(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20230406BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20230406BHJP
F24F 8/30 20210101ALI20230406BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20230406BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20230406BHJP
F24F 8/158 20210101ALN20230406BHJP
F24F 8/192 20210101ALN20230406BHJP
【FI】
F24F8/80 300
F24F8/108
F24F8/30
F24F8/90
A61L9/16 F
F24F8/158
F24F8/192
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022548595
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021053334
(87)【国際公開番号】W WO2021160737
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202021006451
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006450
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006452
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006453
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】202021006449
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513186590
【氏名又は名称】ブルーエアー・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ダンベルガー,ラース・ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】ネタジ,アラギリサミー
(72)【発明者】
【氏名】ウェナーストローム,ジョアン・ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA19
4C180CC16
4C180CC17
4C180DD09
4C180DD12
4C180EA14X
4C180HH01
4C180HH05
4C180JJ01
4C180KK02
4C180KK10
(57)【要約】
携帯型空気清浄機であって、取り外し可能なフィルタと、空気流発生器と、温度センサと、湿度センサと、温度センサ及び湿度センサからの入力を処理するためのプロセッサと、該温度センサ及び湿度センサの両方からの入力に基づいて該空気流発生器を待機構成から稼働させるための手段と、を備える空気清浄機、並びに待機モード中の携帯型空気清浄機内の空気流発生器を稼働させるための方法であって、方法が、温度センサから周囲温度に関する情報を取得し、湿度センサから周囲湿度に関する情報を取得し、清浄機内の取り外し可能なフィルタ上の微生物増殖の可能性を判定し、かつ微生物増殖が定義された量であるような状況である場合に空気流発生器を稼働させることによって行われる、方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機であって、取り外し可能なフィルタと、空気流発生器と、温度センサと、湿度センサと、前記温度センサ及び前記湿度センサからの入力を処理するための1つ以上のプロセッサと、前記温度センサ及び湿度センサの両方からの入力に基づいて前記空気流発生器を待機構成から稼働させるための手段と、を備える、空気清浄機。
【請求項2】
空気流を発生させるための手段が、ファンである、請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記センサからの入力に基づいて前記空気流発生器を制御するための手段が、前記空気流発生器を自動的に稼働させる、請求項1又は2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
イオン発生器を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記取り外し可能なフィルタが、微粒子フィルタ又はガスフィルタである、請求項1から4のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項6】
加熱器を含まない、請求項1から5のいずれか一項に記載の空気清浄機。
【請求項7】
