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特表2023-515710CRISPR媒介式エクソン欠失用の最適なgRNA対を発見するためのハイスループットスクリーニング法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】CRISPR媒介式エクソン欠失用の最適なgRNA対を発見するためのハイスループットスクリーニング法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20230406BHJP
   C12Q 1/6811 20180101ALI20230406BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20230406BHJP
   C12N 15/861 20060101ALI20230406BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20230406BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20230406BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20230406BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230406BHJP
   A01K 67/027 20060101ALI20230406BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230406BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230406BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230406BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230406BHJP
【FI】
C12N15/09 110
C12Q1/6811 Z ZNA
C12N15/864 100Z
C12N15/861 Z
C12N15/86 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6813 Z
C12N15/113 Z
A01K67/027
C12N5/10
A61P43/00 111
A61P21/00
A61K48/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565595
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2021029498
(87)【国際公開番号】W WO2021222327
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/023,460
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/016,238
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/016,204
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507189666
【氏名又は名称】デューク ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ガーズバック チャールズ エイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴフ ヴェロニカ
(72)【発明者】
【氏名】ブラクラック カレン
【テーマコード(参考)】
4B063
4B065
4C084
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QS34
4B063QX01
4B063QX10
4B065AA87X
4B065AA87Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA44
4C084AA13
4C084MA31
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA57
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA65
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZC021
4C084ZC022
(57)【要約】
クラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復(CRISPR)/CRiSPR関連(Cas)ベースのゲノム編集システム用として、ガイドRNA(gRNA)を効率的にハイスループットスクリーニングするためのプローブを使用する方法が本明細書に開示される。ヒト患者の重度DMD病理を再現するヒト化されたトランスジェニックマウスモデルが本明細書でさらに開示される。マウスモデルは、遺伝子編集によりヒトジストロフィン遺伝子を修正するためのCRISPRベースの療法のフィージビリティー及び使用方法を明確にするのに使用され得る。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象においてゲノム核酸を編集するためのgRNA分子の対についてスクリーニングする方法であって、
(a)gRNA分子の複数の対を生成するステップであって、各対が第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNAが第1の核酸配列を標的とし、前記第2のgRNAが第2の核酸配列を標的とするステップと、
(b)複数の細胞内で、Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質、及び前記gRNA分子の複数の対を発現させるステップであって、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、前記第1のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第1の核酸配列を切断するように指令し、前記第2のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第2の核酸配列を切断するように指令するステップと
を含む方法。
【請求項2】
ステップ(b)において、前記複数の細胞内で前記Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質、及び前記gRNA分子の複数の対を発現させ、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、前記第1のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第1の核酸配列を切断するように指令し、前記第2のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第2の核酸配列を切断するように指令し、それによって、前記ゲノム核酸において切除された核酸及び新規接合部を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切除された核酸がインフレームである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲノム核酸が、ジストロフィン遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含み、
前記第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、前記第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、
前記第1のイントロンが前記少なくとも1つのエクソンの一方の側に隣接しており、前記第2のイントロンが前記少なくとも1つのエクソンの他方の側に隣接している、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエクソンが、前記ゲノム核酸内の前記第1のイントロン及び前記第2のイントロンの間にある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲノム核酸が、ジストロフィン遺伝子の2つ以上のエクソンを含み、
前記第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、前記第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、
前記第1のイントロンが前記2つ以上のエクソンの一方の側に隣接しており、前記第2のイントロンが前記2つ以上のエクソンの他方の側に隣接している、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記2つ以上のエクソンが、前記ゲノム核酸内の前記第1のイントロン及び前記第2のイントロンの間にある、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記発現が、前記複数の細胞に複数のベクターをトランスフェクトすることにより有効化され、各細胞に、gRNA分子の1つの対をコードする第1のベクター及び前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする第2のベクターがトランスフェクトされ、各細胞に、異なるgRNA分子の対をコードする異なる第1のベクターがトランスフェクトされる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のベクター及び前記第2のベクターが、それぞれウイルスベクターである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター、AAVベクター、又はアデノウイルスベクターである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(c)前記複数の細胞から前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(d)前記ゲノム核酸を第1のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが、各新規接合部及び前記第1の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは
(e)前記第1のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(f)前記第1のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を第2のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが各新規接合部及び前記第2の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは
(g)前記第1のプローブのプール及び前記第2のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(h)前記第1のプローブのプール及び前記第2のプローブのプールに結合した単離された前記ゲノム核酸を配列決定するステップ;並びに/或いは
(i)配列決定された前記新規接合部を特定するために、配列決定された単離された前記ゲノム核酸をアライメントするステップ;並びに/或いは
(j)各配列決定された新規接合部を、対応するgRNA分子の対に割り振るステップ
をさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(i)が、配列決定された前記新規接合部を特定するために、単離された前記ゲノム核酸の配列をコンピュテーショナルにアライメントするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記gRNA分子の対がより高い効果を有するように、より多数の配列決定された新規接合部を有する前記gRNA分子の対を特定するステップをさらに含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項14】
前記プローブが、それぞれ約100bp~約140bpの長さを有する、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記切除された核酸が、ジストロフィン遺伝子のエクソン51を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記切除された核酸が、ジストロフィン遺伝子のエクソン45~55を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン50内にある、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン51内にある、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン44内にある、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン55内にある、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記プローブが、ビオチン化されたプローブである、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の方法により特定されたgRNA分子の対。
【請求項23】
請求項22に記載のgRNA分子の対を含むCRISPR/Cas9システム。
【請求項24】
ポリヌクレオチド配列に結合し、それを標的とするgRNA分子であって、配列番号55~78から選択される配列を含むポリヌクレオチドに結合するか若しくはそれによりコードされ、又は配列番号79~102から選択されるポリヌクレオチド配列を含むgRNA分子。
【請求項25】
マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、
第5染色体上のヒトジストロフィン遺伝子突然変異体、及び
マウスユートロフィン遺伝子内突然変異
を含むゲノムを有するトランスジェニックマウス。
【請求項26】
前記マウスジストロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスジストロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる、前記マウスジストロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む、請求項25に記載のマウス。
【請求項27】
前記マウスジストロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを含む、請求項26に記載のマウス。
【請求項28】
前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体が、少なくとも1つのエクソンを欠失している、請求項25~27のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項29】
前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体が、エクソン52を欠失している、請求項25~28のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項30】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子の機能的欠失である、請求項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項31】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる、前記マウスユートロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む、請求項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項32】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子のエクソン7内に挿入を含む、請求項31に記載のマウス。
【請求項33】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、全マウスユートロフィン遺伝子の欠失を含む、請求項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項34】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてヘテロ接合性である、請求項25~33のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項35】
前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてホモ接合性である、請求項25~33のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項36】
野生型マウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、請求項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項37】
野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、請求項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項38】
野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、請求項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項39】
(i)野生型マウス、(ii)野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウス、並びに/或いは(iii)野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、筋損傷が増加している、請求項25~38のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項40】
前記筋損傷が、筋肉の変性、筋肉の線維化、及び血清クレアチンキナーゼの上昇のうちの1つ又は複数を含む、請求項39に記載のマウス。
【請求項41】
心臓又は骨格筋において検出可能なジストロフィンタンパク質を示さない、請求項25~40のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項42】
hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスである、請求項25~41のいずれか1項に記載のマウス。
【請求項43】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスから得られる単離された細胞又は生体物質。
【請求項44】
タンパク質、脂質、ヌクレオチド、脂肪、筋肉、又は組織を含む、請求項43に記載の生体物質。
【請求項45】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスにCRISPR/Cas9遺伝子編集組成物を投与するステップを含む、ジストロフィン遺伝子突然変異を修正する方法。
【請求項46】
前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、
(a)ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を標的とする少なくとも1つのガイドRNA(gRNA);及び
(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質
を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNA及び前記第2のgRNAが、前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン51に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロンの中に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン51を欠失させるように構成されている、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNA及び前記第2のgRNAが、前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン45~55に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロンの中に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン45~55を欠失させるように構成されている、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ジストロフィン遺伝子突然変異が、前記マウスの細胞内で修正され、前記細胞が、筋肉細胞、衛星細胞、又はiPSC/iCMである、請求項45~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記修正が、ヒトジストロフィン遺伝子のリーディングフレームを復元する、請求項45~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記修正が、少なくとも部分的に機能的なヒトジストロフィンタンパク質の発現を引き起こす、請求項45~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスにより生み出された配偶子。
【請求項53】
機能的なマウスジストロフィンタンパク質又は機能的なマウスユートロフィンタンパク質をコードしない、請求項52に記載の配偶子。
【請求項54】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスから単離された、単離されたマウス細胞又はその子孫細胞。
【請求項55】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスに由来する、一次細胞培養物又は二次細胞系。
【請求項56】
請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスに由来する、組織若しくは臓器外植片又はその培養物。
【請求項57】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置するための治療剤をスクリーニングする方法であって、請求項25~42のいずれか1項に記載のマウスに、1つ又は複数の治療剤を投与するステップを含む方法。
【請求項58】
