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特表2023-514910強化編成構造体及び樹脂を含む複合材料並びに製造方法
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  • 特表-強化編成構造体及び樹脂を含む複合材料並びに製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】強化編成構造体及び樹脂を含む複合材料並びに製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04B 1/14 20060101AFI20230405BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20230405BHJP
   B29B 11/16 20060101ALI20230405BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20230405BHJP
【FI】
D04B1/14
D04B1/00 B
B29B11/16
B29K105:08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529330
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2020082700
(87)【国際公開番号】W WO2021099476
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】1913108
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516100067
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティクス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デュモン、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ガエタン
【テーマコード(参考)】
4F072
4L002
【Fターム(参考)】
4F072AA04
4F072AA08
4F072AB28
4F072AB30
4F072AB33
4F072AD37
4F072AG02
4F072AH02
4F072AH24
4F072AL01
4L002AA00
4L002AA05
4L002AB01
4L002AB02
4L002AC00
4L002BA00
4L002BB01
4L002DA00
4L002EA05
4L002FA06
(57)【要約】
本発明の目的は、リンク(330)によって連結された少なくとも2つのスキン(310、320)を有する編成強化構造体(300)を含み得る複合製品である。リンク密度は、40平方ステッチにつき1リンクから10,000平方ステッチにつき1リンクであり、55から85体積%のポリマー材料及び15から45体積%の強化繊維を含み得る。本発明は、複合製品を製造する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂及び編成強化構造体を含む複合製品であって、前記編成構造体が、リンク(3)によって連結された少なくとも2つのスキン(1、2)を有し、リンク(3)密度が、40平方ステッチにつき1リンクから10,000平方ステッチにつき1リンクである、複合製品。
【請求項2】
前記編成構造体が、ガラス、炭素、玄武岩、石英、パラアラミド、メタアラミド、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル、リネン、ヘンプ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの熱可塑性樹脂から選択される強化材料の繊維から製造されることを特徴とする、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記リンク(3)密度が、100平方ステッチにつき1リンクから5,000平方ステッチにつき1リンク、好ましくは200平方ステッチにつき1リンクから1,000平方ステッチにつき1リンクであることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の製品。
【請求項4】
編成構造体が緯編み技術によって得られることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記編成構造体が直線緯編み技術によって得られることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記編成構造体が、前記複合製品の形状に適合した3次元形状を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
55から85体積%の樹脂、特にポリマー材料及び15から45体積%の強化繊維を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
前記樹脂が、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、PMMA、低密度ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)などの熱可塑性材料、及び、ポリエステル及びエポキシなどの熱硬化性樹脂から選択されるポリマー材料であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
