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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-10
(54)【発明の名称】容器をブロー成型するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/64 20060101AFI20230403BHJP
   B29C 49/12 20060101ALI20230403BHJP
   B29B 11/14 20060101ALI20230403BHJP
   B29B 13/02 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B29C49/64
B29C49/12
B29B11/14
B29B13/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550170
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021018838
(87)【国際公開番号】W WO2021173448
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】16/803,354
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】バット,アドバイト
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,ギリシュ ニルカント
(72)【発明者】
【氏名】マケルビ,デイビッド ロバート
【テーマコード(参考)】
4F201
4F208
【Fターム(参考)】
4F201AA24
4F201AG07
4F201AG24
4F201AH55
4F201AR02
4F201AR06
4F201AR08
4F201AR12
4F201BA03
4F201BA04
4F201BC01
4F201BC03
4F201BD06
4F201BM12
4F201BN02
4F208AA24
4F208AG07
4F208AG24
4F208AH55
4F208AR02
4F208AR06
4F208AR08
4F208AR12
4F208LA06
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD16
4F208LG03
4F208LG05
4F208LG13
4F208LG19
4F208LH07
4F208LN23
4F208LN29
(57)【要約】
容器をブロー成型するための方法は、予備形成されたパックの中央領域を第1の温度まで加熱することと、予備形成されたパックの中央領域を取り囲む環状領域を、第1の温度よりも高い第2の温度まで加熱することと、を含む。加熱された予備形成されたパックは、容器の外形を画定する型の型キャビティの上端部に配置される。加熱された予備形成されたパックは、型キャビティの上端部に固定される。加熱改良されたパックは、プランジャを加熱された予備形成されたパックの中へ、そして、型キャビティの下端部に向かって型キャビティの長手方向に型キャビティの中へ押し込むことによって延伸される。次いで、加圧空気を型キャビティに適用して、それにより、加熱された予備形成されたパックを延伸させて、型キャビティの内壁の形状に一致させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器をブロー成型するための方法であって、
予備形成されたパックの中央領域を第1の温度まで加熱することと、
前記予備形成されたパックの前記中央領域を取り囲む環状領域を第2の温度まで加熱することであって、前記第2の温度が、前記第1の温度よりも高い、加熱することと、
加熱された前記予備形成されたパックを型の型キャビティの上端部に配置することであって、前記型キャビティの内壁が、前記容器の外形を画定する、配置することと、
プランジャを加熱された前記予備形成されたパックの中へ、そして、前記型キャビティの下端部に向かって前記型キャビティの長手方向に前記型キャビティの中へ押し込むことによって、加熱された前記予備形成されたパックを延伸させることと、
加圧空気を前記型キャビティに適用し、それにより、加熱された前記予備形成されたパックを延伸させて、前記型キャビティの前記内壁の形状に一致させることと、を含む、方法。
【請求項2】
加熱された前記予備形成されたパックを延伸させることが、前記予備形成されたパックの前記中央領域の直径と同じ最大直径を有する前記プランジャを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中央領域を加熱すること、及び前記環状領域を加熱することが、伝導加熱を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
加圧空気を適用することが、前記型キャビティの下端部から離間された前記プランジャの先端部によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
加圧空気を適用することが、15バール~20バールの圧力で前記加圧空気を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記環状領域を取り囲む第2の環状領域を、前記第1の温度及び前記第2の温度の各々よりも低い第3の温度に維持することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の温度が、前記第1の温度よりも1℃~25℃高い、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記予備形成されたパックが、円形プレートであって、前記円形プレートの外周に直立壁を有する、円形プレートと、前記直立壁の上端部から外方向に延在しているフランジと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記予備形成されたパックが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
