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特表2023-515179厩肥収集装置、安定洗浄装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】厩肥収集装置、安定洗浄装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
A01K1/01 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551559
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 NL2021050102
(87)【国際公開番号】W WO2021172980
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】2024993
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522337532
【氏名又は名称】イェーオーゼット・ベー・フェー
【氏名又は名称原語表記】JOZ B.V.
【住所又は居所原語表記】Industrieweg 5,1617 KK Westwoud,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロブ・エリング
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA01
2B101CC03
(57)【要約】
厩肥収集装置であって、動物収容施設の床から厩肥を拾い上げるための厩肥ピックアップ装置と、前記厩肥ピックアップ装置により拾い上げられた厩肥をそこに収集するためのリザーバとを備え、前記厩肥ピックアップ装置は、ハウジングを備え、前記ハウジングは、前記ハウジングに厩肥を、それを通じて受け入れる目的で前記床の近くに配置される受け入れ開口と、拾い上げられた厩肥を、それを通じて前記リザーバに引き渡す目的で前記リザーバの近くに配置される引き渡し開口と、少なくとも部分的に円筒状の内側壁であって、少なくとも前記受け入れ開口と前記引き渡し開口との間に延びる内側壁とを備え、前記厩肥ピックアップ装置は、中心軸と、前記中心軸と前記内側壁との間に前記中心軸に対して半径方向に延びる少なくとも1つのアームとを有する回転可動体を備え、前記厩肥ピックアップ装置は、前記回転可動体が回転態様で運動する間、前記厩肥が前記アームにより前記受け入れ開口の近くで拾い上げられ、前記内側壁と共同作業により前記ハウジングを通じて前記リザーバに引き渡されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厩肥収集装置であって、
動物収容施設の床から厩肥を拾い上げるための厩肥ピックアップ装置と、
前記厩肥ピックアップ装置により拾い上げられた厩肥をそこに収集するためのリザーバとを備え、
前記厩肥ピックアップ装置は、ハウジングを備え、
前記ハウジングは、
前記ハウジングに厩肥を、それを通じて受け入れる目的で前記床の近くに配置される受け入れ開口と、
拾い上げられた厩肥を、それを通じて前記リザーバに引き渡す目的で前記リザーバの近くに配置される引き渡し開口と、
少なくとも部分的に円筒状の内側壁であって、少なくとも前記受け入れ開口と前記引き渡し開口との間に延びる内側壁とを備え、
前記厩肥ピックアップ装置は、中心軸と、前記中心軸と前記内側壁との間に前記中心軸に対して半径方向に延びる少なくとも1つのアームとを有する回転可動体を備え、
前記厩肥ピックアップ装置は、前記回転可動体が回転態様で運動する間、前記厩肥が前記アームにより前記受け入れ開口の近くで拾い上げられ、前記内側壁と共同作業により前記ハウジングを通じて前記リザーバに引き渡されるように構成されることを特徴とする厩肥収集装置。
【請求項2】
前記回転可動体がその中心軸の周りを回転するように前記回転可動体を駆動するように構成される駆動装置を更に備える請求項1に記載の厩肥収集装置。
【請求項3】
前記厩肥収集装置は、前記動物収容施設を通って移動方向に前進し、前記厩肥収集装置が前記動物収容施設を通って前進しつつ前記厩肥ピックアップ装置を使用して厩肥を拾い上げるように構成され、前記受け入れ開口は、前記移動方向から見て、前記厩肥収集装置の前側に位置する請求項1又は2に記載の厩肥収集装置。
【請求項4】
前記中心軸は、前記移動方向に対して垂直に、水平方向に延びる請求項3に記載の厩肥収集装置。
【請求項5】
前記引き渡し開口は、前記リザーバの上面の近くに位置する請求項4に記載の厩肥収集装置。
【請求項6】
