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特表2023-515570リパーゼ、組成物、方法、及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】リパーゼ、組成物、方法、及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A23C 19/032 20060101AFI20230406BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20230406BHJP
   C12N 9/20 20060101ALI20230406BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20230406BHJP
   A23C 20/00 20060101ALI20230406BHJP
   A23C 9/13 20060101ALI20230406BHJP
   A23C 13/16 20060101ALI20230406BHJP
   A23C 15/02 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
A23C19/032
C12N15/55 ZNA
C12N9/20
A23L5/00 J
A23C20/00
A23C9/13
A23C13/16
A23C15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551279
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021054825
(87)【国際公開番号】W WO2021170799
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20160150.7
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20193597.0
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260310
【氏名又は名称】セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】クレスチャン イェゲル
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ライ
【テーマコード(参考)】
4B001
4B035
4B050
【Fターム(参考)】
4B001AC25
4B001BC14
4B001BC99
4B001EC01
4B001EC99
4B035LC01
4B035LC16
4B035LE20
4B035LG44
4B035LG51
4B035LP41
4B050CC04
4B050DD11
4B050LL02
(57)【要約】
本発明は、中~長鎖脂肪酸、特に長鎖脂肪酸に比べて、短鎖脂肪酸に対してより高い特異性を有する野生型、非遺伝子組み換え、微生物脂肪分解酵素に関する。本願発明はさらに、食品製品を調製するプロセス、及びその野生型、非遺伝子組み換え、微生物脂肪分解酵素の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品を調製する方法であって、以下のステップ:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むリパーゼを使用するか、又は
リパーゼをコードするDNA配列を使用すること、
を含み、ここで、該DNA配列は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、好ましくは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号20、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列から選択され;好ましくは、該DNA配列が、単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列であり、より好ましくはここで、該DNA配列がシグナルペプチド配列を含む、方法。
【請求項2】
前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リパーゼが、pH7未満、好ましくは6.6~6.8にて、pH6未満にて、好ましくは3.8~5.6のpHにて、より好ましくは4.4~5.4のpHにて、より一層好ましくは4.6~5.2のpHにて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記リパーゼが、20℃未満、好ましくは15℃未満に、より好ましくは10℃未満、より一層好ましくは5~8℃の温度にて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記リパーゼが、微生物リパーゼ、好ましくは単離微生物リパーゼ、遺伝子組み換え微生物リパーゼ又は合成微生物リパーゼである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、チーズ様製品、酵素処理チーズ、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される乳製品である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記乳製品が、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズから選択されるチーズである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記食品製品が、代替乳製品であり、好ましくは代替乳チーズ又はビーガンチーズである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
リパーゼを含む食品製品であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、並びに
ここで、該食品製品が、C6-脂肪酸、C8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC4-脂肪酸を含み、及び/又は
ここで、該食品製品が、C8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC6-脂肪酸を含む、食品製品。
【請求項10】
前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、酵素処理チーズ、チーズ様製品、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングから選択される乳製品であり、好ましくはここで、該チーズが、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、より好ましくは該チーズが、フェタチーズ又はプロヴォローネチーズであるか、又は
食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である、請求項1~9のいずれか一項に記載の食品製品。
【請求項11】
食品製品を製造するためのリパーゼの使用であって、ここで、前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、酵素処理チーズ、チーズ様製品、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される、好ましくは、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズなどのチーズから選択される乳製品であり;より好ましくは該チーズが、フェタチーズ又はプロヴォローネチーズであるか;或いは
ここで、該食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品であり;及び
ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、アミノ酸配列を含み、
好ましくはここで、前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、リパーゼの使用。
【請求項12】
より多くのC8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物から、より多くのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、リパーゼの使用。
【請求項13】
食品製品中でより多くのC8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、食品製品中でより多くのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
好ましくはここで、該食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、酵素処理チーズ、チーズ様製品、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される乳製品であるか、或いは
好ましくはここで、該食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である、リパーゼの使用。
【請求項14】
前記食品製品が、チーズから選択される乳製品であり、かつ、ここで、該チーズが、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列から成るリパーゼであって;
ここで、該リパーゼが、ピキア・パストリスにおいて発現され、かつ、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、リパーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは既知の微生物脂肪分解酵素と比較したとき、短鎖脂肪酸に高い特異性を有する、好ましくは中鎖~長鎖脂肪酸と比べて短鎖脂肪酸により高い特異性を有する、野生型、非遺伝子組み換え、微生物脂肪分解酵素、前記脂肪分解酵素をコードする核酸、ベクター、宿主細胞、及び/又は脂肪分解酵素を含む組成物に関する。本願発明はまた、乳製品などの食品製品を調製するためのプロセスに関し、ここで、該脂肪分解酵素が使用される。本願発明は、食品産業、好ましくは酪農産業、より好ましくはチーズ産業での使用に好適であり、例えば、熟成チーズのフレーバー向上又は熟成期間の短縮につながる。
【背景技術】
【0002】
背景
リパーゼ(EC3.1.1.3)とも呼ばれる脂肪分解酵素は、遊離脂肪酸を作り出すトリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解するヒドロラーゼの一つのクラスである。このクラスの酵素は、例えば、乳脂肪及び/又は他の脂肪の脂肪分解と、その後の短(C4-~C6-脂肪酸)、中及び/又は長(C8-以上)鎖脂肪酸の放出に関与する。
【0003】
各脂肪分解酵素には、それ自体の、乳脂肪及び/又は他の脂質からの遊離脂肪酸の放出プロファイルがある。このプロファイルは、短(C4-~C6-脂肪酸)~、中及び/又は長(C8-以上)鎖脂肪酸に及び得る。得られた短(C4-~C6-脂肪酸)、中及び/又は長(C8-以上)鎖脂肪酸の混合物は、少なくとも、脂肪分解酵素、及び脂肪分解性基質に依存している。得られた短(C4-~C6-脂肪酸)、中及び/又は長(C8-以上)鎖脂肪酸の混合物は、所定の最終製品のフレーバーを調節に関与する。例えば、中及び/又は長鎖脂肪酸の量又は濃度と比べて、より多くの量又は濃度の短鎖脂肪酸、例えばより多くの量又は濃度の酪酸(C4-脂肪酸)などを有する混合物は、特に熟成中に、好ましい酸敗チーズフレーバーの発生に通じ、乳製品、例えば、様々なチーズタイプのフレーバー作出に使用された。対照的に、短鎖脂肪酸の量又は濃度と比べて、より多くの量又は濃度の中及び/又は長鎖脂肪酸を有する混合物、特により多くの量又は濃度の長鎖脂肪酸(C16-以上)を有する混合物は異臭をもたらす。
【0004】
脂肪分解酵素又はリパーゼは、動物起源又は非動物起源のものであり得る。動物起源(仔ヤギ、仔ウシ又はラム)のリパーゼは、乳脂肪及び/又は他の脂肪から、長鎖脂肪酸よりむしろ短鎖脂肪酸(C4-~C6-脂肪酸)を好ましくは切断する。これらの短鎖脂肪酸、特にC4-脂肪酸は、中~長鎖脂肪酸によって産生される石鹸風味よりむしろ好ましい酸敗風味の形成に関与する。よりわずかな程度、それらはまた中鎖脂肪酸も放出し、そしてそれは、動物特有の風味をチーズに加える。それにもかかわらず、動物起源からのリパーゼは、(市場の要望が高い)ベジタリアン及び/又はコーシャー製品に使用できない。その一方、非動物起源からの、例えば微生物起源からなどの、リパーゼは、ベジタリアン及び/又はコーシャー要件を完全に満たすが、しかしながら、微生物リパーゼは、乳脂肪及び/又は他の脂質から中~長鎖脂肪酸(C8-以上)を主に放出する非特異性リパーゼであることが知られており、その結果、非常に不快な石鹸風味をチーズに与える。
【0005】
そのため、食品産業、特にチーズ産業において、中又は長鎖脂肪酸と比べて、C4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸に対してより高い特異性を提示する微生物の野生型、非遺伝子組み換え、リパーゼの新起源を探す、及び/又は長鎖脂肪酸と比べて、C4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸に対してより高い特異性、さらに、C8-又はC10-脂肪酸などの中鎖脂肪酸に対して特異性を提示する微生物の野生型、非遺伝子組み換え、リパーゼの新起源を探す推進力が存在する。
【0006】
動物リパーゼを置換するいくつかの試みが、従来技術において知られている。これらの試みとしては、微生物リパーゼ、遺伝子組み換えリパーゼ、及び/又は遺伝子操作されたリパーゼの使用が挙げられる。しかしながら、これらの試みは、短鎖脂肪酸に対して、好ましくはC4-脂肪酸に対してより高い特異性と、チーズなどの食品製品に望ましいフレーバーもたらす微生物の野生型リパーゼを提供することはなかった。
【0007】
微生物リパーゼは、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、及びムコール(Mucor)から得ることができる。脂質において酸敗臭を発するこれらのカビリパーゼの効果は、アスペルギルスに関して、Iwai et al. in J. Gen. Appl. Microbiol. 10, 13-22 (1964), US 4 726 954 or US 4 636 468、US4 726 954又はUS4 636 468に開示され;リゾプスに関して、Oi et al. in Agr. Biol. Chem. 33, 729-38 (1969)によって記載され;及びムコールに関して、Somkuti et al. in Appl. Microbiol. 16, 617-19 (1968)によって規定される。すべての言及されたリパーゼは、C4-~C6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸と比べて、アスペルギルス又はリゾプスなど、中~長鎖脂肪酸に対し、又はムコールの場合である、中鎖脂肪酸に対して、より高い特異性を有する。
【0008】
微生物リパーゼはまた、ヤロウィア(Y.)リポリチカ(Yarrowia lipolytica)などのヤロウィアからも得られる。いくつかの文書が、中~長鎖脂肪酸に対してヤロウィアからのリパーゼの好ましさを開示する。例えば、Kamoun et al. 2015は、Lip8のためのpH7.5におけるトリブチリンと比べて、トリオクタノインに対するより高い特異性を記載し;Aloulou et al. 2007は、Lip2のためのpH6におけるトリブチリンと比べて、トリオクタノインに対するより高い特異性を開示し;Sheng, J., et al. 2012は、LipYがC8-C12脂肪酸に対して最も高い活性を有することに言及する。
【0009】
US2005059130(又はEP 2 290 059)はまた、フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)又はリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)(それぞれ実施例10、11又は12)由来の微生物リパーゼも記載し、ここで、野性型酵素の基質特異性は、前記リパーゼのアミノ酸配列に改変を加えることによって修飾され、これによって、短鎖脂肪酸に対する増強された特異性を有する異体を得る。EP3 081 644はまた、短鎖脂肪酸に対してより高い特異性を有するカンジダ・シリンドラッセ(Candida cylindracea)からの修飾リパーゼを開示する。しかしながら、これらの微生物の遺伝子操作されたリパーゼはいずれも、中~長鎖脂肪酸と比べて、短鎖脂肪酸に対する高い特異性を有する天然に存在するリパーゼでない。
【0010】
上記は、短鎖脂肪酸に対して、特にC4-脂肪酸に対して、より高い特異性、並びに中及び/又は長鎖脂肪酸に対してより低い特異性、特に、長鎖脂肪酸に対してより低い特異性、を有する微生物の野生型リパーゼを得ることの難しさを例示するが、乳製品又はチーズなどの食品製品において、石鹸感を低減し、かつ、酪酸フレーバーの増大に通じ、そのため、現在利用可能な微生物リパーゼを置換することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、食品産業、好ましくは酪農産業、より好ましくはチーズ産業で使用されるのに好適な、新規の野生型、微生物脂肪分解酵素を提供する。驚いたことに、本明細書中に開示された酵素は、同じ条件下、特に同じ酵素用量に関して、かつ、同じ脂肪マトリックスにおいて、既知の微生物脂肪分解酵素と比較したとき、短鎖脂肪酸、特にC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸、に対してより高い特異性を有し、そして、これらの酵素が、(単数若しくは複数の)既知の微生物酵素より短い鎖脂肪酸を放出、製造又は作出することを意味する。これは、今まで、野生型微生物脂肪分解酵素が、中又は長鎖脂肪酸に対して特異的であり、かつ、短鎖脂肪酸、好ましくはC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸に向けられないことは、完全に予期されていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも90%の同一性を有するか、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する、
アミノ酸配列を含むか、或いは
ここで、該配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1である、
リパーゼに関する。
【0013】
本願発明はまた:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも90%の同一性を有するか、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する、
アミノ酸配列を含むか、或いは
ここで、該配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1であり、かつ、
ここで、該リパーゼが、好ましくはpH7未満、好ましくは6.6~6.8のpH、好ましくはpH6未満、好ましくは3.8~5.6のpH、より好ましくは4.4~5.4のpH、より一層好ましくは4.6~5.2のpHにて、及び/又は好ましくは40℃未満の温度、30℃未満、又は20℃未満、好ましくは15℃未満、より好ましくは10℃未満、より一層好ましくは5~8℃にて、C10-脂肪酸の放出に関して比較した場合に、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、
リパーゼにも関する。
【0014】
本願発明はまた:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも90%の同一性を有するか、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する、
アミノ酸配列を含むか、或いは
ここで、該配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1である、
リパーゼに関する。
【0015】
本願発明はまた:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも90%の同一性を有するか、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する、
アミノ酸配列を含むか、或いは
ここで、該配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1であり、かつ、
ここで、該リパーゼが、好ましくは3.8~5.6のpH、より好ましくは4.4~5.4のpH、より一層好ましくは4.6~5.2のpHにて、及び/又は好ましくは20℃未満、好ましくは15℃未満、より好ましくは10℃未満、より一層好ましくは5~8℃にて、C10-脂肪酸の放出に関して比較した場合に、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、リパーゼにも関する。
【0016】
好ましい実施形態において、本明細書中に開示したリパーゼ-配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11-は、単離された微生物リパーゼ、遺伝子組み換え微生物リパーゼ又は合成微生物リパーゼである。
【0017】
本発明は、野生型、非遺伝子組み換え、微生物脂肪分解酵素に関するが、当業者は、1若しくは複数の改変が、前記酵素の活性に干渉することがなく、及び好ましくはその配列のC4:0脂肪酸優先傾向を変更することなく本明細書中に開示された酵素のアミノ酸配列のいずれかになされ得ることを認識している。斯かる改変は、付加、置換又は欠失であり得る。例えば、本明細書中に開示する配列のいずれか一つのN末端又はC末端の変更は、異なる配列につながる可能性はないが、しかしながら、無変更配列に対して変更配列の脂肪酸優先傾向を変更する。また、これらの改変は本明細書中に企図される。
【0018】
本願発明はまた、単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列に関し、
ここで、該単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNAは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列から選択される。
好ましい実施形態において、前記DNA配列はさらに、シグナルペプチド配列を含んでもよい。
【0019】
本願発明はさらに、本明細書中に開示された配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11のリパーゼをコードする、或いは配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%の配列同一性を有する、又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する、リパーゼをコードする、単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列を含むクローニングベクター及び/又は発現ベクターなどのベクターにも関係がある。DNA配列は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23であっても、又は配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有する配列であってもよい。配列は、標準的なクローン技術を使用してベクターにクローン化される。クローニングベクター及び/又は発現ベクターの選択は、該クローニングベクター及び/又は発現ベクターは宿主細胞と適合できる必要があるので、宿主細胞に依存している。
【0020】
本発明はまた、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23を含むか、或いは配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%の配列同一性を有するか、又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する、配列を含むか、或いは配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む、宿主細胞、好ましくは遺伝子組み換え宿主細胞にも関する。
【0021】
本発明はまた、好適な宿主細胞において、かつ、ポリペプチドの発現又はポリペプチドの過剰発現につながる条件下、前記ベクターを増殖、形質転換又は形質移入する方法にも関係がある。
本願発明で使用される好適な宿主細胞は、遺伝子組み換えDNAが複製され得、及び酵素をコードする遺伝子が発現され得るいずれかの宿主細胞であり得る。好ましくは、宿主細胞は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、微生物細胞、例えば、細菌細胞又は真菌細胞であってもよく、ここで、酵母細胞が含まれる。
【0022】
好適な酵母の例としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae);カンジダ・シリンドラッセ(Candida cylindracea)又はピキア・パストリス(Pichia pastoris)などのサッカロミセス種の群(Saccharomyces spp.)、シゾサッカロマイセス種の群(Schizosaccharomyces spp.)、カンジダ種の群(Candida spp.)、ピキア種の群(Pichia spp.)、クルイベロマイセス種の群(Kluyveromyces spp.)であってもよい。
【0023】
好適な真菌細胞の例としては、糸状真菌細胞が挙げられ、フザリウム・オキシスポリウム(Fusarium oxysporium)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)などのフザリウム種の群(Fusarium spp.)、アスペルギルス種の群(Aspergillus spp.)、トリコデルマ種の群(Trichoderma spp.)から選択されてもよい。
【0024】
好適な細菌の例は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)などのグラム陰性細菌であるか、又はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis);ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトマイセス・ムリヌス(Streptomyces murinus)などのバチルス種の群(Bacillus spp.)、ストレプトマイセス種の群(Streptomyces spp.)、コリネバクテリウム種の群(Corynebacterium spp.)から選択されるグラム陽性細菌である。細菌の形質転換は、例えば、当該技術分野で既知の様式でコンピテント細胞を使用することによって、又は当該技術分野で知られているその他の方法によって作用してもよい。
【0025】
