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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20230406BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20230406BHJP
   F24F 8/90 20210101ALI20230406BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20230406BHJP
   F24F 8/158 20210101ALN20230406BHJP
   F24F 8/192 20210101ALN20230406BHJP
   F24F 8/30 20210101ALN20230406BHJP
【FI】
F24F8/80 300
F24F8/108
F24F8/90
A61L9/16 F
F24F8/158
F24F8/192
F24F8/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022548592
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021053226
(87)【国際公開番号】W WO2021160681
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202021006451
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006450
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006452
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006453
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006449
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】20166873.8
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20176488.3
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513186590
【氏名又は名称】ブルーエアー・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ダンベルガー,ラース・ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】ネタジ,アラギリサミー
(72)【発明者】
【氏名】ウェナーストローム,ジョアン・ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA19
4C180CC16
4C180CC17
4C180DD09
4C180DD12
4C180EA14
4C180HH01
4C180HH05
4C180JJ01
4C180KK03
4C180KK10
4C180LL20
(57)【要約】
空気清浄機であって、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える、空気清浄機である。前記第2の空気流設定と相関する空気流を生成することによって、先行するいずれかの請求項に記載の空気清浄機の内面を滅菌するための方法である。前記第2の空気流設定と相関する空気流を生成することによって、先行するいずれかの請求項に記載の空気清浄機の内面を滅菌するための方法である。前記第2の空気流設定部と相関する空気流を生成することによって、先行するいずれかの請求項に記載の空気清浄機における取り外し可能なフィルタを滅菌するための方法である。前記空気流発生器を起動することによって、空気清浄機の内面または取り外し可能なフィルタ上の微生物の増殖を防止するための方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機であって、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、前記空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備え、前記第2の空気流設定において取り外し可能なフィルタで測定された前記空気流速度は、0.1~1.2cms-1である、空気清浄機。
【請求項2】
前記第1の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、少なくとも1.5cms-1である、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、前記第1の設定で生成された空気流速度の1~40%である、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、前記第1の設定で生成された空気流速度の1~10%である、請求項1または2に記載の空気清浄機。
