(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ミクロトーム法における断面化および品質制御
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20230405BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
G01N1/06 L
G01N21/17 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550689
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-10-12
(86)【国際出願番号】 US2021019128
(87)【国際公開番号】W WO2021168457
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522331563
【氏名又は名称】クララパス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミトラ, パーサ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カントー, チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ヤグシ, バリス
(72)【発明者】
【氏名】クラインフェルド, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, コン
(72)【発明者】
【氏名】スミス, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】セウカラン, ジャナク
(72)【発明者】
【氏名】ピント, ジェリー アール.
【テーマコード(参考)】
2G052
2G059
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD32
2G052EC03
2G052EC05
2G052FD20
2G052GA31
2G052HA19
2G052HC02
2G052JA06
2G059AA05
2G059BB12
2G059DD01
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE03
2G059EE07
2G059FF01
2G059FF03
2G059HH02
2G059HH03
2G059KK04
(57)【要約】
本開示は、ミクロトーム法における断面化および品質制御決定のためのシステムならびに方法に関する。いくつかの実施形態では、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するように構成される、ミクロトームであって、組織ブロックは、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える、ミクロトームと、ミクロトームと関連付けられる、ビジョンシステムであって、埋設材料内に埋設された組織サンプルを備える組織ブロックを照明するように構成される、照明システムと、組織ブロックを撮像し、組織ブロックと関連付けられる撮像データを発生させるように構成される、撮像システムと、ビジョンシステムと通信する、プロセッサであって、プロセッサは、撮像データを受信し、断面化および品質制御分析を実施するようにプログラムされる、プロセッサとを備える、ビジョンシステムとを備える、組織学システムが、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織ブロックを断面化するための方法であって、
組織ブロックを撮像し、前記組織ブロックの撮像データを発生させるステップであって、前記組織ブロックは、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える、ステップと、
前記撮像データに基づいて、前記組織ブロックの深さプロファイルを推定するステップであって、前記深さプロファイルは、前記組織サンプルを所定の基準まで暴露するために除去されるべき前記埋設材料の厚さを備える、ステップと、
前記埋設材料の厚さを除去し、前記組織サンプルを前記所定の基準まで暴露するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、
前記1つまたはそれを上回る切片を撮像し、前記1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、
前記撮像データに基づいて、前記組織サンプルが前記所定の基準まで暴露されていることを確認するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組織ブロックは、前記深さプロファイルを決定するために、構造化光を用いて撮像される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
組織ブロックを断面化するための方法であって、
埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、
前記組織ブロックから除去された前記1つまたはそれを上回る切片を撮像し、前記1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、
前記撮像データに基づいて、前記組織サンプルを所定の基準まで暴露するために、十分な数の前記1つまたはそれを上回る切片が前記組織ブロックから除去されたときを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項5】
前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、前記組織ブロックを撮像し、前記組織サンプルのベースライン撮像データを発生させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ベースライン撮像データから前記組織サンプルの予期される輪郭、サイズ、または形状を決定するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組織サンプルを前記所定の基準まで暴露するために十分な量の前記埋設材料を除去するために、前記ベースライン撮像データから前記埋設材料の深さプロファイルを決定するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
UV範囲内の構造化光を用いて前記組織ブロックを照明するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記組織サンプルが十分に暴露されたときを決定するために、組織サンプルを含む前記切片の撮像データを前記ベースライン撮像データと比較するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記切片の撮像データは、前記組織ブロック上、移送媒体上、またはスライド上の前記1つまたはそれを上回る切片の撮像データを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたはそれを上回る切片における前記組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状は、前記ベースライン撮像データから予期される前記組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状と比較される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
視差、焦点から、または光照射野撮像のうちの1つまたはそれを上回るものによって深さプロファイルを決定するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記組織サンプルと前記埋設材料との間のコントラストを増加させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
組織ブロックを断面化するための方法であって、
埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから、前記組織サンプルを所定の基準まで暴露するように構成される前記埋設材料の厚さを除去するステップと、
前記厚さを除去するステップに続けて、前記組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、
前記組織ブロックから除去された前記1つまたはそれを上回る切片を撮像し、前記1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、
前記撮像データから、前記組織サンプルが前記所定の基準まで暴露されていることを確認するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
組織学システムであって、
組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するように構成されるミクロトームであって、前記組織ブロックは、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える、ミクロトームと、
前記ミクロトームと関連付けられるビジョンシステムであって、
埋設材料内に埋設された組織サンプルを備える前記組織ブロックを照明するように構成される照明システムと、
前記組織ブロックを撮像し、前記組織ブロックと関連付けられる撮像データを発生させるように構成される撮像システムと、
前記ビジョンシステムと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記撮像データを受信し、前記撮像データに基づいて、前記組織ブロックが前記ミクロトームによって十分に断面化されたときを決定するようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、ビジョンシステムと
を備える、組織学システム。
【請求項16】
前記プロセッサはさらに、暴露される組織サンプルの量を認識することによって、前記組織ブロックが十分に断面化されたときを決定するようにプログラムされる、請求項15に記載の組織学システム。
【請求項17】
前記プロセッサはさらに、前記組織ブロックから前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、構造化光を用いて前記組織ブロックを撮像することによって発生されたベースライン撮像データから前記組織サンプルの予期される輪郭、サイズ、または形状を決定するようにプログラムされる、請求項15に記載の組織学システム。
【請求項18】
前記照明システムは、構造化光を用いて前記組織ブロックを照明するように構成される、請求項15に記載の組織学システム。
【請求項19】
前記組織ブロックから1つまたはそれを上回るスライドに組織サンプルを備える1つまたはそれを上回る切片を移送するための移送媒体をさらに備え、プロセッサはさらに、前記組織ブロック上、前記移送媒体上、または前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る切片を、前記組織ブロックから前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて前記組織ブロックを撮像することによって発生されたベースライン撮像データと比較するようにプログラムされる、請求項17に記載の組織学システム。
【請求項20】
ビジョンシステムであって、
埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックを照明するように構成される照明システムと、
前記組織ブロックを撮像し、前記組織ブロックの撮像データを発生させるように構成される撮像システムと、
前記撮像システムと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記撮像データを受信し、前記撮像データに基づいて、所定の基準までの前記組織サンプルの暴露を決定するようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、ビジョンシステム。
【請求項21】
組織学システムにおける品質制御のための方法であって、
埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックを受け取るステップと、
前記組織ブロックを撮像し、前記組織ブロック上の組織切片における前記組織サンプルの第1の撮像データを作成するステップと、
前記組織ブロックから前記組織切片を除去するステップであって、前記組織切片は、前記組織サンプルの一部を備える、ステップと、
前記組織切片を撮像し、前記組織切片における前記組織サンプルの第2の撮像データを作成するステップと、
前記第1の撮像データを前記第2の撮像データと比較し、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータに基づいて、前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データにおける前記組織サンプルの対応を確認するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データにおける前記組織サンプルにおける1つまたはそれを上回る品質制御パラメータのいかなる対応も存在しない場合、前記組織切片は、不適格である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたはそれを上回る品質制御パラメータは、前記組織サンプルの形状、前記組織サンプルのサイズ、または1つまたはそれを上回る機械的損傷のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
移送媒体を使用して、前記組織切片をスライドに移送するステップをさらに含み、前記第2の撮像データは、前記移送媒体上の前記組織切片の撮像データまたは前記スライド上の前記組織切片の撮像データを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の撮像データ、前記移送媒体上の前記組織切片の撮像データ、または前記スライド上の前記組織切片の撮像データのうちの少なくとも2つを比較するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データにおける前記組織サンプルの形状またはサイズのいかなる対応も存在しない場合、前記組織切片は、不適格である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記1つまたはそれを上回る機械的損傷は、引裂、細断、ブレードマーク、しわ、亀裂、気泡、不十分な組織サンプル、不完全な組織サンプルから成る群から選択される、請求項23に記載の方法。
1.1つまたはそれを上回る機械的損傷が、前記第2の撮像データにおける前記組織サンプルに存在するが、前記第1の撮像データにおける前記組織サンプルに存在しない場合、組織切片を不適格として識別するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項28】
1つまたはそれを上回る機械的損傷を補正するために、前記組織切片の除去と関連付けられる1つまたはそれを上回る動作パラメータを調節するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項29】
いかなる機械的損傷も、前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データにおける前記組織サンプルに存在しない場合、前記組織切片を承認するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
1つまたはそれを上回る機械的損傷が、前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データの両方に存在する場合、前記組織ブロックを拒絶するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記撮像するステップのうちの一方または両方は、UV光を用いて前記組織サンプルを照明し、可視範囲カメラを用いて前記組織サンプルを撮像し、前記第1の撮像データまたは前記第2の撮像データを作成するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記組織切片を照明し、前記組織サンプルと前記組織サンプル内の前記埋設材料との間のコントラストを強化するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記撮像するステップのうちの一方または両方は、
1つまたはそれを上回る波長範囲において組織切片を撮像するステップと、
前記組織切片の撮像データを作成するステップと、
前記色撮像データにおける色および強度情報に基づいて、前記埋設材料から前記組織サンプルをセグメント化するステップと、
前記組織切片における前記組織サンプルのサイズ、形状、または縁を識別するステップと
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、前記組織ブロックを撮像し、前記組織サンプルのベースライン撮像データを発生させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
UV光を用いて前記組織ブロックを照明するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の撮像データ、前記第2の撮像データ、または両方を前記ベースライン撮像データと比較するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の撮像データ、前記第2の撮像データ、または両方における前記組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状を、前記ベースライン撮像データから予期される前記組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状と比較するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
ビジョンシステムであって、
組織切片を照明するように構成される照明システムと、
前記照明システムによって照明された前記組織切片の撮像データを作成するように構成される撮像システムと、
前記撮像データを受信し、前記撮像データに基づいて、1つまたはそれを上回る品質制御分析を実施するために前記撮像システムと通信するプロセッサと
を備える、ビジョンシステム。
【請求項39】
前記1つまたはそれを上回る品質制御分析は、組織ブロックおよびスライド上の前記組織切片の比較分析、前記組織切片の機械的性質の分析、前記組織サンプルの十分性の分析、またはスライド上のサンプル表現の分析のうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項38に記載のビジョンシステム。
【請求項40】
組織学システムであって、
組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を生成するように構成されるミクロトームと、
前記ミクロトームから1つまたはそれを上回るスライドに前記1つまたはそれを上回る組織切片を移送するように構成される移送システムと、
ビジョンシステムであって、
組織サンプルを照明するように構成される照明システムと、
前記照明システムによって照明された前記組織切片の撮像データを作成するように構成される撮像システムと
を備える、ビジョンシステムと、
前記撮像データを受信し、前記撮像データに基づいて、1つまたはそれを上回る品質制御分析を実施するために前記撮像システムと通信するプロセッサと
を備える、組織学システム。
【請求項41】
前記1つまたはそれを上回る品質制御分析は、組織ブロック上の前記組織切片、前記移送システム上の前記組織切片、およびスライド上の前記組織切片のうちの少なくとも2つの比較分析、前記組織切片の機械的性質の分析、前記組織サンプルの十分性の分析、またはスライド上のサンプル表現の分析のうちの1つまたはそれを上回るものである、請求項40に記載の組織学システム。
【請求項42】
システムであって、
組織ブロックと関連付けられる識別データを読み取るように構成される情報リーダと、
前記組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を切断するように構成されるミクロトームと、
前記1つまたはそれを上回る組織切片を受け取るための1つまたはそれを上回るスライドと、
前記識別データを受信し、前記1つまたはそれを上回る組織切片が前記組織ブロックから切断された後、前記1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷するように構成されるプリンタであって、前記1つまたはそれを上回る標識は、前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付ける情報を備える、プリンタと
を備える、システム。
【請求項43】
前記ミクロトームから前記1つまたはそれを上回るスライドに前記1つまたはそれを上回る組織切片を移送するように構成される移送媒体をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記移送媒体は、前記1つまたはそれを上回る組織切片に関する前記識別データを示すマーキングを含み、前記マーキングは、前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付けるように構成される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記1つまたはそれを上回る組織切片に関する前記識別データを示すマーキングを用いて前記移送媒体をマーキングするための移送媒体マーキングデバイスをさらに備え、前記マーキングは、前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付けるように構成される、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記ミクロトームから前記1つまたはそれを上回るスライドまで前記1つまたはそれを上回る組織切片を追跡するように構成される可視化システムをさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項47】
前記可視化システムは、前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片と前記組織ブロックの1つまたはそれを上回る画像または移送媒体上の前記切片の画像との間の比較を行うように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記可視化システムは、前記1つまたはそれを上回るスライド上、前記組織ブロック上、または前記移送媒体上の前記1つまたはそれを上回る組織切片と、前記組織ブロックから前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて前記組織ブロックを撮像することによって発生された前記組織ブロックにおける組織サンプルのベースライン画像との間の比較を行うように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記比較は、前記1つまたはそれを上回る組織切片における前記組織サンプルのサイズ、形状、および輪郭に基づく、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記可視化システムは、前記スライド上の前記1つまたはそれを上回る標識を読み取り、前記サンプルブロックに関する前記識別データとのそれらの関連付けを確認するように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項51】
前記プリンタは、前記1つまたはそれを上回るサンプルに関して個々に前記標識を印刷する、請求項42に記載のシステム。
【請求項52】
システムであって、
組織ブロックから識別データを読み取るように構成される情報リーダと、
前記組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を切断するように構成されるミクロトームと、
前記1つまたはそれを上回る組織切片を1つまたはそれを上回るスライドに移送するように構成される移送媒体と、
プリンタと、
前記識別データを受信し、前記ミクロトームに前記1つまたはそれを上回る組織切片を切断させ、続けて、前記プリンタに前記1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷させるように構成されるプロセッサであって、前記1つまたはそれを上回る標識は、前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付ける情報を備える、プロセッサと
を備える、システム。
【請求項53】
前記移送媒体は、前記1つまたはそれを上回る組織切片に関する前記識別データを示すマーキングを含み、前記マーキングは、前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付けるように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項54】
前記1つまたはそれを上回る組織切片に関する前記識別データを示すマーキングを用いて前記移送媒体をマーキングするための移送媒体マーキングデバイスをさらに備え、前記マーキングは、前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付けるように構成される、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ミクロトームから前記1つまたはそれを上回るスライドまで前記1つまたはそれを上回る組織切片を追跡するように構成される可視化システムをさらに備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片と前記組織ブロック上の前記1つまたはそれを上回る切片との間の比較を行うように構成される可視化システムをさらに備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記比較は、前記1つまたはそれを上回る組織切片における組織のサイズおよび縁に基づく、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
ミクロトーム法においてサンプルを追跡するための方法であって、前記方法は、
組織ブロックから識別データを読み取るステップと、
前記組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片の第1のセットを切断するステップと、
切断に続けて、1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷するステップであって、前記1つまたはそれを上回る標識は、前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記組織ブロックと関連付ける情報を備える、ステップと、
前記1つまたはそれを上回る組織切片を1つまたはそれを上回るスライドに移送し、前記1つまたはそれを上回る標識を用いて前記1つまたはそれを上回るスライドを標識化するステップと
を含む、方法。
【請求項59】
前記スライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片を前記ブロック上の前記1つまたはそれを上回る組織切片と比較し、前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片と前記組織ブロックとの関連付けを確認するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記1つまたはそれを上回る組織切片の第1のセットが前記1つまたはそれを上回るスライド上に設置され、前記1つまたはそれを上回る標識を用いて標識化された後にのみ、1つまたはそれを上回る組織切片の第2のセットを切断するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記1つまたはそれを上回るスライド上の前記1つまたはそれを上回る組織切片を、前記組織ブロックから前記1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて前記組織ブロックを撮像することによって発生された前記組織ブロックにおける組織サンプルのベースライン画像と比較するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全てが、参照することにその全体として本明細書に組み込まれる、2020年2月22日に出願された米国仮出願第62/980,201号、2020年2月22日に出願された米国仮出願第62/980,203号、2020年2月22日に出願された米国仮出願第62/980,202号、2020年2月22日に出願された米国仮出願第62/980,194号、および2021年1月6日に出願された米国仮出願第63/134,399号、2021年2月22日に出願された米国実用出願第17/182,139号、2021年2月22日に出願された米国実用出願第17/182,133号、ならびに2021年2月22日に出願された米国実用出願第17/182,166号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本発明は、断面化、追跡、および機械的品質制御を含む、生物学的組織サンプルブロックからスライドに移送される切断された組織切片の品質制御に関する。特に、これは、自動化システムを使用して達成されることができる。
【背景技術】
【0003】
従来的なミクロトーム法である、顕微鏡視認のための郵便切手サイズのミクロン単位の薄い組織切片の生成は、繊細で時間のかかる手動タスクである。プロセスにおいて、ミクロトームが、パラフィンワックス等の埋設材料の支持ブロック内に封入される、組織サンプルから成る組織ブロックを切断する。ミクロトームは、組織ブロックの一方の面、すなわち、ブロック切断面からスライスを切断するために整合されるブレードを保持する。一般的なタイプの回転ミクロトームは、ブレード切断面に切断面を伴ってブロックを保持するチャックを線形に揺動させる。ブロック切断面の切断面への増分的な前進と組み合わせて、ミクロトームは、ブロック切断面から薄い組織切片を連続的に削り取る。パラフィンワックス埋設媒体を伴う切片に関して、オペレータは、これらの組織切片を慎重に拾い上げ、温水上にそれらを浮かべる。水は、優しくしわを取り、切断からの変形を低減させる。最後に、オペレータは、さらなる処理のために切片を水から顕微鏡スライド上に移動させる。
【0004】
組織サンプル切片のデジタル撮像における近年の進歩は、試料のブロックを非常に迅速にスライスすることを望ましくした。実施例として、組織が臨床処置の一部として切片化される場合、時間は、患者処置を改良する際の重要な変数である。例えば、十分な組織が除去されたかどうかを決定するために肺癌の辺縁を検査する際に、解剖病理学の術中用途に関する組織の切片化の間に節約され得る全ての時間は、臨床的に価値がある。多数のサンプル切片を迅速に作成するために、ミクロトームブレードによって試料ブロックから組織切片を切断するプロセスを自動化し、切片品質を低減させることなく、接着剤テープまたは他の移送媒体への切断された組織切片の移送を促進することが、望ましい。加えて、ブロックから切断された多数の組織サンプル切片は、評価のために顕微鏡スライドに移送される必要がある。
【0005】
組織サンプルに関する品質制御は、重要である。不適正な品質制御は、病理学に悪影響を及ぼし、組織の不正確な査定につながり得る。しかしながら、現在、ガラススライド上に堆積される組織切片の品質制御は、リソースを消費するタスクである。
【0006】
