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特表2023-514888ダイの活性表面上の流体フローチャネル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ダイの活性表面上の流体フローチャネル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230405BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20230405BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20230405BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20230405BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
G01N37/00 101
B81C1/00
B81B1/00
H01L21/56 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577120
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 US2021018730
(87)【国際公開番号】W WO2021173439
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/982,352
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】エマディ,アルビン
(72)【発明者】
【氏名】リバル,アルナウド
(72)【発明者】
【氏名】アガー,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ボゾルグ-グライェリ,タラ
【テーマコード(参考)】
3C081
5F044
5F061
【Fターム(参考)】
3C081AA17
3C081BA21
3C081BA22
3C081BA23
3C081BA30
3C081BA32
3C081CA02
3C081CA31
3C081CA32
3C081DA03
3C081DA27
3C081EA01
3C081EA27
3C081EA28
3C081EA29
5F044KK08
5F044KK16
5F044LL09
5F044QQ06
5F044RR18
5F044RR19
5F061AA01
5F061BA07
5F061CA05
5F061FA06
(57)【要約】
本明細書では、装置、センサシステムの様々な例、及び装置、センサシステムの態様を製造するための方法の例が提供される。本方法は、ダイを得ることを含み得る。ダイの表面上で1つ以上の電気接点にアクセスすることができる。本方法はまた、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を形成することを含み得る。本方法は、キャビティ内の第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させることによって流体ファンアウト領域を形成することを含み得る。本方法はまた、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内のキャビティの一部にダイを配置することであって、1つ以上の電気接点が前記ダイの表面上でアクセス可能であり、前記基板が前記ダイの前記表面上の前記電気接点にアクセス可能な露出した電気接点を含み、前記配置することが、前記ダイの上面の第1のエッジに隣接する前記キャビティ内の第1の空間と、前記ダイの前記上面の第2のエッジに隣接する前記キャビティ内の第2の空間とを画定する、ダイを配置すること、
前記ダイの下面と前記基板との間の前記キャビティ内にアンダーフィル層を形成すること、
前記第1の空間及び前記第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって前記流体ファンアウト領域を形成することであって、前記流体ファンアウト領域の表面は、前記ダイの前記上面と連続している、流体ファンアウト領域を形成すること、及び、
前記ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することであって、
前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分に蓋を取り付けて、前記活性表面と前記蓋との間に前記流体フローチャネルを形成することを含む、流体フローチャネルを形成すること、を含む方法。
【請求項2】
露出した前記電気接点を前記ダイの前記表面上の前記電気接点に結合することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記露出した電気接点及び前記ダイの前記表面上の前記電気接点が、ボンディングパッドを含み、前記露出した電気接点を含む前記ボンディングパッドが、それぞれ前記第1の空間又は前記第2の空間のうちの一方に方向付けて配置され、前記結合することが、前記露出した電気接点の各露出した電気接点を、前記ダイの前記表面上の前記電気接点の1つにワイヤボンディングして、ワイヤボンディング接続を形成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体フローチャネルを形成する前に、前記流体ファンアウト領域に前記硬化性材料を堆積させることにより、前記ワイヤボンディング接続を封入することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ダイの前記活性表面上に前記流体フローチャネルを形成することが、
前記封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように蓋を方向付けて配置することを更に含み、前記方向付けて配置することが、各上面を平らにする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ダイは、シリコンウエハと、パッシベーションスタックと、前記シリコンウエハの一部及び前記パッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビアとを更に含み、前記パッシベーションスタックが前記シリコンウエハの一部の下面の下に配置され、前記1つ以上のシリコン貫通ビアのそれぞれの一部が前記パッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を通して露出され、露出された各部分が前記電気接点に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記配置することが、前記露出した電気接点を前記電気接点に結合することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記露出した電気接点を前記ダイの前記表面上の前記電気接点に結合することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記結合することが、前記電気接点をリフローすることであって、前記ダイの前記電気接点がピラーバンプを含む、前記電気接点をリフローすること、及び、異方性導電フィルムを利用して前記電気接点を前記露出した電気接点に結合すること、からなる群から選択される方法を利用することを含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化性材料がエポキシ及び接着剤からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記流体ファンアウト領域を形成することが、前記硬化性材料を硬化させることを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記硬化させることが、前記硬化性材料を紫外線に曝露すること、及び前記硬化性材料を熱エネルギーに曝露することからなる群から選択される方法を利用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ダイが、センサを含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記センサが、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出デバイスを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記キャビティが、ダイキャビティ部分と、流体キャビティ部分と、トップレベル部分とを含み、前記ダイキャビティ部分と前記アンダーフィル層とが、組み合わさって、前記ダイと実質的に高さが等しく、前記流体キャビティ部分が、前記流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、前記トップレベル部分が、前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分の高さを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記基板内のキャビティの前記一部に前記ダイを配置することが、前記基板の前記ダイキャビティ部分に前記ダイを配置することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分が、回路基板の部分を含み、前記トップレベル部分が、前記回路基板と前記蓋との間の界面を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記蓋が、流体用の入口及び流体用の出口を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記蓋を取り付けることが、前記回路基板と前記蓋との間に接着剤を塗布することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ダイが、シリコンウエハから分離されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ダイの前記表面が、前記ダイの上面、活性表面を含む前記ダイの上面の一部、及び上面に平行な下面からなる群から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ダイであって、1つ以上の電気接点が前記ダイの表面上でアクセス可能である、ダイと、
キャビティを含む基板であって、前記ダイが、前記基板内の前記キャビティの一部に方向付けて配置され、前記基板が、前記ダイの前記表面上の前記電気接点に電気的に結合された露出した電気接点を含み、前記方向付けて配置することが、前記ダイの上面の第1のエッジに隣接する前記キャビティ内の第1の空間と、前記ダイの上面の第2のエッジに隣接する前記キャビティ内の第2の空間とを画定する、基板と、
前記第1の空間及び前記第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含む流体ファンアウト領域であって、前記流体ファンアウト領域の表面は前記ダイの前記上面と連続している、流体ファンアウト領域と、を含む装置。
【請求項23】
前記流体ファンアウト領域の前記表面及び前記ダイの前記上面によって画定される前記ダイの前記活性表面上の流体フローチャネルと、前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分に取り付けられた蓋とを更に含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ダイの下面と前記基板との間の前記キャビティ内にアンダーフィル層を更に含む、請求項22又は23に記載の装置。
【請求項25】
前記ダイが、シリコンウエハから分離されている、請求項22~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記露出した電気接点が、基板ボンディングパッドを含み、前記ダイの前記表面上の前記電気接点が、ダイボンディングパッドを含み、各ダイボンディングパッドが、ワイヤによって少なくとも1つの基板ボンディングパッドに結合されて、ワイヤボンディング接続を形成する、請求項22~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記ワイヤボンディング接続が、第2の硬化材料の中に封入されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記流体ファンアウト領域の前記表面及び前記ダイの前記上面によって画定される前記ダイの前記活性表面上の流体フローチャネルと、前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分に取り付けられた蓋とを更に含み、前記蓋が、前記封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように配置されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の硬化材料及び前記第2の硬化材料のそれぞれが、エポキシ及び接着剤からなる群から選択される、請求項27又は28に記載の装置。
【請求項30】
前記ダイは、シリコンウエハと、パッシベーションスタックと、前記シリコンウエハの一部及び前記パッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビアとを更に含み、前記パッシベーションスタックが前記シリコンウエハの前記一部の下面の下に配置され、前記1つ以上のシリコン貫通ビアのそれぞれの一部が前記パッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を通して露出され、露出された各部分が前記電気接点に結合されている、請求項22~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記ダイの電気接点が、ピラーバンプを含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記ダイが、センサを含む、請求項22~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記センサが、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出デバイスを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ダイの前記下面と前記基板との間の前記キャビティ内にアンダーフィル層を更に含み、前記キャビティが、ダイキャビティ部分と、流体キャビティ部分と、トップレベル部分とを含み、前記ダイキャビティ部分及び前記アンダーフィル層が、組み合わさって、前記ダイと実質的に高さが等しく、前記流体キャビティ部分が、前記流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、前記トップレベル部分が、前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の前記部分の高さを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項35】
前記ダイが配置されている前記基板内の前記キャビティの前記部分が、前記ダイキャビティ部分を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の前記部分が、回路基板の部分を含み、前記トップレベル部分が、前記回路基板と前記蓋との間の界面を含む、請求項34又は35に記載の装置。
【請求項37】
前記蓋が、流体用の入口及び流体用の出口を含む、請求項23又は28に記載の装置。
【請求項38】
前記流体フローチャネルが、前記活性表面から前記蓋まで約100umである、請求項23又は28に記載の装置。
【請求項39】
前記回路基板が、プリント回路基板及びセラミック回路基板からなる群から選択される、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記表面は、前記ダイの上面、活性表面を含む前記ダイの前記上面の一部、及び前記上面に平行な下面からなる群から選択される、請求項22~39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
センサと、キャリアのキャビティの基部にあるキャビティ表面上のダイの表面上でアクセス可能な1つ以上の電気接点とを含むダイをピックアンドプレースすることであって、前記キャリアが基板と前記キャビティを含み、前記基板が露出した電気接点を含み、前記配置することが、前記ダイの前記表面の第1のエッジに隣接する前記キャビティ内の第1の空間と、前記ダイの前記表面の第2のエッジに隣接する前記キャビティ内の第2の空間とを画定する、ダイをピックアンドプレースすること、
前記ダイの1つ以上の電気接点のそれぞれを前記基板の前記露出した電気接点の少なくとも1つに接続すること、
前記第1の空間及び前記第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって前記流体ファンアウト領域を形成すること、及び、
前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分に蓋を取り付けて、前記センサの活性表面と前記蓋との間に流体フローチャネルを形成すること、を含む方法。
【請求項42】
前記キャビティ表面が、アンダーフィル層を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ダイと、
キャビティを含む基板であって、前記ダイが前記基板内の前記キャビティの一部に方向付けて配置され、前記方向付けて配置することが、前記ダイの上面の第1のエッジに隣接する前記キャビティ内の第1の空間と、前記ダイの前記上面の第2のエッジに隣接する前記キャビティ内の第2の空間とを画定する、基板と、