待機モード中の空気清浄機内の空気流発生器を稼働させるための方法であって、前記方法が、温度センサから周囲温度に関する情報を取得し、湿度センサから周囲湿度に関する情報を取得し、前記清浄機内の取り外し可能なフィルタ上の微生物増殖の可能性を判定し、かつ微生物増殖が定義された閾値であるような状況である場合に前記空気流発生器を稼働させることによって行われる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
US 2005 055 990は、エアクリーナを開示しており、その動作を制御する方法が開示されている。エアクリーナは、入口及び出口を有するキャビネットと、室内空気から塵埃及び臭気粒子を除去するフィルタアセンブリと、ファンと、室内空気の組成を検知するセンサアセンブリと、室内空気の不十分な成分のうちの少なくとも1つを清浄化された空気に供給する供給元アセンブリと、室内空気の組成に関するデータに基づいて供給元アセンブリを制御する制御器と、を含む。別の態様では、エアクリーナの動作を制御する方法は、室内空気を検知するステップと、室内空気の不十分な成分及びその量を測定するステップと、室内空気の不十分な成分のうちの少なくとも1つを清浄化された空気に供給するステップと、を含む。
【0003】
CN 105 587 139は、インテリジェントセントリーボックス、及びインテリジェントセントリーボックスを使用して勤務中の環境状態を調節するための方法を開示している。インテリジェントセントリーボックスは、セントリープラットフォーム(2)と、セントリープラットフォーム(2)の上方に配置された天井(4)と、を備え、第1の空気出口開口(17)を備えかつ第1の空気出口開口(17)からセントリープラットフォーム(2)上に立つ人に流れる温度調節用空気流を誘導するために使用される、空気誘導装置(41)が、天井(4)の底面に配置されている。インテリジェントセントリーボックスはまた、空調機と、エアフィルタ(20)と、負イオン発生器(21)と、を備え、空調機は、温度調節用空気流を発生させるために使用され、エアフィルタ(20)は、温度調節用空気流を浄化するために使用され、負イオン発生器(21)は、温度調節用空気流中に負の酸素イオンを発生させるために使用される。インテリジェントセントリーボックスは、軍事、警察、及び民間のセントリーボックスの見張り要員に良好な作業環境を提供することができ、実用性が高い。
【0004】
CN 104 913 379は、遠隔制御及び監視を有する、壁に埋め込まれた、モノのインターネットの外気浄化システムを開示している。システムは、円形シェルと、円形内側シェルと、空気流路と、ファンと、吸気装置と、排気装置と、浄化殺菌装置と、加熱装置と、空気質サンプリングモジュールと、監視モジュールと、データ送信モジュールと、制御モジュールと、制御パネルと、を備える。円形シェルは、壁に埋め込まれており、吸気装置は、円形シェルの末端に埋め込まれており、円形内側シェルは、連結装置を介して円形シェル内に設置されており、一端は、吸気装置で覆われており、他端は、排気装置で覆われている。ファン、浄化殺菌装置、及び加熱装置は、円形内側シェル内に配置されており、制御器は、排気装置の下端に位置決めされている。吸気装置は、フィルタスクリーン及びクロージャを備える。吸気装置、円形内側シェル、及び排気装置の内側は、円筒状の第1の空気流路に形成されており、吸気装置、円形内側シェル、及び排気装置の外側と円形シェルの内側との間の隙間は、円筒状の第2の空気流路に形成されている。屋外の空気を浄化、殺菌、及び加熱して第1の空気流路から室内に進入させ、第2の空気流路から屋外に室内空気が流れる。
【0005】
CN 110 030 647は、ケースを備える清浄機を開示している。ファンと、ファンを駆動して回転させるための駆動装置と、空気を濾過するフィルタと、がケース内に配置されており、ケースは、吸気口及び排気口を備え、負イオン発生器と、空気流を加熱するための加熱器と、が排気口上に配置されており、駆動装置の回転速度を制御し、かつ加熱器を始動及び停止するように制御するための主制御器が、ケース内に更に配置されており、その結果、ファンが少なくとも2段階の空気速度を有し、清浄機が、運転に対して独立した浄化モード、冷気及び浄化モード、並びに暖気及び浄化モードとの間で切り替えられる。清浄機は、孔中に浄化、冷却、及び加熱を統合し、単純な浄化機能を有するだけでなく、冷気及び暖気を排出する機能を有し、一年間を通して使用することができ、空調機の機能にある程度取って代わることができ、室内の空気質を改善し、同時に人体の健康を促進するのに有益である。清浄機は、フィルタ及び負イオン発生器の二重の浄化構造を有し、良好な浄化効果を有する。
【0006】
