IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カナリー メディカル スウィッツァーランド アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2023-514720骨組織内に植え込むための医療器具及び骨折部の特徴づけ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】骨組織内に植え込むための医療器具及び骨折部の特徴づけ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20230331BHJP
   A61B 17/88 20060101ALI20230331BHJP
   A61F 2/30 20060101ALI20230331BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A61B17/58
A61B17/88
A61F2/30
A61B5/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550150
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 US2021018892
(87)【国際公開番号】W WO2021168337
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/979,349
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/120,158
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522327463
【氏名又は名称】カナリー メディカル スウィッツァーランド アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アドラー マーク エイ
(72)【発明者】
【氏名】カザレス スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シャルルボワ ポール
(72)【発明者】
【氏名】グロス ジェフリー エム
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ ジョシュア ベン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューム ポール アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ ルーク アーロン
(72)【発明者】
【氏名】グエン トウェン
(72)【発明者】
【氏名】パーク ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップセン アーロン オラファー ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】シラー ピーター ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティーノ ディエゴ アリエル
【テーマコード(参考)】
4C097
4C117
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA03
4C117XB01
4C117XC21
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE37
4C117XH12
4C160LL24
4C160LL26
4C160LL28
4C160LL42
4C160LL62
(57)【要約】
スマート医療器具が体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された構造体、及びこの構造体を体内に植え込んだ後に構造体中に挿入されるよう構成されたエレクトロニクスカートリッジを有する。構造体は、骨折治療の際に用いられる套管状スクリューであるのが良い。医療器具は、骨折の治癒状態をモニタリングするとともに報告するインピーダンスセンサを有する。このセンサは、エレクトロニクスカートリッジの部品及び套管状スクリューか挿入可能なエレクトロニクスカートリッジかのいずれかと関連した電極を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具であって、
少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを備えかつ体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された構造体と、
エレクトロニクスを含みかつ前記構造体の植え込み後に前記ルーメン中に挿入されるよう構成されたエレクトロニクスカートリッジと、を有する、医療器具。
【請求項2】
組織の電気的性質を測定するセンサをさらに有し、前記センサは
複数の電極と、
前記エレクトロニクスカートリッジの検出モジュールと、を有し、前記検出モジュールは、前記複数の電極に結合されている、請求項1記載の医療器具。
【請求項3】
前記複数の電極は、第1の電極及び第2の電極を含み、
前記検出モジュールは、前記第1の電極及び前記第2の電極が信号を前記電極全体に印加する印加モードか、前記電極相互間のインピーダンスを検出する検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、請求項2記載の医療器具。
【請求項4】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項3記載の医療器具。
【請求項5】
前記センサは、電極スイッチをさらに有し、
前記複数の電極は、前記電極スイッチを介して前記検出モジュールに切り替え可能に結合されている第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を含み、
前記検出モジュールは、信号を前記第1の電極及び前記第2の電極に印加する印加モードを実行可能にするとともに、前記第3の電極と前記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、請求項2記載の医療器具。
【請求項6】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項5記載の医療器具。
【請求項7】
前記組織の電気的性質は、インピーダンス測定値を含み、前記医療器具は、骨折部の特徴づけを確定するためにインピーダンス測定値を経時的に処理するよう構成されたコントローラをさらに有し、前記特徴づけは、前記骨折の治癒状態に対応している、請求項2記載の医療器具。
【請求項8】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項7記載の医療器具。
【請求項9】
前記複数の電極は、前記構造体と関連し、かつ、骨折部の互いに反対側への第1の電極及び第2の電極の配置を可能にするよう互いに間隔を置いて配置され、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、前記複数の電極に電気的に結合するよう配置された複数の電気接点を有する、請求項2記載の医療器具。
【請求項10】
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジと関連し、かつ、骨折部の互いに反対側への第1の電極及び第2の電極の配置を可能にするよう互いに間隔を置いて配置される、請求項2記載の医療器具。
【請求項11】
前記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、前記少なくとも1つの孔と整列するよう前記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされている、請求項10記載の医療器具。
【請求項12】
前記構造体は、遠位端開口部及び近位端開口部を有し、
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されたときに、前記遠位端開口部に隣接して位置するよう前記エレクトロニクスカートリッジ上に配置された第1の電極及び前記近位端開口に隣接して位置するよう前記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた第2の電極を有する、請求項10記載の医療器具。
【請求項13】
前記構造体は、遠位端開口部を有し、
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、各々が前記構造体の前記遠位端開口部の遠位側に配置されるよう前記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた第1の電極及び第2の電極を含む、請求項10記載の医療機器。
【請求項14】
前記ルーメンは、前記構造体の植え込み中、インプラントツールを受け入れるよう構成されている、請求項1記載の医療器具。
【請求項15】
前記構造体は、前記インプラントツールに加えられたトルクの前記構造体への伝達を可能にするよう、前記インプラントツールの一部を受け入れるよう構成されている前記ルーメンのヘッド部分を構成する窪みポケットを備えたヘッドを有する、請求項14記載の医療器具。
【請求項16】
前記構造体は、骨内に植え込まれるよう構成されている、請求項1記載の医療器具。
【請求項17】
前記構造体は、前記骨の骨折部をブリッジするよう植え込まれるよう構成されている、請求項16記載の医療器具。
【請求項18】
前記構造体は、前記骨の骨折部をブリッジするプレートに設けられた穴を通って植え込まれるよう構成されている、請求項16記載の医療器具。
【請求項19】
前記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項1記載の医療器具。
【請求項20】
前記構造体は、外径が4ミリメートル以上の範囲にあるシャフトを有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項21】
前記ルーメンは、前記エレクトロニクスカートリッジの少なくとも一部を受け入れるよう寸法決めされている直径を備えたシャフト部分を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項22】
前記エレクトロニクスカートリッジ及び前記ルーメンの各々は、ほぼ同一であるそれぞれの形状因子を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項23】
前記エレクトロニクスカートリッジ及び前記ルーメンのそれぞれの前記形状因子は、ヘッド部分及びシャフト部分を含み、前記ヘッド部分は、前記シャフト部分よりも大きな直径を有する、請求項22記載の医療器具。
【請求項24】
前記構造体及び前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン内にしっかりと固定することができる機械的特徴を含む、請求項1記載の医療器具。
【請求項25】
前記機械的特徴は、前記エレクトロニクスカートリッジのヘッドと前記構造体の前記ルーメンのヘッド部分との形状因子の差、前記エレクトロニクスカートリッジと関連した突出部と前記構造体の前記ルーメンと関連した凹部、及び接着剤を受け入れる前記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと前記接着剤に係合する前記構造体の内壁と関連したインターロック特徴のうちの1つから成る、請求項24記載の医療器具。
【請求項26】
前記構造体及び前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジか前記構造体かのいずれかの構造的健全性を損傷させないで、前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメンから取り出すことができる機械的特徴を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項27】
前記機械的特徴は、相補形ねじ山から成る、請求項26記載の医療器具。
【請求項28】
前記エレクトロニクスカートリッジは、ヘッド及びシャフトを有し、前記エレクトロニクスの少なくとも一部は、前記ヘッド内に配置されたエレクトロニクス組立体に含まれている、請求項1記載の医療器具。
【請求項29】
前記エレクトロニクスカートリッジは、ヘッド及びシャフトを有し、前記エレクトロニクスの少なくとも一部は、前記シャフト内に配置されたエレクトロニクス組立体に含まれている、請求項1記載の医療器具。
【請求項30】
前記構造体は、外面を有し、1つ以上の電極が前記外面のところに位置し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、外面及び前記外面のところに設けられていて前記エレクトロニクスカートリッジが前記ルーメン中に挿入されると前記1つ以上の電極に電気的に結合するように構成された1つ以上の電気接点を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項31】
前記構造体は、導電性のサブストレートを有し、前記1つ以上の電極は、前記導電性サブストレートの側壁と関連する導電材料に対応し、前記1つ以上の電極は、絶縁材料によって前記導電性サブストレートから電気的に絶縁されている、請求項30記載の医療器具。
【請求項32】
前記1つ以上の電極のためのフィードスルーをさらに有し、前記フィードスルーは、前記導電性サブストレートの前記側壁を貫通して延び、かつ前記1つ以上の電極と前記構造体の内部との電気的結合部を提供する、請求項31記載の医療器具。
【請求項33】
前記構造体は、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された導電性サブストレートを有し、前記1つ以上の電極は、
前記絶縁材料で被覆されていない前記導電性サブストレートの領域、及び
前記絶縁材料の上に位置する導電材料のうちの1つ以上に対応している、請求項30記載の医療器具。
【請求項34】
前記構造体はサブストレートを有し、前記1つ以上の電極は、前記サブストレート上の導電材料に対応している、請求項30記載の医療器具。
【請求項35】
前記サブストレートは、非導電材料で作られている、請求項34記載の医療器具。
【請求項36】
前記サブストレートは、導電材料で作られ、
前記1つ以上の電極は、絶縁材料の上に位置する導電材料に対応している、請求項34記載の医療器具。
【請求項37】
前記構造体は、近位端及び遠位端を有し、前記1つ以上の電極は、前記遠位端の近くに位置する遠位電極、前記近位端の近くに位置する近位電極、前記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、前記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び前記近位端と前記遠位端との間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、請求項30記載医療器具。
【請求項38】
前記1つ以上の電極は、互いにかつ前記構造体から電気的に絶縁されている、請求項30記載の医療器具。
【請求項39】
前記構造体は、側壁を貫通した1つ以上の孔を有し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、前記1つ以上の孔と整列するよう位置決めされた1つ以上の電極を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項40】
前記構造体及び前記エレクトロニクスカートリッジの各々は、前記エレクトロニクスカートリッジが前記ルーメン中に挿入されると、前記1つ以上の電極の各々を前記1つ以上の孔のうちの対応の1つに整列させるよう構成されている、請求項39記載の医療器具。
【請求項41】
前記エレクトロニクスカートリッジは、近位端及び遠位端を有し、前記1つ以上の電極は、前記遠位端の近くに位置する遠位電極、前記近位端の近くに位置する近位電極、前記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、前記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び前記近位端と前記遠位端の間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、請求項39記載の医療器具。
【請求項42】
前記1つ以上の電極は、互いに電気的に絶縁されている、請求項39記載の医療器具。
【請求項43】
前記1つ以上の孔は、スロットに対応し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジの表面から外方に延び、前記スロット中に嵌まる形状因子を有し、かつ前記1つ以上の電極を含む電極組立体を有する、請求項39記載の医療器具。
【請求項44】
前記電極組立体は、前記電極組立体の外面が前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面と実質的に同一平面上にある圧縮状態と、前記電極組立体の前記外面が前記スロットを貫通するよう前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面に対して上に位置する拡張状態との間で前記エレクトロニクスカートリッジが移行することができるよう前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面に対して付勢されている、請求項43記載の医療器具。
【請求項45】
前記電極は、前記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと関連し、前記電極は、前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、孔と連通関係にある空の空間が前記電極表面と前記構造体の内壁との間に形成されるよう前記シャフトの表面に対して凹んだ電極表面を含む、請求項39記載の医療器具。
【請求項46】
前記構造体は、遠位端開口部及び近位端開口部を有し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、前記遠位端開口部に隣接して位置するよう位置決めされる第1の電極及び前記近位端開口に隣接して位置するよう位置決めされる第2の電極を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項47】
前記構造体は、遠位端開口部を有し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると、前記遠位端開口部の遠位側に配置されるよう前記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた複数の電極を有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項48】
前記エレクトロニクスは、アンテナを含む、請求項1記載の医療器具。
【請求項49】
前記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、前記近位端のところに設けられたヘッド、及び前記ヘッドから前記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
前記アンテナは、前記シャフトと関連している、請求項48記載の医療器具。
【請求項50】
前記アンテナは、前記シャフトの長さに沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、請求項49記載の医療器具。
【請求項51】
前記アンテナは、前記シャフト周りに螺旋パターンをなして延びる、請求項50記載の医療器具。
【請求項52】
前記アンテナは、前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されたときに前記構造体との接触を回避するよう前記シャフトの外面から電気的に絶縁されている、請求項51記載の医療器具。
【請求項53】
前記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、前記近位端のところに設けられたヘッド、及び前記ヘッドから前記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
前記アンテナは、前記ヘッドと関連している、請求項48記載の医療器具。
【請求項54】
前記アンテナは、前記ヘッドのベースと平行な平面に沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、請求項53記載の医療器具。
【請求項55】
前記エレクトロニクスは、1つ以上の電源を含む、請求項1記載の医療器具。
【請求項56】
前記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、前記近位端のところに設けられたヘッド、及び前記ヘッドから前記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
前記1つ以上の電源は、前記シャフトと関連している、請求項55記載の医療器具。
【請求項57】
前記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、前記近位端のところに設けられたヘッド、及び前記ヘッドから前記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
前記1つ以上の電源は、前記ヘッドと関連している、請求項55記載の医療器具。
【請求項58】
前記1つ以上の電源は、バッテリ及びキャパシタのうちの1つ以上を含む、請求項55記載の医療器具。
【請求項59】
前記1つ以上の電源は、静電エネルギー、ワイヤレスエネルギー伝達、電気機械変換、電気磁気変換、及びIR放射線のうちの1つによってエネルギーを取り出すよう構成されたエネルギー取り出し装置を含む、請求項55記載の医療器具。
【請求項60】
前記エレクトロニクスは、前記医療器具と、前記体内に植え込まれるか体外に位置するかのいずれかの別の器具との通信を可能にする1つ以上の通信コンポーネントを含む、請求項1記載の医療器具。
【請求項61】
前記1つ以上の通信コンポーネントは、
アンテナ、及び
前記アンテナに結合され、かつRF信号を送受するよう構成された無線周波(RF)トランシーバを含む、請求項60記載の医療器具。
【請求項62】
前記1つ以上の通信構成要素は、
前記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された送信機、及び
前記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された受信機を含む、請求項60記載の医療器具。
【請求項63】
前記1つ以上の通信コンポーネントは、
前記医療器具と前記他の器具との容量性結合を可能にすること、又は
前記医療器具と前記他の器具とのガルバニック結合を可能にすることの少なくとも一方を行うよう構成されている、請求項60記載の医療器具。
【請求項64】
前記エレクトロニクスは、1つ以上のセンサを含む、請求項1記載の医療器具。
【請求項65】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体の運動に対応した信号を出力するよう構成された加速度計を含む、請求項64記載の医療器具。
【請求項66】
前記加速度計は、一次元加速度計及び三次元加速度計のうちの一方から成る、請求項65記載の医療器具。
【請求項67】
前記エレクトロニクスは、前記信号を受け取るよう前記加速度計に結合され、かつ前記信号を処理して患者の活動度、前記構造体の健全性、及びインプラント場所に対する前記構造体の運動のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項65記載の医療器具。
【請求項68】
前記1つ以上のセンサは、前記インプラント場所での前記構造体の温度に対応した信号を出力するよう構成されている温度センサを含む、請求項64記載の医療器具。
【請求項69】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体と関連した動作、力、張力、速度、又は他の機械的力に対応した信号を出力するよう構成されたひずみセンサを含む、請求項64記載の医療器具。
【請求項70】
前記エレクトロニクスは、前記ひずみセンサからの信号を経時的に受け取るよう前記ひずみセンサに結合され、かつ前記信号を処理して骨折部の特徴づけを提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、請求項69記載の医療器具。
【請求項71】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体の一区域内で検出された超音波エネルギーに対応する信号を出力するよう構成されている超音波トランスデューサを含む、請求項64記載の医療器具。
【請求項72】
前記エレクトロニクスは、前記超音波トランスデューサからの信号を受け取るよう前記超音波トランスデューサに結合され、かつ前記信号を処理して骨折部の特徴づけ、前記構造体の前記区域内の組織の特徴づけ、治癒区域グルコースのうちの1つ以上を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項71記載の医療器具。
【請求項73】
前記1つ以上のセンサは、グルコースレベル及び酸素レベルのうちの一方にそれぞれ対応した信号を出力するよう構成されたグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上を含む、請求項64記載の医療器具。
【請求項74】
前記エレクトロニクスは、前記信号を受け取るようグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上に結合され、かつ前記信号を処理して前記医療器具の一領域内の炎症流体の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項73記載の医療器具。
【請求項75】
前記エレクトロニクスカートリッジは、化学反応によりインプラント部位のところの気体酸素反応を生じさせる触媒材料を送り出すよう構成された機構体をさらに有する、請求項1記載の医療器具。
【請求項76】
前記機構体は、
前記触媒材料を持続放出型コントローラの制御下でインプラント後に1度以上放出するリザーバ、及び
前記エレクトロニクスカートリッジに施された触媒材料の被膜のうちの1つ以上を含む、請求項75記載の医療器具。
【請求項77】
医療器具であって、
套管状構造体を有し、ルーメンが前記套管状構造体を貫通して延び、複数の電極が前記套管状構造体の外面のところに設けられ、前記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に前記エレクトロニクスと前記複数の電極との1つ以上の電気結合部を実現するよう構成されている、医療器具。
【請求項78】
前記套管状構造体は、シャフトを有し、前記複数の電極は、前記シャフトの長さに沿って間隔を置いて位置した単一の組をなす電極から成る、請求項77記載の医療器具。
【請求項79】
前記套管状構造は、シャフトを有し、前記複数の電極は、前記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第1の組をなす電極、及び前記第1の側から間隔を置いて位置した前記シャフトの第2の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第2の組をなす電極から成る、請求項77記載の医療器具。
【請求項80】
前記套管状構造は、シャフトを有し、前記複数の電極は、前記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び前記第1の側から間隔を置いて位置した前記シャフトの第2の側部に設けられた第2の直線電極から成る、請求項77記載の医療器具。
【請求項81】
前記套管状構造は、
絶縁材料で少なくとも部分的に被覆されている外面を備えた導電性本体と、
前記導電性本体の露出部分に対応した前記複数の電極のうちの第1の電極と、
前記絶縁材料の一部分の上に位置する前記複数の電極のうちの第2の電極と、を有する、請求項77記載の医療器具。
【請求項82】
前記エレクトロニクスカートリッジは、
前記導電性本体の内面に接触し、それにより前記エレクトロニクスと前記第1の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた第1の電気接点と、
前記第2の電極の一部に接触し、それにより前記エレクトロニクスと前記第2の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた第2の電気接点とを有する、請求項81記載の医療器具。
【請求項83】
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記第1の電気接点と前記第2の電気接点との間の絶縁シールをさらに有する、請求項82記載の医療器具。
【請求項84】
前記第2の電極は、絶縁材料で部分的に被覆され、前記第2の電気接点に接触する前記第2の電極の前記部分は、前記第2の電極の非被覆部分に対応している、請求項82記載の医療器具。
【請求項85】
前記第2の電極の前記非被覆部分は、前記套管状構造体の近位端のところに位置した前記ルーメンのヘッド部分内に配置されている、請求項84記載の医療器具。
【請求項86】
前記套管状構造体は、
ヘッド、及び、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された外面を備えた本体を有し、
前記絶縁材料上に設けられた導電材料の第1の部分が、前記複数の電極のうちの第1の電極、前記ヘッドの近くに位置する第1の電気接点、及び前記第1の電極と前記第1の電気接点との間の第1の導電経路を形成し、
前記絶縁材料上に設けられた導電材料の第2の部分が、前記複数の電極のうちの第2の電極、前記ヘッドの近くに位置する第2の電気接点、及び前記第2の電極と前記第2の電気接点との間の第2の導電経路を形成する、請求項77記載の医療器具。
【請求項87】
前記エレクトロニクスカートリッジは、
前記套管状構造体の前記第1の接点に接触し、それにより前記エレクトロニクスと前記第1の電極との間に電気的結合部を実現するよう確立された第1の電気接点、及び
前記套管状構造体の前記第2の接点に接触し、それにより前記エレクトロニクスと前記第2の電極との間に電気的結合部を実現するよう確立された第2の電気接点を有する、請求項86記載の医療器具。
【請求項88】
前記套管状構造は、
前記複数の電極のうちの第1の電極を含む遠位部品と、
前記複数の電極のうちの第2の電極を含む近位部品と、を有する、請求項77記載の医療器具。
【請求項89】
前記遠位部品及び前記近位部品の各々は、絶縁被膜で少なくとも部分的に被覆された外面を備える導電性サブストレートを有する、請求項88記載の医療器具。
【請求項90】
前記遠位部品及び前記近位部品の各々は、前記遠位部品と前記近位部品との機械的結合を可能にする機械的特徴を有する、請求項88記載の医療器具。
【請求項91】
前記套管状構造体及び前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン内にしっかりと固定することができるようにする機械的特徴を有する、請求項77記載の医療器具。
【請求項92】
前記機械的特徴は、エレクトロニクスカートリッジのヘッドと前記套管状構造体の前記ルーメンのヘッド部分との形状因子の差、前記エレクトロニクスカートリッジと関連した突出部と前記套管状構造体の前記ルーメンと関連した凹部、及び接着剤を受け入れる前記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと前記接着剤に係合する前記套管状構造体の内壁と関連したインターロック特徴のうちの1つから成る、請求項91記載の医療器具。
【請求項93】
前記套管状構造体及び前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジか前記套管状構造体かのいずれかの構造的健全性を損傷させないで、前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメンから取り出すことができる機械的特徴を有する、請求項77記載の医療器具。
【請求項94】
前記機械的特徴は、相補形ねじ山から成る、請求項93記載の医療器具。
【請求項95】
医療器具であって、
套管状構造体を有し、ルーメンが前記套管状構造体を貫通して延び、少なくとも1つの孔が前記套管状構造体の側壁を貫通して設けられ、前記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び前記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に前記複数の電極と前記少なくとも1つの孔との整列を提供するよう構成されている、医療器具。
【請求項96】
前記少なくとも1つの孔は、スロットに対応し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスカートリッジの表面から外方に延び、前記スロット中に嵌まる形状因子を有し、かつ前記複数の電極を含む電極組立体を含む、請求項95記載の医療器具。
【請求項97】
前記電極組立体は、前記電極組立体の外面が前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面と実質的に同一平面上にある圧縮状態と、前記電極組立体の前記外面が前記スロットを貫通するよう前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面に対して上に位置する拡張状態との間で前記エレクトロニクスカートリッジが移行することができるよう前記エレクトロニクスカートリッジの前記表面に対して付勢されている、請求項96記載の医療器具。
【請求項98】
前記少なくとも1つの孔は、複数の孔に対応し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、対応の複数の電極を有する、請求項95記載の医療器具。
【請求項99】
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジの表面に対して凹んだリング電極であり、その結果、前記套管状構造体の前記ルーメン中に挿入されると、孔と連通関係にある環状空間が前記電極表面と前記套管状構造体の内壁との間に形成されるようになっている、請求項98記載の医療器具。
【請求項100】
前記複数の電極は、遠位電極及び近位電極を含む、請求項98記載の医療器具。
【請求項101】
前記複数の電極は、遠位電極と近位電極との間でアレイをなして配列された3つ以上の電極を含む、請求項98記載の医療器具。
【請求項102】
医療器具であって、
套管状構造体を有し、前記套管状構造体は、該套管状構造体を貫通したルーメン、ならびに遠位端開口部及び近位端開口部を有し、前記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び前記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に前記複数の電極のうちの第1の電極を前記遠位端開口部のところに位置決めするとともに、前記複数の電極のうちの第2の電極を前記近位端開口部のところに位置決めするよう構成されている、医療器具。
【請求項103】
前記第1の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジの表面に対して凹んだリング電極であり、その結果、前記ルーメン中に挿入されると、前記遠位端開口部と連通関係をなす環状空間が前記第1の電極の表面と前記套管状構造体の内壁との間に形成されるようになっている、請求項102記載の医療器具。
【請求項104】
前記套管状構造体は、外周部を備えたヘッドを有し、前記第2の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジからかつ前記外周部を越えて延びている、請求項102記載の医療器具。
【請求項105】
医療器具であって、
套管状構造体を有し、前記套管状構造体は、該套管状構造体を貫通したルーメン、ならびに遠位端開口部及び近位端開口部を有し、前記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び前記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に前記複数の電極を前記遠位端開口部の遠位側に位置決めするよう構成されている、医療器具。
【請求項106】
前記エレクトロニクスカートリッジは、長さを備えたシャフト、及び、前記長さに沿って互いに異なる剛性を持つ少なくとも2つの部分を有する、請求項105記載の医療器具。
【請求項107】
前記複数の電極は、前記少なくとも2つの部分のうちの剛性の低い方の部分と関連している、請求項106記載の医療器具。
【請求項108】
前記エレクトロニクスは、前記少なくとも2つの部分のうちの剛性の高い方の部分と関連している、請求項106記載の医療器具。
【請求項109】
体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された医療器具であって、前記医療器具は、
各々がヘッド空所及びシャフト空所をそれぞれ備えたヘッド及びシャフトを有する構造体と、
前記ヘッド空所及び前記シャフト空所のうちの1つ以上の中に配置されたエレクトロニクスと、
前記シャフトと関連し、かつ前記エレクトロニクスに電気的に結合された少なくとも1つの電極とを有する、医療器具。
【請求項110】
前記構造体は、シャフトを有し、前記少なくとも1つの電極は、前記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて位置した単一の組をなす電極を含む、請求項109記載の医療器具。
【請求項111】
前記構造体は、シャフトを有し、前記少なくとも1つの電極は、前記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第1の組をなす電極及び前記第1の側部から間隔を置いて位置した前記シャフトの第2の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第2の組をなす電極から成る、請求項109記載の医療器具。
【請求項112】
前記構造体は、シャフトを有し、前記少なくとも1つの電極は、前記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び前記第1の側部から間隔を置いて位置した前記シャフトの第2の側部のところに設けられた第2の直線電極から成る、請求項109記載の医療器具。
【請求項113】
組織の電気的性質を測定するためのセンサをさらに有し、前記センサは、
複数の電極と、
前記複数の電極に結合された検出モジュールと、を有する、請求項109記載の医療器具。
【請求項114】
前記複数の電極は、第1の電極及び第2の電極を含み、
前記検出モジュールは、前記第1の電極及び前記第2の電極が、信号を前記電極全体に印加される印加モードか、前記電極相互間のインピーダンスを検出される検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、請求項113記載の医療器具。
【請求項115】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項114記載の医療器具。
【請求項116】
前記センサは、電極スイッチをさらに有し、
前記複数の電極は、前記電極スイッチを介して前記検出モジュールに切り替え可能に結合されている第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を含み、
前記検出モジュールは、信号を前記第1の電極及び前記第2の電極に印加する印加モモードを実行可能にするとともに、前記第3の電極と前記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、請求項113記載の医療器具。
【請求項117】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項116記載の医療器具。
【請求項118】
前記組織の電気的性質は、インピーダンス測定値を含み、前記医療器具は、骨折部の特徴づけを確定するためにインピーダンス測定値を経時的に処理するよう構成されたコントローラをさらに有し、前記特徴づけは、前記骨折の治癒状態に対応している、請求項113記載の医療器具。
【請求項119】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項118記載の医療器具。
【請求項120】
前記構造体は、骨内に植え込まれるよう構成されている、請求項109記載の医療器具。
【請求項121】
前記構造体は、前記骨の骨折部をブリッジするよう植え込まれるよう構成されている、請求項120記載の医療器具。
【請求項122】
前記構造体は、前記骨の骨折部をブリッジするプレートに設けられた穴を通って植え込まれるよう構成されている、請求項120記載の医療器具。
【請求項123】
前記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項109記載の医療器具。
【請求項124】
前記構造体は、外径が4ミリメートル以上の範囲にあるシャフトを有する、請求項109記載の医療器具。
【請求項125】
前記構造体は、外面及び前記外面のところに設けられていて前記エレクトロニクスに電気的に結合した1つ以上の電極を有する、請求項109記載の医療器具。
【請求項126】
前記構造体は、サブストレートを有し、前記1つ以上の電極は、前記サブストレートの側壁に沿って前記外面から前記エレクトロニクスまで延びる導電性構造体に対応している、請求項125記載の医療器具。
【請求項127】
前記構造体は、サブストレートを有し、前記1つ以上の電極は、前記サブストレートの側壁を貫通して設けられた孔を貫通する導電性構造体に対応している、請求項125記載の医療器具。
【請求項128】
前記導電性構造体は、前記構造体の外面から前記孔の側壁に沿って前記構造体の内面まで延びる導電材料の層を有する、請求項127記載の医療器具。
【請求項129】
前記導電性構造体は、前記孔を貫通した導電性ピンから成る、請求項127記載の医療器具。
【請求項130】
前記導電性ピンは、常態では前記孔から外方に付勢されるポゴ形式ピンである、請求項129記載の医療器具。
【請求項131】
前記導電性構造体は、前記孔を埋める導電材料から成る、請求項129記載の医療器具。
【請求項132】
前記サブストレートは、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された導電材料で作られている、請求項129記載の医療器具。
【請求項133】
前記孔は、絶縁材料で被覆された側壁を有する、請求項132記載の医療器具。
【請求項134】
前記サブストレートは、非導電材料で作られている、請求項129記載の医療器具。
【請求項135】
前記構造体は、近位端及び遠位端を有し、前記1つ以上の電極は、前記遠位端の近くに位置する遠位電極、前記近位端の近くに位置する近位電極、前記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、前記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び前記近位端と前記遠位端の間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、請求項125記載の医療器具。
【請求項136】
前記1つ以上の電極は、互いに電気的に絶縁されている、請求項135記載の医療器具。
【請求項137】
前記エレクトロニクスは、アンテナを含む、請求項109記載の医療器具。
【請求項138】
前記アンテナは、前記構造体の前記シャフトと関連している、請求項137記載の医療器具。
【請求項139】
前記アンテナは、前記シャフトの長さに沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、請求項138記載の医療器具。
【請求項140】
前記アンテナは、前記シャフト周りに螺旋パターンをなして延びる、請求項139記載の医療器具。
【請求項141】
前記アンテナは、前記構造体の前記ヘッドと関連している、請求項138記載の医療器具。
【請求項142】
前記アンテナは、前記ヘッドのベースと平行な平面に沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、請求項141記載の医療器具。
【請求項143】
前記エレクトロニクスは、1つ以上の電源を含む、請求項109記載の医療器具。
【請求項144】
前記1つ以上の電源は、前記構造体の前記シャフトと関連している、請求項143記載の医療器具。
【請求項145】
前記1つ以上の電源は、前記構造体の前記ヘッドと関連している、請求項143記載の医療器具。
【請求項146】
前記1つ以上の電源は、バッテリ及びキャパシタのうちの1つ以上を含む、請求項143記載の医療器具。
【請求項147】
前記1つ以上の電源は、静電エネルギー、ワイヤレスエネルギー伝達、電気機械変換、電気磁気変換、及びIR放射線のうちの1つによってエネルギーを取り出すよう構成されたエネルギー取り出し装置を含む、請求項143記載の医療器具。
【請求項148】
前記エレクトロニクスは、前記医療器具と、前記体内に植え込まれるか体外に位置するかのいずれかの別の器具との通信を可能にする1つ以上の通信コンポーネントを含む、請求項109記載の医療器具。
【請求項149】
前記1つ以上の通信コンポーネントは、
アンテナ、及び
前記アンテナに結合され、かつRF信号を送受するよう構成された無線周波(RF)トランシーバを含む、請求項148記載の医療器具。
【請求項150】
前記1つ以上の通信構成要素は、
前記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された送信機、及び
前記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された受信機を含む、請求項148記載の医療器具。
【請求項151】
前記1つ以上の通信コンポーネントは、
前記医療器具と前記他の器具との容量性結合を可能にすること、又は
前記医療器具と前記他の器具とのガルバニック結合を可能にすることの少なくとも一方を行うよう構成されている、請求項150記載の医療器具。
【請求項152】
前記エレクトロニクスは、1つ以上のセンサを含む、請求項109記載の医療器具。
【請求項153】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体の運動に対応した信号を出力するよう構成された加速度計を含む、請求項152記載の医療器具。
【請求項154】
前記加速度計は、一次元加速度計及び三次元加速度計のうちの一方から成る、請求項153記載の医療器具。
【請求項155】
前記エレクトロニクスは、前記信号を受け取るよう前記加速度計に結合され、かつ前記信号を処理して患者の活動度、前記構造体の健全性、及びインプラント場所に対する前記構造体の運動のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項153記載の医療器具。
【請求項156】
前記1つ以上のセンサは、前記インプラント場所での前記構造体の温度に対応した信号を出力するよう構成されている温度センサを含む、請求項152記載の医療器具。
【請求項157】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体と関連した動作、力、張力、速度、又は他の機械的力に対応した信号を出力するよう構成されたひずみセンサを含む、請求項152記載の医療器具。
【請求項158】
前記エレクトロニクスは、前記ひずみセンサからの信号を経時的に受け取るよう前記ひずみセンサに結合され、かつ前記信号を処理して骨折部の特徴づけを提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、請求項157記載の医療器具。
【請求項159】
前記1つ以上のセンサは、前記構造体の一区域内で検出された超音波エネルギーに対応する信号を出力するよう構成されている超音波トランスデューサを含む、請求項152記載の医療器具。
【請求項160】
前記エレクトロニクスは、前記超音波トランスデューサからの信号を受け取るよう前記超音波トランスデューサに結合され、かつ前記信号を処理して骨折部の特徴づけ、前記構造体の前記区域内の組織の特徴づけ、グルコースレベルのうちの1つ以上を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項159記載の医療器具。
【請求項161】
前記1つ以上のセンサは、グルコースレベル及び酸素レベルのうちの一方にそれぞれ対応した信号を出力するよう構成されたグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上を含む、請求項152記載の医療器具。
【請求項162】
前記エレクトロニクスは、前記信号を受け取るようグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上に結合され、かつ前記信号を処理して前記医療器具の一領域内の炎症流体の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、請求項161記載の医療器具。
【請求項163】
化学反応によりインプラント部位のところの気体酸素反応を生じさせる触媒材料を送り出すよう構成された機構体をさらに有する、請求項109記載の医療器具。
【請求項164】
前記機構体は、
前記触媒材料を持続放出型コントローラの制御下でインプラント後に1度以上放出するリザーバ、及び
前記構造体上に施された触媒材料の被膜のうちの1つ以上を含む、請求項163記載の医療器具。
【請求項165】
医療器具であって、
貫通して延びるルーメン、側壁を貫通して設けられた複数の孔、及び各々が前記複数の孔の各々と関連した複数の電極を備えた套管状構造体を有し前記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記ルーメン内に少なくとも部分的に設けられ、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記エレクトロニクスと前記複数の電極のうちの各々との電気的結合部を実現するよう各々が前記孔の各々と整列する複数の電気接点を有する、医療器具。
【請求項166】
前記套管状構造体は、シャフトを有し、
前記複数の孔は、前記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて位置する単一の組をなす孔から成り、
前記複数の電極は、前記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて配置された単一の組をなす電極から成る、請求項165記載の医療器具。
【請求項167】
前記套管状構造体は、シャフトを有し、
前記複数の孔は、前記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置する第1の組をなす孔、及び前記シャフトの第1の側部から間隔を置いて位置する前記シャフトの第2の側部の長さに沿って間隔を置いて配置された第2の組をなす孔から成り、
前記複数の電極は、前記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて配置された第1の組をなす電極、及び前記第1の側部から間隔を置いて位置する前記シャフトの第2の側部の長さに沿って間隔を置いて配置された第2の組をなす電極から成る、請求項165記載の医療器具。
【請求項168】
前記套管状構造体は、シャフトを有し、
前記複数の孔は、前記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線スロット、及び前記第1の側部から間隔を置いて位置する前記シャフトの第2の側部のところに設けられた第2の直線スロットから成り、
前記複数の電極は、前記シャフトの前記第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び前記第1の側部から間隔を置いて位置する前記シャフトの前記第2の側部のところに設けられた第2の直線電極から成る、請求項165記載の医療器具。
【請求項169】
前記套管状構造体は、外面及び内面を備えたサブストレートを有し、
前記複数の電極は、
前記外面のところに設けられかつ前記複数の孔のうちの第1の孔を通って前記サブストレートの前記内面まで延びるフィードスルーを備えた第1の電極と、
前記外面のところに設けられかつ前記複数の孔のうちの第2の孔を通って前記サブストレートの前記内面まで延びるフィードスルーを備えた第2の電極と、を有する、請求項165記載の医療器具。
【請求項170】
前記サブストレートは、絶縁材料から成る、請求項169記載の医療器具。
【請求項171】
前記サブストレートは、絶縁材料で被覆された導電材料から成る、請求項169記載の医療器具。
【請求項172】
前記エレクトロニクスカートリッジは、
前記サブストレートの前記内面上の前記第1の電極の前記フィードスルーに接触し、それにより前記エレクトロニクスを前記第1の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた前記複数の電気接点のうちの第1の電気接点と、
前記サブストレートの前記内面上の前記第2の電極の前記フィードスルーに接触し、それにより前記エレクトロニクスを前記第2の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた前記複数の電気接点のうちの第2の電気接点とを有する、請求項169記載の医療器具。
【請求項173】
前記複数の電極は、
前記複数の孔のうちの第1の孔を貫通した第1の導電性構造体と、
前記複数の孔のうちの第2の孔を貫通して前記本体の内面まで延びる第2の導電性構造体と、を有する、請求項165記載の医療器具。
【請求項174】