容器をブロー成型する方法であって、
予備形成されたパックを、前記予備形成されたパックの材料のガラス転移温度以上の温度まで加熱することと、
前記予備形成されたパックを、型の型キャビティの上端部に配置することであって、前記予備形成されたパックが、円形プレートであって、前記円形プレートの外周に直立壁を有する、円形プレートと、前記直立壁の上端部から外方向に延在しているフランジと、を備え、前記型キャビティの内壁が、前記容器の外形を画定する、配置することと、
前記型の固定部材によって、前記フランジが前記型キャビティの前記上端部と前記固定部材との間に固定されるように、前記予備形成されたパックを前記型キャビティの前記上端部に固定することと、
プランジャを加熱された前記予備形成されたパックの中へ、そして、前記型の長手方向軸に沿って前記型の中へ押し込むことによって、加熱された前記予備形成されたパックの前記円形プレートを延伸させることと、
加圧空気を前記型に適用し、それにより、前記予備形成されたパックを延伸させて、前記型の前記内壁に一致させることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記予備形成されたパックを加熱することが、前記予備形成されたパックを不均一に加熱することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記予備形成されたパックの中央領域を第1の温度まで加熱することと、前記中央領域を取り囲む前記予備形成されたパックの環状領域を、前記第1の温度よりも高い第2の温度まで加熱することと、を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記プランジャが、前記型キャビティの開口部の直径の30%~60%である最大直径を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記円形プレートが、前記予備形成されたパックの前記フランジの厚さよりも厚い厚さを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
容器を形成する方法であって、
予備形成されたパックの第1の部分が第1の温度になり、前記予備形成されたパックの第2の部分が前記第1の温度とは異なる第2の温度になるように、前記予備形成されたパックを不均一に加熱することと、
加熱された前記予備形成されたパックを型の型キャビティの上端部に配置することであって、前記型キャビティの内壁が、前記容器の外形を画定する、配置することと、
加熱された前記予備形成されたパックを前記型キャビティの前記上端部に固定することと、
プランジャを加熱された前記予備形成されたパックの中へ、そして、前記型キャビティの長手方向に沿って前記型キャビティの中へ押し込むことによって、前記プランジャを使用して加熱された前記予備形成されたパックを延伸させることと、
前記プランジャが前記型キャビティの深さの50%~90%の深さにあるときに加圧空気を前記型キャビティに適用し、それにより、加熱された前記予備形成されたパックを前記型キャビティの前記内壁の形状に一致させることと、を含む、方法。
【請求項16】
前記プランジャが前記型キャビティの前記深さの60%~80%の深さにあるときに、加圧空気が前記型キャビティに適用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
加熱された前記予備形成されたパックを延伸させることが、0.10m/s~0.25m/sの速度で前記プランジャを押圧することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記予備形成されたパックが、円形プレートの外周にフランジを備え、加熱された前記予備形成されたパックを延伸させている間、前記フランジが延伸されない、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記プランジャが、加熱された前記予備形成されたパックに接触するように構成された丸みのある先端部を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プランジャが、金属を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は、概して、容器をブロー成型するための方法に関する。具体的には、本明細書で説明される実施形態は、予備形成されたパックを使用して、飲料容器又は成分カートリッジなどの容器をブロー成型するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料容器及び飲料成分カートリッジなどの中空物品は、しばしば、ブロー成型法によって形成される。ブロー成型法としては、押出ブロー成型、及び射出延伸ブロー成型(injection stretch blow、ISB)などの射出ブロー成型が挙げられる。ISB成型法では、容器を形成するための出発原料として予備形成品を使用することができる。予備形成品は、そのガラス転移温度を超えて加熱して、容器の外形を画定する型キャビティ上に配置することができる。プランジャ又はロッドを使用して、加熱された予備形成品を押圧し、予備形成品の一部分を型キャビティに押し込んで、予備形成品を延伸及び変形させることができる。