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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(54)【発明の名称】神経活性ステロイドのプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
   C07J 7/00 20060101AFI20230404BHJP
   C07J 17/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 31/585 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 31/57 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C07J7/00 CSP
C07J17/00
A61K31/585
A61K31/57
A61P25/08
A61P25/24
A61P25/22
A61P25/28
A61P25/36
A61P25/16
A61P25/14
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/04
A61P25/02
A61P27/16
A61P9/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551639
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 US2021020308
(87)【国際公開番号】W WO2021174205
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/982,717
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521491174
【氏名又は名称】ブリー バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュー, リャンホン
【テーマコード(参考)】
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA10
4C086DA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA22
4C086ZA34
4C086ZA36
4C086ZC39
4C086ZC41
4C091AA01
4C091BB01
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE05
4C091FF01
4C091GG01
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA05
4C091PB02
4C091QQ01
(57)【要約】
本出願は、ブレキサノロン、ガナキソロン、及びズラノロンのプロドラッグである新規化合物、本明細書で開示される化合物及びその塩の1つ以上と薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、ならびに哺乳動物、特にヒトにおける大うつ病性障害(MDD)及び産後うつ病(PPD)などのGABA受容体機能に関連する疾患及び状態を治療するための、本明細書で開示される化合物及びその塩の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化102】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
1a及びR1bが、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Qがメチルまたは
【化103】
であり、
Lが、存在しない、アルキル、-O-、及び-N(R)-からなる群から選択され、
Wが、存在しない、アルキル、及び-O-からなる群から選択され、
Yが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
、R、R、及びRがそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、及び-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アルコキシル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アルコキシル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、ただし、Lが-O-または-N(R)-である場合、Wは-O-ではなく、Wが-O-である場合、Yは-NRNRではなく、及びWが-O-である場合、Yは-C(O)ORまたは-C(O)Rである、
前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
1aとR1bの両方が水素である、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
1aとR1bの両方がメチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
1aがメチルであり、かつR1bが水素であるか、またはR1aが水素であり、かつR1bがメチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Qがメチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Qが
【化104】
である、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Lが-O-である、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Lが-N(R)-であり、Rが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Lが-N(R)-であり、Rが水素またはアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
前記アルキルがC-Cアルキルである、請求項8または9に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
前記C-Cアルキルがメチルである、請求項10に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
Lが存在しない、またはアルキルであり、Wが-O-である、請求項1~11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Lが-O-であり、Wがアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Lが-N(R)-であり、Wがアルキルであり、Rが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Lが-N(R)-であり、Wがアルキルであり、Rが水素またはアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記アルキルがC-Cアルキルである、請求項13~16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Yが、アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、先行請求項のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Yが、不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記不飽和ヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、先行請求項のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Yが、1または2個の酸素原子を有する任意選択で置換された不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである、先行請求項のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Yが
【化105】
である、先行請求項のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
Yが-OC(O)Rである、請求項1~18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
がC-Cアルキルである、請求項21に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
前記C-Cアルキルがメチル、エチル、またはイソプロピルである、請求項22に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
Yが-NRである、請求項1~18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
がHまたはアルキルであり、Rが-C(O)Rである、請求項24に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
がC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである、請求項25に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
-Cアルキルが-CHまたは-CH(CHでありC-Cアルコキシルが-OCHまたは-OCH(CHである、請求項26に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
前記式Iの化合物が、式(Ic-1)または式(Ic-2):
【化106】
を有する、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
前記式Iの化合物が、式(Ic-1)または式(Ic-2):
【化107】
を有する、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
1bが水素である、請求項28または29に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
1bがメチルである、請求項28または29に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
がH、アルキル、アルケニル、またはアルキニルである、請求項28~31のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
がHまたはC-Cアルキルである、請求項28~31のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
Wが任意選択で置換されたアルキルである、請求項28~33のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
前記任意選択で置換されたアルキルがC-Cアルキルである、請求項34に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
前記任意選択で置換されたアルキルがC-Cアルキルである、請求項34に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項37】
Yが、不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記不飽和ヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、請求項28~36のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
Yが、1または2個の酸素原子を有する任意選択で置換された不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである、請求項28~37のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
Yが
【化108】
である、請求項28~38のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
Yが-OC(O)Rである、請求項28~36のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
がC-Cアルキルである、請求項40に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項42】
前記C-Cアルキルがメチル、エチル、またはイソプロピルである、請求項41に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項43】
Yが-NRである、請求項28~36のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
がHまたはアルキルであり、Rが-C(O)Rである、請求項43に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
がC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである、請求項44に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
-Cアルキルが-CHまたは-CH(CHでありC-Cアルコキシルが-OCHまたは-OCH(CHである、請求項45に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
前記化合物が、以下からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩:
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル オカタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエート、
3-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ブチルカーボネート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネート)、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル(2-(N-メチルイソブチルアミド)エチル)カーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニル-N-メチルアミノ)エチルカーボネート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート、
(3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、及び
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート。
【請求項48】
先行請求項のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
【請求項49】
対象においてGABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療することを、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の請求項1~47のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項50】
前記疾患または状態が、睡眠障害、気分障害、認知症、統合失調症スペクトラム障害、痙攣性障害、不安障害、自閉症スペクトラム障害、記憶障害及び/または認知症、運動障害、人格障害、自閉症スペクトラム障害、疼痛、外傷性脳損傷、血管疾患、薬物乱用障害、離脱症候群、及び耳鳴りからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記睡眠障害が不眠症であり、前記気分障害がうつ病であり、前記認知症がアルツハイマー型認知症であり、前記痙攣性障害がてんかんであり、前記運動障害がパーキンソン病である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記疾患が、CDD、MDD、PPD、本態性振戦、PTSD、SE、ESE、脆弱X症候群、パーキンソン病、または治療抵抗性うつ病からなる軍から選択される、請求項49または請求項50に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年2月27日に出願された米国仮出願第62/982,717号に対する優先権の権益を主張するものであり、この仮出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、ブレキサノロン、ガナキソロン、及びズラノロンのプロドラッグである新規化合物、開示される化合物及びその塩の1つ以上と薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、ならびに哺乳動物、特にヒトにおける大うつ病性障害(MDD)及び産後うつ病(PPD)などのGABA受容体機能に関連する疾患及び状態を治療するための、開示される化合物及びその塩の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
神経活性ステロイド(NAS)には、コレステロールの代謝産物であり、脳内でデノボ合成される神経ステロイド(NS)と、副腎及び性腺で合成されるステロイドが含まれる。NASの主要な標的は、抑制性γ-アミノ酪酸(GABA)システムである。神経系の主要な抑制性神経伝達物質であるGABAは、GABA受容体とGABA受容体の2種類の受容体を活性化することによって作用する。GABAは、GABA 受容体の結合を介してニューロンの興奮性と急速な気分の変化を調節し、不安レベル、パニック、ストレス応答、発作、睡眠、警戒、及び記憶などのさまざまな行動状態の中心となるGABA機能に関連する広範な脳回路及び障害に影響を及ぼし得る。
【0004】
神経回路の機能における重要な役割を考えると、GABA受容体は多くの臨床的に関連する薬物の標的である。ブレキサノロン(アロプレグナノロンとしても知られる)、ガナキソロン、及びズラノロンは、GABA受容体の正のアロステリックモジュレーター(PAM)として知られており、それらは、GABAクロライドチャネルの開放時間を延長し、抑制性神経伝達を強化し、中枢神経系(CNS)の全体的な抑制を引き起こす。内因性ホルモンであるアロプレグナノロン(化学名ブレキサノロン)は、5α-レダクターゼと3α-ヒドロキシステロイド酸化還元酵素(3α-HSOR)の連続的な作用によってプロゲステロンから生成されるが、ガナキソロンとズラノロンはアロプレグナノロンの合成類似体であり、その物理化学的特性を改善し、その代謝障害を克服することを目的としている。アロプレグナノロンの可溶性静脈内製剤であるズルレッソ(商標)は、2019年3月19日にPPDの治療薬としてFDAによって承認された。ズルレッソは、迅速な作用開始、高い寛解率、及び治療終了後の持続効果を含む、独自の治療効果を実証している。しかしながら、ズルレッソの投与に関連する制限があり、60時間の持続静脈内注入で投与する必要がある。さらに、意識の喪失が臨床研究で観察されたが、これは部分的に注入中のブレキサノロン濃度の急激な変化に起因していた。ガナキソロンは改善された代謝安定性を有するが、経口投与する場合、バイオアベイラビリティが制限された高用量で投与する必要がある。PPDなどの一部の疾患の治療では、ガナキソロンも持続静脈内注入で投与する必要がある。
【0005】
したがって、GABA受容体の調節剤として作用しながら、改善された薬学的または薬物動態特性を有する新規化合物を開発する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本開示は、式I:
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Qはメチルまたは
【化2】
であり、
Lは、存在しない、アルキル、-O-、及び-N(R)-からなる群から選択され、
Wは、存在しない、アルキル、及び-O-からなる群から選択され、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、及び-C(O)Rからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、ただし、Lが、-O-または-N(R)-である場合、Wが-O-ではなく、Wが-O-である場合、Yが-NRNRではなく、Wが-O-である場合、Yが-C(O)ORまたは-C(O)Rである。
【0007】
別の態様では、式(Ia):
【化3】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、R1b及びYは式(I)で定義したとおりである。
【0008】
別の態様では、式(Ib):
【化4】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供され、R1b、W、及びYは式(I)において上で定義した通りであり、nは1~10の整数である。
【0009】
別の態様では、式(Ic-1):
【化5】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、R1b、W、及びYは式(I)で定義したとおりである。
【0010】
別の態様では、式(Ic-2):
【化6】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、W及びYは式(I)で定義したとおりである。
【0011】
別の態様では、式(Id-1):
【化7】
またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、R1b、R、W、及びYは式(I)で定義したとおりである。
【0012】
別の態様では、式(Id-2):
【化8】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供され、式中、R、W、及びYは式(I)で定義したとおりである。
【0013】
別の態様では、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)またはそれらの薬学的に許容される塩のうちの1つ以上の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物が提供される。
【0014】
さらなる態様では、それを必要とする対象においてGABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療する方法であって、対象に治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0015】
さらなる態様では、それを必要とする対象においてGABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療する方法であって、対象に式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む組成物の治療有効量を投与することを含む、方法が提供される。
【0016】
さらなる態様では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0017】
さらなる態様では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療のための医薬の製造における、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0018】
さらなる態様では、1つ以上の追加の薬剤と同時に、別々に、または逐次的に投与される、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0019】
さらなる態様では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療のためのキットであって、前記キットが式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、容器と、任意選択で治療を示す添付文書またはラベルと、を含む、キットが提供される。キットは、前記疾患または障害を治療するのに有用な第2の医薬品を含む第2の化合物または製剤をさらに含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示のある特定の実施形態への詳細な参照がここでなされ、その例は、添付の構造及び式に示されている。列挙された実施形態と併せて本発明を説明するが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されよう。その反対に、本開示は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得るすべての代替物、修正物、及び均等物を包含することを意図している。当業者であれば、本明細書に記載されているものと類似または均等の、本発明の実施に使用でき得る多くの方法及び材料を認識するであろう。本発明は、記載されている方法及び材料に決して限定されるものではない。組み込まれた文献及び類似の資料の1つ以上が、定義された用語、用語の使用法、記載された技術などを含むがこれらに限定されない本出願と異なるかまたは矛盾する場合、本出願が優先する。
【0021】
明確さのために別個の実施形態と関連して記載される本開示のある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供し得る。逆に、簡潔さのために単一の実施形態と関連して記載される本開示のさまざまな特徴はまた、別々に、または任意の好適な部分的な組み合わせとして提供し得る。
【0022】
定義
特定の官能基及び化学用語の定義が、以下でより詳細に説明されている。本開示の目的のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75thEd.の見返しの元素周期表、CASバージョンに従って特定され、特定の官能基は一般にそこに記載されているように定義される。さらに、有機化学の一般原理、及び特定の官能性部分と反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, 2nd Edition, University Science Books, Sausalito, 2006、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 6th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2007、Larock, Comprehensive Organic Transformations, 3rd Edition, VCH Publishers, Inc., New York, 2018、Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 4th Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 2004に記載され、それぞれの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0023】
本開示におけるさまざまな箇所で、連結置換基が記載されている。構造が明らかに連結基を必要とする場合、その基について列挙されたマーカッシュ可変要素は連結基であると理解され、原子価が許す限り、連結される基は任意の位置で連結基に結合される。例えば、その構造が連結基を必要とし、その変数のマーカッシュ群の定義が「アルキル」を列挙する場合、「アルキル」は連結アルキレン基を表すことが理解される。
【0024】
置換基への結合が環内の2つの原子を接続する結合と交差することが示されている場合、そのような置換基は環内の任意の原子に結合することができる。置換基が、そのような置換基が所与の式の化合物の残りに結合する原子を示さずに列挙されている場合、そのような置換基は、そのような式の任意の原子を介して結合することができる。置換基及び/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0025】
任意の可変要素(例えば、R)が化合物の構成要素または式に1回を超えて存在する場合、それぞれの存在でのその定義は、他のすべての存在での定義とは独立している。したがって、例えば、ある基が0~2個のR部分で置換されていることが示されている場合、その基は任意選択で2つまでのR部分で置換されていてもよく、それぞれの存在でのRは、Rの定義とは独立して選択される。また、置換基及び/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0026】
当業者が理解するように、「約」という用語の使用は、引用された値からわずかに外れた値、すなわち±0.1%~10%を示す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「Ci-」という用語は、炭素原子数の範囲を示し、i及びjは整数であり、炭素原子数の範囲は、終点(すなわち、i及びj)及びそれらの間のそれぞれの整数点を含み、jはiより大きい。例えば、C1-は、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、及び6個の炭素原子を含む、1個~6個の炭素原子の範囲を示す。いくつかの実施形態では、「C1-12」という用語は、1~12、特に1~10、特に1~8、特に1~6、特に1~5、特に1~4、特に1~3、または特に1~2個の炭素原子を示す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、飽和の直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指し、任意選択で以下に記載する1つ以上の置換基で独立して置換され得る。「Ci-jアルキル」(または「C-Cアルキル」)という用語は、iからj個の炭素原子を有するアルキルを指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~12個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~11個の炭素原子を含む いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~11個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~9個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~7個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~5個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、1-プロピル、(nープロピル)、2-プロピル(イソプロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、2-メチル-1-プロピル(i-ブチル)、2-ブチル(s-ブチル)、2-メチル-2-プロピル(t-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、1-ヘプチル、1-オクチルなどが挙げられるが、これらには限定されない。「C1-12アルキル」の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルが挙げられるが、これらに限定されない。「C1-6アルキル」の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0029】
