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特表2023-514813コンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロック解除またはブロックする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(54)【発明の名称】コンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロック解除またはブロックする方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20230404BHJP
   G06F 21/35 20130101ALI20230404BHJP
【FI】
G16H40/00
G06F21/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546383
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2021051543
(87)【国際公開番号】W WO2021151806
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】20154624.9
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】510259921
【氏名又は名称】シーメンス ヘルスケア ダイアグノスティクス プロダクツ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・アイヒェルト
(72)【発明者】
【氏名】レツァ・ゴルリツ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・プライデル
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA22
(57)【要約】
本発明は、システムにおけるコンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロックおよび/またはブロック解除する方法に関し、前記システムは、コンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含み、モバイル端末は、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、モバイル端末によって、モバイルアプリケーションソフトウェアを実行することができ、医療デバイスはデバイスコンピュータを含み、デバイスコンピュータは、データを無線で送受信する第2の無線通信デバイスを含み、デバイスコンピュータ上でドライバソフトウェアを実行することができ、ドライバソフトウェアは、医療デバイスの第2の通信デバイスによって、モバイル端末の第1の通信デバイスに対する無線通信接続を確立することができ、医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第1の閾値を超えた場合、ブロック状態からブロック解除状態に自動的に移行し、かつ/または、医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第2の閾値を下回った場合、および/または、無線接続が、所定の第1の時間間隔よりも長く中断されている場合、ブロック解除状態からブロック状態に自動的に移行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムにおけるコンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロック解除および/またはブロックする方法であって、システムは、コンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含み、モバイル端末は、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、モバイル端末によって、モバイルアプリケーションソフトウェアを実行することができ、医療デバイスはデバイスコンピュータを含み、デバイスコンピュータは、データを無線で送受信する第2の無線通信デバイスを含み、デバイスコンピュータ上でドライバソフトウェアを実行することができ、ドライバソフトウェアは、医療デバイスの第2の通信デバイスによって、モバイル端末の第1の通信デバイスに対する無線通信接続を確立することができ、
医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第1の閾値を超えた場合、ブロック状態からブロック解除状態に自動的に移行し、かつ/または、医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第2の閾値を下回った場合、および/または、無線接続が、所定の第1の時間間隔よりも長く中断されている場合、ブロック解除状態からブロック状態に自動的に移行することを特徴とする前記方法。
【請求項2】
システムは、認証サービスをさらに含み、第1の通信デバイスにより、モバイル端末から認証サービスに無線通信接続を確立することができ、医療デバイスのデバイスコンピュータと認証サービスとの間に、通信接続を確立することができ、医療デバイスのブロック解除および/またはブロックは、認証サービスによって行われ、認証サービスは、好ましくは認証サーバを含むかまたは認証サーバである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モバイル端末および/または医療デバイスのデバイスコンピュータは、認証サービスにおいて認証される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
