(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】電動弁及び電動弁の組立方法
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20230406BHJP
F16K 1/42 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K1/42 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552444
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021099610
(87)【国際公開番号】W WO2022007589
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010655378.0
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110008747.1
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー、 ミン
(72)【発明者】
【氏名】ディン、 リアンメイ
【テーマコード(参考)】
3H052
3H062
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA02
3H052CA02
3H052CB23
3H052CB33
3H052CB34
3H052CC03
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB28
3H062BB31
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF38
3H062FF39
3H062FF40
3H062GG08
(57)【要約】
弁座部材(10)と弁体部材(20)とを含む電動弁であって、弁座部材(10)は、弁座(11)とシール部品(12)とを含み、シール部品(12)は、第1部品(121)と第2部品(122)とを含み、第1部品(121)は、プラスチックから製造されたシール部(1211)を含み、第2部品(122)は、ゴムから製造されており、第1部品(121)と弁座(11)との間に設けられ、第1部品(121)、弁座(11)に弾性当接され、弁体部材(20)は、弁座(11)に対して軸方向に移動可能な弁体(21)を含み、弁体(21)は、下端がシール部(1211)に対して当接又は離間可能な環状部(211)を含む。 電動弁の組立方法をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座部材と弁体部材とを含む電動弁であって、
前記弁座部材は、弁座と、シール部品とを含み、
前記シール部品は、第1部品と第2部品とを含み、
前記第1部品は、プラスチックから製造されたシール部を含み、
前記第2部品は、弾性材料から製造されており、前記第2部品は、前記第1部品と前記弁座との間に設けられ、前記第1部品、前記弁座に弾性当接され、
前記弁体部材は、前記弁座に対して軸方向に移動可能な弁体を含み、前記弁体は、下端が前記シール部に対して当接又は離間可能な環状部を含むことを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記弁座部材は、ブッシュをさらに含み、
前記ブッシュは、前記弁座に固定されて接続されおり、環状を呈し、
前記シール部品は、前記ブッシュに外嵌され、
前記ブッシュは、弁口を含み、
前記電動弁は、第1流体ポートと第2流体ポートとを含み、前記第1流体ポートは、前記弁口に連通し、前記弁体の前記環状部の下端が前記シール部から離間した場合、前記第2流体ポートは、前記弁口に連通することを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記弁座部材は、前記弁座に固定されて接続される位置制限部材をさらに含み、
前記第1部品は、環状の嵌着部をさらに含み、
前記第2部品は、環状を呈しており、前記嵌着部に外嵌され、
