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特表2023-515180ビール粕を破砕するデバイス及びそれを含む生産ライン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ビール粕を破砕するデバイス及びそれを含む生産ライン
(51)【国際特許分類】
   B02C 9/02 20060101AFI20230405BHJP
   B02C 25/00 20060101ALI20230405BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/117 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/171 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/172 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/272 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/86 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 27/94 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 23/70 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 35/221 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20230405BHJP
   B01F 35/82 20220101ALI20230405BHJP
   B07B 1/28 20060101ALI20230405BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20230405BHJP
   B03B 5/28 20060101ALI20230405BHJP
   B03B 9/06 20060101ALI20230405BHJP
   B03B 7/00 20060101ALI20230405BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20230405BHJP
   B03C 1/30 20060101ALI20230405BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20230405BHJP
   C12F 3/06 20060101ALI20230405BHJP
   C05F 5/00 20060101ALI20230405BHJP
   A23N 17/00 20060101ALI20230405BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20230405BHJP
【FI】
B02C9/02
B02C25/00 C
B01F23/53
B01F27/117
B01F27/171
B01F27/172
B01F27/272
B01F27/86
B01F27/94
B01F23/70
B01F35/213
B01F35/221
B01F35/71
B01F35/82
B07B1/28 Z
B03B5/00 Z
B03B5/28 A
B03B9/06
B03B7/00
B03C1/00 B
B03C1/30 Z
B01F35/53
C12F3/06
C05F5/00
A23N17/00 Z
B01F101:06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551560
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 RU2020000123
(87)【国際公開番号】W WO2021173030
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】2020108317
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522337521
【氏名又は名称】バイオボー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴルディロフ オレグ グリゴリエヴィチ
【テーマコード(参考)】
4B061
4B128
4D021
4D067
4D071
4G035
4G037
4G078
4H061
【Fターム(参考)】
4B061AA01
4B061DA01
4B061DA10
4B061DB20
4B061DB21
4B061DB22
4B061DB39
4B128AC06
4B128AG09
4B128AP13
4B128AP31
4B128AS09
4D021AB02
4D021CA07
4D021EA10
4D021EB01
4D021EB02
4D067AA13
4D067FF02
4D067FF12
4D067GA14
4D071AA05
4D071AA52
4D071AB14
4D071AB15
4D071AB62
4D071CA03
4D071DA17
4D071DA20
4G035AB46
4G035AE01
4G035AE13
4G037AA02
4G037AA03
4G037AA18
4G037BA05
4G037BC02
4G037BD04
4G037EA04
4G078AA03
4G078AB09
4G078BA05
4G078CA08
4G078DA26
4G078EA05
4G078EA08
4G078EA15
4H061AA01
4H061AA02
4H061AA03
4H061CC42
4H061GG41
4H061GG67
(57)【要約】
本発明はビール醸造廃棄物を処理することに関する。ビール粕を破砕するデバイスは、破砕ユニットに接続されている装入容器を備える。装入容器は、ビール粕を湿潤する手段を備える。破砕ユニットは、破砕されたビール粕を取り出す出口を有し、それぞれの作業面の間に間隙がある状態で同軸に配置されているステータとロータと、混合を行いステータとロータとの間隙内に混合物を移動させるパドルと、ロータの下に配置されている破砕されたビール粕を取り出す手段と、を備えている。ロータはビール粕を不連続に破砕可能であり、上側部分にはロータの周縁の周りに配置されている刃が取り付けられていて、その外側面はロータの作業面の一部である。ビール粕からタンパク質が豊富に含まれる製品を製造する生産ラインも記載されており、生産ラインは上述のデバイスを含んでいる。本発明は、高生産能力かつ高信頼性のビール粕処理デバイスを製造して、タンパク質が豊富に含まれる製品を製造することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕ユニットに接続されている投入タンクを備えるビール粕粉砕機であって、
前記投入タンクにはビール粕湿潤デバイスが取り付けられ、
