(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】半導体パワーデバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20230405BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
H01L29/78 658F
H01L29/78 653A
H01L29/78 652K
H01L29/78 658G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550817
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2020131291
(87)【国際公開番号】W WO2022099786
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202011263819.9
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519152663
【氏名又は名称】蘇州東微半導体股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛振▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】徐真▲逸▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼磊
(57)【要約】
本願は、半導体パワーデバイス技術の分野に属し、具体的には、第2トレンチの側壁及び底部を覆う第1絶縁誘電体層を形成することと、前記第2トレンチを満たす1層のフォトレジストを形成することと、フォトリソグラフィを行い、前記第2トレンチ内に位置し且つn型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層を露出させ、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去することと、を含む半導体パワーデバイスの製造方法を開示する。本願の半導体パワーデバイスの製造方法は、ゲートが第1絶縁誘電体層によってシールドゲートと隔離され、第1絶縁誘電体層の厚さを増やすことにより、ゲート・ソース間容量を低減し、ゲート・ソース間の漏れ電流を低減し、半導体パワーデバイスの信頼性を向上させることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型基板内に第1トレンチを形成し、前記第1トレンチ内にフィールド酸化層及びシールドゲートを形成することと、
前記n型基板と前記シールドゲートをセルフアライメントの境界として、前記フィールド酸化層に対してセルフアライメントのエッチングを行い、前記第1トレンチの上部内の前記フィールド酸化層をエッチングして除去し、前記第1トレンチの上部に前記シールドゲートと前記n型基板との間に介在する第2トレンチが形成されることと、
前記第2トレンチの側壁及び底部を覆う第1絶縁誘電体層を形成することと、
前記第2トレンチを満たす1層のフォトレジストを形成することと、
フォトリソグラフィを行って、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層を露出させ、そして、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去し、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記シールドゲート側に近接する前記第1絶縁誘電体層を残存させることと、
前記フォトレジストを除去し、前記第2トレンチ内にゲート誘電体層及びゲートを形成することと、
を含む、半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項2】
前記n型基板内にp型ボディ領域を形成することと、
前記p型ボディ領域内にn型ソース領域を形成することと、
をさらに含む、請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項3】
前記第1絶縁誘電体層は酸化ケイ素層である、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項4】
前記第1絶縁誘電体層を形成することは、
準常圧化学気相成長プロセスを採用して前記第1絶縁誘電体層を形成することを含む、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項5】
前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去することは、
ウエットエッチングプロセスを採用して前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去することを含む、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項6】
前記n型基板がシリコン基板である、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項7】
前記第1絶縁誘電体層の厚さが前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、半導体パワーデバイス技術の分野に関し、例えば、半導体パワーデバイスの製造方法に関する。
【0002】
本願は、2020年11月12日に中国専利局に出願された、出願番号が202011263819.9の中国特許出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容は引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法は、まず、
図1に示すように、シリコン基板10にハードマスク層11を形成し、フォトリソグラフィプロセスを採用してトレンチの位置を定義し、その後、ハードマスク層11に対してエッチングを行いシリコン基板10に対してエッチングを継続して行いトレンチ12を形成し、次に、
