(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】繊維が巻かれたスポーツ用具
(51)【国際特許分類】
A63B 53/10 20150101AFI20230406BHJP
【FI】
A63B53/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549894
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2021017360
(87)【国際公開番号】W WO2021167820
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045213
【氏名又は名称】トゥルー テンパー スポーツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハース,ニール
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジュニア,ドナルド コリンズ
(72)【発明者】
【氏名】モルナー,ブライアン クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ドノヴァン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA05
2C002CS05
(57)【要約】
ゴルフクラブのシャフトは、太い方の端と、細い方の端と、ゴルフクラブのシャフトの軸に対して螺旋状に巻き付けられた繊維のコイルと、繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、繊維のコイルの半径方向外側に配置された、複合材の1つ以上の層と、を含み、ゴルフクラブのシャフトは、太い方の端と細い方の端との間で徐々に細くなっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのシャフトであって、
太い方の端と、
細い方の端と、
前記ゴルフクラブのシャフトの軸に対して螺旋状に巻き付けられた繊維のコイルと、
前記繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、前記繊維のコイルの半径方向外側に配置された、複合材の1つ以上の層と、を備え、
前記太い方の端と前記細い方の端との間で徐々に細くなっている、ゴルフクラブのシャフト。
【請求項2】
複合材の第2の1つ以上の層をさらに含み、前記繊維のコイルは、前記複合材の第2の1つ以上の層に螺旋状に巻き付けられ、前記複合材の第2の1つ以上の層は、前記繊維のコイルの半径方向内側に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項3】
前記複合材の1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、グラファイト、エポキシおよび樹脂を含む、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項4】
前記繊維は、直径が15ミクロン未満である、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項5】
前記ゴルフクラブのシャフトの軸に対して螺旋状に巻き付けられた少なくとも5000個の前記繊維のコイルを含む、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項6】
前記コイルは各々、前記軸に対してほぼ垂直に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項7】
前記コイルは各々、前記軸に対してほぼ平行に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項8】
前記コイルは各々、前記軸に対して1度から89度の間の角度で配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項9】
前記繊維は、樹脂でコーティングされている、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項10】
前記繊維は、断面が円形である、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項11】
前記繊維は、鋼と、チタンと、アルミニウムと、銅と、タングステンと、鋼、チタン、アルミニウム、銅、タングステンのうちのいずれか1つの合金からなる群から選択される、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項12】
前記コイルのうち隣接するもの同士が互いに接触している、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項13】
前記ゴルフクラブのシャフトは、前記繊維のコイルの内部が中空である、請求項1に記載のゴルフクラブのシャフト。
【請求項14】
ホッケー用のスティック、ラクロス用のクロスおよび野球のバットのうちの1つの管状部分であって、前記管状部分は、
複合材の1つ以上の層と、
前記管状部分の軸に対して螺旋状に巻き付けられた繊維のコイルと、
を備え、
前記複合材の1つ以上の層が、前記繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、前記繊維のコイルの半径方向外側に配置されているか、