前記1つ又は複数の治療剤が、小分子、アンチセンスRNA、ベクター、CRISPR/Cas遺伝子編集システム、又は生物学的薬剤、又はそれらの組合せを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ベクターが、対象とする遺伝子をコードするウイルスベクターである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ウイルスベクターがAAVベクターである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ又は複数の治療剤が投与された後の前記マウスが、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、寿命の延長、体質量の低下、身体強度の増加、運動協調性の増加、バランスの増加、前肢強度の増加、筋損傷の低下、及び/又はCKレベルの低下を示す、請求項57~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ又は複数の治療剤が投与された後の前記マウスが、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、ジストロフィン遺伝子の発現増加を示す、請求項57~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記ジストロフィン遺伝子が、短縮されたヒトジストロフィン遺伝子である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記短縮されたヒトジストロフィン遺伝子が、野生型ヒトジストロフィン遺伝子と比較して複数の欠失を含み、前記欠失の少なくとも1つがエクソン52内にある、請求項63に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2020年4月27日出願の米国仮特許出願第63/016,238号、2020年4月27日出願の米国仮特許出願第63/016,204号、及び2020年5月12日出願の米国仮特許出願第63/023,460号に対する優先権を主張し、上記各号はその全体が本明細書において参考として援用される。
(連邦政府の資金提供を受けた研究の記載)
本発明は、アメリカ国立衛生研究所により与えられた助成金R01AR069085の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において特定の権利を有する。
【0002】
(分野)
本開示は、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)9ベースのシステム及びウイルス送達システムを使用する遺伝子発現変更、ゲノムエンジニアリング、及び遺伝子のゲノム変更の分野に関する。本開示は、高性能gRNA対を特定するためのCRISPR/Cas9ベースのシステムのハイスループットスクリーニングにも関する。本開示は、遺伝的に改変された動物及びスクリーニング剤、並びに疾患、例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)等を処置するための遺伝的に改変された動物の使用にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
(序論)
エクソンスキッピング法又はエクソン欠失法は、遺伝性疾患を修正するための強力な戦略であることが証明されており、エクソンを除去することで、異常スプライシング又はその他の突然変異により乱されたリーディングフレームを修正することができる。例えば、DMD遺伝子における1つ又は複数のエクソンの欠失により多くの場合引き起こされるデュシェンヌ(Duchene)型筋ジストロフィー(DMD)では、いくつかの有望なエクソンスキッピング戦略が存在する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、RNAスプライシング期間中にエクソンスキッピングを引き起こすのに使用されてきたが、しかしその効果は一過性であり、再投与を必要とする。CRISPR-Cas9も、アウトオブフレームエクソンのいずれかの側におけるイントロン領域の切断に関与することができ、ゲノムからエクソンを恒久的に除去するための非相同末端結合(NHEJ)修復プロセスを可能にする。AAVを用いて黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Cas9(SaCas9)及び2つのgRNAを送達するこの戦略は、インビボにおいてある程度の有効性を示し、心臓及び骨格筋におけるエクソン欠失効率は2~4%であった。このDNA編集率により、ジストロフィンタンパク質は骨格筋において野生型レベルのほぼ10%まで修復されたが、しかしながら無症候性の表現型にはより高いタンパク質の発現が通常必要とされる。
【0004】
幅広いオンターゲット活性が異なるゲノム標的部位間で存在し、またイントロンのサイズが大きい(数十~数百kb)ことから、望ましいオンターゲット及びオフターゲット編集プロファイルを有するgRNAを見出すために十分な空間が確保されるので、gRNA設計を最適化することが重要である。これまでの試験はこの標的範囲又は配列多様性の長所を活用しておらず、数十個のgRNAをテストしているに過ぎない。それに加えて、ゲノム欠失効率の決定において、gRNA対の文脈が重要なパラメーターであるということが立証されているにもかかわらず、これまでの試験は、最適なgRNA対を予測するのに、個別のgRNAについてその高い活性を使用してきた。さらに、相対的な欠失効率の正確な測定は困難である-発現が細胞型特異的で弱い遺伝子、例えばジストロフィン等は遺伝子レポーターの使用を妨げ、またPCRベースのアッセイ法は広範囲にわたる欠失サイズにより強いバイアスを受ける。したがって、望ましいオンターゲット及びオフターゲット効果に付加して高い効率性を示す新規gRNA対を特定するためのハイスループットスクリーニング法に対する必要性が存続する。
【発明の概要】
【0005】
(概要)
1つの態様では、本開示は、対象においてゲノム核酸を編集するためのgRNA分子の対についてスクリーニングする方法に関する。方法は、(a)gRNA分子の複数の対を生成するステップであって、各対が第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、第1のgRNAが第1の核酸配列を標的とし、第2のgRNAが第2の核酸配列を標的とするステップと;(b)複数の細胞内で、Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質、及びgRNA分子の複数の対を発現させるステップであって、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、第1のgRNAがCas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第1の核酸配列を切断するように指令し、第2のgRNAがCas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第2の核酸配列を切断するように指令するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、複数の細胞内で、Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質、及びgRNA分子の複数の対を発現させ、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、第1のgRNAがCas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第1の核酸配列を切断するように指令し、第2のgRNAがCas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第2の核酸配列を切断するように指令し、それによってゲノム核酸において切除された核酸及び新規接合部が形成される。いくつかの実施形態では、切除された核酸はインフレームである。いくつかの実施形態では、ゲノム核酸はジストロフィン遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含み、第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、第1のイントロンが少なくとも1つのエクソンの一方の側に隣接しており、第2のイントロンが少なくとも1つのエクソンの他方の側に隣接している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエクソンは、ゲノム核酸内の第1のイントロン及び第2のイントロンの間にある。いくつかの実施形態では、ゲノム核酸はジストロフィン遺伝子の2つ以上のエクソンを含み、第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、第1のイントロンが2つ以上のエクソンの一方の側に隣接しており、第2のイントロンが2つ以上のエクソンの他方の側に隣接している。いくつかの実施形態では、2つ以上のエクソンは、ゲノム核酸内の第1のイントロン及び第2のイントロンの間にある。いくつかの実施形態では、発現は、複数の細胞に複数のベクターをトランスフェクトすることにより有効化され、各細胞に、gRNA分子の1つの対をコードする第1のベクター及びCas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする第2のベクターがトランスフェクトされ、各細胞に、異なるgRNA分子の対をコードする異なる第1のベクターがトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、第1のベクター及び第2のベクターは、それぞれウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクター、AAVベクター、又はアデノウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、方法は、(c)複数の細胞からゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは(d)ゲノム核酸を第1のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが、各新規接合部及び第1の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは(e)第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは(f)第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸を第2のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが各新規接合部及び第2の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは(g)第1のプローブのプール及び第2のプローブのプールに結合したゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは(h)第1のプローブのプール及び第2のプローブのプールに結合した単離されたゲノム核酸を配列決定するステップ;並びに/或いは(i)配列決定された新規接合部を特定するために、配列決定された単離されたゲノム核酸をアライメントするステップ;並びに/或いは(j)各配列決定された新規接合部を、対応するgRNA分子の対に割り振るステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、配列決定された新規接合部を特定するために、単離されたゲノム核酸の配列をコンピュテーショナルにアライメントするステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、gRNA分子の対がより高い効果を有するように、より多数の配列決定された新規接合部を有するgRNA分子の対を特定するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、プローブは、それぞれ約100bp~約140bpの長さを有する。いくつかの実施形態では、切除された核酸は、ジストロフィン遺伝子のエクソン51を含む。いくつかの実施形態では、切除された核酸は、ジストロフィン遺伝子のエクソン45~55を含む。いくつかの実施形態では、第1の核酸配列は、ジストロフィン遺伝子のイントロン50内にある。いくつかの実施形態では、第2の核酸配列は、ジストロフィン遺伝子のイントロン51内にある。いくつかの実施形態では、第1の核酸配列は、ジストロフィン遺伝子のイントロン44内にある。いくつかの実施形態では、第2の核酸配列は、ジストロフィン遺伝子のイントロン55内にある。いくつかの実施形態では、プローブはビオチン化されたプローブである。
【0006】
さらなる態様では、本開示は、本明細書において詳記する方法により特定されるgRNA分子の対に関する。
本開示の別の態様は、本明細書において詳記するgRNA分子の対を含むCRISPR/Cas9システムを提供する。
【0007】
本開示の別の態様は、ポリヌクレオチド配列に結合し、それを標的とするgRNA分子を提供する。いくつかの実施形態では、gRNA分子は、配列番号55~78から選択される配列を含むポリヌクレオチドに結合するか若しくはそれによりコードされ、又はgRNA分子は配列番号79~102から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0008】
本開示の別の態様は、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異;第5染色体上のヒトジストロフィン遺伝子突然変異体;及びマウスユートロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスを提供する。いくつかの実施形態では、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異は、マウスジストロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げるマウスジストロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む。いくつかの実施形態では、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異は、マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを含む。いくつかの実施形態では、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体は、少なくとも1つのエクソンを欠失している。いくつかの実施形態では、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体は、エクソン52を欠失している。いくつかの実施形態では、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子の機能的欠失である。いくつかの実施形態では、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げるマウスユートロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む。いくつかの実施形態では、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子のエクソン7内に挿入を含む。いくつかの実施形態では、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、全マウスユートロフィン遺伝子の欠失を含む。いくつかの実施形態では、マウスは、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、マウスは、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてホモ接合性である。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型マウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、(i)野生型マウス、(ii)野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウス、並びに/或いは(iii)野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、筋損傷が増加している。いくつかの実施形態では、筋損傷は、筋肉の変性、筋肉の線維化、及び血清クレアチンキナーゼの上昇のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、マウスは、心臓又は骨格筋において検出可能なジストロフィンタンパク質を示さない。いくつかの実施形態では、マウスは、hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスである。
【0009】
本開示の別の態様は、本明細書に詳記するマウスから得られる単離された細胞又は生体物質を提供する。いくつかの実施形態では、生体物質として、タンパク質、脂質、ヌクレオチド、脂肪、筋肉、又は組織が挙げられる。
【0010】
本開示の別の態様は、ジストロフィン遺伝子突然変異を修正する方法を提供する。方法は、本明細書において詳記するマウスに、CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物を投与するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物は、(a)ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を標的とする少なくとも1つのガイドRNA(gRNA);及び(b)Cas9タンパク質又はCas9タンパク質を含む融合タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物は、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、第1のgRNA及び第2のgRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン51に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロン内に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン51を欠失させるように構成されている。いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物は、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、第1のgRNA及び第2のgRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン45~55に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロン内に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン45~55を欠失させるように構成されている。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子突然変異はマウスの細胞内で修正され、また細胞は、筋肉細胞、衛星細胞、又はiPSC/iCMであり得る。いくつかの実施形態では、修正は、ヒトジストロフィン遺伝子のリーディングフレームを復元する。いくつかの実施形態では、修正は、少なくとも部分的に機能的なヒトジストロフィンタンパク質の発現を引き起こす。
【0011】
本開示の別の態様は、本明細書において詳記するマウスにより生み出された配偶子を提供する。いくつかの実施形態では、配偶子は、機能的なマウスジストロフィンタンパク質、又は機能的なマウスユートロフィンタンパク質をコードしない。
本開示の別の態様は、本明細書において詳記するマウスから単離された、単離されたマウス細胞又はその子孫細胞を提供する。
本開示の別の態様は、本明細書において詳記するマウスに由来する一次細胞培養物又は二次細胞系を提供する。
本開示の別の態様は、本明細書において詳記するマウスに由来する組織若しくは臓器外植片、又はその培養物を提供する。
【0012】
本開示の別の態様は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置するための治療剤をスクリーニングする方法を提供する。方法は、本明細書において詳記するマウスに、1つ又は複数の治療剤を投与するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の治療剤は、小分子、アンチセンスRNA、ベクター、CRISPR/Cas遺伝子編集システム、若しくは生物学的薬剤、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、対象とする遺伝子をコードするウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはAAVベクターである。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の治療剤が投与された後のマウスは、1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、寿命の延長、体質量の低下、身体強度の増加、運動協調性の増加、バランスの増加、前肢強度の増加、筋損傷の低下、及び/又はCKレベルの低下を示す。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の治療剤が投与された後のマウスは、1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、ジストロフィン遺伝子の発現増加を示す。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子は、短縮されたヒトジストロフィン遺伝子である。いくつかの実施形態では、短縮されたヒトジストロフィン遺伝子は、野生型ヒトジストロフィン遺伝子と比較して複数の欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失の少なくとも1つはエクソン52内にある。
本開示は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮すれば明らかである他の態様及び実施形態を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A-D】エクソンを欠失させるためのgRNA対のプールをスクリーニングする方法に関する模式図である。図1AはgRNAの設計を示す。図1Bは、レンチウイルスgRNA対ライブラリーによる安定saCas9細胞系への形質導入を示す。図1Cは、gDNAの回収、ライブラリー調製物、及びビオチン化されたプローブを用いた接合部の濃縮を示す。図1Dは、欠失事象後に創出された固有の接合部それぞれの頻度を決定する接合部の配列決定を示す。
図2】ビオチン化されたプローブ設計の概略図である。
図3】単一のgRNA対のみが導入された細胞において濃縮及び配列決定法を使用する実験を示す図である。
図4】配列決定により欠失形成gRNA対が特定された頻度を示す図である。配列決定により欠失形成gRNA対が特定された頻度を、初期gRNA存在量及びプローブハイブリダイゼーションにより導入されたバイアスにより標準化した。表示する2,080個の対すべてについて、多くは検出されなかったが、しかしいくつかの対が高頻度で検出された。
図5】配列決定により特定されたgRNAの対について、そのトップ25を示す図である。灰色のバーはこれまでに使用されたgRNA対(従来のロースループット法を用いて特定された)を示す。各データポイントは、n=4の繰返しから得られた数値を表す。
図6】交配ペア及び交配スキームのステップ1の概略図である。
図7】交配スキームのステップ2~4の概略図である。
図8A-D】ロータロッドテストを使用して得られた、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の全身強度、バランス、及び運動協調性を示す図である。図8Aは8週時点でのロータロッド成績である。図8Bは12週時点でのロータロッド成績である。図8Cは16週時点でのロータロッド成績である。図8Dは、6~24週のロータロッド成績である。各群N=12、ただしUtrn KO(年齢に応じてN=4~12)を除く。*P<0.05、**P<0.001、***P<0.0001、****P<0.00001。
図9A-C】グリップ強度テストを使用して得られた、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の前肢グリップ強度を示す図である。図9Aは8週時点でのグリップ力成績である。図9Bは12週時点でのグリップ力成績である。図9Cは16週時点でのグリップ力成績である。8及び12週についてN=12。16週ではN=4~12。*P<0.05、**P<0.001、***P<0.0001、****P<0.00001。ロータロッドアッセイから得られた結果を図9Dに示す。TはUtrn(+/+)との比較であり、及び#はUtrn(+/-)との比較である。