前記第1の空間及び前記第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含む流体ファンアウト領域であって、前記流体ファンアウト領域の表面は前記ダイの前記上面と連続している、流体ファンアウト領域と、
前記流体ファンアウト領域の前記表面及び前記ダイの前記上面によって画定される前記ダイの活性表面上の流体フローチャネルと、前記流体ファンアウト領域に隣接する前記基板の部分に取り付けられた蓋と、を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、「ダイの活性表面上の流体フローチャネル」と題され、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/982,352号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
生物学的研究又は化学的研究における様々なプロトコルは、制御された反応を行うことを伴う。次いで、指定された反応を観察又は検出することができ、その後の分析は、反応に関与する化学物質の特性を同定又は明らかにするのを補助することができる。いくつかの多重アッセイでは、同定可能な標識(例えば、蛍光標識)を有する未知の分析物を、制御された条件下で、数千の既知のプローブに露出させることができる。各既知のプローブは、マイクロプレートの対応するウエルに入れることができる。既知のプローブとウエル内の未知の分析物との間で起こる任意の化学反応を観察することは、分析物の特性を同定又は明らかにするのを補助することができる。そのようなプロトコルの他の例としては、合成による配列決定(sequencing-by-synthesis、SBS)又は環状アレイ配列決定などの、既知のDNA配列決定プロセスが挙げられる。
【0003】
いくつかの蛍光検出プロトコルでは、光学系を使用して、励起光を蛍光団、例えば、蛍光標識した分析物上に向け、また蛍光団を取り付けた分析物から放射され得る蛍光発光シグナル光を検出する。提案された他の検出システムでは、フローセル内の制御された反応は、固体光センサアレイ(例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)検出器)によって検出される。これらのシステムは、蛍光放射を検出するための大型の光学アセンブリを含まない。フローセル内の流体フローチャネルの形状は、様々な用途におけるその有用性を決定し得、例えば、複数の液体フローを利用するセンサシステムでは、SBS又は環状アレイ配列決定が可能になり、それゆえ、特定の形状の流体フローチャネルがSBS又は環状アレイ配列決定に用いられる。
【発明の概要】
【0004】
したがって、フローセル製造メカニズムにとっては、フローセルの製造及び形成を個々のレベルで可能にすること、すなわち、ウエハ全体を用いて一度に複数のフローセルを形成するのではなく、各ダイを個別に製造し得るプロセスを用いて、個々のダイ上の流体フローチャネルの形成を制御することが有益であり得る。
【0005】
したがって、センサシステムで使用するデバイスを製造する方法を提供することによって、従来技術の欠点が克服され、本開示で後述するような利点が達成され得る。本方法の様々な例が以下で説明され、本方法は、以下に列挙する追加の例を含んで及び含まないで、任意の組み合わせで(これらの組み合わせが矛盾しない場合)、これらの欠点を克服する。当該方法は、基板内のキャビティの一部にダイを配置することであって、1つ以上の電気接点がダイの表面上でアクセス可能であり、基板がダイの表面上の電気接点にアクセス可能な露出した電気接点を含み、当該配置することが、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する、ダイを配置すること;ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を形成すること;第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって流体ファンアウト領域を形成することであって、流体ファンアウト領域の表面がダイの上面と連続している、流体ファンアウト領域を形成すること;及び、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することであって、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に蓋を取り付けて活性表面と蓋との間に流体フローチャネルを形成することを含む、流体フローチャネルを形成すること、を含む。
【0006】
いくつかの例では、当該方法は、また、露出した電気接点をダイの表面上の電気接点に結合することを含む。
【0007】
当該方法のいくつかの例では、露出した電気接点及びダイの表面上の電気接点は、ボンディングパッドを含み、露出した電気接点を含むボンディングパッドは、それぞれ第1の空間又は第2の空間のうちの一方に方向付けて配置され、当該結合することは、露出した電気接点の各露出した電気接点を、ダイの表面上の電気接点の1つにワイヤボンディングして、ワイヤボンディング接続を形成することを含む。
【0008】
いくつかの例では、当該方法はまた、流体フローチャネルを形成する前に、流体ファンアウト領域上に硬化性材料を堆積させることによってワイヤボンディング接続を封入することも含む。
【0009】
いくつかの例では、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することは、封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように蓋を方向付けて配置することを更に含み、方向付けて配置することにより各上面を平らにする。
【0010】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハの一部及びパッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビア(TSV)を更に含み、パッシベーションスタックは、シリコンウエハの一部の下面の下に配置され、1つ以上のシリコン貫通ビアのそれぞれの一部は、パッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を介して露出され、露出された各部分は、電気接点に結合される。
【0011】
いくつかの例では、配置することは、露出した電気接点を電気接点に結合することを更に含む。
【0012】
いくつかの例では、当該方法は、露出した電気接点をダイの表面上の電気接点に結合することを更に含む。
【0013】
いくつかの例では、結合することは、電気接点をリフローすることであって、ダイの電気接点がピラーバンプを含む、電気接点をリフローすること、及び、異方性導電フィルムを利用して電気接点を露出した電気接点に結合すること、からなる群から選択される方法を利用することを含む。
【0014】
当該方法のいくつかの例では、硬化性材料は、エポキシ及び接着剤からなる群から選択される。
【0015】
当該方法のいくつかの例では、流体ファンアウト領域を形成することは、硬化性材料を硬化させることを更に含み、方法は、硬化性材料を硬化させることを更に含む。
【0016】
いくつかの例では、硬化させることは、硬化性材料を紫外線に曝露すること、及び硬化性材料を熱エネルギーに曝露することからなる群から選択される方法を利用することを含む。
【0017】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、センサを含む。
【0018】
当該方法のいくつかの例では、センサは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイスを含む。
【0019】
当該方法のいくつかの例では、キャビティは、ダイキャビティ部分、流体キャビティ部分、及びトップレベル部分を含み、ダイキャビティ部分及びアンダーフィル層は、組み合わさって、ダイと実質的に高さが等しく、流体キャビティ部分は、流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、トップレベル部分は、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分の高さを含む。
【0020】
いくつかの例では、基板内のキャビティの一部分にダイを配置することは、基板のダイキャビティ部分にダイを配置することを含む。
【0021】
当該方法のいくつかの例では、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分は、回路基板の部分を含み、トップレベル部分は、回路基板と蓋との間の界面を含む。
【0022】
当該方法のいくつかの例では、蓋は、流体用の入口及び流体用の出口を含む。
【0023】
いくつかの例では、蓋を取り付けることは、回路基板と蓋との間に接着剤を塗布することを含む。
【0024】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハから分離されている。
【0025】
当該方法のいくつかの例では、ダイの表面は、ダイの上面、活性表面を含むダイの上面の一部、及び上面に平行な下面からなる群から選択される。
【0026】
センサシステムで使用する装置を提供することによって、従来技術の欠点が克服され得、本開示で後述するような利点が達成され得る。当該装置の様々な例が以下で説明され、当該装置は、以下に列挙する追加の例を含んで及び含まないで、任意の組み合わせで(これらの組み合わせが矛盾しない場合)、これらの欠点を克服する。当該装置は、ダイであって、1つ以上の電気接点がダイの表面上でアクセス可能である、ダイと;キャビティを含む基板であって、ダイが基板内のキャビティの一部に方向付けて配置され、基板がダイの表面上の電気接点に電気的に結合された露出した電気接点を含み、当該方向付けて配置することが、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する、基板と;流体ファンアウト領域であって、第1の空間及び第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含み、流体ファンアウト領域の表面がダイの上面と連続している、流体ファンアウト領域と、を含む。
【0027】
当該装置のいくつかの例では、当該装置は、流体ファンアウト領域の表面及びダイの上面によって画定されるダイの活性表面上の流体フローチャネルと、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に取り付けられた蓋とを更に含む
【0028】
当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を更に含む。
【0029】
当該装置のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハから分離されている。
【0030】
当該装置のいくつかの例では、露出した電気接点は、基板ボンディングパッドを含み、ダイの表面上の電気接点は、ダイボンディングパッドを含み、各ダイボンディングパッドは、ワイヤによって少なくとも1つの基板ボンディングパッドに結合されて、ワイヤボンディング接続を形成する。
【0031】
当該装置のいくつかの例では、ワイヤボンディング接続は、第2の硬化材料の中に封入されている。
【0032】
当該装置のいくつかの例では、蓋は、封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように配置されている。
【0033】
いくつかの例では、ダイは、シリコンウエハと、パッシベーションスタックと、シリコンウエハの一部及びパッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビアとを更に含み、パッシベーションスタックがシリコンウエハの一部の下面の下に配置され、1つ以上のシリコン貫通電極のそれぞれの一部がパッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を通して露出され、露出された各部分が電気接点に結合されている。
【0034】
いくつかの例では、ダイの電気接点は、ピラーバンプを含む。
【0035】
いくつかの例では、硬化材料及び第2の硬化材料のそれぞれは、エポキシ及び接着剤からなる群から選択される。
【0036】
いくつかの例では、ダイは、センサを含む。
【0037】
いくつかの例では、センサは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイスを含む。
【0038】
当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を更に含み、キャビティは、ダイキャビティ部分と、流体キャビティ部分と、トップレベル部分とを含み、ダイキャビティ部分及びアンダーフィル層は、組み合わさって、ダイと実質的に高さが等しく、流体キャビティ部分は、流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、トップレベル部分は、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分の高さを含む。
【0039】
いくつかの例では、ダイが配置されている基板内のキャビティの一部部は、ダイキャビティ部分を含む。
【0040】
いくつかの例では、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分は、回路基板の部分を含み、トップレベル部分は、回路基板と蓋との間の界面を含む。
【0041】
いくつかの例では、蓋は、流体用の入口及び流体用の出口を含む。
【0042】
いくつかの例では、流体フローチャネルは、活性表面から蓋まで約100umである。
【0043】
いくつかの例では、回路基板は、プリント回路基板及びセラミック回路基板からなる群から選択される。
【0044】
いくつかの例では、当該表面は、ダイの上面、活性表面を含むダイの上面の一部、及び上面に平行な下面からなる群から選択される。
【0045】
したがって、センサシステムで使用するデバイスを製造する方法を提供することによって、従来技術の欠点が克服され、本開示で後述するような利点が達成され得る。本方法の様々な例が以下で説明され、本方法は、以下に列挙する追加の例を含んで及び含まないで、任意の組み合わせで(これらの組み合わせが矛盾しない場合)、これらの欠点を克服する。当該方法は、センサと、キャリアのキャビティの基部にあるキャビティ表面上のダイの表面上でアクセス可能な1つ以上の電気接点とを含むダイをピックアンドプレースすることであって、キャリアが基板とキャビティとを含み、基板が露出した電気接点を含み、当該配置することが、ダイの表面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの表面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する、ダイをピックアンドプレースすること;ダイの1つ以上の電気接点のそれぞれを基板の露出した電気接点の少なくとも1つに接続すること;第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって流体ファンアウト領域を形成すること;及び、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に蓋を取り付けて、センサの活性表面と蓋との間に流体フローチャネルを形成すること、を含む。
【0046】
当該方法のいくつかの例では、ダイの電気接点は、ピラーバンプを含む。
【0047】
センサシステムで使用する装置を提供することによって、従来技術の欠点が克服され、本開示で後述するような利点が達成され得る。当該装置の様々な例が以下で説明され、当該装置は、以下に列挙する追加の例を含んで及び含まないで、任意の組み合わせで(これらの組み合わせが矛盾しない場合)、これらの欠点を克服する。当該装置は、キャビティを含む基板であって、ダイが基板内のキャビティの一部に方向付けて配置され、方向付けて配置することが、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する、基板と;第1の空間及び第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含む流体ファンアウト領域であって、流体ファンアウト領域の表面はダイの上面と連続している、流体ファンアウト領域と;流体ファンアウト領域の表面及びダイの上面と流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に取り付けられた蓋とによって画定されるダイの活性表面上の流体フローチャネルと、を含む。
【0048】
更なる特徴は、本明細書で説明する技術によって実現される。他の例及び態様は、本明細書で詳細に説明されており、特許請求される態様の一部と見なされる。本開示のこれらの及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面と併せてなされる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0049】
以下により詳細に考察される、前述の態様及び更なる概念の全ての組み合わせが、(かかる概念が相互に矛盾しないという条件で)発明の主題の一部であり、本明細書に開示される利点を達成することが企図されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
1つ以上の態様は、本明細書の最後にある特許請求の範囲において例として具体的に指摘され、明確に特許請求される。前述の内容及び目的、特徴、及び1つ以上の態様の利点は、添付図面と併せてなされる以下の詳細な説明から明らかである。
図1】センサが配置されるキャビティを備えた基板を含むフローセルの例である。
図2】センサが配置されるキャビティを備えた基板を含むフローセルの例である。
