(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ディスプレイパネルおよびディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230405BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G09F9/00 366A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530768
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021077957
(87)【国際公開番号】W WO2021170050
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/077041
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ アルジン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ジーリアン
(72)【発明者】
【氏名】イエン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リンラン
(72)【発明者】
【氏名】ホー ファン
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA14
5G435BB05
5G435EE49
(57)【要約】
本発明は、ディスプレイパネルおよびディスプレイデバイスを開示する。前記ディスプレイパネルは、タッチ電極に電気的に接続され、ベース基板(100)から離れた擁壁構造(1)の側に配置されるタッチトレース(2)を含み、前記タッチトレース(2)は、第1のトレース部(200)を含くむ。ベース基板(100)上の第1のトレース部(200)の正射影の少なくとも一部は、ベース基板(100)上の第1の擁壁部(10)の正射影と重なる。第1のトレース部(200)は、平均幅が第1の幅(h)である少なくとも1つの第1のトレースサブ部(201)および平均幅が第2の幅(H)である少なくとも1つの第2のトレースサブ部(202)を含む。トレース部(200)の延長方向において、ベース基板(100)上の第1のトレースサブ部(201)の正射影とベース基板(100)上の第1の擁壁部(10)の正射影との間の最小距離は、15um以下であるか15umに等しく、第1の幅(h)は、第2の幅(H)よりも小さく、それにより短絡の発生率を減らす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、
前記ディスプレイパネルは、ベース基板と、擁壁構造と、タッチ電極と、タッチトレースとを備え、
前記ベース基板は、表示領域および前記表示領域を取り囲む周辺領域を含み、
前記擁壁構造は、前記ベース基板上の前記周辺領域に配置され、前記表示領域を取り囲み、前記表示領域の少なくとも片側に配置された第1の擁壁部を含み、
前記タッチ電極は、少なくとも前記表示領域に配置され、
前記タッチトレースは、前記タッチ電極に電気的に接続され、前記ベース基板から離れた前記擁壁構造の側に配置され、前記タッチトレースは、第1のトレース部を含み、前記ベース基板上の少なくとも前記第1のトレース部の正射影の一部は、前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影と重なり、前記第1のトレース部は、平均幅が第1の幅である少なくとも1つの第1のトレースサブ部および平均幅が第2の幅である少なくとも1つの第2のトレースサブ部を含み、前記第1のトレース部の延長方向において、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影との間の最小距離は、15um以下であるか15umに等しく、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも小さいことを特徴とするディスプレイパネル。
【請求項2】
前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影との間の最小距離と前記第1の擁壁部の幅の比率の範囲が0.5未満で0以上であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影の縁は、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と重なることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1の擁壁部は、前記第1のトレース部の延長方向に沿った方向に平坦部および前記平坦部の両側に配置された傾斜部を含み、前記ベース基板上の前記傾斜部の正射影は、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と重なることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記ベース基板上の前記平坦部の正射影は、前記ベース基板上の前記第2のトレースサブ部の正射影と重なることを特徴とする請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第2のトレースサブ部は、前記平坦部に配置された第1の部分および位于前記傾斜部上的第2の部分を含み、前記第1の部分の平均幅は、前記第2の部分の平均幅よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1の部分の平均幅は、前記第2の部分の平均幅の0.8~0.95倍であることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記傾斜部は、第1の傾斜サブ部および第2の傾斜サブ部を含み、前記第2の傾斜サブ部は、前記平坦部に面する前記第1の傾斜サブ部の側に位置し、前記第1の傾斜サブ部の平均勾配は、前記第2の傾斜サブ部の平均勾配よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第1のトレースサブ部と前記第2のトレースサブ部が交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1のトレース部延長方向に垂直な方向に沿った前記第1のトレースサブ部の幅は、前記第1のトレース部延長方向に垂直な方向に沿った前記第2のトレースサブ部の幅の0.6~0.95倍であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第1のトレースサブ部に近い前記第2のトレースサブ部の側に徐々に変化する幅があり、前記第2のトレースサブ部から前記第1のトレースサブ部への方向において、前記第2のトレースサブ部の幅は徐々に減少することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1のトレースサブ部と前記第2のトレースサブ部の分割線は、前記第1の擁壁部の境界と実質的に同じ平面上にあることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項13】
