(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】フレキシブル表示パネル及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230405BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230405BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230405BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230405BHJP
H05B 33/06 20060101ALI20230405BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230405BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230405BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230405BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230405BHJP
G06F 3/044 20060101ALN20230405BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/06
H05B33/04
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
G06F3/041 430
G06F3/041 410
G06F3/041 640
G06F3/044 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568843
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2019126927
(87)【国際公開番号】W WO2021120164
(87)【国際公開日】2021-06-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】トン カモン
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
(72)【発明者】
【氏名】ハ ファン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC33
3K107CC43
3K107DD14
3K107DD17
3K107DD38
3K107DD89
3K107DD90
3K107DD92
3K107DD93
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
3K107EE57
3K107EE66
3K107FF15
5C094AA15
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA06
5C094DA07
5C094DA13
5C094FB01
5C094FB15
5C094JA09
(57)【要約】
フレキシブル表示パネル及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置を開示する。該フレキシブル表示パネルはフレキシブル基板を含み、前記フレキシブル基板は、表示領域と、周辺領域と、パッド領域と、第1エッジを含む曲げ領域と、を含み、該フレキシブル表示パネルは、バリアと、有機絶縁層とをさらに含み、前記周辺領域は、前記曲げ領域と前記表示領域との間に位置する周辺遷移領域を含み、前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝が設置され、前記第1凹溝は前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し且つ前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する。周辺遷移領域内の有機絶縁層に第1凹溝を設置することにより、曲げ応力の解放を容易にし、曲げ領域の破断を防止する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示パネルであって、
表示領域、
前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域、
前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域、及び
前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域を含むフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に設置され、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域の周囲を取り囲むバリアと、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層と、を含み、
前記周辺領域は、前記曲げ領域と前記表示領域との間に位置する周辺遷移領域を含み、前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝が設置され、前記第1凹溝は前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し且つ前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置するフレキシブル表示パネル。
【請求項2】
前記周辺遷移領域は第1ファンアウト領域を含み、前記第1凹溝の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1ファンアウト領域と部分的に重なる請求項1に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項3】
前記フレキシブル基板は、
前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接する第2ファンアウト領域をさらに含み、
前記曲げ領域と前記パッド領域との間の前記有機絶縁層には、前記フレキシブル基板での正投影が前記第2ファンアウト領域と部分的に重なる第2凹溝がさらに設置されている請求項2に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項4】
前記曲げ領域は、前記第1エッジと対向して設置され、前記第1エッジの延伸方向と同じである第2エッジをさらに含み、前記第2凹溝は、前記第2エッジの前記パッド領域に近い側に位置し、前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸する請求項3に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項5】
前記曲げ領域内の前記有機絶縁層には、前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する第3凹溝及び第4凹溝がさらに設置されている請求項4に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項6】
前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれは第1端部及び第2端部を含み、前記第3凹溝及び前記第4凹溝は前記曲げ領域を横切って延伸し、前記第3凹溝の第1端部及び前記第4凹溝の第1端部はそれぞれ前記第1凹溝の対向する両端と接続され、前記第3凹溝の第2端部及び第4凹溝の第2端部はそれぞれ前記第2凹溝の対向する両端と接続される請求項5に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項7】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記フレキシブル基板上に設置され、前記表示領域から引き出され、少なくとも一部が前記曲げ軸に垂直な方向に沿って前記第1ファンアウト領域及び前記曲げ領域を通過して前記パッド領域に延伸する信号線をさらに含み、
前記第1凹溝、前記第2凹溝、前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれの前記フレキシブル基板での正投影と前記信号線の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がなく、
前記第1凹溝及び前記第2凹溝のそれぞれは前記信号線と交差する位置で切断され、前記第1凹溝は前記交差位置で第1間隔を有し、前記第2凹溝は前記交差位置で第2間隔を有し、前記信号線は延伸して前記第1間隔及び前記第2間隔を貫通する請求項6に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項8】
前記信号線は複数の信号線を含み、前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれは、複数の前記信号線のうち前記第2ファンアウト領域から最も遠い信号線と前記フレキシブル基板のエッジとの間に位置する請求項7に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項9】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記表示領域に位置し、前記表示領域でのタッチの発生を検出するように配置されるタッチ電極をさらに含み、
前記信号線は、
前記表示領域内の前記タッチ電極と電気的に接続されるように配置されるタッチ信号線を含み、
前記タッチ信号線は、前記曲げ領域に位置する第1タッチ部分と、前記曲げ領域外に位置する第2タッチ部分とを含み、前記タッチ信号線の前記第1タッチ部分と前記タッチ信号線の前記第2タッチ部分とは異なる膜層に位置する請求項7又は8に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項10】
前記表示領域は複数の画素領域を含み、各前記画素領域に有機発光素子が設けられ、前記信号線は、
前記有機発光素子と電気的に接続されるように配置される共通信号線をさらに含み、
前記共通信号線は、前記曲げ領域内に位置する第1共通部分と、前記曲げ領域外に位置する第2共通部分とを含み、前記共通信号線の前記第1共通部分と前記共通信号線の前記第2共通部分とは異なる膜層に位置し、
前記共通信号線の前記第1共通部分の前記フレキシブル基板での正投影と前記タッチ信号線の第1タッチ部分の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がなく、前記共通信号線の前記第2共通部分の前記フレキシブル基板での正投影と前記タッチ信号線の第2タッチ部分の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がある請求項9に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項11】
各前記画素領域に画素回路がさらに設けられ、前記信号線は、
前記共通信号線の前記第2ファンアウト領域から離れる側に位置し、前記画素回路と電気的に接続されるように配置される駆動信号線をさらに含み、
前記駆動信号線は、前記曲げ領域内に位置する第1駆動部分と、前記曲げ領域外に位置する第2駆動部分とを含み、前記駆動信号線の前記第1駆動部分と前記駆動信号線の前記第2駆動部分とは異なる膜層に位置する請求項10に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項12】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記フレキシブル基板上に設置される第1ゲート電極層と、
前記第1ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1ゲート絶縁層と、
前記第1ゲート絶縁層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2ゲート電極層と、をさらに含み、
前記第1凹溝は、前記第2ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に位置する請求項1~11のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項13】
前記有機絶縁層は、
前記第2ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1平坦化層と、
前記第1平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2平坦化層と、を含み、
前記第1凹溝は前記第1平坦化層及び前記第2平坦化層を貫通し、前記第1凹溝は前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層の側壁を含む請求項12に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項14】
前記第1凹溝は、前記第2平坦化層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成され、前記側壁の接線と前記フレキシブル基板との間の夾角は約20度~40度である請求項13に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項15】
前記側壁は円弧状の傾斜面を有し、前記円弧状の傾斜面は前記第1凹溝の周縁に位置する前記第2平坦化層の上面と接続され、且つ前記円弧状の傾斜面は該上面と接続部で相接する請求項13又は14に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項16】
前記第1凹溝の延伸方向に垂直する平面内に、前記側壁は、それぞれが円弧状の傾斜面を有する複数の側部を含み、複数の前記円弧状の傾斜面は互いに接続して前記側壁を形成する請求項13~15のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項17】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記第2ゲート電極層上に設置される第2ゲート絶縁層と、
前記第2ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に設置される第1ソースドレイン導電層と、
第1平坦化層と前記第2平坦化層との間に設置される第2ソースドレイン導電層と、
前記第2平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1タッチ導電層と、
前記第1タッチ導電層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2タッチ導電層と、
前記第1タッチ導電層と前記第2タッチ導電層との間に設置されるタッチ絶縁層と、をさらに含み、
タッチ信号線の第1部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記タッチ信号線の第2部分は前記第1タッチ導電層と、前記第2タッチ導電層とを含む請求項13に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項18】
前記タッチ信号線の前記第2部分の前記第2タッチ導電層は、前記第2平坦化層の開口部を介し、前記タッチ信号線の前記第1部分の前記第2ソースドレイン導電層と接する請求項17に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項19】