図3】センサが配置されるキャビティを備えた基板を含むフローセルの例である。
図4】センサが配置されるキャビティを備えた基板を含むフローセルの例である。
図5図5は、図1図4のフローセルのいずれかを製造するプロセスを示す例示的なワークフローである。
図6A】一例における、基板が図1のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図6B】一例における、基板が図1のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図6C】一例における、基板が図1のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図7A】一例における、図1のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図6A図6Cの基板の断面である。
図7B】一例における、図1のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図6A図6Cの基板の断面である。
図7C】一例における、図1のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図6A図6Cの基板の断面である。
図7D】一例における、図1のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図6A図6Cの基板の断面である。
図7E】一例における、図1のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図6A図6Cの基板の断面である。
図8A】一例における、図5及び図7A図7Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図8B】一例における、図5及び図7A図7Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図8C】一例における、図5及び図7A図7Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図9A】一例における、基板が図2のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図9B】一例における、基板が図2のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図9C】一例における、基板が図2のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図10A】一例における、図2のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図9A図9Cの基板の断面である。
図10B】一例における、図2のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図9A図9Cの基板の断面である。
図10C】一例における、図2のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図9A図9Cの基板の断面である。
図10D】一例における、図2のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図9A図9Cの基板の断面である。
図10E】一例における、図2のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図9A図9Cの基板の断面である。
図11A図5及び図10A図10Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図11B図5及び図10A図10Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図11C図5及び図10A図10Eに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図12A】一例における、基板が図3のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図12B】一例における、基板が図3のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図12C】一例における、基板が図3のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図13A】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図13B】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図13C】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図13D】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図13E】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図13F】一例における、図3のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図12A図12Cの基板の断面である。
図14A図5及び図13A図13Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図14B図5及び図13A図13Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図14C図5及び図13A図13Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図15A】一例における、基板が図4のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図15B】一例における、基板が図4のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図15C】一例における、基板が図4のフローセルを製造する方法で利用され得るように事前に設計された1つ以上のキャビティを有する基板の様々な図である。
図16A】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図16B】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図16C】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図16D】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図16E】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図16F】一例における、図4のフローセルを製造するためのプロセスの異なる段階における、図15A図15Cの基板の断面である。
図17A】一例における、図5及び図16A図16Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図17B】一例における、図5及び図16A図16Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図17C】一例における、図5及び図16A図16Fに示される方法を利用して製造されたフローセルの例の様々な図である。
図18A】基板を含むキャリアが複数のシリコンCMOSセンサを別々に収容するためのキャビティを含む、フローセルの例の様々な図である。
図18B】基板を含むキャリアが複数のシリコンCMOSセンサを別々に収容するためのキャビティを含む、フローセルの例の様々な図である。
図18C】基板を含むキャリアが複数のシリコンCMOSセンサを別々に収容するためのキャビティを含む、フローセルの例の様々な図である。
図19】サーマルビアの追加によって熱管理が実現されるフローセルの例である。
図20A】基板へのスルーカットの追加又は基板内の追加のキャビティによって熱管理が実現されるフローセルの例である。
図20B】基板へのスルーカットの追加又は基板内の追加のキャビティによって熱管理が実現されるフローセルの例である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
別々の図にわたって同じ参照番号が同じ又は機能的に同様の要素を指し、本明細書に組み込まれて、その一部を形成する添付図面は、本実装形態を更に例示し、実装形態の詳細な説明と共に、本実装形態の原理を説明する役割を果たす。当業者によって理解されるように、添付図面は、理解を容易にするために提供され、本実装形態の特定の例の態様を例示する。実装形態は、図に表す例に限定されない。
【0052】
用語「接続する(connect)」、「接続された(connected)」、「接触する(contact)」、「結合された(coupled)」などは、様々な異なる配設及びアセンブリ技術を含むように、本明細書で広義に定義される。これらの配設及び技術としては、限定されないが、(1)一方の構成要素と別の構成要素とを、それらの間にいかなる介在構成要素も伴うことなく(すなわち、構成要素同士が、直接物理的に接触して)、直接接合すること、及び(2)一方の構成要素と別の構成要素とを、他方の構成要素に「接続された」又は「接触している」又は「結合されている」一方の構成要素が、(それらの間に1つ以上の追加の構成要素が存在するにもかかわらず)他方の構成要素と何らかの動作的な連通状態(例えば、電気的、流体的、物理的、光学的、など)にあることを条件として、それらの間に1つ以上の構成要素を伴って接合すること、が挙げられる。互いに直接物理的に接触しているいくつかの構成要素は、互いに電気的に接触及び/又は流体的に接触していてもよく又はしていなくてもよいことを理解されたい。更に、電気的に接続された、電気的に結合された、光学的に接続された、光学的に結合された、流体的に接続された、又は流体的に結合された2つの構成要素は、直接物理的に接触していてもよく又はしていなくてもよく、1つ以上の他の構成要素が、それらの間に配置されていてもよい。
【0053】
本明細書で使用される「含む(including)」及び「含む(comprising)」という用語は、同じことを意味する。
【0054】
特許請求の範囲を含む本開示全体にわたって使用され得る用語「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような類似の用語は、処理における変動などに起因する、基準又はパラメータからの小さな変動を説明し、かつ考慮するために使用される。そのような小さな変動は、基準又はパラメータからのゼロ変動も含む。例えば、小さな変動は、±5%以下など、±2%以下など、±1%以下など、±0.5%以下など、±0.2%以下など、±0.1%以下など、±0.05%以下などの、±10%以下を指すことができる。本明細書で使用される場合、「実質的に」、「ほぼ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような同様の用語はまた、変動がないこと、すなわち、±0%を指す場合がある。
【0055】
本明細書で使用する場合、「フローセル」は、反応構造の上に延びて、反応構造の複数の反応部位と連通しているフローチャネルをそれらの間に形成する蓋を有するデバイスを含むことができ、また、反応部位で、若しくは反応部位の近くで生じる指定された反応を検出する検出デバイスを含むことができる。フローセルは、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)(光)検出デバイスなどの、ソリッドステート光検出又は「撮像」デバイスを含み得る。1つの具体的な例として、フローセルは、バイオアッセイシステムに流体的及び/又は電気的に結合することができるカートリッジ(一体型ポンプを有する)に流体的かつ電気的に結合することができる。カートリッジ及び/又はバイオアッセイシステムは、所定のプロトコル(例えば、合成による配列決定)に従ってフローセルの反応部位に反応溶液を送達し、複数の撮像事象を実行することができる。例えば、カートリッジ及び/又はバイオアッセイシステムは、フローセルのフローチャネルを通して、それによって反応部位に沿って、1つ以上の反応溶液を導くことができる。反応溶液のうちの少なくとも1つは、同じ又は異なる蛍光標識を有する4種類のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの例では、ヌクレオチドは、反応部位の対応するオリゴヌクレオチドなどの、フローセルの反応部位に結合する。これらの例のカートリッジ及び/又はバイオアッセイシステムは、次いで、励起光源(例えば、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)などの固体光源)を使用して、反応部位を照射する。いくつかの例では、励起光は、波長の範囲を含む所定の波長又は複数の波長を有する。入射励起光によって励起された蛍光標識は、フローセルの光センサによって検出され得る発光シグナル(例えば、励起光とは異なる、及び潜在的には互いに異なる、1つ又は複数の波長の光)を提供することができる。
【0056】
本明細書で説明するフローセルは、様々な生物学的又は化学的プロセスを実行する。より具体的には、本明細書で説明するフローセルは、指定された反応を示す事象、特性、品質、又は特徴を検出することが望ましい様々なプロセス及びシステムにおいて使用することができる。例えば、本明細書で説明するフローセルは、光検出デバイス、センサ(限定するものではないが、バイオセンサなど)、及びそれらの構成要素、並びにセンサ(バイオセンサなど)と共に動作するバイオアッセイシステムを含むこと、又はそれらと統合させることができる。
【0057】
フローセルは、個別に又は集合的に検出され得る複数の指定された反応を促進する。フローセルは、複数の指定された反応が並行して生じる多数のサイクルを実行する。例えば、フローセルを使用して、酵素的操作及び光又は画像検出/捕捉の反復サイクルを通して、DNA特徴の高密度アレイを配列決定することができる。このように、フローセルは、試薬又は反応溶液中の他の反応成分をフローセルの反応部位に送達する1つ以上のマイクロ流体チャネルと流体連通することができる。反応部位は、均一又は繰り返しパターンなどの所定の方法で提供又は離間することができる。あるいは、反応部位は、ランダムに分配することができる。反応部位のそれぞれは、関連する反応部位からの光を検出する1つ以上の光ガイド及び1つ以上の光センサと関連付けることができる。一例では、光ガイドは、光の特定の波長をフィルタ処理するための1つ以上のフィルタを含む。光ガイドは、例えば、フィルタ材料が特定の波長(又は波長範囲)を吸収し、少なくとも1つの所定の波長(又は波長範囲)がそこを通過することを可能にするように、吸収フィルタ(例えば、有機吸収フィルタ)とすることができる。いくつかのフローセルでは、反応部位は、指定された反応を内部で少なくとも部分的に区画化することができる反応凹部又はチャンバ内に位置し得る。
【0058】
本明細書で使用するとき、「指定された反応」は、対象となる検体などの対象となる化学物質又は生物学的物質の化学的、電気的、物理的、又は光学的特性(又は品質)のうちの少なくとも1つの変化を含む。特定のフローセルでは、指定された反応は、例えば、対象となる検体への蛍光標識生体分子の組み込みなどの正の結合事象である。より一般的には、指定された反応は、化学変換、化学変化、又は化学的相互作用であってもよい。指定された反応はまた、電気特性の変化であってもよい。特定のフローセルでは、指定された反応は、蛍光標識された分子を検体に組み込むことを含む。検体はオリゴヌクレオチドであってもよく、蛍光標識分子はヌクレオチドであってもよい。励起光が標識ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドに向けられ、蛍光団が検出可能な蛍光シグナルを発するときに、指定された反応が検出され得る。フローセルの別の例では、検出された蛍光は、化学発光又は生物発光の結果である。指定された反応はまた、例えば、ドナーフルオロフォアをアクセプタ蛍光団に近接させることによって蛍光(又はForster)共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer、FRET)を増加させるか、ドナーとアクセプタ蛍光団とを離すことによってFRETを減少させるか、消光剤をフルオロフォアから離すことによって蛍光を増加させるか、又は消光剤及び蛍光団を共局在させることによって蛍光を減少させることができる。
【0059】
本明細書で使用するとき、「電気的に結合された」及び「光学的に結合された」は、電源、電極、基材の導電性部分、液滴、導電性トレース、ワイヤ、導波路、ナノ構造、他の回路セグメントなどの任意の組み合わせの間で、それぞれ電気エネルギー及び光波を伝送することを指す。電気的に結合された及び光学的に結合されたという用語は、直接接続又は間接接続に関して使用されてよく、流体媒介物、空隙などの様々な媒介物を通過することができる。
【0060】
本明細書で使用するとき、「反応溶液」、「反応成分」又は「反応物質」は、少なくとも1つの指定された反応を得るために使用され得る任意の物質を含む。例えば、潜在的な反応成分としては、例えば、試薬、酵素、試料、他の生体分子、及び緩衝液が挙げられる。反応成分は、溶液中で本明細書で開示するフローセル中の反応部位に送達することができる、及び/又は反応部位に固定化することができる。反応成分は、直接的又は間接的に、フローセルの反応部位に固定化された対象となる検体などの別の物質と相互作用することができる。
【0061】