前記第1のトレースサブ部の長さと幅の比率範囲は、約0.3~0.7であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
前記第1のトレースサブ部の長さと第1の擁壁部の幅の比率範囲は、約0.05~0.3であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
前記周辺領域は、ファンアウトデータ信号線をさらに含み、前記ファンアウトデータ信号線は、前記表示領域のピクセル回路のデータ線に電気的に接続され、前記ベース基板上の前記ファンアウトデータ信号線の正射影は、前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影と重なり、前記ベース基板上の前記ファンアウトデータ信号線の正射影は、前記ベース基板上の前記第1のトレース部の正射影と重なることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記ファンアウトデータ信号線の少なくとも一部の延長方向は、前記第1の擁壁部および前記第1のトレース部の延長方向と交差することを特徴とする請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記ディスプレイパネルは、マルチターンの前記擁壁構造を含み、前記第2のトレースサブ部は、2つの隣接する前記擁壁構造の間に配置されたタッチトレースを含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
前記第1の擁壁部と前記第1のトレース部の延長方向は、実質的に垂直であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項19】
ディスプレイパネルであって、
前記ディスプレイパネルは、表示領域と、マルチターンの擁壁構造と、タッチトレースとを備え、
前記表示領域にはタッチ電極があり、
前記マルチターンの前記擁壁構造は、前記表示領域を順番に囲み、前記擁壁構造は、前記表示領域に最も近い内側のターンの擁壁構造,および前記表示領域から最も遠い外側のターンの擁壁構造を含み、
前記タッチ電極は、前記擁壁構造にまたがる前記タッチトレースを介して前記表示領域から引き出され、前記タッチトレースは、前記ジャンパー部に接続されるリード部と、ジャンパー部とを含み、前記ジャンパー部は、前記表示領域に垂直な方向において、前記内側のターンの擁壁構造、前記外側のターンの擁壁構造、前記内側のターンの擁壁構造および前記外側のターンの擁壁構造との間の領域と重なり、前記表示領域に垂直な方向において、前記リード部は、前記擁壁構造と重ならず、前記リード部と前記ジャンパー部の延長方向はほぼ同じであり、少なくとも1つの前記擁壁構造にまたがる前記ジャンパー部の上昇位置での平均幅は、前記リード部の平均幅よりも小さいことを特徴とするディスプレイパネル。
【請求項20】
前記ディスプレイパネルは、複数の前記擁壁構造を有し、異なる前記擁壁構造にまたがる同じ前記ジャンパー部の前記上昇位置での幅は同じであることを特徴とする請求項19に記載のディスプレイパネル。
【請求項21】
異なる前記ジャンパー部の前記上昇位置での幅は同じであることを特徴とする請求項19または、請求項20に記載のディスプレイパネル。
【請求項22】
各前記ジャンパー部の前記上昇位置に前記タッチトレースの外縁から内側に凹んだ中空部があることを特徴とする請求項19に記載のディスプレイパネル。
【請求項23】
各前記ジャンパー部の前記上昇位置の1つに2つの対向する前記中空部があり、2つの前記中空部のノッチは、互いに反対側にあることを特徴とする請求項22に記載のディスプレイパネル。
【請求項24】
沿前記タッチトレースの延長方向上の前記中空部の長さは、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の長さよりも長いことを特徴とする請求項22に記載のディスプレイパネル。
【請求項25】
前記中空部の形状は、長方形、正方形、半円、半楕円、台形、または三角形であることを特徴とする請求項22に記載のディスプレイパネル。
【請求項26】
前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記中空部の長さは、前記タッチトレースの幅の15分の1から5分の1であることを特徴とする請求項25に記載のディスプレイパネル。
【請求項27】
前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記中空部の長さは1μm~3μmであることを特徴とする請求項26に記載のディスプレイパネル。
【請求項28】
前記タッチトレース延長方向上の前記中空部の幅は5μm~15μmであることを特徴とする請求項27に記載のディスプレイパネル。
【請求項29】
2つの隣接する前記擁壁構造間の前記ジャンパー部の幅は、前記リード部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項20に記載のディスプレイパネル。
【請求項30】
前記擁壁構造にまたがる前記ジャンパー部の上昇位置での平均幅と、2つの隣接する前記擁壁構造間の前記ジャンパー部の平均幅は基本的に同じであることを特徴とする請求項29に記載のディスプレイパネル。
【請求項31】
隣接する2つの前記擁壁構造間の異なる前記ジャンパー部の幅は同じであることを特徴とする請求項30に記載のディスプレイパネル。
【請求項32】
前記ジャンパー部は、前記ベース基板から離れた前記擁壁構造の端面と重なる重なり部を含み、前記重なり部の最大幅と前記リード部の最大幅は基本的に同じであることを特徴とする請求項31に記載のディスプレイパネル。
【請求項33】
前記タッチトレースのそれぞれは、隣接する2つのターンの前記擁壁構造の間の位置で、前記タッチトレースの外縁から内側に凹んだ凹状部を有することを特徴とする請求項29に記載のディスプレイパネル。
【請求項34】
前記タッチトレースのそれぞれは、隣接する2つのターンの前記擁壁構造間の位置で、2つの前記凹状部を有し、2つの前記凹状部のノッチは、互いに反対側にあることを特徴とする請求項33に記載のディスプレイパネル。
【請求項35】
前記タッチトレース延長方向上の前記凹状部の長さは、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の長さよりも長いことを特徴とする請求項34に記載のディスプレイパネル。
【請求項36】
前記凹状部の形状は、長方形、半円、半楕円、台形または三角形であることを特徴とする請求項33に記載のディスプレイパネル。
【請求項37】
前記凹状部の形状は長方形であり、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記凹状部の長さは、前記リード部の幅の10分の1から5分の1であることを特徴とする請求項36に記載のディスプレイパネル。
【請求項38】