共通信号線の第1共通部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記共通信号線の第2共通部分は前記第1ソースドレイン導電層を含む請求項18に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項20】
駆動信号線の第1駆動部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記駆動信号線の第2駆動部分は前記第1ソースドレイン導電層を含む請求項19に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項21】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記第2平坦化層と第1タッチ導電層との間に位置するカプセル化層と、
複数の画素領域を定義するように配置され、前記第2平坦化層と前記カプセル化層との間に設置される画素定義層と、をさらに含み、
前記バリアは、
前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域を取り囲み、前記周辺遷移領域に位置する第1バリア部と前記周辺領域の周辺遷移領域以外の他の領域に設置される第2バリア部とを含む第1バリアと、
前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域を取り囲み、前記第1バリアの前記表示領域から離れる側に位置し、前記周辺遷移領域に位置する第3バリア部と前記周辺領域の周辺遷移領域以外の他の領域に設置される第4バリア部とを含む第2バリアと、を含み、
前記第1バリア部は前記第2平坦化層と、前記画素定義層とを含み、前記第3バリア部は、前記第1平坦化層と、前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層と、前記第2平坦化層を被覆する前記画素定義層と、を含む請求項16~20のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項22】
前記第1バリア部及び前記第3バリア部における前記第2平坦化層はツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成される請求項21に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項23】
前記フレキシブル表示パネルは、
前記画素定義層と前記カプセル化層との間に位置するスペーサー層をさらに含み、
前記第2バリア部は前記第2平坦化層と、前記画素定義層と、前記スペーサー層とを含み、前記第4バリア部は、前記第1平坦化層と、前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層と、前記第2平坦化層を被覆する前記画素定義層と、前記スペーサー層とを含む請求項22に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項24】
前記周辺遷移領域は第1ファンアウト領域を含み、前記第1凹溝の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1ファンアウト領域と部分的に重なり、前記フレキシブル基板は、
前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接する第2ファンアウト領域をさらに含み、
前記フレキシブル表示パネルは、
前記表示領域から前記第1ファンアウト領域、前記曲げ領域及び前記第2ファンアウト領域を経て前記パッド領域に到達するデータ接続線を含み、
前記第1ファンアウト領域及び前記第2ファンアウト領域における前記データ接続線の部分は、前記第1ゲート電極層及び前記第2ゲート電極層を交互に設置することにより構成される請求項12~22のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項25】
前記フレキシブル基板は、第2ファンアウト領域と前記パッド領域との間に順に設置される検知領域と、制御回路領域と、第3ファンアウト領域と、集積回路領域とをさらに含む請求項3~24のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネル。
【請求項26】
フレキシブル表示パネルであって、
表示領域、
前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域、
前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域、
前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する曲げ領域、及び
前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接するファンアウト領域を含むフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層と、を含み、
前記曲げ領域と前記パッド領域との間の前記有機絶縁層には、前記フレキシブル基板での正投影が前記ファンアウト領域と部分的に重なる凹溝が設置されるフレキシブル表示パネル。
【請求項27】
フレキシブル表示パネルであって、
表示領域、
前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域、
前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域、及び
前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置される曲げ領域を含むフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層と、を含み、
前記曲げ領域内の前記有機絶縁層には、前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する少なくとも1つの凹溝が設置されるフレキシブル表示パネル。
【請求項28】
請求項1~27のいずれか1項に記載のフレキシブル表示パネルを含むフレキシブル表示装置。
【請求項29】
フレキシブル表示パネルの製造方法であって、
フレキシブル基板を提供するステップであって、前記フレキシブル基板は、
表示領域と、
前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、
前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、
前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域と、を含み、前記周辺領域は、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置する周辺遷移領域を含む、フレキシブル基板を提供するステップと、
前記フレキシブル基板上に、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域の周囲を取り囲むバリアを形成するステップと、
前記フレキシブル基板上に有機絶縁層を形成するステップと、
前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝を形成するステップであって、前記第1凹溝は、前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し、前記曲げ軸と平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する、前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝を形成するステップと、を含み、
前記第1凹溝は、前記有機絶縁層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成されるフレキシブル表示パネルの製造方法。
【請求項30】
前記フレキシブル基板上に有機絶縁層を形成するステップは、
前記フレキシブル基板上に第1平坦なフィルムを形成するステップと、
前記第1平坦なフィルムをパターン化して第1平坦化層を形成するステップと、
前記第1平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に、前記第1平坦化層を被覆する第2平坦なフィルムを形成するステップと、
ツートンマスクで前記第2平坦なフィルムをパターン化して前記第1凹溝を有する第2平坦化層を形成するステップと、を含み、
前記第1凹溝は、前記周辺領域内の前記第2平坦化層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成され、且つ前記第1凹溝は前記第1平坦化層及び前記第2平坦化層を貫通する請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例はフレキシブル表示パネル及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)の表示技術の発展に伴って、フレキシブルAMOLED製品のフレームが徐々に減少し、スクリーン対ボディ比が徐々に増加し、且つ製品の厚さも徐々に減少する。ユーザの製品厚さ及びタッチエクスペリエンスに対するニーズを満たすために、如何に製品の厚さを減少させ且つより良いタッチエクスペリエンスを実現するかは業界で研究ホットスポットになっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例はフレキシブル表示パネル及びその製造方法、並びにフレキシブル表示装置を提供する。
【0004】
本開示の第1態様によれば、フレキシブル表示パネルを提供する。該フレキシブル表示パネルは、
表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域と、を含むフレキシブル基板を含み、
該フレキシブル表示パネルは、
前記フレキシブル基板上に設置され、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域の周囲を取り囲むバリアと、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層と、をさらに含み、
周辺領域は、前記曲げ領域と前記表示領域との間に位置する周辺遷移領域を含み、前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝が設置され、前記第1凹溝は前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し且つ前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する。
【0005】
少なくともいくつかの実施例では、前記周辺遷移領域は第1ファンアウト領域を含み、前記第1凹溝の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1ファンアウト領域と部分的に重なる。
【0006】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル基板は、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接する第2ファンアウト領域をさらに含み、前記曲げ領域と前記パッド領域との間の前記有機絶縁層には、前記フレキシブル基板での正投影が前記第2ファンアウト領域と部分的に重なる第2凹溝がさらに設置されている。
【0007】
少なくともいくつかの実施例では、前記曲げ領域は、前記第1エッジと対向して設置され、前記第1エッジの延伸方向と同じである第2エッジをさらに含み、前記第2凹溝は、前記第2エッジの前記パッド領域に近い側に位置し、前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸する。
【0008】
少なくともいくつかの実施例では、前記曲げ領域内の前記有機絶縁層には、前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する第3凹溝及び第4凹溝がさらに設置されている。
【0009】
少なくともいくつかの実施例では、前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれは第1端部及び第2端部を含み、前記第3凹溝及び前記第4凹溝は前記曲げ領域を横切って延伸し、前記第3凹溝の第1端部及び前記第4凹溝の第1端部はそれぞれ前記第1凹溝の対向する両端と接続され、前記第3凹溝の第2端部及び第4凹溝の第2端部はそれぞれ前記第2凹溝の対向する両端と接続される。
【0010】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記フレキシブル基板上に設置され、前記表示領域から引き出され、少なくとも一部が前記曲げ軸に垂直な方向に沿って前記第1ファンアウト領域及び前記曲げ領域を通過して前記パッド領域に延伸する信号線をさらに含み、前記第1凹溝、前記第2凹溝、前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれの前記フレキシブル基板での正投影と前記信号線の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がなく、前記第1凹溝及び前記第2凹溝のそれぞれは前記信号線と交差する位置で切断され、前記第1凹溝は前記交差位置で第1間隔を有し、前記第2凹溝は前記交差位置で第2間隔を有し、前記信号線は延伸して前記第1間隔及び前記第2間隔を貫通する。
【0011】
少なくともいくつかの実施例では、前記信号線は複数の信号線を含み、前記第3凹溝及び前記第4凹溝のそれぞれは、複数の前記信号線のうち前記第2ファンアウト領域から最も遠い信号線と前記フレキシブル基板のエッジとの間に位置する。
【0012】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記表示領域に位置し、前記表示領域でのタッチの発生を検出するように配置されるタッチ電極をさらに含み、前記信号線は、前記表示領域内の前記タッチ電極と電気的に接続されるように配置されるタッチ信号線を含み、前記タッチ信号線は、前記曲げ領域に位置する第1タッチ部分と、前記曲げ領域外に位置する第2タッチ部分とを含み、前記タッチ信号線の前記第1タッチ部分と前記タッチ信号線の前記第2タッチ部分とは異なる膜層に位置する。
【0013】
少なくともいくつかの実施例では、前記表示領域は複数の画素領域を含み、各前記画素領域に有機発光素子が設けられ、前記信号線は、前記有機発光素子と電気的に接続されるように配置される共通信号線をさらに含み、前記共通信号線は、前記曲げ領域内に位置する第1共通部分と、前記曲げ領域外に位置する第2共通部分とを含み、前記共通信号線の前記第1共通部分と前記共通信号線の前記第2共通部分とは異なる膜層に位置し、前記共通信号線の前記第1共通部分の前記フレキシブル基板での正投影と前記タッチ信号線の第1タッチ部分の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がなく、前記共通信号線の前記第2共通部分の前記フレキシブル基板での正投影と前記タッチ信号線の第2タッチ部分の前記フレキシブル基板での正投影との間には重なる領域がある。
【0014】
少なくともいくつかの実施例では、各前記画素領域に画素回路がさらに設けられ、前記信号線は、前記共通信号線の前記第2ファンアウト領域から離れる側に位置し、前記画素回路と電気的に接続されるように配置される駆動信号線をさらに含み、前記駆動信号線は、前記曲げ領域内に位置する第1駆動部分と、前記曲げ領域外に位置する第2駆動部分とを含み、前記駆動信号線の前記第1駆動部分と前記駆動信号線の前記第2駆動部分とは異なる膜層に位置する。
