(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】複数の鳥類の卵を処理するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 33/08 20060101AFI20230406BHJP
A01K 43/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G01N33/08
A01K43/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022549240
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 NL2021050113
(87)【国際公開番号】W WO2021167460
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521105961
【氏名又は名称】モバ グループ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラスムセン、ニールス チョルンリー
(72)【発明者】
【氏名】ダブロス、マッズ ハルトマン
(72)【発明者】
【氏名】スタインフェルト、シモン キューン
(57)【要約】
複数の鳥類の卵、特に未受精卵を処理する方法であって、少なくとも、第1の卵殻色を有する第1の卵(E1)と第2の卵殻色を有する第2の卵(E2)とを、搬送路に沿って搬送するステップであって、第1の卵殻色は第2の卵殻色とは異なる、ステップと、第1の卵(E1)を近赤外光の照明ビーム(B)で照明するステップであって、近赤外光の少なくとも一部が第1の卵(E1)を透過して、近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、第2の卵(E2)を近赤外光の照明ビーム(B)で照明するステップであって、近赤外光の少なくとも一部が第2の卵(E2)を透過して、近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、第1の卵及び第2の卵(E1、E2)の各々の卵殻の状態を判定するために、近赤外光検出器(5)の光検出結果を処理するステップと、を含み、ここで、第1の卵及び第2の卵(E1、E2)の照明及び/又は透過光の検出は、それぞれ実質的に同じ照明条件及び/又は検出条件下で行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鳥類の卵、特に未受精卵を処理する方法であって、
少なくとも、第1の卵殻色を有する第1の卵(E1)と第2の卵殻色を有する第2の卵(E2)とを、搬送路に沿って搬送するステップであって、前記第1の卵殻色は前記第2の卵殻色とは異なる、ステップと、
前記第1の卵(E1)を近赤外光の照明ビーム(B)で照明するステップであって、前記近赤外光の少なくとも一部が前記第1の卵(E1)を透過して、近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、
前記第2の卵(E2)を近赤外光の前記照明ビーム(B)で照明するステップであって、前記近赤外光の少なくとも一部が前記第2の卵(E2)を透過して、前記近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、
前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の各々の卵殻の状態を判定するために、前記近赤外光検出器(5)の光検出結果を処理するステップと、
を含み
前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の照明及び/又は透過光の検出は、それぞれ実質的に同じ照明条件及び/又は検出条件下で行われることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記照明ビーム(B)の前記近赤外光の波長は、800nm未満であり、例えば750nm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記照明ビーム(B)の前記近赤外光の波長は、710nm~750nmの範囲であり、好ましくは720nm~740nmの範囲である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
近赤外光の照明ビーム(B)を予め定めたビーム経路に沿って通過させ、前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の各々は、前記照明ビームの同じビーム経路を通って搬送されることによって照明される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記照明ビーム(B)のビーム強度は、各卵の照明について同じままであり、特に、前記第1の卵(E1)を照明するときの前記照明ビーム(B)の強度は、前記第2の卵(E2)を照明するときの前記照明ビームの強度と同じである、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記照明ビームの前記近赤外光の波長は、700nm以上 