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特表2023-514803望ましくない金属を分離するための方法
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  • 特表-望ましくない金属を分離するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(54)【発明の名称】望ましくない金属を分離するための方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 3/00 20060101AFI20230404BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/22 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/04 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/06 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/08 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/10 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 3/24 20060101ALI20230404BHJP
   C22B 26/12 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C22B3/00
C22B3/44 101Z
C22B3/22
C22B3/04
C22B3/44 101A
C22B3/06
C22B3/08
C22B3/10
C22B3/24
C22B26/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541291
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021012534
(87)【国際公開番号】W WO2021142147
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/959,078
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520301331
【氏名又は名称】ライラック ソリューションズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダッカー,デイビッド ヘンリー
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA34
4K001BA24
4K001DB01
4K001DB03
4K001DB04
4K001DB16
4K001DB22
4K001DB23
4K001DB35
4K001JA01
4K001JA03
(57)【要約】
本明細書に開示されるのは、リチウムを含む望ましい金属の回収を容易にするための、望ましくない金属の分離、取り扱い、および廃棄に関するプロセスおよびシステムである。望ましくない金属は、高pHで沈殿させ、液体資源から分離して、望ましい金属の回収を容易にすることができる。次いで、沈殿した望ましくない金属を再溶解し、廃棄のために液体資源とあわせることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記液体資源から望ましくない金属を沈殿させて、望ましくない金属沈殿物を形成する工程、
b)前記液体資源から前記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、
c)前記供給液体から前記望ましい金属を回収してラフィネートを形成する工程、および
d)前記望ましくない金属沈殿物を前記ラフィネートに再溶解して、ラフィネート混合物を形成する工程
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記回収する工程が、前記供給液体を、プロトンを放出しながら前記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記望ましい金属がリチウムを含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記望ましくない金属が遷移金属を含む、請求項1-3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記沈殿させる工程が、前記液体資源に塩基を添加することを含む、請求項1-4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記沈殿させる工程が、塩基および/または酸化剤を前記液体資源に添加することを含む、請求項1-5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記沈殿させる工程が、NaOHおよび/またはCa(OH)を前記液体資源に添加することを含む、請求項1-6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記沈殿させる工程が、前記液体資源に空気および/または過酸化水素を添加することを含む、請求項1-7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記再溶解する工程が、酸を前記望ましくない金属沈殿物とあわせることを含む、請求項1-8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記酸を前記望ましくない金属沈殿物とあわせることが、1)前記望ましくない金属沈殿物を前記ラフィネートとあわせる前、または2)前記望ましくない金属沈殿物を前記ラフィネートとあわせた後に行われる、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記酸が塩酸および/または硫酸を含む、請求項9または10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記酸および/または前記塩基が電気化学セルを用いて生成される、請求項5-11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記電気化学セルが電極および膜を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記酸および/または前記塩基が塩溶液から生成される、請求項5-13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩溶液を分けることによって生成される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記塩溶液が塩化ナトリウム溶液を含む、請求項14または15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、前記塩酸溶液が前記酸を含み、前記水酸化ナトリウム溶液が前記塩基を含む、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して前記塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む、請求項16または17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記沈殿させる工程が前記液体資源に化学物質を添加することを含む、請求項1-18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1-19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が遠心分離機を使用することを含む、請求項20または21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む、請求項1-22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記液体資源がリザーバから得られる、請求項1-22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記液体資源が前記リザーバからポンプで汲み出される、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
前記ラフィネート混合物を前記リザーバに注入する工程をさらに含む、請求項24または25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記リザーバが地下に位置する、請求項24-26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
液体資源から望ましくない金属を分離するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記液体資源に塩基を添加して前記望ましくない金属を沈殿させ、それによって望ましくない金属沈殿物を形成する工程、
b)前記液体資源から前記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、
c)前記供給液体から望ましい金属を回収する工程、および
d)前記望ましくない金属沈殿物に酸をあわせて、廃棄のために再溶解した望ましくない金属の溶液を形成する工程、
を含む、プロセス。
【請求項29】
前記回収する工程が、前記供給液体を、プロトンを放出しながら前記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記望ましい金属がリチウムを含む、請求項28または29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記望ましくない金属が遷移金属を含む、請求項28-30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
前記塩基と共に酸化剤を前記液体資源に添加する工程をさらに含む、請求項28-31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記塩基が、前記液体資源へのNaOHおよび/またはCa(OH)を含む、請求項28-32のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記酸化剤が前記液体資源への空気および/または過酸化水素を含む、請求項32または33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記酸が塩酸および/または硫酸を含む、請求項28-34のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記酸および/または前記塩基が電気化学セルを用いて生成される、請求項28-35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
前記電気化学セルが電極および膜を含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記酸および/または前記塩基が塩溶液から生成される、請求項28-37のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項39】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩溶液を分けることによって生成される、請求項38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記塩溶液が塩化ナトリウム溶液を含む、請求項38または39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、前記塩酸溶液が前記酸を含み、前記水酸化ナトリウム溶液が前記塩基を含む、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
前記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して前記塩化ナトリウム溶液を形成することをさらに含む、請求項40または41に記載のプロセス。
【請求項43】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項28-42のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項44】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記望ましくない金属沈殿物を分離する工程が遠心分離機を使用することを含む、請求項43または44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記廃棄が、前記再溶解した望ましくない金属の溶液を地下に注入することを含む、請求項28-45のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記液体資源がリザーバから得られる、請求項28-45のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記液体資源が前記リザーバからポンプで汲み出される、請求項47に記載のプロセス。
【請求項49】
前記廃棄が、前記再溶解した望ましくない金属の溶液を前記リザーバに注入する工程を含む、請求項47または48に記載のプロセス。
【請求項50】
前記リザーバが地下に位置する、請求項47-49のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項51】
液体資源からリチウムを回収するためのプロセスであって、前記プロセスは、
a)前記液体資源から遷移金属を沈殿させて遷移金属沈殿物を形成する工程、
b)前記液体資源から前記遷移金属沈殿物を分離して供給液体を形成する工程、
c)前記供給液体から前記リチウムを回収してラフィネートを形成する工程であって、前記リチウムを回収する工程は、前記供給液体を、プロトンを放出しながら前記リチウムを吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、工程、および
d)前記遷移金属沈殿物を前記ラフィネートに再溶解させて、ラフィネート混合物を形成する工程を含む、プロセス。
【請求項52】
前記沈殿させる工程が、塩基を前記液体資源に添加することを含む、請求項51に記載のプロセス。
【請求項53】
前記沈殿させる工程が、塩基および酸化剤を前記液体資源に添加することを含む、請求項51に記載のプロセス。
【請求項54】
前記沈殿させる工程が、NaOHおよび/またはCa(OH)を前記液体資源に添加することを含む、請求項51-53のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項55】
前記沈殿させる工程が、空気または過酸化水素を前記液体資源に添加することを含む、請求項51-54のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項56】
前記再溶解させる工程が、酸を前記遷移金属沈殿物とあわせることを含む、請求項51-55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項57】
前記酸を前記遷移金属沈殿物とあわせることが、1)前記遷移金属沈殿物を前記ラフィネートとあわせる前、または2)前記遷移金属沈殿物を前記ラフィネートとあわせた後に行われる、請求項56に記載のプロセス。
【請求項58】
前記酸が塩酸および/または硫酸を含む、請求項56または57に記載のプロセス。
【請求項59】
前記酸および/または前記塩基が電気化学セルを用いて生成される、請求項52-58のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記電気化学セルが電極および膜を含む、請求項59に記載のプロセス。
【請求項61】
前記酸および/または前記塩基が塩溶液から生成される、請求項52-60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項62】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩溶液を分けることによって生成される、請求項61に記載のプロセス。
【請求項63】
前記塩溶液が塩化ナトリウム溶液を含む、請求項61または62に記載のプロセス。
【請求項64】
前記酸および/または前記塩基が、前記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、前記塩酸溶液は前記酸を含み、前記水酸化ナトリウム溶液は前記塩基を含む、請求項63に記載のプロセス。
【請求項65】
前記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して前記塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む、請求項63または64に記載のプロセス。
【請求項66】
前記沈殿させる工程が前記液体資源に化学物質を添加することを含む、請求項51-65のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項67】
前記遷移金属沈殿物を分離する工程が、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを含む、請求項51-66のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項68】
前記遷移金属を分離する工程が、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む、請求項67に記載のプロセス。
【請求項69】
前記遷移金属を分離する工程が遠心分離機を使用することを含む、請求項67または68に記載のプロセス。
【請求項70】
前記ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む、請求項51-69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項71】
