/日、55 mg/日、57 mg/日、60 mg/日、61 mg/日、62 mg/日、63 mg/日、64 mg/日、65 mg/日、66 mg/日、67 mg/日、68 mg/日、69 mg/日、70 mg/日、72 mg/日、75 mg/日、77 mg/日、80 mg/日、82 mg/日、85 mg/日、87 mg/日、90 mg/日、95 mg/日、100 mg/日、110 mg/日、120 mg/日、150 mg/日、170 mg/日、200 mg/日、225 mg/日、250 mg/日、275 mg/日、300 mg/日、好ましくは67 mg/日で投与すること、及び本発明の第1の態様~第4の態様に定義されるとおりのポリフェノールを提供する植物抽出物を、上記で示されるmg/日の用量のいずれかで、好ましくは700 mg/日で投与することを含む。
【0237】
本発明の第8の態様及び第9の態様の好ましい実施形態において、組成物、パーツのキットに含まれる構成要素、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、本発明の第1の態様~第4の態様に定義されるとおりのヒドロキシチロソールを提供する植物抽出物を67 mg/日で、及び本発明の第1の態様~第4の態様におけるポリフェノールを提供する植物抽出物を700 mg/日で投与することを含む。
【0238】
特定の実施形態において、本発明の第1の態様、第2の態様、第3の態様、第4の態様、第5の態様、第6の態様、及び第7の態様の定義及び特定の実施形態は、本発明の第8の態様及び第9の態様に適用される。
【0239】
特定の実施形態において、「~からなる(consists of)」、「~から本質的になる(essentially consists of)」、及び「含む(comprises)」という用語は、本発明の任意の態様の任意の実施形態において同義である。
【0240】
本発明を、以下の本発明の範囲の例示にすぎず限定ではない例により、以下で説明する。
【実施例】
【0241】
材料及び方法
A.実施例1及び実施例2に該当する材料及び方法
試験対象者
グラナダ(スペイン)のSan Cecilio病院の内分泌科で、及びBiosearch, S.Aの臨床試験部のデータベースから、ボランティアを募集した。本試験の参加者は、以下の選択基準を満たした:年齢18歳~65歳の男性又は女性であり、中等度高コレステロール血症(LDL-colが100 mg/dL超及び/又は総コレステロールが200 mg/dL超)であり、この病態に関して薬物治療を受けていないこと。除外基準には、妊娠している、重要な医学上の問題がある、糖尿病である、及び/又は神経血管疾患がある、及び抗生物質又は本試験の成分のいずれかに対してアレルギーを示すことが含まれていた。対象者が、本試験中、食事療法を受けている又は補助食品を摂取している場合は、この対象者も除外した。本試験は、ヘルシンキ宣言に従って行われ、プロトコルは、地域倫理委員会(スペイン、グラナダ)により承認された。説明同意書は、対象者全員から得た。臨床試験は、米国医学図書館(http://www.clinicaltrial.gov)にNCT04029727として記録された。
【0242】
約300人の対象者と接触し、本試験への参加を呼び掛けた。候補者63人の適性を評価した。これらの候補者のうち、31人は除外された(11人は、選択基準を満たさず、残りは、参加を拒否した)。最終的に、合計32人の対象者が治療介入への参加に同意した。この32人を無作為に試験群に振り分けた(
図1)。
【0243】
試験計画
本試験は、8週間の期間に及ぶ、無作為化、平行群間比較、二重盲検、偽薬対照パイロット試験であった。本試験は、2019年の5月~7月に行われた。32人の対象者を採用し、SIGESMU(商標)プログラムにより発生させた無作為化スキームに従って2つの異なる群に無作為に振り分けた。一方の群(抽出物群)には、オリーブ果実抽出物とアーモンド皮抽出物との組み合わせを用いた経口サプリメント(1日あたりHTを7.5 mg+ASPを210 mg+マルトデキストリン33 mg)を与え、他方の群(対照群)には、偽薬(1日あたりマルトデキストリン800 mg)を与えた。治療は、対象者に対して8週間行われ、対象者は、昼食で1日あたり2つのカプセル剤を摂取した(抽出物を含むサプリメント又は偽薬を摂取)。参加者は、8週間にわたり、自身の規則的習慣から外れないように、また自身の通常の食事及び運動を維持するように指導された。研究者と対象者のどちらも、対象者が割り振られた治療シーケンスを知らなかった。研究者は、試験が終了するまでこの情報を知らなかった。
【0244】
試験品
抽出物を含むカプセル剤はそれぞれ、オリーブの木(オレア・ユーロパエアL.)の抽出物33.5 mg中にHTを3.75 mgと、アーモンド皮(プルヌス・ダルシス(Mill.))の抽出物350 mg中にASPを105 mgと、及びマルトデキストリン16.5 mgとを含有していた。偽薬を含むカプセル剤はそれぞれ、マルトデキストリン400 mgを含有していた。両抽出物は、Talayuela, Caceres(スペイン)のBiosearch, S.A.生産工場から入手し、抽出物の混合は、グラナダ(スペイン)のBiosearch, S.A.のR&D施設で行った。カプセル剤は、グラナダ大学薬学部製薬技術科(スペイン)で調製した。抽出物及び偽薬を、同一のゼラチンカプセルに供給し、同一のプラスチック容器に梱包した。容器には、無作為化によるボランティアの番号を示すコード番号を付けた。
【0245】
植物抽出物の調製
オリーブの木抽出物は、O.ユーロパエアL.の葉から水性溶媒、例えば、水等を用いて抽出することに基づく方法により、得ることができる。この方法は、
(i)水性溶媒を用いて、温度約40℃~100℃で1時間~10時間、O.ユーロパエアの葉から抽出する工程と、
(ii)工程(i)で得られた抽出物を活性炭で処理し、次いで活性炭を除去する工程と、
を含む。
【0246】
