(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】車両内のオーディオコンテンツを親が監視するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/442 20110101AFI20230406BHJP
H04N 21/462 20110101ALI20230406BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230406BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H04N21/442
H04N21/462
H04R3/00 310
H04S7/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546391
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2021018794
(87)【国際公開番号】W WO2021168260
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512168283
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィントン, ライリー
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィグ, クリス
【テーマコード(参考)】
5C164
5D162
5D220
【Fターム(参考)】
5C164FA16
5C164MA07S
5C164UB41P
5C164UB71S
5C164UC21P
5C164UD41S
5C164YA11
5C164YA21
5D162AA13
5D162CB07
5D162CC04
5D162CC05
5D162DA17
5D162DA41
5D162EG02
5D220AA31
5D220DD03
(57)【要約】
少なくとも1つの実施形態では、車両で再生されるオーディオコンテンツを監視するための装置および方法が提供される。本装置は、メモリおよびメディアコントローラを含む。メディアコントローラは、メモリを含み、第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、を行うようにプログラムされている。メディアコントローラは、第1のゾーンの座席エリアに第2のメディアコンテンツを送出するように、1人以上の第1の車両乗員から指示を受領することと、指示に基づいて、第1のゾーンの座席エリアにいる1人以上の第1の車両乗員による監視のために第2のメディアコンテンツを送出することと、を行うようにさらにプログラムされている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で再生されるオーディオコンテンツを監視するための装置であって、
メモリと、
前記メモリを含み、
第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、
第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するように、前記1人以上の第1の車両乗員から指示を受領することと、
前記指示に基づいて、前記第1のゾーンの座席エリアにいる前記1人以上の第1の車両乗員による監視のために前記第2のメディアコンテンツを送出することと、
を行うようにプログラムされたメディアコントローラと、
を備える、前記装置。
【請求項2】
前記第1のメディアコンテンツおよび前記第2のメディアコンテンツのそれぞれが、オーディオコンテンツまたはビデオコンテンツの少なくとも1つに対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記メディアコントローラは、前記第2のゾーンの座席エリアの1つ以上の座席に配置されたサブメディア用コントローラを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記メディアコントローラは、前記指示をユーザインターフェースから受領するようにプログラムされている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースは、前記1人以上の第1の車両乗員が、前記第2のゾーンの座席エリアにある1つ以上のスピーカに音声コマンドを送出することを可能にするスイッチを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するために、前記指示を前記メディアコントローラへ送出するスイッチを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、前記メディアコントローラが、前記第1のゾーンの座席エリアで前記第1のメディアコンテンツを再生している間に、前記第1のゾーンの座席エリアの前記1人以上の第1の車両乗員が、前記第2のゾーンの座席エリアにおける前記第2のメディアコンテンツの音量制限を制御することを可能にするスイッチを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
車両で再生されるオーディオコンテンツを監視するためにプログラムされた、非一時的コンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品であって、
第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、
第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するように、前記1人以上の第1の車両乗員から指示をメディアコントローラで受領することと、
前記指示に基づいて、前記第1のゾーンの座席エリアにいる前記1人以上の第1の車両乗員による監視のために前記第2のメディアコンテンツを送出することと、
