(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】アーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器{ARC EXTINGUISHING ASSEMBLY AND CIRCUIT BREAKER HAVING THEREOF}
(51)【国際特許分類】
H01H 9/44 20060101AFI20230406BHJP
H01H 73/18 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H01H9/44 Z
H01H73/18 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551650
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2021002495
(87)【国際公開番号】W WO2021177676
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0026653
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨンイク
【テーマコード(参考)】
5G027
5G030
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027AA30
5G027BA07
5G027BB07
5G027BC04
5G027BC07
5G027BC11
5G027BC20
5G030DA01
5G030DA08
5G030DB01
5G030DD01
(57)【要約】
本発明は、密封部材を含むアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器に関し、密封部材がアーク消弧組立体と遮断器との結合面の間で加圧されて弾性変形し、これによって、アーク消弧組立体と遮断器との結合面の間の間隙が密閉され、その結果、アークの発生時に、遮断器内部の一時的な圧力上昇量が増加することでアークが円滑に伸び得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に開放部が形成された収容空間に挿入され、前記開放部を覆う排気部;及び
前記収容空間の内側で前記排気部の両側面にそれぞれ結合され、互いに所定距離だけ離間して対向する板状の側面部;を含み、
前記排気部は、
第1方向に両側が前記側面部と結合し、中央部を貫通する収容部を備え、前記第1方向と交差する第2方向に両側で突出する取付部を備える排気胴体;
前記排気胴体の一側面と結合して前記収容部を覆う排気カバー;及び
前記排気胴体と結合する密封部材;を含み、
前記第2方向で前記開放部の両側には、前記取付部が取り付けられる取付空間がそれぞれ備えられ、
前記密封部材は、
前記取付部と前記取付空間との間に位置し、前記第1方向に所定長さだけ延びる第1密封部;
前記排気カバー及び前記排気胴体の間に位置し、前記排気胴体の前記第1方向の両側で前記第2方向に沿って所定長さだけ延びる第2密封部;及び
前記取付部と前記取付空間との間に位置し、前記第1密封部の両端と前記第2密封部の両端とを連結する第3密封部;を含む、アーク消弧組立体。
【請求項2】
第1項において、
前記密封部材は、弾性部材を含む、アーク消弧組立体。
【請求項3】
第1項において、
前記排気カバー及び前記取付部を貫通し、前記排気カバー及び前記取付部を貫通した一端が前記取付空間に締結されるアーク消弧組立体の締結部材をさらに含み、
前記密封部材は、前記アーク消弧組立体の締結部材の締結力によって加圧されて弾性変形する、アーク消弧組立体。
【請求項4】
第1項において、
前記第2密封部は、
前記第2方向に沿って所定長さだけ延びる第2ベース部;及び
前記第2ベース部で前記収容部から離れる方向に突出し、前記第2方向に沿って所定長さだけ延びる翼部;を含む、アーク消弧組立体。
【請求項5】
第4項において、
前記第1方向で、前記排気カバーの長さは前記排気胴体よりも長く、
前記第1方向で、前記開放部の両側には、前記排気カバーの両側が取り付けられるカバー取付溝が備えられ、
前記翼部は、前記カバー取付溝と前記排気カバーの前記両側との間に位置する、アーク消弧組立体。
【請求項6】
第5項において、
前記翼部は、前記カバー取付溝の一側面と前記排気カバーの前記両側との間で加圧されて弾性変形する、アーク消弧組立体。
【請求項7】
第5項において、
前記排気カバーの部分のうち前記カバー取付溝と対向する部分には、所定深さだけ陥没する翼部収容溝が備えられる、アーク消弧組立体。
【請求項8】
第5項において、
前記翼部の厚さは、前記カバー取付溝の前記一側面と前記排気カバーとの間の距離の値よりも大きい、アーク消弧組立体。
【請求項9】
第1項において、
前記取付部の部分のうち前記取付空間と対向する部分には、第1密封部挿入溝及び第3密封部挿入溝が備えられ、
前記第1密封部挿入溝には前記第1密封部が挿入され、
前記第3密封部挿入溝には前記第3密封部が挿入される、アーク消弧組立体。
【請求項10】
第9項において、
前記第1密封部は、前記取付空間の一側面と前記第1密封部挿入溝との間で加圧されて弾性変形し、
前記第3密封部は、前記取付空間の他側面と前記第3密封部挿入溝との間で加圧されて弾性変形する、アーク消弧組立体。
【請求項11】
第9項において、
前記第1密封部の厚さは、前記取付空間の一側面と前記第1密封部挿入溝との間の距離の値よりも大きく、
前記第3密封部の厚さは、前記取付空間の他側面と前記第3密封部挿入溝との間の距離の値よりも大きい、アーク消弧組立体。
【請求項12】
第4項において、
前記第2密封部は、
前記第2ベース部から前記収容部に近接する方向に所定長さだけ延びた後、前記排気胴体に向かって所定長さだけ突出するフック挿入部を含む、アーク消弧組立体。
【請求項13】
第12項において、
前記フック挿入部と対向する前記排気胴体の一側面には所定深さだけ陥没した挿入溝が備えられ、
前記フック挿入部は前記挿入溝に収容される、アーク消弧組立体。
【請求項14】
第4項において、
前記第2ベース部の部分のうち、前記排気カバーに向かう一側面の反対側である他側面には第2突出部が備えられる、アーク消弧組立体。
【請求項15】
第1項において、
前記第1密封部には、第1突出部が前記取付部の突出方向に所定長さだけ延長され、
前記取付部の部分のうち、前記第1突出部と対向する一側面には、前記第1突出部が挿入されるように陥没した所定の空間が備えられる、アーク消弧組立体。
【請求項16】
内側に一側が開放された収容空間が形成される遮断器胴体部;及び
前記収容空間に挿入され、前記収容空間の開放部を覆う排気部を備えるアーク消弧組立体;を含み、
前記排気部は、
中央部を貫通する収容部と、両側で突出する取付部をそれぞれ備える排気胴体;
前記排気胴体の一側面と結合して前記収容部を覆う排気カバー;及び
前記排気胴体と結合する密封部材;を含み、
前記取付部が突出した第1方向で、前記収容空間の開放部の両側には、前記取付部が取り付けられる取付空間がそれぞれ備えられ、
前記取付空間には、
前記取付部と対向する第1結合面と、前記第1結合面の両側で前記取付部と対向する第3結合面とがそれぞれ備えられ、
前記第1方向と交差する第2方向で、前記収容空間の開放部の両側には、前記排気カバーの両側を支持する第2結合面がそれぞれ備えられ、
前記密封部材は、
前記取付部と前記第1結合面との間に位置する第1密封部;
前記第2方向両側で、前記排気カバーと前記排気胴体との間に位置する第2密封部;及び
前記取付部と前記第3結合面との間に位置し、前記第1密封部の両端と前記第2密封部の両端とを連結する第3密封部;を含む、遮断器。
【請求項17】
第16項において、
前記第2密封部は、
前記第2方向両側で、前記排気カバーと前記排気胴体との間に位置する第2ベース部;及び
