(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】アルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストの医薬組成物および視力を改善するためのその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4184 20060101AFI20230331BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230331BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230331BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230331BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A61K31/4184
A61K9/08
A61K47/02
A61K47/12
A61P27/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550240
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 US2021018906
(87)【国際公開番号】W WO2021168349
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】グラハム リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウー ケ
(72)【発明者】
【氏名】ファヒド マスード
(72)【発明者】
【氏名】ディバス モハメド
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB24
4C076CC10
4C076DD23D
4C076DD26Z
4C076DD43Z
4C076FF14
4C076FF61
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC39
4C086GA07
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA58
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZC52
(57)【要約】
例えば老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)などの眼状態の処置において、視力を改善するために式(I)のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストを使用する方法が記載される。
式I
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記式Iの化合物が約0.003%~約1%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記式Iの化合物が約0.01%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記式Iの化合物が約0.03%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記式Iの化合物が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記式Iの化合物が約0.3%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記緩衝液がクエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記クエン酸緩衝液がクエン酸を含み、前記リン酸緩衝液が第二リン酸ナトリウムを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記クエン酸が約0.01%~1%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項8または9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項8または9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第二リン酸ナトリウムが約0.01%~2%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、請求項8~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第二リン酸ナトリウムが約0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項8~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記第二リン酸ナトリウムが約1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項8~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記塩化ナトリウムが少なくとも0.6%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記塩化ナトリウムが約0.6%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
約4.5~約8の間のpHを有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
約6.5~約7.6の間のpHを有する、請求項1~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
約7のpHを有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記式Iの化合物が約0.01%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、前記緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記式Iの化合物が約0.03%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、前記緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記式Iの化合物が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、前記緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記式Iの化合物が約0.3%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、前記緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、前記第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項32】
眼状態の処置を必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記個体に投与するステップを含み、前記眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法。
【請求項33】
前記眼状態が老視である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記眼状態が乏しい夜間視力である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記眼状態が視覚的グレアである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記眼状態が視覚的スターバーストである、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記眼状態が視覚的ハローである、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記眼状態が夜間近視である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記医薬組成物が前記個体の片眼または両眼に投与される、請求項32~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記眼への投与が局所投与である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩が、前記個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、請求項33~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記視力の改善が少なくとも2行の改善である、請求項46~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記視力の改善が少なくとも3行の改善である、請求項46~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記個体が200cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記個体が150cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記個体が100cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記個体が50cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記個体が10cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記個体が5cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記個体が2cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項43~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
それを必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、医薬組成物を前記個体に投与するステップを含み、前記眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法に使用するための請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項66】
前記眼状態が老視である、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項67】
前記眼状態が乏しい夜間視力である、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項68】
前記眼状態が視覚的グレアである、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項69】
前記眼状態が視覚的スターバーストである、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項70】
前記眼状態が視覚的ハローである、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項71】
前記眼状態が夜間近視である、請求項65に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項72】
前記個体の片眼または両眼に投与される、請求項65~71のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項73】
前記眼への投与が局所投与である、請求項72に記載の使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項74】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、前記個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項75】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項76】
前記個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項77】
前記個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項78】
前記個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項79】
前記個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項80】
前記個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項81】
前記個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、請求項65~73のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項82】
前記視力の改善が少なくとも2行の改善である、請求項79~81のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項83】
前記視力の改善が少なくとも3行の改善である、請求項79~81のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項84】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項85】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項86】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項87】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項88】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項89】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項90】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、請求項76~83のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項91】
前記個体が200cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項92】
前記個体が150cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項93】
前記個体が100cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項94】
前記個体が50cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項95】
前記個体が10cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項96】
前記個体が5cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項97】
前記個体が2cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項76~90のいずれか1項に記載の使用するための医薬組成物。
【請求項98】
それを必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記個体に投与するステップを含み、前記眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法における請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項99】
前記眼状態が老視である、請求項98に記載の使用。
【請求項100】
前記眼状態が乏しい夜間視力である、請求項98に記載の使用。
【請求項101】
前記眼状態が視覚的グレアである、請求項98に記載の使用。
【請求項102】
前記眼状態が視覚的スターバーストである、請求項98に記載の使用。
【請求項103】
前記眼状態が視覚的ハローである、請求項98に記載の使用。
【請求項104】
前記眼状態が夜間近視である、請求項98に記載の使用。
【請求項105】
前記医薬組成物が前記個体の片眼または両眼に投与される、請求項98~104のいずれか1項に記載の使用。
【請求項106】
前記眼への投与が局所投与である、請求項105に記載の使用。
【請求項107】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、前記個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項108】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項109】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項110】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項111】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項112】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項113】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項114】
前記医薬組成物が、前記個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、請求項98~106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項115】
前記視力の改善が少なくとも2行の改善である、請求項112~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項116】
前記視力の改善が少なくとも3行の改善である、請求項112~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項117】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、請求項109~116のいずれか1項に記載の使用。
【請求項118】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項119】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項120】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項121】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項122】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項123】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、請求項109~114のいずれか1項に記載の使用。
【請求項124】
前記個体が200cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項109~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項125】
前記個体が150cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項126】
前記個体が100cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項127】
前記個体が50cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項128】
