(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】固体支持体上でのオリゴヌクレオチド合成
(51)【国際特許分類】
C07H 19/073 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
C07H19/073
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549788
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2021019335
(87)【国際公開番号】W WO2021173615
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505092968
【氏名又は名称】インテグレーティッド ディーエヌエイ テクノロジーズ インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】ジー,アン
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マークス,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,デヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C057
【Fターム(参考)】
4C057AA30
4C057CC03
4C057DD03
4C057LL11
4C057LL19
(57)【要約】
官能化固体支持体は、オリゴヌクレオチドの合成に有用である。官能化固体支持体は、末端官能基又は第1のヌクレオチドもしくはヌクレオシド部分への拡張リンカーを含む。拡張リンカーは、オリゴヌクレオチド合成が、より効率的に固体支持体からより大きな距離で行われることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
の官能化固体支持体、又はその塩であって、
Aが、固体支持体材料であり、
L
1が、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、
ここで
(a)前記2価のリンカーの原子が、任意に置換された鎖、又は任意に置換された環によって中断された任意に置換された鎖を形成するように配置され、
(b)前記鎖、又は鎖と環が一緒になって、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素からなる群から選択される原子の12~40員の連続線状配列を含み、
L
2が、各出現時に、独立して、-(CH
2CH
2O)
m-、-(CHCH
3CH
2O)
m-、又は(CH
2CHCH
3O)
m-であり、
G
1が、-P(O)(R
1)-L
3-R
2、水素、又はPG
1であり、
R
1が、各出現時に、独立して、-OR
1a又はR
1aであり、
R
1aが、各出現時に、独立して、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニル、C
3-10シクロアルキル、又はC
5-10シクロアルケニルであり、ここでR
1aが、シアノ、ハロゲン、オキソ、OH、-OC
1-4アルキル、-OC
1-4ハロアルキル又はC
3-6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1~6つの置換基で任意に置換され、前記C
3-6シクロアルキルがハロゲン又はC
1-4アルキルで任意に置換され、
L
3が、-(OCH
2CH
2)
p-、-(OCHCH
3CH
2)
p-、-(OCH
2CHCH
3)
p-、-OC
2-10アルキレン-、-OC
0-4アルキレン-C
3-10シクロアルキレン-C
0-4アルキレン-、又はOC
0-4アルキレン-フェニレン-C
0-4アルキレン-であり、ここでL
3中の前記アルキレンが、1~6つのハロゲンで任意に置換され、前記シクロアルキレン及びフェニレンが、ハロゲン、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、シアノ、-OC
1-4アルキル、及びOC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換され、
R
2が、-NR
2aR
2bであり、
R
2aが、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、又はC
1-3アルキレン-C
3-6シクロアルキルであり、
R
2bが、C(O)-L
4-G
1a、水素、PG
2、C(O)-L
4-OH、C(O)-L
4-OPG
3、C(O)-L
5-H、C(O)-L
5-PG
1、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-L
5-P(O)(OH)-G
1a、又は、C(O)-L
6-G
1aであり、又は、
R
2a及びR
2bが、それらが結合する窒素とともに、保護された窒素原子を形成し、
L
4が、L
7-C(O)又はC(O)であり、
L
5が、L
7-Oであり、
L
6が、L
7-Si(C
1-4アルキル)
2であり、
L
7が、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、
ここで
(a)前記2価のリンカーの原子が、任意に置換された鎖、任意に置換された環、又は任意に置換された鎖(複数可)と環(複数可)の組み合わせを形成するように配置され、
(b)前記鎖(複数可)、環(複数可)、又はそれらの組み合わせが、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素からなる群から選択される原子の1~20員の連続線状配列を含み、
G
1aが、ヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分であり、
PG
1が、ヒドロキシ保護基であり、
PG
2が、アミノ保護基であり、
PG
3が、カルボン酸保護基であり、
m及びpが、独立して、3~10の整数であり、
nが、1~20の整数である、
式(I)の官能化固体支持体、又はその塩。
【請求項2】
G
1が水素である、請求項1に記載の官能化固体支持体。
【請求項3】
G
1がPG
1である、請求項1に記載の官能化固体支持体。
【請求項4】
G
1がP(O)(R
1)-L
3-R
2である、請求項1に記載の官能化固体支持体。
【請求項5】
L
3が-(OCH
2CH
2)
p-である、請求項1又は4に記載の官能化固体支持体。
【請求項6】
pが6である、請求項1、4及び5のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項7】
L
3が-OC
2-10アルキレン-である、請求項1又は4に記載の官能化固体支持体。
【請求項8】
L
3が-OC
4-8アルキレン-である、請求項1、4及び7のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項9】
L
3が-OC
6アルキレン-である、請求項1、4、7及び8のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項10】
L
3が-O(CH
2)
6-である、請求項1、4、7及び8のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項11】
R
2aが水素である、請求項1及び4~10のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項12】
R
2bが水素である、請求項1及び4~11のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項13】
R
2bがPG
2である、請求項1及び4~11のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項14】
R
2bがC(O)-L
4-G
1a、C(O)-L
4-OH、又はC(O)-L
4-OPG
3である、請求項1及び4~11のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項15】
L
4が、-C
0-4アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、又は
【化2】
であり、ここで、前記フェニレンが、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル、及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている、請求項14に記載の官能化固体支持体。
【請求項16】
L
4が、-(CH
2)
2-C(O)-、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化3】
である、請求項15に記載の官能化固体支持体。
【請求項17】
R
2bが、C(O)-L
5-H、C(O)-L
5-PG
1、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1a、又はC(O)-L
5-P(O)(OH)-G
1aである、請求項1及び4~11のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項18】
L
5が、L
5b又はL
5a-L
5bであり、
L
5aが、-C
0-4アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、又はC
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-であり、
L
5bが、
【化4】
、-(CH
2)
1-10-O-,又は(CH
2CH
2O)
2-6-であり、
R
10が、フェニル、C
1-10アルキル、又はC
1-10ハロアルキルであり、
ここで、前記フェニレン及びフェニルが、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル、及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている、請求項17に記載の官能化固体支持体。
【請求項19】
L
5aが、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化5】
であり、
L
5bが、
【化6】
、-CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である、請求項18に記載の官能化固体支持体。
【請求項20】
L
5が、
【化7】
、CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である、請求項19に記載の官能化固体支持体。
【請求項21】
R
2bが、C(O)-L
4-OH又はC(O)-L
4-OPG
3であり、
L
4が、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化8】
である、請求項14記載の官能化固体支持体。
【請求項22】
R
2bが、C(O)-L
5-H又はC(O)-L
5-PG
1であり、
L
5が、
【化9】
、CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である、請求項17に記載の官能化固体支持体。
【請求項23】
R
2bが、C(O)-L
6-G
1aであり、L
6が
【化10】
である、請求項1及び4~11のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項24】
L
6が、
【化11】
である、請求項23に記載の官能化固体支持体。
【請求項25】
L
1が、1つ又は複数の共有結合した部分を含み、前記1つ又は複数の部分が、C
2-10アルキレン、-NH-、-NHC(O)-、シリル、及びOCH
2CH(OC(O)C
1-4アルキル)CH
2O-からなる群から独立して選択される、請求項1~24のいずれか1項に記載の官能化固体担持体。
【請求項26】
L
1が、シリル基に結合したC
11-39アルキレンであり、前記シリル基が固体支持材料に結合しており、前記C
11-39アルキレンの2~6つのメチレン単位が-NH-、-O-、又はNHC(O)-で置換されており、前記C
11-39アルキレンが任意に-OC(O)CH
3で置換されている、請求項1~24のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項27】
L
1が、-シリル-C
2-4アルキレン-NH-C
2-10アルキレン-NHC(O)-C
2-10アルキレン-又はシリル-C
2-4アルキレン-OCH
2CH(OC(O)CH
3)CH
2OC(O)NH-C
2-10アルキレン-NHC(O)-C
2-10アルキレン-である、請求項1~24のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項28】
L
1が、-シリル-(CH
2)
3-NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-又はシリル-(CH
2)
3-OCH
2CH(OC(O)CH
3)CH
2OC(O)NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-である、請求項1~24のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項29】
L
2が、各出現時に、独立して、-(CH
2CH
2O)
m-である、請求項1~28のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項30】
mが6である、請求項1~29のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項31】
nが4~7である、請求項1~30のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項32】
R
1が、各出現時に、独立して、-OCH
2CH
2CN、-CH
3、-CH
2CH
3、-OCH
3、-OCH
2CH
3、又はOCH(CH
3)
2である、請求項1~31のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項33】
前記固体支持体材料が、細孔制御ガラス(CPG)、シリカゲル、マクロポーラス架橋ポリスチレン、ポリメタクリレートビニルアルコールコポリマー、シリコンチップ、ガラス、ポリスチレンビーズ、ポリプロピレンシート、非多孔質シリカビーズ、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートである、請求項1~32のいずれか1項に記載の官能化固体支持体。
【請求項34】
G
1が水素又はPG
1である、請求項1~3及び25~33のいずれか1項に記載の官能化固体支持体を調製するための方法であって、
(a)式(II)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである式(III)
【化12】
の化合物と反応させて、式(IV)
【化13】
の官能化固体支持体を提供するステップ、
(b)式(IV)の官能化固体支持体を酸化して、G
1がPG
1であり、nが1である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
(c)任意に前記保護基PG
1を除去して、G