【請求項5】
最後の空気濾過事象からの期間を測定するためのタイマーを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記第2の空気流設定を作動させるための手段を備える、請求項5に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記第2の空気流設定と相関する空気流を生成することによって、請求項1~6のいずれか一項に記載の空気清浄機の内面を滅菌するための方法。
【請求項8】
前記第2の空気流設定と相関する空気流を生成することによって、請求項1~7のいずれか一項に記載の空気清浄機における取り外し可能なフィルタを滅菌するための方法。
【請求項9】
前記空気流発生器を起動することによって、請求項5または6に記載の空気清浄機の内面または取り外し可能なフィルタ上の微生物の増殖を防止するための方法。
【請求項10】
前記空気流発生器は、前記空気流発生器の最後の起動から所定の期間の後に起動される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
US 2007 034 082は、清浄機を通過する空気流中の微粒子材料を帯電させるように動作するイオン化アセンブリを含む空気清浄機を開示している。帯電微粒子材料は、イオン化アセンブリの下流に配置され、帯電微粒子材料とは反対の電荷を有するフィルタ要素に引き付けられ保持される。フィルタを通過する清浄された空気は、場合により清浄された空気流に添加される芳香剤と併せて、装置の外に導かれる。イオン化アセンブリには、イオン化部材に隣接して配置された接地部材が形成され、清浄機内にイオン化アセンブリによって生成された電子を保持し、したがって清浄機の外側で静電気放電が発生するのを防止する。空気流は、清浄機の効率が増加するように、ファンによって角度が付けられて実質的に層状に清浄機を通して導かれる。
【0003】
US 2002 141 131は、空気入口と、高電圧源と、イオンを生成するために高電圧源に電気的に接続された電極と、空気出口とを含む改善された空気イオナイザ装置を開示している。空気ムーバが、空気入口を通して空気を空気イオナイザに流入させ、空気出口を通して空気イオナイザから空気を流出させるために設けられる。導電性材料を含む有孔フィルタが、電圧源および接地の少なくとも1つに電気的に結合される。フィルタは、空気入口に流入する空気、空気出口から流出する空気、または電極を通過して流れる空気がフィルタを通って流れるように、空気入口、空気出口、および電極の少なくとも1つの上に位置決めされる。好ましい実施形態では、フィルタは、金属グリッドまたはスクリーンを備える。
【0004】
WO 2018/058716は、ハウジング(1)と、屋内戻り空気入口(21)と、屋外新気出口(22)と、新気送達出口(2)と、屋内戻り空気排出出口(12)と、ハウジング(1)内に設けられた電力供給制御装置とを備える一体型新気清浄機を開示しており、ハウジング(1)内には、第1段フィルタ(3)と、熱交換コア(4)と、排気ファン(5)と、第2段フィルタ(6)と、イオン雲ダスト除去モジュールと、送風機(9)と、第3段フィルタ(10)とが順に設けられており、排気ファン(5)、イオン雲ダスト除去モジュール、および送風機(9)は、電力供給制御装置に電気的に接続される。本一体型装置は、換気機能と空気清浄機能を組み合わせ、プラグアンドプレイであり、設置およびメンテナンスに困難をもたらさず、または空気パイプを設置して部屋を損傷するという構造的問題をもたらさず、高い負イオン生成率を有し、長い搬送距離を有し、強力なダスト除去および消毒効果を有し、さらに、動作中にオゾンを生成せず、健康な環境を維持する。
【0005】
CN 105 823 131は、教示範囲についての新気清浄複合システムを開示している。新気清浄複合システムは、空気処理アセンブリを備える。空気処理アセンブリは、新気換気装置と、空気清浄機とを備える。新気換気装置および空気清浄機を独立して配置し、部屋内の異なる位置に固定することで、組み合わせて屋内の空気質を制御することができる。教示範囲についての新気清浄複合システムによれば、酸素一定空気清浄機と清浄型新気換気装置の組み合わせにより、常時清潔、酸素一定、省エネ、かつグリーンなエコ教室を作ることができ、生徒に対して安全で清潔な学習環境を提供する。
【0006】
従来技術の存在にもかかわらず、改善された空気清浄機、特に作業寿命を通してより衛生的な空気清浄機が依然として必要とされている。
【0007】
空気清浄機は、フィルタを通して周囲空気を濾過することによって機能する。したがって、空気中のいかなるものも、理論的にはフィルタによって捕捉可能である。微粒子フィルタからガスフィルタまで様々なタイプの濾過手段があるが、空気流に捕捉された微生物も捕捉することは、空気清浄機の機能の必然的な結果である。