前記第1の導電性構造体は、第1の導電性ピンに対応し、前記第2の導電性構造体は、第2の導電性ピンに対応している、請求項173記載の医療器具。
【請求項175】
前記第1の導電性ピン及び前記第2の導電性ピンの各々は、常態では前記第1の孔又は前記第2の孔から外方に付勢されたポゴ形式ピンである、請求項174記載の医療器具。
【請求項176】
前記第1の導電性構造体及び前記第2の導電性構造体の各々は、前記第1の孔又は前記第2の孔を埋めた導電材料に対応している、請求項173記載の医療器具。
【請求項177】
骨の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具であって、前記医療器具は、
前記骨内にかつ前記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されたインプラントを有し、
前記インプラント内に含まれるインピーダンスセンサを有し、前記インピーダンスセンサは、
第1の電極及び第2の電極、及び
前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成された検出モジュールを有し、
前記インプラント内に設けられ、かつ前記インピーダンス測定値を処理するとともに記憶するよう構成されたメモリ付きコントローラを有し、
前記インプラント内に設けられ、かつ前記インピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系を有する、医療器具。
【請求項178】
前記検出モジュールは、前記第1の電極及び前記第2の電極が信号を前記電極全体に印加する印加モードか、前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、請求項177記載の医療器具。
【請求項179】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項178記載の医療器具。
【請求項180】
前記インピーダンスセンサは、第3の電極及び第4の電極をさらに有し、
前記検出モジュールは、信号を前記第1の電極及び前記第2の電極に印加する印加モードを実行可能にするとともに、前記第3の電極と前記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、請求項177記載の医療器具。
【請求項181】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項180記載の医療器具。
【請求項182】
前記コントローラはさらに、インピーダンス測定値を経時的に処理して前記骨折部の特徴づけを確定するよう構成され、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、請求項177記載の医療器具。
【請求項183】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項182記載の医療器具。
【請求項184】
前記第1の電極と前記第2の電極は、前記骨折部の互いに反対側への前記第1の電極及び前記第2の電極の配置を可能にするよう前記インプラント上に互いに間隔を置いて配置されている、請求項177記載の医療器具。
【請求項185】
前記インピーダンスセンサは、前記第1の電極、前記第2の電極、及び少なくとも1つの追加の電極を含む複数の電極を有し、前記検出モジュールは、前記第1の電極と前記第2の電極が前記骨折部の互いに反対側に位置するよう前記第1の電極及び前記第2の電極をインピーダンス測定値に基づいて前記複数の電極から選択するよう構成されている、請求項177記載の医療器具。
【請求項186】
前記通信回路系は、前記第1の電極及び前記第2の電極に結合され、かつ前記医療器具と別の他の器具との容量結合を可能にし、又は前記医療器具と前記別の器具とのガルバニック結合を可能にするよう構成された組織導通式通信回路系から成る、請求項177記載の医療器具。
【請求項187】
前記インプラントは、
ルーメンが少なくとも部分的に貫通して延びる構造体を有し、前記構造体は、前記骨内にかつ前記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
前記インピーダンスセンサの少なくとも一部分、前記コントローラ、前記メモリ、及び前記通信回路系の少なくとも一部分を含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記構造体の植え込み後に前記ルーメン中に挿入されるよう構成されている、請求項177記載の医療器具。
【請求項188】
前記構造体は、外面を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記外面のところに位置している、請求項187記載の医療器具。
【請求項189】
前記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、外面を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記外面のところに位置し、かつ前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると前記少なくとも1つの孔と整列するよう位置決めされている、請求項187記載の医療器具。
【請求項190】
前記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項187記載の医療器具。
【請求項191】
前記インプラントは、単一の構造体から成る、請求項177記載の医療器具。
【請求項192】
前記単一構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項191記載の医療器具。
【請求項193】
前記骨折部を特徴付ける方法であって、前記方法は、
前記骨組織内に、かつ骨折部を横切って配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、前記複数の電極は、前記骨折部の互いに反対側に位置する第1の電極及び第2の電極を含み、
前記測定量を処理して骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、方法。
【請求項194】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項193記載の方法。
【請求項195】
前記組織の電気的性質の前記複数の測定値又は骨折部の前記特徴づけを外部装置に通信するステップをさらに含む、請求項193記載の方法。
【請求項196】
前記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、前記複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で前記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、請求項193記載の方法。
【請求項197】
前記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、請求項196記載の方法。
【請求項198】
前記第1の電極及び前記第2の電極を前記骨折部の互いに反対側に配置するよう前記複数の電極を植え込むステップを更に含む、請求項193記載の方法。
【請求項199】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を前記骨組織中に前記骨折部を横切って植え込むステップを含み、前記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
前記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン中に挿入するステップを含み、前記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、請求項198記載の方法。
【請求項200】
前記複数の電極は、前記套管状構造体によって担持されかつ前記ルーメン中への前記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に前記検出モジュールに結合する、請求項199記載の方法。
【請求項201】
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ前記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、請求項199記載の方法。
【請求項202】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、請求項199記載の方法。
【請求項203】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
前記複数の電極を担持した構造体及び前記構造体内に配置されかつ前記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、請求項198記載の方法。
【請求項204】
前記骨折部を特徴付ける方法であって、前記方法は、
前記骨組織内に配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、前記複数の電極は、各々が前記骨折部の隙間内に位置する第1の電極及び第2の電極を含み、
前記測定量を処理して前記骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、方法。
【請求項205】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項204記載の方法。
【請求項206】
組織の電気的特性の前記複数の測定量、又は骨破壊の前記特徴付けを外部デバイスに伝達することをさらに含む、請求項204に記載の方法。
【請求項207】
前記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、前記複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で前記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、請求項204記載の方法。
【請求項208】
前記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、請求項207記載の方法。
【請求項209】
前記第1の電極及び前記第2の電極を前記骨折部の前記隙間内に配置するよう前記複数の電極を植え込むステップを更に含む、請求項204記載の方法。
【請求項210】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を前記骨組織中にかつ前記骨折部の前記隙間を横切って植え込むステップを含み、前記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
前記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン中に挿入するステップを含み、前記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、請求項209記載の方法。
【請求項211】
前記複数の電極は、前記套管状構造体によって担持されかつ前記ルーメン中への前記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に前記検出モジュールに結合する、請求項210記載の方法。
【請求項212】
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ前記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、請求項210記載の方法。
【請求項213】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、請求項210記載の方法。
【請求項214】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
前記複数の電極を担持した構造体及び前記構造体内に配置されかつ前記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、請求項209記載の方法。
【請求項215】
骨折部を特徴づける方法であって、前記方法は、
前記骨組織内に配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、前記複数の電極は、各々が前記骨折部の隙間をまたぐ第1の電極及び第2の電極を含み、
前記測定量を処理して前記骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、方法。
【請求項216】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項215記載の方法。
【請求項217】
組織の電気的特性の前記複数の測定量、又は骨破壊の前記特徴付けを外部デバイスに伝達することをさらに含む、請求項215に記載の方法。
【請求項218】
前記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、前記複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で前記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、請求項215記載の方法。
【請求項219】
前記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、請求項218記載の方法。
【請求項220】
前記第1の電極及び前記第2の電極を前記骨折部の隙間をまたぐよう前記複数の電極を植え込むステップを更に含む、請求項215記載の方法。
【請求項221】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を前記骨組織中にかつ前記骨折部の前記隙間を横切って植え込むステップを含み、前記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
前記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン中に挿入するステップを含み、前記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、請求項220記載の方法。
【請求項222】
前記複数の電極は、前記套管状構造体によって担持されかつ前記ルーメン中への前記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に前記検出モジュールに結合する、請求項221記載の方法。
【請求項223】
前記複数の電極は、前記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ前記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、請求項221記載の方法。
【請求項224】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、請求項221記載の方法。
【請求項225】
前記複数の電極を植え込む前記ステップは、
前記複数の電極を担持した構造体及び前記構造体内に配置されかつ前記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、請求項220記載の方法。
【請求項226】
骨の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具であって、前記医療器具は、
前記骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された第1のインプラントを有し、前記第1のインプラントは、第1の電極を有し、
前記骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された第2のインプラントを有し、前記第2のインプラントは、第2の電極を有し、
前記骨上に前記骨折部を横切って配置される、かつ前記第1のインプラント及び前記第2のインプラントによって定位置に固定されるよう構成された第3のインプラントを有し、
インピーダンスセンサを有し、前記インピーダンスセンサは、
前記第1の電極及び前記第2の電極、及び
前記第1、前記第2、又は前記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成された検出モジュールで構成され、
前記第1、前記第2、又は前記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ前記インピーダンス測定値を処理して記憶するよう構成されたメモリ付きコントローラを有し、
前記第1、前記第2、又は前記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ前記インピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系を有する、医療器具。
【請求項227】
前記第3のインプラントは、前記第1の電極及び前記第2の電極を前記骨折部の互いに反対側に配置する前記第3のインプラントに沿うそれぞれの配置場所での前記第1のインプラント及び前記第2のインプラントの結合を可能にするよう構成されている、請求項226記載の医療器具。
【請求項228】
前記検出モジュールは、前記第1の電極及び前記第2の電極が、信号を前記電極全体に印加される印加モードか、前記第1の電極と前記第2の電極相互間のインピーダンスを検出される検出モードかのいずれかで前記第1の電極と前記第2の電極が機能することができるようにするよう構成されている、請求項226記載の医療器具。
【請求項229】
前記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、請求項228記載の医療器具。
【請求項230】
前記コントローラはさらに、インピーダンス測定値を経時的に処理して前記骨折部の特徴づけを確定するよう構成され、前記特徴づけは、前記骨折部の治癒状態に対応している、請求項226記載の医療器具。
【請求項231】
前記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、請求項230記載の医療器具。
【請求項232】
前記通信回路系は、前記第1の電極及び前記第2の電極に結合され、かつ前記医療器具と別の他の器具との容量結合を可能にし、又は前記医療器具と前記別の器具とのガルバニック結合を可能にするよう構成された組織導通式通信回路系から成る、請求項226記載の医療器具。
【請求項233】
前記第1のインプラント及び前記第2のインプラントのうちの少なくとも一方は、
ルーメンが少なくとも部分的に貫通して延びる構造体を有し、前記構造体は、前記骨内にかつ前記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
前記インピーダンスセンサの少なくとも一部分、前記コントローラ、前記メモリ、及び前記通信回路系の少なくとも一部分を含むエレクトロニクスカートリッジを有し、前記エレクトロニクスカートリッジは、前記構造体の植え込み後に前記ルーメン中に挿入されるよう構成されている、請求項226記載の医療器具。
【請求項234】
前記構造体は、外面を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記外面のところに位置している、請求項233記載の医療器具。
【請求項235】
前記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
前記エレクトロニクスカートリッジは、外面を有し、前記第1の電極又は前記第2の電極は、前記外面のところに位置し、かつ前記エレクトロニクスカートリッジが前記構造体の前記ルーメン中に挿入されると前記少なくとも1つの孔と整列するよう位置決めされている、請求項233記載の医療器具。
【請求項236】
前記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項233記載の医療器具。
【請求項237】
前記第1のインプラント及び前記第2のインプラントのうち少なくとも一方は、単一の構造体から成る、請求項228記載の医療器具。
【請求項238】
前記単一構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、請求項237記載の医療器具。
【請求項239】
植え込み型医療器具を製造する方法であって、前記方法は、
体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、かつ貫通して延びるルーメンを備えた套管状構造体の側壁を貫通して複数の孔を作るステップと、
電極を前記複数の孔の各々に関連させるステップと、
エレクトロニクスカートリッジを前記套管状構造体の前記ルーメンと関連させるステップとを含み、前記エレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクス及び複数の電気接点を含み、前記関連は、前記複数の電気接点の各々を前記孔の各々にそれぞれ整列させて前記エレクトロニクスと各電極との電気的結合部を実現する、方法。
【請求項240】
前記套管状構造体は、導電材料から成り、電極を前記複数の孔の各々に関連させる前記ステップは、
絶縁材料を前記複数の孔の各々の一区域内で前記套管状構造体に被着させるステップと、
導電材料を前記複数の孔の各々の一区域内で前記絶縁材料を覆って被着させるステップと、を含む、請求項239記載の方法。
【請求項241】
前記套管状構造体は、絶縁材料から成り、電極を前記複数の孔の各々に関連させる前記ステップは、
導電材料を前記複数の孔の各々の一区域内で前記套管状構造体の複数の表面を覆って被着させるステップを含む、請求項239記載の方法。
【請求項242】
前記套管状構造体は、導電材料から成り、電極を前記複数の孔の各々に関連させる前記ステップは、
絶縁材料を前記複数の孔の各々の一区域内で前記套管状構造体に被着させるステップと、
導電構造体を前記複数の孔の各々に通して配置するステップと、を含む、請求項239記載の方法。
【請求項243】
導電性構造体を配置する前記ステップは、導電性ピンを前記複数の孔の各々に通して挿入するステップを含む、請求項242記載の方法。
【請求項244】
導電性構造体を配置する前記ステップは、前記複数の孔の各々を導電材料で埋めるステップを含む、請求項242記載の方法。
【請求項245】
前記套管状構造体は、絶縁材料から成り、電極を前記複数の孔の各々に関連させる前記ステップは、
導電性ピンを前記複数の孔の各々に通して挿入するステップ、及び
前記複数の孔の各々を導電材料で埋めるステップのうちの少なくとも一方を含む、請求項239記載の方法。
【請求項246】
医療器具を植え込む方法であって、前記方法は、
インプラント構造体を体内に少なくとも部分的に植え込むステップを含み、前記インプラント構造体は、該インプラント構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
前記インプラント構造体を植え込んだ後、エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメン中に挿入するステップを含む、方法。
【請求項247】
前記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び前記ヘッドから前記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフトを有し、前記インプラント構造体を植え込む前記ステップは、
支持構造体を前記シャフト中にかつ前記ルーメンの長さに沿って少なくとも部分的に挿入するステップと、
前記支持構造体を前記インプラント構造体と一緒に回転させるステップとを含む、請求項246記載の方法。
【請求項248】
前記支持構造体を前記インプラント構造体と一緒に回転させる前記ステップは、回転トルクを前記支持構造体から前記シャフトの一部分に伝達するステップを含む、請求項247記載の方法。
【請求項249】
前記シャフトと前記支持構造体は、前記シャフトへの回転トルクの直接伝送を可能にするよう互いに機械的に結合するよう構成されている、請求項248記載の方法。
【請求項250】
支持構造体を挿入する前に、前記インプラント構造体を、骨折部を横切って配置されたガイドワイヤ上にこれに沿って配置するステップをさらに含む、請求項247記載の方法。
【請求項251】
前記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び前記ヘッドから前記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフトを有し、前記インプラント構造体を植え込む前記ステップは、
前記インプラント構造体の遠位端部分との機械的結合を実現するよう構成された本体を有する結合器具内に前記インプラント構造体を配置するステップと、
前記結合器具を前記インプラント構造体と一緒に回転させるステップとを含む、請求項246記載の方法。
【請求項252】
前記結合器具を前記インプラント構造体と一緒に回転させる前記ステップは、回転トルクを前記本体の長さに沿って前記機械的結合にかつ前記インプラント構造体の前記遠位端部分に伝達するステップを含む、請求項251記載の方法。
【請求項253】
前記結合器具は、前記インプラント構造体の前記遠位端部分のところでのみ前記インプラント構造体に結合する、請求項252記載の方法。
【請求項254】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記インプラント構造体に固定するステップをさらに含む、請求項246記載の方法。
【請求項255】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記インプラント構造体に固定した後に、前記インプラント構造体又は前記エレクトロニクスカートリッジの構造的健全性に影響を及ぼさないで前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメンから取り出すステップをさらに含む、請求項254記載の方法。
【請求項256】
前記エレクトロニクスカートリッジを前記ルーメンから取り出した後、交換用エレクトロニクスカートリッジを前記インプラント構造体の前記ルーメン中に挿入するステップをさらに含む、請求項255記載の方法。
【請求項257】
インプラント構造体を植え込むためのツールであって、前記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、前記ヘッドから前記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフト、及び前記シャフトを貫通して延びるルーメンを有し、前記ツールは、
ドリルビットと、
回転トルクを前記ドリルビットに加える機構体と、を有し、
前記ドリルビットは、
前記インプラント構造体の前記ヘッドに直接結合するよう構成された第1の部分、及び
前記第1の部分から延びる第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記インプラント構造体の前記ルーメン中に少なくとも部分的に延びるよう構成されている、ツール。
【請求項258】
前記第2の部分は、前記シャフトの特徴部と対応関係をなして機械的に結合するよう構成された機械的特徴部を有し、それにより、前記第2の部分から前記シャフトへの回転トルクの伝達を可能にする、請求項257記載のツール。
【請求項259】
インプラント構造体を植え込むための結合器具であって、前記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び前記ヘッドから前記インプラント構造の遠位端まで延びるシャフトを有し、前記カップリングデバイスは、
前記インプラント構造体の遠位端部分への機械的結合を実現するよう構成された近位端領域及び遠位端領域を備えた本体と、
前記インプラント構造体に直接結合することなく、前記本体の前記近位端領域に結合するよう構成されたキャップと、を有する、結合器具。
【請求項260】
前記キャップは、ツールに結合し、前記ツールから前記機械的結合を通って回転トルクを受け取り、そして回転トルクを前記本体の長さに沿って前記機械的結合にかつ前記インプラント構造体の前記遠位端部分に伝達するよう構成されている、請求項259記載の結合器具。
【請求項261】
前記結合器具は、前記インプラント構造体の前記遠位端部分のところでのみ前記インプラント構造体に結合するよう構成されている、請求項259記載の結合器具。
【請求項262】
前記医療器具は、滅菌状態である、請求項1~192及び請求項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具。
【請求項263】
前記医療器具は、滅菌医療器具を提供するよう滅菌手順を受けている、請求項1~192及び請求項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具。
【請求項264】
骨組織の骨折部を治療する方法であって、前記方法は、前記骨組織中の骨折部を識別するステップと、請求項1~192、請求項226~238、及び請求項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具を前記骨組織中に挿入するステップとを含み、前記医療器具は、前記骨折部を横切って挿入される、方法。
【請求項265】
前記医療器具は、請求項1~76のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項266】
前記医療器具は、請求項77~94のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項267】
前記医療器具は、請求項95~101のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項268】
前記医療器具は、請求項102~104のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項269】
前記医療器具は、請求項105~108のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項270】
前記医療器具は、請求項109~164のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項271】
前記医療器具は、請求項165~176のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項272】
前記医療器具は、請求項177~192のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項273】
前記医療器具は、請求項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項274】
前記医療器具は、請求項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項264記載の方法。
【請求項275】
前記医療器具は、スクリューである、請求項264~274のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項276】
前記医療器具で前記骨折部を特徴づけるステップをさらに含む、請求項264~275のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項277】
骨組織中の骨折部を特徴付ける方法であって、前記方法は、前記骨組織中の骨折部を識別するステップと、請求項1~192、請求項226~238及び請求項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具を前記骨組織中に挿入するステップとを含み、前記医療器具は、前記骨折部を横切って挿入され、前記方法は、前記骨折部を前記医療器具内に配置されたセンサで特徴付けるステップを含む、方法。
【請求項278】
前記医療器具は、請求項1~76のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項279】
前記医療器具は、請求項77~94のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項280】
前記医療器具は、請求項95~101のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項281】
前記医療器具は、請求項102~104のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項282】
前記医療器具は、請求項105~108のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項283】
前記医療器具は、請求項109~164のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項284】
前記医療器具は、請求項165~176のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項285】
前記医療器具は、請求項177~192のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項286】
前記医療器具は、請求項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項287】
前記医療器具は、請求項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具である、請求項277記載の方法。
【請求項288】
前記医療器具は、スクリューである、請求項277~287のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項289】
1組の医療器具あって、前記組は、請求項1~192、請求項226~238及び請求項262~263のうちいずれか一に記載の少なくとも1つの第1の医療器具を含み、前記組は、骨組織中に挿入可能に構成された少なくとも1つの第2の医療器具をさらに含み、前記第2の医療器具は、センサを備えていない、1組の医療器具。
【請求項290】
前記第1の医療器具及び前記第2の医療器具の各々は、スクリューである、請求項289記載の1組の医療器具。
【請求項291】
単一の第1の医療器具及び複数の第2の医療器具を含む、請求項289記載の1組の医療器具。
【請求項292】
前記組の各部材は、スクリューである、請求項291記載の1組の医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(本発明)は、一般に、少なくとも部分的に骨組織中に延びるよう構成された構造体を有する医療器具に関する。例えば、構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラント(例えば、股関節、肩関節、膝関節など)の一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科用器具の一部であるのが良い。医療器具は、医療器具が植え込まれた骨折状態の骨組織の治癒状態を示す測定値を得るセンサ、及びかかる測定値を外部装置に伝達する通信回路系を有する。
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は、2020年12月1日に出願された米国特許仮出願第63/120,158号及び2020年2月20日に出願された米国特許仮出願第62/979,349号の35U.S.C.§119(e)に基づく権益主張出願であり、これら米国特許仮出願を参照により引用し、あらゆる目的についてこれらの記載内容を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
骨治癒の信頼性の高い評価は、骨折の治療の成功にとって必要不可欠である。骨折部の遅延又は癒合不全は、最高5~10%までの高い発生率(インシデンス)を示し、遅延又は癒合不全の個説は、患者の健康にとって非常に苦痛であって危険な場合があり、しかもそれにより回避できない高いコストが生じる。骨折部の治癒状態をモニタリングする現行の技術は、非侵襲性画像化モダリティ、例えば、X線、CTスキャン、超音波、及び磁気共鳴画像化(MRI)を利用している。長骨骨折の架橋仮骨の形成には3ヶ月以上かかるために、癒合具合をモニタリングするための従来のレントゲン写真への依存には限界がある。コンピュータ断層撮影(CT)走査は、普及しているモダリティであり、かかるCT走査は、治癒の後期における架橋仮骨を評価して癒合具合を確認することができる。ダイナミック造影MRI及び核映像における技術進歩は、感染性癒合不全の評価において利点をもたらす場合がある。明らかになりつつあるエビデンスは、レントゲン写真による確認に先立って架橋仮骨を検出するための超音波の使用をサポートしており、これは、高リスクの癒合不全状態にある患者を予測する上で役に立つ場合がある。しかしながら、これらの技術の各々が、最も有用なのが治癒の最終段階であるという傾向があり、これらの有効性は、患者自らが定期的な画像化検査を受けるかどうかという患者のコンプライアンスにかかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、治癒のあらゆる段階全体を通じて、かつ画像化又は患者コンプライアンスには依存しない自動的な仕方で、骨折部の状態を特徴付ける技術を提供することが望ましい。本明細書において開示される技術的思想は、これらのニーズ及び他のニーズに取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要を述べると、本開示は、オプションとして、本明細書において植え込み型及び/又はスマート医療器具などと呼ばれる医療器具、医療器具の製造方法、例えば医療器具を用いて治療する方法を含む医療器具の使用方法、医療器具を用いて治癒具合を特徴付ける方法を含む医療器具の使用方法、及び本明細書において開示する他の観点に関する。医療器具は、一般に、少なくとも部分的に骨組織中に延びるよう構成された構造体を有する。例えば、構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換インプラント(例えば、股関節、肩関節、膝関節など)の一部、脊椎固定装置の一部、又は他の整形外科用器具の一部であるのが良い。一実施形態では、医療器具は、スクリューである。植え込み型スマート医療器具は、例えば、医療器具が植え込まれた骨折状態の骨組織の例えば治癒状態治癒状態を表す1つ以上の測定値を得るセンサ、及びかかる測定値を外部装置に伝送する通信回路系を有する。
【0006】
例えば、一観点では、本開示は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成された構造体、及びこの構造体が体内に植え込まれた後にこの構造体中に挿入されるよう構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具を提供する。構造体は、骨折部を治療する際に用いられる套管状スクリューであるのが良い。医療器具は、骨折部の治癒状態をモニタリングして報告するインピーダンスセンサを有する。このセンサは、套管状スクリューと関連しているか、挿入可能なエレクトロニクスカートリッジと関連しているかいずれかのエレクトロニクスカートリッジのコンポーネント及び電極を含む。
【0007】
一観点では、本開示は、ルーメンが少なくとも部分的に貫通して延びる構造体、及びエレクトロニクスを含む挿入可能なエレクトロニクスカートリッジを有する医療器具に関する。構造体は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成され、エレクトロニクスカートリッジは、構造体の植え込み後にルーメン中に挿入されるよう構成されている。
【0008】
本開示はまた、構造体の外面に複数の電極を備えた套管状構造体、及び挿入可能なエレクトロニクスカートリッジを有する医療器具に関する。套管状構造体は、これを貫通して延びるルーメンを有し、この套管状構造体は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成されている。エレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクスを含み、このエレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクスと複数の電極との1つ以上の電気的結合がかかる挿入時に実現されるよう套管状構造体のルーメン中に挿入されるよう構成されている。
【0009】
本開示はまた、構造体の側壁に貫通して設けられた少なくとも1つの孔を有する套管状構造体、及び挿入可能なエレクトロニクスカートリッジを有する医療器具に関する。套管状構造体は、これを貫通して延びるルーメンを有し、この套管状構造体は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成されている。エレクトロニクスカートリッジは、複数の電極及びこれら電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを有する。エレクトロニクスカートリッジは、ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に複数の電極と少なくとも1つの孔との整列関係をとるように構成されている。
【0010】
本開示はまた、遠位端開口部及び近位端開口部を備えた套管状構造体、及び挿入可能なエレクトロニクスカートリッジを有する医療器具に関する。套管状構造体は、これを貫通して延びるルーメンを有し、この套管状構造体は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成されている。エレクトロニクスカートリッジは、複数の電極、及びこれら電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを有する。エレクトロニクスカートリッジは、ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に、複数の電極のうちの第1の電極を套管状構造体の遠位端開口部のところに位置決めするとともに、複数の電極のうちの第2の電極を近位端開口部のところに位置決めするよう構成されている。
【0011】
本開示はまた、遠位端開口部及び近位端開口部を備えた短い套管状構造体、及び挿入可能なエレクトロニクスカートリッジを有する医療器具に関する。套管状構造体は、これを貫通して延びるルーメンを有し、この套管状構造体は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成されている。エレクトロニクスカートリッジは、複数の電極及びこれら電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを有する。エレクトロニクスカートリッジは、ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に複数の電極を套管状構造体の遠位端開口を越えて位置決めするよう構成されている。
【0012】
本開示はまた、エレクトロニクスがあらかじめ組み込まれた医療器具に関する。医療器具は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成され、この医療器具は、各々がそれぞれヘッド空所及びシャフト空所を備えたヘッド及びシャフトを備えた構造体を有する。予備組み込み状態の医療器具は、ヘッド空所及びシャフト空所のうちの1つ以上の中に配置されたエレクトロニク、及びシャフトと関連しかつエレクトロニクスに電気的に結合された少なくとも1つの電極をさらに有する。
【0013】
本開示はまた、エレクトロニクスカートリッジがあらかじめ組み込まれた套管状構造体を有する医療器具に関する。套管状構造体は、体内に植え込まれるよう構成されており、この套管状構造体は、これを少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有する。エレクトロニクスカートリッジは、ルーメン内に少なくとも部分的に位置し、このエレクトロニクスは、このルーメン内に永続的に固定されている。套管状構造体は、側壁を貫通した複数の孔、及び各々が複数の孔の各々と関連した複数の電極を有する。エレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクス、及びこのエレクトロニクスと複数の電極の各々との電気的結合を実現するよう各々が孔の各々と整列する複数の電気接点を有する。
【0014】
一観点では、本開示の医療器具は、骨組織中の骨折部を治療するのを助けるために使用可能である。例えば、医療器具は、骨組織中の骨折部を横切って配置されるスクリューの形態をしているのが良く、この場合、スクリューは、骨折部に隣接して骨組織を一緒に保持するのを助け、かくして、治癒中の骨の安定性機能を提供する。オプションとして、医療器具は、安定性機能がほとんどなく又は全くないが、その代わりに、医療器具は、主として治癒プロセス中の骨折部を特徴付けるために又はそれだけのために骨折状態の骨組織内に、オプションとして骨組織内の骨折部を横切って植え込まれ、かくして特徴付け機能を提供する。オプションとして、植え込まれた医療器具は、安定性機能と特徴づけ機能の両方を発揮する。特に、本開示の医療器具の安定性機能がほとんどなく又は全くないような場合、本開示の医療器具は、他の医療器具、例えば、主として安定性機能を提供するセンサを具備していない標準型整形外科用スクリューと関連して利用できる。かくして、一観点では、本開示は、1組の医療器具を提供し、この組のうちの少なくとも1つの部材は、特徴づけ機能(及びオプションとして幾分かの安定性機能)を提供する本開示のスマート医療器具であり、この組のうちの少なくとも1つの部材は、主として安定性機能を提供し又はそれだけを提供するために用いられる。使用の際、本開示のスマート医療器具は、安定性機能が必要ではない場所、すなわち非負荷/負荷のない場所で骨組織内に配置されるのが良い。主として又は専ら安定性機能を提供するために利用される医療器具は、骨組織中の負荷のかかる場所に配置されるのが良い。
【0015】
本開示はまた、骨中の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具に関する。この医療器具は、骨内にかつ骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されたインプラントを有する。このインプラントは、第1の電極及び第2の電極を備えたインピーダンスセンサ、及び第1の電極と第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成された検出モジュールを有する。インプラントは、インピーダンス測定値を処理して記憶するよう構成されたメモリ付きのコントローラ、及びインピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系をさらに有する。
【0016】
本開示はまた、骨中の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具に関する。この医療器具は、各々が骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された第1のインプラント及び第2のインプラント、ならびに骨に隣接して骨折部を横切って配置されるとともに第1のインプラント及び第2のインプラントによって定位置に固定されるよう構成された第3のインプラントを有する。第1のインプラントは、第1の電極を有し、第2のインプラントは、第2の電極を有する。医療器具は、第1の電極及び第2の電極を備えたインピーダンスセンサ及び検出モジュールをさらに有する。検出モジュールは、第1、第2、又は第3のインプラントのうちの1つ以上の中に設けられ、この検出モジュールは、第1の電極と第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成されている。医療器具は、インピーダンス測定値を処理して記憶するよう構成されたメモリ付きのコントローラ、及びインピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系をさらに有する。コントローラ、メモリ、及び通信回路系は、第1、第2、又は第3のインプラントのうちの1つ以上の中に設けられるのが良い。
【0017】
本開示はまた、骨折部の互いに反対側に設けられた電極を介して骨折部を特徴付ける方法に関する。この方法は、単一のインプラントと関連し、かつ骨組織内にかつ骨折部を横切って配置された複数の電極により組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含む。複数の電極は、骨折部の互いに反対側に設けられた第1の電極及び第2の電極を含む。この方法は、測定量を処理して骨折部の特徴づけを確定するステップをさらに含み、特徴づけは、骨折部の治癒状態に対応している。
【0018】
本開示はまた、骨折部の隙間内に設けられた電極を介して骨折部を特徴付ける方法に関する。この方法は、単一のインプラントと関連し、かつ骨折部のところで骨組織内に配置された複数の電極により組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得る。複数の電極は、各々が骨折部の隙間内に位置する第1の電極及び第2の電極含む。この方法は、測定量を処理して骨折部の特徴づけを確定するステップをさらに含み、特徴づけは、骨折部の治癒状態に対応している。
【0019】
本開示はまた、骨折部の隙間をまたぐ電極により骨折部を特徴付ける方法に関する。この方法は、骨折部のところで骨組織内に配置された複数の電極により組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含む。複数の電極は、各々が骨折部の隙間をまたぐ第1の電極及び第2の電極含む。この方法は、測定量を処理して骨折部の特徴づけを確定するステップをさらに含み、特徴づけは、骨折部の治癒状態に対応している。
【0020】
本開示はまた、植え込み型医療器具を製造する方法に関する。この方法は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、かつ貫通したルーメンを有する套管状構造体の側壁を貫通して複数の孔を作るステップを含む。この方法は、電極を複数の孔の各々に関連させるステップ、及エレクトロニクスカートリッジを套管状構造体のルーメンに関連させるステップをさらに含む。エレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクス及び複数の電気接点を有し、かかる関連は、複数の電気接点の各々を孔の各々とそれぞれ整列させてエレクトロニクスと各電極との電気的結合を達成する。
【0021】
本開示はまた、医療器具を植え込む方法に関する。この方法は、インプラント構造体を少なくとも部分的に体内に植え込むステップを含む。この構造体は、これを少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有する。この方法は、インプラント構造体の植え込み後に、エレクトロニクスカートリッジをルーメン中に挿入するステップをさらに含む。
【0022】
本開示はまた、インプラント構造体を植え込むためのツールに関し、インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、ヘッドからインプラント構造体の遠位端まで延びるシャフト、及びシャフトを貫通して延びるルーメンを有する。ツールは、ドリルビット、及び回転トルクをドリルビットに加える機構体を有する。ドリルビットは、インプラント構造体のヘッドに直接結合するよう構成された第1の部分、及び第1の部分から延びる第2の部分を有する。第2の部分は、インプラント構造体のルーメン中に少なくとも部分的に延びるよう構成されている。
【0023】
本開示はまた、インプラント構造体を植え込むための結合器具に関し、インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及びヘッドからインプラント構造体の遠位端まで延びるシャフトを有する。結合器具は、近位端領域及び遠位端領域を備えた本体を有する。遠位端領域は、インプラント構造体の遠位端部分への機械的結合を実現するよう構成されている。結合器具は、インプラント構造体に直接結合するのではなく、本体の近位端領域に結合するよう構成されたキャップをさらに有するのが良い。
【0024】
本開示の例示的の特徴、その性質、及び種々の利点は、添付の図面及び種々の実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになろう。添付の図面を参照して非限定的かつ非排他的な実施形態について説明し、同一の参照符号は、別段の指定がなければ、種々の図全体を通じて同一の部分を示している。図中の要素の寸法及び相対位置は、必ずしも縮尺通りには描かれていない。例えば、種々の要素の形状は、図面を分かりやすくするために選択され、拡大され、また位置決めされている。描かれている要素の特定の形状は、図面において認識しやすくするために選択されている。添付の図面を参照して1つ以上の実施形態について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】スマート医療器具の構成例の略図である。
図1B】1対の電極を有する部分的にねじ山のついた套管状スクリューを有するスマート医療器具の構成例の略図である。
図1C】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電気接点が1対の電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図1D】部分的にねじ山のついた套管状スクリューの略図であり、ねじ山のついていない部分がある材料で被覆されている状態を示す図である。