アルキル基は、アルキル基の1つ以上の炭素上の1つ以上の水素原子を独立して置換する置換基によってさらに置換され得る。そのような置換基としては、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸、硫酸塩、アルキルスルフミル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられ得るがこれらに限定されない。以下に記載のアルケニル、アルキニル、飽和または部分不飽和のシクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール及びヘテロアリール基も同様に置換され得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指し、任意選択で本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよく、「cis」及び「trans」配向、または代替的に「E」及び「Z」配向を有する基を含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~12個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~11個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~11個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~9個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~7個の炭素原子、2~6個の炭素原子、2~5個の炭素原子、2~4個の炭素原子、2~3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は2個の炭素原子を含む。アルケニル基の例としては、エチレニル(またはビニル)、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、1-メチル-2ブテン-1-イル、5-ヘキセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖状または分枝鎖状の炭化水素ラジカルを指し、任意選択で本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~12個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~11個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~11個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~9個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~7個の炭素原子、2~6個の炭素原子、2~5個の炭素原子、2~4個の炭素原子、2~3個の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を含む。アルキニル基の例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アルコキシル」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、酸素原子を介して親分子に結合した、前に定義したアルキル基を指す。「Ci-jアルコキシ」(または「C-Cアルコキシ」)という用語は、アルコキシ基のアルキル部分がi~j個の炭素原子を有することを意味する。いくつかの実施形態では、アルコキシ基は、1~10個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルコキシ基は、1~9個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルコキシ基は、1~8個の炭素原子、1~7個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~5個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含む。「C1-6アルコキシル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ及びイソプロポキシ)、t-ブトキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、合計5~20個の環員を有する単環式及び多環式の環系を指し、系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、系中のそれぞれの環は、3~12個の環員を含む。「アリール」の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどが挙げられるが、これらに限定されず、1つ以上の置換基を有していてもよい。本明細書で使用される場合、「アリール」という用語の範囲内には、芳香環が1つ以上の追加の環に縮合している基も含まれる。多環式環系の場合、環のすべてが芳香族であってもよい(例えば、キノリン)が、環の1つが芳香族である(例えば、2,3-ジヒドロインドール)必要だけがある。2番目の環も縮合または架橋することができる。多環式アリールの例としては、ベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、環の1つ以上の位置で、上記の置換基で置換することができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」、「カルボシクリル」、及び「炭素環」という用語は交換可能であり、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、一価、飽和、部分不飽和、または完全不飽和の単環式及び多環式の環系を指し、すべての環原子が炭素であり、少なくとも3つの環形成炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~12個の環形成炭素原子(C3-12)、3~10個の環形成炭素原子(C3-10)、3~9個の環形成炭素原子(C3-)、3~8個の環形成炭素原子(C3-)、3~7個の環形成炭素原子(C3-)、3~6個の環形成炭素原子(C3-)、3~5個の環形成炭素原子(C3-)、4~12個の環形成炭素原子(C4-12)、4~10個の環形成炭素原子(C4-10)、4~9個の環形成炭素原子(C4-)、4~8個の環形成炭素原子(C4-)、4~7個の環形成炭素原子(C4-)、4~6個の環形成炭素原子(C4-)、4~5個の環形成炭素原子(C4-)を含み得る。シクロアルキル基は、飽和でも不飽和でもよい。シクロアルキル基は置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、飽和環状アルキル基であってもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、その環系に少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む不飽和環状アルキル基であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、飽和または不飽和の単環式炭素環の環系であってよく、その例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、及びシクロドデシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、縮合、スピロ、または架橋の環系として配置できる飽和または不飽和の多環式(例えば、二環式及び三環式)の炭素環式環系であり得る。本明細書で使用される場合、「縮合環」という用語は、隣接する2つの原子を共有する2つの環を有する環系を指し、「スピロ環」という用語は、1つの単一の共通原子を介して結合された2つの環を有する環系を指し、「架橋環」という用語は、は、2つの環が3つ以上の原子を共有する環系を指す。縮合カルボシクリルの例としては、ナフチル、ベンゾピレニル、アントラセニル、アセナフテニル、フルオレニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。スピロカルボシクリルの例としては、スピロ[5.5]ウンデカニル、スピロペンタジエニル、スピロ[3.6]-デカニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。架橋カルボシクリルの例としては、ビシクロ[1,1,1]ペンテニル、ビシクロ[2,2,1]ヘプテニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニル、ビシクロ[3.3.3]ウンデカニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「シアノ」という用語は、-CNを指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(またはフルオロ)、塩素(またはクロロ)、臭素(またはブロモ)、及びヨウ素(またはヨード)から選択される原子を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、炭素原子の少なくとも1つがN、O、S、及びPから選択されるヘテロ原子で置換されているアルキルを指す。ヘテロアルキルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカル(すなわち、ヘテロ原子は、ラジカルの中間または末端に現れてもよい)であり得、任意選択で本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよい。「ヘテロアルキル」という用語は、アルコキシ及びヘテロアルコキシ基を包含する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルケニル」という用語は、炭素原子の少なくとも1つがN、O、S、及びPから選択されるヘテロ原子で置換されているアルケニルを指す。ヘテロアルケニルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカル(すなわち、ヘテロ原子は、ラジカルの中間または末端に現れてもよい)であり得、任意選択で本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキニル」という用語は、炭素原子の少なくとも1つがN、O、S、及びPから選択されるヘテロ原子で置換されているアルキニルを指す。ヘテロアルキニルは、炭素ラジカルまたはヘテロ原子ラジカル(すなわち、ヘテロ原子は、ラジカルの中間または末端に現れてもよい)であり得、任意選択で本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよい。
【0042】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、硫黄、またはリンを指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、及び塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、別の用語の一部として使用されるか独立して使用されるかにかかわらず、炭素原子に加えて、1つ以上のヘテロ原子、例えばN、O、及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を有するアリール基を指す。ヘテロアリールの例としては、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、及びプテリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリールはまた、ヘテロ芳香族環が1つ以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリルの環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上にある基も含む。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが挙げられる。いくつかの実施形態では、「5~10員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、硫黄、もしくはリンから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素、硫黄、及びリンから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロアリール環を指す。ある特定の実施形態では、「5~12員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、硫黄、及びリンから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素、硫黄、及びリンから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~12員の二環式ヘテロアリール環を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、飽和または不飽和のカルボシクリル基を指し、その中の1つ以上の環原子は、酸素、硫黄、窒素、リンなどから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素であり、1つ以上の環原子は、任意選択で1つ以上の置換基で独立して置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは、その環系に1つ以上の二重結合を有する不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルは、炭素、窒素、硫黄、またはリンの任意の酸化形態、及び塩基性窒素の任意の四級化形態を含み得る。「ヘテロシクリル」は、複素環ラジカルが、飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の、炭素環または複素環と縮合しているラジカルを含む。複素環ラジカルは、可能な場合、炭素結合または窒素結合であってもよい。いくつかの実施形態では、複素環は炭素結合している。いくつかの実施形態では、複素環は窒素結合している。例えば、ピロール由来の基は、ピロール-1-イル(窒素結合)またはピロール-3-イル(炭素結合)であり得る。さらに、イミダゾールから誘導される基は、イミダゾール-1-イル(窒素結合)またはイミダゾール-3-イル(炭素結合)であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、「3~12員のヘテロシクリル」という用語は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、3~12員の飽和または部分不飽和の単環式または多環式の複素環系を指す。縮合環、スピロ環、架橋環系もこの定義の範囲に含まれる。単環式ヘテロシクリルの例としては、オキセタニル、1,1-ジオキソチエタニルピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリドニル、ピリミドニル、ピラジノニル、ピリミドニル、ピリダゾニル、ピロリジニル、トリアジノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。縮合ヘテロシクリルの例としては、フェニル縮合環またはピリジリル縮合環、例えばキノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キノリジニル、キナゾリニル、アザインドリジニル、プテリジニル、クロメニル、イソクロメニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェナントリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル基グループなどが挙げられるが、これらに限定されない。スピロヘテロシクリルの例としては、スピロピラニル、スピロオキサジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。架橋ヘテロシクリルの例としては、モルファニル、ヘキサメチレンテトラミニル、3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含むラジカルを指す。「部分的に不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図しているが、芳香族(すなわち、完全不飽和)部分を含むことを意図していない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、「必要に応じて」という用語が先行するかどうかに関係なく、指定された部分の1つ以上の水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味しる。「置換」または「~で置換された」は、そのような置換が置換された原子の許容される原子価に従っていること、及び置換が安定または化学的に実行可能な化合物、例えば転位、環化、脱離などによる自発的な変換を受けないこと、という暗黙の条件を含む。別段の指示がない限り、「任意選択で置換されている」基は、その基のそれぞれの置換可能な位置に適切な置換基を有していてもよく、任意の所与の構造における1つを超える位置が特定の群から選択される1つを超える置換基で置換されていてもよい場合を有する場合、置換基はすべての位置で同じであっても異なっていてもよい。置換基は、適切であれば、それら自体が置換され得ることを当業者は理解するであろう。「置換されていない」と具体的に記述されない限り、本明細書での化学部分への言及には、置換バリアントが含まれることが理解される。例えば、「アリール」基またはアリール部分への言及には、置換及び置換されていないバリアントが暗黙に含まれる。
【0049】
本開示の化合物
本開示は、式(I)の新規化合物及びその薬学的に許容される塩、化合物を製造するための合成方法、それらを含む医薬組成物、ならびに疾患及び状態の治療における開示された化合物のさまざまな使用を提供する。
【0050】
一態様において、本開示は、式(I):
【化9】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
1a及びR1bは、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Qはメチルまたは
【化10】
であり、
Lは、存在しない、アルキル、-O-、及び-N(R)-からなる群から選択され、
Wは、存在しない、アルキル、及び-O-からなる群から選択され、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、及び-C(O)Rからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている。
【0051】
式(I)のいくつかの実施形態では、Lが-O-または-N(R)-である場合、Wは-O-ではなく、Wが-O-である場合、Yは-NRNRではなく、Wが-O-であり、Yは-C(O)ORまたは-C(O)Rである。一部の実施形態では、Lが-O-または-N(R)-である場合、Wは-O-ではない。一部の実施形態では、Wが-O-である場合、Yは-NRNRではない。いくつかの実施形態では、Wが-O-である場合、Yは-C(O)ORまたは-C(O)Rである。
【0052】
いくつかの実施形態では、R1aとR1bの両方が水素である。いくつかの実施形態では、R1aとR1bの両方がメチルである。いくつかの実施形態では、R1aが水素であり、R1bがメチルである。いくつかの実施形態では、R1aがメチルであり、R1bが水素である。
【0053】
いくつかの実施形態では、Qは、メチルである。いくつかの実施形態では、Qは、
【化11】
である。
【0054】
いくつかの実施形態では、R1aとR1bの両方が水素であり、Qはメチルである。いくつかの実施形態では、R1aとR2bの両方はメチルであり、Qは、メチルである。いくつかの実施形態では、R1aが水素であり、R1bがメチルであり、Qが
【化12】
である。いくつかの実施形態では、R1aがメチルであり、R1bが水素であり、Qが
【化13】
である。
【0055】
いくつかの実施形態では、Lは存在しない。いくつかの実施形態では、Lはアルキル、例えば、C-C12アルキル、C-C11アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、LはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、LはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、Rは水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルはメチルまたはエチルである。いくつかの実施形態では、アルキルはメチルである。
【0056】
いくつかの実施形態では、Wは、存在しない。いくつかの実施形態では、Wはアルキル、例えば、C-C12アルキル、C-C11アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、WはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Wは-O-である。
【0057】
いくつかの実施形態では、Lは存在せず、Wは存在しない。いくつかの実施形態では、Lはアルキルであり、Wは存在しない、または-O-である。ある特定の実施形態では、LはC-Cアルキルであり、Wは存在しない、または-O-である。いくつかの実施形態では、LはC-Cアルキルであり、Wは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wは、存在しない、またはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはCアルキル(すなわち、メチレン)である。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Lは-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Rは水素である。ある特定の実施形態では、Lは-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Rはアルキル、例えば、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-CアルキルまたはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、RはH、メチル、エチル、n-プロピルまたはn-ブチルである。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Rはメチルである。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、RはHである。
【0058】
いくつかの実施形態では、Yは、アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリルは、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基で置換されており、ただし、Wが-O-である場合、Yは-C(O)ORまたは-C(O)Rである。ある特定の実施形態では、Yはアルキル、例えば、C-C12アルキル、C-C11アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、YはC-Cアルキルである。
【0059】
いくつかの実施形態では、Lは存在しない、または-O-であり、Wは存在せず、Yはアルキル、例えば、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは存在しない、または-O-であり、Wは存在せず、Yはn-プロピル、イソブチル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、またはn-ヘプチルである。
【0060】
いくつかの実施形態では、Yは、任意選択で置換された飽和または不飽和のシクロアルキル、例えば、3~10員の飽和シクロアルキル、3~9員の飽和シクロアルキル、3~8員の飽和シクロアルキル、3~7員の飽和シクロアルキル、3~6員の飽和シクロアルキル、3~5員の飽和シクロアルキル、5~10員の不飽和シクロアルキル、5~9員の不飽和シクロアルキル、5~8員の不飽和シクロアルキル、5~7員の不飽和シクロアルキル、または5~6員の不飽和シクロアルキルである。ある特定の実施形態では、Yは、任意選択で置換された3~6員の飽和シクロアルキル、または5~6員の不飽和シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Yはシクロペンチルまたはシクロペンテニルである。ある特定の実施形態では、Yは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、及びシクロヘキサジエニルからなる群から選択される。
【0061】
いくつかの実施形態では、Lはアルキルであり、Wは存在せず、Yは任意選択で置換された飽和または不飽和のシクロアルキルである。ある特定の実施形態では、LはC-Cであり、Wは存在せず、Yは、任意選択で置換された3~6員の飽和シクロアルキル、または5~6員の不飽和シクロアルキルである。
【0062】
いくつかの実施形態では、Yは、任意選択で置換された飽和または不飽和のヘテロシクリル、例えば、3~10員の飽和ヘテロシクリル、3~9員の飽和ヘテロシクリル、3~8員の飽和ヘテロシクリル、3~7員の飽和ヘテロシクリル、3~6員の飽和ヘテロシクリル、3~5員の飽和ヘテロシクリル、5~10員の不飽和ヘテロシクリル、5~9員の不飽和ヘテロシクリル、5~8員の不飽和ヘテロシクリル、5~7員の不飽和ヘテロシクリル、または5~6員の不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、飽和または不飽和のヘテロシクリルは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換される。ある特定の実施形態では、Yは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換された、3~6員の飽和ヘテロシクリルまたは5~6員の不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Yは不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、不飽和ヘテロシクリルは、5員または6員の不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、不飽和ヘテロシクリルは、1つまたは2つの酸素原子を有する5員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、不飽和ヘテロシクリルは、2つの酸素原子を有する5員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、2個の酸素原子を有する5員のヘテロシクリルは、1つ以上のオキソまたはアルキル基により任意選択で置換されている。いくつかのの実施形態では、任意選択で置換されたヘテロシクリルは、
【化14】
である。
【0063】
いくつかの実施形態では、Lはアルキルまたは-O-であり、Wは存在しない、またはアルキルであり、Yは任意選択で置換された飽和または不飽和のヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、Lは、C-Cアルキルまたは-O-、Wは存在しない、またはC-Cアルキルであり、Yは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換された、3~6員の飽和ヘテロシクリルまたは5~6員の不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはCアルキル(すなわち、メチレン)であり、Yは不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはCアルキル(すなわち、メチレン)であり、Yは不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは不飽和の
【化15】
である。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは
【化16】
である。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはCアルキル(すなわち、メチレン)であり、Yは

【化17】
である。
【0064】
いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、式中、Rは水素または-メチルであり、Wはアルキルであり、Yは不飽和の
【化18】
である。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、式中、Rは水素または-メチルであり、WはC-Cアルキルであり、Yは
【化19】
である。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-であり、式中、Rは水素または-メチルであり、WはCアルキル(すなわち、メチレン)であり、Yは
【化20】
である。
【0065】
いくつかの実施形態では、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはアルキル、例えば、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、またはt-ブチルである。一実施形態では、Rは、メチル、エチル、またはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは任意選択で置換されたアリール、例えば任意選択で置換されたフェニルである。
【0066】
ある特定の実施形態では、Lはアルキルであり、Wは-O-であり、Yは-C(O)Rであり、式中、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、C-Cアルキルはメチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-C(O)Rであり、式中、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、RはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはメチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはメチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)ORであり、式中、Rはメチルまたはイソプロピルである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rはアルキル、例えば、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、またはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたはイソプロピルである。
【0068】
ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、RはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、RはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、RはC-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはMeであり、Rはメチル、エチル、またはイソプロピルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはMeであり、Rはメチル、エチル、またはイソプロピルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-または-N(R)-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはMeであり、Rはメチル、エチル、またはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Lは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Rは水素またはメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたはイソプロピルである。
【0069】
いくつかの実施形態では、Yは-NRであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rはアルキルまたはアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Yは-NRであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。いくつかの実施形態では、Rは水素またはメチルであり、Rは-C(O)Rであり、Rは-CH、-CH(CH、-OCH、または-OCH(CHである。いくつかの実施形態では、Rは水素またはメチルであり、Rは、-C(O)CH、-C(O)CH(CH、-C(O)OCH、または-C(O)OCH(CHである。
【0070】
いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-NRであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rはアルキルまたはアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、Rは水素またはメチルであり、Rは-C(O)CH、-C(O)CH(CH、-C(O)OCH、または-C(O)OCH(CHである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rはアルキルまたはアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rはアルキルまたはアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rはアルキルまたはアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。特定の実施形態では、Lは-O-であり、Wはアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rは、-CH、-CH(CH、-OCH、または-OCH(CHである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rは-CH、-CH(CH、-OCH、または-OCH(CHである。ある特定の実施形態では、Lは-O-であり、WはC-Cアルキルであり、Yは-NRであり、式中、RはHまたはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、Rは-CH、-CH(CH、-OCH、または-OCH(CHである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式(Ia):
【化21】
を有し、式中、R1b及びYは、式(I)において上で定義された通りである。
【0072】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Yはアルキル、例えば、C-C12アルキル、C-C11アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキルである。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式(Ib):
【化22】
を有し、式中、
【化23】
は任意選択でアルキル基(例えば、メチル、エチル、またはイソプロピル)で置換され、nは1~5の整数であり、R1b、W、及びYは式(I)において上で定義された通りである。
【0074】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wは存在しない、または-O-である。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wは存在しない、または-O-であり、Yは飽和もしくは不飽和のシクロアルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、または-OC(O)ORであり、式中、Rは水素またはアルキルであり、前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wは存在しない、または-O-であり、Yは3~6員の飽和もしくは不飽和のシクロアルキル、3~6員の飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、または-OC(O)ORであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルであり、前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式(Ic-1)または式(Ic-2):
【化24】
を有し、式中、R1b、W、及びYは、式(I)において上で定義された通りである。
【0076】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wは存在しない、またはアルキルである。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wは存在しない、またはアルキルであり、Yは、アルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、ここで、R及びRはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、及びアルキニルからなる群から選択され、Rは-C(O)Rであり、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシルからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、及び飽和または不飽和のヘテロシクリルは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Wはアルキルであり、Yは、不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、ここで、R及びRはそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、及びアルキニルからなる群から選択され、Rは-C(O)Rであり、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシルからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、及び飽和または不飽和のヘテロシクリルは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている。
【0077】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、WはC-Cアルキルであり、Yは、1つ以上のオキソ基で置換されていてもよい5~6員の不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、式中、R及びRはそれぞれ水素またはC-Cアルキルであり、Rは-C(O)Rであり、RはC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式(Id-1)または式(Id-2):
【化25】
【化26】
を有し、式中、R1b、R、W、及びYは、式(I)において上で定義された通りである。
【0079】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Rは水素またはアルキルである。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Rは水素またはメチルである。
【0080】
ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Rは水素またはアルキルであり、Wはアルキルである。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Rは水素またはアルキルであり、Wはアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素、アルキル、アルケニル、及びアルキニルからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、R1bは水素またはメチルであり、Rは水素またはC-Cアルキルであり、WはC-Cアルキルであり、Yは-OC(O)Rであり、式中、Rは水素またはC-Cアルキルである。
【0081】
特定の実施形態では、本開示は、表1の化合物を提供する。
【0082】
さらなる態様において、本開示は、以下からなる群から選択される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する:
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル オカタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエート、
3-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ブチルカーボネート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネート)、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル(2-(N-メチルイソブチルアミド)エチル)カーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニル-N-メチルアミノ)エチルカーボネート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート、
(3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、及び
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート。
【0083】
代表的な式(I)の化合物を次の表1に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【0084】
本明細書で提供される化合物は、一般式と特定の化合物の両方を参照して記載される。さらに、本開示の化合物は、多数の異なる形態または誘導体で存在し得、そららは、すべて本開示の範囲内にある。これらには、例えば、互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物、位置異性体、塩、プロドラッグ、溶媒和形態、異なる結晶形態または多形、及び活性代謝物が含まれる。
【0085】
本開示の化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、さまざまな立体異性形態、例えばエナンチオマー及び/またはジアステレオマーで存在することができる。したがって、本発明の化合物及びその組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってもよいし、立体異性体の混合物の形態であってもよい。ある特定の実施形態では、本開示の化合物はエナンチオピュアな化合物である。ある特定の実施形態では、エナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物が提供される。
【0086】
「エナンチオマー」とは、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像ではない一対の光学異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、及び反応性を有する。
【0087】
さらに、本明細書に記載のある特定の化合物は、別段の指示がない限り、Z異性体またはE異性体のいずれかとして存在し得る1つ以上の二重結合を有し得る。本開示はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、及び代替的に種々の異性体の混合物、例えばエナンチオマーのラセミ混合物として化合物を包含する。上述の化合物自体に加えて、本開示は、1つ以上の化合物を含む組成物も包含する。
【0088】
本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、あらゆる幾何異性体及び立体異性体を含む。例えば、「異性体」には、cis-異性体及びtrans-異性体、E-異性体及びZ-異性体、R-エナンチオマー及びS-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、及びその他の異性体が含まれ、これらは、本発明の範囲内にある。例えば、立体異性体は、いくつかの実施形態では、1つ以上の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、「立体化学的に濃縮された」と呼ばれることもある。
【0089】
特定のエナンチオマーが好ましい場合、いくつかの実施形態では、反対のエナンチオマーを実質的に含まずに提供されてもよく、「光学的に濃縮された」と呼ばれることもある。本明細書で使用される場合、「光学的に濃縮された」とは、化合物が1つのエナンチオマーのかなり大きな割合で構成されていることを意味する。ある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーから構成される。他の実施形態では、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%、または99重量%の好ましいエナンチオマーから構成される。好ましいエナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)及びキラル塩の形成及び結晶化を含む、当業者に知られている任意の方法によってラセミ混合物から単離するか、または不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981)、Wilen, S.H., et al., Tetrahedron 33:2725 (1977)、Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962)、Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。
【0090】
本開示の化合物は、異なる互変異性型で存在してもよく、そのような型はすべて本開示の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低いエネルギー障壁を越えて相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を示す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られる)には、ケトエノール、アミドイミジン酸、ラクタムラクチム、イミンエナミン異性化などのプロトンの移動を介した相互変換、及びプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占有できる環状形態(例えば、1H-及び3H-イミダゾール、1H-、2H-及び4H-1,2,4-トリアゾール、1H-及び2H-イソインドール、ならびに1H-及び2H-ピラゾール)が含まれる。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互転換を含む。互変異性体は、適切な置換によって平衡状態にあり得るか、立体的に1つの形態に固定され得る。1つの特定の互変異性型として名前または構造によって識別される本開示の化合物は、別段の指定がない限り、他の互変異性型を含むことを意図する。
【0091】
本開示の化合物は、薬学的に許容される塩として製剤化されるか、またはその形態であることができる。特に逆のことを明記しない限り、本明細書で提供される化合物には、そのような化合物の薬学的に許容される塩が含まれる。
【0092】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、物質または組成物が、製剤を構成する他の成分、及び/またはそれにより治療される対象と、化学的及び/または毒物学的に適合することを示す。
【0093】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、別段の指示がない限り、特定の化合物の遊離酸及び遊離塩基の生物学的有効性を保持し、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない塩を含む。企図される薬学的に許容される塩の形態としては、モノ、ビス、トリス、テトラキスなどが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、それらが投与される量及び濃度において無毒である。このような塩の調製は、化合物の生理学的効果の発揮を妨げることなく化合物の物理的特性を変更することにより、薬理学的使用を容易にすることができる。物理的特性の有用な変更としては、融点を下げて経粘膜投与を容易にすること、及び溶解度を上げてより高濃度の薬物の投与を容易にすることが挙げられる。
【0094】
薬学的に許容される塩としては、硫酸塩、塩化物、塩酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩及びキナ酸塩を含む酸付加塩が挙げられる。薬学的に許容される塩は、塩酸、マレイン酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、フマル酸、及びキナ酸などの酸から得ることができる。
【0095】
薬学的に許容される塩としては、カルボン酸やフェノールなどの酸性官能基が存在する場合、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、t-ブチルアミン、エチレンジアミン、メグルミン、プロカイン、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム、アルキルアミン、及び亜鉛を含むものなどの塩基性付加塩も挙げられる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, Vol. 2, p. 1457, 1995、“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth, Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002を参照されたい。そのような塩は、適切な対応する塩基を使用して調製することができる。
【0096】
薬学的に許容される塩は、標準的な技術によって調製することができる。例えば、化合物の遊離塩基形態は、適切な酸を含む水溶液または水性アルコール溶液などの適切な溶媒に溶解し、次いで溶液を蒸発させることによって単離することができる。したがって、特定の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容される塩は、当該技術分野で利用可能な任意の好適な方法、例えば、遊離塩基の、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸による処理、または、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、例えばグルクロン酸もしくはガラクツロン酸等のピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸などのアルファヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸もしくは桂皮酸などの芳香族酸、p-トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などのスルホン酸などの有機酸による処理、によって調製され得る。
【0097】
同様に、特定の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容される塩は、任意の好適な方法、例えば、遊離酸の、アミン(第一級、第二級、または第三級)、アルカリ金属水酸化物、もしくはアルカリ土類金属水酸化物などの無機塩基または有機塩基による処理によって調製され得る。好適な塩の具体例としては、L-グリシン、L-リジン、及びL-アルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、及び第三級アミン、ならびにヒドロキシエチルピロリジン、ピペリジン、モルホリン、またはピペラジンなどの環状アミンから誘導される有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びリチウムから誘導される無機塩が挙げられる。
【0098】
また、本開示の化合物は、非溶媒和形態、溶媒和形態(例えば、水和形態)、及び固体形態(例えば、結晶または多形形態)で存在することができることも理解されるべきであり、本開示は、すべてのそのような形態を包含することを意図している。
【0099】
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」または「溶媒和形態」という用語は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を指す。一部の化合物は、固定モル比の溶媒分子を結晶性固体状態に閉じ込める傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物である。溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1分子以上の水と、水がHOとして分子状態を物質中で保持している物質の1分子との組み合わせによって形成される。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
本明細書で使用される場合、「結晶形」、「結晶形」、「多形形態」及び「多形」という用語は交換可能に使用することができ、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が異なる結晶充填配置で結晶化することができる結晶構造を意味し、それらはすべて同じ元素組成を有する。異なる結晶形は、通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度硬度、結晶形状、光学的及び電気的特性、安定性、ならびに溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、保管温度、及びその他の因子により、1つの結晶形が支配的になる場合がある。化合物の結晶多形は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
【0101】
本開示はまた、化合物中の原子のすべての同位体を含むことを意図している。原子の同位体は、同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子を含む。例えば、特に明記しない限り、本開示の化合物中の水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭化物、またはヨウ素は、H、H、H、11C、12C、13C、14C、14N、15N、16O、17O、18O、31P、32P、32S、33S、34S、36S、17F、18F、19F、35Cl、37Cl、79Br、81Br、124I、127I、及び131Iなどであるがこれらに限定されないそれらの同位体も含むことを意味する。いくつかの実施形態では、水素には、プロチウム、重水素、トリチウムが含まれる。いくつかの実施形態では、炭素は、12C及び13Cを含む。
【0102】
本開示の化合物の合成
それらの薬学的に許容される塩を含む、本明細書で提供される化合物の合成は、実施例の合成スキームに示されている。本明細書で提供される化合物は、任意の既知の有機合成技術を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができ、したがって、これらのスキームは単なる例示であり、本明細書で提供される化合物を調製するために使用できる他の可能な方法を限定することを意味しない。さらに、スキームの手順は説明をわかりやすくするためのものであり、必要に応じて変更できる。実施例における化合物の実施形態は、研究目的で合成され、規制当局に提出される可能性がある。
【0103】
本開示のプロセスの反応は、有機合成の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、反応が実施される温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所定の反応は、1つの溶媒または1つを上回る溶媒の混合物中で実行され得る。特定の反応ステップに応じて、その特定の反応ステップに好適な溶媒が当業者によって選択され得る。
【0104】
本開示の化合物の調製は、さまざまな化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者により容易に決定され得る。保護基の化学的性質については、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に見出すことができる。
【0105】
反応は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、紫外可視)等の分光手段、質量分析法によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分光法(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)等のクロマトグラフ方法によってモニターすることができる。化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(“Preparative LC-MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F. Blom, Brian Glass, Richard Sparks, Andrew P. Combs J. Combi. Chem. 2004, 6(6), 874-883(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び順相シリカクロマトグラフィーを含む、さまざまな方法によって、当業者によって精製することができる。
【0106】
実施例における化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)によって、または/及び液体クロマトグラフィー-質量分析 (LC-MS)によって特徴付けられる。NMR 化学シフト(δ)は10-6(ppm)の単位で与えられる。H-NMRスペクトルは、VarianまたはBruker機器(400MHz)でCDCl、CDODまたはDMSO-d溶液(ppmで報告)で記録される。
【0107】
MS測定は、Shimadzu 2010 Mass SpectrometerまたはAgilent 6110A MSDもしくは1969A TOF質量分析計を用いて、さまざまな機器からのエレクトロスプレー法、化学イオン化法、電子衝突イオン化法を使用する。
【0108】
本開示の既知の出発物質は、当該技術分野で既知の方法を使用することによって、またはそれに従って合成することができ、あるいは、Aldrich Chemical Company、Adamas-beta、TCI、またはAccela ChemBio Co., Ltd などの商業的供給業者から購入することができ、別段の指示がない限り、さらに精製することなく使用した。テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン (DCE)、ジオキサン、及び1,1,2,2-テトラクロロエタンは、AldrichからSure sealボトルに入れて購入し、そのまま使用した。
【0109】
別段の定めがない限り、本開示の反応はすべて無水溶媒中で行われ、反応フラスコには典型的には、注射器を介して基質及び試薬を導入するためのゴム隔壁が取り付けられていた。ガラス器は、炉乾燥及び/または熱乾燥した。
【0110】
例示の目的で、以下に、本開示の化合物及び重要な中間体を調製するための一般的な合成経路を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明については、以下の実施例セクションを参照されたい。当業者は、本発明の化合物を合成するために他の合成経路を使用できることを理解するであろう。以下に特定の出発物質及び試薬をスキームに示し、説明するが、他の出発物質及び試薬を容易に置換して、さまざまな誘導体及び/または反応条件を提供することができる。さらに、以下に記載する方法によって調製される化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を使用して、本開示に照らしてさらに修正することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される式(I)の化合物は、ブレキサノロンと式(II):
【化27】
の化合物との反応によって調製され、
式中、L、W及びYは、上記のように定義される。
【0112】
スキーム1は、ブレキサノロンと式(II)の化合物との反応から出発する式(I)の化合物の例示的な合成を示す。
【化28】
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される式(I)の化合物は、スキーム2に従って調製される。
【化29】
【0114】
当業者によって理解されるように、本開示の化合物は、本明細書に明示的に開示されたもの以外の経路によって合成することができる。
【0115】
本開示の化合物の特性
一態様では、本開示は、GABA受容体の調節剤として作用する、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0116】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、対象への投与時に、1つ以上の代謝プロセスによって化学変換を受けて、活性な医薬品をインビボで放出するプロドラッグ化合物である。
【0117】
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、投与後にブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンに変換される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、経口投与後にブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンに変換される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、非経口投与後にブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンに変換される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、血中でブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンに変換される。いくつかの実施形態では、ブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンの放出速度は、本開示の化合物の血液との接触後1時間以内に、少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%または10%である。いくつかの実施形態では、ブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンの放出速度は、本開示の化合物の血液との接触後2時間以内に、少なくとも90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%または10%である。
【0118】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも0.1μM、少なくとも0.5μM、少なくとも1μM、少なくとも1.5μM、少なくとも2μM、少なくとも2.5μM、少なくとも3μM、少なくとも3.5μM、少なくとも4μM、少なくとも4.5μM、少なくとも5μM、少なくとも5.5μM、少なくとも6μM、少なくとも6.5μM、少なくとも7μM、少なくとも8μM、少なくとも9μM、少なくとも10μM、少なくとも15μM、少なくとも20μM、またはさらにそれ以上の熱力学的水溶解度(pH7.4で)を示す。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、0.1~20μM、例えば、0.1~18μM、0.1~16μM、0.1~14μM、0.1~12μM、0.1~10μM、0.1~9μM、0.1~8μM、0.1~7μM、0.1~6μM、0.1~5μM、0.1~4μM、0.1~3μM、0.1~2μM、1~20μM、2~20μM、2~15μM、2~10μM、2~9μM、2~8μM、2~7μM、2~6μM、2~5μM、2~4μMなどの範囲の熱力学的水溶解度(pH7.4で)を示す。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、0.5~7、例えば、1~7、1.5~7、2~7、2.5~7、3~7、4~7、1.5~6、2~6、2.5~6、3~6、3.5~6、4~6、1~5、1.5~5、2~5、2.5~5、3~5、3.5~5、4~5、4.5~5などの範囲のLog Dによって測定される親油性を有する。
