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特表2023-515287多重広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】多重広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/28 20060101AFI20230406BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20230406BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H01Q9/28
H01Q1/38
H01Q21/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530320
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2020015005
(87)【国際公開番号】W WO2021107423
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0151944
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510188872
【氏名又は名称】エース テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン, ウォン フィ
(72)【発明者】
【氏名】ジ, ボン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジュン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ユン, サン キ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA11
5J021AA13
5J021AB06
5J021JA02
5J021JA03
5J021JA07
5J046AA07
5J046AB13
5J046PA02
5J046PA07
(57)【要約】
本発明は、円錐状の構造を有する第1放射体と、予め指定されたパターンの平板構造を有して第1放射体の一端に結合される第2放射体を含んでいるため、多重広帯域で信号を送受信することができ、第2放射体と接地電源を連結する導電性ポールを更に含んでいるため多重広帯域で信号を送受信できる広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナを提供することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体と、
予め指定されたパターンで平板状に形成され、前記第1放射体の上端に配置されて前記第1放射体に電気的に連結される第2放射体と、を備えることを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記第2放射体は、
前記第1放射体上に位置して前記第1放射体に結合可能なパターンで形成される第1プレートと、
前記第1プレートから外郭方向に延びるパターンで形成される第2プレートと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、単一の導電体によって一体に具現されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、それぞれ少なくとも一つの導電体を含んで形成されて結合されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記第2プレートは、前記第1放射体及び前記第1プレートと共に前記アンテナに要求される周波数帯域の信号を送受信するように指定されたパターンで形成されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記第2放射体は、前記第1放射体の上端の円形の形状に対応する領域のうちの一部又は全体が開放された開口部が更に形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記第2放射体は、支持基板上に具現されて前記第1放射体の上端に配置され、前記第1放射体と前記支持基板上に具現された前記第2放射体とを結合するための結合手段によって第1放射体に電気的に連結されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記アンテナは、一端が前記第2放射体の第2プレートの予め指定された位置に前記第1放射体から予め指定された距離だけ離隔されて結合され、他端が接地電源に連結される導電性ポールを更に含むことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記導電性ポールは、前記第1放射体が配置される基板の一面又は他面に形成された接地面に電気的に連結されることを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記アンテナは、
前記基板の前記接地面の他面に形成され、一端が前記第1放射体に電気的に連結されて前記第1放射体に給電信号を伝達する給電線路と、
前記第1放射体に電気的に連結されないように離隔された開放パターンが形成された前記接地面の開放パターンの前記給電線路に少なくとも一部の領域が重なるように延びるパターンを有する分岐線路と、を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記分岐線路は、前記延びるパターンが前記給電線路に重ならない少なくとも一側方向で少なくとも一つのスタブが更に形成されることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。
