(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】エラストマー材料の混合装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/20 20060101AFI20230406BHJP
B29B 7/28 20060101ALI20230406BHJP
B01F 27/722 20220101ALI20230406BHJP
【FI】
B29B7/20
B29B7/28
B01F27/722
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547898
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 IB2021051372
(87)【国際公開番号】W WO2021165870
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】102020000003461
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522312045
【氏名又は名称】ポミニ ラバー アンド プラスチック エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】POMINI RUBBER & PLASTICS S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト レガリア
【テーマコード(参考)】
4F201
4G078
【Fターム(参考)】
4F201AA45
4F201AJ08
4F201AR09
4F201AR11
4F201BA01
4F201BC01
4F201BC02
4F201BK01
4F201BK14
4F201BK23
4F201BK26
4F201BK54
4F201BK74
4G078AA03
4G078AB05
4G078BA01
4G078BA07
4G078DA09
4G078DB03
4G078EA10
(57)【要約】
混合ユニット(100)および駆動ユニット(20)を含むエラストマー材料を混合する機械であって、混合ユニットは、駆動ユニット(20)の下流に配置された混合チャンバ(110)と、混合チャンバ(110)の下流に配置され、上流に向かって混合チャンバ(110)と連通する排出チャンバ(120)であって、混合物を排出するための開口部(121)を備えた排出チャンバ(120)と、上流にてそれぞれ駆動ユニット(20)に接続されており、排出チャンバ(120)の口部(121)に位置する頂点を有する、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータ(131、132)であって、各ロータが他方に対してミラー反転された各フィーダスクリュー(131a、132a)を備える、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータ(131、132)と、を含み、混合チャンバ(110)は、その内圧が実質的に大気圧の値に維持されることを保証するように、外部環境との接続を維持するように適合された、外側に向かう少なくとも1つの開口部(110a)を有しており、混合ステップの間、混合チャンバ(110)内でのみ混合状態を維持するように、駆動ユニット(20)によってロータ(131、132)の回転方向を少なくとも1回反転させ、従って、混合チャンバから/混合チャンバへの、および、排出チャンバへの/排出チャンバからの混合物の軸方向への前進移動の方向を反転させるように、排出チャンバ(120)内の混合物の存在を検出し、排出チャンバ(120)内の混合物の存在(310a)または消失(310b)を示すための少なくとも1つの信号を発信するように配置され、構成された検出手段(300)を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー材料を混合する機械であって、
混合ユニット(100)および
駆動ユニット(20)
を含み、前記混合ユニットは、
前記駆動ユニット(20)の下流に配置される混合チャンバ(110)と、
前記混合チャンバ(110)の下流に配置され、上流に向かって前記混合チャンバ(110)と連通する排出チャンバ(120)であって、混合物を排出するための排出開口部(121)を備える排出チャンバ(120)と、
上流にて前記駆動ユニット(20)にそれぞれ接続され、前記排出チャンバ(120)の排出開口部(121)に位置する頂点を有する、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータ(131、132)であって、各ロータが他方に対してミラー反転された各フィーダスクリュー(131a、132a)を備える、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータ(131、132)と、
を含み、
前記混合チャンバ(110)は、その内圧が実質的に大気圧の値に維持されることを確実とするように、外部環境との接続を維持するように適合される、外側に向かう少なくとも1つの開口部(110a)を有することと、
前記機械が、前記排出チャンバ(120)内の混合物の存在を検出し、前記排出チャンバ(120)内の混合物の存在(310a)または消失(310b)を示すための少なくとも1つの信号を発信するように配置され、構成される検出手段(300)を備え、
前記混合物の存在または消失を示す前記信号に基づいて、前記機械が、混合ステップの間、前記混合チャンバ(110)内でのみ混合状態を維持するように、前記駆動ユニット(20)によって前記ロータ(131、132)の回転方向を少なくとも1回反転させ、従って、前記混合チャンバから/前記混合チャンバへの、および、前記排出チャンバへの/前記排出チャンバからの前記混合物の軸方向への前進移動の方向を反転させるように構成されている、機械。
