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特表2023-515383データバス信号調整器及びレベルシフタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】データバス信号調整器及びレベルシフタ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20230406BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20230406BHJP
   G06F 13/42 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G06F3/00 L
G06F13/38 320A
G06F13/38 350
G06F13/42 310
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548828
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2021017776
(87)【国際公開番号】W WO2021163422
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】17/174,119
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/975,227
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ウィン ナイング マウング
(72)【発明者】
【氏名】バラス クマール シンガレディ
(72)【発明者】
【氏名】ソウミ ポール
(72)【発明者】
【氏名】マヤンク ガルグ
(72)【発明者】
【氏名】スザンヌ マリー ヴァイニング
(57)【要約】
回路(206)が、信号調整器回路要素(208)、レベルシフタ回路要素(212)、及び、信号調整器回路要素(208)とレベルシフタ回路要素(212)との間に結合される状態検出器及びコントローラ回路要素(210)を含む。状態検出器及びコントローラ回路要素208は、受信器回路要素(228~238)と、受信器回路要素(228~238)に結合される有限状態機械(222)とを含む。有限状態機械(222)は、信号から第1のデータレートを検出し、第1のデータレートの検出に応答して、信号調整器回路要素(208)の動作を制御し、第2のデータレートの間に、レベルシフタ回路要素(212)の動作を制御するように構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
信号調整器回路要素と、
レベルシフタ回路要素と、
前記信号調整器回路要素及び前記レベルシフタ回路要素間に結合される、状態検出器及びコントローラ回路要素と、
を含み、
前記状態検出器及びコントローラ回路要素が、
受信器回路要素と、
前記受信器回路要素に結合される有限状態機械と、
を含み、
前記有限状態機械が、
信号から第1のデータレートを検出し、
前記第1のデータレートの検出に応答して前記信号調整器回路要素の動作を制御し、
第2のデータレートの間、前記レベルシフタ回路要素の動作を制御する、
ように構成される、
回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、前記第1のデータレートが高速データレートであり、前記第2のデータレートが低速データレート又は全速データレートである、回路。
【請求項3】
請求項2に記載の回路であって、
前記高速データレートが480メガバイト/秒(Mb/s)であり、
前記全速データレートが12Mb/sであり、
前記低速データレートが1.5Mb/sである、回路。
【請求項4】
請求項1に記載の回路であって、前記有限状態機械が第1の有限状態機械であり、前記回路が更に低電力状態検出回路要素を含み、
前記低電力状態検出回路要素が、
差動受信器と、
前記差動受信器に結合されるクロック及びデータリカバリ(CDR)回路と、
前記差動受信器及び前記CDR回路に結合され、前記CDR回路によって生成されるクロック信号を用いて前記信号から低電力状態を検出するように構成される、第2の有限状態機械と、
を含む、
回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路であって、
前記CDR回路が、前記信号内で通信されるパケットの同期パターンを用いて前記クロック信号を生成するように構成され、
前記第2の有限状態機械が、前記パケットのパケット識別子を用いてリンク電力管理LPM-L1状態を検出するように構成される、
回路。
【請求項6】
請求項1に記載の回路であって、前記信号調整器回路要素が前記信号のエッジをブーストするように構成される、回路。
【請求項7】
システムであって、
第1の集積回路と、
第2の集積回路と、
前記第1及び第2の集積回路の間に結合される中間回路と、
を含み、
前記中間回路が、
第1のスイッチと、
前記第1のスイッチが閉じた状態の間に信号のエッジをブーストするように構成される信号調整器回路要素と、
第2のスイッチと、
前記第2のスイッチが閉じた状態の間に動作可能なレベルシフタ回路要素と、
状態検出器及びコントローラ回路要素と、
を含み、
前記状態検出器及びコントローラ回路要素が、
受信器回路要素と、
前記受信器回路要素に結合される有限状態機械と、
を含み、前記状態機械が、
前記受信器回路要素において受信される信号から、第1のデータレートを検出し、
前記第1のデータレートの検出に応答して前記第1のスイッチを閉じ、
第2のデータレートの間に前記第2のスイッチを閉じる、
ように構成される、
システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記第1の集積回路が、第1の組み込みユニバーサルシリアルバス(eUSB2)デバイスであり、前記第2の集積回路が第2のeUSB2デバイスである、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、前記第1のデータレートが高速データレートであり、前記第2のデータレートが低速データレート又は全速データレートである、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、前記有限状態機械が第1の有限状態機械であり、
前記回路が更に低電力状態検出回路要素を含み、
前記低電力状態検出回路要素が、
差動受信器と、
前記差動受信器に結合されるクロック及びデータリカバリ(CDR)回路と、
前記差動受信器及び前記CDR回路に結合され、前記CDR回路によって生成されるクロック信号を用いて前記信号からリンク電力管理LPM-L1(L1)状態を検出するように構成される、第2の有限状態機械と、
を含む、
システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記CDR回路が、前記信号内で通信されるパケットの同期パターンを用いて前記クロック信号を生成するように構成され、
前記第2の有限状態機械が、前記パケットのパケット識別子を用いて前記L1状態を検出するように構成される、
システム。
【請求項12】
方法であって、
信号を受信することと、
前記信号から第1のデータレートを検出することと、
前記第1のデータレートを検出することに応答して、前記信号のエッジをブーストするために、信号調整器回路要素を動作させることと、
第2のデータレートの間に、前記信号の電圧レベルを第1の電圧レベルから第2の電圧レベルにシフトするために、レベルシフタ回路要素を動作させることと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記第1のデータレートが高速データレートであり、前記第2のデータレートが低速データレート又は全速データレートである、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記信号からリンク電力管理LPM-L1(L1)状態を検出するために、前記第2のデータレートを検出することに応答して、低電力モード検出回路要素を動作させることを更に含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記低電力モード検出回路要素を動作させることが、前記信号内で通信されるパケット内でそれぞれの同期(SYNC)パターンを用いてクロック信号を生成することを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記L1状態を検出することが、
前記クロック信号を有限状態機械に提供することと、
前記クロック信号を用いて、前記有限状態機械によって、一連の前記パケットにおいて、EXTパケット識別子(PID)と、SUB PIDと、ACK PIDとを検出することと、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、前記信号から、組み込みユニバーサルシリアルバスシングルエンド1(ESE1)状態を検出することを更に含む、方法。
【請求項18】
第1及び第2の導体を用いて第1及び第2の通信デバイス間に結合されるように適合され、前記第1及び第2の通信デバイス間の通信を容易にするように動作可能な、中間回路であって、
第1及び第2の出力を有し、前記第1及び第2の導体に結合されるように適合される、状態検出器及びコントローラ回路と、
前記第1の出力に結合され、前記第1及び第2の導体に結合されるように適合される、信号調整回路と、
前記第2の出力に結合され、前記第1及び第2の導体に結合されるように適合される、レベルシフタと、
を含む、中間回路。
【請求項19】
請求項18に記載の中間回路であって、前記状態検出器及びコントローラ回路が、
通信の状態を検出し、
通信の第1の状態の検出に応答して前記信号調整回路をイネーブルし、
通信の第2の状態の間に前記レベルシフタをイネーブルする、
ように構成される、中間回路。
【請求項20】
請求項19に記載の中間回路であって、前記通信の第1の状態が高速データレートであり、前記通信の第2の状態が低速データレート又は全速データレートである、中間回路。
【請求項21】
請求項18に記載の中間回路であって、前記信号調整回路が前記第1及び第2の導体上で信号のエッジをブーストするように構成される、中間回路。
【請求項22】