複合製品を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
請求項1から6のいずれか一項に記載の編成構造体を製造するステップと、
含浸方法により前記編成構造体にポリマー材料を含浸させるステップと、
前記複合製品を固化するステップと、
を含むことを特徴とする、複合製品を製造する方法。
【請求項10】
前記ポリマー材料が熱可塑性材料であり、前記固化ステップが熱可塑性材料を溶融することによって行われることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記ポリマー材料が熱硬化性材料であり、前記固化ステップが熱硬化性材料の重合によって行われることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料からなる製品の分野に関する。複合材料という用語は、ポリマー材料、特に熱可塑性又は熱硬化性材料から構成されたマトリックスを含む製品を意味すると理解され、このマトリックスは、ポリマー材料の融点よりも高い融点を有する材料によって強化されている。FRPは、通常、「繊維強化プラスチック(fiber-reinforced plastic)」を指す。
【背景技術】
【0002】
強化材は、様々な方法:マトリックス中に分散された鉱物繊維を添加することによって、鋼若しくは合成材料からなる強化材を使用することによって、強化繊維の織物を使用することによって、不織布(non-woven)若しくはマットの使用によって、又は織物プロセス(textile process)によって得られる他の製品によって得ることができる。
【0003】
布強化材(fabric reinforcement)は、平坦な構造を有し、垂直に配置された緯糸及び経糸から構成される。その製造には、経糸毎に別個のスプールを使用する必要がある。
【0004】
最近では、編成強化材(編成構造体:knitted structure)の使用が出現している。編成強化材(knitted reinforcement)という用語は、糸が織り合わされたメッシュを形成する連続糸から一般に得られる製品を意味すると理解される。糸は、モノフィラメント又はマルチフィラメント型であることができる。マルチフィラメントは、ロービング(即ち、撚られずに集合させた平行な連続フィラメントのセット)、紡績糸(即ち、撚りによって集合させた短い不連続繊維のセット)とすることができる。糸は、異なる材料のいくつかの糸又はフィラメントの集合体であることもできる。この集合体は、撚り、編組などに使用することができる。したがって、ポリマー材料及び強化材料を含む糸を製造することが可能である。例えばアラミド、炭素、ガラス型などの強化糸と、熱可塑性糸(ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド(PEI)など)を集合させることができる。この種の糸はここで、混合糸と呼ばれる。
【0005】
編成強化材は、製織強化材(woven reinforcement)と比較して、多くの利点を有する。
【0006】
一般に「プリプレグ(prepreg)」と呼ばれる、例えばゲル化したポリマー材料を予備含浸させた編成強化材は、静かに取り扱う必要がある。これらは保護フィルムを除去すると粘着性である。これらは室温にて限られた期間だけ維持できる。
【0007】
編成強化材のモールドへのドレーピングは、長く繊細な操作である。このドレーピングには、過度の重複を回避しながら十分な厚さを確保するために、モールドの形状に従って思慮深く切断及び配置しなければならない、「プリプレグ」のいくつかの層を使用する必要がある。
【0008】
プリプレグ布の切断には、材料の30%に相当する可能性がある、製品スクラップを伴う。さらに布の作製には、数百のスプールが必要である。
【0009】
伝統的な編地(knit)の製造には、糸メッシュに対してスプール1個の糸のみが必要とされる。様々な編成技術(knitting technique)によって、縫製せずに3次元で単一のピースを形成する編地を得ることができる。公知の編成技術により、輪編み又は直線編みを行うことができる。
【0010】
緯編み法(weft knitting method)と経編み法(warp knitting method)が区別される。
【0011】
緯編み(ピックステッチとも呼ばれる)では、糸が段の方向(布と類似して緯糸方向)に従うことが好ましい。同じ段の各ループが次々に編成される。各段が次々に編成される。編地全体を製造するために単一の糸を使用することができる。各針は個別に制御され、編成中に複雑な3次元形状を実現することができる。
【0012】
経編み(スローステッチとしても既知)では、糸は、列の方向(布と類似して経糸方向)に従うことが好ましい。同じ段のループはすべて同時に編成される。各段が次々に編成される。メッシュ列につき1本の糸が必要である。針は異なる群に連結されている。群を個別に制御することはできるが、群を構成する針は制御できない。製造された編地は平坦である。それにもかかわらず厚みは可能であるが、複雑な3次元形状は不可能である。
【0013】