本明細書で使用するとき、用語「反応部位」は、少なくとも1つの指定された反応が生じ得る局所的領域である。反応部位は、物質がその上に固定され得る反応構造又は基材の支持表面を含んでもよい。例えば、反応部位は、その上に反応成分、例えば、その上に核酸のコロニーを有する反応構造(フローセルのチャネル内に配置され得る)の表面を含んでもよい。いくつかのフローセルでは、コロニー中の核酸は、同じ配列を有し、例えば、一本鎖又は二本鎖テンプレートのクローンコピーである。しかしながら、いくつかのフローセルでは、反応部位は、例えば一本鎖又は二本鎖の形態で、単一の核酸分子のみを含むことができる。
【0062】
用語「ファンアウト」は、検出器を越えて水平距離に延びる、検出器と共にパッケージ化された領域を特徴付けるために本明細書で使用される。例えば、CMOSセンサがフローセルの検出器として利用される場合、ファンアウトは、CMOSセンサの水平境界の両側の追加の水平距離を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「ピラーバンプ」という用語は、本明細書で例示及び説明される例において電気接点を説明するために使用される。「ピラーバンプ」という用語が使用される場合はいつでも、電気接点の様々な例が、本明細書に示される装置の様々な例においても使用され得る。ピラーバンプであり得る電気接点は、金属材料(例えば、Cu(銅)、Au(金)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)又はそれらの組み合わせ)などの導電性材料を含み得るが、他の導電性材料が利用され得ることが理解される。
【0064】
理解を容易にするために図面を下で参照するが、図面は尺度通りに描かれておらず、同じ又は同様の構成要素を示すために、異なる図にわたって同じ参照番号が使用される。
【0065】
バイオセンサなどのセンサとしてフローセルで利用できる検出デバイス及び画像センサには、CMOS及びファンアウト領域を含む画像センサ又は検出器が含まれる。CMOSの表面とファンアウト領域(両側)が活性表面を形成する。CMOS(例えば、図1のシリコンウエハ130)の活性表面の上には、フローセル100の蓋の一方の面によって画成される(マイクロ)流体フローチャネルと、シリコンウエハの活性表面及びこのシリコンウエハのこの表面の両側のファンアウト領域の部分を含む連続した表面とがある。フローセルの製造において、この流体フローチャネルは、複数のプロセスからなる製造技術を含む、様々な複雑な成形プロセスの1つ以上を利用して、CMOS又は他のセンサ上に形成され、各プロセスが不整合をもたらしたり、もたらさなかったりし得る。更に、システムの製造及び/又は構築における様々な要因が、システムの有用性に影響を与える場合がある。例えば、蓋をセンサ表面に接着すると、ピクセル領域のカバレッジが不適切になり、このために使用可能な全体のピクセル数が減少する可能性がある。SBSに使用できない可能性のあるチャネル形状の別の例は、センシング領域(例えば、活性表面)全体に一様な流体の流れを可能にするように設計されていない、蓋とCMOSの間のチャネルである。流体フローチャネルが使用可能な形状に形成されていない場合、試薬は交換されないか(例えば、シングルポット試薬)、又は信頼できる結果をもたらす態様で交換することができない。したがって、フローセルのあらゆる製造プロセスは、より少ないプロセス及び/又はより複雑でない成形プロセスを含んでいながら、結果として生じるフローセルが、バイオセンサプロセス(限定するものではないが、SBS又は環状アレイ配列決定など)で利用できる流体フローチャネルを含んでいることが望ましい。
【0066】
この目的のために、本明細書で論じられる例には、フローセルの形成又は製造において、操作されたキャビティベースの基板を含むことによって収率の向上をもたらす方法(及びその結果として生じる装置)が含まれる。本明細書で論じられる例では、キャビティベースの基板は、成形品及びダイを封入して、センサシステムを形成する。
【0067】
いくつかの例では、ファンアウト領域及びフローチャネルを含むセンサシステムは、キャビティベースの基板上に成形することによっても提供される。いくつかの例では、既存の方法において複雑な成形プロセスを利用することなく、配列決定に対する材料適合性を備えた流体フローチャネルが、個々のダイ(例えば、センサ)上に形成される。流体経路を作るために使用される材料が、配列決定試薬及び酵素と化学的及び生化学的に適合性がある場合、その材料は適合性がある。例えば、試薬の1つの酵素活性がフローチャネルの材料に接触することによって阻害されない場合、その材料は適合性がある。
【0068】
図1図4は、本明細書で論じられる方法の例を用いて形成することができるセンサシステムの例を示す。これらのセンサシステムを形成する様々なプロセスが議論されているが、図1図4は、結果として得られる装置のいくつかの例を説明するために提示されている。図1図4は全て、センサシステムの例の断面図である。図1図2は、いずれも、シリコンウエハ130(例えば、CMOS)からの熱伝達を可能にするための、シリコンウエハ130を通る1つ以上のTSV120を備えたフローセルの例を示す。図3図4は、TSVが熱伝達に利用されない、本明細書に開示された方法の例の結果として形成されたセンサシステムの例を示す。
【0069】
図1は、本明細書に記載の特定の方法を用いて形成されたフローセル100(本明細書では「センサシステム」とも呼ばれる)の例を提示する。図1では、フローセル100の一部は、センサ構造142を基板197を含むキャリア196と接合することによって形成される。キャリアは少なくとも1つのキャビティ105を含み、キャビティの底部は基板197を含み、センサ構造142が配置されるのはキャビティ105内である。キャビティ105は、センサ構造キャビティ部分109(これは、ダイキャビティ部分として理解することもできる)を含み、いくつかの例では、流体フローチャネル部分111(流体キャビティ部分として理解することもできる)を含む、本明細書で論じられる様々な部分を含むものと理解することができる。キャビティ105内のセンサ構造142の配置は、本明細書の様々な例で説明されている。
【0070】
図1の例に示されているように、フローセル100のセンサ構造142部分は、光感知作業(例えば、DNA配列決定)に利用されるシリコンウエハダイ130(例えば、CMOS)の活性(感光性)表面110を含む。化学コーティング(図示せず)がこの活性表面110に事前に適用されている場合がある。化学コーティング(図示せず)を含む、シリコンウエハダイ130の活性表面110の上には、フローセル100の蓋190の一方の面によって画成される(マイクロ)流体フローチャネル192と、シリコンウエハダイ130の活性表面110及びシリコンウエハダイ130のこの表面の両側のファンアウト領域180の部分を含む連続した表面とがある。この例に示されているように、蓋190がキャリア196に取り付けられている。活性表面110及び/又は活性表面110に隣接するファンアウト領域180に対向するようにキャリア196に蓋をすることによって、フローセルをそのセンサシステムの用途に利用するときの面積損失を回避することができる。
【0071】
この例では、(マイクロ)流体フローチャネル192は、キャリア196の一部によって更に画定される。この例では、センサ構造142を収容するキャビティ105に隣接するキャリア196の壁103の垂直高さは、キャビティ105内に配置されたときのセンサ構造142の垂直高さを超えている。例えば、蓋190(例えば、ガラス又はさもなければ半透明の蓋)は、キャリア壁103に対して、各キャリア壁103の上面で、蓋190及びキャリア196に接着剤を塗布することによって取り付けられても取り付けられなくてもよい。シリコンウエハダイ130がデジタル画像センサとして利用される場合、デジタル画像センサの活性表面110は、光を感知するためのフォトサイト又はピクセルを含む。これらの例では、センサの機能の非限定的な例として、例えば、光感知(例えば、感知される波長の所定の範囲を有する)、1つ以上の物質(例えば、生物学的又は化学的物質)の存在の検出、及び何かの濃度(例えば、イオン濃度)の変化の検出が挙げられる。
【0072】
図1に示される例では、センサ構造142はまた、いくつかの例では、RDLであるメタライゼーション層である1つ以上の裏面メタライゼーション層層上の、少なくともパッシベーション層140までシリコンウエハダイ130を通る1つ以上のTSV120を含む。いくつかの例では、パッシベーション層140は、より高い温度(例えば、約100C~180C)で堆積及び硬化されるポリアミド層である。TSV120への接続、つまりシリコンウエハダイ130への接続は、パッシベーション層140内に領域150を開口することによって容易になる。理解を容易にするために、パッシベーション層140は、図1において別個の層として示されている。ただし、このパッシベーション層140は、シリコンウエハダイ130(及びセンサ構造142)の一部であり、シリコンウエハダイ130(及びセンサ構造142)をより単純化した方法で描写するために、その存在にもかかわらず、本明細書の全ての図において別個の層として描かれていない。これらの開口領域は、パッシベーション層140への電気的接続を行い、パッド160を形成するために利用される。しばしばピラーバンプ170又はピラーバンプと呼ばれる電気接点が、パッド160に接して形成される。ピラーバンプ170は、導電性材料を含む任意の適切な材料を含むことができる。例えば、ピラーバンプ170は、金属材料(例えば、Cu(銅)、Au(金)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)又はそれらの組み合わせ)などの導電性材料を含み得るが、他の導電性材料が利用され得ることが理解される。一実装形態では、金属(例えば、Cu(銅)、Au(金)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)又はそれらの組み合わせ)は、元素、合金、又は金属含有複合体であり得る。「銅ピラーバンプ」という用語が使用されているが、銅はピラーバンプの提示材料としてのみ使用されており、ピラーバンプは銅からなる、又は銅を含んでいる必要はないことに留意されたい。ピラーバンプ170への接続は、アンダーフィル層173を介して、キャリア196の基板197部分に埋め込まれた電気接続175に提供される。この例では、センサ構造142はまた、ファンアウト領域180を含み、これは、本明細書の例で説明されるように、限定するものではないが接着剤及び/又はエポキシなどの材料から形成することができ、この材料は、限定するものではないが紫外線曝露及び/又は熱曝露などの方法によって硬化させることができる。
【0073】
図1の例の基板197は、少なくとも1つのRDL又は他のパッシベーション層182(例えば、ポリアミド)を含み得る。開口部は、(電気的接続のために)ピラーバンプ170へのアクセスを提供するために、RDL又は他のパッシベーション層182に形成される。この例では、基板197上で、RDL又は他のパッシベーション層182上に堆積された別のパッシベーション層182(例えば、ポリアミド、エポキシ、はんだマスクなど)は、RDL又は他のパッシベーション層182を保護し、信頼性を高め、電気的短絡を減少させ、場合によっては防ぎさえする。他のパッシベーション層の開口部は、電気接点175を介して、RDL又は他のパッシベーション層182、アンダーフィル173の下のパッシベーション層182への電気的接続を可能にする。
【0074】
図2は、1つ以上のTSV220を備えたフローセルの例であるが、基板297を含むキャリア296は、図1に示される例とは異なる。というのも、センサ構造242がキャリア296のキャビティ205内にキャリア296とセンサ構造242との間のアンダーフィル層を伴って配置された場合に、キャリア296の壁203がセンサ構造242と同じ高さになる。したがって、図2のキャリア296内のキャビティ205は、(マイクロ)流体フローチャネル292のために、基板297及び水平限界の両方を提供しない。このキャビティ205は、センサ構造キャビティ部分209(これは、ダイキャビティ部分としても理解することもできる)を含むが、流体フローチャネル部分は含まない。図2に示されるように、この例では、(マイクロ)流体フローチャネル292は、この例ではキャリア296の壁203の上面の上に追加される構造である高構造277によって部分的に形成される。高構造277を用いた(マイクロ)流体フローチャネル292の形成は、本明細書でより詳細に説明される。
【0075】
図1図2に示されるように、フローセル200は、部分的には、センサ構造242を基板297を含むキャリア296と組み合わせることによって形成される。フローセル200は、光感知作業(例えば、DNA配列決定)に利用される、シリコンウエハダイ230(例えば、CMOS)の活性(感光性)表面210を含む。化学コーティング(図示せず)がこの活性表面210に事前に適用されている場合がある。シリコンウエハダイ230の活性表面210の上には、フローセル200の蓋290(例えば、ガラス又はさもなければ半透明の蓋)の一方の面によって画成される前述の(マイクロ)流体フローチャネル292と、シリコンウエハダイ230の活性表面210及びシリコンウエハダイ230のこの表面の両側のファンアウト領域280の部分を含む連続した表面とがある。この例に示されるように、蓋290は、キャリア292の壁203の垂直高さが、キャビティ205内に配置されたときのセンサ構造242の垂直高さを超えるように延長する構造である高構造277に取り付けられる。センサ構造242と高構造277の高さの差である(シリコンウエハダイ230の活性表面210及びシリコンウエハダイ230のこの表面の両側のファンアウト領域280の部分から蓋290までにわたる)空間が(マイクロ)流体フローチャネル292を形成する。蓋290は、高構造277の上面に取り付けられている。この例及び図1では、活性表面210及び/又は活性表面210に隣接するファンアウト領域280に対向するように高構造277に蓋をすることによって、フローセルをそのセンサシステムの用途に利用するときの面積損失を回避することができる。
【0076】
図2に示される例では、センサ構造242は、いくつかの例では、RDLであるメタライゼーション層である1つ以上の裏面メタライゼーション層上の、少なくともパッシベーション層240までシリコンウエハダイ230を通る1つ以上のTSV220を含む。図1に示されるように、TSV220への接続、つまりシリコンウエハダイ230への接続は、パッシベーション層240内に領域250を開口することによって容易になる。理解を容易にするために、パッシベーション層240は、図2において別個の層として示されている。ただし、このパッシベーション層240は、シリコンウエハダイ230(及びセンサ構造242)の一部であり、シリコンウエハダイ230(及びセンサ構造242)をより単純化した方法で描写するために、その存在にもかかわらず、本明細書の全ての図において別個の層として描かれていない。これらの開口領域は、パッシベーション層240への電気的接続を行い、パッド260を形成するために利用される。しばしばピラーバンプ270又はピラーバンプと呼ばれる電気接点が、パッド260に接して形成される。ピラーバンプ270への接続は、アンダーフィル層273を介して、基板297に埋め込まれた電気接続275に提供される。この例では、センサ構造242はまた、ファンアウト領域280を含み、これは、本明細書の例で説明されるように、限定するものではないが接着剤及び/又はエポキシなどの材料から形成することができ、この材料は、限定するものではないが紫外線曝露及び/又は熱曝露などの方法によって硬化させることができる。
【0077】
図2の例の基板297はまた、少なくとも1つのRDL又は他のパッシベーション層282(例えば、ポリアミド)を含み得る。開口部は、(電気的接続のために)ピラーバンプ270へのアクセスを提供するために、RDL又は他のパッシベーション層282に形成される。この例では、基板297上で、RDL又は他のパッシベーション層182上に堆積された別のパッシベーション層284(例えば、ポリアミド、エポキシ、はんだマスクなど)は、RDL又は他のパッシベーション層282を保護し、信頼性を高め、電気的短絡を減少させ、場合によっては防ぎさえする。他のパッシベーション層282の開口部286は、電気接点275を介して、RDL又は他のパッシベーション層282、アンダーフィル273の下のパッシベーション層282への電気的接続を可能にする。
【0078】
図3図4は、図1図2と同様に、前述のごとく本明細書に開示される方法の例を用いて形成されたフローセルである。しかしながら、これらのフローセル300、400は、シリコンウエハ330、420(例えば、CMOS)からの熱伝達をもたらすTSVなしで形成される。フローセル300、400のいずれにおいても、ワイヤボンド331、431は、シリコンウエハダイ330、430(例えば、センサ)を、基板396、496を含むキャリア397、497に電気的に接続するために形成されるが、キャリア397、497におけるこの接続の一部の配置は、各キャリア397、497の1つ以上のキャビティ及び/又はキャビティの一部の形状によって異なる。
【0079】
ここで図3に目を向けると、センサ構造342を収容するキャリア397内のキャビティ305の一部は、センサ構造がアンダーフィル層373の上に配置された場合に、センサ構造342と同じ垂直高さである。センサ構造342の両側のファンアウト領域380、及び、シリコンウエハダイ330の活性表面310及びシリコンウエハダイ330のこの表面の両側にあるファンアウト領域380の部分を含む連続した表面である上面を有するセンサ構造342それ自体は、キャビティ305のこの部分を占める。キャビティのこの部分は、センサ構造キャビティ部分309(これは、ダイキャビティ部分として理解することもできる)を含むと理解することができる。ファンアウト領域380の部分に取り付けられているのは、ボンドパッド337である。したがって、これらのボンドパッドは、シリコンウエハダイ330の上面に形成される。図1図2のように、センサ構造342は、センサ構造342と基板397との間の転移層として機能するアンダーフィル373上のキャビティ305内に配置される。シリコンウエハダイ330(及びセンサ構造342)は、図3では別個の層として示されている、パッシベーション層340を含む。このパッシベーション層340は、シリコンウエハダイ330(及びセンサ構造342)をより単純化した方法で描写するために、その存在にもかかわらず、本明細書の全ての図において別個の層として描かれていない。