好ましい実施形態において、宿主細胞は、ピキア・パストリス、サッカロミセス種の群、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロマイセス種の群、カンジダ種の群、カンジダ・シリンドラッセ、クルイベロマイセス種の群、フザリウム種の群、フザリウム・オキシスポリウム、アスペルギルス亜種の群、アスペルギルス・オリゼ若しくはアスペルギルス・ニガー、トリコデルマ種の群、エシェリキア・コリ若しくはバチルス種の群、バチルス・ズブチリス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカロフィルス、バチルス・アミロリキファシエンス、バチルス・コアグランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ラウタス、バチルス・メガテリウム、バチルス・チューリンゲンシス、ストレプトマイセス種の群種の群、ストレプトマイセス・リビダンス若しくはストレプトマイセス・ムリヌス、コリネバクテリウム種の群、好ましくはピキア・パストリス、アスペルギルス・オリゼ若しくはアスペルギルス・ニガー、又はバチルス・サブチリス、より好ましくはピキア・パストリス又はバチルス・サブチリスから選択される。
【0026】
本発明はまた、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、又は少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列から成るリパーゼにも関し;ここで、該リパーゼは、ピキア・パストリスで発現され、かつ、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する。
【0027】
本発明はまた、食品製品を調製する方法にも関係があり、以下の:
-配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、アミノ酸配列を含むリパーゼを使用するか又は加えるステップを含み、好ましくはここで、該食品製品は、中~長鎖脂肪酸の含有量、量又は濃度と比較した場合と比べて、C4-及び/又はC6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸のより高い含有量、量又は濃度を有するか;或いは
【0028】
-配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、好ましくは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号20、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、配列から選択されるDNA配列によってコードされるリパーゼを使用するか又は加えるステップを含み、好ましくはここで、該食品製品は、中~長鎖脂肪酸の含有量、量又は濃度と比較した場合と比べて、C4-及び/又はC6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸のより高い含有量、量又は濃度を有する。
【0029】
好ましい実施形態において、食品製品は、チーズ製品、プロセスチーズ、チーズ様製品、若しくは酵素処理チーズ、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングなどの乳製品であってもよい。
【0030】
好ましい実施形態において、乳製品は、チーズ製品であり、好ましくはここで、該チーズ製品は、ペコリーノ、プロヴォローネ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタール;フェタチーズなどのカードチーズ;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、ブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、ゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズ;並びにプロセスチーズ、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである。
【0031】
別の実施形態において、食品製品は、代替乳製品、好ましくは、代替乳チーズ又はビーガンチーズであってもよく、より好ましくはここで、リパーゼは、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、植物性脂肪などの脂質を含む組成物から又は油中水型乳濁液からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する。
【0032】
好ましい実施形態において、チーズフレーバー又はチーズ強度は、本発明のリパーゼを適用することによって増強及び/又は改善される。チーズフレーバー又はチーズ強度の増強又は改善は、チーズ自体に、又はプロセスチーズ、チーズ様製品、若しくは酵素処理チーズに、或いはビーガンチーズなどの代替乳チーズにさえ適用され得る。
【0033】
好ましい実施形態において、本明細書中に開示されたリパーゼは、例えば、食品製品を製造するプロセス中の中間製品に、又は乳、特に、とりわけウシ、ヒツジ、ヤギから得られた乳などの原料に加えられてもよい。
【0034】
本発明はまた、食品製品を製造するためか、又は食品製品を製造するための剤として、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくはここで、該食品製品が、中~長鎖脂肪酸の含有量、量又は濃度と比較した場合と比べて、C4-及び/又はC6-脂肪酸などの短鎖脂肪酸のより高い含有量、量又は濃度を有し、かつ、ここで、該食品製品は、乳製品、チーズ製品、プロセスチーズ、チーズ様製品、酵素処理チーズ、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングとして存在する、アミノ酸配列を含むリパーゼの使用にも関係する。
【0035】
好ましい実施形態において、リパーゼの使用は、食品製品、特にペコリーノ、プロヴォローネ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタール;フェタチーズなどのカードチーズ;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル又はカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、ブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、ゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズ、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズ;或いはプロセスチーズといった、乳製品又はチーズを製造するための使用である。
【0036】
本発明はまた、より多くのC6-脂肪酸、C8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からより多くのC4-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用にも関し、ここで、該リパーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0037】
本発明はまた、食品製品中でC8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、食品製品中でより多くのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用にも関係があり、ここで、該リパーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、アミノ酸配列を含み、
【0038】
好ましくはここで、該食品製品は、チーズ、或いはプロセスチーズ、酵素処理チーズ、若しくはチーズ様製品、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングから選択される乳製品であり、或いは
好ましくはここで、該食品製品は、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である。
【0039】
ある実施形態において、食品製品は、チーズから選択される乳製品であり、及びここで、該チーズは、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである。
【0040】
さらに、本発明は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11のリパーゼを使用することによって得られる食品製品に関係があり、好ましくはここで、該食品製品は、チーズ製品、プロセスチーズ、チーズ様製品、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングなどの乳製品であり、より好ましくは、該乳製品は、ペコリーノ、プロヴォローネ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタール;フェタチーズなどのカードチーズ;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル又はカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、ブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、ゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズ;及びプロセスチーズ、などのチーズであり、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである。
【0041】
本発明はまた、リパーゼを含む食品製品にも関し、ここで、該リパーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、並びに
ここで、該食品製品は、C10-脂肪酸と比べて、又はC6-脂肪酸、C8-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC4-脂肪酸を含み、及び/又は
ここで、該食品製品は、C10-脂肪酸と比べて、又はC8-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC6-脂肪酸を含む。
【0042】
ある実施形態において、食品製品は、チーズ、プロセスチーズ、チーズ様製品、酵素処理チーズ、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングから選択される乳製品であり、好ましくはここで、該チーズは、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、より好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである。
別の実施形態において、食品製品は、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である。
【0043】
本発明はまた、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11によるリパーゼ、及び/又は配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23によるDNA配列、及び/又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23の配列のいずれかを含むベクター、及び/又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23の配列のいずれかを含む宿主細胞、を含む組成物に関し、、好ましくはここで、該組成物は、乳製品又はチーズなどの食品製品を調製するためのものである。
【0044】
定義
本発明との関連において、「短鎖脂肪酸」、「中鎖脂肪酸」、「長鎖脂肪酸」、「FFA」、「リパーゼ」、「脂肪分解酵素」、「微生物リパーゼ」、「微生物脂肪分解酵素」、「短鎖脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」、「C4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」、「C6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」、「中及び/又は長鎖脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」、「リパーゼ活性」、「リパーゼ用量」、「野性型」、「合成配列」、「単離配列」、「遺伝子組み換え配列」、「成熟タンパク質配列」、「発現ベクター」、「配列同一性」、「食品製品」、「乳製品」、「チーズ」、「チーズ製品」、「プロセスチーズ」、「酵素処理チーズ」、「チーズ様製品」、「改善要因(IF)」、「対照微生物リパーゼ」、「シグナルペプチド」、「プロペプチド」という用語は、以下で説明した意味を有する。
【0045】
「短鎖脂肪酸」という用語は、4~6個の炭素を含む脂肪酸を意味する。短鎖脂肪酸の例は:酪酸(ブタン酸;C4)、吉草酸(ペンタン酸;C5)又はカプロン酸(ヘキサン酸;C6)である。
【0046】
「中鎖脂肪酸」という用語は、8~12個の炭素を含む脂肪酸を意味する。中鎖脂肪酸の例は:カプリル酸(オクタン酸;C8)、ペラルゴン酸(ノナン酸;C9)、カプリン酸(デカン酸;C10)、ウンデシル酸(ウンデカン酸;C11)又はラウリン酸(ドデカン酸;C12)である。
【0047】
「長鎖脂肪酸」という用語は、14~18又はそれより多くの炭素を含む脂肪酸を意味する。長鎖脂肪酸の例は:ミリスチン酸(テトラデカン酸;C14)、ペンタデカン酸(C15)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸;C16)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸;C17)、ステアリン酸(オクタデカン酸;C18)である。
【0048】
「FFA」という用語は、遊離脂肪酸を表す。
「リパーゼ」と「脂肪分解酵素」という用語は、互換的に使用される。
【0049】
「微生物リパーゼ」と「微生物脂肪分解酵素」という用語は、互換的に使用され、そして、本明細書中で使用される場合、自然界で見られる天然の微生物によって発現されるリパーゼ又は脂肪分解酵素を意味する。さらに、微生物は、糸状真菌であっても、及び/又は非糸状真菌であってもよい。よって、リパーゼ、微生物リパーゼ又は微生物脂肪分解酵素は、糸状真菌リパーゼであっても、又は非糸状真菌リパーゼであってもよい。乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの、「短鎖脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、中及び/又は長鎖脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC4-脂肪酸及び/又はより多くのC6-脂肪酸を生じることを意味する。
【0050】
乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、中及び/又は長鎖脂肪酸などの他の種類の脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC4-脂肪酸を生じることを意味する。好ましくは、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、C10-脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC4-脂肪酸を生じることを意味する。より好ましくは、C8-脂肪酸、C6-脂肪酸、C12-脂肪酸又はC18:2-脂肪酸、C14-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC16-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、それぞれC8-脂肪酸、C6-脂肪酸、C12-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、C14-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC16-脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC4-脂肪酸を生じることを意味する。特に、C4-脂肪酸のモル分率は、同じ試験条件に関して、中及び/又は長鎖脂肪酸のモル分率に比べて、より高く、好ましくは、C4-脂肪酸のモル分率は、C6-脂肪酸、C8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC18:2-脂肪酸などの他の脂肪酸のモル分率に比べて、より高い。
【0051】
乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語はまた、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、対照微生物リパーゼに比べて、より多くのC4-脂肪酸を生じることを意味する。特に、試験リパーゼのC4-脂肪酸のモル分率は、対照微生物リパーゼのC4-脂肪酸のモル分率に比べて、より高い。
【0052】
乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、中及び/又は長鎖脂肪酸などの他の種類の脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC6-脂肪酸を生じることを意味する。好ましくは、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、C10-脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC6-脂肪酸を生じることを意味する。より好ましくは、C8-脂肪酸、C12-脂肪酸又はC18:2-脂肪酸、C14-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC16-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、それぞれC8-脂肪酸、C12-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、C14-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC16-脂肪酸を生じるよりむしろ、より多くのC6-脂肪酸を生じることを意味する。特に、C6-脂肪酸のモル分率は、同じ試験条件に関して、中及び/又は長鎖脂肪酸のモル分率に比べて、より高く、好ましくは、C6-脂肪酸のモル分率は、C8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸又はC18:2-脂肪酸などの他の脂肪酸のモル分率に比べて、より高い。
【0053】
乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「C6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語はまた、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、対照微生物リパーゼに比べて、より多くのC6-脂肪酸を生じることを意味する。特に、試験リパーゼのC6-脂肪酸のモル分率は、対照微生物リパーゼのC4-脂肪酸のモル分率に比べて、より高い。
【0054】
乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からの「中及び/又は長鎖脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有するリパーゼ」という用語は、前記リパーゼが好ましくは、トリグリセリドの脂質のエステル結合を加水分解して、C4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を生じるよりむしろ、C8~C18-脂肪酸を生じることを意味する。特に、試験リパーゼのC8~C18-脂肪酸のモル分率は、対照微生物リパーゼのC8~C18-脂肪酸のモル分率に比べて、より高い。
【0055】
本発明との関連において、次の用語:「C4-脂肪酸」と「C4:0-脂肪酸」;「C6-脂肪酸」と「C6:0-脂肪酸」;「C8-脂肪酸」と「C8:0-脂肪酸」;「C10-脂肪酸」と「C10:0-脂肪酸」;「C12-脂肪酸」と「C12:0-脂肪酸」;「C14-脂肪酸」と「C14:0-脂肪酸」は、互換的である。「C16-脂肪酸」という用語は、C16:0-脂肪酸とC16:1-脂肪酸を含み得る。「C18-脂肪酸」という用語は、C18:0-脂肪、C18:1-脂肪酸及びC18:3-脂肪を含み得る。
【0056】
「リパーゼ活性」と「リパーゼ用量」という用語は、互換的に使用される。「リパーゼ活性」は、チーズとクリームにおける投与に関して、例えば、市販リパーゼと本明細書中に開示された酵素(配列番号1~11)の両方のための国際酪農連盟(IDF)法によって測定され得る。IDF法は、国際規格ISO 13082:2011、2011年11月15日の第1版、IDF 218:2011(ISO 13082|218とも表示される)に主に対応している。しかしながら、本発明において、「乳のLFU/L」という用語が使用されている。「乳のLFU/L」という用語は、チーズなどの乳製品を製造する際に使用される乳1リットルあたりの酵素の濃度若しくは量又は酵素の用量に関する。本発明との関連において、「乳のLFU/L」とは、乳1リットルあたりのリパーゼ前胃単位を意味する。1LFUは、試験条件下、1.25 μmol/分の速度で酪酸を放出するリパーゼ活性の量と定義される。さらに、リパーゼ活性はまた、以下の実施例で説明したように、測定されてもよい。最後に、従来技術文書に(EP 3 081 644、EP 2 254 996又はEP 1 776 455などに)開示されたリパーゼ活性を測定する他の方法が存在する。しかしながら、関連することは、同じ実施例の中又は比較例の中では、リパーゼ活性は、対照リパーゼを含めた、分析下のすべてのリパーゼに関して同じ方法で測定されるということである。
【0057】
本発明との関連において、「野生型」リパーゼという用語は、(翻訳と同時の及び/又は翻訳後の切断事象後に)内因的に産生される成熟タンパク質配列と比較して、その配列が変異していない、すなわち、リパーゼがアミノ酸欠失、付加又は置換を含まない、ことを意味する。本発明の野性型リパーゼは、不均一発現のためのコドン最適化ポリヌクレオチドによってコードされてもよく、かつ、同様に、所定の宿主における発現のために選択される非内在性シグナル及び/又はプロペプチドを含んでもよい。さらに、本発明では、リパーゼはまた、野生型リパーゼを再生させるような、当該技術分野で周知の方法を使用して、合成的に得られても、又は遺伝子を組み換えてもよい。
【0058】
「合成配列」という用語又はそのバリエーションは、インビトロにおける化学的又は酵素的合成によって調製された配列を意味する。それは、これだけに限定されるものではないが、宿主生物にとって最適なコドン利用を用いて作られた配列を含む。その用語は、合成微生物リパーゼ又は合成DNA配列に適用される。
【0059】
「単離配列」という用語又はそのバリエーションは、その配列が自然界において実際に関連しており、かつ、実際に見られる、少なくとも1種類の他の成分を少なくとも実質的に含まない配列を意味する。代替手段では、「単離配列」はまた、その自然環境から取り出された配列を意味する。例えば、宿主生物内で遺伝子組み換えにより産生された配列は、本願発明の目的のために単離されたと考えられ、任意の好適な技術それ自体、例えば、精製方法によって実質的に精製された天然又は遺伝子組み換え配列のように、精製方法は当該技術分野で周知である。その用語は、単離微生物リパーゼ又は単離DNA配列に適用される。
【0060】
「遺伝子組み換え配列」という用語又はそのバリエーションは、組み換えDNA技術を使用して調製された配列を意味し、そしてそれは、当業者の能力の範疇にあり、かつ、文献、例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory manual, 2nd edition, books 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Pressで説明される。その用語は、遺伝子組み換え微生物リパーゼ又は遺伝子組み換えDNA配列に適用される。
【0061】
本明細書中に使用される場合、「成熟タンパク質配列」という用語は、翻訳、並びに他にもある事象又は修飾の中でも、翻訳と同時の及び/又は翻訳後の切断事象、或いはN末端プロセシング、C末端切断、グリコシル化、リン酸化などの修飾後の、その最終形態での脂肪分解活性を有する配列を意味する
【0062】
「発現ベクター」という用語は、インビボ又はインビトロにおける発現が可能な構築物を意味する。発現ベクターは、好適な宿主生物のゲノム内に、組み込まれ得る、特に安定して組み込まれ得る。
【0063】
「配列同一性」という用語は、2つのアミノ酸配列又は2つのヌクレオチド配列の間の類似性の定量的尺度を記載する。本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、標準的なパラメーター設定(マトリクス:BLOSUM62、ギャップコスト:あり:11 延長:1、条件組成スコアマトリックス調節)と、その後のアラインしたアミノ酸配列を通じた同一位置の同一アミノ酸対の定量化を適用する、https://blast.ncbi.nlm.nih.govにおいてBiotechnology Information(NCBI)のNationalセンターによって提供されたblastp一式と両配列をアラインすることに基づいている。
【0064】
「食品製品」という用語は、これだけに限定されるものではないが、特に、チーズ、乳、脱脂乳、酸乳、バターミルク、練乳、スプレッド、マーガリン、ヨーグルト、アイスクリーム、粉ミルク、バター、ドゥルセ・デ・レチェ、を含めた、食品として使用されることを意図する一種の乳製品を指す。
【0065】
「乳製品」という用語は、乳又はこれだけに限定されるものではないが、特に、チーズ、乳、脱脂乳、酸乳、バターミルク、練乳、スプレッド、マーガリン、ヨーグルト、アイスクリーム、粉ミルク、バター、ドゥルセ・デ・レチェを含めた乳製品を使用して作製されたあらゆる食品製品を含むことを意図する。
【0066】
「チーズ」又は「チーズ製品」という用語は、互換的に使用される。「チーズ」という用語は、これだけに限定されるものではないが、ペコリーノ、プロヴォローネ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタールなどのハードチーズ;フェタチーズなどのカードチーズ;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズ;及びプロセスチーズ、酵素処理チーズ(EMC)又はチーズ様製品、を含めたあらゆるチーズを包含することが理解される。
【0067】
「プロセスチーズ」という用語は、例えば、乳化性塩(例えば、ホスファートとシトラート)を用いるなどして、チーズを加熱し、そして、乳化することによって、チーズ又はチーズ類似体から好ましくは製造される。プロセスはさらに、スパイス/香辛料の添加を含んでもよい。
【0068】
