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特表2023-515129アポエクオリン及びクルクミン含有組成物及び方法
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  • 特表-アポエクオリン及びクルクミン含有組成物及び方法 図1
  • 特表-アポエクオリン及びクルクミン含有組成物及び方法 図2
  • 特表-アポエクオリン及びクルクミン含有組成物及び方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】アポエクオリン及びクルクミン含有組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230405BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230405BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230405BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20230405BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20230405BHJP
【FI】
A23L33/10
A61K31/12
A61K38/16
A61P37/04
A61P29/00
A61P39/06
A61P17/18
A61P31/12
A61K45/00
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/08
A61K9/10
A61P25/20
A61P3/02
A61P25/04
A61P25/28
A61P25/18
A61P25/22
A61P25/00
A61P21/02
A61P5/00
A23L33/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550725
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021019231
(87)【国際公開番号】W WO2021173550
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/980,785
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.PLURONIC
(71)【出願人】
【識別番号】506422227
【氏名又は名称】クインシー バイオサイエンス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】アンダーウッド マーク ワイ.
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD08
4B018MD20
4B018ME06
4B018ME14
4C076AA11
4C076AA22
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB24
4C076CC01
4C076CC07
4C076CC10
4C076CC21
4C076CC30
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA44
4C084MA17
4C084MA21
4C084MA23
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084MA58
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA01
4C084ZA05
4C084ZA08
4C084ZA15
4C084ZA18
4C084ZA23
4C084ZB09
4C084ZB11
4C084ZB33
4C084ZC03
4C084ZC22
4C084ZC37
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB14
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA41
4C206MA43
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA78
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA05
4C206ZA08
4C206ZA15
4C206ZA18
4C206ZA23
4C206ZB09
4C206ZB11
4C206ZB33
4C206ZC03
4C206ZC22
4C206ZC37
(57)【要約】
アポエクオリン及びクルクミン含有組成物、並びに症状及び障害、例えば、精神障害、不安、認知機能、睡眠の質、活力の質、気分の質、記憶の質又は痛みを治療するためのそれらの使用方法が本発明によって提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の健康状態を改善するための組成物であって、