【0080】
図3に示される例では、センサ構造342は、キャリア396上の上面基板ボンドパッド341に電気的に接続されている。センサ構造342を収容するキャビティ305の部分の各側の少なくとも一方における各上面基板ボンドパッド341は、各側のファンアウト領域380に隣接して始まるキャリア396内のキャビティ305の部分に、センサ構造342の垂直高さの位置に存在するが、キャリア396内のキャビティ305の壁303に向かって水平に延在する。このフローセル300を形成する方法及び他の例が議論されるときに更に示されるように、キャビティ305の各側の水平空間は、上面基板ボンドパッド341を収容するのに十分な大きさを有する。このフローセル300では、ワイヤボンド331が形成されて、シリコンウエハダイ330(例えば、センサ)を、基板396を含むキャリア397に電気的に接続する。これらのワイヤボンド331は、シリコンウエハダイ330の上面上のボンドパッド337を上面基板ボンドパッド341に接続する。この例では、シリコンウエハダイ330の上面上のボンドパッド337は、電気ビア346に接続されている。いくつかの例(図示せず)には、これらの電気ビア346が含まれていない。図3には描かれていないが、いくつかのフローセルでは、例えば、これらの上面基板ボンドパッド341は、基板396の複数の金属層を通って延びる単一のビアを介して、又は代わりにいくつかのビアを介して、下部基板ボンドパッドに電気的に接続される。ワイヤボンドは、アルミニウム、銅、銀、金、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の金属から構成され得る。ワイヤボンド内の金属は、元素形態、合金形態、又は複合形態であり得る。例えば、ワイヤボンディングは、例えば、共晶金属結合を形成することを含み得る。
【0081】
図3では、シリコンウエハダイ330の上面上のボンドパッド337を上面基板ボンドパッド341に接続するワイヤボンド331、ボンドパッド337、及び上面基板ボンドパッド341が封入される。接続を封入するために利用される材料は、ファンアウト領域380を形成するために利用されるものと同じフィラー材料であってもよく、そうでなくてもよい。接続の封入部は、ボンドパッド337が形成されるファンアウト領域380の部分の上に、キャビティ305の全体の水平境界を規定するキャリア396の壁303の垂直高さに近接する垂直高さまで拡張する。(マイクロ)流体フローチャネル392は、フローセル300の蓋390の一方の面、(封入された接続328を含む部分を含まない)シリコンウエハダイ330の活性表面310を含む連続した表面の一部、及び接続の封入部328によって画成される。本明細書で論じられるように、マイクロ)流体フローチャネル392はまた、流体フローチャネル部分311(流体キャビティ部分として理解することもできる)、及びキャビティ305のワイヤボンディング封入部分324によって部分的に画成される。キャリア396、及び封入部328の上面は、蓋390と界面を形成する。(マイクロ)流体フローチャネル392は、蓋390及び活性表面310によって水平方向に画成される。
【0082】
次に、図4に目を向けると、キャリア496は、図1のキャリアと同様に、単一のキャビティ405を含み、キャビティ405内に、センサ構造442が、センサ構造442の底面と基板497のキャビティ405の上面との間の界面を形成するアンダーフィル473と共に配置されている。図3のセンサ構造342のように、図4のセンサ構造は、シリコンウエハダイ430上にボンドパッド437を含む。図1図3と同様に、このシリコンウエハダイ430は、キャビティ405に配置される前にウエハから分離される。本明細書で論じられるように、キャビティは2つの部分を含み、センサ構造442は、センサ構造キャビティ部分409(これは、ダイキャビティ部分として理解することもできる)に配置され、キャビティ405の流体フローチャネル部分は、(マイクロ)流体フローチャネル492の一部を画している。図3とは異なり、シリコンウエハダイ430上のボンドパッド437への上面基板ボンドパッド441は、センサ構造442が配置されるキャビティ405の外縁に近接して配置されている(センサ構造442は、キャビティ405内で相対的に中央に配置されている)。このフローセル400では、シリコンウエハダイ430(例えば、センサ)を、基板496を含むキャリア497に電気的に接続するために、ワイヤボンド431が形成されている。これらのワイヤボンド431は、シリコンウエハダイ430の上面上のボンドパッド437を、キャビティ405の同じ部分(例えば、センサ構造キャビティ部分409)内の上面基板ボンドパッド441に接続する。ワイヤボンド431、ボンドパッド437、及び上面基板ボンドパッド441を含む接続は、封入され、センサ構造442の各側に、キャビティ405の側面を形成するキャリア496の壁403に至るフィラーの領域を形成する。接続428の封入部は、ボンドパッド437を封入するために、ほぼ壁403の垂直高さまで、センサ構造442の上に延在し、シリコンウエハダイ430の各側のファンアウト領域480の少なくとも一部を覆っている。(マイクロ)流体フローチャネル492は、フローセル400の蓋490の一方の面、(封入化された接続を含む部分を含まない)シリコンウエハダイ430の活性表面410を含む連続した表面の一部、及び接続の封入部428によって画成される。キャリア496、及び封入部428の上面は、蓋490と界面を形成する。(マイクロ)流体フローチャネル492は、蓋490及び活性表面410によって水平方向に画成される。シリコンウエハダイ430(及びセンサ構造442)は、図3では別個の層として示されている、パッシベーション層340を含む。このパッシベーション層440は、シリコンウエハダイ430(及びセンサ構造442)をより単純化した方法で描写するために、その存在にもかかわらず、本明細書の全ての図において別個の層として描かれていない。
【0083】
図5は、部分的にはキャビティ405を備えたキャリア(キャリアは基板を含む)とダイを含むセンサ構造とを組み合わせることによって、フローセル(例えば、図1図4に示されるフローセル)を形成する本明細書に開示されるいくつかの例の特定の態様を示すワークフロー500である。図5に示されるように、例えば、本方法は、1つ以上の電気接点がダイの表面上でアクセス可能なダイ(すなわち、センサシステム142、242、342、442)を得ることを含み得る(510)。図1図4に示されるように、ダイ上の電気接点は、限定するものではないが、ダイの上面、活性表面を含むダイの上面の一部、及び/又は上面に平行な下面などのダイの様々な部分に配置することができる。図5に示されるように、本方法はまた、基板を含むキャリア内のキャビティ405の一部にダイを配置することを含み得、基板は、ダイの表面上の電気接点にアクセス可能な露出した電気接点を含み、その結果、上記配置することによって、露出した電気接点をダイの表面上の電気接点に結合することが可能になり、上記配置することは、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間、及びダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間を画定する(520)。
【0084】
図1図4に示されるように、アンダーフィル173、273、373、473は、センサ構造142、242、342、442と基板キャビティ105、205、305、405の底部との間に界面を形成することができ、したがって、図5の方法は、キャビティ内のダイの下面と基板との間にアンダーフィル層を形成することを含む(530)。この方法はまた、例えば、第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させてファンアウト領域を形成することによってファンアウト領域を形成することを含み、ファンアウト領域の表面は、ダイの上面と連続している(540)。上記のように、流体フローチャネルを形成することにより、フローセルを様々な目的に利用することが可能になり、この本方法は、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することを含み、キャリアのファンアウト領域に隣接する部分に蓋を取り付けて、活性表面と蓋との間に流体フローチャネルを形成することを含む(550)。
【0085】
図5の一般的なワークフロー500を念頭に置きながら、図6A図8Cは、図1のフローセル100の形成の様々な態様の例をより詳細に示している。
【0086】
図6A図6Cを参照すると、図6Aは、図1にも示されているキャリア196、696の上面図であり、基板697を含む。このキャリア696内のキャビティ605は、フローセル100(図1)を形成する際に異なる目的に役立つ、異なる深さ(高さ)の異なるセクションを有する。キャビティ605の1つのセクションであるセンサ構造キャビティ部分609(これはダイキャビティ部分として理解することもできる)は、ほぼ、場合によっては厳密に、センサ構造の垂直高さである(この高さは、センサ構造をキャビティ内のアンダーフィル605上にピックアンドプレースした後の高さ+/-標準公差であり、図示の例と互換性のある標準公差の例は、シータが約+/-0.07度で約+/-3umである)。第2のセクションである流体フローチャネル部分611(流体キャビティ部分として理解することもできる)は、センサ構造キャビティ部分609の上部を起点とし、フローセル100(図1)の最終的な流体フローチャネル部分の高さを規定する深さを有する(例えば、約100um)。キャビティ605は、キャリア696の最も高い箇所を含む壁603によって境界が定められている。キャリア696は、例えば、壁603(例えば、図6B図6C)の上面で蓋と界面を形成する。この界面を形成するために、本明細書で説明するように、界面を壁603の上面に適用することができる(例えば、図6B図6C)。
【0087】
図6Bは、図6Aのキャリア696の水平断面図である。この図は、センサ構造142(図1)の電気接点(例えば、ピラーバンプ170及びパッド160)を介してセンサ構造142(図1)が電気的に結合されるキャビティ605内の電気接点675、及び前述のアンダーフィル173(図1)を示している。この図では、センサ構造キャビティ部分609、流体フローチャネル部分611、及び壁603の高さの差がより明白である。電気接点675のいくつかの例も示されている。キャリア696が蓋190(例えば、図1)と界面を形成し得るのは、壁603の上面614である。
【0088】
図6Cは、キャリア696の垂直断面図である。この見通しの利く位置から見ると、センサ構造キャビティ部分609、流体フローチャネル部分611、及びキャビティ605全体の境界を定める壁603の相互間の垂直高さの差がより一目瞭然である。
【0089】
図7A図7Eは、図1のフローセル100を形成するための方法の特定の態様を示す。図7Aは、図6Aのキャリア696の別の断面図である。(流体フローチャネル部分711全体にわたって、センサ構造キャビティ部分709(ダイキャビティ部分として理解することもできる)から壁703までの水平距離が異なるために)図6Aのように視覚的に明白ではないが、図7Aは、センサ構造キャビティ部分709、流体フローチャネル部分711(流体キャビティ部分として理解することもできる)、及び壁703を含むキャリア796(キャリア696と同様)を示す。キャリア796は、基板を含み、限定するものではないがプリント回路基板(PCB)及び/又はセラミック回路基板などの材料から形成することができる。キャリア796の基板上の電気接点775は、それらがセンサ構造(図示せず)に電気的に結合され得るように露出されている。キャリア796は、信号をセンサ構造(図示せず)の底部(背面)からキャリア727の背面にルーティングするための内部電線(図示せず)を含む。したがって、キャリア796は、キャリア727の背面からセンサ構造(例えば、CMOS構造)への熱伝達を可能にする特徴(例えば、サーマルビア)を備える。
【0090】
図7Bを参照すると、本明細書に示されるように、ダイであるセンサ構造742は、1つ以上の電気接点(例えば、TSV720、ピラーバンプ770、バンプされた裏側パッド)がキャリア796の基板727上の電気接点775に結合されるように、センサ構造キャビティ部分709にピックアンドプレースされる。この例では、ダイ又はセンサ構造742は分離されている。いくつかの例では、ダイ又はセンサ構造の特定の部分(複数可)がポリマー材料でコーティングされている。ポリマー材料は、例えば、ゲルベースの材料であり得、例えば、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド-co-アクリロニトリル)(「PAZAM」)などの、ポリアクリルアミドゲルコーティングなどであり得る。一例では、ダイ又はセンサ構造は、表面に少なくとも1つのナノウェルを含み、コーティングは、ナノウェルの底部及び/又は側壁部分に存在する。コーティングが適用された後、コーティングの少なくとも一部が研磨される。ダイ又はセンサ構造742は、キャリア796に組み付ける前又は後にコーティングすることができる。一例では、ダイ又はセンサ構造742は、キャリア796に組み付ける前にコーティングされる。センサ構造742がセンサ構造キャビティ部分709内にピックアンドプレースされると、(例えば、異方性導電フィルムを使用してピラーバンプ770をリフローし、ピラーバンプ770と電気接点775との間の接触を行うことによって)電気的接続が行われる。
【0091】
図7Cは、アンダーフィル773層の形成を示しており、これは、所与の量のアンダーフィル材料を分注することによって実現することができる。先に論じたように、本明細書の図示の例では、アンダーフィル773は、センサ構造742と基板797との間に界面を提供する。低粘度エポキシ材料は、可能なアンダーフィル材料の例である。図示の例で利用できる特定のアンダーフィル材料としては、Loctite Eccobondシリーズ(Henkel)及び/又はEP29LPTCHT(MasterBond)が挙げられる。一例では、アンダーフィル材料は、約-65°Fから約+250°Fまで使用可能で、約75°Fにおける粘度が約200cpsの低粘度エポキシ材料である。アンダーフィルは、ダイの下に封入されているものやスタック全体の厚さにもよるが、約10umから約500umの結合後の厚さを可能にし得る。
【0092】
図7Dにおいて、ファンアウト領域780は、硬化性材料を堆積して、センサ構造キャビティ部分709の残りの部分(例えば、センサ構造742の両側の充填されていない空間)を埋めることによって形成される。キャリア796の一部分がセンサ構造キャビティ部分709の境界となるため、ファンアウト領域780を構成する硬化性材料は、成形構造なしで分注することができる。硬化性材料は、エポキシ及び/又は接着剤を含み得るが、これらに限定されない。この材料を硬化させる方法には、紫外線曝露及び/又は熱曝露のうちの1つ以上が含まれ得るが、これらに限定されない。得られるファンアウト領域780の高さが、センサ構造742の活性表面710と少なくとも同等になるように、硬化性材料が分注される。特定の実装形態では、ファンアウト領域780の上面は、センサ構造742の上面と実質的に同じ高さを有する。特定の実装形態では、ファンアウト領域780の上面は、センサ構造742の上面と同一平面上にある。ファンアウト領域780は、流体フローチャネル部分711内に延在しない。実装されると、ファンアウト領域780を形成する材料(例えば、エポキシ、接着剤)は、センサ構造742の活性表面710と基板797の表面との間を平坦化するか、その間に滑らかな移行部を形成して、流体が流れるための移行部を形成することができる。材料はまた、例えば、ギャップを覆い、接続角度で壁703(より深いキャビティの側壁)と接続することができる。
【0093】
図7Eは、キャリア796の流体フローチャネル部分711に流体フローチャネル792が形成された後のフローセル700を示している。流体フローチャネル792は、ファンアウト領域780に隣接するキャリア796の部分に蓋790を取り付けて、活性表面710と蓋790の間に流体フローチャネルを形成することによって、ダイ(センサ構造742)の活性表面710上に形成される。例えば、接着剤は、キャリア790の各壁703の上面において、蓋790及びキャリア796に塗布される。接着剤は、キャリア790の各壁703の上面と蓋790との間に界面793を形成する。
【0094】
図8Aは、図7A図7Eに示される方法を利用して形成されたフローセル800の上面図である。これは、図7Eのフローセル700の上面図として理解することもできる。この図で見られるように、センサ構造842は、半透明の蓋890を通して可視である。センサ構造842は、センサ構造キャビティ部分809(ダイキャビティ部分として理解することもできる)に配置される。流体フローチャネル部分811(流体キャビティ部分として理解することもできる)及び界面893の壁803も示されている。図8Aに示されるように、流体フローチャネル部分811は、異なる位置において、壁803によって境界が定められ、センサ構造842を収容するセンサ構造キャビティ部分809からの水平距離を変化させながら延びている。この例では、センサ構造キャビティ部分809の両側の形状は、三角形である。図8Bは、フローセル800の水平断面図であり、その一部については、図7Eの議論で説明した。
【0095】
図8Cは、フローセル800の垂直断面図である。この観点から、(マイクロ)流体フローチャネル892内の流体のための入口及び/又は出口を提供する流体孔867を蓋890内に見て取ることができる。キャリア896内のキャビティ805の形状及び向きは、(マイクロ)流体フローチャネル892の形状を変化させる。
【0096】
図5の一般的なワークフロー500の特定の態様に従って、図9A図11Bは、図2のフローセル200の形成の様々な態様の例をより詳細に示している。