前記第2ベース部で前記収容部から離れる方向に突出する翼部;を含む、遮断器。
【請求項18】
第17項において、
前記翼部は、前記第2結合面と前記排気カバーの前記両側との間に位置する、遮断器。
【請求項19】
第18項において、
前記翼部は、前記第2結合面と前記排気カバーの前記両側との間で加圧されて弾性変形する、遮断器。
【請求項20】
第19項において、
前記排気カバーの部分のうち前記第2結合面と対向する部分には、所定深さだけ陥没した翼部収容溝が備えられる、遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器に関し、具体的には密封部材を備えるアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
遮断器は、回路に漏電、短絡又は過剰な電流などの異常電流が発生する場合、電流の流れを遮断する装置である。これにより、回路又は回路に接続された電子機器で発生し得る事故を予防することができる。回路の電流が遮断器を通過するように、遮断器は回路の特定の位置に通電可能に設けられる。
【0003】
従来の遮断器は、固定接触点、及び固定接触点に接近又は離間可能に形成される可動接触点を備える。
【0004】
正常な電流が流れる場合、可動接触点は固定接触点に接触する。可動接触点と固定接触点とが接触して互いに通電すると、回路が通電可能に連結される。
【0005】
異常電流が発生する場合、可動接触点は固定接触点から離れて離間する。可動接触点と固定接触点とが離間すると、回路の電流の流れが遮断される。
【0006】
可動接触点が固定接触点から離れた直後に、固定接触点又は可動接触点の一部が溶融して蒸発した金属の蒸気が発生する。可動接触点と固定接触点とを流れていた電流は、前記金属の蒸気に乗って流れるアークに切り替え、アークは、可動接触点が固定接触点から離れるにつれてアーチ状に伸びる。
【0007】
前記アークは、高温高圧の電子(electron)及びイオンで構成されたプラズマの流れである。
【0008】
発生したアークは、アーク消弧組立体で消弧過程を経た後に冷却され、アーク消弧組立体の外部に排出される。
【0009】
以下では、
図1ないし
図2を参照して、従来の遮断器におけるアーク消弧過程について説明する。
【0010】
図1を参照すると、発生したアークを消弧するアーク消弧組立体(1000)が示されている。
【0011】
アーク消弧組立体(1000)は、固定接触点(図示せず)の上側に配置され、発生したアークを消弧する。
【0012】
アーク消弧組立体(1000)は、固定接触点(図示せず)から離れる方向に互いに離間して積層される複数のグリッド(1300)を備え、複数のグリッド(1300)の上側には、消弧したアーク(Arc)を排出させる排気部(1100)が形成される。
【0013】
グリッド(1300)の左右側には、下側に向かって延びる部分がそれぞれ形成され、それぞれの前記延びる部分の端部は、アークガイド(1500)に挿入されて収容される。
【0014】
前記延びる部分の端部がアークガイド(1500)によって取り囲まれるため、発生したアーク(Arc)が前記延びる部分の端部に移動してアーク消弧効率が低減されることを抑制することができる。
【0015】
図2を参照すると、アーク(Arc)が複数のグリッド(1300)及びアークランナー(1400)で伸びて消弧される。
【0016】
アーク消弧組立体(1000)の下側で可動接触点(図示せず)が固定接触点(図示せず)から離れると、上述したとおりアーク(Arc)が発生する。発生したアーク(Arc)は 可動接触点に沿って伸びる。
【0017】
具体的に、可動接触点と固定接触点との間で金属のガスが発生して瞬間的に遮断器内部の圧力が増加し、圧力差によってアーク(Arc)がグリッド(1300)及びアークランナー(1400)に向かって伸びる。
【0018】
伸びたアーク(Arc)は、複数のグリッド(1300)及びランナー(1400)に到達し、到達したアーク(Arc)は、グリッド(1300)及びランナー(1400)に乗って流れて上側に伸びる。
【0019】
アーク(Arc)が伸びる過程でアークの電圧が上昇し、アークが冷却して遮断器の外部に排出される。
【0020】
アーク消弧組立体(1000)が遮断器に挿入されると、排気部(1100)と遮断器との間に間隙が発生し得る。
【0021】
この場合、アークの発生時に前記間隙で遮断器内部の流体の漏洩が発生し得る。すると、アーク(Arc)の発生時、アーク(Arc)を上側に向けて押すための十分な圧力が形成されないという問題が発生し得る。
【0022】
その結果、アーク(Arc)が十分に伸びず、アーク消弧性能が低減し、これによって遮断器の構成にアーク(Arc)による損傷が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上述した問題点を解決できる構造のアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を提供することを目的とする。
【0024】
先ず、本発明は、アークの発生時に、遮断器内部の一時的な圧力上昇値を増加させることができる構造のアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を提供することを一の目的とする。
【0025】
また、本発明は、アークの発生時に、遮断器とアーク消弧組立体との間に流体が漏洩することを抑制することができる構造のアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を提供することを一の目的とする。
【0026】
また、本発明は、アークの発生時に、遮断器とアーク消弧組立体との間の間隙を密閉することができる構造の遮断器を提供することを一の目的とする。
【0027】
また、本発明は、アークの発生時に、アーク消弧性能を向上させることができる構造のアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を提供することを一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記の目的を達成するため、本発明は、一側に開放部が形成された収容空間に挿入され、前記開放部を覆う排気部;前記収容空間の内側で前記排気部の両側面にそれぞれ結合され、互いに所定距離だけ離間して対向する板状の側面部を含むアーク消弧組立体を提供する。
【0029】
また、前記排気部は、第1方向に両側が前記側面部と結合し、中央部に収容部が貫通形成され、前記第1方向と交差する第2方向に両側で取付部がそれぞれ突設される排気胴体;前記排気胴体の一側面と結合して前記収容部を覆う排気カバー;及び前記排気胴体と結合する密封部材を含む。
【0030】
また、前記第2方向で前記開放部の両側には、前記取付部が取り付けられる取付空間がそれぞれ形成される。
【0031】
また、前記密封部材は、前記取付部と前記取付空間との間に位置し、前記第1方向に所定長さだけ延長形成される第1密封部;前記排気カバー及び前記排気胴体の間に位置し、前記排気胴体の前記第1方向の両側で前記第2方向に沿って所定長さだけ延長形成される第2密封部;及び前記取付部と前記取付空間との間に位置し、前記第1密封部の両端と前記第2密封部の両端とを連結する第3密封部を含む。
【0032】
また、前記密封部材は弾性部材から形成される。
【0033】
また、前記排気カバー及び前記取付部を貫通し、前記排気カバー及び前記取付部を貫通した一端が前記取付空間に締結されるアーク消弧組立体の締結部材を含み、前記密封部材は、前記アーク消弧組立体の締結部材の締結力によって加圧されて弾性変形するように構成される。
【0034】
また、前記第2密封部は、前記第2方向に沿って所定長さだけ延びる第2ベース部;及び前記第2ベース部で前記収容部から離れる方向に突設され、前記第2方向に沿って所定長さだけ延びる翼部を含む。
【0035】