プルヌス・ダルシスMill.の抽出物は、O.ユーロパエアL.の抽出物を得るために用いたものと同じ方法に従って得ることができるが、ただし、出発物質は、O.ユーロパエアの葉ではなく果皮である。
【0247】
任意選択で、工程(i)は、初期溶媒又は異なる溶媒を用いて植物産物から抽出する複数の抽出段階を含む場合があり、得られた抽出物をまとめてプロセスを継続する。あるいは、抽出物を、重合体吸着樹脂を用いるクロマトグラフィーにより濃縮する場合もある。この方法は、方法の上記工程で得られた抽出物を乾燥させる最終乾燥工程も含むことができる。
【0248】
試験のパラメーター及びデータ取得
本試験の主要評価項目は、oxLDLレベルの特定であった。二次パラメーターには、oxLDL/LDL-c比、総コレステロール(TC)、LDLコレステロール(LDL-c)、HDLコレステロール(HDL-c)レベル、及び血清中トリグリセリド(TG)レベルが含まれた。
【0249】
対象者は、本試験の開始時、並びに4週間及び8週間で、グラナダのBiosearch, S.A.施設に行った。血液試料の採取は、本介入の開始前及び追跡調査来院ごとに、少なくとも10時間に及ぶ一晩絶食後、チキソトロピーゲルを含有するVacutainer(商標)SST(商標)II Advance Tubes(米国、ニュージャージー州のBD)システムを用いて行った。血液試料を1000 gで15分間遠心して血清を得て、これを-80℃で貯蔵した。
【0250】
人体計測は、来院ごとに標準法を用いて行った。体重は、Tanita BC-418体組成分析器(日本、東京の株式会社タニタ)を用いて測定した。身長は、1 mm精度の身長測定機器(範囲、80 cm~200 cm)を用いて測定した。肥満度指数(BMI)は、体重/身長の二乗(kg/m2)で計算した。全ての測定は、有資格者が行った。
【0251】
対象者の習慣における変化の可能性を制御するために、各対象者の食物摂取を本試験の開始時及び終了時に評価した。対象者は、72時間の自身の食事摂取の詳細、消費した食物の種類及び各食事メニューの重さの内訳を全て記録した。1日の食事、エネルギー摂取量、栄養摂取量、及び主要栄養素により提供されるエネルギーを、Nutriberコンピュータアプリケーション(スペイン、バルセロナのFuniber)を用いて計算した。対象者には、本試験の開始時及び終了時に、身体活動の習慣(活動の種類及び対象者が1週間あたり費やす時間)についても質問した。
【0252】
試験品の消費に関するプロトコルの順守は、本介入の終了時に、供給したカプセル剤数と返却されたカプセル剤数とを比較することにより検証した。有害事象を、任意の好ましくなく望ましくない効果として定義し、これを追跡調査来院で記録した(4週間及び8週間)。
【0253】
生化学パラメーターの分析
液体パラメーター(TC、LDL-c、HDL-c、及びTG)のレベルは、外部検査機関(スペイン、バルセロナのReference Laboratory S.A)が、標準法により分析した。血清中oxLDL濃度の特定は、ヒトoxLDL専用ELISAにより行った(Elabscience Biotechnology、米国)。oxLDL/LDL-c比は、計算した。
【0254】
統計分析
全ての変数の正規分布は、正規確率グラフ及びシャピロ・ウィルク検定により検証した。データは、連続型変数については平均(及びSD)で、及びカテゴリー変数についてはn(%)で表した。
【0255】
本試験開始時の群間(抽出群対対照群)の比較のため、連続型変数を、必要に応じてステューデントのT検定又はクラスカル・ウォリスのノンパラメトリック法で分析し、カテゴリー変数は、χ二乗検定で分析した。
【0256】
群間のパラメーター全てを比較し、初期の群内の値に関するばらつきも分析した。その目的で、二変数分析、及び混合回帰モデルに基づき当てはめ検定を行うことになる。実験群の平均と対照群の平均との間の比較は、正規性を仮定することが可能である場合に、T検定により行った。正規性を仮定することが可能ではない場合、ノンパラメトリックなマン・ホイットニーのU検定を行った。そのうえさらに、試験全体を通じた繰り返し測定(対象内無作為効果)を表す混合線形回帰モデルを、経時的及び群間での変化を検証する目的で、並びに反応に関連した有意要因を見つけるために、反応に対して当てはめた。
【0257】
一般アルファ水準0.05を、統計的有意性の切り捨て点として用いた。統計分析は、SPSSバージョン26.0ソフトウェア、ウィンドウズ用(米国イリノイ州シカゴのSPSS)を用いて行った。
【0258】
B.実施例3及び実施例4に該当する材料及び方法
試薬
α-アミラーゼ、ブタ膵臓由来(Sigma-Aldrich A3176又はその等価物)
ペプシン、ブタ胃粘膜由来(Sigma-Aldrich P7000又はその等価物)
トリプシン、ウシ膵臓由来(Sigma-Aldrich T8003又はその等価物)
パンクレアチン、ブタ膵臓由来(Sigma-Aldrich P1750又はその等価物)
胆汁酸塩(Sigma-Aldrich B8631又はその等価物)
基礎培地(''Medium used to feed the reactor SHIME'' in Molly K. et al. Microbial Ecology in Health and Disease 7:191-200)
【0259】
表1.この試験で使用した植物抽出物
植物抽出物
抽出物 特性決定された活性成分 ポリフェノールの種類
オリーブの木抽出物 ヒドロキシチロソール フラボノイド
アーモンド抽出物 全ポリフェノール フラボノイド
グレープフルーツ抽出物 フラボノイド フラボノイド
亜麻抽出物 リグナン リグナン
タデ抽出物 レスベラトロール スチルベン
【表1】
【0260】
オリーブの木及びアーモンド抽出物は、材料及び方法のセクションAで使用したものと一致する。したがって、これらは、当該セクションで示された方法を用いて得ることも可能である。
【0261】