【請求項12】
基板と、
それぞれ下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体、及び予め指定されたパターンの平板状に形成されて前記第1放射体の上端に配置されて前記第1放射体に電気的に連結される第2放射体を具備して前記基板上の予め指定された位置に配置される多数のアンテナと、を備えることを特徴とするMIMOアンテナ。
【請求項13】
前記第2放射体は、
前記第1放射体上に位置して前記第1放射体に結合可能なパターンで形成される第1プレートと、
前記第1プレートから外郭方向に延びるパターンで形成される第2プレートと、を含むことを特徴とする請求項12に記載のMIMOアンテナ。
【請求項14】
前記多数のアンテナは、前記基板上に両側又は対角線位置に配置され、前記第2プレートが延びる方向が互いに対向するように配置されることを特徴とする請求項13に記載のMIMOアンテナ。
【請求項15】
前記第2放射体は、前記第1放射体の上端の円形の形状に対応する領域のうちの一部又は全体が開放された開口部が更に形成されることを特徴とする請求項12に記載のMIMOアンテナ。
【請求項16】
前記アンテナは、一端が前記第2放射体で第2プレートの予め指定された位置に前記第1放射体から予め指定された距離だけ離隔されて結合され、他端が接地電源に連結される導電性ポールを更に含むことを特徴とする請求項13に記載のMIMOアンテナ。
【請求項17】
前記導電性ポールは、前記第1放射体が配置される基板の一面又は他面に形成された接地面に電気的に連結されることを特徴とする請求項16に記載のMIMOアンテナ。
【請求項18】
前記多数のアンテナは、前記第1放射体の大きさと前記第2放射体の大きさ及びパターンとが異なるように形成されることを特徴とする請求項12に記載のMIMOアンテナ。
【請求項19】
下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体と、
予め指定されたパターンの平板状に形成され、前記第1放射体の上部の一部の領域に重なり前記第1放射体から離隔されて配置される第2放射体と、を備えることを特徴とするアンテナ。
【請求項20】
前記第2放射体は、前記第1放射体の上部の形状の半分以下の領域に重なるパターンで形成されることを特徴とする請求項19に記載のアンテナ。
【請求項21】
前記第2放射体は、少なくとも一部が前記第1放射体の上端の円形の形状に対応する領域に重なるパターンに開放された開口部が更に形成されることを特徴とする請求項19に記載のアンテナ。
【請求項22】
前記アンテナは、一端が前記第2放射体の予め指定された位置に前記第1放射体から予め指定された距離だけ離隔して結合され、他端が接地電源に連結されて前記第2放射体が前記第1放射体から離隔されるように支持する導電性ポールを更に含むことを特徴とする請求項19に記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナに関し、より詳細には、円錐状の放射体と平板状の放射体とが結合された構造を有する多重広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信規格がGSM(登録商標)、CDMA、WCDMA(登録商標)などの既存の第2世代及び第3世代通信方式から第4世代LTEを経て第5世代通信方式に速く進化しており、それと共にBluetooth(登録商標)、GPS(Global Positioning System)、WIFIなどの多様な技術が共に利用されている。
【0003】
このため、無線機器は多様な無線規格に沿った各種周波数帯域の信号を支援するように構成されなければならず、従って、それぞれ異なる多数の周波数帯域の信号を送受信できるように多数のアンテナが実装され、特に無線機器で第5世代通信方式を支援するために多様な形態のアンテナを設計し、端末機の内部に配置空間を確保するために多くの努力をしている。
【0004】
しかし、無線機器は既に多様な通信方式及び多様な機能を支援するために非常に多い数のアンテナ及び部品が制限された空間に搭載されているため、内部の部品実装空間は既に飽和状態であると言える。従って、無線機器の内部に追加的なアンテナを配置するための空間を確保することが非常に難しいため、設計が非常に複雑になり、テスト時間が増加し、これによって製造費用が上昇する問題がある。
【0005】
それだけでなく、最近ではMIMO(multiple-input and multiple-output)技術の適用によって要求されるアンテナの個数が更に増加しているため、機器の設計及び製造に更に大きな困難を引き起こしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、広帯域信号を送受信する広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナを提供することにある。
また、本発明の目的は、小型に製造可能な広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるアンテナは、下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体と、予め指定されたパターンの平板状に形成され、前記第1放射体の上端に配置されて前記第1放射体に電気的に連結される第2放射体と、を備える。
【0008】