モバイル端末の認証は、第1通信デバイスによる、モバイル端末の認証サービスへの無線通信接続を介して行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
医療デバイスのデバイスコンピュータの認証は、医療デバイスのデバイスコンピュータの認証サービスへの通信接続を介して行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
モバイル端末は、スマートフォンまたはポータブルコンピュータ、好ましくはタブレットコンピュータを含み、または、モバイル端末は、スマートフォンまたはポータブルコンピュータ、好ましくはタブレットコンピュータである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
医療デバイスは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第1の限界値が、モバイル端末と医療デバイスとの間の第1の距離に割り当てられるか、またはそれに対応し、第1の距離は、好ましくは10メートル未満、特に好ましくは5メートル未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第2の限界値が、モバイル端末と医療デバイスとの間の第2の距離に割り当てられるか、またはそれに対応し、第2の距離は、好ましくは10メートル未満、特に好ましくは5メートル未満である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1の時間間隔は、好ましくは3分未満、特に好ましくは1分未満である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
第1の限界値は第2の限界値よりも小さい、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ブロック解除は、医療デバイスの電子ディスプレイデバイスのグラフィカルユーザインタフェースの有効化、および/またはコマンドの入力のための医療デバイスのユーザインタフェースの有効化を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ブロックは、医療デバイスの電子ディスプレイデバイスのグラフィカルユーザインタフェースの無効化、および/またはコマンドの入力のための医療デバイスのユーザインタフェースの無効化を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
デバイスコンピュータを含む医療デバイスであって、デバイスコンピュータは、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、デバイスコンピュータは、医療デバイスの第2の通信デバイスによって、モバイル端末の第1の無線通信デバイスへの無線通信リンクを確立することができるドライバソフトウェアを実行することができ、モバイル端末は、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、モバイル端末によって、モバイルアプリケーションソフトウェアを実行することができ、
デバイスコンピュータは、医療デバイスが、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第1の閾値を超えた場合、ブロック状態からブロック解除状態に自動的に移行し、かつ/または、医療デバイスが、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第2の閾値を下回った場合、および/または、無線接続が、所定の第1の時間間隔よりも長く中断されている場合、ブロック解除状態からブロック状態に自動的に移行するように構成されていることを特徴とする前記医療デバイス。
【請求項15】
医療デバイスは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器を含む、請求項14に記載の医療デバイス。
【請求項16】
システムにおける、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法の使用であって、前記システムはコンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含む、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含むシステムにおいて、コンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロック解除および/またはブロックする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析論、法医学、微生物学および臨床診断法で日常的に使用される分析機器等、最新のコンピュータ支援医療デバイスは、多数の試料を用いて多数の検出反応および分析を行うことができる。複数の検査を自動的に行うためには、測定セル、反応容器および試薬液容器を空間的に移送するために、グリッパ機能を有する移送アーム、コンベヤベルト、または回転可能な輸送輪、ならびにピペットデバイス等の液体を移送するデイバス等、さまざまな自動操作デバイスが必要である。これらのデバイスは中央制御装置を含み、中央制御装置は、適切なソフトウェアを用いて、所望の分析のための作業工程を大部分自動的に計画および処理することができる。
