(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】多重中空構造を有するビームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B62D 21/02 20060101AFI20230406BHJP
B60R 19/03 20060101ALI20230406BHJP
B60R 19/04 20060101ALI20230406BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20230406BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
B62D21/02
B60R19/03 B
B60R19/04 M
B62D25/04
B62D25/20 F
B60R19/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549887
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021019070
(87)【国際公開番号】W WO2021168424
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591187162
【氏名又は名称】シェイプ・コープ
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【住所又は居所原語表記】1900 Hayes St., Grand Haven, Michigan 49417, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ペンダーグラス、エド
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA12
3D203BA02
3D203BB12
3D203BB17
3D203BB22
3D203BB53
3D203BB62
3D203CA02
3D203CA03
3D203CA57
3D203CB03
3D203DA22
(57)【要約】
ビームアセンブリは、第1の管状部分と、第1の管状部分から延在する第1の突出部分とを有する第1のビームを含む。第2のビームは、第2の管状部分と、第2の管状部分から延在する第2の突出部分とを有する。第1の管状部分の細長い内部は、第1の中空領域を画定し、及び第2の管状部分の細長い内部は、第2の中空領域を画定する。第1のビームは、第1の突出部分が第2の管状部分に取り付けられ、及び第2の突出部分が第1の管状部分に取り付けられて、第1の突出部分と第2の突出部分との間に第3の中空領域を画定する状態で第2のビームに取り付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の管状部分と、前記第1の管状部分に沿って延在する第1の突出部分とを有する第1のビームであって、前記第1の管状部分は、第1の中空領域を取り囲む、第1のビーム及び、
第2の管状部分と、前記第2の管状部分に沿って延在する第2の突出部分とを有する第2のビームであって、前記第2の管状部分は、第2の中空領域を取り囲む、第2のビームを含むビームアセンブリであって、
前記第1のビームは、前記第1の突出部分が前記第2の管状部分に取り付けられ、前記第2の突出部分が前記第1の管状部分に取り付けられて、前記第1の突出部分と前記第2の突出部分との間に第3の中空領域を画定する状態で、前記第2のビームに取り付けられる、ビームアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のビーム及び前記第2のビームは、同じ断面形状をそれぞれ含む、請求項1に記載のビームアセンブリ。
【請求項3】
前記同じ断面形状は、P字形である、請求項2に記載のビームアセンブリ。
【請求項4】
前記同じ断面形状は、前記第1及び第2のビームのそれぞれの長さに沿って連続的に延在する、請求項3に記載のビームアセンブリ。
【請求項5】
前記第1及び第2のビームは、溶接によって相互に取り付けられる、請求項4に記載のビームアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の管状部分は、4つの壁セクションによって画定された矩形断面形状を含み、前記第1の突出部分は、前記4つの壁セクションの1つと平面的に整列して前記第1の管状部分から延在する、請求項1~5のいずれか一項に記載のビームアセンブリ。
【請求項7】