1が水素であり、nが1である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法。
【請求項35】
(d)G
1が水素であり、nが1である式(I)の官能化固体支持体を、式(III)の化合物と反応させて、式(IV-A)
【化14】
の官能化固体支持体を提供するステップ、
(e)式(IV-A)の官能化固体支持体を酸化して、G
1がPG
1であり、nが2である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
(f)任意に前記保護基PG
1を除去して、G
1が水素であり、nが2である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
任意に、ステップ(d)及び(e)、又は(d)、(e)及び(f)の反応を繰り返して、G
1が水素又はPG
1であり、nが3~20の整数である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2である、請求項1及び4~33のいずれか1項に記載の官能化固体支持体を調製するための方法であって、
(g)G
1が水素である式(I)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである、式(V)
【化15】
の化合物と反応させて、式(VI)
【化16】
の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
(h)式(VI)の官能化固体支持体を酸化して、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2である、式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法。
【請求項37】
R
2aが、水素であり、
R
2bが、C(O)-L
4-G
1aである、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
R
2aが、水素であり、
R
2bが、PG
2である、
請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記保護基PG
2を除去して、R
2bが水素である、式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
R
2が-NH
2である式(I)の官能化固体支持体を、式HO-C(O)-L
4-G
1aの化合物と反応させて、R
2bがC(O)-L
4-G
1aである式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
R
2が-NH
2である式(I)の官能化固体支持体を無水コハク酸と反応させて、R
2bがC(O)-CH
2CH
2COOHである式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
R
2が-NH
2である式(I)の官能化固体支持体を、式HO-C(O)-L
7-C(O)OH又はHO-C(O)-L
7-C(O)OPG
3の化合物と反応させて、R
2bがC(O)-L
7-C(O)OH又はC(O)-L
7-C(O)OPG
3である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
R
2bがC(O)-L
7-C(O)OPG
3であり、前記保護基PG
3を除去するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
R
2bがC(O)-L
7-C(O)OHである式(I)の官能化固体支持体を、3’又は5’OHでヌクレオシド又はヌクレオチドと反応させて、式(IX)
【化17】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項41~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
R
2が-NH
2である式(I)の官能化固体支持体を、式HO-C(O)-L
7-OH又はHO-C(O)-L
7-OPG
1の化合物と反応させて、R
2bがC(O)-L
7-OH又はC(O)-L
7-OPG
1である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
R
2bがC(O)-L
7-OPG
1であり、前記保護基PG
1を除去するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
R
2bがC(O)-L
7-OHである式(I)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルであり、G
1aがヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分である式(VII)
【化18】
の化合物と反応させて、式(VIII)の
【化19】
官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
式(VIII)の官能化固体支持体を酸化して、式(X)
【化20】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
をさらに含む、請求項45又は46に記載の製法。
【請求項48】
(a)式(I)の官能化固体支持体を、1つ又は複数のサイクルのヌクレオチド付加化学に付すステップであって、
【化21】
G
1が、-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、R
2が、-NR
2aR
2bであり、
R
2bが、C(O)-L
4-G
1a、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1a、又はC(O)-L
6-G
1aであり、
G
1aが、ヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分であり、前記ヌクレオチド部分及びヌクレオシド部分が、単一のヌクレオチド又はヌクレオシド残基を含み、
A、L
1、L
2、L
3、L
4、L
5、L
6、R
1、R
2a、及びnが、請求項1~33のいずれかに定義されている通りである、
ステップ、ならびに
(b)式(I)の官能化固体支持体を得るステップであって、
G
1が、-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、
R
2が、-NR
2aR
2bであり、
R
2bが、C(O)-L
4-G
1a、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1a、又はC(O)-L
6-G
1aであり、
G
1aが、オリゴヌクレオチド部分である、
ステップ、
を含むオリゴヌクレオチドの合成方法。
【請求項49】
前記官能化固体支持体から前記オリゴヌクレオチド部分を開裂して前記オリゴヌクレオチドを提供するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
開裂の前に前記オリゴヌクレオチド部分から1つ又は複数の保護基を除去するステップをさらに含む、請求項48又は49に記載の方法。
【請求項51】
開裂後に前記オリゴヌクレオチドから1つ又は複数の保護基を除去するステップをさらに含む、請求項48~50のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、2020年2月24日に出願された米国仮出願第62/980,880号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、オリゴヌクレオチド合成のための官能化固体支持体に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]固相オリゴヌクレオチド合成は、一般に、細孔制御ガラス(CPG)粒子からなるフリット上で行われる。CPGは、合成中に迅速な物質移動を促進する細孔網目構造からなり、孔の直径は500~2000Åの範囲である。オリゴヌクレオチド合成の場合、CPG粒子は、非ヌクレオシドリンカーやヌクレオシドサクシネートの結合点として機能する反応性アミノ基を含む(3-アミノプロピル)トリエトキシシランなどの基材で均一にコーティングされ、合成プロセスでオリゴヌクレオチドの結合点として機能する。オリゴヌクレオチドは、その3’末端のヒドロキシル基を介してリンカーに共有結合し、鎖のアセンブリ全体にわたって結合したままになり、その後切断され、脱保護される。ハイスループット/パラレル/小規模なオリゴヌクレオチド合成では、固体支持体はマルチウェルプレートのウェルに含まれる。
【0004】
[0004]合成の規模を最大化するために、基材の分子構造は、最適なオリゴ合成のために高密度の均一に分布した結合点を持つ必要がある。しかし、そのような高密度は、特に長いオリゴの場合、合成プロセス中にオリゴの混雑と立体障害を引き起こし、最終生成物に誤差が生じる可能性がある。
【0005】
[0005]立体障害を回避する一つの方法は、より大きな孔径を使用することである。しかし、CPGの表面積は孔径に反比例し、シラノール結合基の密度は表面積の関数であるので、大きな孔のCPGはリガンド負荷容量が少ない。さらに、すべてのシラノール結合点が均一に分布しているわけではなく、一部は密集しすぎていて全長オリゴ合成に有用でない。
【0006】
[0006]立体障害を回避するもう一つの方法は、オリゴがつながれるスペーサーを使用することであり、これはオリゴと合成プロセスを基材から遠くに配置する役割を果たす。これは、より柔軟で、合成のためのより多くのスペースを可能にするであろう。
【0007】
[0007]よく使われるスペーサーの1つは、長鎖アルキルアミン(LCAA;
図1A及び1B)である。LCAAはアミノプロピルCPGに結合している(
図1A)。場合によっては、LCAAは、リンカー、例えばアセチルグリセロールを介して結合される(
図1B)。次に、結合したLCAAのアミノ基は、オリゴヌクレオチド合成に適したリンカー、例えばスクシニルスペーサーのアンカーポイントとして使用される。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明は、合成が、固体支持体(例えば、CPG粒子)の表面からより大きな距離で、1つ又は複数のポリアルキレングリコールホスフェート/ホスホン酸エステル単位を含む長さが拡張されたリンカーを用いて行われる、固相オリゴヌクレオチド合成に関する。長さが拡張されたリンカーは、オリゴヌクレオチド合成の出発点として機能する。ポリアルキレングリコールホスフェート/ホスホン酸エステル単位は、ホスホロアミダイト化学を介して結合されうる。本明細書に記載される拡張リンカーは、オリゴヌクレオチド合成に用いられるユニバーサルリンカー及び従来のリンカーアームと互換性がある。
【0009】
[0009]一態様では、式(I)の官能化固体支持体、又はその塩であって、
【化1】
Aが、固体支持体材料であり、
L
1が、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、
ここで
(a)2価のリンカーの原子が、任意に置換された鎖、又は任意に置換された環によって中断された任意に置換された鎖を形成するように配置され、
(b)鎖又は鎖と環が一緒になって、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素からなる群から選択される原子の12~40員の連続線状配列を含み、
L
2が、各出現時に、独立して、-(CH
2CH
2O)
m-、-(CHCH
3CH
2O)
m-、又は(CH
2CHCH
3O)
m-であり、
G
1が、水素、PG
1、又はP(O)(R
1)-L
3-R
2であり、
R
1が、各出現時に、独立して、R
1a又はOR
1aであり、
R
1aが、各出現時に、独立して、C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニル、C
3-10シクロアルキル、又はC
5-10シクロアルケニルであり、ここでR
1aが、ハロゲン、シアノ、オキソ、OH、-OC
1-4アルキル、-OC
1-4ハロアルキル又はC
3-6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1~6つの置換基で任意に置換され、C
3-6シクロアルキルが、ハロゲン又はC
1-4アルキルで任意に置換され、
L
3が、-(OCH
2CH
2)
p-、-(OCHCH
3CH
2)
p-、-(OCH
2CHCH
3)
p-、-OC
2-10アルキレン-、-OC
0-4アルキレン-C
3-10シクロアルキレン-C
0-4アルキレン-、又はOC
0-4アルキレン-フェニレン-C
0-4アルキレン-であり、ここでL
3中のアルキレンが、1~6つのハロゲンで任意に置換され、シクロアルキレン及びフェニレンが、ハロゲン、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、シアノ、-OC
1-4アルキル、及びOC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換され、
R
2が-NR
2aR
2bであり、
R
2aが、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ハロアルキル、C
3-6シクロアルキル、又はC
1-3アルキレン-C
3-6シクロアルキルであり、
R
2bが、水素、PG
2、C(O)-L
4-OH、C(O)-L
4-OPG
3、C(O)-L
4-G
1a、C(O)-L
5-H、C(O)-L
5-PG
1、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-L
5-P(O)(OH)-G
1a、又は、C(O)-L
6-G
1aであり、又は、
R
2a及びR
2bが、それらが結合する窒素とともに、保護された窒素原子を形成し、
L
4がC(O)又はL
7-C(O)であり、
L
5が、L
7-Oであり、
L
6が、L
7-Si(C
1-4アルキル)
2であり、
L
7が、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、
ここで
(a)2価のリンカーの原子が、任意に置換された鎖、任意に置換された環、又は任意に置換された鎖(複数可)と環(複数可)の組み合わせを形成するように配置され、
(b)鎖(複数可)、環(複数可)、又はそれらの組み合わせが、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素からなる群から選択される原子の1~20員の連続線状配列を含み、
G
1aが、ヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分であり、
PG
1が、ヒドロキシ保護基であり、
PG
2がアミノ保護基であり、
PG
3がカルボン酸保護基であり、
m及びpが、独立して、3~10の整数であり、
nが、1~20の整数である、
式(I)の官能化固体支持体、又はその塩を開示する。
【0010】
[0010]別の態様では、本発明は、G
1が水素又はPG
1である、式(I)の官能化固体支持体を調製するための方法であって、
a)式(II)の官能化固体支持体をR
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである式(III)
【化2】
の化合物と反応させて、式(IV)
【化3】
の官能化固体支持体を提供するステップ、
b)式(IV)の官能化固体支持体を酸化して、G
1がPG
1であり、nが1である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