【0120】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、以下の実施例に記載のアッセイで測定するとき、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも40分、少なくとも50分、少なくとも60分、少なくとも70分、少なくとも80分、少なくとも90分、少なくとも100分、少なくとも110分、少なくとも120分、少なくとも130分、少なくとも140分、少なくとも150分、少なくとも160分、少なくとも170分、少なくとも180分、少なくとも190分、または少なくとも200分の血漿中の半減期(t1/2)を示す。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、以下の実施例に記載のアッセイで測定するとき、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも40分、または少なくとも50分の肝臓S9における半減期を示す。
【0122】
したがって、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物、及び薬学的にそれらの許容可能な塩は、NASのプロドラッグとして作用し、特に、ブレキサノロン、ガナキソロン、またはズラノロンを放出して、GABA受容体機能、したがってGABA機能を調節する。
【0123】
本明細書で使用される場合、「調節する」または「調節」という用語は、GABA受容体機能の阻害または増強を指す。「モジュレーター」は、例えば、GABA受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、または部分アンタゴニストであり得る。
【0124】
医薬組成物
本開示は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩のうちの1つ以上を含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1))、式(Id-2)から選択される化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)から選択される第1の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、同じ式の1つ以上の追加の化合物とを含み、前記第1の化合物及び追加の化合物(複数可)は同じ分子ではない。
【0125】
一実施形態では、医薬組成物は、本開示の1つ以上の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤と、を含む。
【0126】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、対象への投与に適した形態で本開示の化合物を含む製剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、バルクまたは単位剤形である。
【0127】
本明細書で使用される場合、「単位剤形」という用語は、対象のための単位投与量として適切な、物理的に別個の単位を指し、それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤とともに、所望の治療効果を生じるように計算された、予め決定された量の活性物質を含む。単位剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、サシェ剤、カシェ剤、トローチ剤、懸濁液剤、エマルション剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体または液体媒体中)、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、パッチ、吸入剤、または坐剤を含むさまざまな形態のいずれかである。組成物の単位用量中の活性成分(例えば、開示された化合物またはその塩、水和物、溶媒和物もしくは異性体の製剤)の量は、治療有効量であり、関与する特定の治療に従って変化する。当業者は、患者の年齢及び状態に応じて、投与量を日常的に変更する必要がある場合があることを理解するであろう。投与量は投与経路にも依存する。
【0128】
本開示の医薬組成物は、経口(経腸)投与、非経口(注射による)投与、直腸投与、経皮投与、皮内投与、髄腔内投与、皮下(SC)投与、静脈内(IV)投与、筋肉内(IM)投与、及び鼻腔内投与(例えば、鼻スプレー)を含むがこれらに限定されないさまざまな経路によって投与することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容される賦形剤、及び必要とされる任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合される。
【0130】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、任意の及びすべての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含む。薬剤的活性物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野でよく知られている。任意の従来の媒体または薬剤が活性化合物と不適合性である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。さらに、当該技術分野で一般的に使用されるようなさまざまなアジュバントが含まれ得る。これら及び他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index, Merck & Company, Rahway, NJ. A “pharmaceutically acceptable excipient”に記載され、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ及び1つを超えるそのような賦形剤の両方が含まれる。「薬学的に許容される賦形剤」という用語はまた、「薬学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される希釈剤」も包含する。
【0131】
使用される特定の担体、希釈剤、または賦形剤は、本発明の化合物が適用される手段及び目的に依存する。溶媒は、一般に、哺乳動物に投与するのに安全であると当業者によって認識される溶媒に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒とは、水などの毒性のない水性溶媒、及び水に溶解または混和するその他の毒性のない溶媒である。好適な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、及びそれらの混合物が挙げられる。許容される賦形剤、希釈剤、及び担体、及び安定化剤は、レシピエントに対し、用いられる投与量及び濃度で非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、デキストリン、スターチ、ヒドロキシエチルスターチを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。組成物はまた、薬物(すなわち本発明の化合物またはその医薬組成物)の洗練された体裁を提供するか、または医薬品(すなわち医薬)の製造を補助するために、1種以上の、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、抗酸化剤、不透明剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、及び他の既知の添加剤をも含み得る。活性医薬成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルによって調製されたマイクロカプセル中に、コロイド状ドラッグデリバリーシステム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中に、またはマクロエマルション中に、捕捉され得る。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed.(1980)に開示されている。「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(本明細書に開示される化合物、及び任意選択で化学療法剤など)の送達に有用な、さまざまな種類の脂質、リン脂質、及び/または界面活性剤で構成される小さな小胞である。リポソームの構成要素は、通常、生体膜の脂質配置と同様に、二重層構造で配置される。
【0132】
本開示の化合物の医薬組成物は、特定の投与経路及び剤形に応じて製剤化することができる。医薬組成物は、一般に、生理学的に適合するpH、例えば、約3~約11、約3~約10、約3~約9、約3~約8、約3~約7、約4~約11、約4~約10、約4~約9、約4~約8、約4~約7、約5~約11、約5~約10、約5~約9、約約5~約8、約5~約7のpHを達成するように製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5~約7のpHを達成するように製剤化される。
【0133】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、本明細書で提供される化合物の治療有効量を提供するように製剤化され得る。
【0134】
本明細書で使用される場合、「治療上有効量」という用語は、疾患、障害、または状態の治療において治療上の利益を提供する、または疾患、障害、または状態に関連する1つ以上の症状を遅延または最小化するのに十分な量を指す。化合物の治療有効量とは、単独での、または疾患もしくは障害の治療において治療上の利益を提供する他の療法と組み合わせた治療薬の量を意味する。「治療有効量」という用語は、全体的な療法を改善するか、疾患もしくは障害の症状もしくは病因を軽減もしくは回避するか、または別の治療薬の治療効力を増強する量を包含し得る。実際に投与される化合物の正確な有効量は、典型的には、治療される状態、選択した投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む関連状況に照らし、医師によって決定される。
【0135】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に製剤化され得る。例えば、本開示の医薬組成物は、固体、液体溶液、エマルション、または懸濁液として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、肺投与のために製剤化され得る。例えば、本開示の医薬組成物は、液体または粉末として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、投与前に生理学的に適合する溶媒で再構成される凍結乾燥固体として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物はまた、経口使用(例えば、錠剤、ロゼンジ、硬カプセルもしくは軟カプセル、水性または油性懸濁液、エマルション、分散性粉末または顆粒、シロップ、もしくはエリキシル剤として)、局所使用(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、もしくは水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液として)、吸入による投与(例えば、微細粉末もしくは液体エアロゾルとして)、吹送による投与(例えば、微細粉末として)に適した形態に製剤化され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、慢性的に投与することもできる(「慢性投与」)。本明細書で使用される場合、「慢性投与」という用語は、化合物またはその医薬組成物の長期間にわたる投与、例えば、3か月、6か月、1年、2年、3年、5年などにわたる投与を指し、または、例えば、対象の残りの生涯など、無期限に継続することもあり得る。ある特定の実施形態では、慢性投与は、血中の化合物の一定レベルを、例えば長期間にわたって治療ウィンドウ内で提供することを意図している。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、持続放出形態で、または持続放出薬物送達システムから投与することもできる。代表的な徐放性材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
【0138】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、治療有効量の本明細書で提供される化合物(複数可)と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、注射による投与のための長時間作用型製剤として製剤化することができ、薬学的に許容される賦形剤は水であり、化合物(複数可)はその中に懸濁している。いくつかの実施形態では、長時間作用型製剤は、筋肉内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、長時間作用型製剤は、皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、長時間作用型製剤として製剤化された医薬組成物は、湿潤剤、懸濁剤、防腐剤、緩衝剤、及び等張剤からなる群から選択される1つ以上の追加の薬剤をさらに含むことができる。
【0139】
適用のための医薬組成物(または製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて多様な方法で包装されてもよい。例えば、配布用物品は、その中に薬学的製剤を適切な形態で配置した容器を含み得る。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、サシェ、アンプル、プラスチックバッグ、金属製シリンダーなどの物質が挙げられる。容器はまた、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止アセンブリを含んでもよい。それに加えて、容器は、容器の内容物を説明するラベルをその上に配置している。ラベルはまた、適切な注意書き含んでいてもよい。組成物はまた、単位用量または複数用量の容器、例えば密封アンプル及びバイアルに包装することができ、そして使用直前に、注射のための、滅菌液体担体、例えば、水の添加のみを必要とする凍結乾燥(凍結乾燥)状態で保存することができる。即席の注射溶液及び懸濁液は、前述の種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製される。
【0140】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、単位剤形で製剤化される。このような単回または単位剤形は、1日あたり1回、2回、3回、4回、またはそれ以上投与されることが企図されている。ある特定の実施形態では、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩の、0.01~50mg/kg、0.05~50mg/kg、0.1~50mg/kg、0.5~50mg/kg、1~50mg/kg、2~50mg/kg、3~50mg/kg、4~50mg/kg、5~50mg/kg、0.01~40mg/kg、0.05~40mg/kg、0.1~40mg/kg、0.5~40mg/kg、1~40mg/kg、2~40mg/kg、3~40mg/kg、4~40mg/kg、5~40mg/kg、0.01~30mg/kg、0.05~30mg/kg、0.1~30mg/kg、0.5~30mg/kg、1~30mg/kg、2~30mg/kg、3~30mg/kg、4~30mg/kg、5~30mg/kg、0.01~20mg/kg、0.05~20mg/kg、0.1~20mg/kg、0.5~20mg/kg、1~20mg/kg、2~20mg/kg、3~20mg/kg、4~20mg/kg、5~20mg/kg、0.01~15mg/kg、0.05~15mg/kg、0.1~15mg/kg、0.5~15mg/kg、1~15mg/kg、2~15mg/kg、3~15mg/kg、4~15mg/kg、5~15mg/kg、0.01~10mg/kg、0.05~10mg/kg、0.1~10mg/kg、0.5~10mg/kg、1~10mg/kg、2~10mg/kg、3~10mg/kg、4~10mg/kg、または5~10mg/kgの単位用量を提供するように製剤化することができる。いくつかの実施形態では、単位用量は、1日1回投与される。他の実施形態では、単位用量は、1日2回投与される。さらなる実施形態では、単位用量は、1日3回投与される。さらなる実施形態では、単位用量は、1日4回投与される。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、本開示の化合物の有効量を達成するために投与される。例えば、本開示の化合物の量は、約0.1~1000mg、約1~1000mg、約10~1000mg、約50~1000mg、約100~1000mg、約200~1000mg、約300~1000mg、約400~1000mg、約500~1000mg、約0.1~900mg、約0.1~800mg、約0.1~700mg、約0.1~600mg、約0.1~500mg、約1~500mg、約10~500mg、約50~500mg、約100~500mg、約200~500mg、約300~500mg、または約400~500mgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、約200~500mgの本開示の化合物の量を達成するために投与される。
【0142】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、単独の活性剤として投与することができるか、または1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて投与することができる。当業者は、さまざまな活性成分を本開示の化合物と組み合わせることができることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、医薬併用製剤または投与計画の追加の活性成分は、開示の化合物に対して、それらが互いに悪影響を及ぼさないように相補的な活性を有する。そのような成分は、意図する目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。
【0143】
いくつかの実施形態では、追加の活性成分は、本明細書で提供される化合物のバイオアベイラビリティを改善し、本明細書で提供される化合物の代謝を減少及び/または変更し、本明細書で提供される化合物の排泄を阻害し、及び/または、本明細書で提供される化合物の体内での分布を変更する。
【0144】
追加の治療活性剤としては、例えば、小さな有機分子、例えば、薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)で提供されるように米国食品医薬品局によって承認された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖類、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、及び細胞が挙げられる。
【0145】
式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物(複数可)またはそれらの薬学的に許容される塩、及び追加の活性成分(複数可)は、単一の医薬組成物中で一緒に、または別々に投与されてもよく、別々に投与される場合、同時、または任意の順序で逐次的に投与されてもよい。このような逐次投与は投与間隔が短くても離れていてもよい。式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物(複数可)及び追加の活性成分(複数可)の量、ならびに投与の相対的タイミングは、所望の併用治療効果を達成するために選択されるであろう。
【0146】
上記の共投与される薬剤のうちのいずれにも好適な用量は、現在使用されているものであり、新たに特定された薬剤と他の化学療法剤または治療との組み合わせ作用(相乗効果)によって低くされ得る。
【0147】
本明細書で使用される場合、「組み合わせ」という用語は、同時、個別、または逐次投与を指す。いくつかの実施形態では、「組み合わせ」は同時投与を指す。いくつかの実施形態では、「組み合わせ」は、別個の投与を指す。いくつかの実施形態では、「組み合わせ」は逐次投与を指す。投与が連続的または別個である場合、第2の成分を投与することにおける遅延は、組み合わせの有益な効果を失うようものであってはならない。
【0148】
したがって、さらなる態様では、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて提供される。
【0149】
さらなる態様では、薬学的に許容される賦形剤とともに、1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0150】
さらなる態様では、1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を含むキットが提供される。
【0151】
さらなる態様では、以下を含むキットが提供される:
(a)第1の単位剤形中の、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、
(b)第2の単位剤形中の、上に挙げたものから選択される追加の活性成分と、
(c)第1の単位剤形及び第2の単位剤形を入れるための容器。
【0152】
治療方法
一態様では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療することを、それを必要とする対象において方法であって、該方法が、対象に、GABA受容体に対する本開示の化合物の調節活性のために、治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
【0153】
別の態様では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療することを、それを必要とする対象において行う方法であって、該方法が、対象に治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0154】
一態様では、神経疾患または状態を治療することを、それを必要とする対象において行う方法が提供され、該方法が、対象に治療有効量の式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0155】
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という用語は、GABA受容体機能に関連する疾患または状態を有する対象である。「対象」には温血動物が含まれる。いくつかの実施形態では、温血動物は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、温血動物はヒトである。
【0156】
GABA受容体機能に関連する例示的な疾患または状態としては、睡眠障害(例えば、不眠症)、気分障害(例えば、うつ病(例えば、産後うつ病(PPD)、大うつ病性障害(MDD)))、気分変調性障害(例、軽度のうつ病)、双極性障害(例、I及び/またはII)、不安障害(例、全般性不安障害(GAD)、社交不安障害)、ストレス、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫性障害(例、強迫性障害(OCD))、統合失調症スペクトラム障害(例えば、統合失調症、統合失調感情障害)、痙攣性障害(例えば、てんかん(例えば、てんかん重積症(SE))、発作)、記憶障害及び/または認知症(例えば、注意障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)))、認知症(例えば、アルツハイマー型認知症、ルイス体型認知症、血管型認知症)、運動障害(例えば、ハンチントン病、パーキンソン病)、パーソナリティ障害(例えば、反社会性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害)、自閉症スペクトラム障害(ASD)(例えば、自閉症、シナプトファシーなどの自閉症の単一遺伝的原因、例えば、レット症候群、脆弱X症候群、エンジェルマン症候群)、疼痛(例えば、神経因性疼痛、損傷関連疼痛症候群、急性疼痛、慢性疼痛)、外傷性脳損傷(TBI)、血管疾患(例えば、脳卒中、虚血、血管奇形)、薬物乱用障害及び/または離脱症候群(例えば、アヘン、コカイン、及び/またはアルコール)、耳鳴り、本態性振戦(ET)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、疾患は、不安、気分障害、大うつ病性障害、産後障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、焦点起始発作、PCDH19小児てんかん、小児遺伝性てんかん、CDKL5欠乏症(CDD)、月経随伴性てんかん、幼児痙攣、脆弱X症候群、うつ、産後うつ、及び月経前症候群である。いくつかの実施形態では、疾患は、CDD、MDD、PPD、本態性振戦、PTSD、SE、ESE、脆弱X症候群、パーキンソン病、または治療抵抗性うつ病である。
【0158】
一態様では、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、療法、例えば、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療での用途を見出す。いくつかの実施形態では、療法は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む哺乳動物で使用するためのものである。
【0159】
本明細書で使用される場合、「療法」という用語は、1つ以上の症状を完全または部分的に緩和するために、または根底にある病理を修正または代償するために、疾患に対処し、それによって有益なまたは望ましい臨床結果を達成するという通常の意味を有することを意図する。本開示の目的では、有益なまたは望ましい臨床結果としては、病状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち悪化しない)、疾患の進行の遅延または緩徐化、病態の寛解または好転、及び検出可能か検出不能かにかかわらず緩解(部分的または全体的)が挙げられるが、これらに限定されない。「療法」はまた、治療を受けていなかった場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延長することも意味し得る。療法の必要のあるものは、状態もしくは障害をすでに有しているもの、及び状態もしくは障害を有する傾向にあるもの、または状態もしくは障害を予防すべきものを含む。「療法」という用語は、特に反対の指示がない限り、予防も包含する。「治療的」及び「治療的に」という用語は、対応する方法で解釈されるべきである。
【0160】
本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、その通常の意味を有することを意図しており、疾患の発症を予防するための一次予防、及び疾患がすでに発症しており、患者が病状の増悪もしくは悪化、または疾患もしくは疾患に関連する新しい症状の発生から一時的または永久的に保護される二次予防を含む。
【0161】
「治療」という用語は、「療法」と同義に使用される。同様に、「治療する」という用語は、「療法を適用する」とみなすことができ、ここで「療法」は本明細書で定義される通りである。
【0162】
したがって、一態様では、療法に使用するための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0163】
いくつかの実施形態では、医薬として使用するための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0164】
いくつかの実施形態では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0165】
いくつかの実施形態では、GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療のための医薬の製造における使用のための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩が提供される。
【0166】
いくつかの実施形態では、PPD及びMDDなどのうつ病、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病の治療のための医薬の製造における使用のための、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic-1)、式(Ic-2)、式(Id-1)、式(Id-2)の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用が提供される。
【0167】
本明細書に記載のGABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療に使用するための本開示の化合物は、単剤療法として使用することができる。本明細書で使用される場合、「単剤療法」という用語は、単一の活性化合物または治療化合物、それを必要とする対象への投与を指す。いくつかの実施形態では、単剤療法は、治療有効量の本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩のうちの1つ以上を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む。
【0168】
治療される特定の疾患または状態に応じて、本明細書に記載のGABA 受容体機能に関連する疾患または状態を治療する方法は、本開示の化合物の投与に加えて、1つ以上の追加の療法、例えば、従来の外科手術、放射線療法、化学療法、またはそのような追加療法の組み合わせを含み得る。本明細書で使用される場合、「併用療法」という用語は、複数の活性化合物の組み合わせの投与を指す。
【0169】
追加の治療は、複数回投薬計画の一部として、本開示の化合物とは別に投与することができる。代替的に、これらの追加の治療は、単一の組成物中で本開示の化合物と混合された、単一の剤形の一部であってもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、従来の外科手術、放射線療法、または化学療法による治療に対して、同時に、逐次的に、または別々に投与され得る。
【実施例
【0171】
以下の実施例は例示を目的として含まれている。しかしながら、これらの実施例は本発明を限定するものではなく、本開示を実施する方法を示唆することのみを意図していることを理解されたい。記載される化学反応は、本開示のいくつかの他の化合物を調製するために容易に適合することができ、本開示の化合物を調製するための代替方法は、本発明の範囲内であるとみなされることを当業者は認識する。例えば、本開示による例示されていない化合物の合成は、当業者には明らかな修正によって、例えば、干渉基を適切に保護することによって、当該技術分野に既知の他の好適な試薬を利用することによって、及び/または反応条件の日常的な修正を行うことによって、首尾よく行われ得る。代替的に、本明細書に開示された、または当該技術分野で知られている他の反応は、本開示の他の化合物を調製するための適用性を有すると認識される。
【0172】
実施例1
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート

【化30】
1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノン(500mg、1.57mmol、1.0当量)の混合物をDCM(10mL)に溶解した。塩化ヘキサノイル(275mg、2.04mmol、0.285mL、1.3当量)、ピリジン(248mg、3.14mmol、0.253mL、2.0当量)、及びDMAP(9.6mg、0.079mmol、0.05当量)を加えた。この反応混合物を20℃で12時間攪拌した。反応混合物をHO(30ml)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート(550mg、収率84.1%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z C2744の計算値416.33、実測値415.4 (M-H)H NMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 5.01 (s, 1H), 2.54-2.49 (m,1H), 2.31-2.26 (m, 2H), 2.19-2.10 (m, 4H), 2.01-1.98 (m, 1H), 1.73-1.59 (m, 8H),1.52-1.11 (m, 16H), 0.99-0.88 (m, 4H), 0.83-0.72 (m, 4H), 0.60 (s, 3H). 13CNMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.64, 173.32, 69.63, 63.80, 56.71, 54.09,44.21, 40.05, 39.03, 35.77, 35.39, 34.78, 32.91, 32.84, 31.86, 31.51, 31.28, 28.23,26.08, 24.82, 24.33, 22.72, 22.35, 20.76, 13.96, 13.43, 11.31.
