(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】筋肉特異的プロモーターをコードするAAVベクターを使用するインビボでの衛星細胞の遺伝子編集
(51)【国際特許分類】
C12N 15/86 20060101AFI20230406BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230406BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20230406BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230406BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230406BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20230406BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20230406BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230406BHJP
A61K 35/34 20150101ALI20230406BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230406BHJP
A61K 38/47 20060101ALN20230406BHJP
【FI】
C12N15/86 Z ZNA
C12N15/09 110
C12N15/864 100Z
C12N5/10
A61P43/00 105
A61K35/76
A61P21/04
A61K48/00
A61K35/34
A61K45/00
A61K38/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565594
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2021029482
(87)【国際公開番号】W WO2021222314
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507189666
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ガーズバック チャールズ エイ
(72)【発明者】
【氏名】クォン ジェニファー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA91Y
4B065AA93Y
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA23
4B065CA24
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4B065CA46
4C084AA02
4C084AA13
4C084AA17
4C084BA44
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4C084DC22
4C084MA66
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4C084ZA941
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4C087AA01
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4C087MA56
4C087MA59
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA94
4C087ZB21
(57)【要約】
インビボでの筋肉特異的幹細胞又は衛星細胞の遺伝子編集のためのベクター組成物、及びデュシェンヌ型筋ジストロフィーを処置するための方法が、本明細書において開示されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1つのガイドRNA(gRNA)をコードするポリヌクレオチド配列と、
(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド配列と、
(c)1つ又は複数のプロモーターであって、前記プロモーター各々は前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列及び/又は前記Cas9タンパク質若しくは融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、1つ又は複数のプロモーターと
を含む、ベクター組成物。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロモーターが筋肉特異的プロモーターである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロモーターがCK8プロモーター、SPc5-12プロモーター、若しくはMHCK7プロモーター、又はそれらの組合せを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
衛星細胞を編集するのに使用するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ベクターがウイルスベクターである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ウイルスベクターがアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記AAVベクターがAAV8ベクター、AAV1ベクター、AAV6.2ベクター、AAVrh74ベクター、又はAAV9ベクターである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
(a)少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、前記ポリヌクレオチド配列と、(c)前記1つ又は複数のプロモーターとを含む、単一のベクターを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
(a)少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、前記ポリヌクレオチド配列と、(c)前記1つ又は複数のプロモーターとを含む、2つ以上のベクターを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
第1のベクターが、前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列を含み、
第2のベクターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列を含む、
請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記プロモーターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記プロモーターが、前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が2つ以上のgRNAを含み、前記2つ以上のgRNAが第1のgRNAと第2のgRNAとを含み、前記第1のベクターが前記第1のgRNAをコードし、前記第2のベクターが前記第2のgRNAをコードする、請求項9~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記第1のベクターが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記第2のベクターが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする、請求項9~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記プロモーターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、請求項9~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記プロモーターが、前記第1のgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、及び/又は前記第2のgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、作動可能に連結されている、請求項13~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記Cas9タンパク質が黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Cas9タンパク質又は化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9タンパク質である、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記CK8プロモーターが配列番号51のポリヌクレオチド配列を含み、前記Spc5-12プロモーターが配列番号52のポリヌクレオチド配列を含み、前記MHCK7プロモーターが配列番号53のポリヌクレオチド配列を含む、請求項3~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記ベクターが配列番号54~59からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記ベクターが幹細胞を標的とする、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記ベクターが筋衛星細胞への指向性を有する、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含む細胞。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含むキット。
【請求項25】
細胞における変異体遺伝子を修正する方法であって、細胞に請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項26】
前記細胞が衛星細胞である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記変異体遺伝子がジストロフィン遺伝子である、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
対象における変異体ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法であって、前記対象に請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含むゲノム編集組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項29】
前記ゲノム編集組成物が前記対象に筋肉内投与されるか、静脈内投与されるか、又はそれらの組合せで投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
変異体ジストロフィン遺伝子を有する、処置を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物又は請求項23に記載の細胞を投与するステップを含む、方法。
【請求項31】
デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する対象を処置する方法であって、細胞を請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物と接触させるステップを含む、方法。
【請求項32】
筋肉細胞、衛星細胞、又は幹細胞である、請求項31に記載の方法又は請求項23に記載の細胞。
【請求項33】
衛星細胞である、請求項31に記載の方法又は請求項23に記載の細胞。
【請求項34】
前記細胞を前記組成物とインビボ、インビトロ、及び/又はエクスビボで接触させる、請求項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞を前記組成物と接触させた後に、前記細胞を前記対象に移植する、請求項30~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記細胞が同種及び自家性である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記細胞を前記対象の筋肉に投与する、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記対象に前記細胞を移植する前に前記対象を免疫抑制する、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記細胞が、筋肉内注射、静脈内注射、尾部注射、硝子体内注射、線条体内注射、実質内注射、髄腔内注射、硬膜外注射、眼球後注射、皮下注射、心臓内注射、嚢胞内注射、関節内注射若しくは髄腔内注射、硬膜外カテーテル注入、クモ膜下ブロックカテーテル注入、静脈内注入、ネブライザー経由、スプレー経由、腟内経路経由、又はそれらの組合せから選択される経路を経由して前記対象に移植される、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
衛星細胞指向性を有するAAVベクターをスクリーニングする方法であって、哺乳動物に前記AAVベクターを投与するステップを含み、前記哺乳動物はCAG-loxP-STOP-loxP-tdTomato発現カセットをRosa26に保有するアレルを含み、前記哺乳動物のpax7遺伝子は、蛍光タンパク質を発現する遺伝子でノックインされる、方法。
【請求項41】
目的の遺伝子がCreをコードする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記蛍光タンパク質がGFP、YFP、RFP、若しくはCFP、又はそれらのバリアントを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
衛星細胞における変異体遺伝子を修正する方法であって、細胞に請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つのgRNAが、配列番号49若しくは50又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列に結合して前記ポリヌクレオチド配列を標的とするか、或いは前記少なくとも1つのgRNAが、配列番号60若しくは61又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物、請求項23に記載の細胞、請求項24に記載のキット、又は請求項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2020年4月27日に出願された米国仮特許出願第63/016,276号に対する優先権を主張し、この米国仮特許出願はその全体が本明細書において参考として援用される。
(連邦政府の資金提供を受けた研究の記載)
本発明は、アメリカ国立衛生研究所により与えられた助成金R01AR069085の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において特定の権利を有する。
(分野)
本開示は、筋肉疾患の処置のための遺伝子編集機構の送達のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(序論)
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、男性生産数5,000人中1人に罹患する衰弱性遺伝的疾患であり、機能的なジストロフィンタンパク質の欠如により特徴付けられ、進行性致死性骨格筋変性をもたらす。骨格筋変性は、衛星幹細胞集団を刺激して増殖させ新しい筋線維を生じさせる。DMDにおいて、衛星細胞は、筋肉再生についての定常的需要により圧倒されている。過剰増殖は複製老化をもたらし、その衛星細胞再生能力は徐々に減少し、線維症及び脂肪沈着を伴う容赦のない筋肉変性に取って代わられる。この疾患の処置について臨床的進歩がなされたが、治癒は開発されるべき状態のままである。その遺伝的性質が原因で、DMDは、治療的遺伝子編集のための優れた候補であり、ジストロフィン遺伝子の首尾良いCRISPR/Cas9ベースの修正が、動物モデルにおいて実証された。CRISPR/Cas9を筋肉へ送達するために、遺伝子編集構築物は、最も一般的にはアデノ随伴ウイルス(AAV)にパッケージされ、AAVは、米国又は欧州における3つの認可された治療で100を超える臨床試験において使用される有効な遺伝子送達ベクターである。衛星細胞は組織損傷に応答して骨格筋を継続的に補充するので、これらの自己再生する細胞集団の遺伝的修正は、治療的遺伝子生成の持続性供給源を生成し得る。実際、エピソームAAVベクターは、細胞分裂後の希釈化によって失われるので、衛星細胞における変異した遺伝子のゲノムコピーの永続的修正は、遺伝子編集技術の説得力のある進歩であり得る。さらに、インビボにて衛星細胞をAAVベクターで効率的に標的化することは、ネイティブ環境内での衛星細胞生物学の機能及び調節の多くの研究を可能にし得る。
【発明の概要】
【0003】
(概要)
一つの態様において、本開示は、ベクター組成物に関する。ベクター組成物は、(a)少なくとも1つのガイドRNA(gRNA)をコードするポリヌクレオチド配列と;(b)Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド配列と;(c)1つ又は複数のプロモーターであって、プロモーター各々は少なくとも1つのgRNAをコードするポリヌクレオチド配列及び/又はCas9タンパク質若しくは融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、1つ又は複数のプロモーターとを含み得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロモーターは筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロモーターは、CK8プロモーター、SPc5-12プロモーター、若しくはMHCK7プロモーター、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、衛星細胞を編集するのに使用するためのものである。いくつかの実施形態において、ベクターはウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、AAV8ベクター、AAV1ベクター、AAV6.2ベクター、AAVrh74ベクター、又はAAV9ベクターである。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)少なくとも1つのgRNAをコードするポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド配列と、(c)1つ又は複数のプロモーターとを含む、単一のベクターを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、(a)少なくとも1つのgRNAをコードするポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド配列と、(c)1つ又は複数のプロモーターとを含む、2つ以上のベクターを含む。いくつかの実施形態において、第1のベクターは、少なくとも1つのgRNAをコードするポリヌクレオチド配列を含み、第2のベクターは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、プロモーターは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、プロモーターは、少なくとも1つのgRNAをコードするポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、組成物は2つ以上のgRNAを含み、2つ以上のgRNAは第1のgRNAと第2のgRNAとを含み、第1のベクターは第1のgRNAをコードし、第2のベクターは第2のgRNAをコードする。いくつかの実施形態において、第1のベクターはCas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする。いくつかの実施形態において、第2のベクターはCas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする。いくつかの実施形態において、プロモーターは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、プロモーターは、第1のgRNAをコードするポリヌクレオチド配列と、及び/又は第2のgRNAをコードするポリヌクレオチド配列と、作動可能に連結されている。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Cas9タンパク質又は化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9タンパク質である。いくつかの実施形態において、CK8プロモーターは配列番号51のポリヌクレオチド配列を含み、Spc5-12プロモーターは配列番号52のポリヌクレオチド配列を含み、MHCK7プロモーターは配列番号53のポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、ベクターは配列番号54~59からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ベクターは幹細胞を標的とする。いくつかの実施形態において、ベクターは筋衛星細胞への指向性を有する。
【0004】
さらなる態様において、本開示は、本明細書において詳述されている組成物を含む細胞に関する。
本開示の別の態様は、本明細書において詳述されている組成物を含むキットを提供する。
本開示の別の態様は、細胞における変異体遺伝子を修正する方法を提供する。方法は、細胞に本明細書において詳述されている組成物を投与するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、細胞は衛星細胞である。いくつかの実施形態において、変異体遺伝子はジストロフィン遺伝子である。
【0005】
本開示の別の態様は、対象における変異体ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法を提供する。方法は、対象に本明細書において詳述されている組成物を含むゲノム編集組成物を投与するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、ゲノム編集組成物は、対象に筋肉内投与されるか、静脈内投与されるか、又はそれらの組合せで投与される。
【0006】
本開示の別の態様は、変異体ジストロフィン遺伝子を有する、処置を必要とする対象を処置する方法を提供する。方法は、対象に本明細書において詳述されている組成物又は本明細書において詳述されている細胞を投与するステップを含み得る。
本開示の別の態様は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する対象を処置する方法を提供する。方法は、細胞を本明細書において詳述されている組成物と接触させるステップを含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、細胞は筋肉細胞、衛星細胞、又は幹細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は衛星細胞である。いくつかの実施形態において、細胞を組成物とインビボ、インビトロ、及び/又はエクスビボで接触させる。いくつかの実施形態において、細胞を組成物と接触させた後に、細胞を対象に移植する。いくつかの実施形態において、細胞は同種及び自家性である。いくつかの実施形態において、細胞を対象の筋肉に投与する。いくつかの実施形態において、対象に細胞を移植する前に対象を免疫抑制する。いくつかの実施形態において、細胞は、筋肉内注射、静脈内注射、尾部注射、硝子体内注射、線条体内注射、実質内注射、髄腔内注射、硬膜外注射、眼球後注射、皮下注射、心臓内注射、嚢胞内注射、関節内注射若しくは髄腔内注射、硬膜外カテーテル注入、クモ膜下ブロックカテーテル注入、静脈内注入、ネブライザー経由、スプレー経由、腟内経路経由、又はそれらの組合せから選択される経路を経由して上記対象に移植される。
【0008】
本開示の別の態様は、衛星細胞指向性を有するAAVベクターをスクリーニングする方法を提供する。方法は、哺乳動物にAAVベクターを投与するステップを含み得、哺乳動物はCAG-loxP-STOP-loxP-tdTomato発現カセットをRosa26に保有するアレルを含み、哺乳動物のpax7遺伝子は、蛍光タンパク質を発現する遺伝子でノックインされる。いくつかの実施形態において、目的の遺伝子はCreをコードする。いくつかの実施形態において、蛍光タンパク質はGFP、YFP、RFP、若しくはCFP、又はそれらのバリアントを含む。
本開示の別の態様は、衛星細胞における変異体遺伝子を修正する方法を提供する。方法は、細胞に本明細書において詳述されている組成物を投与するステップを含み得る。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのgRNAは、配列番号49若しくは50又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列に結合してポリヌクレオチド配列を標的とするか、或いは少なくとも1つのgRNAは、配列番号60若しくは61又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列を含む。
本開示は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮すれば明らかである他の態様及び実施形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A-F】衛星細胞におけるAAV形質導入を定量するための二重レポーターマウスを示す図である。
図1Aは、Pax7座位にあるノックイン核GFP及びRosa26座位にあるCAG-LSL-tdTomatoを保有する二重レポーターマウスの模式図を示す。Cre媒介性組換えがtdTomato発現において生じる。
図1Bは、ゲーティング戦術を確立するための使用されたFACSプロット及びコントロールを示す。緑色のゲートはPax7-nGFP+細胞を識別し、一方、黄色ゲートはPax7-nGFP+/tdTomato+細胞を識別する。
図1Cは、一群のAAV血清型においてパッケージされたCreの局所注射後のPax7-nGFP+細胞の組換え効率を示す(平均±平均値の標準誤差、n=5匹のマウス)。
図1Dは、AAV-Creの全身注射後の種々の骨格筋群に由来するPax7-nGFP+細胞における組換え効率を示す(平均±平均値の標準誤差、n=5匹のマウス)。
図1Eは、Pax7-/tdTomato-核(灰色の矢印)と対比した、Pax7+/tdTomato+細胞の代表的免疫蛍光染色(黄色の矢印)を示す。
図1Fは、野生型マウスと比較したmdxマウスにおけるAAV9-Creの全身注射が、ジストロフィー筋肉の環境において衛星細胞のより高い形質導入を示すことを示す(平均±平均値の標準誤差、n=5匹のマウス)。
【
図2A-F】AAV9-CRISPRが、mdxマウスにおいてDmd座位にて衛星細胞の遺伝子編集を誘導することを示す図である。
図2Aは、Dmd座位からエクソン23を切除してそのリーディングフレームを復元するように設計されたAAV9-CRISPRを注射された、Pax7-nGFP/mdxマウスを示す。
図2Bは、エクソン23の切除に対応する欠失バンドを示す、注射されたTA筋から分離された衛星細胞におけるゲノム欠失領域にわたるPCRを示す。
図2Cは、5匹中4匹のマウスにおいて、全身注射されたマウスから分離された衛星細胞もまたエクソン23の切除に対応する欠失バンドを示すことを示す。
図2Dは、イントロン22及びイントロン23におけるgRNA標的部位の完全な連結を示すための、欠失バンドのサンガー配列決定である。
図2Eは、種々の遺伝子編集結果について編集事象のレベルを定量するための、AAV9-CRISPR局所投与後の衛星細胞ゲノムDNAにおける5’方向又は3’方向のいずれかからのDmd座位のエクソン23周辺の標的とされた領域の偏りのない(unbiased)Tn5タグメンテーションベースの配列決定を示す。
図2Fは、エクソン23欠失のレベルを定量するための、AAV9-CRISPR局所投与後の衛星細胞mRNAの偏りのないTn5タグメンテーションベースの配列決定を示す。
【
図3A-E】筋肉特異的プロモーターが衛星細胞において活性であることを示す図である。
図3Aは、Cre発現を駆動する筋肉特異的プロモーターが、AAV9中にパッケージされ、筋肉内注射によって等用量でPax7-nGFP;Ai9;mdxマウス中へ送達されたことを示す。衛星細胞の組換え効率は、CMVにより駆動されるCreにおいて最も高かった(平均±平均値の標準誤差、n=3~4匹のマウス)。
図3Bは、CMVプロモーター、CK8eプロモーター、SPc5-12プロモーター、又はMHCK7プロモーターにより駆動されるSaCas9をコードするAAV9と一緒にAAV9-gRNAを注射された、Pax7-nGFP/mdxマウスを示す。筋肉内注射の8週間後、TA筋を収集し、ジストロフィン陽性線維を免疫蛍光染色により定量した。
図3Cは、種々の筋肉特異的プロモーター又はCMVを保有するAAV9-CRISPRの局所投与後のTA筋ゲノムDNAの偏りのない配列決定を示し、種々の遺伝子編集結果についての編集事象のレベルを定量する。
図3Dは、種々のプロモーターでの局所AAV9-CRISPR処理後のバルク筋肉の偏りのない配列決定によって定量した、全編集事象及び欠失事象(平均±平均値の標準誤差、n=3匹のマウス)を示す。
図3Eは、選別された衛星細胞由来のゲノムDNAのPCRを示し、CMVプロモーター又は筋肉特異的プロモーターにより駆動されるSaCas9を注射されたマウスにわたるエクソン23の切除を示す。P値は、一元配置分散分析とそれに続くテューキーの事後検定によって決定した(平均±平均値の標準誤差、n=3匹のマウス)。
【
図4A-E】AAVベクター発現の喪失後のジストロフィンの持続性発現を示すための、AAV9-CRISPRで処理されたTA筋の連続損傷を示す図である。
図4Aは、連続損傷戦略の模式図を示す。Mdxマウスを、筋肉内注射によりAAV9-CRISPR構築物で処理した。4週間後、マウスを50μLの1.2% BaCl2で損傷させて、筋肉の変性及び再生を誘導した。BaCl2注射を合計2又は3回投与し、各注射の間に2週間の回復期間を設けた。
図4Bは、AAV9-CRISPRで処理しBaCl2で0回、2回、又は3回のいずれかの回損傷させたmdxマウスにおける、ジストロフィン復元の代表的免疫蛍光画像を示す。
図4Cは、AAV9-CRISPR処理及びBaCl2での0回、2回、又は3回の損傷後のジストロフィン+線維の定量である(平均±平均値の標準誤差、n=4匹のマウス)。
図4Dは、SaCas9のC末端にあるHAエピトープタグのウェスタンブロットであり、3回のBaCl2損傷後のSaCas9の除去を示す。
図4Eは、ジストロフィンのウェスタンブロットであり、AAV9-CRISPR発現の非存在下での複数の損傷にわたって持続されるジストロフィン発現の回復を示す。
【
図5A-E】mdxマウス由来のCRISPRを編集された衛星細胞の連続移植が筋肉再生に寄与することを示す図である。
図5Aは、連続生着(engraftment)戦略の模式図を示す。Pax7nGFP;mdxドナーマウスに、AAV9-CRISPR又はPBSを注射した。8週間後、GFP+細胞をフローサイトメトリーにより分離し、2日前に左後肢に照射したmdx宿主マウス中にすぐに注射した。4週間後、その宿主のTA筋を分析のために分離した。
図5Bは、AAV9-CRISPRで処理したマウスに由来する衛星細胞を注射したmdx宿主マウスに由来するTA筋における、ジストロフィンについての免疫蛍光染色の代表的画像を示す。
図5Cは、AAV9-CRISPR構築物又はPBSのいずれかで処理したドナーマウス筋肉から分離された衛星細胞を注射された宿主TA筋における、1mm2当たりのジストロフィン+線維の定量である(平均±平均値の標準誤差、n=3匹のマウス)。
図5Dは、TA筋から抽出された宿主ゲノムDNAのPCRを示し、エクソン23欠失バンドが、AAV9-CRISPRで処理されたドナーに由来する衛星細胞を注射されたマウスにおいてのみ存在することを示す。
図5Eは、イントロン22とイントロン23との完全な連結を示す、欠失バンドのサンガー配列決定を示す。
【
図6A】種々の遺伝子編集結果についての編集事象のレベルを定量するための、AAV9-CRISPR局所投与後の衛星細胞又はバルク筋肉ゲノムDNAの偏りのない配列決定を示す図である。
【
図6B】エクソン23欠失のレベルを定量するための、AAV9-CRISPR局所投与後の衛星細胞又はバルク筋肉mRNAの偏りのない配列決定を示す図である(平均±平均値の標準誤差、n=4匹のマウス)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(詳細な説明)
本明細書において記載される方法は、AAVによる衛星細胞の首尾良い形質導入に関し、これらの衛星細胞は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのヒト化マウスモデルにおいてジストロフィンのリーディングフレームを復元してジストロフィンを首尾良く復元するように遺伝子編集を受け得る。
【0011】
筋幹細胞又は衛星細胞におけるジストロフィン遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを送達するための、ベクター組成物、遺伝的構築物、及び方法が、本明細書において記載される。本明細書において記載されているベクター組成物は、システム又は組成物に筋幹細胞を標的とさせるために、CK8、SPc5-12、及び/又はMHCK7が挙げられるがこれらに限定はされない、1つ又は複数の筋肉特異的プロモーターの使用を含み得る。本明細書に開示されている主題はまた、遺伝的構築物又は遺伝的構築物を含む組成物を筋幹細胞又は衛星細胞に送達するための方法も提供する。ベクターは、改変型AAVベクターを含む、AAVであり得る。本明細書に開示されている主題は、筋幹細胞又は衛星細胞への活性形態のこの種類の治療物質の有効で効率的な送達に関し、それによりゲノム改変を促進する。システム及び方法はまた、ゲノム操作において、及び遺伝子変異の影響を修正又は減少するために、使用され得る。
【0012】
(1.定義)
そうではないと定義されない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が統制する。好ましい方法及び材料が下記に記載されているが、本明細書において記載される方法及び材料と同様又は同等の方法及び材料が、本発明の実施又は試験において使用され得る。本明細書において記載されるすべての公開物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参考として援用される。本明細書において開示されている材料、方法、及び例は、例示的なものに過ぎず、限定することは意図されない。
【0013】
本明細書において使用される用語「含む(comprise)」、「含む(include」、「有する(having)」、「有する(has)」、「し得る(can)」、「含む(contain)」、及びそれらの異形は、追加的な動作又は構成の可能性を排除しない、非限定的な移行句、用語、又は語であることが意図される。単数形「ある(a)」、「及び(and)」及び「その(the)」は、文脈がそうではないと明示的に記載しない限り、複数の言及物を含む。本開示はまた、明確に記載されていてもそうではなくても、本明細書において提示されている実施形態又は構成要素を「含む」他の実施形態、本明細書において提示されている実施形態又は構成要素「からなる」他の実施形態、及び本明細書において提示されている実施形態又は構成要素「から本質的になる」他の実施形態も企図する。
本明細書における数の範囲の言及について、同じ精度でその間に存在する数各々が明示的に企図される。例えば、範囲6~9について、6及び9に加えて数7及び8が企図され、範囲6.0~7.0について、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明示的に企図される。
【0014】
目的の1つ又は複数の値に適用される本明細書において使用される用語「約」又は「およそ(ほぼ)」とは、記載される参照値と同様である値、又はその特定の値について当業者によって決定された場合に許容できる誤差範囲内にある値を指し、その誤差範囲は、その値がどのように測定又は決定されるかに、例えば、測定系の限界に、部分的に依存する。特定の態様において、用語「約」とは、そうではないと記載されるか又はそうではないと文脈から明らかでない限りは、いずれかの方向で、記載される参照値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下にある(大きいか又は小さい)値の範囲(そのような数が、あり得る値の100%を超える場合を除く)を指す。代替的に、「約」は、当該分野における実務に従って3又は3よりも大きい標準偏差以内を意味し得る。代替的に、例えば生物学的システム又はプロセスに関して、用語「約」は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0015】
