(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】かみそりハンドル
(51)【国際特許分類】
B26B 21/52 20060101AFI20230405BHJP
B26B 21/14 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
B26B21/52 A
B26B21/14 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549853
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021014489
(87)【国際公開番号】W WO2021167744
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】クリスプ ニコラ
(57)【要約】
かみそりハンドルは、ユーザがかみそりカートリッジをハンドルに選択的に接続することを可能にする機構を含む第1の端部と凹部を定める第2の端部とを含むヘッド部分を有する。スリーブは、凹部内に固定される。グリップ部分は、スリーブ内に固定された近位端を有する。グリップ部分は、本質的にガラスで構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かみそりハンドル(20)であって、
ユーザがかみそりカートリッジ(40)をハンドル(20)に選択的に接続することを可能にする機構(26)を有する第1の端部(24)と凹部(30)を定める第2の端部(28)とを含むヘッド部分(22)と、
前記凹部(30)内に固定された衝撃吸収スリーブ(50)と、
前記スリーブ(50)内に固定された近位端(70)を有し、本質的にガラスで構成されるグリップ部分(60)と、
を備えることを特徴とするかみそりハンドル(20)。
【請求項2】
前記凹部(30)は、リム(31)を有し、前記スリーブ(50)のフランジ(56)が、該リム(31)にわたって延びることを特徴とする請求項1に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項3】
前記グリップ部分(60)は、前記スリーブ(50)内に解除可能に固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項4】
前記グリップ部分(60)の前記近位端(70)は、前記スリーブ(50)の雌ねじ(54)に嵌合的に受け入れられる雄ねじ(72)を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項5】
前記雄ねじ(72)は、1.5から2.5のピッチを有することを特徴とする請求項4に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項6】
前記ガラスは、容器ガラスを含み、
前記ガラスは、75%までの再利用容器ガラスを含有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項7】
前記グリップ部分(60)の遠位端部分(74)が、中空部分(62)を含み、かつ6mmまでの範囲内で少なくとも3.5mmの壁厚を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項8】
前記スリーブ(50)は、非エラストマー性ポリマーを備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項9】
前記スリーブ(50)は、半結晶性ポリマー、好ましくはポリプロピレンコポリマーを備えることを特徴とする請求項8に記載のかみそりハンドル(20)。
【請求項10】
前記スリーブ(50)は、800-2500MPa、より好ましくは1000-1500MPa範囲の曲げ弾性率を有することを特徴とする請求項8に記載のかみそりハンドル(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、一般的に安全かみそりに関連し、より具体的には、ガラスから製造されたグリップ部分を有するかみそりハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの現代のいわゆる安全かみそりは、再使用可能ハンドルにその間の構造を接続することによって選択的に接続されるようになった使い捨てかみそりカートリッジ(カートリッジ)を含む。他のいわゆる使い捨てかみそりは、接続されたカートリッジを有するハンドルのユニット全体が処分される。これらの現代のかみそりハンドルの多くは、実質的に「プラスチック」(すなわち、熱可塑性ポリマー又は熱可塑性物質)の内容物を有する。