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特表2023-514956ヒドロキサム酸およびアトラクチレノリドを含む局所用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ヒドロキサム酸およびアトラクチレノリドを含む局所用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/42 20060101AFI20230405BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
A61K8/42
A61Q5/00
A61K8/49
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022543102
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2021050616
(87)【国際公開番号】W WO2021144326
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/072838
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】20157944.8
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】チュウ,チャン-チン
(72)【発明者】
【氏名】プ,ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジョンシウ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC841
4C083AC842
4C083AC851
4C083AC852
4C083BB53
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC38
4C083EE23
(57)【要約】
(i)ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質と、(ii)アトラクチレノリド化合物とを含む局所用組成物であって、上記アトラクチレノリド化合物の量と上記抗微生物活性物質の量との重量比が、少なくとも5:1である局所用組成物が開示される。安全かつ効果的な量の局所用抗微生物組成物を塗布する工程を含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗微生物効果を提供する非治療的方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質と、
(ii)アトラクチレノリド化合物と
を含む局所用組成物であって、
前記アトラクチレノリド化合物の量と前記抗微生物活性物質の量との重量比が、少なくとも5:1である、局所用組成物。
【請求項2】
前記アトラクチレノリド化合物の量と前記抗微生物活性物質の量との重量比が、5:1~1280:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アトラクチレノリド化合物を含む、アトラクチロデス種の抽出物、あるいはセンリョウまたはフタリシズカの抽出物を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アトラクチレノリド化合物が、アトラクチレノリドIまたはIIである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗微生物活性物質が、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンのうちの少なくとも1つである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記抗微生物活性物質が、カプリルヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンのうちの少なくとも1つである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記アトラクチレノリド化合物の量が、0.01~10重量%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗微生物活性物質の量が、0.01~10重量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
水を含む化粧品的に許容可能な担体を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記担体が、界面活性剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ウォッシュオフヘアケア組成物またはリーブオンヘアケア組成物である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗微生物効果を提供するのに使用するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項13】
ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア種に対して使用するための、請求項12に記載の局所用組成物。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の局所用抗微生物組成物の安全かつ効果的な量を塗布する工程を含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗微生物効果を提供する非治療的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所用抗微生物組成物、特に化粧用組成物に関し、さらに詳細には、相乗的な抗微生物効果を提供するように相互作用し、少なくとも、美容関連性の状態、例えば、フケおよび座瘡に関連するいくつかの微生物に対して有用な活性物質を含む化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、任意の身体部分の洗浄および/またはケアに有用であるが、特に毛髪および頭皮のケア、手指衛生、または顔のケアおよびクレンジングに適した抗微生物組成物に関する。
【0003】
フケは、世界中の多くの人々に影響を及ぼす問題である。この状態は、頭皮から死んだ皮膚細胞の塊が脱落することによって現れる。これらは白色であり、容易に視認可能であるため、審美的に不快な外観を呈する。フケに寄与する1つの要因が、マラセチア(Malassezia)酵母の特定の成員である。それらに対抗するために、シャンプーなどの様々なフケ防止組成物が入手可能である。通常、このようなシャンプーは、界面活性剤および1つ以上のフケ防止剤を含有する。典型的なフケ防止剤には、金属ピリチオン、例えば、ピリチオン亜鉛(ZPTO)、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、アゾール抗微生物剤(例えばクリンバゾール)、硫化セレンおよびそれらの組合せがある。
【0004】
かかるシャンプーにおいて、フケの問題は、上記活性物質を使用することによって大幅に軽減されるが、さらに効果的な組成物が必要とされている。
【0005】