c)任意に保護基PG
1を除去して、G
1が水素であり、nが1である式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法を提供する。
【0011】
[0011]別の態様では、本発明は、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2である、式(I)の官能化固体支持体を調製するための方法であって、G
1が水素である、式(I)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである、式(V)
【化4】
の化合物と反応させて、
式(VI)
【化5】
の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
式(VI)の官能化固体支持体を酸化して、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、R
2bがC(O)-L
4-G
1aである、式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法を提供する。
【0012】
[0012]別の態様では、本発明は、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2である、式(I)の官能化固体支持体を調製するための方法であって、R
2bがC(O)-L
7-C(O)OHである式(I)の官能化固体支持体を、3’又は5’OHにおいてヌクレオシド又はヌクレオチドと反応させて、式(IX-a)
【化6】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法を提供する。
【0013】
[0013]別の態様では、本発明は、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2である式(I)の官能化固体支持体を調製するための方法であって、R
2bがC(O)-L
7-OHである式(I)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルであり、G
1aがヌクレオチド部分もしくはヌクレオシド部分である式(VII)
【化7】
の化合物と反応させて、式(VIII-a)
【化8】
の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
式(VIII-a)の官能化固体支持体を酸化して、式(X-a)
【化9】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、方法を提供する。
【0014】
[0014]別の態様では、本発明は、オリゴヌクレオチドを合成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】[0015]3-アミノプロピルシランに由来する第1の部分1と、長鎖アルキルアミン(LCAA)と呼ばれる第2の部分2とを有する鎖で官能化した細孔制御ガラス(CPG)を示す図である。
【
図1B】[0016]アセチルグリセロールに由来する部分3を有する鎖で官能化されたCPGを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.定義
[0017]別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が支配的となる。好ましい方法及び材料を以下に記載するが、本明細書に記載されたものと類似又は等価の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができる。本明細書に記載のすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図しない。
【0017】
[0018]本明細書で使用される用語「comprise(s)」、「include(s)」、「having」、「has」、「can」、「contain(s)」、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造の可能性を排除しないオープンエンドで過渡的なフレーズ、用語又は単語であると意図される。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈からそうではないことが指示されない限り、複数形の参照を含む。本開示は、明示的に規定されているか否かにかかわらず、本明細書に提示された実施形態又は要素「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」他の実施形態も検討する。
【0018】
[0019]量に関連して使用される修飾語句「約」は、記載された値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連する誤差の程度を少なくとも含む)。修飾語句「約」は、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を開示するものであるとも考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も開示している。用語「約」は、示された数値のプラス又はマイナス10%を指す場合がある。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示すことがあり、「約1」は、0.9~1.1を意味することがある。「約」の他の意味は、四捨五入などの文脈から明らかな場合があるので、例えば「約1」は、0.5~1.4を意味することもある。
【0019】
[0020]特定の官能基及び化学用語の定義は、以下でより詳細に説明される。本開示の目的のために、化学元素は、元素周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙に従って特定され、特定の官能基は、一般に本明細書に記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能部分及び反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999;Smith及びMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989;Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987に記載され、それらの各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
[0021]本明細書で使用される用語「アルキル」は、直鎖又は分枝状の飽和炭化水素鎖を意味する。用語「低級アルキル」又は「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素を意味する。用語「C1-4アルキル」は、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素を意味する。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-へプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルを含むが、これらに限定されない。
【0021】
[0022]本明細書で使用される用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分枝状の、炭化水素鎖を意味する。
【0022】
[0023]本明細書で使用される用語「アルキレン」は、例えば1~6個の炭素原子の直鎖又は分枝状の飽和鎖炭化水素に由来する2価の基を指す。アルキレンの代表例は、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、及びCH2CH2CH2CH2CH2-を含むが、これらに限定されない。
【0023】
[0024]本明細書で使用される用語「アルケニレン」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素に由来する2価の基を指す。
【0024】
[0025]本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、基-O-アルキルを指す。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシを含むが、これらに限定されない。
【0025】
[0026]本明細書で使用される用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義されるように、アルキレン基を介して親分子部分に付加されたアルコキシ基を指す。
【0026】
[0027]本明細書で使用される用語「アリール」は、フェニル、又は親分子部分に付加され、シクロアルカン基に融合した(例えば、アリールはインダン-4-イルであってもよい)、6員アレーン基に融合した(すなわち、アリールはナフチルである)、又は非芳香族ヘテロ環に融合した(例えば、アリールはベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルであってもよい)フェニルを指す。置換基を指す場合は「フェニル」という用語を用い、縮合環を指す場合は「6員アレーン」という用語を用いる。6員アレーンは、単環式(例えば、ベンゼン又はベンゾ)である。アリールは、単環式(フェニル)又は二環式(例えば、9~12員縮合二環式)であってもよい。
【0027】
[0028]本明細書で使用される用語「シクロアルキル」又は「シクロアルカン」は、すべての炭素原子を環員として含み、二重結合がゼロの飽和環系を指す。用語「シクロアルキル」は、本明細書では、置換基として存在する場合のシクロアルカンを指すために使用される。シクロアルキルは、単環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、縮合二環式シクロアルキル(例えば、デカヒドロナフタレニル)、スピロ環、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3又は4個の炭素原子のアルキレン橋によって連結されている架橋シクロアルキル(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)であってもよい。シクロアルキルの代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル及びビシクロ[1.1.1]ペンタニルを含むが、これらには限定されない。
【0028】
[0029]本明細書で使用される用語「シクロアルケニル」又は「シクロアルケン」は、環員としてすべての炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、好ましくは環当たり5~10個の炭素原子を有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。「シクロアルケニル」という用語は、本明細書では、置換基として存在する場合、シクロアルケンを指すために使用される。シクロアルケニルは、単環式シクロアルケニル(例えば、シクロペンテニル)、縮合二環式シクロアルケニル(例えば、オクタヒドロナフタレニル)、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3又は4個の炭素原子のアルキレン橋によって連結されている架橋シクロアルケニル(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル)であってもよい。例示的な単環式シクロアルケニル環は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルを含む。
【0029】
[0030]本明細書で使用される用語「フルオロアルキル」は、本明細書で定義されるように、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がフッ素で置換されているアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表例は、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び3,3,3-トリフルオロプロピルなどのトリフルオロプロピルを含むが、これらに限定されない。
【0030】
[0031]本明細書で使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、Cl、Br、I、又はFを意味する。
【0031】
[0032]本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるように、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がハロゲンで置換されているアルキル基を意味する。
【0032】
[0033]本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、芳香族単環式ヘテロ原子含有環(単環式ヘテロアリール)、又は少なくとも1つの単環式複素芳香環を含む二環式環系(二環式ヘテロアリール)を指す。「ヘテロアリール」という用語は、置換基として存在する場合、本明細書では、ヘテロアレーンを指すために使用される。単環式ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S及びNから独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子)を含む5員環又は6員環である。五員芳香族単環は2個の二重結合を有し、六員芳香族単環は3個の二重結合を有する。二環式ヘテロアリールは、8~12員環系であり、縮合二環式ヘテロ環系(すなわち、10π電子系)、例えば、6員アレーンに縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、キノリン-4-イル、インドール-1-イル)、単環式ヘテロアレーンに縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、ナフチリジニル)、及び単環式ヘテロアレーンに縮合したフェニル(例えば、キノリン-5-イル、インドール-4-イル)を含む。二環式ヘテロアリール/ヘテロアレーン基は、4個の二重結合と完全芳香族10π電子系に孤立電子対を与える少なくとも1個のヘテロ原子を有する9員縮合二環式ヘテロ芳香環系、例えば、環接合部に窒素原子を有する環系(例えばイミダゾピリジン)又はベンゾキサジアゾリルを含む。また、二環式ヘテロアリールは、1つのヘテロ芳香環と1つの非芳香環からなる縮合二環系、例えば、単環式炭素環に縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジニル)、又は単環式ヘテロ環に縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジニル)を含む。二環式ヘテロアリールは、芳香環原子で親分子部分に結合している。ヘテロアリールの他の代表例は、これらに限定されないが、インドリル(例えば、インドール-1-イル、インドール-2-イル、インドール-4-イル)、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルを含む)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル(例えば、ピラゾール-4-イル)、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル(例えば、トリアゾール-4-イル)、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル(例えば、チアゾール-4-イル)、イソチアゾリル、チエニル、ベンゾイミダゾリル(例えば、ベンズイミダゾール-5-イル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、プリニル、イソインドリル、キノキサリニル、インダゾリル(例えば、インダゾール-4-イル、インダゾール-5-イル)、キナゾリニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、イソキノリニル、キノリニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル(例えば、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル、及びチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-2-イルを含む。
