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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】エアロゾル試験チャンバー
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/22 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
G01N1/22 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022549380
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2021051517
(87)【国際公開番号】W WO2021171177
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20159864.6
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス ルエソ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ルジェ エマニュエル ジェラール レネ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドマー マルクス シルヴァン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AD02
2G052AD42
2G052BA05
2G052DA13
2G052FD17
2G052HC22
2G052HC23
2G052JA11
2G052JA15
2G052JA16
(57)【要約】
エアロゾルを研究するための装置は、囲まれた内部容積を画定するパネルを有する試験チャンバーを含む。パネルは、(i)試験チャンバーの内部を画定する表面を有する第一の壁と、(ii)試験チャンバーの外部を画定する第二の壁と、(iii)第一の壁と第二の壁との間の空隙空間と、(iv)空隙空間と連通するパネル入口と、(v)空隙空間と連通するパネル出口と、を有する。装置は、各々、パネルのうちの一つを通って延び、囲まれた内部容積と連通する、チャンバー入口ポートおよびチャンバー出口ポートを含む。装置は、囲まれた内部容積内に配置され、囲まれた内部容積内の空気を混合するように位置付けられ、かつ構成されたファンを含む。装置は、パネルのうちの一つを通って延びるトラップポートを含み、囲まれた内部容積内の内容物をサンプリングすることを可能にするための弁を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを研究するための装置であって、
囲まれた内部容積を画定する一つ以上のパネルを含む試験チャンバーであって、
前記一つ以上のパネルの各々が、前記試験チャンバーの内部を画定する表面を有する第一の壁を有し、前記試験チャンバーの外部を画定する第二の壁を有し、
空隙空間が、前記第一の壁と前記第二の壁との間に画定され、
前記パネルの各々が、前記空隙空間と連通するパネル入口と、前記空隙空間と連通するパネル出口とを含む、試験チャンバーと、
前記一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積と連通する空気入口導管を画定する、チャンバー入口ポートと、
前記一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積と連通する空気出口導管を画定する、チャンバー出口ポートと、
前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積内に配置されたファンであって、前記ファンが、前記囲まれた内部容積内の空気を混合するように位置付けられ、かつ構成されている、ファンと、
前記囲まれた内部容積からの内容物をサンプリングするためのトラップポートであって、前記トラップポートが、前記一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、前記囲まれた内部容積内の前記内容物のサンプリングを可能にするための弁を含む、トラップポートと、を備える、装置。
【請求項2】
前記チャンバー入口ポートが、前記入口ポートを通って流れる空気が前記パネルの前記空隙空間を通って流れないように、前記一つ以上のパネルの第一のパネルの前記第一および第二の壁を通って延びるように構造化され、前記チャンバー出口ポートが、前記入口ポートおよび出口ポートを通って流れる空気が前記パネルの前記空隙空間を通って流れないように、前記一つ以上のパネルの第二のパネルの前記第一および第二の壁を通って延びるように構造化される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一および第二のパネルが、互いに実質的に平行である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一つ以上のパネルのうちの一つから延びるアンテチャンバーであって、前記アンテチャンバーが、前記パネルの前記第一および第二の壁を通って延びる封止されたアンテチャンバーポートを画定する、アンテチャンバーと、
前記アンテチャンバー内に配置されるトレイであって、前記トレイが、第一の位置から第二の位置へ摺動可能であり、
前記トレイが、第一の壁および第二の壁を含み、
前記第一の位置では、前記第一の壁が、前記試験チャンバーの前記内部から前記アンテチャンバーポートを封止し、
前記第二の位置では、前記第二の壁が、前記試験チャンバーの前記外部から前記アンテチャンバーポートを封止する、トレイと、をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記アンテチャンバーが、開位置から閉位置へ移動可能な旋回可能なリッドを含み、前記閉位置では、前記リッドが、前記アンテチャンバーへのアクセスを防止し、前記リッドが、前記開位置では、前記アンテチャンバーへのアクセスを提供する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記一つ以上のパネルが、前記パネルの前記第一および第二の壁を保持するように構成されたフレームを含み、前記パネル入口および前記パネル出口のうちの一方または両方が、前記フレームを通して画定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記トラップポートが、前記試験チャンバーの周りの様々な位置に位置付けられる複数のトラップポートのうちの一つである、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積を画定する前記第一の壁の前記表面が、不活性である、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記チャンバー入口ポートに動作可能に連結された希釈弁をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
それを通して露出パネルの少なくとも一部分が前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積の中に挿入され得る、露出パネルポートを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
システムであって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置と、
前記試験チャンバーの前記一つ以上のパネルの前記パネル入口および前記パネル出口のうちの一方または両方に動作可能に連結された空気移動装置であって、前記空気移動装置が、前記試験チャンバーの前記一つ以上のパネルの前記第一の壁と前記第二の壁との間の前記空隙空間を通して空気を流すように構成されている、空気移動装置と、を備える、システム。
【請求項12】
前記試験チャンバーが、二つ以上のパネルを含み、前記システムが、各パネル入口、各パネル出口、または各パネル入口および各パネル出口に動作可能に連結されたマニホールドをさらに備え、前記マニホールドが、前記空気移動装置および前記マニホールドが各パネルの空隙空間を通して空気を流すように、前記空気移動装置に動作可能に連結される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記パネル入口に入る空気を加熱するように位置付けられ、かつ適合されたヒーターをさらに備える、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記チャンバー入口ポートに動作可能に連結された加湿器をさらに備え、前記加湿器が、前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積に調整された空気を提供するように構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記加湿器に動作可能に連結されたコントローラを備え、前記コントローラが、前記加湿器によって前記試験チャンバーの前記囲まれた内部容積に提供される前記調整された空気の空気流量、温度、および湿度のうちの一つ以上を制御するために、前記加湿器を制御するように構成され、かつ適合される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾルを研究するための装置に関し、特に、エアロゾルの特性または特徴が研究され得る試験チャンバーを備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なサイズの試験チャンバーが市販されている。一部の公知の試験チャンバーは、ガラス壁から形成されたハウジングを有する。ガラスハウジングは、試験チャンバーの目視を可能にするが、試験中、ガラス壁の内部表面上の凝縮に煩わされる傾向がある。こうした凝縮は、エアロゾルが凝縮した水滴に吸着することにより、エアロゾルの試験に干渉する場合がある。