本比較は、スライドへの組織の手動移送において行われるが、しかしながら、多くの場合、パラフィンから組織を区別することは、困難であり、不正確な比較、したがって、不適正な品質制御につながる。さらに、組織を適切に査定できないことは、不十分な組織切片がスライド上に設置されているという知識の欠如をもたらす。これはまた、スライド上の組織切片が損傷しているかどうかの査定を妨げる。
【0007】
本開示は、品質制御問題およびスライド標識と組織切片との間の不一致のリスクを排除する、または少なくとも有意に減少させる方法およびシステムの実装によって、現在のワークフローの問題および欠陥を克服する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、組織ブロックを断面化するためのシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、組織ブロックを撮像し、組織ブロックの撮像データを発生させるステップであって、組織ブロックは、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える、ステップと、撮像データに基づいて、組織ブロックの深さプロファイルを推定するステップであって、深さプロファイルは、組織サンプルを所定の基準まで暴露するために除去されるべき埋設材料の厚さを備える、ステップと、埋設材料の厚さを除去し、組織を所定の基準まで暴露するステップとを含む、組織ブロックを断面化するための方法が、提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、1つまたはそれを上回る切片を撮像し、1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、撮像データに基づいて、組織サンプルが所定の基準まで暴露されていることを確認するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、組織ブロックは、深さプロファイルを決定するために、構造化光を用いて撮像される。
【0010】
いくつかの実施形態では、組織ブロックを断面化するための方法が、提供され、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、組織ブロックから除去された1つまたはそれを上回る切片を撮像し、1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、撮像データに基づいて、組織サンプルを所定の基準まで暴露するために、十分な数の1つまたはそれを上回る切片が組織ブロックから除去されたときを決定するステップとを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、組織ブロックを撮像し、組織サンプルのベースライン撮像データを発生させるステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ベースライン撮像データから組織サンプルの予期される輪郭、サイズ、または形状を決定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、組織サンプルを所定の基準まで暴露するために十分な量の埋設材料を除去するために、ベースライン撮像データから埋設材料の深さプロファイルを決定するステップと、UV範囲内の構造化光を用いて組織ブロックを照明するステップとを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、組織サンプルが十分に暴露されたときを決定するために、組織サンプルを含む切片の撮像データをベースライン撮像データと比較するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、切片の撮像データは、組織ブロック上、移送媒体上、またはスライド上の1つまたはそれを上回る切片の撮像データを備える。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る切片における組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状は、ベースライン撮像データから予期される組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状と比較される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、視差、焦点から、もしくは光照射野撮像のうちの1つまたはそれを上回るものによって深さプロファイルを決定するステップと、組織サンプルと埋設材料との間のコントラストを増加させるステップとを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックから、組織サンプルを所定の基準まで暴露するように構成される埋設材料の厚さを除去するステップと、厚さを除去するステップに続けて、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するステップと、組織ブロックから除去された1つまたはそれを上回る切片を撮像し、1つまたはそれを上回る切片と関連付けられる撮像データを発生させるステップと、撮像データから、組織サンプルが所定の基準まで暴露されていることを確認するステップとを含む、組織ブロックを断面化するための方法が、提供されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を漸進的に除去するように構成される、ミクロトームであって、組織ブロックは、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える、ミクロトームと、ミクロトームと関連付けられる、ビジョンシステムとを含む、組織学システムが、提供されることができる。ビジョンシステムは、埋設材料内に埋設された組織サンプルを備える組織ブロックを照明するように構成される、照明システムと、組織ブロックを撮像し、組織ブロックと関連付けられる撮像データを発生させるように構成される、撮像システムと、ビジョンシステムと通信する、プロセッサであって、プロセッサは、撮像データを受信し、撮像データに基づいて、組織ブロックがミクロトームによって十分に断面化されたときを決定するようにプログラムされる、プロセッサとを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロセッサはさらに、暴露される組織サンプルの量を認識することによって、組織ブロックが十分に断面化されたときを決定するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、プロセッサはさらに、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、構造化光を用いて組織ブロックを撮像することによって発生されたベースライン撮像データから組織サンプルの予期される輪郭、サイズ、または形状を決定するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、照明システムは、構造化光を用いて組織ブロックを照明するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、組織学システムはさらに、組織ブロックから1つまたはそれを上回るスライドに組織サンプルを備える1つまたはそれを上回る切片を移送するための移送媒体を含むことができ、プロセッサはさらに、組織ブロック上、移送媒体上、もしくは1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る切片を、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて組織ブロックを撮像することによって発生されたベースライン撮像データと比較するようにプログラムされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックを照明するように構成される、照明システムと、組織ブロックを撮像し、組織ブロックの撮像データを発生させるように構成される、撮像システムと、撮像システムと通信する、プロセッサであって、プロセッサは、撮像データを受信し、撮像データに基づいて、所定の基準までの組織サンプルの暴露を決定するようにプログラムされる、プロセッサとを含む、ビジョンシステムが、提供される。
【0018】
本開示はまた、組織学システムにおける品質制御のためのシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックを受け取るステップと、組織ブロックを撮像し、組織ブロック上の組織切片における組織サンプルの第1の撮像データを作成するステップと、組織ブロックから組織切片を除去するステップであって、組織切片は、組織サンプルの一部を備える、ステップと、組織切片を撮像し、組織切片における組織サンプルの第2の撮像データを作成するステップと、第1の撮像データを第2の撮像データと比較し、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータに基づいて、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルの対応を確認するステップとを含む、方法が、提供される。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルにおける1つまたはそれを上回る品質制御パラメータのいかなる対応も存在しない場合、組織切片は、不適格である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータは、組織サンプルの形状、組織サンプルのサイズ、もしくは1つまたはそれを上回る機械的損傷のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、移送媒体を使用して、組織切片をスライドに移送するステップを含むことができ、第2の撮像データは、移送媒体上の組織切片の撮像データまたはスライド上の組織切片の撮像データを備える。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の撮像データ、移送媒体上の組織切片の撮像データ、またはスライド上の組織切片の撮像データのうちの少なくとも2つを比較するステップを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルの形状またはサイズのいかなる対応も存在しない場合、組織切片は、不適格である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る機械的損傷は、引裂、細断、ブレードマーク、しわ、亀裂、気泡、不十分な組織サンプル、不完全な組織サンプルから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷が、第2の撮像データにおける組織サンプルに存在するが、第1の撮像データにおける組織サンプルに存在しない場合、組織切片を不適格として識別するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷を補正するために、組織切片の除去と関連付けられる1つまたはそれを上回る動作パラメータを調節するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、いかなる機械的損傷も、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルに存在しない場合、組織切片を承認するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷が、第1の撮像データおよび第2の撮像データの両方に存在する場合、組織ブロックを拒絶するステップを含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、撮像するステップのうちの一方または両方は、UV光を用いて組織サンプルを照明し、可視範囲カメラを用いて組織サンプルを撮像し、第1の撮像データまたは第2の撮像データを作成するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、組織切片を照明し、組織サンプルと組織サンプル内の埋設材料との間のコントラストを強化するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、撮像するステップのうちの一方または両方は、1つまたはそれを上回る波長範囲において組織切片を撮像するステップと、組織切片の撮像データを作成するステップと、色撮像データにおける色および強度情報に基づいて、埋設材料から組織サンプルをセグメント化するステップと、組織切片における組織サンプルのサイズ、形状、または縁を識別するステップとを含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立って、組織ブロックを撮像し、組織サンプルのベースライン撮像データを発生させるステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、UV光を用いて組織ブロックを照明するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の撮像データ、第2の撮像データ、または両方をベースライン撮像データと比較するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の撮像データ、第2の撮像データ、または両方における組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状を、ベースライン撮像データから予期される組織サンプルの輪郭、サイズ、または形状と比較するステップを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、組織サンプルを照明するように構成される、照明システムと、照明システムによって照明された組織切片の撮像データを作成するように構成される、撮像システムと、撮像データを受信し、撮像データに基づいて、1つまたはそれを上回る品質制御分析を実施するために撮像システムと通信する、プロセッサとを含む、ビジョンシステムが、提供される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る品質制御分析は、組織ブロックおよびスライド上の組織切片の比較分析、組織切片の機械的性質の分析、組織サンプルの十分性の分析、もしくはスライド上のサンプル表現の分析のうちの1つまたはそれを上回るものである。
【0024】
いくつかの実施形態では、組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を生成するように構成される、ミクロトームと、ミクロトームから1つまたはそれを上回るスライドに1つまたはそれを上回る組織切片を移送するように構成される、移送システムと、ビジョンシステムとを含み得る、組織学システムが、提供される。ビジョンシステムは、組織サンプルを照明するように構成される、照明システムと、照明システムによって照明された組織切片の撮像データを作成するように構成される、撮像システムとを含むことができる。プロセッサが、撮像データを受信し、撮像データに基づいて、1つまたはそれを上回る品質制御分析を実施するために撮像システムと通信する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る品質制御分析は、組織ブロック上の組織切片、移送システム上の組織切片、およびスライド上の組織切片のうちの少なくとも2つの比較分析、組織切片の機械的性質の分析、組織サンプルの十分性の分析、もしくはスライド上のサンプル表現の分析のうちの1つまたはそれを上回るものである。
【0025】
本開示はまた、組織学システム内での追跡および印刷のためのシステムならびに方法に関する。いくつかの実施形態では、組織ブロックと関連付けられる識別データを読み取るように構成される、情報リーダと、組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を切断するように構成される、ミクロトームと、1つまたはそれを上回る組織切片を受け取るための1つまたはそれを上回るスライドと、識別データを受信し、1つまたはそれを上回る組織切片が組織ブロックから切断された後、1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷するように構成される、プリンタであって、1つまたはそれを上回る標識は、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付ける情報を備える、プリンタとを含む、システムが、提供される。
【0026】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、ミクロトームから1つまたはそれを上回るスライドに1つまたはそれを上回る組織切片を移送するように構成される、移送媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、移送媒体は、1つまたはそれを上回る組織切片に関する識別データを示すマーキングを含み、マーキングは、1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付けるように構成される。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回る組織切片に関する識別データを示すマーキングを用いて移送媒体をマーキングするための移送媒体マーキングデバイスを含むことができ、マーキングは、1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付けるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、本システムはさらに、ミクロトームから1つまたはそれを上回るスライドまで1つまたはそれを上回る組織切片を追跡するように構成される、可視化システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、可視化システムは、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片と組織ブロックの1つまたはそれを上回る画像もしくは移送媒体上の切片の画像との間の比較を行うように構成される。いくつかの実施形態では、可視化システムは、1つまたはそれを上回るスライド上、組織ブロック上、または移送媒体上の1つまたはそれを上回る組織切片と、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて組織ブロックを撮像することによって発生された組織ブロックにおける組織サンプルのベースライン画像との間の比較を行うように構成される。例えば、比較は、1つまたはそれを上回る組織切片における組織サンプルのサイズ、形状、および輪郭に基づく。いくつかの実施形態では、可視化システムは、スライド上の1つまたはそれを上回る標識を読み取り、サンプルブロックに関する識別データとのそれらの関連付けを確認するように構成される。いくつかの実施形態では、プリンタは、1つまたはそれを上回るサンプルに関して個々に標識を印刷する。
【0028】
いくつかの実施形態では、組織ブロックから識別データを読み取るように構成される、情報リーダと、組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片を切断するように構成される、ミクロトームと、1つまたはそれを上回る組織切片を1つまたはそれを上回るスライドに移送するように構成される、移送媒体と、プリンタとを含む、システムが、提供されることができる。プロセッサが、識別データを受信し、ミクロトームに1つまたはそれを上回る組織切片を切断させ、続けて、プリンタに1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷させるように構成され、1つまたはそれを上回る標識は、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付ける情報を備えることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、移送媒体は、1つまたはそれを上回る組織切片に関する識別データを示すマーキングを含み、マーキングは、1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付けるように構成される。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、1つまたはそれを上回る組織切片に関する識別データを示すマーキングを用いて移送媒体をマーキングするための移送媒体マーキングデバイスを含み、マーキングは、1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付けるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、ミクロトームから1つまたはそれを上回るスライドまで1つまたはそれを上回る組織切片を追跡するように構成される、可視化システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、可視化システムは、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片と組織ブロック上の1つまたはそれを上回る切片との間の比較を行うように構成される。例えば、比較は、1つまたはそれを上回る組織切片における組織のサイズおよび縁に基づく。
【0030】
いくつかの実施形態では、組織ブロックから識別データを読み取るステップと、組織ブロックから1つまたはそれを上回る組織切片の第1のセットを切断するステップと、切断に続けて、1つまたはそれを上回るスライドに関する1つまたはそれを上回る標識を印刷するステップであって、1つまたはそれを上回る標識は、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片を組織ブロックと関連付ける情報を備える、ステップと、1つまたはそれを上回る組織切片を1つまたはそれを上回るスライドに移送し、1つまたはそれを上回る標識を用いて1つまたはそれを上回るスライドを標識化するステップとを含む、ミクロトーム法においてサンプルを追跡するための方法が、提供される。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、スライド上の1つまたはそれを上回る組織切片をブロック上の1つまたはそれを上回る組織切片と比較し、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片と組織ブロックとの関連付けを確認するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る組織切片の第1のセットが1つまたはそれを上回るスライド上に設置され、1つまたはそれを上回る標識を用いて標識化された後にのみ、1つまたはそれを上回る組織切片の第2のセットを切断するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回るスライド上の1つまたはそれを上回る組織切片を、組織ブロックから1つまたはそれを上回る切片を除去するステップに先立ってUV光を用いて組織ブロックを撮像することによって発生された組織ブロックにおける組織サンプルのベースライン画像と比較するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
主題の発明が属する当技術分野の当業者が、本明細書に開示される外科的装置およびシステムを作製ならびに使用する方法をより容易に理解するであろうように、その好ましい実施形態が、図面を参照して本明細書の下記に詳細に説明されるであろう。
【0033】
【
図1】
図1は、組織学システムの品質制御分析を実施するための例示的システムを図示する。
【0034】
【
図2】
図2は、パラフィンに対する組織のコントラストを増加させるための照明および撮像システムの一実施形態を図示する。
【0035】
【
図3】
図3は、埋設材料の内側の組織を示す、例示的組織ブロックを図示する。
【0036】
【
図4】
図4A、4B、4C、4D、4E、および4Fは、未処理のブロックから完全に断面化されたブロックまでの画像の進行を図示する。
【0037】
【
図5】
図5は、組織切片の画像を組織ブロックのベースライン画像と比較するための方法を図示する、例示的フローチャートである。
【0038】
【
図6】
図6は、断面化決定を行うための方法を図示する、フローチャートである。
【0039】
【
図7】
図7および8は、UV照明下の組織リボンの画像である。
【
図8】
図7および8は、UV照明下の組織リボンの画像である。
【0040】
【
図9】
図9は、切断リボンおよびブロック面が撮像される、断面化決定を行うための方法を図示する、フローチャートである。
【0041】
【
図10】
図10は、ブロック断面化のための種々の方法を図示する、フローチャートである。
【0042】
【
図11】
図11Aおよび11Bは、埋設材料内に埋設される組織の例示的画像および組織と埋設材料との間の関係を示す、関連する例示的グラフを図示する。
【0043】
【
図12】
図12Aおよび12Bは、埋設材料内に埋設される組織の例示的画像および組織と埋設材料との間の関係を示す、関連する例示的グラフを図示する。
【0044】
【
図13】
図13は、レーザドット拡散に関連する例示的画像を図示する。
【0045】
【
図14】
図14は、組織ブロック上のレーザドットのブロックを横断して1ピクセルにおいてサンプリングされた列2ドットに関連する例示的グラフを図示する。
【0046】
【
図15】
図15は、ブレードが組織ブロック上に残し得る微小セレーションを示す、例示的画像を図示する。
【0047】
【
図16】
図16は、組織学システムの組織比較および機械的品質制御分析を実施するための例示的システムを図示する。
【0048】
【
図17A】
図17Aは、ガラススライド上のサンプルブロックおよび組織切片の切片比較である。
【0049】
【0050】
【
図18】
図18および19は、UV照明下の組織リボンの例示的画像である。
【
図19】
図18および19は、UV照明下の組織リボンの例示的画像である。
【0051】
【
図20】
図20は、切断切片およびブロック面が撮像される方法を図示する、フローチャートである。
【0052】
【
図21A】
図21Aは、テープの経路を図示する、本開示の自動化テープ移送装置の一実施形態の概略図であり、本装置は、本開示の切断組織切片のジャストインタイム印刷、追跡、および識別に従って、サンプルブロック上の標識ならびに印刷されたガラススライドを走査するために、バーコードリーダを有し、テープマーキングまたは印刷デバイスは、テープ移送媒体上に識別マークをレーザエッチングまたは印刷し、ガラススライドは、別個のスライドプリンタによってリアルタイムで印刷される。
【0053】
【
図21B】
図21Bは、随意に事前印刷されたテープの経路を図示する、本開示の自動化テープ移送装置の一実施形態の概略図であり、本装置は、本開示の切断組織切片の追跡および識別に従って、サンプルブロック上の標識ならびに印刷されたガラススライドを走査するために、バーコードリーダを有し、ガラススライドは、別個のスライドプリンタによってリアルタイムで印刷される。
【0054】
【
図22】
図22は、ブロックからテープ、ガラススライドまでの組織切片の追跡を可能にするために、バーコード走査、テープ媒体マーキング、およびスライド印刷システムを有する、本装置(システム)の自動化ステップの一実施形態を図示する、フローチャートである。
【0055】
【
図23】
図23は、切片追跡システムのワークフロー図である。
【0056】
【
図24】
図24は、自動化ミクロトーム法デバイスの例示的実施形態を図示する。
【0057】
【
図25】
図25は、テープの経路を図示する、自動化テープ移送装置の例示的実施形態の概略図であり、本装置は、サンプルブロックおよびスライドの画像を撮影するための撮像デバイスを有する。
【0058】
【0059】
;
【0060】
【
図27】
図27は、サンプルブロックの面に適用されることに先立つテープを示す、概略図である。
【0061】
【
図28A】
図28Aは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの立面図図示である。
【0062】
【
図28B】
図28Bおよび28Cは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの等角図図示である。
【
図28C】
図28Bおよび28Cは、本開示のいくつかの実施形態による、サンプルシステムレイアウトの等角図図示である。
【0063】
【
図29】
図29は、本開示のいくつかの実施形態による、自動化組織切片化システムにおける組織ブロックの処理を図示する、フローチャートである。
【0064】
【
図30】
図30は、
図8のシステムの自動化ステップを図示する、フローチャートである。
【0065】
【
図31】
図31は、組織切片がスライドへの移送のために十分であるかどうかを決定するために、撮像デバイスを有する、本装置(システム)の自動化ステップの一実施形態を図示する、フローチャートである。
【0066】
【
図32】
図32は、本装置の代替実施形態の自動化ステップを図示する、フローチャートである。
【0067】
【
図33】
図33は、本装置の代替実施形態の自動化ステップを図示する、フローチャートである。
【0068】
【
図34】
図34は、コンピューティングデバイスの例示的実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
詳細な説明
本開示は、ミクロトーム法の間の組織サンプルに対する種々の品質制御分析のためのシステムおよび方法を提供する。組織サンプルの品質制御のためのシステムおよび方法の例示的実施形態が、
図1に示される。そのようなシステムは、印刷および追跡102、組織断面化分析104、および機械的組織完全性分析106を含む、種々のタイプ/側面の品質制御100を提供するように構成されることができる。
【0070】
示されるように、組織切片は、サンプルブロック等の組織サンプルから切断されることができる。種々の品質制御分析が、組織切片の完全性を決定するために、組織切片に関連して実施されることができる。下記により詳細に解説されるであろうように、1つまたはそれを上回る分析が、組織切片がサンプルブロックからスライドまたは他の媒体に輸送されている際に、実施されることができる、もしくはいったん組織切片がスライドまたは他の媒体上に位置すると、実施されることができる。プロセスは、手動で、または自動化システムを用いて実施されることができる。
【0071】