前記環状部が前記シール部に当接された場合、前記位置制限部材は、前記環状部の外側に位置することを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記第2部品と前記弁座の内壁との間に、第1排出通路を含み、
前記シール部と前記弁座の内壁との間に、第2排出通路を含み、
前記位置制限部材は、第3排出通路を含み、
前記第1排出通路、前記第2排出通路、前記第3排出通路、前記第2流体ポートは、順に連通していることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁座は、第1段孔、第2段孔、及び第3段孔を含み、
前記第1段孔の孔径は、前記第2段孔の孔径より小さく、
前記第2段孔は、第2底壁と第2側壁とを含み、
前記第3段孔は、第3底壁を含み、
前記第2部品は、前記第2底壁に位置し、
前記第2部品と前記第2側壁との間に、前記第1排出通路を含み、
前記シール部と前記第2側壁との間に、前記第2排出通路を含み、
前記第2段孔と前記第3段孔との間に、遷移部をさらに含み、
前記遷移部は、内壁がラッパ状を呈し、第1端が前記第3底壁に接続され、第2端が前記第2側壁に接続され、前記第1端の孔径が前記第2端の孔径より大きく、
前記遷移部と前記第1部品の外壁との間には、遷移通路が形成され、
前記第1排出通路、前記第2排出通路、前記遷移通路、前記第3排出通路は、順に連通していることを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項6】
前記弁座は、第1段孔を含み、
前記嵌着部は、前記第1段孔の第1側壁と前記ブッシュの外壁との間にある入り込み部を含み、
前記入り込み部の外壁と前記第1側壁との間に、第4排出通路を含み、
前記入り込み部の下端と前記第1段孔の第1底壁との間に、第5排出通路を含み、
前記ブッシュの壁部は、径方向貫通孔を含み、前記第4排出通路、前記第5排出通路、前記径方向貫通孔、前記第1流体ポートは、順に連通していることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項7】
前記第2部品の内壁は、前記嵌着部の外壁に締まり嵌めされ、
前記第1部品の前記シール部は、下に張り出した環状フランジ部を含み、
前記第2部品は、少なくともその一部が前記環状フランジ部と前記嵌着部との間に位置し、
前記環状フランジ部と前記弁座の内壁との間の隙間を、前記第2排出通路とし、
前記位置制限部材は、円環状を呈しており、前記第3排出通路としての軸方向貫通孔を含むことを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項8】
前記第1部品は、PTFE材料から製造され、
前記第2部品は、ゴムから製造されることを特徴とする請求項1~請求項7の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項9】
前記シール部の弁体と直接的に接触する部分の厚さを、0.1mm以上且つ0.5mm以下にすることを特徴とする請求項1~請求項7の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項10】
前記ブッシュは、本体部、下側固定部、及び前記本体部に対して径方向に突出する径方向突出部を含み、
前記本体部の外壁は、前記第1部品の内壁に締まり嵌めされ、
前記径方向突出部は、前記シール部に当接され、
前記下側固定部は、前記弁座にリベット結合されて固定されることを特徴とする請求項2~請求項7の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項11】
前記径方向突出部の外壁は、直面セグメントと斜面セグメントとを含み、
前記斜面セグメントの横断面は、円形を呈し、
前記斜面セグメントの外径は、前記直面セグメントに接続される一端から、前記直面セグメントから離れた一端へ漸減し、
前記ブッシュの外壁は、前記シール部品の下側に位置するガイドセグメントを有し、
前記ガイドセグメントは、前記シール部品に近接する方の一端の外径が、前記シール部品から離れた方の一端の外径より大きいことを特徴とする請求項10に記載の電動弁。
【請求項12】
弁座部材と弁体部材とを含む電動弁の組立方法であって、
前記弁座部材は、弁座と、シール部品と、ブッシュとを含み、
前記弁座は、シール部品装着部を含み、