図10A-B】様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の体質量及び筋質量測定を示す図である。図10Aは、6~24週から得られた体質量である。図10Bは、24週時点での筋質量である。各群N=12、ただしUtrn KO(年齢に応じてN=4~12)を除く。***P<0.0001。
図11】様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の24週間にわたる生存率を示す図である。開始時、各群N=12。
図12A-D】24週齢の時点で、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型におけるジストロフィー病理を評価する横隔膜筋のH&E染色を示す図である。図12AはhDMD/mdx遺伝子型である。図12BはhDMDΔ52/mdx遺伝子型である。図12CはhDMDΔ52/mdx/Utrn het遺伝子型である。図12DはhDMDΔ52/mdx/Utrn KO遺伝子型である。画像は10×倍率である。
図13A-D】24週齢の時点で、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型における線維化を評価する横隔膜筋のマッソントリクローム染色を示す図である。図13AはhDMD/mdx遺伝子型である。図13BはhDMDΔ52/mdx遺伝子型である。図13CはhDMDΔ52/mdx/Utrn het遺伝子型である。図13DはhDMDΔ52/mdx/Utrn KO遺伝子型である。画像は10×倍率である。
図14A】24週齢における、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の血清中クレアチンキナーゼのレベルを示す図である。各群N=4~8。hDMD/mdxと比較して*P<0.05、***P<0.0001。
図14B】24週齢における、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の体質量を示す図である。
図14C】24週齢における、様々なジストロフィン及びユートロフィン遺伝子型の生存パーセントを示す図である。
図15】様々なジストロフィン及びユートロフィンマウスのCRISPR/Cas9処置の概略図である。
図16】ユートロフィンヘテロ接合及びホモ接合ノックアウトマウスのPCR(上段)及びウェスタンブロット(下段)を示す図である。CRISPR/Cas9処置はジストロフィンリーディングフレーム及びタンパク質の発現を復元させる。hDMD/mdx陽性コントロールとして、3.125μgのタンパク質ライセートを負荷した。1遺伝子型毎に、1処置群当たり1匹のマウスを表わす。
図17A-B】CRISPR/Cas9を用いて処置されたhDMDΔ52/mdx/Utrn het新生マウスの免疫蛍光染色を示す図である。図17AはAAV9-コントロールCRISPR/Cas9である。図17Bは、AAV9-Δエクソン51 CRISPRである。赤色はジストロフィンであり、及び青色はDAPIである。画像は10×倍率であり、組織は8週齢のマウスに由来する。
図18A-B】CRISPR/Cas9を用いて処置されたhDMDΔ52/mdx/Utrn KO新生マウスの免疫蛍光染色を示す図である。図18AはAAV9-コントロールCRISPR/Cas9である。図18BはAAV9-Δエクソン51 CRISPRである。赤色はジストロフィンであり、及び青色はDAPIである。画像は10×倍率であり、組織は8週齢のマウスに由来する。
図18C】hDMDΔ52/mdx/Utrn hetマウス及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの両方における、CRISPR-Δエクソン51処置後の血清クレアチンキナーゼ(CK)の増加を表すグラフである。
図19A-C】CRISPR/Cas9を用いて処置されたhDMDΔ52/mdx/Utrn KO成獣マウスの前脛骨筋の免疫蛍光染色を示す図である。図19Aは未処置hDMD/mdxマウスである。図19Bは、AAV9-コントロールCRISPR/Cas9を用いて処置されたhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスである。図19Cは、AAV9-Δエクソン51 CRISPRを用いて処置されたhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスある。赤色はジストロフィンであり、及び青色はDAPIである。画像は10×倍率であり、組織は16週齢のマウスに由来する。
図19D】様々な組織内のジストロフィン陽性線維のパーセントを表すグラフである。1群当たりN=3、1マウス当たり5画像を使用してジストロフィン陽性線維を定量した。
図19E】各処置群を代表する生存率曲線を示す図であり、エクソン51の欠失がUtrn KOマウスにおいて生存率を改善したことを示す。対数順位検定を実施した。各群N=4~6、*P=0.0251。
図19F】エクソン51の欠失がUtrn KOマウスにおいて運動機能を改善したことを表すグラフである。10週時点で前肢グリップ強度を測定し、そして体質量に対して標準化した。各群N=3~4。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載されるように、遺伝性疾患、例えばDMD等に関与するジストロフィン遺伝子における突然変異について、その発現を変化させ(すなわち、ゲノムエンジニアリング)、及びその効果を是正するか又は低下させるために、ある特定の方法及び工学操作されたgRNAを、CRISPR/CRISPR関連(Cas)9ベースの遺伝子編集システムと併用すれば有用であることが発見されている。開示されるハイスループットCRISPR/Cas9 gRNAスクリーニング法は、臨床的置き換えにより適合性のある新規接合部を生み出すように生成された。例えば、ジストロフィン遺伝子のイントロンは大きく、またイントロン内の多くの異なる配列がgRNAの標的となり得る。各イントロン標的配列を標的とするgRNAは、最適化される必要がある異なるオンターゲット及びオフターゲット効果を有する。開示される方法は、数千ものgRNA対をスクリーニングして、オフターゲット効果をほとんど又はまったく有さない高効率エクソン欠失に関与するgRNA対を特定するプロセスを提供する。各gRNA対は欠失事象後に創出された固有の接合部をもたらすので、各接合部の頻度は、gRNA対に関する欠失効率の直接的な指標である。開示される方法により特定されたgRNA(ヒトジストロフィン遺伝子配列を標的とする)は、DMD患者の細胞において機能的ジストロフィンの発現を復元させるために、CRISPR/Cas9ベースのシステムと併用して、ヒトジストロフィン遺伝子の領域、例えばエクソン51等を標的とし、このエクソンのゲノム欠失を引き起こすのに使用可能である。方法は、効果的、効率的であり、かつ奏功的なゲノム改変を円滑化するgRNA対を特定する手段を提供すると共に、治療用途としてヒトゲノムを書き換える手段、及び基礎科学用途として標的モデル種を提供する。
【0015】
それに加えて、スクリーニング法は、固有のイントロン-イントロン接合部を検出し、並びにgRNA切断部位の完全なライゲーションを検出するのに使用可能である濃縮及び配列決定法を含み得る。方法は、各gRNA対により形成されたエクソン欠失レベルを定量するのにも使用され得る。スクリーニング法はアウトプットとしてゲノムDNAのみに立脚し、レポーターを必要としない。したがって、方法は、任意の細胞型内の任意の座位に適用可能である。したがって、該方法は、欠失を標的とすることが有望な治療戦略である任意の遺伝性疾患に対して、gRNA対が最適化されるために、容易に調整可能である。
【0016】
さらに、ヒトDMD表現型をより良好に再現するためのマウスモデルが本明細書で開示される。動物モデルにおいてジストロフィー病理を悪化させるために、化学的処置及び様々な遺伝子ノックアウトを含む多くの異なるアプローチが採用されている。神経筋接合部において通常発現しているユートロフィンタンパク質は、ジストロフィンと機能的ドメインを共有する。ユートロフィンを過剰発現させると、その結果、ジストロフィー動物モデルにおいて、ジストロフィンと類似して、筋肉膜の局在化、及び機能的改善を引き起こした。ユートロフィンはジストロフィンを補完し得る。本明細書において詳記するヒト化マウスモデルは、ジストロフィン及びユートロフィンダブルノックアウトを含む。
【0017】
開示されるマウスモデルは、マウスモデルにおいてテストされた治療薬の臨床的置き換えを改善する。例えば、野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異、又はマウスジストロフィン遺伝子内突然変異及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を発現するマウスモデルは、軽度のDMD病理及び表現型を呈する。対照的に、開示されるマウスモデルは、ユートロフィン又はジストロフィンを発現しない。hDMDΔ52/mdxマウスを、マウスユートロフィン遺伝子を欠いているマウスと交配することで、hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスを生成した。本明細書において詳記する動物モデル及び方法は、遺伝性疾患、例えばDMD等を試験し、また遺伝子編集システム、例えばCRISPR-Cas9等を使用してジストロフィン及びユートロフィンの発現を変化させるのに有用であり得る。開示されるマウスモデルは、表現型の測定、例えば運動機能及び寿命等を使用して治療薬の有効性を評価するのに使用可能である。
【0018】
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム及びヒトジストロフィン遺伝子を標的とする複数のgRNAを送達するための方法についても本明細書に記載される。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、改変されたAAVベクターを含む、AAVベクターを使用して送達可能である。効果的、効率的であり、かつ奏功的なゲノム改変を円滑化するこのクラスの治療薬をマウスモデルに送達し、並びに治療用途としてヒトゲノムを書き換える手段、及び基礎科学用途として標的動物モデルを提供する方法が、本明細書に提示される。方法は、ジストロフィンのエクソン51を切除するのに必要な編集コンポーネントのすべてを送達するのに単一のAAVベクターを使用することに関し得る。
【0019】
(1.定義)
そうではないと定義されない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が統制する。好ましい方法及び材料が下記に記載されているが、本明細書において記載される方法及び材料と同様又は同等の方法及び材料が、本発明の実施又は試験において使用され得る。本明細書において記載されるすべての公開物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参考として援用される。本明細書において開示されている材料、方法、及び例は、例示的なものに過ぎず、限定することは意図されない。
【0020】
本明細書において使用される用語「含む(comprise)」、「含む(include」、「有する(having)」、「有する(has)」、「し得る(can)」、「含む(contain)」、及びそれらの異形は、追加的な動作又は構成の可能性を排除しない、非限定的な移行句、用語、又は語であることが意図される。単数形「ある(a)」、「及び(and)」及び「その(the)」は、文脈がそうではないと明示的に記載しない限り、複数の言及物を含む。本開示はまた、明確に記載されていてもそうではなくても、本明細書において提示されている実施形態又は構成要素を「含む」他の実施形態、本明細書において提示されている実施形態又は構成要素「からなる」他の実施形態、及び本明細書において提示されている実施形態又は構成要素「から本質的になる」他の実施形態も企図する。
本明細書における数の範囲の言及について、同じ精度でその間に存在する数各々が明示的に企図される。例えば、範囲6~9について、6及び9に加えて数7及び8が企図され、範囲6.0~7.0について、数6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、及び7.0が明示的に企図される。
【0021】
目的の1つ又は複数の値に適用される本明細書において使用される用語「約」又は「およそ(ほぼ)」とは、記載される参照値と同様である値、又はその特定の値について当業者によって決定された場合に許容できる誤差範囲内にある値を指し、その誤差範囲は、その値がどのように測定又は決定されるかに、例えば、測定系の限界に、部分的に依存する。特定の態様において、用語「約」とは、そうではないと記載されるか又はそうではないと文脈から明らかでない限りは、いずれかの方向で、記載される参照値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下にある(大きいか又は小さい)値の範囲(そのような数が、あり得る値の100%を超える場合を除く)を指す。代替的に、「約」は、当該分野における実務に従って3又は3よりも大きい標準偏差以内を意味し得る。代替的に、例えば生物学的システム又はプロセスに関して、用語「約」は、ある値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0022】
本明細書において互換可能に使用される「アデノ随伴ウイルス」又は「AAV」とは、ヒト及びいくつかの他の霊長類の種に感染する、パルボウイルス(Parvoviridae)科のディペンドウイルス(Dependovirus)属に属する小さなウイルスを指す。AAVは、疾患を引き起こすとは現在知られておらず、結果的にこのウイルスは非常に軽度の免疫応答を引き起こす。
本明細書において使用される「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸及び非天然の人工アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによりコードされるアミノ酸である。アミノ酸は、一般的に知られているそのアミノ酸の3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名法委員会により推奨される1文字記号のいずれかによって、本明細書において言及され得る。アミノ酸は、側鎖及びポリペプチド骨格部分を含む。
【0023】
本明細書において使用される「結合領域」とは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムにより認識され結合される標的領域内の領域を指す。
「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復」及び「CRISPR」は、本明細書において交換可能に使用され、配列決定された細菌のおよそ40%及び配列決定された古細菌の90%のゲノムに見出される複数の短い直接反復を含有する座位を指す。
本明細書において使用される「コード配列」又は「コード核酸」とは、タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(RNA又はDNA分子)を意味する。コード配列は、その核酸が投与される個体又は哺乳動物の細胞における発現を指示し得るプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと作動可能に連結された、開始シグナル及び終結シグナルをさらに含み得る。コード配列は、コドンを最適化され得る。
本明細書において使用される「相補体」又は「相補的」とは、核酸が、核酸分子のヌクレオチド又はヌクレオチドアナログの間でワトソン-クリック塩基対合(例えば、A-T/U及びC-G)又はフーグスティーン塩基対合を意味し得ることを意味する。「相補性」とは、2つの核酸配列の間において共有される、その2つの核酸配列が互いに対して逆平行に整列された場合に各位置のヌクレオチド塩基が相補的になるような、特性を指す。
【0024】
用語「コントロール」、「参照レベル」、及び「参照」は、本明細書において互換可能に使用される。参照レベルは、測定された結果を評価するためのベンチマークとして使用される、所定の値又は範囲であり得る。本明細書において使用される「コントロール群」とは、一群のコントロール対象を指す。その所定のレベルは、コントロール群からのカットオフ値であり得る。その所定のレベルは、コントロール群からの平均であり得る。カットオフ値(又は所定のカットオフ値)は、適応的指標モデル(AIM)方法論により決定され得る。カットオフ値(又は所定のカットオフ値)は、患者群の生物学的サンプルから受信者動作曲線(ROC)分析により決定され得る。ROC分析は、生物学的分野において概して公知であるように、ある条件を別の条件から区別するための、例えば、CRCを有する患者を識別する際に各マーカーの成績を決定するための、試験の能力の決定である。ROC分析の記載はP.J. Heagerty et al.(Biometrics 2000, 56, 337-44)に提供され、その開示はその全体が本明細書により参考として援用される。代替的に、カットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの四分位分析により決定され得る。例えば、カットオフ値は、25~75パーセンタイル範囲中の任意の値に対応する値、好ましくは25パーセンタイル、50パーセンタイル又は75パーセンタイル、より好ましくは75パーセンタイルに対応する値を選択することにより、決定され得る。そのような統計分析は、当該分野において公知である任意の方法を使用して実施され得、(例えば、Analyse-it Software Ltd.、Leeds、UK;StataCorp LP、College Station、TX;SAS Institute Inc.、Cary、NCから)商業的に利用可能な多数のソフトウェアパッケージを通して実施され得る。標的について又はタンパク質活性についての健常又は正常なレベル又は範囲は、標準的な実務に従って定義され得る。コントロールは、本明細書において詳記するようなアゴニストを有さない対象又は細胞であり得る。コントロールは、その疾患状態が知られている、対象又はそれに由来するサンプルであり得る。対象又はそれに由来するサンプルは、健常なものであっても、疾患状態であっても、処置前の疾患状態であっても、処置中の疾患状態であっても、若しくは処置後の疾患状態であっても、又はそれらの組合せであってもよい。
【0025】
本明細書において使用される「修正する」、「遺伝子編集する」及び「復元する」とは、機能障害性のタンパク質若しくは短縮されたタンパク質をコードするか又はタンパク質を全くコードしない変異体遺伝子を変化させて、全長の機能的なタンパク質発現又は部分的に全長の機能的なタンパク質発現が得られるようにすることを指す。変異体遺伝子を修正又は復元することは、相同組換え修復(HDR)などの修復機構により、その変異を有さないその遺伝子のコピーで、その遺伝子の変異を有する領域を置換すること又は変異体遺伝子全体を置換することを含み得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、未成熟終止コドン、異常なスプライスアクセプター部位、又は異常なスプライスドナー部位を引き起こすフレームシフト変異を、その遺伝子中に、後に非相同末端結合(NHEJ)を使用して修復される二本鎖切断を生成することにより修復することを含み得る。NHEJは、適切なリーディングフレームを復元して未成熟終止コドンを除去し得る、少なくとも1塩基対を修復中に付加又は欠失し得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、異常なスプライスアクセプター部位又は異常なスプライスドナー配列を破壊することを含み得る。変異体遺伝子を修正又は復元することはまた、2つのヌクレアーゼ標的部位間のDNAを除去しそのDNA切断をNHEJにより修復することによって、適切なリーディングフレームを復元するために同じDNA鎖にある2つのヌクレアーゼの同時作用により非必須遺伝子セグメントを欠失させることを含み得る。
【0026】
本明細書において互換可能に使用される「ドナーDNA」、「ドナーテンプレート」、及び「修復テンプレート」とは、目的の遺伝子の少なくとも一部を含む、二本鎖DNAのフラグメント又は分子を指す。ドナーDNAは、完全な機能的なタンパク質又は部分的に機能的なタンパク質をコードし得る。
【0027】
本明細書において互換可能に使用される「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」又は「DMD」とは、筋肉変性及び最終的な死をもたらす、致死性の潜性X連鎖障害を指す。DMDは、一般的な遺伝性一遺伝子性疾患であり、3500人の男性のうち1人で発症する。DMDは、ジストロフィン遺伝子においてナンセンス変異又はフレームシフト変異を引き起こす、遺伝性変異又は自然発生変異の結果である。DMDを引き起こすジストロフィン変異の大多数は、そのリーディングフレームを破壊しジストロフィン遺伝子における未成熟翻訳終結を引き起こす、エクソンの欠失である。DMD患者は、典型的には、小児の間に自身を物理的に支持する能力を失い、ティーンエイジ年代の間に次第に弱くなり、その20代に死亡する。
本明細書において使用される「ジストロフィン」とは、筋線維の細胞骨格を、細胞膜を通して周囲の細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体の一部である、棒の形状をした細胞質タンパク質を指す。ジストロフィンは、筋肉細胞の完全性及び機能を調節するのを担う細胞膜のジストログリカン複合体に対して、構造的安定性を提供する。本明細書において互換可能に使用されるジストロフィン遺伝子又は「DMD遺伝子」は、座位Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbの寸法であり、成熟mRNAは約14kbである。79個のエクソンが、3,500アミノ酸超であるタンパク質をコードする。
【0028】
本明細書において使用される「エンハンサー」とは、複数のアクチベーター結合部位及びリプレッサー結合部位を含む非コードDNA配列を指す。エンハンサーは、長さが200bp~1kbの範囲にあり、エンハンサーは、プロモーターの5’上流側若しくは調節される遺伝子の第1のイントロン内にて近位にあるか、又は隣接する遺伝子のイントロン中若しくはその座位から遠く離れた遺伝子間領域にて遠位にあるかのいずれであってもよい。DNAループ形成を介して、活性なエンハンサーは、コアDNA結合モチーフプロモーター特異性に依存して、プロモーターと接触する。4~5個のエンハンサーが、プロモーターと相互作用し得る。同様に、エンハンサーは、連結制限なく1つよりも多くの遺伝子を調節し得、隣接する遺伝子を「スキップ」してより遠位にある遺伝子を調節し得る。転写調節は、プロモーターが存在する染色体とは異なる染色体に位置するエレメントを含み得る。近位エンハンサー又は隣接する遺伝子のプロモーターが、より遠位にあるエレメントを動員するためのプラットフォームとして作用し得る。
【0029】
本明細書において互換可能に使用される「フレームシフト」又は「フレームシフト変異」とは、1つ又は複数のヌクレオチドの付加又は欠失が、mRNA中のコドンのリーディングフレームのシフトを引き起こす型の遺伝子変異を指す。リーディングフレームのシフトは、タンパク質翻訳でのアミノ酸配列の変化、例えば、ミスセンス変異又は未成熟終止コドンをもたらし得る。
本明細書において使用される「機能的な」及び「完全な機能的な」は、生物学的活性を有するタンパク質を記述する。「機能的な遺伝子」とは、機能的なタンパク質へと翻訳されるmRNAへと転写される遺伝子を指す。
本明細書において使用される「融合タンパク質」は、別個のタンパク質を元々コードする2つ以上の遺伝子の結合を介して作製されたキメラタンパク質を指す。その融合遺伝子の翻訳は、元のタンパク質の各々に由来する機能的特性を有する単一のポリペプチドを生じる。
【0030】
「遺伝的構築物」とは、本明細書で使用される場合、タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むDNA又はRNA分子を意味する。コード配列は、核酸分子が投与される個人の細胞において発現を指令する能力を有するプロモーターやポリアデニル化シグナルを含む調節エレメントと作動可能に連結した開始シグナル及び終結シグナルを含む。本明細書で使用される場合、用語「発現可能な形態」とは、個人の細胞中に存在するときにコード配列が発現されるように、タンパク質をコードするコード配列と作動可能に連結した必要な調節エレメントを含有する遺伝的構築物を指す。調節エレメントは、例えばプロモーター、エンハンサー、開始コドン、終止コドン、又はポリアデニル化シグナルを含み得る。
