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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】医療機械の学習システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20230406BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230406BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
G16H50/30
A61B5/00 G
A61B10/00 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022549313
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021018376
(87)【国際公開番号】W WO2021167979
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/977,850
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ザカリア, ジョン ラメズ
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB17
4C117XE15
4C117XE16
4C117XJ13
4C117XJ45
5L099AA04
(57)【要約】
腎臓関連臨床決定サポートを提供する方法およびシステムが、開示される。例では、医療システムは、複数の病院の各々に位置している複数の医療機械を含む。各病院の少なくとも1つの医療機械は、機械出力データを生成する。医療システムは、医療機械の外部の複数のデータ源およびコンピュータ上に実装された論理エンジンも含む。論理エンジンは、複数の源と機械出力データとからのデータによって形成されたモジュールを取得するように構成されている。モジュールは、医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化する。論理エンジンは、モジュールからの結果を良くない健康状態に関する臨床設定点と比較し、その比較に基づいて通知を提供するようにも構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の病院の各々に位置している複数の医療機械であって、各病院の少なくとも1つの医療機械は、機械出力データを生成する、複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装された論理エンジンと
を備え、
前記論理エンジンは、
(i)前記複数の源と前記機械出力データとからのデータによって形成されたモジュールを取得することであって、前記モジュールは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化する、ことと、
(ii)前記モジュールからの結果を前記良くない健康状態に関する臨床設定点と比較することと、
(iii)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
【請求項2】
前記論理エンジンは、ルールエンジンであり、前記モジュールは、前記モジュールに関連付けられた変数間の所定の関係に基づいて構築されている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記論理エンジンは、学習エンジンであり、前記モジュールは、分析された結果に基づいて、アルゴリズムを決定する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装されたルールエンジンと
を備え、
前記ルールエンジンは、
(i)前記複数の源からのデータによって形成されたモジュールを取得することであって、前記モジュールは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化する、ことと、
(ii)前記モジュールからの結果を決定することと、
(iii)前記結果を前記良くない健康状態に関する臨床設定点と比較することと、
(iv)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
【請求項5】
(a)前記モジュールは、第1のモジュールであり、前記良くない健康状態は、第1の良くない健康状態であり、前記ルールエンジンは、第2のモジュールおよび第2の良くない健康状態のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されており、
および/または、
(b)前記患者は、第1の患者であり、前記ルールエンジンは、第2の患者のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されている、
請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記モジュールは、回帰モジュールであり、前記モジュールを形成する前記データは、前記患者の少なくとも1つの生理的状態に関するデータを含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項7】
前記通知は、前記患者が前記良くない健康状態のリスクがないこと、前記良くない健康状態のリスクがあること、または前記良くない健康状態を経験していることを示す、請求項4または6に記載の医療システム。
【請求項8】
コンピュータモニタ、タブレット、モバイルデバイス、またはスマートフォンのうち少なくとも1つを含むインターフェースに、前記ルールエンジンからの前記通知を提供するように構成されている、請求項4または7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記複数の医療機械は、多数の病院に位置し、前記医療機械の外部の前記複数のデータ源は、前記多数の病院の電子医療記録からのデータを含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項10】
前記モジュールは、前記ルールエンジンの外部で形成され、前記ルールエンジンに転送されるか、または、前記モジュールは、前記ルールエンジンによって形成される、請求項4に記載の医療システム。
【請求項11】
前記良くない健康状態に関する前記臨床設定点は、全ての患者のために標準化されているか、または、個々の患者のためにカスタマイズされている、請求項4または10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記ルールエンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記ルールエンジンは、前記モジュールの性能を改良するために、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項14】
前記ルールエンジンは、異なる医療機械または異なる患者のために展開される異なるモジュールに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項15】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装された学習エンジンと
を備え、
前記学習エンジンは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化するモジュールを形成するように構成され、前記学習エンジンは、前記良くない健康状態と、前記医療機械の外部の前記データに関連付けられた少なくとも1つの因子との間の関連付けを行うように構成され、前記モジュールは、前記少なくとも1つの因子を含む、医療システム。
【請求項16】
前記学習エンジンは、訓練ツール、前処理ツール、後処理ツール、および臨床決定サポートツールを含む少なくとも1つのツールを採用している、請求項15に記載の医療システム。
【請求項17】
前記学習エンジンは、前記モジュールの臨床検査に基づいて、前記モジュールを再訓練するように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項18】
前記学習エンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項19】
前記学習エンジンは、前記モジュールの性能を改良するために、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの因子は、経験的に決定されている、請求項15に記載の医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療機械に関し、特に、機械学習を使用する臨床決定サポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