前記ブッシュは、径方向突出部を含み、
前記シール部品は、第1部品と第2部品とを含み、
前記第1部品は、環状を呈しており、プラスチックから製造されたシール部を含み、
前記第2部品は、弾性材料から製造され、
前記ブッシュは、環状を呈し、
前記弁体部材は、環状部が含まれた弁体を含み、
前記組立方法は、
前記第1部品と前記第2部品とを組み合わせて、前記シール部品を形成するステップと、
前記径方向突出部が前記シール部品の上側に位置するように、組み合わせた前記シール部品を前記ブッシュの外部に外嵌し、第1予備組立部材を形成するステップと、
前記第1予備組立部材の前記シール部品を前記シール部品装着部に配置してから、前記ブッシュを前記弁座に固定して接続するステップと、を含む電動弁の組立方法。
【請求項13】
前記ブッシュは、下側固定部をさらに含み、
前記ブッシュの下側固定部を前記弁座の下端から張り出せるとともに、前記弁座にリベット結合して固定することを特徴とする請求項12に記載の電動弁の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年07月09日にて中国特許庁に提出された出願番号が202010655378.0であり、発明の名称が「電動弁及び電動弁の組立方法」である中国特許出願、及び、2021年01月05日にて中国特許庁に提出された出願番号が202110008747.1であり、発明の名称が「電動弁及び電動弁の組立方法」である中国特許出願両方の優先権を主張して、ここに、その全ての内容を援用する。
【0002】
本発明は、流体制御の技術分野に関して、特に、電動弁及びこの電動弁の組立方法に関している。
【背景技術】
【0003】
図1は、背景技術となる電動弁の一部の構成模式図である。
この電動弁は、弁ボディ100と、弁ボディ100内に設けられるとともに、弁ボディ100に溶接されて固定される弁体のガイドスリーブ200と、金属材料製の弁体300と、プラスチックナット400とを含み、弁体300とガイドスリーブ200との間にはシールユニット500が設けられ、弁体300のシールユニット500の下側にある部分は、ガイドスリーブ200に対して摺動可能に係合され、ナット400によって、弁体300は、シール部品700に対して当接又は離間するように、ガイドスリーブ200に対して軸方向に摺動できる。
弁座900の環状フランジ部1000は、弁口901を含み、シール部品700は、インナースリーブ800に締まり嵌めされ、インナースリーブ800は、弁座900に溶接されて固定され、当該電動弁の実際の使用には、流体圧力の作用で、弁体300には歪み・反りが生じる恐れがあり、シール部品700は、直接的に弁体300に当接されるため、シール部品700の圧力による変形量が弁体300の反り量を十分に相殺できず、閉弁の場合、弁体300の下端がシール部品700と完全に接触していなく、電動弁の閉弁の信頼性に悪影響を及ぼす場合がある。
従って、電動弁の閉弁の信頼性に、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電動弁の閉弁の信頼性を改善できる電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、弁座部材と弁体部材とを含む電動弁であって、前記弁座部材は、弁座と、シール部品とを含み、前記シール部品は、第1部品と第2部品とを含み、前記第1部品は、プラスチックから製造されたシール部を含み、前記第2部品は、弾性材料から製造されており、前記第1部品と前記弁座との間に設けられ、前記第1部品、前記弁座に弾性当接され、前記弁体部材は、前記弁座に対して軸方向に移動可能な弁体を含み、前記弁体は、下端が前記シール部に対して当接又は離間可能な環状部を含む電動弁を提供する。
【0006】
背景技術に対して、前記シール部品は第1部品と第2部品とを含み、前記第1部品のシール部は、プラスチックから製造され、前記第2部品は、弾性材料から製造されており、前記第2部品は、前記第1部品と前記弁座との間に設けられ、前記第1部品及び前記弁座に弾性当接され、電動弁の閉弁の信頼性を改善できる。
【0007】