本明細書において互換可能に使用される「アデノ随伴ウイルス」又は「AAV」とは、ヒト及びいくつかの他の霊長類の種に感染する、パルボウイルス(Parvoviridae)科のディペンドウイルス(Dependovirus)属に属する小さなウイルスを指す。AAVは、疾患を引き起こすとは現在知られておらず、結果的にこのウイルスは非常に軽度の免疫応答を引き起こす。
「同種の」とは、同じ種の別の対象に由来する任意の物質を指す。同種細胞は、遺伝的には別個であり免疫学的には不適合性であるが、同じ種に属する。典型的には、「同種」は、ドナーから同じ種のレシピエントへと移植される細胞、例えば幹細胞を定義するために使用される。
本明細書において使用される「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸及び非天然の人工アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによりコードされるアミノ酸である。アミノ酸は、一般的に知られているそのアミノ酸の3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名法委員会により推奨される1文字記号のいずれかによって、本明細書において言及され得る。アミノ酸は、側鎖及びポリペプチド骨格部分を含む。
【0016】
「自家性」とは、対象に由来し同じ対象へと再導入される任意の物質を指す。
本明細書において使用される「結合領域」とは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムにより認識され結合される標的領域内の領域を指す。
本明細書において使用される「コード配列」又は「コード核酸」とは、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNA又はDNA分子)を意味する。コード配列は、その核酸が投与される個体又は哺乳動物の細胞における発現を指示し得るプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと作動可能に連結された、開始シグナル及び終結シグナルをさらに含み得る。コード配列は、コドンを最適化され得る。
【0017】
本明細書において使用される「相補体」又は「相補的」とは、核酸が、核酸分子のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの間でワトソン-クリック塩基対合(例えば、A-T/U及びC-G)又はフーグスティーン塩基対合を意味し得ることを意味する。「相補性」とは、2つの核酸配列の間において共有される、その2つの核酸配列が互いに対して逆平行に整列された場合に各位置のヌクレオチド塩基が相補的になるような、特性を指す。
【0018】
用語「コントロール」、「参照レベル」、及び「参照」は、本明細書において互換可能に使用される。参照レベルは、測定された結果を評価するためのベンチマークとして使用される、所定の値又は範囲であり得る。本明細書において使用される「コントロール群」とは、一群のコントロール対象を指す。その所定のレベルは、コントロール群からのカットオフ値であり得る。その所定のレベルは、コントロール群からの平均であり得る。カットオフ値(又は所定のカットオフ値)は、適応的指標モデル(AIM)方法論により決定され得る。カットオフ値(又は所定のカットオフ値)は、患者群の生物学的サンプルから受信者動作曲線(ROC)分析により決定され得る。ROC分析は、生物学的分野において概して公知であるように、ある条件を別の条件から区別するための、例えば、CRCを有する患者を識別する際に各マーカーの成績を決定するための、試験の能力の決定である。ROC分析の記載はP.J. Heagerty et al.(Biometrics 2000, 56, 337-44)に提供され、その開示はその全体が本明細書により参考として援用される。代替的に、カットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの四分位分析により決定され得る。例えば、カットオフ値は、25~75パーセンタイル範囲中の任意の値に対応する値、好ましくは25パーセンタイル、50パーセンタイル又は75パーセンタイル、より好ましくは75パーセンタイルに対応する値を選択することにより、決定され得る。そのような統計分析は、当該分野において公知である任意の方法を使用して実施され得、(例えば、Analyse-it Software Ltd.、Leeds、UK;StataCorp LP、College Station、TX;SAS Institute Inc.、Cary、NCから)商業的に利用可能な多数のソフトウェアパッケージを通して実施され得る。標的について又はタンパク質活性についての健常又は正常なレベル又は範囲は、標準的な実務に従って定義され得る。コントロールは、本明細書において詳述されている組成物を含まない、対象又は細胞であり得る。コントロールは、その疾患状態が知られている、対象又はそれに由来するサンプルであり得る。対象又はそれに由来するサンプルは、健常なものであっても、疾患状態であっても、処置前の疾患状態であっても、処置中の疾患状態であっても、若しくは処置後の疾患状態であっても、又はそれらの組合せであってもよい。
【0019】
本明細書において使用される「修正する」、「遺伝子編集する」及び「復元する」とは、機能障害性のタンパク質若しくは短縮されたタンパク質をコードするか又はタンパク質を全くコードしない変異体遺伝子を変化させて、全長の機能的なタンパク質発現又は部分的に全長の機能的なタンパク質発現が得られるようにすることを指す。変異体遺伝子を修正又は復元することは、相同組換え修復(HDR)などの修復機構により、その変異を有さないその遺伝子のコピーで、その遺伝子の変異を有する領域を置換すること又は変異体遺伝子全体を置換することを含み得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、未成熟終止コドン、異常なスプライスアクセプター部位、又は異常なスプライスドナー部位を引き起こすフレームシフト変異を、その遺伝子中に、後に非相同末端結合(NHEJ)を使用して修復される二本鎖切断を生成することにより修復することを含み得る。NHEJは、適切なリーディングフレームを復元して未成熟終止コドンを除去し得る、少なくとも1塩基対を修復中に付加又は欠失し得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、異常なスプライスアクセプター部位又は異常なスプライスドナー配列を破壊することを含み得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、2つのヌクレアーゼ標的部位間のDNAを除去しそのDNA切断をNHEJにより修復することによって、適切なリーディングフレームを復元するために同じDNA鎖にある2つのヌクレアーゼの同時作用により非必須遺伝子セグメントを欠失させることを含み得る。
【0020】
本明細書において互換可能に使用される「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復」及び「CRISPR」とは、配列決定された細菌のおよそ40%及び配列決定された古細菌の90%のゲノムにおいて見出される、複数の短い直接反復を含む座位を指す。CRISPRシステムは、侵入するファージ及びプラスミドに対する防御に関与する、ある形態の獲得免疫を提供する微生物ヌクレアーゼシステムである。微生物宿主中にあるCRISPR座位は、CRISPR関連(Cas)遺伝子と、CRISPR媒介性核酸切断の特異性をプログラム可能な非コードRNAエレメントとの組合せを含む。スペーサーと呼ばれる外来DNAの短いセグメントが、CRISPR反復の間でゲノム中に組み込まれ、過去の曝露の「記憶」として作用する。Casタンパク質としては、例えば、Cas12a、Cas9、及びカスケードタンパク質が挙げられる。Cas12aはまた、「Cpf1」とも呼ばれ得る。Cas12aは、二本鎖DNAにおいて互い違い切断を引き起こす一方、Cas9は平滑切断を生じる。Cas9は、sgRNA(これは本明細書において「gRNA」とも互換可能に呼ばれ得る)の3’末端と複合体を形成し、そのタンパク質-RNA対は、gRNA配列の5’末端と、プロトスペーサーとして公知であるあらかじめ決められた20bpのDNA配列との間での相補的塩基対合によって、そのゲノム標的を認識する。この複合体は、病原体DNAの相同性座位に対して、crRNA内にコードされる領域すなわちプロトスペーサー、及びその病原体ゲノム内のプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を介して指向される。非コードCRISPRアレイが転写され、直接反復内で切断されて個々のスペーサー配列を含む短いcrRNAへとなり、これらが、Casヌクレアーゼを標的部位(プロトスペーサー)へと指向させる。発現されるgRNAの20bp認識配列を単に交換することによって、Cas9ヌクレアーゼは、新しいゲノム標的へと指向され得る。CRISPRスペーサーは、真核生物中のRNAiと同様の様式で外因性遺伝的エレメントを認識して発現停止させるために使用される。
【0021】
3つの種類のCRISPRシステム(タイプI、II、及びIIIのエフェクターシステム)が公知である。タイプIIエフェクターシステムは、dsDNAを切断するために単一のエフェクター酵素Cas9を使用して、4つの連続的ステップで、標的とされたDNA二本鎖切断を実行する。複合体として作用する複数の別個のエフェクターを必要とするタイプI及びタイプIIIのエフェクターシステムと比較して、タイプIIエフェクターシステムは、真核生物細胞などの別の環境において機能し得る。タイプIIエフェクターシステムは、スペーサー含有CRISPR座位から転写される長いプレcrRNAと、Cas9タンパク質と、プレcrRNAプロセシングに関与するtracrRNAとからなる。tracrRNAは、プレcrRNAのスペーサーを分離する反復領域にハイブリダイズし、その結果、内因性RNアーゼIIIによるdsRNA切断を開始する。この切断の後には、Cas9による各スペーサー内での第2の切断事象が続き、tracrRNA及びCas9が付随したままである成熟crRNAを生じ、Cas9:crRNA-tracrRNA複合体を形成する。Cas12aシステムが、首尾良い標的化のためにcrRNAを含む一方、Cas9システムは、crRNA及びtracrRNAの両方を含む。
【0022】
Cas9:crRNA-tracrRNA複合体は、そのDNA二重鎖を巻き戻し、切断するcrRNAと一致する配列を探索する。標的認識は、標的DNA中の「プロトスペーサー」配列と、crRNA中の残りのスペーサー配列との間の相補性の検出の際に生じる。Cas9は、正確なプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)もまたプロトスペーサーの3’末端に存在する場合に、標的DNAの切断を媒介する。プロトスペーサーの標的化のために、その配列は、DNA切断のために必要なCas9ヌクレアーゼにより認識される短い配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が、直後に続かなければならない。種々のタイプIIシステムが、種々のPAM要件を有する。
【0023】
化膿性連鎖球菌の操作された形態のタイプIIエフェクターシステムは、ゲノム操作のためにヒト細胞において機能することが示された。このシステムにおいて、Cas9タンパク質は、合成的に再構成された「ガイドRNA」(「gRNA」、本明細書においてキメラ単一ガイドRNA(「sgRNA」)とも互換可能に使用される)によってゲノム標的部位へと指向された。このガイドRNAは、一般にRNアーゼIII及びcrRNAプロセシングの必要性を排除するcrRNA-tracrRNA融合物である。遺伝子編集及び遺伝的疾患を処置する際に使用するためのCRISPR/Cas9ベースの操作されたシステムが、本明細書において提供される。CRISPR/Cas9ベースの操作されたシステムは、例えば、遺伝的疾患、加齢、組織再生、又は創傷治癒に関与する遺伝子を含む、任意の遺伝子を標的とするように設計され得る。
【0024】
用語「方向性プロモーター」とは、2つの別個の配列の転写を両方の方向で駆動可能である2つ以上のプロモーターを指す。1つの実施形態において、1つのプロモーターは5’から3’への転写を駆動し、もう1つのプロモーターは、3’から5’への転写を駆動する。1つの実施形態において、双方向プロモーターは、少なくとも2つの別個の配列、例えば、コード配列又は非コード配列の発現を、対向する方向で駆動し得る、二本鎖転写制御エレメントである。そのようなプロモーター配列は、対向する方向で作用する2つの個別のプロモーター配列、例えば、その2つの個別のプロモーター配列若しくはその少なくともコア配列を含む、ハイブリッド配列、キメラ配列又は融合配列によってか、或いはそうでなければ両方の方向で転写を開始し得る1つだけの転写調節配列によって、対向する方向でその2つのプロモーターを含むパッケージ構築物を含む、1つのヌクレオチド配列がもう1つの(相補的)ヌクレオチド配列に連結されたものなどから構成され得る。その2つの個別のプロモーター配列は、いくつかの実施形態において、並置されてもよく、又はリンカー配列が第1の配列と第2の配列との間に配置されてもよい。プロモーター配列は逆向きにされて、反対の方向にある別のプロモーター配列と組み合わされ得る。双方向プロモーターの両方の側に位置する遺伝子は、両方の方向でその転写を駆動する、単一の転写制御配列又は領域と作動可能に連結され得る。他の実施形態において、双方向プロモーターは並置されない。例えば、1つのプロモーターがヌクレオチドフラグメントの5’末端における転写を駆動し得、別のプロモーターが、同じフラグメントの3’末端からの転写を駆動し得る。別の実施形態において、第1の遺伝子が、さらなる調節エレメント、例えば、レポーターエレメント又はターミネーターエレメントを伴ってか又は伴わずに、双方向プロモーターと作動可能に連結され得、第2の遺伝子が、これもまたさらなる調節エレメントを伴ってか又は伴わずに、反対の方向の双方向性プロモーター及び相補的プロモーター配列と作動可能に連結され得る。
【0025】
本明細書において互換可能に使用される「ドナーDNA」、「ドナーテンプレート」、及び「修復テンプレート」とは、目的の遺伝子の少なくとも一部を含む、二本鎖DNAのフラグメント又は分子を指す。ドナーDNAは、完全な機能的なタンパク質又は部分的に機能的なタンパク質をコードし得る。
【0026】
本明細書において互換可能に使用される「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」又は「DMD」とは、筋肉変性及び最終的な死をもたらす、致死性の潜性X連鎖障害を指す。DMDは、一般的な遺伝性一遺伝子性疾患であり、3500人の男性のうち1人で発症する。DMDは、ジストロフィン遺伝子においてナンセンス変異又はフレームシフト変異を引き起こす、遺伝性変異又は自然発生変異の結果である。DMDを引き起こすジストロフィン変異の大多数は、そのリーディングフレームを破壊しジストロフィン遺伝子における未成熟翻訳終結を引き起こす、エクソンの欠失である。DMD患者は、典型的には、小児の間に自身を物理的に支持する能力を失い、ティーンエイジ年代の間に次第に弱くなり、その20代に死亡する。
【0027】
本明細書において使用される「ジストロフィン」とは、筋線維の細胞骨格を、細胞膜を通して周囲の細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体の一部である、棒の形状をした細胞質タンパク質を指す。ジストロフィンは、筋肉細胞の完全性及び機能を調節するのを担う細胞膜のジストログリカン複合体に対して、構造的安定性を提供する。本明細書において互換可能に使用されるジストロフィン遺伝子又は「DMD遺伝子」は、座位Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbの寸法であり、成熟mRNAは約14kbである。79個のエクソンが、3500アミノ酸超であるタンパク質をコードする。
本明細書において使用される「カプセル化された」とは、完全なカプセル化、部分的カプセル化、又はその両方の状態でmRNA又はgRNAを提供する脂質ナノ粒子を指す。一つの実施形態において、その核酸(例えば、mRNA又はgRNA)は、脂質ナノ粒子又は脂質マイクロ粒子中に完全にカプセル化される。
【0028】
本明細書において使用される「エンハンサー」とは、複数のアクチベーター結合部位及びリプレッサー結合部位を含む非コードDNA配列を指す。エンハンサーは、長さが200bp~1kbの範囲にあり、エンハンサーは、プロモーターの5’上流側若しくは調節される遺伝子の第1のイントロン内にて近位にあるか、又は隣接する遺伝子のイントロン中若しくはその座位から遠く離れた遺伝子間領域にて遠位にあるかのいずれであってもよい。DNAループ形成を介して、活性なエンハンサーは、コアDNA結合モチーフプロモーター特異性に依存して、プロモーターと接触する。4~5個のエンハンサーが、プロモーターと相互作用し得る。同様に、エンハンサーは、連結制限なく1つよりも多くの遺伝子を調節し得、隣接する遺伝子を「スキップ」してより遠位にある遺伝子を調節し得る。転写調節は、プロモーターが存在する染色体とは異なる染色体に位置するエレメントを含み得る。近位エンハンサー又は隣接する遺伝子のプロモーターが、より遠位にあるエレメントを動員するためのプラットフォームとして作用し得る。
【0029】
本明細書において使用されるジストロフィンの「エクソン45~55」とは、すべてのジストロフィン変異のおよそ45%が位置する領域を指す。エクソン45~55欠失は、非常に軽度のベッカー表現型と関連しており、無症候性個体においてさえも見出されている。エクソン45~55マルチエクソンスキッピングが、すべてのDMD患者のおよそ50%にとって有益である。
本明細書において使用される「エクソン51」とは、ジストロフィン遺伝子のエクソン51を指す。エクソン51は、DMD患者におけるフレーム破壊欠失と頻繁に隣接し、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピングのために臨床試験において標的とされている。エクソン51スキッピング化合物であるエテプリルセンについての臨床試験は、48週間にわたる有意な機能的有益性が報告され、ベースラインと比較して平均47%のジストロフィン陽性線維があった。エクソン51における変異は、NHEJベースのゲノム編集による永続的修正に適し得る。
【0030】
本明細書において互換可能に使用される「フレームシフト」又は「フレームシフト変異」とは、1つ又は複数のヌクレオチドの付加又は欠失が、mRNA中のコドンのリーディングフレームのシフトを引き起こす型の遺伝子変異を指す。リーディングフレームのシフトは、タンパク質翻訳でのアミノ酸配列の変化、例えば、ミスセンス変異又は未成熟終止コドンをもたらし得る。
本明細書において使用される「機能的な」及び「完全な機能的な」は、生物学的活性を有するタンパク質を記述する。「機能的な遺伝子」とは、機能的なタンパク質へと翻訳されるmRNAへと転写される遺伝子を指す。
本明細書において使用される「融合タンパク質」は、別個のタンパク質を元々コードする2つ以上の遺伝子の結合を介して作製されたキメラタンパク質を指す。その融合遺伝子の翻訳は、元のタンパク質の各々に由来する機能的特性を有する単一のポリペプチドを生じる。
【0031】
本明細書において使用される「遺伝的構築物」とは、タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列及びその発現を指示する遺伝的配列を指す。そのコード配列は、調節エレメントと作動可能に連結された開始シグナル及び終結シグナルを含み得、その調節エレメントは、そのポリヌクレオチドが投与される対象の細胞における発現を指示し得る、プロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む。本明細書において使用される場合、用語「発現可能な形態」とは、タンパク質をコードするコード配列と作動可能に連結された必要な調節エレメントを含み、対象の細胞中に存在する場合にそのコード配列が発現されるようになっている、遺伝子構築物を指す。
【0032】
本明細書において使用される「遺伝的疾患」とは、ゲノムにおける1つ又は複数の異常によって部分的又は完全に、直接的又は間接的に引き起こされる疾患、特に出生から存在する状態を指す。異常は、変異、例えば、置換、挿入、又は欠失であり得る。異常は、遺伝子のコード配列又はその調節配列に影響し得る。遺伝的疾患は、DMD、血友病、嚢胞性線維症、ハンチントン舞踏病、家族性高コレステロール血症(LDLレセプター欠損)、肝芽腫、ウィルソン病、先天性肝性ポルフィリン症、肝代謝の遺伝性障害、レッシュ・ナイハン症候群、鎌状赤血球貧血、サラセミア、色素性乾皮症、ファンコニ貧血、色素性網膜炎、毛細血管拡張性運動失調症、ブルーム症候群、網膜芽細胞腫、及びテイ・サックス病であり得るが、これらに限定はされない。
本明細書において使用される「ゲノム編集」又は「遺伝子編集」とは、遺伝子を変化させることを指す。ゲノム編集は、変異体遺伝子を修正若しくは復元すること、又は追加的な変異を付加することを含み得る。ゲノム編集は、遺伝子、例えば変異体遺伝子又は正常な遺伝子をノックアウトすることを含み得る。ゲノム編集は、目的の遺伝子を変化させることによって疾患を処置するため、例えば、筋肉修復を増強するために、使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書において詳述されている組成物及び方法は、体細胞における使用のためのものであり、生殖系列細胞における使用のためのものではない。
【0033】
本明細書において使用される用語「異種」とは、天然では互いに対して同じ関係では見出されない2つ以上の部分配列を含む核酸を指す。例えば、組換え生成される核酸は、典型的には、新しい機能的な核酸を生成するように合成的に配置された無関係の遺伝子に由来する2つ以上の配列、例えば、ある供給源に由来するプロモーター及び別の供給源に由来するコード領域を有する。従って、その2つの核酸は、この状況においては、互いに対して異種である。細胞に添加される場合、組換え核酸はまた、その細胞の内因性遺伝子に対して異種である。従って、染色体において、異種核酸は、染色体中に組み込まれている非ネイティブ(天然に存在しない)核酸、又は非ネイティブ(天然に存在しない)染色体外核酸を含む。同様に、異種タンパク質とは、そのタンパク質が、天然では互いに対して同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むこと(例えば、その2つの部分配列が単一の核酸配列によりコードされる「融合タンパク質」)を示す。
【0034】
本明細書において互換可能に使用される「相同組換え修復」又は「HDR」とは、DNAの相同性部分が核中に存在する場合に、大部分が細胞周期のG2期及びS期において、二本鎖DNA損傷を修復する細胞中の機構を指す。HDRは、ドナーDNAテンプレートを使用して修復をガイドし、遺伝子全体の標的化した付加を含む、ゲノムに対する特定の配列変化を引き起こすために使用され得る。ドナーテンプレートがCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムと一緒に提供される場合、その細胞機構は、相同組換えによりその切断を修復し、これはDNA切断の存在下では数桁増強される。相同性DNA部分が存在しない場合、非相同末端結合が代わりに生じ得る。
【0035】
2つ以上のポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列の文脈において本明細書において使用される「同一の」又は「同一性」は、それらの配列が、特定の領域にわたって同じである、特定のパーセンテージの残基を有することを意味する。パーセンテージは、その2つの配列を最適に整列すること、特定の領域にわたって2つの配列を比較すること、両方の配列において同一の残基が存在する位置の数を決定して一致した位置の数を得ること、一致した位置の数を特定の領域の全位置数で除算すること、及びその結果に100を乗算して配列同一性のパーセンテージを得ることによって、計算され得る。2つの配列が異なる長さであるか又は整列が1つ又は複数の互い違いの末端を生じ、特定の比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基が、計算の分母に含められるが分子には含められない。DNAとRNAとを比較する場合、チミン(T)及びウラシル(U)は等価であると考えられ得る。同一性は、手作業によってか、又はBLAST若しくはBLAST 2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって、実施され得る。
【0036】
本明細書において互換可能に使用される「変異体遺伝子」又は「変異した遺伝子」とは、検出可能な変異を受けている遺伝子を指す。変異体遺伝子は、その遺伝子の正常な伝達及び発現に影響する変化、例えば、遺伝物質の喪失、獲得、又は交換を受けている。本明細書において使用される「破壊された遺伝子」とは未成熟終止コドンを引き起こす変異を有する変異体遺伝子を指す。その破壊された遺伝子生成物は、全長の破壊されていない遺伝子生成物と比較して短縮されている。
【0037】
本明細書において使用される「非相同末端結合(NHEJ)経路」とは、DNA中の二本鎖切断を、相同性テンプレートを必要とすることなくその切断末端を直接連結することによって修復する経路を指す。NHEJによるDNA末端のテンプレート非依存性再連結は、そのDNA切断点でランダムな微小挿入及び微小欠失(インデル)を導入する、確率論的な誤りがちな修復プロセスである。この方法は、標的とされた遺伝子配列のリーディングフレームを意図的に破壊、欠失、又は変化させるために使用され得る。NHEJは、典型的には、マイクロホモロジーと呼ばれる短い相同性DNA配列を使用して修復をガイドする。これらのマイクロホモロジーは、二本鎖切断の末端にある一本鎖突出にしばしば存在する。その突出が完全に適合性である場合、NHEJは通常はその切断を正確に修復し、それでもなお、ヌクレオチドの喪失をもたらす不正確な修復もまた、生じ得るが、その不正確な修復は、その突出が適合性ではない場合の方がかなり多く起こる。
【0038】
本明細書において使用される「正常な遺伝子」とは、変化、例えば遺伝物質の欠如、獲得、又は交換を受けていない遺伝子を指す。正常な遺伝子は、正常な遺伝子伝達及び遺伝子発現を経験する。例えば、正常な遺伝子は、野生型遺伝子であり得る。
本明細書において使用される「ヌクレアーゼ媒介性NHEJ」とは、ヌクレアーゼ、例えばCas9が、二本鎖DNAを切断した後に開始されるNHEJを指す。
本明細書において使用される「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、一緒に共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の記載はまた、その相補鎖の配列も定義する。従って、ポリヌクレオチドはまた、記載された一本鎖の相補鎖も包含する。ポリヌクレオチドの多くのバリアントが、所定のポリヌクレオチドと同じ目的のために使用され得る。従って、ポリヌクレオチドはまた、実質的に同一のポリヌクレオチド及びその相補体を包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。従って、ポリヌクレオチドはまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。ポリヌクレオチドは、一本鎖であってもよく、若しくは二本鎖であってもよく、又は二本鎖配列及び一本鎖配列の両方の部分を含み得る。ポリヌクレオチドは、天然若しくは合成の核酸、DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、又はハイブリッドであり得、ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドとの組合せ、及び例えば、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシン、及びイソグアニンを含む、塩基の組合せを含み得る。ポリヌクレオチドは、化学合成法又は組換え方法によって取得され得る。
【0039】
「オープンリーディングフレーム」とは、開始コドンで始まり終止コドンで終わる一続きのコドンを指す。複数のエクソンを含む真核生物遺伝子において、イントロンが除去され、その後、エクソンが転写後に一緒に結合されてタンパク質翻訳用の最終mRNAを生じる。オープンリーディングフレームは、連続的なコドン連続体であり得る。いくつかの実施形態において、オープンリーディングフレームは、タンパク質の発現のために、スプライシングされたmRNAにのみ当てはまるが、ゲノムDNAには当てはまらない。
【0040】
本明細書において使用される「作動可能に連結されている」とは、遺伝子の発現が、その遺伝子が空間的に結合されたプロモーターの制御下にあることを意味する。プロモーターは、その制御下にある遺伝子の5’側(上流)に位置してもよく、又は3’側(下流)に位置してもよい。プロモーターと遺伝子との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子中でそのプロモーターが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当該分野において公知であるように、この距離の変動は、プロモーター機能が喪失することなく調整され得る。核酸配列又はアミノ酸配列は、互いと機能的な関係になるように配置された場合に、「作動可能に連結されている」(又は「作動的に連結されている」)。例えば、プロモーター又はエンハンサーは、それがコード配列の転写を調節するか又はその転写の調節に寄与する場合に、コード配列と作動可能に連結されている。作動可能に連結されたDNA配列は、典型的には連続的であり、作動可能に連結されたアミノ酸配列は、典型的には、連続的であり同じリーディングフレーム中にある。しかし、エンハンサーはプロモーターから数キロベース又はそれ以上まで分離されている場合に概して機能し、イントロン配列は可変の長さであり得るので、いくつかのポリヌクレオチドエレメントは、作動可能に連結されているが連続的ではないものであり得る。同様に、主にポリペプチド配列において連続的ではない特定のアミノ酸配列が、それにも関わらず、例えば、ポリペプチド鎖のフォールディングが原因で、作動可能に連結されたものであり得る。融合ポリペプチドに関して、用語「作動的に連結されている」及び「作動可能に連結されている」は、その成分の各々が、もう一方の成分と連結して、それがそのようには連結されていなかった場合と同じ機能を実施することを指し得る。
【0041】
本明細書において使用される「部分的に機能的な」とは、変異体遺伝子によりコードされ、機能的なタンパク質よりも少ないが機能的ではないタンパク質よりは多い生物学的活性を有する、タンパク質を記述する。
【0042】
「ペプチド」又は「ポリペプチド」は、ペプチド結合により連結された2つ以上のアミノ酸の連結された配列である。ポリペプチドは、天然であってもよく、合成であってもよく、又は天然及び合成の改変形若しくは組合せであってもよい。ペプチド及びポリペプチドは、タンパク質、例えば、結合タンパク質、レセプター、及び抗体を含む。用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」は、本明細書において互換可能に使用される。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列を指す。「二次構造」とは、ポリペプチド内の局所的に規則的な三次元構造を指す。これらの構造は、ドメイン、例えば、酵素ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ポアドメイン、及び細胞質尾部ドメインとして一般的に公知である。「ドメイン」は、ポリペプチドの小型の単位を形成するポリペプチド部分であり、典型的には15~350アミノ酸長である。例示的なドメインとしては、酵素的活性又はリガンド結合活性を有するドメインが挙げられる。典型的なドメインは、より小さな構成の部分、例えば、βシートの連続体及びαヘリックスの連続体から構成される。「三次構造」とは、ポリペプチドモノマーの完全な三次元構造を指す。「四次構造」とは、独立した三次単位の非共有結合的会合によって形成される三次元構造を指す。「モチーフ」とは、ポリペプチド配列の部分であり、少なくとも2つのアミノ酸を含む。モチーフは、2~20、2~15、又は2~10アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態において、モチーフは、3、4、5、6、又は7個連続するアミノ酸を含む。ドメインは、一連の同じ型のモチーフから構成され得る。
【0043】
本明細書において互換可能に使用される「未成熟終止コドン」又は「アウトオブフレーム終止コドン」とは、その野生型遺伝子では通常は見出されない位置で終止コドンを生じる、DNAの配列中のナンセンス変異を指す。未成熟終止コドンは、タンパク質を、そのタンパク質の全長バージョンと比較して短縮させ得るか又は短くし得る。
【0044】
本明細書において使用される「プロモーター」とは、細胞における核酸の発現を付与、活性化又は増強可能である、合成又は天然由来の分子を意味する。プロモーターは、核酸の発現をさらに増強するため、並びに/又は核酸の空間的発現及び/若しくは時間的発現を変更するために、1つ又は複数の特定の転写調節配列を含み得る。プロモーターはまた、転写開始部位から数千塩基対程度に位置し得る、遠位エンハンサー又はリプレッサーエレメントを含み得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、遺伝子成分の発現を構成的に調節し得、或いは発現が生じる細胞、組織若しくは器官に関して、又は発現が生じる発達段階に関して、又は外因性刺激、例えば、心理的ストレス、病原体、金属イオン、若しくは誘発剤に応答して、遺伝子成分の発現を差次的に調節し得る。プロモーターの代表的例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター-プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーター又はSV40後期プロモーター、ヒトU6(hU6)プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。筋肉特異的幹細胞を標的とするプロモーターとしては、CK8プロモーター、Spc5-12プロモーター、及びMHCK7プロモーターが挙げられ得る。
【0045】
用語「組換え」とは、例えば、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターに関して使用される場合、その細胞、核酸、タンパク質、又はベクターが、異種核酸若しくは異種タンパク質の導入又はネイティブ核酸若しくはタンパク質の変更によって改変されていること、或いはその細胞がそのように改変された細胞に由来することを示す。従って、例えば、組換え細胞は、ネイティブ(天然に存在する)形態のその細胞内では見出されない遺伝子を発現するか、又は別の状況では正常若しくは異常に発現されるか、過小発現されるか、又は全く発現されない、ネイティブ遺伝子の第2のコピーを発現する。
【0046】
本明細書において使用される「サンプル」又は「試験サンプル」とは、標的の存在及び/又はレベルが検出又は決定されるべき任意のサンプルを意味し得、或いは本明細書において詳述されているDNA標的化システム若しくは遺伝子編集システム又はそれらの成分を含む任意のサンプルを意味し得る。サンプルは、液体、溶液、乳濁液、又は懸濁物を含み得る。サンプルは、医学的サンプルを含み得る。サンプルは、任意の生物学的液体又は組織、例えば、血液、全血、血漿及び血清などの血液画分、筋肉、間質液、汗、唾液、尿、涙、滑液、骨髄、脳脊髄液、鼻分泌物、痰、羊水、気管支肺胞洗浄液、胃洗浄物、嘔吐、糞便物質、肺組織、末梢血単核球、総白血球、リンパ節細胞、脾細胞、扁桃細胞、がん細胞、腫瘍細胞、胆汁、消化液、皮膚、又はそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、サンプルは、アリコートを含む。他の実施形態において、サンプルは、生物学的液体を含む。サンプルは、当該分野において公知である任意の手段によって取得され得る。サンプルは、患者から取得された状態で直接使用されてもよく、又は本明細書において議論されているある種の様式若しくは当該分野で公知であるような別の方法で、サンプルの特徴を改変するために、例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉する成分の不活化、試薬の添加などによって事前処理されてもよい。
【0047】
「筋衛星(myosatellite)細胞」又は「筋幹細胞」としても公知である「衛星細胞」は、成熟筋肉において見出される細胞質をほとんど含まない小さな多能性細胞である。衛星細胞は、骨格筋細胞の前駆体であり、衛星細胞又は分化した骨格筋細胞を生じることができる。
本明細書において使用される「部位特異的ヌクレアーゼ」とは、DNA配列を特異的に認識して切断可能である酵素を指す。部位特異的ヌクレアーゼは、操作され得る。操作された部位特異的ヌクレアーゼの例としては、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、TALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、及びCRISPR/Cas9ベースのシステムが挙げられ得る。
「幹細胞」とは概して、分裂時に2つの発達上の選択肢に直面する細胞を指し、その娘細胞は、元の細胞と同一(自己再生)であってもよく、又はその娘細胞はより特化した細胞型の前駆体(分化)であってもよい。従って、幹細胞は、1つ又は他の経路(各細胞型のうちの1つが形成され得るさらなる経路が存在する)を採用可能である。従って、幹細胞は、最終分化せず他の型の細胞を生成することが可能である、細胞である。
【0048】
