(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】腔内胃形成装置による縫合
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550975
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 IL2021050208
(87)【国際公開番号】W WO2021171290
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517124088
【氏名又は名称】ニティノーツ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NITINOTES LTD.
【住所又は居所原語表記】5 HaEshel Street,Beit Galileo 2,P.O Box 3158,Caesarea, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アシェロフ アサーフ
(72)【発明者】
【氏名】バル-オン ラズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘフトマン ギラード
(72)【発明者】
【氏名】ベン ヤーコフ ラズ
(72)【発明者】
【氏名】ドラー マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ゴロム ドミトリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160BB11
4C160MM32
(57)【要約】
体腔に挿入された装置を通って前進する縫合針の所定の経路に配置され、その位置から遠隔操作されて縫合を固定し、締め付けるように構成された縫合糸クリップ。いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け装置が所定の経路に配置され、縫合糸を捕捉し、縫合糸を引っ張ることによって組織に係合された縫合糸の長さを短くするように構成される。いくつかの実施形態では、センサが針経路に沿って配置され、針位置及び/または状態の指示を提供するために使用される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーであって、
真空クランプドメインであって、前記体腔内に挿入するようにサイズ決めされ、内部空間を画定する表面と、前記真空クランプドメインへの吸引の適用時に前記体腔壁の組織を受容するように構成された前記内部空間への開口部と、を備える、前記真空クランプドメインと、
前記内部空間内にある針であって、前記針に取り付けられた縫合糸を有する、前記針と、
前記内部空間内にある縫合糸クリップと、を備え、
前記針が、前記組織を通して前記縫合糸を運びながら、前記内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能であり、
前記縫合糸クリップが、前記経路に沿った位置において前記縫合糸を捕捉するように位置決めされ、前記捕捉された縫合糸をクランプするように動作可能である、前記ブジー。
【請求項2】
前記縫合糸クリップが、縫合糸キャッチ開口部を備え、所定の前記経路が前記縫合糸キャッチ開口部を通って延びる、請求項1に記載のブジー。
【請求項3】
前記針が螺旋針を備え、所定の前記経路が、前記螺旋針が回転によって並進する螺旋経路を備え、前記縫合糸クリップが、前記螺旋経路に沿って位置決めされている、請求項1~2のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項4】
前記縫合糸クリップの縫合糸キャッチ部分は、前記縫合糸の捕捉後に、前記縫合糸が前記縫合糸クリップを越えて長手方向に、自由に緩やかに並進できるままであるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項5】
前記縫合糸クリップが、複数のクランプ部分を備え、前記縫合糸が、前記クランプ部分の互いにより近くなる移動によってクランプされる、請求項1~4のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項6】
前記クランプ部分が、一方を他方の内側に挿入するように構成されており、前記クランプ移動が、一方のクランプ部分を他方のクランプ部分の内側に挿入することを含む、請求項5記載のブジー。
【請求項7】
前記クランプ移動が、前記複数のクランプ部分のうちの一方を他方に対して回転させることを含む、請求項5に記載のブジー。
【請求項8】
前記回転が、前記複数のクランプ部分の開口部を互いとの位置合わせから外れるように移動させることを含む、請求項7に記載のブジー。
【請求項9】
少なくとも部分的に内部空間内にあり、また前記経路に沿った位置において前記縫合糸を捕捉するように位置決めされている縫合糸締め付け具であって、前記ブジーの外側から、前記組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために前記縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である、前記縫合糸締め付け具を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項10】
前記経路に沿って位置決めされた複数の検知位置を備え、各検知位置が、前記針の隣接する存在を検知するように構成されたセンサを備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項11】
体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーであって、
真空クランプドメインであって、前記体腔内に挿入するようにサイズ決めされ、内部空間を画定する表面と、前記真空クランプドメインへの吸引の適用時に前記体腔壁の組織を受容するように構成された前記内部空間への開口部と、を備える、前記真空クランプドメインと、
前記内部空間内にある針であって、前記針に取り付けられた縫合糸を有する、前記針と、
少なくとも部分的に前記内部空間内にある縫合糸締め付け具と、を備え、
前記針が、前記組織を通して前記縫合糸を運びながら、前記内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能であり、
前記縫合糸締め付け具が、前記経路に沿った位置において前記縫合糸を捕捉するように位置決めされ、前記ブジーの外側から、前記組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために、前記縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である、前記ブジー。
【請求項12】
前記縫合糸締め付け具が前記組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために移動する間、前記捕捉された縫合糸が、前記縫合糸締め付け具に対して自由に摺動する、請求項11に記載のブジー。
【請求項13】
前記縫合糸締め付け具が、前記組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために移動されるときに、前記縫合糸の両方の端部が、前記縫合糸締め付け具の同じ側にあるように前記縫合糸を二つ折りにする、請求項12に記載のブジー。
【請求項14】
前記縫合糸締め付け具が、スピンドルを備え、前記縫合糸は、前記スピンドルの上で二つ折りにされる、請求項13に記載のブジー。
【請求項15】
前記スピンドルが、前記端部よりも中間に向かって狭くなる、請求項14に記載のブジー。
【請求項16】
前記スピンドルが、前記縫合糸締め付け具に回転可能に装着される、請求項14~15のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項17】
前記縫合糸締め付け具が、前記経路に沿って位置決めされた開口部を備え、前記縫合糸締め付け具は、前記針が前記開口部を通して前記縫合糸を引っ張るときに前記縫合糸を捕捉する、請求項11~16のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項18】
体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーであって、
真空クランプドメインであって、前記体腔内に挿入するようにサイズ決めされ、内部空間を画定する表面と、前記真空クランプドメインへの吸引の適用時に前記体腔壁の組織を受容するように構成された前記内部空間への開口部と、を備える、前記真空クランプドメインと、
前記内部空間にある針であって、前記針に取り付けられた縫合糸を有し、前記針が、前記組織を通して前記縫合糸を運びながら、前記内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能である、前記針と、
前記経路に沿って位置決めされた複数の検知位置であって、各検知位置が、前記針の隣接する存在を検知するように構成されたセンサで構成されている、前記複数の検知位置と、を備える、前記ブジー。
【請求項19】
各検知位置が、別個のそれぞれのセンサを有する、請求項18に記載のブジー。
【請求項20】
前記センサが、ホール効果センサを含む、請求項18~19のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項21】
前記針が、磁化されている、請求項18~20のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項22】
前記センサが、導電体を含む、請求項18~21のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項23】
前記センサが、前記導電体内の破断を検出するように構成されている、請求項22に記載のブジー。
【請求項24】
前記センサが、前記導電体のインピーダンスを検知するように構成されている、請求項23に記載のブジー。
【請求項25】
前記センサが、前記導電体内の前記破断による電気回路の開放を検知するように構成されている、請求項23に記載のブジー。
【請求項26】
前記センサが、前記センサと前記針との電気的接触を検知するように構成されている、請求項22に記載のブジー。
【請求項27】
前記複数の検知位置が、単一のセンサを共有する、請求項18~26のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項28】
前記センサが、前記針に隣接する前記検知位置の累積数を検知する、請求項27に記載のブジー。
【請求項29】
前記センサが、前記検知位置間に延びる管を備え、前記管内の圧力を検知する、請求項27~28のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項30】
前記針が螺旋針を含み、前記経路は、前記螺旋針が回転によって並進する螺旋経路を含み、前記複数の検知位置がまた、前記真空クランプドメインの長手軸に沿って配置されている、請求項18~29のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項31】
前記複数の検知位置の各々に隣接する前記針の一部分の存在に基づいて、前記針の前記位置を示すように構成された針位置指示器を備える、請求項18~30のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項32】
前記針位置指示器が、前記針の隣接する存在または隣接する不在に対応するステップにおいて前記針の前記位置を示すように構成されている、請求項31に記載のブジー。
【請求項33】
前記検知位置における前記針の存在と不在との間の差を示す変動よりも小さい、前記針と前記複数の検知位置との相互作用における変動によって生成される信号を示すように構成された針位置指示器を備える、請求項18~32のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項34】
前記内部空間内に位置決めされ、前記経路に沿った位置において前記縫合糸を捕捉するように構成され、前記捕捉された縫合糸をクランプするように動作可能である、縫合糸クリップを備える、請求項18~33のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項35】
少なくとも部分的に内部空間内にあり、前記経路に沿った位置において前記縫合糸を捕捉するように位置決めされている縫合糸締め付け具であって、前記ブジーの外側から、前記組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために前記縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である、前記縫合糸締め付け具を備える、請求項18~34のいずれか1項に記載のブジー。
【請求項36】
