(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】薬剤注射器及びその交換可能なカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/24 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
A61M5/24 500
A61M5/24 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551556
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 CA2020051157
(87)【国際公開番号】W WO2021168533
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522338012
【氏名又は名称】ディフィニティー ソリューションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DIFINITY SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】キム,デイヴィッド サンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】タク,ダミアン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA06
4C066AA07
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C066DD08
4C066DD12
4C066DD13
4C066EE14
4C066FF05
4C066GG07
(57)【要約】
本発明は、カートリッジ受入れレセプタクルを有するアプリケーターと、予め充填した薬剤を含有する、交換可能なカートリッジとを含む薬剤注射器に関する。各カートリッジは、薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置を有するバリア部材を含む。バリア部材は、閉鎖位置から、カートリッジをレセプタクル内に挿入したとき投与のため薬剤にアプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動可能である。バリア部材は、薬剤を送達して、カートリッジをレセプタクルから自動的に取り外したとき、閉鎖位置に戻るように移動する。これにより、かさ、誤り、複雑さ、及び、薬剤送達のステップを削減しつつ、緊急の状況において薬剤送達の多用途性、安全性、及びスピードを高めるため、種々の臨床上の場面に使用するための薬剤注射器によって、複数の予め充填した薬剤カートリッジを、クイックアセンブリのため、必要に応じた場合にオンデマンドで、選択することができる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ受入れレセプタクルを含むアプリケーターと、
交換可能なカートリッジであって、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体、及び前記薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置を有する少なくとも1つのバリア部材を含み、前記バリア部材は、前記閉鎖位置から、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入したとき前記薬剤に前記アプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動し、前記バリア部材は、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクルから取り外したとき前記閉鎖位置に戻るように移動する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項2】
前記アプリケーターは針を含み、前記バリア部材は前記本体に対して回転可能であり、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入することによって前記バリア部材が前記閉鎖位置から前記開放位置に回転することで、前記カートリッジと前記針とが連通可能となる、請求項1に記載の薬剤注射器。
【請求項3】
前記アプリケーターは歯部及び歯車の第1のものを含み、前記バリア部材は前記歯部及び前記歯車の第2のものを含み、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入することによって前記歯部と前記歯車とが互いに係合し、前記バリア部材が前記閉鎖位置から前記開放位置に移動する、請求項1又は2に記載の薬剤注射器。
【請求項4】
前記バリア部材は、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入したとき前記アプリケーターに係合するとともに前記バリア部材を前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させるレバーを含む、請求項1又は2に記載の薬剤注射器。
【請求項5】
前記アプリケーターは、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入したとき前記薬剤に選択的に連通する針を含む、請求項1に記載の薬剤注射器。
【請求項6】
前記アプリケーターは、針と、作動させると前記薬剤を前記針と連通させる押下具とを含む、請求項1に記載の薬剤注射器。
【請求項7】
前記針と前記カートリッジとの間に挟まれ、前記カートリッジと前記針との連通を阻止する閉鎖位置を有し、その前記閉鎖位置から、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入したとき前記薬剤に前記アプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動可能な第2バリア部材をさらに含む、請求項5又は6に記載の薬剤注射器。
【請求項8】
カートリッジ受入れレセプタクルを含むアプリケーターと、
交換可能なカートリッジであって、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体、及び前記本体に連結したバルブを含み、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することによって、前記バルブを、前記薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置から、前記薬剤に前記アプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動させるように作動する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項9】
前記バルブは前記本体内に受け入れられ、前記本体に対して前記閉鎖位置から前記開放位置に回転可能である、請求項8に記載の薬剤注射器。
【請求項10】
前記アプリケーターは直線状歯車及び円形歯車の第1のものを含み、前記カートリッジは前記直線状歯部及び前記円形歯車の第2のものを含み、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入することによって前記歯車同士が互いに係合し、前記バルブが前記閉鎖位置から前記開放位置に移動する、請求項8又は9に記載の薬剤注射器。
【請求項11】
前記アプリケーターは、前記カートリッジを前記アプリケーター内に挿入したとき前記薬剤に選択的に連通する針組立体を含む、請求項8~10のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項12】
前記針組立体は、前記カートリッジ受入れレセプタクルに連結されるとともに、前記カートリッジ受入れレセプタクルから弾性的に外方に付勢される、請求項11に記載の薬剤注射器。
【請求項13】
前記針組立体と前記カートリッジとの間に挟まれ、前記カートリッジと前記針組立体との連通を阻止する閉鎖位置を有し、前記閉鎖位置から、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入したとき前記薬剤に前記アプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動可能な第2バルブをさらに含む、請求項11又は12に記載の薬剤注射器。
【請求項14】
前記アプリケーターは押下具をさらに含み、前記カートリッジは、該カートリッジを前記アプリケーター内に十分に挿入し、前記押下具をその後作動させた際のみ、前記薬剤の放出が可能となるように構成される、請求項8~13のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項15】
針と、
前記針に連結したカートリッジ受入れレセプタクルと、
交換可能なカートリッジであって、内部に薬剤を含有し又は受け入れ、前記薬剤へのアクセスを阻止する注射前モードを有し、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することによって、前記カートリッジが、前記注射前モードから、前記針を介して前記薬剤にアクセス可能な注射モードに移動する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項16】
前記針が連結されて外方に延び、前記カートリッジ受入れレセプタクルに対して弾性的に外方に付勢される、押下具をさらに含み、前記押下具を内方に付勢することによって、前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入すると前記カートリッジを前記針と連通させる、請求項15に記載の薬剤注射器。
【請求項17】
前記カートリッジが前記注射前モードにあるとき、前記薬剤へのアクセスを阻止する第1バリア部材と、前記カートリッジが前記注射前モードにあるとき、前記針へのアクセスを阻止する第2バリア部材とを含む、請求項15又は16に記載の薬剤注射器。
【請求項18】
カートリッジ受入れレセプタクルを含むアプリケーターと、
予め充填した量の1つ以上の薬剤を含有する複数の交換可能なカートリッジと、
選択した前記カートリッジの1つを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入するまで前記薬剤へのアクセスを阻止する可逆的なバリア機構とを含む、薬剤注射器。
【請求項19】
前記アプリケーターは、IM(筋肉内)針送達、標準的なIV(静脈内)チューブ、アダプター、又はルアーロック機構を伴うIV(静脈内)流体接続送達、IO(骨内)送達、及びIN(鼻腔内)薬剤噴霧送達のうちの少なくとも1つを含む可変の注射機構に適合させた患者に面する部分を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項20】
前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入すると、薬剤の送達は、一部又は全部の用量の薬剤を送達するプランジャー機構、予め充填した前記カートリッジにおける前記一部又は前記全部の容量/用量の薬剤を送達するばね式送達システム、予め充填した前記カートリッジにおける前記一部又は前記全部の容量/用量の薬剤を送達する空気圧送達システム、及び予め充填した前記カートリッジにおける前記一部又は前記全部の容量/用量の薬剤を送達する電気モーター送達システム、の少なくとも1つによって決定される、請求項15に記載の薬剤注射器。
【請求項21】
前記カートリッジは、封止開口部、及び、該封止開口部を前記針で貫通するとき薬剤をバレルの外方に付勢する、ばね付勢ピストン、空気圧付勢ピストン、機械プランジャー付勢ピストン、又は電気モーター付勢ピストンを有する前記バレルを含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項22】
その第1端部に隣接するプランジャー、その第2端部に隣接する針と連結するような形状をなす導管部、及び前記端部同士の間のカートリッジレセプタクルを含むカートリッジアプリケーターと、