(a)有効量のアポエクオリンと、
(b)有効量のクルクミンと、
(c)許容可能な担体と、を含む、組成物。
【請求項2】
免疫増強剤、抗炎症剤、抗酸化剤、抗ウイルス剤、又はこれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、シロップ、飲料、又は経口若しくは眼用製剤から選択される単回投与量の形態にある、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が栄養補助食品組成物の形態である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
人間の健康状態を改善する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項6】
前記症状又は障害が睡眠に関連するものであり、前記対象に請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における睡眠の質が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記症状又は障害が活力に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における活力の質が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記症状又は障害が気分に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における気分の質が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記症状又は障害が痛みに関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における痛みが軽減される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記症状又は障害が記憶に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における記憶の質が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記症状又は障害が精神に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における精神障害が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記症状又は障害が精神に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における不安が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記症状又は障害が精神に関連するものであり、前記対象に請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物を投与することにより前記対象における認知機能が改善される、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記症状又は障害が、神経興奮性、筋肉収縮、膜透過性、細胞分裂、ホルモン分泌、骨石灰化、又は虚血後の細胞死に関連するものである、請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物は、栄養補助食品組成物の形態で前記対象に投与される、請求項5~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物は、前記対象に経口投与される、請求項5~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
栄養補助食品組成物を投与された対象における人間の健康状態を治療改善するための前記栄養補助食品組成物を製造するための請求項1~4に記載の組成物の使用。
【請求項18】
栄養補助食品組成物を投与された対象における精神障害、不安、認知機能、睡眠、活力、気分、痛み、又は記憶を改善するための前記栄養補助食品組成物を製造するための請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項19】
対象における健康状態の改善に使用するための組成物。
【請求項20】
対象における精神障害、不安、認知機能、睡眠、活力、気分、痛み、又は記憶に関連する症状又は障害の治療に使用するための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本国際出願は、2020年2月24日に出願された米国仮出願第62/980,785号の利益を主張し、当該仮出願は参照により本明細書に盛り込まれるものとする。
【0002】
<連邦政府による資金提供を受けた調査開発の記載>
該当せず。
【0003】