【0003】
さらに、公知の試験チャンバーは、典型的には、試験チャンバーの洗浄を可能にし、エアロゾル発生物品などの試験物品をチャンバー内に導入することを可能にするために開かれる大きなドアを有する。試験中にこうした大きなドアを開けることにより、試験チャンバー内の環境が破壊される場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様によると、エアロゾルを研究するための装置が提供されている。装置は、囲まれた内部容積を画定する一つ以上のパネルを含む、試験チャンバーを備える。一つ以上のパネルの各々は、試験チャンバーの内部を画定する表面を有する第一の壁を有し、試験チャンバーの外部を画定する第二の壁を有する。空隙空間は、第一の壁と第二の壁との間に画定される。パネルの各々は、空隙空間と連通するパネル入口と、空隙空間と連通するパネル出口とを含む。装置はまた、チャンバー入口ポートおよびチャンバー出口ポートを備える。チャンバー入口ポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気入口導管を画定する。チャンバー出口ポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気出口導管を画定する。装置はまた、ファンおよび囲まれた内部容積からの内容物をサンプリングするためのトラップポートを備える。ファンは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内に配置され、囲まれた内部容積内の空気を混合するように位置付けられ、かつ構成される。トラップポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、囲まれた内部容積内の内容物のサンプリングを可能にする弁を含む。
【0005】
装置は、囲まれた内部容積を画定する一つ以上のパネルを含み得る、試験チャンバーを備え得る。一つ以上のパネルの各々は、試験チャンバーの内部を画定する表面を有する第一の壁を有してもよく、試験チャンバーの外部を画定する第二の壁を有してもよい。空隙空間は、第一の壁と第二の壁との間に画定され得る。パネルの各々は、空隙空間と連通するパネル入口と、空隙空間と連通するパネル出口とを含み得る。装置はまた、チャンバー入口ポートおよびチャンバー出口ポートを備えてもよい。チャンバー入口ポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延びてもよく、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気入口導管を画定し得る。チャンバー出口ポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延びてもよく、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気出口導管を画定し得る。装置はまた、ファンおよび囲まれた内部容積からの内容物をサンプリングするためのトラップポートを備え得る。ファンは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内に配置されてもよく、囲まれた内部容積内の空気を混合するように位置付けられ、かつ構成されてもよい。トラップポートは、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延びてもよく、囲まれた内部容積内の内容物のサンプリングを可能にするための弁を含んでもよい。
【0006】
上述の様式で構成された装置は、試験チャンバーを画定するパネルの第一の壁上に凝縮が形成されることを低減または防止し得る。例えば、加熱された空気は、第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通って流れ得る。空隙空間を通る加熱された空気の流れは、試験チャンバーの囲まれた内部容積の温度に対して第一の壁を加熱し得る。第一の壁のこうした相対的な加熱は、凝縮を低減または防止し得る。囲まれた内部容積内の凝縮の低減または防止により、有利なことに、囲まれた内部容積内の試験エアロゾルまたは調整された空気の他の成分と凝縮した水との収着または反応が低減または防止され得る。したがって、試験結果の精度および信頼性が改善され得る。
【0007】
任意の適切な加熱された流体媒体は、パネルの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通過して、試験チャンバーの囲まれた内部容積を画定する第一の壁の表面上の凝縮を防止または低減し得る。加熱された空気は、適切な流体媒体の一例である。
【0008】
パネルの第一および第二の壁は、任意の適切な材料から形成され得る。少なくとも試験チャンバーの内部を画定する第一の壁の表面は不活性であることが好ましい。任意の適切な不活性材料が使用されてもよい。不活性材料は、第一の壁のバルクを形成してもよく、または第一の壁の表面上に被覆されてもよい。試験チャンバーの内部の内部を画定する第一の壁の表面は、疎水性であることが好ましい。疎水性材料は、エアロゾルに対して不活性である傾向がある。
【0009】
第一および第二の壁のバルクを形成するための適切な材料の例としては、ガラス、プラスチック、および金属材料が挙げられる。適切なプラスチック材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびこれに類するものが挙げられる。適切な金属材料の例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、およびこれに類するものが挙げられる。材料は、本質的に不活性であってもよく、または不活性となるように処理または被覆されてもよい。例えば、被覆または処理を表面に施して、表面を不活性にしてもよい。一例として、アルミニウムなどの金属は陽極酸化されてもよい。
【0010】
パネルの第一および第二の壁は、囲まれた内部空間の目視を可能にするために、透明な材料から形成されることが好ましい。パネル全体またはパネルの一部分が、囲まれた内部空間の目視を可能にするために、透明であってもよい。パネル全体またはパネルの大部分は、透明であることが好ましい。パネルの第一および第二の壁を形成するための適切な透明材料は、透明なプラスチックまたはガラスを含む。パネルの第一および第二の壁は、ガラスを含むことが好ましい。透明かつ不活性であることに加えて、ガラスは、洗剤および水で容易に洗浄可能であり、耐擦傷性である傾向がある。
【0011】
第一および第二の壁は、任意の適切な厚さのものであってもよい。例えば、第一および第二の壁は、2ミリメートル~15ミリメートル、または3ミリメートル~10ミリメートルなど、1ミリメートル~20ミリメートルの厚さを有してもよい。第一および第二の壁の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。一部の実施例では、第一および第二の壁はガラスを含み、3ミリメートル~10ミリメートルの厚さを有する。ガラス壁は、5ミリメートルの厚さを有することが好ましい。
【0012】
第一および第二の壁は、互いに分離されて、任意の適切な厚さの空隙空間を形成してもよい。例えば、空隙空間は、10ミリメートル~25ミリメートルなど、5ミリメートル~50ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0013】
パネルは、空隙空間と連通する入口と、空隙空間と連通する出口とを含む。パネル入口およびパネル出口のうちの一方または両方は、ポートによって形成されてもよい。ポートは、空隙空間に、または空隙空間から流れる空気を搬送するために導管に連結されてもよい。一部の実施例では、パネル入口は、導管に連結されたポートによって形成され、パネル出口は、周囲環境と連通する開口部を含む。
【0014】
試験チャンバーは、二つ以上のパネルを含んでもよい。例えば、試験チャンバーは、上部パネル、底部パネル、および一つ以上の側壁パネルを含んでもよい。一部の実施例では、試験チャンバーは、上部パネル、底部パネル、前部側壁パネル、後部側壁パネル、左側壁パネル、および右側壁パネルを含む。
【0015】
一つ以上の側壁パネルのうちの一つは、開位置から閉位置へヒンジで移動可能であってもよい。閉位置では、側壁パネルは、試験チャンバーの内部容積を囲み得る。側壁パネルは、閉位置では、試験チャンバーの囲まれた内部容積を外部環境から封止することが好ましい。開位置では、試験チャンバーの内部はアクセス可能であってもよい。したがって、側壁パネルが開位置にある時、ユーザーは、例えば、試験チャンバーの内部を洗浄または維持するために、試験チャンバーの内部にアクセスし得る。
【0016】
パネルは、パネルの第一および第二の壁を保持するように構成されたフレームを含み得る。フレームは、パネル入口、パネル出口、またはパネル入口およびパネル出口を画定し得る。フレームは、二つ以上のパネルを保持するように構成されてもよい。
【0017】
フレームは、試験チャンバーの囲まれた内部容積が周囲環境に対して気密となるように、密封するようにパネルと係合することが好ましい。
【0018】