次いで、型の内壁によって画定された形状を有する容器を提供するために、型キャビティの中へガスを適用して、又は「吹き込んで」、予備形成品を更に延伸及び変形させて、予備形成品材料を型キャビティに押し付けることができる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、容器をブロー成型するための方法に関するものであり、本方法は、予備形成されたパックの中央領域を第1の温度まで加熱することと、予備形成されたパックの中央領域を取り囲む環状領域を第2の温度まで加熱することであって、第2の温度が、第1の温度よりも高い、加熱することと、を含む。本方法は、加熱された予備形成されたパックを型の型キャビティの上端部に配置することであって、型キャビティの内壁が、容器の外形を画定する、配置することと、プランジャを加熱された予備形成されたパックの中へ、そして、型キャビティの下端部に向かって型キャビティの長手方向に型キャビティの中へ押し込むことによって、加熱された予備形成されたパックを延伸させることと、加圧空気を型に適用して、それにより、加熱された予備形成されたパックを延伸させて、型キャビティの内壁の形状に一致させることと、を更に含み得る。
【0004】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、容器をブロー成型する方法に関するものであり、本方法は、予備形成されたパックを、予備形成されたパックの材料のガラス転移温度以上の温度まで加熱することと、予備形成されたパックを、型の型キャビティの上端部に配置することであって、予備形成されたパックが、円形プレートであって、円形プレートの外周に直立壁を有する、円形プレートと、直立壁の上端部から外方向に延在しているフランジと、を備え、型キャビティの内壁が、容器の外形を画定する、配置することと、を含む。本方法は、型の固定部材によって、フランジが型キャビティの上端部と固定部材との間に固定されるように、予備形成されたパックを型キャビティの上端部に固定することと、プランジャを加熱された予備形成されたパックの中へ、そして、型キャビティの長手方向軸に沿って型キャビティの中へ押し込むことによって、加熱された予備形成されたパックを延伸させることと、加圧空気を型キャビティに適用し、それにより、予備形成されたパックを延伸させて、型キャビティの内壁に一致させることと、を更に含み得る。
【0005】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、容器を形成する方法に関するものであり、本方法は、予備形成されたパックの第1の部分が第1の温度になり、予備形成されたパックの第2の部分が第1の温度とは異なる第2の温度になるように、予備形成されたパックを不均一に加熱することと、加熱された予備形成されたパックを型の型キャビティの上端部に配置することであって、型キャビティの内壁が、容器の外形を画定する、配置することと、を含む。本方法は、加熱された予備形成されたパックを型キャビティの上端部に固定することと、プランジャを使用して、プランジャを加熱された予備形成されたパックの中へ、そして、型キャビティの長手方向に沿って型キャビティの中へ押し込むことによって、加熱された予備形成されたパックを延伸させることと、プランジャが型キャビティの深さの50%~90%の深さにあるときに加圧空気を型キャビティに適用し、それにより、加熱された予備形成されたパックを型キャビティの内壁の形状に一致させることと、を更に含み得る。
【0006】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、加熱された予備形成されたパックを延伸させることは、予備形成されたパックの中央領域の直径と同じ最大直径を有するプランジャを使用することを含み得る。
【0007】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、中央領域及び環状領域を加熱することは、伝導加熱を含み得る。
【0008】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、加圧空気を適用することは、型キャビティの下端部から離間されたプランジャの先端部によって行われ得る。
【0009】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、加圧空気を適用することは、15バール~20バールの圧力で空気を適用することを含み得る。
【0010】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、本方法は、環状領域を取り囲む第2の環状領域を、第1の温度及び第2の温度の各々よりも低い第3の温度に維持することを更に含み得る。
【0011】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、第2の温度は、第1の温度よりも1℃~25℃高くなり得る。
【0012】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、予備形成されたパックは、円形プレートであって、円形プレートの外周に直立壁を有する、円形プレートと、直立壁の上端部から外方向に延在しているフランジと、を含み得る。
【0013】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、予備形成されたパックは、ポリエチレンテレフタレートで形成され得る。
【0014】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、予備形成されたパックを加熱することは、予備形成されたパックを不均一に加熱することを含み得る。