前記引き渡し開口の近くにすくい取り部材を更に備え、前記すくい取り部材は、前記アームにより拾い上げられ、前記引き渡し開口に対面する前記アームの側面上において前記引き渡し開口に引き渡される厩肥の分量の少なくとも一部をすくい取り去り、この一部を引き渡し開口を通じて前記リザーバに向けて案内するように構成される請求項5に記載の厩肥収集装置。
【請求項7】
前記すくい取り部材は、前記すくい取り部材が前記アームの回転運動領域にある位置と、前記すくい取り部材が前記アームの回転運動領域の外部にあり、前記引き渡し開口に近い位置との間を旋回運動するように、伝達装置を介して前記駆動装置により駆動され、前記すくい取り部材は、前記アームにより搬送された厩肥の前記分量の前記一部をすくい取り去り、それを、前記すくい取り部材と前記アームとが互いに接触することなく前記引き渡し開口へと引き渡す請求項6に記載の厩肥収集装置。
【請求項8】
前記アームの少なくとも外側端は弾性変形可能である請求項1~7のいずれか1項に記載の厩肥収集装置。
【請求項9】
前記アームの外側端は、プラスチックから製造された板部材によって形成される請求項8に記載の厩肥収集装置。
【請求項10】
前記アームは、前記中心軸と前記内側壁との間の距離、及び/又は、前記中心軸と前記床との間の距離よりも長い長さを有し、これにより、前記アームの外側端は、前記回転可動体が回転態様で運動する間、前記床上及び/又は内側壁に沿って引きずられる請求項8又は9に記載の厩肥収集装置。
【請求項11】
前記すくい取り部材は、前記アームの回転運動領域に延びる静止部材を備える、請求項6に従属する範囲における請求項8~10のいずれか1項に記載の厩肥収集装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのアームは、互いに等しい角度で配置された3つのアームからなる請求項1~11のいずれか1項に記載の厩肥収集装置。
【請求項13】
前記受け入れ開口と前記内側壁との間の移行部に案内部材を更に備え、前記案内部材は、前記床に向かって前記内側壁に対して接線方向に延び、前記案内部材は、前記厩肥収集装置が前進しつつ、前記床上に存在する厩肥を受け入れ開口を通じて前記ハウジング内に案内するように構成される請求項1~12のいずれか1項に記載の厩肥収集装置。
【請求項14】
動物収容施洗浄装置を、動物収容施設を通って移動方向に前進させるための前進装置と、
前記移動方向から見て、前記動物収容施洗浄装置の前側に実質的に配置される、請求項1~13のいずれか1項に記載の厩肥収集装置とを備えることを特徴とする動物収容施洗浄装置。
【請求項15】
前記前進装置は、無人車両、好ましくは自律的移動車両を含む請求項14に記載の動物収容施洗浄装置。
【請求項16】
動物収容施設の床を洗浄するための方法であって、
請求項1~13のいずれか1項に記載の厩肥収集装置、又は、請求項14又は15に記載の動物収容施洗浄装置を使用することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厩肥収集装置に関する。本発明は特に、動物収容施設の床から厩肥を拾い上げるための厩肥ピックアップ装置と、厩肥ピックアップ装置により拾い上げられた厩肥をそこに収集するためのリザーバとを備える厩肥収集装置に関する。本発明は更に動物収容施設洗浄装置に関し、動物収容施設洗浄装置は、動物収容施設を通って移動方向に動物収容施設洗浄装置を前進させるための前進装置を備える。最後に、本発明は、動物収容施設の床を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物収容施設洗浄装置はそれ自体知られている。例えば、家畜用収容施設の収容床から厩肥を除去するための動物収容施設洗浄車両が、Lely Patent B.V.名義の蘭国特許出願公開第2019959号明細書より知られている。この収容施設洗浄車両は、特に、収容床上で厩肥を移動させるための厩肥掻き機と、厩肥掻き機で集められた厩肥を吸い上げるための厩肥吸引装置と、吸い上げた厩肥を捕集して一時的に貯留する目的で厩肥吸引装置に接続される厩肥貯蔵容器とを備える。この収容施設洗浄車両の欠点は、すべての厩肥組成物、すなわち固体又は液体の厩肥又はそれらの混合物からなる組成物が厩肥吸引装置により吸引可能であるわけではないことである。その結果、収容施設床に厩肥が残る。これにより、収容施設内に存在する家畜の足が汚れ、吸い上げられなかった厩肥がアンモニアを発し、これが家畜の健康と環境の両方に悪影響を及ぼす。更なる欠点は、厩肥吸引装置が機能するための真空の生成に多くのエネルギーが必要であり、一般に、特に無線移動式収容施設洗浄装置ではエネルギーの供給が不足する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】蘭国特許出願公開第2019959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、動物収容施設に存在する家畜の健康を改善する、エネルギー効率のよい動物収容施設洗浄装置を提供することである。