請求項18に記載の中間回路であって、前記レベルシフタが、前記第1及び第2の導体上で信号の電圧レベルをシフトするように構成される、中間回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般にデータバスインターフェースに関し、より具体的にはデータバス信号調整器及びレベルシフタに関する。
【背景技術】
【0002】
一つ又は複数のユニバーサルシリアルバス(USB)業界標準規格(一般に、本明細書ではUSBと呼ぶ)に準拠するものを含むデータバスは、デバイス間の通信を容易にするために広く用いられている。USBの拡大により、様々な通信及び電力要件を伴う多種多様のUSB準拠デバイスが生じてきている。例えば、組み込みUSB業界標準規格(一般に、本明細書ではeUSB2と呼ぶ)は、回路基板上に取り付けられるか又はコンピュータシステム内のアセンブリに含まれる集積回路(IC)又はチップなどの、デバイス間の低電力通信を可能にする。しかしながら、eUSB2は、低電圧でのデバイス間のシリアル通信を可能にするが、デバイスの特徴サイズが減少し、回路基板又は他のアセンブリ上のデバイス間の距離が増加するため、デバイス間の継続的通信をサポートするために、追加のメカニズムが必要である。
【0003】
例えば、いくつかの規格は、特定のバスが或る特定された最大長さよりも短いように実装されることを推奨している。特定された最大長さよりも長いバスは、バスを介して交換されるデータを劣化させる。加えて、供給(電圧供給及び接地など)の制限は、バスの特定された最大長さに影響し得る。バス長さを長くすることを促進するため、いくつかの規格は、どのタイプのリピータが用いられ得るかを特定している(例えば、eUSB2によって特定されるハイブリッドリピータ)。しかしながら、こうしたリピータは複雑な状態機械を必要とし、リピータを通過するデータを劣化させ得る。加えて、特定のリピータはより高い電力を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
一例において、回路が、信号調整器回路要素、レベルシフタ回路要素、及び、信号調整器回路要素とレベルシフタ回路要素との間に結合される、状態検出器及びコントローラ回路要素を含む。状態検出器及びコントローラ回路要素は、受信器回路要素と、受信器回路要素に結合される有限状態機械とを含む。有限状態機械は、信号から第1のデータレートを検出し、第1のデータレートの検出に応答して信号調整器回路要素の動作を制御し、第2のデータレートの間、レベルシフタ回路要素の動作を制御するように構成される。
【0005】
別の例において、中間回路が、第1及び第2の導体を用いて第1及び第2の通信デバイス間に結合されるように適合され、第1及び第2の通信デバイス間の通信を容易にするように動作可能である。中間回路は、第1及び第2の出力を有し、第1及び第2の導体に結合されるように適合された、状態検出器及びコントローラ回路を含む。中間回路はまた、第1の出力に結合され、第1及び第2の導体に結合されるように適合された信号調整回路と、第2の出力に結合され、第1及び第2の導体に結合されるように適合されたレベルシフタとを含む。状態検出器及びコントローラ回路は、通信の状態を検出し、通信の第1の状態の検出に応答して信号調整回路をイネーブルし、通信の第2の状態の間にレベルシフタをイネーブルするように構成される。例えば、通信の第1の状態は高速データレートであり、通信の第2の状態は低速データレート又は全速データレートである。
【0006】
別の例において、システムが、第1の集積回路と、第2の集積回路と、第1及び第2の集積回路の間に結合された中間回路とを含む。中間回路は、第1のスイッチと、第1のスイッチが閉じた状態の間に信号のエッジをブーストするように構成された信号調整器回路要素と、第2のスイッチと、第2のスイッチが閉じた状態の間に動作可能なレベルシフタ回路要素と、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む。状態検出器及びコントローラ回路要素は、受信器回路要素と、受信器回路要素に結合された有限状態機械とを含む。有限状態機械は、受信器回路要素において受信される信号から第1のデータレートを検出し、第1のデータレートの検出に応答して第1のスイッチを閉じ、第2のデータレートの間に第2のスイッチを閉じるように構成される。
【0007】
別の例において、方法が、信号を受信すること、及び、信号から第1のデータレートを検出することを含む。この方法は更に、第1のデータレートを検出することに応答して、信号のエッジをブーストするために、信号調整器回路要素を動作させることと、第2のデータレートの間に、信号の電圧レベルを第1の電圧レベルから第2の電圧レベルにシフトするために、レベルシフタ回路要素を動作させることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】信号調整器と、レベルシフタと、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを有する例示のシステムを示すブロック図である。
【0009】
図2】信号調整器と、レベルシフタと、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを有する、例示のeUSB2システムを示す概略図である。
【0010】
図3】例示のレベルシフタ回路要素を示す概略図である。
【0011】
図4】例示の信号調整器回路要素を示す概略図である。
【0012】
図5図4に示された高速信号ブースタのいくつかの細部を示す概略図である。
【0013】
図6】例示の低電力モード検出器回路要素を示す、概略及び状態図である。
【0014】
図7】低電力モード検出のためにクロック信号を生成するための、図6の回路要素によって検出可能な差動信号を示すシグナリング図である。
【0015】
図8図6の回路要素による低電力モード検出を例示する、シミュレーション結果を示すシグナリング図である。
【0016】
図9】信号調整器と、レベルシフタと、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを動作させるための、例示の方法を示すフローチャートである。
【0017】
図10】信号調整器と、レベルシフタと、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを動作させるための、別の例示の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同じ参照番号は、同一か又は同様の(構造及び/又は機能などの)特徴を示すために、図面内で用いられる。図面内の特徴は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【0019】
いくつかの記載される例において、2つのデバイス及び/又はバス間で中間デバイスが用いられる。中間デバイスは、いくつかの例において、何らかのバス規格(eUSB2など)によって規定されたプロトコルハンドシェイクを利用しない、簡略化された状態機械を用いる。例えば、中間デバイスは、状態機械、例えばデジタル有限状態機械が、信号調整回路要素及びレベルシフタ回路要素の動作を制御する際に応答する電圧を感知する、受信器回路要素を含む。いくつかの例において、信号調整は、反復パケットの代わりにエッジブースティングを含む。更に、幾つかの例において、レベルシフタ回路要素は、異なる電圧供給レベル及び接地レベルで動作するデバイス間の通信を可能にする。
【0020】
まず、記述された例に従ったシステム100を示すブロック図である図1を参照する。システム100は、2つのデバイス102及び104と中間デバイス106とを含む。一例において、デバイス102~106は、同じ物理的配置又はアセンブリ114の中に含まれるか又はその上にある。例えば、物理的配置114は、ラップトップ、デスクトップ、携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、テレビ、又はモニタなどの、コンピュータシステムである。別の例において、物理的配置114は、プリント回路基板(PCB)などの回路基板である。また、2つのデバイス102及び104並びに1つの中間デバイス106のみが示されているが、システム100内には追加のこうしたデバイスが含まれ得る。
【0021】
デバイス102及び104は、通信プロトコルを用いてデータバス101(本明細書ではバス101とも呼ぶ)を介して通信可能であり、したがって、本明細書では通信デバイスとも呼ぶ。例えば、バス101は、デバイス102と104との間でシグナリング又は信号を転送するための、一つ又は複数の導体を含み得る。また、或る導体が、一つ又は複数の電気トレース又は他のタイプの信号線を含み得る。いくつかの例において、バス101の導体は、デバイス102及び104が直接電気接続を有さないように、中間デバイス106、例えばレベルシフタ回路要素112において、終端する。他の例において、バス101の導体は、デバイス102及び104が直接電気接続を維持し得るように、例えば信号調整器回路要素108において、中間デバイス106を介して流れる。
【0022】
別の例において、デバイス102及び104は、eUSB2、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、USB Revision 2.0規格、Revision 1.1、又はそれ以前又は後のeUSB2規格に対する、組み込みUSB2(eUSB2)物理層補足によって定義された、それに一貫した、及び/又はそれに準拠した通信プロトコルを用いてバス101を介したシリアル通信を可能にする回路要素(図示せず)を含む。eUSB2によって定義された、eUSB2に一貫した、及び/又はeUSB2に準拠したプロトコルを用いて通信可能なデバイスは、eUSB2デバイスと呼ばれ、eUSB2デバイス間にこうした通信を提供する、バス、ケーブル、又は他の電気接続は、eUSB2バスと呼ばれる。
【0023】
デバイス102及び104の例には、システムオンチップ(SoC)、データストレージ又はメモリデバイス、eUSB2リピータなどの、IC又はパッケージシステムが含まれる。また、eUSB2デバイスとして、デバイス102及び104は、デバイス102又は104のどちらもeUSB2リピータではないネイティブモード、又は、デバイス102又は104のうちの1つがeUSB2リピータであるリピータモードで通信するための回路要素(図示せず)を含み得る。
【0024】