本発明は、概して、人間の健康の維持に有用な組成物に関する。特に、本発明は、アポエクオリン及びクルクミンを含有する栄養補助食品組成物に関する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、人間の健康状態の改善及び/又は維持において、従来の組成物及び方法を上回るさまざまな利点を提供する。このような組成物は、種々の経路による対象への投与のための許容可能な担体と組み合わせた、アポエクオリン及びクルクミン製剤を含む。
【0005】
したがって、本発明は、許容可能な担体と組み合わせた、有効量のアポエクオリン及びクルクミン含有組成物に関する。特定の実施形態では、本発明は、許容可能な担体と組み合わせた、有効量のアポエクオリン及びクルクミンを含む栄養補助食品組成物に関する。特定の実施形態では、栄養補助食品組成物は、アポエクオリン及びクルクミンに加えて、例えば、免疫増強剤、抗炎症剤、抗酸化剤、抗ウイルス剤又はそれらの混合物などの、栄養補助的利益を提供すると認められている少なくとも1つの他の成分を含む。特定の実施形態におけるアポエクオリン及びクルクミン組成物は、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、シロップ、飲料、又は経口若しくは眼用製剤から選択される単回投与量(unit dosage)の形態で提供される。
【0006】
別の態様において、本発明は、カルシウム不均衡に関連する症状又は障害を治療するための方法に関し、当該方法は、そのような治療を必要とする対象に有効量のアポエクオリン及びクルクミンを投与することを含む。
【0007】
本発明による方法は、精神障害、不安、認知機能、睡眠の質、活力の質、気分の質、痛み、記憶の質を含むがこれらに限定されない、人間の健康状態に関連する多種多様な症状又は障害を治療するのに有用である。特定の実施形態において、症状又は障害は、神経興奮性、筋収縮、膜透過性、細胞分裂、ホルモン分泌、骨石灰化、又は虚血後の細胞死に生理学的に関連する。このような方法において、アポエクオリン及びクルクミンは、好ましくは、栄養補助食品組成物の形態で対象に投与される。
【0008】
さらに別の実施形態では、本発明は、栄養補助食品組成物を投与された対象における人間の健康に関する症状又は障害を治療するための栄養補助食品組成物を製造するためのアポエクオリン及びクルクミンの使用を包含する。このような組成物によって治療される例示的な症状又は障害は、精神障害、不安、認知機能、睡眠、活力、気分、痛み、又は記憶に関連するものを含む。
【0009】
したがって、本発明はさらに、例えば対象における精神障害、不安、認知機能、睡眠、活力、気分、痛み又は記憶に関連する症状又は障害を含む対象における上記症状又は障害の治療に使用するためのアポエクオリン及びクルクミンを意図している。
【0010】
本発明は、対象の精神的及び身体的健康状態の全体的な改善を提供する点で、従来の組成物及び方法を上回るさまざまな利点を提供する。
【0011】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、明細書及び特許請求の範囲を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】0日目から90日目に対する、睡眠の全体的な質、活力、気分、痛み及び全体的な健康状態といった領域でのスコアのベースラインからの変化率を示すグラフである。
図2】56名の参加者によってアポエクオリン(10mg)が毎日服用されたデータを示すグラフである。参加者は8日間から30日間評価された。記憶調査により、30日後に記憶において統計学的に有意な改善が認められた(hp<0.05)。参加者の57%において全体的な記憶の改善がみられ、51%において情報保持の改善、84%において運転方向の記憶の改善、66%において語想起の改善がみられた。N=56で、女性66%、男性34%であり、平均年齢=56歳で、20歳から78歳に及ぶ。
図3】0日目から90日目に対する、標準化認知バッテリー質問票からのスコアのベースラインからの変化率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I.一般的事項
本発明の材料及び方法について記載する前に、本発明は、記載される特定の方法論及び材料に限定されるものではなく、これらは変更できることは理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを記述することを目的とするものであり、特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈において別途明記されていない限り、複数の参照を含むことに留意すべきである。同様に、「a」(又は「an」)、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」との用語は、本明細書において互いに置き換えて使用することができる。また、「備える」、「含む」及び「有する」との用語は、互いに置き換えて使用することができることに留意すべきである。
【0015】