図2に示すように、トレンチ内に第1絶縁誘電体層13を形成し、その後、第1ポリシリコン層を沈積して当該第1ポリシリコン層に対してエッチングバックを行い、トレンチの外部に位置する第1ポリシリコン層を除去し、エッチングした後に残った第1ポリシリコン層がシールドゲート14を形成し、その後、トレンチ12側面のシリコン基板部分とシールドゲート14をセルフアライメントの境界として、第1絶縁誘電体層13に対してセルフアライメントのエッチングを行い、トレンチの上部に位置する第1絶縁誘電体層を除去してトレンチの下部における第1絶縁誘電体層13を残存させ、次に、
図3に示すように、第2絶縁誘電体層15を形成し、その後、第2ポリシリコン層を沈積して当該第2ポリシリコン層に対してエッチングバックを行い、トレンチの外部に位置する第2ポリシリコン層を除去し、エッチングした後に残った第2ポリシリコン層がポリシリコンゲート16を形成する、ことを含む。関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法において、ポリシリコンゲート16とシールドゲート14との間は、第2絶縁誘電体層15によって隔離され、また、第2絶縁誘電体層15がポリシリコンゲート16とシリコン基板10との間のゲート誘電体層として使用されることから、第2絶縁誘電体層15の厚さが比較的薄く、これにより、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間容量が小さくなり、且つゲート・ソース間の漏れ電流が大きくなる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間容量を低減して、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間の漏れ電流を低減するための半導体パワーデバイスの製造方法を提供する。
【0005】
本願は、
n型基板内に第1トレンチを形成し、前記第1トレンチ内にフィールド酸化層及びシールドゲートを形成することと、
前記n型基板と前記シールドゲートをセルフアライメントの境界として、前記フィールド酸化層に対してセルフアライメントのエッチングを行い、前記第1トレンチの上部内の前記フィールド酸化層をエッチングして除去し、前記第1トレンチの上部に前記シールドゲートと前記n型基板との間に介在する第2トレンチが形成されることと、
前記第2トレンチの側壁及び底部を覆う第1絶縁誘電体層を形成することと、
前記第2トレンチを満たす1層のフォトレジストを形成することと、
フォトリソグラフィを行い、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層を露出させ、その後、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去し、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記シールドゲート側に近接する前記第1絶縁誘電体層を残存させることと、
前記フォトレジストを除去し、前記第2トレンチ内にゲート誘電体層及びゲートを形成することと、
を含む、半導体パワーデバイスの製造方法を提供する。
【0006】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法は、
前記n型基板内にp型ボディ領域を形成することと、
前記p型ボディ領域内にn型ソース領域を形成することと、をさらに含む。
【0007】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記第1絶縁誘電体層が酸化ケイ素層である。
【0008】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記第1絶縁誘電体層を形成することは、準常圧化学気相成長プロセスを採用して前記第1絶縁誘電体層を形成することを含む。
【0009】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去することは、ウエットエッチングプロセスを採用して前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記第1絶縁誘電体層をエッチングして除去することを含む。
【0010】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記n型基板はシリコン基板である。
【0011】
好ましくは、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記第1絶縁誘電体層の厚さは前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い。
【0012】
本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法は、第1絶縁誘電体層にフォトレジストを形成し、フォトレジストをマスクとして、第2トレンチ内に位置し且つシールドゲート側に近接する第1絶縁誘電体層を残存させることにより、第1絶縁誘電体層の厚さを比較的厚くすることができ、この第1絶縁誘電体層によってゲートとシールドゲートとを隔離する時に、ゲート・ソース間容量を低減し、ゲート・ソース間の漏れ電流を低減し、半導体パワーデバイスの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図2】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図3】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図4】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図5】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図6】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図7】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の技術案を完全に説明する。説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。同時に、本願の具体的な実施形態を明確に説明するために、明細書の図面に列挙された模式図は、本願に記載の層と領域の厚さが拡大され、且つ、列挙された図形の大きさは実際の寸法を示すものではない。