前記粉砕ユニットは、粉砕されたビール粕を投入して取り出すための出口を有し、それぞれの作業面の間に間隙がある状態で同軸に配置されているステータ及びロータと、混合を行い前記ステータと前記ロータとの前記間隙内に混合物を移動させるデバイスであって、その中央部にある前記ロータの上側端部面側に固定されているデバイスと、前記ロータの下に配置されている粉砕されたビール粕を投入して取り出すデバイスと、を備え、
前記ロータは、ビール粕の段階的な粉砕を行って、上側ステージでは粗めのビール粕砕粒を、下側ステージではより細かいビール粕砕粒を得ることができるように構成されており、上側部分には、前記ロータの周縁の周りに配置されている刃が取り付けられており、その外側面は前記ロータの前記作業面の一部である、ビール粕粉砕機。
【請求項2】
前記ステータは固定されており、前記ロータは可動であることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項3】
前記ステータ及び前記ロータは、その軸を貫通する断面の長手方向面において円錐台形状で作られていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項4】
前記ロータは、ビール粕の3段階粉砕ができるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項5】
各刃は、一端では外側面から傾斜をつけており、他端では内側面から傾斜をつけており、ビール粕の流れを確実に前記ロータと前記ステータとの前記間隙内に入れることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項6】
前記ロータの周縁の周りに互いに対向して配置された2つの刃を有していることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項7】
前記ロータの段階的に構成されている前記作業面は、上側ステージから下側ステージに向かって、幅は減少していき、溝部の数は増加していくように作られていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項8】
前記ビール粕湿潤デバイスは、前記投入タンクの上側部分に位置しており、液体供給を行う穴またはノズルを備える、円形パイプラインのような外観をしていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項9】
前記ビール粕湿潤デバイスは、供給される液体の量を監視して制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項10】
混合を行い前記ステータと前記ロータとの前記間隙内に前記混合物を移動させる前記デバイスは、V字形またはY字形刃の形状で作られていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項11】
前記粉砕ユニットへと向かう入口側に、前記ロータの端部面によって下側が制限されている空洞を有し、V字形またはY字形刃はその高さが前記空洞の高さの半分までであることを特徴とする、請求項10に記載のビール粕粉砕機。
【請求項12】
前記投入タンク内に配置されているビール粕投入レベル用センサを備えることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項13】
前記レベルセンサに接続されているコントローラが設けられていることを特徴とする、請求項12に記載のビール粕粉砕機。
【請求項14】
ビール粕粉砕を0.001~5mmの粒径にできるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項15】
粉砕されたビール粕を投入して前記粉砕ユニットから取り出すための前記出口は、前記ステータの外径の円周の8~10%に等しい幅の穴を有していることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項16】
粉砕されたビール粕を投入して取り出す前記デバイスは、前記ロータの軸上に配置されている刃のあるディスクの形態で作られていることを特徴とする、請求項1に記載のビール粕粉砕機。
【請求項17】
ビール粕の高タンパク質含有量を有する製品を製造する生産ラインであって、ビール粕を緩めてそこから機械的な不純物を取り除くデバイスと、請求項1に記載のビール粕粉砕機と、塊を懸濁液と穀皮とに分別することができるように作られている抽出器と、前記懸濁液から残存している穀皮粒を分別することができるように構成されている振動フィルタと、を有することを特徴とする、生産ライン。
【請求項18】
ビール粕粉砕機は、前記塊を0.001~5mmの粒径に粉砕できるように構成されていることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【請求項19】
前記抽出器は、0.001~1.0mの粒径の前記塊をそれよりも大きな粒径の粒から分別できるように構成されていることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【請求項20】
前記振動フィルタは、フィルタメッシュサイズが0.1~0.5mmであるように作られていることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【請求項21】
緩めて機械的な不純物を取り除くデバイスとして、磁気トラップを有する振動ふるいが使用されていることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【請求項22】
前記振動ふるいは、メッシュサイズが6~10mm、振動周波数が10~50Hzの範囲、振幅が2~20mmであるように作られていることを特徴とする、請求項21に記載の生産ライン。
【請求項23】
濃縮液及び分離液の出口を有するタンパク質懸濁液濃縮デバイスをさらに備えることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【請求項24】
前記タンパク質懸濁液濃縮ユニットの前記分離液の出口は、粉砕する前に湿潤することができるように前記ビール粕粉砕機に接続されていることを特徴とする、請求項17に記載の生産ライン。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明群は、食品産業、特にビール醸造廃棄物であるビール粕(brewer‘s spent grain)の処理において使用して、後に治療的特性、予防的特性、及び食料性特性を有する食品に使用するための懸濁液、粉末、または濃縮物状態のタンパク質製品を得ることができる、好ましくは垂直方向投入を行う、線維性材料や固体状顆粒の湿式粉砕を行うように設計された装置に関する。ビール粕の処理による製品は、畜産では栄養補助飼料、農業では土壌への肥料、等としての用途を見出すこともできる。
【0002】
[背景技術]
最近、様々な産業において粒子の微粉砕や超微粉砕(または破砕)が重要である。これについて、この問題を解決する困難性は、含有成分の組成が不均質である元の材料を確実に微粉砕することに関する。先行技術からはコロイドミルが知られており、これは様々な産業分野、特に食品産業において、懸濁液、乳濁液、溶液を調製するユニットであり、所望の砕粒径を有する均質な製品の製造が可能である。コロイドミル内での破砕により得られた粒子の粒径は、原料の種類によって数ミクロンから数ミリメートルと広範囲になり得る。