【0031】
「ゲノム編集」又は「遺伝子編集」とは、本明細書で使用される場合、遺伝子のDNA配列を変化させることを指す。ゲノム編集は、変異体遺伝子を修正若しくは復元すること、又は追加的な変異を付加することを含み得る。ゲノム編集は、遺伝子、例えば変異体遺伝子又は正常な遺伝子をノックアウトすることを含み得る。ゲノム編集は、目的の遺伝子を変化させることによって疾患を処置するため、例えば、筋肉修復を増強するために、使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書において詳述されている組成物及び方法は、体細胞における使用のためのものであり、生殖系列細胞における使用のためのものではない。
【0032】
本明細書において使用される用語「異種」とは、天然では互いに対して同じ関係では見出されない2つ以上の部分配列を含む核酸を指す。例えば、組換え生成される核酸は、典型的には、新しい機能的な核酸を生成するように合成的に配置された無関係の遺伝子に由来する2つ以上の配列、例えば、ある供給源に由来するプロモーター及び別の供給源に由来するコード領域を有する。従って、その2つの核酸は、この状況においては、互いに対して異種である。細胞に添加される場合、組換え核酸はまた、その細胞の内因性遺伝子に対して異種である。従って、染色体において、異種核酸は、染色体中に組み込まれている非ネイティブ(天然に存在しない)核酸、又は非ネイティブ(天然に存在しない)染色体外核酸を含む。同様に、異種タンパク質とは、そのタンパク質が、天然では互いに対して同じ関係で見出されない2つ以上の部分配列を含むこと(例えば、その2つの部分配列が単一の核酸配列によりコードされる「融合タンパク質」)を示す。
用語「ヘテロ接合性」とは、本明細書で使用される場合、特定の遺伝子について、異なる2つのアレルを含む対象を指す。
用語「ホモ接合性」とは、本明細書で使用される場合、特定の遺伝子について、同一の2つのアレルを含む対象を指す。
【0033】
本明細書において互換可能に使用される「相同組換え修復」又は「HDR」とは、DNAの相同性部分が核中に存在する場合に、大部分が細胞周期のG2期及びS期において、二本鎖DNA損傷を修復する細胞中の機構を指す。HDRは、ドナーDNAテンプレートを使用して修復をガイドし、遺伝子全体の標的化した付加を含む、ゲノムに対する特定の配列変化を引き起こすために使用され得る。ドナーテンプレートがCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムと一緒に提供される場合、その細胞機構は、相同組換えによりその切断を修復し、これはDNA切断の存在下では数桁増強される。相同性DNA部分が存在しない場合、非相同末端結合が代わりに生じ得る。
2つ以上のポリヌクレオチド配列又はポリペプチド配列の文脈において本明細書において使用される「同一の」又は「同一性」は、それらの配列が、特定の領域にわたって同じである、特定のパーセンテージの残基を有することを意味する。パーセンテージは、その2つの配列を最適に整列すること、特定の領域にわたって2つの配列を比較すること、両方の配列において同一の残基が存在する位置の数を決定して一致した位置の数を得ること、一致した位置の数を特定の領域の全位置数で除算すること、及びその結果に100を乗算して配列同一性のパーセンテージを得ることによって、計算され得る。2つの配列が異なる長さであるか又は整列が1つ又は複数の互い違いの末端を生じ、特定の比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基が、計算の分母に含められるが分子には含められない。DNAとRNAとを比較する場合、チミン(T)及びウラシル(U)は等価であると考えられ得る。同一性は、手作業によってか、又はBLAST若しくはBLAST 2.0などのコンピュータ配列アルゴリズムを使用することによって、実施され得る。
【0034】
「接合部」とは、本明細書で使用される場合、1つ又は複数の核酸が繋がる核酸内の点を指す。いくつかの実施形態では、接合部は、イントロンがエクソンと繋がる核酸内の点であり得る。いくつかの実施形態では、接合部は、イントロン又はその部分が、そのものと、又は異なるイントロン若しくはその部分と繋がる核酸内の点であり得る。いくつかの実施形態では、接合部は、二重鎖切断が核酸内で生じた核酸内の点であり得る。
【0035】
本明細書において互換可能に使用される「変異体遺伝子」又は「変異した遺伝子」とは、検出可能な変異を受けている遺伝子を指す。変異体遺伝子は、その遺伝子の正常な伝達及び発現に影響する変化、例えば、遺伝物質の喪失、獲得、又は交換を受けている。本明細書において使用される「破壊された遺伝子」とは未成熟終止コドンを引き起こす変異を有する変異体遺伝子を指す。その破壊された遺伝子生成物は、全長の破壊されていない遺伝子生成物と比較して短縮されている。
【0036】
本明細書において使用される「非相同末端結合(NHEJ)経路」とは、DNA中の二本鎖切断を、相同性テンプレートを必要とすることなくその切断末端を直接連結することによって修復する経路を指す。NHEJによるDNA末端のテンプレート非依存性再連結は、そのDNA切断点でランダムな微小挿入及び微小欠失(インデル)を導入する、確率論的な誤りがちな修復プロセスである。この方法は、標的とされた遺伝子配列のリーディングフレームを意図的に破壊、欠失、又は変化させるために使用され得る。NHEJは、典型的には、マイクロホモロジーと呼ばれる短い相同性DNA配列を使用して修復をガイドする。これらのマイクロホモロジーは、二本鎖切断の末端にある一本鎖突出にしばしば存在する。その突出が完全に適合性である場合、NHEJは通常はその切断を正確に修復し、それでもなお、ヌクレオチドの喪失をもたらす不正確な修復もまた、生じ得るが、その不正確な修復は、その突出が適合性ではない場合の方がかなり多く起こる。「ヌクレアーゼ媒介式のNHEJ」とは、本明細書で使用される場合、ヌクレアーゼが二本鎖DNAを切断した後に開始するNHEJを指す。
【0037】
本明細書において使用される「正常な遺伝子」とは、変化、例えば遺伝物質の欠如、獲得、又は交換を受けていない遺伝子を指す。正常な遺伝子は、正常な遺伝子伝達及び遺伝子発現を経験する。例えば、正常な遺伝子は、野生型遺伝子であり得る。
本明細書において使用される「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」は、一緒に共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。一本鎖の記載はまた、その相補鎖の配列も定義する。従って、ポリヌクレオチドはまた、記載された一本鎖の相補鎖も包含する。ポリヌクレオチドの多くのバリアントが、所定のポリヌクレオチドと同じ目的のために使用され得る。従って、ポリヌクレオチドはまた、実質的に同一のポリヌクレオチド及びその相補体を包含する。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。従って、ポリヌクレオチドはまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも包含する。ポリヌクレオチドは、一本鎖であってもよく、若しくは二本鎖であってもよく、又は二本鎖配列及び一本鎖配列の両方の部分を含み得る。ポリヌクレオチドは、天然若しくは合成の核酸、DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、又はハイブリッドであり得、ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドとの組合せ、及び例えば、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシン、及びイソグアニンを含む、塩基の組合せを含み得る。ポリヌクレオチドは、化学合成法又は組換え方法によって取得され得る。ゲノム核酸はゲノムDNAであり得るが、その場合のゲノムDNAは、生物(研究で一般的に使用される細胞系、例えばHEK293T細胞等が含まれる)の染色体DNAである。
【0038】
「オープンリーディングフレーム」とは、開始コドンで始まり終止コドンで終わる一続きのコドンを指す。複数のエクソンを含む真核生物遺伝子において、イントロンが除去され、その後、エクソンが転写後に一緒に結合されてタンパク質翻訳用の最終mRNAを生じる。オープンリーディングフレームは、連続的なコドン連続体であり得る。いくつかの実施形態において、オープンリーディングフレームは、タンパク質の発現のために、スプライシングされたmRNAにのみ当てはまるが、ゲノムDNAには当てはまらない。
【0039】
本明細書において使用される「作動可能に連結されている」とは、遺伝子の発現が、その遺伝子が空間的に結合されたプロモーターの制御下にあることを意味する。プロモーターは、その制御下にある遺伝子の5’側(上流)に位置してもよく、又は3’側(下流)に位置してもよい。プロモーターと遺伝子との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子中でそのプロモーターが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当該分野において公知であるように、この距離の変動は、プロモーター機能が喪失することなく調整され得る。核酸配列又はアミノ酸配列は、互いと機能的な関係になるように配置された場合に、「作動可能に連結されている」(又は「作動的に連結されている」)。例えば、プロモーター又はエンハンサーは、それがコード配列の転写を調節するか又はその転写の調節に寄与する場合に、コード配列と作動可能に連結されている。作動可能に連結されたDNA配列は、典型的には連続的であり、作動可能に連結されたアミノ酸配列は、典型的には、連続的であり同じリーディングフレーム中にある。しかし、エンハンサーはプロモーターから数キロベース又はそれ以上まで分離されている場合に概して機能し、イントロン配列は可変の長さであり得るので、いくつかのポリヌクレオチドエレメントは、作動可能に連結されているが連続的ではないものであり得る。同様に、主にポリペプチド配列において連続的ではない特定のアミノ酸配列が、それにも関わらず、例えば、ポリペプチド鎖のフォールディングが原因で、作動可能に連結されたものであり得る。融合ポリペプチドに関して、用語「作動的に連結されている」及び「作動可能に連結されている」は、その成分の各々が、もう一方の成分と連結して、それがそのようには連結されていなかった場合と同じ機能を実施することを指し得る。
【0040】
本明細書において使用される「部分的に機能的な」とは、変異体遺伝子によりコードされ、機能的なタンパク質よりも少ないが機能的ではないタンパク質よりは多い生物学的活性を有する、タンパク質を記述する。
【0041】
「ペプチド」又は「ポリペプチド」は、ペプチド結合により連結された2つ以上のアミノ酸の連結された配列である。ポリペプチドは、天然であってもよく、合成であってもよく、又は天然及び合成の改変形若しくは組合せであってもよい。ペプチド及びポリペプチドは、タンパク質、例えば、結合タンパク質、レセプター、及び抗体を含む。用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」は、本明細書において互換可能に使用される。「一次構造」とは、特定のペプチドのアミノ酸配列を指す。「二次構造」とは、ポリペプチド内の局所的に規則的な三次元構造を指す。これらの構造は、ドメイン、例えば、酵素ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、ポアドメイン、及び細胞質尾部ドメインとして一般的に公知である。「ドメイン」は、ポリペプチドの小型の単位を形成するポリペプチド部分であり、典型的には15~350アミノ酸長である。例示的なドメインとしては、酵素的活性又はリガンド結合活性を有するドメインが挙げられる。典型的なドメインは、より小さな構成の部分、例えば、βシートの連続体及びαヘリックスの連続体から構成される。「三次構造」とは、ポリペプチドモノマーの完全な三次元構造を指す。「四次構造」とは、独立した三次単位の非共有結合的会合によって形成される三次元構造を指す。「モチーフ」とは、ポリペプチド配列の部分であり、少なくとも2つのアミノ酸を含む。モチーフは、2~20、2~15、又は2~10アミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態において、モチーフは、3、4、5、6、又は7個連続するアミノ酸を含む。ドメインは、一連の同じ型のモチーフから構成され得る。
【0042】
本明細書において互換可能に使用される「未成熟終止コドン」又は「アウトオブフレーム終止コドン」とは、その野生型遺伝子では通常は見出されない位置で終止コドンを生じる、DNAの配列中のナンセンス変異を指す。未成熟終止コドンは、タンパク質を、そのタンパク質の全長バージョンと比較して短縮させ得るか又は短くし得る。
【0043】
本明細書において使用される「プロモーター」とは、細胞における核酸の発現を付与、活性化又は増強可能である、合成又は天然由来の分子を意味する。プロモーターは、核酸の発現をさらに増強するため、並びに/又は核酸の空間的発現及び/若しくは時間的発現を変更するために、1つ又は複数の特定の転写調節配列を含み得る。プロモーターはまた、転写開始部位から数千塩基対程度に位置し得る、遠位エンハンサー又はリプレッサーエレメントを含み得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む供給源に由来し得る。プロモーターは、遺伝子成分の発現を構成的に調節し得、或いは発現が生じる細胞、組織若しくは器官に関して、又は発現が生じる発達段階に関して、又は外因性刺激、例えば、心理的ストレス、病原体、金属イオン、若しくは誘発剤に応答して、遺伝子成分の発現を差次的に調節し得る。プロモーターの代表的例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター-プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、SV40初期プロモーター又はSV40後期プロモーター、ヒトU6(hU6)プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。筋肉特異的幹細胞を標的とするプロモーターとしては、CK8プロモーター、Spc5-12プロモーター、及びMHCK7プロモーターが挙げられ得る。
【0044】
用語「組換え」とは、例えば、細胞、核酸、タンパク質、又はベクターに関して使用される場合、その細胞、核酸、タンパク質、又はベクターが、異種核酸若しくは異種タンパク質の導入又はネイティブ核酸若しくはタンパク質の変更によって改変されていること、或いはその細胞がそのように改変された細胞に由来することを示す。従って、例えば、組換え細胞は、ネイティブ(天然に存在する)形態のその細胞内では見出されない遺伝子を発現するか、又は別の状況では正常若しくは異常に発現されるか、過小発現されるか、又は全く発現されない、ネイティブ遺伝子の第2のコピーを発現する。
【0045】
本明細書において使用される「サンプル」又は「試験サンプル」とは、標的の存在及び/又はレベルが検出又は決定されるべき任意のサンプルを意味し得、或いは本明細書において詳述されているDNA標的化システム若しくは遺伝子編集システム又はそれらの成分を含む任意のサンプルを意味し得る。サンプルは、液体、溶液、乳濁液、又は懸濁物を含み得る。サンプルは、医学的サンプルを含み得る。サンプルは、任意の生物学的液体又は組織、例えば、血液、全血、血漿及び血清などの血液画分、筋肉、間質液、汗、唾液、尿、涙、滑液、骨髄、脳脊髄液、鼻分泌物、痰、羊水、気管支肺胞洗浄液、胃洗浄物、嘔吐、糞便物質、肺組織、末梢血単核球、総白血球、リンパ節細胞、脾細胞、扁桃細胞、がん細胞、腫瘍細胞、胆汁、消化液、皮膚、又はそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、サンプルは、アリコートを含む。他の実施形態において、サンプルは、生物学的液体を含む。サンプルは、当該分野において公知である任意の手段によって取得され得る。サンプルは、患者から取得された状態で直接使用されてもよく、又は本明細書において議論されているある種の様式若しくは当該分野で公知であるような別の方法で、サンプルの特徴を改変するために、例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉する成分の不活化、試薬の添加などによって事前処理されてもよい。
【0046】
「骨格筋」とは、本明細書で使用される場合、体性神経系の制御下に置かれ、及び腱として知られているコラーゲン線維の束によって骨に結着した横紋筋の種類を指す。骨格筋は、筋細胞又は「筋肉細胞」として知られ、時に口語的に「筋線維」と呼ばれる個別の成分からなる。筋細胞は、筋形成として知られているプロセスにおいて、発達期筋芽細胞(筋肉細胞を生じさせる胚性前駆細胞の種類)の融合から形成される。この長尺円筒形多核性の細胞は筋線維とも呼ばれる。
【0047】
「骨格筋の状態」とは、本明細書で使用される場合、骨格筋と関連する状態、例えば筋ジストロフィー、老化、筋肉変性、創傷治癒、及び筋力低下、又は萎縮等を指す。
【0048】
本明細書において互換可能に使用される「対象」及び「患者」とは、本明細書において記載される組成物又は方法を欲するか又は必要とする、哺乳動物を含むがそれに限定はされない任意の脊椎動物を指す。対象は、ヒトであってもよく、又は非ヒトであってもよい。対象は脊椎動物であり得る。対象は哺乳動物であり得る。哺乳動物は霊長類であってもよく、又は非霊長類であってもよい。哺乳動物は、例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ハリネズミ、アリクイ、カモノハシ、ゾウ、アルパカ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、及びマウスなどの、非霊長類であり得る。哺乳動物は、霊長類、例えば、ヒトであり得る。哺乳動物は、例えば、サル、カニクイザル、アカゲザル、チンパンジー、ゴリラ、オラウータン、及びテナガザルなどの、非ヒト霊長類であり得る。対象は、任意の年齢又は発達段階、例えば、成体、青年、又は小児などであり得る。対象は雄であり得る。対象は雌であり得る。いくつかの実施形態において、対象は、特定の遺伝的マーカーを有する。対象は、他の形態の処置を経験中であり得る。
【0049】
「実質的に同一の」とは、第1及び第2のアミノ酸配列又は第1及び第2のポリヌクレオチド配列が、それぞれ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100アミノ酸又はヌクレオチドの領域にわたって、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%であることを意味し得る。
本明細書において使用される「標的遺伝子」とは、既知の遺伝子生成物又は推定遺伝子生成物をコードする、任意のヌクレオチド配列を指す。標的遺伝子は、遺伝的疾患に関与する変異した遺伝子であり得る。標的遺伝子は、修正されるように意図された、又はその発現が調節されるように意図された、既知又は推定遺伝子産物をコードし得る。ある特定の実施形態では、標的遺伝子はDMDに関与する遺伝子である。
【0050】
本明細書において使用される「標的領域」とは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム又は標的化システムが結合するように設計されている、標的遺伝子の領域を指す。
【0051】
本明細書において使用される「導入遺伝子」とは、ある生物から分離されていて別の生物中へと導入される遺伝子配列を含む、遺伝子又は遺伝物質を指す。この非ネイティブDNAセグメントは、トランスジェニック生物においてRNA又はタンパク質を生成する能力を保持し得、又はこの非ネイティブDNAセグメントは、トランスジェニック生物の遺伝コードの正常な機能を変化させ得る。導入遺伝子の導入は、生物の表現型を変化させる可能性を有する。
「転写調節エレメント」又は「調節エレメント」とは、核酸配列の発現を制御し得る、例えば、核酸配列の発現を活性化、増強、若しくは減少し得るか、又は核酸配列の空間的及び/若しくは時間的発現を変化させ得る、遺伝的エレメントを指す。調節エレメントの例としては、例えば、プロモーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、及び終結シグナルが挙げられる。調節エレメントは、その調節エレメントが作動可能に連結された遺伝子に関して、「内因性」、「外因性」又は「異種」であり得る。「内因性」調節エレメントは、ゲノム中の所定の遺伝子と天然で連結されている調節エレメントである。「外因性」又は「異種」調節エレメントは、所定の遺伝子と通常は連結されていないが遺伝的操作によって遺伝子と作動可能に連結して配置されている、調節エレメントである。
【0052】
対象を疾患から保護することに言及する場合の「処置」又は「処置する」又は「処理」とは、疾患の進行を抑止、抑制、逆転、軽減、寛解、若しくは阻害すること、又は疾患を完全に除去することを意味する。処置は、急性様式又は長期様式のいずれでも実施され得る。この用語はまた、疾患の重症度又はその疾患による苦痛の前のそのような疾患に関連する症状を減少させることも指す。疾患を予防することは、疾患の発症前に本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。疾患を抑止することは、その疾患の誘導後であるがその疾患の臨床的出現の前に、本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。疾患を抑制又は寛解することは、その疾患の臨床的出現の後に、本発明の組成物を対象に投与するステップを含む。本明細書で使用される場合、用語「遺伝子療法」とは、患者を処置する方法であって、特定の遺伝子の活性及び/又は発現が調節されるように、ポリペプチド配列又は核酸配列を患者の細胞中に移動する方法を指す。ある特定の実施形態では、遺伝子の発現は抑制される。ある特定の実施形態では、遺伝子の発現は強化される。ある特定の実施形態では、遺伝子の発現の時間的又は空間的なパターンが調節される。
【0053】
ポリヌクレオチドに関して本明細書において使用される「バリアント」とは、(i)言及されたヌクレオチド配列の部分若しくはフラグメント;(ii)言及されたヌクレオチド配列の相補体若しくはその部分;(iii)言及された核酸若しくはその相補体と実質的に同一の核酸;又は(iv)言及された核酸、その相補体、若しくはそれらと実質的に同一の配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸を意味する。
【0054】
アミノ酸の挿入、欠失、又は保存的置換によりアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物学的活性を保持する、ペプチド又はポリペプチドに関する「バリアント」。バリアントはまた、あるアミノ酸配列を有する言及されたタンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、少なくとも1つの生物学的活性を保持する、タンパク質も意味し得る。「生物学的活性」の代表的例としては、特異的抗体若しくはポリペプチドによって結合される能力、又は免疫応答を促進する能力が挙げられる。バリアントは、その機能的なフラグメントを意味し得る。バリアントはまた、ポリペプチドの複数コピーも意味し得る。複数コピーは、タンデム型であってもよく、又はリンカーによって分離されていてもよい。アミノ酸の保存的置換、例えば、あるアミノ酸を類似する特性(例えば、親水性、荷電領域の程度及び分布)を有する別のアミノ酸で置換することは、微小な変化を典型的には含むものとして当該分野において認識されている。これらの微小な変化は、当該分野において理解されるように(Kyte et al., J. Mol. Biol. 1982, 157, 105-132)、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することによって、部分的には識別され得る。あるアミノ酸の疎水性親水性指標は、そのアミノ酸の疎水性及び電荷を考慮することに基づく。類似する疎水性親水性指標のアミノ酸が置換されてもなおタンパク質機能を保持し得ることは、当該分野において公知である。一つの態様において、±2の疎水性親水性指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性もまた、生物学的機能を保持するタンパク質を生じる置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドの状況におけるアミノ酸の親水性を考慮することにより、そのペプチドの最大の局所的平均親水性の計算が可能になる。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸を用いて実施され得る。アミノ酸の疎水性指標及び親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖により影響を受ける。その知見と一致して、生物学的機能と適合性があるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさ、及び他の特性によって明らかにされるような、そのアミノ酸の相対的類似性、及び特にアミノ酸の側鎖に依存することが理解される。
