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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】基地局へのアクセスを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20230406BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20230406BHJP
   H04W 28/20 20090101ALI20230406BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20230406BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W72/0453
H04W28/20
H04W4/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549699
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2021053888
(87)【国際公開番号】W WO2021165320
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】20305159.4
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196512
【氏名又は名称】タレス ディアイエス エイアイエス ドイツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
(72)【発明者】
【氏名】イアヴァー アントノフ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K067JJ12
(57)【要約】
本発明は、セルラネットワークの基地局を動作させる方法であって、基地局が上記基地局にキャンピングしているユーザ装置の帯域幅制限動作をサポートすることができ、上記基地局が一組のシステム情報項目をブロードキャストするステップを含み、一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートする少なくとも1つの第1のユーザ装置にキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目を更に含み、一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードを更にサポートする少なくとも1つの第2のユーザ装置に、上記第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしているという条件で、新たなキャンピングが許可されるかどうかを示す第2のシステム情報項目を含む方法に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラネットワーク(CN)の基地局(BS)を動作させる方法であって、前記基地局が前記基地局(BS)にキャンプオンしている複数のユーザ装置(UE)の帯域幅制限動作をサポートすることができ、
前記基地局(BS)が一組のシステム情報項目をブロードキャストするステップを含み、
前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートする少なくとも1つの第1のユーザ装置にキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目(SI1)を更に含み、
前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードを更にサポートする少なくとも1つの第2のユーザ装置に、前記第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしているという条件で、新たなキャンピングが許可されるかどうかを示す第2のシステム情報項目(SI2)を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
帯域幅制限動作をサポートする前記基地局(BS)に固有の機能が、
‐拡張カバレッジモード、
‐拡張不連続受信モード、
‐節電モード、
‐周期的データ送信、
‐早期データ送信又は受信
のグループのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一組のシステム情報項目が、隣接基地局(BS2)が帯域幅制限動作をサポートしているかどうかを示す少なくとも1つのシステム情報項目を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のシステム情報項目(SI2)が、帯域幅制限動作以外の動作モードをサポートする既にキャンピングしているユーザ装置(UE)が前記基地局(BS)に留まることが許可されているかどうかを示す第3のシステム情報項目を更に伴う、請求項1乃至3の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のシステム情報項目(SI2)が、帯域幅制限モード以外の少なくとも1つのモードをサポートする少なくとも1つのユーザ装置(UE)が、通常モード状態で別の基地局にキャンプオンする機会がないという条件で、代わりに前記基地局(BS)にキャンプオンすることが許可されることを更に示す、請求項1乃至4の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一組のシステム情報項目が、ユーザ装置のどのグループ又はカテゴリに対して第1又は前記第2のシステム情報項目(SI2)のグループの少なくとも1つが有効であるかを示す第4のシステム情報項目を更に含む、請求項1乃至5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
前記帯域幅制限モード以外の動作モードをサポートし、同じページンググループ又は各ウェイクアップ信号グループにおいて前記基地局(BS)にキャンプオンすることが許可されている前記ユーザ装置(UE)の少なくとも2つを前記基地局(BS)が配置するステップを更に含む、請求項1乃至6の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項8】