前記個体が10cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項129】
前記個体が5cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項130】
前記個体が2cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項102~123のいずれか1項に記載の使用。
【請求項131】
それを必要とする個体の眼状態を処置するための医薬品の製造における式Iの化合物:
【化2】
式I
またはその薬学的に許容される塩の使用であって、前記医薬品が請求項1~31のいずれか1項に記載の医薬組成物であり、前記眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、使用。
【請求項132】
前記眼状態が老視である、請求項131に記載の使用。
【請求項133】
前記眼状態が乏しい夜間視力である、請求項131に記載の使用。
【請求項134】
前記眼状態が視覚的グレアである、請求項131に記載の使用。
【請求項135】
前記眼状態が視覚的スターバーストである、請求項131に記載の使用。
【請求項136】
前記眼状態が視覚的ハローである、請求項131に記載の使用。
【請求項137】
前記眼状態が夜間近視である、請求項131に記載の使用。
【請求項138】
前記医薬品が、前記個体に投与される場合、前記個体の片眼または両眼に投与される、請求項131~137のいずれか1項に記載の使用。
【請求項139】
前記眼への投与が局所投与である、請求項138に記載の使用。
【請求項140】
前記医薬品中の前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、前記個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項141】
前記医薬品中の前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項142】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項143】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項144】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項145】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項146】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項147】
前記医薬品が、前記個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、請求項131~139のいずれか1項に記載の使用。
【請求項148】
前記視力の改善が少なくとも2行の改善である、請求項145~147のいずれか1項に記載の使用。
【請求項149】
前記視力の改善が少なくとも3行の改善である、請求項145~147のいずれか1項に記載の使用。
【請求項150】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項151】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項152】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項153】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項154】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項155】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項156】
前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、請求項142~149のいずれか1項に記載の使用。
【請求項157】
前記個体が200cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項158】
前記個体が150cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項159】
前記個体が100cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項160】
前記個体が50cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項161】
前記個体が10cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項162】
前記個体が5cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項163】
前記個体が2cd/m
2未満の輝度レベルに曝露された場合に、前記瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、請求項142~156のいずれか1項に記載の使用。
【請求項164】
実質的に本明細書に記載される医薬組成物。
【請求項165】
実質的に本明細書に記載される、式Iの化合物:
【化3】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物。
【請求項166】
実質的に本明細書に記載される、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される眼状態を処置する方法。
【請求項167】
実質的に本明細書に記載される医薬組成物により、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される眼状態を処置する方法。
【請求項168】
実質的に本明細書に記載される、式Iの化合物:
【化4】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年2月20日に出願された米国仮特許出願第62/979214号の利益および/またはこれに基づく優先権を主張する。
本発明は、一般的に、化合物の医薬組成物および個体の視力を改善するためのその使用に関する。本発明は、特に、アルファ-2アドレナリン受容体アゴニスト化合物、アルファ-2アドレナリン受容体アゴニストの医薬組成物、ならびに例えば老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)などの眼状態の処置において、視力を改善するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
老視は、近くの物体に焦点を合わせる眼の能力が徐々に失われることであり、読書、スマートフォンもしくはタブレットの操作、またはパソコンでの作業などの毎日の仕事を妨げ得る。年齢とともに、水晶体は柔軟性を失い、遠近調節を徐々に失うので、近くの物体に焦点を合わせる能力を失う。この低下した水晶体の柔軟性が、像のぼやけおよび視力の喪失をもたらし、これは瞳孔拡張(例えば、弱光条件で起こる)によって悪化する。老視は、40代前半~半ばに現れ始め、65歳頃まで悪化する。読書視力を矯正するために、老視を患っている患者は、しばしば老眼鏡、コンタクトレンズ、および眼内レンズなどのいくつかの処置選択肢、ならびに屈折レンズ交換などの外科的代替を探し求める。老眼鏡は単純で安価であり得るが、関連する不便さおよび審美的な懸念があり得、二重焦点眼鏡を着用することは、高齢者の転倒のリスク増加に関連付けられている。眼鏡に関連する不便さおよび問題、ならびに老視を処置するための侵襲的手術選択肢に対する1つの代替は、縮瞳薬により瞳孔サイズを収縮させることである。
さらに、LASIK手術の1つの副作用は、特に瞳孔が拡張している場合に弱光条件で、追加の光が目に入ることを可能にして、視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローなどの視覚障害をもたらし得る、周辺角膜曲率の異常である。瞳孔を収縮させることによって、この異常な周辺光を遮断することができ、視覚障害を低減することができる。実際、患者の瞳孔サイズを減少させる眼科用アルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストであるブリモニジン(ALPHAGAN(登録商標)P)が、LASIK手術後の患者のグレアおよびスターバーストを低減するために使用されている。同様に、追加の周辺の焦点の合ってない光線が眼に入ることを可能にして、かすんだ遠見視力をもたらし得る瞳孔拡張のために、夜間だけ近視を経験する人もいる。このような個体も瞳孔サイズの減少から利益を得ることができるだろう。
しかしながら、ブリモニジンが瞳孔サイズを減少させるために時折使用されているという事実にもかかわらず、ブリモニジンはしばしば慢性使用後にその有効性を失い、暗い虹彩を有する個体であまり有効でなく、短時間作用性である。したがって、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)などの眼状態を処置するための、本明細書に記載されるものなどの、瞳孔サイズを減少させる改善された長時間作用性の医薬組成物および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
医薬組成物およびそれを必要とする対象の視力を改善する方法におけるその使用、ならびにそれを必要とする個体の眼状態を処置する方法が本明細書に開示される。
【0004】
第1の態様では、式Iの化合物:
【化1】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液(例えば、クエン酸および/またはリン酸緩衝液)、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物が本明細書に記載される。
別の態様では、本明細書に記載される組成物を、それを必要とする個体に投与することによって、個体の眼状態を処置する方法が本明細書に記載される。
いくつかの非限定的な例実施形態を以下に示す。
【0005】
例実施形態1:式Iの化合物:
【化2】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物。
例実施形態2:式Iの化合物が約0.003%~約1%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、例実施形態1に記載の医薬組成物。
例実施形態3:式Iの化合物が約0.01%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態2に記載の医薬組成物。
例実施形態4:式Iの化合物が約0.03%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態2に記載の医薬組成物。
【0006】
例実施形態5:式Iの化合物が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態2に記載の医薬組成物。
例実施形態6:式Iの化合物が約0.3%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態2に記載の医薬組成物。
例実施形態7:緩衝液がクエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液である、例実施形態1~6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態8:クエン酸緩衝液がクエン酸を含み、リン酸緩衝液が第二リン酸ナトリウムを含む、例実施形態7に記載の医薬組成物。
例実施形態9:クエン酸が約0.01%~1%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、例実施形態8に記載の医薬組成物。
【0007】
例実施形態10:クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態8または9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態11:クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態8または9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態12:第二リン酸ナトリウムが約0.01%~2%(w/v)の間の量で組成物中に存在する、例実施形態8~11のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態13:第二リン酸ナトリウムが約0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態8~12のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態14:第二リン酸ナトリウムが約1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態8~12のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0008】
例実施形態15:塩化ナトリウムが少なくとも0.6%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態1~14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態16:塩化ナトリウムが約0.6%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態1~14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態17:約4.5~約8の間のpHを有する、例実施形態1~16のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態18:約6.5~約7.6の間のpHを有する、例実施形態1~17のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態19:約7のpHを有する、例実施形態1~18のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0009】
例実施形態20:式Iの化合物が約0.01%(w/v)の量で組成物中に存在し、塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、例実施形態1に記載の医薬組成物。
例実施形態21:クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
例実施形態22:クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
例実施形態23:式Iの化合物が約0.03%(w/v)の量で組成物中に存在し、塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、例実施形態1に記載の医薬組成物。
例実施形態24:クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
【0010】
例実施形態25:クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
例実施形態26:式Iの化合物が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、例実施形態1に記載の医薬組成物。
例実施形態27:クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
例実施形態28:クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態20に記載の医薬組成物。
例実施形態29:式Iの化合物が約0.3%(w/v)の量で組成物中に存在し、塩化ナトリウムが少なくとも0.6%の量で組成物中に存在し、緩衝液がクエン酸を含むクエン酸緩衝液および第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液である、例実施形態1に記載の医薬組成物。
【0011】
例実施形態30:クエン酸が約0.1%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが1%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態16に記載の医薬組成物。
例実施形態31:クエン酸が約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在し、第二リン酸ナトリウムが0.5%(w/v)の量で組成物中に存在する、例実施形態16に記載の医薬組成物。
例実施形態32:眼状態の処置を必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、例実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物を個体に投与するステップを含み、眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法。
例実施形態33:眼状態が老視である、例実施形態32に記載の方法。
例実施形態34:眼状態が乏しい夜間視力である、例実施形態32に記載の方法。
例実施形態35:眼状態が視覚的グレアである、例実施形態32に記載の方法。
例実施形態36:眼状態が視覚的スターバーストである、例実施形態33に記載の方法。
例実施形態37:眼状態が視覚的ハローである、例実施形態33に記載の方法。
例実施形態38:眼状態が夜間近視である、例実施形態33に記載の方法。
例実施形態39:医薬組成物が個体の片眼または両眼に投与される、例実施形態32~38のいずれか1つに記載の方法。
【0012】
例実施形態40:眼への投与が局所投与である、例実施形態39に記載の方法。
例実施形態41:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩が、個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態42:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態43:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態44:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
【0013】
例実施形態45:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態46:医薬組成物が、個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態47:医薬組成物が、個体に投与されると、中間視力(intermediate visual acuity)の改善をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態48:医薬組成物が、個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、例実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態49:視力の改善が少なくとも2行の改善である、例実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
【0014】
例実施形態50:視力の改善が少なくとも3行の改善である、例実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態51:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態52:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態53:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態54:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
【0015】