尋常性座瘡としても知られている座瘡は、ほぼすべての青年および成人が罹患する一般的な皮膚状態である。座瘡は、異常な角質化と、過剰な皮脂産生とを含む複雑な病因を有する。座瘡は、通常、皮脂腺が豊富な領域、例えば、顔、首および背中に生じる。細菌キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)(C.アクネス、以前はプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)またはP.アクネスとして知られていた)も座瘡の発生に関与している。座瘡は、多くの方法で治療されてきた。ほとんどの治療は、顕著な変化が見られるまでに数週間から数ヶ月を要する。抗細菌効果を有する過酸化ベンゾイルは、軽度の座瘡の場合に使用されているほか、さらに座瘡が形成されるのを予防すると考えられている。極めて重篤な座瘡の場合、テトラサイクリン、エリスロマイシンおよびクリンダマイシンのような抗生物質が使用されてきた。
【0006】
XP055720751(Mingchen Cosmetics)は、ピロクトンオラミンおよびホソバオケラ(Atractylodes lancea)根抽出物を含む高級トリートメントシャンプーを開示している。ただし、ピロクトンオラミンとホソバオケラ根抽出物との重量比は開示されていない。
【0007】
中国特許第110693751号(Zhou Le)は、(i)カプリルヒドロキサム酸と、(ii)アトラクチロデス(Atractylodes)根粉末およびシナオケラ(Atractylodes chinensis)抽出物またはホソバオケラ抽出物とを含む美容クリームを開示している。ただし、カプリルヒドロキサム酸と根粉末およびシナオケラ抽出物またはホソバオケラ抽出物との重量比は開示されていない。
【0008】
中国特許第110787069号(Luo Xianyi)は、(i)アトラクチロデス・マクロセファラエ(Atractylodes macrocephalae)抽出物と、(ii)カプリロイルヒドロキサム酸またはオクタノイルヒドロキサム酸とを含むフェイスマスクを開示している。ただし、(i)と(ii)との重量比は開示されていない。
【0009】
中国特許第109700733号(Zhangjiajie Chakunyuan Biotechnology Dev Co Ltd)は、(i)アトラクチロデス・マクロセファラエ抽出物(エコンミア(Ecommia)種子植物抽出物の一部として)と、(ii)カプリル/オクチル/オクタノイルヒドロキサム酸とを含むフェイスマスクを開示している。ただし、(i)と(ii)との重量比は開示されていない。
したがって、本発明の目的は、個々の成分と比較して相乗的な抗微生物活性を示す局所用組成物を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】XP055720751
【特許文献2】中国特許第110693751号
【特許文献3】中国特許第110787069号
【特許文献4】中国特許第109700733号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、天然植物に通常見出される特定の活性物質が、ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体である典型的な抗微生物活性物質とともに製剤化されると、その組合せが、フケおよび座瘡のような状態に関連するいくつかの微生物に対して非常に効果的であることを特定した。これにより、上記の組合せを含む組成物が、フケ防止、抗座瘡および一般的な抗微生物活性を有し得、例えば、シャンプー、ボディケアおよびフェイスケアに使用するのに好適であり得るという推論が導かれた。上記で言及した特定の活性物質とは、アトラクチレノリド化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、第1の態様によれば、
(i)ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質と、
(ii)アトラクチレノリド化合物とを含む局所用組成物であって、上記アトラクチレノリド化合物の量と上記抗微生物活性物質の量との重量比が、少なくとも5:1である局所用組成物が開示される。
【0013】
第2の態様によれば、ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗微生物効果を提供するのに使用するための、第1の態様の局所用組成物が開示される。
【0014】
第3の態様によれば、第1の態様の局所用抗微生物組成物の安全かつ効果的な量を塗布する工程を含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗微生物効果を提供する非治療的方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による組成物は、様々な異なる形態を有することができる局所的に許容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤を含む。局所的に許容可能な担体は、好ましくは非刺激性であるべきである。したがって、「局所的に許容可能な」は、担体が、いかなる不都合な安全性または毒性懸念も引き起こすことなく、皮膚に局所塗布するのに適していることを意味する。言い換えれば、これらの担体は、哺乳動物の皮膚に対して使用するのに適している。典型的な担体は、水-アルコール系(例えば、液体およびゲル)、無水油もしくはシリコーン系、または限定するものではないが、水中油型、油中水型、水中油中水型およびシリコーン中水中油型を含むエマルジョン系の形態であり得る。エマルジョンは、薄いローション(スプレーまたはエアロゾル送達にも適し得る)、クリーム状ローション、軽いクリームおよび重いクリームを含む広範囲の稠度を包含することができる。エマルジョンはまた、マイクロエマルジョン系を含むことができる。他の好適な局所用担体には、無水固体および半固体(ゲルおよびスティックなど)、ならびに水性ベースのムース系が含まれる。本発明で有用な局所用担体系の非限定的な例を以下に記載する。
【0016】
これらおよび他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。疑義を避けるために、本発明の一態様の任意の特徴が、本発明の他の任意の態様において利用されてもよい。用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は網羅的である必要はない。以下の説明に示される実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図していないことに留意されたい。同様に、本明細書に含まれるすべてのパーセンテージおよび比は、他に指示がない限り、重量/重量パーセンテージである。
【0017】
操作および比較実施例、または他に明示されている場合を除いて、材料の量または反応条件、材料および/または使用の物理的特性を示す本明細書中のすべての数字が、用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。特に指定しない限り、「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。特定の特徴について複数の好ましい範囲が「xからy」の形式で記載されている場合、異なる端点を組み合わせるすべての範囲も企図されることが理解される。上記の個々の項で言及されている本発明の様々な特徴は、必要に応じて、他の項に準用される。したがって、ある項で指定された特徴は、必要に応じて、他の項で指定された特徴と組み合わせられ得る。項の任意の見出しは便宜のためにのみ追加されたものであり、本開示を限定することを決して意図するものではない。