【0055】
本明細書において使用される「ベクター」とは、複製起点を含む核酸配列を意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、又は酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNAベクター又はRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製する染色体外ベクターであり得、好ましくはDNAプラスミドである。例えば、ベクターは、Cas9タンパク質及び少なくとも1つのgRNA分子をコードし得る。
【0056】
本明細書においてそうではないと定義されない限り、本開示に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。例えば、本明細書において記載される細胞培養、組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、タンパク質化学、核酸化学及びハイブリダイゼーションに関して使用されるすべての命名法、並びにそれらの技術は、当該分野において周知であり一般的に使用されるものである。それらの用語の意味及び範囲は明らかであるが、しかし万一、なんらかの隠れた曖昧さがある場合には、本明細書において提供されている定義が、いかなる辞書にも外部の定義にも優先する。さらに、そうではないように文脈によって要求されない限りは、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数を含む。
【0057】
(2.ジストロフィン遺伝子)
ジストロフィンは、筋線維の細胞骨格を、細胞膜を通して周囲の細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体の一部である、棒の形状をした細胞質タンパク質である。ジストロフィンは、細胞膜のジストログリカン複合体に対して、構造的安定性を提供する。ジストロフィン遺伝子は、座位Xp21にある2.2メガベースである。一次転写は、約2,400kbの寸法であり、成熟mRNAは約14kbである。79個のエクソンが、およそ220万ヌクレオチドを含み、3,500アミノ酸超であるタンパク質をコードする。正常な骨格筋組織は、少量のジストロフィンしか含まないが、その異常な発現が存在しないと、重篤で治癒不可能な症状の発症がもたらされる。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、欠損性ジストロフィンの生成及び重篤なジストロフィー表現型を罹患した患者においてもたらす。ジストロフィン遺伝子におけるいくつかの変異は、部分的に機能的なジストロフィンタンパク質及びかなりより軽度のジストロフィー表現型を罹患した患者においてもたらす。
【0058】
DMDは、ジストロフィン遺伝子においてナンセンス突然変異又はフレームシフト突然変異を引き起こす、遺伝性又は自然発生的X連鎖劣性突然変異の結果である。DMDはきわめて衰弱性及び不治性の重度筋疾患である。DMDは最も広く認められる致死性遺伝性小児期疾患であり、また新生男児5,000人のうちおよそ1人が罹患する。DMDは、筋肉衰退、進行性筋力低下により特徴付けられ、機能的ジストロフィン遺伝子の欠如に起因して、20代半ばでの対象における死亡、及び早期死亡を多くの場合もたらす。ほとんどの変異は、リーディングフレームを破壊するジストロフィン遺伝子における欠失である。天然に存在する変異及びその結果は、DMDについては比較的よく理解されている。そのロッドドメイン内に含まれるエクソン45~55領域において生じるインフレーム欠失は、非常に機能的なジストロフィンタンパク質を生成し得、多くの保因者が無症状であるかは又は軽度の症状を示す。ジストロフィンのエクソン45~55は、変異ホットスポットである。さらに、患者のうちの60%よりも多くが、ジストロフィン遺伝子のこの領域におけるエクソンを標的とすることによって、処置され得る。内部が欠失しているが機能的なジストロフィンタンパク質を生成するためにmRNAスプライシングの間に非必須エクソンをスキッピング(例えば、エクソン45スキッピング)することによって、DMD患者における破壊されたジストロフィンリーディングフレームを復元する努力が、行われてきた。内部ジストロフィンエクソンの欠失(例えば、エクソン45の欠失)は、適切なリーディングフレームを保持し得、内部が短縮されているが部分的に機能的なジストロフィンタンパク質を生成し得る。ジストロフィンのエクソン45~55の間の欠失は、DMDと比較してかなり軽度である表現型を生じ得る。
【0059】
ジストロフィン遺伝子は、ジストロフィン遺伝子突然変異体であり得る。ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子であり得る。ジストロフィン遺伝子は、哺乳動物ジストロフィン遺伝子であり得る。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子はイヌジストロフィン遺伝子である。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子はラットジストロフィン遺伝子である。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子は、マウスジストロフィン遺伝子である。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子はヒトジストロフィン遺伝子である。ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子と機能的に同一の配列を有し得、例えば、その配列は、コドンを最適化され得るが、依然として、野生型ジストロフィンと同じタンパク質をコードする。変異体ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子と比較して1つ又は複数の変異を含み得る。変異は、例えば、ヌクレオチドの欠失、置換、付加、トランスバージョン、又はそれらの組合せを含み得る。ジストロフィン遺伝子内突然変異は、ジストロフィン遺伝子の機能的欠失であり得る。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子内突然変異は、ジストロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる挿入又は欠失をジストロフィン遺伝子内に含む。突然変異は、1つ又は複数のエクソン及び/又はイントロン内にあり得る。変異は、少なくとも1つのイントロン及び/又はエクソンのすべて若しくは部分の欠失を含み得る。変異体ジストロフィン遺伝子のエクソンは、ジストロフィン遺伝子から変異又は少なくとも部分的に欠失され得る。変異体ジストロフィン遺伝子のエクソンは、完全に欠失され得る。変異体ジストロフィン遺伝子は、野生型ジストロフィン遺伝子における対応する配列に対応する、部分又はそのフラグメントを有し得る。いくつかの実施形態において、欠失又は変異したエクソンによって引き起こされた破壊されたジストロフィン遺伝子は、対応する野生型エクソンを戻して付加することによって、DMD患者において復元され得る。いくつかの実施形態において、欠失又は変異したエクソン52によって引き起こされた破壊されたジストロフィンは、野生型エクソン52を戻して付加することによって、DMD患者において復元され得る。特定の実施形態において、エクソン52を付加してリーディングフレームを復元すると、欠失変異を有するDMD対象を含む、DMD対象における表現型を寛解する。特定の実施形態において、1つ又は複数のエクソンが、破壊されたジストロフィン遺伝子に付加及び挿入され得る。1つ又は複数のエクソンが、ジストロフィン内の対応する突然変異又はエクソンの欠失を修復するために付加及び挿入され得る。その1つ又は複数のエクソンは、エクソン52を戻して付加及び挿入することに加えて、破壊されたジストロフィン遺伝子に付加及び挿入され得る。特定の実施形態において、ジストロフィン遺伝子のエクソン52とは、ジストロフィン遺伝子の52番目のエクソンを指す。エクソン52は、DMD患者におけるフレームを破壊する欠失に頻繁に隣接する。マウスジストロフィン遺伝子内突然変異は、マウスジストロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる挿入又は欠失をマウスジストロフィン遺伝子内に含み得る。いくつかの実施形態では、ジストロフィン遺伝子の破壊は、マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23における突然変異によって引き起こされる可能性がある。いくつかの実施形態では、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異は、マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを含む。いくつかの実施形態では、ヒトジストロフィン遺伝子内突然変異は、少なくとも1つのエクソンの欠失を含む。いくつかの実施形態では、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体は、エクソン52を欠失している。
【0060】
(3.ユートロフィン遺伝子)
ユートロフィンは、ジストロフィンを含むアクチン結合タンパク質ファミリーの一部分である、大型のマルチドメインタンパク質である。ユートロフィンはジストロフィンの同族体である。ユートロフィンは、発達期の筋肉内で発現され、そして成熟筋肉内の神経筋接合部において濃縮している。ユートロフィンレベルは筋線維が成熟するに従い低下し、ジストロフィンに置き換わる。ジストロフィンと同様に、ユートロフィンは、ジストロフィン関連タンパク質複合体(細胞膜を通じて、筋線維の細胞骨格を周辺の細胞外マトリックスと結びつけるタンパク質複合体)と相互作用する。ユートロフィン遺伝子は約900kbであり、ヒトでは座位6q24.2に位置し、及びマウスでは座位10 A1-A2;10 3.77 cMに位置する(配列番号37)。ヒトでは、85個のエクソンが、3,433個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする。マウスでは、81個のエクソンが、3,430個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする(配列番号38)。成熟した骨格筋組織はユートロフィンを含有するが、しかしそれが存在しなくても、又は異常に発現しても、何らかの身体上又は行動上の欠陥を引き起こさない。ユートロフィン遺伝子内で突然変異が生ずると、欠陥を有するユートロフィンが産生され、またジストロフィン遺伝子内突然変異と複合すると、重度ジストロフィー表現型を引き起こす。
【0061】
ユートロフィン遺伝子は、ユートロフィン遺伝子突然変異体であり得る。ユートロフィン遺伝子は、野生型ユートロフィン遺伝子であり得る。ユートロフィン遺伝子は、野生型ユートロフィン遺伝子と機能的に同一の配列を有する可能性があり、例えば、その配列はコドン最適化され得るが、しかし野生型ユートロフィンと同一のタンパク質をなおもコードする。ユートロフィン遺伝子突然変異体は、野生型ユートロフィン遺伝子と比較して1つ又は複数の突然変異を含み得る。突然変異は、例えば、ヌクレオチドの欠失、又は短縮、置換、付加、塩基転換、又はそれらの組合せを含み得る。マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子の機能的欠失であり得る。いくつかの実施形態では、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子からのタンパク質の発現を妨げる挿入又は欠失をマウスユートロフィン遺伝子内に含む。例えば、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、マウスユートロフィン遺伝子のエクソン7内に挿入を含み得る。エクソン7内のそのような挿入は、マウスユートロフィン遺伝子からタンパク質の発現を妨げる可能性がある。突然変異は、少なくとも1つのイントロン及び/又はエクソンの全部又は一部の欠失を含み得る。ユートロフィン遺伝子突然変異体のエクソンは、突然変異しているか又はユートロフィン遺伝子から少なくとも部分的に欠失している可能性がある。ユートロフィン遺伝子突然変異体のエクソンは完全に欠失し得る。マウスユートロフィン遺伝子内突然変異は、全マウスユートロフィン遺伝子の欠失であり得る。ユートロフィン遺伝子突然変異体は、野生型ユートロフィン遺伝子内の対応する配列に対応する部分又はその断片を有し得る。いくつかの実施形態では、ユートロフィンの破壊は、マウスユートロフィン遺伝子のエクソン7中にネオマイシンカセットを挿入することにより引き起こされる。ある特定の実施形態では、1つ又は複数のエクソンが、破壊されたユートロフィン遺伝子に付加及び挿入され得る。
【0062】
(4.トランスジェニックマウス)
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を介して送達された小型化ジストロフィン導入遺伝子を利用しながらDMDを処置するこれまでの遺伝子置換戦略は、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)様の表現型を創出するジストロフィー病理において、その寛解に成功している。なおも、筋肉代謝回転の加速、外来ジストロフィンタンパク質に対する免疫応答、及びrAAVのパッケージング上の制約が、DMDに対する最大の治療効果を達成する上で重大な障壁となっている。CRISPR/Cas9はゲノム編集に対する有望な戦略であり、また欠陥を有するジストロフィンエクソンを標的として永続的に切除するのを可能にする。AAV送達を介してエクソンを切除するのに、及びジストロフィンリーディングフレームを修復して、短めではあるがなおも機能的なタンパク質を生み出すのに、CRISPR/Cas9が、ジストロフィーmdxマウスにおいてこれまでに使用されてきた。その結果、骨格筋の病理及び機能が改善した。ヒトジストロフィン遺伝子を標的とするCRISPR媒介式の処置戦略について、その有効性をテストするために、ヒト化マウスモデル、hDMDΔ52/mdxがこれまでに生み出された。このマウスは、第5染色体に位置するヒトジストロフィン遺伝子内にエクソン52の欠失(アウトオブフレーム突然変異を創出する)、並びにマウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に点突然変異を含有する。その結果、このマウスは、完全にジストロフィンヌルとなり、そして野生型マウスと比較して、軽度の筋肉病理及び呼吸器系機能の欠陥を呈する。hDMDΔ52/mdxマウスを対象にCRISPR処置を行えば、ヒトジストロフィンリーディングフレームを修復することができ、そしてタンパク質の発現を可能にするが、ベースライン時におけるその軽度の病理及び表現型に起因して、機能的改善を見分けるのが困難である。さらに、DMD患者症状の重症度をより良好に反映するマウスモデルを利用することは、CRISPRベースの療法のフィージビリティーを判定する際にきわめて有益である。ヒトDMD表現型を有効に再現し、並びにDMDに対する将来的なヒト標的療法を評価及び開発するためのモデルに対する必要性が存在する。
【0063】
新たなトランスジェニックマウスが本明細書に提示される。トランスジェニックマウスのゲノムは、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含み得る。例えば、トランスジェニックマウスのゲノムは、マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを含み得る。マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを挿入すると、その結果、マウスにおいて、マウスジストロフィン遺伝子の機能的ノックアウトを引き起こす可能性がある。トランスジェニックマウスのゲノムは、野生型ヒトジストロフィン遺伝子を含み得る。トランスジェニックマウスのゲノムは、ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含み得る。ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体は、マウスの第5染色体上に存在し得る。マウスのゲノム内のヒトジストロフィン遺伝子突然変異体は、エクソンの欠失、例えばエクソン52の欠失等を有し得る。
【0064】
トランスジェニックマウスのゲノムは、これまでに詳記したように、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異を含み得る。例えば、トランスジェニックマウスのゲノムは、マウスユートロフィン遺伝子の完全若しくは部分的欠失、又は機能的欠失を含み得る。マウスユートロフィン遺伝子は、マウスの第10染色体から、完全に、部分的に、又は機能的に欠失し得る。マウスユートロフィン遺伝子は、配列番号37のポリヌクレオチドを含み得る。マウスユートロフィン遺伝子は、配列番号38のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし得る。マウスは、野生型又はジストロフィン遺伝子突然変異体のヒト形態を発現し得るが、しかしマウスユートロフィン又はマウスジストロフィンを発現し得ない。いくつかの実施形態では、マウスは、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、マウスは、マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてホモ接合性である。トランスジェニックマウスは、hDMDΔ52/mdx/UtrnKOと呼ばれる場合もある。
【0065】
トランスジェニックマウスは、ジストロフィー表現型の多くの側面を反映し得る。トランスジェニックマウスは、コントロールマウスと比較してより重度の表現型を呈する可能性がある。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型マウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下しており、呼吸器系に欠陥を有し、骨格筋の線維化を有し、クレアチンキナーゼ(CK)レベルが上昇しており、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下しており、呼吸器系の欠陥を有し、骨格筋の線維化を有し、クレアチンキナーゼ(CK)レベルが上昇しており、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している。いくつかの実施形態では、マウスは、(i)野生型マウス、(ii)野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウス、並びに/或いは(iii)野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、筋損傷が増加している。筋損傷は、筋肉の変性、筋肉の線維化、及び血清クレアチンキナーゼの上昇のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、マウスは、心臓又は骨格筋において検出可能なジストロフィンタンパク質を示さない。
【0066】
マウスから得られた単離後の細胞又はその子孫細胞が本明細書にさらに提示される。細胞は、例えば筋肉細胞、衛星細胞、又はiPSC/iCMであり得る。マウスより生み出された配偶子が本明細書にさらに提示される。配偶子は、機能的マウスジストロフィンタンパク質、又は機能的マウスユートロフィンタンパク質をコードし得ない。マウスに由来する一次細胞培養物若しくは二次細胞系、及び/又はマウスに由来する組織若しくは臓器外植片若しくはその培養物が本明細書にさらに提示される。
これまでに詳記したように、トランスジェニックマウスは、ヒトDMD表現型をより良好に再現するマウスモデルとして使用され得る。トランスジェニックマウスのより重度の表現型は、マウスに対する機能的改善、例えば本明細書において詳記するCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを投与した際に誘発される改善等の検出改善を可能にし得る。例えば、トランスジェニックマウスは、遺伝性疾患、例えばDMD等を試験し、並びにCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを使用してジストロフィン及びユートロフィンの発現を変化させるのに有用であり得る。開示されるマウスモデルは、表現型、例えば運動機能及び寿命等の測定を使用して治療薬の有効性を評価することにも使用可能である。
【0067】
(5.CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム)
本明細書において詳記する構成物及び方法は、1つ若しくは2つ、又は1つ若しくは複数の標的ヌクレアーゼがゲノム内に欠失を創出するように組み合わされる、任意の遺伝子編集システム又はツールに適し得る。遺伝子編集システムとして、例えばホーミングエンドヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写アクチベーター様エフェクター(TALE)ヌクレアーゼ(TALEN)、及びクラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復(CRISPR)-CRISPR関連タンパク質(Casタンパク質)、例えばCas9等を含むものを挙げることができる。ホーミングエンドヌクレアーゼは、一般的にそのDNA基質をダイマーとして切断し、また明確な結合及び切断ドメインを有さない。ZFNは、FokI切断ドメインにより認識される5~7塩基対(bp)スペーサー配列に隣接する2つのジンクフィンガー結合部位から構成される標的部位を認識する。TALENは、FokI切断ドメインにより認識される12~20bpスペーサー配列に隣接する2つのTALE DNA結合部位から構成される標的部位を認識する。いくつかの実施形態では、本明細書において詳記する構成物及び方法は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムと共に使用され得る。
【0068】
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが本明細書に提示される。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、ジストロフィン遺伝子内のエクソンを欠失させるのに使用され得る。ある特定の実施形態では、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、ヒトジストロフィン遺伝子内のエクソン51を欠失させるのに使用され得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのCas9タンパク質又は融合タンパク質、及び少なくとも1つのgRNAを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書において詳記するマウスモデルが、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムとの併用に適する。
【0069】