種々の品質制御分析を実施するために、比較のための組織ブロックおよび組織切片の種々の画像が、撮影されることができる。例えば、限定ではないが、ブロックのベースライン画像を作成するための組織切片化の前の画像、組織ブロックの面、組織ブロックから切断された後の組織切片、これが輸送システムまたはテープを介して輸送されている際の組織切片、およびスライド上に位置付けられる組織切片を含む画像が、撮影されることができる。これらの画像のうちのいずれかの比較は、組織切片が十分であるかどうかを決定するために使用され、いったんスライド上に位置付けられると、使用されることができる。比較が、いずれかの問題またはエラーを露見させる場合、識別された問題またはエラーのタイプに応じて、組織スライスは、廃棄されることができる、組織ブロックは、廃棄されることができる、および/または調節が、本システムの物理的コンポーネントのうちのいずれかに行われることができる。種々の動作パラメータが、本開示のビジョンシステムを使用して検出された機械的損傷または欠陥のタイプに基づいて、調節されることができる。そのような動作パラメータは、限定ではないが、ミクロトームブレードを鋭利化または交換すること、水和時間または温度を調節すること、移送媒体を交換すること、もしくは移送媒体の動作パラメータ(例えば、速度)または組織切片に対する移送媒体に印加される圧力を調節することを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、組織切片をサンプルブロックに合致させるために、組織切片をサンプルブロックと比較する分析が、実施される。いくつかの実施形態では、輸送の間またはスライド設置後のいずれかで、組織切片の条件を決定する分析が、実施される。下記により詳細に議論されるであろうように、組織切片の付加的分析が、実施されることができる。さらに、限定ではないが、画像が品質制御分析のうちの1つまたはそれを上回るものを実施するために使用され得るように、組織サンプルブロック、輸送の間の組織切片、およびスライド上の組織切片のうちの1つまたはそれを上回るものを撮像するように構成され得る可視化/撮像システムの使用を含む、種々の方法が、品質制御を実施するために使用されることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、組織学システムが、手動または自動化組織移送装置/システムにおいて切断組織切片の追跡および比較分析を提供することができる。決定システムは、顕微鏡スライドおよびサンプルブロック上の切断組織切片の1つまたはそれを上回るパラメータもしくは特性/特徴を分析/比較する。代替として、または加えて、本システムは、顕微鏡スライド上の切断組織切片およびこれがサンプルブロックから切断された直後の切断組織切片(スライス)の1つまたはそれを上回るパラメータもしくは特性/特徴を分析/比較する。これらのシステムは、ガラススライド上の切片が、組織サンプルブロックに適切に合致されることを確実にする。これは、実験室におけるサンプル追跡を改良する、品質制御システムの比較側面である。
【0074】
いくつかの実施形態では、自己補正または適合を可能にするために、フィードバックを提供し得るシステムが、提供される。本フィードバックシステムは、品質制御の別の側面を提供する。
【0075】
いくつかの実施形態では、本システムはまた、品質制御のフィードバックシステムを提供する。いくつかの実施形態では、例えば、いったん品質制御システムが、フラグを送信すると、フィードバックプロセスが、トリガされ得、結果として、種々のアクションが、人間介入を伴わずに自動的に行われることができる。例えば、フラグ、例えば、不一致が、存在する場合、行われ得る下流アクションの実施例は、命令またはアルゴリズムの再較正を含み、したがって、本システム/プロセスが自己補正または適合することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、フィードバックプロセスは、ブロック断面化決定と相互作用することができる。欠陥が検出されるときの品質制御プロセスでは、根本原因が、問題を解決するために探索される。したがって、欠陥が、品質制御プロセスによって検出されると、可能性として考えられる根本原因の所定のセットが、チェックされるであろう。例えば、ガラス上の組織切片の下に気泡が存在する場合、これは、ガラスアプリケータローラへの移送媒体(テープ)が不具合を有していることを意味し得、ユーザは、これについて警告されることができる。または、組織が、自動QC画像において細断されている場合、本システムは、ミクロトームにおける新しい切片化ブレード交換を強制するであろう。いったん根本原因が識別されると、1つまたはそれを上回る動作パラメータが、上記に解説されるように変更されることができる。
【0076】
例えば、フィードバックシステムの例示的実施形態では、QCシステムが、突然、ある日、切片品質に関する増加された数のフラグを発生させ始める。これは、本システムにおける条件が変化し、是正措置が必要とされることを示すことができる。増加された不一致率は、一式の自己試験をトリガすることができ、それらの自己試験のうちの1つは、次いで、補正機構(例えば、ミクロトームブレードを交換する)をトリガし得る。別の実施例として、組織が高い率においてスライド上でなくなり始めることに着目されると仮定する。これは、断面化アルゴリズムが失敗している、または組織がテープから離れていることを意味し得、再び、自己試験が、是正措置をトリガし得る。種々の事象に応答する他のアクションもまた、品質制御フィードバックシステムにおいて想定されるため、これらが、単に実施例として提供されることを理解されたい。
【0077】
フィードバックループが、本明細書に開示される他の品質システムと併用され得ることを理解されたい。
【0078】
テープ以外の任意の移送媒体(輸送媒体とも称される)が、利用され得ることを理解されたい。したがって、本明細書に開示されるシステムおよび方法が、テープだけではなく、他の移送媒体に完全に適用可能であるため、本明細書のテープの言及は、便宜的に使用される。
【0079】
サンプル調製
【0080】
サンプルは、組織、器官、生物、凍結液体、または他の生物学的サンプルであり得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、下記により詳細に議論されるであろうように、断面化を促進するためのある他の様式で事前染色または事前処理されることができる。サンプルの初期調製のプロセスは、いくつかの実施形態では、a)生物から除去されたときの生物学的組織の固定剤、例えば、ホルマリン容器の中への移送、b)固定後、組織が標識化された組織カセットの中に移送されること、c)カセットへの移送後、組織が、i)水およびホルマリンを除去するためのアルコール中での浸漬を介した脱水、ii)アルコールを除去するための溶媒を介した一掃、およびiii)溶融材料の大きいブロック内で組織を囲繞し、「サンプルブロック」を作成するためのパラフィンワックス等の埋設材料の適用によって処理されることを含むことができる。パラフィンは、金型内の乾燥し、化学的に処理された組織にわたって注がれる。ある場合には、組織学技師は、成型プロセスの間に組織を圧迫するが、金型の底部と組織サンプルとの間に、パラフィンが、常時存在する。ブロックが、固化すると、これは、組織切片化プロセスの間の支持マトリクスを提供する。すなわち、パラフィンが、冷却されると、これは、金型から除去され、したがって、これは、組織がその中に埋設されるパラフィンブロックの形態になる。成型された組織パラフィン組み合わせは、プラスチックカセット上で支持される。プラスチックカセットは、組織がミクロトームクランプ内に保持されるための特徴を提供する。これが挟持されるカセットの反対側上では、パラフィン/組織組み合わせは、片持ち梁状である。本側は、以前のステップにおける金型の底部に対応する。成型に起因する過剰なパラフィンは、組織を暴露し、組織切片が識別および分析/評価され得るように、除去される必要がある。過剰なパラフィンの厚さは、数十ミクロンから数百ミクロンメートルまで大幅に変動する。
【0081】
パラフィン金型内の組織を保持するプラスチックカセットは、異なる色を有し得る。いくつかの実施形態では、品質制御システムは、サンプルタイプをクロスチェックするために、サンプルブロックを保持するカセットの色を検出する。いくつかの実験室では、実験室は、これらの色をある組織タイプに割り当てる。例えば、実験室は、乳房組織に関してピンク色のカセットを使用することを選定し得る。本システムが、研究室に有意である、ある色を検出すると、これは、色が合致することを確実にするために、実験室データを用いてサンプルタイプをクロスチェックし得る。これは、品質制御システムの付加的バックアップを提供する。また、本データは、画像背景における変動が、効果的にフィルタリングされて取り除かれるように、画像処理の間に使用されることができる。
【0082】
組織ブロックが、切断(切片化)のためにチャック内に設置されると、パラフィン側は、ミクロトームの切断ブレードに面するが、成型プロセスは、完全ではなく、組織は、パラフィンの表面上ではなく、パラフィン層の下にある。新しいブロックは、最初に、比較的に厚い切片を伴う切片化を受け、組織サンプルの上のパラフィンワックスの0.1mm~1mm層を除去する。本表面のパラフィン層の除去後、組織サンプルの完全な輪郭が暴露されると、ブロックは、切片化されることができる状態になる。いったん本パラフィン層が除去されると、臨床および研究設定では、組織は、典型的には、3μm~5μmの厚さに切片化される。本パラフィン層を除去し、組織の大きい断面を暴露するための本プロセスは、ブロック断面化と称される。本表面のパラフィン層の除去後、組織サンプルは、暴露され、切片化されることができる状態になり、分析、例えば、病理学または組織学のために、ガラススライドへの移送のためにテープ上に置かれる。すなわち、十分なパラフィンが除去される(ブロックは「断面化される」と称される)と、後続ブロック切片化は、分析のためにガラススライド上への設置のための組織切片を提供する(評価のためにさらに処理される)。
【0083】
パラフィンが、埋設材料として本明細書に説明されるが、凍結切片を含む、他の埋設材料も、利用され得ることが理解されるべきであることに留意されたい。
【0084】
可視化システム
【0085】
組織学システムは、いくつかの実施形態では、照明システムと、撮像システムとを含み得る、可視化システムを含む。照明システムは、組織およびパラフィンの撮像/判別/区別を支援し、これは、次いで、評価のために撮像システムによって撮像されることができる。したがって、パラフィンからの組織の区別は、サンプルブロック、テープ、および/またはスライド上で撮影される画像に関して強化される。種々の照明システムおよび撮像システムが、下記に議論される。いくつかの実施形態では、可視化システムは、適切な光学系(照明システム/方法、撮像システム/方法、検出システム/方法)を利用し、続けて、算出処理が続く。本算出処理は、下記により詳細に説明されるであろうように、品質制御のための画像の比較査定を提供する。
【0086】
用語「画像」が、画像を表す、または別様に撮像されている対象についての情報を決定するために分析され得る、撮像システムによって発生される任意の形態またはフォーマットにおけるデータを含むことを理解されたい。可視化システムによって撮影された画像は、画像自体が品質制御分析のために処理、分析、および/または比較され得るように使用されることができる、もしくは画像を作成するためのデータまたは画像もしくは撮像されている対象を表すデータを含む、画像または撮像されている対象を表す任意のデータが、使用されることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、可視化システムは、a)i)埋設材料内に埋設される組織を含有する組織サンプルブロック、ii)組織サンプルブロックのブロック面、iii)サンプルブロックから切断された後の組織切片、iv)切断組織切片を搬送する移送媒体、またはv)切断組織切片を含有するスライドの画像を撮影し、b)スライドまたは移送媒体(例えば、テープ)のいずれかの上のサンプルブロックからの切断切片の画像を撮影するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、これは、撮像デバイスによって撮影される画像を強化するために、組織が埋設される埋設材料からの組織の区別を強化するために行われることができる。
【0088】
図2は、組織ブロック、輸送システムと関連付けられる組織切片、およびスライドと関連付けられる組織切片のうちの1つまたはそれを上回るものを撮像するために使用され得る、照明システム112と、撮像システム114とを含む、可視化システム110のある実施形態を図示する。示されるように、照明システム112は、サンプル支持チャック118上に支持されるサンプルブロック116を照明する。参照番号122が、パラフィンと組織との間のコントラストが顕著である高コントラスト照明下のサンプルブロックを図示し、一方、参照番号120が、組織およびパラフィンを区別することがより困難である低コントラスト照明下のサンプルブロックを図示することに留意されたい。照明は、代替として、または加えて、ブロックから切断された後の組織切片を照明することができる。種々のタイプの照明システムが、下記に説明される。撮像デバイス、例えば、カメラが、評価のためにサンプルブロック116の画像を撮影する。下記に説明されるような古典的な画像処理技法が、評価のために利用されることができる。最近の人工知能ベースの画像処理技法もまた、利用されることができ、教示および試験段階は、全て開発現場において行われる。
【0089】
示されるように、撮像システム114、例えば、カメラは、組織対パラフィンコントラストが増加されるように照明システム112がブロック面を照明する際、サンプルブロック116のブロック面を撮像する。いくつかの実施形態における本撮像システムは、非人間介入によって行われる、これが切片化される際のブロック116の連続する画像を撮影するようにソフトウェアまたはハードウェアによってトリガされることができる。エッジ検出(輝度の不連続性を検出することによって画像内の物体の境界を見出す)、連続する画像における色、色相、または強度追跡、もしくは各ピクセルの類似する属性および画像の文脈におけるそれらの変動に基づく古典的な画像処理技法が、利用されることができる。撮像システムは、自動化切片化システムの一部であり得、自動化システムは、ソフトウェア動作を通してか、または位置感知スイッチ等のハードウェアトリガを通してかにかかわらず、撮像をブロック切片化と同期させる能力を有する。上記のように、ミクロトームによる切断後の切断組織切片の画像が、代替として、または加えて、撮影されることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、ライン走査が、利用される。ライン走査は、物体にわたって線形運動において通過するラインセンサを使用して、一度に1ラインずつ画像を構築することを伴う。したがって、本方法では、切断の間のブレードにおけるブロック-組織リボン界面の面積は、組織ブロックがブレードによって切断された後に走査される。ソフトウェアは、次いで、ラインをステッチし、切断された切片の画像を作成する。ブレードの真上の切片のラインは、撮像されることができ、2D画像が、一連のライン画像から構築されることができる。いくつかの実施形態におけるライン撮像デバイスは、テープがローラを過ぎて移動する際、またはローラがテープに沿って移動する際、ライン走査のためにローラの内側に設置されることができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイスは、ローラの外側に設置されることができる。いずれの場合も、撮像は、テープの片側上に透過光を伴うテープ輸送に結び付けられることができる。照明デバイスは、ローラの内側または外側にあり得る。すでに切断された組織切片の2D画像を撮影することと比較したライン走査のいくつかの利点は、i)再構築されたライン走査画像が組織面の「平坦な」表現であり、しわまたは巻きがあるリスクを有しないであろうこと、ii)切片の始まりおよび終わりの境界を決定することが容易であること、ならびにiii)ブレードおよび切断力が組織切片のための一貫する場所を提供するため、画像の全ての部分が合焦するであろうことを含む。
【0091】
本システムは、全て様々な程度のサンプリング分解能において、サンプル、プロファイル、または画像を横断して一次元走査を利用することができる。
【0092】
スライド上の組織切片を撮像することはまた、デジタル病理学に関する下流使用を提供することができる。スライド走査装置において組織を走査し、これを算出的に処理する際、最初に、組織が着座しているスライド内の場所を(幾何学的に)決定することが、有益である。これは、走査装置における自動焦点アルゴリズムのために、または組織がセグメント化されるコンピュータ支援診断における算出ステップを低減させるために有益である。本明細書に説明されるシステム、例えば、UV照明蛍光モードは、容易なセグメント化を可能にするための鮮明な可視性を提供する。そのようなセグメント化/場所情報は、その組織切片を伴うスライドが使用されているとき、走査装置またはコンピュータ支援診断プラットフォームと下流で統合されるように実験室情報システムに戻るように渡されることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ラマン分光法を使用する照明および信号捕捉が、組織にわたるパラフィンマトリクスを識別するために使用されることができる。ラマン分光法は、分子の振動モード、回転モード、または他の低周波数モードを決定し、分子を識別するための構造的ガイドを提供するために使用されることができる。光が分子を励起する際、分子は、異なる波長における光を反射させ、波長は、それによって、組成物の検出を可能にする。すなわち、ラマン分光法は、散乱光に基づいてある物質を定量的に検出する。組織自体は、パラフィンが含侵するが、密度は、ブロックの他の面積におけるパラフィンを下回る。各切片後のブロックのラマン分光法を用いた漸進的な画像捕捉は、比較のために利用される定量化されたメトリックを与える。本方法は、組織面積を先験的に決定するために、可視光撮像と並行して使用され得、実装される方法の効率を高めるであろう。
【0094】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、センサと、放射システムとを備える。本方法/システムは、組織にわたるパラフィンがより薄くなると、信号のレベルが減少するように、組織ブロックまたは切断切片のパラフィン部分から信号を捕捉する。これは、異なる材料が異なる放射波長を吸収し、組織およびパラフィン放射吸収波長が異なるという事実に起因する。埋設された組織にわたるパラフィン層が、除去されるにつれて、吸収スペクトル(例えば、IR吸収スペクトル)は、変化するであろう。連続する画像にわたって本変化を追跡することによって、吸収レベルは、埋設された組織にわたるパラフィンの量と相関する。このように、パラフィンの量(または除去)は、比較もしくは算出プロセスによって決定されることができる。
【0095】
テーパ上またはスライド上の組織に関して、反射モードまたは透過モードのいずれかが、使用されてもよい。光源およびカメラの場所の観点から、透過モードを利用することが、有益であり得る。特に、テープ上の切片の撮像は、光源またはラインカメラのいずれかを使用して、透明ローラ(または透明窓を伴うローラ)の内側に光源またはカメラを埋設することによって行われることができる。
【0096】
照明システムは、例えば、UV、近IR、IR、または可視/広帯域範囲内の光を放出することができる。放出光は、異なる色を有し得る。いくつかの実施形態では、照明システムは、LED、OLED、レーザ、電球、または類似する発光デバイスもしくは材料を含むことができる。また、示されるように、撮像システムは、組織ブロックまたはテープもしくはガラススライド上を含む画像を撮影するための種々の面積を含むことができる。算出システムが、識別追跡のために、例えば、定量的に、画像を処理する。
【0097】
他の照明システムが、組織およびパラフィン(または他の埋設材料)の区別を強化するために利用され得、他の撮像システムが、利用され得、他の算出システムまたは比較処理システムが、識別追跡およびサンプル完全性チェックのために利用され得るため、本明細書に説明されるこれらの種々の照明および撮像システムならびに種々の関連付けられる方法論が、実施例として提供されることを理解されたい。また、照明システムの任意の組み合わせおよび/または撮像システムの任意の組み合わせが、利用されることができる。
【0098】
光(コヒーレントまたは非コヒーレント)は、吸収、屈折、散乱、ラマン散乱、蛍光、燐光、干渉を介して使用されることができ、波長は、X線から電波までのスペクトル内の任意の場所の連続的または不連続的分布、もしくはこれらのモダリティの任意の組み合わせであり得る。反射率モードの透過が、利用されることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、撮像システムは、本明細書に説明されるような品質制御のためにサンプルブロックを撮像するための複数の撮像デバイスを含むことができる。撮像デバイスは、サンプルブロックの単一の3D画像を作成するために、一体となって機能することができる。限定ではないが、可視光カメラ、分光計、マルチスペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラ、中波長赤外線(MWIR)カメラ、およびラマン分光法カメラを含む、種々のタイプの撮像デバイスが、使用されることができる。
【0100】
パラフィンブロック内の組織のハイパースペクトル撮像は、パラフィンの一意の吸収の判別が、単一の画像において種々の組織反射ピークとは別個に識別されることを可能にする。周波数において3~5nmステップに基づくハイパースペクトルキューブでは、パラフィンおよび組織の具体的な反射率ピークが、分離されることができ、組織の深さが、識別されることができる。
【0101】
UVから赤外線に至るまでの照明源のアレイまたは一連の照明源を利用するマルチスペクトル撮像は、当該組織の具体的吸収または反射特性を引き出した異なる色周波数における多重露光を伴う一意のスペクトル線における組織およびパラフィンの反応測定を可能にすることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、組織ブロックは、構造化光を用いて照明されてもよく、戻った光は、組織ブロック、組織サンプル、または両方の種々の特性を決定するために使用されることができる。例えば、組織サンプルの輪郭または断面積もしくは組織ブロックの深さプロファイルが、構造化を使用して決定されることができる。いくつかの実施形態では、深さプロファイルは、除去されるべき埋設材料の厚さである。いくつかの実施形態では、そのような厚さの除去は、組織サンプルを所定の基準まで暴露することができる。いくつかの実施形態では、構造化光は、具体的パターンにおける組織ブロックの照明を指す。いくつかの実施形態では、構造化光は、空間的に構造化されてもよく、すなわち、組織は、グリッド、ストライプ、同心円等の幾何学的に構造化されたパターンにおいて照明される。いくつかの実施形態では、構造化光は、スペクトル的に構造化されてもよく、すなわち、組織は、異なる波長を有する光によって同時に照明される。いくつかの実施形態では、波長は、異なる強度、帯域、または色から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、スペクトル的に構造化された光は、同一の、または主として同一の強度範囲内(例えば、UV)であるが、その強度範囲内で異なる具体的波長を有することができる。いくつかの実施形態では、スペクトル的に構造化された光は、主として、1つまたはそれを上回る周波数帯域から光を構成し得、そのような帯域は、組織分子の光学性質に調整され、そのような光学性質は、例えば、蛍光吸収および発光スペクトルを含む。実施例として、主としてUV放射を伴う波長範囲は、ある組織コンパートメントから強い自己蛍光を生じさせ、本発明における後続処理ステップを促進し得る。
【0103】
レーザドット拡散もまた、使用されることができる。515nmにおける緑色レーザ源および回折光学要素(DOE)が、パラフィン組織ブロック上にレーザドットのアレイを作成するために使用され、それによって、単一の画像においてブロックの全体を横断して分散をサンプリングすることができる。異なるDOEを使用して、異なるサイズのレーザアレイが、ブロックの表面上に投影されることができる。代替として、ブロックを移動させ、1つまたはそれを上回る画像を撮影し、ブロックの表面上のレーザドット密度を増加させることができる。組織ブロックの画像は、これがレーザDOEを用いて照明されている間に撮影される。本画像の1つまたはそれを上回るチャネルが、光散乱を決定するために分析されることができる。例えば、緑色レーザ源が、ブロックを照明するために使用されるとき、緑色チャネルは、最も高い応答を有するであろう。また、分析のために画像のグレー値を使用することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、複数のカメラが、ブロック面の画像を同時に捕捉するためにブロック面に隣接して提供される。カメラおよびそれらのソフトウェアは、ブロックの固有の幾何学的特徴またはブロックの周囲の機構を使用し、各画像を同一の基準幾何学形状に配向することができる。複数のカメラからの画像は、ブロック内の組織の3D画像を構築するために使用されることができる。そのような3D画像は、ミクロトームがブロックを断面化する量を事前決定し得るため、ブロックを断面化する速度を増加させるであろう。
【0105】
複数のカメラからの画像はまた、異なる角度から撮影された複数の画像を併合することによって、2D画像品質を強化するために使用されることができる。画像の鮮明度は、より多くの画像が単一の画像を作成するように処理されるとき、増加するであろう。これは、サンプルブロック面、切断組織切片、および/または切断組織切片がその上に堆積されたスライドの画像強化のために使用されることができる。
【0106】
撮像を強化する別の方法は、撮像デバイス、例えば、カメラをコンピュータ制御運動ステージ上に搭載することであり、ステージは、種々の位置に移動可能である。このように、サンプルブロックの複数の画像が、ステージの運動経路に沿った異なる位置から撮影されることができる。代替として、ガラススライド上のブロックまたは組織は、類似する効果を有するようにカメラに対して移動されてもよい。したがって、ブロックに対する、またはサンプルに対する撮像デバイスの相対的運動が、利用されることができ、相対的移動は、撮像デバイスの移動、ブロックまたはガラススライドの移動、もしくは撮像デバイスおよびブロックまたはガラススライドの両方の移動を表す。画像は、単一の画像を作成する、または比較分析のために利用される画像を選択するように処理され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、撮像機器、例えば、デジタルカメラは、閉鎖されたチャンバ内に格納される。閉鎖されたチャンバ内で、制御された極性および波長を伴う放射源が、撮像を強化するために、閉鎖されたチャンバの内側の生物学的組織サンプルを照明するために提供されることができる。放射源は、生物学的サンプルが撮像されている間、動的に調節可能な極性および波長を有することができる。そのような照明は、サンプルブロック上の組織および/またはスライド上の切断組織切片のために提供されることができる。本システムは、異なる分析を実施するための種々のソフトウェアアルゴリズムを含むことができる。例えば、アルゴリズムが、パラフィンの下の生物学的組織サンプルの深さを決定するために利用されることができる、アルゴリズムが、パラフィン内に埋設される生物学的組織の全体的または部分的3D形状を決定することができる、ならびに/もしくはアルゴリズムが、生物学的組織の最も大きい表面積断面および該断面の深さを決定することができる。提供され得る別のアルゴリズムは、画像から生物学的組織の物理的性質を抽出するものである。
【0108】
例えば、アルゴリズムは、限定ではないが、最も大きい組織輪郭、サンプル(パラフィン)ブロック内の組織の断片の数、およびブロック内の各断片の深さを含む、物理的性質を決定し得る。いくつかの使用では、パラフィンブロックは、その中に組織の複数の断片を有してもよい。これらは、複数の断片に切断された同一の組織または患者から複数の点において収集された複数の組織サンプルであってもよい。同一のブロック内に複数の組織断片を設置することは、実験室が組織染色費用を減少させることに役立つ。特徴(アルゴリズム)は、全ての組織断片が同一の断面において切断される、すなわち、それらが同一の平面内であることを確実にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、比較分析のために、投影システムが、ブロック面上に配向パターンを投影し、同一のパターンが、スライド上に投影される。ソフトウェアアルゴリズムが、パラフィンブロック内の生物学的組織サンプルおよびスライド上の組織の相対的配向を決定するために使用されることができる。
【0110】
識別合致の品質制御システムは、本明細書に説明される装置/システムおよび方法のうちのいずれかと併用されることができる。
【0111】
組織ブロック分析
【0112】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る画像が、完全な組織ブロックの組織切片化の前に撮影されることができる。いくつかの実施形態では、断面画像が、ブロック内の組織の場所、サイズ、および形状を推定するために、組織ブロックへの既知の深さにおいて撮影されることができる。これらの画像のうちの1つまたはそれを上回るものが、組織ブロック内に埋設される組織の深さプロファイルを作成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、組織ブロック全体の組成物の推定の画像が、作成されることができる。組織ブロックは、照明光が、組織ブロックの内側の組織に蛍光を発させるように、上記に説明されるような可視化システムを使用して照明されることができる。種々の照明タイプが、使用されることができるが、いくつかの実施形態では、組織ブロックは、UVが、組織の周囲の埋設材料を通して貫通し、埋設材料内に埋められた組織サンプルに蛍光を発させるように、UV光を用いて照明されることができる。したがって、埋設材料内に埋設される組織は、ブロック内で完全に輪郭形成されることができる。これは、輸送システム上、および輸送後のスライド上の組織ブロックの面上の暴露された組織に対する種々の比較のために使用され得る、ベースライン画像として提供されることができる。組織ブロック132全体の例示的ベースライン画像が、
図3に示される。示されるように、ベースライン画像130は、組織ブロック132を形成するために、埋設材料136内に埋設される組織サンプル134を含む。
【0113】
組織ブロックの全組成物の本ベースライン画像は、下記に開示される種々の方法において使用されることができる。例えば、組織ブロックが断面化されるかどうかを決定するとき、ブロック面の撮影された画像が、ベースライン画像と比較されることができる。したがって、比較が、組織の「断面化」面積と、これがブロック断面化に関連するため、ベースライン画像からの組織の「埋められた」面積との間で行われることができる。
【0114】
ベースライン画像はまた、他の品質制御分析のために使用されることができる。例えば、組織ブロックから切断された組織切片、テープ上の組織切片、またはスライド上の組織切片の画像が、ベースライン画像と比較されることができる。組織切片は、ベースライン画像内の「埋められた」面積と比較され、組織切片の完全性、組織切片の完備性、および/または組織切片の物理的性質を決定する、もしくは組織切片が具体的ブロックに由来することを確認することができる。
【0115】
例えば、
図4A-4Fに関連して下記により詳細に説明されるように、初期切片は、埋設材料のみを有する(
図4A)が、後続切片(
図4B-4F)は、組織サンプルを含み、切片における組織サンプルの輪郭は、断面化、追跡、および機械的完全性決定のために、ベースライン画像からの予期される輪郭と比較されることができる。いくつかの実施形態では、本システムは、合致が存在するかどうかを決定するために、サンプルブロック上の組織の輪郭および移送媒体上またはスライド上の切断組織切片の輪郭を決定することができる。
【0116】
ブロック断面化方法論
【0117】
いくつかの実施形態では、パラフィンまたは他の埋設材料内に埋設される組織層に到達したときを決定するためのブロック断面化決定、すなわち、組織ブロックの完全断面化の検出を促進および改良することを含む、生物学的サンプル組織の断面化のためのシステムならびに方法が、提供される。いくつかの実施形態では、これは、自動化装置における組織ブロック断面化査定および検出のための決定システムならびに方法を含むことができる。本システム/方法は、切片化の速度および最終的な切片の品質を増加させる。いくつかの実施形態では、組織ブロックを断面化することは、除去される必要がある埋設材料の量に関連する。例えば、組織ブロックの深さプロファイルが、使用されることができ、したがって、深さプロファイルは、埋設材料の表面と組織サンプルとの間の距離に関連する所定の基準まで組織サンプルを暴露するために除去され得る埋設材料の厚さに関連する。例えば、所定の基準は、ブロックの面から除去されるとき、組織サンプルの表面に到達し得るように、材料の量または深さであり得る、もしくは所定の基準は、除去されるとき、ブロック面上の組織サンプルの十分な断面が露見されるように、材料の量であり得る。暴露される組織の断面積は、変動することができる。いくつかの実施形態では、基準は、組織サンプルの断面積の20%~60%であり得る。いくつかの実施形態では、基準は、組織サンプルの断面積の20%~80%であり得る。いくつかの実施形態では、基準は、組織サンプルの断面積の40%~60%であり得る。露見される組織サンプルの断面積の量が、変動し、任意の量であり得ることを理解されたい。