【0015】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、本方法は、予備形成されたパックの中央領域を第1の温度まで加熱することと、中央領域を取り囲む予備形成されたパックの環状領域を、第1の温度よりも高い第2の温度まで加熱することと、を更に含み得る。
【0016】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、プランジャは、型キャビティの開口部の直径の30%~60%である最大直径を有し得る。
【0017】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、円形プレートは、予備形成されたパックのフランジの厚さよりも厚い厚さを有し得る。
【0018】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、プランジャが型キャビティの深さの60%~80%の深さにあるときに、加圧空気が型キャビティに適用され得る。
【0019】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、加熱された予備形成されたパックを延伸させることは、0.10m/s~0.25m/sの速度でプランジャを押すことを含み得る。
【0020】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、予備形成されたパックは、円形プレートの外周にフランジを含み得、加熱された予備形成されたパックを延伸させている間、フランジは延伸されない。
【0021】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、プランジャは、加熱された予備形成されたパックに接触するように構成された丸みのある先端部を含み得る。
【0022】
本明細書で説明する様々な実施形態のいずれかでは、プランジャは、金属で形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を例示するものであり、説明と合わせて、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作製及び使用することを可能にする役割を果たす。
図1A】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図1B】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図1C】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図1D】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図1E】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図1F】一実施形態による、容器をブロー成型するための方法のステップを例示するフロー図を示す。
図2】一実施形態による、物品をブロー成型するための予備形成されたパックの上面図を示す。
図3図2の予備形成されたパックの断面図を示す。
図4】一実施形態による、ブロー成型法によって形成された飲料カートリッジの側面図を示す。
図5】一実施形態による、物品をブロー成型するための予備形成されたパックの断面図を示す。
図6】異なる温度まで加熱するための図2の予備形成されたパックの領域を例示する、予備形成されたパックの上面図を示す。
図7】一実施形態による、予備形成されたパックが型の上端部に配置されている成型装置の概略図を示す。
図8】プランジャによって予備形成されたパックの一部分が延伸されている、図7の成型装置の概略図を示す。
図9】加圧空気を適用して、予備形成品を型の形状に一致させている、図7の成型装置の概略図を示す。
図10】一実施形態による、予備形成されたパックを使用して物品をブロー形成するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0025】
飲料容器などは、しばしば、容器の内部を殺菌するために、飲料容器内に満たされた液体が90℃以上の高温に加熱される、高温充填プロセスによって充填される。その結果、飲料容器は、充填動作中に経験する高温に耐えるように製造されなければならない。これは、飲料容器を、高温充填プロセスの温度を超えるガラス転移温度を有する材料から製造することが必要になり得、飲料容器の壁厚は、容器が所望の構造的特性を有するように、容器を形成するために使用される材料に依存し得る。
【0026】
代替的に、飲料容器は、飲料が数分間フラッシュ加熱され、次いで、より低い温度で容器に充填される、無菌充填プロセスによって充填され得る。したがって、飲料容器は、高温充填プロセスのような高温を受けない。そのような無菌充填プロセスでは、高温充填プロセスで使用されるものと同じ飲料容器が使用され得る。しかしながら、飲料容器は高温に晒されず、したがって、より薄い壁厚を有し、より少ない材料を使用するが、依然として所望の性能特性を有する容器を提供する飲料容器を再設計することが可能である。何千もの飲料容器が生成されるので、より少ない材料で飲料容器を製造することによって、(例えば、コスト、材料、及び重量の)大幅な節約を実現することができる。
【0027】