【0097】
最初に図9Aを参照すると、同じく図2に示されているキャリア296(図2)、996の上面図であり、キャリアは基板997を含む。このキャリア996内のキャビティ905は、単一のセクションであるセンサ構造キャビティ部分909(これは、ダイキャビティ部分として理解することもできる)を有し、これは、ほぼ、場合によっては厳密に、センサ構造942の垂直高さである(この高さは、センサ構造942をキャビティ内のアンダーフィル905上にピックアンドプレースした後の高さ+/-標準公差であり、例えば、標準公差は、約+/-1umから約+/-10umの範囲であり得る)。キャビティ905は、その全てがセンサ構造キャビティ部分909であり、キャリア996の最も高い箇所である壁903(図9B図9C)によって境界が定められている。蓋290(図2)とキャリア996との間に界面を作り出すために、壁903の上面に取り付けられた高構造(スペーサー)と蓋990との間に界面が形成される。
【0098】
図9Bは、図9Aのキャリア996の水平断面図である。この図は、センサ構造242(図2)の電気接点(例えば、ピラーバンプ170及びパッド160)を介してセンサ構造242(図2)が電気的に結合されるキャビティ905内の電気接点975、及び前述のアンダーフィル273(図2)を示している。この例では、壁903の上面に取り付けられた高構造(スペーサー)は、蓋290(図2)と界面を形成して、(マイクロ)流体フローチャネル292(図2)を形成する。
【0099】
図10A図10Eは、図2のフローセル200を形成するための方法の特定の態様を示している。図10Aは、図10Aのキャリア1096の別の断面図である。図10Aは、壁1003によって画定されるキャビティ1005を含むセンサ構造キャビティ部分1009(ダイキャビティ部分として理解することもできる)のみを備えたキャリア1096(キャリア996と同様)を示す。キャリア1096は、基板を含み、限定するものではないがプリント回路基板(PCB)及び/又はセラミック回路基板などの材料から形成することができる。キャリア1096の基板上の電気接点1075は、それらがセンサ構造(図示せず)に電気的に結合され得るように露出されている。キャリア1096は、信号をセンサ構造(図示せず)の底部(背面)からキャリア1027の背面にルーティングするための内部電線(図示せず)を含む。したがって、キャリア1096は、キャリア1027の背面からセンサ構造(例えば、CMOS構造)への熱伝達を可能にする特徴(例えば、サーマルビア)を備える。
【0100】
図10Bを参照すると、本明細書に示されるように、ダイであるセンサ構造1042は、1つ以上の電気接点(例えば、TSV1020、ピラーバンプ1070、バンプされた裏側パッド)がキャリア1096の基板上の電気接点1075に結合されるように、センサ構造キャビティ部分1009にピックアンドプレースされる。この例では、ダイ又はセンサ構造1042は分離されている。いくつかの例では、ダイ又はセンサ構造の特定の部分(複数可)がポリマー材料でコーティングされている。ポリマー材料は、例えば、ゲルベースの材料であり得、例えば、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド-co-アクリロニトリル)(「PAZAM」)などの、ポリアクリルアミドゲルコーティングなどであり得る。一例では、ダイ又はセンサ構造は、表面に少なくとも1つのナノウェルを含み、コーティングは、ナノウェルの底部及び/又は側壁部分に存在する。コーティングが適用された後、コーティングの少なくとも一部が研磨される。ダイ又はセンサ構造1042は、キャリア1096に組み付ける前又は後にコーティングすることができる。一例では、ダイ又はセンサ構造1042は、キャリア1096に組み付ける前にコーティングされる。センサ構造1042がセンサ構造キャビティ部分1009内にピックアンドプレースされると、(例えば、異方性導電フィルムを使用してピラーバンプ1070をリフローし、ピラーバンプ1070と電気接点1075との間の接触を行うことによって電気的接続が行われる。
【0101】
図10Cは、アンダーフィル1073層の形成を示しており、これは、所与の量のアンダーフィル材料を分注することによって実現することができる。低粘度エポキシ材料は、可能なアンダーフィル材料の例である。図示の例で利用できる特定のアンダーフィル材料としては、Loctite Eccobondシリーズ(Henkel)及び/又はEP29LPTCHT(MasterBond)が挙げられる。一例では、アンダーフィル材料は、約-65°Fから約+250°Fまで使用可能で、約75°Fにおける粘度が約200cpsの低粘度エポキシ材料である。アンダーフィルは、ダイの下に封入されているものやスタック全体の厚さにもよるが、約10umから約500umの結合後の厚さを可能にし得る。先に論じたように、本明細書の図示の例では、アンダーフィル1073は、センサ構造1042と基板1097との間に界面を提供する。
【0102】
図10Dにおいて、ファンアウト領域1080は、硬化性材料を堆積して、センサ構造キャビティ部分1009の残りの部分(例えば、キャビティ1005内のセンサ構造1042の両側の充填されていない空間)を埋めることによって形成される。キャリア1096の一部(例えば、壁1003)がセンサ構造キャビティ部分1009の境界となるため、ファンアウト領域1080を構成する硬化性材料は、成形構造なしで分注することができる。硬化性材料は、エポキシ及び/又は接着剤を含み得るが、これらに限定されない。この材料を硬化させる方法には、紫外線曝露及び/又は熱曝露のうちの1つ以上が含まれ得るが、これらに限定されない。得られるファンアウト領域1080がキャリア1096の壁1003とほぼ同じ高さになるように、硬化性材料が分注される。その結果、キャリア1096の壁1014の上面、ファンアウト領域1080、及びセンサ構造1042(例えば、ダイ)の活性表面1010を含む連続した表面が形成される。実装されると、ファンアウト領域1080を形成する材料(例えば、エポキシ、接着剤)は、センサ構造1042の活性表面1010と基板1097の表面との間を平坦化するか、その間に滑らかな移行部を形成して、流体が流れるための移行部を形成することができる。材料はまた、例えば、ギャップを覆い、接続角度で壁1003(より深いキャビティの側壁)と接続することができる。
【0103】
図10Eは、流体フローチャネル1092の形成後のフローセル1000を示す。高構造1077(例えば、スペーサー)は、キャリア1096の壁1014の上面の一部に取り付けられている。スペーサーは、限定するものではないが、接着剤(例えば、両面接着剤)、エポキシ、固体充填剤を含むエポキシなどの様々な材料から構成され得る。例えば、スペーサーは、約10-50-100-500umの厚さの薄層であり得、両側に接着されている。
【0104】
流体フローチャネル1092は、蓋1090を高構造1077の上面に取り付けて活性表面1010と蓋1090との間に流体フローチャネル1011を形成することによって、ダイ(センサ構造1042)の活性表面1010上に形成される。例えば、接着剤は、蓋1090及び高構造1077の上面に塗布される。接着剤は、高構造1077の上面と蓋1090との間の界面を形成する。
【0105】
図11Aは、図10A図10Eに示される方法を利用して形成されたフローセル1100の上面図である。これは、図10Eのフローセル1000の上面図として理解することもできる。この図で見られるように、センサ構造1142は、半透明の蓋1190を通して可視である。センサ構造1142は、センサ構造キャビティ部分1109(これは、ダイキャビティ部分として理解することもできる)に配置され、キャビティ1105は、ピックアンドプレースプロセスの前にキャリア1196に工作されている。このキャビティ1105には1つのセクションがあるので、センサ構造キャビティ部分1109はキャビティ1105である。流体フローチャネル1192は、高構造1177、活性表面1110、及び蓋1190によって画成されている。壁1114の上面に、高構造1177(スペーサー)が取り付けられている部分があるため、図11Aの(マイクロ)流体フローチャネル1192は、図8Aの(マイクロ)流体フローチャネル892と形状が類似している。この形状により、これらの2つの例が同様の用途を共有することが可能となる。良好な流体工学(本明細書に記載の用途)及び流体交換を可能にする形状のいくつかの例としては、ダイヤモンド形状及びラグビーボール形状が挙げられるが、これらに限定されない。図11Bは、フローセル1100の水平断面図であり、その一部については、図10Eの議論で説明した。
【0106】
図11Cは、フローセル1100の垂直断面図である。この観点から、(マイクロ)流体フローチャネル1192内の流体のための入口及び/又は出口を提供する流体孔1167を蓋1190内に見て取ることができる。キャリア1196内のキャビティ1105の形状及び向きは、(マイクロ)流体フローチャネル1192の形状を変化させる。
【0107】
図12A図14Cは、図3のフローセル300の形成の様々な態様の例をより詳細に示している。以下で説明する方法で形成されたこれらのキャリアは、電気伝導性及び/又は熱伝導性を提供するためにTSVを用いない。したがって、センサ構造のこの違いに対応するために、キャリアには特定の違いが存在する。
【0108】
図12Aは、図3にも示されているキャリア396、1296の上面図であり、キャリアは基板397を含む。図6A図6Cのキャビティのように、このキャリア1296内のキャビティ1205は、フローセル300(図3)の形成において異なる目的に役立つ、異なる深さ(高さ)の異なるセクションを有する。ただし、電気的接続が異なるので、キャビティ1205の異なる部分の使用法も異なる。図12A図12Cを参照すると、様々な図が特定の態様をより明確に示している。キャビティ1205の1つのセクションであるセンサ構造キャビティ部分1209(これはダイキャビティ部分として理解することもできる)は、ほぼ、場合によっては厳密に、センサ構造の活性表面の垂直高さである(この高さは、センサ構造をキャビティ1205内にピックアンドプレースした後の高さ+/-標準公差であり、標準公差は、材料とプロセスの使用にもよるが、この例では、標準公差は約+/-1~10umであり得る)。第2のセクションである流体フローチャネル部分1211(流体キャビティ部分として理解することもできる)は、センサ構造キャビティ部分1209の上部を起点とし、フローセル1200の最終的な流体フローチャネル部分の高さを規定する深さを有する(例えば、約100um)。第3のセクションであるワイヤボンディング封入部分1224は、キャリア1296の2つの側面にのみ配置されるので、図12B及び図12Aにおいては見て取ることができるが、図12Cにおいては見て取ることができない。この第3のセクションは、センサ構造キャビティ部分1209の上部を起点とする深さを有する。キャビティ1205は、キャリア1296の最も高い箇所である壁1203によって境界が定められている。この図示の例では、キャリア1296が蓋と界面を形成するのは、壁1203の上面である。ただし、蓋は封入された電気接続の一部とも界面を形成する。この界面を形成するために、本明細書で説明されるように、界面は、壁1203の上面1214、並びに電気接続の封入部の一部に適用され得る。
【0109】
図12Bは、図12Aのキャリア1296の断面図である。この図は、キャビティ1205のワイヤボンディング封入部分1224に配置された電気接点である上面基板ボンドパッド1241を示している。センサ構造342(図3)は、これらの上面基板ボンドパッド1241に、センサ構造342(図3)の電気接点(例えば、ダイ(図3)上のボンドパッド337)からのワイヤボンド331(図3)を介して電気的に結合される。この図では、センサ構造キャビティ部分1209、ワイヤボンディング封入部分1224、及び壁1203の高さの差がより明白である。潜在的に熱性能を高めるために、サーマルビアをキャリア1296に統合することができる。
【0110】
図12Cは、キャリア1296の垂直断面図である。この見通しの利く位置から見ると、センサ構造キャビティ部分1209、流体フローチャネル部分1211、及びキャビティ1205全体の境界を定める壁1203の相互間の垂直高さの差がより一目瞭然である。
【0111】
図13A図13Eは、図3のフローセル300を形成するための方法の特定の態様を示している。図13Aは、図12Aのキャリア1296の別の断面図である。(ワイヤボンディング封入部分1224全体にわたって、センサ構造キャビティ部分1209から壁1203までの水平距離が異なるために)図12Aのように視覚的に明白ではないが、図13Aは、センサ構造キャビティ部分1309(ダイキャビティ部分として理解することもできる)、ワイヤボンディング封入部分1324、及び壁1303を含むキャリア1396(キャリア1296と同様)を示す。キャリア1396は、基板を含み、限定するものではないがプリント回路基板(PCB)及び/又はセラミック回路基板などの材料から形成することができる。基板上の電気接点は、キャリア1396上のワイヤボンディング封入部分1324の最も低い垂直高さ(ベース表面)に位置する上面基板ボンドパッド1341を含み、その結果、それらは、センサ構造(図示せず)に電気的に結合されることができる。ボンドパッド1341の底部からキャリア1327の背面に信号をルーティングする内部電線を含む基板1397の層間の接続(例えば、図示されていない層間のビア接続を有する基板/PCBの追加の金属層)は図示されていない。
【0112】
図13Bを参照すると、本明細書に示されるように、ダイであるセンサ構造1342がセンサ構造キャビティ部分1309にピックアンドプレースされる。この例では、ダイ又はセンサ構造1342は分離されている。いくつかの例では、ダイ又はセンサ構造の特定の部分がポリマー材料でコーティングされている。ポリマー材料は、例えば、ゲルベースの材料であり得、例えば、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド-co-アクリロニトリル)(「PAZAM」)などの、ポリアクリルアミドゲルコーティングなどであり得る。一例では、ダイ又はセンサ構造は、表面に少なくとも1つのナノウェルを含み、コーティングは、ナノウェルの底部及び/又は側壁部分に存在する。コーティングが適用された後、コーティングの少なくとも一部が研磨される。ダイ又はセンサ構造1342は、キャリア1396に組み付ける前又は後にコーティングすることができる。一例では、ダイ又はセンサ構造1342は、キャリア1396に組み付ける前にコーティングされる。図13Bはまた、アンダーフィル1373層の形成を示しており、これは、図7及び図11で論じたように所与の量のアンダーフィル材料を分注することによって実現することができる。先に論じたように、本明細書の図示の例では、アンダーフィル1373は、センサ構造1342と基板1397との間に界面を提供する。
【0113】
図13Cにおいて、ファンアウト領域1380は、硬化性材料を堆積して、センサ構造キャビティ部分1309の残りの部分(例えば、センサ構造1342の両側の充填されていない空間)を埋めることによって形成される。キャリア1396の一部がセンサ構造キャビティ部分1309の境界となるため、ファンアウト領域1380を構成する硬化性材料は、成形構造なしで分注することができる。硬化性材料は、エポキシ及び/又は接着剤を含み得るが、これらに限定されない。この材料を硬化させる方法には、紫外線曝露及び/又は熱曝露のうちの1つ以上が含まれ得るが、これらに限定されない。得られるファンアウト領域1380の高さが、センサ構造1342の活性表面1310と少なくとも同等になるように、硬化性材料が分注される。ファンアウト領域1380は、キャビティ1309のワイヤボンディング封入部分1324内に延在しない。
【0114】
図13Dは、キャビティ1309のワイヤボンディング封入部分1324において、上面基板ボンドパッド1341をキャリア1337上のパッドにワイヤボンディングすることを示している。ワイヤボンドは、アルミニウム、銅、銀、金、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の金属から構成され得る。ワイヤボンド内の金属は、元素形態、合金形態、又は複合形態であり得る。例えば、ワイヤボンディングは、例えば、共晶金属結合を形成することを含み得る。
【0115】
図13Eは、ワイヤボンディングされた接続を封入すること(接続1328の封入部を形成すること)を示す。封入部1328に使用される材料(例えば、ファンアウト領域1380を形成するために使用されるのと同じ材料であり得る硬化性材料)が、センサ構造1342の活性表面1310上に流れないのを確実にするために、1つ以上のピンを利用してもよい。ワイヤボンド1331、(ダイ上の)ボンドパッド1337、及び(基板1397上の)上面基板ボンドパッド1341を含む接続を封入する際、キャビティのワイヤボンディング封入部分1324に硬化性材料が充填される。封入部1328(例えば、接着剤、エポキシ)の上面は、最初は平坦ではない場合があり、図13Fに示されるように、ガラス蓋を配置する際に平坦にされてもよい。封入部1328も流体フローチャネルの境界となるので、封入部1328の側壁の形状は、フローセルの有用性に寄与することができる。例えば、封入部1328(例えば、接着剤/ダム)の壁は、真っ直ぐであってもよく、また、角度が付けられていても、又は湾曲していてもよい。
【0116】
図13Fは、キャビティ1309の流体フローチャネル部分1311(流体キャビティ部分として理解することもできる)に流体フローチャネル1392が形成された後の、ワイヤボンディング封入部分1324が側面にしかないために、接続が封入されたときに材料で満たされていないフローセル1300を示す。流体フローチャネル1392は、ファンアウト領域1380及び/又は封入部1328の上面に隣接するキャリア1396の部分に蓋1390を取り付けて、活性表面1310と蓋1390との間に流体フローチャネルを形成することによって、ダイ(センサ構造1342)の活性表面1310上に形成される。例えば、接着剤は、キャリア1390の各壁1303の上面で、蓋1390及びキャリア1396に塗布される。接着剤は、キャリア1390の各壁1303の上面又は封入部1328の上面と、蓋1390との間に界面を形成する。