【請求項2】
前記検出手段(300)が、前記混合チャンバへの接続ゾーンの付近の、前記排出チャンバ(120)内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記混合チャンバ(110)および前記排出チャンバ(120)が円錐台形であり、軸方向に互いに接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
混合される材料を装填するための装填開口部(123)を備えることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の機械。
【請求項5】
前記装填開口部(123)が、前記混合チャンバを外部環境に接続するための前記少なくとも1つの開口部(110a)のうちの1つであることを特徴とする、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
前記駆動ユニット(20)が、2つの前記ロータのうちの一方(131;132)を動かすための駆動シャフト(21a)を有する少なくとも1つのモータ(21)と、前記駆動シャフト(21a)の回転方向を反転させるように設計され、2つの前記ロータのうちの他方(132;131)に接続されているトランスミッション(22)とを備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
自動操作を実行するように設計された、前記機械の可動部分を制御および作動させるための制御手段(500)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記制御手段(500)が、混合ステップの間に前記検出手段(300)によって発信された、前記排出チャンバ内の混合物の存在(310a)または消失(310b)を示す信号に応答して、前記ロータ(131、132)の回転方向を逆転させるためのコマンドを前記駆動ユニット(20)に自動送信するように構成されており、好ましくは、逆転コマンドが、前記排出チャンバ(120)内の混合物の存在(310a)または消失を示す信号の発信の直後に、および/または、特に、前記排出チャンバ(120)内の混合物の消失を示す信号の発信に続く所定の時間間隔(△t)後に、送信されることを特徴とする、請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記制御手段(500)は、前記機械の動作モードを混合モードから排出モードに切り替えるように構成されており、前記混合チャンバから前記排出チャンバ(120)に向かって混合物を移動させ、排出口(122)を通って混合物が軸方向に排出されるように、前記ロータの回転方向(RPM+)を維持することを特徴とする、請求項7または8に記載の機械。
【請求項10】
混合物の軸方向への排出の間、前記混合チャンバ(110)を閉鎖するように、閉鎖位置または開放位置に移動可能なカバーを備え、前記カバーが、特に、外部環境と連通する開口部および/または装填開口部を閉鎖するように配置されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の機械。
【請求項11】
混合物を排出するための前記排出開口部が外部環境に向かって常に開放しており、前記排出開口部を閉鎖する手段が特に設けられていないことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の機械。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の機械を用いてエラストマー材料を混合する方法であって、
混合物を得るために、混合すべき材料を前記混合チャンバに供給するステップと、
混合物を上流(P)から下流(A)へと軸方向に、即ち、混合物を排出するために、前記混合チャンバから前記排出チャンバ(120)に向けて移動させることができる各回転方向(RPM+)に回転させられるロータ(131;132)のフィーダスクリュー(131a、132a)によって材料を混合するステップと、
前記排出チャンバ(120)および前記混合物の排出開口部を通して前記混合物を排出するステップと、
を含み、
混合ステップの間、前記混合チャンバ(110)は、その内圧が実質的に大気圧の値に維持されることを確実にするように、外部に向かう少なくとも1つの開口部(110a)によって外部環境に接続された状態を維持し、
混合ステップの間、前記排出チャンバ(120)内の混合物の存在を検出するように配置され、構成された前記検出手段(300)よって発信される、前記排出チャンバ(120)内の前記混合物の存在(310a)または消失(310b)を示すための信号に応答して、前記駆動ユニット(20)により前記ロータ(131、132)の回転方向を少なくとも1回反転させることによって、従って、前記混合チャンバから/前記混合チャンバへの、および前記排出チャンバへの/前記排出チャンバからの、前記混合物の軸方向への前進移動の方向を反転させることによって前記混合チャンバ(110)内でのみ混合物の混合を維持する、方法。
【請求項13】
前記混合ステップが、
a.上流(P)から下流(A)へと軸方向に、即ち、混合物を排出するための前記チャンバ(120)に向かって混合物を移動させるように、各回転方向(RPM+)に前記ロータの回転を開始するステップと、
b.検出手段(300)によって、前記排出チャンバ(120)内の材料の存在を検出するステップと、
c.混合物の存在を示す対応する信号(310a)を発信するステップと、