本明細書において互換可能に使用される「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列反復」及び「CRISPR」とは、配列決定された細菌のおよそ40%及び配列決定された古細菌の90%のゲノムにおいて見出される、複数の短い直接反復を含む座位を指す。CRISPRシステムは、侵入するファージ及びプラスミドに対する防御に関与する、ある形態の獲得免疫を提供する微生物ヌクレアーゼシステムである。微生物宿主中にあるCRISPR座位は、CRISPR関連(Cas)遺伝子と、CRISPR媒介性核酸切断の特異性をプログラム可能な非コードRNAエレメントとの組合せを含む。スペーサーと呼ばれる外来DNAの短いセグメントが、CRISPR反復の間でゲノム中に組み込まれ、過去の曝露の「記憶」として作用する。Cas9は、sgRNA(本明細書においては、「gRNA」とも交換可能に呼ばれ得る)の3’末端と複合体を形成し、そしてタンパク質-RNA対は、sgRNA配列の5’末端と事前に定義された20bpのDNA配列(プロトスペーサーとして知られている)との間の相補的塩基対合によりそのゲノム標的を認識する。この複合体は、病原体DNAの相同性座位に対して、crRNA内にコードされる領域すなわちプロトスペーサー、及びその病原体ゲノム内のプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を介して指向される。非コードCRISPRアレイが転写され、直接反復内で切断されて個々のスペーサー配列を含む短いcrRNAへとなり、これらが、Casヌクレアーゼを標的部位(プロトスペーサー)へと指向させる。発現されたsgRNAの20bp認識配列を単純に交換することにより、新たなゲノム標的をCas9ヌクレアーゼの標的となし得る。CRISPRスペーサーは、真核生物中のRNAiと同様の様式で外因性遺伝的エレメントを認識して発現停止させるために使用される。
【0070】
3つの種類のCRISPRシステム(タイプI、II、及びIIIのエフェクターシステム)が公知である。タイプIIエフェクターシステムは、dsDNAを切断するために単一のエフェクター酵素Cas9を使用して、4つの連続的ステップで、標的とされたDNA二本鎖切断を実行する。複合体として作用する複数の別個のエフェクターを必要とするタイプI及びタイプIIIのエフェクターシステムと比較して、タイプIIエフェクターシステムは、真核生物細胞などの別の環境において機能し得る。タイプIIエフェクターシステムは、スペーサー含有CRISPR座位から転写される長いプレcrRNAと、Cas9タンパク質と、プレcrRNAプロセシングに関与するtracrRNAとからなる。tracrRNAは、プレcrRNAのスペーサーを分離する反復領域にハイブリダイズし、その結果、内因性RNアーゼIIIによるdsRNA切断を開始する。この切断の後には、Cas9による各スペーサー内での第2の切断事象が続き、tracrRNA及びCas9が付随したままである成熟crRNAを生じ、Cas9:crRNA-tracrRNA複合体を形成する。
【0071】
Cas9:crRNA-tracrRNA複合体は、そのDNA二重鎖を巻き戻し、切断するcrRNAと一致する配列を探索する。標的認識は、標的DNA中の「プロトスペーサー」配列と、crRNA中の残りのスペーサー配列との間の相補性の検出の際に生じる。Cas9は、正確なプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)もまたプロトスペーサーの3’末端に存在する場合に、標的DNAの切断を媒介する。プロトスペーサーの標的化のために、その配列は、DNA切断のために必要なCas9ヌクレアーゼにより認識される短い配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が、直後に続かなければならない。種々のタイプIIシステムが、種々のPAM要件を有する。
【0072】
化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)のII型エフェクターシステムの工学操作された形態は、ゲノムエンジニアリング用のヒト細胞内で機能することが明らかにされた。このシステムにおいて、Cas9タンパク質は、合成的に再構成された「ガイドRNA」(「gRNA」、本明細書においてキメラ単一ガイドRNA(「sgRNA」)とも互換可能に使用される)によってゲノム標的部位へと指向された。このガイドRNAは、一般にRNアーゼIII及びcrRNAプロセシングの必要性を排除するcrRNA-tracrRNA融合物である。遺伝子編集及び遺伝的疾患を処置する際に使用するためのCRISPR/Cas9ベースの操作されたシステムが、本明細書において提供される。CRISPR/Cas9ベースの操作されたシステムは、例えば、遺伝的疾患、加齢、組織再生、又は創傷治癒に関与する遺伝子を含む、任意の遺伝子を標的とするように設計され得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、Cas9タンパク質又はCas9融合タンパク質を含み得る。
【0073】
(a.Cas9タンパク質)
Cas9タンパク質は、核酸を切断しCRISPR座位によりコードされるエンドヌクレアーゼであり、タイプIIのCRISPRシステムに関与する。Cas9タンパク質は、任意の細菌又は古細菌の種に由来し得、それらの種としては、化膿性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、アシドボラックス・アベナエ(Acidovorax avenae)、アクチノバチルス・プルロニューモニアエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、アクチノバチルス・スクシノゲネス(Actinobacillus succinogenes)、アクチノバチルス・スイス(Actinobacillus suis)、アクチノマイセス属の種(Actinomyces sp.)、シクリフィルス・デニトリフィカンス(cycliphilus denitrificans)、アミノモナス・パウシボランス(Aminomonas paucivorans)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スミシイ(Bacillus smithii)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バクテロイデス属の種(Bacteroides sp.)、ブラストピレルラ・マリナ(Blastopirellula marina)、ブラディリゾビウム属の種(Bradyrhizobium sp.)、ブレビバチルス・ラテロスポルス(Brevibacillus laterosporus)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、カンジダツス・プニセイスピリルム(Candidatus Puniceispirillum)、クロストリジウム・セルロリチカム(Clostridium cellulolyticum)、クロストリジウム・パーフリンゲン(Clostridium perfringens)、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)、コリネバクテリウム・マトルコチイ(Corynebacterium matruchotii)、ディノロセオバクター・シバエ(Dinoroseobacter shibae)、ユーバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、ガンマプロテオバクテリア(gamma proteobacterium)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・スプトルム(Haemophilus sputorum)、ヘリコバクター・カナデンシス(Helicobacter canadensis)、ヘリコバクター・シナエディ(Helicobacter cinaedi)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、イリオバクター・ポリトロプス(Ilyobacter polytropus)、キンゲラ・キンガエ(Kingella kingae)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、リステリアセアエ・バクテリウム(Listeriaceae bacterium)、メチロシスチス属の種(Methylocystis sp.)、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris)、ナイセリア・バシリフォルミス(Neisseria bacilliformis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・フラベッセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、ナイセリア属の種(Neisseria sp.)、ナイセリア・ワズワーシイ(Neisseria wadsworthii)、ニトロソモナス属の種(Nitrosomonas sp.)、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、ラルストニア・シジジイ(Ralstonia syzygii)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドブラム属の種(Rhodovulum sp.)、シモンシエラ・ムエレリ(Simonsiella muelleri)、スフィンゴモナス属の種(Sphingomonas sp.)、スポロラクトバチルス・ビネアエ(Sporolactobacillus vineae)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、ストレプトコッカス属の種(Streptococcus sp.)、サブドリグラヌルム属の種(Subdoligranulum sp.)、チストレラ・モビリス(Tistrella mobilis)、トレポネーマ属の種(Treponema sp.)、又はベルミネフロバクター・エイセニアエ(Verminephrobacter eiseniae)が挙げられるが、これらに限定はされない。特定の実施形態において、Cas9分子は、化膿性連鎖球菌Cas9分子(本明細書において「SpCas9」ともまた呼ばれる)である。SpCas9は、配列番号18のアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態において、Cas9分子は、黄色ブドウ球菌Cas9分子(本明細書において「SaCas9」ともまた呼ばれる)である。SaCas9は、配列番号19のアミノ酸配列を含み得る。
【0074】
Cas9分子又はCas9融合タンパク質は、1つ又は複数のgRNA分子と相互作用することができ、またgRNA分子と協調して、標的ドメイン、ある特定の実施形態ではPAM配列を含む部位に局在化することができる。Cas9タンパク質は、gRNAの3’末端と複合体を形成する。Cas9分子又はCas9融合タンパク質がPAM配列を認識する能力は、例えば、当該分野において公知であるような形質転換アッセイを使用することによって、決定され得る。
【0075】
CRISPRベースのシステムの特異性は、標的配列及びプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)という、2つの要因に依存し得る。標的配列は、gRNAの5’末端に位置し、プロトスペーサーとして公知である正確なDNA配列で宿主DNAの塩基対と結合するように設計される。gRNAの認識配列を単に交換することによって、Cas9タンパク質は、新しいゲノム標的に指向され得る。そのPAM配列は、変更されるべきDNAに位置し、Cas9タンパク質によって認識される。Cas9タンパク質のPAM認識配列は、種特異的であり得る。
【0076】
特定の実施形態において、標的核酸と相互作用して標的核酸を切断するCas9分子又はCas9融合タンパク質の能力は、PAM配列依存性である。PAM配列は、標的核酸中の配列である。特定の実施形態において、標的核酸の切断は、PAM配列の上流で生じる。異なる細菌種に由来するCas9分子は、異なる配列モチーフ(例えば、PAM配列)を認識し得る。化膿性連鎖球菌のCas9分子は、NRGというPAM配列(5’-NRG-3’、Rは任意のヌクレオチド残基であり、いくつかの実施形態において、RはA又はGのうちのいずれかである、配列番号1)を認識し得る。特定の実施形態において、化膿性連鎖球菌のCas9分子は、配列モチーフNGG(配列番号2)を自然に好み認識し得、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。いくつかの実施形態において、化膿性連鎖球菌のCas9分子は、他のPAM配列、例えばNAG(配列番号3)を、操作されたシステムにおいて受容する(Hsu et al., Nature Biotechnology 2013 doi:10.1038/nbt.2647)。特定の実施形態において、S.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子は、配列モチーフNGGNG(配列番号4)及び/又はNNAGAAW(W=A若しくはT)(配列番号5)を認識し、これらの配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、S.ミュータンス(S.mutans)のCas9分子は、配列モチーフNGG(配列番号2)及び/又はNAAR(R=A又はG)(配列番号6)を認識し、この配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRR(R=A又はG)(配列番号7)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRN(R=A又はG)(配列番号8)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRT(R=A又はG)(配列番号9)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。特定の実施形態において、黄色ブドウ球菌のCas9分子は、配列モチーフNNGRRV(R=A又はG;V=A又はC又はG)(配列番号10)を認識し、その配列から1~10bp、例えば3~5bp上流の標的核酸配列の切断を指示する。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に由来するCas9分子(NmCas9)は、NNNNGATT(配列番号11)のネイティブPAMを通常は有するが、高度に縮重したNNNNGNNNというPAM(配列番号12)を含む種々のPAMにわたる活性を有し得る(Esvelt et al. Nature Methods 2013 doi:10.1038/nmeth.2681)。上記の実施形態において、Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでもあり得る。Cas9分子は、Cas9分子のPAM特異性を変更するために操作され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質は、PAM配列NGG(配列番号2)又はNGA(配列番号13)又はNNNRRT(R=A若しくはG)(配列番号14)又はATTCCT(配列番号15)又はNGAN(配列番号16)又はNGNG(配列番号17)を認識する。いくつかの実施形態において、Cas9タンパク質は、黄色ブドウ球菌のCas9タンパク質であり、配列モチーフNNGRR(R=A若しくはG)(配列番号7)、NNGRRN(R=A若しくはG)(配列番号8)、NNGRRT(R=A若しくはG)(配列番号9)、又はNNGRRV(R=A若しくはG)(配列番号10)を認識する。上記の実施形態において、Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでもあり得る。
【0078】
追加的に又は代替的に、Cas9分子又はCas9ポリペプチドをコードする核酸は、核局在化配列(NLS)を含み得る。核局在化配列は、当該分野において公知であり、例えば、SV40 NLS(Pro-Lys-Lys-Lys-Arg-Lys-Val;配列番号39)である。
【0079】
いくつかの実施形態において、上記の少なくとも1つのCas9分子は変異体Cas9分子である。上記Cas9タンパク質は、そのヌクレアーゼ活性が不活化されるように、変異され得る。エンドヌクレアーゼ活性を有しない不活化したCas9タンパク質(「iCas9」、また「dCas9」とも呼ばれる)が、gRNAによって細菌、酵母、及びヒトの細胞中の遺伝子に対して標的化されており、立体障害を介して遺伝子発現を発現停止する。ヌクレアーゼ活性を不活化する化膿性連鎖球菌Cas9配列に関する例示的な変異としては、D10A、E762A、H840A、N854A、N863A及び/又はD986Aが挙げられる。D10A変異を有する化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質は、配列番号20のアミノ酸配列を含み得る。D10A変異及びH849A変異を有する化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質は、配列番号21のアミノ酸配列を含み得る。ヌクレアーゼ活性を不活化する黄色ブドウ球菌Cas9配列に関する例示的な変異としては、D10A及びN580Aが挙げられる。特定の実施形態において、変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子は、D10A変異を含む。この変異体黄色ブドウ球菌Cas9をコードするヌクレオチド配列は、配列番号22において記載されている。特定の実施形態において、変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子は、N580A変異を含む。この変異体黄色ブドウ球菌Cas9分子をコードするヌクレオチド配列は、配列番号23において記載されている。
【0080】
いくつかの実施形態において、上記Cas9タンパク質は、VQRバリアントである。Cas9のVQRバリアントは、Kleinstiver, et al.(Nature 2015,523,481-485、本明細書において参考として援用される)において詳述されるように、異なるPAM認識を有する変異体である。
【0081】
Cas9分子をコードするポリヌクレオチドは、合成ポリヌクレオチドであり得る。例えば、合成ポリヌクレオチドは、化学的に改変され得る。合成ポリヌクレオチドは、コドンを最適化され得、例えば、少なくとも1つの一般的ではないコドン又はそれほど一般的ではないコドンが、一般的なコドンによって置換されている。例えば、合成ポリヌクレオチドは、本明細書において記載されるように、最適化された、例えば、哺乳動物発現系における発現のために最適化された、メッセンジャーmRNAの合成を指示し得る。化膿性連鎖球菌のCas9分子をコードする例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号24において記載されている。黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードし核局在化配列(NLS)を任意に含む、例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号25~31において記載されている。黄色ブドウ球菌のCas9分子をコードする別の例示的なコドンを最適化された核酸配列は、配列番号32のヌクレオチド1293~4451を含む。
【0082】
(b.Cas9融合タンパク質)
代替的に又は追加的に、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、融合タンパク質を含み得る。融合タンパク質は、2種の異種ポリペプチドドメインを含み得る。第1のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質又は変異したCas9タンパク質を含む。第1のポリペプチドドメインは、少なくとも1つの第2のポリペプチドドメインに融合される。第2のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質にとって内因性であるものとは異なる活性を有する。例えば、第2のポリペプチドドメインは、活性、例えば、転写活性化活性、転写抑制活性、転写終結因子活性、ヒストン修飾活性、ヌクレアーゼ活性、核酸結合(association)活性、メチラーゼ活性、デメチラーゼ活性、アセチル化活性、及び/又は脱アセチル化活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインの活性は、直接的であってもよく、又は間接的であってもよい。第2のポリペプチドドメインは、この活性をそれ自体が有し得(直接的)、又は第2のポリペプチドドメインは、この活性を有するポリペプチドドメインを動員及び/又はそれと相互作用し得る(間接的)。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、転写活性化活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、転写抑制活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、合成転写因子を含む。第2のポリペプチドドメインは、第1のポリペプチドドメインのC末端にあり得、若しくは第1のポリペプチドドメインのN末端にあり得、又はそれらの組合せであり得る。融合タンパク質は、1つの第2のポリペプチドドメインを含み得る。融合タンパク質は、第2のポリペプチドドメインを2つ含み得る。例えば、融合タンパク質は、第1のポリペプチドドメインのN末端にある第2のポリペプチドドメインと、第1のポリペプチドドメインのC末端にある第2のポリペプチドドメインとを含み得る。他の実施形態において、融合タンパク質は、単一の第1のポリペプチドドメインと、1つよりも多い(例えば、2つ又は3つの)第2のポリペプチドドメインをタンデムに含み得る。
【0083】
上記第1のポリペプチドドメインから第2のポリペプチドドメインへの連結は、リンカーが第2のポリペプチドドメインの機能に干渉しない限りは、可逆的若しくは不可逆的な共有結合も介し得、又は非共有結合も介し得る。例えば、Casポリペプチドは、融合タンパク質の部分として第2のポリペプチドドメインに連結され得る。別の例として、それらは、可逆的な非共有結合相互作用、例えばアビジン(若しくはストレプトアビジン)-ビオチン相互作用、ヒスチジン-二価金属イオン相互作用(例えば、Ni、Co、Cu、Fe)、多量体化(例えば、二量体化)ドメインの間の相互作用、又はグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)-グルタチオン相互作用を介して、連結され得る。なお別の例として、それらは、リンカーを用いて、ジブロモマレイミド(DBM)又はアミノ-チオール結合などの共有結合的であるが可逆的に、連結され得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、その融合タンパク質は、少なくとも1つのリンカーを含む。リンカーは、融合タンパク質のポリペプチド配列中のどこか、例えば、第1のポリペプチドドメインと第2のポリペプチドドメインとの間に、含まれ得る。リンカーは、融合タンパク質中の成分の可動性を促進又は制限するために、任意の長さ及び設計であり得る。リンカーは、約2~約100、約5~約80、約10~約60、又は約20~約50アミノ酸の任意のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、又は30アミノ酸のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、約100、90、80、70、60、50、又は40アミノ酸未満のアミノ酸配列を含み得る。リンカーは、2~20アミノ酸長であるアミノ酸配列の連続反復又はタンデム反復を含み得る。リンカーとして、例えばGSリンカー(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n(ただし、nは0~10の整数である)を挙げることができる(配列番号40)。GSリンカーにおいて、nはリンカー長さを最適化するために、及び機能的ドメインの好適な分離を実現するために調節可能である。リンカーのその他の例として、例えば、Gly-Gly-Gly-Gly-Gly(配列番号41)、Gly-Gly-Ala-Gly-Gly(配列番号42)、Gly/Serリッチリンカー、例えばGly-Gly-Gly-Gly-Ser-Ser-Ser(配列番号43)等、又はGly/Alaリッチリンカー、例えばGly-Gly-Gly-Gly-Ala-Ala-Ala(配列番号44)等を挙げることができる。