交換可能なカートリッジであって、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するように構成され、前記カートリッジは、プランジャー挿入端部、及び薬剤送出端部を有し、かつそれらの前記端部同士の間にピストンを含み、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に挿入することによって、前記カートリッジの前記プランジャー挿入端部が前記プランジャーと連通し、前記カートリッジの前記内部が前記カートリッジの前記薬剤送出端部と連通し、前記カートリッジの前記薬剤送出端部が前記カートリッジアプリケーターの前記導管部と連通する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項23】
前記アプリケーターに摺動可能に連結し、閉鎖位置に向かって付勢され、前記カートリッジと係合する際、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に十分に挿入可能な開放位置に向かって移動し、前記カートリッジをその後取り外しできないような形状をなす、保持部材をさらに含む、請求項22に記載の薬剤注射器。
【請求項24】
前記カートリッジはキャッチ及び突起部の第1のものを含み、前記薬剤注射器は、前記アプリケーターに摺動可能に連結し、前記キャッチ及び前記突起部の第2のものを含み、前記キャッチ及び前記突起部の第2のものが前記カートリッジレセプタクル内に延びる伸長位置に向かって付勢される、保持部材をさらに含み、前記カートリッジにおける前記キャッチ及び前記突起部の第1のものが、前記保持部材における前記キャッチ及び前記突起部の第2のものに係合したとき、前記保持部材は、前記伸長位置から、前記カートリッジを前記アプリケーターの前記カートリッジレセプタクル内に十分に挿入可能であるとともに、前記保持部材が前記カートリッジに当接して前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクルから取り外せないようにする、後退位置に移動可能である、請求項22に記載の薬剤注射器。
【請求項25】
前記カートリッジは、前記薬剤を受け入れる中空の本体、及び、前記本体に回動可能に連結され、前記カートリッジの前記中空の本体と前記薬剤送出端部との連通を阻止する閉鎖位置から、前記カートリッジの前記中空の本体と前記薬剤送出端部とを連通させる開放位置に移動可能であり、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に十分に挿入した際前記開放位置に移動するように構成される、バルブを含む、請求項22~24のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項26】
前記カートリッジはバルブアクチュエーターを含み、前記アプリケーターは、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に挿入しているとき前記バルブアクチュエーターをその上に滑らせることができるとともに、前記カートリッジの前記薬剤と前記薬剤送出端部との連通を阻止する閉鎖位置から、前記カートリッジの前記薬剤と前記薬剤送出端部とを連通させる開放位置に、前記バルブアクチュエーターを移動させるように機能する、ランプを含む、請求項22~25のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項27】
前記アプリケーターは雄部材及び雌部材の第1のものを含み、前記カートリッジは前記雄部材及び前記雌部材の第2のものを含み、前記雄部材は、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に十分に挿入した際前記雌部材と連結するように構成され、その後前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクルから取り外せないように構成される、請求項22~26のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項28】
カートリッジレセプタクルを有するシリンジと、
交換可能なカートリッジであって、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体、及び前記本体に連結したバルブを含み、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に挿入することによって、前記バルブを、前記薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置から、前記シリンジを介して前記薬剤を注射可能な開放位置に移動させるように作動する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項29】
カートリッジレセプタクルを有するシリンジと、
交換可能なカートリッジであって、薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす中空の本体、及び前記本体に連結したバルブを含み、前記バルブは、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に十分に挿入した際のみ、前記薬剤の放出を可能とするように構成される、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項30】
薬剤注射器のカートリッジレセプタクル内に受け入れられるような形状をなす交換可能なカートリッジであって、
その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体と、
前記薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置を有する少なくとも1つのバリア部材であって、前記閉鎖位置から、前記カートリッジを前記カートリッジレセプタクル内に挿入したとき前記薬剤にアプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動し、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクルから取り外したとき前記閉鎖位置に戻るように移動する、バリア部材とを含む、交換可能なカートリッジ。
【請求項31】
前記バリア部材はバルブである、請求項30に記載のカートリッジ。
【請求項32】
シリンジのカートリッジレセプタクル内に受け入れられるような形状をなす交換可能なカートリッジであって、
薬剤を予め充填した孔、前記孔と連通するプランジャー挿入端部、及びバルブ端部を有する中空の本体と、
前記孔内に配置され、前記端部同士の間に位置するピストン部材と、
前記中空の本体の前記バルブ端部に連結したバルブであって、前記バルブは、前記バルブ端部を通過する連通を阻止する閉鎖位置から、前記カートリッジ内に十分に挿入した際前記バルブ端部を通過する連通を促進する開放位置に移動するように構成される、バルブとを含む、交換可能なカートリッジ。
【請求項33】
カートリッジ受入れレセプタクル、及び、針保護モードにおいて針周りに延びるように弾性的に付勢され、前記針を利用するため前記カートリッジ受入れレセプタクル内に後退可能な押下具を含む、アプリケーターと、
交換可能なカートリッジであって、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体、を含み、前記薬剤は、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入し、前記押下具を前記針保護モードから部分的に後退したモードに移動させたとき、前記針と連通し、前記押下具を前記部分的に後退したモードから十分に後退したモードに移動させることによって、前記薬剤の投与の後、前記カートリッジが前記カートリッジ受入れレセプタクルから自動的に排出される、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項34】
前記押下具は、前記カートリッジに選択的に連結するとともに、前記カートリッジに対して弾性的に外方に付勢され、
前記薬剤注射器は、前記針を含むとともに、前記押下具内に部分的に受け入れられて、前記押下具に対して前記カートリッジに向かって弾性的に付勢される、針組立体をさらに含む、請求項33に記載の薬剤注射器。
【請求項35】
前記押下具は、内側孔、外側孔、前記孔同士の間で半径方向に延びるショルダー部を有し、
前記薬剤注射器は、前記カートリッジと前記押下具との間に延びる第1弾性部材を含み、
前記薬剤注射器は、前記針、及び、前記針を連結し、前記押下具の前記内側孔内に受け入れられ、前記内側孔に対して移動可能であるハブを含む、針組立体を含み、
前記薬剤注射器は、前記ハブと前記押下具の前記ショルダー部との間に延びる第2弾性部材を含む、請求項33に記載の薬剤注射器。
【請求項36】
前記針組立体は、第1の前記針と連通するとともに、前記ハブに連結して、前記カートリッジに向かって延びる第2の前記針を含む、請求項35に記載の薬剤注射器。
【請求項37】
前記針組立体は、非作動位置における前記針を十分に覆うように、前記カートリッジを前記注射器から分離した又は取り外したとき、前記押下具の内側孔のカートリッジ端部に向かって弾性的に十分に付勢される、ハブを含む、請求項35に記載の薬剤注射器。
【請求項38】
前記カートリッジ受入れレセプタクルは、前記カートリッジを受け入れる開放近位端部、及び、前記押下具が外方に延びる開放遠位端部を有する、請求項33~37のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項39】
前記カートリッジ受入れレセプタクルは、雌部材及び雄部材の第1のものを含み、前記薬剤注射器は、前記雌部材及び前記雄部材の第2のものを含み、前記雌部材及び前記雄部材は、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき相互に係合して、前記カートリッジをそこから取り外せないようにし、前記押下具が前記十分に後退したモードに移動することによって、前記雄部材が前記雌部材から選択的に取り外されて、前記カートリッジを、前記カートリッジ受入れレセプタクルから外方に付勢する、請求項33~38のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項40】
前記雄部材はテーパー状キャッチであり、
前記雌部材は凹状部分を含み、前記テーパー状キャッチは、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき前記凹状部分内に受け入れられ、
前記薬剤注射器は、前記テーパー状キャッチに対して当接するとともに、前記押下具を前記十分に後退したモードに移動させたとき前記テーパー状キャッチを前記凹状部分から取り外す、内側テーパー状部材をさらに含む、請求項39に記載の薬剤注射器。
【請求項41】
前記カートリッジ受入れレセプタクルは、半径方向内方に延びる少なくとも1つのキャッチを含み、
カートリッジ保持部材は、半径方向外方に延びる少なくとも1つの弾性キャッチを含み、該半径方向外方に延びる少なくとも1つの弾性キャッチは、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき、前記カートリッジ受入れレセプタクルの前記半径方向内方に延びる少なくとも1つのキャッチに選択的に連結し、
前記カートリッジは、前記キャッチの第1のものに対して当接するとともに、前記押下具を前記十分に後退したモードに移動させたとき前記キャッチの第1のものを前記キャッチの第2のものから離れるように付勢する、内側テーパー状部材をさらに含む、請求項33~38のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項42】
カートリッジ受入れレセプタクル及び押下具を含むアプリケーターと、
その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす、交換可能なカートリッジであって、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入したとき、前記押下具を部分的に後退させることによって、前記薬剤を放出し、前記薬剤を送達すると、その後前記押下具をさらに後退させることによって、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクルから自動的に排出する、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項43】