本明細書において互換可能に使用される「対象」及び「患者」とは、本明細書において記載される組成物又は方法を欲するか又は必要とする、哺乳動物を含むがそれに限定はされない任意の脊椎動物を指す。対象は、ヒトであってもよく、又は非ヒトであってもよい。対象は脊椎動物であり得る。対象は哺乳動物であり得る。哺乳動物は霊長類であってもよく、又は非霊長類であってもよい。哺乳動物は、例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ハリネズミ、アリクイ、カモノハシ、ゾウ、アルパカ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、及びマウスなどの、非霊長類であり得る。哺乳動物は、霊長類、例えば、ヒトであり得る。哺乳動物は、例えば、サル、カニクイザル、アカゲザル、チンパンジー、ゴリラ、オラウータン、及びテナガザルなどの、非ヒト霊長類であり得る。対象は、任意の年齢又は発達段階、例えば、成体、青年、又は小児などであり得る。対象は雄であり得る。対象は雌であり得る。いくつかの実施形態において、対象は、特定の遺伝的マーカーを有する。対象は、他の形態の処置を経験中であり得る。
【0049】
「実質的に同一の」とは、第1及び第2のアミノ酸配列又は第1及び第2のポリヌクレオチド配列が、それぞれ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100アミノ酸又はヌクレオチドの領域にわたって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%であることを意味し得る。
本明細書において使用される「標的遺伝子」とは、既知の遺伝子生成物又は推定遺伝子生成物をコードする、任意のヌクレオチド配列を指す。標的遺伝子は、遺伝的疾患に関与する変異した遺伝子であり得る。
【0050】
本明細書において使用される「標的領域」とは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム又は標的化システムが結合するように設計されている、標的遺伝子の領域を指す。
「転写調節エレメント」又は「調節エレメント」とは、核酸配列の発現を制御し得る、例えば、核酸配列の発現を活性化、増強、若しくは減少し得るか、又は核酸配列の空間的及び/若しくは時間的発現を変化させ得る、遺伝的エレメントを指す。調節エレメントの例としては、例えば、プロモーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、及び終結シグナルが挙げられる。調節エレメントは、その調節エレメントが作動可能に連結された遺伝子に関して、「内因性」、「外因性」又は「異種」であり得る。「内因性」調節エレメントは、ゲノム中の所定の遺伝子と天然で連結されている調節エレメントである。「外因性」又は「異種」調節エレメントは、所定の遺伝子と通常は連結されていないが遺伝的操作によって遺伝子と作動可能に連結して配置されている、調節エレメントである。
【0051】
本明細書において使用される「導入遺伝子」とは、ある生物から分離されていて別の生物中へと導入される遺伝子配列を含む、遺伝子又は遺伝物質を指す。この非ネイティブDNAセグメントは、トランスジェニック生物においてRNA又はタンパク質を生成する能力を保持し得、又はこの非ネイティブDNAセグメントは、トランスジェニック生物の遺伝コードの正常な機能を変化させ得る。導入遺伝子の導入は、生物の表現型を変化させる可能性を有する。
【0052】
対象を疾患から保護することに言及する場合の「処置」又は「処置する」又は「処理」とは、疾患の進行を抑止、抑制、逆転、軽減、寛解、若しくは阻害すること、又は疾患を完全に除去することを意味する。処置は、急性様式又は長期様式のいずれでも実施され得る。この用語はまた、疾患の重症度又はその疾患による苦痛の前のそのような疾患に関連する症状を減少させることも指す。疾患を予防することは、疾患の発症前に本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。疾患を抑止することは、その疾患の誘導後であるがその疾患の臨床的出現の前に、本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。疾患を抑制又は寛解することは、その疾患の臨床的出現の後に、本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。
【0053】
ポリヌクレオチドに関して本明細書において使用される「バリアント」とは、(i)言及されたヌクレオチド配列の部分若しくはフラグメント;(ii)言及されたヌクレオチド配列の相補体若しくはその部分;(iii)言及された核酸若しくはその相補体と実質的に同一の核酸;又は(iv)言及された核酸、その相補体、若しくはそれらと実質的に同一の配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸を意味する。
【0054】
アミノ酸の挿入、欠失、又は保存的置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持する、ペプチド又はポリペプチドに関する「バリアント」。バリアントはまた、あるアミノ酸配列を有する言及されたタンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、少なくとも1つの生物学的活性を保持する、タンパク質も意味し得る。「生物学的活性」の代表的例としては、特異的抗体若しくはポリペプチドによって結合される能力、又は免疫応答を促進する能力が挙げられる。バリアントは、その機能的なフラグメントを意味し得る。バリアントはまた、ポリペプチドの複数コピーも意味し得る。複数コピーは、タンデム型であってもよく、又はリンカーによって分離されていてもよい。アミノ酸の保存的置換、例えば、あるアミノ酸を類似する特性(例えば、親水性、荷電領域の程度及び分布)を有する別のアミノ酸で置換することは、微小な変化を典型的には含むものとして当該分野において認識されている。これらの微小な変化は、当該分野において理解されるように(Kyte et al., J. Mol. Biol. 1982, 157, 105-132)、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって、部分的には識別され得る。あるアミノ酸の疎水性親水性指標は、そのアミノ酸の疎水性及び電荷を考慮することに基づく。類似する疎水性親水性指標のアミノ酸が置換されてもなおタンパク質機能を保持し得ることは、当該分野において公知である。一つの態様において、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性もまた、生物学的機能を保持するタンパク質を生じる置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドの状況におけるアミノ酸の親水性を考慮することにより、そのペプチドの最大の局所的平均親水性の計算が可能になる。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸を用いて実施され得る。アミノ酸の疎水性指標及び親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖により影響を受ける。その知見と一致して、生物学的機能と適合性があるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさ、及び他の特性によって明らかにされるような、そのアミノ酸の相対的類似性、及び特にアミノ酸の側鎖に依存することが理解される。
【0055】
本明細書において使用される「ベクター」とは、複製起点を含む核酸配列を意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、又は酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNAベクター又はRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製する染色体外ベクターであり得、好ましくはDNAプラスミドである。例えば、ベクターは、Cas9タンパク質及び少なくとも1つのgRNA分子をコードし得る。
【0056】
本明細書においてそうではないと定義されない限り、本開示に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。例えば、本明細書において記載される細胞培養、組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、タンパク質化学、核酸化学及びハイブリダイゼーションに関して使用されるすべての命名法、並びにそれらの技術は、当該分野において周知であり一般的に使用されるものである。それらの用語の意味及び範囲は明らかであるが、しかし万一、なんらかの隠れた曖昧さがある場合には、本明細書において提供されている定義が、いかなる辞書にも外部の定義にも優先する。さらに、そうではないように文脈によって要求されない限りは、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数を含む。
【0057】
(2.ジストロフィン遺伝子)
ジストロフィンは、筋線維の細胞骨格を、細胞膜を通して周囲の細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体の一部である、棒の形状をした細胞質タンパク質である。ジストロフィンは、細胞膜のジストログリカン複合体に対して、構造的安定性を提供する。ジストロフィン遺伝子は、座位Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbの寸法であり、成熟mRNAは約14kbである。79個のエクソンが、およそ220万ヌクレオチドを含み、3500アミノ酸超であるタンパク質をコードする。正常な骨格筋組織は、少量のジストロフィンしか含まないが、その異常な発現が存在しないと、重篤で治癒不可能な症状の発症がもたらされる。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、欠損性ジストロフィンの生成及び重篤なジストロフィー表現型を罹患した患者においてもたらす。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、部分的に機能的なジストロフィンタンパク質及びかなりより軽度のジストロフィー表現型を罹患した患者においてもたらす。
【0058】
DMDは、ジストロフィン遺伝子においてナンセンス変異又はフレームシフト変異を引き起こす遺伝性変異又は自然発生変異の結果である。DMDは、最も有病率の高い致死性遺伝性小児疾患であり、およそ5,000人の新生児男性のうちの1人に罹患する。DMDは、機能的なジストロフィン遺伝子の欠如が原因で、進行性の筋肉の弱さによって特徴付けられ、20代中盤の年齢の対象における死亡をしばしばもたらす。ほとんどの変異は、リーディングフレームを破壊するジストロフィン遺伝子における欠失である。天然に存在する変異及びその結果は、DMDについては比較的よく理解されている。そのロッドドメイン内に含まれるエクソン45~55領域において生じるインフレーム欠失は、非常に機能的なジストロフィンタンパク質を生成し得、多くの保因者が無症状であるかは又は軽度の症状を示す。ジストロフィンのエクソン45~55は、変異ホットスポットである。さらに、患者のうちの60%よりも多くが、ジストロフィン遺伝子のこの領域におけるエクソンを標的とすることによって、処置され得る。内部が欠失しているが機能的なジストロフィンタンパク質を生成するためにmRNAスプライシングの間に非必須エクソンをスキッピング(例えば、エクソン45スキッピング)することによって、DMD患者における破壊されたジストロフィンリーディングフレームを復元する努力が、行われてきた。内部ジストロフィンエクソンの欠失(例えば、エクソン45の欠失)は、適切なリーディングフレームを保持し得、内部が短縮されているが部分的に機能的なジストロフィンタンパク質を生成し得る。ジストロフィンのエクソン45~55の間の欠失は、DMDと比較してかなり軽度である表現型を生じ得る。
【0059】
ジストロフィン遺伝子は、変異体ジストロフィン遺伝子であり得る。ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子であり得る。ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子と機能的に同一の配列を有し得、例えば、その配列は、コドンを最適化され得るが、依然として、野生型ジストロフィンと同じタンパク質をコードする。変異体ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子と比較して1つ又は複数の変異を含み得る。変異は、例えば、ヌクレオチドの欠失、置換、付加、トランスバージョン、又はそれらの組合せを含み得る。変異は、少なくとも1つのイントロン及び/又はエクソンのすべて若しくは部分の欠失を含み得る。変異体ジストロフィン遺伝子のエクソンは、ジストロフィン遺伝子から変異又は少なくとも部分的に欠失され得る。変異体ジストロフィン遺伝子のエクソンは、完全に欠失され得る。変異体ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子における対応する配列に対応する、部分又はそのフラグメントを有し得る。いくつかの実施形態において、欠失又は変異したエクソンによって引き起こされた破壊されたジストロフィン遺伝子は、対応する野生型エクソンを戻して付加することによって、DMD患者において復元され得る。いくつかの実施形態において、欠失又は変異したエクソン52によって引き起こされた破壊されたジストロフィンは、野生型エクソン52を戻して付加することによって、DMD患者において復元され得る。特定の実施形態において、エクソン52を付加してリーディングフレームを復元すると、欠失変異を有するDMD対象を含む、DMD対象における表現型を寛解する。特定の実施形態において、1つ又は複数のエクソンが、破壊されたジストロフィン遺伝子に付加及び挿入され得る。その1つ又は複数のエクソンは、ジストロフィンにおける対応する変異又は欠失したエクソンを修正するように付加及び挿入され得る。その1つ又は複数のエクソンは、エクソン52を戻して付加及び挿入することに加えて、破壊されたジストロフィン遺伝子に付加及び挿入され得る。特定の実施形態において、ジストロフィン遺伝子のエクソン52とは、ジストロフィン遺伝子の52番目のエクソンを指す。エクソン52は、DMD患者におけるフレームを破壊する欠失に頻繁に隣接する。
【0060】
(3.CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム)
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが、本明細書において提供される。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、変異したゲノム配列における変異及び/又は欠失したエクソンを修正し、それにより標的とされた配列から発現されるタンパク質に適切な機能を復元するために、使用され得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質と、少なくとも1つのgRNAとを含み得、「CRISPR-Casシステム」とも呼ばれ得る。
【0061】
(a.Cas9タンパク質)
Cas9タンパク質は、核酸を切断しCRISPR座位によりコードされるエンドヌクレアーゼであり、タイプIIのCRISPRシステムに関与する。Cas9タンパク質は、任意の細菌又は古細菌の種に由来し得、それらの種としては、化膿性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、アシドボラックス・アベナエ(Acidovorax avenae)、アクチノバチルス・プルロニューモニアエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、アクチノバチルス・スクシノゲネス(Actinobacillus succinogenes)、アクチノバチルス・スイス(Actinobacillus suis)、アクチノマイセス属の種(Actinomyces sp.)、シクリフィルス・デニトリフィカンス(cycliphilus denitrificans)、アミノモナス・パウシボランス(Aminomonas paucivorans)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スミシイ(Bacillus smithii)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バクテロイデス属の種(Bacteroides sp.)、ブラストピレルラ・マリナ(Blastopirellula marina)、ブラディリゾビウム属の種(Bradyrhizobium sp.)、ブレビバチルス・ラテロスポルス(Brevibacillus laterosporus)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、カンジダツス・プニセイスピリルム(Candidatus Puniceispirillum)、クロストリジウム・セルロリチカム(Clostridium cellulolyticum)、クロストリジウム・パーフリンゲン(Clostridium perfringens)、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)、コリネバクテリウム・マトルコチイ(Corynebacterium matruchotii)、ディノロセオバクター・シバエ(Dinoroseobacter shibae)、ユーバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、ガンマプロテオバクテリア(gamma proteobacterium)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・スプトルム(Haemophilus sputorum)、ヘリコバクター・カナデンシス(Helicobacter canadensis)、ヘリコバクター・シナエディ(Helicobacter cinaedi)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、イリオバクター・ポリトロプス(Ilyobacter polytropus)、キンゲラ・キンガエ(Kingella kingae)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、リステリアセアエ・バクテリウム(Listeriaceae bacterium)、メチロシスチス属の種(Methylocystis sp.)、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris)、ナイセリア・バシリフォルミス(Neisseria bacilliformis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・フラベッセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、ナイセリア属の種(Neisseria sp.)、ナイセリア・ワズワーシイ(Neisseria wadsworthii)、ニトロソモナス属の種(Nitrosomonas sp.)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、ラルストニア・シジジイ(Ralstonia syzygii)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドブラム属の種(Rhodovulum sp.)、シモンシエラ・ムエレリ(Simonsiella muelleri)、スフィンゴモナス属の種(Sphingomonas sp.)、スポロラクトバチルス・ビネアエ(Sporolactobacillus vineae)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、ストレプトコッカス属の種(Streptococcus sp.)、サブドリグラヌルム属の種(Subdoligranulum sp.)、チストレラ・モビリス(Tistrella mobilis)、トレポネーマ属の種(Treponema sp.)、又はベルミネフロバクター・エイセニアエ(Verminephrobacter eiseniae)が挙げられるが、これらに限定はされない。特定の実施形態において、Cas9分子は、化膿性連鎖球菌Cas9分子(本明細書において「SpCas9」ともまた呼ばれる)である。SpCas9は、配列番号18のアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、Cas9分子は、黄色ブドウ球菌Cas9分子(本明細書において「SaCas9」ともまた呼ばれる)である。SaCas9は、配列番号19のアミノ酸配列を含み得る。
【0062】
Cas9分子又はCas9融合タンパク質は、1つ又は複数のgRNA分子と相互作用し得、gRNA分子と共同して、標的領域を含む部位、特定の実施形態においてはPAM配列を含む部位に、局在化し得る。Cas9タンパク質は、gRNAの3’末端と複合体を形成する。Cas9分子又はCas9融合タンパク質がPAM配列を認識する能力は、例えば、当該分野において公知であるような形質転換アッセイを使用することによって、決定され得る。
【0063】
CRISPRベースのシステムの特異性は、標的配列及びプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)という、2つの要因に依存し得る。標的配列は、gRNAの5’末端に位置し、プロトスペーサーとして公知である正確なDNA配列で宿主DNAの塩基対と結合するように設計される。gRNAの認識配列を単に交換することによって、Cas9タンパク質は、新しいゲノム標的に指向され得る。そのPAM配列は、変更されるべきDNAに位置し、Cas9タンパク質によって認識される。Cas9タンパク質のPAM認識配列は、種特異的であり得る。
【0064】
特定の実施形態において、標的核酸と相互作用して標的核酸を切断するCas9分子又はCas9融合タンパク質の能力は、PAM配列依存性である。PAM配列は、標的核酸中の配列である。特定の実施形態において、標的核酸の切断は、PAM配列の上流で生じる。異なる細菌種に由来するCas9分子は、異なる配列モチーフ(例えば、PAM配列)を認識し得る。化膿性連鎖球菌のCas9分子は、NRGというPAM配列(5’-NRG-3’、Rは任意のヌクレオチド残基であり、いくつかの実施形態において、RはA又はGのうちのいずれかである、配列番号1)を認識し得る。特定の実施形態において、化膿性連鎖球菌のCas9分子は、配列モチーフNGG(配列番号2)を自然に好み認識し得、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。いくつかの実施形態において、化膿性連鎖球菌のCas9分子は、他のPAM配列、例えばNAG(配列番号3)を、操作されたシステムにおいて受容する(Hsu et al., Nature Biotechnology 2013 doi:10.1038/nbt.2647)。特定の実施形態において、S.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子は、配列モチーフNGGNG(配列番号4)及び/又はNNAGAAW(W=A若しくはT)(配列番号5)を認識し、これらの配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、S.ミュータンス(S.mutans)のCas9分子は、配列モチーフNGG(配列番号2)及び/又はNAAR(R=A又はG)(配列番号6)を認識し、この配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRR(R=A又はG)(配列番号7)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRN(R=A又はG)(配列番号8)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRT(R=A又はG)(配列番号9)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRV(R=A又はG;V=A又はC又はG)(配列番号10)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来するCas9分子(NmCas9)は、NNNNGATT(配列番号11)のネイティブPAMを通常は有するが、高度に縮重したNNNNGNNNというPAM(配列番号12)を含む種々のPAMにわたる活性を有し得る(Esvelt et al. Nature Methods 2013 doi:10.1038/nmeth.2681)。上記の実施形態において、Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでもあり得る。Cas9分子は、Cas9分子のPAM特異性を変更するために操作され得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質は、PAM配列NGG(配列番号2)又はNGA(配列番号13)又はNNNRRT(R=A若しくはG)(配列番号14)又はATTCCT(配列番号15)又はNGAN(配列番号16)又はNGNG(配列番号17)を認識する。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質は、黄色ブドウ球菌のCas9タンパク質であり、配列モチーフNNGRR(R=A若しくはG)(配列番号7)、NNGRRN(R=A若しくはG)(配列番号8)、NNGRRT(R=A若しくはG)(配列番号9)、又はNNGRRV(R=A若しくはG)(V=A若しくはG若しくはC)(配列番号10)を認識する。上記の実施形態において、Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでもあり得る。
【0066】
追加的に又は代替的に、Cas9分子又はCas9ポリペプチドをコードする核酸は、核局在化配列(NLS)を含み得る。核局在化配列は、当該分野において公知であり、例えば、SV40 NLS(Pro-Lys-Lys-Lys-Arg-Lys-Val;配列番号70)である。
【0067】
いくつかの実施形態において、上記の少なくとも1つのCas9分子は変異体Cas9分子である。上記Cas9タンパク質は、そのヌクレアーゼ活性が不活化されるように、変異され得る。エンドヌクレアーゼ活性を有しない不活化したCas9タンパク質(「iCas9」、また「dCas9」とも呼ばれる)が、gRNAによって細菌、酵母、及びヒトの細胞中の遺伝子に対して標的化されており、立体障害を介して遺伝子発現を発現停止する。ヌクレアーゼ活性を不活化する化膿性連鎖球菌Cas9配列に関する例示的な変異としては、D10A、E762A、H840A、N854A、N863A及び/又はD986Aが挙げられる。D10A変異を有する化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を含み得る。D10A変異及びH849A変異を有する化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列を含み得る。ヌクレアーゼ活性を不活化する黄色ブドウ球菌Cas9配列に関する例示的な変異としては、D10A及びN580Aが挙げられる。特定の実施形態において、変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子は、D10A変異を含む。この変異体黄色ブドウ球菌Cas9をコードするヌクレオチド配列は、配列番号22において記載されている。特定の実施形態において、変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子は、N580A変異を含む。この変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子をコードするヌクレオチド配列は、配列番号23において記載されている。
【0068】
いくつかの実施形態において、上記Cas9タンパク質は、VQRバリアントである。Cas9のVQRバリアントは、Kleinstiver, et al.(Nature 2015,523,481-485、本明細書において参考として援用される)において詳述されるように、異なるPAM認識を有する変異体である。
【0069】
Cas9分子をコードするポリヌクレオチドは、合成ポリヌクレオチドであり得る。例えば、合成ポリヌクレオチドは、化学的に改変され得る。合成ポリヌクレオチドは、コドンを最適化され得、例えば、少なくとも1つの一般的ではないコドン又はそれほど一般的ではないコドンが、一般的なコドンによって置換されている。例えば、合成ポリヌクレオチドは、本明細書において記載されるように、最適化された、例えば、哺乳動物発現系における発現のために最適化された、メッセンジャーmRNAの合成を指示し得る。化膿性連鎖球菌のCas9分子をコードする例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号24において記載されている。黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードし核局在化配列(NLS)を任意に含む、例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号25~31において記載されている。黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードする別の例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号32のヌクレオチド1293~4451を含む。
【0070】
(b.Cas9融合タンパク質)
代替的に又は追加的に、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、融合タンパク質を含み得る。融合タンパク質は、2種の異種ポリペプチドドメインを含み得る。第1のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質又は変異したCas9タンパク質を含む。第1のポリペプチドドメインは、少なくとも1つの第2のポリペプチドドメインに融合される。第2のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質に対して内因性である別の活性を有する。例えば、第2のポリペプチドドメインは、活性、例えば、転写活性化活性、転写抑制活性、転写終結因子活性、ヒストン修飾活性、ヌクレアーゼ活性、核酸結合(association)活性、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、アセチル化活性、及び/又は脱アセチル化活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインの活性は、直接的であってもよく、又は間接的であってもよい。第2のポリペプチドドメインは、この活性をそれ自体が有し得(直接的)、又は第2のポリペプチドドメインは、この活性を有するポリペプチドドメインを動員及び/又はそれと相互作用し得る(間接的)。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、転写活性化活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、転写抑制活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、合成転写因子を含む。第2のポリペプチドドメインは、第1のポリペプチドドメインのC末端にあり得、若しくは第1のポリペプチドドメインのN末端にあり得、又はそれらの組合せであり得る。融合タンパク質は、1つの第2のポリペプチドドメインを含み得る。融合タンパク質は、第2のポリペプチドドメインを2つ含み得る。例えば、融合タンパク質は、第1のポリペプチドドメインのN末端にある第2のポリペプチドドメインと、第1のポリペプチドドメインのC末端にある第2のポリペプチドドメインとを含み得る。他の実施形態において、融合タンパク質は、単一の第1のポリペプチドドメインと、1つよりも多い(例えば、2つ又は3つの)第2のポリペプチドドメインをタンデムに含み得る。
【0071】
上記第1のポリペプチドドメインから第2のポリペプチドドメインへの連結は、リンカーが第2のポリペプチドドメインの機能に干渉しない限りは、可逆的若しくは不可逆的な共有結合も介し得、又は非共有結合も介し得る。例えば、Casポリペプチドは、融合タンパク質の部分として第2のポリペプチドドメインに連結され得る。別の例として、それらは、可逆的な非共有結合相互作用、例えばアビジン(若しくはストレプトアビジン)-ビオチン相互作用、ヒスチジン-二価金属イオン相互作用(例えば、Ni、Co、Cu、Fe)、多量体化(例えば、二量体化)ドメインの間の相互作用、又はグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-グルタチオン相互作用を介して、連結され得る。なお別の例として、それらは、リンカーを用いて、ジブロモマレイミド(DBM)又はアミノ-チオール結合などの共有結合的であるが可逆的に、連結され得る。いくつかの実施形態において、そのCas9融合タンパク質は、少なくとも1つのリンカーを含む。リンカーは、Cas9融合タンパク質のポリペプチド配列中のどこか、例えば、第1のポリペプチドドメインと第2のポリペプチドドメインとの間に、含まれ得る。リンカーは、Cas9融合タンパク質中の成分の可動性を促進又は制限するために、任意の長さ及び設計であり得る。リンカーは、約2~約100、約5~約80、約10~約60、又は約20~約50アミノ酸の任意のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、又は30アミノ酸のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、約100、90、80、70、60、50、又は40アミノ酸未満のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、2~20アミノ酸長であるアミノ酸配列の連続反復又はタンデム反復を含み得る。
【0072】
(i)転写活性化活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写活性化活性、例えば、トランス活性化ドメインを有し得る。例えば、内因性哺乳動物遺伝子、例えばヒト遺伝子の遺伝子発現は、第1のポリペプチドドメイン、例えばdCas9と、トランス活性化ドメインとの融合タンパク質を、哺乳動物プロモーターに対して、gRNAの組合せを介して標的化することによって、達成され得る。トランス活性化ドメインは、VP16タンパク質、VP48ドメイン若しくはVP64ドメインなどの複数のVP16タンパク質、NFκB転写アクチベーター活性のp65ドメイン、TET1、VPR、VPH、Rta、及び/又はp300を含み得る。例えば、融合タンパク質は、dCas9-p300を含み得る。いくつかの実施形態において、p300は、配列番号33又は配列番号34のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。他の実施形態において、融合タンパク質は、dCas9-VP64を含む。他の実施形態において、融合タンパク質は、VP64-dCas9-VP64を含む。VP64-dCas9-VP64は、配列番号36のポリヌクレオチドによってコードされる配列番号35のアミノ酸配列を有する、ポリペプチドを含み得る。
【0073】
(ii)転写抑制活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写抑制活性を有し得る。リプレッサーの非限定的な例としては、KRABドメイン若しくはKRABなどのクルッペル関連ボックス活性、MECP2、EED、ERFリプレッサードメイン(ERD)、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)若しくはMad-SIDリプレッサードメイン、SID4Xリプレッサードメイン、Mxilリプレッサードメイン、SUV39H1、SUV39H2、G9A、ESET/SETBD1、Cir4、Su(var)3-9、Pr-SET7/8、SUV4-20H1、PR-set7、Suv4-20、Set9、EZH2、RIZ1、JMJD2A/JHDM3A、JMJD2B、JMJ2D2C/GASC1、JMJD2D、Rph1、JARID1A/RBP2、JARID1B/PLU-1、JARID1C/SMCX、JARID1D/SMCY、Lid、Jhn2、Jmj2、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC8、Rpd3、Hos1、Cir6、HDAC4、HDAC5、HDAC7、HDAC9、Hda1、Cir3、SIRT1、SIRT2、Sir2、Hst1、Hst2、Hst3、Hst4、HDAC11、DNMT1、DNMT3a/3b、DNMT3A-3L、MET1、DRM3、ZMET2、CMT1、CMT2、ラミニンA、ラミニンB、CTCF、及び/又はTATAボックス結合タンパク質活性を有するドメイン、或いはそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、KRABドメイン活性、ERFリプレッサードメイン活性、Mxilリプレッサードメイン活性、SID4Xリプレッサードメイン活性、Mad-SIDリプレッサードメイン活性、DNMT3A若しくはDNMT3L又はそれらの融合活性、LSD1ヒストンデメチラーゼ活性、或いはTATAボックス結合タンパク質活性を有する。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドドメインは、KRABを含む。例えば、その融合タンパク質は、化膿性連鎖球菌dCas9-KRAB(ポリヌクレオチド配列は配列番号62;タンパク質配列は配列番号63)であり得る。その融合タンパク質は、黄色ブドウ球菌dCas9-KRAB(ポリヌクレオチド配列は配列番号64;タンパク質配列は配列番号65)であり得る。