前記繊維のコイルが、前記複合材の1つ以上の層の周りを包み込むように巻かれ、前記複合材の1つ以上の層の半径方向外側に配置されているかのうち、いずれか一方である、管状部分。
【請求項15】
前記複合材の1つ以上の層は、前記繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、前記繊維のコイルの半径方向外側に配置され、
前記管状部分は、複合材の第2の1つ以上の層をさらに含み、前記繊維のコイルは、前記複合材の第2の1つ以上の層に螺旋状に巻き付けられ、前記複合材の第2の1つ以上の層は、前記繊維のコイルの半径方向内側に配置されている、請求項14に記載の管状部分。
【請求項16】
前記繊維のコイルは、前記複合材の1つ以上の層の周りを包み込むように巻かれ、前記複合材の1つ以上の層の半径方向外側に配置されている、請求項14に記載の管状部分。
【請求項17】
前記複合材の1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、グラファイト、エポキシおよび樹脂を含む、請求項14に記載の管状部分。
【請求項18】
前記繊維は、鋼と、チタンと、アルミニウムと、銅と、タングステンと、鋼、チタン、アルミニウム、銅、タングステンのうちのいずれか1つの合金からなる群から選択される、請求項14に記載の管状部分。
【請求項19】
前記繊維は、断面が直径15ミクロン未満の円形である、請求項14に記載の管状部分。
【請求項20】
管状のスポーツ用具を作製する方法であって、
繊維のコイルを管状の部材に螺旋状に巻き付けることと、
複合材の1つ以上の層が前記繊維のコイルの半径方向外側に配置されるように、前記繊維のコイルの周りを包み込むように前記複合材の1つ以上の層を巻くことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年2月20日に出願された米国特許仮出願第62/979,093号の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の開示内容全体を、本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、スポーツ用具に関し、特に複合スポーツ用具に関し、より詳細には、管状の部材に繊維を巻いた複合スポーツ用具に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景技術の説明は、本開示の内容を大枠で示すことを目的としたものである。この背景部分に記載した範囲においての現行の発明者の業績、ならびに、そうでなければ出願時に先行技術としては認定されない可能性のある説明の態様については、明示的にも黙示的にも、これを本開示に対する先行技術として認めるものではない。
【0004】
種類の異なる様々な用具が、様々な異なるスポーツで使用されている。例えば、ゴルフでは、ゴルフ用のボールを打つのにゴルフクラブが使用される。ゴルフクラブは、ゴルフシャフトと、グリップと、クラブヘッドとを含む。ゴルフシャフトには、太い方の端と細い方の端がある。クラブヘッドは、ゴルフシャフトの細い方の端に取り付けられている。グリップは、ゴルフシャフトの太い方の端に取り付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シャフトを含むスポーツ用具には、他にもいくつか種類がある。例えば、ラクロス用のクロスは、シャフトと、シャフトに取り付けられているヘッドとを含む。ホッケー用スティックにも、シャフトが含まれている。ホッケー用スティックのシャフトには、ブレードが取り付けられている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある特徴において、ゴルフクラブのシャフトは、太い方の端と、細い方の端と、ゴルフクラブのシャフトの軸に対して螺旋状に巻き付けられた繊維のコイルと、繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、繊維のコイルの半径方向外側に配置された、複合材の1つ以上の層と、を含み、ゴルフクラブのシャフトは、太い方の端と細い方の端との間で徐々に細くなっている。
【0007】
さらなる特徴において、ゴルフクラブのシャフトは、複合材の第2の1つ以上の層をさらに含み、繊維のコイルは、複合材の第2の1つ以上の層に螺旋状に巻き付けられ、複合材の第2の1つ以上の層は、繊維のコイルの半径方向内側に配置されている。
【0008】
さらなる特徴において、複合材の1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、グラファイト、エポキシおよび樹脂を含む。
【0009】
さらなる特徴において、繊維の直径は15ミクロン未満である。
【0010】
さらなる特徴において、ゴルフクラブのシャフトは、ゴルフクラブのシャフトの軸に対して螺旋状に巻き付けられた少なくとも5000個の繊維のコイルを含む。
【0011】
さらなる特徴において、コイルは各々、軸に対してほぼ垂直に配置されている。
【0012】
さらなる特徴においてコイルは各々、軸に対してほぼ平行に配置されている。
【0013】
さらなる特徴において、コイルは各々、軸に対して1度から89度の間の角度で配置されている。
【0014】
さらなる特徴において、繊維は、樹脂でコーティングされている。