中間デバイス106は、バス101を介したデバイス102と104との間の通信を容易にする。中間デバイス106は、信号調整器(又は信号調整)回路要素108、状態検出器及びコントローラ回路要素110、並びに、レベルシフタ回路要素112(又は単にレベルシフタ112)を含む。中間デバイス106の構成要素又は要素108~112は、単一の半導体基板上に含まれ(また、単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、複数の半導体基板に含まれ(また、単一のICとして単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、又は複数のICパッケージ内にデバイス102及び104とは別にモジュールとして含まれてもよい。
【0025】
状態検出器及びコントローラ回路要素110は、シグナリング、例えば、バス101上の、一つ又は複数のeUSB2パケット及び/又は制御コマンド又はメッセージに含まれるような、一つ又は複数の信号又は信号のシーケンスを監視する。次いで、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、シグナリングから、バス101上の通信の状態(本明細書では、バス状態又は単に状態とも呼ぶ)を検出する。また、検出された状態に応じて、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、信号調整器回路要素108及び/又はレベルシフタ回路要素112の動作を制御、例えばイネーブル又はディセーブル、する。
【0026】
バス101上のシグナリングを監視し、バス状態を検出するために、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、シグナリングを受信するようにバス101に結合された受信器回路要素(図示せず)、及び、受信したシグナリングからバス状態を検出するための一つ又は複数の有限状態機械(図示せず)を含む。検出された状態は、始動時のポート構成、通信に用いられるデータ(例えば、ビット)レート又はその他のデータ通信速度、通信の一時停止又は再開、低電力モード又は他の電力管理状態への出入り、バス上のデバイスのリセット、デバイスの接続又は切断などを、含み得るか又は示し得る。
【0027】
一例において、第1のデータレート、例えばeUSB2高速データレート、を検出すると、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、信号調整器回路要素108をイネーブルし、レベルシフタ回路要素112をディセーブルする。逆に、第2のデータレート、例えばeUSB2低速又は全速データレート、を検出すると、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、信号調整器回路要素108をディセーブルし、レベルシフタ回路要素112をイネーブルする。別の例において、低電力モード又は状態、例えばeUSB2 L1電力状態(本明細書ではL1状態とも呼ぶ)、を検出すると、状態検出器及びコントローラ回路要素110は、信号調整器回路要素108のすべて又は一部をディセーブルすることによって、中間デバイス106を低電力モード又は状態に入らせる。中間デバイス106は、低電力モード又は状態にある間、レベルシフタ回路要素112のすべて又は一部もディセーブルし得る。低電力モードに入ることで省電力を可能にする。
【0028】
レベルシフタ回路要素112は、バス101上の信号を、1つの論理レベル又は電圧ドメインから別のデバイス102及び104間に変換する。一例において、レベルシフタ回路要素112は、ビットレベル、例えば或る時点における1ビットにおいて、リタイマ回路要素を用いることなく信号を変換し、したがって本明細書では「ビットレベルリピータ」とも呼ぶ。これにより、プロトコルに依存しない、すなわち、デバイス間で用いられる通信プロトコルに関係ないという利点を用いて、デバイスが、異なる供給及び接地レベルを有するとき、2つのeUSB2デバイスを含むデバイス102と104との間のバス101を介した通信が可能になる。これは、eUSB2定義に準拠するポート、リタイマ及び全クロック及びデータリカバリ(CDR)回路要素、並びに、パケット全体を変換すること及びeUSB2デバイス間の制御コマンド又はメッセージを変換することによって「パケットレベルリピータ」として実装する能力を必要とするeUSB2ハイブリッドリピータとは反対である。したがって、本明細書で説明するビットレベルリピータは、eUSB2ハイブリッドリピータよりも少ない複雑さ及び関連コストで有利に実装され得る。
【0029】
レベルシフタ回路要素112の更なる利点は、デバイスの構成要素(例えば、トランジスタ)の一つ又は複数の特徴サイズが縮小するため、デバイス102と104との間の通信を可能にできることである。例えば、eUSB2は現在、1.2及び1.0ボルト(V)で動作する(例えば、5ナノメートル(nm)プロセスノードをサポートする)デバイスをサポートしており、それらの間で、レベルシフタ回路要素112は、ビットレベルにおいて2つのeUSB2デバイス間で信号を直接変換することができる。特徴サイズが縮小するにつれて、例えば、3nm及び2nmプロセスノード、更に、0.8Vなどの関連する低電圧ドメインを伴う場合、レベルシフタ回路要素112は、追加の電圧ドメイン間で信号を変換することが可能である。これは有利なことに、低電圧ドメインに順応するようにeUSB2が拡張する際に、eUSB2デバイス対eUSB2デバイスのビットレベル変換をサポートするための中間デバイス106の使用を可能にする。
【0030】
信号調整器回路要素108は、ここでもパケットリピータとして実行する複雑さなしに、バス101上でのシグナリングの電力をブーストする信号ブースタ回路要素(図示せず)を含む。一例において、信号調整器回路要素108は、バス101上の作動信号のエッジを検出すること、及び、バス101上に作動電流を注入することによって、eUSB2高速シグナリングの間にバス101上の信号を調整する。バス101上に電流を注入することは、エッジ遷移レートを増加させ得、それに対応してバス101上のエッジの遷移時間を減少させ得るため、信号のアイパターンを向上させ、バス101の長さを増加させることができる。したがって、信号調整器回路要素108は、有利なことに、eUSB2規格において定義されたアイパターン制約を満たすための2つのeUSB2デバイス間の最大トレース長さ10インチの制限を克服し得る。より長いバスの使用は、より大きな回路基板又は可撓ケーブル接続が望ましいいくつかの応用例において有利である。
【0031】
図2は、説明する例に従ったeUSB2システム200を示す。システム200は、図1のシステム100の例示の実装である。システム200は、2つのeUSB2デバイス202及び204と中間デバイス206とを含む。eUSB2デバイス202及び204はデバイス102及び104の例示の実装であり、中間デバイス206は中間デバイス106の例示の実装である。
【0032】
一例において、デバイス202~206は、同じ物理的配置又はアセンブリ214に含まれるか又はその上にある。例えば、物理的配置214は、ラップトップ、デスクトップ、携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、テレビ、又はモニタなどの、コンピュータシステムである。別の例において、物理的配置214は、PCBなどの回路基板である。また、2つのeUSB2デバイス202及び204と1つの中間デバイス206のみが示されているが、システム200内には追加のこうしたデバイスが含まれ得る。また、eUSB2デバイス202及び204は、各々が単一の半導体基板上に含まれ(また、単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、複数の半導体基板に含まれ(また、単一のICとして単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、又は、複数のICパッケージ内にモジュールとして含まれてもよい。
【0033】
一例において、eUSB2デバイス202は、ホスト又はコントローラデバイスとして動作するSoCであり、eUSB2デバイス204は、接続されたデバイスであり、これは、別のSoC、データストレージ又はメモリデバイス、eUSB2リピータなどであり得る。eUSB2デバイス202及び204の他の例も、本説明の範囲内であると見込まれる。eUSB2デバイス202及び204は、eUSB2によって定義された、eUSB2に一貫した、及び/又はeUSB2に準拠した通信プロトコルを用いて、バス201を介したシリアル通信を可能にする回路要素(図示せず)を含む。デバイスタイプに応じて、デバイス202及び204は、ネイティブモード及び/又はリピータモードで通信するための回路要素(図示せず)を含む。
【0034】
バス201は、eUSB2デバイス202と204との間でシグナリングを転送するための導体203、205、207、及び209を含む。或る導体が、一つ又は複数の電気トレース、導体、又は他のタイプの信号線を含み得る。図示されるように、eUSB2デバイス202は、データバス201の導体203に結合されるeUSB2データ+ピンeDP0(eDP0ピン)、及び、データバス201の導体205に結合されるeUSB2データ-ピンeDM0(eDM0ピン)を含む。eUSB2デバイス204は、データバス201の導体207に結合されるeUSB2データ+ピンeDP1(eDP1ピン)、及び、データバス201の導体209に結合されるeUSB2データ-ピンeDM1(eDM1ピン)を含む。
【0035】
図2の例示の実施例において、eDP0、eDM0、eDP1、及びeDM1ピン、並びにバス201は、eUSB2デバイス202及び204が、「高速」データレートと呼ばれる第1のデータレート、「全速」データレートと呼ばれる第2のデータレート、及び「低速」データレートと呼ばれる第3のデータレートでシグナリングを通信できるようにする。「高速」データレートは、eUSB2によってサポートされる最高速のデータレートであり、現在、規格において480メガビット/秒(Mb/s)として定義されている。「全速」データレートは、eUSB2によってサポートされる中間データレートであり、現在、規格において12Mb/sとして定義されている。「低速」データレートは、eUSB2によってサポートされる再低速データレートであり、現在、規格において1.5Mb/sとして定義されている。
【0036】
