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特表2023-515022播種前組成物を含む取り出し可能な記念容器を有する動物棺
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  • 特表-播種前組成物を含む取り出し可能な記念容器を有する動物棺 図1
  • 特表-播種前組成物を含む取り出し可能な記念容器を有する動物棺 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】播種前組成物を含む取り出し可能な記念容器を有する動物棺
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20230405BHJP
   A01G 9/029 20180101ALI20230405BHJP
【FI】
A01K29/00 Z
A01G9/029 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549537
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021054684
(87)【国際公開番号】W WO2021170720
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】2001886
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2001888
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522326318
【氏名又は名称】ニドゥー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イリアート,ローラ,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】トリシュリュー,アーサー,アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327NA10
2B327ND20
2B327VA20
(57)【要約】
特にペット用の動物棺であって、下側半体シェル(10I)及び上側半体シェル(10S)である2つの半体シェルを備え、半体シェル(10)のうちの一方は、ハウジング(20)を備え、動物棺は、植物又は木を播種するための組成物を含む記念容器(22)を備えることを特徴とする、動物棺。有利に、組成物は、植物又は木の1つ以上の種子と、乾燥繊維及び鉢植え用の土を含む栽培培地と、の混合物を含み、組成物は、圧縮ペレットの形態である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物棺であって、下側半体シェル(10I)及び上側半体シェル(10S)である2つの半体シェルを備え、前記半体シェル(10)のうちの一方は、ハウジング(20)を備え、
前記動物棺は、前記ハウジング(20)内に取り出し可能に位置決めされることを意図した記念容器(22)を備え、
前記記念容器は、内側容積部(22-1)及び前記内側容積部に関連する蓋(22-2)と、前記蓋(22-2)を前記内側容積部と一体的にし、かつ前記内側容積部から取り外し可能にすることが意図されている所定の破断点と、を備えることを特徴とする、動物棺。
【請求項2】
前記記念容器(22)は、生分解性材料で作製されていることを特徴とする、請求項1に記載の動物棺。
【請求項3】
前記蓋(22-2)は、前記内側容積部(22-1)とは異なる材料で作製されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項4】
少なくとも前記蓋(22-2)は、少なくともその表面の一部において、疎水性処理を受けることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項5】
前記内側容積部(22-1)は、少なくとも1つの植物又は少なくとも1つの木の1つ以上の種子と、トウモロコシの穂軸、ココナッツ繊維、乾燥泥炭、麻シブ、及び乾燥木材繊維から選択される乾燥繊維並びに鉢植え用の土を含む栽培培地と、の混合物を含む組成物(26)を含むことを特徴とし、
前記組成物は、圧縮ペレットの形態であり、前記鉢植え用の土の含水量は、50%以下であることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項6】
痩せた鉢植え用の土は、30%未満の含水量を含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項7】
前記乾燥繊維は、トウモロコシの穂軸であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の動物棺。