カートリッジ受入れレセプタクル及び押下具を含むアプリケーターと、
その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす、交換可能なカートリッジであって、前記カートリッジは前記カートリッジ受入れレセプタクルに連結し、前記カートリッジ受入れレセプタクルから外方に付勢され、前記押下具をその後部分的に後退させることによって、前記薬剤を放出し、前記押下具をさらに後退させることによって、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクルから分離し、前記アプリケーターがさらなる前記カートリッジを受け入れ可能となる、交換可能なカートリッジとを含む、薬剤注射器。
【請求項44】
前記カートリッジは、1つ以上のキャッチを介して前記カートリッジ受入れレセプタクルに連結し、前記押下具をさらに後退させることによって、前記1つ以上のキャッチを取り外す、請求項42又は43に記載の薬剤注射器。
【請求項45】
前記押下具をさらに後退させた際、前記1つ以上のキャッチに対して前記押下具が付勢する、1つ以上の取外部材をさらに含む、請求項42~44のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項46】
前記さらに後退させることは、前記押下具の十分に後退したモードである、請求項42~45のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項47】
前記カートリッジは、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき開放され、前記カートリッジを前記カートリッジ受入れレセプタクルから排出したとき閉鎖されるバルブを含む、請求項42~46のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項48】
前記カートリッジを使用し、前記カートリッジ受入れレセプタクルから排出すると、前記カートリッジ受入れレセプタクルは自然な状態に戻って、前記カートリッジ受入れレセプタクルがさらなるカートリッジを受け入れ可能となる、請求項42~47のいずれか1項に記載の薬剤注射器。
【請求項49】
複数の交換可能なカートリッジと、請求項1~48のいずれか1項に記載の薬剤注射器とを含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤注射器及びその交換可能なカートリッジ組立体に関する。特に、本発明は、種々の交換可能な薬剤保持カートリッジを選択的に受け入れるように構成された薬剤注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
Schmidらによる特許文献1は、薬物を投与するための調節可能な注射デバイスを公開している。上述のデバイスは、締結点のアレイを有する筐体と、該筐体に取り付けるための少なくとも1つの保持デバイス及び少なくとも1つの阻止デバイスをそれぞれが有する少なくとも2つの筐体状外郭部とを含む。第1外郭部の保持デバイスは固定点に取り付けることができ、第2外郭部の保持デバイスはさらなる固定点に取り付けることができる。第1外郭部の保持デバイスは、第2外郭部の阻止デバイスによってそこから取り外しできないようになっており、第2外郭部の保持デバイスは、さらなる外郭部の阻止デバイスによってそこから取り外しできないようになっている、又は、注射デバイスが2つの外郭部のみを有する場合、第1外郭部の阻止デバイスによってさらなる固定点から取り外しできないようになっており、それによって外郭部が筐体に着脱不可能に繋がっている。
【0003】
Levによる特許文献2は、患者に液剤を投与するため、液体を含む、置き換え可能である予め充填したカセットと共に使用する電子自己注射器装置を公開している。上述の電子自己注射器装置は、手動でカセットをそこに滑らせるように装着し、そこから滑らせるように取り出すために端部が開放したカセットホルダーを含む自己注射器筐体を有する、ハンドヘルドのペン状電子自己注射器を含む。また、上述の電子自己注射器装置は、使用しないときに電子自己注射器を密接して受け入れるための保管用くぼみ部を含む基部及び基部を閉じるためのカバーを有するリモートコントロールユニットと、電子自己注射器装置を操作するためのユーザーコントロールインターフェースとを含む。
【0004】
Levによる特許文献3は、対象に所定用量の薬剤を自動で送達するための注射器組立体を公開している。上述の組立体は、上述の用量の薬剤の自動送達を開始するための作動スイッチを含む。上述の組立体は、針を通過させるように構成された、注射器組立体の遠位端部における針開口部を含む。上述の組立体は、プランジャー組立体に圧力をかけるためのプランジャー駆動機構を含み、該プランジャー駆動機構は、作動スイッチに動作可能に接続されたモーターと、モーター及びプランジャー組立体に動作可能に接続されたアクチュエーターとを含む。上述の組立体は、取り外し可能なカートリッジモジュールの少なくとも一部に動作可能に接続するための表面を含み、該取り外し可能なカートリッジモジュールは、可能な注射深度の範囲を定めるための針筐体を含む。上述の組立体は、プランジャー組立体をプランジャー駆動機構にアライメントするためのプランジャー筐体を含む。上述の組立体は、予め充填したカートリッジ及び/又はその内に含まれる薬剤に関連したコードを含む識別要素と、予め充填したカートリッジを戻せるように固定するためのくぼみ部とを含む。上述の組立体は、取り外し可能なカートリッジモジュールを上述の表面に固定するための少なくとも1つの係合部を含む。上述の組立体は、注射器組立体の近位端部と遠位端部との間で、予め充填したカートリッジを軸方向に移動させるためのカートリッジ駆動組立体を含み、該カートリッジ駆動組立体は、モーター及び作動スイッチと動作可能に接続された少なくとも1つの歯車要素を含む。
【0005】
医薬の投与は、薬剤をシリンジに引き入れて、針を用いて又は静脈内ラインを介して注射によって患者に送達するため複数の部品及び複数のステップを必要とするので、煩雑で時間がかかるものである。薬剤の送達に関与する上述のステップは、シリンジ/プランジャー、針、及び薬剤の組合せの使用を含む。医療提供者は、各患者及び臨床上の状況に適切な用量で適切な薬剤を引き出す必要がある。さらに、一般の送達経路は、IM(筋肉内)、IV(静脈内)、IN(鼻腔内)、及びIO(骨内)経路を含む。関与する複雑さや種々のステップを考えると、これは、患者にとって有害な結果となり得る著しい遅延や操作上の誤りを引き起こし得る。病院に行く前/移送における医療、航空宇宙における医療、その場に居合わせた人による応急処置、及び軍事における医療などの、病院ではない臨床の場において、かさ/部品の削減、多用途性の向上、及び使い易さという利点がまた重要である。したがって、臨床上の必要性及び状況に応じて、選択可能で標準化された交換可能な薬剤カートリッジとのシームレスなインターフェースとなる、汎用性の薬剤注射器を使用する必要性があり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0126083号明細書
【特許文献2】国際公開第2013/065055号
【特許文献3】国際公開第2016/210404号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は改良した薬剤注射器及びその交換可能なカートリッジを提供し、改良した薬剤注射器及びその交換可能なカートリッジを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、第1の態様における薬剤注射器を提供する。上述の薬剤注射器は、カートリッジ受入れレセプタクルを有するアプリケーターを含む。上述の薬剤注射器は、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体を有する、交換可能なカートリッジを含む。上述のカートリッジは、薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置を有する少なくとも1つのバリア部材を含む。上述のバリア部材は、上述の閉鎖位置から、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入したとき薬剤にアプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動可能である。上述のバリア部材は、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクルから取り外したとき閉鎖位置に戻るように移動する。
【0009】
また、第2の態様における薬剤注射器を提供する。上述の薬剤注射器は、カートリッジ受入れレセプタクルを有するアプリケーターを含む。上述の薬剤注射器は、その内部に薬剤を受け入れる又は含有するような形状をなす本体を有する、交換可能なカートリッジと相互作用する。上述のカートリッジは、上述の本体と連結したバルブを含む。カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することによって、上述のバルブを、薬剤へのアクセスを阻止する閉鎖位置から、薬剤にアプリケーターを介してアクセス可能な開放位置に移動させるように作動する。
【0010】
また、第3の態様における薬剤注射器をさらに提供する。上述の薬剤注射器は、針を含む。上述の薬剤注射器は、針に連結したカートリッジ受入れレセプタクルを含む。上述の薬剤注射器は、内部に薬剤を予め充填した、含有した、又は受け入れた交換可能なカートリッジを含む。上述のカートリッジは、薬剤へのアクセスを阻止する注射前モードを有する。カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することによって、カートリッジが、注射前モードから、針を介して薬剤にアクセス可能な注射モードに移動する。
【0011】
可変の薬剤を含む複数の交換可能なカートリッジと、上述の薬剤注射器の1つを含むキットをさらに提供する。
【0012】
第4の態様における薬剤注射器をまたさらに提供する。上述の薬剤注射器は、カートリッジ受入れレセプタクルを有するアプリケーターを含む。上述の薬剤注射器は、予め充填した量の1つ以上の薬剤を含有する複数の交換可能なカートリッジを含む。上述の薬剤注射器は、選択した上述のカートリッジの1つをカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入するまで薬剤へのアクセスを阻止する可逆的なバリア機構を含む。
【0013】
本発明は、添付の図面に関して例としてのみ記載する、その好ましい実施形態の以下の記載からより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、一実施形態における薬剤注射器の側面図であり、該薬剤注射器は、アプリケーターと、アプリケーターの上方に位置する、交換可能な薬剤保持カートリッジとを含み、該アプリケーターは、その第1端部に隣接するプランジャーと、その第2端部に隣接する針(図示せず)周りに延びる保護用針組立体とを含み、該カートリッジは、中空の本体と、該本体に回動可能に連結したバルブとを含み、該バルブは、閉鎖位置において示したバルブアクチュエーターを含む。
【
図2】
図2は、
図1の薬剤注射器の側面図であり、上述のアプリケーター及びカートリッジは、その内部を示すように断面が示されている。
【
図3】
図3は、
図1の薬剤注射器の平面、側面の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクルの一部を示すとともに、そのプランジャー挿入端部から見た
図1のカートリッジの斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1のアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクルの一部を示すとともに、そのバルブアクチュエーター端部から見た
