(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】虫除け機能を有する建具遮蔽構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/54 20060101AFI20230405BHJP
E06B 9/52 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
E06B9/54
E06B9/52 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549566
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 CN2020075712
(87)【国際公開番号】W WO2021163883
(87)【国際公開日】2021-08-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511024997
【氏名又は名称】清展科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】林丁輝
(57)【要約】
虫除け機能を有する建具遮蔽構造は、網戸枠又は建具外枠でありかつ少なくとも開口(11)を有する枠体(1)を含み、該開口(11)にはその中を摺動可能な少なくとも1つの可動枠材(12)が設置され、該可動枠材(12)と該枠体(1)との間に網(14)が設置され、該可動枠材(12)が該開口(11)を摺動する際に該網(14)を展開させることができ、該展開された網(14)と該枠体(1)との間に少なくとも1つの虫除け装置(2)が設置され、該虫除け装置(2)と該枠体(1)及び/又は該展開された網(14)との間に蚊隔離領域(3)が形成される。該構造は、屋外の蚊が隙間を通過して室内に入ることを防止し、防虫及び虫除けの効果を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体を含み、該枠体にはその中を摺動可能な少なくとも1つの可動枠材が設置され、該可動枠材と該枠体に対向する枠材との間に網が設置され、該網は、該可動枠材の摺動中に展開することができ、該展開された網と該枠体との間に少なくとも1つの虫除け装置が設置され、該虫除け装置と該枠体及び/又は該展開された網との間に蚊隔離領域が形成される、ことを特徴とする虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項2】
該枠体は、上枠材と、下枠材と、該上枠材と該下枠材との間に設置された接続枠材とを少なくとも有する、ことを特徴とする請求項1に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項3】
開口は、該上枠材、該下枠材及び該接続枠材によって囲まれて形成され、該上枠材と該下枠材の該開口に対向する位置にそれぞれ上レールと下レールが設置され、該虫除け装置は、該上レールと該網の一端との間及び/又は該下レールと該網の他端との間に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項4】
該虫除け装置は、該上レール及び/又は該下レールに固着される、ことを特徴とする請求項3に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項5】
該虫除け装置は、該網の該蚊隔離領域に近い位置に設置される、ことを特徴とする請求項3に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項6】
該虫除け装置は、虫除けモヘアである、ことを特徴とする請求項1に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項7】
該虫除けモヘア内に複数の除虫菊ナノカプセルが組み込まれる、ことを特徴とする請求項6に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項8】
該虫除け装置は、波長が800μmより大きい光線を発することができる虫除けランプである、ことを特徴とする請求項1に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項9】
該虫除け装置は、高周波数の音波を発することができる音波虫除けユニットである、ことを特徴とする請求項1に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【請求項10】
該虫除け装置は、虫除け導電バーである、ことを特徴とする請求項1に記載の虫除け機能を有する建具遮蔽構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽構造に関し、特に虫除け機能を有する建具遮蔽構造を指す。
【背景技術】
【0002】
