(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】視覚信号システム
(51)【国際特許分類】
G08B 5/00 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
G08B5/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550015
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2021018779
(87)【国際公開番号】W WO2021168249
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522329847
【氏名又は名称】セーフエバック・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジョセフ・デイ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・リン・サンデフル
【テーマコード(参考)】
5C083
【Fターム(参考)】
5C083AA01
5C083BB10
5C083BB24
5C083BB26
5C083DD12
5C083FF01
5C083FF03
5C083HH20
5C083HH26
5C083JJ25
(57)【要約】
視覚信号システムは、一組の3つ以上のライトが単一方向から見えるスマートサイネージを含む。第1のパターンでのライトの作動は、脅威を、かつ各人が標識から離れるべきと示す。第2のパターンでのライトの作動は、安全を、かつ各人が標識に向かうべきと示す。第3のパターンでのライトの作動は、注意の必要を、かつ各人が標識に近づくことを控えるべきと示す。視覚信号システムは、危険に対する各標識の場所に応じて異なる標識に異なるパターンを表示し、それによって各人を危険から離すように誘導する複数のスマート標識を含んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面、および前記上面と前記下面との間に延びる少なくとも1つの側面を含むハウジングと、
前記ハウジング上に設けられる複数の独立して照明可能な方向矢印であって、各々が異なる方向を指す、複数の独立して照明可能な方向矢印と、
前記ハウジング上に設けられる一組の少なくとも3つの独立して照明可能なライトと、
前記ハウジング内部のコントローラであって、各方向矢印および各ライトを独立して作動または作動停止させるように構成される、コントローラと
を備えるスマート標識。
【請求項2】
前記スマート標識と遠隔に設けられるマスタコントローラとの間の電子通信のための手段を更に備える、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項3】
前記コントローラが、各方向矢印および各ライトを作動または作動停止させよという電子命令を前記マスタコントローラから受信するように構成される、請求項2に記載のスマート標識。
【請求項4】
前記一組の少なくとも3つのライトが、第1のパターンまたは第2のパターンであって、非同一である、第1のパターンおよび第2のパターンで作動可能である、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項5】
前記一組の少なくとも3つのライトが、第3のパターンであって、前記第1のパターンおよび前記第2のパターンと非同一である、第3のパターンで作動可能である、請求項4に記載のスマート標識。
【請求項6】
前記一組の少なくとも3つのライトが、三角パターンに配置される3つのライトである、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項7】
前記少なくとも3つのライトが、単一方向から見えるように前記ハウジング上に配置される、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項8】
前記複数の方向矢印が、反対方向を指す少なくとも2つの方向矢印を含む、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項9】
入力デバイスおよび出力デバイスのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項10】
前記少なくとも1つの入力デバイスが音検出器を含み、前記少なくとも1つの出力デバイスが音放出器を含む、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項11】
前記複数の方向矢印が前記ハウジングの前記下面に設けられ、
前記複数の方向矢印の各々が、前記ハウジングの前記下面によって定められる平面で異なる方向を指す、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項12】
前記少なくとも1つの側面が、複数の隣接する側面であり、
前記複数の隣接する側面のうちの2つが角部を形成し、
前記一組の少なくとも3つのライトが、前記角部に設けられるコーナーライト、および前記角部に隣接する前記2つの側面の各々上のサイドライトを含み、
前記コーナーライトおよび前記角部に隣接する各側面上の前記サイドライトが、前記角部の方向に照らすために揃えられ、
前記コーナーライトおよび前記角部に隣接する各側面上の前記サイドライトが、前記角部の前記方向から見える三角パターンに配置される、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項13】
前記コーナーライトおよび前記サイドライトのうちの少なくとも1つが、前記角部の前記方向以外の方向からの前記コーナーライトおよび前記サイドライトの可視性を低下させるカバー内に部分的に囲まれる、請求項12に記載のスマート標識。
【請求項14】
前記ハウジング上に設けられる前記一組の少なくとも3つのライトが二組の少なくとも3つのライトであリ、前記組の各々が前記ハウジング周りに互いから約180度離間される、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項15】
前記ハウジング上に設けられる前記一組の少なくとも3つのライトが四組の少なくとも3つのライトであリ、前記組の各々が前記ハウジング周りに互いから約90度離間される、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項16】
前記複数の方向矢印が、第1の方向を指す第1の方向矢印、および第2の方向矢印であって、前記第1の方向と反対である第2の方向を指す、第2の方向矢印を含む、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記上面と前記下面との間に延びる2つの反対する側面、前記上面、前記下面および前記2つの側面の間に延びる正面、ならびに前記上面、前記下面および前記2つの側面の間に延びる裏面を含む、請求項1に記載のスマート標識。