d.下流(A)から上流(P)に、従って、前記排出チャンバ(120)から前記混合チャンバに移動する混合物の移動を引き起こすことにより、前記排出チャンバ(120)を空にさせるように、前記ロータの回転方向(RPM+)を逆転させるステップと、
e.前記検出手段(300)によって、前記排出チャンバ(120)内の混合物の消失を示す信号(310b)を発信するステップと、
f.前記ロータの回転方向(RPM-)を反転させるステップであって、上流(P)から下流(A)に、従って、前記混合チャンバから前記排出チャンバ(120)に混合物を移動させるように設計された回転方向(RPM+)に前記ロータを回転させるステップと、
g.混合が完了するまで、ステップb)~h)を繰り返すステップと、
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
混合物排出ステップが、
-前記混合チャンバから前記排出チャンバ(120)に向かって前記排出開口部まで混合物を移動させることができる回転方向(RPM+)に前記ロータの回転を開始するステップと、
-前記排出開口部(122)を通して混合物を軸方向に排出するステップと、
を含み、前記回転方向が、前記排出チャンバ内の材料の検出および/または前記排出チャンバ内の混合物の存在を示す対応する信号(310a)の発信とは無関係に維持され、前記検出手段(300)が、好ましくは、排出ステップの間、非活性化されている、請求項12または13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
混合ステップの間、前記検出手段(300)によって発信される、前記排出チャンバ内の混合物の存在(310a)または消失(310b)を示すための信号に応答して、制御および作動手段(500)が、前記駆動ユニット(20)に、前記ロータ(131、132)の回転方向を逆転させるためのコマンドを自動送信する、および/または、
制御および作動手段(500)が、好ましくは所定の混合時間後に、排出ステップを実行するように、前記機械の動作モードを混合モードから排出モードに切り替える、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記検出手段(310)によって発信される、前記排出チャンバ内の混合物の消失(310b)または存在を示す信号に続いて、前記ロータ(131、132)の回転方向(RPM+)の反転が、信号の発信直後に、または信号の発信に続く所定の時間間隔(Δt)後に開始される、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
材料の装填が頂部の装填開口部(100)を介して行われること、および/または、外側に向かう開口部、特に装填開口部が、排出ステップの間、閉鎖していることを特徴とする、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気圧で動作する混合チャンバを備えたエラストマー材料を混合するための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムおよび/またはプラスチックベースの化合物の製造に関する技術分野では、適切なプロセスを使用して、エラストマー材料の混合を行う必要性が存在することが知られており、不均一(例えば、ゴム、鉱物フィラー、樹脂、様々な添加剤)かつ互いに異なる別々の複数の原料(材料)が、プロセスの開始時に導入された全ての基本成分を組み込んだ、いわゆる「化合物」と呼ばれる均一な製品に変換される。
【0003】
混合プロセス中に一般的に発生する動作は、以下のように要約することができることも知られている:
ポリマーマトリックスへの材料の組み込み;
分散、即ち、粒子の弱凝集体から強凝集体への変換;これは、基本的に、ポリマーマトリックスに導入されるフィラー(例えば、カーボンブラック)のサイズの減少からなる;
全ての原材料の分布/均質化。
【0004】
これら全ての動作は、混合装置の移動面(シリンダー、スクリュー、ロータ)の動きによって処理される材料に与えられる移動範囲(速度および圧力)に依存することも知られている。特に、分散は、切断力や変形勾配等の移動範囲の特性に依存する一方、ポリマーマトリックス内の様々な材料の分布は、速度範囲の効率、即ち、圧力ピークが存在する混合物の滞留点または滞留ゾーンを生成することなく、混合物を移動する可能性に依存することが知られている。
【0005】
しかしながら、粘性の高い材料を混合するプロセス中に対処すべき主要な問題の1つに、混合物の温度制御の必要性が挙げられ、これは、望ましくない劣化または前架橋反応のトリガーを防ぐために、特定の制限内に維持する必要がある。
【0006】
比較的高い圧力で処理が行われるため、いわゆる閉鎖チャンバ内での混合を伴う技術においては、より高い温度がより顕著に発生する。
【0007】
混合中の望ましくない温度上昇は、一般に「ダンプ押出機」として公知のタイプの機械、即ち、いわゆる円錐形の相互貫入式の逆回転二軸押出機によって行われる混合中にも発生し、混合物を排出/吐出するための機械の排出/吐出ゾーンは、
-材料の再循環および混合物の形成を可能にするために、第1の混合ステップの間、閉鎖されていなければならず、混合物は排出開口部を閉鎖するために閉鎖されているドアに対して前進させられ、
-次に、混合物の排出を可能にするために、前記ドアによって軸方向に開放される必要がある。
【0008】
そのような機械の例は、例えば、特許文献1により知られている。
【0009】
しかしながら、閉鎖チャンバ内での混合は、混合物の制御不能かつ不所望な温度上昇をもたらし、結果的に、上記の欠点をもたらす。
【0010】
閉鎖チャンバによる混合の更なる例が、特許文献2から知られており、
-混合チャンバ内に収容された一対のロータおよびロータ上に配置されたピストンを含むバッチミキサーに、エラストマーポリマーと共に、少なくとも10phrのシリカ補強充填剤および少なくとも1つのシランカップリング剤を供給することと、
