(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】モバイルネットワークインフラストラクチャにおけるオーディオおよび/またはビデオコンテンツの配信方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2381 20110101AFI20230331BHJP
H04N 21/6332 20110101ALI20230331BHJP
H04W 76/11 20180101ALI20230331BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20230331BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20230331BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
H04N21/2381
H04N21/6332
H04W76/11
H04W4/06 170
H04W48/18
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549779
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2021054055
(87)【国際公開番号】W WO2021165416
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521231455
【氏名又は名称】ブロードピーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビショ,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】デマウツ,ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ゲリ,ピエール-ジャン
【テーマコード(参考)】
5C164
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA08
5C164GA02
5C164SA24S
5C164SB08S
5C164SB24P
5C164TA06S
5C164TA08S
5C164TB04S
5C164TB22P
5K067AA21
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH21
5K201BA05
5K201BC23
5K201CA01
5K201CA06
5K201CB06
5K201CB15
5K201EA07
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末に配信するために、モバイルネットワーク上にコンテンツ配信システムが展開されている。コンテンツ配信システムは、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置されている複数のエッジキャッシュサーバを備えている。エッジキャッシュサーバは、モバイルネットワークのそれぞれの集約ノードに接続され、集約ノードの構成可能なブレークアウト機能が、エッジキャッシュサーバに関連付けられたエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されたパケットをそこにルーティングを可能にする。モバイル端末から、オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するための要求を受信すると、コンテンツ配信システムのエッジキャッシュコントローラは、エッジキャッシュコントローラを指すユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成し、モバイル端末をエッジキャッシュサーバのエニーキャストアドレス指定にリダイレクトする。次いで、エッジキャッシュサーバは、モバイル端末からセッション識別子を取得し、そこに含まれるユニキャストアドレス指定を使用して、エッジキャッシュコントローラからコンテキスト情報を受信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルネットワークインフラストラクチャの上に展開されているコンテンツ配信システム(100)によってモバイル端末(150)にオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するための方法であって、前記コンテンツ配信システム(100)が、複数のエッジキャッシュサーバ(132)および少なくとも1つのエッジキャッシュコントローラ(131)を備え、前記エッジキャッシュサーバ(132)が、中央コンテンツサーバ(112)をルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置され、前記エッジキャッシュサーバ(132)および前記中央コンテンツサーバ(112)が、集約ノード(130)の構成可能なブレークアウト機能が、前記エッジキャッシュサーバ(132)への、または前記エッジキャッシュサーバ(132)および前記中央コンテンツサーバ(112)に関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている前記中央コンテンツサーバ(112)パケットへのルーティングを可能にするように、前記モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノード(130)に接続されており、前記方法が、
-前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するためのセッションを開始するため、前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するために、前記モバイル端末(150)から、第1の要求を、1つのエッジキャッシュコントローラ(131)によって、受信すること(301)と、
-当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)によって、当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)を指す一意の識別子部分およびユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成すること(305)と、
-当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)によって、前記モバイル端末(150)を前記エッジキャッシュサーバ(132)の、および前記中央コンテンツサーバ(112)の、前記エニーキャストアドレス指定でリダイレクトすることによって、かつ前記セッション識別子を前記モバイル端末(150)に提供することによって、前記第1の要求に応答すること(306)と、
-前記マニフェストファイルを取得するため、または前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するために、前記モバイル端末(150)から、前記セッション識別子を含む第2の要求を、1つのエッジキャッシュサーバ(132)によって、受信すること(701、801)と、
-当該前記1つのエッジキャッシュサーバ(132)によって、前記第2の要求から、前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツを当該前記モバイル端末(150)に配信するために開始された前記セッションに関連付けられた前記セッション識別子を取得すること(702、802)と、
-前記取得されたセッション識別子が当該前記1つのエッジキャッシュサーバ(132)にとって不明であるとき、前記取得されたセッション識別子に含まれる前記ユニキャストアドレス指定部分を使用して、前記セッションに適用可能なコンテキストを取得するための第3の要求を送信すること(703、807)と、
-前記取得されたセッション識別子が当該前記エッジキャッシュサーバ(132)にとって既知であるか、または当該前記エッジキャッシュサーバ(132)によって取得されると、前記要求されたマニフェストファイルまたは前記少なくとも1つのセグメントを、前記セッションに適用可能な前記コンテキストに従って、前記第2の要求に応答して、それぞれ前記モバイル端末(150)に、配信すること(709、812)と、
-エッジキャッシュサーバ(132)が新しいセッションを処理することができないとき、前記新しいセッションに関連するパケットを当該前記エッジキャッシュサーバ(132)にルーティングしないようにするために、アップストリームエッジキャッシュサーバ(132)または前記中央コンテンツサーバ(112)が前記新しいセッションを処理するように要請されて、当該前記エッジキャッシュサーバ(132)が接続されている集約ノード(130)のブレークアウト機能を再構成すること(405)と、を含む、方法。
【請求項2】
前記コンテンツ配信システム(100)が、複数のエッジキャッシュコントローラ(131)を備え、前記エッジキャッシュコントローラ(131)が、中央コントローラ(111)をルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して展開され、前記エッジキャッシュコントローラ(131)および前記中央コントローラ(111)が、前記集約ノード(130)の構成可能なブレークアウト機能が、前記エッジキャッシュコントローラ(131)への、または前記エッジキャッシュコントローラ(131)および前記中央コントローラ(111)のすべてに関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている前記中央コントローラ(111)パケットへの、ルーティングを可能にするように、前記モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノード(130)に接続されており、前記第1の要求が、前記エッジキャッシュコントローラ(131)および前記中央コントローラ(111)に関連付けられている前記エニーキャストアドレス指定を使用して送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つのエッジキャッシュコントローラ(131)が、前記セッションに適用可能なコンテキストを取得するための前記第3の要求を受信すると、当該前記エッジキャッシュコントローラが、前記セッションに適用可能な前記コンテキストを更新して、前記セッションが、前記第3の要求を受信した前記エッジキャッシュサーバ(132)によってサポートされることを示す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)が、その監視下にあるエッジキャッシュサーバ(132)のセットの前記エッジキャッシュサーバ(132)のいずれも、新しいセッションを受け入れるためのリソースをこれ以上有していないかどうかをチェックし、新しいセッションを受け入れるために割り当てられるリソースがもはやないとき、当該前記エッジキャッシュコントローラが、新しいセッションに関連する要求をこれ以上受信しないように、前記エッジキャッシュコントローラ(131)が接続されている前記集約ノードの前記ブレークアウト機能を構成する(408)、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記セッション識別子を作成するとき、当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)が、当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)を指すユニキャストアドレス指定部分の代わりに、前記中央コントローラ(111)を指すユニキャストアドレス指定部分を含み、当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)が、前記セッションに適用可能な前記コンテキストを前記中央コントローラ(111)に送信する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該前記エッジキャッシュコントローラ(131)が、