前記縫合糸締め付け具が、前記縫合糸に接触して前記縫合糸に前記引張力を適用するスピンドルを備える、請求項11~13のいずれか1項に記載のブジー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年2月26日に出願された米国仮特許出願第62/981,573号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、肥満外科手術の分野に関し、より具体的には、胃縫合糸の腔内配置に関する。
【0003】
肥満及び2型糖尿病などの肥満に関連する病状は、世界中で懸念が高まっている。胃腸の減量手術(肥満外科手術)は、持続的な体重減少及び2型糖尿病の改善を達成するのに有効であることが示されている。開腹手術または腹腔鏡下スリーブ状胃切除術による胃容積の減少は、最も有効な治療形態のうちの1つであることが証明されている。
【0004】
外科手術手順は危険を伴わないわけではない。手術に関連した漏出、併存疾患の重症度などの合併症、及び外科医の学習曲線は、このアプローチの広範な採用を制限してきた要因のいくつかであり、また制限すると考えられる要因のいくつかである。
【0005】
胃容積減少手術の形態が比較的非侵襲的であることに加えて、腔内の胃スリーブ形成は、胃からの漏出の危険性を減少させる可能性を有する。胃自体は任意に無傷のままであるので、外科的切除によるスリーブ形成に対する腔内技術の別の潜在的利点は、例えば、合併症の場合の可逆性を有することである。
【発明の概要】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態の一態様によれば、体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーが提供され、ブジーは、真空クランプドメインであって、体腔内に挿入するようにサイズ決めされており、内部空間を画定する表面と、真空クランプドメインへの吸引の適用時に体腔壁の組織を受容するように構成された内部空間への開口部と、を含む、真空クランプドメインと、内部空間内にある針であって、針に取り付けられた縫合糸を有する、針と、内部空間内にある縫合糸クリップと、を含み、針が、組織を通して縫合糸を運びながら、内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能であり、縫合糸クリップが、経路に沿った位置において縫合糸を捕捉するように位置決めされており、捕捉された縫合糸をクランプするように動作可能である。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸クリップは、縫合糸キャッチ開口部を含み、所定の経路は、縫合糸キャッチ開口部を通って延びる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針は、螺旋針を含み、所定の経路は、螺旋針が回転によって並進する螺旋経路を含み、縫合糸クリップは、螺旋経路に沿って位置決めされる。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸クリップの縫合糸キャッチ部分は、縫合糸の捕捉後に、縫合糸が縫合糸クリップを越えて長手方向に、自由に緩やかに並進できるままであるように構成される。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸クリップは、複数のクランプ部分を含み、縫合糸は、クランプ部分の互いにより近くなる移動によってクランプされる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、クランプ部分は一方を他方の内側に挿入するように構成されており、クランプ移動は一方のクランプ部分を他方のクランプ部分の内側に挿入することを含む。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、クランプ移動は、複数のクランプ部分のうちの一方を他方のクランプ部分に対して回転させることを含む。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、回転は、複数のクランプ部分の開口部を互いとの位置合わせから外れるように移動させることを含む。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、少なくとも部分的に内部空間内にあり、また経路に沿った位置において縫合糸を捕捉するように位置決めされている縫合糸締め付け具であって、ブジーの外側から、組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である、縫合糸締め付け具を含む。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、経路に沿って位置決めされた複数の検知位置を含み、各検知位置は、針の隣接する存在を検知するように構成されたセンサで構成される。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態の一態様によれば、体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーが提供され、ブジーは、真空クランプドメインであって、体腔内に挿入するようにサイズ決めされており、内部空間を画定する表面と、真空クランプドメインへの吸引の適用時に体腔壁の組織を受容するように構成された内部空間への開口部と、を含む、真空クランプドメインと、内部空間内にある針であって、針に取り付けられた縫合糸を有する、針と、少なくとも部分的に内部空間内にある縫合糸締め付け具と、を含み、針が、組織を通して縫合糸を運びながら、内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能であり、縫合糸締め付け具が、経路に沿った位置において縫合糸を捕捉するように位置決めされており、ブジーの外側から、組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸締め付け具が組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために移動する間、捕捉された縫合糸が、縫合糸締め付け具に対して自由に摺動する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸締め付け具は、組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために移動されるときに、縫合糸の両方の端部は、縫合糸締め付け具の同じ側にあるように縫合糸を二つ折りにする。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸締め付け具は、スピンドルを含み、二つ折りにされた縫合糸は、スピンドルの上で摺動する。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、スピンドルは、端部よりも中間に向かって狭くなる。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によれば、スピンドルは、縫合糸締め付け具に回転可能に装着される。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸締め付け具は、経路に沿って位置決めされた開口部を含み、縫合糸締め付け具は、針が前記開口部を通して縫合糸を引っ張るときに縫合糸を捕捉する。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態の一態様によれば、体腔壁内に縫合糸を配置するように構成されたブジーが提供され、ブジーは、真空クランプドメインであって、体腔内に挿入するようにサイズ決めされており、内部空間を画定する表面と、真空クランプドメインへの吸引の適用時に体腔壁の組織を受容するように構成された内部空間への開口部と、を含む、真空クランプドメインと、内部空間にある針であって、針に取り付けられた縫合糸を有し、針が、組織を通して縫合糸を運びながら、内部空間内の経路に沿って並進するように作動可能である、針と、経路に沿って位置決めされた複数の検知位置であって、各検知位置が、針の隣接する存在を検知するように構成されたセンサで構成されている、複数の検知位置と、を含む。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、各検知位置は、別個のそれぞれのセンサを有する。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、ホール効果センサを含む。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針は、磁化されている。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、導電体を含む。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態によれば、検知は、導電体内の破断の検出を含む。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態によれば、破断検出は、導電体のインピーダンスの変化を検知することを含む。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、導電体内の破断に起因する電気回路の開放を検知することを含む。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、センサと針との電気的接触を検知する。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態によれば、複数の検知位置は、単一のセンサを共有する。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、針に隣接する検知位置の累積数を検知する。
【0034】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサは、検知位置の間に延びる管を含み、管内の圧力を検知する。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針は、螺旋針を含み、経路は、螺旋針が回転によって並進する螺旋経路を含み、複数の検知位置がまた、真空クランプドメインの長手軸に沿って配置されている。
【0036】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、複数の検知位置の各々に隣接する針の一部分の存在に基づいて、針の位置を示すように構成された針位置指示器を含む。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針位置指示器は、針の隣接する存在または隣接する不在に対応するステップにおいて針の前記位置を示すように構成されている。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、検知位置における前記針の存在と不在との間の差を示す変動よりも小さい、針と複数の検知位置との相互作用における変動によって生成される信号を示すように構成された針位置指示器を含む。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、内部空間内に位置決めされ、経路に沿った位置において縫合糸を捕捉するように構成され、捕捉された縫合糸をクランプするように動作可能である、縫合糸クリップを含む。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブジーは、少なくとも部分的に内部空間内にあり、経路に沿った位置において縫合糸を捕捉するように位置決めされている縫合糸締め付け具であって、ブジーの外側から、組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために縫合糸に引張力を適用するように移動するように動作可能である、縫合糸締め付け具を含む。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態の一態様によれば、体腔壁内に配置された縫合糸を固定する方法が提供され、方法は、ブジーの内部空間内の所定の経路に沿って組織を通して針を並進させることと、所定の経路に沿って内部空間内に予め位置決めされた縫合糸クリップの縫合糸キャッチ部分を通して及び/またはそれと並んで針を並進させることと、縫合糸キャッチ部分を越えて針を並進させて、縫合の一部分を縫合糸キャッチ部分によって画定される縫合糸クリップの捕捉ゾーンにもたらすことと、縫合糸の部分をクランプするために縫合糸クリップを作動させることと、を含む。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態によれば、所定の経路は、螺旋経路であり、針は、螺旋針である。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態によれば、方法は、縫合糸クリップを内部空間から解放することを含む。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態によれば、縫合糸キャッチ部分は、所定の経路が延びる開口部を含む。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態によれば、方法は、縫合糸を縫合糸締め付け具の捕捉部分にもたらすために、針を所定の経路に沿ってさらに並進させることと、作動の前に、組織に係合された縫合糸の長さを減少させるために、縫合糸締め付け具を動作させることと、を含む。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態の一態様によれば、体腔壁内の縫合糸の配置を監視する方法が提供され、方法は、ブジーの内部空間内の所定の経路に沿って組織を通して針を並進させることと、経路に沿って位置決めされた複数の検知位置の各々において、それぞれの検知位置における針の存在を検知することと、検知に基づいて、針位置を示すことと、を含む。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態によれば、検知は、複数の検知位置のうちの少なくとも1つの要素を機械的に破断することを含む。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態によれば、検知は、管に対する針の移動によって管内に誘発された圧力変化の検出を含む。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態によれば、検知は、磁場変化の検出を含む。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態によれば、検知は、針と複数の検知位置のうちの1つ以上に位置決めされた導電体との間の電気的接触の検出を含む。