急性腎障害(「AKI」)は、かなり一般的であるが、特に、ある国では、入院患者内では認識不足である。入院中の患者の20%が、AKIを有していることは、世界中で報告されてきた。多くの集中治療室(「ICU」)患者は、AKIを有し、そのような患者の15~25%は、何らかの形態の腎機能代替療法(「RRT」)を受ける。小児科および若年成人ICU患者の約27%は、入院後、第1週中にAKIを発症する。
【0003】
AKIは、入院患者死亡率の約10倍増加されたリスクに関連付けられる。AKIは、高血圧、慢性腎臓疾患、末期腎臓疾患、および死亡率等の良くない長期転帰にも関連付けられる。AKIの主因は、敗血症性ショック(事例のうち約47%)、大手術(事例のうち約34%)、心原性ショック(事例のうち約27%)、血液量減少(事例のうち約25%)、薬物誘発性(事例のうち約19%)、肝腎症候群(事例のうち6%)、および閉塞性尿路疾患(事例のうち約3%)を含む。
【0004】
入院中の患者の間のAKIの増加率に応答して、AKIが、いくつかの場合において、医原性である、または不適切に管理されていることもあるという懸念と相まって、Centers for Medicare and Medicaid Servicesは、AKIが、病院の償還率を決定するために使用され得る入院患者の害の監視リストに追加されるべきであると、提案している。この環境において、AKIが発生する前に、それを予測し、AKIが発症したとき、それに適切に対処することは、患者、医師、および健康管理システムに対しても同様に、重要度が高い問題である。
【0005】
AKIの検出のための既存の決定サポートモデルは、血清クレアチニンまたは尿バイオマーカの追跡に基づいており、それらの各々は、結果として、死亡率における不十分な改良および長い入院期間をもたらしてきた。故に、AKIを予測し、その治療を可能にするために、改良された総合的な体制が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシステムおよび方法は、臨床医が、リアルタイムの臨床データを使用して、文脈的推奨を行うことによって、救命救急環境におけるいくつかの腎臓関連疾患を診断、予測、および予防することを可能にするソフトウェアベースのインターフェースを含む。システムおよび方法は、ある実施形態において、救命救急環境におけるいくつかの生理的、管理的、および/またはデバイスベースのデータストリームの統合を可能にする。システムおよび方法は、データストリームを使用し、AKI等の腎臓関連疾患の発現を示すアラートを持続的に監視およびトリガする。本開示されるシステムおよび方法は、適切な文脈において、適切なルールまたは学習エンジンを使用し、データストリームを分析し、腎臓関連疾患の発現を予測する。システムおよび方法は、診断法および予測ルールの開発、または標的患者に関して、下流フラグ、定量化リスクスコア、またはリスクのクラスタ化を駆動する学習エンジンを可能にする。システムおよび方法は、所定の論理エンジンの使用を可能にし、患者、ユニット、または病院レベルで、腎臓関連疾患に関して、予測、診断および/または措置方針の推奨も行う。システムおよび方法は、多数の配信チャネルを介した、適切なアラート、介入、または通信技法をさらに提供し、識別された標的問題のケアチームの完全な認知を確実にする。本明細書内で使用されるように、「論理エンジン」は、「ルールエンジン」および/または「学習エンジン」のいずれかまたは両方を指す。
【0007】
一実施形態において、ルールエンジンは、患者特有の記述子と対応するルールまたは学習モジュールとの間の所定の関係によって駆動され、それらは、開示されるシステムのプロバイダによって(またはその制御下で)維持される1つ以上のサーバコンピュータにおいて決定される。1つ以上のサーバコンピュータは、各病院のデータプールにアクセスするように構成される。各病院のデータプールを分析すると、1つ以上のサーバコンピュータは、各病院に対するルールエンジンを展開し、ルールエンジンは、臨床的必要性、選好、および/またはリスク許容度に応じて、各病院に関して同じであることも、異なることもある。
【0008】
別の実施形態において、学習エンジンは、機械学習(「ML」)または人工知能(「AI」)を使用して展開され、それは、多様な患者のタイプを横断して、学習エンジンの性能および機能性を改良する。ML/AI学習エンジンは、人工ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、決定木、連合学習、遺伝的アルゴリズム、サポートベクタマシン、および/または訓練モデル等の任意の1つ以上の学習モデルを介して採用され得る。各モデルは、強化学習、自己学習、教師あり学習、および/または教師なし学習のうち、任意の1つ以上のものを使用して、展開され得る。
【0009】
学習エンジンは、実施形態において、代表的なデータストリームを使用して、予め訓練され、臨床的実施に先立って、要求される性能レベルを達成する。臨床的実施および使用に先立って、学習エンジンは、予め調整された状態で固定され、現在提供されているアルゴリズムを維持することができる。代替として、学習エンジンは、固定解除され、臨床的使用中、進行中のデータスループットを使用して、動的かつ持続的に再訓練することができる。再訓練構成は、事前訓練を介して、普遍コア論理を確立することによって、病院の環境内に、より迅速かつ正確に実装され、次いで、独特の臨床実践または患者の状態に対して、最適化され得る。再訓練構成は、容認可能なレベルの性能を維持しながらも、ローカルデータシステムの限定に基づいて、普遍学習エンジンに要求されるデータ入力の数を低減させるように機能することもできる。学習エンジンのMLまたはAIの特徴は、標的結果に対して、利用可能なデータ組を閲覧することによって、適切な予測または診断要素を決定する。単一のまたは動的相機械学習または適切なAI技法は、実世界設定内の良くない健康状態に付随する検出結果を予測する学習モジュールの組を展開することを可能にする。
【0010】
本明細書における開示に照らして、いかようにも本開示を限定することなく、本開示の第1の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、医療システムは、複数の病院の各々に位置している複数の医療機械であって、各病院の少なくとも1つの医療機械が、機械出力データを生成する、複数の医療機械と、医療機械の外部の複数のデータ源と、コンピュータ上に実装された論理エンジンであって、(i)複数の源から、および機械出力データからのデータによって形成されたモジュールを取得し、モジュールは、医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化し、(ii)モジュールからの結果を良くない健康状態に関する臨床設定点と比較し、(iii)比較に基づいて通知を提供するように構成されている論理エンジンとを含む。
【0011】
本開示の第2の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、論理エンジンは、ルールエンジンであり、モジュールは、モジュールに関連付けられた変数間の所定の関係に基づいて構築される。
【0012】
本開示の第3の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、論理エンジンは、学習エンジンであり、モジュールは、分析された結果に基づいて、アルゴリズムを決定する。
【0013】
本開示の第4の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、医療システムは、複数の医療機械と、医療機械の外部の複数のデータ源と、コンピュータ上に実装されたルールエンジンであって、(i)複数の源からのデータによって形成されたモジュールを取得し、モジュールは、医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化し、(ii)モジュールからの結果を決定し、(iii)その結果を良くない健康状態に関する臨床設定点と比較し、(iv)比較に基づいて通知を提供するように構成されているルールエンジンとを含む。
【0014】
本開示の第5の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、(a)モジュールは、第1のモジュールであり、良くない健康状態は、第1の良くない健康状態であり、ルールエンジンが、第2のモジュールおよび第2の良くない健康状態のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されており、および/または、(b)患者は、第1の患者であり、ルールエンジンが、第2の患者のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されている。
【0015】