図2A】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための一固定機構体の略図である。
図2B】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図3A】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図3B】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図4】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図5A】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図5B】エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー内に固定するための別の固定機構体の略図である。
図6A図1A図1Cの医療器具に使用できる全体にねじ山のついた套管状スクリューの互いに異なる構成の略図であり、ただ1対の電極を有する構成例を示す図である。
図6B図1A図1Cの医療器具に使用できる全体にねじ山のついた套管状スクリューの互いに異なる構成の略図であり、2対の電極を有する構成例を示す図である。
図6C図1A図1Cの医療器具に使用できる全体にねじ山のついた套管状スクリューの互いに異なる構成の略図であり、アレイ状に配列された電極を有する構成例を示す図である。
図7A】1対の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図7B】1対の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ(断面で示されている)を有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図8A】アレイ状の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された多数の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図8B】アレイ状の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ(断面で示されている)を有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された多数の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図9A図1Cのエレクトロニクスカートリッジのヘッド端部の互いに異なる構成例の略図である。
図9B図1Cのエレクトロニクスカートリッジのヘッド端部の互いに異なる構成例の略図である。
図10A】スクリューの表面を覆い被した1対の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図10B】スクリューの表面を覆い被した1対の電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図11A】スクリューの表面を覆い被した4つの電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された4つの電気接点が電極の導電性トレース線と整列するようになっている状態を示す図である。
図11B】スクリューの表面を覆い被した4つの電極を有する套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された4つの電気接点が電極の導電性トレース線と整列するようになっている状態を示す図である。
図12A】各々が電極を備えた遠位部分及び近位部分を有する割り型套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図12B】各々が電極を備えた遠位部分及び近位部分を有する割り型套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図12C】各々が電極を備えた遠位部分及び近位部分を有する割り型套管状スクリュー、及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の略図であり、カートリッジによって担持された電気接点が電極と整列するようになっている状態を示す図である。
図13A】スマート医療器具別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極がスロットと整列するようになっている状態を示す図である。
図13B】スマート医療器具別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極がスロットと整列するようになっている状態を示す図である。
図13C】スロットを有する套管状スクリューを有するスマート医療器具別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極がスロットと整列するようになっている状態を示す図である。
図13D】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極がスロットと整列するようになっている状態を示す図である。
図14A】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極が孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図14B】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極が孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図14C】多数の孔を備えた套管状スクリューを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極が孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図14D】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された電極が孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図15A】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電極が1対の孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図15B】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電極が1対の孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図15C】1対の孔を備えた套管状スクリューを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電極が1対の孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図15D】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、カートリッジによって担持された1対の電極が1対の孔と整列するようになっている状態を示す図である。
図16A】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、先端電極が套管状スクリューの遠位端と整列するとともに、これまたカートリッジによって担持されたキャップ電極がスクリューのヘッドのところで露出されるようになる状態を示す図である。
図16B】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、先端電極が套管状スクリューの遠位端と整列するとともに、これまたカートリッジによって担持されたキャップ電極がスクリューのヘッドのところで露出されるようになる状態を示す図である。
図16C】套管状スクリューを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、先端電極が套管状スクリューの遠位端と整列するとともに、これまたカートリッジによって担持されたキャップ電極がスクリューのヘッドのところで露出されるようになる状態を示す図である。
図16D】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、先端電極が套管状スクリューの遠位端と整列するとともに、これまたカートリッジによって担持されたキャップ電極がスクリューのヘッドのところで露出されるようになる状態を示す図である。
図17A】スマート医療器具の別の構成例の略図であり、遠位電極及び近位電極を担持したカートリッジの一部分が套管状スクリューの遠位端を貫通するようになっている状態を示す図である。
図17B】套管状スクリューを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、遠位電極及び近位電極を担持したカートリッジの一部分が套管状スクリューの遠位端を貫通するようになっている状態を示す図である。
図17C】套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジを有するスマート医療器具の別の構成例の略図であり、遠位電極及び近位電極を担持したカートリッジの一部分が套管状スクリューの遠位端を貫通するようになっている状態を示す図である。
図18A】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18B】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18C】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18D】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18E】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18F】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18G】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18H】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18I】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図18J】スマート医療器具を植え込むためのツール及び技術の略図である。
図19A】一体型エレクトロニクスパッケージを備えたスクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図である。
図19B】一体型エレクトロニクスパッケージを備えたスクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図である。
図19C】一体型エレクトロニクスパッケージを備えたスクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図である。
図19D】一体型エレクトロニクスパッケージを備えたスクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図である。
図20A】套管状スクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図であり、套管状スクリューがこのスクリューの表面上に被着されていてこのスクリューの側壁に設けられたビアを通ってエレクトロニクスパッケージと結合する1対の電極を有する状態を示す図である。
図20B】套管状スクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図であり、套管状スクリューがこのスクリューの表面上に被着されていてこのスクリューの側壁に設けられたビアを通ってエレクトロニクスパッケージと結合する1対の電極を有する状態を示す図である。
図21A】套管状スクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図であり、套管状スクリューがこのスクリューの側壁に設けられたビアを通ってエレクトロニクスパッケージと結合する4つのピン電極を有する状態を示す図である。
図21B】套管状スクリューを有するスマート医療器具の予備組み込み型構成例の略図であり、套管状スクリューがこのスクリューの側壁に設けられたビアを通ってエレクトロニクスパッケージと結合する4つのピン電極を有する状態を示す図である。
図22A】骨折部の治癒状態をモニタリングするセンサシステムを有するスマート医療器具の例示の植え込み型報告プロセッサ(IRP)のコンポーネントを示すブロック図である。
図22B】骨折部の治癒状態をモニタリングするセンサシステムを有するスマート医療器具の例示の植え込み型報告プロセッサ(IRP)のコンポーネントを示すブロック図である。
図23】スマート医療器具を用いて時間の関数として骨折部を横切って測定されたインピーダンスの大きさのグラフ図である。
図24A】一形式の骨折に対して植え込まれたスマート医療器具の略図である。
図24B】別の形式の骨折に対して植え込まれたスマート医療器具の略図である。
図24C】別の形式の骨折に対して植え込まれたスマート医療器具の略図である。
図24D】別の形式の骨折に対して植え込まれたスマート医療器具の略図である。
図24E】別の形式の骨折に対して植え込まれたスマート医療器具の略図である。
図25A】骨折部をスマート医療器具で特徴付ける方法の流れ図である。
図25B】骨折部をスマート医療器具で特徴づけるやり方を示す略図である。
図26A】骨折部をスマート医療器具で特徴付ける別の方法の流れ図ある。
図26B】骨折部をスマート医療器具で特徴付けるやり方を示す略図である。
図27A】骨折部をスマート医療器具で特徴付ける別の方法の流れ図である。
図27B】骨折部をスマート医療器具で特徴付ける別のやり方を示す略図である。
図28】患者宅内のスマート医療器具の状況図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において開示するスマート医療器具は、エレクトロニクス、例えば、メモリ、マイクロプロセッサ、及び無線遠隔測定素子を含む特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、電源(バッテリー又はスーパーキャパシタ)、無線及びアンテナ環境チューニング(MICS又はBluetooth(登録商標)(音訳としては、ブルートゥース(登録商標)))、生体内骨治癒測定値を確認するセンサ、及びセンサの第1の配置場所に対する運動を検出するセンサを有する。スマート医療器具は、例えば、整形外科的外傷及び脊椎用製品、例えば股関節部骨折用スクリュー、長骨骨折部用スクリュー(プレートと一緒に)、及び脊椎ペディクルスクリューに利用される。
【0027】
スマート医療器具の2つの構成例が想定される。本明細書では、一方はカートリッジ構成例と呼ばれ、他方は予備組み込み型構成例と呼ばれる。
【0028】
カートリッジ構成例
図1A図1Cを参照すると、スマート医療器具100のカートリッジ構成例は、少なくとも部分的に貫通して延びるルーメン104を備えた管状本体によって特徴付けられる構造体102又は外側本体を有する。構造体102は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成されている。医療器具100は、エレクトロニクス、例えば、ASICチップ、電源、アンテナなどを有するエレクトロニクスカートリッジ106又は内側本体をさらに有する。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、エレクトロニクスを収容したシェルを有するのが良い。他の実施形態では、エレクトロニクスは、カートリッジの軸線に沿って延びるコア要素によって一緒に固定され、又は支持されるのが良い。エレクトロニクスカートリッジ106は、構造体の植え込み後に構造体102のルーメン104中に挿入されるとともに嵌め込まれるよう構成されている。
【0029】
幾つかの実施形態では、構造体102は全体として、単一の生体適合性の植え込み可能等級の材料で作られている。例示の植え込み可能等級の材料としては、チタン、ステンレス鋼コバルトクロムモリブデン合金、ニチノール、セラミック、アルミナジルコニアカーボンヒドロキシアパタイト、又は複合材、例えば、炭素繊維強化PEEKが挙げられる。
【0030】
幾つかの実施形態では、構造体102は、互いに異なる材料の組み合わせのものである互いに異なる部分にセグメント化されるのが良い。例えば、構造体102は、金属材料で作られた遠位本体、区分、又は部分、遠位部分とは異なる材料で作られた中央本体、区分、又は部分、及び遠位部分とほぼ同じ金属材料で作られた近位本体、区分、又は部分を有するのが良い。例示の一構成例では、遠位部分及び近位部分の金属材料は、100~200ギガパスカル(GPa)のヤング率、互いに同種又は異種の材料相互作用を可能にするための引張強度を有する植え込み可能等級の材料であるのが良く、他方、中央部分の材料は、同じ又は異なるヤング率を備えた遠位部分又は近位部分と同一の材料、又は異なる植え込み可能等級の材料、例えば重合材料で作られるのが良い。セグメント化構造体102を提供することによって、構造体の互いに異なる部分は、特定の用途について強度及び性能に関し互いに異なる性質を呈することができる。例えば、互いに異なる部分のための材料は、これらの部分が異種の材料であれ同種の材料であれいずれにせよ、材料の強度により構造体102が折れた骨の中に入り込んで嵌まり込み、そして治癒のために骨折部を引き寄せることができるようにするようなものであるのが良い。このように構成された構造体102は、医療器具100の検出動作を支援することができる。例えば、骨折部位前後の電気化学インピーダンス分光法検査(EIS)測定を支援することができる。
【0031】
エレクトロニクスカートリッジ106がシェル又はコア要素を含む構成例では、シェル又はコア要素は、電気的に絶縁性で非導電性の植え込み可能等級の材料で形成されるのが良い。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、インプラント部位で治癒反応を高めるよう構成されているのが良い。この目的のため、エレクトロニクスカートリッジ106は、気体酸素反応を生じさせるとともに化学反応によって植え込み部位のところでの酸素ゾーンを高める触媒材料を送り出す機構体を有する。幾つかの構成例では、この機構体は、持続放出型コントローラの制御下で植え込み後に触媒材料を1回以上放出するリザーバである。他の構成例では、この機構体は、カートリッジの電気的処理中にカートリッジに追加される触媒材料の被膜である。いずれの構成例でも、カートリッジ機構体によって放出される物質は、エネルギー反応を生じさせて酸素富化環境をインプラント周りの局所的なゾーンに放出し、それにより治癒具合を向上させる。
【0032】
図1A図1Cの実施形態では、構造体102は、骨組織中に植え込まれるよう構成された套管状スクリューである。一構成例では、套管状スクリュー102のルーメン104は、骨組織中へのスクリュー102の植え込み中、インプラントツールを受け入れるよう構成されている。別の構成例では、ルーメン104は、套管状スクリュー102に対して支持作用を提供するよう一時的にルーメンを埋める支持要素、例えば「ブランク」カートリッジを受け入れ、そしてスクリュー102が骨中に植え込まれているときにスクリュー102の破断の恐れを減少させるよう構成されているのが良い。
【0033】
引き続き図1A図1Cを参照すると、套管状スクリュー102は、4ミリメートル以上の範囲にある外径を備えたシャフト118と、ヘッド119とを有する。シャフト118の長さは、医療器具100の用途に応じて様々である。例えば、股関節部大腿骨頭骨折に関連した用途の場合、シャフト118の長さは、約115ミリメートルであるのが良い。套管状スクリュー102は、シャフト118を有し、シャフト118は、その一部分周りに設けられた連続したねじ山111を有し、この連続したねじ山111は、スクリューを骨中に固定するよう構成されたスクリューのねじ山付き部分112を構成するルーメン104は、エレクトロニクスカートリッジ106を受け入れるよう寸法決めされた内径、及びエレクトロニクスカートリッジを受け入れるよう寸法決めされた容積を備えたシャフト部分を有する。エレクトロニクスカートリッジ106は、近位端140、遠位端142、近位端のところに設けられたヘッド122、及びヘッドから遠位端に向かって延びるシャフト126を有する。
【0034】
エレクトロニクスカートリッジ106及びルーメン104の各々は、ルーメン104中へのエレクトロニクスカートリッジ106の配置を可能にするそれぞれの形状因子(フォームファクタ)を有する。図1Bを参照すると、一実施形態では、套管状スクリュー102のルーメン104の形状因子は、ヘッド部分120及びシャフト部分124を含み、ヘッド部分の内径は、シャフトの内径よりも大きい。ルーメン104のヘッド部分120は、套管状スクリュー102のヘッド119、例えば多角形ヘッドに設けられた窪みポケットに対応するのが良い。窪みポケットは、インプラントツールの対応の六角形ヘッドを受け入れて、骨中への器具の植え込み中にインプラントツールに加えられたトルクをスクリューに伝達するよう構成されているのが良い。図1Cを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106の形状因子は、ヘッド122及びシャフト126を含み、ヘッド122の外径は、シャフト126の外径よりも大きい。
【0035】
一実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、ルーメン104内に固定されるよう構成されている。一実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、エレクトロニクスカートリッジか構造体かのいずれかの構造的健全性を損なわないでルーメンから取り出されるよう構成されている。
【0036】
これらの目的のため、種々の形式の固定機構体が想定される。例えば、図2A及び図2Bを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122と套管状スクリュー102のルーメン104のヘッド部分120は、カートリッジがスクリューのルーメン104中に完全に挿入されたときに摩擦嵌め182が結果として生じるよう互いに対して寸法決めされているのが良い。この構成例では、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122は、摩擦嵌めを実現するよう套管状スクリュー102のルーメン104のヘッド部分120中に押し込まれ、例えば、ハンマー打ちされるのが良い。この構成の変形例では、摩擦嵌めを套管状スクリュー102のルーメン104のヘッド部分120及びエレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122の幾何学的形状に基づいて得ることができる。例えば、ルーメン104のヘッド部分120は、長円形の形をしているのが良く、このヘッド部分120と套管状スクリューのヘッド119との摩擦嵌めを得るには、例えば1/4回転だけカートリッジのヘッド122を回すのが良い。
【0037】
図3A及び図3Bを参照すると、別の実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122と套管状スクリュー102のルーメン104のヘッド部分120は、相補的な機械的特徴を有し、その結果、カートリッジがスクリューのルーメン104中に完全に挿入されると機械的結合184が結果的に生じるようになっている。一構成例では、エレクトロニクスカートリッジ106の機械的特徴は、歯形突出部186であり、套管状スクリュー102の機械的特徴は、スクリューのルーメン104のヘッド部分120の拡大リング領域188である。この構成例では、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122は、套管状スクリュー102のルーメン104のヘッド部分120中に押し込まれるのが良く、ついには、歯形突出部186は、リング領域188内の定位置にカチッと嵌まり込み、それにより機械的結合184を確立し、套管状スクリューからの外方へのカートリッジの動きを阻止することによってエレクトロニクスカートリッジ106を套管状スクリュー中の定位置に保持する。この構成例の変形例では、スナップ嵌め特徴、例えば、丸形又は六角形のリングが、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122の全体に沿ってぐるりと延びるのが良く、そしてリング領域188にスナップ嵌め状態になるのが良い。
【0038】
図4を参照すると、別の実施形態では、ヘッド122の下に位置するエレクトロニクスカートリッジ106のシャフト126の一区分は、ねじ山部分190を有し、ねじ山部分190は、套管状スクリュー102のルーメン104に設けられた相補形のねじ山付き部分(図示せず)と噛み合うよう構成されている。この構成例では、エレクトロニクスカートリッジ106は、その長さに沿って円形断面を有する。套管状スクリュー102のルーメン104もまた、円形の断面を有し、かくして、ルーメン104内におけるエレクトロニクスカートリッジ106の回転及びコンポーネント102,106のねじ山係合が可能である。この構成例では、次に、套管状スクリュー102を弛めることによって、エレクトロニクスカートリッジ106を套管状スクリュー102から取り外すことができる。この構成例の変形例では、相補形ねじ山は、エレクトロニクスカートリッジのヘッド122の外壁及び套管状スクリュー102のヘッド119の内壁に配置されるのが良い。この構成例では、套管状スクリューのヘッド119は、その外面に設けられていてスクリューの植え込み中、スクリューの回転を可能にするようインプラントツールと結合する特徴を有する。
【0039】
図5A及び図5Bを参照すると、別の実施形態では、ヘッド122の下に位置するエレクトロニクスカートリッジ106のシャフト126の一区分は、インターロック特徴192を有し、インターロック特徴192は、シャフトの周囲に沿ってぐるりと設けられた多数の溝から成る。この構成例では、套管状スクリュー102のルーメン104中へのエレクトロニクスカートリッジ106の挿入前に接着剤をインターロック特徴192に塗布する。接着剤194は、例えば、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)又はシリコーンであるのが良い。套管状スクリュー102のルーメン104中へのエレクトロニクスカートリッジ106の完全挿入時、接着剤インターフェース194がインターロック特徴192と套管状スクリュー102の内壁196との間に生じる。
【0040】
他の想定される固定機構体としては、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122の下側のところに設けられる引きはがし表面が挙げられ、この引きはがし表面は、引き剥がされると粘着性の表面を露出させる。套管状スクリューのルーメン104中へのエレクトロニクスカートリッジ106の完全挿入時、粘着性表面は、ルーメンのヘッド部分120の底面に衝合し、それによりエレクトロニクスカートリッジ106を定位置に固定する。
【0041】
図1B及び図1Dを参照すると、幾つかの実施形態では、套管状スクリュー102は、外面113と、この外面のところに位置する1つ以上の電極128,130とを有する。電極128,130は、シャフト118の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を備えた弧状パッド電極であるのが良く、これら電極は、ねじ山付き部分112を構成するねじ山111の隣接する巻回部相互間に設けられた溝に沿って延びるのが良い。例えば、各電極128,130は、シャフト118周りに30゜~180゜にわたって延びるのが良い。電極128,130は、抵抗率の低い導電性植え込み可能等級の材料で作られている。例示の材料としては、白金、プラチナ・イリジウム、金、金めっき銅、銀、又は電子接続路に用いられる他の低抵抗率材料が挙げられる。電極128,130は、套管状スクリュー102のシャフト118から電気的に絶縁される。この目的のため、絶縁材料が電極128,130の表面相互間に施されるのが良く、もしそうでなければ、かかる電極の表面は、シャフト118の外面113に接触してしまう。気密フィードスルー115が套管状スクリュー102の側壁117を貫通して延びるのが良く、そして套管状スクリューの電極128,130と内部121との間に電気的結合をもたらす。フィードスルー115は、金ろう付け導体を備えた従来型セラミックフィードスルー、ガラスフィードスルー、又は焼成セラミックフィードスルーであるのが良い。
【0042】
図1Dを参照すると、部分的にねじ山のついた套管状スクリュー102を有する実施形態、例えば図1A図1Cの実施形態では、絶縁材料の層174が、被覆領域を形成するようスクリューのねじ山が設けられていない部分(非ねじ山付き部分)に被着されるのが良い。この材料は、例えば、陽極酸化処理を用いて非ネジ山付き部分172に被着された二酸化チタン又は酸化アルミニウムであるのが良い。二酸化チタンの抵抗は、優れた絶縁体である酸化クロムコバルト(cobalt chrome oxide)とほぼ同じである。絶縁材料は、化学気相蒸着法を用いて非ねじ山付き部分172に被着されるダイヤモンド材料であるのが良く、それにより絶縁性の高い被膜が得られる。この材料は、化学めっきの気相蒸着を用いて非ネジ山付き部分172に被着されるセラミック材料であっても良く、それにより被膜結合が開始され、この材料は、共融取り付け法によって生じる導電性又は非導電性の金属液体金属リフローであるのが良い。
【0043】
被膜剪断を最小限に抑えるため、套管状スクリュー102のねじ山付き部分112の小さい方の直径を材料の層174の厚さに実質的に等しい量だけ増大させる。したがって、套管状スクリュー102の被覆領域の外径は、全体として、套管状スクリュー102のネジ山付き部分112の小さい方の径に等しい。
【0044】
電極128,130は、医療器具100の他のエレクトロニクスと組み合わせた状態で、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出して、かかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。EISセンサの詳細について以下にさらに開示する。電極128,130は、医療器具100の他のエレクトロニクスと組み合わせた状態で、通信インターフェースを構成することができる。通信インターフェースの詳細について以下にさらに開示する。
【0045】
図1Cを参照すると、幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、外面、及び外面のところに設けられていてエレクトロニクスカートリッジがルーメン中に挿入されたときに1つ以上の電極128,130に電気的に結合するよう構成された1つ以上の電気接点132,134を有する。電気接点132,134相互間の絶縁シール133が2つの電極128,130又は2つの電気接点132,134相互間の有害な電気的接触を、これら相互間の空間が導電性流体で満たされている場合であっても、阻止する。絶縁シール133は、Oリング又は追従性被覆整形シリコーンワイパであるのが良い。套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106の各々は、エレクトロニクスカートリッジがルーメン104中に挿入されたときに1つ以上の電極128,130を1つ以上の電気接点132,134に整列させるためのそれぞれの特徴を有する。これら特徴は、相補形機械的特徴、例えば、套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106のうちのいずれか一方の表面に設けられた溝、及びスクリュー及びエレクトロニクスカートリッジのうちの他方から延びる突起であるのが良い。
【0046】
図1B及び図6A図6Cを参照すると、套管状スクリュー102は、近位端136、遠位端138、及び近位端と遠位端との間でシャフト118に沿って位置する1つ以上の電極を有する。電極の異なる数及び配置が想定される。
【0047】
例えば、図1B及び図6Aを参照すると、幾つかの構成例では、套管状スクリュー102は、シャフト118に設けられた単一の対をなす互いに間隔を置いて配置された電極を有するのが良く、かかる電極としては、遠位端138の近くに設けられた遠位電極130及び近位端136の近くに設けられた近位電極128が挙げられる。図1Bの構成例では、電極128,130は、套管状スクリュー102のねじ山付き部分112のいずれか一方の側でシャフト118上に配置され、これら電極は、20~30mm以上の距離だけ離隔されるのが良い。図6Aの構成では、電極128,130の各々は、シャフトのねじ山111の隣接する巻回部相互間でシャフト118上に配置されており、かかる電極は、20~30mm以上の距離だけ離隔されるのが良い。電極128,130は、シャフト118の曲率半径とほぼ同じ曲率半径を備えた弧状パッド電極であるのが良く、これら電極は、ねじ山111の隣接する巻回部相互間の溝に沿って延びるのが良い。例えば、各電極128,130は、シャフト118周りに30゜~180゜にわたって延びるのが良い。
【0048】
図6Bを参照すると、幾つかの実施形態では、套管状スクリュー102は、シャフト118に沿って2つの対をなす電極を有するのが良い。1対の遠位電極130,150は、遠位端138の近くに配置され、1対の近位電極128,148は、近位端136の近くに配置される。一構成例では、電極128,130,148,150は、シャフト118のねじ山111の隣接する巻回部相互間に配置されるのが良い。対をなしている電極128,130,148,150は、2~10mmの距離だけ互いに離隔されるのが良く、対をなす電極は、20~30mm以上の距離だけ互いに離隔されるのが良い。電極128,130,148,150は、シャフト118の曲率半径とほぼ同じの曲率半径を備えた弧状パッド電極であるのが良く、これら電極は、ねじ山111の隣接する巻回部相互間の溝に沿って延びるのが良い。例えば、各電極128,130,148,150は、シャフト118周りに30゜~180゜にわたって延びるのが良い。
【0049】
図6Cを参照すると、幾つかの実施形態では、套管状スクリュー102は、套管状スクリュー102の遠位端138と近位端136との間でシャフト118に沿ってアレイ状に配列された電極164を有するのが良い。一構成例では、電極のアレイ164に属する各電極は、シャフト118に設けられたねじ山111の隣接する巻き線相互間に配置されるのが良く、これら電極は、2~10mmの距離だけ互いに離隔されるのが良い。電極のアレイ164に属する電極は、シャフト118の曲率半径とほぼ同じの曲率半径を備えた弧状パッド電極であるのが良く、これら電極は、ねじ山111の隣接する巻回部相互間の溝に沿って延びるのが良い。例えば、電極のアレイ164の各電極は、シャフト118周りに30゜~180゜にわたって延びるのが良い。
【0050】
図7A及び図7Bの略図を参照すると、ただ1つの対をなす電極128,130を有する医療器具100の構成例では、これら電極は、互いに電気的に絶縁されている。例えば、套管状スクリュー102の近位端136と遠位端138との間に延びるシャフト118は、電気を通さない材料で形成されても良く、あるいは、絶縁材料で被覆されてもよい。いずれの場合においても、1つ以上の電極128,130は、絶縁領域152によって隔てられている。電極128,130の側部に位置する追加の絶縁領域155,156は、電極128,130を導電性であるのが良い套管状スクリュー102の表面から電気的に絶縁する。
【0051】
図8A及び図8Bの略図を参照すると、アレイ状に配列された電極164を有する医療器具100の構成例では、これら電極は、互いに電気的に絶縁されている。例えば、套管状スクリュー102の近位端136と遠位端138との間に延びるシャフト118は、電気を通さない材料で形成されても良く、あるいは、絶縁材料で被覆されてもよい。いずれの場合においても、1つ以上の電極128,130は、絶縁領域158によって隔てられている。
【0052】
図1C図7B、及び図8Bを参照すると、上述したように、エレクトロニクスカートリッジ106は、近位端140、遠位端142、近位端のところに設けられたヘッド122、及びヘッドから遠位端に向かって延びるシャフト126を有する。エレクトロニクスカートリッジ106は、套管状スクリュー102の電極128,130,148,150,164をカートリッジ内に収容されたエレクトロニクスに電気的に結合するよう構成されている。
【0053】
この目的のため、図1C及び図7Bを参照すると、幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、外面、及びこの外面のところに設けられていて、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリューのルーメン中に挿入されたときに套管状スクリューの対をなす電極128,130に電気的に結合するよう構成された1対の電気接点132,134を有する。1対の電気接点132,134は、エレクトロニクスカートリッジ106のシェルの壁を貫通してカートリッジ内のエレクトロニクスに電気的に結合している。上述したように、シェルは、非導電材料で作られている。したがって、1対の電気接点132,134は、互いに電気的に絶縁されている。
【0054】
図8Bを参照すると、幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、外面、及びこの外面のところに設けられていて、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリューのルーメン中に挿入されたときにアレイ状の電極164に電気的に結合するよう構成されたアレイ状に配列された電気接点166を有する。電気接点のアレイに含まれる各電気接点166は、エレクトロニクスカートリッジ106のシェルの壁を貫通してカートリッジ内のエレクトロニクスに電気的に結合している。上述したように、シェルは、非導電材料で作られている。したがって、電気接点166は、互いに電気的に絶縁されている。
【0055】
図1C図7B、及び図8Bを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106に含まれるエレクトロニクスは、ヘッド122及びシャフト126のうちのいずれか一方又は両方の中に配置された1つ以上のエレクトロニクス組立体と関連するのが良い。エレクトロニクスカートリッジ106のエレクトロニクスは、植え込み型報告プロセッサ(IRP)を有し、かかるIRPの詳細については、図22A及び図22Bを参照して以下にさらに与えられる。IRPの構造に関し、幾つかの実施形態では、IRPは、1つ以上のアンテナ144,145、1つ以上の充電可能な電源154、及び1つ以上のエレクトロニクス組立体を有し、かかるエレクトロニクス組立体は、
器具と別の器具又は装置(体内に植え込まれるかあるいは体外に位置する)との通信を可能にする通信回路系、
次の行為、すなわち、1)身体組織の1つ以上の互いに異なる観点(解剖学的構造、生理学、代謝、及び/又は機能)を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングする行為、2)身体又は身体セグメント/関節の状態又は機能のうちの1つ以上の観点(骨折治癒、身体セグメント及び関節の位置、角度、速度、及び加速度の測定を含む動き)を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングする行為、及び/又は3)整形外科用器具又はインプラントの1つ以上の観点を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングする行為のうちの1つ以上を実施するために利用できる1つ以上のセンサ、及び
医療器具100の動作を可能にする種々の他のコンポーネント、例えば、メモリ、スイッチ、プロセッサなどを含む。
【0056】
エレクトロニクスは、電子部品に加わる負荷を最小限に抑えるようエレクトロニクスカートリッジ106内に位置決めされ、かかる電子部品としては、特に、感度の高いエレクトロニクス、例えば、プロセッサ、CPU、通信回路系、及びASIC又は電力供給源、例えば、キャパシタ、バッテリ、又は蓄電池が挙げられる。この目的のため、エレクトロニクスは、一般に、医療器具100の高応力ゾーンから遠ざかって、これとは異なり器具の負荷が最小限な部分に配置される。例えば、骨折を治療する際に用いられる医療器具100の場合、高応力ゾーンとしては、a)植え込み中のトルクの負荷及び植え込み時の圧縮に起因したヘッドからシャフト本体へのインターフェース変化部、b)直径方向変化、ならびに植え込み中のトルクの負荷及び植え込み時の圧縮に起因したねじ山からシャフト本体への遠位移行部、及びc)このゾーン内のトルク、モーメント及び軸応力集中を理由とするシャフト本体の中心が挙げられる。加うるに、高感度エレクトロニクス、例えばプロセッサ、CPU、通信回路系、及びASICは、エレクトロニクスカートリッジ106の近位端のところに配置され、他方、電力供給源154のような感度の低いエレクトロニクスは、カートリッジの中間領域のところに配置される。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスは、医療器具100の高応力領域に配置されるのが良いが、例えば、器具の負荷条件下においてある程度の変形を許容するよう可撓性であることによって応力に耐えるよう構成されるのが良い。
【0057】
多数の医療器具を必要とする用途では、最も負荷の小さいインプラント場所、すなわち植え込まれた医療インプラントに加わる応力を最もうけない場所のところに位置する器具は、スマート医療器具100であるように選択されるのが良い。例えば、図24Bに示されている逆三角形アプローチで大腿骨頸部骨折を治療する際に用いられる医療器具100の場合、最も負荷のかからない場所は、逆三角形の一頂点に対応している。したがって、医療器具100は、逆三角形の一頂点のところに配置されるのが良く、この頂点では、医療器具は、主として、骨折部及びその治癒具合を特徴付ける特徴づけ機能を発揮することになる。全体として又は主として安定性機能を発揮する医療器具は、オプションとして、センサを備えてはおらず、かかる医療器具は、逆三角形の他の場所に配置されるのが良く、その目的は、骨組織を治癒中まとめてしっかりと保持することにある。
【0058】
かくして、一観点では、本開示は、一緒になって骨組織の骨折部を治療するために用いられる1組の医療器具、すなわち、少なくとも2つの医療器具、オプションとして3つ、4つ、5つなどの医療器具を提供する。一実施形態では、組に属する医療器具は、全てスクリューである。特に、本開示の医療器具が安定性機能をほとんど発揮せず又は全く発揮しないことが意図されている場合、本開示の医療器具は、他の医療器具、例えば、センサを具備しておらず、しかも主として安定性機能を治癒中の組織に提供する標準型整形外科用スクリューと関連して利用されるのが良い。かくして、一観点では、本開示は、1組の医療器具を提供し、この場合、組に属する少なくとも1つの部材は、特徴づけ機能(及びオプションとして幾分かの安定性機能)を発揮する本開示のスマート医療器具であり、この組に属する少なくとも1つの部材は、主として又は専ら安定性機能を発揮する(オプションとして特徴づけ機能を発揮しない)よう利用される。例えば、一観点では、本開示は、3つで1組の医療器具を提供し、この場合、組に属する一部材は、特徴づけ機能(及びオプションとして幾分かの安定性機能)を発揮する本開示のスマート医療器具であり、この組に属する2つの部材は、主として又は専ら安定性機能を発揮するよう利用され、この場合、オプションとして、医療器具の各々は、スクリューである。かくして、使用にあたり、本開示のスマート医療器具は、オプションとして、安定性機能がそれほど必要ではない場所、すなわち、負荷がかからない又は負荷がわずかにかかる場所で骨組織中に配置されるのが良い。主として又は専ら安定性機能を提供発揮するよう利用される組を構成する医療器具は、骨組織中の比較的負荷の大きな場所に配置されるのが良い。かくして、一実施形態では、本開示は、逆三角形方式で大腿骨頸部骨折を治療する方法を提供し、この方法は、本開示の医療器具、例えば医療器具100を逆三角形の一頂点のところに配置するステップ、及びセンサを具備していない医療器具を三角形の他の2つの頂点のところに配置するステップを含む。
【0059】
一観点では、本開示は、1組の医療器具を提供し、この組は、本開示の少なくとも1つの第1の医療器具を含み、この組は、骨組織中に挿入可能に構成された少なくとも1つの第2の医療器具を含み、この場合第2の医療器具は、センサを具備していない。オプションとして、第1の医療器具及び第2の医療器具の各々は、スクリューである。オプションとして、この組は、単一の、すなわち、たった1つの第1の医療器具及び、複数の、すなわち、2個以上、すなわち、3個以上の、第2の医療器具を含み、この場合、オプションとして、組の各部材は、スクリューである。
【0060】
エレクトロニクスカートリッジ106の1つ以上のアンテナ144,145に関して、幾つかの実施形態に関し、アンテナ144は、全体がカートリッジの内側に位置し、このアンテナは、カートリッジのヘッド122内、カートリッジのシャフト126内、又は部分的にヘッド内かつ部分的にシャフト内に配置されるのが良い。例えば、図9Aを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122aは、例えばPEEKなどの材料147内に封入されたアンテナ144aを有するのが良い。アンテナ144aは、ヘッド122のベース151と平行にアンテナボード149に沿って延びる導電性線材146又はトレース線であるのが良い。図9Bを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106の別の実施形態では、通信アンテナと充電素子の両方として機能するよう構成されたアンテナ144bは、ヘッド122bの頂部のところに配置されるのが良い。アンテナ144bは、多面アレイ状に配列された突出ピンとして構成されるのが良い。
【0061】
図1Cを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ106の別の実施形態では、アンテナ145はシャフト126と関連している。アンテナ145は、シャフト126周りに巻き付けられるとともに、シャフト126の一部分に沿って延びる導電性線材又はトレース線から成るのが良い。例えば、アンテナ145は、シャフト126周りに螺旋のパターンをなして延びる線材であるのが良い。アンテナ145は、シャフトに埋め込まれ、かくして、エレクトロニクスカートリッジ106がスクリューのルーメン104中に挿入されたときに套管状スクリュー102の内部との接触を回避するようシャフト126の外面から電気的に絶縁されている。アンテナ145は、アンテナとヘッドとの間でシャフト126に沿って延びる絶縁トレース線又は線材を介してヘッド122内のエレクトロニクスに接続されるのが良い。
【0062】
幾つかの実施形態では、アンテナは、全体がカートリッジの外側に位置するのが良い。幾つかの実施形態では、アンテナは、部分的にカートリッジの内側に位置し、かつ部分的にカートリッジの外側に位置するのが良い。
【0063】
エレクトロニクスカートリッジ106の1つ以上の電力供給源154に関し、図7B及び図8Bを参照すると、電力供給源154は、エレクトロニクスカートリッジ106のシャフト126と関連するのが良く、しかも構造的安定性の目的のためにシャフトの長さに沿いの中間領域に配置されるのが良い。1つ以上の電力供給源154は、再充電可能であるのが良く、再充電機構体、例えば、コイルが、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド内に配置されるのが良い。他の実施形態(図示せず)では、電源は、エレクトロニクスカートリッジ106のヘッド122と関連するのが良く、再充電機構体、例えばコイルがエレクトロニクスカートリッジのヘッド内のバッテリと同時に設けられるのが良い。以下にさらに説明するように、1つ以上の電力供給源154は、バッテリ、例えば、充電式バッテリ、及びキャパシタ、例えば、スーパーキャパシタのうちの1つ以上であるのが良い。エレクトロニクスは、静電エネルギー、ワイヤレスエネルギー伝送、及びIR放射線のうちの1つによってエネルギーを取り出すよう構成されたエネルギー取り出し装置を含むのが良い。
【0064】
エレクトロニクスカートリッジ106の通信回路系に関し、一実施形態では、1つ以上の通信コンポーネントは、アンテナ144,145に結合されるとともにRF信号を送受する(例えば、Bluetooth 又はMICSを介して)よう構成された無線周波(RF)トランシーバを含む。図9Aを参照すると、RFトランシーバは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、RFトランシーバは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態のしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。RF遠隔測定通信の詳細について、図22Aを参照して以下にさらに説明する。
【0065】
別の実施形態では、1つ以上の通信コンポーネントは、医療器具100と関連した1対の電極に結合され、組織と接触関係をなして配置されるよう構成されるとともに、位置決めされた組織導通式通信回路系を含む。組織導通式通信回路系は、送信機及び受信機を含むのが良い。1対の電極は、医療器具100の電極128,130に対応するのが良い。このように構成されている場合、1つ以上の通信コンポーネントは、医療器具100と別の器具との容量性結合を可能にすること、又は医療器具と別の器具とのガルバニック結合を可能にすることのうちのいずれか一方を行うよう構成されているのが良い。図9Aを参照すると、組織導通式通信回路系は、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、組織導通式通信回路系は、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。容量及びガルバニック結合通信の詳細は、図22Aを参照して以下にさらに説明する。
【0066】
エレクトロニクスカートリッジ106のセンサに関し、幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、医療器具100の電極スイッチ及び検出回路系/モジュールと組み合わせて医療器具の電極128,130から成るEISセンサを含む。図9Aを参照すると、電極スイッチ及び検出回路系/モジュールは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、電極スイッチ及び検出回路系/モジュールは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。EISセンサの詳細は、図22A及び図22Bを参照して、以下にさらに開示される。
【0067】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、医療器具100の動きに対応し、さらに関連性によって器具が植え込まれた骨構造体の動きに対応し、かつ器具が植え込まれた患者の動き又は活動度に対応した信号を出力するよう構成された慣性測定ユニット(IMU)、例えば加速度計又はジャイロスコープを含むのが良い。加速度計は、一次元加速度計、二次元加速度計、三次元加速度計、又は任意の利用可能な次元の加速度計であるのが良い。エレクトロニクスは、信号を受信して処理するよう加速度計に結合され、かつ信号を患者の活動度、医療器具の健全性(破断)、及びインプラント配置場所に対する医療器具の運動(後退して出る運動=バックアウト)のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む。例えば、加速度計の位置は、植え込み後に決定されるのが良く、その位置における変化の検出を用いると、植え込み場所のところでの医療器具の運動を検出することができる。図9Aを参照すると、加速度計又はジャイロスコープ及びプロセッサは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、加速度計又はジャイロスコープ及びプロセッサは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。
【0068】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、医療器具100と関連したひずみセンサを含むのが良い。エレクトロニクスは、信号を受信して処理するようひずみセンサに結合され、かつ信号を医療器具の健全性(破断)、及びインプラント配置場所に対する医療器具の運動(後退して出る運動又は骨折治癒の指標)のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む。図9Aを参照すると、ひずみセンサ及びプロセッサは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、ひずみセンサ及びプロセッサは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。