【0173】
実施例2
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート
【化31】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化ヘプタノイルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(550mg、収率80.5%)。LCMS (ESI) m/z C2846の計算値430.34、実測値429.3(M-H)H NMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 5.02 (s,1H), 2.54-2.50 (m, 1H), 2.32-2.28 (m, 2H), 2.17-2.11 (m, 4H), 2.02-2.00 (m, 1H),1.71-1.61 (m, 8H), 1.48-1.15 (m, 18H), 0.93-0.89 (m, 4H), 0.83-0.76 (m, 4H), 0.61(s, 3H). 13C NMR (101MHz, CDCl) δ (ppm) 209.69, 173.38, 69.69,63.86, 56.78, 54.16, 44.26, 40.11, 39.09, 35.82, 35.45, 34.87, 32.97, 32.90, 31.91,31.54, 28.85, 28.28, 26.13, 25.16, 24.38, 22.79, 22.57, 20.81, 14.09, 13.47, 11.35.
【0174】
実施例3
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル オカタノエート
【化32】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化オクタノイルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(550mg、収率78.0%)。LCMS(ESI) m/z C2948の計算値444.36、実測値443.4 (M-H)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.02 (s, 1H), 2.54-2.49 (m,1H), 2.32-2.19 (m, 2H), 2.17-2.11 (m, 4H), 2.02-1.99 (m, 1H), 1.71-1.57 (m, 8H),1.52-1.15 (m, 20H), 0.93-0.87 (m, 4H), 0.81-0.76 (m, 4H), 0.60 (s, 3H). 13CNMR (100MHz, CDCl) δ (ppm) 173.37, 69.69, 63.86, 56.78, 54.17, 44.25,40.11, 39.08, 35.82, 35.44, 34.86, 32.98, 32.90, 31.90, 31.77, 29.13, 31.54, 29.03,28.28, 26.13, 25.20, 24.37, 22.79, 22.66, 20.81, 14.12, 13.46, 11.35.
【0175】
実施例4
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート
【化33】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエートは、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(176mg、収率44.8%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 2.54-2.50 (m, 1H), 2.27-2.18 (m, 4H), 2.11(s, 3H), 2.02-1.98 (m, 1H), 1.93-1.89 (m, 1H), 1.70-1.57 (m, 6H), 1.51-1.44 (m,4H), 1.41-1.11 (m, 15H), 0.95-0.88 (m, 4H), 0.77 (s, 3H), 0.75-0.69 (m, 1H), 0.60(s, 3H). 13C NMR (100MHz, CDCl) δ (ppm) 209.72, 173.27, 81.63,63.86, 56.76, 54.28, 44.29, 41.09, 39.10, 39.08, 35.76, 35.49, 35.33, 34.12, 32.26,31.98, 31.54, 31.40, 28.01, 26.39, 25.00, 24.38, 22.79, 22.44, 21.01, 14.03, 13.48,11.70.
【0176】
実施例5
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート
【化34】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエートは、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに変更し、塩化ヘキサノイルを塩化ヘプタノイルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(350mg、収率51.8%)。LCMS (ESI) m/z C2948の計算値444.36、実測値443.4(M-H)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 2.54-2.50(m, 1H), 2.28-2.19 (m, 4H), 2.12 (s, 3H), 2.02-1.99 (m, 1H), 1.93-1.90 (m, 1H),1.71-1.57 (m, 7H), 1.51-1.46 (m, 4H), 1.43-1.32 (m, 10H), 1.27-1.32 (m, 6H), 0.95-0.86(m, 4H), 0.77 (s, 3H), 0.74-0.70 (m, 1H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100MHz,CDCl) δ (ppm) 209.21, 172.76, 81.11, 63.36, 56.25, 53.78, 43.77, 40.59,38.59, 38.57, 35.30, 34.97, 34.80, 33.61, 31.73, 31.46, 31.09, 31.03, 28.40, 27.49,25.87, 24.78, 23.86, 22.27, 22.09, 20.50, 13.61, 12.96, 11.19.
【0177】
実施例6
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエート
【化35】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化オクタノイルに変更し、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに置き換えたことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(350mg、収率50.2%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 2.54-2.50 (m, 1H), 2.27-2.17(m, 7H), 2.02-1.94(m, 1H), 1.93-1.90 (m, 1H), 1.71-1.15 (m, 29H), 0.95-0.85 (m, 4H), 0.77-0.70 (m,4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.74,173.29, 81.65, 63.89, 56.78, 54.32, 44.29, 41.11, 39.09, 35.83, 35.49, 35.33, 34.13,32.29, 31.98, 31.83, 31.56, 29.23, 29.14, 28.01, 26.40, 25.36, 24.38, 22.79, 22.72,21.03, 14.15, 13.48, 11.72.
【0178】
実施例7
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート

【化36】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化3-シクロペンチルプロパノイルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.02 (bs, 1H), 2.54-2.50 (m, 1H), 2.32-2.28(m, 2H), 2.17-2.11 (m, 4H), 2.02-2.00 (m, 1H), 1.71-1.61 (m, 8H), 1.48-1.15 (m,18H), 0.93-0.89 (m, 4H), 0.83-0.76 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100MHz, CDCl) δ (ppm) 209.70, 172.91, 69.64, 63.84, 56.76, 54.17, 44.26,41.06, 40.13, 39.08, 37.15, 36.72, 35.45, 33.02, 32.98, 32.44, 31.94, 31.58, 28.28,26.05, 25.05, 24.38, 22.90, 20.81, 13.47, 11.35.
【0179】
実施例8
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテート
【化37】
ステップ1:2-シクロペンチルアセチルクロリドの調製

【化38】
DCM(10mL)中の2-シクロペンチル酢酸(0.80g、6.24mmol、0.784mL、1.0当量)の溶液に、DMF(38.0mg、0.51mmol、0.040mL、0.1当量)、次いでSOCl(1.86g、15.60mmol、1.13mL、2.5当量)を0℃で滴下した。混合物を20℃で2時間撹拌し、次いで濃縮した。得られた粗生成物2-シクロペンチルアセチルクロリド(900mg、淡黄色の油状物)をさらに精製することなく次の反応に使用した。
【0180】
ステップ2:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテートの調製
【化39】
【0181】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテートは、塩化ヘキサノイルを2-シクロペンチルアセチルクロリドに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(126mg、収率31.2%)。LCMS(ESI) m/z C2844の計算値 428.33、実測値429.33 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.04 (s, 1H), 2.53 (t, J =8.0 Hz, 1H), 2.38-2.11 (m, 6H), 1.82-1.84 (m, 1H), 1.94-1.08 (m, 27H), 1.01-0.89(m, 1H), 0.86-0.72 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl)δ (ppm) 209.79, 172.96, 69.67, 63.88, 56.76, 54.17, 44.28, 41.05, 40.14, 39.92,39.07, 36.73, 36.26, 35.83, 35.47, 32.91, 32.45, 32.43, 31.94, 28.29, 26.16, 25.07,25.05, 24.38, 20.82, 13.48, 11.36.
【0182】
実施例9
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート

【化40】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエートは、塩化ヘキサノイルを3-シクロペンチルプロパノイルクロリドに変更し、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに置き換えたことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(90.0mg、収率13.0%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 2.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 2.27- 2.12 (m,7H), 2.04-1.79 (m, 4H), 1.74-1.14 (m, 27H), 0.94-0.83 (m, 2H), 0.81-0.66 (m, 4H),0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.22, 172.32,81.14, 63.34, 56.24, 53.82, 43.78, 41.50, 40.56, 38.57, 38.47, 36.25, 34.99, 34.82,33.62, 32.00, 31.96, 31.90, 31.50, 31.03, 27.50, 25.86, 24.55, 23.87, 22.26, 20.50,12.97, 11.19.
【0183】
実施例10
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-シクロペンチルアセテート
【化41】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-シクロペンチルアセテートは、塩化ヘキサノイルを2-シクロペンチルアセチルクロリドに変更し、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに置き換えたことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(106mg、収率26.5%)。LCMS(ESI) m/z C2946442.34の計算値、実測値443.3 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 2.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H),2.32-2.08 (m, 8H), 2.05-1.79 (m, 4H), 1.74-1.10 (m, 24H), 0.99-0.85 (m, 2H), 0.82-0.66(m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.73,172.84, 81.66, 63.87, 56.76, 54.34, 44.30, 42.03, 41.09, 39.10, 38.99, 36.77, 35.52,35.34, 34.15, 32.53, 32.48, 32.43, 32.03, 31.56, 28.03, 26.92, 26.39, 25.06, 24.39,22.79, 21.02, 13.49, 11.72.
【0184】
実施例11
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート
【化42】
ステップ1:3-(シクロペント-3-エン-1-イル)プロパン酸エチルの調製
【化43】
無水DMF(10mL)中のプロパン二酸ジエチル(1.27g、7.93mmol、1.20mL、2.0当量)の溶液に0℃でNaH(317mg、7.93mmol、60%、2.0当量)を加え、得られた反応混合物を25℃で30分間撹拌した。無水DMF(5mL)中のシクロペンタ-3-エン-1-イルメチル4-メチルベンゼンスルホナート(1.0g、3.96mmol、1.0当量)の溶液を25℃で上記混合物に滴下し、得られた反応混合物を60℃で12時間攪拌した。反応混合物を別のバッチと合わせた。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、ジエチル2-(シクロペンタ-3-エン-1-イルメチル)プロパンジオエート(1.7g、7.07mmol、収率89.3%)を無色の油状物として得た。
【0185】
DMA(10mL)及びHO(1mL)中のジエチル2-(シクロペント-3-エン-1-イルメチル)プロパンジオエート(800mg、3.33mmol、1当量)の混合物に、LiCl(706mg、16.65mmol、5.0当量)を加えた。反応混合物を135℃で12時間攪拌した。反応混合物を別のバッチと合わせた。反応混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分で0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、エチル3-シクロペント-3-エン-1-イルプロパノエート(750mg、4.46mmol、収率67.0%)を茶色の油状物として得た。HNMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 5.67 (m, 2H), 4.21-4.10 (m, 2H), 2.52-2.45(m, 2H), 2.40-2.30 (m, 2H), 2.28-2.21 (m, 1H), 2.01-1.92 (m, 2H), 1.80-1.71 (m,2H), 1.28-1.24 (m, 3H).
【0186】
ステップ2:3-(シクロペンタ-3-エン-1-イル)プロパノイルクロリドの調製
【化44】
THF(5mL)及びHO(5mL)中の3-シクロペント-3-エン-1-イルプロパン酸エチル(750mg、4.46mmol、1.0当量)の混合物に、NaOH(892mg、22.29mmol、5.0当量)を加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いでHCl(1N、20mL)で酸性化した。反応混合物をHO(30ml)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物3-シクロペント-3-エン-1-イルプロパン酸(600mg、収率96.0%、茶色の油状物)を、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【0187】
DCM(5mL)及びDMF(0.05mL)中の3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパン酸(100mg、0.713mmol、1.0当量)の混合物に、0℃でSOCl(170mg、1.43mmol、0.103mL、2.0当量)を加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、3-シクロペント-3-エン-1-イルプロパノイルクロリド(120mg、粗製、淡黄色の油状物)を得、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
【0188】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエートの調製
【化45】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノイルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(117 mg、収率41.8%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.87 (s, 2H), 5.02 (s, 1H), 2.54-2.49 (m,3H), 2.34-2.17 (m, 4H), 2.11 (s, 3H), 2.02-1.95 (m, 3H), 1.77-1.60 (m, 8H), 1.52-1.37(m, 6H), 1.30-1.12 (m, 6H), 1.00-0.91(m, 1H), 0.83-0.76 (m, 4H), 0.60 (s, 3H). 13CNMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.66, 173.30, 129.81, 69.79, 63.86, 56.77,54.15, 44.26, 40.12, 39.08, 38.67, 38.64, 37.18, 35.83, 35.46, 33.72, 32.99, 32.89,31.91, 31.58, 31.53, 28.28, 26.13, 24.38, 22.79, 20.81, 13.47, 11.35.
【0189】
実施例12
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート
【化46】
【0190】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエートは、塩化ヘキサノイルを塩化3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノイルに変更し、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノンを1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エテノンに置き換えたことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(101mg、収率21.1%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.68 (m, 2H), 2.55-2.48 (m, 3H), 2.32-2.13(m, 5H), 2.12 (s, 3H), 2.03-1.91 (m, 4H), 1.75-1.61 (m, 5H), 1.51 - 1.11 (m, 15H),0.98-0.86 (m, 2H), 0.78-0.70 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz,CDCl) δ (ppm) 209.72, 173.16, 129.80, 81.72, 63.85, 56.72, 54.25, 44.26,41.08, 39.04, 38.65, 37.15, 35.46, 35.29, 34.57, 34.16, 32.24, 31.86, 31.66, 31.25,27.97, 26.34, 26.25, 24.35, 22.76, 13.43, 11.67.