、好ましくは1000nm以下であり、例えば、700nm~800nmの範囲の波長、好ましくは750nm未満の波長、特に約720nmの波長である、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の卵殻色が白色であり、前記第2の卵殻色が非白色、例えば褐色である、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記照明ビームは、平行ビーム又は集束ビームであり、特に、通過する卵(E1、E2)の各卵殻の外表面の一部のみを照明する、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記光検出結果は、卵殻のひび割れを検出するために処理され、検出されたひび割れを有する卵は、好ましくは搬送路から除去される、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1の卵(E1)のバッチと第2の卵(E2)のバッチとを続けて検査することを含み、前記バッチの各々の各卵が、実質的に同じ照明条件下で照明ビーム(B)により照明され、及び/又は実質的に同じ検出条件を用いて検査される、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
単一のバッチの卵を検査することを含み、前記バッチは、第1の卵と第2の卵との混合物、例えば、搬送方向(T)に沿って見てランダムな混合物を含む、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
複数の鳥類の卵、特に未受精卵を処理するためのシステム、特に、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたシステムであって、
複数の卵(E1、E2)を搬送路に沿って、特に少なくとも1列で搬送するように構成されたコンベヤ(1)と、
動作中に前記卵を照明するために、前記卵の搬送路に向けて近赤外光の照明ビーム(B)を放出するための少なくとも1つのビーム源と、
前記卵の搬送路から放射される光、特に動作中に前記卵を透過する光を検出するように配置された少なくとも1つの光検出器(5)と、
前記近赤外光検出器(5)の光検出結果を処理するように構成された処理手段(8)であって、特に動作中の前記卵(E1、E2)各々の卵殻の状態を判定するための処理手段と、
を含み、
互いに異なる卵殻色を有する卵(E1、E2)を処理する場合に、卵の照明条件及び/又は検出条件を実質的に同一に維持するように構成されていることを特徴とする、
システム。
【請求項13】
前記照明ビームの前記近赤外光の波長が、700nm以上、好ましくは1000nm以下であり、例えば700nm~800nmの範囲の波長である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記近赤外光の波長が、710nm~750nmの範囲、好ましくは720nm~740nmの範囲である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理手段(8)は、前記卵(E1、E2)の任意の卵殻のひび割れを検出するための光検出結果を処理するように構成されている、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記卵を各々の搬送路に沿って少なくとも1列で搬送するための少なくとも1つのローラコンベヤ(1)を含む、請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
各々の照明ビーム(B)を放出する複数の光ビーム源(2)を含む、請求項12から請求項16までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
第1の卵(E1)の各々が、実質的に色素を含有しない卵殻、特にプロトポルフィリンを含有しない卵殻を有し、第2の卵(E2)の各々が、実質的に色素を含有する卵殻、特にプロトポルフィリンを含有する卵殻を有する、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
第1の卵(E1)の各々が、均一な白色を有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の鳥類の卵(avian eggs)、例えば家禽類の卵、特に未受精卵を処理するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
卵検出システムは、本出願人によって知られており、販売されている。一例は、MOBAエッグインスペクターである(www.moba.com参照)。MOBAエッグインスペクターは、カメラや特殊照明やソフトウエアを含み、卵選別機(egg graders)のインフィードで漏れている卵や汚れている卵を検出するものである。
【0003】
また、卵殻のひび割れ(cracks)を検出するための卵処理システム及び方法も知られている。1つの方法は、音響ひび割れ検出を使用し、卵殻が物理的に(例えば、バウンサ(bouncer)によって)撹乱され、得られた音響信号が検出され処理されて、卵殻構造情報を得るものである。
【0004】
さらに別の公知の方法では、光学的卵検査(optical egg inspection)を使用する。例えば、卵を保持する保持部材と、卵に光を照射する照射部と、光が照射された卵の画像を撮像する撮像部と、卵の表面状態を判定する判定部とを有する卵検査装置を開示する国際公開公報2019/039319号を参照されたい。この文献によれば、卵への光の照射には、近赤外線(NIR)を用いることができる。しかしながら、国際公開第2019/039319号には、卵殻の色が光透過性に影響を及ぼし、その結果、コントラストが悪くなる場合があると記載されている。
【0005】