緯編み技術において、編針がスライドする支持部を針床と呼ぶ。2つの針床を使用する機械の場合、慣例により、ユーザに最も近い針床が表ステッチを行う。もう一方の針床が、裏ステッチを形成する。針を個別に選択できるようにする最新の機械によって、一度に1つの針床での編成(単針床編成)又は同時に両方の針床での編成(2列針床編成)が可能となる。2つの針床を交互に使用することが可能であり、特にそれらの間のリンクに応じてチューブ又は別個のパネル(panel)/スキン(skin)を製造が可能となる。次に、単純な針床編成について述べる。
【0014】
国際公開第2013/025115号は、繊維を連結することによって連結された2枚の独立したシートからなる3次元編成強化材を含む複合製品を記載している(「交差糸」)。強化構造体における連結繊維(連結糸」)の密度は、10/cmから500/cmまで変化することができる。
【0015】
強化構造体の密度は、1から1000dtexの間で変化することができる。この強化材は、圧縮に対する大きな耐性を与える。
【発明の概要】
【0016】
複雑な形状の複合材製品を製造するための強化構造体を提供する必要がある。特に、高圧縮性の強化材を提供する必要がある。
【0017】
実施形態は例として示され、添付図面に限定されない。以下の図では、表示は必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】比較編成強化構造体100の概略断面図である。
図2】このような比較構造体100の写真である。
図3】本発明の特定の実施形態による編成強化構造体300の概略断面図を表す。
図4】本発明によるそのような編成構造体300の写真を表す。
図5】第1の例示的な実施形態のステッチ図500である。
図6】第2の例示的な実施形態のステッチ600である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者は、図の要素が簡単明瞭のために示され、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを認識している。例えば、図面の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、異なる図面中の同じ参照記号の使用は、類似又は同一のアイテムを示す。
【0020】
特定の実施形態によれば、特定の編成技術を使用して、非常に高い圧縮性を有し得る複合製品用の強化材を作製することができる。
【0021】
さらに他の実施形態によれば、本発明は、少なくとも2つのスキン、表スキン及び裏スキンを有し得る樹脂マトリックス及び編成強化構造体を含み得る複合製品であって、少なくとも2つのスキンが、時折のリンクによって連結され、リンク密度が40平方ステッチにつき1リンクから10,000平方ステッチ(squear stitch)につき1リンクである、複合製品に関する。
【0022】
本明細書に記載の実施形態の目的のために、リンク密度は、編成構造体の表面について、段の数(X)に列の数(Y)を掛けたものを考慮し、この表面上に作製されたリンクの数(Z)を数えることによって定義され得る。リンク数は、1平方ステッチ毎に得られる。
【0023】
なお他の実施形態によれば、編成構造体は例えばガラス、炭素、玄武岩、石英、パラアラミド、メタアラミド、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル、亜麻、ヘンプ、並びにポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの熱可塑性材料から選択される強化材料の糸から作製され得る。種類は、最終複合製品のマトリックスを構成する樹脂の融点よりも高くなければならないその融点の関数として選択される。
【0024】
特定の実施形態によれば、編成構造体は中間スキンも含み得る。
【0025】
有利には、構造体のリンク密度は、100平方ステッチにつき1リンクから5000平方ステッチにつき1リンク、好ましくは200平方ステッチにつき1リンクから1,000平方ステッチにつき1リンクであり得る。
【0026】
特定の実施形態によれば、構造体は、緯編み技術によって得られ得る。特定の実施形態によれば、緯編み法は、直線又は輪緯編み方法であり得て、好ましくは直線緯編み技術が使用され得る。この技術は、輪編み技術よりも複雑な3次元形状が容易に得られるという利点を有し得る。
【0027】
特定の実施形態によれば、構造体は、ジャージ配列(jersey arrangement)を有し得る。しかし、本発明は、任意の組織(ロックニット(locknit)、リトルダイブ(little dive)、リングレット(ringlet)、オープンワーク(openwork)、ノッテド(knotted)など)で製造され得る。圧縮性は、組織の種類ではなくリンク密度によって提供され得る。
【0028】
有利には、構造体は、最終複合製品の形状に適合した3次元構造を有し得る。
【0029】
他の実施形態によれば、編成構造体の坪量は、好ましくは200から4,000g/m、より好ましくは800から2,000g/mであり得る。
【0030】
なお他の実施形態によれば、編成強化構造体の厚さは、圧縮後のその最終厚さを推定することなく、好ましくは1から6mm、より好ましくは2から4mmであり得る。
【0031】