例実施形態55:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態56:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態57:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態58:個体が200cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態59:個体が150cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
【0016】
例実施形態60:個体が100cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~50のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態61:個体が50cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~60のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態62:個体が10cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~60のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態63:個体が5cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~60のいずれか1つに記載の方法。
例実施形態64:個体が2cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態43~60のいずれか1つに記載の方法。
【0017】
例実施形態65:それを必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、医薬組成物を個体に投与するステップを含み、眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法に使用するための例実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物。
例実施形態66:眼状態が老視である、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態67:眼状態が乏しい夜間視力である、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態68:眼状態が視覚的グレアである、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態69:眼状態が視覚的スターバーストである、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
【0018】
例実施形態70:眼状態が視覚的ハローである、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態71:眼状態が夜間近視である、例実施形態65に記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態72:個体の片眼または両眼に投与される、例実施形態65~71のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態73:眼への投与が局所投与である、例実施形態72に記載の使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩。
例実施形態74:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
【0019】
例実施形態75:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態76:個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態77:個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態78:個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態79:個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
【0020】
例実施形態80:個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態81:個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、例実施形態65~73のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態82:視力の改善が少なくとも2行の改善である、例実施形態79~81のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態83:視力の改善が少なくとも3行の改善である、例実施形態79~81のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態84:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
【0021】
例実施形態85:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態86:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態87:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態88:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態89:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
【0022】
例実施形態90:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、例実施形態76~83のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態91:個体が200cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態92:個体が150cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態93:個体が100cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態94:個体が50cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
【0023】
例実施形態95:個体が10cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態96:個体が5cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態97:個体が2cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態76~90のいずれか1つに記載の使用するための医薬組成物。
例実施形態98:それを必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、例実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物を個体に投与するステップを含み、眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、方法における例実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物の使用。
例実施形態99:眼状態が老視である、例実施形態98に記載の使用。
【0024】
例実施形態100:眼状態が乏しい夜間視力である、例実施形態98に記載の使用。
例実施形態101:眼状態が視覚的グレアである、例実施形態98に記載の使用。
例実施形態102:眼状態が視覚的スターバーストである、例実施形態98に記載の使用。
例実施形態103:眼状態が視覚的ハローである、例実施形態98に記載の使用。
例実施形態104:眼状態が夜間近視である、例実施形態98に記載の使用。
【0025】
例実施形態105:医薬組成物が個体の片眼または両眼に投与される、例実施形態98~104のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態106:眼への投与が局所投与である、例実施形態105に記載の使用。
例実施形態107:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態108:式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態109:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
【0026】
例実施形態110:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態111:医薬組成物が、個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態112:医薬組成物が、個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態113:医薬組成物が、個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態114:医薬組成物が、個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、例実施形態98~106のいずれか1つに記載の使用。
【0027】
例実施形態115:視力の改善が少なくとも2行の改善である、例実施形態112~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態116:視力の改善が少なくとも3行の改善である、例実施形態112~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態117:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、例実施形態109~116のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態118:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態119:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
【0028】
例実施形態120:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態121:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態122:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態123:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、例実施形態109~114のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態124:個体が200cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態109~123のいずれか1つに記載の使用。
【0029】
例実施形態125:個体が150cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態126:個体が100cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態127:個体が50cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態128:個体が10cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態129:個体が5cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態130:個体が2cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態102~123のいずれか1つに記載の使用。
【0030】
例実施形態131:それを必要とする個体の眼状態を処置するための医薬品の製造における式Iの化合物:
【化3】
式I
またはその薬学的に許容される塩の使用であって、医薬品が例実施形態1~31のいずれか1つに記載の医薬組成物であり、眼状態が、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される、使用。
例実施形態132:眼状態が老視である、例実施形態131に記載の使用。
例実施形態133:眼状態が乏しい夜間視力である、例実施形態131に記載の使用。
例実施形態134:眼状態が視覚的グレアである、例実施形態131に記載の使用。
【0031】
例実施形態135:眼状態が視覚的スターバーストである、例実施形態131に記載の使用。
例実施形態136:眼状態が視覚的ハローである、例実施形態131に記載の使用。
例実施形態137:眼状態が夜間近視である、例実施形態131に記載の使用。
例実施形態138:医薬品が、個体に投与される場合、個体の片眼または両眼に投与される、例実施形態131~137のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態139:眼への投与が局所投与である、例実施形態138に記載の使用。
【0032】
例実施形態140:医薬品中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、個体に投与されると、ブリモニジンによって示される虹彩色素への結合を下回る虹彩色素への結合を有する、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態141:医薬品中の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の量が、同じ治療効果を達成するために必要とされるブリモニジンの量よりも少ない量である、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態142:医薬品が、個体に投与されると、瞳孔が2~3mmの間のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態143:医薬品が、個体に投与されると、瞳孔が3mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態144:医薬品が、個体に投与されると、瞳孔が2.5mm以下のサイズに収縮されるような瞳孔サイズの減少量をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
【0033】
例実施形態145:医薬品が、個体に投与されると、近見視力の改善をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態146:医薬品が、個体に投与されると、中間視力の改善をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態147:医薬品が、個体に投与されると、遠見視力の改善をもたらす、例実施形態131~139のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態148:視力の改善が少なくとも2行の改善である、例実施形態145~147のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態149:視力の改善が少なくとも3行の改善である、例実施形態145~147のいずれか1つに記載の使用。
【0034】
例実施形態150:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも1時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態151:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも2時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態152:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも4時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態153:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも6時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態154:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも9時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
【0035】
例実施形態155:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも10時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態156:瞳孔サイズの減少または視力の改善が少なくとも12時間維持される、例実施形態142~149のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態157:個体が200cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態158:個体が150cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態159:個体が100cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
【0036】
例実施形態160:個体が50cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態161:個体が10cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態162:個体が5cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態163:個体が2cd/m2未満の輝度レベルに曝露された場合に、瞳孔サイズの減少または視力の改善が達成される、例実施形態142~156のいずれか1つに記載の使用。
例実施形態164:実質的に本明細書に記載される医薬組成物。
【0037】
例実施形態165:実質的に本明細書に記載される、式Iの化合物:
【化4】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物。
例実施形態166:実質的に本明細書に記載される、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される眼状態を処置する方法。
例実施形態167:実質的に本明細書に記載される医薬組成物により、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、および夜間近視からなる群から選択される眼状態を処置する方法。
【0038】
例実施形態168:実質的に本明細書に記載される、式Iの化合物:
【化5】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物を使用する方法。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】化合物2(実施例1参照)を局所投与した場合のダッチベルトウサギにおける用量縮瞳反応曲線のプロットを示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【
図2】ブリモニジン(化合物4;実施例1参照)を局所投与した場合のダッチベルトウサギにおける用量縮瞳反応曲線のプロットを示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【
図3】式Iの化合物(化合物1;実施例1参照)を局所投与した場合のダッチベルトウサギにおける用量縮瞳反応曲線のプロットを示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【