前記第3の中空領域は、前記第1及び第2の突出部分と、前記第1及び第2の管状部分の平行な壁セクションとによって取り囲まれる、請求項6に記載のビームアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び第2の突出部分は、前記それぞれの第1及び第2のビームの長さに沿って延在するチャネルリブをそれぞれ含み、前記チャネルリブは、前記第3の中空領域の対向する側に配置される、請求項1に記載のビームアセンブリ。
【請求項9】
第3の管状部分と、前記第3の管状部分に沿って延在する第3の突出部分とを有する第3のビームであって、前記第1、第2及び第3のビームは、同じ断面形状をそれぞれ含み、前記第3のビームは、前記第3の突出部分が前記第1及び第2の突出部分に対して垂直である状態で前記第2のビームに取り付けられて、車両バッテリトレイのための床支持体を形成する、第3のビーム
をさらに含む、請求項1に記載のビームアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の管状部分の壁は、平面セクションと、前記第2の突出部分と係合するように構成される窪んだセクションとを含み、前記第1の管状部分の壁の前記平面セクションは、前記第2の突出部分と整列して配置され、且つ前記ビームアセンブリの外壁を共に形成する、請求項1に記載のビームアセンブリ。
【請求項11】
前記第1及び第2の突出部分は、前記それぞれの第1又は第2の管状部分において取付部から外側に延在して、フランジを画定し、前記ビームアセンブリは、少なくともロッカーセクションの構成要素を含む、請求項1に記載のビームアセンブリ。
【請求項12】
第1の管状部分と、前記第1の管状部分に沿って延在する第1の突出部分とを含む第1のビーム及び、
第2の管状部分と、前記第2の管状部分に沿って延在する第2の突出部分とを含む第2のビームを含むビームアセンブリであって、
前記第1及び第2のビームは、金属シートから形成され、前記第1及び第2の管状部分は、前記金属シートの中間セクションに沿って取り付けられた前記金属シートの縁部セクションによって画定される、その長さに沿って配置された継ぎ目をそれぞれ有し、前記第1及び第2の突出部分は、前記継ぎ目において、前記金属シートの前記中間セクションから一体的に突出し、
前記第1のビームは、前記第1の突出部分が前記第2の管状部分に取り付けられ、前記第2の突出部分が前記第1の管状部分に取り付けられて、前記第1の突出部分と前記第2の突出部分との間に中空領域を画定する状態で、前記第2のビームに取り付けられる、ビームアセンブリ。
【請求項13】
前記長さに対して横断して取られた前記第1のビームの断面形状は、前記長さに対して横断して取られた前記第2のビームの断面形状と同じである、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項14】
前記第1及び第2のビームの前記断面形状は、P字形である、請求項13に記載のビームアセンブリ。
【請求項15】
前記第1及び第2のビームは、溶接によって相互に取り付けられる、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の管状部分は、4つの壁セクションによって画定された矩形断面形状を含み、前記第1の突出部分は、前記4つの壁セクションの1つと平面的に整列して前記第1の管状部分から延在する、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項17】
前記第1及び第2のビームは、その前記長さに沿って配置されたチャネルリブをそれぞれ含む、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項18】
前記第1及び第2の突出部分は、前記それぞれの第1又は第2の管状部分において取付部から外側に延在して、フランジを画定する、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項19】
前記第1の管状部分の壁セクションは、前記第2の突出部分と係合する窪んだ領域を含む、請求項12に記載のビームアセンブリ。
【請求項20】
前記ビームアセンブリは、ルーフボー、ヘッダ、ピラー、ロッカー、クロスメンバ、バンパビーム、ドアビーム、フレームレール先端部又はバッテリトレイ壁の1つを含む、請求項12~19のいずれか一項に記載のビームアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年2月21日に提出された米国仮特許出願第62/979,457号明細書に対する優先権を主張し、この先行出願の開示は、本出願の一部と見なされ、且つ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ビーム構成要素に関し、より具体的には、例えば車両バンパ補強材、構造フレーム構成要素、バッテリトレイ構成要素又はそれらに類するものとして使用するための、少なくとも1つの中空内部を有する管状ビームに関する。