-前記セットの各エッジキャッシュサーバ(132)が、より多くのセッションを受け入れるのに十分なリソースを有しているかどうかを判定すること(402)と、
-それ以上のセッションを受け入れることができない前記セットの各エッジキャッシュサーバについて、当該前記エッジキャッシュコントローラ(1312)が、新しいセッションをルーティングしないために、当該前記エッジキャッシュサーバが接続されている前記集約ノード(130)の前記ブレークアウト機能を構成する(405)こと、を定期的に実施することにより、その監視下でエッジキャッシュサーバ(132)のセットを管理する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つのエッジキャッシュサーバ(132)が、前記セッションに適用可能な前記コンテキストを受信すると、当該前記エッジキャッシュサーバ(132)が、前記コンテキストに記憶されている統計から、前記セッションで前記モバイル端末(150)によって好ましく選択される適応ビットレートにおける品質に関する情報を検索する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
所定の時間枠内に別のエッジキャッシュサーバ(132)から前記第3の要求を受信せずに前記セッションが中断されたことが、1つのエッジキャッシュサーバ(132)によって通知された(901)とき、1つのエッジキャッシュコントローラ(131)が、前記セッションに関連する前記コンテキストを無効化し、分析サーバ(113)に、前記セッションに関連し、前記コンテキストに含まれる分析データを送信する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記エッジキャッシュサーバ(132)が、クラウドレットインフラストラクチャで実行される仮想インスタンスである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末(150)に配信するためのコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信システムが、モバイルネットワークインフラストラクチャの上に展開されるように構成され、前記コンテンツ配信システムが、複数のエッジキャッシュサーバ(132)および少なくとも1つのエッジキャッシュコントローラ(131)を備え、前記エッジキャッシュサーバ(132)が、中央コンテンツサーバ(112)をルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置され、前記エッジキャッシュサーバ(132)および前記中央コンテンツサーバ(112)が、集約ノード(130)の構成可能なブレークアウト機能が、前記エッジキャッシュサーバ(132)への、または前記エッジキャッシュサーバ(132)および前記中央コンテンツサーバ(111)に関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている前記中央コンテンツサーバ(111)パケットへの、ルーティングを可能にするように、前記モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノード(130)に接続されるように構成されており、前記コンテンツ配信システムが、
-前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するためのセッションを開始するため、前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するために、前記モバイル端末から、第1の要求を、1つのエッジキャッシュコントローラによって、受信すること(301)と、
-当該前記エッジキャッシュコントローラによって、当該前記エッジキャッシュコントローラを指す一意の識別子部分およびユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成すること(305)と、
-当該前記エッジキャッシュコントローラによって、前記モバイル端末を前記エッジキャッシュサーバの、および前記中央コンテンツサーバの、前記エニーキャストアドレス指定にリダイレクトすることによって、かつ前記セッション識別子を前記モバイル端末(150)に提供することによって、前記第1の要求に応答すること(306)と、
-前記マニフェストファイルを取得するため、または前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するために、前記モバイル端末から、前記セッション識別子を含む第2の要求を、1つのエッジキャッシュサーバによって、受信すること(701、801)と、
-当該前記1つのエッジキャッシュサーバ(132)によって、前記第2の要求から、前記オーディオおよび/またはビデオコンテンツを当該前記モバイル端末に配信するために開始されたセッションに関連付けられた前記セッション識別子を取得すること(702、802)と、
-前記取得されたセッション識別子が当該前記1つのエッジキャッシュサーバ(132)にとって不明であるとき、前記取得されたセッション識別子に含まれる前記ユニキャストアドレス指定部分を使用して、前記セッションに適用可能なコンテキストを取得するための第3の要求を送信すること(703、807)と、
-前記取得されたセッション識別子が当該前記エッジキャッシュサーバ(132)にとって既知であるか、または当該前記エッジキャッシュサーバ(132)によって取得されると、前記要求されたマニフェストファイルまたは前記少なくとも1つのセグメントを、前記セッションに適用可能な前記コンテキストに従って、前記第2の要求に応答して、それぞれ前記モバイル端末(150)に、配信すること(709、812)と、
-エッジキャッシュサーバ(132)が新しいセッションを処理することができないとき、前記新しいセッションに関連するパケットを当該前記エッジキャッシュサーバ(132)にルーティングしないようにするために、アップストリームエッジキャッシュサーバ(132)または前記中央コンテンツサーバ(112)が前記新しいセッションを処理するように要請されて、当該前記エッジキャッシュサーバ(132)が接続されている集約ノード(130)のブレークアウト機能を再構成すること(405)と、のために構成されている、コンテンツ配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の範囲などで、モバイルネットワークインフラストラクチャの上でオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信する一方で、オーディオおよび/またはビデオコンテンツが配信されるモバイル端末のハンドオーバ中のサービス継続性を確保することに関する。
【背景技術】
【0002】
MEC(Multi-access Edge Computing)は、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)グループであり、モバイルネットワークエッジの近くに位置するプラットフォームに関連する仕様セットであり、通常は物理的にeNodeB位置またはそこから離れていない位置(通常はセントラルオフィス)にある。MECは、アプリケーションモバイルネットワークエッジのインスタンス化をトリガーする条件、アプリケーションとの間のトラフィックをたどる方法、およびMECプラットフォームでアプリケーションをどのように組み込み、展開、および管理するのかを定義する。したがって、ブレークアウト機能は、アクセスネットワークのオフロードソリューションとして使用され、コアネットワークの負荷およびエンドツーエンドの待ち時間を削減する。例えば、ETSI White Paper No.20、Developing Software for Multi-Access Edge Computing、Dario Sabella et al,2nded.,February 2019,ISBN No.979-10-92620-29-0を参照することができる。
【0003】
モバイルネットワークを介したオーディオおよび/またはビデオのストリーミングは、特に困難である。無線ネットワークは非常にセンシブルであり、ラウンドトリップ時間(RTT)、同様に帯域幅は急速に変化する可能性がある。モバイル端末とコンテンツ配信ネットワーク(CDNのオーディオおよび/またはビデオサーバとの間の接続を有することは、無線アクセスの変動性を抽象化するために、最適以下であることが示されている。さらに、少なくともリソースの消費に関しては、オーディオおよび/またはビデオサーバと、サービスを受けるモバイル端末との間の通信距離を制限することが望ましい。これは、理想的には、オーディオおよび/またはビデオサーバインフラストラクチャを、無線アクセスネットワークの境界に可能な限り近づける必要があることを示唆する。したがって、MECプラットフォームはその目的で、特に4G(第4世代)および5G(第5世代)モバイルネットワークに十分に適していると考えられる。次いで、MECグループによって監督されるブレークアウト機能を使用して、オーディオおよび/またはビデオキャッシュサーバをモバイルネットワーク内の無線ネットワークエッジまで深く展開することができる。そのため、エッジキャッシュサーバと称される。その結果、エッジキャッシュサーバの展開インフラストラクチャは、場合によっては無線セル全体に分散されるため、モバイル端末は、メディアセッション中に場合によってはいくつかのオーディオサーバおよび/またはビデオサーバに接続する必要がある。
【0004】
その場合、モバイル端末の移動性を考慮して、オーディオおよび/またはビデオ配信サービスの継続性を保証し、モバイル端末が常に最も近い可能性のあるエッジキャッシュサーバに接続されることをさらに保証する、移動ネットワークインフラストラクチャの上にCDNアーキテクチャを提供することが望ましい。その場合、モバイルネットワークインフラストラクチャの上にCDNアーキテクチャを提供することが望ましく、これにより、セッションコンテキスト情報が正しく管理および更新される。実際、そのようなコンテキスト情報は、モバイル端末が特定のオーディオおよび/またはビデオコンテンツを取得することを許可されているかどうかを判定するために不可欠であり、モバイル端末セッションのフォローアップに不可欠であり、適切なインフラストラクチャの展開の回線容量設計にさらに重要な分析データをさらに含んでいる。
【発明の概要】
【0005】
