(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】機械用ツールインサート、機械、および機械の作動方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230405BHJP
B65H 45/04 20060101ALI20230405BHJP
B65H 35/00 20060101ALI20230405BHJP
B65H 37/06 20060101ALI20230405BHJP
G05B 19/4065 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B65H45/04
B65H35/00
B65H37/06
G05B19/4065
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549064
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2021052412
(87)【国際公開番号】W WO2021160472
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ド カルバーマッテン アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ヴォレリー アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
3C100
3C269
3F108
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA62
3C100AA63
3C100BB13
3C100CC02
3C100DD07
3C100DD23
3C269AB09
3C269BB05
3C269MN09
3C269MN27
3F108AA01
3F108AB01
3F108BB27
3F108BB30
3F108CD00
3F108EA20
3F108GA09
3F108GB03
3F108GB06
(57)【要約】
機械、特に切断機械、打ち抜き機械および/または折り畳み機械用のツールインサートが開示される。ツールインサート(24)は、ツールインサート(24)の形式および/またはツールインサート(24)の適用領域に関するツール情報を含む識別要素(38)を有する。識別要素(38)は、機械が識別要素を読み出したときにツール情報を機械に伝達するよう機械によって読み取り可能である。さらに、機械システムおよび機械の作動方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(10)、特に切断、打ち抜きおよび/または折り畳み機械(10)用のツールインサートであって、前記ツールインサート(24)の形式および前記ツールインサート(24)の適用領域に関するツール情報を含む識別要素(38)を有し、ツールインサートにおいて、前記識別要素(38)は、前記機械(10)が前記識別要素(38)を読み出したときに前記ツール情報が前記機械(10)に伝達されるよう機械によって読み取り可能である、ツールインサート。
【請求項2】
前記識別要素(38)は、無接触方式で機械によって読み取り可能である、請求項1記載のツールインサート。
【請求項3】
前記ツール情報は、前記識別要素(38)に電子的にかつ/あるいは光学的に記憶されている、請求項1または2記載のツールインサート。
【請求項4】
前記識別要素(38)は、RFIDチップとしてかつ/あるいは光学的に読み取り可能なコードとして構成されている、請求項3記載のツールインサート。
【請求項5】
前記ツール情報は、前記ツールインサート(24)の先の使用時間を含む、請求項1~4のうちいずれか一に記載のツールインサート。
【請求項6】
前記識別要素(38)は、前記機械(10)が前記識別要素(38)に書き込んだときに前記ツール情報が変更されるとともに/あるいは新たなツール情報が追加されるよう機械により書き込み可能である、請求項1~5のうちいずれか一に記載のツールインサート。
【請求項7】
機械、特に切断、打ち抜きおよび/または折り畳み機械(10)であって、ツールホルダ(26)および読み取りおよび/または書き込み装置(34)を有し、前記ツールホルダ(26)は、請求項1~6のうちいずれか一に記載のツールインサート(24)を受け入れるようになっており、前記読み取りおよび/または書き込み装置(34)は、前記ツールインサート(24)の前記識別要素(38)からツール情報を読み出すとともに/あるいはツール情報を前記識別要素(38)に書き込むよう構成されている、機械。
【請求項8】
前記機械(10)は、制御ユニット(36)を有し、前記制御ユニット(36)は、前記ツール情報を受け取り、そして前記ツール情報に基づいて、前記機械(10)の作動モードおよび/または機械作動パラメータを自動的に設定するようになっている、請求項7記載の機械。
【請求項9】
前記機械(10)の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータは、前記制御ユニット(36)のデータキャリヤに記憶されている、請求項8記載の機械。
【請求項10】
前記制御ユニット(36)は、外部データキャリヤに信号伝達方式で接続され、前記機械(10)の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータは、前記外部データキャリヤに記憶されている、請求項8または9記載の機械。
