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2023-515120低アレルギー性組換え乳タンパク質およびこれを含む組成物
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  • -低アレルギー性組換え乳タンパク質およびこれを含む組成物 図1
  • -低アレルギー性組換え乳タンパク質およびこれを含む組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】低アレルギー性組換え乳タンパク質およびこれを含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/47 20060101AFI20230405BHJP
   A23L 33/19 20160101ALI20230405BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
C07K14/47
A23L33/19 ZNA
C12N15/10 200Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022550687
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021018899
(87)【国際公開番号】W WO2021168343
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/978,726
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.SPAN
3.ARLACEL
(71)【出願人】
【識別番号】517058738
【氏名又は名称】パーフェクト・デイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイファヴ バット
(72)【発明者】
【氏名】ルイス クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ガイストリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ジェニン リン
【テーマコード(参考)】
4B018
4H045
【Fターム(参考)】
4B018MD20
4B018MF10
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA43
4H045EA01
(57)【要約】
弱められたまたは本質的に除去されたアレルゲン性を有する組換え乳タンパク質、当該組換え乳タンパク質を含む組成物、および組換え乳タンパク質および組成物を製造する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応する組成物と比較して、弱められたまたは本質的に除去されたアレルゲン性を有する組成物であって、前記組成物が、乳タンパク質成分を含むかまたは乳タンパク質成分からなり、前記乳タンパク質成分が、対応する天然の乳タンパク質に比較して組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めたかまたは本質的に除去した対応する天然の乳タンパク質に比較した修飾を含む組換え乳タンパク質を含むかまたはそれからなり、前記組換え乳タンパク質成分が対応する天然の乳タンパク質の1以上の機能的属性を維持する、組成物。
【請求項2】
前記修飾が、対応する天然の乳タンパク質に含まれる組換え乳タンパク質からアレルゲン性エピトープを除去する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記修飾が、対応する天然の乳タンパク質に含まれる組換え乳タンパク質から翻訳後修飾(PTM)を除去する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記PTMがO-グリコシル化である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記PTMがリン酸化である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記PTMがメチル化である、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記修飾が、対応する天然の乳タンパク質の安定性に比較して、酸性pHで前記組換え乳タンパク質のタンパク質構造の安定性を低下する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記修飾が、前記組換え乳タンパク質に非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を生じる、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列が、対応する天然の乳タンパク質の溶媒暴露領域内に含まれる請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列が、対応する天然の乳タンパク質の液体結合領域に含まれる、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列が、対応する天然の乳タンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープに含まれる、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列が、哺乳動物の胃腸管に含まれるプロテアーゼに対する非天然の認識または開裂配列である、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記哺乳動物がヒトである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
哺乳動物の胃腸管に含まれる前記プロテアーゼが、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB、およびペプシンからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
哺乳動物の胃腸管に含まれる前記プロテアーゼが、哺乳動物の胃腸管に含まれる微生物によって産生されるプロテアーゼである、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記組換え乳タンパク質が組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、組換え細菌宿主細胞で産生される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組換え細菌宿主細胞が、バシラス属(Bacillus)およびエシェリキア属(Escherichia)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、組換え真菌宿主細胞で産生される、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記組換え真菌宿主細胞が、組換え酵母宿主細胞である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記組換え酵母宿主細胞が、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、コマガタエラ属(Komagataella)、ピキア属(Pichia)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、およびヤロウイア属(Yarrowvia)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記組換え真菌宿主細胞が、組換え糸状菌宿主細胞である請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記組換え糸状菌縮主細胞が、アスペルギルス属(Aspergillus)、フサリウム属(Fusarium)、ミセリオフィトラ属(Myceliphthora)、およびトリコデルマ属(Trichoderma)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)と少なくとも40%同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項25】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸1からアミノ酸14、アミノ酸16からアミノ酸20、アミノ酸27からアミノ酸31、アミノ酸33からアミノ酸36、アミノ酸40からアミノ酸41、アミノ酸44からアミノ酸72、アミノ酸74からアミノ酸79、アミノ酸83からアミノ酸103、アミノ酸105からアミノ酸117、アミノ酸124からアミノ酸139、アミノ酸141からアミノ酸146、アミノ酸136からアミノ酸149、アミノ酸148からアミノ酸155、およびアミノ酸157からアミノ酸160にわたる領域からなる群から選択される1以上の領域に含まれる、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記修飾が、配列番号1(SEQ ID NO:1)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、A111G、A111I、A111V、V118G、V118I、V118L、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、D64A、D64I、D64L、D64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H161K、H161R、I12A、I12G、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72V、I78A、I78G、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、およびY42Gからなる群から選択される単一のアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記修飾が、配列番号2(SEQ ID NO:2)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、A111G、A111I、A111V、A118G、A118I、A118L、A118V、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、G64A、G64I、G64L、G64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H161K、H161R、I12A、I12G、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72V、I78A、I78G、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、およびY42Gからなる群から選択される単一のアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
前記修飾が、配列番号1(SEQ ID NO:1)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、A111G、A111I、A111V、V118G、V118I、V118L、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、D64A、D64I、D64L、D64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H161K、H161R、I12A、I12G、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72V、I78A、I78G、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、およびY42Gからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
前記修飾が、配列番号2(SEQ ID NO:2)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、A111G、A111I、A111V、A118G、A118I、A118L、A118V、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、G64A、G64I、G64L、G64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H161K、H161R、I12A、I12G、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72V、I78A、I78G、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、およびY42Gからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項30】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換K47L、G52D、およびD53Nを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項31】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換I72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項32】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換K83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項33】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換D85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項34】
前記修飾が、配列番号1(SEQ ID NO:1)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、およびL117Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項35】
前記修飾が、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項36】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換E127KおよびD130Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項37】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換K141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項38】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換P153LおよびQ155Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項39】
前記修飾が、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸置換F151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項24に記載の組成物。
【請求項40】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号4(SEQ ID NO:4)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項41】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸1からアミノ酸14、アミノ酸16からアミノ酸20、アミノ酸27からアミノ酸31、アミノ酸33からアミノ酸36、アミノ酸40からアミノ酸41、アミノ酸44からアミノ酸72、アミノ酸74からアミノ酸79、アミノ酸83からアミノ酸103、アミノ酸105からアミノ酸117、アミノ酸124からアミノ酸139、アミノ酸141からアミノ酸146、アミノ酸136からアミノ酸149、アミノ酸148からアミノ酸155、およびアミノ酸157からアミノ酸160にわたる領域からなる群から選択される1以上の領域に含まれる、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のT6S、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項44】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換K47LおよびG52Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項45】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換I72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項46】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換K83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項47】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換D85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項48】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項49】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換E127KおよびN130Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項50】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換K141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項51】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換P153LおよびQ155Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項52】
前記修飾が、配列番号4(SEQ ID NO:4)のアミノ酸置換F151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項53】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号5(SEQ ID NO:5)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項54】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸1からアミノ酸14,アミノ酸16からアミノ酸20、アミノ酸27からアミノ酸31、アミノ酸33からアミノ酸36、アミノ酸40からアミノ酸41、アミノ酸44からアミノ酸72、アミノ酸74からアミノ酸79、アミノ酸83からアミノ酸103、アミノ酸105からアミノ酸117、アミノ酸124からアミノ酸139、アミノ酸141からアミノ酸146、アミノ酸136からアミノ酸149、アミノ酸148からアミノ酸155、およびアミノ酸157からアミノ酸160にわたる領域からなる群から選択される1以上の領域に含まれる、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換K47LおよびG52Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項58】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換I72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項59】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換K83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項60】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換D85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項61】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項62】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換E127KおよびN130Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項63】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換K141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項64】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換P153LおよびQ155Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項65】
前記修飾が、配列番号5(SEQ ID NO:5)のアミノ酸置換F151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項53に記載の組成物。
【請求項66】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号6(SEQ ID NO:6)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項67】
前記修飾が、配列番号6(SEQ ID NO:6)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、およびT154Fからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
前記修飾が、配列番号6(SEQ ID NO:6)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、およびT154Fからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項66に記載の組成物。
【請求項69】
前記修飾が、配列番号6(SEQ ID NO:6)のアミノ酸置換F72L、A73G、S78N、A80K、およびE81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項66に記載の組成物。
【請求項70】
前記修飾が、配列番号6(SEQ ID NO:6)のアミノ酸置換K108G、N109P、A110P、A111L、T112P、P113S、G114A、Q115E、S116HG、およびL117Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項66に記載の組成物。
【請求項71】
前記修飾が、配列番号6(SEQ ID NO:6)のアミノ酸置換P151L、T154K、およびR155Qを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項66に記載の組成物。
【請求項72】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号7(SEQ ID NO:7)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項73】
前記修飾が、配列番号7(SEQ ID NO:7)の、T6S、S21D、S30D、I29L、S30K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、およびT154Fからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記修飾が、配列番号7(SEQ ID NO:7)の、T6S、S21D、S30D、I29L、S30K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、およびT154Fからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項72に記載の組成物。
【請求項75】
前記修飾が、配列番号7(SEQ ID NO:7)のアミノ酸置換F72L、A73G、S78N、A80K、およびE81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項72に記載の組成物。
【請求項76】
前記修飾が、配列番号7(SEQ ID NO:7)のアミノ酸置換K108G、N109P、A110P、A111L、T112P、P113S、G114A、Q115E、S116HG、およびL117Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項72に記載の組成物。
【請求項77】
前記修飾が、配列番号7(SEQ ID NO:7)のアミノ酸置換P151L、T154K、およびR155Qを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項72に記載の組成物。
【請求項78】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号8(SEQ ID NO:8)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項79】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、およびS138Rからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、およびS138Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸置換R47LおよびG52Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項82】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸置換V72L、A73G、Q74E、D78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項83】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸置換P154L、S155T、およびG156Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項84】
前記修飾が、配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸置換Q152L、P154L、S155K、G156Q、およびG157Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項78に記載の組成物。
【請求項85】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号9(SEQ ID NO:9)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項86】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、S138R、およびH147Rからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)の、T6S、S21D、S30D、S36M、S36T、T97S、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、S138R、およびH147Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項88】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)のアミノ酸置換R47LおよびG52Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項89】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)のアミノ酸置換V72L、A73G、Q74E、D78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項90】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)のアミノ酸置換P154L、S155T、およびG156Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項91】
前記修飾が、配列番号9(SEQ ID NO:9)のアミノ酸置換Q152L、P154L、S155K、G156Q、およびG157Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項85に記載の組成物。
【請求項92】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質が、配列番号10(SEQ ID NO:10)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項93】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸1からアミノ酸14,アミノ酸16からアミノ酸20、アミノ酸27からアミノ酸31、アミノ酸33からアミノ酸36、アミノ酸40からアミノ酸41、アミノ酸44からアミノ酸72、アミノ酸74からアミノ酸79、アミノ酸83からアミノ酸103、アミノ酸105からアミノ酸117、アミノ酸124からアミノ酸139、アミノ酸141からアミノ酸146、アミノ酸136からアミノ酸149、アミノ酸148からアミノ酸155、およびアミノ酸157からアミノ酸160にわたる領域からなる群から選択される1以上の領域に含まれる、請求項92に記載の組成物。
【請求項94】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)の、T6S、Y20A、Y20C、Y20D、Y20H、Y20N、Y20S、Y20T、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項95】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)の、T6S、Y20A、Y20C、Y20D、Y20H、Y20N、Y20S、Y20T、S21D、S30D、S36M、S36T、K77H、T97S、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項96】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換K47LおよびG52Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項97】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換I72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項98】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換K83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項99】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換D85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項100】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項101】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換K141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項102】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換P153LおよびQ155Rを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項103】
前記修飾が、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸置換F151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項92に記載の組成物。
【請求項104】
前記組換え乳タンパク質が組換えα-ラクトアルブミンタンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項105】
前記組換えα-ラクトアルブミンタンパク質が組換え細菌宿主細胞で産生される、請求項104に記載の組成物。
【請求項106】
前記組換え細菌宿主細胞が、バシラス属(Bacillus)およびエシェリキア属(Escherichia)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項105に記載の組成物。
【請求項107】
前記組換えα-ラクトアルブミンタンパク質が組換え真菌宿主細胞で産生される、請求項104に記載の組成物。
【請求項108】
前記組換え真菌宿主細胞が組換え酵母宿主細胞である、請求項107に記載の組成物。
【請求項109】
前記組換え酵母宿主細胞が、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia)、コマガタエラ属(Komagataella)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、およびヤロウイア属(Yarrowvia)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項108に記載の組成物。
【請求項110】
組換え真菌宿主細胞が組換え糸状菌宿主細胞である、請求項107に記載の組成物。
【請求項111】
前記組換え糸状菌縮主細胞が、アスペルギルス属(Aspergillus)、フサリウム属(Fusarium)、ミセリオフィトラ(Myceliphthora)、およびトリコデルマ(Trichoderma)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
前記組換えα-ラクトアルブミンタンパク質が、配列番号3(SEQ ID NO:3)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項104に記載の組成物。
【請求項113】
前記修飾が、配列番号3(SEQ ID NO:3)の、E1D、E1N、E1Q、Q2D、Q2E、Q2N、L3G、L3A、L3V、L3I、T4S、T4M、K5H、K5R、E7D、E7N、E7Q、V8G、V8A、V8L、V8I、F9Y、F9W、R10H、R10K、E11D、E11N、E11Q、L12G、L12A、L12V、L12I、K13H、K13R、D14E、D14N、D14Q、L15G、L15A、L15V、L15I、K16H、K16R、G17A、G17V、G17L、G17I、Y18F、Y18W、G19A、G19V、G19L、G19I、G20A、G20V、G20L、G20I、V21G、V21A、V21L、V21I、S22T、S22M、L23G、L23A、L23V、L23I、E25D、E25N、E25Q、W26F、W26Y、S47T、S47M、T48S、T48M、E49D、E49N、E49Q、Y50F、Y50W、G51A、G51V、G51L、G51I、L52G、L52A、L52V、L52I、F53Y、F53W、Q54D、Q54E、Q54N、I55G、I55A、I55V、I55L、N56D、N56E、N56Q、N57D、N57E、N57Q、K58H、K58R、K93H、K93R、K94H、K94R、I95G、I95A、I95V、I95L、L96G、L96A、L96V、L96I、D97E、D97N、D97Q、K98H、K98R、V99G、V99A、V99L、V99I、G100A、G100V、G100L、G100I、I101G、I101A、I101V、I101L、N102D、N102E、N102Q、A109G、A109V、A109L、A109I、L110G、L110A、L110V、L110I、S112T、S112M、E113D、E113N、E113Q、K114H、K114R、L115G、L115A、L115V、L115I、D116E、D116N、D116Q、Q117D、Q117E、Q117N、W118F、W118Y、L119G、L119A、L119V、L119I、E121D、E121N、E121Q、K122H、K122R、L123G、L123A、L123V、およびL123Iからなる群から選択される単一アミノ酸置換からなる、請求項112に記載の組成物。
【請求項114】
前記修飾が、配列番号3(SEQ ID NO:3)の、E1D、E1N、E1Q、Q2D、Q2E、Q2N、L3G、L3A、L3V、L3I、T4S、T4M、K5H、K5R、E7D、E7N、E7Q、V8G、V8A、V8L、V8I、F9Y、F9W、R10H、R10K、E11D、E11N、E11Q、L12G、L12A、L12V、L12I、K13H、K13R、D14E、D14N、D14Q、L15G、L15A、L15V、L15I、K16H、K16R、G17A、G17V、G17L、G17I、Y18F、Y18W、G19A、G19V、G19L、G19I、G20A、G20V、G20L、G20I、V21G、V21A、V21L、V21I、S22T、S22M、L23G、L23A、L23V、L23I、E25D、E25N、E25Q、W26F、W26Y、S47T、S47M、T48S、T48M、E49D、E49N、E49Q、Y50F、Y50W、G51A、G51V、G51L、G51I、L52G、L52A、L52V、L52I、F53Y、F53W、Q54D、Q54E、Q54N、I55G、I55A、I55V、I55L、N56D、N56E、N56Q、N57D、N57E、N57Q、K58H、K58R、K93H、K93R、K94H、K94R、I95G、I95A、I95V、I95L、L96G、L96A、L96V、L96I、D97E、D97N、D97Q、K98H、K98R、V99G、V99A、V99L、V99I、G100A、G100V、G100L、G100I、I101G、I101A、I101V、I101L、N102D、N102E、N102Q、A109G、A109V、A109L、A109I、L110G、L110A、L110V、L110I、S112T、S112M、E113D、E113N、E113Q、K114H、K114R、L115G、L115A、L115V、L115I、D116E、D116N、D116Q、Q117D、Q117E、Q117N、W118F、W118Y、L119G、L119A、L119V、L119I、E121D、E121N、E121Q、K122H、K122R、L123G、L123A、L123V、およびL123Iからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換からなる、請求項112に記載の組成物。
【請求項115】
前記組成物が、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して90%以下のアレルゲン性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項116】
前記組成物が、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して80%以下のアレルゲン性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項117】
前記組成物が、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して70%以下のアレルゲン性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項118】
前記組成物が、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して60%以下のアレルゲン性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項119】
前記組成物が、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して50%以下のアレルゲン性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項120】
前記組成物が乳タンパク質成分からなる、請求項1に記載組成物。
【請求項121】
前記乳タンパク質成分が組換え乳タンパク質からなる、請求項1または請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記組成物が粉末である、請求項1、120または121に記載の組成物。
【請求項123】
前記組成物が食品である、請求項1に記載の組成物。
【請求項124】
前記食品が、乳製品はたは補助(supplemented)乳製品である、請求項123に記載の組成物。
【請求項125】
前記乳製品または補助(supplemented)乳製品が、乳、ヨーグルト、チーズ、乳ベースのソース、デイリースプレッド(dairy spreads)、クリーム、冷凍菓子、乳製品デザート(dairy desserts)、バター、乳製品粉末(dairy powders)、乳児用調製粉乳、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、栄養補助食品、テクスチャライジングブレンド(texturizing blends)、風味用ブレンド(flavoring blends)、着色用ブレンド、プディング、および発酵乳製品からなる群から選択される、請求項124に記載の組成物。
【請求項126】
前記食品が、動物肉、動物肉製品、または補助動物肉製品である、請求項123に記載の組成物。
【請求項127】
前記食品が、卵、卵製品、または補助卵製品である、請求項123に記載の組成物。
【請求項128】
前記組成物が、結合され、繰り返されたタンパク質モノマーを含むポリマーまたはポリマーネットワークを含み、前記繰り返されたタンパク質モノマーが上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を含むか、または上記のいずれかによる組換え乳タンパク質からなる、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、組換え乳タンパク質、かかる乳タンパク質を含む組成物、および係る組換え乳タンパク質および組成物を製造するための方法に関する。特に、本発明は、アレルギー性を弱めたまたは本質的に除去した組換え乳タンパク質に関する。
【背景技術】
【0002】
乳は、普及している栄養源である。これは、高品質のタンパク質、必須のミネラル、およびビタミンを含む。加えて、乳は、広範囲の派生製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、クリーム、バター)の生産を可能にする、および工業的応用(例えば、ポリマー、治療薬、家庭用品)に有用である、有利な機能的特徴を有するタンパク質を含む。
【0003】
栄養価が高く、用途が広いが、乳および乳製品は、これがアレルギー反応を引き出す人が増加することによって消費されない。アレルゲン性は、ホエイタンパク質β-ラクトグロブリンに対する特定の問題である。β-ラクトグロブリンのアレルゲン性は、溶媒に曝されたプロテアーゼ認識または開裂配列の非存在と組み合わされたT-細胞およびB-細胞抗原エピトープ(例えば、アミノ酸配列、またはT-細胞表面抗原によって認識される二次構造若しくは三次構造[例えば、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIおよびクラスIIタンパク質]およびB-細胞で産生される免疫グロブリン[例えば、IgE])の存在、および、胃の酸性環境での変性に対するタンパク質の相対的安定性に因っているかもしれない。結果として、抗原エピトープを含む消化されないβ-ラクトグロブリンは、胃腸粘膜での活性免疫サンプリングの部位に到達し、アレルゲン反応を開始する。
【0004】
乳タンパク質のアレルゲン性は、乳および乳製品(例えば、植物ベースのおよびナッツベースの乳-/乳製品様食品)の代替物を開発する努力を支持する十分な動機となる。しかし、これらの努力は、乳および乳製品の風味および栄養学的プロファイルを釣り合わせること、および、乳タンパク質と同一または同様の栄養素含量および機能性を有するタンパク質を再現することに関して短期間でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT/US2015/046428
【特許文献2】PCT/US2017/48730
【特許文献3】米国特許第9,924,728号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2019/0216106号明細書
【特許文献5】国際公開第2019/213155号
【特許文献6】国際公開第2020/219595号
【特許文献7】国際公開第2019/213155号
【非特許文献】
【0006】
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【非特許文献8】Madden et al. 1996 Meth. Enzymol. 266:131-141
【非特許文献9】Altschul et al. 1997 Nucleic Acids Res. 25:3389-3402
【非特許文献10】Zhang 7 Madden. 1997 Genome Res. 7:649-656)
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【非特許文献26】OECD 311 (ASTM E2170) Anaerobic Biodegradability / Biochemical Methane Potential
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【非特許文献54】Stranzl et al. 2010. Immunogenetics 62:357-68
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【非特許文献60】Larsen et al. 2006.Immunome Res 2:2
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【非特許文献63】Ponomarenko et al. 2008. BMC Bioinformatics 9:514
【非特許文献64】Bui et al. 2006. BMC Bioinformatics 7:153
【非特許文献65】Bui et al. 2007. BMC Bioinformatics 8:361
【非特許文献66】Beaver et al. 2007. Immunome Res 3:3
【非特許文献67】http://tools.iedb.org/main/
【非特許文献68】Cocco et al. 2007 Clinical and Experimental Allergy 37:831-838
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、アレルゲン性を弱めた、またはアレルゲン性を本質的に除去した低アレルギー性の乳タンパク質、およびかかる乳タンパク質を含む組成物(例えば、食品(food product))に対する必要性が存在する。
【0008】
(参照による取り込み)
