IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ムーグ インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-515622フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体
<>
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図1
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図2
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図3
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図4
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図5
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図6
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図7
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図8
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図9
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図10
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図11
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図12
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図13
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図14
  • 特表-フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】フォールト・トレラントな複数回転アクチュエータ組立体
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20230406BHJP
   H02K 7/20 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
H02K7/116
H02K7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552214
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021020022
(87)【国際公開番号】W WO2021174080
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/983,054
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501188177
【氏名又は名称】ムーグ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステルティング、ポール、エイ.
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB09
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607FF33
5H607HH01
5H607HH09
(57)【要約】
構造体に対して中心軸を中心として回転可能な出力部材と、構造体に固定されている第1のステータ及び第1のステータに対して中心軸を中心として回転可能な第1のロータとを有する、第1のアクチュエータと、第2のステータが中心軸を中心とした第1のロータの回転を伴って第1のステータに対して中心軸を中心として回転するように第1のロータに結合されている第2のステータを有し、且つ、出力部材に回転式に結合されている第2のロータを有する、第2のアクチュエータと、不具合モードにおいて、第1の副アクチュエータ又は第2の副アクチュエータの一方を、中心軸を中心とした出力部材の回転を選択的に制御するように駆動するよう構成されており、このとき第1の副アクチュエータ又は第2の副アクチュエータの他方が動作不良となっている、制御装置と、を備える、アクチュエータ組立体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体に対して回転出力軸を中心として選択的に回転するように構成されており且つ被駆動体に運動を付与するように構成されている、出力部材と、
第1のステータ及び第1のロータを有する第1の副アクチュエータであって、
前記第1のステータは前記構造体に固定されており、前記第1のロータは前記第1のステータに対して第1の副回転軸を中心として選択的に回転するように構成されている、第1の副アクチュエータと、
第2のステータ及び第2のロータを有する第2の副アクチュエータであって、
前記第2のロータは前記第2のステータに対して第2の副回転軸を中心として選択的に回転するように構成されており、
前記第2のステータは、前記第2のステータが、前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第1のロータの回転を伴って前記第1のステータに対して前記第1の副回転軸を中心として回転するように、前記第1のロータに接続されており、
前記第2のロータは前記出力部材に接続されている、第2の副アクチュエータと、
前記第1の副アクチュエータ及び前記第2の副アクチュエータを、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の回転を前記回転出力軸を中心とした回転運動の出力角度範囲内で選択的に制御するように駆動するよう構成されている、少なくとも1つの制御装置であって、
前記制御装置は通常モードにおいて、前記第1の副アクチュエータ及び前記第2の副アクチュエータを、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転を、前記回転運動の出力角度範囲内で、前記構造体に対する前記第1の副回転軸及び前記第2の副回転軸をそれぞれ中心とした前記第1のロータ及び前記第2のロータの回転量の合計の関数として選択的に制御するように駆動するよう構成されており、
前記制御装置は不具合モードにおいて、前記第1の副アクチュエータ又は前記第2の副アクチュエータの一方を、前記回転運動の出力角度範囲内で、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転を選択的に制御するように駆動するよう構成されており、このとき前記第1の副アクチュエータ又は前記第2の副アクチュエータのうちの他方が動作不良となっている、制御装置と、
を備える、回転アクチュエータ組立体。
【請求項2】
第3のステータ及び第3のロータを有する第3の副アクチュエータであって、
前記第3のロータは前記第3のステータに対して第3の副回転軸を中心として選択的に回転するように構成されており、
前記第3のステータは、前記第3のステータが、前記第2のステータに対する前記第2の副回転軸を中心とした前記第2のロータの回転を伴って前記第2のステータに対して前記第2の副回転軸を中心として回転するように、前記第2のロータに接続されており、
前記第3のロータは前記第2のロータと前記出力部材の間で前記出力部材に接続されている、第3の副アクチュエータ、を備え
前記制御装置は前記通常モードにおいて、前記第1の副アクチュエータ、前記第2の副アクチュエータ、及び前記第3の副アクチュエータを、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転を、前記回転運動の出力角度範囲内で、前記構造体に対する前記第1の副回転軸、前記第2の副回転軸、及び前記第3の副回転軸をそれぞれ中心とした前記第1のロータ、前記第2のロータ、及び前記第3のロータの回転量の合計の関数として選択的に制御するように駆動するよう構成されており、