【0018】
局所用組成物とは、哺乳動物、特にヒトの局所領域、例えば、皮膚および/または毛髪およびまたは口腔を洗浄または消毒することを意図したリーブオン形式またはウォッシュオフ形式の形態の外用組成物を意味する。そのような組成物には、外観、クレンジング、臭気制御または一般的な美観も改善するために人体に塗布される任意の製品が含まれる。一態様によれば、本発明による組成物は、リンスオフ組成物である。あるいは、それらはリーブオン組成物である。本発明の組成物は、液体、ローション、クリーム、フォームもしくはゲル、もしくはトナーの形態であり得るか、または器具を用いて、もしくはフェイスマスク、パッドもしくはパッチを介して塗布され得る。本明細書で使用される場合、「皮膚」は、顔および身体(例えば、首、胸、背中、腕、脇の下、手、脚、臀部および頭皮)上の皮膚を含むことを意味する。本発明の組成物はまた、皮膚以外の人体の任意の他の外部基質、例えば毛髪への塗布にも関連する。
【0019】
本明細書で使用される「抗微生物組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの皮膚、毛髪および/または頭皮への局所塗布のための組成物を含むことを意味する。そのような組成物は、一般に、数秒から最大24時間にわたって、身体の所望の局所表面に塗布される。例えば、数秒から数分程度と塗布時間が短く、その後、組成物が水ですすぎ落とされるか、または拭き取られる場合、そのような組成物は、クレンジング組成物またはリンスオフ組成物として知られている。組成物が、約数分から24時間までのさらに長い時間にわたって塗布され、通常のパーソナル洗浄のプロセス中に通常洗い流される場合、そのような組成物は、リーブオン組成物として知られている。組成物は、さらに好ましくは、頭皮および/もしくは毛髪上のフケの症状を予防もしくは緩和するため、抗座瘡効果のため、または手、もしくは人体の他の部分を消毒するために使用される。
【0020】
本明細書で使用される「ヘアケア組成物」は、毛髪への局所塗布のための組成物を含むことを意味する。そのような組成物の非限定的な例には、リーブオンヘアローション、クリーム、およびウォッシュオフシャンプー、コンディショナー、シャワージェル、またはトイレットバーが挙げられる。本発明の組成物がヘアケア組成物である場合、それは好ましくはウォッシュオフ組成物、特にシャンプーまたはコンディショナーである。
【0021】
本発明は、
(i)ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質と、
(ii)アトラクチレノリド化合物とを含む局所用組成物であって、上記アトラクチレノリド化合物の量と上記抗微生物活性物質の量との重量比が、少なくとも5:1である局所用組成物に関する。
【0022】
ヒドロキサム酸およびヒドロキサム酸誘導体
ヒドロキサム酸は、有機残基としてRおよびR’、カルボニル基としてCOを有する官能基RC(O)N(OH)R’を有する有機化合物のクラスである。
【0023】
本発明のヒドロキサム酸誘導体とは、有機残基としてRおよびR’を有する官能基RC(O)N(O)R’を有する有機化合物のクラスを指す。好ましくは、ヒドロキサム酸誘導体は、ヒドロキサム酸の塩である。さらに好ましくは、ヒドロキサム酸誘導体は、ヒドロキサム酸のオラミン塩である。
【0024】
本発明による抗微生物活性物質は、ヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである。ヒドロキサム酸は、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸またはベンゾヒドロキサム酸であることが好ましく、カプリルヒドロキサム酸であることがさらに好ましい。ヒドロキサム酸誘導体は、ピロクトンオラミンであることが好ましい。
【0025】
したがって、本発明による抗微生物活性物質は、ピロクトン、カプリルヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンのうちの少なくとも1つであることが好ましい。本発明による抗微生物活性物質は、カプリルヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンのうちの少なくとも1つであることがさらに好ましい。抗微生物活性物質がピロクトンオラミンであることが最も好ましい。
【0026】
ピロクトンは、それぞれ4位および6位にメチル置換基および2,4,4-トリメチルペンチル置換基を有する1-ヒドロキシピリジン-2-オンからなる環状ヒドロキサム酸である。CAS番号は50650-76-5であり、該化合物は以下の一般式(a)を有する:
【化1】
【0027】
カプリルヒドロキサム酸は、ココナッツ油由来のアミノ酸である。カプリルヒドロキサム酸は、防腐剤および広域スペクトル抗真菌剤である。CAS番号は7377-03-9であり、該化合物は以下の一般式(b)を有する:
【化2】
【0028】
ベンゾヒドロキサム酸は、ヒドロキサム酸の1つである。CAS番号は495-18-1であり、該化合物は以下の一般式(c)を有する:
【化3】
【0029】
ピロクトンオラミンは、典型的な抗微生物活性物質であるヒドロキサム酸誘導体ピロクトンのオラミン塩である。ピロクトンオラミンは、一般に、商品名Octopirox(登録商標)を有するピロクトンエタノールアミンとして知られている。
【0030】
本発明によるピロクトンオラミンは、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリジノンと2-アミノエタノールとの1:1化合物であり、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩とも呼ばれる。CAS番号は68890-66-4であり、該化合物は以下の一般式(d)を有する:
【化4】
【0031】
本発明の組成物中のヒドロキサム酸またはヒドロキサム酸誘導体のうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質の量は、局所用組成物の種類と、使用される他の抗微生物活性物質の正確な性質とに依存する。組成物は、組成物の重量の0.01~10重量%、さらに好ましくは0.1~5重量%、さらになお好ましくは0.5~3重量%の上記抗微生物活性物質を含むことが好ましい。
【0032】
アトラクチレノリド化合物
本発明による組成物は、アトラクチレノリド化合物を含む。アトラクチレノリド化合物は、アトラクチレノリドI、アトラクチレノリドII、アトラクチレノリドIII、アトラクチレノリドIVおよび4(R),15-エポキシ-8β-ヒドロキシアトラクチレノリドIIを含む、アトラクチロデスに見出され得るオイデスマン型セスキテルペノイドラクトンである。「アトラクチレノリド化合物」という表現は、アトラクチロデスに見出され得るオイデスマン型セスキテルペノイドラクトンの基本構造式を有する一般化されたクラスの化合物に属する1つ以上の化合物の存在を示すために使用される。このようなアトラクチレノリド化合物は、植物のセンリョウ(Sarcandra glabra)またはフタリシズカ(Chloranthus serratus)にも見出すことができる。
【0033】