一つ以上の封止要素を使用して、フレームに対してパネルを封止してもよい。任意の適切な封止要素が使用されてもよい。例えば、Viton、細片またはコードなどの合成ゴムまたはフルオロポリマーエラストマーを使用して、フレームに対してパネルの縁を封止してもよい。封止要素は、不活性であるか、または試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通し得る封止要素の任意の一部分が不活性であることが好ましい。
【0019】
フレームは、不活性材料を含んでもよい。試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通し得るフレームの任意の一部分は、不活性であることが好ましい。フレーム、またはフレームの一部分は、不活性となるように被覆または処理されてもよい。フレームは、ポリカーボネートなどのプラスチック、またはアルミニウムまたはステンレス鋼などの金属材料を含み得る。一部の実施例では、フレームは陽極酸化アルミニウムを含む。陽極酸化アルミニウムは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内で試験または研究され得るエアロゾルに対して不活性であり得る。
【0020】
試験チャンバーは、囲まれた内部容積へのアクセスを可能にするためのドアを含んでもよい。ドアは、パネルのうちの一つに形成されてもよく、またはパネルのうちの一つを含んでもよい。ドアは、内部が洗浄または維持され得るように、試験チャンバーの内部へのアクセスを提供することが好ましい。ドアは、閉じられた時に封止されることが好ましい。例えば、ドアが閉じられている時、囲まれた内部容積は、周囲雰囲気に対して封止される、または気密であり得る。
【0021】
開位置から閉位置へヒンジで移動可能な側壁パネルは、ヒンジによってフレームに取り付けられてもよい。側壁パネルが閉位置にある時、フレームに対して移動可能なパネルを封止するために、一つ以上の封止要素が使用されてもよい。一部の実施例では、側壁パネルは、閉位置に磁気的に維持されるように構成されている。一部の実施例では、パネルは、ラッチを介して閉位置に維持されるように構成されている。
【0022】
試験チャンバーは、適切な任意の形状のものとし得る。一つ以上のパネルは、試験チャンバーの適切な形状を達成するように構成され、かつ配設されてもよい。一部の実施例では、試験チャンバーは長方形である。試験チャンバーの囲まれた内部容積および外部形状は長方形であることが好ましい。
【0023】
試験チャンバーは、任意の適切なサイズのものとし得る。試験チャンバーは、手動で移動され得るカート上に定置されるように構成されることが好ましい。ホイールを有するカート上に試験チャンバーを定置することにより、試験チャンバーを可搬式にすることが可能になる。一部の実施例では、試験チャンバーの囲まれた内部容積は、0.1立方メートル~0.5立方メートル、または0.2立方メートル~0.3立方メートルなど、0.1立方メートル~1立方メートルである。例えば、囲まれた内部容積は、750ミリメートル~1250ミリメートルなど、500ミリメートル~1500ミリメートルの長さを有してもよい。
【0024】
チャンバー入口ポートは、入口ポートを通って流れる空気がパネルの空隙空間を通って流れないように、一つ以上のパネルの第一のパネルの第一および第二の壁を通って延びるように構造化されてもよい。チャンバー出口ポートは、入口ポートの入口および出口ポートを通って流れる空気がパネルの封止された空隙空間を通って流れないように、一つ以上のパネルの第二のパネルの第一および第二の壁を通って延びるように構造化されてもよい。こうした配設により、調整された空気が、汚染されることなくチャンバーの囲まれた内部容積に入ることが可能になる。
【0025】
チャンバー入口ポートに入る調整された空気は、濾過されてもよい。例えば、調整された空気は、フィルターを通過することによって清浄化されてもよい。任意の適切なフィルターが使用されてもよい。適切なフィルターの例としては、HEPAフィルター、炭フィルター、またはHEPAフィルター、および炭フィルターが挙げられる。清浄化された空気の使用は、汚染回避を補助し得る。清浄化された空気の使用により、試験結果の精度および信頼性が改善され得る。
【0026】
第一および第二のパネルは、互いに実質的に平行であってもよい。第一および第二のパネルは、互いに実質的に平行であり、チャンバー入口ポートからチャンバー出口ポートへの気流がファンによって生成される気流に対して実質的に直角を成すように配設されることが好ましい。こうした構成は、ファンからの気流が、チャンバー入口ポートからチャンバー出口ポートへ試験チャンバーの囲まれた内部容積を通って流れる調整された空気と混合することを補助し得る。言い換えれば、ファンは、上部パネルおよび底部パネルに対して概して平行な気流を引き起こすように、チャンバー内に位置付けられ得る。チャンバー入口ポートが通って延びる第一のパネルは、底部パネルであってもよく、チャンバー出口ポートが通って延びる第二のパネルは、上部パネルであってもよい。調整された空気は、概して底部から上部へ、囲まれた内部容積内で流れてもよく、ファンは、チャンバー入口からチャンバー出口への流れに対して概して直角を成して流れる空気を引き起こし、調整された空気と、例えば、試験チャンバー内で試験されるエアロゾルとが混合し得る。
【0027】
チャンバー入口ポートは、調整された空気を加湿器から試験チャンバーの囲まれた内部容積に搬送するために導管に連結されることが好ましい。チャンバー入口ポートを介した、試験チャンバーの囲まれた内部容積の中への調整された空気の流量は、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の圧力を制御するように調節され得る。
【0028】
チャンバー出口ポートは、試験チャンバーの囲まれた内部容積からの空気の放出を制御するように構成された弁に連結されてもよい。弁は、放出速度を制御するように手動で調整されてもよく、またはオートメーションを介して制御されてもよい。例えば、弁は、弁を開閉するように構成されたモータに連結されてもよく、モータはコントローラに連結されてもよい。装置は、圧力センサーを備えてもよい。圧力センサーは、コントローラに動作可能に連結されてもよい。コントローラは、感知された圧力に基づいて、モータに弁を開閉させ得る。
【0029】
囲まれた内部容積内の圧力は、囲まれた内部容積の中への調整された空気の流量を制御することによって制御され得る。囲まれた内部容積の中への調整された空気の流量は、加湿器のパラメータを設定することによって制御されてもよい。パラメータは、手動で設定されてもよく、またはパラメータの設定は、自動化されてもよい。例えば、加湿器は、コントローラに動作可能に連結されてもよい。コントローラは、圧力センサーに連結されてもよい。コントローラは、感知された圧力に基づいて、加湿器に加湿器からの流量を変化させ得る。
【0030】
一部の実施例では、囲まれた内部容積内の圧力は、囲まれた内部容積の中への調整された空気の流量および囲まれた内部容積からの空気の放出速度を制御することによって制御される。囲まれた内部容積の中への、および囲まれた内部容積からの流量のうちの一方または両方は、手動でまたは自動的に制御されてもよい。一部の実施例では、囲まれた内部容積の中への流量は自動的に制御され、囲まれた内部容積からの流量は手動で制御される。
【0031】
一部の実施例では、囲まれた内部容積の中への、および囲まれた内部容積からの流量は自動的に制御される。チャンバー出口ポートは、弁に動作可能に連結されてもよい。弁は、弁を開閉するように構成されたモータに動作可能に連結されてもよい。モータは、モータに弁を開閉させるように構成されたコントローラに動作可能に連結されてもよい。入口チャンバーポートは、加湿器に動作可能に連結されてもよい。加湿器は、コントローラに連結されてもよい。コントローラは、チャンバー入口ポートを介して、囲まれた内部容積の中への調整された空気の流量を制御するように構成され得る。装置は、囲まれた内部容積内の圧力を測定するように位置付けられ、かつ適合された圧力センサーを備えてもよい。圧力センサーは、コントローラに動作可能に連結されてもよい。コントローラは、圧力センサーによって提供されるデータの結果として、加湿器からの流量および弁を介した空気の放出速度を変化させるように構成されてもよい。
【0032】
チャンバー入口ポートおよびチャンバー出口ポートは、封止要素の使用を通して、それを通って延びるパネルに対して封止されてもよい。例えば、ポートは、パネルに対してOリングで封止されてもよい。
【0033】
装置は、一つ以上のパネルのうちの一つから延びるアンテチャンバーを備えてもよい。アンテチャンバーは、パネルの第一および第二の壁を通って延びる封止されたアンテチャンバーポートを画定し得る。装置はさらに、アンテチャンバー内に配置されたトレイを備えてもよい。トレイは、第一の壁および第二の壁を含み得る。トレイは、第一の位置から第二の位置へ摺動可能であってもよい。第一の位置では、第一の壁が、試験チャンバーの内部からアンテチャンバーポートを封止し得る。第二の位置では、第二の壁が、試験チャンバーの外部からアンテチャンバーを封止し得る。アンテチャンバーは、エアロゾル発生物品などの物品を、物品をトレイ上に定置し、トレイを第一の位置から第二の位置へ摺動させることによって、試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に導入するために使用され得る。こうした構成により、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の環境の破壊が低減され得る。トレイが第一の位置にある時およびトレイが第二の位置にある時、試験チャンバーの囲まれた内部容積は封止されるため、試験チャンバーの囲まれた内部容積は、トレイが第一の位置から第二の位置へ摺動される間のみ外部環境に露出され得る。