前記制御装置は前記不具合モードにおいて、前記第1の副アクチュエータ、前記第2の副アクチュエータ、又は前記第3の副アクチュエータのうちの少なくとも1つを、前記回転運動の出力角度範囲内で、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転を選択的に制御するように駆動するよう構成されており、このとき前記第1の副アクチュエータ、前記第2の副アクチュエータ、又は前記第3の副アクチュエータのうちの前記以外の1つが動作不良となっている、
請求項1に記載の回転アクチュエータ組立体。
【請求項3】
前記第1の副回転軸及び前記第2の副回転軸は同じであり、前記第1のロータ及び前記第2のロータは同軸である、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項4】
前記第1の副回転軸、第2の副回転軸、及び前記第3の副回転軸は同じであり、前記第1のロータ、前記第2のロータ、及び前記第3のロータは同軸である、請求項2に記載のアクチュエータ・システム。
【請求項5】
前記第1の副回転軸、前記第2の副回転軸、及び前記回転出力軸は同じである、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項6】
前記第1の副アクチュエータは、前記第1のロータが前記第1の副アクチュエータの動作不良によって前記第1のステータに対して前記第1の副回転軸を中心として逆駆動の回転方向に回転するのを選択的に抑制するように構成されている、ノー・バック・ブレーキを備え、
前記第2の副アクチュエータは、前記第2のロータが前記第2の副アクチュエータの動作不良によって前記第2のステータに対して前記第2の副回転軸を中心として逆駆動の回転方向に回転するのを選択的に抑制するように構成されている、ノー・バック・ブレーキを備える、
請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第1の副アクチュエータの動作不良を感知するように、及び応答して前記第1の副アクチュエータの駆動を停止するように構成されており、前記制御装置は、前記第2の副アクチュエータの動作不良を感知するように、及び応答して前記第2の副アクチュエータの駆動を停止するように構成されている、請求項6に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項8】
第1の副アクチュエータは、前記制御装置に接続されており且つ前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第1のロータの角度位置を感知するように構成されている、第1の位置センサを備え、
前記第2の副アクチュエータは、前記制御装置に接続されており且つ前記第2のステータに対する前記第2の副回転軸を中心とした前記第2のロータの角度位置を感知するように構成されている、第2の位置センサを備える、
請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項9】
前記出力部材は、前記制御装置に接続されており且つ前記構造体に対する前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の角度位置を感知するように構成されている、出力位置センサを備える、請求項8に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項10】
前記第1のロータと前記第2のステータの間に第1のギア機構を、及び前記第2のロータと前記出力部材の間に第2のギア機構を備える、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項11】
前記第1のギア機構及び前記第2のギア機構は1よりも大きい入力対出力比を各々備える、請求項10に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項12】
前記第1のギア機構及び前記第2のギア機構は遊星歯車を各々備える、請求項10に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項13】
前記第1のロータと前記第2のステータの間にギア機構を備え、前記第1のロータは前記ギア機構への入力部を備え、前記第2のステータは前記ギア機構からの出力部を備える、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項14】
前記第2のステータは、前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第1のロータの回転を伴って、前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第1のロータの回転速度とは異なる回転速度で、前記第1のステータに対して前記第1の副回転軸を中心として回転する、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項15】
前記第2のステータと前記第1のロータの間の結合比の関数として、前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第2のステータの前記回転速度は、前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第1のロータの前記回転速度とは異なる、請求項14に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項16】
前記回転運動の出力角度範囲は前記回転出力軸を中心として360度未満である、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項17】
前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第2のステータの回転を360度以下である第2のステータの角度限度値に限定する、第1の機械的停止部を備える、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項18】
前記第1の機械的停止部の前記第2のステータの角度限度値は、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転運動の出力角度範囲の少なくとも2倍である、請求項17に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項19】
前記出力部材を、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転運動の出力角度範囲に限定する機械的停止部を備える、請求項18に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項20】
前記第1のステータに対する前記第1の副回転軸を中心とした前記第2のステータの回転を360度未満である第2のステータの角度限度値に限定する、第1の機械的停止部と、
前記第1のステータに対する前記第2の副回転軸を中心とした前記第3のステータの回転を360度未満である第3のステータの角度限度値に限定する、第2の機械的停止部と、
を備える、請求項2に記載の回転アクチュエータ・システム
【請求項21】
前記第1の機械的停止部の前記第2のステータの角度限度値は、前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転運動の出力角度範囲の少なくとも2倍であり、
前記第2の機械的停止部の前記第3のステータの角度限度値は、前記第1の機械的停止部の前記第2のステータの角度限度値の少なくとも2倍である、
請求項20に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項22】
前記出力部材を前記回転出力軸を中心とした前記出力部材の前記回転運動の出力角度範囲に限定する機械的停止部を備える、請求項21に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項23】
前記第1の副アクチュエータは、前記第1のロータを前記第1のステータに対して前記第1の副回転軸を中心として駆動するように構成されているブラシレスDC永久磁石モータを備え、前記第2の副アクチュエータは、前記第2のロータを前記第2のステータに対して前記第2の副回転軸を中心として駆動するように構成されているブラシレスDC永久磁石モータを備える、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項24】