前記第2放射体は、前記第1放射体上に位置して前記第1放射体に結合可能なパターンで形成される第1プレートと、前記第1プレートから外郭方向に延びるパターンで形成される第2プレートと、を含み得る。
前記第1プレート及び前記第2プレートは、単一の導電体によって一体に具現されるか、又はそれぞれ少なくとも一つの導電体を含んで形成されて結合され得る。
前記第2プレートは、前記第1放射体及び前記第1プレートと共に前記アンテナに要求される周波数帯域の信号を送受信するように指定されたパターンで形成され得る。
前記第2放射体は、前記第1放射体の上端の円形の形状に対応する領域のうちの一部又は全体が開放された開口部が更に形成され得る。
前記第2放射体は、支持基板上に具現されて前記第1放射体の上端に配置され、前記第1放射体と前記支持基板上に具現された前記第2放射体とを結合するための結合手段によって第1放射体に電気的に連結され得る。
前記アンテナは、一端が前記第2放射体で第2プレートの予め指定された位置に前記第1放射体から予め指定された距離だけ離隔され結合され、他端が接地電源に連結される導電性ポールを更に含み得る。
前記導電性ポールは、前記第1放射体が配置される基板の一面又は他面に形成された接地面に電気的に連結され得る。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるMIMOアンテナは、基板と、それぞれ下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体、及び予め指定されたパターンの平板状に形成されて前記第1放射体の上端に配置されて前記第1放射体に電気的に連結される第2放射体を具備して前記基板上の予め指定された位置に配置される多数のアンテナと、を備える。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるアンテナは、下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる円錐状を有して給電信号が印加される第1放射体と、予め指定されたパターンの平板状に形成され、前記第1放射体の上部の一部の領域に重なり前記第1放射体から離隔されて配置される第2放射体と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の多重広帯域アンテナ及びこれを利用したMIMOアンテナは、円錐状の構造を有する第1放射体と、予め指定されたパターンの平板構造を有して第1放射体の一端に結合される第2放射体と、を備えるため、多重広帯域で信号を送受信することができる。また、第2放射体と接地電源とを連結する導電性ポールを更に含むため、多重広帯域で信号を送受信することができる。従って、無線機器に実装されなければならないアンテナの個数を大きく減らして無線機器の設計及びテストの複雑度を低減させることができ、小型に製作可能であるため無線機器を小型化することができる。また、少ない数の多重広帯域アンテナを利用して超広帯域のMIMOアンテナを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
図2】本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
図3】本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
図4】本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナの反射損失特性を示す図である。
図5】本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナを示す図である。
図6】本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナを示す図である。
図7】本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナを示す図である。
図8】本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナの反射損失特性を示す図である。
図9】本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナの放射パターンを示す図である。
図10】本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
図11】本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
図12】本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナの反射損失特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施形態を例示する図面及び図面に記載された内容を参照しなければならない。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現され得、説明する実施形態に限定されるものではない。そして、本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は省略し、図面の同じ参照符号は同じ部材であることを表す。
【0015】
明細書全体で、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素を更に含むことがあることを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…器」、「モジュール」、「ブロック」等の用語は少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェア又はハードウェア及びソフトウェアの結合で具現され得る。