【0085】
(i)転写活性化活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写活性化活性、例えば、トランス活性化ドメインを有し得る。例えば、内因性哺乳動物遺伝子、例えばヒト遺伝子の遺伝子発現は、第1のポリペプチドドメイン、例えばdCas9と、トランス活性化ドメインとの融合タンパク質を、哺乳動物プロモーターに対して、gRNAの組合せを介して標的化することによって、達成され得る。トランス活性化ドメインは、VP16タンパク質、VP48ドメイン若しくはVP64ドメインなどの複数のVP16タンパク質、NFκB転写アクチベーター活性のp65ドメイン、TET1、VPR、VPH、Rta、及び/又はp300を含み得る。例えば、融合タンパク質は、dCas9-p300を含み得る。いくつかの実施形態において、p300は、配列番号33又は配列番号34のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。他の実施形態において、融合タンパク質は、dCas9-VP64を含む。他の実施形態において、融合タンパク質は、VP64-dCas9-VP64を含む。VP64-dCas9-VP64は、配列番号36のポリヌクレオチドによってコードされる配列番号35のアミノ酸配列を有する、ポリペプチドを含み得る。
【0086】
(ii)転写抑制活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写抑制活性を有し得る。リプレッサーの非限定的な例としては、KRABドメイン若しくはKRABなどのクルッペル関連ボックス活性、MECP2、EED、ERFリプレッサードメイン(ERD)、Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID)若しくはMad-SIDリプレッサードメイン、SID4Xリプレッサードメイン、Mxilリプレッサードメイン、SUV39H1、SUV39H2、G9A、ESET/SETBD1、Cir4、Su(var)3-9、Pr-SET7/8、SUV4-20H1、PR-set7、Suv4-20、Set9、EZH2、RIZ1、JMJD2A/JHDM3A、JMJD2B、JMJ2D2C/GASC1、JMJD2D、Rph1、JARID1A/RBP2、JARID1B/PLU-1、JARID1C/SMCX、JARID1D/SMCY、Lid、Jhn2、Jmj2、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC8、Rpd3、Hos1、Cir6、HDAC4、HDAC5、HDAC7、HDAC9、Hda1、Cir3、SIRT1、SIRT2、Sir2、Hst1、Hst2、Hst3、Hst4、HDAC11、DNMT1、DNMT3a/3b、DNMT3A-3L、MET1、DRM3、ZMET2、CMT1、CMT2、ラミニンA、ラミニンB、CTCF、及び/又はTATAボックス結合タンパク質活性を有するドメイン、或いはそれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、KRABドメイン活性、ERFリプレッサードメイン活性、Mxilリプレッサードメイン活性、SID4Xリプレッサードメイン活性、Mad-SIDリプレッサードメイン活性、DNMT3A若しくはDNMT3L又はそれらの融合活性、LSD1ヒストンデメチラーゼ活性、或いはTATAボックス結合タンパク質活性を有する。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドドメインは、KRABを含む。例えば、その融合タンパク質は、化膿性連鎖球菌dCas9-KRAB(ポリヌクレオチド配列は配列番号45;タンパク質配列は配列番号46)であり得る。その融合タンパク質は、黄色ブドウ球菌dCas9-KRAB(ポリヌクレオチド配列は配列番号47;タンパク質配列は配列番号48)であり得る。
【0087】
(iii)転写終結因子活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、転写終結因子活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、真核生物終結因子1(ERF1)活性又は真核生物終結因子3(ERF3)活性を有し得る。
【0088】
(iv)ヒストン修飾活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、ヒストン修飾活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、又はヒストンメチルトランスフェラーゼの活性を有し得る。ヒストンアセチルトランスフェラーゼは、p300若しくはCREB結合タンパク質(CBP)タンパク質、又はそれらのフラグメントであり得る。例えば、その融合タンパク質は、dCas9-p300であり得る。いくつかの実施形態において、p300は、配列番号33又は配列番号34のポリペプチドを含む。
【0089】
(v)ヌクレアーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、Cas9タンパク質のヌクレアーゼ活性とは異なるヌクレアーゼ活性を有し得る。ヌクレアーゼ、又はヌクレアーゼ活性を有するタンパク質は、核酸のヌクレオチドサブユニットの間のホスホジエステル結合を切断可能である酵素である。ヌクレアーゼは、それらの酵素のうちのいくつかは、両方の分類中に入り得るが、通常はエンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼとにさらに分割される。周知のヌクレアーゼとしては、デオキシリボヌクレアーゼ及びリボヌクレアーゼが挙げられる。
【0090】
(vi)核酸結合活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、核酸結合活性又は核酸結合タンパク質-DNA結合ドメイン(DBD)を有し得る。DBDは、二本鎖又は一本鎖DNAを認識する少なくとも1つのモチーフを含む、独立的にフォールディングされたタンパク質ドメインである。DBDは、特定のDNA配列(認識配列)を認識し得るか、又はDNAに対する一般的親和性を有し得る。核酸結合領域は、ヘリックス-ターン-ヘリックス領域、ロイシンジッパー領域、ウィングドヘリックス領域、ウィングドヘリックス-ターン-ヘリックス領域、ヘリックス-ループ-ヘリックス領域、免疫グロブリンフォールド、B3ドメイン、ジンクフィンガー、HMGボックス、Wor3ドメイン、及びTALエフェクターDNA結合ドメインから選択され得る。
【0091】
(vii)メチラーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、メチラーゼ活性を有し得、このメチラーゼ活性は、DNA、RNA、タンパク質、低分子、シトシン、又はアデニンへメチル基を転移することを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、DNAメチルトランスフェラーゼを含む。
(viii)デメチラーゼ活性)
上記第2のポリペプチドドメインは、デメチラーゼ活性を有し得る。第2のポリペプチドドメインは、メチル(CH3-)基を核酸、タンパク質(特にヒストン)、及び他の分子から除去する酵素を含み得る。代替的に、その第2のポリペプチドは、DNAを脱メチル化するための機構において、メチル基をヒドロキシメチルシトシンへと変換し得る。第2のポリペプチドは、この反応を触媒し得る。例えば、この反応を触媒する第2のポリペプチドは、Tet1であり得、このTet1はまた、Tet1CD(テン-イレブン(ten-eleven)トランスロケーションメチルシトシンジオキシゲナーゼ1;ポリヌクレオチド配列は配列番号49;アミノ酸配列は配列番号50)としても公知である。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、ヒストンデメチラーゼ活性を有する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチドドメインは、DNAデメチラーゼ活性を有する。
【0092】
(c.ガイドRNA(gRNA))
上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのgRNA分子を含む。例えば、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、2つのgRNA分子を含み得る。少なくとも1つのgRNA分子は、標的領域に結合してそれを認識し得る。gRNAは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムの標的化を提供する。gRNAは、crRNA及びtracrRNAという、2つの非コードRNAの融合物である。gRNAは、タイプIIエフェクターシステムに関与する天然に存在するcrRNA:tracrRNA二重鎖を模倣する。この二重鎖は、例えば42ヌクレオチドのcrRNA及び75ヌクレオチドのtracrRNAを含み得、この二重鎖は、Cas9が標的核酸に結合し、いくつかの場合にその標的核酸を切断するための、ガイドとして作用する。そのgRNAは、任意の望ましいDNA配列を、その望ましいDNA標的との相補的塩基対合を介して標的化特異性を付与する20bpプロトスペーサーをコードする配列を交換することによって、標的とし得る。「標的領域」又は「標的配列」又は「プロトスペーサー」とは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的として結合する、標的遺伝子の領域を指す。ゲノム中の標的配列を標的とするgRNAの部分は、「標的化配列」又は「標的化部分」又は「標的化ドメイン」と呼ばれ得る。「プロトスペーサー」又は「gRNAスペーサー」は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的として結合する、標的遺伝子の領域を指し得、「プロトスペーサー」又は「gRNAスペーサー」はまた、ゲノム中の標的とされた配列と相補的であるgRNAの部分も指し得る。gRNAは、gRNA足場を含み得る。gRNA足場は、gRNAへのCas9の結合を促進し、gRNA足場は、エンドヌクレアーゼ活性を促進し得る。gRNA足場は、gRNAが標的とする配列に対応するgRNAの部分に続く、ポリヌクレオチド配列である。合わせると、gRNA標的化部分及びgRNA足場は、1つのポリヌクレオチドを形成する。gRNAの定常領域は、配列番号52(RNA)の配列を含み得、この配列番号52(RNA)の配列は、配列番号51(DNA)を含む配列によってコードされる。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのgRNAを含み得、gRNAは、別個のDNA配列を標的とする。標的DNA配列は、重複し得る。gRNAは、その5’末端に標的化ドメインを含み得、標的化ドメインは、その後に適切なプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)が続いた場合には、標的遺伝子の標的領域の、例えば約10~約20ヌクレオチドにハイブリダイズ可能であるためには十分にその標的領域に対して相補的である。標的配列又はプロトスペーサーの後には、ゲノム中のそのプロトスペーサーの3’末端にあるPAM配列が続く。種々のタイプIIシステムが、上記に詳述したように、種々のPAM要件を有する。
【0093】
上記gRNAの標的化ドメインは、その標的DNAの標的領域に対して完全に相補的である必要はない。いくつかの実施形態において、gRNAの標的化ドメインは、ある長さのヌクレオチド、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヌクレオチドにわたって、標的領域に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは少なくとも99%相補的である(か又は、標的領域と比較して1個、2個若しくは3個のミスマッチを有する)。例えば、gRNAのDNA標的化ドメインは、標的領域の少なくとも18ヌクレオチドにわたって少なくとも80%相補的であり得る。標的領域は、標的DNAのいずれかの鎖に存在し得る。
【0094】
上記に記載されるように、上記gRNA分子は、標的化ドメイン(また、標的とされた配列又は標的化配列とも呼ばれる)を含み、標的化ドメインは、その標的DNA配列と相補的なポリヌクレオチド配列である。gRNAは、標的化ドメイン又は相補的ポリヌクレオチド配列の5’末端に「G」を含み得る。gRNA分子の標的化ドメインは、標的DNA配列の少なくとも10塩基対、少なくとも11塩基対、少なくとも12塩基対、少なくとも13塩基対、少なくとも14塩基対、少なくとも15塩基対、少なくとも16塩基対、少なくとも17塩基対、少なくとも18塩基対、少なくとも19塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも21塩基対、少なくとも22塩基対、少なくとも23塩基対、少なくとも24塩基対、少なくとも25塩基対、少なくとも30塩基対、又は少なくとも35塩基対の相補的ポリヌクレオチド配列と、その後に続くPAM配列とを含み得る。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、19~25ヌクレオチド長を有する。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。特定の実施形態において、gRNA分子の標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
【0095】
gRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子のエクソン51近傍領域を標的とし得る。gRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン50内の領域を標的とし得る。gRNAは、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン51内の領域を標的とし得る。gRNAは、配列番号55~78の少なくとも1つ、又はその相補体、又はそのバリアント、又はその短縮物を含むポリヌクレオチド配列と結合し、及びそれを標的とし、及び/又はそれとハイブリダイズし得る。gRNAは、配列番号55~78の少なくとも1つ、又はその相補体、又はそのバリアント、又はその短縮物を含むポリヌクレオチド配列によりコードされ得る。gRNAは、配列番号79~102の少なくとも1つ、又はその相補体、又はそのバリアント、又はその短縮物のポリヌクレオチド配列を含み得る。短縮物は、参照配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号55~78のいずれか1つの配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号55の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号56の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号57の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号58の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号59の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号60の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号61の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号62の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号63の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号64の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号65の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号66の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号67の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号68の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号69の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号70の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号71の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号72の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号73の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号74の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号75の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号76の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号77の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号78の配列よりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。短縮物は、配列番号79~102の配列のいずれかよりも1、2、3、4、5、6、7、8、又は9ヌクレオチド短尺であり得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、gRNAは、配列番号53、又は配列番号54、又はその相補体、又はそのバリアント、又はその短縮物を含むポリヌクレオチド配列によりコードされ、又はそれに結合し、及びそれを標的とし、及び/又はそれにハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、配列番号103及び配列番号104、又はその相補体、又はそのバリアント、又はその短縮物から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
【0097】
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNA分子の数は、少なくとも1個のgRNA、少なくとも2個の別個のgRNA、少なくとも3個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA、少なくとも5個の別個のgRNA、少なくとも6個の別個のgRNA、少なくとも7個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも9個の別個のgRNA、少なくとも10個の別個のgRNA、少なくとも11個の別個のgRNA、少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも13個の別個のgRNA、少なくとも14個の別個のgRNA、少なくとも15個の別個のgRNA、少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも17個の別個のgRNA、少なくとも18個の別個のgRNA、少なくとも18個の別個のgRNA、少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも45個の別個のgRNA、又は少なくとも50個の別個のgRNAであり得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNA分子の数は、50個未満の別個のgRNA、45個未満の別個のgRNA、40個未満の別個のgRNA、35個未満の別個のgRNA、30個未満の別個のgRNA、25個未満の別個のgRNA、20個未満の別個のgRNA、19個未満の別個のgRNA、18個未満の別個のgRNA、17個未満の別個のgRNA、16個未満の別個のgRNA、15個未満の別個のgRNA、14個未満の別個のgRNA、13個未満の別個のgRNA、12個未満の別個のgRNA、11個未満の別個のgRNA、10個未満の別個のgRNA、9個未満の別個のgRNA、8個未満の別個のgRNA、7個未満の別個のgRNA、6個未満の別個のgRNA、5個未満の別個のgRNA、4個未満の別個のgRNA、3個未満の別個のgRNA、又は2個未満の別個のgRNAであり得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムに含まれ得るgRNAの数は、少なくとも1個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも1個のgRNA~少なくとも4個の別個のgRNA、少なくとも4個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNA、少なくとも4個の別個のgRNA~少なくとも8個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも50個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも45個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも40個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも35個の別個のgRNA、8個の別個のgRNA~少なくとも30個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも25個の別個のgRNA、8個の別個のgRNA~少なくとも20個の別個のgRNA、少なくとも8個の別個のgRNA~少なくとも16個の別個のgRNA、又は8個の別個のgRNA~少なくとも12個の別個のgRNAの間であり得る。
【0098】
(d.ドナー配列)
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、少なくとも1つのドナー配列を含み得る。ドナー配列は、ゲノム中に挿入されるべきポリヌクレオチド配列を含む。ドナー配列は、ある遺伝子の野生型配列を含み得る。
【0099】
上記gRNA及びドナー配列は、種々のモル比で存在し得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、1:1、又は1:15、又は5:1~1:10、又は1:1~1:5であり得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、少なくとも1:1、少なくとも1:2、少なくとも1:3、少なくとも1:4、少なくとも1:5、少なくとも1:6、少なくとも1:7、少なくとも1:8、少なくとも1:9、少なくとも1:10、少なくとも1:15、又は少なくとも1:20であり得る。gRNAとドナー配列との間のモル比は、20:1未満、15:1未満、10:1未満、9:1未満、8:1未満、7:1未満、6:1未満、5:1未満、4:1未満、3:1未満、2:1未満、又は1:1未満であり得る。
【0100】
(e.修復経路)
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、標的とされるゲノム座位、例えばジストロフィン遺伝子、ユートロフィン遺伝子、又はXp21座位内のジストロフィン遺伝子等において、部位特異的二本鎖切断を導入するのに使用され得る。部位特異的二本鎖切断は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的DNA配列に結合する場合に引き起こされ、それによりその標的DNAの切断を可能にする。このDNA切断は、天然のDNA修復機構を刺激して、2つの可能な修復経路である相同組換え修復(HDR)又は非相同末端結合(NHEJ)経路のうちの1つに導き得る。
【0101】