隣接する2つのターンの前記擁壁構造の間で、前記中空部と前記凹状部は、連通構造であることを特徴とする請求項33に記載のディスプレイパネル。
【請求項39】
前記ディスプレイパネルは、ベース基板と、前記ベース基板上に順番に配置された薄膜トランジスタと、発光層と、カプセル化層とを含み、前記タッチトレースは、前記発光層から離れた前記カプセル化層の側に配置されることを特徴とする請求項19に記載のディスプレイパネル。
【請求項40】
請求項19から請求項39のいずれかの一項に記載のディスプレイパネルを含むディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体技術の分野に関し、特にディスプレイパネルおよびディスプレイデバイスに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年02月27日に中国特許局に提出し、出願番号がPCT/CN2020/077041であり、発明名称が「ディスプレイパネルおよびディスプレイデバイス」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【背景技術】
【0003】
アクティブマトリックス有機発光ダイオード(英語:Active-matrix organic light-emitting diode、略称AMOLED)は、薄さ、低消費電力、高コントラスト、高色域、フレキシブルディスプレイという利点があり、ディスプレイ業界に広く応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AMOLED製品の中で、セル上の柔軟なマルチレイヤー、(Flexible Multi-Layer On Cell,FMLOC)はすでにトレンドデザイン製品である。外部タッチパネル(Touch Screen Panel、TSP)と比較して、コストを大幅に削減でき、統合レベルが高くなる。製品は薄く、折りたたむのが簡単である。
【0005】
しかしながら、従来技術のタッチ統合ディスプレイデバイスは、隣接するタッチワイヤ間で短絡する傾向があり、タッチ障害をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルは、ベース基板と、擁壁構造と、タッチ電極と、タッチトレースとを備え、
前記ベース基板は、表示領域および前記表示領域を取り囲む周辺領域を含み、
前記擁壁構造は、前記ベース基板上の前記周辺領域に配置され、前記表示領域を取り囲み、前記表示領域の少なくとも片側に配置された第1の擁壁部を含み、
前記タッチ電極は、少なくとも前記表示領域に配置され、
前記タッチトレースは、前記タッチ電極に電気的に接続され、前記ベース基板から離れた前記擁壁構造の側に配置され、前記タッチトレースは、第1のトレース部を含み、前記ベース基板上の少なくとも前記第1のトレース部の正射影の一部は、前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影と重なり、前記第1のトレース部は、平均幅が第1の幅である少なくとも1つの第1のトレースサブ部および平均幅が第2の幅である少なくとも1つの第2のトレースサブ部を含み、前記第1のトレース部の延長方向において、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影との間の最小距離は、15um以下であるか15umに等しく、前記第1の幅は、前記第2の幅よりも小さい。
【0007】
可能な実施方法では、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影との間の最小距離と前記第1の擁壁部の幅の比率の範囲が0.5未満で0以上であり、
可能な実施方法では、前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影の縁は、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と重なる。
【0008】
可能な実施方法では、前記第1の擁壁部は、前記第1のトレース部の延長方向に沿った方向に平坦部および前記平坦部の両側に配置された傾斜部を含み、前記ベース基板上の前記傾斜部の正射影は、前記ベース基板上の前記第1のトレースサブ部の正射影と重なる。
【0009】
可能な実施方法では、前記ベース基板上の前記平坦部の正射影は、前記ベース基板上の前記第2のトレースサブ部の正射影と重なる。
【0010】
可能な実施方法では、前記第2のトレースサブ部は、前記平坦部に配置された第1の部分および位于前記傾斜部上的第2の部分を含み、前記第1の部分の平均幅は、前記第2の部分の平均幅よりも小さい。
【0011】
可能な実施方法では、前記第1の部分の平均幅は、前記第2の部分の平均幅の0.8~0.95倍である。
【0012】
可能な実施方法では、前記傾斜部は、第1の傾斜サブ部および第2の傾斜サブ部を含み、前記第2の傾斜サブ部は、前記平坦部に面する前記第1の傾斜サブ部の側に位置し、前記第1の傾斜サブ部の平均勾配は、前記第2の傾斜サブ部の平均勾配よりも大きい。
【0013】
可能な実施方法では、前記第1のトレースサブ部と前記第2のトレースサブ部が交互に配置される。
【0014】
可能な実施方法では、前記第1のトレース部延長方向に垂直な方向に沿った前記第1のトレースサブ部の幅は、前記第1のトレース部延長方向に垂直な方向に沿った前記第2のトレースサブ部の幅の0.6~0.95倍である。
【0015】
可能な実施方法では、前記第1のトレースサブ部に近い前記第2のトレースサブ部の側に徐々に変化する幅があり、前記第2のトレースサブ部から前記第1のトレースサブ部への方向において、前記第2のトレースサブ部の幅は徐々に減少する。
【0016】
可能な実施方法では、前記第1のトレースサブ部と前記第2のトレースサブ部の分割線は、前記第1の擁壁部の境界と実質的に同じ平面上にある。
【0017】
可能な実施方法では、前記第1のトレースサブ部の長さと幅の比率範囲は、約0.3~0.7である。
【0018】
可能な実施方法では、前記第1のトレースサブ部の長さと第1の擁壁部の幅の比率範囲は、約0.05~0.3である。
【0019】
可能な実施方法では、前記周辺領域は、ファンアウトデータ信号線をさらに含み、前記ファンアウトデータ信号線は、前記表示領域のピクセル回路のデータ線に電気的に接続され、前記ベース基板上の前記ファンアウトデータ信号線の正射影は、前記ベース基板上の前記第1の擁壁部の正射影と重なり、前記ベース基板上の前記ファンアウトデータ信号線の正射影は、前記ベース基板上の前記第1のトレース部の正射影と重なる。
【0020】
可能な実施方法では、前記ファンアウトデータ信号線の少なくとも一部の延長方向は、前記第1の擁壁部および前記第1のトレース部の延長方向と交差する。
可能な実施方法では、前記ディスプレイパネルは、マルチターンの前記擁壁構造を含み、前記第2のトレースサブ部は、2つの隣接する前記擁壁構造の間に配置されたタッチトレースを含む。
【0021】
可能な実施方法では、前記第1の擁壁部と前記第1のトレース部の延長方向は、実質的に垂直である。