グレープフルーツ抽出物、亜麻抽出物、及びタデ抽出物は、材料及び方法のセクションAで示されたオリーブの木抽出物を得るのと同一の方法を適用することにより得ることが可能であり、この場合、
グレープフルーツ抽出物の出発物質は、シトラス・パラディシMacFadの木の果実の種子である。
亜麻抽出物の出発物質は、リナム・ウシタチッシマムL.の果実の種子である。
タデ抽出物の出発物質は、ポリゴナム・カスピダツムSieb. et Zuccの根である。
【0262】
さらに、これら抽出物を得る方法で使用する溶媒は、含水アルコールであり、このアルコールは、例えば、エタノール又はメタノールが可能である。
【0263】
クロマトグラフィー分析
各抽出物の溶液を、バイナリポンプ及びDAD SL検出器を備えたAgilent 1200s装置で、固定相に、Phenomenex Luna C18 5 μm 250×4.6 mmを30℃で用い、移動相に、A:1%ギ酸(v/v);B:アセトニトリル:メタノール80:20(流速:0.8 mL/分~1 mL/分)を用いるクロマトグラフィーにより分離させた。試料10 μLを注入し、稼働中(65分)、330 nm及び280 nmの吸光度を測定した。移動相の組成及び流速に関するクロマトグラフィー条件を、以下の表にまとめる。
【0264】
表2.クロマトグラフィー条件
【表2】
時間(分) 移動相 流速(mL/ 分)
【0265】
小規模でのin vitroの消化
小規模でのヒト(成人)消化のシミュレーションを、半連続で接続された4つの区画中、室温で行った。各区画は、表3に示す特徴を備えた。
【0266】
表3.小規模で消化プロセスを模擬した区画
【表3】
区画 時間(分) 容積 組成
初期 最大
口 生理食塩水に含まれている抽出物 α-アミラーゼ50 U/mL 胃 媒体B
ペプシン50 μg/mL
小腸 媒体B
トリプシン394 μg/mL
パンクレアチン250 μg/mL
胆汁酸塩590 μg/mL
結腸 媒体B
ヒト結腸細菌叢
【0267】
処理のための又は動的プロセスを模擬するための消化プロセスの各工程、及び区画間の試料の輸送を表4にまとめる。
【0268】
表4.小規模での消化プロセス。
【表4】
時間 口
1 胃
1 小腸
1 結腸
1
1時間(分)中常に各区画に含有される体積(mL)、並びに
2区画間で輸送される体積:M-S、口から胃へ;S-SI、胃から小腸へ;SI-C、小腸から結腸へ、を示す。
3pHを4(初期の胃)から2(最終の胃)に変更するため、及びpH値を6.5付近に維持するため(小腸)、それぞれ、胃及び小腸に加えられた酸及び塩基の体積。各区画で消化が起こっている間の時間間隔は、太字及び下線付きにして強調してある。
【0269】
実施例1.血清中oxLDLレベルに対する、標準的なオリーブの木(オレア・ユーロパエアL.)の抽出物と標準アーモンド(プルヌス・ダルシスMill.)の皮の抽出物との組み合わせの効果
抽出物群の対象者2人が、初期来院に出席する前に参加を拒否したため、本試験を完遂したのは合計30人のボランティアであった(
図1)。順守率は極めて高かった(約100%)ことが確認された。治療カプセル剤の摂取を原因とする有害事象は、2種類のカプセル剤のどちらについても報告されなかった。
【0270】
試験を完了した30人のボランティアのうち、男性が13人(43.43%)であり、女性が17人(56.7%)であった。対象者の平均年齢は、48.13±12.9歳であり、対象者の平均BMIは、25.38±3.33 kg/m2であった。ボランティアのベースライン特性に有意差は検出されなかった(表5)。
【0271】
表5.試験に参加した対象者の初期特性
【表5】
対照群 抽出物群 群内P
年齢(歳)
性別
男性
女性
肥満/体重超過
喫煙者
身体活動の定期的実行
総コレステロール
LDL-コレステロール
HDL-コレステロール
トリグリセリド
酸化型LDL
酸化型LDL/LDL-c比
連続型変数は平均±標準偏差(SD)であり、カテゴリー変数はn(%)である。Pは、群間の差を示す。
【0272】
表6は、ベースライン及び8週目での、エネルギー及び栄養の摂取を示す。介入群間にベースラインで有意差はなく、各(抽出物又は対照)群においてベースラインと介入終了時との間に有意差はなかった。試験中の身体活動の程度におけるどのような変化もなく(データは示さず)、両群の対象者に、開始時と8週目との間でBMIの有意な変化はなかった(表6)。
【0273】
表6.偽薬又は抽出物を8週間摂取した対象者の食事及び人体測定パラメーター。
【表6】
対照群 抽出物群
初期 8週目 P区間 初期 8週目 P区間
エネルギー
全脂肪
飽和型
モノ飽和型
多飽和型
食事コレステロール
タンパク質
炭水化物
食物繊維(g/日)
平均±SD。Pは、各群における、初期値と8週間の治療後の値との差を示す。%En:全エネルギーのうちの%として表した値。
【0274】
表7は、本試験で評価した、脂質のパラメーター及び酸化型脂質の変数の値を示す。どの群においても、血清中TC、LDL-c、HDL-c、TGで、ベースラインと介入終了時との間に有意な変化は観察されなかった。脂質の酸化状態に関しては、oxLDLレベルは、対照群において、4週目(p=0.01)及び8週目(p=0.03)にベースラインから有意に上昇していたが、抽出物群においてoxLDLレベルは、低下する傾向にあり、8週間の治療後、抽出物群では対照群におけるレベルよりも有意に低かった(p<0.001)。in vivoでのLDL(19)の酸化の正確な推定であるoxLDL/LDL-c比を分析すると、対照群においてoxLDL/LDL-c比のベースラインからの有意な上昇が4週目(p=0.001)及び8週目(p=0.002)に観察され、抽出物群においてはこの割合の有意な減少が、8週目(p=0.047)に観察される。oxLDL/LDL-c比のレベルについても、抽出物群では、8週間の治療後、対照群におけるレベルよりも有意に低い(p<0.001)(表7及び
図2)。
【0275】