【0051】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/または科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明されるものと類似または同等の方法及び材料を、本開示の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法及び/または材料を以下に説明する矛盾する場合には、定義を含めて、特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。ここで図面を詳細に具体的に言及すると、示される詳細は、例として、及び本開示の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を参照した記載は、本開示の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、体腔の組織の成形及び腔内縫合のために構成されたブジーを概略的に表す。
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態による、体腔の組織の成形及び腔内縫合のために構成されたブジーを概略的に表す。
【
図1C】本開示のいくつかの実施形態による、組織固定装置内から縫合する方法の概略フローチャートである。
【
図1D】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1E】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1F】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1G】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1H】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1I】本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示す。
【
図1J】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸クリップを通す代替の方法を示す。
【
図1K】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸クリップを通す代替の方法を示す。
【
図1L】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸クリップを通す代替の方法を示す。
【
図1M】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸クリップを通す代替の方法を示す。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、吸引クランプドメインに沿って針が前進し、縫合糸クリップ本体に入り、これを通過する際の段階を概略的に表す。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、吸引クランプドメインに沿って針が前進し、縫合糸クリップ本体に入り、これを通過する際の段階を概略的に表す。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、吸引クランプドメインに沿って針が前進し、縫合糸クリップ本体に入り、これを通過する際の段階を概略的に表す。
【
図2D】本開示のいくつかの実施形態による、吸引クランプドメインに沿って針が前進し、縫合糸クリップ本体に入り、これを通過する際の段階を概略的に表す。
【
図2E】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸への縫合糸クリップのクランプにおける段階を概略的に表す。
【
図2F】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸への縫合糸クリップのクランプにおける段階を概略的に表す。
【
図2G】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸への縫合糸クリップのクランプにおける段階を概略的に表す。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、針の細部を示しており、針は、針がクリップ本体及び縫合糸締め付け具の締め付けヘッドの開口部の両方を通って、螺旋状の前進によって通過している位置にある。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、針の細部を示しており、針は、針がクリップ本体及び縫合糸締め付け具の締め付けヘッドの開口部の両方を通って、螺旋状の前進によってすでに通過した位置にある。
【
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、クランプされた構成にある縫合糸クリップのクリッププラグ及びクリップ本体を示す。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、円筒状にクランプする縫合糸クリップの構成要素及びクランプ機構を概略的に表す。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、円筒状にクランプする縫合糸クリップの構成要素及びクランプ機構を概略的に表す。
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態による、円筒状にクランプする縫合糸クリップの構成要素及びクランプ機構を概略的に表す。
【
図4D】本開示のいくつかの実施形態による、円筒状にクランプする縫合糸クリップの構成要素及びクランプ機構を概略的に表す。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸締め付け具の構成要素及び組み立てられた構成を概略的に表す。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸締め付け具の構成要素及び組み立てられた構成を概略的に表す。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸締め付け具の構成要素及び組み立てられた構成を概略的に表す。
【
図5D】本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸締め付け具の構成要素及び組み立てられた構成を概略的に表す。
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、回転移動によってクリップする縫合糸クリップを概略的に表す。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、回転移動によってクリップする縫合糸クリップを概略的に表す。
【
図6C】本開示のいくつかの実施形態による、回転移動によってクリップする縫合糸クリップを概略的に表す。
【
図6D】本開示のいくつかの実施形態による、回転移動によってクリップする縫合糸クリップを概略的に表す。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表す。
【
図7B】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表す。
【
図7C】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表す。
【
図7D】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表す。
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための磁気センサ配置を概略的に表す。
【
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための磁気センサ配置を概略的に表す。
【
図8C】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための磁気センサ配置を概略的に表す。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための回路基板に基づくセンサ配置を概略的に表す。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための回路基板に基づくセンサ配置を概略的に表す。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための回路基板に基づくセンサ配置を概略的に表す。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態による、針の移動及び/または位置決めを測定するための回路基板に基づくセンサ配置を概略的に表す。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、ブジー内の縫合糸クリップ配置を誘導する方法の概略フローチャートである。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、ブジーに沿った針の前進を誘導する方法の概略フローチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、針及び縫合クリップを備える縫合サブシステムのブロック図を示す。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、体内縫合装置の針位置検知サブシステムを概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、肥満外科手術の分野に関し、より具体的には、胃縫合糸の腔内配置に関する。
【0055】
概要
本開示のいくつかの実施形態の一態様は、体腔に挿入された装置を通って前進する縫合針の所定の経路に配置されており、縫合糸を固定及びクランプするために、その位置から遠隔で動作されるように構成された縫合糸クリップに関する。
【0056】
縫合糸クリップは、いくつかの実施形態では、最初にその位置において、胃などの体腔内からの組織の装置に誘導された縫合に使用される縫合ブジー内に配置される。より具体的には、いくつかの実施形態では、縫合ブジーは、縫合ブジーによって画定された内部空間を通り、少なくとも部分的にブジーに沿って長手方向に移動する針を使用して、体腔の組織に複数の縫い目を配置することを可能にする。組織は、例えば、吸引下でブジーに入る。任意選択で、組織は、いくつかの組織部分が内部空間に入ることを可能にしながら、その外側にある隣接する組織部分を保持するように配置されたブジーの表面によって(例えば、開口部または「開窓部」のパターンによって)、縫合の特定のパターン及び/または深さを得るように支持される。
【0057】
所定の経路は、いくつかの実施形態では、内部空間内のそこを通して針を誘導する機械的配置によって画定される経路である。保持された組織と、縫合ブジーを通る縫合針の所定の経路との組み合わせ構成は、縫合糸縫い目の結果として生じるパターンを決定する。
【0058】