本発明の組成物中のアトラクチレノリド化合物の量は、0.01~10重量%であることが好ましい。さらに好ましくは、その量は、組成物の重量の0.01~5%、最も好ましくは0.1~2%である。2つ以上のアトラクチレノリド化合物が本発明の組成物中に存在する場合、それらの総量は上に開示した通りである。
【0034】
本発明によるアトラクチレノリド化合物は、アトラクチレノリドI(CAS 73069-13-3)、アトラクチレノリドII(CAS 73069-14-4)またはアトラクチレノリドIII(CAS 73030-71-4)のうちの少なくとも1つであることが好ましい。アトラクチレノリド化合物I、IIおよびIIIは、以下の対応する一般式(I、IIおよびIII)を有する:
【化5】
【0035】
本発明によるアトラクチレノリド化合物は、アトラクチレノリドIおよびアトラクチレノリドIIのうちの少なくとも1つであることが特に好ましい。あるいは、さらに好ましくは、組成物は、アトラクチレノリドIおよびアトラクチレノリドIIを含む。上記組成物がアトラクチレノリドIおよびアトラクチレノリドIIの両方を含む場合、それらの合計量が上記組成物の0.01~10重量%であることを条件として、組成物が0.01~10重量%の上記アトラクチレノリドIまたは0.01~10重量%の上記アトラクチレノリドIIを含むことが好ましい。
【0036】
好ましくは、本発明の組成物は、上記アトラクチレノリド化合物を含む、アトラクチロデス種の抽出物、あるいはセンリョウまたはフタリシズカの抽出物を含む。抽出物の測定量は、その中に含有される必要量のアトラクチレノリド化合物が組成物に含まれるように選択される。
【0037】
一般に、アトラクチロデスは、植物分類キク科(Asteraceae)の属である。アトラクチロデスの抽出物は、アトラクチロデス属内の種から得ることができる。これらの種の非限定的な例には、アトラクチロデス・アムーレンシス(Atractylodes amurensis)、ホソバオケラ、アトラクチロデス・カーリノイデス(Atractylodes carlinoides)、アトラクチロデス・マクロセファラ(Atractylodes macrocephala)、オケラ(Atractylodes japonica)、アトラクチロデス・コレアナ(Atractylodes koreana)、オオバナオケラ(Atractylodes ovata)、シナオケラが挙げられる。
【0038】
アトラクチレノリド化合物を含有するアトラクチロデス抽出物は、様々な異なる供給元から市販されている。例えば、アトラクチレノリドIおよびアトラクチレノリドIIの両方を含む、アトラクチロデス・マクロセファラの根の抽出物は、Hangzhou Liaoyuanから入手可能である。個々のアトラクチレノリドIおよびアトラクチレノリドIIは、MCEから入手可能である。あるいは、当業者であれば、当技術分野で公知の任意の好適な単離および精製方法を使用することによって、アトラクチロデスの根からアトラクチロデス抽出物を単離することができるであろう。いくつかの実施形態では、アトラクチロデスの抽出物は、乾燥したアトラクチロデス植物の根から得られてもよく、当技術分野で公知の任意の手段、または当技術分野で開発される任意の手段によって調製され得る。
【0039】
組成物がピロクトンオラミンおよびアトラクチレノリド化合物を含むことから、効果を得るために該活性成分の量の間の比が維持される。上記アトラクチレノリド化合物と上記抗微生物活性物質との量の重量比は、少なくとも5:1である。好ましくは、上記アトラクチレノリド化合物と上記抗微生物活性物質との量の重量比は、5:1~1280:1、さらに好ましくは5:1~100:1、さらに好ましくは5:1~50:1、さらに一層好ましくは5:1~40:1、さらになお好ましくは5:1~20:1、特に好ましくは5:1~10:1である。
【0040】
抗微生物成分の組合せの状況では、部分阻害濃度の合計(ΣFIC)が広く使用されている。これは、抗微生物成分(組み合わせて使用される場合)が相乗効果もしくは拮抗効果を有するか、またはこれら2つのいずれも、すなわち相加効果を有しないかどうかを決定するための手段である。本発明者らは、ΣFIC試験を用いて、M.フルフル(M.furfur)に対する抗微生物活性物質とアトラクチレノリドIまたはアトラクチレノリドIIとの併用効果を評価した。
【0041】
本発明の組成物中に本発明による抗微生物活性物質およびアトラクチレノリド化合物が存在する間、アトラクチレノリド化合物は抗微生物活性物質と相乗的に相互作用して、さらに効果的になると考えられる。
【0042】
本発明の局所用組成物は、ピロクトンオラミンおよびアトラクチレノリドIを含むことが好ましい。この場合、アトラクチレノリドIの量とピロクトンオラミンの量との重量比は、少なくとも5:1である。この場合、アトラクチレノリドIの量とピロクトンオラミンの量との重量比は、5:1~1280:1、あるいは5:1~100:1、あるいは5:1~50:1、あるいは5:1~40:1、さらにあるいは5:1~10:1であることが好ましい。
【0043】
あるいは、組成物は、ピロクトンオラミンおよびアトラクチレノリドIIを含む。この場合、アトラクチレノリドIIの量とピロクトンオラミンの量との重量比は、少なくとも5:1である。この場合、アトラクチレノリドIIの量とピロクトンオラミンの量との重量比は、5:1~2560:1、あるいは5:1~100:1、あるいは5:1~80:1、あるいは5:1~50:1、さらにあるいは5:1~10:1であることが好ましい。
【0044】
本発明の局所用組成物は、カプリルヒドロキサム酸およびアトラクチレノリドIを含むことが好ましい。この場合、アトラクチレノリドIの量とカプリルヒドロキサム酸の量との重量比は、少なくとも5:1である。この場合、アトラクチレノリドIの量とカプリルヒドロキサム酸の量との重量比は、5:1~1280:1、あるいは5:1~100:1、あるいは5:1~50:1、あるいは5:1~40:1、さらにあるいは5:1~10:1であることが好ましい。
【0045】
あるいは、組成物は、カプリルヒドロキサム酸およびアトラクチレノリドIIを含む。この場合、アトラクチレノリドIIの量とカプリルヒドロキサム酸の量との重量比は、少なくとも5:1である。この場合、アトラクチレノリドIIの量とカプリルヒドロキサム酸の量との重量比は、5:1~2560:1、あるいは5:1~100:1、あるいは5:1~80:1、あるいは5:1~50:1、さらにあるいは5:1~10:1であることが好ましい。
【0046】
他の成分
本発明の組成物は、化粧品的に許容可能なビヒクルをさらに含むことが好ましい。化粧品的に許容可能なビヒクルは、組成物が、例えば、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、ハンドウォッシュもしくは洗顔製品、クリーム、ローション、ゲル、粉末、軟膏、手指消毒剤または石鹸バーとして調製され得、残りの成分がそれに応じて変化するようなものである。
【0047】
一態様では、本発明による局所用組成物は、ヘアケア組成物である。好ましくは、そのような組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアセラムまたはヘアオイルである。最も好ましくは、局所用組成物は、少なくとも一部のマラセチア種に対して有効なフケ防止組成物である。
【0048】
本発明の組成物がシャンプーである場合、それは好ましくは、そのような組成物に一般的に含まれる他の成分を含む。
【0049】