図4】共に0.1%w:vの式Iの化合物(化合物1)またはブリモニジン(化合物4)を投与した場合に2.5mm超の瞳孔変化を有する対象(ウサギ)のレスポンダー分析を示す図である。
【
図5】室内灯条件下でのDBウサギにおける局所投与後の縮瞳作用のブリモニジン(化合物4)と式Iの化合物(化合物1:(実施例1参照)の持続時間の比較を示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【
図6】式Iの化合物(化合物1;実施例1参照)を局所投与した場合のダッチベルトウサギにおける用量縮瞳反応曲線(9時間にわたる)のプロットを示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【
図7】式Iの化合物(化合物1;実施例1参照)または化合物3(実施例1参照)を局所投与した場合のダッチベルトウサギにおける用量縮瞳反応曲線の比較のプロットを示す図である。パーセンテージ量は%w:vである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
前記の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方が、単に例示的で説明的なものにすぎず、請求される本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、単数形の使用は、特に具体的に明記しない限り、複数形を含む。本明細書で使用される場合、「または」は、特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語ならびに「含む(includes)」および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は限定的ではない。本明細書で使用される節の見出しは、単に組織化を目的としたものにすぎず、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。
具体的な定義が提供されない限り、本明細書に記載される実験手順ならびに分析化学、合成有機および無機化学の技術に関して利用される命名法は当技術分野で公知のものである。標準的な化学記号が、このような記号によって表されるフルネームと互換的に使用される。よって、例えば、「水素」および「H」という用語は同一の意味を有すると理解され、「メチル」、「Me」および「CH3」も同様である。標準的な技術を化学合成、化学分析、および製剤化に使用することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、記載される化合物(式Iの化合物など)が、その薬学的に許容される塩を含むことができる。このような塩には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩(phosphorate)、酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p-トルエン-スルホン酸塩、サリチル酸塩などの酸付加塩、およびナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、エチレンジアミン、アルギニン、ピペラジンなどの塩基付加塩、ならびに本開示を読めば当業者に識別可能なその他のものが含まれ得る(例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts, P. Heinrich Stahl & Camille G. Wermuth (Eds), Verlag; Helvetica Chimica Acta- Zurich, 2002, 329-345;およびBerge et al., Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66:1-19参照)。
【0042】
本明細書に記載されるある特定の化合物は、互いに相互変換することができる互変異性体として存在することができる。特定の互変異性体の本明細書の構造描写は、特に指示しない限り、化合物を描かれる特定の互変異性体に限定するものと解釈されるべきではない(たとえそれば特定の条件セット下で優勢な互変異性体になり得ない場合であっても)。
本明細書で特に指示しない限り、「約」という用語は、値(例えば、質量パーセンテージ)に関して使用される場合、個々の成分(例えば、有効成分もしくは賦形剤)、組成物、または実施形態の機能性に関して同等(例えば、生物学的同等)の列挙される値(および/または値の範囲)に近似の値を含むことを意図している。さらに、当業者によって理解されるように、成分の量、分子質量、反応条件等々などの特性を表すものを含む全ての数字が近似であり、全ての例で「約」という用語によって修飾されていてもよいものとして理解される。これらの値は、本明細書の説明の教示を利用する当業者によって得ようとされている所望の特性に応じて変動し得る。このような値が、それぞれの試験測定値で見られる標準偏差に必然的に起因する変動性を本質的に含有し、一部の値および量は、別の値または量と「ほぼ同じ」となるように切り上げられ得るかまたは切り捨てられ得ることも理解される。
【0043】
「治療上有効量」という用語は、ヒトまたは非ヒト患者などの眼状態の処置を必要とする個体に投与されると、眼状態を処置するのに有効である量を指す。治療上有効量の化合物および/または組成物が個体に投与された場合の眼状態の処置の程度および/または成功は、本明細書に記載されるように当業者に容易に識別可能であるだろう。
【0044】
医薬組成物および組成物を使用してそれを必要とする個体の視力を改善する方法、ならびに組成物を使用してそれを必要とする個体の眼状態を処置する方法が本明細書に記載される。それだけに限らないが、近見、中間および/または遠見視力を含む視力または視覚改善は、例えば様々な照度レベル(例えば、200cd/m2未満、150cd/m2未満、100cd/m2未満、50cd/m2未満、10cd/m2未満、5cd/m2未満、2cd/m2未満、およびこれらの輝度レベルの間の範囲)での、全てベースライン(すなわち、処置前)からの、投薬後の任意の時点で正しく読まれた文字の数の増加、平均文字変化の増加、または2行もしくは3行(少なくとも)の改善に反映され得る。夜間視力改善は、薄暗いまたは暗い照明中(例えば、薄明視または暗所視条件下)での患者の視覚改善に反映され得る。昼間視力改善は、日照時間中または日向(例えば、明所視条件下)で見られる明るい照明下での患者の視覚改善に反映され得る。本明細書に記載される実施形態を使用した視力改善はまた、それだけに限らないが、老眼鏡、水晶体修飾投薬、および眼内レンズ(IOL)を含む外科的老眼選択肢を含む他の視覚補助具および装置(特に、老視を処置するために使用されるもの)と組み合わせて、またはこれらを使用すると達成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、眼状態は、瞳孔のサイズを収縮させることによって処置することができる状態である。理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、瞳孔を収縮させることによって、焦点深度、視力を改善するなどの治療効果、および本明細書に記載されるものなどの眼状態の処置における使用の他の効果を有することができる「ピンホール効果」が達成されると考えている。ピンホール効果では、瞳孔径を減少させることによって、焦点深度を増加させ、一部の周辺光線が眼に入るのを遮断することによって光散乱を減少させ、それによって、周辺の焦点の合っていない光線が網膜に達するのを防ぐ。これらの作用が、例えば、老視者の読書視力および通勤者の夜間運転視力の質を改善するのを助けることができる。よって、本明細書に記載される組成物を使用して本明細書に記載される方法によって処置可能な状態には、例えば、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)が含まれ得る。
【0046】
したがって、本明細書に記載される医薬組成物を使用することによって眼状態の処置を必要とする個体の眼状態を処置するために瞳孔サイズを減少させるための化合物、医薬組成物、および方法が本明細書に記載される。
【0047】
一実施形態では、式Iの化合物:
【化6】
式I
またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水を含む医薬組成物。別の実施形態では、医薬組成物が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、緩衝液、塩化ナトリウム、および水から本質的になる。
【0048】
式Iの化合物は、当業者に公知の方法によって合成することができる(例えば、米国特許第6495583号および同第5478858号参照)。
いくつかの実施形態では、緩衝液がクエン酸緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液がリン酸緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液がクエン酸およびリン酸緩衝液である。
いくつかの実施形態では、クエン酸緩衝液がクエン酸を含み、リン酸緩衝液が第二リン酸ナトリウムまたは第二リン酸カリウムなどの第二リン酸緩衝液を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、クエン酸が、約0.01%~約1%(w/v)の間、例えば約0.1%または約0.09%(w/v)の量で組成物中に存在する。
いくつかの実施形態では、クエン酸が、約0.089%~約0.11%(w/v)の間、約0.079%~約0.13%(w/v)の間、約0.071%~約0.14%(w/v)の間、約0.063%~約0.16%(w/v)の間、約0.056%~約0.18%(w/v)の間、約0.050%~約0.20%(w/v)の間、約0.045%~約0.22%(w/v)の間、約0.040%~約0.25%(w/v)の間、約0.035%~約0.28%(w/v)の間、約0.032%~約0.32%(w/v)の間、約0.028%~約0.35%(w/v)の間、約0.025%~約0.40%(w/v)の間、約0.022%~約0.45%(w/v)の間、約0.020%~約0.50%(w/v)の間、約0.018%~約0.56%(w/v)の間、約0.016%~約0.63%(w/v)の間、約0.014%~約0.71%(w/v)の間、約0.013%~約0.79%(w/v)の間、約0.011%~約0.89%(w/v)の間、約0.010%~約1%(w/v)の間、およびクエン酸のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量で組成物中に存在する。
【0050】
医薬組成物を調製する場合のクエン酸源は無水クエン酸であってもよいし、水和形態のクエン酸(例えば、一水和物)または例えば、クエン酸一ナトリウム(無水物)、クエン酸二ナトリウム(セスキ水和物)、クエン酸三ナトリウム(無水物、二水和物)および本開示を読めば当業者に識別可能なその他のものなどの医薬組成物を調製するのに適した任意の他の形態のクエン酸であってもよく、結果として医薬組成物中のクエン酸の最終的な量は約0.01%~約1%(w/v)の間、例えば約0.1%または約0.09%(w/v)である。
いくつかの実施形態では、第二リン酸ナトリウムが、約0.01%~約2%(w/v)の間、例えば約0.5%または約1%(w/v)の量で組成物中に存在する。
いくつかの実施形態では、第二リン酸ナトリウムが、約0.79%~約1.0%(w/v)の間、約0.63%~約1.1%(w/v)の間、約0.50%~約1.1%(w/v)の間、約0.40%~約1.1%(w/v)の間、約0.32%~約1.2%(w/v)の間、約0.25%~約1.2%(w/v)の間、約0.20%~約1.3%(w/v)の間、約0.16%~約1.3%(w/v)の間、約0.13%~約1.4%(w/v)の間、約0.10%~約1.4%(w/v)の間、約0.079%~約1.5%(w/v)の間、約0.063%~約1.5%(w/v)の間、約0.050%~約1.6%(w/v)の間、約0.040%~約1.6%(w/v)の間、約0.032%~約1.7%(w/v)の間、約0.025%~約1.7%(w/v)の間、約0.020%~約1.8%(w/v)の間、約0.016%~約1.9%(w/v)の間、約0.013%~約1.9%(w/v)の間、約0.010%~約2%(w/v)の間、および第二リン酸ナトリウムのこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量で組成物中に存在する。
【0051】
いくつかの実施形態では、第二リン酸ナトリウムが、約0.41%~約0.54%(w/v)の間、約0.34%~約0.58%(w/v)の間、約0.28%~約0.62%(w/v)の間、約0.23%~約0.66%(w/v)の間、約0.19%~約0.71%(w/v)の間、約0.15%~約0.76%(w/v)の間、約0.13%~約0.81%(w/v)の間、約0.10%~約0.87%(w/v)の間、約0.09%~約0.93%(w/v)の間、約0.071%~約1.0%(w/v)の間、約0.058%~約1.1%(w/v)の間、約0.048%~約1.1%(w/v)の間、約0.039%~約1.2%(w/v)の間、約0.032%~約1.3%(w/v)の間、約0.027%~約1.4%(w/v)の間、約0.022%~約1.5%(w/v)の間、約0.018%~約1.6%(w/v)の間、約0.015%~約1.7%(w/v)の間、約0.012%~約1.9%(w/v)の間、約0.010%~約2%(w/v)の間、および第二リン酸ナトリウムのこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量で組成物中に存在する。
【0052】
医薬組成物を調製する場合の第二リン酸ナトリウム源は無水第二リン酸ナトリウムであってもよいし、水和形態の第二リン酸ナトリウム(例えば、七水和物)または例えば、リン酸ナトリウム(無水物、半水和物、六水和物、八水和物、十二水和物)および第一リン酸ナトリウム(無水物、一水和物、二水和物)およびリン酸二ナトリウム(無水物、二水和物、八水和物、十二水和物)および本開示を読めば当業者に識別可能なその他のものなどの医薬組成物を調製するのに適した任意の他の形態のリン酸ナトリウムであってもよく、結果として医薬組成物中の第二リン酸ナトリウムの最終的な量は約0.01%~約1%の間、例えば約0.5%または約1%(w/v)である。
【0053】
さらに、いくつかの実施形態では、第二リン酸カリウムが第二リン酸ナトリウムの代わりに使用され得る。第二リン酸カリウムの量は、第二リン酸ナトリウムについて本明細書に記載される量と同様であり得る(分子質量の差について調整)が、第二リン酸カリウムを含む医薬組成物が本明細書に記載される第二リン酸ナトリウムを含む医薬組成物と薬学的に同等となるように当業者によって最終的に決定され得る。
いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムが約0.01%~約1%(w/v)の間、例えば約0.6%(w/v)の量で存在する。
【0054】
いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムが、約0.51%~約0.65%(w/v)の間、約0.42%~約0.66%(w/v)の間、約0.34%~約0.68%(w/v)の間、約0.28%~約0.69%(w/v)の間、約0.22%~約0.71%(w/v)の間、約0.18%~約0.72%(w/v)の間、約0.15%~約0.74%(w/v)の間、約0.12%~約0.76%(w/v)の間、約0.10%~約0.78%(w/v)の間、約0.079%~約0.79%(w/v)の間、約0.065%~約0.81%(w/v)の間、約0.052%~約0.83%(w/v)の間、約0.043%~約0.85%(w/v)の間、約0.035%~約0.87%(w/v)の間、約0.028%~約0.89%(w/v)の間、約0.023%~約0.91%(w/v)の間、約0.019%~約0.93%(w/v)の間、約0.015%~約0.95%(w/v)の間、約0.012%~約0.98%(w/v)の間、約0.010%~約1%(w/v)の間、および塩化ナトリウムのこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量で存在する。
【0055】
いくつかの実施形態では、例えば、pHを調整するために、医薬組成物の調製中に塩酸などの酸または水酸化ナトリウムなどの塩基が使用される場合、医薬組成物中の塩化ナトリウムの量を、組成物を調製するために最初に添加される塩化ナトリウムの量から変化させることができる。したがって、本明細書に記載される塩化ナトリウムの量(範囲の量を含む)は、医薬組成物中に存在する塩化ナトリウムの最小量であり得る(例えば、少なくとも0.6%(w/v)塩化ナトリウム)。
いくつかの実施形態では、塩化ナトリウム以外の等張化剤を使用することができる。これらには、それだけに限らないが、塩、特に塩化カリウム、マンニトール、エリスリトール、カルニチンおよびグリセリン、または任意の他の適切な眼科的に許容される等張化剤が含まれる。これらの等張化剤の量は、等張化剤が本明細書に記載される塩化ナトリウムを含む医薬組成物と薬学的に同等の医薬組成物をもたらすように当業者によって決定され得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物が眼用途に適した溶液の形態である。医薬組成物は、無菌液体製剤のための適正製造規範(GMP)などの、眼用途に適した医薬組成物を調製するために当業者に識別可能な方法を使用して成分を組み合わせることによって調製され得る。
【0056】
一実施形態では、医薬組成物が主ビヒクルとして生理食塩水を使用して調製される。別の実施形態では、主ビヒクルが水(例えば、精製水)である。このような眼溶液のpHは、例えば適切な緩衝系により約4.5~約8.0(例えば、pH約7)に維持されるべきであり、中性pHが好ましいが、必須ではない。得られる調製物が眼科的に許容される限り、本明細書に記載されるクエン酸緩衝液およびリン酸緩衝液に加えた様々な緩衝液、ならびにpHを調整するための手段を使用することができる。したがって、添加緩衝液には、それだけに限らないが、酢酸緩衝液およびホウ酸緩衝液が含まれる。これらの緩衝液の量は、緩衝液が本明細書に記載されるクエン酸緩衝液および/またはリン酸緩衝液を含む医薬組成物と薬学的に同等の医薬組成物をもたらすように当業者によって決定され得る。さらに、酸または塩基(例えば、塩酸などの酸または水酸化ナトリウムなどの塩基)を必要に応じて使用してこれらの製剤のpHを調整することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、医薬組成物のpHが、約6.9~約7.1の間、約6.8~約7.1の間、約6.6~約7.2の間、約6.5~約7.2の間、約6.4~約7.3の間、約6.3~約7.3の間、約6.1~約7.4の間、約6.0~約7.4の間、約5.9~約7.5の間、約5.8~約7.5の間、約5.6~約7.6の間、約5.5~約7.6の間、約5.4~約7.7の間、約5.3~約7.7の間、約5.1~約7.8の間、約5.0~約7.8の間、約4.9~約7.9の間、約4.8~約7.9の間、約4.6~約8.0の間、約4.5~約8.0の間、およびこれらの値の間の範囲である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物のpHが、約7.0~約7.1の間、約6.9~約7.1の間、約6.9~約7.2の間、約6.8~約7.2の間、約6.8~約7.3の間、約6.7~約7.3の間、約6.7~約7.4の間、約6.6~約7.4の間、約6.6~約7.5の間、約6.5~約7.5の間、約6.5~約7.6の間、約6.4~約7.6の間、約6.4~約7.7の間、約6.3~約7.7の間、約6.3~約7.8の間、約6.2~約7.8の間、約6.2~約7.9の間、約6.1~約7.9の間、約6.1~約8.0の間、約6.0~約8.0の間、およびこれらの値の間の範囲である。
【0058】
医薬組成物はまた、慣用的な、薬学的に許容される保存剤、安定剤および界面活性剤を含有することができる。医薬組成物に使用することができる例示的な保存剤には、それだけに限らないが、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、アスコルビン酸、塩化ポリドロニウム(例えば、ONAMER(登録商標)M)、安定化オキシクロロ錯体/安定化二酸化塩素(例えば、PURITE(登録商標))、および当業者に公知の他の薬剤が含まれる。眼製品においては、典型的にはこのような保存剤が0.004%~0.02%のレベルで使用される。安定剤には、それだけに限らないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシエチルセルロースシクロデキストリンが含まれる。さらに、製剤は保存剤が欠けていてもよい。保存剤が欠けているこのような製剤は、「保存剤フリー」と言われる。