表7.偽薬又は抽出物を摂取した対象者の、治療開始時、治療4週間、及び治療8週間での脂質及び酸化型LDLのパラメーター。
【表7】
対照群 抽出物群 群内P
総コレステロール 初期
4週目
8週目
LDL-コレステロール
HDL-コレステロール
トリグリセリド
OxLDL/LDL-c比
平均±SDを、性別、年齢、肥満/体重超過、喫煙者、及び身体活動で補正。Pは、各時点での群間の差を示す。
*開始時、4週目、及び8週目でP<0.05
【0276】
実施例2.オリーブの木抽出物のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティに対する、オリーブの木、アーモンド、グレープフルーツ、亜麻、及びタデ抽出物の混合物の効果
他のポリフェノールの存在が、オリーブの木抽出物に存在するヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティに好都合であるかどうかを検証するため、抽出物を別々に用いて、及び様々な組み合わせで用いて、小規模で消化アッセイを行った。参照として、50 mg/mLのオリーブの木抽出物、並びにこれとアーモンド皮抽出物との1:1、1:4、及び1:9混合物を用いた。各混合物中の両抽出物のポリフェノールの比に基づいて、アッセイされる他の3種の抽出物との混合物を決定した(表9)。
【0277】
表9.抽出物の混合物、それらの口における初期濃度(mg/mL)及びポリフェノール濃度(mg/mL)
【表8】
アーモンド 抽出物 ポリフェノール
混合物 オリーブの木 アーモンド 比 HT フラボノイド 比
グレープフルーツ 抽出物 ポリフェノール
混合物 オリーブの木 グレープフルーツ 比 HT フラボノイド 比
亜麻 抽出物 ポリフェノール
混合物 オリーブの木 亜麻 比 HT リグナン 比
タデ 抽出物 ポリフェノール
混合物 オリーブの木 タデ 比 HT スチルベン 比
【0278】
最初に、オリーブの木とアーモンド抽出物との混合物でアッセイを行い、この混合物に由来する最終小腸試料(370分の消化)のヒドロキシチロソール含有量を、HPLC-DADにより分析し、続いてヒドロキシチロソール較正線から得たデータを内挿した。表10は、当該分析の結果(ppm)を示す。
【0279】
表10.in vitro(小規模)での小腸試料及び結腸試料中のHT濃度(ppm)並びに抽出物用量及び希釈率に由来する理論最大値に対する%。
【表9】
混合物
【0280】
このアッセイの結果は、まず最初に、今回のアッセイ条件下、小腸を模擬した区画での消化プロセス後、オリーブの木抽出物中に存在するHTが約50%分解されることを示しているように思われる。さらに、他のポリフェノールの存在が、HTの濃度上昇を可能にし、これは指数関数的にそうなる。これらの実験条件下、最大濃度のアーモンドは、90%に近いHTが消費されて腸管腔で吸収に利用可能になることを可能にし得る。
【0281】
in vivoでのHTの吸収がおそらく小腸で生じることを考慮して、このフェノール酸の存在を、オリーブの木抽出物とその他の抽出物との混合物を用いて行った小規模での消化アッセイで得られた腸試料(370分の消化)でのみ分析した(表11)。
【0282】
表11.in vitroの小腸試料(小規模)中のHT濃度(ppm)並びに抽出物用量及び希釈率に由来する理論最大値(340.2 ppm)に対する%。
【表10】
グレープフルーツ 亜麻 タデ
混合物
【0283】
得られた結果は、他のポリフェノールが、それらの構造又は起源にかかわらず、その存在により、アーモンド抽出物のポリフェノールの場合に検出されるものと等価な、オリーブの木抽出物のヒドロキシチロソールに対する一定の保護をもたらすことを示す。
【0284】
実施例4.各植物抽出物中に存在するポリフェノールの分析
植物抽出物の特性決定に関して、植物抽出物及び複雑混合物のポリフェノールの定量分析用に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるポリフェノール分析法を、Biosearch, S.A.により所内で開発して、得られた保持時間に基づくポリフェノールの分類を、場合によってはポリフェノールファミリーによる分類を可能にした。又は、特定ポリフェノールの定量分析用に、該当するクロマトグラフィー標準品の反応を用いた以前の情報と組み合わせた。
【0285】
HPLCによるポリフェノール特定方法は他にもあるものの、使用した方法の利点は、同じクロマトグラム中で、異なるファミリー及び種類のポリフェノールの分離が可能になることであり、これによりシグナル間の重複が最大限減少される。この重複は、結果的にポリフェノールの同定を妨害する可能性がある。シグナルの分離に関するこの有効性は、この方法の(以前に示された)クロマトグラフィー条件の結果として達成される。これらの条件下で65分のクロマトグラムが得られ、先に示したとおり、これにより、試料のポリフェノールに該当する異なるシグナルが、ポリフェノールの異なるファミリー間で重複することなく分離されることが可能になる。DAD検出機を使用し、ポリフェノールの検出用に、通常の波長を持つシグナルを検出する設定にする:280 nm及び330 nm。
【0286】
行ったクロマトグラフィーアッセイは、オリーブの木果実抽出物中に存在するヒドロキシチロソールが、他の種類のポリフェノールを含有するその他評価した試料中に存在しないことの実証を可能にする(280 nmで検出される、保持時間(RT)約10.5分間のピーク;
図3~
図6)。同様に、アーモンド抽出物中、280 nm及び330 nmの両方で検出された、RTが35分を超える主要化合物群は、オリーブの木抽出物中に存在せず、この抽出物の構成要素の中にこれらが存在することは、残余とみなすことが可能である(
図3)。オリーブの木及びグレープフルーツ抽出物を共同解析すると、結果は同様である。各抽出物の主要構成要素(オリーブの木中のRTが10.5分であるヒドロキシチロソール、及びグレープフルーツ中のRTが35分~45分であるフラボノイド)は、他方の抽出物中に検出されない(