【0069】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、医療器具100と関連し、かつ医療器具の音響振動/運動のレベルに対応した信号を出力するよう構成された音響共鳴センサを含むのが良い。エレクトロニクスは、信号を受信するよう音響共鳴装置に結合され、かつこの信号を処理して植え込み部位のところでの骨構造体内の医療器具の固定度の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、子のプロセッサは、骨の治癒状態の指標を提供することができる。音響共鳴センサは、医療器具100と関連していて振動する単一の装置であっても良く、あるいは、医療器具100の一端のところに設けられた音響送信機及び器具の他端のところに設けられた音響受信機とから成る1対の装置であるのが良い。音響送信機は、音響信号を医療器具100中に出力する。音響受信機は、音響信号を検出して、この音響受信機が受信した音響信号の強度を表す振幅を有する電気信号を出力する。プロセッサは、この振幅を分析して骨折部の治癒状態を算定することができ、この場合、小さい振幅(医療器具の振動が小さいことを意味している)に向かう音響信号の経時的な進み具合は、骨の治癒を表している。図9Aを参照すると、音響共鳴センサ及びプロセッサは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、音響共鳴センサ及びプロセッサは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。
【0070】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、医療器具100と関連し、かつ医療器具内の応力のレベルに対応した信号を出力するよう構成された応力センサを含むのが良い。エレクトロニクスは、この信号を受信するために応力センサに結合され、かつこの信号を処理して植え込み部位のところでの骨構造体内の医療器具の固定の程度の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、このプロセッサは、骨の治癒状態の指標を提供することができる。応力センサは、医療器具100と関連していて局所応力を検出する単一の装置であるのが良く、あるいは、医療器具100内に又は医療器具100上に設けられた応力センサから成る装置であっても良い。応力センサは、医療器具100の一区分の機械的応力を検出し、そしてこの応力の大きさを表す振幅を有する電気信号を出力する。プロセッサは、この振幅を分析して骨折部の治癒の状態を算定し、この場合、小さい振幅(医療器具の振動が小さいことを意味している)に向かう応力の経時的な進み具合は、骨の治癒を表している。図9Aを参照すると、応力センサ及びプロセッサは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、応力センサ及びプロセッサは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。
【0071】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、植え込み場所での医療器具100の温度に対応した信号を出力するよう構成された温度センサを含むのが良い。図9Aを参照すると、温度センサ及びプロセッサは、ヘッド122a内に配置された回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連するのが良い。図9Bを参照すると、温度センサ及びプロセッサは、シャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしたエレクトロニクス組立体157と関連するのが良い。幾つかの実施形態では、温度センサは、套管状スクリュー102と関連するのが良い。
【0072】
図9Aを参照すると、ヘッド122a内のエレクトロニクスは、アンテナボード149の下に位置する回路板の形態をしたエレクトロニクス組立体153と関連した他のコンポーネント、例えば、メモリ、電力スイッチ、ヒューズなどをさらに含むのが良い。ヘッド122a内のエレクトロニクスは、エレクトロニクスカートリッジ106のシャフト126内に配置された電力供給源(図示せず)まで延びるバッテリ接点195をさらに含むのが良い。他の実施形態では、エレクトロニクスのうちの幾つかは、シャフト126内に配置された印刷回路板に実装されるのが良い。図9Bを参照すると、シャフト126内のエレクトロニクスは、電力供給源154、及びシャフト126内に配置された回路カプセルの形態をしているエレクトロニクス組立体157と関連した他のコンポーネント、例えば、メモリ、電力スイッチ、ヒューズなどを含むのが良い。これらコンポーネントの詳細は、図22Aを参照して以下にさらに開示される。
【0073】
幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ106は、化学反応によって植え込み部位のところに気体酸素反応を生じさせる触媒材料を送り出すよう構成された機構体を含む。この機構体は、プロセッサの持続放出型コントローラの制御下で植え込み後に触媒材料を1回以上放出するリザーバである。この機構体は、カートリッジに施されていて受動的に体内に溶出する触媒材料の被膜であるのが良い。触媒材料と身体との反応は、医療器具の電極中への電気刺激の送り出しによって促進可能である。
【0074】
図10A及び図10Bを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1000のカートリッジ構成例は、ルーメン1004が貫通して延びる套管状構造体1002、及び構造体の外面のところに設けられた複数の電極1028,1030を有する。医療器具の他の実施形態の場合と同様、套管状構造体1002は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されている。医療器具1000は、エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジ1006をさらに有する。エレクトロニクスカートリッジ1006は、套管状構造体1002のルーメン1004中に挿入可能に構成されている。挿入時、エレクトロニクスカートリッジ1006は、カートリッジのエレクトロニクスと複数の電極1028,1030との1箇所以上の電気的結合部1008,1010を実現する。
【0075】
套管状構造体1002は、ねじ山付き部分1011を備えた導電サブストレート1012を有する。エレクトロニクスカートリッジ1006は、第1の電気接点1016及び第2の電気接点1022を有する。第1の電気接点1016は、導電サブストレート1012の内面に接触し、それによりエレクトロニクスと第1の電極1030との間に電気的結合部1010を実現するよう位置決めされる。第2の電気接点1022は、第2の電極1028の一部分に接触し、それによりエレクトロニクスと第2の電極1028との間に電気的結合部1008を実現するよう位置決めされる。
【0076】
導電サブストレート1012の外面は、絶縁材料1014で少なくとも部分的に処理され又は被覆されている。例えば、チタン導電サブストレート1012は、表面を電気的に絶縁状態にするために陽極酸化処理されるのが良い。複数の電極のうちの第1の電極1030は、カートリッジの第1の電気接点1016を介してエレクトロニクスカートリッジ1006に接続された導電サブストレート1012の露出部分に対応している。第1の電気接点1016は、例えば、板ばね、圧力嵌め金属リング、接触用金属表面などであるのが良い。第1の電極1030の表面及び第1の電気接点1016に接触した表面は、表面処理又は被覆を施されていない。これにより、導電サブストレート1012を介するエレクトロニクスカートリッジ1006への電気的接続が可能である。
【0077】
複数の電極のうちの第2の電極1028は、套管状構造体1002の近位端のところで絶縁材料1014の一部分上に位置しかつエレクトロニクスカートリッジ1006の第2の電気接点1022を介してエレクトロニクスカートリッジ1006に接続されている。第2の電気接点1022は、例えば、板ばね、圧力嵌め金属リング、接触用金属表面などであるのが良い。
【0078】
第2の電極1028は、導電サブストレート1012を被覆し又は処理して絶縁材料1014の頂部に導電表面層1018を形成することによって構成されている。導電表面層1018を形成する被膜は、套管状構造体1002の強度を維持するとともに従来型套管状構造体とほぼ同じ外径を維持するよう薄い。第2の電極1028の区域の外側に作る患者との電気接触は、薄い絶縁処理又は被膜1020によりかつ/あるいは第2の電極の一区域内の套管状構造体1002の直径を僅かに減少させて骨との接触具合を軽減することによって阻止される。絶縁処理又は被膜1020は、幾つかのプロセス、例えば、化学気相蒸着、電気めっき、シルクスクリーニング、又は粉体被覆によって追加されるのが良い。この実施形態では、導電表面層1018は、導電サブストレート1012の絶縁ヘッドに巻き付いて駆動ソケット1026の内部を被覆する。
【0079】
エレクトロニクスカートリッジ1006の2つの電気接点1016,1022は、絶縁シール1032によって互いに離隔されている。絶縁シール1032は、2つの電極1028,1030相互間又は2つの電気接点1016,1022相互間の有害な電気的接触を、これらの間の空間が導電流体で満たされている場合であっても、阻止する。絶縁シール1032は、Oリング又は応従性オーバーモールドシリコーンワイパであるのが良い。第2の電極1028は、犠牲減摩性被膜によって挿入中、摩耗から保護されるのが良い。第2の電極1028もまた、導電被膜及び絶縁被膜をスクリュー壁に切り込まれた凹みチャネル内に配置することによって機械的に保護されるのが良い。この構成技術により、電極の任意の配置、形状、及び寸法が可能である。
【0080】
図10A及び図10Bの実施形態は、絶縁性の非導電材料1014及び導電材料1018の層又は被膜を採用して套管状構造体1002の導電サブストレート1012を変更しないで多数の電極1028,1030を作る。マスキングを用いて、被膜を套管状構造体1002の長さに沿って種々の寸法に合わせて被着して互いに異なる電極を作ることができる。導電サブストレート1012の一区域は、1つの電極として働く。
【0081】
図11A及び図11Bを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1100のカートリッジ構成例は、ルーメン1104が貫通して延びる套管状構造体1102、及びこの構造体の外面のところに設けられた複数の電極1128,1130,1136,1140を有し、各電極は、これまた構造体の外面のところに設けられた対応の電気接点1134,1138,1142,1144を備えている。医療器具の他の実施形態の場合と同様に、套管状構造体1102は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されている。医療器具1100は、エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジ1106をさらに有する。エレクトロニクスカートリッジ1106は、套管状構造体1102のルーメン1104中に挿入されるよう構成されている。挿入時、エレクトロニクスカートリッジ1106は、カートリッジのエレクトロニクスと複数の電極1128,1130,1136,1140との間に1つ以上の電気的結合部(図示せず)を実現する。
【0082】
エレクトロニクスカートリッジ1106は、個数として複数の電極1128,1130,1136,1140と同じ複数の電気接点1131,1135,1139,1143を有する。エレクトロニクスカートリッジ1106の電気接点1131,1135,1139,1143の各々は、ルーメン1104中への挿入時に套管状スクリュー1102の電気接点1134,1138,1142,1144の各々と対応して接触するよう位置決めされており、それにより、カートリッジのエレクトロニクスと電極1128,1130,1136,1140との間に電気的結合部を実現する。エレクトロニクスカートリッジ1106の電気接点1131,1135,1139,1143は、例えば、板ばね、圧力嵌め金属リング、接触用金属表面などであるのが良い。
【0083】
套管状構造体1102は、絶縁材料1114によって少なくとも部分的に処理され又は被覆されている外面を備えた導電サブストレートを有する。例えば、套管状構造体1102は、この外面を電気的に絶縁状態にするよう陽極酸化処理されたチタンサブストレートを有するのが良い。複数の、例えば図11の実施例では4つの電極1128,1130,1136,1140は、絶縁材料1114上に施された導電被膜によって形成されている。これ又は導電被膜によって形成されたトレース線1129,1133,1137,1141は、各電極1128,1130,1136,1140から套管状構造体1102にヘッド1119に形成された切欠きまで延び、この切欠きのところで、トレース線は、それぞれの電気接点1134,1138,1142,1144で終端している。絶縁被膜が套管状構造体1102の対応関係にある電極1128,1130,1136,1140と対応関係にある電気接点1134,1138,1142,1144との間に延びる各トレース線1129,1133,1137,1141の部分を覆っている。
【0084】
4つの電極のうちの3つの電極1128,1132,1136は、C字形であって套管状構造体1002のシャフト1126には完全には巻き付いていない。これにより、3つのより遠位側の電極1130,1136,1140のトレース線1133,1137,1141のうちの1つ以上が単一の導電層上のC字形電極1128,1130,1136の隙間を通過することができる。しかしながら、追加の絶縁層を追加することによって、4つ全ての電極1128,1132,1136,1140は、シャフト1126に完全に巻き付けることができ、そして他の電極への導電接続部の頂部をクロスオーバーする(越える)ことができる。
【0085】
図11A及び図11Bの実施形態は、套管状構造体1102のサブストレートの外面上の導電材料及び非導電材料に対して電気めっきを利用している。第1に、非導電層は、サブストレートの大部分又は全てを絶縁している。第2に、サブストレートは、覆い隠され、そして導電被膜が電気接点1134,1138,1142,1144、電気トレース線1129,1133,1137,1141、及び電極1128,1130,1136,1140を作るよう被着されている。第3に、非導電めっきが電気トレース線1129,1133,1137,1141にのみ施され、それにより、電気接点1134,1138,1142,1144及び電極1128,1130,1136,1140が露出状態になっている。
【0086】
図12A図12Cを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1200のカートリッジ構想例は、ルーメン1204が貫通して延びる多部品構成型套管状構造体1202、及びこの構造体の外面のところに設けられた複数の電極1228,1230を有する。医療器具の他の実施形態の場合と同様、套管状構造体1202は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されている。医療器具1200は、エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジ1206をさらに有する。エレクトロニクスカートリッジ1206は、他部品構成型套管状構造体1202のルーメン1204中に挿入可能に構成されている。挿入時、エレクトロニクスカートリッジ1206は、カートリッジのエレクトロニクスと複数の電極1228,1230との1箇所以上の電気的結合部1208,1210を実現する。
【0087】
多部品構成型套管状構造体1202は、遠位部品1212及び近位部品1214を有し、各部品は、絶縁被膜1218で少なくとも部分的に被覆された外面を備える導電サブストレート1216a,1216bを有する。例えば、遠位部品1212及び近位部品1214は、外面を絶縁状態にするよう陽極酸化処理されたチタンサブストレート1216a,1216bを有するのが良い。遠位部品1212は、ねじ山付き部分1220を有する。本明細書において説明する多部品構成型套管状構造体1202は各々が電極1228,1230を備えた2つの部品1212,1214を有するが、套管状構造体1202は、3つ以上の部品を有しても良い。例えば、多部品構成型套管状構造体は、各々が電極を有しかつ各々が1つ以上の隣り合う部品に結合されるよう構成された4つの部品を有しても良い。
【0088】
エレクトロニクスカートリッジ1206は、エレクトロニクスを収容したシェル1240、ならびにシェルの外部に設けられていてエレクトロニクスに結合された第1の電気接点1222及び第2の電気接点1224を有する。シェル1240は、2つの電気接点1222,1224を互いに電気的に絶縁するよう構成されている。この目的のため、シェル1240は、電気的に非導電材料で作られても良く又は絶縁材料で被覆された導電材料で作られても良い。第1の電気接点1222は、遠位部品1212の導電サブストレート1216aの内面に接触し、それによりエレクトロニクスと第1の電極1230との間に電気的結合部1208を実現するよう位置決めされている。第1の電気接点1222は、例えば、板ばね、圧力嵌め金属リング、接触用金属表面などであるのが良い。導電サブストレート1216aの内面は、表面処理又は被覆を施されていない。これにより、第1の電極1230から導電サブストレート1216aを介するエレクトロニクスカートリッジ1206までの電気的接続が可能である。第2の電気接点1224は、近位部品1214の導電サブストレート1216bの内面に接触し、それによりエレクトロニクスと第2の電極1228との間に電気的結合部1210を実現するよう位置決めされている。第2の電気接点1224は、例えば、板ばね、圧力嵌め金属リング、接触用金属表面などであるのが良い。導電サブストレート1216bの内面は、表面処理又は被覆を施されていない。これにより、第2の電極1228から導電サブストレート1216bを介するエレクトロニクスカートリッジ1206までの電気的接続が可能である。
【0089】
第1の電極1230及び第2の電極1228は、それぞれ対応の導電サブストレート1216a,1216bの露出区域に対応している。電極1228,1230は、絶縁被膜1218を設ける前に対応の導電サブストレート1216a,1216bの外面を覆い隠すことによって、あるいは、被膜がすでに被着されている場合には、導電サブストレートを機械表面仕上げして絶縁被膜を除去することによって、構成されても良い。第1の電極1230と第2の電極1228は、套管状構造体1202の遠位部品1212と近位部品1214との非導電接合部1232によって互いに電気的に絶縁されている。
【0090】
非導電接合部1232は、医療器具1200の植え込み中、近位部品1214を遠位部品1212に固定するために用いられる接着剤であるのが良い。例えば、医療器具1200の植え込みの際、第1の部品1212を最初に骨組織を貫通して開けられた門形穴中に植え込む。次に、非導電接着材料を近位部品1214の端に塗布し、次にこの部品を門形穴中に挿入し、ついには、この部品が遠位部品1212と機械的に結合するようになる。遠位部品1212と近位部品1214の結合は、これら部品のそれぞれの機械的特徴1234,1236、例えば、互いに嵌まり合うそれぞれの組をなす切欠きと突起によって行われるのが良い。次に、エレクトロニクスカートリッジ1206を近位部品1214のヘッド1238に通してルーメン1204中に挿入する。別の植え込み手技では、エレクトロニクスカートリッジ1206を遠位部品1212中に挿入するのが良く、その後において近位部品1214を遠位部品に結合する。さらに別の手技では、遠位部品1212と近位部品1214を体外で互いに組み立てるのが良く、その後に植え込み、次に図18A図18Jを参照して以下において説明するインプラントツール及び技術のうちの任意のものを用いて骨内に着座させる。次に、エレクトロニクスカートリッジ1206を組み立て状態の套管状構造体1202中に挿入する。
【0091】
図13A図13Dを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1300のカートリッジ構成例は、套管状スクリュー1302及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ1306を有する。この実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1306は、1つ以上の電極を有し、套管状スクリュー1302は、1つ以上の孔を有する。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1306の種々のエレクトロニクスがカートリッジのヘッド1322内に配置され、電力供給源1354がヘッドの下に位置するエレクトロニクスカートリッジのシャフト1326の一部分内に配置されている。套管状スクリュー1302及びエレクトロニクスカートリッジ1306のこの構造及び特性ならびに他の構造及び他の特性は、図1A図1Cの実施形態の套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106について上述した構造及び特性と実質的に同一である。したがって、かかる細部についてはここでは繰り返さない。その代わりに、図13A図13Dのスマート医療器具1300のこれ以上の説明は、その別個の特徴に焦点を当てる。
【0092】
図13Cを参照すると、套管状スクリュー1302は、その側壁1310を貫通して設けられたスロットの形態をした孔1308を有する。スロット1308は、套管状スクリュー1302のねじ山付き領域1312の近位側に位置する套管状スクリューのシャフト1318の一領域内に配置されている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜がスロット1308の一区域において套管状スクリュー1302の外面1316に被着されている。
【0093】
図13Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1306は、カートリッジのシャフト1326の表面から半径方向外方に延びるばね押し電極組立体1314を有する。この目的のため、電極組立体1314は、シャフト1326の表面に対して付勢されており、それにより、エレクトロニクスカートリッジは、電極組立体1314の外面がシャフト1326の表面と実質的に同一平面上にある圧縮状態と、電極組立体1314の外面がスロット1308を貫通するようシャフト1326の表面から見て上に位置し又はオフセットした拡張状態との間で移行することができる。電極組立体1314は、少なくとも1mmの距離だけ互いに離隔された1対の電極1328,1330を有する。
【0094】
引き続き図13Dを参照すると、電極組立体1314の形状因子、例えば幾何学的断面及び厚さならびにエレクトロニクスカートリッジ1306のヘッド1322の底部と電極突出部の頂部との間の距離dは、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリュー1302のルーメン1304中に完全に挿入されると、電極組立体1314がスロット1308と整列し、そしてこれを貫通して電極1328,1330を套管状スクリューの外面1316から外方に位置決めするようなものである。
【0095】
套管状スクリュー1302及びエレクトロニクスカートリッジ1306は、図2A図5Bを参照して上述した機構体と類似していてカートリッジをスクリュー内に固定する1つ以上の機構体を有するのが良い。さらに、電極組立体1314をスロット1308中に通すことはまた、エレクトロニクスカートリッジ1306を套管状スクリュー1302内に固定するのに役立つ。
【0096】
図13A図13Dを参照すると、骨折部1342の治療のために医療器具1300を植え込む際、套管状スクリュー1302は、骨折部がスロット1308の互いに反対側の端相互間に、好ましくは、かかる端相互間の中間に配置されるよう骨折部を横切って植え込まれるのが良い。したがって、エレクトロニクスカートリッジ1306を套管状スクリュー1302中に挿入すると、電極1328,1330は、骨折部1342の互いに反対側に位置する。
【0097】
電極1328,1330は、医療器具1300の他のエレクトロニクスと組み合わせた状態で、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出して、かかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。以下にさらに説明するように、この構成では、医療器具1300は、骨折部1342の特徴づけ及び治癒状態分析の目的で、電極1328,1330を介するデータの収集を可能にする。電極1328,1330は、医療器具1300の他のエレクトロニクスと組み合わせた状態で、組織導通式通信インターフェースを構成することができる。組織導通式通信インターフェースの詳細については以下にさらに開示する。
【0098】
図14A図14Dを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1400のカートリッジ構成例は、套管状スクリュー1402及び套管状スクリューに挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ1406を有する。幾つかの構成例では、エレクトロニクスカートリッジ1406の種々のエレクトロニクスがカートリッジのヘッド1422内に配置され、電力供給源1454がヘッドの下に位置するエレクトロニクスカートリッジのシャフト1426の一部分内に配置されている。套管状スクリュー1402及びエレクトロニクスカートリッジ1406のこの構造及び特性ならびに他の構造及び他の特性は、図1A図1Cの実施形態の套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106について上述した構造及び特性と実質的に同一である。したがって、かかる細部についてはここでは繰り返さない。その代わりに、図14A図14Dのスマート医療器具1400のこれ以上の説明は、その別個の特徴に焦点を当てる。
【0099】
図14Cを参照すると、套管状スクリュー1402は、その側壁1410を貫通して設けられたアレイ状の孔1408を有する。図14Cの套管状スクリュー1402では、孔1408のアレイには8つの個々の孔が設けられている。孔1408のアレイは、套管状スクリュー1402のねじ山付き領域1412の近位側で套管状スクリューのシャフト1418の一領域内に配置されている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜が孔1408のアレイの一区域内で套管状スクリュー1402の外面1416に被着されている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜がねじ山付き領域1412を除き、套管状スクリュー1402の外面1416にその長さ全体にわたって被着されている。
【0100】
図14Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1406は、アレイ状に配列された電極1414を有する。図14Dのエレクトロニクスカートリッジ1406では、電極1414のアレイには8つの個々の電極が設けられている。電極1414のアレイは、個々の電極を互いに封止するとともに電気的に絶縁するシール1424によって互いに隔てられた多数の個々の電極を含む。幾つかの実施形態では、これらシール1424は、エレクトロニクスカートリッジ1406の中空シェルの一領域に対応し、この中空シェルは、上述したように、絶縁材料で形成されている。他の実施形態では、このシール1424は、エレクトロニクスカートリッジ1406のシェル周りに配置された非導電金属もしくはポリマー材料又は生体適合性エラストマーで作られたリングであるのが良い。隣り合う個々の電極相互間の距離は、少なくとも1mmであるのが良い。これら個々の電極は、エレクトロニクスカートリッジ1406のシャフト1426の外面1420に対して引っ込められている。一構成例では、個々の電極は、リング電極である。
【0101】
引き続き図14Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1406のヘッド1422の底部と電極1414のアレイの頂部との間の距離dは、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリュー1402のルーメン1404中に完全に挿入されると、電極1414のアレイに属する個々の電極の各々が孔1408のアレイに属する孔の各々と対応して整列するようなものである。套管状スクリュー1402中へのエレクトロニクスカートリッジ1406の挿入時におけるエレクトロニクスカートリッジ1406のシャフト1426に対する個々の電極の引っ込み配置状態に起因して、ドーナツ形の空間が個々の電極の外面と套管状スクリュー1402の内壁との間に形成される。電極表面と組織との間の電極‐組織インターフェースは、組織が套管状スクリュー1402の孔を通って電極1414のアレイに属する電極周りのドーナツ形空間中に入り込むことによって実現される。
【0102】
套管状スクリュー1402及びエレクトロニクスカートリッジ1406は、図2A図5Bを参照して上述した機構体と類似していてカートリッジをスクリュー内に固定する1つ以上の機構体を有するのが良い。さらに、電極1414のアレイに属する1つ以上の電極は、半径方向に膨張して孔1408のアレイに属する孔のうちの1つの中へ少なくとも部分的に延び、場合によっては全体にわたって延びるよう構成されているのが良い。この目的のため、電極は、形状記憶性を有する材料、例えばプラチナ、プラチナ・イリジウム合金で作られるのが良く、その結果、エレクトロニクスカートリッジ1406が整形外科的に定められた場所に配置されると、温度変化により電極が設定形態から電極を孔中に延長させる別の形状設定形態に変化するようになっている。電極の膨張変化分は、軸方向、半径方向又は両方向において0.001インチ(0.025mm)以上であるのが良く、それにより電極を孔中にかつこれを通って延長させ、それによりエレクトロニクスカートリッジ1406を套管状スクリュー1402内に固定するとともに電極表面と骨組織インターフェースとの間の接触具合を向上させる。
【0103】
図14A図14Dを参照すると、骨折部1442の治療のために医療器具1400を植え込む際、套管状スクリュー1402は、骨折部が孔1408のアレイの互いに反対側の端相互間に、好ましくは、かかる端相互間の中間に配置されるよう骨折部を横切って植え込まれるのが良い。したがって、エレクトロニクスカートリッジ1406を套管状スクリュー1402中に挿入すると、電極のうちの1つ以上は、骨折部1442の互いに反対側に位置する。
【0104】
電極1414のアレイのうちの少なくとも2つの選択された電極は、医療器具1400の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出するとともにかかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。以下にさらに説明するように、この構成では、医療器具1400は、骨折部の特徴づけ及び治癒分析の目的で骨折部1442の互いに反対側に設けられた選択電極を介するデータの収集を可能にする。電極1414のアレイのうちの2つの選択電極は、医療器具1400の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織導通式通信インターフェースを構成することができる。組織導通式通信インターフェースの詳細については以下にさらに説明する。
【0105】
図15A図15Dを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1500のカートリッジ構成例は、套管状スクリュー1502及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ1506を有する。幾つかの構成例では、エレクトロニクスカートリッジ1506の種々のエレクトロニクスがカートリッジのヘッド1522内に配置され、電力供給源1554がヘッドの下に位置するエレクトロニクスカートリッジのシャフト1526の一部分内に配置されている。套管状スクリュー1502及びエレクトロニクスカートリッジ1506のこの構造及び特性ならびに他の構造及び他の特性は、図1A図1Cの実施形態の套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106について上述した構造及び特性と実質的に同一である。したがって、かかる細部についてはここでは繰り返さない。その代わりに、図15A図15Dのスマート医療器具1500のこれ以上の説明は、その別個の特徴に焦点を当てる。
【0106】
図15Cを参照すると、套管状スクリュー1502は、その側壁1510を貫通して設けられた1対の孔1508,1509を有する。1対の孔1508,1509は、套管状スクリュー1502のねじ山付き領域1512の近位側で套管状スクリューのシャフト1518の一領域内に配置されている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜が1対の孔1508,1509の一区域内で套管状スクリュー1502の外面1516に被着されている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜がねじ山付き領域1512を除き、套管状スクリュー1502の外面1516にその長さ全体にわたって被着されている。
【0107】
図15Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1506は、1対の電極1528,1530を有する。電極1528,1530は、個々の電極を互いに封止するとともに電気的に絶縁するシール1524によって互いに隔てられている。幾つかの実施形態では、このシール1524は、エレクトロニクスカートリッジ1506の中空シェルの一領域に対応し、この中空シェルは、上述したように、絶縁材料で形成されている。他の実施形態では、このシール1524は、エレクトロニクスカートリッジ1506のシェル周りに配置された非導電金属もしくはポリマー材料又は生体適合性エラストマーで作られたリングであるのが良い。電極1528,1530相互間の距離は、少なくとも1mmであるのが良い。電極1528,1530は、エレクトロニクスカートリッジ1506のシャフト1526の外面1520に対して引っ込められている。一構成例では、個々の電極1528,1530は、リング電極である。
【0108】
引き続き図15Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1506のヘッド1522の底部と近位電極1528との間の距離dは、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリュー1502のルーメン1504中に完全に挿入されると、各電極1528,1530が対応の孔1508,1509と整列するようなものである。エレクトロニクスカートリッジ1506のシャフト1526に対する個々の電極1528,1530の引っ込み構造に起因して、套管状スクリュー1502中へのエレクトロニクスカートリッジ1506の挿入時にドーナツ形の空間が個々の電極の外面と套管状スクリュー1502の内壁との間に形成される。電極表面と組織との間の電極‐組織インターフェースは、組織が套管状スクリュー1502の孔1508,1509を通って電極1528,1530周りのドーナツ形空間中に入り込むことによって実現される。
【0109】
套管状スクリュー1502及びエレクトロニクスカートリッジ1506は、図2A図5Bを参照して上述した機構体と類似していてカートリッジをスクリュー内に固定する1つ以上の機構体を有するのが良い。さらに、電極1528,1530のうちの1つ以上は、図14Dを参照して説明したように、半径方向に膨張して孔1508,1509のうちの1つの中へ少なくとも部分的に延び、場合によっては全体にわたって延びるよう構成されているのが良い。
【0110】
図15A図15Dを参照すると、骨折部1542の治療のために医療器具1500を植え込む際、套管状スクリュー1502は、骨折部が1対の孔1508,1509相互間に、好ましくは、かかる孔相互間の中間に配置されるよう骨折部を横切って植え込まれるのが良い。したがって、エレクトロニクスカートリッジ1506を套管状スクリュー1502中に挿入すると、電極1528,1530は、骨折部1542の互いに反対側に位置する。
【0111】
電極1528,1530は、医療器具1500の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出するとともにかかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。以下にさらに説明するように、この構造では、医療器具1500は、骨折部の特徴づけ及び治癒分析の目的でこれら電極を介するデータの収集を可能にする。電極1528,1530は、医療器具1500の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織導通式通信インターフェースを構成することができる。組織導通式通信インターフェースの詳細については以下にさらに説明する。
【0112】
図16A図16Dを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1600のカートリッジ構成例は、套管状スクリュー1602及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ1606を有する。幾つかの構成例では、エレクトロニクスカートリッジ1606の種々のエレクトロニクスがヘッド1622内に配置され、電力供給源1654がヘッドの下に位置するエレクトロニクスカートリッジのシャフト1626の一部分内に配置されている。套管状スクリュー1602及びエレクトロニクスカートリッジ1606のこの構造及び特性ならびに他の構造及び他の特性は、図1A図1Cの実施形態の套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106について上述した構造及び特性と実質的に同一である。したがって、かかる細部についてはここでは繰り返さない。その代わりに、図16A図16Dのスマート医療器具1600のこれ以上の説明は、その別個の特徴に焦点を当てる。
【0113】
図16Dを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1606は、カートリッジのヘッド1622と関連したキャップ電極1628及びカートリッジの遠位端のところに設けられた先端電極1630を有する。エレクトロニクスカートリッジ1606のヘッド1622の底部と先端電極1630の頂部との間の距離dは、エレクトロニクスカートリッジが套管状スクリュー1602(図16Bに示す)のルーメン1604中に完全に挿入されると、先端電極1630が套管状スクリュー1602のルーメン1604の遠位端1605に隣接し又はこの遠位端のところで露出され、キャップ電極1628がスクリューのヘッド1619のところで露出されるようなものである。この実施形態では、キャップ電極1628及び先端電極1630の露出は、例えば図13A図15Dの実施形態に設けられた側壁スロット又は孔を必要としないで行われる。
【0114】
引き続き図16Dを参照すると、幾つかの実施形態では、キャップ電極1628は、ヘッド1622の頂面と平行な平面内に位置する第1の部分1632、第1の部分の端から下方に曲がるとともに第1の部分の平面とは異なる平面内でかつヘッドの側部から遠ざかって延びる第2の部分1634、及び第2の部分の端から上方に曲がりかつ第1の部分1632の平面と実質的に平行な平面内でかつヘッドの側部からさらに遠ざかって延びる第3の部分1636を有する。
【0115】
図16Aを参照すると、套管状スクリュー1602のヘッド1619のところでのキャップ電極1628の露出により、套管状スクリュー1602中へのエレクトロニクスカートリッジ1606の挿入時、電極‐組織インターフェース1640をキャップ電極1628の第3の部分1636と骨組織1644の表面との間に形成することができる。この実施形態では、キャップ電極1628の一部分、例えば第1の部分1632及び場合によっては第2の部分1634が套管状スクリュー1602のヘッド1619に接触するので、套管状スクリュー1602のヘッドは、絶縁材料で被覆するのが良く又は套管状スクリュー1602全体が絶縁材料で被覆されるのが良い。
【0116】
他の実施形態(図示せず)では、エレクトロニクスカートリッジ1606のヘッド1622上で露出するキャップ電極1628を設けるのではなく、カートリッジは、套管状スクリュー1602の導電部分と電気的に接触するようカートリッジの側面のところで露出されるカートリッジの内側(ヘッド1622のところかシャフト1626の上側領域のところかのいずれか)に位置する上側電極を有しても良い。この実施形態では、上側電極と接触する部分を除き、スクリュー全体は、絶縁材料で被覆される。
【0117】
図16Dに戻ってこれを参照すると、先端電極1630は、エレクトロニクスカートリッジ1606のシャフト1626の外面1620に対して引っ込められている。一構成例では、先端電極1630は、リング電極である。エレクトロニクスカートリッジ1606のシャフト1626に対する先端電極1630の引っ込み構造に起因して、套管状スクリュー1602中へのエレクトロニクスカートリッジ1606の挿入時にドーナツ形の空間が先端電極1630の外面と套管状スクリュー1602の内壁との間に形成される。先端電極1630と組織との間の電極‐組織インターフェースは、組織が套管状スクリュー1602の遠位端1605を通って先端電極1630周りのドーナツ形空間中に入り込むことによって実現される。シャフト1626周りにかつ先端電極1630の近位側に配置されたシール1652がシールの近位側に位置し、特にキャップ電極1628を含む医療器具1600の部分への組織及び体液の侵入を阻止する。シール1652は、20A以上のジュロメータを有する生体適合性エラストマーもしくはポリマー材料、又は溶液にさらされると膨潤することができるポリマー繊維ドープ材料もしくはポリマー封入材料、又は非導電の金属材料で形成されるのが良い。
【0118】
套管状スクリュー1602及びエレクトロニクスカートリッジ1606は、図2A図5Bを参照して上述した機構体と類似していてカートリッジをスクリュー内に固定する1つ以上の機構体を有するのが良い。さらに、先端電極1630は、図14Dを参照して説明したように、半径方向かつ軸方向に膨張して套管状スクリューの遠位端1605中へ少なくとも部分的に延び、場合によっては全体にわたって延びるよう構成されているのが良い。かかる膨張は、エレクトロニクスカートリッジ1606を套管状スクリュー1602内に固定するのに役立つ。
【0119】
図16A図16Dを参照すると、骨折部1642の治療のための医療器具1600の植え込みの際、套管状スクリュー1602は、骨折部がスクリューのヘッド1619と遠位端1621との間に、好ましくは、かかるヘッドと遠位端との中間に配置されるよう骨折部を横切って植え込まれるのが良い。したがって、エレクトロニクスカートリッジ1606を套管状スクリュー1602中に挿入すると、電極1628,1630は、骨折部1642の互いに反対側に位置する。
【0120】
電極1628,1630は、医療器具1600の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出するとともにかかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。以下にさらに説明するように、この構造では、医療器具1600は、骨折部の特徴づけ及び治癒分析の目的でこれら電極を介するデータの収集を可能にする。電極1628,1630は、医療器具1600の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織導通式通信インターフェースを構成することができる。組織導通式通信インターフェースの詳細については以下にさらに説明する。
【0121】
図17A図17Cを参照すると、幾つかの実施形態では、スマート医療器具1700のカートリッジ構成例は、套管状スクリュー1702及び套管状スクリュー中に挿入可能に構成されたエレクトロニクスカートリッジ1706を有し、エレクトロニクスカートリッジの一部が套管状スクリューの遠位端を貫通しかつこれを越えて延びるようになっている。幾つかの構成例では、エレクトロニクスカートリッジ1706の種々のエレクトロニクスがエレクトロニクスカートリッジのヘッド1722内に配置され、電力供給源1754がヘッドの下に位置するエレクトロニクスカートリッジのシャフト1726の第1の部分1725内に配置されている。套管状スクリュー1702及びエレクトロニクスカートリッジ1706のこの構造及び特性ならびに他の構造及び他の特性は、図1A図1Cの実施形態の套管状スクリュー102及びエレクトロニクスカートリッジ106について上述した構造及び特性と実質的に同一である。したがって、かかる細部についてはここでは繰り返さない。その代わりに、図17A図17Cのスマート医療器具1700のこれ以上の説明は、その別個の特徴に焦点を当てる。
【0122】
図17Cを参照すると、エレクトロニクスカートリッジ1706は、剛性近位部分1760、剛性中間部分1761、及び非耐力可撓性遠位部分1762を有する。近位部分1760は、電力供給源1754が配置されたシャフト1726のヘッド1722及び第1の部分1725を含む。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1706の互いに異なる部分1760,1761,1762は、硬度がほぼ同じ又は漸変する同種の植え込み型等級材料で作られている。例えば、近位部分1760は、硬度がRA25の金属材料又は95A以上のジュロメータ硬度のポリマーで作られるのが良い。中間部分1761は、同種の材料で作られるのが良く、その硬度は、近位部分1760とほぼ同じである。可撓性遠位部分1762は、近位部分1760及び中間部分1761と同種の材料で作られるのが良いが、その硬度は、遠位領域の撓みを可能にするこれら領域より小さい。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1706の互いに異なる部分1760,1761,1762は、硬度がほぼ同じ又は漸変する異種の植え込み型等級材料で作られている。幾つかの実施形態では、可撓性遠位部分1762は、マトリックスポリマーで形成される。
【0123】
近位部分1760、中間部分1761、及び可撓性遠位部分1762は、連続したシャフト1726を形成するよう互いに接合する。この目的のため、シャフト1726の第1の部分1725、シャフトの中間部分1761、及びシャフトの可撓性遠位部分1762は、モーステーパ(Morse taper )連結法、単一ロックねじ山付き機構体、又は特定の軸荷重能力を備えた相互連結区分を生じさせるキー溝と単一ねじ山ロックによって互いに接合され、そしてこれらは、中心軸から1°以上の可撓性による撓みを維持する。シャフトの可撓性遠位部分1762は、1対の電極1728,1730を有する。電極相互間の距離は、少なくとも1mmである。電極1728,1730は、エレクトロニクスカートリッジ1706のシャフト1726の外面とほぼ面一をなす。一構成例では、電極1728,1730は、リング電極である。
【0124】
図17Bを参照すると、この実施形態では、套管状スクリュー1702は、エレクトロニクスカートリッジ1706の長さよりも実質的に短い長さを有しかつエレクトロニクスカートリッジを定位置に固定するよう機能する。幾つかの実施形態では、套管状スクリュー1702は、エレクトロニクスカートリッジ1706のシャフト1726の第1の部分1725の長さに実質的に等しい長さを備えたシャフト1718を有し、その結果、カートリッジがスクリュー中に挿入されると、シャフト1726の中間部分1761及び可撓性遠位部分1762がスクリューの端を貫通するようになっている。幾つかの実施形態では、絶縁被膜が套管状スクリュー1702の外面1716に被着される。幾つかの実施形態では、套管状スクリュー1702には長さ全体にわたって絶縁被膜が被着されることはない。
【0125】
図17A図17Cを参照すると、骨折部1742の治療のための医療器具1700の植え込みの際、エレクトロニクスカートリッジ1706を受け入れるよう寸法決めされた門形穴が骨折部を横切って形成される。門形穴の深さは、後でエレクトロニクスカートリッジ1706を套管状スクリュー1702中にかつこれを通して挿入する際、骨折部1742が電極1728,1730相互間に、好ましくは電極相互間の中間に配置されるようなものである。植え込みの際、套管状スクリュー1702を門形穴中に植え込み、その後、エレクトロニクスカートリッジ1706をスクリュー中にかつ部分的にこれを通して挿入する。この目的のため、エレクトロニクスカートリッジ1706は、スタイレットを受け入れるための端が閉じられたルーメンを有するのが良く、スタイレットは、中間部分1761及び可撓性遠位部分1762を、套管状スクリュー1702を越えて押し、さらに門形穴中に押し込む。エレクトロニクスカートリッジ1706を套管状スクリュー1702中に、そしてこれを通して挿入すると、電極1728,1730は、骨折部1742の互いに反対側に位置する。
【0126】
套管状スクリュー1702及びエレクトロニクスカートリッジ1706は、図2A図5Bを参照して上述した状態と類似していてカートリッジをスクリュー内に固定する1つ以上の機構体を有するのが良い。さらに、エレクトロニクスカートリッジ1706の可撓性遠位部分1762の一領域1720は、流体への暴露時に膨潤し又は膨張するよう構成されているのが良い。この目的のため、可撓性遠位部分1762は、植え込まれた後に流された滅菌水又は生理的食塩水への暴露により膨潤するマトリックスポリマーで作られるのが良い。可撓性遠位部分1762の領域1720の半径方向膨張及び/又は軸方向膨張は、エレクトロニクスカートリッジ1706を定位置に固定するとともに電極1728,1730と骨組織インターフェースとの間の密な接触を生じさせるのに役立つ。
【0127】
電極1728,1730は、医療器具1700の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ又はセンサシステムを構成することができる。幾つかの実施形態では、センサシステムは、骨折部の存在場所を検出するとともにかかる骨折部の治癒状態をモニタリングするためのEISセンサとして機能するインピーダンスセンサである。以下にさらに説明するように、この構造では、医療器具1700は、骨折部の特徴づけ及び治癒分析の目的でこれら電極を介するデータの収集を可能にする。電極1728,1730は、医療器具1700の他のエレクトロニクスと組み合わさって、組織導通式通信インターフェースを構成することができる。組織導通式通信インターフェースの詳細については以下にさらに説明する。
【0128】
カートリッジ構成例の植え込み方法
図1A及び図1Bに示された医療器具のような医療器具を植え込む方法は、構造体102を少なくとも部分的に体内に植え込むステップと、構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジ106をルーメン104中に挿入するステップとを含む。この方法は、エレクトロニクスカートリッジ106を構造体102に固定するステップをさらに含む。その後、構造体102へのエレクトロニクスカートリッジ106の固定後、カートリッジを構造体又はカートリッジの健全性に影響を及ぼさないでルーメン104から取り出すのが良い。体内への構造体102の植え込みの際、支持要素をルーメン104中に挿入して構造体102のシャフトの長さに沿って物理的支持作用を提供するのが良い。構造体102を体内に固定した後、支持要素を抜去し、そしてカートリッジをルーメン104中に挿入する。
【0129】
図18A図18Gを参照すると、折れた骨に対する図1A及び図1Bに示された医療器具のような医療器具を植え込む方法のそれ以上の詳細が提供される。この方法は、2段階挿入プロセスを含み、かかる2段階挿入プロセスの際、1つ以上の套管状スクリューを骨組織中に植え込み、エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリューのうちの少なくとも1つの中に挿入する。
【0130】
図18Aを参照すると、第1のガイドワイヤ1802を骨髄を納めている骨の外側領域、すなわち骨の外面である軟骨下骨の例えば5mmの距離の範囲内まで骨1806の骨折部1804を横切って打ち込む。第1のガイドワイヤ1802は、植え込まれるべき套管状スクリューの内径よりも小さな外径を有する。図18Bを参照すると、平行なガイドワイヤ経路又は門形穴を作る目的で、平行なドリルガイド1808を第1のガイドワイヤ1802に係合させる。図18C及び図18Dを参照すると、平行なドリルガイド1808を用いて3つの門形穴を骨1806に開ける。第2のガイドワイヤ1810及び第3のガイドワイヤ1812を門形穴中に挿入し、ドリルガイドを抜去する。
【0131】
図18Eを参照すると、各門形穴内に挿入されるべき套管状スクリュー1814の長さを深さゲージ(図示せず)の使用により測定するのが良い。套管状スクリュー1814のヘッド1818が皿座ぐりされる場合、ヘッドを測定器に入れる。套管状スクリュー1814の各々をそれぞれのガイドワイヤ1802,1810,1812に嵌めてガイドワイヤ上でこれに沿って滑らせてついには、スクリューの先端部がその対応の門形穴の開口端に当接するようにする。
【0132】
図18Fを参照すると、套管状スクリュー1814を挿入ツール1822の使用により門形穴の各々の中にねじ込む。ツールは、套管状スクリュー1814のヘッド1818に係合するよう構成されたドリルビット1824を有し、このツールは、ガイドワイヤ1802,1810,1812を受け入れてガイドワイヤ上を滑るよう寸法決めされたルーメン1826(図18Gに示す)を有する。
【0133】
図18Gを参照すると、幾つかの実施形態では、ドリルビット1824は、六角形断面を有するのが良く、この六角形断面は、ヘッド1818の対応の六角形ソケットに嵌まり込むよう寸法決めされている。この実施形態では、ドリルビット1824をガイドワイヤ1802,1810,1812に嵌めて套管状スクリュー1814のヘッド1818に向かって滑らせてヘッドに係合させる。次に、ドリルビッド1824を回して套管状スクリュー1814を門形穴に通しかつ骨折部1804を横切って前進させる。ドリルビット1824を套管状スクリュー1814のヘッド1818から離脱させ、次に、ガイドワイヤ1802,1810,1812を取り外して套管状スクリューを定位置に残す。
【0134】