前記液体資源がリザーバから得られる、請求項51-69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項72】
前記液体資源が前記リザーバからポンプで汲み出される、請求項71に記載のプロセス。
【請求項73】
前記ラフィネート混合物を前記リザーバに注入することをさらに含む、請求項71または72に記載のプロセス。
【請求項74】
前記リザーバが地下に位置する、請求項71-73のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項75】
前記望ましい金属がリチウムを含む、請求項1-74のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項76】
前記望ましくない金属が鉄および/またはマンガンを含む、請求項1-75のいずれかに記載のプロセス。
【請求項77】
前記望ましい金属が、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1-74のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項78】
前記望ましくない金属が、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1-77のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項79】
前記望ましい金属が前記望ましくない金属とは異なる、請求項78に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年1月9日に出願された米国仮出願第62/959,078号の利益を主張し、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
地熱ブラインなどの液体資源は、望ましい金属と望ましくない金属の組み合わせを含み、望ましい金属の回収は、望ましくない金属の分離および取り扱いによって容易にすることができる。
【発明の概要】
【0003】
望ましい金属は、直接抽出技術を使用して液体資源から回収することができる。この望ましい金属の回収は、望ましくない金属を液体資源から分離することによって容易にすることができる。分離された望ましくない金属の取り扱いは、大きな課題を提示する可能性がある。本発明は、リチウムを含む望ましい金属の回収を容易にするための、望ましくない金属の分離、取り扱い、および廃棄に関する。望ましくない金属を高pHで沈殿させ、液体資源から分離して望ましい金属の回収を容易にしてもよく、次に沈殿した望ましくない金属を再溶解させて、廃棄のために液体資源と再結合させてもよい。
【0004】
一態様では、液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源から望ましくない金属を沈殿させて、望ましくない金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記望ましい金属を回収してラフィネートを形成する工程、およびd)上記望ましくない金属沈殿物を上記ラフィネートに再溶解して、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、上記液体資源に塩基を添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および/または酸化剤を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHおよび/またはCa(OH)を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、上記液体資源に空気および/または過酸化水素を添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を上記望ましくない金属沈殿物とあわせることを含む。いくつかの実施形態において、上記酸を望ましくない上記金属沈殿物とあわせることは、1)上記望ましくない金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせる前、または2)上記望ましくない金属沈殿物をラフィネートとあわせた後に行われる。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、上記酸は塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は電気化学セルを用いて生成される。いくつかの実施形態において、上記電気化学セルは電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基が、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、上記塩酸溶液が上記酸を含み、上記水酸化ナトリウム溶液が上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は上記液体資源に化学物質を添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、上記液体資源はリザーバからポンプで汲み出される。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記ラフィネート混合物を上記リザーバに注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記リザーバは地下に位置する。
【0005】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離するためのプロセスが本明細書に開示され、このプロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記望ましくない金属を沈殿させ、それによって望ましくない金属沈殿物を形成する工程、b)液体資源から上記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から望ましい金属を回収する工程、およびd)上記望ましくない金属沈殿物に酸をあわせて、廃棄するために再溶解した望ましくない金属の溶液を形成する工程、
を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記塩基と共に酸化剤を上記液体資源に添加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記塩基は、上記液体資源へのNaOHおよび/またはCa(OH)を含む。いくつかの実施形態において、上記酸化剤は、上記液体資源への空気および/または過酸化水素を含む。いくつかの実施形態において、上記酸は、塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は電気化学セルを用いて生成される。いくつかの実施形態において、上記電気化学セルは電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、上記塩酸溶液は上記酸を含み、上記水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記廃棄は、再溶解した望ましくない金属の溶液を地下に注入することを含む。いくつかの実施形態において、上記液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、上記液体資源はリザーバからポンプで汲み出される。いくつかの実施形態において、上記廃棄は、上記再溶解した望ましくない金属の溶液を上記リザーバに注入する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記リザーバは地下に位置する。
【0006】
別の態様では、液体資源からリチウムを回収するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源から遷移金属を沈殿させて遷移金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記遷移金属沈殿物を分離して供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記リチウムを回収してラフィネートを形成する工程であって、上記リチウムを回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記リチウムを吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、工程、およびd)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートに再溶解させて、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および酸化剤を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHおよび/またはCa(OH)を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気または過酸化水素を上記液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解させる工程は、酸を上記遷移金属沈殿物とあわせることを含む。いくつかの実施形態において、上記酸を上記遷移金属沈殿物とあわせることは、1)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせる前、または2)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせた後に行われる。いくつかの実施形態において、上記酸は塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は電気化学セルを用いて生成される。いくつかの実施形態において、上記電気化学セルは電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、上記塩酸溶液は上記酸を含み、上記水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は上記液体資源に化学物質を添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物を分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属を分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属を分離する工程は遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、上記液体資源は上記リザーバからポンプで汲み出される。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記ラフィネート混合物を上記リザーバに注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記リザーバは地下に位置する。
【0007】
本明細書に開示される任意のプロセスについて、上記望ましい金属はリチウムを含む。本明細書に開示される任意のプロセスについて、上記望ましくない金属は、鉄および/またはマンガンを含む。本明細書に開示される任意のプロセスについて、望ましい金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、またはこれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に開示される任意のプロセスについて、望ましくない金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本明細書に開示される任意のプロセスについて、上記望ましい金属は上記望ましくない金属とは異なる。
【0008】
参照による組み込み
本明細書で言及されたすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願の各々が、あたかも参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのような場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られ、その図面の説明を以下に示す。
図1】液体資源から望ましくない金属を沈殿させ、沈降を使用して、沈殿した望ましくない金属を液体資源から分離し、液体資源から望ましい金属を回収し、そして望ましくない金属を液体資源に再溶解するためのシステムを示す。
図2】液体資源から望ましくない金属を沈殿させ、ハイドロサイクロンを使用して、沈殿した望ましくない金属を液体資源から分離し、液体資源から望ましい金属を回収し、そして望ましくない金属を液体資源に再溶解するためのシステムを示す。
図3】液体資源から望ましくない金属を沈殿させ、遠心分離機を使用して、沈殿した望ましくない金属を液体資源から分離し、液体資源から望ましい金属を回収し、そして望ましくない金属を液体資源に再溶解するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
「リチウム」、「リチウムイオン」、および「Li」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、これらの用語は、特に断りのない限り同義である。「水素」、「水素イオン」、「プロトン」、および「H」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、これらの用語は、特に断らない限り同義である。「液体資源」および「ブライン」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、これらの用語は、特に断りのない限り同義である。
【0011】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載された量に10%、5%、または1%近い量を指し、その中の増分を含む。
【0012】
望ましい金属は、直接抽出技術を使用して液体資源から回収することができる。この望ましい金属の回収は、望ましくない金属を液体資源から分離することによって容易にすることができる。分離された望ましくない金属の取り扱いは、大きな課題を提示する可能性がある。本発明は、リチウムを含む望ましい金属の回収を容易にするための、望ましくない金属の分離、取り扱い、および廃棄に関する。望ましくない金属を高pHで沈殿させ、液体資源から分離して望ましい金属の回収を容易にしてもよく、次に沈殿した望ましくない金属を再溶解させて、廃棄のために液体資源と再結合させてもよい。
【0013】
液体資源
本明細書で開示される液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット(dissolved salt flat)、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせを指す。
【0014】
一実施形態において、液体資源は、-10-400℃の温度である。一実施形態において、液体資源は、-10-20℃、20-50℃、50-100℃、100-200℃、または200-400℃の温度である。一実施形態において、液体資源を加熱もしくは冷却して、液体資源中の種を沈殿もしくは溶解させるか、または液体資源からの金属の除去を容易にする。
【0015】
一実施形態において、液体資源は、0-2000mg/Lの間の濃度でリチウムを含有する。一実施形態において、液体資源は、1mg/L未満、1-50mg/L、50-200mg/L、200-500mg/L、500-2,000mg/L、または2,000mg/Lを超える濃度でリチウムを含む。一実施形態において、液体資源は、100-150,000mg/Lの間の濃度でカルシウムを含有する。一実施形態において、液体資源は、100-1,000mg/L、1,000-10,000mg/L、10,000-50,000mg/L、50,000-150,000mg/L、または150,000mg/Lを超える濃度でカルシウムを含有する。一実施形態において、液体資源は、100-150,000mg/Lの間の濃度でカリウムを含有する。一実施形態において、液体資源は、100-1,000mg/L、1,000-10,000mg/L、10,000-50,000mg/L、50,000-150,000mg/L、または150,000mg/Lを超える濃度でカリウムを含有する
【0016】
一実施形態において、液体資源は、0-50,000mg/Lの間の濃度で鉄を含有する。一実施形態において、液体資源は、1mg/L未満、1-100mg/L、100-1,000mg/L、1,000-10,000mg/L、10,000-50,000mg/L、または50,000mg/Lを超える濃度で鉄を含有する。一実施形態において、液体資源は、マンガンを0-50,000mg/Lの濃度で含む。一実施形態において、液体資源は、1mg/L未満、1-100mg/L、100-1,000mg/L、1,000-10,000mg/L、10,000-50,000mg/L、または50,000mg/Lを超える濃度でマンガンを含む。一実施形態において、液体資源は、0-2,000mg/Lの間の濃度で鉛を含有する。一実施形態において、液体資源は、1mg/L未満、1-50mg/L、50-200mg/L、200-500mg/L、500-2,000mg/L、または2,000mg/Lを超える濃度で鉛を含む。
【0017】