【0015】
さらなる特徴において、繊維は、断面が円形である。
【0016】
さらなる特徴において、繊維は、鋼と、チタンと、アルミニウムと、銅と、タングステンと、鋼、チタン、アルミニウム、銅、タングステンのうちのいずれか1つの合金からなる群から選択される。
【0017】
さらなる特徴において、コイルのうち隣接するものが互いに接触している。
【0018】
さらなる特徴において、ゴルフクラブのシャフトは、繊維のコイルの内部が中空である。
【0019】
ある特徴において、ホッケー用のスティック、ラクロス用のクロスおよび野球のバットのうちの1つの管状部分が記載される。この管状部分は、複合材の1つ以上の層と、管状部分の軸に対して螺旋状に巻き付けられた繊維のコイルと、を含み、複合材の1つ以上の層が、繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、繊維のコイルの半径方向外側に配置されているか、繊維のコイルが、複合材の1つ以上の層の周りを包み込むように巻かれ、複合材の1つ以上の層の半径方向外側に配置されているかのうち、いずれか一方である。
【0020】
さらなる特徴において、複合材の1つ以上の層は、繊維のコイルの周りを包み込むように巻かれ、繊維のコイルの半径方向外側に配置され、管状部分は、複合材の第2の1つ以上の層をさらに含み、繊維のコイルは、複合材の第2の1つ以上の層に螺旋状に巻き付けられ、複合材の第2の1つ以上の層は、繊維のコイルの半径方向内側に配置されている。
【0021】
さらなる特徴において、繊維のコイルは、複合材の1つ以上の層の周りを包み込むように巻かれ、複合材の1つ以上の層の半径方向外側に配置されている。
【0022】
さらなる特徴において、複合材の1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、グラファイト、エポキシおよび樹脂を含む。
【0023】
さらなる特徴において、繊維は、鋼と、チタンと、アルミニウムと、銅と、タングステンと、鋼、チタン、アルミニウム、銅、タングステンのうちのいずれか1つの合金からなる群から選択される。
【0024】
さらなる特徴において、繊維は、断面が直径15ミクロン未満の円形である。
【0025】
ある特徴において、管状のスポーツ用具を作製する方法は、繊維のコイルを管状の部材に螺旋状に巻き付けることと、複合材の1つ以上の層が繊維のコイルの半径方向外側に配置されるように、繊維のコイルの周りを包み込むように複合材の1つ以上の層を巻くことと、を含む。
【0026】
本開示を適用可能なさらなる領域が、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明と具体例については、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0027】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、スポーツ用具を製造するのに使用される、2つの(未硬化の)複合材とマンドレルとを含む、例示図を含む。
【
図3】
図3は、複合材の上に配置されたマンドレルの例示的な斜視図を含む。
【
図4】
図4は、マンドレルの周りを包み込むように巻かれた複合材を示す断面図である。
【
図5】
図5は、複合材に巻き付けられた(コイル状に巻かれた)繊維の斜視図である。
【
図6】
図6は、複合材に巻き付けられた(コイル状に巻かれた)繊維の断面図である。
【
図7】
図7は、複合材に部分的に巻き付けられた繊維の斜視図である。
【
図8】
図8は、複合材に部分的に巻き付けられた繊維の斜視図である。
【
図9】
図9は、複合材に部分的に巻き付けられた繊維の斜視図である。
【
図10】
図10は、複合材の上に配置された、複合材に巻き付けられた繊維504の一例を含む斜視図である。
【
図11】
図11は、繊維の周りを包み込むように巻かれた複合材の一例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、繊維の周りを包み込むように巻かれた複合材の一例を示す断面図である。
【
図13】
図13は、切り抜かれた部分を含む複合材の例示図である。
【
図14】
図14は、切り抜かれた部分を含む複合材の例示図である。
【
図15】
図15は、繊維がマンドレルに巻き付けられ、複合材の半径方向内側に位置している状態を示す断面図である。
【
図16】
図16は、繊維を含む、ホッケー用スティックの一例を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、繊維を含む、ラクロス用のクロスの一例を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、繊維を含む、野球のバットの一例を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、1つのスポーツ用具を製造する例示的な方法を含む。
【
図20】
図20は、1つのスポーツ用具を製造する例示的な方法を含む。
【
図21】
図21および22は、繊維の巻線の向きの異なる例を含む。
【
図23】
図23は、ラクロス用のクロスなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図24】
図24は、ホッケー用スティックなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図25】