【請求項11】
前記読み取りおよび/または書き込み装置は、前記ツールインサート(24)の使用時間を前記識別要素(38)に書き込むようになっている、請求項7~10のうちいずれか一に記載の機械。
【請求項12】
機械システムであって、請求項7~11のうちいずれか一に記載の機械(10)および請求項1~6のうちいずれか一に記載のツールインサート(24)を含む、機械システム。
【請求項13】
機械(10)、特に請求項7~11のうちいずれか一に記載の機械(10)を作動させる方法であって、
‐ツールインサート(24)、特に請求項1~6のうちいずれか一に記載のツールインサート(24)を前記機械(10)のツールホルダ(26)中に挿入するステップを含み、前記ツールインサート(24)は、前記ツールインサート(24)の形式および/または前記ツールインサート(24)の適用領域に関するツール情報を含む識別要素(38)を有し、
‐前記機械(10)経由で前記ツール情報を読み取るステップを含み、
‐前記ツール情報に基づいて少なくとも部分的に自動的に前記機械(10)の作動モードおよび/または機械作動パラメータを設定するステップを含む、方法。
【請求項14】
前記ツールインサート(24)の使用時間が前記識別要素(38)に書き込まれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ツールインサートの既定の使用時間に達したときにユーザ通知および/または発注メッセージが出される、請求項13または14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、機械用のツールインサートに関する。本発明はさらに、機械、機械システムおよび機械を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装材の製造に関し、折り目をブランク、例えば枚葉紙に折り目を入れるとともに特定形式の包装材を製造するためにブランクを切断するとともに/あるいは折り畳む機械を使用することが知られている。この目的のため、機械は、個別の包装材を製造するための特定形式のツールを有するツールインサートを備えている。
【0003】
機械は、装置またはシステムとして形成されるのが良く、かかる装置またはシステムは、スタンドアロン型ユニットであるか大型機械またはシステム、例えば印刷機械または仕上げ機械中に一体化されるかのいずれかである。
【0004】
通常、かかる機械または機械システムは、ツールインサートを製造されるべき特定製品に適したツールインサートに交換することによって、同一または互いに異なる形式のブランクから互いに異なる形式の包装材を製造するために使用できる。
【0005】
ツールインサートの交換に加えて、機械の作動パラメータは、機械を新たな製品の製造に適合するよう変えられなければならない。換言すると、機械の作動モードを適合させなければならない。
【0006】
製造されるべき製品の形式を変える場合、機械のオペレータは、現在の製品の製造を停止し、ツールインサートを交換し、そして手作業で機械の作動パラメータを新たな製品の製造に適合させる。作動パラメータの適合は、かなり複雑な場合があり、と言うのは、通常、多数の互いに異なる製品を同一機械によって製造する場合があり、その結果、大きなセットをなす互いに異なる作動パラメータが生じるからである。かくして、オペレータは、データベース中の適当な作動パラメータを探し出さなければならず、あるいは、大規模なリストの作動モードの中から作動パラメータを選択しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ツールインサートの交換中および作動パラメータの適合中、製造は、完全に止められ、その結果、機械の全体的製造量が減少する。
【0008】
したがって、ツールインサートを交換したり機械の作動パラメータを適合したりする機械の停止時間を最小限に抑えることが望ましい。
【0009】
本発明の目的は、ツールインサートの交換および機械の作動パラメータの適合のための機械の停止時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この課題は、機械、特に切断、打ち抜きおよび/または折り畳み機械用のツールインサートによって解決される。ツールインサートは、ツールインサートの形式およびツールインサートの適用領域に関するツール情報を含む識別要素を有する。識別要素は、機械が識別要素を読み出したときにツール情報が機械に伝達されるよう機械によって読み取り可能である。
【0011】
かくして、ツール情報は、ツールインサートが機械中に挿入されたときに機械に自動的に伝達される。したがって、ツールインサートの形式およびツールインサートの適用領域についての情報は、機械に自動的に伝達される。換言すると、製造されるべき製品の特定の形式についての情報は、識別要素から機械に伝達される。
【0012】
例えば、ツール情報は、ツールインサートの識別コード、特にツールインサートの一意的識別コード、ツールインサートの名称、製造されるべき製品の識別コード、製造されるべき製品の名称、ツールインサートと関連した機械の作動モードの識別コード、および/またはツールインサートと関連した機械の作動モードの名称を含むのが良い。
【0013】