本開示の第6の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、モジュールは、回帰モジュールであり、モジュールを形成するデータが、患者の少なくとも1つの生理的状態に関するデータを含む。
【0016】
本開示の第7の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、通知は、患者が良くない健康状態のリスクがないこと、良くない健康状態のリスクがあること、または良くない健康状態を経験していることを示す。
【0017】
本開示の第8の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、医療システムは、コンピュータモニタ、タブレット、モバイルデバイス、またはスマートフォンのうち少なくとも1つを含むインターフェースに、ルールエンジンからの通知を提供するように構成される。
【0018】
本開示の第9の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、複数の医療機械は、多数の病院に位置し、医療機械の外部の複数のデータ源は、多数の病院の電子医療記録からのデータを含む。
【0019】
本開示の第10の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、モジュールは、ルールエンジンの外部で形成され、ルールエンジンに転送されるか、または、モジュールは、ルールエンジンによって形成される。
【0020】
本開示の第11の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、良くない健康状態に関する臨床設定点は、全ての患者のために標準化されているか、または、個々の患者に関してカスタマイズされる。
【0021】
本開示の第12の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、ルールエンジンは、複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、モジュールを適合させるように構成される。
【0022】
本開示の第13の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、ルールエンジンは、モジュールの性能を改良するために、経時的に、モジュールを適合させるように構成される。
【0023】
本開示の第14の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、ルールエンジンは、異なる医療機械または異なる患者のために展開される異なるモジュールに基づいて、経時的に、モジュールを適合させるように構成される。
【0024】
本開示の第15の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、医療システムは、複数の医療機械と、医療機械の外部の複数のデータ源と、コンピュータ上に実装された学習エンジンであって、医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化するモジュールを形成するように構成され、良くない健康状態と、医療機械の外部のデータに関連付けられた少なくとも1つの因子との間の関連付けを行うように構成され、モジュールが、少なくとも1つの因子を含む学習エンジンとを含む。
【0025】
本開示の第16の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、学習エンジンは、訓練ツール、前処理ツール、後処理ツール、および臨床決定サポートツールを含む少なくとも1つのツールを採用する。
【0026】
本開示の第17の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、学習エンジンは、モジュールの臨床検査に基づいて、モジュールを再訓練するように構成される。
【0027】
本開示の第18の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、学習エンジンは、複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、モジュールを適合させるように構成される。
【0028】
本開示の第19の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、学習エンジンは、モジュールの性能を改良するために、経時的に、モジュールを適合させるように構成される。
【0029】
本開示の第20の側面において、それは、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得るが、少なくとも1つの因子は、経験的に決定される。
【0030】
本開示の第21の側面において、図1に関連して開示される構造および機能性のうちいずれかは、図2に関連して開示される他の構造および機能性のいずれかと組み合わせられ得る。
【0031】
本開示および上記の各側面に照らして、したがって、本開示の利点は、任意の関連付けられる静脈内薬物送達を含む腎不全の療法治療に関連付けられる良くない健康状態を予測するためのシステムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0032】
本開示の別の利点は、様々なサイズおよび能力を有する異なる医療機関内で利用可能であるシステムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0033】
本開示のさらなる利点は、新しいデータを受信すると、自己適合式であり得るシステムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0034】
本開示のさらなる別の利点は、性能を改良するために、自己適合式であり得るシステムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0035】
本開示のなおもさらなる別の利点は、多くの異なる源からのデータを入力する、システムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0036】
本開示のさらに別の利点は、臨床医または他のユーザに、正味の正作業負荷を追加しない、システムおよび関連付けられる方法を提供することである。
【0037】
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図内で説明され、それらから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白であろう。任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要はなく、個々の有利な実施形態を別個に主張することが明示的に想定される。さらに、本明細書内で使用される用語は、主に、読みやすさおよび指導的目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定しないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本開示の医療機械学習システムおよび関連付けられる方法のための一実施形態の概略図である。
【0039】
図2図2は、本開示の医療機械学習システムおよび関連付けられる方法のための第2の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(データ入手)
ここで、図面、特に、図1および図2を参照すると、本開示のシステム10aおよび10b、および関連付けられる方法の各々は、ソフトウェアベースのインターフェース20を含み、それは、臨床医および他の介護人またはユーザが、リアルタイムの患者データを使用して、文脈的推奨を行うことによって、救命救急環境において、いくつかの腎臓関連疾患を診断、予測、および予防することを可能にする。システム10aおよび10bは、救命救急環境におけるいくつかの自動、手動、またはデバイスベースのデータストリームの統合を可能にすることによって、適切な文脈において、適切なルールまたは学習モジュールを持続的に監視し、トリガする。
【0041】
システム10aおよび10bの各々は、データプール30または「レイク」を含み、それは、各病院100a-100n内に作成される。データプールまたはレイク30は、標的患者に対して独特かつ特有であるリアルタイムの情報を収容する。データプール30は、データを提供するための多数の源を含む。データプールのための1つの情報源は、例えば、持続的腎機能代替療法(「CRRT」)機械、 間欠的血液透析(「IHD」)機械、点滴ポンプ、人工呼吸器、診断モニタ、患者センサ、病床設定、血圧システム、血行動態モニタ、または患者体重計等、1つ以上の医療機械32からである。機械32は、病室内に存在し得るか、または、機械32は、在宅ベースの機械であり得る。
【0042】