【0033】
[0034]本明細書で使用される用語「ヘテロ環」又は「ヘテロ環」は、単環式ヘテロ環、二環式ヘテロ環、又は三環式ヘテロ環を意味する。用語「ヘテロシクリル」は、本明細書では、置換基として存在する場合のヘテロ環を指すために使用される。単環式ヘテロ環は、O、N、及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む3、4、5、6、7、又は8員環である。3又は4員環は、ゼロ又は1個の二重結合、及びO、N、及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む。5員環は、ゼロ又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む。6員環は、ゼロ、1又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む。7及び8員環はゼロ、1、2又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む。単環式ヘテロ環の代表例は、これらに限定されないが、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、2-オキソ-3-ピペリジニル、2-オキソアゼパン-3-イル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、オキセパニル、オキソカニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル及びトリチアニルを含む。二環式ヘテロ環は、6員アレーンに縮合した単環式ヘテロ環、又は単環式シクロアルカンに縮合した単環式ヘテロ環、又は単環式シクロアルケンに縮合した単環式ヘテロ環、又は単環式ヘテロ環に縮合した単環式ヘテロ環、又は単環式ヘテロアレーンに縮合した単環式ヘテロ環、又はスピロヘテロ環基、又は環の2つの隣接しない原子が1、2、3又は4個の炭素原子のアルキレン橋、又は2、3又は4個の炭素原子のアルケニレン橋によって連結されている架橋単環式ヘテロ環系である。二環式ヘテロシクリルは、非芳香族環原子で親分子部分に結合している(例えば、インドリン-1-イル)。二環式ヘテロシクリルの代表例は、これらに限定されないが、クロマン-4-イル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾチエン-2-イル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルを含む)、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル、イソインドリン-2-イル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、及び3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニルを含む。三環式ヘテロ環は、6員アレーンに縮合した二環式ヘテロ環、又は単環式シクロアルカンに縮合した二環式ヘテロ環、又は単環式シクロアルケンに縮合した二環式ヘテロ環、又は単環式ヘテロ環に縮合した二環式ヘテロ環、又は二環式環の隣接しない2つの原子が1、2、3又は4個の炭素原子のアルキレン橋、もしくは2、3又は4個の炭素原子のアルケニレン橋で連結された二環式ヘテロ環により例示される。三環式ヘテロ環の例は、これらに限定されないが、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザアダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサアダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)を含む。単環式、二環式、及び三環式ヘテロ環は、非芳香環原子で親分子部分に連結されている。
【0034】
[0035]本明細書で使用される用語「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、-OH基を意味する。
【0035】
[0036]本明細書で使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、少なくとも1つの-OH基が、本明細書で定義するように、アルキレン基を介して親分子部分に付加されることを意味する。
【0036】
[0037]シクロアルキレン、アリーレン、フェニレン、ヘテロシクリレン等の用語は、ベースリング、例えばシクロアルカン、ヘテロ環等に由来する2価の基を指す。例示の目的のために、シクロアルキレン及びフェニレンの例は、それぞれ、
【化10】
を含む。シクロアルキレンは、1,1-シクロアルキレン(例えば、
【化11】
)、例えば、1,1-シクロプロピレン(すなわち、
【化12】
)を含む。
【0037】
[0038]「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルキレン」などの用語の前に、特定の場合に基中に存在する原子の数を示す記号を付けることができる(例えば、「C1-4アルキル」、「C3-6シクロアルキル」、「C1-4アルキレン」)。これらの記号は、当業者によって一般的に理解されるように使用される。例えば、下付き数字が続く表現「C」は、その後に続く基中に存在する炭素原子の数を示す。従って、「C3アルキル」は、3個の炭素原子を有するアルキル基(すなわち、n-プロピル、イソプロピル)である。「C1-4」のように範囲が指定されている場合、後に続く基の部分は、列挙された範囲内に入る任意の数の炭素原子を有しうる。例えば、「C1-4アルキル」は、どのように配列されていても(すなわち、直鎖又は分枝)、1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0038】
[0039]本明細書に記載された化合物について、その基及び置換基は、選択及び置換が、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に受けないものをもたらすように、原子及び置換基の許容原子価に従って選択されうる。
【0039】
[0040]本明細書における数値範囲の列挙については、その間に同程度の精度で介在する各数値が明確に考慮される。例えば、6~9の範囲については、6及び9に加えて7及び8の数が考慮され、6.0~7.0の範囲については、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0の数が明確に考慮される。
【0040】
2.官能化固体支持体
[0041]本発明の態様は、式(I)の官能化固体支持体を提供し、ここでA、L1、L2、R1、G1、及びnは本明細書で定義される通りである。
【0041】
[0042]式(I)の固体支持体において、Aは、オリゴヌクレオチド合成に適した固体支持体材料である。適切な固体支持体材料は、細孔制御ガラス(CPG)、シリカゲル、マクロポーラス架橋ポリスチレン、ポリメタクリレートビニルアルコールコポリマー、シリコンチップ、ガラス、ポリスチレンビーズ、ポリプロピレンシート、非多孔質シリカビーズ、ポリアクリルアミド、又はポリアクリレートを含む。固体支持体は、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2000、第3章、セクション3.1の「Solid-Phase Supports for Oligonucleotide Synthesis」に記載されているように、当技術分野でよく知られている。CPGは、オリゴヌクレオチド合成を用意するのに適切な孔径(例えば、300~2000Å)、例えば1000又は2000Åを有しうる。CPG支持体は、40~500メッシュの粒径、0.1~1.0g/ccのかさ密度、10~200M2/gのSS面積、及び0.2~3.050cc/gの孔容積を有しうる。
【0042】
[0043]式(I)において、L1は炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、ここで(a)2価のリンカーの原子は、任意に置換された鎖、又は任意に置換された環で中断された任意に置換された鎖を形成するように配置されており、(b)鎖、又は鎖と環が一緒になって、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素からなる群から選択される原子の12~40員の連続線状配列を含む。
【0043】
[0044]原子の12~40員の連続線状配列は、切れ目のない原子のひもを指し、原子の少なくとも一部は鎖状原子又は非環状原子であり、任意に原子の一部は環状原子である。原子の12員~40員の連続線状配列は、以下の例によって示され、連続線状原子配列の原子は太字で示される。
【化13】
【0044】
[0045]連続線状配列(a)では、配列のすべての原子が鎖状原子である。連続線状配列(b)~(f)は、鎖状原子と環状原子の混合物を含み、(b)は1つの環状原子、(c)は2つの環状原子、(d)は3つの環状原子、(e)及び(f)は4つの環状原子を有する。
【0045】
[0046]連続線状配列は、
【化14】
などの、又は(f)のように、隣接する原子間の不飽和結合を有しうる。
【0046】
[0047]L1上の任意の置換基は、ハロゲン(例えば、フルオロ)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、C1-6ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、オキソ(すなわち、=O)、チオン(すなわち、=S)、OH、-OC1-6アルキル(例えば、メトキシ)、-OC3-6シクロアルキル、-OCH2C3-6シクロアルキル、-OC(O)C1-6アルキル(例えば、-OC(O)CH3)、-OC(O)C3-6シクロアルキル、-OC(O)CH2C3-6シクロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル及びC1-6アルコキシC1-6アルキル(例えば、-CH2CH2OCH3)を含む。L1上の任意の置換は、L1が分岐構造を有することを可能にする。
【0047】
[0048]L1は、その任意の置換基とともに、種々の官能基、例えば、アミン(例えば、-NH-、-N(C1-6アルキル)-)、アミド(例えば、-NHC(O)-、-N(C1-6アルキル)C(O)-)、チオアミド(例えば、-NHC(S)-、-N(C1-6アルキル)C(S)-)、エーテル(-O-)、エステル(-OC(O)-)、チオエステル(-OC(S)-)、スルフィド(-S-)、スルホキシド(-S(O)-)、スルホン(-S(O)2-)、スルホンアミド(例えば、-NHS(O)2-、-N(C1-6アルキル)S(O)2-)、シリル、アルキルオルトシリケート(例えば、-OSi(OC1-6アルキル)2O-)、カルバメート(例えば、-NHC(O)O-、-N(C1-6アルキル)C(O)O-)、尿素(例えば、-NHC(O)NH-、-N(C1-6アルキル)C(O)NH-、-N(C1-6アルキル)C(O)N(C1-6アルキル)-)、ヒドラジド(例えば、-NHNHC(O)-)、グアニジン(例えば、-NHC(NH)=N-)、及びリン酸エステル(例えば、-OP(O)(OC1-6アルキル)O-)を含みうる。従って、L1は、ヘテロ原子含有官能基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレン、アリーレン(例えば、フェニレン)、及びヘテロアリーレン基を含む1つ又は複数の共有結合した部分を含みうる。例えば、L1は、C2-10アルキレン、-NH-、-NHC(O)-、シリル、及びOCH2CH(OC(O)C1-4アルキル)CH2O-からなる群から独立して選択される1つ又は複数の共有結合した部分を含みうる。L1は、シリル基に結合したC11-39アルキレンであってもよく、シリル基は固体支持体材料に結合しており、ここでC11-39アルキレンの2~6つのメチレン単位は-NH-、-O-又はNHC(O)-で置換され、C11-39アルキレンは任意に-OC(O)CH3で置換される。L1は、L1a-L1bであってもよく、ここでL1aは固体支持体材料に結合している。L1aは、-シリル-C2-4アルキレン-NH-C2-10アルキレン-NH-であってもよい。L1aは、-シリル-C2-4アルキレン-NH-C3-10シクロアルキレン-NH-であってもよい。L1aは、-シリル-C2-4アルキレン-C(O)NH-C2-10アルキレン-NH-であってもよい。L1aは、-シリル-C2-4アルキレン-NH-C(O)C2-10アルキレン-C(O)NH-C2-10アルキレン-NH-であってもよい。L1aは、-シリル-C2-4アルキレン-NHC(O)NH-C2-10アルキレン-NH-であってもよい。L1bは、-C(O)C1-10アルキレン-であってもよい。L1は、-シリル-C2-4アルキレン-NH-C2-10アルキレン-NHC(O)-C2-10アルキレン-又はシリル-C2-4アルキレン-OCH2CH(OC(O)CH3)CH2OC(O)NH-C2-10アルキレン-NHC(O)-C2-10アルキレン-であってもよい。L1は、-シリル-(CH2)3-NH-(CH2)6-NHC(O)-(CH2)5-又はシリル-(CH2)3-OCH2CH(OC(O)CH3)CH2OC(O)NH-(CH2)6-NHC(O)-(CH2)5-であってもよい。
【0048】
[0049]L
1が末端シリル基を含む場合、シリル基は、Si-L
1*がL
1である(すなわち、L
1*が、L
1からその原子の12~40員の連続線状配列の1員(すなわち、シリル)を除いたものを表す)、次式に示されるCPGなどの固体支持体上の酸素原子に結合しうる。
【化15】
固体支持材料に対するシリルの他の結合配置が可能であり、例えば、
【化16】
である。
【0049】
[0050]L
2は、各出現時に、独立して、-(CH
2CH
2O)
m-、-(CHCH
3CH
2O)
m-、又は(CH
2CHCH
3O)
m-であり、ここでmは、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、すなわち式(I)の固体支持体は、
【化17】
である。好ましく、L
2は、-(CH
2CH
2O)
m-である。好ましくは、mは6である。
【0050】
[0051]さらに説明すると、式(I)の官能化固体支持体は、例えば、
【化18】
を含む。
【0051】