【0059】
医薬組成物はまた界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、賦形剤または活性剤を溶解する、固体または液体を組成物に分散する、湿潤を増強する、液滴サイズを修正する等を助けるのに有用である。有用な界面活性剤には、それだけに限らないが、以下のクラスの界面活性剤が含まれる:アルコール;アミンオキシド;ブロックポリマー;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;カルボン酸/脂肪酸;エトキシ化アルコール;エトキシ化アルキルフェノール;エトキシ化アリールフェノール;エトキシ化脂肪酸;エトキシ化;脂肪酸エステルまたは油(動物性および/または植物性);脂肪酸エステル;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;グリセロールエステル;グリコールエステル;ラノリン系誘導体;レシチンおよびレシチン誘導体;リグニンおよびリグニン誘導体;メチルエステル;モノグリセリドおよび誘導体;ポリエチレングリコール;ポリマー界面活性剤;プロポキシ化およびエトキシ化脂肪酸、アルコールまたはアルキルフェノール;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;ソルビタン誘導体;スクロースおよびグルコースエステルおよび誘導体。
【0060】
眼科的に許容される抗酸化剤を含めることができ、例としてはメタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチルヒドロキシアニソールおよびブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
医薬組成物に含めることができる他の賦形剤成分はキレート剤である。例示的なキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤が知られており、単独でまたはエデト酸二ナトリウムと組み合わせて適切である。
【0061】
医薬組成物は、約0.003%~約1%(w/v)の間の量の式Iの化合物を含むことができる。特に指示しない限り、塩および/または溶媒和(例えば、水和物)形態の化合物が使用される場合であっても、本明細書に記載される組成物中に存在する式Iの化合物の量は、遊離塩基および非溶媒和(非水和)形態の化合物(分子量215.26)に基づく。したがって、本明細書に記載される式Iの化合物の量の全ては、塩および/または溶媒和物(例えば水和物)が使用される場合、このような形態の質量を考慮に入れた場合の対応する量を有する。例えば、306.19の分子質量を有する、化合物の二塩酸塩一水和物形態(実施例8~11参照)が使用される場合、約0.0030%~約1.0%(w/v)の間の量の式Iの化合物を含むものとして本明細書に記載される組成物は、化合物の遊離塩基形態と二塩酸塩一水和物形態との間の分子質量の差により、0.0043%~1.4%の間の量の式Iの化合物の二塩酸塩一水和物形態を含むとみなされるだろう。同様に、約0.010%(w/v)、約0.030%(w/v)、0.10%(w/v)、0.30%(w/v)、または約1.0%(w/v)の量の式Iの化合物を含むものとして本明細書に記載される組成物は、それぞれ約0.014%(w/v)、約0.043%(w/v)、0.14%(w/v)、0.43%(w/v)、または約1.4%(w/v)の量の式Iの化合物の二塩酸塩一水和物形態に対応するだろう。よって、当業者であれば、本明細書に記載される式Iの化合物の全ての量には、化合物の塩および溶媒和(例えば、水和)形態が使用される場合における同等な量がある(それらの量が四捨五入および有効数字などの因子により遊離塩基非溶媒和形態の量と数値的に同じであり得るとしても)ことを理解するだろう。例えば、式Iの化合物の0.010%(w/v)量は、2つの有効数字に対して化合物の二塩酸塩一水和物形態の0.014%(w/v)量に対応するだろうが、ただ1つの有効数字を考慮する場合、二塩酸塩一水和物形態の前記量は0.01%(w/v)に四捨五入され得る。
【0062】
医薬組成物はまた、約0.01%~約1%(w/v)の間、または約0.01%~約0.2%(w/v)の間、約0.01%~約0.3%(w/v)の間、約0.01%~約0.4%(w/v)の間、約0.01%~約0.5%(w/v)の間、約0.01%~約0.5%(w/v)の間、約0.01%~約0.6%(w/v)の間、約0.01%~約0.7%(w/v)の間、約0.01%~約0.8%(w/v)の間、または約0.01%~約0.9%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
【0063】
医薬組成物はまた、約0.01%~約0.02%(w/v)の間、約0.02%~約0.03%(w/v)の間、約0.03%~約0.04%(w/v)の間、約0.04%~約0.05%(w/v)の間、約0.05%~約0.06%(w/v)の間、約0.06%~約0.06%(w/v)の間、約0.06%~約0.07%(w/v)の間、約0.07%~約0.08%(w/v)の間、約0.08%~約0.09%(w/v)の間、約0.09%~約0.10%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
医薬組成物はまた、約0.01%~約0.06%(w/v)の間、約0.06%~約0.11%(w/v)の間、約0.11%~約0.16%(w/v)の間、約0.16%~約0.21%(w/v)の間、約0.21%~約0.26%(w/v)の間、約0.26%~約0.31%(w/v)の間、約0.31%~約0.36%(w/v)の間、約0.36%~約0.41%(w/v)の間、約0.41%~約0.46%(w/v)の間、約0.46%~約0.51%(w/v)の間、約0.51%~約0.55%(w/v)の間、約0.55%~約0.60%(w/v)の間、約0.60%~約0.65%(w/v)の間、約0.65%~約0.70%(w/v)の間、約0.70%~約0.75%(w/v)の間、約0.75%~約0.80%(w/v)の間、約0.80%~約0.85%(w/v)の間、約0.85%~約0.90%(w/v)の間、約0.90%~約0.95%(w/v)の間、または約0.95%~約1.00%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
【0064】
さらに、医薬組成物は、約0.001%~約1%(w/v)の間、または約0.001%~約0.2%(w/v)の間、約0.001%~約0.3%(w/v)の間、約0.001%~約0.4%(w/v)の間、約0.001%~約0.5%(w/v)の間、約0.001%~約0.6%(w/v)の間、約0.001%~約0.7%(w/v)の間、約0.001%~約0.8%(w/v)の間、または約0.001%~約0.9%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
医薬組成物はまた、約0.001%~約0.01%(w/v)の間、約0.001%~約0.02%(w/v)の間、約0.001%~約0.03%(w/v)の間、約0.001%~約0.04%(w/v)の間、約0.001%~約0.05%(w/v)の間、約0.001%~約0.06%(w/v)の間、約0.001%~約0.07%(w/v)の間、約0.001%~約0.08%(w/v)の間、または約0.001%~約0.09%(w/v)の間、約0.001%~約0.01%の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
【0065】
医薬組成物はまた、約0.001%~約0.002%(w/v)の間、約0.002%~約0.003%(w/v)の間、約0.003%~約0.004%(w/v)の間、約0.004%~約0.005%(w/v)の間、約0.005%~約0.006%(w/v)の間、約0.006%~約0.006%(w/v)の間、約0.006%~約0.007%(w/v)の間、約0.007%~約0.008%(w/v)の間、約0.008%~約0.009%(w/v)の間、約0.009%~約0.010%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
【0066】
さらに、医薬組成物は、約0.003%~約1%(w/v)の間、または約0.003%~約0.2%(w/v)の間、約0.003%~約0.3%(w/v)の間、約0.003%~約0.4%(w/v)の間、約0.003%~約0.5%(w/v)の間、約0.003%~約0.5%(w/v)の間、約0.003%~約0.6%(w/v)の間、約0.003%~約0.7%(w/v)の間、約0.003%~約0.8%(w/v)の間、または約0.003%~約0.9%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
医薬組成物はまた、約0.003%~約0.01%(w/v)の間、約0.003%~約0.02%(w/v)の間、約0.003%~約0.03%(w/v)の間、約0.003%~約0.04%(w/v)の間、約0.003%~約0.05%(w/v)の間、約0.003%~約0.06%(w/v)の間、約0.003%~約0.07%(w/v)の間、約0.003%~約0.08%(w/v)の間、約0.003%~約0.09%(w/v)の間、または約0.003%~約0.01%の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。
【0067】
さらに、医薬組成物はまた、約0.1%~約0.2%(w/v)の間、約0.2%~約0.3%(w/v)の間、約0.3%~約0.4%(w/v)の間、約0.4%~約0.5%(w/v)の間、約0.5%~約0.6%(w/v)の間、約0.6%~約0.7%(w/v)の間、約0.7%~約0.8%(w/v)の間、約0.8%~約0.9%(w/v)の間、または約0.9%~約1%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。本明細書に記載される組成物についての式Iの化合物のさらなる量は、本開示を読めば当業者に識別可能であるだろう。
【0068】
さらに、医薬組成物はまた、約0.01%~約0.02%(w/v)の間、約0.02%~約0.03%(w/v)の間、約0.03%~約0.04%(w/v)の間、約0.04%~約0.05%(w/v)の間、約0.05%~約0.06%(w/v)の間、約0.06%~約0.07%(w/v)の間、約0.07%~約0.08%(w/v)の間、約0.08%~約0.09%(w/v)の間、または約0.09%~約0.1%(w/v)の間、および式Iの化合物のこれらの選択される量のいずれかの間の範囲の量の式Iの化合物を含むことができる。本明細書に記載される組成物についての式Iの化合物のさらなる量は、本開示を読めば当業者に識別可能であるだろう。
さらに、医薬組成物は、約0.01%(w/v)、約0.03%(w/v)、約0.1%(w/v)、または約0.3%(w/v)の量、および式Iの化合物のこれらの選択される量以外の他の量の式Iの化合物を含むことができる。本明細書に記載される組成物についての式Iの化合物のさらなる量は、本開示を読めば当業者に識別可能であるだろう。
【0069】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物が医薬組成物の一部である場合、式Iの化合物は、眼状態(例えば、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視))の処置または制御に有用となるような治療活性を有する唯一の有効成分である。本明細書で使用される「有効成分」という用語は、組成物の治療効果を担う医薬組成物の成分を指し、組成物の他の成分(例えば、賦形剤、担体、および希釈剤)は、たとえ製剤の一部として必要であるまたは望ましい組成物における他の機能(潤滑、香味付け、pH制御、乳化、安定化、保存、および本明細書に記載される組成物の治療効果以外の他の機能など)を有するとしても、組成物の治療効果を担わない。特に、いくつかの実施形態では、式Iの化合物が治療活性を有する唯一の有効成分である本明細書に記載される医薬組成物が、眼状態(例えば、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視))の処置または制御のための治療活性を有すると考えられるような他の成分が存在しない組成物である。
【0070】
別の実施形態では、医薬組成物を、ドロッパーを備えた容器などの、計量用途に適した形態にパッケージングして、眼への施用を容易にすることができる。液滴施用に適した容器は通常、不活性で非毒性のプラスチック材料製であり、一般的に約0.5~約15mlの間の溶液を含有する。1つのパッケージは、1または複数単位用量を含有することができる。保存剤フリー溶液はしばしば、最大約5単位用量など、最大約10単位用量を含有する非再封可能容器に製剤化され、典型的な単位用量は1~約3滴など、1~約8滴である。1滴の体積は通常、約20~35μLである。いくつかの実施形態では、容器が複数用量保存剤フリー(MDPF)容器であり得る(例えば、Chapter 20 of Ong, S. et al. Drug Development-A Case Study Based Insight into Modern Strategies 2011参照)。
【0071】
さらに、いくつかの実施形態では、眼に投与するための様々な眼送達方法も本明細書に記載される組成物および/または化合物(例えば、式Iの化合物)について企図される。例えば、眼投与方法には、例えば、硝子体内投与、前房内投与、および結膜下投与、ならびに当業者に識別可能な他の眼投与方法が含まれ得る。さらに、眼薬物送達システム(例えば、眼内インプラント、前房内インプラント、硝子体内インプラント、結膜下インプラント、テノン嚢下インプラント、涙点プラグ、小管(canicular)溶出インプラント、および眼リング)を使用するなどのさらなる投与方法も、本明細書に記載される化合物および/または組成物を送達するために想起され(例えば、数日、数週間の期間、または医師によって推奨される他の期間にわたる徐放のために)、結膜下、テノン嚢下、前房内、および硝子体内空間などの眼内区画のいずれかに使用することもできる、PLGA系マイクロスフェアの式Iの化合物などの、デポーをもたらす注射用徐放製剤も同様である(例えば、Kuno Polymers 2011, 3, 193-221;米国特許第9289413号および同第9504653号;米国特許出願公開第2011/0182966号、同第2016/0022695号、および同第2016/0296532号;ならびにChee, S.-P., Journal of Ocular Pharmacology and Therapeutics 2012, 28 (4), 340-349およびTejpal, Y., et al., J Drug Deliv. Therap. 2013, 3, 114-123参照)。
【0072】
本明細書に記載される医薬組成物および調製物の眼への投与についての指示で構成されるキットも企図される。一実施形態では、医薬組成物が、複数用量形態で提供またはパッケージングされる。この実施形態では、医薬組成物が、好ましくは式Iの化合物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。本明細書に論じられる賦形剤のいずれも医薬組成物に適している。一実施形態では、調製物が、使用中(すなわち、繰り返しの使用)の微生物汚染を防ぐ保存剤を含む。
【0073】
投与についての指示は、典型的には投薬指示を提供する。様々な実施形態では、指示が、医薬組成物を1日1回、1日2回または1日3回投与することであり得る。医薬組成物が液体調製物である実施形態では、投与が、1日1回、1日2回、1日3回、またはそれ以上、片眼または両眼(例えば、片眼が眼状態に罹患している場合に、両眼を処置することができる、または両眼が状態に罹患している場合)に1滴、2滴、3滴、またはそれ以上を入れることであり得る。
前記に照らして、本明細書に記載される医薬組成物を使用して、それを必要とする個体の眼状態を処置する方法も本明細書に記載される。
一実施形態では、本方法が、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを個体に投与するステップを含む。
【0074】
別の実施形態では、処置される眼状態は、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)からなる群から選択される。よって、眼状態の処置を必要とする個体の眼状態を処置するために瞳孔サイズを減少させる方法であって、治療上有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を個体に投与するステップを含み、眼状態が老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)からなる群の1つまたは複数から選択される、方法が本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、眼状態が老視である。他の実施形態では、眼状態が乏しい夜間視力である。他の実施形態では、眼状態が視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハローである。他の実施形態では、眼状態がある形態の近視(例えば、夜間近視)である。
さらに、本明細書に記載される医薬組成物は瞳孔を収縮させるのに有用であるので、これらは、例えば、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)などの眼状態を処置する方法に有用である。
【0075】
したがって、それを必要とする個体の眼状態を処置する方法であって、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを個体に投与するステップを含む方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、眼状態は、老視、乏しい夜間視力、視覚的グレア、視覚的スターバースト、視覚的ハロー、およびある形態の近視(例えば、夜間近視)からなる群の1つまたは複数から選択される。
【0076】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、医薬組成物を個体の眼の一方または両方に直接投与することができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物を両眼に投与することができる。他の実施形態では、医薬組成物を眼の一方のみに投与することができる。
医薬組成物が個体の片眼または両眼に直接投与される本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、投与を片眼または両眼に局所的に行うことができる。
【0077】
本発明者らは、驚くべきことに、式Iの化合物が、同様のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストと比較した場合の、式Iの化合物のインビトロ活性に基づいて予測されたものより大きなインビボ活性を有することを見出した。これは、他のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストと比較して式Iの化合物の治療活性のより長い持続時間をもたらし得る。よって、いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の量が、個体に投与した場合に、他のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ブリモニジン)と比較して増加した有効性(作用の発現を含む)および/または効果の持続時間をもたらす量である。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物および組成物が、第2の化合物または組成物(例えば、他のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、ブリモニジンまたはピロカルピンなどの化合物)の投与と比較して増加した有効性(作用の発現を含む)および/または効果の持続時間を有することができる。
【0078】