光学的検査は、例えば米国特許第5615777号からも知られている。この文献には、卵の欠陥(flaws)を検出し、異なる性質の欠陥を区別するための装置が開示されている。この装置は、
a)卵をその長手方向軸の周りに回転させる手段と、
b)少なくとも1つのレーザビームを形成し、形成したレーザビームをスポット焦点に集束させる手段と、
c)スポット焦点が閉曲線及び直線から選択される幾何学的図形として現れるような速度及び振幅でレーザビームを振動させる手段と、
d)少なくとも1つの振動レーザビームにより卵が少なくとも1回転する間に、少なくとも1つのレーザビームを、レーザビームの連続する幾何学的図形が円周方向経路に沿って互いに重なり合うように、卵の周囲の少なくとも1つの円周方向経路に沿って卵を走査するように導く手段と、
e)卵から放射される(emanating)光の強度のピークを検出する検出手段と、
f)卵から放射される光の強度のピークの数、サイズ、及び特徴に対応する信号の進行を展開する信号処理手段と、
g)信号を処理し、強度のピークの数、サイズ、及び特徴から、卵の欠陥の性質を推定するコンピュータ手段と、を含む。
【0006】
光学的方法に対する音響的方法の利点は、音響的方法が卵殻の色に依存しないことである。特に、白色の殻を有する卵と褐色の殻を有する卵とを、同じ音響検査装置で処理することにより、信頼性の高いひび割れ検出結果を提供することができる。
【0007】
一方で、光学的検査方法は、非接触の検出手段を使用することができ、衛生面や検出器の清浄度の観点から有利であるという利点を有する。
【0008】
特開2017-023126号公報は、容器に収納された卵を検査し、卵の表面にあるひび割れ等の欠陥(defects)を容易に検出することができる装置及び方法を開示している。この文献によれば、それぞれの光源は赤外線を放出する。特に、特開平10-126号公報によれば、赤外線は卵白を透過する性質を有するため、卵殻が割れて卵Eの内容物がパック内に漏れても、撮像画像においては卵殻の割れた部分だけが白く写る。また、同文献には、波長780nm~870nmの近赤外光を用いるため、適切な画像を撮影することができ、780nmよりも短い波長を用いると卵殻の色の影響を受けやすくなることが記載されている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、複数の卵を処理するための改良された方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、公知の方法の上述した問題を軽減することができる方法を提供することを目的とする。1つの目的は、例えば、1つ以上のバッチの卵を迅速かつ衛生的に処理することによって、複数の異なる色の卵を効率的に処理することであり、この方法では、卵殻の欠陥、例えば、ひび割れは、信頼できる、好ましくは経済的な方法で検出され得る。
【0010】
本発明の一態様によれば、これは、請求項1の特徴によって達成される。
【0011】
有利には、卵を処理する方法は、少なくとも、第1の卵殻色を有する第1の卵と第2の卵殻色を有する第2の卵とを、搬送路に沿って搬送するステップであって、第1の卵殻色は第2の卵殻色とは異なるステップと、第1の卵を近赤外光の照明ビームで照明するステップであって、近赤外光の少なくとも一部が第1の卵を透過して、近赤外光検出器により検出されるステップと、第2の卵を近赤外光の照明ビームで照明するステップであって、近赤外光の少なくとも一部が第2の卵を透過して、近赤外光検出器により検出されるステップと、第1の卵及び第2の卵の各々の卵殻の状態を判定するために、近赤外光検出器の光検出結果を処理するステップと、を含み、ここで、卵の照明は、実質的に同じ照明条件(すなわち、パラメータ)の下で行われ、透過光の検出は、実質的に同じ検出条件(すなわち、パラメータ)の下で行われる。
【0012】
驚くべきことに、近赤外光は、相互に異なる色の卵(例えば、人間の眼に対して光学的に褐色の殻を有する褐色の卵と、人間の眼に対して光学的に白色の殻を有する白色の卵と)を照射することができ、得られる透過光は、異なる色の卵に対して略同じ強度を有することが見出された。換言すれば、意外にも、卵殻の色自体は、近赤外光の透過性を実質的に変化させないことが見出された。このことは、近赤外光の透過光を検出する検出器は、互いに異なる殻の色を有する卵から生じる光を検出する間、検出結果(及びその後の処理結果)を損なうことなく、予め定めた光検出状態を維持できることを意味する。
【0013】
例えば、第1の卵の照明は、第2の卵の照明と実質的に同じ照明条件/パラメータの下で行うことができる。特にこれは、同じ近赤外照明ビームが、例えば、同じ近赤外波長(複数可)及び同じビーム強度で使用されることを意味する。当業者には明らかなように、このビーム強度又はそれぞれのビーム出力は、ワット/表面積(W/m2)、光度などで表すことができる。さらなる実施形態では、照明ビームは、少なくとも1つ(好ましくは1つのみ)の予め定めた狭帯域近赤外光波長の狭帯域光を含む。好ましい実施形態では、照明ビームは、NIRスペクトルの実質的に単一波長の光ビームである。一実施形態では、実質的に単一の波長は、当業者によって理解されるように、例えば、LED発光体の狭帯域スペクトル部分(例えば、発光ダイオードの発光の各スペクトル線に関する)の中心波長とすることができる。
【0014】
また、有利な態様によれば、検出器は、第1の卵によって透過された光と第2の卵によって透過された光とを検出する間、同じ予め定めた検出器状態を有することが可能である。特に、検出器の光感度(特に、放出されたビームの波長に対する光感度)は、その光の検出の間、固定されたままであり得る。
【0015】