図1のカートリッジの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1のアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクルの一部を示すとともに、
図1のカートリッジの底面、側面の斜視図である。
【
図7】
図7は、カートリッジのバルブアクチュエーターが部分的に作動していることを示し、
図1のアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクルの一部を示すとともに、
図1のカートリッジの底面、側面の斜視図である。
【
図8】
図8は、カートリッジのバルブアクチュエーターが十分に作動していることを示し、
図1のアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクルの一部を示すとともに、
図1のカートリッジの底面、側面の斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1の薬剤注射器の側面図であり、上述のカートリッジが、該カートリッジのプランジャー挿入端部を介してアプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入されるプロセスにあることを示す。
【
図10】
図10は、
図9の薬剤注射器の側面の斜視図であり、上述のアプリケーター及びカートリッジは、その内部を示すように断面図が示され、上述の薬物注射器が、キャッチを有するとともに伸長位置において示される保持部材をさらに含み、上述のカートリッジにおけるそのプランジャー挿入端部の突起部が上述のキャッチと係合している。
【
図11】
図11は、
図1の薬剤注射器の側面図であり、上述のカートリッジが、アプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクル内にさらに挿入されていることを示し、バルブアクチュエーターがアプリケーターのランプの上部分に当接していることを示す。
【
図12】
図12は、
図10の薬剤注射器の側面の斜視図であり、上述のアプリケーター及びカートリッジは、その内部を示すように断面図が示されている。
【
図13】
図13は、一部を示すとともに、その内部を示すように断面図が示される
図1の薬剤注射器の拡大側面図であり、バルブアクチュエーターを示さず、バルブのバルブ本体が、
図12よりもカートリッジ受入れレセプタクル内にまたさらに挿入されていることを示し、バルブをその閉鎖位置において示す。
【
図14】
図14は、
図1の薬剤注射器の側面の斜視図であり、上述のカートリッジが、
図13と比較してカートリッジ受入れレセプタクル内によりさらに挿入されていることを示し、バルブアクチュエーターがカートリッジ受入れレセプタクルに入り始め、アプリケーターのランプがバルブアクチュエーターを作動させて、バルブをその閉鎖位置から開放位置へと移動させている。
【
図15】
図15は、一部を示すとともに、その内部を示すように断面図とが示される
図14の薬剤注射器の拡大側面図であり、バルブアクチュエーターを示さず、バルブのバルブ本体が、
図14よりもカートリッジ受入れレセプタクルに接近していることを示す。
【
図16】
図16は、
図1の薬剤注射器の側面図であり、上述のカートリッジが、アプリケーターのカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入されていることを示す。
【
図17】
図17は、
図16の薬剤注射器の側面図であり、上述のアプリケーター及びカートリッジは、その内部を示すように断面図が示され、保持部材が、その後退位置において、カートリッジを所定位置に保持していることを示し、カートリッジのプランジャー挿入端部がアプリケーターのプランジャーと接続し、バルブが、カートリッジの内部をアプリケーターの針の導管部と連通させるように開放位置であって、アプリケーターの戻り止め部が、さらにカートリッジを所定位置に保持するように、カートリッジのバルブ本体の相補凹部に連結されていることを示す。
【
図18】
図18は、
図17の薬剤注射器の側面図であり、針が患者に挿入されていることを示し、保護用針組立体が後退位置において示され、プランジャーが装填位置において示されている。
【
図19】
図19は、
図18の薬剤注射器の側面図であり、薬剤を、カートリッジ内から、バルブ本体、カートリッジの薬剤送出端部、アプリケーターの導管部を介し、針から出して患者へと誘導するように、プランジャーが注射位置において示されている。
【
図20】
図20は、第2実施形態における薬剤注射器の平面、正面、右側の分解図である。
【
図23】
図23は、
図20の薬剤注射器の平面、正面、右側の分解図であり、押下具筐体が十分に組み立てられ、押下具周りに延びることを示し、押下具筐体がカートリッジ受入れレセプタクルに連結するプロセスにあることを示す。
【
図24】
図24は、
図23の薬剤注射器の平面、正面、右側の分解図であり、押下具筐体がカートリッジ受入れレセプタクルに連結されていることを示し、薬剤注射器が、カートリッジ受入れレセプタクルから取り外すプロセスにあることを示す交換可能なカートリッジをさらに含む。
【
図26】
図26は、
図23の薬剤注射器の平面、正面、右側の分解図であり、カートリッジが、その第1バルブを示すようにカートリッジ受入れレセプタクルから十分に取り外されていることを示し、カートリッジ受入れレセプタクルが、その第2バルブを含むその内部の内容を示すように部分的に一部において示され、該第2バルブは、バルブ筐体とバルブ筐体内に配置されたバルブ本体とを含む。
【
図29】
図29は、
図26のカートリッジの平面、右側、正面の分解図であり、該カートリッジは本体を含み、バレルは薬剤を含有し、保持部材はロックしていない位置において示す。
【
図32A】
図32Aは、
図29のカートリッジの正面、平面、右側の斜視図であり、保持部材をロック位置において示す。
【
図32B】
図32Bは、
図29のカートリッジの正面、平面、右側の斜視図であり、保持部材を部分的にロックしていない位置において示す。
【
図32C】
図32Cは、
図29のカートリッジの正面、平面、右側の斜視図であり、保持部材が十分にロックしてない位置において示され、カートリッジの本体から離間している。
【
図33A】
図33Aは、その直線的な一式の歯部を示すカートリッジ受入れレセプタクルの一部の拡大図であり、第1バルブ及び第2バルブを閉鎖位置において示し、各バルブは円形歯車を有し、第2バルブの歯車は、カートリッジの歯部と係合して、第2バルブをその閉鎖位置からその開放位置に移動させるプロセスにある。
【
図33B】
図33Bは、
図33Aと同じ位置における薬剤注射器の分解図であり、カートリッジは、カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入されるプロセスにあり、バルブの断面をその閉鎖位置において示す。
【
図34A】
図34Aは、カートリッジ受入れレセプタクルの一部の拡大図であり、歯部が第1バルブと第2バルブとの間に位置し、第2バルブがここで閉鎖位置となり、第1バルブの歯車は、カートリッジの歯部と係合して、第1バルブをその開放位置からその閉鎖位置に移動させるプロセスにある。
【
図34B】
図34Bは、
図34Aと同じ位置における薬剤注射器の分解図であり、カートリッジは、カートリッジ受入れレセプタクル内に挿入されるプロセスにあり、第2バルブをその開放位置において示し、第1バルブをその閉鎖位置において示すようにバルブの断面図を示す。
【
図35】
図35は、
図20の薬剤注射器の側面図であり、カートリッジが、カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入され、薬剤注射器が、押下具と連結した針組立体を含み、該針組立体が薬剤を含有するバレルの前に離間するように、該押下具が注射前モードにあることを示す。
【
図35】
図35は、
図20の薬剤注射器の側面図であり、カートリッジが、カートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入され、薬剤注射器が、押下具と連結した針組立体を含み、該針組立体が薬剤を含有するバレルの前に離間するように、該押下具が注射前モードにあることを示す。
【
図36】
図36は、
図35の薬剤注射器の側面図であり、上述の押下具がカートリッジ受入れレセプタクルに向かって部分的に押し下げられている注射モードにおいて示され、針組立体がバレル内に貫通して、薬剤と連通している。
【
図37】
図37は、
図36の薬剤注射器の側面図であり、上述の押下具がカートリッジ受入れレセプタクルに向かって十分に押し下げられている上述の注射モードにおいて示され、針組立体がバレル内にさらに十分に延びて、薬剤と連通している。
【
図38】
図38は、第3実施形態における薬剤注射器の側面図である。
【
図39】
図39は、第4実施形態における薬剤注射器の背面、右側の分解図であり、その交換可能なカートリッジがそのカートリッジ受入れレセプタクルから後方に離間していることが示され、薬剤注射器が注射前モードにおいて示した押下具を含む。
【
図42】
図42は、
図41に類似する
図39の薬剤注射器の平面図であり、そのカートリッジ受入れレセプタクルの上半分がその内部部品を示すように取り外されている状態である。
【
図43】
図43は、
図39の薬剤注射器の平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外されている状態である。
【
図44】
図44は、
図43の薬剤注射器の平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、その交換可能なカートリッジがカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入されるプロセスにあることが示されている。
【
図45】
図45は、
図44の薬剤注射器の平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、交換可能なカートリッジがカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入されていることが示されている。
【
図46】
図46は、
図45の薬剤注射器の平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、交換可能なカートリッジがカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入されていることが示され、押下具が、カートリッジ受入れレセプタクルに向かって部分的に後退し、注射モードに向かって移動して、針組立体の遠位針を露出させており、針組立体は、交換可能なカートリッジの薬剤と連通していることを示す。
【
図47】
図47は、
図46の薬剤注射器の一部を示す平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、交換可能なカートリッジがカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入されていることが示され、押下具が、カートリッジ受入れレセプタクルに向かってさらに十分に押下げられている、注射モードにおいて示され、薬剤がそこから空になると、薬剤注射器のバルブ、バルブ筐体、押下具、及び押下具筐体がカートリッジに向かって移動することを示す。
【
図48】
図48は、
図47の薬剤注射器の一部を示す平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、薬剤がバレルから十分に空になり、押下具筐体のうちの1つのテーパー状部材がカートリッジ保持部材、つまりカートリッジを、カートリッジ受入れレセプタクルから取り外すプロセスにあることを示す。
【
図49】
図49は、
図48の薬剤注射器の一部を示す平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、押下具筐体のテーパー状部材がカートリッジ保持部材のキャッチ部材を半径方向内方にさらに十分に付勢し、カートリッジ保持部材を、カートリッジ受入れレセプタクルからさらに十分に取り外していることを示す。
【
図50】
図50は、