【0191】
実施例13
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエート
【化47】
【0192】
ステップ1:4-オキソヘプタンジオイルジクロリドの調製
【化48】
0℃のDCM(10mL)中の4-オキソヘプタン二酸(1.0g、5.74mmol、1.0当量)の混合物に、DMF(0.05mL)、続いてSOCl(1.71g、14.36mmol、1.04mL、2.5当量)を加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、4-オキソヘプタンジオイルジクロリド(1.3g、粗製)を淡黄色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0193】
ステップ2:7-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシ]-4,7-ジオキソヘプタン酸の調製
【化49】
7-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシ]-4,7-ジオキソヘプタン酸は、塩化ヘキサノイルを4-オキソヘプタンジオイルジクロリドに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(1.0g、収率40.0%)。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.01 (bs, 1H), 2.85-2.75 (m, 4H), 2.69-2.61(m, 4H), 2.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 2.23-2.00 (m, 5H), 1.78-1.10 (m, 19H), 1.03-0.90(m, 1H), 0.83-0.80 (m, 4H), 0.61 (s, 3H).
【0194】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエートの調製
【化50】
DCM(5mL)及びMeOH(5mL)中の7-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシ]-4,7-ジオキソヘプタン酸(500mg、1.05mmol、1.0当量)の混合物(59.8mg、1.58mmol、1.5当量)に、NaBHを加えた。反応混合物を20℃で12時間撹拌し、次いで濃縮して、7-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシ]-4-ヒドロキシ-7-オキソヘプタン酸(500mg、収率99.6%、粗製)を淡黄色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0195】
DCM(10mL)中の7-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシ]-4-ヒドロキシ-7-オキソヘプタン酸(500mg、1.05mmol、1当量)にHCl(8M、10.0mL、76当量)を加えた。反応混合物を25℃で12時間撹拌し、HO(30mL)で希釈し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル] 3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエート(228mg、収率46.9%、純度99%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C2842の計算値458.30、実測値481.3(M+Na)H NMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 5.05(s, 1H), 4.60-4.53 (m, 1H), 2.59-2.46 (m, 5H), 2.42-2.34 (m, 1H), 2.20-2.12 (m,4H), 2.06-1.87 (m, 4H), 1.74-1.61 (m, 6H), 1.54-1.39 (m, 6H), 1.30-1.14 (m, 6H),1.01-0.91 (m, 1H), 0.84-0.77 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz,CDCl) δ (ppm) 209.71, 176.83, 172.08, 79.74, 79.72, 70.40, 70.34, 63.81,56.68, 54.01, 44.22, 40.04, 39.00, 35.78, 35.41, 32.86, 31.85, 31.52, 30.78, 30.68,30.63, 28.72, 28.20, 27.88, 25.98, 24.33, 22.74, 13.43, 11.31.
【0196】
実施例14
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエート
【化51】
ステップ1:ベンジル4-アセトキシブタノエートの調製
【化52】
MeOH(25mL)中のテトラヒドロフラン-2-オン(2.0g、23.23 mmol、1.77mL、1.0当量)の混合物に水酸化テトラブチルアンモニウム(6.03g、23.23mmol、7.53mL、1.0当量)を加え、得られた混合物を70℃で2時間撹拌した。次いで混合物を濃縮し、残渣をDMF(25mL)に溶解し、BnBr(3.97g、23.23mmol、2.76mL、1.0当量)をゆっくりと加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物をEtOAc(250mL)で希釈し、水(50mL×3)で洗浄した。有機相を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~40%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、ベンジル4-ヒドロキシブタン酸(2.2g、11.33mmol、収率48.8%、純度100%)を無色の油状物として得た。LCMS (ESI) m/z C1114の計算値194.09、実測値195.1(M+H)H NMR (400 MHz, DMSO-d) 7.39-7.16(m, 5H), 5.08 (s, 2H), 4.26 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.41-3.40 (m, 2H), 2.40-2.37 (m,2H), 1.70-1.66 (m, 2H).
【0197】
DCM(10mL)中のベンジル4-ヒドロキシブタン酸(400mg、2.06mmol、1.0当量)の混合物に、DMAP(37.7mg、0.309mmol、0.15当量)、EtN(208mg、2.06mmol、0.287mL、1.0当量)及び酢酸アセチル(210.mg、2.06mmol、0.193mL、1.0当量)を0℃で加え、次いで混合物をN下25℃で16時間撹拌した。混合物を水(30mL)で希釈し、次いで混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出し、次いで有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分で0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、ベンジル4-アセトキシブタン酸(410mg、収率84.3%、純度100%)を無色の油状物として得た。LCMS(ESI) m/z C1316の計算値236.1、実測値237.1 (M+H),259.2 (M+Na)H NMR (400MHz, CDCl) 7.40-7.33(m, 5H), 5.13 (s, 2H), 4.13-4.09 (m, 3H), 2.48-2.43 (m, 2H), 2.03 (s, 3H), 2.00-1.96(m, 2H).
【0198】
ステップ2:4-クロロ-4-オキソブチルアセテートの調製
【化53】
【0199】
EtOAc(10mL)中のベンジル4-アセトキシブタノエート(410mg、1.74mmol、1当量)の溶液に、N下でPd/C(50mg、炭素の10%)を加えた。得られた懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした。混合物を、H(15psi)下25℃で3時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を濃縮して4-アセトキシブタン酸(300mg、粗製)を無色の油状物として得、これをそれ以上精製せずに次のステップに直接使用した。
【0200】
下0℃でDCM(5mL)中の4-アセトキシブタン酸(150mg、1.03mmol、1当量)の混合物に、SOCl(246mg、2.07mmol、0.15mL、2.0当量)を加え、次いで混合物を25℃にて16時間大気中で撹拌した。混合物を濃縮して、酢酸4-クロロ-4-オキソブチル(160mg、粗製)を無色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0201】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエートの調製
【化54】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエートは、塩化ヘキサノイルを酢酸4-クロロ-4-オキソブチルに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(68.4mg、収率16.8%、純度100%)。LCMS(ESI) m/z C2742の計算値446.40、実測値469.1 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.04 (d, J = 2.8 Hz, 1H),4.12 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.39 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.23-1.91(m, 10H), 1.71-1.16 (m, 18H), 1.02-0.90 (m, 1H), 0.83-0.80 (m, 4H), 0.61 (s, 3H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.72, 172.28, 171.03, 70.19,63.83, 63.55, 56.73, 54.07, 44.25, 40.09, 39.05, 35.80, 35.41, 32.91, 32.84, 31.85,31.55, 31.31, 28.23, 26.08, 24.36, 24.13, 22.76, 20.96, 20.79, 13.46,11.33.
【0202】
実施例15
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエート
【化55】
ステップ1:4-クロロ-4-オキソブチルイソブチレートの調製
4-クロロ-4-オキソブチルイソブチレートは、アセチルアセテートを塩化イソブチリルに置き換えたことを除いて、ベンジル4-ヒドロキシブタノエートからの4-クロロ-4-オキソブチルアセテートの調製と同じ手順に従って調製した。
【0203】
ステップ2:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエートの調製
【化56】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエートは、塩化ヘキサノイルを4-クロロ-4-オキソブチルイソブチレートに変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(114mg、収率28.9%、純度100%)。LCMS(ESI) m/z C2946の計算値474.33、実測値497.2 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.04 (s, 1H), 4.12 (t, J =6.4 Hz, 2H), 2.61-2.50 (m, 2H), 2.41 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.22-2.12 (m, 1H), 2.24-2.06(m, 3H), 2.03-1.95 (m, 3H), 1.75-1.03 (m, 23H), 1.03-0.90 (m, 1H), 0.83-0.76 (m,4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.71,177.05, 172.30, 70.18, 63.83, 63.27, 56.73, 54.06, 44.24, 40.07, 39.04, 35.79, 35.41,33.96, 32.91, 32.83, 31.84, 31.54, 31.25, 28.22, 26.07, 24.35, 24.21, 22.75, 20.78,19.01, 13.45, 11.33.
【0204】
実施例16
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエート
【化57】
ステップ1:5-アセトキシペンタン酸の調製
【化58】
DCM(40mL)中のペンタン-1,5-ジオール(3.0g、28.81mmol、3.03mL、1.0当量)、EtN(4.37g、43.21mmol、6.01mL、1.5当量)の混合物に、塩化アセチル(2.26g、28.81mmol、2.06mL、1.0当量)を加え、次いで、混合物をN雰囲気下、25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、次いでDCM(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、35mL/分で0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶出)により精製し、5-ヒドロキシペンチルアセテート(900mg、6.16mmol、収率21.4%)を無色の油状物として得た。HNMR (400MHz, CDCl) 4.07 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 6.4 Hz, 2H),2.04 (s, 3H), 1.68-1.58 (m, 4H), 1.47-1.39 (m, 2H).
【0205】
DMF(8mL)中の酢酸5-ヒドロキシペンチル(260mg、1.78mmol、1.0当量)の混合物に、PDC(2.01g、5.34mmol、3.0当量)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を別のバッチと合わせ、EtOAc(100mL)で希釈し、次いで水(30mL×3)で洗浄した。有機相を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、25mL/分で0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、5-アセトキシペンタン酸(160mg、収率56.0%)を無色の油状物として得た。H NMR (400MHz, CDCl) 4.09 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.45-2.37 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.77-1.60 (m, 4H).
【0206】
ステップ2:(5-クロロ-5-オキソ-ペンチル)アセテートの調製
【化59】
DCM(6mL)中の5-アセトキシペンタン酸(160mg、1.00mmol、1.0当量)の混合物に、SOCl(238mg、2.00mmol、0.145mL、2.0当量)及びDMF(14.6mg、0.200mmol、0.015mL、0.2当量)を加え、次いで混合物をN雰囲気下、25℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮した。化合物(5-クロロ-5-オキソ-ペンチル)アセテート(180mg、粗製)を黄色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0207】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエートの調製
【化60】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエートは、塩化ヘキサノイルを酢酸(5-クロロ-5-オキソ-ペンチル)に変更したことを除いて、実施例1と同じ手順に従って調製した(202mg、収率43%、純度99.3%)。LCMS(ESI) m/z C2844の計算値460.32、実測値483.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.04 (s, 1H), 4.14-4.08 (m,2H), 2.53 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 2.37-2.34 (m, 2H), 2.22-2.12 (m, 4H), 2.06-2.00 (m,4H), 1.73-1.63 (m, 9H), 1.54-1.13 (m, 13H), 1.00-0.90 (m,1H), 0.83-0.77 (m, 4H),0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) 209.75, 172.75, 171.17,69.98, 64.01, 63.82, 56.72, 54.10, 44.24, 40.09, 39.03, 35.80, 35.41, 34.24, 32.93,32.85, 31.87, 31.54, 28.23, 28.01, 26.10, 24.35, 22.75, 21.57, 20.99, 20.78, 13.45,11.33.
【0208】
実施例17
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエート
【化61】
【0209】
ステップ1:2-(3-(ベンジルオキシ)プロピル)-2-メチルマロン酸ジエチルの調製
【化62】
0℃で、THF(35mL)中のジエチル2-メチルプロパンジオエート(2.28g、13.09mmol、2.24mL、1.0当量)の混合物に、NaH(1.05g、26.19mmol、60.0%、2.0当量)を加え、次いでTHF(5mL)中の3-ブロモプロポキシメチルベンゼン(3.0g、13.09mmol、1.0当量)を添加し、次いで混合物をN雰囲気下、25℃で16時間撹拌した。混合物を水(60mL)でクエンチし、得られた混合物をEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~30%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、ジエチル2-(3-ベンジルオキシプロピル)-2-メチル-プロパンジオエート(2.29g、収率54.3%)を無色の油状物として得た。
【0210】
ステップ2:5-(ベンジルオキシ)-2-メチルペンタン酸の調製
【化63】
EtOH(40mL)中のジエチル2-(3-ベンジルオキシプロピル)-2-メチル-プロパンジオエート(2.39g、7.41mmol、1.0当量)、KOH(2.50g、44.48mmol、6.0当量)の混合物を90℃で5時間撹拌した。混合物を水(70mL)で希釈し、2-メトキシ-2-メチルプロパン(50mL×2)で抽出した。水層を1.0MのHCl(1M)でpH=1まで酸性化し、EtOAc(100mL×4)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-(3-ベンジルオキシプロピル)-2-メチル-プロパン二酸(2.0g、粗製)を黄色の油状物として得た。LCMS(ESI) m/z C1418の計算値266.12、実測値288.9 (M+Na)
【0211】
トルエン(40mL)中の2-(3-ベンジルオキシプロピル)-2-メチル-プロパン二酸(2g、7.51mmol、1当量)及びDMAP(183mg、1.50mmol、0.2 当量)の混合物を125℃5時間で撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、10g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~50%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、5-ベンジルオキシ-2-メチル-ペンタン酸(720mg、収率38.0%、88%純度)を黄色の油状物として得た。LCMS(ESI) m/z C1318の計算値222.13、実測値245.0 (M+Na)
【0212】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-ベンジルオキシ-2-メチルペンタノエートの調製
【化64】
【0213】
DCM(20mL)中の1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノン(1.03g、3.24mmol、1.0当量)、5-ベンジルオキシ-2-メチル-ペンタン酸(720mg、3.24mmol、1.0当量)、DMAP(79.2mg、0.65mmol、0.2当量)、EDCI(931mg、4.86mmol、1.5当量)、及びEtN(1.47g、14.58mmol、2.03mL、4.5当量)の混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~15%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶出)により精製した。化合物[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-ベンジルオキシ-2-メチルペンタノエート(610mg、1.15mmol、収率35.5%)が無色の油状物として得られた。LCMS(ESI) m/z C3450の計算値522.37、実測値523.4 (M+H)
【0214】
ステップ4:(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル5-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエートの調製
【化65】
下で、EtOAc(10mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5, 6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-ベンジルオキシ-2-メチル-ペンタノエート(100mg、0.19mmol、1.0当量)の溶液に、Pd/C(10%、20.0mg)を加えた。懸濁液を真空下で脱気し、Hで数回パージした。混合物を、H(15psi)下25℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-ヒドロキシ-2-メチル-ペンタノエート(80.0mg、収率96.7%)を無色の油状物として得、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
【0215】
ステップ5:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエートの調製
【化66】
DCM(6mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-ヒドロキシ-2-メチル-ペンタノエート (80.0mg、0.19mmol、1.0当量)の混合物に塩化アセチル(43.6mg、0.55mmol、0.040mL、3.0当量)及びピリジン(73.1mg、0.93mmol、0.075mL、5.0当量)を加えた。次いで、混合物をN雰囲気下、25℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、30mL/分で0~20%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶出)により精製した。化合物[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエート(60.2mg、収率68.6%)が、無色の油状物として得られた。LCMS(ESI) m/z C2946の計算値474.33、実測値497.2(M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.03 (s,1H), 4.07 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.55-2.42 (m, 2H), 2.21-2.12 (m, 4H), 2.06-1.99 (m,4H), 1.78-1.64 (m, 8H), 1.55-1.13 (m, 16H), 1.00-0.89 (m, 1H), 0.82-0.75 (m, 4H),0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.78, 175.72,171.15, 69.75, 64.26, 63.82, 56.69, 54.16, 44.23, 40.21, 39.43, 39.00, 35.80, 35.41,33.00, 32.87, 32.84, 31.90, 31.54, 30.10, 30.03, 28.25, 26.31, 26.11, 26.05, 24.34,22.74, 20.99, 20.78, 17.27, 17.16, 13.44, 11.31.
【0216】
実施例18
3-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテート
【化67】
ステップ1:3-ベンジルオキシプロピルカルボノクロリデートの調製
【化68】
【0217】
トルエン(20mL)中のトリホスゲン(8.93g、30.08mmol、5.0当量)の溶液にピリジン(714mg、9.02mmol、0.728mL、1.5当量)を0℃で加えた。次いで、3-ベンジルオキシプロパン-1-オール(1.0g、6.02mmol、0.952mL、1.0当量)を加え、混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物をDCM(40mL)で希釈し、水(10mL×3回)で洗浄した。有機層を濃縮して、3-ベンジルオキシプロピルカルボノクロリデート(150mg、収率52.4%)を無色の油状物として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 7.42-7.34 (m, 5H), 4.55 (s, 2H), 4.90 (t,J = 6.4 Hz, 2H), 3.60 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.07-2.03 (m, 2H).