キャンピングしている複数のユーザ装置(UE)の帯域幅制限動作をサポートすることができるセルラネットワーク(CN)の基地局(BS)であって、前記基地局(BS)が一組のシステム情報項目をブロードキャストするように構成され、
前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートする少なくとも1つの第1のユーザ装置(UE)にキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目(SI1)を更に含み、
前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードを更にサポートする少なくとも1つの第2のユーザ装置に、前記第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしているという条件で、新たなキャンピングが許可されるかどうかを示す第2のシステム情報項目(SI2)を含むことを特徴とする基地局(BS)。
【請求項9】
帯域幅制限動作をサポートする前記基地局(BS)に固有の機能が、
‐拡張カバレッジモード、
‐拡張不連続受信モード、
‐節電モード、
‐周期的データ送信(D‐PUR)、
‐早期データ送信又は受信(EDT)
のグループのうち少なくとも1つを含む、請求項8に記載の基地局(BS)。
【請求項10】
前記一組のシステム情報項目が、隣接基地局(BS2)が帯域幅制限動作をサポートしているかどうかを示す少なくとも1つのシステム情報項目を更に含む、請求項8又は9に記載の基地局(BS)。
【請求項11】
前記第2のシステム情報項目(SI2)が、帯域幅制限動作以外の動作モードをサポートする既にキャンピングしているユーザ装置が前記基地局に留まることが許可されているかどうかを示す第3のシステム情報項目を更に伴う、請求項8乃至10の少なくとも一項に記載の基地局(BS)。
【請求項12】
前記一組のシステム情報項目が、ユーザ装置のどのグループ又はカテゴリに対して前記第2のシステム情報項目(SI2)が有効であるかを示す第4のシステム情報項目を更に含む、請求項8乃至11の少なくとも一項に記載の基地局(BS)。
【請求項13】
帯域幅制限動作をサポートすることができる基地局(BS)で動作するように構成されたユーザ装置(UE)のための方法であって、
‐前記基地局の少なくとも1つから一組のシステム情報項目を受信するステップと、
前記システム情報項目の1つが、帯域幅制限動作のみをサポートする前記ユーザ装置(UE)にキャンピングが許可されることを示す場合に、
‐前記ユーザ装置(UE)が、帯域幅制限動作以外で基地局(BS)で動作し、帯域幅制限動作をサポートする基地局(BS)に固有の機能の少なくとも1つを使用できるときに、
‐前記基地局(BS)での動作を継続するステップと、
そうでない場合に、帯域幅制限動作以外をサポートする基地局(BS2)への再選択を行うステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記ユーザ装置(UE)に対して、適切な隣接基地局(B2)の利用可能性を評価するステップであって、隣接基地局候補のリストを維持すること、及び前記隣接基地局(B2)候補の少なくとも1つを評価することを含み、
前記評価するステップが、前記隣接基地局(BS2)から一組のシステム情報項目を受信するステップを含み、
前記隣接基地局(BS2)からの前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置にキャンピングが許可される旨の表示を含む場合に、
‐前記隣接基地局(BS2)を前記隣接基地局候補のリストから除外するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
帯域幅制限動作をサポートすることができる基地局(BS)で動作するように構成されたユーザ装置(UE)であって、
前記ユーザ装置(UE)が、帯域幅制限動作をサポートし、
‐前記基地局(BS)の少なくとも1つから一組のシステム情報項目を受信し、
前記システム情報項目の1つが、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置(UE)にキャンピングが許可されることを示す場合に、
‐前記ユーザ装置(UE)が帯域幅制限動作以外で基地局で動作し、帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用することができるときに、
‐前記基地局(BS)で動作することを継続し、
そうでない場合に、帯域幅制限動作以外をサポートする基地局(BS2)への再選択を行うように構成されることを特徴とするユーザ装置(UE)。
【請求項16】
適切な隣接基地局(B2)の利用可能性を評価するように更に構成され、隣接基地局候補のリストを維持すること、及び前記隣接基地局候補の少なくとも1つを評価することを含み、
前記評価が、前記隣接基地局(BS2)から一組のシステム情報項目を受信することを含み、
前記隣接基地局(BS2)からの前記一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置にキャンピングが許可される旨の表示を含む場合に、
‐前記隣接基地局(BS2)を前記隣接基地局候補のリストから除外する、請求項15に記載のユーザ装置(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセルラネットワークの基地局を動作させる方法に関する。本発明はまた上記方法を用いる基地局に関する。
【0002】
本発明は更にユーザ装置が上記基地局で動作するための方法に関する。本発明は更に上記方法を用いるユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線セルラ通信技術の分野における最近の発展は、各基地局で動作するための様々な要件を様々なカテゴリに与えるためにセルラネットワークで動作する様々なタイプのデバイスを考慮する。これは具体的には、5G/NR(新無線)の新規格でも利用できることになっているLTE(ロングタームエボリューション)の定義されたカテゴリに見ることができる。
【0004】
かかるカテゴリは、具体的にはLTE‐Cat NB‐IoT及びCat‐Mであり、LPWANコンセプトと呼ばれている。これらは処理能力が低い及び/又は電力消費要件が厳しいユーザ装置専用である。したがって、かかるカテゴリでは、基地局がサポートする周波数帯域における利用可能な帯域幅のごく一部のみを使用する必要がある。規格化において、このアプローチは「帯域幅制限」(BL)という用語で知られている。