特に、1つの目的の効果は、医薬組成物を個体に投与した場合の瞳孔サイズの減少(瞳孔収縮)であり得る。よって、いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の特定の量が、個体に投与されると、瞳孔が3mm超の自然ベースラインサイズから3mm以下のサイズ、特に2~3mmの間のサイズに収縮するような瞳孔サイズの減少量をもたらすことができる。当業者に明らかなように、瞳孔の自然ベースラインサイズは、特定の照明条件/輝度レベル(例えば、200cd/m2未満、150cd/m2未満、100cd/m2未満、50cd/m2未満、10cd/m2未満、5cd/m2未満、2cd/m2未満、およびこれらの輝度レベルの間の範囲)および患者の年齢に依存し得る。よって、ベースライン瞳孔サイズは、弱光中で約6~約7mmから明光中で約3~約4mmの範囲であり得、いくつかの実施形態では、式Iの化合物の治療上有効量が、瞳孔サイズをベースラインサイズから3mm以下のサイズ、特に2~3mmの間のサイズに減少させる量であり得る。いくつかの実施形態では、個体を例えば、200cd/m2未満、150cd/m2未満、100cd/m2未満、50cd/m2未満、10cd/m2未満、5cd/m2未満、2cd/m2未満、およびこれらの輝度レベルの間の範囲の輝度レベルに曝露した場合に、ベースラインサイズからの瞳孔サイズのこれらの減少が達成され得る。
【0079】
3mm以下のサイズ、特に2~3mmの間のサイズへの瞳孔サイズの減少は、例えば、特に弱光条件での、老視者の近見読書能力を改善することができる(例えば、Xu et al. "The effect of light level and small pupils on presbyopic reading performance." Investigative ophthalmology & visual science 57, no. 13 (2016): 5656-5664.参照)。しかしながら、ブリモニジンは、様々な照明条件で老視患者において瞳孔サイズを平均3.4mmに減少させる(例えば、McDonald II et al. "Effect of brimonidine tartrate ophthalmic solution 0.2% on pupil size in normal eyes under different luminance conditions." Journal of Cataract & Refractive Surgery 27, no. 4 (2001): 560-564.参照)ので、焦点深度を改善し、読書視力を改善するのに理想的ではない。式Iの化合物は、より大きなピーク減少と、少なくとも約1時間~少なくとも約9時間の間の期間にわたる、より長い、瞳孔サイズが2mm~3mmの間である持続時間との両方を有するが、ブリモニジンなどの別のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストを投与した場合には2~3mmへの瞳孔収縮のこのような持続時間は見られない。
【0080】
よって、いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の特定の量が、個体に投与されると、瞳孔が少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間または少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、およびこれらの時間の間の範囲にわたる、3mm以下のサイズ、特に2~3mmの間のサイズに収縮する瞳孔サイズの減少の持続時間を有することができる。いくつかの実施形態では、個体を例えば、200cd/m2未満、150cd/m2未満、100cd/m2未満、50cd/m2未満、10cd/m2未満、5cd/m2未満、2cd/m2未満、およびこれらの輝度レベルの間の範囲の輝度レベルに曝露した場合に、これらの瞳孔サイズ減少が達成され得る。
【0081】
他の実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の特定の量が、個体に投与されると、瞳孔が少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、または少なくとも12時間、およびこれらの時間の間の範囲にわたる、約2.0mmのサイズに収縮する瞳孔サイズの減少の持続時間を有することができる。他の実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の特定の量が、個体に投与されると、瞳孔が少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、または少なくとも12時間、およびこれらの時間の間の範囲にわたる、約2.5mmのサイズに収縮する瞳孔収縮の持続時間を有することができる。
本発明者らはまた、驚くべきことに、市販のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストであるブリモニジン(虹彩メラニン色素への上昇した結合を有する)とは異なり、式Iの化合物が虹彩メラニン色素への高い結合を示さないことを見出した。よって、異なる眼色/虹彩色素沈着を有する個体間でより一貫した投薬で医薬組成物を投与することができる。
【0082】
よって、いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の量が、個体に投与すると、ほぼ同じ量の別のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ブリモニジン)の投与と比較して減少した量の個体の虹彩色素への結合をもたらす量である。例えば、いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式Iの化合物の特定の量が、個体に投与されると、特に個体が暗い虹彩とみなされるような虹彩を有する場合に、ほぼ同じ量のブリモニジンを個体に投与した場合の虹彩色素への結合の約8分の1~約10分の1の、虹彩色素への弱い結合をもたらし得る(例えば、Franssen, L.; Coppens, J. E.; van den Berg, T. J., Grading of iris color with an extended photographic reference set. Journal of optometry 2008, 1 (1), 36-40参照)。
【0083】
さらに、この減少した量の虹彩色素への結合により、特に個体が暗い虹彩とみなされるような虹彩を有する場合に、ブリモニジンを使用した場合に必要とされるよりも減少した量の式Iの化合物が特定の治療効果を達成するために必要とされるようになり得る。よって、いくつかの実施形態では、必要とされる式Iの化合物の量が、ブリモニジンと同様の治療効果(例えば、瞳孔収縮)を達成するために必要とされるブリモニジンの量の約30分の1~約100分の1だろう。いくつかの実施形態では、必要とされる式Iの化合物の量が、ブリモニジンと同様の治療効果(例えば、瞳孔収縮)を達成するために必要とされるブリモニジンの量の約30分の1、約40分の1、約50分の1、約60分の1、約70分の1、約80分の1、約90分の1、または約100分の1だろう。
【0084】
さらに、必要とされる式Iの化合物の量の減少により、必要とされるより少ない潜在的な式Iの化合物が、アルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストに通常関連する副作用/有害事象(例えば、鎮静)の発生率の低下をもたらすだろう。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、特にアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ブリモニジン)を含む第2の組成物の投与と比較して、タキフィラキシー、リバウンドうっ血、眼充血、眼刺激、眼圧上昇、眼痛、眩暈、疲労、頭痛、低血圧、鼻咽頭炎、副鼻腔炎、徐脈、虹彩炎、縮瞳、皮膚反応、紅斑、瞼の掻痒感、発疹、血管拡張、頻脈、無呼吸、低体温、筋緊張低下、傾眠、点滴部位の痛み、口腔乾燥、灼熱感および刺痛、かすみ、異物感、疲労/眠気、結膜濾胞、眼のアレルギー反応、眼の掻痒感、角膜着色/びらん、羞明、眼瞼紅斑、眼痛/疼痛、眼の乾き、流涙、上気道症状、眼瞼浮腫、結膜浮腫、眼瞼炎、眼刺激、消化器症状、無力症、視覚異常、および筋肉痛から選択される少なくとも1つの有害事象の発生率を低下させる。
【0085】
さらに、理論によって拘束されることを望むものではないが、虹彩色素への式Iの化合物の結合減少は、特に個体が暗い虹彩とみなされるような虹彩を有する場合に、同等な量のブリモニジンなどのアルファアドレナリン受容体アゴニストと比較して増加した治療利益の持続時間を有する式Iの化合物の量をもたらし得る。
【0086】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、処置される眼状態が老視である。老視は、ほぼ17億人が罹患する加齢性状態である。老視者では、眼が近くの物体に焦点を合わせる能力(遠近調節)が、年齢とともに低下し、歳をとるにつれて個体の眼の水晶体の硬化によって引き起こされると考えられている。
それを必要とする個体の老視の処置の程度および/または成功は、当業者(例えば、医師および他の医療従事者)に公知の方法によって決定され得る。例えば、医薬組成物を投与していない場合の視力と比較した、医薬組成物を投与した場合の未矯正近見視力、中間視力、および/または遠見視力の改善である。この改善は、当業者に識別可能な視力検査表で患者によって正しく読まれた行の数の改善を測定することによって定量的に測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与前に個体が正しく読むことができる行の数よりも、医薬組成物を個体に投与した場合に1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)行を正しく読むことができる。この改善は、片眼または両眼で、および通常または弱光条件下(例えば、200cd/m2未満、150cd/m2未満、100cd/m2未満、50cd/m2未満、10cd/m2未満、5cd/m2未満、2cd/m2未満、およびこれらの輝度レベルの間の範囲)で測定することができる。さらに、処置の程度および/または成功の非定量的(すなわち、定性的)測定値、例えば医薬組成物の投与後の個体の視力の改善の個体の自己報告を測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与後に読書能力の改善および/または老眼鏡の必要性の欠如を報告し得る。さらに、個体はまた、医薬組成物を投与されると、頭痛および眼精疲労(老視を老眼鏡などの他の手段によって処置していない場合に個体に通常存在する)の減少を報告し得る。
【0087】
それを必要とする個体の老視の処置の程度および/または成功の別の測定値は、医薬組成物の投与前の個体の焦点深度(見られる物体を、焦点が失われるまでに個体から離したり個体に近づけたりすることができる、ジオプトリーまたは当業者に識別可能な他の単位で測定することができる、距離)と比較した、医薬組成物を個体に投与した場合の個体の焦点深度の改善の測定値であり得る。焦点深度は、例えば、波面収差計および当業者に識別可能な他の方法などの、当業者に識別可能な方法によって測定および決定することができる。
【0088】
それを必要とする個体の老視の処置の程度および/または成功の別の測定値は、医薬組成物の投与前の個体の瞳孔径および外観と比較した、医薬組成物を個体に投与した場合の個体の瞳孔径および外観の測定値であり得る。瞳孔径および外観の測定値は、夜間屋外および交通照明シナリオを反映するように当業者に識別可能な様々な照明条件下で、当業者に識別可能な方法(例えば、波面収差計を使用)によって測定することができる。
それを必要とする個体の老視の処置の程度および/または成功の別の測定値は、医薬組成物の投与前の個体の視野と比較した、医薬組成物を個体に投与した場合の個体の視野の変化の測定値であり得る。個体の視野の決定は、当業者に識別可能な方法によって行うことができる。例えば、個体は、覆われていない眼で試験官の眼を見据えながら、片眼を覆うことができる。次いで、個体は、4つの四分円(左、右、上、および下)の各々において試験官によって短く点滅させられた指の数を示すよう求められ得る。
【0089】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、処置される眼状態が乏しい夜間視力である。多くの個体が、夜間に生じるような弱光条件下で視力低下を有する状態である乏しい夜間視力を患っている。乏しい夜間視力の原因には、自然であり得る角膜またはレンズ異常が含まれ得るが、これらはレーザー手術(例えば、LASIK)などの眼介入からも生じ得る。理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、例えば角膜またはレンズ異常がある場合に、瞳孔に焦点を当てない一部の光線をもたらし得る弱光条件下で瞳孔が拡張した場合に乏しい夜間視力が生じ得、したがって、(例えば、医薬組成物を、乏しい夜間視力を有する個体に投与することによって)瞳孔を収縮させると、夜間視力の改善が達成され得ると考えている。
それを必要とする個体の乏しい夜間視力の処置の程度および/または成功は、当業者(例えば、医師および他の医療従事者)に公知の方法によって決定することができる。例えば、個体の乏しい夜間視力の処置の程度および/または成功の1つの測定値は、医薬組成物を投与していない場合の薄明視コントラスト感度と比較した、医薬組成物を投与した場合の当業者に識別可能なシステム(Holladay Automated Contrast Sensitivity System、またはHACSS(商標)など)によって測定される薄明視コントラスト感度(グレア有または無)の改善であり得る。
【0090】
処置の程度および/または成功の別の測定値は、例えば、化合物を投与していない場合の視力と比較した、式Iの化合物を投与した場合の、弱光条件下での未矯正近見視力、中間視力、および/または遠見視力(これらの全てが低コントラスト視力または高コントラスト視力であり得る;例えばEdwards, J. D.; Burka, J. M.; Bower, K. S.; Stutzman, R. D.; Sediq, D. A.; Rabin, J. C., Effect of brimonidine tartrate 0.15% on night-vision difficulty and contrast testing after refractive surgery. Journal of Cataract & Refractive Surgery 2008, 34 (9), 1538-1541参照)の改善であり得る。この改善は、当業者に識別可能な視力検査表において弱光条件下で患者によって正しく読まれた行の数の改善を測定することによって定量的に測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与前に個体が正しく読むことができる行の数よりも、医薬組成物を個体に投与した場合に、弱光条件下で1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)行を正しく読むことができる。この改善は片眼または両眼で測定することができる。
【0091】
さらに、処置の程度および/または成功の非定量的(定性的)測定値、例えば医薬組成物の投与後の弱光条件下での個体の視力の改善の個体の自己報告を測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与後に夜間視力(例えば、運転時)の改善および/または弱光条件下(例えば、弱照明条件のレストラン)での老眼鏡の必要性の欠如を報告し得る。
【0092】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、処置される眼状態が視覚的グレアである。視覚的グレアは、光が眼に入り、視力を低下させる、一般的に夜間に見られる視覚異常を特徴とする、レーザー手術(例えば、LASIK)などのいくつかの眼科手術の副作用である。理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、弱光条件下で視覚的グレアに見られる視覚異常は、瞳孔が拡張した場合に眼に入る追加の光によって引き起こされる、および/または悪化するので、医薬組成物を、視覚的グレアを経験している人に投与することによって瞳孔を収縮させることによって処置することができると考えている。
【0093】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、処置される眼状態が視覚的スターバーストである。視覚的スターバーストは、光源(街灯および車のヘッドライトなど)が光源から発せられているスターバーストパターンの光を放射しているように見え、場合によっては、ヘッドライトの近くの歩行者または自転車乗りなどの光源に近接した物体を不明瞭にし得る視覚障害(LASIKなどのいくつかの眼科手術の副作用であり得る)である(例えば、ウェブページlasikcomplications.com/starbursting.htm参照)。本明細書に記載される方法の他の実施形態では、処置される眼状態が視覚的ハローである。視覚的ハローは、街灯、ヘッドライトなどの光源、および照明された反射道路標識の周りに見られる拡散リングの形態をとる別の視覚障害(LASIKなどのいくつかの眼科手術の副作用であり得る)である(例えば、ウェブページlasikcomplications.com/halos.htm and londonvisionclinic.com/post-lasik-patients-risk-of-halos-and-starbursts-around-bright-lights-at-night参照)。
【0094】
それを必要とする個体の視覚的グレア、視覚的スターバースト、および/または視覚的ハローの処置の程度および/または成功は、当業者(例えば、医師および他の医療従事者)に公知の方法によって決定することができる。例えば、処置の程度は、式Iの化合物を個体に投与する前および後の視覚的グレア、視覚的スターバースト、および/または視覚的ハローの程度を評価するための当業者に公知の試験を使用することによって決定することができる。例えば、個体によって見られる視覚的グレア、視覚的スターバースト、および/またはハローの重症度を、医薬組成物の投与前に測定し、医薬組成物の投与後に個体によって見られる視覚的グレア、視覚的スターバースト、および/またはハローの重症度と比較することができる。測定値は、当業者に識別可能であるであろう、使用される特定の試験に応じて、定性的(例えば、質問票に基づく)または定量的(例えば、ハローおよびスターバーストを生成することができるコンピュータ化された視覚システムでスターバーストおよび/またはハローのサイズをその個体に測定させることによる)であり得る(例えば、Lee, J. H.; You, Y. S.; Choe, C. M.; Lee, E. S., Efficacy of brimonidine tartrate 0.2% ophthalmic solution in reducing halos after laser in situ keratomileusis. Journal of Cataract & Refractive Surgery 2008, 34 (6), 963-967およびXu, R.; Kollbaum, P.; Thibos, L.; Lopez‐Gil, N.; Bradley, A., Reducing starbursts in highly aberrated eyes with pupil miosis. Ophthalmic and Physiological Optics 2018, 38 (1), 26-36;およびHunkeler, J. D.; Coffman, T. M.; Paugh, J.; Lang, A.; Smith, P.; Tarantino, N., Characterization of visual phenomena with the Array multifocal intraocular lens. Journal of Cataract & Refractive Surgery 2002, 28 (7), 1195-1204参照)。さらに、処置の程度はまた、患者が医薬組成物を投与され、その治療効果の下で夜間に運転することができるようになった後に患者によって自己報告され得る。
【0095】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、処置される眼状態がある形態の近視(例えば、夜間近視)である。例えば、夜間近視は、夜間に、および/または弱光条件下で現れる傾向がある近視の一種(すなわち、遠くの物体に焦点を当てることができない「近眼」)である。理論によって拘束されることを望むものではないが、本発明者らは、夜間近視が、弱光条件下で瞳孔が拡張すると眼に入る追加の焦点の合っていない光線によって引き起こされ得るので、医薬組成物を、夜間近視を患っている人に投与することによって瞳孔のサイズを減少させることによって処置することができると考えている。
【0096】