[0052]R1は、各出現時に、独立してR1a又はOR1aであり、ここでR1aは、各出現時に、独立してC1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、又はC5-10シクロアルケニルであり、ここでR1aはハロゲン(例えば、フルオロ)、シアノ、オキソ、OH、-OC1-4アルキル、-OC1-4ハロアルキル、又はC3-6シクロアルキルからなる群から独立して選択される1~6つの置換基で任意に置換され、C3-6シクロアルキルは、ハロゲン(例えば、フルオロ)又はC1-4アルキルで任意に置換される。R1は、各出現時に、独立して、C1-4アルキル、-OC1-4アルキル、又はOCH2CH2CNであってもよい。R1は、各出現時に、独立して、-CH3、-CH2CH3、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH(CH3)2、又はOCH2CH2CNであってもよい。
【0052】
[0053]G1は水素であってもよく、すなわち、式(I)は右側がヒドロキシ基で終端する。
【0053】
[0054]G1はPG1であってもよく、ここでPG1はヒドロキシ保護基である。ヒドロキシ保護基は、PGM Wuts及びTW Greene、GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisと題する書籍(第4版)、John Wiley & Sons、NY(2006)に記載されているように、当技術分野でよく知られており、参照により本明細書にその全体が組み込まれている。適切なヒドロキシ保護基は、例えば、トリチル基(例えば、トリチル、ジメトキシトリチル、メトキシトリチル)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、p-メトキシベンジル、β-メトキシエトキシメチル(MEM)、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル、ピバロイル、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、シリル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、メチル、及びエトキシエチルを含む。
【0054】
[0055]G1は、-P(O)(R1)-L3-R2であってよく、ここでR1、R2、及びL3は本明細書に記載されている通りである。
【0055】
[0056]L3は、-(OCH2CH2)p-、-(OCHCH3CH2)p-、-(OCH2CHCH3)p-、-OC2-10アルキレン-、-OC0-4アルキレン-C3-10シクロアルキレン-C0-4アルキレン-、又はOC0-4アルキレン-フェニレン-C0-4アルキレン-であり、ここでL3中のアルキレンは、1~6つのハロゲン(例えば、フルオロ)で任意に置換され、シクロアルキレン及びフェニレンは、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、シアノ、-OC1-4アルキル、及びOC1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換され、pは3,4,5,6,7,8,9、又は10である。好ましくは、pは6である。
【0056】
[0057]L3は、-(OCH2CH2)p-、例えば、-(OCH2CH2)6-であってもよい。
【0057】
[0058]L3は、-OC2-10アルキレン-、例えば-OC4-8アルキレン-、-OC6アルキレン-、又はO(CH2)6-であってもよい。
【0058】
[0059]R2は-NR2aR2bであり、ここでR2aは水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、又はC1-3アルキレン-C3-6シクロアルキルであり、R2bは、水素、PG2、C(O)-L4-OH、C(O)-L4-OPG3、C(O)-L4-G1a、C(O)-L5-H、C(O)-L5-PG1、C(O)-L5-P(O)(R1)-G1a、C(O)-L5-P(O)(OH)-G1a、又はC(O)-L6-G1aであり、又はR2a及びR2bは、それらが結合する窒素と一緒になって保護窒素原子を形成する(例えば、フタルイミド)。
【0059】
[0060]R2a及びR2bは、それぞれ水素であってもよい(すなわち、R2がNH2である)。
【0060】
[0061]R2aは、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、又はC1-3アルキレン-C3-6シクロアルキルであってもよく、ここでR2bは、PG2であり、PG2は、アミノ保護基である。アミノ保護基は、PGM Wuts及びTW Greene、GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisと題する書籍(第4版)、John Wiley & Sons、NY(2006)に記載されているように、当技術分野でよく知られている。適切なアミノ保護基は、例えば、カルボベンジルオキシ(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MeOZ)、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、カルバメート、p-メトキシベンジル(PMB)、3,4-ジメトキシベンジル(DMPM)、p-メトキシフェニル(PMP)、トシル、及びトリクロロエチルカルボニル(Troc)を含む。R2aは水素であってもよく、ここでR2bはPG2であり、PG2は好ましくはBOCである。
【0061】
[0062]R2aは水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、又はC1-3アルキレン-C3-6シクロアルキルであってもよく、R2bは、C(O)-L4-OH、C(O)-L4-OPG3又はC(O)-L4-G1aであり、L4は、C(O)又はL7-C(O)である。従って、L4は、C(O)部分によって、OH、OPG3、及びG1aに結合する。R2bは、C(O)-C(O)-OH、C(O)-C(O)-OPG3、又はC(O)-C(O)-G1aであってもよい。あるいは、L4がL7-C(O)である場合、R2bは、C(O)-L7-C(O)-OH、C(O)-L7-C(O)-OPG3、又はC(O)-L7-C(O)-G1aであってもよい。R2aは水素であってもよく、ここでR2bは、C(O)-L4-OH、C(O)-L4-OPG3、又はC(O)-L4-G1aであり、ここでL4は、本明細書に示されるか記載される通りである。
【0062】
[0063]L7は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素及びハロゲンからなる群から選択される原子からなる2価の化学的リンカーであり、ここで(a)2価のリンカーの原子は、任意に置換された鎖、任意に置換された環又は任意に置換された鎖(複数可)及び環(複数可)の組み合わせを形成するように配置されており、(b)鎖(複数可)、環(複数可)、又はそれらの組み合わせは、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素からなる群から選択される原子の1~20員の連続線状配列を含む。L7の原子の1~20員の連続線状配列は、L1に類似する切れ目のない原子列を指す。
【0063】
[0064]L7上の任意の置換基は、ハロゲン(例えば、フルオロ)、C1-6アルキル(例えば、メチル)、C1-6ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、オキソ(すなわち、=O)、チオン(すなわち、=S)、OH、-OC1-6アルキル(例えば、メトキシ)、-OC3-6シクロアルキル、-OCH2C3-6シクロアルキル、-OC(O)C1-6アルキル(例えば、-OC(O)CH3)、-OC(O)C3-6シクロアルキル、-OC(O)CH2C3-6シクロアルキル、C1-6ヒドロキシアルキル及びC1-6アルコキシC1-6アルキル(例えば、-CH2CH2OCH3)を含む。L7上の任意の置換は、L7が分岐構造を有することを可能にする。
【0064】
[0065]L7は、その任意の置換基とともに、様々な官能基、例えば、アミン(例えば、-NH-、-N(C1-6アルキル)-)、アミド(例えば、-NHC(O)-、-N(C1-6アルキル)C(O)-)、チオアミド(例えば、-NHC(S)-、-N(C1-6アルキル)C(S)-)、エーテル(-O-)、エステル(-OC(O)-)、チオエステル(-OC(S)-)、スルフィド(-S-)、スルホキシド(-S(O)-)、スルホン(-S(O)2-)、スルホンアミド(例えば、-NHS(O)2-、-N(C1-6アルキル)S(O)2-)、シリル、アルキルオルトシリケート(例えば、-OSi(OC1-6アルキル)2O-)、カルバメート(例えば、-NHC(O)O-、-N(C1-6アルキル)C(O)O-)、尿素(例えば、-NHC(O)NH-、-N(C1-6アルキル)C(O)NH-、-N(C1-6アルキル)C(O)N(C1-6アルキル)-)、ヒドラジド(例えば、-NHNHC(O)-)、グアニジン(例えば、-NHC(NH)=N-)、及びリン酸エステル(例えば、-OP(O)(OC1-6アルキル)O-)を含みうる。従って、L7は、ヘテロ原子含有官能基、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレン、アリーレン(例えば、フェニレン)、及びヘテロアリーレン基を含む1つ又は複数の共有結合した部分を含みうる。
【0065】
[0066]L
4は、-C
0-4アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、-C
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、又は
【化19】
であってもよく、ここで、フェニレンは、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル、及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている。L
4に関する先の選択肢の各々は、-C
0-4アルキレン-C(O)-の-C
0-C(O)-を除き、L
4がL
7-C(O)であることに対応する。従って、これらの例におけるL
7は、-C
1-4アルキレン-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-、-フェニレン-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-、-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-、-C
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-、又は
【化20】
である。L
4の結合配置をさらに説明すると、C(O)-L
4-G
1aは、C(O)-C
0-4アルキレン-C(O)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-G
1a、C(O)-フェニレン-C(O)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-G
1a、C(O)-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-G
1a、又は
【化21】
であってもよい。
【0066】
[0067]L
4は、-C(O)-であってもよく、又はL
4は-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化22】
であってもよく、すなわち、L
7は、-CH
2-、-(CH
2)
2-、-CH
2-O-CH
2-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-、
【化23】
であり、ここで、L
7基の連続線状原子配列は、太字で示されている。
【0067】
[0068]R
2bは、C(O)-L
4-OH又はC(O)-L
4-OPG
3であってもよく、ここで、L
4は、-C(O)-であるか、又はL
4は、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化24】
である。
【0068】
[0069]PG3はカルボン酸保護基である。カルボン酸保護基は、PGM Wuts及びTW Greene、GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisと題する書籍(第4版)、John Wiley & Sons、NY(2006)に記載されているように、当技術分野でよく知られている。適切なカルボン酸保護基は、例えば、メチル、ベンジル、tert-ブチル、2,6-二置換フェノール(例えば、2,6-ジメチルフェノール、2,6-ジイソプロピルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)及びシリルを含む。
【0069】
[0070]G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、R
2が-NR
2aR
2bであり、R
2bがC(O)-L
4-OH、C(O)-L
4-OPG
3、又はC(O)-L
4-G
1aである、式(I)の官能化固体支持体は、それぞれ式(I-A)、(I-B)及び(I-C)を有し、ここでA、L
1、L
2、L
3、L
4、R
1、R
2a、PG
3、n及びG
1aは、本明細書に定義される通りである。
【化25】
【0070】
[0071]例えば、官能化固体支持体である式(I-A)、(I-B)及び(I-C)では、L
1が-シリル-(CH
2)
3-NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-又はシリル-(CH
2)
3-OCH
2CH(OC(O)CH
3)CH
2OC(O)NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-であり、L
2が-(CH
2CH
2O)
6-であり、nは4~7であり、L
3は-O(CH
2)
3-であり、R
1は、各出現時に、独立して、-CH
3、-CH
2CH
3、-OCH
3、-OCH
2CH
3、-OCH(CH
3)
2、又はOCH
2CH
2CNであり、R
2aは、水素であり、L
4は、本明細書で定義される通りであり、例えば、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化26】
であり、PG
3及びG
1aは、本明細書に定義されている通りである。
【0071】
[0072]さらに例えば、官能化固体支持体である式(I-A)、(I-B)及び(I-C)では、L
1が-シリル-(CH
2)
3-NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-又はシリル-(CH
2)
3-OCH
2CH(OC(O)CH
3)CH
2OC(O)NH-(CH
2)
6-NHC(O)-(CH
2)
5-であり、L
2は-(CH
2CH
2O)
6-であり、nは4~7であり、L
3は-(OCH
2CH
2)
6-であり、R
1は、各出現時に、独立して、-CH
3、-CH
2CH
3、-OCH
3、-OCH
2CH
3、-OCH(CH
3)
2、又はOCH
2CH
2CNであり、R
2aは、水素であり、L
4は、本明細書で定義される通りであり、例えば、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化27】
であり、PG
3及びG
1aが、本明細書に定義されている通りである。
【0072】