本発明は、上記效果を有する電動弁の組立方法をさらに提供し、前記電動弁は、弁座部材と弁体部材とを含み、前記弁座部材は、弁座と、シール部品と、ブッシュとを含み、前記弁座は、シール部品装着部を含み、前記ブッシュは、径方向突出部を含み、前記シール部品は、第1部品と第2部品とを含み、前記第1部品は、プラスチックから製造されたシール部を含み、前記第2部品は、弾性材料から製造されており、前記ブッシュは環状を呈し、前記弁体部材は、環状部が含まれた弁体を含み、前記組立方法は、前記第1部品と前記第2部品とを組み合わせて、前記シール部品を形成するステップと、前記径方向突出部が前記シール部品の上側に位置するように、組み合わせた前記シール部品を前記ブッシュの外部に外嵌し、第1予備組立部材を形成するステップと、前記第1予備組立部材の前記シール部品を前記シール部品装着部に配置してから、前記ブッシュを前記弁座に固定して接続するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】背景技術となる電動弁の一部の構成模式図である。
【
図2】本発明の電動弁の具体的な実施例1の構成模式図である。
【
図3】
図2の弁座の弁ボディに固定される前の構成模式図である。
【
図8】別の構成のブッシュを用いた時のI箇所の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここ、本明細書には、方位用語、例えば、「上」及び「下」などを使用すると、何れも、本明細書の図面に示される位置を基準として定義されており、前記方位用語の使用は、保護範囲を限定するためではなく、発明の説明の明瞭及び利便性のためだと理解すべきである。
【0010】
本明細書の「弁口」については、電動弁が最大開弁位置にある時、第1流体ポートと第2流体ポートとの間の流体の流通面積を決めた箇所を弁口と定義されている。
【0011】
本発明をよりよく理解するために、以下、図面及び具体的な実施例を結合して本発明をさらに説明する。
【0012】
図2は、本発明の電動弁の具体的な実施例1の構成模式図であり、
図3は、
図2の弁座が弁ボディに固定される前の構成模式図であり、
図4は、
図2のI箇所の一部拡大図であり、
図5は、
図2の第1部品の構成模式図であり、
図6は、
図2の位置制限部材の構成模式図であり、
図7は、
図2のブッシュの構成模式図である。
【0013】
図2に示すように、電動弁は、弁座部材10と、弁ボディ部材30と、弁体部材20とを含む。
弁ボディ部材30は、第2流体ポート40が設けられた弁ボディ31を含む。
第2接続管Bは、第2流体ポート40に入り込むとともに、弁ボディ31に溶接される。
弁座部材10は、弁座11と、シール部品12とを含む。
弁座11は、弁ボディ31に溶接されて固定される。
ここで、
図2は、本発明の一実施例であり、その弁座11と弁ボディ31とは一体構成であってもよく、この場合、この一体構成は、請求項の「弁座」に相当する。
【0014】
弁座11は、シール部品装着部111を含む。
シール部品12は、シール部品装着部111に位置する。
シール部品12は、第1部品121と第2部品122とを含む。
第1部品121は、環状を呈す。
ここで、環状とは、第1部品121が部品とされる場合、中実体ではなく、軸方向の貫通孔を有し、円環、円筒、つば付きの円環又は円筒などの構成を含むが、これらに限定されていない。
第1部品121は、非金属耐摩耗性材料から製造されたシール部1211を含み、第1部品121のシール部1211は、プラスチックから製造されている。
本実施例において、第1部品121は、全体がプラスチックから製造されているが、第1部品121のシール部1211は、プラスチックと他の材質から形成されても可能だと理解してよい。
第2部品122は、弾性材料、例えば、熱可塑性弾性体から製造されている。
具体的に、第2部品122は、ゴム、例えば、HNBR又はCRなどから製造され、又は、TPE及び性能が相当する熱可塑性弾性体から製造される。
第2部品122は、第1部品121と弁座11との間に設けられる。
第2部品122及び第1部品121は、弁座11に当接される。
弁体部材20は、弁座11に対して軸方向に移動可能な弁体21を含む。
弁体21は、下端がシール部1211に対して当接又は離間可能な環状部211を含む。
【0015】
電動弁は、ナット70と、駆動部材の伝動ロッド60とをさらに含む。
ナット70は、伝動ロッド60に螺合される。