-中間混合物のバッチを得るために、エラストマーポリマー、シリカ補強充填剤およびシランカップリング剤をバッチミキサー内で混合することと、
-中間混合物のバッチをバッチミキサーから、入口開口および出口開口を備えた混合チャンバを有しており、第1のチャンバ部分が出口開口(排出チャンバ)に近く、前記入口開口が設けられた第2のチャンバ部分の下流に配置されており、出口開口に向かって収束する2つの逆回転する円錐ねじと、出口開口を開閉するための構成を取るように設計されたドアとを有する、二軸コニカルミキサーに供給することと、
-エラストマー化合物(108)を得るために、温度を135~145℃に維持するよう制御しながら、ドアを閉鎖した二軸コニカルミキサー内で中間混合物を混合することと、
-開口した出口開口からエラストマー化合物を排出することと、
を含む、エラストマー化合物の製造プロセスについて記載している。
【0011】
特許文献2によるプロセスでは、混合物を出口開口を閉鎖しているドアに対して押し出すように、第1の回転方向に回転する円錐ねじを用いて、閉鎖した出口開口に近い二軸ミキサーチャンバの部分内にて、混合がほぼ全体的に実施される。
【0012】
二軸コニカルミキサー内の圧力は、周囲圧力よりも高く、これは、ミキサーがピストンの作用により内圧が高いバッチミキサーの出口と密閉的に接続され、かつ出口開口が閉鎖されており、また、シランカップリング剤の分量の少なくとも50%が二軸コニカルミキサー内で補強充填剤と反応するように、温度を高温(135~145℃)に保つ必要があるからである。
【0013】
混合を改善するために、文献は、混合物が閉鎖した出口開口に近接する混合チャンバ部分を離れることなしに、円錐ねじの回転方向を短時間だけ逆転することを提案している。
【0014】
特許文献2では、温度を所望の範囲内に維持するために、チャンバ内の温度を測定し、その測定値に基づいて、出口開口に向けた、かつその閉鎖されているドアに対する混合物の前進移動の方向への円錐ねじの回転速度を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0159916号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/093849号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、提起されている技術的問題は、エラストマー材料の特性を変更することなく、またはその限定的な変更のみでのエラストマー材料の混合を可能にし、特に混合物の温度を制御下に保持することを可能にし、混合中の望ましくない温度上昇を防ぐ、一般に「ダンプ押出機」として知られるタイプの混合機を提供することである。
【0017】
この問題に関連して、この機械は、寸法が小さく、製造および組み立てが容易かつ安価であり、ユーザの任意の場所に容易に設置可能であることも要求される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの結果は、本発明によれば、請求項1の特徴によるエラストマー系材料の混合用機械によって得られる。
【0019】
従って、本発明による、エラストマー材料を混合する機械は、混合ユニットおよび駆動ユニットを含み、混合ユニットは、
--駆動ユニットの下流に配置された混合チャンバと、
--混合チャンバの下流に配置され、上流に向かって混合チャンバと連通する排出チャンバであって、混合物を排出するための開口部を備える排出チャンバと、
--上流にて駆動ユニットにそれぞれ接続されており、排出チャンバの排出口に位置する頂点を有する、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータであって、各ロータが他方に対してミラー反転された各フィーダスクリューを備える、一対の相互貫入し逆回転する円錐形ロータと、
を含む。
【0020】
本発明による機械は、混合チャンバが、その内圧が実質的に大気圧の値に維持されることを確実とするように、外部環境との接続を維持するように適合された、外部に向かう少なくとも1つの開口部を有することと、排出チャンバ内の混合物の存在を検出し、排出チャンバ内の混合物の存在または消失を示す少なくとも1つの信号を発信するように配置および構成された検出手段を備えることと、混合物の存在または消失を示す信号に基づいて、機械が、混合ステップの間、内圧が実質的に大気圧の値である混合チャンバ内でのみ混合状態を維持するように、駆動ユニットによってロータの回転方向を少なくとも1回反転させ、従って、混合チャンバから/混合チャンバへの、および排出チャンバへの/排出チャンバからの混合物の軸方向への前進移動の方向を反転させるように構成されていることと、を特徴とする。
【0021】
この構成により、混合される材料は、外側に向かって開放されており、従って実質的に大気圧である混合チャンバ内に実質的に常に保持され、混合物の圧力および/または温度の望ましくない上昇を引き起こさず、充填剤の化学物理的特性の変化および/または前記混合物の前架橋のような混合物への有害な影響を回避し、更に最適な混合度を得ることができる。従って、本発明による機械の使用により、簡単な方法で高品質の混合物を得ることが可能である。
【0022】
更に、有利なことに、機械は、排出口を閉鎖し、混合物を排出口に対して押し出すためのドアを必要とせず、それにより、混合中に排出口の開口状態を維持することができる故、混合チャンバ内の周囲圧力を維持し、従って、混合物の品質を維持することを容易にし、結果的に機械の構造および構成の簡素化も同時にもたらす。
【0023】
好ましくは、検出手段は、混合チャンバへの接続ゾーンの付近の、排出チャンバ内に配置する。
【0024】