[0073]R2aは、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、又はC1-3アルキレン-C3-6シクロアルキルであってもよく、ここでR2bは、C(O)-L5-H、C(O)-L5-PG1、C(O)-L5-P(O)(R1)-G1a、又はC(O)-L5-P(O)(OH)-G1aであり、L5は、L7-Oであり、ここでL7は、本明細書に定義されている通りである。従って、L5(L7-O)は、L5の右側の酸素原子によって、H、PG1、P(O)(R1)-G1a、及びP(O)(OH)-G1aに結合する。
【0073】
[0074]L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5b又はL
5a-L
5bであってもよく、ここでL
5aは、-C
0-4アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、又はC
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-であり、L
5bは、
【化28】
、-(CH
2)
1-10-O-,又は(CH
2CH
2O)
2-6-であり、R
10は、フェニル、C
1-10アルキル、又はC
1-10ハロアルキルであり、ここでフェニレン及びフェニルは、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている。L
5の結合配置をさらに説明すると、C(O)-L
5-P(O)(R
1)-G
1aは、C(O)-L
5a-L
5b-P(O)(R
1)-G
1aであってもよく、これは次にC(O)-C
0-4アルキレン-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)-C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-フェニレン-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、C(O)-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1a、又はC(O)-C
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-L
5b-P(O)(R
1)-G
1aであってよく、ここで、-L
5b-P(O)(R
1)-G
1aは、
【化29】
、-(CH
2)
1-10-O-P(O)(R
1)-G
1a、又は(CH
2CH
2O)
2-6-P(O)(R
1)-G
1aであり、R
10は、フェニル、C
1-10アルキル又はC
1-10ハロアルキルである。
【0074】
[0075]L
5b基
【化30】
は、フタルイミド基の除去に続いて、3’末端アミノ基を有するオリゴヌクレオチドの調製に有用である。
【0075】
[0076]L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5b又はL
5a-L
5bであってもよく、ここでL
5aは、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)、
【化31】
であり、
L
5bは
【化32】
-CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である。
【0076】
[0077]L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5bであってもよく、ここで、L
5bは、
【化33】
、-(CH
2)
1-10-O-、又は(CH
2CH
2O)
2-6-であり、フェニルは、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル、及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている。L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5bであってもよく、ここで、L
5bは、
【化34】
、-CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である。
【0077】
[0078]L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5a-L
5bであってもよく、ここで、L
5aは、-C
0-4アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-N(C
1-3アルキル)C(O)-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-O-C
1-3アルキレン-C(O)-、-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、-C
1-3アルキレン-O-フェニレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-、又はC
1-3アルキレン-C(O)NH-フルオレン-C
1-3アルキレン-O-C(O)-であり、L
5bは、
【化35】
であり、R
10は、フェニル、C
1-10アルキル、又はC
1-10ハロアルキルであり、ここで、フェニレン及びフェニルは、NO
2、-OC
1-4アルキル、ハロゲン、C
1-4アルキル及びC
1-4ハロアルキルからなる群から独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されている。L
5(すなわち、L
7-O)は、L
5a-L
5bであってもよく、ここで、L
5aは、-C(O)-、-CH
2-C(O)-、-(CH
2)
2-C(O)-、-CH
2-O-CH
2-C(O)-、-CH
2-N(CH
3)C(O)-(CH
2)
2-C(O)-、
【化36】
であり、
L
5bは、
【化37】
である。
【0078】
[0079]従って、例えば、L
5(すなわち、L
7-O)は、
【化38】
、-CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-であってよく、ここで、L
5のL
7部分の連続線状原子配列が、太字で示されている。
【0079】
[0080]R
2bは、C(O)-L
5-H又はC(O)-L
5-PG
1であってもよく、ここで、PG
1は本明細書で定義される通りであり、L
5は、
【化39】
、-CH
2-O-、-(CH
2)
3-O-、又は(CH
2CH
2O)
4-である。
【0080】
[0081]R
2bは、C(O)-L
6-G
1aであってもよく、ここで、G
1aは本明細書で定義される通りであり、L
6はL
7-Si(C
1-4アルキル)
2であり、L
7は本明細書で定義される通りである。例えば、L
6は、
【化40】
であってもよく、すなわち、L
7は、
【化41】
である。例えば、L
6は、
【化42】
であってもよい。L
6の結合を説明するために、C(O)-L
6-G
1aは、
【化43】
であってもよい。
【0081】
[0082]G1aは、ヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分であり、これらの部分は、それぞれのヌクレオチド又はヌクレオシドからその結合点における水素を除いたものにそれぞれ対応する。ヌクレオチドは、モノヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド(すなわちポリヌクレオチド)の両方を指す。ヌクレオシドは、定義上、ヌクレオシド1残基に限定される。ヌクレオチド及びヌクレオシドは、デオキシリボヌクレオチド/デオキシリボヌクレオシド及びリボヌクレオチド/リボヌクレオシドを含む。
【0082】
[0083]オリゴヌクレオチドは、DNAオリゴヌクレオチド、RNAオリゴヌクレオチド、又はアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、アンチセンスRNA)であってもよい。
【0083】
[0084]ヌクレオチド及びヌクレオシドは、遊離(非保護)、修飾ヌクレオチド及びヌクレオシド、ならびにヌクレオチド及びヌクレオシドの保護バージョンを含む。
【0084】
[0085]修飾ヌクレオチド又はヌクレオシドは、ポリヌクレオチドの場合、核酸塩基、糖、又はヌクレオチド間結合上に化学修飾又は置換を有する分子を含み、例えば、Ann. Rev. Biochem. Rev. Biochem. 1998、67:99~134ページ; Int. J. Mol. Sci. 2017、18(8)、1683ページ; Curr. Opin. Biotechnol. 1995、6:12~19ページ;及びTetrahedron 1993、49(28)、6123~6194ページに記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ヌクレオチド間結合の修飾は、ホスホロチオエート、N3’-O5’ホスホロアミデート、O3’-N5’ホスホロアミデート、3-ホスホロチオレート、5’-ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート及びトリアゾールを含みうる。
【0085】
[0086]ヌクレオチド及びヌクレオシドは、公知のプリン及びピリミジン塩基だけでなく、修飾されたプリン及びピリミジン塩基ならびに修飾された他のヘテロ環塩基を含む部分(これらの部分は、総称して「プリン及びピリミジン塩基ならびにその類似体」と呼ばれることがある)を含む。このような修飾は、メチル化プリン又はピリミジン、アシル化プリン又はピリミジンなどを含む。核酸塩基の修飾は、例えば、デアザプリン、N-1-メチルグアノシン、イソグアニン、2-アミノプリン、1,3-ジアザ-2-オキソフェノチアジン、1,3-ジアザ-2-オキソフェノキサジン、7-ニトロ-1,3-ジアザ-2-オキソフェノチアジン、2,6-ジアミノプリン、プリン、6-チオグアニン、ヒポキサンチン、2-ピリミジノン、2-ピリドン、4-チオウリジン、イミダゾール-4-カルボキサミド、N-置換5-(カルボキシアミド)ウリジン、例えば、5-(N-ベンジルカルボキシアミド)-ウリジン、5-フルオロ-デオキシウリジンを含みうる。
【0086】
[0087]糖の修飾は、例えば、脱塩基ヌクレオチド/ヌクレオシド、4’-カルボシクロ類似体、4’-チオ類似体、4’アミノ類似体、及びフルオロ、アミノ、メトキシ、アリルオキシなどの2’-置換糖類、例えば、
【化44】
を含みうる。
【0087】
[0088]さらなる修飾ヌクレオチド又はヌクレオシドは、スペーサーユニットを介して結合されうる蛍光標識又は蛍光消光剤などの非放射性標識での置換を含む。蛍光体のクラスは、キサンテン(例えば、フルオレセイン、ローダミン)、シアニン(例えば、シアニン3、3.5、5、5.5)、及びボロンジピロメテン(BODIPY(商標)染料)を含む。蛍光消光剤のクラスは、アゾ消光剤(例えば、ダブシル、IOWA BLACK(登録商標)FQ)及びアントラキノン消光剤(例えば、IOWA BLACK(登録商標)RQ)を含む。蛍光標識及び消光剤は、核酸塩基又は糖の3’-もしくは5’-位から離れて結合されうる。例えば、
【化45】
【0088】
[0089]追加のヌクレオチド/ヌクレオシド修飾は、当業者によく知られており、例えば、ポリエチレングリコール基、コレステロール基、ビオチン基、脂質基、及びアミノ、アルデヒド、カルボン酸、及びアルキンなどの種々の官能基による置換がある。
【0089】
[0090]保護基は、ヌクレオチド又はヌクレオシドの糖又は核酸塩基部分の酸素原子又は窒素原子上に存在しうる。保護基はまた、ヌクレオチドのリン酸部分の酸素上に存在しうる。ヌクレオチド及びヌクレオシドの保護基は、当技術分野でよく知られている。
【0090】
[0091]代表的な保護基は、Beaucage, S. L.; Uyer, R. P.、「Advances in the Synthesis of oligonucleotides by the Phosphoramidite Approach」、Tetrahedron、1992、48、2223~2311ページによって開示され、この論文は参照により完全に組み込まれている。酸性又は中性条件下で除去することができる例示的な保護基は、トリチル(Tr)、ジメトキシトリチル(DMTr)、モノメトキシトリチル、9-フェニルキサンテン-9-イル(Pixyl)、9-(p-メトキシフェニル)キサンテン-9-イル(Mox)及び4,4’、4”-トリス-tert-ブチルトリチル(TTTr)を含む。中性条件下で除去することができる例示的な保護基は、塩基に不安定な保護基、例えばアシル基又はアロイル基である。
【0091】
[0092]核酸塩基上の外環式アミノ基は、アシル化により保護されうる。ベンゾイル基は、アデニンとシトシンの両方を保護するために使用され、イソブチリル基とジメチルホルムアミジル基は、グアニンを保護するために使用されうる。他の代替的な保護基、例えば、アデニンのアミノ基にはフェノキシアセチル、フタロイル又はジ-N-ブチルアミノメチレン、シトシンにはアセチル、及びグアニンにはイソプロピルフェノキシアセチルが知られている。
【0092】
[0093]当業者が認めるように、5’-ヒドロキシル又は3’-ヒドロキシル基は、典型的にはトリフェニルメチル(トリチル)、4-メトキシトリフェニルメチル(メトキシトリチル)、又は4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル(ジメトキシトリチル)で保護される。ジメトキシトリチル保護基が一般的には好ましい。2’-ヒドロキシ保護基は、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2000第3.5章の「Strategies for Oligoribonucleotide Synthesis According to the Phospharamidite Method」に記載のシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル)、アセタールなどを含む。リン酸保護基としては、2-シアノエチル基及びメチル基を含む。
【0093】
[0094]G1aのヌクレオチド又はヌクレオシド部分は、ヌクレオチド又はヌクレオシド部分中の3’又は5’酸素原子を介して式(I)の親分子部分に結合する。
【0094】
[0095]例示の目的で、R
2bがC(O)-L
7-C(O)-G
1aである、G
1aの3’酸素に結合した式(I)の官能化固体支持体の例は、
【化46】
であってもよく、ここでA、L
1、L
2、L
3、L
7、R
1、R
2a及びnは、本明細書に定義されている通りである。
【0095】
[0096]R
2bがC(O)-L
5a-L
5b-P(O)(R
1)-G
1aである、G
1aの3’酸素に結合した式(I)の官能化固体支持体のさらなる例は、
【化47】
であってもよく、ここでA、L
1、L
2、L
3、L
5a、L
5b、R
1、R
2a、及びnは、本明細書に定義されている通りである。
【0096】
[0097]R
2bがC(O)-L
6-G
1aであり、L
6がL
7-Si(C
1-4アルキル)
2である、3’酸素に結合した式(I)の官能化固体支持体のさらなる例は、
【化48】
であってもよく、ここでA、L
1、L
2、L
3、L
7、R
1、R
2a、及びnは本明細書に定義されている通りである。
【0097】
[0098]G
1aの代表的な例は、
【化49】
を含む。
【0098】
[0099]本発明の化合物の実施形態及び説明を通じて、ハロアルキルのすべての例はフルオロアルキルであってもよい(例えば、任意のC1-4ハロアルキルは、C1-4フルオロアルキルであってもよい)。
【0099】