そのために、本明細書において、モバイルネットワークインフラストラクチャの上に展開されたコンテンツ配信システムによってオーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末に配信する方法が提案されており、コンテンツ配信システムが、複数のエッジキャッシュサーバおよび少なくとも1つのエッジキャッシュコントローラを備え、エッジキャッシュサーバが、中央コンテンツサーバをルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置され、エッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバが、集約ノードの構成可能なブレークアウト機能が、エッジキャッシュサーバへの、またはエッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバに関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている中央コンテンツサーバパケットへのルーティングを可能にするように、モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノードに接続されており、方法が、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するためのセッションを開始するため、オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するために、モバイル端末から、第1の要求を、1つのエッジキャッシュコントローラによって、受信することと、当該エッジキャッシュコントローラによって、当該エッジキャッシュコントローラを指す一意の識別子部分およびユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成することと、当該エッジキャッシュコントローラによって、モバイル端末をエッジキャッシュサーバの、および中央コンテンツサーバの、エニーキャストアドレス指定にリダイレクトすることによって、かつセッション識別子をモバイル端末に提供することによって、第1の要求に応答することと、マニフェストファイルを取得するため、またはオーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するために、モバイル端末から、セッション識別子を含む第2の要求を、1つのエッジキャッシュサーバによって、受信することと、当該1つのエッジキャッシュサーバによって、第2の要求から、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを当該モバイル端末に配信するために開始されたセッションに関連付けられたセッション識別子を取得することと、取得されたセッション識別子が当該1つのエッジキャッシュサーバにとって不明であるとき、取得されたセッション識別子に含まれるユニキャストアドレス指定部分を使用して、セッションに適用可能なコンテキストを取得するための第3の要求を送信することと、取得されたセッション識別子が当該エッジキャッシュサーバにとって既知であるか、または当該エッジキャッシュサーバによって取得されると、要求されたマニフェストファイルまたは少なくとも1つのセグメントを、セッションに適用可能なコンテキストに従って、第2の要求に応答して、それぞれモバイル端末に、配信することと、エッジキャッシュサーバが新しいセッションを処理することができないとき、新しいセッションに関連するパケットを当該上記エッジキャッシュサーバにルーティングしないようにするために、アップストリームエッジキャッシュサーバまたは中央コンテンツサーバが新しいセッションを処理するように要請されて、当該エッジキャッシュサーバが接続されている集約ノードのブレークアウト機能を再構成することと、を含む。
【0006】
したがって、エッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバのエニーキャストアドレス指定のおかげで、オーディオおよび/またはビデオ配信サービスの継続性がモバイル端末の移動性を考慮して保証され、モバイル端末が常に最も近いエッジキャッシュサーバに接続されていることがさらに保証される。さらに、セッション識別子を作成するための前述のアプローチのおかげで、モバイル端末がモバイルネットワークインフラストラクチャでハンドオーバを被っている間、エッジキャッシュサーバが、常に適切なエッジキャッシュコントローラからコンテキストを取得することができる。さらに、エッジキャッシュサーバのエニーキャストアドレス指定と、中央コンテンツサーバをルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジとしてのエッジキャッシュサーバの配置により、モバイル端末は常に可能な限り最も近いエッジキャッシュサーバ(またはせいぜい中央のコンテンツサーバ)に接続される。
【0007】
特定の実施形態によれば、コンテンツ配信システムが、複数のエッジキャッシュコントローラを備え、エッジキャッシュコントローラが、中央コントローラをルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して展開され、エッジキャッシュコントローラおよび中央コントローラが、集約ノードの構成可能なブレークアウト機能が、エッジキャッシュコントローラへの、またはエッジキャッシュコントローラおよび中央コントローラのすべてに関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている中央コントローラパケットへのルーティングを可能にするように、モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノードに接続されており、第1の要求が、エッジキャッシュコントローラおよび中央コントローラに関連付けられているエニーキャストアドレス指定を使用して送信される。
【0008】
したがって、エッジキャッシュコントローラおよび中央コントローラにエニーキャストアドレス指定を使用すると、中央コントローラをルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジとしてのエッジキャッシュコントローラの配置と組み合わせて可能になり、オーディオおよび/またはビデオの配信に寄与し、モバイル端末のモビリティを考慮して、サービスの継続性が確保される。
【0009】
特定の実施形態によれば、1つのエッジキャッシュコントローラが、セッションに適用可能なコンテキストを取得するための第3の要求を受信すると、当該エッジキャッシュコントローラが、セッションに適用可能なコンテキストを更新して、セッションが、第3の要求を受信したエッジキャッシュサーバによってサポートされることを示す。
【0010】
したがって、モバイル端末セッションフォローアップの分析データがコンテキスト内で更新され、これは、適切なインフラストラクチャ展開の回線容量設計のためにモバイル端末のモビリティを追跡するために重要である。
【0011】
特定の実施形態によれば、当該エッジキャッシュコントローラが、その監視下にあるエッジキャッシュサーバのセットのエッジキャッシュサーバのいずれも、新しいセッションを受け入れるためのリソースをこれ以上有していないかどうかをチェックし、新しいセッションを受け入れるために割り当てられるリソースがもはやないとき、当該エッジキャッシュコントローラが、新しいセッションに関連する要求をこれ以上受信しないように、上記エッジキャッシュコントローラが接続されている集約ノードのブレークアウト機能を構成する。
【0012】
したがって、新しいセッションの処理が、エッジキャッシュサーバの配置のアップストリーム(ルートに向かって)に転送され、新しいセッションは、エニーキャストアドレス指定が使用されているため、同じアドレス指定を要求しながら、その新しいセッションを処理するための利用可能なリソースを有する最も近いエッジキャッシュサーバによって処理される。
【0013】
特定の実施形態によれば、セッション識別子を作成するとき、当該エッジキャッシュコントローラが、当該エッジキャッシュコントローラを指すユニキャストアドレス指定部分の代わりに、中央コントローラを指すユニキャストアドレス指定部分を含み、当該エッジキャッシュコントローラが、セッションに適用可能なコンテキストを中央コントローラに送信する。
【0014】
したがって、セッションコンテキストの集中管理を容易に実装することができる(エッジキャッシュコントローラによるセッションコンテキストの分散管理を補完または置換するために)。特に、エッジキャッシュコントローラの処理リソースが不足した場合に、負荷分散を実行することを可能にする。
【0015】
特定の実施形態によれば、当該エッジキャッシュコントローラが、セットの各エッジキャッシュサーバが、より多くのセッションを受け入れるのに十分なリソースを有しているかどうかを判定することと、それ以上のセッションを受け入れることができないセットの各エッジキャッシュサーバについて、当該エッジキャッシュコントローラが、新しいセッションをルーティングしないために、当該エッジキャッシュサーバが接続されている集約ノードのブレークアウト機能を構成すること、を定期的に実施することにより、その監視下でエッジキャッシュサーバのセットを管理する。
【0016】
したがって、エッジキャッシュコントローラが、モバイルネットワークインフラストラクチャを構成して、エッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバのエニーキャストアドレス指定、ならびにエッジキャッシュコントローラの配置から、中央コントローラをルートとして使用した、スター型トポロジまたは階層型トポロジとして新しいセッションの処理をアップストリームに転送するために利益を得る。
【0017】
特定の実施形態によれば、1つのエッジキャッシュサーバが、セッションに適用可能なコンテキストを受信すると、当該エッジキャッシュサーバが、コンテキストに記憶されている統計から、セッションでモバイル端末によって好ましく選択される適応ビットレートにおける品質に関する情報を検索する。
【0018】
したがって、当該エッジキャッシュサーバが、当該セッションに関連する過去のデータから利益を得ることができ、内部構成(キャッシュプロビジョニングなど)を予測して、オーディオおよび/またはビデオコンテンツに関してモバイル端末に最適なサービスを提供し、良好なサービス継続を保証することができる。
【0019】
特定の実施形態によれば、所定の時間枠内に別のエッジキャッシュサーバから第3の要求を受信せずにセッションが中断されたことが、1つのエッジキャッシュサーバによって通知されたとき、1つのエッジキャッシュコントローラが、セッションに関連するコンテキストを無効化し、分析サーバに、セッションに関連し、コンテキストに含まれる分析データを送信する。
【0020】
これにより、セッションの終了によるコンテキストの無効化の適切な時期の検出が容易になり、分析データの収集が容易になる。
【0021】
特定の実施形態によれば、エッジキャッシュサーバが、クラウドレットインフラストラクチャで実行される仮想インスタンスである。
【0022】
したがって、必要に応じてエッジキャッシュサーバをアクティブ化および非アクティブ化することが容易になる。本明細書ではさらに、オーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末に配信するためのコンテンツ配信システムが提案され、コンテンツ配信システムが、モバイルネットワークインフラストラクチャの上に展開されるように構成され、コンテンツ配信システムが、複数のエッジキャッシュサーバおよび少なくとも1つのエッジキャッシュコントローラを備え、エッジキャッシュサーバが、中央コンテンツサーバをルートとして使用する、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置され、エッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバが、集約ノードの構成可能なブレークアウト機能が、エッジキャッシュサーバへの、またはエッジキャッシュサーバおよび中央コンテンツサーバに関連付けられているエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されている中央コンテンツサーバパケットへのルーティングを可能にするように、モバイルネットワークインフラストラクチャのそれぞれの集約ノードに接続されるように構成されており、コンテンツ配信システムが、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するためのセッションを開始するため、オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するために、モバイル端末から、第1の要求を、1つのエッジキャッシュコントローラによって、受信することと、当該エッジキャッシュコントローラによって、当該エッジキャッシュコントローラを指す一意の識別子部分およびユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成することと、当該エッジキャッシュコントローラによって、モバイル端末をエッジキャッシュサーバの、および中央コンテンツサーバの、エニーキャストアドレス指定にリダイレクトすることによって、かつセッション識別子をモバイル端末に提供することによって記第1の要求に応答することと、マニフェストファイルを取得するため、またはオーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するために、モバイル端末から、セッション識別子を含む第2の要求を、1つのエッジキャッシュサーバによって、受信することと、当該1つのエッジキャッシュサーバによって、第2の要求から、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを当該モバイル端末に配信するために開始されたセッションに関連付けられたセッション識別子を取得することと、取得されたセッション識別子が当該1つのエッジキャッシュサーバにとって不明であるとき、取得されたセッション識別子に含まれるユニキャストアドレス指定部分を使用して、セッションに適用可能なコンテキストを取得するための第3の要求を送信することと、取得されたセッション識別子が当該エッジキャッシュサーバにとって既知であるか、または当該エッジキャッシュサーバによって取得されると、要求されたマニフェストファイルまたは少なくとも1つのセグメントを、セッションに適用可能なコンテキストに従って、第2の要求に応答して、それぞれモバイル端末に、配信することと、エッジキャッシュサーバが新しいセッションを処理することができないとき、新しいセッションに関連するパケットを当該エッジキャッシュサーバにルーティングしないようにするために、アップストリームエッジキャッシュサーバまたは中央コンテンツサーバが新しいセッションを処理するように要請されて、当該上記エッジキャッシュサーバが接続されている集約ノードのブレークアウト機能を再構成することと、のために構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の特徴は、添付の図面を参照して作成された、少なくとも1つの実施形態に関する以下の説明を読むことにより、より明確になるであろう。