さらに他の実施形態によれば、編成構造体によって強化された複合製品は、特に50から85体積%のポリマー材料、好ましくは55から80体積%の、より好ましくは60から75体積%の、及び15から50体積%の、好ましくは20から45体積%の、より好ましくは25から40体積%の強化繊維を含み得る。特定の実施形態によれば、樹脂又はポリマー材料は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、PMMA、低密度ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)などの熱可塑性材料、及び、ポリエステル及びエポキシなどの熱硬化性樹脂から選択され得る。
【0032】
本発明は、以下のステップ、すなわち、
上記の特徴による編成構造体を製造するステップと、
編成強化材の融点よりも低くてもよい融点を有するポリマー材料による、室温における注入の方法を使用して編成構造体に含浸するステップと、
熱可塑性材料を溶融することによって、又は熱硬化性材料を重合することによって、複合製品を固化するステップと、
を含み得る、複合製品を製造する方法にも関し得る。
【0033】
特定の実施形態では、編成構造体は、複合製品の最終形状に類似又は適合した複雑な3次元形状を有し得る。
【0034】
他の実施形態によれば、多層編地は、いくつかの層を同時に編成することによって製造できる。
【0035】
別の実施形態によれば、構造体は、経編み方法によって得ることができる。さらに他の実施形態によれば、構造体は「多ビーム」編地(“multiple-beam” knit)によって得ることができる。
【0036】
なお経糸他の実施形態によれば、ビームは、スキンを形成する経糸のセットを担持する。したがって、スキンにつき1つのビームが必要とされ得る。
【0037】
緯編みは、ポイントリンク:100平方ステッチにつき約1(即ち、例1による標準溶液よりもほぼ200分の1未満)を有する二列針床編成(double needle bed knitting)を含むことができる。
【0038】
第2の実施形態によれば、プリフォームは、強化糸を編成することによって製造することができ、ポリマー材料は、液体形態でモールドに導入される。第1の実施形態によれば、プリフォームは、ポリマー材料及び強化材料を含む混合糸を編成することによって製造することができる。
【0039】
以下の例は、本発明の特定の実施形態を非限定的に示す。
【0040】
多くの各種の態様及び実施形態が可能である。その態様及び実施形態のいくつかは、本明細書に記載されている。本明細書を読んだ後、当業者は、これらの態様及び実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを認識する。実施形態は、以下に挙げる実施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0041】
実施形態1。 樹脂及び編成強化構造体を含む複合製品であって、編成構造体が、リンク(3)によって連結された少なくとも2つのスキン(1、2)を有し、リンク(3)密度が、40平方ステッチにつき1リンクから10,000平方ステッチにつき1リンクである、複合製品。
【0042】
実施形態2。 該編成構造体が、ガラス、炭素、玄武岩、石英、パラアラミド、メタアラミド、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリエステル、リネン、ヘンプ、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの熱可塑性樹脂から選択される強化材料の繊維から製造されることを特徴とする、実施形態1に記載の製品。
【0043】
実施形態3。 リンク(3)密度が、100平方ステッチにつき1リンクから5,000平方ステッチにつき1リンク、好ましくは200平方ステッチにつき1リンクから1,000平方ステッチにつき1リンクであることを特徴とする、実施形態1から2のいずれか一つに記載の製品。
【0044】
実施形態4。 該編成構造体が緯編み技術によって得られることを特徴とする、実施形態1から3のいずれか一つに記載の製品。
【0045】
実施形態5。 該編成構造体が、直線緯編み技術によって得られることを特徴とする、実施形態1から4のいずれか一つに記載の製品。
【0046】
実施形態6。 該編成構造体が、該複合製品の形状に適合した3次元形状を有することを特徴とする、実施形態1から5のいずれか一つに記載の製品。
【0047】
実施形態7。 55から85体積%の樹脂、特にポリマー材料及び15から45体積%の強化繊維を含む、実施形態1から6のいずれか一つに記載の製品。
【0048】
実施形態8。 該樹脂が、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、PMMA、低密度ポリエチレンテレフタラート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)などの熱可塑性材料、及び、ポリエステル及びエポキシなどの熱硬化性樹脂から選択されるポリマー材料であることを特徴とする、実施形態1から7のいずれか一つに記載の製品。
【0049】
実施形態9。 複合製品を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
実施形態1から6のいずれか一つに記載の編成構造体を製造するステップと、
含浸方法により該編成構造体にポリマー材料を含浸させるステップと、
該複合製品を固化するステップと、
を含むことを特徴とする、複合製品を製造する方法。
【0050】
実施形態10。該ポリマー材料が熱可塑性材料であり、該固化ステップが該熱可塑性材料を溶融することによって行われることを特徴とする、実施形態1から9のいずれか一つに記載の製造方法。