【請求項18】
前記少なくとも3つのライトが、前記標識の前記正面に三角パターンに配置される3つのライトである、請求項17に記載のスマート標識。
【請求項19】
独立して照明可能な出口呼称を更に備える、請求項18に記載のスマート標識。
【請求項20】
前記3つのライトが、前記側面からの前記ライトの可視性を事実上低下させるために前記ハウジングに埋め込まれる、請求項18に記載のスマート標識。
【請求項21】
前記複数の方向矢印が前記ハウジングの前記正面に設けられ、
前記複数の方向矢印の各々が、前記ハウジングの前記正面によって定められる平面で異なる方向を指す、請求項17に記載のスマート標識。
【請求項22】
色覚異常および聴覚障害者にとって利用しやすい視覚信号システムであって、
マスタコントローラと、
請求項1に記載の複数のスマート標識であり、各々が前記マスタコントローラと電子通信する、スマート標識とを備える、視覚信号システム。
【請求項23】
前記複数のスマート標識が、請求項11に記載の少なくとも1つのスマート標識および請求項21に記載の少なくとも1つのスマート標識を含む、請求項22に記載の視覚信号システム。
【請求項24】
危険事象中に施設内に視覚信号を提供するための方法であって、
マスタコントローラによって、危険の場所に関して入力デバイスから電子情報を受信するステップと、
前記マスタコントローラによって、請求項1に記載の複数のスマート標識であり、前記施設上または内に設けられる、スマート標識に、各人を前記危険の場所から離すように導くために前記複数のスマート標識上のライトおよび方向矢印を作動させよという命令を通信するステップとを含む、方法。
【請求項25】
前記複数のスマート標識が、請求項11に記載の少なくとも1つのスマート標識を含み、
前記施設が、廊下交差点を形成する少なくとも2つの交差する廊下を含み、
請求項11に記載の前記少なくとも1つのスマート標識が前記廊下交差点に設置される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数のスマート標識が、前記施設上または内に設けられる既存の出口標識に取り付けられる請求項21に記載の少なくとも1つのスマート標識を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記通信するステップが、前記複数のスマート標識の1つの上のライトを第1のパターンで作動させよという命令を通信することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記通信するステップが、前記複数のスマート標識の1つの上のライトを第2のパターンで作動させよという命令であって、前記第1のパターンおよび第2のパターンが非同一である、命令を通信することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記通信するステップが、前記複数のスマート標識の1つの上のライトを第3のパターンで作動させよという命令であって、前記第3のパターンが前記第1のパターンおよび前記第2のパターンと非同一である、命令を通信することを含む、請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月19日出願の米国仮出願第62/978,486号の優先権を主張するものであり、該仮出願が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
視覚信号システムは、一組の3つ以上のライトが単一方向から見えるスマートサイネージを含む。第1のパターンでのライトの作動は、脅威を、かつ各人が標識から離れるべきと示す。第2のパターンでのライトの作動は、安全を、かつ各人が標識に向かうべきと示す。第3のパターンでのライトの作動は、注意の必要を、かつ各人が標識に近づくことを控えるべきと示す。視覚信号システムは、脅威に対する各標識の場所に応じて異なる標識に異なるパターンを表示し、それによって各人を脅威から離すように誘導する複数のスマート標識を含んでよい。
【背景技術】
【0003】
従来のセキュリティシステムおよび緊急避難システムは、一般的な視覚および聴覚警報器を含む。しかしながら、これらの警報器は、典型的に、居合わせた者が建物または他の領域を出るべきであるという一般的な通知を提供するだけである。火災または乱射犯などの脅威が特定の脅威範囲に見つかり得るが、施設を出よという一般的な通知では、不注意により居合わせた者が脅威範囲に入る結果になり得る。典型的なセキュリティシステムおよび緊急避難システムは、脅威への露出を最小化するのにより効果的であり得る、居合わせた者が脅威範囲を識別および回避するために必要とし得る種類および深さの情報を提供しない。
【0004】
米国特許出願公開第2019/0295207号にスマート緊急避難システムが開示されており、該公開が参照により本明細書に組み込まれる。このシステムは、居合わせた者を脅威範囲から離すように導くためのスマートサイネージを含む。しかしながら、人口のかなりの部分が何らかのレベルの色覚異常を有するので、安全または脅威範囲を示すために色だけ(例えば、緑色光対赤色光)に依存するシステムは、全ての居合わせた者に対応するわけではない。したがって、脅威が検出されて好ましい建物出口経路が所望されるときに公共および民間の建物または他の公共区域内に居合わせた者に明確な指示を与えるためのセキュリティシステムおよび緊急避難システムの分野の進歩を提供し、しかも色覚異常者に適切な方式でそうする必要性が存在する。好ましくは、システムは、聴覚障害者にとっても利用しやすいように音に依存しないものとなる。
【0005】
本開示の発明者らは、セキュリティシステムおよび緊急避難システムの改善が色覚異常者のニーズに応えるために必要とされることを認識した。本開示の或る好ましい特徴が、これらおよび他のニーズに応えかつ他の重要な利点を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0295207号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、三角パターンに配置される3つの独立制御可能なライトを含むスマートサイネージを備える視覚信号システムを対象とする。ライトは、種々の色および種々のパターンを表示するために独立作動できる。好ましい実施形態において、スマートサイネージは、少なくとも一組の三角パターンに配置される3つのライトを含み、各組は、静止した各人に単一の組のライトだけが見えるように、標識のハウジング上の場所に設けられる。安全および不安全状態を示すために異なるパターンのライト作動が使用される。第1のパターンでの一組のライトの作動は、脅威を、かつ各人が標識から離れるべきと示す。第2のパターンでの一組のライトの作動は、安全を、かつ各人が標識に向かうべきと示す。任意選択の第3のパターンでの一組のライトの作動は、注意を、かつ各人が標識に近づくことを控えるべきと示す。一部の実施形態において、視覚信号システムは、例えば米国特許出願公開第2019/0295207号に開示されるシステムなどのスマート緊急避難システムと併せて使用され、これは、検出された脅威または他の脅威に対する標識の相対的場所に基づいて特定のパターンのライト作動を開始せよという電子命令を各スマート標識に提供する。標識および脅威の相対的場所に応じて、標識の異なる側面または角部に異なるパターンのライト作動が表示されて、各人を脅威から離すように誘導するために適宜標識に向かうまたはそれから離れるべきと各人に示してよい。
