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特表2023-515678三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン
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  • 特表-三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン
(51)【国際特許分類】
   F02B 53/00 20060101AFI20230406BHJP
   F01C 1/22 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
F02B53/00 F
F01C1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552594
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2021002299
(87)【国際公開番号】W WO2021177645
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0025898
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522345685
【氏名又は名称】キム,ジョン チャン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Jong Chan
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン チャン
(57)【要約】
本発明は、三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンに関する。本発明は、多様な構造のロータリーエンジンのうち、ただ三角形シリンダと楕円形ロータピストンを有する複数型ロータリーエンジンのみに適用対象になる。したがって、従来の複数気筒式エンジンでは並列式構造にするしかなかったことを本発明の直列式を適用することにより、その効果は、クランク軸の部分で脆弱で、複雑な分離組立式ではない一体型クランク軸に変更されて、作動の時、回転誤差問題が解決され、耐久性が向上された。また、直列式構造では、並列軸とギアなどの部品の数が大きく減少されながら、エンジンの大きさも小さくなって、経済性が向上されることはもちろん、騷音と故障率が低減して、窮極的にエンジンの寿命延長と小型化に寄与することになり、また、各気筒同士の点火爆発位置が異なるが、ロータリーエンジンの問題点の一つとして発生されている片側(点火、燃焼爆発、反対位置)方向への変形も減少させて、エンジンの寿命延長に寄与するという効果が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側板(15)(38)及び内側板(24)(29)と、
前記側板(15)(38)及び内側板(24)(29)の内部に設置され、ピストン圧縮室(22)を有する逆三角形及び正三角形からなるシリンダ(19、30)と、
前記内側板(24)(29)の中央領域を貫通して回転可能に軸設され、両方端部に偏心されるようにクランク偏心軸(23)(28)が形成された一体型クランク軸(25)と、
前記クランク偏心軸(23)(28)に偏心駆動孔(9)で軸設されて、ピストン圧縮室(22)に位置される偏心カム(9A)(9B)と、
前記偏心カム(9A)(9B)の外周面に偏心カムベアリング(20)で回転可能に軸設されて、相互反対方向に偏心回転する楕円形のロータピストン(18A)(18B)と、
前記偏心カム(9A)(9B)の両方端部に一体に形成されて、後尾偏心軸(5)の偏心軸ベアリング(11)と出力軸(37)の偏心ベアリング(35)に回転可能に連結される偏心カム偏心軸(10)(32)と、で構成され、
前記シリンダ(19)に設置される始動モータ(1)の駆動で、モータ軸ギア(2)、2次連結ギア(3)及び3次連結ギア(4)の噛み合いによって前記後尾偏心軸(5)が回転されて、偏心カム(9A)の偏心カム偏心軸(10)の駆動と同時に一体型クランク軸(25)とクランク偏心軸(23)(28)が回転され、クランク偏心軸(23)(28)の偏心ストローク(50)で連結された偏心カム(9B)と偏心カム偏心軸(32)が出力軸(37)を遠心回転させることを特徴とする三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン。
【請求項2】
前記偏心カム偏心軸(10)(32)は、偏心軸ピニオンギア(13、33)と一体型に形成されて、固定式内接ギア(14)(34)と連接動作されるように噛み合って、偏心カム(9A)(9B)が逆回転するようになり、
前記一体型クランク軸(25)は、クランク軸ピニオンギオ(16A)(16B)と一体型に形成されて、ピストン内接ギア(17A)(17B)と内接して長さ方向の両端ピストンシール(seal)(31)面点を基準として楕円形のロータピストン(18A)(18B)が交互に回転する軌道を描きながらピストン圧縮室(22)に接触されて、ロータピストン(18A)(18B)が円滑に駆動することを特徴とする請求項1に記載の三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン。