他に定義されていない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。本発明の実施又は試験において、本明細書に記載するものと類似又は同等の任意の方法及び材料を用いることができるが、以下では、好適な方法及び材料について記載する。本明細書において具体的に示す全ての出版物及び特許は、発明に関連して使用し得る出版物の中で報告されている化学物質、機器、統計的分析及び方法論の記載及び開示を含む全ての目的のために引用によって盛り込まれているものとする。本明細書において引用されている全ての文献は当業者の技術レベルを示すものとみなされるべきである。本明細書のいかなる内容も、先の発明によって本発明がそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0016】
II.本発明
エクオリンは、元々発光クラゲや他の海洋生物から分離された光タンパク質(photo-protein)である。エクオリン複合体は、22,285ダルトンのアポエクオリンタンパク質、分子状酸素及び発光体セレンテラジンから成る。この複合体に3つのCa2+が結合すると、セレンテラジンが酸化されてセレンテラミドとなり、同時に二酸化炭素と青色光が放出される。エクオリンは、細胞によって運び去られたり分泌されたりせず、また、細胞内にコンパートメント化されたり隔離されたりすることもない。したがって、エクオリン測定は、比較的長期間にわたって起こるCa2+の変化を検出するために使用されてきた。いくつかの実験系では、エクオリンの発光は細胞ローディング後数時間から数日後に検出可能であった。またエクオリンは、細胞機能又は胚発達を中断させないことがさらに知られている。
【0017】
エクオリン複合体は、そのCalf依存発光のために、細胞内Ca2+インジケータとして広く使用されてきた。オワンクラゲ(Aequorea victoria)エクオリンは、(1)ニコチン性コリン作動薬に対する単一副腎クロム親和性細胞の分泌反応を分析するため、(2)心筋障害におけるCa2+放出の役割を明らかにするため、(3)受精時のCa2+の大量放出を実証するため、(4)発達中のニワトリ筋芽細胞における筋小胞体Ca2+ポンプ表現の調節性を調査するため、(5)わずか3ピコリットル程度の注入量のマイクロピペットをキャリブレートするためなどに特に用いられている。
【0018】
アポエクオリンは分子量が約22kDaである。アポエクオリンは、アポエクオリンにおけるジスルフィド結合を還元することによってエクオリンを再生するのに用いることができる。カルシウム結合(calcium-loaded)アポエクオリンは、結合基質を含む未反応の光タンパク質と同じコンパクトなスキャフォールド及び全体的折りたたみパターンを保持している。
【0019】
従来のオワンクラゲからのエクオリンの精製は、手間のかかる抽出作業が必要であり、また時には、得られる製剤が実質的に不均一であるか、又は調査対象の生物に対し毒性を有するものとなる。典型的に、2トンのクラゲから約125mgの精製された光タンパク質が得られる。対照的に、組み換えエクオリンは、好ましくは、遺伝子操作したEseherichia coliからアポエクオリンを精製し、続いて純粋なセレンテラジンを用いてin vitroでエクオリン複合体を再構成することによって生成される。本発明に有用なアポエクオリンについて記載したが、これは当業者に知られている精製スキーム及び/又は合成によって商業的に入手可能である。S.Inoue,S.Zenno,Y.Sakaki,F.Tsuji,「High level expression and purification of apoaequorin」(1991),Protein Expression and Purification 2,122-126。
【0020】
本発明は、アポエクオリン及びクルクミン含有組成物を対象に投与し、それにより、精神障害、不安、認知機能、睡眠の質、活力の質、気分の質、痛み、記憶の質(但しこれらに限定されない)を改善するためのものである。クルクミン(ジフェルロイルメタン;1,7-ビス[4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル]-1,6-ヘプタジエン-3,5-ジオン)は、リポソーブル分子であり、疎水性のポリフェノール誘導体である。クルクミンの知られている識別子はCAS番号458-37-7である。その化学式はC21H20O6で、モル質量は368.39g/molであり、融点は183°C(361°F;456K)である。
【0021】
クルクミノイド、ビスデメトキシクルクミン、デメトキシクルクミン、及びテトラヒドロクルクミンとして知られるクルクミンとそのモノメトキシ誘導体及びジメトキシ誘導体は、抽出プロセスから得られるクルクミン製剤の主要成分である。市販のクルクミンは、おおよそで、ジフェルロイルメタン77%、デメトキシクルクミン17%及びビスデメトキシクルクミン6%を含み得る。クルクミンは、ウコン(Curcuma longa)(ターメリック)植物の乾燥されてすりつぶされた根茎から、溶媒を用いる抽出によって得られるものである。ターメリックは歴史的にインドのアーユルベーダ医学においてさまざまな障害の治療に用いられてきたが、20世紀になって初めて、科学的調査によってクルクミンがその生物学的活性の大部分を担う因子として特定された。