好ましくは、混合チャンバおよび排出チャンバは円錐台形であり、軸方向に互いに接続されている。
【0025】
好ましい実施形態によれば、混合される材料を装填するための装填開口部が設けられており、前記開口部は、混合チャンバを外部環境に接続するための前記少なくとも1つの接続開口部のうちの1つであることが好ましい。
【0026】
駆動ユニットは、2つのロータのうちの一方を動かすためのシャフトを有する少なくとも1つのモータと、駆動シャフトの回転方向を逆転させるように設計されており、2つのロータのうちの他方に接続されたトランスミッションとを備える。
【0027】
機械は、好ましくは、その自動操作を実行するように設計された、機械の可動部分を制御および作動させるための制御手段を備えており、前記制御手段は、特に、混合ステップの間に検出手段によって発信された、排出チャンバ内の混合物の存在または消失を示す信号に応答して、ロータの回転方向を逆転させるコマンドを駆動ユニットに自動送信するように構成する。前記逆転コマンドは、好ましくは、排出チャンバ内の混合物の存在(または最終的には消失)を示す信号の発信の直後に、および/または、排出チャンバ内の混合物の消失(または最終的には存在)を示す信号の放出に続く所定の時間間隔△t後に送信される。
【0028】
制御手段はまた、機械の動作モードを混合モードから排出モードに切り替えるように構成することもでき、この場合、混合チャンバから排出チャンバに向かって混合物を移動させ、混合物が排出口を介して軸方向に排出されるようにロータの回転方向が維持される。
【0029】
好ましくは、カバーは、混合物を軸方向に排出している間、混合チャンバを閉鎖するように閉鎖位置または開放位置に移動可能であるようにする。
【0030】
本発明は、更に、請求項12の特徴による混合方法に関する。
【0031】
本発明による機械を用いた、エラストマー材料を混合するそのような方法は、
-混合物を得るために、混合すべき材料を混合チャンバに供給するステップと、
-混合物を上流から下流へと軸方向に、即ち、混合物を排出するために、混合チャンバから排出チャンバに向けて移動させることができるそれぞれの回転方向に回転させられるロータのフィーダスクリューによって材料を混合するステップと、
-排出チャンバおよび混合物排出開口部を通して、混合物を排出するステップと、
を含む。
【0032】
有利には、混合ステップの間、混合チャンバは、その内圧が実質的に大気圧の値に維持されることを確実とするように、外部に向かう少なくとも1つの開口部によって外部環境に接続された状態を維持しており、排出チャンバ内の混合物の存在を検出するように配置され、構成された検出手段よって発信される、排出チャンバ内の混合物の存在または消失を示す信号に応答して、駆動ユニットによりロータの回転方向を少なくとも1回反転させることによって、従って、混合チャンバから/混合チャンバへの、および排出チャンバへの/排出チャンバからの混合物の軸方向への前進移動の方向を反転させることによって、混合チャンバ内でのみ混合物の混合を維持する。
【0033】
好ましくは、混合ステップは、
--)上流Pから下流Aへと軸方向に、即ち、混合物を排出するためのチャンバに向かって混合物を移動させるように、各回転方向にロータの回転を開始するステップと、
--)検出手段によって、前記排出チャンバ内の材料の存在を検出するステップと、
--)混合物の存在を示す対応する信号を発信するステップと、
--)下流から上流に、従って、排出チャンバから混合チャンバに移動する混合物の移動を引き起こすことにより、排出チャンバを空にさせるように、ロータの回転方向を逆転させるステップと、
--)検出手段によって、排出チャンバ内の混合物の消失を示す信号を発信するステップと、
--)ロータの回転方向を反転させるステップであって、上流Pから下流Aに、従って、混合チャンバから排出チャンバに混合物を移動させるように、ロータを正の回転方向に回転させるステップと、
--)混合が完了するまで、混合と、両回転方向へのフィーダスクリューの反転とを繰り返すステップと、
を含む。
【0034】
好ましくは、混合物排出ステップが、
--混合チャンバから排出チャンバに向かって排出開口部まで混合物を移動させるような回転方向にロータを回転させるステップと、
--排出開口部を通して混合物を軸方向に排出するステップと、
を含み、前記回転方向が、排出チャンバ内の材料の検出および/または排出チャンバ内の混合物の存在を示す対応する信号の発信とは無関係に維持され、検出手段は、前記排出ステップの間、非活性化されていることが好ましい。
【0035】
好ましい実施形態によれば、混合ステップの間、検出手段によって発信される、排出チャンバ内の混合物の存在または消失を示すための信号に応答して、制御および作動手段が、駆動ユニットに、ロータの回転方向を逆転させるためのコマンドを自動送信し、および/または、好ましくは所定の混合時間後に、前記排出ステップを実行するように、機械の動作モードを混合モードから排出モードに切り替える。
【0036】
排出チャンバ内の混合物の消失または存在を示す信号の発信に続いて、所定の時間間隔△t後に、ロータの回転方向の反転を開始することができる。
【0037】
更なる詳細は、添付の図面を参照して提供される、本発明の主題の実施形態の非限定的な例に関する以下の説明から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図3】材料が前部に向かって軸方向に移動している、混合中の、
図1による機械の実施形態の第1の実施例の上方から見た部分断面図である。
【
図4】材料が後部に向かって軸方向に移動している、混合中の、
図3による機械の上方から見た部分断面図である。
【
図5】材料が前部に向かって軸方向に移動している、混合中の、
図1による機械の実施形態の第2の実施例の上方から見た部分断面図である。
【