【0015】
図4から
図7は、本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【0016】
まず、
図4に示すように、提供されたn型基板20内に第1トレンチ31を形成し、n型基板20は一般的にはシリコン基板であり、第1トレンチ31の数量は設計された半導体パワーデバイスの規格によって決定され、本願の実施例において、2つの第1トレンチ31のみが模式的に示されている。その後、従来のプロセスにより、第1トレンチ31内にフィールド酸化層21及びシールドゲート22を形成して、n型基板20とシールドゲート22をセルフアライメントの境界として、フィールド酸化層21に対してセルフアライメントのエッチングを行い、第1トレンチ31の上部内のフィールド酸化層21をエッチングして除去し、第1トレンチ31の上部にシールドゲート22とn型基板20との間に介在する第2トレンチ32が形成される。
【0017】
次に、
図5に示すように、第1絶縁誘電体層23を形成し、第1絶縁誘電体層23が第2トレンチの側壁及び底部を覆うべきであり、第1絶縁誘電体層23は第2トレンチを満たすことができない。第1絶縁誘電体層23は、一般的には酸化ケイ素層であり、準常圧化学気相成長プロセスを採用して形成することができる。その後、1層のフォトレジスト24を形成し、フォトレジスト24は第2トレンチを満たすべきであり、その後、フォトリソグラフィを行い、第2トレンチ内に位置し且つn型基板20側に近接する第1絶縁誘電体層23を露出させる。
【0018】
次に、
図6に示すように、第2トレンチ内に位置し且つn型基板20側に近接する第1絶縁誘電体層をエッチングして除去し第2トレンチ内に位置し且つシールドゲート22側に近接する第1絶縁誘電体層23を残存させる。当該ステップでは、第1絶縁誘電体層23をエッチングする時に、ウエットエッチングプロセスを採用することができ、このようにすれば、第1絶縁誘電体層23に対してエッチングを行う時に、酸化ケイ素とケイ素のエッチング選択比の制限を受けないようにできる。
【0019】
次に、
図7に示すように、フォトレジストを除去する。
【0020】
最後に、従来のプロセスにより、第2トレンチ内にゲート誘電体層及びゲートを形成して、n型基板内にp型ボディ領域を形成し、p型ボディ領域内にn型ソース領域を形成し、その後、隔離誘電体層と金属層等を形成すれば、半導体パワーデバイスを得ることができる。
【0021】
本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法は、第1絶縁誘電体層及びゲート誘電体層が2ステップのプロセスによって形成され、第1絶縁誘電体層の厚さをゲート誘電体層の厚さよりも厚くでき、また、ゲートとシールドゲートとの間が第1絶縁誘電体層によって隔離され、第1絶縁誘電体層の厚さを増やすことにより、ゲート・ソース間容量を低減し、ゲート・ソース間の漏れ電流を低減し、半導体パワーデバイスの信頼性を向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型基板内に第1トレンチを形成し、前記第1トレンチ内にフィールド酸化層及びシールドゲートを形成することと、
前記n型基板と前記シールドゲートをセルフアライメントの境界として、前記フィールド酸化層に対してセルフアライメントのエッチングを行い、前記第1トレンチの上部内の前記フィールド酸化層をエッチングして除去し、前記第1トレンチの上部に前記シールドゲートと前記n型基板との間に介在する第2トレンチが形成されることと、
前記第2トレンチの側壁及び底部を
覆って前記第2トレンチを満たさない絶縁誘電体層を
前記第2トレンチ内に形成することと、
残りの前記第2トレンチを満たす1層のフォトレジストを
前記絶縁誘電体層に形成することと、
フォトリソグラフィを行って、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前
記絶縁誘電体層を露出させ、そして、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前
記絶縁誘電体層をエッチングして除去し、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記シールドゲート側に近接する前
記絶縁誘電体層を残存させることと、
前記フォトレジストを除去し、前記第2トレンチ内にゲート誘電体層及びゲートを形成することと、
を含む、半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項2】
前記n型基板内にp型ボディ領域を形成することと、
前記p型ボディ領域内にn型ソース領域を形成することと、
をさらに含む、請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項3】
前
記絶縁誘電体層は酸化ケイ素層である、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項4】
前
記絶縁誘電体層を
前記第2トレンチ内に形成することは、
準常圧化学気相成長プロセスを採用して前
記絶縁誘電体層を形成することを含む、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項5】
前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前
記絶縁誘電体層をエッチングして除去することは、
ウエットエッチングプロセスを採用して前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前