【0015】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記フレキシブル基板上に設置される第1ゲート電極層と、前記第1ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1ゲート絶縁層と、前記第1ゲート絶縁層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2ゲート電極層と、をさらに含み、前記第1凹溝は、前記第2ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に位置する。
【0016】
少なくともいくつかの実施例では、前記有機絶縁層は、前記第2ゲート電極層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1平坦化層と、前記第1平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2平坦化層と、を含み、前記第1凹溝は前記第1平坦化層及び前記第2平坦化層を貫通し、前記第1凹溝は前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層の側壁を含む。
【0017】
少なくともいくつかの実施例では、前記第1凹溝は、前記第2平坦化層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成され、前記側壁の接線と前記フレキシブル基板との間の夾角は約20度~40度である。
【0018】
少なくともいくつかの実施例では、前記側壁は円弧状の傾斜面を有し、前記円弧状の傾斜面は前記第1凹溝の周縁に位置する前記第2平坦化層の上面と接続され、且つ前記円弧状の傾斜面は該上面と前記接続部で相接する。
【0019】
少なくともいくつかの実施例では、前記第1凹溝の延伸方向に垂直する平面内に、前記側壁は、それぞれが円弧状の傾斜面を有する複数の側部を含み、複数の前記円弧状の傾斜面は互いに接続して前記側壁を形成する。
【0020】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記第2ゲート電極層上に設置される第2ゲート絶縁層と、前記第2ゲート絶縁層と前記第1平坦化層との間に設置される第1ソースドレイン導電層と、第1平坦化層と前記第2平坦化層との間に設置される第2ソースドレイン導電層と、前記第2平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第1タッチ導電層と、前記第1タッチ導電層の前記フレキシブル基板から離れる側に設置される第2タッチ導電層と、前記第1タッチ導電層と前記第2タッチ導電層との間に設置されるタッチ絶縁層と、をさらに含み、前記タッチ信号線の前記第1部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記タッチ信号線の第2部分は前記第1タッチ導電層と、前記第2タッチ導電層とを含む。
【0021】
少なくともいくつかの実施例では、前記タッチ信号線の前記第2部分の前記第2タッチ導電層は、前記第2平坦化層の開口部を介し、前記タッチ信号線の前記第1部分の前記第2ソースドレイン導電層と接する。
【0022】
少なくともいくつかの実施例では、前記共通信号線の前記第1共通部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記共通信号線の前記第2共通部分は前記第1ソースドレイン導電層を含む。
【0023】
少なくともいくつかの実施例では、前記駆動信号線の前記第1駆動部分は前記第2ソースドレイン導電層を含み、前記駆動信号線の前記第2駆動部分は前記第1ソースドレイン導電層を含む。
【0024】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記第2平坦化層と前記第1タッチ導電層との間に位置するカプセル化層と、複数の画素領域を定義するように配置され、前記第2平坦化層と前記カプセル化層との間に設置される画素定義層と、をさらに含み、前記バリアは、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域を取り囲み、前記周辺遷移領域に位置する第1バリア部と前記周辺領域の周辺遷移領域以外の他の領域に設置される第2バリア部とを含む第1バリアと、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域を取り囲み、前記第1バリアの前記表示領域から離れる側に位置し、前記周辺遷移領域に位置する第3バリア部と前記周辺領域の周辺遷移領域以外の他の領域に設置される第4バリア部とを含む第2バリアと、を含み、前記第1バリア部は前記第2平坦化層と、前記画素定義層とを含み、前記第3バリア部は、前記第1平坦化層と、前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層と、前記第2平坦化層を被覆する前記画素定義層と、を含む。
【0025】
少なくともいくつかの実施例では、前記第1バリア部及び前記第3バリア部における前記第2平坦化層はツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成される。
【0026】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル表示パネルは、前記画素定義層と前記カプセル化層との間に位置するスペーサー層をさらに含み、前記第2バリア部は前記第2平坦化層と、前記画素定義層と、前記スペーサー層とを含み、前記第4バリア部は、前記第1平坦化層と、前記第1平坦化層を被覆する前記第2平坦化層と、前記第2平坦化層を被覆する前記画素定義層と、前記スペーサー層とを含む。
【0027】
少なくともいくつかの実施例では、前記周辺遷移領域は第1ファンアウト領域を含み、前記第1凹溝の前記フレキシブル基板での正投影は前記第1ファンアウト領域と部分的に重なり、前記フレキシブル基板は、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接する第2ファンアウト領域をさらに含み、前記フレキシブル表示パネルは、前記表示領域から前記第1ファンアウト領域、前記曲げ領域及び前記第2ファンアウト領域を経て前記パッド領域に到達するデータ接続線をさらに含み、前記第1ファンアウト領域及び前記第2ファンアウト領域における前記データ接続線の部分は、前記第1ゲート電極層及び前記第2ゲート電極層を交互に設置することにより構成される。
【0028】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル基板は、前記第2ファンアウト領域と前記パッド領域との間に順に設置される検知領域と、制御回路領域と、第3ファンアウト領域と、集積回路領域とをさらに含む。
【0029】
本開示の第2態様によれば、フレキシブル表示パネルをさらに提供し、
表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する曲げ領域と、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接するファンアウト領域と、を含むフレキシブル基板を含み、
該フレキシブル表示パネルは、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層をさらに含み、
前記曲げ領域と前記パッド領域との間の前記有機絶縁層には、前記フレキシブル基板での正投影が前記ファンアウト領域と部分的に重なる凹溝が設置されている。
【0030】
本開示の第3態様によれば、フレキシブル表示パネルをさらに提供し、
表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置される曲げ領域と、を含むフレキシブル基板を含み、
該フレキシブル表示パネルは、
前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層をさらに含み、
前記曲げ領域内の前記有機絶縁層には、前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する少なくとも1つの凹溝が設置される。
【0031】
本開示の第4態様によれば、上記フレキシブル表示パネルを含むフレキシブル表示装置を提供する。
【0032】
本開示の第5態様によれば、フレキシブル表示パネルの製造方法を提供する。該製造方法は、
フレキシブル基板を提供するステップであって、前記フレキシブル基板は、表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域と、を含み、前記周辺領域は、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置する周辺遷移領域を含む、ステップを含み、
該製造方法は、
前記フレキシブル基板上に、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域の周囲を取り囲むバリアを形成するステップと、
前記フレキシブル基板上に有機絶縁層を形成するステップと、
前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝を形成するステップであって、前記第1凹溝は、前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し、前記曲げ軸と平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する、ステップと、をさらに含み、
前記第1凹溝は、前記有機絶縁層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成される。
【0033】
少なくともいくつかの実施例では、前記フレキシブル基板上に有機絶縁層を形成するステップは、前記フレキシブル基板上に第1平坦なフィルムを形成するステップと、前記第1平坦なフィルムをパターン化して前記第1平坦化層を形成するステップと、前記第1平坦化層の前記フレキシブル基板から離れる側に、前記第1平坦化層を被覆する第2平坦なフィルムを形成するステップと、ツートンマスクで前記第2平坦なフィルムをパターン化して前記第1凹溝を有する前記第2平坦化層を形成するステップと、を含み、前記第1凹溝は、前記周辺領域内の前記第2平坦化層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成され、且つ前記第1凹溝は前記第1平坦化層及び前記第2平坦化層を貫通する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の実施例の技術案を明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下に説明される図面は本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0035】
【
図1】
図1は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの平面模式図である。
【
図2】
図2は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの画素回路の等価回路図である。
【
図3】
図3は
図1のフレキシブル表示パネルの別の平面模式図である。
【
図4】
図4は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの曲げられた状態での局所構造模式図である。
【
図5】
図5は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの複数の凹溝の平面模式図である。
【
図6】
図6は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの第1凹溝及び第2凹溝の平面模式図である。
【
図8】
図8は
図3のフレキシブル表示パネルのQ1領域の拡大平面模式図である。
【
図11】
図11は本開示の実施例に係る第1タッチ導電層及び第2タッチ導電層の断面模式図である。
【
図12】
図12は本開示の実施例に係る共通信号線の平面模式図である。
【
図14】
図14は
図3のフレキシブル表示パネルのQ2領域の拡大平面模式図である。
【
図16】
図16は本開示の実施例に係る第1凹溝の側壁の別の変形の模式図である。
【
図17】
図17は本開示の実施例に係る第1凹溝の側壁のさらに別の変形の模式図である。
【
図19A】
図19Aは本開示の実施例に係る第1凹溝を形成する各ステップの模式図である。
【
図19B】
図19Bは本開示の実施例に係る第1凹溝を形成する各ステップの模式図である。
【
図19C】
図19Cは本開示の実施例に係る第1凹溝を形成する各ステップの模式図である。
【
図19D】
図19Dは本開示の実施例に係る第1凹溝を形成する各ステップの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案について明確で、完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とすることなく得る他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0037】
特に定義されない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味であるべきである。本開示の特許出願明細書及び特許請求の範囲に使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は、いかなる順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。「含む」又は「包含」等の類似の用語は、「含む」又は「包含」の前に記載される素子又は要素が「含む」又は「包含」の後に挙げられる素子又は要素及びそれらの同等物をカバーするが、他の素子又は要素を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似の用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係のみを示し、説明される対象の絶対位置は変化すると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0038】
以下の説明において、素子又は層が他の素子又は層「上」に位置し又は他の素子又は層「に接続される」と記載される場合、該素子又は層は前記他の素子又は層上に直接位置するか、前記他の素子又は層に直接接続されてもよく、又は中間素子又は中間層が存在してもよい。しかし、素子又は層が他の素子又は層「上」に「直接位置する」、他の素子又は層「に直接接続される」と記載される場合、中間素子又は中間層が存在しない。「及び/又は」という用語は、1つ以上の関連する列挙された項目の任意及び全部の組み合わせを含む。
【0039】
ここで第1、第2等の用語でさまざまな素子、ユニット、領域、層及び/又は部分を説明できるが、それらの素子、ユニット、領域、層及び/又は部分はそれらの用語により制限されるべきではない。それらの用語は1つの素子、ユニット、領域、層及び/又は部分を他の素子、ユニット、領域、層及び/又は部分を区別することに用いられる。従って、本開示の教示から逸脱することなく、以下に検討される第1素子、第1ユニット、第1領域、第1層及び/又は第1部分は、第2素子、第2ユニット、第2領域、第2層及び/又は第2部分と呼ばれてもよい。
【0040】
説明のために、ここで「…の下」、「…下方」、「下」、「…上方」、「上」等の空間的相対用語を使用でき、それにより、図に示される1つの素子又は特徴と他の(別の)素子又は特徴との関係を説明する。図面に示される方位以外、空間的相対用語は装置の使用中、操作中及び/又は製造中の異なる方位を含むことを意図している。例えば、図面における装置は反転される場合、他の素子又は特徴の「下方」又は「下」に「ある」と説明される素子はその後に前記他の素子又は特徴の「上方」に「ある」と配向される。従って、「…下方」という例示的な用語は上方及び下方の2つの方位を含む。