【0024】
【
図1】本発明を実施することができるオーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システムを概略的に表す。
【
図2】オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システムの範囲で使用可能なデバイスのハードウェアアーキテクチャの例を概略的に表す。
【
図3】マニフェストファイル取得要求に対する応答アルゴリズムを模式的に表す。
【
図4】オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システムのエッジキャッシュサーバのリソースを管理し、対応してブレークアウト機能の構成を管理するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【
図5】リダイレクト後のマニフェストファイル取得要求に対する応答アルゴリズムを概略的に表す。
【
図6】オーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得する要求に応答するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【
図7】セッションコンテキストを取得するための要求を処理するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【
図8】オーディオおよび/ビデオコンテンツ配信セッションを終了するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【
図9】オーディオおよび/ビデオコンテンツ配信セッションの中断を処理するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末に配信するために、モバイルネットワーク上にコンテンツ配信システムが展開されている。コンテンツ配信システムは、スター型トポロジまたは階層型トポロジを使用して配置されている複数のエッジキャッシュサーバを備えている。エッジキャッシュサーバは、モバイルネットワークのそれぞれの集約ノードに接続され、集約ノードの構成可能なブレークアウト機能が、エッジキャッシュサーバに関連付けられたエニーキャストアドレス指定にアドレス指定されたパケットをそこにルーティングを可能にする。モバイル端末から、オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するための要求を受信すると、コンテンツ配信システムのエッジキャッシュコントローラは、エッジキャッシュコントローラを指すユニキャストアドレス指定部分を含むセッション識別子を作成し、モバイル端末をエッジキャッシュサーバのエニーキャストアドレス指定にリダイレクトする。次いで、エッジキャッシュサーバは、モバイル端末からセッション識別子を取得し、そこに含まれるユニキャストアドレス指定を使用して、エッジキャッシュコントローラからコンテキスト情報を受信する。詳細な実施形態は、以下に提供される。
【0026】
図1は、モバイルネットワークインフラストラクチャの上に展開されたオーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100を概略的に表す。オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100は、複数のエッジキャッシュサーバECS132のセットと、少なくとも1つのエッジキャッシュコントローラECC131とを備える。
【0027】
エッジキャッシュサーバECS132は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツのセグメントをモバイル端末T150に送信することを目的としており、モバイル端末T150は、無線によって移動ネットワークインフラストラクチャに接続されているため、時間の経過(およびオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信する同じセッション中)とともにモバイルネットワークインフラストラクチャでハンドオーバを受ける可能性がある。例えば、モバイルネットワークインフラストラクチャは、LTE(ロングタームエボリューション)4Gまたは5Gに準拠している。したがって、モバイル端末T150は、基地局、eNodeBを介してモバイルネットワークインフラストラクチャにアクセスすることができるが、例えばワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)ゲートウェイ140によって提供されるホットスポットなど、それに接続されたWLANを介してモバイルネットワークインフラストラクチャにアクセスすることもできる。
【0028】
モバイルネットワークインフラストラクチャは、集約ノード(それぞれが
図1でA-NODE130とラベル付けされている)を含む。このような集約ノードは、使用中の、モバイルネットワークインフラストラクチャ技術に応じて、基地局、中央局、eNodeB、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)またはサービングゲートウェイ(S-GW)、終端ユーザプレーン機能(TUPF)である。モバイルネットワークインフラストラクチャの集約ノード130の少なくともいくつかは、例えばMECベースのプラットフォームを使用してブレークアウト機能を実装する。
【0029】
エッジキャッシュサーバECS132は、好ましくはモバイルネットワークインフラストラクチャの集約ノードに接続された、比較的小規模なクラウドインフラストラクチャ(クラウドレットとも称される)に配置された物理アプライアンスまたは仮想インスタンスである場合がある。
【0030】
各エッジキャッシュサーバECS132は、モバイルネットワークインフラストラクチャの集約ノード130のブレークアウト機能に接続される。エッジキャッシュサーバECS132に接続された任意の集約ノード130は、構成可能なルーティングルールに従って、場合によってはブレーク機能を介して、パケット、典型的にはIP(インターネットプロトコル)パケットをルーティングすることを可能にする構成可能なブレークアウト機能を実装する。そのようなルーティングルールは、そのようなまたはそのような宛先アドレスおよび/またはそのような送信元アドレスを有するパケットがエッジキャッシュサーバECS132にルーティングされなければならないことを定義し得る。ブレークアウト機能はさらに、そこに接続されているエッジキャッシュサーバECS132がモバイルネットワークインフラストラクチャを介してパケットを送信することを可能にする。
【0031】
各エッジキャッシュコントローラECC131はまた、モバイルネットワークインフラストラクチャの集約ノード130のブレークアウト機能に接続され、これは、エッジキャッシュサーバECS132にも接続されるブレークアウト機能であり得る。エッジキャッシュサーバECS132に接続された任意の集約ノード130は、構成可能なルーティングルールに従って、場合によってはブレークアウト機能を介してパケット、典型的にはIP(インターネットプロトコル)パケットをルーティングすることを可能にする構成可能なブレークアウト機能を実装する。そのようなルーティングルールは、そのような宛先アドレスおよび/またはそのような送信元アドレスを有するパケットがブレークアウト機能を介してエッジキャッシュコントローラECC131にルーティングされなければならないことを定義することができる。ブレークアウト機能はさらに、そこに接続されたエッジキャッシュコントローラECS131がモバイルネットワークインフラストラクチャを介してパケットを送信することを可能にする。
【0032】
あらゆるすべてのエッジキャッシュサーバECS132は、エニーキャストアドレス指定(通常、エニーキャストIPアドレスと、潜在的にはそれに関連付けられたドメイン名であり、DNS(ドメインネームシステム)手順を通じてエニーキャストIPアドレスを検索することを可能にする)と、エッジキャッシュサーバECS132の1つに接続された各集約ノード130のブレークアウト機能は、宛先アドレスとして対応するエニーキャストアドレスを有するパケットを、上記集約ノード130のブレークアウト機能に接続されたエッジキャッシュサーバECS132にルーティングするように構成される。これは、任意の集約ノード130が、せいぜい1つのエッジキャッシュサーバECS132に接続されていることを示唆する。本明細書において、少なくとも1つのエニーキャストIPアドレス、または潜在的にそれに関連付けられた少なくとも1つのそれぞれのドメイン名を参照する場合、エニーキャストアドレス指定を参照する。
【0033】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100は、例えば、国または世界のいくつかの地域にわたって展開され得、各地域のエッジキャッシュサーバECS132は、それ自体のエニーキャストアドレス指定に関連付けられ得ることに留意されたい。したがって、ある地域で開始されたセッションが、別の地域に移行するときに、継続されることを回避する。したがって、地域での展開は、個別のオーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システムとして機能する。
【0034】
エニーキャストアドレス指定は、多数の1対1送信であり、パケットは、すべて同じアドレスで識別される複数の潜在的な受信者の中の1人の受信者にルーティングされる。したがって、集約ノード130が宛先アドレスとしてエッジキャッシュサーバECS132の対応するエニーキャストアドレスを有するパケットを受信して、さらに1つのエッジキャッシュサーバECS132が集約ノード130に関連付けられているとき、そのブレークアウト機能は、そのブレークアウト機能が、当該パケットをモバイルネットワークインフラストラクチャのアップストリームに伝播するように構成されている場合を除き、当該エッジキャッシュサーバECS132にパケットをルーティングする。以下に詳述するように、当該集約ノード130のブレークアウト機能に接続されているエッジキャッシュサーバECS132が、上記パケットが関連する少なくとも1つのセッションを処理するために選択されておらず、かつモバイルネットワークインフラストラクチャのアップストリームに位置する別のエッジキャッシュサーバECS132が上記少なくとも1つのセッションを処理することになっているとき、エッジキャッシュサーバECS132が、宛先アドレスとしてエッジキャッシュサーバECS132の対応するエニーキャストアドレスを有するいくつかのパケットをモバイルネットワークインフラストラクチャのアップストリームに伝播するようにブレークアウト機能が構成されている状況が発生する。
【0035】