図25は、ラクロス用のクロスなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図26】
図26は、ホッケー用スティックなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図27】
図27は、ラクロス用のクロスなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図28】
図28は、ラクロス用のクロスなどの、管状部分の例示的なグリップ部の断面図を含む。
【
図29】
図29は、ホッケー用スティックなどの、管状部分の例示的なブレード部の断面図を含む。
【
図30】
図30は、ホッケー用スティックなどの、管状部分の例示的なブレード部の断面図を含む。
【
図31】
図31は、巻かれた繊維からなる複数の層の実施形態の断面図を含む。
【0029】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照符号を繰り返して用いることがある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、ゴルフクラブのシャフトなどのスポーツ用具を製造するのに使用される、2つの(未硬化の)複合材100および102とマンドレル104とを含む、例示図を含む。複合材100および102は各々、複合材の1つ以上の層を含む。また、複合材には、あとから硬化させることができる樹脂を含んでもよい。
【0031】
図2Aは、複合材100の断面図を含む。複合材100は、複合材の少なくとも1つの層204を含む。複合材100は、層208、212、216、220および224など、複合材の1つ以上の追加の層を含んでもよい。ここでは層が6つの例を示したが、複合材100は、複合材の層を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。
【0032】
図2Bは、複合材102の断面図を含む。複合材102は、複合材の少なくとも1つの層240を含む。複合材102は、層244、248、252、256および260など、複合材の1つ以上の追加の層を含んでもよい。ここでは層が6つの例を示したが、複合材102は、複合材の層を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。
【0033】
複合材100および102の層は各々、複合材の繊維、エポキシおよび樹脂を含む。例えば、各々の層は、グラファイト繊維、エポキシおよび樹脂を含むものであってもよい。グラファイトの例を示したが、別の適切なアラミドを使用してもよい。ある層の複合材の繊維の方向が、隣接する層の複合材の繊維の方向と異なっていてもよい。例えば、層204の複合材の繊維を第1の方向に配置してもよく、層208の複合材の繊維を、第1の方向とは異なる第2の方向に配置してもよく、層212の複合材の繊維を、第2の方向とは異なる第3の方向に配置してもよいといった具合である。また、層240の複合材の繊維を第4の方向に配置してもよく、層244の複合材の繊維を、第4の方向とは異なる第5の方向に配置してもよく、層248の複合材の繊維を、第5の方向とは異なる第6の方向に配置してもよいといった具合である。繊維の方向については、例えば、シャフトが所望の構造的な(例えば、ねじり力、曲げ、剛性などの)特性になるように選択すればよい。また、第4の方向は、第3の方向と異なっていてもよい。
【0034】
マンドレル104は、中実(例えば、金属)であってもよいし、中空の管状であってもよい。マンドレル104は、(例えば、シャフトがゴルフシャフトである例では)例えば円錐台形または円錐形であってもよい。断面が円形のマンドレルの例を示したが、本願は、断面が他の形状のマンドレル、例えば、矩形、正方形、三角形、六角形、八角形、五角形、七角形、楕円などの断面を有するマンドレルやスポーツシャフトにも適用することが可能である。様々な実施形態において、スポーツシャフトは、1つ以上の丸みを帯びた部分を有していてもよい。様々な実施形態において、複合材100は、マンドレル104の両端を越えて延在していてもよい。
【0035】
図3に示すように、マンドレル104は、複合材100の上に配置される。複合材100は、マンドレル104の周りを包み込むように巻かれる(ロール状に巻かれる)。
図4は、マンドレル104の周りを包み込むように巻かれた複合材100を示す図である。マンドレル104の周りを包み込むように複合材100を巻いたら、この複合材100とマンドレル104とを、例えばプラテン(熱)プレスを用いてプレスして圧延してもよい。また、プラテンプレスまたは別の適切な方法を使用して、複合材100を加熱してもよい。加熱するおよび/または圧力を加えることで、複合材100を少なくとも部分的に硬化させてもよいし、完全に硬化させてもよい。
【0036】
図5に示すように、複合材100には繊維504が巻き付けられている(コイル状に巻かれている)。繊維504は、複合材100に巻かれた後、少なくとも所定の長さを有する連続した繊維であってもよい。所定の長さは、例えば、少なくとも25マイル、少なくとも35マイル、少なくとも40マイル、少なくとも45マイル、少なくとも50マイル、または少なくとも55マイルであってもよい。
【0037】