図18Hを参照すると、幾つかの実施形態では、ドリルビット1824は、六角形断面を有するのが良く、この六角形断面は、ヘッド1818の対応の六角形ソケットに嵌まり込むよう寸法決めされ、支持シャフト1828がドリルビットから延びており、この支持シャフトは、套管状スクリュー1814のルーメン内に嵌まり込むよう構成されている。支持シャフト1828は、特徴1830、例えばシャフトの全部分又は一部分に沿って位置する直線突出部を有するのが良く、この特徴1830は、套管状スクリュー1814のシャフト1834の内側側壁の少なくとも一部分に沿う対応の特徴、例えば直線/又は溝と嵌合するよう構成されている。ドリルビット1824及び支持シャフト1828の各々は、ガイドワイヤ1802,1810,1812を受け入れてガイドワイヤ上に沿って滑るよう寸法決めされたルーメン1832をさらに有する。
【0135】
この実施形態では、支持シャフト1828及びドリルビット1824をガイドワイヤ1802,1810,1812に嵌め、そして套管状スクリュー1814のヘッド1818に向かって滑らせる。支持シャフト1828は、支持シャフトの突出部1830を套管状スクリューのシャフト1834のスロットに整列させるよう套管状スクリュー1814に対して位置決めされる。支持シャフト1828を套管状スクリュー1814のルーメン中に滑らせ、ついには、ドリルビット1824がスクリューのヘッド1818に係合するようにする。ドリルビット1824を支持シャフト1828と一緒に回して套管状スクリュー1814を穴に通しかつ骨折部1804を横切って前進させる。ドリルビット1824及び支持シャフト1828を套管状スクリュー1814から離脱し、次にガイドワイヤ1802,1810,1812を抜去して套管状スクリューを定位置に残す。支持シャフト1828は、挿入中、套管状スクリュー1814のシャフト1834の長さに沿って支持作用を提供し、この支持シャフトは、回転中のトルクがけ具合をスクリューのヘッド1818領域とスクリューのシャフト1834の両方に分配するよう機能する。トルクをこのように分配することにより、植え込み中における套管状スクリュー1814の破断の恐れが減少する。
【0136】
変形構成例では、支持シャフト1828は、その長さに沿って滑らかであるのが良く、この支持シャフトは、例えば直線突起又はキーのような特徴を具備しない。この構成例は、植え込み中、套管状スクリューのシャフト1834を支持するが、トルクを伝達するようには機能しない。別の変形構成例では、支持シャフト1828は、ドリルビット1824の係合前に、套管状スクリュー1814のルーメン中に挿入される別個のコンポーネントであるのが良い。この構成例では、支持シャフト1828は、套管状スクリュー1814のシャフト1834の特徴、例えば溝又はチャネルに対応関係をなして係合する特徴、例えば直線突起又はキーを具備するのが良い。この場合、ドリルビット1824は、ドリルビットの回転中における支持シャフトに沿うトルク伝達の目的で、支持シャフト1828の六角形端部に係合するよう構成された特徴、例えば六角形ソケットを有する。
【0137】
図18Iを参照すると、幾つかの実施形態では、套管状スクリュー1814は、植え込み手技の一部として結合装置1840内に配置されるよう構成されているのが良い。結合装置1840は、套管状スクリュー1814を受け入れるよう寸法決めされた近位開口部1844を備えた近位端領域、及び套管状スクリュー1814の遠位部分1848を受け入れてこれと嵌合するよう構成されている遠位開口部1846を備えた遠位端領域を有する環状本体1842を含む。この嵌合は、套管状スクリューの遠位部分1848の外周部に設けられたねじ山特徴、及び環状本体1842の内周部に設けられたねじ山特徴によって行われるのが良い。かかる嵌合は、ロック機構体を介してであっても良い。結合装置1840は、環状本体1842の近位端部に嵌合するよう構成されたキャップ1850をさらに有するのが良い。この嵌合は、キャップ1850及び環状本体1842のそれぞれのねじ山特徴により行われるのが良い。キャップ1850は、ドリルビットに係合するよう構成された特徴1852、例えば六角形ソケットをさらに有する。植え込みの際、骨を貫通して設けられた門形穴は、結合装置1840の環状本体1842を受け入れるのに十分な寸法のものである。図18Iでは、套管状スクリュー1814の寸法に対する環状本体1842の寸法は、例示において分かりやすくする目的でスケール変更されてはいない。一般に、管状本体1842の厚さ1854は、套管状スクリュー1814の直径1856よりも小さく、かかる厚さは、例えば、套管状スクリューの直径の1/4~1/2であるのが良い。
【0138】
この実施形態では、套管状スクリュー1814は、結合装置1840内に固定され、例えば、套管状スクリューの遠位部分1848は、環状本体1842の遠位開口部1846中にねじ込まれ、キャップ1850は、環状本体の近位端部に結合される。結合装置1840及び套管状スクリュー1814は、それぞれ対応のガイドワイヤ1802,1810,1812に嵌められ、そしてガイドワイヤ上でこれに沿って滑らされ、ついには、スクリューの先端部1858がその対応の穴の開口端に当接するようになる。追加的に図18Gを参照すると、ドリルビット1824は、六角形断面を有するのが良く、この六角形断面は、結合装置1840のキャップ1850の対応の六角形ソケットに嵌まり込むよう寸法決めされている。ドリルビット1824は、結合装置1840のキャップ1850から突き出たガイドワイヤ1802,1810,1812に嵌められ、そしてキャップに向かって滑らされてキャップと係合する。
【0139】
次に、ドリルビット1824を回して結合装置1840及び套管状スクリュー1814を門形穴に通しかつ骨折部1804を横切って前進させる。ドリルビット1824を逆方向に回して結合装置1840を套管状スクリュー1814から離脱させ、そして結合装置を門形穴から抜去して套管状スクリューを定位置に残す。この段階で、套管状スクリュー1814を必要に応じてドリルビットとの直接的な係合によりさらに回してスクリューを完全に着座させる。例えば、套管状スクリュー1814を回すと、スクリューヘッドを骨との当接接触関係をなすようにし、それにより折れた骨の部分を一緒に押すのが良い。次に、ガイドワイヤ1802,1810,1812を套管状スクリュー1814から抜去する。結合装置1840の回転中、結合器具の近位端のところに加えられたトルクのエネルギー伝達は、環状本体1842の長さに沿って管状本体1842の遠位端及び套管状スクリューの遠位部分1848に対して行い、この場所で、環状本体は、スクリューに結合する。このように、套管状スクリュー1814のシャフトの長さに沿うトルク伝達が回避される。トルクをこのように分配することにより、植え込み中における套管状スクリュー1814の破損の恐れが減少する。
【0140】
別の植え込み手技では、管状本体1842をキャップ1850なしで用いて套管状スクリュー1814を植え込むことができる。この実施形態では、環状本体1842の近位端は、ドリルビット1824に係合するよう構成されている。
【0141】
図18Jを参照すると、套管状スクリュー1814を植え込んだ後、エレクトロニクスカートリッジ1820を套管状スクリューのうちの少なくとも1つの中に挿入する。幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1820を2段階プロセスの際にスクリュー中に挿入するのが良い。第1の作用では、注射器に類似した挿入ツールを用いてエレクトロニクスカートリッジ1820を導入してこれを套管状スクリュー1814内に配置する。第2の作用では、エレクトロニクスカートリッジ1820を図2A図5Bを参照して上述した機構体のうちの少なくとも1つの使用により套管状スクリュー1814内の定位置に固定する。
【0142】
幾つかの実施形態では、エレクトロニクスカートリッジ1820を誘導ツールの使用によりスクリュー中に挿入するのが良い。套管状スクリュー1814の中心に位置するガイドワイヤを抜去し、その後、エレクトロニクスカートリッジ1820を取り付けるのが良い。ガイドワイヤを抜去する前に、誘導ツールをガイドワイヤに嵌める。誘導ツールの先端部は、套管状スクリュー1814のヘッドに当たるテーパ付き端を有する。このように配置されると、誘導ツールは、手術部位から延び出るが、ガイドワイヤの端を越えて延びることはない。誘導ツールをスクリューヘッドに当てた状態で、ガイドワイヤを抜去し、エレクトロニクスカートリッジ1820を誘導ツール内で下降させ、ついには、このエレクトロニクスカートリッジが套管状スクリュー1814中に滑り込むようになる。
【0143】
予備負荷型構成例
図19A図19Dを参照すると、幾つかの実施形態では、予備負荷型スマート医療器具1900は、各々がそれぞれヘッド空所1908及びシャフト空所1910を備えたヘッド1904及びシャフト1906を含む構造体1902を有する。幾つかの実施形態では、医療器具1900は、骨組織内に植え込まれるよう構成されたスクリューである。医療器具1900は、ヘッド空所1908内に配置されたアンテナ1944及びエレクトロニクス組立体1912ならびにシャフト空所1910内に配置された電力供給源1954をさらに有する。少なくとも1つの電極1914がシャフト1906と関連するとともにシャフト1906の側壁を貫通した導体1916によってエレクトロニクス組立体1912に電気的に結合されている。アンテナ1944に関し、このアンテナは、材料1947、例えばPEEK、セラミック、又は通信及び接続性、例えばRF信号送信又は受信を可能にする材料内に挿入されたアンテナボード1949に沿って延びる導電性の線材1946又はトレース線であるのが良い。電力供給源1954に関し、この電力供給源は、1対のバッテリ接点1955を介してエレクトロニクス組立体1912に結合されている。
【0144】
予備負荷型スマート医療器具は、上述のカートリッジ構成例のうちのいずれか1つに構造的に類似しているのが良いが、エレクトロニクスカートリッジに関し、製造中、構造体、例えば套管状スクリュー内に永続的に固定される。例えば、予備負荷型スマートデバイスは、エレクトロニクスカートリッジを套管状スクリュー中に挿入し、そしてエレクトロニクスカートリッジのヘッドを套管状スクリューのヘッド内に溶接し又は生体適合性接着剤、例えばシリコーン又はウレタン系の接着剤によりヘッドを定位置に固定し、次に、組立体を遠位端及び近位端の各々のところで気密封止することによって作製されるのが良い。これら予備負荷型構成例では、エレクトロニクスカートリッジのヘッド及び套管状スクリューのヘッドのうちの一方は、植え込みツールを受け入れるよう構成されている。例えば、エレクトロニクスカートリッジは、植え込みツールに係合するソケットヘッドを有しても良く、あるいは、套管状スクリューのヘッドは、その外面に設けられていて植え込みツールに係合する例えば図4に示された特徴を有しても良い。
【0145】
予備負荷型構成例の構造的特徴は、カートリッジ構成例について説明した特徴とほぼ同じである。したがって、これら特徴についての説明はここでは繰り返さない。
【0146】
図20A及び図20Bを参照すると、幾つかの実施形態では、予備負荷型スマート医療器具2000は、少なくとも部分的に体内に植え込まれるよう構成された套管状構造体2002を有する。套管状構造体2002は、貫通して延びるルーメン2004、側壁2010を貫通して設けられた複数の孔2006,2008、及び各々が複数の孔の各々と関連した複数の電極2012,2014を有する。医療器具2000は、套管状構造体2002のルーメン2004内に少なくとも部分的に位置するエレクトロニクスカートリッジ2016をさらに有する。エレクトロニクスカートリッジ2016は、エレクトロニクス、例えばアンテナ、ASIC、電力源などを有する。エレクトロニクスカートリッジ2016は、複数の電気接点2018,2020をさらに有し、各電気接点は、カートリッジのエレクトロニクスと電極2012,2014の各々との電気的結合部を実現するよう孔2006,2008の各々とそれぞれ関連している。
【0147】
套管状構造体2002は、外面2026及び内面2028を備えたサブストレート2024を有する。複数の電極のうちの第1の電極2012がサブストレートの外面2026上に配置され、この第1の電極は、複数の孔のうちの第1の孔2006を貫通してサブストレートの内面2028まで延びるフィードスルー2030を有する。複数の電極のうちの第2の電極2014もまたサブストレートの外面2026上に配置され、この第2の電極は、複数の孔のうちの第2の孔2008を通ってサブストレートの内面2028まで延びるフィードスルー2032を有する。
【0148】
幾つかの実施形態では、サブストレート2024は、絶縁材料で形成されている。幾つかの実施形態では、サブストレート2024は、絶縁材料2034で被覆された導電材料で作られる。図20Bに示されているように、サブストレート2024は、外面2026、内面2028及び各孔2006,2008の内壁2036,2038が電気的に絶縁されるよう処理され又は被覆されるのが良い。例えば、チタンサブストレート2024が表面を絶縁状態にするよう陽極酸化処理されるのが良い。
【0149】
電極2012,2014は、サブストレート2024の外面2026を被覆し又は処理して電極の外側部分を作ることによって形成されるのが良い。孔2006,2008の内壁2036,2038及びサブストレート2024の内面2028の隣接した部分は、同様に被覆され又は処理される。被覆又は処理は、例えば、電気めっき又はシルクスクリーニングによって行われるのが良い。電極2012,2014を例えば電気めっきによって形成した後、電極を貫通して設けられた孔2040,2042に套管状構造体2002の側壁2010を強化する材料を埋めるのが良く、あるいは、電極めっきプロセスを制御して側壁を強化するために孔なしで電極を作るのが良い。
【0150】
電極2012,2014は、図20Bに示されているようなカスタムめっきされた異形物であっても良く、あるいは、套管状構造体2002の側壁2010を貫通して設けられた導電ピンの異形端部であっても良い。これら製作技術により、任意の数、任意の寸法、及び任意の形状の電極をスクリューの表面に追加することができる。電極2012,2014は、絶縁シール2046によって互いに隔てられている。絶縁シール2046は、電極相互間の有害な電気的接触を、これらの間の空間が導電流体で満たされている場合であっても、阻止する。絶縁シール2046は、Oリング又は応従性オーバーモールドシリコーンワイパであるのが良い。
【0151】
引き続き図20A及び図20Bを参照すると、一構成例では、エレクトロニクスカートリッジ2016は、套管状構造体2002のルーメン2004に沿って下って延びる接続レッグ2048を有する。接続レッグ2048は、第1の電気接点2018を形成する遠位端を備えた導電性中央ペグ2050、絶縁コア2052、及び第2の電気接点2020を形成するよう絶縁コアの一部分を包囲した導電ジャケットを有する。したがって、エレクトロニクスカートリッジ2016は、サブストレートの内面2028上の第1の電極2012のフィードスルー2030に接触し、それによりエレクトロニクスと第1の電極との間の電気的結合部を実現するよう位置決めされた第1の電気接点2018、及びサブストレートの内面上の第2の電極2014のフィードスルー2032に接触し、それによりエレクトロニクスと第2の電極との間の電気的結合部を実現するよう位置決めされた第2の電気接点2020を有する。
【0152】
図21A及び図21Bを参照すると、幾つかの実施形態では、予備負荷型スマート医療器具2100は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された套管状構造体2102を有する。套管状構造体2102は、貫通して設けられたルーメン2104、側壁2110を貫通して設けられた複数の孔2106a~2106d、及び各々が複数の孔の各々とそれぞれと関連した複数のピン電極2112a~2112dを有する。医療器具2100は、套管状構造体2102のルーメン2104内に少なくとも部分的に位置するエレクトロニクスカートリッジ2116をさらに有する。エレクトロニクスカートリッジ2116は、エレクトロニクス、例えばアンテナ、ASIC、電力源などを含む。エレクトロニクスカートリッジ2116は、各々が遠位終端2116a~2116dを備えた複数の電気トレース線2114a~2114dをさらに有し、遠位終端2116a~2116dは、孔2106a~2106dの対応の各々と整列し、それによりカートリッジのエレクトロニクスとピン電極2112a~2112dの各々との間の電気的結合部を実現する。
【0153】
套管状構造体2102は、外面2126及び内面2128を備えたサブストレート2124を有する。幾つかの実施形態では、サブストレート2124は、絶縁材料で形成される。幾つかの実施形態では、サブストレート2124は、絶縁材料2134で被覆された導電材料で形成される。図21Bに示されているように、サブストレート2124は、外面2126、内面2128、及び各孔2106a~2106dの内壁が絶縁されるよう処理され又は被覆されるのが良い。例えば、チタンサブストレート2124がこれら表面を電気的に絶縁状態にするよう陽極酸化処理されるのが良い。
【0154】
ピン電極2112a~2112dは、孔2106a~2106d中に結合され又は圧力嵌めされて遠位終端2116a~2116dの対応の遠位終端に接触するのが良い。ピン電極2112a~2112dは、剛性であっても良く、又は孔2106a~2106dから半径方向外方に延びるよう付勢されたばね押しポゴ形式ピンであっても良い。套管状構造体2102のサブストレート2124が導電性であるが絶縁材料で被覆されていない構成例では、ピン電極2112a~2112dは、絶縁外面及び導電コアを有する。ピン電極2112a~2112dはまた、絶縁結合剤を用いて孔2106a~2106d中に結合されても良い。ピン電極2112a~2112dは、孔2106a~2106d中にリベット止めされても良く、ピンの端部は、平べったくされてリベット止めプロセスにおいて電極にされても良い。ピン電極2112a~2112dは、孔2106a~2106dに凝固する導電材料(例えば、導電エポキシ)を詰め込むことによって一緒に形成されても良い。これは、孔2106a~2106dの付近における套管状構造体2102の側壁2110の強度を増大させるのを助けることができる。
【0155】
電気要素及び特徴
かくして、カートリッジ構成例及びスマート医療器具の予備組み込み構成例ならびにこれら種々の実施形態の機械的、材料的及び他の構造的詳細を開示したが、今、2つの構成例の電気的及び作動的要素及び特徴について説明する。
【0156】
図22Aを参照すると、スマート医療器具の構成例は、植え込み型報告プロセッサ(IRP)2203を含む。IRP2203は、電力供給源2212、検出電極2221、エレクトロニクス組立体2210、アンテナ2230、通信電極2231,2233及び音響トランスデューサ2236を含む。
【0157】
エレクトロニクス組立体2210の回路系は、1つ以上のセンサ2222、電極スイッチ2223、及び検出回路/モジュール2227を含むのが良い。以下にさらに開示するように、幾つかの実施形態では、検出電極2221、電極スイッチ2223、及び検出回路/モジュール2227は、組織の電気的性質をモニタリングするよう構成されたセンサ2229として一緒になって機能する。例えば、センサ2229は、インピーダンスセンサであるのが良い。
【0158】
エレクトロニクス組立体2210の回路系は、ヒューズ2214、1つ以上の電力スイッチ2216,2218、クロック発振器、電力管理ユニット2220、メモリ2224、コントローラ2232及び通信回路系2225を含むのが良い。通信回路系2225は、アンテナ2230と結合した無線周波(RF)トランシーバ2226及びフィルタ2228、通信電極2231,2233の組と結合した組織導通式通信(TCC)回路系2238、又は音響トランスデューサ2236と結合したデータ・オーバー・サウンド(data-over-sound)回路系2240のうちの1つ以上を含むのが良い。これらコンポーネントの幾つか又は全ての例が本願又は米国特許出願第16/084,544号明細書の他の場所に記載されており、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全ての管轄区域において参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。一実施形態では、エレクトロニクス組立体2210は、データパッケージの処理及び送信のために2mF~8mFキャパシタを介する再充填の可能性を備えたASICチップであるのが良い。
【0159】
上述したように、IRP2203は、1つ以上のセンサ2222,2229を含む。「センサ」は、1)身体又は身体セグメント/関節の状態又は機能のうちの1つ以上の観点(骨折治癒、身体セグメント及び関節の位置、角度、速度、及び加速度の測定を含む動き)を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングすること、2)身体組織の1つ以上の互いに異なる観点(解剖学的構造、生理学、代謝、及び/又は機能)を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングすること、及び/又は3)整形外科用器具又はインプラントの1つ以上の観点を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングすることのうちの1つ以上を行うよう利用できる装置又はセンサを形成するコンポーネントの組み合わせを意味している。
【0160】
図22Bを参照すると、上述したように幾つかの実施形態では、IRP2203は、検出電極2221、電極スイッチ2223、及び検出回路/モジュール2227を有するインピーダンスセンサ2229を含む。検出電極2221は、多数の個々の電極2231a~2231nを含むのが良い。幾つかの実施形態では、電極2231a~2231nの個数は、少なくとも2つであり、また、最高8つまで又は場合によってはそれ以上であるのが良い。図1A図1Cを参照すると、幾つかの実施形態では、検出電極2221は、套管状スクリュー102と関連した電極128,130に対応するのが良い。図13A図13Dを参照すると、幾つかの実施形態では、検出電極2221は、エレクトロニクスカートリッジ1306と関連した電極1328,1330に対応するのが良い。図14A図14Dを参照すると、幾つかの実施形態では、検出電極2221は、エレクトロニクスカートリッジ1406と関連したアレイ状に配列された電極1414に対応するのが良い。
【0161】
図22Bに戻ってこれを参照すると、幾つかの実施形態では、インピーダンスセンサ2229の検出回路/モジュール2227は、スイッチコントローラ2234、信号発生器2235、インピーダンス計算器2237、デジタルアナログ変換器(DAC)2239、デジタル相互コンダクタンス増幅器(GMC)2241、及びアナログ‐デジタル変換器(ADC)2243を含む。この構成例では、インピーダンスセンサ2229は、骨折部を特徴づけるとともに骨折部の治癒状態又は病状を算定する目的で身体解剖学的構造を通る周波数依存性インピーダンスを測定するEISセンサとして機能する。この文脈におけるEISセンサは、例えば、モニカ・C・リン等(Monica C. Lin et al.),「ニュー・オポチュニティーズ・フォー・フラクチュア・ヒーリング・ディテクション:インピーダンス・スペクトロスコピー・メジャメンツ・コリレート・トゥ・テッシュ・コンポジション・イン・フラクチャーズ(New Opportunities for Fracture Healing Detection: Impedance Spectroscopy Measurements Correlate to Tissue Composition in Fractures),ジャーナル・オブ・オーソピーディク・リサーチ(Journal of Orthopaedic Research),2017年12月公開に記載されており、この非特許文献を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0162】
引き続き図22Bを参照すると、医療器具は、1つ以上の検出電極2231a~2231n、及び骨折部の治癒を特徴づける目的で組織の電気的性質をモニタリングするよう1つ以上の検出電極に電気的に結合された1つ以上のコンポーネント2223,2227を含むセンサシステム2229、例えばインピーダンスセンサ又はEISセンサを有するのが良い。かかる医療器具の2つの構造的実施形態、すなわち、センサシステム2229のセンサコンポーネントが単一の医療器具に含まれる1つの実施形態とセンサコンポーネントが医療器具の多種多様な構造体を横切って配置される別の実施例が想定される。
【0163】
図24A及び図24Bを参照すると、第1の実施形態では、複数の検出電極2420が骨折部2408をブリッジするよう骨2410内に植え込まれるよう構成された構造体を有する単一の医療器具2400と関連している。この実施形態では、医療器具2400の長さは、骨折部2408の第1の側部上の第1の検出電極2428の位置決め、及び第1の側と反対側の骨折部の第2の側への第2の検出電極2430の位置決めを可能にするよう選択される。
【0164】
図24Cを参照すると、第2の実施形態では、医療器具2400の第1の検出電極2428は、骨折部2408の第1の側部に植え込まれるよう構成された第1のインプラント又は構造体2402と関連し、医療器具の第2の検出電極2430が骨折部の第2の側に植え込まれるよう構成された第2のインプラント又は構造体2404と関連している。この実施形態では、医療器具2400は、構造体2402,2404をまたぐよう構成された第3のインプラント又はプレート2406を有する。プレート2406は、2つの検出電極2428,2430を共通の検出コンポーネントに電気的に結合する手段としての役目を果たす。共通の検出コンポーネントは、第1の構造体2402、第2の構造体2404、及びプレート2406のうちの1つ以上の中に設けられるのが良い。
【0165】
いずれの実施形態においても、骨の骨折部2408を横切るインピーダンス測定値を得ることができ、そして骨折部が骨性仮骨/海綿状骨に移行するときに炎症段階から修復段階までの、例えば血腫から仮骨までの治癒プロセスをモニタリングする手段としてかかるインピーダンス測定値を経時的に分析することができる。この目的のため、時間の関数としてのインピーダンス測定値の変化を医療器具2400によって得ることができる。ある測定値を定期的に、例えば1時間に1回、6時間ごとに1回などのペースで得ると、経時的なインピーダンス測定値のデータセットを収集することができる。幾つかの実施形態では、インピーダンス測定値のデータセットは、医療器具2400によって基板上で分析すると、それにより、骨折部の治癒条件を描出するアウトカムが得られる。幾つかの実施形態では、データセットを分析のために外部装置に伝送して骨折部の治癒状態を描出するアウトカムをもたらす。
【0166】
いずれの場合においても、かかる描出は、「癒合(union)」(骨折部2408が治癒されていることを意味し、例えば、骨折部前後のインピーダンスの大きさは、しきい量、例えばパーセンタイルだけベースラインよりも上方に増大している)、「癒合不全疑い(又は恐れ)(suspected non-union)」(治癒が癒合に対応したレベルに進んでいないことを意味し、例えば、骨折部前後のインピーダンスの大きさは、ベースラインに対して増大しているが、増大分は、僅か過ぎ、増大速度は、時間の関数として遅すぎる)、又は「癒合不全(non-union)(治癒が起こっていないことを意味し、例えば、骨折部前後のインピーダンスの大きさは、経時的に同一のままである)のうちの1つを含むのが良い。
【0167】
幾つかの実施形態では、分析のアウトカムは、インピーダンス測定値の患者のデータセットから導き出された目安と患者母集団全体にわたるインピーダンス測定値の基準データセットから導き出された目安との比較に基づいて得られる。例えば、患者のデータセットから導き出されたある期間にわたるインピーダンスの変化の目安を基準データセットから導き出された同一期間にわたるインピーダンスの変化の目安と比較して患者の測定値が基準測定値の許容範囲内にあるかどうかを判定することができる。患者の測定値が許容範囲から外れていることが判定された場合、スマート医療器具2400は、警報を出すのが良い。例えば、患者の測定値がしきい基準だけ基準測定値から外れている場合、例えば1パーセンタイルだけ基準測定値よりも小さい場合、警報が出るのが良い。
【0168】
幾つかの実施形態では、経時的な骨治癒の互いに異なる段階又はモダリティに対応した測定値は、基準データセットに基づいて画定されるのが良い。例えば、図23を参照すると、基準データセットは、「軟骨」治癒状態を表す植え込み後7日目におけるインピーダンスの予想変化、「C及びC」治癒状態を表す植え込み後13日目におけるインピーダンスの予想変化(この場合、「C及びC」は、軟骨及び海綿骨を表している)、「海綿骨」治癒状態を表す植え込み後19日目におけるインピーダンスの予想変化、及び「皮質」治癒状態を表す植え込み後28日目におけるインピーダンスの予想変化を画定することができる。植え込み後におけるほぼ同時刻における患者測定値を基準測定値と比較すると、患者の治癒状態を追跡するとともに患者の測定値が対応の基準測定値の許容範囲から外れている場合に警報を出すことができる。
【0169】
インピーダンス測定値を得ることに関し、図22Bを参照すると、上述したように、インピーダンスセンサ2229は、EISセンサとして機能することができる。この目的のため、幾つかの実施形態では、インピーダンスセンサ2229は、二点インピーダンス検出法を採用し、検出電極2221は、第1の電極及び第2の電極を含む。第1の電極及び第2の電極は、複数の利用可能な検出電極2231a~2231nから選択されるのが良い。検出回路/モジュール2227は、第1の電極及び第2の電極が印加モードか検出モードかのいずれかにおいて機能にすることができるようにするよう構成されている。印加モードの際、信号、例えば電流を第1の電極及び第2の電極に印加する。例えば、第2の電極が接地された状態で信号を第1の電極に印加するのが良い。検出モードの際、第1の電極と第2の電極との間のインピーダンスを電極相互間の電位変化に基づいて検出する。
【0170】
印加モードに関し、幾つかの実施形態では、信号発生器2235は、第1の周波数での時間的正弦波のデジタル表示2245を発生させ、そしてこの正弦波信号をDAC2239とインピーダンス計算器2237の両方に提供する。DAC2239は、デジタル表示2245を受け取ってこれをアナログ正弦波電圧2247に変換し、そしてこれをGMC2241に提供する。GMC2241は、アナログ正弦波電圧2247を正弦波電流2249に変換する。GMC2241は、正弦波電流2249を電極スイッチ2223に出力し、電極スイッチ2223は、正弦波電流を検出電極2221の第1の電極2231a~2231nに印加する。正弦波電流2249を設置されている検出電極2221の第1、第2電極2231a~2231n相互間の電位差である電圧によって身体組織に印加する。
【0171】
検出モードの際、第1の電極と第2の電極に加わりかつ身体組織を通る電圧2251は、ADC2243によって検出され、ADC2243は、電極スイッチ2223を介して第1の電極に結合された入力を有する。ADC2243は、電圧2251をデジタル電圧2253に変換し、そしてこのかかる電圧を信号発生器2235に提供する。信号発生器は、デジタル電圧2253をデジタル正弦波電圧2255に変換し、そしてこれをインピーダンス計算器2237に提供する。インピーダンス計算器2237は、第1の周波数での時間的な正弦波のデジタル表示2245に基づいてインピーダンスを計算し、そして生じるデジタル正弦波電圧2255を生じさせる。
【0172】
上述のことを周波数範囲にある互いに異なる周波数について繰り返すのが良い。互いに異なる周波数での互いに異なるインピーダンス測定値により、互いに異なる骨折部治癒反応を表示することができる互いに異なる測定値の収集を可能にする。互いに異なる周波数での測定値の分析は、特定の周波数又は周波数のサブセットへのインピーダンス変化状況は、治癒段階と最も良く相関する。各周波数に関し、インピーダンス計算器2237は、時間的な正弦波の対応のデジタル表示2245及びデジタル正弦波電圧2255を処理して解剖学的構造の複合インピーダンス(Z)を計算する。上述したように、これらインピーダンスを経時的に集めてデータセットの状態にし、そしてこれらを分析して骨折部の治癒状態に対応したアウトカムをもたらす。
【0173】
インピーダンス測定値を得ることに関し、引き続き図22Bを参照すると、幾つかの実施形態では、インピーダンスセンサ2229は、4点インピーダンス検出法を採用し、検出電極2221は、第1の電極、第2の電極、第3の電極、及び第4の電極を含み、これら電極は、電極スイッチ2223を介して検出モジュールに切り換え可能に結合される。第1の電極及び第2の電極は、複数の利用可能な検出電極2231a~2231nから選択されるのが良い。検出回路/モジュール2227は、第1の電極と第2の電極が印加モードで機能することができ、そして第3の電極及び第4の電極が検出モードで機能することができるよう構成されている。印加モードの際、信号、例えば電流を第1の電極及び第2の電極に印加する。例えば、第2の電極が接地された状態で信号を第1の電極に印加するのが良い。検出モードの際、第3の電極と第4の電極との間のインピーダンスを第3の電極と第4の電極との間の電位に基づいて検出する。
【0174】
幾つかの実施形態では、インピーダンスの変化は、治癒進捗状況を表している。例えば、図23を参照すると、5000Hzの周波数でのEIS測定値に基づいて27mmの間隔を置いて配置された1対の検出電極を用いて時間の関数2304として骨折部前後で測定されたインピーダンスの大きさ2302のグラフ図2300が示されている。軟骨及び海綿骨(C及びC)、海綿骨、及び皮質を含む互いに異なる骨折部特徴づけ又は治癒状態の進捗状況が5日目と35日目との間のインピーダンスの大きさの対応の増加によって表されている。この実施例では、経時的なインピーダンスの大きさの増大分が所与の場合、35日目におけるデータ分析アウトカムは、「癒合」(骨折部が治癒されていることを意味している)を指示する。
【0175】
スマート医療器具2400のインピーダンスセンサ2229は、他の骨治癒モニタリング方法と比較して種々の利点をもたらす。例えば、医療器具2400のモニタリング機能は、中間X線透過の必要性をなくし、それにより医学的ケアコスト及び画像化施設に行かなければならないという患者の不便を軽減する。癒合不全疑いの場合、医療器具2400のモニタリング機能は、画像モニタリングよりも早く治癒状態の遅れを識別し、そして追加の患者のケア及び補完的及び/又は別の治療オプションを見越す。癒着不全の場合、医療器具2400のモニタリング機能は、画像モニタリングよりも早く非治癒状態の骨折を識別しており、それにより患者にとって他のオプション、新たな手術、例えば股関節置換術の検討を計算に入れている。医療器具2400はまた、有用な情報を比較的自動に提供することによりかつ編成のための最小要件を満たす可能性のある、ある期間にわたる関連の遠隔患者モニタリング(RPM)データを提供することによって、向上した臨床医のワークフローを提供する。
【0176】
図22A図22B、及び図24Bを参照すると、センサシステム2229のセンサコンポーネントが単一医療器具に含まれるスマート医療器具の実施形態を検討すると、特定の一構成例では、医療器具2400は、そのシャフトに沿って複数の電極2420を有するのが良い。この構成例では、スイッチコントローラ2243は、電極スイッチ2223を制御し、種々の電極対を試験して、最初に骨折部2408の存在場所を突き止め、次に、骨折部の第1の側2460に設けられている電極を選択して第1の電極2428として役立つようにし、そして骨折部の第2の側2462に設けられている電極を選択して第2の電極2430として役立つようにすることによって、複数の電極2420の中から第1の電極2428及び第2の電極2430を選択するよう構成されているのが良い。
【0177】
骨折の存在場所を突き止めるには、医療器具2400のシャフトに沿う隣り合う対をなす電極相互間のインピーダンス測定値を得るのが良く、ついには、骨折部を表す測定値が得られるようになる。例えば、骨折部2408は、最も高いインピーダンス測定値を持つ対をなす電極相互間に位置すると判定される場合がある。第1の電極2428及び第2の電極2430の選択に関し、いずれかの側の任意の電極を選択することができるが、密に間隔を置いて配置された電極は、より正確なインピーダンス測定値をもたらしがちである。したがって一般的に言って、骨折部2408の最も近くに位置するが、その反対側に位置する電極が第1の電極2428及び第2の電極2430として選択される。
【0178】
最初の電極選択は、インピーダンス測定値に基づいて対をなす電極に対する骨折部の存在場所を検出するよう構成されている医師のインターフェース、例えばプログラマーにより医療器具の植え込み中に行われるのが良い。この目的のため、外部プログラマーは、植え込まれたスイッチコントローラ2234を制御して上述した電極選択プロセスを実行するのが良い。
【0179】
引き続き図22A図22B、及び図24Bを参照すると、センサシステム2229のセンサコンポーネントが単一の医療器具に含まれているスマート医療器具の別の構成例では、医療器具2400は、構造体2402の外面のところに位置する第3の電極2448及び第4の電極2450をさらに有するのが良く、1つ以上の電気コンポーネントは、信号発生器及びインピーダンスセンサを含む。第1の電極2428及び第2の電極2430は、信号、例えば電流が第1及び第2の電極に印加される印加モードを実行可能にするよう信号発生器に結合されている。第3の電極2448及び第4の電極2450は、第3の電極と第4の電極との間の電位が測定される検出モードを実行可能にするようインピーダンスセンサに結合され、インピーダンスは、第1及び第2の電極に印加される電流に基づいて計算される。
【0180】
図22A図22B、及び図24Cを参照すると、センサシステムのセンサコンポーネントが医療器具の多種多様な構造体を横切って配置されているスマート医療器具の実施形態を検討すると、特定の一構成例では、医療器具2400は、骨2410内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されていて少なくとも1つの電極2428を含む第1の構造体2402、骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されていて少なくとも1つの第2の電極2430を有する第2の構造体2404、及び骨折部2408を横切って骨上に配置されるよう構成されるとともに第1の構造体及び第2の構造体によって定位置に固定される第3のインプラント又は構造体2406を有する。1つ以上の電気コンポーネントが第1の構造体2402、第2の構造体2404、及び第3のインプラント又は構造体2406のうちの1つ以上と関連している。これら電気コンポーネントは、第1の電極2428と第2の電極2430との間の組織インピーダンスの測定を可能にするよう構成されたセンサを含む。
【0181】
図22Aを参照すると、上述したように、幾つかの実施形態では、IRP2203は、インピーダンスセンサ2229のほかに1つ以上の他のセンサ2222を含むのが良い。IRP2203内に使用するのに適した他のセンサ2222の代表例としては、超音波センサ、流体圧力センサ、流体容積センサ、接触センサ、位置センサ、パルス圧力センサ、血量センサ、血流センサ、化学センサ(例えば、血液及び/又は他の流体用)、代謝センサ(例えば、血液及び/又は他の流体用)、インピーダンスセンサ、導電性センサ、光学センサ、音響センサ、加速度計、ジャイロスコープ、機械的応力センサ及び温度センサが挙げられる。
【0182】
多種多様なセンサ(マイクロ電気機械システム又は“MEMS”、又はナノ電気機械システム、又は“NEMS”、及びBioMEMS又はBioNEMSとも呼ばれ、一般的には、https://en.wikipedia.org/wiki/MEMS を参照されたい)を利用することができる。代表的な特許及び特許出願公開文献としては、米国特許第7,383,071号明細書、同第7,450,332号明細書、同第7,463,997号明細書、同第7,924,267号明細書及び同第8,634,928号明細書ならびに米国特許出願公開第2010/0285082号明細書及び同第2013/0215979号明細書が挙げられる。代表的な刊行物としては、アルベルト・フォック(Albert Foch),「イントロダクション・トゥ・バイオメムス(Introduction to BioMEMS)」,シーアールシー・プレス(CRC Press),2013年、マルク・J・マドウ(Marc J. Madou),「フロム・メムス・トゥ・バイオ‐メムス・アンド・バイオ‐ネムス:マニュファクチュアリング・テクニークス・アンド・アプリケーションズ(From MEMS to Bio-MEMS and Bio-NEMS:Manufacturing Techniques and applications),シーアールシー・プレス(CRC Press ),2011年、シモーナ・ヴァシレスク(Simona Badilescu),「バイオ‐メムス:サイエンス・アンド・エンジニアリング・パスペクティブス(Bio-MEMS: Science and Engineering Perspectives)」,シーアールシー・プレス(CRC Press),2011年、スティーブン・S・ソリターマン(Steven S. Saliterman),「ファンダメンタルス・オブ・バイオメムス・アンド・メディカル・マイクロデバイシズ(Fundamentals of BioMEMS and Medical Microdevices)」,国際光工学会(SPIE-The International Society of Optical Engineering),2006年、ウォンジュン・ワン(Wanjun Wang)、スティーブン・A・ソーパー(Steven A. Soper)共編,「バイオ‐メムス:テクノロジーズ・アンド・アプリケーションズ(Bio-MEMS: Technologies and Applications )」,シーアールシー・プレス(CRS Press),2012年、フォルカー・ケンプ(Volker Kempe),「イナーシャル・メムス:プリンシプルズ・アンド・プラクティス(Inertial MEMS: Principles and Practice)」,ケンブリッジ・ユニバーシティ・プレス(Cambridge University Press),2011年、ポーラ・D・L等(Polla, D.L. et al.),「マイクロデバイシズ・イン・メディシン(Microdevices in Medicine),アニュアル・レビュー・オブ・バイオメディカル・エンジニアリング(Ann. Rev. Biomed. Eng.),2000年,第2巻,p551‐576、ユン・K・S等(Yun, K. S.,et al.),「ア・サーフェース‐テンション・ドリブン・マイクロパンプ・フォー・ロウ‐ボルテージ・アンド・ロウ‐パワー・オペレーションズ(A Surface-Tension Driven Micropump for Low-voltage and Low-Power Operations)」,11:5,ジャーナル・オブ・マイクロエレクトロメカニカル・システムズ(J. Microelectromechanical Sys.),2002年10月,p454‐461、イエー・R等(Yeh, R.,et al.),「シングル・マスク・ラージ・フォース・アンド・ラージ・ディスプレイスメント・エレクトロスタチック・リニア・インチワーム・モータース(Single Mask, Large Force, and Large Displacement Electrostatic Linear Inchworm Motors)」,11:4,ジャーナル・オブ・マイクロエレクトロメカニカル・システムズ(J. Microelectromechanical Sys.),2002年8月,p330‐336、ロー・N・C等(Loh, N. C., et al.),「サブ‐10cm3・インターフェロメトリック・アクセロメータ・ウィズ・ナノ‐ジー・レゾリューション(Sub-10cm3 Interferometric Accelerometer with Nano-g Resolution)」,11:3,ジャーナル・オブ・マイクロエレクトロメカニカル・システムズ(J. Microelectromechanical Sys.),2002年6月,p182‐187が挙げられ、上述の特許文献及び非特許文献の全てを参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0183】
センサ2222がエレクトロニクス組立体2210の印刷回路板上に又はIRP2203から間隔を置いて配置されたスマート医療器具の別の構造体内もしくは別の構造体上に配置されるのが良いが、エレクトロニクス組立体に電気的に結合される。ある特定の実施形態内において、センサ2222は、プロセッサを有しても良く、あるいはエレクトロニクス組立体2210の印刷回路板上に配置されたプロセッサに結合されても良い。他の実施形態では、センサは、ワイヤレスセンサであるのが良い。別の実施形態内において、センサのうちの1つ以上(全てを含む)は、具体的にセンサを識別する固有センサ識別(USI)番号を有するのが良い。
【0184】
センサ2222は、既知の超音波技術に基づいて骨折部治癒具合を特徴づけるよう利用される超音波センサであるのが良い。この目的のため、適当なサイズのものであって医療器具によってサポート可能な電力要件を備えた超音波センサが、このセンサを医療器具の植え込み時に骨折部位のところに又はその近くに配置する医療器具の構造体、例えば套管状スクリュー又はエレクトロニクスカートリッジ内に配置されるのが良い。骨折部位のところの組織の超音波測定値を経時的に得ることができ、そしてこれらを処理すると、骨折部の特徴づけ及び構造体の一区域内の組織の特徴づけのうちの1つ以上を提供することができる。
【0185】
センサ2222は、既知の機械的応力/ひずみ技術に基づいて骨折部治癒具合を特徴づけるよう利用されるひずみセンサであるのが良い。この目的のため、ひずみセンサは、センサを医療器具の植え込み時に骨折部位のところ又はその近くに配置する医療器具の構造体、例えば套管用スクリュー又はエレクトロニクスカートリッジ内に配置されるのが良い。骨折部位のところのひずみ測定値を経時的に得ることができ、そしてこれらを処理すると、骨折部の特徴づけ及び構造体の一区域内の組織の特徴づけのうちの1つ以上を提供することができる。
【0186】
センサ2222は、既知の技術に基づいて組織炎症を特徴づけるために利用されるグルコース検出器又は酸素センサであるのが良い。この目的のため、グルコース検出器又は酸素センサは、センサを医療器具の植え込み時の骨折部位のところ又はその近くに配置する医療器具の構造体、例えば套管状スクリーン又はエレクトロニクスカートリッジ内に配置されるのが良い。骨折部位の組織のところのセンサ測定値を経時的に得ることができ、そしてこれらを既知の技術を用いて処理すると、医療器具の一領域内の炎症流体、間質液又は他の生物学的流体、例えば血液の指標を提供することができる。
【0187】
センサ2222は、植え込み後の医療器具の状態に関する情報を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングするために利用できる。医療器具の状態は、医療器具の健全性(器具破断)、医療器具の運動(器具のバックアウト)、医療器具に及ぼされる力及び植え込まれた医療器具に関する他の情報を含むのが良い。これら形式のセンサ2222の例としては、ジャイロスコープ、加速度計、温度センサ、及び圧力センサが挙げられる。
【0188】
センサ2222は、医療器具の植え込み後における身体又は身体セグメントの状態に関する情報を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングするために利用できる。身体又は身体セグメントの運動学的情報が挙げられる。これら形式のセンサ2222の例としては、プロセッサに結合されたジャイロスコープ、加速度計、温度センサ、及び圧力センサが挙げられる。幾つかの実施形態では、センサ2222は、医療器具100の動きに対応し、さらに関連性によって器具が植え込まれた骨構造体の動きに対応し、かつ器具が植え込まれた患者の動き又は活動度に対応した信号を出力するよう構成された慣性測定ユニット(IMU)、例えば加速度計又はジャイロスコープを含むのが良い。
【0189】
センサ2222は、医療器具の植え込み後における身体組織に関する情報を検出し、測定するとともに/あるいはモニタリングするために利用できる。身体組織モニタリングは、血圧、pHレベルを含むのが良い。この種のセンサ2222の例としては、流体圧力センサ、流体容量センサ、脈圧センサ、血量センサ、血流センサ、化学センサ(例えば、血液及び/又は他の流体用)、代謝センサ(例えば、血液及び/又は他の流体用)が挙げられる。センサ2222は、感染を検出する目的で医療器具の一領域内の温度をモニタリングするために利用できる。
【0190】
電力供給源2212は、ほぼ1ボルト(V)~24ボルト(V)の範囲内の調整済み供給信号を発生させてIRP2203のコンポーネントに電力供給するよう構成されている。電力供給源2212は、バッテリ、再充電式電力装置(例えば、再充電式バッテリ又はスーパーキャパシタ)、及びエネルギー取り出し装置のうちの1つ以上を含むのが良い。
【0191】
幾つかの実施形態では、IRP2203の電力供給源2212は、任意適当なバッテリ、例えばリチウム・カーボン・モノフルオリド(LiCFx)バッテリ、又はスマート医療器具の予想寿命(例えば、5~25年以上)が得られるようエレクトロニクス組立体2210のコンポーネントに電力供給するためにエネルギーを貯蔵するよう構成された他の蓄電池であるのが良い。
【0192】
電力供給源2212のサイズは、一般に、医療器具の構造体、例えば套管状スクリュー、エレクトロニクスカートリッジシェルのサイズによって制約される。例えば、図13C及び図13Dを参照すると、電力供給源1354の直径は、套管状スクリュー1302の内側ルーメン1304の直径によって制限される。別の実施例では、図17A図17Cを参照すると、電力供給源1754の直径は、エレクトロニクスカートリッジ1706のシャフト1726の直径によって制限される。さらに別の実施例では、図19A及び図19Bを参照すると、電力供給源1954の直径は、構造体1902の下側空所の直径によって制限される。例示の設計例では、バッテリの直径は、1mmを超えるのが良く、一般的には、1mmから5mmまでの範囲にあるのが良い。バッテリの長さは、1mmを超えるのが良く、一般的には、最小3mmであるのが良い。バッテリの体積は、2mm2を超えるのが良い。バッテリ容量は、1mAhを超えるのが良く、ただし、測定及び通信に基づいて、より多くのエネルギー、例えば約100mAhが必要になる場合がある。1時間で完全充電を行うのに必要な電力は、5mWを超えるのが良く、一般的に言えば、5mWから150mWの範囲内にあるのが良い。
【0193】
幾つかの実施形態では、IRP2203の電力供給源2212は、スーパーキャパシタであるのが良い。スーパーキャパシタは、これらの迅速充電/放電特性に起因して魅力的であり、例えば、2.8mAhバッテリが0.2C充電/放電及び5時間充電時間で定格される。スーパーキャパシタはまた、バッテリと比較して電流送り出し能力が高い。スーパーキャパシタは、電気化学二重層キャパシタ(EDLC)スーパーキャパシタ又はワイヤ状スーパーキャパシタであるのが良い。市販のEDLCは、「新型」ワイヤ状スーパーキャパシタの体積エネルギー密度の半分に過ぎない。したがって、ワイヤ状スーパーキャパシタが好ましいと言える。
【0194】
ワイヤ状スーパーキャパシタに関する例示の特性及び仕様は、形状因子(2×0.5mm外径ワイヤ)、153.3Whkg-1(LiCFxの1/3)の重量測定エネルギー密度、8810Wkg-1(LiCFxの20倍)の電力密度を含む。EDLCに関する例示の特性及び仕様は、形状因子(3.2×2.5×0.9mm)、一桁のμAh、2.3mWhcm-3を含む。
【0195】
幾つかの実施形態では、IRP2203の電力供給源2212は、ハイブリッド解であるのが良い。この構成例は、IRPは、測定のための第1の供給源、例えば一次バッテリ、及びデータを交換しながらエネルギーを一時的にバッファリングするための第2の電力供給源、例えばスーパーキャパシタを含む。
【0196】
IRP2203の電力供給源2212は、再充電式電力装置、例えばリチウムイオンバッテリ又はスーパーキャパシタであるのが良い。この場合、電力供給源2212及び/又はエレクトロニクス組立体2210は、外部再充電ユニットによって電力源を充電するための追加のコンポーネントを含む。これら追加のコンポーネントとしては、外部再充電ユニットによって生じた磁界に応答して電圧及び電流を生じさせるよう構成された電力コイルが挙げられる。考えられるエネルギー伝送モードとしては、遠方界RF、近傍界RF及び超音波が挙げられる。
【0197】
遠方界エネルギー伝送の例示の構成例は、動作パラメータは、電力0.24/32mW、周波数2.34/1GHz、効率12/0.2%、アンテナサイズ9/2160mm2、範囲20/150cmであり、許容比吸収率(SAR)限度(1.6W/kg)が電力伝送を制限する。遠方界エネルギー伝送は、多数のアンテナにより方向づけ可能である。さらに、遠方界エネルギー伝送は、通信に用いられるアンテナを用いて実施されるのが良い。例えば、図9Bのアンテナ144bは、RFエネルギー伝送とRF通信の両方に使用できる。
【0198】
近傍界RFエネルギー伝送の例示の構成では、動作パラメータは、電力0.2/15.7mW、周波数10MHz/1.5GHz、効率15.2/0.5%、アンテナサイズ2.3/6mm2、及び深さ0.5/3cmである。近傍界エネルギー伝送は、正確なチューニング及びアライメントならびに皮膚との密な接触を必要とする。
【0199】
超音波エネルギー伝送の例示の構成例では、動作パラメータは、電力0.36mW@1MHz、最大5.6%までの効率、トランスデューササイズ1×1mm2、BMI(肥満度指数)が最高45までの人の最大厚さに関連するものとしての深さ最小5mm以上である。この構成例では、エネルギーを10cmを超える皮膚深さにわたって伝送することが可能であると言える。超音波エネルギー伝送は、多くの組織形式を通って進む際に効率を減少させる場合があり、かかる超音波エネルギー伝送は、皮膚との直接的な接触を必要とする。