【0005】
その第1の態様によれば、本発明は、この目的のために、序文で述べたタイプの、次の特別な特徴を有する厩肥収集装置を提供する。厩肥ピックアップ装置はハウジングを備える。ハウジングは、ハウジングに厩肥を、それを通じて受け入れる目的で床の近くに配置される受け入れ開口と、拾い上げられた厩肥を、それを通じてリザーバに引き渡す目的でリザーバの近くに配置される引き渡し開口と、少なくとも部分的に円筒状の内側壁であって、少なくとも受け入れ開口と引き渡し開口との間に延びる内側壁とを備える。厩肥ピックアップ装置は、中心軸と、中心軸と内側壁との間に中心軸に対して半径方向に延びる少なくとも1つのアームとを有する回転可動体を備える。厩肥ピックアップ装置は、回転可動体が回転態様で運動する間、厩肥がアームにより受け入れ開口の近くで拾い上げられ、内側壁と共同作業によりハウジングを通じてリザーバに引き渡されるように構成される。厩肥ピックアップ装置が回転可動体とこれと対応するように形成されたハウジングとの機械式システムにより形成されるので、厩肥収集装置は、様々な組成物の厩肥、すなわち高度に液体の厩肥及び高度に固形の厩肥及びそれらの混合物を捕捉し、それらをリザーバに集めることができる。従って、厩肥収集装置は、機械式ピックアップにより非常に効果的に機能し、そのため収容施設の床上に厩肥を全く残さない。これは、床に存在する厩肥によるアンモニア放出を大幅に削減する。また、動物収容施設の動物の足が乾いたままであることも達成され、これは動物の健康にプラスの効果をもたらす。機械式厩肥ピックアップ装置は更に、非常にエネルギー効率がよく、これは既知の厩肥ピックアップ装置とは対照的である。これは、厩肥ピックアップ装置を、例えば電池が設けられる移動式及び無線式の動物収容施設洗浄装置での使用に特に適したものにする。このようにして、本発明は、収容施設に存在する家畜の健康を改善する、エネルギー効率のよい動物収容施設洗浄装置を提供する。厩肥収集装置は、好ましくは、回転可動体はその中心軸の周りを回転するように回転可動体を駆動すべく構成される駆動装置を更に備える。
【0006】
好ましい実施形態では、厩肥収集装置は、動物収容施設を通って移動方向に前進し、厩肥収集装置が動物収容施設を通って前進しつつ厩肥ピックアップ装置を使用して厩肥を拾い上げるように構成され、受け入れ開口は、移動方向から見て、厩肥収集装置の前側に位置する。このようにして、厩肥収集装置の前進運動により厩肥が受け入れ開口を通じてハウジング内に移動するため、厩肥収集装置の前進運動が厩肥の拾い上げに貢献することが達成される。
【0007】
中心軸は、好ましくは、移動方向に対して垂直に、水平方向に延びる。引き渡し開口は、より好ましくは、リザーバの上側の近くに位置する。このように厩肥は、回転可動体のアームにより床に近い受け入れ開口から上方に搬送され、リザーバの上側においてリザーバに受け渡される。この特別な利点は、拾い上げた厩肥がリザーバからハウジングへと逆流することができないように、上面からリザーバが満たされることができ、少なくとも実質的にリザーバの全容量が利用可能である。
【0008】
好ましい実施形態では、厩肥収集装置は、引き渡し開口の近くにすくい取り部材を更に備える。すくい取り部材は、アームにより拾い上げられ、引き渡し開口に対面するアームの側面上において引き渡し開口に引き渡される厩肥の分量の少なくとも一部をすくい取り去り、この一部を引き渡し開口を通じてリザーバに向けて案内するように構成される。アーム及びすくい取り部材は、好ましくは、すくい取り部材によりアームから厩肥の全量がすくい取られるように構成される。そのようなすくい取り部材により、回転可動体のアームにより拾い上げられて上方に運ばれた厩肥は、ハウジングに隣接配置されるリザーバの上側において引き渡し開口を通じて隣接するリザーバへと効率的に引き渡されることが達成される。これの特別な利点は、すくい取り部材を使用しない実施形態と比較して、すくい取り部材を使用することにより、アームにより拾い上げられ、リザーバに搬送される厩肥部分が増長することである。
【0009】
好ましい実施形態では、すくい取り部材は、すくい取り部材がアームの回転運動領域にある位置と、すくい取り部材がアームの回転運動領域の外部にあり、引き渡し開口に近い位置との間を旋回運動するように、伝達装置を介して駆動装置により駆動され、すくい取り部材は、アームにより搬送された厩肥の分量の一部をすくい取り去り、それを、すくい取り部材とアームとが互いに接触することなく引き渡し開口へと引き渡す。伝達装置を使用することにより、駆動装置により駆動されるアーム上に存在する厩肥は、同じ駆動装置により駆動されるすくい取り部材の引き渡し開口に向けて移動することにより、アームが引き渡し開口の近くに位置する瞬間、引き渡し開口を通じてリザーバへと搬送される。従って、すくい取り部材は、アーム上に存在する厩肥の分量をアームからすくい上げると同時に、アームがその中心軸の周りを途切れることなく回転し続ける。換言すれば、すくい取り部材は、回転可動体のアームに接触しない。すなわち、アーム上に存在する厩肥をすくう前も、すくっている間も、すくった後も接触しない。