【0016】
図1図3は、本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。図1は本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナの上部斜視図を示し、図2図1の多重広帯域アンテナの側面図を示し、図3図1の多重広帯域アンテナの下部斜視図を示す。
【0017】
図1図3を参照すると、本実施形態による多重広帯域アンテナは、第1放射体110及び第1放射体110の上端に配置されて電気的に連結される第2放射体120を含む。
【0018】
ここで、第1放射体110は下端が狭く上端に行くほど次第に広くなる構造の円錐状を有するように具現される。コニカルアンテナ(Conical Antenna)として知られている円錐状の第1放射体110は、他の構造のアンテナに比べて相対的に小さい大きさと優秀な放射効率を有することによって小型化に有利である。特に円錐状を有する第1放射体110は、送受信しようとする周波数帯域で他のアンテナに比べて相対的に低い高さを有するため、高さ制約がある無線機器に適合する。また円錐状の第1放射体110は広帯域でインピーダンス整合されるため、広帯域の信号を送受信できるという長所がある。
【0019】
第1放射体110は、本実施形態によるアンテナが送受信しようとする信号の周波数帯域によって大きさが調節される。
【0020】
そして、第1放射体110は、図1図3に示した通り、第1基板150上に配置結合される。ここで、第1基板150は、一面又は他面に無線機器の多様な素子が配置されるメイン基板であるが、これに限定されない。本実施形態では、別途に特定しない場合、基板は第1基板を意味する。第1放射体110が第1基板150上に配置結合される場合、図2及び図3に示した通り、第1放射体110は、下端の尖部111が第1基板150を貫通して配置され、第1基板150を貫通した尖部の外周面にねじ山などが形成されてナットなどの結合手段144を利用して第1基板150に結合される。しかし、第1放射体110はその他にも多様な結合方式を利用して第1基板150に結合され得る。ここで、第1基板150の一面又は他面に接地面170が形成された場合、接地面170は第1放射体110に電気的に連結されないように離隔されなければならない。即ち、図3に示した通り、接地面170に第1放射体110から離隔された開放パターン171が形成される。
【0021】
第1放射体110が第1基板150上に配置される場合、第1放射体110は第1基板150に形成される給電線路112を通じて給電信号が印加される。ここで、給電線路112が形成された面の他面には、第1放射体110から離隔された接地面170の開放パターン171内に給電線路112と少なくとも一部の領域が重なるように延びる分岐線路172が形成される。
【0022】
ここで、分岐線路172は給電線路112と共にアンテナのインピーダンスマッチングのために形成される。分岐線路172は、給電線路112と同一に直線の形態で形成されてもよいが、図3に示した通り、一端の両側にスタブ(stub)が形成されてT字状パターンに分岐される形態で形成される。或いは、延びる分岐線路172の一側又は両側方向にスタブが形成されてもよい。即ち、分岐線路のパターンは多様に形成され得る。
【0023】
接地面170に電気的に連結される分岐線路172は、回路的にインダクタンス成分と解釈され、第1基板150の一面と他面とに形成される給電線路112と分岐線路172との間の空間はキャパシタンス成分と解釈される。従って、第1基板150を挟んで給電線路112と分岐線路172とが互いに重なった領域は並列インダクタ及びキャパシタマッチング回路と解釈され、分岐線路172で重なっていない領域に形成されるスタブは直列インダクタマッチング回路と解釈される。即ち、接地面170に電気的に連結される分岐線路172は直列及び並列インダクタ及びキャパシタ成分を発生させて広帯域インピーダンスマッチングを達成できるようにする。
【0024】
しかし、第1放射体110は同軸ケーブル(Coaxial Cable)のような別途の給電手段を通じて給電信号が印加されてもよい。
【0025】
一方、第2放射体120は、予め指定されたパターンで平板状に形成され、第1放射体110の上端に配置結合されて第1放射体110に電気的に連結される。第2放射体120が第1放射体110に電気的に連結されることによって、本実施形態のアンテナは第1放射体110のみを含む場合と比べて更に広帯域で信号を送受信することができる。
【0026】
ここで、第2放射体120は、図1に示した通り、第1プレート121と第2プレート122とに区分される。第1プレート121は、第1放射体110との結合のための領域であり、第1放射体上に位置して第1放射体に結合可能なパターンで形成される。そして、第2プレート122は第1プレート121と共に要求される周波数帯域の信号を送受信するためのパターンが形成される領域と見ることができる。第2プレート122は、第1プレート121から外郭方向に延びるパターンで形成され、図1では一例として第2プレート122が長方形のパターンを有するものとして図示したが、第2プレート122のパターンは多様に設定され得る。一例として、第2プレート122は第1プレート121から遠ざかるほど次第に広くなる平行四辺形の構造や扇形などの構造を有する。そして、第1プレート121の形状もまた多様に変形され得る。
【0027】