【0022】
クルクミンは多くの前臨床及び臨床調査の対象となっており、その抗炎症力及び抗酸化力は十分に立証されている。クルクミンは細胞の酸化バランスを調節する能力を有し、さまざまな方法で多数のメカニズムで介在し、特に、強い炎症活性を有する一連の因子(COX1及び2、TNF、リポキシゲナーゼ及びインターフェロン-γ)を阻害する。最後に、in vitroにおいて抗腫瘍薬としての有効性が示されている(Bengmark S.,JPEN,2006,30(1):45-51)。
【0023】
クルクミン(プロドラッグとして作用するそのエステルなどのクルクミンの誘導体を有する)は、それ自体(一般に、クルクミン複合体などのより小さな割合で存在する他のクルクミノイドと関連する)で取得することができるか、あるいは、そのバイオアベイラビリティを増大させる油及びポリマーに関連するビオクルクミン(BCM-95(登録商標))(US20070148263)として取得することができるか、あるいは、ピペリン(Shobhaら、Planta Med,1998,64:353-56)と組み合わせて調合されるか、あるいは、分子を安定化させバイオアベイラビリティをより提供するためにレシチン及び/又は脂肪酸及び/又はトリグリセリド及びオプションでTween80などの界面活性剤が使用されるマイクロ又はナノエマルジョン/ナノ分散体として得られる。
【0024】
また、ジアリールヘプタノイドは、クルクミノイド(例えば、クルクミン)が属する化合物の類と考えられることも認識しておくべきである。ショウガから得ることができるジアリールヘプタノイドのような他の類似のジアリールヘプタノイドは、クルクミノイド(例えば、クルクミン)と同様の特性を有し得る。本明細書ではクルクミノイド(例えば、クルクミン)について詳細に記載されている場合があるが、他のジアリールヘプタノイドも同様の又は同じ生物学的特性及び効果を有することができ、本明細書に記載されるような組成物に含むことができ、本明細書に記載されるような治療方法に使用することができることは、認識されるであろう。
【0025】
さらに、高齢者及び若年者の両方において、学生、建設労働者、運転手、パイロット、医師、販売員、重役、主婦及び「高度プロフェッショナル」を含む日常業務において特に高い記憶力及び注意力を必要とする人、並びに精神的不安定及び劇的気分変動を起こしやすい人、並びに精神的ストレス又は日常的ストレス下にある人において、集中力、学習力、記憶力及び注意力を改善するために使用され得る治療用化合物の開発への関心が高まっている。バランスのとれた精神状態をもたらすことができる治療薬は、ストレスが多くハイパフォーマンスな生活を送る大部分の人々にとってのより生産的な生活に貢献するであろう。
【0026】
したがって、特定の実施形態において、本発明の方法は、注意持続期間を改善するための有効成分としてアポエクオリン及びクルクミンを投与することを含む。他の実施形態において、本発明は、アポエクオリン及びクルクミン含有組成物を、知られている治療的又は栄養補助的価値を有する1つ又は複数の追加の薬剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。アポエクオリン及びクルクミンの特に好ましい用途は、注意持続時間に関連する1つ又は複数の症状及び障害の治療にある。
【0027】
本明細書において使用される場合、「警戒」、「持続的注意」及び「注意持続時間」との用語は、一定期間にわたって刺激又は物に注意を払う個人の能力を意味する。言い換えれば、一定期間にわたって集中及び警戒を維持する能力である。
【0028】
本明細書において使用される場合、「治療」との用語は、予防及び障害軽減治療を含む。本明細書において使用される場合、「減少」、「緩和」、「抑制」及び「阻止」との用語は、少なくする又は減らすといった一般的に理解される意味を有する。本明細書において使用される場合、「進む」との用語は、範囲又は重症度の増加、進行、成長又は悪化を意味する。本明細書において使用される場合、「再発」との用語は、一時的な回復後の障害の戻りを意味する。
【0029】
本明細書において使用される場合、「投与」との用語は、患者、組織、器官又は細胞を、アポエクオリン及びクルクミンと接触させることを意味する。本明細書において使用される場合、投与は、in vitroですなわち試験管内で、又はin vivoですなわち生体、例えば人間の細胞若しくは組織内で、行うことができる。好ましい実施形態において、本発明は、本発明に有用な製剤又は組成物を患者又は対象に投与することを包含する。本明細書において同等に使用される「患者」又は「対象」は、(1)アポエクオリン及びクルクミンの投与により奏功可能又は治療可能なカルシウム不均衡関連障害を有するか、又は(2)アポエクオリン及びクルクミンの投与により予防可能なカルシウム不均衡関連障害に敏感な、人間、好ましくは哺乳動物を指す。
【0030】