また、前記第1方向で、前記排気カバーの長さは前記排気胴体よりも長く形成される。
【0036】
また、前記第1方向で、前記開放部の両側には、前記排気カバーの両側が取り付けられるカバー取付溝が形成され、前記翼部は、前記カバー取付溝と前記排気カバーの前記両側との間に位置する。
【0037】
また、前記翼部は、前記カバー取付溝の一側面と前記排気カバーの前記両側との間で加圧されて弾性変形するように構成される。
【0038】
また、前記排気カバーの部分のうち前記カバー取付溝と対向する部分には、翼部収容溝が所定深さだけ陥没形成される。
【0039】
また、前記翼部の厚さは、前記カバー取付溝の前記一側面と前記排気カバーとの間の距離の値よりも大きく形成される。
【0040】
また、前記取付部の部分のうち前記取付空間と対向する部分には、第1密封部挿入溝及び第3密封部挿入溝が陥没形成され、前記第1密封部挿入溝には前記第1密封部が挿入され、前記第3密封部挿入溝には前記第3密封部が挿入される。
【0041】
また、前記第1密封部は、前記取付空間の一側面と前記第1密封部挿入溝との間で加圧されて弾性変形し、前記第3密封部は、前記取付空間の他側面と前記第3密封部挿入溝との間で加圧されて弾性変形する。
【0042】
また、前記第1密封部の厚さは、前記取付空間の一側面と前記第1密封部挿入溝との間の距離の値よりも大きく形成され、前記第3密封部の厚さは、前記取付空間の他側面と前記第3密封部挿入溝との間の距離の値よりも大きく形成される。
【0043】
また、前記第2密封部は、前記第2ベース部から前記収容部に近接する方向に所定長さだけ延びた後、前記排気胴体に向かって所定長さだけ突出するフック挿入部を含む。
【0044】
また、前記フック挿入部と対向する前記排気胴体の一側面には挿入溝が所定深さだけ陥没形成され、前記フック挿入部は前記挿入溝に収容される。
【0045】
また、前記第2ベース部の部分のうち、前記排気カバーに向かう一側面の反対側である他側面には第2突出部が形成される。
【0046】
また、前記第1密封部には、第1突出部が前記取付部の突出方向に所定長さだけ延長形成され、前記取付部の部分のうち、前記第1突出部と対向する一側面には、前記第1突出部が挿入される所定の空間が陥没形成される。
【0047】
また、上述した目的を達成するために、本発明は、内側に一側が開放された収容空間が形成される遮断器胴体部;及び前記収容空間に挿入され、前記収容空間の開放部を覆う排気部を備えるアーク消弧組立体を含む遮断器を提供する。
【0048】
また、前記排気部は、中央部に収容部が貫通形成され、両側で取付部がそれぞれ突設される排気胴体;前記排気胴体の一側面と結合して前記収容部を覆う排気カバー;及び前記排気胴体と結合する密封部材を含む。
【0049】
また、前記取付部が突出した第1方向で、前記収容空間の開放部の両側には前記取付部が取り付けられる取付空間がそれぞれ形成される。
【0050】
また、前記取付空間には、前記取付部と対向する第1結合面;及び前記第1結合面の両側で前記取付部と対向する第3結合面がそれぞれ形成される。
【0051】
また、前記第1方向と交差する第2方向で、前記収容空間の開放部の両側には、前記排気カバーの両側を支持する第2結合面がそれぞれ形成される。
【0052】
また、前記密封部材は、前記取付部と前記第1結合面との間に位置する第1密封部;前記第2方向両側で、前記排気カバーと前記排気胴体との間に位置する第2密封部;及び前記取付部と前記第3結合面との間に位置し、前記第1密封部の両端と前記第2密封部の両端とを連結する第3密封部を含む。
【0053】
また、前記第2密封部は、前記第2方向両側で、前記排気カバーと前記排気胴体との間に位置する第2ベース部;及び前記第2ベース部で前記収容部から離れる方向に突設される翼部を含む。
【0054】
また、前記翼部は、前記第2結合面と前記排気カバーの前記両側との間に位置する。
【0055】
また、前記翼部は、前記第2結合面と前記排気カバーの前記両側との間で加圧されて弾性変形するように構成される。
【0056】
また、前記排気カバーの部分のうち前記第2結合面と対向する部分には、翼部収容溝が所定深さだけ陥没形成される。
【発明の効果】
【0057】
本発明によると、下記のような効果が導き出される。
【0058】
先ず、アーク消弧組立体と遮断器との間の間隙に密封部材が備えられる。これにより、アーク消弧組立体と遮断器との間の間隙を通じて遮断器内部の流体が漏洩することが抑制される。
【0059】
その結果、アークの発生時に、遮断器内部の一時的な圧力上昇値が増加し、アークの伸び長さが増加し、これによってアーク電圧がより上昇し得る。
【0060】
これに加えて、アーク消弧能力が向上し、これによって、アークの発生時に、遮断器の構成にアークによる損傷が発生することを抑制できる。
【0061】
また、密封部材は、アーク消弧組立体と遮断器との締結力によって加圧されて弾性変形する。弾性変形した密封部材は、アーク消弧組立体と遮断器との間の相互結合面を加圧する。
【0062】
アーク消弧組立体と遮断器との締結力を増加させると、密封部材の弾性変形量が増加する。密封部材の弾性変形量が増加すると、密封部材がアーク消弧組立体と遮断器との間の相互結合面をより強く加圧する。
【0063】
すなわち、アーク消弧組立体と遮断器との締結力を増加させることによって、アーク消弧組立体と遮断器との間の密閉力が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】従来のアーク消弧組立体を示す斜視図である。
【
図2】
図1のアーク消弧組立体にアークが伸びる経路を示す断面斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例による遮断器の分解斜視図である。
【
図4】
図3によるアーク消弧組立体の分解斜視図である。
【
図6】
図5による排気胴体の平面図及び斜視図である。
【
図7】
図5による排気胴体の背面図及び斜視図である。
【
図9】
図5による密封部材の正面図及び側面図である。
【
図10】本発明の一実施例による遮断器の斜視図である。
【
図11】
図10による遮断器をXI-XI線に沿って切り取った断面図である。
【
図13】
図10による遮断器をXIII-XIII線に沿って切り取った断面図である。
【
図15】
図10による遮断器をXV-XV線に沿って切り取った断面図である。
【0065】
<符号の説明>
1:遮断器
2:遮断器胴体部
2a:収容空間
2b1:第1結合面
2b2:第2結合面
2b3:第3結合面
2c:取付空間結合溝
2d:取付空間
2e:カバー取付溝
3:アーク消弧組立体
4:アーク消弧組立体の締結部材
10:排気部
20:側面部
21:スナップ締結孔
22:グリッド締結孔
23:アークランナー締結孔
30:グリッド
31:グリッド胴体部
32:グリッド締結突部
40:アークランナー
41:アークランナー胴体部
42:アークランナー締結突部
100:排気カバー
110:ガス放出口
120:第1カバー結合孔
130:第2カバー結合孔
140:翼部収容溝
200:フィルター
300:絶縁板
310:排気孔
400:排気胴体
410:取付部
411:第1取付部結合孔
412:第2取付部結合孔
413:第1密封部挿入溝
414:第3密封部挿入溝
420:フレーム部
420a:収容部
421:支え部
422:側面部結合部
423:側面部結合空間
424:スナップ突出部
425:第1挿入溝
426:第2挿入溝
500:密封部材
510:第1密封部
511:第1ベース部
512:第1突出部
520:第2突出部
521:フック挿入部
522:第2ベース部
522a:第2突出部
523:翼部
530:第3密封部
610:締結ボルト
620:締結ナット
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例によるアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を詳しく説明する。