通常、ツールインサートは、特定種類の製品向けに構成される。ツール情報は、機械の作動モードを迅速に適合させて機械の作動モードを製造されるべき製品に合わせるために使用される。例えば、作動パラメータの全体的セットを特定のツールインサートと適合性のあるサブセットに自動的に減少させることができ、作動パラメータのこのサブセットをオペレータに表示することができる。したがって、オペレータは、機械についての適合済み作動パラメータの減少したサブセットから選択するだけで良く、そして作動パラメータをより迅速に設定することができる。
【0014】
加うるに、機械の作動モードは、ツール情報に基づいて少なくとも部分的に自動的に、特に全自動的に設定される。この結果、機械の停止時間の相当な短縮が得られる。
【0015】
ツール情報に基づいて設定されるパラメータの例としては、供給ロール相互間の隙間、ローラを例えばシート材(または枚葉紙)またはウェブ材(または巻取紙)のような基材に押し付けるための付勢力が挙げられ、ただし、処理されるべき基材の長さ、厚さおよび/または幅は除かれ、また、処理された材料の互いに異なる反射率に対応するためのセンサの感度値、使用されるべき積み重ねモジュール、積み重ねモード(連続または不連続)、基材のサイズに応じた特定センサの動作および/または処理された基材に施された印の存在、基材の予想寸法形状に基づく高感度検出結果を得るためのセンサの変位などが挙げられる。
【0016】
機械の自動(少なくとも部分自動)形態は、ツールインサートの形式に関するツール情報がツールの用いられている特定のジョブに対する機械のセットアップに関する情報を暗黙的に含むという認識に基づいており、と言うのは、ツールは、機械の特定のセットアップが必要とされるよう特定材料に関する単一のジョブ専用か、あるいは、少なくとも、次に幾分かの改造が必要となるかもしれない基本セットアップを行うことができるようにする1組の極めて類似したジョブに専用かのいずれかだからである。
【0017】
機械の動作パラメータのセット(組)がツールインサートに合っていない場合に警告メッセージが出されるのが良い。例えば、警告メッセージは、聴覚警告、光学警告および/または触覚警告を含むのが良い。特に、警告メッセージは、警報音、機械のディスプレイ上に表示される警告メッセージおよび/または機械を制御するためにオペレータによって用いられる入力装置の振動を含むのが良い。次に、オペレータは、警告メッセージにもかかわらず続行するかツールインサートを交換するかを決めることができる。
【0018】
本発明の一観点によれば、識別要素は、無接触方式で機械により読み取り可能である。かくして、ツールインサートは、ケーブル、コネクタなどにより機械に接続される必要はなく、と言うのは、ツール情報が無接触方式で機械に伝達されるからである。したがって、ツールインサートを容易にかつ迅速な仕方で交換することができる。
【0019】
変形例として、ツールインサートは、コネクタを有しても良く、ツールインサートは、コネクタ中にプラグ接続されたケーブルにより機械に連結されても良い。
【0020】
本発明の別の観点によれば、ツール情報は、識別要素に電子的にかつ/あるいは光学的に記憶される。かくして、ツール情報を適当な電子および/または光学読み取り装置により機械に伝達することができる。この目的のため、当該技術分野において知られている任意適当な電子および/または光学読み取り装置を用いることができる。
【0021】
本発明の一実施形態では、識別要素は、RFIDチップおよび/または光学読み取り可能なコードとして構成される。光学的に読み取り可能なコードは、バーコードおよび/またはQRコード(登録商標)であるのが良い。したがって、ツール情報は、機械に一体化することができかつ/あるいは機械に接続することができる適当なRFID通信装置および/または光学スキャナにより識別要素を読み出すことによって機械に伝達される。
【0022】
好ましくは、ツール情報は、ツールインサートの先の使用時間を含む。大抵のツールは、寿命が制限されており、したがってある特定の使用時間後においては保守を受ける必要がある。先の使用時間を他のツール情報と一緒に機械に伝達し、その結果、ツールインサートの保守および/または交換を時間的にスケジュール設定することができるようにする。さらに、機械の作動パラメータを先の使用時間に基づいて、特にツールインサートの摩耗を補償するために適合させるのが良い。例えば、機械の運動範囲および/または機械によってブランクに加えられる圧力を先の使用時間に基づいて適合させる。
【0023】
本明細書および上記におよび以下に記載される(残りの)「寿命」という用語は、以下の内容の全てを含むものと理解されたい。すなわち、(残りの)寿命は、ツールインサートの所定の使用回数によって規定される場合がある。換言すると、(残りの)寿命は、ツールインサートの使用回数Nであるよう定められる。また、(残りの)寿命を、ツールインサートの残りの寿命に関連した機械の作動パラメータに基づいて、特に、加えられる圧力および/または機械の運動範囲に基づいて適合的に計算するのが良い。さらに、(残りの)寿命をサンプルツールインサートの大きなセットをなすライフサイクルの統計学的分析に基づいて定めることができる。
【0024】
本発明の別の観点によれば、識別要素は、機械が識別要素に書き込んだときにツール情報が変更されるとともに/あるいは新たなツール情報が追加されるよう機械により書き込み可能である。
【0025】
例えば、ツールインサートと関連した作動モードを適合させることができかつ/あるいはツールインサートと関連した新たな作動モードを識別要素に書き込むことができる。このようにすると、ツールインサートを製造されるべき新たな製品に関連づけることができる。
【0026】