【0005】
上記LPWANコンセプトは、次世代規格NR/5Gに適合される予定であり、LTE/4Gでも維持される予定である。5Gの帯域幅制限通信カテゴリの適合の一環として、プロトコルスタックへの追加の適合が、例えば拡張カバレッジ、ロングDRXサイクル(eDRX)、節電モード(PSM)と呼ばれるディープスリープモードなどにおける動作のような準備中に定義される。
【0006】
このアプローチの展開によって、ある基地局がかかる帯域幅制限サポートを提供することがある一方、他の基地局がこれを提供することはないと思われる。
【0007】
また、かかる帯域幅制限専用の基地局にキャンプオンしたユーザ装置は、上記制限帯域幅をデコードする必要がある一方、通常のユーザ装置では受信帯域幅は最大20MHzである可能性がある。具体的には、基地局は、正規部及び帯域幅制限部を、共有又は独立トランシーバ/アンテナハードウェアとして有するように設計されることがある。大抵の場合、これは共有ハードウェアである場合があり、したがって、MAC(媒体アクセス制御)のみがこの区別を行うことになる。
【0008】
したがって、帯域幅制限モードでのみ動作しているユーザ装置は、サポートしている基地局にキャンプオンすることが必要である一方、帯域幅制限動作をサポートしていない基地局にキャンプオンすることができない。
【0009】
一方、正規のユーザ装置は、特に上述の追加の適合を用いなければならない場合に、帯域幅制限モードでも動作することを利用することがある。例えば、あるセルで拡張カバレッジモードで動作することは、通常動作ではデコードできないであろう基地局にキャンプオンすることを可能にする。
【0010】
更に、大量のデータ交換セッションの予定がない限り、周波数帯域のごく一部でしか動作しないことはまた、携帯電話機のような正規のユーザ装置の場合、電力消費、すなわち1回のバッテリ充電サイクルでの動作持続時間にプラスの効果をもたらすことになる。
【0011】
すなわち、ユーザ装置は、帯域幅制限モードから特別な機能を全く消費しなくても、ページング受信又はシステム情報に必要なデコーディングにおいて制限された帯域幅から恩恵を受けることになる。また、通常のデバイスが2つの受信器チェーン上で動作するときに1つの受信器チェーンをオフにすることがある一方、帯域幅制限モード、具体的には低コストユーザ装置であるCat‐M(NB‐IoT)ユーザ装置は、1つの受信器チェーンで動作するように設計される。
【0012】
この正規のユーザ装置の一般的な挙動は、現在のところ技術標準化において妨げられておらず、正規のユーザ装置の利点をなすことは明らかである。
【0013】
一方、各基地局は、具体的には限られた数のページンググループ及びページンググループのメンバーを通じて、ユーザ装置にサービスを提供するための限られた容量を有するのみである。これは帯域幅制限専用のユーザ装置がその近くに帯域幅制限通信をサポートするたった1つの利用可能な基地局を有する状況をもたらす可能性があるが、これは、具体的には帯域幅制限通信をサポートしていない近くの他の基地局で動作し得るユーザ装置によって完全にブロックされる。
【0014】
実際、この状況は、かかる帯域幅制限専用のユーザ装置の圏外状況をもたらす可能性があるが、正規のユーザ装置の場合は、非帯域幅制限基地局上の十分な容量が利用可能となる。この状況は、かかる帯域幅制限ユーザ装置が計量デバイスなどのように静止状態で設置されることが多いことを考慮すると、更に一層厳しい。つまり、圏外の場所から離れる可能性がない。
【0015】
したがって、基地局容量のより良好な割り当てを達成し、ひいては帯域幅制限ユーザ装置の圏外状況を回避するために、ユーザ装置又は基地局挙動の適応が必要となる。
【0016】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を克服すること、及びユーザ装置による基地局へのアクセスの改善された制御のための解決策を提案することである。
【0017】
したがって、更なる代替的かつ有利な解決策が当該技術分野で望ましいであろう。
【発明の概要】
【0018】
このため、本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載のセルラネットワークの基地局を動作させる方法が提案される。本発明の第2の態様によれば、請求項8に記載の基地局が更に提案される。本発明の第3の態様では、請求項13に記載のユーザ装置のための方法が提案される。更に請求項15に記載のユーザ装置が提案される。
【0019】
本発明の第1の態様によれば、セルラネットワークの基地局を動作させる方法であって、基地局が上記基地局にキャンプオンしている複数のユーザ装置の帯域幅制限動作をサポートすることができ、上記基地局が一組のシステム情報項目をブロードキャストするステップを含み、一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートする少なくとも1つの第1のユーザ装置へのキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目を更に含み、
一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードを更にサポートする少なくとも1つの第2のユーザ装置に、上記第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしているという条件で、新たなキャンピングが許可されるかどうかを示す第2のシステム情報項目を含む方法が提案される。
【0020】
本発明の方法は、4G、5G又はそれ以上の技術標準を実装するセルラネットワークの一部である基地局に適用される。セルラネットワークは、これらの技術標準の少なくとも1つを実装する複数の基地局を備える。セルラネットワークは、基地局に通信可能にリンクされた更なるネットワーク要素を更に備える。
【0021】
基地局は、エアインタフェース上でのユーザ装置の相手方であり、特定の周波数範囲で送受信するように構成されている。
【0022】
この方法は、帯域幅制限動作をサポート可能な基地局に適用される。これは基地局の利用可能な帯域幅の一部のみを使用する動作モードである。処理能力が低いユーザ装置が帯域幅制限(BL)モードで動作することが特に有利である。一部のユーザ装置にとっては、基地局で動作することができる唯一のモードですらある。
【0023】