【0034】
アンテチャンバーは、開位置から閉位置へ移動可能な旋回可能なリッドを含むことが好ましい。閉位置では、リッドは、アンテチャンバーの内部へのアクセスを防止し得る。リッドが開位置にある時、ユーザーは、アンテチャンバーの内部にアクセスし得る。リッドは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の環境の破壊を低減することを補助し得る。例えば、トレイが第二の位置から第一の位置へ、または第一の位置から第二の位置へ摺動する時、リッドは閉じられ得る。したがって、リッドが閉じられている場合、試験チャンバーの囲まれた内部容積は、アンテチャンバー内の外気の容積に対してのみ露出され得る。リッドがアンテチャンバー上にある、または閉位置にある時、リッドは、アンテチャンバーの内部を周囲環境から封止することが好ましい。
【0035】
装置は、二つ以上のアンテチャンバーを備えてもよい。装置は、二つのアンテチャンバーを備えることが好ましい。装置が二つ以上のアンテチャンバーを有する場合、同時に、二つ以上の物体が導入され、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通して定置され得る。追加的または代替的に、別の物体を別のチャンバーから除去する際に、一つの物体を一つのチャンバーに導入してもよい。
【0036】
アンテチャンバーは、任意の適切な形状のものとし得る。例えば、アンテチャンバーは、長方形のボックスの形状を有してもよい。
【0037】
装置は、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延びるトラップポートを備えてもよい。トラップポートは、囲まれた内部容積内の内容物のサンプリングを可能にするための弁を含んでもよい。弁は、サンプルを抽出するために開かれ、試験チャンバーの内部容積を囲むために閉じられ得る。
【0038】
装置は、二つ以上のトラップポートを備えてもよい。トラップポートは、試験チャンバーの周りの様々な位置に位置付けられてもよい。試験チャンバーの周りの様々な異なる位置にトラップポートを位置付けることにより、試験チャンバーの囲まれた内部容積からサンプルを異なる位置で抽出することが可能になる。異なる位置で抽出されたサンプルを比較して、試験エアロゾルとチャンバー入口ポートから流れる調整された空気とが均質に混合され、囲まれた内部容積全体に分布しているかどうかを判定してもよい。
【0039】
装置は、任意の適切な数のトラップポートを備えてもよい。一部の実施例では、装置は、10個以上のトラップポートなど、5個以上のトラップポートを備える。一部の実施例において、装置は、20個以下のトラップポートなど、50個以下のトラップポートを備える。例えば、装置は、10個のトラップポート~20個のトラップポートなど、5個のトラップポート~50個のトラップポートを備えてもよい。
【0040】
装置は、二つ以上のパネルを通って延びるトラップポートを備えてもよい。装置は、特定のパネルを通って延びる二つ以上のトラップポートを備えてもよい。一部の実施例では、装置は、第一のパネルを通って延びる複数のトラップポート、および一つ以上の追加のパネルを通って延びる複数のトラップポートを備える。例えば、装置は、上部パネルを通って延びる複数のトラップポート、前部パネルを通って延びる複数のトラップポート、および後部パネルを通って延びる複数のトラップポートを備えてもよい。例えば、装置は、上部パネルを通って延びる5個のトラップポート~15個のトラップポート(例えば、8個のトラップポート)を備えてもよく、前部パネルを通って延びる2個のトラップポート~5個のトラップポート(例えば、3個のトラップポート)を備えてもよく、後部パネルを通って延びる2個のトラップポート~5個のトラップポート(例えば、3個のトラップポート)を備えてもよい。一部の実施例では、トラップポートが通って延びる前部パネルなどのパネルのうちの一つは、試験チャンバーの内部容積にアクセスするためのドアとしても機能する。
【0041】
トラップポートは、封止要素の使用を通して、それを通って延びるパネルに対して封止されてもよい。例えば、トラップポートは、パネルに対してOリングで封止されてもよい。
【0042】
装置は、チャンバー入口ポートに動作可能に連結された希釈弁を備えてもよい。希釈弁は、外部のエアロゾル、気体、または他の構成成分が、チャンバー入口ポートを通して方向付けられる調整された空気と混合することを可能にし得る。希釈弁は、試験チャンバーの中に入る前に、混合されるエアロゾル、気体、または他の構成成分を調整された空気と混合し得る。希釈弁の提供により、有利なことに、チャンバーがエアロゾル研究のための広い範囲の特定の環境状況をシミュレーションすることが可能になり得る。
【0043】
装置は、露出パネルの少なくとも一部分が、それを通して試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に挿入され得る、露出パネルポートを備えてもよい。露出パネルは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内のエアロゾルと化学的または物理的に反応し得る。露出パネルポートは、露出パネルが、囲まれた内部容積内の環境をほとんど破壊することなく、試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に挿入されるか、または試験チャンバーの囲まれた内部容積から除去されることを可能にするように構成され得る。したがって、露出パネルは、環境を実質的に破壊することなく、試験中に囲まれた内部容積に挿入またはそこからから除去され得る。
【0044】
露出パネルポートは、露出パネルがポート内に挿入されていない時にポートを封止する封止要素を含んでもよい。封止要素は、フラップ、プラグ、またはこれに類するものを含み得る。プラグは、O-リングを含んでもよい。プラグなどの封止要素は、露出パネルを挿入するために除去されてもよく、ポートからの露出パネルの除去後に交換されてもよい。追加的または代替的に、フラップなどの封止要素は、露出パネルが露出パネルポートを通して挿入されるか、または露出パネルポートから除去される時に、偏向してもよい。
【0045】
露出パネルポートの中に挿入される時に、露出パネルは、密封するように露出パネルポートと係合することが好ましい。例えば、露出パネルは、露出パネルが露出パネルポートの中に挿入される時にポートと係合する、細片またはOリングなどの封止要素を含んでもよい。
【0046】
露出パネルを挿入するための露出パネルポートからのプラグの除去は、囲まれた内部容積が相対正圧に維持される場合には、周囲空気による、試験チャンバーの囲まれた内部容積の実質的な汚染をもたらさない。
【0047】
装置は、二つ以上の露出パネルポートを備えてもよい。例えば、装置は、2、3、4、または5個の露出パネルポートを備えてもよい。装置は、2個または少なくとも2個の露出パネルポートを備えることが好ましい。
【0048】
露出パネルポートは、試験チャンバーの任意の適切なパネルを横切って延びてもよい。例えば、露出パネルポートは、試験チャンバーの上部パネルを横切って延びてもよい。
【0049】
装置は、システム内に含まれてもよい。システムは、試験チャンバーの一つ以上のパネルのパネル入口およびパネル出口のうちの一方または両方に動作可能に連結された空気移動装置を備え得る。パネル入口およびパネル出口は、パネルを保持するように構成されたフレームによって形成されてもよい。空気移動装置は、試験チャンバーの一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通して空気を流す。空隙空間を通って移動する空気の温度は、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の空気の温度よりも高いことが好ましい。パネルの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通る空気の移動は、試験チャンバーの内部を画定する第一の壁の表面上の凝縮を防止または低減し得る。空気移動装置は、パネル入口に動作可能に連結された送風機、パネル入口に動作可能に連結された圧縮空気の供給源、パネル出口に適用された真空、またはこれに類するものを含み得る。
【0050】
一部の実施例では、試験チャンバーは、二つ以上のパネルを含む。こうした実施例では、システムは、各パネル入口、各パネル出口、または各パネル入口および各パネル出口に動作可能に連結されたマニホールドを含み得る。マニホールドは、空気移動装置およびマニホールドが各パネルの空隙空間を通して空気を流すように、空気移動装置に動作可能に連結されてもよい。
【0051】
システムは、パネル入口に入る空気を加熱するように構成された発熱体を備えてもよい。パネルの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通る空気の移動は、特に空隙空間内の空気の温度が試験チャンバーの囲まれた内部容積内の温度よりも高い場合に、試験チャンバーの内部を画定する第一の壁の表面上の凝縮を防止または低減し得る。ヒーターは、有利なことに、パネル入口に入る空気を、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の温度を超える温度に加熱するために使用され得る。
【0052】