「酵素処理チーズ」又は「EMC」という用語は、酵素で処理されて、ナチュラルチーズのフレーバー強度の約15~30倍を有し得る濃厚チーズフレーバー成分を生じさせたチーズカードと理解される。EMCは、ペーストとして入手可能であるか、又は乾燥させて粉末を形成させ、そして、プロセスチーズ若しくは類似体チーズ、チーズ粉末、スープ、ソース、ディップ、クラッカー、サラダドレッシング及びスナック食品のコーティングなどの、製品にチーズフレーバノートをもたらすために使用される。
【0069】
「チーズ様製品」という用語は、組成物の一部として、例えば、乳脂肪(例えば、クリーム又はバター)又は植物油などの脂質を含む、並びに例えば、植物成分(例えば、植物性タンパク質又は植物油)などの1若しくは複数の非ミルク成分を、組成物の一部として、さらに含むチーズ様製品として理解される。本発明との関連において、「チーズ様製品」としては、ビーガンチーズとしても知られている、代替乳チーズが挙げられ、ここで、代替乳チーズを作製するのに使用される脂質は、乳脂肪の代わりに、植物油又は油中水型乳剤などの乳濁液である。
【0070】
「改善要因(IF)」という用語は、試験リパーゼの短鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性を、対照リパーゼ、好ましくは、対照微生物リパーゼ、の短鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性で割ったとき得られる比と定義されるか、或いは試験リパーゼの中鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性を、対照リパーゼ、好ましくは、対照微生物リパーゼ、の中鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性で割ったとき得られる比と定義される。その比が1である場合、そのとき、試験リパーゼは、対照配列としての短鎖脂肪酸に対する同一優先傾向又は特異性を有する。その比が1より低い場合、そのとき、試験リパーゼは、対照リパーゼ、好ましくは、対照微生物リパーゼに比べて、短鎖脂肪酸に対する低い優先傾向又は特異性を有する。その比が1より高い場合、そのとき、試験リパーゼは、対照に比べて短鎖脂肪酸に対する高い優先傾向又は特異性がある。短鎖脂肪酸に対する酵素特異性は、短鎖脂肪酸C4又はC6に対する酵素活性を、長鎖脂肪酸C16~C18に対する酵素活性で割ることによって得られる。改善要因(IF)はまた、試験リパーゼの長鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性を、対照リパーゼ、好ましくは対照微生物リパーゼの長鎖脂肪酸の放出に対する酵素特異性で割ることによって得られる比によって決定され得る。その比が1である場合、そのとき、試験リパーゼは、対照リパーゼ、好ましくは対照微生物リパーゼとしての長鎖脂肪酸に対する同一優先傾向又は特異性を有する。その比が1より低い場合、そのとき、試験リパーゼは、対照リパーゼに比べて、長鎖脂肪酸に対する低い優先傾向又は特異性を有する。その比が1より高い場合、そのとき、試験リパーゼは、対照に比べて長鎖脂肪酸に対する高い優先傾向又は特異性がある。長鎖脂肪酸に対する酵素特異性は、長鎖脂肪酸C16~C18に対する酵素活性を、短鎖脂肪酸C4又はC6に対する酵素活性で割ることによって得られる。
【0071】
「対照リパーゼ」、「対照微生物リパーゼ」、「対照脂肪分解酵素」又は「対照微生物脂肪分解酵素」という用語は、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucur miehei)由来の市販の微生物リパーゼであり(Novozymes A/Sから入手可能なPalatase(登録商標)、Palatase(登録商標)20000 L)、そして、市販の微生物リパーゼ又は市販の微生物リパーゼAと本明細書中に表示される。或いは、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucur miehei)由来の他の微生物リパーゼ、例えば、Chr. Hansenから入手可能なSpiceIT(登録商標)MR、を使用できる。
【0072】
「シグナルペプチド」という用語は、細胞膜内に合成タンパク質を移行する、又は細胞から発酵培地中にそれを分泌する、酵素産生微生物体の分泌経路によって認識される酵素のポリペプチド鎖のN末端に融合されたアミノ酸配列に関する。
【0073】
「プロペプチド」という用語は、合成タンパク質の折り畳みを支持し、及び/又は安定性に貢献し得る酵素の主要なペプチド鎖のN末端に融合されたポリペプチド鎖に関する。プロペプチドは、酵素の成熟化又は活性化中に切断される。プロペプチドは、膜内又は膜を通過するタンパク質の転送、又は細胞外の培地中へのその分泌に必要なシグナル配列と異なり、タンパク質のN末端伸長として作用する。プロペプチド配列の存在は、リパーゼの発現の安定化につながり得る、及び/又はリパーゼのインビボ不活性化を予防し得る。
【0074】
アミノ酸は、本明細書中でそれらの一字コード又はそれらの三文字コードによって示されるが、その両方が当業者にとって周知である。
【0075】
本発明との関連において、配列番号1~11は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び配列番号11を表す。さらに、本願発明との関連において、配列番号12~23は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22及び配列番号23を表す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
詳細な説明
本発明は、ベジタリアン及び/又はコーシャー要件を満たす一方で、同時に短鎖脂肪酸の切断に対する特異性及び優先傾向を示す、好ましくは、他の種類の脂肪酸よりむしろC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸に対してより高い特異性を示すか、或いは、市販の微生物リパーゼに比べて、C4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸に対してより高い特異性を示す、非動物、野生型の微生物リパーゼ由来のものに関する。
【0077】
本願発明の目的は、そのリパーゼ配列におけるあらゆる突然変異(付加、欠失、及び/又は置換)を生じることなく、中及び/又は長鎖脂肪酸の放出と比較した場合、好ましくは、長鎖脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物から、C4脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を、或いは、市販の微生物リパーゼのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂質を含む乳組成物からC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する微生物野生型リパーゼを提供することである。よって、本願発明は、従来の微生物リパーゼに対して、短鎖脂肪酸に対する特異性を有する改良(又は代替)微生物野生型リパーゼに関する。そのため、本明細書中に開示されたリパーゼは、天然にリパーゼを産生する微生物に由来してもよい。この場合、前記リパーゼは、野生型リパーゼである。
【0078】
本明細書中に開示された微生物リパーゼ(配列番号1~11)は、現在市場で入手可能な微生物リパーゼを置き換えるのに使用されてもよい。
【実施例
【0079】
実施例1-クローニングと発現
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするヌクレオチド配列を、ピキア・パストリスなどの発現宿主の標的遺伝子座に組み込んだ。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするコドン最適化遺伝子を使用しても又は使用しなくてもよい。配列番号1をコードするヌクレオチド配列は、例えば、配列番号12若しくは配列番号23である。配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするヌクレオチド配列は、例えば、それぞれ、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21若しくは配列番号22であり得る。
【0080】
ある実施形態において、ピキア・パストリスを、サッカロミセス種の群、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロマイセス種の群、カンジダ種の群、カンジダ・シリンドラッセ、クルイベロマイセス種の群、フザリウム種の群、フザリウム・オキシスポリウム、アスペルギルス種の群、アスペルギルス・オリゼ若しくはアスペルギルス・ニガー、トリコデルマ種の群、エシェリキア・コリ若しくはバチルス種の群、バチルス・ズブチリス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカロフィルス、バチルス・アミロリキファシエンス、バチルス・コアグランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ラウタス、バチルス・メガテリウム、バチルス・チューリンゲンシス、ストレプトマイセス種の群、ストレプトマイセス・リビダンス若しくはストレプトマイセス・ムリヌス、コリネバクテリウム種の群、好ましくはアスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガー、又はバチルス・サブチリスで置き換えてもよい。
【0081】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするヌクレオチド配列はまた、従来のクローニング及び発現ベクターにクローン化してもよい。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするコドン最適化遺伝子を使用しても又は使用しなくてもよい。配列番号1をコードするヌクレオチド配列は、例えば、配列番号12若しくは配列番号23であってもよい。配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11をコードするヌクレオチド配列は、例えば、それぞれ、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21若しくは配列番号22であり得る。
【0082】
遺伝子組み換えクローニング及び発現ベクターを、当業者に知られているか又は文献(例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory manual, 2nd edition, books 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press)で説明された標準的な形質転換又はトランスフェクションプロトコールを使用して、遺伝子組み換え宿主細胞などの宿主細胞内にさらに導入してもよい。
【0083】
本明細書中に開示された微生物リパーゼ(配列番号1~11)を、次のようにして独立に発現させた。ピキア・パストリスを、リパーゼ発現のための宿主として使用した。ピキア・パストリスを、30℃にて16時間にわたり選択した条件(100μg/mLのZeocin)下、YPD寒天平板(Invitrogen)上で培養した。それぞれのYPD寒天平板からの単一コロニーを用いた、100μg/mLのZeocinを含む3mLのYPD液体培地(Invitrogen)に接種し、それに続いて、30℃、250rpmの振盪にて16時間にわたりインキュベートして、種発酵を実施した。0.2のOD600まで、100μg/mLのZeocinを含むBMGY培地(Invitrogen)を用いて種発酵を希釈することによって、主発酵を4mLの全容積で実施し、続いて24ウェル培養プレート内で30℃及び225rpmの振盪にて3日間にわたりインキュベートを実施した。主発酵サンプルを、遠心分離して、発現宿主細胞を沈殿させ、そして、上清を0.2μmにて滅菌濾過した。その濾液を、更なる処理なしにリパーゼ酵素活性特性評価にそのまま使用した。活性を、例えば、以下の実施例2で記載するように又はIDF法によって、トリブチリン/アガロース乳濁液で測定した。特に、IDF法を、実施例3~6の投与のために使用した。
【0084】
実施例2-トリアシルグリセロール(TAG)基質に対する酵素活性
96ウェルプレートアッセイにおいて、短鎖脂肪酸(C4、基質トリブチリン)、並びに長鎖脂肪酸(C16とC18、基質オリーブ油)に対する本明細書中に開示したそれぞれの微生物リパーゼ(配列番号1~11)の酵素活性を、次のようにして以下で実施した。(96ウェルプレートアッセイにおける、短鎖脂肪酸(C4、基質トリブチリン)と長鎖脂肪酸(C16とC18、基質オリーブ油)に対する酵素活性を測定する)同じ手順をまた、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucour miehei)由来の市販の微生物リパーゼ(Novozymes A/Sから入手可能なPalatase(登録商標)、Palatase(登録商標)20000 L、≧20,000 U/g)に関しても実施した。リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucour miehei)由来の市販の微生物リパーゼを、本明細書中では市販の微生物リパーゼAと表示する。
【0085】
平板培養における短鎖脂肪酸に対する酵素活性:トリブチリン/アガロース乳濁液を、1.4%の低融点アガロースの、40mMのCaCl2を含む250mMの酢酸ナトリウムバッファーpH5.25での溶解、60℃にて可溶化したアガロースへの1%(v/v)のトリブチリンの添加、そしてその後のスピード13.5にてIKA T25 Ultra-Turrax乳化剤を使用した2分間にわたる乳化、によって作製した。50μLの全容積の乳濁液を、透明な96ウェルアッセイプレートの各ウェルに移し、そして、室温にて固形化させた。リパーゼ反応を、乳濁液上に20μLの酵素を積層することによって開始したが、ここで、20μLの酵素は、実施例1から得た20μLの濾液に対応した。基質トリブチリンの酵素的な加水分解による乳濁液の混濁度のクリアランスに続いて、プレートリーダーにより600nmにて吸光度を測定した。各アッセイを、既知の酵素活性を有する市販の微生物リパーゼAの様々な希釈を用いて較正した。
【0086】
平板培養における長鎖脂肪酸に対する酵素活性:オリーブ油/アガロース乳濁液を、1.4%の低融点アガロースの、40mMのCaCl2を含む250mMの酢酸ナトリウムバッファーpH5.25での溶解、60℃にて可溶化したアガロースへの2.5%(v/v)のオリーブ油及び0.001%のローダミンB(w/v)の添加、そしてその後のスピード13.5にてIKA T25 Ultra-Turrax乳化剤を使用した2分間にわたる乳化、によって作製した。150μLの全容積の乳濁液を、非透過の黒色96ウェルアッセイプレートの各ウェルに移し、そして、室温にて固形化させた。リパーゼ反応を、乳濁液上に30μLの酵素を積層することによって開始したが、ここで、30μLの酵素は、実施例1から得た30μLの濾液に対応した。基質オリーブ油の酵素的な加水分解によって放出された長鎖脂肪酸のローダミンBへの結合に続いて、プレートリーダーにより355nmの励起と590nmの発光にて蛍光を測定した。各アッセイを、既知の酵素活性を有する市販の微生物リパーゼAの様々な希釈を用いて較正した。
【0087】
短鎖脂肪酸特異性C4/C16~C18を、基質トリブチリン(C4)とオリーブ油(C16~C18)に対する加水分解活性の比を計算することによって、本明細書中に開示した各微生物リパーゼに関して測定した。
【0088】
それぞれのリパーゼ(配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、及び/又は配列番号11)の比C4/C16~C18を、使用した微生物の市販リパーゼ(A)の比C4/C16~C18に対して正規化する。表1は、本明細書中に開示した微生物リパーゼ(配列番号1~11)が、市販の微生物リパーゼAと比較した場合、短鎖脂肪酸酪酸(C4)に対してより高い特異性を有し、特に本明細書中に開示される微生物リパーゼ(配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び/又は配列番号11)が、市販の微生物リパーゼAと比べて、2~770倍高いC4-脂肪酸特異性であることを示す。
【0089】
表1. TAG基質トリブチリン及びオリーブ油を用いて決定した、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11を有するリパーゼ及び市販の微生物リパーゼA、並びにそれぞれの改善要因(IF4)の短鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18)。
【0090】
【表1】
【0091】
実施例3-クリームにおける酵素活性
本明細書中に開示したリパーゼ(配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11)を、乳脂肪に対するそれらの酵素活性に関して分析し、そして、放出された遊離脂肪酸を定量化した(表2)。同じ手順を、Novozymes A/Sから入手可能なリゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucour miehei)(Palatase(登録商標))由来の市販の微生物リパーゼ(市販の微生物リパーゼA)に関して実施した。
【0092】
クリーム中の乳脂肪に対するリパーゼ活性を、次のようにして実施した。新鮮なホイッピングクリーム(38%の脂質)と等量の水を、30分間撹拌することによって混合した。酵素反応を、1mLのクリーム/水混合物に(4000 LFU/Lの原液から)20μLのリパーゼを加えることによって開始し、そして、37℃にて20時間継続し、特に、この用量の酵素を、市販の微生物リパーゼAと配列番号1~11のリパーゼの両方に適用した。それに続いて、遊離脂肪酸を反応物から抽出し、そして、脂肪酸を定量化する当該技術分野の標準プロトコールを使用して、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC‐MS法)によって定量化した。或いは、Jong C., de and Badings H.T. in J. High Resolution Chromatography. 13, 84-98 (1990)の開示もまた使用できる。
【0093】
リパーゼ反応の得られた脂肪酸量は、添加リパーゼなしの類似クリームサンプルについて測定したそれぞれの量に対して補正した。
【0094】
それに続いて、市販の微生物リパーゼAと比較した、酪酸(C4:0)、カプロン酸(C6:0)、カプリル酸(C8:0)、カプリン酸(C10:0)、及びそれぞれの改善要因の特異性を、クリームにおける脂肪分解から得られたデータに基づいて決定した(表2)。短鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18;C6/C16~C18)を、C4:0又はC6:0のモル画分とC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2のモル画分の比について計算することによって得た。改善要因IF4及びIF6を、C4:0及びC6:0の特異性値を市販リパーゼAのそれぞれの値で割ることによって計算した。
中鎖脂肪酸特異性(C8/C16~C18;C10/C16~C18)を、C8:0又はC10:0のモル画分とC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2のモル画分の比について計算することによって得た。改善要因IF8及びIF10を、C8:0及びC10:0の特異性値を市販リパーゼAのそれぞれの値で割ることによって計算した。
【0095】
それぞれの脂肪分解性リパーゼのC4/C16~C18比を、それぞれの脂肪分解性リパーゼのC4:0をC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2の合計で割ることによって決定した。比C4/C16~C18は、鎖長C16~C18を有する脂肪酸の放出に対する、乳脂肪からの酪酸(C4)の放出に対するそれぞれのリパーゼの特異性を示唆している。
【0096】
それぞれの脂肪分解性リパーゼのC6/C16~C18比を、それぞれの脂肪分解性リパーゼのC6:0をC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2の合計で割ることによって決定した。比C6/C16~C18は、鎖長C16~C18を有する脂肪酸の放出に対する、乳脂肪からのカプロン酸(C6)の放出に対するそれぞれのリパーゼの特異性を示唆している。
【0097】
それぞれの脂肪分解性リパーゼのC8/C16~C18比を、それぞれの脂肪分解性リパーゼのC8:0をC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2の合計で割ることによって決定した。比C8/C16~C18は、鎖長C16~C18を有する脂肪酸の放出に対する、乳脂肪からのカプリル酸(C8)の放出に対するそれぞれのリパーゼの特異性を示唆している。
【0098】
それぞれの脂肪分解性リパーゼのC10/C16~C18比を、それぞれの脂肪分解性リパーゼのC10:0をC16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2の合計で割ることによって決定した。比C10/C16~C18は、鎖長C16~C18を有する脂肪酸の放出に対する、乳脂肪からのカプリン酸(C10)の放出に対するそれぞれのリパーゼの特異性を示唆している。
【0099】
表2. 市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び配列番号11によってクリーム中に放出される脂肪酸のモル分率
【0100】
【表2】
【0101】
表3. 市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び配列番号11によるクリーム中の短鎖及び中鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18、C6/C16~C18、C8/C16~C18、C10/C16~C18)及び改善要因(IF4、IF6、IF8、IF10)
【0102】
【表3】
【0103】
本明細書中に開示したすべての微生物脂肪分解酵素(配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び/又は配列番号11)が、クリームにおいて、1より高いIF4を示し、それらが、市販リパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸の酪酸(C4:0)に対しより高い特異性を有することを意味し(表3)、そのため、例えば、食品製品の石鹸感を軽減し、かつ、酪酸フレーバーを増強するためなど、短鎖脂肪酸の酪酸(C4:0)の存在が必要であり、かつ、所望される食品製品を製造するプロセスにおいて首尾よく使用できることを意味する。
【0104】
配列番号1~7及び配列番号9~11を有する微生物脂肪分解酵素は、クリームにおいて1より高いIF6を示し、それらが、市販リパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸のカプロン酸(C6:0)に対してより高い特異性を有することを意味する。
【0105】
配列番号1~6及び配列番号8~11を有する微生物脂肪分解酵素は、クリームにおいて1より高いIF8を示し、それらが、市販リパーゼAと比較して、中鎖脂肪酸のカプリル酸(C8:0)に対してより高い特異性を有することを意味する。
【0106】
配列番号1~3、配列番号6~8、及び配列番号10~11を有する微生物脂肪分解酵素は、クリームにおいて1より高いIF10を示し、それらが、市販リパーゼAと比較して、中鎖脂肪酸のカプリン酸(C10:0)に対してより高い特異性を有することを意味する。
【0107】
配列番号1を有する微生物脂肪分解酵素は、クリームにおいて、その他の脂肪酸に比べて、C4:0に対してより高い特異性を有する。同じことが、配列番号3又は配列番号9(表2)を有する微生物脂肪分解酵素にも当てはまる。
【0108】
実施例4-チーズにおける酵素活性
配列番号1を、チーズにおいて、特にフェタチーズとプロヴォローネチーズにおいてさらに試験した(表4)。実施例4を、酵素(市販の微生物リパーゼAと配列番号1)の同一用量を用いて、特に乳1リットルあたり約1.7 LFU/Lの酵素の用量をフェタチーズの製造のために使用し、そしてプロヴォローネチーズに関しては5~10xで使用して、実施した。用量をIDF法によって決定した。
【0109】
微生物リパーゼ配列番号1を、チーズ製造プロセス中に加えた。例えば、フェタチーズ又はプロヴォローネチーズの、チーズ製造プロセスは、当該技術分野及び当業者にとって周知である。それに続いて、遊離脂肪酸を、1カ月の熟成後にチーズから抽出し、そして、GC‐MS法によるか又は実施例3で開示したとおり、定量化した。得られたリパーゼ反応の脂肪酸量を、リパーゼの添加なしに類似チーズについて測定したそれぞれの量に対して補正した。短鎖脂肪酸特異性を、C4:0又はC6:0のモル画分と、C16:0、C18:0、C18:1、及びC18:2のモル画分との比について計算することによって得た。改善要因IF4とIF6を、C4:0又はC6:0の特異性値を市販リパーゼAのそれぞれの値で割ることによって計算した。
【0110】
表4. 1カ月の熟成後に、市販の微生物リパーゼAと配列番号1によってフェタチーズとプロヴォローネチーズ中に放出された脂肪酸のモル分率、並びに短鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18とC6/C16~C18)及び改善要因(IF4とIF6)
【0111】
【表4】
【0112】
配列番号1は、フェタチーズ及びプロヴォローネチーズにおいて、市販の微生物リパーゼAに比べて、C4:0-脂肪酸に対してより高い特異性を有し、かつ、フェタチーズとプロヴォローネチーズの両方で、その他の脂肪酸に比べて、C4:0-脂肪酸に対してより高い特異性を有し、そしてそれは、クリームで得られた結果(実施例3)と一致している。さらに、配列番号1はまた、フェタチーズとプロヴォローネチーズにおいて、市販の微生物リパーゼAに比べて、C6:0-脂肪酸に対してもより高い特異性を有し、そしてそれも、クリームで得られた結果(実施例3)と一致している。
【0113】
配列番号1はまた、フェタチーズで市販の微生物リパーゼAと比較したとき、C8:0、C10:0、C14:0、C16:0、C18:0、C18:1又はC18:2などの中~長鎖脂肪酸に対してより低い特異性も示す。さらに、配列番号1はまた、プロヴォローネチーズにおいて市販の微生物リパーゼAと比較したとき、C8:0、C10:0、C12:0、C14:0、C16:0、C18:0、C18:1又はC18:2などの中~長鎖脂肪酸に対してより低い特異性も示す。これらの結果は、クリームで得られた結果(実施例3)と一致している。よって、配列番号1を含む微生物リパーゼを使用して製造されたか、又はここで、該微生物リパーゼが配列番号1の微生物リパーゼであるチーズは、既知の微生物リパーゼを用いて製造されたチーズに比べて、石鹸臭が弱く、かつ、酪酸臭が強い。同一の結果は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10及び/又は配列番号11についても予想される。
【0114】
同一の結果はまた、ペコリーノ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタール;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズ;プロセスチーズ、チーズ様製品、又は酵素処理チーズなどの青カビチーズなどの他のタイプのチーズについても予想される。