前記被駆動体は、航空機の飛行制御機構及び航空機の飛行制御表面から成る群から選択される、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項25】
前記被駆動体は前記航空機の飛行制御表面を備え、前記航空機の飛行制御表面は、エレベーター、ラダー、エルロン、フラップ、スラット、スタビライザー、及びスポイラーから成る群から選択される、請求項24に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項26】
前記被駆動体は前記航空機の飛行制御表面を備え、前記出力部材はトルク・チューブを介して前記飛行制御表面に接続されている、請求項24に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項27】
前記被駆動体は前記航空機の飛行制御機構を備え、前記航空機の飛行制御機構は、ヘリコプタの主回転翼、ヘリコプタの尾部回転翼、ヘリコプタの主回転翼斜板、及びヘリコプタの尾部回転翼斜板から成る群から選択される、請求項24に記載の回転アクチュエータ・システム。
【請求項28】
前記動作不良は機械的ジャム、電動モータの不具合、又は動力の喪失を含む、請求項1に記載の回転アクチュエータ・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に冗長飛行制御アクチュエータ・システムの分野に関し、より詳細には電気機械的冗長アクチュエータ・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冗長アクチュエータ・システムが一般に知られている。2012年3月20日発行の「Electromechanical Actuating Assembly」と題する米国特許第8,136,418号は、複数のフォールト・トレラント・モードで動作可能な組立体を対象としている。
【0003】
2012年3月20日発行の「Electromechanical Actuating Assembly」と題する米国特許第8,136,418号は、複数のフォールト・トレラント・モードで動作可能な組立体を対象としている。
【0004】
2016年10月17日発行の「Fault-Tolerant Rotary Actuator」と題する米国特許第7,122,926号は、2つのアクチュエータ・サブシステムを収容したアクチュエータ・モジュールを対象としている。
【0005】
2007年3月29日公開の「Failure-Tolerant Redundant Actuator System」と題する米国特許出願公開第2007/0068291号は、いかなる単一箇所の不具合にも耐性のあるアクチュエータ・システムを対象としている。
【0006】
2015年3月19日公開の「Actuator System and Method」と題する米国特許出願公開第2015/0081102号は、制御される要素を回転させるための、複数のアクチュエータと共有リンクを含むリンク機構とを有するアクチュエータ・システムを対象としている。
【0007】
2015年7月21日発行の「Rotary Actuator」と題する米国特許第9,086,125号は、複数のアクチュエータと独立した自由度を有する複数のリンク機構とを有するアクチュエータ・システムを対象としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,136,418号
【特許文献2】米国特許第7,122,926号
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0068291号
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0081102号
【特許文献5】米国特許第9,086,125号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
限定としてではなく単に説明の目的で、開示される実施例の対応する部品、部分、又は表面を補足的に参照すると、本開示は、構造体(19)に対して回転出力軸(18)を中心として選択的に回転するように構成されており且つ被駆動体(20)に運動を付与するように構成されている、出力部材(16)と、第1のステータ(31)及び第1のロータを(32)有する第1の副アクチュエータ(30)であって、第1のステータ(31)は構造体に(19)固定されており、第1のロータ(32)は第1のステータ(31)に対して第1の副回転軸(33)を中心として選択的に回転するように構成されている、第1の副アクチュエータ(30)と、第2のステータ(51)及び第2のロータ(52)を有する第2の副アクチュエータ(50)であって、第2のロータ(52)は第2のステータ(51)に対して第2の副回転軸(53)を中心として選択的に回転するように構成されており、第2のステータ(51)は、第2のステータ(51)が、第1のステータ(31)に対する第1の副回転軸(33)を中心とした第1のロータ(32)の回転を伴って第1のステータ(31)に対して第1の副回転軸(33)を中心として回転するように、第1のロータ(32)に接続されており、第2のロータ(53)は出力部材に回転式に結合されている、第2の副アクチュエータ(50)と、第1の副アクチュエータ及び第2の副アクチュエータを、回転出力軸を中心とした出力部材の回転を回転出力軸を中心とした回転運動の出力角度範囲内で選択的に制御するように駆動するよう構成されている、少なくとも1つの制御装置(90、91A、91B)であって、制御装置は通常モードにおいて、第1の副アクチュエータ及び第2の副アクチュエータを、回転出力軸を中心とした出力部材の回転を、回転運動の出力角度範囲内で、構造体に対する第1の副回転軸及び第2の副回転軸をそれぞれ中心とした第1のロータ及び第2のロータの回転量の合計の関数として選択的に制御するように駆動するよう構成されており、制御装置は不具合モードにおいて、第1の副アクチュエータ又は第2の副アクチュエータの一方を、回転運動の出力角度範囲内で、回転出力軸を中心とした出力部材の回転を選択的に制御するように駆動するよう構成されており、このとき第1の副アクチュエータ又は第2の副アクチュエータの他方が動作不良となっている、制御装置(90、91A、91B)と、を備える、回転アクチュエータ組立体(15)を提供する。
【0010】
回転アクチュエータ組立体は、第3のステータ(71)と第3のロータ(72)とを有する第3の副アクチュエータ(70)であって、第3のロータ(72)は第3のステータ(71)に対して第3の副回転軸(73)を中心として選択的に回転するように構成されており、第3のステータ(71)は、第3のステータ(71)が、第2のステータ(51)に対する第2の副回転軸(53)を中心とした第2のロータ(52)の回転を伴って第2のステータ(51)に対して第2の副回転軸(53)を中心として回転するように、第2のロータ(52)に回転式に結合されており、第3のロータ(72)は第2のロータ(52)と出力部材(16)の間で出力部材(16)に回転式に結合されている、第3の副アクチュエータ(70)、を備え得、制御装置(90、91A、91B、91C)は通常モードにおいて、第1の副アクチュエータ、第2の副アクチュエータ、及び第3の副アクチュエータを、回転出力軸を中心とした出力部材の回転を、回転運動の出力角度範囲内で、構造体に対する第1の副回転軸、第2の副回転軸、及び第3の副回転軸をそれぞれ中心とした第1のロータ、第2のロータ、及び第3のロータの回転量の合計の関数として選択的に制御するように駆動するよう構成されており、制御装置は不具合モードにおいて、第1の副アクチュエータ、第2の副アクチュエータ、又は第3の副アクチュエータのうちの少なくとも1つを、回転運動の出力角度範囲内で、回転出力軸を中心とした出力部材の回転を選択的に制御するように駆動するよう構成されており、このとき第1の副アクチュエータ、第2の副アクチュエータ、又は第3の副アクチュエータのうちのそれ以外の1つが動作不良となっている。
【0011】
第1の副回転軸(33)及び第2の副回転軸(52)は同じであってもよく、第1のロータ(32)及び第2のロータ(52)は同軸であってもよい。第1の副回転軸(33)、第2の副回転軸(53)、及び第3の副回転軸(73)は同じであってもよく、第1のロータ(32)、第2のロータ(52)、及び第3のロータ(72)は同軸であってもよい。第1の副回転軸(33)、第2の副回転軸(53)、及び回転出力軸(18)は同じであってもよい。