全ての刊行物、特許、特許出願、配列、データベースの登録、科学刊行物、および本明細書に記載された他の参照文献は、あたかも、それぞれ個別の刊行物、特許、特許出願、配列、データベースの登録、科学刊行物、または他の参照文献が、特別におよび個別に、参照により取り込まれることを指示されたかのように、同じ範囲で、それらの全体を参照により取り込まれる。参照によって取り込まれた事項(material)が矛盾するか、または本開示と相反する範囲では、定義を含む本開示が、任意のこのような事項に優先する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本開示において、組換え乳タンパク質が提供され、当該組換え乳タンパク質は、対応する天然の乳タンパク質と比較した修飾であって、対応する天然の乳タンパク質に比較して、組換え乳タンパク質のアレゲン性を弱めた、またはアレルゲン性を本質的に除去する修飾を含む。修飾は、対応する天然の乳タンパク質に含まれるアレルゲンエピトープを組換え乳タンパク質から除去すること、対応する天然の乳タンパク質に含まれる組換え乳タンパク質の翻訳後修飾(PTM;例えばO-グリコシル化)を排除すること、対応する天然の乳タンパク質の安定性に比較して酸性pHで組換え乳タンパク質のタンパク質構造の安定性を低下すること、および/または組換え乳タンパク質における非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列を生成することができる。非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列は、哺乳類(例えばヒト)の胃腸管に含まれるプロテアーゼに対する非天然の認識または開裂配列でありうる。上記の何れかに従った組換え乳タンパク質は、β-ラクトグロブリンタンパク質でありうる。上記の何れかに従った組換え乳タンパク質は、α-ラクトアルブミンタンパク質でありうる。
【0010】
別の態様では、本開示において、乳タンパク質成分を含み、対応する組成物に比較してアレルゲン性を弱めた、またはアレルゲン性を本質的に除去した組成物であって、前記乳タンパク質成分が上記の何れかに従った組換え乳タンパク質を含むまたは当該組換え乳タンパク質からなる組成物を提供する。
【0011】
他の態様では、本開示において、上記の何れかに従った組換え乳タンパク質を産生することができる組換え宿主細胞、および、前記組換え宿主細胞を製造するのに有用な組換え発現構築物および組換えベクター、並びに、前記組換え宿主細胞を得るための方法および前記組換え乳タンパク質およびこの組換え乳タンパク質を含む組成物を製造する方法を提供する。
【0012】
例としての実施例が、添付の図面の使用を通した追加の特性(specificity)および詳細記述により記載され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の代表的な実施形態に従った、アレルゲン性を弱めた、またはアレルゲン性を本質的に除去した組換え乳タンパク質の産生に使用されるベース(base)トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)標的ベクターのマップである。
図2図2は、本発明の代表的な実施形態に従った、アレルゲン性を弱めた、またはアレルゲン性を本質的に除去した組換え乳タンパク質の産生に使用されるベース(base)ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(コマガタエラ・ファッフィ(Komagataella phaffii))標的ベクターのマップである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(本発明の詳細な説明)
本明細書で使用される術語および記述は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明の範囲を制限すること意図するものではない。特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、この開示の属する技術分野の通常の知識を有する者によって、一般に理解されている意味と同じ意味を有する。更に、文脈によって特に要求されない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含む。
【0015】
定義
アミノ酸は、それらの一文字コード、アミノ酸名、または三文字コードによって、本明細書において参照される。一文字コード、アミノ酸名、および三文字コードは、以下のとおりである:G-グリシン(Gly)、P-プロリン(Pro)、A-アラニン(Ala)、V-バリン(Val)、L-ロイシン(Leu)、I-イソロイシン(Ile)、M-メチオニン(Met)、C-システイン(Cys)、F-フェニルアラニン(Phe)、Y-チロシン(Tyr)、W-トリプトファン(Trp)、H-ヒスチジン(His)、K-リジン(Lys)、R-アルギニン(Arg)、Q-グルタミン(Gln)、N-アスパラギン(Asn)、E-グルタミン酸(Glu)、D-アスパラギン酸(Asp)、S-セリン(Ser)、T-スレオニン(Thr)。アミノ酸残基は、アミノ酸の最初の文字、次いで、参照配列(例えば、配列番号1または2)内のアミノ酸の位置を特定する数字によって表示される。アミノ酸置換は、置換されるべきアミノ酸に対する最初の文字、次いで、参照配列(例えば、配列番号1または2)内で置き換えられるべきアミノ酸の位置を特定する数字、並びに置換されるべきアミノ酸の場所の位置で置換されるべき第2の文字によって表示される。
【0016】
本明細書で使用される用語「1つ(a)」および「1つ(an)」および「その(the)」および類似の言及は、本明細書で別段指示されなければまたは文脈と明白に矛盾していなければ、単数形と複数形(例えば、「少なくとも1つ」または「1以上」を意味する)の両方を意味する。例えば、用語「化合物(a compound)」は、用語「少なくとも1つの化合物」、および「1以上の化合物」と同義であり、単数の化合物または複数の化合物(これらの混合物を含む)をいうことができる。
【0017】
決められた数値または数値範囲に関連して本明細書で使用される用語「約(about)」は、決められた数値または数値範囲の変動を含むことを意味する(例えば、決められた数値または数値範囲よりも幾分多いまたは幾分少ないこと、決められた値または数値範囲の±10%の範囲内までを表す。)。
【0018】
本明細書で使用される用語「アレルゲン性エピトープ」は、ヒトまたは他の動物においてアレルゲン応答を引き出すアミノ酸配列をいう。典型的には、このようなアレルゲン応答は、T-細胞表面抗原(例えば、MHCクラスIおよびIIタンパク質)またはB-細胞で産生される免疫グロブリン(例えばIgE)の、T-細胞アレルゲン性エピトープまたはB-細胞アレルゲン性エピトープへのそれぞれの結合によって引き出される。
【0019】
本明細書で使用される用語「および/または」は、互いに組み合わせたまたは互いを排除した複数の成分のことである。例えば、「x、y、および/またはz」は、「x」単独、「y」単独、「z」単独、「x、y、およびz」、「(xおよびy)またはz」、「(xおよびz)またはy」、「(yおよびz)またはx」、「xおよびy」単独、「xおよびz」単独、「yおよびz」単独、または「xまたはyまたはz」である。
【0020】
本明細書で使用される用語「少なくとも」または「1以上」は、1.2、3、4、5、6、7、8、9、10、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれ以上、または引き続いて列記される要素の全てを意味する。
【0021】
本明細書で使用される用語「B-細胞抗原エピトープ」は、B-細胞で産生される免疫グロブリン(例えばIgE)によって認識される(例えば結合する)アミノ酸配列をいう。
【0022】
本明細書で使用される用語「カゼイン」は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸の配列含むポリペプチドであって、哺乳類から生成される乳(即ち、哺乳類から生成される乳原産のカゼイン、例えば天然カゼイン)に生来見出されるカゼインのアミノ酸配列と少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一であるポリペプチドをいう。カゼインの非限定的な例は、β-カゼイン(例えば、UniProt配列P11839またはP33048のアミノ酸16~224、P05814のアミノ酸16~226)、γ-カゼイン、κ-カゼイン(例えば、UniProt配列P02668のアミノ酸22~190、UniProt配列P02669またはP02670のアミノ酸22~192、UniProt配列P07498のアミノ酸21~182)、α-S1-カゼイン(例えば、UniProt配列P02662、P04653またはP18626のアミノ酸16~214、UniProt配列P47710のアミノ酸16~185)、およびα-S2-カゼイン(例えば、それぞれ、UniProt配列P02663のアミノ酸16~222、UniProt配列P04654またはP33049のアミノ酸16~223)を含む。
【0023】
本明細書で使用される用語「対応する組成物」または「対応する食品」は、「対応する組成物」または「対応する食品」にそれぞれ比較して、それぞれ、組成物または食品を製造するために使用される方法と同一の方法であるが、但し、製造される「対応する組成物」または「対応する食品」は、それぞれ、「対応する組成物」または「対応する食品」のアレルギー性が、それぞれ本明細書で提供される方法でもたらされるように弱められるかまたは本質的に除去されるステップを含まない方法を除いた、方法によって製造される組成物または食品をそれぞれ指す。
【0024】
本明細書で使用される用語「対応する天然乳タンパク質」、「対応する天然β-ラクトグロブリンタンパク質」または「対応する天然α-ラクトアルブミンタンパク質」は、それぞれ「対応する天然乳タンパク質」、「対応する天然β-ラクトグロブリンタンパク質」または「対応する天然α-ラクトアルブミン」に比較して、それぞれ、組換え乳タンパク質、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質または組換えα-ラクトアルブミンタンパク質と同一である天然乳タンパク質、β-ラクトグロブリンタンパク質またはα-ラクトアルブミンタンパク質をそれぞれいうが、但し、それぞれ、組換え乳タンパク質、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質、または組換えα-ラクトアルブミンタンパク質で提供されるような修飾を含まない。
【0025】
本明細書で使用される用語「消化性」は、薬剤がヒトまたは他の動物の胃腸管で消化される速度をいう。
【0026】
本明細書で使用される用語「本質的にない」は、指示された成分が一般的な分析方法により指示された組成物中で検出可能ではないこと、または指示された成分が機能的ではないほど微量にしか存在していないことである。この文脈で使用される用語「機能的な」は、指示された成分を微量に含む組成物の特性に寄与しないこと、または指示された成分を微量に含む指示された組成物において活性(例えば、化学的活性、酵素活性)をもたないこと、または指示された成分を微量に含む組成物の使用または消費について健康有害効果を有しないことをいう。
【0027】
本明細書で使用される用語「糸状菌(filamentous fungal)」は、細区分真菌類および卵菌門(Hawksworth et al., In, Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UK(非特許文献1)により定義されている)の任意の糸状形態をいう。糸状菌は、栄養生長中のその菌糸の伸長により酵母とは区別される。本明細書で使用される用語「糸状菌宿主細胞」は、糸状菌から得られる宿主細胞をいう。
【0028】
本明細書で使用される用語「食品(food product)」は、食事の目的で、飼育動物(例えば、犬、猫)、家畜(例えば、牛、豚、馬)、および野生動物(例えば、非飼育捕食性動物)を含むヒトまたは動物によって摂取することができる組成物(即ち、健康に悪影響がないが、胃腸管で消化された材料の取り込みによる十分な栄養および/またはカロリー摂取)をいう。この用語は、1以上の他の成分と組み合わせるかまたはそれに添加して、ヒトまたは動物によって取り込まれうる食品を作製することができる組成物を含む。
【0029】
本明細書で使用される用語「真菌」とは、子嚢菌門、担子菌門、接合菌門、およびツボカビ門、卵菌門、およびグロムス門の生物のことをいう。しかし、真菌分類学は絶えず進化しており、したがって、真菌界のこの特定の定義は将来調整される可能性があることは理解されている。本明細書で使用される用語「真菌宿主細胞(fungal host cell)」は、真菌から得られる宿主細胞をいう。
【0030】
本明細書で使用される用語「胃腸管」は、口、食道、胃、小腸、大腸、及び肛門を含む。
【0031】
本明細書で使用される「相同体(ホモログ(homolog))」は、参照タンパク質に含まれる同様の長さ(即ち、問題のアミノ酸配列の長さの±20%の範囲内の長さ)のアミノ酸の配列と、少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%)同一のアミノ酸配列を含み、参照タンパク質のものと同様(例えば、50%以内、40%以内、30%以内、20%以内、又は10%以内)の機能性を有するタンパク質をいう。この用語は、多形態バリアント、種間相同体、(例えば、オーソログ(orthologs)、パラログ、及びタンパク質のアレルを含む。
【0032】
本明細書で使用される用語「宿主細胞」は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫も指す。突然変異または環境の影響のせいである特定の改変が続く世代で起こることがあるので、そのような子孫は実際には親細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書で使用される用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。
【0033】
薬剤(agent)に関して、本明細書で使用される用語「低アレルゲン性(hypoallergenic)」および/または「アレルゲン性を弱めたまたはアレルゲン性を本質的に除去した」は、当該薬剤の摂取に際し、または当該薬剤との接触に際し、ヒトで引き出されるアレルギー反応の減少または除去をいう。減少は、典型的には、参照薬剤と比較して採点され、これは、本明細書で提供される組換え乳タンパク質(例えば、組換えβ-ラクトグロブリン)の文脈では、対応する天然の乳タンパク質(例えば、天然のβ-ラクトグロブリン)であり、および本明細書で提供される組成物(例えば、本明細書で提供される食品)の文脈では、対応する組成物(例えば、対応する食品)である。このような減少は、対応する天然の乳タンパク質または対応する組成物のアレルゲン性と比較して、0%、1%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、65%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%以下、または95%以下のアレルゲン性でありうる。アレルゲン性は、本明細書で提供される方法を含む、当分野で公知の種々の方法を用いて測定されうる。
【0034】
2以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈で本明細書で使用される用語「同一性(identity)」または「同一(identical)」は、2以上のヌクレオチド配列またはポリペプチド配列が、それぞれ、最大一致するように整列された場合、同じであるヌクレオチドまたはアミノ酸の残基をいう。適用に依存して、「同一性」は、比較される配列の領域を越えて(例えば、機能的ドメインの長さを越えて)、または配列の前兆を越えて存在しうる。「領域」は、一続きの、少なくとも6、9、14、19、24、29、34、39またはそれ以上ヌクレオチド、または一続きの、少なくとも2、5、10、14、18、22、26、30またはそれ以上のアミノ酸であると考えられる。比較として、典型的には、1つの配列は、1以上の試験配列と比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列はコンピュータに入力され、必要であれば、引き続きの配位(コーディネート(coordinates))が指定され、配列アルゴリズムプログラムのパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムが、指定されたプログラムのパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性のパーセンテージを計算する。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)(非特許文献2)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)(非特許文献3)の相同性整列アルゴリズムによって、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)(非特許文献4)の類似性方法のためのサーチによって、これらのアルゴリズム(the Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group(GCG)、University of Wisconsin Biotechnology Centerの、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA。これらはデフォルトパラメータを用いて使用されうる。)のコンピュータ化された実施によって、または、目視検査(一般的には、Ausubel et al., infra(非特許文献5)参照)によって実施されうる。配列同一性のパーセンテージ及び配列相同性(sequence similarity)を決定するのに適切なアルゴリズムの一例は、BLASTアルゴリズム(例えば、Altschul et al. 1990 J. Mol. Biol. 215:403-410(非特許文献6)、Gish & States. 1993 Nature Genet. 3:266-272(非特許文献7)、Madden et al. 1996 Meth. Enzymol. 266:131-141(非特許文献8)、Altschul et al. 1997 Nucleic Acids Res. 25:3389-3402(非特許文献9)、Zhang 7 Madden. 1997 Genome Res. 7:649-656)(非特許文献10)参照)である。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)を通して、公に利用可能である。2以上のポリぺプチで配列が、保存的置換(即ち、アミノ酸を、当分野でよく知られた機能的に同様なアミノ酸を提供する保存的置換表(conservative substitution table)の化学的に類似のアミノ酸で置換すること)によって互いに異なる場合、配列同一性のパーセンテージまたはホモロジーの程度は、置換の保存的性質を修正するために上方に調節される。この調節を行う手段は当業者に周知である。例えば、Pearson, 1994, Methods Mol. Biol. 24:307-31 and 25:365-89(非特許文献11)を参照。
【0035】
本明細書で使用される用語「含む(including)」「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(持つ(with))」、またはそれらの異形は、用語「含む(comprising)」に類似するように包括的であることが意図されている。
【0036】
本明細書で使用される用語「乳タンパク質」は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸の配列を含むポリペプチドであって、哺乳類の生成する乳に生来見出されるタンパク質(即ち、哺乳類が生成する乳原産のタンパク質、例えば天然の乳清タンパク質または天然カゼイン)のアミノ酸配列と少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一であるポリペプチドをいう。乳タンパク質の非限定的な例は、α-ラクトアルブミンタンパク質(例えば、UniProt配列P00709、P00711、P00712、またはP09462のアミノ酸20~142)、β-ラクトグロブリンタンパク質(例えば、UniProt配列P02754のアミノ酸17~178、UniProt配列P67976またはP02756のアミノ酸19~180)、ラクトフェリンタンパク質(例えば、UniProt配列P24627、D3G9G3、またはQ29477のアミノ酸の20~708、UniProt配列P02788のアミノ酸20~710)、トランスフェリンタンパク質(例えば、UniProt配列Q29443またはW5PF65のアミノ酸の20~704、UniProt配列A0A452FJF9またはP02787のアミノ酸の20~698)、血清アルブミンタンパク質(例えば、UniProt配列P02769またはP14639のアミノ酸の25~607、UniProt配列A0A452F7Y5のアミノ酸の19~608、UniProt配列P02768のアミノ酸の25~609)、ラクトペルオキシダーゼタンパク質、グリコマクロペプチド(GMP)、β-カゼインタンパク質(例えば、UniProt配列PP02666のアミノ酸の16~224、UniProt配列P11839またはP33048のアミノ酸の16~222、P05814のアミノ酸の16~226)、γ-カゼインタンパク質、κ-タンパク質(例えば、UniProt配列P02668のアミノ酸の22~190、UniProt配列P02669またはP02670のアミノ酸の22~192、UniProt配列P07498のアミノ酸の21~182)、α-S1-カゼインタンパク質(例えば、UniProt配列P02662、P04653またはP18626のアミノ酸の16~214、UniProt配列P47710のアミノ酸の16~185)、および、α-S2-カゼインタンパク質(例えば、それぞれ、UniProt配列P02663のアミノ酸の16~222、UniProt配列P04654またはP33049のアミノ酸の16~223)を含む。乳タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列の非限定的な例は、2015年8月21日に提出された、PCT/US2015/046428のPCT出願(特許文献1)、および2017年8月25日に提出されたPCT/US2017/48730のPCT出願(特許文献2)に開示されており、これらは、その全体を参照により本明細書に取り込む。乳タンパク質は、任意の哺乳動物種由来であり得、この哺乳動物種には、ウシ、ヒト、ヒツジ、野生ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカク、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、およびマンモスが含まれるがこれらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される用語「乳タンパク質成分」は、乳清タンパク質のサブセットからなる成分、または、乳清タンパク質のサブセットおよびカゼインのサブセットの混合物(即ち、乳清タンパク質濃縮物、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質加水分解物、カゼイン単離物、カゼイン濃縮物、カゼイン加水分解物、乳タンパク質単離物、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質加水分解物、ミセルカゼイン濃縮物、カゼインナトリウム、または酸カゼインに存在する全てではないが一部のタンパク質からなる)からなる成分を指す。この用語は、乳タンパク質成分を構成する乳タンパク質が、本明細書で提供される組成物に含まれる唯一の乳タンパク質である(すなわち、組成物は、乳タンパク質成分を構成する乳タンパク質以外の他の乳タンパク質を含まない)ことをさらに暗示する。
【0038】
本明細書で使用される用語「天然の(native)」は、その非修飾の状態で自然界に見出されるもの(例えば、ヒトにより遺伝子的に修飾されていない細胞、及び、ヒトによって規定されていない条件[例えば、酸素化のレベル、pH、塩濃度、温度、及び栄養素(例えば炭素、窒素、硫黄)の利用可能性]の下で維持された細胞)のことをいう。
【0039】
本明細書で使用される用語「1以上」は、1、2、3,4,5、6、7、8、9、10、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、またはそれ以上、または、引き続いて列記されるもののすべてを意味する。
【0040】
本明細書で使用される用語「操作可能に結合された(operably linked)」は、要素を機能的に関連させる当該要素の配置をいう。例えば、プロモーター配列は、それがタンパク質コード配列の転写を制御するならばタンパク質コード配列に操作可能に結合され、分泌シグナル配列は、分泌シグナル配列が細胞の分泌システムを通してタンパク質を管理するならばタンパク質に操作可能に結合される。「操作可能に結合された」要素は、他の要素と連続的な結合であってもよく、あるいは、他の要素とトランスにまたは他の要素と所定距離で結合されてもよい。操作可能に結合されうる機能の非制限的な例は、転写の制御、翻訳の制御、タンパク質の折り畳み、及びタンパク質分泌を含む。
【0041】
本明細書で使用される用語「必要に応じた(optional)」または「必要に応じて(optionally)」は、特長もしくは構造が存在するもしくはしないこと、またはイベントもしくは状況が生じるもしくは生じないことをいう。前記記述は、特長もしくは構造が存在する場合および特長もしくは構造が存在しない場合、またはイベントもしくは状況が生じる場合およびイベントもしくは状況が生じない場合を含む。
【0042】
本明細書で開示される用語「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2(例えば、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1,000)のヌクレオチドのポリマー形態をいう。この用語は、DNA分子(例えばcDNA、ゲノムDNA、合成DNA)及びRNA分子(例えば、mRNA、合成RNA)、ならびに非天然ヌクレオチド類似体、非天然のヌクレオチド間結合体、および/または化学的修飾体を含有するDNAまたはRNAの類似体のセンス鎖とアンチセンス鎖の両方を含む。ポリヌクレオチドは化学的にもしくは生化学的に修飾されていてもよく、または非天然もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有していてもよい。そのような修飾は、例えば、標識、メチル化、天然に存在するヌクレオチドの1以上を類似体で置換すること、無荷電結合(linkage)(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメート)、荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート)、ペンダント部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレータ(例えば、アクリジン、ソラレン)、キレータ、アルキル化剤、および修飾された結合(例えば、アルファアノマー核酸)を含む。修飾されたヌクレオチドの例は当技術分野に記載されている(例えば、Malyshev et al. 2014. Nature 509:385(非特許文献12)、Li et al. 2014. J. Am. Chem. Soc. 136:826(非特許文献13)参照)。水素結合または他の化学的相互作用を介して指定された配列に結合するその能力でポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。そのような分子は当技術分野では公知であり、例えば、ペプチド結合が分子の骨格中のリン酸結合の代わりをする分子を含む。他の修飾は、例えば、リボース環が架橋部分または「ロックド」ポリヌクレオチドに見出される修飾などの他の構造体を含有する類似体を含むことができる。ポリヌクレオチドは、任意のトポロジーコンホーメーションであってよい。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四本鎖、部分的二本鎖、分岐、ヘアピン、環状、または南京錠ロック(padlocked)のコンホーメーションでありうる。本明細書で使用される用語「ポリヌクレオチド配列」は、ポリヌクレオチドに含まれるか、またはポリヌクレオチドを構成する分子の配列をいう。
【0043】
本明細書で使用される用語「プロテアーゼ」は、ペプチド結合を加水分解する(即ち、開裂する)ことができるタンパク質(例えば、酵素分類グループEC 3.4のメンバー)をいう。
【0044】
本明細書で使用される用語「プロテアーゼ認識または開裂配列」または「プロテアーゼに対する認識または開裂配列」は、好ましくは、プロテアーゼによって認識されるポリヌクレオチドのアミノ酸配列をいう。プロテアーゼ認識または開裂配列内の位置の一般的命名法は、SchechterおよびBerger(Schechter & Berger 1967 Biochem Biophys Res Commun, 27(2):157-162(非特許文献14); 1968 Biochem Biophys Res Commun, 32(5):898-902)(非特許文献15))によって記載されているように定義され、これらは、アミノ酸残基P1およびP1’の間に配置される開裂部位を指定して、開裂されたペプチド結合のN-末端方向(即ち、P1、P2、P3、P4など)およびC-末端方向(即ち、P1’、P2’、P3’、P4’など)に番号付けを増加する。
【0045】
本明細書で使用される用語「精製する」は、タンパク質が化学物質(chemicals)および細胞成分(例えば、細胞壁、膜脂質、染色体、他のタンパク質)から実質的に分離されていることをいう。前記用語は、タンパク質が他の全ての化学物質および細胞成分から分離されていることを(たとえ認めるにしても)必要としない。
【0046】
本明細書で使用される用語「組換え宿主細胞」は、組換えポリヌクレオチドを含む宿主細胞をいう。したがって、例えば、組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然の(非組換え)形態で見出されないポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生できるか、または組換え宿主細胞は、宿主細胞の天然の(非組換え)形態のポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるレベルでポリヌクレオチドまたはポリペプチドを産生することができる。そのような用語は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫も指すことが意図されていることは理解されるべきである。突然変異または環境の影響のせいで、ある特定の修飾が、続く世代で起こることがあるので、そのような子孫は対象細胞と同一ではない場合があるが、それでも本明細書で使用される用語「組換え宿主細胞」の範囲内に含まれる。組換え宿主細胞は、単離された細胞または培養物中で成長された細胞系(cell line)であってよく、または、生きている組織もしくは生体に存在する細胞であってもよい。
【0047】
本明細書で使用される用語「組換えβ-ラクトグロブリン」は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸の配列含む組換えにより産生されたポリペプチドであって、天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質(例えば、ボス・タウルス(ウシ(Bos taurus))β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P02754のアミノ酸17~178、配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2]、オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P67975、配列番号4(SEQ ID NO:4)]、オビス・アリエス(Ovis aries)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P67976、配列番号5(SEQ ID NO:5]、エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P02758のアミノ酸19~180、配列番号6(SEQ ID NO:6)]、エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P13613、配列番号7(SEQ ID NO:7)],エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P07380のアミノ酸19~181、配列番号8(SEQ ID NO:8)],エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P19647、配列番号9(SEQ ID NO:9)]、カプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質[UniProt配列P02756のアミノ酸19~180、配列番号10(SEQ ID NO:10])のアミノ酸配列と少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)のアミノ酸配列と同一である組換えにより産生されたポリペプチドをいう。
【0048】
本明細書で使用される用語「組換えポリヌクレオチド」は、その天然に存在する環境から取り除かれたポリヌクレオチド、またはそれが天然に見出される場合のポリヌクレオチドと境を接するまたは近接するポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連していないポリヌクレオチド、または自然界ではそれが連結されていないポリヌクレオチドに操作可能に連結されているポリヌクレオチド、または自然界には存在しないポリヌクレオチド、または自然界のそのポリヌクレオチドに見出されない修飾(例えば、挿入、欠失、または例えばヒトの介入によって人工的に導入された点突然変異)を含むポリヌクレオチド、または非相同部位で染色体に合体されたポリヌクレオチドをいう。前記用語は、例えば、クローニングされたDNA単離物、または化学的に合成されたヌクレオチド類似物を含むポリヌクレオチドを記述するのに使用することができる。ポリヌクレオチドは、それが天然に存在しない任意の遺伝子修飾を含有する場合には、「組換え」とも見なされる。例えば、内在性ポリヌクレオチドは、それが、(例えば、人の介入により)人工的に導入される1以上のヌクレオチドの挿入、欠失、または置換を含有する場合には、「組換えポリヌクレオチド」と見なされる。そのような修飾は、ポリヌクレオチドに点突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異、ミスセンス突然変異、フレームシフト突然変異、重複突然変異、増幅突然変異、転座突然変異、または反転突然変異を導入することができる。前記用語は、宿主細胞の染色体中のポリヌクレオチド、ならびに宿主細胞の染色体にないポリヌクレオチド(例えば、エピソームに含まれるポリヌクレオチド)を含む。宿主細胞または生体内の組換えポリヌクレオチドは、宿主細胞のin vivo細胞機構を用いて複製するが、このような組換えポリヌクレオチドは、細胞内で引き続いて複製されるとしても、まだ本発明の目的の組換え体と見なされる。
【0049】
本明細書で使用される用語「同様(similar)」は、特定された属性に関して約±15%の範囲内であることをいう。この用語は、特定された属性に関して±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、または、±1%の範囲内であることを含む。
【0050】
本明細書で使用される用語「T-細胞アレルゲン性エピトープ」は、T-細胞表面アレルゲン(例えば、MHCクラスIおよびIIタンパク質)によって認識される(例えば、結合される)アミノ酸配列をいう。
【0051】
本明細書で使用される用語「2以上」は、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれ以上、または引き続いて列記される要素の全てをいう。
【0052】
本明細書で使用される用語「乳清タンパク質(whey protein)」は、少なくとも20(例えば、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも150)のアミノ酸の配列を含むポリペプチドであって、哺乳類が生成する乳(即ち、哺乳動物が生成する乳原産の乳清タンパク質、例えば、天然の乳清タンパク質)に天然に見出される乳清タンパク質のアミノ酸配列と、少なくとも40%(例えば、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、100%)同一であるポリペプチドをいう。乳清タンパク質の非限定的な例は、α-ラクトアルブミンタンパク質(例えば、UniProt配列P00709、P00711、P00712、またはP09462のアミノ酸20~142、β-ラクトグロブリンタンパク質(UniProt配列P02754のアミノ酸17~178、UniProt配列P67976またはP02756のアミノ酸19~180)、ラクトフェリンタンパク質(例えば、UniProt配列P24627、D3G9G3、またはQ29477のアミノ酸20~708、UniProt配列P02788のアミノ酸20~710)、トランスフェリンタンパク質(例えば、UniProt配列Q29443、またはW5PF65のアミノ酸20~704、UniProt配列A0A452FJF9またはP02787のアミノ酸20~698)、血清アルブミンタンパク質(例えば、UniProt配列P02769またはP14639のアミノ酸25~607、UniProt配列A0A452F7Y5のアミノ酸19~608、UniProt配列P02768のアミノ酸25~609)、ラクトペルオキシダーゼタンパク質、およびグリコマクロペプチド(GMP、例えばUniProt配列P02668のアミノ酸127~190)を含む。
【0053】
本明細書で使用される用語「ベクター」は、宿主細胞に導入されるポリヌクレオチド配列を輸送することができる核酸をいう。ベクターの非限定的な例は、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、ウイルスベクター、コスミド、細菌人工染色体(BACs)、酵母人工染色体(YACs)、ウイルス粒子(例えば、非相同ポリヌクレオチドを含む)、DNA構築物(例えば、クローニングまたはPCR増幅によって産生される)、および線状二本鎖分子(例えば、PCRフラグメント)を含む。ある特定のベクターは、それが導入されている宿主細胞において自律増殖することができる(例えば、宿主細胞において機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞中に導入されると宿主細胞のゲノム中に組み込むことができ、それによって宿主ゲノムと一緒に複製される。
【0054】
本明細書で使用される用語「酵母」とは、サッカロマイセス目(Saccharomycetales)の生物をいう。酵母の栄養生長は、単細胞葉状体の出芽/小疱形成によるものであり、炭素異化作用は発酵性の場合がある。
【0055】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で特に示さない限り、列挙した最小および最大値を含む範囲内に入るそれぞれの離れた値(分数または整数)を個別に参照する簡略法として機能することを単に意図され、それぞれの離れた値は、あたかも本明細書に個別に列挙されたように本明細書に取り込まれる。また、本明細書に列挙されたすべての数値範囲は、これらに属する全ての部分的範囲を含むことを意図されることが理解されるべきである。以下に記載される全ての範囲および量は近似であり、本発明を制限することを意図しないことがさらに理解されるべきである。範囲および数が使用される場合、これらは、近似であり、統計的範囲または測定誤差若しくは変動(例えば、測定値は、プラスまたはマイナス10%でありうる)を含む。
【0056】
アレルゲン性を弱められたまたは除去された組換え乳タンパク質
一態様では、対応する天然の乳タンパク質に比較して修飾を含む組換え乳タンパク質であって、修飾が、対応する天然の乳タンパク質に比較して組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する組換え乳タンパク質が、本明細書で提供される。
【0057】
組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱るまたは本質的に除去する修飾は、対応する天然の乳タンパク質に含まれていないプロテアーゼ認識または開裂配列(即ち、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列)を組換え乳タンパク質に導入すること、および/または対応する天然の乳タンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープを組換え乳タンパク質から除去する修飾でありうる。
【0058】
修飾は、単一の修飾であってもよく、または2以上の修飾であってもよい。適切な修飾の非限定的な例は、1以上のアミノ酸の置換、1以上のアミノ酸の欠失、1以上のアミノ酸の付加、およびこれらの組み合わせを含む。
【0059】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、対応する天然の乳タンパク質の1以上の機能的属性を含みうる。
【0060】
非天然のプロテアーゼ認識および開裂配列を導入する修飾
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、対応する天然の乳タンパク質の溶媒暴露領域(即ち、対応する天然の乳タンパク質の三次元構造の表面上にある領域)、対応する天然の乳タンパク質の脂質結合領域(即ち、脂質を結合できる、対応する天然の乳タンパク質の三次元構造内の領域)、および/または対応する天然の乳タンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープ内に、または当該アレルゲン性エピトープの近くに(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸の範囲内)、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾である。
【0061】
非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列は、単一の非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列、または、2以上の非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列でありうる。
【0062】
非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列を組換え乳タンパク質に導入することによって、哺乳動物の胃腸管に含まれるプロテアーゼが組換え乳タンパク質を開裂し、組換え乳タンパク質に含まれるエピトープの配列またはコンホーメーション構造を破壊し、これによって、組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるか、または実質的に除去する。
【0063】
哺乳動物の胃腸管に含まれるプロテアーゼは、哺乳動物によって産生されうる。哺乳動物の胃腸管に含まれ、哺乳動物(例えば、ヒト)によって産生されるプロテアーゼの非制限的例は、トリプシン(例えば、カチオン性トリプシノーゲン、アニオン性トリプシノーゲン、メソトリプシン、パンクレアシン)、キモトリプシン(例えば、キモトリプシノーゲンB1、キモトリプシノーゲンB2、カルデクリン)、エラスターゼ(例えば、エラスターゼ2A、エラスターゼ2B、エラスターゼ3A、エラスターゼ3B)、カルボキシペプチダーゼA(例えば、カルボキシペプチダーゼA1、カルボキシペプチダーゼA2)、カルボキシペプチダーゼB(例えば、カルボキシペプチダーゼB1、カルボキシペプチダーゼB2)、およびペプシンを含む。
【0064】
あるいは、哺乳動物の胃腸管に含まれるプロテアーゼは、哺乳動物の胃腸管に含まれる(例えば、バイオトーム(biotome)に含まれる)微生物によって産生されうる。哺乳動物(例えば、ヒト)の胃腸管に含まれる微生物によって産生されるプロテアーゼの非制限的な例は、アリスチペス・プトレヂニス(Alistipes putredinis)、アネトルンクス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バクテロイデス・アシドファシエンツ(Bacteroides acidofacients)、バクテロイデス・カッカエ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・カピロスス(Bacteroides capillosus)、バクテロイデス・ドレイ(Bacteroides dorei)、バクテロイデス・エッゲルティ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・フィネゴルディ(Bacteroides finegoldii)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・インテスチナリス(Bacteroides intestinalis)、バクテロイデス・オバツス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・ペクチノフィルス(Bacteroides pectinophilus)、バクテロイデス・sp.(Bacteroides sp,)、バクテロイデス・ステルコシス(Bacteroides stercosis)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・ブルガタス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデス・キシラニソベンス(Bacteroides xylanisolvens)、ビヒドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ブラウチア・ハンセニー(Blautia hansenii)、ブチリビブリオ・クロッソツス(Butyrivibrio crossotus)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)(例えば、セリンペプチダーゼサブチリシン(serine peptidases subtilisin)、BPN、サブチリシンE(subtilisin E)、サブチリシンDY(subtilisin DY)、サブチリシン・アミロサッカリチクス(subtilisin amylosacchariticus)、サブチリシンNAT(subtilisin NAT)、およびサブチリシンS41(subtilisin S41))、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(例えば、分泌されたアスパラギン酸プロテイナーゼSAP1、SAP2、SAP3、SAP6。SAP9およびSAP10)、クロストリジウム・アスパラギフォルメ(Clostridium asparagiforme)、クロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)、クロストリジウム・ネクシル(Clostridium nexile)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)(例えば、コラーゲナーゼ/ColA)、クロストリジウム・サインデンス(Clostridium scindens)、クロストリジウム・sp(Clostridium sp)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、コプロコッカス・コメス(Coprococcus comes)、コプロコッカス・ユタクタス(Coprococcus eutactus)、デルマトファギオデス・プテロニッシヌス(Dermatophagoides pteronyssinus)、ドレア・フォルミシゲネランスDorea formicigenerans)、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、デスルフォビブリオ・デスルフリカンス(Desulfovibrio desulfuricans)、デスルフォビブリオ・ファイルフィエルデンシス(Desulfovibrio fairfieldensis)、デスルフォビブリオ・ピゲル(Desulfovibrio piger)、エントアメーバ・ヒストリチカ(Entamoeba histolytica)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)(例えば、メタロペプチダーゼ ガラチナセ/gelE)、ユーバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)、ユーバクテリウム・ハリー(Eubacteruim hallii)、ユーバクテリウム・ベレクタレ(Eubacteruim rectale)、ユーバクテリウム・セラエウム(Eubacteruim siraeum)、フィーカルバテリウム・プラスニッツイ(Faecalibacterium prausnitzii)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)(例えば、HtrA)、ホルデマニア・フィィフォルミス(Holdemania filiformis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、オシロスプラ・ギラーモンディー(Oscillospira guillermondii)、パラバクテリオデス・ジスタソニス(Parabacteroides distasonis)、パラバクテリオデス・ヨハンソニー(Parabacteroides johnsonii)、パラバクテリオデス・メルダエ(Parabacteroides merdae)、プロフィロモナス・ギンギバリス(Porphyromonas gingivalis)(例えば、システインペプチダーゼジンジパインRgpA(cysteine peptidases gingipain RgpA)、ジンジパインRgpB、およびジンジパインKgp)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ルミノコッカス・ブロミー(Ruminococcus bromii)、ルミノコッカス・グナバス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ルミノコッカス・sp(Ruminococcus sp)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(例えば、システインペプチダーゼスタフォパインA、スタフォパインB、およびスタフォパインC)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)(例えば、メタロペプチダーゼエラスターゼ/SepA)、スタフィロコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、サブドリグラニウム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、サテレラ・フェカリス(Sutterella faecalis)、サテリア・パリビルブラ(Sutterella parvirubra)、サテレラ・ステルコリカニス(Sutterella stercoricanis)、およびサテレラ・ワズオーゼンシス(Sutterella wadsworthensis)によって産生された、分泌され、細胞壁に結合された細胞外プロテアーゼを含む(例えば、Qin et al. 2010. Nature, 464(7285): 59-65(非特許文献16)参照)。