【0041】
従来、AMOLEDフレキシブル表示装置のバックプレーン(back Plane 、BP)は、膜層が多く、厚さが薄いため、割れが発生しやすく、特に曲げ領域で、金属配線が破断しやすい。
【0042】
本開示の実施例はフレキシブル表示パネルを提供し、表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域と、を含むフレキシブル基板を含む。該フレキシブル表示パネルは、前記フレキシブル基板上に設置され、前記周辺領域に位置し且つ前記表示領域の周囲を取り囲むバリアと、前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層と、をさらに含む。周辺領域は、前記曲げ領域と前記表示領域との間に位置する周辺遷移領域を含む、前記周辺遷移領域内の前記有機絶縁層に第1凹溝が設置され、前記第1凹溝は前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し且つ前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、前記第1凹溝は前記第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する。
【0043】
上記フレキシブル表示パネルでは、周辺遷移領域内の有機絶縁層に第1凹溝が設置され、且つ前記第1凹溝は前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し且つ前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、特に、第1凹溝は曲げ領域の第1エッジの前記表示領域に近い側に位置する。このように、曲げ応力の解放を容易にし、曲げ領域の破断を防止する。
【0044】
図1は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの平面模式図である。
図2は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの画素回路の等価回路図である。
図3は
図1のフレキシブル表示パネルの別の平面模式図である。
【0045】
図1に示すように、本開示の実施例が提供するフレキシブル表示パネル100は、表示領域DA(Display Area)及び周辺領域PA(Peripheral Area)を含むフレキシブル基板SUBを含む。例えば、フレキシブル基板SUB上には、x方向に沿って延伸する複数のゲート線GL(Gate Line)及びy方向に沿って延伸する複数のデータ線DL(Data Line)が設置されている。複数のゲート線GLは周辺領域PA内の駆動回路DC(Driving Circuit)に電気的に接続される。複数のゲート線GL及び複数のデータ線DLは交差して複数の画素領域を限定し、各画素領域に画素P(Pixel)が設置され、各画素Pは有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)のような有機発光素子を有する。有機発光ダイオードが発する光は画像表示に用いることができるため、複数の画素領域Pが位置する領域は表示領域DAとして限定される。周辺領域PAは表示領域DAの外部に配置される。例えば、周辺領域PAは表示領域DAの周囲を取り囲んでもよく、且つ周辺領域PAは画像を表示できず、非表示領域である。
【0046】
図2に示すように、各画素Pは、該画素Pのゲート線GL及びデータ線DLに接続される画素回路PC(Pixel Circuit)と、画素回路PCに接続される有機発光ダイオードOLEDと、を含む。画素回路PCは、駆動薄膜トランジスタ(Thin-film Transistor、TFT)Tdと、スイッチングTFT Tsと、記憶コンデンサCstと、を含む。スイッチングTFT Tsは、ゲート線GL及びデータ線DLに接続され、ゲート線GLによって受信された走査信号に基づいてデータ線DLによって受信されたデータ信号を駆動TFT Tdに送信するように配置される。記憶コンデンサCstは、スイッチングTFT Ts及び駆動電圧線PLに接続され、スイッチングTFT Tsから受信された電圧と駆動電圧線PLに供給される駆動電圧ELVDDとの間の差に対応する電圧を記憶するように構成される。駆動TFT Tdは、駆動電圧線PL及び記憶コンデンサCstに接続され、記憶コンデンサCstに記憶された電圧値に基づいて駆動電圧線PLから有機発光ダイオードOLEDへ流れる駆動電流を制御することに用いることができる。有機発光ダイオードOLEDは、駆動電流によって希望の輝度の光を発することができる。有機発光ダイオードOLEDは、例えば赤色光、緑色光、青色光又は白色光を発することができる。
図2には画素Pが2つのTFT及び1つの記憶コンデンサCstを含む状況が示されているが、本開示の例示的実施例ではトランジスタ及びメモリの異なる設置方式を使用することができる。他の実施例では、画素Pの画素回路PCは3つ以上のTFT又は2つ以上の記憶コンデンサを含んでもよい。
【0047】
図1に示すように、フレキシブル基板SUBは、周辺領域PAの表示領域DAから離れる側に位置するパッド領域WA(Welding Area)をさらに含む。例えば、
図3に示すように、パッド領域WAは、表示領域DAの一方側に位置し、複数の接触パッド(又はパッド)4を含み、各接触パッド4は、表示領域DA又は周辺領域PAから延び出す信号線と電気的に接続されるように配置される。接触パッド4は、パッド領域WAの表面に露出されてもよく、すなわち、任意の層に被覆されず、このように、フレキシブルプリント基板FPCB(Flexible Print Circuit Board)に電気的に接続されやすい。フレキシブルプリント基板FPCBは外部コントローラと電気的に接続され、外部コントローラからの信号又は電力を送信するように配置される。例えば、接触パッド41は共通信号線6と電気的に接続され、接触パッド42はタッチ信号線5と電気的に接続され、接触パッド43は駆動信号線7と電気的に接続され、接触パッド44はデータ接続線DCL(データ接続線DCLは表示領域DA内のデータ線DLと電気的に接続される)と電気的に接続される。接触パッド4は各信号線と電気的に接続され、このように、信号線とフレキシブルプリント基板FPCBとの相互通信を実現できる。接触パッド4の数及び配置方式については、ここで具体的に制限されず、実際の需要に応じて設定できる。
【0048】
図1に示すように、フレキシブル基板SUBは、周辺領域PAとパッド領域WAとの間に位置する曲げ領域BAをさらに含む。曲げ領域BAは、周辺領域PAと隣り合い、曲げ軸BX(Bending axis)に沿って曲がるように配置される。説明の便宜上、本開示では、曲げ領域BAとパッド領域WAとの間の領域をパッド遷移領域WTA(Welding Transition Area)として定義し、曲げ領域BAと表示領域DAとの間の周辺領域PAの部分を周辺遷移領域PTA(Peripheral Transition Area)として定義し、
図1及び
図3に示すとおりである。さらに、周辺遷移領域PTAは、曲げ領域BAに近い側にあり、信号線を周辺遷移領域PTAから曲げ領域BAへ層を変更することに用いることができる第1層変更領域RA1(Replacing area)を含んでもよく、さらに、パッド遷移領域WTAは、曲げ領域BAに近く、信号線を曲げ領域BAからパッド遷移領域WTAへ層を変更することに用いる第2層変更領域RA2を含んでもよく、
図8に示すとおりである。フレキシブル基板SUBは曲げ軸BXの周りで曲げられる時、フレキシブル基板SUBの曲げ領域BAはどこでも曲げられた状態にあり、つまり、曲率はどこでもゼロではない。
図4は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネル100の曲げられた状態での局所構造模式図である。
図4に示すように、曲げ領域BAは曲げ軸BXに沿って曲げられ、曲げ領域BAはどこでも曲げられた状態にあり、すなわち、曲率はゼロではなく、表示領域DA、周辺領域PA、パッド遷移領域WTA、パッド領域WA等を含むフレキシブル基板SUBの他の領域は、いずれも曲げられた状態ではない。曲げ領域BAが曲げられると、曲げ領域BAの表示領域DAから離れる側に位置するパッド遷移領域WTA及びパッド領域WAはいずれもフレキシブル表示パネル100の裏側(通常、フレキシブル表示パネルの表示側はデフォルトで前面側であり、表示側の対向側は後側又は裏側である)に位置し、このように、空間利用率を向上させ、非表示領域の占用面積を減らすことができる。
【0049】
図3及び
図4に示すように、フレキシブル表示パネル100は、フレキシブル基板SUB上に設置され、周辺領域PAに位置し、表示領域DAの周囲を取り囲むバリア2をさらに含む。少なくとも1つの例では、バリア2はコッファダム構造を有し、該コッファダム構造は外部の水蒸気又は酸素ガスが表示領域DAに入るのを阻止し、それにより表示効果への影響を回避することができる。例えば、バリア2は1つ以上あってもよい。さらに、バリア2は複数ある場合、阻止能力を強化できる。例えば、
図3に示すように、バリア2は第1バリア21と、第2バリア22とを含み、第2バリア22は、第1バリア21の表示領域DAから離れる側に位置し、このように、外部の水蒸気又は酸素ガスが表示領域DAに入るのをさらに防止でき、表示領域DAのために二重保護を提供する。少なくとも1つの例では、第1バリア21のフレキシブル基板SUBに対する高さは、第2バリア22のフレキシブル基板SUBに対する高さ未満である。このように、外部の水蒸気及び酸素ガスが表示領域DAに入るルートが長くなり、表示領域DAに入る難度が増加し、バリアの阻止能力がさらに向上する。
【0050】
図4に示すように、フレキシブル表示パネル100は、フレキシブル基板SUB上に設置される有機絶縁層OILをさらに含む。例示的に、
図4のフレキシブル表示パネル100はフレキシブル基板SUB及びその上の有機絶縁層OILのみを示しているが、フレキシブル基板SUB上に位置する他の層は省略される。少なくともいくつかの実施例では、周辺遷移領域PTAの有機絶縁層OILに少なくとも1つの凹溝が設置され、それにより、曲げ領域BAの破断リスクを低減させることができる。例えば、
図3に示すように、周辺遷移領域PTAの有機絶縁層OILに第1凹溝31が設置され、第1凹溝31の延伸方向は曲げ軸BXと平行であってもよく、曲げ軸BXと平行ではなくてもよい。第1凹溝31の延伸方向が曲げ軸BXと平行である場合、第1凹溝31はどこでも曲げ応力を均一に分散でき、曲げ領域BAの局所的な破断を防止でき、従って、これは好ましい。例えば、
図3及び
図4に示すように、第1凹溝31はバリア2の表示領域DAから離れる側に位置し、曲げ軸BXと略平行である方向に沿って延伸する。さらに、少なくとも1つの例では、第1凹溝31の延伸方向と曲げ軸BXの延伸方向との間の夾角は175°~185°の間にある。例えば、周辺遷移領域PTAは、曲げ領域に近い側に位置する第1層変更領域(Replacement area)を含み、該第1層変更領域は信号線の層変更に用いることができ、
図8に示すとおりである。
【0051】
例えば、
図3に示すように、曲げ領域BAは、曲げ軸BXと略平行である方向に沿って延伸する第1エッジE1を含む。第1凹溝31は第1エッジE1の表示領域DAに近い側に位置し、曲げ領域BAに隣接する。曲げ領域BAは曲げられた状態にある場合、曲げ領域BAの表面に応力集中が形成し、第1凹溝31が曲げ領域BAの第1エッジE1に隣接するため、曲げ領域BAに生じた応力を早めに分散しやすく、それにより、曲げ領域BAの破断リスクを迅速に低減させる。本開示の実施例では、第1凹溝31は曲げ領域BAに位置せず、従って、第1凹溝31を形成する時に曲げ領域BA内の層構造への影響を回避でき、第1凹溝31を容易に製造できるようになる。
【0052】
少なくともいくつかの実施例では、周辺遷移領域PTAは、第1ファンアウト領域FA1(Fanout area)を含み、第1凹溝31の一部は第1ファンアウト領域FA1に位置する。例えば、
図1及び
図3に示すように、第1ファンアウト領域FA1はそれぞれ表示領域DA及び曲げ領域BAに隣接し、本開示で使用される「隣接」という用語とは、隣り合い且つ互いに直接接続することを指し、すなわち、第1ファンアウト領域FA1は表示領域DAに隣り合い且つ互いに直接接続し、第1ファンアウト領域FA1はさらに曲げ領域BAに隣り合い且つ互いに直接接続する。表示領域DAから引き出される複数の信号線は第1ファンアウト領域FA1で集められた後にパッド領域WAへ延伸する。例えば、
図3に示すように、第1凹溝31のフレキシブル基板SUBでの正投影は第1ファンアウト領域FA1と部分的に重なり、すなわち、第1凹溝31の少なくとも一部のフレキシブル基板SUBでの正投影は第1ファンアウト領域FA1に位置する。表示領域DAから引き出される信号線は第1凹溝31と互いに交差し且つ第1凹溝31の上(すなわち、第1凹溝31のフレキシブル基板SUBから離れる側)に位置する場合、曲げ領域BAの曲げによる信号線の破断を回避でき、それにより、信号線の安全性を向上させ、信号の安定性を確保する。
【0053】
少なくともいくつかの実施例では、曲げ領域BAとパッド領域WAとの間の有機絶縁層OILに少なくとも1つの凹溝がさらに設置され、曲げ領域BAの破断リスクを低減させることができる。例えば、
図3に示すように、パッド遷移領域WTAの有機絶縁層OILに第2凹溝32がさらに設置され、第2凹溝32の延伸方向は曲げ軸BXと平行であってもよく、曲げ軸BXと平行ではなくてもよい。第2凹溝32の延伸方向は曲げ軸BXと平行である場合、第2凹溝32はどこでも曲げ応力を均一に分散し、局所的な破断を防止でき、従って、曲げ軸BXと平行であるように設置することは好ましい。例えば、
図3及び
図4に示すように、第2凹溝32は、曲げ軸BXと略平行である方向に沿って延伸し且つ曲げ領域BAに隣接する。さらに、少なくとも1つの例では、第2凹溝32の延伸方向と曲げ軸BXの延伸方向との間の夾角は175°~185°の間にある。
【0054】
例えば、
図3に示すように、曲げ領域BAは、第1エッジE1と対向して設置され、第1エッジE1の延伸方向と同じ、曲げ軸BXと略平行である方向に沿って延伸する第2エッジE2をさらに含む。例えば、第2凹溝32は、第2エッジE2の表示領域DAから離れる側に位置し且つ曲げ領域BAに隣接する。曲げ領域BAは曲げられた状態にある場合、曲げ領域BAの表面に応力集中が形成し、第2凹溝32が曲げ領域BAの第2エッジE2に隣接するため、曲げ領域BAに生じた応力を早めに分散しやすく、それにより、曲げ領域BAの破断リスクを迅速に低減させる。本開示の実施例では、第2凹溝32は曲げ領域BAに位置せず、従って、第2凹溝32を形成する時に曲げ領域BA内の層構造への影響を回避でき、第2凹溝32を容易に製造できるようになる。
【0055】
少なくともいくつかの実施例では、パッド遷移領域WTAは第2ファンアウト領域FA2を含み、第2凹溝32の一部は第2ファンアウト領域FA2に位置する。例えば、
図1及び
図3に示すように、フレキシブル基板SUBは第2ファンアウト領域FA2をさらに含み、第2ファンアウト領域FA2はパッド遷移領域WTAに位置し且つ曲げ領域BAに隣接し、すなわち、第2ファンアウト領域FA2は曲げ領域BAに隣り合い且つ互いに直接接続し、2つの領域の間に他の領域がない。例えば、
図3に示すように、第2凹溝32のフレキシブル基板SUBでの正投影は第2ファンアウト領域FA2と部分的に重なり、すなわち、第2凹溝32の少なくとも一部のフレキシブル基板SUBでの正投影は第2ファンアウト領域FA2に位置する。曲げ領域BAから延び出す信号線は第2凹溝32と互いに交差し且つ第2凹溝32の上(すなわち、第2凹溝32のフレキシブル基板SUBから離れる側)に位置する場合、曲げ領域BAの曲げによる信号線の破断を回避でき、それにより、信号線の安全性を向上させ、信号の安定性を確保する。本開示の実施例では、曲げ軸BXに垂直な方向における第1凹溝31及び第2凹溝32の幅は同じであってもよく、異なってもよく、曲げ軸BXに垂直な方向における第1凹溝31及び第2凹溝32の幅は互いに同じである場合、プロセス製造の複雑性を低減させることができる。