を行うための命令を含む、前記コンピュータプログラム製品。
【請求項9】
前記第1のメディアコンテンツおよび前記第2のメディアコンテンツのそれぞれが、オーディオコンテンツまたはビデオコンテンツの少なくとも1つに対応する、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記指示をユーザインターフェースから受領するための命令をさらに含む、請求項8に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記1人以上の第1の車両乗員が、前記ユーザインターフェースを介して、前記第2のゾーンの座席エリアにある1つ以上のスピーカに音声コマンドを送出することを可能にするための命令をさらに含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するために、前記ユーザインターフェースを介して、前記指示を前記メディアコントローラへ送出するための命令をさらに含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するために、前記ユーザインターフェースを介して、前記指示を前記メディアコントローラへ送出するための命令をさらに含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記メディアコントローラが、前記第1のゾーンの座席エリアで前記第1のメディアコンテンツを再生している間に、前記第1のゾーンの座席エリアの前記1人以上の第1の車両乗員が、前記ユーザインターフェースを介して、前記第2のゾーンの座席エリアにおける前記第2のメディアコンテンツの音量制限を制御することを可能にすることをさらに含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
車両で再生されるオーディオコンテンツの監視を提供するための方法であって、
第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、
第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するように、前記1人以上の第1の車両乗員から指示をメディアコントローラで受領することと、
前記指示に基づいて、前記第1のゾーンの座席エリアにいる前記1人以上の第1の車両乗員による監視のために前記第2のメディアコンテンツを送出することと、
を含む、前記方法。
【請求項16】
前記第1のメディアコンテンツおよび前記第2のメディアコンテンツのそれぞれが、オーディオコンテンツまたはビデオコンテンツの少なくとも1つに対応する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記指示をユーザインターフェースから受領することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記1人以上の第1の車両乗員が、ユーザインターフェースを介して、前記第2のゾーンの座席エリアにある1つ以上のスピーカに音声コマンドを送出することを可能にすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のゾーンの座席エリアに前記第2のメディアコンテンツを送出するために、ユーザインターフェースを介して、前記指示を前記メディアコントローラへ送出するための命令をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記メディアコントローラが、前記第1のゾーンの座席エリアで前記第1のメディアコンテンツを再生している間に、前記第1のゾーンの座席エリアの前記1人以上の第1の車両乗員が、ユーザインターフェースを介して、前記第2のゾーンの座席エリアにおける前記第2のメディアコンテンツの音量制限を制御することを可能にすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月21日に出願された米国仮出願第62/979,838号の利益を主張するものであり、この米国仮出願の開示全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本明細書に開示される態様は、一般に、車両内のオーディオコンテンツを監視するための装置および方法に関する。本明細書では、これらの態様および他の態様について、より詳細に説明する。
【背景技術】
【0003】
サウンドゾーンのシナリオでは、複数のユーザが、それぞれ対応するゾーンで自分のタイプのオーディオを聴くことができる。この場合は、他のゾーンまたは隣接するゾーンからの競合するオーディオが低減されまたは排除され得る。自動車空間に複数のサウンドゾーンがあるシナリオの一般的な一使用例は、親が車の前列に座って音楽を聴き、1人以上の子供が車の後列にいて映画を見ているというものである。この使用例でよくある問題は、ペアレンタルコントロールに関するものである。多くの場合、親は、自分の子供、特にティーンエイジャーが消費しているメディアを監視することを所望し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、車両で再生されるオーディオコンテンツを監視するための装置および方法が提供される。本装置は、メモリおよびメディアコントローラを含む。メディアコントローラは、メモリを含み、第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、を行うようにプログラムされている。メディアコントローラは、第1のゾーンの座席エリアに第2のメディアコンテンツを送出するように、1人以上の第1の車両乗員から指示を受領することと、指示に基づいて、第1のゾーンの座席エリアにいる1人以上の第1の車両乗員による監視のために第2のメディアコンテンツを送出することと、を行うようにさらにプログラムされている。