【請求項8】
前記組成物の含水量は、50%未満であることを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項9】
前記栽培培地は、前記栽培培地の総重量に対して30重量%~70重量%の乾燥繊維を含むことを特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項10】
前記栽培培地は、前記栽培培地の総重量に対して30重量%~70重量%の鉢植え用の土を含むことを特徴とする、請求項5~9のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項11】
前記栽培培地は、前記栽培培地の総重量に対して50重量%の乾燥繊維及び50重量%の鉢植え用の土を含むことを特徴とする、請求項5~10のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項12】
前記ペレットは、50ニュートン以下の値に圧縮されることを特徴とする、請求項5~11のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項13】
前記記念容器(22)が前記ハウジング(20)内の所定の位置にある状態で、前記ハウジング(20)の上に大きめに貼り付けられたラベル(24)を備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【請求項14】
前記記念容器(22)を構成する材料は、前記半体シェル(10)が作製される材料とは異なることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の動物棺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にペット用の動物棺であって、植物又は木を播種するための組成物を含む取り出し可能な記念容器を有する、動物棺に関する。有利に、組成物は、植物又は木の1つ以上の種子と、乾燥繊維及び鉢植え用の土を含む栽培培地との混合物を含み、組成物は、圧縮ペレットの形態である。
【0002】
先行技術
2つの半体シェルで構成されている動物棺が知られており、半体シェルは、動物の遺骸がシェルのうちの一方に配置されると、紐で接続することができる。このタイプの棺は、好ましくは、小動物用に構成されている。2つの半体シェルは、生分解性材料で作製されており、土を汚染することなく、経時的に分解し得る。好ましくは、2つの半体シェルは、リサイクルされたセルロースシート材料、更により具体的には、リサイクルされた新聞から生成されたセルロースから熱成形によって作製される。2つの半体シェルには、輸送を可能にする一定の機械的剛性をアセンブリ全体に付与するために、リブが設けられている。2つの半体シェルの形状は、土壌の押し上げに抵抗するように最適化され、上記半体シェルは、丸みを帯びた卵形の形状である。
【0003】
法律では、野生動物が遺骸にアクセスするための穴を掘ることを回避するために、動物棺を一定の深さ、この場合は1mに埋めることが義務付けられている。
【0004】
動物の飼い主は、しばしば埋葬地をマークし、更に地面を飾ることを望む。汚染を生じさせることを回避することを目的とし、埋葬場所で植物の栽培を計画することで解決策が見出されている。棺の深さは、1mであり、かつ植物は、10cm程度のより浅い深さに植えられなければならないため、発生する問題は、植える深さである。特許権者によって見出された解決策は、半体シェルのうちの一方、この場合は上側半体シェルにハウジングを設けることを提案し、このハウジングに、育てる植物の種子を含有する圧縮ペレットを含めることである。
【0005】
圧縮ペレットの形態の組成物は、埋める前に、上側半体シェルに組み込まれたハウジングから取り出される。棺は地面に置かれ、除去された土は元の場所に戻される。次いで、ペレットが埋葬地の緩い土に植えられる。必要に応じて、ペレットは自然に又は人工的に給水され、種子を含有する組成物は、地面の湿度によって発芽し、植物は埋葬場所で成長し、したがって、埋葬地がマークされていることを保証する。
【0006】
発生する問題は、植え付けから種子の成長までの期間であり、その間の追跡は不可能である。更に、別の問題は、生の形態であり、かつ保管条件に応じて分解し得るペレットの取り扱いである。また、種子は、光にさらされ得、周囲の湿度に応じて発芽し得る。
【0007】
Jiffypot(登録商標)の名称で販売されている圧縮ペレットは、1950年代から知られており、上記ペレットは、圧縮された生分解性泥炭ポットによって形成されている。しかしながら、このタイプのペレットは、最適ではなく、使用前に水分補給を必要とする。ロックウールを含むトレイも知られているが、満足のいくものではなく、植物の発芽後に切り取る必要がある。更に、ロックウールは、全ての植物に好適であるわけではない。したがって、この解決策は、本発明による容器には不適である。