図49の薬剤注射器の一部を示す平面図であり、その押下具、押下具筐体、カートリッジ受入れレセプタクル、及びカートリッジ保持部材の上半分がその内部部品を示すように取り外され、カートリッジ保持部材と空になった交換可能なカートリッジとが、カートリッジ受入れレセプタクルから取り外されて離間していることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面、及びまずは
図1を参照し、薬剤注射器40を示す。
【0016】
薬剤注射器は、少なくとも部分的に中空であるとともに、長手方向軸43に沿って延びる略円筒状体であるカートリッジアプリケーター42を含む。上述のアプリケーターは、押下具、この例ではその第1端部46に隣接するプランジャー44を含む。
図12に示すように、上述のプランジャーは、第1又は外側端部、この例では把持端部39と、第2又は内側端部、この例では遠位端部41とを有する。プランジャー44は、
図1に示す装填位置から、
図19に示す注射位置に移動可能である。
図2に示すように、アプリケーター42は、押下具孔、この実施形態では軸43からずれるとともに、この例では軸43と平行に延びる、この例ではプランジャー孔45を含む。上述のプランジャー孔は、アプリケーターの端部46まで延び、その内にプランジャー44を滑らせるように受け入れるような形状をなす。
【0017】
アプリケーター42は、その第2端部50に隣接する針保護組立体48を含む。上述の針保護組立体は、
図18及び
図19に示す針52周りに選択的に延びる。これに関して、適切な針保護組立体の例における部品及び機能は、米国仮特許出願第16/800,804号明細書に記載されており、その開示は参照することによって本明細書に援用され、その優先権を主張する。
【0018】
図2を参照すると、アプリケーター42は、
図18の針52に連結するように構成された第1端部(図示せず)を有する導管部53を含む。
図15に示すように、上述の導管部は第2端部55を有する。導管部は、少なくとも1つの雄部材及び少なくとも1つの雌部材のうちの1つを含み、この例では複数の雄部材、この場合上述の端部55において円周方向に離間し、この例では半径方向内方に延びるキャッチ59をそれぞれが有する、戻り止め部57を含む。
【0019】
図1に戻ると、アプリケーター42は、側壁、この例では環状側壁54と、隆起部、この例では上述の側壁に連結して上述の側壁から外方に延びるランプ56を含む。上述のランプは、この例では側面から見て略三角形状であり、アプリケーターの端部46と端部50との間にある。ランプ56は、アプリケーター42の側壁54に隣接する薄い端部58と、アプリケーターの側壁からさらに半径方向に離間した、より大きい又はより厚みのある端部60とを有する。
図4に示すように、ランプ56はその上に凹状トラック62を有し、該凹状トラック62は、離間した対の凹状ショルダー部64及び66を含み、該凹状ショルダー部64及び66の間には、さらに窪んだ中央配置チャネル68が延びる。
【0020】
図10に示すように、アプリケーター42は、その端部46と端部50との間にカートリッジ受入れレセプタクル70を含む。
図19に示すように、上述のカートリッジ受入れレセプタクルは、針52に連結されている。
図10に戻ると、カートリッジ受入れレセプタクルは、アプリケーターの環状側壁54を貫通するとともに、この例では略矩形の形状である、開口部72を有する。カートリッジ受入れレセプタクル70は、この例ではランプ56とプランジャー孔45との間にあり、プランジャー孔と連通している。カートリッジ受入れレセプタクルは、この例ではアプリケーター42の長手方向軸43と平行の方向に延びる。
図3及び
図15を参照すると、カートリッジ受入れレセプタクル70は、この例ではランプ56に隣接する拡大部73を有する。上述の拡大部は、この場合略環状の形状である。
【0021】
図15に示すように、アプリケーター42は、カートリッジ受入れレセプタクル70に接続するとともに、
図16に示すアプリケーターのランプ56と端部46との間に延びる内側トラック74を含む。
図15に戻ると、上述のトラックは、この例では略直方体の形状であり、アプリケーター42の長手方向軸43に平行に延びる。
【0022】
図12に示すように、薬剤注射器40は、カートリッジ保持部材76を含む。上述の保持部材は、この例では反転U字状底部78を介してアプリケーター42の内側トラック74と摺動可能に係合するような形状をなす。保持部材は、この例では長尺であり、アプリケーター42の長手方向軸43と平行に延びる。保持部材76は、キャッチ及び突起部のうちの1つ、この例ではその上部82に連結して該上部82から上方に延びるキャッチ80を含む。
【0023】
図2に示すように、保持部材76は、上述のキャッチが、弾性部材、この例ではばね84を介してカートリッジ受入れレセプタクル70内に延びた、閉鎖又は伸長位置に向かって付勢されている。上述のばねは、この例ではアプリケーター42に当接する第1端部86がプランジャー44の遠位端部41に隣接する、この例では内部トラック74に沿って延びる。ばね84は、保持部材76に当接する第2端部88を有する。
【0024】
保持部材は、
図2に示す伸長位置から、内部トラック74に沿って、
図17に示す開放又は後退位置に移動可能である。保持部材がその後退位置にあるとき、キャッチ80は、カートリッジ受入れレセプタクル70から離れる。
【0025】
図1を参照すると、薬剤注射器40は、交換可能なカートリッジ90によって示すように、複数の交換可能なカートリッジを含む。上述のカートリッジは、置き換え可能なカートリッジとも呼ぶことができる。
図2を参照すると、カートリッジ90は、その内部94に薬剤92を受け入れる。カートリッジは、薬剤を含んで受け入れる孔98を有する長尺で中空の本体96を含む。
図17に示すように、長尺の本体は、カートリッジ90をカートリッジ受入れレセプタクル70内に十分に挿入したとき、アプリケーター42の長手方向軸43と平行に延びる。
【0026】
図1を参照すると、カートリッジは、この例では角度をなす第1端部、この例ではプランジャー挿入端部100を有する。
図4に示すように、カートリッジのプランジャー挿入端部は、この例では等脚台形の形状であり、開口部102を有する。
図19を参照すると、孔98は、カートリッジ90のプランジャー挿入端部100の開口部102を介して、プランジャー44の遠位端部41を滑らせるように受け入れるような形状をなす。
図1に戻ると、カートリッジは、キャッチ又は突起部のうちの1つ、この例では突起部104を含む。上述の突起部は、この例では略直方体の形状である。
【0027】
図13に示すように、カートリッジ90は、ピストン部材、この例ではその孔98内に封止可能であるように配置されるピストン106を含む。上述のピストンは、孔に沿って長手方向に移動可能であり、カートリッジのプランジャー挿入端部100の開口部102とカートリッジの内部94との間に位置する。
【0028】
図1に示すように、カートリッジ90は、バリア部材、この例ではその薬剤送出端部110におけるバルブ108を含む。上述のピストン106は、カートリッジの端部100と端部110との間に位置する。上述のバルブ108は、カートリッジ90の本体96に回動可能に連結され、したがって該本体96に対して回転可能である。
【0029】
バルブは、バルブアクチュエーター、この例ではカートリッジの本体に回動可能に連結する長尺のレバー111を含む。上述のレバーは、この例では側面から見て長円形である。
図15に示すように、バルブ108は、この例では側面から見て略円筒状であるバルブ本体114を含む。バルブは、この例では円弧状であるとともに、バルブ本体を貫通する導管部116を含む。バルブ108の導管部は入口118及び出口120を有する。バルブは、戻り止め部に係合するような形状をなす部材、この例では導管部116の出口120に隣接するバルブ本体114の凹部122を含む。
図7に示すように、上述の凹部はこの例では環状である。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、バルブ108は、カートリッジ90の中空の本体96と薬剤送出端部110との間の連通を阻止する閉鎖位置を有する。これはカートリッジの注射前モードであり、したがって、カートリッジ90が注射前モードにあるとき、バルブが
図1に示すように薬剤92へのアクセスを阻止する。
図13及び
図15に示すように、バルブ108がその閉鎖位置にあるとき、導管部116の入口118とカートリッジの内部94との連通が阻止される。
図1に示すように、バルブがこの例においてその十分な閉鎖位置にあるとき、バルブ及びそのレバー111が、カートリッジ90の本体96と実質的に平行に延びる。
【0031】
図10を参照すると、カートリッジ90をアプリケーター42のカートリッジ受入れレセプタクル70内に挿入するため、カートリッジ90の突起部104を、まず保持部材76のキャッチ80に係合する。
【0032】
図11に示すように、次に、レバー111をアプリケーターのランプ56の凹状トラック62に当接させて、該凹状トラック62に沿って滑らせる。次に、カートリッジ90を、符号124の矢印によって示すように、
図11の状態から、右側に移動させて、バルブ108をカートリッジ受入れレセプタクル70に向かってランプに滑らせて下ろす。同時に、このカートリッジの右側への移動により、保持部材76を
図12に示すその伸長位置から、
図19に示すその後退位置に移動させる。これによって、カートリッジ90をカートリッジ受入れレセプタクル70内に挿入するためのスペースを得る。
【0033】
図1、
図14、及び
図16を参照すると、ランプ56は、レバー111を、
図1に示すその閉鎖位置から、
図16に示す開放位置に移動させるように機能する。
図17に示すように、バルブがその開放位置にあるとき、導管部116の入口118は、カートリッジ90の内部94と連通し、導管部の出口120がアプリケーター42の導管部53と連通する。そのようにして、カートリッジの薬剤92と薬剤送出端部110との間を連通させる。また、十分な開放位置にあるレバー111により、アプリケーターの戻り止め部57がバルブ本体114の凹部とアライメントし、それによってバルブ本体と連結することができる。したがって、カートリッジ90をアプリケーター42内に挿入することにより、バルブ108が、
図1に示すその閉鎖位置から
図16に示すその開放位置へと回転し、
図17に示す薬剤92がアプリケーターによってアクセス可能となる。カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル70内に挿入することにより、カートリッジが、
図1に示す注射前モードから、
図19に示す針52を介して薬剤にアクセス可能な注射モードに移動する。
【0034】
図17を参照すると、カートリッジ90をカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することにより、このようにカートリッジ90のプランジャー挿入端部100がプランジャーと連通し、上述の端部が、アプリケーター42の対応するテーパー状部分126に当接する。カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に挿入することにより、さらにカートリッジの内部94がカートリッジの薬剤送出端部110と連通する。また、カートリッジ90をカートリッジ受入れレセプタクル70内に挿入することにより、カートリッジの薬剤送出端部がアプリケーター42の導管部53と連通する。
【0035】
図18を参照すると、ばね84は、十分に挿入したカートリッジ90に向かって保持部材76を付勢して、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクルから取り外せないようにする。したがって、保持部材はまた、カートリッジ受入れレセプタクル70内に十分に挿入したカートリッジを取り外しできないような形状をなす。
【0036】
図16を参照すると、例えば符号91の矢印によって示すようにレバー111を後方に押すことで、カートリッジ90をカートリッジ受入れレセプタクル70から取り外すことにより、バルブ108が、その開放位置から
図1に示すその閉鎖位置に再び移動する。
【0037】
図20~
図37は、第2の態様における薬剤注射器40.1を示す。同様の部品は、「.1」を追加して、
図1~
図19に示す実施形態と同様の符号及び機能を有する。薬剤注射器40.1は、以下の例外を除いて、
図1~19に示すような薬剤注射器40と同様である。
【0038】