[00100]化合物は、非対称中心又はキラル中心が存在する立体異性体として存在しうる。立体異性体は、キラル炭素原子の周りの置換基の配置に依存して「R」又は「S」である。本明細書で使用される用語「R」及び「S」は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E、Fundamental Stereochemistry、Pure Appl. Chem.、1976、45:13-30ページで定義されるような構成である。本開示は、様々な立体異性体及びその混合物を検討し、これらは特に本発明の範囲に含まれる。立体異性体は、エナンチオマー及びジアステレオマー、ならびにエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物を含む。化合物の個々の立体異性体は、非対称中心又はキラル中心を含む市販の出発物質から合成的に、又はラセミ混合物の調製に続いて当業者によく知られている分離方法によって調製されうる。これらの分離方法は、(1)Furniss、Hannaford、Smith、及びTatchell、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第5版(1989)、Longman Scientific & Technical、Essex CM20 2JE、Englandに記載されるように、エナンチオマーの混合物をキラル補助剤に結合し、得られたジアステレオマーの混合物を再結晶又はクロマトグラフィーにより分離し、任意に光学的に純粋な生成物を補助剤から遊離させること、又は(2)光学エナンチオマーの混合物のキラルクロマトカラムでの直接分離、又は(3)分別再結晶法によって例示される。
【0100】
[00101]化合物は、互変異性体、ならびに幾何異性体を有してもよく、これらも本発明の一態様を構成することを理解されたい。
【0101】
[00102]本開示は、1つ又は複数の原子が、自然界で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されている同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素、例えば、これらに限定されないが、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clである。重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増加又は投与量要件の減少から生じるある種の治療上の利点をもたらすことが可能であり、従って、ある状況下では好ましい場合がある。化合物は、受容体の分布を決定するための医療画像及び陽電子放出断層撮影(PET)研究のための陽電子放出同位体を組み込みうる。式(I)の化合物に組み込むことができる適切な陽電子放出同位体は、11C、13N、15O、及び18Fである。式(I)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来の技術によって、又は非同位体標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて添付の実施例に記載されているものと類似の方法によって調製することができる。
【0102】
[00103]開示された化合物は、塩として存在しうる。塩は、化合物の最終的な単離及び精製中に、又は化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることによって別々に調製されうる。例えば、化合物は、これらに限定されないが、メタノール及び水などの適切な溶媒に溶解し、塩酸のような少なくとも1当量の酸で処理されうる。得られた塩は、析出し、濾過により単離され、減圧下で乾燥されうる。あるいは、溶媒及び過剰の酸は、減圧下で除去されて、塩を提供しうる。代表的な塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などを含む。また、化合物のアミノ基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリル等の塩化、臭化、及びヨウ化アルキルで4級化されていてもよい。
【0103】
[00104]塩基性付加塩は、カルボキシル基と、適切な塩基、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、又は有機第1級、第2級、又は第3級アミンとを反応させることにより、開示化合物の最終分離及び精製の際に調製されうる。第4級アミン塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどから得られるものを調製することができる。
【0104】
B.合成の方法
[00105]本発明の態様は、式(I)の官能化固体支持体を調製するための方法を提供する。式(I)の官能化支持体は、ヌクレオチド又はヌクレオシド部分で置換された支持体、及びヌクレオチド又はヌクレオシド部分で置換された支持体を調製するための化学的中間体である支持体を含む。ある種の化学中間体支持体は、他の化学中間体支持体を調製するために反応させることができる。ヌクレオチド又はヌクレオシド部分を有する官能化支持体はまた、Biochem.Soc.Trans.Soc. Trans. 2011、39、575~580ページ;及び「Synthesis of Unmodified Oligoribonucleotides」、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2000、Chapter 3(この各セクションは、参照により本明細書に組み込まれる)に記載のようなよく知られているオリゴヌクレオチド合成技術を使用して、オリゴヌクレオチドを調製するために反応させることができる。オリゴヌクレオチドは、確立されたプロトコルを用いて、本発明の固体支持体から開裂されうる。
【0105】
[00106]本発明の一態様は、
G
1がPG
1であり、nが1である、式(I)の中間体の合成であって、(a)式(II)の官能化固体支持体を、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである式(III)
【化50】
の化合物と反応させて、式(IV)
【化51】
の官能化固体支持体を提供するステップ、ならびに
(b)式(IV)の官能化固体支持体を酸化して、A、L
1、L
2、R
1、及びPG
1が、本明細書に定義される通りである、以下の式(I-a)
【化52】
の官能化固体支持体を提供するステップ、
を含む、合成を提供する。ステップ(a)及び(b)は、標準的なホスホロアミダイトカップリング及び酸化手順を用いて実施されうる。
【0106】
[00107]式(I-a)の官能化支持体は、保護基PG
1を除去するためにステップ(c)で適切な試薬と反応して、以下の式(I-b)
【化53】
の官能化固体支持体を提供しうる。
【0107】
[00108]式(I-b)の官能化支持体は、ステップ(d)での式(III)の化合物との反応により追加の化学中間体に変換して、式(IV-A)
【化54】
の官能化固体支持体を提供しえて、(e)式(IV-A)の官能化固体支持体を酸化して、A、L
1、L
2、R
1、及びPG
1が、本明細書に定義される通りである、式(I-c)
【化55】
の官能化固体支持体を提供しうる。ステップ(d)及び(e)は、標準的なホスホロアミダイトカップリング及び酸化手順を用いて実施されうる。
【0108】
[00109]式(I-c)は、ステップ(f)で保護基PG
1を除去するように反応して、式(I-c1)を提供し、得られたアルコールは、ステップ(d)及び(e)、又は(d)、(e)及び(f)に従ってさらに反応して、式(I)の官能化固体支持体を提供しえて、ここでG
1は水素又はPG
1であり、nは3~20の整数である。特定の配列の末端でのPG
1の除去は、式(I-c2)
【化56】
を提供する。
【化57】
【0109】
[00110]スキーム1に示されるのは、特定のA、L1、L2、及びG1基を有するステップ(a)~(f)の実施を示す代表的な合成である。
【0110】
[00111]本発明の別の態様は、G
1が水素である、ステップ(g)で、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである、式(V-a)
【化58】
の化合物との反応により、式(I)の本発明のさらなる中間体の調製を実施して、
式(VI-a)
【化59】
の官能化固体支持体を提供し、
(h)式(VI-a)の官能化固体支持体を酸化して、A、L
1、L
2、L
3、R
1、R
2a、n、及びPG
2が本明細書に定義される通りである(すなわち、式(I)で、G
1が-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、R
2がNR
2aR
2bであり、R
2bがPG
2である)、式(I-d)
【化60】
の官能化固体支持体を提供する。いくつかの実施形態では、R
2aは水素である。ステップ(g)及び(h)は、標準的なホスホロアミダイトカップリング及び酸化手順を用いて実施されうる。
【0111】
[00112]式(I-d)の官能化支持体は、ステップ(i)で、保護基PG
2を除去するために適切な試薬と反応して、以下の式(I-e)
【化61】
の官能化固体支持体を提供しうる。いくつかの実施形態において、R
2aは水素である。
【化62】
【0112】
[00113]スキーム2に示されるのは、特定のA、L2、L3、及びR2b基を有するステップ(g)~(i)の実施を示す代表的な合成である。
【0113】
[00114]式(I-e)の官能化固体支持体(例えば、R
2aは水素である)は、無水コハク酸との反応により、本発明の追加の中間体を提供するようにさらに処理して、R
2bがC(O)-CH
2CH
2COOHである式(I)の官能化固体支持体を式(I-f)
【化63】
の形態で提供しうる。
【0114】
[00115]式(I-e)の官能化固体支持体(例えば、R
2aは水素である)は、式HO-C(O)-L
7-C(O)OH又はHO-C(O)-L
7-C(O)OPG
3の化合物との反応により、本発明の追加の中間体を提供するようにさらに処理して、R
2bがC(O)-L
7-C(O)OH又はC(O)-L
7-C(O)OPG
3である式(I)の官能化固体支持体を式(I-g)又は(I-h)
【化64】
の形態で提供しうる。式(I-h)は、当技術分野でよく知られているカルボン酸保護基を除去するための標準条件を用いて保護基PG
3を除去することにより式(I-g)に変換されうる。
【化65】
【0115】
[00116]スキーム3に示されるのは、特定のA、L2、L3、R2a、及びR2b基を有する式(I-e)、代表的な(i-e2)と無水コハク酸をカップリングして、(i-f1)を生成することを示す代表的な合成である。
【0116】
[00117]式(I-e)の官能化固体支持体(例えば、R
2aは水素である)は、式HO-C(O)-L
7-OH又はHO-C(O)-L
7-OPG
1の化合物との反応により、本発明の追加の中間体を提供するようにさらに処理されて、R
2bがC(O)-L
7-OPG
1又はC(O)-L
7-OHである(すなわち、R
2bがC(O)-L
5-PG
1又はC(O)-L
5-Hである)式(I)の官能化固体支持体を、式(I-i)及び(I-j)
【化66】
の形態で提供しうる。式(I-i)及び(I-j)で、L
7は、L
7-O-PG
1がエーテル部分であり、L
7-O-Hがアルコール部分であるように構成される。式(I-i)は、当技術分野でよく知られているアルコール保護基を除去するための標準条件を用いて保護基PG
1を除去することにより、式(I-j)に変換されうる。
【化67】
【0117】
[00118]スキーム4に示すのは、代表的なユニバーサルリンカーとアミドカップリングして式(i-i)を形成し、次いでアルコール脱保護して式(i-j)を提供する代表的な合成である。ユニバーサルリンカーは、当技術分野でよく知られており、Org. Process Res. Dev. (2008)12(3):399~410ページ;Nucleosides, Nucleotides, and Nucl. Acids (2010)29(11):867~878ページ;「Solid-Phase Supports for Oligonucleotide Synthesis」、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2000、第3章、セクション3.1;米国特許第6,770,754号;米国特許第7,202,264号;米国特許第7,491,817号;及び国際公開第2018/177881号パンフレットに記載されている。
【0118】
[00119]式(I-b)、(I-c1)、(I-c2)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、及び(I-j)の中間体は、さらに反応して、ヌクレオチド又はヌクレオシド部分G1aを有する式(I)の官能化固体支持体を調製しうる。
【0119】
[00120]集合的に式(I-c3)
【化68】
としての、式(I-b)、(I-c1)、及び(I-c2)は、標準的なホスホロアミダイトカップリング条件を使用して、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルである式(V-b)
【化69】
の化合物と反応して、式(VI-b)
【化70】
の官能化固体支持体を提供しえて、
式(VI-b)の官能化固体支持体を酸化して、A、L
1、L
2、L
3、L
4、R
1、R
2a、及びG
1aが本明細書で定義する通りである(すなわち、式(I)で、G
1は-P(O)(R
1)-L
3-R
2であり、R
2はNR
2aR
2bであり、R
2bはC(O)-L
4-G
1aである)、式(I-k)
【化71】
の官能化固体支持体を提供する。いくつかの実施形態では、R
2aは水素である。
【0120】
[00121]式(I-e)は、標準的なアミド結合形成条件を用いて、式HO-C(O)-L
4-G
1aの化合物と反応して、R
2bがC(O)-L
4-G
1aである式(I)の官能化固体支持体を式(I-k)の形態で提供しうる。
【化72】
【0121】
[00122]スキーム5に示されるのは、式(I)でヌクレオチド又はヌクレオシド部分G1a、及び特定のA、L3、R2a、及びR2b基を有する式(i-k)の官能化固体支持体の代表的な合成である。
【0122】
[00123]式(I-g)は、エステル形成条件下で3’又は5’OHでヌクレオシド又はヌクレオチドと反応して、式(IX-a)
【化73】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供しうる。式(I-f)の反応は、L
7が-CH
2CH
2-である式(IX-a)を提供する。
【0123】
[00124]式(I-j)は、R
20及びR
21が独立してC
1-6アルキルであり、G
1aがヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分である、式(VII)
【化74】
の化合物と反応して、式(VIII-a)の
【化75】
官能化固体支持体を提供しえて、
式(VIII-a)の官能化固体支持体を酸化して、式(X-a)
【化76】
を有する式(I)の官能化固体支持体を提供する。
【化77】
【0124】
[00125]スキーム6に示されるのは、式(I)でヌクレオチド又はヌクレオシド部分G1a、及び特定のA、L5、R2a、及びR2b基を有する式(X-a)の官能化固体支持体の代表的な合成である。
【0125】
[00126]本発明の別の態様は、(a)式(I)の官能化固体支持体を1つ又は複数のサイクルのヌクレオチド付加化学に付すステップであって、G1が、-P(O)(R1)-L3-R2であり、R2が、-NR2aR2bであり、R2bが、C(O)-L4-G1a、C(O)-L5-P(O)(R1)-G1a、又はC(O)-L6-G1aであり、G1aが、ヌクレオチド部分又はヌクレオシド部分であり、ヌクレオチド部分及びヌクレオシド部分が、単一のヌクレオチド又はヌクレオシド残基を含む、ステップ、ならびに