論理的に、エッジキャッシュサーバECS132は、ツリー型トポロジまたはスター型トポロジを使用して相互接続され、オリジンサーバとも称される中央機器CE110内の中央コンテンツサーバCCS112がトポロジのルートである。エッジキャッシュサーバECS132は、中央コンテンツサーバCCS112によってオーディオおよび/またはビデオコンテンツを供給される。中央コンテンツサーバCCS112は、ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト送信を使用して、当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツのセグメントをエッジキャッシュサーバECS132に送信し得る。さらに、いずれかのエッジキャッシュサーバECS132が、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信セッションに関連するパケットを処理することができないとき(例えば、キャッシュ内の当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツの過負荷または利用不能のため)、当該パケットの処理は、トポロジ内の別のエッジキャッシュサーバECS132アップストリーム(中央コンテンツサーバCCS112に向かって)または中央コンテンツサーバCCS112自体によって保証される。以下に詳述するように、集約ノードのブレークアウト機能の適切な構成は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100のトポロジのこの利点から利益を得るために行われるものとする。
【0036】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100が複数のエッジキャッシュコントローラECC131を備えるとき、別のエニーキャストアドレス指定(通常、エニーキャストIPアドレス、および潜在的にはそれに関連付けられたドメイン名であり、DNS手順を通じてエニーキャストIPアドレスを検索することを可能にする)が、エッジキャッシュコントローラECC131に関連付けられる。したがって、集約ノード130が宛先アドレスとしてエッジキャッシュコントローラECC131のエニーキャストアドレスを有するパケットを受信し、さらに1つのエッジキャッシュコントローラECC131が上記集約ノード130に関連付けられると、そのブレークアウト機能が、エッジキャッシュサーバECS132について上述したのと同様に、上記パケットを当該エッジキャッシュコントローラECC131にルーティングする。これは、任意の集約ノード130が、せいぜい1つのエッジキャッシュコントローラECC131に接続されていることを示唆する。
【0037】
上記のように、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100が、例えば、国または世界のいくつかの地域にわたって展開されるとき、各地域のエッジキャッシュコントローラECC131は、それ自体のエニーキャストアドレス指定に関連付けられ得、これによって、別の地域に移行するときに、ある地域で開始されたセッションが継続されることを回避する。
【0038】
特定の実施形態において、中央機器CE110は、中央コントローラCC111をさらに備える。中央コントローラCC111は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100におけるセッションのコンテキストの集中管理に使用され得る。この特定の実施形態は、オーディオおよび/ビデオコンテンツ配信システム100が複数のエッジキャッシュコントローラECC131を備えるときに実装することができる。この場合、エッジキャッシュコントローラECC131は、ツリー型トポロジまたはスター型トポロジを使用して論理的に相互接続されるが、中央コントローラCC111がトポロジのルートである。
【0039】
特定の実施形態において、中央機器CE110は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100で確立されたセッションに関する分析データの収集を担当する分析サーバAS113をさらに備える。オーディオおよび/またはビデオ配信システム100で確立されたセッションのコンテキストから収集された上記分析データは、これらの分析データが、使用中のエッジキャッシュサーバECS132、ハンドオーバデータ(エッジキャッシュサーバECS132間の切り替え)、セッション中に提供される品質などに関する情報を提供するので、適切なインフラストラクチャ展開の回線容量設計にとって重要である。
【0040】
以下で詳述するように、モバイル端末T150がモバイルネットワークインフラストラクチャ内のあるセルから別のセルに移動するとき、途中のオーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信セッションは、別のエッジキャッシュサーバECS132によって処理されなければならない場合があり、これによって、最適化された伝送条件(RTT、帯域幅消費など)でサービスの継続性を確保する。オーディオおよび/またはビデオデータの配信に関しては、モバイル端末が、同じエッジキャッシュサーバECS132に接続されている限り、モバイルインフラストラクチャのハンドオーバおよびモビリティ手順(例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)モビリティ)のおかげで、サービスの継続性が保証されると想定される。しかしながら、モバイル端末がセッション中に別のエッジキャッシュサーバECS132への接続を切り替えるときはいつでも、サービス継続性を確保することは、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100の問題である。各モバイル端末TE150の観点からは、エッジキャッシュサーバECS132に使用されるエニーキャストアドレス指定のおかげで、サービスの継続性が透過的に管理される。オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100の観点から、サービス継続性は、セッション識別子を最初に定義/作成したエッジキャッシュコントローラECC131を指すか、またはセッションコンテキストの集中管理が実装されているときは中央コントローラCC111を代替的に指す、ユニキャストアドレス指定(例えば、IPアドレスまたは専用ドメイン名)を含む、セッション識別子の適切な定義のおかげで管理される。オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信セッションが進行中のモバイル端末T150は、セッションの有効期間に沿ってそのメッセージにセッション識別子を埋め込むか、またはセッションの有効期間に沿ってセッション識別子を含む専用のクッキーをメモリに保持するが、このセッション識別子は、任意のエッジキャッシュサーバECS132によって受信され得る。したがって、モバイル端末T150から不明なセッション識別子を有する要求を受信するエッジキャッシュサーバECS132は、適用可能なセッションコンテキストを取得するために、セッション識別子に埋め込まれたユニキャストアドレス指定を使用して、対応するエッジキャッシュコントローラECC131と通信し、これによって、当該セッションのサービス継続性を確保する。
【0041】
図2は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システムの範囲内で使用可能なハードウェアアーキテクチャの例を概略的に表す。ハードウェアアーキテクチャの例は、エッジキャッシュサーバECS132を組み込んだデバイスの一部、および/またはエッジキャッシュコントローラECC131を組み込んだデバイスの一部、および/または中央機器CE110を組み込んだデバイスの一部とし得る。ハードウェアアーキテクチャの例は、中央機器を組み込んだデバイスの一部であり得る。全般的に、ハードウェアアーキテクチャの例が通信デバイス200の一部であることを検討する。
【0042】
図示のアーキテクチャによれば、通信デバイス200は、通信バス210によって相互接続された以下の構成要素である、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはCPU(中央処理装置)201と、RAM(ランダムアクセスメモリ)202と、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)、例えばフラッシュメモリなどのROM(読み出し専用メモリ)203と、HDD(ハードディスクドライブ)204、またはSD(セキュアデジタル)カードリーダなどの非一時的記憶媒体に記憶された情報を読み取るように適合された任意の他のデバイスと、少なくとも1つの通信インターフェース205と、を備える。
【0043】
CPU201は、ROM203から、またはHDD204もしくはSDカードなどの外部メモリからRAM202にロードされた命令を実行することができる。通信デバイス200の電源が投入された後、CPU201は、RAM202から命令を読み取り、これらの命令を実行することができる。命令は、本明細書で説明するように、当該通信デバイスによって実行されるステップをCPU201に実行させる1つのコンピュータプログラムを形成する。
【0044】
したがって、本明細書で説明するステップ、動作、およびアルゴリズムは、PC、DSP(デジタル信号プロセッサ)、またはマイクロコントローラなどのプログラム可能なコンピューティングマシンによる命令またはプログラムのセットの実行によって、ソフトウェア形式で実装することができるか、または、マシンまたはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)もしくはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用コンポーネントによってハードウェア形式で実装することができる。概略的に言えば、通信デバイス200は、当該通信デバイス200に関して本明細書で説明されるステップ、動作、およびアルゴリズムを実装するように適合および構成された電子回路を備える。
【0045】
図3は、マニフェストファイルを取得するための要求MF_REQに応答するためのアルゴリズムを概略的に表す。要求MF_REQは、モバイル端末T150によって送信される。要求MF_REQは、配信のために当該モバイル端末T150によってさらに要求されると考えられるオーディオおよび/またはビデオコンテンツを識別する。要求MF_REQは、エッジキャッシュコントローラECC131にアドレス指定され、したがって、オーディオおよび/またはビデオ配信システム100が複数のエッジキャッシュコントローラECC131を備える場合、エッジキャッシュコントローラECC131のエニーキャストアドレス指定を使用する。オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100がエッジキャッシュコントローラECC131を1つしか含まないとき、ユニキャストアドレス指定を使用することができる。
【0046】
ステップ301において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、モバイル端末T150であるリクエスタから要求MF_REQを受信する。当該エッジキャッシュコントローラECC131が、関連付けられたブレークアウト機能によって以前にルーティングされた要求を受信すると、当該エッジキャッシュコントローラECC131によってカバーされる領域には、新しい要求を処理するためのエッジキャッシュサーバリソースがあることを意味する。そうでなければ、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、それ以上の要求をルーティングしないように関連するブレークアウト機能を構成し、次いで、別のエッジキャッシュコントローラECC131または中央コントローラCC111にアップストリームにルーティングされる。例えば、要求MF_REQは、HTTPGet要求である。要求されたマニフェストファイルには、適応ビットレート(ABR)の実装を有効にするために、オーディオおよび/またはビデオコンテンツに対して利用可能とされている様々な表現(品質)が記述されている。使用中の適応ビットレート技術によっては、マニフェストファイルは、プレイリストファイルと称され得ることに留意されたい。