図6】材料が後部に向かって軸方向に移動している、混合中の、
図5による機械の上方から見た部分断面図である。
【
図7】本発明による機械の様々な操作ステップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1に示すように、単に説明をより容易にするために、限定するわけではないが、長手方向X-Xを有する基準軸が機械の長手方向の延長に対応し、かつ、前部Aまたは下流部分が、混合物が排出される部分および前部とは反対にある後部P、または上流部分に対応すると仮定すると、その一般的な構成において、「ダンプ押出機」の一般的なカテゴリーに入る、本発明による機械は、本質的に、
-機能ユニットのための支持ベース10と、
-混合ユニット100と、
-そのシャフト21aが駆動シャフト21aの回転方向を逆転させるように設計されたトランスミッション22に接続され(これについては以下でより明確になる)、少なくとも1つのモータ21を備える駆動ユニット20と、
を含む。
【0040】
混合ユニット100は、
--駆動ユニット20の下流に配置された、好ましくは円錐台形の混合チャンバ110と、
--好ましくは円錐台形であり、混合チャンバ110の下流に配置され、混合物を軸方向に排出するための開口部121が設けられており、機械の前部「A」に配置され、上流部分が混合チャンバに機械的に接続されており、対応する開口部122によって混合チャンバと軸方向に連通している、混合物を排出するための排出チャンバ120と、
を含む。
【0041】
好ましくは(
図1)、混合チャンバ110は、混合される原材料を装填するための開口部123と、
--それぞれ、駆動ユニット20に接続されており、排出チャンバ120の口部121に頂点を有する、一対の相互貫入する円錐形ロータ131、132であって、各ロータが他方に対してミラー反転された(反対の巻き方向を有する)各フィーダスクリュー131a、132aを備える、一対の相互貫入する円錐形ロータ131、132と、
を有する。
【0042】
2つのロータ131、132のうちの一方132がモータ20の回転方向を維持する一方、他方のロータ131は、トランスミッション22からの動きを受け、第1のロータとは反対方向に回転する故、2つのロータ131、132は、常に反対方向に回転している。
【0043】
従来、上流Pから下流Aへの混合物の前進移動を引き起こすようなロータの正の回転方向RPM+(
図3、
図5)と、下流Aから上流Pへの混合物の前進移動を引き起こすような負の回転方向RPM-(
図4、
図6)とが想定される。
【0044】
2つのロータは、他方のモータから独立しているが、正確な回転を保証し、フィーダスクリューが衝突するのを防ぐように設計された同期手段によって接続されている、関連するモータによってそれぞれ作動され得ることも想定される。
【0045】
有利には、混合チャンバ110は、その側面の上向き部分に形成され、混合チャンバを外部に接続し続け、従ってその内圧を実質的に大気圧の値に維持するように設計された、少なくとも1つの開口部110aを半径方向に有する。
【0046】
原料装填用の開口部110aおよび開口部123は、一致していてもよい(
図1)。
【0047】
代わりに、排出チャンバは、半径方向に閉鎖した表面および得られた混合物を軸方向に排出するための前方開口部121のみを有する。有利には、前方排出開口部121は、外側または下流装置に向かって常に開放されていてもよく、混合は大気圧下で上流の混合チャンバ110内にて常にかつそこのみで行われる故、排出チャンバ120を閉鎖するためのドアは必要でも有用でもない。
【0048】
排出開口部を閉鎖するための手段が存在しないことにより、混合を混合チャンバ内で大気圧に維持し、得られる混合物の品質を改善するのに役立ち、排出チャンバを開閉するための複雑な自動システムの必要性を排除する故、既知の機械と比較して、更なる簡素化および改善が得られる。
【0049】
本発明によれば、前記チャンバ120内の混合物の存在を検出するための手段300が、排出チャンバ120の入口に、即ち、混合チャンバ110に軸方向に近接するゾーンに配置されることが想定され、好ましくは、前記手段は、例えば、検出された圧力の現在の値を表示するための表示手段(図示せず)に接続された圧力センサ310によって実現される。
【0050】
排出チャンバ内の材料の存在を示す信号の発信に適していることが判明した圧力値の閾値は、例えば、1~5barであり得る。
【0051】
当業者には、排出チャンバ内の混合物の存在を検出するのに適した代替的な適切な検出手段(例えば、光学的手段)を選択することができることは明白であろう。
【0052】
好ましくは、機械には、機械の自動操作を実行するように設計された、機械の可動部分を制御および作動させるための手段500が設けられており、特に、排出チャンバ内の混合物の存在を検出するための手段300は、制御および作動手段500に接続されている。この構成が好ましいが、当業者には、以下に記載した機械の操作が、検出手段によって発信された信号に応答して手動で制御することも可能であることが明白であろう。
【0053】
本発明によれば、排出チャンバ内の混合物の存在を検出するための手段300は、混合物が排出チャンバ120内に存在する場合、排出チャンバ内の材料の存在を示すために、2つのロータ131、132の回転方向を逆転させるように設計された第1の論理信号310aを発信するように設計されており、前記逆転は、制御ユニット500によって、またはオペレータによって手動で実行することができる。
【0054】
同じ検出手段300は、好ましくは、RPM+からRPM-への先の移動方向の反転に続いて、ロータの動作によって排出チャンバが空になったときに、第2の論理信号310bも発信するように設計される。
【0055】
本発明による機械の第1の実施形態を示す
図3、