【0200】
エネルギー取り出し装置は、再充電式電力装置を充電するためのエネルギーに環境刺激を変換するよう構成されている。例えば、取り出し装置は、IRP2203が埋め込まれた被検者からの体熱、被検者の動きによって生じる運動エネルギー、圧力変化(例えば、大気圧又は被検者の体内の圧力、例えば被検者の血圧)、被検者の体内の電気化学反応により生じるエネルギー、無線周波数(RF)場、光、電気‐機械変換(例えば、圧電方式)、又は電気‐磁気変換により生じるエネルギーのうちの1つ以上をバッテリ充電用電流もしくは電圧又はスーパーキャパシタ充電に変換することができる。
【0201】
ヒューズ2214は、電力供給源2212又はバッテリから流れる電流が患者に外傷を与えたりエレクトロニクス組立体2210のバッテリ及び1つ以上のコンポーネントに損傷を及ぼしたりするのを阻止するよう構成された任意適当なヒューズ(例えば、永久型)又は回路遮断器(例えば、リセット可能)であるのが良い。例えば、ヒューズ2214は、電力供給源2212が患者に火傷を負わせたりエレクトロニクス組立体2210に損傷を及ぼしたりバッテリを損傷させたりあるいはスマート植え込み可能インプラントの構造コンポーネントに損傷を及ぼすのに足るほどの熱を発生させるのを阻止するよう構成されているのが良い。
【0202】
第1の電力スイッチ2216は、コントローラ2232からの制御信号に応答して、電力供給源2212を1つ以上のセンサ2222に結合し又は電力供給源を1つ以上のセンサ2222から結合解除するよう構成されている。例えば、コントローラ2232は、電力を節約するためのスリープモード又は他の低電力モード中、スイッチ2216を開離させ、したがって1つ以上のセンサ2222から電力を切り離し、したがって電力供給源2212の寿命を延ばす開路状態を有する制御信号を発生させるよう構成されているのが良い。同様に、コントローラ2232はまた、スリープモードから「目覚め」時又は別の低電力モードを出た際に、スイッチ2216を閉成させ、したがって電力を1つ以上のセンサ2222に結合する閉路状態を有する制御信号を発生させるよう構成されているのが良い。かかる低電力モードは、1つ以上のセンサ2222向きだけであるのが良く、あるいは、エレクトロニクス組立体2210のセンサ及び1つ以上のコンポーネント向きであるのが良い。
【0203】
第2の電力スイッチ2218は、コントローラ2232からの制御信号に応答して、電力供給源2212をメモリ2224に結合し又は電力供給源をメモリ2224から結合解除するよう構成されている。例えば、コントローラ2232は、電力を節約するためのスリープモード又は他の低電力モード中、スイッチ2218を開離させ、したがってメモリ2224から電力を切り離し、したがって電力供給源2212の寿命を延ばす開路状態を有する制御信号を発生させるよう構成されているのが良い。同様に、コントローラ2232はまた、スリープモードから「目覚め」時又は別の低電力モードを出た際に、スイッチ2218を閉成させ、したがって電力をメモリ2224に結合する閉路状態を有する制御信号を発生させるよう構成されているのが良い。かかる低電力モードは、メモリ2224向きだけであるのが良く、あるいは、エレクトロニクス組立体2210のメモリ及び1つ以上のコンポーネント向きであるのが良い。
【0204】
クロック・電力管理ユニット2220は、エレクトロニクス組立体2210の他のコンポーネントのうちの1つ以上のためのクロック信号を発生させるよう構成されているのが良く、しかも定期的指令又は他の信号(例えば、割込要求)を発生させるよう構成されているのが良く、かかる定期的指令又は他の信号に応答して、コントローラ2232は、IRP2203の1つ以上のコンポーネントがスリープモード又は他の低電力モードにエンターし又はこれを出るようにする。クロック・電力管理ユニット2220はまた、電力供給源2212からの電圧を調整し、そして調整後の電力供給電圧をエレクトロニクス組立体2210の他のコンポーネントのうちの幾つか又は全てに提供するよう構成されているのが良い。
【0205】
メモリ2224としては、揮発性メモリや不揮発性メモリが挙げられる。例えば、揮発性メモリは、コントローラ2232によって実行されるオペレーティングシステム及び1つ以上のアプリケーションを記憶するよう構成できる。不揮発性メモリは、IRP2203のための設定情報を記憶したりコントローラ2232によって書き込まれたデータを記憶したりし、そしてコントローラからの読み取り指令に応答してデータを提供するよう構成されているのが良い。
【0206】
医療器具のIRP2203は、医療器具と別の装置との間の通信を容易にする通信インターフェースを含む。他の装置は、例えば、医療器具を受け取った患者の外側に位置し又はこの患者から離れて位置する外部装置、例えば、基地局であっても良く、あるいは、医療器具を受け取った患者の体内に配置される内部装置であっても良い。いずれの場合においても、植え込まれた医療器具と別の装置との間の通信は、内部であれ外部であれいずれにせよ、体内通信と呼ばれる。体内通信の1つ以上のモードをIRP2203の通信インターフェースによって実行可能にすることができる。上述したように、考えられる体内通信モードとしては、1)RF遠隔測定通信、2)組織導通式通信、例えばガルバニック結合通信、及び3)データ・オーバー・サウンド通信、例えば超音波又は音響通信が挙げられる。
【0207】
通信インターフェースは、一般的に、IRP2203のエレクトロニクス組立体2210と関連した(必ずしもそうであるとは限らない)通信回路系2225を含む。通信回路系2225は、体内通信の1つ以上のモードを実行可能にするのに適した任意のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。この目的のため、通信回路系2225としては、例えば、電圧調整器、電流発生器、発振器、又は信号を発生させる回路系、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、及び受け取った信号を処理する他のフィルタリング回路系、ならびに通信プロトコルに従って信号を変調するとともに/あるいは復調するための回路系が挙げられる。
【0208】
体内通信モードに応じて、通信回路系2225は、トランジスタ又は送信された信号を所望のトランシーバ、例えばアンテナ2230(これは、電磁通信、例えばRF遠隔測定通信)又は電極2231,2233(これらは、組織導通式通信のために使用可能である)又は音響トランスデューサ2236(これは、データ・オーバー・サウンド通信のために使用できる)に選択的に結合したりこれらから信号を受け取ったりするための他のスイッチング回路系をさらに含むことができる。コントローラ2232の制御下において、通信回路系2225は、外部装置又は別の植え込まれた器具からダウンリンク通信信号を受け取るとともにアップリンク通信信号をかかる外部装置又は植え込まれた器具に送ることができる。加うるに、通信回路系2225は、外部装置及びコンピュータネットワーク、例えばアイルランドのダブリン所在メドトロニック・パブリック・リミテッド・カンパニー(Medtronic, plc)によって開発されたMedtronic CareLink(登録商標)ネットワークを介してネットワーク化コンピューティングデバイスと通信することができる。
【0209】
体内通信のRF遠隔測定通信、体内通信の組織導通式通信、及び体内通信のデータ・オーバー・サウンド通信モードの各々についての追加の詳細は、次の通りである。
【0210】
体内通信のRF遠隔測定モードは、アンテナ2230及びRF遠隔測定回路系、例えばRFトランシーバ2226及びフィルタ2228を含むRF通信インターフェースによって実行可能にされる。考えられるRF通信モードは、遠方界RF及び近傍界RFを含む。RFトランシーバ2226は、コントローラ2232(及びオプションとしてヒューズ2214)が別の植え込まれた医療器具(図22Aには示されていない)又はスマート植え込み型器具用に構成された基地局(図22Aには示されていない)と通信することができるように構成された従来型トランシーバであるのが良い。例えば、RFトランシーバ2226は、任意適当な形式のトランシーバ(例えば、Bluetooth 、Bluetooth低エネルギー(BTLE))、及びWiFi(登録商標)であっても良く、任意適当なプロトコル(例えば、MICS、ISM、Bluetooth、Bluetooth低エネルギー(BTLE)、及びWiFi(登録商標))に従って動作可能に構成されても良く、1MHzから5.4GHzまでの範囲にあり、又は任意他の適当な範囲内にある周波数帯で動作可能に構成されても良い。遠方界RF通信の例示の構成例では、周波数帯は、401~406MHz又は2.4GHzであるのが良い。幾つかの実施形態に関し、互いに異なる目的のために異なる周波数を用いることができる。例えば、一構成例では、2.4GHzを用いて器具をウェイクアップすることができ、他方、400MHzを通信のために用いる。
【0211】
遠方界RF通信の場合、アンテナ2230は、モノポール、ダイポール、折り返しダイポール、蛇行負荷、ループ、小ループ、チップ上に実装されたMEMS、又は螺旋アンテナであるのが良い。さらに、遠方界RF通信は、エネルギー伝送のために用いられるアンテナを用いて実施されるのが良い。例えば、図9Bのアンテナ144bは、RFエネルギー伝送とRF通信の両方に使用できる。
【0212】
フィルタ2228は、任意適当なバンドパス(帯域通過)フィルタ、例えば表面音響波(SAW)フィルタ又はバルク音響波(BAW)フィルタであって良い。アンテナ2230は、アンテナによる送信のためにRFトランシーバ2226による信号を発生させる周波数帯に適するとともにアンテナにより受信するために基地局(図22Aには示されていない)によって信号を発生させる周波数帯に適した任意のアンテナであって良い。
【0213】
体内通信の組織導通式通信(TCC)モードは、TCC回路系2238及び1対の電極2231,2233を含むTCCインターフェースによって実行可能になる。1対の電極2231,2233は、検出電極2221から選択されるのが良くかつ電極スイッチ2223を介してTCC回路系2238に結合されるのが良い。変形例として、1対の電極は、検出電極2221である電極2231,2233であって良い。TCCインターフェースにより、コントローラ2232は、IRP2203と同一のTCCインターフェースを有する別の装置と通信することができる。他の装置は、植え込まれた医療器具(図22Aには示されていない)又は医療器具用に構成された基地局(図22Aには示されていない)であるのが良い。
【0214】
組織導通式通信は、スマート医療器具2202が植え込まれた患者の身体組織のイオン含有量に依存し、かくして、ガルバニック通信と呼ばれる場合が多い。身体組織のイオン含有量は、情報をスマート医療器具に送受する電気通信媒体を提供する。送信モードでの通信を行うため、TCC回路系2238は、電極2231,2233に電圧を印加して電流がこれら電極と対応の電気信号との間で流れて身体組織を通って伝搬するようにする。伝搬電流は、2つの電極相互間で生じる電圧を測定することによって受け取り装置(図22Aには示されていない)によって検出可能である。受信モードでの通信を行うため、TCC回路系2238は、電極2231,2233にかかっている電圧を測定する。
【0215】
組織導通式通信が通信を容易にするために採用される場合、検出アタッチメント及び情報を検出アタッチメントに送受する他の装置は、かかる通信を可能にするのに適した関連ハードウェア、関連ファームウェア、関連ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせを有する。TCC送信及び関連のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアは、説明してあり、これらは、本発明のスマート植え込み型器具に含まれるのが良い。これについては、例えば、米国特許出願公開第2016/213939号明細書、同第2018/207429号明細書、同第2019/160290号明細書、同第2019/160291号明細書、同第2019/160292号明細書、同第2019/184181号明細書を参照されたい。例えば、一観点では、TCC回路系2238は、1つ以上の電極2231,2233に結合されるのが良く、かつTCCインターフェースがTCC信号を送信する送信モードとTCC信号を別の同様に構成された装置から受信する受信モードとの間で切り替わることができるようにする回路系を備えるのが良い。
【0216】
体内通信のデータ・オーバー・サウンドモードは、データ・オーバー・サウンド回路系2240及び少なくとも1つの音響トランスデューサ2236を含むデータ・オーバー・サウンド通信インターフェースによって実行可能になる。データ・オーバー・サウンド通信インターフェースにより、コントローラ2232は、IRP2203と同一のデータ・オーバー・サウンド通信インターフェースを有する別の装置と通信することができる。他の装置は、植え込まれた医療器具又はスマート植え込み型器具用に構成された基地局であるのが良い。
【0217】
データ・オーバー・サウンド通信が通信を容易にするために採用される場合、スマート医療器具及び情報をスマート医療器具に送受する他の装置は、かかる通信を可能にするのに適した関連ハードウェア、関連ファームウェア、関連ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせを有する。データ・オーバー・サウンド通信による送信ならびに関連のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアは、説明してあり、これらは、本発明のスマート植え込み型医療器具に含まれるのが良い。これについては、例えば、米国特許第7,489,967号明細書ならびに米国特許出願公開第2010/0249882(A1)号明細書及び同第2013/0033966(A1)号明細書を参照されたい。例えば、一観点では、データ・オーバー・サウンド回路系2240は、音響トランスデューサ2236に結合されるのが良く、かつデータ・オーバー・サウンド通信インターフェースが超音波信号を送信する送信モードと超音波信号を別の同様に構成された装置から受信する受信モードとの間で切り替わることができるようにする回路系を備えるのが良い。
【0218】
コントローラ2232は、任意適当なマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサであるのが良く、かかるコントローラは、エレクトロニクス組立体2210の他のコンポーネントのうちの1つ以上のコンフィギュレーション(設定)及び動作を制御するよう構成されている。例えば、コントローラ2232は、1つ以上のセンサ2222,2229を制御して関連の測定値データを検出し、1つ以上のセンサによって生じた測定値データをメモリ2224に記憶するよう構成されている。コントローラ2232はまた、1つ以上の形式の通信インターフェースにより通信可能にメッセージを生じさせるよう構成されている。例えば、RF遠隔測定通信の場合、コントローラ2232は、記憶データをペイロードとして含むメッセージを作成し、かかるメッセージをパケット化し、そしてメッセージパケットを基地局(図22Aには示されていない)への送信のためにRFトランシーバ2226に提供する。コントローラ2232はまた、通信インターフェース、例えばアンテナ2230、フィルタ2228、及びRFトランスシーバ2226経由で基地局(図22Aには示されていない)から受け取った指令を実行するよう構成されているのが良い。例えば、コントローラ2232は、構成データを基地局からのデータを受け取り、そして設定データを基地局が設定データを差し向けたエレクトロニクス組立体2210のコンポーネントに提供するよう構成されているのが良い。基地局が設定データをコントローラ2232に差し向けた場合、コントローラは、設定データに応答してそれ自体を設定するよう構成されている。
【0219】
一観点では、本発明の医療器具は、無菌性である。一観点では、本発明の医療器具は、無菌性医療器具を提供するよう滅菌手順を受けている。種々のオプションでは、医療器具は、アルコール溶液を用いて、医療器具を酸化エチレン、イオン化放射線、オートクレービング、紫外線放射線又は乾式加熱にさらすことによって滅菌されるのが良い。使用できるアルコール溶液としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びこれらの水性溶液が挙げられるが、これらには限定されない。使用されるイオン化放射線は、ガンマ放射線及び電子ビーム放射線を含むのが良い。滅菌のために用いられるイオン化放射線の線量は、20kGyを超え、25kGyを超え、30kGyを超え、35kGyを超え又は40kGyを超える。酸化エチレンを用いて滅菌される器具に関し、滅菌済み器具は、好ましくは、残留酸化エチレン、エチレン・クロロヒドリンがあるかどうかについてISO10993‐7に準拠する。
【0220】
本発明の医療器具は、非滅菌形態であっても良い。一観点では、非滅菌医療器具は、USP<1111>の要件に準拠する。一観点では、非滅菌器具は、102以下の全好気性微生物数(cfu/g又はcfu/mL)を有する。一観点では、101未満の総真菌数(cfu/g又はcfu/mL)を有する。一観点では、非滅菌器具は、102以下の全好気性微生物数(cfu/g又はcfu/mL)及び101以下の総真菌数(cfu/g又はcfu/mL)を有する。非滅菌避妊具は、緑膿菌、黄色ブドウ球菌又はカンジダ・アルビカンスによる汚染の可能性はない。
【0221】
インプラント配置場所
図24A及び図24Bを参照すると、幾つかの実施形態では、医療器具2400の構造体2402は、骨2410の骨折部2408をブリッジするために植え込まれるよう構成されている。例えば、図24Aでは、医療器具2400は、大腿骨頸部骨折2408をブリッジするよう互いに平行に配置された2つの器具のうちの一方であるのが良い。図24Bに示された別の実施形態では、医療器具2400は、三角形を形成し、大腿骨頭股関節骨折部2408をブリッジするよう植え込まれる3つの器具のうちの1つであるのが良く、他の2つの器具2422,2424は、套管状スクリューであるに過ぎない。この実施例では、医療器具2400は、3つの場所のうちの負荷が最少量の場所のところの三角形の頂点のところに植え込まれる。別の実施形態では、医療器具2400は、骨治癒具合をモニタリングする目的でのみ植え込まれる場合があり、かかる医療器具は、他の器具により提供される整形外科的治療に関連した支援又は耐荷機能を何ら果たさない。この目的のため、医療器具2400は、周りの整形外科支援器具の中央のところに、例えば、三角形の中心のところに植え込まれるのが良く、整形外科支援器具は、三角形の各頂点のところに植え込まれる。
【0222】
図24Cを参照すると、幾つかの実施形態では、医療器具2400は、1対のスマート構造体2402,2404を有し、各スマート構造体は、骨2410、例えば骨2410の骨折部2408、例えば上腕骨体骨折部をブリッジするプレート2406に設けられた対応の穴を通って植え込まれるよう構成されている。
【0223】
図24D及び図24Eを参照すると、幾つかの実施形態では、医療器具2400は、骨2410の骨折部2408をブリッジするために植え込まれるよう構成された構造体2402、例えばロッド又はピンである。例えば、図24Dでは、医療器具2400の構造体2402は、遠位腓側骨折部をブリッジするプッシュロッドである。図24Eでは、医療器具2400の構造体2402は、上腕骨頸部の骨折部をブリッジする4本の経皮ピンのうちの1本である。
【0224】
骨折部特徴づけ器具及び方法
図25A及び図25Bは、それぞれ、骨折部を特徴づける方法の流れ図及び略図である。この方法は、本明細書において開示するとともにさらに以下において説明するよう構成されるスマート医療器具のうちの1つによって実施されるのが良い。
【0225】
ブロック2502では、複数の電極を備えたスマート医療器具2520を骨組織2522内に植え込んで第1の電極2524及び第2の電極2526を骨折部2528の互いに反対側に配置する。幾つかの方法では、ルーメンを備えた套管状構造体を骨組織中にかつ骨折部を横切って植え込むことによって複数の電極を植え込む。套管状構造体を植え込んだ後、検出モジュール及び他のエレクトロニクスを備えたエレクトロニクスカートリッジをルーメン中に挿入する。幾つかの方法では、套管状構造体は、複数の電極を有し、これら電極は、ルーメン中へのエレクトロニクスカートリッジの挿入時に検出モジュールに結合する。幾つかの方法では、複数の電極がエレクトロニクスカートリッジ内に設けられ、これら複数の電極は、套管状構造体の側壁に設けられた孔を通って又は套管状構造体の端のところに設けられた開口部を通って骨組織とインターフェースする。幾つかの方法では、複数の電極、検出モジュール、及び複数の電極に結合された他のエレクトロニクスを備えた構造体を有する予備負荷型医療器具を植え込むことによって複数の電極を植え込む。
【0226】
ブロック2504では、組織の電気的性質の複数の測定量を骨折部2528の互いに反対側に位置する第1の電極2524及び第2の電極2526により経時的に得る。組織の電気的性質は、インピーダンス測定値に対応するのが良く、互いに異なる周波数の信号を第1の電極2524に印加してEIS技術に準拠して組織インピーダンスを測定することによって測定量を得る。
【0227】
ブロック2506では、測定量を処理して骨折部の治癒状態、例えば癒合、癒合不全の恐れ、及び癒合不全に対応した骨折部2528の特徴づけを判定する。
【0228】
ブロック2508では、組織の電気的性質の複数の測定量、又は骨折部2528の特徴づけを外部装置に伝える。
【0229】
図26A及び図26Bは、それぞれ、骨折部を特徴づける方法の流れ図及び略図である。この方法は、本明細書において開示するとともにさらに以下において説明するよう構成されるスマート医療器具のうちの1つによって実施されるのが良い。
【0230】
ブロック2602では、複数の電極を備えたスマート医療器具2620を骨2622内に植え込んで第1の電極2624及び第2の電極2626の各々を骨折部2628の隙間2630内に配置する。幾つかの方法では、ルーメンを備えた套管状構造体を骨折部のところで骨組織中に植え込むことによって複数の電極を植え込む。套管状構造体を植え込んだ後、検出モジュール及び他のエレクトロニクスを備えたエレクトロニクスカートリッジをルーメン中に挿入する。幾つかの方法では、套管状構造体は、複数の電極を有し、これら電極は、ルーメン中へのエレクトロニクスカートリッジの挿入時に検出モジュールに結合する。幾つかの方法では、複数の電極がエレクトロニクスカートリッジ内に設けられ、これら複数の電極は、套管状構造体の側壁に設けられた孔を通って骨組織とインターフェースする。幾つかの方法では、複数の電極、検出モジュール、及び複数の電極に結合された他のエレクトロニクスを備えた構造体を有する予備負荷型医療器具を植え込むことによって複数の電極を植え込む。
【0231】
ブロック2604では、組織の電気的性質の複数の測定量を骨折部2628の隙間2630内に位置する第1の電極2624及び第2の電極2626により経時的に得る。組織の電気的性質は、インピーダンス測定値に対応するのが良く、互いに異なる周波数の信号を第1の電極2624に印加してEIS技術に準拠して組織インピーダンスを測定することによって測定量を得る。
【0232】
ブロック2606では、測定量を処理して骨折部の治癒状態、例えば癒合、癒合不全の恐れ、及び癒合不全に対応した骨折部2628の特徴づけを判定する。
【0233】
ブロック2608では、組織の電気的性質の複数の測定量、又は骨折部2628の特徴づけを外部装置に伝える。
【0234】
図26Bを参照すると、スマート医療器具2620は、この医療器具のシャフト2632の第1の側に位置する第1の組をなす電極及び第1の側から間隔を置いて位置するシャフトの第2の側に位置する第2の組をなす電極を有する。医療器具のこの実施形態は、例えば、図21A及び図21Bの実施形態に基づくのが良いが、2つの組をなす4つのピン電極を有するよう改造されるのが良い。引き続き図26Bを参照すると、スマート医療器具2620を患者の骨2622内に配置し、第1の組をなす電極及び第2の組をなす電極が骨折部2628をまたぐとともに各組に属する少なくとも1つの電極が隙間2630内に位置するようにする。電極を第1の電極2624がシャフトの一方の側に位置しかつ第2の電極2626がシャフトの他方の側に位置するようシャフト2632上に配置する。シャフト2632を絶縁するのが良い(例えば、陽極酸化処理済みチタン)。これにより、隙間2630内の治癒中の骨を介して第1の電極2624から第2の電極2626までの電気路2634が作られる。これにより、骨折部位が治癒しているときにインピーダンスの大きな変化が生じる。しかしながら、電気路2634は、シャフト2632のすぐ周りに位置する区域に局限されても良い。したがって、治癒具合を骨折部位全体にわたって良好に理解するためには、このスタイルの多数の医療器具2620a,2620b,2620cを採用して多数の対をなす電極を隙間断面の多数の場所で隙間2630内に配置し、それにより隙間の互いに異なる場所でインピーダンス測定値の組を収集するのが良い。
【0235】
図27A及び図27Bは、それぞれ、骨折部を特徴づける方法の流れ図及び略図である。この方法は、本明細書において開示するとともにさらに以下において説明するよう構成されるスマート医療器具のうちの1つによって実施されるのが良い。
【0236】
ブロック2702では、複数の電極を備えたスマート医療器具2720を骨2722内に植え込んで第1の直線電極2724及び第2の直線電極2726の各々を、各直線電極が骨折部2728の隙間2730をまたぐように配置する。直線電極2724,2726は長さが少なくとも1mmである。幾つかの方法では、ルーメンを備えた套管状構造体を骨折部のところで骨組織中に植え込むことによって複数の電極を植え込む。套管状構造体を植え込んだ後、検出モジュール及び他のエレクトロニクスを備えたエレクトロニクスカートリッジをルーメン中に挿入する。幾つかの方法では、套管状構造体は、複数の電極を有し、これら電極は、ルーメン中へのエレクトロニクスカートリッジの挿入時に検出モジュールに結合する。幾つかの方法では、複数の電極がエレクトロニクスカートリッジ内に設けられ、これら複数の電極は、套管状構造体の側壁に設けられたスロットを通って骨組織とインターフェースする。幾つかの方法では、複数の電極、検出モジュール、及び複数の電極に結合された他のエレクトロニクスを備えた構造体を有する予備負荷型医療器具を植え込むことによって複数の電極を植え込む。
【0237】
ブロック2704では、組織の電気的性質の複数の測定量を骨折部2728の隙間2730をまたぐ第1の直線電極2724及び第2の直線電極2726により経時的に得る。組織の電気的性質は、インピーダンス測定値に対応するのが良く、互いに異なる周波数の信号を第1の直線電極2724に印加してEIS技術に準拠して組織インピーダンスを測定することによって測定量を得る。
【0238】
ブロック2706では、測定量を処理して骨折部の治癒状態、例えば癒合、癒合不全の恐れ、及び癒合不全に対応した骨折部2728の特徴づけを判定する。
【0239】
ブロック2708では、組織の電気的性質の複数の測定量、又は骨折部2728の特徴づけを外部装置に伝える。
【0240】
図27Aを参照すると、スマート医療器具2720は、医療器具のシャフト2732の第1の側に位置する第1の直線電極2724及び第1の側から間隔を置いて位置するシャフトの第2の側に位置する第2の直線電極2726を有する。医療器具のこの実施形態は、例えば、図13A図13Dの実施形態に基づくのが良いが、各々が套管状構造体の互いに反対側に位置するそれぞれのスロットを貫通するよう構成された2つの直線電極を有するよう改造されるのが良い。引き続き図27Bを参照すると、スマート医療器具2720を患者の骨2722内に配置し、第1の直線電極2724及び第2の直線電極2726が骨折部2628をまたぐようにする。直線電極2724,2726をこれら電極がシャフトの互いに反対側に位置するようシャフト2732上に配置する。シャフト2632を絶縁するのが良い(例えば、陽極酸化処理済みチタン)。これにより、シャフト2732周りの局所領域を介して第1の直線電極2724から第2の直線電極2726への電流路2734が作られる。直線電極2724,2726が骨折部位の両側で骨2722に接触するので、電流路2734は、骨折部位の治癒中の骨を通るとともに骨折部位の両側の骨を通る。
【0241】
例示の回路図が骨折部2728の初期状態2729及び骨折部の治癒状態2731について示されている。骨が治癒していると、骨折部2728の隙間2730のインピーダンスが骨折状態の低抵抗RGから治癒状態の高抵抗RG′まで変化し、それによりスマート医療器具2720は、治癒がシャフト2732周りの局所領域で生じたかどうかを判定することができる。2つの直線電極2724,2726がシャフト2732の各側に配置された場合、4線材インピーダンス測定法を用いてこの測定値から電極接触抵抗の影響を除去する。この実施形態は、シャフト2732周りの局所領域のみの治癒具合を測定する傾向がある。したがって、治癒具合を骨折部位全体にわたって良好に理解するためには、このスタイルの多数の医療器具を採用して多数の対をなす直線電極を隙間断面の多数の場所で隙間2730を横切ってまたぎ、それにより隙間が互いに異なる場所におけるインピーダンス測定値の組を収集するのが良い。
【0242】
一観点では、本発明は、骨組織の骨折部を治療する方法を提供し、この方法は、骨組織中の骨折部を識別するステップと、本明細書において開示した医療器具を骨組織中に挿入するステップとを有し、医療器具は、骨折部を横切って挿入される。骨折部は、例えばX線によって識別されるのが良い。一実施形態では、医療器具は、スクリューである。医療器具は、套管状スクリューを骨折部のある骨中に挿入するために用いられる標準技術に従って骨組織中に挿入されるのが良い。オプションとして、この方法は、骨折部を医療器具で特徴づけるステップをさらに含む。
【0243】
一観点では、本発明は、骨組織の骨折部を特徴づける方法を提供し、この方法は、骨組織の骨折部を識別するステップと、本明細書において開示した医療器具を骨組織中に挿入するステップとを含み、医療器具は、骨折部を横切って挿入され、この方法は、骨折部を医療器具内に配置されたセンサで特徴づける方法をさらに含む。骨折部は、例えばX線によって識別されるのが良い。一実施形態では、医療器具は、スクリューである。医療器具は、套管状スクリューを骨折部のある骨中に挿入するために用いられる標準技術に従って骨組織中に挿入されるのが良い。
【0244】
スマート医療器具との通信
スマート医療器具は、スマート医療器具と通信する環境の一部であるのが良い。例示の環境は、手術室であり、この手術室の中で、スマート医療器具は、ヘルスケア専門家によって患者の体内に植え込まれている。別の例示の環境は、患者の自宅であり、この場合、スマート医療器具は、患者の体内にすでに植え込まれている。さらに別の例示の環境は、医師の診療所であり、この場合、スマート医療器具が植え込まれた患者が例えば評価のために診療所内に居る。以下の内容は、患者の家の中における例示の環境の詳細な説明である。しかしながら、説明する特徴及び接続性は、スマート医療器具が植え込まれた患者が存在する他の環境、例えば手術室や医師の診療所内に類比的に存在しており、これまた、本明細書において説明するが、ただし、それほど詳細ではない。
【0245】
図28は、患者の家の中に存在する特徴を含むスマート医療器具環境2800の関連図である。この環境では、植え込み型報告プロセッサ(IRP)2803を有するスマート医療器具2802が患者の体内に植え込まれている(図示せず)。本発明のスマート医療器具の検出能力及び関連エレクトロニクス組立体を総合して植え込み型報告プロセッサ(IRP)と称する場合がある。IRPは、本発明のスマート医療器具の一コンポーネントであり、この場合、スマート医療器具は、IRPを有する。アンテナがIRPの一コンポーネントであっても良くそうでなくても良い。同様に、電力供給源がIRPの一コンポーネントでなくても良い。植え込み型報告プロセッサ2803は、例えば、スマート医療器具が関連している患者に関する医療及び健康データならびにスマート医療器具2802それ自体の動作データを含むデータを収集するよう配置されるとともに構成されている。スマート医療器具2802は、患者の互いに異なるモニタリング段階中、1つ以上のホーム基地局2804又は1つ以上の外部スマートデバイス2805と通信する。
【0246】
スマート医療器具2802は、スマート医療器具が関連している患者に関する医療及び健康データならびにスマート医療器具2802それ自体の動作データを含む情報及びデータを収集する1つ以上のセンサを有する。スマート医療器具2802は、患者のモニタリングプロセス中、種々の互いに異なる時刻及び種々の互いに異なるレートでデータを収集し、かかるスマート医療器具は、オプションとして、このデータが患者の体外に伝送されるまでかかるデータをメモリ内に記憶させることができる。幾つかの実施形態では、スマート医療器具2802は、患者のモニタリング全体にわたって複数の互いに異なる段階で動作することができ、スマート医療器具2802が患者の体内に植え込まれた後すぐに多量のデータが収集されるが、患者が治癒しているとき及びそれ以後において収集されるデータは少なくなるようになっている。
【0247】
スマート医療器具2802によって収集されるデータの量及び種類は、患者ごとに異なる場合があり、しかも収集されるデータの量及び種類は、単一の患者について変化する場合がある。例えば、特定の患者のスマート医療器具2802により収集されるデータを研究している医療従事者は、スマート医療器具2802が将来のデータをどのように収集するかを調整することができ又は違ったやり方で制御することができる。
【0248】
スマート医療器具2802により収集されるデータの量及び種類は、互いに異なる身体部分、互いに異なる形式の患者病態、互いに異なる患者のデモグラフィック、又は他の差異について異なる場合がある。変形例として又は追加例として、収集されるデータの量及び種類は、他の要因、例えば、患者がどのように治癒し又は感じているか、モニタリングプロセスが最後に至るまでどれほど長く見積もられているか、スマート医療器具2802内にどれほど多くの電力が残存しているか及びどれほど多くの電力が節約されるべきか、モニタリングされている動きの種類、モニタリングされている身体部分などに基づいて経時的に変化する場合がある。幾つかの場合、収集データには、患者により提供される個人的な記述的情報、例えば主観的な疼痛データ、クオリティオブライフに関するメトリックデータ、共存症、患者がスマート医療器具2802と関連している知覚又は期待などが補充される。
【0249】
スマート医療器具2802を患者の体内にいったん植え込んで患者が帰宅すると、スマート医療器具は、ホーム環境内で患者の体外で通信を開始することができる。通信は、例えばホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805(例えば、患者のスマートフォン)、接続状態にあるパーソナルアシスタント2807、又はスマート医療器具2802と通信することができるホーム基地局、外部スマートデバイス、及び接続済みパーソナルアシスタントのうちの2つ以上と行われるのが良い。スマート医療器具2802は、データを定められたレート及び時刻で、可変レート及び時刻で、又は別の制御可能なレート及び時刻で収集することができる。データ収集は、スマート医療器具2802が手術室で初期化されたとき、医療従事者によって指図されたとき又はある後の時点で開始するのが良い。
【0250】
スマート医療器具2802により収集された少なくとも幾分かのデータをホーム基地局2804に直接伝送し、外部スマートデバイス2805に直接伝送し、接続済みパーソナルアシスタント2807に直接伝送し、スマートデバイスと接続済みパーソナルアシスタントのうちの一方又は両方経由で基地局に伝送し、基地局及び接続済みパーソナルアシスタントのうちの一方又は両方によりスマートデバイスに伝送し、又はスマートデバイスと基地局のうちの一方又は両方により接続済みパーソナルアシスタントに伝送することができる。この場合、「一方」及び「両方」は、アイテム単独を介して及びシリアルに又はパラレルに両方のアイテムを介してということを意味している。例えば、植え込み済みのスマート医療器具2802により収集されたデータを外部スマートデバイス2805単独経由で、接続済みパーソナルアシスタント2807単独経由で、外部スマートデバイス、そして接続済みパーソナルアシスタント経由でシリアルに、接続済みパーソナルアシスタント、そして外部スマートデバイス経由でシリアルに、そして直接、場合によっては外部スマートデバイスと接続済みパーソナルアシスタントの両方経由で同時にホーム基地局2084に伝送することができる。
【0251】
同様に、植え込み済みスマート医療器具2802により収集されたデータをホーム基地局2804単独経由で、接続済みパーソナルアシスタント2807単独経由で、ホーム基地局、そして接続済みパーソナルアシスタント経由でシリアルに、接続済みパーソナルアシスタント、そしてホーム基地局経由でシリアルに、ホーム基地局と接続済みパーソナルアシスタントの両方経由で直接に場合によっては同時に外部スマートデバイス2805に伝送することができる。さらに例示として、植え込み済みスマート医療器具2802によって収集されたデータを外部スマートデバイス2805単独経由で、ホーム基地局2804単独経由で、外部スマートデバイス、そしてホーム基地局経由でシリアルに、ホーム基地局、そして外部スマートデバイス経由でシリアルに、外部スマートデバイスとホーム基地局の両方経由で直接に場合によっては同時に接続済みパーソナルアシスタント2807に伝送することができる。
【0252】
種々の実施形態では、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807の1つ以上は、定期的な所定の又は他の時刻に植え込み済みスマート医療器具2802のネットワーク接続確認を行って植え込み済みスマート医療器具2802がホーム基地局、外部スマートデバイス、及び接続済みパーソナルアシスタントのうちの1つ以上の通信範囲内にあるかどうかを判定する。植え込み済みスマートデバイス2802からの応答に基づいて、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、植え込み済みスマート医療器具2802が通信範囲内にあること、及び植え込み済みスマート医療器具2802に要求を出し、指令を出し又は違ったやり方で指図を出してスマート医療器具が収集したデータをホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上に伝送することができることを確認する。
【0253】
ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上の各々は、幾つかの場合、それぞれ対応のオプションとしてのユーザインターフェースを備えるのが良い。ユーザインターフェースは、1つ以上の形式のマルチメディア情報(例えば、映像、音声、触覚など)を一方向に又は二方向に流すマルチメディアインターフェースとして形成されるのが良い。患者(図28には示さず)又は患者の友人(図28には示さず)は、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上のそれぞれのユーザインターフェースを介して、他のデータをエンターして植え込み済みスマート医療器具2802により収集されたデータを捕捉することができる。ユーザは、例えば、個人記述的情報(例えば、年齢変化、体重変化)、医学的状態の変化、共存症、疼痛レベル、クオリティオブライフ、植え込み済みスマート医療器具2802がどのように「感じる」かについての指標、他の主観的メトリック(計量)データ、医療従事者に関する個人的メッセージなどをエンターすることができる。これらの実施形態では、個人記述的情報は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロホン、ワイヤード又はワイヤレスコンピューティングインターフェース、又は他の何らかの入力手段によりエンターされるのが良い。個人記述的情報を収集する場合、個人記述的情報は、情報を植え込み済みスマート医療器具2802の一義的識別子、患者、関連の医療従事者、関連の医療施設などに関連づける1つ以上の識別子を含むのが良く又は違ったやり方でかかる識別子と関連するのが良い。
【0254】
これらの場合のうちの幾つかに関し、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上の各々のそれぞれのオプションとしてのユーザインターフェースはまた、植え込み済みスマート医療器具2802と関連した情報を例えば医療従事者からユーザに送るよう配置されているのが良い。これらの場合、ユーザに送られた情報をビデオスクリーン、音声出力デバイス、触覚トランスデューサ、ワイヤード又はワイヤレスコンピューティングインターフェース、又は他の何らかの同様な手段経由で送るのが良い。
【0255】
ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上がユーザインターフェースを備えている実施形態では、ユーザインターフェースは、患者ポータルデバイスへの通信的結合を可能にするよう配置された内部ユーザインターフェースを備えるのが良い。患者ポータルデバイスは、スマートフォン、タブレット、装着式デバイス、体重又は他のヘルス測定装置(例えば、体温計、体重計など)、ワイヤード又はワイヤレス通信可能な他の何らかのコンピューティングデバイスであるのが良い。これらの場合、ユーザは、個人記述的情報をエンターすることができ、そしてまたユーザは、植え込み済みスマート医療器具2802と関連した情報を受け取ることができる。
【0256】
ホーム基地局2804は、患者のホームネット2806を利用して収集したデータをクラウド2808に伝送する。ホームネットワーク2806は、ローカルエリアネットワークであっても良く、かかるホームネットワークは、患者の自宅からワイドエリアネットワーク、例えばインターネット(internet)へのアクセスを可能にする。幾つかの実施形態では、ホーム基地局2804は、Wi‐Fi接続方式を利用してホームネットワーク2806につながってインターネットにアクセスすることができる。他の実施形態では、例えばホーム基地局2804は、患者のホームコンピュータ(図28には示さず)にそれ自体ホームネットワーク2806に接続されたUSB接続方式により接続されても良い。
【0257】
外部スマートデバイス2805は、例えばBlue Tooth(登録商標)準拠信号により植え込み済みスマート医療器具2802と直接通信することができ、そして患者のホームネットワーク2806を利用して収集データをクラウド2808に伝送することができ又は例えばセルラーネットワークでクラウドと直接通信することができる。変形例として、外部スマートデバイス2805は、例えばBlue Tooth(登録商標)準拠信号によりホーム基地局2804、接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの一方又は両方と直接通信するよう構成されており、かかる外部スマートデバイスは、植え込み済みスマート医療器具2802と直接通信するようには構成されていない。
【0258】
さらに、接続済みパーソナルアシスタント2807は、例えばBlue Tooth(登録商標)準拠信号により植え込み済みスマート医療器具2802と直接通信することができ、そして患者のホームネットワーク2806を利用して収集データをクラウド2808に伝送することができあるいは例えばモデム/インターネット接続方式又はセルラーネットワーク経由でクラウドと直接通信することができる。変形例として、接続済みパーソナルアシスタント2807は、例えばBlue Tooth(登録商標)準拠信号によりホーム基地局2804と外部スマートデバイス2805のうちの一方又は両方と直接通信するよう構成されており、かかる接続済みパーソナルアシスタント2807は、植え込み済みスマート医療器具2802と直接通信するようには構成されていない。
【0259】
ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上はまた、クラウド2808への収集データを伝送するとともに、クラウド2808から直接又はホームネットワーク2806経由で、データ、指令、又は他の情報を得ることができる。ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、受け取ったデータ、受け取った指令、又は受け取った他の情報のうちの幾分か又は全てを植え込み済みスマート医療器具2802に提供することができる。かかる情報の例としては、構成のアップデート情報、植え込み済みスマート医療器具2802が適正に機能しているかどうかを判定するための診断リクエスト、データ収集リクエスト、及び他の情報が挙げられるが、これらには限定されない。
【0260】
クラウド2808は、植え込み済みスマート医療器具2802から収集したデータ、場合によっては、他の組立体(図示せず)から収集したデータとともに患者(図28には示さず)から収集した個人記述的情報、及び場合によっては、他の患者から収集した個人記述的情報を集めるために1つ以上のサーバコンピュータ又はデータベースを含むのが良い。このようにすると、クラウド2808は、別々の患者に植え込まれた複数の組立体の各々からの収集データに関する多種多様な計量を生じさせることができる。この情報は、組立体が適正に機能しているかどうかを判定するのに有益であると言える。収集情報はまた、他の目的、例えばどの特定のデバイスが適正に機能していないかの突き止め、スマート医療器具と関連した手技又は条件が患者を助けているかどうか(例えば、膝関節置換が適正に働いて患者の疼痛を減少させているかどうか)の判定、及び他の医学的情報の判定に有益である場合がある。
【0261】
さらに図28を参照すると、変形実施形態が想定される。例えば、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上をスマート医療器具環境2800から省くことができる。さらに、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805及び接続済みパーソナルアシスタント2807の各々は、基地局、スマートデバイス、及び接続済みパーソナルアシスタントのうちの別の1つ以上を介して植え込み済みスマート医療器具2802とクラウド2808のうちの一方又は両方と通信するよう構成されていても良い。さらに、外部スマートデバイス2805は、植え込み済みスマート医療器具2802へのインターフェースとして一時的に契約でき、外部スマートデバイスは、スマートフォン以外の任意適当なデバイス、例えばスマートウォッチ、スマートパッチ、及び植え込み済みスマート医療器具2802に対するインターフェースとして作用することができる任意のIoTデバイス、例えばコーヒーポットであって良い。
【0262】
加うるに、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、1人以上の患者の体内に植え込まれた多数のプロテーゼ用の通信ハブとして働くことができる。さらに、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、患者入力又は植え込み型プロテーゼ入力(例えば、疼痛レベル、不安定性レベル)に応答して処方箋又は医療サプライ(例えば、膝装具)を自動的に注文又は再注文することができ、ただし、医療専門家や保険会社がかかる注文又は再注文を事前許可していることを条件とし、変形例として、基地局、スマートデバイス、及び接続済みパーソナルアシスタントのうちの1つ以上は、医療専門家又は保険会社から、注文又は再注文をかけるための許可を要求するよう構成されていても良い。さらにホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、パーソナルアシスタント、例えばAlexa(登録商標)又はSiri(登録商標)を備えるのが良い。
【0263】
図28を参照してスマート医療器具環境を患者の自宅との関連で説明したが、同じ原理は、環境が手術室又は医師の診療所の場合に当てはまる。例えば、医学的処置と関連して、植え込み済みスマート医療器具2802を手術室環境内で患者の体内に植え込みできる。植え込み済みスマート医療器具2802は、医学的処置と時を同じくして、手術室基地局(ホーム基地局に類似している)と通信する。その後、患者は、医学的処置から十分に回復した後、帰宅し、その後、植え込み済みスマート医療器具2802は、ホーム基地局2804と通信するよう配置される。しかる後、他の時点において、植え込み済みスマート医療器具2802は、患者がフォローアップ診察のために医師を訪れた際に医師診療所基地局と通信するよう配置される。いずれの場合においても、植え込み済みスマート医療器具2802は、短距離ネットワークプロトコル、例えば医療器具通信サービス(MICS)、医療器具無線通信サービス(MedRadio)又はスマート医療器具2802との併用に適した他の何らかのワイヤレス通信プロトコル経由で各基地局と通信する。
【0264】
例えば、患者の体内への植え込み型スマート医療器具2802の植え込みは、手術室で行われるのが良い。本明細書で用いられる手術室としては、スマート医療器具2802が患者の体内に植え込まれる任意の診療所、部屋、建物、又は施設が挙げられる。例えば、手術室は、病院内の典型的な手術室、外科クリニック又は医師診療所内の手術室、又はスマート医療器具2802が患者の体内に植え込まれる任意他の手術現場であって良い。
【0265】
手術室(図28のホーム基地局に類似している)は、患者に体内に植え込まれているスマート医療器具2802と関連して植え込み済みスマート医療器具2802を設定するとともに初期化するために利用される。通信関係は、例えば手術室基地局によって送信されるポーリング信号及びスマート医療器具2802によって送信される応答信号に基づいて、スマート医療器具2802と手術室基地局との間に構築される。
【0266】
スマート医療器具2802の植え込みに先立って行われる場合の多い通信関係の構築時、手術室基地局は、初期設定情報をスマート医療器具2802に伝送する。この初期設定情報としては、時刻スタンプ、日付スタンプ、スマート医療器具2802の種類及び配置場所の特定、スマート医療器具と関連した他のインプラントに関する情報、外科医に関する情報、患者の識別、手術室情報などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0267】
幾つかの実施形態では、初期設定情報は、一方向に流され、他の実施形態では、初期設定は、双方向に流される。初期設定情報は、スマート医療器具2802によるデータの収集と関連した少なくとも1つのパラメータを定めることができる。例えば、設定情報は、1つ以上の動作モードの各々に関し、スマート医療器具2802に設けられている1つ以上のセンサに関する設定値を特定することができる。設定情報はまた、他の制御情報、例えばスマート医療器具2802の初期動作モード、動作モードの変化をトリガする特定のイベント、無線設定値、データ収集情報(例えば、スマート医療器具2802がどれほど多く収集データに合わせて起動するか、スマート医療器具がどれほどデータを収集するか、収集するデータがどれほど多いか)、ホーム基地局2804、スマートデバイス2805、接続済みパーソナルアシスタント2807の識別情報、及びスマート医療器具2802の植え込み又は動作と関連した他の制御情報を含むのが良い。スマートスピーカとも呼ばれる場合がある接続済みパーソナルアシスタント2807の例としては、Amazon Echo(登録商標)、Amazon Dot(登録商標)、Google Home(登録商標)、Phillips(登録商標)患者モニタ、コムキャスト(Comcast)の健康追跡スピーカ、及びApple HomePod(登録商標)が挙げられる。
【0268】
幾つかの実施形態では、設定情報は、手術室基地局又は患者のコンピューティングデバイスにあらかじめ記憶されているのが良い。他の実施形態では、外科医、外科技術師、又は他の何らかの医療従事者がスマート医療器具2802への送信のために制御情報及び他のパラメータを手術室基地局に入力するのが良い。少なくとも1つのかかる実施形態では、手術室基地局は、手術室設定コンピューティングデバイスと通信することができる。手術室設定コンピューティングデバイスは、医療従事者がスマート医療器具2802のための設定情報を入力することができるようにするグラフィカルユーザインターフェースを備えたアプリケーションを含む。種々の実施形態では、手術室設定コンピューティングデバイス上で走るアプリケーションは、医療従事者によって調節可能であっても良く又はそうでなくても良い既定の設定情報のうちの幾分かを有するのが良い。
【0269】
手術室設定コンピューティングデバイスは、ワイヤード又はワイヤレスネットワーク接続方式(例えば、USB接続方式、Bluetooth接続方式、Bluetooth低エネルギー(BTLE)接続方式、又はWi‐Fi接続方式)により設定情報を手術室基地局に伝え、かかるワイヤード又はワイヤレスネットワーク接続方式は、設定情報をスマート医療器具2802に伝送する。
【0270】
手術室設定コンピューティングデバイスはまた、スマート医療器具2802又は手術室基地局に関する情報を外科医、外科技術師、又は医療従事者に表示することができる。例えば、手術設定コンピューティングデバイスは、スマート医療器具2802が設定情報をできず又はこれにアクセスすることができない場合、スマート医療器具2802が非応答状態である場合、スマート医療器具2802が初期自己試験中、センサ又は無線機のうちの1つに関する問題を確認した場合、手術室基地局が非応答状態であり又は機能不全を起こしている場合、又は他の理由で、エラー情報を表示することができる。
【0271】
手術室基地局及び手術室設定コンピューティングデバイスを別々の装置として説明したが、実施形態は、これには限定されず、これとは異なり、手術室設定コンピュータデバイス及び手術室基地局の機能は、図示のように単一のコンピューティングデバイス又は別々のデバイスに含まれても良い。このようにすると、医療従事者は、一実施形態では、設定情報を手術室基地局に直接入力することが可能になる。
【0272】