【0117】
図14Aは、図13A図13Fに示される方法を利用して形成されたフローセル1400の上面図である。これは、図13Fのフローセル1300の上面図として理解することもできる。この図で見られるように、センサ構造1442は、半透明の蓋1490を通して可視である。センサ構造1442は、キャビティ1405のセンサ構造キャビティ部分1409(ダイキャビティ部分として理解することもできる)に配置される。キャビティ1405の流体フローチャネル部分1411(流体キャビティ部分としても理解することができる)も示されている。図14A図14B及び図14Cの異なる部分に示されているように、流体フローチャネル部分1411は、2つの側では(ダイ上のボンドパッド1437を封入する)封入部1428によって境界を定められ、その他の側では壁1403によって境界を定められる形で、異なる位置で延在して、(マイクロ)流体フローチャネル1492を定義している。壁1403は、センサ構造1442を収容するセンサ構造キャビティ部分1409からの水平距離が異なっている。この例では、センサ構造キャビティ部分1409の両側の形状は、三角形である。図14Bは、フローセル1400の水平断面図であり、その一部については、図13Fの議論で説明した。
【0118】
図14Cは、フローセル1400の垂直断面図である。この観点から、(マイクロ)流体フローチャネル1492内の流体のための入口及び/又は出口を提供する流体孔1467を蓋1490内に見て取ることができる。理解され得るように、(マイクロ)流体フローチャネル1492は、キャリア1496内のキャビティ1405の形状及び向きを用いて形状を変化させることができる。14C及び13Fの図を対比することから明らかなように、(マイクロ)流体フローチャネル1492は、封入部1428の一部によって2つの側面の境界が定められているが、流体フローチャネル部分1411の境界を定める壁1403によっても他の2つの側面の境界が定められている。
【0119】
図15A図17Cは、図4のフローセル400の形成の様々な態様の例をより詳細に示している。以下で説明する方法で形成されたこれらのキャリアは、電気伝導性及び/又は熱伝導性を提供するためにTSVを用いない。したがって、電気的接続構造のこの違いに対応するために、キャリアには特定の違いが存在する。
【0120】
図15Aは、図4にも示されているキャリア496、1596の上面図であり、キャリアは基板497を含む。図15Bは、同じものの水平断面図であり、図15Cは、同じものの垂直断面図である。基板1597を含むキャリア1596は、キャビティ1505を考慮に入れると、4つのレベルを有すると理解することができる。基板1597は、PCB及び/又はセラミック回路基板から構成され得る。キャビティ1505の1つのセクションであるセンサ構造キャビティ部分1509(これはダイキャビティ部分として理解することもできる)は、ほぼ、場合によっては厳密に、センサ構造の活性表面の垂直高さである(この高さは、アンダーフィル層上のセンサ構造をキャビティ1505内にピックアンドプレースした後の高さ+/-標準公差であり、標準公差の非限定的な例は、約+/-1~10umであり得る)。第2のセクションである流体フローチャネル部分1511(流体キャビティ部分として理解することもできる)は、センサ構造キャビティ部分1509の上部を起点とし、フローセル400(図4)の最終的な流体フローチャネル部分の高さを規定する深さを有する例えば、約100um)。キャビティ1505は、キャリア1596の最も高い箇所である壁1503によって境界が定められている。例えば、キャリア1596が蓋と界面を形成するのは、壁1503の上面である。ただし、蓋は封入された電気接続の一部とも界面を形成する。この界面を形成するために、本明細書で説明されるように、界面は、壁1503の上面並びに電気接続の封入部の一部に適用され得る。
【0121】
図15Bは、図15Aのキャリア1596の水平断面図である。この図は、センサ構造キャビティ部分1509に配置された電気接点である上面基板ボンドパッド1541を示している。流体フローチャネル部分1511は、この見通しの利く位置からは見て取ることができない。センサ構造442(図4)は、これらの上面基板ボンドパッド1541に、センサ構造442(図4)の電気接点(例えば、ダイ(図4)上のボンドパッド437)からのワイヤボンド431(図4)を介して電気的に結合される。この図では、センサ構造キャビティ部分1509と壁1503の高さの差が見て取れる。潜在的に熱性能を高めるために、サーマルビアをキャリア1596に統合することができる。
【0122】
図15Cは、キャリア1596の垂直断面図である。この見通しの利く位置から見ると、センサ構造キャビティ部分1509、流体フローチャネル部分1511、及びキャビティ1505全体の境界を定める壁1503の相互間の垂直高さの差がより一目瞭然である。
【0123】
図16A図16Eは、図4のフローセル400を形成するための方法の特定の態様を示している。図16Aは、図15Aのキャリア1596の別の断面図である。(ワイヤボンディング封入部分1524全体にわたって、センサ構造キャビティ部分1509から壁1503までの水平距離が異なるために)図15Aのように視覚的に明白ではないが、図16Aは、センサ構造キャビティ部分1609(ダイキャビティ部分として理解することもできる)、流体フローチャネル部分1611(流体キャビティ部分として理解することもできる)、及び壁1603を含むキャリア1696(キャリア1596と同様)を示す。キャリア1696は、基板を含み、限定するものではないがプリント回路基板(PCB)及び/又はセラミック回路基板などの材料から形成することができる。基板上の電気接点は、キャリア1696上のセンサ構造キャビティ部分1609の最も低い垂直高さ(ベース表面)に位置する上面基板ボンドパッド1641を含み、その結果、それらは、センサ構造(図示せず)に電気的に結合することができ、センサ構造は、これらの上面基板ボンドパッド1641に対して、センサ構造キャビティ部分1609の中央に配置することができる。ボンドパッド1641の底部からキャリア1627の背面に信号をルーティングする内部電線を含む基板1697の層間の接続(例えば、図示されていない層間のビア接続を有する基板/PCBの追加の金属層)は図示されていない。
【0124】
図16Bを参照すると、本明細書に示されるように、ダイであるセンサ構造1642がセンサ構造キャビティ部分1609にピックアンドプレースされる。この例では、ダイ又はセンサ構造1642は分離されている。いくつかの例では、ダイ又はセンサ構造の特定の部分がポリマー材料でコーティングされている。ポリマー材料は、例えば、ゲルベースの材料であり得、例えば、ポリ(N-(5-アジドアセトアミジルペンチル)アクリルアミド-co-アクリルアミド-co-アクリロニトリル)(「PAZAM」)などの、ポリアクリルアミドゲルコーティングなどであり得る。一例では、ダイ又はセンサ構造は、表面に少なくとも1つのナノウェルを含み、コーティングは、ナノウェルの底部及び/又は側壁部分に存在する。コーティングが適用された後、コーティングの少なくとも一部が研磨される。ダイ又はセンサ構造1642は、キャリア1696に組み付ける前又は後にコーティングすることができる。一例では、ダイ又はセンサ構造1642は、キャリア1696に組み付ける前にコーティングされる。図16Bはまた、アンダーフィル1673層の形成を示しており、これは、図7及び図11を参照して論じたように所与の量のアンダーフィル材料を分注することによって実現することができる。先に論じたように、本明細書の図示の例では、アンダーフィル1673は、センサ構造1642と基板1697との間に界面を提供する。
【0125】
図16Cは、センサ構造キャビティ部分1609において、上面基板ボンドパッド1641をキャリア1637上のパッドにワイヤボンディングすることを示している。ワイヤボンドは、アルミニウム、銅、銀、金、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の金属から構成され得る。ワイヤボンド内の金属は、元素形態、合金形態、又は複合形態であり得る。例えば、ワイヤボンディングは、例えば、共晶金属結合を形成することを含み得る。
【0126】
図16Dにおいて、ファンアウト領域1680は、硬化性材料を堆積して、センサ構造キャビティ部分1609の残りの部分(例えば、センサ構造1642の両側の充填されていない空間)を埋め、接続の一部を封入することによって形成される。キャリア1696の一部がセンサ構造キャビティ部分1609の境界となるため、ファンアウト領域1680を構成する硬化性材料は、成形構造なしで分注することができる。硬化性材料は、エポキシ及び/又は接着剤を含み得るが、これらに限定されない。この材料を硬化させる方法には、紫外線曝露及び/又は熱曝露のうちの1つ以上が含まれ得るが、これらに限定されない。得られるファンアウト領域1680の高さが、センサ構造1642の活性表面1610と少なくとも同等になるように、硬化性材料が分注される。ファンアウト領域1680は、キャビティ1609の流体フローチャネル部分1611に延在しない。
【0127】
図16Eは、ワイヤボンディングされた接続の残りを封入すること(接続1628の封入部を形成すること)を示す。封入部1628に使用される材料(例えば、ファンアウト領域1680を形成するために使用されるのと同じ材料であり得る硬化性材料)が、センサ構造1642の活性表面1610上に流れないのを確実にするために、1つ以上のピンを利用してもよい。封入部1628(例えば、接着剤、エポキシ)の上面は、最初は平坦ではない場合があり、図16Fに示されるように、ガラス蓋を配置する際に平坦にされてもよい。封入部1628によっても流体フローチャネルの境界が定められるので、封止部1628の側壁の形状は、フローセルの有用性に寄与することができる。例えば、封入部1628(例えば、接着剤/ダム)の壁は、真っ直ぐであってもよく、また、角度が付けられていても、又は湾曲していてもよい。
【0128】
図16Fは、キャビティ1609の流体フローチャネル部分1611に流体フローチャネル1692が形成された後の、接続が封入されたときに材料で充填されていないフローセル1600を示している。流体フローチャネル1692は、ファンアウト領域1680及び/又は封入部1628の上面に隣接するキャリア1696の部分に蓋1690を取り付けて、活性表面1610と蓋1690の間に流体フローチャネルを形成することによって、ダイ(センサ構造1642)の活性表面1610上に形成される。例えば、接着剤は、キャリア1690の各壁1603の上面で、蓋1690及びキャリア1696に塗布される。接着剤は、キャリア1690の各壁1603の上面又は封入部1628の上面と、蓋1690との間に界面を形成する。
【0129】
図17Aは、図16A図16Fに示される方法を利用して形成されたフローセル1700の上面図である。これは、図16Fのフローセル1600の上面図として理解することもできる。この図で見られるように、センサ構造1742は、半透明の蓋1790を通して可視である。センサ構造1742は、センサ構造キャビティ部分1709(ダイキャビティ部分として理解することもできる)に配置される。流体フローチャネル部分1711(流体キャビティ部分としても理解することができる)も示されている。図17Aに示されるように、流体フローチャネル部分1711は、異なる位置において、封入部1728によって境界が定められ、センサ構造1742を収容するセンサ構造キャビティ部分1709からの水平距離を変化させながら延びている。この例では、センサ構造キャビティ部分1709の両側の形状は、三角形である。図17Bは、フローセル1700の水平断面図であり、その一部については、図16Eの議論で説明した。
【0130】
図17Cは、フローセル1700の垂直断面図である。この観点から、(マイクロ)流体フローチャネル1792内の流体のための入口及び/又は出口を提供する流体孔1767が蓋1790内に見て取れる。理解されるように、(マイクロ)流体フローチャネル1792は、キャリア1796内のキャビティ1705の形状及び向きに基づいて形状を変化させることができる。17B及び17Cの図を対比することから明らかなように、(マイクロ)流体フローチャネル1792は、封入部1728の一部によって2つの側面の境界が定められているが、流体フローチャネル部分1711の境界を定める壁1703によっても他の2つの側面の境界が定められている。
【0131】
これまでに示した例の多くは、単一のダイを含むことができるフローセルを示している。しかしながら、特定のフローセルは、それぞれが基板を含むキャリア内の別個のキャビティ及び/又はキャビティの一部に配置された複数のダイを含み得る。図18A図18Cは、複数のセンサ構造を有する例のいくつかの態様を示している。図18Aは、複数のキャビティ1805を備えたキャリア1896で形成されたフローセル1800の上面図である。図18Bは、フローセル1800の水平断面図であり、図18Cは、フローセル1800の垂直断面図である。図示の例は2つのキャビティ1805を有するが、追加の例は3つ以上のキャビティ1805を有してもよく、有さなくてもよい。基板内に複数のキャビティがある例では、キャビティは、図18A図18Cに示されるように、同じ平面に沿っている。図18Aの上面図によれば、この特定の例における2つのキャビティ1805は、両方とも同じ平面に沿っている。図18Aの上面斜視図及び図18Cの垂直断面図の両方に見られるように、2つのセンサ構造1842が、キャリア1896のキャビティ1805内に(例えば、ピックアンドプレース手順を使用して)配置されている。キャリア1896は、両方のセンサ構造1842を収容するセンサ構造キャビティ部分1809(ダイキャビティ部分として理解することもできる)、並びにセンサ構造1842を収容する各キャビティ部分1809に形成されたファンアウト領域1880を含む。キャリア1896はまた、流体フローチャネル部分1811を含む(これは、(マイクロ)流体フローチャネル1892が形成される流体キャビティ部分として理解することもできる)。図18A図18Cに示される例は、電気的特性のためにTSV1820を含むが、ボンドパッドを利用する例を、このタイプのキャビティを備えたキャリア1896に統合することもできる。更に、図18A図18Cでは、蓋1890は、キャビティの壁1814の上面との境界面に取り付けられているが、スペーサー内では、蓋とのこの境界面を形成することもできる。蓋1890は、流体孔1867を含む。
【0132】
前述のように、本明細書で説明及び図示されているフローセルは、シリコンウエハ(例えば、CMOS)からの熱伝達を可能にする。この態様は、熱管理のためのサーマルビア1964(例えば、銅製)の追加によって、具体的には、図19に示すように、加熱要素1962を用いて、加熱のためにダイ(例えば、CMOS)に直接アクセスすることによって強化されてもよく又はされなくてもよい。また、図20A図20Bに示されるように、サーマルビア1964(図19)なしでシリコンウエハからの熱伝達を可能にしてもよく又はしなくてもよく、その場合、構造を変化させることによって、フローセル2000のセンサ構造2042内のシリコンウエハダイ2030の裏面2063との接触を可能にする。図20Aに示されるように、スルーカット2043は、加熱要素2062を、フローセル2000のセンサ構造2042内のシリコンウエハダイ2030の裏面2063に結合するように実装される。図20Bでは、キャリア2096は、サーマルビアキャビティ2047を含み、したがって、加熱要素2062は、サーマルビアキャビティ2047に挿入されることに基づいて、裏面2063に結合され得る。
【0133】
本明細書に記載の方法のいくつかの例では、当該方法は、基板内のキャビティの一部にダイを配置することを含み、ここでは、1つ以上の電気接点がダイの表面上でアクセス可能である。いくつかの例では、基板は、ダイの表面上の電気接点にアクセス可能な露出した電気接点を含む。当該配置することは、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを定義することを含み得る。当該方法はまた、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を形成することを含み得る。当該方法は、第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって流体ファンアウト領域を形成することを含み得、流体ファンアウト領域の表面は、ダイの上面と連続している。当該方法は、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することを含み得、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に蓋を取り付けて、活性表面と蓋との間に流体フローチャネルを形成することを含む。
【0134】
当該方法のいくつかの例では、当該配置することは、露出した電気接点を電気接点に結合することを更に含む。
【0135】
いくつかの例では、当該方法は、また、露出した電気接点をダイの表面上の電気接点に結合することも含む。
【0136】
当該方法のいくつかの例では、露出した電気接点及びダイの表面上の電気接点は、ボンディングパッドを含み、露出した電気接点を含むボンディングパッドは、それぞれ第1の空間又は第2の空間のうちの一方に方向付けて配置され、当該結合することは、露出した電気接点の各露出した電気接点を、ダイの表面上の電気接点の1つにワイヤボンディングして、ワイヤボンディング接続を形成することを含む。
【0137】
いくつかの例では、当該方法はまた、流体フローチャネルを形成する前に、流体ファンアウト領域上に硬化性材料を堆積させることによってワイヤボンディング接続を封入することも含む。
【0138】