【0056】
少なくともいくつかの実施例では、曲げ領域BA内の有機絶縁層OIL(Organic Insulation Layer)に少なくとも1つの凹溝が設置されている。さらに、少なくとも1つの例では、曲げ領域BA内の有機絶縁層OILには、曲げ軸BXと略垂直である方向に沿って延伸する少なくとも1つの凹溝が設置されている。曲げ領域BAが曲げられる時にその表面に各方向における張力(すなわち曲げ応力)が生じ、曲げ軸BXに垂直な方向に凹溝を設置することにより、曲げ領域BAの縦方向における曲げ応力の分散に有利である。
図3に示すように、曲げ領域BA内の有機絶縁層OILには、曲げ軸BXと略垂直である方向に沿って延伸する第3凹溝33が設置されている。例えば、曲げ領域BAは第3エッジE3をさらに含み、第3凹溝33は第3エッジE3と密着される。さらに、少なくとも1つの例では、曲げ領域BA内の有機絶縁層OILには、曲げ軸BXと略垂直である方向に沿って延伸する第4凹溝34がさらに設置され、
図3に示すとおりである。曲げ領域BAは第4エッジE3をさらに含み、第4凹溝34は第4エッジE3と密着される。曲げ軸BXに垂直な方向における第3凹溝33及び第4凹溝34の幅は同じであってもよく、異なってもよく、曲げ軸BXと平行である方向における第3凹溝33及び第4凹溝34の幅は互いに同じである場合、プロセス製造の複雑性を低減させることができる。
【0057】
本開示の実施例では、第1凹溝31、第2凹溝32、第3凹溝33及び第4凹溝34のうちの任意2つの隣り合う凹溝は連通しなくてもよく、互いに連通してもよい。「連通」は、隣り合う2つの凹溝が互いに直接接続し、両者が互いに貫通することを示す。
図5は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの複数の凹溝の平面模式図である。
図5に示すように、第1凹溝31は第1端部310と、第2端部312とを含み、第2凹溝32は第1端部320と、第2端部322とを含み、第3凹溝33は第1端部330と、第2端部332とを含み、第4凹溝34は第1端部340と、第2端部342とを含む。4つの凹溝は互いに分離している状態にあり、すなわち、任意2つの隣り合う凹溝は互いに連通していない。
図5の4つの凹溝は互いに連通している状態にある場合、閉ループ凹溝の構造を形成する。このように、曲げ応力は複数の凹溝に伝達して分散でき、曲げ領域BAの破断をさらに回避する。1つの例では、
図3に示すように、第3凹溝33及び第4凹溝34は曲げ軸BXに垂直な方向に沿って曲げ領域BAを横切って延伸し、且つ第3凹溝33の第1端部330及び第4凹溝34の第1端部340はそれぞれ第1凹溝31の対向する両端310、312と接続され、第3凹溝33の第2端部332及び第4凹溝34の第2端部334はそれぞれ第2凹溝32の対向する両端320、324と接続される。4つの凹溝を互いに連通することにより、集中した応力を凹溝の間に伝達できるようになり、それにより、曲げ領域BAの破断リスクをさらに低減させる。
【0058】
図3に示すように、フレキシブル基板SUB上に、タッチ信号線5、共通信号線6、駆動信号線7、及びデータ接続線DCL(Data Connection Line)のような複数の信号線が設置されている。それらの信号線は表示領域DAから引き出され且つ少なくとも一部は、曲げ軸BXに垂直な方向に沿って第1ファンアウト領域FA1及び曲げ領域BAを通過してパッド領域WAに延伸する。少なくともいくつかの実施例では、第1凹溝31、第2凹溝32、第3凹溝33及び第4凹溝34のそれぞれのフレキシブル基板SUBでの正投影と、各信号線のフレキシブル基板SUBでの正投影との間には重なる領域がなく、このように、上記凹溝による従来の信号線の配線方式への影響を回避できる。例えば、本開示の実施例では、
図6に示すように、第1凹溝31は、タッチ信号線5、共通信号線6及び駆動信号線7と交差する位置で切断され、同様に、第2凹溝32は、タッチ信号線5、共通信号線6及び駆動信号線7と交差する位置で切断される。
【0059】
少なくともいくつかの実施例では、第1凹溝31及び第2凹溝32は、信号線と交差する位置で所定の間隔がある。
図6は本開示の実施例に係るフレキシブル表示パネルの第1凹溝及び第2凹溝の平面模式図である。
図6に示すように、例えば、第1凹溝31はタッチ信号線5と交差する位置で間隔314を有し、第1凹溝31は駆動信号線7と交差する位置で間隔316を有する。第2凹溝32は、タッチ信号線5と交差する位置で間隔324を有し、第2凹溝32は駆動信号線7と交差する位置で間隔326を有する。このように、表示領域DAから引き出されるタッチ信号線5は、まず第1凹溝31の間隔314を貫通し、次に第2凹溝32の間隔324を貫通する。第1凹溝31及び第2凹溝32にそれぞれ間隔314、316を設置することにより、2つの凹溝による従来のタッチ信号線5の配線への影響を回避でき、特に、タッチ信号線5の層変更への影響を回避できる。タッチ信号線5が複数あるため、複数のタッチ信号線5に対して複数の間隔を設置してもよく、
図6に示すように、複数のタッチ信号線5を収容できる1つの間隔314を設置してもよい。製造プロセスを簡略化させるために、複数の信号線を収容できる1つの間隔を設置することは好ましい実施形態である。本実施例では、信号干渉を回避するために、駆動信号線7とタッチ信号線5とは互いに分離しており、従って、駆動信号線7は、まず第1凹溝31の間隔324を貫通し、次に第2凹溝32の間隔326を貫通し、第1凹溝31及び第2凹溝32に間隔324、326を設置することにより、2つの凹溝による従来の駆動信号線7の配線への影響を回避でき、特に駆動信号線7の層変更への影響を回避できる。
【0060】
共通信号線6については、第1凹溝31及び第2凹溝32に共通信号線6を収容するための他の間隔を単独で設置してもよく、単独で設置せず、共通信号線6がタッチ信号線5と同一間隔を使用してもよい。レイアウトを合理的にし、且つ空間占用率を高くするために、本実施例の共通信号線6及びタッチ信号線5はいずれも間隔314、316に設置され、
図6に示すように、共通信号線6は、まず第1凹溝31の間隔314を貫通し、次に第2凹溝32の間隔324を貫通する。理解できるように、第1凹溝31及び第2凹溝32の設計が従来の信号線の配線方式に影響を与えない場合、信号線のために隙間又は間隔を予め残さなくてもよい。例えば、
図5に示される第1凹溝31及び第2凹溝32にはいずれも信号線のために予め残された間隔がないが、同様に曲げによる応力を分散できる。
【0061】
少なくともいくつかの実施例では、例えば、
図3に示すように、タッチ信号線5、共通信号線6及び駆動信号線7のそれぞれのフレキシブル基板SUBでの正投影と、第3凹溝33のフレキシブル基板SUBでの正投影との間には重なる領域がなく、タッチ信号線5、共通信号線6及び駆動信号線7のそれぞれのフレキシブル基板SUBでの正投影と、第4凹溝34のフレキシブル基板SUBでの正投影との間には重なる領域がない。さらに、第3凹溝33及び第4凹溝34のそれぞれは、複数の信号線のうち第2ファンアウト領域FA2から最も遠い信号線とフレキシブル基板SUBのエッジとの間に位置する。例えば、
図3に示すように、データ接続線DCLは第2ファンアウト領域FA2を貫通するが、タッチ信号線5、共通信号線6及び駆動信号線7はいずれも第2ファンアウト領域FA2を貫通せず、且つ第2ファンアウト領域FA2から最も遠い信号線は共通信号線6である。第3凹溝33及び第4凹溝34のそれぞれは、フレキシブル基板SUBのエッジと共通信号線6との間に位置する。
【0062】
少なくともいくつかの実施例では、フレキシブル表示パネル100はタッチ構造をさらに含む。作動原理に従い、タッチ構造は抵抗式、静電容量式、赤外線式等に分けられてもよい。それらのタッチ構造において、静電容量式タッチ構造は、感度が高く、耐用年数が長く、光透過率が高い等の利点がある。通常、静電容量式タッチ構造は相互静電容量型のものであってもよく、自己静電容量型のものであってもよい。静電容量式タッチ構造は相互静電容量型のものである場合、静電容量式タッチ電極はタッチ駆動電極と、タッチ誘導電極とを含み、静電容量式タッチ構造は自己静電容量型のものである場合、静電容量式タッチ電極は自己静電容量電極を含む。本開示の実施例は相互静電容量型のタッチ構造を例として説明する。
【0063】
例えば、
図3に示すように、フレキシブル表示パネル100はタッチ電極TE(Touching Electrode)と、タッチ信号線5とを含み、タッチ電極TEは表示領域DAに位置し、表示領域DAでのタッチの発生を検出するように配置される。例えば、タッチ電極TEは第1タッチ電極TE1と、第2タッチ電極TE2とを含む。複数の第1タッチ電極TE1はx方向に沿って延伸する第1タッチ電極線を構成し、複数の第2タッチ電極TE2はy方向に沿って延伸する第2タッチ電極線を構成する。複数の第1タッチ電極線と複数の第2タッチ電極線とは互いに交差し、それにより、第1タッチ電極線と第2タッチ電極線が交差する位置でタッチ静電容量が形成される。タッチする時に指等の接近による該タッチ静電容量の変化を検出することによりタッチ位置の検出を実現する。フレキシブル表示パネル100は複数のタッチ信号線5をさらに含み、各タッチ信号線5は表示領域DA内のタッチ電極TEと電気的に接続されるように配置される。例えば、
図3に示すように、タッチ信号線5は第1タッチ信号線52と、第2タッチ信号線54とを含む。各第1タッチ信号線52はx方向に沿って延伸する第1タッチ電極線と電気的に接続され、各第2タッチ信号線54はy方向に沿って延伸する第2タッチ電極線と電気的に接続される。簡略化のために、
図3の第1タッチ信号線52及び第2タッチ信号線54はそれぞれ3つのみを示しており、具体的に実現する時、各第1タッチ電極線は1つの第1タッチ信号線52と電気的に接続され、各第2タッチ電極線は1つの第2タッチ信号線54と電気的に接続され、このように、各タッチ電極TEによるタッチ信号はタッチ信号線5を介してパッド領域WAに伝送でき、パッド領域WAの接触パッド4を介して外部のタッチチップと電気的に接続される。
【0064】
図7は
図3のI-I線に沿う断面模式図である。
図8は
図3のフレキシブル表示パネルのQ1領域の拡大平面模式図である。
図9は
図8のA-A線に沿う断面模式図である。
【0065】
例えば、フレキシブル基板SUBはフレキシブル有機材料で製造されてもよく、該有機材料は、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等の樹脂類材料である。
【0066】
例えば、第1バリア層BRL1(Barrier Layer)はフレキシブル基板SUB上に設置される。第1バリア層BRL1はフレキシブル基板SUBの曲げ領域BAに位置する一部の上面を露出させることができる。第1バリア層BRL1は、湿気及び/又は酸素がフレキシブル基板SUBを浸透して貫通することを阻止するように配置され、且つ酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び/又は窒素酸化ケイ素(SiON)等の無機材料を含んでもよく、且つ多層又は単一層として形成されてもよい。そして、フレキシブル基板SUBの表面は相対的に平坦ではない場合、第1バリア層BRL1はフレキシブル基板SUBの表面平坦度を改善できる。
【0067】
例えば、バッファ層BFL(Buffer Layer)は第1バリア層BRL1上に設置される。バッファ層BFLは金属原子及び/又は不純物がフレキシブル基板SUBから半導体層へ拡散するのを防止又は減少させることができる。本開示の実施例では、バッファ層BFLは基板の曲げ領域BAに位置する一部の上面を露出させることができる。例えば、バッファ層BFLは、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)及び/又は窒素酸化ケイ素(SiON)等の無機材料を含んでもよく、且つ多層又は単一層として形成されてもよい。
【0068】
例えば、活性層はバッファ層BFL上に設置される。活性層は、例えば無機半導体材料(例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等)、有機半導体材料、酸化物半導体材料を含んでもよい。活性層は半導体層118を含む。半導体層118はゲート電極112と重なるチャネル領域と、それぞれチャネル領域の両側に設置されるソース領域及びドレイン領域とを含んでもよい。ソース領域及びドレイン領域はいずれもチャネル領域の不純物の濃度よりも高い不純物を含んでもよい。不純物はN型不純物又はP型不純物を含んでもよい。
【0069】
例えば、第1ゲート絶縁層GI1は活性層上に設置される。第1ゲート絶縁層GI1は活性層を被覆できる。例えば、第1ゲート絶縁層GI1は活性層の厚さを十分に被覆する。本開示の実施例では、第1ゲート絶縁層はフレキシブル基板SUBの曲げ領域BAに位置する一部の上面を露出させることができる。第1ゲート絶縁層は、例えばシリコン化合物、金属酸化物を含んでもよい。例えば、第1ゲート絶縁層GI1は窒素酸化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、カーボン酸化ケイ素(SiOxCy )、窒素炭化ケイ素(SiCxNy)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)等を含んでもよい。第1ゲート絶縁層GI1は単一層又は多層として形成されてもよい。
【0070】
例えば、第1ゲート電極層G1は第1ゲート絶縁層GI1上に設置される。例えば、第1ゲート電極層G1は表示領域DA内のゲート電極、表示領域DA内の第1記憶コンデンサ電極板122及び第1ファンアウト領域FA1内の複数の第1データ接続線DCL1を含む。ゲート電極層は、例えば金属、金属合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよい。例えば、ゲート電極層は金(Au)、金の合金、銀(Ag)、銀の合金、アルミニウム(Al)、アルミニウムの合金、窒化アルミニウム(AlNx)、タングステン(W)、窒化タングステン(WNx)、銅(Cu)、銅の合金、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、窒化クロム(CrNx)、モリブデン(Mo)、モリブデンの合金、チタン(Ti)、窒化チタン(TiNx)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaNx)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)、酸化ストロンチウムルテニウム(SRO)、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化錫(SnOx)、酸化インジウム(InOx)、酸化ガリウム(GaOx)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等を含んでもよい。ゲート電極は単一層又は多層を有してもよい。本開示の実施例では、第1ゲート電極層G1は互いに絶縁される複数のパターンを含み、ゲート電極、第1記憶コンデンサ電極板122及び複数の第1データ接続線DCL1は第1ゲート電極層G1における異なるパターンであり、それらは互いに絶縁され、複数の第1データ接続線DCL1の間も互いに絶縁される。
【0071】
例えば、第2ゲート絶縁層GI2は第1ゲート電極層G1上に設置される。第2ゲート絶縁層GI2はゲート電極、第1記憶コンデンサ電極板122及び複数の第1データ接続線DCL1を被覆することができる。本開示の実施例では、第2ゲート絶縁層はフレキシブル基板SUBの曲げ領域BAに位置する一部の上面を露出させることができる。第2ゲート絶縁層は、例えばシリコン化合物、金属酸化物を含んでもよい。例えば、第2ゲート絶縁層GI2は、窒素酸化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、カーボン酸化ケイ素(SiOxCy )、窒素炭化ケイ素(SiCxNy)、酸化アルミニウム(AlOx)、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化チタン(TiOx)等を含んでもよい。第2ゲート絶縁層GI2は単一層又は多層として形成されてもよい。