繊維504としては、例えば、鋼、チタン、アルミニウム、銅、タングステン、上記の合金、アラミドまたは他の適切な材料があげられる。繊維504は、断面が丸くてもよいし、断面が正方形、楕円形または他の適切な形状であってもよい。繊維504の直径は15ミクロン未満であり、12ミクロン未満であってもよく、10ミクロン未満であってもよく、例えば、約8ミクロンであってもよい。繊維504は、少なくとも所定回数、例えば5,000回、10,000回、15,000回、20,000回、25,000回またはそれ以上、完全に巻回(360度)されている。繊維504を、あとから硬化させるなどのために、樹脂でコーティングしてもよい。例えば、本明細書で説明する包み込みの前に、液体樹脂の中を通して繊維504を供給してもよい。
【0038】
図6は、
図5のAに沿って切った断面の断面図である。複合材100に繊維504を巻き付けることによって、複合材100の周囲に繊維504の層を形成する。図面に示す特徴は、縮尺通りでない場合がある。繊維504によって、剛性、可撓性、重量、慣性モーメント(MOI)、ねじり力など、スポーツシャフトの1つ以上の構造的な特性が改善される場合がある。
【0039】
図5に示すように、複合材100の全長に繊維504を巻いてもよい。あるいは、複合材100の1箇所以上の部分だけに繊維504を巻いてもよい。これによって、繊維504のある1箇所以上の位置での可撓性、重量、ねじり力などの構造的な特性を局所的に変更することができる。
【0040】
図7~
図9は、複合材100の全体よりも少ない範囲に繊維504を巻いた場合の例示的な斜視図を含む。例えば、
図7は、太い方の端と細い方の端との間の中間の部分だけに繊維504を巻いた例である。
図8は、(中間部ではない)太い方の端と細い方の端の近くだけに繊維504を巻いた例である。
図9は、太い方の端、細い方の端、中間の部分に繊維504を巻いてあるが、それぞれの間に繊維がない箇所がある例である。
【0041】
複合材100に繊維504を巻き付けたら、
図10に示すように、(複合材100と繊維504とで覆われている)マンドレル104を、複合材102の上に配置する。複合材102は、マンドレル104の周りを包み込むように巻かれる(ロール状に巻かれる)。
図11は、繊維504および複合材100の周りを包み込むように巻かれた複合材102を示す。
【0042】
繊維504および複合材100の周りを包み込むように複合材102を巻いたら、複合材102、繊維504、複合材100およびマンドレル104を、例えば、プラテン(熱)プレスを用いてプレスして圧延してもよい。また、プラテンプレスまたは別の適切な方法を使用して、複合材102を加熱してもよい。加熱するおよび/または圧力を加えることで、繊維504および/または複合材102の樹脂を完全に硬化させてもよく、まだ完全に硬化していない場合には、複合材100を硬化させてもよい。
【0043】
図12は、
図11のAに沿って切った断面の断面図である。
図11に示すように、複合材102は、繊維504および複合材100を覆っている。複合材100、繊維504および複合材102の厚さの例を、
図12に示す。例えば層の数が異なる複合材100および複合材102の少なくとも一方により、他の適切な厚さを使用してもよい。
【0044】
様々な実施形態において、複合材102は、複合材の層を一層だけ含んでいてもよい。様々な実施形態において、複合材100を省略してもよい。そのような実施形態では、マンドレル104に直接繊維504を巻いてもよく、繊維504の周りに複合材102を施してもよい。
【0045】
図13に示すように、複合材102の一部(例えば、内部)を切り抜いて、複合材102を貫通する1つ以上の開口を形成するようにしてもよい。すなわち、複合材102を貫通する1つ以上の開口を形成することができる。例えば、
図13の例は、複合材102の切り抜き1304を示す。単語、文字、(商標登録された、または、商標登録されていない)ロゴ、画像、パターンなどの他のものを複合材102から切り抜くことができる。様々な実施形態では、複合材102から切り抜く1つ以上のアイテムを示すユーザ入力に応じて、切断装置(例えば、CNCルータなどのコンピュータ数値制御(CNC)切断機)によって複合材102を切り抜いてもよい。
図14の例に示すように、複合材100に繊維504が巻かれている場所に1つ以上の開口を配置して、この開口を通して繊維504が見えるようにしてもよい。
【0046】
複合材102および1つ以上の開口によって、スポーツ用具の1つ以上の構造的な(例えば、ねじり力、曲げ、重量などの)特性が改善される場合がある。これに加えてまたはこれに代えて、複合材102および1つ以上の開口によって、スポーツ用具の1つ以上の美的特性が改善される場合もある。
【0047】
複合材102を硬化させた後、マンドレル104を除去することができる。このスポーツ用具(例えば、ゴルフシャフト)を、硬化後に所望の長さになるように切り落としてもよい。硬化後に、複合材102の上に塗料を1層以上塗布してもよい。この塗料は、複合材102、または複合材102の1つ以上の開口を通して繊維504を視認できる状態を保つために、透明な塗料であってもよいし、半透明の塗料であってもよい。
【0048】
図面では、繊維504は複合材100と複合材102との間にあると示しているが、繊維504をマンドレル104に巻き、複合材100の半径方向内側に位置させることも可能である。そのような配置の断面図を、
図15の例に示す。複合材100を含む例を示したが、複合材100を省略してもよい。
【0049】