シャンプーは、好ましくは1~20重量%、さらに好ましくは2~16重量%、さらになお好ましくは3~16重量%のアニオン性界面活性剤、例えば、アルキルサルフェートおよび/またはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む。好ましいアルキルサルフェートは、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンとの塩の形態のC8~18アルキルサルフェート、さらに好ましくはC12~18アルキルサルフェートである。
【0050】
特に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、式:RO(CHCHO)SO-3Mを有するものであり;式中、Rは、8~18個(好ましくは12~18個)の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、nは、少なくとも0.5よりも大きい、好ましくは1~3、さらに好ましくは2~3の平均値を有する数であり、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。一例には、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)がある。0.5~3、好ましくは1~3の平均エトキシル化度を有するSLESが特に好ましい。
【0051】
本発明によるシャンプー組成物は、化粧品的に許容可能であり、毛髪への局所塗布に適した1つ以上の追加のアニオン性クレンジング界面活性剤を含んでもよい。例には、アルカリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N-アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸ならびにそれらの塩、特に、それらのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩ならびにモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン塩が挙げられる。アルキル基およびアシル基は、一般に、8~18個、好ましくは10~16個の炭素原子を含み、不飽和であり得る。アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸ならびにそれらの塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含み得る。
【0052】
典型的には、好適なアニオン性界面活性剤には、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムラウリルエーテルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ラウリルエーテルカルボン酸およびナトリウムN-ラウリルサルコシネートが含まれる。好適な好ましい追加のアニオン性クレンジング界面活性剤は、ナトリウムラウリルエーテルスルホスクシネート(n)EO(nは1~3である)、ラウリルエーテルカルボン酸(n)EO(nは10~20である)である。
【0053】
前述のアニオン性クレンジング界面活性剤のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0054】
本発明のシャンプー組成物は、好ましくは、0.1~10重量%、さらに好ましくは0.5~8重量%の両性界面活性剤、好ましくはアルキルアミドプロピルベタイン界面活性剤などのベタイン界面活性剤、例えばココアミドプロピルベタインをさらに含む。
【0055】
組成物のpHは、好ましくは4.0以上、さらに好ましくは5.0~10.0の範囲内である。
【0056】
シャンプー組成物は、0.1~3重量%、さらに好ましくは0.1~1.5重量%の亜鉛化合物をさらに含むことが好ましい。組成物中の亜鉛の存在は、フケ防止効果を改善すると考えられている。好適な亜鉛化合物は、ZPTO、酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、マロン酸亜鉛、炭酸亜鉛またはそれらの組合せである。
【0057】
好ましくは、シャンプー組成物は、0.01~2重量%、さらに好ましくは0.025~0.75重量%のコナゾール殺真菌剤をさらに含む。好ましくは、コナゾール殺真菌剤は、ケトコナゾールもしくはクリンバゾールまたはそれらの混合物である。コナゾール殺真菌剤の存在は、ピリチオン亜鉛(ZPTO)の沈着を改善すると考えられている。
【0058】
シャンプー組成物は、さらに好ましくは、懸濁剤を含む。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガムおよび結晶性長鎖アシル誘導体である。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドおよびそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレートおよびポリエチレングリコールジステアレートは、組成物に真珠光沢を付与するため、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol(登録商標)420、Carbopol(登録商標)488またはCarbopol(登録商標)493として市販されている。多官能剤によって架橋されたアクリル酸のポリマーも使用され得る。これらは、Carbopol(登録商標)910、Carbopol(登録商標)934、Carbopol(登録商標)941およびCarbopol(登録商標)980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの例には、Carbopol(登録商標)1342がある。Carbopol(商標)材料はいずれも、Goodrichから入手可能である。
【0059】
アクリル酸とアクリレートエステルとの好適な架橋ポリマーは、Pemulen(登録商標)TR1またはPemulen(登録商標)TR2である。好適なヘテロ多糖ガムは、キサンタンガム、例えばKelzanとして入手可能なものである。
【0060】
上記懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。アクリル酸と結晶性長鎖アシル誘導体との架橋ポリマーの混合物が好ましい。
【0061】
懸濁剤は、含まれる場合、一般に0.1~10重量%、好ましくは0.5~6重量%で存在する。
【0062】
本発明の組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるための他の成分を含有してもよい。そのような成分には、芳香剤、染料および顔料、pH調整剤、真珠光沢剤または乳白剤、粘度調整剤、防腐剤、ならびに植物成分、果実抽出物、糖誘導体およびアミノ酸などの天然毛髪栄養素が含まれる。
【0063】
シャンプー組成物は、水性ベースであることが好ましい。これは、好ましくは70~95重量%の水を含む。
【0064】
ヘアコンディショナー
代替として、本発明の局所用組成物はヘアコンディショナーである。
【0065】