【0065】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列がトリプシンによって認識されるように、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列のP1位置でリジンまたはアルギニンアミノ酸残基を提供する修飾でありうる。上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列がペプシンによって認識されるように、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列のP1位置でロイシン、ピロリン、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンアミノ酸残基を提供する修飾でありうる。上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列がキモトリプシンによって認識されるように、非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列のP1位置でトリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンアミノ酸残基を提供する修飾でありうる。哺乳動物によって、または微生物によって産生される哺乳動物の胃腸管に含まれるプロテアーゼに対するさらに好ましいプロテアーゼ認識または開裂配列は、ペプチダーゼデータベースMEROPS(https://www.ebi.ac.uk/merocs/)に含まれるデータから推定することができる。修飾は、典型的には、対応する天然の乳タンパク質のタンパク質構造に比較して、組換え乳タンパク質のタンパク質構造に最小の影響力を有する。このような最小の影響力は、保存的アミノ酸置換(即ち、同様の生化学的性質を有するアミノ酸の置換)、および/または組換え乳タンパク質の三次元コンホーメーションにおいてアミノ酸の側鎖の間に立体障害を生じない(例えば、PyMol[Schrodinger, New York, NY]、および、複数配列の整列(multi-sequence alignments)[例えば、MUSCLE(Edgar, 2004, Nucleic Acids Res, 32: 1792-1797)(非特許文献17))を用いる、例えば天然の乳タンパク質のオーソログ(orthologs)の]を用いる試験によって決定される場合)欠失、置換および/または付加によって実現されうる。
【0066】
アレルゲン性エピトープを除去する修飾
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、アレルゲン性エピトープを除去する修飾である。
【0067】
アレルゲン性エピトープは、T-細胞アレルゲン性エピトープまたはB-細胞アレルゲン性エピトープでありうる。T-細胞アレルゲン性エピトープまたはB-細胞アレルゲン性エピトープの非制限的な例は、MHCクラスI(例えば、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-A1、HLA-A2、HLA-A3、HLA-A11、およびこれらのサブタイプ)結合部位、MHCクラスII(例えば、HLA-DPA、HLA-DPB、HLA-DP1、HLA-DP4、HLA-DP5、HLA-DP9、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-DRB1、HLA-DRB3、HLA-DRB4、HLA-DRB5、およびこれらのサブタイプ)結合部位、非古典的(non-classical)(例えば、HLA-E、HLA-G、BTN3A1、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、MR1、およびこれらのサブタイプ)結合部位、および、IgE結合部位を含む。アレルゲン性エピトープは、例えば、部位がアレルゲン性応答をもはや引き出さないようにアレルゲン性エピトープのアミノ酸または当該アレルゲン性エピトープの近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸の範囲内)のアミノ酸の1以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれ以上)を変化する(即ち、置換、欠失、および/または付加)ことによって除去されうる。アレルゲン性エピトープはまた、アレルゲン性エピトープを含まない、または組換え乳タンパク質の構造を乱さないポリペプチド(例えば、他のタンパク質[例えば他の乳タンパク質]の構造的に同様な領域から得られる、またはオーソログ(ortholog)乳タンパク質の構造的に同様な領域から得られるポリペプチド)で置換することもできる。アレルゲン性エピトープは、乳タンパク質をコードするポリペプチドのランダム若しくは部位特異的突然変異誘発と、それに続く、弱められたアレルゲン性もしくは本質的に除去されたアレルゲン性についてスクリーニンすることを介して除去または修飾されうる。このような修飾の結果として、組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱められまたは本質的に除去された上記のいずれかによる組換え乳タンパク質の隣接アミノ酸セグメントは、対応する天然の乳タンパク質の対応する隣接アミノ酸セグメントよりも公知のアレルゲン性エピトープの同一性が小さくなる場合がある。
【0068】
組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めたまたは本質的に除去された組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質でありうる。
【0069】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、対応する天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質の溶媒暴露領域の、または当該領域の近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸の範囲内)の非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾でありうる。溶媒暴露領域の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2))、天然のカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号10(SEQ ID NO:10)),オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号4(SEQ ID NO:4))、およびオビス・アリエス(Ovis aries)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号5(SEQ ID NO:5))、ならびに、相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する領域の、アミノ酸1からアミノ酸14、アミノ酸16からアミノ酸20、アミノ酸27からアミノ酸31、アミノ酸33からアミノ酸36、アミノ酸40からアミノ酸41、アミノ酸44からアミノ酸72、アミノ酸74からアミノ酸79、アミノ酸83からアミノ酸103、アミノ酸105からアミノ酸117アミノ酸124からアミノ酸139、アミノ酸141からアミノ酸146、アミノ酸148からアミノ酸155、およびアミノ酸157からアミノ酸160にわたる範囲の領域を含む。
【0070】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、対応する天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質の脂質結合領域の、または当該領域の近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸の範囲内)の非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾でありうる。脂質結合領域の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1またはあ2(SEQ ID NO:1または2))、天然のカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号10(SEQ ID NO:10)),オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号4(SEQ ID NO:4))、およびオビス・アリエス(Ovis aries)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号5(SEQ ID NO:5))、ならびに、相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する領域の、アミノ酸136からアミノ酸149にわたる範囲の領域を含む。
【0071】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、対応する天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性エピトープの、または当該アレルゲン性エピトープの近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸の範囲内)の非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾でありうる。アレルゲン性エピトープ(例えば、T-細胞アレルゲン性エピトープ、B-細胞アレルゲン性エピトープ)の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2))、および天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する領域の、アミノ酸1からアミノ酸8、アミノ酸2からアミノ酸18、アミノ酸9からアミノ酸14、アミノ酸25からアミノ酸40、アミノ酸35からアミノ酸48、アミノ酸41からアミノ酸60、アミノ酸43からアミノ酸68、アミノ酸47からアミノ酸62、アミノ酸67からアミノ酸78、アミノ酸75からアミノ酸86、アミノ酸78からアミノ酸83、アミノ酸84からアミノ酸91、アミノ酸86からアミノ酸100、アミノ酸92からアミノ酸100、アミノ酸97からアミノ酸117、アミノ酸102からアミノ酸124、アミノ酸122からアミノ酸146、アミノ酸125からアミノ酸135、アミノ酸127からアミノ酸144、アミノ酸135からアミノ酸147、アミノ酸141からアミノ酸152、およびアミノ酸149からアミノ酸162にわたる範囲の領域を含む。
【0072】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性を弱めるまたは本質的に除去する修飾は、非天然プロテアーゼ認識または開裂配列の1以上を生じさせる単一アミノ酸置換でありうる。
【0073】
かかる単一アミノ酸置換は、以下からなる群から選択されうる:天然のボス・タウルス(Bos taurus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の、I12L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T18K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T18R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I29L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S30K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S36L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、K47L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため、K47P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T49K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Q59R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I72L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I72F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I72W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I72Y (例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I78Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A86Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、N90R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Y102F(例えば、よりアクセス可能なペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S110L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S110Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T125F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、E127L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、E127W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V128L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、D137R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A142P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A142L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、H146R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびQ159R(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびボス・タウルス(Bos taurus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換体。
【0074】
かかる単一アミノ酸置換は、以下からなる群から選択されうる:天然のオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5または10)の、I12L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T18K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T18R(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I29L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S30K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S36L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、K47L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、K47P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T49K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Q59R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I72L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I72F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I72W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため),I72Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、I78Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、I78F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A86Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、N90R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Y102F(例えば、よりアクセス可能なペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S110L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S110Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S110K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111K(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125K(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127K(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、E127W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、E127Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V128L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、D137R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A142P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A142L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、H146R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)T154Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびQ159R(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換体。
【0075】
かかる単一アミノ酸置換は、以下からなる群から選択されうる:天然のエクウス・カバルス(Equus caballus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6)の、I29L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S30K(例えば、非天然トリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S36Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S36L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T49K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、F72L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、F72W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、F72Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S78Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、D90R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Y102F(例えば、よりアクセス可能なペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T125F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V128L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびT154F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、および天然のエクウス・カバルス(Equus caballus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換体。
【0076】
かかる単一アミノ酸置換は、以下からなる群から選択されうる:天然のエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7)の、I29L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S30K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T49K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、F72L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、F72W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、F72Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S78Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S78F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、D90R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、Y102F(例えば、よりアクセス可能なペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、A111Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、A111F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T125F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T125Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V128L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T154L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T154W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、およびT154F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、および天然のエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7)の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換。
【0077】
かかる単一アミノ酸置換は、以下からなる群から選択される:天然のエクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8または9(SEQ ID NO:8または9)の、I29L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S30K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、S36L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、S36K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、R47P(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T49K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、V72L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、V72F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V72W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V72Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、D78L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、D78Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、D78W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、D78F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、Y102F(例えば、よりアクセス可能なペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T126K(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、T126F(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T126W(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、T126Y(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)、V129L(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、およびS138R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、天然のエクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換。
【0078】
かかる単一アミノ酸置換は、天然のエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9)のH147R(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)、および、天然のエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する単一アミノ酸置換からなる群から選択されうる。
【0079】
あるいは、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、1以上の非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を生じる2以上のアミノ酸置換からなりうる。
【0080】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、およびこれらの組み合わせよりなる群から選択される2以上のアミノ酸置換、並びに、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)からなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のI12L、および、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:T18KまたはT18R、I29L、S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のT18KまたはT18R、および、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:I29L、S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のI29L、および、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のS30K、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のS36YまたはS36LまたはS36K、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のK47LまたはK47P、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のT49K、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、および Q159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のQ59R、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、および Q159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のI72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか
、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のI78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上: A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のA86Y、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のN90R、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のY102F、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のS110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のA111PまたはA111KまたはA111LまたはA111Y、A111WまたはA111F、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のT125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のE127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のV128L、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のD137R、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のA142PまたはA142L、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のH146R、および天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)の以下の1以上:T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0081】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のI12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換、並びに天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する2以上のアミノ酸置換を含みうるか、またはこれらからなる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のI12L、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:T18KまたはT18R、I29L、S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のT18KまたはT18R、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:I29L、S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のI29L、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のS30K、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:S36YまたはS36LまたはS36K、K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のS36YまたはS36LまたはS36K、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:K47LまたはK47P、T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のK47LまたはK47P、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:T49K、Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のT49K、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:Q59R、I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS1
10FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のQ59R、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:I72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のI72LまたはI72FまたはI72WまたはI72Y、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:I78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のI78LまたはI78YまたはI78WまたはI78F、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:A86Y、N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のA86Y、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:N90R、Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のN90R、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:Y102F、S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のY102F、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:S110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のS110PまたはS110LまたはS110YまたはS110WまたはS110FまたはS110K、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のA111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のT125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(
Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:E127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のE127KまたはE127LまたはE127WまたはE127FまたはE127Y、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:V128L、D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のV128L、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:D137R、A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159を含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のD137R、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:A142PまたはA142L、H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のA142PまたはA142L、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:H146R、T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のH146R、および天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)の以下の1以上:T154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154F、およびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)、オビス・アリエス(Ovis aries)、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4、5、または10(SEQ ID NO:4、5、または10)のT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154FおよびQ159Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0082】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換、並びに天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のI29L、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のS30K、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、これらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のS36YまたはS36LまたはS36K、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上: R47LまたはR47P、T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のR47LまたはR47P、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のT49K、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のF72LまたはF72WまたはF72Y、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のS78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のD90R、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のY102F、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のA111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のT125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))の以下の1以上:V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号6(SEQ ID NO:6))のV128LおよびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含むみうるか、これらからなりうる。