一実施形態において、液体資源が特定の金属を除去するために処理されて、供給液体を生成する。一実施形態において、供給液体は、0-1,000mg/Lの濃度で鉄を含有する。一実施形態において、供給液体は、0.01mg/L未満、0.01-0.1mg/L、0.1-1.0mg/L、1.0-10mg/L、10-100mg/L、または100-1,000mg/Lの濃度で鉄を含有する。一実施形態において、供給液体は、0-1,000mg/Lの濃度でマンガンを含有する。一実施形態において、供給液体は、0.01mg/L未満、0.01-0.1mg/L、0.1-1.0mg/L、1.0-10mg/L、10-100mg/L、または100-1,000mg/Lの濃度でマンガンを含有する。一実施形態において、供給液体は、0-1,000mg/Lの濃度で鉛を含有する。一実施形態において、供給液体は、0.01mg/L未満、0.01-0.1mg/L、0.1-1.0mg/L、1.0-10mg/L、10-100mg/L、または100-1,000mg/Lの濃度で鉛を含有する。一実施形態において、供給液体は、0-1,000mg/Lの濃度で亜鉛を含有する。一実施形態において、供給液体は、0.01mg/L未満、0.01-0.1mg/L、0.1-1.0mg/L、1.0-10mg/L、10-100mg/L、または100-1,000mg/Lの濃度で亜鉛を含有する。一実施形態において、供給液体は、0-2,000mg/Lの間の濃度でリチウムを含有する。一実施形態において、供給液体は、1-50mg/L、50-200mg/L、200-500mg/L、500-2,000mg/L、または2,000mg/Lを超える濃度でリチウムを含有する。
【0018】
一実施形態において、供給液体が処理されて、リチウムなどの金属を回収し、使用済みブラインまたはラフィネートを生成する。一実施形態において、ラフィネートは、0-1,000mg/Lの濃度で回収された金属の残留量を含有する。一実施形態において、ラフィネートは、0.01mg/L未満、0.01-0.1mg/L、0.1-1.0mg/L、1.0-10mg/L、10-100mg/L、または100-1,000mg/Lの濃度で、回収された金属の残留量を含む。
【0019】
一実施形態において、液体資源、供給液体、および/またはラフィネートのpHは、0未満、0-1、1-2、2-4、4-6、6-8、4-8、8-9、9-10、9-11、または10-12に修正される。一実施形態において、液体資源、供給液体、および/またはラフィネートのpHは、約4未満、4-6、6-8、4-8、8-9、9-10、9-11、または10-12に修正される。一実施形態において、液体資源、供給液体、および/またはラフィネートのpHが修正されて、金属を沈殿または溶解させる。
【0020】
一実施形態において、少なくとも1つの金属が液体資源から沈殿されて、少なくとも1つの沈殿物を形成する。一実施形態において、沈殿物には、遷移金属水酸化物、オキシ水酸化物、硫化物、凝集剤、凝集物(aggregate)、凝集体(agglomerate)、またはこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、沈殿物には、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、その他の金属、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。一実施形態において、沈殿物は、スラリー、フィルターケーキ、ウェットフィルターケーキ、ドライフィルターケーキ、高密度スラリー、および/または希釈スラリーに濃縮される。
【0021】
一実施形態において、沈殿物は、0-800,000mg/kgの間の濃度で鉄を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度で鉄を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0-800,000mg/kgの濃度でマンガンを含む。一実施形態において、沈殿物は、0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度でマンガンを含有する。一実施形態において、沈殿物は、0-800,000mg/kgの濃度で鉛を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度で鉛を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0-800,000mg/kgの濃度でヒ素を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度でヒ素を含有する。一実施形態において、沈殿物は、0-800,000mg/kgの濃度でマグネシウムを含有する。一実施形態において、沈殿物は、0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度でマグネシウムを含有する。一実施形態において、沈殿物は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/または他の金属を0-800,000mg/kgの濃度で含有する。一実施形態において、沈殿物は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、PdPt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属を0.01mg/kg未満、0.01-1mg/kg、1-100mg/kg、100-10,000mg/kg、または10,000-800,000mg/kgの濃度で含有する。
【0022】
一実施形態において、沈殿物は有毒および/または放射性である。
【0023】
一実施形態において、沈殿物は、沈殿物を少なくとも1つの酸とあわせることによって再溶解される。一実施形態において、混合装置内で沈殿物を少なくとも1つの酸とあわせることによって、沈殿物は再溶解される。一実施形態において、沈殿物は、高剪断ミキサーを使用して沈殿物を少なくとも1つの酸とあわせることによって再溶解される。
【0024】
リチウムは、バッテリーおよび他の技術にとって不可欠な要素である。リチウムは、天然および合成のブライン、ならびに鉱物、粘土、リサイクル製品からの浸出液など、さまざまな液体資源において見出される。リチウムは、任意選択で、無機イオン交換材料に基づくイオン交換プロセスを使用して、そのような液体資源から抽出される。これらの無機イオン交換材料は、水素を放出しながら液体資源からリチウムを吸収し、次いで水素を吸収しながら少なくとも1つの酸でリチウムを溶出する。このイオン交換プロセスは、任意選択で繰り返され、液体資源からリチウムが抽出され、濃縮リチウム溶液を産生する。濃縮リチウム溶液は、任意選択で、バッテリー産業または他の産業用の化学物質にさらに処理される。
【0025】
イオン交換材料は任意選択でビーズに形成され、ビーズは任意選択でイオン交換カラム、攪拌タンク反応器、他の反応器、またはリチウム抽出用の反応器システムに装填される。液体資源(例えば、ブライン)、酸、および他の溶液の交互の流れは、イオン交換カラム、反応器、または反応器システムを通して任意選択で流され、液体資源からリチウムを抽出し、酸を使用してカラムから溶出されるリチウム濃縮物を生成する。液体資源がイオン交換カラム、反応器、または反応器システムを通して流れると、イオン交換材料は水素を放出しながらリチウムを吸収し、ここで、リチウムと水素は両方とも陽イオンである。液体資源のpHが、任意選択で、熱力学的に好ましいリチウムの取り込みおよびそれに伴う水素の放出を容易にするために適切な範囲に任意選択で維持されていない限り、リチウムの取り込みの間の水素の放出は、液体資源を酸性化し、リチウムの取り込みを制限する。一実施形態において、液体資源のpHは、イオン交換材料から液体資源内に放出されたプロトンを中和するために塩基を添加することによって、設定点付近に維持される。
【0026】
液体資源のpHを制御し、イオン交換カラムにおけるリチウムの取り込みに適した範囲にpHを維持するために、NaOH、Ca(OH)、CaO、KOH、またはNHなどの塩基が、固体、水溶液、またはその他の形態で液体資源に任意選択で添加される。Mg、Ca、Sr、またはBaなどの2価イオンを含む液体資源については、液体資源に塩基を添加すると、Mg(OH)またはCa(OH)などの固体の沈殿を引き起こしし、このことはイオン交換反応の問題を発生する可能性がある。これらの沈殿物は、少なくとも3つの方法で問題を引き起こす。第1に、沈殿が溶液から塩基を除去する可能性があり、プロトンを中和し、イオン交換カラムでのリチウムの取り込みに適した範囲にpHを維持するために溶液中に利用できる塩基を少ないままにする。第2に、塩基の添加に起因して形成する沈殿物は、イオン交換ビーズの表面および細孔、ならびにイオン交換ビーズ間の空隙を含む、イオン交換カラムを詰まらせる可能性がある。この目詰まりは、リチウムがビーズに入り、イオン交換材料に吸収されることを妨害する可能性がある。この目詰まりはまた、カラムに大きな圧力ヘッドを引き起こす可能性もある。第3に、酸溶出の間にカラム内の沈殿物が溶解し、それによってイオン交換システムによって生成されたリチウム濃縮物が汚染される。イオン交換ビーズが液体資源からリチウムを吸収するための、液体資源の理想的なpH範囲は任意選択で5-7であり、好ましいpH範囲は任意選択で4-8であり、許容されるpH範囲は任意選択で1から9である。一実施形態において、液体資源のpH範囲は、任意選択で、約1-約14、約2-約13、約3-約12、約4-約12、約4.5-約11、約5-約10、約5-約9、約2-約5、約2-約4、約2-約3、約3-約8、約3-約7、約3-約6、約3-約5、約3-約4、約4-約10、約4-約9、約4-約8、約4-約7、約4-約6、約4-約5、約5-約6、約5-約7、約5-約8、約6-約7、約6-約8、または約7-約8である。
【0027】
望ましい金属の回収を容易にするための望ましくない金属の取り扱いのためのプロセス
直接抽出技術を使用して、1つ以上の望ましい金属を液体資源から回収することができる。一実施形態において、直接抽出技術には、イオン交換技術、吸収技術、溶媒抽出技術、膜技術、直接沈殿技術、およびこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態において、望ましい金属には、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属が含まれる。一実施形態において、液体資源は、1つ以上の望ましくない金属を含む。一実施形態において、望ましくない金属には、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属が含まれる。一実施形態において、1つ以上の金属は、特定のプロセスには望ましくないが、別のプロセスには望ましい。
【0028】
一実施形態において、液体資源からリチウムを回収するためにイオン交換材料が使用される。一実施形態において、鉄、マンガン、および/または他の金属などの金属は、リチウム回収プロセスを妨害するため、リチウム回収の間に液体資源に存在することは望ましくない。一実施形態において、鉄およびマンガンなどの望ましくない金属を液体資源から沈殿させ、得られた沈殿物を液体資源から分離して、これらの望ましくない金属の濃度が低下した供給液体を生成し、その結果、供給液体からリチウムおよび/または他の望ましい金属の回収を容易にする。一実施形態において、沈殿した鉄、マンガン、および/または他の望ましくない金属は、価値が低く、廃棄コストが高いということに関連した課題を提示する。一実施形態において、沈殿した鉄、マンガン、および/または他の望ましくない金属は、廃棄のために再溶解してもよい。一実施形態において、沈殿した鉄、マンガン、および/または他の望ましくない金属は、Ca(OH)および/またはNaOHなどの少なくとも1つの塩基の添加によって液体資源から沈殿させてもよい。一実施形態において、沈殿した鉄、マンガン、および/または他の望ましくない金属は、HClおよび/またはHSOなどの少なくとも1つの酸を使用して、廃棄のために再溶解してもよい。
【0029】
一実施形態において、液体資源から望ましい金属および/または望ましくない金属を取り出すために、複数の沈殿ステップを使用して液体資源から金属を回収し、上記望ましくない金属および/または望ましい金属を取り出して、得られた処理された液体資源(例えば、本明細書に記載の供給液体またはラフィネート)と再度あわせてもよい。一実施形態において、複数の沈殿ステップを使用して液体資源から金属を回収して、液体資源から望ましい金属および望ましくない金属を取り出し、上記望ましくない金属を取り出し、得られた処理された液体資源(例えば、望ましい金属が枯渇した液体資源、または本明細書に記載の供給液体、またはラフィネート)と再びあわせることができる。一実施形態において、望ましい金属は液体資源から沈殿するが、望ましくない金属は液体資源中に残る。一実施形態において、望ましい金属を液体資源から望ましくない金属と共沈させてラフィネートを形成し、その後、望ましい金属および/または望ましくない金属を上記ラフィネートに再溶解させてもよい。一実施形態において、複数の望ましくない金属は、少なくとも1つの塩基、少なくとも1つの酸化剤、特定の温度、化学物質、膜、および/または固液分離装置の組み合わせを使用して、後続の工程において液体資源から沈殿される。
【0030】
一実施形態において、望ましくない金属は、1)液体資源から沈殿され、2)液体資源から取り出され、3)再溶解され(例えば、溶液に)、および4)廃棄のために別の液体と混合される。一実施形態において、望ましくない金属は、塩基、酸化剤、またはこれらの組み合わせの添加による沈殿を通して液体資源から取り出され、続いて、液体資源から得られる固体の取り出し(望ましくない金属の上記沈殿を介して)、得られた固体の酸の添加による再溶解、続いて、再溶解した望ましくない金属を別の液体と混合すること、および、続いて、再溶解した望ましくない金属と混合した上記別の液体の廃棄を行う。一実施形態において、望ましくない金属は、塩基、酸化剤、またはこれらの組み合わせの添加による沈殿を通して液体資源から除去され、続いて、液体資源から得られる固体の取り出し、続いて、得られる固体の、酸の添加による再溶解(望ましくない金属の沈殿を介して)、続いて、再溶解した望ましくない金属の廃水との混合、および、続いて、廃水の廃棄を行う。一実施形態において、再溶解した望ましくない金属は、廃棄のために、ラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体に溶解してもよい。一実施形態において、再溶解した望ましくない金属は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体と混合してもよい。一実施形態において、望ましくない金属の固体は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体に溶解することができる。一実施形態において、望ましくない金属は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体と混合してもよい。
【0031】
一実施形態において、鉄、マンガン、鉛、亜鉛、および/または他の金属などの金属は、少なくとも1つの塩基および任意選択で少なくとも1つの酸化剤を液体資源に添加することによって、液体資源(例えば、ブライン)から沈殿させ、ここで、沈殿した金属は液体資源から分離されて供給液体を形成し、リチウムは供給液体から回収されてラフィネートを形成し、次いで沈殿した金属は、再注入のためにラフィネートに溶解される。一実施形態において、沈殿した金属は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを使用して、液体資源から分離される。一実施形態において、ラフィネートは廃棄のために地下に再注入され、ここで、ラフィネートは、液体資源が得られた元のリザーバ、および/または液体資源が得られた場所とは別のリザーバに再注入される。
【0032】
一実施形態において、望ましくない金属は、イオン交換材料を使用して液体資源から除去される。一実施形態において、望ましくない金属は、酸、塩溶液、またはこれらの組み合わせを使用してイオン交換材料から溶出される。一実施形態において、望ましくない金属は、ナノ濾過膜、沈殿、またはこれらの組み合わせを使用して溶出液から分離される。一実施形態において、望ましくない金属または他の金属は、塩化ナトリウムの溶液を使用してイオン交換材料から溶出され、金属(望ましくない金属または他の金属)は、除去された金属を含む溶出液が、イオン交換材料から金属を溶出するために再利用できるように、ナノ濾過膜を使用して溶出液から除去される。一実施形態において、ナノ濾過膜は、分離してリザーバに再注入することができる、溶解した金属を含む残留物を生成する。一実施形態において、ナノ濾過膜は、処理された液体資源(例えば、本明細書に記載のラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせと混合することができる、溶解した金属を含む残留物を生成する。
【0033】
一実施形態において、沈殿および/または分離された望ましくない金属は、少なくとも1つの酸を使用してラフィネートに溶解される。一実施形態において、沈殿および/または分離された望ましくない金属は、塩酸および/または硫酸を使用してラフィネートに溶解される。一実施形態において、望ましくない金属は、少なくとも1つの塩基を使用して液体資源から沈殿される。一実施形態において、望ましくない金属は、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、および/または水酸化カルシウムを使用して、液体資源から沈殿される。一実施形態において、酸は、電気化学セル、電気化学膜セル、電解セル、またはこれらの組み合わせを使用して生成される。一実施形態において、酸は硫黄を燃焼させることによって生成される。一実施形態において、塩基は、電気化学セル、電気化学膜セル、電解セル、またはこれらの組み合わせを使用して生成される。一実施形態において、塩基は石灰を焙焼することによって生成される。一実施形態において、酸および塩基は両方とも、電気化学セル、電気化学膜セル、電解セル、またはこれらの組み合わせを使用して生成される。
【0034】
一実施形態において、鉄、マンガン、鉛、亜鉛、または他の金属などの望ましくない金属は、液体資源に少なくとも1つの塩基および任意選択で少なくとも1つの酸化剤を添加することによって液体資源から沈殿され、ここで、沈殿した金属は液体資源から分離されて供給液体を形成し、望ましい金属は供給液体から回収されてラフィネートを形成し、次に望ましくない金属が廃棄のためにラフィネートに溶解される(例えば、液体資源が得られた場所であるリザーバなどの、地下のリザーバへの再注入)。一実施形態において、金属(望ましくない金属または他の金属)は、水酸化物、リン酸、硫化物、および/または他の化学物質などの少なくとも1つの化学沈殿物を使用して沈殿される。一実施形態において、望ましくない金属の沈殿を容易にするために、少なくとも1つの酸化剤が使用され、ここで、少なくとも1つの酸化剤には、過酸化水素、空気、酸素、および/または他の酸化剤が含まれる。一実施形態において、少なくとも1つの凝集剤が使用されて沈殿物を凝集させて、固液分離を容易にする。一実施形態において、沈殿した望ましくない金属は、液体資源からの沈殿した望ましくない金属の分離を容易にするために、凝集剤、凝固剤、またはこれらの組み合わせを使用して凝集される。一実施形態において、沈殿した金属は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを使用して、液体資源から分離される。一実施形態において、ラフィネートは、廃棄のために地下に再注入され、ここで、ラフィネートは液体資源の元のリザーバ、および/または液体資源の別のリザーバに再注入される。