CN 110 906 486は、空気循環式キャピラリネットワーク型空調機及びその制御方法を開示している。空気循環式キャピラリネットワーク型空調機は、主に室内温度調整システム及び外気システムから構成されている。使用中、外気システムは、室内空気を清浄空気に置換するために使用され、その後、室内温度調整システムは、置換された空気に対して室内循環を実行し、循環プロセスにおいて、温度が調整され、開放されたキャピラリネットワークを介して空気が室内に放出され、温度調整された空気がキャピラリネットワークを介して直接室内に放出されるため、室温を迅速に調整することができ、従来の空調機のように騒音及び風の感触を発生させることがなく、外気システム及び室内温度調整システムの両方が室内に排気された空気を濾過し、室内空気を清浄に保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US 2005 055 990
【特許文献2】CN 105 587 139
【特許文献3】CN 104 913 379
【特許文献4】CN 110 030 647
【特許文献5】CN 110 906 486
【発明の概要】
【0008】
従来技術にもかかわらず、改善された空気清浄機、特にそれらの耐用寿命を通してより衛生的な空気清浄機が依然として必要とされている。
【0009】
空気清浄機は、フィルタを通して周囲空気を濾過することによって機能する。したがって、空気中のいかなるものも、理論的にはフィルタによって捕捉可能である。微粒子フィルタからガスフィルタまで様々なタイプの濾過手段があるが、空気流に捕捉された微生物も捕捉することは、空気清浄機の機能の必然的帰結である。
【0010】
また、主な焦点が周囲空気から汚染物質を除去することであり、微粒子が除去されていることを示す様々なセンサが存在することも、空気清浄機の慣例的な特徴である。結果として、空気清浄機が、微粒子の存在が装置を通る空気流速度に影響を及ぼす自動モードで運転することも非常に慣例的である。したがって、空気質が良好である場合、エネルギーを節約するために清浄機をアイドルモード又は待機モードに維持することが可能であり、多くの場合望ましい。
【0011】
しかし、空気が清浄機を通過していない場合、フィルタによって捕捉された微生物は迅速に増殖しかつバイオフィルムを形成することができ、このことが、効果的なフィルタの寿命に悪影響を及ぼし、更にその家庭環境を習慣とするユーザに健康被害を引き起こす可能性がある。更に、該微生物は、しばしば有害なウイルスを有する。
【0012】
したがって、第1の態様では、取り外し可能なフィルタと、空気流発生器と、温度センサと、湿度センサと、温度センサ及び湿度センサからの入力を処理するための1つ以上のプロセッサと、該温度センサ及び湿度センサの両方からの入力に基づいて待機構成から該空気流発生器を稼働させるための手段と、を備える空気清浄機が提供される。好ましくは、空気清浄機は、消費者によって移動可能であるという点で携帯型である。これは、固定型空調システムとは対照的である。
【0013】
本発明者らは、驚くべきことに、標準的な濾過空気流量と呼ばれ得るものを大幅に下回る少量の空気流量であっても、微生物の増殖を防止し、かつフィルタ交換中に周囲空気中に吹き込まれ、また環境に放出される生きた微生物の蔓延を劇的に減少させることができることを見出した。
【0014】
そのような微生物には、グラム陽性菌、グラム陰性菌、胞子、カビ及び真菌、並びに気流中の任意のウイルス並びに該微生物内のウイルスが含まれる。
【0015】
本発明者らは、驚くべきことに、低速の気流を提供することによって、空気清浄機の内面、特に濾材上の微生物の生存率を劇的に低下させることができることを見出した。清浄機が動作している間、微生物がフィルタ上で増殖及び繁殖するリスクは増加しない。しかし、それがアイドルモード又は待機モードにあり、かつ状況が好ましい場合、微生物は増殖する。
【0016】
本発明の実施形態では、清浄機は、微生物の増殖を助長する状況の可能性を確認し、そのような状況が存在すると考えられる場合、空気流発生器を待機モード又はアイドルモードから作動させて、フィルタ上の微生物、又は清浄機の内面上の微生物さえも死滅させる。
【0017】
あるいは、プロセッサは、状況が微生物の増殖を助長すると判定した場合、例えば、視覚信号若しくは音響信号、又は電子的手段のいずれかによって、携帯電話などの遠隔装置に指示を提供し、それによって、空気流発生器を用いる必要があることをユーザに通知するか、又は本明細書に記載のように、微生物の増殖を防止する、若しくは微生物を直接死滅させるのに十分である低速で、ファン又はインペラを自動的に作動させる。
【0018】
1又は複数のプロセッサは、アクセス可能なルックアップテーブルを参照して、温度及び湿度に基づいて微生物の増殖の確率を判定する。ルックアップテーブルは、本明細書で説明されるように、異なる間取りに対して異なっていてもよい。
【0019】
好ましくは、清浄機は、選択肢が以下のいずれかである第1のモードを有する。アクションなし、ここで、湿度センサ及び温度センサによって判定された状況は、微生物の増殖がない又は少ないことが予想されるような状況である。状況が微生物にとって好ましいものであることをユーザにアラートし、かつユーザに対してファンを作動させる選択肢を可能にする、携帯機器への電子信号によるアラート。加えて、微生物の増殖が起こりそうであることをユーザに警告し、かつファン又はインペラを作動させることをユーザに強く推奨する警告レベル。
【0020】