本明細書において使用される場合、「有効量」及び「治療有効量」との用語は、毒性、刺激又はアレルギー反応などの過度の有害な副作用なしに所望の治療反応をもたらすのに十分な活性剤の量を意味する。具体的な「有効量」は、治療される特定の状態、患者の身体状態、治療される動物の種類、治療期間、同時療法の性質(もしあれば)、及び採用される特定の製剤、並びに化合物の構造又はその誘導体などの因子によって異なり得ることは明らかである。この場合、組み合わせを投与しなかった対象と比較して、対象における精神障害、不安、認知機能、睡眠の質、活力の質、気分の質、痛み、記憶の質の予防、回復、安定化又は改善のうちの1つ又は複数をもたらしたならば、その量は治療的に有効であるとみなされるであろう。特定の実施形態において、症状又は障害は、神経興奮性、筋収縮、膜透過性、細胞分裂、ホルモン分泌、骨石灰化又は虚血後の細胞死に生理学的に関連する。最適有効量は、当業者が日常実験を用いて容易に決定することができる。
【0031】
対象への経口投与のための特定の好ましい組成物において、アポエクオリンは、約10mg/回~80mg/回の投与量、好ましくは20mg/回~70mg/回の投与量、より好ましくは30mg/回~60mg/回の投与量で、製剤に調合される。一方、クルクミンは、約80mg/回~1200mg/回の投与量で製剤に調合され、対象の好ましい投与量は、約600mg/回~800mg/回である。
【0032】
従来の添加剤、例えば、希釈剤、リガンド、緩衝剤、甘味料、香味料、着色料、可溶化剤、崩壊剤、湿潤剤及び一般的に使用される他の添加剤を、製剤に添加することができる。適切な香味料としては、天然フレーバー、人工フレーバー、ペパーミントなどのミント、メントール、人工バニラ、桂皮、種々の果実フレーバーなどが、個別及び混合の両方で、考えられる。香味料は、通常、個々のフレーバーに応じて異なる量で使用され、例えば、最終組成物重量の約0.5重量%~約3重量%の量の範囲とすることができる。
【0033】
甘味料が使用される場合、本発明は、天然及び人工の両方の甘味料を含む、当該分野でよく知られている甘味料を含むことを意図する。したがって、追加の甘味料は、以下の非限定的リストから選択され得る:ショ糖、グルコース(コーンシロップ)、反転糖、フルクトース及びそれらの混合物などの糖;サッカリン及びそのナトリウム塩若しくはカルシウム塩などの種々の塩;シクラミン酸及びそのナトリウム塩などの種々の塩;アスパルテームなどのジペプチド甘味料;ジヒドロカルコン;グリチルリチン;ステビア(ステビオシド);並びにソルビトール、ソルビトールシロップ、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコール。追加の甘味料として、米国特許第Re26,959号に記載されている非発酵性代用糖(水素化デンプン加水分解物)が考えられる。また、ドイツ特許第2,001,017.7号に記載されている合成甘味料3,6-ジヒドロ-6-メチル-1-1-2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファムK)、ナトリウム塩及びカルシウム塩も考えられる。一般に、甘味料の量は、甘味料のタイプ及び最終製品の所望の味によって異なる。例えば、天然甘味料は、約5重量%までの量で使用することができ、一方、人工甘味料は、約1重量%までの量で使用することができる。
【0034】
本発明において有用な着色料は、約1重量%まで、好ましくは約0.6重量%までの量で組み込むことができる二酸化チタンなどの顔料を含む。また、着色料は、食品、薬品及び化粧品用途に適し、FD&C染料として知られるものなどの他の染料を含むことができる。上記の使用範囲において許容可能な材料は、好ましくは水溶性である。例としては、5,5’-インジゴチンジスルホン酸のジナトリウム塩であるFD&C Blue No.2として知られるインジゴ系染料が挙げられる。同様に、FD&C Green No.1として知られる染料は、トリフェニルメタン染料を含み、4-[4-N-エチル-p-スルホベンジルアミノ)ジフェニルメチレン][1-(N-エチル-N-p-スルホニウムベンジル)-2,5-シクロヘキサジエニミンのモノナトリウム塩である。全てのFD&C及びD&C染料並びにその対応化学構造の完全な列挙は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Volume 5,Pages857-884にされているが、その内容は引用により本明細書に盛り込まれているものとする。
【0035】
本発明の組成物は、液体又は凍結乾燥の、さもなければ乾燥された製剤をさらに含み、さまざまな緩衝剤含有量(例えば、トリス-HC1、酢酸、リン酸塩)、pH及びイオン強度の希釈剤、表面への吸収を防止するためのアルブミン又はゼラチンなどの添加剤、洗浄剤(例えば、Tween20、Tween80、PluronicF68、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、増量剤又は緊張改良剤(例えば、ラクトース、マンニトール)、ポリエチレングリコールなどのポリマーのタンパク質への共有結合、金属イオンとの錯体形成、あるいは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はヒドロゲルなどのポリマー化合物の粒子状製剤の中又は上への材料の取り込み、あるいは、リポソーム、マイクロエマルション、ミセル、層状若しくは多層状小胞、赤血球ゴースト又はスフェロプラスト上への材料の取り込みを含む。このような組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、in vivo放出速度、及びin vivoクリアランス速度に影響を及ぼし得る。徐放性組成物又は持続放出性組成物は、親油性デポ剤(例えば、脂肪酸、ワックス、油脂)の剤形を含む。