【0035】
いくつかの実施形態において、液体資源を処理して金属を除去し、他の金属の回収を容易にする。いくつかの実施形態において、液体資源は、リチウム、マンガン、亜鉛、鉛、鉄、金、白金、ルビジウム、または他の金属などの他の金属の回収を容易にするために、金属(例えば、望ましくない金属)を除去するために処理される。いくつかの実施形態において、液体資源が処理されて望ましくない金属を除去し、供給液体を形成して、上記供給液体からの望ましい金属の回収を容易にし、望ましい金属の回収後、それによってラフィネートを形成し、望ましくない金属を上記ラフィネート中に再溶解し、ラフィネート混合物を形成する。いくつかの実施形態において、望ましくない金属がラフィネートに再溶解され、廃棄のために地下に注入されるラフィネート混合物を形成する。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、ラフィネートに再溶解され、それらが生じたリザーバに廃棄するために地下に注入される。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、ラフィネートに再溶解され、廃棄のためにそれらが生じたリザーバとは別のリザーバに、地下に注入される。
【0036】
いくつかの実施形態において、望ましくない金属または遷移金属は、液体資源から沈殿され、その後、沈殿物を酸と組み合わせて濃縮溶液を形成すること、次いで濃縮溶液を処理された液体資源(例えば、ラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせと混合することによって、処理された液体資源(例えば、本明細書に記載のラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解される。いくつかの実施形態において、望ましくない金属または遷移金属は、液体資源から沈殿され、その後、沈殿物を、処理された液体資源(例えば、本明細書に記載のラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせとあわせて混合物を形成すること、次いで酸を上記混合物に添加することによって、処理された液体資源(例えば、本明細書に記載のラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解される。
【0037】
いくつかの実施形態において、望ましくない金属の別のセットが、別のpH範囲で液体資源から沈殿および分離される。いくつかの実施形態において、FeおよびMnが沈殿され、別のpH点で液体資源から分離される。いくつかの実施形態において、FeおよびMnは、あるpH範囲で沈殿されて液体資源から分離され、PbおよびZnは、別のpH範囲で沈殿されて液体資源から分離される。いくつかの実施形態において、FeおよびMnは、あるpH範囲で沈殿して液体資源から分離され、Pbは、別のpH範囲で沈殿して液体資源から分離される。
【0038】
イオン交換材料を使用した望ましい金属の回収
一実施形態において、リチウムは、イオン交換材料を使用して、ブラインなどの液体資源から回収される。イオン交換システムの一実施形態において、1つ以上のイオン交換カラムに、イオン交換材料の固定ベッドまたは流動ベッドが装填される。システムの一実施形態において、イオン交換カラムは、入口ポートおよび出口ポートを備えた円筒構造である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、任意選択で、入口ポートおよび出口ポートを備えた非円筒構造である。さらなる実施形態において、イオン交換カラムはタンクである。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、ブラインポンピング用の入口ポートおよび出口ポート、ならびにイオン交換材料をカラムに出し入れするための追加のドアまたはハッチを任意選択で有する。さらなる実施形態において、イオン交換カラムは、イオン交換材料の紛失、こぼれ、または盗難のリスクを低減するために、1つ以上の安全装置を任意選択で装備する。この材料は、可逆的にブラインからリチウムを吸収し、酸中でリチウムを放出することができる。一実施形態において、イオン交換材料は、イオン交換材料の溶解または分解を制限するために、SiO、ZrO、またはTiOなどのコーティング材料を用いて任意選択で保護された粒子から構成される。一実施形態において、イオン交換材料は粉末の形態であってもよい。一実施形態において、材料はビーズの形態であってもよい。一実施形態において、ビーズは、イオン交換材料を結合する耐酸性ポリマーなどの構造成分を含む。一実施形態において、ビーズは、ブライン、酸、水溶液、および他の溶液のビーズへの浸透を容易にしてビーズへおよびビーズからリチウムおよび水素を送達するか、またはビーズを洗浄する細孔を含む。一実施形態において、ビーズ細孔は、細孔サイズの分布を有する細孔の接続されたネットワークを形成するように構造化され、ビーズ形成の間にフィラー材料を組み込み、後でそのフィラー材料を液体または気体中で除去することによって構造化される。
【0039】
イオン交換システムの一実施形態において、システムは再循環バッチシステムであり、これは、塩基をブラインに混合し、塩基の添加後にあらゆる沈殿物を沈殿させ、そしてイオン交換カラムまたは他のタンクへの再注入の前にブラインを保管するための1つ以上のタンクに接続されたイオン交換カラムを備える。再循環バッチシステムの一実施形態において、ブラインは、1つ以上のタンクに装填され、イオン交換カラムを通してポンプで送られ、一連のタンクを通してポンプで送られ、次いでループ内のイオン交換カラムに戻される。一実施形態において、ブラインは、任意選択で、このループを繰り返し横断する。一実施形態において、ブラインは、イオン交換カラムを通して再循環され、材料による最適なリチウムの取り込みを可能にする。一実施形態において、pHがリチウムの取り込みのために適切なレベルに維持されるように、およびイオン交換カラム内の塩基関連沈殿物の量が最小限に抑えられるように、ブラインに塩基が添加される。
【0040】
一実施形態において、イオン交換材料は、LiFePO、LiMnPO、LiMO(M=Ti、Mn、Sn)、LiTi12、LiMn12、LiMn、Li1.6Mn1.6、LiMO(M=Al、Cu、Ti)、LiTiO、LiTi1124、LiVO、LiSi,LiCuP、Al(OH)、LiCl.xAl(OH).yHO、SnO.xSb.yHO、TiO.xSb.yHO、これらの固体溶液、またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、ここで、xは0.1-10であり、yは0.1-10である。一実施形態において、イオン交換材料は、コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、またはこれらの組み合わせを含む。さらなる一態様では、コーティング材料はポリマーを含む。一実施形態において、コーティング材料は、クロロポリマー、フルオロポリマー、クロロフルオロポリマー、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、それらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、コーティング材料は、炭化物、窒化物、酸化物、リン酸化合物、フッ化物、ポリマー、炭素、炭素質材料、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、Nb、Ta、MoO、TiO、ZrO、MoO、SnO、SiO、LiO、LiTiO、LiZrO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiSiO、LiSi、LiMnO、ZrSiO、AlPO、LaPO、ZrP、MoP、Mo12、BaSO、AlF、SiC、TiC、ZrC、Si、ZrN、BN、カーボン、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン、ハードカーボン、ダイヤモンド様カーボン、それらの固溶体、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、クロロポリマー、またはフルオロクロロポリマーを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、TiO、ZrO、SiO MoO、LiTiO、LiZrO、LiMnO、ZrSiO、またはLiNbO、AlF、SiC、Si、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン、ダイヤモンド様カーボン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、TiO、SiO、またはZrOを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料はTiOを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料はSiOを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料はZrOを含む。
【0042】
さらなる態様では、コーティング材料は、コポリマー、ブロックコポリマー、線状ポリマー、分岐ポリマー、架橋ポリマー、熱処理ポリマー、溶液処理ポリマー、これらの共重合体、それらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0043】
さらなる態様では、コーティング材料は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、各種ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(4-ビニルピリジン-コ-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、アクリロニトリル ブタジエン スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(PCTFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化エチレン-プロピレン(FEP)、パーフルオロ化エラストマー、クロロトリフルオロエチレンビニリデンフロライド(FKM)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロスルホン酸(Nafion(登録商標))、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリビニルブチラール(PVB)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリジビニルベンゼン、これらの共重合体、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0044】
さらなる態様では、コーティング材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(Halar(登録商標))、ポリ(4-ビニルピリジン-コ-スチレン)(PVPCS)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル ブタジエン スチレン(ABS)、発泡ポリスチレン(EPS)、ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、その他のポリマー、これらのコポリマー、これらの混合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0045】
一実施形態において、イオン交換材料は多孔性イオン交換材料である。一実施形態において、イオン交換材料は多孔性ビーズの形態である。一実施形態において、イオン交換材料は粉末形態である。一実施形態において、酸溶液はHSOまたはHClの溶液である。
【0046】
いくつかの実施形態において、リチウムまたは他の金属は、イオン交換のための多孔質構造を使用して液体資源(例えば、ブライン)から回収され、この多孔質構造は、a)構造支持体、およびb)コーティングされたイオン交換粒子、コーティングされていないイオン交換粒子、およびそれらの組み合わせから選択される複数の粒子を含む。いくつかの実施形態では、構造支持体は、ポリマー、酸化物、リン酸化合物、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、構造支持体はポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、クロロポリマー、フルオロポリマー、フルオロクロロポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、スルホン化ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリブタジエン、スルホン化ポリマー、カルボキシル化ポリマー、ポリアクリロニトリル、Nafion(登録商標)、これらのコポリマー、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、リチウムまたは他の金属は、バッチ、半バッチ、半連続、または連続プロセスを使用してブラインから回収される。いくつかの実施形態において、イオン交換ビーズは、ブラインの反対方向にシステムを通って移動する。
【0047】
液体資源からの沈殿物の固液分離
一実施形態において、沈殿した金属は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを使用して、液体資源から分離される。いくつかの実施形態において、沈殿した金属は、フィルターを使用して液体資源から除去される。いくつかの実施形態において、フィルターは、ベルトフィルター、プレートアンドフレームフィルタープレス、フィルター要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定ベッドまたは移動ベッドを有する遠心フィルター、金属スクリーン、穿孔バスケット遠心機、三点遠心機、ピーラー型遠心機、プッシャー遠心機、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、フィルターはスクロールおよび/または振動装置を使用する。いくつかの実施形態において、フィルターは水平、垂直であり、および/またはサイフォンを使用してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、フィルターケーキは、重力、遠心力、電場、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、クローフロー濾過、および/またはフィルターの表面全体を横切るポンピング懸濁液を使用することによって、防止、制限、または除去される。いくつかの実施形態において、沈殿した金属および液体は、ケーキの成長を制限するためにフィルターに対して接線方向に移動される。いくつかの実施形態において、ケーク形成を防止するために、濾過前、濾過中、および/または濾過後に、重力、磁気、遠心沈降、および/または固液分離の他の手段が使用される。
【0049】
いくつかの実施形態において、フィルターは、スクリーン、金属スクリーン、ふるい、ふるい曲がり、曲がったふるい、高周波数電磁スクリーン、共鳴スクリーン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の粒子トラップは固液分離装置である。
【0050】
いくつかの実施形態において、1つ以上の固液分離装置を直列または並列で使用することができる。いくつかの実施形態において、沈殿した金属の希薄スラリーをタンクから取り出し、外部の固液分離装置に移し、濃縮スラリーと懸濁固形物が少ないかまたは全くない溶液とに分離する。いくつかの実施形態において、沈殿した金属の濃縮スラリーは、タンクに戻されるか、または別のタンクに移される。いくつかの実施形態において、沈殿した金属は、液体資源タンクから別の液体資源タンクへ、酸タンクから別の酸タンクへ、洗浄タンクから別の洗浄タンクへ、液体資源タンクから洗浄タンクへ、洗浄タンクから酸タンクへ、酸タンクから洗浄タンクへ、または酸タンクから液体資源タンクへ移される。
【0051】
いくつかの実施形態において、液体資源から沈殿物を分離するための固液分離装置は、重力沈降を使用する。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、沈降タンク、濃縮器、清澄器、重力濃縮器を含む。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、バッチモード、半バッチモード、半連続モード、または連続モードで操作される。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、中央入口を通って入る沈殿した金属のスラリーを有する円形の槽(basin)の濃縮器を含み、その結果、スラリーは、イオン交換粒子を回転させてイオン交換粒子を濃縮する1つ以上の掻き集め構成要素(raking components)によって、粒子が濃縮器の底を通って出ることができるゾーンである濃縮器内に分散される。
【0052】