【0003】
請求項に係るユニットは、0.001mm~5mmの範囲の粒径(砕粒)を有するペースト様塊(懸濁液または軟塊)を得ることが可能なビール粕粉砕のためのミルである。粒子同士の接着を防止するため、粉砕は分散媒をある程度添加した状態で行われ、それには任意の液体、例えば水が用いられる。その構成において請求項に係る設計のミルを使用することによって、ビール粕のタンパク質含有量が高い製品(懸濁液、粉末、または濃縮物)を得られる生産(処理)ラインもまた請求項に係る。
【0004】
本発明は、原料の垂直方向投入が行える湿式粉砕のための回転式コロイドミルにおける、電動モータに接続された粉砕ユニットと投入ホッパとに関する設計改良を提供する。一般に、ミルの粉砕ユニットの設計には、入口ノズル及び出口ノズルが取り付けられたハウジングが含まれており、その内部には、動作要素であるロータとステータが、相対的な相互回転を可能にする間隙がある状態で、同軸に装着されている。既知の実施態様のほとんどにおいて、ミルは、動作要素間の間隙を調整する機構を有している。動作要素は高強度材料でできており、作業面は刃部及び溝部によって形成された複雑な浮き彫りを有している。動作原理は、ロータとステータのうちの一方が回転するときに、それぞれの作業面の間にある間隙において元の混合物の成分が摩耗(分散)することに基づいている。コロイドミルは、不溶性固体成分を含有する懸濁液や乳濁液の高分散を確実にもたらす。
【0005】
IKA WERKE GMBH & CO KG[独国]が製造したコロイドミル(https://www.ikaprocess.com/ru/Products/Inline-dispersers-Mills-dispersing-machine-high-shear-cph-6/参照)の種々の変形例が先行技術から知られており、この先行技術では、ロータ及びステータの作業面の特定のパターン、ロータ及びステータの特定のテーパ、並びに、最初の製品がロータとステータとの間隙に入りこむ空隙と切り抜き部分があるロータの上部の特定の形状を有する、当初の設計のロータ-ステータユニットを有している。よって、元の製品を3段階粉砕することによって、第1段階で得られる砕粒は粗目で、第3段階で得られる砕粒はより細かくなるように、ロータの作業面が作製されており(溝部が、第1段階から第3段階に従って、幅は狭くなり、数は増えていくようになっている)、その結果、狭い分布範囲が確実に再現可能である粒粉砕を実現する。
【0006】
よって、高性能インラインコロイドミルのモデルである、IKA WERKE GMBH & CO KG[独国]が製造した、硬質顆粒状材料の湿式微粉砕のために設計されているIKA MK 2000(https://www.ikaprocess.com/ru/Products/Inline-dispersers-Mills-dispersing-machine-high-shear-cph-6/Colloid-Mill-MK-csb-MK/参照)が、先行技術から知られている。このMK 2000ミルは、高品質のコロイド溶液、及び超微粒乳濁液や懸濁液を製造することができる。ミル内の粉砕ユニットは、ロータ及びステータの作業面に様々なサイズのらせん状または横方向切り込みがある、ロータ-ステータ系の形式で作られている。同軸に配置されたロータとステータとの円錐状設計により、ロータが軸方向に移動する時にステータとロータとの間隙を滑らかに調整できるようになる。これにより、特に不均質な材料を用いる際に分散結果に影響を及ぼすことが可能になる。さらには、一般に、既知のコロイドミルは、構造に水冷式ジャケットが利用可能であることを特徴としている。
【0007】
上述のコロイドミルIKA MKの特性の全てにより、高圧ホモジナイザ内での分散後に得られる粒径に匹敵する粒径に到達することが可能になる。
コロイドミルの既存の設計では、ロータとステータが円錐台様の特徴的な形状をしているので、それらの作業面の表面形状とともに、粒子の超微粉砕を確実に行う。しかし、これらの設計は、タンパク質含有量の高い製品を得るためのビール粕の粉砕には最適ではない。これらのミル内でビール粕を粉砕すると、押圧された穀皮粒の内部においてタンパク質の一部が閉ざされたままになっている塊ができてしまい、穀皮残留物から製品を均質に精製する次の技術サイクルでタンパク質を損失することにつながる。また、既存の設計には、この製品の生産性が比較的低く、かつ信頼性も不十分であるという特徴があり、粉砕ユニットが破砕された原料の粒で詰まってしまうために、稼働中にミルの連続動作を保証できない。記載されている設計はまた、ビール粕の粉砕に必要であるペースト様塊を得るために、供給された原料を自動制御モードで湿らせる可能性を許容していない。
【0008】
中国実用新案第204816672号明細書から、基部にある電動モータと投入ホッパに接続されている粉砕ユニットとを有する日用品用縦型コロイドミルが既知である。粉砕ユニットは、ミルの固定式静止要素(ステータ)と、モータシャフト上にある回転式粉砕要素(ロータ)とを含んでいる。ロータの底面側には遠心ディスクが配置されている。ロータとステータはミルの主要部品であり、それぞれが有しているテーパ面は狭い間隔で配置されており、ギアスロット(溝部)がその表面にある。ギアスロットはそれぞれ、その幾何学的特徴やテーパ面上の位置が異なる。粉砕ユニットの構成のうちの1つでは、ロータとステータの作業面は、ロータの長さ方向に沿って存在する3つの粉砕ステージでできており、各々は歯付きスロットの異なる幾何学的特徴、すなわち異なるテーパ、長さ、深さを有している。ロータ及びステータはステンレス鋼でできている。
【0009】
しかし、このコロイドミル内の粉砕ユニット、ロータ、及びステータの構成は、液体やクリーム状の粘度を有する日用品の処理を行えるように選定される。投入ホッパとミルの作業領域との間の円筒形縦型拡張部が狭いために、含水率が不十分な製品の通過が妨げられる。さらに、鋸歯状の溝部(スロット)をロータの刃先として使用しているため、大型の製品粒が通過する速度が低下する。また、このコロイドミルの設計は、IKA WERKE GMBH & CO KG[独国]が製造したミルの上述の難点を特徴として有している。
【0010】
中国特許出願公開第106378237号明細書からは、粉砕ユニットは円錐形状の3段階式静止ステータと円錐形の4段階式可動粉砕ロータからなる、コロイドミルが知られている。ロータは高速電動モータのシャフトに接続されており、一方、電動モータのシャフトはナットを用いてロータに取り付けられている。粉砕ユニットにおいて、ロータの第1ステージと上部カバーとの間隙は0.25~0.55mm、ロータの第2ステージとステータとの間隙は0.15~0.25mmであり、ロータの第3ステージとステータとの間隙は0.085~0.15mmであり、ロータの第4ステージとステータとの間隙は0.005mmである。ステータは横方向面の角度の偏差が8°の円錐形である。ロータの第1ステージは、段付きテーパと、特定のらせん傾斜角でらせん状に配置された鋸歯状溝部とを有している。ロータの第2ステージは、9°傾いている鋸歯状溝部が40個でできている。ロータの第3ステージは、12°傾いている千鳥状溝部を160個有している。ロータの第4ステージは金属炭化物でできているか、またはセラミックコーティングで覆われている。