【請求項3】
前記一体型クランク軸(25)を中心として両方向に設置されたシリンダ(19、30)は、点火位置が逆方向に構成され、前記シリンダ(19、30)の点火位置の差は垂直回転方向180度の差(半回転差)があり、
前記シリンダ(19、30)の高さが一体型クランク軸(25)を中心軸として差(60)があり、
前記シリンダ(19、30)の高さの差はシリンダ(19、30)の大きさと一体型クランク軸(25)の偏心ストローク(50)によって調整されることを基準としたことを特徴とする請求項1に記載の三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン。
【請求項4】
前記一体型クランク軸(25)は、前記内側板(24)(29)の間に位置されるクランク軸ベアリング板(26)の内周面にクランク軸ベアリング(27)で回転可能に軸設されることを特徴とする請求項1に記載の三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン。
【請求項5】
逆方向に設置される前記シリンダ(19、30)で、一体型クランク軸(25)でロータピストン(18A)(18B)を同じ偏心ストローク(50)で駆動させるためには、前記ロータピストン(18A)(18B)が作動において対称とされる必要があることを特徴とする請求項3に記載の三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンに関し、詳しくは、三角形のシリンダと楕円形のロータピストンで構成されたロータリーエンジンで小型化を実現するための複数気筒内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロータリーエンジンは、往復動ピストンエンジンのように、4行程を実行して回転動力を得る原理は同一であるが、4行程を誘導する運動構造の形態がピストンの直線往復運動をクランク軸の回転運動に転換させるエンジンとは違って、ピストンの役割を果たす回転子(ロータ)がシリンダ内で偏心回転して回転動力を得る。また、カムシャフトによる吸排気バルブがなくても4行程を駆動させる構造である点で、ピストン式往復運動エンジンとはエンジンの体積、騷音、エネルギー効率面で大きな長所がある。
【0003】
したがって、ロータリーエンジンもピストン往復動エンジンのように、複数気筒エンジンが製造されている。ただ従来のロータリーエンジンは、シリンダの形状が円形や楕円形で、シリンダ内でロータピストンの回転半径が充分に確保される形状で複数気筒式エンジンを構成する際において、往復動ピストン式エンジンのように単純にクランク中心軸上に偏心カムスとシリンダ気筒数だけ増やして複数気筒式エンジンが容易に作られている。
【0004】
しかしながら、このようなロータリーエンジンのシリンダ形状が三角形であり、ロータピストンが楕円形である時、シリンダ内でロータピストンの回転半径の確保に障害がある。したがって、この形状を有する単気筒エンジンでも仕方なくロータピストンを二重回転式逆回転軌道で駆動させなければならないなど難解な構造であって、複数気筒が必須不可欠なエンジン市場で複数気筒実現のみのための手段で、従来の技術のように別途の平行軸や複数の連結式ギア部品を追加して用いると、経済性が低下し、小型化に逆行することになる。
【0005】
このようなロータリーエンジンの先行技術には、大韓民国登録特許第10-1266438号公報(発明の名称:ロータリーエンジンの回転子の回転動力を出力軸に伝達するギア式連結装置)が提供されている。これは、2気筒の内部で発生された動力を統合出力化のために、中心駆動軸(クランク軸)のほかに別途の並列軸が用いられ、これを連結させるためのギア部品数が10個以上さらに増加され、増加された部品によって体積がさらに大きくなる。
【0006】
このような先行技術で発生される問題点は、クランク軸の構造が一体型ではない3つに分離された構造であるため、堅固性が非常に低く、初期スタートモータでエンジン始動をかける時、複数の2気筒のうち、スタートモータと直接連結された側の気筒のロータ回転子と別途の連結伝達軸を通じて伝達される出力軸気筒側ロータ回転子とは微細な動力伝達時間差が発生され、これは使用時間が増加するほどトラブル(事故発生)が大きくなることは明らかである。
【0007】
また、先行技術は、対象エンジンが4サイクルであり、ロータピストンが1回燃焼時に出力軸が2回転しなければならないので、この条件を合わせるために、過多な数のギアと並列軸を用いてギア公差累積が大きい。何より往復動ピストン式エンジンに比べて2倍以上の回転数を有するロータリーエンジンでは騷音と熱の発生がさらに増加されて、より高い水準の耐久性が要求されるという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術の複雑な原理の構造により、部品数が多くて体積が大きくなり、非経済的で、反って耐久性が低下するという問題点を解決することをその目的とする。