【0067】
以下の説明では、本発明の特徴を明確にするために、一部の構成要素についての説明が省略されることがある。
【0068】
1.用語の定義
下記で使用される「遮断器」という用語は、回路に接続されて回路に漏洩電流又は過電流が流れるか、又は短絡が発生する状況を検知し、このような状況が発生した場合、回路の電流の流れを遮断する装置を意味する。一実施例において、遮断器は、気中遮断器(Air Circuit Breaker)として備えられてもよい。
【0069】
下記で使用される「正常な電流」という用語は、遮断器が遮断動作を行っていない状態の電流を意味する。具体的に、遮断器であらかじめ設定された電流範囲値内で流れる電流、電流漏洩が発生していない状態の電流、又は合線が発生しない状態の電流などを意味する。
【0070】
下記で使用される「異常電流」という用語は、遮断器が遮断動作を行っている状態の電流を意味する。具体的に、遮断器であらかじめ設定された電流範囲値を超過する電流、電流漏洩が発生する状態の電流、又は短絡が発生する状態の電流などを意味する。
【0071】
下記で使用される「アーク(Arc)」という用語は、互いに接触して電流が流れる状態の可動接触点と固定接触点とが離間することで発生する電子とイオンのプラズマを意味する。
【0072】
下記で使用される「前方側」、「後方側」、「左側」、「右側」、「上側」及び「下側」という用語は、
図1、
図3ないし8及び
図10に示されている座標系を参照して理解することができる。
【0073】
2.本発明の一実施例による遮断器(1)の構成についての説明
以下では、
図3を参照して、本発明の一実施例による遮断器(1)の構成について説明する。図示の実施例では、全体アーク消弧組立体(3)の一部が省略されている。
【0074】
図3を参照すると、異常電流の発生時に電流の流れを遮断するように構成される遮断器(1)が示されている。
【0075】
遮断器(1)は、内部に上側に開放された収容空間(2a)が形成される遮断器胴体部(2)を備える。収容空間(2a)には、アーク消弧組立体(3)が挿入され、挿入されたアーク消弧組立体(3)によって収容空間(2a)の開放された上側が覆われる。アーク消弧組立体(3)は、収容空間(2a)の開放部周辺で遮断器胴体部(2)と結合する。
【0076】
収容空間(2a)の開放部の前方及び後方側には、アーク消弧組立体(3)の排気部(10、
図3を参照)の両側が挿入されるように陥没した取付空間(2d)が形成される。
【0077】
排気部(10)の両側、前方側及び後方側は、取付空間(2d)にそれぞれ挿入されて第1結合面(2b1)及び第3結合面(2b3)によって支持される。具体的に、排気部(10)は、第1結合面(2b1)によって上下側に支持され、第3結合面(2b3)によって左右側に支持される。
【0078】
収容空間(2a)の開放部の左側及び右側には、排気部(10)の排気カバー(100、
図5を参照)の両側が挿入されるように、陥没した溝状のカバー取付溝(2e)が形成される。
【0079】
排気カバー(100)の両側、左側及び右側は、カバー取付溝(2e)にそれぞれ挿入され、第2結合面(2b2)によって支持される。具体的に、排気カバー(100)は、カバー取付溝(2e)によって上下側に支持される。
【0080】
取付空間(2d)には、アーク消弧組立体(3)を取付空間(2d)に結合させるために、陥没した溝状の取付空間結合溝(2c)が形成される。具体的に、第1結合面(2b1)の中央部に取付空間結合溝(2c)が形成される。
【0081】
取付空間結合溝(2c)には、排気部(10)の前方側及び後方側を貫通したアーク消弧組立体の締結部材(4)の一端部が挿入結合される。
【0082】
アーク消弧組立体の締結部材(4)と取付空間結合溝(2c)との締結力によって、排気部(10)が遮断器胴体部(2)に結合される。すなわち、アーク消弧組立体の締結部材(4)と取付空間結合溝(2c)との締結力によって、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)とが結合される。
【0083】
遮断器胴体部(2)の収容空間(2a)には、電源側と負荷側とを遮断又は通電できるように構成される固定接触子(図示せず)及び可動接触子(図示せず)が備えられる。
【0084】
固定接触子は電源側と接続され、可動接触子は負荷側と接続される。
【0085】
固定接触子と可動接触子は、アーク消弧組立体(3)の下側に配置される。
【0086】
回路に正常な電流が流れる場合、固定接触子と可動接触子とが互いに接触して通電し、これによって電源側と負荷側との間に電流が流れるようになる。
【0087】
回路に異常電流が流れる場合、可動接触子が固定接触子から離間する方向に所定角度だけ回転する。これにより、固定接触子と可動接触子とが互いに離間し、電源側と負荷側との間の電流の流れが遮断される。
【0088】
電源側と負荷側とを通電又は遮断する可動接触子及び固定接触子の構造は、従来周知の技術であるため、上記構造についての具体的な説明は省略する。
【0089】
異常電流が発生して固定接触子と可動接触子とが互いに離間する場合、固定接触子と可動接触子との間にはアークが発生する。このとき、アークは高温の電子とイオンのプラズマであり、これを迅速に消弧しないと遮断器をなす構成要素に損傷が発生し得る。よって、固定接触子と可動接触子との間で発生したアークが、固定接触子と可動接触子との上側に位置するアーク消弧組立体(3)を通じて十分に消弧されることが好ましい。
【0090】
アークは上側に移動し、アーク消弧組立体(3)の内部のグリッド(30、
図4を参照)及びアークランナー(40、
図4を参照)で伸びた後、排気部(10)の中央部を通じて遮断器(1)の外部に排出される。アークの発生時に、固定接触子と可動接触子との間で発生した金属ガスによって収容空間(2a)の内部の圧力が一時的に増加する。アークが上側に十分に押されて伸びるためには、アークが排気部(10)の中央部を通じて排出される前に収容空間(2a)の内部における一時的な圧力増加量が十分に形成されなければならない。
【0091】
排気部(10)と結合面(2b1、2b2、2b3)との間の間隙に収容空間(2a)の内部の流体が漏洩する場合、アークの発生時に収容空間(2a)の内部における一時的な圧力増加量が不足となるという問題が発生し得る。これにより、アークが上側に十分に押されず、アークの伸び長さが短くなるという問題が発生し得る。
【0092】
このような問題点を考慮して、アークを上側に押し上げる力を増加させ、アーク消弧性能を向上させるための構造が求められる。すなわち、排気部(10)と結合面(2b1、2b2、2b3)との間に収容空間(2a)の内部の流体が漏洩することを抑制することができる構造が必要である。言い換えると、排気部(10)と結合面(2b1、2b2、2b3)との間の間隙をシール(sealing)できる構造が必要である。
【0093】
本発明の一実施例によるアーク消弧組立体(3)は、排気部(10)と結合面(2b1、2b2、2b3)との間の間隙をシールするための密封部材(500)を備え、これについては後で詳しく説明する。
【0094】
3.本発明の一実施例によるアーク消弧組立体(3)についての説明
図4を参照すると、アーク消弧組立体(3)は、排気部(10)、側面部(20)、グリッド(30)、及びアークランナー(40)を含む。
【0095】
排気部(10)の左右側に一対の板状の側面部(20)が結合され、板状の側面部(20)の間にはグリッド(30)及びアークランナー(40)が結合される。
【0096】
アーク消弧組立体(3)の下側で発生したアークがグリッド(30)及びアークランナー(40)で伸びた後、排気部(10)を通じて遮断器(1)の外部に排出される。
【0097】
以下で各構成について説明する。但し、排気部(10)については簡略に説明した後、別途の目次でより詳しく説明する。
【0098】
(1)排気部(10)についての説明