【0118】
いくつかの実施形態では、組織ブロック断面化査定および検出のための画像ベースの決定システムならびに方法が、使用されることができる。マシンビジョンシステムが、パラフィン内に埋設される組織層に到達したときを決定するためのブロック断片化決定、すなわち、組織ブロックの完全断面化の検出を促進および改良するために使用されることができる。ブロック断面化決定を自動化するための本マシンビジョンシステムは、顕微鏡スライドへの後続移送のために、支持(搬送)媒体、例えば、テープへの切断組織切片の自動化移送における用途を有する。いくつかの実施形態では、算出処理のシステムおよび方法が、本明細書に開示されるような光学系を利用する可視化システムが動作された後に提供される。したがって、可視化システムは、適切な光学系(照明システム/方法、撮像システム/方法、検出システム/方法)を利用し、続けて、算出処理が続く。本算出処理は、ブロック断面化のステータスを決定するための画像の比較査定を提供する。
【0119】
いくつかの実施形態では、照明および撮像システムは、
図4A-4Fの画像の進行に示されるように、組織ブロックの組織切片とパラフィン切片との間のコントラストを増加させるために使用されることができる。例えば、照明システムは、組織とパラフィンとの間のコントラストを強化するために、照明波長を放出することができる。いくつかの実施形態では、これは、本システムが、埋設材料内に埋設される組織のサンプルを含有するブロックの断面化のステータスを決定することを可能にする。本方法は、a)i)組織サンプルブロックのブロック面、またはii)切片輸送媒体、もしくはiii)スライドのうちの1つまたはそれを上回るものを(例えば、UV放射を使用して)照明するステップを含み得る、組織および埋設材料の区別を強化するために組織および埋設材料のコントラストを増加させるステップと、b)組織および埋設材料を撮像するステップと、c)ブロックが断面化されるときを査定するために画像を処理するステップと、d)ブロックが断面化された後、組織を組織搬送媒体に移送するステップとを含む。進行は、画像1における初期未処理ブロックから画像5における完全に断面化されたブロックまでのプロセスを図示するために、実施例として5つの画像を示す。
図4A-4Fは、一連の6つの画像を図示するが、しかしながら、任意の数の画像が、目的を達成するために使用され得ることを理解されたい。6つの画像が、容易な説明のために示される。より具体的には、
図4Aおよび4Bに示される画像では、標的組織切片は、パラフィンによって完全に被覆され、したがって、最初のn個の切片は、組織サンプルを有しておらず、判別可能な組織のかすかな輪郭を伴う切片が続くであろう。
図4Cに示される画像では、パラフィンの切片が、除去されているが、組織は、依然としてパラフィンによって被覆されているが、より大きい組織輪郭が、示され、
図4Dに示される画像では、より多くのパラフィンが、除去されているが、組織にわたるパラフィンの薄い層が、依然として存在する。
図4Eに示される画像では、組織切片は、白色輪郭内に示され、縁の周囲(輪郭によって定義される境界/周辺の外側)に依然としてパラフィンを伴い、
図4Fに示される画像では、完全に断面化されたブロックが、図示され、組織切片全体が、暴露される。パラフィンブロックが、平面上部(暴露)面を有するものとして概略的に示されるが、しかしながら、ブロックが、必ずしも示されるような平坦な表面を有するわけではないことが理解されるべきであることに留意されたい。
【0120】
断面化決定は、手動または自動化システムを使用して達成されることができる。いくつかの実施形態では、埋設材料内に埋設される組織のサンプルを含有するブロックの断面化のステータスを決定するための自動化システムが、自動化装置において提供され、パラフィン等の埋設材料から組織を区別するための撮像デバイスを含み、組織および埋設材料の区別に応答して、本装置は、ブロックが完全に断面化されるときを決定し、ブロックが完全に断面化されるときを決定することに応答して、本装置は、後続分析のためにブロックから組織の切片を自動的に切断および移送する。いくつかの実施形態では、ブロックの断面化が完了したと決定した後、本システムは、断面化を自動的に停止する。いくつかの実施形態では、ブロックの断面化が完了したと決定し、本システムが断面化を自動的に停止した後、組織切片の切断およびテープへの移送が、自動的に開始され、組織切片は、スライド上に搭載されることができる。
【0121】
種々のパラメータ/特性が、ブロックの断面化のステータスを査定し、ブロックが完全に断面化されているかどうかについての決定を行うために使用されることができる。いくつかの実施形態では、サンプルブロックまたは組織切片の特性は、ブロックから切断された後に決定されることができる。いくつかの実施形態では、サンプルブロック自体または切断組織切片自体の評価、例えば、測定が、行われることができる。いくつかの実施形態では、サンプルブロックまたは切断組織切片の比較分析が、事前評価、例えば、測定に対して行われることができる。いくつかの実施形態では、サンプルブロックは、所定の深さに切断されることができる。これらの種々のパラメータ/特性の任意の組み合わせが、断面化決定を行うために使用され得ることを理解されたい。
【0122】
いくつかの実施形態では、下記により詳細に議論されるであろうように、サンプルブロックが、切片化され、組織が、テープまたは他の媒体に移送され、さらなる処理後に顕微鏡下の分析のために好適であるガラス基板に移送される、自動化組織移送装置におけるブロック断面化決定を強化/促進するために、自動化システムが、提供される。
【0123】
サンプルブロックは、前面に垂直な角度、視射角における角度、側面に垂直な角度、または視射角における角度、もしくはこれらの組み合わせ等の種々の角度から検査されることができる。
【0124】
ブロック測定が、使用されることができる、または切断切片のみが、使用されることができる、もしくは両方が、組み合わせられることができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ブロック断面化に関する自動化決定/意思決定は、パラフィンと組織との間の区別を強化し、撮像システムを介してブロック断面化が完了するときを決定することによって達成される。いくつかの実施形態では、これは、本明細書に説明される照明システムおよび撮像システムを使用して達成されることができる。照明システムは、組織およびパラフィンの判別/区別を支援することができ、これは、次いで、評価のために撮像システムによって撮像されることができる。したがって、パラフィンからの組織の区別が、強化され、画像が、ブロック、保持器、テープ、および/または他の場所上で撮影される。例えば、マシンビジョンシステムは、パラフィン内に埋設される組織層に到達したとき、すなわち、組織サンプルが、切片化され、ガラススライドに移送され、評価のためにさらに処理され得るように、サンプルブロック上の組織サンプルの上のパラフィンワックスの厚い区分が、組織サンプルを暴露するように除去されたときの査定を強化することができる。
【0126】
図5に示されるように、いくつかの実施形態では、組織サンプルのベースライン画像は、断面化決定を支援するために使用されることができる。特に、ステップ140において、埋められた組織の断面積が、ベースライン画像を作成するために、UV蛍光を使用して決定されることができる。ステップ142において、組織切片が組織ブロックから除去されている際、組織の断面化面積が、多くの代替方法のうちの1つを使用して決定されることができる。ステップ144において、ベースライン画像およびブロック面の画像が、断面化に関する判断を行うために比較されることができる。例えば、
図4A-4Fに示されるように、漸進的な切片が、組織ブロックから除去されるにつれて、これらの切片内の組織サンプルの輪郭は、漸進的に変化するであろう。いくつかの実施形態では、本システムは、ベースライン画像の知識に基づく組織サンプルの予期される輪郭に基づいて、断面化が完了するときを決定することができる。例えば、断面化は、組織の上部部分のみに到達したときに完了されることができる。代替として、断面化は、組織サンプルの中間区分に到達したときに完了されてもよい。そのような決定は、切片における組織サンプルの輪郭を、ベースライン画像からの組織サンプルの予期される輪郭と比較することによって行われることができる。ステップ146において、ステップ144において行われた断面化判断を確認するために、(例えば、テープ上のUV照明画像を使用して)テープ上の切片面積に対する埋められた組織面積を確認する。
【0127】
いくつかの実施形態では、
図6のフローチャートに示されるように、UV方法/システムが、断面化決定のために利用されることができる。ステップは、以下の通り、すなわち、i)事前選択された範囲の波長(例えば、UV範囲)による照明(ステップ150)、ii)ステップ152において適切な光学系を使用し、カラーカメラ、すなわち、例えば、RGBカメラ等の複数の波長範囲内で画像を同時に撮影するカメラ上で画像を作成するステップ、iii)ステップ154において、結果として生じる画像からの色および強度情報を使用し、組織が存在するブロックの部分をセグメント化して取り出すステップ、iv)断面化切断が行われる際、ステップ156において組織領域のサイズおよび組織領域の縁を監視するステップ、ならびにv)ステップ158において「断面化決定」につながるステップ(iv)において監視された量の適切な変化を検出するステップである。上記に議論されるように、これらのステップは、自動化され、プロセスの間にユーザ入力を要求しない。グレースケールにおける強度が、カラー画像の代替として使用され得ることに留意されたい。
図7および8は、UV照明下の組織リボンの例示的画像である。
【0128】
いくつかの実施形態では、
図9のフローチャートに示されるように、UV放射または他の波長が、組織/パラフィンコントラストを強化するために使用されることができるが、ブロック面および切断リボンの両方の観察が、行われる。ステップ160において照明波長の光を印加した後、撮像システムは、ブロック面(ステップ162)および切断リボン(ステップ164)のカラー画像を作成する。本方法では、切断切片における組織蛍光の最初の出現は、「断面化」が行われたことを知らせる。これは、(面を上にしてリボンを完全に撮像するいかなる必要性も存在しないように)ステップ166において、リボンからの全蛍光に基づいて行われることができるか、または代替として、リボンは、ステップ168において、面を上にして撮像され得るかのいずれかである。そのような撮像は、いくつかの実施形態では、テープ上にリボンを有し、(それぞれUV照明を用いて)リボンの画像をブロック面の画像と比較することによって促進され得る。組織領域のサイズおよび縁が、査定および定量化され(ステップ172)、断面化のステータスおよび完了を決定するために変化を検出する(ステップ174)ことができるように、画像は、ステップ170において、組織セグメント化(または本明細書に説明される他の特性/パラメータ)のために処理および評価される。別の代替方法では、撮像は、例えば、補足としてではなく、ブロック撮像の代替として、例えば、テープ上にある、および/またはそれから離れているとき、切断リボン上でのみ行われる。
【0129】
図10のフローチャートは、未処理または部分的に断面化されたブロック(ステップ180)または完全に断面化されたブロック(ステップ182)のブロック断面化を決定するための実施例として利用され得る種々のシステムを図示する。
【0130】
パラフィンまたは他の埋設材料内に埋設される組織を暴露するために組織ブロックに切り込むための種々の方法が、存在する。組織の評価は、ブロックからの切断後、サンプルブロック自体に、または両方で実施されることができる。いくつかの実施形態では、所定の量のパラフィンが、組織を暴露するために組織ブロックから除去されることができる。例えば、未処理または部分的に断面化されたブロック(後者は、例えば、以前の工程における断面化手順の失敗からの結果であり得る)では、断面化されたブロックの決定は、固定された/事前プログラムされた深さのパラフィンの除去のためにMμm厚さにおいてN個の切片を採取することによって行われることができる(ステップ184)。そのような切断後、ブロック断面化は、完了されたと見なされる(ステップ186)。
【0131】
いくつかの実施形態では、組織ブロックの評価が、一連の、もしくは1つまたはそれを上回る切断が組織ブロックに行われた後に行われ、ブロックが各切断後に断面化されているかどうかを決定する。切片は、ブロックから切断され、ブロック、切断組織切片、および/またはテープ(もしくは他の移送媒体)上の切断組織切片の撮像または他の技法を通して、切片は、ブロックが完全に断面化されているという決定が行われるまで、評価される。例えば、Yμm厚さにおけるX個の切片が、採取され(ステップ190)、次いで、切片が、ブロックから切断され(ステップ192)、切断切片の評価が、行われ(ステップ194)、ブロックが断面化されていることを確認する(ステップ196)。本チェックは、切断組織切片またはテープ(もしくは他の移送媒体)上の切断組織切片の画像を撮影することによるものであり得る。
【0132】
サンプルブロックおよび/または切断組織(テープ上もしくはそれから離れる)の評価、例えば、測定(ステップ202)が、各切断切片を用いて行われることができ(ステップ200)、したがって、これは、切片化を継続する(まだ断面化されていない)、または切片化を停止する(ステップ204におけるように完全に断面化される)決定につながる。いくつかの実施形態では、切片化を継続する決定は、評価、例えば、測定の前にいくつかの切片を切断する決定につながることができる。いくつかの実施形態では、いくつかの連続する切片が、評価または決定につながる前に切断されることができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、決定は、サンプルブロックおよび/または具体的切断切片(テープ上またはそれから離れる)の評価に基づいて行われることができる。いくつかの実施形態では、決定は、アルゴリズムに従って、第2の測定値(または他の基準もしくはパラメータ)を第1の測定値(または他の基準もしくはパラメータ)と比較することによって行われることができる。決定はまた、具体的ブロック面または切断切片の評価ではなく、固定された深さに基づいて行われることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、深さ測定は、パラフィン等の埋設材料の下の組織深さを(先験的に)決定するために使用されることができる(ステップ210)。いくつかの実施形態では、組織深さは、例えば、
図4A-4Fに示されるように、ベースライン画像から決定されることができる。3D撮像技法が、例えば、いかなるさらなる測定も伴わずに、組織深さを決定するために使用されることができる。サンプルブロックは、ステップ212において組織の全面を暴露するために、測定された深さまで切断される。この時点で、ブロックは、完全に断面化されたと見なされることができる(ステップ214)。いくつかの実施形態では、サンプルブロックが所定の深さまで切断された後、付加的画像、例えば、全面に到達していることを確認するためのテープ(または他の移送媒体)上の切断組織切片の画像が、ステップ216および218において撮影されることができる。いくつかの実施形態では、深さ測定は、ステップ220において埋設材料の下の組織深さを決定するために使用されることができる。サンプルブロックがステップ222において所定の深さまで切断された後、切片が、ブロックから切断され(ステップ224)、例えば、切断組織切片またはテープ(もしくは他の移送媒体)上の切断組織切片の画像によって、ステップ226においてブロックが断面化されていることを確認するために評価される。完全には断面化されていない場合、別の切片が、ブロックから切断され、チェックされる。これは、ステップ228において、ブロックが断面化されているという決定まで継続する。限定ではないが、超音波、X線撮像、および他の非光ベースの検出方法、ならびにベースライン画像との比較を含む、他の方法も、深さを決定するために使用され得ることを理解されたい。これを達成する1つの方法は、複数の画像を作成する撮像デバイスによるものである。
【0135】
上記のように、いくつかの実施形態では、ブロック断面化が行われたときを決定することは、組織からこれを区別するパラフィンのあるシグネチャを使用することによって、組織切片の上のパラフィンを監視することによって達成される。本シグネチャを使用して、これは、全てのパラフィンが除去され、十分な組織が暴露されているときに検出されることができ、これは、次いで、「ブロックが断面化されている」決定をトリガするであろう。種々の方法が、そのような検出のために利用されることができ、組織の上のパラフィンの深さを決定するための2つの方法が、実施例として本明細書に議論される。
【0136】
いくつかの実施形態では、ブロックは、赤外線放射を用いて照明され、画像が、撮影される。例えば、2,800~3,000cm^-1波数範囲(3.3~3.6mu光学波長範囲)内の赤外線照明が、パラフィンが、CH結合の延伸モードに起因して本範囲内で強い吸収を有するため、使用されることができる。ブロックが、本スペクトル範囲内で(3.28μにおける狭帯域QCレーザ等の量子カスケードタイプのレーザを使用することによって等)狭く照明され、画像が、赤外線カメラを用いて撮影される場合、ブロックは、最初に、黒く見え(全てのブロック面がパラフィンであるとき)、次いで、より明るい領域が、ブロックが切断される際、組織が暴露される部分の周囲に現れるであろう。
【0137】
パラフィンが光を散乱させるという事実に基づく、いくつかの実施形態では、1つの鋭い光スポット(またはそのアレイ)が、ブロック面上に照らされる。拡散反射光を見ると、「スポットサイズ」は、パラフィンの深さと相関するはずであり、より厚いパラフィンは、光がより拡散することを意味する。例えば、UV照明が、使用される(例えば、レーザを使用して、鋭い光学スポットを伴う)場合、これは、ブロック内に蛍光の点光源を発生させるであろう。入射時のUV光の散乱および出射時の蛍光の散乱はまた、スポットをより広くする/より拡散させるであろう。したがって、蛍光放射のスポットサイズは、パラフィンの厚さに対応し、したがって、パラフィンの深さを監視するための方法を提供するであろう。
【0138】
上記に解説されるように、ハイパースペクトル撮像が、照明システムによって使用されることができる。
図11Aおよび11Bは、パラフィン232内に埋設される脂肪組織230に関する例示的画像およびその関連するハイパースペクトルキューブを図示する。パラフィンと比較した脂肪組織層の低カウントは、これが依然としてブロック内でパラフィンの下方にあることを示す。
図12Aおよび12Bにおける有意により高い組織反射率は、これが表面にあることを示す。このように、組織の層深さは、識別されることができる。
【0139】
上記に解説されるように、回折光学要素を使用するレーザドット拡散が、撮像のために使用されることができ、これは、深さを決定することができる。例えば、
図13は、組織ブロック画像の緑色チャネルを示す。画像処理ツールを使用して、画像のグレー値が、
図14に示されるように抽出されることができ、これは、組織ブロック上のレーザドットのブロックを横断して1ピクセルにおいてサンプリングされた列2ドットを図示する。ここでは、ドットを横断する単一のピクセル列が、サンプリングされている。グレー値が、組織吸収に起因してあるカウント、例えば、この場合では20を下回るとき、組織のその面積が断面化されていることを宣言することができる。ピーク2-4の間の区域が、
図14の断面化された領域を示す。各行からのグレー値は、ブロックの表面にわたる組織断面化メトリックの3Dマップを取得するために組み合わせられることができる。言い換えると、本方法は、漸進的な画像を伴わない断面化の絶対的測度として使用され得る。しかしながら、漸進的な画像に対して本方法を使用することは、その効率を改良する。
【0140】
本方法は、パラフィンブロック内の組織の境界を決定するために、UVまたは白色光等の他の照明モダリティを含み得る。本境界は、レーザドットアレイを使用して取得された画像上にオーバーレイされ得るマスクとして使用されることができる。本絞り込まれたピクセル範囲は、断面化意思決定アルゴリズムの正確度を改良することに役立つ。
【0141】
いくつかの実施形態では、本システムは、すでに断面化されたブロックと併用されることができる。Mμm厚さにおけるN個の切片が、ブロック断面化を完了するために作製される。ブロックが断面化された後、これは、ミクロトームから除去され、水和されることができる。水和後、これは、ミクロトーム上に戻される。ブロック内の組織は、パラフィンよりも多くの水分を吸収し得、パラフィンマトリクスから不規則に突出し得る。また、ブレードが、断面化と切片化との間でミクロトーム上で交換される可能性が非常に高い。パラフィンブロックは、病理学者によって染色および分析されるであろう切片を採取するであろうとき、研磨切断後にブレードに対して位置合わせされる必要があるであろう。
【0142】
自動化システムのいくつかの実施形態では、いったんブロックが断面化されると、自動化装置は、自動的に断面化を停止し、テープへの移送のために組織ブロックから切片を採取し始めるであろう。したがって、自動化切片化デバイスは、いったんこれがブロックが断面化されていると決定すると、ブロック面から組織切片を採取するようにプログラムされ、本遷移は、いかなるユーザ介入または入力も伴わずに行われる。いくつかの実施形態では、いったんブロックが断面化されているという自動化決定が行われると、自動化装置は、自動的に断面化を停止するであろうが、ユーザ入力が、組織切片化/テープへの移送プロセスを開始するために要求される。本システムは、ブロックが完全に断面化されるときを示すためのフィードバックを含むことができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、ブレードがブロック面上に残す微小セレーション240(本明細書では「ブレード弾道」と称される)が、
図15に図示されるように、断面化決定を行うために評価される。サンプルブロックからの初期切断切片上では、ブレードセレーションは、ブロックの一部上にのみあるであろう。しかしながら、ブロックが断面化されると、セレーションは、ブロック面全体にわたるであろう。これは、ブロックが鋭的なブレードを用いて切断されるが、ブロックの表面が平坦ではないためである。組織自体の上では、セレーションは、組織の反射係数が、パラフィンブロックと異なるため、中断される。より具体的には、最良のブレードでも、断面化の間に組織ブロック上に痕跡(ブレード弾道)を残す不完全性を有する。これらのマークは、ブロック面が平坦ではなく、これがブレードと完全に整合することができないため、最初に、ブロックの一部上に存在するであろう。漸進的な画像では、ブレード弾道(セレーション)は、より深い切断が行われるほど、ブロックのますます大きい面積上でブロック面上に残される。換言すると、ブロックを断面化するとき、表面全体が、一度に研磨されない。これが研磨されるにつれて、ブロックの不完全性は、ブロック上の細線のように現れる。ブロックの全面に到達すると、パラフィンブロックの面積全体の上に、微小セレーション線が、存在する。ブレード弾道線の反射は、異なる反射定数に起因して、パラフィンおよび組織上で異なる。本システムは、組織の通常画像およびブレード弾道方法によって捕捉された画像を比較する。本比較は、ブロックが断面化される量の定量的メトリックを与え、したがって、ブロックが完全に断面化されているかどうか/そのときを識別することができる。これらの微小セレーションが、白色光下で可視ではないが、UV波長において照明される場合に可視であり、したがって、本明細書に開示される照明システムが、ブレード微小セレーションの本撮像システムとともに利用され得ることに留意されたい。
【0144】
いくつかの実施形態では、連続する画像が、撮影され、画像を処理するデバイスによって事前画像と比較される。いくつかの実施形態では、連続する画像を1つまたはそれを上回る以前の画像と比較することは、ブロックが切断される際の経時的な色の変化を査定する。いくつかの実施形態では、組織および/またはパラフィンのサイズならびに縁は、ステータスを査定するために評価される。いくつかの実施形態では、画像の色の定性的変化が、評価および定量化される。いくつかの実施形態では、形状、サイズ、縁、輪郭等の組織の物理的性質が、ステータスを査定するために決定/評価される。いくつかの実施形態では、組織の物理的性質が、画像から抽出され、物理的性質は、サンプルブロック内の組織の断片の数および組織の各断片の深さを含む。
【0145】
完全に断面化されたブロックに関して、これは、組織だけではなく、ブロックプロファイルの長方形パラフィン領域全体が捕捉される場合、有益であり得る。例えば、偏菱形プロファイルは、十分な組織断面が捕捉されているが、パラフィンのみの角が捕捉されていない場合、従来的な切片化に関して「断面化されている」と見なされ得る。テープは、ブロック全体にわたって適用され、凹んだブロックの角において切片化するときにブレードに引っ掛かるであろうため、同じことは、テープ移送に関しても適していない。したがって、パラフィンが欠落している場所の決定が、有益であろう。すなわち、除去されたパラフィン材料を見ることは、有益であり得る。これは、切断の中間において、断片が欠落している場合、ブレードが接触せず、したがって、切断がより深くなるためである。本視認/評価は、断面化決定を行うためにブロックが切断される際のビデオまたは一連の写真を使用することによって、すなわち、切断の間にこれがブレード縁から離れて形成される際に切断された材料またはトリミングを視認することによって達成されることができる。トリミングが形成される場所は、ブレードが接触する場所である。ブレードおよびトリミングが形成される場所を見ること、すなわち、ブレードが縁においてブロック面と相互作用している様子を見ることは、ブレードがブロックに接触する場所のライン走査を行うことに似ている。ブロック上で垂直にトリミングが形成される場所の画像が、有用であり得る。例えば、以前に断面化されたブロックが、組織の中間に、乾燥から陥没した領域を有する場合、写真から見分けることは、困難であり得る。組織は、周辺パラフィンの周囲に数ミクロンの凹みがあり、断面化されたブロックの光沢を留保し得る。試験切断を行い、ブロック全体を横断してトリミングが形成されているかどうかをチェックすることが、より容易である。
【0146】
組織が、それ以外は完全に断面化されたブロックにおいてわずかにのみ反っている事例が、存在し得る。切片は、断面化の後に直ちに採取されず、むしろ、断面化後、以前に断面化されたブロックをわずかに改変する、例えば、反らせる傾向がある、水和のための氷水中での通常約5~15分の浸漬が、存在する。通常、いくつかの使い捨ての研磨切片が、断面化されたブロックに再設定するために採取されるが、撮像システムは、より少ない廃棄切片を採取することをもたらし得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、アルゴリズムが、各切片において収集された画像を処理することができる。これは、これを1つまたはそれを上回る履歴(事前)画像と比較し、画像が、それらが断面化されたブロックを示すように変化しているかどうかを決定するだろう。本システムは、これが切片化される際のブロックの漸進的な画像を撮影することができる。並行して、画像処理システムは、各画像を評価し、これを同一の組織ブロックからの履歴画像と比較し、ブロックを断面化し続ける、または停止することを決定するであろう。例えば、色相値が、初期未処理ブロックにおいて検出され得、切片が切断される際に、色相値が、初期値と比較される。アルゴリズムは、初期値から連続する画像の値を減算することができ、所定の値(誤差関数)を超える場合、本システムは、ブロックが断面化されていると認識する。上記のような他の特性が、代替として、または加えて、ブロック断面化のステータスおよび完了を決定するために、連続する画像の比較計算/査定のための初期ベースラインを形成し得るため、色相が、アルゴリズムの検出ベースのパラメータの一実施例にすぎないことに留意されたい。他のアルゴリズムでは、断面化を決定するために、ほぼ同一の場所における画像間の強度変化を使用することができる。未処理ブロック(断面化されていない組織ブロック)上では、組織の上のパラフィン層の分散性質に起因して、組織の画像は、鮮明ではなく、組織の境界は、曖昧であろう。技術的用語では、パラフィンと組織境界との間の強度変化は、漸進的であろう。組織が、断面化されており、漸進的な画像が、撮影されるにつれて、組織にわたるパラフィン層は、これが完全に除去されるまで、より薄くされるであろう。これらの画像におけるパラフィン組織境界における強度を計算するとき、境界は、ますますより鮮明になるであろう。好適な閾値を伴うと、組織が断面化されているかどうかを決定することができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、人々は、ブロックが断面化されているとき、アルゴリズムを教示してもよい。したがって、本代替実施形態では、前述の実施形態と異なり、人々、例えば、ユーザによる主観的な入力が、初期入力を提供する。機械学習タイプのアルゴリズムでは、より多くの切断が行われる際に撮影される漸進的な画像は、断面化が達成されているかどうかを示すために、人物によって注釈付けられる必要がある。本段落は、これらの注釈に言及する。
【0149】
いくつかの実施形態では、2D画像または3D画像が、利用されることができる。
【0150】
ブロックは、いくつかの実施形態では、撮像デバイスの正面で上下に移動されることができる。代替として、撮像デバイスは、サンプルブロックに対して移動されることができる、またはサンプルブロックおよび撮像デバイスの両方が、相互に対して移動されることができる。
【0151】
図2に示され、上記に説明されるように、撮像システムは、断面化が行われたときを査定するために、組織ブロックの画像を撮影する。いくつかの実施形態では、ブレード保持器上の組織の画像が、代替として、または加えて、撮影される。すなわち、撮像システムは、ブレード保持器上に位置している切断組織切片の画像を撮影する。初期切断切片は、未処理の組織ブロックが、組織の上にパラフィンの層を有するため、組織を有しないであろう。上記に解説されるように、組織を暴露するために、層毎に本パラフィンを除去するために、多数の切断が、必要である(
図4A-4F参照)。しかし、切断切片が、サンプルブロックのより深くまで進み、組織の一部が、切断され始めるにつれて、本明細書に説明される照明システムのうちの1つまたはそれを上回るものを利用する、コントラスト増加照明は、ブレード保持器上の薄い切断切片(リボン)の組織画像の捕捉を可能にするであろう。すなわち、コントラスト増加照明下で、初期切片(全てまたは大部分がパラフィンを含有する)は、蛍光を発しないが、組織の部分が切断されるにつれて、本システムは、これらの組織部分を検出し始めるであろう。リボン上の組織が、ブロック上の組織の輪郭と同様になると、本システムは、ブロックが断面化されていると認識する。本実施形態における撮像システムは、組織ブロックを撮像し、組織の全面の画像を有するであろう。組織ブロックからの本全面画像およびブレード保持器上の断面化動作の間に除去された層から収集された画像を比較すると、本システムは、完全断面化の自動化決定が影響を受け得るように、組織の断面化が達成される近さの程度を決定するであろう。本システム/画像はまた、テープの引っ掛かりを防止するために、切片のパラフィン部分がブロックのプロファイルに合致することをチェックすることができる。自動化システムでは、これがブロックが断面化されていると認識すると、いくつかの実施形態では、本装置は、自動的に断面化を停止することができ、すなわち、ミクロトームは、切片の切断を停止することができる。
【0152】