【0074】
(iii)転写終結因子活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写終結因子活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、真核生物終結因子1(ERF1)活性又は真核生物終結因子3(ERF3)活性を有し得る。
【0075】
(iv)ヒストン修飾活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、ヒストン修飾活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、又はヒストンメチルトランスフェラーゼの活性を有し得る。ヒストンアセチルトランスフェラーゼは、p300若しくはCREB結合タンパク質(CBP)タンパク質、又はそれらのフラグメントであり得る。例えば、その融合タンパク質は、dCas9-p300であり得る。いくつかの実施形態において、p300は、配列番号33又は配列番号34のポリペプチドを含む。
【0076】
(v)ヌクレアーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質のヌクレアーゼ活性とは異なるヌクレアーゼ活性を有し得る。ヌクレアーゼ、又はヌクレアーゼ活性を有するタンパク質は、核酸のヌクレオチドサブユニットの間のホスホジエステル結合を切断可能である酵素である。ヌクレアーゼは、それらの酵素のうちのいくつかは、両方の分類中に入り得るが、通常はエンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとにさらに分割される。周知のヌクレアーゼとしては、デオキシリボヌクレアーゼ及びリボヌクレアーゼが挙げられる。
【0077】
(vi)核酸結合活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、核酸結合活性又は核酸結合タンパク質-DNA結合ドメイン(DBD)を有し得る。DBDは、二本鎖又は一本鎖DNAを認識する少なくとも1つのモチーフを含む、独立的にフォールディングされたタンパク質ドメインである。DBDは、特定のDNA配列(認識配列)を認識し得るか、又はDNAに対する一般的親和性を有し得る。核酸結合領域は、ヘリックス-ターン-ヘリックス領域、ロイシンジッパー領域、ウィングドヘリックス領域、ウィングドヘリックス-ターン-ヘリックス領域、ヘリックス-ループ-ヘリックス領域、免疫グロブリンフォールド、B3ドメイン、ジンクフィンガー、HMGボックス、Wor3ドメイン、及びTALエフェクターDNA結合ドメインから選択され得る。
【0078】
(vii)メチラーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、メチラーゼ活性を有し得、このメチラーゼ活性は、DNA、RNA、タンパク質、低分子、シトシン、又はアデニンへメチル基を転移することを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、DNAメチルトランスフェラーゼを含む。
(viii)デメチラーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、デメチラーゼ活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、メチル(CH3-)基を核酸、タンパク質(特にヒストン)、及び他の分子から除去する酵素を含み得る。代替的に、その第2のポリペプチドは、DNAを脱メチル化するための機構において、メチル基をヒドロキシメチルシトシンへと変換し得る。第2のポリペプチドは、この反応を触媒し得る。例えば、この反応を触媒する第2のポリペプチドは、Tet1であり得、このTet1はまた、Tet1CD(テン-イレブン(ten-eleven)トランスロケーションメチルシトシンジオキシゲナーゼ1;ポリヌクレオチド配列は配列番号66;アミノ酸配列は配列番号67)としても公知である。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、ヒストンデメチラーゼ活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、DNAデメチラーゼ活性を有する。
【0079】
(c.ガイドRNA(gRNA))
上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのgRNA分子を含む。例えば、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、2つのgRNA分子を含み得る。少なくとも1つのgRNA分子は、標的領域に結合してそれを認識し得る。gRNAは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムの標的化を提供する。gRNAは、crRNA及びtracrRNAという、2つの非コードRNAの融合物である。gRNAは、タイプIIエフェクターシステムに関与する天然に存在するcrRNA:tracrRNA二重鎖を模倣する。この二重鎖は、例えば42ヌクレオチドのcrRNA及び75ヌクレオチドのtracrRNAを含み得、この二重鎖は、Cas9が標的核酸に結合し、いくつかの場合にその標的核酸を切断するための、ガイドとして作用する。そのgRNAは、任意の望ましいDNA配列を、その望ましいDNA標的との相補的塩基対合を介して標的化特異性を付与する20bpプロトスペーサーをコードする配列を交換することによって、標的とし得る。「標的領域」又は「標的配列」又は「プロトスペーサー」とは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的として結合する、標的遺伝子の領域を指す。ゲノム中の標的配列を標的とするgRNAの部分は、「標的化配列」又は「標的化部分」又は「標的化ドメイン」と呼ばれ得る。「プロトスペーサー」又は「gRNAスペーサー」は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的として結合する、標的遺伝子の領域を指し得、「プロトスペーサー」又は「gRNAスペーサー」はまた、ゲノム中の標的とされた配列と相補的であるgRNAの部分も指し得る。gRNAは、gRNA足場を含み得る。gRNA足場は、gRNAへのCas9の結合を促進し、gRNA足場は、エンドヌクレアーゼ活性を促進し得る。gRNA足場は、gRNAが標的とする配列に対応するgRNAの部分に続く、ポリヌクレオチド配列である。合わせると、gRNA標的化部分及びgRNA足場は、1つのポリヌクレオチドを形成する。gRNAの定常領域は、配列番号69(RNA)の配列を含み得、この配列番号69(RNA)の配列は、配列番号68(DNA)を含む配列によってコードされる。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのgRNAを含み得、gRNAは、別個のDNA配列を標的とする。標的DNA配列は、重複し得る。gRNAは、その5’末端に標的化ドメインを含み得、標的化ドメインは、その後に適切なプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が続いた場合には、標的遺伝子の標的領域の、例えば約10~約20ヌクレオチドにハイブリダイズ可能であるためには十分にその標的領域に対して相補的である。標的領域又はプロトスペーサーの後には、ゲノム中のそのプロトスペーサーの3’末端にあるPAM配列が続く。種々のタイプIIシステムが、上記に詳述したように、種々のPAM要件を有する。
【0080】
上記gRNAの標的化ドメインは、その標的DNAの標的領域に対して完全に相補的である必要はない。いくつかの実施形態において、gRNAの標的化ドメインは、ある長さのヌクレオチド、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヌクレオチドにわたって、標的領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%相補的である(か又は、標的領域と比較して1個、2個若しくは3個のミスマッチを有する)。例えば、gRNAのDNA標的化ドメインは、標的領域の少なくとも18ヌクレオチドにわたって少なくとも80%相補的であり得る。標的領域は、標的DNAのいずれかの鎖に存在し得る。
【0081】
上記に記載されるように、上記gRNA分子は、標的化ドメイン(また、標的とされた配列又は標的化配列とも呼ばれる)を含み、標的化ドメインは、その標的DNA配列と相補的なポリヌクレオチド配列である。gRNAは、標的化ドメイン又は相補的ポリヌクレオチド配列の5’末端に「G」を含み得る。上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、種々の配列及び長さのgRNAを使用し得る。gRNA分子の標的化ドメインは、標的DNA配列の少なくとも10塩基対、少なくとも11塩基対、少なくとも12塩基対、少なくとも13塩基対、少なくとも14塩基対、少なくとも15塩基対、少なくとも16塩基対、少なくとも17塩基対、少なくとも18塩基対、少なくとも19塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも21塩基対、少なくとも22塩基対、少なくとも23塩基対、少なくとも24塩基対、少なくとも25塩基対、少なくとも30塩基対、又は少なくとも35塩基対の相補的ポリヌクレオチド配列と、その後に続くPAM配列とを含み得る。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、19~25ヌクレオチド長を有する。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
【0082】
上記gRNAは、ジストロフィン遺伝子のイントロン又はエクソンの内部又は付近にある領域を標的とし得る。例えば、gRNAは、配列番号49~50のうちの少なくとも1つ、又はその相補体若しくはそのバリアント若しくはその短縮物(表2)を含む、ポリヌクレオチド配列に結合してそれを標的とし得、及び/又はそれにハイブリダイズし得る。gRNAは、配列番号60~61から選択されるポリヌクレオチド配列、又はその相補体若しくはそのバリアント若しくはその短縮物を含み得る。短縮物は、言及される配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短いものであり得る。配列番号49及び60は、マウスmdxエクソン23の欠失のための、イントロン22を標的とするgRNAに関する。配列番号50及び61は、マウスmdxエクソン23の欠失のための、イントロン23を標的とするgRNAに関する。
【0083】
【0084】
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNA分子の数は、少なくとも1個のgRNA、少なくとも2個の別個のgRNA、少なくとも3個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA、少なくとも5個の別個のgRNA、少なくとも6個の別個のgRNA、少なくとも7個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも9個の別個のgRNA、少なくとも10個の別個のgRNA、少なくとも11個の別個のgRNA、少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも13個の別個のgRNA、少なくとも14個の別個のgRNA、少なくとも15個の別個のgRNA、少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも17個の別個のgRNA、少なくとも18個の別個のgRNA、少なくとも18個の別個のgRNA、少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも45個の別個のgRNA、又は少なくとも50個の別個のgRNAであり得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNA分子の数は、50個未満の別個のgRNA、45個未満の別個のgRNA、40個未満の別個のgRNA、35個未満の別個のgRNA、30個未満の別個のgRNA、25個未満の別個のgRNA、20個未満の別個のgRNA、19個未満の別個のgRNA、18個未満の別個のgRNA、17個未満の別個のgRNA、16個未満の別個のgRNA、15個未満の別個のgRNA、14個未満の別個のgRNA、13個未満の別個のgRNA、12個未満の別個のgRNA、11個未満の別個のgRNA、10個未満の別個のgRNA、9個未満の別個のgRNA、8個未満の別個のgRNA、7個未満の別個のgRNA、6個未満の別個のgRNA、5個未満の別個のgRNA、4個未満の別個のgRNA、3個未満の別個のgRNA、又は2個未満の別個のgRNAであり得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNAの数は、少なくとも1個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも4個の別個のgRNA、少なくとも4個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、8個の別個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、8個の別個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、又は8個の別個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNAの間であり得る。
【0085】
(d.ドナー配列)
いくつかの実施形態において、上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのドナー配列を含み得る。ドナー配列は、ゲノム中に挿入されるべきポリヌクレオチド配列を含む。ドナー配列は、ある遺伝子の野生型配列を含み得る。例えば、ドナー配列は、ジストロフィン遺伝子の1つの野生型エクソン又は1つよりも多い野生型エクソンを含み得る。
【0086】
上記gRNA及びドナー配列は、種々のモル比で存在し得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、1:1、又は1:15、又は5:1~1:10、又は1:1~1:5であり得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、少なくとも1:1、少なくとも1:2、少なくとも1:3、少なくとも1:4、少なくとも1:5、少なくとも1:6、少なくとも1:7、少なくとも1:8、少なくとも1:9、少なくとも1:10、少なくとも1:15、又は少なくとも1:20であり得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、20:1未満、15:1未満、10:1未満、9:1未満、8:1未満、7:1未満、6:1未満、5:1未満、4:1未満、3:1未満、2:1未満、又は1:1未満であり得る。
【0087】
(e.修復経路)
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、部位特異的二本鎖切断を標的とされたゲノム座位、例えば、ジストロフィン遺伝子の内部又は付近の部位にて導入するために、使用され得る。部位特異的二本鎖切断は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的DNA配列に結合する場合に引き起こされ、それによりその標的DNAの切断を可能にする。このDNA切断は、天然のDNA修復機構を刺激して、2つの可能な修復経路である相同組換え修復(HDR)又は非相同末端結合(NHEJ)経路のうちの1つに導き得る。
【0088】
(i)相同組換え修復(HDR))
ある遺伝子からのタンパク質発現の復元は、相同組換え修復(HDR)を含み得る。ドナーテンプレートが、細胞に投与され得る。ドナーテンプレートは、完全な機能的なタンパク質又は部分的に機能的なタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得る。そのような実施形態において、ドナーテンプレートは、変異体遺伝子を復元するための完全に機能的な遺伝子構築物、又は相同組換え修復後に変異体遺伝子の復元をもたらす遺伝子のフラグメントを含み得る。他の実施形態において、ドナーテンプレートは、ある遺伝子の阻害的調節エレメントの変異したバージョンをコードするヌクレオチド配列を含み得る。変異は、例えば、ヌクレオチドの置換、挿入、欠失、又はそれらの組合せを含み得る。そのような実施形態において、その遺伝子の阻害的調節エレメント中に導入された変異は、阻害的調節エレメントの転写又は阻害性調節エレメントへの結合を減少し得る。
【0089】
(ii)NHEJ)
遺伝子からのタンパク質発現の復元は、テンプレートのないNHEJ媒介性DNA修復を介し得る。特定の実施形態において、NHEJは、ヌクレアーゼ媒介性NHEJであり、これは、特定の実施形態においては、二本鎖DNAを切断するCas9分子により開始されるNHEJを指す。この方法は、本開示のCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム又はそれを含む組成物を、遺伝子編集のために対象に投与するステップを含む。
ヌクレアーゼ媒介性NHEJは、変異した標的遺伝子を修正し得、HDR経路を上回るいくつかの潜在的利点を提供し得る。例えば、NHEJは、非特異的挿入変異を引き起こし得る、ドナーテンプレートを必要としない。HDRとは対照的に、NHEJは、細胞周期のすべての段階において効率的に作動し、従って、周期中及び有糸分裂後の両方の細胞、例えば筋線維において、効果的に使用され得る。これは、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピング又は薬理的に強制した終止コドンのリードスルーに対する、強力で永続的な遺伝子復元の代替法を提供し、これは、理論的にはわずか1回の薬物処理しか必要としないものであり得る。
【0090】
(4.遺伝的構築物)
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、遺伝的構築物によりコードされ得、又は遺伝的構築物内に含まれ得る。遺伝的構築物、例えば、プラスミド又は発現ベクターは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム及び/又は少なくとも1つのgRNAをコードする、核酸を含み得る。特定の実施形態において、遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子をコードし、任意にCas9分子又は融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、遺伝的構築物は、2つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子及び第2のgRNA分子をコードし、Cas9分子又は融合タンパク質を任意にコードする。いくつかの実施形態において、第1の遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子をコードし、Cas9分子又は融合タンパク質を任意にコードし、第2の遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第2のgRNA分子をコードし、Cas9分子又は融合タンパク質を任意にコードする。
【0091】
遺伝的構築物は、ポリヌクレオチド、例えばベクター及びプラスミドを含み得る。遺伝的構築物は、セントロメア、テロメア、又はプラスミド若しくはコスミドなどの、直線状ミニ染色体であり得る。そのベクターは、参考として全体が援用される、Sambrook et al., Molecular Cloning and Laboratory Manual, Second Ed., Cold Spring Harbor(1989)を含む、慣用的技術及び容易に利用可能な開始材料によってタンパク質を生成するための、発現ベクター又はシステムであり得る。その構築物は、組換え体であり得る。遺伝的構築物は、組換えレンチウイルス、組換えアデノウイルス、及び組換えアデノウイルス随伴ウイルスなどの、組換えウイルスベクターのゲノムの部分であり得る。遺伝的構築物は、核酸のコード配列の遺伝子発現のための調節エレメントを含み得る。調節エレメントは、プロモーター、エンハンサー、開始コドン、終止コドン、又はポリアデニル化シグナルであり得る。
【0092】
上記遺伝的構築物は、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードする異種核酸を含み得、開始コドンをさらに含み得、その開始コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列の上流にあり得る。CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、終止コドンを含み得、終止コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列の下流にあり得る。開始コドン及び終止コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列とインフレームにあり得る。
【0093】
上記ベクターはまた、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列と作動可能に連結されたプロモーターを含み得る。プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、抑制的プロモーター、又は調節可能なプロモーターであり得る。プロモーターは、ユビキタスプロモーターであり得る。CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、空間及び時間における遺伝子/ゲノム編集の動的制御を可能にするために、光誘導性制御下又は化学誘導性制御下にあり得る。CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列と作動可能に連結されたプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)長末端反復(LTR)プロモーターなどのヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(ALV)プロモーター、CMV最初期プロモーターなどのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、又はラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターに由来する作動可能に連結されたプロモーターであり得る。いくつかの実施形態において、そのプロモーターはCMVプロモーターである。プロモーターはまた、ヒト遺伝子、例えば、ヒトユビキチンC(hUbC)、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、又はヒトメタロチオネインに由来する、プロモーターであり得る。プロモーターは、組織特異的プロモーターであり得る。組織特異的プロモーターは、特定の細胞型のみにおいて活性を有するプロモーターである。組織特異的プロモーターの例、例えば、天然又は合成の、筋肉又は皮膚特異的プロモーターは、米国特許出願公開第US20040175727号において記載されており、その内容は、その全体が本明細書において援用される。組織特異的プロモーターは、筋肉特異的プロモーターであり得る。そのプロモーターは、例えば、CK8プロモーター、Spc512プロモーター、MHCK7プロモーターであり得る。筋肉特異的幹細胞を標的とするプロモーターとしては、CK8プロモーター、Spc5-12プロモーター、及びMHCK7プロモーターが、挙げられ得る。CK8プロモーターは、配列番号51のポリヌクレオチド配列を含み得る。Spc5-12プロモーターは、配列番号52のポリヌクレオチド配列を含み得る。MHCK7プロモーターは、配列番号53のポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0094】
上記遺伝的構築物はまた、ポリアデニル化シグナルも含み得、このポリアデニル化シグナルは、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムの下流にあり得る。ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、又はヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルであり得る。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4ベクター(Invitrogen、San Diego、CA)に由来するポリアデニル化シグナルであり得る。
【0095】
上記遺伝的構築物中のコード配列は、安定性及び高レベルの発現のために最適化され得る。いくつかの場合において、コドンは、そのRNAの二次構造形成、例えば、分子内結合が原因で形成される二次構造形成を、減少するように選択される。
上記遺伝的構築物はまた、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システム又はgRNAの上流に、エンハンサーを含み得る。エンハンサーは、DNA発現のために必要であり得る。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン又はウイルスのエンハンサー、例えば、CMV、HA、RSV、若しくはEBVに由来するエンハンサーであり得る。ポリヌクレオチド機能エンハンサーは、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号及びWO94/016737に記載されており、それらの各々の内容は、参考として完全に援用される。遺伝的構築物はまた、ベクターを染色体外で維持するため、及び細胞においてそのベクターの複数のコピーを生成するために、哺乳動物複製起点を含み得る。遺伝的構築物はまた、調節配列を含み得、その調節配列は、そのベクターが投与される哺乳動物細胞又はヒト細胞における遺伝子発現のために十分に適しているものであり得る。遺伝的構築物はまた、レポーター遺伝子、例えば緑色蛍光タンパク質(「GFP」)、及び/又は選択マーカー、例えばハイグロマイシン(「Hygro」)を含み得る。
【0096】
上記遺伝的構築物は、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードする核酸で細胞をトランスフェクトするために有用であり得、その形質転換された宿主細胞は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムの発現が生じる条件下で培養され維持される。遺伝的構築物は、細胞中に形質転換又は形質導入され得る。遺伝的構築物は、任意の適切な型の送達媒介物中に処方され得、その送達媒介物としては、例えば、細胞中への送達のための、ウイルスベクター、レンチウイルス発現、mRNA電気穿孔、及び脂質媒介性トランスフェクションが挙げられる。遺伝的構築物は、細胞中で生存する、生きている減弱した微生物又は組換え微生物ベクター中にある、遺伝物質の一部であり得る。遺伝的構築物は、機能する染色体外分子として、その細胞中に存在し得る。
【0097】
本明細書において詳述されているシステム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された細胞が、本明細書においてさらに提供される。適切な細胞型は、本明細書において詳述されている。いくつかの実施形態において、細胞は幹細胞である。幹細胞は、ヒト幹細胞であり得る。いくつかの実施形態において、細胞は胚性幹細胞である。幹細胞は、ヒト多能性幹細胞(iPSC)であり得る。細胞は、筋肉細胞であり得る。細胞は、衛星細胞であり得る。本明細書において詳述されているDNA標的化システム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された幹細胞に由来するニューロン、例えばiPSCに由来するニューロンが、さらに提供される。
【0098】
(a.ウイルスベクター)
遺伝的構築物は、ウイルスベクターであり得る。ウイルス送達システムが、本明細書においてさらに提供される。ウイルス送達システムは、例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、mRNA電気穿孔、又はナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態において、そのベクターは、改変型レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。AAVベクターは、ヒト及び他のいくつかの霊長類種に感染する、パルボウイルス科のディペンドウイルス属に属する小さいウイルスである。AAVベクターは、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV6.2、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh74、Rh74、若しくはRh10、又はそれらのハイブリッド若しくはキメラであり得る。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、AAV9、AAV6.2、AAV8、AAV1、AAV2、又はAAV5ベクターである。
【0099】
AAVベクターは、種々の構築物の構成を使用して、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを送達するために使用され得る。例えば、AAVベクターは、Cas9又は融合タンパク質と、gRNA発現カセットとを、別個のベクター又は同じベクターにて送達し得る。代替的に、黄色ブドウ球菌又は髄膜炎菌などの種に由来する小さなCas9タンパク質又は融合タンパク質が使用される場合には、そのCas9と、2個までのgRNA発現カセットとの両方が、単一のAAVベクター中で合わせられ得る。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、4.7kbのパッケージング限界を有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、上記AAVベクターは改変型AAVベクターである。改変型AAVベクターは、増強した心臓及び/又は骨格筋組織指向性を有し得る。組織指向性とは、特定のウイルス又は細菌の増殖を支持する、宿主の細胞及び/又は組織を記述する。例えば、いくつかのウイルスは、広い組織指向性を有し、それらは多くの型の細胞及び組織に感染し得る。他のウイルスは、主に単一の組織に感染し得る。いくつかの実施形態において、そのベクターは、筋衛星細胞への指向性を有する。改変型AAVベクターは、哺乳動物の細胞において上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを送達及び発現することが可能であり得る。例えば、改変型AAVベクターは、AAV-SASTGベクター(Piacentino et al. Human Gene Therapy 2012, 23, 635-646)であり得る。改変型AAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV5、AAV6、AAV8、及びAAV9などの、いくつかのキャプシド型のうちの1つ又は複数に基づき得る。改変型AAVベクターは、AAV2シュードタイプと合わせた代替的筋肉指向性AAVキャプシドに基づき得、例えば、全身送達及び局所送達により骨格筋又は心筋に効率的に形質導入する、AAV2/1ベクター、AAV2/6ベクター、AAV2/7ベクター、AAV2/8ベクター、AAV2/9ベクター、AAV2.5ベクター、及びAAV/SASTGベクター(Seto et al. Current Gene Therapy 2012, 12, 139-151)である。改変型AAVベクターは、AAV2i8G9(Shen et al. J. Biol. Chem. 2013, 288, 28814-28823)であり得る。
上記遺伝的構築物は、配列番号54~59から選択されるポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号54~59のうちの少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0101】
(5.医薬組成物)
上記の遺伝的構築物又は遺伝子編集システムを含む医薬組成物が、本明細書においてさらに提供される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードするDNAを約1ng~約10mg含み得る。本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はその少なくとも1つの成分は、医薬分野の当業者にとって周知である標準的技術に従って、医薬組成物へと処方され得る。医薬組成物は、使用されるべき投与様式に従って処方され得る。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合には、それらの医薬組成物は、滅菌されており、発熱物質を含まず、粒子を含まない。等張性処方物が、好ましくは使用される。概して、等張性のための添加剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール及びラクトースが挙げられ得る。いくつかの場合において、等張液、例えばリン酸緩衝化生理食塩水が、好ましい。安定剤としては、ゼラチン及びアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、血管収縮剤が、その処方物に添加される。
【0102】
上記組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、媒介物、アジュバント、キャリア、又は希釈剤として機能的な分子であり得る。用語「薬学的に許容されるキャリア」は、毒性がなく不活性な、固体、半固体又は液体の、任意の型の、充填剤、希釈剤、カプセル剤又は処方助剤であり得る。薬学的に許容されるキャリアとしては、例えば、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、矯味鏡臭剤、甘味料、抗酸化剤、保存剤、滑剤、溶剤、懸濁剤、湿潤剤、界面活性剤、軟化剤、噴霧剤、保湿剤、散剤、pH調整剤、及びそれらの組合せが挙げられる。薬学的に許容される賦形剤は、表面活性剤を含み得るトランスフェクション促進剤、例えば、免疫刺激複合体(ISCOM)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリルリピドAなどのLPSアナログ、ムラミルペプチド、キノンアナログ、スクアレン及びスクアレンなどのベシクル、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、若しくはナノ粒子、又は他の公知のトランスフェクション促進剤であり得る。トランスフェクション促進剤は、ポリアニオン、ポリ-L-グルタメート(LGS)などのポリカチオン、又は脂質であり得る。トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタメートであり得、より好ましくは、ポリ-L-グルタメートは、骨格筋又は心筋において遺伝子編集するための組成物中に6mg/mL未満の濃度で存在し得る。
【0103】
(6.投与)
本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれらの少なくとも1つの成分は、細胞に投与又は送達され得る。核酸を宿主細胞中に導入する方法は、当該分野において公知であり、任意の公知の方法が、核酸(例えば、発現構築物)を細胞中に導入するために使用され得る。適切な方法としては、例えば、ウイルス感染又はバクテリオファージ感染、トランスフェクション、接合、プロトプラスト融合、ポリカチオン又は脂質:核酸結合体、リポフェクション、電気穿孔、ヌクレオフェクション、イムノリポソーム、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)媒介性トランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポソーム媒介性トランスフェクション、パーティクルガン技術、リン酸カルシム沈殿、直接微量注入、ナノ粒子媒介性核酸送達などが挙げられる。いくつかの実施形態において、その組成物は、mRNA送達及びリボ核タンパク質(RNP)複合体送達により送達され得る。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、BioRad Gene Pulser Xcell若しくはAmaxa Nucleofector IIbデバイス、又は他の電気穿孔デバイスを使用して、電気穿孔され得る。BioRad電気穿孔溶液、Sigmaリン酸緩衝化生理食塩水 製品番号D8537(PBS)、Invitrogen OptiMEM I(OM)、又はAmaxa Nucleofector溶液V(N.V.)などの、いくつかの異なる緩衝液が使用され得る。トランスフェクションは、トランスフェクション試薬、例えばLipofectamine 2000を含み得る。
【0104】