したがって、製造されるべき製品の識別コード、製造されるべき製品の名称、ツールインサートと関連した機械の作動モードの識別コード、および/またはツールインサートと関連した機械の作動モードの名称が識別要素に書き込まれるのが良い。
【0027】
変形例としてまたは追加例として、ツールインサートのアップデートされた先の使用時間を識別要素に書き込むことができ、その結果、ツールインサートの正確な実際の使用時間は、識別要素に記憶されるようになる。
【0028】
本発明によれば、本課題はさらに、機械、特に切断、打ち抜きおよび/または折り畳み機械であって、ツールホルダおよび読み取りおよび/または書き込み装置を有することを特徴とする装置によって解決される。ツールホルダは、上述したツールインサートを受け入れるようになっている。読み取りおよび/または書き込み装置は、ツールインサートの識別要素からツール情報を読み出すとともに/あるいはツール情報を識別要素に書き込むよう構成されている。
【0029】
一方、識別要素に記憶されたツール情報は、識別要素を読み出す読み取りおよび/または書き込み装置により機械に伝達される。他方、識別要素に記憶されたツール情報は、アップデートされるとともに/あるいは新たなツール情報が読み取りおよび/または書き込み装置によって識別要素に書き込まれる。
【0030】
機械の別の特性および別の利点に関しては、ツールインサートに関して上述した説明が参照されるべきであり、かかる説明はまた、機械について当てはまり、機械に関する説明は、ツールインサートについても当てはまる。
【0031】
読み取りおよび/または書き込み装置は、機械中に一体化されるのが良い。変形例としてまたは追加例として、読み取りおよび/または書き込み装置は、機械に信号伝達方式で接続される外部装置であって良い。具体的に言えば、読み取りおよび/または書き込み装置は、ユーザおよび/または機械のオペレータによって作動できる手持ち型装置として構成される。例えば、読み取りおよび/または書き込み装置は、手持ち型スキャナとして構成されるのが良い。
【0032】
本発明の一観点としては、機械は、制御ユニットを有し、制御ユニットは、ツール情報を受け取り、そしてツール情報に基づいて、機械の作動モードおよび/または機械作動パラメータを自動的に設定するようになっている。かくして、オペレータは、機械の作動モードを手動で設定する必要はなく、作動モードおよび/または関連の作動パラメータは、ツール情報に基づいて制御ユニットにより少なくとも部分的に自動的に設定される。具体的に言えば、作動モードおよび/または関連の作動パラメータは、ツール情報に基づいて制御ユニットにより完全に自動的に設定される。
【0033】
自動的に設定される機械パラメータの例に関しては、上記説明を参照されたい。
【0034】
本発明の別の観点によれば、機械の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータは、制御ユニットのデータキャリヤに記憶されている。かくして、機械の作動モードおよび/または機械の作動パラメータは、外部データベースを必要としないで制御ユニットにより自動的に設定できる。
【0035】
変形例としてまたは追加例として、制御ユニットは、外部データキャリヤに信号伝達方式で接続され、機械の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータは、外部データキャリヤに記憶されている。外部データキャリヤは、例えばケーブルまたはワイヤレスにより、特にローカルネットワーク、WLAN、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、インターネット(internet)により信号伝達方式でコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、または機械に、あるいはむしろ制御ユニットに接続された任意他の形式のスマートデバイスに設けられるのが良い。代替的にまたは追加的に、データキャリヤは、外部サーバに設けられても良い。具体的に言えば、機械またはむしろ制御ユニットをクラウドコンピュータネットワークに接続するのが良い。
【0036】
一般に、機械の互いに異なる作動モードおよび/またはデータキャリヤに記憶された互いに異なる機械作動パラメータをユーザによって、例えば機械のオペレータによって適合させることができる。かくして、特定の機械および/または製造されるべき特定の製品と関連したあらかじめ設定された作動モードおよび/またはあらかじめ設定された機械作動パラメータが設けられるのが良く、これらは、特定の環境に合うよう設定できる。例えば、製造を最適化するとともに/あるいは誤りを是正するために機械の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータを適合させることができる。
【0037】
本発明の別の観点によれば、読み取りおよび/または書き込み装置は、ツールインサートの使用時間を識別要素に書き込むようになっている。読み取りおよび/または書き込み装置は、ツールインサートのアップデートされた先の使用時間をツールインサートに書き込むのが良く、その結果、ツールインサートの正確な実際の使用時間が識別要素に記憶されるようになる。かくして、ツールインサートの交換および/またはツールインサートの保守を時間的にスケジュール設定することができるようにする。さらに、機械の作動パラメータを先の使用時間に基づいて、特にツールインサートの摩耗を補償するために適合させるのが良い。例えば、機械の運動範囲および/または機械によってブランクに加えられる圧力を先の使用時間に基づいて適合させる。