ヒーターの調整は、手動でまたは自動で実施されてもよい。ヒーターは、コントローラに動作可能に連結されてもよい。コントローラはまた、加湿器に動作可能に連結されてもよい。コントローラは、加湿器の温度設定に基づいてヒーターを調整してもよい。
【0053】
システムは、(i)試験チャンバーの囲まれた内部容積に流入する調整された空気、(ii)試験チャンバーの囲まれた内部容積内の空気、または(iii)囲まれた内部容積から流出する空気、のうちの一つ以上の温度を監視するための一つ以上の温度センサーを含み得る。システムは、パネル入口、パネルの空隙空間、またはパネル出口に流入する一つ以上の空気の温度を監視するための一つ以上の温度センサーを含み得る。温度センサーは、コントローラに動作可能に連結されてもよい。コントローラは、一つ以上の温度センサーから提供されるデータに基づいて、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の空気の相対温度およびパネルの空隙空間内の温度を調整してもよい。
【0054】
一部の実施例では、空気移動装置は、パネル入口に動作可能に連結された熱風送風機を備える。任意の適切な熱風送風機が使用され得る。
【0055】
システムは、チャンバー入口ポートに動作可能に連結された加湿器を備え得る。加湿器は、試験チャンバーの囲まれた内部容積に調整された空気を提供し得る。調整された空気は、特定の温度および湿度のものであり得る。加湿器は、定義された流量で、囲まれた内部容積に調整された空気を提供するように構成され得る。
【0056】
システムは、加湿器に動作可能に連結されたコントローラを備えてもよい。コントローラは、加湿器によって試験チャンバーの囲まれた内部容積に送達される調整された空気の温度、湿度、および流量のうちの一つ以上を制御するために、加湿器を制御するように構成され、かつ適合され得る。
【0057】
システムは、エアロゾル発生装置をさらに備え得る。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に導入するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、試験チャンバーの囲まれた内部容積内に位置付けられてもよい。一部の実施例では、エアロゾル発生装置は、アンテチャンバー内のトレイ上に保持されてもよい。一部の実施例では、エアロゾル発生装置は、希釈弁に動作可能に連結されて、エアロゾルを希釈弁の囲まれた内部容積に導入する。
【0058】
任意の適切なエアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生するために使用され得る。適切なエアロゾル発生装置の例には、可燃性紙巻たばこ、エアロゾルに基体の一つ以上の成分を放出するのに十分な程度に加熱されるが、基体を燃焼するのに十分な程度にはエアロゾル発生基体が加熱されない、加熱非燃焼式エアロゾル発生物品、液体エアロゾル発生基体が気化または霧化されて(または気化かつ霧化されて)エアロゾルを発生するエアロゾル発生物品、およびこれに類するものが挙げられる。
【0059】
本明細書に記載されるシステムおよび装置は、任意の適切な様式で使用され得る。システムおよび装置は、エアロゾルを研究するために使用されることが好ましい。本明細書に記載の装置およびシステムは、エアロゾルの任意の適切な態様を研究するために使用され得る。例えば、(i)材料の化学物質放出が研究されてもよく、(ii)嗅覚検査特性などの感覚特性が研究されてもよく、(iii)大気および環境への影響が研究されてもよい。一部の実施例では、二次エアロゾル、または三次(あるいは二次および三次)エアロゾルの特性が研究されてもよい。装置およびシステムは、制御された環境内のエアロゾルに関連する一つ以上の化合物を検出するための一つ以上のセンサーの能力を評価するために使用され得る。
【0060】
本発明の様々な態様によると、エアロゾルを研究するための方法は、エアロゾルを研究するための装置の一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間に画定される空隙空間内に空気を流すことを含む。方法はまた、チャンバー入口ポートを介して、調整された空気または圧縮気体を試験チャンバーの囲まれた内部容積に導入することを含む。調整された空気は、定義された温度および湿度を有し、定義された流量で導入される。方法はまた、エアロゾルを試験チャンバーの囲まれた内部容積に導入することと、ファンを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積内でエアロゾルを調整された空気と混合することとを含む。方法は、混合されたエアロゾルおよび調整された空気をサンプリングすることをさらに含む。混合された空気および調整された空気は、トラップポートを介してサンプリングされ得る。装置がアンテチャンバーを備える場合、混合された空気および調整された空気は、アンテチャンバーを介してサンプリングされてもよい。装置が露出パネルポートを備える場合、混合された空気および調整された空気は、露出パネルポートによって保持される露出パネルを介してサンプリングされ得る。露出パネルは、露出パネルポートを介して除去され得る。
【0061】
パネルの第一の壁および第二の壁によって画定される空隙空間を通して空気を流すことによって、試験チャンバーの内部容積を画定する第一の壁の表面上の凝縮が低減または防止され得る。空隙空間を通って流れる空気は、試験チャンバーの囲まれた内部容積の温度よりも高い温度を有することが好ましい。理想的には、空隙空間を通して流れる空気の温度と試験チャンバーの囲まれた内部容積内の温度との差は、摂氏5度以下である。空隙空間を通って流れる空気の温度は、チャンバー入口ポートに入る調整された空気の温度および湿度に関連し得る。
【0062】
トラップポート、アンテチャンバー、および露出パネルのうちの一つ以上を介してサンプリングすることは、好ましくは、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の環境の破壊を最小限にすることにつながる。
【0063】
方法は、サンプリングした混合されたエアロゾルおよび調整された空気の特性を試験することをさらに含んでもよい。
【0064】
本明細書に記載される装置、システム、および方法は、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の制御された環境を提供する。チャンバー入口に入る調整された空気の温度、湿度、および流量は、囲まれた内部容積内の温度および湿度を制御するように調節され得る。試験チャンバーに流入する、および試験チャンバーから流出する流量は、試験チャンバー内の圧力を制御するように調節されてもよい。したがって、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の環境は、周囲環境とは異なる場合がある。
【0065】
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、試験チャンバーの囲まれた内部容積を画定する表面上の凝縮を低減または防止するように設計される。凝縮を低減することにより、凝縮された水分に対するエアロゾルの意図しない収着の効果が最小化される。したがって、試験チャンバーの囲まれた内部容積内のエアロゾルの試験の精度および信頼性が強化され得る。
【0066】
本明細書に記載される装置、システム、および方法は、発生時の試験の目視を可能にすることが好ましい。例えば、試験チャンバーを形成する一つ以上のパネルは、透明であってもよい。目視能力により、可燃性エアロゾル発生物品の不注意による消火など、潜在的な問題の識別が可能になる。また、目視能力により、試験チャンバーをデモンストレーション目的に使用することも可能になる。
【0067】
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、好ましくは、囲まれた内部容積内の環境の破壊を最小限にして、試験チャンバーの囲まれた内部容積内に物体を導入するか、または試験チャンバーの囲まれた内部容積から物体を除去する能力を提供する。例えば、装置は、エアロゾル発生物品などの物体の導入または除去のための一つ以上のアンテチャンバーを備えてもよい。別の実施例として、囲まれた内部容積内の環境の破壊を最小限にして、露出パネルポートを介して、露出パネルを挿入する、または露出パネルを除去してもよい。例えば、アンテチャンバーまたは露出パネルポートの使用は、物体を導入するために囲まれた内部容積へのアクセスを得るように大きなドアを開くよりも、大気に対して破壊的ではない場合がある。追加的または代替的に、本明細書に記載のアンテチャンバーの使用は、試験チャンバー内で実施される試験に干渉し得る化合物を吸収または放射し得る、手袋などの材料表面の導入を制限し得る。
【0068】
装置、システム、および方法は、調整された環境内でエアロゾルを試験するように構成されていることが好ましい。試験チャンバーは、封止されて、気密な囲まれた内部容積を提供し得る。代替的にまたは追加的に、試験チャンバーは、大気圧に対して正圧に維持されてもよい。囲まれた内部容積内の相対正圧を維持することによって、チャンバーへの流入とは反対に、空気は漏出を通して試験チャンバーから流出する傾向があるため、試験チャンバーを完全に封止する必要はない。囲まれた内部容積は、チャンバー入口ポートおよびチャンバー出口ポートを通る空気の流量を制御することによって、相対正圧に維持され得る。試験チャンバーの内部からの漏出は、最小限に保たれるか、または発生しないことが好ましい。囲まれた内部容積は、試験中に気密であることが好ましい。
【0069】