本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれらの少なくともそれらの1つの成分、或いはそれらを含む医薬組成物は、対象に投与され得る。そのような組成物は、特定の対象の年齢、性別、体重及び状態、並びに投与経路などの要因を考慮して、医学分野の当業者にとって周知である投与量及び技術で、投与され得る。本開示のシステム若しくはその少なくとも1つの成分、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、経口的に、非経口的に、舌下に、経皮的に、直腸内に、経粘膜的に、局所に、鼻腔内、腟内、吸入経由、頬側投与経由、胸膜内に、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、皮内に、表皮に、筋肉内、鼻腔内、髄腔内、頭蓋内、及び関節内、又はそれらの組合せなどの、種々の経路によって、対象に投与され得る。特定の実施形態において、上記システム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、対象に、筋肉内投与されるか、静脈内投与されるか、又はそれらの組合せで投与される。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、対象に、インビボ電気穿孔を伴うか又は伴わないDNA注射(DNAワクチン接種とも呼ばれる)、リポソーム媒介性、ナノ粒子促進性、組換えベクター、例えば、組換えレンチウイルス、組換えアデノウイルス、及び組換えアデノウイルス随伴ウイルスなどの、いくつかの技術によって送達され得る。その組成物は、脳又は中枢神経系の他の成分へ注射され得る。その組成物は、骨格筋又は心筋に注射され得る。例えば、その組成物は、前脛骨筋又は尾に注射され得る。獣医学用途のために、そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、通常の獣医学の実務に従って、適切に受容可能な処方物として投与され得る。獣医は、特定の動物にとって最も適切な投与レジメン及び投与経路を容易に決定し得る。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、従来のシリンジ、針なし注射デバイス、「微粒子銃(microprojectile bombardment gone gun)」又は他の物理的方法、例えば、電気穿孔(「EP」)、「水力学的方法」、若しくは超音波によって、投与され得る。代替的に、非ウイルス遺伝子導入若しくは非組込みウイルス遺伝子導入によるか、又は精製タンパク質及び細胞膜透過モチーフを含むgRNAの直接送達による、CRISPR/Casベースのシステムの一過性インビボ送達は、外因性DNA組込みのリスクが最小限又は皆無である、インサイツでの非常に特異的な修正及び/又は復元を可能にし得る。
【0105】
本開示のシステム若しくは本明細書において詳述されている遺伝的構築物、又はそれらの少なくとも1つの成分、或いはそれらを含む医薬組成物、及び上記ベクターを対象の細胞へ送達した際には、トランスフェクトされた細胞は、gRNA分子と、Cas9分子又は融合タンパク質とを発現し得る。
【0106】
(a.細胞型)
本明細書において詳述される送達方法及び/又は投与経路のいずれもが、無数の細胞型、例えば、野生型及びDMD患者由来株などの不死化筋芽細胞、初代(primal)DMD皮膚線維芽細胞、誘導された多能性幹細胞などの幹細胞、骨髄由来前駆細胞、骨格筋前駆細胞、DMD患者由来のヒト骨格筋芽細胞、CD 133+細胞、中胚葉性血管芽細胞(mesoangioblast)、心筋細胞、肝細胞、軟骨細胞、間葉系前駆細胞、造血幹細胞、筋肉細胞、平滑筋細胞、及びMyoD形質導入細胞若しくはPax7形質導入細胞、又は他の筋原性前駆細胞が挙げられるがこれらに限定はされない、細胞ベースの治療のために現在調査中である細胞型を用いて、利用され得る。ヒト筋原性細胞の不死化は、遺伝的に修正された筋原性細胞のクローン誘導のために使用され得る。細胞は、遺伝的に修正又は復元されたジストロフィン遺伝子を含み、そのゲノム中のタンパク質コード領域中にヌクレアーゼにより誘導される他の変異を含まない、不死化DMD筋芽細胞のクローン集団を分離及び増殖させるために、エクスビボで改変され得る。本明細書において詳述されているシステム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された細胞が、本明細書においてさらに提供される。例えば、本明細書において詳述されているCRISPR/Cas9システムをコードする単離されたポリヌクレオチドを含む細胞が、本明細書において提供される。
【0107】
(7.キット)
ジストロフィン遺伝子の機能を復元するため、及び/又はCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム若しくはその成分の発現を筋肉細胞又は衛星細胞に指向させるために使用され得る、キットが、本明細書において提供される。キットは、上記の、ジストロフィン遺伝子の機能を復元するため、又は発現を筋肉細胞又は衛星細胞に指向させるための、遺伝的構築物又はそれを含む組成物を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムを使用するための指示書をさらに含む。
【0108】
キットに含まれる指示書は、包装材料に貼り付けられ得、又はパケージ挿入物として含まれ得る。指示書は、典型的には印刷物に記載されるが、そのようなものに限定はされない。そのような指示書を保存すること及び指示書をエンドユーザーに伝達することが可能なあらゆる媒体が、本開示によって企図される。そのような媒体としては、電子記録媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書において使用される場合、用語「指示書」とは、その指示書を提供するインターネットサイトのアドレスを含み得る。
筋肉特異的幹細胞又は衛星細胞を標的とするための上記遺伝的構築物又はそれを含む組成物は、ジストロフィン遺伝子の領域に特異的に結合してそれを切断する、上記のgRNA分子とCas9タンパク質又は融合タンパク質とを含む、改変型AAVベクターを含み得る。上記のCRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、上記のように、変異体ジストロフィン遺伝子中の特定の領域に特異的に結合してそれを標的とするために、上記キット中に含まれ得る。
【0109】
(8.方法)
(a.処置の方法)
細胞における変異体遺伝子を修正する方法が、本明細書において提供され、その方法は、細胞に本明細書において記載される組成物を投与するステップを含む。その方法は、対象に本明細書において記載されているベクター組成物を含むゲノム編集組成物を投与することを含む、変異体ジストロフィン遺伝子を修正するステップを含み得る。ゲノム編集組成物は、対象に、筋肉内投与され得るか、静脈内投与され得るか、又はそれらの組合せで投与され得る。DMD筋ジストロフィーに罹患している対象を処置する方法もまた、本明細書において提供される。その方法は、対象に、本明細書において開示されている組成物を投与するステップを含み得る。
【実施例】
【0110】
(9.実施例)
上記は、以下の実施例を参照することによって、より良く理解され得、以下の実施例は、本発明の例示目的のために提示されており、本発明の範囲を限定することは意図されない。本開示は、複数の態様及び実施形態を有し、付随する非限定的な実施例によって説明される。
【0111】
(実施例1)
(材料及び方法)
(プラスミド設計及びAAV生成)。CMVにより駆動されるCreリコンビナーゼを含むAAV構築物を、Penn Vector Coreから購入した。CMV-Creプラスミドもまた、Penn Vecor Coreから購入し、それを使用してCK8e-Cre AAV導入プラスミド、SPc5-12-Cre AAV導入プラスミド、及びMHCK7-Cre AAV導入プラスミドを作製した。CRISPR実験のために、CMV-SaCas9-3xHA-bGHpAを含むAAV導入プラスミドを、Addgene(プラスミド番号61592)から獲得した。CMVを除去し、筋肉特異的プロモーターをこのプラスミド中にクローニングして、CK8eにより駆動されるSaCas9導入プラスミド、SPc5-12により駆動されるSaCas9導入プラスミド、及びMHCK7により駆動されるSaCas9導入プラスミドを作製した。ヒトU6プロモーターにより駆動される、マウスエクソン23切除のための2つのgRNA発現カセットを含むAAV導入プラスミドを使用して、組換えAAVを調製した。完全なITRを、すべてのベクターにおけるAAV生成の前にSmaI消化によって確認した。複数のバッチのAAVを生成し、プラスミド標準曲線を用いたqRT-PCRにより力価を測定して、研究における等しい投与量を確実にした。
【0112】
(動物)。マウスC57BL/10ScSn-Dmdmdx/J(mdx)系統及びB6.Cg-Gt(ROSA)26Sortm9(CAG-tdTomato)Hze/J(Ai9)系統を、Jackson Laboratoryから取得した。Pax7-nGFPマウスを、核-GFPシグナルを内因性Pax7の1番目のエクソン中にノックインすることにより作製し、それは、S.Tajbakhsh(Institut Pasteur)により親切にも提供された。NOD.SCID.γマウスを、Duke CCIF Breeding Coreから取得した。Pax7nGFP(+/-);Ai9(+/-);mdx(+/0)雄を、Cre研究のために使用した。動物を含むすべての実験は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の実験動物の管理と使用に関する指針を厳格に固守して実行した。すべての実験は、デュークユニバーシティーの動物実験委員会(IACUC)によって認可された。
【0113】
(インビボAAV投与)。これらの研究に使用したすべてのマウスは、6~8週齢で注射された雄であった。衛星細胞のCre媒介性組換えにおけるAAV1、AAV2、AAV5、AAV6.2、AAV8、及びAAV9の比較のために、Pax7nGFP;Ai9;mdxマウスに、TA筋中に40μLの4.72E+11vgを局所投与したか、又は尾静脈注射を介して200μLの2E+12vgを全身投与した。注射の8週間後、マウスを安楽死させ、筋肉を、フローサイトメトリー及び免疫蛍光染色による分析のために収集した。
構成的プロモーターと筋肉特異的プロモーターとの間で衛星細胞のCre媒介性組換えを比較するために、Pax7nGFP;Ai9;mdxに、40μLの4.00E+10vgのAAV9 CMVにより駆動されるCre、AAV9 CK8eにより駆動されるCre、AAV9 SPc5-12により駆動されるCre、又はAAV9 MHCK7により駆動されるCreを、そのTA筋に局所投与した。
AAV9-CRISPR実験のために、マウスに、ベクター1つ当たり7E+11~1E+12vgを局所注射した。
連続損傷実験のために、mdxマウスに、ベクター1つ当たり1E+12vgのAAV9-CRISPR構築物を、そのTA筋に注射した。注射の4週間後、そのTA筋を、50μLのBaCl2での損傷に供した。その筋肉を、連続的追加BaCl2損傷の前に2週間、回復させた。筋肉を、最後のBaCl2損傷の2週間後に収集した。
【0114】
(AAV-CRISPR細胞移植実験)。生着実験のために、Pax7nGFP;mdxマウスに、CRISPRベクター1つ当たり合計2E+12vgを、後肢に注射した(TA、腓腹筋、及び四頭筋に注射した)。コントロールPax7nGFP;mdxマウスに、PBSを注射した。8週間後、注射した後肢を収集し、衛星細胞を、酵素消化及び選別を介して分離した。マウス1匹当たり20~40kの衛星細胞を分離し、細胞を、遠心沈殿し、10ng/mLのbFGFを補充した15μLのハンクス平衡塩溶液中に再懸濁した。
筋肉内細胞移植の2日前に、レシピエントmdxマウスをイソフルランで麻酔し、1本の後肢に、X-RAD 320生物学的照射器を使用して18Gy線量の照射を行った。移植の1日前に、マウスは、タクロリムス(Prograf、5mg/kg)を毎日腹腔内注射する免疫抑制レジメンを開始した。8週間前にAAV9-CRISPR又はPBSで処理したPax7-nGFPマウスから選別した衛星細胞を、レシピエントmdxマウスのTA筋に注射した。移植の4週間後、マウスを安楽死させ、そのTA筋をゲノムDNA抽出のために収集し、組織の一部を、切片化のため、及びジストロフィン発現についての染色のために、包埋した。
【0115】
(衛星細胞分離)。局所筋肉内研究のために、筋肉を収集し、切断して小片にした。筋肉を、DMEM(Invitrogen)中にて0.2%のコラゲナーゼII(Invitrogen、17101-015)で1時間、酵素消化し、その後、0.2%のディスパーゼ(Invitrogen、17105-041)で30分間消化した。細胞を、30μmフィルターに通して濾過し、SONY SH800フローサイトメーターにてGFP発現によって選別した。細胞を、遠心分離によって収集し、ゲノムDNAを、フェノール-クロロホルム抽出によってすぐに分離した。
【0116】
(ゲノムDNA分析)。マウス筋肉に由来するゲノムDNAを、DNeasyキット(Qiagen)を用いて抽出した。エクソン23欠失を評価した。Tn5媒介性標的濃縮及び配列決定を、Nextera DNA flex library prep kit(Illumina)を使用して実施した。表1は、この研究において使用したオリゴヌクレオチド配列を列挙している。
【0117】
【0118】
(組織学及び免疫蛍光)。収集した筋肉を、液体窒素中で冷却したOptimal Cutting Temperature(OCT)コンパウンド中でマウント及び凍結した。連続する10μmの凍結切片を収集した。凍結切片を、2%のPFAで5分間固定し、PBS+0.2% Triton-Xで10分間、透過処理した。ブロッキング緩衝液(5%ヤギ血清、2% BSA、M.O.M.ブロッキング試薬、及び0.1% Triton X-100を補充した、PBS)を、室温にて1時間塗布した。サンプルを、4℃にて一晩、以下の抗体の組合せとともにインキュベートした:Pax7(1:5、DSHB)、MANDYS8(1:200、Sigma D8168)、ラミニン(1:200、Sigma L9393)、RFP(1:1000、Rockland 600-401-379)。サンプルを、PBSで15分間洗浄し、1:500で希釈したInvitrogenから得た適合する二次抗体、及びDAPIとともに、室温にて1時間インキュベートした。サンプルをPBSで15分間洗浄し、スライドを、ProLong Gold Antifade Reagent(Invitrogen)とともにマウントし、従来の蛍光顕微鏡を使用して画像化した。60×画像を、共焦点顕微鏡を用いて撮影した。
【0119】
(ウェスタンブロット)。筋肉生検を、BioMasher(Takara)を用いて、プロテイナーゼインヒビターカクテル(Roche)を含むRIPA緩衝液(Sigma)中で破壊し、氷上で30分間、断続的にボルテックス処理しながらインキュベートした。サンプルを、4℃にて16000×gで30分間遠心分離し、その上清を分離し、ビシンコニン(bicinchronic)酸アッセイ(Pierce)を用いて定量した。タンパク質分離物を、NuPAGEローディング緩衝液(Invitrogen)及び10% β-メルカプトエタノールと混合し、100℃にて10分間沸騰させた。サンプルを、将来の分析のために、液体窒素中で瞬間凍結した。レーン1つ当たり全タンパク質25μgを、MOPS緩衝液(Invitrogen)を含む4~12% NuPAGE Bis-Trisゲル(Invitrogen)中にローディングし、200Vにて45分間電気泳動した。タンパク質を、10% メタノール及び0.01% SDSを含む1× tris-グリシン転写緩衝液中で、4℃で400mAにて1時間、ニトロセルロース膜に転写した。そのブロットを、5%の乳汁-TBST中でブロックし、抗HA(1:1000、Biolegend 901502)、MANDYS8(1:200、Sigma D8168)、及びGAPDH(1:5000、Cell Signaling 2118S)を用いて、5%の乳汁-TBST中で4℃にて一晩プローブ処理した。その後、ブロットを、マウス又はウサギの西洋ワサビペルオキシダーゼ結合型二次抗体(Santa Cruz)とともに、5%の乳汁-TBST中で1時間インキュベートした。ブロットを、Western-C ECL基質(Biorad)を使用してChemiDoc化学発光システム(Biorad)で可視化した。
【0120】
(実施例2)
(衛星細胞の標的化効率についてのAAV血清型のプロファイリング)
Ai9マウスのアレルは、CAG-loxP-STOP-loxP-tdTomato発現カセットをRosa26座位に保有する(Madisen, L. et al. Nat. Neurosci. 2010, 13, 133-140)。Creリコンビナーゼによるその終止カセットの切除は、そのtdTomato蛍光タンパク質の発現による、標的細胞の永続的標識化をもたらす。本発明者らは、そのAi9マウスをPax7-nGFPマウスと交雑させた。このPax7-nGFPマウス中では、衛星細胞を特異的に標識するように、核局在化GFPがPax7の1番目のエクソン中にノックインされている(Sambasivan, R. et al. Developmental Biology 2012, 381, 241-255)。AAVベクターを介してCreリコンビナーゼを送達することによって、tdTomato発現は、そのAAVによって形質導入された細胞を標識する(
図1A)。従って、tdTomatoを共発現するあらゆるGFP+細胞は、そのAAVベクターで形質導入された衛星細胞を示す(
図1B)。本発明者らは、CMV-CreをコードするAAV1、AAV2、AAV5、AAV6.2(形質導入効率を増加する点変異を有するAAV6(Limberis, M. P., et al. Molecular therapy: the journal of the American Society of Gene Therapy 2009, 17, 294-301)、AAV8、及びAAV9血清型を、Pax7nGFP;Ai9;mdxマウスの前脛骨(TA)筋に、4.72E+11vgの等用量で注射した。筋肉を注射の8週間後に収集し、その組織を、フローサイトメトリーによる即時の分析のために、シングルセルになるように解離させた。本発明者らは、AAV9、AAV6.2、及びAAV8がPax7-nGFP+細胞を最も効率よく標識して、約60%のnGFP+細胞においてtdTomato発現をもたらしたことを、見出した(
図1C)。その後、本発明者らは、その上位4つの成績のAAV血清型を、2E+12vgの等用量の尾静脈注射を介する全身投与によって評価した。本発明者らは種々の骨格筋型を収集し、本発明者らは、全身注射後に、AAV8及びAAV9がAAV6.2及びAAV1よりも明らかに性能が優れていたことを、見出した。AAV9は、Pax7-GFP+細胞の有意な標的化を示し、それは種々の筋肉型について20~30%の範囲であった(
図1D)。tdTomatoとPax7とのインビボでの正確な共局在化を、組織切片の免疫蛍光染色によって確認した(
図1E)。本発明者らは、感度の高いCre/loxベースの二重レポーターマウスを使用して、AAVがインビボで衛星細胞を効率的に形質導入できることを示す。本発明者らは、独特な組織指向性を示す一般的に使用される一連のAAV血清型を試験して、AAV9及びAAV8が局所注射及び全身尾静脈注射の両方における衛星細胞形質導入のために最も適切であることを結論付ける。
【0121】
衛星細胞は正常な組織と比較してジストロフィーの筋肉において活性化され増殖性であるので、本発明者らはまた、AAV9-CreをPax7nGFP;Ai9;WTマウスに全身注射して、衛星細胞のAAV形質導入に対するジストロフィー環境の役割を調査した。興味深いことに、本発明者らは、横隔膜を除く試験したすべての筋肉組織について、野生型マウスと対比したmdxマウスにおいて、衛星細胞の有意に異なる形質導入効率を見出し(
図1F)、おそらくこれは、再生するジストロフィーの筋肉における衛星細胞の活性化状態と関連した。本発明者らは、mdxマウスにおいて野生型マウスと比較して高いAAV9形質導入を見出した。
【0122】
(実施例3)
(AAV9-CRISPR構築物はインビボでの遺伝子編集のために衛星細胞を標的とする)
次に、本発明者らは、Pax7nGFP;mdxマウスを使用して、衛星細胞における遺伝子編集のレベルを、二重AAV9-CRISPR戦略を用いて評価し、この二重AAV9-CRISPR戦略は、黄色ブドウ球菌由来のCas9(SaCas9)をコードする1つのAAV9ベクターと、mdxマウス中のDmd遺伝子からエクソン23を切除するように設計された2個のガイドRNA(gRNA)をコードするもう1つのAAV9ベクターとからなった(
図2A)。そのSaCas9 AAVベクター及びgRNA AAVベクターを、1E+12vg/ベクターという等価なウイルス力価であらかじめ混合し、TA筋に注射した。コントロールマウスには、等容積のPBSの注射をTAに与えた。注射の8週間後に、筋肉を、酵素解離及び衛星細胞選別のために収集した。ゲノムDNAを、選別した細胞から分離した。エクソン23にわたるPCRは、CRISPRで処理された筋肉から分離した衛星細胞において、より小さな欠失バンドを示した(
図2B)。5E+12vg/ベクターでのAAV9-CRISPRの全身送達もまた実施し、衛星細胞を、処理の8週間後に後肢筋肉及び横隔膜から分離した。欠失バンドがまた、サンプルの大部分において、全身静脈内送達後の衛星細胞から検出できた(
図2C)。ゲル抽出した欠失バンドのサンガー配列決定によって、エクソン23欠失を確認する(
図2D)。
【0123】
衛星細胞における遺伝子編集のレベルを定量するために、本発明者らは、Tn5トランスポゾンベースのDNAタグメンテーションプロトコルを、偏りのない配列決定のために適合させた。この方法を使用して、本発明者らは、AAV9-CRISPRの筋肉内注射の8週間後に衛星細胞において、エクソン欠失、いずれかのgRNA標的部位におけるインデル、逆位、及びAAV組込みを含む、遺伝子編集結果を定量した(
図2E)。その種々の編集結果は、衛星細胞において約0.01~1%の範囲にあり、単一のgRNA部位におけるインデルが最もよくある結果であった。本発明者らはまた、この方法をこれらの細胞由来のcDNAに適用して、ジストロフィン転写物におけるエクソン23欠失のレベルを定量し、それは約0.4%~1%の範囲にあった(
図2F)。衛星細胞におけるこれらの編集頻度は、処理したバルク筋肉組織において本発明者らが以前に報告し(Nelson, C. E. et al. Nat. Med. 2019, 25, 427-432)そして本明細書において同様に観察したもの(
図6A及び
図6B)の約10分の1である。
本発明者らは、CRISPR/Cas9媒介性ゲノム編集が衛星細胞集団においてインビボで生じることを示す。本発明者らは、遺伝子編集結果のレベルを定量し、それにより、衛星細胞集団における、バルク筋肉と比較して有意に少ない遺伝子編集が明らかになった。
【0124】
(実施例4)
(筋肉特異的プロモーターは衛星細胞において活性である)
次に、本発明者らは、構成的CMVプロモーターではなく筋肉特異的プロモーターによってCreが駆動される場合の、衛星細胞における組換え効率を規定しようと努めた。多くの一般的に使用されるAAVベクターは広範な組織指向性を示すので、臨床試験は、導入遺伝子のオフターゲット発現を回避するために利用可能である場合に、組織特異的プロモーターを用いて進める。CMVにより駆動されるCas9発現は、成体マウスにおいて免疫応答を惹起することが示されており、CMVにより駆動されるCas9発現は、非筋肉組織において遺伝子編集を引き起こし得る。Cas9発現を筋肉に限定することは、オフターゲットゲノム編集効果のリスクを減少することができる。Cas9発現を筋肉に限定することは、免疫応答の惹起を最小にできた。筋肉特異的プロモーターは骨格筋及び心筋を効率的に標的とするように設計されるが、衛星細胞における発現の程度は非効率的であると推定される。本発明者らの二重レポーターシステムを用いた衛星細胞における遺伝子発現の効率を決定するために、本発明者らは、ユビキタスCMVプロモーターをコードするか、又はCreリコンビナーゼ発現を駆動する筋肉特異的な、CK8e23プロモーター、SPc5-1224プロモーター、若しくはMHCK725プロモーターをコードする、4E+10vgのAAV9を、Pax7nGFP;Ai9;mdxマウスのTA筋に送達した。CMV(33%)と比較して、組換えの効率は、CK8e(15.6%)及びMHCK7(15.6%)については約半分であり、SpC5-12(11.5%)については3分の1であった。このことは、これらの筋肉特異的プロモーターは、CMVよりも小さい程度ではあるが、衛星細胞において活性であることを示唆した(
図3A)。
【0125】
筋肉特異的プロモーターに対してユビキタスプロモーターにおける遺伝子編集効率を比較するために、本発明者らは、CMVプロモーター、CK8eプロモーター、SPc5-12プロモーター、又はMHCK7プロモーターのいずれかを用いてSaCas9発現を駆動し、AAV9-CRISPR構築物を等価なウイルス用量で筋肉内送達した。本発明者らは、これらの種々のプロモーターの間でバルク筋肉レベルでのジストロフィン復元を比較し、TA筋切片の免疫蛍光染色により、CMV(35%)と比較して多い数のジストロフィン+線維が、MHCK7プロモーター(73%)、SPc5-12プロモーター(53%)、及びCK8e(48.3%)プロモーターを保有するAAV-CRISPRで処理した筋肉において明らかになった(
図3B)。上記の偏りのないTn5タグメンテーションベースの方法を使用して、本発明者らはまた、バルク筋肉におけるこれらの種々のプロモーターにわたる遺伝子編集結果のレベルを定量した(
図3C及び
図3D)。本発明者らは、MHCK7-Cas9処理マウスにおいて欠失発生が最も多く、SPc5-12がそれに次ぐことを見出した。筋肉特異的プロモーターを用いて衛星細胞において遺伝子編集を達成し得るかどうかを決定するため、本発明者らは、GFP+衛星細胞を処理マウスから分離し、Dmd座位にわたるPCRを実施した。エクソン23欠失バンドを、すべての条件で検出した(
図3E)。CMVプロモーターを種々の筋肉特異的プロモーターで置換してCreリコンビナーゼを駆動すること、及び等用量のAAV9を送達することによって、本発明者らは、筋肉特異的プロモーターであるCK8e、SpC5-12、及びMHCK7は衛星細胞において実際に活性であったことを観察した。そのMHCK7プロモーターは、最大レベルのジストロフィン復元(
図3B)及び遺伝子編集(
図3C)をもたらした。
【0126】
(実施例5)
(連続損傷後のAAV-CRISPRで処理された筋肉における持続性ジストロフィン発現)
ジストロフィン遺伝子修正のための衛星細胞の標的化は、エピソームAAVベクターの喪失後でさえ継続的治療効果を提供し得た、ジストロフィンを発現する細胞の自己再生供給源を提供することができた。ジストロフィンを修正した衛星細胞の長期寄与を調査するため、本発明者らは、mdxマウスのTA筋に、Cas9を駆動するCMVプロモーターを含むAAV9-CRISPR構築物を注射し、ジストロフィン発現をモニターした。そのmdxマウスモデルはヒトDMDの変性表現型の重症度を再現しないので、本発明者らは、筋肉の変性及び再生を、連続損傷戦略を実施することによって加速した。AAV9-CRISPR構築物の最初の注射の4週間後、マウスに、50μLの1.2%塩化バリウム(BaCl2)を注射して、2週間毎に最大6週間、筋肉損傷を誘導した(
図4A)。TAに対するこの用量のBaCl2損傷は、野生型マウスにおいて損傷の18時間後に、筋線維の80%超で壊死を誘導した。従って、本発明者らは、2回又は3回の損傷が、CRISPRで処理された筋線維の変性と、それに続く衛星細胞からの新しい筋線維の再生を誘導するために十分であるという仮説を立てた。2回又は3回の損傷の後、本発明者らは、ウェスタンブロットによってTA筋においてSaCas9タンパク質をもはや検出できず、このことは、AAV9-CRISPR構築物の喪失を示した(
図4B)。ベクターの喪失にも関わらず、本発明者らは、免疫蛍光染色によって、3回の再生にわたるジストロフィン発現の維持を観察した(
図4C)。すべての線維(ラミニン+)の分数としてのジストロフィン+線維の定量は、2回又は3回のいずれかの損傷後には約10%に減少した、28.3%の線維におけるジストロフィンの初期復元を示す
図4D)。タンパク質溶解物のウェスタンブロットもまた、SaCas9の喪失後のジストロフィンタンパク質の維持を示した(
図4E)。
【0127】
(実施例6)
(CRISPRで修正された衛星細胞の連続移植は、ジストロフィン+筋線維の再生に寄与する)
遺伝子編集された衛星細胞がジストロフィン+筋線維を生じることができることを示すために、本発明者らは、連続移植研究を実施した(
図5A)。Pax7nGFP;mdxマウスに、後肢においてAAV9-CRISPR構築物又はPBSのいずれかを注射した。8週間後、注射した筋肉を収集し、約30,000個のGFP+衛星細胞をFACSによって選別した。選別した細胞を、2日前に18Gyの照射を与えて宿主衛星細胞を無能力にしていた(Boldrin, L., et al. Stem Cells 2012, 30, 1971-1984)以外の点では未処理のmdx宿主マウスのTA筋へとすぐに移植した。その宿主マウスを、タクロリムスの毎日の腹腔内注射で免疫抑制した。生着の4週間後、そのTA筋を収集し、ジストロフィン発現について分析した。ジストロフィン+線維の斑点を、CRISPRで修正された衛星細胞を注射した宿主TA筋において観察した(
図5B)。PBSを注射したPax7nGFP;mdxドナーマウスから収集した衛星細胞を注射したMdx宿主マウスは、1.46±0.41ジストロフィン+線維/mm2を示した。これは、同じ齢の群のmdxマウスにおいて見出された復帰変異体線維の数(Pigozzo, S. R. et al. PLoS One 2013, 8)と同様である。対照的に、AAV9-CRISPRを注射したmdxマウスから収集した衛星細胞を注射したmdxマウスは、5.95±0.40ジストロフィン+線維/mm2を示し(
図5C)、これは、CRISPRで修正された衛星細胞の移植がジストロフィン+線維の増加をもたらしたことを示唆した。本発明者らがDmd座位にわたる欠失PCRを実施した場合に、本発明者らは、AAV9-CRISPRで処理された衛星細胞を注射した宿主TAに由来するゲノムDNAだけにおいて欠失バンドを観察した。このことは、その群で観察されたジストロフィン+線維が、遺伝子編集された細胞から生成されることを示した(
図4D及び
図4E)。
【0128】
以下の2つの独立した方法を使用して、衛星細胞がAAV-CRISPRによってインビボで編集されることを示した:変性後のジストロフィン発現の維持を評価すること(
図4A~
図4E)及び衛星細胞移植後のジストロフィン発現(
図5A~
図5E)。3回の変性及び再生後のジストロフィン発現の寿命が実証された。これは、ジストロフィンを修正された衛星細胞からの長期間の寄与を示す。重要なことに、衛星細胞は自己再生し、各線維には多くの衛星細胞が存在するので、編集された衛星細胞がたとえ低レベルであっても、有意なレベルのジストロフィン陽性線維を経時的にもたらし得る。
偏りのないTn5タグメンテーションベースの配列決定方法を使用して、本発明者らは、衛星細胞における遺伝子編集の量の定量を提供する。これらの方法による衛星細胞への送達は、遺伝性筋ジストロフィーの環境における衛星細胞の最終的成功のための重要で予想外の考慮事項である。本明細書において実証された遺伝子編集技術及び送達方法のこの新規な最適化は、新規な増強された衛星細胞遺伝子編集を提供して、DMD患者に長期間の治療効果を提供する。
【0129】
特定の態様についての上記の記述は、他の者が、当業者内の知識を適用することにより、過度の実験をすることなく、本開示の概括的概念から逸脱することなく、そのような特定の態様を種々の応用のために容易に改変及び/又は適合できる、本発明の概括的性質を、非常に十分に明らかにする。従って、そのような適合及び改変は、本明細書において提示される教示及び指針に基づいて、開示された態様の等価物の意味及び範囲の内部にあることが、意図される。本明細書の用語又は術語が上記の教示及び指針を考慮して当業者によって解釈されるべきであるように、本明細書における用語又は術語は記述を目的とするのであって限定を目的とはしないことが、理解されるべきである。
【0130】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な態様のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲及びその等価物に従ってのみ定義されるべきである。
本出願において引用されているすべての公開物、特許、特許出願、及び/又は他の文書は、あたかも個別の公開物、特許、特許出願、及び/又は他の文書の各々がすべての目的のために参考として援用されると個別に示されたかのような場合と同じ程度に、すべての目的のためにその全体が参考として援用される。
完全であることを期すために、本発明の種々の態様が、以下の番号付けされた条項に示される。
【0131】
条項1。(a)少なくとも1つのガイドRNA(gRNA)をコードするポリヌクレオチド配列と、
(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド配列と、
(c)1つ又は複数のプロモーターであり、前記プロモーター各々は前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列及び/又は前記Cas9タンパク質若しくは融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、1つ又は複数のプロモーターと
を含む、ベクター組成物。
条項2。前記1つ又は複数のプロモーターが筋肉特異的プロモーターである、条項1に記載の組成物。
条項3。前記1つ又は複数のプロモーターがCK8プロモーター、SPc5-12プロモーター、若しくはMHCK7プロモーター、又はそれらの組合せを含む、条項1又は2に記載の組成物。
条項4。衛星細胞を編集するのに使用するための、条項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
条項5。前記ベクターがウイルスベクターである、条項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【0132】
条項6。前記ウイルスベクターがアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、条項5に記載の組成物。
条項7。前記AAVベクターがAAV8ベクター、AAV1ベクター、AAV6.2ベクター、AAVrh74ベクター、又はAAV9ベクターである、条項6に記載の組成物。
条項8。(a)少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、前記ポリヌクレオチド配列と、(c)前記1つ又は複数のプロモーターとを含む、単一のベクターを含む、条項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
条項9。(a)少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードする、前記ポリヌクレオチド配列と、(c)前記1つ又は複数のプロモーターとを含む、2つ以上のベクターを含む、条項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【0133】
条項10。第1のベクターが、前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列を含み、
第2のベクターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列を含む、
条項9に記載の組成物。
条項11。前記プロモーターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、条項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
条項12。前記プロモーターが、前記少なくとも1つのgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、条項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
条項13。前記組成物が2つ以上のgRNAを含み、前記2つ以上のgRNAが第1のgRNAと第2のgRNAとを含み、前記第1のベクターが前記第1のgRNAをコードし、前記第2のベクターが前記第2のgRNAをコードする、条項9~12のいずれか1項に記載の組成物。
条項14。前記第1のベクターが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする、条項13に記載の組成物。
【0134】
条項15。前記第2のベクターが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をさらにコードする、条項9~14のいずれか1項に記載の組成物。
条項16。前記プロモーターが、前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする前記ポリヌクレオチド配列と作動可能に連結されている、条項9~15のいずれか1項に記載の組成物。
条項17。前記プロモーターが、前記第1のgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、及び/又は前記第2のgRNAをコードする前記ポリヌクレオチド配列と、作動可能に連結されている、条項13~16のいずれか1項に記載の組成物。
条項18。前記Cas9タンパク質が黄色ブドウ球菌Cas9タンパク質又は化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質である、条項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
条項19。前記CK8プロモーターが配列番号51のポリヌクレオチド配列を含み、前記Spc5-12プロモーターが配列番号52のポリヌクレオチド配列を含み、前記MHCK7プロモーターが配列番号53のポリヌクレオチド配列を含む、条項3~18のいずれか1項に記載の組成物。
【0135】
条項20。前記ベクターが配列番号54~59からなる群から選択される、条項1に記載の組成物。