弁体21は、伝動ロッド60によって、第1部品121に対して当接又は離間するように、弁座11に対して軸方向に移動することができる。
【0016】
電動弁をシステムに適用し、流体が電動弁の入口から出口へ流れている場合、弁体21は、流体の差圧力を受け、流体の差圧力によって歪みの発生による電動弁漏れの恐れがある。
本発明の電動弁において、シール部品12は、第1部品121と第2部品122とを含む。
第1部品121は、環状を呈しており、プラスチックから製造されている。
第2部品122は、弾性材料から製造されており、第1部品121と弁座11との間に設けられる。
第2部品122及び第1部品121は、弁座11に弾性当接される。
このように、弁体21は、弁座11に対して歪みが生じた場合、第2部品122は、弾性材料から製造されるため、第2部品122の弾性変形を利用して、弁体21が横方向の差圧力を受けることによって生じた反り量を相殺し、弁体21の環状部211の下端とシール部1211とを完全に接触させる。
そして、第1部品121のシール部1211の優れた耐摩耗性を利用して、弁体21がシール部品12に当接されている場合、第2部品122に対する摩耗を防止するとともに、第1部品121自体が受けた摩耗を低減させ、シール部品12の信頼性をさらに高めて、電動弁の閉弁の信頼性を改善する。
また、第1部品121が一定の剛性を有するため、第2部品122が流体圧力の衝撃を受けて上向きに反発し、機能しなくなるリスクを低減させる。
【0017】
上記第1部品121は、PTFE材料から製造され、第2部品122は、ゴム材料から製造されている。
各部材の間に不可避な組立隙間が存在し、例えば、ナット70と伝動ロッド60との間に隙間が存在する。
ゴム材料自体は、熱による膨張収縮性能を有するため、上記隙間による弁体21の軸方向ストロークの変化を許容できる。
また、PTFE材料から製造された第1部品121は、耐摩耗性を有している。
第1部品121と第2部品122との協働で、電動弁の閉弁の信頼性の改善に有利である。
さらに、
図2、
図4及び
図7に示すように、弁座部材10は、環状を呈するブッシュ14をさらに含む。
シール部品12は、ブッシュ14の外部に外嵌される。
ブッシュ14は、弁口141を含んで、弁座11に固定されて接続される。
弁座11は、弁口141に常に連通している第1流体ポート30を含む。
第1接続管Aは、第1流体ポート30に入り込んで、弁座11に溶接されて固定される。
第1流体ポート30は、弁口141に常に連通している。
弁体21の環状部211の下端が第1部品121に当接された場合、第2流体ポート40は、弁口141に連通していなく、環状部211の下端が第1部品121から離間した場合、第2流体ポート40は、弁口141に連通する。
シール部品12は、ブッシュ14の外側に外嵌される。
ブッシュ14は、弁座11に固定されて接続され、シール部品12に対して周方向の位置制限を行う、また、弁口141がブッシュ14に形成されることで、弁口141の加工が容易になる。
さらに、弁口141は、ブッシュ14に開けられる(即ち、ブッシュ14自体は、弁口141を有する)ことで、流路全体がよりなだらかになり、必要な流量曲線要求を満たすように電動弁を制御することがより容易になる。
また、弁口141は、ブッシュ14に開けられることで、電動弁口径(ブッシュ14の内孔の最小流通量)のシリーズ化が容易になり、即ち、ブッシュ14の内壁の形状及びそのサイズを設定することで、電動弁の弁口141の通径及び流量曲線を変更でき、弁座11の構成及びサイズを変更する必要がない。
【0018】
シール部1211の、弁体21と直接的に接触する部分の厚さを0.1mm以上且つ0.5mm以下にすることで、第1部品121の強度が信頼できるように確保し、電動弁のシールの信頼性を高める。
【0019】
図2、
図4及び
図6に示すように、弁座部材10は、位置制限部材13をさらに含む。 位置制限部材13は、円環状を呈しており、弁座11に固定されて接続される。
当該電動弁の組立方法は、第1部品121と第2部品122とを組み合わせて、シール部品12を形成するステップと、組み合わせたシール部品12をブッシュ14の外部に外嵌し、第1予備組立部材を形成するステップと、第1予備組立部材のシール部品12をシール部品装着部111に位置させてから、ブッシュ14を弁座11に固定して接続するステップと、を含む。