【0038】
代替的にまたは追加的に、アップデートされた先の使用時間を制御ユニットのデータキャリヤおよび/または外部データキャリヤにツールインサートのツール情報と共に記憶させるのが良い。換言すると、当該特定のツールインサートと一意的に関連した当該特定のツールインサートの先の使用時間を機械側に記憶させる。
【0039】
本発明によれば、本課題はさらに、上述の機械および上述のツールインサートを含む機械システムによって解決される。
【0040】
機械システムの特性および利点に関しては、ツールインサートおよび機械に関して上述した説明が参照されるべきであり、かかる説明はまた、機械システムについて当てはまり、機械システムに関する説明は、ツールインサートおよび機械についても当てはまる。
【0041】
機械システムは、各々1つまたは複数のツールインサートを備えた数基の機械を含むのが良い。数基の機械は全て、共通クラウドネットワークにより接続されるのが良い。具体的に説明すると、個々のツールインサートの先の使用時間および/または個々のツールインサートの残りの寿命をクラウドネットワークにより同時にかつ/あるいは個別的にモニタすることができる。
【0042】
追加的にまたは代替的に、個々のツールインサートと関連した機械のそれぞれの作動パラメータをクラウドネットワークによりモニタすることができる。
【0043】
例えば、特に品質保証、統計学的目的および/または発注目的のために先の使用時間およびかくしてツールインサートの各々の残りの寿命をクラウドネットワーク経由でモニタするためのアクセスをツールインサートの供給業者に与えることができる。
【0044】
本発明によれば、本課題はさらに、機械、特に上述の機械を作動させる方法であって、
‐ツールインサート、特に上述のツールインサートを機械のツールホルダ中に挿入するステップを含み、ツールインサートは、ツールインサートの形式および/またはツールインサートの適用領域に関するツール情報を含む識別要素を有し、
‐機械経由でツール情報を読み取るステップを含み、
‐ツール情報に基づいて少なくとも部分的に自動的に機械の作動モードおよび/または機械作動パラメータを設定するステップを含むことを特徴とする方法によって解決される。
【0045】
本方法の特性および利点に関しては、ツールインサートおよび機械に関して上述した説明が参照されるべきであり、かかる説明はまた、本方法について当てはまり、本方法関する説明は、ツールインサートおよび機械についても当てはまる。
【0046】
本発明の一観点によれば、ツールインサートの使用時間が識別要素に書き込まれる、換言すると、ツールのアップデートされた先の使用時間を識別要素に書き込むことができ、その結果、ツールインサートの正確な実際の使用時間が識別要素に記憶されるようになる。かくして、ツールインサートの交換および/またはツールインサートの保守を時間的にスケジュール設定することができるようにする。さらに、機械の作動パラメータを先の使用時間に基づいて、特にツールインサートの摩耗を補償するために適合させるのが良い。例えば、機械の運動範囲および/または機械によってブランクに加えられる圧力を先の使用時間に基づいて適合させる。
【0047】
本発明の別の観点によれば、ツールインサートの既定の使用時間に達したときにユーザ通知および/または発注メッセージが出される。換言すると、ツールインサートがその指定の寿命に達した時点がユーザに通知され、その結果、ユーザは、新品のツールインサートを注文することができるとともに/あるいはツールインサートが適時保守を受けることができるようになっている。代替的にまたは追加的に、新品のツールインサートを発注メッセージにより自動的に注文することができる。
【0048】
上述の観点およびクレーム請求された本発明の付随する利点のうちの多くは、これらが添付の図面と関連して行われる以下の詳細な説明を参照すると良好に理解されるようになるように容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図2】
図1の機械のセグメントの概略詳細側面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る
図1および
図2の機械のためのツールインサートの斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る
図1および
図2の機械のためのツールインサートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、機械10の概略平面図である。以下に説明する実施例では、機械10は、折り畳み、切断および/または打ち抜き機械として構成されている。
【0051】
代替的にまたは追加的に、機械10はまた、別形式の機械、例えば印刷機械または仕上げ機械として構成できる。
【0052】
機械10は、ブランク12を既定の仕方で折り畳み、切断するとともに/あるいは打ち抜くよう構成されている。
【0053】
ブランク12は、厚紙、カートンまたは箔から作られるのが良く、これらブランクは後で、例えばシート材またはウェブ材のような基材からブランクを切断するよう加工されるのが良く、それにより包装材、箱、包み紙、封筒、または類似の製品を形成することができる。
【0054】
機械10は、ブランク12をブランク12が加工される加工領域16中に前進させるための搬送システム14を有する。
【0055】