【0005】
少なくとも別の実施形態では、車両で再生されるオーディオコンテンツを監視するためにプログラムされた、非一時的コンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品が提供される。本コンピュータプログラム製品は、第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、を行うための命令を含む。本コンピュータプログラム製品は、第1のゾーンの座席エリアに第2のメディアコンテンツを送出するように、1人以上の第1の車両乗員から指示をメディアコントローラで受領することと、指示に基づいて、第1のゾーンの座席エリアにいる1人以上の第1の車両乗員による監視のために第2のメディアコンテンツを送出することと、をさらに含む。
【0006】
少なくとも別の実施形態では、車両で再生されるオーディオコンテンツの監視を提供するための方法が提供される。本方法は、第1のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第1の車両乗員によって望まれる第1のメディアコンテンツを送出することと、第2のゾーンの座席エリアに位置する1人以上の第2の車両乗員によって望まれる第2のメディアコンテンツを送出することと、を含む。本方法は、第1のゾーンの座席エリアに第2のメディアコンテンツを送出するように、1人以上の第1の車両乗員から指示をメディアコントローラで受領することと、指示に基づいて、第1のゾーンの座席エリアにいる1人以上の第1の車両乗員による監視のために第2のメディアコンテンツを送出することと、をさらに含む。
【0007】
本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘される。また一方、様々な実施形態の他の特徴が、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より明らかとなり、最もよく理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、車両内のオーディオに対する親による管理および監視を提供するためのシステムを示す。
【
図2】一実施形態による、ユーザ(すなわち、または親)が、車両の前部ゾーンにいながら、車両の後部ゾーンで再生されているオーディオを監視する対応する選択肢を選択できるようにするメディアコントローラ上の表示部の一例を示す。
【
図3】一実施形態による、車両内のオーディオに対する親による管理および監視を提供するための方法を示す。
【
図4】一実施形態による、ビデオおよび/またはオーディオに対する親による管理および監視を提供するための別の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示された実施形態は、様々な形態および代替の形態で具体化することができる本発明の単なる例示であると理解すべきである。図は必ずしも縮尺通りではなく、一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化される場合がある。したがって、本明細書に開示された具体的な構造詳細および機能詳細は、限定するものと解釈すべきではなく、単に、本発明が様々に用いられることを当業者に教示するための代表的な基礎であると解釈すべきである。
【0010】
本明細書に開示された少なくとも1つのコントローラは、本明細書に開示された動作(複数可)を実行するために互いに協働する、様々なマイクロプロセッサ、集積回路、メモリデバイス(例えば、FLASH(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、またはそれらの他の好適な変形)、及びソフトウェアを含み得ることが認識される。さらに、本明細書に開示される少なくとも1つのコントローラは、開示された任意の数の機能を実行するようにプログラムされた非一時的コンピュータ可読媒体に具体化されるコンピュータプログラムを実行するために1つ以上のマイクロプロセッサを利用する。さらに、本明細書で提供されるコントローラ(複数可)は、ハウジング、ならびにハウジング内に配置された様々な数のマイクロプロセッサ、集積回路、およびメモリデバイス(例えば、FLASH(登録商標)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM))を含む。開示されたコントローラ(複数可)はまた、本明細書で論じられるように、他のハードウェアベースのデバイスとの間でデータを受領および送出するためのハードウェアベースの入力および出力をそれぞれ含む。
【0011】
サウンドゾーンのシナリオでは、複数のユーザが、それぞれ対応するゾーンで自分のタイプのオーディオを聴くことができる。この場合は、他のゾーンまたは隣接するゾーンからの競合するオーディオが低減されまたは排除され得る。自動車空間に複数のサウンドゾーンがあるシナリオの一般的な一使用例は、親が車の前列に座って音楽を聴き、1人以上の子供が車の後列にいて映画を見ているというものである。この使用例でよくある問題は、ペアレンタルコントロールに関するものである。多くの場合、親は、自分の子供、特にティーンエイジャーが消費しているメディアを監視することを所望し得る。
【0012】
本明細書に記載された実施形態は、車両の前部ゾーン(例えば、計器パネル、前部運転席、及び/または助手席)に配置されたヒューマンマシンインターフェース(HMI)を提供するユーザインターフェースを提供し得るが、これに限定されない。ユーザインターフェースは、車両の後部ゾーンで再生されるオーディオコンテンツを一時的に前部ゾーンへ自動転送するために押すことができるタッチスクリーンボタン(またはタッチスクリーンスイッチ)、物理ボタン、または他の適切なタイプの人間が入力するデバイスを含み得る。この態様により、前列の乗員(例えば、親)が、前列のコンテンツを中断することなく、後列のメディアコンテンツを迅速かつシームレスに監視することが可能になり得る。さらに、HMIに対するペアレンタルコントロールは、親が子どもにアクセスさせたくない、または聴かせたくない特定のソースを制限することができる。例えば、Netflix(登録商標)、Spotify(登録商標)、Youtube(登録商標)、その他のストリーミングサービス、または所与のレーティング(例:PG-13)を超える映画などである。以下では、これらの態様および他の態様について、より詳細に説明する。