【0072】
例えば、第2ゲート電極層G2は第2ゲート絶縁層GI2上に設置される。第2ゲート電極層G2は、例えば、表示領域DA内の第2コンデンサ電極及び周辺領域PA内の複数の第2データ接続線DCL2を含む。本開示の実施例では、第2ゲート電極層G2は互いに絶縁される複数のパターンを含み、第2コンデンサ電極及び複数の第2データ接続線DCL2は第2ゲート電極層G2における異なるパターンであり、それらは互いに絶縁され、複数の第2データ接続線DCL2の間も互いに絶縁される。
図9から分かるように、第1データ接続線DCL1及び第2データ接続線DCL2は周辺遷移領域PTAにおいてフレキシブル基板SUBが位置する平面と平行である方向に沿って交互に設置され、このように、空間利用率を向上させ、周辺領域PAの膜層の厚さを減少させることができる。
図7では、記憶コンデンサ120は第1コンデンサ電極及び第2コンデンサ電極を含む。
図7の記憶コンデンサ120は、
図2を参照して説明された上記記憶コンデンサCstに対応してもよい。他の例では、
図7に示される記憶コンデンサの変形として、記憶コンデンサの第1コンデンサ電極は依然としてゲート電極と同じ層に設置されるが、記憶コンデンサの第2コンデンサ電極はソース電極114及びドレイン電極116と同じ層に設置され(すなわち、第1ソースドレイン導電層SD1にも位置する)、それにより、第1コンデンサ電極及び第2コンデンサ電極は層間絶縁層ILD及び第2ゲート絶縁層GI2の積層を誘電体材料として記憶コンデンサを形成する。
【0073】
例えば、層間絶縁層ILDは第2ゲート電極層G2上に設置される。層間絶縁層ILDは第2記憶コンデンサ電極板124及び複数の第2データ接続線DCL2を被覆する。本開示の実施例では、層間絶縁層ILDはフレキシブル基板SUBの曲げ領域BAに位置する一部の上面を露出させることができる。層間絶縁層ILDは、例えばシリコン化合物、金属酸化物等を含んでもよい。
【0074】
例えば、第1ソースドレイン導電層SD1は層間絶縁層ILD上に設置される。第1ソースドレイン導電層SD1は、例えば、表示領域DA内に位置するソース電極114及びドレイン電極116を含み、例えば、ソース電極114はソース領域と電気的に接続され、ドレイン電極116はドレイン領域と電気的に接続される。本開示の実施例では、第1ソースドレイン導電層SD1は、周辺遷移領域PTA及びパッド遷移領域WTAに位置する第1ソースドレイン導電性パターンをさらに含み、それにより、第1ソースドレイン導電性パターンは第1層変更領域RA1、曲げ領域BA及び第2層変更領域RA2を露出させる。本開示の実施例では、第1ソースドレイン導電層SD1は複数のパターンを含み、ソース電極114、ドレイン電極116、及び第1ソースドレイン導電性パターンは第1ソースドレイン導電層SD1における異なるパターンであり、それらは互いに絶縁されてもよく、互いに導通してもよい。第1ソースドレイン導電層SD1は金属、合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよく、例えば、第1ソースドレイン導電層SD1は金属で構成される単一層又は多層であってもよく、例えば、Mo/Al/Mo又はTi/Al/Tiである。
図7では、TFT110はゲート電極112、ソース電極114、ドレイン電極116、及び半導体層118を含む。
図7のTFT110は
図2を参照して説明された上記画素回路PCに含まれるTFTのうちの1つ(例えば、駆動TFT Td)に対応してもよい。
【0075】
少なくともいくつかの実施例では、有機絶縁層OILは少なくとも1つの平坦化層を含む。例えば、
図7及び
図9に示すように、有機絶縁層OILは、第1ソースドレイン導電層SD1上に設置される第1平坦化層PLN1を含む。例えば、第1平坦化層PLN1は表示領域DAに位置する第1平坦化パターンを含み、第1平坦化パターンは表示領域DA内のソース電極114及びゲート電極112を被覆し、且つ第1平坦化パターンは基本的に平坦な上面を有してもよい。本開示の実施例では、第1平坦化層PLN1は、周辺領域PAに位置する第1バリアパターン241をさらに含む。例えば、第1バリアパターン241は、表示領域DAの周囲を取り囲み、第2バリア22の一部とする。本開示の実施例では、第1平坦化パターン及び第1バリアパターン241は第1平坦化層PLN1における異なるパターンである。本開示の実施例では、第1平坦化層PLN1は、基板の曲げ領域BAに位置する、露出した上面を被覆し、このように、曲げ領域BAの弾性を強化でき、曲げ領域BAは破断されにくい。第1平坦化層PLN1は有機絶縁材料を含んでもよく、該有機絶縁材料は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル、ポリエステル、フォトレジスト、ポリアクリレート、ポリアミド、シロキサン等の樹脂類材料等を含む。また例えば、該有機絶縁材料は、例えばカルバミン酸エチル、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の弾性材料を含む。
【0076】
例えば、第2ソースドレイン導電層SD2は第1平坦化層PLN1上に設置される。第2ソースドレイン導電層SD2は、例えば、表示領域DA内に位置する中継電極140を含む。
図7に示すように、中継電極は、第1平坦化層PLN1に形成された接触孔を介してドレイン電極と電気的に接続され、同時に、中継電極は第2平坦化層PLN2に形成された他の接触孔を介して第1電極132と電気的に接続される。本実施例では、中継電極は第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2に孔径が比較的大きな接触孔を直接形成することを回避でき、それにより接触孔の電気的接続の品質を改善する。本開示の実施例では、第2ソースドレイン導電層SD2は、第1層変更領域RA1、曲げ領域BA、第2層変更領域RA2及びパッド遷移領域WTAに位置する第2ソースドレイン導電性パターンをさらに含み、このように、第2ソースドレイン導電性パターンが第1層変更領域RA1及び第2層変更領域RA2内の2つの開口部に位置するため、タッチ信号線5の層変更設計に有利である。本開示の実施例では、第2ソースドレイン導電層SD2は複数のパターンを含み、中継電極、第2ソースドレイン導電性パターンは第2ソースドレイン導電層SD2における異なるパターンであり、それらは互いに絶縁されてもよく、互いに導通してもよい。例えば、第2ソースドレイン導電層SD2は、金属、合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよく、例えば、第2ソースドレイン導電層SD2は、金属で構成される単一層又は多層であってもよく、例えば、Mo/Al/Mo又はTi/Al/Tiである。第2ソースドレイン導電層SD2の材料は、第1ソースドレイン導電層SD1の材料と同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0077】
少なくともいくつかの実施例では、有機絶縁層OILは第2平坦化層PLN2をさらに含む。例えば、
図7及び
図9に示すように、第2平坦化層PLN2は第2ソースドレイン導電層SD2上に設置される。例えば、第2平坦化層PLN2は表示領域DAに位置する第2平坦化パターンを含み、第2平坦化パターンは中継電極を被覆し、且つ第2平坦化パターンは基本的に平坦な上面を有してもよい。本開示の実施例では、第2平坦化層PLN2は、周辺領域PAに位置する2つの第2バリアパターン242をさらに含み、各第2バリアパターン242は表示領域DAの周囲を取り囲み、
図9の左側の第2バリアパターン242aは第1ソースドレイン電極層と直接接触し、第1バリア21の一部とすることができ、右側の第2バリアパターン242bは第1バリアパターン241を被覆し、第2バリア22の一部とすることができる。本開示の実施例では、第2平坦化層PLN2は第1層変更領域RA1及び第2層変更領域RA2を露出させる。本開示の実施例では、第2平坦化パターン及び第2バリアパターン242は第2平坦化層PLN2における異なるパターンである。第2平坦化層PLN2は有機絶縁材料を含んでもよく、該有機絶縁材料は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル、ポリエステル、フォトレジスト、ポリアクリレート、ポリアミド、シロキサン等の樹脂類材料等を含む。また例えば、該有機絶縁材料は、例えばカルバミン酸エチル、熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の弾性材料を含む。第2平坦化層PLN2の材料は、第1平坦化層PLN1の材料と同じであってもよく、又は異なってもよい。
【0078】
例えば、
図7に示すように、有機発光ダイオード130は第1電極132と、有機機能層134と、第2電極136とを含む。
図7の有機発光ダイオード130は
図2を参照して説明された上記有機発光ダイオードOLEDに対応してもよい。
【0079】
例えば、第1電極132は第2平坦化層PLN2の上に設置される。第1電極132は第2平坦化層PLN2における接触孔を介して中継電極と電気的に接続され、それによりTFT110のドレイン電極と電気的に接続される。第1電極132は導電性材料を含んでもよい。導電性材料は、例えば、金属、金属合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよい。第1電極132は多層構造を有してもよい。
【0080】
例えば、画素定義層PDL(Pixel Definition Layer)は第2平坦化層PLN2上に設置される。例えば、
図7に示すように、画素定義層PDLは表示領域DAに位置する第1画素定義パターンを含み、該第1画素定義パターンは第1電極132の一部を露出させることができる。例えば、有機機能層134は第1電極132の第1画素定義パターンにより露出される部分上に設置されてもよい。本開示の実施例では、画素定義層PDLは、周辺領域PAに設置される2つの第2画素定義パターン243a、243bをさらに含み、各第2画素定義パターンは表示領域DAの周囲を取り囲み、
図9の左側の第2画素定義パターン243aは左側の第2バリアパターン242aを被覆し、第1バリア21の一部とし、右側の第2画素定義パターン243bは右側の第2バリアパターン242bを被覆し、第2バリア22の一部とする。本開示の実施例では、画素定義層PDLは第1層変更領域RA1及び第2層変更領域RA2を露出させることができ、このように、信号線の層変更設計に有利である。画素定義層PDLは有機材料又は無機材料を含んでもよい。画素定義層PDLの材料は、ポリイミド、ポリフタルイミド、ポリフタルアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン又はフェノール樹脂等の有機絶縁材料を含んでもよく、又は酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機絶縁材料を含む。画素定義層PDLは多層構造を有してもよく、例えば、
図7に示すように、画素定義層PDLは積層した第1画素定義層PDL1及び第2画素定義層PDL2を含む。
【0081】
例えば、有機機能層134は発光層を含んでもよい。発光層は小分子有機材料又は重合体分子有機材料を含んでもよく、蛍光発光材料又は燐光発光材料であってもよく、赤色光、緑色光、青色光を発してもよく、又は白色光を発してもよい。さらに、需要に応じて、有機機能層134は正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等をさらに含んでもよい。
【0082】
第2電極136は導電性材料を含んでもよく、例えば、導電性材料は金属、金属合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよい。本開示の実施例では、有機発光ダイオードOLEDはトップエミッション型又はボトムエミッション型のものを用いてもよい。トップエミッション型OLEDを用いる場合、第1電極132は光反射性能を有する導電性材料を含み又は光反射膜を含み、第2電極136は透明又は半透明導電性材料を含む。ボトムエミッション型OLEDを用いる場合、第2電極136は光反射性能を有する導電性材料を含み又は光反射膜を含み、第1電極132は透明又は半透明導電性材料を含む。
【0083】
例えば、カプセル化層EPL(Encapsulation Layer)は画素定義層PDL上に設置される。
図7に示すように、カプセル化層EPLは表示領域DA内の有機発光ダイオード及び表示領域DA内の第1画素定義パターンを被覆して、有機発光ダイオードを密封し、それにより環境にある湿気及び/又は酸素による有機発光ダイオードの劣化を減少又は防止することができる。カプセル化層EPLは単一層構造であってもよく、多層構造であってもよく、該多層構造は無機層及び有機層を積層した構造を含む。例えば、カプセル化層EPLは、順に設置される第1無機カプセル化層EPL1、有機カプセル化層EPL2、第2無機カプセル化層EPL3を含んでもよい。さらに、カプセル化層EPLは周辺領域PAに延伸して周辺領域PAに位置する第1バリア21及び第2バリア22を被覆する。本開示の実施例では、カプセル化層EPLは第1層変更領域RA1、曲げ領域BA、第2層変更領域RA2、パッド遷移領域WTA及びパッド領域WAを露出させる。
【0084】
例えば、カプセル化層EPLの材料は窒素酸化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、高分子樹脂等の絶縁材料を含んでもよい。窒素酸化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)等の無機材料の緻密性が高く、水、酸素等の侵入を防止でき、有機カプセル化層の材料は、乾燥剤含有の高分子材料又は水蒸気を阻止可能な高分子材料等、例えば高分子樹脂等であってもよく、それにより表示基板の表面を平坦化処理し、且つ第1無機カプセル化層及び第2無機カプセル化層の応力を緩和でき、乾燥剤等の吸水性材料をさらに含んでもよく、それにより内部に侵入する水、酸素等の物質を吸収する。
【0085】
例えば、第2バリア層BRL2はカプセル化層EPL上に設置される。第2バリア層BRL2は表示領域DAに位置し且つ周辺領域PAに延伸してカプセル化層EPLを被覆する。本開示の実施例では、第2バリア層BRL2は第1層変更領域RA1、曲げ領域BA、及び第2層変更領域RA2を露出させる。該第2バリア層BRL2は上記第1バリア層BRL1と同じ材料を用いてもよく、ここで詳しい説明を省略する。本開示の実施例のフレキシブル基板SUB上に第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、バッファ層BFL、第2バリア層BRL2及び第1バリア層BRL1が設置されており、しかし、理解できるように、いくつかの例では、それらの層は実際の需要に応じて減少又は増加でき、本開示はこれを具体的に限定しない。
【0086】
少なくともいくつかの実施例では、第1タッチ導電層TL1は第2平坦化層PLN2のフレキシブル基板SUBから離れる側に設置される。例えば、
図7に示すように、第1タッチ導電層TL1は第2バリア層BRL2上に設置される。タッチ絶縁層TILは第1タッチ導電層TL1と第2タッチ導電層TL2との間に設置される。例えば、本開示の実施例では、表示領域DA内の各タッチ電極TEは上層と下層とを含み、下層は第1タッチ導電層TL1であり、上層は第2タッチ導電層TL2であり、両者の間はタッチ絶縁層TILによって互いに絶縁される。周辺領域PAでは、各タッチ信号線5も上層と下層とを含見、下層は第1タッチ導電層TL1であり、上層は第2タッチ導電層TL2であり、両者の間はタッチ絶縁層TILによって互いに絶縁される。各タッチ信号線5のタッチ絶縁層TILには、第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2と電気的に接続される接触孔が設置され、このように、2つのタッチ導電層は同じ信号を伝送し、且つ伝送抵抗を低減させることができる。さらに、少なくとも1つの例では、