それを必要とする個体の夜間近視の処置の程度および/または成功は、当業者(例えば、医師および他の医療従事者)に公知の方法によって決定することができる。例えば、処置の程度および/または成功の1つの測定値は、例えば、医薬組成物を投与していない場合の視力と比較した、医薬組成物を投与した場合の弱光条件下での中間視力および/または遠見視力の改善であり得る。この改善は、当業者に識別可能な視力検査表において弱光条件下で患者によって正しく読まれた行の数の改善を測定することによって定量的に測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与前に個体が正しく読むことができる行の数よりも、医薬組成物を個体に投与した場合に、弱光条件下で1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、または4つの)行を正しく読むことができる。この改善は片眼または両眼で測定することができる。
さらに、処置の程度および/または成功の非定量的(すなわち、定性的)測定値、例えば医薬組成物の投与後の弱光条件下での個体の視力の改善の個体の自己報告を測定することができる。例えば、個体は、医薬組成物の投与後に夜間遠見視力(例えば、運転時)の改善を報告し得る。
【0097】
眼状態の処置の持続時間(例えば、視力が改善されている時間の量)は永続的であり得ず、個体間で変動し得るが、老視の処置を延長するように式Iの化合物を投与することができる。例えば、(医師などの当業者によって決定され得る)医薬組成物中の式Iの化合物の特定の用量の視力改善効果の持続時間に応じて、化合物を1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または医師などの当業者によって決定され得る任意の他の頻度で投与することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、ピロカルピンなどの眼科的に活性な化合物を含む第2の組成物の投与と比較して、類似のまたはより大きな安全性および/または有効性プロファイルを示すことができる。
特に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、ピロカルピンなどの眼科的に活性な化合物を含む第2の組成物の投与と比較して、頭痛、額痛、遠近調節変化、眼刺激、眼痛、霞目、視力障害、眼のかすみ、眼の不快感、霧視、光感受性、刺痛、および掻痒感からなる群から選択される1つまたは複数の有害事象の発生率を低下させることによって大きな比較安全性プロファイルを示すことができる。
特に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、ピロカルピンなどの眼科的に活性な化合物を含む第2の組成物の投与と比較して、例えば、瞳孔サイズ減少、様々な照明レベルでの視力(例えば、近見、中間、および遠見)の改善、焦点深度の改善、視野の改善、薄明視コントラスト感度の改善、ならびに実施例13に記載される臨床的有効性パラメータなどの本明細書に記載される眼状態の処置の程度を決定するために本明細書に記載される1つまたは複数のパラメータの改善を示すことによって、大きな比較有効性プロファイルを示すことができる。この改善は、ピロカルピンなどの眼科的に活性な化合物を含む第2の組成物の投与と比較した場合の大きさの改善(例えば、より大きな量の瞳孔サイズの減少または視力検査で読まれた行の数)であり得る。この改善はまた、ピロカルピンなどの眼科的に活性な化合物を含む第2の組成物の投与と比較した場合の持続時間の改善(例えば、より長期間にわたる類似のもしくはより大きな量の瞳孔サイズ減少または投与後より後の時点での視力検査で読まれた類似のもしくはより大きな数の行)であり得る。
【実施例】
【0099】
以下の実施例は本開示の方法を単に例示することを意図しており、本開示の方法を制限するものとして決して解釈されるべきでない。
【0100】
(実施例1)
アルファアドレナリン受容体アゴニストのインビトロ活性
式Iの化合物(表1の項目1)を含むいくつかの化合物にインビトロFLIPR(蛍光イメージプレートリーダー)アッセイを実施した。
具体的には、4種のHEK293安定細胞株をFLIPRアッセイに使用した。ウシアルファアドレナリン1A受容体を安定的に発現するHEK293細胞株を使用してアルファ1薬理学を特徴付けた。アルファ-2アドレナリン受容体ファミリーはG共役型Gタンパク質受容体である。したがって、カルシウムベースのFLIPRアッセイにこれらの細胞株を使用するために、キメラGタンパク質Gqi5を使用してヒトアルファ-2A、アルファ-2B、およびアルファ-2C受容体をカルシウム経路へカップリングさせた。細胞を、1ウェル当たり25000個の細胞でポリ-D-リジンコーティング384ウェルプレートに3連で蒔き、10%ウシ胎児血清を補充したDMEMで一晩増殖させた。FLIPR評価のために、細胞をHBSS/HEPES緩衝液(1×ハンクス緩衝塩類溶液、20mM HEPES、pH7.4)で2回洗浄した後、カルシウム感受性色素であるFluo-4-AM(4μM Fluo-4-AM、HBSS/HEPES緩衝液中0.04%プルロニック酸)を添加した。細胞に色素を37℃で40分間ローディングし、次いで、HBSS/HEPES緩衝液で4回洗浄して過剰な色素を除去した。4倍希釈倍率を使用して0.64nM~10000nMの間の濃度で試験化合物をプロファイリングした。ノルエピネフリンを、アルファ-1受容体相対有効性を評価するための標準完全アゴニストとして使用し、ブリモニジン(化合物4)を、アルファ-2受容体相対有効性を評価するための標準完全アゴニストとして使用した。4倍希釈倍率を使用して0.064nM~1000nMの間の濃度でノルエピネフリンまたはブリモニジンを試験した。
【0101】
化合物の適切な希釈物を添加することによって受容体活性化を開始し、一過的カルシウムシグナルを捕捉した。カルシウム曲線のピーク高さを決定し、Activity Baseソフトウェアを使用したEC50および相対有効性値の計算に利用した。4パラメータロジスティック方程式:y=A+((B-A)/(1+((C/x)^D)))(式中、AおよびBは曲線の下および上のプラトーを表し;CはEC50値を表し;Dは勾配係数を表し;xおよびyは元のx(薬物濃度)およびy(蛍光シグナル、RFU)値を表す)を使用して、EC50を計算した。
【0102】
【表1】
インビトロ薬理学に基づくと、化合物2および3ならびに式Iの化合物(化合物1)などのアルファの-2-アドレナリン受容体パンアゴニストはブリモニジン(化合物4)と同様の縮瞳有効性(ピークおよび持続時間)をウサギで有すると予想されただろう。しかしながら、式Iの化合物は、次の実施例に示されるように、インビボで予想外の優れた特性を有することが分かった。
【0103】
(実施例2)
インビボウサギ縮瞳モデル
体重2~4kgの間の雌ダッチベルトウサギ(Covance、ニュージャージー州プリンストン)をこれらの試験に使用した。全ての実験動物は、右眼に単一片側局所投与で式Iの化合物(化合物1)、化合物2、ブリモニジン(化合物4)、またはビヒクルのうちの選択された形態を受けた。局所投薬のために、点眼薬(体積=35μl)を試験眼の下結膜嚢に滴下注入した。
【0104】
瞳孔径を、ほぼ0.5mmまでOptistickにより処置眼と未処置眼の両方で測定した。全ての試験で、ベースライン瞳孔径測定値を薬物投与前、次いで、投薬0.5時間後、1時間後、2時間後、3時間後および4時間後にとった。全ての試験を、2~10ルクスの光を提供する赤色撮影用光を使用する弱光条件下で行った。結果を
図1~
図4に示す。
【0105】
実施例1に言及されるように、化合物2および3ならびに式Iの化合物(化合物1)などのアルファ-2-アドレナリン受容体汎アゴニストはブリモニジン(化合物4)の有効性と同様のウサギでの縮瞳有効性(ピークおよび持続時間)を有すると予想されただろう。しかしながら、
図1~
図4から分かるように、項目2の化合物と項目3の化合物の両方がブリモニジンよりもはるかに低い縮瞳有効性を有する。アルファ-2A-アドレナリン受容体でブリモニジンと同様の効力を有するにもかかわらず、式Iの化合物は、予想外にも、ウサギモデルにおいてブリモニジンより約30倍~約100倍強力である(例えば、
図3の式Iの化合物の0.001%溶液は、ピーク瞳孔減少および減少の持続時間に関して
図2のブリモニジンの0.1%溶液で見られるのと同様の用量縮瞳反応曲線を有し、したがって、式Iの化合物の0.001%組成物はブリモニジンについて試験した0.1%用量よりも高い縮瞳有効性を有する)。式Iの化合物は、ブリモニジンを含む他のアルファアドレナリン受容体アゴニストと比較して最良の縮瞳効果を有していた。例えば、
図3に示されるように、式Iの化合物(化合物1)は、DBウサギ-暗所視条件(10ルクス未満)で非常に強力な用量縮瞳反応を示した。さらに、
図4に示されるように、2.5mm超の瞳孔変化を有する対象(ウサギ)のレスポンダー分析は、式Iの化合物が、暗所視条件(10ルクス未満)下でダッチベルトウサギ(n=6)においてブリモニジン(化合物4)よりも有効であることを示した。特に、
図4はまた、式Iの化合物を投与された事実上全ての動物が投薬後2時間でベースラインからの瞳孔サイズの2.5mm超の減少を有し、半数超が6時間後に同じ瞳孔サイズの減少を有した一方で、投薬後30分においてさえ、ブリモニジンを投与された動物の半数をはるかに下回る数が同じ瞳孔サイズ減少を示し、動物の事実上いずれも6時間後に同じ瞳孔サイズ減少を示さなかったので、ブリモニジンと比較して、式Iの化合物でより大きな量の瞳孔サイズの減少がより長い量の時間にわたって達成され得ることを示している。
【0106】
さらに、
図4で分かるように、ならびに
図2および
図3の比較において、式Iの化合物は、ブリモニジンと比較してより大きな大きさの瞳孔サイズ減少および治療活性を示す。
さらに、室内照明条件下で実施した同様の実験では、
図5から分かるように、式Iの化合物(化合物1)を投与したウサギが、ピーク瞳孔収縮と作用の持続時間の両方に関してブリモニジン(化合物4)よりも大きな縮瞳作用を依然として有していた。
さらに、
図6から分かるように、式Iの化合物(化合物1)は、投薬後9時間でさえ有意な瞳孔収縮を示し続けている。さらに、
図7に示されるように、式Iの化合物はまた、化合物3と比較して大きな瞳孔収縮に対する効果を示した。
実施例1からのインビトロデータに基づくと、全ての化合物が非常に類似の縮瞳活性を有すると予想されただろうから、このような結果は予想できなかっただろう。
【0107】
(実施例3)
メラニン結合
式Iの化合物のメラニン結合を測定し、ブリモニジン(その結合は本発明者らによって以前決定された)を含むさらなる化合物のメラニン結合と比較するアッセイを実施した。
特に、式Iの化合物(化合物1)、化合物2、および陽性対照(クロロキン;化合物5)を合成メラニンへの結合について試験した。試験濃度は、式Iの化合物(化合物1)および化合物2については1.29ng/mL~12500ng/mLの範囲であり、クロロキンについては19.8~8000ng/mLの範囲であった。化合物ストック溶液を、0.5%もしくは0.6%(v/v)ギ酸(それぞれ化合物1および化合物2)を含むジメチルスルホキシド、または水(クロロキン)で調製し、次いで、PBSに指定された曲線範囲までさらに希釈し、メラニンと共におよびメラニンなしで、37℃で1時間インキュベートした。PBS単独曲線のアリコートをゼロでクエンチして安定性対照および較正標準として使用した。遠心分離後、試料をLC-MS/MS生物分析によって分析した。アッセイPBS曲線を使用して逆算した濃度を結合および安定性計算に使用した。メラニン結合アッセイの結果およびブリモニジンの以前決定したメラニン結合との比較は表2に見ることができる。
【0108】
【0109】
表2から分かるように、式Iの化合物は、ブリモニジンを含む他のアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストよりも(that)有意におよび予想外に低い結合を示す。特に、約10%以下の平均結合パーセンテージを有するので、式Iの化合物は、ブリモニジンで見られるはるかに有意な結合と対照的に、有意なメラニン結合を有さないとみなすことができるだろう。
【0110】
(実施例4)
老視の処置
56歳の女性は、間近で読む場合にテキストに焦点を合わせることができず、そのせいで、仕事の文書、ならびに読書およびニュース記事を読む能力が妨げられていると訴えている。この問題は、レストランの薄暗い照明などの弱照明条件下で悪化するように見える。視力低下は、時間の経過とともに起こっているが、ここ数か月で、女性が間近で読む場合にテキストに焦点を合わせることができないことがより明白になって彼女の生活の質を妨げている。女性は眼科医に見てもらい、眼科医が、女性に眼鏡またはコンタクトの補助なしに(そもそも、これらのいずれも彼女は着用していない)視力検査表の文字の行を読むよう依頼する視力検査を実施する。彼女は、正常な視力の人が6行を読むことができるはずであるのに、検査表の最初の4行しか読むことができないことが分かる。女性の年齢および試験の結果に基づいて、彼女は老視と診断される。女性は、老眼鏡を入手またはコンタクトレンズを着用しなければならないことに気が進まず、他の医学的処置がないか尋ねている。彼女は、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを1日1回または2回眼に投与するよう指示される。最初の数回の投与から始めて、患者はテキストを間近で読む際の視力の改善を報告している。眼科医へのフォローアップ来院で、彼女は再び視力検査表の文字の行を読むよう依頼され(彼女はまだ式Iの化合物を含む組成物を眼に投与している)、今回は、最初の6行を読むことができ、医薬組成物を眼に投与する前の以前の結果より2行改善している。
【0111】
48歳の男性は、ここ数年にわたって近見視力が悪化しており、結果として特に周囲光が薄暗い場合に、印刷物を読むことができるようにするために、しばしば読み物を腕の長さほど離さなければならないことに気づいた。男性は眼科医を訪ね、眼科医が基本的な眼の検査および屈折評価を実施する。検査に基づいて、眼科医は、ブリモニジンを含む組成物を処方して、男性の瞳孔を収縮させて老視を処置し、男性はこの組成物を必要に応じて毎日眼に投与するよう指示される。1週間後、男性は眼科医のところに戻り、ブリモニジン組成物が老視を処置するのに有効に作用している(彼はもはや文書を腕の長さほど離さなくてもよい)が、組成物を1日3回以上投与しなければならないことが分かると述べる。眼科医は、男性を本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つに切り替え、彼にブリモニジン組成物で行ったように必要に応じて新たな組成物を眼に投与するように指示する。眼科医は、約1週間後に男性をフォローアップし、男性は、切り替えられた組成物がブリモニジン組成物と同様に作用するが、ブリモニジン組成物とは異なり、男性が、1日3回以上とは対照的に、1日1回(または時折2回)組成物を眼に投与する必要があるにすぎないことを報告している。
【0112】
66歳の男性は、レンズの構成部品の2つの異なる屈折率のために、階段の降下の際に数回落下しそうになった二重焦点眼鏡についての不満を報告している。彼を老視と以前診断した眼科医は、彼に、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを眼に1日1回投与するよう指示する。投与後、患者は、近見視力および遠見視力が改善され、眼鏡による近見および遠見視力矯正がもはや必要でないことが分かる。
【0113】
老視と以前診断された59歳の女性は、診断以来ずっと着用している眼鏡およびコンタクトレンズの代替を探すことを希望している。彼女の眼科医は、ブリモニジンを含む組成物を彼女に処方し、彼女に組成物を必要に応じて眼に投与するよう指示する。組成物の眼への投与の数日後、彼女は眼科医に電話し、ブリモニジン組成物が作用して視力を改善しており、結果としてテキストが間近にある場合にこれを読むために眼鏡もコンタクトも必要としなくなったが、一般的に満足な結果を達成するために処方情報が示すよりも多量の組成物を使用する必要があり、鎮静などのブリモニジンに関連する副作用のいくつかを経験していることが分かっていると眼科医に述べている。眼科医は、女性が非常に暗い虹彩を有していることに気づき、ブリモニジン(かなり高いメラニン結合を有する)の一部の量が女性の虹彩中のメラニンに結合している可能性があり、よって、満足な効果を達成するために十分な遊離(メラニンに結合していない)ブリモニジンを提供するためにより多くのブリモニジン組成物を投与する必要があるのではないかと疑っている。眼科医は、女性の処方を本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つに変更し、彼女に組成物をブリモニジン組成物で行ったように眼に投与するよう指示する。約1週間後、眼科医が女性をフォローアップしたところ、彼女は、現在ブリモニジン組成物で行っていたよりも少ない滴数の式Iの化合物を含む組成物で近見読書視力の満足な改善を得ることができ、鎮静などのアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストに関連する副作用を経験していないと述べる。
【0114】
(実施例5)
視覚的グレア、スターバースト、およびハローの処置
45歳の男性はLASIK手術を受けることにする。手術を行う外科医は患者を評価し、彼は手術の適切な候補であるが、手術の副作用に、特に夜間の視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローが含まれると言われることを決定する。外科医は、目立った問題もなく手術を行い、患者は退院する。1日後、患者は手術以来初めて夕方の間に車で家に帰り、視力を低下させる他の車のヘッドライトおよびテールライト、ならびに街灯から発せられている光のスターバースト、ならびにまた光源から来るグレアと思われるものに気づく。患者はまた、街灯および照明された道路標識のいくつかの周りの拡散リングも観察する。相談して、外科医は、このような視覚障害が実際にLASIK手術後にしばしば見られる副作用である視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローであることを確認し、患者は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを処方され、患者はこれをパッケージ指示に従って眼に投与する。患者が次に夕方の間に車で家に帰る時には、グレア、スターバースト、およびハローは有意に減少し、結果として彼はこれらにもはや悩まされていない。
【0115】
61歳の女性は、もはや眼鏡を着用する必要がないようにするためにLASIK手術を受けたいと決定する。外科医によって評価された後、彼女は、手技の実行可能な候補であることが分かる。女性は、手技を受け、ブリモニジンを含む組成物を処方され、もしLASIKの一般的な副作用である視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローを発症したら必要に応じて組成物を眼に投与するよう指示される。彼女が手技後初めて夜間に運転した時、彼女は実際、視覚的グレア、ならびに光源およびいくつかの照明された標識の周りのスターバーストおよびハローに気づく。外科医によって助言されたように、彼女はここで早朝および夜勤前にブリモニジン組成物を投与し始める。しかしながら、彼女は、視覚障害を低減するのに満足な効果を有するために、一般的に標準投薬を超えるものを投与する必要があり、増加した量のブリモニジンが鎮静などのいくつかの副作用を有していることが分かる。女性は外科医を訪ね、状況を説明する。外科医は、ブリモニジンなどのアルファ-2-アドレナリン受容体アゴニストが時折鎮静などの副作用に関連し得ると述べる。外科医は、ブリモニジンがメラニンに結合することが知られているので、女性の暗い虹彩がブリモニジンと結合している可能性があり、この結合効果のために女性が増加した用量のブリモニジンを要している可能性があることが問題であり得ると考える。そのため、外科医は、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを女性に処方し、彼女に新たな組成物をブリモニジン組成物で行っていたように必要に応じて眼に投与するよう指示する。その後、女性は次の夜間の運転後に外科医にフォローアップするよう指示される。女性は指示されたようにし、外科医に報告をして、視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローを和らげるためにブリモニジン組成物で行ったよりもはるかに少ない滴数の組成物しか必要としなかったと述べる。
【0116】