【0003】
こうした自動分析機器で使用される分析技法の多くは、光学的方法に基づく。特に、測光(例えば、濁度、比濁、蛍光もしくは発光)または放射測定原理に基づく測定システムが、広く普及している。これらの方法により、追加の分離工程を必要とすることなく、液体試料中の分析物を定性的にかつ定量的に検出することができる。分析物の濃度または活性度等、臨床的に関連するパラメータの決定は、多くの場合、患者の体液試料のアリコート、すなわち部分量を、ピペットデバイスを用いて試料容器から引き出し、それを反応容器に移送することによって行われる。そして、試料のアリコートはまた、ピペットデバイスを用いて反応容器内で1種またはそれ以上の検査試薬と混合される。供給される必要な試薬は、複数の試薬容器に保持され、それらの試薬容器はさらに、試薬容器供給部に保持される。試料を必要な試薬と混合することにより、生化学反応が開始し、その結果、反応バッチの光学特性に測定可能な変化が生じる。
【0004】
次いで、測定結果は、測定システムにより記憶ユニットに転送され、評価される。その後、分析機器は、モニタ、プリンタまたはネットワーク接続等の出力媒体を介して、試料特異的な測定値をユーザに提供する。
【0005】
コンピュータ支援医療デバイスは、病歴データ、体液からの検査室値、または遺伝情報に関するデータとともに、氏名、生年月日、性別または年齢等、他の個人データ等、非常に機密性の高い個人健康データを生成および/または処理することが多い。これらのデータ項目は、互いに関連付けられていることが多いため、例えば、不正なアクセスまたは操作を可能な限り確実に防止するために、特別な技術的保護対策を必要とする、特に機密性の高いデータレコードが作成される。
【0006】
医療デバイス技術において、サイバーセキュリティおよびデータ保護は、ますます重要になってきている。これは、患者データの取扱いにおけるデータ保護を強化するために、とりわけ、個人データの処理に係る自然人の保護に関する、こうしたデータの自由な移動に関する、かつ95/46/EC指令(基本データ保護規則)を廃止する、欧州議会および理事会の2016年4月27日のEU規則2016/679等、時にますます厳しくなっている法的要件にも反映されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、検査室、病院および診療所等における、多くの場合、時間に追われる日々のルーチンにおいて、例えば、医療デバイスの操作に携わる従業員が、作業工程を簡略化するとともに時間を節約するために、基本的な安全対策を省くことさえあり、例えば、短期間の不在の間、医療デバイスのコンピュータをパスワードでロックせず、適切な作業指示を無視する場合があることが認められる場合がある。これにより、権限のない人が機密データに容易にアクセスすることができ、データの改ざんの危険性に至る可能性もあり、それは、影響を受ける患者に極めて深刻な医療的影響を与える可能性がある。加えて、拘束力のある基準が常に遵守されるとは限らない場合、関係者および機関はかなりの法的かつ金銭的リスクにさらされる可能性がある。
【0008】
目下、医療デバイス分野におけるコンピュータ支援システムのブロックおよび/またはブロック解除は、適切なパスワードを入力することにより手作業で行われている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、コンピュータ支援医療デバイスを操作するときの日々のルーチンにおいて、増加したデータ保護要件の実施を可能にするとともに、データの完全性を確保する、耐タンパ性の方法および手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明によれば、方法のためにモバイルアプリケーションと技術を組み合わせ、ユーザのデータ保護のために必要なこのセキュリティ対策が当然とされる範囲で、コンピュータ支援医療デバイスのブロックおよび/またはブロック解除を自動化することにより、達成される。
【0011】
これには、コンピュータ支援医療デバイスの作動方法に対する増加したデータ保護要求を、データの完全性が確保されるように非常に確実に実行することができるという利点がある。同時に、医療デバイス操作のワークフローは、大幅に簡略化されるとともに加速され、患者データへの潜在的な不正アクセスの可能性が低減する。さらに、本発明により、複数の医療デバイスのうちの任意の数の医療デバイスに同時にかつ/または連続して非常に迅速にアクセスすることが可能になり、これによってもまたワークフローが簡略化されるとともに加速され、したがって効率が向上する。本発明によれば、モバイルアプリケーションを実行するために特定のモバイル端末は好ましくは必要とされず、代わりに、市販のスマートフォン等を使用することができ、これにより、実施が簡略化され、関連するユーザの間でその受容性が向上する。これは、特に据置型デバイスにおいて、高速で使い勝手のよいブロック解除および/またはブロックが可能であることを意味し、それにより、特にデバイスの有用性が向上し、安全性が改善され、それは毎日の作業ルーチンにおけるブロック機能の実際の使用に対するバリアが著しく減少するためでもある。
【0012】