有利なことに、帯域幅制限ユーザ装置は、その要件、すなわちCat-Mに適合した受信器/処理能力を有する。Cat-M1ユーザ装置は6個のPRB(物理リソースブロック)を受信するだけでよい。なぜなら帯域幅制限動作は、1.4MHzのスペクトル配分に対応し、帯域内展開される場合に実際の占有帯域幅は、LTEで使用される15kHzの公称サブキャリア間隔を考慮して1.08MHz、すなわち6×180kHzを指すためである。また、リソース割当は、割当及びデータ部が様々なPRB上にあり得るためにダウンリンク(DL)の同じ受信フレームのためではなく、したがって、DL割当は1つおいて次のフレームのためのものである。なぜなら、そうでなければ帯域幅制限受信機能と衝突することがあるためである。すなわち、割当及びデータ部は同じPRBにある必要はない一方、正規のユーザ装置は常にLTEを最大20MHz、すなわち最大キャリア帯域幅で受信することができるため、データ及び割当が同じフレームにあるためである。
【0024】
正規のユーザ装置が帯域幅制限モードでも動作できるとき、帯域幅制限専用のユーザ装置にサービスを提供するための基地局の容量が不足することが起こる可能性がある。この状況を回避する、すなわち処理するために本発明は役に立つ。
【0025】
本発明の方法によれば、帯域幅制限動作モードをサポートすることができる基地局が、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置のみにキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目を含むシステム情報を送出することが提案される。
【0026】
基地局が、複数の情報項目を含む一組の、いわゆるシステム情報ブロック(SIB)でシステム情報をブロードキャストすることが知られている。上記基地局にキャンプオンしようとする各ユーザ装置は、受信及びデコードし、受信した情報項目に従う義務を負う。
【0027】
好ましくはシステム情報ブロックの様々な組が、別個のタイプのユーザ装置、具体的には帯域幅制限デバイス、マシンタイプデバイスなどに使用可能である。
【0028】
この新しいシステム情報項目を用いて、受信するユーザ装置に、この基地局に新たにキャンプオンしようとするユーザ装置が帯域幅制限動作でのみ動作できる必要があることが示される。
【0029】
つまり、通常の帯域幅モードで動作することもできる正規のユーザ装置がこの基地局にキャンプオンすることを希望する場合、アクセスはブロックされる。これは通常帯域幅ユーザ装置の選択的禁止の一種である。
【0030】
また、ブロードキャストされたシステム情報が第2のシステム情報項目を更に含むことが提案される。この第2のシステム情報項目は、帯域幅制限動作以外の動作モードをサポートする新たにキャンプオンするユーザ装置が許可されるかどうかを示すタスクを有する。ただし、かかるキャンピングは、第1のシステム情報項目とは対照的に、かかる第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしていることを条件にしてのみ許可される。
【0031】
この条件は、通常帯域幅で動作可能であるにもかかわらず、リソースを節約するためだけではなくある目的のために帯域幅制限モードで動作しようとするユーザ装置に影響を及ぼす。この目的とは、帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能である。
【0032】
具体的には、かかる帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能は、以下のグループのうち少なくとも1つを含む:
‐拡張カバレッジモード、
‐拡張不連続受信モード、
‐節電モード、
‐周期的データ送信(D‐PUR)、
‐早期データ送信又は受信(EDT)。
【0033】
拡張カバレッジモードは、悪いカバレッジ状態で展開されたユーザ装置のためのモードである。送信を繰り返すことによって、受信するユーザ装置は、デコード可能になるまで受信信号を累積することができる。これはカバレッジを最大10dBだけ増やすことができる。
【0034】
拡張不連続受信モード(eDRX)は、より大きいDRXサイクル持続時間を可能にし、節電を可能にするため、帯域幅制限ユーザ装置のための不連続受信の拡張されたバリエーションである。
【0035】
節電モード(PSM)は、ユーザ装置が、一定時間ディープスリープを有効にすること、及び一定時間後、基地局に再度登録する必要なく起動することを可能にするモードである。これは、ユーザ装置がスリープ時間の間にページングを受信できないという代償を払うほど電力消費を大幅に削減する。
【0036】
周期的データ送信、具体的にはいわゆるD‐PUR(専用事前設定アップリンクリソース)は、計量デバイスに典型的な、一定のサイクルで一定量のデータを送信することについてユーザ装置が基地局と交渉するモードである。したがって、その都度、データ送信ごとにデータ交換量を減らす新たなリソース配分を要求する必要がなく、その結果、時間と電力が節約される。
【0037】
早期データ送信又は受信(EDT)は、低頻度の小データパケット送信のサポートを最適化するためのメカニズムであり、NB‐IoT及びLTE‐Cat Mのために導入されたものである。このメカニズムによって、データ送信がランダムアクセス手順の間に実行される。このメカニズムは、ユーザ装置のバッテリ寿命を向上させ、メッセージレイテンシを低減する。
【0038】
帯域幅制限ユーザ装置のための前述の又は追加で導入された機能の1つ又は組み合わせが、第1及び第2のシステム情報項目でブロードキャストされた各値で基地局にキャンプオンする資格を得るには十分である。
【0039】
実際、これらの2つの新しいシステム情報項目を用いて、基地局が単純なオールオアナッシングのアプローチよりも精巧なアプローチにおけるその帯域幅制限容量を管理することが可能なきめ細かいアプローチが利用可能である。
【0040】
基地局は、BL容量不足の場合、第1及び第2のシステム情報項目を活性化することによって、BLで動作している必要がない追加の正規のユーザ装置を避けることができる。
【0041】
好ましい実施形態によれば、一組のシステム情報項目が、隣接基地局が帯域幅制限動作をサポートしているかどうかを示す少なくとも1つのシステム情報項目を更に含むことが提案される。
【0042】
この追加のシステム情報項目によって、基地局にキャンプオンする又はキャンプオンを予定しているユーザ装置は、隣接基地局が帯域幅制限モードでの動作が可能であるか否かという点で価値のあるターゲットであるかどうかについての情報を得る。