光照射野撮像に関して、一般的な用語では、光照射野カメラが、場面における光の強度と、また、光線が空間内で進行している方向とを捕捉する。これは、光強度のみを記録する従来のカメラと対照的である。1つのタイプの光照射野カメラは、強度、色、および方向情報を感知するために、それ以外は従来の画像センサの正面に設置されるマイクロレンズのアレイを使用する。本超分解能変動空間情報から、パラフィン内に位置する組織の「深さ」の正確な識別が、取得されることができる。種々の照明、マルチスペクトル、ハイパースペクトル、およびUVが、パラフィン内の組織を引き出すために利用されることができる。
【0153】
視差からの深さに関して、物体に対して異なる位置から撮影される少なくとも2つの2D画像を組み合わせることによって、2D画像から深さ情報を得ることができる。カメラを固定された場所に保って、パラフィンブロックは、複数の画像を撮影するために、垂直平面および/または水平平面内で移動されることができる。次いで、2D画像に基づいて、物体の3D特徴を計算することができる。画像処理ツールが、同一の物体の複数の画像から深さ情報を決定するために使用されることができる。アルゴリズムが、視差を計算するために、ステレオ画像の間の重要な点を検出し得る。本情報は、次いで、深さ情報を計算するために使用されることができる。
【0154】
焦点からの深さに関して、パラフィンのブロック内に埋設される組織のセットの深さを識別するための別の方法は、撮像システムの光学設計を使用し、パラフィンのブロックの内側の合焦された組織断片の深さを識別することである。UV照明蛍光撮像は、パラフィンの未処理ブロックの「内側」に位置する組織の捕捉を可能にする。撮像システムに向かって前方にブロックを移動させる段階的方法を使用して、組織の一連の画像が、取得されることができる。UV照明は、未処理ブロックに浸透し、組織に蛍光を発させるであろう。撮像システムは、短い焦点深度(DoF)を用いて設定されている。次いで、パラフィンブロックが、所与の深さにおいて、蛍光を発する組織が合焦して撮像されるであろうDoFに等しいステップにおいてのみ、Z軸においてカメラシステムに向かって前方に移動される際、一連の順次的画像が、捕捉される。緑色チャネル(グレースケール)画像上で実行されるエッジ検出アルゴリズムが、最も多い数の「縁」または合焦された詳細を伴う画像を識別しようとし、したがって、一連の変位された画像から組織の大部分が合焦しているときを識別する。これは、次いで、深さがその固体形態におけるパラフィンワックスの屈折率(RI)によって修正されることを考慮して、ブロック保持器が前方に移動した量に相関される。先験的に計算された本深さ数値は、次いで、「断面化」条件に至るまでに必要とされるミクロトームに面するブロック上でのスライス切断の回数を識別するために使用されることができる。これは、漸進的な画像を要求しないため、これは、ブロックを断面化するためのより速い方法である。
【0155】
本明細書に議論されるように、照明システムは、例えば、UV、IR、または可視/広帯域を含むことができる。また、いくつかの実施形態では、撮像システムは、照明された組織ブロック面、ブレード保持器上の切断リボン、またはテープ等の支持媒体に取り付けられた切断組織切片、もしくはスライド上の切断組織切片のうちの1つまたはそれを上回るものの画像を捕捉することができる。画像は、いくつかの実施形態では、切片化の間のブロック面またはリボンのビデオであり得る。算出システムが、例えば、定量的に、画像を処理し、ブロックが断面化されるときを決定する。その時点で、サンプルブロックからのミクロトーム切断切片は、組織の後続分析のために、自動化テープ移送システムにおける装置コンポーネントによって自動的にテープに移送されることができる。
【0156】
本明細書のシステムはまた、機械学習の改良を可能にするために、ブロック断面化からのデータを記憶するためのリンクされたデータベースを有することができる。
【0157】
比較および機械的分析
【0158】
本開示は、組織学システムにおける品質制御のためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、埋設材料内に埋設される組織サンプルを備える組織ブロックを受け取るステップと、組織ブロックを撮像し、組織ブロック上の組織切片における組織サンプルの第1の撮像データを作成するステップと、組織ブロックから組織切片を除去するステップであって、組織切片は、組織サンプルの一部を備える、ステップと、組織切片を撮像し、組織切片における組織サンプルの第2の撮像データを作成するステップと、第1の撮像データを第2の撮像データと比較し、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータに基づいて、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルの対応を確認するステップとを含む、方法が、提供される。
【0159】
いくつかの実施形態では、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルにおける1つまたはそれを上回る品質制御パラメータのいかなる対応も存在しない場合、組織切片は、不適格である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る品質制御パラメータは、組織サンプルの形状、組織サンプルのサイズ、もしくは1つまたはそれを上回る機械的損傷のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、移送媒体を使用して、組織切片をスライドに移送するステップを含むことができ、第2の撮像データは、移送媒体上の組織切片の撮像データまたはスライド上の組織切片の撮像データを備える。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第1の撮像データ、移送媒体上の組織切片の撮像データ、またはスライド上の組織切片の撮像データのうちの少なくとも2つを比較するステップを含むことができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルの形状またはサイズのいかなる対応も存在しない場合、組織切片は、不適格である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る機械的損傷は、引裂、細断、ブレードマーク、しわ、亀裂、気泡、不十分な組織サンプル、不完全な組織サンプルから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷が、第2の撮像データにおける組織サンプルに存在するが、第1の撮像データにおける組織サンプルに存在しない場合、組織切片を不適格として識別するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷を補正するために、組織切片の除去と関連付けられる1つまたはそれを上回る動作パラメータを調節するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、いかなる機械的損傷も、第1の撮像データおよび第2の撮像データにおける組織サンプルに存在しない場合、組織切片を承認するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、1つまたはそれを上回る機械的損傷が、第1の撮像データおよび第2の撮像データの両方に存在する場合、組織ブロックを拒絶するステップを含むことができる。
【0161】
ブロック断面化決定が行われた後、サンプルブロックからの切断組織切片は、テープまたは(他の輸送媒体)に移送され、続けて、テープまたは他の媒体からガラススライドに移送される。本システムは、以下、すなわち、i)切片が機械的に失われず、サンプルブロックと適切に関連付けられたままであること(サンプル追跡)、ii)切片がしわ、引裂、亀裂等の機械的損傷を受けない、または部分的に採取され、これがともに作業するために好適である、例えば、病理学/組織学のために好適であることを確実にすること、iii)スライド上に置かれた切片が、これがともに作業するために好適であることを確実にするために、十分な量の組織および多すぎないパラフィンを含有すること、ならびに/もしくはiv)サンプルブロック内の多断片組織がスライド上に完全に表されることのうちの1つまたはそれを上回るものを確実にすることができる。
【0162】
組織サンプルの機械的品質制御のためのシステムおよび方法の例示的実施形態が、
図16に示される。そのようなシステムは、i)適切な対応が存在することを確実にするためのスライドまたはサンプルブロックへの移送媒体上の切片もしくはサンプルブロックから切断された直後の切片の比較分析250(例えば、切片が機械的に失われず、それから切片が切断されたサンプルブロックと適切に関連付けられたままであることを確実にするためのチェック)、および/またはii)スライドまたは移送媒体上の切断切片が、病理学に悪影響を及ぼし得る、しわ、引裂、亀裂等の機械的損傷を受けていないことを確実にするためのチェック252、iii)スライドまたは移送媒体上の切断切片が十分な組織を含有することを確実にするためのチェック254、ならびに/もしくはiv)サンプルブロックの多断片組織がスライド上に完全に表されることを確実にするためのチェック256を含む、種々のタイプ/側面の品質制御を提供するように構成されることができる。これらの複数の側面は、単独で、または他の側面のうちの1つと組み合わせて、もしくは他の側面のうちの2つまたはそれを上回るものと組み合わせて使用されることができる。
【0163】
限定ではないが、以下を含む、種々の品質制御分析が、ミクロトーム法の間に組織サンプルに対して実施されることができる。
i)適切な対応が存在することを確実にするためのスライドまたはサンプルブロックへの移送媒体上の切片もしくはサンプルブロックから切断された直後の切片の比較分析(例えば、切片が機械的に失われず、それから切片が切断されたサンプルブロックと適切に関連付けられたままであることを確実にするためのチェック)、および/または、
ii)スライドまたは移送媒体上の切断切片が、病理学に悪影響を及ぼし得る、しわ、引裂、亀裂等の機械的損傷を受けていないことを確実にするためのチェック、
iii)スライドまたは移送媒体上の切断切片が十分な組織を含有することを確実にするためのチェック、ならびに/もしくは、
iv)サンプルブロックの多断片組織がスライド上に完全に表されることを確実にするためのチェック。
これらの種々の品質制御分析は、単独で、またはその任意の組み合わせにおいて使用されることができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、システムが、顕微鏡スライド上の組織の条件をチェックするために提供される。これは、スライド上の組織が、さらなる分析/評価のために適切な条件であることを確実にするために、品質制御の別の側面を提供する。
【0165】
いくつかの実施形態では、システムが、スライド上の切片が、これを分析/評価のために適正にするために十分な量の組織を含有するかどうかをチェックするために提供される。すなわち、本システムは、多すぎない埋設材料、例えば、パラフィンが、スライド上の切片内にあることを確実にする。これは、スライド上の組織が、さらなる分析/評価のために適切な条件であることを確実にするために、品質制御の別の側面を提供する。
【0166】
いくつかの実施形態では、システムが、例えば、追跡目的のために、または組織完全性目的(分析のための適切な条件における)のために、中間品質制御チェックとしてテープ(または他の輸送媒体)上の組織をチェックするために提供される。
【0167】
いくつかの実施形態では、システムが、サンプルブロック内の多断片組織がスライド上に完全に表されることをチェックし、断片が欠落していないことを確実にするために提供される。そのような欠落する断片は、病理学者が再切断を依頼することを要求し得る。本完全性チェックは、品質制御の別の側面を提供する。
【0168】
いくつかの実施形態では、組織比較は、照明サブシステムおよび撮像サブシステムによって促進されることができる。いくつかの実施形態では、これは、下記により詳細に説明される、自動化移送システムにおいて提供されることができる。したがって、自動化切片化および切断組織移送装置内で、画像ベースの自動化組織比較システム、すなわち、組織切片の追跡および品質制御を自動化するためのマシンビジョンシステムが、提供される。本システムは、ガラススライド上の組織輪郭をブロック面上の組織形状と比較し、スライドの適切な識別を確実にするために使用されることができる。いくつかの実施形態では、切断組織切片の画像は、輸送媒体上で撮影され、これは、コントローラを介して、サンプルブロックから離れるように切断組織切片を輸送する。いくつかの実施形態では、比較するステップは、サンプルブロック上の組織の輪郭および第1の切断組織切片の輪郭を決定するステップを含む。これらのシステムでは、組織切片を採取する直前のブロック面の画像が、撮影されることができ(または代替として、もしくは加えて、サンプルブロックから切断された後のスライの画像が撮影される)、画像は、スライド上の同一の切片の後続画像に関する比較画像として使用される。算出ステップは、2つの画像を比較し、1つまたはそれを上回るパラメータもしくは特徴における有意な変化が存在していないことを確実にする。有意な変化が、検出される場合、例えば、変化が、いくつかの実施形態において所定のパラメータを超える場合、これは、是正措置のためのフィードバック信号として提供されることができる。照明システムは、評価のために撮像システムによって撮像され得る組織およびパラフィンの判別/区別を支援する。したがって、本システムおよび方法では、パラフィンからの組織の区別は、強化され、画像が、ブロック、移送媒体、スライド、および/または他の場所上で撮影される。例えば、画像を比較するステップは、画像の色の変化を評価および定量化するステップを含む。いくつかの実施形態では、画像を比較するステップは、場所、空間的形状、および完全性のうちの1つまたはそれを上回るものの変化が存在するかどうかを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、画像の色、粒度等の定性的変化が、評価および定量化される。いくつかの実施形態では、グレースケール撮像が、使用されることができる。したがって、変化が、所定のパラメータを超える場合、フィードバック信号が、是正措置のために提供される。種々の照明システムおよび撮像システムが、上記に議論される。
【0169】
本明細書に開示されるような光学系を利用する可視化システムが動作された後の算出処理のシステムおよび方法もまた、提供されることができる。したがって、可視化システムは、適切な光学系(照明システム/方法、撮像システム/方法、検出システム/方法)を利用し、続けて、算出処理が続く。本算出処理は、追跡または品質制御の他の側面を決定するための画像の比較査定を提供する。
【0170】
照明システムは、組織およびパラフィンの視覚的/撮像区別を強化し、撮像システムは、後続比較のために照明された組織/パラフィンの画像を撮影する。照明システムは、ブロック面上の組織の可視化/撮像を強化し、撮像システムは、品質制御のための後続比較のために、照明された組織の画像を撮影する。個々の組織切片のそのような撮像は、ブロックからの切断組織の分離に先立って、または別様にスライドへの移送に先立って行われ、比較のための基礎を提供する。続けて、個々の組織切片のそのような査定は、切断組織切片がスライドに移送された後に行われる。区別するための種々の方法が、下記に説明される。種々の撮像システムおよび撮像のための種々の場所もまた、下記に議論される。また、下記に詳細に議論されるものは、パラフィンおよび組織の性質に依拠する、組織とパラフィンとの間のコントラストを作成および/または強化する、照明システムの種々の実施形態である。いくつかの実施形態では、サンプルブロックの組織は、埋設材料内に埋設され、本方法はさらに、i)光の波長を用いてサンプルブロックを照明し、サンプルブロックの組織と組織が埋設されるサンプルブロックの埋設媒体との間のコントラストを増加させるステップ、およびii)光の波長を用いて第1の組織切片を含有する第1のスライドおよび/または輸送媒体を照明し、組織と組織が埋設される埋設媒体との間のコントラストを増加させるステップのうちの一方または両方のステップを含む。
【0171】
比較分析(ブロック対切片)
【0172】
スライド上または組織ブロックとスライドとの間の輸送中の組織切片が、サンプルブロック上の組織の同一の断片に対応するように、事前設定された基準内であるかどうかを決定するための比較を達成するための種々の方法が、存在する。本システムは、加えて、または代替として、顕微鏡スライド上の組織切片を、サンプルブロックから切断されたばかりの組織切片と比較し、事前設定された基準内でそれらが同一の組織サンプル比較に対応するかどうかを決定することができる。移送媒体上の組織切片は、加えて、または代替として、サンプルブロックまたは顕微鏡スライド上の組織と比較されることができる。決定システムは、比較を行うために、1つまたはそれを上回るパラメータ(特性/特徴)を検査することができる。決定システムの意思決定アルゴリズムが、次いで、キューまたは仮のとるべき任意のアクションを提供する。これらの品質制御システムは、プロセスを高速化し、より少ないエラーを介してプロセスを改良し、より少ない無駄な切片をもたらす。いくつかの実施形態では、比較は、組織ブロックと組織切片との間に合致する識別が存在するかどうかを決定し、例えば、
図17Aおよび17Bに示されるように、サンプルブロック260上およびスライド262上に、合致する組織輪郭および縁、ならびにバーコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、比較は、輸送中の組織切片から撮影された例示的画像を図示する、
図18および19に示されるように、組織ブロックと輸送中の組織切片との間の合致を決定する。下記は、いくつかの実施例であり、例えば、光、組成物、機械的特性等を利用する、他の基準も、利用され得ることを理解されたい。
【0173】
スライド上の組織とブロック面との比較の代わりに、スライド上の組織切片とサンプルブロックから切断された後の切断組織切片(スライス)との比較が、行われ得ることを理解されたい。したがって、本明細書に議論される、照明および撮像システムを含む、ブロック面を査定するためのシステムの議論は、スライド上の組織切片との比較のために切断スライスを査定するために完全に適用可能である。
【0174】
ブロック断面化決定は、いくつかの実施形態では、本願と同日に出願され、「Systems and Methods for Assessment of Tissue Block Facing in Automated Tissue Transfer Systems」と題された、同一出願人による仮出願(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)における発明的概念に従って決定されることができる。他の方法もまた、利用されることができる。いったんブロックが断面化されると、ブロックは、輸送媒体(例えば、テープ)への、次いで、スライド分析への移送のために薄い組織切片を切断できる状態になる。したがって、本明細書に開示される品質制御システム/方法は、そのようなブロック断面化決定とともに利用されることができる。いくつかの実施形態では、自動化方法(プロセス)およびシステムが、完全自動化切片化デバイスを介してパラフィンブロック内の組織を自動的に断面化するために使用されることができ、いったん断面化されると、組織は、ブロック面から自動的に切断され、テープに自動的に移送され、テープは、ローラを介して自動的に移動され、切断組織を前進させ、テープへの切断組織切片の後続移送のためにブロック面にわたってテープの後続部分を位置付ける。いくつかの実施形態では、自動化組織切片化装置はまた、スライドステーションを含み、テープ上に保持された組織切片は、自動化装置内で分析のためにガラススライドに自動的に輸送および移送される。
【0175】
これがブロックから切断され、テープに接着された後、テープ(または他の移送媒体)上の切断組織切片の画像が、撮影されることができる。これがテープからスライドに移送された後、切断組織切片の画像が、加えて、または代替として、撮影されることができる。アルゴリズムが、算出ステップを用いて各切片において収集された画像を処理し、テープおよび/またはスライド上の画像を1つまたはそれを上回る履歴(事前)画像と比較し、場所、空間的形状、および完全性等の特性の有意な変化が存在するかどうかを決定するであろう。組織切片の場所は、(ガラス顕微鏡)スライド上である。組織切片は、長方形形状を有し、より大きいものは、約28mm×22mmである。ガラススライドの使用可能面積は、約50mm×25mmであり、組織切片は、回転変化を含め、スライド上の任意の場所に移送されることができる。しかし、そのような偶然の移送は、好ましくない。メカトロニクスシステムは、類似するサイズの組織切片が、ガラススライド上の類似する場所に堆積されることを確実にすることができる。加えて、QCシステムは、移送された組織が予期される場所および配向にあるかどうかをチェックするであろう。空間的形状は、前述の解説の一部と見なされることができる。組織完全性は、組織の下の気泡、引裂、ブレードマーク、細断、亀裂、および欠落した断片等の欠陥を有していないことを指す。履歴(参照)画像が、これが切断される前のサンプルブロック上の画像および/またはこれが切断された後、これがテープもしくはスライド上に設置される前の切片(スライス)の画像を含み得ることに留意されたい。したがって、本システムは、これが切片化される際のブロックの漸進的な画像を撮影するであろう。本システムはまた、テープ上および/またはスライド上の切断組織切片の画像を撮影するであろう。並行して、画像処理システムは、各画像を評価し、これを同一の組織ブロックからの履歴画像と比較し、これが変化していないことを確実にするであろう。例えば、色相値が、同一のブロックにおいて検出され得、切片が切断される際、色相値は、初期値と比較される。アルゴリズムは、初期値から連続する画像の値を減算し、これが合致するかどうかを査定することができる。本明細書に記述されるような他の特性が、代替として、または加えて、合致を決定するために、連続する画像の比較計算/査定のための初期ベースラインを形成し得るため、色相が、アルゴリズムの検出ベースのパラメータの一実施例にすぎないことに留意されたい。断面化を決定するために、ほぼ同一の場所における画像間の強度変化を使用することができる。未処理ブロック(断面化されていない組織ブロック)上では、組織の上のパラフィン層の分散性質に起因して、組織の画像は、鮮明ではなく、組織の境界は、曖昧であろう。技術的用語では、パラフィンと組織境界との間の強度変化は、漸進的であろう。組織が、断面化されており、漸進的な画像が、撮影されるにつれて、組織にわたるパラフィン層は、これが完全に除去されるまで、より薄くされるであろう。これらの画像におけるパラフィン組織境界における強度を計算するとき、境界は、ますますより鮮明になるであろう。好適な閾値を伴うと、組織が断面化されているかどうかを決定することができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、品質制御は、人々によって訓練される機械学習アルゴリズムではない。したがって、いくつかの実施形態では、方法論は、品質または合致を査定する方法を機械学習アルゴリズムに教示する専門家の人間に依存しないであろう。但し、いくつかの実装では、古典的な画像処理方法の結果が、機械学習アルゴリズムにフィードされ、機械学習アルゴリズムがより一般的な事例を取り扱い得ることを期待してこれを訓練し得ることに留意されたい。本方法は、AIアルゴリズム教示段階のために使用される注釈付き画像の数を費用効果的に増加させるであろう。機械学習タイプのアルゴリズムでは、より多くの切断が行われる際に撮影される漸進的な画像は、断面化が達成されているかどうかを示すために、人物によって注釈を付けられる必要がある。しかし、代替として、古典的な画像処理技法を使用し、そのようなアルゴリズム(より構造化される)に関してより容易である画像に注釈を付け、AIアルゴリズムを訓練し、より一般的な(非構造化)データへのアルゴリズム全体の適用性を拡張することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、照明システムは、組織の検出を強化する。ある場合には、処理および埋設された組織は、これを囲繞するパラフィンマトリクスと比較して、非常にかすかな色を有するため、通常の撮像を用いて組織輪郭を確実に捕捉することは、困難である。したがって、ある範囲の波長の印加は、パラフィンに対する組織のコントラストを増加させることができる。例えば、UV光は、320nm~400nmに及ぶコントラストを増加させるために使用される。そのような検出強化は、スライド(またはテープ)上の組織とブロックとの比較を促進する。これはまた、他の品質制御側面に従って、スライド(またはテープ)上の組織切片の好適性をチェックすることを促進する。
【0178】
いくつかの実施形態では、パラフィンからの組織のコントラストの増加は、ブロック切片の同一の事例において組織ブロックを照明するように、マルチスペクトル画像、すなわち、様々な波長放射を使用して達成される。これらの画像は、組織ブロック内の組織切片のコントラストを増加させるために組み合わせられる。これらのより高いコントラスト画像は、比較することがより容易である。
【0179】
いくつかの実施形態では、組織サンプルは、UV放射によって照明されるときに蛍光を発するため、UV放射が、組織を照明するために使用されることができる。本明細書に使用されるようなUV放射は、光学的に可視の青色光よりも短い波長として広義に解釈されることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、利用可能な実際の波長範囲が、光スペクトルの青色端の一部を含み得ることに留意されたい。生物学的組織は、NADH、FADHを含む、本文脈に関連する多数の蛍光分子を有するため、組織サンプルは、ダイオードを用いたUV照明下で光る(例えば、緑色に光ることができる)。しかしながら、パラフィンは、同一の条件下で蛍光を発さず、パラフィンブロックは、UV光源の可視部分を散乱させ、異なる色合いまたは色に見えることができる、例えば、青みがかって見えることができる。UV光の3つの利点が、理解されることができる。第1に、UV光は、パラフィンブロックの中に貫通し、蛍光放射は、パラフィンブロックから逃散し、したがって、本方法/プロセスは、ブロック内に埋められた組織サンプルを明確に可視化することができる。これは、パラフィンワックスによって強く散乱される、可視光下でブロックを見ることと対照的であり、埋められた組織サンプルは、明確に可視ではなく、さらには不可視であり得る。第2に、放出光の色(色相)(より精密には、蛍光放射および受動散乱放射の波長範囲)は、組織とパラフィンワックスとの間に鮮明なコントラストを提供し、したがって、組織サンプルの簡単な検出およびセグメント化を可能にする。第3に、テープ(または他の輸送媒体)および/またはスライド上の切断切片を撮像することによって、ならびに組織によって放出されている明確に異なる蛍光放射を観察することによって、完全性をチェックし、これが事前切断された組織切片に合致することをチェックするために、組織設置を精密に検出することが、可能である。
【0180】
いくつかの実施形態では、ブロック面およびテープならびに/もしくはスライド上の切断組織切片を照明するために利用される照明波長の別の範囲は、赤外範囲内に位置する。パラフィンワックスは、特徴的な赤外吸収スペクトルを有する。UV画像を処理することから組織部分を選択することによって、反射スペクトルが、撮像モードにおけるパラフィンブロックの面から入手される場合(または反射IR分光法が、撮像モードにおいて実施される場合)、組織は、パラフィンのIRスペクトルシグネチャが、組織サンプルにわたって局所化様式で減少されるときに検出されることができる。
【0181】
赤外分光法は、いくつかの実施形態では、液体の水の特徴的なIR吸収スペクトルを利用して、ブロック内の組織の水和状態を検出するために使用されることができる。
【0182】
1つの方法が、UVまたは赤外線組織照明を利用して、
図20のフローチャートに示される。ステップは、i)ステップ270における事前選択された範囲の波長(例えば、UV範囲)による照明、ii)適切な光学系を使用し、カラーカメラ、すなわち、例えば、RGBカメラ等の複数の波長範囲内で画像を同時に撮影するカメラ上で、ブロック面(ステップ272)ならびにテープおよびスライド(ステップ274)の画像を作成するステップ、iii)結果として生じる画像からの色および強度情報を使用し、組織が存在する部分をセグメント化して取り出すステップ(ステップ276)、iv)組織領域のサイズおよび組織領域の縁を監視するステップ(ステップ278)、ならびにv)適合性/変化を検出するための画像の比較(ステップ280)を含むことができる。随意に、比較はまた、画像とベースライン画像との間で行われることができる(ステップ282)。特に、上記に解説されるように、組織サンプルの輪郭は、ベースライン画像からの組織サンプルの予期される輪郭と比較されることができ、実際の輪郭と予期される輪郭との比較は、組織サンプルの源、すなわち、組織サンプルがスライドと関連付けられるバーコードを有する組織ブロックに由来することを確認することができる。
【0183】
本情報は、テープ上の組織をブロックの画像と比較し、テープ上の組織画像をブロックの画像と比較するために使用される。これらの最初の(テープとブロックとの)比較は、移送媒体(テープ)を伴うブロック面からピックアップされた組織の識別を可能にする。組織は、部分的にピックアップされ得る、または組織の一部は、引裂および回転され得る。テープ上の組織が、十分に高い品質ではない場合、これは、ガラススライドに移送するに値しない。これは、時間およびリソースを節約する。第2の(スライドとブロックとの)比較。ガラススライドに移送された組織は、気泡、引裂、欠落した断片等を有し得る。これらのガラススライドは、それらが標準未満または無益であろうため、最終製品としてエンドユーザに与えられるべきではない。アルゴリズムは、切片の再切断をもたらす、または不良のブロックについてユーザに警告してもよい。不良のブロックは、これが本システムに導入される前に、実験室において適切に埋設されていない組織を有し得る。
【0184】
上記に議論されるように、自動化装置では、これらのステップは、自動化され、プロセスの間にユーザ入力を要求しない。グレースケールにおける強度が、カラー画像の代替として使用され得ることに留意されたい。したがって、本方法では、UV放射または他の波長が、本明細書に議論されるように組織/パラフィンコントラストを強化し、ブロック面および切断組織切片の両方の観察が、行われる。本方法では、切断組織切片における組織蛍光の出現が、検出される。これは、(面を上にしてリボンを完全に撮像するいかなる必要性も存在しないように)リボンからの全蛍光に基づいて行われることができるか、または代替として、リボンは、面を上にして撮像され得るかのいずれかである。そのような撮像は、(テープまたはスライド上の)切断組織切片上で、テープまたはスライド上の組織切片の画像をブロック面の画像(それぞれUV照明を伴う)と比較して行われる。組織領域のサイズおよび縁が、合致まで査定および定量化されることができるように、画像は、組織セグメント化(または本明細書に説明される他の特性/パラメータ)のために処理および評価される。
【0185】
いくつかの実施形態では、マルチスペクトル照明が、使用されることができ、分光法、すなわち、複数の波長または色からの情報の入手を伴い、例えば、フーリエ変換赤外分光器が、採用されることができる。これは、撮像モードにおいて、または組織の上部に合焦するためのある他の方法(予備的UV撮像)によって選定されるスポットからの単純な分光法によって行われることができる。いずれの場合も、目標は、(i)組織の上にパラファインが存在するかどうか、またはパラフィンが除去され、組織が暴露されているかどうかを決定する、または(ii)テープ上のリボンを撮像し、組織の存在およびパラフィンの量の低減を検出する、もしくは(iii)テープから離れた、スライド上のリボンを撮像し、組織の存在およびパラフィンの量の低減を検出するために、パラフィンおよび組織の特色のある赤外スペクトルシグネチャを採用することである。