いくつかの実施形態において、固液分離装置は、ディープコーン、ディープコーンタンク、ディープコーン圧縮タンク、またはスラリーが重量によって圧縮されるタンクを含む。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、中心軸および掻き集め構成要素とともに垂直に配向された一連の濃縮器を有するトレイ濃縮器を備える。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、滑らか、平坦、粗い、または波形であってもよい傾斜プレートおよび/またはチューブを有するラメラタイプの濃縮器を備える。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、一方の端に供給口を有し、反対端に任意選択でパドルおよび/または粒子を移動させるためのチェーン機構を備えた排水管を有する長方形の槽(basin)であり得る重力式浄化器を含む。いくつかの実施形態において、固液分離装置は粒子トラップであってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、固液分離装置は、遠心沈降を使用する。いくつかの実施形態において、固液分離装置には、管状遠心分離機、マルチチャンバー遠心分離機、円錐バスケット遠心分離機、スクロール型遠心分離機、沈降遠心分離機、および/またはディスク遠心分離機が含まれる。いくつかの実施形態において、沈殿した金属は、遠心分離機から連続的または断続的に排出される。いくつかの実施形態において、固液分離装置はハイドロサイクロンである。いくつかの実施形態において、固液分離装置は、直列および/または並列のハイドロサイクロンまたは遠心分離機のアレイである。いくつかの実施形態において、サンプを使用して、沈殿した金属を再スラリー化する。いくつかの実施形態において、ハイドロサイクロンは複数の供給点を有してもよい。いくつかの実施形態において、ハイドロサイクロンは逆さにして使用される。いくつかの実施形態において、切れ目の鋭さを改善するためにハイドロサイクロンの円錐の頂点付近に液体が注入される。いくつかの実施形態において、堰が粒子トラップの中心で回転し、沈殿した金属のスラリーの供給が装置の中央近くに入り、ここで、沈殿した金属は「ティーカップ効果」に起因して装置の底部および中央にトラップされる。
【0054】
塩基および酸の生成
一実施形態において、液体資源から望ましくない金属を沈殿させるために少なくとも1つの塩基が使用され、ここで、沈殿した金属は液体資源から分離され、次に沈殿した金属は、少なくとも1つの酸を使用して、処理された液体資源(例えば、本明細書に記載されるようなラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解される。一実施形態において、酸および塩基は、電気化学セルを使用して生成される。一実施形態において、酸および塩基は、電極を使用して生成される。一実施形態において、酸および塩基は、膜を使用して生成される。いくつかの実施形態において、上記膜はイオン伝導膜を含む。
【0055】
一実施形態において、上記イオン伝導膜は、陽イオン伝導膜、陰イオン伝導膜、またはこれらの組み合わせである。一実施形態において、上記イオン伝導膜は、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフルオロポリマー-コポリマー、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、MK-40、これらのコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、上記陰イオン伝導膜は官能化ポリマー構造を含む。
【0056】
一実施形態において、上記官能化ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、過フッ素化ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルベンジル、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらのポリマーまたは他の種類のポリマーの代替物(alterations)、またはそれらの複合物を含む。一実施形態において、上記陽イオン伝導膜は、リチウムイオンの移動を可能にするが、陰イオン基の移動を防止する。一実施形態において、上記イオン伝導膜は、約1μmから約1000μmまでの厚さを有する。一実施形態において、上記イオン伝導膜は、約1mmから約10mmまでの厚さを有する。
【0057】
一実施形態において、上記電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、それらの酸化物、またはこれらの組み合わせから構成される。一実施形態において、上記電極は、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、混合金属酸化物、グラフェン、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせのコーティングをさらに含む。
【0058】
統合システムの一実施形態において、塩素アルカリ設定を使用して、NaCl水溶液からHClおよびNaOHを生成する。一実施形態において、選択的リチウム取り込みのためにイオン交換システムからリチウムを溶出してリチウム溶出液を生成するためにHClが使用される。一実施形態において、塩素アルカリ設定からのNaOHが使用されて、選択的なリチウム取り込みのためにイオン交換システム内のブラインのpHを制御する。一実施形態において、NaOHは、リチウム溶出液から不純物を沈殿させるために使用される。
【0059】
一実施形態において、システムは、1つ以上の電気化学システムまたは電気分解(電解)システムを含む。「電気化学」および「電気分解」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、これらの用語は、特に断りのない限り同義である。一実施形態において、電解システムは、1つ以上の電気化学セルから構成される。一実施形態において、電気化学システムが使用されてHClおよびNaOHを生成する。一実施形態において、電気化学システムは、塩溶液を塩基中の酸に変換する。一実施形態において、電気化学システムは、NaCl、KCl、および/または他の塩化物を含む塩溶液を塩基および酸に変換する。一実施形態において、液体資源(例えば、ブライン)から沈殿または回収される塩溶液が電気化学システムに供給されて、酸および塩基が生成される。一実施形態において、電解システムは、リチウム塩溶液を変換して、水酸化リチウム溶液、酸性溶液、および任意選択で希薄リチウム塩溶液を形成する。一実施形態において、リチウム塩溶液は、任意選択で濃縮および/または精製されたイオン交換システムによって生成されるリチウム溶出液であるか、またはそれに由来する。一実施形態において、電解システムからの酸性溶液は、イオン交換システムに戻されて、より多くのリチウム溶出溶液を溶出させる。
【0060】
統合システムの一実施形態において、統合システムは、1つ以上の電解システムを含む。一実施形態において、電解システムは、1つ以上の電気透析セルから構成される。一実施形態において、電解システムは、リチウム塩溶液を変換して、水酸化リチウム溶液、酸性溶液、および任意選択で希薄リチウム塩溶液を形成する。一実施形態において、リチウム塩溶液は、任意選択で濃縮および/または精製されたイオン交換システムによって生成されるリチウム溶出液であるか、またはそれに由来する。一実施形態において、電解システムからの酸性溶液をイオン交換システムに戻して、より多くのリチウム溶出溶液を溶出させる。
【0061】
一実施形態において、リチウム塩溶液は、イオン交換システムからの未反応の酸を含む。一実施形態において、イオン交換システムからのリチウム塩溶液中の未反応の酸は、電解システムを通過し、さらに酸性化されて酸性溶液を形成する。一実施形態において、イオン交換システムに由来するリチウム塩溶液は、精製されて、リチウム塩溶液中の未反応の酸を中和することなく不純物を除去し、次いで電解システムに供給される。
【0062】
一実施形態において、電解システムによって生成される酸性溶液は、電解システムに供給されるリチウム塩溶液からのリチウムイオンを含む。一実施形態において、リチウムイオンを含む酸性溶液は電解システムを離れ、イオン交換システムに戻されてリチウムを溶出し、より多くのリチウム塩溶液を生成する。
【0063】
電解システムの一実施形態において、電解セルは電気化学セルである。電気化学セルの一実施形態において、膜は陽イオン伝導膜および/または陰イオン伝導膜であってもよい。一実施形態において、電気化学セルは、チャンバ間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物基、硫酸基、および水酸化物基などの陰イオン基の移動を防止する陽イオン伝導膜を有する2区画セルである。
【0064】
電解システムの一実施形態において、電解セルは電気透析セルである。電気透析セルの一実施形態において、膜は陽イオン伝導性および/または陰イオン伝導性膜であってもよい。一実施形態において、電気透析セルは、チャンバ間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物基、硫酸基、および水酸化物基などの陰イオン基の移動を防止する陽イオン伝導膜を有する2区画セルである。
【0065】
電解システムの一実施形態において、電解セルは膜電解セルである。膜電解セルの一実施形態において、膜は陽イオン伝導性および/または陰イオン伝導性膜であってもよい。一実施形態において、膜電解セルは、チャンバ間のリチウムイオンの移動を可能にするが、塩化物基、硫酸基、および水酸化物基などの陰イオン基の移動を防止する陽イオン伝導膜を有する2区画セルである。
【0066】
一実施形態において、膜電解セルは、電気化学的な還元電極を備えた区画を中央区画から分離する、リチウムイオンの移動を可能にする陽イオン伝導膜を備え、そして電気化学的な酸化電極を備えた区画を中央区画から分離する、陰イオンの移動を可能にする陰イオン伝導膜を有する3区画セルである。一実施形態において、陽イオン伝導膜は、塩化物、硫酸化合物、または水酸化物などの陰イオンの移動を防止する。一実施形態において、陰イオン伝導膜は、リチウム、ナトリウム、またはプロトンなどの陽イオンの移動を防止する。
【0067】
膜電解セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはこれらの組み合わせから構成され得る。膜電解セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合体、またはこれらの組み合わせであり得る官能化ポリマー構造から構成される。膜電解セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはこれらの組み合わせで官能化される。
【0068】
電気化学セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはこれらの組み合わせから構成され得る。電気化学セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合体、またはこれらの組み合わせであり得る官能化ポリマー構造から構成される。電気化学セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはこれらの組み合わせで官能化される。
【0069】
電気透析セルの一実施形態において、膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、MK-40、コポリマー、他の膜材料、複合体、またはこれらの組み合わせから構成され得る。電気透析セルの一実施形態において、陽イオン交換膜は、Nafion(登録商標)、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホン化フルオロポリマー、コポリマー、異なるポリマー、ポリマーの複合体、またはこれらの組み合わせであり得る官能化ポリマー構造から構成される。電気透析セルの一実施形態において、陽イオン交換膜のポリマー構造は、スルホン基、カルボン酸基、リン酸基、他の負に帯電した官能基、またはこれらの組み合わせで官能化される。
【0070】
膜電解セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は官能化ポリマー構造から構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、過フッ素化ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルベンジル、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリマーまたは他の種類のポリマーの代替物、またはそれらの複合体から構成され得る。膜の一実施形態において、官能基はポリマー主鎖の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ技術、放射線グラフトを使用して、または他の官能化反応によって付加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋ジアンモニウム基、キヌクリジニウム系第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリ安定化第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0071】
電気化学セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は官能化ポリマー構造から構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、過フッ素化ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルベンジル、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらのポリマーまたは他の種類のポリマーの代替物、またはそれらの複合体から構成され得る。膜の一実施形態において、官能基はポリマー主鎖の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ技術、放射線グラフトを使用して、または他の官能化反応によって付加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋ジアンモニウム基、キヌクリジニウム系第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリ安定化第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0072】
電気透析セルの一実施形態において、陰イオン交換膜は官能化ポリマー構造から構成される。ポリマー構造は、ポリアリーレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン、過フッ素化ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリエピクロロヒドリン、不飽和ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルベンジル、ポリホスファゼン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、これらのポリマーまたは他の種類のポリマーの代替物、またはそれらの複合体から構成され得る。膜の一実施形態において、官能基はポリマー主鎖の一部である。膜の一実施形態において、官能基は、プラズマ技術、放射線グラフトを使用して、または他の官能化反応によって付加される。膜の一実施形態において、官能基は、ベンジルトリアルキルアンモニウム、アルキル側鎖第四級アンモニウム基、架橋ジアンモニウム基、キヌクリジニウム系第四級アンモニウム基、イミダゾリウム基、ピリジニウム基、ペンタメチルグアニジニウム基、アルカリ安定化第四級ホスホニウム基、金属含有陽イオン基、他の陽イオン含有基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0073】
膜電解セルの一実施形態において、膜は、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の厚さを有し得る。膜電解セルの一実施形態において、膜は、1,000μmを超える厚さを有し得る。膜電解セルの一実施形態において、膜は、約1μm-約1000μm、約1μm-約800μm、約1μm-約600μm、約1μm-約400μm、約1μm-約200μm、約1μm-約100μm、約1μm-約90μm、約1μm-約80μm、約1μm-約70μm、約1μm-約60μm、約1μm-約50μm、約1μm-約40μm、約1μm-約30μm、約1μm-約20μm、約1μm-約15μm、または約1μm-約10μmの厚さを有し得る。
【0074】
電気化学セルの一実施形態において、膜は、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の厚さを有し得る。電気化学セルの一実施形態において、膜は、1,000μmを超える厚さを有し得る。電気化学セルの一実施形態において、膜は、約1μm-約1000μm、約1μm-約800μm、約1μm-約600μm、約1μm-約400μm、約1μm-約200μm、約1μm-約100μm、約1μm-約90μm、約1μm-約80μm、約1μm-約70μm、約1μm-約60μm、約1μm-約50μm、約1μm-約40μm、約1μm-約30μm、約1μm-約20μm、約1μm-約15μm、または約1μm-約10μmの厚さを有し得る。
【0075】
電気透析セルの一実施形態において、膜は、10μm未満、50μm未満、200μm未満、400μm未満、または1,000μm未満の厚さを有し得る。電気透析セルの一実施形態において、膜は、1,000μmを超える厚さを有し得る。電気透析セルの一実施形態において、膜は、約1μm-約1000μm、約1μm-約800μm、約1μm-約600μm、約1μm-約400μm、約1μm-約200μm、約1μm-約100μm、約1μm-約90μm、約1μm-約80μm、約1μm-約70μm、約1μm-約60μm、約1μm-約50μm、約1μm-約40μm、約1μm-約30μm、約1μm-約20μm、約1μm-約15μm、または約1μm-約10μmの厚さを有し得る。
【0076】
一実施形態において、電解システムは、2区画電解セルまたは3区画電解セルであり得る電解セルを含む。
【0077】