【0043】
このシステム情報項目は特に、BL専用ユーザ装置と、BL動作を使用することを希望する正規のユーザ装置の両方に有用である。
【0044】
好ましくは、かかるシステム情報項目は、隣接基地局を示すそれらのシステム情報ブロックに沿って送信される。
【0045】
かかるシステム情報は特に、第1及び第2のシステム情報項目の送信から独立してこの発明が対処する状況を緩和することになる。
【0046】
別の好ましい実施形態によれば、第2のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードをサポートする既にキャンプオンしているユーザ装置がその基地局に留まることが許可されるかどうかを示す第3のシステム情報項目を更に伴うことが提案される。
【0047】
この実施形態は、そもそもBLモードでの動作を予定している新たにキャンプオンするユーザ装置を避けるように設計されている本発明の方法に追加されるものである。
【0048】
十分でない場合、好ましくは既にキャンプオンしている正規のユーザ装置が追い払われる。このような場合、上記の提案された第3のシステム情報項目を用いることが特に役に立つ。このシステム情報項目は、通常モードのような、帯域幅制限モード以外のモードで動作する手段を有していないユーザ装置にリソースを解放するために、帯域幅制限モードで動作する必要がないユーザ装置の動作を停止する効果を有する。
【0049】
この実施形態は、基地局がBLモードで動作しなければならないユーザ装置のために容量を利用可能にする追加のステップを可能にするために有利である。この実施形態は、既に基地局にキャンプオンしているユーザ装置により強い影響を及ぼす。なぜなら、かかるBL専用ユーザ装置の圏外状況をもたらす可能性があるためである。
【0050】
かかる欠点を軽減するために、更なる手段が想定される。したがって、別の好適な実施形態によれば、第2のシステム情報項目が、帯域幅制限モード以外の少なくとも1つのモードをサポートする少なくとも1つのユーザ装置が、通常モード状態で別の基地局にキャンプオンする機会がないという条件で、代わりに上記基地局にキャンプオンすることが許可されることを更に示すことが提案される。
【0051】
この実施形態によれば、帯域幅制限モードと異なるモードで動作し得るユーザ装置が基地局に留まることを可能にする別の条件が、第1及び/又は第2のシステム情報項目を通じて示される基地局の容量が制限されていても導入される。
【0052】
これは、近くで通常モードでのキャンピングに利用できる機会がない場合である。このため、好ましくはユーザ装置は、評価される隣接セルについて、通常モードで動作するために、隣接基地局にキャンプオンするための適性基準を満たすものがないかどうかを把握する。
【0053】
この評価に基づいて、ユーザ装置は、この実施形態によれば基地局の容量問題にもかかわらず、第2のシステム情報項目が、かかるユーザ装置が基地局にキャンプオンしない又はキャンプオンする資格がない場合があることを示すことを決定する。この実施形態によれば、かかる特別な状況は例外的なケースの取り扱いの一部としてカバーされる。この基地局の欠点は、この状況がユーザ装置及び基地局の小さなシェアにしか適用されない場合があるために低いはずである。
【0054】
別の好適な実施形態では、一組のシステム情報項目が、ユーザ装置のどのグループ又はカテゴリに対して、第1又は第2のシステム情報項目のグループの少なくとも1つが有効であるかを示す第4のシステム情報項目を更に含むことが提案される。
【0055】
この実施形態によれば、第1及び第2のシステム情報項目が影響を及ぼしたユーザ装置のグループ又はカテゴリを示す別のシステム情報項目を導入することが提案される。
【0056】
グループ又はカテゴリは、具体的にはMTC又はIoTデバイスをハンドヘルド端末から区別する。
【0057】
代替的又は付加的に、グループ又はカテゴリは、ユーザ装置が割り当てられるネットワークスライスに由来する。ここで、例えば自動車スライスと計量スライスとが区別される可能性がある。
【0058】
代替的又は付加的に、上記グループの区別のためにサブスクリプションのタイプが考慮される。例えばデータ専用サブスクリプションが、携帯電話機や自動車のエンターテイメントユニットのような完全な音声対応デバイス以外の要件を有する場合がある。
【0059】
一般に、上述した機能の2つ以上の組み合わせも、本発明のこの実施形態が意味するグループ又はカテゴリの基準である可能性がある。
【0060】
表示によって、グループ又はカテゴリの少なくとも1つが、かかるユーザ装置のアクセスを制御するために選択される。これは、あまり多くのユーザ装置に影響を及ぼすことなくアクセスを微調整するより多くの可能性を基地局に与え、容量上のボトルネックの原因にならない場合がある。
【0061】
別の好適な実施形態によれば、帯域幅制限モード以外の動作モードをサポートし、同じページンググループ又は各ウェイクアップ信号グループにおいて上記基地局にキャンプオンすることが許可された上記ユーザ装置の少なくとも2つを基地局が配置するステップを更に含む方法が提案される。
【0062】
この実施形態は、基地局がユーザ装置の挙動を制御する別の手段に関する。ページンググループを用いて、基地局は、同時にページングをリスンするキャンプオンしているユーザ装置をまとめる。
【0063】
例えばページンググループのメンバーの1つに対する着信呼がキューにあるとき、ページンググループの各メンバーは、ユーザ装置に適用されるか否かを把握するためにこのページングをチェックする必要がある。
【0064】
かかるページンググループは、先に述べたとおり、そもそもグループと共通するものがない。
【0065】
帯域幅が制限されて動作するユーザ装置、具体的には帯域幅制限モードでのみ動作可能なユーザ装置を、帯域幅制限モード以外のモードで動作可能なユーザ装置と同じページンググループに配置することによって、これは電力消費にプラスの効果をもたらす。多くの一般ユーザが頻繁にページングされるため、同じページンググループにある帯域幅制限ユーザ装置は、その後ウェイクアップされ、その結果、電力消費の多い挙動を有することになる。
【0066】
したがって、この実施形態は更に本発明に別の節電効果を与える。
【0067】