【0013】
図1は、一実施形態による、車両102内のオーディオに対する親による管理および監視を提供するためのシステム100を示す。車両100は、車両102のリスニング環境106(またはリスニングルーム)内でオーディオを再生するように構成された車両オーディオシステム104を含む。車両100は、一般に、第1のゾーンの座席エリア110、第2のゾーンの座席エリア112、および第3のゾーンの座席エリア114を含む。車両100内に配置されたゾーン座席エリアの数は、特定の実施態様の所望の基準に基づいて変化し得ることが認識される。
【0014】
第1のゾーンの座席エリア110は、それぞれ第1の座席および第2の座席120aおよび120bを含み得る。第1の座席120aは運転席に対応し得、第2の座席120bは助手席に対応し得る。第2のゾーンの座席エリア112は、第1の座席および第2の座席122aおよび122bを含み得る。第1の座席122aは、左側の後部客席に対応することができ、第2の座席122bは、右側の後部客席に対応することができる。同様に、第3のゾーンの座席エリア114は、第1の座席および第2の座席124aおよび124bを含み得る。第1の座席124aは、左側の後部客席に対応することができ、第2の座席124bは、右側の後部客席に対応することができる。第3のゾーンの座席エリア112の第1の座席および第2の座席124aおよび124bは、第1の座席および第2の座席124aおよび124bを互いに結合する一体型のベンチ125を形成してもよい。
図1に示される様々なゾーン110、112、114は、少なくとも2つの座席を含む車両列と一致しているが、そのようなゾーン110、112、114は、単一の座席と一致するように構成される場合があることが認識されており、本開示に関連する態様を適用するために、ゾーンが完全な列構成を有するよう限定されることは意図されていない。
【0015】
車両100はまた、計器パネル130と、計器パネル130上に配置されたメディアコントローラ(またはメディアコントローラ)132とを含む。メディアコントローラ132によって処理されたオーディオを再生するために、様々なスピーカ134が車両102の周りに配置され得る。座席120a、120b、122a、122bに配置された様々なヘッドレスト126は、対応する座席120a、120b、122a、および122bに対して後方に位置する車両乗員に対してオーディオを再生するためのヘッドレストスピーカであるスピーカ134を含み得ることが認識される。様々な表示部(図示せず)をヘッドレスト126に配置して、第2のゾーンおよび第3のゾーンの座席エリア112または114の車両乗員に所望のビデオコンテンツを提供することもできる。ヘッドレストスピーカ134の実装は任意選択であってよい。ヘッドレスト126のいずれか1つ以上は、座席122a、122b、124a、および124bのいずれか1つ以上についた乗客のためのオーディオデータを処理するサブメディアコントローラ(またはサブメディア用コントローラ)136を含むことができるとも認識されている。車両100内の様々な乗員は、モバイルデバイス123が、メディアコントローラ132及び/またはサブメディアコントローラ136にオーディオデータを提供して、車両100内の特定のスピーカ134を介してオーディオデータを再生するように、無線通信プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)または他の適切なプロトコル)を介して、対応するモバイルデバイス123をペアリングすることができる。
【0016】
一般的に言えば、第1のゾーンの座席エリア110に位置する乗員は、第2のゾーンの座席エリア112および第3のゾーンの座席エリア114のうちの1つ以上で再生されるオーディオとは異なるオーディオデータを再生することができる。同様に、座席122a、122b、124a、及び124bに座る乗員は、乗員らの前に位置する対応する座席が、対応するサブメディアコントローラを含むと仮定して、互いに異なるオーディオを聴くことができる。この態様の、1つの限定されないシナリオは、親が第1のゾーンの座席エリア110に位置し、子供が第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114に位置していることを含み得る。本明細書に開示される実施形態は、一般に、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114の少なくとも1つで再生されているオーディオおよび/またはビデオを聴取および/または視聴したいと思う第1のゾーンの座席エリア110に位置する任意のユーザに適用し得ることが認識される。
【0017】