【0008】
本概要は、本明細書に含まれる詳細な説明および図面に更に詳細に記載される概念の抜粋を紹介するために提供される。本概要は、特許請求される対象のいかなる主要または不可欠な特徴も特定するとは意図されない。記載される特徴の一部または全てが、対応する独立または従属請求項に存在してよいが、特定の請求項に明記されない限り限定であると解釈されるべきでない。本明細書に記載される各実施形態は、必ずしも本明細書に記載されるあらゆる目的に対処すると意図されるわけではなく、また各実施形態は、必ずしも記載される各特徴を含むわけでもない。本発明の他の形態、実施形態、目的、利点、利益、特徴および態様は、本明細書に含まれる詳細な説明および図面から当業者に明らかになるであろう。その上、本概要項の他に、本出願の他の場所に記載される様々な装置および方法は、多数の異なる組合せおよび下位組合せとして表現できる。全てのそのような有用、新規かつ発明的な組合せおよび下位組合せが本明細書に企図され、これらの組合せの各々の明示的な表現が不必要であることが認識されている。
【0009】
添付の図面と併せて以下の説明を参照した上で、本発明のより良い理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】照明が脅威を示す視覚信号システムの第1の実施形態の下面斜視図である。
【
図1B】照明が注意を示す視覚信号システムの第1の実施形態の下面斜視図である。
【
図1C】照明が安全な方向を示す視覚信号システムの第1の実施形態の下面斜視図である。
【
図2A】照明が脅威を示す視覚信号システムの第2の実施形態の正面斜視図である。
【
図2B】照明が注意を示す視覚信号システムの第2の実施形態の正面斜視図である。
【
図2C】照明が安全な方向を示す視覚信号システムの第2の実施形態の正面斜視図である。
【
図3A】照明が脅威を示す視覚信号システムの第3の実施形態の正面斜視図である。
【
図3B】照明が注意を示す視覚信号システムの第3の実施形態の正面斜視図である。
【
図3C】照明が安全な方向を示す視覚信号システムの第3の実施形態の正面斜視図である。
【
図4A】視覚信号システムが装備された建物の例証的なフロアプランであり、文字「T」によって示される場所に脅威が検出される。
【
図4B】
図4Aの例証的なフロアプランであり、文字「T」によって示される異なる場所に脅威が検出される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の原理の理解を促す目的で、図面に例示される選択された実施形態がここで参照されることになり、そしてそれを記載するために特定の言葉が使用されることになる。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲の限定が意図されず、記載または例示される実施形態のいかなる変更および更なる修正も、ならびに本明細書に例示される本発明の原理のいかなる更なる応用も、本発明に関する当業者であれば通常想到し得るとして企図されることが理解されるであろう。本発明の少なくとも1つの実施形態が極めて詳細に図示されるが、但し明瞭にするために一部の特徴または一部の特徴の組合せが図示されない場合があることが当業者に明らかであろう。
【0012】
本文書内の「発明」へのいかなる言及も発明のファミリーの一実施形態への言及であり、別段の定めがない限り、全ての実施形態に必ず含まれる特徴を含む実施形態は一つもない。更には、本発明の一部の実施形態によって提供される「利点」への言及があり得るが、他の実施形態は、それらの同じ利点を含まなくてよく、または異なる利点を含んでよい。本明細書に記載されるいかなる利点も、請求項のいずれかに限定するとして解釈されるものではない。
【0013】
特定の量(空間次元、無次元パラメータ等)が本明細書で明示的または黙示的に使用されてよいが、そのような特定の量は、単に例として提示されており、別段の指示がない限り近似値である。特定の組成物に関する考察が存在する場合、単に例として提示されており、別段の指示がない限り、他の組成物、特に類似した性質の他の組成物の適用性を制限しない。用語「上面」および「下面」は、本明細書で使用される場合、図面に図示されるサイネージの向きに関する。標識が様々な向きで天井、壁または他の構造に装着されてよく、その結果「上面」が横に、斜めにまたは逆さに向けられ得ることが理解されるべきである。
【0014】
ここで
図1A、
図1Bおよび
図1Cを参照すると、視覚信号システムの第1の実施形態は、廊下の交差点での使用のための緊急避難標識10である。標識10は、4つの側面14、上面16、および上面16の反対側の下面18を有する矩形または正方形のハウジング12を含む。側面14は、上面16と下面18との間に延びて、各対の側面14の交点において4つの角部20を形成する。一部の実施形態において、上面16は、天井(図示されないが、当該技術において公知のものを代表する取付機構)に取り付けられるように構成される。標識10は好ましくは、標識10の各角部20が各廊下に沿って揃えられる(垂直に配置される2つの廊下の交差点を前提とする)ように装着される。標識10の各角部20は、その角部20の方向に照らすために揃えられたコーナーライト22を含む。各側面14は2つのサイドライト24を含み、サイドライト24の1つが、その側面14に接する角部20の各々を照らすために揃えられる。
図1A、
図1Bおよび
図1Cに図示されるように、廊下に居る各人が標識10を見れば、2つの側面14の各々からコーナーライト22およびサイドライト24がその各人の方向に揃えられているであろう。コーナーライト22は下面18より上面16の近くに配設され、かつサイドライト24は上面16より下面18の近くに配設され、その結果、各角部20に面する3つのライトは三角パターンを形成する。一部の実施形態において、ライト22、24は各々、それらの照明をそれぞれの角部20の方向に導きかつその角部に接する側面14の方向からのそれらの可視性を制限するために部分的にカバー26内に囲まれる。各サイドライト24に対して、それぞれのカバー26は、そのサイドライト24の照明をそれぞれの角部20の方向に導くために側面14からその角部20と揃えられた非垂直方向に延びる。他の実施形態(図示せず)において、ライト22、24は、同じ目的を達成するために代わりにハウジング12内に埋め込まれてよい。ライト22、24の照明を単一方向(すなわち、廊下と揃えられた角部20の方向)に揃えかつ側面14からのライト22、24の可視性を制限することによって、廊下に立つ各人は、単一の組の3つのライト22、24を見るだけでよく、したがって異なる方向に向くライトが異なる照明パターンを表示し得るときに矛盾する誘導を受けることはない。