いわゆる二酸化炭素排出量の低減と食物連鎖に入るマイクロプラスチックの低減のいずれか又は両方の理由からプラスチック材料の使用を低減する要望が一部の消費者の中に存在する。その結果、有意に低減したプラスチッの内容物を有し、かつ実質的に再利用可能又は持続可能材料の内容物を更に備える製品を提供する製造業者に対する要望が存在する。ガラスは、容易かつ直ちに再利用されることが消費者によって直ちに理解される1つのそのような持続可能材料である。しかし、一部の一般的なタイプのガラスは、物理的性能限界、例えば、衝撃時に破損する傾向を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の開示は、実質的な割合のガラスを備えるかみそりハンドルを提供することによって従来技術かみそりハンドルの限界を実質的に緩和することをその目的として有する。ハンドルは、ユーザがかみそりカートリッジをハンドルに選択的に接続することを可能にする機構を有する第1の端部と凹部を定める第2の端部とを含むヘッド部分を有する。衝撃吸収スリーブが、凹部内に固定される。グリップ部分は、スリーブ内に固定された近位端を有する。グリップ部分は、本質的にガラスで構成される。
【0004】
一部の態様では、近位端は、スリーブ内に解除可能に固定される。近位端は、スリーブの雌ねじに嵌合的に受け入れられる雄ねじを有することができる。雄ねじは、3mmピッチで1.5-2.5ピッチ(巻回)を有する。
【0005】
いずれかの先行する態様の他の態様では、ガラスは、容器ガラスであり、かつ75%までの再利用容器ガラスを含有する。スリーブは、非エラストマー性ポリマー、好ましくは800-2500MPa、より好ましくは1000-1500MPa範囲の曲げ弾性率を有する半結晶性ポリマー、最も好ましくはポリプロピレンを備えることができる。ヘッド部分のシェルは、比較的硬質の材料、例えば、ダイカスト亜鉛合金を備えることができる。
【0006】
いずれかの先行する態様の更に別の態様では、グリップ部分の遠位端部分は、中空であり、かつ少なくとも3.5mmの壁厚を有する。
【0007】
かみそりハンドルは、実質的な割合のユーザ認識可能な持続可能かつ再利用可能材料を備える。スリーブは、近位端を折る場合があると考えられる衝撃力を吸収することができる。壁厚は、グリップ部分の残余部分を折る場合があると考えられる衝撃力に抵抗することができる。グリップ部分は、ユーザによって交換することができる。
【0008】
以上の特徴及び利点は、添付の図面と合わせて考慮する時に以下の詳細説明を参照してより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の開示の関連では、用語「ガラス」は、シリカを備える非結晶(非晶質)固体を説明することを意図している。「シリケート」ガラスの一部の一般的な形態は、溶融シリカガラスとも呼ばれる溶融石英、ホウケイ酸ナトリウムガラス(例えば、PYREX(登録商標))、「クリスタル」ガラスとも呼ばれる酸化鉛ガラス、アルミノシリケートガラス、及び同じく酸化ゲルマニウムガラスを含む。別の一般的なタイプのガラスは、窓ガラス又は板ガラスとも呼ばれるソーダ石灰シリカガラスである。板ガラスの僅かな変形は、いわゆる容器ガラス、すなわち、より多くのアルミナ及びカルシウムと、より少ないナトリウム及びマグネシウムとを有するソーダ石灰ガラスである。本発明の関連では、例示的なタイプの容器は、ボトル又はジャーである。本発明の開示の好ましいガラスは、容器ガラスであり、バージンガラスと、75%までの同じタイプの再生されて洗浄されて高温処理されたガラスとを含むことができる。
【0011】
ここで図面を参照すると、安全かみそり10が描かれている。安全かみそり10は、ハンドル20とかみそりカートリッジ40を備える。ハンドル20は、ユーザがかみそりカートリッジ40をハンドル20に選択的に接続することを可能にする機構26を有する第1の端部24とリム31を有する凹部30を定める第2の端部28とを有するヘッド部分22を備える。機構26は、例えば、ハンドル20に対するカートリッジ40のピボット運動を提供するために、かみそりカートリッジの嵌合構造42と係合するアーム32を含むことができる。機構26はまた、新しいかみそりカートリッジ40がハンドル20に接続されることを可能にするように、ユーザがハンドル20からかみそりカートリッジ40を解除することを可能にするアクチュエータボタン34を含むことができる。ヘッド部分22のシェル38は、好ましくは、適切な美観又は保護コーティングを有するダイカスト亜鉛合金から製造される。
【0012】