スマート医療器具を患者の体内に植え込んだ後、患者は、定期的に、フォローアップ評価のために医師の診療を訪れるのが良い。一観点では、本発明は、医師の診療所の環境(本明細書において説明したホーム環境と類似している)を提供することができ、この場合、植え込み済みスマート医療器具は、診療所環境と通信する。これらの訪問中、メモリに記憶されたデータにアクセスすることができかつ/あるいは特定のデータをモニタリングプロセスの一部として要求して得ることができる。
【0273】
例えば、モニタリングプロセス全体を通じて種々の時刻に、患者は、フォローアップ面会約束のために医療従事者を訪れるよう要求される場合がある。この医療従事者は、スマート医療器具2802を患者の体内に植え込んだ外科医又はモニタリングプロセス、理学療法、及び患者の回復を監督する別の医療従事者であるのが良い。様々な理由で、医療従事者は、制御された環境内においてスマート医療器具2802からリアルタイムデータを収集したいと考えている場合がある。幾つかの場合、医療従事者を訪れるための要求がホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上の各々のそれぞれのオプションとしての双方向ユーザインターフェースにより送られるのが良い。
【0274】
医療従事者は、スマート医療器具2802と通信する医師診療所基地局(図28に示されたホーム基地局に類似している)を利用して追加のデータを医師診療所基地局とスマート医療器具2802との間で流す。変形例として又は追加例として、医療従事者は、医師診療所基地局(図28には示さず)を利用して指令をスマート医療器具2802に伝える。幾つかの実施形態では、医師診療所基地局は、スマート医療器具2802に命令を出して高解像度モードをエンターして短時間で集められたデータのレート又は種類を一時的に増やす。高解像度モードは、スマート医療器具2802に命令を出して医療従事者もまた患者をモニタリングしている活動中に、異なる量(例えば、大量)のデータを収集する。
【0275】
幾つかの実施形態では、医師診療所基地局により、医療従事者は、イベント又は疼痛マーカーを入力することができ、かかるイベント又は疼痛マーカーをスマート医療器具2802により収集された高解像度データに同期させることができる。例えば、医療従事者は、スマート医療器具2802が高解像度モードにある状態で、患者をトレッドミル上で歩行させるのが良い。患者が歩行しているとき、患者は、疼痛を訴える場合がある。医療従事者は、医師診療所基地局の疼痛マーカーボタンをクリックして患者の不快感を表示することができる。医師診療所基地局は、マーカー及びマーカーを入力した時刻を記録する。このマーカーのタイミングを収集した高解像度データのタイミングと同期させると、医療従事者は、データを分析して疼痛の原因を調べて突き止めることができる。
【0276】
他の実施形態では、医師診療所基地局は、更新された設定情報をスマート医療器具2802に提供することができる。スマート医療器具2802は、この更新設定情報を記憶し、かかる更新設定情報は、データの収集と関連したパラメータを調節するために使用できる。例えば、患者が健康を回復している場合、医療従事者は、スマート医療器具2802によるデータの収集頻度の減少を指図することができる。これとは逆に、患者が予期しない強さの疼痛を生じている場合、医療従事者は、スマート医療器具2802に指図を出して定められた期間にわたり(例えば、数日間)追加のデータを収集するのが良い。医療従事者は、追加のデータを用いて特定の問題を診断してこれに対処することができる。幾つかの場合、追加のデータは、患者が医療従事者の元を去った後に患者により提供される個人記述的情報を含むのが良く、かかる追加のデータは、もはや、医師診療所基地局の範囲内にはない。これらの場合、個人記述的情報を、ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上を介して収集したりこれから送り出したりすることができる。スマート医療器具及び/又は基地局内のファームウェアは、向上したモニタリング期間を制限する安全防護策となってスマート医療器具2802が患者のインプラントのライフサイクルにわたって続くのに十分な電力を維持するようにする。
【0277】
種々の実施形態では、医師診療所基地局は、医師診療所設定コンピューティングデバイス(手術室コンピューティングデバイスに類似している)と通信することができる。医師診療所設定コンピューティングデバイスは、医療従事者が指令及びデータを入力することができるようにするグラフィカルユーザインターフェースを備えたアプリケーションを含む。指令、データ及び他の情報のうちの何割か又は全てをのちに医師診療所基地局経由でスマート医療器具2802に伝送するのが良い。例えば、幾つかの実施形態では、医療従事者は、グラフィカルユーザインターフェースを用いてスマート医療器具2802に命令を出し、それによりその高解像度モードをエンターすることができる。他の実施形態では、医療従事者は、グラフィカルユーザインターフェースを用いてスマート医療器具2802のための設定情報を入力し又は改変することができる。医師診療所設定コンピューティングデバイスは、情報を(例えば、指令、データ、又は他の情報)をワイヤード又はワイヤレスネットワーク接続方式(例えば、USB接続方式、Bluetooth接続方式、又はWi‐Fi接続方式)経由で医師診療所基地局に伝送し、医師診療所基地局は、設定情報のうちの幾つか又は全てをスマート医療器具2802に伝送する。
【0278】
医師診療所設定コンピューティングデバイスはまた、スマート医療器具2802に関する、患者に関する(例えば、個人記述的情報)、又は医師診療所基地局に関する他の情報を医療従事者に表示することができる。例えば、医師診療所設定コンピューティングデバイスは、スマート医療器具2802により収集されて医師診療所基地局に伝送される高解像度データを表示することができる。医師診療所設定コンピューティングデバイスはまた、スマート医療器具2802が設定情報を記憶できず又はこれにアクセスすることができない場合、スマート医療器具2802が非応答状態である場合、スマート医療器具2802がセンサ又は無線機のうちの1つに関する問題を確認した場合、医師診療所基地局が非応答状態であり又は機能不全を起こしている場合、又は他の理由で、エラー情報を表示することができる。
【0279】
幾つかの実施形態では、医師診療所設定コンピューティングデバイスは、クラウド2808に対するアクセスを有するのが良い。少なくとも1つの実施形態では、医療従事者は、医師診療所設定コンピューティングデバイスを利用して、ホーム基地局2804と外部スマートデバイス2805のうちの一方又は両方を介してスマート医療器具2802によって先に収集されてクラウド2808に伝送された、クラウド2808に記憶されているデータにアクセスすることができる。同様に、医師診療所設定コンピューティングデバイスは、スマート医療器具2802から得られた高解像度データを医師診療所基地局経由でクラウド2808に伝送することができる。幾つかの実施形態では、医師診療所基地局は、インターネットアクセスが可能であり、かかる医師診療所基地局は、医師診療所設定コンピューティングデバイスを利用しないで、高解像度データをクラウド2808に直接伝送することができるようになっているのが良い。
【0280】
種々の実施形態では、医療従事者は、患者が医療従事者の診療所に居ないときにスマート医療器具2802の設定情報を更新することができる。これらの場合、医療従事者は、医師診療所設定コンピューティングデバイス(図28には示さず)を利用して更新された設定情報をクラウド2808経由でスマート医療器具2802に伝送することができる。ホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上は、更新済み設定情報をクラウド2808から得て更新済み設定情報をクラウドに送ることができる。これにより、医療従事者は、患者が医療従事者の診療所に行く必要なく、スマート医療器具2802の動作状態を遠隔調整することができる。これにより、医療従事者は、例えば患者によって提供されてホーム基地局2804、外部スマートデバイス2805、及び接続済みパーソナルアシスタント2807のうちの1つ以上を介して医師診療所基地局(図28には示さず)に送られた個人記述的情報に応答して、メッセージを患者に送ることも可能である。例えば、患者が「痛い」と接続済みパーソナルアシスタント2807に言った場合、医療従事者は、鎮痛薬の処方箋を出すことができそれにより接続済みパーソナルアシスタントは、「医師がVicodin (登録商標)の処方箋で患者の好みの薬局に電話し、処方箋が午後4時にはいつでも受け取る準備である」という旨を「しゃべる」ことによって患者に通知することができる。
【0281】
医師診療所基地局(図28には示さず)及び医師診療所設定コンピューティングデバイス(図28は示さず)を別々の装置として説明したが、実施形態は、これには限定されず、これとは異なり、医師診療所設定コンピュータデバイス及び医師診療所基地局の機能は、単一のコンピューティングデバイス又は別々のデバイスに含まれても良い(図示のように)。このようにすると、医療従事者は、一実施形態では、設定情報又はマーカーを医師診療所基地局に直接入力し、そして医師診療所基地局上のディスプレイから高解像度データ(及び同期されたマーカー情報)を見ることができるようになる。
【0282】
便宜上番号を付けた本発明のある特定の例示の実施態様は、以下を含む。
〔実施態様項1〕
医療器具であって、
少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを備えかつ体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された構造体と、
エレクトロニクスを含みかつ上記構造体の植え込み後に上記ルーメン中に挿入されるよう構成されたエレクトロニクスカートリッジとを有する、医療器具。
〔実施態様項2〕
組織の電気的性質を測定するセンサをさらに有し、上記センサは
複数の電極と、
上記エレクトロニクスカートリッジの検出モジュールとを有し、上記検出モジュールは、上記複数の電極に結合されている、実施態様項1記載の医療器具。
〔実施態様項3〕
上記複数の電極は、第1の電極及び第2の電極を含み、
上記検出モジュールは、上記第1の電極及び上記第2の電極が信号を上記電極全体に印加する印加モードか、上記電極相互間のインピーダンスを検出する検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、実施態様項2記載の医療器具。
〔実施態様項4〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項3記載の医療器具。
〔実施態様項5〕
上記センサは、電極スイッチをさらに有し、
上記複数の電極は、上記電極スイッチを介して上記検出モジュールに切り替え可能に結合されている第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を含み、
上記検出モジュールは、信号を上記第1の電極及び上記第2の電極に印加する印加モードを実行可能にするとともに、上記第3の電極と上記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、実施態様項2記載の医療器具。
〔実施態様項6〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項5記載の医療器具。
〔実施態様項7〕
上記組織の電気的性質は、インピーダンス測定値を含み、上記医療器具は、骨折部の特徴づけを確定するためにインピーダンス測定値を経時的に処理するよう構成されたコントローラをさらに有し、上記特徴づけは、上記骨折の治癒状態に対応している、実施態様項2記載の医療器具。
〔実施態様項8〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項7記載の医療器具。
〔実施態様項9〕
上記複数の電極は、上記構造体と関連し、かつ、骨折部の互いに反対側への第1の電極及び第2の電極の配置を可能にするよう互いに間隔を置いて配置され、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、上記複数の電極に電気的に結合するよう配置された複数の電気接点を有する、実施態様項2記載の医療器具。
〔実施態様項10〕
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジと関連し、かつ、骨折部の互いに反対側への第1の電極及び第2の電極の配置を可能にするよう互いに間隔を置いて配置される、実施態様項2記載の医療器具。
〔実施態様項11〕
上記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、上記少なくとも1つの孔と整列するよう上記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされている、実施態様項10記載の医療器具。
〔実施態様項12〕
上記構造体は、遠位端開口部及び近位端開口部を有し、
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されたときに、上記遠位端開口部に隣接して位置するよう上記エレクトロニクスカートリッジ上に配置された第1の電極及び上記近位端開口に隣接して位置するよう上記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた第2の電極を有する、実施態様項10記載の医療器具。
〔実施態様項13〕
上記構造体は、遠位端開口部を有し、
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、各々が上記構造体の上記遠位端開口部の遠位側に配置されるよう上記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた第1の電極及び第2の電極を含む、実施態様項10記載の医療機器。
〔実施態様項14〕
上記ルーメンは、上記構造体の植え込み中、インプラントツールを受け入れるよう構成されている、実施態様項1~13記載の医療器具。
〔実施態様項15〕
上記構造体は、上記インプラントツールに加えられたトルクの上記構造体への伝達を可能にするよう、上記インプラントツールの一部を受け入れるよう構成されている上記ルーメンのヘッド部分を構成する窪みポケットを備えたヘッドを有する、実施態様項14記載の医療器具。
〔実施態様項16〕
上記構造体は、骨内に植え込まれるよう構成されている、実施態様項1~15記載の医療器具。
〔実施態様項17〕
上記構造体は、上記骨の骨折部をブリッジするよう植え込まれるよう構成されている、実施態様項16記載の医療器具。
〔実施態様項18〕
上記構造体は、上記骨の骨折部をブリッジするプレートに設けられた穴を通って植え込まれるよう構成されている、実施態様項16記載の医療器具。
〔実施態様項19〕
上記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項1~18記載の医療器具。
〔実施態様項20〕
上記構造体は、外径が4ミリメートル以上の範囲にあるシャフトを有する、実施態様項1~19記載の医療器具。
〔実施態様項21〕
上記ルーメンは、上記エレクトロニクスカートリッジの少なくとも一部を受け入れるよう寸法決めされている直径を備えたシャフト部分を有する、実施態様項1~20記載の医療器具。
〔実施態様項22〕
上記エレクトロニクスカートリッジ及び上記ルーメンの各々は、ほぼ同一であるそれぞれの形状因子を有する、実施態様項1~21記載の医療器具。
〔実施態様項23〕
上記エレクトロニクスカートリッジ及び上記ルーメンのそれぞれの上記形状因子は、ヘッド部分及びシャフト部分を含み、上記ヘッド部分は、上記シャフト部分よりも大きな直径を有する、実施態様項22記載の医療器具。
〔実施態様項24〕
上記構造体及び上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン内にしっかりと固定することができる機械的特徴を含む、実施態様項1~23記載の医療器具。
〔実施態様項25〕
上記機械的特徴は、上記エレクトロニクスカートリッジのヘッドと上記構造体の上記ルーメンのヘッド部分との形状因子の差、上記エレクトロニクスカートリッジと関連した突出部と上記構造体の上記ルーメンと関連した凹部、及び接着剤を受け入れる上記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと上記接着剤に係合する上記構造体の内壁と関連したインターロック特徴のうちの1つから成る、実施態様項24記載の医療器具。
〔実施態様項26〕
上記構造体及び上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジか上記構造体かのいずれかの構造的健全性を損傷させないで、上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメンから取り出すことができる機械的特徴を有する、実施態様項1~25記載の医療器具。
〔実施態様項27〕
上記機械的特徴は、相補形ねじ山から成る、実施態様項26記載の医療器具。
〔実施態様項28〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、ヘッド及びシャフトを有し、上記エレクトロニクスの少なくとも一部は、上記ヘッド内に配置されたエレクトロニクス組立体に含まれている、実施態様項1~27記載の医療器具。
【0283】
〔実施態様項29〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、ヘッド及びシャフトを有し、上記エレクトロニクスの少なくとも一部は、上記シャフト内に配置されたエレクトロニクス組立体に含まれている、実施態様項1~28記載の医療器具。
〔実施態様項30〕
上記構造体は、外面を有し、1つ以上の電極が上記外面のところに位置し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、外面及び上記外面のところに設けられていて上記エレクトロニクスカートリッジが上記ルーメン中に挿入されると上記1つ以上の電極に電気的に結合するように構成された1つ以上の電気接点を有する、実施態様項1~29記載の医療器具。
〔実施態様項31〕
上記構造体は、導電性のサブストレートを有し、上記1つ以上の電極は、上記導電性サブストレートの側壁と関連する導電材料に対応し、上記1つ以上の電極は、絶縁材料によって上記導電性サブストレートから電気的に絶縁されている、実施態様項30記載の医療器具。
〔実施態様項32〕
上記1つ以上の電極のためのフィードスルーをさらに有し、上記フィードスルーは、上記導電性サブストレートの上記側壁を貫通して延び、かつ上記1つ以上の電極と上記構造体の内部との電気的結合部を提供する、実施態様項31記載の医療器具。
〔実施態様項33〕
上記構造体は、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された導電性サブストレートを有し、上記1つ以上の電極は、
上記絶縁材料で被覆されていない上記導電性サブストレートの領域、及び
上記絶縁材料の上に位置する導電材料のうちの1つ以上に対応している、実施態様項30記載の医療器具。
〔実施態様項34〕
上記構造体はサブストレートを有し、上記1つ以上の電極は、上記サブストレート上の導電材料に対応している、実施態様項30記載の医療器具。
〔実施態様項35〕
上記サブストレートは、非導電材料で作られている、実施態様項34記載の医療器具。
〔実施態様項36〕
上記サブストレートは、導電材料で作られ、
上記1つ以上の電極は、絶縁材料の上に位置する導電材料に対応している、実施態様項34記載の医療器具。
〔実施態様項37〕
上記構造体は、近位端及び遠位端を有し、上記1つ以上の電極は、上記遠位端の近くに位置する遠位電極、上記近位端の近くに位置する近位電極、上記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、上記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び上記近位端と上記遠位端との間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、実施態様項30記載医療器具。
〔実施態様項38〕
上記1つ以上の電極は、互いにかつ上記構造体から電気的に絶縁されている、実施態様項30記載の医療器具。
〔実施態様項39〕
上記構造体は、側壁を貫通した1つ以上の孔を有し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、上記1つ以上の孔と整列するよう位置決めされた1つ以上の電極を有する、実施態様項1~38記載の医療器具。
〔実施態様項40〕
上記構造体及び上記エレクトロニクスカートリッジの各々は、上記エレクトロニクスカートリッジが上記ルーメン中に挿入されると、上記1つ以上の電極の各々を上記1つ以上の孔のうちの対応の1つに整列させるよう構成されている、実施態様項39記載の医療器具。
〔実施態様項41〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、近位端及び遠位端を有し、上記1つ以上の電極は、上記遠位端の近くに位置する遠位電極、上記近位端の近くに位置する近位電極、上記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、上記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び上記近位端と上記遠位端の間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、実施態様項39記載の医療器具。
〔実施態様項42〕
上記1つ以上の電極は、互いに電気的に絶縁されている、実施態様項39記載の医療器具。
〔実施態様項43〕
上記1つ以上の孔は、スロットに対応し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジの表面から外方に延び、上記スロット中に嵌まる形状因子を有し、かつ上記1つ以上の電極を含む電極組立体を有する、実施態様項39記載の医療器具。
〔実施態様項44〕
上記電極組立体は、上記電極組立体の外面が上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面と実質的に同一平面上にある圧縮状態と、上記電極組立体の上記外面が上記スロットを貫通するよう上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面に対して上に位置する拡張状態との間で上記エレクトロニクスカートリッジが移行することができるよう上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面に対して付勢されている、実施態様項43記載の医療器具。
〔実施態様項45〕
上記電極は、上記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと関連し、上記電極は、上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、孔と連通関係にある空の空間が上記電極表面と上記構造体の内壁との間に形成されるよう上記シャフトの表面に対して凹んだ電極表面を含む、実施態様項39記載の医療器具。
〔実施態様項46〕
上記構造体は、遠位端開口部及び近位端開口部を有し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、上記遠位端開口部に隣接して位置するよう位置決めされる第1の電極及び上記近位端開口に隣接して位置するよう位置決めされる第2の電極を有する、実施態様項1~45記載の医療器具。
〔実施態様項47〕
上記構造体は、遠位端開口部を有し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると、上記遠位端開口部の遠位側に配置されるよう上記エレクトロニクスカートリッジ上に位置決めされた複数の電極を有する、実施態様項1~46記載の医療器具。
〔実施態様項48〕
上記エレクトロニクスは、アンテナを含む、実施態様項1~47記載の医療器具。
〔実施態様項49〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、上記近位端のところに設けられたヘッド、及び上記ヘッドから上記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
上記アンテナは、上記シャフトと関連している、実施態様項48記載の医療器具。
〔実施態様項50〕
上記アンテナは、上記シャフトの長さに沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、実施態様項49記載の医療器具。
〔実施態様項51〕
上記アンテナは、上記シャフト周りに螺旋パターンをなして延びる、実施態様項50記載の医療器具。
〔実施態様項52〕
上記アンテナは、上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されたときに上記構造体との接触を回避するよう上記シャフトの外面から電気的に絶縁されている、実施態様項51記載の医療器具。
〔実施態様項53〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、上記近位端のところに設けられたヘッド、及び上記ヘッドから上記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
上記アンテナは、上記ヘッドと関連している、実施態様項48記載の医療器具。
〔実施態様項54〕
上記アンテナは、上記ヘッドのベースと平行な平面に沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、実施態様項53記載の医療器具。
〔実施態様項55〕
上記エレクトロニクスは、1つ以上の電源を含む、実施態様項1~54記載の医療器具。
〔実施態様項56〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、上記近位端のところに設けられたヘッド、及び上記ヘッドから上記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
上記1つ以上の電源は、上記シャフトと関連している、実施態様項55記載の医療器具。
〔実施態様項57〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、近位端、遠位端、上記近位端のところに設けられたヘッド、及び上記ヘッドから上記遠位端に向かって延びるシャフトを有し、
上記1つ以上の電源は、上記ヘッドと関連している、実施態様項55記載の医療器具。
〔実施態様項58〕
上記1つ以上の電源は、バッテリ及びキャパシタのうちの1つ以上を含む、実施態様項55記載の医療器具。
〔実施態様項59〕
上記1つ以上の電源は、静電エネルギー、ワイヤレスエネルギー伝達、電気機械変換、電気磁気変換、及びIR放射線のうちの1つによってエネルギーを取り出すよう構成されたエネルギー取り出し装置を含む、実施態様項55記載の医療器具。
〔実施態様項60〕
上記エレクトロニクスは、上記医療器具と、上記体内に植え込まれるか体外に位置するかのいずれかの別の器具との通信を可能にする1つ以上の通信コンポーネントを含む、実施態様項1~59記載の医療器具。
〔実施態様項61〕
上記1つ以上の通信コンポーネントは、
アンテナ、及び
上記アンテナに結合され、かつRF信号を送受するよう構成された無線周波(RF)トランシーバを含む、実施態様項60記載の医療器具。
〔実施態様項62〕
上記1つ以上の通信構成要素は、
上記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された送信機、及び
上記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された受信機を含む、実施態様項60記載の医療器具。
【0284】
〔実施態様項63〕
上記1つ以上の通信コンポーネントは、
上記医療器具と上記他の器具との容量性結合を可能にすること、又は
上記医療器具と上記他の器具とのガルバニック結合を可能にすることの少なくとも一方を行うよう構成されている、実施態様項60記載の医療器具。
〔実施態様項64〕
上記エレクトロニクスは、1つ以上のセンサを含む、実施態様項1~63記載の医療器具。
〔実施態様項65〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体の運動に対応した信号を出力するよう構成された加速度計を含む、実施態様項64記載の医療器具。
〔実施態様項66〕
上記加速度計は、一次元加速度計及び三次元加速度計のうちの一方から成る、実施態様項65記載の医療器具。
〔実施態様項67〕
上記エレクトロニクスは、上記信号を受け取るよう上記加速度計に結合され、かつ上記信号を処理して患者の活動度、上記構造体の健全性、及びインプラント場所に対する上記構造体の運動のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項65記載の医療器具。
〔実施態様項68〕
上記1つ以上のセンサは、上記インプラント場所での上記構造体の温度に対応した信号を出力するよう構成されている温度センサを含む、実施態様項64記載の医療器具。
〔実施態様項69〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体と関連した動作、力、張力、速度、又は他の機械的力に対応した信号を出力するよう構成されたひずみセンサを含む、実施態様項64記載の医療器具。
〔実施態様項70〕
上記エレクトロニクスは、上記ひずみセンサからの信号を経時的に受け取るよう上記ひずみセンサに結合され、かつ上記信号を処理して骨折部の特徴づけを提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応している、実施態様項69記載の医療器具。
〔実施態様項71〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体の一区域内で検出された超音波エネルギーに対応する信号を出力するよう構成されている超音波トランスデューサを含む、実施態様項64記載の医療器具。
〔実施態様項72〕
上記エレクトロニクスは、上記超音波トランスデューサからの信号を受け取るよう上記超音波トランスデューサに結合され、かつ上記信号を処理して骨折部の特徴づけ、上記構造体の上記区域内の組織の特徴づけ、治癒区域グルコースのうちの1つ以上を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項71記載の医療器具。
〔実施態様項73〕
上記1つ以上のセンサは、グルコースレベル及び酸素レベルのうちの一方にそれぞれ対応した信号を出力するよう構成されたグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上を含む、実施態様項64記載の医療器具。
〔実施態様項74〕
上記エレクトロニクスは、上記信号を受け取るようグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上に結合され、かつ上記信号を処理して上記医療器具の一領域内の炎症流体の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項73記載の医療器具。
〔実施態様項75〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、化学反応によりインプラント部位のところの気体酸素反応を生じさせる触媒材料を送り出すよう構成された機構体をさらに有する、実施態様項1~74記載の医療器具。
〔実施態様項76〕
上記機構体は、
上記触媒材料を持続放出型コントローラの制御下でインプラント後に1度以上放出するリザーバ、及び
上記エレクトロニクスカートリッジに施された触媒材料の被膜のうちの1つ以上を含む、実施態様項75記載の医療器具。
〔実施態様項77〕
医療器具であって、
套管状構造体を有し、ルーメンが上記套管状構造体を貫通して延び、複数の電極が上記套管状構造体の外面のところに設けられ、上記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に上記エレクトロニクスと上記複数の電極との1つ以上の電気結合部を実現するよう構成されている、医療器具。
〔実施態様項78〕
上記套管状構造体は、シャフトを有し、上記複数の電極は、上記シャフトの長さに沿って間隔を置いて位置した単一の組をなす電極から成る、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項79〕
上記套管状構造は、シャフトを有し、上記複数の電極は、上記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第1の組をなす電極、及び上記第1の側から間隔を置いて位置した上記シャフトの第2の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第2の組をなす電極から成る、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項80〕
上記套管状構造は、シャフトを有し、上記複数の電極は、上記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び上記第1の側から間隔を置いて位置した上記シャフトの第2の側部に設けられた第2の直線電極から成る、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項81〕
上記套管状構造は、
絶縁材料で少なくとも部分的に被覆されている外面を備えた導電性本体と、
上記導電性本体の露出部分に対応した上記複数の電極のうちの第1の電極と、
上記絶縁材料の一部分の上に位置する上記複数の電極のうちの第2の電極とを有する、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項82〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、
上記導電性本体の内面に接触し、それにより上記エレクトロニクスと上記第1の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた第1の電気接点と、
上記第2の電極の一部に接触し、それにより上記エレクトロニクスと上記第2の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた第2の電気接点とを有する、実施態様項81記載の医療器具。
〔実施態様項83〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記第1の電気接点と上記第2の電気接点との間の絶縁シールをさらに有する、実施態様項82記載の医療器具。
〔実施態様項84〕
上記第2の電極は、絶縁材料で部分的に被覆され、上記第2の電気接点に接触する上記第2の電極の上記部分は、上記第2の電極の非被覆部分に対応している、実施態様項82記載の医療器具。
〔実施態様項85〕
上記第2の電極の上記非被覆部分は、上記套管状構造体の近位端のところに位置した上記ルーメンのヘッド部分内に配置されている、実施態様項84記載の医療器具。
〔実施態様項86〕
上記套管状構造体は、
ヘッド、及び、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された外面を備えた本体を有し、
上記絶縁材料上に設けられた導電材料の第1の部分が、上記複数の電極のうちの第1の電極、上記ヘッドの近くに位置する第1の電気接点、及び上記第1の電極と上記第1の電気接点との間の第1の導電経路を形成し、
上記絶縁材料上に設けられた導電材料の第2の部分が、上記複数の電極のうちの第2の電極、上記ヘッドの近くに位置する第2の電気接点、及び上記第2の電極と上記第2の電気接点との間の第2の導電経路を形成する、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項87〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、
上記套管状構造体の上記第1の接点に接触し、それにより上記エレクトロニクスと上記第1の電極との間に電気的結合部を実現するよう確立された第1の電気接点、及び
上記套管状構造体の上記第2の接点に接触し、それにより上記エレクトロニクスと上記第2の電極との間に電気的結合部を実現するよう確立された第2の電気接点を有する、実施態様項86記載の医療器具。
〔実施態様項88〕
上記套管状構造は、
上記複数の電極のうちの第1の電極を含む遠位部品と、
上記複数の電極のうちの第2の電極を含む近位部品とを有する、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項89〕
上記遠位部品及び上記近位部品の各々は、絶縁被膜で少なくとも部分的に被覆された外面を備える導電性サブストレートを有する、実施態様項88記載の医療器具。
〔実施態様項90〕
上記遠位部品及び上記近位部品の各々は、上記遠位部品と上記近位部品との機械的結合を可能にする機械的特徴を有する、実施態様項88記載の医療器具。
〔実施態様項91〕
上記套管状構造体及び上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン内にしっかりと固定することができるようにする機械的特徴を有する、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項92〕
上記機械的特徴は、エレクトロニクスカートリッジのヘッドと上記套管状構造体の上記ルーメンのヘッド部分との形状因子の差、上記エレクトロニクスカートリッジと関連した突出部と上記套管状構造体の上記ルーメンと関連した凹部、及び接着剤を受け入れる上記エレクトロニクスカートリッジのシャフトと上記接着剤に係合する上記套管状構造体の内壁と関連したインターロック特徴のうちの1つから成る、実施態様項91記載の医療器具。
〔実施態様項93〕
上記套管状構造体及び上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジか上記套管状構造体かのいずれかの構造的健全性を損傷させないで、上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメンから取り出すことができる機械的特徴を有する、実施態様項77記載の医療器具。
〔実施態様項94〕
上記機械的特徴は、相補形ねじ山から成る、実施態様項93記載の医療器具。
【0285】
〔実施態様項95〕
医療器具であって、
套管状構造体を有し、ルーメンが上記套管状構造体を貫通して延び、少なくとも1つの孔が上記套管状構造体の側壁を貫通して設けられ、上記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び上記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に上記複数の電極と上記少なくとも1つの孔との整列を提供するよう構成されている、医療器具。
〔実施態様項96〕
上記少なくとも1つの孔は、スロットに対応し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスカートリッジの表面から外方に延び、上記スロット中に嵌まる形状因子を有し、かつ上記複数の電極を含む電極組立体を含む、実施態様項95記載の医療器具。
〔実施態様項97〕
上記電極組立体は、上記電極組立体の外面が上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面と実質的に同一平面上にある圧縮状態と、上記電極組立体の上記外面が上記スロットを貫通するよう上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面に対して上に位置する拡張状態との間で上記エレクトロニクスカートリッジが移行することができるよう上記エレクトロニクスカートリッジの上記表面に対して付勢されている、実施態様項96記載の医療器具。
〔実施態様項98〕
上記少なくとも1つの孔は、複数の孔に対応し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、対応の複数の電極を有する、実施態様項95記載の医療器具。
〔実施態様項99〕
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジの表面に対して凹んだリング電極であり、その結果、上記套管状構造体の上記ルーメン中に挿入されると、孔と連通関係にある環状空間が上記電極表面と上記套管状構造体の内壁との間に形成されるようになっている、実施態様項98記載の医療器具。
〔実施態様項100〕
上記複数の電極は、遠位電極及び近位電極を含む、実施態様項98記載の医療器具。
〔実施態様項101〕
上記複数の電極は、遠位電極と近位電極との間でアレイをなして配列された3つ以上の電極を含む、実施態様項98記載の医療器具。
〔実施態様項102〕
医療器具であって、
套管状構造体を有し、上記套管状構造体は、該套管状構造体を貫通したルーメン、ならびに遠位端開口部及び近位端開口部を有し、上記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び上記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に上記複数の電極のうちの第1の電極を上記遠位端開口部のところに位置決めするとともに、上記複数の電極のうちの第2の電極を上記近位端開口部のところに位置決めするよう構成されている、医療器具。
〔実施態様項103〕
上記第1の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジの表面に対して凹んだリング電極であり、その結果、上記ルーメン中に挿入されると、上記遠位端開口部と連通関係をなす環状空間が上記第1の電極の表面と上記套管状構造体の内壁との間に形成されるようになっている、実施態様項102記載の医療器具。
〔実施態様項104〕
上記套管状構造体は、外周部を備えたヘッドを有し、上記第2の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジからかつ上記外周部を越えて延びている、実施態様項102記載の医療器具。
〔実施態様項105〕
医療器具であって、
套管状構造体を有し、上記套管状構造体は、該套管状構造体を貫通したルーメン、ならびに遠位端開口部及び近位端開口部を有し、上記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
複数の電極及び上記電極に電気的に結合されたエレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記ルーメン中に挿入されるとともに、かかる挿入時に上記複数の電極を上記遠位端開口部の遠位側に位置決めするよう構成されている、医療器具。
〔実施態様項106〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、長さを備えたシャフト、及び、上記長さに沿って互いに異なる剛性を持つ少なくとも2つの部分を有する、実施態様項105記載の医療器具。
〔実施態様項107〕
上記複数の電極は、上記少なくとも2つの部分のうちの剛性の低い方の部分と関連している、実施態様項106記載の医療器具。
〔実施態様項108〕
上記エレクトロニクスは、上記少なくとも2つの部分のうちの剛性の高い方の部分と関連している、実施態様項106記載の医療器具。
〔実施態様項109〕
体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された医療器具であって、上記医療器具は、
各々がヘッド空所及びシャフト空所をそれぞれ備えたヘッド及びシャフトを有する構造体と、
上記ヘッド空所及び上記シャフト空所のうちの1つ以上の中に配置されたエレクトロニクスと、
上記シャフトと関連し、かつ上記エレクトロニクスに電気的に結合された少なくとも1つの電極とを有する、医療器具。
〔実施態様項110〕
上記構造体は、シャフトを有し、上記少なくとも1つの電極は、上記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて位置した単一の組をなす電極を含む、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項111〕
上記構造体は、シャフトを有し、上記少なくとも1つの電極は、上記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第1の組をなす電極及び上記第1の側部から間隔を置いて位置した上記シャフトの第2の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置した第2の組をなす電極から成る、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項112〕
上記構造体は、シャフトを有し、上記少なくとも1つの電極は、上記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び上記第1の側部から間隔を置いて位置した上記シャフトの第2の側部のところに設けられた第2の直線電極から成る、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項113〕
組織の電気的性質を測定するためのセンサをさらに有し、上記センサは、
複数の電極と、
上記複数の電極に結合された検出モジュールとを有する、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項114〕
上記複数の電極は、第1の電極及び第2の電極を含み、
上記検出モジュールは、上記第1の電極及び上記第2の電極が、信号を上記電極全体に印加される印加モードか、上記電極相互間のインピーダンスを検出される検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、実施態様項113記載の医療器具。
〔実施態様項115〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項114記載の医療器具。
〔実施態様項116〕
上記センサは、電極スイッチをさらに有し、
上記複数の電極は、上記電極スイッチを介して上記検出モジュールに切り替え可能に結合されている第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を含み、
上記検出モジュールは、信号を上記第1の電極及び上記第2の電極に印加する印加モモードを実行可能にするとともに、上記第3の電極と上記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、実施態様項113記載の医療器具。
〔実施態様項117〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項116記載の医療器具。
〔実施態様項118〕
上記組織の電気的性質は、インピーダンス測定値を含み、上記医療器具は、骨折部の特徴づけを確定するためにインピーダンス測定値を経時的に処理するよう構成されたコントローラをさらに有し、上記特徴づけは、上記骨折の治癒状態に対応している、実施態様項113記載の医療器具。
〔実施態様項119〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項118記載の医療器具。
〔実施態様項120〕
上記構造体は、骨内に植え込まれるよう構成されている、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項121〕
上記構造体は、上記骨の骨折部をブリッジするよう植え込まれるよう構成されている、実施態様項120記載の医療器具。
〔実施態様項122〕
上記構造体は、上記骨の骨折部をブリッジするプレートに設けられた穴を通って植え込まれるよう構成されている、実施態様項120記載の医療器具。
〔実施態様項123〕
上記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項124〕
上記構造体は、外径が4ミリメートル以上の範囲にあるシャフトを有する、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項125〕
上記構造体は、外面及び上記外面のところに設けられていて上記エレクトロニクスに電気的に結合した1つ以上の電極を有する、実施態様項109記載の医療器具。
【0286】
〔実施態様項126〕
上記構造体は、サブストレートを有し、上記1つ以上の電極は、上記サブストレートの側壁に沿って上記外面から上記エレクトロニクスまで延びる導電性構造体に対応している、実施態様項125記載の医療器具。
〔実施態様項127〕
上記構造体は、サブストレートを有し、上記1つ以上の電極は、上記サブストレートの側壁を貫通して設けられた孔を貫通する導電性構造体に対応している、実施態様項125記載の医療器具。
〔実施態様項128〕
上記導電性構造体は、上記構造体の外面から上記孔の側壁に沿って上記構造体の内面まで延びる導電材料の層を有する、実施態様項127記載の医療器具。
〔実施態様項129〕
上記導電性構造体は、上記孔を貫通した導電性ピンから成る、実施態様項127記載の医療器具。
〔実施態様項130〕
上記導電性ピンは、常態では上記孔から外方に付勢されるポゴ形式ピンである、実施態様項129記載の医療器具。
〔実施態様項131〕
上記導電性構造体は、上記孔を埋める導電材料から成る、実施態様項129記載の医療器具。
〔実施態様項132〕
上記サブストレートは、絶縁材料で少なくとも部分的に被覆された導電材料で作られている、実施態様項129記載の医療器具。
〔実施態様項133〕
上記孔は、絶縁材料で被覆された側壁を有する、実施態様項132記載の医療器具。
〔実施態様項134〕
上記サブストレートは、非導電材料で作られている、実施態様項129記載の医療器具。
〔実施態様項135〕
上記構造体は、近位端及び遠位端を有し、上記1つ以上の電極は、上記遠位端の近くに位置する遠位電極、上記近位端の近くに位置する近位電極、上記遠位端の近くに位置する複数の遠位電極、上記近位端の近くに位置する複数の近位電極、及び上記近位端と上記遠位端の間に位置する複数の電極のうちの1つ以上から成る、実施態様項125記載の医療器具。
〔実施態様項136〕
上記1つ以上の電極は、互いに電気的に絶縁されている、実施態様項135記載の医療器具。
〔実施態様項137〕
上記エレクトロニクスは、アンテナを含む、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項138〕
上記アンテナは、上記構造体の上記シャフトと関連している、実施態様項137記載の医療器具。
〔実施態様項139〕
上記アンテナは、上記シャフトの長さに沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、実施態様項138記載の医療器具。
〔実施態様項140〕
上記アンテナは、上記シャフト周りに螺旋パターンをなして延びる、実施態様項139記載の医療器具。
〔実施態様項141〕
上記アンテナは、上記構造体の上記ヘッドと関連している、実施態様項138記載の医療器具。
〔実施態様項142〕
上記アンテナは、上記ヘッドのベースと平行な平面に沿って延びる導電性線材又はトレース線を有する、実施態様項141記載の医療器具。
〔実施態様項143〕
上記エレクトロニクスは、1つ以上の電源を含む、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項144〕
上記1つ以上の電源は、上記構造体の上記シャフトと関連している、実施態様項143記載の医療器具。
〔実施態様項145〕
上記1つ以上の電源は、上記構造体の上記ヘッドと関連している、実施態様項143記載の医療器具。
〔実施態様項146〕
上記1つ以上の電源は、バッテリ及びキャパシタのうちの1つ以上を含む、実施態様項143記載の医療器具。
〔実施態様項147〕
上記1つ以上の電源は、静電エネルギー、ワイヤレスエネルギー伝達、電気機械変換、電気磁気変換、及びIR放射線のうちの1つによってエネルギーを取り出すよう構成されたエネルギー取り出し装置を含む、実施態様項143記載の医療器具。
〔実施態様項148〕
上記エレクトロニクスは、上記医療器具と、上記体内に植え込まれるか体外に位置するかのいずれかの別の器具との通信を可能にする1つ以上の通信コンポーネントを含む、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項149〕
上記1つ以上の通信コンポーネントは、
アンテナ、及び
上記アンテナに結合され、かつRF信号を送受するよう構成された無線周波(RF)トランシーバを含む、実施態様項148記載の医療器具。
〔実施態様項150〕
上記1つ以上の通信構成要素は、
上記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された送信機、及び
上記医療器具と関連した電極に結合され、かつ組織と接触関係をなすよう配置されるよう構成されるとともに配置された受信機を含む、実施態様項148記載の医療器具。
〔実施態様項151〕
上記1つ以上の通信コンポーネントは、
上記医療器具と上記他の器具との容量性結合を可能にすること、又は
上記医療器具と上記他の器具とのガルバニック結合を可能にすることの少なくとも一方を行うよう構成されている、実施態様項150記載の医療器具。
〔実施態様項152〕
上記エレクトロニクスは、1つ以上のセンサを含む、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項153〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体の運動に対応した信号を出力するよう構成された加速度計を含む、実施態様項152記載の医療器具。
〔実施態様項154〕
上記加速度計は、一次元加速度計及び三次元加速度計のうちの一方から成る、実施態様項153記載の医療器具。
〔実施態様項155〕
上記エレクトロニクスは、上記信号を受け取るよう上記加速度計に結合され、かつ上記信号を処理して患者の活動度、上記構造体の健全性、及びインプラント場所に対する上記構造体の運動のうちの1つ以上の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項153記載の医療器具。