いくつかの実施形態では、縫合針は螺旋状であり、螺旋経路に沿って螺旋回転によって前進する。針は、例えば、ケーブル、ねじ、ラチェット、及び/または他の機構を含む針駆動装置によって駆動され得る。任意選択で、針は、別の形状、例えば、直線状、または湾曲平面状であり、そして異なる形状の経路、例えば、直線経路、直線経路と湾曲平面経路との組み合わせ、または別の配置に沿って移動する。
【0059】
このような縫合針構成とともに使用される装置一体型縫合クリップは、縫合糸を確実に捕捉するために、縫合糸上にクランプするための遠隔操作のために、及び縫合糸が縫い目を形成するために係合される組織から出る点の近くの位置においてクリップがクランプすることを保証するために、潜在的問題に遭遇する。
【0060】
いくつかの実施形態では、縫合糸クリップは、針が縫合糸クリップのループ及び/または開口部を通過するように、針の所定の経路に沿って最初に位置決めされる。これにより、縫合糸クリップが確実に縫合糸を捕捉できるようになる(つまり、縫合糸が、ループ及び/または開口部に通される)。いくつかの実施形態では、針は、縫合糸を捕捉する部分的に側面が開いた構造、例えば、反対側に位置決めされたフックの配置を通過するか、またはそれと並んで通過する。捕捉は、縫合糸のいくらかの部分が、縫合クランプが後にしっかりとクランプするように作動される所定のゾーンに残る(または確実に戻る)ことを保証することを含み、一方、縫合糸はまた、例えば、針が前方に移動し続け、及び/または縫合糸が締め付けられるように引っ張られるときに、そのゾーンを通って長手方向に自由に摺動できるままである。縫合糸クリップは、好ましくは、クランプゾーンが、縫い目を形成した後に針が組織を出る場所に近づくように位置決めされる。これは、(少なくとも、縫合糸が好適に締め付けられた後に)縫合糸クリップが、縫合糸の縫い目自体がきついままであるように、組織内腔壁の縫い目及び/またはひだ形成の端部に十分に近い位置に位置決めされることを保証するのに役立つ。
【0061】
縫合糸をループ及び/または開口部に通す実施形態では、次いで、所定のゾーンは、そのループまたは開口部の範囲を任意選択で備える。例えば、所定のゾーンが比較的小さいことは、潜在的な利点であり、なぜならこれにより、クリップがより小さくなること、及び/またはその本来の装着位置からクランプするために動作可能であることが可能になるためである。クランプは、例えば、ループ/開口部区域をさらに拘束することによって、例えば、ループ/開口部の形状を調整することによって、別の要素をループ/開口部内に押圧することによって、または別の方法によって実行される。任意選択で、クランプは、例えば、縫合糸がクランプに入る点において縫合糸に力が伝達される方向から離れるように少なくとも1回屈曲するように、縫合糸をねじ曲げることを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、縫合クリップは、複数の部品を含み、そのうちの1つは、別の部品に嵌合挿入するように作動可能であり、それによって、2つの部品の壁の間で縫合糸を押す(部品のうちの1つを通す)。追加または代替として、いくつかの実施形態では、縫合クリップは、複数の部品を含み、そのうちの1つは別の部品に対して回転するように作動可能であり、それによって、縫合糸を引っ張りに抵抗する形状にねじ曲げる。
【0063】
クランプは、好ましくは、縫合クリップがブジー内、例えば、縫合が終了する部位(つまり、針が組織に作る最後の縫合孔を出る場所)の近くに留まっている間に実行される。例えば、縫合糸を個々に及び/またはより小さいグループで切り取ることができるようにするために、1つ以上のクリップが縫合糸の間に任意選択で配置される。
【0064】
遠隔作動を達成するために、いくつかの実施形態では、縫合クリップ部品のうちの少なくとも1つが、制御部材によって、例えば、ワイヤ、ひも、棒、及び/またはケーブルを引っ張ること、ソケット付き要素及び/またはねじ付き要素を回転すること、または別の機構によって移動される。
【0065】
本開示のいくつかの実施形態の一態様は、体腔に挿入された縫合装置(例えば、ブジー)を通って前進する縫合針の所定の経路に配置され、縫合糸が捕捉されると、組織の縫合領域(組織に係合された縫合糸)に係合された縫合糸を引っ張って、その長さを短くするために遠隔で動作されるように構成された縫合糸締め付け装置に関するものである。締め付けは、例えば、縫合糸に縫合糸クリップを適用する準備として実行される。
【0066】
いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け装置は、縫合糸締め付け装置が組織に係合された縫合糸を引っ張って、その長さを短くしている間、縫合糸が縫合装置を通って自由に摺動し続けるように、縫合糸を緩く捕捉する。縫合糸締め付け装置に対する縫合糸の自由な移動は、針がその軌道を終了すると、縫合糸の針が取り付けられた端部を静止したままにする(かつ針に依然として取り付けられている)ことを可能にすることによって、潜在的な利点を提供する。
【0067】
通常の手縫合では、縫合針自体が一種の「縫合糸締め付け装置」であり、それを引っ張ることで(組織に係合された縫合糸の長さを短くすることによって)、縫合針が作る縫い目を締め付ける。しかしながら、例えば、螺旋針を使用した機械駆動の縫合は、別個の縫合糸締め付け装置が潜在的な解決策を提供するという問題をもたらす。
【0068】
螺旋針は、例えば、その長手方向及び回転方向の組み合わせ移動経路が、1つ以上の組織の厚さを水平方向(回転に起因する)に通過し、かつ長手方向に通過してそのような通過を繰り返す限り、縫合縫い目を形成するのによく適している潜在的なものである。ただし、縫合糸が配置された後(つまり、縫合糸が組織に完全に係合された後)は、複雑な螺旋運動を発生させることなく、単純に引っ張ることによって縫い目を締め付けることができることが潜在的に望ましい。いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け具は、針制御とは別個の制御を提供し、これにより、非螺旋運動を使用して締め付けることが可能になる。
【0069】
例えば、螺旋駆動機構から螺旋針を移行させて、引っ張るだけの駆動機構で使用する解決策と比較して、別個の縫合糸締め付け装置は、比較的厄介な螺旋針自体がブジーの狭い空間を通って移動する必要がないという潜在的な利点を提供する。縫合糸締め付け装置は、縫合糸自体を移動させることのみを必要とする。任意選択で、縫合糸締め付け装置は、螺旋針よりもコンパクトである。
【0070】
いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け装置は、縫合糸が移動する(例えば、近位側に引っ張られる)ときに、移動する縫合糸の両方の端部(例えば、組織に取り付けられた端部及び針に取り付けられた端端部)が縫合糸締め付け装置の同じ側(例えば、遠位側)にあるように、縫合糸を二つ折りにする。これは、装置に必要な締め付け距離を短くする潜在的な利点であり、例えば、縫合糸締め付け装置の1cmの移動が、組織に係合された縫合糸の長さを約2cm短くする。
【0071】
いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け装置は、スピンドルの上でループ状に巻かれた縫合糸線上の張力が、縫合糸をスピンドルの中間領域に向かって引っ張る傾向があるように成形された(例えば、側面に向かって広がる)スピンドル(例えば、ハーネスに装着された)を備える。これは、縫合糸の位置を制御するため、及び/または、鋭い角部及び/または挟み込む角部及び隙間から縫合糸を遠ざけるための潜在的な利点である。いくつかの実施形態では、スピンドルは自由に回転し(例えば、ハーネスに回転可能に装着される)、縫合糸の自由な運動を補助する。いくつかの実施形態では、縫合糸締め付け装置の捕捉開口部は、少なくとも部分的にスピンドルによって画定され、任意選択で、スピンドルを保持するハーネスによっても画定される。
【0072】
いくつかの実施形態では、縫合クリップ及び縫合糸締め付け装置は、縫合クリップに対する縫合糸の位置が、例えば、所定の位置への縫合糸締め付け装置の移動によって制御されるように配置される。例えば、縫合糸締め付け装置は、引っ張られると、任意選択で、縫合糸締め付け装置から、縫合糸が組織を出る位置まで直接延びる縫合糸の部分が、縫合クリップのクランプゾーンを通過するように押されるようにサイズ決め及び位置決めされたチャネルに入る。例えば、縫合糸は、クランプに関与する縫合クリップの部材に対して締め付けるように拘束される。そのような実施形態では、捕捉は、縫合糸締め付け装置の移動によって管理されるので、縫合クリップ自体がループまたは開口部を備える必要はない。
【0073】
本開示のいくつかの実施形態の一態様は、体腔に挿入された装置を通って前進する縫合針の所定の経路に沿って配置されたセンサを使用する針の位置の検知に関するものである。
【0074】
いくつかの実施形態では、センサは、複数の検知部位を備え、その部位における針部分の存在/不在を検知及び指示するように構成される。いくつかの実施形態では、複数のセンサが、針の長手方向の長さよりも短い間隔で配置される。いくつかの実施形態では、針は、螺旋針であり、センサは、針の1回の螺旋巻きによって広がる長手方向距離のサイズ、及び/またはその倍数の間隔で配置される。
【0075】
任意選択で、センサは、圧力の変化(例えば、管状部材への圧力)によって、磁場の変化(例えば、ホール効果センサを使用する)によって、及び/またはセンサを通る電気伝導度の変化によって(例えば、センサの要素を破断することによって、及び/又はセンサを通して新しい電気的接触を作ることによって)、針の存在/不在を検知する。
【0076】
いくつかの実施形態では、位置検知は、各個々の検知位置の隣の針の存在/不在によって定義されるステップに基づいて、針位置の指示に変換される。追加または代替として、いくつかの実施形態では、位置検知データは、例えば、針移動コマンドに応答して、例えば、センサ変動の指示を示すことによって、ステップよりも小さい針の状態及び/または位置に関する情報を示すために使用される。
【0077】
本開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その出願において、以下の記載に記載され、及び/または図面に示される構成要素及び/または方法の構造及び配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解され得る。本発明の特徴を含む、本開示に記載される特徴は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方式で実施または実行されることが可能である。
【0078】
例示的な縫合糸クリップ
図1A~1Bを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、体腔の組織の成形及び腔内縫合のために構成されたブジー100を概略的に表している。
【0079】
ブジー100の3つの主要セクションは、ブジーカプセルセクション101(遠位)、ブジー主本体102、及びブジー制御ハンドル103(近位)として表される。
【0080】
ブジーカプセルセクション101(本明細書では、ブジーカプセルセクションを「カプセル」とも称される)は、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン110を備え、吸引クランプドメインは、次いで、吸引下で体腔から組織を受容し、それを、縫合などの1つ以上の外科的変更に備えて保持及び/または位置決めするように構成された1つ以上の開窓部111を備える。吸引クランプドメイン110は、いくつかの実施形態では、使用中の装置に吸引が適用されると、組織が折り畳まれる支持面を備える。支持面は、クランプドメイン110の本体110A(例えば、部分的な管及び/またはスパインとして形成される)、及び/または、任意選択で、長手ブロッカ115、及び/又は側方ブロッカ117を含む開口成形要素などのクランプドメイン110に沿った他の特徴部を備える。支持面内には、吸引下で組織を受容して位置決めする空間(本明細書ではキャビティとも称される)が画定され、その空間内で、位置決めされた組織に対して縫合が実行される。
【0081】
縫合中、いくつかの実施形態では、螺旋針は、空間に沿って同様に螺旋運動で移動し、螺旋針が前進するにつれて、体腔の一方の側から空間内に折り畳まれた第1の組織部分と、次に、体腔の他方の側から、同じく第1の組織部分と並んで空間内に折り畳まれた第2の組織部分と、を交互に通過することによって、位置決めされた組織を縫合する。
【0082】
ここで、開窓部111はさらに、ブジーカプセルセクション101の開口領域の一部である。開窓部111は、いくつかの実施形態では、1つ以上の開口成形要素の作動によって、サイズ、形状、及び/またはトポロジが変更されるように構成される。このような開窓部は、本明細書では「動的」開窓部とも称される。
【0083】