【0115】
本明細書中に開示した微生物リパーゼは、従来技術の微生物リパーゼとの比較において、C4-脂肪酸特異性の増強に関与し、これにより、チーズの低減された石鹸感と、チーズの酪酸フレーバーの増強につながる。
【0116】
実施例5-官能評価
チーズ、特に3カ月熟成させたフェタチーズ、の官能評価も1から(なし)~6(強烈)の等級により酪酸臭及び石鹸臭の官能パラメーターに従って風味を評定することによって実施した。フェタチーズを、市販A、配列番号1、配列番号3又は配列番号5を使用した同一条件を使用して製造した。使用した酵素(市販の微生物リパーゼA、配列番号1、配列番号3又は配列番号5)の量又は用量は、IDF法によって決定した1.7 LFU/L乳であった(表5)。
【0117】
表5. 市販の微生物リパーゼA、配列番号1、配列番号3及び配列番号5を使用して3カ月熟成させたフェタチーズを用いて実施した官能評価
【0118】
【表5】
【0119】
表5は、市販リパーゼAと比較したとき、配列番号1、3又は5を使用したときに3カ月熟成させたフェタチーズにおける石鹸感の低減を示し、さらにそれと同時に、酪酸フレーバーの増大を同じサンプルについて観察した。
【0120】
実施例6-チーズにおける酵素活性
配列番号1、2、3、6、8、10及び11を、チーズ、特にフェタチーズにおいてさらに試験した。実施例6を、酵素(市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、2、3、6、8、10及び11)の同一用量を用いて実施し、特に酵素用量は、フェタチーズの製造のための、IDF法で決定した、約2.3LFU/L乳であった。
【0121】
微生物リパーゼの配列番号1、2、3、6、8、10及び11を、チーズ製造プロセス中に個別に加えた。それに続いて、遊離脂肪酸を、1カ月(表6)及び2カ月(表8)の熟成後にチーズから抽出し、そして、GC‐MS法によるか又は実施例3で開示したとおり、定量化した。得られたリパーゼ反応の脂肪酸量を、リパーゼの添加なしに類似チーズについて測定したそれぞれの量に対して補正した。短~中鎖脂肪酸特異性を、C4:0、C6:0、C8:0又はC10:0のモル分率と、C16:0、C16:1、C18:0、C18:1、C18:2、及びC18:3のモル分率の合計との比について計算することによって得た(表7及び9)。改善要因IF4、IF6、IF8及びIF10を、C4:0、C6:0、C8:0又はC10:0の特異性値を市販リパーゼAのそれぞれの値で割ることによって計算した(表7及び9)。
【0122】
表6. 1カ月熟成後に、市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、2、3、6、10及び11によってフェタチーズ中に放出された脂肪酸のモル分率。すべてのリパーゼを2.3 LFU/Lにて投与した。
【0123】
【表6】
【0124】
表7. 1カ月熟成後の、市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、2、3、6、10及び11によるフェタチーズ中の短~中鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18、C6/C16~C18、C8/C16~C18、C10/C16~C18)及び改善要因(IF4、IF6、IF8、IF10)。すべてのリパーゼを2.3 LFU/Lにて投与した。
【0125】
【表7】
【0126】
すべての試験した微生物脂肪分解酵素が、1カ月の熟成後に、フェタチーズにおいて、1より高いIF4を示す。よって、試験した酵素は、市販のリパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸酪酸(C4:0)に対してより高い特異性を有し(表7)、そのため、例えば、食品製品の石鹸感を軽減し、かつ、酪酸フレーバーを増強するためなど、短鎖脂肪酸酪酸(C4:0)の存在が必要であり、かつ、所望される食品製品を製造するプロセスにおいて首尾よく使用できる。試験リパーゼに関する1より高いIFの、この観察は、データがクリームで得られた実施例3の結果と一致している。さらに、配列番号1について特に、この観察もまた実施例4の結果と一致する。
【0127】
さらに、これらの酵素は、1カ月の熟成後に、フェタチーズにおいて、1より高いIF6、IF8及びIF10を示し、そして、それらは、1を下回るIF10を有する配列番号2を除いて、市販リパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸のカプロン酸(C6:0)と中鎖脂肪酸のカプリル酸(C8:0)とカプリン酸(C10:0)に対するより高い特異性を有することを意味する。これらの配列(配列番号1、2、3、6、10及び11)に関して得られた結果と、C6:0-脂肪酸、C8:0-脂肪酸及びC10:0-脂肪酸に対するそれらの特異性は、クリームにおいて得られた結果と実質的に一致する(実施例3)。
【0128】
結論として、1カ月の熟成後に、チーズにおいて得られた結果(実施例4及び6)は、クリームにおいて得られた結果と一致し(実施例3)、そして、クリームで得られた結果は、クリームからチーズへの非試験配列の挙動をもっともらしく推定するのに使用できることを示す。
【0129】
表8. 2カ月の熟成後に、市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、2、3、6、8、10及び11によってフェタチーズ中に放出された脂肪酸のモル分率。すべてのリパーゼを2.3 LFU/Lにて投与した。
【0130】
【表8】
【0131】
表9. 2カ月熟成後の、市販の微生物リパーゼA、並びに配列番号1、2、3、6、8、10及び11によるフェタチーズ中の短~中鎖脂肪酸特異性(C4/C16~C18、C6/C16~C18、C8/C16~C18、C10/C16~C18)及び改善要因(IF4、IF6、IF8、IF10)。すべてのリパーゼを2.3 LFU/Lにて投与した。
【0132】
【表9】
【0133】
すべての試験した微生物脂肪分解酵素が、2カ月の熟成後に、フェタチーズにおいて、1より高いIF4を示す。よって、試験した酵素は、市販のリパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸酪酸(C4:0)に対してより高い特異性を有し(表7)、そのため、例えば、食品製品の石鹸感を軽減し、かつ、酪酸フレーバーを増強するためなど、短鎖脂肪酸酪酸(C4:0)の存在が必要であり、かつ、所望される食品製品を製造するプロセスにおいて首尾よく使用できる。
【0134】
配列番号1、2、3、6、8、10及び11を有する微生物脂肪分解酵素は、1より高いIF6及びIF8を示し、それらが、市販リパーゼAと比較して、短鎖脂肪酸のカプロン酸(C6:0)と中鎖脂肪酸のカプリル酸(C8:0)に対してより高い特異性を有することを意味する。
【0135】
配列番号3を除いて、試験した酵素もまた、1より高いIF10を示し、そのため、市販リパーゼAと比較して、中鎖脂肪酸のカプリン酸(C10:0)に対してより高い特異性を有する。
さらに、及び先に言及したとおり、本願発明は、フレーバー向上に関するが、熟成チーズの熟成期間の短縮も伴う。1カ月又は2カ月の熟成後の遊離脂肪酸プロファイル間の比較は、チーズが所望の短鎖脂肪酸プロファイルを示しながら、熟成期間を2カ月(超)から1カ月(未満)に首尾よく短縮することが可能であることを示す。
【0136】
実施例6で開示したものと同一の結果をまた、例えばペコリーノ、パルメザン、グラーナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ロマーノ、チェスター、ダンボ、マンチェゴ、セイント・ポーリン、チェダー、モントレー、コルビー、エダム、ゴーダ、ミュエンスター、スイスタイプ、グリュイエール、エメンタール;モッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;リコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;クリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズ;プロセスチーズ、チーズ様製品、又は酵素処理チーズなどの他のタイプのチーズについても予想される。
【0137】
結論として、本発明は、既知の従来技術の微生物リパーゼと比べて、短鎖脂肪酸、特にC4-脂肪酸に対してより高い特異性を有し、そして、チーズなどの食品製品の石鹸感の低減と酪酸フレーバーの増強につながる、微生物野生型リパーゼを開示する。そのため、本願発明は、ベジタリアン及び/又はコーシャー要件を満足させる一方で、同時に、乳脂肪及び/又は他の脂質からの短鎖脂肪酸、特に、C4-脂肪酸に対するより高い特異性を示し、かつ、中~長鎖脂肪酸に対してより低い特異性を示し、特に、乳脂肪及び/又は他の脂質からの中~長鎖脂肪酸に対するより低い特異性を示し、その結果、チーズ様の、食品製品における非常に不快な石鹸風味を回避する、微生物野生型リパーゼを提供する。
【0138】
本発明は、他の種類の食品製品(その目的が前記食品製品の不快な石鹸風味を軽減することである)に適用できる。
最後に、必要であれば、食品製品の熟成期間は、特にフェタチーズにおいて、2カ月から1カ月に短縮でき、それと同時に、適切かつ所望の短鎖脂肪酸プロファイルを維持したままである。
【0139】
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲において)用語「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示対象の使用は、特別にことわらない限り、又は文脈によって明らかに矛盾する場合、単数及び複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。「含む」、「有する」、「挙げられる」及び「含有する」という用語は、特に断りのない限り、制限のない用語(すなわち、「これだけに限定されるものではないが、挙げられる」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各個別の値を個別に参照する簡略法として役立つことを意図し、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の言語は、本発明の実施に必須である請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0140】
請求項形式での好ましい実施形態の一覧
【0141】
1.
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも90%の同一性を有するか、又は
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1、と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有する、
アミノ酸配列を含むか、或いは
ここで、該配列が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11、好ましくは配列番号1、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11、より好ましくは配列番号1、配列番号3若しくは配列番号11、より一層好ましくは配列番号1である、
リパーゼ。
【0142】
2.
前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目1に記載のリパーゼ。
【0143】
3.
前記リパーゼが、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目1~2のいずれか一項に記載のリパーゼ。
【0144】
4.
前記リパーゼが、pH7未満、好ましくは6.6~6.8にて、pH6未満にて、好ましくは3.8~5.6のpHにて、より好ましくは4.4~5.4のpHにて、より一層好ましくは4.6~5.2のpHにて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目1~3のいずれか一項に記載のリパーゼ。
【0145】
5.
前記リパーゼが、20℃未満、好ましくは15℃未満に、より好ましくは10℃未満、より一層好ましくは5~8℃の温度にて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のリパーゼ。
【0146】
6.
前記リパーゼが、微生物リパーゼ、好ましくは単離微生物リパーゼ、遺伝子組み換え微生物リパーゼ又は合成微生物リパーゼである、項目1~5のいずれか一項に記載のリパーゼ。
【0147】
7.
項目1~6のいずれか一項に記載のリパーゼをコードする単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列であって、好ましくはここで、該単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNAが、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列から選択される、単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列。
【0148】
8.
シグナルペプチド配列をさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載のDNA配列。
【0149】
9.
項目7~8のいずれか一項に記載の単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列を含むベクター。
【0150】
10.
項目1~8のいずれか一項に記載の配列又は項目9に記載のベクターのいずれかを含む、宿主細胞、好ましくは遺伝子組み換え宿主細胞。
【0151】
11.
前記宿主細胞が、ピキア・パストリス、アスペルギルス若しくはバチルス・サブチリス、好ましくはピキア・パストリス又はB.ズブチリス、より好ましくはピキア・パストリスから選択される項目1~10のいずれか一項に記載の宿主細胞。
【0152】
12.
食品製品を調製する方法であって、以下のステップ:
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むリパーゼを使用するか、又は
リパーゼをコードするDNA配列を使用すること、
を含み、ここで、該DNA配列は、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する、好ましくは、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号20、配列番号22若しくは配列番号23と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列から選択され;好ましくは、該DNA配列が、単離DNA配列、遺伝子組み換えDNA配列又は合成DNA配列であり、より好ましくはここで、該DNA配列がシグナルペプチド配列を含む、方法。
【0153】
13.
前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目12に記載の方法。
【0154】
14.
前記リパーゼが、pH7未満、好ましくは6.6~6.8にて、pH6未満にて、好ましくは3.8~5.6のpHにて、より好ましくは4.4~5.4のpHにて、より一層好ましくは4.6~5.2のpHにて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目12~13のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
15.
前記リパーゼが、20℃未満、好ましくは15℃未満に、より好ましくは10℃未満、より一層好ましくは5~8℃の温度にて、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、或いはC6-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:3-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目12~14のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
16.
前記リパーゼが、微生物リパーゼ、好ましくは単離微生物リパーゼ、遺伝子組み換え微生物リパーゼ又は合成微生物リパーゼである、項目12~15のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
17.
前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、チーズ様製品、酵素処理チーズ、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される乳製品である、項目12~16のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
18.
前記乳製品がチーズであり、好ましくはここで、該チーズが、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズである、項目12~17のいずれか一項に記載の方法。
【0159】
19.
前記食品製品が、代替乳製品、好ましくは代替乳チーズ又はビーガンチーズであり、好ましくはここで、前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、植物性油脂などの脂質を含む組成物又は油中水型乳濁液からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、項目12に記載の方法。
【0160】
20.
リパーゼを含む食品製品であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、並びに
ここで、該食品製品が、C10-脂肪酸と比べて、又はC6-脂肪酸、C8-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC4-脂肪酸を含み、及び/又は
ここで、該食品製品が、C10-脂肪酸と比べて、又はC8-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸若しくはC18:3-脂肪酸から選択されるその他の脂肪酸と比べて、より多くのC6-脂肪酸を含む、食品製品。
【0161】
21.
前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、チーズ様製品、又はバター、ヨーグルト、クリーム、シーズニングから選択される乳製品であり、好ましくはここで、該チーズが、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、より好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズであるか、又は
食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である、項目20に記載の食品製品。
【0162】
22.
食品製品を製造するためのリパーゼの使用であって、ここで、前記食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、酵素処理チーズ(EMC)、チーズ様製品、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される乳製品であり、好ましくは、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズなどのチーズを製造するためのもの;より好ましくは該チーズが、フェタチーズ又はプロヴォローネチーズであるか、或いは
ここで、該食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品であり;及び
ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、アミノ酸配列を含む、リパーゼの使用。
【0163】
23.
より多くのC8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、乳脂肪及び/又は他の脂質、例えば植物性油脂など、を含む乳組成物から、より多くのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、好ましくはここで、前記リパーゼが、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、リパーゼの使用。
【0164】
24.
食品製品中でより多くのC8-脂肪酸、C10-脂肪酸、C12-脂肪酸、C14-脂肪酸、C16-脂肪酸、C18:0-脂肪酸、C18:1-脂肪酸、C18:2-脂肪酸、又はC18:3-脂肪酸を製造又は放出するためのものと比べて、食品製品中でより多くのC4-脂肪酸及び/又はC6-脂肪酸を製造又は放出するためのリパーゼの使用であって、ここで、該リパーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
好ましくはここで、該食品製品が、チーズ、プロセスチーズ、酵素処理チーズ、チーズ様製品、バター、ヨーグルト、クリーム、又はシーズニングから選択される乳製品であるか、或いは
好ましくはここで、該食品製品が、代替乳チーズ又はビーガンチーズなどの代替乳製品である、リパーゼの使用。
【0165】
25.
前記食品製品が、チーズから選択される乳製品であり、かつ、ここで、該チーズが、フェタチーズ、プロヴォローネチーズ、ペコリーノチーズ、パルメザンチーズ、グラーナ・パダーノチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、ロマーノチーズ、チェスターチーズ、ダンボチーズ、マンチェゴチーズ、セイント・ポーリンチーズ、チェダーチーズ、モントレーチーズ、コルビーチーズ、エダムチーズ、ゴーダチーズ、ミュエンスターチーズ、スイスタイプチーズ、グリュイエールチーズ、若しくはエメンタールチーズ;又はモッツァレラやケソ・フレスコチーズなどのパスタフィラータチーズ;又はリコッタ、クリームチーズ、ヌシャテル若しくはカッテージチーズなどのフレッシュチーズ;又はクリームチーズ、又はブリーやカマンベールチーズなどの白カビチーズ、又はゴルゴンゾラやデンマークブルーチーズなどの青カビチーズであり、好ましくはフェタチーズ又はプロヴォローネチーズである、項目24に記載の使用。
【0166】
26.
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有する、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号9若しくは配列番号11と少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の同一性を有するアミノ酸配列から成るリパーゼであって;
ここで、該リパーゼが、ピキア・パストリスにおいて発現され、かつ、C10-脂肪酸の放出と比較した場合、C8-脂肪酸の放出と比較した場合、C6-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C16-脂肪酸の放出と比較した場合、若しくはC8-脂肪酸~C18:2-脂肪酸の放出と比較した場合、C10-脂肪酸~C18:1-脂肪酸の放出と比較した場合、C12-脂肪酸~C18:0-脂肪酸の放出と比較した場合、C14-脂肪酸~C16:0-脂肪酸の放出と比較した場合、又はC16~C18-脂肪酸の放出と比較した場合、乳脂肪及び/又は他の脂肪を含む乳組成物からのC4-脂肪酸の放出に対してより高い特異性を有する、リパーゼ。
【0167】
27.
前記リパーゼが、本明細書中に開示した方法又は使用のいずれかで使用される、項目26に記載のリパーゼ。
【0168】
参考文献
非特許文献
Iwai, M. et al. Studies on Lipase II. Hydrolytic and esterifying actions of crystalline lipase of Aspergillus niger. J. Gen. Appl. Microbiol. 10, 13-22 (1964)
Oi, S. et al. Purification and Some Properties of a Fungal Lipase Preparation Used for Milk Flavouring. Agr. Biol. Chem. 33, 729-38 (1969)
Somkuti, G.A. et al. Lipase Activity of Mucor pusillus. Appl. Microbiol. 16, 617-19 (1968)
Kamoun, J. et al. Biochemical characterization of Yarrowia lipolytica LIP8, a secreted lipase with a cleavable C-terminal region. Biochim. Biophys. Acta 1851, 129-140 (2015)
Aloulou, A. et al. Purification and biochemical characterization of the LIP2 lipase from Yarrowia lipolytica. Biochim. Biophys. Acta - Mol. Cell Biol. Lipids 1771, 228-237 (2007)
Sheng, J., Wang, F., Wang, H. & Sun, M. Cloning, characterization and expression of a novel lipase gene from marine psychrotrophic Yarrowia lipolytica. Ann. Microbiol. 62, 1071-1077 (2012)
J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory manual, 2nd edition, books 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press
Jong C., de and Badings H.T. Determination of free fatty acids in milk and cheese procedures for extraction, clean up, and capillary gas chromatographic analysis J. High Resolution Chromatography, 13, 84-98 (1990)
特許文献
US 4726954; US4636468; US2005059130; EP2290059; EP3081644; EP2254996; EP1776455
【0169】
配列表
>配列番号1
MVLSTVIGEWFSRVLFGTVAPSPLTATAPISQDFYDTALTFSHLSNVAYCINTPLESLKSDFSCGVACSHFPNMELVEEFGGEFFETSITGFLSIDHVKKEKYVVYRGTYDIGDVYTDIQLSQSPFLVTPSALGSTANLCEGCTIHDGWNKAYNETMGIIGDKLADHVNSNPDYRLVVTGHSLGAAIAVLSATSLKVNGQDPYLYTYGQPRIGNANFANFVSKQWFGEGDGLSMDSDRRYFRLTHWNDLFVGFPAFKDYVHSVGEIYIDYFTVQPPLNKVFSCAGPESMSCYRKDFNALARLDIVKNHLAYFDWISLCTLNIGRRDLERGRKFEGTWLYGGLANGSTIF