本発明の第2の態様によれば、キャンプオンしている複数のユーザ装置の帯域幅制限動作をサポートすることができる、セルラネットワークの基地局であって、基地局が一組のシステム情報項目をブロードキャストするように構成され、一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートする少なくとも1つの第1のユーザ装置にキャンピングが許可されることを示す第1のシステム情報項目を更に含み、一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作以外の動作モードを更にサポートする少なくとも1つの第2のユーザ装置に、上記第2のユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用しようとしているという条件で、新たなキャンピングが許可されるかどうかを示す第2のシステム情報項目を含む基地局が提案される。
【0068】
基地局は、少なくとも4G、5G又はそれ以上の技術標準を実装するセルラネットワークの一部である。基地局は、各技術標準においてeNodeB又はgNodeBと呼ばれている。
【0069】
基地局には、送受信回路と、複数のユーザ装置とエアインタフェースを介して通信するための少なくとも1つのアンテナとが装備される。基地局には、他のセルラネットワーク要素、具体的にはコアネットワーク及び他の基地局と直接又は間接通信するための通信手段が更に装備される。基地局は、少なくとも全ての通信関連タスクを制御するための処理回路を更に備える。
【0070】
基地局は帯域幅制限動作をサポートすることができる。好ましくは基地局には、帯域幅制限動作及び通常動作をサポートするための回路を装備するのがよい。
【0071】
基地局は、複数のシステム情報ブロックでシステム情報を定期的にブロードキャストする。これらのシステム情報ブロックは、好ましくはそれぞれが複数のシステム情報項目を含む。システム情報ブロックは、1つのブロードキャストチャネル変更期間中に少なくとも1回ブロードキャストされ、この期間中はシステム情報の変更が行われない。
【0072】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の利点を共有する。
【0073】
本発明の第3の態様によれば、帯域幅制限動作をサポートすることができる基地局で動作するように構成されたユーザ装置のための方法であって、
‐上記基地局の少なくとも1つから一組のシステム情報項目を受信するステップと、
上記システム情報項目の1つが、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置にキャンピングが許可されることを示す場合に、
‐ユーザ装置が、帯域幅制限動作以外で基地局で動作し、帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用できるときに、
‐基地局での動作を継続するステップと、
そうでない場合に、帯域幅制限動作以外をサポートする基地局への再選択を行うステップとを含む方法が提案される。
【0074】
本発明のこの態様は、本発明の第2の態様に係る基地局で動作可能なユーザ装置に関する。
【0075】
ユーザ装置は、帯域幅制限モードをサポート可能な上記基地局(以下ターゲット基地局と呼ぶ)にキャンプオンすることを希望する状況にある。帯域幅制限モードをサポートすることもできるユーザ装置は、通常モードが可能な場合でもこのモードを使用することが有利になる。
【0076】
ユーザ装置は、例えばスイッチが入った後、ちょうどその基地局のセルラネットワークへの登録中であるか、又は近くにあるセルラネットワークの別の基地局にキャンプオンしている。後者の場合、特にターゲット基地局の適性基準が現在サービス提供している基地局と比べて十分な場合に、ユーザ装置によってセル再選択が意図される。
【0077】
そうするために、ユーザ装置は同期チャネル((P)SCH)を介してターゲット基地局と同期する必要がある。その後、ユーザ装置は、ブロードキャストチャネル(BCCH)、具体的にはシステム情報ブロックをデコードする。
【0078】
システム情報ブロックの一部は、帯域幅制限動作をサポートするユーザ装置のみにキャンピングが許可されるかどうかを示す少なくとも第1及び第2のシステム情報項目である。
【0079】
ユーザ装置は、かかるシステム情報項目の受信に応答してその能力及び用途を評価する。
【0080】
それがNB‐IoTユーザ装置のように帯域幅制限モードでのみ動作可能なユーザ装置である場合、どんな場合でも上記基地局にキャンプオンするか、又は既にキャンプオンしている場合には上記基地局での動作を継続することになる。
【0081】
それが帯域幅制限モード以外のモードで動作可能なユーザ装置である場合、拡張カバレッジ、D‐PURなどのような帯域幅制限動作に固有の機能が使用されようとしているかが評価される必要がある。
【0082】
その場合に限り、ユーザ装置はその基地局にキャンプオンすることがある。
【0083】
そうでない場合、別の基地局を再選択によって探す必要がある。
【0084】
ユーザ装置が好適な実施形態において既に基地局にキャンプオンしている場合、ユーザ装置は通常モードで別の基地局への再選択を行う必要がある。
【0085】
基地局が通常モードをサポートすることもできる場合、その通常モードに切り替わることでも十分になる。
【0086】
更に有利な実施形態では、ユーザ装置に対して、適切な隣接基地局の利用可能性を評価するステップであって、隣接基地局候補のリストを維持すること、及び隣接基地局候補の少なくとも1つを評価することを含み、
評価するステップが、隣接基地局から一組のシステム情報項目を受信するステップと、
隣接基地局からの一組のシステム情報項目が、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置にキャンピングが許可される旨の表示を含む場合に、
‐上記隣接基地局を隣接基地局候補のリストから除外するステップとを含むステップが提案される。
【0087】
この実施形態は、帯域幅制限モードで動作することになっているユーザ装置について、キャンピングのための基地局を選択するための取り組みを改善する。
【0088】
したがって、隣接基地局候補のリストを維持することが提案される。
【0089】
好ましくは、これは、具体的には初めて電源を入れ、近くの全ての利用可能な基地局から信号、具体的にはブロードキャストを受信した後に行われている。
【0090】
次いで、基地局のうちのどれが帯域幅制限動作モードをサポートすることができ、どれが帯域幅制限動作のみをサポートすることができるかが把握される。
【0091】
ユーザ装置が帯域幅制限モード以外のモードをサポートすることができる場合、かかるユーザ装置を、少なくとも当面の間、隣接基地局候補のリストから除外することができる。