図4)。オリーブの木及び亜麻抽出物のポリフェノール組成を比較すると、リグナン等の、RTが40分を超える化合物は、オリーブの木抽出物の大部分において検出されないことが、再び裏付けられる(
図5)。最後に、タデ抽出物は、RTが約43分であるスチルベンレスベラトロールが高濃度で存在し、RTが10分~11分(ヒドロキシチロソールの特徴である)の化合物が存在せず、今回のクロマトグラムにおいてオリーブの木抽出物で顕著に検出されるこの種の化合物が存在しないことを特徴とする(
図6)。
【0287】
これらの結果に基づき、オリーブの木果実抽出物中に存在するヒドロキシチロソールは、他の種類のポリフェノールを含有するその他の評価した試料中に存在せず、同様に、アーモンド抽出物、グレープフルーツ抽出物、亜麻抽出物、及びタデ抽出物を特徴付けるフラボノイド、リグナン、及びスチルベンは、オリーブの木抽出物で顕著には見られないことを肯定することができる。
【符号の説明】
【0288】
図1
Volunteers contacted (~~300) ボランティアと接触(約300人)
Selected 選抜
Excluded 除外
Did not meet inclusion criteria 選択基準を満たさなかった
Refused to participate 参加を拒否した
Randomized 無作為に分けた
Extract Group 抽出物群
Dropouts 脱落
Completed study 試験を完了した
Control Group 対照群
図2
oxLDL/LDL-cholesterol ratio (ng/mg) oxLDL/LDL-コレステロール比(ng/mg)
Baseline ベースライン
4-Week 4週目
8-Week 8週目
Control 対照
Extract 抽出物
Data collection points during intervention 介入中のデータ収集点
図3
Olive tree オリーブの木
Almond アーモンド
図4
Olive tree オリーブの木
Grapefruit グレープフルーツ
図5
Olive tree オリーブの木
Flax 亜麻
図6
Olive tree オリーブの木
Polygonum タデ
【手続補正書】
【提出日】2022-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるための、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるための、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールの使用
である、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを含む医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項2】
ヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールのバイオアベイラビリティを上昇させるのに、又はヒドロキシチロソール経口投与後のヒドロキシチロソールの抗アテローム硬化性効果を上昇させるのに使用される、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じないポリフェノール
を含む医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項3】
粥状動脈硬化の治療に使用されるヒドロキシチロソールであって、ヒドロキシチロソールではない及び/又はオレア・ユーロパエア(O.ユーロパエア)の木に天然には生じないポリフェノールと組み合わせて経口投与される、ヒドロキシチロソール
を含む医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項4】
ヒドロキシチロソールではない前記ポリフェノールは、経口投与される、請求項1に記載の
医薬、請求項2に記載の
医薬、又は請求項3に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項5】
前記ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である、請求項1若しくは4に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、請求項2若しくは4に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、又は請求項3若しくは4に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項6】
前記ヒドロキシチロソールがその一部分である前記植物抽出物は、オレア・ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物である、請求項5に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項7】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、この化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項5又は6に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項8】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなるポリフェノールの群より選択される、請求項1、4~7のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、請求項2、4~7のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、又は請求項3~7のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項9】