また本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0070】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つまたは複数の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0071】
本明細書で使用される、装置またはシステムを提供する文脈における「提供する」とは、装置またはシステムを製造する、装置またはシステムを購入する、またはそうでなければ装置またはシステムを得ることを意味する。
【0072】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用され得る。
【0073】
「調整された空気」または「調整された環境」は、所定の温度および湿度ならびに流量を有する空気または環境である。調整された空気および調整された環境はまた、気体およびエアロゾルなどの構成成分の所定の組成を有してもよい。
【0074】
「不活性」とは、不活性材料が、エアロゾルなどの試験される構成成分と実質的に化学的または物理的に反応しないこと、および不活性材料が、試験される構成成分を汚染することによって試験結果に影響を与え得る物質を実質的に放射しないことを意味する。同様に、不活性材料は、試験される構成成分を実質的に吸収しない場合がある。
【0075】
「収着」とは、吸収および吸着のうちの一方、またはその両方を指す。吸収とは、液体または固体材料であり得る、分子がバルク相で取り込まれる現象またはプロセスである。吸着とは、表面への分子の接着を指す。
【0076】
本明細書で使用される「疎水性」表面とは、撥水性特性を呈する表面である。表面が90度を超える水接触角を呈する場合、表面は疎水性と見なされ得る。「水接触角」は、従来的に液体を通して測定された角度であり、液体/蒸気界面が固体表面と交わる所である。水接触角は、液体による固体表面の湿潤性を、ヤングの式を介して定量化する。接触角は、角度を直接見るために顕微鏡対物レンズを使用する接触角ゴニオメーターを使用することによって測定され得る。接触角は、顕微鏡対物レンズを介して観察されてもよく、表面上に堆積された水滴を見ることによって判定されてもよい。
【0077】
本明細書で使用される「エアロゾル」とは、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を意味する。気体は空気であってもよい。固体粒子または液滴は、一つ以上の揮発性風味化合物を含んでもよい。エアロゾルは、可視でも不可視でもよい。エアロゾルは、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含んでもよい。エアロゾルは、固体粒子と組み合わせて、または液滴と組み合わせて、または固体粒子と液滴の両方と組み合わせて、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含んでもよい。
【0078】
本明細書で使用される「コントローラ」は、一つ以上のハードウェア装置、一つ以上のソフトウェアもしくはファームウェアプログラム、または一つ以上のハードウェア装置、および二つ以上の実体間のデータの流れを管理または方向付ける一つ以上のソフトウェアもしくはファームウェアプログラムである。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。コントローラは、回路の一つ以上の構成要素にコントローラの機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含んでもよい。本開示におけるコントローラに帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。コントローラは、マイクロプロセッサを含んでもよい。
【0079】
本発明は特許請求の範囲に定義される。しかしながら、以下に、非限定的な実施例を非網羅的に提供する。これらの実施例の特徴の任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0080】
実施例1
エアロゾルを研究するための装置であって、(i)囲まれた内部容積を画定する一つ以上のパネルを含む試験チャンバーであって、一つ以上のパネルの各々は、試験チャンバーの内部を画定する表面を有する第一の壁を有し、試験チャンバーの外部を画定する第二の壁を有し、空隙空間は、第一の壁と第二の壁との間に画定され、パネルの各々は、空隙空間と連通するパネル入口と、空隙空間と連通するパネル出口とを含む、試験チャンバーと、(ii)一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気入口導管を画定する、チャンバー入口ポートと、(iii)一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、試験チャンバーの囲まれた内部容積と連通する空気出口導管を画定する、チャンバー出口ポートと、(iv)試験チャンバーの囲まれた内部容積内に配置されたファンであって、囲まれた内部容積内の空気を混合するように位置付けられ、かつ構成される、ファンと、(v)囲まれた内部容積からの内容物をサンプリングするためのトラップポートであって、一つ以上のパネルのうちの一つを通って延び、囲まれた内部容積内の内容物のサンプリングを可能にするための弁を含む、トラップポートと、を備える、装置。
実施例2
チャンバー入口ポートは、入口ポートを通って流れる空気がパネルの空隙空間を通って流れないように、一つ以上のパネルの第一のパネルの第一および第二の壁を通って延びるように構造化され、チャンバー出口ポートは、入口ポートおよび出口ポートを通って流れる空気がパネルの空隙空間を通って流れないように、一つ以上のパネルの第二のパネルの第一および第二の壁を通って延びるように構造化される、実施例1に記載の装置。
実施例3
第一のパネルおよび第二のパネルは、互いに実質的に平行である、実施例2に記載の装置。
実施例4
チャンバー入口ポートからチャンバー出口ポートへの気流は、ファンによって生成される気流に対して実質的に直角を成す、実施例3に記載の装置。
実施例5
(i)一つ以上のパネルのうちの一つから延びるアンテチャンバーであって、パネルの第一および第二の壁を通って延びる封止されたアンテチャンバーポートを画定する、アンテチャンバーと、(ii)アンテチャンバー内に配置されたトレイであって、第一の位置から第二の位置へ摺動可能であり、第一の壁および第二の壁を含む、トレイとをさらに備え、第一の位置では、第一の壁が、試験チャンバーの内部からアンテチャンバーポートを封止し、第二の位置では、第二の壁が、試験チャンバーの外部からアンテチャンバーポートを封止する、実施例1~実施例4のいずれか一つに記載の装置。
実施例6
アンテチャンバーは、開位置から閉位置へ移動可能な旋回可能なリッドを含み、閉位置ではリッドが、アンテチャンバーへのアクセスを防止し、リッドは、開位置では、アンテチャンバーへのアクセスを提供する、実施例5に記載の装置。
実施例7
一つ以上のパネルは、上部パネル、下部パネル、および一つ以上の側壁パネルを含む、実施例1~実施例6のいずれか一つに記載の装置。
実施例8
一つ以上の側壁パネルのうちの一つは、開位置から閉位置へヒンジで移動可能であり、閉位置では、試験チャンバーの内部が囲まれ、開位置では、試験チャンバーのー内部にアクセス可能である、実施例7に記載の装置。
実施例9
フレームをさらに備え、フレームは、一つ以上のパネルを保持するように構成されている、実施例1~実施例8のいずれか一つに記載の装置。
実施例10
フレームは、陽極酸化アルミニウムを含む、実施例9に記載の装置。
実施例11
トラップポートは、試験チャンバーの周りの様々な位置に位置付けられる複数のトラップポートのうちの一つである、実施例1~実施例10のいずれか一つに記載の装置。
実施例12
試験チャンバーの囲まれた内部容積を画定する第一の壁の表面は、不活性である、実施例1~実施例11のいずれか一つに記載の装置。
実施例13
試験チャンバーの内部を画定する第一の壁の表面は、疎水性である、実施例1~実施例12のいずれか一つに記載の装置。
実施例14
第一の壁は、ガラスを含む、実施例1~実施例13のいずれか一つに記載の装置。
実施例15
一つ以上のパネルは、透明である、実施例1~実施例14のいずれか一つに記載の装置。
実施例16
チャンバー入口ポートに動作可能に連結された希釈弁をさらに備える、実施例1~実施例15のいずれか一つに記載の装置。
実施例17
露出パネルの少なくとも一部分は、それを通して試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に挿入され得る、露出パネルポートを備える、実施例1~実施例16のいずれか一つに記載の装置。
実施例18
(i)実施例1~実施例17のいずれか一つに記載の装置と、(ii)試験チャンバーの一つ以上のパネルのパネル入口およびパネル出口のうちの一方または両方に動作可能に連結された空気移動装置とを備え、空気移動装置は、試験チャンバーの一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通して空気を流すように構成されている、システム。
実施例19
試験チャンバーは、二つ以上のパネルを含み、システムは、各パネル入口、各パネル出口、または各パネル入口および各パネル出口に動作可能に連結されたマニホールドをさらに備え、マニホールドは、空気移動装置およびマニホールドが、各パネルの空隙空間を通して空気を流すように、空気移動装置に動作可能に連結される、実施例18に記載のシステム。
実施例20
パネル入口に入る空気を加熱するように位置付けられ、かつ適合されたヒーターをさらに備える、実施例18または実施例19に記載のシステム。