先ず、排気部(10)について説明する。
【0099】
排気部(10)は、略四角形の形状を有する。排気部(10)は、排気胴体(400)、及び排気胴体(400)の上側面を覆う排気カバー(100)を含む。
【0100】
一実施例において、排気カバー(100)は、排気胴体(400)の上側面を全て覆うことができる大きさで形成されてもよい。すなわち、排気カバー(100)は、排気胴体(400)よりも広い面積を備えてもよい。
【0101】
排気カバー(100)の中央部には、アークを放出できるガス放出口(110)が貫通形成される。一実施例において、ガス放出口(110)は複数形成されてもよい。
【0102】
排気胴体(400)の両側(左側及び右側)には、側面部(20)との結合のためのスナップ突出部(424)が突設される。排気胴体(400)の左側及び右側に一対の側面部(20)がそれぞれ結合される。
【0103】
(2)側面部(20)についての説明
次いで、側面部(20)について説明する。
【0104】
側面部(20)は一対備えられ、板状に形成される。側面部(20)は、互いに対向するように位置し、側面部(20)の間には、後述のグリッド(30)及びアークランナー(40)が配置されて側面部(20)と結合する。
【0105】
側面部(20)の中央部には、グリッド締結孔(22)とアークランナー締結孔(23)とが複数で貫通形成される。グリッド締結孔(22)及びアークランナー締結孔(23)には、後述のグリッド締結突部(32)とアークランナー締結突部(42)がそれぞれ挿入される。
【0106】
ここで、グリッド締結孔(22)及びアークランナー締結孔(23)は、グリッド締結突部(32)及びアークランナー締結突部(42)と対応する大きさ又は少し小さな大きさで形成される。これにより、グリッド締結孔(22)及びアークランナー締結孔(23)にグリッド締結突部(32)及びアークランナー締結突部(42)が圧入され、側面部(20)とグリッド(30)及びアークランナー(40)とを結合してもよい。
【0107】
図示の実施例では、グリッド締結孔(22)及びアークランナー締結孔(23)は四角形状に形成されているが、これはグリッド締結突部(32)とアークランナー締結突部(42)の形態によって変わり得る。
【0108】
側面部(20)の上側で、側面部(20)の間には排気部(10)が結合される。
【0109】
側面部(20)の上側には、排気部(10)との結合のためのスナップ締結孔(21)が貫通形成される。
【0110】
一対の側面部(20)が排気部(10)と結合するために排気部(10)の左側及び右側面に滑るように移動する。側面部(20)が移動すると、排気部胴体(400)の左側及び右側面で突出したスナップ突出部(424)がスナップ締結孔(21)に挿入結合される。
【0111】
ここで、スナップ突出部(424)は、側面部(20)の挿入方向に傾いて形成される。これにより、スナップ締結孔(21)へのスナップ突出部(424)の挿入が容易になる。また、スナップ突出部(424)がスナップ締結孔(21)に挿入された状態で、側面部(20)が排気部胴体(400)の下側に任意に移動しない。
【0112】
図示の実施例では、スナップ締結孔(21)は四角形状に形成されているが、これはスナップ突出部(424)の形状によって変わり得る。
【0113】
(3)グリッド(30)及びアークランナー(40)についての説明
次いで、グリッド(30)について説明する。
【0114】
グリッド(30)は板状に形成され、前方側から後方側に所定距離だけ離間して複数積層される。グリッド(30)は、グリッド胴体部(31)、及びグリッド胴体部(31)の両側で突設されるグリッド締結突部(32)を含む。
【0115】
両側に突出したグリッド締結突部(32)がグリッド締結孔(22)に挿入され、これにより、グリッド(30)が一対の側面部(20)の間で固定されることができる。
グリッド(30)は、アークに電磁気的引力を印加できる任意の素材から形成されてもよい。一実施例において、グリッド(30)は、鉄(Fe)素材から形成されてもよい。
【0116】
複数のグリッド(30)の間でアークが伸びて移動する。これにより、アーク電圧が増加してアークが冷却される。
【0117】
次いで、アークランナー(40)について説明する。
【0118】
アークランナー(40)は板状に形成され、複数のグリッド(30)と後方に所定距離だけ離間して位置する。
【0119】
アークは、アークランナー(40)の下側端部まで伸びてアークランナー(40)に乗って流れるようになる。アークがアークランナー(40)まで到達しない場合、アーク消弧性能が低減し得る。このような点を考慮して、アークの発生位置とアークランナー(40)との間の距離を短縮することが好ましい。
【0120】
このために、アークランナー(40)の下側端部が前方側に向かって折り曲がる。
【0121】
アークランナー(40)は、アークに電磁気的引力を印加できる任意の素材から形成されてもよい。一実施例において、アークランナーは、鉄(Fe)素材から形成されてもよい。
【0122】
4.本発明の一実施例による排気部(10)の構成についての説明
次いで、
図5ないし
図9を参照して排気部(10)の構成についての説明する。
【0123】
排気部(10)は、排気カバー(100)、フィルター(200)、絶縁板(300)、及び排気胴体(400)を含む。排気胴体(400)には、排気部(10)と遮断器(1)との間の間隙をシールするための密封部材(500)が備えられる。
【0124】
(1)排気カバー(100)についての説明
排気カバー(100)は板形状を有する。排気カバー(100)は、排気胴体(400)の上側面に結合されて排気胴体(400)の上側面を覆う。
【0125】
排気カバー(100)の中央部には、消弧したアークが放出されるためのガス放出口(110)が貫通形成される。一実施例において、ガス放出口(110)は複数形成されてもよい。
【0126】
排気カバー(100)の両側には、排気胴体(400)との結合のための第1カバー結合孔(120)及び第2カバー結合孔(130)が貫通形成される。図示の実施例において、第1カバー結合孔(120)及び第2カバー結合孔(130)は、排気カバー(100)の前方及び後方側に形成される。
【0127】
図示の実施例において、第1カバー結合孔(120)は、排気カバー(100)の前方側及び後方側の中央にそれぞれ形成される。すなわち、第1カバー結合孔(120)は2つ備えられてもよい。
【0128】
図示の実施例において、第2カバー結合孔(130)は、排気カバー(100)の各角に形成される。すなわち、第2カバー結合孔(130)は4つ備えられてもよい。
【0129】
(2)フィルター(200)及び絶縁板(300)についての説明
フィルター(200)は、排気胴体(400)の中央部に貫通形成された収容部(420a)に挿入されて収容される。収容部(420a)の前後方側には、支え部(421)が突設され、挿入されたフィルター(200)を支持する。
【0130】
一実施例において、フィルター(200)は、内部に流体が通過できる多孔が形成された材質から形成されてもよい。また、フィルター(200)は、内部に流体が通過できる多孔が形成された複数の板が積層されて形成されてもよい。
【0131】
収容部(420a)に収容されたフィルター(200)は排気カバー(100)によって覆われる。アークの発生時に、収容空間(2a)の流体は、フィルター(200)を通過した後、ガス放出口(110)を通過して遮断器(1)の外部に排出される。
【0132】
絶縁板(300)は、複数の排気孔(310)が貫通形成された板状の部材である。絶縁板(300)は、支え部(421)の下側で収容部(420a)に差し込まれて固定される。
【0133】
一実施例において、絶縁板(300)は、複数の絶縁性を有する板状の部材が積層されて形成されてもよい。排気部(10)には、絶縁板(300)、フィルター(200)及び排気カバー(100)が下側から上側に順に配置される。これにより、消弧したアークが排気孔(310)、フィルター(200)の多孔及びガス放出口(110)を通過して遮断器(1)の外部に排出される。