前記フラボノイド群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される、請求項8に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項10】
前記リグナン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択される、請求項8に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項11】
前記スチルベン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、請求項8に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項12】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である、請求項1、4~11のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、請求項2、4~11のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、又は請求項3~11のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項13】
前記ポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、オレア・ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない、請求項12に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項14】
前記少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、及び、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される抽出物である、請求項12又は13に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項15】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物の一部分であるヒドロキシチロソール以外の前記少なくとも1種のポリフェノールは、スチルベンであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、
請求項14に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項16】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%(w/w)、好ましくは30%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%(w/w)、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミン、並びにこれらの組み合わせからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%(w/w)、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項14又は15に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項17】
前記ポリフェノールは、経口投与されるヒドロキシチロソールの重量を基準にして、重量で少なくとも2.7倍多く使用される、請求項1、4~16のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、請求項2、4~16のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品、又は請求項3~16のいずれか1項に記載の
医薬若しくは栄養補助食品。
【請求項18】
ヒドロキシチロソールと少なくとも1種のポリフェノールとを含む組成物又はパーツのキットであって、前記少なくとも1種のポリフェノールは、ヒドロキシチロソールではない及び/又はO.ユーロパエアの木に天然には生じない、組成物又はパーツのキット。
【請求項19】
前記ヒドロキシチロソールは、植物抽出物の一部分である、請求項18に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項20】
前記ヒドロキシチロソールがその一部分である前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物である、請求項19に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項21】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、この化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項20に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項22】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイド、リグナン、及びスチルベンからなる群より選択される、請求項18~21に記載の組成物。
【請求項23】