【0218】
ステップ2:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ベンジルオキシプロピルカーボネートの調製
【化69】
DCM(2mL)中の1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノン(100mg、0.31mmol、1.0当量)及びDMAP(8mg、0.63mmol、0.2当量)、及びピリジン(124mg、1.57mmol、0.126mL、5.0当量)の溶液を50℃で5分撹拌し、DCM(1mL)中の3-ベンジルオキシプロピルカルボノクロリデート(108mg、0.471mmol、1.5当量)を0℃で加えた。次いで混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。有機層を濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分で0~10%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ベンジルオキシプロピルカーボネート(100mg、収率62.4%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z C3246の計算値510.33、実測値533.4 (M+Na)
【0219】
ステップ3:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ヒドロキシプロピルカーボネートの調製
【化70】
EtOAc(3mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ベンジルオキシプロピルカーボネート(90mg、0.18mmol、1.0当量)の溶液に、Pd(OH)/C(100mg、純度20%)を加えた。混合物を脱気し、Hで3回パージし、H(15psi)下、25℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分で0~25%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ヒドロキシプロピルカーボネート(50mg、収率67.5%)を白色の固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 4.91 (s, 1H), 4.31 (t, J = 6.0 Hz, 2H),4.75 (dd, J1 = 6.4 Hz, J2 = 11.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 8.8 Hz,1H), 2.21-2.09 (m,4H), 2.07-1.84 (m, 5H), 4.24-4.17 (m, 4 H), 2.55-2.53 (m, 1H), 2.17-1.78 (m, 11H),1.75-1.50 (m, 6H), 1.45-1.12 (m, 12H), 1.04-0.80 (m, 5H), 0.61 (s, 3H).
【0220】
ステップ4:3-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテートの調製
【化71】
DCM(5mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル- 2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ヒドロキシプロピルカーボネート(50.0mg、0.119mmol、1.0当量)、ピリジン(38.0mg、0.48mmol、0.038mL、4.0当量)、及びDMAP(8.0mg、0.059mmol、0.5当量)の溶液に塩化アセチル(19.0mg、0.24mmol、0.017mL、2.0当量)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物をDCM(10mL)で希釈し、水(5mL×3)及びブライン(5mL)で洗浄した。有機層をで乾燥させ(NaSO)、真空濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分で0~20%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、3-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテート(11.2mg、収率19.8%、純度97%)を白色の固体として得た。LCMS (ESI) m/z C2742の計算値462.3、実測値480.4(M+NHH NMR (400 MHz, CDCl)δ (ppm) 4.90 (s, 1H), 4.24-4.17 (m, 4H), 2.55-2.53 (m, 1 H), 2.17-1.78 (m, 11H),1.72-1.17 (m, 17H), 0.84-0.80 (m, 5H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz,CDCl) δ (ppm) 209.73, 171.02, 154.76, 74.50, 64.21, 63.84, 60.95, 56.76,53.87, 44.26, 39.69, 39.08, 35.78, 35.46, 32.82, 32.65, 31.75, 28.20, 28.04, 26.06,24.38, 20.79, 13.47, 11.32.
【0221】
実施例19
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエート
【化72】
【0222】
ステップ1:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-ヒドロキシエチルカーボネートの調製
【化73】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ヒドロキシエチルカーボネートは、3-ベンジルオキシプロパノールを2-ベンジルオキシエタノールに置き換えたことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-ヒドロキシプロピルカーボネートの調製と同じ手順に従って調製した(1.2g、収率87.2%、無色の油状物)。粗物質を次のステップに直接使用した。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 4.93 (s, 1 H), 4.27 (dd, J1 = 6.0 Hz, J2= 4.4 Hz, 2H), 3.90-3.86 (m, 2 H), 2.54 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 2.20-2.12 (m, 4H),2.04-1.96 (m, 2 H), 1.91-1.82 (m, 1H), 1.76-1.50 (m, 9H), 1.48-1.11 (m, 9H), 1.00-0.82(m, 4H), 0.61 (s, 3H).
【0223】
ステップ2:2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエートの調製
【化74】
DCM(5mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-ヒドロキシエチルカーボネート(130mg、0.32mmol、1.0当量)の溶液に、ピリジン(101mg、1.28mmol、0.103mL、4.0当量)、DMAP(4.0mg、0.032mmol、0.1当量)、及び2-メチルプロパノイルクロリド(41.0mg、0.38mmol、0.040mL、1.2当量)をN雰囲気下で加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物を水(3mL)で希釈し、EtOAc(8mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分で0~15%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製し、2-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエート(46.5mg、収率30.2%、純度99%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z C2844の計算値476.31、実測値494.3 (M+NH,499.2 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm)4.91 (s, 1 H), 4.36-4.34 (m, 2 H), 4.34-4.31 (m, 2 H), 2.63-2.56 (m, 1 H), 2.55-2.51(m, 1H), 2.19-2.12 (m, 4H), 2.02-1.96 (m, 1 H), 1.87-1.84 (d, J =13.6 Hz, 2 H),1.69-1.63 (m, 4H), 1.613 (s, 2H), 1.54-1.50 (m, 4H), 1.40-1.39 (m, 2H), 1.29-1.22(m, 3H), 1.19-1.16 (m, 8H), 1.00-0.90 (m, 1H), 0.86-0.82 (m, 1H), 0.80 (s, 3 H),0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.25, 176.41,154.10, 74.31, 64.73, 63.31, 61.45, 56.25, 53.35, 43.75, 39.15, 38.56, 35.25, 34.92,33.35, 32.26, 32.11, 31.23, 31.05, 27.67, 25.51, 23.87, 22.28, 20.27, 18.43, 12.97,10.82.
【0224】
実施例20
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート
【化75】
方法1
ステップ1: [(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]カルボノクロリデートの調製
【化76】
トルエン(20mL)中のトリホスゲン(3.49g、11.77mmol、2.5当量)の溶液に、ピリジン(559mg、7.06mmol、0.57mL、1.5当量)を0℃で加えた。混合物を0℃で15分間撹拌し、1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノン(1.50g、4.71mmol、1.0当量)を添加し、得られた混合物を25℃で5時間撹拌した。次いで、混合物を水(15mL)で希釈し、DCM(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]カルボノクロリデート(1.1g、2.89mmol、収率61.3%)を無色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0225】
ステップ2:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネートの調製
【化77】
【0226】
DCM(9mL)中の、4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(150mg、1.15mmol、1.0当量)、DMAP(14.0mg、0.12mmol、0.1当量)、及びDIPEA(298mg、2.31mmol、0.40mL、2.0当量)の溶液に、室温で[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]カルボノクロリデート(571mg、1.50mmol、1.3当量)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水(15mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、20mL/分で0~15%酢酸エチル/石油エーテル勾配で溶出)により精製して所望の生成物を得た。生成物を25℃でMeOHとともに摩砕することによりさらに精製し、固体を真空中で乾燥させて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート(276mg、0.57mmol、収率49.5%、純度98%)を得た。
【0227】
方法2:
ステップ1: [(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](4-ニトロフェニル)カーボネートの調製
【化78】
【0228】
THF(50mL)中の1-[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル]エタノン(3.0g、9.42mmol、1.0当量)の溶液に、DMAP(2.30g、18.8mmol、2.0当量)及び(4-ニトロフェニル)カルボノクロリデート(3.80g、18.84mmol、2当量)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次いで、iPrOH(1.13g、18.8mmol、1.44mL、2.0当量)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をEtOAc(70mL)で希釈し、水(40mL×3回)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を濃縮した。粗生成物をiPrOH(25mL)とともに25℃で5分間摩砕した。得られた混合物を濾過し、ケーキを減圧乾燥して、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](4-ニトロフェニル)カーボネート(3.90g、収率87%)を白色の固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 8.31-8.28 (m, 2H), 7.43-7.38 (m, 2H), 5.05(s, 1H), 2.56-2.52 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.21-1.93 (m, 6H), 1.76-1.13 (m, 17H), 1.04-0.84(m, 5H), 0.62 (s, 3H).
【0229】
ステップ2:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネートの調製
【化79】
THF(100mL)中の[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](4-ニトロフェニル)カーボネート(14.0g、28.4mmol、純度98%、1.0当量)及び4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(7.38g、56.7mmol、2.0当量)の溶液に、DMAP(693mg、5.67mmol、0.2当量)を添加した。混合物を50℃で16時間撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(80mL×2)で洗浄した。有機層をブライン(80ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残留物を、iPrOH(70mL)とともに25℃で30分間摩砕した。混合物を濾過し、ケーキを減圧下で乾燥して、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート(11.1g、収率82%)を淡黄色の固体として得た。
LCMS (ESI) m/z C2738の計算値474.26、実測値475.3(M+H), 492.3 (M+NHH NMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 4.93 (s, 1H), 4.88 (s, 2H), 2.56-2.51 (t, J = 9.2Hz, 1H), 2.20-2.12 (m, 7H), 2.02-1.99 (d, J = 12 Hz, 1H), 1.87-1.83 (d, J = 16.4Hz, 1H), 1.72-1.50 (m, 8H), 1.43-1.14 (m, 9H), 0.98-0.88 (m, 1H), 0.75-0.79 (m,4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.72,154.22, 152.00, 140.53, 133.16, 75.66, 63.81, 56.66, 53.86, 44.24, 39.67, 39.05,35.76, 35.44, 32.77, 32.59, 31.72, 31.58, 28.17, 26.03, 24.38, 22.81, 20.79, 13.47,11.32, 9.43.
【0230】
実施例21
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ブチルカーボネート
【化80】
【0231】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ブチルカーボネートは、4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンをブタン-1-オールに変更した場合ことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調製した。LCMS(ESI) m/z C2642の計算値418.31、実測値419.3 (M+H)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 4.89 (s, 1H), 4.15-4.12 (t,J = 6.8 Hz, 2H), 2.55-2.51 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.19-2.12 (m, 4H), 2.02-1.99 (d,J = 11.2 Hz, 1H), 1.87-1.83 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.71-1.50 (m, 10H), 1.44-1.11(m, 11H), 0.97-0.93 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 0.87-0.80 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13CNMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.82, 154.94, 74.12, 67.55, 63.78, 56.71,53.78, 44.23, 39.59, 39.03, 35.71, 35.38, 32.77, 32.59, 31.69, 31.54, 30.71, 28.15,26.00, 24.33, 22.72, 20.73, 18.94, 13.69, 13.44, 11.28.
【0232】
実施例22
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエート
【化81】
【0233】
ステップ1:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)カルバメートの調製
【化82】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)カルバメートは、4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンを2-アミノエタノールに変更したことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調整した(650mg、収率61.1%)。
【0234】
ステップ2:2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエートの調製
【化83】
【0235】
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエートは、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-ヒドロキシエチルカーボネートを[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)カルバメートに変更したことを除いて、2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエートの調製と同じ手順に従って調製した(382mg、収率44.6%)。LCMS(ESI) m/z C2845NOの計算値475.33、実測値498.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 4.93 (s, 1H), 4.86 (bs, 1H),4.18-4.15 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.48-3.44 (m, 2H), 2.62-2.50 (m, 2H), 2.12-2.20 (m,4H), 2.04-2.00 (m, 1H), 1.78-1.63 (m, 5H), 1.48-1.18 (m, 19H), 0.99-0.90 (m, 1H),0.81-0.75 (m, 4H), 0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl)δ (ppm) 209.74, 177.10, 156.22, 70.58, 63.82, 63.28, 56.77, 54.13, 44.23, 40.06,39.96, 39.06, 35.78, 35.40, 33.88, 33.05, 32.86, 31.89, 31.52, 28.22, 26.28, 24.33,22.73, 20.76, 18.97, 13.44, 11.31.
【0236】
実施例23
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエート
【化84】
ステップ1:[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-カルバメートの調製
【化85】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-カルバメートは、4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンを2-(メチルアミノ)エタノールに変更したことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調整した(400mg、収率72.8%)。
【0237】
ステップ2:2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエートの調製
【化86】
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエートは、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-ヒドロキシエチルカーボネートを[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-カルバメートに変更したことを除いて、2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエートの調製と同じ手順に従って調製した(280mg、収率59.4%)。LCMS(ESI) m/z C2947NOの計算値489.35、実測値512.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 4.95 (s, 1H) 4.24-4.21 (t,J = 5.6 Hz, 2H), 3.59-3.48 (m, 2H), 2.98 (s, 3H), 2.60-2.50 (m, 2H), 2.20-2.12 (m,4H), 2.05-2.00 (m, 1H), 1.77-1.18 (m, 24H), 0.99-0.88 (m, 1H), 0.80-0.73 (m, 4H),0.61 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl) δ ppm 209.15, 176.36,155.43, 70.41, 63.35, 61.77, 56.21, 53.83, 47.26, 43.74, 39.94, 38.54, 35.34, 35.09,34.94, 34.51, 33.45, 32.78, 32.64, 31.00, 27.75, 25.90, 23.84, 22.27, 20.32, 18.44,12.94, 10.89.
【0238】
実施例24
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネート)
【化87】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネートの調製
【化88】
DCM(5mL)中の2-アミノエタノール(200mg、3.27mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(993mg、9.81mmol、1.37mL、3.0当量)を0℃で加え、続いて、DCM(5mL)中の2-メチルプロパノイルクロリド(453mg、4.25mmol、0.444mL、1.3当量)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次いで、DCM(5mL)中のDMAP(200mg、1.64mmol、0.5当量)及び[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]カルボノクロリデート(623mg、1.64mmol、0.5当量)を加え、次いで混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物をDCM(40mL)で希釈し、有機層を水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。その有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、35mL/分で0~40%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶出)により精製した。化合物をヘキサン(10mL)とともに25℃で16時間摩砕した。混合物を濾過し、ケーキをヘキサン/EtOAc(5mL/0.5mL)とともに25℃で1時間摩砕した後、次いで混合物を濾過し、ケーキを乾燥させて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネート(254mg、収率16.3%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z C2845NOの計算値475.33、実測値498.2 (M+Na)H NMR (400MHz, CDCl) δ (ppm) 5.86 (br s, 1H), 4.92 (br s,1H), 4.23 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.57 (q, J = 5.6 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 8.8 Hz, 1H),2.37-2.35 (m, 1H), 2.22-2.08 (m, 4H), 2.06-1.97 (m, 1H), 1.90-1.80 (m, 1H), 1.75-1.62(m, 4H), 1.58-1.09 (m, 19H), 1.04-0.89 (m, 1H), 0.88-0.75 (m, 4H), 0.61 (s, 3H).13C NMR (100 MHz, CDCl) δ (ppm) 209.71, 177.09, 154.79, 74.91,66.58, 63.80, 56.73, 53.88, 44.23, 39.75, 39.04, 38.66, 35.75, 35.59, 35.40, 32.74,32.64, 31.74, 31.52, 28.16, 25.99, 24.35, 22.77, 20.76, 19.54, 13.45, 11.30.
【0239】
実施例25
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル(2-(N-メチルイソブチルアミド)エチル)カーボネート
【化89】
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル(2-(N-メチルイソブチルアミド)エチル)カーボネートは、2-アミノエタノールを2-(メチルアミノ)エタノールに置き換えたことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調製した(193mg、収率11.8%)。LCMS(ESI) m/z C2947NOの計算値489.35、実測値512.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ (ppm) 4.77 (br d, J = 8.8 Hz,1H), 4.21-4.13 (m, 2H), 3.62-3.52 (m, 2H), 3.02 (s, 2H), 2.84-2.80 (m, 2H), 2.56(br t, J = 8.4 Hz, 1H), 2.03-1.91 (m, 2H), 1.68-1.17 (m, 20H), 0.99-0.96 (m, 8H),0.76-0.72 (m, 4H), 0.50 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d)δ (ppm) 208.57, 176.14, 153.99, 73.79, 64.13, 62.66, 55.93, 53.64, 47.52, 45.90,43.50, 38.15, 35.37, 34.88, 32.99, 32.34, 31.47, 31.19, 29.35, ,28.81, 27.72, 25.39,23.90, 22.17, 20.32, 19.62, 19.06, 13.16, 11.04.