いくつかの例では、ダイの活性表面上に流体フローチャネルを形成することは、封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように蓋を方向付けて配置することを更に含み、方向付けて配置することが、各上面を平らにする。
【0139】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハと、パッシベーションスタックと、シリコンウエハの一部及びパッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビアとを更に含み、パッシベーションスタックがシリコンウエハの一部の下面の下に配置され、1つ以上のシリコン貫通ビアのそれぞれの一部がパッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を通して露出され、露出された各部分が電気接点に結合されている。
【0140】
いくつかの例では、配置することは、露出した電気接点を電気接点に結合することを更に含む。
【0141】
いくつかの例では、当該方法は、露出した電気接点をダイの表面上の電気接点に結合することを更に含む。
【0142】
いくつかの例では、結合することは、電気接点をリフローすることであって、ダイの電気接点がピラーバンプを含む、電気接点をリフローすること、及び、異方性導電フィルムを利用して電気接点を露出した電気接点に結合すること、からなる群から選択される方法を利用することを含む。
【0143】
当該方法のいくつかの例では、硬化性材料は、エポキシ及び接着剤からなる群から選択される。
【0144】
当該方法のいくつかの例では、流体ファンアウト領域を形成することは、硬化性材料を硬化させることを更に含む。
【0145】
いくつかの例では、硬化させることは、硬化性材料を紫外線に曝露すること、及び硬化性材料を熱エネルギーに曝露することからなる群から選択される方法を利用することを含む。
【0146】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、センサを含む。
【0147】
当該方法のいくつかの例では、センサは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイスを含む。
【0148】
当該方法のいくつかの例では、キャビティは、ダイキャビティ部分、流体キャビティ部分、及びトップレベル部分を含み、ダイキャビティ部分及びアンダーフィル層は、組み合わさって、ダイと実質的に高さが等しく、流体キャビティ部分は、流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、トップレベル部分は、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分の高さを含む。
【0149】
いくつかの例では、基板内のキャビティの一部にダイを配置することは、基板のダイキャビティ部分にダイを配置することを含む。
【0150】
当該方法のいくつかの例では、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分は、回路基板の部分を含み、トップレベル部分は、回路基板と蓋との間の界面を含む。
【0151】
当該方法のいくつかの例では、蓋は、流体用の入口及び流体用の出口を含む。
【0152】
いくつかの例では、蓋を取り付けることは、回路基板と蓋との間に接着剤を塗布することを含む。
【0153】
当該方法のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハから分離されている。
【0154】
当該方法のいくつかの例では、ダイの表面は、ダイの上面、活性表面を含むダイの上面の一部、及び上面に平行な下面からなる群から選択される。
【0155】
当該明細書に記載の当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイを含み、1つ以上の電気接点がダイの表面上でアクセス可能である。当該装置はまた、キャビティを含む基板を含み得、ここで、ダイは、基板内のキャビティの一部に方向付けて配置され、基板は、ダイの表面上の電気接点に電気的に結合された露出した電気接点を含み、当該方向付けて配置することが、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間、及びダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間を画定する。当該装置はまた、第1の空間及び第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含む流体ファンアウト領域を含み得、流体ファンアウト領域の表面は、ダイの上面と連続している。
【0156】
当該装置のいくつかの例では、当該装置はまた、流体ファンアウト領域の表面及びダイの上面によって画定されるダイの活性表面上の流体フローチャネルと、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に取り付けられた蓋とを含み得る。
【0157】
当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を更に含む。
【0158】
当該装置のいくつかの例では、ダイは、シリコンウエハから分離されている。
【0159】
当該装置のいくつかの例では、露出した電気接点は、基板ボンディングパッドを含み、ダイの表面上の電気接点は、ダイボンディングパッドを含み、各ダイボンディングパッドが、ワイヤによって少なくとも1つの基板ボンディングパッドに結合されて、ワイヤボンディング接続を形成する。
【0160】
当該装置のいくつかの例では、ワイヤボンディング接続は、第2の硬化材料の中に封入されている。
【0161】
当該装置のいくつかの例では、蓋は、封入されたワイヤボンディング接続のそれぞれの上面と物理的に接触するように配置されている。
【0162】
いくつかの例では、ダイは、シリコンウエハと、パッシベーションスタックと、シリコンウエハの一部及びパッシベーションスタックを通って延在する1つ以上のシリコン貫通ビアとを更に含み、パッシベーションスタックがシリコンウエハの一部の下面の下に配置され、1つ以上のシリコン貫通ビアのそれぞれの一部がパッシベーションスタックの1つ以上の開口部のうちの1つの開口部を通して露出され、露出された各部分が電気接点に結合されている。
【0163】
いくつかの例では、硬化材料及び第2の硬化材料のそれぞれは、エポキシ及び接着剤からなる群から選択される。
【0164】
いくつかの例では、ダイは、センサを含む。
【0165】
いくつかの例では、センサは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出デバイスを含む。
【0166】
当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイの下面と基板との間のキャビティ内にアンダーフィル層を更に含み、キャビティが、ダイキャビティ部分と、流体キャビティ部分と、トップレベル部分とを含み、ダイキャビティ部分及びアンダーフィル層が、組み合わさって、ダイと実質的に高さが等しく、流体キャビティ部分が、流体フローチャネルの高さを含む空間を含み、トップレベル部分が、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分の高さを含む。
【0167】
いくつかの例では、ダイが配置されている基板内のキャビティの部分は、ダイキャビティ部分を含む。
【0168】
いくつかの例では、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分は、回路基板の部分を含み、トップレベル部分は、回路基板と蓋との間の界面を含む。
【0169】
いくつかの例では、蓋は、流体用の入口及び流体用の出口を含む。
【0170】
いくつかの例では、流体フローチャネルは、活性表面から蓋まで約100umである。
【0171】
いくつかの例では、回路基板は、プリント回路基板及びセラミック回路基板からなる群から選択される。
【0172】
いくつかの例では、当該表面は、ダイの上面、活性表面を含むダイの上面の一部、及び上面に平行な下面からなる群から選択される。
【0173】
本明細書に記載の方法のいくつかの例では、当該方法は、センサと、キャリアのキャビティの基部にあるキャビティ表面上のダイの表面上でアクセス可能な1つ以上の電気接点とを含むダイをピックアンドプレースすることであって、キャリアが基板とキャビティとを含み、基板が露出した電気接点を含み、当該配置することが、ダイの表面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの表面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する、ダイをピックアンドプレースすること、を含む。当該方法はまた、ダイの1つ以上の電気接点のそれぞれを基板の露出した電気接点の少なくとも1つに接続することを含み得る。当該方法は、第1の空間及び第2の空間に硬化性材料を堆積させて流体ファンアウト領域を形成することによって流体ファンアウト領域を形成することを含み得る。当該方法は、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に蓋を取り付けて、センサの活性表面と蓋との間に流体フローチャネルを形成することを含み得る。
【0174】
当該方法のいくつかの例では、キャビティ表面はアンダーフィル層を含む。
【0175】
本明細書に記載の当該装置のいくつかの例では、当該装置は、ダイと、キャビティを含む基板とを含む。いくつかの例では、ダイが基板内のキャビティの一部に方向付けて配置され、方向付けて配置することが、ダイの上面の第1のエッジに隣接するキャビティ内の第1の空間と、ダイの上面の第2のエッジに隣接するキャビティ内の第2の空間とを画定する。当該装置はまた、第1の空間及び第2の空間に堆積された第1の硬化材料を含む流体ファンアウト領域を含み得、流体ファンアウト領域の表面は、ダイの上面と連続している。当該装置はまた、流体ファンアウト領域の表面及びダイの上面によって画定されるダイの活性表面上の流体フローチャネルと、流体ファンアウト領域に隣接する基板の部分に取り付けられた蓋とを含み得る。
【0176】
図中のフローチャート及びブロック図は、本実装の様々な例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を例示する。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、命令のモジュール、セグメント、又は部分を表し、これらは、指定された論理関数を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替実装では、ブロックに示した機能は、図に示した順序とは異なる順序で生じ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは、あるときには、関与する機能に依存して、逆の順序で実行され得る。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組み合わせが、特定の機能又は動作を実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ること、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実行され得ることにも留意されたい。
【0177】
本明細書で使用する用語は、特定の例のみを説明することを目的としており、限定することを意図しない。本明細書で使用するとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図する。用語「備える(comprises)」及び/又は「備えている(comprising)」は、本明細書で使用するとき、述べられた特徴、整数、ステップ、プロセス、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、プロセス、動作、要素、構成要素、及び/又はその群の存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。
【0178】
該当する場合、下の特許請求の範囲の機能要素に加えて全ての手段又はステップの対応する構造、材料、作用、及び同等物は、具体的に特許請求されている他の特許請求される要素と組み合わせて、機能を実行するための任意の構造、材料、又は作用を含むことを意図する。1つ以上の例の説明を、例示及び説明の目的で提示してきたが、網羅的であること、又は開示される形態に限定することを意図しない。数多くの修正及び変更が、当業者に明らかになるであろう。例は、様々な態様及び実際の応用を最良に説明するために、及び他の当業者が、想到される特定の使用に適するものとして様々な修正を伴う様々な例を理解することを可能にするために、選択及び説明された。
【0179】
前述の概念及び下でより詳細に議論する更なる概念(ただし、そのような概念は相互に矛盾しない)の全ての組み合わせは、少なくとも本明細書で説明する利点を達成するために、本明細書に開示する本発明の主題の一部であると想到されることが理解されるべきである。具体的には、本開示の最後に現れる特許請求の範囲の主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると想到される。本明細書で明示的に用いられ、また参照により組み込まれる任意の開示においても出現し得る用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきであることも理解すべきである。
【0180】
この書面による説明は、例を使用して、主題を開示しており、また、任意のデバイス又はシステムを作製及び使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、あらゆる当業者が主題を実践することを可能にする。主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。そのような他の例は、これらが特許請求の範囲内の文字通りの言葉とは異ならない構造要素を含む場合、又はこれらが、特許請求の範囲内の文字通りの言葉とのごくわずかな違いを有する等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図する。
【0181】
上の説明は、例示的であり、限定的ではないこと意図していることを理解されたい。例えば、上で説明した例(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況又は材料を、それらの範囲から逸脱することなく様々な例の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。本明細書で説明する材料の寸法及び種類は、様々な例のパラメータを定義することを意図しているが、それらは、決して限定するものではなく、単なる例として提供される。上の説明を検討すると、当業者には数多くの他の例が明らかになるであろう。したがって、様々な例の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲と共に決定されるべきである。添付の特許請求の範囲では、用語「含む(including)」及び「ここで(in which)」は、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」といったそれぞれの用語の平易な英語の同等物として使用される。更に、以下の特許請求の範囲では、用語「第1(first)」、「第2(second)」、及び「第3(third)」などは、単にラベルとしてのみ使用され、それらの物体に数値要件を課すことを意図しない。本明細書の用語の形態「~に基づく(based on)」は、要素が部分的に基づく場合の関係性、並びに要素が完全に基づく場合の関係性を包含する。用語の形態「画定される(defined)」は、要素が部分的に画定される場合の関係性、並びに要素が完全に画定される場合の関係性を包含する。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で書かれておらず、そのような特許請求の範囲の限定が、その後に更なる構造を伴わない機能の記述が続く熟語「~のための手段(means for)」を明示的に使用していない限り、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図しない。上で説明した全てのそのような目的又は利点が、必ずしも本発明の特定の実施例に従って達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本明細書で説明するシステム及び技術が、本明細書で教示又は示唆され得る他の目的又は利点を必ずしも達成しなくとも、本明細書で教示する1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化するような様式で、具現化又は実行することができることを認識するであろう。
【0182】
主題を、限定された数の例のみに関して詳細に説明したが、本主題は、そのような開示する例に限定されないことが容易に理解されるべきである。むしろ、主題は、これまで説明していないが主題の趣旨及び範囲に相応する、任意の数の変形、変更、置換、又は等価な配設を組み込むように修正することができる。追加的に、主題の様々な例を説明したが、本開示の態様は、説明した例のうちのいくつかのみを含み得ることを理解されたい。また、いくつかの例は、一定の数の要素を有するものとして説明しているが、本主題は、その一定の数よりも少ない、又は多い要素で実践することができることが理解されるであろう。したがって、主題は、上述の説明によって限定されるものと見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
図20A
図20B
【国際調査報告】