【0186】
いくつかの実施形態では、可視/広帯域照明が、比較のためにブロック面および/またはテープ上ならびに/もしくはスライド上の組織切片を撮像し、(i)ブロック上でより可視になる/より濃い茶色になる/より明確に定義された縁を伴う組織部分等の画像の定性的変化を検出する、またはii)切断組織切片を見ることによって、色/強度情報を使用することによって組織を検出するために使用される。
【0187】
上記の方法が、1つを上回る照明システムが利用され得るように組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0188】
個々に、または組み合わせて使用される、本明細書の方法では、マルチカラー画像またはスペクトルが、分析を受け、適切な変化が、切断組織切片がサンプルブロックと適切に関連付けられたままであることを確実にするために検出される、本明細書に議論されるような算出ステップが、存在する。本算出ステップは、元の、またはベースライン画像との、もしくは事前画像との画像比較を含むことができ、色相、強度、境界等の比較は、査定のための画像の間の差異の程度の計算のために定量化されることができる。
【0189】
テープ上またはスライド上での組織撮像の場合では、基準画像は、ブロック内の組織の画像であり得る。
【0190】
いくつかの実施形態における自動化システムは、プロセスを改良するための機械学習への入力のために、速度、温度、湿度、タイムアウト等のような種々の結果として生じる変数を捕捉することができる。QCシステムが、切片を良好な品質と見なし、本傾向が、ある範囲の動作温度と相関する場合、これは、機械学習アルゴリズムの基礎となり、類似する組織を伴う全ての将来のブロックが、良好な品質の切断をもたらす条件下で切断されることを確実にすることができる。
【0191】
意思決定プロセスは、スライド上の組織とサンプルブロック上の組織との間に適切な対応(コメント基準)が存在しないと決定することができる。意思決定プロセスはまた、スライド上の組織とサンプルブロックとの間の適切な対応の発見を含むが、組織が歪み、または損傷し、したがって、使用可能ではないという発見も含むことができる。
【0192】
意思決定アルゴリズムが、推奨されるアクションのキューを提供し、推奨に従うことが、随意であり得ることに留意されたい。しかしながら、いくつかの実施形態では、キューがとられるかどうかにかかわらず、情報は、データベース内に記録され、これは、潜在的に、機械学習を使用し、意思決定アルゴリズムを改良することができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、本システムは、スライドに移送するべき別の切片を選択するべきときのキューを提供することができる。例えば、選択は、n番目の切片毎である、または連続する切片の画像がある分数量の基準だけ変化するときであり得る。
【0194】
不正確な合致(対応)の実施例が、ここで、説明されるであろう。本明細書に議論されるように、生物学的組織は、サンプルブロックを形成するパラフィンマトリクス(または他の埋設材料)内に埋設される。しかしながら、パラフィンブロック内に埋設される組織は、必ずしも、パラフィンマトリクスと比較して高いコントラストを有していない場合がある。組織およびパラフィンを区別することは、より困難であり、したがって、サンプルブロック上の組織の形状、例えば、輪郭を査定することをより困難にし得るため、これは、画像分析に悪影響を及ぼし得る。したがって、本明細書に開示される照明および撮像システムは、組織ならびにパラフィンの区別を改良するためのシステムおよび方法を提供し、したがって、組織の画像、したがって、組織形状、例えば、輪郭の決定は、より正確に決定(分析)されることができる。これは、例えば、組織画像の一部としてパラフィンを不正確に含むことによる、画像の潜在的な歪みを低減させることによって、組織のより正確な比較を確実にする。言い換えると、スライド上の組織輪郭との後の比較のためにサンプルブロック上の組織輪郭を定義することが意図される初期画像として定義される、「ベース」または「入力」画像が、パラフィンを含み、スライド上の組織の後続画像として定義される、「第2の」または「出力」画像が、パラフィンを伴わずに処理される場合、非合致の誤決定が、起こり得る。同様に、ベース画像が、パラフィンを含まないが、スライド上の組織の第2の画像が、パラフィンとともに定義される場合、非合致の誤決定が、起こり得る。逆に、正確に区別および処理されない場合、誤合致もまた、起こり得る。
【0195】
切片厚は、約1~約15μmの厚さに及ぶが、最も一般的には、約4μmの厚さである。本厚さにおいて、パラフィンマトリクスと組織切片との間のコントラスト比は、非常に低い。いくつかの実施形態では、品質制御システムが、組織自体を正確に比較する、または画像上の組織およびパラフィンを正確に認識することを確実にするために、組織とパラフィンとの間のコントラスト比は、本明細書に開示されるシステムおよび方法によって強化される。画像後処理効率は、上記に解説されるように、画像が高コントラスト比を有するときに増加する。組織は、ある波長範囲の光を用いて照明されると、蛍光を発し始め、パラフィンは、同一の波長範囲において蛍光を発しない。これは、高コントラスト画像を作成する。したがって、サンプルブロックは、生物学的組織とパラフィンマトリクスとの間のコントラスト比を増加させるために、ある範囲の波長の光を用いて照明される。同様に、その上に堆積される組織切片を含有するガラススライドは、生物学的組織とパラフィンマトリクスとの間のコントラストを増加させるために、ある範囲の波長の光を用いて照明される。組織を伴うスライドは、後部から照明され、または代替として、前部から照明され、スライドの後部および前部は、カメラがガラススライドに対して設置される場所に基づいて定義されることができる。したがって、これらの実施形態では、本システムは、サンプルブロックおよびスライドの比較分析のために、パラフィンから組織をより良好に区別することができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、光の波長は、所与の範囲の波長放射を伴うフィルタまたはLEDを用いて制御されることができる。いくつかの実施形態では、画像捕捉側上で、フィルタが、画像捕捉を強化するために提供され得る。光源、フィルタ、およびカメラのセットは、撮像ハードウェアと称され得る。
【0197】
機械的性質分析
【0198】
本明細書に開示される照明および撮像システムでは、本システムは、切断組織切片が、スライドに移送されるとき、しわ、引裂、亀裂等の機械的損傷を受けないことを確実にするために利用されることができる。そのようなシステムはまた、十分な量の組織がスライド上にあることを確実にするために利用されることができる。テープまたは組織上の組織をブロック面と比較する際、表面積において有意な差異が存在する場合、アルゴリズムは、スライド上に十分な組織が存在しないことを示すことができる。
【0199】
組成物が、サンプルの情報の蒸気をサンプリングすることによって、または衝撃によってサンプルから物質を抽出することによって測定されることができ、質量分析、蒸気相クロマトグラフィ、または他の方法によって検出されることができる。これは、物質にわたる蒸気中の物質を検出するという意味で、質量分析の文脈である。
【0200】
機械的性質は、振動、原子間力顕微鏡、または他の方法によって測定されることができる。振動を使用して材料性質を決定することができるが、この場合では、無理があるが、完全性のためにここに含まれる。原子間力顕微鏡の場合では、プローブおよびプロービングされている材料上の引力が、材料性質のインジケーションとして使用されることができる。これが個々に含まれる理由は、断面化決定センサの完全性のためである。これは、撮像モダリティではない。
【0201】
いくつかの実施形態では、品質制御システムは、サンプル配向および/または反転をチェックすることができる。いくつかの実施形態では、品質制御システムは、移送媒体およびスライドのうちの一方または両方の上の組織配向変動を決定し、自動化装置のコンポーネントが調節を必要とするかどうかをユーザにアラートする。
【0202】
サンプル十分性分析
【0203】
いくつかの実施形態では、本システムは、スライドまたは移送媒体上の切断切片が十分な組織を含有することを確実にするためのチェックを実施することができる。例えば、本システムは、ブロック面内の組織およびガラススライド上の切片の表面積を比較するであろう。2つの面積が、所定の範囲内で類似する場合、組織完全性は、保全される。別の実施例は、切片の下の気泡の存在である。2つの画像の強度の比較は、気泡が存在するかどうかを露見させるであろう。これはまた、気泡が存在する場所を提供し得る。気泡が、パラフィンマトリクス内にのみ存在する場合、これは、致命故障ではない。一方、気泡が、組織上にある場合、これは、スライド上の低品質組織を示す。
【0204】
組織サンプル完全性
【0205】
いくつかの実施形態では、本システムは、サンプルブロックの多断片組織がスライド上に完全に表されることを確実にするためのチェックを実施することができる。いくつかの組織ブロックでは、組織の複数の断片が、存在し得る。組織学技師は、プラスチックカセット内に組織断片を設置し、それらをカセットの底部に押動しようとしながら、組織学技師は、温かいパラフィンワックスを注ぐ。ある場合では、これらの組織のうちのいくつかは、移動し、残りの部分と平面ではない。切片化の間、確認するための1つの方法は、ブロック面画像をテープまたはガラススライド上の組織と比較することである。それらが、同一の数の組織を有する場合、全体的組織完全性は、保全される。
【0206】
追跡および印刷
【0207】
いくつかの実施形態では、スライドのための標識が、組織サンプルが組織ブロックから切断された後に印刷される、ジャストインタイムガラススライド標識印刷プロトコルが、実装されることができる。本様式では、ガラススライドは、ミクロトームにおいて切片化されたばかりのブロックに由来するバーコードを用いてジャストインタイムプリンタによってバーコード化または標識化され、したがって、直ちに切断された組織切片は、次いで、新しく印刷されたバーコード化されたスライド上に設置される。いくつかの実施形態では、先行する組織切片が、スライド上に設置され、標識化され、随意に、組織ブロックと関連付けられることが確認された後にのみ、次の組織切片が、切断され、標識が、印刷される。いくつかの実施形態では、リアルタイム更新が、バーコードデータのリアルタイムテープマーキングもまた可能にしながら、実験室情報管理システムを介してデバイスソフトウェアに通信される。
【0208】
いくつかの実施形態では、本開示は、これがブロック面とガラス顕微鏡スライドの目的地との間を通過している間、切断組織サンプルを追跡するループを閉じ、それにおいて、LIMSデータに対する組織処理デバイスにおける組織切片場所のリアルタイムの更新可能な追跡および識別を提供する。いくつかの実施形態では、移送システムは、移送システム上に設置される組織切片を、それから組織サンプルが切断される組織ブロックと関連付けるために標識化される。いくつかの実施形態では、走査されたバーコードデータは、切片がテープ上に設置された時点から追跡され、これは、テープマーキング/印刷機構によって情報を複製するステップと、ガラススライド上の標識のジャストインタイムデジタル印刷によってバーコードデータを複製するステップと、組織をガラススライドに移送するステップと、ガラススライド上の印刷されたバーコードを走査するステップと、次いで、ブロック、印刷されたテープ、および印刷されたスライド上のバーコードデータ間の厳密な対応を検証するステップと、随意に、概要報告をLIMSに通信するステップとを含む。
【0209】
本開示は、サンプルブロックから切断された組織切片の追跡および自動化組織移送装置における切断組織切片のガラススライド識別標識のジャストインタイム印刷を対象とする。組織ブロックからの情報は、リアルタイムでスライドに移送され、組織切片の正確な1対1追跡および標識化を確実にする。本開示は、ジャストインタイムガラススライド標識印刷プロトコルの実装によって、従来技術の問題および欠陥を克服する。特に、同一の組織ブロックからの1つまたはそれを上回る組織切片が、ガラススライドが実際に印刷される前に切断される。ガラススライドは、次いで、ミクロトームにおいて切片化されたばかりの組織ブロックに由来するバーコードを用いてジャストインタイムデジタルプリンタによってバーコード化または標識化されることができる。直ちに切断された組織切片は、次いで、新しく印刷されたバーコード化されたスライド上に設置される。
【0210】
組織切片の追跡および識別は、非限定的実施例として、自動化組織切片化機械内に統合される、バーコードリーダによって捕捉される、入って来る組織ブロックと関連付けられるバーコードデータを複製するテープマーキングまたはテープ印刷デバイスを含む、いくつかの統合されたサブアセンブリおよび機構によって達成されることができる。実験室情報管理システム(LIMS)ソフトウェアによって発生されたバーコードデータは、組織ブロックを保持するプラスチックカセットにその上で取り付けられる、印刷された接着性標識によって具現化される。いくつかの実施形態では、組織移送媒体は、これが組織移送のために使用される前に、場所マーキングまたはバーコードをその上に印刷されてもよい。組織移送媒体が、接着テープであるとき、場所マーキングは、テープ変換動作の間にテープ上に設置されることができる。
【0211】
典型的には、組織サンプル(組織ブロックまたはサンプルブロックとも称される)は、プラスチックカセット内に提供され、パラフィンワックスまたは類似する材料内に埋設される。プラスチックカセットは、サンプルブロックがミクロトームクランプ内に保持されるための特徴を提供する。いったんサンプルブロックが、切断(切片化)のためにミクロトームクランプ内に固着されると、新しいブロックは、最初に、比較的に厚い切片を伴う切片化を受け、組織サンプルを暴露するために、組織サンプルの上のパラフィンワックスの0.1mm~1mm層を除去する。本表面のパラフィン層の除去後、組織サンプルの完全な輪郭が暴露されると、ブロックは、切片化されることができる状態になる。本パラフィン層を除去し、組織の大きい断面を暴露するための本プロセスは、ブロック断面化と称される。いったん本パラフィン層が除去されると、臨床および研究設定では、組織は、典型的には、3μm~5μmの厚さに切片化される。すなわち、十分なパラフィンが除去される(ブロックは「断面化される」と称される)と、後続ブロック切片化は、分析のためにガラススライド上への設置のための組織切片を提供する(評価のためにさらに処理される)。サンプルブロックから切断された組織切片は、例えば、テープ移送機構を使用して等、スライドに移送されることができる。いくつかの実施形態では、プロセスは、例えば、同一出願人による米国公開第2017/0205317号に開示されるように、自動化されることができる。自動化装置の他の実施例およびその変形例が、米国公開第2017/0003309号ならびに米国公開第2017/0328818号に開示されている。これらの3つの公開の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。照明/撮像システムおよび品質制御システムが、他の自動化装置と併用され得るため、自動化組織装置が、自動化装置の実施例を提供することを理解されたい。また、本明細書に議論されるように、切片追跡システムは、手動システムおよび方法と併用されることができる。
【0212】
図17Aおよび17Bを参照すると、入って来る組織ブロックは、プラスチックカセットに取り付けられた標識、すなわち、バーコード番号を含む。実験室情報管理システム(LIMS)ソフトウェアによって発生されたバーコードデータは、組織サンプルの源についての情報を提供し、例えば、バーコード情報は、受入番号およびブロックIDを含む。いくつかの実施形態では、本情報はまた、患者名および試料が取得された日付を含むことができる。実験室に応じて、付加的情報が、含まれてもよい。バーコードに加えて、ブロック上の標識またはエッチングは、人間可読英数字バージョンのデータを含み得る。いくつかの実施形態では、ミクロトーム法デバイスは、LIMSと通信し、リアルタイムLIMS更新が、ロボットアームによる初期ピックアップから、実際の組織切片化およびスライドへの組織切片の送達まで、適切な組織ブロックに正しく合致されることを可能にし得る。随意に更新される、組織ブロック上のバーコード情報はまた、組織ブロックからの組織切片とスライドとの間に1対1対応が存在するように、スライド上に印刷される。下記により詳細に説明されるように、スライドのための標識は、組織切片が組織ブロックから切断された後に印刷されることができる。
【0213】
図21Aを参照すると、バーコードリーダが、入って来る組織ブロックと関連付けられるバーコードを走査するために提供される。走査は、組織切片化の時点で行われることができる。バーコード情報は、LIMSからのデータを照会し、切断される必要がある切片の数、切片の厚さ、および他の処理パラメータを決定するために使用される。次に、1つまたはそれを上回る組織サンプルが、ミクロトームによって切断されることができ、スライドに移送され、これもまた、組織ブロックメタデータとスライド上の組織切片との1対1関連付けを作成するために、組織ブロックと関連付けられるバーコードデータを用いて標識化される。いくつかの実施形態では、スライドは、反復的変形例を伴う組織ブロックバーコードに基づいて標識化される。例えば、ブロックバーコードが、12345である場合、第1のスライドのバーコードは、12345-aであり得、第2のものは、12345-bであり得、以下同様である。スライド標識は、スライドへの組織移送の前にジャストインタイムで印刷される。
【0214】
いくつかの実施形態では、組織切片は、テープを使用してスライドに移送される。テープ以外の移送媒体(輸送媒体とも称される)も、利用され得ることに留意されたい。したがって、本明細書に開示されるシステムおよび方法が、テープだけではなく、他の移送媒体に完全に適用可能であるため、本明細書のテープの言及は、便宜的に使用される。
【0215】
いくつかの実施形態では、テープ移送システムは、追跡および識別システムを可能にするように構成される。テープ移送システムは、組織ブロックと関連付けられ得る情報を用いてマーキングされることができる。そのようなマーキングは、組織ブロックが本デバイス内で受け取られた後に行われる、またはテープ上に事前印刷されることができる。いくつかの実施形態では、移送媒体(テープ)は、場所マーキングを含んでもよい。実験室が割り当てたブロックIDは、次いで、組織切片が移送媒体によってピックアップされた時点で本場所マーキングと関連付けられ得、2つのIDは、ソフトウェアツールを用いて関連付けられ得る。また、テープ上にいかなる物理的マーキングも存在しないが、仮想マーキングが、本デバイスにおける位置エンコーダに基づいて推測され、これが、テープ上の絶対位置を追跡し、本絶対位置を、明示的または暗示的に、好適な制御アルゴリズムを介して、当該切片に関連付けることが可能であることが、可能性として考えられる。
【0216】
図21Aは、自動化テープ移送装置(システム)300を伴うデバイスのいくつかの実施形態の概略図である。いくつかの実施形態では、テープ移送システムは、追跡および識別システムを可能にするように構成される。
図21Aは、ブロックが完全に断面化された後、切断組織切片を輸送するためのテープ302の経路を図示する。
図21Aは、サンプルブロックを保持し、切片を切断するために使用される、ミクロトーム304を示す。ミクロトーム304は、パラフィンワックス等の埋設材料の支持ブロック内に封入される組織サンプルを備えるサンプルブロックを保持する。ミクロトーム304は、組織ブロックの面からスライス(または切片)を切断するために整合される、ブレード(図示せず)を含む。いったん組織サンプルが、組織ブロックから切断されると、それらは、スライドに輸送されるべきテープ上に搭載される。
【0217】
自動化ミクロトーム法デバイスはまた、バーコード走査読取システム308と通信する、テープマーキングシステム306を含むことができる。テープマーキングシステム306は、組織ブロックを保持するプラスチックカセットに取り付けられた標識から捕捉されたバーコード情報を用いて接着テープをマーキングするために使用されることができる。熱または連続インクジェット印刷技術を含む、種々の印刷方法が、本目的のために、自動化組織切片化デバイス内で使用されてもよい。加えて、熱転写印刷ユニットもまた、原位置で、入って来る組織ブロックをテープ上の切断切片まで追跡する識別情報をテープ上に発生させるために使用されてもよく、本情報は、次いで、テープ上の切片とスライド上の切片との間の対応を可能にし、サンプルの完全性が維持されることを確実にする。
【0218】
テープは、組織切片を切片化ミクロトーム304からスライドステーション310に輸送する。いくつかの実施形態では、本デバイスはまた、ガラススライド印刷システム312と、バーコード読取システム314とを含むことができる。印刷システム312は、スライド上に設置されるべき組織切片を、それから組織が切断される組織ブロックと関連付ける、スライドのための標識を印刷する。いくつかの実施形態では、自動化システムは、組織ブロック上のバーコード識別子を、テープ移送媒体上のマーキングと関連付け、次いで、移送媒体上のマーキングを、スライドガラス上に要求に応じて印刷されるバーコードと関連付けることができる。これは、完全自動化組織切片化デバイスの文脈であり、ガラススライド上へのリアルタイムLIMSデータのジャストインタイム印刷を提供する。他の輸送デバイス/システムも、使用され得ることに留意されたい。これらの他の輸送システム内/上の組織は、本明細書に説明されるテープ印刷システムに従って追跡されることができる。したがって、本明細書に説明されるシステム、例えば、テープ印刷システム、スライド印刷システム等は、種々の輸送システム上の切片(スライス)に完全に適用可能である。本装置における異なる段階、例えば、ブロックから新しいスライス、輸送時のスライス、スライド上のスライスにおける組織の追跡に起因して、複数のレベルの追跡が、提供される。いくつかの実施形態では、標識は、スライドを、起源となるサンプル組織ブロックおよび切片化日付等の関連するLIMSベースの情報にリンクさせてもよい。組織ブロックは、同様に標識化されてもよい。事前標識化されたブロックを適応させるために、バーコードリーダ等の光学リーダが、ブロック標識を読み取り、関連付けられるスライド標識を発生させるために使用されてもよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、テープマーキングデバイスの印刷ヘッドは、組織ブロックから組織移送媒体への組織移送の前のある恣意的な時点で、テープ経路内に設置されてもよい。ブロックプラスチックカセットに隣接するバーコードリーダは、切片化の時点で、バーコードデータまたは他の英数字データがテープ移送媒体上に複製されるように、プラスチックカセット上のバーコードデータを読み取る。いくつかの実施形態では、移送媒体上のマーキングは、ブロックカセット上のバーコードの複製ではない場合があるが、2つのマーキングは、ソフトウェア構造を通して関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、テープ上に印刷/エッチングされた情報は、ミクロトーム法デバイスの内側での組織追跡を可能にすることができる。ブロックバーコードとテープマーク(本デバイスの内部)との間の合致は、本デバイスの機械的動作によって、または、例えば、カメラを使用して、テープマークとともに切片を走査することによって確実にされることができる。ガラススライドは、組織カセットバーコード上のバーコードに関連するバーコードを用いて印刷され、次いで、最後に、走査され、それによって、入って来るブロックと関連付けられるバーコードデータとガラススライド標識上に印刷されるバーコードデータとの間の1対1マッピングまたは対応を確実にし、したがって、規制上の品質保証の重要な側面である組織サンプル追跡を確実にすることができる。
【0220】
いくつかの実施形態では、ブロック内の組織とスライド上の組織切片との間の合致が、カメラ画像および画像処理に基づいて確認されることができる。いくつかの実施形態では、撮像または操作デバイスが、スライド上の組織切片が、正しい組織ブロックと関連付けられるように、スライド上の標識が正しく印刷されたことをチェックするために採用されることができる。各時点で、組織搬送容器(ブロックカセット、移送媒体、またはガラススライド)上のマーキングの物理的複製または印刷が、記録され、組織の正しい追跡に関してクロスチェックされる。これは、組織および切断組織切片が組織処理装置を通して横断する方法の状況認識を提供する。いくつかの実施形態では、本開示される方法およびシステムは、例えば、2020年2月22日に出願された同時係属中の米国出願第62/980,203号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるような品質制御撮像システムを利用することができる。
【0221】
走査されたバーコードデータは、切片がテープ上に設置された時点から追跡され、これは、テープマーキング/印刷機構によって情報を複製するステップと、ガラススライド上の標識のジャストインタイム印刷によってバーコードデータを複製するステップと、組織をガラススライドに移送するステップと、ガラススライド上の印刷されたバーコードを走査するステップと、次いで、ブロック面、テープ、およびスライドバーコードデータ間の厳密な対応を検証するステップと、随意に、概要報告をLIMSに通信するステップとを含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、例えば、追跡目的のために、または組織完全性目的(分析のための適切な条件における)のために、中間品質制御チェックとしてテープ(または他の輸送媒体)上の組織をチェックするためのシステムを提供する。
【0223】
図21Bを参照すると、いくつかの実施形態では、テープは、事前印刷されることができる。移送媒体(テープ)は、本デバイスの外側での変換プロセスによってその上に場所マーキングを用いて事前印刷されてもよい。実験室が割り当てたブロックIDは、次いで、組織切片が移送媒体によってピックアップされた時点で本場所マーキングと関連付けられ得、2つのIDは、データベーステーブル内に対応するエントリを作製する等、ソフトウェアツールを用いて関連付けられ得る。
【0224】
図22の追跡フローチャートを参照すると、入って来る組織ブロックと関連付けられるバーコードが、統合されたバーコードリーダを使用して、組織切片化の時点で走査される(ステップ320)。いくつかの実施形態では、入って来る組織ブロックと関連付けられるLIMSベースのバーコードデータを複製するために、切片移送システム(テープ等)は、識別情報を用いてマーキングされ(322)、これは、バーコードと同一である、またはLIMSデータのある恣意的な表現を含んでもよい。加えて、または代替として、テープ上の組織切片の物理的場所が、テープの始まり等の基準マークからのテープの長さを追跡することによって追跡される。次に、組織切片は、組織ブロックから切断され、テープ上のマーキングと関連付けてテープ上に設置され(ステップ324および326)、これはまた、組織ブロック上のバーコード情報に対応する。いったん組織サンプルがブロックから切断されると、ガラススライドは、ジャストインタイムデジタルプリンタによって、組織ブロックと関連付けられる同一のバーコードデータを用いて標識化される(ステップ328)。組織切片は、ミクロトームからスライド切片に輸送され、印刷された標識を伴うガラススライド上に設置される(ステップ330)。随意に、比較が、ステップ331において、組織ブロックのベースライン画像と組織切片の画像との間で行われることができる。この時点で、エラーのない関連付けが、それから切片が切断されたブロックのバーコードと、その切片を含有するスライド上の標識との間に確立される。最後に、ガラススライド上のバーコードデータは、ブロックバーコードに対してスライドバーコードを検証するために、走査されることができる(ステップ332)。いくつかの実施形態では、ブロック面LIMSデータ、移送媒体場所マーキング、およびスライドバーコードデータは、3つの情報が精密に合致することを確実にするために、関連付けられ(ステップ334)、したがって、自動化組織切片化デバイス内の切断組織試料の追跡を確実にし、規制上の品質遵守を保証する。
【0225】
システム実装
【0226】
上記に説明される品質制御分析は、サンプルブロックからテープ等の移送媒体までの、および移送媒体からスライドまでの組織切片の自動化移送のための自動化装置を使用して達成されることができる。いくつかの実施形態では、コントローラと、埋設媒体内に埋設される組織のサンプルブロックを保持するための支持体と、サンプルブロックから組織切片を切断するように構成される切断デバイスと、サンプルブロックから切断組織切片を輸送するための移送媒体とを含む、自動化テープ移送システムが、提供される。品質制御システムは、サンプルブロックの少なくとも第1の画像および切断組織切片の少なくとも第2の画像を撮影するように構成される、1つまたはそれを上回る撮像デバイスを含み、第1および第2の画像は、切断組織切片がサンプルブロックの事前切片化された組織に対応する、例えば、事前設定された基準内であることを確認するために比較される。
【0227】
いくつかの実施形態では、組織サンプルブロックから切断組織切片を移送し、品質制御を提供するための自動化方法が、提供される。
本方法は、以下のステップを含む。
a) 自動化システムにおいて輸送媒体を前進させるステップ、
b) サンプルブロックの第1の組織切片を切断するステップ、
c) サンプルブロックから離れるように第1の組織切片を輸送するステップであって、切断は、サンプルブロックの次の切断面を暴露する、ステップ、
d) 第1の組織切片を第1のスライドに移送するステップ、および、
e) 第1の組織切片をサンプルブロックと比較し、対応が存在するかどうかを決定するステップ。
【0228】
いくつかの実施形態では、自動化方法は、第1のスライドへの移送のために第1のスライドを含有するスライドステーションに切断組織切片を輸送するステップを含み、第1の切断組織切片の画像は、第1のスライド上で撮影される。
【0229】
図23は、切片追跡のためのワークフロー図を提供する。ステップ340において、ワークフローは、組織ブロックを走査するステップと、サンプルブロックIDが走査装置を用いて可読であるかどうかを決定するステップ(ステップ342)とを伴う。該当しない場合、ステップ344において、ブロックIDが組織学技師によって可読であるかどうかの決定が、行われる。該当しない場合、ステップ346において、ブロックは、フラグ付けされ、該当する場合、ステップ348において、ブロックIDは、本システム上で手動でタイピングされる。いったんブロックIDが、走査または手動入力のいずれかによって可読になる(ステップ350)と、組織は、本明細書に説明されるようなスライドを作成するように切片化される(ステップ352)。スライド上の組織が、上記に説明されるようなブレードの欠け目、気泡、欠落した部分、および/または他の許容不可能な特徴を有する決定が、行われる(ステップ354)場合、さらなる切片が、切断される。スライド上の組織が、許容可能である場合、ステップ356において、スライドに関する印刷標識が、要求される。ステップ358において、スライド標識プリンタの機能性についての決定が、行われる。スライド標識プリンタが、機能しない場合、実験室は、代替方法において標識を得るためのプロセスを実行する必要がある(ステップ360)。プリンタが、機能する場合、ステップ362において、標識が、印刷され、スライドに添着される。次に、ステップ364において、スライド上の組織およびブロック面が、(本明細書に説明される方法/プロセス/システムを利用して)比較され、合致が存在するかどうかを決定する。該当しない場合、ステップ366において、任意の他の処理されたブロック組織形状が、スライド上の組織に合致するかどうかの決定が、行われる。該当しない場合、ステップ368において、スライドは、フラグ付けされ、該当する場合、ステップ370において、スライドおよびサンプルブロックバーコードが合致することを確認するためのチェックが、行われる。該当しない場合、ステップ372において、スライドは、フラグ付けされ、該当する場合、スライドは、処理に関して許容可能である(ステップ374)。