より詳細には、例えば、検出器は、光の検出時に電気センサ信号を生成するように構成された1つ以上の光センサを含むことができる(このセンサ信号は、卵殻の状態を判定するための処理手段によって処理することができる)。さらに、検出器は、それによって検出される1つ以上の光センサに入射光を導き、任意選択でフィルタリングするための任意のさらなる光学手段(例えば、1つ以上の光学素子、1つ以上のレンズ、及び/又は1つ以上の光学フィルタ、シャッタ)を含むことができる。したがって、このような検出手段(すなわち、1つ以上の光センサ及び任意のさらなる検出器の構成要素)は、好ましくは、第1の卵から放射される光及び第2の卵から放射される光の検出中に、同じそれぞれの動作状態を有する。したがって、検出器内に可変フィルタが存在する場合(もしあれば)、そのようなフィルタの状態は、2つの異なる卵の各々から放射される光を検出する間、同じである。同様に、任意の検出器センサの電力、検出器又は光センサ(複数可)にそれぞれバイアスをかけるためのバイアス電圧も一定に保つことができる。
【0016】
要約すると、近赤外光の透過光を検出する検出器は、互いに異なる殻色を有する卵から生じる光を検出する間、検出結果(及びその後の処理結果)を損なうことなく、特定の予め定めた光検出状態を維持することができる。これにより、色の異なる卵の混合物に対しても信頼性の高い結果が得られるようになり、卵処理の向上につながる。
【0017】
卵殻の色に関して、例えば、白色の卵は、実質的に色素を含有しない卵殻を有することができ、一方、他の(非白色の)卵は、当業者によって理解されるように、色素を含有する卵殻(例えば、プロトポルフィリン(protoporphyrin)を含む)を有することができる。また、非白色の卵殻は、例えば、均一又は不均一な(例えば、斑点状の)色を有することができる。白色の卵殻は、均一な白色を有することができる。
【0018】
さらなる実施形態では、照明ビームの近赤外光の波長は、700nm以上、好ましくは1000nm以下であり、例えば、好ましくは900nm以下、より好ましくは800nm以下であり、例えば700nm~800nmの範囲の波長である。750nm未満の波長、特に720nm~740nmの範囲の波長(例えば、約720nmの波長)で良好な結果が得られている。
【0019】
また、800nm以下(又は800nm未満)の波長を用いることにより、比較的安価な検出手段を、近赤外光検出器として利用できることが分かった。
【0020】
さらに、本発明の一態様は、複数の鳥の卵、特に未受精卵を処理するためのシステムであって、特に本発明による方法を実行するように構成されたシステムを提供する。
このシステムは、
複数の卵を搬送路に沿って、特に少なくとも1列で搬送するように構成されたコンベヤと、
動作中に卵を照明するために、卵の搬送路に向けて近赤外光の照明ビームを放出するための少なくとも1つのビーム源と、
卵の搬送路から放射される光、特に動作中に卵を透過する光を検出するように配置された少なくとも1つの光検出器と、
近赤外光検出器の光検出結果を処理するように構成された処理手段であって、特に動作中の卵各々の卵殻の状態を判定するための処理手段と、を含み、
互いに異なる卵殻色を有する卵を処理する場合に、卵の照明条件及び/又は検出条件を実質的に同一に維持するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
このように構成することで、上述の利点を達成することができる。
【0022】
好ましい実施形態では、照明条件(パラメータ)及び検出条件(パラメータ)の両方が維持されるが、それは必須ではない。
【0023】
上記から分かるように、ビーム源は、動作中に2つの異なる卵に対して同じ照明ビーム、すなわち同じ強度/同じビーム出力の照明ビームを放出するように構成されている。同様に、検出器は、動作中、特に(互いに異なる卵殻色の)異なる卵が(検査されるために)ビーム源及び検出器に沿って搬送されている動作期間中に、同じ予め定めた検出器状態を適用するように構成されていることが好ましい。
【0024】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】卵処理システムの非限定的な一例の一部を上面図で概略的に示す図である。
【
図3】様々なビーム波長に関する検出器の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0027】
図1~
図2は、複数の卵E1、E2を搬送路に沿って(搬送方向Tに)、特に卵E1、E2の複数の列として搬送するように構成されたコンベヤ1(一部のみが図示されている)を含む卵処理システムを示す。この例では、3つの平行な列r1、r2、r3が図示されているが、当然のことながら、コンベヤ1は3列より多いか又は少ない列で卵を搬送するように構成されてもよい。
【0028】
図面に示されるように、使用中、卵は、異なる卵殻色を有することができる。例えば、図面には、白色である第1の卵殻色を有する第1の卵E1の各々を示し、第2の卵E2の各々の卵殻色は、白色以外(nonwhite)、例えば褐色(brown)であることを示している。以下に説明されるように、本システムは、両方の種類の卵E1、E2を要領よく(in a straight-forward manner)検査することができる。
【0029】