【0022】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルは、表示領域と、マルチターン(multiturn)の擁壁構造と、タッチトレースとを備え、
前記表示領域にはタッチ電極があり、
マルチターンの前記擁壁構造は、前記表示領域を順番に囲み、前記擁壁構造は、前記表示領域に最も近い内側のターンの擁壁構造,および前記表示領域から最も遠い外側のターンの擁壁構造を含み、
タッチトレース,前記タッチ電極は、前記擁壁構造にまたがる前記タッチトレースを介して前記表示領域から引き出され、前記タッチトレースは、前記ジャンパー部に接続されるリード部と、ジャンパー部とを含み、前記ジャンパー部は、前記表示領域に垂直な方向において、前記内側のターンの擁壁構造、前記外側のターンの擁壁構造、前記内側のターンの擁壁構造および前記外側のターンの擁壁構造との間の領域と重なり、前記表示領域に垂直な方向において、前記リード部は、前記擁壁構造と重ならず、前記リード部と前記ジャンパー部の延長方向はほぼ同じであり、少なくとも1つの前記擁壁構造にまたがる前記ジャンパー部の上昇位置での平均幅は、前記リード部の平均幅よりも小さい。
【0023】
可能な実施方法では、前記ディスプレイパネルは、複数の前記擁壁構造を有し、異なる前記擁壁構造にまたがる同じ前記ジャンパー部の前記上昇位置での幅は同じである。
【0024】
可能な実施方法では、異なる前記ジャンパー部の前記上昇位置での幅は同じである。
【0025】
可能な実施方法では、各前記ジャンパー部の前記上昇位置に前記タッチトレースの外縁から内側に凹んだ中空部がある。
【0026】
可能な実施方法では、各前記ジャンパー部の前記上昇位置の1つに2つの対向する前記中空部があり、2つの前記中空部のノッチは、互いに反対側にある。
【0027】
可能な実施方法では、沿前記タッチトレースの延長方向上の前記中空部の長さは、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の長さよりも長い。
【0028】
可能な実施方法では、前記中空部の形状は、長方形、正方形、半円、半楕円、台形、または三角形である。
【0029】
可能な実施方法では、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記中空部の長さは、前記タッチトレースの幅の15分の1から5分の1である。
【0030】
可能な実施方法では、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記中空部の長さは1μm~3μmである。
【0031】
可能な実施方法では、前記タッチトレース延長方向上の前記中空部の幅は5μm~15μmである。
【0032】
可能な実施方法では、2つの隣接する前記擁壁構造間の前記ジャンパー部の幅は、前記リード部の幅よりも小さい。
【0033】
可能な実施方法では、前記擁壁構造にまたがる前記ジャンパー部の上昇位置での平均幅と、2つの隣接する前記擁壁構造間の前記ジャンパー部の平均幅は基本的に同じである。
【0034】
可能な実施方法では、隣接する2つの前記擁壁構造の間の異なる前記ジャンパー部の幅は同じである。
【0035】
可能な実施方法では、前記ジャンパー部は、前記ベース基板から離れた前記擁壁構造の端面と重なる重なり部を含み、前記重なり部の最大幅と前記リード部の最大幅は基本的に同じである。
【0036】
可能な実施方法では、前記タッチトレースのそれぞれは、隣接する2つのターンの前記擁壁構造の間の位置で、前記タッチトレースの外縁から内側に凹んだ凹状部を有する。
【0037】
可能な実施方法では、前記タッチトレースのそれぞれは、隣接する2つのターンの前記擁壁構造間の位置で、2つの前記凹状部を有し、2つの前記凹状部のノッチは、互いに反対側にある。
【0038】
可能な実施方法では、前記タッチトレース延長方向上の前記凹状部の長さは、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の長さよりも長い。
【0039】
可能な実施方法では、前記凹状部の形状は、長方形、半円、半楕円、台形または三角形である。
【0040】
可能な実施方法では、前記凹状部の形状は長方形であり、前記タッチトレースに垂直な延長方向上の前記凹状部の長さは、前記リード部の幅の10分の1から5分の1である。
【0041】
可能な実施方法では、隣接する2つのターンの前記擁壁構造の間で、前記中空部と前記凹状部は、連通構造である。
【0042】
可能な実施方法では、前記ディスプレイパネルは、ベース基板と、前記ベース基板上に順番に配置された薄膜トランジスタと、発光層と、カプセル化層とを含み、前記タッチトレースは、前記発光層から離れた前記カプセル化層の側に配置される。
【0043】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイデバイスは、本発明の実施形態によって提供される前記ディスプレイパネルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルの平面概略図の1である。
【
図2A】点線のボックスでの
図1の拡大概略図である。
【
図2B】本発明の実施形態による、第1の擁壁部と第1のトレース部の概略断面図の1である。
【
図3A】本発明の実施形態による、第1のトレース部の第1の概略図である。
【
図3B】本発明の実施形態による、第1のトレース部の第2の概略図である。
【
図3C】本発明の実施形態による、第1のトレース部の第3の概略図である。
【
図3D】本発明の実施形態による、第1の擁壁部と第1のトレース部の概略断面図の1である。
【
図3E】本発明の実施形態による、第1のトレース部の第4の概略図である。
【
図3F】本発明の実施形態による、第1のトレース部の第5の概略図である。
【
図3G】本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルの平面概略図の2である。
【
図4】本発明の実施形態による、同じタッチトレースの異なる上昇位置での幅は同じであることを示す概略図である。
【
図5】本発明の実施形態による、中空部の概略図である。
【
図6】本発明の実施形態による、異なる延長方向における中空部の異なる幅の概略図である。
【
図7】本発明の実施形態による、正方形の中空部の概略図である。
【
図8】本発明の実施形態による、半円形の中空部の概略図である。
【
図9】本発明の実施形態による、半楕円形の中空部の概略図である。
【
図10A】本発明の実施形態による、台形中空部の概略図である。
【
図10B】本発明の実施形態による、三角形の中空部の概略図である。
【
図11】本発明の実施形態による、別のタッチトレースの概略構造図である。
【