【0230】
図24を参照すると、本開示のビジョンシステムは、自動化ミクロトーム法デバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、自動化ミクロトーム法デバイス400は、サンプルブロックを受け取り、サンプルブロックからサンプル/切片を切断し、ブロックから切断されたサンプルを分析のためにスライドに移送されるべきテープ上に移送するための機構の組み合わせを含むことができる。機構の組み合わせは、少なくとも1つのミクロトーム404と、テープ移送装置406と、スライド接着剤コータ412と、スライドプリンタ414と、スライド入力ラック416と、スライドのスタックからスライドを選ぶスライドシンギュレータ418と、スライド出力ラック420とを含むことができる。機構の本組み合わせは、スライド上のサンプルを調製し、スライド自体を調製するためにともに機能する。
【0231】
図25は、照明システムと、画像システムとを有する、可視化システムを含む、自動化テープ移送装置(システム)430の例示的実施形態の概略図である。他の自動化装置も、利用され得、装置430が、実施例として示されることに留意されたい。
図25は、ブロックが完全に断面化された後に切断組織切片を輸送するためのテープ432の経路を図示する。
図25は、サンプルブロックを保持し、切片を切断するために使用される、ミクロトーム434を示す。ミクロトーム434は、パラフィンワックス等の埋設材料の支持ブロック内に封入される組織サンプルを備えるサンプルブロックを保持する。ミクロトーム434は、組織ブロックの面からスライス(または切片)を切断するために整合される、ブレード(図示せず)を含む。
【0232】
接着テープ432およびミクロトーム434に加えて、
図25の自動化テープ移送装置430は、電動給送機構436と、テープアプリケータ438と、スライドステーション440と、巻取機構442とを含む。ブロック面のための照明システム444および撮像システム446が、図面に(図式的に)示される。同一または異なる照明および撮像システム(図示せず)が、テープ上の組織切片のために利用されることができる。スライドのための照明システム448および撮像システム450もまた、図面に(図式的に)示される。テープ432の経路は、給送機構436から始まり、ミクロトーム434およびテープアプリケータ438のアプリケータ端部に向かって進行する。テープ432は、次いで、ミクロトームから離れ、スライドステーション440に向かって進行し、最後に、巻取機構442上に保管される。装置/システム430の詳細が、米国公開第2017/0205317号および米国公開第2017/0328818号(これらの出願の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されていることに留意されたい。電動リールは、切断切片を含む接着テープの部分が、ミクロトームおよびサンプルブロックから離れるように移動し、接着テープの新しい部分が、ミクロトームによって切断され、接着テープに移送されるべき新しい切片のために、切断面に位置付けられ、接着されるように、接着テープを前進させる。
【0233】
図26は、サイクルが開始される際のテープアプリケータを示す。テープアプリケータは、組織のサンプルブロックの切断面に向かって移動する。これは、テープアプリケータのローラ部材に、テープ、例えば、接着テープが利用される場合、テープの接着側を切断面上に押圧させ、テープを接着させ、切断面全体をテープで被覆する。テープアプリケータは、次いで、反対方向に後退され、ローラ部材を、ローラ部材が切断面から離れている元の位置に再設定させる。いくつかの実施形態では、切断組織切片は、ミクロトームによる切片化後にテープと接触するように移動される。
【0234】
図26は、自動化テープ移送装置430のスライドステーション440をより詳細に示す。スライドステーション440は、テープ上にある組織切片を、UV硬化性接着剤を用いて事前コーティングされる顕微鏡スライド460に移送するためのUVステーションであり得る。ローラが、次いで、接着テープ上の切片をスライド上に押圧し得る。
図25のシステムが、スライドへの移送のためのスライドステーションを含むが、いくつかの実施形態における本システムが、スライドステーションを含まず、テープへの切断切片の移送およびミクロトーム面積からのテープの移動後、切片が、他の方法、例えば、手動移送またはテープ上での保管に従って、テープからスライドに移送され得ることを理解されたい。
【0235】
スライドステーション440は、スライドスロットを作成するスペーサを伴う下側部分462と、支持区分464と、UV源466と、モータ468とを有する。スペーサによって作成されるスライドスロットおよび支持区分464は、スライド460を保持する。モータ468は、テープからのサンプル切片がスライド460上に堆積される厳密な場所が制御され得るように、スライド460上の切片場所を調節するためにスライドステーション440の下側部分を平行移動または移動させるために使用される。照明および撮像システムは、品質制御、例えば、テープへの移送に先立つ組織のベース画像との比較のために、スライド上の組織切片を照明し、その画像を撮影するためにスライドステーション内に、またはそれに隣接して提供されることができる。撮像システムはまた、組織の完全性チェックのために、スライド上の組織切片の条件を査定するために利用されることができる。
図27は、サンプルブロック472の面470に適用されることに先立つテープ432を示す、例示的概略図を図示する。
【0236】
上記のように、本明細書に開示される照明および撮像システムは、他の自動化装置、接着テープ以外のテープ、および自動化スライドステーションを有していない装置とともに、ならびに手動システムにおいて利用されることができる。
【0237】
自動化システムは、組織ブロック切断からのサンプルを支持するために、接着テープまたは代替として、別の移送媒体の使用を提供する。自動化システムおよび方法はまた、接着テープからスライドへのサンプルの自動化後続移送を提供する。本システムおよび方法はさらに、i)移送媒体上の組織および/またはii)ガラススライド上の組織とサンプルブロック上の組織もしくはブロックから切断されたばかりのスライスとの比較のための方法およびデバイス/システムを提供することによって、改良された品質制御を提供する。これは、完全自動化組織切片化デバイスの文脈であり、自動化品質制御を提供する。
【0238】
本システムは、接着テープの連続ストリップの使用とともに説明されるが、他の移送媒体も、利用され得ることを理解されたい。本明細書に開示されるような接着テープは、切片化に先立ってサンプルブロックの切断面に接着する。接着テープが切断面に接着することに続けて、ミクロトームは、切断アクションを開始する。切断面への接着テープの接着は、ミクロトームによって切断されている切片を支持する。いったんミクロトームが切断を完了すると、切断された切片は、接着テープに接着されたままである。代替実施形態では、切片は、最初に切断され、移送媒体への接着が続くことができる。
【0239】
テープが、組織切片のための輸送デバイス/システムの一実施例を提供することに留意されたい。ロボットアーム、それらの中に水を伴う一連のカップ等の他の輸送システムもまた、利用されることができる。これらの他の輸送システム内/上の組織は、本明細書に説明される品質制御システムに従って評価されることができる。したがって、本明細書に説明されるシステム、例えば、照明システム、撮像システム等は、種々の輸送システム上の切片(スライス)に完全に適用可能である。
【0240】
本装置における異なる段階、例えば、ブロックから新しいスライス、輸送時のスライス、スライド上のスライスにおける組織の追跡に起因して、複数の内部レベルの品質制御が、提供される。
【0241】
スライドステーションにおけるスライドは、本明細書に説明される品質制御システムのいくつかの実施形態に従って、安定的に(堅く)保持されることができる。いくつかの実施形態では、自動化システムはさらに、サンプルブロックを安定的に保持するための支持体と、1つまたはそれを上回る撮像デバイスの正面にスライドを安定的に保持するための支持体とを含む。
【0242】
本明細書に使用されるような用語「接着テープ」が、分子接合、機械的接合等を含む、任意のタイプの接合を指し、また、ファンデルワールス力(分子接合)を介する接合を提供し、そのテープ剥離力が剥離角度に応じて大幅に変動し、これが剥離の間に切片損傷を最小限にする、乾燥接着テープを含み得ることを理解されたい。テープは、いかなる残留物も残さないことが可能であり、必要とされるときに粘着し、必要とされるときに組織を損傷させることなく剥離される。また、本明細書に使用されるような用語「接着テープの連続ストリップ」が、テープが単一の切片(組織ブロックから切断された組織の単一のサンプル)のために使用される接着テープの量よりも長いことを意味することに留意されたい。接着テープの接着領域は、サンプルブロックの切断面を完全に被覆するために、すなわち、これがサンプルブロックからスライスされるときに完全な切片を保持するために十分に大きくあり得る。
【0243】
自動化装置の実施例が、上記に説明される
図26に図示され、同一出願人による米国公開第2017/0205317号にさらに説明されている。自動化装置の他の実施例およびその変形例が、米国公開第2017/0003309号ならびに米国公開第2017/0328818号に開示されている。これらの3つの公開の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。照明/撮像システムおよび品質制御システムが、他の自動化装置と併用され得るため、これらの自動化装置が、自動化装置の実施例を提供することを理解されたい。また、本明細書に議論されるように、照明/撮像システムならびに切片追跡および品質制御システムは、手動システムおよび方法と併用されることができる。
【0244】
自動化テープ移送装置は、自動化テープ移送装置1の運動を制御する、自動化テープ移送装置1のユーザと通信する、および/または自動化テープ移送装置1が接続されるミクロトーム4と通信するために使用される、プログラマブルデジタルコントローラ、プロセッサ、もしくは他のタイプの特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。自動化テープ移送装置1内で制御され得る多くの運動が、存在する。これらの運動の実施例は、給送機構3および巻取機構6の移動、スライドステーション5の下側部分30および平行移動部分の移動、線形アクチュエータ部材の移動等を含む。コントローラはまた、調製されたスライドの数、移送された切片の数、ロール上に残っているテープの量等の自動化テープ移送装置1の機能または条件の情報をユーザに提供してもよい。コントローラは、その制御機能を実施するために、任意のタイプの入力(例えば、機械的、視覚的、電気的等)を受け取ることが可能である。コントローラはまた、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される品質制御システムを制御することができる。
【0245】
いくつかの実施形態では、自動化テープ移送装置1はさらに、サンプルブロックを検査するための光学デバイスを含む。例えば、ミクロトーム4は、切片化のための複数のサンプルブロックを保管してもよい。光学デバイスは、切断面の条件を査定するために、または埋設媒体内の組織の場所を決定するために使用されてもよい。一実施例では、切断面のマクロ画像が、切断面上での接着テープ2のより精密な設置を可能にし得る。切断面の分析は、切片化のための所望の組織を暴露するために、切断面の自動的トリミングを促進し得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る光学センサが、接着テープ2上の切片の位置および品質に関するフィードバックをコントローラに提供するために使用されてもよい。例えば、接着テープ2のバックライト付き区分に近接近する輝度センサが、接着テープ2の空の部分と切片を搬送している部分とを区別してもよい。これは、運動制御等の種々の目的のためにコントローラへの入力として使用され得る、接着テープ2上の切片のおおよその場所を提供し得る。CCDイメージャまたは類似するデバイスが、切片を撮像し、移送の品質に関するフィードバックを提供するために使用されてもよい。これらの画像は、切片の不完全な移送、接着テープ2上の切片の不整合、テープ上の切片トリミング廃棄物の存在等のプロセスにおけるエラーをチェックするために使用されてもよい。これらのエラーの場合では、付加的切片が、欠陥のある切片を交換するために採取されてもよい。
【0247】
スライド上の切片を検査する類似する光学方法もまた、使用されてもよい。センサシステムは、スライドへの切片移送の品質のフィードバックを提供し、プロセスにおけるエラーをコントローラにアラートしてもよい。同一または異なる光学センサが、テープおよびスライドの両方の検査のために使用されてもよい。
【0248】
自動化テープ移送装置はまた、いくつかの実施形態では、バーコードまたは識別のための他のモニカを用いてスライドおよびサンプルブロックを標識化するための自動化システムを含んでもよい。実行可能なスライド標識化方法は、接着性印刷標識を取り付けるステップ、材料に標識をエッチングするステップ、または専用の場所上に標識を印刷するステップを含む。標識は、スライドを、起源となる組織ブロックおよび切片化日付等の関連する情報にリンクさせてもよい。サンプルブロックは、同様に標識化されてもよい。事前標識化されたブロックを適応させるために、バーコードリーダ等の光学リーダが、ブロック標識を読み取り、関連するスライド標識を生成するために使用されてもよい。
【0249】
本システムはまた、切断組織がサンプルブロックに合致するようにスライド上で適切に標識化されることを確実にするために、切断組織とサンプルブロック上の組織との比較のための自動化品質制御システムを含むことができる。
【0250】
組織切片または切断切片という用語の本明細書における使用が、サンプルブロックから切断された初期切片が、それらが上にある材料、例えば、パラフィンまたは他の埋設媒体を含有し得るため、多くの組織を含有しない場合があることを想定することに留意されたい。しかしながら、病理組織学のために重要であるものは、組織の切片、すなわち、十分な組織切片を含有するテープ領域であり、これらは、スライドへの移動のために選択されるもののうちの1つである。これを確実にするための特徴が、本明細書に説明される様式で提供されることができる。
【0251】
テープ移送装置(システム)は、自動化テープ給送/前進プロセスの種々の段階の間に写真を撮影するためのデジタルカメラ等の1つまたはそれを上回る自動化撮像デバイスを含むことができる。写真は、テープへの切断切片移送の時点で、スライドへの切断切片の移送の時点で、および/またはプロセスの間の任意の他の時点で撮影されることができる。そのような写真は、本明細書に説明されるような視覚的/品質制御を提供することができる。
【0252】
サンプルブロック(ブロック面)の写真もまた、撮影されることができる。例えば、ブロック面画像とテープ上の切片画像との間の不一致は、切片化の間のエラーに関するキューである。マクロ画像が、切片画像を列挙するデータベース内のサムネイルにおいて有用であり得る。これは、切断するときにテープに切片を移送し始めるべきときを大まかに把握するために有用であり得る。これらは、デジタルカメラ以外の本システム内の組織を撮像するための種々の方法である。例えば、マイクロCTが、パラフィン内の組織の3Dモデルを構築するために使用されることができる。本システムが、入力としてブロック内の組織の3Dモデルを有する場合、これは、情報を使用し、トリミングおよび切片化を停止するべきときを決定し得る。
【0253】
視覚的/品質制御の別の側面では、テープが本装置を通して前進し、切片がミクロトームによってサンプルブロックから切断され、テープの接着剤に接着される際、接着テープに移送される組織サンプル(切断切片)を含有する各テープ領域の写真(または他の撮像技法)が、撮影され、それによって、切片が適切に、すなわち、完全にテープに移送されたことを確実にするためのリアルタイム分析を可能にする。同一のカメラまたは撮像デバイスを利用して、もしくは代替として、別のカメラまたは撮像デバイスを利用して、サンプルブロックから切断された接着された切片を伴うテープが、スライドステーションに前進し、切片が、スライドに移送される際、サンプルを含有する各スライドの写真(または他の撮像技法)が、撮影され、切片が適切に、すなわち、完全にスライドに移送されたことを確実にするためのリアルタイム分析を可能にする。このように、プロセスは、テープ給送の停止前に、サンプルブロックの適正な切片が切断され、病理学のためにスライドに移送されることを確実にするために監視されることができる。ある実施形態では、不適正な切片が、移送されている場合、本システムは、逆転され、テープは、初期の前進の方向と反対の方向に巻き戻され、サンプルブロックからより多くの切片(サンプル)を収集および移送することができる。また、切断切片を含有する各テープ領域および各スライドの複数の写真が、評価のために撮影され得ることに留意されたい。本明細書に説明される照明および撮像システムは、本分析を強化する。
【0254】
写真からの他の情報もまた、ブロックおよび切片のマーキングならびに追跡と併せて、サンプルブロック、切片等を識別するために記憶されることができる。
【0255】
視覚的制御システムの実装では、ミクロトームによってサンプルブロックから切断された切片、例えば、組織切片を含有する各テープ領域の写真が、撮影される。写真は、次いで、切断切片がテープに適切に移送されているかどうかを決定するために分析される。さらなる分析では、写真は、サンプルブロックトリミング(下記に説明される)の終了を決定するために評価される。いったん組織切片が、スライドステーション(ミクロトームの下流)内でスライドに移送されると、スライドの画像もまた、撮影される。スライドの本写真は、組織切片がスライドに適切に移送されたかどうかを決定するために分析される。写真はまた、十分な組織切片がスライド上に含有されているかどうかを決定するために分析されることができる。写真はまた、サンプルブロックへの合致のために利用されることができる。切片が、十分ではない、例えば、これが、例えば、大部分がパラフィンを含有する結果として十分な組織サンプルを含有しない場合、切片は、評価のために使用されない。本明細書に説明される照明および撮像システムは、これらの分析を強化する。本明細書に説明される照明および撮像システムは、これらの分析を強化する。
【0256】
写真は、さらなる使用および分析が所望される場合、将来の選択のためにデータベース内に記憶されることができる。
【0257】
図28A、28B、28C、29、および34は、上記に説明される方法の実装のための自動化システムの例示的実施形態を図示する。しかしながら、上記に説明される方法およびシステムが、手動ミクロトーム法プロセスまたは他の自動化ミクロトーム法プロセスにおいて実装され得ることに留意されたい。
【0258】
図28Aおよび28Bを参照すると、いくつかの実施形態では、自動化システム500が、ブロックからスライドへの自動化組織サンプル処理を可能にするために提供される。システム500は、組織ブロックからサンプルを切断するための第1の区分を含むように設計されることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図28Bに示されるような第1の区分は、ブロックハンドラと、少なくとも1つのミクロトーム504と、移送媒体506(例えば、テープ)と、水和チャンバ508と、ブロックトレイ510とを含むことができる。ブロックハンドラ、少なくとも1つのミクロトーム504、移送媒体506(例えば、テープ)、水和チャンバ508、およびブロックトレイは、システムおよび方法の任意の組み合わせを使用して、組織ブロックからの生物学的サンプルを編成し、断面化し、水和させ、切片化し、組織切片をスライドに移送するためにともに動作するように設計されることができる。
【0259】
いくつかの実施形態では、システム500は、例えば、切片化ミクロトーム504によって組織ブロックから採取されたサンプルスライスを受け取るための移送媒体506(例えば、テープ)を含むことができる。移送媒体506は、ミクロトーム504から切片化されたサンプルを受け取り、切片化されたサンプルを別の場所に輸送することが可能である、材料または表面の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、移送媒体506は、これが組織ブロックから切断された後にミクロトーム504から切片化されたサンプルを除去する、受け取る、および/または輸送することが可能な少なくとも1つの接着面を含むことができる。例えば、移送媒体506は、例えば、テープロール、窓付きテープ等のテープの任意の組み合わせを含むことができる。移送媒体506は、切片化されたサンプルを移送するためのより大きい機構を含む、または別様にその一部であり得る。例えば、移送媒体106は、移送媒体506がその上の切片化されたサンプルを1つの場所から別の場所に移動させることを可能にするように設計される、滑車、ホイール、スプール、コンベヤ等の組み合わせにわたって巻着される接着テープであり得る。移送媒体の任意の他の組み合わせが、本開示から逸脱することなく使用されることができる。例えば、移送媒体506は、切片化されたサンプルを握持および/または保持するように設計される、隆起、窪み等を伴うベルトであり得る。
【0260】
いくつかの実施形態では、移送媒体506は、サンプルをスライド上に移送するために、その表面から偏移アセンブリ522に切片化されたサンプルを移送することができる。偏移アセンブリ522は、移送媒体506に接着されたサンプルを除去し、サンプルを1つまたはそれを上回るスライド上に設置するように設計されることができる。いくつかの実施形態では、偏移アセンブリ522による移送は、サンプルを非サンプル材料から隔離するために、実際の組織サンプル材料を分離するステップを含むことができる。偏移アセンブリ522は、生物学的サンプル材料のみがスライドに移送されるように、周辺のパラフィン材料に対して生物学的サンプルの全体または一部を分離するためのシステムおよび方法の任意の組み合わせを使用することができる。例えば、偏移アセンブリ522は、移送媒体506から除去されるべき生物学的サンプルの部分を芯出しすることができる。いくつかの実施形態では、非サンプル材料(例えば、パラフィン材料)は、使用済み移送媒体106とともに廃棄されるように移送媒体506上に留まることができる。
【0261】
図28A-28Cを継続すると、システム500はまた、移送媒体506(例えば、テープ)から、(例えば、第1の区分において)ブロックから切断された生物学的サンプルを受け取るためのスライドを調製および提供し、分析のためにスライドを処理する機構の組み合わせを有する、例えば、
図28Cに示されるような第2の区分を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の区分におけるスライドを処理するための機構の組み合わせは、スライド接着剤コータ512と、スライドプリンタ514と、スライド入力ラック516と、スライドシンギュレータ518と、スライド出力ラック520とを含むことができる。機構の本組み合わせは、サンプルを受け取るためのスライドを調製し、スライド上にサンプルを固着させ、サンプルを伴うスライドを後の使用のためにラックに送達/編成するようにともに機能することができる。いくつかの実施形態では、初期ブランクスライドが、事前処理のためにスライドアセンブリの保管ラック内に提供されることができる。例えば、スライドアセンブリは、複数のブランクスライドを保管するための1つまたはそれを上回るスライド入力ラック516を含むことができる。スライドアセンブリは、大きい容量のスライド、例えば、200個のスライドを保管および編成することができる。
【0262】
いくつかの実施形態では、スライドシンギュレータ518は、入力ラック116内でスライドのスタックからのスライドを掴むように設計されることができる。スライドシンギュレータ518は、スライドをピックアップおよび輸送することが可能な機構の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、スライドシンギュレータ518は、作動機械的アーム、ガントリ等であり得る。処理される前に、スライドシンギュレータ518は、品質制御ステップのためのスライドを提供することができる。品質制御ステップの間、分析が、スライドがサンプルを受け取るために好適であることを確実にするために、スライドに対して実施されることができる。例えば、品質制御は、スライドシンギュレータ518が、スライドに伴う任意の潜在的問題を識別し、スライドの配向、スライドの条件等をチェックするための画像処理のための画像データを提供するために、カメラの視野内でスライドを輸送することを含むことができる。スライドが、品質制御検査に不合格である場合、これは、廃棄されることができ、これが、合格する場合、これは、システム500内で輸送され、サンプルを受け取るように準備されることができる。いくつかの実施形態では、スライドは、その上に印刷される識別情報を受け取るためにスライドプリンタ514に輸送されることができる。例えば、サンプルタイプ、サンプル起源、サンプル日付等についての情報が、スライド上に印刷されることができる。識別情報は、スライドおよびその内容が、適切に識別ならびに追跡され得るように、機械可読および人間可読コードまたはテキストの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、スライドプリンタ514は、スライド番号、バッチ、内容等を識別するために、スライド上に機械可読バーコードを印刷することができる。
【0263】
いくつかの実施形態では、スライドは、接着材料によってコーティングされるためにスライド接着剤コータ512に輸送されることができる。例えば、スライド接着剤コータ512は、スライド上に紫外線(UV)活性化接着剤を噴霧する、UV活性化接着テープを適用する、または接着剤システムもしくは方法の任意の組み合わせを行うことができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、複数の層において適用されることができる。多数の層は、スライドが接着剤の均一なコーティングを受け取り、スライド層を通した明確な視認を確実にするように適用されることができる。いくつかの実施形態では、スライドは、すでに事前処理された、または部分的に事前処理されたスライド入力ラック516の中に挿入されることができる。
【0264】
いったんスライドが、スライドプリンタ514およびスライド接着剤コータ512によって処理されると、スライドは、移送媒体506からサンプルを受け取るために、移送媒体106に輸送されることができる。例えば、スライドは、移送媒体506(例えば、テープ機構)から切片化された組織ブロックサンプルを受け取るために、偏移アセンブリ522に輸送されることができる。いくつかの実施形態では、サンプルをスライドに移送することに先立って、偏移アセンブリ522は、1つまたはそれを上回るカメラを含み、移送媒体506のサンプルがスライドへの接着のために好適であるかどうかを決定するための画像処理を実施することができる。例えば、画像処理は、これがスライド上での設置のために好適であるかどうかを決定するために、サンプルを検査することができる。これが好適ではない場合、サンプルは、廃棄されることができ、移送媒体506は、次のサンプルに前進されることができる。サンプルが、スライド上での設置のために好適であるとき、これは、スライドに適用されることができる。いくつかの実施形態では、画像処理は、サンプルの設置が十分な品質であるかどうかを決定するために、これがスライドに接着された後にサンプルを検査することができる。例えば、画像処理は、サンプルがスライドに清潔に接着されているかどうか、気泡、引裂、パラフィン残留等がないかを決定するためにスライドを検査することができる。スライドが、好適ではない場合、スライドは、スライド出力ラック520内に設置される代わりに、廃棄されることができる。
【0265】
いくつかの実施形態では、完成されたスライドは、スライド出力ラック520内に保管されるようにシンギュレータ518によって輸送されることができる。スライドは、スライドが使用されるであろう次のステップが、容易にスライドを位置特定および除去し得るように、所定の順序および/または編成方法においてスライド出力ラック520内に保管されることができる。
【0266】
上記のように、いくつかの実施形態では、システム500は、例えば、2020年2月22日に出願された同時係属中の米国出願第62/980,203号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されるような品質制御撮像システムを含むことができる。
【0267】
図29を参照すると、いくつかの実施形態では、システム500は、自動化プロセスフロー600において提供される段階に従って、組織ブロックからスライドにサンプルを移送するために使用されることができる。
図29は、
図28A-28Cに提供されるシステム500において使用される、ブロックからスライドへのステップのプロセスフローを示す。ステップ601において、サンプル組織ブロックが、システム500内に装填されることができる。例えば、パラフィンブロック内に埋設される組織サンプルを伴う、1つまたはそれを上回る組織ブロックが、トレイ510の中に装填され、システム500内に設置されることができる。ステップ602において、サンプル組織ブロックのうちの1つが、断面化のためにトレイ510からミクロトーム504に移動されることができる。例えば、組織ブロックが、ハンドラによって輸送され、断面化されるべき断面化ミクロトーム504のチャック内に設置されることができる。ステップ603において、断面化された組織ブロックが、水和および冷却されるために水和チャンバ508に移動されることができる。例えば、組織ブロックが、ハンドラによって輸送され、所定の時間周期にわたって水和チャンバ508内に設置されることができる。十分な水和が提供された後、ステップ604において、組織ブロックは、切片化のためにミクロトーム504に移動されることができる。例えば、組織ブロックが、ハンドラによって輸送され、研磨および切片化されるために切片化ミクロトーム504のチャック内に設置されることができる。ブロックは、断面化を実施した同一のミクロトーム104または異なるミクロトーム504に提供されることができる。その後、各切片化されたサンプルは、移送媒体506に移送されることができる。ステップ605において、移送媒体506上の切片化されたサンプルは、スライドに移送されることができる。
【0268】
ステップ601-605と同時に、またはそれに続けて、ステップ606-608が、組織ブロックからの切片化されたサンプルと組み合わせるために、1つまたはそれを上回るスライドを調製するために実施されることができる。ステップ606において、顕微鏡スライドが、新しいスライドのスタックから選択および取得されることができる。例えば、スライドシンギュレータ518が、ブランクスライドのラック516内に保管されるスライドのスタックからスライドを選択および引動することができる。ステップ607において、識別情報が、選択されたスライド上に印刷されることができる。例えば、スライドは、機械可読バーコードをその上に印刷されるために、スライドプリンタ514内に設置されることができる。ステップ608において、接着材料が、選択されたスライド上にコーティングされることができる。例えば、スライドは、UV活性化接着剤をその上に噴霧されるために、スライド接着剤コータ512内に設置されることができる。ステップ609において、組織サンプルが、移送媒体506からUV接着剤コーティングスライドに移送されることができる。加えて、ステップ609の間、スライドは、オンボード診断、品質制御、およびサンプル追跡のために撮像されることができる。例えば、1つまたはそれを上回るカメラが、所定の品質閾値に関して画像プロセッサによって処理されるべき画像データを捕捉するために使用されることができる。いったんスライドが品質制御に合格すると、ステップ610において、完成された組織スライドが、将来の分析のために保管されるように出力ラック520に移動されることができる。