【0009】
本発明の他の目的は、エンジンの体積や部品数を増やさずに最大限に短縮された一つのクランク軸上に複数シリンダをそれぞれ逆方向(180度差)に位置させ、一体型クランク軸と複数のロータピストンがそれぞれ異なる開始点で所定の偏心量(作動ストローク)によって正確に駆動され、小型化、及び単純化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題を解決する手段は、第一、複数の2気筒の間の中心部には2軸を利用する並列式ではない単独一体型クランク軸が設置され、2気筒で発生された動力がクランク軸上の偏心軸を通じて回転子の内部に位置した偏心輪の偏心内径(HOLE)に伝達され、再び偏心輪の偏心軸を通じて出力軸の後面部の偏心ベアリングまで偏心回転力が伝達される。
【0011】
このように、複数の気筒で発生された各動力を各種段階の偏心回転力を活用して直結方式で簡潔に最終出力軸まで伝達させる構造で、これは偏心駆動の原理を活用したのである。
【0012】
また、一体型クランク軸は、軸の両側の二つのベアリングによって堅固に固定されるが、偏心カムとも連結されて、相互支持されるようになる。
【0013】
第二、複数の気筒で発生される回転動力を出力軸に伝達させる出力化問題の解決課題として、従来技術で問題になった並列式出力装置を効率的な直列式出力装置に改良した。
【0014】
この解決のために、複数のシリンダを回転直線方向180度位置を異なるように設置し、一体型クランク軸の偏心ストロークに合わせて、2気筒の間の回転中心高さを調整した。
【0015】
このような変化するのは、図1、2、3に示されており、上記で説明したように、三角形シリンダで楕円形ピストンが偏心カムの逆回転装置を適用して4行程作動が円滑に行われても、複数気筒エンジンでは単一クランク軸を基点として連結されて偏心回転する楕円形ピストンが常に一つは水平状態、他の一つは垂直状態にならなければならないので、同じ方向(燃焼位置のような)にシリンダが設置される場合、2気筒の作動軌道が互いに対称にならないので、クランク軸の偏心回転半径と二つのロータピストンとの組み合わせができない。
【0016】
このように、一つのクランク軸で作動する時に、位置の組み合わせができないロータピストンを正確に駆動させるためには、2気筒の作動位置を180度異なるようにすることが唯一の解決手段であるからである。
【0017】
すなわち、図3の作動原理図によって、本発明の技術である複数気筒に対する円滑な作動状態を図面で示し、この図面は前述したように、アイディアが適用された状態を表現したのである。
【0018】
したがって、各気筒の間の点火プラグ位置が異なり、シリンダ内で圧縮、燃焼、爆発、行程が互いに反対の位置で行われるだけである。
【0019】
この時、2気筒の間の真中には偏心軸とピニオンギアが一体化された一体型クランク軸が両方ベアリングの支持を受けて堅固に設置され、これは一体型クランク軸にも180度反対位置に形成された複数のロータピストンが一体型クランク軸と正確に対称を成しながら接続されて偏心駆動されるとで、それぞれのロータピストンは1/2回転(半回転)燃焼時間差をもって特定の正逆偏心軌道を描きながら、正常な4サイクル(回転子が1回燃焼時、出力軸は2回転)駆動が行われる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、多様な構造のロータリーエンジンの中で、ただ三角形シリンダと楕円形ロータピストンを有する複数型ロータリーエンジンのみに適用対象となる。
【0021】
したがって、従来の複数気筒式エンジンでは並列式構造にするしかなかったことを、本発明の直列式を適用することにより、その効果は、クランク軸の部分で脆弱で複雑な分離組立式ではない一体型クランク軸に変更されて、作動の時、回転誤差問題が解決され、耐久性も向上された。
【0022】
また、直列式構造では並列軸とギア等の部品の数が大きく減少され、また、エンジンの大きさも小さくなって、経済性が向上されることはもちろん、騷音と故障率が低くなり、窮極的にエンジンの寿命延長と小型化に寄与するようになり、また、各気筒同士の点火爆発位置が異なるが、むしろロータリーエンジンの問題点の一つとして発生されている片側(点火、燃焼爆発、反対位置)方向への変形も減少させて、エンジンの寿命延長に寄与するようになるという効果が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの組立図である。
図2a】本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの2気筒設置方向と詳細断面図である。
図2b】本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの2気筒設置方向と詳細断面図である。