>配列番号2
AVLQKRVYTSTETSHIDQESYNFFEKYARLANIGYCVGPGTKIFKPFNCGLQCAHFPNVELIEEFHDPRLIFDVSGYLAVDHASKQIYLVIRGTHSLEDVITDIRIMQAPLTNFDLAANISSTATCDDCLVHNGFIQSYNNTYNQIGPKLDSVIEQYPDYQIAVTGHSLGGAAALLFGINLKVNDHDPLVVTLGQPIVGNAGFANWVDKLFFGQENPDVSKVSKDRKLYRITHRGDIVPQVPFWDGYQHCSGEVFIDWPLIHPPLSNVVMCQGQSNKQCSAGNTLLQQVNVIGNHLQYFVTEGVCGI

> 配列番号3
QTAPITQETYDFVLKYGWLSNVAYCVRAPGPFALQSDFTCGNSCAHFPDVTLDYQFGGNFFSTSVTGFLAHDHTKKEKYIVFRGTFSIADAITDIQTIQQPYMTSIPPLNTTDINSTNPSASINCPGCQVHDGFQKAYRETMVNVQDRLVDFLGNNTDYKLIVTGHSLGAVTALFMGINLKNLGYDPTLINYGQPRLGNKAFADYVDALFFKQGDDGLTINPERRMYRVTHWNDFFVGWPAGYSHTLGEVYISDPTGINAPIEDVYSCAGPENNQCHHGSFNLLERLNILKNHCGYLNWIFYCAINVDKREMMIDPPRVGKRVEHWSGKFSDVESTEGLMYEAIYPM