記絶縁誘電体層をエッチングして除去することを含む、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項6】
前記n型基板がシリコン基板である、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項7】
前記シールドゲートと前記ゲートとの間の前
記絶縁誘電体層の厚さが
前記ゲートと前記n型基板との間の前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い、
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体パワーデバイスの製造方法によって製造された半導体パワーデバイス。
【請求項9】
前記シールドゲートと前記ゲートとの間の前記絶縁誘電体層の厚さが前記ゲートと前記n型基板との間の前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い、
請求項8に記載の半導体パワーデバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、半導体パワーデバイス技術の分野に関し、例えば、半導体パワーデバイスの製造方法に関する。
【0002】
本願は、2020年11月12日に中国専利局に出願された、出願番号が202011263819.9の中国特許出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容は引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法は、まず、
図1に示すように、シリコン基板10にハードマスク層11を形成し、フォトリソグラフィプロセスを採用してトレンチの位置を定義し、その後、ハードマスク層11に対してエッチングを行いシリコン基板10に対してエッチングを継続して行いトレンチ12を形成し、次に、
図2に示すように、トレンチ内に第1絶縁誘電体層13を形成し、その後、第1ポリシリコン層を沈積して当該第1ポリシリコン層に対してエッチングバックを行い、トレンチの外部に位置する第1ポリシリコン層を除去し、エッチングした後に残った第1ポリシリコン層がシールドゲート14を形成し、その後、トレンチ12側面のシリコン基板部分とシールドゲート14をセルフアライメントの境界として、第1絶縁誘電体層13に対してセルフアライメントのエッチングを行い、トレンチの上部に位置する第1絶縁誘電体層を除去してトレンチの下部における第1絶縁誘電体層13を残存させ、次に、
図3に示すように、第2絶縁誘電体層15を形成し、その後、第2ポリシリコン層を沈積して当該第2ポリシリコン層に対してエッチングバックを行い、トレンチの外部に位置する第2ポリシリコン層を除去し、エッチングした後に残った第2ポリシリコン層がポリシリコンゲート16を形成する、ことを含む。関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法において、ポリシリコンゲート16とシールドゲート14との間は、第2絶縁誘電体層15によって隔離され、また、第2絶縁誘電体層15がポリシリコンゲート16とシリコン基板10との間のゲート誘電体層として使用されることから、
ポリシリコンゲート16とシールドゲート14との間の第2絶縁誘電体層15の厚さが比較的薄く、これにより、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間容量が
大きくなり、且つゲート・ソース間の漏れ電流が大きくなる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間容量を低減して、半導体パワーデバイスのゲート・ソース間の漏れ電流を低減するための半導体パワーデバイスの製造方法を提供する。
【0005】
本願は、
n型基板内に第1トレンチを形成し、前記第1トレンチ内にフィールド酸化層及びシールドゲートを形成することと、
前記n型基板と前記シールドゲートをセルフアライメントの境界として、前記フィールド酸化層に対してセルフアライメントのエッチングを行い、前記第1トレンチの上部内の前記フィールド酸化層をエッチングして除去し、前記第1トレンチの上部に前記シールドゲートと前記n型基板との間に介在する第2トレンチが形成されることと、
前記第2トレンチの側壁及び底部を覆って前記第2トレンチを満たさない絶縁誘電体層を前記第2トレンチ内に形成することと、
残りの第2トレンチを満たす1層のフォトレジストを絶縁誘電体層に形成することと、
フォトリソグラフィを行い、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記絶縁誘電体層を露出させ、その後、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記絶縁誘電体層をエッチングして除去し、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記シールドゲート側に近接する前記絶縁誘電体層を残存させることと、
前記フォトレジストを除去し、前記第2トレンチ内にゲート誘電体層及びゲートを形成することと、
を含む、半導体パワーデバイスの製造方法を提供する。
【0006】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法は、
前記n型基板内にp型ボディ領域を形成することと、
前記p型ボディ領域内にn型ソース領域を形成することと、をさらに含む。
【0007】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記絶縁誘電体層が酸化ケイ素層である。
【0008】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記絶縁誘電体層を前記第2トレンチ内に形成することは、準常圧化学気相成長プロセスを採用して前記絶縁誘電体層を形成することを含む。