前記フラボノイド群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ゲニステイン、及びルチンからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記リグナン群のうちの前記少なくとも1種のポリフェノールは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記スチルベン群のうちの前記ポリフェノールは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種のポリフェノールは、植物抽出物の一部分である、請求項18~25のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項27】
前記ポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物ではない、請求項26に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項28】
前記少なくとも1種のポリフェノールがその一部分である前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される抽出物である、
請求項26又は27に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項29】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、フラボノイドであり、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、及びゲニステインからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールは、リグナンであり、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物の一部分である前記少なくとも1種のポリフェノールであり、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、及びラポンチゲニンからなる群より選択される、
請求項28に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項30】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%w/w、好ましくは30%w/w含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%w/w、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、セサミン、及びセコイソラリシレシノールからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%w/w、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項28又は29に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項31】
前記ヒドロキシチロソールの含有量は、前記組成物又は前記パーツのキットの構成要素の合計を基準にして、少なくとも0.05%~10%w/w、好ましくは少なくとも0.9%w/wであり、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールの含有量は、前記組成物又は前記パーツのキットの構成要素の合計を基準にして、少なくとも1%~95%w/w、好ましくは少なくとも26%w/wである、請求項18~30のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項32】
前記ヒドロキシチロソール:ポリフェノールw/w比は、1:1~1:50、好ましくは1:24.3、より好ましくは1:28である、請求項18~31のいずれか1項に記載の組成物又はパーツのキット。
【請求項33】
前記組成物中の前記ヒドロキシチロソールの含有量は、前記組成物の合計を基準にして、少なくとも0.05%~10%w/w、好ましくは少なくとも0.9%w/wであり、ヒドロキシチロソール以外の少なくとも1種のポリフェノールは、アーモンド皮のポリフェノール組成物であり、アーモンド皮の前記ポリフェノール組成物の含有量は、前記組成物の合計を基準にして、少なくとも10%~50%w/w、好ましくは少なくとも26%w/wである、請求項18~32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物を得る方法であって、ヒドロキシチロソールを含む組成物と、ヒドロキシチロソールではなく、かつO.ユーロパエアの木に天然には生じない少なくとも1種のポリフェノールを含む組成物とを、接触させることを含む、方法。
【請求項35】
ヒドロキシチロソールを含む前記組成物は、植物抽出物であり、及び/又は前記少なくとも1種のポリフェノールを含む前記組成物は、植物抽出物である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ヒドロキシチロソールを含む前記植物抽出物は、O.ユーロパエアの木の葉又は果実の抽出物であり、好ましくはこの化合物を1%~90%w/w、好ましくは10%(w/w)含有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1種のポリフェノールを含む前記植物抽出物は、
プルヌス・ダルシスの果皮の抽出物、
シトラス・パラディシの果実の抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の抽出物、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の抽出物、
ポリゴナム・カスピダツムの根の抽出物、
からなる群より選択される、
請求項34~36に記載の方法。
【請求項38】