したがって、本発明の主題は、特に、システムにおけるコンピュータ支援医療デバイスを自動的にブロック解除および/またはブロックする方法であって、前記システムは、コンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含み、モバイル端末は、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、モバイル端末によって、モバイルアプリケーションソフトウェアを実行することができ、医療デバイスはデバイスコンピュータを含み、デバイスコンピュータは、データを無線で送受信する第2の無線通信デバイスを含み、デバイスコンピュータ上でドライバソフトウェアを実行することができ、ドライバソフトウェアは、医療デバイスの第2の通信デバイスによって、モバイル端末の第1の無線通信デバイスに対する無線通信接続を確立することができ、医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第1の閾値を超えた場合、ブロック状態からブロック解除状態に自動的に移行し、かつ/または、医療デバイスは、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第2の閾値を下回った場合、および/または、無線接続が、所定の第1の時間間隔よりも長く中断されている場合、ブロック解除状態からブロック状態に自動的に移行する。
【0013】
本発明は、特別に開発されたモバイルアプリケーションがユーザのモバイル端末上で実行されるという考察に基づいており、モバイル端末は、有利には、スマートフォン、タブレットおよび/またはスマートウォッチとすることができる。ユーザは、好ましくは、指定された認証サーバに、ユーザ名およびパスワードを用いてログインし、モバイルアプリケーションを介してターゲットシステム、例えば、デバイスコンピュータにリンクされる。デバイスコンピュータは、好ましくは、NFC(近距離無線通信)、BLE(Bluetooth Low Energy)および/またはWi-Fi等の既知の無線技術のうちの1つ用の、送信器ハードウェアを有する。デバイスコンピュータは、バックグラウンドで、利用可能な無線技術を使用して、デバイスがモバイルアプリケーションに可視であるようにする、専用のドライバソフトウェアを実行する。好ましくは、特別なデバイス識別トークンが提供され、モバイルアプリケーションは、ユーザをロック解除するためにこれを必要とする。信号強度が評価されて、ユーザが近くにいるか否かが判断される。これにより、例えば、ユーザが所定の距離離れている場合にのみ、デバイスコンピュータがブロック解除されることが確実になる。必要な場合は、ブロックはまた、適切なパターンに従って有利に行われる。好ましくは、ユーザおよびデバイスを管理する責任を有する、認証サーバも設けられる。ユーザおよび専用ドライバソフトウェアは、このエンティティにログインする。その後、このサーバを介して、デバイスコンピュータをブロック解除することができる。
【0014】
本発明による方法の好ましい実施形態では、本システムは、認証サービスをさらに含み、第1の無線通信デバイスにより、モバイル端末から認証サービスに無線通信接続を確立することができ、医療デバイスのデバイスコンピュータと認証サービスとの間に、通信接続を確立することができ、医療デバイスのブロック解除および/またはブロックは、認証サービスによって行われ、認証サービスは、好ましくは認証サーバを含むかまたは認証サーバである。これには、ユーザ名およびパスワード等の適切な認証構成を、認証サービスを介して集中的に管理することができるという利点がある。本発明による方法の特に単純かつ効率的な実施が、同時に可能である。
【0015】
これは、好ましくは、認証サービスにおいて、モバイル端末および/または医療デバイスのデバイスコンピュータを認証することを含む。
【0016】
モバイル端末の認証は、好ましくは、第1通信デバイスによる、モバイル端末の認証サービスへの無線通信接続を介して行われる。これにより、本発明による方法の特に単純な実施が可能になる。
【0017】
好ましくは、ユーザのユーザIDが提供され、それは、例えば、ユーザのユーザ名に対応するかもしくはユーザ名を含み、またはユーザ名にリンクされる。好ましくは、ユーザIDは、複数の所定のユーザプロファイルのうちの1つにリンクされ、ユーザプロファイルは、それぞれのユーザIDに所定のアクセス権を割り当てる。これには、例えば、ユーザグループの特定のユーザの機能に応じて、差別化された方法でアクセス権を割り当てて管理することができるという利点がある。これにより、不正アクセスに対するセキュリティレベルをさらに向上させることができ、それは、それぞれの活動および責任に対して特定のアクセス権を必要としないユーザは、アクセス権を受け取らないためである。これにより、例えば、権限のないユーザによる機密性の高い患者データへの不用意なアクセス、および/または、データを削除しかつ/または変更することができることが、防止される。
【0018】
好ましくは、医療デバイスのデバイスコンピュータの認証は、医療デバイスのデバイスコンピュータの認証サービスへの通信接続を介して行われる。
【0019】
好ましくは、モバイル端末は、スマートフォンもしくはポータブルコンピュータ、好ましくはタブレットコンピュータを含み、または、モバイル端末は、スマートフォンもしくはポータブルコンピュータ、好ましくはタブレットコンピュータである。モバイルデバイスは、スマートウォッチであってもよく、またはスマートウォッチを含んでもよい。これには、電話の利用可能性またはインターネットへのアクセス等の他の理由で医療デバイスの操作者が携帯することが多い、広く使用されているデバイスをモバイル端末として使用することができるという利点がある。これにより、本発明による方法を実施することが特に簡単かつ費用効率の高いものとなる。これにより、追加のデバイスが不要であるため、操作者の間での受容性も向上する。