【0015】
下面18は、赤色、緑色および黄色などの複数の色の照明が可能な4つの方向矢印28を含む。各方向矢印28は、下面18の平面によって定められる、異なる非同一方向を指す(すなわち、第1の方向矢印が第1の方向を指し、第2の方向矢印が第2の方向を指し、第3の方向矢印が第3の方向を指し、そして第4の方向矢印が第4の方向を指す)。描かれた実施形態において、各方向矢印28は異なる角部20の方向を指し、その結果、各方向矢印28は、別の1つの方向矢印28の反対かつ2つの他の方向矢印28に垂直の方向を指す。
【0016】
使用時、標識10と電子通信する、マイクロプロセッサなどのコントローラが、安全避難を促進するために1つまたは複数の方向矢印28ならびに適切な側面14および角部20上のライト22、24を作動させる。コントローラは、標識内に設けられるか標識と電子通信するかであり、標識10における各方向矢印28およびライト22、24を独立して明るくするまたは暗くする(代替的に「作動させる」または「作動停止させる」とも称される)ように構成される。一部の実施形態において、コントローラは、セキュリティシステムまたは、例えば米国特許出願公開第2019/0295207号に開示されるシステムなどのスマート緊急避難システムと通信中であり、そして有線または無線伝送を介して、検出された脅威(例えば、乱射犯、火災、竜巻等)に対する標識の相対位置に基づいてコントローラに特定のパターンで方向矢印28およびライト22、24を作動または作動停止させる、電子命令を受信する。
【0017】
図1Aに図示される第1の例では、標識10の付近に脅威が検出されてよい。本例では、コントローラは、赤色の照明を使用して全ての方向矢印28および全てのライト22、24を作動させる(作動される矢印およびライトは、実際の照明の色に関係なく、灰色の陰影によって示される)。標識10の下面18上の赤色の方向矢印28は標識の下または近くの各人に見え、そしてそれらは、各人が矢印28の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が標識の付近から逃げるためにいずれかの経路をとるまたは、逃げることが可能でなければ、適所に隠れるべきであることを示す。標識10の角部20および側面14上の赤色のライト22、24は標識から更に離れた各人に見え、そしてそれらは、各人が脅威の隣接範囲に居り、標識から離れることによって脅威を回避するまたは、逃げることが可能でなければ、適所に隠れるべきであることを示す。標識10の2つのサイドライト24およびコーナーライト22は集合的に、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを形成する。これは、たとえ各人がライト22、24の色を判別できないとしても、彼らが脅威の付近に居り、脅威を回避するまたは、逃げることが可能でなければ、適所に隠れるべきであることを色覚異常者に示す。
【0018】
図1Bに図示される第2の例では、標識10から遠い場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、参照文字「X」によって示される標識に対する方向から検出され、その結果、標識10は観察者と脅威範囲との間にある。コントローラは、緑色の照明を使用して脅威範囲から離れる方を指す1つ、2つまたは3つの方向矢印28を作動させる。標識10の下面18上の緑色の方向矢印28は標識の下または近くの各人に見え、そしてそれらは、各人が矢印28の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が脅威範囲から離れるためにそれらの矢印と揃えられた廊下に沿って進むべきであることを示す。コントローラは、黄色の照明を使用して、作動された矢印28と揃えられたコーナーライト22およびサイドライト24を更に作動させる。標識10から更に離れた各人は、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを見て、たとえ彼らがライトの色を判別できないとしても、彼らが標識10に向けて進むべきでないことを理解してよい。三角パターンを形成するライト22、24は、連続照明を使用して、様々な明滅もしくは点滅パターンを使用して作動されてよく、または時計回りもしくは反時計回りに順次作動および作動停止されてよい。一部の実施形態において、ライト22、24は、標識10に対する脅威の場所に応じて時計回りにまたは反時計回りに回転する三角パターンで作動されてよい。更なる実施形態において、ライト22、24および/または方向矢印28は、標識10に対する脅威の場所に基づいて異なる色で作動されてよい。
【0019】
図1Cに図示される第3の例では、標識10から遠い異なる場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、参照文字「Y」によって示される標識に対する方向から検出され、その結果、観察者は脅威範囲と標識との間にいる。コントローラは、緑色の照明を使用して脅威範囲から離れる方を指す2つの方向矢印28を作動させる。標識10の下面18上の緑色の方向矢印28は標識の下または近くの各人に見え、そしてそれらは、各人が明るくされた矢印28の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が脅威範囲から離れるためにそれらの明るくされた方向矢印28と揃えられた廊下に沿って進むべきであることを示す。コントローラは、緑色の照明を使用して、非作動された方向矢印28と揃えられたサイドライト24を更に作動させる。コーナーライト22が作動されないので、三角パターンは形成されない。そのため、標識10から更に離れた各人は、たとえ各人がライトの色を判別できないとしても、彼らが脅威範囲から離れるために標識10に向けて進み、そして安全範囲に向けて進むために明るくされた矢印28に従うべきであることを理解する。
【0020】
ここで
図2A、
図2Bおよび
図2Cを参照すると、視覚信号システムの第2の実施形態は、緊急避難標識110である。標識110は、反対する側面114、上面116、上面116の反対側の下面118、正面119、および正面119の反対側の背面120を有するハウジング112を含む。正面119は、下面118より上面116の近くに配設される上ライト122および上面116より下面118の近くに配設される2つのサイドライト124を含む三角パターンに配置される3つのライトを含む。一部の実施形態において、ライト122、124は、それらの照明を正面119の方向に導きかつ側面114の方向からのそれらの可視性を制限するためにハウジング112内に埋め込まれる。他の実施形態(図示せず)において、ライト122、124は、同じ目的を達成するために代わりに部分的にカバー内に囲まれてよい。正面119は、赤色、緑色および黄色などの複数の色の照明が可能な2つの方向矢印128を追加的に含む。各方向矢印128は、正面119の平面によって定められる、異なる非同一方向を指す(すなわち、第1の方向矢印が第1の方向を指し、そして第2の方向矢印が第2の方向を指す)。描かれた実施形態において、2つの方向矢印128は反対方向を指し、各々異なる側面114に向けられる。