中間デバイス206は、バス201に結合され、デバイス202と204との間の通信を容易にする。この例において、中間デバイス206(図1における中間デバイス106と同様)は、信号調整器回路要素208(図1における信号調整器回路要素108と同様)、状態検出器及びコントローラ回路要素210(図1における状態検出器及びコントローラ回路要素110と同様)、レベルシフタ回路要素212(図1におけるレベルシフタ回路要素112と同様)、L1モード又は状態検出器回路要素216(本明細書ではL1回路要素216とも呼ぶ)、及び、eSE1モード又は状態検出器回路要素218(本明細書ではeSE1回路要素218とも呼ぶ)を含む。中間デバイス206の構成要素又は要素208~212、216、及び218は、単一の半導体基板上に含まれ(また、単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、複数の半導体基板に含まれ(また、単一のICとして単一の半導体パッケージ内にパッケージングされ)てもよく、又は、複数のICパッケージ内にeUSB2デバイス202及び204とは別にモジュールとして含まれてもよい。
【0037】
状態検出器及びコントローラ回路要素210は、シグナリング、例えば、バス201上の、一つ又は複数のパケット及び/又は制御メッセージに含まれるような、一つ又は複数の信号又は信号のシーケンスを監視する。次いで、状態検出器及びコントローラ回路要素210は、シグナリングから、バス201上の通信の状態(すなわち、バス状態又は状態)を検出する。検出された状態に応じて、状態検出器及びコントローラ回路要素210は、信号調整器回路要素208、レベルシフタ回路要素212、L1回路要素216、及び/又はeSE1回路要素218の動作を制御、例えばイネーブル又はディセーブル、する。また、イネーブルされると、L1回路要素216及び/又はeSE1回路要素218は、信号調整器回路要素208及び/又はレベルシフタ回路要素212の動作を更に制御するために、状態検出器及びコントローラ回路要素210に入力を提供し得る。
【0038】
バス201上のシグナリングを監視し、バス状態を検出するために、状態検出器及びコントローラ回路要素210は、シグナリングを受信するためにバス201に結合される受信器回路要素と、受信したシグナリングからバス状態を検出するためのデジタル有限状態機械(FSM)222とを含む。デジタルFSM222は、デジタル回路要素によって実装されるFSM224と、FSM224に結合される一つ又は複数の発振器226とを含む。FSM224のデジタル回路要素は、論理ゲート、組み合わせ論理、フリップフロップ、リレー、抵抗器、プログラム可能論理デバイス、及び/又はプログラム可能論理コントローラのうちの、一つ又は複数、或いはそれらの組み合わせを含み得る。FSM224は、パケットリピータのようにプロトコルハンドシェイクに能動的に参加する代わりに、バス状態を受動的に検出する、簡略化された状態機械として実装される。発振器226は、バス状態を検出するためにFSM224によって用いられる受信器出力において、信号のサンプリングを可能にするために、一つ又は複数のクロック信号を提供する。発振器226は、水晶発振器、微小電気機械システム(MEM)デバイス、バルク超音波デバイス、又は他の電子機器発振器を用いて実装され得る。
【0039】
状態検出器及びコントローラ回路要素210の受信器回路要素は、シングルエンド又は単一入力受信器228、230、232、及び234、並びに二重入力受信器236及び238を含む。例えば、受信器228~234は、電圧バッファ、例えばシングルエンド相補型金属酸化膜半導体(CMOS)バッファであり、これらは、入力における単一信号を、出力における信号を判定するために比較器に提供される供給電圧の関数と比較するアナログ比較器として働く。例えば、シングルエンド受信器への信号入力が電圧供給の半分を超えるとき、出力信号は論理レベル1であり、超えないとき、出力信号は論理レベル0である。受信器236及び238は、出力における信号を生成するために、2つの入力における信号を比較する差動受信器である。例えば、eDP0ピンにおける信号がeDM0ピンにおける信号を超えるとき、出力信号は論理レベル1であり、超えないとき、出力は論理レベル0である。同様に、eDP1ピンにおける信号がeDM1ピンにおける信号を超えるとき、出力信号は論理レベル1であり、超えないとき、出力は論理レベル0である。他の例において、差動受信器236及び238は、状態検出器及びコントローラ回路要素210に含まれない。
【0040】
図示されるように、受信器228の入力は、eUSB2デバイス202のeDP0ピンからシグナリングを受信するために導体203に結合され、受信器230の入力は、eUSB2デバイス202のeDM0ピンからシグナリングを受信するために導体205に結合される。受信器236の入力は、eDP0及びeDM0ピンの両方からシグナリングを受信するために、それぞれ導体203及び205に結合される。更に図示されるように、受信器232の入力は、eUSB2デバイス204のeDP1ピンからシグナリングを受信するために導体207に結合され、受信器234の入力は、eUSB2デバイス204のeDM1ピンからシグナリングを受信するために導体209に結合される。受信器238の入力は、eDP1及びeDM1ピンの両方からシグナリングを受信するために、導体207及び209にそれぞれ結合される。受信器228~238の出力は、FSM224に結合される。
【0041】
動作の間、FSM224は、バス状態を判定するために、そのデジタル回路要素を介して受信器228~238からシグナリングをサンプリングする。例えば、eUSB2デバイス202がSoCコントローラ又はホストとして機能する場合、eUSB2デバイス202は、バス201上のeUSB2デバイス204の始動又は接続を検出し得る。代替として、バス201上の通信の間、eUSB2デバイス204が低速、全速、及び高速のシグナリングをサポートする場合、データレートは、1つのデータレートから別のデータレートへ、例えば、低速又は全速から高速のシグナリングへ、変化し得る。これに応答して又は従って、eUSB2デバイス202及び/又はeUSB2デバイス204は、バス201上の通信のためのデータレートを示す、バス201上のシグナリングを送信する。一例において、シグナリングには、FSM224によって識別可能な電圧レベルの特定のシーケンスが含まれる。シグナリングは、制御シグナリング、例えばL0状態及びL0状態のデータレートを示す制御コマンド又はメッセージ、を含み得る。
【0042】
一例において、FSM224は、FSM224がバス201上の低速又は全速シグナリングとして識別する、受信器228及び230からの一つ又は複数の電圧出力信号シーケンスを受信する。eUSB2に従い、低速を全速シグナリングと区別するために、すべての低速シグナリングは全速の逆数であり、例えば、eD+及びeD-は、制御メッセージシグナリングを除いてスワップされる。代替として、FSM224は、受信器228及び230からの一つ又は複数の電圧出力信号シーケンスを、及び/又は、FSM224がバス201上で高速シグナリングとして識別する、差動受信器236からの一つ又は複数の電圧出力信号シーケンスを受信する。
【0043】
一例において、eUSB2高速データレートを検出する際、FSM224は、信号調整器回路要素208を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体211上で一つ又は複数の信号を送信する。FSM224は、レベルシフタ回路要素212を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体213上で一つ又は複数の信号も送信する。導体211上の一つ又は複数の信号(例えば、イネーブル信号)は、信号調整器回路要素208の動作をイネーブルする。導体213上の一つ又は複数の信号(例えば、ディセーブル信号)は、レベルシフタ回路要素212の動作をディセーブルする。逆に、eUSB2低速データレート又は全速データレートを検出する際、又はデフォルトとして、信号調整器回路要素208を動作しないとき、FSM224は、信号調整器回路要素208の動作をディセーブルするため、及び、レベルシフタ回路要素212の動作をイネーブルするために、導体211及び213上で一つ又は複数の信号を送信する。一例において、イネーブル信号が論理レベル1又は「高」信号又は状態であり、ディセーブル信号が論理レベル0又は「低」信号又は状態である。しかしながら別の例において、その反対が実装され得る。
【0044】
加えて、eUSB2高速データレートを検出する際、FSM224は、L1回路要素216を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体215上で一つ又は複数の信号を送信する。導体215上の一つ又は複数の信号は、信号調整器回路要素208の動作の間、L1回路要素216の動作をイネーブルする。
【0045】
L1回路要素216がeUSB2 L1状態を検出するとき、L1回路要素216を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体215を介して、FSM224にシグナリングする。これに応答して、FSM224は、例えば、FSM224がeUSB2 L1の再開状態を検出するまで、信号調整器回路要素208及びL1回路要素216の動作をディセーブルするために、導体211及び215上で一つ又は複数の信号を送信し得る。L1再開状態に応答して、及びいくつかの例においてeUSB2高速データレートを検出する際に、FSM224は、信号調整器回路要素208及びL1回路要素216の動作を再イネーブルするために、導体211及び215の上で一つ又は複数の信号を送信し得る。L1状態は、eUSB2に従ったリンク電力管理の一部である。L1回路要素216の例示の実装及びその動作は、図6図8を参照しながら後述する。
【0046】
eSE1回路要素218は、eUSB2シングルエンド1(eSE1)状態又はXeSE1状態を検出する。例示のeSE1状態は、数例を挙げると、拡張シングルエンド1(ESE1)、SOWake、SOResume、及びSOResetを含む。特定の例において、ESE1状態は、eUSB2デバイス202及び/又は204の起動の間の、デバイス切断事象又はポートリセット事象を知らせる。起動の間にリセットされたポートを検出するeSE1回路要素218は、バス201上で用いられるデータレートを検出するFSM224に進行し、この例ではイネーブルする。ESE1状態は、導体203及び205の両方でのシグナリングが論理レベル1であるとき、或いは、導体207及び209上の両方での高状態又はシグナリングが、eUSB2規格によって定義された時間期間の間、高状態であるとき、検出される。
【0047】