データプール30のための別の情報源は、病院特有の患者データ34である。病院特有の患者データ34は、例えば、検査結果、定質的評価、手動臨床医評価、リスクスコア(Acute Physiology and Chronic Health Disease Classification(「APACHE」)リスクスコア、または、Sequential Organ Failure Assessment(「SOFA」)リスクスコア等)、最近または今後の手技(手術等)に関するデータ、または、最近、現在、または今後の投薬計画(抗生物質の処方計画等)、および/または、社会的決定因子データ等の非従来的な臨床的源のうちいずれか1つ以上を含み得る。
【0043】
データプール30のためのさらなる情報源は、自然言語データ36であり、それらは、例えば、臨床医のメモ、診察依頼、口頭口述、および患者の発言等、自然言語処理を介して提供され得る。ある実施形態における自然言語データ36は、インターフェース20との有線または無線通信を介して、システム10aおよび10b内に入力され、ユーザ(臨床医、医師、看護師、または他の介護人)が、自然言語データ36を入力する。システム10aおよび10bの任意の2つ以上のコンポーネント間のデータ通信は、有線または無線であり得ることを理解されたい。有線通信は、例えば、USB、シリアル、またはイーサネット(登録商標)接続を介して実施され得る。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-FiTM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、Wi-Fiダイレクト、赤外線プロトコル、または任意の他の好適な無線通信技術のいずれかを介して実施され得る。
【0044】
データプール30のためのさらなる別の情報源は、例えば、摂取および排泄データ、以前の入院データ、入院日、年齢、性別、および基本プロファイリングデータ等の一般管理データ38である。一般管理データ38は、ある実施形態において、病院の救急医療記録(「EMR」)データベースとの有線または無線通信を介して、システム10aおよび10b内に入力される。一般管理データ38は、病院スタッフによって、EMRデータベース内に入力される。
【0045】
データプール30のためのなおもさらなる情報源は、例えば、社会的決定因子、ソーシャルメディアの投稿頻度、自然言語処理トリガ、語彙力、職業上の地位、および雇用における変化等、非従来的な臨床データ源等のソーシャルデータ40である。ソーシャルデータ40は、ある実施形態において、システム10aまたは10bのユーザを介して、1つ以上のソーシャルメディア源から抽出され、インターフェース20内に入力され、インターフェース20は、システム10aおよび10bにそれらを有線または無線で入力する。
【0046】
データプール30のためのさらなる別の情報源は、例えば、厚生省、支払人源、健康情報交換、デバイス製造業者のデータベース、および病院ネットワーク等、比較またはベンチマークデータのための大規模参照データ源42である。大規模参照データ源42からの情報は、ある実施形態において、システム10aまたは10bのユーザを介して、そのような源42のうち1つ以上のものから抽出され、インターフェース20内に入力され、インターフェース20は、システム10aおよび10bにそれらを有線または無線で入力する。代替として、図1および図2に図示されるように、大規模参照データ源42のうち1つ以上のものからの情報は、有線または無線通信を介して、システム10aおよび10b内に直接入力される。
【0047】
システム10aおよび10bは、各患者およびデータプール30のために、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、データ源32-42からのデータを収集するように構成される。システム10aおよび10bは、データ源32-42からのデータを処理し、適切なデータウェアハウジングまたはストレージフォーマットにまとめ、次に議論される論理エンジンおよびモジュールのために、利用可能なデータプール30の組み合わせられたデータを作成する。データ源32-42からのデータは、拡張マークアップ言語(「XML」)、ジャバスクリプトオブジェクト表記法(「JSON」)、Fast Healthcare Interoperability Resource(「FHIR」)Health-Level Seven(「HL7」)等の任意の1つ以上のフォーマットで到着するか、または、それらは、デバイス特有のデータタイプであり得る。システム10aおよび10bは、ある実施形態において、データの異なるフォーマットを論理エンジンおよびモジュールのための1つ以上の所望のフォーマットに変換する。
(論理エンジンの展開)
【0048】
システム10aおよび10bは、診断的かつ予測的論理エンジンの展開を提供し、論理エンジンは、例えば、標的患者に関して、下流フラグ、リスク分類、および/または定量化リスクスコアを駆動する。システム10aおよび10bは、データプール30の操作を加えられたデータを処理する論理エンジンおよびモジュールの展開のための2つの可能なアプローチを例証する。図1のシステム10aは、第1のアプローチを図示し、それは、ルールエンジン50を含み、ルールエンジン50は、患者特有の変数と対応するルールモジュールとの間の所定の関係によって駆動され、所定の関係は、1つ以上のサーバコンピュータ12、例えば、システム10aのプロバイダによって(またはその制御下で)維持されるクラウドサーバにおいて決定される。1つ以上のサーバコンピュータ12は、各病院100a-100nのデータプール30にアクセスすることができる。各病院100a-100nのデータプール30を分析すると、1つ以上のサーバコンピュータ12は、各病院に関して、所定の(非学習型)ルールエンジン50を展開する。ルールエンジン50は、各病院100a-100nに対して、同じであることも、異なることもある。
【0049】
ある実施形態において、システム10aの各病院100a-100nに対するルールエンジン50は、複数のルールモジュール52a-52nを含む。各ルールモジュール52a-52nは、患者のための異なる良くない健康状態に関するリスク評価を行うこと専用にされる。例えば、1つのルールモジュール52aが、AKIのリスク(第1の良くない健康状態)を決定すること専用にされる一方、第2のルールモジュール52bが、腎毒性投薬計画のリスク(第2の異なる良くない健康状態)を決定すること専用にされ得る。
【0050】
ルールエンジン50のルールモジュール52a-52nは、ある実施形態において、各良くない健康状態に関する結果またはリスク評価を定量化する、加重回帰モデルを含む。AKIを例示的な良くない健康状態とすると、ルールモジュール52aは、血清クレアチニン、心リスク採点、患者の年齢、患者の性別、および経時的な血圧を利用するアルゴリズムを含み得、それは、患者のための結果を出力する。その良くない健康状態に関して、ルールモジュール52aは、その結果を臨床設定点と比較し、患者状況を出力し、それは、その患者が、特定の健康状態に関するリスクがないことを示すか、または、その患者が特定の健康状態に関するリスクがある場合、またはそれを経験している場合、フラグ、通知、アラート、および/または警告をトリガし得る。この例では、AKIは、フラグ、通知、アラート、および/または警告が、トリガされるかどうかに関する最終的な決定因子である。ルールエンジン50のルールモジュール52a-52nは、ある実施形態において、確立されると、全ての患者または実質的に全ての患者に適用され得る。異なる患者に対して、ルールモジュール52a-52n内にある程度の変動性を提供するために、ルールモジュールの臨床設定点は、限定ではないが、年齢、性別、体重、肥満度指数、特性的血圧等を含む生理的特性等の患者の特性に基づいて変動させられることが想定される。
【0051】
ルールモジュール52a-52nに品質制御および品質保証を組み入れることも想定される。ある実施形態において、各回帰モデルが、ある推奨として提供される。システム10aは、臨床医またはユーザが、推奨につながる適用される入力およびルールを閲覧するために、所望される場合、リアルタイムで、各推奨のためのルールモジュール52a-52nにアクセスすることを可能にする。例えば、「リスク評価を見る」ボタンが、推奨に近接して、臨床医またはユーザの画面上に提供され得る。臨床医またはユーザが、「リスク評価を見る」ボタンを選択すると、画面または部分的な画面が現れ、回帰モデル、またはリスク評価を決定するために使用される他のタイプの非学習型アルゴリズムを示す。ユーザまたは臨床医は、関連する入力または変数、および/または、各々に割り当てられた重みを精査することができる。臨床医またはユーザが、入力および/または重みのうちいずれか1つ以上に不同意である場合、臨床医またはユーザは、リスク評価および任意の関連付けられた推奨を無視する、またはそれを軽視することができ、それは、システム10aに品質制御特徴を提供する。
【0052】