2区画電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学的に酸化する電極を含む第1の区画を含む。リチウム塩溶液は第1の区画に入り、酸性溶液に変換される。2区画電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学的に還元する電極を含む第2の区画を含む。この第2の区画の区画は、水または希薄なLiOH溶液を入力として取り、より濃縮されたLiOH溶液を出力として生成する。一実施形態において、区画は、陰イオンの輸送を制限する陽イオン伝導膜によって分離されている。
【0078】
3区画電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学的に酸化する電極を含む第1の区画を含む。第1の区画は、入力として水または希釈塩溶液を受け取り、酸性溶液を出力として生成する。3区画電解セルの一実施形態において、セルは、電気化学的に還元する電極を含む第2の区画を含む。この第2の区画は、水または希薄水酸化物溶液を入力として受け取り、より濃縮された水酸化物溶液を出力として生成する。3区画電解セルの一実施形態において、セルは、電極を含まない第3の区画を含み、これは第1の区画と第2の区画との間に配置され、濃縮リチウム塩溶液を入力として受け取り、希薄リチウム塩溶液を出力として生成する。一実施形態において、第1および第3の区画は、陽イオンの輸送を制限する陰イオン伝導膜によって分離される。一実施形態において、第2および第3の区画は、陰イオンの輸送を制限する陽イオン伝導膜によって分離される。
【0079】
電解セルの一実施形態において、電極は、チタン、ニオブ、ジルコニウム、タンタル、マグネシウム、二酸化チタン、これらの酸化物、またはこれらの組み合わせから構成され得る。電解セルの一実施形態において、電極は、白金、TiO、ZrO、Nb、Ta、SnO、IrO、RuO、PtO、混合金属酸化物、グラフェン、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせでコーティングされてもよい。電解セルの一実施形態において、電極は、鋼、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金、鋼合金、またはグラファイトから構成され得る。
【0080】
電解システムの一実施形態において、リチウム塩溶液は、任意選択でHClを含有するLiCl溶液である。電解システムの一実施形態において、電気化学的に酸化する電極は、塩化物イオンを酸化して塩素ガスを生成する。
【0081】
電解システムの一実施形態において、リチウム塩溶液は、任意選択でHSOを含有するLiSO溶液である。電解システムの一実施形態において、電気化学的に酸化する電極は、水、水酸化物、または他の種を酸化して酸素ガスを生成する。
【0082】
電解システムの一実施形態において、電気化学的にする還元電極は、水素イオンを還元して水素ガスを生成する。電解システムの一実施形態において、電気化学的還元電極を含むチャンバは、水酸化物溶液を生成するか、または溶液の水酸化物濃度を増加させる。
【0083】
電解システムの一実施形態において、塩素および水素ガスを燃焼させて、HClバーナー内でHClを生成する。一実施形態において、HClバーナーは、約100-300℃または300-2,000℃に維持されるカラムである。一実施形態において、HClバーナーで生成されたHClは、熱交換を通して冷却され、吸収塔で水に吸収されてHCl水溶液を生成する。一実施形態において、HClバーナーから生成されたHCl溶液は、イオン交換システムからリチウムを溶出するために使用される。
【0084】
一実施形態において、電解セルを出る酸性溶液のpHは、0-1、-2-0、1-2、2未満、1未満、または0未満であり得る。いくつかの実施形態において、膜電解セルは、複数の区画を持つ電気透析セルである。いくつかの実施形態において、電気透析セルは、約2を超える、約5を超える、約10を超える、または約20を超える区画を有し得る。
【0085】
一実施形態において、液体資源から水を除去し、次いで上記液体資源を冷却することによって、NaClが液体資源から回収される。一実施形態において、減圧、蒸留、またはこれらの組み合わせによって液体資源から水が除去される。一実施形態において、水は、本明細書に記載の任意の分離プロセスおよび/または蒸留を使用して液体資源から除去される。一実施形態において、NaClは、液体資源から水を除去すること、上記液体資源を冷却すること、またはこれらの組み合わせによって、液体資源から回収される。
【0086】
一実施形態において、液体資源から金属を沈殿させるために添加される塩基は、水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウムであり得る。一実施形態において、水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウムは、本明細書に記載のように生成される。一実施形態において、塩基は、1N、1-2N、2-4N、4-10N、10-20N、または20-40N未満であり得る塩基濃度を有する水溶液として液体資源に加えられ得る。一実施形態において、塩基は固体として液体資源に添加され得る。
【0087】
一実施形態において、再溶解した金属を、処理された液体資源(例えば、ラフィネート)、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせと混合する前に、沈殿した金属を溶解するために、酸が沈殿した金属に添加され得る。一実施形態において、酸が液体資源に添加されて液体資源を酸性化し得、沈殿した金属は、酸性液体資源とあわせて沈殿した金属を再溶解し得る。一実施形態において、酸は本明細書に記載されるように生成される。
【0088】
下流処理
一実施形態において、液体資源から回収された金属は、下流でさらに処理されて、高純度の液体および固体を生成し得る。一実施形態において、液体資源から回収された金属は、イオン交換、溶媒抽出、膜、濾過、または他の精製技術を用いて精製され得る。一実施形態において、金属は、溶解形態から固体形態に変換され得る。一実施形態において、金属は、沈殿、電気分解、電解採取、キレート化、または結晶化を使用して変換され得る。
【0089】
一実施形態において、リチウムは、塩化リチウムまたは硫酸リチウムから炭酸リチウムまたは水酸化リチウムに変換され得る。一実施形態において、リチウムは、炭酸ナトリウムを使用して多価金属を沈殿させることによって、イオン交換を使用して多価金属を除去することによって、イオン交換を使用してホウ素を除去することによって、膜を使用して不純物を除去することによって、溶媒抽出を使用して不純物を除去することによって、またはこれらの組み合わせによって精製され得る。一実施形態において、リチウムは、炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム溶液、二酸化炭素、水酸化ナトリウム、またはこれらの組み合わせの添加により、塩化リチウムまたは硫酸リチウム溶液から炭酸リチウム固体に変換され得る。一実施形態において、水酸化ナトリウムの添加、硫酸ナトリウムの結晶化、次いで水酸化リチウムの結晶化によって、リチウムは、硫酸リチウムから水酸化リチウムに変換され得る。一実施形態において、リチウムは、水酸化カルシウムの添加により、炭酸リチウムから水酸化リチウムに変換され得る。
【実施例
【0090】
実施例1:遷移金属の分離、リチウムの回収、および遷移金属の再溶解
図1は、本明細書に記載のリチウム回収プロセスのために液体資源から遷移金属を分離するための例示的なフローチャートを示す。液体資源(例えば、原料ブライン(102))は、地熱貯留層から汲み上げられる。原料ブラインには、50,000mg/L Na、50,000mg/L Ca、200mg/L Li、1,000mg/L Fe、800mg/L Mn、50mg/L Pb、およびその他の溶解金属が含まれている。電気化学セル(図示せず)を使用して、NaClをHClおよびNaOHの水溶液に変換する。NaOH水溶液(104)をブラインに添加して、Fe、Mn、およびPbを沈殿させ(106)、原料ブラインが沈殿物を含むスラリー(108)になるようにする。沈殿物は、凝集剤および重力沈降タンク(110)を使用して原料ブラインから分離され、供給液(供給ブライン(112))および沈殿物を含む濃縮スラリー(120)を形成する。供給ブライン(112)は、5mg/L未満のFe、10mg/L未満のMn、および10mg/L未満のPbを含む。供給ブラインを処理して(114)、供給ブラインを、その選択性によりリチウムを吸収するイオン交換材料と接触させることによってリチウムを回収する。リチウムが枯渇したブラインは今やラフィネートである(例えば、使用済みブライン116)。リチウム回収後、沈殿物を含む濃縮スラリー(120)にHCl溶液(118)を加えて、沈殿物を再溶解(122)する。次いで、再溶解した金属(再溶解した沈殿物)をラフィネート116と混合してラフィネート混合物を形成し、これを地熱貯留層に再注入する(124)。
【0091】
実施例2:ハイドロサイクロンを使用する遷移金属の分離、リチウムの回収、および遷移金属の再溶解
図2は、本明細書に記載のリチウム回収プロセスのためにハイドロサイクロンを使用して液体資源から遷移金属を分離するための例示的なフローチャートを示す。液体資源(例えば、原料ブライン(202))は、地熱貯留層から汲み上げられる。原料ブラインには、80,000mg/L Na、30,000mg/L Ca、300mg/L Li、1,500mg/L Fe、1,200mg/L Mn、およびその他の溶解金属が含まれている。水を除去すること、およびブラインを冷却することにより、原料ブラインからNaClを回収する(図示せず)。電気化学セル(図示せず)を使用して、NaClをHClおよびNaOHの水溶液に変換する。NaOH水溶液(204)を原料ブラインに添加してFeおよびMnを沈殿させ(206)、原料ブラインが沈殿物を含むスラリー(208)になるようにする。沈殿物は、ハイドロサイクロン(210)を使用して原料ブラインから分離され、供給液体(供給ブライン(212))および沈殿物を含む濃縮スラリー(220)を形成する。供給ブライン(212)は、2mg/LのFeおよび5mg/LのMnを含む。供給ブラインを処理して(214)、供給ブラインをイオン交換材料と接触させることによってリチウムを回収し、その選択性によりイオン交換カラム内でリチウムを吸収する。リチウムが枯渇したブラインは今やラフィネートである(例えば、使用済みブライン216)。リチウム回収後、沈殿物を含む濃縮スラリー(220)をラフィネート(216)に添加し、得られた混合物にHCl(218)を添加して、沈殿物をラフィネートに再溶解し(222)、ラフィネート混合物を形成する。次いで、ラフィネート混合物を地熱貯留層に再注入する(224)。
【0092】
実施例3:遠心分離機を使用した遷移金属の分離、リチウムの回収、および遷移金属の再溶解
図3は、本明細書に記載のリチウム回収プロセスのために遠心分離機を使用して液体資源から遷移金属を分離するための例示的なフローチャートを示す。液体資源(例えば、原料ブライン(302))は、地熱貯留層から汲み上げられる。原料ブラインには、60,000mg/L Na、40,000mg/L Ca、200mg/L Li、1,800mg/L Fe、1,000mg/L Mn、およびその他の溶解金属が含まれている。電気化学セル(図示せず)を使用して、NaClをHClおよびNaOHの水溶液に変換する。NaOH水溶液(304)を原料ブラインに添加してFeおよびMnを沈殿させ(306)、原料ブラインが沈殿物を含むスラリー(308)になるようにする。沈殿物は、遠心分離機を使用して原料ブラインから分離され、供給液体(供給ブライン(312))および沈殿物を含む濃縮スラリー(320)を形成する。供給ブライン(312)は、200mg/L Li、2mg/L Fe、および6mg/L Mnを含む。供給ブラインを処理して(314)、供給ブラインをイオン交換材料と接触させることによってリチウムを回収し、その選択性によりイオン交換カラム内でリチウムを吸収する。供給ブラインは、リチウムが枯渇して、ラフィネート(例えば、使用済みブライン(316))を形成する。HCl(318)を濃縮スラリー(320)に添加して沈殿物を再溶解し(322)、遷移金属濃縮物を形成し、次いで、これを使用済みブライン(316)と混合してラフィネート混合物を形成する。次いで、再溶解した遷移金属を含むラフィネート混合物を地熱貯留層に再注入する(324)。
【0093】
望ましくない金属を液体資源から分離するための例示的な態様
一態様では、液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスが本明細書に開示され、このプロセスは、a)上記液体資源から望ましくない金属を沈殿させて、望ましくない金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記望ましい金属を回収してラフィネートを形成する工程、およびd)上記望ましくない金属沈殿物を上記ラフィネートに再溶解して、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および/または酸化剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHおよび/またはCa(OH)を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気および/または過酸化水素を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を上記望ましくない金属沈殿物とあわせることを含む。いくつかの実施形態において、酸を望ましくない金属沈殿物とあわせることは、1)上記望ましくない金属沈殿物をラフィネートとあわせる前、または2)上記望ましくない金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせた後に行われる。いくつかの実施形態において、酸は、塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、塩酸または硫酸を添加して上記望ましくない金属沈殿物を溶解することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、液体資源に塩基を添加することを含み、上記再溶解する工程は、酸を望ましくない金属沈殿物とあわせることを含み、上記酸および上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、ここで、塩酸溶液は上記酸を含み、水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、化学物質を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバからポンプで排出される。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を上記リザーバに注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、リザーバは地下に位置する。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、望ましくない金属沈殿物を凝集させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記凝集させる工程は、凝集剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、フィルターを使用することを含み、ここで、上記フィルターは、ベルトフィルター、プレートアンドフレームフィルタープレス、フィルター要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定ベッドまたは移動ベッド、金属スクリーン、穴あきバスケット遠心分離機、3点遠心分離機、ピーラー型遠心分離機、プッシャー遠心分離機を用いる遠心分離フィルター、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、重力、遠心力、電場、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、クローフロー濾過、および/またはフィルターの表面を横切る懸濁液のポンピングを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体をフィルターに対して接線方向に移動させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、濾過前、濾過中、および/または濾過後の重力、磁気、遠心沈降、および/または固液分離の他の手段をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、並行しておよび/または連続して操作される複数の分離プロセスをさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属の上記沈殿させる工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体を含むスラリーを形成する。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、望ましい金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、複数の望ましくない金属が沈殿し、液体資源から分離され、そしてラフィネートに再溶解される。いくつかの実施形態において、複数の望ましい金属が供給液体から分離される。いくつかの実施形態において、望ましい金属は望ましくない金属とは異なる。