【0009】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記絶縁誘電体層をエッチングして除去することは、ウエットエッチングプロセスを採用して前記第2トレンチ内に位置し且つ前記n型基板側に近接する前記絶縁誘電体層をエッチングして除去することを含む。
【0010】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記n型基板はシリコン基板である。
【0011】
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスの製造方法において、前記シールドゲートと前記ゲートとの間の前記絶縁誘電体層の厚さは前記ゲートと前記n型基板との間の前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い。
【0012】
本願は、上記の半導体パワーデバイスの製造方法によって製造された半導体パワーデバイスを提供する。
一実施例において、本願の半導体パワーデバイスにおいて、前記シールドゲートと前記ゲートとの間の前記絶縁誘電体層の厚さは前記ゲートと前記n型基板との間の前記ゲート誘電体層の厚さよりも厚い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図2】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図3】関連技術の半導体パワーデバイスの製造方法の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図4】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図5】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図6】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【
図7】本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の技術案を完全に説明する。説明される実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。同時に、本願の具体的な実施形態を明確に説明するために、明細書の図面に列挙された模式図は、本願に記載の層と領域の厚さが拡大され、且つ、列挙された図形の大きさは実際の寸法を示すものではない。
【0015】
図4から図
8は、本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法の一実施例の製造プロセスにおける主要構造の断面の構造模式図である。
【0016】
本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法において、マスクとして前記第2トレンチ内に位置し且つシールドゲートの側に近接する絶縁誘電体層を保留するためのフォトレジストを形成する。これにより、前記シールドゲートとゲートの間の絶縁誘電体層の厚さが相対に大きい。前記ゲートが絶縁誘電体層によってシールドゲートと絶縁すると、ゲート・ソース間容量を低減し、ゲート・ソース間の漏れ電流を低減し、半導体パワーデバイスの信頼性を向上させることができる。
まず、
図4に示すように、提供されたn型基板20内に第1トレンチ31を形成し、n型基板20は一般的にはシリコン基板であり、第1トレンチ31の数量は設計された半導体パワーデバイスの規格によって決定され、本願の実施例において、2つの第1トレンチ31のみが模式的に示されている。その後、従来のプロセスにより、第1トレンチ31内にフィールド酸化層21及びシールドゲート22を形成して、n型基板20とシールドゲート22をセルフアライメントの境界として、フィールド酸化層21に対してセルフアライメントのエッチングを行い、第1トレンチ31の上部内のフィールド酸化層21をエッチングして除去し、第1トレンチ31の上部にシールドゲート22とn型基板20との間に介在する第2トレンチ32が形成される。
【0017】
次に、
図5に示すように
、絶縁誘電体層23を
前記第2トレンチ内に形成し
、絶縁誘電体層23が第2トレンチの側壁及び底部を覆うべきであり
、絶縁誘電体層23は第2トレンチを満たすことができない
。絶縁誘電体層23は、一般的には酸化ケイ素層であり、準常圧化学気相成長プロセスを採用して形成することができる。その後、1層のフォトレジスト24を
前記絶縁誘電体層に形成し、フォトレジスト24は
残りの第2トレンチを満たすべきであり、その後、フォトリソグラフィを行い、第2トレンチ内に位置し且つn型基板20側に近接す
る絶縁誘電体層23を露出させる。
【0018】
次に、
図6に示すように、第2トレンチ内に位置し且つn型基板20側に近接す
る絶縁誘電体層をエッチングして除去し第2トレンチ内に位置し且つシールドゲート22側に近接す
る絶縁誘電体層23を残存させる。当該ステップでは
、絶縁誘電体層23をエッチングする時に、ウエットエッチングプロセスを採用することができ、このようにすれば
、絶縁誘電体層23に対してエッチングを行う時に、酸化ケイ素とケイ素のエッチング選択比の制限を受けないようにできる。
【0019】
次に、
図7に示すように、フォトレジストを除去する。
【0020】
最後に、
図8に示すように、第2トレンチ内にゲート誘電体層
61及びゲート
62を形成して、n型基板
20内にp型ボディ領域
63を形成し、p型ボディ領域
63内にn型ソース領域
64を形成し、その後、隔離誘電体層と金属層等を形成すれば、半導体パワーデバイスを得ることができる。
【0021】
本願に係る半導体パワーデバイスの製造方法は、絶縁誘電体層及びゲート誘電体層が2ステップのプロセスによって形成され、前記シールドゲートと前記ゲートとの間の絶縁誘電体層の厚さD1を前記ゲートと前記n型基板との間のゲート誘電体層の厚さD2よりも厚くでき、また、ゲートとシールドゲートとの間が絶縁誘電体層によって隔離され、前記シールドゲートと前記ゲートとの間の絶縁誘電体層の厚さを増やすことにより、ゲート・ソース間容量を低減し、ゲート・ソース間の漏れ電流を低減し、半導体パワーデバイスの信頼性を向上させることができる。
【国際調査報告】