プルヌス・ダルシスの果皮の前記抽出物は、フラボノイドを5%~60%w/w、好ましくは30%w/w含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、プロシアニジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジン、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
シトラス・パラディシの果実の前記抽出物又はシトラス・パラディシの果実の種子の前記抽出物は、フラボノイドを10%~80%w/w、好ましくは45%(w/w)含有し、前記フラボノイドは、好ましくは、ナリンギン、ナリンゲニン、ケルセチン、カテキン、ルチン、ゲニステイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
リナム・ウシタチッシマムの果実の種子の前記抽出物は、リグナンを5%~50%w/w、好ましくは20%(w/w)含有し、前記リグナンは、好ましくは、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セコイソラリシレシノール、マタイレシノシド、ラリシレシノール、ピノレシノール、及びセサミンからなる群より選択され、
ポリゴナム・カスピダツムの根の前記抽出物は、スチルベンを50%~100%w/w、好ましくは98%(w/w)含有し、前記スチルベンは、好ましくは、レスベラトロール、ピセタノール、ピノシルビン、プテロスチルベン、ラポンチゲニン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項34~38に記載の方法により得られる組成物と、薬学上許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項40】
請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物、又は請求項34~38に記載の方法により得られる組成物と、栄養上許容される賦形剤とを含む補助食品又は栄養補助食品。
【請求項41】
医薬に使用される、請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物若しくはパーツのキット、請求項34~38に記載の方法により得られる組成物、請求項39に記載の医薬組成物、又は請求項40に記載の補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項42】
循環器疾患の予防及び/又は治療に使用される、請求項18~33のいずれか1項に記載の組成物若しくはパーツのキット、請求項34~38に記載の方法により得られる組成物、請求項39に記載の医薬組成物、又は請求項40に記載の補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項43】
前記循環器疾患は、粥状動脈硬化、脳血管発作、末梢血管疾患、及び冠疾患からなる群より選択される、請求項42に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項44】
前記組成物、前記パーツのキット、前記医薬組成物、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品は、高コレステロール血症の患者、好ましくは中等度高コレステロール血症の患者に投与される、請求項41~43のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬組成物、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項45】
前記ヒドロキシチロソール及び前記少なくとも1種のポリフェノールは、別々に投与される、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のためのパーツのキット。
【請求項46】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを7.5 mg/日で及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを210 mg/日で投与することを含む、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項47】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、ヒドロキシチロソールを提供する植物抽出物を67 mg/日で、及びヒドロキシチロソール以外のポリフェノールを提供する植物抽出物を700 mg/日で投与することを含む、請求項41~44のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項48】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、複数用量の前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品を、少なくとも1週間投与することを含む、請求項41~47のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は食物若しくは栄養補助食品。
【請求項49】
前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品の投与は、前記組成物、前記パーツのキットに含まれる前記構成要素、前記医薬製品、又は前記補助食品若しくは栄養補助食品を、少なくとも1日量1回分、好ましくは1日量2回分で投与することを含む、請求項41~48のいずれか1項に記載の使用のための組成物、パーツのキット、医薬製品、又は補助食品若しくは栄養補助食品。
【請求項50】
前記キットの前記構成要素は、前記投与前に混合される、請求項41~49のいずれか1項に記載の使用のためのパーツのキット。
【国際調査報告】