【0020】
特に、携帯電話およびスマートウォッチ等の複数のモバイルデバイスの組合せも使用することができる。この場合、こうした組合せは、いつでも顧客の要求に対して直接設定し、適用することができることが有利である。
【0021】
好ましくは、所定のモバイル端末によるコンピュータ支援医療デバイスの自動的なブロック解除および/またはブロックは、所定の時間間隔内でのみ可能である。好ましくは、所定の時間間隔は、例えば作業シフト、または例えば8時間、12時間または24時間である。これには、ユーザが自身のシフトの開始時に自身の対応するアクセスデータを用いて1回ログインし、その後シフト全体を通して自動ブロック解除またはブロック機能を使用することができるという利点がある。シフトの終了時、自動ブロック解除またはブロック機能は自動的に再び無効になる。これにより、システムのセキュリティが向上し、例えば、権限のない、または権限のなくなった人による、紛失されたかまたは置き忘れられたモバイル端末による、悪用が防止される。
【0022】
好ましくは、医療デバイスは、固定されているかまたは据置型であり、例えば、ユーザが常に直接身につけてまたは衣服内に携帯することができるように、モバイルスマートフォンのように直接携帯可能ではない。好ましくは、医療デバイスは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器を含む。医療デバイスは、特に好ましくは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器である。これにより、医療検査室等の場所を含む、増加したデータ保護要件を非常に信頼性の高い方法で実施することが可能になる。
【0023】
医療デバイスは、好ましくは、ポイント・オブ・ケアシステムを含む。ポイント・オブ・ケアシステムは、患者の治療の場所または治療の場所の近くで医療検査を行うシステムである。したがって、検査は、患者の治療の現場で、好ましくは患者の治療と同時に、例えば、医師の手術室、病院、産科医院の治療室で、または、例えば、救急治療の場合には、事故現場で、もしくは患者を輸送しているときの救急車もしくは救助ヘリの中で行われる。あるいは、ポイント・オブ・ケアシステムは、患者の自宅で、または治療が施される時点で患者が居住している他の任意の場所で、患者の治療を提供するために使用することができる。したがって、特に患者に近接している特別な医療検査室または中央検査室の外で、ポイント・オブ・ケアシステムを利用することができ、検査は、他の検査または治療の間、または直後もしくは前に、リアルタイムで行うことができる。ポイント・オブ・ケアシステムは、好ましくは、固定されているかまたは据置型であり、例えば、ユーザが常に直接身につけてまたは衣服内に携帯することができるように、モバイルスマートフォンのように直接携帯可能ではない。
【0024】
好ましくは、医療デバイスは、集中治療用システムを含む。集中治療システムは、例えば、集中治療医学において、例えば、病院の集中治療室、または患者輸送のための特別に装備された車両もしくは航空機で使用される。好ましくは、集中治療システムは、シリンジポンプおよび/または輸液ポンプである。
【0025】
好ましくは、医療デバイスは、医療用撮像システムを含む。撮像は、例えば、X線(例えば、X線撮影、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影)、放射性核種(例えば、シンチグラフィ、陽電子放出断層撮影、単一光子放射コンピュータ断層撮影)、超音波(例えば、超音波検査法、カラードプラ)、磁気共鳴(例えば、磁気共鳴画像法)、赤外線(例えば、診断サーモグラフィ)、インピーダンス(例えば、電気インピーダンストモグラフィ)および/または可視光(例えば、内視鏡、光断層撮影、ビデオラスタステレオグラフィ)を使用する、医療用撮像システムにおいて行われる。
【0026】
好ましくは、第1の限界値が、モバイル端末と医療デバイスとの間の第1の距離に割り当てられるか、またはそれに対応し、第1の距離は、好ましくは10メートル未満、特に好ましくは5メートル未満である。好ましくは、第1の限界値および/または第1の距離は、医療デバイスのサイズによって決まる。好ましくは、医療デバイスが大きいほど、第1の限界値は小さくなる。したがって、第1の距離は、医療デバイスのサイズによって決まり、好ましくは、医療デバイスが大きいほど、距離が大きくなる。例えば、手で保持するかまたは患者のベッドのそばに立てることができる、小型のポイント・オブ・ケアデバイスでは、第1の距離は好ましくは比較的小さく、例えばわずかに数メートルまたは1メートル未満である。例えば、中央検査室における大型自動化ラインシステムおよび大型の高スループット分析器では、第1の距離は、好ましくは比較的大きく、例えば10m以上である。これにより、それぞれの医療デバイスおよびそれらの作動方法の要件に適用されるように、それぞれの限界値または距離を選択することが可能になる。
【0027】
好ましくは、第2の限界値が、モバイル端末と医療デバイスとの間の第2の距離に対応するか、またはそれに割り当てられ、第2の距離は、好ましくは10メートル未満、特に好ましくは5メートル未満である。
【0028】
好ましくは、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信される、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度は、モバイル端末と医療デバイスとの間の対応する距離が割り当てられる。