【0021】
一部の実施形態において、背面120は、壁(図示されないが、当該技術において公知のものを代表する取付機構)に取り付けられるように構成される。本実施形態において、標識110は、標識110の各側面114が適切な避難方向を示すために廊下に沿ってまたはドアの上に揃えられるように装着される。他の実施形態(図示せず)において、背面120、上面116または側面114は、当該技術において一般に公知の標準的な出口標識の側面、上面または下面に取り付けられるように構成される。標準的な出口標識の側面に取り付けるように構成される実施形態において、方向矢印の向きは、各々反対方向に90度回転されてよく、その結果、矢印は上下の代わりに左右を指す。
【0022】
使用時、標識110と電子通信するコントローラが、安全避難を促進するために1つまたは複数の方向矢印128およびライト122、124を作動させる。
図2Aに図示される第1の例では、標識110の付近に脅威が検出されてよい。本例では、コントローラは、赤色の照明を使用して全ての矢印128および全てのライト122、124を作動させる。赤色の方向矢印128は、各人が矢印128の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が標識の付近から逃げるためにいずれかの経路をとるまたは、適宜、適所に隠れるべきであることを示す。赤色のライト122、124は、各人が脅威の隣接範囲に居り、標識から離れることによって脅威を回避するまたは、逃げることが可能でなければ、適所に隠れるべきであることを示す。特に、2つの下ライト124および上ライト122は、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを形成する。これは、たとえ各人がライト122、124の色を判別できないとしても、彼らが脅威の付近に居り、脅威を回避するまたは、適宜、適所に隠れるべきであることを色覚異常者に示す。
【0023】
図2Bに図示される第2の例では、標識110から遠い場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、
図2Bに見るように標識の後ろの方向から検出され、その結果、標識110は観察者と脅威範囲との間にある。コントローラは、両方向矢印128を作動停止させ、かつ黄色の照明を使用してライト122、124を作動させる。標識110を見る各人は、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを見て、彼らが標識110に向けて進むべきでないことを理解してよい。第1の例と関連して留意されるように、ライト122、124は、連続照明を使用して、様々な明滅もしくは点滅パターンを使用して作動されてよく、または時計回りもしくは反時計回りに順次作動および作動停止されてよく、これは標識110に対する脅威の場所を示すために使用されてよい。
【0024】
図2Cに図示される第3の例では、標識110から遠い場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、参照文字「Z」によって示される方向から検出され、その結果、
図2Cに図示される標識を見ている各人の視点からは、脅威範囲は左に位置する。コントローラは、緑色の照明を使用して脅威範囲から離れる方を指す方向矢印128を作動させる。この明るくされた方向矢印128は、各人が矢印128の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が脅威範囲から離れるためにその方向に進むべきであることを示す。脅威範囲の方向を指す方向矢印は作動停止されたままである。コントローラは、緑の照明を使用して下ライト124を更に作動させる。上ライト122が作動されないので、三角パターンは形成されない。そのため、標識110から更に離れた各人は、たとえ各人がライトの色を判別できないとしても、彼らが脅威範囲から離れるために標識110に向かい矢印128の方向に進み、そして安全範囲に向けて進んでよいことを理解する。
【0025】
ここで
図3A、
図3Bおよび
図3Cを参照すると、視覚信号システムの第3の実施形態は、出口標識210である。標識210は、反対する側面214、上面216、上面216の反対側の下面218、正面219、および正面219の反対側の背面220を有するハウジング212を含む。正面219は、下面218より上面216の近くに配設される上ライト222および上面216より下面218の近くに配設される2つのサイドライト224を含む三角パターンに配置される3つのライトを含む。一部の実施形態において、ライト222、224は、それらの照明を正面219の方向に導きかつ側面214の方向からのそれらの可視性を制限するためにハウジング212内に埋め込まれる。他の実施形態(図示せず)において、ライト222、224は、同じ目的を達成するために代わりに部分的にカバー内に囲まれてよい。正面219は、赤色、緑色および黄色などの複数の色の照明が可能な2つの方向矢印228を追加的に含む。各方向矢印228は、正面219の平面によって定められる、異なる非同一方向を指す(すなわち、第1の方向矢印が第1の方向を指し、そして第2の方向矢印が第2の方向を指す)。描かれた実施形態において、2つの方向矢印228は反対方向を指し、各々異なる側面214に向けられる。
【0026】
正面219は、照明が可能な出口呼称230を更に含む。出口呼称は、
図3A~
図3Cに図示されるように、実際の単語「EXIT(出口)」でよく、あるいは該当する言語、法律、法規または規制によって必要とされ得るように、英語もしくは他の言語で同様の情報を伝える単語(例えば、「SALIDA」もしくは「SORTIE」)または同様の情報を伝える非語ロゴもしくはデザイン(例えば、走っている人の画像)でよい。一部の実施形態において、背面220は、壁(図示されない取付機構)に取り付けられるように構成される。他の実施形態(図示せず)において、上面は、天井に取り付けられるように構成され、そして背面は正面と実質的に同一であり、ライト222、224、矢印228および出口呼称230を有する。標識210は好ましくは、防火規則に応じた出口を示すために標準的な出口標識が典型的に活用される場所、または例えば建物外部に至る出入口の上の建物の内部におけるなど、他の合理的な場所において活用される。
【0027】