好ましくは、コンベヤ1は、無端コンベヤ、例えば、無端ローラコンベヤ1である。コンベヤ1は、搬送中に卵を回転させるように、例えば、それぞれの長手方向の卵軸で回転させるように構成することができる。特に、ローラコンベヤは、卵E1、E2を受け入れる(及び回転させる)ために、それらの間にネスト(nests)を画定する卵支持部材、例えば、平行なディアボロ形状の(好ましくは回転する)ローラ1aを含むことができる。卵支持要素(例えば、ローラ)1aは、シャフト及びローラを搬送方向Tに動かすための適切な駆動手段(例えば、モータ、伝達ベルト又はチェーン等、図示せず)によって駆動可能なそれぞれのシャフト1bに取り付けることができる。
【0030】
したがって、コンベヤ1は、各々の下部(卵支持)側で部分的に開口し、各々の卵支持要素1aに沿った(この場合は、ローラに沿った)光透過を可能にする卵受入れネスト1cを含むか、又は画定することができる。
【0031】
本システムは、動作中に卵E1、E2を照明するために、卵搬送路に向けて近赤外光の各々の照明ビームB(illumination beams B)を放出するための複数の光ビーム源2をさらに含む。本実施例では、各々の近赤外(NIR)光ビーム源2(1つが図示されている)が、卵搬送路の垂直方向の高さ(vertical level)より低い高さに配置されている(
図2参照)。この光源2は、光ビームを上方に放出するように配置されており、その結果、それぞれの列r2の通過する卵E1、E2が、続けてビームB(本実施例では、これらネストのそれぞれの開口側を介してそれぞれの卵受入れネストに入射するビーム)によって照明されるようにする。システムは、様々な数の光源2を含むことができ、各光源2は、例えば1つ以上のコンベヤ列r1、r2、r3の通過する卵を照明するための1つ以上のビームBを放出するように構成され得る。非限定的な例では、光源は、ビームBを放出するための1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。
【0032】
好ましくは、各光源2は、特に、通過する卵(E1、E2)の各卵殻の外表面の一部のみを照明する平行ビームB又は集束ビームBを放射又は提供するように構成されている。
【0033】
光源2によって生成される照明ビームBの近赤外光の波長は、700nm以上、好ましくは1000nm以下であり、例えば、700nm~800nmの範囲の波長、好ましくは750nm未満の波長、特に約720nmの波長であり得る。近赤外光の波長は、最も好ましくは710nm~750nmの範囲であり、好ましくは720nm~740nmの範囲である。
【0034】
また、好ましくは、システムは、動作中に、各卵E1、E2が、光ビームBによって照明されているときに、各々の長手方向の卵軸の周りに回転するように構成される(例えば、コンベヤの搬送速度及び卵の回転速度がそのように設定される)。
【0035】
図面(
図2)では、ビーム源2は、検出器5(以下参照)に向けてビームを放出しているように描かれているが、これは必須ではない(特に、卵が受光した光を内部で拡散させる場合)。ビーム源2は、連続的に動作してもよいが、好ましくはビームを断続的に放出する。また、一実施形態では、ビーム源2の動作は、ビーム源2が通過する卵を照明するためのビームBだけを生成するように、コンベヤ1と(例えば、コンベヤ速度と)同期させることが可能である。この場合、(例えば、エネルギーを節約するため、及び/又は対向する検出器5がビーム源2によって直接照射されることを回避するために)ビーム源はそれ以外の場合にはビームを発生させない。
【0036】
さらに、システムは、卵搬送路から放射される光、特に動作中に卵E1、E2を透過した光を検出するように配置された複数の光検出器5を含む。この実施例では、3つの光検出器5が図示されており、卵コンベヤ1の上方の垂直方向の高さに配置されている。したがって、検出器5の汚染(例えば、通過する卵に存在する可能性がある汚れ又は他の物質による汚染)を防止又は大幅に低減することができる。これらの光検出器5の各々は、コンベヤ1によって画定される搬送列r1、r2、r3のうちの1つと関連付けることが可能であり、例えば、光ビーム源2のうちの1つと関連付けることが可能である。代替的に、例えば、単一の検出器5を、列r1、r2、r3のうちの複数列の卵から放射される光を検出するために設置することができる。それに加えて、代替的に、1つ以上の検出器5は、別の高さ、例えば、卵の搬送高さ以下の高さに配置されてもよく、及び/又は異なる位置に配置されてもよい。
【0037】
各検出器5は、例えば、卵のデジタル画像などの検出信号を生成するように構成することができる。一実施形態では、各々の検出器信号又は画像は、卵の全体的な輪郭を包含する(encompass)ことができる(
図3参照)。
【0038】
さらに、システムは、赤外光検出器5の光検出結果を処理するために、特に動作中に卵E1、E2の各々の殻の状態を判定するように構成された処理手段8(模式的に描かれている)を含む。処理手段8は、様々な方法で構成することができ、例えば、プロセッサソフトウェア、プロセッサハードウェア、コンピュータ、データ処理手段、処理されるデータを記憶するためのメモリなどを含むことができる。また、処理手段8は、光検出器5の検出結果を受け取るために、光検出器5との通信を可能にする様々な各通信手段を含むか又は各通信手段に接続され得るし、或いは、処理手段8と検出器(複数可)5とを互いに一体化することができる。さらに、処理手段8は、例えば、オペレータと中央プロセッサとの対話を可能にするための、及び、例えばプロセッサによって処理されたデータを出力するための、ユーザインタフェースを含むことができる。
【0039】