時には、第1のゾーンの座席エリア110に座っている親が、それぞれの座席120a、120b、122a、122b、124a、124bに関連付けられた(または第2のゾーンの座席エリア112内および第3のゾーンの座席エリア114内の)サブメディア用コントローラ136のいずれか1つ以上によって再生されているオーディオコンテンツを監視したいと望む場合がある。メディアコントローラ132は、一般に、親(または他のユーザ(例えば、親に限定されない))のうちの1人以上が、メディアコントローラ132を制御して、第1のゾーンの座席エリア110内のスピーカ134を介して、様々な座席120a、120b、122a、122b、124a、および/または124bに配置されたサブメディア用コントローラ136のいずれか1つ以上によって再生されているオーディオを、監視のため迂回させることを可能にするユーザインターフェース150(例えば、ヒューマンインターフェースマシン(HMI))を含む。メディアコントローラ132は、スピーカ134が、親による監視のために、再生されているオーディオデータ(例えば、子供のオーディオ)を第1のゾーンの座席エリア110で再生するように、親向けに先に再生されているオーディオを減衰させてもよい。別の例では、メディアコントローラ132は、親による監視のために、メディアコントローラ132が、再生されているオーディオデータ(例えば、子供のオーディオ)を第1のゾーンの座席エリア110で再生できるように、親向けに先に再生されているオーディオを単にミュートしてもよい。また、メディアコントローラ132が、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114に配置された単一のサブメディア用コントローラ136を制御して、再生されているそのオーディオを迂回させることができ、メディアコントローラ132が、親による監視のために、そのようなオーディオを第1のゾーンの座席エリア110で再生できるようにすることが認識される。したがって、2人の子供が、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114のいずれかにおり、この子供達が互いに異なるオーディオを再生している場合には、特に有用であり得る。
【0018】
図2は、一実施形態による、ユーザ(すなわち、または親)が、車両100の前部ゾーン(例えば、第1のゾーンの座席エリア110)にいながら、車両100の後部ゾーン(例えば、第2のゾーンの座席エリア112および第3のゾーンの座席エリア114)で再生されているオーディオを監視するための対応する選択肢を選択できるようにするメディアコントローラ132上の表示部200の一例を示す。表示部200はまた、モバイルデバイス123上に配置されてもよく(またはモバイルデバイス123の一部として実装されてもよく)、無線プロトコルを介してメディアコントローラ132に指示をワイヤレスで送出し得ることも認識される。表示部200は、インターコム選択フィールド202(例えば、第1のスイッチ)、聴取選択フィールド204(例えば、第2のスイッチ)、および後部調整フィールド206(例えば、スライダバーまたは第3のスイッチ)を含む。インターコム選択フィールド202は、選択されると、親(または他のユーザ)がマイク(図示せず)に向かい話しかけて、1人以上のユーザからのオーディオを第2のゾーンの座席エリア112および/または第3のゾーンの座席エリア114のスピーカ134へ伝送することを可能にする。聴取選択フィールド204は、第1のゾーンの座席エリア110のユーザによって選択されるとき、第2のゾーンの座席エリア112および/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているオーディオデータを第1のゾーンの座席エリア110に配置されたメディアコントローラ132に転送して、ユーザ(例えば、親)が、第2のゾーンの座席エリアおよび第3のゾーンの座席エリア112および114の1つ以上で他のユーザ(例えば、子供)向けに再生されているオーディオを監視できるようにし得る。この機能の一例は、大人でいっぱいの車に関係するものであり、車の後列に座っている大人が、こらえ切れずに笑い始めることであり得る。この場合、第1のゾーンの座席エリア110に着席している大人は、聴取選択フィールド204を選択して、車両の後列で「何がそんなにおかしいのかを知る」または「何について騒ぎ立てているのかを知る」ことができる。
【0019】
一例では、後部調整フィールド206は、選択されると、親(または第1のゾーンの座席エリア110に位置する他のユーザ)が、関心のある特定の座席(例えば、120a、120b、122a、122b、124a、124b)に対応するようにフィールドを移動させ、所与のゾーンの座席エリア112または114のその関心のある特定の座席のためのオーディオがメディアコントローラ132で再生されるようにすることを可能にし得る。別の例では、後部調整フィールド206は、第1のゾーンの座席エリア110のメディアコントローラ132で再生されている音量と比較して、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114から再生されるオーディオに起因する音量の量に対応することができる。後部調整フィールド206は、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているオーディオの音量を制限する音量制限スイッチ208を含む。
【0020】
図3は、一実施形態による、車両100内のオーディオに対する監視を提供するための方法300を示す。
【0021】
動作302において、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110に位置するユーザ(例えば、親)のためのオーディオを再生し、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114に配置された1つ以上のサブメディア用コントローラ136は、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114に位置する1人または乗客(例えば、子供、ティーンなど)のためのオーディオを再生する。サブメディア用コントローラ(複数可)136は、メディアコントローラ132と統合されてもよいことが認識される。代替的または追加的に、サブメディア用コントローラ(複数可)136は、メディアコントローラ132とは別に第2のゾーンの座席エリア112および第3のゾーンの座席エリア114に配置されるスタンドアロンのコントローラとして形成されてもよい。
【0022】