【0083】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の:I29L、S30K、R47L、R47P、T49K、F72L、F72W、F72Y、S78L、S78Y、S78W、S78F、D90R、Y102F、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、V128L、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびこれらの組み合わせ、並びに天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のI29L、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:S30K、R47LまたはR47P、T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のS30K、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:R47LまたはR47P、T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のR47LまたはR47P、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:T49K、F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のT49K、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:F72LまたはF72WまたはF72Y、S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のF72LまたはF72WまたはF72Y、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:S78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のS78LまたはS78YまたはS78WまたはS78F、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:D90R、Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の90R、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:Y102F、A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のY102F、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:A111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のA111PまたはA111KまたはA111LまたはA111YまたはA111WまたはA111F、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:T125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Y、V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のT125KまたはT125FまたはT125WまたはT125Yおよび天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))の以下の1以上:V128L、およびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号7(SEQ ID NO:7))のV128LおよびT154KまたはT154YまたはT154LまたはT154WまたはT154Fを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0084】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の:I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、S138R、およびこれらの組み合わせ、並びに天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のI29L、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のS30K、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含むか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のS36YまたはS36LまたはS36K、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上: R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のR47LまたはR47P、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のT49K、およびかかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のV72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のD78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のY102F、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、およびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のT126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、および天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))の以下の1以上:V129LおよびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号8(SEQ ID NO:8))のV129LおよびS138Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0085】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の:I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、R47L、R47P、T49K、V72L、V72F、V72W、V72Y、D78L、D78Y、D78W、D78F、Y102F、T126K、T126F、T126W、T126Y、V129L、S138R、H147R、およびこれらの組み合わせ、並びに天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する2以上のアミノ酸置換を含むか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のI29L、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:S30K、S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のS30Kおよび天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:S36YまたはS36LまたはS36K、R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のS36YまたはS36LまたはS36K、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:R47LまたはR47P、T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のR47LまたはR47P、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:T49K、V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のT49K、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:V72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のV72LまたはV72FまたはV72WまたはV72Y、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上: D78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のD78LまたはD78YまたはD78WまたはD78F、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:Y102F、T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のY102F、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:T126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のT126KまたはT126FまたはT126WまたはT126Y、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:V129L、S138R、およびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のV129L、および天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))の以下の1以上:S138RおよびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・アシヌス(Equus asinus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号9(SEQ ID NO:9))のS138RおよびH147Rを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0086】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のK47L、G52D、およびD53Nを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置47~53でのアミノ酸配列KPTPEGDが、アミノ酸配列LPTPEDN(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のI72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置72~81でのアミノ酸配列IAEKTKIPAVが、アミノ酸配列LGEKTENPKK(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のK83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置83~90でのアミノ酸配列KIDALNENが、アミノ酸配列TVNYQGER(例えば、非天然ペプシン、キモトリプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のD85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置85~90でのアミノ酸配列DALNENが、アミノ酸配列NYLDED(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のE108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、およびL117Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置108~117でのアミノ酸配列ENSAEPEQSLが、アミノ酸配列GPPLPSAEHGM(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のE108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置108~118でのアミノ酸配列ENSAEPEQSLAが、アミノ酸配列GPPLPSAEHGMV(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のE127KおよびD130Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置127~130でのアミノ酸配列EVDDが、アミノ酸配列KVDK(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のK141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置141~146でのアミノ酸配列KALPMHが、アミノ酸配列QPLPGR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のP153LおよびQ155Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置153~155でのアミノ酸配列PTQが、アミノ酸配列LTR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のF151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然ボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸位置151~156でのアミノ酸配列FNPTQLが、アミノ酸配列LDLKQM(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。
【0087】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のK47LおよびG52Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置47~52でのアミノ酸配列KPTPEGが、アミノ酸配列LPTPED(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のI72L、A73G、K77E、I78N、A80K,およびV81Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置72~81でのアミノ酸配列IAEKTKIPAVが、アミノ酸配列LGEKTENPKK(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のK83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G,およびN90Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置83~90でのアミノ酸配列KIDALNENが、アミノ酸配列TVNYQGER(例えば、非天然ペプシン、キモトリプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のD85N、A86Y、N88D,およびN90Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置85~90でのアミノ酸配列DALNENが、アミノ酸配列NYLDED(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のE108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M,およびA118Vを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置108~118でのアミノ酸配列ENSAEPEQSLAが、アミノ酸配列GPPLPSAEHGMV(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のE127KおよびN130Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置127~130でのアミノ酸配列EVDNが、アミノ酸配列KVDK(例えば、非天然トリプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のK141Q、A142P、M145G,およびH146Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置141~146でのアミノ酸配列KALPMHが、アミノ酸配列QPLPGR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のP153L、およびQ155Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置153~155でのアミノ酸配列PTQが、アミノ酸配列LTR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のF151L、N152D、P153L、T154K,およびL156Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然オビス・アリエス(Ovis aries)またはオビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号4または5(SEQ ID NO:4または5)のアミノ酸位置151~156でのアミノ酸配列FNPTQLが、アミノ酸配列LDLKQM(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。
【0088】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のF72L、A73G、S78N、A80K、およびE81Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置72~81でのアミノ酸配列FAEKTESPAEが、アミノ酸配列LGEKTENPKK(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のK108G、N109P、A110P、A111L、T112P、P113S、G114A、Q115E、S116HG、およびL117Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置108~117でのアミノ酸配列KNAATPGQSLが、アミノ酸配列GPPLPSAEHGM(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のP151L、T154K、およびR155Qを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)β-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置151~155でのアミノ酸配列PDLTRが、アミノ酸配列LDLKQ(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。
【0089】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号8または9(SEQ ID NO:8または9)のR47LおよびG52Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置47~52でのアミノ酸配列RPTPEGが、アミノ酸配列LPTPED(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号8または9(SEQ ID NO:8または9)のV72L、A73G、Q74E、D78N、A80K、およびV81Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置72~81でのアミノ酸配列VAQKTEDPAVが、アミノ酸配列LGEKTENPKK(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号8または9(SEQ ID NO:8または9)のP154L、S155T,およびG156Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置154~156でのアミノ酸配列PSGが、アミノ酸配列LTR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号8または9(SEQ ID NO:8または9)のQ152L、P154L、S155K、G156Q,およびG157Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然エクウス・カバルス(Equus caballus)またはエクウス・アシヌス(Equus asinus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号6または7(SEQ ID NO:6または7)のアミノ酸位置152~157でのアミノ酸配列QDPSGGが、アミノ酸配列LDLKQM(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。
【0090】
かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のK47LおよびG52Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置47~52でのアミノ酸配列KPTPEGが、アミノ酸配列LPTPED(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のI72L、A73G、K77E、I78N、A80K,およびV81Kを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置72~81でのアミノ酸配列IAEKTKIPAVが、アミノ酸配列LGEKTENPKK(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のK83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G,およびN90Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置83~90でのアミノ酸配列KIDALNENが、アミノ酸配列TVNYQGER(例えば、非天然ペプシン、キモトリプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のD85N、A86Y、N88D,およびN90Dを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置85~90でのアミノ酸配列DALNENが、アミノ酸配列NYLDED(例えば、非天然ペプシンおよびキモトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のE108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M,およびA118Vを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置108~118でのアミノ酸配列ENSAEPEQSLAが、アミノ酸配列GPPLPSAEHGMV(例えば、非天然ペプシン認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のK141Q、A142P、M145G,およびH146Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置141~146でのアミノ酸配列KALPMHが、アミノ酸配列QPLPGR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のP153LおよびQ155Rを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置153~155でのアミノ酸配列PTQが、アミノ酸配列LTR(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。かかる2以上のアミノ酸置換は、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のF151L、N152D、P153L、T154K,およびL156Mを含みうるか、またはこれらからなり得、例えば、これにより、天然カプラ・ヒルカス(Capra hircus)のβ-ラクトグロブリンタンパク質(それぞれ、配列番号10(SEQ ID NO:10)のアミノ酸位置151~156でのアミノ酸配列FNPTQLが、アミノ酸配列LDLKQM(例えば、非天然ペプシンおよびトリプシンの認識または開裂配列を生じさせるため)に変換されうる。
【0091】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープを除去する修飾でありうる。アレルゲン性エピトープを除去する修飾の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1(SEQ ID NO:1)のA111G、A111I、A111L、A111V、V118G、V118I、V118L、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、D64A、D64I、D64L、D64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H146R、H161K、H161R、I12A、I12G、I12L、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72L、I72V、I78A、I78G、I78L、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V128L、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、Y42G、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上のアミノ酸置換、並びに、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応するアミノ酸置換を含みうる。
【0092】
上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープを除去する修飾でありうる。アレルゲン性エピトープを除去する修飾の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質(配列番号1(SEQ ID NO:2)のA111G、A111I、A111L、A111V、A118G、A118I、A118L、A118V、A132G、A132I、A132L、A132V、A139G、A139I、A139L、A139V、A142G、A142I、A142L、A142V、A16G、A16I、A16L、A16V、A23C、A23G、A23H、A23K、A23P、A23W、A25C、A25D、A25E、A25G、A25P、A25W、A26C、A26D、A26E、A26G、A26P、A26W、A34G、A34I、A34L、A34V、A37G、A37I、A37L、A37V、A67G、A67I、A67L、A67V、A73G、A73I、A73L、A73V、A80G、A80I、A80L、A80V、A86G、A86I、A86L、A86Q、A86V、D11E、D11N、D11Q、D129E、D129N、D129Q、D130E、D130N、D130Q、D137E、D137N、D137Q、D33E、D33N、D33Q、D53E、D53N、D53Q、D85E、D85N、D85Q、D98E、D98N、D98Q、E108D、E108N、E108Q、E112D、E112N、E112Q、E114D、E114N、E114Q、E127D、E127N、E127Q、E131D、E131N、E131Q、E134D、E134N、E134Q、E157C、E157D、E157G、E157H、E157N、E157P、E157Q、E158D、E158N、E158Q、E44D、E44G、E44N、E44Q、E45D、E45N、E45Q、E51D、E51G、E51N、E51Q、E55D、E55N、E55Q、E62D、E62N、E62Q、E65D、E65N、E65Q、E74D、E74N、E74Q、F105W、F105Y、F136W、F136Y、F151A、F151C、F151D、F151E、F151G、F151H、F151I、F151K、F151N、F151P、F151Q、F151R、F151S、F151T、F151V、F151W、F151Y、F82W、F82Y、G52A、G52I、G52L、G52V、G64A、G64I、G64L、G64V、G9A、G9I、G9L、G9V、H146K、H146P、H146R、H161K、H161R、I12A、I12G、I12L、I12V、I147A、I147C、I147D、I147E、I147G、I147H、I147K、I147L、I147N、I147P、I147Q、I147R、I147S、I147T、I147V、I162A、I162G、I162L、I162V、I29C、I29D、I29E、I29G、I29H、I29K、I29N、I29P、I29R、I2A、I2G、I2L、I2V、I56A、I56G、I56L、I56V、I71A、I71G、I71L、I71V、I72A、I72G、I72L、I72V、I78A、I78G、I78L、I78V、I84A、I84G、I84L、I84V、K100H、K101H、K47H、K47R、K75H、K77H、K83H、K8H、K8R、L103A、L103G、L103I、L103V、L104A、L104G、L104I、L104V、L10A、L10G、L10I、L10V、L117A、L117G、L117I、L117V、L122A、L122G、L122I、L122V、L133A、L133G、L133I、L133V、L140A、L140G、L140I、L140V、L143A、L143G、L143I、L143V、L149A、L149C、L149D、L149E、L149G、L149H、L149I、L149K、L149N、L149P、L149Q、L149R、L149S、L149T、L149V、L156A、L156C、L156D、L156E、L156G、L156H、L156I、L156K、L156M、L156N、L156P、L156Q、L156R、L156S、L156T、L156V、L1A、L1G、L1I、L1V、L22C、L22D、L22E、L22G、L22H、L22K、L22N、L22P、L22Q、L22R、L22S、L22T、L22W、L31A、L31C、L31D、L31E、L31G、L31H、L31I、L31K、L31M、L31N、L31P、L31Q、L31R、L31S、L31T、L31V、L31W、L32A、L32C、L32D、L32E、L32G、L32H、L32I、L32K、L32M、L32N、L32P、L32Q、L32R、L32T、L32V、L32W、L39A、L39G、L39I、L39V、L46A、L46G、L46I、L46V、L54A、L54G、L54I、L54V、L57A、L57G、L57I、L57V、L58A、L58G、L58I、L58V、M107S、M107T、M145S、M145T、M24A、M24C、M24D、M24E、M24G、M24N、M24P、M24Q、M24S、M7S、M7T、N109D、N109E、N109Q、N152C、N152D、N152E、N152G、N152Q、N63D、N63E、N63Q、P48G、P50G、Q115D、Q115E、Q115N、Q120D、Q120E、Q120N、Q13D、Q13E、Q13N、Q155D、Q155E、Q155N、Q159D、Q159E、Q159N、Q35D、Q35E、Q35N、Q59D、Q59E、Q59N、Q5D、Q5E、Q5N、Q68D、Q68E、Q68N、R124H、R40H、S110M、S110T、S116M、S116T、S150C、S150D、S150E、S150G、S150M、S150N、S150T、S21D、S21G、S27C、S27D、S27G、S30C、S30D、S30G、S36M、S36T、T125M、T125S、T154G、T154H、T154M、T154S、T49G、T49M、T49S、T4M、T4S、T6M、T6S、T76M、T76S、T97M、T97S、V123A、V123G、V123I、V123L、V128A、V128G、V128I、V128L、V15A、V15G、V15I、V15L、V3A、V3G、V3I、V3L、V41A、V41G、V41I、V41L、V43A、V43G、V43I、V43L、V81A、V81G、V81I、V81L、W19C、W19D、W19E、W19F、W19G、W19H、W19K、W19N、W19P、W19Q、W19R、W19S、W19T、W19Y、W61F、W61Y、Y20A、Y20C、Y20D、Y20E、Y20G、Y20H、Y20M、Y20N、Y20Q、Y20R、Y20S、Y20T、Y20V、Y42G、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上のアミノ酸置換、並びに、天然のボス・タウルス(Bos taurus)β-ラクトグロブリンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応するアミノ酸置換を含みうる。
【0093】
組換えα-ラクトアルブミンタンパク質
上記のいずれかによるアレルゲン性が弱められ、または本質的に除去された組換え乳タンパク質は、組換えα-ラクトアルブミンタンパク質でありうる。
【0094】
上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンタンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、対応する天然のα-ラクトアルブミンタンパク質(例えば、ボス・タウルス(Bos taurus))α-ラクトアルブミンタンパク質)の溶媒暴露領域に、または当該領域の近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の範囲内)に非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾でありうる。溶媒暴露領域の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)α-ラクトアルブミンタンパク質(配列番号3(SEQ ID NO:3))、ならびに、天然ボス・タウルス(Bos taurus))α-ラクトアルブミンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する領域の、アミノ酸5からアミノ酸18にわたる範囲の領域を含む。
【0095】
上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンタンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、対応する天然のα-ラクトアルブミンタンパク質(例えば、ボス・タウルス(Bos taurus))α-ラクトアルブミンタンパク質)に含まれるアレルゲン性エピトープに、または当該アレルゲン性エピトープの近く(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸の範囲内)に非天然プロテアーゼ認識または開裂配列を導入する修飾でありうる。アレルゲン性エピトープ(例えば、T-細胞アレルゲン性エピトープ、B-細胞アレルゲン性エピトープ)の非制限的な例は、天然のボス・タウルス(Bos taurus)α-ラクトアルブミンタンパク質(配列番号3(SEQ ID NO:3))、ならびに、天然ボス・タウルス(Bos taurus))α-ラクトアルブミンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応する領域の、アミノ酸1からアミノ酸16、アミノ酸13からアミノ酸26、アミノ酸47からアミノ酸58、またはアミノ酸93からアミノ酸102にわたる範囲の領域を含む。
【0096】
上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミンタンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、天然α-ラクトアルブミンタンパク質に含まれるアレルゲン性エピトープを除去する修飾である。アレルゲン性エピトープを除去する修飾の非限定的な例は、天然ボス・タウルス(Bos taurus)α-ラクトアルブミンタンパク質(配列番号3(SEQ ID NO:3))のE1D、E1N、E1Q、Q2D、Q2E、Q2N、L3G、L3A、L3V、L3I、T4S、T4M、K5H、K5R、E7D、E7N、E7Q、V8G、V8A、V8L、V8I、F9Y、F9W、R10H、R10K、E11D、E11N、E11Q、L12G、L12A、L12V、L12I、K13H、K13R、D14E、D14N、D14Q、L15G、L15A、L15V、L15I、K16H、K16R、G17A、G17V、G17L、G17I、Y18F、Y18W、G19A、G19V、G19L、G19I、G20A、G20V、G20L、G20I、V21G、V21A、V21L、V21I、S22T、S22M、L23G、L23A、L23V、L23I、E25D、E25N、E25Q、W26F、W26Y、S47T、S47M、T48S、T48M、E49D、E49N、E49Q、Y50F、Y50W、G51A、G51V、G51L、G51I、L52G、L52A、L52V、L52I、F53Y、F53W、Q54D、Q54E、Q54N、I55G、I55A、I55V、I55L、N56D、N56E、N56Q、N57D、N57E、N57Q、K58H、K58R、K93H、K93R、K94H、K94R、I95G、I95A、I95V、I95L、L96G、L96A、L96V、L96I、D97E、D97N、D97Q、K98H、K98R、V99G、V99A、V99L、V99I、G100A、G100V、G100L、G100I、I101G、I101A、I101V、I101L、N102D、N102E、N102Q、A109G、A109V、A109L、A109I、L110G、L110A、L110V、L110I、S112T、S112M、E113D、E113N、E113Q、K114H、K114R、L115G、L115A、L115V、L115I、D116E、D116N、D116Q、Q117D、Q117E、Q117N、W118F、W118Y、L119G、L119A、L119V、L119I、E121D、E121N、E121Q、K122H、K122R、L123G、L123A、L123VおよびL123I、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1以上のアミノ酸置換、ならびに、天然ボス・タウルス(Bos taurus))α-ラクトアルブミンタンパク質の相同体(homologs)およびオーソログ(orthologs)の対応するアミノ酸置換を含む。
【0097】
修飾の他の効果
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルギー性を弱めるか、または本質的に除去する修飾は、対応する天然の乳タンパク質に含まれる組換え乳タンパク質から翻訳後修飾(PTM)を除去することでありうる。本明細書で使用される用語「翻訳後修飾」またはその頭字語「PTM」は、生合成後の、ポリペプチドへの化学基の共有結合をいう。PTMは、ペプチドのアミノ酸側鎖、またはそのC-またはN-末端で起こる。PTMの非制限的な例は、グリコシル化(即ち、C-結合(即ち、C-グリコシル化)、N-結合(即ち、N-グリコシル化)、O-結合(即ち、O-グリコシル化)を介した、または糖化(即ち、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカーの付加)もしくはホスホグリコシル化(即ち、ホスホ-セリンのホスフェートを介した結合)を介したタンパク質へのグリカン基(例えば、単糖、二糖、多糖、線状グリカン、分岐グリカン、galf残基を有するグリカン、サルフェートまたはホスフェート残基を有するグリカン、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース、L-フコース、N-アセチル-D-ガラクトースアミン、N-アセチル-D-グルコサミン、N-アセチル-D-ノイラミン酸、ガラクトフラノース、ホスホジエステル、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、サリチル酸及びこれらの組み合わせ。例えば、Deshpande et al. 2008. Glycobiology 18(8):626)(非特許文献18)を参照)の共有結合)、ホスホリル化(即ち、ホスフェート基のタンパク質への共有結合)、アルキル化(即ち、アルカン基(例えば、メチル化におけるメチル基)のタンパク質への共有結合)、脂質化(即ち、脂質基(例えば、プレニル化及びイソプレニル化におけるイソプレノイド基(例えば、ファルネシル化におけるファルネソール基、ゲラニル化におけるゲラニオール基、ゲラニルゲラニル化におけるゲラニルゲラニオール基)、脂肪族アシル化における脂肪酸基(例えば、ミリストイル化におけるミリスチン酸、パルミトイル化におけるパルミチン酸)、糖化におけるグリコシルホスファチジルイノシトールアンカー)の共有結合)、ヒドロキシル化(即ち、ヒドロキシド基(hydroxide group)の共有結合)、SUMO化(sumoylation)(即ち、スモールユビキチン様モチーフ(SUMO)タンパク質のタンパク質への結合)、ニトロシル化(即ち、NO基をタンパク質中のシステインチオールへ結合し、S-ニトロソチオールを形成すること)、S-グルタチオニル化(即ち、グルタチオン基のタンパク質中のシステインチオールへの結合)、および、チロシンニトロ化(即ち、ニトレート基(nitrate group)の、タンパク質のチロシン残基への結合)を含む。組換え乳タンパク質中のPTMを除去することによって、修飾は、プロテアーゼが組換え乳タンパク質を開裂し、これによって組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるか、または本質的に助教するように、哺乳動物(例えばヒト)の胃腸管に含まれるプロテアーゼによりアクセスできるプロテアーゼ認識または開裂配列(例えば、天然のプロテアーゼ認識または開裂配列、または非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列[例えば、上記のいずれかによる非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列])を作成することができる。
【0098】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱める、または本質的に除去する修飾は、酸性pH(例えば、7未満、6.5未満、6未満、5.5未満、5未満、4.5未満、4未満、3.5未満、3未満、2.5未満、2未満、1.5、または1未満のpH)で組換え乳タンパク質のタンパク質構造の安定性を、対応する天然の乳タンパク質の構造と比較して、低下することができる。組換え乳タンパク質のタンパク質構造の安定性を低下することによって、修飾は、哺乳動物(例えばヒト)の胃腸管に含まれるプロテアーゼが組換え乳タンパク質を開裂し、これによって組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるか、本質的に除去することができるように、プロテアーゼ認識または開裂配列(例えば、天然の乳タンパク質認識または開裂配列、または非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列[例えば、上記のいずれかによる非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列]の溶媒暴露をもたらしうる。
【0099】
組換え宿主細胞
別の態様では、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を産生することができる組換え宿主細胞(即ち、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むもの)であって、以下のいずれかによる組換え発現構築物(expression construct)を含む組換え宿主細胞が、本明細書に提供される。
【0100】
組換え発現構築物は、単一の組換え発現構築物からなりうるか、または2以上の組換え発現構築物からなりうる。組換え発現構築物からが2以上の組換え発現構築物からなる実施形態では、2以上の組換え発現構築物は同一であってもよく、または2以上の組換え発現構築物の少なくとも2つが互いに異なっていてもよい(例えば、プロモーター配列、タンパク質コード配列,分泌シグナル配列、終端配列、および/または追加の調節要素において)。組換え発現構築物は、組換え宿主細胞のゲノム内に(例えば、標的化された組込みを介して(例えば、相同性組換えを介して))、またはランダムに(例えば、標的化されていない組込を介して)安定して組み込むことができるか、または、安定して組み込まれないが、むしろ染色体外に(例えば、本明細書で提供される、自動的に複製する組換えベクター上に)維持されうる。組換え発現構築物は、2以上の組換え発現構築物からなり得、少なくとも1つの組換え発現構築物が組換え宿主細胞のゲノム内に安定して組み込まれ、少なくとも1つの組換え発現構築物が安定して組み込まれない。
【0101】
組換え発現構築物(Recombinant Expression Construct)
別の態様では、上記のいずれかによる組換え宿主細胞を産生するのに有用な組換え発現構築物が本明細書に提供される。
【0102】
組換え発現構築物は、1以上の発現カセットを含むポリヌクレオチドからなり、各発現カセットは、
- プロモーター配列(例えば、本明細書で開示されるプロモーターの何れかに対するポリヌクレオチド配列)、
- 任意選択的な分泌シグナル配列(即ち、細胞の外側への、ペプチドに結合された新生タンパク質の送達を媒介するペプチドであって、発生期タンパク質が合成されたものであるペプチドをコードする配列。例えば、本明細書で開示された分泌シグナルの何れかをコードするポリヌクレオチド配列)、
- 乳タンパク質コード配列(即ち、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列)、
- 終端配列(例えば、本明細書で開示されるターミネーターの何れかに対するポリヌクレオチド配列)、
を含み、
- 前記プロモーター配列は、前記任意選択的な分泌シグナル配列および前記乳タンパク質コード配列にセンス方向で操作可能に結合され(即ち、前記プロモーター配列および前記任意選択的な分泌シグナル配列および前記乳タンパク質コード配列は、プロモーター配列が前記任意選択的な分泌シグナル配列および前記乳タンパク質コード配列の転写を媒介するか、または調節するのに有効である。)、
- 前記任意選択的な分泌シグナル配列は、前記乳タンパク質コード配列にセンス方向で操作可能に結合され(即ち、前記任意選択的な分泌シグナル配列および前記乳タンパク質コード配列は、転写および翻訳が前記任意選択的な分泌シグナルを含む組換え乳タンパク質を生じる)、
- 1以上のターミネーター配列は、前記乳タンパク質コード配列に操作可能に結合される(即ち、前記乳タンパク質コード配列および1以上のターミネーター配列は、前記1以上のターミネーター配列が前記乳タンパク質コード配列の転写を終了するのに効果的である)。
【0103】
組換え発現構築物は、宿主細胞のゲノム内への相同的組換え(即ち、標的化された組込み)または非相同的組換えによって組込むための配列をさらに含みうる。組換え発現構築物は、宿主細胞のゲノムにおける標的配列と十分な同一性を有し、組換え発現構築物の相同的組換えの可能性を高める、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも10,000の塩基対を含みうる。かかる相同的配列は、非コーティングまたはコーディングであってよい。
【0104】
上記のいずれかによる組換え発現構築物に含まれる任意選択的な分泌シグナル配列および/または乳タンパク質コード配列は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞の発現に対してコドン最適化(codon-optimized)されうる。
【0105】
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、単離されうるおよび/または生成されうる。
【0106】
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、宿主細胞のゲノム(例えば、上記のいずれかによる組換え宿主細胞のゲノム)内へ、組換え発現構築物のフラグメントを組込む際に生成されうる。例えば、乳タンパク質コード配列(任意選択的に、分泌シグナル配列に操作可能に結合された)を含むポリヌクレオチドは、内因性遺伝子座の1以上の調節要素が乳タンパク質コード配列に操作可能に結合され、これによって上記のいずれかによる組換え発現構築物を生じるように宿主細胞のゲノム内に安定して組込まれうる。
【0107】
プロモーター配列
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞において活性である任意のプロモーター配列を含むことができる。
【0108】
プロモーター配列は、構成的プロモーター配列(constitutive promoter sequence)(即ち、ほとんどの環境条件および発達条件(developmental condition)下で活性であるプロモーター配列)、または誘導可能なもしくは抑制可能なプロモーター配列(即ち、特定の環境または発達条件下[例えば、炭素(例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、スクロース、セルロース、ソホロース、ゲンチオビオース、ソルボース、セルラーゼプロモーターを誘導する二糖、デンプン、トリプトファン、チアミン、メタノール)、ホスフェート、窒素、または他の栄養素、pH、浸透性、重金属もしくは重金属イオン、阻害剤、ストレス、異化産物、およびこれらの組み合わせ(これらに限定されない)などの特定の因子の存在下または非存在下]でのみ活性であるプロモーター配列)でありうる。
【0109】
プロモーター配列は、単一のプロモーター配列からなっていてもよく、または、2以上のプロモーター配列(例えば、2以上のプロモーター配列または配列内に配置されたこれらの機能的部分の組み合わせ、誘導可能なおよび構成的プロモーターの組み合わせ)からなっていてもよい。2以上のプロモーター配列は同一であってもよく、2以上のプロモーター配列の少なくとも2は同一でなくともよい。
【0110】
プロモーター配列は、両方向性プロモーター配列(即ち、例えば、反対方向に2つの同じまたは異なるプロモーターを融合することによって生成される転写因子を補充することで、両方向で転写を開始するポリヌクレオチド)を含みうるか、または当該両方向性プロモーター配列からなる。
【0111】
適切なプロモーター配列の非制限的な例は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が誘導される細菌宿主細胞で機能的であるプロモーター配列を含み、これらは、T7プロモーター、T5プロモーター、Tacプロモーター、pL/pRプロモーター、phoAプロモーター、lacUV5プロモーター、trcプロモーター、trpプロモーター、cstAプロモーター、xylAプロモーター、manPプロモーター、malAプロモーター、lacAプロモーター、aprEプロモーター、ΔaprEプロモーター、srfAプロモーター、p43プロモーター、ylbAプロモーター、σBプロモーター、vegプロモーター、PG1プロモーター、PG6プロモーター、λPLプロモーター、λPRプロモーター、およびspaプロモーター、並びにこれらの機能的部分およびこれらの組み合わせを含む。
【0112】
適切なプロモーター配列の非制限的な例は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が誘導される真菌宿主細胞で機能的であるプロモーター配列を含み、これらは、xlnAプロモーター、xyn1プロモーター、xyn2プロモーター、xyn3プロモーター、xyn4プロモーター、bxl1プロモーター、cbh1プロモーター、cbh2プロモーター、egl1プロモーター、egl2プロモーター、egl3プロモーター、egl4プロモーター、egl5プロモーター、glaAプロモーター、agdAプロモーター、gpdAプロモーター、gpd1プロモーター、AOX1プロモーター、GAP1プロモーター、MET3プロモーター、ENO1プロモーター、GPD1プロモーター、PDC1プロモーター、TEF1プロモーター、AXE1プロモーター、CIP1プロモーター、GH61プロモーター、PKI1プロモーター、RP2プロモーター、ADH1プロモーター、CUP1プロモーター、GAL1プロモーター、PGK1プロモーター、YPT1プロモーター、LAC4プロモーター、LAC4-PB1プロモーター、FLD1プロモーター、MOXプロモーター、DAS1プロモーター、DAS2プロモーター、GAP1プロモーター、STR3プロモーター、ADH3プロモーター、GUT2プロモーター、CYC1プロモーター、TDH3プロモーター、PGL1プロモーター、ADH2プロモーター、HXT7プロモーター、CLB1プロモーター、およびPHO5プロモーター、並びにこれらの機能的部分およびこれらの組み合わせを含む。
【0113】
分泌シグナル配列
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞内で活性である任意の分泌シグナル配列を任意選択的に含みうる。
【0114】