受信器228及び230又は受信器232及び234の出力信号から高状態を検出するFSM224の動作の間、及びこれに応答して、FSM224は、eSE1回路要素218を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体217上で一つ又は複数の信号を送信する。導体217上の一つ又は複数の信号は、eSE1回路要素218の動作をリセットする。eSE1回路要素218がESE1状態を検出するとき、eSE1回路要素218を状態検出器及びコントローラ回路要素210に結合する導体217を介して、FSM224にシグナリングする。FSM224は次いで、バス201上のデータレートを検出するために進行することができる。
【0048】
一例において、eSE1回路要素218は、4つのシングルエンド受信器(図示せず)、例えば、CMOSバッファ、及びカウンタ機能(図示せず)、例えば、クロック信号及びデジタルカウンタを生成するために受信器に結合される発振器を含む。受信器のうちの2つはそれぞれ、eUSB2デバイス202からのシグナリングを検出するために導体203及び205に結合される。他の2つの受信器はそれぞれ、eUSB2デバイス204からのシグナリングを検出するために導体207及び209に結合される。eSE1回路要素218は、受信器をバス201に結合するスイッチも含み得る。
【0049】
導体217上で一つ又は複数の信号を受信すると、受信器のうちの2つをバス201に結合するため、スイッチのうちの2つが閉じる。閉じたスイッチはそれぞれ受信器を導体203及び205に結合するか、又はそれぞれ受信器を導体207及び209に結合する。ESE1状態を示すための必須時間量の間受信器出力において信号の高状態が維持されていることをカウンタが示すとき、eSE1回路要素218は、導体217を介してFSM224にシグナリングする。ESE1状態を示すシグナリングを受信した後、FSM224は、スイッチを開いてeSE1回路要素のカウンタをリセットするため、応答的に導体217上で一つ又は複数の信号を送信し得る。
【0050】
レベルシフタ回路要素212は、eUSB2デバイス202と204との間で、バス201上の信号を1つの論理レベル又は電圧ドメインから別の論理レベル又は電圧ドメインに変換する、ビットレベルリピータとして実装される。図示された例において、内部でeUSB2デバイス202及び204が動作するか、又は、eUSB2デバイス202及び204に適合する電圧ドメインは、0.8V、1.0V、又は1.2Vのうちの1つであり、これは、バイナリ構成において高論理レベル、例えば1、を判定する。低論理レベル、例えば0は、レベルシフタ回路要素212についての接地基準によって判定される。
【0051】
レベルシフタ回路要素212は、eUSB2デバイス202と204との間の双方向電圧レベル変換を可能にする、受信器240、242、244、246及び変換回路要素248、250、252、254を含む。一例において、受信器240~246はシングルエンドCMOSバッファであり、変換回路要素248~254はスイッチを含む。
【0052】
図示されるように、受信器240の入力が導体203に結合され、受信器242の入力が、eUSB2デバイス202によってサポートされる電圧レベルにおいてシグナリングを受信するために、導体205に結合される。受信器240の出力が変換回路要素248の入力に結合され、受信器242の出力が変換回路要素250の入力に結合される。また、受信器240及び242から、eUSB2デバイス204によってサポートされる電圧及び接地基準レベルへの、シグナリングの変換を可能にするために、変換回路要素248の出力が導体207に結合され、変換回路要素250の出力が導体209に結合される。
【0053】
逆方向に、受信器244の入力が導体207に結合され、eUSB2デバイス204によってサポートされる電圧レベルにおいてシグナリングを受信するために、受信器246の入力が導体209に結合される。受信器244の出力が変換回路要素252の入力に結合され、受信器246の出力が変換回路要素254の入力に結合される。また、変換回路要素252の出力が導体203に結合され、受信器244及び246から、eUSB2デバイス202によってサポートされる電圧及び接地基準レベルへの、シグナリングの変換を可能にするために、変換回路要素254の出力が導体205に結合される。
【0054】
一実装において、レベルシフタ回路要素212の一方向のみが、例えば、eUSB2デバイス202からeUSB2デバイス204への通信の場合、又は、eUSB2デバイス204からeUSB2デバイス202への通信の場合、或る時点でアクティブである。例えば、レベルシフタ回路要素212の動作をイネーブルする導体213上でのシグナリングは、電圧変換を行う方向も設定する。レベルシフタ回路要素212の例示の実装を、図3の参照によって以下で説明する。
【0055】
信号調整器回路要素208は、スイッチSW1、スイッチSW2、及び高速(HS)信号ブースタ回路要素220(本明細書では、信号ブースタ回路要素220とも呼ぶ)を含む。スイッチSW1及びSW2は、電界効果トランジスタ(FET)及び/又はバイポーラ接合トランジスタ(BJT)などの、適切なタイプの一つ又は複数のトランジスタを含むことができる。第1の端子又はスイッチSW1の端部が導体203に結合され、スイッチSW1の第2の端子が導体207に、及び信号ブースタ回路要素220に結合される。スイッチSW2の第1の端子が導体205に結合され、スイッチSW2の第2の端子が導体209に結合される。
【0056】
導体211上の一つ又は複数の信号に応答して、スイッチSW1及びSW2は、信号ブースタ回路要素220をバス201に結合するために、開状態(開)から閉状態(閉)へと遷移する。結合されると、信号ブースタ回路要素220は、バス201上でのシグナリングの電力をブーストする。信号調整器回路要素208の例示の実装を、図4及び図5の参照によって以下で説明する。
【0057】
図3は、説明する例に従ったレベルシフタ回路要素312を示す。レベルシフタ回路要素312は、図1のレベルシフタ回路要素112及び図2のレベルシフタ回路要素212の、例示の部分的実装である。特に、図3に図示される構成要素は、eUSB2デバイス202からeUSB2デバイス204への低速及び全速シグナリングの電圧変換を可能にする。同じか又は同様の回路要素が、eUSB2デバイス204からeUSB2デバイス202への低速及び全速シグナリングの電圧変換を可能にするために用いられ得る。
【0058】
レベルシフタ回路要素312は、導体203及び205を介してそれぞれeDP0及びeDM0ピンに結合された受信器240及び242と、プログラム可能電圧供給300及び302と、スイッチSW3及びSW4を含む変換回路要素348と、スイッチSW5及びSW6を含む変換回路要素350と、スイッチSW7及びSW8とを含む。スイッチSW3及びSW4は代替的に動作し、一方のスイッチが開であるとき、他方のスイッチは閉であり、またその逆も真であることを意味する。同様に、スイッチSW5及びSW6は代替的に動作する。また、スイッチSW3~SW8は、FET及び/又はBJTなどの適切なタイプの一つ又は複数のトランジスタを含むことができる。また、プログラム可能電圧供給300及び302は、各々、0.8V、1.0V、又は1.2Vにプログラムされ得る。しかしながら、他の電圧レベルも本説明の範囲内であると見込まれる。
【0059】
プログラム可能電圧供給300は、受信器240及び242のそれぞれの入力に結合され、eUSB2デバイス202によってサポートされる電圧レベルVSUPPLY1にプログラムされる。プログラム可能電圧供給302は、スイッチSW3及びSW5のそれぞれの第1の端子に結合され、eUSB2デバイス204によってサポートされる電圧レベルVSUPPLY2にプログラムされる。スイッチSW3の第2の端子が、受信器240の出力及びスイッチSW4の第1の端子に結合される。スイッチSW3の第3の端子が、スイッチSW4の第2の端子及びスイッチSW7の第1の端子に結合される。スイッチSW4の第3の端子が、eUSB2デバイス204の接地基準304(本明細書では、接地304とも呼ぶ)に結合される。導体213は、スイッチSW7及びSW8のそれぞれ第2の端子に結合され、スイッチSW7の第3の端子が導体207に結合される。
【0060】
スイッチSW5の第2の端子が、受信器242の出力及びスイッチSW6の第1の端子に結合される。スイッチSW5の第3の端子が、スイッチSW6の第2の端子及びスイッチSW8の第1の端子に結合される。スイッチSW6の第3の端子が接地304に結合され、スイッチSW8の第3の端子が導体209に結合される。
【0061】
導体213上のイネーブル信号、例えば論理1に応答して、スイッチSW7及びSW8は、変換回路要素348及び350をそれぞれ導体207及び209に結合するために、開状態から閉状態へと遷移する。一例において、受信器240の入力におけるシグナリングがVSUPPLY1/2を超えるとき、受信器240の出力は論理レベル1にあり、これはeUSB2デバイス202についての論理レベル1を表す。受信器240の出力における論理レベル1は、導体207上にVSUPPLY2を提供するためにスイッチSW3を閉じ、これはeUSB2デバイス204についての論理レベル1を表す。受信器240の出力における論理レベル1は、スイッチSW4の開状態を生じさせる。
【0062】
逆に、受信器240の入力におけるシグナリングがVSUPPLY1/2未満であるとき、受信器240の出力は論理レベル0にあり、これはeUSB2デバイス202についての論理レベル0を表す。受信器240の出力における論理レベル0は、導体207上に接地基準304を提供するためにスイッチSW4を閉じ、これはeUSB2デバイス204についての論理レベル0を表す。受信器240の出力における論理レベル0は、スイッチSW3の開状態を生じさせる。
【0063】
同様に、受信器242の入力におけるシグナリングがVSUPPLY1/2を超えるとき、受信器242の出力は論理レベル1にあり、これはeUSB2デバイス202についての論理レベル1を表す。受信器242の出力における論理レベル1は、導体209上にVSUPPLY2を提供するためにスイッチSW5を閉じ、これはeUSB2デバイス204についての論理レベル1を表す。受信器242の出力における論理レベル1は、スイッチSW6の開状態を生じさせる。
【0064】
逆に、受信器242の入力におけるシグナリングがVSUPPLY1/2未満であるとき、受信器242の出力は論理レベル0にあり、これはeUSB2デバイス202についての論理レベル0を表す。受信器242の出力における論理レベル0は、導体209上に接地基準304を提供するためにスイッチSW6を閉じ、これはeUSB2デバイス204についての論理レベル0を表す。受信器242の出力における論理レベル0は、スイッチSW5の開状態を生じさせる。また、導体213上でディセーブル信号、例えば論理0を受信することに応答して、スイッチSW7及びSW8は、変換回路要素348及び350をそれぞれ導体207及び209から切り離すために、閉状態から開状態へと遷移する。