【背景技術】
【0003】
補強及び構造支持に使用される車両用ビームは、典型的には、特定の車両用途及び車両上の取付位置のために設計される。車両構造構成要素として使用されるビームの断面形状は、一般に、用途及び車両アーキテクチャ上の位置について、所望のパッケージングスペース、曲げ強度及び衝撃エネルギー管理特性に対応する幾何学的形状を有するように設計される。さらに、特定の構成要素のために設計されたロール成形ビームは、ロール工具のカスタマイズされたセットを使用する。そのため、ロール成形ビームの断面形状又は設計を変更するには、追加のカスタマイズされたロール工具への高額な投資が必要になることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、複数の細長いビームを単一の細長いビームアセンブリに組み込むビームアセンブリを提供する。ビームアセンブリは、複数の中空領域及び/又は複数のせん断壁を有する断面形状など、所望の断面形状を有するより堅牢な細長いビーム構造を提供するために、単一の細長いビームから切断されて、互いに平行に整列して相互に取り付けられたビームセクションを含み得る。したがって、相互に取り付けられてビームアセンブリを形成するビームセクションの少なくともいくつかは、個々に同じ断面形状を有し得る。そうすることで、ビームアセンブリの所望の断面属性は、そのビームアセンブリと同様の断面属性を有する単一のビームを形成するために通常であれば必要とされ得る工具を減らして達成され得る。
【0005】
本開示の一態様によれば、ビームアセンブリは、第1の管状部分と、第1の管状部分に沿って第1の継ぎ目から延在する第1の突出部分とを有する第1のビームを含む。第2のビームは、第2の管状部分と、第2の管状部分に沿って第2の継ぎ目から延在する第2の突出部分とを有する。第1の管状部分の細長い内部は、第1の中空領域を画定し、及び第2の管状部分の細長い内部は、第2の中空領域を画定する。第1のビームは、第1の突出部分が第2の管状部分に取り付けられ、及び第2の突出部分が第1の管状部分に取り付けられて、第1の突出部分と第2の突出部分との間に第3の中空領域を画定する状態で第2のビームに取り付けられる。
【0006】
いくつかの実装形態では、第1及び第2のビームは、それぞれのビームの長さに沿って連続的に延在するP字形断面など、同じ断面形状をそれぞれ有する。また、第1のビームが第2のビームの上に垂直に配置されるいくつかの例では、第1のビームの下壁及び第2のビームの上壁は、ビームアセンブリの内部せん断壁を画定するために実質的に平面的且つ平行であり得る。
【0007】
さらなる実装形態では、ビームは、他の金属の中でもとりわけ、高強度鋼、超高強度鋼又はアルミニウムで作られた金属シートでそれぞれロール成形され得る。第1及び第2のビームは、第1及び第2のビームの長さに沿った連続的な溶接など、溶接によって相互に取り付けられ得る。
【0008】
他の態様において、ビームアセンブリは、第3の管状部分と、第3の管状部分に沿って第3の継ぎ目から延在する第3の突出部分とを有する第3のビームを含み得る。第3のビームは、第1及び第2のビームと同じ断面形状を有し得る。いくつかの例では、第3のビームは、車両バッテリトレイのための床支持体を形成するためなど、第3の突出部分が第1及び第2の突出部分に対して垂直に配置された状態で第2のビームに取り付けられ得る。
【0009】
任意選択的に、ビームアセンブリは、ロッカービーム、ロッカーインサート、床クロスメンバ、ルーフクロスメンバ、ピラー構造又は他の構造的車両構成要素など、車両のフレーム構成要素として設置され得る。いくつかの実装形態では、ビームアセンブリは、バンパ補強ビーム、ドアビーム又は他の衝撃エネルギー管理構造の一部として使用され得る。さらに、いくつかの例では、ビームアセンブリは、トレイフレーム壁又はクロスメンバなど、バッテリトレイ構成要素として使用され得る。
【0010】
本開示の別の態様によれば、ビームアセンブリは、第1の管状部分と、第1の管状部分に沿って延在する第1の突出部分とを含む第1のビームを含む。ビームアセンブリは、第2の管状部分と、第2の管状部分に沿って延在する第2の突出部分とを含む第2のビームも含む。第1及び第2のビームは、金属シートから形成される。それにより、第1及び第2の管状部分は、金属シートの中間セクションに沿って取り付けられた金属シートの縁部セクションによって画定される、その長さに沿って配置された継ぎ目をそれぞれ有する。第1及び第2の突出部分は、継ぎ目において、金属シートの中間セクションから一体的に突出する。第1のビームは、第1の突出部分が第2の管状部分に取り付けられ、及び第2の突出部分が第1の管状部分に取り付けられて、第1の突出部分と第2の突出部分との間に中空領域を画定する状態で第2のビームに取り付けられる。