図11に示すように、表示領域DAでは、第1絶縁層101上に第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2が設置され、第2絶縁層102は第1タッチ導電層TL1と第2タッチ導電層TL2との間に設置され、例えば、第1タッチ導電層TL1はブリッジ電極154を含み、第2タッチ導電層TL2はタッチ電極(TX電極)158及び誘導電極(RX電極)152を含み、RX電極152は第2絶縁層102に設置されるビア103を介してブリッジ電極154と電気的に接続される。少なくとも1つの例では、単一のタッチ導電層(第1タッチ導電層TL1又は第2タッチ導電層TL2)のみをタッチ信号線5として用いてもよく、同様に信号伝送の目的を達成できる。本開示の実施例では、第1タッチ導電層TL1は曲げ領域BAを露出させ、第2タッチ導電層TL2は第1層変更領域RA1、曲げ領域BA及び第2層変更領域RA2を露出させる。第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2のそれぞれは導電性材料を含んでもよい。導電性材料は、例えば、金属、金属合金、金属窒素化物、導電性金属酸化物、透明導電性材料等を含んでもよい。
【0087】
少なくともいくつかの実施例では、オーバーコート層OCは第2タッチ導電層TL2のフレキシブル基板SUBから離れる側に設置される。オーバーコート層OCは表示領域DAから周辺領域PAに延伸し、オーバーコート層OCは周辺遷移領域PTA内のタッチ信号線5を保護できる。オーバーコート層の材料は無機絶縁材料又は有機絶縁材料を含んでもよい。
【0088】
少なくともいくつかの実施例では、表示領域DAからパッド領域WAへ延伸する信号線は周辺遷移領域PTAの第1層変更領域RA1及びパッド遷移領域WTA内の第2層変更領域RA2に層変更を実現し、それにより、信号線の曲げ領域BA内の部分と曲げ領域BA外の部分とは異なる配線方式を有し、しかし、両部分は依然として電気的接続を維持する。このように、空間の使用率を向上させることができるだけでなく、非表示領域内(表示領域DA以外の領域)の膜層の厚さを減少させることもできる。
【0089】
少なくともいくつかの実施例では、タッチ信号線5の曲げ領域BA内の部分と曲げ領域BA外の部分とは異なる配線方式を有してもよい。例えば、
図8及び
図9に示すように、各タッチ信号線5は、曲げ領域BAに位置する第1タッチ部分502と、曲げ領域BA外に位置する第2タッチ部分504とを含み、且つタッチ信号線5の第1タッチ部分502及びタッチ信号線5の第2タッチ部分504は異なる膜層に位置する。つまり、第1タッチ部分502及び第2タッチ部分504は異なるレベル(level)上に位置する。例えば、
図9に示すように、第1タッチ部分502は第1平坦化層PLN1と第2平坦化層PLN2との間に位置し、第2タッチ部分504は第2平坦化層PLN2上に位置し、例えば、カプセル化層EPL上に位置する。さらに、本開示の実施例では、第1タッチ部分502及び第2タッチ部分504は異なる膜層を含む。例えば、タッチ信号線5の第1タッチ部分502は曲げ領域BA内の第2ソースドレイン導電層SD2を含み、さらに、該第1タッチ部分502は曲げ領域BA内の第2ソースドレイン導電層SD2で構成される。周辺遷移領域PTA及びパッド遷移領域WTAでは、第2タッチ部分504は第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2を含み、さらに、第2タッチ部分504は第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2を並列接続することで構成される。それから分かるように、第1タッチ部分502及び第2タッチ部分504は異なる膜層で構成される。例えば、第1層変更領域RA1では、タッチ信号線5の第2タッチ部分504の第2タッチ導電層TL2は第2平坦化層PLN2の開口部511を介してタッチ信号線5の第1タッチ部分502の第2ソースドレイン導電層SD2と接する。また例えば、第2層変更領域RA2では、タッチ信号線5の第2タッチ部分504の第2タッチ導電層TL2は第2平坦化層PLN2の開口部512を介してタッチ信号線5の第1タッチ部分502の第2ソースドレイン導電層SD2と接する。上記タッチ信号線5の層変更設計により、曲げ領域BA内の導電性膜層の厚さを減少させ、曲げによる信号伝送への影響を回避できるだけでなく、信号線の安全性及び空間使用率を向上させることもできる。
【0090】
例えば、
図3に示すように、共通信号線6は周辺領域PAに設置され、且つ開ループ方式で表示領域DAを部分的に取り囲む。共通信号線6は、有機発光素子と電気的に接続されて
図2に示される共通電圧ELVSSを提供するように配置される。
【0091】
少なくともいくつかの実施例では、周辺領域PAからパッド領域WAへ引き出される共通信号線6の曲げ領域BA内の部分と曲げ領域BA外の部分とは異なる配線方式を有してもよい。
図12は本開示の実施例に係る共通信号線の平面模式図である。
図13は
図12のC-C線に沿う断面図である。例えば、
図12及び
図13に示すように、各共通信号線6は、曲げ領域BAに位置する第1共通部分602と、曲げ領域BA外に位置する第2共通部分62とを含み、且つ第1共通部分602及び第2共通部分62は異なる膜層に位置する。つまり、第1共通部分602及び第2共通部分62は異なるレベル上に位置する。例えば、
図13に示すように、第1共通部分602は第1平坦化層PLN1上に位置し且つ第1平坦化層PLN1と第2平坦化層PLN2との間に位置し、第2共通部分62は層間絶縁層ILD上に位置する。上記共通信号線6の層変更設計により、曲げ領域BA内の導電性膜層の厚さを減少させ、曲げによる信号伝送への影響を回避できるだけでなく、信号線の安全性及び空間使用率を向上させることもできる。さらに、少なくとも1つの例では、第2共通部分62は、周辺遷移領域PTAに位置する第1サブ共通部分604と、パッド遷移領域WTAに位置する第2サブ共通部分606とを含む。本開示の実施例では、第1共通部分602、第1サブ共通部分604及び第2サブ共通部分606は異なる膜層で構成される。例えば、該第1共通部分602は曲げ領域BA内の第2ソースドレイン導電層SD2で構成される。第2サブ共通部分606は第1サブ共通部分604と同じ単一層構造を有してもよく、すなわち、第1ソースドレイン導電層SD1で構成され、第1サブ共通部分604と異なる構造を有してもよく、例えば二重層構造を有する。
図13に示すように、第2サブ共通部分606は第1ソースドレイン導電層SD1及び第2ソースドレイン導電層SD2で構成される場合、信号伝送の抵抗を減少させることができるため、これは好ましい。
【0092】
本開示の実施例では、
図12に示すように、共通信号線6の第2共通部分62の前記フレキシブル基板SUBでの正投影と、タッチ信号線5の第2タッチ部分504の前記フレキシブル基板SUBでの正投影との間には重なる領域があり、このように、異なる信号線の間が互いに干渉を回避できるだけでなく、空間使用率を向上させることもできる。本開示の実施例では、第1共通部分602は第1共通分岐611及び第2共通分岐612を含んでもよく、第1共通分岐611及び第2共通分岐612は同じ配線方式を用い、このように、製作しやすい。また、第1共通分岐611及び第2共通分岐612を設置することにより、第1共通部分602及び第1タッチ部分502を曲げ領域BA内の同じ層(すなわち第2ソースドレイン電極層)に設置し且つ両者の間が互いに絶縁され、つまり、共通信号線6の第1共通部分602の前記フレキシブル基板SUBでの正投影と、前記タッチ信号線5の第1タッチ部分502の前記フレキシブル基板SUBでの正投影との間には重なる領域がなく、このように、曲げ領域BA内の膜層の厚さを最大限に減少させ、曲げ領域BAの破断リスクを低減させることができる。
【0093】
少なくともいくつかの実施例では、周辺領域PAからパッド領域WAへ引き出される駆動信号線7の曲げ領域BA内の部分と曲げ領域BA外の部分とは異なる配線方式を有してもよい。
図3に示すように、駆動信号線7は共通信号線6の第2ファンアウト領域FA2から離れる側に位置し、駆動信号線7は画素回路PCと電気的に接続されるように配置される。
図14は
図3のフレキシブル表示パネルのQ2領域の拡大平面模式図である。例えば、
図14に示すように、駆動信号線7は、曲げ領域BA内に位置する第1駆動部分702と、曲げ領域BA外に位置する第2駆動部分74とを含み、第1駆動部分702及び第2駆動部分74は異なる膜層に位置する。少なくとも1つの例では、駆動信号線7の第2駆動部分74は、周辺遷移領域PTAに位置する第1サブ駆動部704と、パッド遷移領域WTAに位置する第2サブ駆動部706とを含む。駆動信号線7の層変更方式は
図13に示される共通信号線6の層変更方式と同じであり、駆動信号線7と共通信号線6との相違点は、駆動信号線7の第1駆動部分702が分岐構造を有さないことである。従って、駆動信号線7の第1駆動部分702は曲げ領域BA内の第2ソースドレイン導電層SD2で構成され、駆動信号線7の第1サブ駆動部704は第1ソースドレイン導電層SD1で構成され、駆動信号線7の第2サブ駆動部706は第1ソースドレイン導電層SD1及び第2ソースドレイン導電層SD2で構成される。
【0094】
少なくともいくつかの実施例では、周辺領域PAからパッド領域WAへ引き出されるデータ接続線DCLの曲げ領域BA内の部分と曲げ領域BA外の部分とは異なる配線方式を有してもよい。データ接続線DCLは前記表示領域DAから前記第1ファンアウト領域FA1、前記曲げ領域BA及び前記第2ファンアウト領域FA2を経て前記パッド領域WAに到達する。例えば、前記第1ファンアウト領域FA1及び前記第2ファンアウト領域FA2のそれぞれにおける前記データ接続線DCLの部分は前記第1ゲート電極層G1及び前記第2ゲート電極層G2を交互に設置することにより構成される。曲げ領域BAにおける前記データ接続線DCLの部分は第2ソースドレイン導電層で構成される。
【0095】
少なくともいくつかの実施例では、第1凹溝31は有機絶縁層OILを貫通する。例えば、有機絶縁層OILは第1平坦化層PLN1のみを含み、第1凹溝31は該第1平坦化層PLN1を貫通する。また例えば、有機絶縁層OILは第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2を含み、第1凹溝31は該第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2を貫通する。
図10は
図8のB-B線に沿う断面模式図である。例えば、
図10に示すように、第1凹溝31及び第2凹溝32のそれぞれは第1平坦化層PLN1及び第2平坦化層PLN2を貫通する。例えば、第1凹溝31は、第1平坦化層PLN1を被覆する第2平坦化層PLN2の側表面である側壁を含む。以下、第1凹溝31の側壁についての説明は、第2平坦化層PLN2の側表面についての説明であると理解でき、本開示の実施例では、第2平坦化層PLN2の側表面について繰り返し説明しない。少なくともいくつかの実施例では、側壁は、フレキシブル基板SUBが位置する平面に対して傾斜する平面傾斜面であってもよく、円弧状の傾斜面であってもよい。
図15は
図10のE領域の拡大模式図である。
図15に示すように、側壁302は円弧状の傾斜面である。
図16は本開示の実施例に係る第1凹溝の側壁の別の変形の模式図である。
図16に示すように、側壁312は傾斜する平面傾斜面である。
図16では、側壁312とフレキシブル基板SUBが位置する平面との間の夾角θ1は約20度~40度であり、このように、側壁は上面314から凹溝の底部へできるだけスムーズに遷移でき、曲げ応力を分散しやすいだけでなく、凹溝による段差を減少させることができる。しかし、
図16の側壁312と凹溝周縁の上面314との接続部に凸稜(破線枠)を形成する可能性があり、それにより曲げ領域BAによる曲げ応力が効果的に分散できないことを引き起こす。該凸稜の形成を回避するために、好ましくは、第1凹溝31の側壁302は円弧状の傾斜面であり、さらに、少なくとも1つの例では、
図15に示すように、円弧状の傾斜面は第1凹溝31の周縁に位置する第2平坦化層PLN2の上面304と接続され、且つ円弧状の傾斜面は該上面304と接続部Fで相接する。このように、側壁302と上面304との間の接続部Fに凸稜が形成せず、すなわち、応力集中点を形成できず、曲げ領域BAが曲げられる時、曲げ応力はFに集中できず、それにより曲げ領域BAによる曲げ応力をより効果的に分散できる。さらに、少なくとも1つの例では、側壁は円弧状の傾斜面である時、側壁の接線とフレキシブル基板SUBとの間の夾角の最大値θ2は約20度~40度の間にある。このように、凹溝による段差を減少させることができる。
【0096】
少なくともいくつかの実施例では、第1凹溝31の側壁は階段状を有してもよい。
図17は本開示の実施例に係る第1凹溝の側壁のさらに別の変形の模式図である。例えば、
図17に示すように、第1凹溝31の延伸方向に垂直する平面内に、側壁322は複数の側部322a、322b及び322cを含む。各側部は円弧状の傾斜面を有し、複数の円弧状の傾斜面は互いに接続されて側壁322を形成し、それにより階段状の側壁を形成する。複数の側部を設置することにより、曲げ応力を複数の側部に分散することができる。
図17では、フレキシブル基板SUBから最も遠い側部322aの円弧状の傾斜面は上面324と接続部で相接し、このように、接続部に凸稜を形成するのを回避でき、それにより上面が側壁にスムーズに遷移し、応力集中点の形成を回避する。理解できるように、本開示の実施例の第2凹溝32、第3凹溝33及び第4凹溝34の構造は上記第1凹溝31の構造を参照して設置してもよく、ここで詳しい説明を省略する。
【0097】
少なくともいくつかの実施例では、
図3に示すように、バリア2は第1バリア21及び第2バリア22を含む。第1バリア21は周辺領域PAに位置し、表示領域DAを取り囲む。第2バリア22は周辺領域PAに位置し、表示領域DAを取り囲み、第2バリア22は第1バリア21の表示領域DAから離れる側に位置し、このように、外部の水蒸気又は酸素ガスが表示領域DAに入ることをさらに防止でき、表示領域DAのために二重の保護を提供する。
【0098】
少なくとも1つの例では、
図3に示すように、第1バリア21は、周辺遷移領域PTAに位置する第1バリア部210と、周辺領域PAの周辺遷移領域PTA以外の他の領域に設置される第2バリア部212とを含む。第2バリア22は周辺遷移領域PTAに位置する第3バリア部220と、周辺領域PAの周辺遷移領域PTA以外の他の領域に設置される第4バリア部222とを含む。
図9に示すように、第1バリア部210は第2平坦化層PLN2及び画素定義層PDLを含む。少なくとも1つの例では、第1バリア部210は第2平坦化層PLN2及び画素定義層PDLで構成される。
図9に示すように、第3バリア部220は第1平坦化層PLN1、第1平坦化層PLN1を被覆する第2平坦化層PLN2と、第2平坦化層PLN2を被覆する画素定義層PDLとを含む。少なくとも1つの例では、第3バリア部220は、第1平坦化層PLN1、第1平坦化層PLN1を被覆する第2平坦化層PLN2及び第2平坦化層PLN2を被覆する画素定義層PDLで構成される。本開示の実施例では、第3バリア部220に比べて、第1バリア部210は第1平坦化層PLN1がないため、第1バリア部210のフレキシブル基板SUBに対する高さは第3バリア部220のフレキシブル基板SUBに対する高さよりも低く、このように、外部の水蒸気及び酸素ガスが表示領域DAに入るルートが長くなり、表示領域DAに入る難度が増加し、バリアの阻止能力がさらに向上する。
【0099】