【0011】
しかし、ミルの作業領域の前にある狭い円筒形縦型拡張部と、高い位置にあるロータの上部円錐部分とのせいで、含水率が不十分な製品や砕粒が粗い製品の通過が妨げられる。さらに、この設計もタンパク質含有量の高い製品を得るためのビール粕の粉砕には最適ではなく、このために、ミルの出口においてペースト様塊は、既知の設計よりも砕粒径が粗いに違いない。過度の粉砕は、セパレータ内で破砕された粕をさらに処理するために許容できない。また、投入された製品のためにホッパ下側部分まで動くロータにモータシャフトを締結するために従来のナットを使用すると、回転中に製品の中で圧縮された領域が形成され、これにより製品がミルの作業領域(ロータ及びステータ)内へと通過することが妨げられる。鋸歯状溝部をロータの刃先として使用しているため、粗い製品粒が通過する速度が低下する。さらに、この設計も、ビール粕の粉砕に必要であるペースト様塊を得るために、供給された原料を湿らせることができない。
【0012】
上述のコロイドミルの設計の中で請求項に係る解決法に最も近いのは、IKA WERKE GMBH & CO KG[独国]が製造した高性能インラインコロイドミル IKA MK 2000(https://www.ikaprocess.com/ru/Products/Inline-dispersers-Mills-dispersing-machine-high-shear-cph-6/Colloid-Mill-MK-csb-MK/参照)である。
【0013】
したがって、ビール醸造の廃棄物である元のビール粕からなる製品を、大麦の穀皮の残骸やタンパク質及び脂肪を豊富に含む穀粒を含有するペースト様塊(軟塊または懸濁液)の形状で確実に製造すると考えられる一連の設計パラメータを備えている、先行技術で既知の技術的解決法は存在しない。製造されたペースト様塊からは、穀皮の分別後に、食品添加物や栄養補助飼料として広く利用可能なタンパク質懸濁液が、高タンパク質含有量(乾燥物で少なくとも45.0~50.0重量%)で生成される。
【0014】
技術的な問題は、ビール粕からなる高タンパク質含有製品を得ることができる、上述の類似物の欠点がない、原料の垂直方向投入が行える回転式ミルの設計の開発にある。
[発明の開示]
請求項に係る発明の技術的成果は、ビール醸造の廃棄物であるビール粕を粉砕して、穀皮の分別後に(タンパク質懸濁液、粉末、または濃縮物を得た時に)高タンパク質含有量であるという特徴を有するペースト様塊(軟塊または懸濁液)の形状の製品を製造する、高性能かつ高信頼性のデバイスの開発である。
【0015】
請求項に係るミル、及びミルが装着されている生産ラインは、様々な生産能力、つまり1時間あたり数単位から数十トンの製品を生産する能力で稼働することができる。これにより、特に、破砕ユニットが粉砕された原料の粒子で詰まることを防いでいるおかげで長時間にわたり稼働が中断することのない連続モードにより、ミルの設計の信頼性が保証される。ミルからの出口においてペースト様塊内に含有されている粒子の大きさは、0.001mm~5mmである可能性がある。
【0016】
技術的成果は、粉砕ユニットに接続されている投入タンクを有しているビール粕粉砕機(ミル)であって、投入タンクにはビール粕湿潤デバイスが取り付けられており、粉砕ユニットは、粉砕されたビール粕を投入して取り出すための出口を有し、それぞれの作業面の間に間隙がある状態で同軸に配置されているステータ及びロータと、混合(またはビール粕に液体を添加)を行いステータとロータとの間隙内に混合物を移動させるデバイスであって、その中央部にあるロータの上側端部面側に固定されているデバイスと、例えば刃のあるディスクの形態であって、ロータの下に配置されている粉砕されたビール粕を投入して取り出すデバイスと、を備え、これにより、ロータは、ビール粕の段階的な粉砕を行って、上側ステージでは粗めの砕粒を、下側ステージではより細かい砕粒を得ることができるように作られ、上側部分には、ロータの周縁の周りに配置されている刃が備わっており、その外側面はロータの作業面の一部である、ビール粕粉砕機を作製することによって保障される。
【0017】
本発明の構成のうちの1つにおいて、ステータは固定されており、ロータは可動である。この選択肢において、ステータ及びロータは、断面の長手方向面において円錐台形状で作られていてもよい。
【0018】
好ましくは、ロータはビール粕の3段階粉砕ができるようになっている。
ロータの上側端部面に配置されている刃は、一端では外側面から傾斜をつけており、他端では内側面から傾斜をつけており、これにより、ビール粕の流れを確実にロータとステータとの間隙内に入れることができる。好適な選択肢はこれらの刃を対向して配置することである。
【0019】
ロータのステージの作業面は、上側ステージから下側ステージに向かって、幅は減少していき、溝部の数は増加していくように作られている。
構成の選択肢のうちの1つにおけるビール粕湿潤デバイスは、投入タンクの上側部分に位置しており、液体供給を行う穴またはノズルを備える、円形パイプラインである。ビール粕湿潤デバイスは、供給されている液体の量を監視して制御するように構成されていてもよい。
【0020】
混合(ビール粕と液体)を行いステータとロータとの間隙内に混合物を移動させるデバイスは、V字形またはY字形刃の形状で作られていてもよい。これにより、この刃は、粉砕ユニットへと向かう入口側から、ロータの端部面によって下側が制限されている空洞内に配置されているため、刃はその高さが空洞の高さの半分までを占有することができる。
【0021】
投入タンクにはビール粕投入レベル用センサが備わっていてもよく、センサは、コントローラに接続されて、元のビール粕を投入タンクに供給することを制御してもよい。
粉砕ユニットは好ましくはビール粕を0.001~5mmの粒径に粉砕するように構成されていてもよい。
【0022】
粉砕されたビール粕を投入して取り出すデバイスは、ロータの軸上に配置されている刃のあるディスクの形態で作られている。
粉砕されたビール粕を投入して粉砕ユニットから取り出すための出口は、ステータの外径の円周の8~10%に等しい幅の穴を有している。
【0023】
技術的結果は、ビール粕のタンパク質懸濁液を製造する装置であって、技術的な順序で接続されている以下のデバイスビール粕を緩めてそこから機械的な不純物を取り除くデバイスと、上述の設計のビール粕粉砕機(ミル)と、塊を懸濁液と穀皮とに分別することができるように作られている抽出器と、得られた懸濁液から残存している穀皮粒を分別することができる振動フィルタと、で構成されている装置によって提供される。
【0024】
ビール粕粉砕機は、塊を0.001~5mmの粒径に粉砕できるように作られている。抽出器は、0.001~1.0mの粒径の塊をそれよりも大きな粒径の粒から抽出(分別)できるように設計されている。振動フィルタは、フィルタメッシュサイズが0.1~0.5mmであるように作られている。緩めて機械的な不純物を取り除くデバイスとして、磁気トラップを有する振動ふるいが使用されてもよい。振動ふるいは、メッシュサイズが6~10mm、振動周波数が10~50Hz、振幅が2~20mmであるように作られている。
【0025】