【0134】
(3)排気胴体(400)についての説明
次いで、
図6及び
図7を参照して排気胴体(400)について説明する。
【0135】
図6を参照すると、排気胴体(400)の上側面を示す平面図、及び上側面を示す斜視図が示されている。
図7を参照すると、排気胴体(400)の下側面を示す背面図、及び下側面を示す斜視図が示されている。
【0136】
排気胴体(400)は、中央部に収容部(420a)が貫通形成されたフレーム部(420)、及びフレーム部(420)の両側で突設された取付部(410)を備える。
【0137】
一実施例において、排気胴体(400)は略四角リングの形状に形成されてもよい。
取付部(410)は、フレーム部(420)の前方側及び後方側で突設され、遮断器胴体部(2)の取付空間(2d)にそれぞれ挿入される。挿入された取付部(410)は、取付空間(2d)の第1結合面(2b1)及び第3結合面(2b3)によって支持される。
【0138】
一実施例において、取付部(410)は、取付空間(2d)と対応する大きさで形成されてもよい。取付部(410)と取付空間(2d)との間に収容空間(2a)の流体が漏洩することを抑制するために、取付部(410)は、取付空間(2d)と類似の大きさで形成されることが好ましい。
【0139】
取付部(410)の中央部には、第1取付部結合孔(411)が貫通形成される。取付部(410)が取付空間(2d)に挿入された状態で、アーク消弧組立体の締結部材(4)が第1カバー結合孔(120)と第1取付部結合孔(411)を順に貫通する。
貫通したアーク消弧組立体の締結部材(4)の一端部は、取付空間結合溝(2c)に挿入結合される。これにより、排気カバー(100)及び排気胴体(400)がアーク消弧組立体の締結部材(4)によって取付空間結合溝(2c)に向かって加圧される。
【0140】
すなわち、排気部(10)がアーク消弧組立体の締結部材(4)と取付空間結合溝(2c)との締結力によって遮断器胴体部(2)に結合される。
【0141】
取付部(410)の左右側には、排気カバー(100)との結合のための第2取付部結合孔(412)が貫通形成される。第2取付部結合孔(412)の下端部は四角柱状の空間に形成される。
【0142】
第2取付部結合孔(412)の下端部に締結ナット(620)が挿入され、第2カバー結合孔(130)及び第2取付部結合孔(412)を貫通した締結ボルト(610)の一端部が締結ナット(620)と締結される。これにより、排気カバー(100)と排気胴体(400)とが締結ボルト(610)及び締結ナット(620)によって互いに加圧される。これにより、排気胴体(400)と排気カバー(100)とを互いに堅固に締結することができる。
【0143】
取付部(410)の下側面の部分のうち、後述するフレーム部(420)と接続される部分には、後述の第1密封部(510)が挿入されるように陥没した溝状の第1密封部挿入溝(413)が形成される。
【0144】
また、取付部(410)の左右側面の部分のうち、後述するフレーム部(420)と接続される部分には、後述の第3密封部(530)が挿入されるように陥没した溝状の第3密封部挿入溝(414)が形成される。
【0145】
第1密封部挿入溝(413)は、取付部(410)の左右側の全体長さにかけて形成され、第3密封部挿入溝(414)と接続される。
【0146】
フレーム部(420)の両側には、側面部結合部(422)がそれぞれ形成される。一実施例において、側面部結合部(422)の上側面は、隣接するフレーム部(420)の部分よりも低く形成されてもよい。すなわち、側面部結合部(422)の上側面は、隣接するフレーム部(420)の上側面と段差を有して形成されてもよい。
【0147】
段差を有する空間には、後述の第2密封部(520)が位置する。
【0148】
側面部結合部(422)には、側面部(20)が挿入されるように陥没した溝状の側面部結合空間(423)がそれぞれ形成される。一実施例において、側面部結合空間(423)は、側面部(20)の上側と対応する大きさで形成されてもよい。
【0149】
側面部結合空間(423)には、スナップ突出部(424)がそれぞれ突設される。これにより、側面部(20)の挿入時に、スナップ締結孔(21)にスナップ突出部(424)が挿入され、その結果、側面部(20)が上下側に任意に動くことを制限することができる。
【0150】
側面部結合空間(423)の上側には、後述の第2密封部(520)の固定のための第1挿入溝(425)が形成される。一実施例において、第1挿入溝(425)は、後述の第2突出部(522a)と対応する大きさで形成されてもよい。
【0151】
側面部結合部(422)の上側面の部分のうち、隣接するフレーム部(420)の部分と接続される部分には、陥没した溝状の第2挿入溝(426)が形成されてもよい。すなわち、側面部結合部(422)の上側面の部分のうち、収容部(420a)に最も隣接する部分には、陥没した溝状の第2挿入溝(426)が形成されてもよい。
【0152】
第2挿入溝(426)には、後述のフック挿入部(521)が挿入され、第2挿入溝(426)は、前後方側に所定長さだけ形成される。一実施例において、前記所定長さは、フック挿入部(521)の長さと対応する長さであってもよい。
【0153】
上述の側面部結合部(422)の上側面と排気カバー(100)との間には、後述の第2密封部(520)が挿入される。
【0154】
(4)密封部材(500)についての説明
次いで、
図8及び
図9を参照して密封部材(500)について説明する。
【0155】
図8を参照すると、密封部材(500)の斜視図が示され、
図9を参照すると、密封部材(500)の正面図及び側面図が示されている。
【0156】
密封部材(500)は、排気胴体(400)に結合され、排気部(10)と遮断器胴体部(2)との間に発生する間隙を密封する部材である。一実施例において、密封部材(500)は、弾性力を有する絶縁素材から形成されてもよい。また、密封部材(500)は、加えられた圧力によって弾性変形され得る素材から形成されてもよい。
【0157】
密封部材(500)は、第1密封部(510)、第2密封部(520)、及び第3密封部(530)を含む。
【0158】
第1密封部(510)は、一方向に所定距離だけ延長形成され、一対備えられ互いに離間する。図示の実施例において、前記一方向は左右方向と定義でき、一対の第1密封部(510)は前後方側で互いに離間する。
【0159】
第2密封部(520)は、一方向に所定距離だけ延長形成され、一対備えられ互いに離間する。図示の実施例において、前記一方向は前後方向と定義でき、一対の第2密封部(520)は左右側で互いに離間する。
【0160】
第3密封部(530)は、一方向に所定距離だけ延長形成され、第1密封部(510)と第2密封部(520)の両端部をそれぞれ連結する。図示の実施例において、前記一方向は上下方向と定義でき、第3密封部(530)は4つ備えられてもよい。
【0161】
すなわち、密封部材(500)は、左右側に互いに所定距離だけ離間した一対の第2密封部(520)と、前後方側に互いに所定距離だけ離間した一対の第1密封部(510)とが上下側に離間して配置される四角リンの形状に形成されてもよい。それぞれの密封部(510、520、530)は、排気胴体(400)と取付空間(2d)との間の間隙、排気カバー(100)とカバー取付溝(2e)との間の間隙、又は排気カバー(100)と排気胴体(400)との間の間隙を密閉するように機能する。
【0162】
先ず、第1密封部(510)は、左右側に所定長さだけ延びる第1ベース部(511)、及び第1ベース部(511)で突出する第1突出部(512)を含む。
第1ベース部(511)は、第1密封部挿入溝(413)に挿入され、第1突出部(512)は、第2取付部結合孔(412)の下側空間に挿入される。
【0163】