図1では、一例として第2放射体120の第1プレート121と第2プレート122とが一体に形成されたものとして図示したが、第1プレート121と第2プレート122とは別途に形成されて結合されるように構成されてもよい。そして、第1及び第2放射体110、120のそれぞれが多数の平板状導電体が結合されて構成されてもよい。
【0028】
また、第1放射体110及び第2放射体120は導電体で具現され、一体に結合された構造で具現されてもよいが、図1図3に示した通り、それぞれ具現されて結合されるように構成され得る。第1放射体110と第2放射体120とが個別的に具現されて結合される場合、第1放射体110の上部には第2放射体120との結合が容易であるように締結部113が形成される。ここでは、第1放射体110と第2放射体120とがボルト141とナット142を結合手段として利用して結合されるため、第1放射体110の上部に形成される締結部113が第1放射体110の上端の円形の形状から両側方向に延びる構造で形象したが、締結部113の形態は第1放射体110と第2放射体120とを結合する結合手段により多様に変更され得る。
【0029】
そして、第2放射体120は、図1図3に示した通り、第2基板160上に形成される。上述した通り、第2放射体120は、平板状の導電体で形成され、第1放射体110の上端に配置される。従って、第2放射体120の厚さが薄い場合、第1放射体110との結合時又はアンテナを無線機器に実装及び運用時などの様々な過程で曲がるなどの変形が発生し得る。従って、本実施形態では、第2放射体120を第2基板160上に形成することによって変形を防止する。即ち、第2基板160は第2放射体120を支持するための支持基板と見ることができる。また、第2放射体120が第2基板160上に形成されると、結合手段(141、142)により安定的且つ容易に第1放射体110と結合することができる。第2放射体120が第2基板160上に形成される場合、第1放射体110と第2放射体120とを結合する結合手段141により第1放射体110と第2放射体120とは電気的に連結される。
【0030】
一方、第1放射体110の上端に配置される第2放射体120において、第1放射体110の上端の形状に対応する領域のうちの一部又は全体が開放された開口部123が形成される。図1を参照すると、第2放射体120には第1放射体110の上端の円形に対応する領域の中の第2プレート122方向に円弧状の開口部123が形成されている。第2放射体120の開口部123は、第1放射体110及び第2放射体120を含む本実施形態のアンテナが更に広帯域でのインピーダンス整合がなされるようにするために形成される。ここでは、一例として第2放射体120に形成される開口部123が第1放射体110の上端に対応する一部の領域に形成されるものとして図示したが、開口部123は第1放射体110の上端に対応する全体領域に形成されてもよい。即ち、開口部123は第1放射体110の上端と同一の円形に形成され得る。また、開口部123が第1放射体110の上端に対応する一部の領域に形成される場合、開口部123が形成される位置と大きさ及び形状も多様に調節され得る。
【0031】
第2放射体120が第2基板160上に形成された場合、第2基板160にも第2放射体120の開口部123に対応する大きさ及び形状で開口部が形成される。
【0032】
そして、本実施形態によるアンテナは第2放射体120に接地電源を電気的に連結する導電性ポール130を更に含む。導電性ポール130は、図1図3に示した通り、円錐状の第1放射体110の中心に平行に第2放射体120の第2プレート122で第1放射体110から離隔されて配置される。ここで、導電性ポール130と第1放射体110との離隔距離はアンテナが送受信しようとする信号の周波数帯域により多様に調節され得る。即ち、第2放射体120の第2プレート122で導電性ポール130が結合される位置は可変され得る。
【0033】
一方、導電性ポール130は、一端が第2放射体120に直接結合され、ボルトなどの結合手段143を利用して第2放射体120に結合される。第2放射体120が第2基板160上に形成された場合、結合手段143は第2放射体120と導電性ポール130とを電気的に連結する手段として利用される。
【0034】
一方、導電性ポール130の他端は接地電源に連結される。第1基板150の他面に接地面170が形成された場合、導電性ポール130は第1基板150を貫通して接地面170に直接連結され、第2放射体120と同様に結合手段143を利用して接地電源に連結される。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態による多重広帯域アンテナの反射損失特性を示す図である。
【0036】
図4において、(a)は本実施形態によるアンテナで第1放射体110のみが配置された場合を示し、(b)は第1及び第2放射体(110、120)が配置された場合を示し、(c)は第1及び第2放射体(110、120)と共に導電性ポール130が配置された場合を示す。そして、(d)は(a)~(c)のそれぞれによる反射損失特性を示す。
【0037】
(d)を参照すると、(a)のように第1放射体110のみを含む場合、即ちコニカルアンテナのみで構成される場合、2.2~4.7GHz帯域で反射損失が-6dB以下として示される。しかし、(b)のように第2放射体110が追加されると、反射損失が-6dB以下である帯域が1.5~4.7GHzに大きく拡張されることが分かる。即ち、第2放射体110が追加されることにより、アンテナが更に広帯域で信号を送受信できるようになる。また(c)のように導電性ポール130が更に含まれると、1.5~4.6GHz帯域で反射損失が-6dB以下であって、第1及び第2放射体(110、120)を含む場合と略同一であるが、0.66~0.8GHzの低周波数帯域で追加的に反射損失が-6dB以下として示されることが分かる。即ち、第1及び第2放射体(110、120)及び導電性ポール130を含む本実施形態によるアンテナは多重広帯域特性を有する。