動作304において、メディアコントローラ132は、車両乗員(例えば、運転手または1列目の乗客のいずれか)が、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114に位置するユーザ(例えば、子供またはティーン)によって再生されているオーディオを監視するために、聴取選択フィールド204を選択したかどうかを判定する。聴取選択フィールド204が選択されていない場合、本方法は動作306に移る。聴取選択フィールド204が選択された場合、方法300は動作308に移る。
【0023】
動作306において、方法300は、動作304に戻る。
【0024】
動作308において、メディアコントローラ132は、再生されているオーディオ(例えば、車両104の乗員(例えば、親)の楽しみのために第1のゾーンの座席エリア110で再生されることが望まれるオーディオ)の音量を減衰させる。別の例では、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110のユーザ(例えば、親)の楽しみのために再生されているオーディオを単にミュートしてもよい。
【0025】
動作310において、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110に位置するユーザ(例えば、親)による監視のために、ユーザ(例えば、子供(またはティーン))向けに第2のゾーンの座席エリアまたは第3のゾーンの座席エリア112または114で再生されているオーディオを、第1のゾーンの座席エリア110のスピーカ134を介して再生するように迂回させる。
【0026】
動作312において、メディアコントローラ132は、聴取選択フィールド204が、第1のゾーンの座席エリア110に位置する車両乗員(または親)によって引き続き選択されているか(またはオンにされているか)どうかを判定する。この条件が真である場合、方法300は、動作310に戻る。そうでない場合、方法300は、動作314に移る。
【0027】
動作314において、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110のオーディオのオーディオ再生を元に戻して、乗員(例えば、親)の楽しみのためにオーディオを再生する。例えば、そのようなオーディオが、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114からオーディオが再生されるようにするために、ミュートされていた場合には、ユーザ(例えば、親)が楽しむために再生することが望まれるオーディオが元に戻されることになる。
【0028】
動作316において、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110でのオーディオ再生の音量を、聴取選択フィールド204が選択されるよりも前の、そのようなオーディオの以前の音量に戻す。
【0029】
方法300は、動作316が実行された後、動作304に戻る。
【0030】
開示されたシステム100及び方法300の追加の実施形態は、親がオーディオコンテンツを第2のゾーンの座席エリア112及び第3のゾーンの座席エリア114に位置する子供にとって聞くのに不適切であるとみなす場合に、第1のゾーンの座席エリア110のユーザ(例えば、親)が、第2のゾーンの座席エリア及び/または第3のゾーンの座席エリア112または114で再生されているオーディオを無効にすることを可能にする選択肢をメディアコントローラ132に提供することを含むことができる。
【0031】
同様に、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114に配置された(例えば、ヘッドレスト134に配置された)表示部を介して再生されているビデオ/画像もまた、メディアコントローラ132上の表示部200に迂回させることができることが認識される。この場合、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114の1人以上の乗客の所有物である対応するモバイルデバイス123(例えば、携帯電話、タブレット、ラップトップなど)が、(例えば、BLUETOOTH(登録商標)または他の適切な代替プロトコルを介して)様々なサブメディア用コントローラ136に動作可能に結合されていると仮定して、メディアコントローラ132が、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているビデオをメディアコントローラ132の表示部200へ迂回させるようサブメディア用コントローラ136を制御してもよい。この場合、第1のゾーンの座席エリア110に着席しているユーザ(例えば、親)は、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114のユーザ(例えば、子供)によって再生されているビデオを監視することができる。同様に、ユーザ(例えば、親)が、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114にいるユーザ(例えば、子供)にとって、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているビデオが不適切であると気付いた場合には、第1のゾーンの座席エリア110のユーザ(例えば、親)は、そのようなビデオを、メディアコントローラ132上の選択を介して無効にすることができる。
【0032】