使用時、標識210と電子通信するコントローラが、安全避難を促進するために1つまたは複数の方向矢印228、ライト222、224および出口呼称230を作動させる。
図3Aに図示される第1の例では、標識210の付近に脅威が検出されてよい。コントローラは、赤色の照明を使用して方向矢印228、ライト222、224および出口呼称230を作動させる(出口呼称230が既に緑色に明るくされていれば、色は赤色に変化する)。赤色の方向矢印228は、各人が矢印228の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が標識から離れることによって脅威を回避するまたは、逃げることが可能でなければ、適所に隠れるべきであることを示す。赤色の出口呼称および赤色のライト222、224は、各人が脅威の隣接範囲に居り、脅威を回避するまたは、適宜、適所に隠れるべきであることを示す。特に、2つの下ライト224および上ライト222は、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを形成する。これは、たとえ各人がライト222、224の色を判別できないとしても、彼らが脅威の付近に居り、脅威を回避するまたは、適宜、適所に隠れるべきであることを色覚異常者に示す。
【0028】
図3Bに図示される第2の例では、標識210から遠い場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、
図3Bに見るように標識の後ろの方向から検出され、その結果、標識210は観察者と脅威範囲との間にある。コントローラは、両方向矢印228および出口呼称230を作動停止させる。コントローラは、黄色の照明を使用してライト222、224を作動させる。標識210を見る各人は、従来の三角形の危険標識と同様の、三角パターンを見て、彼らが標識210に向けて進むべきでないことを理解してよい。
【0029】
図3Cに図示される第3の例では、標識210から遠い場所に脅威が検出されてよい。本例では、脅威は、参照文字「W」によって示される標識に対する方向から検出され、その結果、
図3Cに図示される標識を見ている各人の視点からは、脅威範囲は左に位置する。コントローラは、緑色の照明を使用して脅威範囲から離れる方を指す方向矢印228を作動させる。この明るくされた矢印228は、各人が明るくされた矢印228の色を判別できるかどうかに関係なく、各人が脅威範囲から離れるために廊下に沿って右に進むべきであることを示す。脅威範囲の方向を指す方向矢印228は作動停止されたままである。コントローラは、緑色の照明を使用して下ライト224を更に作動させる。上ライト222が作動されないので、三角パターンは形成されない。そのため、標識210から更に離れた各人は、たとえ各人がライトの色を判別できないとしても、彼らが脅威範囲から離れるために標識210に向かい明るくされた矢印228の方向に進み、そして安全範囲に向けて進んでよいことを理解する。出口呼称230は、緑色の照明で作動されたままである。
【0030】
図4Aおよび
図4Bは、視覚信号システムが装備された建物の例証的なフロアプランを描き、複数の標識10、110、210の協調使用を説明する。これらの図の目的上、「北」はページの上に向かう方向であり、「南」はページの下に向かう方向であり、そして「東」および「西」は、それぞれページの右および左に向かう方向である。この例証的な建物は、南北に延びる廊下Xならびに東西に延びる2つの廊下YおよびZを含み、廊下XおよびYが交差し、そして廊下XおよびZが交差する。標識10が、廊下XおよびYの交差点でならびに廊下XおよびZの交差点で天井に取り付けられる。標識110が部屋の内部に設けられ、部屋から廊下へ通じるドアの上に配設される。出口標識210が、建物の外部に通じるドアの上に配設される。
【0031】
図4Aにおいて、緊急避難システムは場所Tに脅威を検出する。様々な標識10、110、210は、図に図示されるようにそれらの様々なライトを作動させよという電子命令を緊急避難システムから受信するが、「H」は危険を示す第1のパターンのライトの作動を表し(単語「危険」および「脅威」は、実際のまたは潜在的な危険源に言及するために本明細書で互換的に使用される)、「S」は安全な方向を示す第2のパターンのライトの作動を表し(例えば、単一方向から見える2つの下ライト24、124、224だけが緑色の照明を使用して作動される)、そして「C」は注意を示す第3のパターンのライトの作動を表す(例えば、単一方向から見える全ての3つのライト22、24、122、124、222、224が黄色の照明を使用して作動される)。廊下交差点標識10に関して、標識10の角に4つの文字が表示されて、各角から見えるライトのパターンを示す。第2のパターンのライト(S)の方向を指す方向矢印28が作動される一方で、第1のパターンのライト(H)および第3のパターンのライト(C)の方向を指す矢印28は不作動とされ、その結果、作動された矢印28は、標識10の近くまたは下の観察者を安全な方向に誘導する。第1の例として、各人が文字Yの場所で廊下Yに位置すれば、東に位置する、廊下XおよびYの交差点における標識10が危険を示す第1のパターンのライトを表示していると見るであろう。各人は次いで、反対方向に、近くの出口および、西への安全な方向を示す第2のパターンのライトを表示している関連する出口標識210に向かうべきと理解するであろう。第2の例として、各人が文字Xの場所で廊下Xに位置すれば、北側の、廊下XおよびYの交差点における標識10が危険を示す第1のパターンのライトを表示しているのを見るであろう、また南側の、廊下XおよびZの交差点における標識10が安全を示す第2のパターンのライトを表示しているのを見るであろう、そして南に移動し、それによって脅威「T」から離れると理解するであろう。第3の例として、各人が文字Zの場所で廊下Zに位置すれば、東側の、廊下XおよびZの交差点における標識10が注意を示す第3のパターンのライトを表示しているのを見るであろう。
【0032】
標識110に関して、文字「S」は各標識110の片側の近くに位置付けられる。Sの位置は、文字によって示される方向を指す方向矢印が第2のパターンのライトに伴うことを示す。そのため、建物内の各部屋に位置する観察者は、それらのそれぞれの標識110を見て、脅威「T」から離れるために方向矢印によって示される方向に部屋を出ることができる。例えば、各人が建物の北東の角の部屋に位置すれば、標識110が第2のパターンで明るくされかつ北を指す方向矢印を明るくしているの(すなわち、
図2Cに図示される照明パターン)を見るであろう。各人は次いで、部屋を出て北に移動し、それから出口標識210が第2のパターンを表示している北の出口を通って建物を出ると理解するであろう。
【0033】
図4Bにおいて、緊急避難システムは建物外部の場所Tに脅威を検出する。
図4Aと比較して、脅威の場所が異なるのでライト作動のパターンが異なる。各人が文字Zによって示される場所で廊下Zに位置すれば、近くの廊下交差点標識10が第1のパターンのライトを表示して、危険を示しているのを見るであろう。各人は、廊下Zの東端の出口標識210が第1のパターンのライトを表示していること(すなわち、