図12】本発明の実施形態による、別のタッチトレースの拡大概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明に係る実施例の目的、技術案及びメリットをより明確にするため、以下、本発明に係る実施例の図面を参考しながら、本発明に係る実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。説明した実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではないのが明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者は、創造性作業を行わない限りに得られた他の実施例は、全部本発明の保護範囲に属する。
【0046】
別段の定義がない限り、本発明で使用される技術的または科学的用語は、本発明が属する当業者によって理解される通常の意味を有するものとする。本発明で使用される「第1」、「第2」などの用語は、順序、量、または重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。「含む」または「包括」などの用語は、単語の前にある要素またはアイテムが、他の要素またはアイテムを除外することなく、単語の後にリストされた要素またはアイテムおよびその同等物をカバーすることを意味する。「接続」または「結合」などの用語は、物理的または機械的接続に限定されず、直接または間接を問わず、電気的接続を含み得る。
【0047】
図面中のすべてのグラフのサイズおよび形状は、真の縮尺を反映しておらず、本発明の内容を説明することのみを意図していることに留意されたい。同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の要素、または最初から最後まで同じまたは類似の機能を持つ要素を表す。
【0048】
図1、2Aおよび2Bを参照すると、
図2Aは、
図1の点線のボックスの拡大概略図であり、
図2Bは、
図2Aの点線の円の断面概略図であり、本発明は、以下を含むディスプレイパネルを提供する。
【0049】
ベース基板100は、表示領域AAと、表示領域AAを取り囲む周辺領域BBとを含む。
【0050】
擁壁構造1は、ベース基板100の周辺領域BBに配置され、表示領域AAを取り囲み、表示領域AAの少なくとも片側に配置された第1の擁壁部10を含む。
【0051】
タッチ電極は、少なくとも表示領域AAに配置される。
【0052】
タッチトレース2は、タッチ電極に電気的に接続されており、ベース基板10から離れた擁壁構造1の側に配置されている。具体的には、擁壁構造1とタッチトレース2の間にカプセル化層などの他の層が配置される。タッチトレース2は、第1のトレース部200を含む。少なくとも一部は、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影と重なり、第1のトレース部200は、平均幅が第1の幅hである少なくとも1つの第1のトレースサブ部201と、平均幅が第2の幅Hである少なくとも1つの第2のトレースサブ部202とを含む。第1の幅hは、第2の幅Hよりも小さい。第1のトレース部200の延長方向ABに沿って、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影とベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影間の最小距離は、15um以下であるか15umに等しい。ここで、
図2Aは、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影とベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影は重なり、この場合、2つの間の距離は0である。具体的には、可能な実施方法では、
図3Aに示すように、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影とベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影が重ならない場合、二者の最小距離は、第1の擁壁部10に近い第1のトレースサブ部201の境界B1と、第1のトレースサブ部201に近い第1の擁壁部10の境界B2との間の距離kとして理解することができる。距離kは15μm以下であり、距離kは小さいため、第1のトレース部200の部分幅が減少していると考えられる。この部分は、第1のトレース部200と第1の擁壁部10との境界が交差する付近領域であることが理解できる。可能な実施方法では、距離kは5μm以下であり得る。具体的には、第1の幅hおよび第2の幅Hは、値の範囲内であり得る。例えば、第1の幅hは、約14~16μmであり得、第2の幅Hは、15~20μmであり得る。
【0053】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルにおいて、タッチトレースにおいて、少なくとも一部は、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影と重なり、第1のトレース部200は、平均幅が第1の幅hである少なくとも1つの第1のトレースサブ部201と、平均幅が第2の幅Hである少なくとも1つの第2のトレースサブ部202とを含む。第1の幅hは、第2の幅Hよりも小さい。第1のトレースサブ部201と第2のトレースサブ部202は交互に配置され、第1のトレース部200の延長方向ABに沿って、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影とベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影間の最小距離は、15um以下であるか15umに等し。つまり、タッチトレース2が外部回路(例えばFPC)から表示領域(AA)へ入る場合、擁壁構造1(Dam)を通過するとき、大きい段差があり、タッチトレース2を形成する金属膜層を露出させるとき、擁壁構造1にフォトレジスト(PR)残留がなりやすくなる。異なる信号の同じフィルム層金属トレースの急勾配にフォトレジスト残留物が生じでしまい、その後のフォトレジストの除去後、金属残留物が発生し、タッチトレース2間の短絡が発生し、さらに、タッチ障害をもたらす。本発明のこの実施形態では、タッチトレース2を、擁壁構造1にまたがる位置で交互に変化する幅を有する構造に設定することにより、タッチトレース間のスペースを増やすことができ、短絡の発生率を低減し、歩留まりを向上し、タッチ統合ディスプレイデバイスが隣接するタッチワイヤ間で短絡する傾向があり、タッチ障害をもたらす問題を改善する。
【0054】
特定の実装形態では、第1のトレースサブ部201と第2のトレースサブ部202は交互に配置される。
【0055】
可能な実施方法では、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影とベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影間の最小距離と第1の擁壁部10幅の比率範囲が0.5未満で0以上である。
【0056】
特定の実装形態では、
図2Aに示されるように、ディスプレイパネルは、マルチターンの擁壁構造1を含み、第2のトレースサブ部202は、2つの隣接する所擁壁構造1の間に配置されたタッチトレース203を含む。
【0057】
特定の実装形態では、