【0012】
第1の副アクチュエータは、第1のステータ(31)を収容しており且つ構造体に対して固定されている第1の副アクチュエータ・ハウジング(34)を備え得、第2の副アクチュエータは、第2のステータ(51)を収容しており、且つ、第1の副アクチュエータ・ハウジングに対する第1の副回転軸(33)を中心とした第1のロータ(32)の回転を伴って、第1の副アクチュエータ・ハウジングに対して第1の副回転軸(33)を中心として回転するように構成されている、第2の副アクチュエータ・ハウジング(54)を備え得る。第3の副アクチュエータは、第3のステータ(71)を収容しており、且つ、第2の副アクチュエータ・ハウジングに対する第2の副回転軸(53)を中心とした第2のロータ(52)の回転を伴って、第2の副アクチュエータ・ハウジングに対して第2の副回転軸(53)を中心として回転するように構成されている、第3の副アクチュエータ・ハウジング(74)を備え得る。
【0013】
第1の副アクチュエータは、第1のロータが第1の副アクチュエータの動作不良によって第1のステータに対して第1の副回転軸を中心として逆駆動の回転方向に回転するのを選択的に抑制するように構成されている、ノー・バック・ブレーキ(100、100A)を備え得、第2の副アクチュエータは、第2のロータが第2の副アクチュエータの動作不良によって第2のステータに対して第2の副回転軸を中心として逆駆動の回転方向に回転するのを選択的に抑制するように構成されている、ノー・バック・ブレーキ(100、100B)を備え得る。制御装置は、第1の副アクチュエータの動作不良を感知するように、及び応答して第1の副アクチュエータの駆動を停止するように構成され得、制御装置は、第2の副アクチュエータの動作不良を感知するように、及び応答して第2の副アクチュエータの駆動を停止するように構成され得る。
【0014】
第1の副アクチュエータは、制御装置に接続されており且つ第1のステータに対する第1の副回転軸を中心とした第1のロータの角度位置を感知するように構成されている、第1の位置センサ(35)を備え得、第2の副アクチュエータは、制御装置に接続されており且つ第2のステータに対する第2の副回転軸を中心とした第2のロータの角度位置を感知するように構成されている、第2の位置センサ(55)を備え得る。出力部材は、制御装置に接続されており且つ構造体に対する回転出力軸を中心とした出力部材の角度位置を感知するように構成されている、出力位置センサ(22)を備え得る。
【0015】
回転アクチュエータ・システムは、第1のロータと第2のステータの間の第1のギア機構(38)と、第2のロータと出力部材の間の第2のギア機構(58)とを備え得る。第1のギア機構及び第2のギア機構は、1よりも大きい入力対出力比を各々備え得る。第1のギア機構及び第2のギア機構は、遊星歯車を各々備え得る。回転アクチュエータ・システムは第1のロータと第2のステータの間にギア機構(38)を備え得、第1のロータはギア機構への入力部を備え得、第2のステータはギア機構からの出力部を備え得る。第2のステータ(51)は、第1のステータ(31)に対する第1の副回転軸(33)を中心とした第1のロータ(32)の回転を伴って、第1のステータ(31)に対する第1の副回転軸(33)を中心とした第1のロータ(32)の回転速度とは異なる回転速度で、第1のステータ(31)に対して第1の副回転軸(33)を中心として回転し得る。第2のステータと第1のロータの間の結合比の関数として、第1のステータに対する第1の副回転軸を中心とした第2のステータの回転速度は、第1のステータに対する第1の副回転軸を中心とした第1のロータの回転速度とは異なり得る。
【0016】
回転運動の出力角度範囲(21)は、回転出力軸を中心として360度未満であり得る。回転アクチュエータ・システムは、第1のステータに対する第1の副回転軸を中心とした第2のステータの回転を360度以下である第2のステータの角度限度値に限定する、第1の機械的停止部(60)を備え得る。第1の機械的停止部の第2のステータの角度限度値は、回転出力軸を中心とした出力部材の回転運動の出力角度範囲(21)の少なくとも2倍であり得る。回転アクチュエータ・システムは、出力部材を回転出力軸を中心とした出力部材の回転運動の出力角度範囲に限定する、機械的停止部(23)を備え得る。回転アクチュエータ・システムは、第1のステータに対する第1の副回転軸を中心とした第2のステータの回転を360度未満である第2のステータの角度限度値に限定する、第1の機械的停止部(60)と、第1のステータに対する第2の副回転軸を中心とした第3のステータの回転を360度未満である第3のステータの角度限度値に限定する、第2の機械的停止部(80)と、を備え得る。第1の機械的停止部(60)の第2のステータの角度限度値は、回転出力軸を中心とした出力部材の回転運動の出力角度範囲(21)の少なくとも2倍であり得、第2の機械的停止部(80)の第3のステータの角度限度値は、第1の機械的停止部の第2のステータの角度限度値の少なくとも2倍であり得、回転アクチュエータ・システムは、出力部材を回転出力軸を中心とした出力部材の回転運動の出力角度範囲に限定する、機械的停止部(23)を備え得る。
【0017】
第1の副アクチュエータは、第1のロータを第1のステータに対して第1の副回転軸を中心として駆動するように構成されているブラシレスDC永久磁石モータを備え得、第2の副アクチュエータは、第2のロータを第2のステータに対して第2の副回転軸を中心として駆動するように構成されているブラシレスDC永久磁石モータを備え得る。
【0018】
被駆動体は、航空機の飛行制御機構及び航空機の飛行制御表面から成る群から選択され得る。被駆動体は航空機の飛行制御表面を備え得、航空機の飛行制御表面は、エレベーター、ラダー、エルロン、フラップ、スラット、スタビライザー、及びスポイラーから成る群から選択され得る。被駆動体は航空機飛行制御表面を備え得、出力部材はトルク・チューブを介して飛行制御表面に接続され得る。被駆動体は航空機の飛行制御機構を備え得、航空機の飛行制御機構は、ヘリコプタの主回転翼、ヘリコプタの尾部回転翼、ヘリコプタの主回転翼斜板、及びヘリコプタの尾部回転翼斜板から成る群から選択され得る。
【0019】
動作不良は機械的ジャム、電気的なモータの不具合、又は動力の喪失を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】飛行制御出力部に接続されている改善されたアクチュエータ・システムの3モータ実施例の概略図である。
図2】改善されたアクチュエータ・システムの2モータ実施例の概略図である。
図3図2に示す改善されたアクチュエータ・システムの2モータ実施例の長手断面図である。
図4図3に示すノー・バック・デバイスの断面図である。
図5図4に示すノー・バック・デバイスの拡大断面斜視図である。
図6図5に示すノー・バック・デバイスの部分斜視図である。
図7】ロック解除位置にある図6に示すノー・バック・デバイスの部分断面図である。
図8】ロック位置にある図6に示すノー・バック・デバイスの部分断面図である。
図9図3に示す改善されたアクチュエータ・システムの2モータ実施例の右側端部の斜視図である。
図10図3に示す改善されたアクチュエータ・システムの2モータ実施例の制御装置システムのブロック図である。
図11図10に示す制御装置システム用の制御装置ロジックのブロック図である。
図12図1に示す改善されたアクチュエータ・システムの3モータ実施例の概略図である。
図13図12に示す改善されたアクチュエータ・システムの3モータ実施例の長手断面図である。
図14図13に示す改善されたアクチュエータ・システムの3モータ実施例の制御装置システムのブロック図である。
図15図14に示す制御装置システム用の制御装置ロジックのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に、図面のいくつかの図を通して同様の参照符号は一貫して同じ構造的要素、部分、又は表面を特定することを意図しており、その理由は、そのような要素、部分、又は表面が、この詳細な説明がその一部として組み込まれている書面としての本明細書全体によって、更に記載又は説明される場合があるためであることが、明確に理解されるべきである。そうではないと示されていない限りは、図面は明細書と一緒に読まれること(例えば、クロス・ハッチング、部品の配置構成、割合、度数、等)、及び書面としての本発明の明細書全体の一部と見なされることを意図している。以下の説明で使用する場合、用語「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」、及び「下」、並びにこれらの形容詞的及び副詞的な派生語(例えば、「水平に」、「右方向に」、「上方向に」、等)は、特定の図面が読者に対面しているときの、図示されている構造の向きを指しているに過ぎない。同様に、用語「内向きに」及び「外向きに」は一般に、ある表面のその延伸軸又は回転軸に対する向きを適宜に指す。