> 配列番号4
APAPAPMQRRDISSTVLDNIDLFAQYSAAAYCSSNIESTGTTLTCDVGNCPLVEAAGATTIDEFDDSSSYGDPTGFIAVDPTNELIVLSFRGSSDLSNWIADLDFGLTSVSSICDGCEMHKGFYEAWEVIADTITSKVEAAVSSYPDYTLVFTGHSYGAALAAVAATVLRNAGYTLDLYNFGQPRIGNLALADYITDQNMGSNYRVTHTDDIVPKLPPELLGYHHFSPEYWITSGNDVTVTTSDVTEVVGVDSTAGNDGTLLDSTTAHRWYTIYISECS

> 配列番号5
VPMLQSRATSDPAEWTELHRAAQLSSAAYTGCTGSAFDVTITKQINELVTDTQGFIGYSTEKKRITVAMRGSTSATDIANDVDTTLVEPTLSGVNFPSGAKMMHGIYSPWSSVHDDVISEVKSLVEQYPDYTIESTGHSLGGSLTYISYIALAQNFPGKTIISNALAAYPIGNEAFANFGASQNGTLNRGNNADDGVPNMYVMWPWDFVHYGTEYYSSGTQASTVKCSGERDTSCSAGNGQVGVTAGHFSNFGIAMGMAGC