処理手段8は、卵E1、E2の任意の卵殻のひび割れを検出するための光検出結果を処理するように構成されていることが好ましい。このような処理は、当業者には理解されるように、様々な方法で実施することができる。例えば、処理手段8は、検出結果を、処理手段8に記憶されているか、又は処理手段によって利用可能であり得る、予め定めた閾値データ又は較正データと比較するように構成され得る。例えば、処理手段8は、比較の結果、各検出信号が予め定めた閾値未満である場合、又は各検出画像が割れていない卵殻の卵較正画像データと実質的に一致する場合に、検査対象の卵を「良好」(割れていない(uncracked))として分類するように構成することができる。同様に、処理手段8は、比較の結果、各検出信号が予め定めた閾値を超えている場合、又は各検出画像が割れた卵殻に関する1つ以上の較正データ画像と実質的に一致する場合に、検査対象の卵を「不良」(割れている(cracked))として分類するように構成することができる。さらに、システムは、処理手段によって「不良」(割れている)と分類された卵を、例えば、搬送路からそのような卵を除去するための卵除去手段(図示せず)を介して、除去するように構成することができる。
【0040】
非限定的な例では、各々の画像処理手段は、ニューラルネットワークを含むことができる。このニューラルネットワークは、例えば、異なる色の卵を含む複数の卵であって、複数の卵の一部は卵殻のひび割れ(又は他の物理的な殻の異常)を含む複数の卵についての、一方で(検出器5及びビーム源2を利用した)以前の較正検出結果からの機械学習と、他方で人間(視覚)による検査とに基づくことができる。
【0041】
本実施例では、処理手段は、第1の卵E1及び第2の卵E2に関する検出器の検出信号(例えば、生成された画像)を処理するために、これまでと同じ(すなわち、処理パラメータを変更する必要のない)信号処理方法を適用することが可能である。これにより、信号処理を簡単な方法で実現することができる。
【0042】
上述のように、本システムは、互いに異なる卵殻色を有する卵E1、E2がそれによって処理されているときに、実質的に同じである卵の照明条件/パラメータを維持するように構成されていることが好ましい。特に、第1の卵E1及び第2の卵E2を照明するために、同じ照明ビームB(同一又は一定のビーム強度と同一のスペクトルとを有する)が、ビーム源によって生成される。また、各々の検出器5は、(同じ、それぞれの通過列r1、r2、r3の)複数の卵E1、E2から放射される光を検出するために、(検出器5が第1の卵を透過した光を検出するか、又は第2の卵を透過した光を検出するかどうかに関係なく)その動作中に調整されないことが好ましい。
【0043】
動作中、システムは、複数の卵E1、E2、特に未受精の(例えば、家禽の)卵を処理するための方法を実行する。
【0044】
卵は、例えば、図示されていない上流の卵供給業者を介して、様々な方法で供給、すなわち、コンベヤ1に供給され得る。
【0045】
コンベヤ1は、特に卵を各々のコンベヤのネスト1cに保持することによって、卵E1、E2を各々の搬送路に沿って搬送する。使用時には、第1の卵E1(第1の卵殻色を有する)及び第2の卵E2(第2の卵殻色を有する)は、搬送路に沿って搬送される。第1の卵殻色は、第2の卵殻色とは著しく異なる。
【0046】
すべての卵E1、E2が照明される。特に、これは、各第1の卵E1を照明ビームBで照明することを含む。卵E1によって受光される光の少なくとも一部は、卵E1を透過し(すなわち、卵殻を介して卵に入射した光の少なくとも一部は、卵E1の内容物によって拡散又は散乱され、卵殻を介して再び卵の外に少なくとも部分的に放出され)、近赤外光検出器5によって(例えば、卵の1つ以上のデジタル画像を撮影することによって)検出される。また、各第2の卵E2は、照明ビームBで照明され、その光の少なくとも一部は、各第2の卵E2を透過し(すなわち、卵殻を介して卵に入射した光の少なくとも一部は、卵E2の内容物によって拡散又は散乱され、卵殻を介して再び卵の外に少なくとも部分的に放出され)、近赤外光検出器によって(再び、例えば、卵の1つ以上の画像を撮影することによって)検出される。
図1から分かるように、卵の列は、それぞれの卵E1、E2が順次、1つずつ照明(及び検出/撮像)されるように、ビーム源2及び検出器5を通過することが可能である。
【0047】
好ましくは、前述のように、照明ビームは、平行ビーム又は集束ビームとすることができ、特に、通過する卵(E1、E2)の各卵殻の外表面の一部のみを照明することができる。
【0048】
例えば、本実施形態のように、近赤外光の照明ビームBを予め定めたビーム経路に沿って通過させ、第1及び第2の卵E1、E2の各々は、照明ビームの同じビーム経路を通って搬送され、それによって照明される。
【0049】
卵E1、E2の照明は、実質的に同じ照明パラメータの下で実施される。特に、この目的のために、照明ビームBのビーム強度(W/m2)は、各卵の照明について実質的に同一のままである。また、ビームの波長(又はスペクトル)も同一のままである。
【0050】
この例では、検出器5は、第1の卵E1から放射される光及び第2の卵E2から放射される光の検出中に、同じそれぞれの動作状態(例えば、同じ光感度)を有する。したがって、検出器内に可変フィルタが存在する場合(もしあれば)、そのようなフィルタの状態は、2つの異なる卵の各々から放射される光を検出する間、同じである。同様に、任意の検出器センサの電力、検出器又は光センサ(複数可)にそれぞれバイアスをかけるためのバイアス電圧も一定に保つことができる。同様に、例えば、(利用可能な場合は)検出器のシャッタのシャッタ速度も一定に保つことができる。
【0051】
次に、光検出の後、処理手段8は、それぞれの近赤外光検出器5から受け取った光検出結果(例えば、画像)を処理して、卵E1、E2の各々の殻の状態を判定することができる。受け取ったデータ/画像の各々に対する処理は、検出/撮像された卵に関連する卵殻色に関係なく、同じ方法で、例えば同じアルゴリズム又は画像処理方法によって実行されることが好ましい。