【0022】
ここで図面を、より具体的には図1図2、及び図12を参照すると、改善されたアクチュエータ・システムが提供されているが、その第1の2モータ実施例が全体に15で示されており、その第2の3モータ実施例が全体に115で示されている。図2及び図3に示すように、2モータシステム15は一般に、アクチュエータ30と、ノー・バック・デバイス100A及びギア変速装置38を介してアクチュエータ30に回転式に結合されているアクチュエータ50と、ノー・バック・デバイス100B及びギアボックス78を介してアクチュエータ50に回転式に結合されている出力ホーン16と、を含む。
【0023】
アクチュエータ30はハウジング34内に支持され、ステータ31とロータ32とを含む。ハウジング34及びステータ31は航空機の航空機フレーム19に固定されており、ロータ32は、ハウジング34及びステータ31に対して中心軸18を中心として回転するように駆動される。この実施例では、アクチュエータ30は、動力供給されないノー・バック・デバイス100Aと遊星歯車ユニット38とを有する、ブラシレスDC永久磁石電動モータである。回転モータ30は、コイル巻線を有する外側非回転ステータ31と、永久磁石36を有する内側ロータ32と、を含む。ステータ31は、ステータ31がハウジング34に対して回転しないようにモータ・ハウジング34に固定されている。リード42及び駆動ユニット91Bを介してステータ31のコイルに電流が適切に流されると、磁界が誘導される。ステータ31とロータ32の間の磁界の相互作用によって、シャフト101Aを回転させ得るトルクが生成される。駆動電子部品91Aは、リゾルバ35の角度位置フィードバックに基づいてステータ磁界を生成し、モータ30の速さ及び方向を変えるようにそれを整流する。これに応じて、モータ30は、ロータ32に軸18を中心にしたいずれかの方向に様々な速さで選択的にトルクを加えることになる。このことによってロータ32が駆動されて、ステータ31及びハウジング34に対して回転軸33を中心として選択的に回転される。
【0024】
ロータ32は、ノー・バック・デバイス100Aのノー・バック入力シャフト101Aに回転式に結合される。図4図6に示すように、ノー・バック・デバイス100Aは、上側ベアリング・プレート103と下側ロック・プレート104の間で作用するばね105と、2傾斜斜面ノッチ109及び入力シャフト・カム110と、プレート104にあるロック・ピン106及びハウジング112にあるロック・スロット108と、を含む。図8に示すように、入力シャフト101からシャフト・カム110にトルクが加えられていないとき、ロック・プレート104はばね105によって下げられた位置に付勢され、このときロック・ピン106は対応するハウジング・スロット108内に据えられるが、これによってハウジング112に対する中心軸18を中心とした出力シャフト102Aの回転が許容されなくなる。これがロック位置である。図7に示すように、トルクが加えられシャフト32が軸18を中心にしたいずれかの方向に回転すると、そのような回転によって、シャフト・カム110は対応する傾斜ノッチ109の傾斜表面の一方(回転の方向による)に当接させ、対応するノッチ109から乗り出すことになり、このことによって今度はロック・プレート104が上向きに押しやられ、ばね105が圧縮され、ハウジング112にある対応するロック・スロット108の外にピン106が移動する。このことによって、ハウジング112に対する中心軸18を中心とした出力シャフト102Aの回転が可能になり、ばね105が圧縮されて、これによって出力シャフト102Aが入力シャフト101Aの回転と共に回転する。これがロック解除位置である。このため、モータ30及びロータ32からの入力シャフト101Aに対する駆動トルクがないときに、プレート104及びロック・ピン106を介して出力シャフト102Aを固定された構造体112に事実上アースするばね105によって、出力シャフト102Aの回転が防止される。ロータ32から入力シャフト101Aにトルクが加えられると、ばね105が圧縮され、ピン106が固定された構造体112から解放され、出力シャフト102Aが係合されて、入力シャフト101Aから出力シャフト102Aへと動力の伝達が行われる。
【0025】
ノー・バック・デバイス100Aの出力シャフト102Aは次に、ギア変速装置38に回転式に結合される。この実施例では、ギア変速装置38は、ノー・バック・デバイス100Aの出力シャフト102Aに回転式に結合されている入力ギア・シャフトと、ハウジング54に接続されている出力ギア・シャフト39と、入力ギア・シャフトと出力ギア・シャフト39の間の遊星歯車トレインと、を含む。この実施例では、ギア・ボックス38の入力対出力比は1よりも大きく、好ましくは120対1である。
【0026】
ステッパ・モータ、ブラシ・モータ、誘導モータ、回転液圧アクチュエータ、又は類似のものなどの、他の回転モータ又はアクチュエータが、代替として使用され得る。また、動力供給されるノー・バック・デバイスを含むがこれに限定されない他のノー・バック・デバイスが、代替として使用され得る。更に、所望のギア比又は速さ比を実現するために、他のギア変速装置、又はベルト継手若しくは他の類似の継手などの回転継手が使用され得るか、或いは別法として、ギアを使用しなくてもよい。
【0027】
ギア機構38の出力ギア・シャフト39は次に、モータ50のハウジング54に強固に接続される。ハウジング54は、モータ30のロータ32に回転式に結合されているギア機構38の出力シャフト39の回転を伴って、ハウジング54が軸18を中心として回転することになるように、航空機フレーム19によって回転式に支持される。モータ30のロータ32がフレーム19に対して回転していない、及び/又は、ノー・バック・デバイス100Aがロック位置にある場合、ハウジング54はフレーム19及びモータ・ハウジング34に対して回転しない。ノー・バック・デバイス100Aがロック解除位置にある場合、ハウジング54は、航空機フレーム19及びモータ・ハウジング34に対するロータ32の回転を伴って、ロータ32とギア機構38の出力ギア・シャフト39の間の結合比の関数として、航空機フレーム19及びモータ・ハウジング34に対して軸18を中心として回転することになる。
【0028】
アクチュエータ50はハウジング54内に支持され、ステータ51とロータ52とを含む。ステータ51はハウジング54に固定されており、ロータ52は、ハウジング54及びステータ51に対して中心軸18を中心として回転するように駆動される。この実施例では、アクチュエータ50は、動力供給されないノー・バック・デバイス100Bと遊星歯車ユニット58とを有する、ブラシレスDC永久磁石電動モータである。回転モータ50は、コイル巻線を有する外側非回転ステータ51と、永久磁石56を有する内側ロータ52と、を含む。ステータ51は、ステータ51がハウジング54に対して回転しないようにモータ・ハウジング54に固定されている。リード62及び駆動ユニット91Bを介してステータ51のコイルに電流が適切に流されると、磁界が誘導される。ステータ51とロータ52の間の磁界の相互作用によって、シャフト101Bを回転させ得るトルクが生成される。駆動電子部品91Bは、リゾルバ55の角度位置フィードバックに基づいてステータ磁界を生成し、モータ50の速さ及び方向を変えるようにそれを整流する。これに応じて、モータ50は、ロータ52に軸18を中心にしたいずれかの方向に様々な速さで選択的にトルクを加えることになる。このことによってロータ52が駆動されて、ステータ51及びハウジング54に対して回転軸53を中心として選択的に回転される。
【0029】
ロータ52は、ノー・バック・デバイス100Bのノー・バック入力シャフト101Bに回転式に結合される。ノー・バック・デバイス100Bはノー・バック・デバイス100Aと実質的に同じ構成である。このため、モータ50及び入力シャフト52からの入力シャフト101Bに対する駆動トルクがないときに、プレート104及びロック・ピン106を介して出力シャフト102Bをハウジング54に事実上アースするばね105によって、出力シャフト102Bの回転が防止される。ロータ52から入力シャフト101Bにトルクが加えられると、ばね105が圧縮され、ピン106がハウジング54から解放され、出力シャフト102Bが係合されて、入力シャフト101Bから出力シャフト102Bへと動力の伝達が行われる。