図2Aに示されるように、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影縁B1は、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影と重なり、すなわち、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影縁B1は、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影に配置されている。本発明の実施形態では、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影縁B1は、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影と重なり、すなわち、タッチトレース2の幅が減少される部分は、第1の擁壁部10と交差し始める位置にあり、タッチトレース2がパターン化されたときに第1の擁壁部分10の傾斜上にフォトレジストが容易に蓄積することを改善する。そこに金属が露出すると残留物が発生し、短絡故障を引き起こす。
【0058】
特定の実装形態では、
図2Bおよび
図3Bに示されるように、第1の擁壁部10は、第1のトレース部201の延長方向(すなわち、第1のトレース部200の延長方向AB)に沿った平坦部101および平坦部分101の両側に配置された傾斜部102を含む。ベース基板100上の傾斜部102の正射影は、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影と重なる。ベース基板100上の平坦部101の正射影は、ベース基板100上の第2のトレースサブ部202の正射影と重なる。本発明の実施形態では、ベース基板100上の傾斜部102の正射影は、ベース基板100上の第1のトレースサブ部201の正射影と重なり、すなわち、第1の擁壁部10の傾斜部分でのタッチトレース2の幅は、フォトレジストが斜面に容易に堆積するのを防ぐために減少され、その結果、斜面に残留金属が露出し、短絡故障を引き起こす。
【0059】
可能な実施方法では、
図3Cに示されるように、第2のトレースサブ部202は、平坦部101に位置する第1の部分2021および傾斜部102に位置する第2の部分2022を含む。第1の部分2021の平均幅c1は、第2の部分2022の平均幅c2よりも小さい。具体的には、第1の部分2021の平均幅c1は、第2の部分2022の平均幅c2の0.8~0.95倍である。
【0060】
特定の実装形態では、
図3Dに示されるように、傾斜部102は、第1の傾斜サブ部1021および第2の傾斜サブ部1022を含む。第2の傾斜サブ部1022は、平坦部101に面する第1の傾斜サブ部1021の側に配置される。第1の傾斜サブ部1021の平均勾配k1は、第2の傾斜サブ部1022の平均勾配k2よりも大きい。
【0061】
可能な実施方法では、
図3Eに示されるように、第1のトレースサブ部201に近い第2のトレースサブ部202の側に上場に変化する幅を有する。第2のトレースサブ部202から第1のトレースサブ部201までの方向で、第2のトレースサブ部202の幅c3は徐々に減少する。
【0062】
可能な実施方法では、
図3Fに示されるように、第1のトレースサブ部201と第2のトレースサブ部202の分割線B3は、第1の擁壁部10の境界B4と実質的に同一平面上にある。具体的には、と実質的に同一平面上にある範囲は、0~1μmであり得る。
【0063】
特定の実装形態では、
図2Aに示されるように、第1のトレース部200に垂直する延長方向AB上の第1のトレースサブ部201の幅hは、第1のトレース部200に垂直する延長方向AB上の第2のトレースサブ部202の幅Hの0.6~0.95倍である。
【0064】
特定の実装形態では、
図2Aに示されるように、第1のトレースサブ部201の長さfと幅hの比率範囲は、約0.3から0.7の範囲である。
【0065】
特定の実装形態では、
図2Aに示されるように、第1のトレースサブ部201の長さfと第1の擁壁部10の幅eの比率範囲は、約0.05~0.3である。
【0066】
特定の実装形態では、
図3Gに示されるように、周辺領域BBは、ファンアウトデータ信号線5をさらに含み、ファンアウトデータ信号線5は、表示領域AAのピクセル回路のデータ線(図には示されていない)に電気的に接続され、ベース基板100上のファンアウトデータ信号線5の正射影は、ベース基板100上の第1の擁壁部10の正射影と重なる。ベース基板100上のファンアウトデータ信号線5の正射影は、ベース基板100上の第1のトレース部200の正射影と重なる。具体的には、少なく一部のファンアウトデータ信号線5の延長方向は、第1の擁壁部10および第1のトレース部200の延長方向と交差する。具体的には、ファンアウトデータ信号線5およびタッチトレース2は、異なる層上に配置され得、そして2つは互いに絶縁されている。
【0067】
特定の実装形態では、第1の擁壁部10および第1のトレース部200の延長方向は、実質的に垂直である。
【0068】
【0069】
表示領域AAは、タッチ電極(図には示されていない)を有する。具体的には、ディスプレイパネルは、表示領域AAの周辺領域BBをさらに含むことができる。
【0070】
マルチターンの擁壁構造1は、表示領域AAを順番に取り囲み、擁壁構造1は、表示領域AAに最も近い内側のターンの擁壁構造11および表示領域AAから最も遠い外側のターンの擁壁構造12を含む。具体的には、擁壁構造1と表示領域AAとの間の距離は、ディスプレイパネルに平行する表示面および擁壁構造1に垂直する延長方向(例えば、
図1の矢印XYで示される方向)において、各擁壁構造1と表示領域AAの外縁との間の距離として理解してもよい。
図1は、例として2つの擁壁構造1のターンを有するパネル表示の概略図にすぎないことに留意されたい。特定の実装形態では、本発明の特定の実施において、ディスプレイパネルはまた、3つのターン、4つのターン、および5つのターンなどの他の数の擁壁構造1を有することができる。
【0071】
タッチトレース2、タッチ電極1は、擁壁構造1にまたがるタッチトレース2を通って表示領域AAから引き出され、タッチトレース2は、ジャンパー220およびジャンパー部220に接続されるリード部210を含む。ジャンパー部220は、表示領域AAに垂直な方向に、内側のターンの擁壁構造11、外側のターンの擁壁構造12、内側のターンの擁壁構造11と外側のターンの擁壁構造12との間の領域と重なる。リード部210は、表示領域AAに垂直な方向に、擁壁構造1と重ならない。リード部210とジャンパー部220の延長方向は、ほぼ同じである。少なくとも1つの擁壁構造1にまたがる上昇位置でのジャンパー部220の平均幅hは、リード部210の平均幅Hよりも小さい。ジャンパー部220の幅、リード部210の幅は、表示面に平行で、タッチトレース2の延長方向に垂直な幅として具体的に理解することができる。具体的には、
図2Bに示すように、上昇位置は、擁壁構造1の下部から擁壁構造1の上部に登ることによって横断される領域として理解される。