飲料容器は、射出延伸ブロー(ISB)成型などのブロー成型によって形成され得る。しかしながら、ブロー成型プロセスでは、特にポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)を使用するときに、様々な問題が生じ得る。ポリプロピレン(polypropylene、PP)又は他の材料をブロー成型するための好適な状態は、物理的特性の違いのため、PETのブロー成型には適さない場合がある。例えば、特に、複雑な形状を有する容器の場合、所望の形状を有する容器を提供するために、予備形成品に型キャビティを完全に充填させることは困難であり得る。更に、完成した容器が所望の性能特性を有することを確実にすることが望ましくなり得る、容器の異なる部分の容器の厚さを制御することは困難であり得る。また、容器の長手方向軸に対して垂直である、水平又は平坦なフランジを有する容器を形成することも困難であり得る。
【0028】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、得られる容器の壁厚の改善された制御を可能にする、容器をブロー成型するための方法に関する。本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、型の形状に完全に一致する容器を生成する際の改善された均一性及び一貫性を可能にする、容器をブロー成型するための方法に関する。本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、水平又は平坦なフランジを有する容器を提供するためにフランジの形状及び方向が成型プロセス中に保存されるように、フランジを有する予備形成されたパックを、固定部材を使用して型キャビティの上端部に固定することによって、容器をブロー成型するための方法に関する。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「容器」という用語は、液体又は固体などの物質が保持され得る内部容積を画定する1つ以上の壁を有する任意の物品を指し得る。容器は、例えば、とりわけ、ボトルなどの飲料容器、又は液体若しくは乾燥成分を貯蔵するための飲料成分カートリッジ若しくはポッドを指し得る。
【0030】
本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、例えば、図1A図1Fに示されるように、容器100をブロー成型するための方法に関する。動作中には、予備形成されたパック200が、容器を成型するための出発原料として使用される。動作110では、予備形成されたパック200が、予備形成されたパック200を柔軟にするように、伝導加熱素子600などによって、そのガラス転移温度以上の温度まで加熱される。動作120では、予備形成されたパック200が、型500の型キャビティ510の上端部に配置され、型キャビティ510は、得られた容器400の外形を画定する内壁502を有する。動作130では、予備形成されたパック200が、型500の固定部材520を介して型キャビティ510の上端部に固定される。動作140では、予備形成されたパック200の一部分が、型500のプランジャ540によって型キャビティ510の中へ延伸される。動作150では、プランジャ540が、型キャビティ510の下端部に向かって型キャビティ510の長手方向に(図1Dにおいて下方に)移動され得る。予備形成されたパック200を延伸させたら、加圧空気(図1Eにおいて矢印Aで表される)が型キャビティ510に適用されて、延伸させた予備形成品材料を、型キャビティ510の内壁502の形状に一致させる。動作160では、型及び成型された容器が冷却され、成型された容器を型から取り出すことができる。任意選択的に、とりわけ、バリの除去、表面処置の適用、デザイン若しくは装飾の適用、又はテクスチャの適用などの、1つ以上の仕上げ動作が、成型された容器に行われ得る。
【0031】
本明細書で説明するいくつかの実施形態では、飲料容器をブロー成型する際に使用するための予備形成されたパック200は、図2及び図3に示されている。予備形成されたパック200は、図2に示されるように、上面図において略円形の形状を有し得る。予備形成されたパック200は、円形プレート204と、円形プレート204の外周208で円形プレート204から延在している直立壁206と、を含み得る。直立壁206は、円形プレート204に対して実質的に垂直であり得る。直立壁206は、円形プレート204の全周208に沿って延在し得る。予備形成されたパック200は、フランジ210が予備形成されたパック200の最外部分にあるように、直立壁206の上端部212から外方向に延在しているフランジ210を更に含み得る。フランジ210は、フランジ210が環状形状を有するように、直立壁206の全周に延在し得る。更に、フランジ210は、円形プレート204の平面に略平行である平面に配置され得る。円形プレート204は、フランジの厚さTよりも厚い厚さTを有し得、厚さは、予備形成されたパック200の第1の表面から対向する第2の表面まで測定される。
【0032】
予備形成されたパック200は、例えば、図4に示されるように、飲料成分カートリッジなどの中空物品400形成するために使用され得る。物品400は、物品400の最下部分を画定している基部410と、基部410から延在している側壁420と、を含み得る。側壁420及び基部410は、飲料カートリッジの内部容積を画定する。側壁420は、物品400の側壁420の上端部428に開口部430を更に画定し得る。中空物品400は、側壁420が上端部428において開口部430に移行し、開口部430の直径が側壁420での中空物品400の最大直径より小さくなるように、肩部領域426を含み得る。いくつかの実施形態では、フランジ440は、側壁420の上端部428から外方向に延在し得る。フランジ440は、フランジ440が環状形状を有するように、中空物品400の開口部430を取り囲み得る。フランジ440は、物品400の開口部430を覆ってシールするために、プラスチック膜若しくは、金属フィルム、箔、又はキャップなどの閉鎖具の物品400への固定を容易にし得る。