図20に示すように、アプリケーター42.1は針組立体128を含む。上述の針組立体は、IM(筋肉内)針送達、標準的なIV(静脈内)チューブ及びルアーロック機構を伴うIV(静脈内)流体接続送達、並びにIN(鼻腔内)薬剤噴霧送達のうちの少なくとも1つを含む可変の注射機構に適合させたアプリケーターの患者に面する部分として部分的に参照することがある。針組立体128は、アプリケーターの端部50.1からアプリケーターの46.1に向かって延びる押下具44.1を含む。上述の押下具は、プランジャー機構又は空気圧送達システムと呼ぶことができる。
図21Dに示すように、押下具は、その端部41.1からその端部39.1に向かって延びる基部130を有する。押下具は、その端部41.1からその端部39.1及びその基部に向かって延びる孔131を有する。内側/第2孔又は通路132は、この例では軸43.1と平行に基部を貫通し、孔131と連通する。上述の通路132は、押下具の端部41.1から押下具の端部39.1に向かって延びる。押下具44.1は、その端部39.1において拡張フランジ134を含む。上述のフランジは、この例では直方体の外形であり、患者の皮膚(図示せず)に当接するような形状をなす。押下具は、その基部130とそのフランジとの間に延びるとともに、該基部130と該フランジとを共に連結するスリーブ部分136を含む。上述のスリーブ部分は、この例では矩形の断面であるが、これは厳密に必要とされるわけではない。フランジ134は、スリーブ部分136及び基部130に対して半径方向外方に延びる。
図21Eに示すように、押下具44.1は、少なくとも1つのガイド部材、この例では押下具の端部41.1に隣接する押下具の基部に連結され、該基部から外方に延びる、離間した対の突起部138及び140を含む。
【0039】
図21Dに示すように、押下具は、対のマウント、この例では通路132の両側に位置する、対向する対の雄ルアーロック取付部142及び144を含む、ハブ141を含む。その種々の部品及び機能を含むルアーロック取付部は、それ自体、当業者に既知であり、したがって、さらに詳細には記載しない。ルアーロック取付部142及び144は、通常の方法で、雌ルアーロック取付部(図示せず)を介して
図20に示す第1又は外側針52.1、及び雌ルアーロック取付部(図示せず)を介して第2又は内側針146に選択的に連結するような形状をなす。上述の針は、
図21Dに示す通路132を介して互いに連通している。
図20に示すように、内側針及び外側針は、したがって、外側針52.1が押下具の端部39.1から外方に延びて、内側針146が押下具の端部41.1から外方に延びるように、押下具に連結する。
【0040】
さらに
図20を参照すると、スリーブ部分136は、少なくとも部分的に外側針52.1を封入し、針組立体128は、したがって、押下具44.1内に少なくとも部分的に受け入れられる。
図21Dに戻ると、押下具44.1は、ルアーロック取付部144に隣接する環状凹部148をさらに含む。
図20に示すように、アプリケーターは、第1弾性部材、この例ではその第1端部152が
図21Dに示す凹部148内に嵌合するコイルばね150を含む。上述のコイルばねは、その第1端部から離間した第2端部153を有する。上述の凹部は、この例では環状であり、押下具44.2の端部41.1から押下具の端部39.1に向かって延びる。
【0041】
図20に示すように、アプリケーター42.1は、2つの部品156及び158を含む押下具筐体154を含む。上述の部品は、
図22Aに示す相補スナップ取付部160及び162を介して共に結合する。
図22Eに示すように、上述の押下具筐体は、閉鎖又は内側端部164と開放、外側端部166とを有する。押下具筐体154は、その端部164からその端部166に向かって延びる基部168を有する。
図22Eに示すように、通路170は、この例では軸43.1と平行に基部を貫通する。押下具筐体154は、その端部166において拡張フランジ172を含む。上述のフランジは、この例では直方体の外形である。押下具筐体は、その基部168とそのフランジとの間に延びるとともに、該基部168と該フランジとを共に連結するスリーブ部分174を含む。上述のスリーブ部分は、この例では略矩形の断面であるが、これは厳密に必要とされるわけではない。上述のフランジ172は、スリーブ部分174及び基部168に対して半径方向外方に延びる。
【0042】
図22Bに示すように、押下具筐体154は孔45.1を有し、スリーブ部分174は、その内面177及び179が互いに対向するとともに孔と連通する、離間した対の壁部176及び178を含む。
図22Eに示すように、押下具筐体は、対の内側ガイド、この例ではガイドチャネル180及び182を含む。上述の孔45.1は、押下具44.1の突起部138及び140を
図22Bに示すガイドチャネル180内に受け入れて、該ガイドチャネルに沿って滑らせるように、
図21Eに示す押下具44.1の基部130及びスリーブ部分136を受け入れるような形状をなす。
図20に示すばね150は、押下具44.1を押下具筐体に対して軸方向外方に付勢して針保護モードにおいて針52.1周りに延びるように、押下具44.1の基部130と押下具の基部168との間に位置する。
図21Dに示すように、上述のばねの端部153は、押下具の基部に当接する。
図24に示すように、針組立体128は、したがって、カートリッジ受入れレセプタクル70.1に連結されるとともに、該カートリッジ受入れレセプタクル70.1から弾性的に外方に付勢されている。
【0043】
押下具は、該押下具のフランジ134が押下具筐体154のフランジ172から離間した、
図35に示す注射前位置/モード又は針保護モードを有する。押下具44.1は、針を利用するため、
図21Eに示す突起部138及び140及び
図22Eに示すガイドチャネル180及び182を介して、
図35の注射前位置から、針52.1を利用する
図37に示す注射位置に、直線的に移動又は後退可能である。
図37に示すように、フランジ134及びフランジ172は、注射位置において互いに当接する。
【0044】
図22Eに戻ると、押下具筐体154は、離間した対の外側雌ロック部材、この例では壁部の外面188及び190から内方に延びる凹状部分184及び186を含む。
【0045】
図20に示すように、アプリケーター42.1は、この例では管状であるとともに、この場合略矩形の断面である、カートリッジ受入れレセプタクル70.1を含む。上述のカートリッジ受入れレセプタクルは、第1又は遠位開放端部192と、アプリケーターの端部46.1と一致する第2又は近位開放端部194とを有する。カートリッジ受入れレセプタクル70.1は、その第1端部からその第2端部に延びる孔196を含む。押下具44.1は、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の遠位開放端部192から外方に延びる。
【0046】
図23及び
図24に関して示すように、孔196は、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の端部192が押下具筐体154のフランジ186に当接するように、押下具筐体154の基部168及びスリーブ部分174を受け入れるような形状をなす。
図25Bを参照すると、カートリッジ受入れレセプタクルは、この例では、該カートリッジ受入れレセプタクルの対向する第1壁部202及び第2壁部204に連結するとともに該第1壁部202及び第2壁部204から外方に延びる、第1の離間した対の弾性キャッチ部材198及び200を介して、押下具筐体と選択的に連結する。
図25Cに示すように、上述のキャッチ部材は、
図23及び
図24に関して示すような押下具筐体154の凹状部分184内に嵌合するような形状をなす、隆起部206及び208を含む。
【0047】
図25Aに示すように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1は、対のガイド、この例では離間した長手方向に延びる突起部209及び211を含む。
図25Cを参照すると、カートリッジ受入れレセプタクルは、上述の突起部が連結するとともに、そこに沿って該突起部が伸びる、第3壁部226を含む。上述の第3壁部は、壁部202及び壁部204に連結して、該壁部202と該壁部204との間に延びる。上述の突起部209及び211は、カートリッジ受入れレセプタクルの端部192近傍からカートリッジ受入れレセプタクルの端部194に延びる。突起部209及び211は、この例では略直方体の形状である。
図25Aに示すように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1は、壁部226に対向する第4壁部54.1を含む。カートリッジ受入れレセプタクルの壁部202、204、226、及び54.1のそれぞれは、この例では平面である。
【0048】
図25Cに示すように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1は、その端部194から離間して、該端部194近傍の、第2の離間した対の弾性キャッチ部材210及び212を含む。上述のキャッチ部材は、カートリッジ受入れレセプタクルの孔196及び内部215内に部分的に延びる隆起部214及び216を含む。
【0049】
図25Cに示すように、アプリケーター42.1は、バルブアクチュエーター、この例では直線状歯車を含み、この例では該直線状歯車は、それぞれが歯部223及び225、歯部227及び229を含む、直線状歯車112.1及び222の離間した対の列218及び220の形態である。直線状歯車112.1は、カートリッジ受入れレセプタクルの壁部202に隣接し、直線状歯車222は、カートリッジ受入れレセプタクルの壁部204に隣接する。直線状歯車は、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の端部192と端部194との間に挟まれ、この例では、キャッチ部材210及び212に隣接して位置する。
図25Cを参照すると、直線状歯車112.1及び222は孔196に連通し、この例では、カートリッジ受入れレセプタクルのそれぞれの長手方向に延びる突起部209及び211に連結して、該長手方向に延びる突起部209及び211から上方に延びる。
【0050】
図26に示すように、薬剤注射器40.1は、第1バリア部材、この例ではバルブ108.1を含む。上述のバルブは、
図27A~
図27Fに最も良好に示すバルブ筐体230を含む。上述のバルブ筐体は、この例では略ブロック状であり、直方体の形状である。
図27Aに示すように、バルブ筐体は、第1又は後側端部232、第2又は前側端部234、上部236、底部238、並びに、その上部及び底部とその端部との間に延びる、対の側部240及び242を含む。バルブ筐体230は、その側部に沿って、離間した対の下方凹状領域244及び246を有する。
図33Aに示すように、バルブ筐体230は、突起部209及び211がバルブ筐体の凹状領域244及び246内に延びるように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の孔196内に摺動可能に延びるような形状をなす。
【0051】
図27Aに戻ると、バルブ108.1は、バルブ筐体の側部240及び242を貫通するとともに、バルブ筐体の後側端部232と前側端部234との間に位置する孔248を含む。
図33Aに示すように、上述の孔は、薬剤注射器40.1の軸43.1に対して垂直である、横方向軸249に沿って延びる。
図27Eに示すように、バルブは、少なくとも1つの、この例では対の、離間したトラック、この場合バルブ筐体の側部240及び242、上部236及び底部238、並びに端部232及び234の間に位置する、凹状チャネル250及び252を有する。上述のチャネルは、この例では側面の外形が円弧状であり、孔248と連通する。チャネル250及び252は、この例では矩形の横断面である。
【0052】
図27Aに示すように、バルブ筐体230は、その後側端部232を貫通するとともに、孔248と連通する第1又は後側アパーチャ254を有する。
図27Eに示すように、バルブ筐体は、その前側端部234を貫通するとともに、孔と連通もする第2又は前側アパーチャ256を有する。アパーチャのそれぞれは、この例では円形であり、この例では前側アパーチャ256が後側アパーチャ254より大きくなっている。
【0053】
図28A~
図28Eに示すように、バルブ108.1は、この例では略円筒形の形状であるバルブ本体114.1を含む。上述の本体は、その離間した端部262及び264において、対の円形歯車258及び260を含む。