条項21。前記ベクターが幹細胞を標的とする、条項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
条項22。前記ベクターが筋衛星細胞への指向性を有する、条項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
条項23。条項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含む細胞。
条項24。条項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含むキット。
【0136】
条項25。細胞における変異体遺伝子を修正する方法であって、細胞に条項1~22のいずれか1項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
条項26。前記細胞が衛星細胞である、条項25に記載の方法。
条項27。前記変異体遺伝子がジストロフィン遺伝子である、条項25又は26に記載の方法。
条項28。対象における変異体ジストロフィン遺伝子をゲノム編集する方法であって、前記対象に条項1~22のいずれか1項に記載の組成物を含むゲノム編集組成物を投与するステップを含む、方法。
条項29。前記ゲノム編集組成物が前記対象に筋肉内投与されるか、静脈内投与されるか、又はそれらの組合せで投与される、条項28に記載の方法。
【0137】
条項30。変異体ジストロフィン遺伝子を有する、処置を必要とする対象を処置する方法であって、前記対象に条項1~22のいずれか1項に記載の組成物又は条項23に記載の細胞を投与するステップを含む、方法。
条項31。デュシェンヌ型筋ジストロフィーを有する対象を処置する方法であって、細胞を条項1~22のいずれか1項に記載の組成物と接触させるステップを含む、方法。
条項32。筋肉細胞、衛星細胞、又は幹細胞である、条項31に記載の方法又は条項23に記載の細胞。
条項33。衛星細胞である、条項31に記載の方法又は条項23に記載の細胞。
条項34。前記細胞を前記組成物とインビボ、インビトロ、及び/又はエクスビボで接触させる、条項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【0138】
条項35。前記細胞を前記組成物と接触させた後に、前記細胞を前記対象に移植する、条項30~34のいずれか1項に記載の方法。
条項36。前記細胞が同種及び自家性である、条項35に記載の方法。
条項37。前記細胞を前記対象の筋肉に投与する、条項35又は36に記載の方法。
条項38。前記対象に前記細胞を移植する前に前記対象を免疫抑制する、条項35~37のいずれか1項に記載の方法。
条項39。前記細胞が、筋肉内注射、静脈内注射、尾部注射、硝子体内注射、線条体内注射、実質内注射、髄腔内注射、硬膜外注射、眼球後注射、皮下注射、心臓内注射、嚢胞内注射、関節内注射若しくは髄腔内注射、硬膜外カテーテル注入、クモ膜下ブロックカテーテル注入、静脈内注入、ネブライザー経由、スプレー経由、腟内経路経由、又はそれらの組合せから選択される経路を経由して前記対象に移植される、条項35~38のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
条項40。衛星細胞指向性を有するAAVベクターをスクリーニングする方法であって、哺乳動物に前記AAVベクターを投与するステップを含み、前記哺乳動物はCAG-loxP-STOP-loxP-tdTomato発現カセットをRosa26に保有するアレルを含み、前記哺乳動物のpax7遺伝子は、蛍光タンパク質を発現する遺伝子でノックインされる、方法。
条項41。目的の遺伝子がCreをコードする、条項40に記載の方法。
条項42。前記蛍光タンパク質がGFP、YFP、RFP、若しくはCFP、又はそれらのバリアントを含む、条項40に記載の方法。
条項43。衛星細胞における変異体遺伝子を修正する方法であって、細胞に条項1~22のいずれか1項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
条項44。前記少なくとも1つのgRNAが、配列番号49若しくは50又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列に結合して前記ポリヌクレオチド配列を標的とするか、或いは前記少なくとも1つのgRNAが、配列番号60若しくは61又はその相補体を含むポリヌクレオチド配列を含む、条項1~22のいずれか1項に記載の組成物、条項23に記載の細胞、条項24に記載のキット、又は条項25~43のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
(配列)
配列番号1
NRG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号2
NGG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号3
NAG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号4
NGGNG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号5
NNAGAAW(W=A又はT;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0141】
配列番号6
NAAR(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号7
NNGRR(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号8
NNGRRN(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号9
NNGRRT(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0142】
配列番号10
NNGRRV(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号11
NNNNGATT(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号12
NNNNGNNN(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号13
NGA(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号14
NNNRRT(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号15
ATTCCT
【0143】
配列番号16
NGAN(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号17
NGNG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0144】
配列番号18
化膿性連鎖球菌Cas9
MDKKYSIGLDIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0145】
配列番号19
黄色ブドウ球菌Cas9分子
MKRNYILGLDIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEENSKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKG
【0146】
配列番号20
化膿性連鎖球菌Cas9(D10Aを有する)
MDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0147】
配列番号21
化膿性連鎖球菌Cas9(D10A、H849Aを有する)
MDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0148】
配列番号22
黄色ブドウ球菌Cas9のD10A変異体のポリヌクレオチド配列
atgaaaagga actacattct ggggctggcc atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
atccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagagaac
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0149】
配列番号23
黄色ブドウ球菌Cas9のN580A変異体のポリヌクレオチド配列
atgaaaagga actacattct ggggctggac atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
atccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagaggcc
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0150】
配列番号24
化膿性連鎖球菌Cas9をコードする、コドンを最適化されたポリヌクレオチド
atggataaaa agtacagcat cgggctggac atcggtacaa actcagtggg gtgggccgtg
attacggacg agtacaaggt accctccaaa aaatttaaag tgctgggtaa cacggacaga
cactctataa agaaaaatct tattggagcc ttgctgttcg actcaggcga gacagccgaa
gccacaaggt tgaagcggac cgccaggagg cggtatacca ggagaaagaa ccgcatatgc
tacctgcaag aaatcttcag taacgagatg gcaaaggttg acgatagctt tttccatcgc
ctggaagaat cctttcttgt tgaggaagac aagaagcacg aacggcaccc catctttggc
aatattgtcg acgaagtggc atatcacgaa aagtacccga ctatctacca cctcaggaag
aagctggtgg actctaccga taaggcggac ctcagactta tttatttggc actcgcccac
atgattaaat ttagaggaca tttcttgatc gagggcgacc tgaacccgga caacagtgac
gtcgataagc tgttcatcca acttgtgcag acctacaatc aactgttcga agaaaaccct
ataaatgctt caggagtcga cgctaaagca atcctgtccg cgcgcctctc aaaatctaga
agacttgaga atctgattgc tcagttgccc ggggaaaaga aaaatggatt gtttggcaac
ctgatcgccc tcagtctcgg actgacccca aatttcaaaa gtaacttcga cctggccgaa
gacgctaagc tccagctgtc caaggacaca tacgatgacg acctcgacaa tctgctggcc
cagattgggg atcagtacgc cgatctcttt ttggcagcaa agaacctgtc cgacgccatc
ctgttgagcg atatcttgag agtgaacacc gaaattacta aagcacccct tagcgcatct
atgatcaagc ggtacgacga gcatcatcag gatctgaccc tgctgaaggc tcttgtgagg
caacagctcc ccgaaaaata caaggaaatc ttctttgacc agagcaaaaa cggctacgct
ggctatatag atggtggggc cagtcaggag gaattctata aattcatcaa gcccattctc
gagaaaatgg acggcacaga ggagttgctg gtcaaactta acagggagga cctgctgcgg
aagcagcgga cctttgacaa cgggtctatc ccccaccaga ttcatctggg cgaactgcac
gcaatcctga ggaggcagga ggatttttat ccttttctta aagataaccg cgagaaaata
gaaaagattc ttacattcag gatcccgtac tacgtgggac ctctcgcccg gggcaattca
cggtttgcct ggatgacaag gaagtcagag gagactatta caccttggaa cttcgaagaa
gtggtggaca agggtgcatc tgcccagtct ttcatcgagc ggatgacaaa ttttgacaag
aacctcccta atgagaaggt gctgcccaaa cattctctgc tctacgagta ctttaccgtc
tacaatgaac tgactaaagt caagtacgtc accgagggaa tgaggaagcc ggcattcctt
agtggagaac agaagaaggc gattgtagac ctgttgttca agaccaacag gaaggtgact
gtgaagcaac ttaaagaaga ctactttaag aagatcgaat gttttgacag tgtggaaatt
tcaggggttg aagaccgctt caatgcgtca ttggggactt accatgatct tctcaagatc
ataaaggaca aagacttcct ggacaacgaa gaaaatgagg atattctcga agacatcgtc
ctcaccctga ccctgttcga agacagggaa atgatagaag agcgcttgaa aacctatgcc
cacctcttcg acgataaagt tatgaagcag ctgaagcgca ggagatacac aggatgggga
agattgtcaa ggaagctgat caatggaatt agggataaac agagtggcaa gaccatactg
gatttcctca aatctgatgg cttcgccaat aggaacttca tgcaactgat tcacgatgac
tctcttacct tcaaggagga cattcaaaag gctcaggtga gcgggcaggg agactccctt
catgaacaca tcgcgaattt ggcaggttcc cccgctatta aaaagggcat ccttcaaact
gtcaaggtgg tggatgaatt ggtcaaggta atgggcagac ataagccaga aaatattgtg
atcgagatgg cccgcgaaaa ccagaccaca cagaagggcc agaaaaatag tagagagcgg
atgaagagga tcgaggaggg catcaaagag ctgggatctc agattctcaa agaacacccc
gtagaaaaca cacagctgca gaacgaaaaa ttgtacttgt actatctgca gaacggcaga
gacatgtacg tcgaccaaga acttgatatt aatagactgt ccgactatga cgtagaccat
atcgtgcccc agtccttcct gaaggacgac tccattgata acaaagtctt gacaagaagc
gacaagaaca ggggtaaaag tgataatgtg cctagcgagg aggtggtgaa aaaaatgaag
aactactggc gacagctgct taatgcaaag ctcattacac aacggaagtt cgataatctg
acgaaagcag agagaggtgg cttgtctgag ttggacaagg cagggtttat taagcggcag
ctggtggaaa ctaggcagat cacaaagcac gtggcgcaga ttttggacag ccggatgaac
acaaaatacg acgaaaatga taaactgata cgagaggtca aagttatcac gctgaaaagc
aagctggtgt ccgattttcg gaaagacttc cagttctaca aagttcgcga gattaataac
taccatcatg ctcacgatgc gtacctgaac gctgttgtcg ggaccgcctt gataaagaag
tacccaaagc tggaatccga gttcgtatac ggggattaca aagtgtacga tgtgaggaaa
atgatagcca agtccgagca ggagattgga aaggccacag ctaagtactt cttttattct
aacatcatga atttttttaa gacggaaatt accctggcca acggagagat cagaaagcgg
ccccttatag agacaaatgg tgaaacaggt gaaatcgtct gggataaggg cagggatttc
gctactgtga ggaaggtgct gagtatgcca caggtaaata tcgtgaaaaa aaccgaagta
cagaccggag gattttccaa ggaaagcatt ttgcctaaaa gaaactcaga caagctcatc
gcccgcaaga aagattggga ccctaagaaa tacgggggat ttgactcacc caccgtagcc
tattctgtgc tggtggtagc taaggtggaa aaaggaaagt ctaagaagct gaagtccgtg
aaggaactct tgggaatcac tatcatggaa agatcatcct ttgaaaagaa ccctatcgat
ttcctggagg ctaagggtta caaggaggtc aagaaagacc tcatcattaa actgccaaaa
tactctctct tcgagctgga aaatggcagg aagagaatgt tggccagcgc cggagagctg
caaaagggaa acgagcttgc tctgccctcc aaatatgtta attttctcta tctcgcttcc
cactatgaaa agctgaaagg gtctcccgaa gataacgagc agaagcagct gttcgtcgaa
cagcacaagc actatctgga tgaaataatc gaacaaataa gcgagttcag caaaagggtt
atcctggcgg atgctaattt ggacaaagta ctgtctgctt ataacaagca ccgggataag
cctattaggg aacaagccga gaatataatt cacctcttta cactcacgaa tctcggagcc
cccgccgcct tcaaatactt tgatacgact atcgaccgga aacggtatac cagtaccaaa
gaggtcctcg atgccaccct catccaccag tcaattactg gcctgtacga aacacggatc
gacctctctc aactgggcgg cgactag
【0151】
配列番号25
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaaaagga actacattct ggggctggac atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
tccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagagaac
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0152】
配列番号26
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaagcgga actacatcct gggcctggac atcggcatca ccagcgtggg ctacggcatc
atcgactacg agacacggga cgtgatcgat gccggcgtgc ggctgttcaa agaggccaac
gtggaaaaca acgagggcag gcggagcaag agaggcgcca gaaggctgaa gcggcggagg
cggcatagaa tccagagagt gaagaagctg ctgttcgact acaacctgct gaccgaccac
agcgagctga gcggcatcaa cccctacgag gccagagtga agggcctgag ccagaagctg
agcgaggaag agttctctgc cgccctgctg cacctggcca agagaagagg cgtgcacaac
gtgaacgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcca ccaaagagca gatcagccgg
aacagcaagg ccctggaaga gaaatacgtg gccgaactgc agctggaacg gctgaagaaa
gacggcgaag tgcggggcag catcaacaga ttcaagacca gcgactacgt gaaagaagcc
aaacagctgc tgaaggtgca gaaggcctac caccagctgg accagagctt catcgacacc
tacatcgacc tgctggaaac ccggcggacc tactatgagg gacctggcga gggcagcccc
ttcggctgga aggacatcaa agaatggtac gagatgctga tgggccactg cacctacttc
cccgaggaac tgcggagcgt gaagtacgcc tacaacgccg acctgtacaa cgccctgaac
gacctgaaca atctcgtgat caccagggac gagaacgaga agctggaata ttacgagaag
ttccagatca tcgagaacgt gttcaagcag aagaagaagc ccaccctgaa gcagatcgcc
aaagaaatcc tcgtgaacga agaggatatt aagggctaca gagtgaccag caccggcaag
cccgagttca ccaacctgaa ggtgtaccac gacatcaagg acattaccgc ccggaaagag
attattgaga acgccgagct gctggatcag attgccaaga tcctgaccat ctaccagagc
agcgaggaca tccaggaaga actgaccaat ctgaactccg agctgaccca ggaagagatc
gagcagatct ctaatctgaa gggctatacc ggcacccaca acctgagcct gaaggccatc
aacctgatcc tggacgagct gtggcacacc aacgacaacc agatcgctat cttcaaccgg
ctgaagctgg tgcccaagaa ggtggacctg tcccagcaga aagagatccc caccaccctg
gtggacgact tcatcctgag ccccgtcgtg aagagaagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaacgaca tcattatcga gctggcccgc
gagaagaact ccaaggacgc ccagaaaatg atcaacgaga tgcagaagcg gaaccggcag
accaacgagc ggatcgagga aatcatccgg accaccggca aagagaacgc caagtacctg
atcgagaaga tcaagctgca cgacatgcag gaaggcaagt gcctgtacag cctggaagcc
atccctctgg aagatctgct gaacaacccc ttcaactatg aggtggacca catcatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa cagcttcaac aacaaggtgc tcgtgaagca ggaagaaaac
agcaagaagg gcaaccggac cccattccag tacctgagca gcagcgacag caagatcagc
tacgaaacct tcaagaagca catcctgaat ctggccaagg gcaagggcag aatcagcaag
accaagaaag agtatctgct ggaagaacgg gacatcaaca ggttctccgt gcagaaagac
ttcatcaacc ggaacctggt ggataccaga tacgccacca gaggcctgat gaacctgctg
cggagctact tcagagtgaa caacctggac gtgaaagtga agtccatcaa tggcggcttc
accagctttc tgcggcggaa gtggaagttt aagaaagagc ggaacaaggg gtacaagcac
cacgccgagg acgccctgat cattgccaac gccgatttca tcttcaaaga gtggaagaaa
ctggacaagg ccaaaaaagt gatggaaaac cagatgttcg aggaaaagca ggccgagagc
atgcccgaga tcgaaaccga gcaggagtac aaagagatct tcatcacccc ccaccagatc
aagcacatta aggacttcaa ggactacaag tacagccacc gggtggacaa gaagcctaat
agagagctga ttaacgacac cctgtactcc acccggaagg acgacaaggg caacaccctg
atcgtgaaca atctgaacgg cctgtacgac aaggacaatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaagagcc ccgaaaagct gctgatgtac caccacgacc cccagaccta ccagaaactg
aagctgatta tggaacagta cggcgacgag aagaatcccc tgtacaagta ctacgaggaa
accgggaact acctgaccaa gtactccaaa aaggacaacg gccccgtgat caagaagatt
aagtattacg gcaacaaact gaacgcccat ctggacatca ccgacgacta ccccaacagc
agaaacaagg tcgtgaagct gtccctgaag ccctacagat tcgacgtgta cctggacaat
ggcgtgtaca agttcgtgac cgtgaagaat ctggatgtga tcaaaaaaga aaactactac
gaagtgaata gcaagtgcta tgaggaagct aagaagctga agaagatcag caaccaggcc
gagtttatcg cctccttcta caacaacgat ctgatcaaga tcaacggcga gctgtataga
gtgatcggcg tgaacaacga cctgctgaac cggatcgaag tgaacatgat cgacatcacc
taccgcgagt acctggaaaa catgaacgac aagaggcccc ccaggatcat taagacaatc
gcctccaaga cccagagcat taagaagtac agcacagaca ttctgggcaa cctgtatgaa
gtgaaatcta agaagcaccc tcagatcatc aaaaagggc
【0153】
配列番号27
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaagcgca actacatcct cggactggac atcggcatta cctccgtggg atacggcatc
atcgattacg aaactaggga tgtgatcgac gctggagtca ggctgttcaa agaggcgaac
gtggagaaca acgaggggcg gcgctcaaag aggggggccc gccggctgaa gcgccgccgc
agacatagaa tccagcgcgt gaagaagctg ctgttcgact acaaccttct gaccgaccac
tccgaacttt ccggcatcaa cccatatgag gctagagtga agggattgtc ccaaaagctg
tccgaggaag agttctccgc cgcgttgctc cacctcgcca agcgcagggg agtgcacaat
gtgaacgaag tggaagaaga taccggaaac gagctgtcca ccaaggagca gatcagccgg
aactccaagg ccctggaaga gaaatacgtg gcggaactgc aactggagcg gctgaagaaa
gacggagaag tgcgcggctc gatcaaccgc ttcaagacct cggactacgt gaaggaggcc
aagcagctcc tgaaagtgca aaaggcctat caccaacttg accagtcctt tatcgatacc
tacatcgatc tgctcgagac tcggcggact tactacgagg gtccagggga gggctcccca
tttggttgga aggatattaa ggagtggtac gaaatgctga tgggacactg cacatacttc
cctgaggagc tgcggagcgt gaaatacgca tacaacgcag acctgtacaa cgcgctgaac
gacctgaaca atctcgtgat cacccgggac gagaacgaaa agctcgagta ttacgaaaag
ttccagatta ttgagaacgt gttcaaacag aagaagaagc cgacactgaa gcagattgcc
aaggaaatcc tcgtgaacga agaggacatc aagggctatc gagtgacctc aacgggaaag
ccggagttca ccaatctgaa ggtctaccac gacatcaaag acattaccgc ccggaaggag
atcattgaga acgcggagct gttggaccag attgcgaaga ttctgaccat ctaccaatcc
tccgaggata ttcaggaaga actcaccaac ctcaacagcg aactgaccca ggaggagata
gagcaaatct ccaacctgaa gggctacacc ggaactcata acctgagcct gaaggccatc
aacttgatcc tggacgagct gtggcacacc aacgataacc agatcgctat tttcaatcgg
ctgaagctgg tccccaagaa agtggacctc tcacaacaaa aggagatccc tactaccctt
gtggacgatt tcattctgtc ccccgtggtc aagagaagct tcatacagtc aatcaaagtg
atcaatgcca ttatcaagaa atacggtctg cccaacgaca ttatcattga gctcgcccgc
gagaagaact cgaaggacgc ccagaagatg attaacgaaa tgcagaagag gaaccgacag
actaacgaac ggatcgaaga aatcatccgg accaccggga aggaaaacgc gaagtacctg
atcgaaaaga tcaagctcca tgacatgcag gaaggaaagt gtctgtactc gctggaggcc
attccgctgg aggacttgct gaacaaccct tttaactacg aagtggatca tatcattccg
aggagcgtgt cattcgacaa ttccttcaac aacaaggtcc tcgtgaagca ggaggaaaac
tcgaagaagg gaaaccgcac gccgttccag tacctgagca gcagcgactc caagatttcc
tacgaaacct tcaagaagca catcctcaac ctggcaaagg ggaagggtcg catctccaag
accaagaagg aatatctgct ggaagaaaga gacatcaaca gattctccgt gcaaaaggac
ttcatcaacc gcaacctcgt ggatactaga tacgctactc ggggtctgat gaacctcctg
agaagctact ttagagtgaa caatctggac gtgaaggtca agtcgattaa cggaggtttc
acctccttcc tgcggcgcaa gtggaagttc aagaaggaac ggaacaaggg ctacaagcac
cacgccgagg acgccctgat cattgccaac gccgacttca tcttcaaaga atggaagaaa
cttgacaagg ctaagaaggt catggaaaac cagatgttcg aagaaaagca ggccgagtct
atgcctgaaa tcgagactga acaggagtac aaggaaatct ttattacgcc acaccagatc
aaacacatca aggatttcaa ggattacaag tactcacatc gcgtggacaa aaagccgaac
agggaactga tcaacgacac cctctactcc acccggaagg atgacaaagg gaataccctc
atcgtcaaca accttaacgg cctgtacgac aaggacaacg ataagctgaa gaagctcatt
aacaagtcgc ccgaaaagtt gctgatgtac caccacgacc ctcagactta ccagaagctc
aagctgatca tggagcagta tggggacgag aaaaacccgt tgtacaagta ctacgaagaa
actgggaatt atctgactaa gtactccaag aaagataacg gccccgtgat taagaagatt
aagtactacg gcaacaagct gaacgcccat ctggacatca ccgatgacta ccctaattcc
cgcaacaagg tcgtcaagct gagcctcaag ccctaccggt ttgatgtgta ccttgacaat
ggagtgtaca agttcgtgac tgtgaagaac cttgacgtga tcaagaagga gaactactac
gaagtcaact ccaagtgcta cgaggaagca aagaagttga agaagatctc gaaccaggcc
gagttcattg cctccttcta taacaacgac ctgattaaga tcaacggcga actgtaccgc
gtcattggcg tgaacaacga tctcctgaac cgcatcgaag tgaacatgat cgacatcact
taccgggaat acctggagaa tatgaacgac aagcgcccgc cccggatcat taagactatc
gcctcaaaga cccagtcgat caagaagtac agcaccgaca tcctgggcaa cctgtacgag
gtcaaatcga agaagcaccc ccagatcatc aagaaggga
【0154】
配列番号28
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccagagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaggcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0155】
配列番号29
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
accggtgcca ccatgtaccc atacgatgtt ccagattacg cttcgccgaa gaaaaagcgc
aaggtcgaag cgtccatgaa aaggaactac attctggggc tggacatcgg gattacaagc
gtggggtatg ggattattga ctatgaaaca agggacgtga tcgacgcagg cgtcagactg
ttcaaggagg ccaacgtgga aaacaatgag ggacggagaa gcaagagggg agccaggcgc
ctgaaacgac ggagaaggca cagaatccag agggtgaaga aactgctgtt cgattacaac
ctgctgaccg accattctga gctgagtgga attaatcctt atgaagccag ggtgaaaggc
ctgagtcaga agctgtcaga ggaagagttt tccgcagctc tgctgcacct ggctaagcgc
cgaggagtgc ataacgtcaa tgaggtggaa gaggacaccg gcaacgagct gtctacaaag
gaacagatct cacgcaatag caaagctctg gaagagaagt atgtcgcaga gctgcagctg
gaacggctga agaaagatgg cgaggtgaga gggtcaatta ataggttcaa gacaagcgac
tacgtcaaag aagccaagca gctgctgaaa gtgcagaagg cttaccacca gctggatcag
agcttcatcg atacttatat cgacctgctg gagactcgga gaacctacta tgagggacca
ggagaaggga gccccttcgg atggaaagac atcaaggaat ggtacgagat gctgatggga