【0047】
ステップ302において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、検証動作を実行し、要求されたオーディオおよび/またはビデオコンテンツが利用可能であり、エッジキャッシュサーバインフラストラクチャを介して配信することができるかどうか、ならびに当該モバイル端末T150が、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを取得することが許可されているかどうかをチェックする。
【0048】
ステップ303において、検証動作の結果に応じて、否定チェックの場合はセッションが拒否され、ステップ307において、当該エッジキャッシュコントローラECC131が要求MF_REQにエラーで応答し、
図3のアルゴリズムを終了するか、または肯定的なチェックの場合、セッションは受け入れられ、当該エッジキャッシュコントローラECC131はステップ304に進む。
【0049】
ステップ304において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、セッションのためのコンテキストを作成する。コンテキストは、少なくとも、セッションで示唆されたエッジキャッシュサーバECS132のリストを収集することを目的としており、それらのそれぞれについて、いくつかのQoE関連情報(統計など)および他の潜在的なサーバに役立つ他のパラメータ(これ以降で対処されているように)に関連付けられている。コンテキストの情報は、セッションの有効期間に沿って更新される。
【0050】
ステップ305において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、当該セッションのためのセッション識別子をさらに割り当てる(作成する)。セッション識別子は、当該エッジキャッシュコントローラECC131によって割り当てられる一意の識別子部分を含む。セッション識別子は、当該エッジキャッシュコントローラECC131を指すユニキャストアドレス指定部分(例えば、IPアドレスまたは専用ドメイン名)をさらに含む。セッション識別子は、例えばMECETSIグループによって定義されるように、セルまたはセルのグループに対応する地理的エリアを識別する識別子であるゾーン識別子をさらに含むことができる。セッション識別子は、セッション識別子データのデータ完全性およびデータ信頼性の両方を検証することを可能にするために、鍵付きハッシュメッセージ認証コード(HMAC)などのメッセージ認証コード(MAC)をさらに含み得る。次に、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、割り当てられたセッション識別子を含めることによってコンテキストを更新する。
【0051】
オーディオおよび/またはビデオコンテンツ配信システム100で使用中のセッションコンテキストの集中管理を実施し得る。この場合、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、当該エッジキャッシュコントローラECC131のユニキャストアドレス指定の代わりに、中央コントローラCC111を指すユニキャストアドレス指定(例えば、IPアドレスまたは専用ドメイン名)をセッション識別子で使用する。さらに、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、中央コントローラCC111にコンテキスト情報を供給する。換言すれば、コンテキストは、コンテキストが適用されるセッションを識別するセッション識別子に関連して送信される。
【0052】
ステップ306において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、リクエスタをエッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレス指定に向けてリダイレクトし、少なくともステップ304において割り当てられたセッション識別子をさらに提供する。したがって、リクエスタは、セッション識別子をパラメータとしてさらに含む、エッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレスを使用して、結果としてその要求MF_REQを繰り返すことになっている。例えば、エッジキャッシュコントローラECC131は、例示的は次のように、エッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレス指定を使用して、Uniform Resource Locator(URL)のクエリ文字列にセッション識別子を含める。
https://cache_server/<content>.manifest?session_id
【0053】
パラメータとしてセッション識別子を含めることの変形において、エッジキャッシュコントローラECC131は、リクエスタ、すなわち要求MF_REQを送信したモバイル端末T150が、セッション識別子を含み、任意のエッジキャッシュサーバECS132が、リクエスタからクッキーを取得し、その結果、該当するセッション識別子を取得することを可能にする、クッキーを記憶することを、そのリダイレクトにおいて要求する。
【0054】
したがって、当該モバイル端末T150がエッジキャッシュコントローラECC131によってリダイレクトされると、当該モバイル端末T150は、その要求MF_REQを繰り返すが、リダイレクトのために提供されるアドレス指定、すなわちエッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレス指定を使用する。繰り返される要求にセッション識別子(例えば、クエリ文字列として)が含まれているか、モバイル端末T150がセッション識別子を含むクッキーをメモリに記憶しており、これにより任意の要請エッジキャッシュサーバECS132が有効になり(エッジキャッシュサーバECS132に接続されている集約ノードのブレークアウト機能の構成に応じて)、要請されたセッションの識別子を取得する。
【0055】
図4は、エッジキャッシュコントローラECC131によってエッジキャッシュサーバECS132のセットのリソースを管理し、対応してブレークアウト機能構成を管理するためのアルゴリズムを表す。このプロセスは、いつでも定期的に実行され、エッジキャッシュコントローラのECC131またはそれに関連付けられて接続された任意のエンティティによって実装される。
【0056】
ステップ401において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、その制御下にあるエッジキャッシュサーバECC132の可用性(通常、CPUまたは処理リソース、および/またはストレージまたはメモリリソース、および/またはネットワーク帯域幅リソースなどの使用済みリソースのパーセンテージでの負荷レベル)をチェックする(各エッジキャッシュサーバは1つのエッジキャッシュコントローラECC131に関連付けられ、各エッジキャッシュコントローラECC131は少なくとも1つのエッジキャッシュサーバECS132を監督する)。
【0057】
エッジキャッシュコントローラECC131は、1つのエッジキャッシュサーバECS132を選択し、選択されたエッジキャッシュサーバECS132の可用性をチェックする。当該エッジキャッシュコントローラECC131は、ユニキャストアドレス指定を使用して、選択されたエッジキャッシュサーバECS132に接続し、選択されたエッジキャッシュサーバECS132がオーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末T150に配信することができるかどうかを判定する。例えば、選択されたエッジキャッシュサーバECS132は、過負荷のため、またはオーディオおよび/またはビデオコンテンツをキャッシュするためのリソースが不十分であるために、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信することができない場合がある。
【0058】
ステップ402において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、選択されたエッジキャッシュサーバECS132がより多くのセッションを受け入れるのに十分なリソースを有するかどうかを判定する。選択されたエッジキャッシュサーバECS132が、より多くのセッションを受け入れるのに十分なリソースを有する場合、ステップ403が実行され、そうでない場合、ステップ405が実行される。
【0059】
選択されたエッジキャッシュサーバECS132がそれ以上のセッションを受け入れることができない場合、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、ステップ405で、新しいセッションをそこにルーティングしないため、選択されたエッジキャッシュサーバECS132が接続されている集約ノード130のブレークアウト機能を構成する。換言すれば、進行中のセッションは、選択されたエッジキャッシュサーバECS132によって引き続き処理されることが受け入れられるが、新しいセッションは受け入れられない。これは、ブレークアウト機能のプログラミングインターフェースに依存する、ブレークアウト機能の適切なフィルタリング構成の問題である。例えば、ブレークアウト機能は、当該エッジキャッシュサーバECS132に向けて新しいセッションをルーティングする必要がないことを指示することを可能にするプログラミングインターフェース機能をエクスポートすることができる。特定のセッションのパケットは、例えば、一方では送信元アドレス:ポート番号、他方では宛先アドレス:ポート番号によって形成される、4つ組によって、上記パケットのルーティングヘッダに含まれて検出される。したがって、モバイル端末T150によって新しいセッションのためにエッジキャッシュサーバECS132に関連付けられたエニーキャストアドレス指定に後で送信されたパケットは、対応するブレークアウト機能に到達したときに、ブレークアウト機能によって選択されたエッジキャッシュサーバECS132に出力されず、パケットはモバイルネットワークインフラストラクチャのアップストリーム経路をたどる。
【0060】
ステップ406において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、リソースの不足を軽減するために、監視下のその領域で新しいエッジキャッシュサーバECS132を場合によってはアクティブ化するか、または展開/インスタンス化する(クラウドレットの場合)ことを決定し得る。換言すれば、エッジキャッシュコントローラECC131は、その制御下にあるエッジキャッシュサーバECS132のセット内のエッジキャッシュサーバECS132の数を増加させる。
【0061】
ステップ407で、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、その監視下にあるエッジキャッシュサーバECS132のいずれも、新しいセッションを受け入れるためのリソースをこれ以上有していないかどうかをチェックする。利用可能なエッジキャッシュサーバECS132がなくなり、その結果、新しいセッションの処理にこれ以上リソースを割り当てることができない場合、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、ステップ408で、新しいセッションに関連する要求をこれ以上受信しないように、セッションに関連するブレークアウト機能を構成する。次いで、新しいセッションは、別のエッジキャッシュコントローラECC131アップストリームまたは中央コントローラCC111によって処理される(そうでない場合、新しいセッションは処理されない)。ステップ407において、少なくとも1つの他のエッジキャッシュサーバECS132が利用可能である場合、ステップ401が繰り返される。
【0062】