【0010】
好ましい実施形態では、アームの少なくとも外側端は弾性変形可能である。
【0011】
更に好ましい実施形態では、アームの外側端は、プラスチックから製造された板部材によって形成される。
【0012】
好ましい実施形態において、アームは、中心軸と内側壁との間の距離、及び/又は、中心軸と床との間の距離よりも長い長さを有し、これにより、アームの外側端は、回転可動体が回転態様で運動する間、床上及び/又は内側壁に沿って引きずられる。この特別な利点は、アームが内側壁と接触し、これにより内側壁に非常に近くで繋がることである。その結果、拾い上げられた厩肥が上方に搬送される間、厩肥がアームと内側壁との間で取りこぼされることがない。従って、これは、高度に液体の厩肥を拾い上げて、効率的な態様でリザーバに搬送することをも可能にする。
【0013】
好ましい実施形態では、すくい取り部材は、アームの回転運動領域に延びる静止部材を備える。その外側端で弾性変形可能なアームとの組み合わせにおいて、すくい取り部材に沿って回転可動体のアームをこのように単に擦るだけで、リザーバに向かうすくい取り移動のような運動が成就され得る。換言すれば、アームの回転運動領域内に静的に配置されたすくい取り部材に対する回転可動体のアームの運動は、拾い上げられた厩肥の引き渡し開口及びリザーバに向かう移動方向の偏向をもたらす。
【0014】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのアームは、互いに等しい角度で配置された3つのアームからなる。このようにして、厩肥ピックアップ装置は、厩肥を途切れることなく、すなわち収容施設の床の一部をスキップすることなく拾い上げることができ、その一方、それは収容施設を通って単一の洗浄経路を実行する。
【0015】
好ましい実施形態では、厩肥収集装置は、受け入れ開口と内側壁との間の移行部に案内部材を更に備え、案内部材は、床に向かって内側壁に対して接線方向に延び、案内部材は、厩肥収集装置が前進しつつ、床上に存在する厩肥を受け入れ開口を通じてハウジング内に案内するように構成される。そのような案内部材は、床上に存在する厩肥の実質的にすべてが受け入れ開口を通じてハウジングに入り、これにより回転可動体のアームにより拾い上げることができることを保証する。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、本発明は、動物収容施設洗浄装置の前側に実質的に配置される上述した好ましい実施形態の任意の1つに従う厩肥収集装置の移動方向において見られる特別な特徴を有する序文に述べたタイプの動物収容施設洗浄装置を提供する。このような収容施設洗浄装置の特別な利点は、種々の組成物、すなわち高度に液体の厩肥及び高度に固体の厩肥及びこれらの混合物を拾い上げ、それをリザーバに集めることができることである。機械式ピックアップにより、厩肥収集装置は非常に効果的に機能し、収容施設の床に厩肥は全く残らない。これは、床に存在する厩肥によるアンモニア放出を大幅に削減する。これはまた、動物収容施設内の動物の足が乾いたままとなることを成し遂げ、これは動物の健康にプラスの効果をもたらす。更には、機械式厩肥ピックアップ装置は、非常にエネルギー効率がよく、これは既知の厩肥ピックアップ装置とは対照的であり、これは、厩肥ピックアップ装置を、例えば電池が設けられる移動式及び無線式の収容施設洗浄装置においての使用に特に適したものとする。このようにして、本発明は、収容施設に存在する家畜の健康を改善する、エネルギー効率のよい動物収容施設洗浄装置を提供する。
【0017】
好ましい実施形態では、前進装置は、無人車両、好ましくは自律的移動車両を含む。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、本発明は、動物収容施設の床を洗浄する方法を提供し、これは、上述した好ましい実施形態の任意の1つに従う厩肥収集装置又は上述した好ましい実施形態の任意の1つに従う動物収容施設洗浄装置から形成可能な特別な特徴を有する。
【0019】
以下の図面を参照して、本発明を更に説明するが、これらの図面は、本発明に従う厩肥収集装置、動物収容施設洗浄装置及び方法の好ましい実施形態を示し、本発明の保護範囲を決して限定することを企図しない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明に従う動物収容施設洗浄装置の好ましい実施形態の側面図を示す。