【0092】
このリストは、維持されるか、又は必要な若しくは少なくとも想定されるセル変化のときに定期的に更新されることがある。システム情報項目は、具体的には使い方の変更とともに経時的に変化し得るため、一定時間後、基地局は、帯域幅制限モードで動作するのに十分な容量が利用可能である場合に、再び隣接基地局と見なされることがある。
【0093】
本発明の第4の態様によれば、帯域幅制限動作をサポートすることができる基地局で動作するように構成されたユーザ装置であって、ユーザ装置が帯域幅制限動作をサポートし、
‐上記基地局の少なくとも1つから一組のシステム情報項目を受信し、
上記システム情報項目の1つが、帯域幅制限動作のみをサポートするユーザ装置にキャンピングが許可されることを示す場合に、
‐ユーザ装置が帯域幅制限動作以外で基地局で動作し、帯域幅制限動作をサポートする基地局に固有の機能の少なくとも1つを使用することができるときに、
‐基地局で動作することを継続し、
そうでない場合に、帯域幅制限動作以外をサポートする基地局への再選択を行うように構成されたユーザ装置が提案される。
【0094】
本発明のこの態様は、セルラネットワークで動作するためのユーザ装置に関する。ユーザ装置は、技術標準4G、5G又はそれ以上の少なくとも1つを実装している。
【0095】
ユーザ装置は特に、具体的にはトランシーバ回路として実装される送信回路及び受信回路を備える。ユーザ装置は、ユーザ装置の動作を制御するためのアンテナ及び処理回路、具体的にはトランシーバを制御し、技術標準プロトコルに定義されるプロトコルに従うことを保証するためのプロトコルスタックソフトウェアを更に備える。具体的には、ユーザ装置は、上記処理回路、及びユーザインタフェース、センサなどのような他のコンポーネントを備えた制御ユニットと、送受信回路を備えた通信ユニットとを有する。
【0096】
また、ユーザ装置は、ソフトウェア、及び受信したシステム情報やデータ送信手順を確実にするための他のパラメータを記憶するための揮発性及び/又は永久メモリを備えることが好ましい。
【0097】
ユーザ装置は特に、セルラネットワークのサービング基地局との全ての通信を実行する、ワイヤレスモジュールのような通信ユニットと、通信ユニット、並びに/又はユーザインタフェース及びユーザ装置の他のタスクを制御するアプリケーション部とからなる。
【0098】
第4の態様は、本発明の第3の態様の利点を共有する。
【0099】
このように、この発明は、有利には示された問題を解決し、基地局を介して帯域幅制限モードでキャンピングしているユーザ装置のきめ細かい制御のための信頼できる手段が提供される解決策を提供する。
【0100】
それによって、帯域幅制限モードでしか動作できないユーザ装置が、そのユーザ装置にサービスを提供するのに十分な容量を有するサポート基地局を見つけることを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
以下の記述及び添付図面はいくつかの例示的な態様を詳細に示しているが、実施形態の原理を用いることができる種々の方法のほんの一部しか示していない。本発明の特徴及び利点は、限定的ではなく例示的な例として与えられる有利な実施形態の以下の記述及び添付図面を読むときに現れるだろう。
【0102】
図1】本発明が実施形態として適用されているタイプの基地局と共にユーザ装置を示す図。
図2】本発明の例示的な実施形態に係る、基地局からユーザ装置へのシステム情報データ送信を示す図。
図3】2つの基地局間を移動するユーザ装置の受信レベル変化の第1の例示的な図。
図4】2つの基地局間を移動するユーザ装置の受信レベル変化の第2の例示的な図。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図1は、ユーザ装置UEがセルラネットワークCNの第1の基地局BSにキャンプオンしている状況を模式的に示している。ユーザ装置UEは、第1の基地局BSのセルエリアCA及び第2の基地局BSのセルエリアCAに位置している。
【0104】
第1の基地局BSは、帯域幅制限動作のみをサポートしている基地局である。これはいわゆる“スタンドアロンセル”である。
【0105】
一方ユーザ装置UEは、帯域幅制限モードと、帯域幅制限モード以外の任意のモードである通常モードの両方で動作することができる。
【0106】
例えば電力消費の観点でいくつかの利点があるため、ユーザ装置は第1の基地局BSにキャンプオンすること、及びそこでサポートされる唯一のモードである帯域幅制限モードで動作することを選んでいる。
【0107】
しかしながら、ユーザ装置に供給する容量が第1の基地局BSで不足することが起こる可能性がある。これは特に、NB‐IoTデバイスのような、帯域幅制限モードでしか動作することができないユーザ装置にとって、更にそれらが静止状態で動作している場合に不利である。
【0108】
この場合、第1の基地局BSは、帯域幅制限モードでなくても動作することができるユーザ装置が、その必要がない限りその基地局にキャンピングしてはならないことを示すいくつかのシステム情報項目をそのシステム情報ブロックで送信することになる。
【0109】
このことは、基地局BSがそのシステム情報ブロックSIBをセルエリアに位置するユーザ装置UEにブロードキャストする図2に示されている。ユーザ装置は、その基地局にキャンプオンすることを希望する場合にブロードキャストを読み込んでデコードすることが予想される。
【0110】
この例示的な実施形態では、システム情報ブロックSIBは、特に帯域幅制限(帯域幅低減とも呼ばれる)ユーザ装置用の、SIBx‐BRの一部である2つのシステム情報項目SI1及びSI2を含む。
【0111】
第1のシステム情報項目SI1は、一般にユーザ装置がBL専用ユーザ装置である場合にのみ基地局BSにキャンプオンすることが許可されることを示す。これを検出したとき、BL専用ユーザ装置でないユーザ装置は、第2のシステム情報項目SI2をチェックする必要がある。
【0112】
この第2のシステム情報項目SI2は、特定の条件が満たされる場合にのみ、帯域幅制限モードでのみ動作しているわけではないユーザ装置が許可されるかどうかを示す。これが上記第2のシステム情報項目SI2によって示されない場合、かかるユーザ装置のアクセスは許可されない。これはBL専用ユーザ装置のアクセスを保護するための最強の設定である。
【0113】
値がYesに設定されている場合、帯域幅制限モード以外のモードでも動作することができるユーザ装置は、eDRX、PSMなどのような、帯域幅制限をサポートする基地局に固有の機能を使用するという条件で、基地局BSにキャンプオンすることがある。