【0011】
本開示のこれら及び他の目標、利点、目的及び特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ビームアセンブリの様々な例を概略的に示す車両の上方斜視図である。
【
図2】ビームアセンブリの追加の例を概略的に示す、
図1に示す車両の側面図である。
【
図3】例示的なビームアセンブリの上方斜視図である。
【
図3A】
図3に示されたビームアセンブリの、線A-Aで取られた断面斜視図である。
【
図4】
図3に示されるビームアセンブリの端面図である。
【
図5】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図6】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図7】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図8】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図9】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図10】ビームアセンブリの追加的な例の端面図である。
【
図11】バッテリトレイ構造のビームアセンブリの追加的な例を概略的に示す車両の側面図である。
【
図12】
図11に示されるバッテリトレイ構造の側壁部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、図面及びそれに描かれた例示的な実施形態を参照すると、
図1及び2に示された車両100などの電気自動車(EV)及び内燃機関(ICE)車両を含む自動車両の構成要素又は構造体内など、様々なビーム用途で使用できるビームアセンブリが提供されている。
図3~12に示されるものなどのビームアセンブリは、複数の細長いビームを単一の細長いビームアセンブリに組み込んでいる。
図3~4に示すように、ビームアセンブリ10は、細長い中空内部16を有する管状部分14と、管状部分14に沿って延在する継ぎ目から外側に突出する突出部分18とを有する第1のビーム12を含む。第2のビーム22も、細長い中空内部26を有する管状部分24と、管状部分24に沿って延在する継ぎ目から外側に突出する突出部分28とを有する。したがって、第1及び第2のビーム12、22は、P字形断面などの同じ断面形状をそれぞれ有し得る。概ね同じ断面形状を有するため、第1及び第2のビーム12、22は、組立前に連続ロール成形ビームなどの単一の細長いビームから切断され得る。第1及び第2のビーム12、22は、ビームアセンブリ10全体の所望の断面形状を形成する際に結合するために、平行に整列して互いに並んで相互に取り付けられる。
【0014】
ビームアセンブリ10を形成するために、第1及び第2のビーム12、22は、第1及び第2のビーム12、22の管状部分14、24間で軸方向に延在する長手方向平面にわたる反転した鏡像の関係で配置され得る。換言すれば、第1及び第2のビーム12、22を同じ向きで開始する場合、ビームの一方は、ビーム12、22を相互に取り付ける前に、他方のビームに対してその長手方向軸に沿って約180度軸方向に回転される。例えば、
図3~4に示すように、第1のビーム12は、第1のビーム12の突出部分18が第2のビーム22の管状部分24に取り付けられ、及び第2のビーム22の突出部分28が第1のビーム12の管状部分14に取り付けられた状態で第2のビーム22に取り付けられて、ビームアセンブリ10の長さに沿って長手方向にビーム12、22間に配置された少なくとも2つの別々の取付点30又は継ぎ目を画定する。取付点30は、連続溶接継ぎ目若しくは断続スポット溶接などの溶接で形成され得るか、又は接着剤若しくは留め具等などの他のタイプの取付で形成され得る。
【0015】