【0052】
光検出結果は、卵殻のひび割れを検出するために処理することができ、検出されたひび割れを有する卵は、搬送路から除去されることが好ましい。
【0053】
したがって、実質的に同じシステム構成要素2、5、8を使用して、多数の卵を検査することができ、異なる卵殻色の卵がシステムに(内に)供給された場合でも、動作パラメータを調整する必要はない。
【0054】
ここで図示した例は、特に、単一のバッチの卵を検査することを含み得るシステム動作に関するものであり、バッチは、第1の卵E1と第2の卵E2との混合物、例えば、搬送方向Tに沿って見たランダムな混合物を含むものである。
【0055】
別の実施形態では、本方法は、第1の卵E1のバッチ(第2の卵E2を含まない第1のバッチ)と、第2の卵E2のバッチ(第1の卵E1を含まない)とを続けて検査することを含むことができ、ここで各バッチの各卵は、実質的に同じ照明条件/パラメータの下で照明ビームBによって照明されることが好ましく、また実質的に同じ検出条件を使用して検査されることが好ましい。したがって、また、上記のように、検出器(複数可)及び処理手段8などの他のシステム構成要素の動作パラメータは、同一のままとすることができる。
【0056】
したがって、また、異なるバッチは、検出器(複数可)5を変更又は調整することなく、処理パラメータを調整することなく処理手段8による同じ信号処理(例えば、同じデータ処理方法)を使用して、システムによって順次処理することができる。
【0057】
図3は、異なる波長λ(430~720nmの範囲)で白色の卵及び褐色の卵を照明した場合の検出器の結果を示す。画像は、モノクロカメラ(これらの波長を含む広いスペクトルに感度がある)を用いて撮影されている。その結果、褐色の卵は(白色の卵とは逆に)低波長の光を透過しないが、驚くべきことに、λ=720nmの光は褐色の卵と白色の卵とにより略等しく透過されることが分かった。
【0058】
本発明は、上述した例示的な実施形態に限定されないことは自明である。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の枠組み内において、様々な変更が可能である。
【0059】
本出願において、処理対象の卵は、特に、生きていない、死んだ卵、すなわち、受精していない(及び、いかなる胚も含まない)食用の卵である。鳥類の卵(avian/bird eggs)は、家禽類の卵(poultry eggs)、例えば、鶏卵(chicken eggs)であり得る。
【0060】
また、好ましい実施形態では、近赤外光の透過光を検出する検出器は、互いに異なる殻色を有する卵から生じる光を検出する間、検出結果(及びその後の処理結果)を損なうことなく、特定の予め定めた光検出状態を維持する。しかしながら、それは必須ではない。代替的に、例えば、検出器の少なくとも一部は、各種の(例えば、異なる)卵から放射された光を検出することに関して、各々の状態を変化させてもよい。
【0061】
また、各検出器は、様々な位置に配置することができ、例えば、単一の卵から伝搬された光又は複数の卵から伝搬された光を検出するように構成できることは明らかであろう。例えば、システムは、異なる観察方向から卵を観察するための複数の検出器を含むことができる。例えば、少なくとも1つのカメラ型検出器を設けることができ、各カメラは、検査対象の1つ以上の卵の画像を同時に撮影するように配置され得る。
【0062】
また、上記の近赤外(NIR)光源の各々は、例えば、卵(複数可)の垂直方向の高さに対してより低い位置、同じ位置、及び/又はより高い位置など、様々な位置に配置することができる。さらに、単一の卵E1、E2を同じ方向から又は異なる方向から(例えば、同時に)照明するために、複数の光源が実装され得る。
【0063】
また、例えば、卵殻の色は、当業者によって理解されるように、肉眼(人間の目)によって知覚される色であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鳥類の卵、特に未受精卵を処理する方法であって、
少なくとも、第1の卵殻色を有する第1の卵(E1)と第2の卵殻色を有する第2の卵(E2)とを、搬送路に沿って搬送するステップであって、前記第1の卵殻色は前記第2の卵殻色とは異なる、ステップと、
前記第1の卵(E1)を近赤外光の照明ビーム(B)で照明するステップであって、前記近赤外光の少なくとも一部が前記第1の卵(E1)を透過して、近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、
前記第2の卵(E2)を近赤外光の前記照明ビーム(B)で照明するステップであって、前記近赤外光の少なくとも一部が前記第2の卵(E2)を透過して、前記近赤外光検出器(5)により検出される、ステップと、
前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の各々の卵殻の状態を判定するために、前記近赤外光検出器(5)の光検出結果を処理するステップと、
を含み
前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の照明及び/又は透過光の検出は、それぞれ実質的に同じ照明条件及び/又は検出条件下で行われることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記照明ビーム(B)の前記近赤外光の波長は、800nm未満であり、例えば750nm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記照明ビーム(B)の前記近赤外光の波長は、710nm~750nmの範囲であり、好ましくは720nm~740nmの範囲である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