図3】本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの複数気筒型4サイクル動作原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、最善の形態として、側板15、38及び内側板24、29と、前記側板15、38及び内側板24、29の内部に設置され、ピストン圧縮室22を有する逆三角形及び正三角形からなるシリンダ19、30と、前記内側板24、29の中央領域を貫通して回転可能に軸設され、両方端部に偏心されるようにクランク偏心軸23、28が形成された一体型クランク軸25と、前記クランク偏心軸23、28に偏心駆動孔9で軸設されて、ピストン圧縮室22に位置される偏心カム9A、9Bと、前記偏心カム9A、9Bの外周面に偏心カムベアリング20で回転可能に軸設されて、相互反対方向に偏心回転する楕円形のロータピストン18A、18Bと、前記偏心カム9A、9Bの両方端部に一体に形成されて、後尾偏心軸5の偏心軸ベアリング11と出力軸37の偏心ベアリング35に回転可能に連結される偏心カム偏心軸10、32と、で構成され、前記シリンダ19に設置される始動モータ1の駆動で、モータ軸ギア2、2次連結ギア3及び3次連結ギア4の噛み合いによって前記後尾偏心軸5が回転されて、偏心カム9Aの偏心カム偏心軸10の駆動と同時に、一体型クランク軸25とクランク偏心軸23、28が回転され、クランク偏心軸23、28の偏心ストローク50で連結された偏心カム9Bと偏心カム偏心軸32が出力軸37を遠心回転させることを特徴とする三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンを提示する。
【0025】
実施形態
以下、添付図面を参照して、本発明による実施形態について詳しく説明すれば、次の通りである。
【0026】
添付図面において、図1は本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの組立図であり、図2a及び図2bは本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの二気筒設置方向と詳細断面図であり、図3は本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンの複数気筒型4サイクル動作原理図である。
【0027】
図1図3に示したように、本発明による三角形シリンダを有する複数気筒ロータリーエンジンは、ロータピストン18A、18Bで発生される回転動力を一方の出力軸37に伝達する構造であって、点火プラグ21が結合されるシリンダ19、30の中心部に、両方面に偏心軸を備える一体型クランク軸25が適用され、複数の気筒A、Bは、各180度逆方向(1/2回転位置)に一体型クランク軸25を中心に両面に位置し、一体型クランク軸25の両側面に一体に形成されるクランク偏心軸23、28と連結されることを特徴とする。
【0028】
前記ロータピストン18A、18Bの内部の偏心カム9A、9Bとこの偏心カム9A、9Bの両方側に一体に形成される偏心カム偏心軸10、32が偏心軸ピニオンギア13、33とともに延長形成され、偏心カム偏心軸10、32が後尾偏心軸5及び出力軸37に連結される。
【0029】
詳細な追加資料として、図1及び図2のように、複数の気筒A、Bは180度直線逆方向に位置されており、一体型クランク軸25は、遠心回転する区間の両側の内側板24、29の間に位置されるクランク軸ベアリング板26の内周面にクランク軸ベアリング27で回転可能に軸設されて、堅固に支持されている。
【0030】
この時、一体型クランク軸25の両側末端に形成されたクランク偏心軸23、28は、内側板24、29に対応するように形成される側面回転孔24A、29Bを通過して、ロータピストン18A、18Bの中央部に組み合わせられている偏心カム9A、9Bの偏心駆動孔9に連結されて互いにに支持され、偏心カム9A、9Bはクランク偏心軸23、28が有する偏心ストローク50によって同一に偏心駆動して、後尾偏心軸5及び出力軸37が回転するようになる。
【0031】
前記偏心カム9A、9Bの構造は、クランク偏心軸23、28と同軸線で偏心駆動孔9の正反対側に形成され、偏心軸ピニオンギア13、33と一体型である。
【0032】
前記偏心カム9A、9Bの偏心カム偏心軸10、32の中心は正確にクランク偏心軸23、28と一致するので、一体型クランク軸25の中心領域から同一偏心ストローク50で出力軸37を回転駆動させる。
【0033】
前記偏心カム偏心軸10、32は、後尾偏心軸5と出力軸37の内部側にある偏心軸ベアリング11、35と連結されている。
【0034】
前記偏心軸ピニオンギア13、33の役割は、側板15、38の内周面に固定された固定式内接ギア14、34と連接作動され、ロータピストン18A、18Bの回転時の回転方向は、ロータピストン18A、18Bと同一であるが、偏心カム9A、9B自体は、ロータピストン18A、18Bと反対方向に回転して、逆三角形シリンダ19及び正三角形シリンダ30の内部で楕円形に形成されたロータピストン18A、18Bを円滑に駆動させる必須機能である。
【0035】