図3~4に示すように、互いに向き合う第1及び第2のビーム12、22の管状部分14、24の対向壁34は、ビーム12、22間に細長い中空領域32を画定するように互いに離間され得る。中空領域32はまた、ビーム12、22の突出部分18、28間に挟まれる。ビームアセンブリ10の画定された中央中空領域32を提供する空間により、管状部分14、24の対向壁34は、ビームアセンブリ10の内部せん断壁として作用することなどにより、ビームアセンブリ10の全体的な内部領域を補強するように機能し得る。さらに、ビームアセンブリ10の対向壁34は、それぞれのビーム12、22の管状部分14、24の中空内部16、26と、管状部分14、24間に配置される中央又は第3の中空領域32とによって画定される多重中空形状を提供するために内部領域を分割する。ビームアセンブリの追加の例は、ビームアセンブリの所望の断面形状を提供するために、追加又は代替のビーム、取付点又は中空領域を有するなど、様々な代替断面形状及び構成を有し得ることが考えられる。
【0016】
ビームアセンブリ10の周囲断面形状は、
図3~4にも示されるような矩形形状であり得る。さらに、管状部分14、24は、直交して配置された4つの壁セクションによって画定される概ね矩形の断面形状をそれぞれ有し得る。例えば、
図4に示すように、ビーム12、22は、金属シートからロール成形されて、共に矩形断面形状を構成する第1の壁セクション34、第2の壁セクション36、第3の壁セクション38及び第4の壁セクション40を有する管状部分14、24を形成し得る。管状部分14、24は、金属シートの厚さの約4倍を超えるなど、材料厚さ及び材料延性によって制限され得る金属シートの曲げ半径によって画定される3つの丸みを帯びたコーナー42を有する。ビームは、他の金属の中でもとりわけ、高強度鋼、超高強度鋼又はアルミニウムから作られた金属シートでそれぞれロール成形され得る。
【0017】
図4に示すように、管状部分14、24の残りの四角いコーナー44は、第1の壁セクション34の縁部46が、第4の壁セクション40と突出部分18、28との間の金属シートの中間位置に取り付けられることによって形成される。金属シートの縁部46に形成された継ぎ目は、縁部46を金属シートに対して溶接すること、例えば隅肉溶接の形成等によって取り付けられ得る。このような溶接は、例えば、ビームに沿った断続的なスポット溶接又は連続的な溶接によって行われ得る。シートにおける第1の壁セクション34の取付位置は、継ぎ目を形成し、第4の壁セクション40と突出部分18、28とを概ね分離させる。
図4に示すように、突出部分18、28は、それぞれの第4の壁セクション40と平面的に整列して管状部分14、24から延在する。2つの別々のビーム12、22が相互に取り付けられると、ビーム間に形成された第3の中空領域32は、突出部分18、28と、管状部分14、24の第4の壁セクション40とによって囲まれる。
【0018】
図3~4をさらに参照すると、管状部分14、24は、他方のビームの突出部分18、28の縁部を受けるための窪んだ領域48をそれぞれ含み得る。
図4に示される窪んだ領域48は、第2の壁セクション36に配置され、それぞれの中空内部領域16、26に向かって内側に、突出部分18、28の係合縁部の厚さに概ね等しい距離で突出する深さを有する。
図4に示す各窪んだ領域48のおよその深さは、第2の壁セクション36の平面状の外面と、窪んだ領域48における平面状の外面との間で測定される。それは、他方のビームの金属シートの厚さに概ね等しい。窪んだ領域48は、第2の壁セクション36の平面状の外面を、取り付けられた突出部分18、28の外面に概ね整列させる。この突出部分18、28の外面は、それぞれの突出部分18、28が延在する第4の壁セクション40の外面に同じく整列される。整列した突出部分18、28、第2の壁セクション36及び第4の壁セクション40は、一緒になって、全体的なビームアセンブリ10の平行且つ対向する外壁を形成する。
【0019】
ここで、
図5~10を参照すると、
図3~4に図示したものからの代替の断面形状を示したビームアセンブリ110(
図5)、210(
図6)、310(
図7)、410(
図8)、510(
図9)、610(
図10)の追加の例が示されている。例えば、
図5に示す向きでは、ビームアセンブリ110は、
図4に示すビームアセンブリ10よりも減少した水平方向の幅を有する。ビームアセンブリ110の減少した幅は、各ビーム112、122の管状部分114、124が減少した幅を有すること、より具体的には第1及び第3の壁セクション134、138がより短い長さを有することによって提供される。
図5に示すビームアセンブリ110は、
図4に示すビームアセンブリ10と概ね同じ長さの第2及び第4の壁セクション136、140、同じ長さの突出部分118、128及び同じ数の湾曲部で形成され得る。しかしながら、コーナー湾曲部142における曲率半径は、
図4におけるコーナー湾曲部42よりも
図5において大きい。
図5におけるビームアセンブリ110の各ビーム112、122を形成するために用いられる金属シートの全幅は、
図4におけるビーム12、22を形成するために用いられる金属シートの幅よりも小さい。