> 配列番号6
APASNDATIADVSSTFTLPPIIKDRVAFSNDIADTDYFNLTKRASETVGGNTMDLPSNAPALPAVPKAGDVVIATAAQIAEYKKYAALASTAYCRSVVPLNLWTCVNCLRFAPDGKLIKTFSSVISDTNGFVLRSDAQKTIYVVFRGTNSIRSAITDLVFTLISYPPVSGARVHTGFYASYQAVVSDYFPVVQSQLTSYPSYKVVVTGHSLGGAHALLAGMDLYQREKRLTASNLFIHTAGCPRVGNPTFANYVASTGITFTRSVNQRDIVPHVPPTYAGYLHPGVEVWARTSSTVQICTSNTESNMCSNSIEPFTSFTDHLSYYGITEGVCI

> 配列番号7
SPVQLARRAISSELLERFTLFSQFATLSACDQNINHTGQSLTCDYGTCGLVAADNTTVINAFHSDNGPTGYIALDHTRQLIVLTFRGTVSKSDGDTDLDIVLTSIDDVCTGCKAHHGFWVYWSAVASQATTQLQDATSAYPSYRLSVVGHSLGGGIAALAGTVLRTQGFTLDIWTFGGPKPGNLKLAEFITNQQPPNSIYRATHTTDPIPKVPLNLPFLDWSQPSPEYWITQETGVQVTTDGVEYIEGINSKAGNAGSDRDLRWPNPEHGWYFGNMSVCASPSDASS

> 配列番号8
APSQLVPRAVSSGTLDQLTLFAQYSAASYCANNVNSPGDAITCSGGYCPKLQSAGVKSLFEFDDSTEFGDVAGFLSVDTANKLLVLSFRGSRTISNWIANLDFGQADASSLCIGCKAHSGFLKAWTVVSDDVMPPLVSAMAKYPGFRLVLTGHSFGGAVAALGATALRKAGYKLDLYTYGQPRVGNTALATYMTNQGSMYRVTHSNDIVPKLPPPLLGYTHASPEYWITSGDNVAVTTKDITQVNGIGSKDGNAGSNGDSIPAHNWYIVNIDGCK

> 配列番号9
APQKRSVSSTVLAQLSRYAQWSAAAYCSGNTSGANQVVSCSANNCPDVQASGATMLYEFDSTNTYGDAAGFLAADTTQQQIILSFRGSRTTSNWIANLDTELTSSTLCSGCEVHQGFWLDYQTVAATLKAQIDAALNTYPGYSLVVTGHSLGGALAMLAGLDLNSQGYAPTIYTYGQPRVGNLALAQYITNVGNQWRVTHADDAVPKLPPRLFGFSHASPEYWITSGDNVAVTTGDVTVVTGVNSLGGNDGTLTASVSAHNWYLVDIDACK

> 配列番号10
APALPLEVRDSGVSQAVYDDLVVYAKYSSAVYQPFCPRPLGSWMIKAFDTKGTQGFVARDDARKEIIVAFRGSFEIVDILIDIQIILTPLSTPGVSNVGSARVHTGFQKAYNFVIDEVQSLMKSQIDAYPSYKLVVTGHSLGGAVATFAALALKSKYPSKSLRLFTYGAPRVGDAAFASLVESRLGINNIYRGVHTWDGVPTLLGRWLGYRHYGTEYWQHKDPSKPENVRKCNGGEDTSCSNSIISTGINPPHAFQFGQVMAINPLLCF

>配列番号11
MVSFGARIKDFFSVLLFGAASTSSSTKTALVSQGFYDAALDFSHLSNIAYCVNAPITPLKSDFSCGQSCVHFPDIELVHIFGGDFFSTSITGYLALDHVKKEKYVVFRGTFSIADAITDIQFQQSSFLVNVPALNTFTANDTAPEAQIDCKQCKIHDGFSKAFTETWHNIGDLLEQHLDSYPDYQLYVTGHSLGAAMALLGATSIKLRGYDPILINYGQPRVGNKAFADYISALWFGNGDGLEINQQRRLYRMTHWNDVFVGLPNWDGYTHSNGEVYIKGKYVNPPLKDVFSCAGGENSKCYRSEFNLLAQINLLQNHLCYIDYIGFCALNVGRRELNDLPHYNGPYKYGHKTEEQFIAEGLELSN


>配列番号12
ATGGTTTTGTCTACTGTTATTGGTGAATGGTTCTCTAGAGTTTTGTTTGGTACTGTTGCTCCATCTCCTTTGACTGCTACTGCTCCAATCTCTCAAGATTTCTACGATACTGCTTTGACTTTTTCTCATTTGTCTAACGTTGCTTACTGTATCAACACTCCATTGGAATCTTTGAAGTCTGATTTCTCTTGTGGTGTTGCTTGTTCTCACTTTCCTAACATGGAGTTGGTTGAAGAGTTCGGTGGTGAATTTTTCGAGACTTCTATTACTGGTTTCTTGTCTATCGATCATGTTAAGAAAGAGAAGTACGTTGTTTACAGAGGTACTTACGATATCGGAGATGTTTACACTGATATCCAATTGTCTCAATCTCCATTCTTGGTTACTCCTTCTGCTTTGGGTTCTACTGCTAATTTGTGTGAAGGTTGTACTATTCACGATGGTTGGAACAAGGCTTATAATGAGACTATGGGTATTATTGGAGATAAATTGGCTGATCATGTTAACTCTAATCCTGATTACAGATTGGTTGTTACTGGTCACTCTTTGGGTGCTGCTATTGCTGTTTTGTCTGCTACTTCTTTGAAGGTTAACGGTCAAGATCCATACTTGTATACTTACGGTCAACCTAGAATCGGTAACGCTAACTTCGCTAACTTCGTTTCTAAGCAATGGTTTGGTGAAGGAGATGGTTTGTCTATGGATTCTGATAGAAGATACTTCAGATTGACTCATTGGAACGATTTGTTTGTTGGTTTCCCAGCTTTTAAGGATTACGTTCACTCTGTTGGTGAAATCTACATCGATTACTTCACTGTTCAACCACCTTTGAACAAGGTTTTCTCTTGTGCTGGTCCTGAGTCTATGTCTTGTTACAGAAAGGATTTCAACGCTTTGGCTAGATTGGATATCGTTAAAAATCATTTGGCTTACTTCGATTGGATTTCTTTGTGTACTTTGAACATTGGTAGAAGAGATTTGGAAAGAGGTAGAAAGTTTGAGGGTACTTGGTTGTATGGTGGTTTGGCTAATGGTTCTACTATTTTC

>配列番号13
GCTGTTTTGCAAAAGAGAGTTTACACTTCTACTGAAACTTCTCATATCGATCAAGAATCTTACAACTTTTTCGAGAAGTATGCTAGATTGGCTAATATTGGTTATTGTGTTGGTCCAGGTACTAAGATTTTTAAGCCTTTCAACTGTGGTTTGCAATGTGCTCATTTCCCAAACGTTGAATTGATCGAAGAGTTTCACGATCCTAGATTGATTTTCGATGTTTCTGGTTACTTGGCTGTTGATCATGCTTCTAAGCAAATCTACTTGGTTATTAGAGGTACTCACTCTTTGGAGGATGTTATCACTGATATCAGAATCATGCAAGCTCCATTGACTAACTTTGATTTGGCTGCTAATATTTCTTCTACTGCTACTTGTGATGATTGTTTGGTTCACAACGGTTTCATTCAATCTTACAACAACACTTACAATCAAATTGGTCCAAAGTTGGATTCTGTTATTGAGCAATACCCTGATTATCAAATTGCTGTTACTGGTCATTCTTTGGGTGGTGCTGCTGCTTTGTTGTTCGGTATTAACTTGAAGGTTAATGATCACGATCCATTGGTTGTTACTTTGGGTCAACCTATTGTTGGTAACGCTGGTTTCGCTAATTGGGTTGATAAGTTGTTTTTCGGTCAAGAAAACCCAGATGTTTCTAAGGTTTCTAAGGATAGAAAGTTGTACAGAATCACTCATAGAGGAGATATTGTTCCACAAGTTCCTTTTTGGGATGGTTATCAACATTGTTCTGGAGAGGTTTTCATTGATTGGCCTTTGATTCACCCACCTTTGTCTAATGTTGTTATGTGTCAAGGTCAATCTAACAAACAATGTTCTGCTGGTAACACTTTGTTGCAACAAGTTAACGTTATTGGTAATCACTTGCAATACTTCGTTACTGAAGGTGTTTGTGGTATT

>配列番号14
CAAACTGCTCCAATCACTCAAGAAACTTACGATTTCGTTTTGAAGTACGGTTGGTTGTCTAACGTTGCTTACTGTGTTAGAGCTCCAGGTCCTTTTGCTTTGCAATCTGATTTCACTTGTGGTAACTCTTGTGCTCATTTCCCTGATGTTACTTTGGATTACCAATTCGGTGGTAACTTTTTCTCTACTTCTGTTACTGGTTTCTTGGCTCACGATCACACTAAGAAAGAAAAGTACATCGTTTTTAGAGGTACTTTCTCTATCGCTGATGCTATTACTGATATCCAAACTATCCAACAACCATACATGACTTCTATTCCACCTTTGAACACTACTGATATCAACTCTACTAATCCATCTGCTTCTATTAATTGTCCTGGTTGTCAAGTTCACGATGGTTTTCAAAAAGCTTACAGAGAGACTATGGTTAACGTTCAAGATAGATTGGTTGATTTCTTGGGTAACAACACTGATTACAAGTTGATCGTTACTGGTCACTCTTTGGGTGCTGTTACTGCTTTGTTTATGGGTATTAACTTGAAAAATTTGGGTTACGATCCAACTTTGATTAACTATGGTCAACCTAGATTGGGTAATAAGGCTTTCGCTGATTACGTTGATGCTTTGTTTTTCAAACAAGGAGATGATGGTTTGACTATTAACCCAGAAAGAAGAATGTACAGAGTTACTCATTGGAACGATTTCTTTGTTGGTTGGCCTGCTGGTTACTCTCACACTTTGGGTGAAGTTTATATTTCTGACCCAACTGGTATTAACGCTCCTATTGAAGATGTTTACTCTTGTGCTGGTCCAGAGAACAATCAATGTCATCACGGTTCTTTTAATTTGTTGGAAAGATTGAACATCTTGAAGAATCATTGTGGTTACTTGAACTGGATTTTCTATTGTGCTATTAATGTTGATAAGAGAGAAATGATGATTGATCCACCTAGAGTTGGTAAAAGAGTTGAGCACTGGTCTGGTAAATTTTCTGATGTTGAATCTACTGAGGGTTTGATGTACGAGGCTATCTACCCTATG

>配列番号15
GCTCCAGCTCCTGCTCCAATGCAAAGAAGAGATATCTCTTCTACTGTTTTGGATAACATCGATTTGTTCGCTCAATACTCTGCTGCTGCTTATTGTTCTTCTAACATTGAATCTACTGGTACTACTTTGACTTGTGATGTTGGTAATTGTCCTTTGGTTGAAGCTGCTGGTGCTACTACTATCGATGAGTTCGATGATTCTTCTTCTTACGGAGATCCTACTGGTTTCATTGCTGTTGATCCAACTAACGAGTTGATTGTTTTGTCTTTTAGAGGTTCTTCTGATTTGTCTAATTGGATTGCTGATTTGGATTTCGGTTTGACTTCTGTTTCTTCTATTTGTGATGGTTGTGAAATGCATAAGGGTTTTTACGAAGCTTGGGAGGTTATTGCTGATACTATCACTTCTAAGGTTGAGGCTGCTGTTTCTTCTTACCCTGATTATACTTTGGTTTTCACTGGTCACTCTTATGGTGCTGCTTTGGCTGCTGTTGCTGCTACTGTTTTGAGAAATGCTGGTTACACTTTGGATTTGTATAACTTTGGTCAACCAAGAATTGGTAATTTGGCTTTGGCTGATTACATCACTGATCAAAACATGGGTTCTAACTACAGAGTTACTCATACTGATGATATTGTTCCTAAGTTGCCACCTGAATTGTTGGGTTACCATCACTTTTCTCCAGAGTATTGGATTACTTCTGGTAACGATGTTACTGTTACTACTTCTGATGTTACTGAAGTTGTTGGTGTTGATTCTACTGCTGGTAATGATGGTACTTTGTTGGATTCTACTACTGCTCACAGATGGTACACTATCTACATTTCTGAGTGTTCT

>配列番号16
GTTCCAATGTTGCAATCTAGAGCTACTTCTGATCCTGCTGAATGGACTGAGTTGCATAGAGCTGCTCAATTGTCTTCTGCTGCTTACACTGGTTGTACTGGTTCTGCTTTCGATGTTACTATCACTAAGCAAATTAACGAATTGGTTACTGATACTCAAGGTTTCATTGGTTACTCTACTGAGAAGAAAAGAATCACTGTTGCTATGAGAGGTTCTACTTCTGCTACTGATATTGCTAACGATGTTGATACTACTTTGGTTGAACCAACTTTGTCTGGTGTTAATTTTCCTTCTGGTGCTAAGATGATGCATGGTATCTACTCTCCATGGTCTTCTGTTCACGATGATGTTATCTCTGAGGTTAAGTCTTTGGTTGAGCAATACCCTGATTATACTATTGAATCTACTGGTCACTCTTTGGGTGGTTCTTTGACTTACATCTCTTACATCGCTTTGGCTCAAAACTTCCCAGGTAAAACTATCATCTCTAACGCTTTGGCTGCTTATCCTATTGGTAACGAGGCTTTTGCTAATTTCGGTGCTTCTCAAAACGGTACTTTGAATCGTGGTAACAATGCTGATGATGGTGTTCCAAATATGTACGTTATGTGGCCTTGGGATTTCGTTCATTACGGTACTGAATACTACTCTTCTGGTACTCAAGCTTCTACTGTTAAATGTTCTGGAGAGAGAGATACTTCTTGTTCTGCTGGTAACGGTCAAGTTGGTGTTACTGCTGGTCACTTTTCTAATTTCGGTATTGCTATGGGTATGGCTGGTTGT