開口成形要素の作動及びそれに付随する動的開窓部111の変化は、いくつかの実施形態では、内腔組織取り付け、内腔組織位置決め、もしくは内腔組織吸引深さ(例えば、縫合のための準備において)、または組織解放の1つ以上の態様を制御するために使用される。いくつかの実施形態では、組織解放は、内腔組織がブジーカプセルセクション101と係合されている間に、内腔組織に取り付けられ得る(例えば、縫われ、クリップ留めされ、及び/またはステープル留めされ得る)縫合または他の外科用物質の解放を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、開口成形要素の例は、長手ブロッカ115及び/または側方ブロッカ117を含む。
【0085】
長手ブロッカ115は、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン110の少なくとも一部分に長手方向に広がる、補強された細片または棒などの要素を備え、これらは実質的に、吸引クランプドメイン110を互いに並んで長手方向に延びる開窓部111の2つの側部に分割する。長手ブロッカ115は、任意選択で、除去可能であり、これにより、分割された開窓部111を再接合する。これは、組織及び/または縫合糸の解放における潜在的な利点である。例えば、2つの体腔内腔組織部分(すなわち、上記の第1及び第2の組織部分)の間を横切る縫合からの吸引クランプドメイン110の解放、及び長手ブロッカ115の内側(つまり、吸引クランプドメイン110の内部空間内)での解放に対するものである。
【0086】
側方ブロッカ117は、いくつかの実施形態では、吸引クランプドメイン110を横切って側方に交差する(任意選択で、直接側方または斜めに)コードの長さなどの1つ以上の要素を備える。交差要素は、要素のいずれかの側で異なる開窓部111を分離する吸引クランプドメインの分割を形成する。側方ブロッカ117は、いくつかの実施形態では、分離を除去するために解放可能及び/または除去可能である。
【0087】
長手ブロッカ115及び側方ブロッカ117の例は、例えば、国際特許公開第WO2016/056016号公報に記載されており、その内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ブジーカプセルセクション101の遠位先端112が提供される。遠位先端112は、任意選択で、透明であり、及び/または内視鏡プローブまたは他のツールの遠位端を通過させるのに十分な大きさ(例えば、直径約6~8mm)の開口部で終端する。
【0089】
ブジー主本体102は、いくつかの実施形態では、管121を備え、管に沿って、1つ以上の長手方向に延びる制御部材120が、外部及び/または内部を通過する。いくつかの実施形態では、制御部材120は、ブジーカプセルセクション101の作動可能な要素(例えば、長手ブロッカ115及び/または側方ブロッカ117)と、ブジー制御ハンドル103(例えば、制御ノブ122)との間を相互接続する。いくつかの実施形態では、管121は、内視鏡プローブまたは他のツールを挿入するのに十分な大きさ(例えば、約6~10mm)の内径を有する。
【0090】
任意の制御部材120、制御ノブ122、または他の制御装置には、制御部材の動作を検知するエンコーダ121Aが任意選択で提供される。エンコーダ121Aからのデータは、いくつかの実施形態では、ブジー100の動作状態を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、エンコーダ121Aによって測定された移動及び検知された結果(例えば、ブジーカプセルセクション101内)との間のスキューが監視される。任意選択で、測定されたスキューの発生は、機械的抵抗があるという指示として扱われ、これはさらに、例えば、論理回路及びブジー100自体の、またはブジー100に接続された1つ以上の指示器によって操作者に示される。
【0091】
遠位先端112には、好ましくは、食道などの自然な身体通路に沿ったブジー100の挿入を補助するために、先細りの形状が提供される。ブジーカプセルセクション101及びブジー主本体102は、好ましくは、食道などの自然な身体通路に沿った挿入が胃などの標的器官に到達することを可能にするように(直径及び長さが)サイズ決めされ、(少なくとも挿入構成に)成形される。
【0092】
ブジー制御ハンドル103は、いくつかの実施形態では、制御部材120の操作を制御するように構成された1つ以上の制御ノブ122を備える。任意選択で、管121の内腔に沿ってブジーカプセルセクション101内に、及び任意選択で遠位先端112に及び/またはその外に通過するために、内視鏡または他のツールの挿入を可能にするようにサイズ決めされた1つ以上のポート124が提供される。
【0093】
図1Cを次に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、組織固定装置内から縫合する方法の概略フローチャートである。
図1D~1Iも参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1Cの縫合の方法における段階を概略的に示している。
図1J~1Mをさらに参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸クリップを通す代替の方法を示している。
図12を加えて参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116及び縫合クリップ130を備える縫合サブシステム1200のブロック図を示している。
【0094】
図1Cのブロック152において、いくつかの実施形態では、例えば、本体110Aの表面によって、及びブロッカ115、117によって支持されたブジー100のカプセル101の真空クランプドメイン110の周りの胃組織50の真空形成によって、組織が縫合装置上に捕捉される。この状況は、いくつかの実施形態では、
図1Dに示されているものに対応する(任意選択で、針116が示されている位置にまだ前進していない)。胃組織50の第1の部分50Aは、ブロッカ115、117によって画定される開窓部の一方の側に沿って真空クランプされ、胃組織50の第2の部分50Bは、他方の側に沿って(すなわち、長手ブロッカ115のいずれかの側で)真空クランプされる。針116は縫合糸118に取り付けられ、前進されるにつれて縫合糸118を引っ張る。
図1Eは、その周りに胃組織50が形成されていない、
図1Dに示されるようなブジー100を示しており、下にある細部をより多く明らかにしている。
【0095】
ブロック154において、いくつかの実施形態では、縫合糸118は、針116を螺旋運動で前進させることによって、組織118を通して引き出される。これは、いくつかの実施形態では、
図1F~1Gの状況に対応する(
図1Gは、胃組織50の出現が隠されている
図1Fのバージョンである)。いくつかの実施形態では、針116は、針駆動装置1208(
図12)を使用して経路1210に沿って前進される。針駆動装置1208は、例えば、作動される(例えば、回転及び/または引っ張りによって作動される)ときに旋回状の回転によって、針116に衝突し、針116を前進させるケーブル配線及び/または伝動装置を任意選択で備える。
【0096】
ブロック156において、いくつかの実施形態では、螺旋針116は、縫合糸クリップ130の縫合糸キャッチャ132を通過し、及び/またはそれに突き当たる。これは、いくつかの実施形態では、
図1H~1Iの状況に対応する(
図1Iは、胃組織50の出現が隠されている
図1Hのバージョンである)。縫合糸クリップ130を最後の縫い目の針出口の近く(例えば、10mm以内)に装着することは潜在的な利点である。これにより、縫合線のたるみが潜在的に減少する。
【0097】
縫合糸キャッチャ132は、いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ130の一部分を備え、針116の十分な前進時に、縫合糸118の一部分がこの部分を通して/この部分に対して確実に通過/押圧される。縫合糸キャッチャ132は、任意選択でループ構成を有し、周方向に閉じて開口部を画定し、縫合糸118は、その開口部にループの開口部を通過することによって入る。あるいは、縫合糸キャッチャ132は、側面が開いた構成を備え、これにより、任意選択で針が縫合糸キャッチャを通り過ぎた後でも、縫合糸118は(例えば、縫合糸キャッチャの側方開口部を横切って)縫合糸キャッチャに入ることができる。
【0098】
ループ構成は、針116をループに通す(すなわち、縫合糸をループに通す)結果として、縫合糸118が緩く保持されたまま、縫合糸を側方に逃がす出口を残すことなく、縫合糸118を捕捉するという潜在的な利点を有する。さらに、この捕捉を得るために、縫合糸キャッチャ132を作動させる必要はない。縫合糸118は最初は緩く保持されているだけなので、任意選択で、クリップの摩擦による重大な干渉を伴うことなく、手順の後半で締め付けることができる。ループ型縫合糸キャッチャ133、131のより具体的な実施形態は、以下でさらに説明するように、
図1J~1Mにおいて縫合糸クリップ130A、130Bとともに示される。
【0099】
側面が開いたループキャッチャの構成は、縫合糸118が単にそれと並んで(それを通らずに)通過することを必要とするだけであるという潜在的な利点を有し、例えば、針116が通過した後に縫合糸118を側面からもたらすことを可能にする。そのような構成は、例えば、一対のクランプジョーとしての実装とさらに互換性がある。しかしながら、側面が開いた構成は、クランプが作動される前に、縫合糸118が縫合糸キャッチャ132から逃げる潜在的なリスクと関連している。そのような逃げを防ぐために別個の保持機構も提供される場合、これ自体が、後で縫合糸の解放を妨げ、及び/または装置をより複雑にする可能性がある。縫合糸キャッチャ132によるクランプが、針116の通過直後に(例えば、針116の通過によって変位したばねの戻りによって)少なくとも部分的に作動される場合、これは、縫合糸118が逃げる機会を低減し得るが、縫合糸クリップ130は、それ自体が縫合糸の締め付けを妨げる可能性がある。
【0100】
図1J~1K(
図1Kは
図1Jの拡大断面図である)は、円筒134として構成されたループ型キャッチャによって画定された開口部133を有するクリップ130Aを示している。クランプ(例えば、ブロック160に関して説明したように)は、例えば、
図3C及び/または
図4A~4Dに関して説明したように、対応するプラグを円筒134に挿入することを任意選択で含む。
【0101】
図1L~1M(
図1Mは、
図1Lの拡大断面図である)は、突出ループ131として構成されたループ型キャッチャによって画定された開口部を有するクリップ130Bを示している。クランプ(例えば、ブロック160に関して説明したように)は、ループ134及び/または捕捉された縫合糸118を押圧するきつい範囲を含む、クリップ本体132内にループ134を引き込むことを任意選択で含む。
【0102】
ブロック158において、いくつかの実施形態では、縫合糸118が締め付けられる。これは、縫合糸118の縫合長さ118A内に係合される縫合糸118の部分が締め付ける(そして、縫合糸118が組織50と係合する縫合糸118の領域から長手方向に引っ張られるにつれて、効果的に短くなる)ように、縫合糸118を引っ張ることを含む。いくつかの実施形態では、縫合糸118の締め付けは、例えば、本明細書で
図3A~3B及び/または
図5A~5Dに関して説明したように、二次締め付け機構(締め付けアクチュエータ1206によって任意選択で作動される任意の縫合糸締め具220)を使用して実行される。
【0103】
ブロック160において、いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ130がクランプされる。クランプは、任意選択で、様々な方式で機械的に実装される。本開示のいくつかの実施形態で使用される機構クランプの原理は、表面間で縫合糸116を押圧して、摩擦を生成することと、クランプ縫合糸116を屈曲させて、それに及ぼされる引張力の直接伝達を妨げることと、を含む。いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ130は、これらの原理のうちの一方または両方によって及ぼされる保持力自体が、縫合糸を引っ張ることによって強化されるように構成される。クランプ1204(
図12)として機能する縫合糸クランプ機構の例は、例えば、
図3C及び
図4A~4D、ならびに
図6A~6Dに関して記載されている。
【0104】
クランプアクチュエータ1202が、任意選択で、異なる実施形態において異なる方式で機械的に実装される。例えば、いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ130は、制御部材120(例えば、体腔の外側に残っているブジーの制御側からの長手方向の張力を受けるワイヤまたはひも)の作動によって互いにより近くなるように移動される(例えば、互いに対して閉じる、及び/または一方を他方の内側に挿入する)複数の部分を備える。追加または代替として、いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ130は、例えば、ソケット及びねじとして、及び/または軸の周りで、互いに対して回転する複数の部品を備える。回転は、ブジーの制御側から回転されるか、または長手方向の張力を受ける制御部材120を使用して任意選択で作動される。