図28Eに示すように、バルブ本体は、導管部、この例ではテーパー状通路116.1を含み、該テーパー状通路116.1は、この例では出口120.1から入口118.1に向かってテーパー状になっている。上述の通路は、バルブ本体の上部266から底部268に延びて、バルブ本体の端部262と端部262との間に位置する。
図28B及び
図28Eに関して示すように、バルブ本体114.1は、少なくとも1つ、この例では対の、離間したガイド、この例では、
図28B及び
図28Eに関して、バルブ本体の上部266に連結され、該バルブ本体の上部266から上方に延びる突起部270及び272を含む。上述の突起部のそれぞれは、この例では略直方体の形状である。突起部は、歯車258と歯車260との間に位置し、この例では通路116.1の出口120.1に隣接する。
【0054】
図27A及び
図28Aを参照すると、バルブ本体114.1は、バルブ筐体230の孔248内に嵌合するような形状をなし、突起部270及び272が、
図27Eに示す凹状チャネル250及び252内に嵌合して、該凹状チャネル250及び252に対して移動可能であるような形状をなしている。バルブ108.1は、
図28Aに示す通路116.1が
図27Fに示すバルブ筐体のアパーチャ254及び254に連通しない、
図28A、
図33A、及び
図33Bに示す閉鎖位置を有する。
【0055】
図33Aを参照すると、バルブ108.1をカートリッジ受入れレセプタクル70.1内に挿入することにより、歯車258及び歯車112.1が互いに係合して、バルブ108.1が
図33Bに示す閉鎖位置から、
図34Bに示す開放位置に移動するようになる。バルブ108.1が開放位置にあるとき、通路116.1は、
図27Fに示すバルブ筐体のアパーチャ254及び254に連通する。
【0056】
図26に示すように、薬剤注射器40.1は、交換可能なカートリッジ90.1を含む。針146はカートリッジに向かって延びる。
図35に示すように、バルブ108.1は、針組立体128とカートリッジとの間に挟まれている。
図26に戻ると、上述のカートリッジ90.1は、バリア部材、この例ではバルブ108’を含む。同様の部品は、「’」を追加して、
図27A~
図27Fに示すバルブ108.1と同様の符号を有する。
図30A及び
図30Cを参照すると、上述のバルブは、その端部110.1’に隣接するバルブ筐体230’を含む。上述のバルブ筐体は、その側部240’と側部242’との間に延びる孔248’を有する。バルブ筐体230’は、孔248’に連通するとともに、その端部110.1に隣接する、離間した対の凹状チャネル250’及び252’を含む。
図26に示すように、バルブ108.1’は、バルブ本体114.1及びバルブ筐体230と実質的に同様に孔248’内に嵌合するとともにバルブ筐体に係合するような形状をなすバルブ本体114.1’を含む。
図30Aに示すように、カートリッジ90.1は、孔248’と連通するアパーチャ256’を含む。
【0057】
図30Cを参照すると、カートリッジ90.1は、バルブ筐体230’が一体的に接続されて共に形成されたカートリッジ筐体274を含む。上述のカートリッジ筐体は、その側部240’及び242’に沿って、離間した対の下方凹状領域244’及び246’を有する。
図33Aに示すように、バルブ筐体230は、突起部209及び211がカートリッジ筐体の凹状領域244’及び246’内に延びるように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の孔196内に摺動可能に延びるような形状をなす。
【0058】
図25C及び
図30Cを参照すると、カートリッジ90.1は、ロック機構、この例ではスナップフィットシステムを介して、カートリッジ受入れレセプタクル内に選択的に嵌合し、該カートリッジ受入れレセプタクルに連結するような形状をなす。上述のスナップフィットシステムは、対応する外側雌ロック部材、この例では
図30Aに示す凹状部分273及び275に連結する、
図25Cに示すキャッチ部材212及び214を含む。上述の凹状部分は、カートリッジ筐体274の側部240’及び242’から内方に延び、カートリッジ90.1の端部100.1から端部110.1に向かって延びるように位置する。
【0059】
図30Aを参照すると、カートリッジ筐体274は、その端部110.1と端部100.1との間に延びる。カートリッジ90.1は、その開放端部100.1からその端部110.1に向かって延びる中心孔276を含む。孔276は、軸43に沿って延び、この例では孔248’に対して垂直に延び、アパーチャ254’を介して孔248’と連通する。
図29に示すように、カートリッジ90.1は、本体、この例では薬剤92.1を含む又は受け入れるバレル96.1を含む。
図33Bに示すように、孔276はバレルを受け入れるような形状をなす。
【0060】
図29に戻ると、上述のバレル96.1は、開放第1端部278と、封止開口部282を有する第2端部280と共に、孔98.1を有する。バレルは、その端部同士の間にピストン106.1を含む。薬剤92.1は、上述のピストンと封止開口部282との間で孔98.1内に位置する。カートリッジ90.1は、弾性部材、この例では孔内に位置して、端部278から端部280に向かって延びる、コイルばね284を含む。上述のコイルばねは、ピストン106.1、ゆえに薬剤92.1を、封止開口部282に向かって付勢するように構成される。したがって、上述のばね284により、圧力をかけて薬剤をバレル96.1内に封入する。したがって、バレル96.1、ばね284、及びピストン106.1は、ばね式送達システムと呼ぶことができる。
【0061】
図29を参照すると、薬剤注射器40.1は、ピストン106.1に向かってばね284を所定位置に保持して付勢するとともに、
図32Aに示すようにカートリッジ90.1の端部100.1を選択的に連結するような形状をなす、保持部材76.1を含む。上述の保持部材は、この例では軸43.1に対して垂直に延びる端壁部285を含む。この例において、及び
図29を参照すると、カートリッジは、それぞれがバレル96.1周りに部分的に延びるとともに、拡張端部290を有する、離間した対の弾性雄部材286及び288を含む。
【0062】
図32Cに示すように、保持部材は、この例では内側チャネル291と、端壁部285に連結するとともに該端壁部285から外方に延びる内方延在キャッチ292及び294とを有するC字状の形態の、相補形状を有する。
図32Cに示すように、保持部材は、第1角度形態及び挿入位置において雄部材286及び288を封入するような形状をなす。
図32Bの矢印293によって示すように、その後の保持部材の回転により、キャッチ292及び294を、ロックモードにおいて雄部材286及び288の対応する凹部296内に嵌合する。雄部材の拡張端部290は、保持部材76.1の内側チャネル291内に嵌合するとともに、該内側チャネル291によって封入されるように構成される。保持部材76.1は、カートリッジ筐体274内においてばね284及びバレル96.1を所定位置に保持する。上述のステップを逆に行うことで、必要に応じて選択的にバレルへのアクセス及び取り外しを行うことができる。
【0063】
図31Dに示すように、保持部材76.1は、突起部、この例では端壁部285に連結し、チャネル291内に延びて、バレル96.1の開放端部278内に嵌合するような形状をなす、中心に位置するノブ298を含む。
【0064】
図31Dに示すように、保持部材76.1は、その側部304及び306に沿って、離間した対の下方凹状領域300及び302を有する。
図35に示すように、保持部材は、突起部209及び211が保持部材の対応する凹状領域300内に延びるように、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の孔196内に摺動可能に部分的に延びるような形状をなす。
【0065】
上述のものは、カートリッジ筐体90.1内においてバレル96.1を所定位置に保持する一方法の単に一例であり、厳密に必要とされるわけではない。また、他の実施形態において、バレルは例えばアクセスできないように所定位置に保持することができる。
【0066】
使用時において、
図33Bを参照すると、バルブ108.1’の閉鎖位置において、カートリッジ90.1と針組立体128との連通が阻止される。カートリッジが
図33Bに示す注射前モードにあるとき、バルブ108.1は針146へのアクセスをさらに阻止する。
【0067】
矢印308によって示すように、カートリッジ90.1を、カートリッジ受入れレセプタクル70.1の開放端部194内に挿入することにより、カートリッジの端部110.1がバルブ筐体230に当接して、該バルブ筐体230に対して押すようになる。これにより、バルブ108.1が押下具筐体154に向かって移動する。
図33Aに示すように、歯部223及び歯部225がバルブ本体114.1の歯車258に係合して、バルブ108.1が
図33Bに示す閉鎖位置から、
図34Bに示す開放位置に移動する。このように、内側針146に対する第1バリアを取り外す。
【0068】
カートリッジ90.1を、カートリッジ受入れレセプタクル70.1内に引き続き挿入すると、歯部223及び225が、
図34Aに示すバルブ108.1’の歯車258’と係合する。これにより、バルブ108.1’が
図34Bに示す閉鎖位置から、
図35に示す開放位置に移動する。このように、薬剤92.1に対する第2バリアを取り外す。
【0069】
図34A及び
図34Bの矢印310によって示すように、カートリッジ90.1をカートリッジ受入れレセプタクル内にさらに引き続き挿入すると、
図35に示すように内側針146がバルブ108.1及び108.1’の通路116.1及び116.1’を通過し、バルブ筐体230の前側端部234が押下具筐体154の端部164に当接する。
【0070】
図35を参照すると、矢印312によって示すように、押下具44.1のフランジ134が患者に当接し、押下具を内方に付勢するように、針52.1を患者に挿入することによって、薬剤を患者に投与する。これにより、
図37に示すように、内側針146が封止開口部282を貫通し、バレル96.1内に延びて、薬剤92.1にアクセスする。したがって、カートリッジ90.1をカートリッジ受入れレセプタクル70.1内に挿入して、その後、針保護モードから少なくとも部分的に後退したモードへと、押下具44.1を内方に付勢することにより、内側針がカートリッジの内部94.1と連通するようになる。したがって、
図37に示すように、針が封止開口部を貫通するとき、ばね付勢したピストン106.1が、薬剤92.1をバレルの外方に付勢する。したがって、薬剤が、内側針146を介してアクセス可能となる。
【0071】
このように、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき、薬剤にアプリケーター42.1を介してアクセス可能となる。したがって、カートリッジ90.1をアプリケーター42.1内に挿入したとき、針組立体128はまた、薬剤92.1に選択的に連通する。カートリッジは、該カートリッジをアプリケーター内に十分に挿入し、押下具44.1をその後作動させた際のみ、薬剤の放出が可能となるように構成される。
【0072】
図38は、第3の態様における薬剤注射器40.2を示す。同様の部品は、少数部分「.2」を小数部分「.1」と置き換えて、
図20~
図37に示す実施形態と同様の符号及び機能を有する。薬剤注射器40.2は、対の封止部材、この例では矢印312.2によって示すように押下具44.1を内方に付勢したとき針146.2が貫通する弾塑性膜314及び316をさらに含むことを除いて、
図20~
図37に示すような薬剤注射器40.1と実質的に同じである。
【0073】
図39~
図50は、第4の態様における薬剤注射器40.3を示す。同様の部品は、少数部分「.3」を小数部分「.1」と置き換え、これまでに少数部分がなかった部品に追加して、
図20~
図37に示す実施形態と同様の符号及び機能を有する。薬剤注射器40.3は、以下の例外を除いて、
図20~37に示す薬剤注射器40.1と同様である。
【0074】
図40に示すように、押下具44.3は、そのスリーブ部分136.3に連結して、該スリーブ部分136.3から半径方向に外方かつ上方に延びる中心突起部140.3を含む。上述の突起部は、押下具筐体154.3の対応するチャネル182.3内に滑らせるように受け入れられる。押下具44.3のスリーブ部分136.3は、この例では円形の横断面である。