cattgcacct attttccaga agagctgaga agcgtcaagt acgcttataa cgcagatct
tacaacgccc tgaatgacct gaacaacctg gtcatcacca gggatgaaaa cgagaaactg
gaatactatg agaagttcca gatcatcgaa aacgtgttta agcagaagaa aaagcctaca
ctgaaacaga ttgctaagga gatcctggtc aacgaagagg acatcaaggg ctaccgggtg
acaagcactg gaaaaccaga gttcaccaat ctgaaagtgt atcacgatat taaggacatc
acagcacgga aagaaatcat tgagaacgcc gaactgctgg atcagattgc taagatcctg
actatctacc agagctccga ggacatccag gaagagctga ctaacctgaa cagcgagctg
acccaggaag agatcgaaca gattagtaat ctgaaggggt acaccggaac acacaacctg
tccctgaaag ctatcaatct gattctggat gagctgtggc atacaaacga caatcagatt
gcaatcttta accggctgaa gctggtccca aaaaaggtgg acctgagtca gcagaaagag
atcccaacca cactggtgga cgatttcatt ctgtcacccg tggtcaagcg gagcttcatc
cagagcatca aagtgatcaa cgccatcatc aagaagtacg gcctgcccaa tgatatcatt
atcgagctgg ctagggagaa gaacagcaag gacgcacaga agatgatcaa tgagatgcag
aaacgaaacc ggcagaccaa tgaacgcatt gaagagatta tccgaactac cgggaaagag
aacgcaaagt acctgattga aaaaatcaag ctgcacgata tgcaggaggg aaagtgtctg
tattctctgg aggccatccc cctggaggac ctgctgaaca atccattcaa ctacgaggtc
gatcatatta tccccagaag cgtgtccttc gacaattcct ttaacaacaa ggtgctggtc
aagcaggaag agaactctaa aaagggcaat aggactcctt tccagtacct gtctagttca
gattccaaga tctcttacga aacctttaaa aagcacattc tgaatctggc caaaggaaag
ggccgcatca gcaagaccaa aaaggagtac ctgctggaag agcgggacat caacagattc
tccgtccaga aggattttat taaccggaat ctggtggaca caagatacgc tactcgcggc
ctgatgaatc tgctgcgatc ctatttccgg gtgaacaatc tggatgtgaa agtcaagtcc
atcaacggcg ggttcacatc ttttctgagg cgcaaatgga agtttaaaaa ggagcgcaac
aaagggtaca agcaccatgc cgaagatgct ctgattatcg caaatgccga cttcatcttt
aaggagtgga aaaagctgga caaagccaag aaagtgatgg agaaccagat gttcgaagag
aagcaggccg aatctatgcc cgaaatcgag acagaacagg agtacaagga gattttcatc
actcctcacc agatcaagca tatcaaggat ttcaaggact acaagtactc tcaccgggtg
gataaaaagc ccaacagaga gctgatcaat gacaccctgt atagtacaag aaaagacgat
aaggggaata ccctgattgt gaacaatctg aacggactgt acgacaaaga taatgacaag
ctgaaaaagc tgatcaacaa aagtcccgag aagctgctga tgtaccacca tgatcctcag
acatatcaga aactgaagct gattatggag cagtacggcg acgagaagaa cccactgtat
aagtactatg aagagactgg gaactacctg accaagtata gcaaaaagga taatggcccc
gtgatcaaga agatcaagta ctatgggaac aagctgaatg cccatctgga catcacagac
gattacccta acagtcgcaa caaggtggtc aagctgtcac tgaagccata cagattcgat
gtctatctgg acaacggcgt gtataaattt gtgactgtca agaatctgga tgtcatcaaa
aaggagaact actatgaagt gaatagcaag tgctacgaag aggctaaaaa gctgaaaaag
attagcaacc aggcagagtt catcgcctcc ttttacaaca acgacctgat taagatcaat
ggcgaactgt atagggtcat cggggtgaac aatgatctgc tgaaccgcat tgaagtgaat
atgattgaca tcacttaccg agagtatctg gaaaacatga atgataagcg cccccctcga
attatcaaaa caattgcctc taagactcag agtatcaaaa agtactcaac cgacattctg
ggaaacctgt atgaggtgaa gagcaaaaag caccctcaga ttatcaaaaa gggctaagaa
ttc
【0156】
配列番号30
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0157】
配列番号31
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
aagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggc
【0158】
配列番号32
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列をコードする、ベクター(pDO242)
ctaaattgtaagcgttaatattttgttaaaattcgcgttaaatttttgttaaatcagctcattttttaaccaataggccgaaatcggcaaaatcccttataaatcaaaagaatagaccgagatagggttgagtgttgttccagtttggaacaagagtccactattaaagaacgtggactccaacgtcaaagggcgaaaaaccgtctatcagggcgatggcccactacgtgaaccatcaccctaatcaagttttttggggtcgaggtgccgtaaagcactaaatcggaaccctaaagggagcccccgatttagagcttgacggggaaagccggcgaacgtggcgagaaaggaagggaagaaagcgaaaggagcgggcgctagggcgctggcaagtgtagcggtcacgctgcgcgtaaccaccacacccgccgcgcttaatgcgccgctacagggcgcgtcccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgcgtaatacgactcactatagggcgaattgggtacCtttaattctagtactatgcaTgcgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctctctggctaactaccggtgccaccATGAAAAGGAACTACATTCTGGGGCTGGACATCGGGATTACAAGCGTGGGGTATGGGATTATTGACTATGAAACAAGGGACGTGATCGACGCAGGCGTCAGACTGTTCAAGGAGGCCAACGTGGAAAACAATGAGGGACGGAGAAGCAAGAGGGGAGCCAGGCGCCTGAAACGACGGAGAAGGCACAGAATCCAGAGGGTGAAGAAACTGCTGTTCGATTACAACCTGCTGACCGACCATTCTGAGCTGAGTGGAATTAATCCTTATGAAGCCAGGGTGAAAGGCCTGAGTCAGAAGCTGTCAGAGGAAGAGTTTTCCGCAGCTCTGCTGCACCTGGCTAAGCGCCGAGGAGTGCATAACGTCAATGAGGTGGAAGAGGACACCGGCAACGAGCTGTCTACAAAGGAACAGATCTCACGCAATAGCAAAGCTCTGGAAGAGAAGTATGTCGCAGAGCTGCAGCTGGAACGGCTGAAGAAAGATGGCGAGGTGAGAGGGTCAATTAATAGGTTCAAGACAAGCGACTACGTCAAAGAAGCCAAGCAGCTGCTGAAAGTGCAGAAGGCTTACCACCAGCTGGATCAGAGCTTCATCGATACTTATATCGACCTGCTGGAGACTCGGAGAACCTACTATGAGGGACCAGGAGAAGGGAGCCCCTTCGGATGGAAAGACATCAAGGAATGGTACGAGATGCTGATGGGACATTGCACCTATTTTCCAGAAGAGCTGAGAAGCGTCAAGTACGCTTATAACGCAGATCTGTACAACGCCCTGAATGACCTGAACAACCTGGTCATCACCAGGGATGAAAACGAGAAACTGGAATACTATGAGAAGTTCCAGATCATCGAAAACGTGTTTAAGCAGAAGAAAAAGCCTACACTGAAACAGATTGCTAAGGAGATCCTGGTCAACGAAGAGGACATCAAGGGCTACCGGGTGACAAGCACTGGAAAACCAGAGTTCACCAATCTGAAAGTGTATCACGATATTAAGGACATCACAGCACGGAAAGAAATCATTGAGAACGCCGAACTGCTGGATCAGATTGCTAAGATCCTGACTATCTACCAGAGCTCCGAGGACATCCAGGAAGAGCTGACTAACCTGAACAGCGAGCTGACCCAGGAAGAGATCGAACAGATTAGTAATCTGAAGGGGTACACCGGAACACACAACCTGTCCCTGAAAGCTATCAATCTGATTCTGGATGAGCTGTGGCATACAAACGACAATCAGATTGCAATCTTTAACCGGCTGAAGCTGGTCCCAAAAAAGGTGGACCTGAGTCAGCAGAAAGAGATCCCAACCACACTGGTGGACGATTTCATTCTGTCACCCGTGGTCAAGCGGAGCTTCATCCAGAGCATCAAAGTGATCAACGCCATCATCAAGAAGTACGGCCTGCCCAATGATATCATTATCGAGCTGGCTAGGGAGAAGAACAGCAAGGACGCACAGAAGATGATCAATGAGATGCAGAAACGAAACCGGCAGACCAATGAACGCATTGAAGAGATTATCCGAACTACCGGGAAAGAGAACGCAAAGTACCTGATTGAAAAAATCAAGCTGCACGATATGCAGGAGGGAAAGTGTCTGTATTCTCTGGAGGCCATCCCCCTGGAGGACCTGCTGAACAATCCATTCAACTACGAGGTCGATCATATTATCCCCAGAAGCGTGTCCTTCGACAATTCCTTTAACAACAAGGTGCTGGTCAAGCAGGAAGAGAACTCTAAAAAGGGCAATAGGACTCCTTTCCAGTACCTGTCTAGTTCAGATTCCAAGATCTCTTACGAAACCTTTAAAAAGCACATTCTGAATCTGGCCAAAGGAAAGGGCCGCATCAGCAAGACCAAAAAGGAGTACCTGCTGGAAGAGCGGGACATCAACAGATTCTCCGTCCAGAAGGATTTTATTAACCGGAATCTGGTGGACACAAGATACGCTACTCGCGGCCTGATGAATCTGCTGCGATCCTATTTCCGGGTGAACAATCTGGATGTGAAAGTCAAGTCCATCAACGGCGGGTTCACATCTTTTCTGAGGCGCAAATGGAAGTTTAAAAAGGAGCGCAACAAAGGGTACAAGCACCATGCCGAAGATGCTCTGATTATCGCAAATGCCGACTTCATCTTTAAGGAGTGGAAAAAGCTGGACAAAGCCAAGAAAGTGATGGAGAACCAGATGTTCGAAGAGAAGCAGGCCGAATCTATGCCCGAAATCGAGACAGAACAGGAGTACAAGGAGATTTTCATCACTCCTCACCAGATCAAGCATATCAAGGATTTCAAGGACTACAAGTACTCTCACCGGGTGGATAAAAAGCCCAACAGAGAGCTGATCAATGACACCCTGTATAGTACAAGAAAAGACGATAAGGGGAATACCCTGATTGTGAACAATCTGAACGGACTGTACGACAAAGATAATGACAAGCTGAAAAAGCTGATCAACAAAAGTCCCGAGAAGCTGCTGATGTACCACCATGATCCTCAGACATATCAGAAACTGAAGCTGATTATGGAGCAGTACGGCGACGAGAAGAACCCACTGTATAAGTACTATGAAGAGACTGGGAACTACCTGACCAAGTATAGCAAAAAGGATAATGGCCCCGTGATCAAGAAGATCAAGTACTATGGGAACAAGCTGAATGCCCATCTGGACATCACAGACGATTACCCTAACAGTCGCAACAAGGTGGTCAAGCTGTCACTGAAGCCATACAGATTCGATGTCTATCTGGACAACGGCGTGTATAAATTTGTGACTGTCAAGAATCTGGATGTCATCAAAAAGGAGAACTACTATGAAGTGAATAGCAAGTGCTACGAAGAGGCTAAAAAGCTGAAAAAGATTAGCAACCAGGCAGAGTTCATCGCCTCCTTTTACAACAACGACCTGATTAAGATCAATGGCGAACTGTATAGGGTCATCGGGGTGAACAATGATCTGCTGAACCGCATTGAAGTGAATATGATTGACATCACTTACCGAGAGTATCTGGAAAACATGAATGATAAGCGCCCCCCTCGAATTATCAAAACAATTGCCTCTAAGACTCAGAGTATCAAAAAGTACTCAACCGACATTCTGGGAAACCTGTATGAGGTGAAGAGCAAAAAGCACCCTCAGATTATCAAAAAGGGCagcggaggcaagcgtcctgctgctactaagaaagctggtcaagctaagaaaaagaaaggatcctacccatacgatgttccagattacgcttaagaattcctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagagaatagcaggcatgctggggaggtagcggccgcCCgcggtggagctccagcttttgttccctttagtgagggttaattgcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcatagctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctacaggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccac
【0159】
配列番号33
ヒトp300(L553M変異を有する)タンパク質
MAENVVEPGPPSAKRPKLSSPALSASASDGTDFGSLFDLEHDLPDELINSTELGLTNGGDINQLQTSLGMVQDAASKHKQLSELLRSGSSPNLNMGVGGPGQVMASQAQQSSPGLGLINSMVKSPMTQAGLTSPNMGMGTSGPNQGPTQSTGMMNSPVNQPAMGMNTGMNAGMNPGMLAAGNGQGIMPNQVMNGSIGAGRGRQNMQYPNPGMGSAGNLLTEPLQQGSPQMGGQTGLRGPQPLKMGMMNNPNPYGSPYTQNPGQQIGASGLGLQIQTKTVLSNNLSPFAMDKKAVPGGGMPNMGQQPAPQVQQPGLVTPVAQGMGSGAHTADPEKRKLIQQQLVLLLHAHKCQRREQANGEVRQCNLPHCRTMKNVLNHMTHCQSGKSCQVAHCASSRQIISHWKNCTRHDCPVCLPLKNAGDKRNQQPILTGAPVGLGNPSSLGVGQQSAPNLSTVSQIDPSSIERAYAALGLPYQVNQMPTQPQVQAKNQQNQQPGQSPQGMRPMSNMSASPMGVNGGVGVQTPSLLSDSMLHSAINSQNPMMSENASVPSMGPMPTAAQPSTTGIRKQWHEDITQDLRNHLVHKLVQAIFPTPDPAALKDRRMENLVAYARKVEGDMYESANNRAEYYHLLAEKIYKIQKELEEKRRTRLQKQNMLPNAAGMVPVSMNPGPNMGQPQPGMTSNGPLPDPSMIRGSVPNQMMPRITPQSGLNQFGQMSMAQPPIVPRQTPPLQHHGQLAQPGALNPPMGYGPRMQQPSNQGQFLPQTQFPSQGMNVTNIPLAPSSGQAPVSQAQMSSSSCPVNSPIMPPGSQGSHIHCPQLPQPALHQNSPSPVPSRTPTPHHTPPSIGAQQPPATTIPAPVPTPPAMPPGPQSQALHPPPRQTPTPPTTQLPQQVQPSLPAAPSADQPQQQPRSQQSTAASVPTPTAPLLPPQPATPLSQPAVSIEGQVSNPPSTSSTEVNSQAIAEKQPSQEVKMEAKMEVDQPEPADTQPEDISESKVEDCKMESTETEERSTELKTEIKEEEDQPSTSATQSSPAPGQSKKKIFKPEELRQALMPTLEALYRQDPESLPFRQPVDPQLLGIPDYFDIVKSPMDLSTIKRKLDTGQYQEPWQYVDDIWLMFNNAWLYNRKTSRVYKYCSKLSEVFEQEIDPVMQSLGYCCGRKLEFSPQTLCCYGKQLCTIPRDATYYSYQNRYHFCEKCFNEIQGESVSLGDDPSQPQTTINKEQFSKRKNDTLDPELFVECTECGRKMHQICVLHHEIIWPAGFVCDGCLKKSARTRKENKFSAKRLPSTRLGTFLENRVNDFLRRQNHPESGEVTVRVVHASDKTVEVKPGMKARFVDSGEMAESFPYRTKALFAFEEIDGVDLCFFGMHVQEYGSDCPPPNQRRVYISYLDSVHFFRPKCLRTAVYHEILIGYLEYVKKLGYTTGHIWACPPSEGDDYIFHCHPPDQKIPKPKRLQEWYKKMLDKAVSERIVHDYKDIFKQATEDRLTSAKELPYFEGDFWPNVLEESIKELEQEEEERKREENTSNESTDVTKGDSKNAKKKNNKKTSKNKSSLSRGNKKKPGMPNVSNDLSQKLYATMEKHKEVFFVIRLIAGPAANSLPPIVDPDPLIPCDLMDGRDAFLTLARDKHLEFSSLRRAQWSTMCMLVELHTQSQDRFVYTCNECKHHVETRWHCTVCEDYDLCITCYNTKNHDHKMEKLGLGLDDESNNQQAAATQSPGDSRRLSIQRCIQSLVHACQCRNANCSLPSCQKMKRVVQHTKGCKRKTNGGCPICKQLIALCCYHAKHCQENKCPVPFCLNIKQKLRQQQLQHRLQQAQMLRRRMASMQRTGVVGQQQGLPSPTPATPTTPTGQQPTTPQTPQPTSQPQPTPPNSMPPYLPRTQAAGPVSQGKAAGQVTPPTPPQTAQPPLPGPPPAAVEMAMQIQRAAETQRQMAHVQIFQRPIQHQMPPMTPMAPMGMNPPPMTRGPSGHLEPGMGPTGMQQQPPWSQGGLPQPQQLQSGMPRPAMMSVAQHGQPLNMAPQPGLGQVGISPLKPGTVSQQALQNLLRTLRSPSSPLQQQQVLSILHANPQLLAAFIKQRAAKYANSNPQPIPGQPGMPQGQPGLQPPTMPGQQGVHSNPAMQNMNPMQAGVQRAGLPQQQPQQQLQPPMGGMSPQAQQMNMNHNTMPSQFRDILRRQQMMQQQQQQGAGPGIGPGMANHNQFQQPQGVGYPPQQQQRMQHHMQQMQQGNMGQIGQLPQALGAEAGASLQAYQQRLLQQQMGSPVQPNPMSPQQHMLPNQAQSPHLQGQQIPNSLSNQVRSPQPVPSPRPQSQPPHSSPSPRMQPQPSPHHVSPQTSSPHPGLVAAQANPMEQGHFASPDQNSMLSQLASNPGMANLHGASATDLGLSTDNSDLNSNLSQSTLDIH
【0160】
配列番号34
ヒトp300コアエフェクタータンパク質(配列番号33のアミノ酸1048~1664)
IFKPEELRQALMPTLEALYRQDPESLPFRQPVDPQLLGIPDYFDIVKSPMDLSTIKRKLDTGQYQEPWQYVDDIWLMFNNAWLYNRKTSRVYKYCSKLSEVFEQEIDPVMQSLGYCCGRKLEFSPQTLCCYGKQLCTIPRDATYYSYQNRYHFCEKCFNEIQGESVSLGDDPSQPQTTINKEQFSKRKNDTLDPELFVECTECGRKMHQICVLHHEIIWPAGFVCDGCLKKSARTRKENKFSAKRLPSTRLGTFLENRVNDFLRRQNHPESGEVTVRVVHASDKTVEVKPGMKARFVDSGEMAESFPYRTKALFAFEEIDGVDLCFFGMHVQEYGSDCPPPNQRRVYISYLDSVHFFRPKCLRTAVYHEILIGYLEYVKKLGYTTGHIWACPPSEGDDYIFHCHPPDQKIPKPKRLQEWYKKMLDKAVSERIVHDYKDIFKQATEDRLTSAKELPYFEGDFWPNVLEESIKELEQEEEERKREENTSNESTDVTKGDSKNAKKKNNKKTSKNKSSLSRGNKKKPGMPNVSNDLSQKLYATMEKHKEVFFVIRLIAGPAANSLPPIVDPDPLIPCDLMDGRDAFLTLARDKHLEFSSLRRAQWSTMCMLVELHTQSQD
【0161】
配列番号35
VP64-dCas9-VP64タンパク質
RADALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMVNPKKKRKVGRGMDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGDSRADPKKKRKVASRADALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLI
【0162】
配列番号36
VP64-dCas9-VP64 DNA
cgggctgacgcattggacgattttgatctggatatgctgggaagtgacgccctcgatgattttgaccttgacatgcttggttcggatgcccttgatgactttgacctcgacatgctcggcagtgacgcccttgatgatttcgacctggacatggttaaccccaagaagaagaggaaggtgggccgcggaatggacaagaagtactccattgggctcgccatcggcacaaacagcgtcggctgggccgtcattacggacgagtacaaggtgccgagcaaaaaattcaaagttctgggcaataccgatcgccacagcataaagaagaacctcattggcgccctcctgttcgactccggggaaaccgccgaagccacgcggctcaaaagaacagcacggcgcagatatacccgcagaaagaatcggatctgctacctgcaggagatctttagtaatgagatggctaaggtggatgactctttcttccataggctggaggagtcctttttggtggaggaggataaaaagcacgagcgccacccaatctttggcaatatcgtggacgaggtggcgtaccatgaaaagtacccaaccatatatcatctgaggaagaagcttgtagacagtactgataaggctgacttgcggttgatctatctcgcgctggcgcatatgatcaaatttcggggacacttcctcatcgagggggacctgaacccagacaacagcgatgtcgacaaactctttatccaactggttcagacttacaatcagcttttcgaagagaacccgatcaacgcatccggagttgacgccaaagcaatcctgagcgctaggctgtccaaatcccggcggctcgaaaacctcatcgcacagctccctggggagaagaagaacggcctgtttggtaatcttatcgccctgtcactcgggctgacccccaactttaaatctaacttcgacctggccgaagatgccaagcttcaactgagcaaagacacctacgatgatgatctcgacaatctgctggcccagatcggcgaccagtacgcagacctttttttggcggcaaagaacctgtcagacgccattctgctgagtgatattctgcgagtgaacacggagatcaccaaagctccgctgagcgctagtatgatcaagcgctatgatgagcaccaccaagacttgactttgctgaaggcccttgtcagacagcaactgcctgagaagtacaaggaaattttcttcgatcagtctaaaaatggctacgccggatacattgacggcggagcaagccaggaggaattttacaaatttattaagcccatcttggaaaaaatggacggcaccgaggagctgctggtaaagcttaacagagaagatctgttgcgcaaacagcgcactttcgacaatggaagcatcccccaccagattcacctgggcgaactgcacgctatcctcaggcggcaagaggatttctacccctttttgaaagataacagggaaaagattgagaaaatcctcacatttcggataccctactatgtaggccccctcgcccggggaaattccagattcgcgtggatgactcgcaaatcagaagagaccatcactccctggaacttcgaggaagtcgtggataagggggcctctgcccagtccttcatcgaaaggatgactaactttgataaaaatctgcctaacgaaaaggtgcttcctaaacactctctgctgtacgagtacttcacagtttataacgagctcaccaaggtcaaatacgtcacagaagggatgagaaagccagcattcctgtctggagagcagaagaaagctatcgtggacctcctcttcaagacgaaccggaaagttaccgtgaaacagctcaaagaagactatttcaaaaagattgaatgtttcgactctgttgaaatcagcggagtggaggatcgcttcaacgcatccctgggaacgtatcacgatctcctgaaaatcattaaagacaaggacttcctggacaatgaggagaacgaggacattcttgaggacattgtcctcacccttacgttgtttgaagatagggagatgattgaagaacgcttgaaaacttacgctcatctcttcgacgacaaagtcatgaaacagctcaagaggcgccgatatacaggatgggggcggctgtcaagaaaactgatcaatgggatccgagacaagcagagtggaaagacaatcctggattttcttaagtccgatggatttgccaaccggaacttcatgcagttgatccatgatgactctctcacctttaaggaggacatccagaaagcacaagtttctggccagggggacagtcttcacgagcacatcgctaatcttgcaggtagcccagctatcaaaaagggaatactgcagaccgttaaggtcgtggatgaactcgtcaaagtaatgggaaggcataagcccgagaatatcgttatcgagatggcccgagagaaccaaactacccagaagggacagaagaacagtagggaaaggatgaagaggattgaagagggtataaaagaactggggtcccaaatccttaaggaacacccagttgaaaacacccagcttcagaatgagaagctctacctgtactacctgcagaacggcagggacatgtacgtggatcaggaactggacatcaatcggctctccgactacgacgtggatgccatcgtgccccagtcttttctcaaagatgattctattgataataaagtgttgacaagatccgataaaaatagagggaagagtgataacgtcccctcagaagaagttgtcaagaaaatgaaaaattattggcggcagctgctgaacgccaaactgatcacacaacggaagttcgataatctgactaaggctgaacgaggtggcctgtctgagttggataaagccggcttcatcaaaaggcagcttgttgagacacgccagatcaccaagcacgtggcccaaattctcgattcacgcatgaacaccaagtacgatgaaaatgacaaactgattcgagaggtgaaagttattactctgaagtctaagctggtctcagatttcagaaaggactttcagttttataaggtgagagagatcaacaattaccaccatgcgcatgatgcctacctgaatgcagtggtaggcactgcacttatcaaaaaatatcccaagcttgaatctgaatttgtttacggagactataaagtgtacgatgttaggaaaatgatcgcaaagtctgagcaggaaataggcaaggccaccgctaagtacttcttttacagcaatattatgaattttttcaagaccgagattacactggccaatggagagattcggaagcgaccacttatcgaaacaaacggagaaacaggagaaatcgtgtgggacaagggtagggatttcgcgacagtccggaaggtcctgtccatgccgcaggtgaacatcgttaaaaagaccgaagtacagaccggaggcttctccaaggaaagtatcctcccgaaaaggaacagcgacaagctgatcgcacgcaaaaaagattgggaccccaagaaatacggcggattcgattctcctacagtcgcttacagtgtactggttgtggccaaagtggagaaagggaagtctaaaaaactcaaaagcgtcaaggaactgctgggcatcacaatcatggagcgatcaagcttcgaaaaaaaccccatcgactttctcgaggcgaaaggatataaagaggtcaaaaaagacctcatcattaagcttcccaagtactctctctttgagcttgaaaacggccggaaacgaatgctcgctagtgcgggcgagctgcagaaaggtaacgagctggcactgccctctaaatacgttaatttcttgtatctggccagccactatgaaaagctcaaagggtctcccgaagataatgagcagaagcagctgttcgtggaacaacacaaacactaccttgatgagatcatcgagcaaataagcgaattctccaaaagagtgatcctcgccgacgctaacctcgataaggtgctttctgcttacaataagcacagggataagcccatcagggagcaggcagaaaacattatccacttgtttactctgaccaacttgggcgcgcctgcagccttcaagtacttcgacaccaccatagacagaaagcggtacacctctacaaaggaggtcctggacgccacactgattcatcagtcaattacggggctctatgaaacaagaatcgacctctctcagctcggtggagacagcagggctgaccccaagaagaagaggaaggtggctagccgcgccgacgcgctggacgatttcgatctcgacatgctgggttctgatgccctcgatgactttgacctggatatgttgggaagcgacgcattggatgactttgatctggacatgctcggctccgatgctctggacgatttcgatctcgatatgttaatc
【0163】
【0164】
配列番号49
マウスmdxエクソン23の欠失のための、イントロン22用gRNA標的配列
5’TACACTAACACGCATATTTG
配列番号50
マウスmdxエクソン23の欠失のための、イントロン23用gRNA標的配列
5’CATTGCATCCATGTCTGACT
【0165】
配列番号51
CK8プロモーターポリヌクレオチド
ctagactagcatgctgcccatgtaaggaggcaaggcctggggacacccgagatgcctggttataattaacccagacatgtggctgcccccccccccccaacacctgctgcctctaaaaataaccctgcatgccatgttcccggcgaagggccagctgtcccccgccagctagactcagcacttagtttaggaaccagtgagcaagtcagcccttggggcagcccatacaaggccatggggctgggcaagctgcacgcctgggtccggggtgggcacggtgcccgggcaacgagctgaaagctcatctgctctcaggggcccctccctggggacagcccctcctggctagtcacaccctgtaggctcctctatataacccaggggcacaggggctgccctcattctaccaccacctccacagcacagacagacactcaggagccagccagc
【0166】
配列番号52
Spc5-12プロモーターポリヌクレオチド
cggccgtccgccttcggcaccatcctcacgacacccaaatatggcgacgggtgaggaatggtggggagttatttttagagcggtgaggaaggtgggcaggcagcaggtgttggcgctctaaaaataactcccgggagttatttttagagcggaggaatggtggacacccaaatatggcgacggttcctcacccgtcgccatatttgggtgtccgccctcggccggggccgcattcctgggggccgggcggtgctcccgcccgcctcgataaaaggctccggggccggcggcggcccacgagctacccggaggagcgggaggcgccaagctctaga
【0167】
配列番号53
MHCK7プロモーターポリヌクレオチド
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【0168】
配列番号54
pAAV22、Rep2及びCap1