〔実施態様項156〕
上記1つ以上のセンサは、上記インプラント場所での上記構造体の温度に対応した信号を出力するよう構成されている温度センサを含む、実施態様項152記載の医療器具。
〔実施態様項157〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体と関連した動作、力、張力、速度、又は他の機械的力に対応した信号を出力するよう構成されたひずみセンサを含む、実施態様項152記載の医療器具。
〔実施態様項158〕
上記エレクトロニクスは、上記ひずみセンサからの信号を経時的に受け取るよう上記ひずみセンサに結合され、かつ上記信号を処理して骨折部の特徴づけを提供するよう構成されたプロセッサをさらに含み、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応している、実施態様項157記載の医療器具。
〔実施態様項159〕
上記1つ以上のセンサは、上記構造体の一区域内で検出された超音波エネルギーに対応する信号を出力するよう構成されている超音波トランスデューサを含む、実施態様項152記載の医療器具。
〔実施態様項160〕
上記エレクトロニクスは、上記超音波トランスデューサからの信号を受け取るよう上記超音波トランスデューサに結合され、かつ上記信号を処理して骨折部の特徴づけ、上記構造体の上記区域内の組織の特徴づけ、グルコースレベルのうちの1つ以上を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項159記載の医療器具。
〔実施態様項161〕
上記1つ以上のセンサは、グルコースレベル及び酸素レベルのうちの一方にそれぞれ対応した信号を出力するよう構成されたグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上を含む、実施態様項152記載の医療器具。
〔実施態様項162〕
上記エレクトロニクスは、上記信号を受け取るようグルコース検出器及び酸素センサのうちの1つ以上に結合され、かつ上記信号を処理して上記医療器具の一領域内の炎症流体の指標を提供するよう構成されたプロセッサをさらに含む、実施態様項161記載の医療器具。
〔実施態様項163〕
化学反応によりインプラント部位のところの気体酸素反応を生じさせる触媒材料を送り出すよう構成された機構体をさらに有する、実施態様項109記載の医療器具。
〔実施態様項164〕
上記機構体は、
上記触媒材料を持続放出型コントローラの制御下でインプラント後に1度以上放出するリザーバ、及び
上記構造体上に施された触媒材料の被膜のうちの1つ以上を含む、実施態様項163記載の医療器具。
〔実施態様項165〕
医療器具であって、
貫通して延びるルーメン、側壁を貫通して設けられた複数の孔、及び各々が上記複数の孔の各々と関連した複数の電極を備えた套管状構造体を有し上記套管状構造体は、体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
エレクトロニクスを含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記ルーメン内に少なくとも部分的に設けられ、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記エレクトロニクスと上記複数の電極のうちの各々との電気的結合部を実現するよう各々が上記孔の各々と整列する複数の電気接点を有する、医療器具。
【0287】
〔実施態様項166〕
上記套管状構造体は、シャフトを有し、
上記複数の孔は、上記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて位置する単一の組をなす孔から成り、
上記複数の電極は、上記シャフトの長さに沿って互いに間隔を置いて配置された単一の組をなす電極から成る、実施態様項165記載の医療器具。
〔実施態様項167〕
上記套管状構造体は、シャフトを有し、
上記複数の孔は、上記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて位置する第1の組をなす孔、及び上記シャフトの第1の側部から間隔を置いて位置する上記シャフトの第2の側部の長さに沿って間隔を置いて配置された第2の組をなす孔から成り、
上記複数の電極は、上記シャフトの第1の側部の長さに沿って互いに間隔を置いて配置された第1の組をなす電極、及び上記第1の側部から間隔を置いて位置する上記シャフトの第2の側部の長さに沿って間隔を置いて配置された第2の組をなす電極から成る、実施態様項165記載の医療器具。
〔実施態様項168〕
上記套管状構造体は、シャフトを有し、
上記複数の孔は、上記シャフトの第1の側部のところに設けられた第1の直線スロット、及び上記第1の側部から間隔を置いて位置する上記シャフトの第2の側部のところに設けられた第2の直線スロットから成り、
上記複数の電極は、上記シャフトの上記第1の側部のところに設けられた第1の直線電極、及び上記第1の側部から間隔を置いて位置する上記シャフトの上記第2の側部のところに設けられた第2の直線電極から成る、実施態様項165記載の医療器具。
〔実施態様項169〕
上記套管状構造体は、外面及び内面を備えたサブストレートを有し、
上記複数の電極は、
上記外面のところに設けられかつ上記複数の孔のうちの第1の孔を通って上記サブストレートの上記内面まで延びるフィードスルーを備えた第1の電極と、
上記外面のところに設けられかつ上記複数の孔のうちの第2の孔を通って上記サブストレートの上記内面まで延びるフィードスルーを備えた第2の電極とを有する、実施態様項165記載の医療器具。
〔実施態様項170〕
上記サブストレートは、絶縁材料から成る、実施態様項169記載の医療器具。
〔実施態様項171〕
上記サブストレートは、絶縁材料で被覆された導電材料から成る、実施態様項169記載の医療器具。
〔実施態様項172〕
上記エレクトロニクスカートリッジは、
上記サブストレートの上記内面上の上記第1の電極の上記フィードスルーに接触し、それにより上記エレクトロニクスを上記第1の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた上記複数の電気接点のうちの第1の電気接点と、
上記サブストレートの上記内面上の上記第2の電極の上記フィードスルーに接触し、それにより上記エレクトロニクスを上記第2の電極との電気的結合部を実現するよう位置決めされた上記複数の電気接点のうちの第2の電気接点とを有する、実施態様項169記載の医療器具。
〔実施態様項173〕
上記複数の電極は、
上記複数の孔のうちの第1の孔を貫通した第1の導電性構造体と、
上記複数の孔のうちの第2の孔を貫通して上記本体の内面まで延びる第2の導電性構造体とを有する、実施態様項165記載の医療器具。
〔実施態様項174〕
上記第1の導電性構造体は、第1の導電性ピンに対応し、上記第2の導電性構造体は、第2の導電性ピンに対応している、実施態様項173記載の医療器具。
〔実施態様項175〕
上記第1の導電性ピン及び上記第2の導電性ピンの各々は、常態では上記第1の孔又は上記第2の孔から外方に付勢されたポゴ形式ピンである、実施態様項174記載の医療器具。
〔実施態様項176〕
上記第1の導電性構造体及び上記第2の導電性構造体の各々は、上記第1の孔又は上記第2の孔を埋めた導電材料に対応している、実施態様項173記載の医療器具。
〔実施態様項177〕
骨の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具であって、上記医療器具は、
上記骨内にかつ上記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成されたインプラントを有し、
上記インプラント内に含まれるインピーダンスセンサを有し、上記インピーダンスセンサは、
第1の電極及び第2の電極、及び
上記第1の電極と上記第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成された検出モジュールを有し、
上記インプラント内に設けられ、かつ上記インピーダンス測定値を処理するとともに記憶するよう構成されたメモリ付きコントローラを有し、
上記インプラント内に設けられ、かつ上記インピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系を有する、医療器具。
〔実施態様項178〕
上記検出モジュールは、上記第1の電極及び上記第2の電極が信号を上記電極全体に印加する印加モードか、上記第1の電極と上記第2の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードかのいずれかで機能することができるようにするよう構成されている、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項179〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項178記載の医療器具。
〔実施態様項180〕
上記インピーダンスセンサは、第3の電極及び第4の電極をさらに有し、
上記検出モジュールは、信号を上記第1の電極及び上記第2の電極に印加する印加モードを実行可能にするとともに、上記第3の電極と上記第4の電極との間のインピーダンスを検出する検出モードを実行可能にするよう構成されている、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項181〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項180記載の医療器具。
〔実施態様項182〕
上記コントローラはさらに、インピーダンス測定値を経時的に処理して上記骨折部の特徴づけを確定するよう構成され、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応している、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項183〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項182記載の医療器具。
〔実施態様項184〕
上記第1の電極と上記第2の電極は、上記骨折部の互いに反対側への上記第1の電極及び上記第2の電極の配置を可能にするよう上記インプラント上に互いに間隔を置いて配置されている、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項185〕
上記インピーダンスセンサは、上記第1の電極、上記第2の電極、及び少なくとも1つの追加の電極を含む複数の電極を有し、上記検出モジュールは、上記第1の電極と上記第2の電極が上記骨折部の互いに反対側に位置するよう上記第1の電極及び上記第2の電極をインピーダンス測定値に基づいて上記複数の電極から選択するよう構成されている、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項186〕
上記通信回路系は、上記第1の電極及び上記第2の電極に結合され、かつ上記医療器具と別の他の器具との容量結合を可能にし、又は上記医療器具と上記別の器具とのガルバニック結合を可能にするよう構成された組織導通式通信回路系から成る、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項187〕
上記インプラントは、
ルーメンが少なくとも部分的に貫通して延びる構造体を有し、上記構造体は、上記骨内にかつ上記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
上記インピーダンスセンサの少なくとも一部分、上記コントローラ、上記メモリ、及び上記通信回路系の少なくとも一部分を含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記構造体の植え込み後に上記ルーメン中に挿入されるよう構成されている、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項188〕
上記構造体は、外面を有し、上記第1の電極及び上記第2の電極は、上記外面のところに位置している、実施態様項187記載の医療器具。
〔実施態様項189〕
上記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、外面を有し、上記第1の電極及び上記第2の電極は、上記外面のところに位置し、かつ上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると上記少なくとも1つの孔と整列するよう位置決めされている、実施態様項187記載の医療器具。
〔実施態様項190〕
上記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項187記載の医療器具。
〔実施態様項191〕
上記インプラントは、単一の構造体から成る、実施態様項177記載の医療器具。
〔実施態様項192〕
上記単一構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項191記載の医療器具。
〔実施態様項193〕
上記骨折部を特徴付ける方法であって、上記方法は、
上記骨組織内に、かつ骨折部を横切って配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、上記複数の電極は、上記骨折部の互いに反対側に位置する第1の電極及び第2の電極を含み、
上記測定量を処理して骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応し、
オプションとして、上記複数の測定量は、実施態様項1~192、226~238ならびに262及び263のうちいずれか一に記載の医療器具を用いて得られる、方法。
【0288】
〔実施態様項194〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項193記載の方法。
〔実施態様項195〕
上記組織の電気的性質の上記複数の測定量又は骨折部の上記特徴づけを外部装置に通信するステップをさらに含む、実施態様項193記載の方法。
〔実施態様項196〕
上記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で上記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、実施態様項193記載の方法。
〔実施態様項197〕
上記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、実施態様項196記載の方法。
〔実施態様項198〕
上記第1の電極及び上記第2の電極を上記骨折部の互いに反対側に配置するよう上記複数の電極を植え込むステップを更に含む、実施態様項193記載の方法。
〔実施態様項199〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を上記骨組織中に上記骨折部を横切って植え込むステップを含み、上記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
上記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン中に挿入するステップを含み、上記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、実施態様項198記載の方法。
〔実施態様項200〕
上記複数の電極は、上記套管状構造体によって担持されかつ上記ルーメン中への上記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に上記検出モジュールに結合する、実施態様項199記載の方法。
〔実施態様項201〕
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ上記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、実施態様項199記載の方法。
〔実施態様項202〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、実施態様項199記載の方法。
〔実施態様項203〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
上記複数の電極を担持した構造体及び上記構造体内に配置されかつ上記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、実施態様項198記載の方法。
〔実施態様項204〕
上記骨折部を特徴付ける方法であって、上記方法は、
上記骨組織内に配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、上記複数の電極は、各々が上記骨折部の隙間内に位置する第1の電極及び第2の電極を含み、
上記測定量を処理して上記骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応している、方法。
〔実施態様項205〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項204記載の方法。
〔実施態様項206〕
組織の電気的特性の複数の上記測定量、又は骨破壊の特徴付けを外部デバイスに伝達することをさらに含む、実施態様項204に記載の方法。
〔実施態様項207〕
上記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、上記複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で上記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、実施態様項204記載の方法。
〔実施態様項208〕
上記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、実施態様項207記載の方法。
〔実施態様項209〕
上記第1の電極及び上記第2の電極を上記骨折部の上記隙間内に配置するよう上記複数の電極を植え込むステップを更に含む、実施態様項204記載の方法。
〔実施態様項210〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を上記骨組織中にかつ上記骨折部の上記隙間を横切って植え込むステップを含み、上記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
上記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン中に挿入するステップを含み、上記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、実施態様項209記載の方法。
〔実施態様項211〕
上記複数の電極は、上記套管状構造体によって担持されかつ上記ルーメン中への上記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に上記検出モジュールに結合する、実施態様項210記載の方法。
〔実施態様項212〕
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ上記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、実施態様項210記載の方法。
〔実施態様項213〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、実施態様項210記載の方法。
〔実施態様項214〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
上記複数の電極を担持した構造体及び上記構造体内に配置されかつ上記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、実施態様項209記載の方法。
〔実施態様項215〕
骨折部を特徴づける方法であって、上記方法は、
上記骨組織内に配置された複数の電極を介して組織の電気的性質の複数の測定量を経時的に得るステップを含み、上記複数の電極は、各々が上記骨折部の隙間をまたぐ第1の電極及び第2の電極を含み、
上記測定量を処理して上記骨折部の特徴づけを確定するステップを含み、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応し、
オプションとして、上記複数の測定量は、実施態様項1~192、226~238ならびに262及び263のうちいずれか一に記載の医療器具を用いて得られる、方法。
〔実施態様項216〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項215記載の方法。
〔実施態様項217〕
組織の電気的特性の複数の測定量、又は骨破壊の特徴付けを外部デバイスに伝達することをさらに含む、実施態様項215に記載の方法。
〔実施態様項218〕
上記組織の電気的性質は、インピーダンスを含み、上記複数の測定量を得るステップは、
信号を互いに異なる周波数で上記第1の電極に印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するステップを含む、実施態様項215記載の方法。
〔実施態様項219〕
上記信号は、植え込まれた検出モジュールによって印加される、実施態様項218記載の方法。
〔実施態様項220〕
上記第1の電極及び上記第2の電極を上記骨折部の隙間をまたぐよう上記複数の電極を植え込むステップを更に含む、実施態様項215記載の方法。
〔実施態様項221〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
少なくとも1つの套管状構造体を上記骨組織中にかつ上記骨折部の上記隙間を横切って植え込むステップを含み、上記套管状構造体は、該套管状構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
上記套管状構造体の植え込み後、エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン中に挿入するステップを含み、上記エレクトロニクスカートリッジは、検出モジュールを含む、実施態様項220記載の方法。
〔実施態様項222〕
上記複数の電極は、上記套管状構造体によって担持されかつ上記ルーメン中への上記エレクトロニクスカートリッジの挿入時に上記検出モジュールに結合する、実施態様項221記載の方法。
〔実施態様項223〕
上記複数の電極は、上記エレクトロニクスカートリッジによって担持され、かつ上記套管状構造体の側壁に設けられた複数の孔を介して骨組織とインターフェースする、実施態様項221記載の方法。
〔実施態様項224〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記套管状構造体に固定するステップをさらに含む、実施態様項221記載の方法。
〔実施態様項225〕
上記複数の電極を植え込む上記ステップは、
上記複数の電極を担持した構造体及び上記構造体内に配置されかつ上記複数の電極に結合されたエレクトロニクスを有する医療器具を植え込むステップを含む、実施態様項220記載の方法。
【0289】
〔実施態様項226〕
骨の骨折部を特徴付ける植え込み型医療器具であって、上記医療器具は、
上記骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された第1のインプラントを有し、上記第1のインプラントは、第1の電極を有し、
上記骨内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成された第2のインプラントを有し、上記第2のインプラントは、第2の電極を有し、
上記骨上に上記骨折部を横切って配置される、かつ上記第1のインプラント及び上記第2のインプラントによって定位置に固定されるよう構成された第3のインプラントを有し、
インピーダンスセンサを有し、上記インピーダンスセンサは、
上記第1の電極及び上記第2の電極、及び
上記第1、上記第2、又は上記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ上記第1の電極と上記第2の電極との間のインピーダンス測定値を得るよう構成された検出モジュールで構成され、
上記第1、上記第2、又は上記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ上記インピーダンス測定値を処理して記憶するよう構成されたメモリ付きコントローラを有し、
上記第1、上記第2、又は上記第3のインプラントのうちの1つの中に設けられ、かつ上記インピーダンス測定値を外部装置に伝送するよう構成された通信回路系を有する、医療器具。
〔実施態様項227〕
上記第3のインプラントは、上記第1の電極及び上記第2の電極を上記骨折部の互いに反対側に配置する上記第3のインプラントに沿うそれぞれの配置場所での上記第1のインプラント及び上記第2のインプラントの結合を可能にするよう構成されている、実施態様項226記載の医療器具。
〔実施態様項228〕
上記検出モジュールは、上記第1の電極及び上記第2の電極が、信号を上記電極全体に印加される印加モードか、上記第1の電極と上記第2の電極相互間のインピーダンスを検出される検出モードかのいずれかで上記第1の電極と上記第2の電極が機能することができるようにするよう構成されている、実施態様項226記載の医療器具。
〔実施態様項229〕
上記検出モジュールは、信号を互いに異なる周波数で印加して電気インピーダンス分光検査(EIS)法にしたがって組織インピーダンスを測定するよう構成された信号発生器を含む、実施態様項228記載の医療器具。
〔実施態様項230〕
上記コントローラはさらに、インピーダンス測定値を経時的に処理して上記骨折部の特徴づけを確定するよう構成され、上記特徴づけは、上記骨折部の治癒状態に対応している、実施態様項226記載の医療器具。
〔実施態様項231〕
上記治癒状態は、癒合、癒合不全疑い、及び癒合不全のうちの1つに対応している、実施態様項230記載の医療器具。
〔実施態様項232〕
上記通信回路系は、上記第1の電極及び上記第2の電極に結合され、かつ上記医療器具と別の他の器具との容量結合を可能にし、又は上記医療器具と上記別の器具とのガルバニック結合を可能にするよう構成された組織導通式通信回路系から成る、実施態様項226記載の医療器具。
〔実施態様項233〕
上記第1のインプラント及び上記第2のインプラントのうちの少なくとも一方は、
ルーメンが少なくとも部分的に貫通して延びる構造体を有し、上記構造体は、上記骨内にかつ上記骨折部を横切って少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、
上記インピーダンスセンサの少なくとも一部分、上記コントローラ、上記メモリ、及び上記通信回路系の少なくとも一部分を含むエレクトロニクスカートリッジを有し、上記エレクトロニクスカートリッジは、上記構造体の植え込み後に上記ルーメン中に挿入されるよう構成されている、実施態様項226記載の医療器具。
〔実施態様項234〕
上記構造体は、外面を有し、上記第1の電極及び上記第2の電極は、上記外面のところに位置している、実施態様項233記載の医療器具。
〔実施態様項235〕
上記構造体は、側壁を貫通した少なくとも1つの孔を有し、
上記エレクトロニクスカートリッジは、外面を有し、上記第1の電極又は上記第2の電極は、上記外面のところに位置し、かつ上記エレクトロニクスカートリッジが上記構造体の上記ルーメン中に挿入されると上記少なくとも1つの孔と整列するよう位置決めされている、実施態様項233記載の医療器具。
〔実施態様項236〕
上記構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項233記載の医療器具。
〔実施態様項237〕
上記第1のインプラント及び上記第2のインプラントのうち少なくとも一方は、単一の構造体から成る、実施態様項228記載の医療器具。
〔実施態様項238〕
上記単一構造体は、スクリュー、ピン、ロッド、釘、関節置換用インプラントの一部、脊椎固定器具の一部、又は他の整形外科器具の一部である、実施態様項237記載の医療器具。
〔実施態様項239〕
植え込み型医療器具を製造する方法であって、上記方法は、
体内に少なくとも部分的に植え込まれるよう構成され、かつ貫通して延びるルーメンを備えた套管状構造体の側壁を貫通して複数の孔を作るステップと、
電極を上記複数の孔の各々に関連させるステップと、
エレクトロニクスカートリッジを上記套管状構造体の上記ルーメンと関連させるステップとを含み、上記エレクトロニクスカートリッジは、エレクトロニクス及び複数の電気接点を含み、上記関連は、上記複数の電気接点の各々を上記孔の各々にそれぞれ整列させて上記エレクトロニクスと各電極との電気的結合部を実現し、
オプションとして、上記製造された医療器具は、実施態様項1~192、226~238ならびに262及び263のうちいずれか一に記載の医療器具である、方法。
〔実施態様項240〕
上記套管状構造体は、導電材料から成り、電極を上記複数の孔の各々に関連させる上記ステップは、
絶縁材料を上記複数の孔の各々の一区域内で上記套管状構造体に被着させるステップと、
導電材料を上記複数の孔の各々の一区域内で上記絶縁材料を覆って被着させるステップとを含む、実施態様項239記載の方法。
〔実施態様項241〕
上記套管状構造体は、絶縁材料から成り、電極を上記複数の孔の各々に関連させる上記ステップは、
導電材料を上記複数の孔の各々の一区域内で上記套管状構造体の複数の表面を覆って被着させるステップを含む、実施態様項239記載の方法。
〔実施態様項242〕
上記套管状構造体は、導電材料から成り、電極を上記複数の孔の各々に関連させる上記ステップは、
絶縁材料を上記複数の孔の各々の一区域内で上記套管状構造体に被着させるステップと、
導電構造体を上記複数の孔の各々に通して配置するステップとを含む、実施態様項239記載の方法。
〔実施態様項243〕
導電性構造体を配置する上記ステップは、導電性ピンを上記複数の孔の各々に通して挿入するステップを含む、実施態様項242記載の方法。
〔実施態様項244〕
導電性構造体を配置する上記ステップは、上記複数の孔の各々を導電材料で埋めるステップを含む、実施態様項242記載の方法。
〔実施態様項245〕
上記套管状構造体は、絶縁材料から成り、電極を上記複数の孔の各々に関連させる上記ステップは、
導電性ピンを上記複数の孔の各々に通して挿入するステップ、及び
上記複数の孔の各々を導電材料で埋めるステップのうちの少なくとも一方を含む、実施態様項239記載の方法。
〔実施態様項246〕
医療器具を植え込む方法であって、上記方法は、
インプラント構造体を体内に少なくとも部分的に植え込むステップを含み、上記インプラント構造体は、該インプラント構造体を少なくとも部分的に貫通して延びるルーメンを有し、
上記インプラント構造体を植え込んだ後、エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメン中に挿入するステップを含む、方法。
〔実施態様項247〕
上記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び上記ヘッドから上記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフトを有し、上記インプラント構造体を植え込む上記ステップは、
支持構造体を上記シャフト中にかつ上記ルーメンの長さに沿って少なくとも部分的に挿入するステップと、
上記支持構造体を上記インプラント構造体と一緒に回転させるステップとを含む、実施態様項246記載の方法。
〔実施態様項248〕
上記支持構造体を上記インプラント構造体と一緒に回転させる上記ステップは、回転トルクを上記支持構造体から上記シャフトの一部分に伝達するステップを含む、実施態様項247記載の方法。
〔実施態様項249〕
上記シャフトと上記支持構造体は、上記シャフトへの回転トルクの直接伝送を可能にするよう互いに機械的に結合するよう構成されている、実施態様項248記載の方法。
〔実施態様項250〕
支持構造体を挿入する前に、上記インプラント構造体を、骨折部を横切って配置されたガイドワイヤ上にこれに沿って配置するステップをさらに含む、実施態様項247記載の方法。
〔実施態様項251〕
上記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び上記ヘッドから上記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフトを有し、上記インプラント構造体を植え込む上記ステップは、
上記インプラント構造体の遠位端部分との機械的結合を実現するよう構成された本体を有する結合器具内に上記インプラント構造体を配置するステップと、
上記結合器具を上記インプラント構造体と一緒に回転させるステップとを含む、実施態様項246記載の方法。
〔実施態様項252〕
上記結合器具を上記インプラント構造体と一緒に回転させる上記ステップは、回転トルクを上記本体の長さに沿って上記機械的結合にかつ上記インプラント構造体の上記遠位端部分に伝達するステップを含む、実施態様項251記載の方法。
【0290】
〔実施態様項253〕
上記結合器具は、上記インプラント構造体の上記遠位端部分のところでのみ上記インプラント構造体に結合する、実施態様項252記載の方法。
〔実施態様項254〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記インプラント構造体に固定するステップをさらに含む、実施態様項246記載の方法。
〔実施態様項255〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記インプラント構造体に固定した後に、上記インプラント構造体又は上記エレクトロニクスカートリッジの構造的健全性に影響を及ぼさないで上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメンから取り出すステップをさらに含む、実施態様項254記載の方法。
〔実施態様項256〕
上記エレクトロニクスカートリッジを上記ルーメンから取り出した後、交換用エレクトロニクスカートリッジを上記インプラント構造体の上記ルーメン中に挿入するステップをさらに含む、実施態様項255記載の方法。
〔実施態様項257〕
インプラント構造体を植え込むためのツールであって、上記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、上記ヘッドから上記インプラント構造体の遠位端まで延びるシャフト、及び上記シャフトを貫通して延びるルーメンを有し、上記ツールは、
ドリルビットと、
回転トルクを上記ドリルビットに加える機構体とを有し、
上記ドリルビットは、
上記インプラント構造体の上記ヘッドに直接結合するよう構成された第1の部分、及び
上記第1の部分から延びる第2の部分を有し、上記第2の部分は、上記インプラント構造体の上記ルーメン中に少なくとも部分的に延びるよう構成されている、ツール。
〔実施態様項258〕
上記第2の部分は、上記シャフトの特徴部と対応関係をなして機械的に結合するよう構成された機械的特徴部を有し、それにより、上記第2の部分から上記シャフトへの回転トルクの伝達を可能にする、実施態様項257記載のツール。
〔実施態様項259〕
インプラント構造体を植え込むための結合器具であって、上記インプラント構造体は、ヘッドを備えた近位端、及び上記ヘッドから上記インプラント構造の遠位端まで延びるシャフトを有し、上記カップリングデバイスは、
上記インプラント構造体の遠位端部分への機械的結合を実現するよう構成された近位端領域及び遠位端領域を備えた本体と、
上記インプラント構造体に直接結合することなく、上記本体の上記近位端領域に結合するよう構成されたキャップとを有する、結合器具。
〔実施態様項260〕
上記キャップは、ツールに結合し、上記ツールから上記機械的結合を通って回転トルクを受け取り、そして回転トルクを上記本体の長さに沿って上記機械的結合にかつ上記インプラント構造体の上記遠位端部分に伝達するよう構成されている、実施態様項259記載の結合器具。
〔実施態様項261〕
上記結合器具は、上記インプラント構造体の上記遠位端部分のところでのみ上記インプラント構造体に結合するよう構成されている、実施態様項259記載の結合器具。
〔実施態様項262〕
上記医療器具は、滅菌状態である、実施態様項1~192及び実施態様項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具。
〔実施態様項263〕
上記医療器具は、滅菌医療器具を提供するよう滅菌手順を受けている、実施態様項1~192及び実施態様項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具。
〔実施態様項264〕
骨組織の骨折部を治療する方法であって、上記方法は、上記骨組織中の骨折部を識別するステップと、実施態様項1~192、実施態様項226~238、及び実施態様項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具を上記骨組織中に挿入するステップとを含み、上記医療器具は、上記骨折部を横切って挿入される、方法。
〔実施態様項265〕
上記医療器具は、実施態様項1~76のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項266〕
上記医療器具は、実施態様項77~94のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項267〕
上記医療器具は、実施態様項95~101のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項268〕
上記医療器具は、実施態様項102~104のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項269〕
上記医療器具は、実施態様項105~108のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項270〕
上記医療器具は、実施態様項109~164のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項271〕
上記医療器具は、実施態様項165~176のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項272〕
上記医療器具は、実施態様項177~192のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項273〕
上記医療器具は、実施態様項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項274〕
上記医療器具は、実施態様項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項264記載の方法。
〔実施態様項275〕
上記医療器具は、スクリューである、実施態様項264~274のうちいずれか一に記載の方法。
〔実施態様項276〕
上記医療器具で上記骨折部を特徴づけるステップをさらに含む、実施態様項264~275のうちいずれか一に記載の方法。
〔実施態様項277〕
骨組織中の骨折部を特徴付ける方法であって、上記方法は、上記骨組織中の骨折部を識別するステップと、実施態様項1~192、実施態様項226~238及び実施態様項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具を上記骨組織中に挿入するステップとを含み、上記医療器具は、上記骨折部を横切って挿入され、上記方法は、上記骨折部を上記医療器具内に配置されたセンサで特徴付けるステップを含む、方法。
〔実施態様項278〕
上記医療器具は、実施態様項1~76のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項279〕
上記医療器具は、実施態様項77~94のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項280〕
上記医療器具は、実施態様項95~101のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項281〕
上記医療器具は、実施態様項102~104のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項282〕
上記医療器具は、実施態様項105~108のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項283〕
上記医療器具は、実施態様項109~164のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項284〕
上記医療器具は、実施態様項165~176のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項285〕
上記医療器具は、実施態様項177~192のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項286〕
上記医療器具は、実施態様項226~238のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項287〕
上記医療器具は、実施態様項262~263のうちいずれか一に記載の医療器具である、実施態様項277記載の方法。
〔実施態様項288〕
上記医療器具は、スクリューである、実施態様項277~287のうちいずれか一に記載の方法。
〔実施態様項289〕
1組の医療器具あって、上記組は、実施態様項1~192、実施態様項226~238及び実施態様項262~263のうちいずれか一に記載の少なくとも1つの第1の医療器具を含み、上記組は、骨組織中に挿入可能に構成された少なくとも1つの第2の医療器具をさらに含み、上記第2の医療器具は、センサを備えていない、1組の医療器具。
〔実施態様項290〕
上記第1の医療器具及び上記第2の医療器具の各々は、スクリューである、実施態様項289記載の1組の医療器具。
〔実施態様項291〕
単一の第1の医療器具及び複数の第2の医療器具を含む、実施態様項289記載の1組の医療器具。
〔実施態様項292〕
上記組の各部材は、スクリューである、実施態様項291記載の1組の医療器具。
【0291】
本発明の種々の観点は、当業者が係る実施形態を実施することができるよう提供されている。本開示全体を通じて提供された例示の実施形態に対する種々の改造は、当業者には容易に明らかであろう。かくして、特許請求の範囲は、本発明の種々の観点には限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明には特許請求の範囲の記載と文言上一致した全範囲が与えられるべきである。本開示全体を通じて説明した例示の実施形態の種々のコンポーネントのあらゆる構造的及び機能的均等例(当業者に知られており又は後で知られることになる)を参照により引用することにより、これらは特許請求の範囲に含まれる。さらに、本明細書に開示された記載内容のうち、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかとは無関係に、大衆に献呈されることが意図されているものは存在しない。特許請求の構成要素が「~のための手段(means for)」という語句を用いて明示的に記載されていないとしても、あるいは、方法クレームの場合には構成要素が「~のためのステップ(step for)」という語句を用いて記載されていないとしても、35U.S.C.§112の第6段落の規定のもとに解されるべき特許請求の範囲に記載の構成要素は存在しない。
【0292】
また、原文明細書及び原文特許請求の範囲で用いられている単数形“a”、“an”及び“the”は、文脈上別段の明示の定めがなければ、複数形を含み、「X及び/又はY」は、「X」もしくは「Y」又は「X」と「Y」の両方を意味し、名詞に続く文字“s”は、当該名詞の複数形と単数形の両方を指示している。加うるに、本発明の特徴又は観点がマーカッシュグループの表現で記載されている場合、本発明がマーカッシュグループの任意の個々の部材及び部材の任意のサブグループを含み、また、それにより、かかる任意の個々の部材及び部材の任意のサブグループによっても説明されることが意図されており、しかも当業者はこのことを認識するであろうし、また、本出願人は、出願内容又は特許請求の範囲を改訂して具体的にマーカッシュグループの任意の個々の部材又は部材の任意のサブグループに言及する権利を保有する。
【0293】
理解されるべきこととして、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明するだけのためのものであり、本発明を限定するものではない。さらに理解されるべきこととして、特段の規定がなければ、本明細書で用いられる用語には、関連分野において知られているその伝統的な意味が与えられるべきである。
【0294】
本明細書全体を通じて「1つの実施形態」又は「一実施形態」及びその変形例と言った場合、このことは、当該実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。かくして、「1つの実施形態では」又は「一実施形態」という表現が本明細書全体を通じて様々なところで現れるということは、必ずしも全て同一の実施形態を意味するものではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、任意適当な仕方で1つ以上の実施形態において組み合わせ可能である。
【0295】
原文明細書及び原文特許請求の範囲で用いられる単数形“a”、“an”及び“the”は、文脈上別段の明示の指定がなければ、複数形を意味し、すなわち1つ以上を意味する。例えば、「(一)センサ(a sensor)を有する」という用語は、1つ以上のセンサを意味し、「(一)センサを有する(一)医療器具(a medical device)」という表現は、少なくとも1つのセンサを含む医療器具のことであり、この場合、センサを有する医療器具は、例えば、1個のセンサ、2個のセンサ、3個のセンサ、4個のセンサ、5個のセンサ、6個のセンサ、7個のセンサ、8個のセンサ、9個のセンサ、10個のセンサ又は11個以上のセンサを有する場合がある。複数のセンサは、2つ以上のセンサを意味している。また、注目されるべきこととして、接続語「及び」及び「又は」は、一般に、場合によって内容上及び文脈上包括的に又は排他的に明示の指定がなければ、「及び/又は」を含むものとして広義に用いられている。かくして、選言的用語、(例えば、「又は」)は、選択肢の一方、両方、又はこれらの任意の組み合わせのいずれかを意味するものと理解されるべきである。加うるに、本明細書において「及び/又は」と記載されている場合に「及び」と「又は」の合成語は、関連のアイテム又は技術的思想の全てを含む実施形態ならびに関連のアイテム又は技術的思想の全てよりも少ない関連のアイテム又は技術的思想を含む1つ以上の他の変形実施形態を含むものである。
【0296】
文脈上別段の必要がなければ、原文明細書及び以下の原文特許請求の範囲全体を通じて、“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)という用語及びこの同義語及び変異語、例えば“have”(「~を備える」)及び“include”(「~を含む」)ならびにこれらの変形語、例えば“comprises”及び“comprising”は、非限定的な包括的意味、例えば「~を含むが、~には限定されない」と解されるべきである。「本質的に~から成る」という表現は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を、指定された材料又はステップに、あるいは特許請求の範囲に記載された本発明の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップに制限する。
【0297】
本明細書で用いられている見出しはどれも、読者による検討を促進するためにのみ用いられており、本開示内容、本発明又は特許請求の範囲をどのような仕方でも制限するものとして解されるべきではない。かくして、本明細書において提供されている諸見出し及び発明の概要は、便宜上であるに過ぎず、実施形態の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0298】
値の範囲(値域)が本明細書において提供されている場合、文脈上別段の明示の指定がなければ下限の単位の1/10までの当該範囲の上限と下限との間における各中間値、及び当該指定範囲内における任意他の指定された又は中間の値は、本開示内容、本発明又は特許請求の範囲に含まれる。より狭い範囲に別個独立に含まれる場合のあるこれらの狭い範囲の上限及び下限は、任意の特別に排除された限度が当該指定範囲内にあることを条件として、本開示の範囲内に含まれる。指定された範囲が限度の一方又は両方を含む場合、かかる含まれた限度のいずれか一方又は両方を排除する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0299】
例えば、本明細書において提供される任意の濃度範囲、百分率範囲、比範囲又は整数範囲は、規定された範囲内の任意の整数の値及び該当する場合には、別段の指定がなければ、端数(例えば、整数の1/10及び1/100)を含むものと理解されるべきである。また、任意の物理的特徴、例えばポリマーサブユニット、寸法又は厚さに関する本明細書において記載された任意の数の範囲は、別段の指定がなければ、記載された範囲内の任意の整数を含むものと理解されるべきである。本明細書で用いられる「約」という用語は、別段の指定がなければ、指定された範囲、値、又は構造の±20%を意味する。
【0300】
本明細書において言及されるとともに/あるいは出願データシートに列記されている米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許文献の全てを参照により引用し、これら記載内容全体を本明細書の一部とする。かかる文献は、参照により引用され、本発明と関連して用いられる可能性がある、例えば非特許文献に記載されている材料及び方法論を説明するとともに開示する目的で、これら記載内容を本明細書の一部とする。上述するとともにテキスト全体を通じて記載した文献は、本願の出願日に先立ってこれらが開示されていることを示すために提供されているに過ぎない。本明細書に記載されている内容のなかで本発明者が先行発明により任意の引用文献に先行する資格がないという承認として解されるべきものはない。
【0301】
本明細書において言及し又は説明した全ての特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、ならびに他の文献及び論文は、本発明に関する当業者の通常の知識レベルを表しており、かかる引用文献及び論文の各々は、これがあたかも参照により引用されてその記載内容が個々に本明細書の一部となり、又はその全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により引用されて本明細書の一部となる。本出願人は、任意のかかる特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、電子的に入手できる情報、ならびに他の引用論文又は文献からの任意かつ全ての論文及び情報を本明細書に物理的に組み込む権利を保有する。
【0302】
一般に、以下の特許請求の範囲の記載において、用いられる用語は、特許請求の範囲に記載された本発明を明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解されてはならず、かかる特許請求の範囲に記載された本発明の受ける全均等範囲と一緒に考えられる全ての実施形態を含むものと解されるべきである。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明は、開示内容によって制限されない。
【0303】
さらに、本特許出願の書面による記載部分は全ての請求項を含む。さらに、全ての原クレームならびに任意かつ全ての優先権主張出願文献からの特許請求の範囲を含む全ての特許請求の範囲を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の書面による記載部分の一部とし、本出願人は、任意かつ全てのかかる特許請求の範囲を本願の書面による説明又は任意他の部分に物理的に組み込む権利を保有する。かくして、例えば、特許請求の範囲の正確な用語が本特許出願の書面による説明部分にその通りの用語では記載されているわけではないという主張のもとに、本特許出願が一請求項に関する書面による説明を申し立てにより提供していないものとして解されるような事態は存在しない。
【0304】
特許請求の範囲に記載された本発明は、法に基づいて解釈される。しかしながら、任意の特許請求の範囲又はその一部分を解釈する上での申し立てによる又は認識による容易さ又は困難さにもかかわらず、本願特許に至る1つ又は複数の出願の審査中に特許請求の範囲又はその任意の部分の何らかの調整又は補正が先行技術の一部となることはない本発明の任意かつ全ての均等例に至るまでの全ての権利を失ったものとして解されるような事態は存在しない。
【0305】
他の非限定的実施例は、以下の特許請求の範囲の記載の範囲内にある。本特許出願は、本明細書において具体的にかつ/あるいは明示的に開示された特定の実施例もしくは非限定的実施例又は方法に限定されるものと解されてはならない。本特許出願が米国特許商標庁の審査官又は任意他の公務員又は従業員によってなされる任意の供述書によって制限されるものと解されるような事態は存在せず、ただし、かかる供述書が具体的にかつ又は留保なく本出願人による答弁書に明示的に採用されていないことを条件とする。
図1A
図1B-1C】
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図16C
図16D
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図18G
図18H
図18I
図18J
図19A
図19B
図19C
図19D
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28
【国際調査報告】