【0072】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルは、表示領域と、表示領域を取り囲む擁壁構造を有する。表示領域は、タッチ電極を有する。タッチ電極は、擁壁構造にまたがるタッチトレースを介して表示領域から引き出される。ここで、擁壁構造1にまたがる上昇位置でのジャンパー部220の幅hは、リード部210の幅Hよりも小さい。すなわち、タッチトレースが外部回路(例えばFPC)から表示領域(AA)に入るとき、擁壁構造(Dam)に大きい段差があり、タッチトレースを形成する金属膜層が露出すると、擁壁構造の急勾配にフォトレジスト(PR)残留物が発生しやすくなる。異なる信号の同じフィルム層金属トレースの急勾配にフォトレジスト残留物が生じでしまい、その後のフォトレジストの除去後、金属残留物が発生し、タッチトレース間の短絡を引き起こし、さらに、タッチ障害をもたらす,これに対し、本発明の実施形態では、擁壁構造にまたがる上昇位置でのタッチトレースの幅が減少し、これにより、上昇位置でのタッチトレース間のスペースが増加し、短絡の発生率を低減し、歩留まりを向上し、タッチ統合ディスプレイデバイが、隣接するタッチワイヤ間で短絡する傾向があり、タッチ障害をもたらすモダンを改善する。
【0073】
特定の実装形態では、本発明の実施形態のディスプレイパネルは、FMLOCディスプレイパネルであり得る。すなわち、ディスプレイパネルの有機発光ダイオードをカプセル化するためのカプセル化層が製造された後、タッチフィルム層がその上に直接製造される。タッチとディスプレイが同じパネルに統合される。具体的には、
図1に示すように、タッチ電極は、ディスプレイパネルの片側にあるフレーム(例えば、下部フレーム)の擁壁構造1から引き出され、擁壁構造1外側にあるタッチトレース2は、可撓性回路基板FPCに引き出すことができる。
【0074】
本発明の実施形態による擁壁構造は、具体的には、カプセル化プロセス中にカプセル化層内の有機カプセル化材料の流れを遮断する擁壁構造であり得ることに留意されたい。
【0075】
特定の実装形態では、ディスプレイパネルは複数の擁壁構造1を有し、異なる擁壁構造1にまたがる上昇位置での同じジャンパー部220の幅は同じである。すなわち、
図4に示すように、例えば、ディスプレイパネルは、2つのターンの擁壁構造1を有する。各ジャンパー部220は、表示領域AAから外側へ2つのターンの擁壁構造1を通過する場合、第1の上昇位置A1、第2の上昇位置A2、第3の上昇位置A3、第4の上昇位置A4を通過しなければならない。第1の上昇位置A1位置上の幅h11、第2の上昇位置でA2上の幅h12、第3の上昇位置A3上の幅h13,第4の上昇位置A4上の幅h14があり、h11、h12、h13、およびh14はすべて同じである。本発明の実施形態では、異なる擁壁構造にまたがる上昇位置での同じジャンパー部220幅は同じであり、これは、本発明の実施形態でタッチトレースを製造することの困難さを低減するのに有益である。
【0076】
特定の実装形態では、上昇位置での異なるジャンパー部220の幅は同じである。すなわち、例えば、
図4に示すように、上昇位置での左から第2のジャンパー部220の幅h21および上昇位置での左から第1のジャンパー部220の幅h11の幅は同じである。本発明の実施形態では、上昇位置での異なるタッチトレース2の幅は同じであり、これは、本発明の実施形態でタッチトレースを製造することの困難さを低減するのに有益である。また、異なるタッチトレース2が、幅が異なるため、ディスプレイパネルに提供されるタッチ信号が異なるという問題が発生することを回避する。
【0077】
特定の実装形態では、
図2A、
図4、および
図5に示されるように、各ジャンパー220は、上昇位置でタッチトレースの外縁から内側に凹んだ(
図5の矢印によって示されるように)中空部21を有する。具体的には、各ジャンパー部220は、1つの上昇位置で2つの対向する中空部21を有する。2つの中空部21のノッチは、互いに反対側にある。すなわち、例えば、
図5に示すように、左から第1のジャンパー部220は、1つの上昇位置A1で第1の中空部211および第2の中空部212を有し、第1の中空部211のノッチおよび第2の中空部212のノッチは、互いに反対側を向いている。
【0078】
特定の実装形態では、
図6に示されるように、タッチトレース延長方向ABに沿った中空部21の長さyは、タッチトレース2に垂直な延長方向(すなわち、矢印CDで示される方向)上の長さxよりも大きい。本発明の実施形態では、y方向は、タッチトレース2が擁壁構造1から上昇する方向であるため、x方向は、異なるタッチトレース2が容易に短絡される方向である。タッチトレース2は上昇位置での傾斜が長いため、yの設定が大きくなる。xが大きくならず、タッチトレース2自体の線幅が比較的小さいため、x方向が大きくなりすぎると、耐性変異を引き起こす。
【0079】
特定の実施において、中空部21の形状は、
図5または
図6に示されるように長方形である。中空部21の形状はまた、
図7に示されるように正方形であり得る。中空部21はまた、
図8に示されるように、半円であり得る。中空部21の形状はまた、
図9に示されるように、半楕円であり得る。中空部21の形状はまた、
図10Aに示されるように台形であり得る。
図10Bに示されるように、中空部21の形状はまた、三角形であり得る。もちろん、上記の長方形、正方形、半円、半楕円、台形、および三角形は、実際の生産では、生産工程の誤差を考慮して、近似長方形、近似正方形、近似半円、近似半楕円、近似三角形であってもよいことが理解できる。
【0080】
特定の実施において、
図6に示されるように、中空部21の形状は長方形であり、タッチトレース2の延長方向ABに沿った中空部21の長さxは、タッチトレース2の幅Hの15分の1から5分の1である。具体的には、タッチトレース2の延長方向ABに沿った中空部21の長さxは、タッチトレース2の幅Hの10分の1から5分の1である。本発明の実施形態では、タッチトレース2の延長方向ABに沿った中空部21の長さxは、タッチトレース2の幅Hの10分の1から5分の1であり、これにより、上昇位置での短絡の問題が発生しやすいことを改善する一方で、タッチトレースの線幅が狭すぎると、タッチトレース自体の信号伝送能力に影響を与えることも回避できる。
【0081】
特定の実装形態では、
図6に示すように、タッチトレース2に垂直な延長方向ABに沿った中空部21の長さxは1μm~3μmである。具体的には、例えば、2.6μmであり得る。タッチトレース2の延長方向ABに沿った中空部21の幅yは5μm~15μmであり、具体的には、例えば、7mであり得る。
【0082】
特定の実施において、タッチトレース2は、
図2Aおよび
図4に示されるように、上昇位置での幅のみを減少させることができる、すなわち、擁壁構造1にまたがる上昇位置でのタッチトレース2の幅hは、他の位置でのタッチトレース2の幅Hよりも小さく、他の位置は、具体的には、上昇位置以外の位置でのタッチトレース2の幅であり得る。
【0083】
特定の実施において、
図11に示されるように、タッチトレース2はまた、上昇位置での幅を減少させることに加えて、2つの隣接する擁壁構造1の間(