現在の網戸などの建具遮蔽構造は、屋外の蚊などが室内に入ることを防止するために主に建具に装着され、一般的にはパネル式網戸及び隠し式網戸という2種類に分けられ、パネル式網戸について、蚊を室外に隔離することができるが、使用中に人々が屋外の美景を眺めることを阻害するという迷惑があるのに対し、隠し式網戸について、使用されない際に網を収納するか又は巻き取ることができ、人々が屋外の美景を眺めることを阻害するという問題がないが、網が展開された後、その構造上の網と網戸枠又は建具枠との間に常に隙間があるため、屋外の蚊が前述の隙間を通って室内に入りやすく、隠し式網戸が蚊を室外に隔離するという効果を大幅に低下させる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の技術手段は以下のとおりである。虫除け機能を有する建具遮蔽構造は、枠体を含み、該枠体にはその中を摺動可能な少なくとも1つの可動枠材が設置され、該可動枠材と該枠体に対向する枠材との間に網が設置され、該網は、該可動枠材の摺動中に展開することができ、該展開された網と該枠体との間に少なくとも1つの虫除け装置が設置され、該虫除け装置と該枠体及び/又は該展開された網との間に蚊隔離領域が形成される。
【0004】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明の主な目的は、主に網戸とその装着された枠体との間に少なくとも1つの虫除け装置が設置され、該虫除け装置と枠体及び/又は網戸の網とが蚊隔離領域が形成され、該蚊隔離領域の設置により、屋外の蚊が隙間を通過して室内に入ることを防止できる、虫除け機能を有する建具遮蔽構造を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】本発明の好ましい実施例がロール式網戸に実施された場合の概略図である。
【
図1B】本発明の好ましい実施例がプリーツ式網戸に実施された場合の概略図である。
【
図2A】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が虫除けモヘアである場合の第1の概略図である。
【
図2B】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が虫除けモヘアである場合の第2の概略図である。
【
図2C】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が虫除けモヘアである場合の第3の概略図である。
【
図2D】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が虫除けモヘアである場合の第4の概略図である。
【
図3A】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除けランプである場合の第1の概略図である。
【
図3B】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除けランプである場合の第2の概略図である。
【
図3C】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除けランプである場合の第3の概略図である。
【
図3D】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除けランプである場合の第4の概略図である。
【
図4A】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された音波虫除けユニットである場合の第1の概略図である。
【
図4B】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された音波虫除けユニットである場合の第2の概略図である。
【
図4C】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された音波虫除けユニットである場合の第3の概略図である。
【
図4D】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された音波虫除けユニットである場合の第4の概略図である。
【
図5A】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除け導電バーである場合の第1の概略図である。
【
図5B】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除け導電バーである場合の第2の概略図である。
【
図5C】本発明の好ましい実施例に係る網がロール式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除け導電バーである場合の第3の概略図である。
【
図5D】本発明の好ましい実施例に係る網がプリーツ式網戸の網であり、虫除け装置が蚊隔離領域に装着された虫除け導電バーである場合の第4の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1A~
図2Dに示すように、本発明の虫除け機能を有する建具遮蔽構造の好ましい実施例であり、網戸枠又は建具外枠でありかつ少なくとも開口(11)を有する枠体(1)を含み、該開口(11)にはその中を摺動可能な少なくとも1つの可動枠材(12)が設置され、該可動枠材(12)と該枠体(1)との間に網(14)が設置され、該可動枠材(12)が該開口(11)を摺動する際に該網(14)を展開させることができる。
【0007】