【0105】
ブロック162において、いくつかの実施形態では、縫合糸118は切断される。いくつかの実施形態では、切断縁は、ブジー100の一部として(例えば、吸引クランプドメイン110の内部空間内に、またはブジー110の別の内部空間内に)提供される。任意選択で、クリップ130自体が刃先を備える。
【0106】
ブロック164において、いくつかの実施形態では、縫合された組織は、ブジー100から解放される。いくつかの実施形態では、これは、吸引を解放すること、長手ブロッカ115を除去すること(例えば、長手方向に引き抜くことによって)と、側方ブロッカ117を除去すること(例えば、それらを一方の側から解放することによって、及び任意選択でそれらを引っ張ることによって、他方の側から引き戻すことによって失うことによって)と、を含む。
【0107】
本明細書に記載される実施形態は、螺旋針116に関するものであるが、針は任意選択で、別の形状、例えば、直線状のまたは湾曲した針であることを理解されたい。クリップ縫合糸キャッチャは、ブジーの内部空間内に予め位置決めされており、内部空間は、直線状のまたは湾曲した針がそれを通る並進時に(例えば、ループ型縫合糸キャッチャの場合)、及び/またはそれと並んで(例えば、側面が開いた縫合糸キャッチャの場合)、縫合糸を受容する。
【0108】
図2A~2Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、吸引クランプドメイン110に沿って針116が前進し、縫合糸クリップ本体204に入り、これを通過する際の段階を概略的に表している。
【0109】
図2Aにおいて、針116は、吸引クランプドメイン110に沿ったその長手方向の移動の開始近くに示されている。いくつかの実施形態では、針116は螺旋状である。任意選択で、針116の前進は、針誘導軌道201によって誘導され、針誘導軌道201は、針116の螺旋傾きに一致するように離間され、傾けられる。
【0110】
図2Bにおいて、針116は、縫合糸クリップ本体204の位置の直前まで前進している。縫合糸クリップ本体204は、前進する針116がその螺旋状の前方運動を継続する結果としてそこに入り(
図2C)、さらに、さらなる螺旋状の前方運動に干渉することなくそれを通過し続ける(
図2D)ように方向付けられる。
【0111】
図2A~2Dにおいて、縫合糸118の表示が隠されていることに留意されたい。縫合糸118は通常、例えば、
図2Eに示すように、針116の後端に取り付けられる。
【0112】
図2E~2Gを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸118への縫合糸クリップ210のクランプにおける段階を概略的に表している。縫合糸クリップ210は、縫合糸クリップ130のより具体的な例である。
【0113】
図2E(
図2Dの構成から続く)において、針116は、次に、針116の後側に取り付けられた縫合線118が、次に縫合糸クリップ本体204に通されるように、縫合糸クリップ本体204を通って完全に前進される。針116はまた、縫合糸締め付け具220の開口部を通って前進されている(例えば、
図3A~3B及び/または
図5A~5Dに関してさらに説明される)。
【0114】
例示的な縫合糸の締め付け及びクランプ
図3Aを簡単に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116の細部を示しており、針は、針がクリップ本体204と縫合糸締め付け具220の締め付けヘッド530の開口部537との両方を通って、螺旋状の前進によって通過している位置にある。特に、クリップ本体204は、クリップケース206によって針116の所定の経路内に保持されることに留意されたい(これは、次いで、ブジー100に取り付けられ、任意選択で、固定的に取り付けられる)。締め付けヘッド530もまた、針116の所定の経路に沿ったブジー内の位置に最初に位置決めされる。ただし、締め付けヘッド530は、固定して位置決めされておらず、例えば、制御部材540に張力を及ぼすことによって近位に引っ張ることができる。
【0115】
図3Bも簡単に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116の細部を示しており、針は、針がクリップ本体204と縫合糸締め付け具220の締め付けヘッド530の開口部537との両方を通って、螺旋状の前進によってすでに通過した位置にある。縫合糸118は、針116の後ろをたどり、次に締め付けヘッド530の開口部537を通され、そして縫合糸クリップ210の開口部203を通る。
【0116】
図2Fにおいて、縫合糸118は、縫合糸締め付け具220の近位への移動によって短く引き出されている。針116は、縫合糸が通された縫合糸締め付け具220が近位に引っ張られると、組織50を通る針116の通路(例えば、螺旋通路)によって残された縫い目からたるみが取り除かれるように、縫合糸118の一方の端部の係留部として機能する。
【0117】
縫合糸のたるみが縫い目から取り除かれると、縫合線も縫合糸クリップ210を通り越して及び/または縫合糸クリップ210を通ってさらに引っ張られる。縫合糸クリップ210はすでに縫合線を捕捉しているが(例えば、縫合線が縫合線を通っている)、それをまだクランプしていないので、縫合糸の摺動移動は妨げられないことに留意されたい。
【0118】
いくつかの実施形態では、縫合糸クリップ210のクランプ(
図2Gに示される)は、例えば、
図4A~4Dに関して説明したように、クリップ本体204の開口部203内にクリッププラグ202を移動させることを含む。
【0119】
図3Cを簡単に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、クランプされた構成にある縫合糸クリップ210のクリッププラグ202及びクリップ本体204を示している。縫合糸118は、クリップ本体204内、及びクリップ本体204とクリッププラグ202との間を延びる。孔301もまた示されており、孔は、例えば、本明細書の
図4A~4Dに関連して説明するように、クリッププラグ202を操作してクランプを生成する際に使用される。
【0120】
図4A~4Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、円筒状にクランプする縫合糸クリップ210の構成要素及びクランプ機構を概略的に表している。例えば、縫合クリップ210に適用可能な縫合クリップ動作の態様も、例えば、
図2A~2G及び
図3A~3Cに関連して説明される。
【0121】
縫合クランプ210は、いくつかの実施形態では、クリッププラグ202及びクリップ本体204を備え、クリッププラグ202は、クリップ本体204の中に(例えば、
図4A~4Cのシーケンスに示されるように)嵌合挿入可能である。嵌合部分は、クリップ本体204の開口部203の内壁に押圧されるクランプ部分209を備える。縫合糸118が開口部203に通されると、クランプ部分209及び/またはクリップ本体204は緩み、及び/または縫合糸118によってもたらされる障害物を越えても互いに嵌合するのに十分な弾性を有する。いくつかの実施形態では、結果として引き起こされるクリップ本体204及び/またはクリッププラグ202の弾性変形は、縫合糸118に対するクランプ力に寄与する。いくつかの実施形態では、クランプ部分209は、平行な円筒状の外壁を備える。
【0122】
縫合クリップ210の動作の一態様は、そのクランプが、縫合クリップ210から遠隔の位置から制御部材(例えば、制御部材120)を操作することによって作動可能であることである(例えば、縫合クリップ210は、本体の外側のワイヤまたはコード部分を引っ張ることによって閉じることができるが、縫合クリップ210自体が本体のキャビティの内側、及びブジー100の内側にまだ存在する)。制御部材は、クリッププラグ202と引っ張り力が及ぼされる制御部材部分との間の開口部203を通過し、制御部材を短くすると、クリッププラグ202とクリップ本体204とが一緒になるようにする。
【0123】
いくつかの実施形態では、クリッププラグ202は、プラグガイド先端208、孔(複数可)301、及び挿入止め部207のうちの1つ以上を具現化することによって、遠隔作動用に構成される。
【0124】
いくつかの実施形態では、プラグガイド先端208は、クリッププラグ202の挿入端に位置付けられ、プラグガイド先端208が開口部203内に前進されるときにクリッププラグ202を自己調心させるように丸く及び/または先細りになっている。
【0125】
いくつかの実施形態では、1つ以上の孔301が任意選択で両方の端部で開いており、クリッププラグ202の長手軸に沿って延びている。孔301は、制御部材(図示せず)を孔301に挿入し、任意選択で、孔を通して挿入する。任意選択で、制御部材は、クリッププラグ202に係留され、その後、例えば、切断によって解放される。あるいは、いくつかの実施形態では、複数の孔は、制御部材が、例えば、プラグガイド先端208を備える端部からクリッププラグ202内に通過し、その他方の端部を出て、次いで同じ端部に戻り、プラグガイド先端208を備える端部に再び出ていくことを可能にするように構成される。制御部材の両方の端部を同時に引っ張ると、クリッププラグがクリップ本体204の開口部203内に押し込まれる。一方の制御部材の端部が解放され、他方が引っ張られると、制御部材は最終的に、それが通されている両方の孔を通って完全に滑り、クリップから制御部材自体を解放する。
【0126】
挿入止め部207は、いくつかの実施形態では、挿入プラグ202の後側に拡張部を備え、プラグ202が完全に開口部203を通って反対側から引っ張られることを防ぐ。
【0127】
いくつかの実施形態では、クリップケース205は、クリップ本体204を保持し、これをブジー100内に位置決めする。例えば、クリップケース205は、例えば、ピン、ねじ、及び/または他の配置によってブジー100に取り付けられる装着突出部206を任意選択で備える。
【0128】
図4Dは、縫合糸クリップ210のそのケース205から解放された状態を示している。いくつかの実施形態では、クリップケース205からの縫合糸クリップ210の解放は、縫合糸クリップ210がクランプされた後に、本体からブジー100を引き抜く結果として生じる。組織に取り付けられた縫合糸からの張力が縫合糸クリップ210を保持し、その結果、縫合糸クリップ210は、ブジー100が引き抜かれたときに分離する。任意選択で、クリップケース205は、縫合糸クリップ210が、例えば、クランプ中に間違った側から出るのを妨げるように成形される。
【0129】
図5A~5Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、縫合糸締め付け具220の構成要素及び組み立てられた構成を概略的に表している。縫合糸締め付け具220の動作は、例えば、
図2E~2G及び/または
図3A~3Bに関連して本明細書に説明される。
【0130】
縫合糸締め付け具220は、いくつかの実施形態では、制御部材540(例えば、制御部材120の一例)と、締め付けヘッド530と、を備える。
【0131】
締め付けヘッド530は、針116の前進の後ろの位置から、例えばループまたは側面が開いた縫合糸キャッチャによって(例えば、縫合クリップの縫合糸キャッチャ132に関して本明細書で説明したように)、縫合糸118を捕捉する(例えば、通すことによって)ように構成される。図示される例では、縫合糸118の端部を引っ張る針116が、ハーネス531及びスピンドル533によって画定される開口部537を通過するときに、縫合糸118が捕捉される(通される)。
【0132】
スピンドル533は、任意選択で固定されるか、または回ってプーリを形成する。スピンドル533は、いくつかの実施形態では、中間に向かって狭くなり、端部に向かって広くなる。これは、張力下で縫合糸118を中心に配置するのに役立ち、締め付けヘッド530の鋭い内側角部から縫合糸118を引っ張ることを潜在的に回避し、及び/またはスピンドル533とハーネス531との間の隙間に縫合糸118がキャッチされるのを防ぐ。いくつかの実施形態では、締め付けヘッド530は、その制御部材540にストレインリリーフ535を通して取り付けられる。任意選択で、ストレインリリーフ535は、例えば、ブジー100のチャネルに入るのを支援するように先細りになっており、そのチャネルに沿って締め付けヘッド530が引き出されることになる。
【0133】
制御部材540は、針116が横断するブジーの領域を少なくとも通って延びる補強材534を任意選択で備える。補強材534は、制御部材540が針116と絡まるのを防ぐのに十分なほど制御部材540を補強する。
【0134】
制御部材540の任意選択の可撓性の(例えば、ひもまたはワイヤ状の)遠位セクション532は、締め付けヘッド530と補強材534との間に取り付けられる。可撓性であるため、締め付け中に縫合糸118から引っ張る方向に従って、締め付けヘッド530がその位置及び向きを自己調整することが可能になる。短いことにより、針116との絡まりが潜在的に回避される。制御部材540の近位セクション536は、ワイヤ、ひも、ケーブル、または他の構造を任意選択で備える。任意選択で、近位セクション532及び遠位セクション536は、補強材534の下で接合するか、または単一の部品に含まれる。