コンディショニング効果が本発明の組成物を介してもたらされる場合、組成物はヘアコンディショナーと呼ばれる。典型的には、ヘアケア組成物に使用される最も一般的なコンディショニング剤は、鉱油などの水不溶性油性材料、トリグリセリドおよびシリコーンポリマーなどの天然に存在する油である。コンディショニング効果は、油性材料が毛髪上に堆積されてフィルムを形成することによって達成され、これにより、濡れた際に毛髪が梳きやすくなり、乾燥した際に毛髪が扱いやすくなる。特に有用なコンディショニング剤は、シリコーン、好ましくは不揮発性シリコーンである。有利には、本明細書の組成物は、1つ以上のシリコーンを含み得る。シリコーンは、分散微粒子形態または懸濁微粒子形態で見られるコンディショニング剤である。それらは、毛髪上に堆積し、水を用いて毛髪をすすいだ後に残ることが意図されている。好適なシリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマーおよびそれらの混合物が含まれ得る。アミノシリコーンは、多くの場合、シャンプー組成物と配合される。アミノシリコーンは、少なくとも1つの第一級アミン基、第二級アミン基、第三級アミン基または第四級アンモニウム基を含むシリコーンである。高分子量シリコーンガムも利用することができる。別の有用な種類には、ジメチコン/ビニル/ジメチコンクロスポリマー(例えば、Dow Corning 9040および9041)などの架橋シリコーンエラストマーがある。
【0066】
本発明のヘアコンディショナー組成物は、0.1~10重量%、さらに好ましくは約0.1~約8重量%のシリコーンを含むことが好ましい。あるいは、ヘアコンディショナーはシリコーンを含まず、1重量%以下のシリコーンを含有する。組成物のpHは、好ましくは4.0を超え、さらに好ましくは5.0~7.0である。
【0067】
本発明のヘアコンディショナー組成物はまた、好ましくは、0.5~10重量%の脂肪アルコールを含んでもよい。コンディショニング組成物中の脂肪アルコールおよびカチオン性界面活性剤の併用は、カチオン性界面活性剤が分散されたラメラ相の形成をもたらすため、特に有利であると考えられる。
【0068】
代表的な脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、さらに好ましくは16~22個の炭素原子を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含む化合物である。好適な脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用はまた、本発明の組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
【0069】
皮膚洗浄
本発明の組成物は、スキンケア、例えば、身体または顔の洗浄に使用され得る。局所用組成物は、界面活性剤をさらに含み得る。好ましい界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。
【0070】
したがって、非常に好ましい態様では、局所用組成物は、アニオン性界面活性剤の群から選択される界面活性剤を含む。
【0071】
界面活性剤が存在する場合、局所用組成物は、組成物の重量の1~90%の界面活性剤を含むことが好ましい。
【0072】
界面活性剤が使用される場合、特に好ましい界面活性剤は石鹸である。石鹸は、本発明の局所用組成物のパーソナルウォッシング用途に適した界面活性剤である。
【0073】
本発明の石鹸は、存在する場合、組成物の重量の1~90%、好ましくは10~85%、さらに好ましくは25~75%の量で存在することが好ましい。
【0074】
好ましい組成物は、香料、顔料、防腐剤、軟化剤、日焼け止め剤、乳化剤、ゲル化剤および増粘剤などの他の公知の成分を含み得る。これらの成分の選択は、組成物の形態に大きく依存する。
【0075】
水が好ましい担体である。水は、存在する場合、好ましくは組成物の重量の少なくとも1%、さらに好ましくは少なくとも2%、さらになお好ましくは少なくとも5%で存在する。水が担体である場合、好ましい液体組成物は、10~99.8重量%の水を含む。液体局所用組成物は、皮膚洗浄用、特に手洗いまたは洗顔用の皮膚消毒液として有用である。水が担体である場合、好ましい固体組成物は、5~30重量%の水を含む。
【0076】
固体局所用組成物は、好ましくは成形された固体、さらに好ましくはバーの形態である。固体局所用組成物は、皮膚洗浄、特に手洗いまたは洗顔に特に有用である。
【0077】
別の態様によれば、無機粒子状材料も好適な担体である。無機粒子状材料が担体である場合、局所用組成物は固体形態である。好ましくは、無機粒子状材料はタルクである。無機粒子状材料がタルクである場合、固体抗微生物組成物は、顔または身体に塗布するためのタルカムパウダーとして特に有用である。
【0078】
本発明の別の態様では、本発明の組成物は、パーソナル衛生用ワイプに使用するのに適している。
【0079】
本発明による使用および方法
第2の態様によれば、ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗微生物効果を提供するのに使用するための、第1の態様の局所用組成物が開示される。また、ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア種に対して使用するための局所用組成物が開示される。好ましくは、局所用組成物は、ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア種に対して有効なフケ防止組成物である。あるいは、局所用組成物は、少なくともヒトまたは動物の身体の局所表面上のC.アクネスに対して有効な抗座瘡組成物である。さらに代替的に、局所用組成物は、少なくとも黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して有効なリンスオフ組成物またはリーブオン組成物である。
【0080】
別の態様によれば、第1の態様の局所用抗微生物組成物の安全かつ効果的な量を塗布する工程を含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗微生物効果を提供する非治療的方法が開示される。安全かつ効果的な量という用語は、当業者に周知であり、そのような量は、製品形態に応じて変化し得、例えば、リーブオン組成物の場合の上記量は、各用途について1~2mlであり得るのに対して、シャンプーの場合、同量は各用途について5~10mlであり得る。該方法は、座瘡、フケを予防もしくは治療するため、または一般的な衛生状態を維持するために利用され得る。
【0081】
好ましくは、局所用組成物は、少なくとも一部のマラセチア種に対して有効なフケ防止組成物である。あるいは、局所用組成物は、少なくともC.アクネスに対して有効な抗座瘡組成物である。さらに代替的に、局所用組成物は、少なくとも黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対して有効なリンスオフ組成物またはリーブオン組成物である。
【0082】
アトラクチレノリド化合物がアトラクチレノリドIまたはIIである場合、マラセチア・フルフル細胞に対するアトラクチレノリド化合物と抗微生物活性物質との重量比が5:1~1280:1の範囲内であれば該方法はさらに効果的であり、40:1~100:1の範囲内であればさらになお効果的である。
【0083】
別の態様によれば、少なくとも一部のマラセチア種に対して有効なフケ防止組成物として使用するための局所用組成物が開示される。さらに別の態様によれば、少なくともC.アクネスに対して有効な抗座瘡組成物として使用するための局所用組成物が開示される。さらに別の態様によれば、少なくとも黄色ブドウ球菌に対して有効なリンスオフ組成物またはリーブオン組成物が開示される。
【0084】