システム10aは、臨床医またはユーザが変更が必要である(例えば、入力を削除または追加するために、および/またはその入力に関連付けられた重みを変更するために)と確信している場合、臨床医またはユーザが非学習型アルゴリズムを修正することができるようにも構成され得る。そして、システム10aは、(i)関連付けられた臨床医またはユーザのみために、(ii)関連付けられた病院100a-100nの全ての臨床医またはユーザのために、または(iii)システム10aの全ての病院100a-100nのために、非学習型アルゴリズムを更新するように構成され得る。代替実施形態において、システム10aは、自動的に非学習型アルゴリズムを更新しないが、代わりに、相互評価のために提案される変更を発行する。相互評価、または他の評価、例えば、臨床医またはユーザの投票、諮問委員会の決定、臨床的評価に基づいて、システム10aは、臨床医またはユーザの提案される変更に基づいて、非学習型アルゴリズムを更新するか、または、更新しない。しかしながら、上記実装のいずれもが、システム10aに対する品質保証特徴を提供する。
【0053】
ある実施形態において、ルールエンジン50のルールモジュール52a-52nの回帰モデルは、適切な変数を選択するための汎用的臨床専門知識に基づいている。回帰モデルは、次いで、正確度および精度を確認するために、および/または必要に応じて修正するために、臨床環境内の変数を使用して、検査され得る。ルールモジュール52a-52nのための例示的回帰モデルは、例えば、ルールモジュール52cを介して、以下のように説明される。
ルールモジュール52cのための回帰モデル:x+x+(0.5)x+(1.1)x=計算結果、
式中、計算結果は、例えば、全体を100とした場合の数あり得、式中、
は、高カリウム血症、
は、酸血症、
は、肺水腫、および
は、尿毒性合併症である。
患者内に存在することが分かっている、入力x-xのいずれか1つのある量は、ルールモジュール52cにおける実装のために、変換され(例えば正規化され)、患者の病院100a-100nのデータプール30内に変換されたものとして記憶される。ルールモジュール52c(またはルールモジュール52cを動作させるルールエンジン50)は、次いで、回帰モデルの中に、x-xのうちいずれかに対して変換された数を挿入することによって、結果を計算する。その計算結果は、88/100であると想定する。ルールモジュール52c(またはルールモジュール52cを動作させるルールエンジン50)は、次いで、その結果を臨床設定点と比較し、それは、上で議論されるように、全ての患者のために標準化されるか、または、各患者に対して個別化され得る。ルールエンジン50およびそのルールモジュール52a-52nの使用は、以下に、より詳細に議論される。
【0054】
システム10aは、ある実施形態において、中間モジュールを提供し、中間モジュールは、構造化データプールと重要なリスク決定との間の中間メタ変数を生成するように構成されている。メタ変数は、導出(メタ)変数を作成するために原データまたは構造化データ源を使用して達成される。
メタ変数は、最終的なリスクスコアを起動するために受信されるべき全てのデータを待つ必要はないが、コンピュータリソースを最大化するために、または非従来データ(例えば、自然言語処理、ソーシャルメディアデータ等)を単純化するために周期的に起動することによって、リアルタイムの性能を改良するために使用される。ルールモジュール52cのこの例では、x-xのいずれかが、ルールモジュール52cの計算結果の計算全体に先立って、中間モジュールから導出され得る。x-xのいずれかは、それ自体が、非学習型アルゴリズムから決定されるか、または、測定または入力されるデータであり得る。
【0055】
ルールモジュール52cに関する上記の例示的回帰モデルから、回帰モデルの計算結果は、既知の健康状態を表す必要がないことを理解されたい。計算結果は、代わりに、患者に関する健康状況全体を組み合わせて示す多数の健康状態を包含することもある。
計算結果は、多数の因子をさらに代替的に包含し、多数の因子は、患者のために、および/または病院のために具体的に展開されるカスタマイズされた健康状態、または、具体的措置を推奨することなく臨床的焦点を向けるための一般臨界スコアにつながる。計算結果は、当然ながら、AKI等の既知の健康状態を表すこともある。
【0056】
ルールモジュール52c等の回帰モデルがシステム10aと関連して使用され得る非学習タイプのアルゴリズムの一例であることも理解されたい。他の非学習タイプのアルゴリズムは、部分最小二乗、主成分回帰、および最適化技法を含む。異なる非学習型アルゴリズムは、異なるルールモジュール52a-52nに対して使用され得る。
(学習エンジン)
【0057】
システム10bに関する図2は、第2のアプローチを図示し、それは、学習エンジン60を含む。第2のアプローチでは、学習エンジン60は、機械学習(「ML」)または人工知能(「AI」)を使用し、それは、多様な患者のタイプにわたって論理エンジンの機能性を改良し、予測のための時間を改良する。ルールエンジン50が、所定のアルゴリズムまたは人間が決定したアルゴリズムを含む場合、学習エンジン60は、アルゴリズムが、既知の結果(良くない健康状態)と入力されるデータとに基づいて、形成または計算されるように構成される。学習エンジン60は、予測式を規定することなく、具体的サポートツールに対するデータ組上で、動的に訓練および再訓練される。MLまたはAIの特徴は、入手可能なデータ組を分析することによって、適切な予測または診断要素を決定する。機械学習または適切なAI技法を使用することは、システム10bが、学習モジュール62a-62nの組を展開することを可能にし、それらは、良くない健康状態に関連する結果を予測または検出する。
【0058】
MLまたはAI学習エンジン60は、ある実施形態において、多数の病院100a-100nを横断して動作し、多数の病院100a-100nは、それらが個別に取り込まれる場合、学習エンジン60のために、十分なデータを生成しないこともある。異なる病院100a-100nは、おそらく世界中に位置し、患者毎に異なる入手可能なデータを手掛け得る。異なる病院100a-100nを考慮に入れることは、関連データの全て、またはその累計が、学習エンジン60の中に入力されることを可能にする。異なる病院100a-100nを考慮に入れることは、小規模またはあまり忙しくない病院(より少ないデータを生成し、より少ない帯域幅、処理能力、および/またはデジタルに関する専門知識を有し得る)におけるモデル性能を確実にすることにも役立つ。しかしながら、病院100a-100nの任意のものが、学習エンジン60を満足させるための十分なデータをそれ自身において生成し得ることを理解されたい。
【0059】
ある実施形態において、MLまたはAI学習エンジン60は、以下の特性のうちの少なくとも1つを含む。
1.(構造)-学習エンジン60は、ニューラルネットワーク、決定木、サポートベクタマシン、および/または他のMLまたはAI展開アプローチのうち1つ、またはそれらを混合したものから形成され、それらは、総合すれば、複数の学習モジュール62a-62nを形成する。学習モジュール62a-62nは、ルールモジュール52a-52nと全く同じように、良くない状態の予測因子である。主な違いは、ルールモジュール52a-52nに関するアルゴリズムは、定義済みの関係に基づいている一方、学習モジュール62a-62nに関するアルゴリズムは、人工的または機械的に展開されることである。図2の図示された実施形態における学習エンジン60の構造は、クラウドサーバ12において提供される。その構造は、大規模普遍データプール30から形成された記憶された情報の「ベースライン」レベル64を含む。病院および他のユーザは、最初に、ベースラインレベル64をインストールし得、インストール後、それに対する変更を行う必要がないこともある。ベースラインレベル64は、以下に説明される再訓練によって、改変されることも、変更されないこともある。ベースラインレベル64は、触れてはならないコアを含み得るが、ある事例では、例えば、相反する臨床データの大規模データ組に直面して、再訓練され得る。学習エンジン60の構造は、次に議論される複数の学習エンジンツール66、68、70、および72も含む。ベースラインレベル64および学習エンジンツール66、68、70、および72は、学習エンジン60の決定サポートシステムを形成する。ツール66、68、70、および72のうちいずれか1つ以上は、システム10aのルールエンジン50との使用のために適合され得る。