図3Aに図示される照明パターン)も見てよい。これらの視覚指示に基づいて、各人は、西に移動し、それから出口標識210が第2のパターンを表示している西の出口を通って建物を出るであろう。
【0034】
一部の実施形態において、ライト22、24、122、124、222、224はストロボライトである。更なる実施形態において、三角パターンのライト22、24、122、124、222、224は、回転する時計回りもしくは反時計回り、上から下、下から上、左右または他の照明のパターンを生じさせるために特定のタイミングパターンで作動されてよい。上記した実施形態において、第1の照明のパターン、すなわち、作動されるライトの三角形を形成する、2つの下ライト124、224またはサイドライト24の作動および上ライト122、222またはコーナーライト22の作動は、不安全な方向および危険範囲を示すためにかつ観察者に標識から離れるように命令するために使用される。第2の照明のパターン、すなわち、2つの下ライト124、224またはサイドライト24の作動および上ライト122、222またはコーナーライト22の作動停止は、安全な方向を示すためにかつ観察者に標識に向かい1つまたは複数の明るくされた方向矢印によって示される方向を進むように命令するために使用される。一部の実施形態において、本発明は第3の照明のパターン、すなわち、作動されるライトの三角形を形成する、2つの下ライト124、224またはサイドライト24の作動および上ライト122、222またはコーナーライト22の作動を活用し、これは、注意および危険範囲を示すためにかつ観察者に標識に近づくことを控えるように命令するために使用される。第1のパターンおよび第3のパターンは照明のタイミングによって区別され、例えば、第1のパターンが回転する時計回りの照明のパターンで3つのライトを作動させてよい一方で、第3のパターンは、回転する反時計回りの照明のパターンで3つのライトを作動させてよい。様々なパターンは色によって区別されてもよく、第1のパターンは赤色で、第2のパターンは緑色でおよび第3のパターンは黄色で明るくされる。しかしながら、第1、第2および第3のパターンは色に関係なく区別可能であり、そして視覚信号システムは可聴成分を必要としないので、本システムは色覚異常および聴覚障害者にとって利用しやすい。
【0035】
図面に図示される三角パターンのライトが単に目的例として提供され、限定的であると意図されないことが理解されるべきである。他の実施形態において、中央に位置するコーナーライト22および上ライト122、222は、図面に図示されるパターンと比較して三角パターンが反転されるように隣接するサイドライト24および下ライト124、224より下に設けられてよい。他の実施形態において、視覚信号システムは、例えば、様々なライトが三角形の代わりにダイヤモンドパターンを形成するように、2つの縦に配置されるコーナーライトまたは上ライトを有するなど、他のパターンに配置される3つ以上のライトを含んでよい。更なる実施形態において、ライトは、正方形、五角形または他の幾何学もしくは非幾何学パターンに配置されてよい。異なる第1および第2の照明のパターンが異なるパターンのライトで使用されてよいことが理解されるべきである。例えば、ダイヤモンドパターンのライトの実施形態において、全ての4つのライトを作動させる第1のパターンが脅威範囲を示し、そして2つの縦に揃えられたコーナーまたは上ライトだけを作動させる第2のパターンが安全な方向を示す。
【0036】
一部の実施形態において、標識10、110、210は、ハウジング12、112、212内部の、例えばスピーカ(見えない)などの音放出器を含み、そしてハウジング12、112、212は、ハウジング12、112、212の外への音放出器からの音の伝達のためのスリット、溝または他の開口32、132、232を含む。音放出器は、警報、サイレン、口頭警告メッセージまたは他の可聴報知を発することによって潜在的なまたは現実の脅威を各人に聞こえるように報知するために使用できる。更なる実施形態において、ハウジング12、112、212は、追加のライト、音放出器(例えば、スピーカ)もしくは当該技術において公知の他の出力デバイスなどの出力デバイス、または音検出器(例えば、マイクロホン)、温度検出器(例えば、温度計)もしくは当該技術において公知の他の入力デバイスなどの入力デバイスのハウジング12、112、212への組込みを可能にするために1つまたは複数の脱着式ノックアウト34、134、234を含む。或る実施形態において、ライト22、24、122、124、222、224および方向矢印28、128、228の作動は、米国特許出願公開第2019/0295207号に記載されているように、脅威範囲を検出することが可能な1つまたは複数のセンサと電子通信する遠隔マスタコントローラと電子通信する内部コントローラによって制御される。一部の実施形態において、入力デバイスはマイクロホンであり、マイクロホンによって取得される音声データが内部コントローラによってマスタコントローラに送信され、そしてマスタコントローラが複数の標識10、110、210内のマイクロホンからの音声データを使用して、脅威(すなわち、発砲の音によって検出される、乱射犯)の場所を三角測量する。他の実施形態において、入力デバイスは温度計であり、温度計からの温度データが内部コントローラによってマスタコントローラに送信され、そしてマスタコントローラが複数の標識10、110、210からの温度データを使用して、脅威(すなわち、昇温によって検出される、火災)の場所を三角測量する。
【0037】
標識10、110、210は、電力変換およびネットワーク通信を行うための内部部品を含んでよい。例えば、標識10、110、210のハウジング12、112、212内部の部品には、電力変換器、回路板、有線通信ポート、無線通信ポート、電力を受けるための配線電力、電池バックアップ源、および当該技術において一般に公知の他の部品を含んでよい。
【0038】
標識10、110、210の形状が矩形または正方形であるとして記載されるのに対して、他の形状が企図されることが理解されるべきである。例えば、1つの廊下が別の廊下の長さに沿った位置で終わるT字交差点での使用のために設計された廊下交差点標識、3つの側面を有する三角形状の交差点標識が使用されてよい。他の実施形態において、廊下交差点標識は、単一の側面だけを有し、円筒または円盤形状でよく、そして交差点で交わる各廊下と揃えられる三角パターンで標識の円周周りに離間されるライトを含んでよい。更には、開示された標識10、110、210は、必ずしも廊下の交差点にまたは廊下に沿って設けられる必要があるわけではなく、複数の出口を持つ大きな開放的な部屋またはそれらの使用が合理的である他の場所にも配設され得る。
【0039】
本開示の種々の実施形態の様々な態様が、次の通りに段落X1、X2およびX3に表現される:
【0040】