これより、以下の非限定的な例の助けを借りて本発明を詳細に説明する。
【0085】
[実施例]
M.フルフルに対して、本発明による例示的な組成物の抗微生物効果を決定した。
【0086】
これより、関連する手順を簡単に説明する。
【0087】
方法1:M.フルフルに対するΣFICアッセイ。
工程1:微生物の培養および調製
M.フルフル(CBS1878)をMD寒天プレート(溶液A)上で維持し、20mlの増殖培地ピチロスポルム(Pityrosporum)ブロス(PB、溶液B)中で培養した。次いで、それらを振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。その後、1mlの第1のブロス培養物を9mlの新鮮なPBに移し、振盪しながら32℃で48時間インキュベートする。最終培養物は、2~6×10細胞/mlを含有すべきである。これは、PBを使用して5×10細胞/mlに希釈することによって達成される。
【0088】
溶液Aの調製:
改質ディクソン寒天(MD)
36g 麦芽抽出物(Oxoid)
6g 真菌用ペプトン(Oxoid)
10 精製寒天(Oxoid)
20g ウシ胆汁(Oxoid)
2ml オレイン酸(Sigma)
2ml グリセロール(Sigma)
10ml Tween 40(Sigma)
1000mlまでの脱イオン水
50mg(1バイアル)を2mlの95%エタノールに溶解 クロラムフェニコール(Oxoid SR078E)
(オートクレーブ後も含めて十分に撹拌する)
【0089】
溶液Bの調製:
ピチロスポルムブロス(PB)
10g 細菌用ペプトン
0.1g 酵母抽出物
10g ウシ胆汁
2.5g タウロコール酸
10g グルコース
1L 脱イオン水
0.5ml Tween60
1ml グリセロール
pHを6.2に調整
滅菌後
0.5 ml UHT乳
【0090】
工程2:インビトロ感受性試験
Octopirox(登録商標)を段階希釈(2倍)して、増殖培地中60~1000ppmの範囲内で調製した。試験アトラクチレノリド化合物(ストック:4mg/ml)をDMSOで2倍段階希釈して、40000~10ppmの範囲内で調製した。10μlのオクトピロックス溶液を10μlの試験化合物と混合することによって、オクトピロックスおよび試験化合物の二成分の組合せを96ウェルプレート内で調製した。各ウェル内の溶液を180μlのM.フルフル菌株懸濁液のPB溶液とさらに混合した。
【0091】
試験プレート内の最終細胞密度は約5×10細胞/mlである。(20倍希釈)後の各成分の最終濃度(ppm)(百万分率)は以下の通りであった。これらの濃度の各々を試験して、1つのアトラクチレノリド化合物と組み合わせた(いずれかの)Octopirox(登録商標)のFIC値を決定した。結果を比較するために、ブロス培地および溶媒対照を陰性対照とした。
【0092】
Octopirox(登録商標)-50、25、12.5、6、3および0。
【0093】
アトラクチレノリドI-2000、1000、500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.8、3.9、2.0、1.0、0.5および0。
【0094】
アトラクチレノリドII-2000、1000、500、250、125、62.5、31.25、15.63、7.8、3.9、2.0、1.0、0.5および0。
【0095】
マルチチャンネルピペットを使用して、化合物および菌株懸濁液を混合した。その後、96ウェルプレートをインキュベーター内でインキュベートした。以下の試験プロトコルに従って、M.フルフルを32℃で1日間好気的にインキュベートした。その後、20μlのアラマーブルー(0.1%)を各ウェルに分注し、(上記のような)インキュベーションの手順を繰り返した。最後に、指標の色の変化をモニタリングして、微生物の増殖、または増殖の阻害の目に見える兆候を確認した。色が赤色に変化した場合、それは(微生物の)増殖を示し、青色は増殖がないこと、または増殖の阻害を示した。
【0096】
工程3:計算:ΣFIC試験
(1)最小阻害濃度(MIC):
MICは、試験条件下でアラマーブルーの青色によって示される完全な微生物増殖阻害をもたらす活性物質の絶対最低濃度として定義される。
【0097】
(2)部分阻害濃度(FIC):
Hall MJ,Middleton RF,&Westmacott D(1983),The fractional inhibitory concentration(FIC)index as a measure of synergy.Journal of Antimicrobial Chemotherapy 11(5):427-433に以前に記載された原理に基づいてΣFIC試験を行った。手順は以下の通りである:
【0098】
単独および混合物中の阻害性抗微生物剤の様々な挙動は、部分濃度(FC)および部分阻害濃度(FIC)の概念を使用して広く研究されてきた。パラメータは、以下のように定義することができる:
FIC(成分a)=MIC(混合物中の試験した成分a)
MIC(単一活性物質として試験した成分a)
【0099】
(3)相乗効果および相加性
抗微生物剤間の相互作用は、組合せの効果が、単独で試験した場合の個々の成分の同じ総濃度に対して得られるものと同等であるか、それよりも大きいか、またはそれよりも小さいかに応じて、相加的であり得るか、相乗的であり得るか、または拮抗的であり得る。
【0100】
全観察結果を記録し、集計した後、部分阻害濃度(FIC)を計算した。
【0101】
阻害性抗微生物剤の組合せ効果は、部分濃度(FC)および部分阻害濃度(FIC)の概念を使用して広く研究されてきた。このパラメータは、以下のように定義される:
ΣFIC=FIC(成分1)+FIC(成分2)
【0102】
さらに、ΣFICの値から導き出すことができる推論を以下の表に要約する。学術文献または特許文献には、相乗効果を相加性または拮抗作用と区別する正確な限界ΣFIC値を定義するという一貫した手法はない。本試験では、相乗的挙動の証拠を示すものとして、ΣFIC<0.9を有する任意の二成分混合物を定義する進歩的な手法を採用した。
【0103】
【表1】
【0104】
(10倍希釈)後の各成分の最終濃度(ppm)(百万分率)は以下の通りであった。これらの濃度の各々を試験して、1つのアトラクチレノリド化合物と組み合わせた(いずれかの)オクトピロックスのFIC値を決定した。
【0105】
結果:
M.フルフルに対するオクトピロックスとアトラクチレノリド化合物との相乗効果があることが観察された(表1)。
【0106】
【表2】
【0107】
データは、製剤科学者が有利に使用することができる、製剤科学者が自由に使える、関係するアトラクチレノリド化合物の著しく広範囲の濃度を示す。オクトピロックスと組み合わせて使用した場合、ΣFICが広範囲のアトラクチレノリド化合物にわたって0.9未満であったという事実は、実験が試験条件下で行われ、成分の量が使用中の条件下での実際の量、すなわち、シャンプーまたはスキンケアクリームのような組成物と一致しないかまたはそれを反映しない可能性があるという事実を考慮しても、2つの活性成分を含む非常に効果的な抗微生物組成物を製剤化することが可能であることを意味する。
【0108】
したがって、要約すると、表1に集計された観察結果は、アトラクチレノリド化合物が本発明による抗微生物活性物質と相乗的に相互作用することを明確に示している。それらの相互作用は、広範囲の濃度にわたって相乗的であることが見出され、相乗的な相互作用は、ΣFICが0.9未満であるという事実から明らかであった。