図11の長方形コイルC)でのジャンパー220の幅も減少される。すなわち、2つの隣接する擁壁構造1の間のジャンパー部220の幅pは、リード部分210の幅Hよりも小さい。2つの隣接する擁壁構造1間の距離が小さく、2つの隣接するタッチトレース2間の距離も小さいため、パターニングスペースが制限される。本発明の実施形態では、タッチトレース2は、上昇位置での幅、2つの隣接する擁壁構造1の間のジャンパー部220の幅も減少し、これは、隣接する擁壁構造1の間のフォトレジスト残留物によって引き起こされるタッチトレース1の短絡のリスク問題をさらに改善することができる。
【0084】
具体的な実施において、
図11を参照すると、擁壁構造1にまたがる上昇位置でのジャンパー部220の平均幅hは、2つの隣接する擁壁構造1の間のジャンパー部220の平均幅pと基本的に同じである。本発明の実施形態では、擁壁構造1にまたがる上昇位置でのジャンパー部220の幅hは、2つの隣接する擁壁構造1間のジャンパー部220の幅pと同じであり、これにより、タッチトレース1の製造工程は、単純化することができ、ディスプレイパネルの製造コストを削減する。
【0085】
特定の実施形態では、2つの隣接する擁壁構造1の間の異なるジャンパー部220の幅は同じである。例えば、
図11を参照すると、2つの隣接する擁壁構造1の間の左からの第1のジャンパー部220の幅pは、2つの隣接する擁壁の間の左からの第2のジャンパー部220の幅pと同じである。本発明の実施形態では、2つの隣接する擁壁構造1の間の異なるブリッジング部分220の幅は同じであり、これにより、タッチトレース1の製造プロセスを簡素化し、ディスプレイパネルの製造コストを削減することができる。
【0086】
具体的な実施例では、
図2Bおよび
図11に示すように、ジャンパー部220は、ジャンパー部220に面する擁壁構造1の端面10と重なる重なり部230を含む。重なり部230の最大幅Yはリード部210の最大幅Hと同じである。
【0087】
特定の実装形態では、
図11および
図12に示されるように、各タッチトレース2は、隣接する2つのターンの擁壁構造1の間にタッチトレース2外縁から内側に凹んだ凹状部22を有する。具体的には、各タッチトレース2は、隣接する2つのターンの擁壁構造1の間に2つの凹状部22を有する。2つの凹状部22のノッチは、互いに反対側にある。
【0088】
特定の実施において、タッチトレースの延長方向に沿った凹状部22の長さbは、タッチトレースに垂直な延長方向に沿った長さaよりも大きい。2つの隣接する擁壁構造1間の距離が大きいため、タッチトレースの延長方向に沿って設けられる凹状部22の長さは比較的長い。タッチトレースに垂直な延長方向に沿った凹状部22の長さaは長すぎず、タッチトレース2自体の線幅は比較的小さいことを考慮してください。aが大きいと、抵抗が急激に変化する。
【0089】
特定の実装形態では、隣接する2つのターンの擁壁構造1の間で、中空部21および凹部分22は、連通構造内にある。本発明の実施形態では、隣接する2つのターンの擁壁構造1の間で、上昇位置に設けられた凹状部22と中空部21は同じ構造であり、タッチトレース2の製造工程を簡単かし、ディスプレイパネルの製造コストを削減する。
【0090】
特定の実装形態では、凹状部22の形状は、長方形、半円、半楕円、台形、または三角形であり得る。
【0091】
特定の実装形態では、凹状部22の形状は長方形であり、タッチトレース2に垂直な延長方向に沿った凹状部22の長さaは、リード部210幅Hの10分の1から5分の1である。本発明の実施形態では、タッチトレース2に垂直な延長方向に沿った凹状部22の長さaはリード部210幅Hの10分の1から5分の1であり、隣接する擁壁構造1間でタッチトレースの短絡の問題が発生しやすい問題を改善し、タッチトレースの線幅が狭すぎると、タッチトレース自体の信号伝送能力に影響を与えることも回避できる。
【0092】
特定の実装形態では、タッチトレース2に垂直な延長方向に沿った凹状部22の長さaは、1μm~3μmである。具体的には、例えば、凹状部22具体的には、タッチトレース2延長方向上の凹状部22の幅bは、30μm~45μmであり得る。具体的には、例えば、37μmであり得る。
【0093】
具体的には、
図11に示すように、リード部210の幅Hは、10μm~45μmである。具体的には、例えば、14μm~15μmである。具体的には、例えば、14.6μmであり得る。具体的には、2つの隣接するリード部分210間の距離k1は、15μm~25μmであり得る。具体的には、例えば、19μmであり得る。
【0094】
具体的には、
図11に示すように、上昇位置でのジャンパー部220の幅hは、10μm~15μmであって、例えば、12μmであり得る。2つの隣接する擁壁構造1との間のジャンパー部220の幅pは、具体的には10μm~15μmであり得る。具体的には、例えば、12μmであり得る。具体的には、上昇位置での2つの隣接するジャンパー部220間の距離k2は、20μm~25μmであり得る。具体的には、例えば、21.6μmであり得る。
【0095】
特定の実装形態では、
図11に示すように、擁壁構造1の幅k3は、30μm~40μmであり得る。2つの隣接する擁壁構造1の間の距離k4は、30μm~40μmであり得る。
【0096】
特定の実施中に、擁壁構造1とタッチトレース2との間に、カプセル化層などの他の層を使用することもできる。特定の実装形態では、ディスプレイパネルは、ベース基板、ベース基板上に順次に配置される薄膜トランジスタ、発光層、およびカプセル化層を順番に含む。ここで、タッチトレースは、発光層から離れたカプセル化層の側に配置される。擁壁構造1は、発光層とカプセル化層との間に配置することができる。
【0097】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルを含むディスプレイデバイスをさらに提供する。
【0098】
本発明の実施形態の有益な効果は以下の通りである。
【0099】
本発明の実施形態によって提供されるディスプレイパネルは、表示領域と、表示領域を取り囲む擁壁構造とを備える。表示領域は、タッチ電極を含む。タッチ電極は、擁壁構造にまたがるタッチトレースを介して表示領域から引き出される。ここで、擁壁構造にまたがる上昇位置でのジャンパー部の幅は、リード部の幅よりも小さくなる。すなわち、タッチトレースは、外部回路(例えばFPC)から表示領域(AA)に入ると、下部擁壁構造(Dam)を通過した後、大きい段差があり、タッチトレースを形成する金属膜層が露出すると、擁壁構造の急勾配にフォトレジスト(PR)残留物が発生しやすくなる。異なる信号の同じフィルム層金属トレースの急勾配にフォトレジスト残留物が生じでしまい、その後のフォトレジストの除去後、金属残留物が発生し、タッチトレース間の短絡を引き起こし、タッチ障害をもたらす。擁壁構造にまたがる上昇位置でのタッチトレースの幅が減少し、これにより、上昇位置でのタッチトレース間のスペースが増加し、短絡の発生率を低減し、歩留まりを向上し、タッチ統合ディスプレイデバイスの場合、隣接するタッチワイヤ間での短絡傾向およびタッチ障害をもたらす問題を改善する。
【国際調査報告】