【0008】
最後に、播種前のすぐに使用できる植え込みの解決策が知られており、特にMyHappyGarden(登録商標)社によって販売されており、これは、3つの種子、鉢植え用の土、及び肥料を備えるカプセルを提供する。その品揃えは、これまでにトマトの木、野菜、及びアロマハーブを中心に展開されている。しかしながら、この解決策は、圧縮されず、これは、何回かの給水後又は風による種子の分散を容易にし、したがって、本発明の範囲内では最適ではない。
【0009】
本発明の目的は、これらの欠点を克服し、法律に従って埋葬に好適な製品を提案し、埋葬地での植物の発芽を可能にすることである。有利に、本発明による組成物は、したがって、分散可能ではなく、再生可能な原料に由来し、完全に生分解可能であり、無毒であり、環境に優しく、製造、取り扱い、及び保管が容易であり、単純かつ迅速に使用される。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、課された問題を解決することを提案する。これらの問題に応じて、本発明は、動物棺であって、下側半体シェル(10I)及び上側半体シェル(10S)である、2つの半体シェルを備え、半体シェル(10)のうちの一方は、ハウジング(20)を備え、動物棺は、上記ハウジング(20)内に取り出し可能に位置決めされることを意図した記念容器(22)を備え、上記記念容器は、内側容積部(22-1)、及び上記内側容積部に関連する蓋(22-2)と、蓋(22-2)を上記内側容積部と一体的にし、上記内側容積部から取り外し可能にすることを意図した少なくとも1つの所定の破断点と、を備えることを特徴とする、動物棺を提案する。
【0011】
上記記念容器は、好ましくは、少なくとも1つの植物又は少なくとも1つの木の1つ以上の種子と、乾燥繊維及び鉢植え用の土を含む栽培培地との混合物を含む組成物26をその内側容積部に含み、上記組成物は圧縮ペレットの形態である。
【0012】
圧縮ペレットの形態の組成物は、風又は他の気象事象による何回かの給水の後であっても、維持された配置を確保し、種子が分散するのを防止するのに特に有利である。
【0013】
当然ながら、本発明による組成物は、ペットの埋葬地のマーカとしての使用に特に好適であり、上記マーカは、上記組成物中に存在する植物又は木の成長場所によって実体化される。
【0014】
本発明の更なる利点及び特徴は、本発明の詳細な説明、単なる例示であり、本発明の範囲を決して限定しない実施例、及び以下の例示から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】販売用にパッケージ化された、見た目通りの棺の斜視図である。
図2図1の棺の分解図である。
図3】その記念容器を有する上側半体シェルの断面図である。
図4】棺の様々な構成要素の配置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
本発明の意味における「ペレット」という用語は、本発明による組成物を構成する様々な形状及びサイズの小さなブロックを意味するものとする。ペレットは、特に圧縮されることを特徴とする。本発明の目的のために、ペレット、パック、タブレット、カプセル、又はナゲットという用語が同義的に使用される。ペレットは、必ずしも円形ではなく、任意の他の形状であり得る。
【0017】
本発明の意味における「栽培培地」又は「基材」という用語は、草木、特に植物又は木を育てるのに好適な培地を意味する。特に、意味するのは、種子発芽に好適な培地であり、したがって、若い植物の発芽及び発育に必要な全ての最低限の栄養素を含む培地である。
【0018】
本発明の意味における「鉢植え用の土」という用語は、有機物を提供する分解生成物で富化された表土から形成される自然培養支持体を意味する。
【0019】
本発明の意味における「痩せた鉢植え用の土」という用語は、十分に乾燥し、低い含水量を特徴とし、種子の発芽能力を維持することを可能にする鉢植え用の土を意味する。したがって、50%以下の含水量は、本発明のニーズを満たすのに十分に乾燥していると考えられる。逆に、鉢植え用の土は、発芽を開始するのに十分に湿っているときに肥沃であると言える。
【0020】
本発明の意味における「乾燥繊維」という用語は、天然の、生分解性である、環境に優しい繊維を意味し、繊維が水分を吸収することができることを特徴とする。
【0021】
本発明の意味における「生分解性」という用語は、水、二酸化炭素、及び/又はメタン、並びに場合によっては環境に対して無毒である残留物若しくは新しいバイオマスなどの副産物を生成するように、生体、特に細菌によって完全に又は部分的に分解され得る物質を意味する。
【0022】
本発明による装置