例えば、ブランク12を加工領域16内で切断するとともに/あるいは打ち抜くことができ、かつ/あるいは折り畳み用の折り目を加工領域16内でブランク12に入れることができる。
【0056】
少なくとも1つの追加の加工ステーション18は、機械10の一部として提供されても良くまたはこれと関連して設けられても良い。追加の加工ステーション18は、ブランク12およびブランク12と共に製造される物品を切断し、折り畳み、接着しまたは違ったやり方で加工するために使用できる。
【0057】
機械10および加工領域16の機能性について
図2を参照して以下に詳細に説明する。以下において、機械10の実施例が折り畳み機械であることとして説明する。しかしながら、理解されるべきこととして、以下に与えられる説明は、上述した他形式の機械にも当てはまり、場合によっては、適当な改造が施される。
【0058】
加工領域16内において、折り目付けツールとカウンタ要素は、少なくとも1つの折り畳み用折り目をブランク12に入れるよう協働する。
【0059】
折り目付けツールは、プランジャ20の形態で提供され、プランジャ20をカウンタ要素22に向かって前進させてこれに圧着させるのが良い。プランジャ20のところにおいて、ツールインサート24がツールホルダ26内に設けられる。この目的のため、ツールインサートは、折り目付けプレートを担持し、折り目付けプレートが折り目付け突出部を備えている。折り目付けプレートの折り目付け突出部の幾何学的形状および配置状態は、ブランク12に付けられるべき折り畳み用折り目に対応している。
【0060】
機械10の特定の実施例が折り畳み機械である場合、ツールインサート24は、少なくとも1つの折り目付け突出部28を備える。いっそう分かりやすくするためにここでは折り目付け突出部28が1つしか示されていない。
【0061】
カウンタ要素22は、プランジャ20に向いた側に、ベース層30を備え、ベース層30は、弾性材料、例えばゴムまたはエラストマーで作られるのが良い。
【0062】
機械10は、
図1および
図2の特定の実施例では、プランジャ20に取り付けられた読み取りおよび/または書き込み装置34をさらに有する。読み取りおよび/または書き込み装置34は、電子および/または光学装置として構成されている。例えば、読み取りおよび/または書き込み装置は、RFID通信装置および/または光学スキャナとして構成されている。
【0063】
代替的にまたは追加的に、読み取りおよび/または書き込み装置34は、信号伝達方式で、すなわちケーブルまたはワイヤレス方式で機械10に接続された外部装置であるのが良い。具体的に言えば、読み取りおよび/または書き込み装置34は、ユーザ/または機械10のオペレータによって作動できる手持ち型装置として構成される。例えば、読み取りおよび/または書き込み装置34は、手持ち型スキャナとして構成されるのが良い。読み取りおよび/または書き込み装置34の正確な機能については以下に詳細に説明する。
【0064】
さらに、機械10は、機械10を制御してブランク12を既定の仕方で加工するよう構成された制御ユニット36を有する。
【0065】
制御ユニット36は、機械10それ自体の中に一体化されても良くまたは外部装置、例えばパーソナルコンピュータ、ラップトップ、スマートフォンまたは任意他の種類のスマートデバイスであって良い。後者の場合、制御ユニット36は、信号伝達方式で、例えばケーブルまたはワイヤレス経由で、特にローカルネットワーク、WLAN、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、インターネット(internet)など経由で機械10に接続される。
【0066】
一般的に言って、折り畳み用折り目を備えるべきブランク12を搬送システム14経由で前進させてプランジャ20とカウンタ要素22との間に位置決めする。次に、プランジャ20をベース層30に押し付け、それにより折り目付け突出部28がブランク12を局所的に変形させることによって折り畳み用折り目32を作る。
【0067】
通常、機械10は、ツールインサート24を製造されるべき特定の製品のための適当なツールインサートに交換することによって、同一または異なる形式のブランク12から互いに異なる形式の製品を製造するために使用できる。
【0068】
ツールインサート24に加えて、機械10の作動パラメータをこれが機械10を新たな製品の製造に適合させるよう変化させなければならない。換言すると、機械10の作動モードを適合させなければならない。
【0069】
例えば、プランジャ20によってブランク12に加えられる圧力および/またはプランジャ20の運動範囲を適用させなければならない場合がある。
【0070】
機械10は、機械10の作動パラメータを自動的に適合させ、すなわち、製造されるべき製品に合うように機械10の作動モードを自動的に設定するよう構成されている。
【0071】
一般的に言って、これは、ツールインサート24の自動認識によって達成される。通常、特定のツールインサート24は、製造されるべき特定の製品または製造されるべき特定の組をなす製品と関連している。
【0072】
かくして、各ツールインサートを機械10の作動パラメータの一意的なセット(組)に関連づけるのが良い。かくして、ツールインサート24を自動的に認識することによって、適当な作動パラメータを自動的に設定することができまたは機械10の作動パラメータのセット全体を特定のツールインサート24と適合性のあるサブセットまで自動的に減少させるのが良い。
【0073】