【0065】
図4は、説明する例に従った信号調整器回路要素408を示す。信号調整器回路要素408は、図1の信号調整器回路要素108及び図2の信号調整器回路要素208の例示の実装である。信号調整器回路要素408は、スイッチSW1及びSW2、スイッチSW9及びSW10、並びに信号ブースタ回路要素220を含む。
【0066】
導体211の信号線401が、スイッチSW1及びSW2それぞれの第1の端子に結合され、導体211の信号線403が、スイッチSW9及びSW10それぞれの第1の端子に結合される。スイッチSW1の第2の端子が導体203に結合され、スイッチSW1の第3の端子が、導体207とスイッチSW9の第2の端子とに結合される。スイッチSW9の第3の端子が信号ブースタ回路要素220に結合される。スイッチSW2の第2の端子が導体205に結合され、スイッチSW2の第3の端子が、導体209とスイッチSW10の第2の端子とに結合される。スイッチSW10の第3の端子が信号ブースタ回路要素220に結合される。
【0067】
導体211の信号線401及び403上のイネーブル信号、例えば論理1、に応答して、スイッチSW1、SW2、SW9、及びSW10は、開状態から閉状態へと遷移する。閉じたスイッチSW1及びSW9は、導体203及び207を信号ブースタ回路要素220に結合し、閉じたスイッチSW2及びSW10は、導体205及び209を信号ブースタ回路要素220に結合する。これにより、信号ブースタ回路要素220の動作をイネーブルする。
【0068】
図5は、説明する例に従った信号ブースタ回路要素520の概略図を示す。信号ブースタ回路要素520は、図2及び図4の信号ブースタ回路要素220の例示の実装である。信号ブースタ回路要素520は、遷移検出器回路500及び502、電流源504及び506、並びにスイッチSW11及びSW12を含む。一例において、遷移検出回路500は、データ+及びデータ-の差動信号を(例えば、eDP0及びeDM0ピンから、又は、eDP1及びeDM1ピンから)受信し、それらから、差動信号の立上りエッジを検出するための、バス201に結合された第1及び第2の入力を有する差動比較器である。同様に、遷移検出回路502は、データ+及びデータ-の差動信号を受信し、それらから、差動信号の立下りエッジを検出するための、バス201に結合された第1及び第2の入力を有する差動比較器である。
【0069】
遷移検出器回路500の出力が、スイッチSW11の第1の端子に結合される。スイッチSW11の第2の端子が電流源504の出力に結合され、スイッチSW11の第3の端子が、信号ブースタ回路要素220の動作の間に、eDP0及びeDP1ピンからシグナリングを受信するために、バス201に結合される。同様に、遷移検出器回路502の出力が、スイッチSW12の第1の端子に結合される。スイッチSW12の第2の端子が電流源506の出力に結合され、スイッチSW12の第3の端子が、信号ブースタ回路要素220の動作の間に、eDM0及びeDM1ピンからシグナリングを受信するために、バス201に結合される。
【0070】
バス201上の差動信号の立上りエッジを検出すると、遷移検出器回路500はスイッチSW11を閉じる信号を出力する。これに応答して、電流源504は、導体上の立上りエッジをブーストするために、(高速シグナリングの方向に応じて)導体203又は207へと電流を供給する。立上りエッジが検出されないとき、遷移検出器回路500は、バス201からの電流源504を切断するためにスイッチSW11を開く信号を出力する。
【0071】
バス201上の差動信号の立下りエッジを検出すると、遷移検出器回路502はスイッチSW12を閉じる信号を出力する。これに応答して、電流源506は、導体上の立下りエッジをブーストするために、(高速シグナリングの方向に応じて)導体205又は209からの電流をシンクする。立下りエッジが検出されないとき、遷移検出器回路502は、バス201からの電流源506を切断するためにスイッチSW12を開く信号を出力する。
【0072】
別の例において、電流源504及び506は調整可能な電流源である。例えば、状態検出器及びコントローラ回路要素210(又は110)は、電流源504及び506を介して提供されるブースト電流を判定するためにバス201上のインピーダンスを感知する回路要素(図示せず)を含み得る。また、いくつかの例において、信号ブースタ回路要素520は、高速パケットがバス202上で送信されるときのみトリガされる。そうでない場合、信号ブースタ回路要素はアイドルである。
【0073】
注入された電流は、信号の伝送距離を増加できるように、バス201を介していずれかの方向に進行する信号の立上り及び立下り時間を改善させる。パケットリピータは、ジッタ及びスキューを追加し、パケットビットの開始を切り捨て得、パケットの端部においてドリブルビットを追加し得る。しかしながら、信号ブースタ回路要素520は、これらの制約のうちの一つ又は複数なしに、実装され得る。
【0074】
図6は、説明する例に従ったL1回路要素616を示す。L1回路要素616は、図2のL1回路要素216の例示の実装である。L1回路要素616は、クロック及びデータリカバリ(CDR)回路600及びFSM602を含む。CDR回路600は、クロック、例えば480メガヘルツ(MHz)クロックを、バス201上の一つ又は複数のパケットから導出し、L1状態の検出に用いるためにFSM602に提供する。
【0075】
CDR回路600は、受信器604、電流源606及び608、差動増幅器610、比較器612及び614、遅延回路618、スイッチSW13~SW15、キャパシタC1及びC2、並びに抵抗器R1及びR2を含む。一例において、遅延回路618は遅延線であり、キャパシタC1及びC2は同じ静電容量を有し、抵抗器R1及びR2は同じ抵抗値を有し、受信器604は、その出力において信号を生成するためにその2つの入力における信号を比較する、差動受信器である。例えば、eDP0ピンにおける信号がeDM0ピンにおける信号を超えるとき、出力信号は論理レベル1であり、超えない場合、出力信号は論理レベル0である。同様に、eDP1ピンにおける信号がeDM1ピンにおける信号を超えるとき、出力信号は論理レベル1であり、超えない場合、出力信号は論理レベル0である。また、スイッチSW13~SW15は、FET、BJT、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0076】
FSM602は、デジタル論理622及びカウンタ624を含む。論理622は、L1状態を示すために用いられるパケット識別子(PID)を検出するために用いられる。一つ又は複数の追加のPIDを検出することなどの、他の機能を行なうための追加の論理(図示せず)がFSM602に含められ得る。カウンタ624は、受信器604の出力に結合され、データバス201上の一つ又は複数のパケットからPIDを検出する際に支援する。FSM602は、論理ゲート、組み合わせ論理、フリップフロップ、リレー、抵抗器、プログラム可能論理デバイス、及び/又は、プログラム可能論理コントローラのうちの一つ又は複数、或いはそれらの組み合わせを含み得る。FSM602はまた、バス201上の通信から情報を受動的に検出するが、通信プロトコル交換には能動的に関与しない。
【0077】
図示されるように、受信器604の出力がスイッチSW13及びSW14のそれぞれの第1の端子に、並びに、FSM602の入力に、結合される。スイッチSW13の第2の端子が電流源606の出力に結合され、スイッチSW13の第3の端子が、キャパシタC1の第1の端子、差動増幅器610の非反転入力、及び、比較器614の非反転入力に結合される。キャパシタC1の第2の端子が、接地基準620(本明細書では接地620とも呼ぶ)に結合される。
【0078】
抵抗器R1及びR2並びに差動増幅器610は、電圧増倍器を、この場合は電圧ダブラを形成するために、共に結合される。すなわち、差動増幅器610の反転入力は、抵抗器R1及びR2のそれぞれの第1の端子に結合される。抵抗器R1の第2の端子が接地620に結合され、抵抗器R2の第2の端子が差動増幅器610の出力に結合される。
【0079】
比較器612の反転入力が、差動増幅器610の出力にも結合される。比較器612の非反転入力が、比較器614の非反転入力、スイッチSW15及びキャパシタC2のそれぞれの第1の端子、及び、スイッチSW14を介した電流供給608の出力に結合される。キャパシタC2及びスイッチSW15のそれぞれの第2の端子は、接地620に結合される。比較器612の出力が遅延回路618の入力に結合され、遅延回路618の出力がスイッチSW15の第3の端子に結合される。最終的に、比較器614の出力がFSM602の別の入力に結合され、データバス201上の一つ又は複数のパケットからPIDを検出する際に支援する。
【0080】
CDR回路600の動作を、図7に図示される例示のシグナリング図700を参照して説明する。シグナリング図700は、受信器604の入力において提供される差動信号702及び704を示す。一例において、信号702はeDP0ピンから導体203上に提供される信号であり、信号704はeDM0ピンから導体205上に提供される信号である。代替として、信号702はeDP1ピンから導体207上に提供される信号であり、信号704はeDM1ピンから導体209上に提供される信号である。わかりやすくするために、L1回路要素616の動作を、高速シグナリングをeUSB2デバイス204に送信するeUSB2デバイス202を参照して説明し、シグナリングはeUSB2パケットを含む。したがって、信号702はeDP0信号702と呼ばれ、信号704はeDM0信号704と呼ばれる。
【0081】
第1のパケットのパケットの端部(EOP)が、706に示される。EOPに続き、708にSE0(シングルエンドゼロ)が示される。SE0状態は、eDP0信号702及びeDM0信号704の両方によって示され、この例では、論理レベル0又は低状態である。SE0状態は、次のパケットの開始直前であり、SYNCパターン710の開始は次のパケットの開始を示す。CDR回路600は、480MHzクロックを生成するためにSYNCパターン710を用いる。
【0082】