フランジ440は、ねじ山を含まない場合があり、プラスチック膜又は箔などの閉鎖具は、数ある締結方法の中でも、接合、接着、又は超音波溶接によってフランジ440に固定され得る。フランジ440は、フランジ440が実質的に平坦になるように、平面に配置され得る。更に、フランジ440は、物品400の長手方向軸Yに対して垂直である平面に配置され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法によって形成された容器などの中空物品400は、約1oz~10oz(30mL~300mL)の体積を有し得る。より大きいサイズ又は体積を有する中空物品400を形成するには、より大きい又はより厚い予備形成されたパックが使用され得、予備形成されたパックの厚さが増加するにつれて、パックがより柔軟でなくなり得、本明細書で更に詳細に説明されているプランジャを使用して延伸させことがより難しくなり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、予備形成されたパック200のフランジ210は、得られた物品400のフランジ440に対応し得る。成型されたときに、円形プレート204は、得られた物品400の基部410、更には物品400の側壁420に対応し得る。直立壁206は、図4に示される肩部領域426などの、物品400の側壁420の上部分に対応し得る。
【0035】
図5に示されるように、いくつかの実施形態では、予備形成されたパック300は、円形プレート304と、円形プレート304の外周308から外方向に延在しているフランジ310と、を含み得る。フランジ310は、円形プレート304の上端部312から延在し得る。したがって、そのような実施形態では、予備形成されたパック300は、図2及び図3の予備形成されたパック200にあるような直立壁を含まない。代わりに、図5に示されるように、円形プレート304の頂面は、フランジ310の頂面と面一であり得る。予備形成されたパック200に関して上で論じたように、フランジ310を有する予備形成されたパック300は、フランジを有する物品を生成するのを補助し得る。しかしながら、パック300は、直立壁を含まないので、パック300は、得られた物品の壁厚の調整を可能にする能力がより低くなり得る。予備形成されたパック300の厚さを特定の範囲を超えて増加させることは、パック300の柔軟性及び変形可能性をより低くし得、それにより、成型中にパック300を容易に延伸させること、及び材料を一様に分配することができない。
【0036】
いくつかの実施形態では、予備形成されたパック200、300は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックから形成され得る。予備形成されたパック200、300は、再生PETを含み得、また、約30%の再生PET~約100%の再生PETを含み得る。いくつかの実施形態では、予備形成されたパック200、300は、多層PET(例えば、ガスバリア層がPETの層の間に配設されている)を含み得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、予備形成されたパック200、300は、数ある材料の中でも、他のリサイクル可能な熱可塑性材料の中でも、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンフラノエート(polyethylene furanoate、PEF)、ポリエチレンナフタレート、ポリグリコリド(polyglycolide、PGA)、又はそれらの組み合わせから形成され得る。
【0037】
予備形成されたパック200、300は、数ある成型法の中でも、圧縮成型、トランスファ成型、又は射出成型などの成型法によって形成され得る。予備形成されたパック200、300は、容易に保管して、予備形成されたパック200、300を使用して容器をブロー成型するための場所まで輸送され得る。
【0038】
明確にするため、以下の議論は、予備形成されたパック200に関する。しかしながら、明示的に述べられている場合を除き、以下は、予備形成されたパック300にも当てはまることを理解されたい。予備形成されたパック200から物品を形成するために、予備形成されたパック200は、予備形成されたパック200のガラス転移温度以上の高温まで加熱され得る。このようにして、予備形成されたパック200は、型を充填するように柔軟になり得、型の内壁の形状に一致して、型によって画定された外形を有する容器を提供し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、図6に示されるように、予備形成されたパック200を使用して物品をブロー成型することは、予備形成されたパック200の異なる領域が異なる温度まで加熱されるように、予備形成されたパック200を不均一に加熱することを含み得る。例えば、予備形成されたパック200は、予備形成されたパック200の第1の領域222が第1の温度まで加熱されて、第2の領域224が第1の温度とは異なる第2の温度まで加熱されるように、加熱され得る。いくつかの実施形態では、予備形成されたパック200の加熱は、予備形成されたパック200の直径に沿って異なり得る。いくつかの実施形態では、予備形成されたパックの中央領域222は、第1の温度まで加熱され得、中央領域222を取り囲む環状領域224は、第1の温度とは異なる第2の温度まで加熱され得る。中央領域222は、予備形成されたパック200を上から見たときに、略円形の形状を有し得る。中央領域222は、予備形成されたパック200の円形プレート204の中央に配置され得る。環状領域224は、円形プレート204の中央領域222を取り囲み得る。環状領域224は、中央領域222から直立壁206まで延在し得る(及びいくつかの実施形態では、直立壁206を含み得る)。