【0109】
方法2:ゾーンオフ阻害(Zone off Inhibition)(ZOI)アッセイ
50%水/DMSO中、0.75%および1.5%の濃度で、アトラクチロデス・マクロセファラ(AM)根水抽出物(Huzhou Liaoyuan,Chinaから購入)を調製した。オクトピロックス(OCT)をDMSO中0.1%および0.2%の濃度で調製した。マラセチア増殖寒天プレートを調製し、次いで、200μLのM.フルフル(10CFU)(CBS 1878)を寒天上に広げる。いくつかの滅菌濾紙(直径=6mm)を寒天プレート上に置いた。10μLの化合物溶液を濾紙上に加えた。プレートを32℃で2日間インキュベートした。明確な増殖阻害ゾーンを記録した。
【0110】
計算式:
相乗的抗微生物活性:化合物1+化合物2の組合せに対する阻害距離>化合物1単独に対する阻害距離+化合物2単独に対する阻害距離
【0111】
結果:
M.フルフルに対するオクトピロックスとアトラクチロデス・マクロセファラ(AM)根水抽出物との相乗効果があることが観察された(表2)。
【0112】
【表3】
【0113】
表2に集計された観察結果は、アトラクチロデス・マクロセファラ根水抽出物の形態であるアトラクチレノリド化合物が、オクトピロックスと相乗的に相互作用することを明確に示している。これは、アトラクチレノリド化合物が、本発明による抗微生物活性物質と相乗的に相互作用することを示している。
【0114】
Octopirox(登録商標)と他の公知の抗微生物活性物質ZPTOとの組合せ。
【0115】
上記で使用したものと同様のM.フルフルに対するインビトロΣFICアッセイを使用して、Octopirox(登録商標)とピリチオン亜鉛のような他の周知の抗微生物活性物質との相互作用が相乗的な抗微生物活性をもたらすかどうかを決定する実験を行った。以下のような成分の濃度範囲にわたって実験を行った:
【0116】
Octopirox(登録商標)-50、25、12.5、6、3および0。
【0117】
ZnPT:50、25、12.5、6.25、3.13、1.56、0.78、0.39、0.2、0.1、0.05および0。
【0118】
ΣFICアッセイを行ったところ、データは、Octopirox(登録商標)が、ZPTOと相乗的に相互作用して相乗的な抗微生物活性をもたらすことができないことを示している。したがって、ピロクトンオラミンと何らかの公知の抗微生物活性物質との組合せが、常に相乗効果をもたらすとの結論を下すことはできない。驚くべきことに、アトラクチレノリド化合物と本発明で特許請求されている抗微生物活性物質との組合せは、相乗的挙動を示す。
【0119】
上記で開示される全実験をインビトロ条件下で行って、特定の抗微生物活性物質-ピロクトンオラミンとアトラクチレノリド化合物との組合せが、関連する微生物に対するそれらの個々の活性に対して相乗的、相加的または拮抗的であるかどうかを確認した。実験に関する限り、成分の濃度を、関連する試験によって許容される許容限界内に収まるように選択し、技術的効果を記録することが可能であった。したがって、試験を行った濃度は、そのような成分が一般に化粧用組成物に使用される範囲(通常、重量%単位)内に収まらないように思われる可能性がある。
【0120】
本発明の組成物は、油相および水相中の所望の活性物質の濃度に影響を及ぼし得る他の通常の成分を含むエマルジョンまたはゲルとして製剤化され得る。このような組成物はまた、様々な一連の物理的特性および流体力学的特性、例えば、分配係数、拡散速度、対流輸送速度およびレオロジー特性を有し得る。したがって、組成物として製剤化される際に使用される濃度は、実験が行われた細胞レベルでの濃度とは異なり得、通常、使用中の濃度は桁違いに高いと予測される。
【0121】
阻害効果に対するOctopirox(登録商標)とアトラクチレノリド化合物との比の影響。
Octopirox(登録商標)とアトラクチレノリド化合物とを含有する組成物を表3および表4に示すように調製した。この溶液を培養増殖培地で8倍希釈し、PB中の9体積のM.フルフル懸濁液とさらに混合して、アッセイ要件としてマラセチア増殖差を観察した。上記と同じアッセイを使用した。混合物を32℃で48時間インキュベートして、マラセチアの増殖をモニタリングした。観察された結果を表3および表4に要約する。FICは部分阻害濃度として定義されるため、マラセチアの増殖を阻害した組成物に関するΣFICをここで報告するが、阻害効果のない組成物に関するΣFICは有効ではない。
【0122】
【表4】
【0123】
表3に集計された観察結果は、アトラクチレノリドIとピロクトンオラミンとの重量比が少なくとも5:1である場合にのみ(実施例1~3)、アトラクチレノリドIがピロクトンオラミンと相乗的に相互作用してM.フルフルの増殖を阻害する(ΣFIC<0.9)ことを明確に示している。
【0124】
【表5】
【0125】
表4に集計された観察結果は、アトラクチレノリドIIとピロクトンオラミンとの重量比が少なくとも5:1である場合にのみ(実施例4~6)、アトラクチレノリドIIがピロクトンオラミンと相乗的に相互作用してM.フルフルの増殖を阻害する(ΣFIC<0.9)ことを明確に示している。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)カプリルヒドロキサム酸またはピロクトンオラミンのうちの少なくとも1つである抗微生物活性物質と、
(ii)アトラクチレノリドIまたはIIであるアトラクチレノリド化合物と
を含む局所用組成物であって、前記アトラクチレノリド化合物の量と前記抗微生物活性物質の量との重量比が、少なくとも5:1である、局所用組成物。
【請求項2】
前記アトラクチレノリド化合物の量と前記抗微生物活性物質の量との重量比が、5:1~1280:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アトラクチレノリド化合物を含む、アトラクチロデス種の抽出物、あるいはセンリョウまたはフタリシズカの抽出物を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アトラクチレノリド化合物の量が、0.01~10重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗微生物活性物質の量が、0.01~10重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
水を含む化粧品的に許容可能な担体を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記担体が、界面活性剤をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ウォッシュオフヘアケア組成物またはリーブオンヘアケア組成物である、請求項1からのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
ヒトまたは動物の身体の局所表面に抗微生物効果を提供するのに使用するための、請求項1からのいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項10】
ヒトまたは動物の身体の局所表面上の少なくとも一部のマラセチア種に対して使用するための、請求項に記載の局所用組成物。
【請求項11】
請求項1からのいずれか一項に記載の局所用抗微生物組成物の安全かつ効果的な量を塗布する工程を含む、ヒトまたは動物の身体の局所表面に局所抗微生物効果を提供する非治療的方法。
【国際調査報告】