選択されたエッジキャッシュサーバECS132が、より多くのセッションを受け入れるのに十分なリソースを有する場合(ステップ402を参照)、ステップ403において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、将来の新しいセッションのパケットを選択されたエッジキャッシュサーバECS132にルーティングするために、選択されたエッジキャッシュサーバECS132に接続された集約ノード130のブレークアウト機能を、場合によっては構成し直す(選択したエッジキャッシュサーバECS132が以前に過負荷であり、それに対応するブレーク機能が、新しいセッションのパケットを選択されたエッジキャッシュサーバECS132にルーティングしないように構成されている場合)。
【0063】
また、ステップ404において、エッジキャッシュコントローラECC131は、例えば、利用可能なリソースが多すぎる(不必要なエネルギー消費を引き起こす)ために、選択されたエッジキャッシュサーバECS132を非アクティブ化またはシャットダウン/除去することを場合によっては決定し得る。その場合、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、選択されたエッジキャッシュサーバECS132に接続されている集約ノードのブレークアウト機能を構成し、将来の新しいセッションのパケットを上記選択されたキャッシュサーバECS132にルーティングしないようにする。さらに、選択されたキャッシュサーバECS132によって管理されるすべての既存のセッションが終了すると、選択されたエッジキャッシュサーバECS132は非アクティブ化またはシャットダウン/アンインストールされる(クラウドレットの場合)。次いで、ステップ401が繰り返される。
【0064】
図5は、モバイル端末T150がエッジキャッシュサーバECS132に向けてリダイレクトされた後に、マニフェストファイルを取得するための要求MF_REQに応答するためのアルゴリズムを概略的に表す。したがって、要求MF_REQは、エッジキャッシュサーバ132のエニーキャストアドレス指定を使用する。
【0065】
ステップ701において、問題のエッジキャッシュサーバECS132は、モバイル端末T150であるリクエスタから要求MF_REQを受信する。例えば、要求MF_REQは、HTTPGet要求である。ステップ701で受信された要求MF_REQは、結果として、
図3に関して既に説明したように、エッジキャッシュコントローラECC131からリダイレクトとして送信される。
【0066】
ステップ702において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求MF_REQが関連するセッション識別子を検索する。セッション識別子は、要求MF_REQに、例えばURLのクエリ文字列として、または要求MF_REQが関連するマニフェストファイルを取得するために、モバイル端末T150をリダイレクトしたエッジキャッシュコントローラECC131との以前の交換中に当該モバイル端末T150によって記憶されたクッキーに含まれる。
【0067】
ステップ703で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子のユニキャストアドレス指定によって識別されるエッジキャッシュコントローラECC131(または中央コントローラCC111)に要求CTXT_REQを送信する。要求CTXT_REQは、要求MF_REQが関連するセッションに適用可能なコンテキスト情報を応答として取得することを目的としている。そうするために、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子に存在するユニキャストアドレス指定を使用する。
【0068】
ステップ704において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、応答として、要求されたコンテキストを受信する(
図7を参照)。
【0069】
ステップ705において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132が、要求されたマニフェストファイルに関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信することを許可されているかどうかをチェックする。特に、エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132によってオリジンサーバからオーディオおよび/またはビデオコンテンツをキャッシュすることができるかどうかをチェックする(例えば、当該エッジキャッシュサーバECS132が位置される領域におけるオーディオおよび/またはビデオコンテンツの利用可能性)。当該エッジキャッシュサーバECS132が、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信し、新しいセッションを受け入れることを許可されると、ステップ708が実行されるが、そうでない場合、ステップ706が実行される。
【0070】
ステップ706において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、エッジキャッシュコントローラECC131(セッション識別子におけるそのユニキャストアドレス指定によって識別される)に、上記エッジキャッシュサーバECS132が、当該セッションが関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信するのを許可されていないことを通知する。そうするために、当該エッジキャッシュサーバECS132は、メッセージNOT_AUTHORIZEDを当該エッジキャッシュコントローラECC131に送信する。
【0071】
ステップ707で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求MF_REQにエラーコードで応答する。したがって、当該モバイル端末T150は、例えば、当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに関する地域配信制限のために、要求されたオーディオおよび/またはビデオコンテンツを受信することを許可されていない。次いで、
図5のアルゴリズムは終了する。
【0072】
ステップ708において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、受信したコンテキストを記憶し、次いでそれを使用してセッションを処理し、要求MF_REQが関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末T150に配信する。コンテキストは、当該モバイル端末T150がオーディオおよび/またはビデオコンテンツを取得することを許可されているかどうかを規定する情報を少なくとも含む。コンテキストは、当該エッジキャッシュサーバECS132でセッションが開始されたことを示す情報をさらに含む。この後者の情報は、エッジキャッシュコントローラECC131によって、または当該エッジキャッシュサーバECS132によってコンテキストに挿入され得る。
【0073】
ステップ709において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求MF_REQが関連するマニフェストファイルをキャッシュ内で、または中央コンテンツサーバCCS112から検索し、かつステップ701で受信された要求MF_REQに応答してメッセージMF_RSPにて検索されたマニフェストファイルを送信する。
【0074】
図6は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するための要求C_REQに応答するためのアルゴリズムを概略的に表す。したがって、要求C_REQは、エッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレス指定を使用するが、これは、このエニーキャストアドレス指定が、当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツのマニフェストファイルを取得するために以前に使用されたためである。
【0075】
ステップ801において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、モバイル端末T150である、リクエスタから要求C_REQを受信する。例えば、要求C_REQは、HTTPGet要求である。
【0076】
ステップ802において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求MF_REQが関連するセッション識別子を検索する。セッション識別子は、例えば、エッジキャッシュサーバECS132のエニーキャストアドレス指定を使用するURLのクエリ文字列として、または既に説明したように、当該モバイル端末T150によって記憶されるクッキーにて、要求C_REQに含まれる。
【0077】
ステップ803において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132が検索されたセッション識別子を既知であるか否かをチェックする。換言すれば、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子および対応するセッションコンテキストがエッジキャッシュサーバECS132のメモリに記憶されているかどうかをチェックする。検索されたセッション識別子が既知である場合、ステップ810が実行され、そうでない場合、ステップ804が実行される。
【0078】
当該エッジキャッシュサーバECS132にとってセッション識別子が不明な場合、それは、モバイル端末T150がモバイルネットワークインフラストラクチャでハンドオーバを被り、したがって、要求C_REQで使用されるエニーキャストアドレス指定が、以前のセッションよりも別のエッジキャッシュサーバECS132を指していることを意味する。次に、ステップ804において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132が、要求C_REQに関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信することを許可されているかどうかをチェックする。特に、エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132によってオリジンサーバからオーディオおよび/またはビデオコンテンツをキャッシュすることができるかどうかをチェックする(例えば、当該エッジキャッシュサーバECS132が位置される領域におけるオーディオおよび/またはビデオコンテンツの利用可能性)。当該エッジキャッシュサーバECS132が、オーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信し、対応するセッションを受け入れることを許可されると、ステップ807が実行され、そうでない場合、ステップ805が実行される。
【0079】
ステップ805において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子におけるそのユニキャストアドレス指定によって識別されるエッジキャッシュコントローラECC131(または中央コントローラCC111)に、上記エッジキャッシュサーバECS132が、当該セッションが関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツを配信することを許可されていないことを通知する。そうするために、当該エッジキャッシュサーバECS132は、メッセージNOT_AUTHORIZEDを当該エッジキャッシュコントローラECC131に送信する。したがって、当該モバイル端末T150は、例えば、当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに関する地域配信制限のために、要求されたオーディオおよび/またはビデオコンテンツを受信することを許可されていない。
【0080】
ステップ806で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求C_REQにエラーコードで応答する。次いで、
図8のアルゴリズムは終了する。
【0081】