【0094】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記望ましくない金属を沈殿させ、それによって望ましくない金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から望ましい金属を回収する工程、およびd)上記望ましくない金属沈殿物に酸をあわせて、廃棄のために再溶解した望ましくない金属の溶液を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、上記液体資源への上記塩基を伴う酸化剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記塩基は、上記液体資源へのNaOHおよび/またはCa(OH)を含む。いくつかの実施形態において、上記酸化剤は、液体資源への空気および/または過酸化水素を含む。いくつかの実施形態において、酸は、塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、上記電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、ここで、塩酸溶液は上記酸を含み、水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、遠心分離機の使用を含む。いくつかの実施形態において、上記廃棄は、再溶解した望ましくない金属の溶液を地下に注入する工程を含む。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバからポンプで排出される。いくつかの実施形態において、上記廃棄は、再溶解した望ましくない金属の溶液を上記リザーバに注入する工程を含む。いくつかの実施形態において、リザーバは地下に位置する。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、望ましくない金属沈殿物を凝集させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記凝集させる工程は、凝集剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、フィルターを使用することを含み、ここで、上記フィルターは、ベルトフィルター、プレートアンドフレームフィルタープレス、フィルター要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定ベッドまたは移動ベッド、金属スクリーン、穴あきバスケット遠心分離機、3点遠心分離機、ピーラー型遠心分離機、プッシャー遠心分離機を用いる遠心分離フィルター、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、重力、遠心力、電場、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、クローフロー濾過、および/またはフィルターの表面を横切る懸濁液のポンピングを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体をフィルターに対して接線方向に移動させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、濾過前、濾過中、および/または濾過後の重力、磁気、遠心沈降、および/または固液分離の他の手段をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、並行しておよび/または連続して操作される複数の分離プロセスをさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属の上記沈殿させる工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体を含むスラリーを形成する。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、望ましい金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、複数の望ましくない金属が沈殿し、液体資源から分離され、そしてラフィネートに再溶解される。いくつかの実施形態において、複数の望ましい金属が供給液体から分離される。いくつかの実施形態において、望ましい金属は望ましくない金属とは異なる。
【0095】
別の態様では、液体資源からリチウムを回収するためのプロセスが本明細書に開示され、上記プロセスは、a)上記液体資源から遷移金属を沈殿させて遷移金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記遷移金属沈殿物を分離して供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記リチウムを回収してラフィネートを形成する工程であって、上記リチウムを回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記リチウムを吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、工程、およびd)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートに再溶解させて、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および酸化剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHおよび/またはCa(OH)を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気または過酸化水素を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を遷移金属沈殿物とあわせることを含む。いくつかの実施形態において、上記酸を遷移金属沈殿物とあわせることは、1)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせる前、または2)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネートとあわせた後に行われる。いくつかの実施形態において、酸は、塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、塩酸または硫酸を加えて上記遷移金属沈殿物を溶解させることを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は液体資源に塩基を添加することを含み、上記再溶解する工程は酸を遷移金属沈殿物とあわせることを含み、上記酸および上記塩基は電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、塩酸溶液は上記酸を含み、水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、化学物質を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属の上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属の上記分離する工程は、遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバからポンプで排出される。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を上記リザーバに注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、リザーバは地下に位置する。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、遷移金属沈殿物を凝集させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記凝集させる工程は、凝集剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物を分離する工程は、フィルターを使用することを含み、ここで、上記フィルターは、ベルトフィルター、プレートアンドフレームフィルタープレス、フィルター要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定ベッドまたは移動ベッド、金属スクリーン、穴あきバスケット遠心分離機、3点遠心分離機、ピーラー型遠心分離機、プッシャー遠心分離機を用いる遠心分離フィルター、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物を分離する工程は、重力、遠心力、電場、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、クローフロー濾過、および/またはフィルターの表面を横切る懸濁液のポンピングを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物を分離する工程は、遷移金属沈殿物および供給液体をフィルターに対して接線方向に移動させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記遷移金属沈殿物を分離する工程は、濾過前、濾過中、および/または濾過後の重力、磁気、遠心沈降、および/または固液分離の他の手段をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、並行しておよび/または連続して操作される複数の分離プロセスをさらに含む。いくつかの実施形態において、遷移金属の上記沈殿させる工程は、遷移金属沈殿物および供給液体を含むスラリーを形成する。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、望ましい金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、複数の望ましくない金属が沈殿し、液体資源から分離され、そしてラフィネートに再溶解される。いくつかの実施形態において、複数の望ましい金属が供給液体から分離される。いくつかの実施形態において、望ましい金属は望ましくない金属とは異なる。
【0096】
一態様では、液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスが本明細書に開示され、このプロセスは、a)上記液体資源から望ましくない金属を沈殿させて、望ましくない金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記望ましくない金属沈殿物を分離して、供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記望ましい金属を回収してラフィネートを形成する工程、およびd)上記望ましくない金属沈殿物を上記ラフィネート、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解して、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および/または酸化剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHおよび/またはCa(OH)を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気および/または過酸化水素を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を上記望ましくない金属沈殿物とあわせることを含む。いくつかの実施形態において、上記酸を上記望ましくない金属沈殿物とあわせることは、1)望ましくない金属沈殿物をラフィネート、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせとあわせる前、または2)望ましくない金属沈殿物をラフィネート、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせとあわせた後に行われる。いくつかの実施形態において、酸は、塩酸および/または硫酸を含む。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、塩酸または硫酸を添加して上記望ましくない金属沈殿物を溶解することを含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、液体資源に塩基を添加することを含み、上記再溶解する工程は、酸を望ましくない金属沈殿物とあわせることを含み、上記酸および上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、塩溶液から生成される。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩溶液を分けることによって生成される。いくつかの実施形態において、上記塩溶液は塩化ナトリウム溶液を含む。いくつかの実施形態において、上記酸および/または上記塩基は、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および/または水酸化ナトリウム溶液に処理することによって生成され、ここで、塩酸溶液は上記酸を含み、水酸化ナトリウム溶液は上記塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、液体資源から塩化ナトリウムを抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、化学物質を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物の上記分離する工程は、遠心分離機を使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を地下に注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバから得られる。いくつかの実施形態において、液体資源はリザーバからポンプで排出される。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ラフィネート混合物を上記リザーバに注入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、リザーバは地下に位置する。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、望ましくない金属沈殿物を凝集させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記凝集させる工程は、凝集剤を液体資源に添加することを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、フィルターを使用することを含み、ここで、上記フィルターは、ベルトフィルター、プレートアンドフレームフィルタープレス、フィルター要素を含む圧力容器、回転ドラムフィルター、回転ディスクフィルター、カートリッジフィルター、固定ベッドまたは移動ベッド、金属スクリーン、穴あきバスケット遠心分離機、3点遠心分離機、ピーラー型遠心分離機、プッシャー遠心分離機を用いる遠心分離フィルター、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、重力、遠心力、電場、振動、ブラシ、液体ジェット、スクレーパー、断続的な逆流、振動、クローフロー濾過、および/またはフィルターの表面を横切る懸濁液のポンピングを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体をフィルターに対して接線方向に移動させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属沈殿物を分離する工程は、濾過前、濾過中、および/または濾過後の重力、磁気、遠心沈降、および/または固液分離の他の手段をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、並行しておよび/または連続して操作される複数の分離プロセスをさらに含む。いくつかの実施形態において、望ましくない金属の上記沈殿させる工程は、望ましくない金属沈殿物および供給液体を含むスラリーを形成する。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、望ましい金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。いくつかの実施形態において、複数の望ましくない金属が沈殿し、液体資源から分離され、そしてラフィネート、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解される。いくつかの実施形態において、複数の望ましい金属が供給液体から分離される。いくつかの実施形態において、望ましい金属は望ましくない金属とは異なる。
【0097】
一実施形態において、本明細書に開示される態様について、望ましくない金属は、沈殿、液体資源からの除去、再溶解、および廃棄のための別の液体との混合を通して、液体資源から除去される。一実施形態において、望ましくない金属は、塩基、酸化剤、またはこれらの組み合わせの添加による沈殿、液体資源から得られた固体からの除去、酸の添加による得られた固体の再溶解、再溶解された望ましくない金属の別の液体との混合、および他の液体の除去を通して、液体資源から除去される。一実施形態において、望ましくない金属は、塩基、酸化剤、またはこれらの組み合わせの添加による沈殿、液体資源から得られた固体からの除去、酸の添加によって得られた固体の再溶解、再溶解された望ましくない金属の廃水との混合、および廃水の処分を通して、液体資源から除去される。一実施形態において、再溶解された望ましくない金属は、ラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体と混合され得る。一実施形態において、再溶解した望ましくない金属は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体と混合され得る。一実施形態において、望ましくない金属の固体は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体に溶解され得る。一実施形態において、望ましくない金属は、廃棄のためにラフィネート、廃水、液体資源、水、または他の液体と混合され得る。
【0098】
別の態様では、液体資源からリチウムを回収するためのプロセスが本明細書に開示され、上記プロセスは、a)上記液体資源から遷移金属を沈殿させて遷移金属沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記遷移金属沈殿物を分離して供給液体を形成する工程、c)上記供給液体から上記リチウムを回収してラフィネートを形成する工程であって、上記リチウムを回収する工程は、上記供給液体を、プロトンを放出しながら上記リチウムを吸収するイオン交換粒子と接触させることを含む、工程、およびd)上記遷移金属沈殿物を上記ラフィネート、液体資源、水、廃水、別の液体、またはこれらの組み合わせに再溶解させて、ラフィネート混合物を形成する工程を含む。