【0038】
本実施形態によるアンテナの多重広帯域特性による動作周波数帯域は、第1放射体110の大きさと第2放射体120の大きさ及びパターンにより可変され得る。
【0039】
結果として、本実施形態によるアンテナは、円錐状の構造を有して一端の尖部に給電信号が印加される第1放射体110と、予め指定されたパターンの平板構造を有して第1放射体の他端に結合される第2放射体120とを含んでいるため、広帯域で信号を送受信することができ、第2放射体120と接地電源とを連結する導電性ポール130を更に含んでいるため、多重広帯域で信号を送受信することができる。
【0040】
図5図7は、本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナを示す図である。図5は本実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナの斜視図を示し、図6は上面図を示し、図7は側面図を示す。
【0041】
本実施形態によるMIMOアンテナは図1図3に示した通り、それぞれ第1放射体110と第2放射体120及び導電性ポール130を含む多重広帯域アンテナを多数で具備して構成される。ここで、多数の多重広帯域アンテナは同一のアンテナを利用してもよいが、図5図7に示した通り、それぞれ異なる形態のアンテナを利用してもよい。従って、図5図7では一例としてMIMOアンテナがそれぞれ異なる形態の第1アンテナ210及び第2アンテナ220を含むものとして示した。
【0042】
図5図7を参照すると、本実施形態によるMIMOアンテナは基板230上に配置される第1アンテナ210及び第2アンテナ220を含み、第1アンテナ210及び第2アンテナ220のそれぞれは、上述した通り、円錐状の構造を有して一端の尖部に給電信号が印加される第1放射体110と、予め指定されたパターンの平板構造を有して第1放射体の他端に結合される第2放射体120とを含んでいるため、広帯域で信号を送受信することができ、第2放射体120と接地電源とを連結する導電性ポール130を含む。
【0043】
しかし、図6に示した通り、第1アンテナ210は第2アンテナ220に比べて第1放射体110の大きさがより大きい。従って、第2アンテナ220よりも高さが更に高く具現される。これに伴い、第1アンテナ210と第2アンテナ220とで第1放射体110の上端に配置される第2放射体120と接地面170とを連結する導電性ポール130の長さがそれぞれ異なる。また、第1アンテナ210の平板状の第2放射体120の面積が第2アンテナ220の第2放射体120の面積に比べて非常に大きく形成され、第1アンテナ210及び第2アンテナ220の第2放射体120のパターンもそれぞれ異なるように具現されている。
【0044】
また、第2アンテナ220では、第2放射体120の第1プレート121と第2プレート122とが個別的に具現されて結合されるものとして図示したが、第2放射体120の第1プレート121及び第2プレート122も、第1アンテナ210では、第2放射体120の第1プレート121及び第2プレート122と同様に一体に形成され得る。
【0045】
また、第1アンテナ210の第2放射体120には第1放射体110の上端面に対応する領域全体が開放されるように開口部123を形成したのに対して、第2アンテナ220の第2放射体120には第1放射体110の上端面に対応する領域のうちの一部が開放されるように開口部123を形成した。即ち、第1及び第2アンテナ(210、220)の第2放射体120に形成される開口部123の形状も送受信しようとする信号の周波数帯域によりそれぞれ異なるように形成され得る。
【0046】
このように、第1アンテナ210と第2アンテナ220とがそれぞれ異なる形態で具現される場合、MIMOアンテナは、第1アンテナ210及び第2アンテナ220がそれぞれ異なる周波数帯域の信号を互いに補完的に送受信できるようにして超広帯域の信号を送受信できるようにする。
【0047】
特に、本実施形態によるMIMOアンテナで、第1アンテナ210と第2アンテナ220とは導電性ポール130が互いに対向する方向に配置される。即ち、第1アンテナ210と第2アンテナ220とで第2放射体120の第1プレート121から第2プレート122が拡張される方向が互いに対向するように配置される。
【0048】
一例として、第1アンテナ210と第2アンテナ220とが基板230上で基板の互いに対角線方向に配置される場合、第1アンテナ210と第2アンテナ220とは導電性ポール130が基板230の中心に向かうように配置されるか、又は図5図7に示した通り、横又は縦軸方向に互いに対向するように配置される。しかし、第1アンテナ210と第2アンテナ220とは基板230の両側で導電性ポール130が互いに対向するように配置されてもよい。
【0049】
MIMOアンテナで、第1アンテナ210及び第2アンテナ220がそれぞれ2個ずつ備えられる場合、2個の第1アンテナ210及び2個の第2アンテナ220のそれぞれが基板230の対角線方向に互いに交差するように配置される。一例として、基板230を4分割し、2個の第1アンテナ210は基板230の第2象限と第4象限とに配置され、2個の第2アンテナ220は基板230の第1象限と第3象限とに配置される。そして、第1アンテナ210及び第2アンテナ220がそれぞれ2個ずつ備えられる場合にも第1アンテナ210及び第2アンテナ220の導電性ポール130が横又は縦軸方向に互いに対向するように配置される。