【0135】
いくつかの実施形態では、縫合糸118の切断は、ブジーを通して挿入された内視鏡のツールを使用して実行される。任意選択で、縫合糸118の切断は、縫合クリップ130と針116との間の位置において、ブジー100が縫合糸に押圧され、縫合糸の上でクランプされ、及び/または縫合糸上で鋸引きされることを可能にする位置において、ブジー100に配置された鋭利な縁部を使用して実行される。例えば、鋭利な縁部は、完全に前進された針116の遠位側において、ブジー100の内部空間を部分的に横切って配置される。ブジー100が引き抜かれるにつれて、縫合糸118は、針116と縫合糸クリップ130との間で引き伸ばされる。ブジーが引き伸ばされると、ブジーが移動されて、鋭利な縁部が縫合糸118に当てられ、縫合糸が切断される。いくつかの実施形態では、縫合クリップ130自体が刃先を備える。
【0136】
例示的な回転クランプ縫合糸クリップ
図6A~6Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、回転移動によってクリップする縫合糸クリップ600を概略的に表している。
【0137】
縫合糸クリップ600は、いくつかの実施形態では、クリップ本体620と、クリップインサート610と、任意選択で、クリップストッパーリング630と、を備える。クリップインサート610は、クリップ本体620の内側のねじ山と噛み合うねじ山613によってクリップ本体620に取り付けられる。クリップ本体620は、例えば、突出部623をブジー本体110Aの受容位置に嵌合挿入することによって、または別の方法によって、ブジー本体110Aに取り付けられた状態で保持される。
【0138】
ブジー内に装着されると、縫合糸クリップ600は、(クリップインサート610の)孔611及び(クリップ本体620の)孔622の開口部が互いに位置合わせされ、さらに、針116の所定の経路と位置合わせされて位置決めされ、その結果、例えば
図6Dに示すように、針116は、前進するときに、孔611、622の中を通過する。クリップ本体620は、クリップ本体620の壁上で各々、互いに対向する2つの孔を有すると言うことができる。
【0139】
針116が孔611、622を通過した後、縫合糸クリップ600は、縫合糸118をクランプするように動作され得る。このために、孔611は、例えば、方向640に、孔622に対して回転される(それらとの位置合わせから外れる)。これにより、縫合糸118が歪み、クリップ本体620内で縫合糸が引っ張られ、クリップ本体620及びクリップインサート610のねじ山の間にクランプされる。任意選択で、クリップ止めリング630がクリップインサート610の端部に取り付けられ、過度の回転を防ぐ。
【0140】
回転力は、制御部材650(制御部材120の一例)の回転によって任意選択で及ぼされる。制御部材650は、例えば、インサート610の遠位端615と噛み合う。キーイング突出部617は、制御部材650のソケット端にある対応する切り欠きと嵌合し、回転力が伝達されることを可能にする。
【0141】
縫合糸クリップ600は、縫合糸118にクランプされると、例えば、縫合糸118を使用して作られる縫い目によって保持されることに起因して、体腔からブジーを除去する際に、その受容位置から任意選択で摺動する。
【0142】
任意選択で、孔611、622のうちの1つ以上の縁部が鋭利である。任意選択で、クランプするために回転させると、近位側で縫合糸118も切断される。任意選択で、回転自体は、縫合糸118を切断しない。むしろ、縫合糸は、例えば、縫合糸締め付け具220を使用して引き伸ばされるなど、きつく保持されなければならない。
【0143】
例示的なセンサ配置及び動作
図13を次に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、体内縫合装置の針位置検知サブシステム1300を概略的に表している。
【0144】
位置検知サブシステム1300は、いくつかの実施形態では、縫合ブジーのカプセルセクション101内の針経路1210に沿って位置決めされた検出器アセンブリ1302を備える。針116は、縫合糸118を引っ張る経路1210に沿って移動する(例えば、針駆動装置1208によって作動される)ように構成される。経路1210は螺旋状であってもよい。検出器アセンブリ1302は、経路1210に沿った複数の位置1306において針116の存在、到着、及び/または出発を検出するように構成される。位置指示器1305は、検出器アセンブリからの信号を解釈し、それに応じて針116の現在位置の指示を提供する。
【0145】
位置検知サブシステム1300は、いくつかの実施形態では、針駆動装置1208によって作動される針の移動の追跡及び/または確認を可能にする。これの潜在的な利点は、針駆動装置1208自体が、それ自体の移動が針116の移動にどのように変換されるかについて決定論的である必要がないことである。例えば、針駆動装置1208と針116との間の相互作用において、滑り及び/またはヒステリシスが存在し得る。位置検知サブシステム 1300 は、運動が実際に発生したという正のフィードバック、及び/またはどれだけの動きが発生したかの指示を提供する。検知サブシステム1300は、単一の細長いセンサまたは複数のセンサを任意選択で備える。これらのセンサは、例えば、本明細書の
図7A~
図9Dに関連して記載したように実装される。
【0146】
図7A~7Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116の移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表している。
【0147】
本開示のいくつかの実施形態では、針116の存在及び/または位置を決定するための検知機能を備えた吸引クランプドメイン110が提供される。いくつかの実施形態では、針116は螺旋状であり、螺旋針の前進の回転ごとの検知を可能にする検知が提供される。針の存在及び/または位置の検知は、特に針が吸引クランプドメイン110を通過したことを検証するための潜在的な利点を提供し、例えば、縫合糸の締め付け及び縫合糸クリップのクランプなどのさらなるステップが、縫い目が完全に適所に配置される前に実行されないようにする。
【0148】
さらに、針116に沿ってどれだけ前進しているかを知ることは潜在的な利点である。例えば、前進中に動かなくなるかまたは遅くなった場合、「縫合完了/縫合未完了」よりも詳細な位置検知分解能があれば、修正措置が早くとられる可能性がある。いくつかの実施形態では、針の位置は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の位置で離散的に検知することによって、螺旋巻きの幅で段階的に測定される。針位置は、起動されたセンサのパターンによって任意選択で区別される。例えば、最初は、螺旋状の前進の長手軸に沿った4つのセンサのいずれもない。必要なものが前進すると、1つ、2つ、3つ、そして4つのセンサが起動される。針がさらに前進すると、後続のセンサが1つずつ停止し、3つ、2つ、1つになり、次いで起動しているセンサがなくなる。したがって、この例では、8つの異なる針位置が識別される。異なる数のセンサが任意選択で使用され、センサは、針の移動の開始時または終了時に任意選択で起動されることを理解されたい。任意選択で、ブジー本体110Aのいずれかの側の針経路上にセンサ線が配置され、より細かい検知分解能を可能にする。センサ起動パターンは、例えば、各センサから個々の入力を受信することによって、またはいくつかのセンサからの累積入力を検知することによって、任意選択で検知される(例えば、
図7A~7Dの圧力センサに関して詳述するように)。
【0149】
いくつかの実施形態では、針位置センサ700は、ブジー本体110Aに沿って長手方向に延びる可撓性管705を備える。管705は、圧力センサ710に(例えば、管の一方の端部において)取り付けられ、管705の他方の端部は密封される。したがって、管705を圧迫すると、検知圧力が上昇する。管705は、針116がその所定の経路に沿って移動する(例えば螺旋状に前進する)ときに、針116が断続的な検知位置702において管705を圧迫するように(例えば管704を締め付けることによって)適所に保持される。任意選択で、針116は、各検知位置702において被覆カバー703を直接押圧し、カバー703は、次いで管705を圧迫する。これの潜在的な利点は次のとおりである。カバー703は、ブジー本体110の内部に押圧されるのに十分突出することを保証するように成形され得る。カバー703は、針116がそれを穿刺する代わりにそれを側方に押圧することを保証するように成形され得る。カバー703は、管702のより多くが圧迫される(より大きな圧力変化を生成する)ように、針116の幅よりも長くされ得る。
【0150】
センサ指示器712は、圧力センサ710からの測定値に基づいて針位置状態を示す。センサ指示器712は、例えば、トリガされた検知位置702ごとに点灯するセグメントを有するLED指示器を任意選択で備える。任意選択で、センサ指示器712は、トーンを使用して位置を示す。任意選択で、センサ指示器712は、圧力センサ710から送信された信号に基づいてグラフィック及び/または視覚指示を示すように構成されたコンピュータ用のユーザインターフェースを備える。
【0151】
任意選択で、針116が管705に押圧し始める各検知位置702について、圧力変化のステップがセンサ710によって記録される(及び、任意選択でセンサ指示器712によって表示される)。これにより、最初に検知位置702が順次押圧され(圧力が増加)、次いで検知位置702が順次圧力から解放されるにつれて、針116の前進を検知することが可能になる。
【0152】
任意選択で、圧力センサ710は、圧力の小さな(ステップサイズ未満の)変動も報告する。任意選択で、センサ指示器712は、これらの小さな変動を表示し、針の状態に関するヒントを装置操作者に提供し得る。例えば、針駆動装置が回転サイクルの特定の部分で繰り返し滑っている場合、針にかかる力が再分配されるため、対応する(潜在的に小さい)圧力指示の変化が生じ得る。操作者は、例えば、圧力変化のパターンをそのような調整の効果のガイドとして使用して、前進を制御する方式を変更し、及び/または装置の角度及び/または屈曲を調整することによって応答することができる。滑りを伴わなくても、針が次の組織層を押圧し始めたとき、針が次の組織層を通って摺動したとき、及び/または針が次の組織層をうまく通過したとき、に相関するパターンが圧力測定値に潜在的に見られる。任意選択で、装置の操作者は、そのようなパターンに部分的に基づいて、針を前進させ、及び/またはブジー自体の角形成及び/または屈曲を操作するように動作を調整する。
【0153】
特定の縫合糸締め付け具自体がセンサとして使用され得ることに留意されたい。針116が縫合糸締め付け具の開口部に入ると、縫合糸締め付け具は、部分的に所定の位置に係止され、針が再びそれを通過するまで自由な動作が妨げられる。針116の位置を決定するために、専用のセンサを使用して、追加または代替えとして、穏やかなタグを使用することによるこの状態の試験が使用され得る。
【0154】
図8A~8Cを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116Aの移動及び/または位置決めを測定するための圧力センサ配置を概略的に表している。
【0155】
いくつかの実施形態では、磁場センサ802(例えば、ホール効果センサ)は、例えば、回路基板800上に装着され、回路基板800は、次いで、吸引クランプドメイン110のブジー本体110Aに装着される。センサ802は、針116Aが最も接近する位置に配置されることが好ましい。針116Aは、例えば、その全長に沿って磁化される(例えば、磁化された針116として任意選択で具現化される)。針116Aが各センサ802に順に接近すると、センサ802は磁場の変化を記録し、信号を出力し、この信号は次いで、信号処理回路810によって検知され、センサ指示器812によって表示される位置指示を生成する(これは、例えば、圧力信号ではなく磁気信号に対して好適に調整されたセンサ指示器810について記載されたような表示を生成してもよい)。
【0156】
センサ802によって生成された信号は、任意選択で、針近接の「存在する」または「存在しない」指示として処理及び/または表示される。追加または代替えとして、センサ802によって生成され、ステップ全体のサイズよりも小さい信号成分は、例えば、効果的な連続値信号(例えば、アナログ信号及び/または数ビット、例えば、5ビット以上のビット深度で符号化されたデジタル信号)として、処理及び/または表示される。針116を前進させるために針116に加えられる応力及び/または歪みは、例えば、
図7A~7Dの実施形態に関して説明したように、針116が移動するにつれて潜在的にその形状をわずかに変化させる。近くの磁場センサ802は、次いで、それらが生成する信号がわずかに変動させる可能性がある。このような変動の兆候は、例えば
図7A~7Dに関して説明したように、装置動作を誘導するために装置操作者によって任意選択で使用される。