本発明による棺は、様々な図に関して差異なく記載されている。図1は、下側半体シェル10I及び上側半体シェル10Sを示す。各半体シェル10は、より具体的には生分解性材料からの熱成形によって有利に達成されるドーム形状を有する。各半体シェルの周囲は、上記半体シェル10を補強することを意図する、補強縁12及び表面上のリブ14を有する。半体シェル10は、同じ全体的な外形寸法を有する。したがって、シェル10は、凹側面を上向き又は下向きにして配向されるとき、一方を他方の内側に入れ子にすることができる。縁12は、同じ方向に互いに載置される。半体シェル10を使用して棺を形成する場合、縁12が互いに向き合うように、一方のシェルは、他方に対してひっくり返される(図4を参照)。穴16が設けられ、紐18が設けられて、半体シェルのうちの一方を他方の半体シェルに、縁と縁とを重ねて保持する。
【0023】
図2及び3では、本発明による棺の構成要素が示されており、半体シェルのうちの一方、この場合は上側半体シェルが、記念容器22を受け入れることを意図したハウジング20を備えていることが分かる。この記念容器22は取り出し可能である。ハウジング20の上に大きめに貼り付けられたラベル24が、記念容器22が上記ハウジング20内の所定の位置に保持されることを確実にする。このラベルは、好ましくは、光の通過を防止するために不透明である。このラベル24には、よくあるように、商業的な詳細、使用のための技術的な情報、及びアドバイスも記載されている。
【0024】
記念容器22は、内側容積部22-1、及び上記内側容積部22-1に関連する蓋22-2を含む。示される実施形態では5つの側面を有する平行6面体形状である内側容積部22-1は、組み込まれた植物及び/又は木の種子が存在するペレット26の形態の組成物を受け入れる。蓋22-2は、上記平行6面体容積の1つの縁に沿って、内側容積部に対して一体的かつヒンジ状になっており、平行6面体形状の第6の面を構成する。保持される記念容器は、平行6面体形状であり、任意の他の形状、特に棺そのものの形状と相似である楕円形の形状であり得ることが理解される。有利に、一体型の蓋は、時ならぬ開口を回避するために、周辺部上に接着されるか、又は内側容積部22-1の縁上にクリップ留めされる。蓋が開放されると、上記蓋は接続されたままヒンジ状に維持され得るか、又は5側面容器から取り外すことができ、1つ以上の所定の破断点が有利に設けられる。記念容器22は、半体シェルを熱成形するために使用される材料と同一であり得る生分解性材料で作製されるが、分解前のより長い保存期間を有する生分解性材料で作製され得る。蓋を構成する材料は、マーカペンなどの一般的な書き込み手段を使用して碑銘タイプの書き込みを適用することを可能にし得る。
【0025】
また、記念容器の形状とは無関係に、蓋22-2はまた、内側容積部22-1と一体的ではない場合があるが、単にその周辺部によって内側容積部22-1の縁に接着され、したがって、その上に嵌められ得るか、又はクリップ留めされ得るか、又は容器及び蓋の縁のスパイク状突起によって所定の位置に保持され得、これらの実施形態の全ては、例えば、穿孔された線によって一体的であり、取り外し可能な蓋と完全に同等であることに留意されたい。代替的に、蓋(22-2)は、取り外し可能にするために、内側容積部(22-1)への切り込みの入った接続部を含み得る。関連する非一体型の蓋22-2の場合、材料は、依然として生分解性でありながら、より長い寿命を提供するように、内側容積部22-1の材料とは異なり得る。
【0026】
図4に示すように、本発明による棺は、以下のように使用される。動物の遺体は、液体を吸収するために、必要に応じて不織布を用いて、下側半体シェル10Iに配置される。上側半体シェル10Sが、下側半体シェル10Iに取り付けられる。次いで、紐18が、2つのシェルの間の接続を確実にするために、2つの半体シェルに形成された穴16に通される。棺及びその中に収容される動物の遺体を、埋葬地に移動、運搬することができる。
【0027】
棺がこの目的のために設けられた穴の中の地面に配置される場合、必要な深さが観察された後、上側半体シェルの上側に取り付けられているラベル24が取り外されるか、又は事前に取り外されている。ラベルの取り外しは、存在する場合、記念容器22へのアクセスを提供する。次いで、記念容器22は、上側半体シェル10Sのハウジング20から取り出される。棺及びその中の動物の遺体は、地面に配置することができ、穴が埋められる。
【0028】