【0030】
ノー・バック・デバイス100Bの出力シャフト102Bは次に、ギア変速装置58に回転式に結合される。ギア変速装置58はギア変速装置38と実質的に同じ構成である。この実施例では、ギア・ボックス58の入力対出力比は1よりも大きく、好ましくは120対1である。
【0031】
ステッパ・モータ、ブラシ・モータ、誘導モータ、回転液圧アクチュエータ、又は類似のものなどの、他の回転モータ又はアクチュエータが、代替として使用され得る。また、動力供給されるノー・バック・デバイスを含むがこれに限定されない他のノー・バック・デバイスが、代替として使用され得る。更に、所望のギア比又は速さ比を実現するために、他のギア変速装置、又はベルト継手若しくは他の類似の継手などの回転継手が使用され得るか、或いは別法として、ギアを使用しなくてもよい。
【0032】
ギア機構58の出力ギア・シャフト59は次に、出力ホーン16に強固に接続される。出力ホーン16は、モータ50のロータ52に回転式に結合されているギア機構58の出力シャフト59の回転を伴って、出力ホーン16が軸18を中心として回転することになるように、航空機フレーム19によって回転式に支持される。モータ50のロータ52がモータ・ハウジング54に対して回転していない、及び/又は、ノー・バック・デバイス100Bがロック位置にある場合、出力ホーン16はハウジング54に対して回転しない。ノー・バック・デバイス100Bがロック解除位置にある場合、出力ホーン16は、モータ・ハウジング54に対するロータ52の回転を伴って、ロータ52とギア機構58の出力ギア・シャフト59の間の結合比の関数として、ハウジング54に対して軸18を中心として回転することになる。
【0033】
図10及び図11に示すように、制御装置90はモータ駆動装置91A及び91Bに接続されており、アクチュエータ30及び50をモニタし122、ステータ31及びモータ・ハウジング34に対するロータ32の対応する回転並びにステータ51及びモータ・ハウジング54に対するロータ52の回転を制御することによって出力ホーン16を所望の位置に移動させるためのコマンドを、アクチュエータ30及び50に提供する。通常モード120では、アクチュエータ30及び50は、フレーム19に対するロータ32及びロータ52の回転量の合計の関数として、出力ホーン16を回転させ、リンク機構25を介して飛行制御出力部20を移動させるように制御される。しかしながら、モータ不具合モード121では、アクチュエータ50に不具合があるときに、アクチュエータ30が、フレーム19に対するロータ32の回転量の関数として出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるように制御され得るか、又は、アクチュエータ30に不具合があるときに、アクチュエータ50がフレーム19に対するロータ52の回転量の関数として出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるように制御され得るか、のいずれかである。したがって、アクチュエータ30及び50は、これらが問題となるアクチュエータの不具合の後で逆駆動不可能であるという特徴を有し、システムはアクチュエータの不具合の発生時に最大限の飛行制御性能を実現する。
【0034】
通常動作120中、フレーム19に対して出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるために、アクチュエータ30及び50の両方が使用される。このことをアクティブ-アクティブ・スキームと呼ぶ場合があり、これは通常動作120における好ましい動作スキームである。しかしながら、ノー・バック機構100Bに起因して、アクチュエータ50が不具合を生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる124場合、出力ホーン16はアクチュエータ30単独によって回転され得125、このとき出力シャフト102Bはノー・バック機構100Bを介してステータ51及びハウジング54に対する回転を抑制され、モータ50はこのことにより固定継手として動作する。別法として、ノー・バック機構100Aに起因して、アクチュエータ30が不具合を生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる123場合、出力ホーン16はアクチュエータ50単独によって回転され得125、このとき出力シャフト102Aはノー・バック機構100Aを介してステータ31及びハウジング34に対する回転を抑制され、モータ30はこのことにより固定継手として動作する。
【0035】
アクティブ-アクティブ・スキーム及び通常モード120では、制御装置90は通常、制御を実行するためにアクチュエータ30と50の間で位置コマンドを等しく分割する。アクチュエータの不具合の後では、残りのアクチュエータへのコマンドは単に位置コマンドである。いずれかのアクチュエータが中心以外の位置で停止した場合、残りのアクチュエータへのコマンドには、不具合を生じたアクチュエータの中心以外の入力を一掃するか又は取り消すようなバイアスをかける。
【0036】
別法として、通常モード120では、通常動作中にフレーム19に対して出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるために、アクチュエータ30及び50のうちのただ1つが使用され得るが、これはアクティブ-スタンバイ・スキームと呼ばれる。このアクティブ-スタンバイ・スキームでは、単一のアクチュエータが、これに不具合が生じ動作不能になるまで最大能力の制御を実現する。これが行われると、最大能力を維持したまま制御を再開するべくその他のアクチュエータが起動される。
【0037】
リゾルバ35又は別のタイプの位置センサは、ハウジング34及びステータ31に対する、ロータ32の位置を感知するように構成されている。制御装置90からの入力コマンドに基づいてロータ32の位置を調整するために、リゾルバ35が設けられている。ハウジング54及びステータ51に対するロータ52の位置を感知するために、リゾルバ55又は別のタイプの位置センサが設けられている。制御装置90からの入力コマンドに基づいてロータ52の位置を調整するために、リゾルバ55が設けられている。フレーム19に対する出力ホーン16の位置を感知するために、リゾルバ22又は別のタイプの位置センサが設けられている。位置センサは、位置、又は位置の導関数、又は物体からの距離を測定するための任意の電気デバイスであってもよく、その例としては、エンコーダ、リゾルバ、ポテンショメータ、ホール効果センサ、線形可変差動変圧器、バリスタ、可変コンデンサ、レーザ距離計、超音波領域検出器、赤外線領域検出器、又は他の類似のデバイスが挙げられる。
【0038】
制御装置90は、パイロット・インターフェース95から入力コマンドを受信し、機械的不具合がないかリゾルバ位置とモニタ122を連続的に比較する。システム15はこの結果、制御装置90への診断フィードバックを含む。制御装置90はデータ完全性をモニタし、センサ・デバイスの状態をモニタし、電源をモニタし、対象のパラメータが許容可能レベルから外れる場合はフォールトを設定する。制御装置90は、センサ・データを受信及び保存するためのデータ・サンプリング及び保存機構と、動作パラメータ及びセンサ・データのログを保存するためのデータ・ストレージと、を含む。制御装置90は、本明細書に開示するような方法ステップ、計算などの実行及び関連データの保存などの、様々なコンピュータ実装機能を実行するように構成されている。様々なセンサと通信するために、センサ・インターフェースによって、センサから送信される信号をプロセッサ90が理解及び処理できる信号に変換できるようにする。センサは有線接続を介してセンサ・インターフェースに結合され得る。他の実施例では、これらはワイヤレス接続を介してセンサ・インターフェースに結合され得る。この実施例では、制御装置90はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(「FPGA:field programmable gate array」)である。ただし、プログラム可能論理デバイス(「PLD:programmable logic device」)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又は他の類似のデバイスが代替として使用され得る。制御装置はその入力ラインの論理関数である出力ラインを有する任意のデジタル・デバイスであってよく、その例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラム可能論理デバイス、特定用途向け集積回路、又は他の類似のデバイスが挙げられる。制御装置90は、センサから対応する出力信号を受信するための入力部を有する。制御装置90は、本明細書に開示する並びに図10図11図14、及び図15に示すように動作するようプログラムされる。