生産ラインはさらに、濃縮物(concentrate)及び分離液(centrate)の出口を有するタンパク質懸濁液濃縮ユニットを備えてもよい。これにより、タンパク質懸濁液濃縮ユニットの分離液の出口は、粉砕する前に湿潤することができるようにビール粕粉砕機に接続されていてもよい。
【0026】
請求項に係るデバイス(ミル)は、投入タンク内での原料の追加湿潤と、適切な粉砕パラメータとを提供し、本デバイスで処理された製品は大きさが0.001~5mmの範囲の粒子を含有している。出口においてミルから得られる製品は、セパレータにおいて食料砕粒と非食料砕粒とに最適に分別される。ビール粕を過度に粉砕(その結果0.001mm未満の粒子になる)すると、ビール粕を均質な塊にしてしまい、穀皮と高タンパク質含有量の懸濁液とに効率的に分別することができなくなる。
【0027】
さらに、請求項に係るミルの設計は、液体供給デバイス(その温度は3~30℃の範囲が可能である)を使用して元の原料を加湿し、ミルの動作中に連続/間欠冷却が確保されるため、水冷式ジャケットが必要なくなると考えられる。水冷式ジャケットがないと、ミルの設計が、既知の類似物に比べて簡素化される。
【0028】
開発されたミルの設計の効果は粉砕された製品の製造にあり、本製造において、押圧された穀皮粒の内部でタンパク質の一部が閉ざされていない状態になり、穀皮残留物から製品を均質に精製する次の技術サイクルでタンパク質を損失することが防げることにある。
【0029】
請求項に係るデバイスは、粉砕強度が高いこと、及び高信頼性かつ効率的に長期稼働できることを特徴としている。
請求項に係る発明を、以下の図に図示されている資材を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、基部に装着された請求項に係るミルの全体図を、電動モータの正面図と側面図と一緒に示す。
図2図2はミルの投入タンクの全体図を示し、Aは投入タンク内の構造要素のレイアウトを、Bは投入タンクの平面図を、Cは元の製品を投入して処理するプロセスを表すミルの全体図を、それぞれ示す。
図3図3はミルの長手方向断面を示す。
図4図4は、ミルのハウジング内にある個々の構造要素を視覚化するための切り抜き部分を有するミルの全体図を示す。
図5図5は、可能な構成の選択肢の一つにおける、ロータとステータとの間隙の可能な寸法を表示した、ミルの長手方向断面を示す。
図6図6及び図7はそれぞれ、ステータとロータの全体図を示し、それぞれの作業面にある可能な浮き彫りの例を示す。
図7図6及び図7はそれぞれ、ステータとロータの全体図を示し、それぞれの作業面にある可能な浮き彫りの例を示す。
図8図8は、粉砕された製品を取り出す出口の側面図及び(G-G)断面図を示す。
図9図9~12は、ロータの上側部分にあるV字形刃の可能な選択肢のうちの1つを、それぞれ全体図、正面図、側面図、平面図で示す。
図10図9~12は、ロータの上側部分にあるV字形刃の可能な選択肢のうちの1つを、それぞれ全体図、正面図、側面図、平面図で示す。
図11図9~12は、ロータの上側部分にあるV字形刃の可能な選択肢のうちの1つを、それぞれ全体図、正面図、側面図、平面図で示す。
図12図9~12は、ロータの上側部分にあるV字形刃の可能な選択肢のうちの1つを、それぞれ全体図、正面図、側面図、平面図で示す。
図13図13~15は、ミル試作品の個々の構造部品の写真を示し、図13は粉砕ユニット(投入ホッパを取り外した状態)の平面図である。
図14図13~15は、ミル試作品の個々の構造部品の写真を示し、図14及び図15は、粉砕された製品を出口に移動させるディスク上に配置されているロータの全体図を示す。
図15図13~15は、ミル試作品の個々の構造部品の写真を示し、図14及び図15は、粉砕された製品を出口に移動させるディスク上に配置されているロータの全体図を示す。
図16図16は、ビール粕のタンパク質懸濁液を製造する生産ライン試作品(部分)の写真を請求項に係るミルを含めて示す。
図17図17は、ビール粕のタンパク質粉末を製造する生産ライン試作品の実施態様の線図を、請求項に係るミルを含めて示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
各図は以下のような符号で表される要素を含んでいる。
1…ミル、2…粉砕(破砕)ユニット、3…投入タンク、4…粉砕ユニット2のハウジング、5…ステータ、6…ロータ、7…電動モータ、8…ロータ6のシャフト(例えばベルト駆動またはギアボックスによって電動モータシャフトに接続されている)、9…電動モータ7及びミル1を設置する基部(またはフレーム)、10…ステータ5とロータ6との間隙、11…入口側から粉砕ユニットまでの空洞、12…Y字形またはV字形刃、13…円形送水パイプライン、14…水または分離液供給を行うパイプライン内にある穴(またはノズル)、15,16,17…レベルセンサ、18…水供給制御弁、19,20,21…刃12の刃先、22…上部に刃12が固定されているネジ、23…ロータ6の第1(上側)ステージ、24…ロータ6の第2ステージ、25…ロータ6の第3(下側)ステージ、26…ロータ6の上側部分にある空洞、27…空洞26を制限するロータの壁部(刃)、28…破砕された製品を出口へと移動させる刃のついたディスク、29…粉砕ユニットの入口、30…粉砕ユニットの出口、31…振動ふるい、32…コンベア、33…スクリュー抽出器、34,36…インペラーポンプ、35…振動フィルタ、37…タンパク質懸濁液の蓄積タンク、38…穀皮の蓄積タンク、39…タンパク質懸濁液処理を行ってタンパク質濃縮物またはタンパク質分離物を得るためのブロック、40…分離液のタンク
【0032】
[発明の実施形態]
以下に示すのは請求項に係る本発明群のより詳細な説明であるが、請求の範囲を限定するものではなく、請求項に係る技術的結果の達成によって本発明群の実施態様の実現性を実証するものである。これにより、本発明は、ビール粕処理を行う装置(図16)の一部としての請求項に係るミル(図1~15)を使用して、高タンパク質懸濁液を製造する実現性を実証するものである。
【0033】
ミル1の請求項に係る設計は、原料(ビール粕)をその体積全体にわたって均一に湿潤させ、その成分(大麦の穀皮の残骸、タンパク質及び脂肪を豊富に含む穀粒、等)を0.001mm~5mmの範囲の砕粒径に破砕し、均質化することができるように構成されている。ミルは、投入タンク(投入ホッパ)3に接続されている粉砕(破砕)ユニット2を有している。粉砕ユニットは、長手方向断面内における円筒形または円錐形作業面で作られたハウジング4(ステータ5及びロータ6)において、同軸に装着された動作要素を内蔵している。ステータ及び/またはロータは共通の軸の周りを回転する。動作要素のうちの一つを固定して装着している場合、装置はその技術的設計がより簡素化されている。本発明の構成の選択肢のうちの一つでは、回転式動作要素であるロータと、固定式動作要素であるステータとが使用されている。好適なミル構成の選択肢における動作要素は円錐形状である。ロータ6はシャフト8に固定されていて、シャフト8は電動モータ7のシャフトに、先行技術で既知の任意の手段、例えばベルトドライブやギアボックスを用いて接続されている。ミル1及び電動モータ7は同じ基部上に設置されている。
【0034】