【0029】
好ましくは、第1または第2の限界値と、モバイル端末と医療デバイスとの間の第1または第2の距離との間の割当ては、以下の距離の推定に基づき:
距離=10 EXP((Signal_strength - RSSI)/(10 N))
式中、EXP(X)は10のX乗を表し、Signal_strengthは測定信号強度を表し、RSSIは受信信号強度インジケータを表し、Nは環境の影響を有効に考慮するための定数で、Nは典型的には2~4の値を取り、好ましくは2の値である。
【0030】
第1の限界値は、好ましくは-60dB~-70dB、特に好ましくは-60dBである。後者の値は、例えば、上記距離の推定値によれば、約1メートルの第1の距離に対応する。
【0031】
測定信号強度は、距離のみでなく、送信強度(ブロードキャスト出力値)によっても決まる。最大送信強度(+4dBm)の場合、RSSI値は約-26(数cmの距離)から約-100(約40~50mの距離)の範囲である。第1の時間間隔は、好ましくは3分未満、特に好ましくは1分未満である。これには、対応する時間間隔を超えた場合、自動ブロックが発生するという利点がある。しかしながら、同時に、例えば短時間の干渉信号による接続の非常に短い中断の場合、ブロックは行われないようにすることができ、したがって作動方法は、よりロバストとなり干渉の影響を受けにくくなる。
【0032】
好ましくは、第1の限界値は、第2の限界値よりも低い。この利点は、システムが干渉の影響を受けにくく、意図しない、急速に連続するブロックまたはブロック解除の動作が回避されるということである。
【0033】
好ましくは、ブロックは、医療デバイスの電子ディスプレイデバイスのグラフィカルユーザインタフェースの無効化、および/またはコマンドの入力のための医療デバイスのユーザインタフェースの無効化を含む。これには、表示されたデータ、特に機密性の高い患者データが、監視されていない権限のない第三者によって閲覧または操作されることがないという利点がある。
【0034】
好ましくは、ブロック解除は、医療デバイスの電子ディスプレイデバイスのグラフィカルユーザインタフェースの有効化、および/またはコマンドの入力のための医療デバイスのユーザインタフェースの有効化を含む。これには、ディスプレイデバイスまたはユーザインタフェースが、パスワードの入力等、さらなる措置なしにユーザが直ちに利用可能となり、待ち時間が回避され、したがってワークフロー全体が高速化するという利点がある。
【0035】
本発明による別の有利な解決法は、自動車産業から既知であるいわゆる「キーレスゴー技術」と同様の場合において、1つのモバイル端末または複数のモバイル端末が、ペアリングにより一度だけ学習されるとともに恒久的に構成されることを含む。有利には、本発明によれば、モバイル端末は、対応する車のキーに設置されているような特別なトランスポンダの形態をとることもできる。しかしながら、本発明によれば、追加のハードウェアに対するこうした特別な要件は、有利には必須ではない。
【0036】
本発明の別の目的は、デバイスコンピュータを含む医療デバイスであって、前記デバイスコンピュータは、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、デバイスコンピュータは、モバイル端末の第1の無線通信デバイスへの無線通信接続を確立することができるドライバソフトウェアを実行することができ、モバイル端末は、データを無線で送受信する第1の無線通信デバイスを含み、モバイル端末によって、モバイルアプリケーションソフトウェアを実行することができ、デバイスコンピュータは、医療デバイスが、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第1の閾値を超えた場合、ブロック状態からブロック解除状態に自動的に移行し、かつ/または、医療デバイスが、モバイル端末の第1の通信デバイスが医療デバイスの第2の通信デバイスへの無線接続を確立するとともに、医療デバイスの第2の通信デバイスによって受信された、モバイル端末の第1の通信デバイスの信号の信号強度が、所定の第2の閾値を下回った場合、および/または、無線接続が、所定の第1の時間間隔よりも長く中断されている場合、ブロック解除状態からブロック状態に自動的に移行するように構成されている。
【0037】
好ましくは、医療デバイスは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器を含む。医療デバイスは、特に好ましくは、自動分析器、好ましくは、医学的試料用、好ましくは血液用の体外分析器である。
【0038】
好ましくは、医療デバイスは、ポイント・オブ・ケアシステムおよび/または集中治療システムおよび/または医療用撮像システムを含む。好ましくは、集中治療システムは、シリンジポンプおよび/または輸液ポンプである。
【0039】
本発明の別の目的は、システムにおける本発明による方法の使用であり、システムは、コンピュータ支援医療デバイスとモバイル端末とを含む。
【0040】
医療デバイスは、好ましくは、特に、撮像手順のための診断システムまたは体外診断デバイスとすることができる。
【0041】
本発明の例示的な実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】コンピュータ支援医療デバイスの概略図である。
図2】コンピュータ支援医療デバイス、認証サービスおよびモバイル端末を含むシステムの概略図である。
図3】デバイスペアリング方法のフロー図である。