SE0状態の間に、L1回路要素616はリセットされる。例えばFSM224は、SE0状態を検出し、イネーブル/リセット信号を導体215でL1回路要素616に送信する。イネーブル/リセット信号に応答して、FSM602は、論理622を開始状態にリセットし、カウンタ624をリセットし、これがFSM602のクロックをリセットする。また、例示の実装において、電流源606及び608は、SYNCパターンの開始においてオフ状態(OFF)である。更なる例において、FSM224は、最初に信号調整器回路要素210をイネーブルするときのみL1回路要素616をイネーブル/リセットするため、回路要素210及び616は同時に動作可能である。後続のSE0状態は、FSM602に含まれる論理(図示せず)によって検出され、この検出はL1回路要素616のリセットにつながる。
【0083】
SYNCパターン710の第1のSYNCビットの開始は712に示される。その後、eDP0信号702がeDM0信号704よりも大きくなるように遷移する(それによって、受信器604の出力が論理1に遷移する)ごとに、カウンタ624はSYNCビットの数をカウントするために増加する。スイッチSW13及びSW14は、受信器604の出力における論理1に応答して閉じる。しかしながら、電流源606及び608が、それらに結合されたそれぞれのキャパシタC1及びC2を充電するためにオン状態(ON)にあるかどうかは、カウンタ値に依存する。
【0084】
すなわち、716において、電流源606は、カウンタ624が第1のSYNCビットをカウントした後、及び/又は、カウンタ624が第1のSYNCビットをカウントすることに応答して、ONにされる。これは、スイッチSW13が閉じたときに電流源606がキャパシタC1を充電するのを可能にする。電流源606は718において、カウンタ624が第3のSYNCビットをカウントした後、及び/又は、カウンタ624が第3のSYNCビットをカウントすることに応答して、OFFにされる。この時点までにキャパシタC1は、キャパシタC1を横切る電圧V1を生成するのに十分な時間量で充電されている。
【0085】
電圧V1は、比較器614の反転入力において基準電圧として提供される。電圧V1はまた、差動増幅器610の非反転入力にも提供され、差動増幅器610の出力において2×V1の電圧を生成する。電圧2×V1は、比較器612の反転入力において基準電圧として提供される。基準電圧V1及び2×V1の精度は、キャパシタC1上でのリークによって制限される。
【0086】
720において、電流源608は、カウンタ624が第7のSYNCビットをカウントした後、及び/又は、カウンタ624が第7のSYNCビットをカウントすることに応答して、ONにされる。電流源608と606との間の電流比Ix対I(Ix/I)は、電流源606をOFFにすることと電流源608をONにすることとの間の遅延を補償するために、クロック周波数を調整するために用いられる。電流源608のターンONは、スイッチSW14が閉じたときにキャパシタC2の充電を可能にし、また更に、比較器614の出力において480MHzクロック信号(CLK)を生成するために、比較器612及び614並びにスイッチSW15の動作をイネーブルする。一般に、信号702及び704からのタイミング情報は、キャパシタC2を横切る電圧VRAMPの形態で保存される。
【0087】
より詳細には、キャパシタC2が充電する際、ランプ電圧VRAMPは、上昇し、比較器612及び614のそれぞれの非反転入力に提供される。VRAMP<V1の間、CLKは低であり、比較器612から出力されるリセット信号(RESET)は低である。低いRESETは、スイッチSW15を開のままにさせる。VRAMPがV1を超えるとき、CLKは高になる。VRAMPが2×V1を超えるとき、RESETは高になる。
【0088】
遅延回路要素618によって遅延が生成された後、高RESETはスイッチSW15を閉じる。これに応答して、キャパシタC2はVRAMPの放電及びプルダウンを開始する。VRAMPが2×V1より低くなるとき、RESETは低になる。しかしながら、低RESETは、VRAMPをV1より低くし、CLKを引き下げるのに十分な時間だけ遅延される。低RESETがスイッチSW15に提供されると、SW15は、キャパシタC2が次のCLKパルスを生成するための再充電を開始できるようにするために、開状態に遷移する。
【0089】
図7には示されていないが、電流パケットのPIDは、SYNCパターン710が終了した後に開始する。FSM602は、受信器604及びCLKから両方の出力信号を受信する。CLKは、低電力状態に入ったことを示すPIDを検出するように論理622をイネーブルするために、受信器604からの出力信号をサンプリングするために用いられる。例えば、L1状態に入ったことは、EXT PID 1010によって示される。論理622は、EXT PIDの検出に失敗すると終了する。これに応答して、L1回路要素616はリセットされ、次のパケットを待つ。しかしながら、論理622がEXT PIDを検出した場合、L1回路要素616は、リセットし、FSM602の追加の論理(図示せず)を用いてSUB PID及びACK PIDの検出を試みる。FSM602がSUB PID又はACK PIDの検出に失敗した場合、L1回路要素616はリセットされ、次のパケットを待つ。EXT PID、SUB PID、及びACK PIDを検出すると、FSM602は、L1状態に有効に入ったことを示すために、導体215上で、例えば論理1を用いて、FSM224にシグナリングする。
【0090】
図8は、L1状態を検出するL1回路要素616からのシミュレーション結果を示すシグナリング図800を示す。シグナリング図800は、複数のパケットを搬送するeDP及びeDM信号802、eDP及びeDM信号802によって通信されるパケットから生成されるCLK信号804、並びに、導体215上の信号806を示す。eDP及びeDM信号802並びにCLK信号804の分解セグメント808が、第1のパケットのEXT PID 812を検出するために用いられる生成されるCLK信号810、第2のパケットのSUB PID 816を検出するために用いられる生成されるCLK信号814、及び、第3のパケットのACK PID 820を検出するために用いられる生成されるCLK信号818を示す。ACK PIDが検出された後、FSM602はL1状態に入るために、導体215上でFSM624に論理1を送信する(824に示される)。この例において、822において示されるように、FSM602は、ACK PIDがL1検出をシグナリングした後、10マイクロ秒待機する。しかしながら他の例において、この待機期間は異なるか、又は待機期間はない。
【0091】
図9は、信号調整器回路要素と、レベルシフタ回路要素と、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを動作させるための、例示の方法900のフローチャートである。一例において、方法900は、図1を参照して説明した中間デバイス106によって行なわれる。別の例において、方法900は、図2を参照して説明した中間デバイス206によって行なわれる。更に別の例において、方法900は、説明する例に従った中間デバイスの機能性又は動作可能性の一部又はいくつかのみを実装し、また方法900は、動作の1つの例示の方法を示す。わかりやすくするために、方法900は、図2図8を参照して上記で説明したように、例示の中間デバイス206を参照して説明する。
【0092】
方法900によれば、状態検出器及びコントローラ回路要素210は、受信器228~238のうちの一つ又は複数を用いて、バス201から信号を受信し、信号からバス状態又は通信の状態を検出するために、ブロック902においてデジタルFSM222を動作させる。バス状態を検出することは、ブロック904において、受信器回路要素において受信した信号から第1のデータレート又は第2のデータレートを検出することを含む。この例において、FSM224は、ブロック904において、高速(HS)データレートが検出されたかどうかを判定する。FSM224は高速データレートを検出していないが、代わりに低速又は全速データレートを検出した場合、FSM224は、ブロック906において、レベルシフタ回路要素212の動作をイネーブルする。レベルシフタ回路要素212は、信号の電圧レベルを第1の電圧レベルから第2の電圧レベルへシフトするためのものである。一例において、レベルシフタ回路要素は、例示のレベルシフタ回路要素312に従って実装及び動作される。レベルシフタ回路要素212を動作させる間、方法900はまた、必要に応じて他のバス状態の検出を可能にするために、ブロック902において、データレートの検出を含むデジタルFSM222の動作を続行する。
【0093】
FSM224が高速データレートを検出した場合、FSM224は、ブロック908において信号調整器回路要素208の動作、及びブロック910においてL1回路要素216の動作をイネーブルする。一例において、信号調整器回路要素は、例示の信号調整器回路要素408及びHS信号ブースタ520に従って実装及び動作され、L1回路要素は、例示のL1回路要素616に従って実装及び動作される。例えば、信号調整器回路要素208を動作させることは、信号のエッジをブーストするためである。また、一例において、L1回路要素216を動作させることは、ブロック912においてL1状態を検出するためである。例えば、L1回路要素216を動作させることは、例えば、信号内で通信されるパケット内のそれぞれの同期(SYNC)パターンを用いるCDR回路600によって、クロック信号を生成することを含む。また、L1状態を検出することは、有限状態機械、例えばFSM622、にクロック信号を提供することと、クロック信号を使用して、有限状態機械によって、一連のパケットにおいてEXT PID、SUB PID、及びACK PIDの指示を検出することとを含む。
【0094】
ブロック912において、L1状態が検出されない場合、方法900は、ブロック908において信号調整器回路要素208を、及び、ブロック910においてL1回路要素216を、動作させることで継続する。L1状態が検出された場合、中間デバイス206はブロック914において低電力状態で動作する。低電力状態は、信号調整器回路要素208の最小ディセーブルを含む。低電力状態は、ブロック916においてL1再開状態が検出されるまで続行する。L1再開状態が検出されるとき、方法900は、必要に応じて他のバス状態の検出を可能にするために、ブロック902において、データレートの検出を含むデジタルFSM222の動作で継続する。
【0095】