【0036】
有効成分を含む組成物の製剤は当該分野において十分に理解されている。有効治療成分は、薬学的に許容可能でかつ有効成分と適合する添加剤と混合されることが多い。適切な添加剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、又はそれらの任意の組み合わせを含む。さらに、組成物は、有効成分の有効性を高める湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤などの少量の補助物質を含有することができる。
【0037】
有効成分は、中和された薬学的に許容可能な塩の形態として組成物に調合することができる。薬学的に許容可能な塩は酸付加塩を含み、これらは、例えば、塩酸若しくはリン酸などの無機酸、又は酢酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸で形成される。遊離カルボキシル基から形成される塩は、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム若しくは水酸化第二鉄などの無機塩基、及び、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基からも得ることができる。
【0038】
有効成分の塩は、好ましくは、薬学的に許容可能な塩である。但し、他の塩も、本発明による組成物を製すること又はそれらの薬学的に許容可能な塩を製することにおいて有用であり得る。適切な薬学的に許容可能な塩は、例えば、有効成分の溶液を、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸などの薬学的に許容可能な酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩を含む。
【0039】
さらに、本明細書の目的における「補助食品」とは、疾病の予防及び/又は治療を含む医学的健康上の利益を提供する食品又は食品の一部をいう。本発明による補助食品組成物は、有効成分としてアポエクオリン及びクルクミンのみを含むか、あるいは代替的に、その物質の総吸収量を増加させることによって食事を補うことができるビタミン、コエンザイム、ミネラル、ハーブ、アミノ酸などを含む栄養補助食品を混合物としてさらに備えてもよい。
【0040】
したがって、本発明は、アポエクオリン及びクルクミンを含有する補助食品組成物を対象に投与する工程を含む、患者に健康上の利益をもたらす方法を提供する。このような組成物は、一般に、「許容可能な担体」を含み、これは、本明細書において記載される場合、経口経路に適した上記薬学的に許容可能な担体を含む、経口で送達するのに適した任意の担体である。よって本発明は、患者に薬剤を経口で送達するためのより好ましいメカニズムを提供する。
【0041】
特定の実施形態において、本発明による組成物は、機能ベースで定義したときに、免疫増強剤、抗炎症剤、抗酸化剤、抗ウイルス剤又はそれらの混合物を含む栄養補助食品を含む。
【0042】
免疫増強剤及び/又は抗ウイルス剤は、創傷治癒の促進及び免疫機能の改善に有用であり、それらは、コーンフラワー又はエキナセア属のハーブからの抽出物、Sambuca属のハーブからの抽出物、及びヒドラスチス抽出物を含む。レンゲ属のハーブもまた、その天然形態又は処理された形態のいずれでも有効な免疫増強剤である。レンゲは、骨髄中の幹細胞及びリンパ組織活性免疫細胞の発達を刺激する。亜鉛、並びにグルコン酸亜鉛及び酢酸亜鉛などのその生体活性塩もまた、一般的なかぜの治療に免疫増強剤として作用する。
【0043】
抗酸化剤は、天然の含硫アミノ酸アリシンを含み、これは血液中の抗酸化酵素の濃度を上げる作用がある。アリシンを含むニンニクなどのハーブ又はハーブ抽出物もまた有効な抗酸化剤である。カテキン、及びカテキンを含む緑茶などのハーブの抽出物も有効な抗酸化剤である。レンゲ属の抽出物も抗酸化活性を示す。クエルセチン、ヘスペリジン、ルチン及びそれらの混合物などのビオフラボノイドも抗酸化剤として有効である。ビオフラボノイドの主な有益な役割は体内でビタミンCを酸化から保護することであり得る。これにより、より多くのビタミンC又はアスコルビン酸が体内で利用可能となる。
【0044】
クエルセチンのようなビオフラボノイドも有効な抗炎症剤であり、本発明の組成物においてそのように使用され得る。植物又はハーブから得られる抗炎症性ハーブ補助食品及び抗炎症性化合物も、本発明の組成物において抗炎症剤として使用することができる。これらには、パイナップルに見られるタンパク質分解酵素であるブロモレインと、茶及びイラクサの抽出物と、ターメリック、ターメリックの抽出物又はターメリックから分離された黄色の色素であるクルクミンとが含まれる。