【0050】
図8は、本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナの反射損失特性を示す図である。
【0051】
図8で、(a)は第1アンテナ210で第2放射体120及び導電性ポール130を具備しているか否かによる反射損失特性を示し、(b)は第2アンテナ220で第2放射体120及び導電性ポール130を具備しているか否かによる反射損失特性を示す。
【0052】
図8の(a)を詳察すると、第1アンテナ210は699~800MHzの低周波数帯域(LB)と1600~2700MHzの中間周波数帯域(MB)及び3200~5000MHzの高周波数帯域(HB)で動作する。一方、(b)を詳察すると、第2アンテナ220は1448~2700MHzの中間周波数帯域(MB)及び3200~5000MHzの高周波数帯域(HB)で動作する。即ち、第1アンテナ210によってMIMOアンテナは低周波数帯域(LB)でも動作することができ、第2アンテナ220によって動作する中間周波数帯域(MB)が拡張される。
【0053】
図9は、本発明の他の実施形態による多重広帯域アンテナを利用したMIMOアンテナの放射パターンを示す図である。
【0054】
図9参照すると、本実施形態の多重広帯域アンテナを利用するMIMOアンテナは、第1及び第2アンテナ(210、220)が配置される基板230の垂直方向の上半球に放射パターンが形成される。
【0055】
図10及び図11は、本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナを示す図である。
【0056】
図10及び図11を参照すると、本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナは、図1図3に示した多重広帯域アンテナと同様に円錐状の第1放射体310と第1放射体310の上部に配置される第2放射体320とを含む。
【0057】
但し、図10及び図11に示した多重広帯域アンテナで、第2放射体320は図1図3に示した多重広帯域アンテナの第2放射体120とは異なり、第1放射体310の上部に電気的に連結されずに離隔されて配置される。第2放射体320は、導電性ポール330の一端に結合されて導電性ポール330により支持されることによって、第1放射体310に直接的に接触せずに第1放射体310の上部に離隔されて配置される。そして、導電性ポール330の他端は接地電源に連結される。即ち、導電性ポール330は、第2放射体320に接地電源を電気的に連結すると共に、第2放射体320を支持する支持台としての機能を遂行する。導電性ポール330と第2放射体320とはボルトのような結合手段343を利用して結合されるが、直接結合されてもよい。
【0058】
一方、図1図3の第2放射体120は、第1放射体110との結合のための第1プレート121と、第1プレート121と共に要求される周波数帯域の信号を送受信するためのパターンが形成される第2プレート122とを含む一方、図10及び図11に示した第2放射体320は、第1放射体310に結合されないため、一つのプレートで構成される。図10及び図11では、第2放射体320が半円形のパターンで形成されるものとして図示したが、第2放射体320は多様なパターンで形成され得る。但し、第1放射体310の上部の一部の領域に重なるように形成される。第1放射体310の上部の一部の領域に重なるように形成される第2放射体320は、第1放射体310とカップリングされて広帯域でインピーダンス整合がなされるようにする。
【0059】
ここで、第2放射体320は第1放射体310の上部に円形で半分以下に重なるパターンで形成される。また、第2放射体320のプレートにはアンテナが更に広帯域でのインピーダンス整合がなされるようにするための開口部323が形成される。ここで、開口部323は図10及び図11に示した通り、円形の第1放射体310の上部の一部の領域に重なるパターンで形成される。
【0060】
これ以外の残りの構成は図1図3と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0061】
図12は、本発明の更に他の実施形態による多重広帯域アンテナの反射損失特性を示す図である。
【0062】
図12において、(a)は第2放射体320が第1放射体310に重ならないように配置された場合を示し、(b)は図10及び図11に示した通り、第2放射体320が第1放射体310の上部の一部の領域に重なるように配置された場合を示す。図12を詳察すると、(a)に比べて(b)が1.116~1.77GHzの低周波帯域でインピーダンス整合範囲が大きく拡大したことが分かる。即ち、広帯域インピーダンス整合特性を有することになる。
【0063】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが理解できるであろう。従って、本発明の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められる。
【符号の説明】
【0064】
110、310 第1放射体
111 尖部
112 給電線路
113 締結部
120、320 第2放射体
121、122 第1、第2プレート
123、323 開口部
130、330 導電性ポール
141、143、343 結合手段(ボルト)
142、144 結合手段(ナット)
150、160 第1、第2基板
170 接地面
171 開放パターン
172 分岐線路
210、220 第1、第2アンテナ
230 基板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】