作動パラメータは、意図したジョブのための機械の適正な作動に適した任意の情報、例えば加工されるべき材料の速度、寸法形状および特性、機械要素のセットアップ、例えばローラ、案内、デフレクタ、センサの位置、センサの特性、例えばフレキソ印刷機械用のドクターブレードのような予備部品を含むサブコンポーネントの識別、例えばアニロックスローラのような別の工具、消耗品(例えば、塗料、インキ)、周辺機器、所定のツールが採用されているユニットの上流側および下流側に位置するモジュール(例えば、フィーダおよび堆積ユニット)などを含むのが良い。
【0074】
具体的に説明すると、ツールインサート24は、
図3に示されている機械により読み取り可能な識別要素38を有するよう改造されている。
【0075】
ツールインサート24は、数個の層を含む多部品ベースプレート40を有し、折り目付け突出部28がベースプレート40の頂部層に設けられている。
【0076】
この例示の実施形態では、識別要素38は、ベースプレート40の側部に設けられた凹部42内のベースプレート40に取り付けられる。識別要素38は、任意適当な連結手段によってベースプレート40に固定されるのが良い。例えば、識別要素38は、凹部42中にねじ止めされ、接着されまたはクランプされるのが良い。
【0077】
好ましくは、識別要素38の形状は、凹部42の形状と同一であり、その結果、識別要素38は、識別要素38の取り付け状態においてベースプレート40を越えて突き出る識別要素38が全くない状態で、凹部42を完全に埋めるようになっている。
【0078】
図3の実施形態では、識別要素38は、RFIDチップとして構成されている。
【0079】
しかしながら、注目されるように、変形例では、識別要素38は、無接触方式で、特に電子的にかつ/あるいは光学的に機械により読み取り可能である任意他形式の媒体として構成されても良い。別の実施例として、識別要素38は、光学的に読み取り可能なコード、例えばバーコードまたはQRコード(登録商標)として構成されても良い。
【0080】
変形例として、ツールインサート24は、コネクタから成っていても良く、ツールインサート24は、コネクタ中にプラグ接続されたケーブルにより機械10に連結されても良い。
【0081】
一般的に言って、識別要素38は、ツールインサート24に関する情報を含む。より詳細に言えば、少なくともツールインサート24の形式に関しかつ/あるいはツールインサートの適用領域に関する情報が電子的にかつ/あるいは光学的に識別要素38に記憶される。
【0082】
例えば、ツール情報は、ツールインサートの識別コード、特にツールインサートの一意的識別コード、ツールインサートの名称、製造されるべき製品の識別コード、製造されるべき製品の名称、ツールインサートと関連した機械の作動モードの識別コード、および/またはツールインサートと関連した機械の作動モードの名称を含むのが良い。
【0083】
さらに、ツールインサート24の幾何学的形状、例えばベースプレート40の寸法形状に関する情報および/または折り目付け突出部28の高さおよび空間分布状態に関する情報が識別要素38に記憶されるのが良い。
【0084】
追加的にまたは代替的に、識別要素38は、ツールインサート24の先の使用時間に関する情報を含むのが良い。
【0085】
図4は、ツールインサート24の別の実施形態を示している。以下において、
図3の実施形態と比較した場合の差異のみを説明するが、同じ機能を有するコンポーネントは、同一の参照符号で示されている。
【0086】
図4の実施形態では、ベースプレート40は、スリット44を有し、スリット44は、ベースプレート40の幾つかの層を貫通して延びている。
【0087】
識別要素38は、電子部分46および取り付け部分48を有し、これらの部分46,48は、曲げ部分50により互いに連結されている。
【0088】
電子部分46は、RFIDチップを有し、この電子部分は、RFIDチップがベースプレート40の内側に配置されるようスリット44中に挿入される。このように、ベースプレート40は、RFIDチップを機械的力から保護する。
【0089】
取り付け部分48は、電子部分46に対して約90°曲げられている。
【0090】
取り付け部分48は、任意適当な連結手段によってベースプレート40に固定されている。例えば、取り付け部分48は、ベースプレート40にねじ止めされ、接着されまたはクランプされるのが良い。
【0091】
ツールインサート24の特定の実施形態とは独立して、機械10は、
図5を参照して以下に説明する方法を実施するよう構成されている。
【0092】
より正確に言えば、制御ユニット36は、機械10を制御して以下に説明するステップのうちの幾つかを自動的に実行するよう構成されている。
【0093】
最初に、ツールインサート24を機械10中に挿入するステップ(S1)。例えば、ツールインサート24を交換し、と言うのは、機械10は、別の形式の製品を製造するよう適合されるべきだからである。
【0094】
読み取りおよび/または書き込み装置34は、識別要素38に記憶されているツール情報を自動的に読み出す(ステップS2)。ツール情報は、機械10にまたはそうでない場合には制御ユニット36に伝達される。
【0095】
制御ユニット36は、機械10の作動モードおよび機械10の関連の作動パラメータを少なくとも部分的に自動的に、特に完全自動的に設定する(ステップS3)。
【0096】
さらに、機械10の作動パラメータは、特にツールインサート24の摩耗を補償するために、ツールインサート24の先の使用時間に基づいて適合されるのが良い。例えば、機械10の運動範囲および/または機械10によってブランク12に加えられる圧力をツールインサート24の先の使用時間に基づいて適合させる。