【0039】
更に、図10及び図14に示すように、冗長プロセッサ90A、及びモデル化を目的としたプロセッサ90Bを設けてもよい。余剰の電源96A及び96Bも利用してもよい。モータ駆動装置91A及び91Bは、モータ30及び50をそれぞれ整流するための駆動電力出力電子部品を含み、それに対応してシステム及び制御モータ30及び50内のセンサから対応するフィードバックを受信する。
【0040】
図2図3、及び図9にも示されているように、ハウジング34及びフレーム19に対するハウジング54の軸18を中心とした回転角度範囲を限定するための、回転停止部60が設けられている。この実施例では、停止部60は120度以下の角度限度値をもたらす。フレーム19に対する出力ホーン23の軸18を中心とした回転角度範囲21を限定するための、回転停止部23が設けられている。この実施例では、停止部23は60度以下である角度範囲21の限度値をもたらす。このことにより、単純化された制御スキームと、信号整流のためのスリップ・リングを用いないアクチュエータへの電気ケーブル配線とが可能になる。
【0041】
このように、システム15は、最大能力の冗長フェール・セーフ動作が実現されるように回転アクチュエータ同士を組み合わせる。従来の複数アクチュエータ・システムは加算リンク機構又はギアボックスを採用してきたが、これらはより複雑であり、望ましくない特性をもたらす。加算リンク機構及びギアボックスは、より多くの部品点数及びより大きいサイズの外囲器及び重量を必要とする。そのような従来のシステムは、アクチュエータのうちの1つの不具合の後で望ましくない特性を示し、より多くの部品点数及び十分に緩和できない不具合モードの導入によって、信頼性及び安全性の低下を呈する。
【0042】
図12は3モータ実施例115の概略図である。これは3重の冗長性を実現する。この実施例は、アクチュエータ30及び50に関連して上記したシステム15に類似している。しかしながらこの実施例では、ロータ52、特にギア機構58の出力ギア・シャフト59と、出力ホーン16との間に、第3のアクチュエータ70が設けられている。この実施例では、モータ50のギア機構58の出力ギア・シャフト59は、モータ70のハウジング74に強固に接続される。ハウジング74は、モータ50のロータ52に回転式に結合されているギア機構58の出力シャフト59の回転を伴って、ハウジング74が軸18を中心として回転することになるように、航空機フレーム19によって回転式に支持される。モータ50のロータ52がハウジング54に対して回転していない、及び/又は、ノー・バック・デバイス100Bがロック位置にある場合、ハウジング74はモータ・ハウジング54に対して回転しない。ノー・バック・デバイス100Bがロック解除位置にある場合、ハウジング74は、モータ・ハウジング54に対するロータ52の回転を伴って、ロータ52とギア機構58の出力ギア・シャフト59の間の結合比の関数として、モータ・ハウジング54に対して軸18を中心として回転することになる。
【0043】
アクチュエータ70はハウジング74内に支持され、ステータ71とロータ72とを含む。ステータ71はハウジング74に固定されており、ロータ72は、ハウジング74及びステータ71に対して中心軸18を中心として回転するように駆動される。この実施例では、アクチュエータ70は、動力供給されないノー・バック・デバイス100Cと遊星歯車ユニット78とを有する、ブラシレスDC永久磁石電動モータである。回転モータ70は、コイル巻線を有する外側非回転ステータ71と、永久磁石76を有する内側ロータ72と、を含む。ステータ71は、ステータ71がハウジング74に対して回転しないようにモータ・ハウジング74に固定されている。駆動ユニット91Cを介してステータ71のコイルに電流が適切に流されると、磁界が誘導される。ステータ71とロータ72の間の磁界の相互作用によって、シャフト101Cを回転させ得るトルクが生成される。駆動電子部品91Cは、リゾルバ75の角度位置フィードバックに基づいてステータ磁界を生成し、モータ70の速さ及び方向を変えるようにこれを整流する。これに応じて、モータ70は、ロータ72に軸18を中心にしたいずれかの方向に様々な速さで選択的にトルクを加えることになる。このことによってロータ72が駆動されて、ステータ71及びハウジング74に対して、回転軸73を中心として選択的に回転される。
【0044】
ロータ72は、ノー・バック・デバイス100Cのノー・バック入力シャフト101Cに回転式に結合される。ノー・バック・デバイス100Cはノー・バック・デバイス100Aと実質的に同じ構成である。このため、モータ70及びロータ72からの入力シャフト101Cに対する駆動トルクがないときに、プレート104及びロック・ピン106を介して出力シャフト102Cをハウジング74に事実上アースするばね105によって、出力シャフト102Cの回転が防止される。ロータ72から入力シャフト101Cにトルクが加えられると、ばね105が圧縮され、ピン106がハウジング74から解放され、出力シャフト102Cが係合されて、入力シャフト101Cから出力シャフト102Cへと動力の伝達が行われる。
【0045】
ノー・バック・デバイス100Cの出力シャフト102Cは次に、ギア変速装置78に回転式に結合される。ギア変速装置78はギア変速装置38と実質的に同じ構成である。この実施例では、ギア・ボックス78の入力対出力比は1よりも大きく、好ましくは少なくとも120対1である。
【0046】
ステッパ・モータ、ブラシ・モータ、誘導モータ、回転液圧アクチュエータ、又は類似のものなどの、他の回転モータ又はアクチュエータが、代替として使用され得る。また、動力供給されるノー・バック・デバイスを含むがこれに限定されない他のノー・バック・デバイスが、代替として使用され得る。更に、所望のギア比又は速さ比を実現するために、他のギア変速装置、又はベルト継手若しくは他の類似の継手などの回転継手が使用され得るか、或いは別法として、ギアを使用しなくてもよい。
【0047】
この実施例115では、ギア機構78の出力ギア・シャフト79は次に、出力ホーン16に強固に接続される。出力ホーン16は、モータ70のロータ72に回転式に結合されているギア機構78の出力シャフト79の回転を伴って、出力ホーン16が軸18を中心として回転することになるように、航空機フレーム19によって回転式に支持される。モータ70のロータ72がモータ・ハウジング74に対して回転していない、及び/又は、ノー・バック・デバイス100Cがロック位置にある場合、出力ホーン16はハウジング74に対して回転しない。ノー・バック・デバイス100Cがロック解除位置にある場合、出力ホーン16は、モータ・ハウジング74に対するロータ72の回転を伴って、ロータ72とギア機構78の出力ギア・シャフト79の間の結合比の関数として、ハウジング74に対して軸18を中心として回転することになる。
【0048】
図14及び図15に示すように、制御装置90はモータ駆動装置91A、91B、及び91Cに接続されており、アクチュエータ30、50、及び70をモニタし222、ステータ31及びモータ・ハウジング34に対するロータ32の対応する回転、ステータ51及びモータ・ハウジング54に対するロータ52の回転、並びにステータ71及びモータ・ハウジング74に対するロータ72の回転を制御することによって出力ホーン16を所望の位置に移動させるためのコマンドを、アクチュエータ30、50、及び70に提供する。通常モード220では、アクチュエータ30、50、及び70は、フレーム19に対するロータ32、ロータ52、及びロータ72の回転量の合計の関数として、出力ホーン16を回転させ、リンク機構25を介して飛行制御出力部20を移動させるように制御される。しかしながら、モータ不具合モード221では、アクチュエータ30、50、及び70のうちの任意の1つ又は2つは、アクチュエータ30、50、又は70のうちのその他の1つ又は2つに不具合があるときに、出力ホーン16及び飛行制御出力部20をフレーム19に対するロータ32、52、及び72の回転の関数として回転させるように制御され得る。したがって、アクチュエータ30、50、及び70は、これらが問題となるアクチュエータの不具合の後で逆駆動不可能であるという特徴を有し、システムはアクチュエータの不具合の発生時に最大限の飛行制御性能を実現する。