【0008】
また、主な焦点が周囲空気から汚染を除去することであり、微粒子が除去されていることを示す様々なセンサが存在することも、空気清浄機の日常的な特徴である。結果として、空気清浄機が自動モードで作動することも非常に日常的であり、微粒子の存在は装置を通る空気流速度に影響を及ぼす。したがって、空気質が良好である場合、エネルギーを節約するために清浄機をアイドルモードまたはスタンバイモードに維持することが可能であり、多くの場合望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US 2007 034 082
【特許文献2】US 2002 141 131
【特許文献3】WO 2018/058716
【特許文献4】CN 105 823 131
【発明の概要】
【0010】
しかし、空気が清浄機を通過しない場合、フィルタによって捕捉された微生物は迅速に増殖してバイオフィルムを形成することができ、有効なフィルタの寿命に悪影響を及ぼし、家庭環境を習慣とするユーザに対して健康被害を引き起こす可能性がある。
【0011】
したがって、第1の態様では、本発明は、空気清浄機であって、取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタと、空気流発生器と、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える、空気清浄機に関する。
【0012】
本発明者らは、驚くべきことに、適度な空気流量が微生物の増殖を防止し、周囲空気中に吹き込まれ、またフィルタ交換中に環境中に放出される生きた微生物の有病率を劇的に減少させることができることを見出した。
【0013】
そのような微生物には、グラム陽性菌、グラム陰性菌、胞子、カビおよび真菌、ならびに周囲空気中に単独で存在するまたはこれらのいずれかによって保持される任意のウイルスが挙げられる。
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、低速気流を提供することによって、空気清浄機の内面、特にフィルタ媒体における微生物の生存率を劇的に減少させることができることを見出した。清浄機が動作している間、微生物がフィルタ上で増殖および繁殖するリスクは増加しない。しかし、清浄機がアイドルモードまたはスタンバイモードにあるとき、微生物は増殖する。微生物の生存率を減少させるために必要な空気流速度は、空気を濾過するために必要な速度よりも著しく低いため、はるかに低いエネルギー消費レベルで達成することができる。さらに、微生物の生存率に著しく影響を及ぼすために必要とされる低い空気ドラフトは、単なる風乾よりもはるかに効果的である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、清浄機は、微生物の増殖を助長する条件の可能性を確認し、そのような条件が存在すると考えられる場合、空気流発生器を作動させ、フィルタ上の微生物、または清浄機の内側の微生物さえも破壊する。
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、微生物を死滅させるために必要な気流が空気濾過に必要な気流よりも著しく低いことを見出した。したがって、好ましい実施形態では、空気清浄機は、前記空気流発生器を制御するための手段と、空気濾過空気流速度を有する第1の空気流設定と、空気清浄機の内面および/または取り外し可能な微粒子もしくはガスフィルタの滅菌と相関する第2の空気流設定とを備える。
【0017】
取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、媒体速度として当技術分野で知られている。媒体速度は、空気がフィルタを通って移動する速度である。媒体速度は、粒子の最大量が捕らえられることを確実にするために完全に制御されなければならない。速度が速すぎると、多くの汚染物質が濾過されずに直進する。速度が遅すぎると、清浄機が効果的であるのに十分な速さで部屋の最も遠い隅に到達していない。媒体速度は、空気がフィルタに接近する速度だけでなく、空気がフィルタを通過する速度であることを理解することも重要である。したがって、空気がプリーツ状フィルタに接近する速度は、空気がプリーツ状フィルタを通過する速度とは著しく異なるため、これは重要な違いである。フィルタにおけるプリーツは、計算に大きな影響を与える。本発明で使用される微粒子フィルタは、プリーツ状であることが好ましい。
【0018】
好ましくは、第1の空気濾過設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度(媒体速度)は、少なくとも1.5cms-1である。フィルタ媒体での測定は、フィルタ媒体表面のファン側の空間中心点から行われる。複数のフィルタ媒体が存在する場合、気流測定のために取られる表面は、空気流発生器に最も近く、したがって最初に気流を受けるものである。
【0019】