第2のモードは、温度センサ及び湿度センサからの入力によって指示が決定されるという点で同様に動作し得るが、警告又はアラートの代わりに、微生物の増殖が起こりそうな状況であるときに機械が自動的にオンになる。
【0021】
もちろん、ユーザは、これら2つのモードのうちの1つを適宜選択してもよい。
【0022】
温度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。温度センサの好適な例には、STS3xシリーズが含まれる。
【0023】
湿度センサは当技術分野で公知であり、Sensirionから市販されている。湿度センサの好適な例には、SHT3xシリーズが含まれる。
【0024】
好ましくは、空気流を発生させる手段は、ファン又はインペラである。ファンは、ブレードレスファン、軸流ファンであってもよいが、ラジアルファンであることが好ましい。
【0025】
好ましい実施形態では、該センサからの入力に基づいて空気流発生器を制御する手段は、例えば、プロセッサによって自動的に行われる。そのような実施形態では、センサは、連続的又は断続的に温度及び/又は湿度を検知し、情報をプロセッサに送り返す。プロセッサは、少なくとも温度又は湿度に基づいて、状況が微生物の増殖を助長するかどうかを判定する。好ましくは、プロセッサは、温度及び湿度に基づいて、状況が微生物の増殖を助長するかどうかを判定する。より好ましくは、プロセッサは、地理的位置、時刻、週、月、若しくは季節、又は汚染レベル、及び起こる任意の特定の状況、例えば、ウイルスのパンデミック又は森林火災、並びにこれらの任意の組合せなどのパラメータに更に基づいて、微生物の増殖の可能性を判定する。
【0026】
例えば、アジアでは、雨季は、典型的にはモンスーンによって定義され、夏に現れる。対照的に、欧州及び北米の夏は、より乾燥した天候を特徴とする。同様に、半球は異なる季節的特性を有する。
【0027】
好ましくは、地理的位置は、GPS又は清浄機のWIFI機能によって判定される。これはまた、セットアッププロセス中にユーザ入力によって提供されてもよい。
【0028】
好ましくは、空気清浄機はイオン発生器を備える。好ましくは、イオン発生器は、コロナ放電先端部及び受電電極を備える。コロナ放電先端部が適切な電圧にさらされると、イオン発生器は先端部と受電電極又は接地電極との間にイオン雲を発生させる。
【0029】
イオン発生器は、該清浄機の内部又は外部に配設されてもよい。イオン発生器が該装置の外部に配設される場合、装置の頂部に配設されることが好ましい。外部イオン発生器を装置の頂部に位置付けることは、家庭内の塵埃粒子が空気を通って地面に向かって落下するときにイオン化され、したがって、それらは帯電するにつれて凝集する可能性が高いという意味がある。それらがより凝集するにつれて、それらは装置によって作り出された空気循環パターン内により容易に巻き込まれ、したがってより容易に濾過される。
【0030】
イオン発生器が装置の内部に配設される場合、イオン発生器は、空気流方向において取り外し可能な微粒子フィルタの前に位置付けられることが好ましい。
【0031】
好ましくは、装置は、内部イオン発生器及び外部イオン発生器を備える。家庭内の塵埃粒子の凝集を促進する外部イオン発生器、及び取り外し可能な微粒子フィルタによる、凝集した塵埃粒子の捕捉を促進する内部イオン発生器である。両方の場合において、イオン化は、より低密度の濾過媒体及び低い空気速度(ファン)の速度を可能にする。
【0032】
好ましくは、濾材は、炭素、活性炭、不織布、熱可塑性物質、熱硬化性材料、多孔質発泡体、ガラス繊維、紙、高ロフトのスパンボンドウェブ、低ロフトのスパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、及び/又は二峰性繊維径メルトブローン材のうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
好ましくは、取り外し可能なフィルタは、微粒子フィルタである。より好ましくは、取り外し可能なフィルタは、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。空気清浄機のフィルタ部分はその機能の極めて重要な部分であるが、空気清浄機は通常、所定の位置にフィルタを備えて製造されないことを理解されたい。それらは、実際には常に別々に製造され、最も重要なことには、空気清浄機自体の製造業者とは異なる商業企業によって製造されることが多い。また、フィルタの製造業者が、様々な製造業者によって製作された様々な空気清浄機モデル用のフィルタを製造することも典型的である。微粒子フィルタは、存在するプレフィルタ又は任意のダストフィルタと対比されるべきである。プレフィルタ及びダストフィルタは、HEPAフィルタによって発揮される微粒子捕捉能力を有さないため、HEPAフィルタとはみなされない。好ましくは、フィルタは、空気清浄機に適用する前に事前帯電される。
【0034】
プレフィルタは、低い空気抵抗を有し、かつユーザがボリュート又はインペラアセンブリに触れるのを防止するポークガードとしても機能するフィルタである。プレフィルタは、空気浄化という面においては任意の大きな効果を発揮することは意図されていない。それらは、専用の微粒子フィルタの空気抵抗又は粒子引込み能力を有さない。好ましくは、プレフィルタはHEPAフィルタではない。