ハウジング4内のロータ6は、ステータ5に対する間隙10が両者の作業面の間にある状態で装着され、この間隙において、供給された材料が0.5~2.5mmの範囲の大きさに破砕され、例えば、ロータの往復運動(動作要素が円錐台形状である場合)によって調節可能である。このため、ロータとステータとを、互いに対してロータの第3(下部)ステージから第1(上部)ステージに向かって間隙が広くなっている状態で製造・装着することが好ましい。
【0035】
ロータ6のシャフト上には支持ディスク28も装着されており、ディスクが有する刃は、ディスクが回転した時に、破砕された製品が確実に出口29に移動するような形状になっている。
【0036】
以下に示すのは、ミルの個々の部品と構造要素のより詳細な説明である。
投入タンク3は好ましくは漏斗形状で作られている(図1,2)。これにより、ミルには、原料の加湿を行う液体供給デバイスが備え付けられている。原料を確実に均一に加湿するために、このデバイスは、穴またはノズル14が、送水パイプライン13の形態で、タンクへの原料投入最大量のマークの上方でありタンク3の上側部分にある周縁の周りに位置するように作製可能である。好適な本発明の構成の選択肢では、パイプラインにある穴14は、その長さに沿って均等に分布しているため、処理中にビール粕をその体積全体にわたって確実に均一に湿潤(希釈)する。投入タンク3にはレベルセンサ15,16,17(図2)が取り付けられており、原料処理及びミル1への水投入の制御を行う。好ましい選択肢としては、3つのレベルセンサ15,16,17を、レベルセンサのすぐ近傍、例えばミルが装着されている基部(フレーム)上に配置可能であるマイクロコントローラに接続した状態で投入タンクに装着することが考えられる。よって、このセンサのうちの1つである上側センサ17は、原料投入可能最大レベル(例えば投入タンクの最大容量の85~90体積%)を制御するように設計されていて、第2センサである中間センサ16は、投入した原料の最適レベル(例えば投入タンクの最大容量の25~30体積%)を制御するように設計されており、第3センサである下側センサ15は、投入ホッパの底部において底部から15cm離れた位置に装着されていて、ホッパ内の原料の可能最小量(例えばホッパの最大容量の10~15体積%)を制御するようになっている。投入された原料がセンサ15の位置レベルよりも下側のレベルになると、次の原料バッチが届くまでミルの動作が中断する。
【0037】
シャフト8上に固定されている、ミル1の粉砕ユニット2にあるロータ6は、ロータ6の上側部分に、V字形またはY字形の刃12が配置されている複数ステージ形態の作業面と空洞26とがシャフト8の端部面側に固定されている、当初の設計である。最適な選択肢は、ロータの作業面を3段階にして、ビール粕の3段階粉砕を確実に行い、第1ステージでは粗めの砕粒を、第3ステージではより細かい砕粒を得ることである。この目的で、ロータの各ステージの外側(作業)面は、刃部と、刃部同士の間に位置する溝部とで形成された浮き彫りを有していて、元の製品を要求されているように粉砕する。この場合、図7に示されているように、隣接する刃部同士の距離は第1ステージから第3ステージに向かって短くなっている。
【0038】
構成の選択肢のうちの1つにおいて、ロータ6は、その高さがステータ5以下であってもよく、ロータ6の各ステージも、高さが等しくなるように、または高さが異なるようにされていてもよい。ロータ及びステータの幾何学的寸法(高さ、直径)はミルの容量によって決定される。ロータの高さが120mmである記載のミル構成では、ロータ6のステージ23~25が同じ高さ40mmで作られている。第1ステージ23の作業面は、このステージの円錐形の母線に対して角度、例えば15°~45°の角度を成して配置されている「刃部」(突起形状)を、互いに3~6mmの範囲の距離(ピッチ)で交差させることによって形成されており、図8に示されているように、全体としては表面が好ましくは菱形で構成されている。ロータ6上にある第2ステージ24の作業面のパターンは、第1ステージのパターンに類似していてもよく、隣接する刃部同士の距離(ピッチ)が例えば第1ステージのピッチの1/2~1/3だけ狭くなっている。第3ステージ25の作業面は、表面全体にわたってほぼ平行に配置されている刃部によって形成されていてもよく、刃部は、母線に対する角度が例えば15°~50°で、互いの距離(ピッチ)が第2ステージの隣接する(平行な)刃部の間の距離と同等またはそれよりも狭い、例えば1/2~1/3である状態で配置されている。このロータの外形は、1時間あたり1.5~2トンの容量を有するミルに対して決定されている。しかし、ロータ、そのステージ、及び刃部が配置された作業面に対して異なる設計が可能であり、共同で要求される水準のビール粕粒子粉砕を行う。ロータは一体構造で作製してもよく、別々のパーツで構成されたステージで構成されていてもよい。
【0039】
投入タンク1は、上側部分にタンク1の下側面からロータ6の上側端部面(第1ステージ)までにわたって「移行用」の空洞が形成されている粉砕ユニット2に接続されており、粉砕ユニット2にはV字形の刃12が配置されている。これにより、ロータ6にはその上側部分に切り抜き部(空洞26)が作られ、ロータの周縁の周りに互いに対向して(互いに等距離で)配置された2つの壁部27で閉ざされており、ビール粕をステータ5の壁部に押し付けて、さらにステータとロータとの間隙10に入り込むという、刃の機能を行う。この目的で、各々の壁部(刃)は、一端では外側面から傾斜をつけており、他端では内側面から傾斜をつけている。よって、刃27の外側面はロータの第1ステージ23の外側(作業)面の一部である。ロータ構成の選択肢のうちの1つでは、周縁の周りで計測した刃の長さ(寸法)は周縁の1/4であってもよい。元のビール粕が間隙10に入り込む周縁の周りの刃同士の距離(クリアランス)を広くして、刃の長さを短くする(例えば周縁の1/4~1/6)ことも可能である。
【0040】
ステータ7の作業面(図6)も波形になっており、つまり、好ましくは長手方向向きで、ステータの母線に対する偏差が例えば5°~30°と小さい、刃部と溝部と(または凸部と凹部と)で形成されている。
【0041】
Y字形またはV字形の刃12は、シャフト8の端部面にある空洞26内でロータ6の中心に固く固定されていて、刃27とともに、ビール粕のミル内通過を向上させることによってその能力を増大させている。記載されている本発明の構成の選択肢(図9~12)では、V字形刃12は、例えば35°~55°の角度αで曲げた1枚の板でできており、刃先(研削されている)19~21が取り付けられ、ここで刃先19は刃の回転方向に12~15%の迎え角で配置されている。好ましくは、その範囲において、刃は35°~55°の鋭角を有する平行四辺形の形状をしている。この刃が、投入された原料(ビール粕)の関連する予備的なほぐし(粉砕)によって、ビール粕をステータとロータとの間隙へと送る強制「吸い込み」に寄与している。V字形刃12の構成の選択肢のうちの1つにおいて、その要素である2つの刃は、自身の長手方向軸(中心を貫通している)の周りを回転しながら、刃の回転軌道(方向)に沿って5°~45°の角度βで配置してもよく、これによりロータ上部の空洞から間隙10内にビール粕を「捕捉」して供給することを改善できる。構成の選択肢のうちの1つにおいて、この刃は、シャフト8の本体に刃を固く固定するネジ頭に溶接可能である。