X1.本開示の一実施形態は、上面、下面、および上面と下面との間に延びる少なくとも1つの側面を含むハウジングと、ハウジング上に設けられる複数の独立して照明可能な方向矢印であって、各々が異なる方向を指す、複数の独立して照明可能な方向矢印と、ハウジング上に設けられる一組の少なくとも3つの独立して照明可能なライトと、ハウジング内部のコントローラであって、各方向矢印および各ライトを独立して作動または作動停止させるように構成される、コントローラとを備えるスマート標識を含む。
【0041】
X2.本開示の別の実施形態は、色覚異常および聴覚障害者にとって利用しやすい視覚信号システムであって、マスタコントローラと、請求項1に記載の複数のスマート標識であり、各々が上記マスタコントローラと電子通信する、スマート標識とを備える、視覚信号システムを含む。
【0042】
X3.本開示の更なる実施形態は、危険事象中に施設内に視覚信号を提供するための方法であって、マスタコントローラによって、危険の場所に関して入力デバイスから電子情報を受信するステップと、マスタコントローラによって、請求項1に記載の複数のスマート標識であり、施設上または内に設けられる、スマート標識に、各人を危険の場所から離すように導くために上記複数のスマート標識上のライトおよび方向矢印を作動させよという命令を通信するステップとを含む、方法を含む。
【0043】
更に他の実施形態は、以下の態様の1つまたは複数と組み合わされた前段落X1、X2またはX3のいずれかに記載される特徴を含む:
【0044】
スマート標識と遠隔に設けられるマスタコントローラとの間の電子通信のための手段。
【0045】
スマート標識を天井に取り付けるための手段。
【0046】
スマート標識を壁に取り付けるための手段。
【0047】
スマート標識を既存の出口標識に取り付けるための手段。
【0048】
コントローラは、各方向矢印および各ライトを作動または作動停止させよという電子命令をマスタコントローラから受信するように構成される。
【0049】
一組の少なくとも3つのライトは、第1のパターンまたは第2のパターンであって、非同一である、第1のパターンおよび第2のパターンで作動可能である。
【0050】
一組の少なくとも3つのライトは、第3のパターンであって、第1のパターンおよび第2のパターンと非同一である、第3のパターンで作動可能である。
【0051】
一組の少なくとも3つのライトは、三角パターンに配置される3つのライトである。
【0052】
少なくとも3つのライトは、単一方向から見えるようにハウジング上に配置される。
【0053】
複数の方向矢印は、反対方向を指す少なくとも2つの方向矢印を含む。
【0054】
入力デバイスおよび出力デバイスのうちの少なくとも1つ。
【0055】
少なくとも1つの入力デバイスには音検出器を含み、そして少なくとも1つの出力デバイスには音放出器を含む。
【0056】
複数の方向矢印はハウジングの下面に設けられる。
【0057】
複数の方向矢印の各々は、ハウジングの下面によって定められる平面で異なる方向を指す。
【0058】
少なくとも1つの側面は、複数の隣接する側面である。
【0059】
複数の隣接する側面のうちの2つが角部を形成する。
【0060】
一組の少なくとも3つのライトは、角部に設けられるコーナーライト、および角部に隣接する2つの側面の各々上のサイドライトを含む。
【0061】
コーナーライトおよび角部に隣接する各側面上のサイドライトは、角部の方向に照らすために揃えられる。
【0062】
コーナーライトおよび角部に隣接する各側面上のサイドライトは、角部の方向から見える三角パターンに配置される。
【0063】
コーナーライトおよびサイドライトのうちの少なくとも1つは、角部の方向以外の方向からの上記コーナーライトおよび上記サイドライトの可視性を低下させるカバー内に部分的に囲まれる。
【0064】
ハウジング上に設けられる一組の少なくとも3つのライトは二組の少なくとも3つのライトであり、上記組の各々がハウジング周りに互いから約180度離間される。
【0065】
ハウジング上に設けられる一組の少なくとも3つのライトは四組の少なくとも3つのライトであり、上記組の各々がハウジング周りに互いから約90度離間される。
【0066】
複数の方向矢印は、第1の方向を指す第1の方向矢印、および第2の方向矢印であって、第1の方向と反対である第2の方向を指す、第2の方向矢印を含む。
【0067】
ハウジングは、上面と下面との間に延びる2つの反対する側面、上面、下面および2つの側面の間に延びる正面、ならびに上面、下面および2つの側面の間に延びる裏面を含む。
【0068】
少なくとも3つのライトは、標識の正面に三角パターンに配置される3つのライトである。
【0069】
独立して照明可能な出口呼称。
【0070】
3つのライトは、側面からのライトの可視性を事実上低下させるためにハウジングに埋め込まれる。
【0071】
複数の方向矢印はハウジングの正面に設けられる。
【0072】
複数の方向矢印の各々は、ハウジングの正面によって定められる平面で異なる方向を指す。
【0073】
本明細書に使用され得る基準系は、概して様々な方向(例えば、上下、前後左右、東西南北)を指すことができるが、これは、読者が本開示の様々な実施形態を理解するのを支援するためだけに与えられており、限定的として解釈されるものではない。開示されたサイネージが種々の廊下、壁、天井、部屋または他の場所に関して種々の場所および種々の向きで装着され得ることが理解されるべきである。様々な実施形態を記載するために他の基準系が使用され得る。
【0074】
本開示の例、1つまたは複数の代表的な実施形態および具体的な形態が図面および上記説明に詳細に例示および記載されたが、それは例示的であり制限的または限定的でないとして考えられるはずである。1つの実施形態における特定の特徴の記載は、必ずしもそれらの特定の特徴がその1つの実施形態に限定されることを意味するわけではない。1つの実施形態の特徴の一部または全ては、そのように明記されているか否かに関わらず、当業者によって理解され得るように、他の実施形態の特徴の一部または全てと組み合わせて使用できる。1つまたは複数の例証的な実施形態が図示および記載され、そして本開示の趣旨の範囲内に納まる全ての変更および修正が保護されることが所望される。
【符号の説明】
【0075】
10 緊急避難標識
12 ハウジング
14 側面
16 上面
18 下面
20 角部
22 コーナーライト
24 サイドライト
26 カバー
28 方向矢印
32 開口
34 ノックアウト
110 緊急避難標識
112 ハウジング
114 側面
116 上面
118 下面
119 正面
120 背面
122 上ライト
124 下ライト
128 方向矢印
132 開口
134 ノックアウト
210 出口標識
212 ハウジング
214 側面
216 上面
218 下面
219 正面
220 背面
222 上ライト
224 下ライト
228 方向矢印
230 出口呼称
232 開口
234 ノックアウト
【国際調査報告】