acctacaccgaactgagatacctacagcgtgagctatgagaaagcgccacgcttcccgaagggagaaaggcggacaggtatccggtaagcggcagggtcggaacaggagagcgcacgagggagcttccagggggaaacgcctggtatctttatagtcctgtcgggtttcgccacctctgacttgagcgtcgatttttgtgatgctcgtcaggggggcggagcctatggaaaaacgccagcaacgcggcctttttacggttcctggccttttgctggccttttgctcacatgttctttcctgcgttatcccctgattctgtggataaccgtattaccgcctttgagtgagctgataccgctcgccgcagccgaacgaccgagcgcagcgagtcagtgagcgaggaagcggaagagcgcccaatacgcaaaccgcctctccccgcgcgttggccgattcattaatgcagctggcacgacaggtttcccgactggaaagcgggcagtgagcgcaacgcaattaatgtgagttagctcactcattaggcaccccaggctttacactttatgcttccggctcgtatgttgtgtggaattgtgagcggataacaatttcacacaggaaacagctatgaccatgattacgccaagcgcgccgatatcgttaacgccccgcgccggccgctctagaactagtggatcccccggaagatcagaagttcctattccgaagttcctattctctagaaagtataggaacttctgatctattcgagctcggtacccctagagtcctgtattagaggtcacgtgagtgttttgcgacattttgcgacaccatgtggtcacgctgggtatttaagcccgagtgagcacgcagggtctccattttgaagcgggaggtttgaacgcgcagccgccatgccggggttttacgagattgtgattaaggtccccagcgaccttgacgagcatctgcccggcatttctgacagctttgtgaactgggtggccgagaaggaatgggagttgccgccagattctgacatggatctgaatctgattgagcaggcacccctgaccgtggccgagaagctgcagcgcgactttctgacggaatggcgccgtgtgagtaaggccccggaggcccttttctttgtgcaatttgagaagggagagagctacttccacatgcacgtgctcgtggaaaccaccggggtgaaatccatggttttgggacgtttcctgagtcagattcgcgaaaaactgattcagagaatttaccgcgggatcgagccgactttgccaaactggttcgcggtcacaaagaccagaaatggcgccggaggcgggaacaaggtggtggatgagtgctacatccccaattacttgctccccaaaacccagcctgagctccagtgggcgtggactaatatggaacagtatttaagcgcctgtttgaatctcacggagcgtaaacggttggtggcgcagcatctgacgcacgtgtcgcagacgcaggagcagaacaaagagaatcagaatcccaattctgatgcgccggtgatcagatcaaaaacttcagccaggtacatggagctggtcgggtggctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgactgcatctttgaacaataaatgatttaaatcaggtatggctgccgatggttatcttccagattggctcgaggacactctctctgaaggaataagacagtggtggaagctcaaacctggcccaccaccaccaaagcccgcagagcggcataaggacgacagcaggggtcttgtgcttcctgggtacaagtacctcggacccttcaacggactcgacaagggagagccggtcaacgaggcagacgccgcggccctcgagcacgacaaagcctacgaccggcagctcgacagcggagacaacccgtacctcaagtacaaccacgccgacgcggagtttcaggagcgccttaaagaagatacgtcttttgggggcaacctcggacgagcagtcttccaggcgaaaaagagggttcttgaacctctgggcctggttgaggaacctgttaagacggctccgggaaaaaagaggccggtagagcactctcctgtggagccagactcctcctcgggaaccggaaaggcgggccagcagcctgcaagaaaaagattgaattttggtcagactggagacgcagactcagtacctgacccccagcctctcggacagccaccagcagccccctctggtctgggaactaatacgatggctacaggcagtggcgcaccaatggcagacaataacgagggcgccgacggagtgggtaattcctcgggaaattggcattgcgattccacatggatgggcgacagagtcatcaccaccagcacccgaacctgggccctgcccacctacaacaaccacctctacaaacaaatttccagccaatcaggagcctcgaacgacaatcactactttggctacagcaccccttgggggtattttgacttcaacagattccactgccacttttcaccacgtgactggcaaagactcatcaacaacaactggggattccgacccaagagactcaacttcaagctctttaacattcaagtcaaagaggtcacgcagaatgacggtacgacgacgattgccaataaccttaccagcacggttcaggtgtttactgactcggagtaccagctcccgtacgtcctcggctcggcgcatcaaggatgcctcccgccgttcccagcagacgtcttcatggtgccacagtatggatacctcaccctgaacaacgggagtcaggcagtaggacgctcttcattttactgcctggagtactttccttctcagatgctgcgtaccggaaacaactttaccttcagctacacttttgaggacgttcctttccacagcagctacgctcacagccagagtctggaccgtctcatgaatcctctcatcgaccagtacctgtattacttgagcagaacaaacactccaagtggaaccaccacgcagtcaaggcttcagttttctcaggccggagcgagtgacattcgggaccagtctaggaactggcttcctggaccctgttaccgccagcagcgagtatcaaagacatctgcggataacaacaacagtgaatactcgtggactggagctaccaagtaccacctcaatggcagagactctctggtgaatccgggcccggccatggcaagccacaaggacgatgaagaaaagttttttcctcagagcggggttctcatctttgggaagcaaggctcagagaaaacaaatgtggacattgaaaaggtcatgattacagacgaagaggaaatcaggacaaccaatcccgtggctacggagcagtatggttctgtatctaccaacctccagagaggcaacagacaagcagctaccgcagatgtcaacacacaaggcgttcttccaggcatggtctggcaggacagagatgtgtaccttcaggggcccatctgggcaaagattccacacacggacggacattttcacccctctcccctcatgggtggattcggacttaaacaccctcctccacagattctcatcaagaacaccccggtacctgcgaatccttcgaccaccttcagtgcggcaaagtttgcttccttcatcacacagtactccacgggacaggtcagcgtggagatcgagtgggagctgcagaaggaaaacagcaaacgctggaatcccgaaattcagtacacttccaactacaacaagtctgttaatgtggactttactgtggacactaatggcgtgtattcagagcctcgccccattggcaccagatacctgactcgta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【0169】
配列番号55
pAAV25、Rep2及びCap2
gtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgccagcgctcgttcaaacctcccgctcaaaatggagaccctgcgtgctcactcgggcttaaatacccagcgtgaccacatggtgtcgcaaaatgtcgcaaaacactcacgtgacctctaatacaggactctccctaaccctatgacgtaattcacgtcacgactccacccctccgcccgctgtttaaacgcccgggctgtagttaatgattaacccgccatgctacttatctacgtagtttattgattaacaagcattaaaggggtcgggtaaggtatcgggttccgataggtctggtggttctgtattccccggtgctgtccggggcaaagtccacaaactgggggtcgttgtagttgtttgtgtactggatctctgggttccacctcttggagttttccttcttgagctcccactccatctccacggtgacctgcccggtgctgtactgggtgatgaagctgctgacgggcacgtccgagaagctggtgatatttccgggcacaggcgtgttcttgatgagcatcatgggcggtgggtgtttgagtccgaatccgcccatggccggagaggggtgaaagtgcgcccccgtctctgggatcttggcccagatgggtccttggaggtacacgtccctctccatccacacgctgccgggcacgatttcctggaggttgtacgtgccggtcgcgggggcagtggtggagctctggttgttggtggccatctgcccgccgacgttgtacgccacgcggttcaccggctgcgtctcgctctcgctggtgatgagcatgttgccctcgaggtacgtggcggtggtgcccgggttcgccggctggctgttgaagatcatagtgttctccagggcataggtgttgctgccctggaggttgttggtcatgccgttcggctgcgggggcacctggtaactcgcgccctcgagctccatcctattggtcgtggcgaaggcgctgacactggcgcggttgaccccggagcccaggttccagccctgggttcggcccatgggccccgggaaccagtttttgtaggtgttggcgtatctcccggccaggttcttgttgaactggactccgccagtgttatttgtgctcacgaagcggtacaagtactggtccaccagcgggttggccagcttgaacaggttctgactgggagcgaagctggagtggaagggcacctcctcaaagttgtaggtaaactcaaagttgttgcccgttctcagcatcttgctgggaaagtactctaggcagaagaagctgctcctctcggtgggattttctgtgttgtcgcggttcagcgtcgcgtaaccgtactgcggcagcgtaaagacctgcggagggaaggccggcaggcatccctcggtcccgttgccgacgacgtagggcagctggtagtcgtcgtccgtaaacacttggacggtggaggtgaggttgttggcgatggtggtggtggagtcctgcaccgtgacctctttgacttgaatgttgaagattttgactctgagggaccggggtctgaagccccagtagttgttgatgagtctttgccagtctcgggggctccagtggctgtggaagcggttaaagtcaaagtacccccagggggtgctgtatccaaagtaggcgttggcgttgcttccgtcgacggagccgcttttgatctctcggtactggtggttgttgtagctgggcagcacccaggttcgggtggacttggtgacgactctgtcccccatccacgtggaatcgcaatgccaatctcccgaggcattgcccactccatcggcaccttggttattgtcgcccaatgggccgccacctcccgcagacattgtatcagctcccaaacttgaggctggttgggctgggatttgcagctgctgggatccgctgggtccagcttcggcgtctgacgaggtggaaggcttggagtcctcttcggtccgagccttctttctttttggaaagtggtcgtctatccgctttccggtaggggccgtcttagcaccctcttcaaccaggccaaaaggttcgagaacccttttcttggcctgaaagactgcctttccgaggtttcccccgaaggatgtgtcgtcggcgagcttctcctgaaactcggcgtccgcgtggttgtacttgaggtaggggttgtctcccgcctcaagctgctcgttgtacgagatgtcgtgctctcgcgcgacctcgtctgccctgttgacaggctctcctcgatcgagaccgtttccgggtccgagatagttataaccaggcagcacaagaccacgggcttgatcttgatgctgctgattgggttttggtttcggtgggcccgcttcaaggcccaaaaactcgcgaagaccttcaccaacttcttccaaccaatctggagggtgatcaacaaaagacatacctgatttaaatcatttattgttcaaagatgcagtcatccaaatccacattgaccagatcgcaggcagtgcaagcgtctggcacctttcccatgatatgatgaatgtagcacagtttctgatacgcctttttgacgacagaaacgggttgagattctgacacgggaaagcactctaaacagtctttctgtccgtgagtgaagcagatatttgaattctgattcattctctcgcattgtctgcagggaaacagcatcagattcatgcccacgtgacgagaacatttgttttggtacctgtctgcgtagttgatcgaagcttccgcgtctgacgtcgatggctgcgcaactgactcgcgcacccgtttgggctcacttatatctgcgtcactgggggcgggtcttttcttggctccaccctttttgacgtagaattcatgctccacctcaaccacgtgatcctttgcccaccggaaaaagtctttgacttcctgcttggtgaccttcccaaagtcatgatccagacggcgggtgagttcaaatttgaacatccggtcttgcaacggctgctggtgttcgaaggtcgttgagttcccgtcaatcacggcgcacatgttggtgttggaggtgacgatcacgggagtcgggtctatctgggccgaggacttgcatttctggtccacgcgcaccttgcttcctccgagaatggctttggccgactccacgaccttggcggtcatcttcccctcctcccaccagatcaccatcttgtcgacacagtcgttgaagggaaagttctcattggtccagtttacgcacccgtagaagggcacagtgtgggctatggcctccgcgatgttggtcttcccggtagttgcaggcccaaacagccagatggtgttcctcttgccgaactttttcgtggcccatcccagaaagacggaagccgcatattggggatcgtacccgtttagttccaaaattttataaatccgattgctggaaatgtcctccacgggctgctggcccaccaggtagtcgggggcggttttagtcaggctcataatctttcccgcattgtccaaggcagccttgatttgggaccgcgagttggaggccgcattgaaggagatgtatgaggcctggtcctcctggatccactgcttctccgaggtaatccccttgtccacgagccacccgaccagctccatgtacctggctgaagtttttgatctgatcaccggcgcatcagaattgggattctgattctctttgttctgctcctgcgtctgcgacacgtgcgtcagatgctgcgccaccaaccgtttacgctccgtgagattcaaacaggcgcttaaatactgttccatattagtccacgcccactggagctcaggctgggttttggggagcaagtaattggggatgtagcactcatccaccaccttgttcccgcctccggcgccatttctggtctttgtgaccgcgaaccagtttggcaaagtcggctcgatcccgcggtaaattctctgaatcagtttttcgcgaatctgactcaggaaacgtcccaaaaccatggatttcaccccggtggtttccacgagcacgtgcatgtggaagtagctctctcccttctcaaattgcacaaagaaaagggcctccggggccttactcacacggcgccattccgtcagaaagtcgcgctgcagcttctcggccacggtcaggggtgcctgctcaatcagattcagatccatgtcagaatctggcggcaactcccattccttctcggccacccagttcacaaagctgtcagaaatgccgggcagatgctcgtcaaggtcgctggggaccttaatcacaatctcgtaaaaccccggcgtggcggctgcgcgttcaaacctcccgcttcaaaatggagaccctgcgtgctcactcgggcttaaatacccagcgtgaccacatggtgtcgcaaaatgtcgcaaaacactcacgtgacctctaatacaggacctctaggggtaccgagctcgaatagatcagaagttcctatactttctagagaataggaacttcggaataggaacttctgatcttccgggggatccactagttctagagcggccggcgcggggcgttaacgatatcggcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtat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【0170】
配列番号56
pAAV28、Rep2及びCap5
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【0171】
配列番号57
pAAV21、Rep2及びCap6
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【0172】
配列番号58
pAAV26、Rep2及びCap8
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【0173】
配列番号59
pAAV29、Rep2及びCap9
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【0174】
配列番号60
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配列番号61
cauugcauccaugucugacu
配列番号62
化膿性連鎖球菌dCas9-KRABをコードするポリヌクレオチド配列
atggactacaaagaccatgacggtgattataaagatcatgacatcgattacaaggatgacgatgacaagatggcccccaagaagaagaggaaggtgggccgcggaatggacaagaagtactccattgggctcgccatcggcacaaacagcgtcggctgggccgtcattacggacgagtacaaggtgccgagcaaaaaattcaaagttctgggcaataccgatcgccacagcataaagaagaacctcattggcgccctcctgttcgactccggggaaaccgccgaagccacgcggctcaaaagaacagcacggcgcagatatacccgcagaaagaatcggatctgctacctgcaggagatctttagtaatgagatggctaaggtggatgactctttcttccataggctggaggagtcctttttggtggaggaggataaaaagcacgagcgccacccaatctttggcaatatcgtggacgaggtggcgtaccatgaaaagtacccaaccatatatcatctgaggaagaagcttgtagacagtactgataaggctgacttgcggttgatctatctcgcgctggcgcatatgatcaaatttcggggacacttcctcatcgagggggacctgaacccagacaacagcgatgtcgacaaactctttatccaactggttcagacttacaatcagcttttcgaagagaacccgatcaacgcatccggagttgacgccaaagcaatcctgagcgctaggctgtccaaatcccggcggctcgaaaacctcatcgcacagctccctggggagaagaagaacggcctgtttggtaatcttatcgccctgtcactcgggctgacccccaactttaaatctaacttcgacctggccgaagatgccaagcttcaactgagcaaagacacctacgatgatgatctcgacaatctgctggcccagatcggcgaccagtacgcagacctttttttggcggcaaagaacctgtcagacgccattctgctgagtgatattctgcgagtgaacacggagatcaccaaagctccgctgagcgctagtatgatcaagcgctatgatgagcaccaccaagacttgactttgctgaaggcccttgtcagacagcaactgcctgagaagtacaaggaaattttcttcgatcagtctaaaaatggctacgccggatacattgacggcggagcaagccaggaggaattttacaaatttattaagcccatcttggaaaaaatggacggcaccgaggagctgctggtaaagcttaacagagaagatctgttgcgcaaacagcgcactttcgacaatggaagcatcccccaccagattcacctgggcgaactgcacgctatcctcaggcggcaagaggatttctacccctttttgaaagataacagggaaaagattgagaaaatcctcacatttcggataccctactatgtaggccccctcgcccggggaaattccagattcgcgtggatgactcgcaaatcagaagagaccatcactccctggaacttcgaggaagtcgtggataagggggcctctgcccagtccttcatcgaaaggatgactaactttgataaaaatctgcctaacgaaaaggtgcttcctaaacactctctgctgtacgagtacttcacagtttataacgagctcaccaaggtcaaatacgtcacagaagggatgagaaagccagcattcctgtctggagagcagaagaaagctatcgtggacctcctcttcaagacgaaccggaaagttaccgtgaaacagctcaaagaagactatttcaaaaagattgaatgtttcgactctgttgaaatcagcggagtggaggatcgcttcaacgcatccctgggaacgtatcacgatctcctgaaaatcattaaagacaaggacttcctggacaatgaggagaacgaggacattcttgaggacattgtcctcacccttacgttgtttgaagatagggagatgattgaagaacgcttgaaaacttacgctcatctcttcgacgacaaagtcatgaaacagctcaagaggcgccgatatacaggatgggggcggctgtcaagaaaactgatcaatgggatccgagacaagcagagtggaaagacaatcctggattttcttaagtccgatggatttgccaaccggaacttcatgcagttgatccatgatgactctctcacctttaaggaggacatccagaaagcacaagtttctggccagggggacagtcttcacgagcacatcgctaatcttgcaggtagcccagctatcaaaaagggaatactgcagaccgttaaggtcgtggatgaactcgtcaaagtaatgggaaggcataagcccgagaatatcgttatcgagatggcccgagagaaccaaactacccagaagggacagaagaacagtagggaaaggatgaagaggattgaagagggtataaaagaactggggtcccaaatccttaaggaacacccagttgaaaacacccagcttcagaatgagaagctctacctgtactacctgcagaacggcagggacatgtacgtggatcaggaactggacatcaatcggctctccgactacgacgtggatgccatcgtgccccagtcttttctcaaagatgattctattgataataaagtgttgacaagatccgataaaaatagagggaagagtgataacgtcccctcagaagaagttgtcaagaaaatgaaaaattattggcggcagctgctgaacgccaaactgatcacacaacggaagttcgataatctgactaaggctgaacgaggtggcctgtctgagttggataaagccggcttcatcaaaaggcagcttgttgagacacgccagatcaccaagcacgtggcccaaattctcgattcacgcatgaacaccaagtacgatgaaaatgacaaactgattcgagaggtgaaagttattactctgaagtctaagctggtctcagatttcagaaaggactttcagttttataaggtgagagagatcaacaattaccaccatgcgcatgatgcctacctgaatgcagtggtaggcactgcacttatcaaaaaatatcccaagcttgaatctgaatttgtttacggagactataaagtgtacgatgttaggaaaatgatcgcaaagtctgagcaggaaataggcaaggccaccgctaagtacttcttttacagcaatattatgaattttttcaagaccgagattacactggccaatggagagattcggaagcgaccacttatcgaaacaaacggagaaacaggagaaatcgtgtgggacaagggtagggatttcgcgacagtccggaaggtcctgtccatgccgcaggtgaacatcgttaaaaagaccgaagtacagaccggaggcttctccaaggaaagtatcctcccgaaaaggaacagcgacaagctgatcgcacgcaaaaaagattgggaccccaagaaatacggcggattcgattctcctacagtcgcttacagtgtactggttgtggccaaagtggagaaagggaagtctaaaaaactcaaaagcgtcaaggaactgctgggcatcacaatcatggagcgatcaagcttcgaaaaaaaccccatcgactttctcgaggcgaaaggatataaagaggtcaaaaaagacctcatcattaagcttcccaagtactctctctttgagcttgaaaacggccggaaacgaatgctcgctagtgcgggcgagctgcagaaaggtaacgagctggcactgccctctaaatacgttaatttcttgtatctggccagccactatgaaaagctcaaagggtctcccgaagataatgagcagaagcagctgttcgtggaacaacacaaacactaccttgatgagatcatcgagcaaataagcgaattctccaaaagagtgatcctcgccgacgctaacctcgataaggtgctttctgcttacaataagcacagggataagcccatcagggagcaggcagaaaacattatccacttgtttactctgaccaacttgggcgcgcctgcagccttcaagtacttcgacaccaccatagacagaaagcggtacacctctacaaaggaggtcctggacgccacactgattcatcagtcaattacggggctctatgaaacaagaatcgacctctctcagctcggtggagacagcagggctgaccccaagaagaagaggaaggtggctagcgatgctaagtcactgactgcctggtcccggacactggtgaccttcaaggatgtgtttgtggacttcaccagggaggagtggaagctgctggacactgctcagcagatcctgtacagaaatgtgatgctggagaactataagaacctggtttccttgggttatcagcttactaagccagatgtgatcctccggttggagaagggagaagagccctggctggtggagagagaaattcaccaagagacccatcctgattcagagactgcatttgaaatcaaatcatcagttccgaaaaagaaacgcaaagtttga
【0175】
配列番号63
化膿性連鎖球菌dCas9-KRABタンパク質のポリペプチド配列
MDYKDHDGDYKDHDIDYKDDDDKMAPKKKRKVGRGMDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGDSRADPKKKRKVASDAKSLTAWSRTLVTFKDVFVDFTREEWKLLDTAQQILYRNVMLENYKNLVSLGYQLTKPDVILRLEKGEEPWLVEREIHQETHPDSETAFEIKSSVPKKKRKV
【0176】
配列番号64
黄色ブドウ球菌dCas9-KRABタンパク質のポリヌクレオチド配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggccatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaagccagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaagggatccgatgctaagtcactgactgcctggtcccggacactggtgaccttcaaggatgtgtttgtggacttcaccagggaggagtggaagctgctggacactgctcagcagatcctgtacagaaatgtgatgctggagaactataagaacctggtttccttgggttatcagcttactaagccagatgtgatcctccggttggagaagggagaagagccctggctggtggagagagaaattcaccaagagacccatcctgattcagagactgcatttgaaatcaaatcatcagttccgaaaaagaaacgcaaagtt
【0177】
配列番号65
黄色ブドウ球菌dCas9-KRABタンパク質のポリペプチド配列
MAPKKKRKVGIHGVPAAKRNYILGLAIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEEASKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKGKRPAATKKAGQAKKKKGSDAKSLTAWSRTLVTFKDVFVDFTREEWKLLDTAQQILYRNVMLENYKNLVSLGYQLTKPDVILRLEKGEEPWLVEREIHQETHPDSETAFEIKSSVPKKKRKV
【0178】
配列番号66
Tet1CDのポリヌクレオチド配列
ctgcccacctgcagctgtcttgatcgagttatacaaaaagacaaaggcccatattatacacaccttggggcaggaccaagtgttgctgctgtcagggaaatcatggagaataggtatggtcaaaaaggaaacgcaataaggatagaaatagtagtgtacaccggtaaagaagggaaaagctctcatgggtgtccaattgctaagtgggttttaagaagaagcagtgatgaagaaaaagttctttgtttggtccggcagcgtacaggccaccactgtccaactgctgtgatggtggtgctcatcatggtgtgggatggcatccctcttccaatggccgaccggctatacacagagctcacagagaatctaaagtcatacaatgggcaccctaccgacagaagatgcaccctcaatgaaaatcgtacctgtacatgtcaaggaattgatccagagacttgtggagcttcattctcttttggctgttcatggagtatgtactttaatggctgtaagtttggtagaagcccaagccccagaagatttagaattgatccaagctctcccttacatgaaaaaaaccttgaagataacttacagagtttggctacacgattagctccaatttataagcagtatgctccagtagcttaccaaaatcaggtggaatatgaaaatgttgcccgagaatgtcggcttggcagcaaggaaggtcgacccttctctggggtcactgcttgcctggacttctgtgctcatccccacagggacattcacaacatgaataatggaagcactgtggtttgtaccttaactcgagaagataaccgctctttgggtgttattcctcaagatgagcagctccatgtgctacctctttataagctttcagacacagatgagtttggctccaaggaaggaatggaagccaagatcaaatctggggccatcgaggtcctggcaccccgccgcaaaaaaagaacgtgtttcactcagcctgttccccgttctggaaagaagagggctgcgatgatgacagaggttcttgcacataagataagggcagtggaaaagaaacctattccccgaatcaagcggaagaataactcaacaacaacaaacaacagtaagccttcgtcactgccaaccttagggagtaacactgagaccgtgcaacctgaagtaaaaagtgaaaccgaaccccattttatcttaaaaagttcagacaacactaaaacttattcgctgatgccatccgctcctcacccagtgaaagaggcatctccaggcttctcctggtccccgaagactgcttcagccacaccagctccactgaagaatgacgcaacagcctcatgcgggttttcagaaagaagcagcactccccactgtacgatgccttcgggaagactcagtggtgccaatgctgcagctgctgatggccctggcatttcacagcttggcgaagtggctcctctccccaccctgtctgctcctgtgatggagcccctcattaattctgagccttccactggtgtgactgagccgctaacgcctcatcagccaaaccaccagccctccttcctcacctctcctcaagaccttgcctcttctccaatggaagaagatgagcagcattctgaagcagatgagcctccatcagacgaacccctatctgatgaccccctgtcacctgctgaggagaaattgccccacattgatgagtattggtcagacagtgagcacatctttttggatgcaaatattggtggggtggccatcgcacctgctcacggctcggttttgattgagtgtgcccggcgagagctgcacgctaccactcctgttgagcaccccaaccgtaatcatccaacccgcctctcccttgtcttttaccagcacaaaaacctaaataagccccaacatggttttgaactaaacaagattaagtttgaggctaaagaagctaagaataagaaaatgaaggcctcagagcaaaaagaccaggcagctaatgaaggtccagaacagtcctctgaagtaaatgaattgaaccaaattccttctcataaagcattaacattaacccatgacaatgttgtcaccgtgtccccttatgctctcacacacgttgcggggccctataaccattgggtc
【0179】
配列番号67
Tet1CDのポリペプチド配列
LPTCSCLDRVIQKDKGPYYTHLGAGPSVAAVREIMENRYGQKGNAIRIEIVVYTGKEGKSSHGCPIAKWVLRRSSDEEKVLCLVRQRTGHHCPTAVMVVLIMVWDGIPLPMADRLYTELTENLKSYNGHPTDRRCTLNENRTCTCQGIDPETCGASFSFGCSWSMYFNGCKFGRSPSPRRFRIDPSSPLHEKNLEDNLQSLATRLAPIYKQYAPVAYQNQVEYENVARECRLGSKEGRPFSGVTACLDFCAHPHRDIHNMNNGSTVVCTLTREDNRSLGVIPQDEQLHVLPLYKLSDTDEFGSKEGMEAKIKSGAIEVLAPRRKKRTCFTQPVPRSGKKRAAMMTEVLAHKIRAVEKKPIPRIKRKNNSTTTNNSKPSSLPTLGSNTETVQPEVKSETEPHFILKSSDNTKTYSLMPSAPHPVKEASPGFSWSPKTASATPAPLKNDATASCGFSERSSTPHCTMPSGRLSGANAAAADGPGISQLGEVAPLPTLSAPVMEPLINSEPSTGVTEPLTPHQPNHQPSFLTSPQDLASSPMEEDEQHSEADEPPSDEPLSDDPLSPAEEKLPHIDEYWSDSEHIFLDANIGGVAIAPAHGSVLIECARRELHATTPVEHPNRNHPTRLSLVFYQHKNLNKPQHGFELNKIKFEAKEAKNKKMKASEQKDQAANEGPEQSSEVNELNQIPSHKALTLTHDNVVTVSPYALTHVAGPYNHWV
【0180】
配列番号68
gRNA定常領域のDNA配列
gtttaagagctatgctggaaacagcatagcaagtttaaataaggctagtccgttatcaacttgaaaaagtggcaccgagtcggtgc
【0181】
配列番号69
gRNA定常領域のRNA配列
guuuaagagcuaugcuggaaacagcauagcaaguuuaaauaaggcuaguccguuaucaacuugaaaaaguggcaccgagucggugc
【0182】
配列番号70
SV40 NLS
Pro-Lys-Lys-Lys-Arg-Lys-Val
【配列表】
【国際調査報告】