信号調整器回路要素208又はレベルシフタ回路要素212を動作させる間、デジタルFSM222はまた、ブロック918においてeSE1回路要素218の動作もイネーブルする。eSE1回路要素218を動作させることは、ブロック920において、信号から一つ又は複数のeSE1状態を検出するためである。一例においてeSE1回路要素218は、ブロック920においてeSE1状態が検出されるまで、動作を続行することができる。検出されると、デジタルFSM222は、ブロック922及び924において、レベルシフタ回路要素212又は信号調整器回路要素208のうちの1つ又は両方をディセーブルすることができる。方法900は、データレートの検出を含み、他のバス状態の検出を必要に応じて可能にするために、ブロック902における、デジタルFSM222の動作で継続することができる。
【0096】
図10は、信号調整器回路要素と、レベルシフタ回路要素と、状態検出器及びコントローラ回路要素とを含む中間デバイスを動作させるための、例示の方法1000のフローチャートである。一例において、方法1000は、図1を参照して説明した中間デバイス106によって行なわれる。別の例において、方法1000は、図2を参照して説明した中間デバイス206によって行なわれる。更に別の例において、方法1000は、説明する例に従った中間デバイスの機能性又は動作可能性の一部又はいくつかのみを実装し、また方法1000は、動作の1つの例示の方法を示す。わかりやすくするために、方法1000は、図2図8を参照して上記で説明したように、例示の中間デバイス206を参照して説明する。
【0097】
方法1000によれば、状態検出器及びコントローラ回路要素210は、受信器228~234のうちの一つ又は複数を用いてバス201から信号を受信し、信号からバス状態又は通信の状態を検出するために、ブロック1000においてデジタルFSM222を動作させる。この例において、デジタルFSM222は低速又は全速データレートを能動的に検出しない。したがって、ブロック1004において、高速データレートが検出されていないとき、FSM222はレベルシフタ回路要素212をイネーブルする。
【0098】
しかしながら、バス状態を検出することは、ブロック1006において、受信器回路要素において受信した信号から高速(HS)データレートを検出することを含む。FSM224が高速データレートを検出しない場合、ブロック1004において、レベルシフタ回路要素212の動作は続行する。一例において、レベルシフタ回路要素は、例示のレベルシフタ回路要素312に従って実装及び動作される。
【0099】
FSM224が高速データレートを検出した場合、FSM224は、ブロック1008において信号調整器回路要素208の動作、ブロック1010においてL1回路要素216の動作、及び、ブロック1018においてeSE1回路要素を、イネーブルする。一例において、信号調整器回路要素は、例示の信号調整器回路要素408及びHS信号ブースタ520に従って実装及び動作され、L1回路要素は、例示のL1回路要素616に従って実装及び動作され、eSE1回路要素は、例示のeSE1回路要素218に従って実装及び動作される。例えば、L1回路要素216を動作させることは、ブロック1012においてL1状態を検出するためであり、eSE1回路要素218は、ブロック1020において一つ又は複数のeSE1状態を検出するためである。例えば、L1回路要素216を動作させることは、例えば、信号内で通信されるパケット内のそれぞれの同期(SYNC)パターンを用いるCDR回路600によって、クロック信号を生成することを含む。また、L1状態を検出することは、有限状態機械、例えばFSM622、にクロック信号を提供することと、クロック信号を用いて、有限状態機械によって、一連のパケットにおいてEXT PID、SUB PID、及びACK PIDの指示を検出することとを含む。
【0100】
ブロック1012において、L1状態が検出される場合、中間デバイス206は低電力状態で動作する。低電力状態は、最小限でも、ブロック1026において、信号調整器回路要素208をディセーブルすることを含む。しかしながら、この例では、低電力状態は、ブロック1014において、デジタルFSM222がレベルシフタ回路要素212の動作をイネーブルすることを含む。低電力状態は、ブロック1016においてL1再開状態が検出されるまで続行する。L1再開状態が検出されると、方法1000は、ブロック1010において信号調整器回路要素208の動作をイネーブルし、また、レベルシフタ回路要素212をディセーブルする。また、いくつかの例において、L1状態が検出されるとき、eSE1回路要素218もディセーブルされる。
【0101】
eSE1回路要素218を動作させることは、ブロック1020において、信号から一つ又は複数のeSE1状態を検出するためである。一例において、eSE1回路要素218は、ブロック1020においてeSE1状態の開始が検出されるまで、及び、ブロック1024において高速データレートの終わりが検出されるまで、動作を続行することができる。検出されると、デジタルFSM222は、ブロック1022において、信号調整器回路要素208の動作をディセーブルし、ブロック1004において、レベルシフタ回路要素212の動作をイネーブルする。方法1000は、ブロック1006において、高速データレートの検出を可能にするために、デジタルFSM222の動作で継続することができる。ブロック1020及び1024において、eSE1状態及び高速終わりを検出すると、デジタルFSM222は、L1回路要素216及びeSE1回路要素218をディセーブルすることもできる。
【0102】
本説明及び特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語並びにそれらの変形は、特に指定されていない限り「含む(comprising)」という用語と同様に包括的である。加えて、「結合する」又は「結合された」という用語は、間接的又は直接の電気的又は機械的接続を意味する。この用語は、本説明と一貫する機能関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を網羅し得る。例えば、デバイスAが或るアクションを行なうためにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、第1の例において、デバイスAはデバイスBに結合されるか、又は第2の例において、介在する構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能関係を実質的に変更しない場合にデバイスAが介在する構成要素Cを介してデバイスBに結合され、デバイスBはデバイスAによって生成される制御信号を介してデバイスAによって制御される。
【0103】
或るタスク又は機能を行なう「ように構成された」デバイスは、その機能を行なうために製造業者による製造時に構成(例えば、プログラム及び/又はハードワイヤード)され得、及び/又は、その機能並びに/或いは他の付加的な又は代替の機能を行なうために製造後にユーザによって構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介し得、ハードウェア構成要素の構築及び/又はレイアウト並びにデバイスの相互接続を介し得、又は、それらの組み合わせを介し得る。
【0104】
本明細書において特定の構成要素を含むものとして説明される回路又はデバイスは、代わりに、説明される回路要素又はデバイスを形成するためにそれらの構成要素に結合されるように適合され得る。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、一つ又は複数の受動要素(抵抗器、キャパシタ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は、一つ又は複数のソース(電圧源及び/又は電流源など)を含むものとして説明される構造は、代わりに、単一の物理デバイス内の半導体要素(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)のみを含み得、また、製造時又は製造後のいずれかに、エンドユーザ及び/又は第三者などによって、説明される構造を形成するために受動要素及び/又はこういったソースの少なくともいくつかに結合するように適合され得る。
【0105】
本明細書で説明する回路は、構成要素の交換に先立って利用可能な機能性と少なくとも部分的に同様の機能性を提供するために交換された構成要素を含むように再構成可能である。抵抗器として示される構成要素は、特に指定されていない限り、概して、図示された抵抗器によって表される或る量のインピーダンスを提供するために、直列及び/又は並列に結合される任意の一つ又は複数の要素を表す。例えば、本明細書において単一構成要素として図示及び説明される抵抗器又はキャパシタは、代わりに、それぞれ、同じノード間に並列に結合された複数の抵抗器又はキャパシタであり得る。例えば、本明細書において単一構成要素として図示及び説明される抵抗器又はキャパシタは、代わりに、それぞれ、単一の抵抗器又はキャパシタと同じ2つのノード間に直列に結合された複数の抵抗器又はキャパシタであり得る。
【0106】
上記では特定のトランジスタ構造を参照しているが、代わりに他のトランジスタ又はデバイス構造を用い得る。例えば、わずかな追加の変更で、又は追加の変更なしに、n型MOSFETの代わりにp型MOSFETを用い得る。また、他のタイプのトランジスタ(バイポーラトランジスタ、NPN又はPNPなど)を、図示されたトランジスタの代わりに利用し得る。キャパシタは、異なるデバイス構造(平行板キャパシタを形成するために互いを介して形成される金属構造など)を用いて実装され得るか、又は、半導体基板表面により近いか又はより遠い層(金属又はドープされた半導体)上に形成され得る。
【0107】
本明細書で用いられる場合、「端子」、「ノード」、「相互接続」、及び「ピン」という用語は、交換可能に用いられる。特段の具体的な記載がない限り、これらの用語は、概して、デバイス要素、回路要素、集積回路、デバイス又は他の電子機器又は半導体構成要素の間の相互接続、又はそれらの終端を意味するために用いられる。
【0108】
前述の説明における「接地」という語句の使用は、本明細書の教示に適用可能であるか又は適した、シャーシ接地、接地、浮動接地、仮想接地、デジタル接地、共通接地、及び/又は任意の他の形態の接地接続を含む。特に指定されていない限り、値に先行する「約」、「およそ」、又は「実質的に」という用語は、示された値の+/-10パーセントを意味する。
【0109】
特許請求の範囲において、説明する例における改変が可能であり、他の例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】