実施例21
チャンバー入口ポートに動作可能に連結された加湿器をさらに備え、加湿器は、試験チャンバーの囲まれた内部容積に調整された空気を提供するように構成されている、実施例18~実施例20のいずれか一つに記載のシステム。
実施例22
加湿器に動作可能に連結されたコントローラを備え、コントローラは、加湿器によって試験チャンバーの囲まれた内部容積に提供される調整された空気の空気流量、温度、および湿度のうちの一つ以上を制御するために、加湿器を制御するように構成され、かつ適合される、実施例21に記載のシステム。
実施例23
チャンバー出口ポートに動作可能に連結された弁を備え、コントローラは、弁に動作可能に連結され、試験チャンバーの囲まれた内部容積内の圧力を調整するように弁を開閉させるように構成され、かつ適合される、実施例22に記載のシステム。
実施例24
エアロゾルを試験チャンバーの囲まれた内部容積の中に導入するように構成されたエアロゾル発生装置をさらに備える、実施例18~実施例23に記載のシステム。
実施例25
エアロゾル発生装置は、試験チャンバーの囲まれた内部容積内に位置付けられる、実施例24に記載のシステム。
実施例26
エアロゾル発生装置は、トレイによって保持される、実施例5に記載の装置に従属する実施例25に記載のシステム。
実施例27
エアロゾル発生装置は、希釈弁に動作可能に連結され、希釈弁を介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積にエアロゾルを導入する、実施例16に記載の装置に従属する実施例24に記載のシステム。
実施例28
(i)請求項1~17のいずれか一つによる装置を提供することと、(ii)一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間に画定される空隙空間内に空気を流すことと、(iii)入口ポートを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積に調整された空気を導入することであって、調整された空気は、定義された温度および湿度を有し、定義された流量で導入される、導入することと、(iv)試験チャンバーの囲まれた内部容積にエアロゾルを導入することと、(v)ファンを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積内でエアロゾルと調整された空気を混合することと、(vi)トラップポートを介して、混合されたエアロゾルと調整された空気をサンプリングすることとを含む、エアロゾルを研究するための方法。
実施例29
(i)実施例5または実施例6による装置を提供することと、(ii)一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間に画定される空隙空間内に空気を流すことと、(iii)入口ポートを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積に調整された空気を導入することであって、調整された空気は、定義された温度および湿度を有し、定義された流量で導入される、導入することと、(iv)試験チャンバーの囲まれた内部容積にエアロゾルを導入することと、(v)ファンを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積内でエアロゾルと調整された空気を混合することと、(vi)アンテチャンバーを介して、混合されたエアロゾルと調整された空気をサンプリングすることとを含む、エアロゾルを研究するための方法。
実施例30
(i)実施例17による装置を提供することと、(ii)一つ以上のパネルの第一の壁と第二の壁との間に画定される空隙空間内に空気を流すことと、(ii)入口ポートを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積に調整された空気を導入することであって、調整された空気は、定義された温度および湿度を有し、定義された温度で流量で導入される、導入することと、(v)試験チャンバーの囲まれた内部容積にエアロゾルを導入することと、(v)ファンを介して、試験チャンバーの囲まれた内部容積内でエアロゾルと調整された空気を混合することと、(vi)露出パネルポートによって保持される露出パネルを介して、混合されたエアロゾルと調整された空気をサンプリングすることとを含む、エアロゾルを研究するための方法。
実施例31
空隙空間を通って流れる空気は、試験チャンバーの囲まれた内部容積の温度よりも高い温度を有する、実施例28~実施例30のいずれか一つに記載の方法。
実施例32
空隙空間を通って流れる空気の温度は、チャンバー入口ポートに入る調整された空気の温度および湿度に関連する、実施例31に記載の方法。
実施例33
サンプリングした混合されたエアロゾルおよび調整された空気の特性を試験することをさらに含む、実施例28~実施例32のいずれか一つに記載の方法。
【0081】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1図1は、試験チャンバーの概略斜視図である。
図2図2は、試験チャンバーのパネルおよびフレームの概略斜視断面図である。
図3図3は、パネルの概略上部平面図である。
図4図4は、パネルの概略底部平面図である。
図5図5は、試験チャンバーを含む装置の概略上部平面図である。
図6図6は、試験チャンバーを含む装置の概略底部平面図である。
図7図7は、部分的に開かれたパネルを示す、試験チャンバーの概略斜視図である。
図8図8は、試験チャンバーの側部パネルおよび側部パネルから延びるアンテチャンバーの概略斜視図である。
図9図9は、アンテチャンバーおよびトレイの概略斜視図である。
図10図10は、パネルおよびアンテチャンバーを示す、装置の概略断面図である。
図11図11は、チャンバー入口ポートおよび加湿器を示す、底部パネルの概略断面図である。
図12図12は、チャンバー出口ポートおよびトラップポートを示す、上部パネルの概略断面図である。
図13図13は、上部パネルおよび露出パネルポートの概略断面図である。
図14図14は、側部パネルおよびファンの概略断面図である。
図15図15は、カート上の試験チャンバーと、カートのシェルフ上の熱風送風機およびマニホールドの概略斜視図である。
図16図16は、カート上のシステムの構成要素の概略斜視図である。
図17図17は、システムの構成要素の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、試験チャンバー100の実施例を例示する。試験チャンバー100は、複数のパネル(パネル110Aおよび110Bが標識付けされている)を保持するように構成されたフレーム120を含む。試験チャンバー100は、上部パネル110A、底部パネル、前部パネル、後部パネル、左パネル、および右パネル110Bを含む。パネルは、エアロゾルが試験され得る、囲まれた内部容積130を画定する。パネル110A、110Bは、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130の目視を可能にするように、透明である。
【0084】
試験チャンバー100は、長さL、幅W、および高さHを有する。一例として、長さLは1000ミリメートルであってもよく、幅Wは500ミリメートルであってもよく、高さHは450ミリメートルであってもよい。
【0085】
図2は、フレーム120およびパネル(パネル110Bが標識付けされている)の一部分のセクションを例示する。パネル110Bは、試験チャンバーの囲まれた内部容積の一部分を画定する第一の壁112を含む。パネル110Bは、試験チャンバーの外部表面の一部分を画定する第二の壁114を含む。第一の壁112および第二の壁114は透明であり、ガラスから形成されてもよい。第一の壁112および第二の壁114は、5mmの厚さを有してもよい。空隙空間116は、パネル110Bの第一の壁112と第二の壁114との間に画定される。加熱された空気は、試験チャンバーの使用時、空隙空間116を通って流れ得る。フレーム120は、パネル110Bの第一の壁112および第二の壁114を受容して壁112、114を保持するための溝を含んでもよい。Viton細片などの封止要素(図示せず)は、壁112、114をフレーム120の溝内に封止し得る。
【0086】
図3は、パネル110Bの上部平面図の概略実施例である。パネル110Bは、フレーム120を通して形成されるパネル入口113を含む。パネル入口113は、熱風送風機に動作可能に連結されて、パネル110Bの第一の壁と第二の壁との間の空隙空間を通って加熱された空気が流れることを可能にし得る。
【0087】
図4は、パネル110Bの底部平面図の概略実施例である。パネル110Bは、フレーム120を通して形成されるパネル出口115を含む。パネル出口115は、周囲雰囲気に直接通気されてもよい。
【0088】
図5は、上部パネル110A、試験チャンバーの側部パネルから延びるアンテチャンバー160A、160B、複数のトラップポート(トラップポート150Aが標識付けされている)、チャンバー出口ポート140、および二つの露出パネルポート170を示す、試験チャンバーを含む装置の概略上部平面図である。
【0089】
図6は、底部パネル110C、試験チャンバーの側部パネルから延びるアンテチャンバー160A、160B、およびチャンバー入口ポート180を示す、試験チャンバーを含む装置の概略底部平面図である。
【0090】