【0020】
さらに、
図6の向きにおいて示されるように、ビームアセンブリ210は、
図4に示すビームアセンブリ10と同じ矩形の周囲断面形状を有するが、より近くに位置する内部せん断壁を有する。より近いせん断壁は、各ビーム212、222の管状部分214、224が高さを増すこと、より具体的には第2及び第4の壁セクション236、240がより長い長さを有することによって提供される。
図4及び6のビームアセンブリ10、210の同じ全高を維持するために、
図6のビームアセンブリ210の突出部分218、228は、管状セクションが高さを増加させるのと同じ全体長さだけ長さを減少させる。したがって、
図6に示す寸法変更は、同じ金属シート、湾曲構成及びロール工具を用いて形成することができるが、ロール成形ライン上のロール工具の位置を変更する。このように、異なる例におけるビームアセンブリは、様々な寸法変化を含み得る。
【0021】
ビームアセンブリは、ビームアセンブリの一部を剛性化するための1つ又は複数のチャネルリブも含み得る。例えば、
図7に示すように、ビームアセンブリ310の突出部分318、328は、その中央セクションにおいて、それぞれのビーム312 322の長さに沿って延在するチャネルリブ320をそれぞれ含む。チャネルリブ320を突出部分318、328上に配置することにより、チャネルリブ320は、ビームアセンブリ310の中央垂直位置に配置され、中央又は第3の中空領域332の対向する側部内に突出する。
図7に示すビームアセンブリ310は、それ以外には
図4に示すビームアセンブリ10と同様である。そのため、このチャネルリブ改造は、金属シートの幅を増し、突出部分にチャネルリブ320を形成するロール工具を追加することによって行うことができる。さらなる例では、管状部分の壁セクションなど、ビームアセンブリの他の部分に追加のチャネルリブを設け得ることが考えられる。
【0022】
図8にさらに示すように、ビームアセンブリ410は、金属シートへの第1の壁セクション434の縁部446の取付を除いて、
図4に示すビームアセンブリ10と同じ全体断面形状を有する。
図8に示すように、金属シートの縁部446に形成された継ぎ目は、縁部446における金属シートの平面的な側面が第4の壁セクション440と突出部分418、420との間の金属シートの平面的な側面に取り付けられるように、コーナー湾曲部442を含み得る。この平坦な面取付は、溶接、例えばビームに沿った断続的なスポット溶接又は連続的な溶接によって提供され得る。例えば、レーザ溶接は、レーザヘッドを金属シートの外面に対して概ね垂直に方向付けることによって形成され得る。それにより、レーザ溶接は、金属シートの縁部446に重なる部分を通して垂直に形成され得る。
図8に示すように、縁部446は、それぞれのビーム412、422の中空内部領域416、426内に延在するように湾曲される。
図8に示すように、突出部分418、428は、縁部446及びそれぞれの第4の壁セクション440と平面的に整列して管状部分414、424から延在する。
【0023】
同様に、
図10に示すように、ビームアセンブリ610は、突出部分618、628を他のそれぞれのビームの管状部分614、624に取り付けることを除いて、
図8に示すビームアセンブリ410と同じ全体断面形状及び縁部取付を有する。
図10に示すように、突出部分618、628の縁部は、突出部分618、628における金属シートの平面的な側面が第1の壁セクション634の平面的な側面に取り付けられるように、コーナー湾曲部642を含み得る。この平坦な面取付は、溶接、例えばビームに沿った断続的なスポット溶接又は連続的な溶接によって提供され得る。例えば、レーザヘッドを第2の壁セクション636及び突出部分618、628の外面に対して概ね垂直に方向付けることにより、クレバス継ぎ目に沿ってレーザ溶接が形成され得る。また、
図10に示すように、突出部分618、628の縁部は、中央内部領域632内に延在するように湾曲される。このようにすることで、窪んだ領域を第2の壁セクションから省略することができる。
【0024】
さらに、
図9に示すように、突出部分518、528は、管状部分514、524で取り付けられ、管状部分を越えて延在し、隣接する車両構成要素に取り付けるためのフランジ550、552を提供する。例えば、フランジ550、552は、内側及び外側ロッカーシル間にビームアセンブリ510を取り付けるために使用され得るか、又はいずれか若しくは両方のロッカーシル構成要素の代わりに使用され得る。フランジは、対応する車両設計に対応する設計を提供するために、異なる例において代替的に成形又は配置され得る。