図4を参照すると、次のように機械の動作を制御することが可能である(
図7):
-フィーダ口を介して材料を装填する;好ましくは、ロータは、充填終了時間t1まで停止している;
-上流「P」から下流「A」への軸方向への、即ち、混合物排出チャンバ120に向かって混合物を移動させることができる、各正方向RPM+(
図3)に回転されるロータ131、132を動作させる;
-処理される(混合)材料が排出チャンバ120に入ると、センサ310によって検出されるチャンバ内の圧力(t2)が上昇する;
-混合物の存在を示す対応する第1の論理信号310aをセンサ310によって制御ユニット500に送信する;
-制御ユニット500によって、2つのロータ131、132の回転方向を反転させる(従来は負のRPM-であると想定される)(
図4);
-ロータの回転方向の反転によって、混合物が下流Aから上流Pに変位する(t3~t2);
-ロータの回転方向の反転によって、排出チャンバ120を空にし、結果的に排出チャンバ内の圧力を低下させる;
-圧力センサ310によって、チャンバ120が空である(混合物が消失している)ことを示す第2の論理信号310bを発信する;
-ロータの回転方向を新たに反転させ(
図3)、これは、混合物を再度、排出チャンバ120に向かって軸方向に押し出す傾向がある(t4~t3);
-排出チャンバ120内に混合物が入ると、新たな圧力の増加(t4)が発生し、これがセンサ310によって検出され、センサ310が混合物の存在を示す新しい信号310aを発信し、この信号310aに基づいて、回転の反転RPM-が行われ、それにより、混合物を軸方向に後方または上流部分Pに向かって戻し、排出チャンバ120を新たに空にする;
-混合を続けると、混合チャンバ110から/混合チャンバ110への、および排出チャンバ120への/排出チャンバ120からの、混合物の軸方向の動きが繰り返され(tn~t4)、センサ310によって排出チャンバ内の圧力の増加/減少が検出され、混合物の存在または消失を示す対応する論理信号310a、310bが発信されることにより、混合物の軸方向への動きを逆転させるように、ロータ131、132の回転方向の逆転を実行することができる。
【0056】
ロータの回転方向の反転により、排出チャンバ内に混合物が実質的に存在しない状態に維持し、所望の混合物を生成するために必要な組み込みおよび分配/均質化動作に必要な移動範囲を処理中の材料に与える。
【0057】
一旦混合物が得られると(tn)、排出チャンバ120内の混合物の存在を検出するためのセンサ300が非活性化され、回転の逆転のためのサイクルを中断し、回転を正方向RPM+に一定に保ち、混合物を混合チャンバ110から排出チャンバ120に向かって軸方向に前進させ、排出チャンバ120内で、混合物は、口121から軸方向に完全に排出されるまでロータの推力を受け、サイクルが終了する(Fc)。あるいは、排出ステップの間、センサによって発信される信号を単に無視するか無効にすることが可能であることは明白である。
【0058】
排出モードへの切り替えは、好ましくは、例えば所定の混合時間後に、制御ユニット500によって自動的に行われるが、例えば、オペレータによる混合物の混合状態の評価に続いて手動で行うこともできる。
【0059】
この動作サイクルにより、材料は、常に混合チャンバ110内で混合状態に保たれており、混合チャンバ110は外側に向かって開口しているため、実質的に大気圧であり、望ましくない温度上昇を引き起こさず、充填剤の化学物理特性の変化および/または前記混合物の前架橋等の混合物への悪影響を回避する。
【0060】
前述の作業条件では、高品質な混合物を保証しながら、最適な混合度が得られることも試験において確立されている。
【0061】
好ましくは、センサ310による信号の発信に続く、特に混合物の消失を示す信号310bに続く所定の時間間隔Δtの後に、1回以上の回転方向の新たな反転を開始する。時間間隔△t≧0は、処理される混合物のタイプに応じて選択することができ、値△t>0、特に、混合物が後壁125に到達するのに必要な時間よりも長い値が特に推奨される。
【0062】
一部のタイプの混合物を混合するためには、後壁125に対して混合物を押す時間を延長する(Δt>>0)ことが実際に有利であり、これは、いわゆる「逆流」反応をもたらし、これは、フィーダスクリューの回転によって決定される、下流から上流への移動方向とは反対の、上流から下流への軸方向への移動コンポーネントを加える傾向がある。
【0063】
従って、このようにして得られた混合物の移動範囲は、3つの移動、即ち、
第1の移動:ロータの回転によって生成される円周方向への移動;
第2の移動:フィーダスクリューの形状によって生成される主要な軸流;
第3の移動:形成される混合物を下流方向に逆流させる傾向がある、主要な軸流に対向する、壁125の抵抗によって生成される逆流
で構成される。
【0064】
あらゆるケースにおいて、上流方向にかつ後壁に向かって混合物を押し出すことにより、重要な技術的効果が得られ、混合物を下流方向に押し出すことにより、フィーダスクリューの回転中に混合チャンバの後部内に残存するあらゆる混合材料(特に、ペレットの形態のゴムまたは追加材料)が混合物と接触し、従って、混合物に取り込まれ、従って、材料が混合物に完全に取り込まれ、機械が清潔な状態に維持される。
【0065】
対応する部分について
図3および
図4に示されたのと同じ参照番号が使用されている
図5、
図6は、ロータ131、132の2つのフィーダスクリュー131a、132aの延在方向の反転を伴う、本発明による機械の第2の実施形態を示しており、ここでは、上述したものと全く同様の機械の操作が行われるが、ロータの回転方向は、同じ優先的な軸方向への混合物の移動とは逆になっている。
【0066】