また、第3密封部(530)は、第3密封部挿入溝(414)に挿入される。
【0164】
また、第2密封部(520)は、前後方側に所定長さだけ延長形成された第2ベース部(522)、第2ベース部(522)から収容部(420a)に向かって突設されるフック挿入部(521)、及び第2ベース部(522)から収容部(420a)から離れる方向に突設される翼部(523)を含む。
【0165】
フック挿入部(521)は、収容部(420a)に向かって所定長さだけ延びた後、下側に所定長さだけ突出した形状の断面を備える。すなわち、¬字状又は左右が反転した¬字状の断面を備える(
図9aを参照)。
【0166】
フック挿入部(521)の下側に突出した部分は、排気胴体(400)のフレーム部(420)の第2挿入溝(426)に挿入される。これにより、第2密封部(520)が排気カバー(100)と排気胴体(400)との間でより堅固に固定されることができる。
【0167】
また、第2ベース部(522)は、四角形状の断面を備え、第2ベース部(522)の下側には、第2突出部(522a)が下側に突設される。
【0168】
第2ベース部(522)は、側面部結合部(422)の上側面と排気カバー(100)との間に配置され、第2突出部(522a)は、第1挿入溝(425)に挿入される。一実施例において、第2突出部(522a)は、第1挿入溝(425)と対応する大きさで形成されてもよい。
【0169】
また、翼部(523)は、第2ベース部(522)で収容部(420a)から離れる方向及び上側に突設される。一実施例において、翼部(523)は、第2ベース部(522)と前後方側に同一の長さに形成されてもよい。翼部(523)は、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間に挿入される。
【0170】
5.本発明の一実施例による遮断器(1)の密封構造についての説明
次いで、
図10ないし
図16を参照して、本実施例による遮断器(1)の密封構造について説明する。
【0171】
図10を参照すると、アーク消弧組立体(3)が結合した状態の遮断器(1)が示されている。図示されている図面では全体アーク消弧組立体(3)のうち一部が省略されている。
【0172】
図11を参照すると、遮断器(1)の上側面をXI-XI線に沿って上下方向に切り取った断面図が示されている。第1密封部(510)による密封構造は、
図11に示されている。
【0173】
図13を参照すると、遮断器(1)の上側面をXIII-XIII線に沿って上下方向に切り取った断面図が示されている。第2密封部(520)による密封構造は、
図13に示されている。
【0174】
図15を参照すると、遮断器(1)の前方側面をXV-XV線に沿って前後方向に切り取った断面図が示されている。第3密封部(530)による密封構造は、
図15に示されている。
【0175】
(1)第1密封部(510)による密封構造についての説明
図11を参照すると、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との結合時に、取付部(410)の下側面と第1結合面(2b1)との間に空間(間隙)が発生し、前記空間には第1密封部(510)が挿入されて弾性変形する。これは、A領域に示されている。
【0176】
図12を参照すると、A領域を拡大した断面図が示されている。
図12(a)には、第1密封部(510)が除去された状態のA領域を示す断面図が、
図12(b)には、第1密封部(510)が挿入された状態のA領域を示す断面図が示されている。
【0177】
図12(a)を参照すると、排気胴体(400)と第1結合面(2b1)とが強い締結力によって互いに加圧されるとしても、収容空間(2a)の内部圧力が増加すると、排気胴体(400)と第1結合面(2b1)との間に流体が漏洩し得る。図示の実施例において、流体が漏洩し得る経路が点線の矢印で示されている。
【0178】
図12(b)を参照すると、このような流体の漏洩を防止するために、排気胴体(400)と第1結合面(2b1)との間に第1密封部(510)が備えられる。
【0179】
排気胴体(400)の結合時に、第1密封部(510)は、排気胴体(400)と第1結合面(2b1)との間で加圧されて弾性変形する。
【0180】
一実施例において、第1密封部(510)は、排気胴体(400)と第1結合面(2b1)との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0181】
一実施例において、第1ベース部(511)の体積は、第1密封部挿入溝(413)よりも大きく形成されてもよい。
【0182】
一実施例において、第1ベース部(511)の断面積の大きさは、第1密封部挿入溝(413)よりも大きく形成されてもよい。
【0183】
弾性変形した第1密封部(510)は、第1結合面(2b1)及び取付部(410)の下側面を加圧することで、第1結合面(2b1)及び取付部(410)の下側面と密着する。
【0184】
これにより、第1結合面(2b1)と排気胴体(400)との間の間隙が密閉され、第1結合面(2b1)と排気胴体(400)との間の間隙に収容空間(2a)の流体が漏洩することを抑制することができる。
【0185】
(2)第2密封部(520)による密封構造についての説明
図13を参照すると、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との結合時に、取付部(410)の上側面と排気カバー(100)との間、及び第2結合面(2b2)と排気カバー(100)の下側面との間に空間(間隙)が発生し得る。前記空間には、第2密封部(520)が挿入されて弾性変形する。これはB領域に示されている。
【0186】
図14を参照すると、B領域を拡大した断面図が示されている。
図14(a)には、第2密封部(520)が除去された状態のB領域を示す断面図が、
図14(b)には、第2密封部(520)が挿入された状態のB領域を示す断面図が示されている。
【0187】
図14(a)を参照すると、取付部(410)の上側面と排気カバー(100)、及び第2結合面(2b2)と排気カバー(100)とが互いに強い締結力によって互いに加圧されるとしても、収容空間(2a)の内部圧力が増加すると、これらの間に流体が漏洩し得る。図示の実施例において、流体が漏洩し得る経路が点線の矢印で示されている。
【0188】
図14(b)を参照すると、このような流体の漏洩を防止するために、取付部(410)の上側面と排気カバー(100)との間、及び第2結合面(2b2)と排気カバー(100)の下側面との間に第2密封部(520)が備えられる。
【0189】
排気胴体(400)と排気カバー(100)との結合時に、第2ベース部(522)及びフック挿入部(521)は、側面部結合部(422)の上側面と排気カバー(100)の下側面との間で加圧されて弾性変形する。
【0190】
また、排気胴体(400)と排気カバー(100)との結合時に、第2ベース部(522)は、側面部結合部(422)と、側面部結合部(422)と対向する収容空間(2a)の内側面との間で加圧されて弾性変形してもよい。
【0191】
一実施例において、フック挿入部(521)は、第2挿入溝(426)と排気カバー(100)との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0192】
一実施例において、フック挿入部(521)の下側に突出した部分の体積は、第2挿入溝(426)よりも大きく形成されてもよい。
【0193】
一実施例において、フック挿入部(521)の下側に突出した部分の断面積は、第2挿入溝(426)よりも大きく形成されてもよい。
【0194】
一実施例において、第2ベース部(522)は、側面部結合部(422)の上側面と排気カバー(100)の下側面との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0195】