具体的に、第1部品121は、環状の嵌着部1212をさらに含み、第2部品122は、嵌着部1212に外嵌される。
弁座11は、第1段孔113、第2段孔114及び第3段孔115を含む。
図3は、弁座11の位置制限部材13に固定されて接続される前の構成を示す。
第1段孔113は、第1底壁1131と第1側壁1132とを含み、第2段孔114は、第2底壁1141と第2側壁1142とを含み、第3段孔115は、第3底壁1151と第3側壁1152とを含む。
第1側壁1132の内径(即ち、第1段孔113の孔径)は、第2側壁1142の内径(即ち、第2段孔の孔径)より小さい。
第3側壁1152の内径(
図3における弁座11は、単一の部品とする場合)は、第2段孔114の孔径より小さい。
第2段孔114の第2底壁1141をシール部品装着部111とし、シール部品12をシール部品装着部111に位置させてから、位置制限部材13の一部を弁座11の第3底壁1151に位置させ、他の一部を第1部品121に位置させ、その後、弁座11の第3側壁1152を位置制限部材13にリベット結合して固定する。
弁体21の環状部211の下端は、シール部1211に対して当接又は離間でき、環状部211は、シール部1211に当接された場合、位置制限部材13は、環状部211の外側にある。
位置制限部材13を弁座11にリベット結合して固定した後、シール部品12を弁座11に対して軸方向に位置制限し、シール部品12が軸方向に弁座11から脱出しないことをさらに確保する。
本実施例において、位置制限部材13の下端の内径サイズ及びブッシュ14の径方向突出部145の外径サイズを制御でき、両者の差が小さいほど、シール部品12の上向きの反発の防止效果がよくなる。
【0020】
本発明の電動弁をシステムに適用し、例えば、冷凍システムに適用した場合、ゴム材質の第2部品122は、冷媒により浸漬された後、膨潤し、第2部品122と弁座11との間に、冷媒が溜まったことがある。
冷媒がここに溜まると、弁体21の力による第2部品122の変形に不利であり、電動弁のシールの信頼性に影響する。
これを改善するために、
図2及び
図4に示すように、第2部品122と弁座11の内壁との間に、第1排出通路X
1を含み、第1部品121のシール部1211と弁座11の内壁との間に、第2排出通路X
2を含み、位置制限部材13は、第3排出通路X
3を含み、第1排出通路X
1、第2排出通路X
2、第3排出通路X
3、第2流体ポート40は、順に連通している。
【0021】
さらに、
図3に示すように、第2段孔114と第3段孔115との間に、遷移部160をさらに含む。
遷移部160は、内壁がラッパ状を呈し、第1端が第3段孔151の第3底壁1151に接続され、第2端が第2段孔141の第2側壁1412に接続され、第1端の孔径が第2端の孔径より大きい。
遷移部160と第1部品121の外壁との間には、遷移通路X
遷移が形成される。
第1排出通路X
1、第2排出通路X
2、遷移通路X
遷移、第3排出通路X
3は、順に連通している。
遷移通路X
遷移によって、第2排出通路X
2から第3排出通路X
3への流体の流れをよりスムーズにする。
【0022】
図7に示すように、ブッシュ14は、本体部140、径方向突出部145及び下側固定部146を含み、径方向突出部145が、本体部140に対して径方向に突出する。
図に示すように、径方向突出部145の最大外縁直径は、本体部140の最大外径より大きい。
径方向突出部145は、第1部品121の上側に位置しており、シール部品12の弁座11での軸方向の変位を制限し、即ち、シール部品12が弁座11から離脱すること(離脱とは、シール部品12のどの部材も弁座11と接触しないことを意味する)を制限し、シール部品12の流体圧力による上向きの反発に起因するシール部品の機能しなくなることを防止する。
以下のように設計してもよく、即ち、本体部140の外壁を第1部品121の内壁に締まり嵌めさせ、第1部品121とブッシュ14との間にさらに1つの面シールが形成されることに相当する。
径方向突出部145は、第1部品121の上側に位置しており、シール部1211に当接され、第1部品121の内縁を押さえつける。