【0097】
すでに上述したように、ツールインサート24は、特定の種類の製品または特定の組をなす製品向けに適合される。
【0098】
ツールインサート24が1つの特定の製品とのみ関連している場合、制御ユニット36は、機械10の作動パラメータの全てを完全に自動的に設定するのが良く、と言うのは、ツールインサート24は、この場合、その特定の製品と一意的にリンクしているからである。
【0099】
ツールインサートが多数の製品と関連している場合、機械10の作動パラメータの全体的なセットを特定のツールインサート24および関連製品と適合性のあるサブセットに自動的に減少させるのが良い。
【0100】
作動パラメータのサブセットは、機械10のオペレータに表示されるのが良い。したがって、オペレータは、機械10について減少したセットをなす適合作動パラメータから選択するだけで良い。
【0101】
機械10の作動パラメータを制御ユニット36のデータに記憶させるのが良い。かくして、機械10の作動モードおよび機械10の作動パラメータを外部データベースの必要なく、制御ユニット36によって自動的に設定することができる。
【0102】
代替的にまたは追加的に、制御ユニット36は、外部データキャリヤに信号伝達方式で接続されるのが良く、この場合、機械10の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータは、外部データキャリヤに記憶されている。外部データキャリヤは、例えばケーブルまたはワイヤレスにより、特にローカルネットワーク、WLAN、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、インターネット(internet)により信号伝達方式でコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、または機械に、あるいはむしろ制御ユニットに接続された任意他の形式のスマートデバイスに設けられるのが良い。代替的にまたは追加的に、データキャリヤは、外部サーバに設けられても良い。具体的に言えば、機械10またはむしろ制御ユニット36をクラウドコンピュータネットワークに接続するのが良い。
【0103】
一般に、機械10の互いに異なる作動モードおよび/またはデータキャリヤに記憶された互いに異なる機械作動パラメータをユーザによって、例えば機械10のオペレータによって適合させることができる。かくして、特定の機械10および/または製造されるべき特定の製品と関連したあらかじめ設定された作動モードおよび/またはあらかじめ設定された機械作動パラメータが設けられるのが良く、これらは、特定の環境に合うよう設定できる。例えば、製造を最適化するとともに/あるいは誤りを是正するために機械10の互いに異なる作動モードおよび/または互いに異なる機械作動パラメータを適合させることができる。
【0104】
機械10の作動パラメータを設定した後、対応の製品の製造を開始する。
【0105】
製品の製造中、ツールインサート24の使用時間を追跡しまたはそうでなければ決定する(ステップS4)。
【0106】
ツールインサート24のアップデートされた先の使用時間を識別要素38に書き込み、その結果、ツールインサートの正確な実際の使用時間が識別要素38に記憶されるようにする(ステップS5)。
【0107】
所定の時間間隔後かつ/あるいはツールインサート24の使用終了時に、アップデート済みの先の使用時間を識別要素38に繰り返し書き込むのが良い。
【0108】
代替的にまたは追加的に、ツールインサート24のアップデートされた先の使用時間を制御ユニット36のデータキャリヤおよび/または外部データキャリヤにツールインサート24のツール情報と共に記憶させるのが良い。換言すると、当該特定のツールインサート24と一意的に関連した当該特定のツールインサート24の先の使用時間を機械側に記憶させる。
【0109】
さらに、ツールインサート24の既定の使用時間に達したときにユーザ通知および/または発注メッセージが出される(ステップS6)。換言すると、ツールインサート24がその指定の寿命に達した時点がオペレータに通知され、その結果、オペレータは、新品のツールインサート24を注文することができるとともに/あるいはツールインサート24が適時保守を受けることができるようになっている。
【0110】
代替的にまたは追加的に、新品のツールインサート24を発注メッセージにより自動的に注文することができる。
【0111】
一緒になって機械システムを形成する上述したような機械10が数基存在する場合があり、各機械10は、各々1つまたは数個のツールインサート24を有する。数基の機械10は全て、共通のクラウドネットワークにより互いに接続されるのが良い。具体的に言えば、個々のツールインサート24の先の使用時間および/または個々のツールインサート24の残りの寿命をクラウドネットワークにより同時にかつ/あるいは個別的にモニタするのが良い。
【0112】
追加的にまたは代替的に、個々のツールインサート24と関連した機械10のそれぞれの作動パラメータをクラウドネットワークによりモニタすることができる。
【0113】
例えば、特に品質保証、統計学的目的および/または発注目的のために先の使用時間およびかくしてツールインサート24の各々の残りの寿命をクラウドネットワーク経由でモニタするためのアクセスをツールインサート24の供給業者に与えることができる。
【国際調査報告】