記念容器22は、第1の変形形態において、蓋22-2を、直立壁のように内側容積部22-1の平面に垂直な位置に配置するために開放される。ペレット26の形態のその組成物及びその種子を有する内側容積部22-1は、好適な深さ、10cm程度、分かりやすく言えば、好ましくは0.1cm~5cmで、緩い土に植えられる。実際、蓋22-2は、浅く植える間にその垂直位置に維持される。したがって、蓋は、地上から突出している。したがって、埋葬場所をマークすることができ、蓋に事前に書き込まれている場合、身元及び場所の両方を提供することができる。蓋22-2を内側容積部に接続したままにする利点は、強風にさらされる地域において、蓋が、一度植え付けられると移動しない内側容積部に依然として固定されていることである。
【0029】
別の変形形態によれば、蓋22-2は、基材及びその種子を含むペレットの形態のその組成物を有する内側容積部22-1を、例えば、埋葬地の後部に植えることができる一方で、蓋22-2を埋葬地の他端で土壌内に沈めることができるように、内側容積部22-1から切り離される。
【0030】
したがって、植物の発芽及び発育前の期間を含め、いつでも埋葬地を特定することが可能である。植物が育てば、埋葬地を見つけるのは容易である。このため、記念容器22の材料は、半体シェル10の材料とは異なり得、半体シェルの材料よりも遅い分解性を有する。材料はまた、キット全体について完全に同一とすることができるが、記念容器22の材料は、少なくともその表面の一部、特に蓋又は蓋の少なくとも一部において、環境に影響を及ぼさない疎水性生成物、例えば、天然ワックス又は疎水性生成物の適用などの特定の処理を受けることができる。
【0031】
材料は、経時的に生分解し、植物は成長し、埋葬地をマークする。また、容器の使用及びその取り扱いは、単純なままであり、ペレット26の形態の組成物が破損又は流出するリスクを伴わないことに留意されたい。記念容器22は、それを担持する半体シェルのハウジング20から容易に取り出すことができる。
【0032】
したがって、本発明はまた、内側容積部22-1が、少なくとも1つの植物又は少なくとも1つの木の1つ以上の種子と、乾燥繊維及び鉢植え用の土を含む栽培培地又は基材との混合物を含むペレット26の形態の組成物を含むことを特徴とする動物棺に関し、組成物は、鉢植え用の土の含水量が50%以下であることを特徴とする圧縮ペレットの形態である。
【0033】
本発明による組成物
ペレット26の形態の組成物は、少なくとも1つの植物又は少なくとも1つの木の1つ以上の種子と、乾燥繊維及び鉢植え用の土を含む栽培培地又は基材との混合物を含み、組成物は圧縮ペレットの形態である。ペレットは、円形であっても、又は円形でなくてもよい。
【0034】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つの植物又は少なくとも1つの木の1つ以上の種子と、トウモロコシの穂軸、ココナッツ繊維、乾燥泥炭、麻シブ、及び乾燥木材繊維から選択される乾燥繊維並びに鉢植え用の土を含む培地との混合物を含む組成物26に関し、組成物は、鉢植え用の土の含水量が50%以下であることを特徴とする圧縮ペレットの形態である。
【0035】
圧縮ペレットの形態の組成物は、風又は他の気象事象による何回かの給水の後であっても、維持された配置を確保し、種子が分散するのを防止するのに特に有利である。
【0036】
特に、本発明による栽培培地中の鉢植え用の土は、痩せた鉢植え用の土であり、製品の使用前に種子の発芽を開始しないように、組成物、及び特に種子を十分に乾燥した環境で維持することを可能にする。本発明の意味における「種子」という用語は、1つの種子又は複数の種子を差異なく意味する。したがって、「種子」という用語は、単数形で使用される場合、複数形でも理解されるべきであり、逆もまた同様である。
【0037】
好ましくは、痩せた鉢植え用の土は、50%以下の含水量を特徴とする。それを超えると、鉢植え用の土は、湿潤しすぎであり、したがって、肥沃でありすぎるため、ペレットの使用前又は保管中に種子の発芽が開始する。特に好ましくは、痩せた鉢植え用の土は、30%以下の含水量を特徴とする。
【0038】
鉢植え用の土の存在に加えて、組成物は、ペレットの使用中、特にペレットが埋められ、発芽プロセスを開始するために湿潤されるときに水分を吸収することができる乾燥繊維を含む。本発明による乾燥繊維は、種子又は発育中の根系を腐敗させ、最終的に若い植物の死をもたらすであろう過剰な水が保持されることを回避することも可能にする。この意味で、栽培培地は、好ましくは、トウモロコシの穂軸、ココナッツ繊維、乾燥泥炭、麻シブ、及び乾燥木材繊維から選択される繊維を含む。特に好ましくは、トウモロコシの穂軸は、その吸湿能力及び低刺激性の品質、その可用性、並びに本発明の文脈でのその使用の容易さを含む、その固有の品質のために選択される。
【0039】
好ましくは、組成物の含水量は、50%以下である。したがって、記念容器22内の含水量は、低いままであり、植え付け前の発芽を防止する。
【0040】
好ましい目的によれば、本発明による組成物は、種子及び栽培培地の均質な混合物からなり、栽培培地は更に、鉢植え用の土及び乾燥繊維の均質な混合物である。
【0041】