上述したように、スポーツ用具は、ゴルフクラブのシャフトの細い方の端にゴルフクラブヘッドが取り付けられ、ゴルフクラブのシャフトの太い方の端にゴルフグリップが取り付けられる、ゴルフクラブのシャフトであり得る。しかしながら、繊維504は、他の種類のスポーツ用具に含まれていてもよい。
【0050】
例えば、
図16は、繊維504を含むホッケー用のスティック10を含めて例示した図を含む。ホッケー用のスティック10は、プレーヤー14が握るグリップ部12(すなわち、シャフト)と、ホッケーパック18またはボールを制御するのに使用されるブレード部16(すなわち、ブレード)とを含む。ホッケー用のスティック10は、ゴールキーパーを含むホッケーチームのあらゆるポジションに適合させることができる。すなわち、ホッケー用のスティック10は、ゴールキーパーが用いるホッケー用のスティックであってもよいし、ホッケーの他のポジションで使用するように構成されたホッケー用のスティックであってもよい。また、ここでは例としてアイスホッケー用スティックを示したが、本願は、フィールドホッケー用のスティック、ローラーホッケー用のスティック、その他の種類のスポーツ用具にも適用可能である。
【0051】
グリップ部12は、細長く、長手方向に直線状であり得る。いくつかの実施形態では、グリップ部12は、カバー(例えば、炭素繊維との複合材)内に埋め込まれ包み込まれた中空のコアを含むことができる。繊維504は、例えばグリップ部12の内層(例えば、
図15の例と同様)であってもよいし、グリップ部12の複合材の層と層との間(例えば、
図12の例と同様)にあってもよい。
【0052】
図24および
図26に、グリップ部12の一例の断面図を示す。
図26に示すように、1つ以上の角に丸みをつけてもよい。上述したように、様々な実施形態において、複合材100の半径方向内側に繊維504を配置してもよく、複合材100を省略してもよい。様々な実施形態において、複合材100に繊維504を巻いてもよく、複合材102を省略してもよい。この実施形態では、グリップ部12の外側に繊維504が見えている状態であってもよい。
図26にはグリップ部12の形状の例を示したが、本願は、他の形状のグリップ部にも適用可能である。
【0053】
再び
図16を参照し、グリップ部12は、ブレード接続端13を含む。グリップ部12のブレード接続端13には、ブレード部16が固定されている。このブレード部16は、任意の適切な方法を用いてブレード接続端13に固定することができる。グリップ部12とブレード部16とを別々に製造し、その後一体にすることができる。あるいは、グリップ部12とブレード部16を一緒に製造してもよい。
【0054】
ブレード部16は一般に、ホッケーパック18を受けて移動させる(例えば、パス、シュートなど)のに使用できる前面20と、同じくホッケーパック18を受けて移動させるのに使用できる後面22と、を含む。ブレード部16は、グリップ部12のブレード接続端13に接続される第1の端28も含む。ブレード部16は、第1の端28とは反対側にある第2の端30も含む。
【0055】
また、ブレード部16は、上縁24と、上縁24とは反対側にある下縁26も含む。上縁24は通常は、競技面(例えば、氷)から離れている。下縁26は、競技面に接触することもある。
【0056】
上縁24および下縁26は、どちらもブレード部16の第1の端28と第2の端30との間にある。前面20が凹状で後面22が凸状になるように、第1の端28と第2の端30との間で、上縁24および下縁26と前面20および後面22を湾曲させることができる。
【0057】
図29および
図30は、ブレード部16の一例の断面図を含む。ブレード部16は、1本以上のコア部材2908の周りを包み込むように巻かれたカバー2904を含んでもよい。カバー2904は、上述したゴルフクラブのシャフト(例えば、102)と同様に複合材の1つ以上の層を含む。繊維504は、例えば、ブレード部16の内層(例えば、
図15の例と同様)であってもよいし、ブレード部16の複合材の層と層との間(例えば、
図12の例と同様)にあってもよい。例えば、
図29は、1本以上のコア部材2908に巻かれた繊維504と、繊維504を覆う複合材の1つ以上の層を含むカバーを示している。あるいは、繊維504がブレード部16の外側に見えるように、繊維504がカバー2904に巻かれていてもよい。
【0058】
図30は、繊維504がブレード部16の下縁26に沿って配置されている例を示す。繊維504を含むブレード部16によって、剛性、可撓性、重量、慣性モーメント(MOI)、ねじり力、ショット速度、感触などの1つ以上の構造的な特性が改善される場合がある。
【0059】
別の例として、ラクロス用のクロスが、繊維504を含むようにしてもよい。
図17は、繊維504を含むラクロス用のクロス1704を含む例示的な図である。ラクロス用のクロス1704は、プレーヤーが保持するグリップ部1708と、ラクロス用のボールを制御し、パスし、シュートするのに使用されるヘッド部1712と、を含む。グリップ部1708は、細長く長手方向に直線状であり得る。グリップ部1708は、グリップ部1708がヘッド部1712と接続される部分の近くで長手方向にまっすぐな状態ではなくなるオフセットを含んでもよい。繊維504は、例えば、グリップ部1708の内層(例えば、
図15の例と同様)であってもよいし、グリップ部1708の複合材の層と層との間(例えば、
図12の例と同様)にあってもよい。
【0060】
例えば、
図23、
図25および