【0049】
通常動作220中、及びアクティブ-アクティブ-アクティブ・スキームでは、フレーム19に対して出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるために、アクチュエータ30、50、及び70の全てが使用される。これは通常動作120における好ましい動作スキームである。しかしながら、ノー・バック機構100Cに起因して、アクチュエータ70が不具合を生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる225場合、出力ホーン16は2元アクチュエータ・モードで2元アクチュエータ120としてのアクチュエータ30及び50によって回転され得121、このとき出力シャフト102Cはノー・バック機構100Cを介してステータ71及びハウジング74に対する回転を抑制され、モータ70はこのことにより固定継手として動作する。別法として、ノー・バック機構100Bに起因して、アクチュエータ50が不具合を生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる224場合、出力ホーン16は2元アクチュエータ・モードで2元アクチュエータ120としてのアクチュエータ30及び70によって回転され得121、このとき出力シャフト102Bはノー・バック機構100Bを介してステータ51及びハウジング54に対する回転を抑制され、モータ50はこのことにより固定継手として動作する。更に別の代替形態では、ノー・バック機構100Aに起因して、アクチュエータ30が不具合を生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる223場合、出力ホーン16は2元アクチュエータ・モードで2元アクチュエータ120としてのアクチュエータ50及び70によって回転され得121、このとき出力シャフト102Aはノー・バック機構100Aを介してステータ31及びハウジング34に対する回転を抑制され、モータ30はこのことにより固定継手として動作する。
【0050】
ノー・バック機構100A、100B、100Cにそれぞれ起因して、アクチュエータ30、50、及び70のうちの1つに不具合が生じもはや動力供給されないか又は動作不能になり223、224、又は225、アクチュエータ30、50、及び70のうちの第2のものに不具合が生じもはや動力供給されないか又は動作不能になる123、124場合、出力ホーン16は残りの単一のアクチュエータ30、50、又は70単独によって回転され得125、不具合が生じたモータはこのことにより固定継手として動作する。
【0051】
アクティブ-アクティブーアクティブ・スキーム及び通常モード120では、制御装置90は通常、制御を実行するアクチュエータ30、50、及び70の間で位置コマンドを等しく分割する。アクチュエータの不具合の後では、制御装置90は通常、制御を実行する残りの2つのアクチュエータの間で位置コマンドを等しく分割する。第2のアクチュエータの不具合の後では、残りのアクチュエータへのコマンドは単に位置コマンドである。いずれかのアクチュエータが中心以外の位置で停止した場合、残りの複数又は1つのアクチュエータへのコマンドには、不具合を生じた複数の又は1つのアクチュエータの中心以外の入力を一掃するか又は取り消すようなバイアスをかける。
【0052】
別法として、通常モード120では、通常動作中にフレーム19に対して出力ホーン16及び飛行制御出力部20を回転させるために、アクチュエータ30、50、及び70のうちのただ1つが使用され得るが、これはアクティブ-スタンバイ-スタンバイ・スキームと呼ばれる。このアクティブ-スタンバイ-スタンバイ・スキームでは、アクチュエータ30などの単一のアクチュエータが、これに不具合が生じ動作不能になるまで最大能力の制御を実現する。このことが起こると、2つの残りのアクチュエータのうちの一方だけ、例えばアクチュエータ50が、これに不具合が生じ動作不能になるまで最大能力の制御を実現する、アクティブ-スタンバイ・モードが利用される。これが行われると、最大能力を維持したまま制御を再開するべくその他のアクチュエータ、例えばアクチュエータ70が起動される。
【0053】
ハウジング74及びステータ71に対するロータ72の位置を感知するために、リゾルバ75が設けられている。制御装置90からの入力コマンドに基づいてロータ72の位置を調整するために、リゾルバ75が設けられている。制御装置90は、パイロット・インターフェース95から入力コマンドを受信し、機械的不具合がないかリゾルバ位置とモニタ222を連続的に比較する。システム115はこの結果、制御装置90への診断フィードバックを含む。モータ駆動装置91A、91B、及び91Cは、モータ30、50、及び70をそれぞれ整流するための駆動電力出力電子部品を含み、システム及び制御モータ30、50、及び70内のセンサから対応するフィードバックを受信する。
【0054】
図12にも示されているように、ハウジング34及びフレーム19に対するハウジング54の軸18を中心とした回転角度範囲を限定するための、回転停止部60が設けられている。この実施例では、停止部60は120度以下の角度限度値をもたらす。ハウジング54及びフレーム19に対するハウジング74の軸18を中心とした回転角度範囲を限定するための、回転停止部80が設けられている。この実施例では、停止部80は240度以下の角度限度値をもたらす。フレーム19に対する出力ホーン23の軸18を中心とした回転角度範囲を限定するための、回転停止部23が設けられている。この実施例では、停止部23は60度以下である角度範囲21の限度値をもたらす。このことにより、単純化された制御スキームと、信号整流のためのスリップ・リングを用いないアクチュエータへの電気ケーブル配線とが可能になる。このことによりまた、同時に1つのアクチュエータしか動作していなくても、システムが出力ホーン16の全角度範囲の最大速度の運動を提供することが可能になる。
【0055】
フレーム19は、モータ・ハウジング54及び74並びに出力ホーン16との回転係合を提供するための、複数のベアリングを含む。この実施例では、回転モータ30、50、及び70は、それらの駆動シャフトが同軸であり中心軸18を中心として整列された状態で取り付けられている。ノー・バック機構100A、100B、100C、ギア変速装置38、58、及び78、並びに出力ホーン16もまた、中心軸18を中心として整列されている。
【0056】
上記したように、アクチュエータ・システム115は3重の冗長性及びフォールト又はジャム耐性を実現するが、このことはこの及び他の航空用途において非常に重要である。システム15及び115は内部の機械的不具合の後であっても冗長作動システムに継続的な動力及び出力運動を提供するが、このことは他のシステムであればジャム又は出力のロックを引き起こすであろう。
【0057】
開示されている実施例に対していくつかの修正を行うことができる。限定するものではないが例えば、更なる冗長性を実現するために、システムに、同じ中心軸を中心として配向されており且つ上記した機能性を有する追加のアクチュエータを追加してもよい。また、冗長性を実現する及び制御装置に有用なフィードバックを提供するために、アクチュエータ及び/又は任意の他のリンク機構に、位置センサ、リゾルバ、及び/又はエンコーダを追加してもよい。また更に、更なるフィードバックを提供するために、各アクチュエータ出力部及び/又はリンク機構システム25における任意の他のリンク接合部に、追加のトルク・センサ、位置センサ、及び/又はタコメータを追加してもよい。
【0058】
したがって、アクチュエータ・システムの現時点で好ましい形態を示して説明し、いくつかの修正形態を検討してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な追加の変更を行い得ることを、当業者は容易に諒解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】