59歳の男性は、LASIK手術の実行可能な候補と分かり、眼鏡またはコンタクトを着用し続けなければならないのではなく手技を受けることを選択する。男性は長距離トラックドライバーであり、夜間および早朝に9~13時間(時折それ以上)運転し、日中に眠る長いスケジュールで働いている。男性の運転経路は米国の北部地域に位置するので、男性の9~13(またはそれ以上)時間の夜間運転のほぼ全てが、特に冬においては、暗闇の中である。男性は手術を受けるが、一部のLASIK患者が特に夜間に視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローなどの視覚障害を有することがあると言われる。男性の仕事のスケジュールを考えて、彼にはブリモニジンを含む組成物の処方が与えられ、もし夜間視覚障害を経験したら必要に応じて組成物を眼に投与するよう言われる。手術後まもなく、夜間運転職務に戻ると、男性は、ヘッドライトおよびテールライトなどの光源ならびに照明された高速道路標識から来る視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローに気づく。男性は外科医が命じたようにし、ブリモニジン組成物を眼に投与し始める。彼は、ブリモニジン組成物が視覚的グレア、視覚的スターバースト、および視覚的ハローを減少させるが、長い運転中に組成物を3回または4回投与しなければならないことが分かる。彼は眼科医に連絡を取り、より長く作用し得る、視覚障害に対処するために使用することができる他の医薬品がないか尋ねる。眼科医は、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを処方し、男性はその組成物を代わりに使用するよう言われる。幸いにも男性は、長い運転中に組成物を1回だけ(または時折2回)投与する必要があるにすぎないことが分かる。
【0117】
(実施例6)
夜間視力改善
62歳の女性は、夜間に運転している時に良好なコントラストで道路標識の道路名を見るのに問題を有していることに気づいた。女性は眼科医と相談し、眼科医は患者の説明を聞き、弱光条件下で視力検査を実施して、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを処方し、患者はこれをパッケージ指示に従って眼に投与する。次に患者が夜間に運転する時には、患者ははるかに良好なコントラストで見ることができ、よって、道路標識をより良く読むことができることが分かる。
【0118】
45歳の男性は、夜間警備員として働いており、夜間に良好なコントラストで物体を見るのに問題を有していると訴えている。このことが仕事を妨げているので、彼は眼科医に会い、眼科医はブリモニジンを含む組成物を処方し、男性に組成物を眼に投与するよう指示する。しかしながら、彼は、満足な効果を得るために、しばしばかなり大量の組成物を眼に投与する必要があり、これらの大量の組成物が、ブリモニジンで時折見られる副作用(特に鎮静)を引き起こし始めていることが分かる。彼は眼科医と相談し、眼科医は、ブリモニジンに、極めて暗い男性の虹彩のメラニンが結合していることが問題であり得ると考える。眼科医は男性を本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つに切り替え、彼にこの組成物をブリモニジン組成物の代わりに投与し、結果を眼科医に報告するよう指示する。男性はそのようにし、数日後に眼科医に報告する際に、はるかに少ない組成物で満足な夜間視力改善を得ることができ、結果として、以前経験していた副作用に悩まされていないと述べる。
【0119】
(実施例7)
夜間近視の処置
56歳の女性は、日中には遠見視力で有意な問題を有していないが、夜間に遠くの物体(例えば、道路標識)に焦点を当てるのに苦労するように思われることに気づく。彼女は眼科医に会いに行き、眼科医は通常の照明条件下と弱光条件下の両方でいくつかの視力検査を実施する。眼科医は、女性が通常の照明条件下では遠見視力で有意な問題を有していないが、弱光条件下で近視を患っていることを確認する。彼女は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを処方され、彼女はこれをパッケージ指示に従って眼に投与する。この患者は、夜間に遠くの物体に焦点を合わせる能力が今や日中にそうする能力と同じくらい良好であることが分かる。
【0120】
ほとんど夜間に完全9~10時間の仕事のスケジュールで働く61歳の男性は、夜間に遠くの物体に焦点を合わせるのに問題を有するが、同様の年齢の同僚はこの問題を有さないことに気づいた。彼はまた、今度は、日中には遠くの物体に焦点を合わせるのに同じ問題を有さないことにも気づく。彼は眼科医を訪ね、眼科医は男性を夜間近視と診断し、ブリモニジンを含む組成物を処方し、彼に必要に応じてこれを眼に投与するよう指示する。男性は、ブリモニジン組成物を眼に投与すると、夜間に遠くの物体に焦点を合わせる能力の著しい改善が得られるが、かなり短い作用持続時間を有するので、結果として満足な効果を維持するために、しばしば起きている時間の間に3回または4回組成物を眼に投与する必要があることが分かる。彼は眼科医に電話し、眼科医はその後、本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つを処方し、彼にこの組成物を代わりに使用するよう指示する。男性はそのようにしたところ、今や起きている時間の間に1回または2回しか組成物を投与する必要がないことが分かる。
【0121】
(実施例8)
製剤A
以下の表3は、本明細書に記載される組成物(製剤A)の一例を説明している。
【表3】
【0122】
手短に言えば、賦形剤(第二リン酸ナトリウム七水和物、クエン酸一水和物および塩化ナトリウム)を、完全に溶解するまで、適量の水に混合した。次いで、二塩酸塩一水和物形態としての化合物1:
【化7】
(表中の量は遊離塩基形態に基づく;表の注釈参照)を溶液に溶解し、1N塩酸または1N水酸化ナトリウムのいずれかを用いてpHを標的に調整した。最後に、十分な精製水を十分にバッチに添加した。
【0123】
(実施例9)
製剤B
以下の表4は、本明細書に記載される組成物(製剤B)の一例を説明している。
【表4】
製剤は実施例8に記載されるのと同じ方法で調製した。
【0124】
(実施例10)
製剤C
以下の表5は、本明細書に記載される組成物(製剤C)の一例を説明している。
【表5】
製剤は実施例8に記載されるのと同じ方法で調製した。
【0125】
(実施例11)
製剤D
以下の表6は、本明細書に記載される組成物(製剤D)の一例を説明している。
【表6】
製剤は実施例8に記載されるのと同じ方法で調製した。
【0126】
(実施例12)
臨床試験1:健康な個体における臨床試験
この試験では、36人の健康な参加者(男性および女性;40~65歳)を、単一用量漸増コホート(以下の表9に示されるようにコホート1、2、および3と命名)に参加するよう無作為化して、式Iの化合物の安全性、忍容性、薬物動態、およびターゲットエンゲージメント(target engagement)を評価する。この試験の各コホートにおいて、12人の参加者を、式Iの化合物(9人の参加者)またはビヒクル(3人の参加者)を含有する眼溶液を受けるよう3:1比に無作為化する。式Iの化合物を含有する眼溶液を受けるよう無作為化された参加者に、以下の表7に示されるように(「SD」は単回投与を意味し、「OS」は左眼を意味する)、左眼に0.01%(w/v)~0.1%(w/v)の範囲の用量の式Iの化合物を含有する眼溶液(製剤A~C;実施例8~10参照)1滴を投与し、0.3%(w/v)用量(製剤D;実施例11参照)も使用する選択肢も用いる。
【0127】
【0128】
3つのコホートについてのビヒクルを以下の表8に示す。
【表8】
【0129】
各参加者は、投薬前夜(-1日目)に試験場所に入院する。参加者は、初日の朝(1日目)に単回投与を受け、丸一日の評価後、一泊し、翌日にさらなる安全性および薬物動態評価を続ける(試験の最後の来院)。各コホートが完了した後、独立したデータ監視委員会が、安全性、薬物動態、およびターゲットエンゲージメントデータを概説して、次に計画されている投薬コホートに進めることが許容されるかどうかを判定する。この試験のコホート2が完了したら、この試験の最終コホート(コホート3)を開始するかどうかについての勧告をすることに加えて、データ監視委員会は、同時に次の試験(以下の実施例13のコホート4)を開始するかどうかについての勧告もする。
【0130】
有害事象の表示/報告についてこの試験の3つのコホートの参加者を監視し、バイタルサイン、心電図測定値、臨床実験評価、試験介入忍容性および滴下快適性評価、眼圧測定値、細隙灯生体顕微鏡検査、および拡張眼底検査などの特性/評価を監視することによって、安全性および忍容性を評価する。参加者の式Iの化合物の血漿および涙濃度を測定し、また曲線下面積、クリアランス、半減期、最大濃度、最大濃度までの時間などの薬物動態パラメータを決定することによって、式Iの化合物の全身および局所薬物動態を評価する。試験中の参加者の瞳孔サイズを測定することによって、ターゲットエンゲージメントを測定する。特に、瞳孔径を、薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)および明所視(例えば、標的で80cd/m2以上;251ルクス)条件で、近い(40cm)および遠い(4m)標的について瞳孔径により測定する。
【0131】
この試験の最後に、3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、単回投与として投与された式Iの化合物の眼溶液は、参加者において許容される安全性および忍容性プロファイルを示す。さらに、3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、単回投与として投与された式Iの化合物の眼溶液は、十分な安全域で参加者における全身曝露をもたらす。さらに、3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、単回投与として投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して、参加者の瞳孔径の減少を示す。
【0132】
(実施例13)
臨床試験2:老視者における臨床試験
この試験では、老視と診断されたおよそ108人の参加者(男性および女性;40~65歳)を参加するよう選択する。以下の表9から分かるように、この試験をパートAとパートBにさらに分ける(「QD」は1日1回を意味し、「OU」は両眼を意味し、「TBD」はパートAの結果に基づいて決定されることを意味し;製剤A~Cは実施例8~9のものを指し、実施例11の製剤Dを使用する製剤を使用する選択肢がある)。
【0133】
【0134】
3つのコホートについてのビヒクルは上記実施例12のものと同じである。ピロカルピン組成物を以下の表10に示す。
【表10】
【0135】
コホート4、5、および6(パートA)は、参加者を14日間両眼に1日1回、0.01%~0.1%の範囲の用量の式Iの化合物またはビヒクルのみを受けるよう無作為化する反復投与用量漸増コホートである。パートAの各コホートは、式Iの化合物の安全性、忍容性、薬物動態、および臨床的有効性を評価するために、活性介入(式Iの化合物)を受ける9人の参加者およびビヒクルを受ける3人の参加者からなる。実施例8のように、各コホートが完了した後、独立したデータ監視委員会が、安全性、薬物動態、およびターゲットエンゲージメントデータを概説して、次に計画されている投薬コホートに進めることが許容されるかどうかを判定する。パートB(コホート7および8)の式Iの化合物の用量は、コホート6が完了した後にデータ監視委員会によって選択される。
【0136】
コホート7は、14日間、ピロカルピン1.25%(w/v)眼溶液またはデータ監視委員会によって勧告された用量強度で投与される式Iの化合物の眼溶液のいずれかを受けるよう1:1に無作為化された老視を有するおよそ60人の盲検化参加者を含む一重盲検アクティブコンパレータコホートである。安全性、忍容性、および有効性を、ピロカルピン1.25%と比較して式Iの化合物の局所眼投与後に評価する。ピロカルピンに関連する一般的な有害事象(特に、眼に投与する場合)には、例えば、頭痛、額痛、遠近調節変化、眼刺激、眼痛、霞目、視覚障害、眼のかすみ、眼の不快感、霧視、光感受性、刺痛、および掻痒感が含まれる。
【0137】
コホート8は、コンタクトレンズを着用している老視の参加者において、14日間、ビヒクルと比較してデータ監視委員会によって勧告された用量強度で投与される式Iの化合物の安全性、忍容性、薬物動態、および有効性を評価するためのコホートである(9人の参加者は式Iの化合物を受け、3人の参加者はビヒクルを受ける)。
この試験の全てのコホート(コホート4~8)で、参加者は、1日目に診療所で最初の投薬を受け、投薬後10時間にわたって安全性、薬物動態、および有効性評価のために診療所に滞在する。その後、参加者は、2日目~7日目に、1日1回の投薬および安全性評価に戻る。その後、参加者は8日目~13日目の自宅投薬に使用するための単一単位のための複数回投与ボトルを受け取り、投薬ならびに投薬後10時間にわたる安全性、忍容性、薬物動態(コホート4~6、および8のみ)、および有効性評価のために14日目に診療所に戻る。30日目に、参加者は安全性フォローアップに戻り、治験終了来院をする。
【0138】
この試験のパートAおよびパートBでは、安全性および忍容性を実施例12のように評価し(すなわち、有害事象の表示/報告について3つのコホートの参加者を監視し、実施例12で監視されるように特性/評価を監視することによって)、パートAでは、コントラスト感度、明所視(例えば、標的で80cd/m2以上;251ルクス)および薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)、高コントラスト矯正遠見視力(片眼および両眼で)、顕性屈折(薄明視および明所視)の特性/評価も測定する。実施例12で行われるように、参加者の式Iの化合物の血漿および涙濃度を測定し、また薬物動態パラメータを決定することによって、式Iの化合物の全身および局所薬物動態を評価する。実施例12で行われるように、試験中の参加者の瞳孔サイズを測定することによって、ターゲットエンゲージメントを測定する。
【0139】
さらに、この試験のパートAおよびパートBでは、14日目、投薬3時間後に薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)、高コントラスト、両眼距離矯正近見視力における3行の改善を示す参加者の割合を測定することによって、(パートAではビヒクルと比較した、およびパートBでは1.25%(w/v)ピロカルピンと比較した)式Iの化合物の臨床的有効性を主に決定する。2番目に、薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)、高コントラスト、両眼距離矯正近見(パートAおよびパートB)および中間(パートB)視力における3行または2行の改善;ベースライン薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)、高コントラスト、両眼距離矯正近見視力文字からの変化;ならびに薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)および明所視(例えば、標的で80cd/m2以上;251ルクス)瞳孔径におけるベースラインからの変化を示す参加者の割合を測定することによっても臨床的有効性を決定する。
さらに、焦点深度(フォロプターで測定される)の測定値、ならびに5つの患者が報告する転帰質問票/質問:1)近見視力老視課題ベース質問票(NVPTQ)、2)電子的近見視力老視課題ベース質問票(e-NVPTQ)、3)老視の影響と対処の質問票(PICQ)、4)1項目の患者状態全般印象度(PGIS)質問、および5)1項目の患者変化全般印象度(PGIC)質問によってもこの試験のパートAおよびパートBの臨床的有効性を決定する。
【0140】
4つの読み課題(具体的には、本の段落を読む、新聞の記事の抜粋を読む、栄養表示の一部を読む、およびレストランメニューの一部を読む)についての12の質問で構成されるNVPTQにおいては、参加者は、近見視力矯正なしに、薄明視(例えば、標的で3.2~3.5cd/m2;10~11ルクス)条件下で具体的な読み課題を完了する。次いで、参加者は、視力に関連する読み能力および視力に関連する読み能力の満足度を格付けして、各課題について3つの質問に答える。
電子的読み課題(具体的には、iPhoneのテキストを読む)についての3つの質問で構成されるe-NVPTQにおいては、参加者は、近見視力矯正なしに、明所視(例えば、標的で80cd/m2以上;251ルクス)条件下で具体的な読み課題を完了する。次いで、参加者は、視力に関連する読み能力および視力に関連する読み能力の満足度を格付けして、課題について3つの質問に答える。
【0141】
PICQにおいては、参加者は、過去7日間で間近で見ることの困難によって影響を受けた(例えば、毎日の近見視力課題が困難であると分かった、もしくは自意識を経験した);または対処行動(例えば、電子スクリーンの正面サイズを変化させた)に携わった程度についての20の質問に答える。
1項目のPGIS質問においては、参加者は、薄明視条件下での過去7日間の近見視力の状態の全般印象度についての1項目の質問に答える。
1項目のPGIC質問においては、参加者は、薄明視条件下での近見視力の変化の全般印象度についての1項目の質問に答える。
【0142】
この試験の最後に、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、参加者において許容される(または改善した)安全性および忍容性プロファイルを示す。さらに、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、十分な安全域で参加者における全身曝露をもたらす。さらに、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して、参加者の瞳孔径の減少を示す。さらに、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して参加者の距離矯正近見視力における数値的改善(例えば、2行または3行)を示す。さらに、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して改善した参加者の焦点深度を示す。さらに、パートAの3つ全てのコホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して、参加者によって提供される5つの患者が報告する転帰質問票/質問でポジティブな回答を示す。
【0143】
同様にこの試験の最後で、パートBの両コホート(または少なくとも1つのコホート)で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、参加者において許容される安全性および忍容性プロファイルを示す。さらに、パートBのコホート7で、式Iの化合物の眼溶液は、1.25%(w/v)ピロカルピンと比較して、参加者における許容される(または改善した、すなわちピロカルピンの投与に関連する有害事象のうちの1つまたは複数の発生率の比較減少)安全性および忍容性プロファイルを示す。さらに、パートBのコホート7で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、1.25%(w/v)ピロカルピンと比較して、参加者における同様の(または優れた)距離矯正近見(および/または中間)視力の改善(例えば、2行または3行)を示す。さらに、パートBのコホート7で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、1.25%(w/v)ピロカルピンと比較して、同様の数の参加者によって提供される5つの患者が報告する転帰質問票/質問でポジティブな回答を示す。さらに、パートBのコホート8で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して、参加者における距離矯正近見(および/または中間)視力の数値的改善(例えば、2行または3行)を示す。さらに、パートBのコホート8で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して改善した参加者の焦点深度を示す。さらに、パートBのコホート8で、14日間にわたって両眼に投与された式Iの化合物の眼溶液は、ビヒクルと比較して、参加者によって提供される5つの患者が報告する転帰質問票/質問で、より多くのポジティブな回答を示す。
【0144】
本明細書全体を通して、米国および外国の特許出願、雑誌論文、本の章などの刊行物が参照されている。このような刊行物全てが、対応する参考文献で公開されている補足/支援情報の節を含めて、特に指示されない限り全ての目的のために全体が参照により明示的に組み込まれる。組み込まれる参考文献の列挙が本明細書の列挙と矛盾しない程度まで、本明細書の列挙が優先する。
【0145】
前記説明は様々な眼状態を処置するために使用することができる方法を詳述し、企図される最良の実施形態を表す。これは、その範囲全体を制限するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲の合法的な解釈によってのみ支配されるべきである。
【国際調査報告】