図2図2は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図3図3は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図4図4は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図5図5は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図6図6は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図7図7は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
図8図8は、本発明に従う厩肥収集装置の好ましい実施形態の厩肥ピックアップ装置の一連の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に従う動物収容施設洗浄装置100の好ましい実施形態が図1に側面図で示される。収容施設洗浄装置100は無人車両により形成され、該車両は、複数の車輪101が設けられた前進装置102と厩肥収集装置103とからなる。厩肥収集装置103は、機械式拾い上げとも呼ばれる機械式厩肥ピックアップ装置104と、拾い上げられた厩肥106のためのリザーバとして機能する貯蔵部105とからなる。無人車両100は、例えば家畜用収容施設の床108上をその車輪101により移動方向107に前進するように構成される。厩肥ピックアップ装置104は、移動方向107から見て、無人車両100の前側に位置する。厩肥ピックアップ装置104は、少なくとも部分的に円筒状に形成された内側壁110を有するハウジング109と、ハウジング109内に配置される回転可動体111とから構成される。回転可動体111は、中心回転軸112の周りを回転する。回転可動体111には、中心回転軸112とハウジング109の内側壁110との間に延びる3つのロータアーム113が設けられる。円筒形状に形成された内側壁110は、ロータアームの外側端114が中心回転軸112の周りのそれらの回転運動においてたどる円形経路に対応する。厩肥ピックアップ装置104の下側には、収容施設の床108に存在する厩肥106をそれを通じてハウジング109に受け入れるための受け入れ開口115が設けられる。回転可動体111は駆動装置(ここには図示せず)より駆動される。
【0022】
回転可動体111が回転態様で運動する間、受け入れ開口115を通じてハウジング109内に導入された厩肥106は、可動体111のロータアーム113の1つにより拾い上げられ、部分的円筒状内側壁110に沿って貯蔵部105の方向における上方に移送される。ロータアーム113によって拾い上げられた厩肥106が引き渡し開口116の近くに配置されるや否や、引き渡し開口116を通じて厩肥106が貯蔵部105すなわちリザーバへと引き渡し可能である。旋回アーム118は、旋回軸117の周りに旋回移動可能である。旋回アーム118はすくい取り部材として機能し、これは、ロータアーム113上に存在する厩肥106がロータアーム113からすくい取られ、引き渡し開口116及びその背後にあるリザーバ105に向けて移送されることを保証する。すくい取られた厩肥106をリザーバ105に向けて案内するために、壁部119が設けられる。壁部119は、ロータアーム113からすくい取られた厩肥106を、ロータアーム113からリザーバ105へと移送するために旋回アーム118の外側端120がその旋回運動においてたどる円形経路に対応するよう形成される。旋回アーム118及び壁部119は共に、厩肥106がリザーバ105内に入ることを保証する。図1から分かるように、引き渡し開口116は、リザーバ105の上面の近くに位置する。このようにして厩肥106は、回転可動体111のロータアーム113により床108に近い受け入れ開口115から上方に移送され、リザーバ105の上面においてリザーバ105に引き渡される。これにより、その上面からリザーバ105は満たされることができ、そのため拾い上げられた厩肥106は、リザーバ105からハウジング109へと逆流することができない。リザーバ105の全容量が更に利用可能である。
【0023】