【0040】
いくつかの実施形態では、中央領域222の第1の温度は、約90℃~160℃であり得る。しかしながら、当業者は、選択される温度が、予備形成されたパック200を形成するために使用される材料(及びガラス転移材料の温度)に部分的に依存することを理解するであろう。第1の温度は、予備形成されたパック200の材料のガラス転移温度以上であり得る。環状領域224の第2の温度は、第1の温度よりも高くなり得る。いくつかの実施形態では、第2の温度は、第1の温度よりも約1℃~約25℃高く、第1の温度よりも約5℃~約20℃高く、又は第1の温度よりも約10℃~約15℃高くなり得る。環状領域224が中央領域222よりも高い温度まで加熱されたときに、環状領域224は、より柔軟になり、成型中に、相対的に冷たい中央領域222よりも大幅に延伸又は変形する。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の環状領域226は、第1及び第2の温度とは異なる第3の温度であり得る。第2の環状領域226は、環状領域224を取り囲み得、第2の環状領域226は、予備形成されたパック200の最外領域であり得る。第2の環状領域226は、フランジ210を包含し得、いくつかの実施形態では、直立壁206も包含し得る。いくつかの実施形態では、第3の温度は、第1及び第2の温度よりも低くなり得る。いくつかの実施形態では、第3の温度は、第2の環状領域226が加熱されないように、周囲温度又は「室」温度である。第2の環状領域226が加熱されていない場合、第2の環状領域226は、ブロー成型プロセス中に延伸又は変形しない。例えば、第2の環状領域226がフランジ210を包含する場合、予備形成されたパック200のフランジ210は、ブロー成型プロセスの結果として形成された、得られた物品400において、同じ構成に維持される。このようにして、得られた物品400のフランジ210は、実質的に平坦であり得、成型プロセスによって変形しない。
【0042】
予備形成されたパック200は、電気抵抗加熱素子(例えば、図1Aの加熱器600を参照されたい)などの様々な加熱デバイスのいずれかを使用して加熱され得る。電気抵抗加熱素子は、予備形成されたパック200の第1の領域を第1の温度まで、及び予備形成されたパックの第2の領域を第2の温度まで(例えば、中央領域及び環状領域)加熱するように構成され得る。例えば、電気抵抗加熱素子は、予備形成されたパック200の中央領域222を加熱するための円形形状を有する第1の加熱コイルと、予備形成されたパック200の環状領域224を加熱するための環状形状を有する第2の加熱コイルと、を含み得る。予備形成されたパック200は、伝導加熱され得る。伝導加熱は、予備形成されたパック200の異なる領域を異なる温度まで正確に加熱することを可能にする。
【0043】
加熱された予備形成されたパック200は、図7に示されるように、所望の物品の外形を画定する内壁502を有する型キャビティ510を有する型500の開放上端部503に配置され得る。特に、パック200のフランジ210は、型500の上端部503に静置され得る。加熱された予備形成されたパック200は、型500の固定部材520によって型キャビティ510の上端部503に固定され得る。固定部材520は、型500のプランジャ540を取り囲む管状シャフト522を含み得る。管状シャフト522の下端部524は、フランジ210が型キャビティ510の上端部503と管状シャフト522の下端部524との間に配置されるように、予備形成されたパック200のフランジ210と接触して配置され得る。このようにして、フランジ210は、得られた物品が平坦なフランジを有するように、成型プロセス中にその形状を維持する。
【0044】
図8に示されるように、加熱された予備形成されたパック200は、プランジャ540などによって延伸される。プランジャ540は、型500の長手方向軸Yの方向に配置され、軸Yに沿って型キャビティ510に向かって移動されて、加熱された予備形成されたパック200に接触して、加熱された予備形成されたパック200の一部分(例えば、円形プレート204によって形成された部分)を型500の中へ押圧する。プランジャ540は、円形の横断面領域を有し得、プランジャ540は、略円筒形状を有し得る。いくつかの実施形態では、プランジャ540は、アルミニウム、銅、若しくは鋼などの金属、又はポリマーなどから形成され得る。プランジャ540の材料は、成型プロセスに関する所望の熱伝導率及び摩擦係数に基づいて選択され得る。例えば、高熱伝導性を有する材料は、ヒートシンクとしての役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、プランジャ540は、予備形成されたパック200に接触して、パック200の一部分を型500の中へ押圧するように構成された先端部550を含む。先端部550は、丸み付けされ得、また、ドーム状の形状を有し得る。
【0045】
プランジャ540は、型キャビティ510の上部開口部の直径Dよりも小さい最大直径Dを有し得る。いくつかの実施形態では、プランジャの最大直径Dは、型キャビティ510の上部開口部の直径Dの20%~80%である。型500の直径Dに対するプランジャの最大直径Dを低減させることで、得られた物品の壁厚の選択が容易になる。プランジャ540の直径が増加するにつれて、より多くの量の予備形成品材料が型キャビティ510の下部分又は基部に向かって押圧され、これは、薄くて相対的に弱い側壁を有する容器をもたらし得る。側壁が弱過ぎる場合、得られた物品が、保管及び輸送に耐えるのに十分な物理的特性を有しない場合がある。型キャビティ510の開口部に対するプランジャ540の直径を低減させることによって、予備形成品材料がより良好かつより正確に型キャビティ510内に分配され得る。