図4】コンピュータ支援医療デバイスのデバイスコンピュータをブロック解除する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
すべての図において、同等の部材には同じ参照符号を付している。
【0044】
図1は、コンピュータ支援医療デバイスの、それが含む構成要素のうちのいくつかを含む概略図である。コンピュータ支援医療デバイスは、自動分析機器1である。ここでは、自動分析機器1の基本的な機能を説明するために、各構成要素の個々の部材を詳述することなく、最も重要な構成要素のみを非常に簡略化した形態で提示する。
【0045】
自動分析機器1は、広範囲の血液および他の体液の分析を、ユーザの行為を必要とせず、完全に自動で実行するように設計されている。代わりに、これらは、保守または修理、および、例えばキュベットまたは試薬を補充する必要がある場合の補充操作等に限定される。
【0046】
試料容器は、供給レール2内の詳細には示さないキャリッジの上で自動分析機器1に供給される。試料ごとに行うべき分析に関する情報は、例えば、試料容器に付けられたバーコードによって転送することができ、それは、自動分析機器1において読み取られる。ピペットデバイス4において、詳細には示さないピペット針により、試料容器からアリコートが取得される。このアリコートはまた、詳細には示さないキュベットに供給され、そこで、光度計等の多種多様な測定デバイス6を用いて実際の分析が行われる。加えて、行うべき分析に応じて必要とされる追加の試薬は、詳細には示さない別のピペット針によって、試薬容器供給部10からそれぞれのキュベットに供給することができる。
【0047】
キュベットは、種々の異なる空間方向に移動することができるとともに、キュベットを拾い上げる把持デバイスを有することができる移送アーム等、ここでは詳細には示さない輸送デバイスを用いて、自動分析機器1内に輸送される。プロセス全体は、自動分析機器1およびその構成要素内の、詳細には示さない複数の追加の電子回路およびマイクロプロセッサによってサポートされる、データライン12を介して接続されたコンピュータ14等、中央制御デバイスによって制御される。コンピュータ14はまた、有利には、ハードディスク、USBスティック等の形態の不揮発性メモリを有する。
【0048】
図2は、コンピュータ支援医療デバイスを含むシステム20の概略図を示し、コンピュータ支援医療デバイスは、自動分析機器1であり、コンピュータ14と、認証サーバ21として実装される認証サービスと、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはスマートウォッチであるモバイル端末22とを含む。モバイル端末22は、ユーザ、例えば訓練された検査室技術者が操作することができるように、設計および構成されている。システム20は、以下の構成要素を含む。特別に開発されたモバイルアプリケーションが、ユーザのモバイルデバイス上で実行するように設計されている。ユーザは、最初に、指定された認証サーバに、ユーザ名とパスワードを用いてログインしなければならない。ユーザはまた、モバイルアプリケーションを介して、ターゲットシステム、すなわちデバイスコンピュータと事前にペアリングされている。デバイスコンピュータは、NFC(近距離無線通信)、BLE(Bluetooth Low Energy)またはWi-Fi等、好ましくは1つまたはそれ以上の無線技術用の、送信器ハードウェアを有している。デバイスコンピュータは、バックグラウンドで、利用可能な無線技術を使用してデバイスがモバイルアプリケーションに可視であるようにする、専用のドライバソフトウェアを実行する。特別なデバイス識別トークンが提供され、モバイルアプリケーションは、ユーザをブロック解除するためにこれを必要とする。信号強度が評価されて、ユーザが近くにいるか否かが判断される。これにより、ユーザが所定の距離離れている場合にのみ、デバイスコンピュータがブロック解除されることが確実になる。ブロックはまた、対応するパターンに従って行われる。認証サーバが、ユーザおよびデバイスを管理する責任を有する。ユーザおよび専用ドライバソフトウェアは、各々、このエンティティにログインする。デバイスコンピュータもまた、このサーバを介してブロック解除される。図2は、本システムの個々の構成要素間の対応するデータ接続を矢印により概略的に示す。モバイル端末と自動分析機器1との間のデータ接続は、無線手段によって行われる。
【0049】
図3は、デバイスペアリング方法のフロー図を示す。ユーザが、自動分析機器1、画像診断システムまたは他の体外診断デバイス等の医療機器に対して権限のあるアクセスを行うのを確実にするために、ユーザは最初に、後述するペアリング方法を用いてシステムに接続しなければならない。この手順は、デバイスコンピュータおよびユーザごとに1回行わなければならない。次の工程では、専用ドライバソフトウェアが、送信器ハードウェアを使用してデバイスをアドバタイズする。デバイス識別トークンがアドバタイズされる。ユーザは、モバイルアプリケーションを使用して、環境内のシステムを発見することができる。システムが既にペアリングされている場合、ユーザは、図4に示す方法を用いてシステムにログインして、デバイスコンピュータをブロック解除することができる。
【0050】