>配列番号17
GCTCCTGCTTCTAATGATGCTACTATTGCTGATGTTTCTTCTACTTTCACTTTGCCACCTATTATTAAGGATAGAGTTGCTTTTTCTAACGATATCGCTGATACTGATTACTTCAACTTGACTAAGAGAGCTTCTGAAACTGTTGGTGGTAATACTATGGATTTGCCATCTAACGCTCCAGCTTTGCCTGCTGTTCCAAAGGCTGGAGATGTTGTTATTGCTACTGCTGCTCAAATTGCTGAGTACAAGAAATATGCTGCTTTGGCTTCTACTGCTTACTGTAGATCTGTTGTTCCTTTGAATTTGTGGACTTGTGTTAACTGTTTGAGATTTGCTCCAGATGGTAAATTGATTAAAACTTTCTCTTCTGTTATTTCTGATACTAACGGTTTCGTTTTGAGATCTGATGCTCAAAAGACTATCTACGTTGTTTTCAGAGGTACTAACTCTATCAGATCTGCTATCACTGATTTGGTTTTTACTTTGATCTCTTACCCACCTGTTTCTGGTGCTAGAGTTCATACTGGTTTCTACGCTTCTTATCAAGCTGTTGTTTCTGATTACTTTCCTGTTGTTCAATCTCAATTGACTTCTTACCCATCTTATAAGGTTGTTGTTACTGGTCATTCTTTGGGTGGTGCTCACGCTTTGTTGGCTGGTATGGATTTGTACCAAAGAGAAAAGAGATTGACTGCTTCTAATTTGTTTATTCACACTGCTGGTTGTCCTAGAGTTGGTAATCCAACTTTCGCTAACTACGTTGCTTCTACTGGTATCACTTTTACTAGATCTGTTAACCAAAGAGATATTGTTCCTCATGTTCCACCTACTTACGCTGGTTATTTGCACCCAGGTGTTGAAGTTTGGGCTAGAACTTCTTCTACTGTTCAAATCTGTACTTCTAACACTGAATCTAACATGTGTTCTAACTCTATCGAGCCTTTTACTTCTTTCACTGATCATTTGTCTTACTATGGTATTACTGAGGGTGTTTGTATT

>配列番号18
TCTCCAGTTCAATTGGCTAGAAGAGCTATTTCTTCTGAATTGTTGGAGAGATTCACTTTGTTCTCTCAATTTGCTACTTTGTCTGCTTGTGATCAAAACATCAACCATACTGGTCAATCTTTGACTTGTGATTACGGTACTTGTGGTTTGGTTGCTGCTGATAACACTACTGTTATTAATGCTTTCCATTCTGATAACGGTCCTACTGGTTATATTGCTTTGGATCACACTAGACAATTGATCGTTTTGACTTTTAGAGGTACTGTTTCTAAGTCTGATGGAGATACTGATTTGGATATCGTTTTGACTTCTATCGATGATGTTTGTACTGGTTGTAAAGCTCATCACGGTTTCTGGGTTTACTGGTCTGCTGTTGCTTCTCAAGCTACTACTCAATTGCAAGATGCTACTTCTGCTTACCCATCTTATAGATTGTCTGTTGTTGGTCATTCTTTGGGTGGTGGTATTGCTGCTTTGGCTGGTACTGTTTTGAGAACTCAAGGTTTCACTTTGGATATTTGGACTTTTGGTGGTCCAAAGCCTGGTAACTTGAAGTTGGCTGAATTCATTACTAACCAACAACCACCTAATTCTATCTACAGAGCTACTCACACTACTGATCCAATTCCTAAGGTTCCATTGAATTTGCCATTTTTGGATTGGTCTCAACCATCTCCTGAATACTGGATTACTCAAGAGACTGGTGTTCAAGTTACTACTGATGGTGTTGAATACATCGAGGGTATTAACTCTAAAGCTGGTAATGCTGGTTCTGATAGAGATTTGAGATGGCCAAACCCTGAGCACGGTTGGTATTTTGGTAATATGTCTGTTTGTGCTTCTCCTTCTGATGCTTCTTCT

>配列番号19
GCTCCTTCTCAATTGGTTCCAAGAGCTGTTTCTTCTGGTACTTTGGATCAATTGACTTTGTTTGCTCAATACTCTGCTGCTTCTTATTGTGCTAACAATGTTAACTCTCCTGGAGATGCTATTACTTGTTCTGGTGGTTACTGTCCAAAGTTGCAATCTGCTGGTGTTAAGTCTTTGTTCGAATTCGATGATTCTACTGAGTTTGGAGATGTTGCTGGTTTCTTGTCTGTTGATACTGCTAATAAGTTGTTGGTTTTGTCTTTTAGAGGTTCTAGAACTATCTCTAACTGGATCGCTAATTTGGATTTCGGTCAAGCTGATGCTTCTTCTTTGTGTATTGGTTGTAAGGCTCATTCTGGTTTCTTGAAAGCTTGGACTGTTGTTTCTGATGATGTTATGCCACCTTTGGTTTCTGCTATGGCTAAATACCCTGGTTTTAGATTGGTTTTGACTGGTCACTCTTTCGGTGGTGCTGTTGCTGCTTTGGGTGCTACTGCTTTGAGAAAGGCTGGTTACAAGTTGGATTTGTACACTTACGGTCAACCAAGAGTTGGTAACACTGCTTTGGCTACTTACATGACTAATCAAGGTTCTATGTACAGAGTTACTCATTCTAACGATATCGTTCCTAAGTTGCCACCTCCATTGTTGGGTTACACTCACGCTTCTCCAGAATATTGGATTACTTCTGGAGATAACGTTGCTGTTACTACTAAGGATATCACTCAAGTTAACGGTATCGGTTCTAAAGATGGTAACGCTGGTTCTAATGGAGATTCTATTCCTGCTCATAACTGGTATATTGTTAATATTGATGGTTGTAAA

>配列番号20
GCTCCACAAAAGAGATCTGTTTCTTCTACTGTTTTGGCTCAATTGTCTAGATACGCTCAATGGTCTGCTGCTGCTTATTGTTCTGGTAACACTTCTGGTGCTAATCAAGTTGTTTCTTGTTCTGCTAACAATTGTCCTGATGTTCAAGCTTCTGGTGCTACTATGTTGTACGAATTCGATTCTACTAACACTTACGGAGATGCTGCTGGTTTCTTGGCTGCTGATACTACTCAACAACAAATCATCTTGTCTTTTAGAGGTTCTAGAACTACTTCTAACTGGATTGCTAATTTGGATACTGAATTGACTTCTTCTACTTTGTGTTCTGGTTGTGAGGTTCATCAAGGTTTCTGGTTGGATTACCAAACTGTTGCTGCTACTTTGAAAGCTCAAATTGATGCTGCTTTGAATACTTACCCAGGTTATTCTTTGGTTGTTACTGGTCACTCTTTGGGTGGTGCTTTGGCTATGTTGGCTGGTTTGGATTTGAACTCTCAAGGTTACGCTCCAACTATCTACACTTATGGTCAACCTAGAGTTGGTAATTTGGCTTTGGCTCAATACATCACTAACGTTGGTAACCAATGGAGAGTTACTCATGCTGATGATGCTGTTCCAAAGTTGCCACCTAGATTGTTTGGTTTCTCTCACGCTTCTCCTGAGTACTGGATTACTTCTGGAGATAACGTTGCTGTTACTACTGGAGATGTTACTGTTGTTACTGGTGTTAACTCTTTGGGTGGTAATGATGGTACTTTGACTGCTTCTGTTTCTGCTCATAACTGGTATTTGGTTGATATCGATGCTTGTAAA

>配列番号21
GCTCCAGCTTTGCCTTTGGAAGTTAGAGATTCTGGTGTTTCTCAAGCTGTTTACGATGATTTGGTTGTTTACGCTAAGTATTCTTCTGCTGTTTATCAACCATTTTGTCCAAGACCTTTGGGTTCTTGGATGATTAAGGCTTTTGATACTAAAGGTACTCAAGGTTTCGTTGCTAGAGATGATGCTAGAAAGGAAATCATCGTTGCTTTTAGAGGTTCTTTCGAGATTGTTGATATCTTGATCGATATCCAAATCATCTTGACTCCATTGTCTACTCCTGGTGTTTCTAACGTTGGTTCTGCTAGAGTTCATACTGGTTTCCAAAAGGCTTACAACTTCGTTATCGATGAGGTTCAATCTTTGATGAAGTCTCAAATCGATGCTTACCCTTCTTACAAGTTGGTTGTTACTGGTCACTCTTTGGGTGGTGCTGTTGCTACTTTCGCTGCTTTGGCTTTGAAGTCTAAGTACCCATCTAAGTCTTTGAGATTGTTTACTTACGGTGCTCCTAGAGTTGGAGATGCTGCTTTCGCTTCTTTGGTTGAATCTAGATTGGGTATTAACAACATCTACAGAGGTGTTCATACTTGGGATGGTGTTCCAACTTTGTTGGGTAGATGGTTGGGTTACAGACATTATGGTACTGAGTATTGGCAACACAAGGATCCATCTAAACCTGAAAACGTTAGAAAGTGTAATGGTGGAGAGGATACTTCTTGTTCTAACTCTATCATCTCTACTGGTATTAATCCACCTCACGCTTTTCAATTCGGTCAAGTTATGGCTATTAACCCTTTGTTGTGTTTT

>配列番号22
ATGGTTTCTTTCGGTGCTAGAATTAAGGATTTCTTTTCTGTTTTGTTGTTTGGTGCTGCTTCTACTTCTTCTTCTACTAAAACTGCTTTGGTTTCTCAAGGTTTTTATGATGCTGCTTTGGATTTCTCTCATTTGTCTAACATCGCTTACTGTGTTAACGCTCCAATTACTCCTTTGAAGTCTGATTTTTCTTGTGGTCAATCTTGTGTTCATTTCCCAGATATTGAATTGGTTCACATTTTTGGTGGAGATTTCTTTTCTACTTCTATCACTGGTTATTTGGCTTTGGATCACGTTAAGAAAGAGAAGTACGTTGTTTTTAGAGGTACTTTCTCTATCGCTGATGCTATCACTGATATCCAATTCCAACAATCTTCTTTCTTGGTTAACGTTCCAGCTTTGAATACTTTCACTGCTAACGATACTGCTCCTGAAGCTCAAATCGATTGTAAGCAGTGTAAGATTCACGATGGTTTTTCTAAGGCTTTCACTGAAACTTGGCATAACATTGGAGATTTGTTGGAGCAACACTTGGATTCTTACCCAGATTATCAATTGTACGTTACTGGTCACTCTTTGGGTGCTGCTATGGCTTTGTTGGGTGCTACTTCTATTAAGTTGAGAGGTTACGATCCAATCTTGATTAATTACGGTCAACCTAGAGTTGGTAACAAAGCTTTCGCTGATTATATTTCTGCTTTGTGGTTTGGTAATGGAGATGGTTTGGAAATTAACCAACAAAGAAGATTGTACAGAATGACTCATTGGAACGATGTTTTCGTTGGTTTGCCTAACTGGGATGGTTACACTCACTCTAACGGAGAGGTTTACATCAAGGGTAAATACGTTAACCCACCTTTGAAGGATGTTTTCTCTTGTGCTGGTGGTGAAAACTCTAAGTGTTACAGATCTGAGTTTAATTTGTTGGCTCAAATTAACTTGTTGCAAAACCATTTGTGTTACATCGATTACATCGGTTTCTGTGCTTTGAACGTTGGTAGAAGAGAGTTGAATGATTTGCCACATTACAACGGTCCTTACAAGTATGGTCACAAAACTGAAGAGCAATTCATTGCTGAAGGTTTGGAGTTGTCTAAT

>配列番号23
ATGGTCCTGTCCACTGTTATCGGAGAATGGTTTTCAAGAGTTTTGTTTGGTACTGTCGCCCCATCACCACTCACCGCCACAGCCCCCATTTCTCAGGACTTCTACGATACCGCTCTCACGTTCTCTCACCTATCTAATGTTGCTTACTGTATCAACACCCCTCTTGAGTCCCTCAAGTCCGACTTTTCCTGCGGTGTCGCATGTTCTCACTTCCCAAACATGGAACTTGTTGAAGAGTTCGGTGGAGAATTTTTCGAAACTTCTATTACTGGTTTTCTATCTATCGACCATGTCAAAAAGGAAAAGTACGTTGTGTACAGAGGCACCTATGACATTGGTGACGTTTATACTGACATTCAATTAAGCCAATCCCCATTCTTGGTTACCCCTTCTGCCCTGGGTTCTACAGCAAATCTGTGTGAGGGTTGTACTATCCACGATGGTTGGAACAAAGCATACAACGAAACCATGGGTATTATCGGAGACAAGCTCGCTGACCACGTTAACTCCAACCCAGATTACAGATTGGTCGTAACTGGACATTCACTTGGTGCTGCTATTGCTGTACTATCTGCAACCTCTCTTAAGGTCAATGGCCAAGATCCTTACCTTTACACTTACGGTCAGCCTCGTATTGGTAATGCTAACTTCGCAAACTTTGTGAGTAAGCAATGGTTCGGTGAGGGTGACGGTCTATCTATGGACTCGGACAGACGTTATTTCAGACTGACTCACTGGAACGACCTCTTTGTTGGTTTCCCTGCTTTCAAGGACTACGTGCACTCTGTCGGAGAGATTTACATAGACTATTTCACCGTTCAACCACCACTCAACAAAGTTTTCTCTTGTGCTGGGCCTGAGTCTATGTCCTGTTACAGAAAGGACTTCAACGCCCTTGCTAGACTTGATATTGTGAAAAACCACCTAGCTTACTTCGATTGGATCTCTCTGTGCACCCTAAACATCGGCAGACGTGATCTGGAGAGGGGTAGAAAGTTCGAGGGTACTTGGCTCTACGGTGGACTGGCTAACGGATCCACTATCTTC
【配列表】
2023515570000001.app
【国際調査報告】