任意選択的な分泌シグナル配列は、ER内に、翻訳後に発生期組換え乳タンパク質の転置を媒介する(即ち、タンパク質合成が、発生期組換え乳タンパク質がER内に転置する前に細胞のサイトゾルに存在するように転置に先行する)か、または共翻訳で(co-translationally)発生期組換え乳タンパク質の転置を媒介する(即ち、ERへのタンパク質合成と転置が同時に起こる)分泌シグナルをコードすることができる。
【0115】
適切な分泌シグナル配列の非制限的な例は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が誘導される細菌宿主細胞内で機能的である分泌シグナル配列を含み、これらは、以下のタンパク質のいずれかをコードする遺伝子:PelB、OmpA、Bla、PhoA、PhoS、MalE、LivK、LivJ、MglB、AraF、AmpC、RbsB、MerP、CpdB、Lpp、LamB、OmpC、PhoE、OmpF、TolC、BtuB、およびLutA、ならびにこれらの機能的部分およびこれらの組み合わせの分泌シグナル配列を含む。
【0116】
適切な分泌シグナル配列の非制限的な例は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が誘導される真菌宿主細胞内で機能的である分泌シグナル配列を含み、CBH1、CBH2、EGL1、EGL2、XYN1、XYN2、BXL1、HFB1、HFB2、GLAA、AMYA、AMYC、AAMA、α-接合因子、SUC2、PHO5、INV、AMY、LIP、PIR、OST1、およびβ-グルコシダーゼ、ならびにこれらの機能的部分およびこれらの組み合わせの分泌シグナル配列を含む。
【0117】
終端配列(Termination Sequence)
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞内で活性である任意の終端配列を含みうる。
【0118】
適切な終端配列の非制限的な例は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が誘導される宿主細胞内で機能的である終端配列を含み、adh1、amaA、amdS、amyA、aox1、cbh1、cbh2、cyc1、egl1、egl2、gal1、gap1、glaA、gpd1、gpdA、pdc1、pgk1 tef1、tps1、trpC、xyn1、xyn2、xyn3、およびxyn4遺伝子、ならびにこれらの機能的部分およびこれらの組み合わせの分泌シグナル配列を含む。
【0119】
終端配列は、単一の終端配列からなり得るか、または2以上の終端配列からなり得、2以上の終端配列は、同一であってもよく、または2以上の終端配列の少なくとも2つは同一でなくてもよい。終端配列は、両方向性終端配列からなりうる。
【0120】
追加の調節要素
上記のいずれかによる組換え発現構築物は、追加の調節要素をさらに含みうる。
【0121】
調節要素の非制限的な例は、プロモーター配列、終端配列、転写開始配列、翻訳開始配列、翻訳ストップ配列、エンハンサー配列、アクチベータ配列(活性化因子配列(activator sequences))、応答要素、タンパク質認識部位、誘導性要素、タンパク質結合配列、5’および3’非翻訳領域、上流活性化配列(UAS)、イントロン、オペレーター(即ち、抑制タンパク質が、プロモーターの活性を低下または除去することができるタンパク質結合ドメインを含むプロモーターに隣接する核酸の配列)、有効なRNAプロセッシングシグナル(例えば、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、細胞質性mRNAを安定化する配列、翻訳効率を高める配列(例えば、リポソーム結合部位[例えばシャイン-ダルガルノ配列(Shine-Dalgarno sequences)])、タンパク質の安定性を高める配列、タンパク質の分泌を高める配列、およびこれらの組み合わせを含む。
【0122】
組換えベクター
別の態様では、上記のいずれかによる組換え発現構築物を含む組換えベクターまたはそのフラグメント(例えば、乳タンパク質コード配列および任意選択的な分泌シグナル配列を含むポリヌクレオチドであって、宿主細胞のゲノムに組込む際に上記のいずれかによる組換え発現構築物を生じるもの)が、本明細書に開示される。
【0123】
組換えベクターは、上記のいずれかによる単一の組換え発現構築物、または同一でありうるか、またはその少なくとも2つが同一でなくてもよい(例えば、プロモーター配列、分泌シグナル配列、タンパク質コード配列、終端配列、および/または追加の調節要素において互いに異なる)上記のいずれかによる2以上の組換発現構築物を含みうる。組換えベクターが、2以上の組換え発現構築物を含む実施形態では、2以上の組換え発現構築物は、お味組換え乳タンパク質をコードしうる。いくつかのこのような実施形態では、同じ組換え乳タンパク質をコードする2以上の組換え発現構築物は、プロモーター配列、分泌シグナル配列、終端配列、および/または追加の調節用において互いに異なる。
【0124】
組換えベクターは、組換え宿主細胞内で組換えベクターの増殖に適した1以上の他の要素を祖含みうる。このような他の要素の非限定定期な例は、複製起点(origins)および選択マーカーを含む。複製起点および選択マーカーは、当分野で公知であり、細菌および真菌の複製起点(例えば、AMA1、ANSI)を含む。選択マーカーは、耐性遺伝子(即ち,宿主細胞が外から加えられた化合物[例えば、抗生物質化合物]の解毒をできるようにするタンパク質をコードするポリヌクレオチド)、栄養要求性マーカー(即ち、その必須成分を各媒体中で成長しながら、宿主細胞に必須成分(通常はアミノ酸)の合成を可能にするタンパク質をコードするポリヌクレオチド)、またはカラーマーカー(即ち、色を生じうるタンパク質をコードする遺伝子)でありうる。適切な選択マーカーの非限定的な例は、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(ニトレートリダクターゼ)、pyrG(オロチジン5′-ホスフェートデカルボキシラーゼ)、sC(サルフェートアデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸シンターゼ)、およびble(ブレオマイシン型抗生物質耐性)、ならびにこれらの誘導体を含む。選択マーカーは、選択マーカーの酸性を低下する変更を含むことができ、これにより、組換えベクターを含む組換え宿主細胞を選択下で生存させることができるのに必要なコピー数を増加させることができる。選択はまた、同時形質転換によって達成することができ、この形質転換は、2つのベクターの混合物を用いて実施され、選択は1つのベクターのみに対して行われる。
【0125】
組換えベクターは、宿主細胞のゲノムへの相同的組換え(即ち、標的化された組込み)または非相同的組換えによって組み込むための配列をさらに含みうる。組換え発現構築物は、宿主細胞のゲノム内の標的配列と十分な同一性を有し、組換え発現構築物の相同的な組換えの可能性を高める、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも10,000の塩基対を含みうる。このような相同性配列は、非コーディングまたはコーディングであってよい。
【0126】
上記のいずれかによる組換えベクターは単離されうるおよび/または精製されうる。
【0127】
組換え宿主細胞を得るための方法
別の態様では、上記のいずれかによる組換え宿主細胞を得るための方法であって、前記方法が、a)上記のいずれかによる組換え乳タンパク質(および任意選択的な分泌シグナル)をコードするポリヌクレオチドを得るステップ、b)前記の上記のいずれかによる組換え乳タンパク質(および任意選択的な分泌シグナル)をコードする組換え発現構築物を得るステップ、c)前記の上記のいずれかによる組換え乳タンパク質(および任意選択的な分泌シグナル)をコードする組換えベクターを得るステップ、およびd)前記ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換え発現構築物を宿主細胞(例えば、本明細書で開示される宿主細胞のいずれか)に導入し、上記のいずれかによる組換え宿主細胞を得るステップを、任意の順序で、任意に組み合わせて含む方法が本明細書で提供される。
【0128】
前記ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、および/または組換えベクターは、当分野で公知の任意の適切な方法によって得ることができ、これらには、直接の化学的合成およびクローニングが含まれるがこれらに限定されない。上記のいずれかによる組換え乳タンパク質をコードポリヌクレオチドは、対応する天然の乳タンパク質をコードするポリヌクレオチドの遺伝子組換え(genetic modification)によって得ることができる。かかる遺伝子組換えは、例えば、ポリヌクレオチドに含まれる1以上のヌクレオチドの置換、複製、再配列、および/または欠失からなりうる。かかる遺伝子組換えは、例えば、点突然変異、ミスセンス突然変異、置換突然変異、欠失突然変異、フレームシフト突然変異、挿入突然変異、複製突然変異、増幅突然変異、転座突然変異、または反転突然変異をもたらしうる。
【0129】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞は、細菌、真菌(例えば、酵母、糸状菌)古細菌、単細胞原生生物、単細胞植物、単細胞藻類、プロテゾアン(protezoan)および単細胞クロミスタ(chromista)、またはこれらの遺伝子変異体(突然変異体)からのもの、ならびに、一般に安全であると認識された(GRAS)工業的な宿主細胞からのものを含む。
【0130】
適切な酵母の非制限的な例は、以下の属のいずれか、ならびにこれらの誘導体および交雑種を含む:カンジダ(Candida)(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)、カンジダ・ギリエルモディー(Candida guilliermondii)、カンジダ・フミリス(Candida humilis)、カンジダ・リポリチカ(Candida lipolytica)、カンジダ・オルトプシロシス(Candida orthopsilosis)、カンジダ・パルミオレオフィラ(Candida palmioleophila)、カンジダ・シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ・sp.(Candida sp.)、カンジダ・ウチリス(Candida utilis)、カンジダ・ベルサチリス(Candida versatilis))、クラドスポリウム(Cladosporium)、クリプロコッカス(Cryptococcus)(例えば、クリプトコッカス・ターリコラス(Cryptococcus terricolus)、クリプトコッカス・クルバタス(Cryptococcus curvatus))、デバリオマイセス(Debaryomyces)(例えば、デバリオマイセス・ハンセニー(Debaryomyces hansenii))、エンドマイセス(Endomyces)(例えば、エンドマイセス・ベルナリス(Endomyces vernalis))、エンドマイコプシス(Endomycopsis)(例えば、エンドマイコプシス・ベルナリス(Endomycopsis vernalis))、エレモテシウム(Eremothecium)(例えば、エルモテシウム・アシュビー(Eremothecium ashbyii))、ハンセヌラ(Hansenula)(例えば、ハンセヌラ・sp.(Hansenula sp.)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha))、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)(例えば、クルイベロマイセス・sp.(Kluyveromyces sp.)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキアヌス・ver・ラクチス(Kluyveromyces marxianus var. lactis)、クルイベロマイセス・マルキアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans))、リポマイセス(Lipomyces)(例えば、リポマイセス・スタルケイ(Lipomyces starkeyi)、リポマイセス・リポファー(Lipomyecs lipofer))、オガタエア(Ogataea)(例えば、オガタエア・ミヌタ(Ogataea minuta))、ピキア(Pichia)(例えば、ピキアsp.(Pichia sp.)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris(コマガタエラファフィ(Komagataella phaffii))、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミムタ(Pichia minuta)、ピキア・リンドネリ(Pichia lindneri))、ピキア・オプンティアエ(Pichia opuntiae)、ピキア・サーモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジュペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプチス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica))、ロードスポリジウム(Rhodosporidium)(例えば、ロードスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides))、ロードトルラ(Rhodotorula)(例えば、ロードトルラ・sp.)(Rhodotorula sp.)、ロードトルラ・グラシリス(Rhodotorula gracilis)、ロードトルラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)、ロードトルラ・グラミニス(Rhodotorula graminis))、サッカロマイセス(Saccharomyces)(例えば、サッカロマイセス・sp.(Saccharomyces sp.)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・バチクス(Saccharomyces beticus)、サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ヘバリエリ(Saccharomyces hevalieri)、サッカロマイセス・ジアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・エリプソイデウス(Saccharomyces ellipsoideus)、サッカロマイセス・エキグウス(Saccharomyces exiguus)、サッカロマイセス・フロレンチヌス(Saccharomyces florentinus)、サッカロマイセス・フラギリス(Saccharomyces fragilis)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロマイセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)、サッカロマイセス・サケ(Saccharomyces sake)、サッカロマイセス・ウバラム(Saccharomyces uvarum))、スポロボロマイセス(Sporobolomyces)(例えば,スポロボロマイセス・ロセウス(Sporobolomyces roseus))、スポリジオボルス(Sporidiobolus)(例えば、スポリジオボルス・ジョーンソニー(Sporidiobolus johnsonii)、スポリジオボルス・サルモニカラー(Sporidiobolus salmonicolor))、トリコスポロン(Trichosporon)(例えば、トリコスポロン・カカオリポシミリス(Trichosporon cacaoliposimilis)、トリコスポロン・オレアギノサス・sp.・nov(Trichosporon oleaginosus sp. nov)、トリコスポロン・カカオリポシミリス・sp.・nov(Trichosporon cacaoliposimilis sp. nov.)、トリコスポロン・グラシレ(Trichosporon gracile)、トリコスポロン・ダルシタム(Trichosporon dulcitum)、トリコスポロン・ジロベシー(Trichosporon jirovecii)、トリコスポロン・インセクトラム(Trichosporon insectorum))、キサントフィロマイセス(Xanthophyllomyces)(例えば、キサントフィロマイセス・ダンドロローウス(Xanthophyllomyces dendrorhous))、ヤロウイア(Yarrowia)(例えば、ヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica))、およびジゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)(例えば、ジゴサッカロマイセス・ロウキイ(Zygosaccharomyces rouxii))。
【0131】
適切な糸状菌の非制限的な例は、真菌のホロモルフィック型(holomorphic)、テレモルフィック型(teleomorphic)、およびアナモルフィック型(anamorphic forms)の何れかを含み、これらは、以下の属のいずれかのメンバー、ならびにこれらの誘導体およびこれらの交雑種を含む:アクレモニウム(Acremonium)(例えば、アクレモニウム・アラバメンセ(Acremonium alabamense))、アスペルギルス(Aspergillus)(例えば、アスペルギルス・アクレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・クラバタス(Aspergillus clavatus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フェチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニガー・ver.・アワモリ(Aspergillus niger var. awamori)、アスペルギルス・オキラセウス(Aspergillus ochraceus)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソヤエ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、ならびに、エメリセラ(Emericella)、ネオサルトリア(Neosartorya)、およびペトリマイセス種(Petromyces species))、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、カナリオマイセス(Canariomyces)、ケトミウム(Chaetomium),ケトミジウム(Chaetomidium)、コリナスカス(Corynascus)、クリソスポリウム(Chrysosporium)(例えば、クリソスポリウム・ボツリオイデス(Chrysosporium botryoides)、クリソスポリウム・カルミケリChrysosporium carmichaeli)、クリソスポリウム・クラシタニカタム(Chrysosporium crassitunicatum)、クリソスポリウム・ユーロパエ(Chrysosporium europae)、クリソスポリウム・エボルカンヌイ(Chrysosporium evolceannui)、クリソスポリウム・ファリニコラ(Chrysosporium farinicola)、クリソスポリウム・ファスチジウム(Chrysosporium fastidium)、クリソスポリウム・フィリフォルメ(Chrysosporium filiforme)、クリソスポリウム・ジョージアエ(Chrysosporium georgiae)、クリソスポリウム・グロビフェルム(Chrysosporium globiferum)、クリソスポリウム・グロビフェルム・ver.・アルチクラタム(Chrysosporium globiferum var. articulatum)、クリソスポリウム・グロビフェルム・ver.・ニベウム(Chrysosporium globiferum var. niveum)、クリソスポリウム・ヒルンド(Chrysosporium hirundo)、クリソスポリウム・ヒスパニカム(Chrysosporium hispanicum)、クリソスポリウム・ホルミー(Chrysosporium holmii)、クリソスポリウム・インジカム(Chrysosporium indicum)、クリソスポリウム・イオプス(Chrysosporium iops)、クリソスポリウム・ケラチノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・クレイセリイ(Chrysosporium kreiselii)、クリソスポリウム・クズロビアナム(Chrysosporium kuzurovianum)、クリソスポリウム・リグノラム(Chrysosporium lignorum)、クリソスポリウム・オバタム(Chrysosporium obatum)、クリソスポリウム・ロックンオウンズ(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・ロックンオウンズ・Garg・27(Chrysosporium lucknowense Garg 27K)、クリソスポリウム・メジウム(Chrysosporium medium)、クリソスポリウム・メジウム・ver.・スピッセセンス(Chrysosporium medium var. spissescens)、クリソスポリウム・メフィチカム(Chrysosporium mephiticum)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・メルダリウム・ver.・ロゼウム(Chrysosporium merdarium var. roseum)、クリソスポリウム・ミノル(Chrysosporium minor)、クリソスポリウム・パンニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・パルバム(Chrysosporium parvum)、クリソスポリウム・パルバム・ver.・クレセンス(Chrysosporium parvum var. crescens)、クリソスポリウム・ピロサム)Chrysosporium pilosum)、クリソスポリウム・シュードメリダリウム(Chrysosporium pseudomerdarium)、クリソスポリウム・ピリフォルミス(Chrysosporium pyriformis)、クリソスポリウム・クイーンズランジカム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・シグレリ(Chrysosporium sigleri)、クリソスポリウム・スルフレウム(Chrysosporium sulfureum)、クリソスポリウム・シンクロナム(Chrysosporium synchronum)、クリソスポリウム・トロピカム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・クリソスポリウム(Chrysosporium undulatum)、クリソスポリウム・バレナレンセ(Chrysosporium vallenarense)、クリソスポリウム・ベスペルチリウム(Chrysosporium vespertilium)、クリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum))、コネメリア(Coonemeria)、クンニングアメラ(Cunninghamella)(例えば、クンニングアメラ・エヒヌラタ(Cunninghamella ehinulata))、ダクチロマイセス(Dactylomyces)、エメリセラ(Emericella)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)(例えば、フサリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フサリウム・プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)、フサリウム・ベルチシオリオイデア(Fusarium verticiollioides)、フサリウム・カルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・クルックウェルエンセ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・ポアエ(Fusarium poae)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・サムブッシナム(Fusarium sambuccinum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、ならびにこれらの関連したジベレラのテレオモルフィック型(associated Gibberella teleomorphic forms))、ジベレラ(Gibberella)、フミコラ(Humicola)、ハイポクレア(Hypocrea)、レンチヌラ(Lentinula)、マルブランケア(Malbranchea)(例えば、マルブランケア・フィラメントサ(Malbranchea filamentosa))、マグナポルテ(Magnaporthe)、マルブランキウム(Malbranchium)、メラノカルパス(Melanocarpus)、モルチエレラ(Mortierella)(例えば、モルチエレラ・アルピナ・1S-4(Mortierella alpina 1S-4)、モルチエレラ・イサベリネ(Mortieralla isabelline)、モルチエレラ・ビナセア(Mortierrla vinacea)、モルチエレラ・ビナセア・var.ラフィノセウチリゼル(Mortieralla vinaceae var. raffinoseutilizer))、ムコール(Mucor)(例えば、ムコール・ミ-ヘイ・クーニイ・エ・エメルソン(Mucor miehei Cooney et Emerson)(リーゼムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei))(Cooney & R. Emerson))、シッパー(Schipper)、ムコール・プシラス・リンド(Mucor pusillus Lindt)、ムコール・サーシネロイデス・ムコール・ムセド(Mucor circinelloides Mucor mucedo))、ミセリオフトラ(Myceliophthora)(例えば、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila))、ミロセシウム(Myrothecium)、ネオカリマスティクス(Neocallimastix),ニューロスポラ(Neurospora)(例えば、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa))、ペシロマイセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)(例えば、ペニシリウム・キリソゲナム(Penicillium chrysogenum)。ペニシリウム・イイラシナム(Pennicillium iilacinum)、ペニシリウム・ロケフォルティイ(Penicillium roquefortii))、フェネロキーテ(Phenerochaete)、フレビア(Phlebia)、ピロマイセス(Piromyces)、ピチウム(Pythium)、リゾプス(Rhizopus)(例えば、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus))、シゾフィリウム(Schizophyllum)、スキタリジウム(Scytalidium)、スポロトリクム(Sporotrichum)(例えば、スポロトリクム・セルロフィラム(Sporotrichum cellulophilum))、ステレウム(Stereum)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、サーモマイセス(Thermomyces)、チエラビア(Thielavia)(例えば、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris))、トリポクラジウム(Tolypocladium)、およびトリコデルマ(Trichoderma)(例えば、トリコデルマ・ハージアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギー(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma
reesei)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens)、トリコデルマ・シトリノビリデ(Trichoderma citrinoviride)、トリコデルマ。ビリデ(Trichoderma viride))。
【0132】
適切な細菌の非限定的な例は、ファーミキュテス(firmicutes)、シアノバクテリア(cyanobacteria)(藍藻(blue-green algae))、オスキラトリフシド科(oscillatoriophcideae)、バシラス目(bacillales)、ラクトバシラス目(lactobacillales)、オスキラトリア目(oscillatoriales)、バシラス科(bacillaceae)、ラクトバシラス科(lactobacillaceae)、および以下の属のいずれかのメンバー、ならびにこれらの誘導体および交雑種を含む:アシネトバクター(Acinetobacter)、アセトバクター(Acetobacter)(例えば、アセトバクター・サブオキシダンス(Acetobacter suboxydans)、アセトバクター・キシリウム(Acetobacter xylinum))、アクチノプラン(Actinoplane)(例えば、アクチノプラン・ミソウリエンシス(Actinoplane missouriensis))、アルトロスピラ(Arthrospira)(例えば、アルトロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アルトロスピラ・マキシマ(Arthrospira maxima))、バシラス(Bacillus)(例えば、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・リケニフォフミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis))、エシェリキア(Escherichia)(例えば、エシェリキア・コリー(Escherichia coli))、ラクトバシラス(Lactobacillus)(例えば、ラクトバシラス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus))、ラクトコッカス(Lactococcus)(例えば、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクチス・ランセフィールド・グループN(Lactococcus lactis Lancefield Group N)、ラクトバシラス・リューテリ(Lactobacillus reuteri))、ロイコノストック(Leuconostoc)(例えば、ロイコノストック・シトロボラム(Leuconostoc citrovorum)、ロイコノストック・デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides))、ミクロコッカス(Micrococcus)(例えば、ミクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus))、ロドコッカス(Rhodococcus)(例えば、ロドコッカス・オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス・オパカス・株PD630(Rhodococcus opacus strain PD630))、スピルリナ(Spirulina)、ストレプトコッカス(Streptococcus)(例えば、ストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス・ラクチス亜種のジアセチラクチス(Streptococcus lactis subspecies diacetylactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus))、ストレプトマイセス(Streptomyces)(例えば、ストレプトマイセス・チャタノオゲンシス(Streptomyces chattanoogensis)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、ストレプトマイセス・ナタレンシス(Streptomyces natalensis)、ストレプトマイセス・オリバセウス(Streptomyces olivaceus)、ストレプトマイセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivochromogenes)、ストレプトマイセス・ルビキギノサス(Streptomyces rubiginosus))、テトラヒメナ(Tetrahymena)、(例えば、テトラヒメナ・サーミフィル(Tetrahymena thermophile)、テトラヒメナ・ヘゲウィシィ(Tetrahymena hegewischi)、テトラヒメナ・ハイパーアンギュラリス(Tetrahymena hyperangularis)、テトラヒメナ・メラセンシス(Tetrahymena malaccensis)、テトラヒメナ・ピグメントサ(Tetrahymena pigmentosa)、テトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)、テトラヒメナ・ボラクス(Tetrahymena vorax))、およびキサントモナス(Xanthomonas)(例えば、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris))。
【0133】
適切な藻類の非制限的な例は、以下の属のいずれかのメンバー、ならびにこれらの誘導体および交雑種を含む:紅藻類、褐藻類、緑藻類、微細藻類、アクナンテス(Achnanthes)(例えば、アクナンテス・オリエンタリス(Achnanthes orientalis))、アグメネルム(Agmenellum)、アラリア(Alaria)、(例えば、アラリア・マルギナタ(Alaria marginata))、アンフィプロラ(Amphiprora)(例えば、アンフィプロラ・ヒアリン(Amphiprora hyaline))、アンフォラ(Amphora)(例えば、アンフォラ・コフェイフォルミス(Amphora coffeiformis)、アンフォラ・コフェイフォルミス・りネア(Amphora coffeiformis linea)、アンフォラ・コフェイフォルミス・プンクタタ(Amphora coffeiformis punctata)、アンフォラ・コフェイフォルミス・タイロリ(Amphora coffeiformis taylori)、アンフォラ・コフェイフォルミス・テヌイス(Amphora coffeiformis tenuis)、アンフォラ・デリカチシマ(Amphora delicatissima)、アンフォラ・デリカチシマ・カピタタ(Amphora delicatissima capitata)、アンフォラsp.(Amphora sp.))、アナベナ(Anabaena)、アナリプス(Analipus)(例えば、アナリプス・ジャポニカス(Analipus japonicus))、アンキストロデスムス(Ankistrodesmus)(例えば、アンキストロデスムス・フラカタス(Ankistrodesmus falcatus))、アスコフィラム(Ascophyllum)(例えば、アスコフィラム・ノドサム(Ascophyllum nodosum))、ボエケロビア(Boekelovia)(例えば、ボエケロビア・ホーグランティイ(Boekelovia hooglandii))、ボロジネラ(Borodinella)(例えば、ボロジネラ・sp.(Borodinella sp.))、ボツリオコッカス(Botryococcus)(例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)、ボツリオコッカス・スデチカス(Botryococcus sudeticus))、カルテリア(Carteria)、キートケロス(Chaetoceros)(例えば、キートケロス・グラシリス(Chaetoceros gracilis)、キートケロス・ムエレリ(Chaetoceros muelleri)、キートケロス・ムエレリ・サブサルサム(Chaetoceros muelleri subsalsum)、キートケロス・sp.・(Chaetoceros sp.))、クロレラ(Chlorella)(例えば、クロレラ・アニトラタ(Chlorella anitrata)、クロレラ・アンタークチカ(Chlorella Antarctica)、クロレラ・アウレオビリディス(Chlorella aureoviridis)、クロレラ・カンジダ(Chlorella candida)、クロレラ・カプスラテ(Chlorella capsulate)、クロレラ・デシカート(Chlorella desiccate)、クロレラ・エリプソイデア(Chlorella ellipsoidea)、クロレラ・エメルソニイ(Chlorella emersonii)、クロレラ・フスカ(Chlorella fusca)、クロレラ・フスカ・ver.・バクオラタ(Chlorella fusca var. vacuolata)、クロレラ・グルコトロファ(Chlorella glucotropha)、クロレラ・インフュージョナム(Chlorella infusionum)、クロレラ・インフュージョナム・ver.・アクトフィラ(Chlorella infusionum var. actophila)、クロレラ・インフュージョナム・ver.・オキセノフィラ(Chlorella infusionum var. auxenophila))、クロレラ・ケスレリ(Chlorella kessleri)、クロレラ・ロボフォラ(Chlorella lobophora)(株 SAG 37.88)、クロレラ・ルテオビリディス(Chlorella luteoviridis)、クロレラ・ルテオビリディス・ver.・アウレオビリディス(Chlorella luteoviridis var. aureoviridis)、クロレラ・ルテオビリディス・ver.・ルテセンス(Chlorella luteoviridis var. lutescens)、クロレラ・ミニアタ(Chlorella miniata)、クロレラ・ミヌチッシマ(Chlorella minutissima)、クロレラ・ムタビリス(Chlorella mutabilis)、クロレラ・ノクタルナ(Chlorella nocturna)、クロレラ・パルバ(Chlorella parva)、クロレラ・フォトフィラ(Chlorella photophila)、クロレラ・プリンシェイミイ(Chlorella pringsheimii)、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)、クロレラ・プロトテコイデス・ver.・アシディコラ(Chlorella protothecoides var. acidicola)、クロレアラ(Chlorealla)、クロレラ・レギュラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・レギュラリス・ver.・ミニア(Chlorella regularis var. minima)、クロレラ・レギュラリス・ver.・ウンブリカタ(Chlorella regularis var. umbricata)、クロレラ・レイシグリイ(Chlorella reisiglii)、クロレラ・サッカロフィラ(Chlorella saccharophila)、クロレラ・サッカロフィラ・ver.・エルプソイデア(Chlorella saccharophila var. ellipsoidea)、クロレラ・サリナ(Chlorella salina)、クロレラ・シンプレックス(Chlorella simplex)、クロレラ・ソロキニアナ(Chlorella sorokiniana)、クロレラ・sp.(Chlorella sp.)、クロレラ・スファエリカ(Chlorella sphaerica)、クロレラ・スティグマトホラ(Chlorella stigmatophora)、クロレラ・バンニエリイ(Chlorella vanniellii)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ブルガリス・f.・テルチア(Chlorella vulgaris f. tertia)、クロレラ・ブルガリス・ver.・オートトロフィカ(Chlorella vulgaris var. autotrophica)、クロレラ・ブルガリス・ver.・ビリディス(Chlorella vulgaris var. viridis)、クロレラ・ブルガリス・ver.・ブルガリス(Chlorella vulgaris var. vulgaris)、クロレラ・ブルガリス・ver.・ブルガリス・f.・テルチア(Chlorella vulgaris var. vulgaris f. tertia)、クロレラ・ブルガリス・ver.・ブルガリス・f.・ビリディス(Chlorella vulgaris var. vulgaris f. viridis)、クロレラ・キサンテラ(Chlorella xanthella)、クロレラ・ゾフィンギエンシス(Chlorella zofingiensis)、クロレラ・トレボウキオイデス(Chlorella trebouxioides)、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris))、クロロコックム(Chlorococcum)(例えば、クロロコックム・インフュージョナム(Chlorococcum infusionum)、クロロコックム・sp.(Chlorococcum sp.))、クロロゴニウム(Chlorogonium)、コンドゥラス(Chondrus)(例えば、コンドゥラス・クリスパス(Chondrus crispus)、コンドゥラス・オセラタス(Chondrus ocellatus))、クロオモナス(Chroomonas)(例えば、クロオモナス・sp.(Chroomonas sp.))、クリソスファエラ(Chrysosphaera)(例えば、クリソスファエラ・sp.)Chrysosphaera sp.))、クリコスファエラ(Cricosphaera)(例えば、クリコスファエラ・sp.(Cricosphaera sp.))、クリプトモナス(Cryptomonas)(例えば、クリプトモナス・sp.(Cryptomonas sp.))、シクロテラ(Cyclotella)(例えば、シクロテラ・クリプチカ(yclotella cryptica)、シクロテラ・メネギニアナ(Cyclotella meneghiniana)、シクロテラ・sp.(Cyclotella sp.))、ダナリエラ(Dunaliella)(例えば、ダナリエラ・sp.(Dunaliella sp.)、ダナリエラ・バルダウィル(Dunaliella bardawil)、ダナリエラ・ビオクルタ(Dunaliella bioculata、ダナリエラ・グラニュラテ(Dunaliella granulate)、ダナリエラ・マリチメ(Dunaliella maritime)、ダナリエラ・ミヌタ(Dunaliella minuta)、ダナリエラ・パルバ(Dunaliella parva)、ダナリエラ・ペイルセイ(Dunaliella peircei)、ダナリエラ・プリモレクタ(Dunaliella primolecta)、ダナリエラ・サリナ(Dunaliella salina)、ダナリエラ・テルリコラ(Dunaliella terricola)、ダナリエラ・テルチオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、ダナリエラ・ビリディス(Dunaliella viridis)、ダナリエラ・テルチオレクタ(Dunaliella tertiolecta))、エクロニア(Ecklonia)(たとえば、エクロニア・sp.(Ecklonia sp))、エイセニア(Eisenia)(例えば、エイセニア・ビシクリス(Eisenia bicyclis))、エリプソイドン(Ellipsoidon)(例えば、エリプソイドン・sp.(Ellipsoidon sp.))、エレモスファエラ(Eremosphaera)(例えば、エレモスファエラ・ビリディス(Eremosphaera viridis)、エレモスファエラ・sp.(Eremosphaera sp.))、ユーシュマ(Eucheuma)(例えば、ユーシュマ・コットニイ(Eucheuma cottonii)、ユーシュマ・スピノサム(Eucheuma spinosum))、,ユーグレナ(Euglena)、フラギラリア(Fragilaria)(例えば、フラギラリア・クロトネンシス(Fragilaria crotonensis)、フラギラリア・sp.(Fragilaria sp.))、フランセイア(Franceia)(例えば、フランセイア・sp.(Franceia sp.))、フルセラリア(Furcellaria)(例えば、フルセラリア・ファスチギアテ(Furcellaria fastigiate))、ギガーチナ(Gigartina)(例えば、ギガーチナ・アシクラリス(Gigartina aciculari