ステップ807で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子のユニキャストアドレス指定によって識別されるエッジキャッシュコントローラECC131(または中央コントローラCC111)に要求CTXT_REQを送信する。そうするために、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッション識別子に存在するユニキャストアドレス指定を使用する。
【0082】
ステップ808において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、応答として、要求されたコンテキストを受信する(
図7を参照)。
【0083】
ステップ809において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、受信したコンテキストを記憶し、次いでそれを使用してセッションを処理し、要求C_REQが関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツをモバイル端末T150に配信する。次に、ステップ810が実行される。
【0084】
ステップ810において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求C_REQが関係するセッションに関連するコンテキストを分析する。特定の実施形態において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、コンテキストに記憶された統計から、好ましくはセッションにおいてモバイル端末T150によって選択される適応ビットレートの品質に関連する情報を検索して、当該エッジキャッシュサーバECS132を支援し、当該モバイル端末T150にサービスを提供する方法を知る。特に、コンテキストは、当該エッジキャッシュサーバECS132が、当該モバイル端末T150がサービスを受けることを効果的に許可されているかどうか、ならびに当該モバイル端末T150がオーディオおよび/またはビデオコンテンツのためにサービスを受けることを効果的に許可されているかどうかを知ることを可能にする。加えて、コンテキスト情報を使用して、最後に提供された品質、当該モバイル端末T150が1つのサーバにどのくらいの期間接続されているかなど、モバイル端末T150の動作を予測することができる。
【0085】
ステップ811で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、要求C_REQによって要求されたように、当該セッションが関連するオーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを、例えば、キャッシュから検索する。
【0086】
ステップ812において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、ステップ801において受信された要求C_REQに応答して、メッセージC_RSPにおいて検索された少なくとも1つのセグメントを送信する。
【0087】
図7は、セッションに関連付けられたコンテキストを取得するための要求CTXT_REQを処理するためのアルゴリズムを概略的に表す。
図7のアルゴリズムは、エッジキャッシュコントローラECC131または中央コントローラCC111によって実施される。
図7のアルゴリズムがエッジキャッシュコントローラECC131によって実施されることを例示的に検討する。要求CTXT_REQは、不明なセッション、すなわち当該エッジキャッシュサーバECS132によって処理中でなかったセッションを要求されたときに、エッジキャッシュサーバECS132によって送信される。この状況は、上記エッジキャッシュサーバECS132が要求MF_REQを受信したために発生する。この態様は、
図5に関して上述した。この状況はまた、上記エッジキャッシュサーバECS132で開始され、エッジキャッシュサーバECS132によって処理されていないセッションと比較して、オーディオおよび/またはビデオコンテンツの少なくとも1つのセグメントを取得するための要求C_REQをエッジキャッシュサーバECS132がちょうど受信したために発生する。この態様は、
図6に関して上述した。
【0088】
ステップ601において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、エッジキャッシュサーバECS132から要求CTXT_REQを受信する。要求CTXT_REQには、コンテキストが要求されているセッションを識別するセッション識別子が含まれている。要求CTXT_REQは、セッション識別子に含まれるように、当該エッジキャッシュコントローラECC131に関連するユニキャストアドレス指定を使用して、当該エッジキャッシュコントローラECC131にアドレス指定されている。
【0089】
ステップ602において、エッジキャッシュコントローラECC131は、必要に応じてコンテキストを更新し、好ましくはセッションが当該エッジキャッシュサーバECS132によって管理/サポートされていることを示す。
【0090】
ステップ603において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、要求されたコンテキストを送信する。ユニキャストアドレス指定は、要求CTXT_REQに応答して、右エッジキャッシュサーバECS132が要求されたコンテキストを確実に受け取るようにするためにも使用される。
【0091】
図8は、オーディオおよび/ビデオコンテンツ配信セッションを終了するためのアルゴリズムを概略的に表す。
図8のアルゴリズムは、(セッション識別子で参照されるように)セッションが開始されたエッジキャッシュコントローラECC131によって、またはセッションのコンテキストの集中管理が実施される場合には中央コントローラCC111によって実施される。
図8のアルゴリズムが、セッションが開始されたエッジキャッシュコントローラECC131によって実施されることを例示的に検討する。
【0092】
ステップ901において、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、エッジキャッシュサーバECS132から(または中央コンテンツサーバCCS112から)、当該セッションが中断されたことを示す情報を受信する。詳細は、
図9に関して以下に提供される。所定の時間枠内に別のエッジキャッシュサーバECS132から要求CTXT_REQを受信せずにセッションが中断されたことをエッジキャッシュサーバECS132から通知されると、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、当該セッションが終了したことを知る。
【0093】
ステップ902で、セッションが終了したので、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、セッションに関連するコンテキストを無効化する。その結果、エッジキャッシュコントローラECC131は、当該コンテキストに含まれる、終了したセッションに関連する分析データを分析サーバAS113に送信することができる。変形例において、分析データは、
図9に関して以下に示すように、終了したセッションで示唆されている各エッジキャッシュサーバECS132によって分析サーバに送信される。
【0094】
次に、任意選択的なステップ903で、当該エッジキャッシュコントローラECC131は、当該セッションが終了したことを、セッションに関与した各エッジキャッシュサーバECS132に通知する。エッジキャッシュコントローラECC131は、当該セッションのコンテキストを無効化する前に当該セッションの上記コンテキストを解析することにより、当該セッションで示唆されている各エッジキャッシュサーバECS132に関する情報を検索する。
【0095】
図9は、オーディオおよび/ビデオコンテンツ配信セッションの中断を処理するためのアルゴリズムを概略的に表す。
図9のアルゴリズムは、セッションが進行中のエッジキャッシュサーバECS132によって実施される。
【0096】
ステップ1001において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、セッションの中断を検出する。中断は、セッションが適用されるモバイル端末T150によるオーディオおよび/またはビデオコンテンツの再生の終了によるものか、または中断は、別のエッジキャッシュサーバECS132へのハンドオーバによるものである。
【0097】
特定の実施形態において、中断は、当該モバイル端末T150からセッション切断を明示的に通知するメッセージを受信することによって検出される。
【0098】
別の特定の実施形態において、中断は、当該モバイル端末T150との最後の交換から所定の期間が満了することによって検出される。
【0099】
さらに別の特定の実施形態において、中断は、オーディオおよび/またはビデオコンテンツの最後のセグメントが当該モバイル端末T150に送信されたことを検出することによって検出される。
【0100】
ステップ1002で、当該エッジキャッシュサーバECS132は、ユニキャストアドレス指定によって、セッションが開始されたエッジキャッシュコントローラECC131に(セッション識別子で参照されるように)、またはセッションのコンテキストの集中管理が実行されたときには中央コントローラCC111に、セッションが中断されたことを通知する。既に述べたように、ユニキャストアドレス指定は、コンテキストに関連付けられたセッション識別子に含まれている。当該エッジキャッシュサーバECS132は、エッジキャッシュコントローラECC131が更新された分析データを分析サーバAS113に提供することを可能にするように、この機会にセッションのコンテキストを更新する分析データを送信する。好ましくは、分析データは、当該エッジキャッシュサーバECS132によってセッションにおいて当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに対して提供された最新の品質に関する情報、セッションが当該エッジキャッシュサーバECS132とどのくらいの持続時間を有するかに関する情報、当該エッジキャッシュサーバECS132による、セッション内の当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツの品質間の切り替え量、当該エッジキャッシュサーバECS132がセッションで当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツの各品質に費やした時間、当該エッジキャッシュサーバECS132によってセッションで当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに提供される平均品質、当該エッジキャッシュサーバECS132によって、セッションで当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに提供される最低品質、および当該エッジキャッシュサーバECS132によって、セッションで当該オーディオおよび/またはビデオコンテンツに提供される最大品質に関する情報を含む。変形例において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、分析データを分析サーバAS113にさらに送信する。
【0101】
ステップ1003において、当該エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュサーバECS132によってセッションがサポートされなくなったため(終了またはハンドオーバのいずれかにより)、セッションに関連付けられたコンテキストを削除する。中断がハンドオーバによるものであると、当該エッジキャッシュサーバECS132が、セッション中に当該モバイル端末T150の別のハンドオーバにより、セッションをサポートするために後で再び要請されると、当該エッジキャッシュサーバECS132は、当該エッジキャッシュコントローラECC131に、(または、セッションのコンテキストの集中管理が実装されている場合は、中央コントローラCC111に)更新されたコンテキストを要求し得る。
【国際調査報告】