好ましくは、第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、第1の設定で生成された空気流速度の1~40%である。
【0020】
最も好ましくは、第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、0.7~1.1cms-1である。
【0021】
好ましくは、プロセッサは、空気流発生器を作動させ、1秒~10時間の間、空気清浄機の内面および/またはフィルタ媒体の滅菌に見合った空気流を生成する。
【0022】
好ましくは、空気清浄機は、前記第2の空気流設定を作動させるための手段を備える。前記手段は、「滅菌モード」が選択可能であり、これが空気濾過モードとは異なることをユーザに示すノブまたはスイッチを備えることができる。
【0023】
好ましい実施形態では、空気流発生器を制御するための手段は、センサからの入力に基づいて、例えばルックアップテーブルを参照するプロセッサによって自動的に行われる。そのような実施形態では、センサは、連続的または断続的に温度および/または湿度を感知し、情報をプロセッサに送り返す。プロセッサは、少なくとも温度または湿度に基づいて、条件が微生物の増殖を助長するかどうかを決定する。好ましくは、プロセッサは、温度および湿度に基づいて、条件が微生物の増殖を助長するかどうかを決定する。より好ましくは、プロセッサは、地理的位置、時刻、週、月もしくは季節、または汚染レベル、ならびに発生する任意の特定の条件、例えばウイルスのパンデミックもしくはブッシュ火災、およびこれらのいずれかの組み合わせなどのパラメータにさらに基づいて、微生物の増殖の可能性を決定する。
【0024】
例えば、アジアでは、湿った季節は典型的にはモンスーンによって定義され、これは夏に発生する。対照的に、欧州および北米の夏は、より乾燥した天候を特徴とする。同様に、半球は異なる季節的特性を有する。
【0025】
好ましくは、地理的位置は、GPSまたは清浄機WIFI能力によって決定される。これはまた、セットアッププロセス中にユーザ入力によって提供されてもよい。
【0026】
プロセッサは、条件が微生物の増殖を助長すると決定した場合、例えば視覚信号もしくは可聴信号によって、または携帯電話などの遠隔装置に電子的に指示を提供し、それにより空気流発生器を用いるべきであることをユーザに通知するか、または本明細書に記載のようにファンもしくはインペラを低速で自動的に作動させ、これは微生物の増殖を防止するか、または微生物を直接破壊するのに十分である。
【0027】
好ましくは、清浄機は、選択肢が以下のいずれかである第1のモードを有する:湿度センサおよび温度センサによって決定された条件が、微生物の増殖がないまたは少ないことが予想されるようなものであるアクションなし;条件が微生物にとって好ましいものであることをユーザにアラートし、ユーザがファンを作動させるオプションを可能にするためのモバイル装置への電子信号によるアラート;および微生物の増殖が起こりそうであり、ファンまたはインペラを作動させることをユーザに強く推奨することをユーザに警告する警告レベル。
【0028】
第2のモードは、温度センサおよび湿度センサからの入力によって指示が決定されるという点で同様に動作することができるが、警告またはアラートの代わりに、微生物の増殖が起こりそうな条件であるときに機械が自動的にオンになる。
【0029】
もちろん、ユーザは、適宜これら2つのモードのうちの1つを選択してもよい。
【0030】
温度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。温度センサの適切な例には、STS3xシリーズが挙げられる。
【0031】
湿度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。湿度センサの適切な例には、SHT3xシリーズが挙げられる。
【0032】
好ましくは、空気清浄機は、最後の空気濾過事象からの期間を測定するためのタイマーを備える。より好ましくは、清浄機は、最後の作動からの期間をユーザに示すための手段を備える。前記示すための手段は、それ自体が清浄機の一部を形成してもよく、または代わりに、例えば携帯電話上のポータブル電子装置への電子信号であってもよく、アプリは、清浄機と併せて機能し、例えば空気質ならびに清浄機の機能に関する情報を提供することができる。
【0033】
第2の態様では、前記第2の空気流設定と相関する空気流を生成することによって、本明細書に記載の空気清浄機の内面を滅菌するための方法が提供される。
【0034】
第3の態様では、空気流発生器を自動的に起動することによって、空気清浄機の内面または取り外し可能なフィルタ上の微生物の増殖を防止するための方法が提供される。
【0035】
好ましくは、空気流発生器は、前記空気流発生器の最後の起動から所定の期間の後に起動される。例えば、温度および/または湿度などの周囲条件のいずれかによって決定された期間の後、清浄機は、使用間の適切な期間を決定することが可能なプロセッサを備えてもよく、それによりフィルタ媒体の上もしくは中、または装置の内側の表面上であろうと、装置の内側の微生物の増殖が制限または減少される。使用間の期間はまた、上述のように地理的位置に依存し得る。