s)、ギガーチナ・ブルサ-パストリス(Gigartina bursa-pastoris)、ギガーチナ・ピスチラタ(Gigartina pistillata)、ギガーチナ・ラデュラ(Gigartina radula)、ギガーチナ・スコッツベルギイ(Gigartina skottsbergii)、ギガーチナ・ステラテ(Gigartina stellate))、グレオカプサ(Gleocapsa)(例えば、グレオカプサ・sp.(Gleocapsa sp.))、グレオタムニオン(Gloeothamnion)(例えば、グレオタムニオン・sp.(Gloeothamnion sp.))、グロイオペルチス(Gloiopeltis)(例えば、グロイオペルチス・フルカテ(Gloiopeltis furcate))、グラキラリア(Gracilaria)(例えば、グラキラリア・ブルサ-パストリス(Gracilaria bursa-pastoris)、グラキラリア・リケノイデス(Gracilaria lichenoides))、ヒジキア(Hizikia)(例えば、ヒジキア・フシフォルメ(Hizikia fusiforme))、ヒメノモナス(Hymenomonas)(例えば、ヒメノモナス・sp.(Hymenomonas sp.))、イソクリシス(Isochrysis)(例えば、イソクリシス・aff.・ガルバナ(Isochrysis aff. galbana)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana))、シュエマニエラ(Kjellmaniella)(例えば、シュエマニエラ・ジラータ(Kjellmaniella gyrate))、ラミナリア(Laminaria)(例えば、ラミナリア・アングスタタ(Laminaria angustata)、ラミナリア・ロンギルリス(Laminaria longirruris)、ラミナリア・ロンギッシマ(Laminaria Longissima)、ラミナリア・オコテンシス(Lamnaria ochotensis)、ラミナリア・クラウストニア(Laminaria claustonia)、ラミナリア・サッカリナ(Laminaria saccharina)、ラミナリア・ジギタタ(Laminaria digitata)、ラミナリア・ジャポニカ(Laminaria japonica))、レポキンクリス(Lepocinclis)、マクロシスチス(Macrocystis)(例えば、マクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera))、ミクラクチニウム(Micractinium)、モノラフィジウム(Monoraphidium)(例えば、モノラフィジウム・ミヌタム(Monoraphidium minutum)、モノラフィジウム・sp.(Monoraphidium sp.))、ナノクロリス(Nannochloris)(例えば、ナノクロリス・sp.(Nannochloris sp.))、ナノクロロプシス(Nannochloropsis)(例えば、ナノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナノクロロプシス・sp.(Nannochloropsis sp.))、ナビクラ(Navicula)(例えば、ナビクラ・アクセプタタ(Navicula acceptata)、ナビクラ・ビスカンテラエ(Navicula biskanterae)、ナビクラ・シュードテネロイデス(Navicula pseudotenelloides)、ナビクラ・ペリクロサ(Navicula pelliculosa)、ナビクラ・スパプロフィラ(Navicula saprophila)、ナビクラ・sp.(Navicula sp.))、ネフロクロリス(Nephrochloris)(例えば、ネフロクロリス・sp.(Nephrochloris sp.))、ネフロセルミス(Nephroselmis)(例えば、ネフロセルミス・sp.(Nephroselmis sp.))、ニッチア(Nitzschia)(例えば、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・アレキサンドリナ(Nitzschia alexandrina)、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・ディシパタ(Nitzschia dissipata)、ニッチア・フルスタラム(Nitzschia frustulum)、ニッチア・ハンチアーナ(Nitzschia hantzschiana)、ニッチア・インコンスピクア(Nitzschia inconspicua)、ニッチア・インターメディア(Nitzschia intermedia)、ニッチア・ミクロセファラ(Nitzschia microcephala)、ニッチア・プシラ(Nitzschia pusilla)、ニッチア・プシラ・エリプチカ(Nitzschia pusilla elliptica)、ニッチア・プシラ・モノエンシス(Nitzschia pusilla monoensis)、ニッチア・クアドラングラー(Nitzschia quadrangular)、ニッチア・sp.(Nitzschia sp.))、オクロモナス(Ochromonas)(例えば、オクロモナス・sp.(Ochromonas sp.)),、オーシスチス(Oocystis)(例えば、オーシスチス・パルバ(Oocystis parva)、オーシスチス・プシラ(Oocystis pusilla)、オーシスチス・sp.(Oocystis sp.))、オシラトリア(Oscillatoria)(例えば、オシラトリア・リムネチカ(Oscillatoria limnetica)、オシラトリア・sp.(Oscillatoria sp.)、オシラトリア・サブブレビス(Oscillatoria subbrevis))、パルマリア(Palmaria)(例えば、パルマリア・パルマタ(Palmaria palmata))、パシェリア(Pascheria)、(例えば、パシェリア・アシドフィラ(Pascheria acidophila))、パブロバ(Pavlova)(例えば、パブロバ・sp.(Pavlova sp.))、ペタロニア(Petalonia)(例えば、ペタロニア・ファシア(Petalonia fascia))、ファガズ(Phagus)、ほるみじうむ(Phormidium)、プラチモナス(Platymonas)(例えば、プラチモナス・sp.(Platymonas sp.))、プレウロクリシス(Pleurochrysis)(例えば、プレウロクリシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、プレウロクリシス・デンタテ(Pleurochrysis dentate)、プレウロクリシス・sp.(Pleurochrysis sp.))、ポルフィラ(Porphyra)(例えば、ポルフィラ・コロンビナ(Porphyra columbina)、ポルフィラ・クリスパタ(Porphyra crispata)、ポルフィラ・デュタタ(Porhyra deutata)、ポルフィラ・ペルホラタ(Porhyra perforata)、ポルフィラ・サボルビクラタ(Porhyra suborbiculata)、ポルフィラ・テネラ(Porphyra tenera))、ポルフィリジウム(Porphyridium)(例えば、ポルフィリジウム・クルエンタム(Porphyridium cruentum)、ポルフィリジウム・プルプレウム(Porphyridium purpureum)、ポルフィリジウム・アエルギネウム(Porphyridium aerugineum))、プロトテカ(Prototheca)(例えば、プロトテカ・ウィケラミイ(Prototheca wickerhamii)、プロトテカ・スタグノラ(Prototheca stagnora)、プロトテカ・ポルトリセンシス(Prototheca portoricensis)、プロトテカ・モリフォルミス(Prototheca moriformis)、プロトテカ・ゾフィイ(Prototheca zopfii))、ピラミノナス(Pyramimonas)(例えば、ピラミノナス・sp.(Pyramimonas sp.))、ピロボツリス(Pyrobotrys)、ロデラ(Rhodella)(例えば、ロデラ・マクラテ(Rhodella maculate)、ろでら・レチクラタ(Rhodella reticulata)、ロデラ・ビオラセア(Rhodella violacea))、ロージメニア(Rhodymenia)(例えば、ロージメニア・パルマタ(Rhodymenia palmata))、サルシノイド(Sarcinoid)(例えば、サルシノイド・クリソファイト(Sarcinoid chrysophyte)),セネデスムス(Scenedesmus)(例えば、セネデスムス・アルマタス(Scenedesmus armatus))、シトシフォン(Scytosiphon)(例えば、シトシフォン・ロメ(Scytosiphon lome))、スピロギラ(Spirogyra)、スピルリナ(Spirulina)(例えば、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis))、スティココックス(Stichococcus)(例えば、スティココックス・sp.(Stichococcus sp.))、シネココックス(Synechococcus)(例えば、シネココックス・sp.(Synechococcus sp.))、テトラエドロン(Tetraedron)、テトラセルミス(Tetraselmis)(例えば、テトラセルミス・sp.(Tetraselmis sp.),テトラセルミス・スエシカ(Tetraselmis suecica))、タラシオシラ(Thalassiosira)(例えば、タラシオシラ・ワイスフロッギー(Thalassiosira weissflogii))、およびビリジエラ(Viridiella)(例えば、ビリジエラ・フリデリシアナ(Viridiella fridericiana))。
【0134】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞は、組換え乳タンパク質の酸性を改善する遺伝子組換えを含みうる。適切な遺伝子組換えの非限定的な例は、変化されたキナーゼ活性、変化されたホスファターゼ活性、変化されたプロテアーゼ活性、変化された遺伝子発現誘導経路、タンパク質折り畳みに関連するタンパク質の変化された酸性および/または活性、およびタンパク質分泌(例えば、小胞輸送)に関連するタンパク質の変化された酸性および/または活性を含む。
【0135】
ポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターを宿主細胞に導入するための方法は、当分野で周知である。かかる方法の非限定的な例は、リン酸カルシウムトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、リポソームトランスフェクション、(例えば、カチオン性リポソームトランスフェクション)、カチオン性ポリマートランスフェクション、DEAE-デキストラントランスフェクション、細胞スクイージング、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、プロトプラスト融合、プロトプラスト形質転換、インペールフェクション、流体力学的送達(hyrodynamic delivery)、遺伝子銃(gene gun)、マグネトフェクション(magnetofection)、ウイルストランスフェクション(viral transduction),エレクトロポレーション、および化学的トランスフェクション(例えば、PEGを使用すること)を含む。
【0136】
組換え宿主細胞を同定するための方法は、当分野で周知であり、細胞の成長に対する選別または細胞の成長に対抗する選別を可能にするポリヌクレオチド、組換え発現構築物、または組換えベクターによってコードされる薬物耐性または栄養要求性マーカーについてスクリーニングすること、または、他の手段(例えば、ポリヌクレオチド、組換え発現構築物または組換えベクターに含まれる光放出ペプチドの検出、個々の組換え宿主細胞コロニーの分子分析[例えば、制限酵素マッピング、PCR増幅、サザン分析、または単離された染色体外ベクターもしくは染色体組込み部位の配列分析])によるものを含む。
【0137】
上記のいずれかによる組換え宿主細胞による組換え乳タンパク質の産生は、RNAレベルおよび、最も適切には、タンパク質のレベルで実施される分析、または組換えタンパク質の産生または活性を測定する機能的バイオアッセイの使用によるものなどの、当分野で公知の適切な方法のいずれかを用いて評価することができる。かかるアッセイの非制限的な例は、ノーザンブロッティング、ドットブロッティング(DNAまたはRNA)、RT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcriptase polymerase chain reaction))、RNA-Seq、in situハイブリダイゼーション、サザンブロッティング、酵素活性アッセイ、免疫アッセイ(immunological assays)(例えば、免疫組織化学的染色、免疫学的アッセイ(immunoassays)、ウエスタンブロッティング、ELISA)、および遊離チオールアッセイ(free thiol assays)(例えば、遊離システイン残基を含むタンパク質の産生を測定するため)を含む。
【0138】
組換え乳タンパク質を製造するための方法
別の態様では、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を製造するための方法が本明細書で提供され、この方法は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞を、組換え乳タンパク質の産生に適した条件下において培養培地内で発酵するステップを含む。
【0139】
この方法は、発酵ブロスから組換え乳タンパク質を精製し、組換え乳タンパク質を含む調製物を得るステップ、および/または組換え乳タンパク質を後加工するステップをさらに含むことができる。
【0140】
あるいは、組換え乳タンパク質は、in vitro法を用いて(例えば、無細胞転写および/または翻訳システムを用いて)得ることができる。
【0141】
発酵
組換え乳タンパク質を製造するための適切な条件は、典型的には、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が成長および/または生存可能なままであり、組換え乳タンパク質を産生できる条件下でありうる。
【0142】
適切な条件の非制限的な例は、適切な培養培地(例えば、適切な栄養含有物[例えば、適切な炭素含有物、適切な窒素含有物、適切なリン含有物]を有する培養培地、適切な補助含有物、適切な微量金属含有物、適切なpH)、適切な温度、適切な供給速度、適切な圧力、適切なレベルの酸素処理、適切な発酵継続期間(即ち、組換え宿主細胞を含む培養培地の体積)、適切な発酵体積(即ち、組換え宿主細胞を含む培養培地の体積)、および適切な発酵容器を含む。
【0143】
適切な培養培地は、上記のいずれかによる組換え宿主細胞が成長および/または生存可能なままであり、組換え乳タンパク質を産生できる全ての培養培地を含む。典型的には、培養培地は、炭素源、同化可能な窒素源(即ち、組換え宿主細胞による代謝利用に適した形態で窒素を放出できる窒素含有化合物)、およびリン酸塩源を含む水性媒体である。
【0144】
元素源の非限定的な例は、単糖、二糖、多糖 アセテート、エタノール、メタノール、グリセロール、メタン、およびこれらの組み合わせを含む。担当の非制限的な例は、デキストロース(グルコース)、フルクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノースおよびこれらの組み合わせを含む。二糖の非制限的な例は、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースおよびこれらの組み合わせを含む。多糖の非制限的な例は、デンプン、グリコーゲン、セルロース、アミロース、ヘミセルロース、マルトデキストリンおよびこれらの組み合わせを含む。
【0145】
同化可能な窒素源の非制限的な例は、無水アンモニア、硫酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、タンパク質加水分解物、コーンスティープリカー(corn steep liquor)、コーンスティープソリッド(corn steep solids)、ビール粕(spent grain)、ビール粕抽出物(spent grain extract)、および酵母抽出物を含む。アンモニアガスの使用は、大規模操作に都合がよく、適切な量で水性発酵物(発酵媒体)を通してバブリングすることによって使用することができる。同時に、かかるアンモニアは、pH制御を補助するのにも使用されうる。
【0146】
培養培地は、無機塩、ミネラル(例えば、適切な可溶性同化イオン形態および組み合わされた形態での例えば、マグネシウム、カルシウム、カルシウム、ナトリウム)、金属又は遷移金属(例えば、適切な可溶性同化イオン形態および組み合わされた形態での銅、マンガン、モリブデン、亜鉛、鉄、ホウ素、ヨウ素)、ビタミン、および任意の他の栄養素成分または機能性成分(例えば、組換え乳タンパク質の分解を防止することができるプロテアーゼ[例えば、植物ベースのプロテアーゼ]、組換え乳タンパク質を分解できるプロテアーゼの活性を低下できるプロテアーゼ阻害剤、および/またはプロテアーゼ活性を取り除く(siphon away)ことができる犠牲タンパク質(sacrificial protein)、消泡剤、抗菌剤、界面活性剤、乳化油)をさらに含むことができる。
【0147】
適切な培養培地は、商業的サプライヤーから利用可能であるか、または公開された組成物(例えば、アメリカン・タイプカルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)のカタログ)によって調製されうる。
【0148】
適切なpHは、2と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、3、または2.5の間;2.5と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、3.5、または3の間;3と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4、または3.5の間;3.5と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、または4の間;4と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、4.6、または4.5の間;4.5と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、4.7、または4.6の間;4.6と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、4.8、または4.7との間;4.7と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、4.9、または4.8の間;4.8と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5、または4.9の間;4.9と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、または5の間;5と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、5.2、または5.1の間;5.1と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、5.3、または5.2の間;5.2と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5.4、または5.3の間;5.3と、8、7.5、7、6.5、6、5.5、または5.4の間;5.4と、8、7.5、7、6.5、6、または5.5の間;5.5と、8、7.5、7、6.5、または6の間;6と、8、7.5、7、または6.5の間;6.5と、8、7.5、または7の間;7と、8,または7.5の間;あるいは7.5と8の間のpHでありうる。
【0149】
適切な温度は、20℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、24℃、または22℃の間;22℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、26℃、または24℃の間;24℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、28℃、または26℃の間;26℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、30℃、または28℃の間;28℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、32℃、または30℃の間;30℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、34℃、または32℃の間;32℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、38℃、36℃、または34℃の間;36℃と、46℃、44℃、42℃、40℃、または38℃の間;38℃と、46℃、44℃、42℃、または40℃の間;40℃と、46℃、44℃、または42℃の間;42℃と、 46℃または44℃の間;あるいは44℃と46℃の間の温度でありうる。
【0150】
適切な供給速度は、0.01g~0.2gグルコース等量/g乾燥細胞重量(DCW)/時間で供給速度でありうる。
【0151】
適切な圧力は、0psigと、50psig、40psig、30psig、20psig、または10psigの間;10psigと、50psig、40psig、30psig、または20psigの間;20psigと、50psig、40psig、または30psigの間;30psigと、50psig、または40psigの間;あるいは40psigと50 psigの間の圧力でありうる。
【0152】
適切な酸素処理は、発酵槽/分における酸素体積/液体体積(vvm)で、0.1(vvm)と、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9vvm、0.7vvm、0.5vvm、または0.3vvmの間;0.3vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9vvm、0.7vvm、または0.5vvmの間;0.5vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、0.9vvm、または0.7vvmの間;0.7vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、1.1vvm、または0.9vvmの間;0.9vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、1.3vvm、または1.1vvmの間;1.1vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、1.5vvm、または1.3vvmの間;1.3vvmと、2.1vvm、1.9vvm、1.7vvm、または1.5vvmの間;1.5vvmと、2.1vvm、1.9vvm、または1.7vvmの間;1.7vvmと、2.1vvmまたは1.9vvmとの間;あるいは1.9vvmと2.1vvmの間の給気速度でありうる。
【0153】
適切な発酵継続期間は、10時間と、500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、30時間、または20時間の間;20時間と、500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、40時間、または30時間の間;30時間と、500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、50時間、または40時間の間;40時間と、500時間、400時間、300時間、200時間、100時間、または50時間の間;50時間と、500時間、400時間、300時間、200時間、または100時間の間;100時間と、500時間、400時間、300時間、または200時間の間;200時間と、500時間、400時間、または300時間の間;300時間と、500時間、または400時間;あるいは400時間と500時間の間の発酵継続期間でありうる。
【0154】
適切な発酵体積は、1Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、100L、50L、または10Lの間;10Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、100L、または50Lの間;50Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、500L、または100Lの間;100Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、1,000L、または500Lの間;500Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、5,000L、または1,000Lの間;1,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、10,000L、または5,000Lの間;5,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、50,000L、または10,000Lの間;10,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、100,000L、または50,000Lの間;50,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、500,000L、または100,000Lの間;100,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、1,000,000L、または500,000Lの間;500,000Lと、10,000,000L、5,000,000L、または1,000,000Lの間;1,000,000Lと、10,000,000L、または5,000,000Lの間;あるいは5,000,000Lと10,000,000Lの間でありうる。
【0155】
適切な発酵容器は、当分野で公知の発酵容器のいずれであってもよい。適切な発酵容器の非制限的な例は、任意の適切なスケール(例えば、小規模スケール、大規模スケール)および任意のプロセス(例えば、固体培養、液内培養、バッチ式、流加培養(fed-batch)または連続フロー)で使用される、培養プレート、振盪フラスコ、発酵槽(例えば、攪拌されたタンク発酵槽、エアーリフト発酵容器、バブルカラム発酵槽、固定床バイオリアクター、実験用発酵槽(laboratory fermentors)、工業用発酵槽、またはこれらの組み合わせ)を含む。
【0156】
精製
組換えタンパク質(例えば、発酵ブロスからのもの)を精製し、組換えタンパク質を含む調製物を得る方法は、当分野で公知であり(例えば、Protein Purification, JC Janson and L Ryden, Eds., VCH Publishers, New York, 1989(非特許文献19); Protein Purification Methods: A Practical Approach, ELV Harris and S Angel, Eds., IRL Press, Oxford, England, 1989(非特許文献20)をそれぞれ参照)、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を精製するのに適合されうる。
【0157】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、その分子量に基づいて、例えば、サイズ排除/交換クロマトグラフィー、膜を通した限外濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー(例えば、分別ディスク-ゲル電気泳動)または密度遠心分離によって精製されうる。
【0158】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、その表面電荷または疎水性/親水性に基づいて、例えば、等電沈澱、アニオン/カチオン交換クロマトグラフィー、等電点電気泳動法(isoelectric focusing)(IEF)、または逆相クロマトグラフィーによっても精製されうる。
【0159】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、その溶解性に基づいて、例えば、硫酸アンモニウム沈澱、等電沈澱、界面活性剤、または溶媒抽出によっても精製されうる。
【0160】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、別の分子とのその親和性に基づいて、例えば、アフィニティクロマトグラフィー、反応性色素、またはヒドロキシアパタイトによっても精製されうる。アフィニティクロマトグラフィーは、組換え乳タンパク質に対して特異的結合親和性を有する抗体、または組換え乳タンパク質の糖部分に結合するレクチン、または組換え乳タンパク質を特異的に結合する任意の他の分子の使用を含みうる。組換え乳タンパク質は、組換え乳タンパク質の親和性に基づいた精製を促進するために、そのC-またはN-末端に操作可能に結合されたタグペプチドまたはポリペプチドを含みうる。適切なタグペプチドまたはポリペプチドの非制限的な例は、親和性タグ(即ち、特定の薬剤またはマトリックスに結合するペプチドまたはポリペプチド)、可溶化タグ(即ち、タンパク質の妥当な折り畳みを助け、沈澱を防止するペプチドまたはポリペプチド)、クロマトグラフィータグ(即ち、特定の分離技術を越えて異なる分解能をもたらすために、タンパク質のクロマトグラフィー特性を変更するペプチドまたはポリペプチド)、エピトープタグ(即ち、抗体によって結合されるペプチドまたはポリペプチド)、蛍光タグ、発色性タグ、酵素基質タグ(即ち、特定の酵素反応に対する基質であるペプチドまたはポリペプチド)、化学基質タグ(即ち、特定の化学的修飾のための基質であるペプチドまたはポリペプチド)、自己開裂性タグ(誘導可能なタンパク質分解活性を有するペプチドまたはポリペプチド;例えば、ソルターゼタグ、Nproタグ、FrpCモジュール、CPD)、疎水性タグ(高度に疎水性であり、封入体形成のタンパク質に照準を合わせたペプチドまたはポリペプチド;例えば、KSIタグ、TrpEタグ)、またはこれらの組み合わせを含む。適切な親和性タグの非制限的な例は、マルトース結合性タンパク質(MBP)タグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ、ポリ(His)タグ、SBP-タグ、Strep-タグ、およびカルモジュリン-タグを含む。適切な可溶性タグの非制限的な例は、チオレドキシン(TRX)タグ、ポリ(NANP)タグ、MBPタグ、SUMOタグ、GB1タグ、NUSA CBDタグ、およびGSTタグを含む。クロマトグラフィータグの非制限的な例は、ポリアニオン性アミノ酸タグ、(例えばFLAG-タグ)、およびポリグルタメートタグを含む。エピトープタグの非制限的な例は、V5-タグ、VSV-タグ、E-タグ、NE-タグ、ヘマグルチニン(Ha)-タグ、Myc-タグ、およびFLAG-タグを含む。蛍光タグの非制限的な例は、緑色蛍光タンパク質 (GFP)タグ、青色蛍光タンパク質(BFP)タグ、シアン蛍光タンパク質(CFP)タグ、黄色蛍光タンパク質(YFP)タグ、オレンジ色蛍光タンパク質(OFP)タグ、赤色蛍光タンパク質(RFP)タグ、およびこれらの誘導体を含む。酵素基質タグの非限定的な例は、ビオチニル化に適切な配列内にリジンを含むペプチドまたはポリペプチド(例えば、AviTag、ビオチンカルボキシルキャリアタンパク質[BCCP])を含む。化学的基質タグの非限定的な例は、FIAsH-EDT2との反応に適した基質を含む。タグペプチドまたはポリペプチドは、除去され、次いで組換え乳タンパク質が単離されうる(例えば、プロテアーゼ開裂を介して)。
【0161】
上記のいずれかによる組換え乳タンパク質が上記のいずれかによる組換え宿主細胞によって分泌される実施形態では、組換え乳タンパク質は、培養培地から直接に精製されうる。他の実施形態では、組換え乳タンパク質は、細胞溶解物から精製されうる。
【0162】
組換え乳タンパク質は、発酵ブロスまたは調製物に含まれる他の成分に対して、30%超超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、97%、または99%超の純度に精製されうるか、または、発酵ブロスまたは調製物に含まれる他の成分に対して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍の豊富さで精製されうるか、または、重量で、30%超、35%超、40%超、45%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超95%超、97%超、または99%超の純度に精製されうる。
【0163】
組換え乳タンパク質の同定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ウェスタンブロット分析、イースタンブロット分析、ポリアセチルアミドゲル電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、酵素産物の形成、酵素基質の消失、および2次元質量分析(2D-MS/MS)配列同定法によって確認および/または定量化されうる。
【0164】
後加工(post-processing)
後加工は、組換え乳タンパク質の特定の化学的および/または物理的特性を変更することができ、これは、サイズ、電荷、疎水性、親水性、溶媒和化、タンパク質折り畳み、および化学的反応性を含むが、これらに限定されない。
【0165】
後加工は、組換えタンパク質の再折り畳み(例えば、変性剤(denaturant)を除去することによる)、フラグメント化(化学的手段によって、またはプロテアーゼ[例えば、トリプシン、ペプシン]への暴露によって)、加熱(例えば、タンパク質の凝集を除去するため)、反応性部位の除去(例えば、メチオニンおよび/またはトリプトファン残基の反応性部位を参加によって除去すること)、調節(例えば、化学的、光化学的および/または酵素的戦略を介して)、脱ミネラル化(demineralizing)(例えば、透析、限外濾過、逆浸透、イオン交換クロマトグラフィーによって)、環化、タグおよび/または融合ポリペプチドの除去(例えば、部位特異的プロテアーゼへの暴露によって)、ビオチン化(即ち、ビオチンを結合すること)、および他の要素(例えば、ポリエチレングリコール、抗体、リポソーム、リン脂質、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、糖、二糖、多糖、デンプン、セルロース、洗剤(detergents)、細胞壁)との複合体化を含みうる。
【0166】
後加工は、ランダムな様式で、または部位特異的な様式で(例えば、システイン残基のスルフィニル基で[例えば、アミノエチル化、ヨードアセトアミドの形成、マレイミドの形成、Dhaの形成、ジスルフィド結合を介した共有結合、および脱硫のため]リジン残基の一級アミノ基で[例えば、活性化されたエステル、塩化スルホニル、イソチオシアネート、不飽和アルデヒドエステル、およびアルデヒドの結合]、チロシン残基のフェノール性ヒドロキシル基で、特異的アレルゲン性エピトープ[例えば、グリカン基]で)起こりうる。
【0167】
組換え乳タンパク質は、(例えば、粉末を得るために)噴霧乾燥されるか。または蒸発によって濃縮される。
【0168】
組換え乳タンパク質を含む組成物
別の態様では、乳タンパク質成分を含む組成物であって、前記乳タンパク質成分が上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を含むか、またはこれらからなり、前記組成物が対応する組成物に比較してアレルゲン性が弱められ、または本質的に除去されたものが、本明細書で提供される。
【0169】
組成物は。質量で、0.1%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、または0.2%の間;0.2%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、または0.3%の間;0.3%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、または0.4%の間;0.4%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、または0.5%の間;0.5%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、または0.6%の間;0.6%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、または0.7%の間;0.7%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、または0.8%の間;0.8%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.9%の間;0.9%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の間;1%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の間;2%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、または3%の間;3%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、または4%の間;4%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%の間;5%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、または6%の間;6%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、または7%の間;7%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、または8%の間;8%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、または9%の間;9%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、または10%の間;10%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、または11%の間;11%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、または12%の間;12%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、または13%の間;13%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、または14%の間;14%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、または15%の間;15%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、または20%の間;20%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、または25%の間;25%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、または30%の間;30%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、または35%の間;35%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、または40%の間;40%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、または45%の間;45%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、または50%の間;50%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、または55%の間;55%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、または60%の間;60%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、または65%の間;65%と、100%、95%、90%、85%、80%、75%、または70%の間;70%と、100%、95%、90%、85%、80%、または75%の間;75%と、100%、95%、90%、85%、または80%の間;80%と、100%、95%、90%、または85%; またはbetween 85%と、100%、95%、90%の間;90%と、100%、または95%の間、あるいは95%と100%の間の乳タンパク質成分を含みうる。
【0170】
標準的な周囲温度および条件(即ち20~30℃および0.95~1.05atm)で、上記のいずれかによる組成物は液体、半固体(即ち、ゼラチン状)、固体、または粉末でありうる。粉末は、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、3%,または1%未満の含水率を含みうるか、0.1%と、20%、15%、10%、5%、または1%の間;1%と、20%、15%、10%、または5%の間;5%と、20%、15%、または10%の間;10%と、20%、または15%の間;あるいは15%と20%の間の含水率を含みうる。粉末は、粉末の形態で使用することができ、または、粉末は、使用前に水和剤で再構成することができ、または、粉末は、水和剤を混合物に添加する前に、他の乾燥成分(例えば、穀粉、糖、ミネラル、pHもしくはイオン強度調節剤)と混合されうる。
【0171】
上記のいずれかによる組成物は、他の成分(例えば、本明細書で開示される他の成分のいずれか)をさらに含むことができる。例えば、組成物は、質量で、0.001%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.01%の間;0.01%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.1%の間;0.1%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、または0.5%の間;0.5%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の間;1%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の間;2%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、または3%の間;3%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、または4%の間;4%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、または5%の間;5%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、または6%の間;6%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、または7%の間;7%と、50%、25%、20%、15%、10%、9%、または8%の間;8%と、50%、25%、20%、15%、10%、または9%の間;9%と、50%、25%、20%、15%、または10%の間;10%と、50%、25%、20%、または15%の間;15%と、50%、25%、または20%の間;20%と、50%または25%;あるいは25%と50%の間の、かかる他の成分、かかる他の成分の2以上の組み合わせ、またはかかる他の成分の全てを含むことができる。
【0172】
上記のいずれかによる組成物は、哺乳類で産生される乳(例えば、ボス・タウルス(Bos taurus)の乳、ヤギの乳、ヒツジの乳、ヒトの乳)に見出される成分を本質的に含まなくてよく、または哺乳類で産生される乳に見出される少なくとも1つの成分を低濃度で含むことができる。哺乳類由来の乳に見出される成分の非制限的な例は、ラクトース、飽和脂肪、コレステロール、天然乳タンパク質、および天然乳脂質を含む。
【0173】
上記のいずれかによる組成物は、哺乳動物から得られる成分(即ち、動物性食品[即ち、ヒトによって消費されうる、またはヒトによる消費のために典型的に調製される動物の部分;例えば動物肉(animal meat)、獣脂(animal fat)、動物の血液]、動物の副生成物[即ち、典型的には、それ自身は消費されないが消費用に食肉処理した動物の副産物である製品;例えば、動物の骨、動物の屠体、およびこれらか分離された構成要素]、動物によって生産される製品[例えば、哺乳類由来の乳、鶏卵、蜂蜜]、およびこれらから製造される消耗品[例えば、ゼラチン、レンネット、哺乳動物由来の乳から抽出された乳清タンパク質,哺乳動物由来の乳から抽出されたカゼイン、哺乳動物由来の乳から抽出された乳脂質、動物性脂質、動物性タンパク質])を本質的に含まなくてよく、または、かかる成分を2質量%以下含有しうる。
【0174】
上記のいずれかによる組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に比較して、例えば、0%,1%以下、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、65%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%、または95%以下のアレルゲン性などの、比較可能な組成物のアレルゲン性よりも低いアレルゲン性を有しうる。アレルゲン性は、皮膚プリックテスト、血液検査、または経口負荷試験を用いて測定することができる。
【0175】
上記のいずれかによる組成物は、例えば、食品(即ち、食事目的で摂取される製品)、コスメティック、およびパーソナルケア製品(例えば、軟膏、ローション、クリーム[例えば、保湿クリーム]、クレンザー、マッサージクリーム、石鹸、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、スキンマスク、仕上げ製品、ヘアトニック、練り歯磨き、チューインガム、ガムクリーニング剤、スキンローション/クリーム)、薬学的製品(例えば、薬剤(medicinal agents)を送達(例えば、制御された送達)するために使用される製品[例えば、送達のために治療剤または栄養補助食品を封入するミクロ粒子またはナノ粒子(例えば、ビーズ、ミセル)]、錠剤のコーティング、カプセル、圧縮剤(compact)、ヒドロゲル)、ポリマー(即ち、互いに直接にまたは中間分子を介して共有結合された繰り返しの分子単位で構成される分子)、および工業的有用性(例えば、絶縁体)を有する組成物を含む、種々の製品でありうる。
【0176】
乳タンパク質成分
上記のいずれかによる組成物に含まれる乳タンパク質成分は、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質、および任意選択的に他の乳タンパク質からなる。
【0177】
組換え乳タンパク質は、上記のいずれかによる単一の組換え乳タンパク質であってよく、または上記のいずれかによる組換え乳タンパク質の2以上の混合物であってもよい。
【0178】
任意選択的な他の乳タンパク質は、天然の乳タンパク質または本明細書で提供されない組換え乳タンパク質であってよい。天然および組換え乳タンパク質は、任意の哺乳動物種(例えば、本明細書で開示された哺乳動物種のいずれか)から得ることができる。天然の乳タンパク質を抽出する方法、および/または組換え乳タンパク質を産生する方法は、2018年3月27日に発行された米国特許第9,924,728号明細書(U.S. Patent 9,924,728)(特許文献3);2019年7月18日に公開された米国特許出願公開第2019/0216106号明細書(U.S. publication US20190216106)(特許文献4);および2019年11月7日に公開された国際公開第2019/213155号(PCT publication WO2019213155)(特許文献5)に開示されており、これらはその全体を本明細書に取り込む。
【0179】
任意選択的な他の乳タンパク質は、他の単一の乳タンパク質であってもよく、1以上の他の乳タンパク質であってもよい。他の乳タンパク質の非限定的な例は、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ラクトフェリン、トランスフェリン、血清アルブミン、ラクトペルオキシダーゼ、グリコマクロペプチド(GMP)、κ-カゼイン、β-カゼイン、γ-カゼイン、α-S1-カゼイン、およびα-S2-カゼインを含む。理論に制限されることを望まないが、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質とGMPの複合体は、GMPを欠く同じ組成物と比較して、組成物のアレルゲン性をさらに弱めることができると考えられる。
【0180】
乳タンパク質は、上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然β-ラクトグロブリンまたは本明細書に提供されていない組換えβ-ラクトグロブリン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン);上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えGMP;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えκ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えβ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えα-S2-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリンおよび天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えGMP;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えκ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えβ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、および天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えα-ラクトアルブミン(例えば、上記のいずれかによる組換えα-ラクトアルブミン)、および天然もしくは組換えα-S2-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、および天然もしくは組換えκ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、および天然もしくは組換えβ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、および天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、および天然もしくは組換えα-S2-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えβ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S2-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S2-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えβ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;または上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えκ-カゼイン、および天然もしくは組換えγ-カゼイン;上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S1-カゼイン;または上記のいずれかによる組換えβ-ラクトグロブリン、天然もしくは組換えGMP、天然もしくは組換えβ-カゼイン、および天然もしくは組換えα-S2-カゼインを含みうるか、またはこれらからなりうる。
【0181】
乳タンパク質成分は、約10~1と約1~10の間(例えば、約10~1、約9~1<約8~1、約7~1、約6~1、約5~1、約4~1、約3~1、約2~1、約1~1、約1~2、約1~3、約1~4、約1~5、約1~6、約1~7、約1~8、約1~9、約1~10)の質量比で、乳清タンパク質およびカゼインからなりうる。