【0046】
更に、プランジャ540は、予備形成されたパック200の中央領域222の直径と同じ最大直径Dを有し得る。このようにして、プランジャ540は、中央領域222が、得られる成型品の基部を形成するように、中央領域222を下端部型500に向かって押圧し得、一方で、環状領域224が、得られた物品の側壁を形成するように、予備形成されたパック200の環状領域224を延伸させる。上で説明したようにそれらの異なる温度のため、中央領域222は、環状領域224よりも小さい程度で延伸し得、中央領域によって形成される容器の部分よりも薄い厚さを有する環状領域によって形成された容器の部分をもたらす。したがって、得られる容器の異なる部分の厚さは、(上で説明した第1、第2、及び第3の温度に加えて)プランジャ540の直径及び予備形成されたパック200の中央領域によって影響を及ぼされる選択によって影響を及ぼされ得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、型キャビティ510は、長手方向軸Xに沿って型キャビティ510の下端部505から型キャビティ510の上端部503まで測定される、深さLを有する。プランジャ540は、Lよりも短い所定の距離Lまで型キャビティ510の中へ挿入される。いくつかの実施形態では、プランジャ540は、Lの50%~95%、Lの60%~90%、又はLの75%~85%である深さLまで挿入され得る。したがって、プランジャ540の先端部550は、型キャビティ510の下端部505において離間されて、内壁502に接触していない。本発明の発明者らは、下で論じるように、プランジャ540をLよりも短い深さまで挿入することによって、加圧空気が型キャビティ510に適用されたときに、予備形成されたパック200が、型キャビティ510の内壁502の形状により完全かつ一様に一致したことを見出した。プランジャ540の先端部550と型キャビティ510の下端部505の内壁502との間の隙間は、型キャビティ510内の改善された気流を可能にし、したがって、予備形成されたパック200の型キャビティ510の内壁502上への改善された分配を可能にすると考えられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、プランジャ540は、軸Yに沿って、約0.05m/s~約0.35m/s、約0.075m/s~約0.30m/s、又は約0.10m/s~約0.25m/sの速度で移動し得る。この範囲の速度が、予備形成品材料の型キャビティ510の下端部505に対する一致を容易にすること、及びより高い速度が、型キャビティ510の下端部505への予備形成品材料の相対的に劣った分配をもたらしたことが見出された。
【0049】
図9に示されるように、予備形成されたパック200をプランジャ540によって延伸させたら、加圧空気が型キャビティ510に、そして予備形成されたパック200に適用される。本明細書で使用されるとき、加圧空気は、数あるガスの中でも、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせなどの、任意のガスを指し得る。加圧空気は、10バール~25バール、12バール~22バール、又は15バール~20バールの圧力で型に適用され得る。加圧空気は、例えば空気圧縮機によって適用され得る。更に、加圧空気は、より低い圧力から目標圧力まで圧力を増加させることによってではなく、一定の圧力で適用され得る。空気が、約40バールの空気圧力を使用し得る既存のブロー成型法よりも低い圧力で適用されるので、空間及びエネルギーを節約し得る、より小さい凝縮器が使用され得る。
【0050】
飲料カートリッジなどの物品をブロー成型する例示的な方法1000が、図10に示されている。予備形成されたパック(例えば、予備形成されたパック200、300)の少なくとも一部分は、予備形成されたパックの材料のガラス転移温度以上まで加熱される。いくつかの実施形態では、1020で、予備形成されたパックの中央領域が、第1の温度1010まで加熱されて、中央領域を取り囲む環状領域は、第2の温度まで加熱される。中央領域及び環状領域は、同時に又は順次に加熱され得る。1030で、加熱された予備形成されたパックが、物品の形状を画定する型の型キャビティの上端部に配置され得る。いくつかの実施形態では、予備形成されたパックは、型の上端部に配置された後に加熱され得る。1040で、加熱された予備形成されたパックが、型の固定部材によって型キャビティの上端部に固定され得る。予備形成されたパックのフランジは、成型中にフランジを同じ位置及び配置に維持するために、型キャビティの上端部と固定部材との間に配置され得る。プランジャ1050で予備形成されたパックを押圧することによって、加熱された予備形成されたパックが延伸される。プランジャは、プランジャが予備形成されたパックに対して垂直であり、予備形成されたパックの一部分を型の中へ押圧するように、型に向かって型の長手方向に移動する。プランジャが予備形成されたパックを押圧すると、加熱された予備形成されたパックが延伸して変形する。プランジャは、所定の深さまで型の中へ挿入される。1060で、加圧空気が予備形成されたパック及び型に適用され、それにより、予備形成されたパックが型の内壁の形状に一致する。次いで、プランジャが型から引き出され得、型が冷却され得る。次いで、最終物品が、型から取り出され得る。
【0051】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0052】
特定の機能の実施及びそれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0053】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】