【0036】
清浄機は、内部電源、例えばバッテリー、および外部電源を含む任意の適切な電源によって電力供給される。電力は、モータを駆動するために使用され、モータは、存在する場合、少なくとも空気流発生器およびイオン発生器に電力供給する。
【0037】
好ましくは、フィルタ媒体は、炭素、活性炭素、不織布、熱可塑性材料、熱硬化性材料、多孔質発泡体、繊維ガラス、紙、高ロフトのスパンボンドウェブ、低ロフトのスパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、および/または二峰性の繊維直径を有するメルトブローン媒体の少なくとも1つを含む。
【0038】
好ましくは、取り外し可能な微粒子フィルタは、高効率微粒子空気(HEPA)フィルタである。空気清浄機のフィルタ部はその機能の重要な部分であるが、空気清浄機は通常、所定の場所にフィルタを備えて製造されないことを理解されたい。それらは、実際には常に別々に製造され、最も重要なことには、空気清浄機自体の製造業者とは異なる商業企業によって製造されることが多い。フィルタの製造業者が、異なる製造業者によって作製された異なる空気清浄機モデル用のフィルタを製造することも典型的である。微粒子フィルタは、プレフィルタまたは存在する任意のダストフィルタと対比されるべきである。プレフィルタおよびダストフィルタは、HEPAフィルタによって示される微粒子捕捉能力を有さないので、HEPAフィルタとはみなされない。好ましくは、フィルタは、空気清浄機に適用する前に事前に帯電される。
【0039】
プレフィルタは、低い空気抵抗を有し、ユーザがボリュートまたはインペラアセンブリに触れるのを防止するポークガードとしても機能するフィルタである。プレフィルタは、空気清浄に関して大きな効果を示すことを意図していない。それらは、専用の微粒子フィルタの空気抵抗または粒子同伴能力を有さない。好ましくは、プレフィルタは、HEPAフィルタではない。
【0040】
本発明の清浄機はまた、ファンまたはインペラを備える。ファンは、ブレードレスファン、軸流ファンであってもよいが、ラジアルファンであることが好ましい。
【0041】
好ましくは、空気清浄機は、イオン発生器を備える。好ましくは、イオン発生器は、コロナ放電先端と、受け電極とを備える。コロナ放電先端が適切な電圧にさらされると、コロナ放電先端は、先端と受け電極または接地電極との間にイオン雲を生成する。
【0042】
イオン発生器は、前記清浄機の内部または外部に配置されてもよい。イオン発生器が前記装置の外部に配置される場合、装置の上面に配置されることが好ましい。装置の上面に外部イオン発生器を位置させることは、家庭用ダスト粒子が空気を通って地面に向かって落下するときにイオン化され、したがって帯電するにつれて凝集する可能性が高いことを意味する。より凝集するにつれて、家庭用ダスト粒子は装置によって生成された空気循環パターンにより容易に巻き込まれ、したがってより容易に濾過される。
【0043】
イオン発生器が装置の内部に配置される場合、イオン発生器は、空気流方向において取り外し可能な微粒子フィルタの前に位置することが好ましい。
【0044】
好ましくは、装置は、内部イオン発生器と、外部イオン発生器とを備える。外部イオン発生器は、家庭用ダスト粒子の凝集を容易にし、内部イオン発生器は、取り外し可能な微粒子フィルタによる凝集したダスト粒子の捕捉を容易にする。両方の場合において、イオン化は、より低密度の濾過媒体および低い空気速度(ファン)速度を可能にする。
【0045】
[実施例1]
以下の実験は、基材、この場合は微粒子フィルタ上の微生物の生存率に対する低い気流のみの影響を評価することを示す。基材のイオン化は、起こらなかった。
【0046】
使用した微生物は黄色ブドウ球菌および緑膿菌であり、バイオフィルムを生成するためのインキュベーション期間は5日間であった。
【0047】
【表1】
【0048】
0.018ms-1の低い気流は、微生物の増殖の減少をもたらさなかったが、これは依然として増殖のいくらかの減速をもたらした。
【0049】
[実施例2]
空気清浄機は、微粒子フィルタがイオン化され、かつ低い気流(1cms-1)にさらされるように設定された。気流は10時間、イオン化は2時間であり、イオン化ステップが最初であった。
【0050】
再び、イオン発生器を-5kVに設定し、試験前に試験微生物(黄色ブドウ球菌および緑膿菌)を5日間増殖させた。
【0051】
対照は6の対数微生物数を示し、試験スコアは2.5であった。
【0052】
[実施例3]
空気清浄機は、清浄機の内面がイオン化され、かつ低い気流(1cms-1)にさらされるように設定された。気流は10時間、イオン化は2時間であり、イオン化ステップが最初であった。
【0053】
再び、イオン発生器を-5kVに設定し、試験前に試験微生物(黄色ブドウ球菌および緑膿菌)を5日間増殖させた。
【0054】
対照は152コロニーの微生物を示し、試験スコアは6を示した。
【国際調査報告】