【0035】
本発明者らは、驚くべきことに、微生物を殺すために必要な気流は、空気濾過に必要な気流よりも著しく低いことを見出した。したがって、好ましい実施形態では、空気清浄機は、該空気流発生器を制御するための手段である、空気濾過空気流速度についての第1の空気流設定と、空気清浄機の内面及び/又は取り外し可能な微粒子フィルタ若しくはガスフィルタの殺菌と相関する第2の空気流設定と、を含む。
【0036】
好ましくは、第1の空気濾過設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、少なくとも1.5cms-1である。濾材での測定は、濾材表面のファン側の空間的中心点から行われる。2つ以上の濾材が存在する場合、気流測定のために使用されるものは、空気流発生器に最も近く、したがって最初に気流を受けるものである。
【0037】
取り外し可能なフィルタにおいて測定された空気流速度は、媒体速度として当技術分野で公知である。媒体速度は、空気がフィルタを通って進む速度である。媒体速度は、粒子の最大量を捕らえることを保証するために完全に制御されなければならない。速すぎると、多くの汚染物質が濾過されずに真っすぐに飛ぶ。遅すぎると、清浄機が効果的であるに足る速さで部屋の最も遠い隅に到達していない。
【0038】
好ましくは、第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度(媒体速度)は、第1の設定において発生された空気流速度の1~40%である。
【0039】
より好ましくは、第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、0.1~1.2cms-1である。
【0040】
最も好ましくは、第2の設定において取り外し可能なフィルタで測定された空気流速度は、0.7~1.0cms-1である。
【0041】
好ましくは、プロセッサは、空気流発生器を作動させて、空気清浄機の内面及び/又は濾材の殺菌に見合う空気流を1秒~10時間にわたって発生させる。
【0042】
清浄機は、内部電源、例えば、バッテリ、及び外部電源を含む任意の好適な電源によって電力供給される。電力は、モータを駆動するために使用され、モータは、少なくとも空気流発生器、及び存在する場合はイオナイザに動力を供給する。
【0043】
第2の態様では、待機モード中の空気清浄機内の空気流発生器を稼働させるための方法であって、方法が、温度センサから周囲温度に関する情報を取得し、湿度センサから周囲湿度に関する情報を取得し、清浄機内の取り外し可能なフィルタ上の微生物増殖の可能性を判定し、かつ微生物増殖が定義された閾値であるような状況である場合に空気流発生器を稼働させることによって行われる、方法が提供される。
【0044】
以下の非限定的な図を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】プロセッサとセンサとの間の関係を示す概略図である。プロセッサは、温度センサ及び湿度センサから入力を受信する。状況が有意な微生物の増殖に見合ったゾーンにあると計算されると、プロセッサはイオナイザ又はファンを稼働させて、微生物の増殖を減少させることとなるイオン雲又は気流を発生させる。
【
図2】消費者に害を及ぼし得る方法で微生物の増殖が起こりそうかどうかを判定する計算を実行するように、プロセッサにセンサからの情報(温度及び湿度)がどのように供給されるかを示す概略図である。
【0046】
プロセッサは、状況が微生物の増殖を助長すると判定した場合、制御された方法でファン、イオナイザ、又はその両方を稼働させる。例えば、イオナイザ及びファンは、内面がイオン化及び空気ドラフトのパターンを受けるように、又は、空気濾過に必要とされるよりも低いレベルの空気ドラフトであるように、断続的に稼働されてもよい。
【0047】
[実施例]
表1は、湿度及び温度と微生物増殖との間の関係の一例を提供する。必然的なアクションは、例えば、ユーザのニーズ及び要件に応じてパフォーマンスを適応させるために、セットアップ中にユーザによって変更することができる。
【0048】
【0049】
【0050】
モード1では、清浄機は、例えば携帯電話などの遠隔装置に電子信号を送信することによってユーザにアラート又は警告するだけである。ユーザがそのようにしたい意向がある場合、ユーザは、清浄機を遠隔で作動させ、それによって、清浄機のフィルタ又は内面上の微生物の増殖を減少させてもよい。ユーザにアラートするとは、微生物の増殖が可能であり、清浄機のファンの作動が勧告されることを示すことを意味する。ユーザに警告するとは、微生物の増殖の可能性が高く、ファンの作動が強く勧告されることを意味する。
【0051】
モード2では、清浄機は自動的に、すなわち、微生物の増殖を防止する速度でファンを自動的に動作させることによって、Germshieldモードに入る。これは、ユーザによる関与なしに行われる。
【国際調査報告】