【0051】
実施形態11。該ポリマー材料が熱硬化性材料であり、該固化ステップが該熱硬化性材料の重合によって行われることを特徴とする、実施形態9に記載の製造方法。
【0052】

本明細書に記載の概念は、以下の例にさらに記載されるが、例は特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
例1(比較):2つの針床の間に規則的リンクを有する2列針床編成。
【0054】
この方法による編成強化構造体を図1及び図2に示す。図1に示すように、2列針床装置を使用して製造した編成強化構造体100は、表スキン110及び裏スキン120を有する。使用した糸はガラス繊維である。リンク繊維(即ち、リンク)130は、規則的に1ステッチにつき約2のリンクで配列されている。
【0055】
目付は2897g/mである。
【0056】
段数/cm=4.6483;列数/cm=3.7692。
【0057】
先行技術によるこのような強化の利点は、表スキンと裏スキンのバランスがとれているため、安定していることである。
【0058】
そのような強化の欠点は、リンクが材料の圧縮性を制限するビームのように作用することである。プラスチック材料の注入時に真空/圧力条件が十分でない場合、得られる複合材料はより厚い。得られる体積特性はより低い。複合材料は、より重い又はより多孔質であり、これによりその機械的特性がさらに低下する。
【0059】
編成強化材に、室温にて注入法を使用してポリエステル樹脂を含浸させることにより、複合製品を製造する。
【0060】
繊維の量は、76体積%の樹脂につき24体積%である。
【0061】
引張試験を行う。
【0062】
得られた特性は、3.7から4.8GPaのヤング率及び46から57MPaの引裂強度である。
【0063】
例2(比較):単針床編成(single needle bed knitting)
【0064】
編成強化構造体は、ガラス糸で製造される。1つの針床のみが使用される。この方法によれば、強化材は緻密であるため、微細であり、良好な体積特性を有する。
【0065】
欠点は、強化材が、表と裏のバランスがとれていないために不安定なことである。強化材は強化材自体の上へ転動する。複合製品の製造は、強化材がモールド内へのドレーピング中に安定化/固定される時間を必要とするため、より複雑である。
【0066】
例3(本発明の実施形態による):2列針床間に離間したリンクを有する2列針床編成。
【0067】
編成強化構造体300は、表スキン310及び裏スキン320が得られるように、2列針床装置を使用して製造される。使用した糸はガラス繊維である。
【0068】
2つのスキン間のリンク340は、公知のロード連結技術によって作製される。この技術は、各リンクについて、2列針床の一方の針を半上昇させることからなり、これによりステッチを形成せずに繊維を把持する。リンク密度は45平方ステッチにつき約1である。
【0069】
得られた編地を図5に示す。
【0070】
2つのスキンは、リンク点を除いて独立している。この例示的な実施形態では、スキンはジャージ製である。リンクは、繊維をスキン1からスキン2にロードすることによって作製される。
【0071】
目付は2868g/mである。
【0072】
静止時の厚さは3mmである。
【0073】
段数/cm=4.4079;列数/cm=3.8569
【0074】
編成強化構造体に、室温にて注入法を使用してポリエステル樹脂を含浸させることにより、複合製品を製造する。
【0075】
繊維の量は、66体積%の樹脂につき34体積%である。
【0076】
引張試験を行う。
【0077】
得られた特性は、7から8GPaのヤング率及び80から90MPaの引裂強度である。
【0078】
例4(本発明の実施形態による):2列針床間に離間したリンクを有する2列針床編成。
【0079】
1ステッチにつき1リンク。
【0080】
図6は、2つのスキン及びリンクを備える編成強化構造体の製造を示す。リンク密度は45平方ステッチにつき約1である。
【0081】
使用した糸はガラスタイプである。
【0082】
2つのスキンは、リンク点を除いて独立している。ここでスキンはジャージ製である。リンクは、反対側の針床のスキン1の繊維のステッチによって作製される。このとき、2つのスキン間のステッチの数を同数に維持するために、スキン2にはステッチを編成しない(浮いている)。
【0083】
目付は2868g/mである。
【0084】
静止時の厚さは3mmである。
【0085】
段数/cm=4.4079;列数/cm=3.8569
【0086】
編成強化構造体に、室温にて注入法を使用してポリエステル樹脂を含浸させることにより、複合製品を製造する。
【0087】
繊維の量は、66体積%の樹脂につき34体積%である。
【0088】
引張試験を行う。
【0089】
得られた特性は、7から8GPaのヤング率及び80から90MPaの引裂強度である。
【0090】
本発明による複合製品の編成強化構造体は、多くの利点を有する。
【0091】
強化構造体は、表スキンと裏スキンの間でバランスがとれているため、安定している。容易かつ迅速に設置することができる。
【0092】
強化構造体は、緻密であるため、極めて圧縮性であり、良好な体積特性を有する。
【0093】
強化構造体は、2つのスキンを含み得て、2つの単針床強化構造体と同等の最終製品特性を与える。したがって、ドレーピング時間が短縮される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】