衝撃吸収スリーブ50が、凹部30に配置される。スリーブ50は、好ましくは、比較的高い衝撃強度及び高い剛性を有する、例えば、800-2500MPa範囲(ASTM D790Aによる)、より好ましくは1000-1500MPa範囲の好ましい曲げ弾性率を有する非エラストマー性ポリマー、例えば、半結晶性ポリマーを射出成形することによって製造される。1つの適切な材料は、SUMITOMO CHEMICALによって製造されるAV161と指定されたポリプロピレンコポリマーである。比較的高い剛性を有する(例えば、典型的にショアD範囲内)エラストマー性ポリマーは受容可能である。
【0013】
スリーブ50は、ヘッド部分22の第2の端部28のリベット36を適切に形成することによって凹部に保持される。リベットは、スリーブ50の孔52に受け入れられる(
図2及び
図3ではその形成以前状態で示されている)。スリーブ50は、適切な接着剤の使用によるような他の適切な方法によって凹部30に保持することができる。スリーブ50のフランジ56は、凹部30のリム31にわたって延びる。
【0014】
ハンドル20はまた、グリップ部分60を含む。グリップ部分60は、前の説明に従って本質的にガラスで構成され、すなわち、グリップ部分60はガラスで構成されるが、ガラスは、不純物及び色素を含有する可能性がある。ガラスの比重は約2.5である。ユーザによって快適に保持することができるグリップ部分60に対する典型的な受容可能寸法を所与とすると及び受容不能な質量を避けるために、グリップ部分60の遠位端部分74は、好ましくは、中空部分62を含む。中空部分62は、好ましくは、吹き付けによって形成される。他のグリップ部分60形状は、本発明の開示の範囲内であり、これらの形状(例えば、横断面で矩形、「W」、「U」、「Z」形状)は、中空部分62に対する必要性を除去するために適切に寸法決めすることができる。グリップ部分の壁厚64は、好ましくは、約6mmまでの範囲内で少なくとも約3.5mmである。グリップ部分60のベース厚み66は、好ましくは、約10.5mmまでの範囲内で少なくとも約4.5mmである。製造では、壁及びベース厚み64、66は、グリップ部分60の質量を決定することによって推定することができる。例えば、質量が予め決められた閾値よりも低い場合に、壁厚は不適切に薄い可能性が高い。
【0015】
グリップ部分60の近位端領域70は、スリーブ50内に保持される。好ましくは、近位端領域70は、スリーブ50の嵌合雌ねじ形態54に受け入れられる雄スクリューねじ形態72を有する。近位端領域70とスリーブ50の間の接続のねじ形態は、好ましくは、いわゆるナックルねじである。ねじ形態は、(米国)GPI(ガラスパッケージング研究所)規格又はDIN 168に従った標準サイズとすることができる。ねじ形態は、例えば異なるピッチ又は外径を有する標準形態に対する修正である可能性がある。好ましくは、雄スクリューねじ形態72は、ピッチ3mmで1.5-2.5ピッチ(巻回)を有する。ねじ形態はまた、異なる形状を有することができる。
【0016】
スリーブ50は、特にヘッド部分22のシェル36もスリーブ50の撓みを制限するために硬質であることに起因して、グリップ部分60がヘッド部分22に対して使用中に撓むように自覚的に感じられないのでユーザが信頼感の喪失を体験しないほど十分に硬質である。スリーブ50は、近位端領域70でのグリップ部分の破砕を防止する衝撃耐性を提供する(すなわち、それは衝撃吸収性である)。壁及びベースの厚み64、66は、グリップ部分60の他の領域での衝撃耐性を提供する。グリップ部分は、スクリューねじ込み式取り付け具を有するので、それは、別の例えば形状、色、質感の別のグリップ部分によって置換されるようにユーザによって任意に取り外すことができる。
【0017】
他の実施形態では、ヘッド部分のシェル全体は、適切な衝撃吸収材料、例えば、AV161材料から製造することができ、凹部は、雌ねじ切りすることができ、スリーブ50は、省略することができる。
【0018】
様々な実施形態を上述したが、それらは、限定ではなく単に一例として提示したものであることを理解しなければならない。例えば、添付の特許請求の範囲内で行うことができるような修正又は変更及びいずれか一実施形態に関連して開示した特徴は、単独で又はそれぞれの他の実施形態の各特徴と組み合わせて使用することができる。すなわち、いずれかの実施形態の幅及び範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、むしろ以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定められなければならない。
【符号の説明】
【0019】
10 安全かみそり
20 ハンドル
22 ヘッド部分
40 かみそりカートリッジ
42 かみそりカートリッジの嵌合構造
【国際調査報告】