【0042】
また、ロータ6の下でシャフト8上に位置していて、粉砕されたビール粕を粉砕ユニットの出口に移動させるように設計されている、刃28を有するディスク27が存在しており、その形状は図14及び15に記されているようなものであってもよい。
【0043】
請求項に係るミルでは、完成品の出口30を、既知の設計(図8)と比べて20~30%拡張してもよい。本発明の構成の選択肢のうちの1つにおいて、出口の高さはロータ6の下側面(下側ステージ)とディスク28の下側面によって制限されてもよく(つまり高さが、粉砕された製品を出口に移動させるディスク28の高さにほぼ等しくなる)、幅はステータの外形の円周の8~10%に制限されてもよい。元の製品は粘度が高く、粒状物質が数多く混在しているため、出口の開口サイズを拡張することによって懸濁液の排出が確実に自由になり、粉砕された製品が出口で停滞するために起こるハウジング内での圧力上昇を排除でき、粉砕ユニットの作業領域への材料の供給を防ぐ。
【0044】
請求項に係るミルは、ビール粕の様々なタンパク質製品を、懸濁液の形態で、個別の製品、並びに、処理中に元のビール粕を粉砕して、(ミルからの出口において)0.001mm~5mmの範囲の砕粒中間物を得ることが必要な、濃縮物、分離物、粉末等を得るための事前の原料として製造する装置の一部として使用可能である。
【0045】
ビール粕のタンパク質懸濁液を製造する生産ライン(図16,17)は、技術的な順序で接続された以下のデバイス、機械的な不純物を緩めて取り除くデバイスである、コンベア32に接続されている振動ふるい31と、電動モータ7を有している請求項に係る設計のミル1と、0.001~1.0mmの粒径の塊を、それよりも大きな粒子から分別(抽出)する(懸濁液と穀皮とに分別する)ように構成されている抽出器33と、フィルタメッシュサイズが0.2~0.5mmであり、その結果得られた懸濁液から残存している穀皮粒を追加分別可能である振動フィルタ35と、タンパク質懸濁液37用及び穀皮38用の蓄積タンクと、を有する。これにより、磁気トラップを有し、メッシュサイズが6~10mmで、振動周波数が10~50Hzで、振幅が2~20mmである振動ふるいが、機械的な混在物を緩めて取り除くデバイスとして使用可能である。2rpm~8rpmの範囲のスクリュー回転速度を有するスクリュー抽出器が抽出器として使用される。さらに、生産ラインは、分離液の出口が取り付けられているタンパク質懸濁液濃縮ユニット39を有してもよく、この出口は、ミル1に供給する原料を加湿するためのパイプライン13に接続されてもよい。
【0046】
ミルは食品用ステンレス鋼でできていてもよい。ミルの動作サイクルは以下のように考えられる。
電動モータ7の電源をつけ、シャフト8を駆動させて回転させ、それに従って、V字形刃12とディスク28とが上に設置されているロータ6を駆動させる。湿潤したビール粕を(液体、つまり水または分離液を供給するデバイスによって)投入タンク1を通って粉砕ユニット2に供給し、ここで、ロータ6とステータ5との間隙内で、使用済みの穀粒を破砕する。粉砕プロセスにおいて、遠心力が材料を周辺部へと移動させ、ここからディスク28を用いて材料を、出口30を通って破砕された材料用の蓄積タンクへと投入する。
【0047】
以下に示すのは、ビール粕のタンパク質懸濁液を製造する装置の一部として、ミルを使用する実現性についてである。
含水率が70~90%である元のビール粕を、通常は入手してから(ビール製造廃棄物として発生した瞬間から)3時間以内に、ミル1で処理する。ビール粕を緩めて機械的不純物や金属不純物を取り除くように設計されている磁気トラップを備える、メッシュサイズが6~10mmである振動ふるい31上にビール粕を、手動で、または任意の機械的手段を用いて投入する。振動ふるい31上での処理は、10~50Hzのふるい分け用振動周波数及び2~20mmの振幅を用いて2~10秒間粒のふるい分けを行って、塊のない原料を得ること、及び、次の材料破砕処理段階のために確実に均質な組成にすることにある。振動ふるい以外で、機械的な混在物を除去しながらビール粕を緩めて均質な塊を得ることは、上記で列挙した機能を有する、先行技術で既知である他の任意のデバイスまたはデバイス群によって実行してもよい。次に、破砕するために、緩めたビール粕を、コンベア32を用いて、基部9上にある電動モータ7が連結装着されているミル1に供給し、ミル1は、元のビール粕を0.001~5.0mmの砕粒径に確実に破砕する。これにより、ミルの投入タンクへの原料投入処理において、水を連続モードか拍動モードかのどちらかで徐々に加えて、原料をその体積全体にわたって確実に均一に湿潤させる。供給する水の量は、通常はビール粕に対する重量で0.5:1から1:1の範囲である。ミル内で処理されるビール粕の含水率は、好ましくは90~95%の範囲内であるべきである。ミル1内で、ペースト様の均質な塊が得られるまで均一に混合(及び/または均質化)する。ペースト様の均質な塊とは、好適な粘度が750~1400SPa・sの軟塊のことであり、その後重力でスクリュー抽出器33に流れ、そこで塊を、含水率が90~95%で粘度が1.5~3SPa・sの懸濁液と、含水率が60~75%の穀皮とに分別する。ミルへの粒供給は、先行技術で既知である任意の手段によって、例えばスクリューコンベア、ベルトコンベアまたはスクレーパコンベアを用いて実行してもよい。
【0048】
ミル1内でのビール粕の粉砕は、ロータ6とステータ5との作業面の間で、例えばミルのロータ6が1800~3200rpmの速度で回転するときに実行される。この回転速度であれば、スクリュー抽出段階において最初の原料から栄養砕粒が最大に回収できる、濃密で均質であるが流体粘性のある軟塊が得られる。次の食品懸濁液処理中に得られる分離液(濃縮される場合)は、好ましくは水の代わりにミル1内に供給されるために用いられ、これにより、分離液に残存している栄養価を持つ砕粒をより完全に抽出することを確実に行えるとともに、分離液を処分する必要もなくなって、下水に流す前の清浄のために分離液廃棄を行う場合に必要な資源を節約できる。このユニットからの水または分離液を、ミル1の漏斗形の装入容器3内に、容器の上部の周縁であってタンクの原料投入最大量のマークの上方に位置する送水パイプライン13の穴14を通って供給する。供給される水または分離液の量は、弁18を用いて制御可能である。
【0049】
ミル1内での粉砕後、軟塊をスクリュー抽出器33内で2rpm~8rpmの範囲のスクリュー回転速度で処理することによって、副産物である大麦の穀皮から食品懸濁液を可能な限り迅速に、1~2秒以内で分別することができる。このために、ミル1で製造されたペースト様塊(軟塊)が重力でスクリュー抽出器33に流れ、そこで穀皮から分別して、出口で95%以下の含水率の食品懸濁液と、副産物である、含水率が60~75%で穀皮の粒径が1.0mm~5.0mmの範囲である大麦の穀皮とを得る。スクリュー抽出器33内での懸濁液の処理後にもまだ大きさが0.01~1.0mmの範囲である細かい穀皮が2~5%含まれているため、大きさが1.0mm以下の小さなプラント砕粒が5%までの量で混入されている食品懸濁液用に設計されているインペラーポンプまたは他のポンプ34によって懸濁液を次の洗浄段階に移動させて、メッシュサイズが0.2~0.5mmである振動フィルタ35内に投入することによって、スクリュー抽出段階において生成された、この食品懸濁液から残存している穀皮をほぼ完全に除去することができる。振動フィルタ35の後に、インペラーポンプ36によって懸濁液を蓄積タンク39内に移動させる。乾燥物で40~65重量%のタンパク質を含有する、生成されたタンパク質懸濁液は、食品添加物または補助食品として使用可能である最終製品となり得るし、また後日使用するために凍結することもできる。得られたタンパク質懸濁液は、懸濁液からタンパク質含有量が60~80重量%のタンパク質濃縮物を得るために、またはタンパク質含有量が80重量%以上のタンパク質分離物を得るために、更なる処理のためにユニット39に送られてもよい。