図27は、グリップ部1708の例示的な実施形態の断面図を含む。グリップ部1708は、例えば、23および27の例に示すように、6つの側面を含んでもよい。様々な実施形態において、側面のうちの1つ以上が凹形であってもよいおよび/または側面のうちの1つ以上が凸形であってもよい。上記に加えてまたは上記に代えて、2つの側面が接する角は、丸みを帯びていても角張っていてもよいし、丸みを帯びたものと角張ったものとの組み合わせであってもよい。例示的な形状を示してはあるが、本願は、他の断面形状のグリップ部にも適用可能である。
図23および
図25の例に示すように、複合材100と複合材102との間に繊維504を配置してもよい。あるいは、
図27の例に示すように、繊維504が最内層であってもよいし、
図28の例に示すように最外層であってもよい。
図27および
図28の例は、ホッケー用スティックのグリップ部にも適用可能である。
【0061】
別の例として、野球のバットが、繊維504を含むようにしてもよい。
図18は、繊維504を含む野球用のバット1804を含む例示した図を含む。野球用のバット1804は、プレーヤーが握るグリップ部1808と、ボールを打つのに使用されるヘッド部または胴部1812とを含む。繊維504は、例えば、グリップ部1808の内層(例えば、
図15の例と同様)であってもよいし、グリップ部1808の複合材の層と層との間(例えば、
図12の例と同様)にあってもよい。上記に加えてまたは上記に代えて、繊維504は、胴部1812の内層(例えば、
図15の例と同様)であってもよいし、胴部1812の複合材の層と層との間(例えば、
図12の例と同様)にあってもよい。野球のバットの例では、繊維504は、例えば、野球協会の1つ以上の規則に準拠するように、野球のバットのリンギングをデチューンするものであってもよい。野球のバット1804に繊維504を使用して、質量を増すようにしてもよい。1箇所以上の特定の領域に繊維504を配置することで、野球のバットの性能特性を調整してもよい。
【0062】
図19は、ゴルフクラブのシャフト、ホッケー用のスティックのシャフト、ホッケー用のスティックのブレード、ラクロス用のクロス、野球のバットまたは他のタイプのスポーツ用具などの1つのスポーツ用具を製造する例示的な方法を含む。この方法は、1本以上の管状のコア部材(例えば、マンドレル104、ホッケー用のスティックのシャフト、ホッケー用のスティックのブレード、野球のバット、ラクロス用のクロスなどを形成するために用いられるコア)の周りを包み込むように複合材100を巻く1904から開始される。
【0063】
1908では、プラテンプレスを使用するなどして、1本以上のコア部材に向かって複合材100を押圧する。プレスには、(例えば、野球のバットまたはゴルフクラブのシャフトの例では)圧延を含んでもよい。また、熱を加えてもよい。
【0064】
1910では、繊維504のコイルの上側が、このコイルの上にある次の隣接する繊維504のコイルの下側に接触し、繊維504のコイルの下側が、このコイルの下にある次の隣接する繊維504のコイルの上側に接触するように、複合材に繊維504を巻き付ける(コイル状に巻く)。繊維504を複合材に巻き付けるには、例えば、1本以上の管状のコア部材を軸方向に回転させ、繊維504を含むボビン(またはスプール)を長手方向に(例えば、ゴルフクラブのシャフトの例では、細い方の端から太い方の端まで)移動させるようにすればよい。
【0065】
1912では、繊維504、複合材100および1本以上のコア部材の周りを包み込むように、複合材102を巻く。1916では、プラテンプレスを使用するなどして、1本以上のコア部材に向かって複合材102が押圧される。プレスには、(例えば、野球のバットまたはゴルフクラブのシャフトの例では)圧延を含んでもよい。また、熱を加えてもよい。
【0066】
1920では、複合材100および102を硬化させることができる。任意に、(例えば、ゴルフクラブのシャフトの例では)、1924で、外層にトリミングおよび塗装を施してもよい。
【0067】
図20は、ゴルフクラブのシャフト、ホッケー用のスティックのシャフト、ホッケー用のスティックのブレード、ラクロス用のクロスまたは野球用のバットまたは他の適切なタイプのスポーツ用具などの1つのスポーツ用具を製造する例示的な方法を含む。この方法は、1本以上の管状のコア部材(例えば、マンドレル104、ホッケー用のスティックのシャフト、ホッケー用のスティックのブレード、野球のバット、ラクロス用のクロスなどを形成するために用いられるコア)に、繊維504を巻き付ける(コイル状に巻く)2004で開始される。繊維504を複合材に巻き付けるには、例えば、1本以上の管状のコア部材を軸方向に回転させ、繊維504を含むボビン(またはスプール)を長手方向に(例えば、細い方の端から太い方の端まで)移動させるようにすればよい。繊維504は、繊維504のコイルの上側が、このコイルの上で次の隣接する繊維504のコイルの下側に接触し、繊維504のコイルの下側が、このコイルの下で次の隣接する繊維504のコイルの上側に接触するように巻かれて(コイル状に巻かれて)いる。
【0068】
2008では、繊維504および1本以上の管状のコア部材の周りを包み込むように、複合材100を巻く。2010では、プラテンプレスを使用するなどして、1本以上のコア部材に向かって複合材100が押圧される。プレスには、(例えば、野球のバットまたはゴルフクラブのシャフトの例では)圧延を含んでもよい。
【0069】