上記のオーディオの例、およびサブメディア用コントローラ136からメディアコントローラ132へのオーディオの迂回と同様に、メディアコントローラ132は、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114に配置された単一のサブメディア用コントローラ136を制御して、再生されているそのビデオおよびオーディオを迂回させることができ、メディアコントローラ132が、ユーザ(例えば、親)による監視のために、そのようなビデオおよびオーディオを第1のゾーンの座席エリア110で再生できるようにする。したがって、2人のユーザ(例えば、子供)が、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114のいずれかにおり、これらのユーザが互いに異なるビデオ/オーディオを再生している場合には、特に有用であり得る。サブメディア用コントローラ132は、MOST(Media Orientated Systems Transport)または他の適切なマルチメディア通信プロトコルなどのマルチメディア通信プロトコルを介して、第2のゾーンの座席エリア112および/または第3のゾーンの座席エリア114からオーディオ/ビデオデータを迂回させることができる。
【0033】
図4は、別の実施形態による、車両100内のビデオおよびオーディオに対する監視のための方法400を示す。
【0034】
動作402において、メディアコントローラ132は、表示部200を介して指示を受領して、第1のゾーンの座席エリア110に位置する親(または他のユーザ)が、第2のゾーンの座席エリア112および第3のゾーンの座席エリア114に位置するモバイルデバイス124で再生されているビデオ/オーディオデータを伝送できるようにする。例えば、ユーザが、第1のゾーンの座席エリア110に位置し、ビデオ及び/またはオーディオ(例えば、第1のメディアコンテンツ)を聴いている間に、このユーザが、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているビデオ及び/またはオーディオ(例えば、第2のメディアコンテンツ)を見ること、及び/または聴くことを望む場合、聴取選択フィールド204を選択することができる。ユーザは、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているメディアのビデオ及びオーディオ、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているメディアのオーディオのみ、および/または第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114で再生されているメディアのビデオのみ、を選択するという選択肢を有することができることが認識される。その後の方の選択肢であれば、ユーザは、ビデオと共に再生される任意のビデオが、第1のゾーンの座席エリア110に位置するユーザ(複数可)によって再生され(かつ望まれ)ている実際のオーディオデータを妨げないように、再生されているビデオを見るだけにすることを決定することができる。
【0035】
動作404において、メディアコントローラ132は、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114から表示部200へ、ビデオ/オーディオデータまたはビデオのみのデータを迂回させる。上記のように、一例では、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114に位置するモバイルデバイス(複数可)123は、ブルートゥース(登録商標)などの無線プロトコルまたは他の適切なプロトコルを介して、メディアコントローラ132に無線結合され得る。この場合、メディアコントローラ132は、無線プロトコルを介してモバイルデバイス(複数可)123から受領されているビデオを表示することができる。別の例では、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114に配置されたサブメディア用コントローラ132が、MOST通信バスまたは他の適切なマルチメディア通信バスを介してメディアコントローラ136にビデオ/オーディオまたはビデオのみを伝送することができる。
【0036】
動作406において、メディアコントローラ132は、聴取フィールド204がユーザによってアクティブに入れられたままであるかどうかを判定する。メディアコントローラ132は、聴取選択フィールド204が、第1のゾーンの座席エリア110に位置する車両乗員(または親)によって引き続き選択されているか(またはオンにされているか)どうかを判定する。この条件が真である場合、方法400は、動作404に戻る。そうでない場合、方法400は、動作408に移る。
【0037】
動作408において、メディアコントローラ132は、第1のゾーンの座席エリア110のオーディオのオーディオ再生を元に戻して、乗員(例えば、親)の楽しみのためにオーディオを再生する。例えば、そのようなオーディオが、第2のゾーンの座席エリア112または第3のゾーンの座席エリア114からビデオ/オーディオが再生されるようにするために、ミュートされていた場合には、親が楽しむために再生することが望まれるオーディオが元に戻されることになる。
【0038】
全体を通して述べられているように、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114におけるオーディオ及び/またはビデオの消費を監視するために、第1のゾーンの座席エリア110のユーザ(複数可)は、例えば、親に対応してもよく、第2のゾーンの座席エリア112及び/または第3のゾーンの座席エリア114のユーザ(複数可)は、例えば、子供(複数可)に対応してもよい。
【0039】
上記では例示的な実施形態を説明したが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を説明することを意図していない。むしろ、本明細書で用いられた単語は限定ではなく説明のための単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更が成され得ることが理解される。さらに、様々な実装する実施形態の特徴は組み合わされて本発明のさらなる実施形態を形成し得る。
【国際調査報告】