【0050】
穀皮はビール粕処理の副産物であり、スクリュー抽出器の動作中に自然発生的に蓄積ホッパ内に流出し、そこからスクリューコンベア、ヘリカルコンベア、または他のコンベアによって蓄積タンク38に移送される。請求項に係る生産ラインを用いることにより、タンパク質含有量が低めの、例えば40,42,47,及び49重量%である(低めのエネルギー価を有する)タンパク質懸濁液を得ることができる。このような製品は、タンパク質製品において可能な限り量的に最大のタンパク質含有量を達成することが要求されていない分野、例えば動物用補助飼料などの分野にも用途を見出せる可能性がある。
【0051】
本発明を実施する実現性を実証するために、請求項に係る設計のミル、及び、動力が11kW、回転速度が2200rpm、寸法が1200x940x530mm、及び1時間あたりのビール粕処理能力が1500kgである、当該ミルを用いた生産ラインを製造した。ミルのロータ及びステータは、図6,7に示されているように構成されており、ロータ高さ120mm、個々のロータステージの高さ40mm、ロータ基部(下側ステージ)の直径120mm、上側ステージ100mm、ステータ基部の高さ及び直径120mm及び220mm、ロータとステータとの作業面の基部及び上部での間隙0.8mm及び1.2mm、というパラメータを有している。ロータ及びステータの作業面の浮き彫りは以下のパラメータによって決定された。ロータの上側ステージの菱形形状パターンは、菱形の長い方の対角線の長さ10mmと、菱形の幅(短い方の対角線)5mmとで決定され、ロータの第2(中間)ステージの菱形形状パターンは、菱形の長い方の対角線の長さ5mmと、短い方の対角線2.5mmとで決定され、ロータの3番目(下側)ステージの隣接する刃部同士の距離は2mmであり、全ステージでの刃部(刃部を形成する凸部)の幅及び高さは2~2.5mmであり、V字形刃は、長さ50mm、幅15mm、厚さ2mm、刃同士の間の角度45°、刃の迎え角12°、出口の寸法65x45mm(幅x高さ)、ハウジングへの入口130mm、という寸法であった。粉砕ユニットの長手方向断面内にある水平線に対するロータ母線の偏差は83°、同様のステータ母線の偏差は85°であった(図5)。投入タンク3は容積0.15mで作られており、飲料水供給デバイスが備わっていた。
【0052】
その結果得られたプラントは、含水率が75.59%(エネルギー価150kcal)の260kgのビール粕を処理したが、そのために、メッシュサイズ10mm、台の長さ2000mm、台の幅1000mm、振動周波数20Hz、振動の振幅8mmである単一レベルふるいを有する振動試験台XFZ1020を使用した。振動ふるい31から、塊がベルトコンベア32によってミル1に供給され、そこでビール粕を水で湿潤した。この水の計算値は170リットルであり(0.67:1)、1分あたり15リットルの速度でミルに投入され、湿潤されたビール粕は破砕されて砕粒径が0.1~1.0mmになった。原料の処理及びミル1の投入タンク3への水の供給の制御は、投入タンク3の本体内に作られた3つのレベルセンサ15,16,17を用いて行い、レベルセンサのすぐ近傍にはマイクロコントローラが配置されていた。よって、このセンサのうちの1つである上側センサ17はホッパ内への原料投入可能最大レベルを制御するために使用され、そのレベルに達するとすぐにコマンドが与えられて投入コンベアが停止した。第2センサである中間センサ16は、投入した原料の最小レベル(ホッパの最大容量の25~30体積%)を制御するために使用され、そのレベルに達するとすぐにコマンドが与えられて投入コンベアの電源が入り、原料を投入ホッパに供給することによって、ミルの連続動作が確実に行われた。第3センサである下側センサ15は、投入ホッパの底部において底部から15cm離れた位置に装着され、ホッパ内の原料の可能最小量を制御し、それを下回ると次の原料バッチが届くまでミルの動作を止める。ミル作業後、得られた粘度900~1200cPoiseで含水率が95%の軟塊はスクリュー抽出器35に投入され、軟塊に対して、動力4kWで回転周波数4.5~10rpmのデバイスKDLZ-1.5を使用して、そこからの出口において、主要製品である含水率95%で粘度2.013cPoiseの食品懸濁液と、副産物である含水率70.84%の大麦の穀皮が得られた。食品懸濁液を、動力0.25kWで回転速度1200rpmのインペラーポンプ34を用いて、XZS-1200-1Sブランドである動力0.75kWでメッシュサイズ0.3mmの振動フィルタ35に供給した。ろ過後、インペラーポンプ36を用いて、動力0.25kW、回転速度1200rpmで汲み上げて貯蔵タンク37に投入した。穀皮は自然発生的に蓄積タンク38内に流出した。これにより、含水率93%、粘度1.907cPoise、粒径が0.005~0.3mmまでである食品懸濁液が得られた。その組成を評価するため、牛乳12リットルを噴霧乾燥器HT-RY1500内で8時間、200°Cで、含水率が10%になるまで乾燥させた(噴霧乾燥器HT-RY1500の能力は1時間あたり懸濁液1500mLである)。
【0053】
ミル及びそれを用いた生産ラインは、タンパク質含有量が乾燥物で少なくとも40重量%で、食品エネルギー価が220±50kcalである食品懸濁液の形態のビール粕処理の製品が得られることを提供する。懸濁液は、すぐに飲める製品であっても、タンパク質含有量が乾燥物で90~95重量%までの濃縮物、分離物、粉末等がさらなる処理中に得ることが可能な中間物であってもよい。
【0054】
請求項に係る設計のミル内でビール粕を処理することにより、含水率95%以下、粒径5mm以下、タンパク質含有量が乾燥物残分で少なくとも40.0重量%である、グルテンを含まないタンパク質製品を得ることができる。タンパク質懸濁液を製造する場合、ミルは、元のビール粕の全ての有用な生物活性成分を最大限に保持することができる。ビール粕の豊富な化学組成は、炭水化物の含有量が最小であり、食品産業、特にパンや菓子製品の製造において、タンパク質-ミネラル-ビタミン補給剤として使用する将来性が運命づけられている。
【0055】
任意の原料加湿または混合を行うデバイスや移動デバイスのないコロイドミルとして使用された、ロータ-ステータ粉砕ユニットを有するミルの既知の設計に対して、タンパク質製品が得られるかどうかの試験を行ったところ、完成品内の定量的タンパク質含有量は請求項に係る設計よりもかなり低かった。試験結果を下記の表に示す。
【0056】
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
図17
【国際調査報告】