【0075】
図43に示すように、押下具筐体154.3は、少なくとも1つの、この例では対の、離間した弾性キャッチ部材198.3及び200.3を含み、これらは、その対向する壁部176.3及び178.3に連結し、該対向する壁部176.3及び178.3から半径方向外方に延びる。カートリッジ受入れレセプタクル70.3は、対応する凹状部分、この例ではそれぞれのキャッチ部材を受け入れるような形状をなすアパーチャ184.3及び186.3を有する。押下具筐体154.3は、それによりカートリッジ受入れレセプタクルの開放端部192.3に連結する。押下具筐体は、キャッチ部材198.3及び200.3を半径方向内方に押して、該キャッチ部材をアパーチャ184.3及び186.3から取り外すことで、カートリッジ受入れレセプタクルから選択的に取り外し可能である。
【0076】
図39に示すように、カートリッジ受入れレセプタクル70.3の壁部202.3及び204.3は、この例では、実質的に平面であり、カートリッジ受入れレセプタクル70.3の壁部226.3に連結して、該壁部226.3に対して鈍角αで外方に延びる。カートリッジ受入れレセプタクルの壁部54.3は、この例では、壁部202.3及び壁部204.3に連結し、該壁部202.3と該壁部204.3との間に延びて、外方に凸状である。
【0077】
図44に示すように、押下具44.3は、その端部41.3からその端部39.3に向かって延びる内側孔132.3を有する。針組立体128.3のハブ141.3は、押下具の内側孔内に受け入れられ、該内側孔に対して移動可能である。押下具44.3は、内側孔132.3と外側孔131.3との間で半径方向に延びるショルダー部318を有する。
【0078】
薬剤注射器40.3は、第2弾性部材、この例では針組立体128.3のハブ141.3と押下具のショルダー部318との間に延びるコイルばね320を含む。上述のコイルばねは、第1方向333において、押下具44.3から、カートリッジ90.3に向かって、軸方向内方に針組立体を付勢する。したがって、針組立体128.3は、押下具44.3に対してカートリッジに向かって弾性的に付勢される。
【0079】
図43に示すように、薬剤注射器40.3は、針ガイド部材、この例ではこれを介して針146.3を選択的に受け入れる軸方向に延びるスリーブ322を含む。上述のスリーブは、この例ではバルブ筐体230.3と連結するとともに、該バルブ筐体230.3と一体的に形成された、第1又は近位端部324を有する。スリーブ322は、その第近位端部から離間した第2又は遠位端部326を有する。
【0080】
図43をさらに参照すると、薬剤注射器40.3は、さらなる弾性部材、この例ではカートリッジ90.3と押下具44.3との間に延びる第2コイルばね150.3を含む。この例では、上述のばねは、押下具44.3の環状凹部148.3内に嵌合する第1端部152.3を有する。上述のばね150.3の第2端部153.3は、この例では、スリーブ332周りに延びて、バルブ筐体230.3に当接する。
図45を参照すると、カートリッジ90.3をカートリッジ受入れレセプタクル70.3内に挿入したとき、ばね150.3が、方向335において、カートリッジ90.3から外方に押下具44.3を弾性的に付勢する。
【0081】
図39に示すように、バルブ筐体230’.3は、この例ではカートリッジ筐体274.3に選択的に連結する。
【0082】
図45を参照すると、カートリッジ受入れレセプタクル70.3は、1つ以上の雌部材及び1つ以上の雄部材の第1のもの、この例では離間した対の雌部材、この場合それぞれ壁部202.3及び204.3に隣接して位置する凹状部分328及び330を含む。
【0083】
カートリッジ保持部材76.3は、この例では側方から見て円形である。上述の保持部材は、1つ以上の雌部材及び1つ以上の雄部材の第2のもの、この例では離間した対の雄部材、この場合離間して半径方向外方に延びる対の弾性テーパー状キャッチ292.3及び294.3を含む。上述のキャッチは、外面332及び334が、アプリケーター42.3の第1端部46.3からアプリケーターの第2端部50.3に向かって延びる第2方向335において、半径方向内方に傾斜するように、この例では三角形の断面である。上述の第2方向は第1方向333と反対である。キャッチ292.3及び294.3は、保持部材76.3の端壁部285.3から離間しており、突起部がその間で離間して配置される。
【0084】
さらに
図45を参照すると、薬剤注射器40.3は、少なくとも1つの、この例では対の、離間した内側テーパー状部材、この場合半径方向内方に延びる、カートリッジ受入れレセプタクル70.3のテーパー状キャッチ210.3及び212.3をさらに含む。上述のキャッチは、外面336及び338が、アプリケーター42.3の第1端部46.3からアプリケーターの第2端部50.3に向かって延びる上述の第2方向335において、半径方向内方に傾斜するように、この例では三角形の断面である。
【0085】
保持部材76.3のテーパー状キャッチ292.3及び294.3は、
図45及び
図46に示すように、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき、カートリッジ受入れレセプタクル70.3のそれぞれの凹状部分328及び330内に選択的に受け入れられるような形状をなす。カートリッジ90.3をカートリッジ受入れレセプタクル70.3内に十分に挿入したとき、テーパー状キャッチ210.3及び292.3並びに凹状部分328と、テーパー状キャッチ212.3及び294.3並びに凹状部分330は相互に係合して、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクルから取り外せないようにする。カートリッジ受入れレセプタクル70.3のテーパー状キャッチ210.3及び212.3は、カートリッジをカートリッジ受入れレセプタクル内に十分に挿入したとき、保持部材76.3のそれぞれのテーパー状キャッチ292.3及び294.3に対して当接して、該テーパー状キャッチ292.3及び294.3を選択的に連結する。保持部材76.3の突起部298.3は、カートリッジ90.3をカートリッジ受入れレセプタクル70.3内に十分に挿入し、キャッチを介して所定位置にスナップフィットすると、ばね150.3と共に、ピストン106.3に圧力をかけて、薬剤92.3及びバレル96.3に圧力をかけるように構成される。
【0086】
さらに
図45を参照すると、カートリッジ90.3は、少なくとも1つの、この例では対の、離間した突出部又は除去部材、この場合バルブ筐体230’.3に隣接して保持部材76.3のキャッチ292.3及び294.3に対向する、テーパー状部材340及び342をさらに含む。カートリッジのテーパー状部材は、この例ではアプリケーター42.3の第1端部46.3からアプリケーターの第2端部50.3に向かって延びる上述の第2方向335から、半径方向内方に傾斜する外面344及び346を有するが、これは厳密に必要とされるわけではない。
【0087】
カートリッジ90.3をカートリッジ受入れレセプタクル70.3内に挿入し、押下具44.3を、
図45に示す針保護モードから、
図46に示す部分的に後退したモードに移動させたとき、薬剤92.3は針146.3に連通する。針146.3がバレル96.3を貫通することにより、その内の圧力を解放し、
図47に示すようにピストン106.3を方向335において押下具44.3に向かって移動させる。
【0088】
図48に示すように、押下具44.3を十分に後退したモードに移動したとき、ばね150.3は、保持部材76.3のテーパー状キャッチ292.3及び294.3に対してカートリッジ90.3のテーパー状部材340及び342を付勢して、
図49の矢印337及び339によって示すように、該キャッチが半径方向内方に曲がって、矢印341によって示すように、カートリッジ受入れレセプタクル70.3の凹状部分328及び330から外れる。したがって、押下具が十分に後退したモードに移動することにより、保持部材76.3のキャッチが凹状部分から選択的に取り外されて、カートリッジ90.3を、カートリッジ受入れレセプタクルから外方に付勢する。このように、押下具44.3が十分に後退したモードに移動したとき、テーパー状部材340及び342は、キャッチ292.3及び294.3に当接し、該キャッチを、カートリッジ受入れレセプタクル70.3のキャッチ214.3及び216.3から離れるように付勢する。押下具44.3がその十分に後退したモードにあるとき、ハブ141.1は、スリーブ322の遠位端部326に当接する。このように、押下具を、
図46に示す部分的に後退したモードから、
図48に示す十分に後退したモードに移動させると、その後、カートリッジ90.3がカートリッジ受入れレセプタクルから自動的に排出される。
【0089】
したがって、カートリッジ90.3を使用し、カートリッジ受入れレセプタクルから排出すると、カートリッジ受入れレセプタクル70.3は自然な状態に戻って、カートリッジ受入れレセプタクルがさらなるカートリッジを受け入れることができる。
【0090】
本明細書に記載するような薬剤注射器は、例えば、これら提案する新しい機構によって薬剤送達に関与するステップの数及び部品の数を減らして、誤りを少なくし、緊急の状況において薬剤を送達するスピードを高めることによって、数多くの利点を与えることができる。特定の状況において、本明細書に記載するような薬剤注射器は、必要とする装置のサイズ/かさを小さくしながら、薬剤送達を容易かつ安全にすることができる。
(1)マルチモジュラー式かつ交換可能であり、予め充填した、新しい薬剤カートリッジ組立体の導入。
(2)上述のカートリッジは薬剤を予め充填し、起こり得る状況において大多数の薬剤及びその関連する用量を使用するように設計される。
(3)特定の要求の高い臨床での状況において医療提供者が選択する必要なカートリッジを、滅菌状態でカートリッジを収容する受容側注射器デバイスとのインターフェースとする/該注射器デバイスに挿入する。
(4)カートリッジを受容側注射器デバイスに挿入して装填すると、(患者に面する)注射器デバイスの前側にかけた圧力により、カートリッジ/注射器デバイスから患者に薬剤を送達する機構をさらに作動させる。
(5)ユーザーは、それぞれの所与の状況/場面において、必要に応じて薬剤カートリッジを選択し、注射器デバイスに装填することができる。
(6)これにより、薬剤送達の全プロセスを、より容易、より迅速、より安全にし、関与する装置のかさ/サイズを小さくする。
(7)滅菌性が全体を通じて保たれる。この機構により、一方向のバリア/滅菌シール開封動作を可能にして、薬剤の密閉滅菌空間を確保しながら、装填カートリッジから注射器デバイスに薬剤を入れて、その後、患者に注射することができる。
(8)必要なカートリッジを単に選択し、デバイスに挿入するという認知負荷を減らすことから、誤りを少なくする。
(9)薬剤送達のスピードが高まることにより、救命薬剤投与の遅延を避けることができる。
(10)アナフィラキシーアレルギーにおけるエピネフリンの応急処置投与又はオピオイド過剰摂取におけるナロキソン投与又は生物学的/化学的戦争行為に対する解毒剤などの緊急の状況において訓練を受けていない提供者が使用し易い。
(11)薬剤/デバイスの体積が重要である場合(航空宇宙における医療、病院に行く前の医療、軍事/戦術における医療、及びその場に居合わせた人による医療)のかさの削減。
(12)予め充填したカートリッジの薬剤を十分に投与すると、カートリッジは注射器デバイスから自動的に排出されて、分離される。これにより、注射器及びカートリッジをその元の密閉状態に戻し、場合によっては、必要に応じてその後注射器をさらなるカートリッジと接続することができる。
(13)また、注射器は、静脈内(IV)、筋肉内(IM)、鼻腔内(IN)、又は骨内(IO)経路を含むがこれらに限定されない、臨床状況に応じた種々の薬剤送達モダリティーを許容することができる。
【0091】
本明細書に記載の発明の範囲内において多くの変形が可能であるということが理解される。本明細書に記載するようなキャッチは、歯部とも呼ぶことができる。上述で記載する詳細の多くは一例のみとして記載され、以下の特許請求の範囲を参照して定められるべき本発明の範囲を限定することを意図しないということが、当業者に理解されるべきである。
【国際調査報告】