旋回アーム118、すなわち旋回可能なすくい取り部材は、駆動装置によって駆動され、駆動装置は、伝達装置122(図9参照)を介して回転可動体111を駆動する。伝達装置122を使用することにより、駆動装置により駆動されるアーム113上に存在する厩肥106は、同じ駆動装置によって駆動されるすくい取り部材118の引き渡し開口116に向かう移動により、アーム113が引き渡し開口116の近くに位置する瞬間に引き渡し開口116を通じてリザーバ105に搬送される。この目的のために、伝達装置122は、プーリ又はギア123(又は同等物)を備える。プーリ又はギア123は中心回転軸112上に配置され、より小さいプーリ又はギア124(又は同等物)を駆動するために、ベルト、チェーン又は歯付きベルト127(又は同等物)がプーリ又はギア123上に配置される。プーリ又はギア124には、駆動ロッド128が連結されたクランク125が設けられ、これによりクランク126を介して旋回軸117が回転駆動される。これにより、すくい取り部材として機能する旋回アーム118は旋回運動し、従ってロータアーム113上に存在する厩肥106がロータアーム113からすくい取られ、引き渡し開口116及びその背後にあるリザーバ105に向けて搬送されることが保証される。すくい取り部材118はここで、次の位置と位置との間で旋回する。すなわち、中心回転軸112に対して、その外側端120がロータアーム113により拾い上げられた厩肥106の分量の内部にある位置と、その外側端120が引き渡し開口116の下側に少なくともある位置との間(とりわけ図5及び図8も参照)で旋回する。伝達装置122のために、すくい取り部材118はアーム113上に存在する厩肥106の分量をアーム113からすくい取ることができると同時に、アーム113はその中心回転軸112の周りを途切れることなく回転し続ける。換言すれば、すくい取り部材118は、回転可動体111のアーム113には接触せず、すなわち、アーム113上に存在する厩肥106をすくい去る前も、その間も、その後も接触しない。
【0024】
受け入れ開口115と内側壁110との間の移行部にはガイド要素121が位置する。ガイド要素121は、108に向かって内側壁110に対して接線方向に延びる。ガイド要素121は、収容施設洗浄装置100が前進しつつ、床108上に存在する厩肥106を受け入れ開口115を通じてハウジング109内に案内するように構成される。ガイド要素121は、床108上に存在する厩肥106のほとんどすべてが受け入れ開口115を通じてハウジング109に入り、従って、回転可動体111のアーム113によって拾い上げられ得ることを保証する。
【0025】
図2図8は、図1の動物収容施設洗浄装置100の厩肥収集装置103の厩肥ピックアップ装置104の一連の側面図を示す。図2図8各々は、厩肥106が受け入れ開口115を通じてハウジング109に受け入れられる瞬間から、厩肥106が引き渡し開口116を通じてリザーバ105に引き渡される瞬間まで、厩肥ピックアップ装置104により厩肥106を拾い上げるプロセスの段階を示す。図2は、厩肥ピックアップ装置104を示す。厩肥ピックアップ装置104の下側は、収容床108上に存在する厩肥106がガイド要素121と接触する直前の段階において、収容床108の近くに位置する。図3は、厩肥ピックアップ装置104を示す。ここでは、収容施設洗浄装置100の前方移動によりガイド要素121を用いて厩肥106が受け入れ開口115を通じてハウジング109に入り、また、厩肥106は受け入れ開口115の最も近くに位置する回転可動体111のロータアーム113の回転運動により拾い上げられ、ハウジング109内へと更に運ばれる。図4において、拾い上げられた厩肥106は、円筒状に形成された内側壁110に沿って上方に搬送され、ここでは、旋回移動可能なすくい取り部材118がロータアーム113の回転運動領域の外側に位置する。図5では、拾い上げられた厩肥は更に上方に搬送され、すくい取り部材118はロータアーム113の回転運動領域に位置し、次いで、上方に搬送された厩肥をロータアーム113からすくい取る。図6は、拾い上げられた厩肥106はロータアーム113から既に部分的にすくい取られているが、まだ完全にではない段階を示す。すくい取り部材118は、ロータアーム113の回転運動領域に依然として位置する。図7において、拾い上げられた厩肥106は、ロータアーム113から完全にすくい取られ、これによりすくい取り部材118は、ロータアーム113の回転運動領域にもはや位置していない。次いで、すくい取り部材118は、ロータアーム113からすくい取った厩肥を、引き渡し開口116を通じて貯蔵部105すなわちリザーバ(図8参照)へと搬送するため、案内壁として機能する壁部119を介して引き渡し開口116に向けて搬送する。その一方、図7及び図8に示すように、次のロータアーム113が収容床108から厩肥106を拾い上げ、上述した方法に従ってこの厩肥106をリザーバ105に搬送する。
【0026】
本発明は、示した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲内に入る他の実施形態にも広がる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】