図示されていないが、低圧および低温を維持するために、混合中に開口部を開口状態に維持するように、また、その代わりに、排出動作の実行に有利に働くように、内圧を増加させ、上流から下流への軸方向スラストを増加させるように、排出ステップの間は閉鎖している、混合チャンバ110の頂部の外部に向いた開口部110a、123を開放/閉鎖するように移動可能なカバーを機械に設けることができることも想定される。
【0067】
本発明は、更に、混合機を用いてゴムおよび/またはプラスチックベースの混合物を混合する方法に関しており、この方法は以下のステップを含む:
a)混合チャンバから排出チャンバへの混合物が移動する軸方向に互いに連通する少なくとも1つの混合チャンバおよび排出チャンバを備える混合機を提供するステップと、
b)一対の相互貫入し逆回転する円錐形ローラ131、132を前記チャンバ内に延在させるステップと、
c)混合物を得るために、混合すべき材料を機械に供給するステップと、
d)上流Pから下流Aに軸方向に、即ち、混合物を排出するためのチャンバに向かって混合物を移動させるように、各回転方向RPM+にロータの回転を開始させるステップと、e)排出チャンバ内に挿入されたセンサ手段によって、前記排出チャンバ内の材料の存在を検出するステップと、
f)対応する第1の論理信号310aを制御ユニット500に送信するステップと、
g)制御ユニット500によって、2つのロータ131、132の回転方向を反転させるRPM-ステップと、
h)混合物の移動を逆転させ、混合物を下流Aから上流Pに移動させるステップと、
i)排出チャンバ120を空にするステップと、
j)検出センサ310によって、混合物の消失および排出チャンバ120が空であることを示す第2の異なる論理信号310bを発信するステップと、
k)ロータの回転方向を反転させRPM+、上流Pから下流Aに、排出チャンバ120の方向へと混合物の移動を新たに反転させるステップと、
l)混合が完了するまで、ステップa)~k)を繰り返すステップと、
m)任意に、排出チャンバ内の材料の存在を検出するためのセンサを非活性化させるステップと、
n)混合物の排出に有利に働くように、押す力により混合物を排出チャンバに向けて移動させることができるロータの回転方向RPM+を維持するステップと、
o)機械の排出口を介して混合物を排出するステップと、
p)材料の新しいバッチを混合するための新しいサイクルの初期条件を復元するステップと、
を含む。
【0068】
実験的試験
以下の実験的試験は、
図1~
図4を参照して上述した構造および構成を有する本発明による機械において実施した。排出チャンバ120内の混合物の存在を検出するための手段は、排出チャンバ内に配置され、検出された圧力閾値(閾値Pcs)が検出されたときに排出チャンバ内の混合物の存在を示す信号と、検出された圧力値が前記閾値Pcsを下回ると、排出チャンバ内に混合物が存在しないことを示す信号とを送信するように構成された圧力センサからなる。
【0069】
正の符号を有する速度「v+」の回転は、上流から下流への混合物の進行方向に対応する、フィーダスクリューの正の回転方向を示している一方、負の速度「v-」は、フィーダスクリューの逆の回転方向および下流から上流への混合物の前進移動の方向を示している。
【0070】
試験1
40kgのシリコーンゴムおよび480gの過酸化水素1.2phr(ペレット状の架橋剤)を混合チャンバに供給し、それらを混合した。混合チャンバに入るゴムの温度(Temp-rubber In)を装填前に測定したところ、約25℃であった。機械を次のパラメータ:閾値 Pcs=5bar、△t=180´´(秒)で構成した。
【0071】
表1は、プロセス中の様々な時点における、機械によって実行された様々な操作ステップを示している。
【0072】
【0073】
結果
排出チャンバから抽出された混合物の温度(Temp-mixture out)を熱プローブを使用して、様々な地点で測定した。温度(Temp-mixture out)は、常に、試験を合格するために確立された限界である35℃未満であった。
【0074】
抽出された混合物の10のサンプルにおいてレオメトリック特性を測定した。10のサンプルの変動係数(標準変動/平均)は、3%未満であった。
【0075】
混合チャンバを視覚的に検査し、混合チャンバ内に過酸化水素のペレットが残存していないことが判明した。
【0076】
試験2
50kgのシリコーンゴム100phrを500gの青色顔料1phrと混合した。
【0077】
ゴムの温度(Temp-rubber)は、25℃であった。
【0078】
機械を閾値Pcs=2bar、△t=60´´で構成した。
【0079】
表2は、プロセス中の様々な時点における、機械により実行された様々な操作ステップを示している。
【0080】
【0081】
結果
排出チャンバから抽出された混合物の温度(Temp-mixture out)を熱プローブを使用して、様々なポイントで測定した。温度(Temp-mixture out)は、常に、試験に合格するために確立された限界である35℃未満であった。
【0082】
混合物の色の均一性を視覚的に評価した。色は、着色ゾーンなく、均一に分布していた。
【0083】
従って、本発明による機械および方法を用いることで、得られる混合物の品質を改善しながら、低圧で、実質的に大気圧で、非常に低い温度で、および/または不所望な混合物の温度上昇なしに、混合物の処理を行うことが可能であることが明白である。更に、材料の流れ方向を制御および決定することが可能であることにより、全ての材料の十分な混合および/または完全な混合を得るのに適した移動範囲を確保することができる。
【0084】
本発明の多くの実施形態および多くの好ましい実施例に関連して説明してきたが、本特許の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ決定されることが理解されよう。
【国際調査報告】