図3に示すフロー図は、3つの構成要素:モバイル端末22と、認証サーバ21と、デバイスコンピュータとも称するコンピュータ14を含む自動分析機器1とを示す。モバイル端末22上で、モバイルアプリケーション30が実行する。認証サーバ21は、対応するウェブアプリケーション31を提供する。デバイスコンピュータ(コンピュータ14)上で、専用のドライバソフトウェア32が実行する。デバイスコンピュータは、認証サーバ21のウェブアプリケーション31でデバイスログインを実行し、認証サーバ21は、デバイスコンピュータにデバイス識別トークン34を提供する。モバイル端末22もまた、モバイルアプリケーション30を用いてウェブアプリケーション31にログインし(ログイン35)、ウェブアプリケーション31は、モバイル端末22にセッショントークン36を提供する。モバイルアプリケーション30は、ウェブアプリケーション31に対してペアリング要求37を行い、これにより、デバイスコンピュータの電子ディスプレイデバイス(モニタ43)にQRコード44が表示される(QRコードを示す38)。ウェブアプリケーションは、モバイルアプリケーション30に対して、モバイル端末22を使用してQRコードをスキャンするように要求を送信する(QRコードをスキャンする40)。次いで、ユーザは、モニタ43に表示されたQRコード44を、モバイル端末22を用いてスキャンする。モバイルアプリケーション30は、スキャンされたQRコード44をウェブアプリケーション31に送信し(スキャンされたQRコード41)、それにより、ウェブアプリケーション31は、デバイス識別トークン42をモバイルアプリケーション30に提供する。これにより、デバイスペアリング45が完了する。
【0051】
図4は、コンピュータ支援医療デバイスのデバイスコンピュータをブロック解除する方法のフロー図を示す。デバイスコンピュータがブロック解除された後、数分間(例えば3分間)の所定の間隔で、専用ドライバソフトウェアおよびモバイルアプリケーションからログインサーバに接続のステータスが送信される。とりわけ、両方の側からの信号の強度が判断されて通信される。この情報により、ログインサーバは、ユーザが依然としてシステムに近接しているか、または遠くに離れているかを判断することができる。この距離は、デバイスタイプに応じて、例えば小型のポイント・オブ・ケアデバイスの場合の数メートルから、モジュール式の検査室分析システムもしくは検査室自動化ラインの場合の10メートル以上まで、異なる可能性がある。このデータを使用して、デバイスコンピュータをブロックするべきかまたはブロック解除したままにするべきか判断することができる。
【0052】
図4に示すフロー図は、3つの構成要素:モバイル端末22と、認証サーバ21と、デバイスコンピュータとも称するコンピュータ14を含む自動分析機器1とを示す。モバイル端末22上で、モバイルアプリケーション30が実行する。認証サーバ21は、対応するウェブアプリケーション31を提供する。デバイスコンピュータ(コンピュータ14)上で、専用のドライバソフトウェア32が実行する。デバイスコンピュータは、ドライバソフトウェアを用いて、モバイル端末22のモバイルアプリケーション30に対して、無線データ接続を介してデバイスをアドバタイズするように要求する(デバイスアドバタイジング50)。モバイルアプリケーション30は、デバイスを探索する(デバイスを探索する51)。モバイルアプリケーション30は、デバイスがペアリングされているか否かに関してウェブアプリケーション31にクエリを送信する(デバイスはペアリングされているか52)。デバイスは既にペアリングされているため、ウェブアプリケーションは、対応するメッセージをモバイルアプリケーション30に送信する(デバイスはペアリングされている53)。次に、モバイルアプリケーション30は、無線データ接続を介してデバイスコンピュータの送信器ハードウェアに接続する(送信器ハードウェアに接続する54)。モバイルアプリケーション30は、デバイスをブロック解除するようにウェブアプリケーション31に要求を送信する(デバイスをブロック解除する55)。ウェブアプリケーション31は、ユーザとしてデバイスコンピュータにログインし、デバイスコンピュータまたは自動分析機器1をブロック解除するために使用される(ユーザでログインしてブロック解除する56)。次に、ウェブアプリケーション31は、モバイルアプリケーションに対して、デバイスコンピュータまたは自動分析機器1がブロック解除されたことを通知する(デバイスコンピュータブロック解除57)。所定の時間間隔58、60で、モバイルアプリケーション30およびデバイスコンピュータは、各々、現接続ステータスをウェブアプリケーション31に送信する(接続ステータスを送信する59、61)。
【符号の説明】
【0053】
1 自動分析機器
2 供給レール
4 ピペットデバイス
6 測定デバイス
8 キュベット供給部
10 試薬容器供給部
12 データライン
14 コンピュータ
20 システム
21 認証サーバ
22 モバイル端末
30 モバイルアプリケーション
31 ウェブアプリケーション
32 ドライバソフトウェア
33 デバイスログイン
34 デバイス識別トークン
35 ログイン
36 セッショントークン
37 ペアリング要求
38 QRコードを示す
40 QRコードをスキャンする
41 スキャンされたQRコード
42 デバイス識別トークン
43 モニタ
44 QRコード
45 デバイスペアリング完了
50 デバイスアドバタイジング
51 デバイスを探索する
52 デバイスはペアリングされているか
53 デバイスはペアリングされている
54 送信器ハードウェアに接続する
55 デバイスをブロック解除する
56 ユーザでログインしてブロック解除する
57 デバイスコンピュータブロック解除
58 時間間隔
59 接続ステータスを送信する
60 時間間隔
61 接続ステータスを送信する
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】