該展開された網(14)と該枠体(1)との間に少なくとも1つの虫除け装置(2)が設置され、該虫除け装置(2)と該枠体(1)及び/又は該展開された網(14)との間に蚊隔離領域(3)が形成される。
【0008】
また本実施例において、該網(14)は、プリーツ式網戸の網又はロール式網戸の網であり、
図1Aに示すように、該網(14)がロール式網戸の網である場合、該枠体(1)の1つの枠材に転がりバー(18)が設置されることにより、該糸網(14)を収納する際に、該転がりバー(18)は該網(14)をその上に巻き取ることができ、また
図1Bに示すように、該網(14)がプリーツ式網戸の網である場合、該網(14)は、該可動枠材(12)の摺動により該開口(11)に展開又は収納することができる。
【0009】
続いて
図1A~
図2Dに示すように、該枠体(1)は、上枠材(15)と、下枠材(16)と、該上枠材(15)と該下枠材(16)との間に設置された少なくとも1つの接続枠材(17)とを少なくとも有し、該開口(11)は、該上枠材(15)、該下枠材(16)及び該接続枠材(17)によって囲まれて形成され、また、該上枠材(15)と該下枠材(16)の該開口(11)に対向する位置にそれぞれ上レール(151)と下レール(161)が設置される。
【0010】
該上レール(151)及び該下レール(161)にはそれぞれ該網(14)の両端が摺動し、該網(14)の両端のみが該上レール(151)及び該下レール(161)に摺動するだけであるため、該網(14)の両端と該上レール(151)及び該下レール(161)とは、緻密に結合することがなく、それらの間に実質的に隙間があり、また、該虫除け装置(2)は、該上レール(151)と該網(14)の一端との間及び/又は該下レール(161)と該網(14)の他端との間に設置され、該虫除け装置(2)、該上レール(151)及び該網(14)の一端及び/又は該下レール(161)及び該網(14)の他端により該蚊隔離領域(3)を形成することにより、屋外の蚊が該網(14)と該上レール(151)との間又は該網(14)と該下レール(161)との間のいずれかの隙間を介して室内に入ることを阻止する。
【0011】
より詳細には、該虫除け装置(2)は、該上レール(151)と該下レール(161)のいずれかの位置に固着できるだけでなく(
図2A及び
図2Bに示す)、該網(14)の該蚊隔離領域(3)に近い位置に設置されてもよい(
図2C及び
図2Dに示す)。
【0012】
また
図2A~
図6Bに示すように、該虫除け装置(2)は、虫除けモヘア(21)、虫除けランプ(22)、音波虫除けユニット(23)又は虫除け導電バー(24)であるが、前述のものに限定されず、虫除け効果を達成できる構造又は装置であれば、いずれも本発明の応用範囲にあり、また
図2A及び
図2Dに示すように、該虫除けモヘア(21)内に複数の除虫菊ナノカプセルが組み込まれることにより、該虫除けモヘア(21)は、除虫菊の成分をゆっくりと放出することができ、該除虫菊の成分が該蚊隔離領域(3)内を満たすことにより、屋外の蚊が該蚊隔離領域(3)を通過することができない。
【0013】
また多くの従来の技術から分かるように、光線の波長が800μmより大きい場合に顕著な虫除け効果があるため、本実施例において、該虫除けランプ(22)は、赤外光などの、波長が800μmより大きい光線を発することができ、該虫除けランプ(22)から発した光線を該蚊隔離領域(3)に照射することにより、屋外の蚊が該蚊隔離領域(3)内に入ることを阻止し、
図3A~
図3Dに示すように、また本実施例において、該虫除けランプ(22)は、チップLEDであってもよいが、これに限定されず、波長が800μmより大きい光線を発することができるランプであれば、いずれも本発明の応用範囲にある。
【0014】
図4A~
図4Dに示すように、該音波虫除けユニット(23)は、該蚊隔離領域(3)へ高周波数の音波を発することができることにより、屋外の蚊が該蚊隔離領域(3)に入る勇気がなく、本実施例において、該音波虫除けユニット(23)は、電子式虫除け装置であるが、前述のものに限定されず、さらに
図5A~
図5Dに示すように、該虫除け導電バー(24)は、該蚊隔離領域(3)内に固着され、該虫除け導電バー(24)に少なくとも2つの導電体(241)が設置され、該2つの導電体(241)は、それぞれ正、負の電源に接続されることにより、該蚊が該蚊隔離領域(3)に入るとともに該2つの導電体(241)に接触する場合、該蚊を撃退することができる。
【0015】
さらに、該虫除け導電バー(24)には、充放電の時間を計算して、該2つの導電体(241)が人体に対して放電する時間を人体神経伝達時間より小さくする、特定の容量値を有するフィルタコンデンサ(242)が設置されるため、人体が該虫除け導電バー(24)に触れると、分圧原理を利用して電圧を安全な範囲に急減して人体に感電感覚を持たせずに蚊を撃退するという効果を達成することができる。
【0016】
以上に示された図面及び説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本創作の保護範囲を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の特徴範囲に基づいて行われた他の等価変化又は修飾は、いずれも本発明の設計範囲から逸脱しないと見なすべきである。
【国際調査報告】