このように構成される本発明によるエンジンは、側板15、38及び内側板24、29と、側板15、38及び内側板24、29の内部に設置され、ピストン圧縮室22を有する逆三角形及び正三角形からなるシリンダ19、30と、内側板24、29の中央領域を貫通して回転可能に軸設され、両方端部に偏心されるようにクランク偏心軸23、28が形成された一体型クランク軸25と、クランク偏心軸23、28に偏心駆動孔9で軸設されて、ピストン圧縮室22に位置される偏心カム9A、9Bと、偏心カム9A、9Bの外周面に偏心カムベアリング20で回転可能に軸設されて、互いに反対方向に偏心回転する楕円形のロータピストン18A、18Bと、偏心カム9A、9Bの両方端部に一体に形成されて、後尾偏心軸5の偏心軸ベアリング11と出力軸37の偏心ベアリング35に回転可能に連結される偏心カム偏心軸10、32と、で構成されたことを特徴とする。
【0036】
前記シリンダ19に設置される始動モータ1の駆動で、モータ軸ギア2、2次連結ギア3及び3次連結ギア4の噛み合いによって前記後尾偏心軸5が回転されて、偏心カム9Aの偏心カム偏心軸10の駆動と同時に一体型クランク軸25とクランク偏心軸23、28が回転され、クランク偏心軸23、28の偏心ストローク50で連結された偏心カム9Bと偏心カム偏心軸32が出力軸37を遠心回転させるようになる。
【0037】
前記偏心カム偏心軸10、32は、偏心軸ピニオンギア13、33と一体型に形成されて、固定式内接ギア1434と連接動作されるように噛み合って偏心カム9A、9Bが逆回転するようになり、前記一体型クランク軸25はクランク軸ピニオンギア16A、16Bと一体型に形成されて、ピストン内接ギア17A、17Bと内接して長さ方向の両端ピストンシールl31面点を基準として楕円形のロータピストン18A、18Bが交互に回転する軌道を描きながらピストン圧縮室22に接触されてロータピストン18A、18Bが円滑に駆動することを特徴とする。
【0038】
この時、一体型クランク軸25を中心として両方向に設置されたシリンダ19、30は点火位置が逆方向に構成され、前記シリンダ19、30の点火位置の差は、垂直回転方向180度差(半回転差)があり、前記シリンダ19、30の高さが一体型クランク軸25を中心軸として差60があり、前記シリンダ19、30の高さの差はシリンダ19、30の大きさと一体型クランク軸25の偏心ストローク50によって調整されることを基準とする。
【0039】
また、逆方向に設置される前記シリンダ19、30で、一体型クランク軸25でロータピストン18A、18Bを同じ偏心ストローク50で駆動させるためには、前記ロータピストン18A、18Bが作動において対称とされなければならない。
【0040】
このように構成された本発明に対する動作状態を概略的に説明する。
【0041】
図1図3のように、始動モータ1が駆動され、始動モータ1に連結されるモータ軸ギア2、2次連結ギア3及び3次連結ギア4が回転し、3次ギアベアリング7に支持されて回転する3次連結ギア4によって後尾偏心軸5が同時に回転する。
【0042】
この時、3次連結ギア4と後尾偏心軸5との間には、特別に一方向回転のみ可能な後尾軸ベアリング6が軸設されるが、その構造は、一般のベアリングと違って、ベアリングボールが位置する部位に特別な形状を適用して、一方向のみに回転するように構成されている。
【0043】
追加的に説明すると、始動モータ1によって3次連結ギア4が回転して後尾偏心軸5が一緒に回転するようになるが、逆に、エンジンが燃焼によって正常に回転駆動して後尾偏心軸5が先に回転すると、後尾軸ベアリング6が3次連結ギア4との抑止力が解除されて、3次連結ギア4には回転力が伝達されなくなる。
【0044】
前記後尾軸ベアリング6を適用した理由は、始動モータ1のコストを低減し、相対的に短い寿命を延長させるための機能である。
【0045】
継いで、後尾偏心軸5が回転すると、内部側偏心軸ベアリング11、35に連結された偏心カム9A、9B上の偏心カム偏心軸10、32が偏心駆動される。
【0046】
同時に、偏心カム9Aが固定式内接ギア14、34によって逆回転され、一体型クランク軸25と一体化されたクランク軸ピニオンギア16A、16Bがロータピストン18A、18Bの内周面に固定されたピストン内接ギア17A、17Bと内接して、特定の軌道を描きながら(楕円形ロータピストンが回転する時、ピストンを中心基点として回転するのではなく、長さ方向両端のシール31面点を基準として一方面ずつ交代しながら回転する)、シリンダ19、30の内面に接触されて、ロータピストン18A、18Bが円滑に駆動される。
【0047】
継いで、圧縮された燃料が燃焼、爆発し、動力が発生されてロータピストン18A、18Bが自主的動力で駆動すると、前述したように、3次連結ギア4が自動に停止されて、通常の自動車構造のように、始動モータ1のモータ軸ギア2が後進されなくても良い長所がある。
【0048】
作動順序に継いで複数気筒エンジンの発明過程で、最大の問題となる部分は三角形シリンダ式エンジンが出力部分でいくら性能が優れてもエンジンが複雑になって、大きさが大きくなる場合、競争力を有することができない。
【0049】
結局、本発明は、複数のシリンダの燃焼位置を逆方向にして、ロータピストンの作動で対称軌道を作り、偏心の原理を最大限に適用して解決した。
【0050】
現在、世界的に三角形シリンダを有するロータリーエンジンで複数気筒は直列式がなく、並列式は登録されているが、良い評価を受けていない技術である。

図1
図2a
図2b
図3
【国際調査報告】