一実施例において、第2ベース部(522)は、側面部結合部(422)と、側面部結合部(422)と対向する収容空間(2a)の内側面との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0196】
弾性変形した第2ベース部(522)及びフック挿入部(521)は、側面部結合部(422)の上側面及び排気カバー(100)を加圧することで、側面部結合部(422)の上側面及び排気カバー(100)と密着する。これにより、側面部結合部(422)の上側面及び排気カバー(100)の間の間隙が密閉され、フィルター(200)を通過する流体が前記間隙に漏洩することを抑制することができる。
【0197】
また、弾性変形した第2ベース部(522)は、側面部結合部(422)、及び側面部結合部(422)と対向する収容空間(2a)の内側面を加圧することで、側面部結合部(422)、及び側面部結合部(422)と対向する収容空間(2a)の内側面と密着する。これにより、側面部結合部(422)、及び側面部結合部(422)と対向する収容空間(2a)の内側面の間の間隙が密閉され、収容空間(2a)の内部の流体が前記間隙に漏洩することを抑制することができる。
【0198】
排気胴体(400)と排気カバー(100)との結合時に、翼部(523)は、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間で加圧されて弾性変形する。
【0199】
一実施例において、排気カバー(100)の部分のうちカバー取付溝(2e)と対向する部分には、所定深さだけ陥没した溝状の翼部収容溝(140)が形成される。
【0200】
一実施例において、翼部(523)は、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0201】
一実施例において、翼部(523)の上下方向の厚さは、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間の距離の値よりも大きく形成されてもよい。
【0202】
一実施例において、翼部(523)の体積は、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間の空間の大きさよりも大きく形成されてもよい。
【0203】
一実施例において、翼部(523)の断面積は、カバー取付溝(2e)と排気カバー(100)との間の面積よりも大きく形成されてもよい。
【0204】
弾性変形した翼部(523)は、カバー取付溝(2e)の第2結合面(2b2)及び排気カバー(100)の下側面を加圧することで、第2結合面(2b2)及び排気カバー(100)の下側面と密着する。これにより、第2結合面(2b2)及び排気カバー(100)の下側面の間の間隙が密閉され、収容空間(2a)の内部の流体が前記間隙に漏洩することを抑制することができる。
【0205】
(3)第3密封部(530)による密封構造についての説明
図15を参照すると、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との結合時に、取付部(410)の左右側面と第3結合面(2b3)との間に空間(間隙)が発生し、前記空間には、第3密封部(530)が挿入されて弾性変形する。これはC領域に示されている。
【0206】
図16を参照すると、C領域を拡大した断面図が示されている。
図16(a)には、第3密封部(530)が除去された状態のC領域を示す断面図が、
図16(b)には、第3密封部(530)が挿入された状態のC領域を示す断面図が示されている。
【0207】
図16(a)を参照すると、排気胴体(400)と第3結合面(2b3)とが強い締結力によって互いに加圧されるとしても、収容空間(2a)の内部圧力が増加すると、排気胴体(400)と第3結合面(2b3)との間に流体が漏洩し得る。図示の実施例において、流体が漏洩し得る経路が点線の矢印で示されている。
【0208】
図16(b)を参照すると、このような流体の漏洩を防止するために、取付部(410)と第3結合面(2b3)との間に第3密封部(530)が備えられる。
【0209】
排気胴体(400)の結合時に、第3密封部(530)は、第3結合面(2b3)と取付部(410)の左右側面との間で加圧されて弾性変形する。
【0210】
一実施例において、第3密封部(530)は、排気胴体(400)と第3結合面(2b3)との間で加圧されて弾性変形できる大きさで形成されてもよい。
【0211】
一実施例において、第3密封部(530)の体積は、第3密封部挿入溝(414)よりも大きく形成されてもよい。
【0212】
一実施例において、第3密封部(530)の断面積の大きさは、第3密封部挿入溝(414)よりも大きく形成されてもよい。
【0213】
弾性変形した第3密封部(530)は、第3結合面(2b3)及び取付部(410)の左右側面を加圧することで、第3結合面(2b3)及び取付部(410)の左右側面と密着する。
【0214】
これにより、第3結合面(2b3)と排気胴体(400)との間の間隙が密閉され、第3結合面(2b3)と排気胴体(400)との間の間隙に収容空間(2a)の流体が漏洩することを抑制することができる。
【0215】
6.本発明の一実施例による遮断器(1)の密封構造による効果
上述したのように、本実施例によるアーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の間隙に密封部材(500)が備えられる。
【0216】
密封部材(500)は、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の締結力によって加圧されて弾性変形する。弾性変形した密封部材(500)がアーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)とをそれぞれ加圧することで、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の間隙を密閉する。
【0217】
これにより、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の間隙を通じて収容空間(2a)の内部の流体が漏洩することが抑制される。その結果、アークの発生時に、収容空間(2a)の内部における一時的な圧力上昇値が増加し得る。
【0218】
また、アークの伸び長さが増加し、これによってアーク電圧がより上昇し得る。その結果、アーク消弧能力が向上し、これによってアークの発生時に、遮断器(1)の構成にアークによる損傷が発生することを抑制できる。
【0219】
また、密封部材は、アーク消弧組立体と遮断器との締結力によって弾性変形する。すなわち、アーク消弧組立体と遮断器との締結力を増加させると、密封部材の弾性変形量が増加する。
【0220】
密封部材の弾性変形量が増加すると、密封部材がアーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)とをより強く加圧する。すなわち、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の締結力を増加させることによって、アーク消弧組立体(3)と遮断器胴体部(2)との間の密閉力が向上し得る。
【0221】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当業界における通常の知識を有する者であれば、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能なことを理解することができるであろう。
【0222】
産業上の利用可能性
本発明はアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器に関し、密封部材を備えるアーク消弧組立体、及びこれを備える遮断器を提供することができるため、産業上の利用可能性がある。
【国際調査報告】