本発明のニーズを満たし、植物又は木の種子の多様性を尊重するために、栽培培地は、好ましくは、栽培培地の総重量に対して30重量%~70重量%の乾燥繊維を含む。更により好ましくは、栽培培地は、栽培培地の総重量に対して、少なくとも35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%又は65重量%、及び70重量%以下の乾燥繊維を含む。
【0042】
したがって、栽培培地は、好ましくは、栽培培地の総重量に対して、30重量%~70重量%の痩せた鉢植え用の土を含む。更により好ましくは、栽培培地は、栽培培地の総重量に対して、少なくとも35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%又は65重量%、及び70重量%以下の痩せた鉢植え用の土を含む。
【0043】
組成物の特に好ましい目的によれば、栽培培地は、栽培培地の総重量に対して、50重量%の乾燥繊維及び50重量%の鉢植え用の土を含む。
【0044】
保管、保存、及び保持のニーズを満たすために、本発明による組成物は、圧縮される。圧縮ペレットとして提供される組成物は、その形態及び強度のために、操作者又は使用者の取り扱いを大いに容易にする。圧縮ペレット形態の組成物は、組成物を圧縮するとともに、締め固めて結合することにより得られる。このように、圧縮形態は、より長く保持され、堅牢であり、異なる形状であり得る。好ましくは、ペレットは、50ニュートン(N)以下の値に圧縮される。50N以下の圧縮により、種子の構造を維持し、したがって、根及び葉系の発芽並びに発育を可能にするために十分に通気された栽培培地を維持しながら、その発芽能力を保つことを可能にする。
【0045】
好ましくは、圧縮ペレットは、補水後に膨らまないか、又は僅かしか膨らまない。好ましくは、したがって、水分補給されたペレットの体積は、測定不確実性内で乾燥ペレットの体積と同一であるか、又は最大で200%である。
【0046】
有利に、圧縮ペレットの形態の組成物は、完全に生分解性である。
【0047】
特に好ましくは、本発明による組成物は、ペレットの形態で組成物の構造自体を維持するためのいかなるネット又は膜も備えない。実際、圧縮ペレットは、補水時にペレットが膨らまないか、又は僅かしか膨らまないという事実により、補水中にその形状を維持するためにネットを必要としない。したがって、補水されたペレットの構造及び形態は変化しない。水分補給されたペレットの体積の僅かな変化、特に僅かな増加は、上記ペレットの構造を破壊しない。
【0048】
本発明の別の目的によれば、組成物は、組成物の総重量の1重量%~20重量%を占める、植物、木、及びそれらの混合物の1つ以上の種子の混合物を含む。当然ながら、当業者は、選択される種子のタイプに応じて、種子の量を適合させることができる。
【0049】
好ましくは、本発明による組成物は、10~30種の植物、木及びそれらの混合物の種子を含む。
【0050】
圧縮ペレットはまた、上部に、ボール紙、セルロース、又は紙で作製された水溶性の標準的なラベル又は蓋を備え得る。ラベルは、ペレットに存在する種子のタイプに関する情報を含むことに加えて、種子の混合物を光から遮蔽することで、発芽を防止することを可能にする。
【0051】
好ましくは、本発明による上記組成物を含む圧縮ペレットの重量は、150g以下、好ましくは100gである。
【0052】
別の態様によれば、本発明はまた、上記組成物の製造方法に関し、上記方法は、
-種子及び栽培培地を混合するステップと、
-混合物を所望の形状の成形型に配置するステップと、
-好ましくは50N以下の圧縮値で混合物を締め固めるステップと、を含む。
【0053】
一実施形態によれば、使用される成形型は、本発明による上記組成物を含む最終容器であり得る。
【0054】
本発明による組成物は、0.1cm~5cmの土の深さの下に埋められるために使用されることが意図される。そのような埋める深さは、ほとんどの植物又は木の種子の発芽ニーズを満たすのに満足のいくものである。好ましくは、組成物は、土の1cm下に埋められる。
【0055】
したがって、本発明による組成物は、ペットの埋葬地のマーカとしての使用に特に好適であり、上記マーカは、上記組成物中に存在する植物又は木の成長場所によって実体化される。
【0056】
別の態様によれば、本発明による組成物は、ペット埋葬装置、特に記念容器に収容される。上記動物埋葬装置は、特にペット用の動物棺であり、2つの半体シェル、具体的には下側半体シェル及び上側半体シェルを備え、半体シェルのうちの一方はハウジングを備え、上記ハウジング内に取り出し可能に位置決めされることを意図した記念容器を備えることを特徴とし、上記記念容器は、内側容積部、及び上記内側容積部と一体的な蓋を備える。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】