【0240】
実施例26
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルカーボネート
【化90】
【0241】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルカーボネートは、2-メチルプロパノイルクロリドをメチルカルボノクロリデートと置き換えたことを除いて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調製した(109mg、収率17.9%)。LCMS(ESI) m/z:C2641NOの計算値463.29、実測値486.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, CDCl) δ (ppm) 5.04 (bs, 1H), 4.91 (s, 1H)4.22-4.20 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.69 (s, 3H) 3.51-3.49 (d, J = 5.2 Hz, 2H) 2.55-2.51(t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.20-2.12 (m, 4H), 2.03-2.00 (m, 1H) ,1.87-1.83 (d, J = 14.8Hz, 1H) 1.70-1.60 (m, 5H), 1.55-1.14 (m, 12H), 0.99-0.95 (m, 1H), 0.87-0.79 (m,4H) 0.61 (s, 3H). H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ (ppm) 7.33-7.30(t, J = 5.2 Hz 1H), 4.78 (s, 1H) 4.05-4.03 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.52 (s, 3H), 3.22-3.21(d, J = 5.2 Hz, 2H), 2.58-2.54 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.07-1.95 (m, 4H), 1.69-1.09(m, 18H), 0.93-0.89 (m, 1H), 0.86-0.71 (m, 4H), 0.50 (s, 3H). 13C NMR(100 MHz, DMSO-d) δ (ppm) 209.02, 157.24, 154.49, 74.13, 66.31, 63.15,56.38, 54.01, 51.80, 43.98, 38.63, 35.83, 35.38, 32.82, 32.67, 31.93, 31.66, 28.21,25.87, 24.39, 22.66, 20.80, 13.63, 11.51.
【0242】
実施例27
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニル-N-メチルアミノ)エチルカーボネート
【化91】
【0243】
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニル-N-メチルアミノ)エチルカーボネートは、2-アミノエタノール2-メチルプロパノイルクロリドをメチルカルボノクロリデートに置き換え、2ーアミノエタノールを2-(メチルアミノ)エタノールに置き換えたことをのぞいて、[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネートの調製と同じ手順に従って調製した(143mg、収率23.1%)。LCMS(ESI) m/z C2743NOの計算値477.31、実測値500.3 (M+Na)H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ (ppm) 4.77 (s, 1H), 4.17-4.15(t, J = 5.2 Hz, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.48-3.47 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 2.84 (s, 3H),2.58-2.54 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 2.07-1.94 (m, 5H), 1.68-1.09 (m, 19H), 0.92-0.86(m, 1H), 0.76-0.70 (m, 4 H), 0.50 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, DMSO-d)δ (ppm) 208.52, 156.13, 153.94, 73.68, 64.25, 62.63, 55.87, 53.50, 52.27, 47.29,46.81, 43.47, 38.11, 35.33, 34.86, 34.17, 32.32, 32.13, 31.42, 31.16, 27.70, 25.37,23.88, 22.15, 20.30, 13.13, 11.00.
【0244】
血漿安定性
プールされた凍結血漿を、実験前に37℃のウォーターバスで解凍した。血漿を4000rpmで5分間遠心分離し、血餅があれば除去した。必要に応じてpHを7.4±0.1に調整する。
【0245】
試験化合物及び陽性対照(臭化プロパンテリン)の調製:1mM中間溶液を、10μLの原液を90μLのMeOHで希釈することによって調製した。陽性対照の1mMの中間体プロパンテリンを、10μLの原液を90μLの超純水で希釈して調製した。100μMの投与溶液を、20μLの中間溶液(1mM)を180μLのMeOHで希釈して調製した。98μLのブランク血漿に2μLの投与溶液(100μM)をスパイクして、2μMの最終濃度を二重で得て、試料をウォーターバスにおいて37℃でインキュベートした。それぞれの時点(0、10、30、60、及び120分)で、400μLの停止溶液(200ng/mLのトルブタミドと200ng/mLのラベタロールを含むMeOH中の0.1%のFA)を添加してタンパク質を沈殿させ、十分に混合した。試料プレートを4,000rpmで10分間遠心分離した。上清のアリコート(100μL)をそれぞれのウェルから別のプレートに移した。
【0246】
データ分析:血漿中でのインキュベーション後の試験化合物の残存%を、次の式を使用して計算した。
残存%=100×(指定されたインキュベーション時間でのPAR/T0時間でのPAR)
式中、PARは分析対象物と内部標準(IS)のピーク面積比である。(LC/MS/MS移動相条件:水中の0.1%のギ酸/アセトニトリル中の0.1%のギ酸。指定されたインキュベーション時点は、T0(0分)、Tn(n=0、10、30、60、120分)である。)
【0247】
肝臓S9の安定性
中間溶液:原液(10mM)からの5μLの化合物または対照(7-エトキシクマリン)を495μLのMeOH(濃度:100μM、1%DMSO、99%MeOH)で希釈。停止液:冷ACN(内部標準として100ng/mLのトルブタミド及びラベタロールを含む)。2μLの試験化合物または対照の使用液/ウェルを、トリックスブランクを除くすべてのプレート(T0、T5、T10、T20、T30、T60、NCF60)に加える。600μL/ウェルの停止液(4℃で冷却、100ng/mLのトルブタミド/100ng/mLのラベタロールを含む)を加えてT0プレートを終了させ、それを氷の上に置く。プレートマップに従って、840μL/ウェルでS9溶液をリザーバーとしての96プレートに分注する。次いで、Apricotによってすべてのプレートに100μL/ウェルを加える。NCF60とT0を除いて、S9溶液と化合物を37℃で約10分間インキュベートする。NCF60にS9溶液と98μのLPB緩衝液を加えた後、予熱せずに37℃でインキュベートし、タイマー1を開始する。60分後、600μL/ウェルの停止溶液を加えて反応を終了させる。予熱後、プレートマップに従って760μL/ウェルで補因子をリザーバーとしての96プレートに分注する。次いで、Apricotによってすべてのプレートに98μL/ウェルを加えて反応を開始する。37℃でインキュベートし、タイマー2を開始し、600μL/ウェルの停止溶液(4℃で冷却、100ng/mLのトルブタミド及びラベタロールを含む)を加えて反応を停止させる。試料を4000rpmで20分間遠心分離する。遠心分離しながら、新しい8枚の96ウェルプレートに300μLのHPLC水をロードし、次いで100μLの上清を移し、LC/MS/MS用の水と混合して、LC-MS/MS分析のためにBioanalytical Servicesへ移した。一次動力学の式を使用してt1/2及びCLを計算する:一次動力学の式:
【数1】
【0248】
ヒト血漿及びヒト肝臓S9における例示的化合物の安定性の結果を以下の表2に列挙する。
【表2】
【0249】
前述の説明は、本開示の原理の単なる例示とみなされる。さらに、多数の改変及び変更が当業者には容易に明らかであるので、本発明を上記のように示された正確な構造及びプロセスに限定することは望ましくない。したがって、すべての改変な修正、及び均等物が、この後の特許請求の範囲により定義されるような本発明の範囲内にあるとみなされ得る。
【0250】
「comprise(含む)」、「comprising(含むこと)」、「include(含む)」、「including(含むこと)」、及び「includes(含む)」という語は、本明細書及び特許請求の範囲内で使用される場合、述べられる特徴、構成要素、成分、またはステップの存在を特定することを意図するものであるが、それらは、1つ以上の他の特徴、構成要素、成分、ステップ、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。
【0251】
本発明は、以下の付番された実施形態によってさらに説明される:
1.式(I):
【化92】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
1a及びR1bが、それぞれ独立して、水素またはメチルであり、
Qがメチルまたは
【化93】
であり、
Lが、存在しない、アルキル、-O-、及び-N(R)-からなる群から選択され、
Wが、存在しない、アルキル、及び-O-からなる群から選択され、
Yが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
、R、R、及びRがそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、及び-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アルコキシル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アルコキシル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されており、ただし、Lが、-O-または-N(R)-である場合、Wが-O-ではなく、Wが-O-である場合、Yが-NRNRではなく、及びWが-O-である場合、Yが-C(O)ORまたは-C(O)Rである、
前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0252】
2.R1aとR1bの両方が水素である、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0253】
3.R1aとR1bの両方がメチルである、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0254】
4.R1aがメチルであり、かつR1bが水素であるか、またはR1aが水素であり、かつR1bがメチルである、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0255】
5.Qがメチルである、実施形態1~4のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0256】
6.Qが
【化94】
である、実施形態1~4のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0257】
7.Lが存在しない、実施形態1~6のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0258】
8.Lがアルキルである、実施形態1~6のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0259】
9.Lが-O-である、実施形態1~6のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0260】
10.Lが-N(R)-であり、Rが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される、実施形態1~6のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0261】
10a.Lが-N(R)-であり、Rが水素またはアルキルである、実施形態10の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0262】
10b.前記アルキルがC-Cアルキルである、実施形態10または10aの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0263】
10c.前記C-Cアルキルがメチルである、実施形態10bの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0264】
11.Wが存在しない、実施形態1~10bのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0265】
12.Wがアルキルである、実施形態1~10bのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0266】
12a.前記アルキルがC-Cアルキルである、実施形態12の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0267】
13.Wが-O-である、実施形態1~10bのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0268】
14.Lが存在せず、Wが存在しない、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0269】
15.Lがアルキルであり、Wが存在しない、または-O-である、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0270】
16.Lが-O-であり、Wが存在しない、またはアルキルである、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0271】
16a.Lが-O-であり、Wがアルキルである、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0272】
17.Lが-N(R)-であり、Wがアルキルであり、Rが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、及びヘテロアルキニルからなる群から選択される、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0273】
17a.Lが-N(R)-であり、Wがアルキルであり、Rが、水素またはアルキルからなる群から選択される、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0274】
17b.前記アルキルがC-Cアルキルである、実施形態16~17aのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0275】
18.Yが、アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、-OC(O)OR(またはWが-O-である場合、-C(O)OR)、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記アルキル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、飽和または不飽和のシクロアルキル、飽和または不飽和のヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、先行する実施形態のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0276】
18a.Yが、不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)OR(またはWが-O-である場合、-C(O)OR)、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記不飽和ヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、先行する実施形態のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0277】
18b.Yが、1または2個の酸素原子を有する任意選択で置換された不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである、実施形態1~18aのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0278】
18c.Yが
【化95】
である、実施形態1~18bのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0279】
18d.Yが-OC(O)Rである、実施形態1~18aのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0280】
18e.RがC-Cアルキルである、実施形態18dの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0281】
18f.前記C-Cアルキルがメチル、エチル、またはイソプロピルである、実施形態18eの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0282】
18g.Yが-NRである、実施形態1~18aのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0283】
18h.RがHまたはアルキルであり、Rが-C(O)Rである、実施形態18gの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0284】
18i.RがC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである、実施形態18hの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0285】
18j.C-Cアルキルが-CHまたは-CH(CHでありC-Cアルコキシルが-OCHまたは-OCH(CHである、実施形態18iの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0286】
19.前記化合物が式(Ia):
【化96】
を有する、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0287】
20.Yがアルキルである、実施形態19の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0288】
21. 前記化合物が式(Ib):
【化97】
を有し、
式中、
【化98】
が任意選択でC-Cアルキル基で置換され、nが1~5の範囲の整数である、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0289】
22.Wが-O-である、実施形態21の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0290】
23.Yが飽和もしくは不飽和のシクロアルキル、飽和もしくは不飽和のヘテロシクリル、または-C(O)ORであり、Rがアルキルであり、前記シクロアルキル及びヘテロシクリルが、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の基により任意選択で置換されている、実施形態21または22の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0291】
23a.Yが-C(O)ORであり、RがC-Cアルキルである、実施形態22または23の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0292】
23b.Yが5員または6員の飽和または不飽和のシクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロペンテニル)である、実施形態23または23aの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0293】
23c.Yが5員または6員のヘテロシクリルである、実施形態23~23bのいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0294】
24.前記式(I)の化合物が、式(Ic-1)または式(Ic-2):
【化99】
を有する、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0295】
25.前記式(I)の化合物が、式(Id-1)または式(Id-2):
【化100】
を有する、実施形態1の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0296】
26. R1bが水素である、実施形態24または25の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0297】
27. R1bがメチルである、実施形態24または25の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0298】
28.Rが、H、アルキル(例えば、C-Cアルキル)、アルケニル(例えば、C-Cアルケニル)、またはアルキニル(例えば、C-Cアルキニル)である、実施形態24~27のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0299】
29.RがHまたはC-Cアルキルである、実施形態24~27のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0300】
30.Wが任意選択で置換されたアルキルである、実施形態24~29のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0301】
31.前記任意選択で置換されたアルキルがC-Cアルキルである、実施形態30の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0302】
32.前記任意選択で置換されたアルキルがC-Cアルキルである、実施形態30の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0303】
33.Yが、不飽和ヘテロシクリル、-OC(O)OR、-OC(O)R、及び-NRからなる群から選択され、前記不飽和ヘテロシクリルが、任意選択で、オキソ、ハロゲン、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルから独立して選択される1つ以上の基で置換されている、実施形態24~32のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0304】
34.Yが、1または2個の酸素原子を有する任意選択で置換された不飽和の5員または6員のヘテロシクリルである、実施形態24~33のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0305】
35.Yが
【化101】
である、実施形態24~33のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0306】
36.Yが-OC(O)Rである、実施形態24~33のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0307】
37.RがC-Cアルキルである、実施形態36の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0308】
38.前記C-Cアルキルがメチル、エチル、またはイソプロピルである、実施形態37の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0309】
39.Yが-NRである、実施形態24~33のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0310】
40.RがHまたはアルキルであり、Rが-C(O)Rである、実施形態39の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0311】
41.RがC-CアルキルまたはC-Cアルコキシルである、実施形態40の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0312】
41a.C-Cアルキルが-CHまたは-CH(CHでありC-Cアルコキシルが-OCHまたは-OCH(CHである、実施形態41の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0313】
42.Yが-OC(O)ORである、実施形態24~33のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0314】
42a.Rがアルキル(例えば、C-Cアルキル)またはアリール(フェニル)であり、そのそれぞれが任意選択で置換されている、実施形態42の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0315】
43.前記化合物が、以下からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩:
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル オカタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘキサノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ヘプタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オクタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-シクロペンチルアセテート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチル-1,2,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-シクロペンタ-3-エン-1-イルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]3-(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)プロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-アセトキシブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]4-(2-メチルプロパノイルオキシ)ブタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシペンタノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]5-アセトキシ-2-メチル-ペンタノエート、
3-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]プロピルアセテート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルオキシ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル](5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]ブチルカーボネート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニルアミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
2-[[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]オキシカルボニル-メチル-アミノ]エチル2-メチルプロパノエート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(2-メチルプロパノイルアミノ)エチルカーボネート)、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル(2-(N-メチルイソブチルアミド)エチル)カーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニルアミノ)エチルカーボネート、
[(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-10,13-ジメチル-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]2-(メトキシカルボニル-N-メチルアミノ)エチルカーボネート、
(3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、
2-(((((3R,5S,8R,9S,10S,13S,14S,17S)-17-アセチル-3,10,13-トリメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート、
(3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル)カーボネート、
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)エチルイソブチレート、及び
2-(((((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-17-(2-(4-シアノ-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル)-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルイソブチレート。
【0316】
44.先行する実施形態のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
【0317】
45.GABA受容体機能に関連する疾患または状態を治療することを、それを必要とする対象において行う方法であって、治療有効量の実施形態1~43のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【0318】
46.前記疾患または状態が、睡眠障害、気分障害、認知症、統合失調症スペクトラム障害、痙攣性障害、不安障害、自閉症スペクトラム障害、記憶障害及び/または認知症、運動障害、人格障害、自閉症スペクトラム障害、疼痛、外傷性脳損傷、血管疾患、薬物乱用障害、離脱症候群、及び耳鳴りからなる群から選択される、実施形態45の方法。
【0319】
46a.前記睡眠障害が不眠症であり、前記気分障害がうつ病であり、前記認知症がアルツハイマー型認知症であり、前記痙攣性障害がてんかんであり、前記運動障害がパーキンソン病である、実施形態46の方法。
【0320】
46b.前記疾患が、CDD、MDD、PPD、本態性振戦、PTSD、SE、ESE、脆弱X症候群、パーキンソン病、または治療抵抗性うつ病からなる軍から選択される、実施形態46の方法。
【0321】
47.GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療に使用するための、実施形態1~43のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0322】
48.GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療のための医薬の製造における、実施形態1~43のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【0323】
49. GABA受容体機能に関連する疾患または状態の治療に使用するための実施形態1~43のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩であって、前記式(I)の化合物が、1つ以上の追加の薬剤と同時に、別々に、または逐次的に投与される、実施形態1~43のいずれか1つの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【国際調査報告】