【0114】
また基地局は隣接基地局に関する情報を示すことがある。
【0115】
これは図1に示されており、例示的な実施形態に係る基地局BSは、少なくとも隣接基地局BSがBL専用基地局BSであるか、又は全帯域幅の、潜在的に帯域幅制限動作もサポートするものである場合に、これに関する表示もブロードキャストする。
【0116】
次いでユーザ装置UEは、各システム情報項目の受信時に、セル再選択を実行すること、及び帯域幅制限モードも可能な場合に、隣接基地局BSでの動作を継続することを選ぶことができる。
【0117】
これは、スタンドアロン基地局が、かかるシステム情報の送出によってその基地局にキャンプオンする必要がないユーザ装置からそれ自体を解放する、すなわち追加のユーザ装置がその基地局にキャンプオンすることを回避できることを示している。
【0118】
図3には、移動するユーザ装置UEについて、2つの基地局からの受信レベルRBS1及びRBS2の変化が示されており、ユーザ装置は、初めは第1の基地局BSにキャンプオンしており、結果として第2の基地局BSへの再選択を行う。
【0119】
場所Aから場所Dまで移動するときに、次の状況が各番号のところで起こる。
【0120】
1) UEは、前のサービング基地局BSのSIBからの情報によって隣接基地局BSがBL動作及び通常モード動作をサポートすることを知っている。BSにキャンプオンするには、受信電力はあまりにも低すぎて(SintrasearchP未満)、第1の基地局BSからの受信レベルよりも低い。
【0121】
2) UEはカバレッジ拡張(CE)法によって第2の基地局BSのBL部のみを受信することを開始するが、第2の基地局の受信レベルは依然としてサービングセル未満である。
【0122】
3) 隣接基地局BSの受信レベルは、カバレッジ拡張(CE)モードの場合、サービングセルの受信レベルよりも大きくなる。BLモード動作に留まろうとするUEは、第2の基地局BSのSIB1‐BRを読み込む。一例として、ここでSIB1‐BRは、CEモードが必要とされない限り、キャンプオンすることが許可されないことを示す。
【0123】
4) 非CEモードの受信レベルもサービング基地局の受信レベルよりも高くなる。BLモードをサポートする通常UEは、BSに切り替える可能性があるが、SIB1‐BRを読み込んだ後に通常動作で動作する必要がある。しかしながら、基地局BS(及び近くの全ての他の基地局)の受信レベルのように、ユーザ装置は、たとえSIB1‐BRが許可されないことを示していても、他の適切なセルが利用できないために基地局BSで同様にBLモードで動作する可能性がある。
【0124】
再選択は、BL部を選択すること、SIB1‐BRを取得することを回避し、読み込みを開始し、所望の動作モードの禁止を検出するために3から4に遅延され、その後、SIB1‐BRを取得し、上記基地局の全ての非BL SIBを再び取得することを開始する。
【0125】
遅延はむしろ、基地局BSがBLモードをサポートする通常UEに対してオープンであったであろう、そしてBLモードでキャンプオンするためにUEがそうしたであろう場合の、非BL部の禁止によるものである。つまり、UEは、たとえ通常(非BL)部にキャンプオンすることができるとしても、基地局のBL部にキャンプオンしようとする。その結果、UEは初めにBL動作に関連するSIB、すなわちSIB1‐BRから始めて、示されている全ての更なるSIBを読み込む必要がある。SIB1‐BRに禁止を検出すると、動作モードを20MHzのフル動作(非BL)に切り替え、SIB1と、更に上記セルにキャンプオンするために必要な全てのSIBとを読み込むことによって開始する。その後、登録/キャンピング手順が実行される。
【0126】
図4は、第2の基地局BSへの切り替えが、特定の機能、ここではカバレッジ拡張の使用によって実行される状況を示す第2の例示的な実施形態を示している。
【0127】
1) UEは、好ましくはサービング基地局BSのSIBからの情報によって隣接基地局BSがBL動作及び通常モード動作をサポートすることを知っている。
【0128】
2) サービング基地局(スタンドアロンセル)の受信レベルは、通常のデコーディングバリア(適合性レベルSintrasearchP)よりも下がる。
【0129】
3) 隣接基地局BSのBL動作部はサービング基地局BSのレベルよりも大きくなり、直ちに、ただし(最強セルを選択するという規則に従って)CEモードでのみ再選択される。次いでUEは、BSからの全てのSIBをデコードし、CEモードの動作が必要であるためにBLモードで動作し続ける。
【0130】
4) 非CE動作も可能であるため、BL動作は非CE法による作業モードに到達する。これは、UEが非BLモードに切り替わる必要があることを意味する。UEはBSのSIB1をデコードし、今やフル動作を行うものとしての更新を送信する。ここでもまた、挙動は通常動作もサポートするUEが、CE法が必要とされる場合及び必要とされる限り、BL部にのみキャンプオンしなければならないという表示に基づくことになる。
【0131】
その結果、再選択が2回、すなわち3においてBL部を取得するために、しかしCEを必要としない場合、他の部分が禁止と示されているために4において通常部への再選択が行われた。上記のとおり、対応するSIB1‐BRの禁止表示の取得にはある程度時間がかかり、その後に通常モードでキャンプオンするためのSIBの取得が続く。
【0132】
以上の詳細な説明において、例示により、本発明が実施される特定の実施形態を示す添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。異なっていたとしても、本発明の様々な実施形態は必ずしも互いに排他的ではないことは理解されるべきである。例えば、一実施形態と関連して本明細書に記載される特定の特徴、構造、又は特性は、本発明の範囲を逸脱することなく、別の実施形態において実現されてもよい。加えて、開示される各実施形態の範囲内の個別要素の位置又は配置は、本発明の範囲を逸脱することなく変更されてもよいことは理解されるべきである。したがって、以上の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を得ることができる全範囲の同等物とともに、適切に解釈された、添付の請求項によってのみ定義される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】