【0182】
乳タンパク質成分は、約100~1および約1~100の間(例えば、約100~1、約90~1、約80~1、約70~1、約60~1、約50~1、約40~1、約30~1、約20~1、約10~1、約9~1、約8~1、約7~1、約6~1、約5~1、約4~1、約3~1、約2~1、約1~1、約1~2、約1~3、約1~4、約1~5、約1~6、約1~7、約1~8、約1~9、約1~10、約1~20、約1~30、約1~40、約1~50、約1~60、約1~70、約1~80、約1~90、または約1~100)の質量比で、組換え乳タンパク質および天然乳タンパク質からなりうる。
【0183】
乳タンパク質成分は、約100~1と約1~100の間(例えば、約100~1,約90~1、約80~1、約70~1、約60~1、約50~1、約40~1、約30~1、約20~1、約10~1、約9~1、約8~1、約7~1、約6~1、約5~1、約4~1、約3~1、約2~1、約1~1、約1~2、約1~3、約1~4、約1~5、約1~6、約1~7、約1~8、約1~9、約1~10、約1~20、約1~30、約1~40、約1~50、約1~60、約1~70、約1~80、約1~90、または約1~100)の質量比で、組換え乳清タンパク質および天然乳清タンパク質からなりうる。
【0184】
他の成分
上記のいずれかによる組成物に任意選択的に含まれる他の成分は、任意の他の成分でありうる。
【0185】
適切な他の成分の非制限的な例は、非乳タンパク質、生物活性剤、栄養剤(nutritional agents)、および機能性剤を含む。
【0186】
任意選択的な非乳タンパク質は、任意の起源由来の1以上の天然および/または組換え非乳タンパク質、ならびに、種々の起源由来の天然および/または組換え非乳タンパク質の混合物からなる。適切な起源の非制限的な例は、動物、植物、藻類、真菌または細菌を含む。動物性タンパク質の非限定的な例は、構造動物タンパク質(structural animal proteins)(例えば、コラーゲン、トロポエラスチン、エラスチン)、卵タンパク質(例えば、ヘレインオボムコイド(hereinovomucoid)、オバルブミン、オボトランスフェリン、G162M F167A オボムコイド、オボグロブリンG2、オボグロブリンG3、α-オボムチン、β-オボムチン、リソザイム、オボインヒビター、オボグリコプロテイン、フラボプロテイン、オボマクログロブリン、オボスタチン、シスタチン、アビジン、オバルブミン関連タンパク質X、オバルブミン関連タンパク質Y)、および球状タンパク質(globular proteins)(例えば、アルブミン)を含む。植物タンパク質の非限定的な例は、エンドウマメタンパク質(pea proteins)(例えば、レグミン、ビシリン、コビシリン(covicillin))およびジャガイモタンパク質(例えば、チューブリン、プロテアーゼインヒビターノーテートII(protease inhibitor notate II))を含む。任意選択的な非乳タンパク質は、組換え非乳タンパク質(例えば、哺乳動物PTM、非哺乳動物PTM、またはこれらの混合物を有する組換え非乳タンパク質、および/または哺乳動物PTMを欠く組換え非乳タンパク質、および/またはヒトまたは動物において免疫応答を引き出すことができるエピトープを欠く組換え非乳タンパク質)を含むことができる。
【0187】
生物活性剤の非限定的な例は、栄養補助食品(即ち、生理学的な利益を有するか、疾患に対して保護を提供する化合物)、および治療薬(即ち、疾患を治療する化合物)を含む。
【0188】
栄養補助食品の非限定的な例は、栄養剤(nutritional supplements)、プレバイオティクス、プロバイオティクス、プロビタミン、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、炭水化物、脂質、ならびに、必須および準必須アミノ酸を含む。
【0189】
ビタミンの非限定的な例は、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5、それぞれ)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC、葉酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、およびこれらの誘導体、およびこれらの混合物を含む。
【0190】
ミネラルの非制限的な例は、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、塩化物、リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、モリブデン、マンガン、銅、およびこれらの混合物を含む。
【0191】
抗酸化剤の非限定的な例は、α-トコフェロール(例えば、ボス・タウルス(Bos taurusの乳に含まれるトコフェロール)、低分子量チオール(例えば、Bos taurusの乳に含まれる低分子量チオール)、レチノール(例えば、Bos taurusの乳に含まれるレチノール)、カロテノイド(例えば、ウシの乳に含まれるカロテノイド、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン)、ビタミンE、アザジラキタ・インディカ(Azadirachta indica)抽出物、リボフラビン、ローズマリー抽出物、ローズマリー抽出物に含まれるフェノール性ジテルペン(例えば、カルノソール、カルノシン酸)、セージ抽出物、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩、乳酸およびその塩、ブドウ残渣サイレージ(grape residue silage)、ブドウ残渣サイレージに含まれるフェノール性化合物(例えば、フェルラ酸)、大豆(グリシンマックス)抽出物、大豆抽出物に含まれるイソフラボンまたはポリフェノール化合物、ニンニク(アリウム・サチバム(Allium sativum))抽出物、ニンニク抽出物に含まれるフェノール性もしくはフラボノイド、またはテルペノイド化合物、フェンネル(フェニクラム・ブルガレ・ミリ(Foeniculum vulgare Mill.)抽出物、カモミール(マトリカリア・レクチタ・L(Matricaria recutita L.)抽出物、脂肪酸(例えば、α-リポ酸)、褐藻類、(例えば、アシフィラス・ノドサム(Ascophyllum nodosum)、フカス・ベシクロサス(Fucus vesiculosus))、グリーンピンクペッパーのエッセンシャルオイル(GEO)、成熟したピンクペッパーのエッセンシャルオイル(MEO)、緑茶抽出物、ブチル化ヒドロキシアニソール(E320)、ブチル化ヒドロキシトルエン(E321)、ポリフェノール(例えば、クルクミン、クルクミノイド、デスメトキシクルクミン(ヒドロキシシンナモイルフルロイルメタン(hydroxycirmamoyl feruloylmethane)、ビス-デスメトキシクルクミン)、カテキン(例えば、没食子酸エピガロカテキン(epigallocatechin gallate)、没食子酸エピカテキン(epicatechin gallate)、エピガロカテキン、エピカテキン、Cカテキン(C catechin)、緑茶抽出物に含まれるカテキン)、ならびにこれらの誘導体およびこれらの混合物を含む。
【0192】
炭水化物の非限定的な例は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、およびこれらの混合物などの単糖;例えば、マルトース、ラクトース、スクロース、およびこれらの混合物などの二糖;例えば、デンプン(例えば、ペクチン、コーン(トウモロコシ)デンプン、オートムギデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、米デンプン、大豆デンプン、小麦デンプン、アズキデンプン、サヤマメ(green bean)デンプン、葛デンプン、カタクリデンプン、クズウコンデンプン、緑豆デンプン、サゴデンプン、タピオカデンプン、植物デンプン(例えば、本明細書で開示された植物のいずれかから得られるデンプン)などの多糖、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物を含む。いくつかの実施形態では、デンプンは、変性デンプン(例えば、予めゼラチン化されたデンプン(例えば、コーン、小麦、タピオカ)、予めゼラチン化された高アミロース含量デンプン、予めゼラチン化された加水分解されたデンプン(例えば、マルトデキストリン、コーンシロップソリッド、ライスシロップソリッド、タピオカシロップソリッド)、予めゼラチン化された置換されたデンプン(例えば、琥珀酸オクテニルで修飾されたデンプン)などの化学的に変性されたデンプン、アルカリ性変性デンプン、漂白デンプン(bleached starch)、酸化デンプン、リン酸化デンプン(monostarch phosphate)、ジスターチホスフェート(distarch phosphate)、リン酸化ジスターチホスフェート(phosphated distarch phosphate)、アセチル化ジスターチホスフェート(acetylated distarch phosphate)、アセチル化デンプン、モノスターチアセテート(mono starch acetate)、アセチル化ジスターチアジペート、ジスターチグリセリン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルジスターチグリセリン、ヒドロキシプロピルジスターチホスフェート、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、アセチル化酸化デンプン、デキストリン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、およびこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物)、穀粉(例えば、どんぐり粉、アーモンド粉、アマランス粉、アタ粉、大麦粉、豆粉、そば粉、キャッサバ粉、栗粉、チューニョ粉、ココナッツ粉、コーン(トウモロコシ)粉、デュラム粉、アインコーン粉(einkorn flour)、エマー粉、ソラマメ粉、ヒヨコマメ粉、ひいたチアシード、ひいた亜麻仁、ヘンプ粉(hemp flour)、ホラーサン粉(khorasan flour)、レンチル粉(lentil flour)、マイダ粉、大麦麦芽粉、マサアリーナ(masa harina)、メスキート粉(mesquite flour)、ミレット粉、ナッツ粉、エンバク粉(oat flour)、豆粉、ピーナッツ粉、ジャガイモ粉、キノア粉、米粉、ライ麦粉、ソルガム粉、大豆粉、スペルト粉(spelt flour)、もち米粉、タロイモ粉(taro flour)、テフ粉、小麦粉、バイタル小麦グルテン(vital wheat gluten)、ひいたチアシード、ひいた亜麻仁、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物)、ガム(例えば、クズウコン粉、キサンタンガム、アカシアガム(アラビアガム)、ゲランガム、グアーガム、ローカストビーンガム(カロブガム)、トラガガントガム、カラギーナンガム、タラガム、ウィートガム(wheat gum)、こんにゃくガム、アガーガム、カラヤガム、サレップ、変性セルロース(例えば、メチルセルロース、メトキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微結晶性セルロース)、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、ガムは、変性ガム(例えば、脱アセチル化された、脱アセチル化されクラリファイド化された(deacetylated clarified)、部分脱アセチル化された、部分脱アセチル化されクラリファイド化された、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物)、食物繊維(例えば、アカシア繊維、竹繊維、大麦ぬか、ニンジン繊維、セルロース(例えば、ウッドパルプセルロース)、シトラスファイバー、コーンブラン、可溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オートブラン、豆繊維(pea fiber)、米ぬか、ヘッドハスク(head husks)、サイリウムハスク、こんにゃく、大豆繊維、大豆多糖、小麦ブラン、イヌリン、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物)、ならびに、これらの2以上の混合物、ならびにこれらの2以上の混合物である。
【0193】
脂質の非制限的な例は、脂肪、油、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、および遊離脂肪酸を含む。
【0194】
油の非限定的な例は、植物油(例えば、ヒマワリ油。椰子油(coconut oil)、マスタードシード油、ピーナッツ油、カメリナ油(camelina sativa oil)、キャノーラ油、コーン油、綿実油、クフェア油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、菜種油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、アーモンド油、ビーチナッツ油(ブナ油(beech nut oil))、ブラジルナッツ油(brazil nut oil)、カシューナッツ油、ヘーゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、モンゴンゴナッツ油、ピーカン油(pecan oil)、パインナッツ油(pine nut oil)、ピスタチオナッツ油ウォールナッツ油、アボカド油、グレープ油)、微生物由来の油(microbe-derived oils)、藻類由来の油(algae-derived oils)、菌類由来の油(fungus-derived oils)、海洋生物の油(marine animal oils)(例えば、アトランティックフィッシュオイル(Atlantic fish oil)、パシフィックフィッシュオイル(Pacific fish oil)、地中海フィッシュオイル(Mediterranean fish oil)、軽圧フッシュオイル(light pressed fish oil)、アルカリ処理した魚油(alkaline treated fish oil)、熱処理した魚油(heat treated fish oil)、ライトアンドヘビーブラウンフィッシュオイル(light and heavy brown fish oil)、ボニートオイル(bonito oil)、ピルチャードオイル(pilchard oil)、マグロ油(tuna oil)、シーバスオイル(sea bass oil)、ハリバット油(halibut oil)、スピアフィッシュオイル(spearfish oil)、バラクーダオイル(barracuda oil)、タラ油(cod oil)、メンハーデンオイル(menhaden oil)、イワシ油(sardine oil)、アンチョビオイル(anchovy oil)、カペリンオイル(カラフトシシャモオイル(capelin oil))、アトランティックコッドオイル(Atlantic cod oil)、タイセイヨウニシンオイル(Atlantic herring oil)、タイセイヨウサバオイル(Atlantic mackerel oil)、アトランティックメンハーデンオイル(Atlantic menhaden oil)、サケ科の油(salmonid oil)、およびサメ油(shark oil)、イカ油(squid oil)、コウイカ油(cuttle fish oil)、タコ油(octopus oil)、オキアミ油(krill oil)、アザラシ油(seal oil)、鯨油(whale oil))、非エッセンシャルオイル、エッセンシャルオイル、天然油、非水素添加油(non-hydrogenated oils)、部分水素添加油(partially hydrogenated oils)、水素添加油(hydrogenated oils)(例えば、水添椰子油(hydrogenated coconut oil))、粗製油(crude oils)、半精製(semi-refined)(アルカリ精製(alkaline refined)とも呼ばれる)油、エステル交換された油(interesterified oils)、および精製油を含む。いくつかの実施形態では、長鎖の油(例えば、ヒマワリ油。コーン油、オリーブ油、大豆油、ピーナッツ油、ウォールナッツ油、アーモンド油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、サフラワー油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、パームフルーツ油(palm fruit oil)、椰子油、ババス油(babassu oil)、シアバター、マンゴーバター、ココアバター(cocoa butter)、小麦胚芽油、米ぬか油、オレイン酸を400%まで過剰発現させた改変ひまわり油(engineered sunflower oil))が、短鎖トリグリセリドと組み合わされ、エステル交換された脂肪酸エステルを生じる(例えば、特別な方向プロファイルを生じる)。
【0195】
モノグリセリドおよびジグリセリドの非限定的な例は、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリド(例えば、ヒマワリ、ココナッツ、ピーナッツ、綿実、オリーブ、パーム、菜種、サフラワー、ゴマ種子、大豆、アーモンド、ビーチナッツ(beech nut)、ブラジルナッツ(Brazil nut)、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、モンゴンゴナッツ、ペカン、パインナッツ、ピスタチオ、ウォールナッツ、およびアボカドから誘導されるモノグリセリドおよびジグリセリド)を含む。モノグリセリドおよびジグリセリドは、本明細書で開示された任意の遊離脂肪酸のアシル鎖を含む、当分野で公知の任意の遊離脂肪酸のアシル鎖を含む。
【0196】
脂肪酸の非限定的な例は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パミトレン酸(pamitoleic acid)、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、ω-脂肪酸(例えば、アラキドン酸、ω-3-脂肪酸、ω-6-脂肪酸、ω-7-脂肪酸、ω-9-脂肪酸)、長さが4~16の偶数の炭素を有する脂肪酸、モノ飽和脂肪酸(特に18炭素を有する)、低界面張力を有する脂肪酸(例えば、20未満、15未満、11未満、9未満、7未満、5未満、3未満、2未満、1未満、または0.5未満dynes/cm、0.1~20、1~15、2~9、3~9、4~9、5~9、2~7、0.1~5、0.3~2、または0.5~ldynes/cm、0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0、19.5または20.0)、sn-3でエステル化された酪酸(4:0)またはカプロン酸(6:0)、sn-1およびsn-2の位置でエステル化された中鎖脂肪酸(8:0~14:0)ならびに16:0、ステアリン酸(18:0)がsn-1の位置に配置された脂肪酸、オレイン酸(18:1)がsn-1およびsn-3の位置に配置された脂肪酸、所定の炭素原子の範囲(例えば、8~40、10~38、12~36、14~34、16~32、18~30、または20~28の炭素原子)を有する脂肪酸、少なくとも1つの不飽和結合(即ち、二重結合または三重結合:少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、または少なくとも8の炭素-炭素二重結合および/または三重結合)を含む脂肪酸、共役不飽和結合(即ち、少なくとも1対の炭素-炭素二重および/または三重結合が、これらの間にメチレン(CH2)基を持たず(例えば、4CH:CHiCH:CHi)に互いに結合した)を有する脂肪酸、および上で名を挙げた脂肪酸の誘導体(例えば、エステル(例えば、メチルおよびエチルエステル)、塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、トリグリセリド誘導体、ジグリセリド誘導体、モノグリセリド誘導体)を含む。いくつかの実施形態では、遊離脂肪酸は、哺乳動物から誘導されるが、または哺乳動物によって生成される。
【0197】
リン脂質の非限定的な例は、レシチンリン脂質(例えば、大豆レシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、菜種レシチンリン脂質、米ぬかレシチンリン脂質、コーンレシチンリン脂質、穀粉レシチンリン脂質)、カルドリピン、セラミド、ホスホコリン、セラミドホスホエタノールアミン、グリセロリン脂質、ホスファチジン酸(phasphatidicacid)、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質(phosphospingolipids)、およびホスファチジルセリンを含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は、哺乳動物由来ではなく、哺乳動物によって生成されない。
【0198】
トリグリセリドの非限定的な例は、トリブチリン、短鎖トリグリセリド、3つのオレイン酸を含む短鎖トリグリセリド、ヘキサン酸を含む短鎖トリグリセリド、 ヘキサン酸および酪酸を含む短鎖トリグリセリド、ヘキサン酸およびデカン酸を含む短鎖トリグリセリド、および1つの酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を含む短鎖トリグリセリドを含む。
【0199】
必須アミノ酸および準必須アミノ酸の非限定的な例は、システイン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンを含む。
【0200】
機能性剤の非限定的な例は、酸味料、緩衝剤、品質保持期間延長剤(shelf life extending agents)、pHおよび/またはイオン強度調整剤、抗菌剤、抗酸化剤、防腐剤、乳化剤、可塑剤、テクスチャリング/口当たり剤(texturing/mouthfeel agents)、着色剤、味/香り剤(taste/flavor agents)、芳香剤、膨張剤、およびフロー剤(flow agents)を含む。
【0201】
品質保持期間延長剤の非限定的な例は、一酸化炭素、亜硝酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、ボムバル(Bombal)、およびこれらの誘導体およびこれらの混合物。
【0202】
防腐剤の非限定的な例は、p-ヒドロキシベンゾエート誘導体、ソルビン酸、安息香酸、ナイシン、ナタマイシン、およびこれらの誘導体、およびこれらの混合物。
【0203】
乳化剤の非限定的な例は、アニオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、生物乳化剤(bioemulsifiers)、立体乳化剤(steric emulsifiers)、ピカリング乳化剤(Pickering emulsifiers)、グリコリピッド(例えば、トレハロース脂質、ソホロ脂質(sophorolipids)、ラムノ脂質、マンノシルエリスリオール脂質(mannosylerythriol lipids))、オリゴペプチド(例えば、グラミシジンS、ポリミキシン)、 リポペプチド(例えば、スルファクチン、リン脂質、脂肪酸、中性脂肪、ポリマー生物界面活性剤、両親媒性多糖、リポ多糖、タンパク質(例えば、豆タンパク質、大豆タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、藻類タンパク質、酵母タンパク質、ジャガイモタンパク質、レンチルタンパク質(lentil protein))、マンノプロテイン、リン酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、モノグリセリドのモノ-およびジ-アセチル酒石酸エステル、
リン脂質、ソルビタンモノステアレート、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸のナトリウム/カルシウム/カルシウム塩、ステアリルジ乳酸カルシウム、ポリグリセロールエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリリシノール酸ポリグリセロール、脂肪酸のプロパン-1,2-ジオースエステル、糖エステル、脂肪酸のスクロースエステル、モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、乳酸化モノグリセリド(lactylated monoglycerides)、ジグリセリド、リン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、ステアロイル-2-乳酸ナトリウム/カルシウム、リン酸アンモニウム、ポリソルベート、ポリソルベート-80、カルボキシメチルセルロース(CMC)、変調セルロース(modulated cellulose)、クエン酸エステル、 ローカストビーンガム、グアーガム、リポサン(liposan)、エマルサン(emulsan)、レクチン(例えば、植物ベースのレクチン、ガルバンゾーレクチン、ソラマメレクチン、大豆レクチン、ヒマワリレクチン、キャノーラレクチン)、界面活性剤(例えば、ソルビタントリオレエート(Span 85、それぞれ)、ソルビタントリステアレート(Span 65、それぞれ)、ソルビタンセスキオレエート(Arlacel 83)、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン(Span 80)、ソルビタンモノステアレート(Span 60)、ソルビタンモノパルミテート(Span 40)、ソルビタンモノラウレート(Span 20)、ポリエチレンソルビタントリステアレート(Tween 65、それぞれ)、ポリエチレンソルビタントリオレエート(Tween 85、それぞれ)、ポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリソルベート60(Tween 60)、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリソルベート80(Tween 80)、ポリソルベート40(Tween 40)、ポリソルベート20(Tween 20)、PEG20トリステアレート、PEG20トリオレエート、PEG20モノステアレート、PEG20モノオレエート、PEG20モノパルミテート、およびPEG20モノラウレートソルビタン)、ならびにこれらの誘導体およびこれらの混合物を含む。
【0204】
可塑剤の非限定的な例は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセロール、ソルビトール、PEG-300、PEG-600、尿素、オクタン酸、パルミチン酸、酒石酸ジブチル、およびフタレート、モノ-、ジ-、またはトリグリセリドエステル、フルクトース、カプロン酸、ヒドロカプロン酸、モノ-、ジ-、トリ-、またはテトラ-エチレングリコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、スクロース、ならびにこれらの誘導体およびこれらの混合物を含む。
【0205】
テクスチャリング/口当たり剤の非制限的な例は、ガム(例えば、グアーガム、カロブガム、ウィートガム、キサンタンガム)、増量剤(bulking agents)、充填剤、抗アドヒアレント化合物(anti-adherent compounds)、分散剤、吸湿性化合物、 化学感覚剤(chemesthetic agents)、フィルム形成剤、濃化剤、硬化剤、軟化剤、安定化剤、アンチケーキング剤(anti-caking agents)、消泡剤(anti-foaming agents)、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの混合物。
【0206】
香味剤/芳香剤の非限定的な例は、酪酸エチル、2-フリルメチルケトン、2,3-ペンタンジオール、γ-ウンデカラクトン、δ-ウンデカラクトン、プロピレングリコール、グリセロール、エチルアルコール、ジメチルスルフィド、2-メチルブタノール、4-シスヘプタナール、2-トランスノネナール、アセトン、2-ウンデカノン、2-ブタノン、アミルアルコール、δ-デカラクトン、2-ヘプタノン、δ-ドデカラクトン、2-ノナノン、δ-テトラデカラクトン、硫化水素、ジメチルスルホン、ベンゾチアゾール、2-ペンタノン、2-トリデカノン、δ-オクタラクトン、2-ペンタデカノン、天然香味料、人工調味料(例えば、チョコレートフレーバー(chocolate flavoring)、コーヒーフレーバー(coffee flavoring)、ストロベリーフレーバー(strawberry flavoring)、アーモンドフレーバー(almond flavoring)、ヘーゼルナッツフレーバー(hazelnut flavoring)、バニラフレーバー(vanilla flavoring)、緑茶フレーバー(green tea flavoring)、アイリッシュクリームフレーバー(Irish cream flavoring)、ココナッツフレーバー(coconut flavoring))、甘味料(例えば、非タンパク質甘味料、タンパク質ベースの甘味料)、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの2以上の混合物。
【0207】
非タンパク質甘味料の非制限的な例は、糖、修飾された糖、天然甘味料、天然タンパク質、人工甘味料、糖アルコール、糖繊維(sugar fibers);スクロース、サトウキビ汁、トウモロコシ糖、高フルクトースコーンシロップ、トウモロコシ甘味料(corn sweetener)、アガベシロップ、大麦麦芽シロップ、バーチシロップ、廃糖蜜、玄米シロップ、カラメル、コーンシュガー、デキストロース、ドゥークスマトックシロップ(douxmatok syrup)、ココナッツ、ココナッツパームシュガー(coconut palm sugar)、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グルコースフルクトースシロップ、ゴールデンシロップ、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム、スパルテーム-アセスルファム塩、シクラミン酸塩、(例えば、シクラミン酸ナトリウム)、エリスリトール、フルクトオリゴ糖、アルロース(allulose)、グルシトール(ソルビトール)、グリセロール(グリセリン)、グリシルリチン、ゴールデンシロップ、HFCS-42、HFCS-55、HFCS-90、ハイマルトースコーンシロップ、蜂蜜、デーツシロップ、HSH、水素添加デンプン加水分解物(HSH)、イソマルトース、イソマルトオリゴ糖(IMO)、イソグルコース、イヌリン、転化糖、イソマルト、ラクチトール、ラクトース、レブロース(フルクトース)、羅漢果(luo han guo)(アカモンクフルーツ)(aka monk fruit))、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、メープルシロップ、 糖蜜、モナチン、モネリン、ネオヘスプリジンジヒドロカルコン(neohesperidin dihyrdochalcone)、ネオテーム、オリゴフルクトール、パームシュガー、ポリできストロース、ラパドゥラ(rapadura)、精糖(refiners syrup)、サッカリン、サッカロース、ソルガムシロップ(sorghum Syrup)、ステビア、RebM、RebA、RebD、ステビオシド、サッカロース、スクロース、タガロース、オスラジン(osladin)、ズルチン、グルチン(glucine)、アスルフェームカリウム、L-アスパルギル-L-フェニルアラニン、P-4000、モグロシド、トレハロース、キシリトール、ヤーコンシロップ、ならびにこれらの誘導体およびこれらの混合物を含む。
【0208】
タンパク質ベースの甘味料の非限定的な例は、ブラゼイン(UniProt配列P56552)、クルクリン(それぞれ、UniProt配列P19667のアミノ酸23~136、Q6F495のアミノ酸23~135)、マビンリン(UniProt sequences P80351のアミノ酸1~32、P80351のアミノ酸33~104、P30233のアミノ酸36~68、P30233のアミノ酸83~154、P80352のアミノ酸1~32、P80352のアミノ酸33~104、P80353のアミノ酸1~28、P80353のアミノ酸29~100)、ミラクリン(UniProt配列P13087のアミノ酸30~220)、モネリン(UniProt sequences P02881、P02882)、ペンタジン、およびタウマチン(それぞれ、UniProt sequences P02883のアミノ酸23~229、P02884のアミノ酸23~229)、ならびに、これらの相同体およびフラグメント、および,これらの混合物を含む。
【0209】
属性(attribute)
上記のいずれかによる組成物は、属性(例えば、本明細書で開示された属性のいずれか1つ、または本明細書で開示された属性の2以上の組み合わせ)を有することができ、当該属性は、対応する組成物のかかる属性の、50%と、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、または60%の間;60%と、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、または70%の間;70%と、150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、または80%の間;80%と、150%、140%、130%、120%、110%、100%、または90%の間;90%と、150%、140%、130%、120%、110%、または100%の間;100%と、150%、140%、130%、120%、または110%の間;110%と、150%、140%、130%、または120%の間;120%と、150%、140%、または130%の間;130%と、150%、または140%;または140%と150%の間であり;あるいは、当該属性は、対応する組成物のかかる属性の、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍である。組成物に含まれる上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、組成物のかかる属性を付与できるか、またはこれに著しく寄与することができる。
【0210】
属性は、1以上の物理的属性、1以上の機械的属性、1以上の化学的/生物学的属性、1以上の知覚的属性、または1以上の機能的属性、あるいはこれらの任意の組み合わせでありうる。
【0211】
物理的属性の非限定的な例は、外観(例えば、褐変、色、半透明性、不透明性)、形(例えば、長さ、幅、均一性)、保形性、構造、(例えば、分子構造[例えば、タンパク質の折り畳み/コンホーメーション]、気泡平均サイズ、気泡サイズ分布、気泡壁の厚さ)、結晶性(例えば、特別な半透明性、不透明性、または透明性を提供する。例えば、高い結晶性は、一般に、組成物を通る光を低下させ、半透明性または不透明性、ならびに機械的強度、剛性、化学的耐性、および安定性に影響を与える。)、成層(layering)、通気、固体粒子の中身/サイズ/形、硬度/堅さ、密着性(cohesion)、可塑性、粘度、密度、溶解度(例えば、種々の溶媒中での溶解性、ゲル化点/プロファイル(即ち、ゲル形成が開始される温度およびタイムライン)、および融点/プロファイルを含む。
【0212】
機械的属性の非制限的な例は、硬度/堅さ、接着性、弾性/回復可能性エネルギー、構造的一体性/凝集性、弾性/弾力性/跳ね返り、およびかみ応え/破壊(breakdown)を含む。
【0213】
機能的属性の非制限的な例は、発泡/膨張の挙動(foaming/leavening behavior)(例えば、発泡能(capacity)(即ち、泡を形成する能力。ここで、本明細書で使用される用語「泡」は、例えば、オーバーランおよび/または気相体積によって測定されたとき、固体または水性連続相に分散された気泡をいう。)、泡の強度(例えば、剪断下で圧力を与えるか、または試料に流れを開始させるのに必要な量の圧力を与えるときに測定される)、泡安定性、(即ち、物理的および/または化学的条件に応答した泡の半減期)、泡の排出(foam drainage)(即ち、泡が不安定化し、水相が泡から流れ出始める速度)、泡の染み込み(foam seep))、ゲル化/濃化/凝集性(例えば、ゲル化/濃化の能力(即ち、例えば、貯蔵および弾性率およびレオメーターの周波数掃引で得られる位相角によって、または物理的および/または化学的条件(例えば、攪拌、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、等濃度、イオン強度)への抵抗性によって測定されるとき、規定された粘弾性特性を有するゲルを形成する能力。ここで、本明細書で使用される用語「ゲル」は、タンパク質分子に水素結合によって結合された溶媒で満たされた空間を有するタンパク質ネットワークをいう。)、ゲル化プロファイル(例えば、所定時間にわたるゲル化能力の曲線、温度の関数としての粘弾性パラメータ)、ゲル強度(即ち、例えば、レオメーターの周波数掃引で得られる貯蔵弾性率によって、規定された領域のゲル表面を破壊するのに必要な機械力)、ゲル化に際しての水保持能力、ゲル化におけるシネレシス(即ち、時間経過による水の滲出))、乳化の挙動(例えば、乳化する能力(即ち、エマルジョンを安定化する能力、または不安定化することなく試料の所定の質量が乳化できる油の量)、エマルジョンの安定性(即ち、例えば、所定のタンパク質濃度、脂質濃度、pH、イオン強度、または調製方法等の所定の条件下で生成されたエマルジョンの半減期)、水を結合する挙動(例えば、水結合能(即ち、水を結合する能力)、水結合強度)、ゲル化に際してのシネレシス(即ち、時間経過での水の滲出)、凝集の挙動(即ち、物理および/または化学的条件に対抗することによって測定されるときに、沈澱(即ち,タンパク質分子と溶媒の排除の間の強い相互作用に基づく、タイトなタンパク質ネットワーク)を形成する能力、時間経過による凝集能力(即ち、時間経過による凝集能力の曲線)、凝集安定性(例えば、加熱に際して、種々のpHで、種々のイオン濃度で)、ミセル形成能力(即ち、組成物内に分散物として存在し、1以上の生体分子[例えば、水、ミネラル、ビタミン]を封入できる、一般にまたは大まかに球形である超分子構造)、他の分子(例えば、他の乳タンパク質)との相互作用、結晶化、滑らかさ、展延性、および使用の汎用性(即ち、多様な使用の可能性、および組成物の多様性の提供、例えば、乳派生製品[例えば、本明細書に開示される乳派生製品のいずれか]に類似する食品を製造する能力)を含む。
【0214】
化学的/生物学的属性の非限定的な例は、生分解性(例えば、好気性または非好気性条件下での生分解性)、生物適合性、栄養分(例えば、タンパク質のタイプおよび/または量、アミノ酸[例えば、分岐アミノ酸]のタイプおよび/または量、PDCAAS、BV、脂質のタイプおよび/または量、ミネラルのタイプおよび/または量、ビタミンのタイプおよび/または量)、pH、消化性(例えば、胃腸での消化性)、吸収性(例えば、食品から吸収されたタンパク質の割合)、酸化安定性、成長能力(例えば、時間経過または特定の条件下[例えば、温度、酸素化、pH、圧力、剪断]で重合する、重合していないモノマーを含む)、および飢餓および/または飽満の調節を含む。
【0215】
化学的/生物学的属性の非制限的な例は、香味、芳香および食感品質(例えば、口当たり、脂っこさ、クリーミーさ、高カロリー性(richness)、脂肪性(greasiness)、濃厚さ、硬度/堅さ、サクサク感(crispiness)、もろさ、ガリガリ感(crunchiness)、かみ応え、歯ごたえ(chewdown)、噛みやすさ(tenderness)、緊密さ(compactness)、密着性(cohesiveness)、接着性、 粒状性、平滑性、ジューシーさ、湿気(wetness)、マウスコーティング(mouthcoating)、舌の上での滑りやすさ、粗さ、研磨性、咬合および/または咀嚼の均一性、弾力性、テクスチャ、風通し、舌の上へのスプーンからのサンプルの取り込みに必要な労力)を含む。
【0216】
かかる属性を測定する方法は,当分野で公知であり、例えば、定性分析(例えば、ヒトの感覚専門家による外観または感覚属性の評価、取扱中の、流速または流れやすさ、または移動のしやすさによる粘度分析)、または定量分析(例えば、融点分析[例えば、Therme Shift Assay(例えば、Pantoliano et al. 2001 J Biomol Screen 6:429-40(非特許文献21)参照)を用いて、天然乳タンパク質に対して組換え乳タンパク質を比較すること]によって、または公知のリガンド[例えば、レチノール、パルミテート(例えば、Yang et al. 2007 Proteins 71:1197-1210(非特許文献22)を参照]へ結合したタンパク質を分析することによる、タンパク質折り畳み/コンホーメーションの決定;示差走査熱量測定(DSC)[B. Wunderlich, Thermal Analysis, Academic Press, 1990, pp. 417-431.; TN 48, "Polymer Heats of Fusion", TA Instruments, New Castle, DE(非特許文献23)]を用いた結晶性の測定;L*a*b*色空間の分光学的測定による色分析;粘度計法またはレオメーター法[例えば、回転粘度計側法、毛細管粘度計測法、振動粘度測定法、超音波パルスエコー法、ピスノメトリック法(pycnometric methods)、エートメトリック法(areometric methods)(例えば、Kazys & Rekuviene 2011 Ultragarsas (Ultrasound) 66(4):20-25(非特許文献24)参照]による粘度測定;密度測定法による密度分析;熱量測定による融点分析;テクスチャーアナライザーを用いた機械的属性の分析[例えば、2020年、10月29日に刊行された、国際公開第2020/219595号(PCT publication WO2020219595)参照];生分解性の分析[例えば、OECD 306 Biodegradability in Sea Water(非特許文献25), OECD 311 (ASTM E2170) Anaerobic Biodegradability / Biochemical Methane Potential(非特許文献26), ASTM D5338 Aerobic biodegradability / composting assay(非特許文献27), ASTM D5511 Anaerobic biodegradability / "landfill simulation"(非特許文献28), ASTM D5988 (ISO17556) Biodegradation in soil(非特許文献29)参照];タンパク質またはアミノ酸のタイプおよび/または内容物を決定するための、AOACインターナショナルレファレンス法(AOAC International reference methods)、AOAC 990.03およびAOAC 992.15、電気泳動法(例えば、SDS-PAGE)、液体カラムクロマトグラフィー、免疫化学的試験、またはオンチップ電気泳動法(例えば、Agilent Protein 80キットおよびAgilent 2100バイオアナライザーを用いるもの)による栄養分の分析;成分の栄養分からの栄養分の計算;特定の速度で、および規定された条件下[例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度]での特定の時間量について、泡立て後に形成される泡に取り込まれる空気のパーセンテージを測定すること、泡の所定の塊が、液体排出または滲出形態でどの程度で不安定化されるかを測定すること、剪断または試料が流れはじめるのに必要な量の圧力(stress)下で与えられる圧力(stress)を測定すること[例えば、2020年、10月29日刊行された国際公開第2020/219595(PCT publication WO2020219595)(特許文献6)参照]による発泡/膨張の挙動;規定された条件下[例えば、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、炭水化物濃度]でゲルを形成するのに必要な時間の測定、貯蔵および弾性率およびレオメーターの周波数掃引で得られる位相角の測定、および物理力および/または化学的条件[例えば、攪拌、温度、pH、イオン強度、タンパク質濃度、等濃度、イオン強度]に対するゲルの抵抗性の測定によるゲル化/濃化/凝集の挙動[例えば、2020年、10月29日刊行された国際公開第2020/219595(PCT publication WO2020219595)(特許文献6)参照];規定された条件下[例えば、混合装置、混合速度、混合時間]での水中油エマルジョンの調製およびこれに続く脂質および水の混合物の相分離の時間を越える安定性の測定、時間経過による不透明性の変化の測定、または時間経過による分散された相粒子の変化の測定、クリーミング(creaming)または沈降の速度の測定による乳化の挙動の分析;遠心分離後に滲み出る水の量の測定、または蒸気圧の関数としてタンパク質の質量あたりに結合する水の質量に基づいた水分吸着等温線の展開による水結合性の挙動の分析を含む。
【0217】
食品(food product)
上記のいずれかによる組成物は、食品であってよく。食品は、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を含むか、またはこれからなる乳タンパク質を含み、食品は、対応する食品と比較して、アレルゲン性が弱められるか、または本質的に除去される。
【0218】
β-ラクトグロブリンおよび/またはα-ラクトアルブミンを含む食品は、これらの乳タンパク質が、筋肉組織の生成を助けると考えられる必須アミノ酸および分岐鎖アミノ酸を高含有量で有するので、特にアスリートに対して望ましい。さらに、β-ラクトグロブリンが良好な水結合能を有するので、これは食品添加物として望ましく、この特性は、β-ラクトグロブリンを食品の水活性(water activity)を操作するのに適したものとする。さらに、β-ラクトグロブリンは、これが抗菌活性を有するので食品添加物として望ましく、この特性は、β-ラクトグロブリンを食品の貯蔵寿命を延ばすのに適したものとする。さらに、β-ラクトグロブリンは、これが海面で容易に吸収できるので、食品添加物として望ましく、この特性は、β-ラクトグロブリンを、食品の非常に安定した分散をもたらすのに適したものとする。さらに、α-ラクトアルブミンは、体内での強力な抗酸化剤であって、免疫に重要な役割を有するグルタチオンの構成要素(building block)であるアミノ酸のシステイン、および、本能的欲望、就眠覚醒リズム、疼痛知覚、気分、不安、およびストレスの制御などの神経行動学的効果を生じさせる役割を有する神経伝達物質のセロトニンおよび神経分泌ホルモンのメラトニンが豊富である。さらに、非アレルゲン性乳タンパク質を含む食品は、これらが乳製品に対してアレルギー体質の人の数が増加することによって消費されるので、望ましい。
【0219】
食品は、ある食品であってよく、米国保健福祉省による全国健康栄養調査(NHANES)によって定義された食品カテゴリーのいずれかから選択される、ある食品に似たもの(即ち、「代用食品」でありうる)であってよい。
【0220】
NHANES食品カテゴリーの非制限的な例は、スナック食品およびガム(例えば、スナックバー、クラッカー、穀物製品からの塩味スナック、チューインガム);パン、穀物(grains)、およびパスタ(例えば、オート大麦パンおよびロール、トウモロコシパン、トウモロコシマフィン、トルティーヤ、小麦粉およびドライミックス、ビスケット、マルチグレインパンおよびロール、全粒粉パンおよびロール(whole wheat breads and rolls)、パスタ、ライ麦パンおよびロール、粗挽き小麦パンおよびロール(cracked wheat breads and rolls)、白パンおよびロール);飲料(例えば、ビールおよびエール、飲料濃縮物、飲料、エナジードリンク、スポーツドリンク、補液(fluid replacements)、ソフトドリンク、炭酸飲料、ジュース、ワイン、ビール、カクテル、栄養ドリンク、栄養素粉末(nutrition powders)、タンパク質富化飲料、コーヒー、茶);甘味およびデザート(例えば、ケーキ、キャンディー、チップ、クッキー、コブラー、ペストリー、アイスまたは棒付きアイスキャンディー、マフィン、パイ、 砂糖代用品または代替品、シロップ、蜂蜜、ゼリー、ジャム、果物の砂糖煮(preserves)、サラダ、クレープ、デニッシュ、朝食用プチパン(breakfast pastries)、ドーナツ);朝食用食品(例えば、穀物(cereal grains)、シリアル、米、フレンチトースト、パンケーキ、ワッフル、コーヒーケーキ);サラダドレッシング、オイル、ソース、薬味(例えば、調理用油、植物油、サラダドレッシング、トマトソース、グレイビー(gravies));ジャガイモ(例えば、ポテトサラダ、ジャガイモスープ、チップおよびスティック、フライドポテト、マッシュポテト、詰め物をしたジャガイモ(stuffed potatoes)、パフ(puffs));およびスープ(例えば、野菜スープ、野菜の煮汁(vegetable broths))、ミール、メインディッシュ、タンパク質(例えば代替肉)、およびシーフードを含む。
【0221】