(b)式(I)の官能化固体支持体を得るステップであって、G1が、-P(O)(R1)-L3-R2であり、R2が、-NR2aR2bであり、R2bが、C(O)-L4-G1a、C(O)-L5-P(O)(R1)-G1a、又はC(O)-L6-G1aであり、G1aが、オリゴヌクレオチド部分である、ステップ、
を含むオリゴヌクレオチドの合成方法を提供する。
【0126】
[00127]ヌクレオチド付加化学の1つ又は複数のサイクルは、ホスホロアミダイトを介するヌクレオチド付加の1つ又は複数のサイクルであってもよい。
【0127】
[00128]本発明の官能化固体支持体を用いて、オリゴヌクレオチドは、10,000塩基対当たり10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1未満の平均誤差及び/又は欠失率で調製されうる。
【0128】
[00129]オリゴヌクレオチド合成方法は、官能化固体支持体からオリゴヌクレオチド部分を開裂することをさらに含みうる。本方法は、開裂前に、オリゴヌクレオチド部分から1つ又は複数の保護基を除去することをさらに含みうる。本方法は、開裂後にオリゴヌクレオチドから1つ又は複数の保護基を除去することをさらに含みうる。
【0129】
[00130]本発明の官能化固体支持体は、当業者に公知の多くの技術及び合成プロトコルを用いて合成されうる。
【0130】
[00131]ホスホロアミダイトカップリングは、アセトニトリルなどの溶媒中で酸性アゾール触媒を用いた適切なホスホロアミダイトの活性化により、次いで過剰の活性化ホスファイトのアルコール反応相手との反応、及び中間体亜リン酸トリステルの酸化によって実施されうる。アゾール触媒は、「Coupling activators for the oligonucleotide synthesis via phosphoramidite approach」、Tetrahedron(2013)69(18)、3615~3637ページに記載されているように、1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1Hテトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、4,5-ジシアノイミダゾール、又は多数の類似化合物を含む。不安定な3価の亜リン酸トリエステルは、THF/ピリジン/水中で0.1M又は0.02Mのいずれかのヨウ素を使用することにより、安定な5価のリン酸トリエステルに酸化されうる。
【0131】
[00132]アミドカップリングは、よく知られた条件を用いて、例えば、THF、DMF、ジクロロメタン、酢酸エチル、又はDMSOなどの溶媒中で、場合によってはN-メチルモルホリン、ヒューニッヒ塩基、ピリジン、2,6-ルチジン、トリエチルアミンなどのアミン塩基を添加して、HATU、EDC、PyBOP、DCC、HBTU、又はTBTUなどのカップリング試薬を用いてアミンとカルボン酸を反応させることにより、実施して、生成物を提供しうる。例えば、室温程度でDMSO中、ジイソプロピルエチルアミン(3当量)の存在下で、アミン(1当量)を、酸(2.5当量)及びHATU(2.5当量)と反応させることである。
【0132】
[00133]アルコール及びアミン保護基を除去するための条件は、PGM Wuts及びTW Greene、GreeneのProtective Groups in Organic Synthesisと題する書籍(第4版)、John Wiley & Sons、NY(2006)に記載されているように、当技術分野でよく知られており、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、DMTr基は、ジクロロメタン(DCM)中の3%トリクロロ酢酸(TCA)、DCM中の3%ジクロロ酢酸(DCA)、又はトルエン中の5%DCAとの反応により除去されうる。アミンに対するBoc保護基は、DCM中のトリフルオロ酢酸(TFA)又はジオキサン/水混合物中のHClを使用して除去されうる。
【0133】
[00134]オリゴヌクレオチド合成は、所望の配列が組み立てられるまで、成長する鎖の5’-末端へのヌクレオチド残基の段階的付加によって実施されうる。各付加は合成サイクルと呼ばれ、一般に4つの化学反応:(1)脱ブロック化、(2)カップリング、(3)キャッピング、及び(4)酸化からなる。脱ブロック化は、5’-DMTr基の除去を含みうり、遊離の5’-末端ヒドロキシ基を有する固体支持体結合型前駆体を提供する。DMTr除去のための一般的な条件は、不活性溶媒(ジクロロメタン又はトルエン)中の2%トリクロロ酢酸(TCA)又は3%ジクロロ酢酸(DCA)などの酸の溶液との反応を含む。遊離の5’-ヒドロキシは、酸性アゾール触媒、1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1Hテトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、4,5-ジシアノイミダゾール、又は多くの同様の化合物で活性化されたアセトニトリル中でヌクレオシドのホスホロアミドとカップリングして、亜リン酸トリエステル結合を形成しうる。任意の未反応の5’-OHを有する分子は、次にアセチル化によってキャップされる。最後に、亜リン酸トリエステル結合は、典型的には弱塩基(例えば、ピリジン、ルチジン、コリン)の存在下でヨウ素と水を用いてリン酸トリエステルへと酸化される。あるいは、Appl. Sci. 2019、9、1357ページに記載されているように、オリゴヌクレオチド合成は、3’-方向で実施されうる。
【0134】
[00135]合成後、オリゴヌクレオチドは、支持体から開裂され、脱保護されうる。一般に、脱保護条件は、オリゴヌクレオチドに組み込まれた修飾タイプによって決定される。また、オリゴ骨格を合成するために使用した核酸塩基の保護によって決定することもできる。N-アシル塩基保護及びリン酸2-シアノエチル保護は、無機塩基又はアミンで処理することにより、同時に除去することができる。固体支持体結合型オリゴヌクレオチドは、有機溶媒中の塩基の溶液、例えばアセトニトリル中の50%トリエチルアミン又はアセトニトリル中の10%ジエチルアミンで処理することができる。従来の基で保護された標準的なDNA塩基(Bz-dA、Bz-dC、及びiBu-dG)は、水酸化アンモニウム溶液を用いて脱保護されうる。しかし、この脱保護は一般に遅く、すべての修飾に対応できるわけではない。Ac-dC及びdmf-dG、ならびに対応するRNA塩基は、28%(又はそれ以上)の水酸化アンモニウムと40%の水性メチルアミンの1:1混合物を使用してはるかに速く脱保護することが可能である。オリゴヌクレオチドが任意の2’-O-保護リボヌクレオチド残基を含む場合、脱保護プロトコルは、2’-O-保護シリル基が種々の方法によってフッ化物イオンで処理して除去される第2のステップを含む。完全に脱保護された生成物はそのまま使用するか、又は所望のオリゴヌクレオチドは多くの方法によって精製することができる。最も一般的には、粗生成物は、エタノール沈殿、サイズ排除クロマトグラフィー、又は逆相HPLCを用いて脱塩される。不要な切断産物を除去するために、オリゴヌクレオチドは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は陰イオン交換HPLC、その後、脱塩により精製することができる。オリゴヌクレオチドは、「DMT ON」で合成し、精製中又は精製後に最終的なジメトキシトリチル基を除去することができる。これを達成するために、最終的なホスホロアミダイトの添加後に、脱ブロックによる処理は行わない。オリゴは必要に応じて開裂され、脱保護される。精製時にDMTr基が残っている場合は、酸(水中80%酢酸)で処理することにより除去することができる。ユニバーサルリンカーを完全に除去するために、以下の1つを使用することができる。(1)水酸化アンモニウム水溶液、80℃で17時間;(2)(28%(又はそれ以上)水酸化アンモニウムと40%水性メチルアミンの1:1混合物)、80℃で5時間;又は(3)(28%(又はそれ以上)水酸化アンモニウムと40%水性メチルアミンの1:1混合物)、55℃で一晩。Qリンカーは、脱保護の際に、28%(又はそれ以上)水酸化アンモニウムと40%水性メチルアミンの1:1混合物と70℃で2.5時間反応させることにより除去することができる。
【0135】
[00136]本開示の化合物は、このセクションに記載された例示的な反応及び技術を使用して調製することができる。反応は、用いる試薬及び材料に適した溶媒で行われ、有効な変換に適している。また、後述の合成方法の説明において、溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験時間、及び精密検査手順を含む提案されたすべての反応条件は、その反応の標準的な条件として選択されており、当業者には容易に認識されるはずであると理解されるであろう。当業者は、本明細書に記載された条件の1つ又は複数を調整することができる。有機合成の技術に精通した者は、エディクト分子(edict molecule)の様々な部分に存在する官能性が、提案された試薬及び反応と適合しなければならないことを理解する。所与のクラスに入る本開示のすべての化合物が、記載された方法のいくつかで必要とされる反応条件のいくつかに適合するわけではない可能性がある。反応条件に適合する、置換基に対するそのような制限は、当業者には容易に明らかであり、代替方法を使用することができる。
【0136】
略号
Ac-dC=N-アセチル-2’-デオキシシチジン
Ac
2O=無水酢酸
aq.=水性
Bz-dA=ベンゾイル-2’-デオキシアデノシン
Bz-dC=ベンゾイル-2’-デオキシシチジン
conc.=濃縮
DCC=N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM=ジクロロメタン、CH
2Cl
2
DIPEA=ジ-イソプロピルエチルアミン
dmf-dG=N-ジメチルホルムアミジン-2’-デオキシグアノシン
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC=1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
eq=等量
EtOH=エタノール
EtOAc=酢酸エチル
Et
3N=トリエチルアミン
h=時間
HOAc=酢酸
HATU=1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HBTU=(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
iBu-dG=イソブチル-2’-デオキシグアノシン
MeCN=アセトニトリル
MeOH=メタノール
min=分
PyBop=ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Qリンカー=
【化78】
r.t.=室温
rt=室温
sat.=飽和
TBDMS=tert-ブチルジメチルシリル
TBTU=2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TMS=トリメチルシリル
wt.=重量
XantPhos=4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【実施例】
【0137】
実施例1.拡張リンカーCPG支持体の合成
[00137]スキーム7は、例示的な前駆体分子8の合成を示す。1000Åの孔径を有するLCAA CPGビーズを、過剰のε-カプロラクトン7と、トルエン中、還流で24時間反応させた。この生成された構造体8は、続くホスホロアミダイト化学の助けとなるアルコール系支持体を有する。
【化79】
【0138】
[00138]スキーム8に示すように、次に、1~4個のスペーサー18ホスホロアミダイトを、最大4サイクルの標準ホスホロアミダイト化学を用いてシアノエチル保護基9と結合し、拡張リンカーCPG10を生じた。
【化80】
【0139】
[00139]スキーム9に示すように、拡張リンカー10の脱保護後、次に、開裂可能な修飾dTホスホロアミダイト11を標準ホスホロアミダイト化学によって10に結合して、12を生成し、これに標準ホスホロアミダイト化学によって後続のヌクレオチドが結合して最終オリゴヌクレオチド生成物を生成させる。
【化81】
【0140】
実施例2.拡張リンカーCPG支持体構造を使用するオリゴ合成のカップリング効率
[00140]化合物12として一般的なタイプの官能化支持体を用いて、10,000bp当たり3未満の誤差及び欠失率でオリゴヌクレオチドを生成した。
実施例3.拡張リンカーCPG支持体の合成
[00141]拡張リンカーCPGのさらなる実施形態は、保存期間を延長し、分岐及び副反応を抑制するためのスペーサー18の修飾を含む。例えば、スペーサー18アミダイトは、シアノエチル保護基を、非開裂性又はより安定な基、例えばメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、及びイソプロポキシで置き換えるように修飾することができる。
【0141】
[00142]これらの修飾構造を調製するために、その末端14の遊離OHに結合したDMTrで一端を保護したスペーサー18を、ピリジン・トリフルオロ酢酸(Py-TFA)の存在下で、ミキサーミル400ボールミルホモジナイザーで、2-シアノエチルN,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイトではなくエチルN,N,N’,N’-テトライソプロピルホスホロジアミダイト15と反応させた。これにより、やはりDMTrで保護され、ホスホアミダイト16にエチル保護基を有するスペーサー18アミダイトが生成された。
【化82】
【0142】
[00143]次に、スペーサー18アミダイト16を、ε-カプロラクトン8で誘導体化したLCAAを有するアルコール系CPGにカップリングして酸化し、カップリング-酸化工程を6回繰り返して、18を提供した。
【化83】
【0143】
[00144]拡張リンカーの末端にアミン基を付加するために、別のスペーサー18 19を、一端の遊離OHがtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)基20で保護された遊離アミンで置換されるように修飾した。その後、エチル保護されたアミダイト15を上述のように結合させて、21を生成した。
【化84】
【0144】
[00145]次に、化合物21を拡張リンカー18に結合させて、8つのスペーサー18を含み、リン酸塩上のエチル基を介して保護され、末端に遊離アミンを有する生成物22を生成させた。
【化85】
【0145】
[00146]類似の化学を使用して、官能化固体支持体27及び28が調製されうる。
【化86】
【0146】
[00147]前述の詳細な説明及び添付の実施例は単に例示であり、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ定義される本発明の範囲に対する制限として受け取られるものではないことが理解される。
【0147】
[00148]開示された実施形態に対する様々な変更及び修正は、当業者には明らかであろう。制限なしに、本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、製剤、又は使用方法に関するものを含む、そのような変更及び修正は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行われうる。
【国際調査報告】