少なくともいくつかの実施例では、第1バリア部210及び/又は第2バリア部212の第2平坦化層PLN2の側表面は上記第1凹溝31の側壁の構造を有してもよい。さらに、少なくとも1つの例では、第1バリア部210及び第2バリア部212のそれぞれの第2平坦化層PLN2の側表面は上記第1凹溝31の側壁の構造を有してもよい。例えば、
図7に示すように、第1バリア部210の第2平坦化層PLN2の側表面410及び第2バリア部212の第2平坦化層PLN2の側表面412は円弧状の傾斜面であってもよく、又は、第1バリア部210の第2平坦化層PLN2の側表面410及び第2バリア部212の第2平坦化層PLN2の側表面412はフレキシブル基板SUBが位置する平面に対して傾斜する平面傾斜面であり、例えば、
図16に示される平面傾斜面を有する。少なくとも1つの例では、第2平坦化層PLN2の側表面は傾斜する平面傾斜面である場合、第2平坦化層PLN2の側表面とフレキシブル基板SUBが位置する平面との間の夾角は約20度~40度であり、このように、側壁は第2平坦化層PLN2の上面から第1ソースドレイン導電層SD1にできるだけスムーズに遷移でき、それにより、傾斜面と第1ソースドレイン導電層SD1との間の傾斜角を小さくする。少なくとも1つの例では、第2平坦化層PLN2の側表面は円弧状の傾斜面である場合、第2平坦化層PLN2の側表面の接線とフレキシブル基板SUBとの間の夾角の最大値は約20度~40度の間にある。このように、側壁の傾斜角を徐々に小さくすることができる。傾斜角を小さくすることにより、バリアの上に形成される信号線の関連膜層の段差を低減させることができ、それにより製造プロセスに余分な信号線材料の残留を回避できる。例えば、
図7に示すように、第1バリア部210及び第2バリア部212上には第1タッチ信号線52を構成する第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2が形成される場合、第2平坦化層PLN2の側表面の傾斜角を小さくするため、第1タッチ導電層TL1と第2タッチ導電層TL2との段差を減少させ、それにより第1タッチ導電層TL1及び第2タッチ導電層TL2を製造する時に基板に余分なタッチ導電性材料を残留するのを回避する。
【0100】
図20は
図3のII-II線に沿う断面図である。少なくともいくつかの実施例では、
図20に示すように、フレキシブル基板SUBは、画素定義層PDLとカプセル化層EPLとの間に位置するスペーサー層OSLをさらに含み、該スペーサー層OSLは外部の水蒸気又は酸素ガスが表示領域DAに入るルートをさらに増加させ、それにより表示領域DA内の有機発光素子を保護することができる。少なくともいくつかの実施例では、該スペーサー層OSLは周辺領域PAの周辺遷移領域PTA以外の領域に位置する。さらに、少なくとも1つの例では、スペーサー層OSLは周辺領域PA内の2つの第2画素定義パターンを被覆することで、第2バリア部212及び第4バリア部222のそれぞれの一部を構成する。
図18は
図3のII-II線に沿う断面模式図である。例えば、
図18に示すように、第2バリア部212は第2平坦化層PLN2と、画素定義層PDLと、スペーサー層OSLとを含み、第4バリア部222は第1平坦化層PLN1と、第1平坦化層PLN1を被覆する第2平坦化層PLN2と、第2平坦化層PLN2を被覆する画素定義層PDLと、スペーサー層OSLとを含む。周辺遷移領域PTAにスペーサー層OSLが設置されないため、非表示領域内の膜層の厚さをさらに減少させ、曲げ応力による関連膜層への影響を減少させる。本開示の実施例では、スペーサー層OSLは有機材料を含み、例えば、画素定義層PDLの材料はポリイミド、ポリフタルイミド、ポリフタルアミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン又はフェノール樹脂等の有機絶縁材料を含んでもよい。
【0101】
本開示の実施例では、フレキシブル基板SUBの第2ファンアウト領域FA2とパッド領域WAとの間に検知領域DTA(Detection area)、制御回路領域CCA(Controlling Circuit Area)、第3ファンアウト領域FA3、集積回路領域ICがさらに設置されている。少なくとも1つの例では、検知領域DTAは外部検知装置と接続して画面、曲げ領域BAの断線等を検出するように配置される。少なくとも1つの例では、制御回路領域SCAは単極双投スイッチ等のセレクターMUXを含み、入力回路と出力回路との間に切り替えることに用いられる。
【0102】
本開示の実施例によれば、フレキシブル基板を含むフレキシブル表示パネルをさらに提供し、前記フレキシブル基板は、表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置する曲げ領域と、前記曲げ領域と前記パッド領域との間に位置し且つ前記曲げ領域と隣接するファンアウト領域と、を含む。該フレキシブル表示パネルは前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層をさらに含み、前記曲げ領域と前記パッド領域との間の前記有機絶縁層には、前記フレキシブル基板での正投影が前記ファンアウト領域と部分的に重なる凹溝が設置されている。
【0103】
本実施例の凹溝の構造及び設置方式は上記実施例における第2凹溝についての説明を参照でき、ファンアウト領域の設置方式は上記実施例における第2ファンアウト領域についての説明を参照でき、表示領域、周辺領域、パッド領域、曲げ領域、バリア、有機絶縁層等を含む他の用語は上記実施例における同じ用語についての説明を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。上記フレキシブル表示パネルには、曲げ領域とパッド領域との間の有機絶縁層に凹溝が設置され、凹溝の前記フレキシブル基板での正投影は前記ファンアウト領域と部分的に重なる。このように、曲げ応力の解放を容易にし、曲げ領域の破断を防止する。
【0104】
本開示の実施例によれば、フレキシブル基板を含むフレキシブル表示パネルをさらに提供し、前記フレキシブル基板は、表示領域と、前記表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、前記周辺領域の前記表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、前記周辺領域と前記パッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置される曲げ領域と、を含む。該フレキシブル表示パネルは、前記フレキシブル基板上に設置される有機絶縁層をさらに含み、前記曲げ領域内の前記有機絶縁層には、前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する少なくとも1つの凹溝が設置される。
【0105】
本実施例の少なくとも1つの凹溝構造及び設置方式は上記実施例における第3凹溝及び/又は第4凹溝についての説明を参照でき、表示領域、周辺領域、パッド領域、曲げ領域、バリア、有機絶縁層等を含む他の用語は上記実施例における同じ用語についての説明を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。上記フレキシブル表示パネルには、曲げ領域内の有機絶縁層に前記曲げ軸に垂直な方向に沿って延伸する少なくとも1つの凹溝が設置される。このように、曲げ応力の解放を容易にし、曲げ領域の破断を防止する。
【0106】
本開示の実施例によれば、上記いずれかの実施例のフレキシブル表示パネルを含むフレキシブル表示装置をさらに提供する。
【0107】
本開示の実施例によれば、フレキシブル表示パネルの製造方法をさらに提供し、フレキシブル基板を提供するステップであって、フレキシブル基板は、表示領域と、表示領域の周囲を取り囲む周辺領域と、周辺領域の表示領域から離れる側に位置するパッド領域と、周辺領域とパッド領域との間に位置し、曲げ軸に沿って曲がるように配置され、第1エッジを含む曲げ領域と、を含み、周辺領域は、曲げ領域とパッド領域との間に位置する周辺遷移領域を含む、ステップを含み、上記方法は、フレキシブル基板上に、周辺領域に位置し且つ表示領域の周囲を取り囲むバリアを形成するステップと、フレキシブル基板上に有機絶縁層を形成するステップと、周辺遷移領域内の有機絶縁層に第1凹溝を形成するステップであって、第1凹溝はバリアの表示領域から離れる側に位置し、曲げ軸と平行である方向に沿って延伸し、第1凹溝は第1エッジの表示領域に近い側に位置する、ステップと、をさらに含み、第1凹溝は有機絶縁層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成される。
【0108】
上記フレキシブル表示パネルの製造方法において、周辺遷移領域内の有機絶縁層に第1凹溝を形成し、且つ前記第1凹溝は、前記バリアの前記表示領域から離れる側に位置し、前記曲げ軸と略平行である方向に沿って延伸し、特に、第1凹溝を曲げ領域の第1エッジの前記表示領域に近い側に位置させる。このように、曲げ応力の解放を容易にし、曲げ領域の破断を防止する。
【0109】
少なくともいくつかの実施例では、有機絶縁層は、第1平坦化層及び第2平坦化層を含み、第1凹溝は第1平坦化層及び第2平坦化層を貫通するように形成される。
【0110】
有機絶縁層に第1凹溝を形成する方法は複数あってもよく、フォトエッチングプロセス、スパッタリング、蒸着のような物理的方法を含み、スピンコーティングのような化学的方法も含む。それらの方法において、好ましくは、フォトエッチングプロセスを用い、フォトエッチングプロセスにより形成される第1凹溝の側壁は弧状又は略弧状の傾斜面を有するためであり、このように、さらに曲げ応力の分散に有利である。
【0111】
図19A~
図19Dは本開示の実施例に係る第1凹溝を形成する各ステップの模式図である。少なくとも1つの例では、周辺遷移領域内の有機絶縁層に第1凹溝を形成するステップは以下を含む。
【0112】
例えば、
図19Aに示すように、第1バリア層BRL1、バッファ層BFL、第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、層間絶縁層ILDが形成されるフレキシブル基板SUB上に第1平坦なフィルム160を形成する。
【0113】
例えば、
図19Bに示すように、第1平坦なフィルム160をパターン化して第1平坦化パターン106を形成し、凹溝を形成しようとする領域に対応して、該第1平坦化パターンは第1開口部306を有する。次に、第1平坦化パターン106のフレキシブル基板SUBから離れる側に、第1平坦化パターン106を被覆する第2平坦化フィルム170を形成し、その後、第2平坦化フィルム170上にフォトレジスト180を堆積する。
【0114】
マスクMでフォトレジスト180を露光する。例えば、マスクMはグレーマスク又はハーフトーンマスクである。
図19Bに示すように、例えば、マスクMは完全に透明な領域M1と、部分的に透明な領域M2と、不透明な領域M3とを含む。フォトレジスト180は、例えば、ポジ型フォトレジストである。部分的に透明な領域M2の光透過率は完全に透明な領域M1の光透過率未満である。このように、露光過程において、完全に透明な領域M1に対応するフォトレジスト180の部分は完全に露光され、部分的に透明な領域M2に対応するフォトレジスト180の部分は部分的に露光され、不透明な領域M3に対応するフォトレジスト180の部分は露光されていない。
【0115】
次に、
図19Cに示すように、フォトレジスト180を現像して、フォトレジストパターン180’を得る。該フォトレジストパターン180’は、不透明な領域M3に対応する完全除去領域と、部分的に透明な領域M2に対応する部分保持領域と、完全に透明な領域M1に対応する完全保持領域とを含む。
【0116】
その後、このフォトレジストパターン180’を利用して第2平坦化フィルム170をエッチングする。例えば、第2平坦化フィルム170の完全除去領域に対応する部分を完全にエッチングし、次に、フォトレジストパターン180’に対してアッシングプロセスを行うことにより、完全保持領域内のフォトレジストを薄くし且つ部分保持領域内のフォトレジストを全て除去し、その後、第2平坦化フィルム170の部分保持領域に対応する部分をエッチングし、最後に残りのフォトレジストを剥離する。最終的に、
図19Dに示される第2平坦化層を得る。
図19Dから分かるように、第1凹溝3は第1平坦化パターン106及び第2平坦化パターン107を貫通し、且つ第1凹溝3の側壁は円弧状の傾斜面を有し、このように、側壁は第2平坦化パターンの上面から第1凹溝3の底部にできるだけスムーズに遷移でき、曲げ応力の分散を容易にし、且つ凹溝による段差を減少させることができる。
【0117】
上記パターン化プロセスでは、ネガ型フォトレジストを用いてもよく、その場合、用いられるマスクは、例えば、上記マスクMとパターン上で補完するマスクである。本開示の実施例の製造方法では、フレキシブル基板SUB、第1バリア層BRL1、バッファ層BFL、第1ゲート絶縁層GI1、第2ゲート絶縁層GI2、層間絶縁層ILD、有機絶縁層OIL、第1平坦化層PLN1、第2平坦化層PLN2(第2平坦化フィルムを含む)等の各層の具体的な材料、及び第1凹溝、第2凹溝、第3凹溝、第4凹溝の設置方式は上記実施例における説明を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。
【0118】
少なくともいくつかの実施例では、有機絶縁層は第1平坦化層のみで構成され、この時、第1凹溝は第1平坦化層のみを貫通するように形成される。この場合、第1平坦化層に第1凹溝を形成する具体的な方法は第2平坦化層に第1凹溝を形成する上記ステップを参照でき、ここで詳しい説明を省略する。
【0119】
少なくともいくつかの実施例では、上記製造方法は、パッド遷移領域の有機絶縁層に第2凹溝を形成するステップをさらに含む。第2凹溝も有機絶縁層に対してツートンマスクでパターン化プロセスを行うことにより形成されてもよい。さらに、少なくとも1つの例では、第1凹溝及び第2凹溝は同一プロセスで、同一ツートンマスクで形成され、このように、製造ステップを簡略化させることができる。理解できるように、第2凹溝を形成する方法は上記実施例における第1凹溝を形成する方法を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。
【0120】
少なくともいくつかの実施例では、上記製造方法は、曲げ領域に第3凹溝及び第4凹溝を形成するステップをさらに含み、第3凹溝、第4凹溝を形成する方法は同様に上記実施例における第1凹溝を形成する方法を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。
【0121】
少なくともいくつかの実施例では、上記製造方法は、曲げ領域に第3凹溝及び第4凹溝を形成するステップをさらに含み、第3凹溝、第4凹溝を形成する方法は同様に上記実施例における第1凹溝を形成する方法を参照でき、ここで詳しい説明を省略する。
【0122】
少なくともいくつかの実施例では、第1凹溝を形成する上記方法によって、さらに上記実施例に係る第2平坦化層の第2バリアパターンを形成することができ、第2平坦化層の側表面が第1凹溝の側壁と同じ構造を有し、ここで詳しい説明を省略する。
【0123】
本明細では、以下の点を説明する必要がある。
【0124】
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0125】
(2)明確のために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小され、すなわち、それらの図面は実際の縮尺関係で作成されていない。
【0126】
(3)矛盾しない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせて、新しい実施例を得ることができる。
【0127】
以上は、本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するためのものではなく、本開示の保護範囲は特許請求の範囲により決められる。
【国際調査報告】