【0157】
図9A~9Dを次に参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、針116Aの移動及び/または位置決めを測定するための回路基板に基づくセンサ配置を概略的に表している。
【0158】
いくつかの実施形態では、センサ基板900は、検知回路910に接続された複数のリード901A、901B、901C、901Dで構成された回路基板を備える。各リードの一部分は、センサ基板900の縁部904に沿って延びており、各々、センサ基板900の異なる長手方向部分に沿っている。
【0159】
いくつかの実施形態では、各リード901A~901Dは、それに関連付けられている特性インピーダンスを有し、これは、リードが短くなると変化する。追加または代替えとして、各リードの端部は、(例えば、図示しない回路基板900の他方の側から)接地に接続される。
【0160】
センサ基板900は、針116の先端902Cが螺旋状に前進しながら、各個々のリード901A~901Dの縁部904の近くに次いで衝突する位置において、吸引クランプドメイン110のブジー本体110A上に位置決めされる。この衝突は、次いで、衝突されたリードを破断する。任意選択で、基板900は、衝突時に基板から切り欠きがたたき出されるように、衝突の位置903の近くで弱められる。
【0161】
検知回路910は、インピーダンスの変化及び/または接地回路の開放を検知し、例えば、センサ指示器712に関して説明したように、次いでセンサ指示器912が示す信号を提供する。
【0162】
追加または代替として、いくつかの実施形態では、リード901A~901Dは、針116が回転するにつれて接触する(及び任意選択で、変形及び/または破断する)箔、ばね、または他の導電性要素を備える。これによって、針116を通して異なるリード間に電気的接触が確立され、この接触は、(検知回路910による)位置検知及び(センサ指示器712による)指示の基礎として使用され得る。任意選択で、電気的接触区域全体のコンダクタンスは、針の移動に応じてわずかに変化する。この変動自体は、針の移動の指示を任意選択で含む。
【0163】
任意選択で、針116は、絶縁ポリマーで少なくとも部分的にコーティングされる(例えば、コーティングされないままでよい側面902Eと比較して、側面902Dにおいて)。ポリマーコーティングは、任意選択で、金属を露出させるために間隔を空けて中断される。いくつかの実施形態では、これは、コーティングされた及びコーティングされていない針部分がセンサの上を通過するときに電気的接触を作製及び/または破断するイベントを数えることによって、針116がそれ自体の前進のエンコーダとして作用することを可能にするために使用される。
【0164】
例えば、針116に2つの接点を提供する(そして、針を通してそれらの間の伝導を検知する)ことによって、または、それに1つの接点を提供し、針に取り付けられたワイヤ、または針を駆動するために使用されるドライバケーブルなどの針との電気的接触を維持する導体へ針の本体を通過する回路を形成することによって、単一の位置におけるセンサをこのような針116とともに使用できることに留意されたい。針116をそれ自体の長さよりも長い距離にわたって追跡するために、複数のそのようなセンサが任意選択で提供される。
【0165】
図10を次に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、ブジー100内の縫合糸クリップ配置を誘導する方法の概略フローチャートである。
【0166】
ブロック1002において、いくつかの実施形態では、体腔の内側に位置決めされた針が前進される。前進は、次いで、いくつかの実施形態では、体腔の外側の制御部材の動作によって制御される。任意選択で、針は螺旋状であり、ブジー100などの針誘導装置内に位置決めされる。針は、いくつかの実施形態では、針誘導装置によって画定される所定の経路に沿って針を駆動する制御部材の動作(例えば、回転)によって前進する。1つ以上のセンサが所定の経路に沿って位置決めされ、例えば、
図7A~
図9Dの実施形態のうちの1つに従って、針の存在を検知する。
【0167】
ブロック1004において、いくつかの実施形態では、縫合するように構成された領域を針が通過したかどうかがチェックされる(例えば、センサに接続された回路によって)。いくつかの実施形態では、チェックは、針が最初に少なくとも1つのセンサによって検知されたが、現在はそのセンサによってもはや検知されていない(すなわち、針がセンサを通過した)ことを検証することを含む。追加または代替えとして、針の前部分が検知されたときに、針の後部分が縫合領域を通過したように、センサは、所定の経路に沿って十分に遠くに(例えば、針の長手方向移動の方向に沿って測定した針の長さ程度)配置される。
【0168】
ブロック1006において、いくつかの実施形態では、針がまだ縫合領域を通過していない場合、フローチャートはブロック1002に戻る。それ以外の場合は、例えば、
図1Cのブロック158以降のブロックに関連して本明細書で説明したように、例えば、縫合糸クリップのクランプで、手順を続行できるという指示が提供される。
【0169】
図11を次に参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態による、ブジー100に沿った針の前進を誘導する方法の概略フローチャートである。
【0170】
ブロック1102において、いくつかの実施形態では、体腔内に位置決めされた針は、体腔外の制御部材の動作によって前進される。ブジー100及び針の構成は、例えば、
図10に関して説明された通りである。針を前進させる動作は、針をブジー100のセンサの検知範囲内に移動させる(及び/またはセンサの検知範囲外に移動させる)可能性が高いと考えられる程度まで実行される。例えば、螺旋状針の各ターンに間隔をおいて配置されたセンサがある場合、制御部材は、任意選択で、これを妨げる針の前進に対する拘束がないと仮定して、螺旋状針を約1ターンだけ前進させることが予想される程度に十分に動作される。任意選択で、例えばエンコーダ121Aを使用して、制御部材の動作も検知される。
【0171】
ブロック1104において、いくつかの実施形態では、予想される結果に従って、針がセンサ(複数可)の検知範囲に実際に到達及び/または移動したかどうかがチェックされる。そうである場合、手順はブロック1102に戻り、針のさらなる前進を続ける。
【0172】
そうでない場合、ブロック1106において、是正措置がとられる。これは、例えば、次のうちの1つ以上を含み得る。
・針の進行方向を逆にすること。
・針駆動装置を調整すること(例えば、針駆動装置ケーブルの別の部分が針に作用するように、針駆動装置ケーブルを長手方向に並進する)。
・それ以外の場合は、針の移動を誘導するために力が及ぼされる方法を変更する(例えば、針前進制御部材をより速くまたはよりゆっくりと動作させる)。
・ブジー100の角度を変化させて、例えば、針に及ぼされる力を変化させること。
・ブジー100の屈曲を変化させて、例えば、針に及ぼされる力を変化させること。
【0173】
是正措置がとられた後及び/またはその間に、フローチャートはブロック1102に戻る。フローチャートは、針を前進させる必要がなくなるまで、例えば、
図10のブロック1004の結果がクリップ留めを続行することを示すまで続く。
【0174】
一般
量または値に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、「の±10%以内」を意味する。
【0175】
「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」という用語、及びそれらの組み合わせは、「含むがこれに限定されない」を意味する。
【0176】
「からなる」という用語は、「含む、及び限定される」を意味する。
【0177】
「から本質的になる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、ステップ及び/または部品を含み得るが、追加の成分、ステップ及び/または部品が特許請求されている組成物、方法または構造の基本的かつ新規の特性を実質的に変更しない場合に限り含み得ることを意味する。
【0178】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a)」、「ある、1つの(an)」及び「この、その(the)」という単数形には、複数の指示対象が含まれる。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0179】
「例」及び「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために使用される。「例」または「例示的」として記載される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましい、または有益であると解釈されるべきではなく、かつ/または他の実施形態からの特徴の組み込みを排除するために使用されるべきではない。
【0180】
本明細書では、「任意選択で」という言葉は、「ある実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味するのに使用される。本開示の任意の特定の実施形態は、そのような特徴の矛盾を除いて、複数の「任意選択」の特徴を含むことができる。
【0181】
本明細書で使用される場合、「方法」という用語は、所与のタスクを達成するための方式、手段、技術、及び手順を指し、これらの方式、手段、技術、及び手順は、既知であるか、または既知の方式、手段、技術、手順から化学、薬理学、生物学、生化学及び医学の専門家により容易に開発されるものを含むが、これらに限定されない。
【0182】
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、状態の進行を無効にする、実質的に阻害する、遅らせる、または逆転させる、状態の臨床的または審美的症状を実質的に改善する、または状態の臨床的または審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0183】
本出願を通して、実施形態は、範囲形式に関連して提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本開示の記述の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分範囲ならびに個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、「1~6」などの範囲の記載は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などのような具体的に開示された下位範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5、及び6を有すると考えられるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0184】
数値範囲(例えば、「10-15」、「10-15」、またはこれらの別のそのような範囲指示によってリンクされた任意の数のペア)が本明細書に示される場合は常に、文脈上明確に指示されない限り、範囲制限を含む指示された範囲制限内の任意の数(分数または整数)を含むことを意味する。「範囲/範囲/間の範囲」の第1の指示数及び第2指示数と、「範囲/範囲/範囲から」の第1の指示数と、「まで」、「に至るまで」、「になるまで」または「を通って」(または別のそのような範囲指示語)の第2の指示語は、本明細書では互換的に使用され、第1の指示数、第2の指示数及びそれらの間の全ての分数及び整数を含む。
【0185】
本開示の説明は、具体的な実施形態とともに提供されるが、多くの代替、修正、及び変形が、当業者に明らかであることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲内にある、そのような代替、修正、及び変形のすべてを包含することが意図される。
【0186】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の引用又は特定は、そのような参照が本開示の先行技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれの優先権書類(複数可)も、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0187】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本開示に記載されるある特徴を、単一の実施形態において組み合わせで設けることもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴を、別々に、または任意の好適な副次的な組み合わせで、または本開示の任意の他の説明された実施形態において好適なものとして設けることもできる。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【国際調査報告】