このように、ブッシュ14及び位置制限部材13は、第1部品121の内縁と外縁をそれぞれ押さえつけ、第1部品121の受力が相対に均一になり、シール部品12の流体圧力による上向きの反発に起因するシール部品12の機能しなくなることを防止する。
下側固定部146を弁座11の下端から張り出せた後、弁座11にリベット結合し固定することで、シール部品12を弁座11に位置制限し、即ち、下側固定部146と径方向突出部145との協力で、シール部品12を弁座11に位置制限する。
ここで、溶接固定ではなく、リベット結合固定を採用する理由は、溶接に比べると、リベット結合し固定することが、より便利で実行し易いとともに、リベット結合の過程でリベット結合圧力及び圧入深さを制御することで、固定の信頼性をよく確保できる利点がある。
ブッシュ14の固定が確実であると、シール部品12と弁座11との間の接続の信頼性を高めて、背景技術と比べて、電動弁の閉弁の信頼性を改善できる。
【0023】
さらに、径方向突出部145の外壁は、直面セグメント1451と斜面セグメント1452とを含む。
斜面セグメント1452の横断面は、円形を呈す。
斜面セグメント1452の外径は、直面セグメント1451に接続される一端から、直面セグメント1451から離れた一端へ漸減する。
弁体21の環状部211の内壁は、斜面セグメント1452と協働して、電動弁の流量を調整する。
【0024】
図3及び
図4に示すように、第1部品121の環状の嵌着部1212は、第1段孔113の第1側壁1132とブッシュ14の外壁との間にある入り込み部1220を含み、入り込み部1220の外壁と第1段孔113の第1側壁1132との間に、第4排出通路X
4を含み、入り込み部1220の下端と第1段孔の第1底壁1131との外側に、第5排出通路X
5を含み、ブッシュ14の壁部は、径方向貫通孔X
6を含む。
第4排出通路X
4、第5排出通路X
5、径方向貫通孔X
6、第1流体ポート30は、順に連通し、これによって、第2部品122の内側には、冷媒が溜まった場合、即時に逃げさせることできる。
【0025】
図4、
図5に示すように、第2部品122の内壁は、環状の嵌着部1212の外壁に締まり嵌めされ、このように、第2部品122と第1部品121との間には、さらに1つの面シールが形成され、電動弁の閉弁の信頼性に寄与する。
第1部品121のシール部1211は、下に張り出した環状フランジ部1210をさらに含む。
第2部品122は、少なくともその一部が環状フランジ部1210と嵌着部1212との間に位置する。
そうすると、第2部品122は、第1部品121をカバーし、第1部品121に係止される。
第1部品121は、第2部品122の径方向の変位及び軸方向の変位の両方に対して位置制限作用を有する。
環状フランジ部1210と弁座11の内壁との間の隙間を第2排出通路X
2とし、位置制限部材13が第3排出通路X
3とする軸方向貫通孔を含み、各排出通路の構成設計は、簡単である。
【0026】
本発明の電動弁に対して、変更設計を行ってもよく、
図8は、別の構成のブッシュ14Aを用いた時のI箇所の一部拡大図であり、
図9は、
図8のI
1箇所の一部拡大図である。
図に示すように、ブッシュ14が、ガイドセグメント1401を含み、ガイドセグメント1401が、錐台状を呈しており、シール部品12の下側に位置し、ガイドセグメント1401の下側固定部146に近接する方の一端の外径が、径方向突出部145に近接する方の一端の外径より小さく、シール部品12がブッシュ14に外嵌された場合、ガイドセグメント1401がガイド作用を発揮し、そして、シール部品12がブッシュ14に外嵌された後、シール部品12がブッシュ14に対して軸方向の揺れが生じることを改善又は防止できることは、上記実施例と違っている。
【0027】
以上、例を挙げて、本発明が提供した電動弁及びこの電動弁の組立方法を紹介した。
本明細書は、具体的な例を利用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、本発明の方法及びその主旨を理解するためのものである。
ここで、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しないことを前提として、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本出願の特許請求の範囲内に該当する。
【国際調査報告】