2012では、複合材100、繊維504および1本以上のコア部材の周りを包み込むように、複合材102が巻かれてもよい。2016では、プラテンプレスを使用するなどして、1本以上のコア部材に向かって複合材102が押圧される。プレスには、(例えば、野球のバットまたはゴルフクラブのシャフトの例では)圧延を含んでもよい。あるいは、2012と2016を省略してもよく、複合材の複数の層を使用して一工程で複合材の包み込みを行ってもよい。
【0070】
2020では、複合材100および102を硬化させてもよい。任意に(例えば、ゴルフクラブのシャフトの例では)、2024で外層にトリミングおよび塗装を施す。
【0071】
図5の例は、繊維504のコイルが、マンドレル104と、結果として得られるゴルフシャフトの長手方向の軸に対してほぼ垂直(90度)に配置されている例を示している。「ほぼ」とは、繊維504を螺旋状に巻くことができるような±1度以下を意味する場合もある。しかしながら、本願は、長手方向の軸に対して他の方向に繊維504を巻き付ける場合にも適用可能である。例えば、
図21は、長手方向の軸に対してほぼ平行(0度)に巻かれているまたは配置されている繊維504の例示的な斜視図を含む。
図22は、コイルが長手方向の軸に対してほぼ垂直ではなく、かつ長手方向の軸に対してほぼ平行でもないように繊維504が巻かれているまたは配置されている例の斜視図を含む。この例では、コイルは各々、長手方向の軸に対して0度から90度の間の角度を形成することができる。
【0072】
様々な実施形態において、スポーツ用具は、繊維504の1つ以上の層を含んでもよい。例えば、
図31は、繊維504の複数の層を含むスポーツ用具(例えば、ゴルフシャフト、ホッケー用スティックのグリップ、ホッケー用スティックのブレード、ラクロス用のクロスのグリップ、野球のバット等)の例示的な部分の断面図を含む。例えば、スポーツ用具は、繊維504の第1の層3104と、第1の層3104に巻かれた繊維504の第2の層3108と、第2の層3108に巻かれた繊維504の第3の層3112と、第3の層3112に巻かれた繊維504の第4の層3116と、を含んでもよい。複数の層のうちの1つ以上の層のコイルが、長手方向の軸に対して異なる方向に配置されてもよい。
図31の例では、繊維504の層が4つの例を示したが、本願は、Nがゼロより大きい整数である、N層の繊維504にも適用可能である。
【0073】
繊維504の複数の層を、スポーツ用具の一領域に配置して、例えばスポーツ用具のつまみ(ノブ)を作るようにしてもよい。例えば、ホッケー用スティックでは、グリップ部12の、ブレード接続端13とは反対側の端につまみを含んでもよい。ラクロス用のクロス1704では、グリップ部1708がヘッド部1712と接続される場所とは反対側にあるグリップ部1708の端に、つまみを含んでもよい。野球のバット1804では、
図18の例に示すように、グリップ部1808の端に形成されたつまみ1816を含んでもよい。
【0074】
上記の説明は、本質的に例示的なものにすぎず、どのような形であっても、本開示、その応用または用途を限定することを意図したものではない。本開示の広い教示内容を、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示には特定の例が含まれるとはいえ、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。なぜなら、図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討すれば、他の改変例も明らかになるためである。ある方法内の1以上の工程が、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことが理解されるべきである。さらに、上記では実施形態のそれぞれに特定の特徴があるものとして説明したが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したそれらの特徴のいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかの特徴において実施するおよび/またはそれらの特徴と組み合わせることができる。その組み合わせが、明示的に記載されていない場合も同様である。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を置き替えても、本開示の範囲内にとどまる。
【0075】
「接続され(connected)」、「かみ合い(engaged)」、「結合され(coupled)」、「隣接して(adjacent)」、「隣り合って(next to)」、「の上に(on top of)」、「上に(above)」、「下に(below)」および「配置されて(disposed)」をはじめとする様々な用語を使用して、要素間の空間的および機能的関係について記載している。「直接(direct)」であることが明記されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的にまたは機能的に)存在する間接的な関係であってもよい。本明細書で使用する場合、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、非排他的論理和を用いた論理的「AまたはBまたはC」を意味すると解されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、Cのうちの少なくとも1つ」を意味するとは解されるべきではない。
【国際調査報告】