2.(訓練/再訓練)-MLまたはAI学習エンジン60は、一実施形態において、病院が、病院特有のデータ組を使用して、ベースラインレベル64を更新または再訓練することによって、ベースラインレベル64をカスタマイズすることを可能にする訓練ツール66を提供し得る。そのようなカスタマイズまたは再訓練は、ローカルデータ組を使用して、先のベースラインレベル64を調節することまたは置換することのいずれかを行うことができる。この様式では、学習エンジン60は、病院または地域レベルにおいて、その機能性を動的に更新するように構成される。カスタマイズまたは再訓練は、例えば、以下のうち1つ以上によって駆動され得る:(i)異なるタイプの患者群または集団(例えば、都市対地方):それらは、更新されない限り、新しいタイプの患者に関するモデルの正確度を低減させる、(ii)より限定されている入手可能なデータ組:例示的MLまたはAI学習エンジン60において要求される12の変数のうち5つのみを有する病院等、または、(iii)実質的に異なるサンプル頻度:例えば、MLまたはAIエンジンの1つ以上の変数が他の病院では1日に12回であるのに対し、1日に1回のみサンプリングされる等。任意のそのような変動または異なる変動は、ベースラインレベル64のカスタマイズまたは再訓練を要求または促進し、故に、先のベースラインレベルおよび学習エンジン60に対する出力の精度を改良し得る。
システム10bの訓練システムは、MLまたはAI学習エンジン60を提供する各病院100a-100nのベースラインレベル64が、構成病院のために入手可能な動作用データ組に基づいて、独立して、訓練または再訓練されるという点において、独特である。そのような段階的なアプローチは、正確度、顧客ニーズ、および利用可能な処理能力に基づいて、利用可能な特徴の分割を可能にする。
訓練ツール66の訓練および再訓練は、ある実施形態において、(i)臨床実装に先立って要求される性能レベルを達成するために代表的なデータストリームを使用する事前訓練と、(ii)臨床実装後に発生する再訓練とに分離される。臨床実装および使用に先立って、システム10bは、その現在のアルゴリズムを維持するために、事前訓練された状態で固定されるか、または、臨床的使用中、進行中のデータスループットを使用して、動的かつ持続的に再訓練するために固定解除されるように、訓練ツール66を構成することができる。訓練ツール66の再訓練構成は、事前訓練を介して、普遍コア論理を確立することによって、病院環境内に、より迅速かつ正確に実装され、次いで、独特の臨床業務または患者状態に対して、最適化され得る。ツール66の再訓練構成は、ローカルデータシステムの限定に基づいて普遍学習エンジンへの要求されるデータ入力の数を低減させながら、容認可能なレベルの性能もなお維持することができる。学習エンジン60のMLまたはAI特徴は、標的結果に対して、利用可能なデータ組を閲覧することによって、適切な予測または診断要素を決定する。単一または動的相機械学習または適切なAI技法の使用は、学習エンジン60が実世界設定における良くない健康状態に関連する結果を予測または検出する学習モジュール62a-62nの組を展開することを可能にする。
3.(入力データの準備)-MLまたはAI学習エンジン60は、特定の各病院100a-100nのデータストリームに関してカスタマイズされている前処理ツール68を含む。前処理ツール68は、ある実施形態において、正規化、標準化、前処理、および/または定量的または定質的データの外れ値を除去し、モデルの性能および正確性を確実にする。前処理ツール68は、「it」、「the」等の共通する単語および/または不必要な単語を自然言語データから除去し、処理負担を低減させ得る。前処理ツール68は、代表的平均値またはプロキシ値の中で、大規模データストリームをさらにバッチ処理および低減させ、同様に処理負担を低減させ、予測のための時間を改良し得る。
4.(後処理)-MLまたはAI学習エンジン60の出力は、後処理ツール70も含み、ある実施形態において、それも、特定の各病院の学習モジュール62a-62nに関してカスタマイズされる。後処理ツール70は、ある実施形態において、学習エンジン60の出力を平均、正規化、および/または集約し、例えば、標的臨床状態に対して、正確性のために最適化する。
5.(実行)-各病院100a-100nのための学習ツール66、68、および70は、ある実施形態において、MLまたはAI学習エンジン60の実行段階のための臨床決定サポートツール72によって、組み立てられる。サポートツール72は、出力を管理し、計算上の例外を処理する。サポートツール72は、例えば、バイナリフラグ、定量化された結果(それは、それ自体、別のバイナリフラグをトリガし得る)、および/または方向インジケータをトリガすることを介して、使用基準を採用し得る。ある実施形態において、臨床決定サポートツール72は、訓練ツール66から分離される。
【0060】
学習エンジン60の訓練ツール66は、人工ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、決定木、連合学習、遺伝的アルゴリズム、サポートベクタマシン、および/または訓練モデル等、任意の1つ以上の学習モデルを採用し、学習モジュール62a-62nに到達し得る。このモデルは、強化学習、自己学習、教師あり学習、および/または教師なし学習のうち、任意の1つ以上のものを使用して、採用され得る。ある診断の範疇を前提として、単一の学習モジュール62a-62nは、臨床結果を正確に予測することができない可能性が高い。学習モジュール62a-62nは、臨床結果または良くない患者状態を正確に予測する、上で議論されるモジュール52cのような多因子性モジュールを生産するために、経時的に組み合わせられるか、または、構築される可能性がより高い。
【0061】
ある例では、良くない患者状態Aを患っている患者に関して、類似患者の100%が因子xを有し、類似患者の60%が因子xを有し、類似患者の40%が因子xを有し、そのようにパーセンテージが下がるにつれて、xまで続くことを学習する学習エンジン60の訓練ツール66を想定する。現在学習されている全ての相関のパーセンテージを加算すると、合計250%を産出することを想定する。臨床的フィードバックに先立って、80%等の任意閾値のパーセンテージは、250%の少なくとも80%である(すなわち、200%以上)、組み合わせられたx+x+x+xというパーセンテージスコアを有する、任意の患者が、患者状態Aのリスクがあると判断されるように設定され得る。システム10bは、次いで、患者または介護人に通信するためのアラートを発生し、次いで、患者は、良くない患者状態Aに対する検査を受ける。再訓練は、次いで、臨床検査がフィードバックを産出するにつれて適用される。ある実施形態において、検査された患者のうち80%を超える者が、良くない患者状態Aを患っているということが見出される場合、任意閾値のパーセンテージは、例えば、良くない患者状態Aを有する人の実際のパーセンテージが、元々の閾値、例えば80%を満たすまで、低下させられることができ、この場合、元々の閾値は、臨床検査の取り組みの価値がある閾値であると判断される。
【0062】
臨床検査が、良くない患者状態Aを有する実際の患者の数がわずかでしかないという結果をもたらす場合、任意閾値は、臨床検査が、最小閾値、例えば、良くない状態Aを有する実際の患者のうち少なくとも半分という結果をもたらすまで、上昇させられることができる。最小閾値が満たされることができない場合、アルゴリズムx+x+x+xは、修正および再検査(再訓練)または破棄されることができる。しかし、重要なこととして、学習エンジン60の訓練ツール66が、異なる因子を患者状態Aを有する患者に関係付けるとき、アルゴリズムx+x+x+xは、新たに関係付けられた1つ以上の因子を含むように、追加または修正されることができる。
(ルールエンジンおよび学習エンジンの使用)
【0063】
システム10aおよび10bは、それぞれ、ルールエンジン50、およびMLまたはAI学習エンジン60の使用を可能にし、患者、機械32、および/または病院レベルで、腎臓関連または他の疾患に関する措置方針を予測、診断、および/または推奨する。学習エンジン60の各学習モジュール62a-62nは、別個の臨床「決定」または「事前決定」を含み、別個の臨床「決定」または「事前決定」は、ユーザへの通知のためのトリガ(例えば、医師または臨床医への推奨)として、別の学習モジュールのための入力として、または医療機械32への入力として、(例えば、医療機械の表示デバイス上の通知として)使用され得る。エンジン50および60は、ある実施形態において、現在の治療投薬計画または提案される治療投薬計画のために、以下の臨床状況に関する患者関連データストリームのリアルタイムの入力に基づいて実行する。この状況は、現在の治療投薬計画または提案される治療投薬計画に基づく、現在の状況または予期される将来の状況であり得る。例示的状況は、以下を含むが、それらに限定されない。
以前の状況から定量化(スコア/レベル)および/または方向付けされる(上または下)、現在の腎臓の健康/損傷状況、
腎臓健康スコアおよび予期される将来の傾向の定量化された、または方向付けされた評価
流体状況における変化、すなわち、血液量の過多または減少状況の定量化
AKIの存在および段階状況
AKIまたは関連リスクがないこと
血液動態の不安定性および傾向
腎毒性投薬計画のリスクを含む薬学的評価
昇圧剤および血圧状況
流体投与/正味平衡状況および履歴
CRRT性能および処方要件
【0064】