上記のいずれかによる食品は、乳製品、補助(supplemented)乳製品(即ち、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質に追加される従来の乳製品)、または代替乳製品(即ち、従来の乳製品に類似する食品)でありうる。本明細書で使用される用語「乳製品」は、乳(例えば、全乳[少なくとも3.25%乳脂肪]、部分的に脱脂した乳[1%~2%乳脂肪]、スキムミルク[0.2%未満の乳脂肪]、料理用ミルク、コンデンスミルク、フレーバーミルク、ヤギの乳、ヒツジの乳、乾燥ミルク、濃縮ミルク、ミルクの泡)、および、以下の乳由来の製品をいう。乳由来の製品は、ヨーグルト(例えば、全乳ヨーグルト[170gあたり少なくとも6gの脂肪]、低脂肪ヨーグルト[170gあたり2~6gの脂肪]、無脂肪ヨーグルト[170gあたり0.5g以下の脂肪]、ギリシャヨーグルト[乳清を除いた水切りヨーグルト(strained yogurt with whey removed)]、ホイップしたヨーグルト(whipped yogurt)、ヤギの乳のヨーグルト、レブネ(Labneh [labne])、ヒツジの乳のヨーグルト、ヨーグルトドリンク[例えば、全乳ケフィア(Kefir)、低脂肪乳ケフィア、ラッシー、チーズ(例えば、リコッタなどの乳清チーズ;モッツァレラなどのパスタフィラータチーズ;はバーティおよびミュエンスタ等の半軟質チーズ;スイスおよびヤールスベルグおよびハルミ(halloumi)などの半硬質チーズ;チェダーおよびパルメザンなどの硬質チーズ;コルビーおよびモントレージャック(Colby and Monterey Jack)などのウォッシュドカードチーズ(washed curd cheese);ブリーおよびカマンベールなどの軟らかく熟成させたチーズ;カッテージチーズ、フェタチーズ、クリームチーズ、パニール、およびカードなどのフレッシュチーズ)、プロセスチーズ、プロセスチーズ食品、プロセスチーズ製品、プロセスチーズスプレッド、酵素変性チーズ;コールドパックチーズ)、乳ベースのソース(例えば、サラダドレッシング、ベシャメルソース、フレッシュソース、冷凍したソース。冷蔵したソース、常温保存ソース)、デイリースプレッド(dairy spreads)(例えば、低脂肪スプレッド、低脂肪バター)、クリーム(例えば、乾燥クリーム、ヘビークリーム(heavy cream)、ライトクリーム(light cream)、ホイップクリーム、ハーブアンドハーフ、コーヒー用粉末クリーム、コーヒークリーマ、サワークリーム、クレームフレーシュ(creme fraiche)、冷凍菓子(例えば、アイスクリーム、スムージ、ミルクセーキ、冷凍ヨーグルト、サンデー、ジェラート、カスタード)、乳製品デザート(dairy desserts)(例えば、新鮮、冷蔵、または冷凍)、バター(例えば、泡立てたバター(whipped butter)、発酵バター、乳製品粉末(dairy powders)(例えば、全乳粉、スキムミルク粉末、脂肪に満ちた乳粉末(fat-filled milk powder)(例えば、ズベテのまたは幾分かの動物性脂肪に変えて植物性脂肪を含む乳粉末)、乳児用調製粉乳、乳タンパク質濃縮物(即ち、少なくとも80重量%のタンパク質濃度;例えば 乳タンパク質濃縮物、乳清タンパク質濃縮物、脱ミネラル化した乳清タンパク質濃縮物、β-ラクトグロブリン濃縮物、α-ラクトアルブミン濃縮物、グリコマクロペプチド濃縮物、カゼイン濃縮物)、乳タンパク質単離物(即ち、少なくとも90重量%のタンパク質含有量;例えば、乳タンパク質単離物、乳清タンパク質単離物、脱ミネラル化した乳清タンパク質単離物、β-ラクトグロブリン単離物、α-ラクトアルブミン単離物、グリコマクロペプチド単離物、カゼイン単離物)、栄養補助食品、テクスチャライジングブレンド(texturizing blends)、風味用ブレンド(flavoring blends)、着色用ブレンド(coloring blends)、すぐ飲める飲料(ready-to-drink)またはすぐ混ぜられる製品(ready-to-mix products)(例えば、フレッシュ、冷蔵、または貯蔵安定性乳製品飲料(shelf stable dairy protein beverages)、ダイエット飲料(weight loss beverages)、栄養飲料、スポール回復飲料(sports recovery beverages)、およびエナジードリンク)、プディング、ゲル、チュアブル、クリスプ、バー(例えば、栄養バー(nutrition bars)、プロテインバー)、および発酵乳製品(例えば、ヨーグルト、チーズ、サワークリーム、発酵バターミルク、発酵バター、発酵バターオイル)を含むが、これらに限定されない。
【0222】
上記のいずれかによる食品は、動物肉(animal meat)または動物肉製品(animal meat product)、補助動物肉(supplemented animal meat)、または動物肉製品(即ち、上記のいずれかによる組換え宿主細胞および/または上記のいずれかによる方法によって産生される上記のいずれかによる組換え乳タンパク質で補助された従来の動物肉または動物肉製品)、または代替動物肉もしくは動物肉製品(即ち、従来の動物肉または動物肉製品に類似する食品)でありうる。動物肉および動物肉製品の非限定的な例は、動物から得られる、骨格筋または他の器官(例えば、腎臓、心臓、肝臓、胆嚢、腸,胃、骨髄、脳、胸腺、肺、舌)、またはこれらの部分から得られる肉を含む。動物肉は、黒みがかる肉(dark meat)または白身肉(white meat)でありうる。動物肉または動物肉製品が得られうる動物の非限定的な例は、畜牛、ラム、マトン、馬、家禽(poultry)(例えば、鶏、アヒル、ガチョウ、七面鳥)、家禽(fowl)(例えば、ハト(pigeon)、コバト(dove)、ライチョウ、パートリッジ(partridge)、ダチョウ、エミュー、キジ、ウズラ)、肉またはあ塩水魚(例えば、ナマズ、マグロ、マカジキ(spearfish)、サメ、オヒョウ、チョウザメ、サーモン、バス、アメリカカワマス(muskie)、カワカマス、ボウフィン(bowfin)、ガー(gar)、ウナギ、ヘラチョウザメ(paddlefish)、ブリーム(bream)、コイ、マス、ウォールアイ(walleye)、ライギョ(snakehead)、クラッピー(crappie)、しすたー(sister)、イガイ、ホタテガイ、アワビ、イカ、タコ、ウニ、コウイカ、被嚢動物(tunicate))、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、小エビ、蔓脚類の甲殻動物(barnacle)、狩猟動物(例えば、シカ、キツネ、イノシシ(wild pig)、ヘラジカ、ムース(moose)、トナカイ、カリブー、アンテロープ(antelope)、シマウマ、リス、マーモット、ウサギ、クマ、ビーバー、マスクラット、オポッサム、ラクーン、アルマジロ、ヤマアラシ、バイソン、バッファロー、イノシシ(boar)、オオヤマネコ、ボブキャット、コウモリ)、爬虫類(例えば、ヘビ、カメ、トカゲ、アリゲーター、クロコダイル)、任意の昆虫または他の節足動物、齧歯類(例えば、ヌートリア、テンジクネズミ、ラット、マウス、ハタネズミ、ウッドチャック(groundhog)、カピバラ)、カンガルー、クジラ、およびアザラシ科の動物(seal)を含む。動物肉、または動物肉製品は、挽かれ、切られ、細片化され、または別法で加工され、および調理せず、調理する、または調理される。
【0223】
上記のいずれかによる食品は、卵または卵製品、補助卵製品(supplemented egg product)(即ち、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質で補助された従来の卵または卵製品、または代替卵もしくは卵製品(即ち、従来の卵または卵製品に類似する食品)でありうる。卵または卵製品の非限定的な例は、全卵(例えば、液体の全卵、噴霧乾燥した全卵、冷凍した全卵)、卵白(例えば、液体の卵白、噴霧乾燥した卵白、冷凍した卵白)、卵黄、卵料理、卵スープ、卵白で作られた混合物、卵代替物で作られた混合物、マヨネーズ、カスタード、およびサラダドレッシングを含む。
【0224】
従来の食品に対する本明細書で提供される代替食品の類似点は、任意の物理的属性(例えば、本明細書で開示された任意の物理的属性)、機械的属性(例えば、本明細書で開示された任意の機械的属性)、化学的/生物学的属性(本明細書で開示された任意の化学的/生物学的属性)、知覚的属性(本明細書で開示された任意の感覚的属性)、および機能的属性(本明細書で開示された任意の機能的属性)、およびこれらの任意の組み合わせによるものでありうる。
【0225】
ポリマー
上記のいずれかによる組成物は、結合され、繰り返されたタンパク質モノマーを含むポリマーまたはポリマーネットワーク(即ち、互いに結合されたポリマーのネットワーク)であって、前記繰り返されたモノマーが上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を含むかまたはこれからなるものを含みうる。
【0226】
ポリマーまたはポリマーネットワークに含まれる繰り返されたタンパク質モノマー、および/またはポリマーネットワークに含まれるポリマーは、互いに直接に結合されていてよく、または中間分子を介して結合されていてもよい。ポリマーまたはポリマーネットワークに含まれる繰り返されたタンパク質モノマー、および/またはポリマーネットワークに含まれるポリマーは、共有結合(アミド結合[例えば、ラクタムブリッジ、元々の化学ライゲーション結合、シュタウディンガーライゲーション結合]、ジスルフィド結合)、または非共有結合(例えば、静電的相互作用、水素結合)を介して結合されうる。
【0227】
組成物は、質量で、0.001%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、0.1%、または0.01%の間;0.01%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、または0.1%の間;0.1%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または1%の間;1%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の間;10%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間;20%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間;30%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間;40%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、または50%の間;50%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、または60%の間;60%と、100%、99%、95%、90%、80%、または70%の間;70%と、100%、99%、95%、90%、または80%の間;80%と、100%、99%、95%、または90%の間;90%と、100%、99%、または95%の間;95%と、100%または99%の間;または99%と100%の間のポリマー又はポリマーネットワークを含みうる。
【0228】
組成物に含まれるポリマーまたはポリマーネットワークは、質量で、0.001%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、0.1%、または0.01%の間;0.01%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、1%、または0.1%の間;0.1%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、または1%の間;1%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%の間;10%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、または20%の間;20%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%の間;30%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、または40%の間;40%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、または50%の間;50%と、100%、99%、95%、90%、80%、70%、または60%の間;60%と、100%、99%、95%、90%、80%、または70%の間;70%と、100%、99%、95%、90%、または80%の間;80%と、100%、99%、95%、または90%の間;90%と、100%、99%、または95%の間;95%と、100%または99%の間;または99%と100%の間の組換え乳タンパク質を含みうる。
【0229】
組成物は、1以上の石油由来のモノマーを、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を含むかまたはこれらよりなるタンパク質モノマーを混合することによって製造される補助されたポリマー(supplemented Polymer)でありうる。組換え乳タンパク質を含むかまたは組換え乳タンパク質からなるモノマーの、石油由来のモノマーに対する質量比は、約1~100と約100~1の間(例えば、約100~1、約90~1、約80~1、約70~1、約60~1、約50~1、約40~1、約30~1、約20~1、約10~1、約9~1、約8~1、約7~1、約6~1、約5~1、約4~1、約3~1、約2~1、約1~1、約1~2、約1~3、約1~4、約1~5、約1~6、約1~7、約1~8、約1~9、約1~10、約1~20、約1~30、約1~40、約1~50、約1~60、約1~70、約1~80、約1~90、または約1~100)でありうる。
【0230】
適切なポリマーの非制限的な例は、接着剤(即ち、接着性の結合を形成する材料(例えば、にかわ、壁紙用接着剤、木用接着剤、紙用接着剤、木ほぞ用接着剤(cork adhesive)、チップボード用接着剤、手術用/医療用にかわ、セメント、ゴム糊(mucilage)、ペースト)、コーディングまたは外装(例えば、光沢コーティング、保護コーティング、ニス、医療用錠剤用のコーティング、ペーパーコーティング、塗装、革の仕上げ、織物コーティング)、塗料またはインクまたはインク用顔料バインダー、硬質プラスチック(例えば、ボトル、ボタン、窓、ペン)、中硬質プラスチック(例えば、ボトル、繊維[例えば、糸(yarn)、織物、カーペット、カーテン、衣類)、軟質プラスチック(例えば、バッグ、包み、可食フィルム、耐水性フィルム、コンタクトレンズ、パッケージング材料)、布地(例えば、織物、カーペット、カーテン)、工業用ポリマー(即ち、合成工業材料を製造するのに使用される化合物)、薬学的製剤(例えば、薬剤(medical agent)の送達に使用される製品(例えば、送達(例えば制御された送達)のための治療剤または栄養補助剤を封入するミクロ粒子またはナノ粒子(例えば、ビーズ、ミセル)、錠剤のコーティング、カプセル、圧縮剤(compact)、ヒドロゲル)、医療用診断薬(例えば、それぞれ、J. Berger et al. 2004. Europ J of Pharm and Biopharm 57:19(非特許文献30)参照)、ゲル(例えば、治療薬の制御された放出のためのヒドロゲル、タンパク質(例えば、酵素)を固定するためのヒドロゲル)、移植物(例えば、骨置換複合物(bone-replacing composite)、神経修復をサポートする材料、細胞成長用の足場、歯科用インプラント(prosthetic implant)、衣類(articles of clothing)(例えば、靴)、潤滑剤、家具のピース、コスメティックまたはパーソナルケア製品(例えば、軟膏、ローション、クリーム(例えば、保湿クリーム),クリーナー、マッサージクリーム、石鹸、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、スキンマスク、仕上げ製品、ヘアトニック)、紙(例えば、ペーパーシート、紙製ラベル、包装紙、写真用支持体(photographic support)、家庭用品(例えば、ポット、ボウル、プレート、カップ)、および生物学的足場(即ち、生物学的マトリックスをまねる構造物、縫合糸(sutures)、骨置換材料、神経修復をサポートする材料、細胞成長用足場、歯科用インプラント(prosthetic implant)、創傷治癒用の膜、組織工学的足場)を含みうる。
【0231】
上記のいずれかによるポリマーは、従来の石油由来のポリマーに類似しうる。かかる類似性は、同じ色、形(例えば、長さ、幅、均一性)、保形性、接着の強度、湿度に対する反応、アレルゲン性、電荷、疎水性、親水性、テクスチャ、厚さ、平滑性、硬度、引張強度、消化性、溶解性、化学的反応性、透過性、融点、脆性、強靱性、クリープまたはコールドフロー(creep or cold flow)、多孔性、膨張性(swelling)、耐バリアー性(barrier resistance)、耐衝撃性、ガス透過性、電気伝導性、熱伝導性、弾性率、柔軟性、連結/結合化合物の剥離、ガス含有量、破断点強度(strength-at-break)、ガラス転移温度、成形温度、結晶性(例えば、半透明、不透明、透明)、および粘度および/または密度によるものである。
【0232】
組成物を製造するための方法
別の態様では、上記のいずれかによる組成物(例えば、上記のいずれかによる食品、上記のいずれかによるポリマー又はポリマーネットワークを含む組成物)を製造するための方法が本明細書に提供され、この方法は、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を得るステップを含む。
【0233】
組成物が食品(例えば、上記のいずれかによる食品)である場合、当分野で公知の種々のレシピを使用して食品を調製することができる。上記のいずれかによる組換え乳タンパク質は、かかるレシピにおいて、精製された/分離された形態で使用され、または上記のいずれかによる方法で得られる発酵ブロスまたは調製物に含まれうる。
【0234】
組成物が、上記のいずれかによるポリマー又はポリマーネットワークを含む場合、タンパク質モノマーを重合するための種々の方法が当分野で公知であり、かかる方法を使用して、上記のいずれかによる組換え乳タンパク質を重合することができる。かかる方法の被制限的な例は、架橋剤(即ち、タンパク質の官能基を活性化し、これによってスペーサーを組み込むことなく、タンパク質を結合する化学物質)、架橋酵素(crosslinking enzymes)(例えば、トランスフェラーゼ[酵素番号(EC)2;例えば、トランスグルタミナーゼ)]、ヒドラーゼ[EC 3]、酸化(例えば、酸化剤を使用するもの)、還元(例えば、還元剤を使用するもの)、放射線(例えば、UV、ガンマ線、電子線をしようするもの)、加熱、機械的攪拌、加圧(例えば、押出し)、乱流(turbulence)、摩擦、pH変化、光酸化処理(例えば、光反応性アミノ酸類似体を使用するもの)、3D-プリンティング、およびこれらの組み合わせ(例えば、国際公開第2019/213155号(PCT publication WO2019213155)(特許文献7)参照)を使用する方法を含む。
【0235】
これらの方法は、前記方法のいずれかのステップで、1以上の他の乳タンパク(例えば、本明細書で開示される他の乳タンパクのいずれか)、および/または1以上の他の成分(例えば、本明細書で開示される他の成分)添加するステップをさらに含みうる。
【0236】
これらの方法は、プロテアーゼ(天然のプロテアーゼ認識または開裂配列で、または被天然のプロテアーゼ認識または開裂配列[例えば、本明細書で開示される非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列のいずれか]を用いて、組換え乳タンパク質を事前に消化する(即ち、使用前に消化する)ステップをさらに含むことができる。このような事前消化の効率は、組換え乳を変性し、これによって、天然または非天然のプロテアーゼ認識または開裂配列をプロテアーゼによりアクセス可能にするための、組換え乳の事前熱処理によって、および/または酸性pHに組換え乳を曝すことによって高めることができる。事前消化は、組換え乳フラグメントが重合されるように、トランスグルタミナーゼでの処理が続けられる(例えば、Damodaran & Li 2017 Food Chemistry 237:724-732(非特許文献31)を参照)。
【実施例
【0237】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を令することを意図する。実施例で開示される技術は、本発明者によって発見された技術を表し、本発明の実施によく機能するが、当業者は、本開示に照らして、多くの変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、開示され特定の実施形態で行うことができ、類似のまたは同様の結果を得ることができることを理解するべきである。したがって、実施例で説明され,または示された全ての事項は、例示として解釈されるべきであり、制限する意味で解釈すべきでない。
【0238】
実施例1
アレルゲン性を弱めたまたは本質的に除去した組換えβ-ラクトグロブリンの調製
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)での組換えタンパク質発現について、図1に示される組換えベクターを、当分野で公知の遺伝子工学を用いて構築した。組換えベクターは、ボス・タウルス(Bos Taurus)(UniProt配列P02754;配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸17~178)、オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)(UniProt配列P67975;配列番号4(SEQ ID NO:4))、オビス・アリエス(Ovis aries)(UniProt配列P67976;配列番号5(SEQ ID NO:5))、エクウス・カバリウス(Equus caballus)(UniProt配列P02758;配列番号6(SEQ ID NO:6)のアミノ酸19~180)、エクウス・アシヌス(Equus asinus)(UniProt配列P13613;配列番号7(SEQ ID NO:7))、エクウス・カバリウス(Equus caballus)(UniProt配列P07380;配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸19~181)、エクウス・アシヌス(Equus asinus)(UniProt配列P19647;配列番号9(SEQ ID NO:9))、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)(UniProt配列P02756;配列番号10(SEQ ID NO:10))のβ-ラクトグロブリンタンパク質をコードするタンパク質コード配列を、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)での発現についてコドン最適化され、N-末端分泌シグナル(例えば、cbh1、xyn1)に操作可能に結合され、および、適切なプロモーター(例えば、bh1、xyn1、tef1)および適切なターミネーター(例えば、pdc1)下で含む発現構築物を含む。組換えベクターは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞のゲノムのegl1座(egl1 locus)での発現構築物,細菌および/または真菌トランスフォーマントの選択のための選択マーカー、および細菌性複製起点を直接に一体化することができるポリヌクレオチドをさらに含む。細菌性選択マーカーおよび複製起点は、組換えベクターの宿主細胞への形質転換の前に、制限酵素消化を介して組換えベクターから除去される。
【0239】
ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(コマガタエラ・ファッフィ(Komagataella phaffii))での組換えタンパク質発現について、図2に示される組換えベクターを、当分野で公知の遺伝子工学を用いて構築した。組換えベクターは、ボス・タウルス(Bos Taurus)(UniProt# P02754;配列番号1または2(SEQ ID NO:1または2)のアミノ酸17~178)、オビス・アリエス・ムシモン(Ovis aries musimon)(UniProt配列P67975;配列番号4(SEQ ID NO:4))、オビス・アリエス(Ovis aries)(UniProt配列P67976;配列番号5(SEQ ID NO:5))、エクウス・カバリウス(Equus caballus)(UniProt配列P02758;配列番号6(SEQ ID NO:6)のアミノ酸19~180)、エクウス・アシヌス(Equus asinus)(UniProt配列P13613;配列番号7(SEQ ID NO:7))、エクウス・カバリウス(Equus caballus)(UniProt配列P07380;配列番号8(SEQ ID NO:8)のアミノ酸19~181)、エクウス・アシヌス(Equus asinus)(UniProt配列P19647;配列番号9(SEQ ID NO:9))、またはカプラ・ヒルカス(Capra hircus)(UniProt配列P02756;配列番号10(SEQ ID NO:10))のβ-ラクトグロブリンタンパク質をコードするタンパク質コード配列を、ピキア・パストリス(Pichia Pastoris)(コマガタエラ・ファッフィ(Komagataella phaffii))での発現についてコドン最適化され、N-末端分泌シグナル(例えば、サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルファ接合因子のpre-またはpro-シグナルペプチド)に操作可能に結合され、および、プロモーター(例えば、pGAP、pAOX1)および適切なターミネーター(例えば、tAOX1 pAシグナル)下で含む発現構築物を含む。組換えベクターは、細菌および/または真菌トランスフォーマントの選択のための選択マーカー、および細菌性複製起点をさらに含む。
【0240】
クイックチェンジ(登録商標)部位特異的変異導入キット(QuikChange(登録商標)Site-Directed Mutagenesis kit)(Agilent、Santa Clara、California、USA)およびクイックチェンジ複数部位特異的変異導入キット(QuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis kit)(Agilent、Santa Clara、California、USA)を使用して、部位特異的変異導入を、上記組換えベクターについて製造者の説明書に従って実施し、コード化されたβ-ラクトグロブリンタンパク質へ、表1に列記したアミノ酸置換、ならびに2以上のかかるアミノ酸置換の任意の組み合わせを導入した。
【0241】
表1
組換えベクターのタンパク質コード配列によってコードされるアミノ酸置換が導入されたβ-ラクトグロブリンタンパク質
【0242】
【表1-1】
【0243】
【表1-2】
【0244】
【表1-3】
【0245】
【表1-4】
【0246】
【表1-5】
【0247】
【表1-6】
【0248】
組換えベクターを、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)またはピキア・パストリス(Pichia Pastoris)(コマガタエラ・ファッフィ(Komagataella phaffii);例えば、株BG12[Biogrammatics、Carlsbad、CA])宿主細胞へ形質転換し、形質転換体を最小培地または陽性選別のための抗体によって選別した。形質転換体は、24-ウェルプレートで、発現媒体中で成長され、上清を更なる分析のために収穫した。発現構築物の一体化したコピーを含み、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質を生じる組換え宿主細胞を、発酵ブロスサンプルのSDS-PAGEゲル分析によって同定した。
【0249】
組換えトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞をリン酸塩、アンモニウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、硫酸塩、塩化物、カルシウム、鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン、銅、コバルト、およびホウ酸塩源としての無機塩を含み、最初のフィードストックとして炭水化物ベースの炭素源を有する最小基本培地中で、25~34℃の温度に制御された発酵容器中において、0.2vvm~1vvmのエアレーション、およびバイオマス及び栄養素(圧縮空気で送達される酸素を含む)の妥当な混合及び分散を保証するための最小の攪拌を用いて成長させる。発酵ブロスのpHは、水酸化アンモニウムをオンデマンドで添加して、種々のセットポイントで3.0~5.5の範囲に制御される。バッチの炭水化物が枯渇されると、グルコースまたはラクトースを含有する溶液を、0.01~0.1g乾燥基質/g乾燥細胞質量(DCM)/時間の範囲の特定の供給速度で添加する。培養物の酸素要求量は、攪拌速度を制御し、5%~50%の目標溶解酸素設定点(target dissolved oxygen set point)を維持することによって満たされた。攪拌が、目標溶解酸素設定点をもはや維持できないとき、エアレーションを2.0vvmに増加する。培養物を、最大の攪拌およびエアレーションで実施すると、溶解した酸素は、設定点未満に低下する。ACP 1500、Antifoam 204(Sigma、Sigma-Aldrich Chemical、St.Louis、MO)、Erol DF6000K、Hodag K-60K、Industrol DF204(BASF、Florham Park、NJ)、P-2000E(Dow、Midland、MI)、SAG 471、SAG 5693、SAG 710、SAG 730、Silicone Antifoam(Sigma)、Struktol J647、Struktol J673A、およびひまわり油(これらに限定されない)を含む種々の消泡剤が、発泡を制御するために必要なものとして添加される。発酵物は、20g~50gの乾燥細胞重量(CDW)/Lのバイオマス濃度で、少なくとも120時間後に収穫される。バイオマスは、5,000xgでの遠心分離によってブロスから除去され、上清は以下に記載したとおりの精製を受ける。
【0250】
組換えピキア・パストリス(Pichia Pastoris)(コマガタエラ・ファッフィ(Komagataella phaffii))宿主細胞を、リン酸塩、窒素塩を最初のフィードストックとして80%グリセロールと共に含む最小基本培地中において、30℃の温度、1vvmのエアレーション、および100rpmの最小攪拌に制御された攪拌された発酵容器中で成長させる。発酵物のpHは、水酸化アンモニウムをオンデマンドで添加して、5に制御される。バッチのグリセロールが枯渇されると、グリセロールを、6g/L/時間の速度にプログラムされた供給レシピによって添加する。株の酸素要求量は、攪拌速度を制御することによって満たされた。攪拌が、溶解酸素設定点(dissolved oxygen setpoint)をもはや維持できないとき、100%の酸素ガスを容器に散布して、溶解酸素を制御する。培養物のpHは、バッチ化したグリセロールが枯渇すると、5から3にシフトする。Antifoam Cを、発泡を制御するのに必要なものとして添加する。発酵物を、OD600において600~800の細胞密度で、少なくとも100時間後に収穫する。バイオマスは、5,000xgでの遠心分離によってブロスから除去され、上清は以下に記載したとおりの精製を受ける。
【0251】
上清を、100kDa分子量カットオフ(MWCO)膜上で濃縮した。濃縮保持物を、5kDaMWCO上で50mMイミダゾール、pH6.8へ透析濾過する。濃縮された保持物は、QセファロースFFカラム上に通される。移動相は、50mMイミダゾール、pH6.8であり、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質を2MNaCl勾配で溶出する。勾配は、30カラム容積にわたって0~30%で実施する。ピークフラクションを集め、RP-HPLCで分析した。85%を越える純度を有する組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質を水への最終透析濾過のためにプール(pool)する。
【0252】
実施例2
組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のプロテアーゼ消化の分析
実施例1の精製された組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質を、全てがSigma(Sigma-Aldrich Chemicals、St. Louis、MO)から得られる、豚胃粘膜からのペプシン、ヒト膵臓から得られるトリプシン、またはヒト膵臓から得られるキモトリプシンを用いて、37℃で、0.5時間、1時間、4時間、6時間、または一夜、タンパク質消化にかける。ペプシン消化は、pH1.5または3で実施し、トリプシンおよびキモトリプシン消化は、6、7、または8で実施する。プロテア-ゼ消化の手順は、Pena-Ramos & Xiong 2001 J. Dairy Sci. 84:2577-2583(非特許文献32);Quintieri et al. 2017 J Food Sci Technol 54:1910-1916(非特許文献33);Selo et al. 1999 Clinical and Experimental Allergy 29:1055-1063(非特許文献34);Morisawa et al, 2009 Clinical & Experimental Allergy 39 : 918-925(非特許文献35);またはKondo et al. 2007 Allergy Asthma Clin Immunol, 3(1):1-9(非特許文献36)に記載された実験の詳細に従って行うことができる。
【0253】
実施例1の精製された組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質はまた、Wroblewska et al. 2016 Food Research International 83:95-101(非特許文献37)、Bossios et al. 2011 Clinical and Translational Allergy 1:6(非特許文献38)、またはBenede et al. 2014 Food Research International 62:1127-1133(非特許文献39)に記載された擬似(simulated)in vitro消化系にもかけられる。
【0254】
加水分解したペプチドの同定は、Quintieri et al. 2017 J Food Sci Technol 54:1910-1916(非特許文献33)、Selo et al. 1999 Clinical and Experimental Allergy 29:1055-1063(非特許文献34);またはKondo et al. 2007 Allergy Asthma Clin Immunol 3(1):1-9(非特許文献36)に記載されるように決定された。
【0255】
実施例3
組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質のアレルゲン性試験
実施例1の精製された組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質、ならびに実施例2のそれらのプロテアーゼで加水分解されたペプチドの、可能なアレルゲン性(即ち、アレルギー体質のヒトからの血清およびIgE結合性による認識)を、当分野で公知の種々の方法によって予測し、または測定することができる。
【0256】
アレルゲン性の予測は、公知のアレルゲンによるグローバル配列比較、および/または公知のアレルゲン性ペプチドを用いた異なる長さ(例えば、80、70、60、50、40、30、20、10、8または6アミノ酸)の隣接するアミノ酸ウィンドウの配列比較に基づく。当業者は、公知のアレルゲン性エピトープの適切なデータベースと、この目的のための適切な配列比較アルゴリズムを特定し、使用することができる。
【0257】
アレルゲン性は、ヒト起源のタンパク質対する相同性に基づいて予測することもでき、相同性の程度が大きくなるにつれ、アレルゲン性の見込みが低くなることを示唆する。
【0258】
アレルゲン性を予測するためのコンピューターツールは、当分野で公知であり(例えば、Bui et al. 2005. Immunogenetics 57:304-314(非特許文献40);Peters & Sette. 2005. BMC Bioinformatics 6:132(非特許文献41);Karosiene et al. 2012. Immunogenetics 64(3):177-186(非特許文献42);Zhang et al. 2009. Bioinformatics 25(10):1293-1299(非特許文献43);Nielsen et al. 2007. BMC Bioinformatics 8:238(非特許文献44);Sturniolo et al. 1999. Nat Biotechnol 17:555-561(非特許文献45);Tenzer et al. 2005. Cell Mol Life Sci 62:1025-1037(非特許文献46);Peters et al. 2003. J Immunol171:1741-1749(非特許文献47);Nielsen et al. 2005. Immunogenetics 57:33-41(非特許文献48);Kesmir et al. 2002. Protein Eng 15:287-296(非特許文献49);Larsen 2005. Eur J Immunol35:2295-2303(非特許文献50);Nielsen et al. 2003. Protein Sci 12:1007-1017(非特許文献51);Buus et al. 2003. Tissue Antigens 62:378-384(非特許文献52);Peters et al. 2003. J Immunol171:1741-1749(非特許文献53);Stranzl et al. 2010. Immunogenetics 62:357-68(非特許文献54);Chou & Fasman. 1978. Adv Enzymol Relat Areas Mol Biol 47:45-148(非特許文献55);Emini et al. 1985. J Virol 55:836-839(非特許文献56);Karplus & Schulz. 1985. Naturwissenschaften72:212-213(非特許文献57);Kolaskar & Tongaonkar. 1990. FEBS Lett 276:172-174(非特許文献58);Parker et al. 1986. Biochemistry 25:5425-5432(非特許文献59);Larsen et al. 2006.Immunome Res 2:2(非特許文献60);Ponomarenko & Bourne. 2007. BMC Struct Biol 7:64(非特許文献61);Haste et al. 2006. Protein Sci 15:2558-2567(非特許文献62);Ponomarenko et al. 2008. BMC Bioinformatics 9:514(非特許文献63);Bui et al. 2006. BMC Bioinformatics 7:153(非特許文献64);Bui et al. 2007. BMC Bioinformatics 8:361(非特許文献65);Beaver et al. 2007. Immunome Res 3:3(非特許文献66)を参照)、および公的にアクセス可能な、例えばhttp://tools.iedb.org/main/(非特許文献67)がある。
【0259】
アレルゲン性はまた、実験方法を用いて予測することもできる。例えば、アレルゲン性は、T-細胞増殖アッセイ(例えば、ヒト末梢血単核細胞を用いるもの)、IgE結合アッセイ(例えば、固定化された乳タンパク質または乳タンパク質フラグメントについてのELISAまたは競合ELISAを用いるもの)、ファージディスプレイを用いるエピトープマッピングを用いて、および直接的および競合的阻害酵素免疫(inhibition enzyme immunoassays)アッセイを用いて予測することができる(例えば、Selo et al. 1999 Clinical and Experimental Allergy 29:1055-1063(非特許文献34)、Benede et al. 2014 Food Research International 62:1127-1133(非特許文献39)、Quintieri et al. 2017 J Food Sci Technol 54:1910-1916(非特許文献33)、Cocco et al. 2007 Clinical and Experimental Allergy 37:831-838(非特許文献68)、または Wroblewska et al. 2016 Food Research International 83:95-101(非特許文献37)参照)。
【0260】
アレルゲン性はまた、皮膚プリックテスト、血液検査、食物経口負荷試験、および集団調査(population sturies)を用いて測定することもできる。
【0261】
結果は、対応する天然のβ-ラクトグロブリンタンパク質またはプロテアーゼで加水分解したこれらのペプチドの結果と比較される。
図1
図2
【配列表】
2023515120000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳タンパク質成分を含むか、または乳タンパク質成分からなる組成物であって、前記乳タンパク質成分は、対応する天然の乳タンパク質の溶媒暴露領域に非天然のプロテアーゼ部位を含む組換え乳タンパク質を含むか、または当該組換え乳タンパク質からなり、前記非天然のプロテアーゼ部位は、前記対応する天然の乳タンパク質に比較して前記組換え乳タンパク質のアレルゲン性を弱めるかまたは本質的に除去し、前記組換え乳タンパク質は、前記対応する天然の乳タンパク質の1以上の機能的属性を維持する、組成物。
【請求項2】
前記組換え乳タンパク質は、組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質は、組換え真菌宿主細胞で産生される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記真菌宿主細胞は、組換え糸状菌宿主細胞である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記組換え糸状菌宿主細胞は、アスペルギルス属(Aspergillus)、フサリウム属(Fusarium)、ミセリオフィトラ属(Myceliphthora)、およびトリコデルマ属(Trichoderma)からなる群から選択される属のメンバー由来である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組換えβ-ラクトグロブリンタンパク質は、配列番号2(SEQ ID NO:2)と少なくとも40%の同一性であるアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、Q159R、E108G、N109P、E112P、P113S、E114A、Q115E、A116HG、L117M、およびA118Vからなる群から選択される単一アミノ酸置換を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)の、I12L、T18K、T18R、I29L、S30K、S36Y、S36L、S36K、K47L、K47P、T49K、Q59R、I72L、I72F、I72W、I72Y、I78L、I78Y、I78W、I78F、A86Y、N90R、Y102F、S110P、S110L、S110Y、S110W、S110F、S110K、A111P、A111K、A111L、A111Y、A111W、A111F、T125K、T125F、T125W、T125Y、E127K、E127L、E127W、E127F、E127Y、V128L、D137R、A142P、A142L、H146R、T154K、T154Y、T154L、T154W、T154F、およびQ159Rからなる群から選択される2以上のアミノ酸置換を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換K47L、G52D、およびD53Nを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換I72L、A73G、K77E、I78N、A80K、およびV81Kを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換K83T、I84V、D85N、A86Y、L87Q、N88G、およびN90Rを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換D85N、A86Y、N88D、およびN90Dを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項13】
前記修飾は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換E108G、N109P、S110P、A111L、E112P、P113S、E114A、Q115E、S116HG、L117M、およびA118Vを含むか、またはこれらのアミノ酸置換からなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換E127KおよびD130Kを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項15】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換K141Q、A142P、M145G、およびH146Rを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項16】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換P153LおよびQ155Rを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項17】
前記非天然のプロテアーゼ部位は、配列番号2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸置換F151L、N152D、P153L、T154K、およびL156Mを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して90%以下のアレルゲン性を有する、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して80%以下のアレルゲン性を有する、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して70%以下のアレルゲン性を有する、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して60%以下のアレルゲン性を有する、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物は、比較可能な組成物のアレルゲン性に対して50%以下のアレルゲン性を有する、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物は、前記乳タンパク質成分からなる、請求項7~17に記載の組成物。
【請求項24】
前記乳タンパク質成分は、前記組換え乳タンパク質からなる、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物は、粉末である、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物は、食品である、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
前記食品は、乳製品はたは補助(supplemented)乳製品である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記乳製品または補助(supplemented)乳製品は、乳、ヨーグルト、チーズ、乳ベースのソース、デイリースプレッド(dairy spread)、クリーム、冷凍菓子、乳製品デザート(dairy dessert)、バター、乳製品粉末(dairy powder)、乳児用調製粉乳、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質単離物、栄養補助食品、テクスチャライジングブレンド(texturizing blend)、風味用ブレンド(flavoring blend)、着色用ブレンド、プディング、および発酵乳製品からなる群から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記食品は、動物肉、動物肉製品、または補助動物肉製品である、請求項26に記載の組成物。
【請求項30】
前記食品は、卵、卵製品、または補助卵製品である、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物は、結合され、繰り返されたタンパク質モノマーを含むポリマーまたはポリマーネットワークを含み、前記繰り返されたタンパク質モノマーは前記組換え乳タンパク質を含む、請求項7~17に記載の組成物。
【国際調査報告】