近赤外光の照明ビーム(B)を予め定めたビーム経路に沿って通過させ、前記第1の卵及び前記第2の卵(E1、E2)の各々は、前記照明ビームの同じビーム経路を通って搬送されることによって照明される、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記照明ビーム(B)のビーム強度は、各卵の照明について同じままであり、特に、前記第1の卵(E1)を照明するときの前記照明ビーム(B)の強度は、前記第2の卵(E2)を照明するときの前記照明ビームの強度と同じである、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記照明ビームの前記近赤外光の波長は、700nm以上 、好ましくは1000nm以下であり、例えば、700nm~800nmの範囲の波長、好ましくは750nm未満の波長、特に約720nmの波長である、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の卵殻色が白色であり、前記第2の卵殻色が非白色、例えば褐色である、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記照明ビームは、平行ビーム又は集束ビームであり、特に、通過する卵(E1、E2)の各卵殻の外表面の一部のみを照明する、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記光検出結果は、卵殻のひび割れを検出するために処理され、検出されたひび割れを有する卵は、好ましくは搬送路から除去される、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1の卵(E1)のバッチと第2の卵(E2)のバッチとを続けて検査することを含み、前記バッチの各々の各卵が、実質的に同じ照明条件下で照明ビーム(B)により照明され、及び/又は実質的に同じ検出条件を用いて検査される、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
単一のバッチの卵を検査することを含み、前記バッチは、第1の卵と第2の卵との混合物、例えば、搬送方向(T)に沿って見てランダムな混合物を含む、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
複数の鳥類の卵、特に未受精卵を処理するためのシステム、特に、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたシステムであって、
複数の卵(E1、E2)を搬送路に沿って、特に少なくとも1列で搬送するように構成されたコンベヤ(1)と、
動作中に前記卵を照明するために、前記卵の搬送路に向けて近赤外光の照明ビーム(B)を放出するための少なくとも1つのビーム源と、
前記卵の搬送路から放射される光、特に動作中に前記卵を透過する光を検出するように配置された少なくとも1つの光検出器(5)と、
前記近赤外光検出器(5)の光検出結果を処理するように構成された処理手段(8)であって、特に動作中の前記卵(E1、E2)各々の卵殻の状態を判定するための処理手段と、
を含み、
互いに異なる卵殻色を有する卵(E1、E2)を処理する場合に、卵の照明条件及び/又は検出条件を実質的に同一に維持するように構成されていることを特徴とする、
システム。
【請求項13】
前記照明ビームの前記近赤外光の波長が、700nm以上、好ましくは1000nm以下であり、例えば700nm~800nmの範囲の波長である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記近赤外光の波長が、710nm~750nmの範囲、好ましくは720nm~740nmの範囲である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理手段(8)は、前記卵(E1、E2)の任意の卵殻のひび割れを検出するための光検出結果を処理するように構成されている、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記卵を各々の搬送路に沿って少なくとも1列で搬送するための少なくとも1つのローラコンベヤ(1)を含む、請求項12から請求項15までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
各々の照明ビーム(B)を放出する複数の光ビーム源(2)を含む、請求項12から請求項16までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
第1の卵(E1)の各々が、実質的に色素を含有しない卵殻、特にプロトポルフィリンを含有しない卵殻を有し、第2の卵(E2)の各々が、実質的に色素を含有する卵殻、特にプロトポルフィリンを含有する卵殻を有する、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
第1の卵(E1)の各々が、均一な白色を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記処理手段(8)がニューラルネットワークを含む、請求項12から請求項17までのいずれか1項に記載のシステム。
【国際調査報告】