図9に示すように、突出部分518、528は、第2の壁セクション536を覆って配置され、第2の壁セクション536と第3の壁セクション538との間のコーナー湾曲部542に対応する湾曲部をそれぞれ有する。それにより、突出部分518、528は、第3の壁セクション538に沿って第3の壁セクション538上を進む。
図9にさらに示すように、突出部分は、フランジ550、552を第3の壁セクション538から直交して外側に向ける外向き湾曲部を有する。
【0025】
ここで、
図11及び12を参照すると、ビームアセンブリ710は、細長い中空内部756を有する管状部分754と、管状部分754から延在する突出部分758とを有する第3のビーム752を含む。
図12に示すように、第3のビーム752は、P字形断面として示される、第1及び第2のビーム712、722と同じ断面形状を有する。したがって、3つのビーム712、722、752は、連続ロール成形ビームなどの1つの細長いビームから切断され得る。ビーム712、722、752は、4つの中空内部領域を有するビームアセンブリ710の所望の断面形状を形成する際に結合するために、平行に整列して互いに並んで相互に取り付けられる。
【0026】
図11及び12にさらに示すように、第3のビーム752は、第3のビーム752の突出部分758が他の突出部分718、728に対して垂直に配置された状態で第2のビーム722に取り付けられ、且つ下部管状部分の下壁セクション738に取り付けられる。また、第3のビーム752の管状部分754の第1の壁セクション734は、第2の壁セクション736において下部管状部分に取り付けられる。このような断面形状により、
図12に示すビームアセンブリ710は、
図11に示すものなどのバッテリトレイ762の側壁760として使用することができる。第3のビーム752の管状部分754は、衝撃エネルギー吸収を補助するために、側壁760の車外側に配置することができる。また、第3のビーム752の突出部分758は、バッテリトレイ762の床764及びバッテリトレイ762の任意の追加の内部構成要素のための床支持体を形成するために、側壁760の車内側に配置され得る。
【0027】
様々な車両用途に関して、ビームアセンブリは、例えば、車両バンパ補強材、構造フレーム構成要素、バッテリトレイ構成要素として使用され得る。例えば、
図1及び2に示すように、これらは、例えば、ルーフボー102、ヘッダ103、ピラー104、ロッカー105、床クロスメンバ106、バンパビーム107、ドアビーム108、フレームレール先端部109等を含む。
図1及び2に示すように、ビームアセンブリは、車両バンパ補強ビーム107及びドアビーム108等向けなど、様々な衝撃力を受けるように設計され得る。
図1及び2に示される例示的な車両100にさらに提供されるように、車両100のボディ構造又はフレーム101は、複数の構造ビーム構成要素を備える。その1つ又は全ては、本明細書に記載されるようなビームアセンブリとして提供され得る。例えば、ビームアセンブリは、ルーフボー102及びロッカーレール105又はそのインサートのように、水平スパンを支持するため又は車両フレームのピラー104のように軸方向荷重を支持するためなど、異なる荷重条件を支持及び維持するように設計され得る。さらに、
図11の車両700に示されるように、ビームアセンブリは、周囲側壁760又はバッテリトレイの対向する側壁間にわたるクロスメンバビームなど、バッテリトレイ762の構造構成要素として使用することができる。
【0028】
ビームアセンブリの断面形状は、ビームアセンブリの所望の用途のための様々な形状及び厚さ、例えば開放プロファイル又は閉鎖プロファイルを含み得る。これは、引抜成形プロファイル内に長手方向に延在する2つ以上の中空内部領域を有する多管状プロファイルを含み得る。
【0029】
本開示の目的のために、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」という用語及びそれらの派生語は、
図1において方向付けられたような装置に関するものとする。しかしながら、明示的に反対に指定される場合を除き、装置は、様々な代替的な向きを取り得ることを理解されたい。添付の図面に示され、本明細書に記載された特定のデバイス及びプロセスは、単に例示的な実施形態又は実装形態であることも理解されたい。したがって、使用されている用語は、限定ではなく、説明の語としての性質のものであることが意図される。したがって、本明細書に開示された実施形態又は実装形態に関連する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、限定的であると見なすべきではない。実施形態及び実装形態の多くの修正形態及び変形形態が上記の教示に照らして可能である。
【国際調査報告】