ルールおよび学習エンジン50および60は、病院またはユニットレベルで、異なる容認基準を用いて、上記メトリックまたは状況を評価し、それは、たとえ各患者の個々のリスクレベルが、そのような変化を正当化しない場合でも、ユニットレベルのリスクを集約し、臨床医またはエンジン50および60の他のユーザに警告し、それらのアプローチを周期的に、例えば、その後3~5日間にわたって、精査するには十分である。上記で検出された状況に基づいて、エンジン50および60は、臨床医または論理エンジンの他のユーザに、追加の論理層を出力し、高確率状況または予測のための対応する治療バンドル推奨を構築するための適切な文脈的情報をユーザに提供する。追加の論理層は、以下を含むが、それらに限定されない。
追加の診断
拡張されたケアチームサポートまたは外部の診察
利尿薬、薬剤アプローチの改変、または透析等の介入モデル
ステップダウン/代替療法
救急措置後の移行のための推奨および慢性腎臓疾患に関する追跡
(警告および介入)
【0065】
ルールおよび学習エンジン50および60は、1つ以上の配信チャネル80(有線または無線)を介して、適切な警告、介入、および/または通信技法も提供し、別のシステム、臨床医、または他のユーザが、任意の患者の問題を認識することを確実にする。配信チャネル80は、インターフェース20(例えば、医師または臨床医のコンピュータモニタ、タブレット、またはモバイルデバイス、例えば、スマートフォン)および/または医療機械32のうちいずれか1つ以上において提供される聴覚的、視覚的、または視聴覚的警告または通知のうちいずれか1つ以上を配信する。この警告または通知は、限定ではないが、患者が、良くない健康状態のリスクがない、良くない健康状態のリスクがある、または良くない健康状態を経験しているという信号を送る。
【0066】
本開示のシステム10aおよび10bの実用性における主要因子は、既存の臨床ワークフローに適合するシステムを提供することである。システム10aおよび10bの目的は、その利用機会が高いように、臨床医に正味の正の仕事を追加しないことである。システム10aおよび10bは、故に、以下の文脈的インジケータを提供し得るが、それらに限定されない。
システム10aおよび10bは、コンピュータモニタ、タブレット、またはモバイルデバイス、例えば、スマートフォン等の好適なインターフェース20上のダッシュボード内に情報を提示し得る。
システム10aおよび10bは、緊急性、適時性、および病院の選好に基づいて、個々の患者に対応する情報を提示し得る。
システム10aおよび10bのための警告および通知は、ある実施形態において、文脈的であり、それらは、患者の現在の状況、予期される将来の状況、および/または推奨される措置方針を含む、重要な基準または警告レベルのうちいずれか1つ以上を説明し得る。
システム10aおよび10bのための通知経路は、評価の緊急性、またはルールモジュールまたは学習モジュールのタイプに基づき得、より高い緊急性レベルは、モバイルデバイス20またはグループチャットプログラムへ送られ得る一方、より低いレベルの警告は、ローカルで表示されるか、または、おそらく全く表示されない。
関連付けられたルールまたは学習モジュールをトリガするために使用される重要な入力等の基礎データは、臨床医の措置の動機付けに役立つように、ミラーリングまたは警告内に提示され得る。
【0067】
本明細書に説明される、現在好ましいとされる実施形態に対する種々の変更および修正は、当業者にとって明白であろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、その意図される利点を減少させることなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求項によって網羅されることを意図する。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の病院の各々に位置している複数の医療機械であって、各病院の少なくとも1つの医療機械は、機械出力データを生成する、複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
複数のルールモジュールであって、各ルールモジュールは、前記機械出力データおよび前記複数のデータ源からのデータに基づいて異なる良くない腎臓健康状態に関するリスク評価を決定するように構成されている、複数のルールモジュールと、
コンピュータ上に実装された論理エンジンと
を備え、
前記論理エンジンは、
(i)特定の患者に関して、機械出力データと前記複数のデータ源からのデータを受信することと、
(ii)前記特定の患者に関する前記機械出力データおよび前記複数のデータ源からの前記データのうちの少なくとも一部を前記複数のルールモジュールのための1つ以上の入力に変換することと、
(iii)前記1つ以上の入力を前記それぞれのルールモジュールを通して処理し、それぞれの結果を生成することと、
iv)前記複数のルールモジュールの各々からの前記結果を前記関連する良くない健康状態に関するそれぞれの臨床設定点と比較することと、
)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
【請求項2】
前記論理エンジンは、ルールエンジンであり、前記複数のルールモジュールは、前記それぞれのルールモジュールに関連付けられた変数間の所定の関係に基づいて構築されている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記論理エンジンは、学習エンジンであり、前記複数のルールモジュールの各々は、分析された結果に基づいて、アルゴリズムを決定する、請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
複数のルールモジュールであって、各ルールモジュールは、前記機械出力データおよび前記複数のデータ源からのデータに基づいて異なる良くない腎臓健康状態に関するリスク評価を決定するように構成されている、複数のルールモジュールと、
コンピュータ上に実装されたルールエンジンと
を備え、
前記ルールエンジンは、
(i)特定の患者に関して、機械出力データと前記複数のデータ源からのデータを受信することと、
(ii)前記特定の患者に関する前記機械出力データおよび前記複数のデータ源からの前記データのうちの少なくとも一部を前記複数のルールモジュールのための1つ以上の入力に変換することと、
(iii)前記1つ以上の入力を前記それぞれのルールモジュールを通して処理し、それぞれの結果を生成することと、
iv)前記複数のルールモジュールの各々からの前記結果を前記関連する良くない健康状態に関するそれぞれの臨床設定点と比較することと、
)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
【請求項5】
(a)記ルールエンジンは、新しい機会出力データが受信されると、(i)-()を繰り返すようにさらに構成されており、
および/または、
(b)前記患者は、第1の患者であり、前記ルールエンジンは、第2の患者のために、(i)-()を繰り返すようにさらに構成されている、
請求項4に記載の医療システム。
【請求項6】
前記ルールモジュールの各々は、回帰モジュールであり、前記ルールモジュールを形成する前記データは、前記患者の少なくとも1つの生理的状態に関するデータを含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項7】
前記通知は、前記患者が前記良くない健康状態のリスクがないこと、前記良くない健康状態のリスクがあること、または前記良くない健康状態を経験していることを示す、請求項4または6に記載の医療システム。
【請求項8】
コンピュータモニタ、タブレット、モバイルデバイス、またはスマートフォンのうち少なくとも1つを含むインターフェースに、前記ルールエンジンからの前記通知を提供するように構成されている、請求項4または7に記載の医療システム。
【請求項9】
前記複数の医療機械は、多数の病院に位置し、前記医療機械の外部の前記複数のデータ源は、前記多数の病院の電子医療記録からのデータを含む、請求項4に記載の医療システム。
【請求項10】
前記ルールモジュールは、前記ルールエンジンの外部で形成され、前記ルールエンジンに転送されるか、または、前記ルールモジュールは、前記ルールエンジンによって形成される、請求項4に記載の医療システム。
【請求項11】
前記良くない健康状態に関する前記臨床設定点は、全ての患者のために標準化されているか、または、個々の患者のためにカスタマイズされている、請求項4または10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記ルールエンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記ルールモジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項13】
前記ルールエンジンは、前記ルールモジュールの性能を改良するために、経時的に、前記ルールモジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項14】