【0045】
本発明で用いることができる別の補助食品は、ショウガ属のハーブに由来するショウガである。これは、ジンジェロール及び関連化合物ショガオールなどの化合物による強心活性を有するとともに、めまい及び前庭障害の治療において有益性を提供することが見出されている。ショウガは吐き気やその他の胃の病気の治療にも有効である。
【0046】
軟組織構造の再建、特に軟骨の再建を補助する補助食品は、関節炎及び他の関節障害の痛みを治療するための組成物において有用である。グルコサミン、グルコサミン硫酸、コンドロイチンは、エルク・ベルベット・アントラーのような種々の供給源から得ることができる。海洋性脂質複合体、ω3脂肪酸複合体、魚油も、関節炎に伴う痛みの治療に有用であることが知られている。
【0047】
片頭痛の治療に有用な補助食品には、ナツシロギクとイチョウ葉がある。ナツシロギクの主な有効成分は、セスキテルペンのラクトンであるパルテノリドであり、これは、血管内の血管攣縮活性を介して痛みを引き起こすプロスタグランジンの分泌を阻害する。ナツシロギクは抗炎症性も示す。魚油は、その血小板安定化作用及び抗血管攣縮作用により、片頭痛の治療にも有用であると考えられる。イチョウの葉のハーブも、動脈を安定させ、血行を良くすることで片頭痛の治療に役立つ。
【0048】
上で挙げた補助食品のいくつかはその薬理学的効果に関して記載されているが、他の添加物も本発明において使用することができ、それらの効果は科学文献において十分に立証されている。
【0049】
本発明は、以下の非限定的な例を考慮することでより十分に理解されるであろう。
【0050】
<例>
[例1]
90日間の時間的経過にわたるアポエクオリンの投与により、調査対象におけるクオリティ・オブ・ライフが改善する。
【0051】
本分析は、90日間にわたる32名の患者を対象とした非盲検調査であり、睡眠の全体的な質、活力、気分、痛み、全体的な健康状態が向上したことを示している。パフォーマンスの変化は、標準化質問バッテリーを用いて測定された。これらには、定性的認知テスト、睡眠指数、頭痛指数及びクオリティ・オブ・ライフ質問の評価が含まれた。本調査はパフォーマンスが改善したことを示す。有害事象のために調査を中止した参加者はいなかった。
【0052】
図1に示す結果は、上記領域のスコアのベースラインからの変化率を示したものであり、記憶スコアについては別のグラフのために除外している。ここでの分析は、グラフ上で1、2、3、4及び5対0日目~90日目のマークとして示されている。このグラフは、睡眠の全体的な質、活力、気分、痛み及び全体的な健康状態の向上を示している。ベースラインは調査前段階から既知であった。
【0053】
[例2]
30日間の時間的経過にわたるアポエクオリンの投与により、調査対象におけるクオリティ・オブ・ライフが改善する。
【0054】
本調査は、30日間にわたる56名の参加者を対象とした非盲検調査であった。パフォーマンスの変化は、記憶スクリーニングツールを用いて測定した。図2に示すように、本調査では8日目という早い時期に記憶パフォーマンスの改善がみられたが、30日目には統計的により大きな改善がみられた。有害事象のために調査を中止した参加者はいなかった。
【0055】
[例3]
90日間の時間的経過にわたるアポエクオリンの投与により、調査対象における認知能力が改善する。
【0056】
本分析では、32名の患者についての非盲検調査において認知能力の向上がみられた。パフォーマンスの変化は、標準化認知バッテリーを用いて測定した。本調査では、8日目という早い時期に認知の改善がみられたが、30日目、及び60日目~90日目に、統計的により大きな改善がみられた。有害事象のために調査を中止した参加者はいなかった。図3に示す結果は、認知能力のスコアがベースラインから有意な割合で向上したこと示している。(注)参加者の51%以上に認知能力の向上が認められた。
【0057】
本明細書に記載された例及び実施形態は説明のみを目的とするものであり、それらに関するさまざまな修正又は変更は当業者に対して示唆され、本出願の精神及び範囲並びに添付された特許請求の範囲内に含まれるべきであると理解される。本明細書において引用される全ての出版物、特許及び特許出願は、全ての目的のために、その全内容が参照により盛り込まれるものとする。
【0058】
本発明の他の実施形態及び使用は本明細書に開示された本発明の明細書及び実施を考察することで当業者に明らかとなるであろう。全てのジャーナル引用文献及び米国/外国特許及び特許出願を含む、何らかの理由により本明細書に挙げられた全ての参考文献は、参照により具体的にかつその全内容が本明細書に盛り込まれているものとする。本発明は、本明細書に図示され記載されている特定の試薬、製剤、反応条件などに限定されるものではなく、これらの修正形態を包含するものであり、以下の特許請求の範囲内にあることが理解される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】