【0269】
アルゴリズム
【0270】
図30のフローチャートは、ミクロトームによって切断された組織切片をテープに移送し、組織切片をスライドにさらに移送するためのモータ制御自動化システムのステップを図示する。例えば、自動化システムは、移動可能テープまたは他の支持/搬送媒体を含むことができ、組織の切片は、本装置によってテープに自動的に移送される。いったん本システム、撮像システムが、組織切片が後の分析のためにテープに移送され得るように、ブロックが上記に説明されるように完全に断面化されたと決定すると、給送機構が、自動的にアクティブ化される(または代替として、本装置は、いったんブロックが完全に断面化されると、ユーザが給送機構をアクティブ化するであろうように設計されることができる)。給送機構のアクティブ化は、上記に説明されるようにサンプルブロックの切断面に向かって移動されるテープを前進させる。次に、ローラ、例えば、ローラ部材が、テープ、例えば、接着テープが利用される場合、テープの接着側を切断面上に押圧する。ローラは、次いで、テープが切断面全体を被覆するように、押下される。線形アクチュエータが、別の切断切片の移送のためのブロックへのテープの後続適用のために、ローラを再設定するためにその元の位置まで後退される。ミクロトームは、次いで、テープによって被覆される切片を(例えば、切断面に平行または略平行な平面に沿って)切断する。テープによって搬送される切断切片は、スライドステーションに前進され、スライドと整合する。組織の切断切片が、自動化装置によってテープに移送された後、組織切片は、スライドステーションにおけるガラススライドに自動化装置によって続けて輸送され、ガラススライドに自動的に移送される。スライドローラは、テープ上の切片をスライド上に押圧し、切片は、スライド上に積層されることができる。スライドローラは、その元の位置まで後退され、テープは、スライドから離れるように前進され、スライド上に切片を残す。
図30のこれらのステップは、所望の数のサンプル切片がテープに移送され、ミクロトームによって切断され、スライドに移送されるまで繰り返される。
【0271】
図30に示されるように、給送機構が、ステップ700において、テープを前進させるようにアクティブ化される。次に、線形アクチュエータが、ステップ702において、サンプルブロックの切断面に向かって移動する。ローラ部材が、ステップ704において、テープの接着側を切断面上に押圧する。ローラ部材は、次いで、ステップ706において、切断面全体を被覆するように接着テープを接着させるように押下される。線形アクチュエータが、ステップ708において、接着剤の後続適用のために、ローラ部材を再設定するために後退する。ミクロトームが、ステップ710において、接着テープによって被覆される切片を切断し、切断切片が、ステップ712において、スライドステーションに前進し、スライドと整合する。スライドローラが、ステップ714において、スライド上に切片を押圧し、切片が、ステップ716において、スライド上に積層される。随意に、比較が、ステップ717において、組織ブロックのベースライン画像とスライド上の組織切片の画像との間で行われ、組織ブロックと組織切片との間の合致を確実にすることができる。スライドローラが、ステップ718において、その元の位置まで後退する。最後に、テープが、ステップ720において、スライドから離れるように前進し、巻取機構上に保管される。
【0272】
いくつかの実施形態では、品質制御システムが、自動化システムの機器またはコンポーネントチェックのために提供されることができる。より具体的には、ソフトウェアアルゴリズムが、組織画像および投影パターンの変動に基づいて、組織移送システムが製造仕様に従って機能しているかどうかを決定するために利用されることができる。これは、例えば、テープ上の組織の画像に基づくことができる。代替変形例では、固定された機械コンポーネントの目印特徴が、組織配向変動を決定するために、投影パターンの代わりに基準として使用されることができる。そのような特徴は、デバイスの予測的保守に役立ち得る。組織は、全てが仕様に従って機能している場合、同一の公称場所においてテープに移送される。組織移送が、十分に異なる場所にある場合、これは、機械コンポーネントが不整合状態である、または適切に機能していないことをユーザにアラートすることができる。例えば、異なる場所が、検出される場合、これは、ローラが整合される必要があること、テープ張力が移送の間で同一である必要があること、例えば、張力センサが外れている、またはセンサが異なる点において作動していること、テープからブロックへのアプリケータ張力ばねが依然として規定されたばね定数を有していないこと、移送のために使用されるテープが同一の弾性定数および規定されたものを有していないこと等を意味し得る。単一のメトリックが、任意の個々の理由を指し示すことができないが、これが、組織移送ラインにおいて修正される必要がある問題が存在することを技師にアラートし得ることを理解されたい。しかしながら、また、本システムが、不整合の源をより特異的に検出し得るアルゴリズムを提供し得、したがって、調節を必要とする機械コンポーネントが識別され得ることが、想定される。
【0273】
組織撮像システムは、自動化テープ移送システムのステップを図示する
図31のフローチャートとともに、
図25のテープ移送装置(システム)と併用して示される。単一の撮像デバイス、例えば、デジタルカメラが、テープの接着剤への切断切片の移送に隣接する写真を撮影するために利用され得ることに留意されたい。同一のカメラは、スライドへの切片の移送後にスライドの写真を撮影するために、スライドステーションに隣接して自動化動作の間に再位置付けされることができる。代替として、異なる撮像デバイスが、スライドへの切片の移送後に写真を撮影するために、スライドステーション内に、またはそれに隣接して提供されることができる。上記のように、
図25の装置は、テープへの切断切片の移送後、およびテープからスライドへの切断切片の移送後に切断切片の写真を撮影する、または代替として、テープへの移送後のみ、もしくはスライドへの移送後のみ、写真を撮影することができる。そのような写真は、移送の時点で、移送の直後に、または移送の下流で(テープがテープアプリケータを過ぎて前進した、またはスライドステーションに前進した後に)撮影されることができる。テープおよび/またはテープの切断切片の写真はまた、所望される場合、テープ給送サイクルの間の他の時点で撮影されることができる。
【0274】
最初に、給送機構が、ステップ730において、テープを前進させるようにアクティブ化される。線形アクチュエータが、ステップ732において、サンプルブロックの切断面に向かって移動する。ローラ部材が、ステップ734において、テープの接着側を切断面上に押圧し、ローラ部材は、ステップ736において、切断面全体を被覆するように接着テープを接着させるように押下される。線形アクチュエータが、ステップ738において、接着剤の後続適用のために、ローラ部材を再設定するために後退する。ミクロトームが、ステップ740において、接着テープによって被覆される切片を切断する。テープによって被覆された切断切片の写真が、ステップ742において、撮影され、切断切片が、ステップ744において、スライド切片に前進し、スライドと整合する。次に、組織十分性についての決定が、ステップ746において行われる。組織切片が、スライド上への移送のために十分はない場合、切片は、ステップ748において、スライドに移送されず、テープ上に留まる。テープは、次いで、ステップ758において、スライドから離れるように前進し、巻取機構上に保管される。組織切片が、スライド上への移送のために十分である場合、スライドローラは、ステップ750において、スライド上に切片を押圧し、切片は、ステップ752において、スライド上に積層され、スライド上の切片の写真が、ステップ754において、撮影される。最後に、スライドローラが、ステップ756において、その元の位置まで後退し、テープが、ステップ758において、スライドから離れるように前進し、巻取機構上に保管される。
【0275】
図31のフローチャートを参照すると、テープ、例えば、テープカートリッジが、給送機構上に装填された後、給送機構436は、テープ、すなわち、連続的長さの接着テープを前進させるようにアクティブ化される。線形アクチュエータ部材438が、サンプルブロックの切断面に向かって移動される。次に、ローラ部材が、テープの接着側を切断面上に押圧する。ローラ部材は、次いで、切断面全体を被覆するように接着テープを接着させるように押下される。線形アクチュエータ438は、別のサンプルへの接着テープの後続適用のために、ローラを再設定するためにその元の位置まで後退される。ミクロトームは、次いで、接着テープによって被覆される切片を(切断面に平行または略平行な平面に沿って)切断する。切断切片の写真が、移送の時点または移送の直後のいずれかで、デジタルカメラによって撮影される。写真は、テープへの適切な移送を確認するために分析される。切断切片は、スライドステーション440まで下流に前進され、スライドと整合する。この時点で、写真は、組織の十分な切片がスライドへの移送のためにサンプルブロックから切断されているかどうかを決定するために分析される。切片が、十分ではない、例えば、これが、例えば、大部分がパラフィンを含有する結果として十分な組織サンプルを含有しない場合、切片は、スライドに移送されず、テープ上に留まる。テープ領域が、十分な組織切片を含有する場合、スライドへの移送ができる状態であり、スライドローラは、スライド上に切片を押圧し、切片は、次いで、上記に説明される種々の方法によってスライド上に積層される。切断切片およびスライドの写真が、スライドへの移送の時点で、または移送の直後に撮影される。写真が、スライド上への積層の前または後に撮影され得ることに留意されたい。スライド機械からのスライドが、サンプルブロック上のバーコードまたは他の識別子に対応するバーコードまたは他の識別システムを有することに留意されたい。スライドローラは、その元々の位置まで後退され、テープは、スライドから離れるように前進され、巻取機構上に搭載されるテープカートリッジの巻取リール上に保管される。
図31のこれらのステップは、サンプルブロックからの所望の数の切片が、ミクロトームによって切断され、テープに移送され、スライドに移送されるまで繰り返される。これらの切片のそれぞれの写真が、テープ給送動作(品質制御)の間の分析のために、テープに移送されるとき、およびスライドに移送されるときに撮影される。
【0276】
図32のフローチャートは、米国公開第2017/0003309号のシステムにおけるように、サンプルテープがキャリアストリップから除去されることを除いて、
図31のものに類似するシステムに関する。
図31および32のフローチャートによる写真の分析は、本明細書に説明される照明およびビジョンニングシステムの使用によって強化される。
【0277】
図32に示されるように、給送機構が、ステップ760において、接着剤を伴うサンプルテープのパッチを搬送するキャリアストリップを前進させるようにアクティブ化される。次に、サンプルテープが、ステップ762において、サンプル面と整合する。ステップ764において、ローラが、サンプル面上にサンプルテープを押圧するように移動し、キャリアストリップガイドが、ここで、適用位置にある。ローラが、ステップ766において、その初期位置まで後退する。ステップ768において、キャリアストリップガイドは、除去位置まで移動し、経路から外にキャリアストリップを移動させ、キャリアストリップは、サンプルテープから分離する。ミクロトームが、ステップ770において、サンプルの切片を切断し、テープ上の切断切片の写真が、ステップ772において撮影される。次に、取り付けられた切片を伴うサンプルテープが、ステップ774において、スライドステーションに前進し、スライドと整合する。次に、組織十分性についての決定が、ステップ776において行われる。組織切片が、スライド上への移送のために十分ではない場合、切片は、ステップ778において、スライドに移送されず、サンプルテープ上に留まる。組織切片が、スライド上への移送のために十分である場合、スライドローラは、ステップ780において、スライド上に切片を押圧し、サンプルテープは、ステップ782において除去され、切片が、ステップ784において、スライド上に積層される。最後に、スライド上の切片の写真が、ステップ786において撮影される。
【0278】
上記に議論されるように、自動化システムは、サンプルブロックのブロック面上の組織をガラススライドに移送された組織切片と比較するための画像ベースの品質制御システムを有する。1つまたはそれを上回る撮像デバイスが、ブロック面のデジタル画像を入手し、1つまたはそれを上回る撮像デバイスが、その上に組織切片が移送および保定されるスライド上の組織切片のデジタル画像を入手し、サンプルブロックおよびスライドの画像は、アイテムを確実に合致させるために比較される。すなわち、サンプルブロックからの画像および組織切片を含有するスライドからの画像は、合致の存在または不在を決定するために比較される。これは、組織ブロックを搬送するカセット上およびスライド上に提供されるバーコードへのバックアップシステムを提供する。このように、バーコードの合致が、確認される場合、ダブルチェックが、画像比較によって自動化装置によって実施される。したがって、品質制御は、人間の査定に依拠しない。
【0279】
そのような品質制御を達成するために、いくつかの実施形態では、3つの特徴、すなわち、1)所望の組織画像を捕捉するために設置される一連の画像捕捉デバイス、2)組織とパラフィン(または他の埋設媒体)との間のデジタル画像上での区別を改良し、比較/分析を促進するためにコントラストが作成されること、および3)組織ブロックならびにスライドがブロックおよびスライドの移動を最小限にする、またはいくつかの実施形態では、完全に防止するために安定的に(堅く)保持され、撮像を強化することが、提供される。これらの特徴はそれぞれ、下記に議論される。
【0280】
自動化システムは、ブロック面およびスライドからの画像を比較するソフトウェアとともに、ブロック向きカメラおよびスライド向きカメラからの画像を収集するためのコンピュータシステムを含むことができる。ソフトウェアアルゴリズムは、各画像からの組織の輪郭を決定し、2つの画像を比較する。画像は、所望される場合、後の比較のために記憶されることができる。
【0281】
コンピュータシステムは、ブロック面およびスライドからの画像が合致しているかどうかを決定するための決定アルゴリズムを有することができる。決定アルゴリズムは、それから画像が捕捉されるサンプルブロックおよびガラススライドの識別の知識を有する。決定アルゴリズムは、サンプルがまた合致する識別を有することを検証する。合致する識別は、本明細書に説明されるような合致する組織輪郭を伴うことができる。合致する識別はまた、例えば、本明細書に説明される
図17Aおよび17Bに示されるように、サンプルブロック上およびスライド上の合致するバーコードを伴うことができる。
【0282】
種々のタイプの撮像デバイスが、提供されることができる。用語「撮像デバイス」および「画像捕捉デバイス」が、本明細書に同義的に使用され、便宜上、デジタルカメラの観点から議論され、示されるが、しかしながら、例えば、X線、赤外線、トモグラフィ、マイクロCT撮像、OCTカメラ等を含む、画像を捕捉するための種々のデバイスおよび方法もまた、想定されることが理解されるべきであることに留意されたい。単一の画像デバイスが、提供されることができるが、代替として、複数の撮像デバイスが、画像を強化するために、サンプルブロックに隣接して、および組織切片を受け取るスライドに隣接して提供される。画像捕捉デバイス、例えば、デジタルカメラ等のデジタル撮像デバイスが、鮮明度を強化するために、画像捕捉デバイスがブロックの画像を入手する際に入射光に対する光フィルタを有し得ることに留意されたい。
【0283】
撮像システムは、迷光がカメラによって捕捉されないように防止するために、撮像されるべき物体と、撮像ハードウェアとを含むボックスを含み得る。
【0284】
いくつかの実施形態では、鮮明な高コントラスト画像を有することに対する別の側面は、画像捕捉デバイスと物体との間の振動を最小限にすることである。自動化システムは、複数のカメラの正面に切片化されるべき組織のサンプルブロックを安定的に保持する機構を含むことができる。これは、そのような振動が画像をぼやけさせ、組織比較をより困難にすることによって画像後処理ツールの性能を減少させるため、サンプルブロックの振動を低減させることによって、振動に敏感なカメラを使用するときに画像を強化する。サンプルブロックは、リアルタイムにサンプルの位置を監視するサーボモータを用いて定位置に保持される。一実施形態では、サンプルブロックは、画像捕捉デバイスと同一の基準フレームに取り付けられた高慣性搭載ブラケットを用いて定位置に保持される。サンプルブロックを安定的に保持するための他の機構もまた、想定される。
【0285】
同様に「第2の」画像、すなわち、スライド上の切断組織切片の鮮明な高コントラスト画像を提供するために、画像捕捉デバイスとスライドとの間の振動は、最小限にされる。したがって、上記に議論されるようなサンプルブロックを安定的に保持することと同様に、自動化システムは、複数のカメラの正面に切断組織サンプルを含有するスライドを安定的に(堅く)保持する機構を含むことができる。本安定した保持は、そのような振動が画像をぼやけさせ、組織比較をより困難にすることによって画像後処理ツールの性能を減少させるため、スライドの振動を低減させることによって、画像を強化する。スライドは、撮像の間にスライド保持器によってスライドステーション内に定位置に堅く保持されることができる。代替として、搭載ブラケット等の機構が、スライドステーションの一部として組み込まれることができる。
【0286】
一実施形態の自動化システムのシステムおよび方法が、ここで、
図33のフローチャートと併せて説明されるであろう。説明される方法は、パラフィンが埋設された生物学的組織を処理し、ガラス基板上に薄い切片を生成する、自動化生物学的組織切片化デバイスである。薄い切片は、さらなる処理後の顕微鏡下での分析のために好適である。本方法では、ブロック面上の組織形状は、ガラススライド上の組織輪郭と比較される。これは、完全自動化組織切片化デバイスの文脈で行われ、自動化品質制御能力を提供する。したがって、本システムは、自動化生物学的組織切片化デバイスのための入力および出力生成物比較を提供し、それによって、切断され、ガラススライド上に設置されている生物学的組織の品質制御を提供する。
【0287】
図33に示されるように、サンプルブロックの写真が、ステップ790において、撮影され、給送機構が、ステップ792において、テープを前進させるようにアクティブ化される。線形アクチュエータが、ステップ794において、サンプルブロックの切断面に向かって移動する。次に、ローラ部材が、ステップ796において、テープの接着側を切断面上に押圧する。ローラ部材は、次いで、ステップ798において、切断面全体を被覆するように接着テープを接着させるように押下される。線形アクチュエータが、ステップ800において、接着剤の後続適用のために、ローラ部材を再設定するために後退する。ミクロトームが、ステップ802において、接着テープによって被覆される切片を切断し、スライドローラが、ステップ804において、スライド上に切片を押圧し、切片が、ステップ806において、スライド上に積層される。スライド上の切片の画像が、ステップ808において、撮影される。スライドローラが、ステップ810において、その元の位置まで後退し、テープが、ステップ812において、巻取機構上での保管のためにスライドから離れるように前進する。切片画像は、ステップ814において、合致を確認するためにサンプルブロック画像と比較される。随意に、比較が、ステップ815において、組織ブロックのベースライン画像と切片画像との間で行われ、組織ブロックと組織切片との間の合致を確実にすることができる。スライド上のバーコードが、ステップ816において、合致を確認するためにサンプルブロック上のバーコードと比較される。
【0288】
より具体的には、
図31のフローチャートを参照すると、ステップは、品質制御の追加を除いて、
図31のフローチャートと併せて説明されるシステムに類似する。
図31のシステムはまた、組織がスライドに移送されるべきかどうかを決定する品質制御ステップを有していないが、しかしながら、品質制御システムは、そのようなステップを実施するシステムと併用されることができる。
図31の初期ステップでは、サンプルブロックの1つまたはそれを上回る写真が、デジタルカメラによって撮影される。初期写真は、給送機構のアクティブ化の前またはアクティブ化の後に撮影されることができる。画像は、プロセスの後で、すなわち、スライドへの移送(またはテープへの移送)の後に撮影される画像との比較のために記憶される。次に、本方法は、サンプルブロックの切断面に向かってテープを移動させるステップと、切断面上に接着テープを押圧し、切断面を表面(例えば、切断面の表面全体)に接着させるステップと、ミクロトームを介して組織切片を切断するステップと、テープ上の切断組織切片をスライドステーションに前進させるステップと、テープ切片をスライド上に押圧するステップと、スライド上に切片を積層するステップとを含む。品質制御システムに従って、(積層前または後の)スライド上の組織切片の画像が、デジタルカメラによって撮影される。切片化された画像は、合致を確認するためにサンプルブロック画像と比較される。スライド上のバーコードもまた、合致を確認するためにサンプルブロック上のバーコードと比較される。サンプルブロックとスライド上の組織切片との間の本切片比較が、
図17Aに示され、パラフィン内に埋設される組織を含有するサンプルブロックの上部の撮影された画像が、スライド上の組織切片と比較される。個々のスライド上のバーコードが、スライドおよびパラフィンブロック識別比較を図示する
図17Bに示されるように、サンプルブロックの後部上のバーコードと比較される。バーコード比較が、組織画像比較の前または後に実施され得ることに留意されたい。
【0289】
フローチャートにおけるステップが、品質制御システムの使用のための一実施形態を提供し、ステップが、
図33のブロックの厳密な順序で実施される必要はないことが理解されることに留意されたい。
【0290】
図33の方法と併せて説明される品質制御システムが、組織切片がそれに移送されたときにテープの写真を撮影する品質制御システムを含み得ることを理解されたい。確実な検証のための識別合致のための品質制御システムはまた、本テープ切片移送写真チェックを伴わずに使用されることができる。識別合致の品質制御システムは、本明細書に説明される装置/システムおよび方法のうちのいずれかと併用されることができる。
【0291】
単一のカメラまたは複数のカメラ(もしくは他の撮像デバイス)が、サンプルブロック、切断切片、および/またはスライド画像、ならびに/もしくはテープ画像のために使用され得ることを理解されたい。加えて、また、定常または移動可能のいずれかの単一のカメラ(もしくは他の撮像デバイス)が、サンプルブロック、テープ、および/またはスライドの画像を撮影するために利用され得ることが、想定される。
【0292】
サンプルブロックの複数の画像が、各スライドの画像の1対1比較を提供するために撮影され得ることに留意されたい。例えば、各切片が切断される前に、ブロック面の画像が、その具体的切断切片を含有するスライドとの比較のために撮影されることができる。代替として、サンプルブロックの単一のベース画像またはいくつかのベース画像のみが、各スライドの画像との比較のために撮影されることができる。
【0293】
品質制御システムの別の側面によると、スライドの画像は、気泡または引裂に関してチェックする、すなわち、スライドへの切断組織切片の適切な移送を確認するためにアーチファクトを探すために処理される。気泡が、存在する場合、スライドは、捨てられることができる。そのようなアーチファクト品質制御システムの第2のレベルでは、アーチファクトが、検出される場合、本システムは、次に、アーチファクトが組織またはパラフィン上にあるかどうかを決定するであろう。組織上にある場合、スライドは、廃棄されることができ、パラフィン上にある場合、スライドは、これが組織分析に影響を及ぼさないであろうため、依然として使用され得る。本アーチファクト品質制御システムは、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるサンプルブロック/スライド画像比較品質制御システムに加えて利用されることができる。
【0294】
上記のように、本明細書に開示される種々の実施形態では、ある用途において、複数の切片が単一のスライドに移送され得ることが、想定される。また、いくつかの実施形態では、切片(またはスライド)の全てが染色されるわけではないことが、想定される。遺伝子分析に関して、染色が、DNAを破壊し得るため、組織の腫瘍特異的切片は、典型的には、DNAを保全するために、空白または非染色切片上で行われる。しかしながら、非染色切片は、顕微鏡下で主に透明であるため、通常の組織と腫瘍との間のコントラストは、非常に不良である。本明細書に開示されるシステムでは、スライドステーションは、いくつかの実施形態では、交互する染色および非染色スライドを含むことができる。すなわち、染色切片(スライド)に隣り合って非染色切片(スライド)を設置し、本明細書に開示される追跡方法に起因して、テープ上の切片、したがって、スライドの位置付けを検出することによって、非染色スライドは、遺伝子的に分析されることができる。したがって、非染色スライドとほぼ同じである染色スライドは、非染色スライドから材料を採集するための領域/座標を提供するであろう。これは、典型的には、切断切片が、細胞のサイズの約1/2である、5ミクロンの厚さであるため、達成可能である。
【0295】
本明細書に説明されるように、写真が、リアルタイム分析のために、テープ給送サイクルの種々の段階において撮影される。そのような写真は、テープに移送される切片の品質および/またはスライドに移送される切片の品質のフィードバックを提供するために、上記に議論される光学センサに加えて、またはその代替として利用されることができる。
【0296】
集められた任意の画像およびバーコード関連付けが、いくつかの実施形態では、実験室情報管理システム(LIMS)と同期されることができる。画像/スペクトルを入手する、または決定を行う際に、これらの画像/スペクトル/決定は、LIMSに進入することができる。したがって、本明細書に開示される品質制御システムは、そのような統合を促進することができる。
【0297】
自動化システムは、撮像システム2によって収集された撮像データを収集および分析するためのコンピュータシステムを含むことができる。画像は、所望される場合、後の分析または比較のために記憶されることができる。コンピュータシステムは、ブロック面、テープ、またはスライドからの画像が組織異常を示すかどうかを(バイナリ分析において)決定するための決定アルゴリズムを有することができる。
【0298】
任意の好適なコンピューティングシステムが、本明細書に説明されるコンピューティングデバイスおよび方法/機能性を実装するために使用され、当業者によって理解されるであろうように、汎用コンピューティングデバイス上での単なるソフトウェアの実行を有意に上回る様式で、ハードウェア、ソフトウェア、およびハードウェアの修正を通して、本明細書に説明される動作および特徴を実施するための具体的システムに変換されることができる。そのようなコンピューティングデバイス900の一例証的実施例が、
図34に描写される。コンピューティングデバイス900は、単に、好適なコンピューティング環境の例証的実施例であり、いかようにも本発明の範囲を限定しない。
図34によって表されるような「コンピューティングデバイス」は、当業者によって理解されるであろうように、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「ハンドヘルドデバイス」、「モバイルデバイス」、「タブレットコンピュータ」、または他のコンピューティングデバイスを含むことができる。コンピューティングデバイス900が、例証目的のために描写されることを前提として、本発明の実施形態は、本発明の単一の実施形態を実装するために、任意の数の異なる方法で任意の数のコンピューティングデバイス900を利用してもよい。故に、本発明の実施形態は、当業者によって理解されるであろうように、単一のコンピューティングデバイス900に限定されない、またはそれらは、例示的コンピューティングデバイス900の単一のタイプの実装もしくは構成に限定されない。
【0299】
コンピューティングデバイス900は、直接または間接的に、以下の例証的コンポーネント、すなわち、メモリ912、1つまたはそれを上回るプロセッサ914、1つまたはそれを上回る提示コンポーネント916、入力/出力ポート918、入力/出力コンポーネント920、および電力供給源924のうちの1つまたはそれを上回るものに結合され得る、バス910を含むことができる。当業者は、バス910が、アドレスバス、データバス、またはそれらの任意の組み合わせ等の1つまたはそれを上回るバスを含み得ることを理解するであろう。当業者は、加えて、特定の実施形態の意図される用途および使用に応じて、複数のこれらのコンポーネントが、単一のデバイスによって実装され得ることを理解するであろう。同様に、いくつかの事例では、単一のコンポーネントが、複数のデバイスによって実装されることができる。したがって、
図34は、単に、本発明の1つまたはそれを上回る実施形態を実装するために使用され得る例示的コンピューティングデバイスの例証であり、いかようにも本発明を限定しない。
【0300】
コンピューティングデバイス900は、種々のコンピュータ可読媒体を含む、またはそれと相互作用することができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CDROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光学もしくはホログラフィック媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、または情報をエンコードするために使用され得、コンピューティングデバイス900によってアクセスされ得る他の磁気記憶デバイスを含むことができる。
【0301】
メモリ912は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態におけるコンピュータ記憶媒体を含むことができる。メモリ912は、リムーバブル、非リムーバブル、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例示的ハードウェアデバイスは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、光学ディスクドライブ、および同等物等のデバイスである。コンピューティングデバイス900は、メモリ912、種々のI/Oコンポーネント920等のコンポーネントからデータを読み取る、1つまたはそれを上回るプロセッサを含むことができる。提示コンポーネント916は、データインジケーションをユーザまたは他のデバイスに提示する。例示的提示コンポーネントは、ディスプレイデバイス、スピーカ、印刷コンポーネント、振動コンポーネント等を含む。
【0302】
I/Oポート918は、コンピューティングデバイス800が、I/Oコンポーネント920等の他のデバイスに論理的に結合されることを可能にすることができる。I/Oコンポーネント920のうちのいくつかは、コンピューティングデバイス900に内蔵されることができる。そのようなI/Oコンポーネント920の実施例は、マイクロホン、ジョイスティック、記録デバイス、ゲームパッド、衛星テレビ受信用アンテナ、プリンタ、無線デバイス、ネットワーキングデバイス、および同等物を含む。
【0303】
上記の説明は、多くの詳細を含有するが、それらの詳細は、本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、単に、その好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および精神内である多くの他の可能性として考えられる変形例を想定するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】