前記ルールエンジンは、異なる医療機械または異なる患者のために展開される異なるルールモジュールに基づいて、経時的に、前記ルールモジュールを適合させるように構成されている、請求項4または11に記載の医療システム。
【請求項15】
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装された学習エンジンと
を備え、
前記学習エンジンは、複数の学習モジュールを形成するように構成され、各学習モジュールは、変換されたデータを受信するために入力を定義しており、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者に関して、機械出力データおよび前記複数のデータ源からのデータに基づいて異なる良くない腎臓健康状態に関するリスク評価を決定するように構成され、前記学習エンジンは、前記良くない健康状態の各々と、前記医療機械の外部の前記データに関連付けられた少なくとも1つの因子との間の関連付けを行うように構成され、前記学習モジュールの各々は、前記少なくとも1つの因子を含む、医療システム。
【請求項16】
前記学習エンジンは、訓練ツール、前処理ツール、後処理ツール、および臨床決定サポートツールを含む少なくとも1つのツールを採用している、請求項15に記載の医療システム。
【請求項17】
前記学習エンジンは、前記それぞれの学習モジュールの臨床検査に基づいて、前記学習モジュールを再訓練するように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項18】
前記学習エンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記学習モジュールを適合させるように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項19】
前記学習エンジンは、前記学習モジュールの性能を改良するために、経時的に、前記学習モジュールを適合させるように構成されている、請求項15に記載の医療システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの因子は、経験的に決定されている、請求項15に記載の医療システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図内で説明され、それらから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白であろう。任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要はなく、個々の有利な実施形態を別個に主張することが明示的に想定される。さらに、本明細書内で使用される用語は、主に、読みやすさおよび指導的目的のために選択されており、本発明の主題の範囲を限定しないことに留意されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の病院の各々に位置している複数の医療機械であって、各病院の少なくとも1つの医療機械は、機械出力データを生成する、複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装された論理エンジンと
を備え、
前記論理エンジンは、
(i)前記複数の源と前記機械出力データとからのデータによって形成されたモジュールを取得することであって、前記モジュールは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化する、ことと、
(ii)前記モジュールからの結果を前記良くない健康状態に関する臨床設定点と比較することと、
(iii)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
(項目2)
前記論理エンジンは、ルールエンジンであり、前記モジュールは、前記モジュールに関連付けられた変数間の所定の関係に基づいて構築されている、項目1に記載の医療システム。
(項目3)
前記論理エンジンは、学習エンジンであり、前記モジュールは、分析された結果に基づいて、アルゴリズムを決定する、項目1に記載の医療システム。
(項目4)
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装されたルールエンジンと
を備え、
前記ルールエンジンは、
(i)前記複数の源からのデータによって形成されたモジュールを取得することであって、前記モジュールは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化する、ことと、
(ii)前記モジュールからの結果を決定することと、
(iii)前記結果を前記良くない健康状態に関する臨床設定点と比較することと、
(iv)前記比較に基づいて通知を提供することと
を行うように構成されている、医療システム。
(項目5)
(a)前記モジュールは、第1のモジュールであり、前記良くない健康状態は、第1の良くない健康状態であり、前記ルールエンジンは、第2のモジュールおよび第2の良くない健康状態のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されており、
および/または、
(b)前記患者は、第1の患者であり、前記ルールエンジンは、第2の患者のために、(i)-(iv)を繰り返すようにさらに構成されている、
項目4に記載の医療システム。
(項目6)
前記モジュールは、回帰モジュールであり、前記モジュールを形成する前記データは、前記患者の少なくとも1つの生理的状態に関するデータを含む、項目4に記載の医療システム。
(項目7)
前記通知は、前記患者が前記良くない健康状態のリスクがないこと、前記良くない健康状態のリスクがあること、または前記良くない健康状態を経験していることを示す、項目4または6に記載の医療システム。
(項目8)
コンピュータモニタ、タブレット、モバイルデバイス、またはスマートフォンのうち少なくとも1つを含むインターフェースに、前記ルールエンジンからの前記通知を提供するように構成されている、項目4または7に記載の医療システム。
(項目9)
前記複数の医療機械は、多数の病院に位置し、前記医療機械の外部の前記複数のデータ源は、前記多数の病院の電子医療記録からのデータを含む、項目4に記載の医療システム。
(項目10)
前記モジュールは、前記ルールエンジンの外部で形成され、前記ルールエンジンに転送されるか、または、前記モジュールは、前記ルールエンジンによって形成される、項目4に記載の医療システム。
(項目11)
前記良くない健康状態に関する前記臨床設定点は、全ての患者のために標準化されているか、または、個々の患者のためにカスタマイズされている、項目4または10に記載の医療システム。
(項目12)
前記ルールエンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、項目4または11に記載の医療システム。
(項目13)
前記ルールエンジンは、前記モジュールの性能を改良するために、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、項目4または11に記載の医療システム。
(項目14)
前記ルールエンジンは、異なる医療機械または異なる患者のために展開される異なるモジュールに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、項目4または11に記載の医療システム。
(項目15)
医療システムであって、前記医療システムは、
複数の医療機械と、
前記医療機械の外部の複数のデータ源と、
コンピュータ上に実装された学習エンジンと
を備え、
前記学習エンジンは、前記医療機械のうち1つによる治療を受けている患者の良くない健康状態に関するリスク評価を定量化するモジュールを形成するように構成され、前記学習エンジンは、前記良くない健康状態と、前記医療機械の外部の前記データに関連付けられた少なくとも1つの因子との間の関連付けを行うように構成され、前記モジュールは、前記少なくとも1つの因子を含む、医療システム。
(項目16)
前記学習エンジンは、訓練ツール、前処理ツール、後処理ツール、および臨床決定サポートツールを含む少なくとも1つのツールを採用している、項目15に記載の医療システム。
(項目17)
前記学習エンジンは、前記モジュールの臨床検査に基づいて、前記モジュールを再訓練するように構成されている、項目15に記載の医療システム。
(項目18)
前記学習エンジンは、前記複数の源からの新しいデータに基づいて、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、項目15に記載の医療システム。
(項目19)
前記学習エンジンは、前記モジュールの性能を改良するために、経時的に、前記モジュールを適合させるように構成されている、項目15に記載の医療システム。
(項目20)
前記少なくとも1つの因子は、経験的に決定されている、項目15に記載の医療システム。
【国際調査報告】