図7は、部分的に開かれた前部パネル110Dを示す、試験チャンバー100の概略斜視図である。前部パネル110Dは、試験チャンバー100の内部容積へのアクセスを可能にするように開く。前部パネル110Dが開かれる時に、試験チャンバー100の内部が洗浄されてもよく、ファン300などの構成要素が修理されてもよい。前部パネル110Dは、ヒンジ200によってフレーム120に接続される。前部パネル110Dは、開口を容易にするためのハンドル210を含む。閉じられる時、前部パネル110Dは、磁力を介してフレーム120に対して固定されてもよい。封止要素(図示せず)は、前部パネル110Dが閉じられる時に、フレーム120と前部パネル110Dとの間に配置されてもよい。
【0091】
アンテチャンバー160A、160Bは、左側パネル110Eから延びる。
【0092】
図8は、左側パネル110Eから延びるアンテチャンバー160A、160Bの斜視図を示す。アンテチャンバー160A、160Bは、長方形のボックス162およびリッド164を含む。リッド164は、開口を容易にするためのハンドル166を有する。
【0093】
図9は、アンテチャンバー160およびアンテチャンバー160内で摺動可能なトレイ250の概略斜視図である。アンテチャンバー160は、長方形のボックス162と、ボックス162に旋回可能に取り付けられたリッド164とを含む。トレイ250は、基部260、一方の端において基部260に取り付けられた第一の壁270、および対向する端において基部260に取り付けられた第二の壁280を含む。ロッドなどの押し要素(図示せず)を使用して、トレイ250をアンテチャンバー160に対して摺動させてもよい。
【0094】
図10は、側部パネル110E、アンテチャンバー160、およびアンテチャンバー160内で摺動可能なトレイ250を示す、装置の概略断面図である。パネル110Eは、試験チャンバーの内部容積の一部分を画定する第一の壁112を含む。パネル110Eは、試験チャンバーの外部表面の一部分を画定する第二の壁114を含む。アンテチャンバーリッド164は、アンテチャンバーボックス162の内部へのアクセスを可能にするように開かれて示されている。物体300は、基部260のトレイ250上に定置されてもよく、トレイ250は、物体300が試験チャンバーの内部容積と連通して定置され得るように、摺動されてもよい。トレイ250が図10に示す配向で右方に完全に摺動されると、トレイ250の第二の壁280が、密封するようにパネル110Eの第二の壁114と係合する。トレイ250が図10に示す配向で左方に完全に摺動されると、トレイ250の第一の壁270が、密封するようにパネル110Eの第一の壁112と係合する。
【0095】
図11は、チャンバー入口ポート180および加湿器400を示す、底部パネル110Cの概略断面図である。チャンバー入口ポート180は、パネル110Cの第一の壁112および第二の壁114を横切って延びる。パネル110Cの第一の壁112は、試験チャンバーの内部容積の一部分を画定する。パネル110Cの第二の壁114は、試験チャンバーの外部表面の一部分を画定する。チャンバー入口ポート180は、導管を介して、加湿器400に動作可能に連結される。
【0096】
図12は、チャンバー出口ポート140およびトラップポート150を示す、上部パネル110Aの概略断面図である。チャンバー出口ポート180およびトラップポート150は、パネル110Aの第一の壁112および第二の壁114を横切って延びる。パネル110Aの第一の壁112は、試験チャンバーの内部容積の一部分を画定する。パネル110Aの第二の壁114は、試験チャンバーの外部表面の一部分を画定する。トラップポート150は、試験チャンバーの内部容積から空気サンプルを抽出するために開かれ、また試験チャンバーの内部容積を囲むために閉じられ得る弁155を含む。チャンバー出口ポート140はまた、弁(図示せず)を含んでもよく、または弁に動作可能に連結されてもよい。
【0097】
図13は、上部パネル110Aおよび露出パネルポート190の概略断面図である。露出パネルポート190は、パネル110Aの第一の壁112および第二の壁114を横切って延びる。パネル110Aの第一の壁112は、試験チャンバーの内部容積の一部分を画定する。パネル110Aの第二の壁114は、試験チャンバーの外部表面の一部分を画定する。露出パネルポート190は、側壁192を含む。プラグ195は、露出パネルポート190内に配置される。Viton細片またはOリングなどの封止要素197は、露出パネルポート190の側壁192に対してプラグ195を封止する。
【0098】
図14は、側部パネル110Bおよびファン300の概略断面図である。パネル110Bは、第一の壁112および第二の壁114を含む。パネル110Bの第一の壁112は、試験チャンバーの内部容積の一部分を画定する。パネル110Bの第二の壁114は、試験チャンバーの外表面の一部分を画定する。ファン300は、モータ330に動作可能に連結されたブレード310を含む。モータ330は、試験チャンバーの外側に位置付けられ、ブレード310は、第一の壁112とファン300のハウジングの一部であるファンシールド320との間に試験チャンバー内にある。支持要素340は、シールド320に接続されて、パネル110Bに対してファン300を保持する。
【0099】
図15は、カート600上の試験チャンバー100、およびカート600のシェルフ610上の熱風送風機500およびマニホールド550の概略斜視図である。熱風送風機500は、マニホールド550に動作可能に連結される。導管560は、加熱された空気がパネルの空隙空間を通って移動し、試験チャンバーが使用される時のパネルの第一の壁の内表面上の凝縮を防止するように、試験チャンバー100の各パネルのパネル入口をマニホールド550に動作可能に連結する。
【0100】
図16は、カート600上のシステムの構成要素の概略斜視図である。試験チャンバー100は、カート100の上部に定置される。加湿器400、加熱空気送風機500およびマニホールド550などの構成要素は、カート600のシェルフ610上に定置される。カート600は、ホイールを含み、システムが可搬式となるように、ユーザーによって押されるか、または引かれるように構成されている。
【0101】
図17は、システムの構成要素の概略ブロック図である。システムは、囲まれた内部容積130を有する試験チャンバー100、チャンバー入口ポート180、および弁を含むチャンバー出口ポート145を含む。システムはまた、モータ800、圧力センサー900、加湿器400、熱風送風機500、およびコントローラ700を備える。コントローラ700は、モータ800、圧力センサー900、加湿器400、および熱風送風機500に動作可能に連結される。チャンバー出口ポート145の弁は、モータ800に動作可能に連結される。
【0102】
熱風送風機500は、試験チャンバー100のパネルのパネル入口に連結され、加熱された空気は、パネルの空隙空間を通して流れ、試験チャンバー100の内部表面上の凝縮を低減または防止する。パネル入口は、フレームを通して形成される。コントローラ700は、熱風送風機500によって吹き付けられる空気の温度を制御するように構成されている。熱風送風機500によって吹き付けられる空気の温度は、加湿器400によって提供される空気の温度よりも大きい場合がある。
【0103】
加湿器400は、チャンバー入口ポート180に動作可能に連結され、チャンバー入口180を介して、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130に調整された空気を提供するように構成されている。コントローラは、加湿器400によって提供される調整された空気の温度、湿度、および流量を制御するように構成されている。
【0104】
圧力センサー900は、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130内の圧力を感知する。圧力センサー900は、圧力に関するデータをコントローラ700に送信してもよい。コントローラ700は、センサー900から受信した圧力に関するデータに基づいて、加湿器400からの調整された空気の流量を調整し、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130内の圧力を調整してもよい。コントローラ700は、センサー900から受信した圧力に関するデータに基づいて、モータ800に、チャンバー出口ポート145の弁を調整して、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130内の圧力を調整させてもよい。
【0105】
図17のシステムはまた、チャンバー入口ポート180に動作可能に連結された希釈弁499を含む。希釈弁499は、エアロゾル、気体、または他の構成成分が、チャンバー入口ポート499を通して方向付けられた調整された空気と混合することを可能にし得る。希釈弁499は、試験チャンバー100の囲まれた内部容積130の中に入る前に、エアロゾル、気体、または他の構成成分を調整された空気と混合し得る。希釈弁499の提供により、有利なことに、試験チャンバー100がエアロゾル研究のための広い範囲の特定の環境状況をシミュレーションすることが可能になり得る。
【0106】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±2%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
図12
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図14
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図16
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【国際調査報告】