【0099】
別の態様では、液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスが本明細書に開示され、前記プロセスは、a)イオン交換を通して液体資源から望ましくない金属を溶出する工程、b)溶出液から望ましくない金属を分離する工程、およびc)望ましくない金属をリザーバに注入する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属を分離する工程は、ナノ濾過膜、沈殿、またはこれらの組み合わせを使用することを含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、ナノ濾過膜を使用して溶解した望ましくない金属を含む残留物を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記プロセスは、溶解した望ましくない金属を残留物から分離する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、液体資源は、天然ブライン、溶解塩フラット、海水、濃縮海水、地熱ブライン、脱塩流出物、濃縮ブライン、加工ブライン、油田ブライン、イオン交換プロセスからの液体、溶媒抽出プロセスからの液体、合成ブライン、鉱石または鉱石の組み合わせからの浸出液、鉱物または鉱物の組み合わせからの浸出液、粘土または粘土の組み合わせからの浸出液、リサイクル製品からの浸出液、リサイクル材料からの浸出液、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、望ましくない金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Fe、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Se、Te、Po、Br、I、At、および/またはその他の金属である。
【0100】
別の態様では、望ましくない金属もまた含む液体資源から望ましい金属を回収するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源から望ましくない金属を沈殿させて、1つ以上の沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記沈殿物を分離する工程、c)上記液体資源から上記望ましい金属を回収する工程、およびd)上記望ましくない金属を上記液体資源に再溶解する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記回収する工程は、上記液体資源を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含む。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記回収する工程は、上記液体資源を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記液体資源を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましい金属はリチウムを含み、上記望ましくない金属は遷移金属を含み、上記回収する工程は、上記液体資源を、プロトンを放出しながら上記望ましい金属を吸収するイオン交換粒子と接触させることによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および酸化剤を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHまたはCa(OH)を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気または過酸化水素を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を添加して上記沈殿物を溶解することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、塩酸または硫酸を添加して上記沈殿物を溶解することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は塩基を用いて行われ、上記再溶解する工程は酸を用いて行われ、ここで、上記酸および上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、上記電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを使用して行われる。いくつかの実施形態において、沈殿物の上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用して行われる。いくつかの実施形態において、上記分離する工程は、遠心分離機を使用して行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属が再溶解され、地下に注入されることによって廃棄される。
【0101】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を加えて上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、およびd)廃棄のために酸を上記沈殿物に添加して再溶解する工程を含む。
【0102】
別の態様では、遷移金属もまた含む液体資源からリチウムを回収するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源から上記遷移金属を沈殿させて1つ以上の沈殿物を形成する工程、b)上記液体資源から上記沈殿物を分離する工程、c)上記液体資源を、プロトンを放出しながらリチウムを吸収するイオン交換粒子と接触させることによって、上記液体資源から上記リチウムを回収する工程、およびd)上記遷移金属を上記液体資源に再溶解させる工程を含む。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、塩基および酸化剤を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、NaOHまたはCa(OH)を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は、空気または過酸化水素を液体資源に添加することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、酸を添加して上記沈殿物を溶解することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記再溶解する工程は、塩酸または硫酸を添加して上記沈殿物を溶解することによって行われる。いくつかの実施形態において、上記沈殿させる工程は塩基を用いて行われ、上記再溶解する工程は酸を用いて行われ、ここで、上記酸および上記塩基は、電気化学セルで生成される。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、電極および膜を含む。いくつかの実施形態において、沈殿物の上記分離する工程は、濾過、重力沈降、遠心沈降、磁場、固液分離の他の方法、またはこれらの任意の組み合わせを使用して行われる。いくつかの実施形態において、上記分離する工程は、フィルター、沈殿タンク、浄化器、ハイドロサイクロン、遠心分離機、またはこれらの組み合わせを使用して行われる。いくつかの実施形態において、上記分離する工程は、遠心分離機を使用して行われる。いくつかの実施形態において、上記望ましくない金属が再溶解され、地下に注入されることによって廃棄される。
【0103】
別の態様では、リチウムの回収を容易にするために液体資源から遷移金属を分離するためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記遷移金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記リチウムを上記液体資源から回収する工程、およびd)廃棄のために上記沈殿物に酸を添加して再溶解する工程を含む。
【0104】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)重力沈降を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記液体資源から上記望ましい金属を回収する工程、およびd)廃棄のために上記沈殿物に酸を添加して再溶解する工程を含む。
【0105】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)遠心沈降を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記液体資源から上記望ましい金属を回収する工程、およびd)廃棄のために上記沈殿物に酸を添加して再溶解する工程を含む。
【0106】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源に塩基を添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記液体資源から上記望ましい金属を回収する工程、およびd)廃棄のために上記沈殿物に酸を添加して再溶解する工程を含む。
【0107】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)電解セルを用いて塩溶液を酸および塩基に分ける工程、b)上記液体資源に上記塩基溶液を添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、c)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、d)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、およびe)廃棄のために上記沈殿物に上記酸溶液を添加して再溶解する工程を含む。
【0108】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)電解セルを用いて塩溶液を酸および塩基に分ける工程、b)上記液体資源に上記塩基溶液を添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、c)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、d)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、およびe)廃棄のために上記沈殿物に上記酸溶液を添加して再溶解する工程を含む。
【0109】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、b)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、c)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、d)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、およびe)廃棄のために上記沈殿物に上記塩酸溶液を添加して上記沈殿物を再溶解する工程を含む。
【0110】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、b)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、c)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、d)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、e)上記沈殿物に塩酸溶液を添加して上記沈殿物を再溶解する工程、およびf)再溶解した沈殿物を液体資源と混合する工程を含む。
【0111】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、b)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、c)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、d)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、e)上記沈殿物を上記液体資源と混合して混合物を形成する工程、およびf)上記沈殿物に塩酸溶液を添加して沈殿物を再溶解する工程を含む。
【0112】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源をリザーバからポンプで汲み出す工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、f)上記沈殿物に塩酸溶液を添加して沈殿物を再溶解する工程、g)再溶解した沈殿物を液体資源と混合する工程、およびh)液体資源をリザーバに再注入する工程を含む。
【0113】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源をリザーバからポンプで汲み出す工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、f)上記沈殿物を液体資源と混合して混合物を形成する工程、g)上記塩酸を上記混合物に添加して沈殿物を再溶解する工程、およびh)上記液体資源をリザーバに再注入する工程を含む。
【0114】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源をリザーバからポンプで汲み出す工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)遠心分離を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、f)上記沈殿物を液体資源と混合して混合物を形成する工程、g)上記塩酸を上記混合物に添加して沈殿物を再溶解する工程、およびh)上記液体資源をリザーバに再注入する工程を含む。
【0115】
別の態様では、液体資源から遷移金属を分離してリチウムの回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)上記液体資源をリザーバからポンプで汲み出す工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記遷移金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)遠心分離を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)プロトンを放出しながら上記リチウムを吸収するイオン交換粒子と上記液体資源を接触させることによって、上記リチウムを上記液体資源から回収する工程、f)上記塩酸溶液を添加することにより、上記沈殿物を上記液体資源に再溶解する工程、およびg)上記液体資源をリザーバに再注入する工程を含む。
【0116】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)塩化ナトリウムを上記液体資源から抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、f)上記塩酸溶液を上記沈殿物に添加して上記沈殿物を再溶解する工程、およびh)上記再溶解した沈殿物を液体資源と混合する工程を含む。
【0117】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)塩化ナトリウムを上記液体資源から抽出して塩化ナトリウム溶液を形成する工程、b)1つ以上の電気化学セルを用いて、上記塩化ナトリウム溶液を塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液に処理する工程、c)上記水酸化ナトリウム溶液を上記液体資源に添加して、上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、d)濾過を用いて上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、e)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、f)上記沈殿物を上記液体資源と混合して混合物を形成する工程、およびg)上記塩酸を上記混合物に添加して上記沈殿物を再溶解する工程を含む。
【0118】
別の態様では、液体資源から望ましくない金属を分離して望ましい金属の回収を容易にするためのプロセスが本明細書に開示されており、上記プロセスは、a)化学物質を上記液体資源に添加して上記望ましくない金属を沈殿物として沈殿させる工程、b)上記沈殿物を上記液体資源から分離する工程、c)上記望ましい金属を上記液体資源から回収する工程、およびd)廃棄のために酸を上記沈殿物に添加して再溶解する工程を含む。
【0119】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される任意のプロセスにおいて、上記望ましい金属にはリチウムが含まれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される任意のプロセスにおいて、上記望ましくない金属には鉄およびマンガンが含まれる。
【0120】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、当業者には、そのような実施形態が単なる例として提供されていることが明らかである。今や当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置換を想起する。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替物が、本発明の実施において任意選択で採用されることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定すること、およびこれらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの等価物がそれによってカバーされることが意図されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】