(i)相同組換え修復(HDR))
ある遺伝子からのタンパク質発現の復元は、相同組換え修復(HDR)を含み得る。ドナーテンプレートが、細胞に投与され得る。ドナーテンプレートは、完全な機能的なタンパク質又は部分的に機能的なタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得る。そのような実施形態において、ドナーテンプレートは、変異体遺伝子を復元するための完全に機能的な遺伝子構築物、又は相同組換え修復後に変異体遺伝子の復元をもたらす遺伝子のフラグメントを含み得る。他の実施形態において、ドナーテンプレートは、ある遺伝子の阻害的調節エレメントの変異したバージョンをコードするヌクレオチド配列を含み得る。変異は、例えば、ヌクレオチドの置換、挿入、欠失、又はそれらの組合せを含み得る。そのような実施形態において、その遺伝子の阻害的調節エレメント中に導入された変異は、阻害的調節エレメントの転写又は阻害性調節エレメントへの結合を減少し得る。
【0102】
(ii)NHEJ)
遺伝子からのタンパク質発現の復元は、テンプレートのないNHEJ媒介性DNA修復を介し得る。特定の実施形態において、NHEJは、ヌクレアーゼ媒介性NHEJであり、これは、特定の実施形態においては、二本鎖DNAを切断するCas9分子により開始されるNHEJを指す。この方法は、本開示のCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム又はそれを含む組成物を、遺伝子編集のために対象に投与するステップを含む。
ヌクレアーゼ媒介性NHEJは、変異した標的遺伝子を修正し得、HDR経路を上回るいくつかの潜在的利点を提供し得る。例えば、NHEJは、非特異的挿入変異を引き起こし得る、ドナーテンプレートを必要としない。HDRとは対照的に、NHEJは、細胞周期のすべての段階において効率的に作動し、従って、周期中及び有糸分裂後の両方の細胞、例えば筋線維において、効果的に使用され得る。これは、オリゴヌクレオチドベースのエクソンスキッピング又は薬理的に強制した終止コドンのリードスルーに対する、強力で永続的な遺伝子復元の代替法を提供し、これは、理論的にはわずか1回の薬物処理しか必要としないものであり得る。
【0103】
(6.遺伝的構築物)
上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、遺伝的構築物によりコードされ得、又は遺伝的構築物内に含まれ得る。遺伝的構築物、例えば、プラスミド又は発現ベクターは、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム及び/又は少なくとも1つのgRNAをコードする、核酸を含み得る。特定の実施形態において、遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子をコードし、任意にCas9分子又は融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、遺伝的構築物は、2つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子及び第2のgRNA分子、並びに任意に2つのCas9分子又は融合タンパク質、例えば第1のCas9分子及び第2のCas9分子をコードする。いくつかの実施形態では、遺伝的構築物は、2つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子及び第2のgRNA分子、並びに任意にCas9分子又は融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第1の遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第1のgRNA分子をコードし、Cas9分子又は融合タンパク質を任意にコードし、第2の遺伝的構築物は、1つのgRNA分子、すなわち第2のgRNA分子をコードし、Cas9分子又は融合タンパク質を任意にコードする。
【0104】
遺伝的構築物は、ポリヌクレオチド、例えばベクター及びプラスミド等を含み得る。遺伝的構築物は、トランスポゾンを含み得る。例えば、遺伝的構築物は、Cas9分子若しくは融合タンパク質、及び/又は少なくとも1つのgRNA分子をコードするトランスポゾンであり得る。トランスポゾンは対象のゲノム中に安定的に組み込まれ得る。トランスポゾンは、トランスポゼース、又はトランスポゼースをコードするポリヌクレオチドと共に同時投与され得る。当技術分野において公知のトランスポゾンシステムとして、例えばpiggybac又はsleeping beautyシステムを挙げることができる。遺伝的構築物は、セントロメア、テロメア、又はプラスミド若しくはコスミドなどの、直線状ミニ染色体であり得る。そのベクターは、参考として全体が援用される、Sambrook et al., Molecular Cloning and Laboratory Manual, Second Ed., Cold Spring Harbor(1989)を含む、慣用的技術及び容易に利用可能な開始材料によってタンパク質を生成するための、発現ベクター又はシステムであり得る。その構築物は、組換え体であり得る。遺伝的構築物は、組換えレンチウイルス、組換えアデノウイルス、及び組換えアデノウイルス随伴ウイルスなどの、組換えウイルスベクターのゲノムの部分であり得る。遺伝的構築物は、核酸のコード配列の遺伝子発現のための調節エレメントを含み得る。調節エレメントは、プロモーター、エンハンサー、開始コドン、終止コドン、又はポリアデニル化シグナルであり得る。
【0105】
上記遺伝的構築物は、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードする異種核酸を含み得、開始コドンをさらに含み得、その開始コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列の上流にあり得、終止コドンを含み得、終止コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列の下流にあり得る。開始コドン及び終止コドンは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列とインフレームにあり得る。
【0106】
遺伝的構築物は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列と作動可能に連結したプロモーターも含み得る。いくつかの実施形態では、プロモーターは、gRNA及びCas9足場をコードするポリヌクレオチドと作動可能に連結している。プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、抑制可能プロモーター、又は調節可能プロモーターであり得る。プロモーターはユビキタスプロモーターであり得る。プロモーターは組織特異的プロモーターであり得る。組織特異的プロモーターは筋肉特異的プロモーターであり得る。組織特異的プロモーターは皮膚特異的プロモーターであり得る。CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムは、空間及び時間における遺伝子/ゲノム編集の動的制御を可能にするために、光誘導性制御下又は化学誘導性制御下にあり得る。CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムのコード配列と作動可能に連結されたプロモーターは、シミアンウイルス40(SV40)、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)長末端反復(LTR)プロモーターなどのヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロモーター、モロニーウイルスプロモーター、トリ白血病ウイルス(ALV)プロモーター、CMV最初期プロモーターなどのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、エプスタイン・バーウイルス(EBV)プロモーター、又はラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターに由来する作動可能に連結されたプロモーターであり得る。プロモーターはまた、ヒト遺伝子、例えば、ヒトユビキチンC(hUbC)、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン、又はヒトメタロチオネインに由来する、プロモーターであり得る。組織特異的プロモーターの例、例えば、天然又は合成の、筋肉又は皮膚特異的プロモーターは、米国特許出願公開第US20040175727号において記載されており、その内容は、その全体が本明細書において援用される。そのプロモーターは、例えば、CK8プロモーター、Spc512プロモーター、MHCK7プロモーターであり得る。
【0107】
上記遺伝的構築物はまた、ポリアデニル化シグナルも含み得、このポリアデニル化シグナルは、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムの下流にあり得る。ポリアデニル化シグナルは、SV40ポリアデニル化シグナル、LTRポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル、又はヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルであり得る。SV40ポリアデニル化シグナルは、pCEP4ベクター(Invitrogen、San Diego、CA)に由来するポリアデニル化シグナルであり得る。
【0108】
上記遺伝的構築物中のコード配列は、安定性及び高レベルの発現のために最適化され得る。いくつかの場合において、コドンは、そのRNAの二次構造形成、例えば、分子内結合が原因で形成される二次構造形成を、減少するように選択される。
上記遺伝的構築物はまた、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システム又はgRNAの上流に、エンハンサーを含み得る。エンハンサーは、DNA発現のために必要であり得る。エンハンサーは、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン又はウイルスのエンハンサー、例えば、CMV、HA、RSV、若しくはEBVに由来するエンハンサーであり得る。ポリヌクレオチド機能エンハンサーは、米国特許第5,593,972号、同第5,962,428号及びWO94/016737に記載されており、それらの各々の内容は、参考として完全に援用される。遺伝的構築物はまた、ベクターを染色体外で維持するため、及び細胞においてそのベクターの複数のコピーを生成するために、哺乳動物複製起点を含み得る。遺伝的構築物はまた、調節配列を含み得、その調節配列は、そのベクターが投与される哺乳動物細胞又はヒト細胞における遺伝子発現のために十分に適しているものであり得る。遺伝的構築物は、レポーター遺伝子、例えば緑色蛍光タンパク質(「GFP」)等、及び/又は選択マーカー、例えばハイグロマイシン(「Hygro」)又はピューロマイシン(「Puro」)等も含み得る。
【0109】
上記遺伝的構築物は、上記CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードする核酸で細胞をトランスフェクトするために有用であり得、その形質転換された宿主細胞は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムの発現が生じる条件下で培養され維持される。遺伝的構築物は、細胞中に形質転換又は形質導入され得る。遺伝的構築物は、任意の適切な型の送達媒介物中に処方され得、その送達媒介物としては、例えば、細胞中への送達のための、ウイルスベクター、レンチウイルス発現、mRNA電気穿孔、及び脂質媒介性トランスフェクションが挙げられる。遺伝的構築物は、細胞中で生存する、生きている減弱した微生物又は組換え微生物ベクター中にある、遺伝物質の一部であり得る。遺伝的構築物は、機能する染色体外分子として、その細胞中に存在し得る。
【0110】
本明細書において詳述されているシステム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された細胞が、本明細書においてさらに提供される。適切な細胞型は、本明細書において詳述されている。いくつかの実施形態において、細胞は幹細胞である。幹細胞は、ヒト幹細胞であり得る。いくつかの実施形態において、細胞は胚性幹細胞である。幹細胞は、ヒト多能性幹細胞(iPSC)であり得る。本明細書において詳述されているDNA標的化システム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された幹細胞に由来するニューロン、例えばiPSCに由来するニューロンが、さらに提供される。
【0111】
(a.ウイルスベクター)
遺伝的構築物は、ウイルスベクターであり得る。ウイルス送達システムが、本明細書においてさらに提供される。ウイルス送達システムは、例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、mRNA電気穿孔、又はナノ粒子を含み得る。いくつかの実施形態において、そのベクターは、改変型レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、ウイルスベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。AAVベクターは、ヒト及び他のいくつかの霊長類種に感染する、パルボウイルス科のディペンドウイルス属に属する小さいウイルスである。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。レンチウイルスは、ヒト及びその他の哺乳動物に感染するレトロウイルス(Retroviridae)ファミリーに属する属である。
【0112】
AAVベクター又はレンチウイルスベクターは、様々な構築物の構成を使用してCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを送達するのに使用され得る。例えば、AAVベクター又はレンチウイルスベクターは、別のベクター又は同一のベクター上のCas9又は融合タンパク質、及びgRNA発現カセットを送達し得る。或いは、例えば黄色ブドウ球菌又は髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)等の種に由来する小型のCas9タンパク質又は融合タンパク質が使用される場合、Cas9及び最大2つのgRNA発現カセットの両方が、単一のAAVベクター又はレンチウイルスベクターにおいて組合せ可能である。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、4.7kbのパッケージング制限を有する。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、9.7kbのパッケージング制限を有する。
【0113】
いくつかの実施形態において、上記AAVベクターは改変型AAVベクターである。改変型AAVベクターは、増強した心臓及び/又は骨格筋組織指向性を有し得る。改変型AAVベクターは、哺乳動物の細胞において上記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを送達及び発現することが可能であり得る。例えば、改変型AAVベクターは、AAV-SASTGベクター(Piacentino et al. Human Gene Therapy 2012, 23, 635-646)であり得る。改変型AAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV5、AAV6、AAV8、及びAAV9などの、いくつかのキャプシド型のうちの1つ又は複数に基づき得る。改変型AAVベクターは、AAV2シュードタイプと合わせた代替的筋肉指向性AAVキャプシドに基づき得、例えば、全身送達及び局所送達により骨格筋又は心筋に効率的に形質導入する、AAV2/1ベクター、AAV2/6ベクター、AAV2/7ベクター、AAV2/8ベクター、AAV2/9ベクター、AAV2.5ベクター、及びAAV/SASTGベクター(Seto et al. Current Gene Therapy 2012, 12, 139-151)である。改変型AAVベクターは、AAV2i8G9(Shen et al. J. Biol. Chem. 2013, 288, 28814-28823)であり得る。
【0114】
遺伝的構築物は、配列番号55~107から選択されるポリヌクレオチド配列を含み、又はコードし得る。遺伝的構築物は、配列番号55のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号56のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号57のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号58のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号59のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号60のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号61のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号62のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号63のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号64のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号65のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号66のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号67のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号68のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号69のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号70のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号71のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号72のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号73のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号74のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号75のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号76のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号77のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号78のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号37のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号53のポリヌクレオチド配列を含み得る。遺伝的構築物は、配列番号54のポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0115】
(7.医薬組成物)
上記の遺伝的構築物又は遺伝子編集システムを含む医薬組成物が、本明細書においてさらに提供される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをコードするDNAを約1ng~約10mg含み得る。本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はその少なくとも1つの成分は、医薬分野の当業者にとって周知である標準的技術に従って、医薬組成物へと処方され得る。医薬組成物は、使用されるべき投与様式に従って処方され得る。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合には、それらの医薬組成物は、滅菌されており、発熱物質を含まず、粒子を含まない。等張性処方物が、好ましくは使用される。概して、等張性のための添加剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール及びラクトースが挙げられ得る。いくつかの場合において、等張液、例えばリン酸緩衝化生理食塩水が、好ましい。安定剤としては、ゼラチン及びアルブミンが挙げられる。いくつかの実施形態において、血管収縮剤が、その処方物に添加される。
【0116】
上記組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含み得る。薬学的に許容される賦形剤は、媒介物、アジュバント、キャリア、又は希釈剤として機能的な分子であり得る。用語「薬学的に許容されるキャリア」は、毒性がなく不活性な、固体、半固体又は液体の、任意の型の、充填剤、希釈剤、カプセル剤又は処方助剤であり得る。薬学的に許容されるキャリアとしては、例えば、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、矯味鏡臭剤、甘味料、抗酸化剤、保存剤、滑剤、溶剤、懸濁剤、湿潤剤、界面活性剤、軟化剤、噴霧剤、保湿剤、散剤、pH調整剤、及びそれらの組合せが挙げられる。薬学的に許容される賦形剤は、表面活性剤を含み得るトランスフェクション促進剤、例えば、免疫刺激複合体(ISCOM)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリルリピドAなどのLPSアナログ、ムラミルペプチド、キノンアナログ、スクアレン及びスクアレンなどのベシクル、ヒアルロン酸、脂質、リポソーム、カルシウムイオン、ウイルスタンパク質、ポリアニオン、ポリカチオン、若しくはナノ粒子、又は他の公知のトランスフェクション促進剤であり得る。トランスフェクション促進剤は、ポリアニオン、ポリ-L-グルタメート(LGS)などのポリカチオン、又は脂質であり得る。トランスフェクション促進剤は、ポリ-L-グルタメートであり得、より好ましくは、ポリ-L-グルタメートは、骨格筋又は心筋において遺伝子編集するための組成物中に6mg/mL未満の濃度で存在し得る。
【0117】
(8.投与)
本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれらの少なくとも1つの成分は、細胞に投与又は送達され得る。核酸を宿主細胞中に導入する方法は、当該分野において公知であり、任意の公知の方法が、核酸(例えば、発現構築物)を細胞中に導入するために使用され得る。適切な方法としては、例えば、ウイルス感染又はバクテリオファージ感染、トランスフェクション、接合、プロトプラスト融合、ポリカチオン又は脂質:核酸結合体、リポフェクション、電気穿孔、ヌクレオフェクション、イムノリポソーム、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)媒介性トランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポソーム媒介性トランスフェクション、パーティクルガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接微量注入、ナノ粒子媒介性核酸送達などが挙げられる。いくつかの実施形態において、その組成物は、mRNA送達及びリボ核タンパク質(RNP)複合体送達により送達され得る。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、BioRad Gene Pulser Xcell若しくはAmaxa Nucleofector IIbデバイス、又は他の電気穿孔デバイスを使用して、電気穿孔され得る。BioRad電気穿孔溶液、Sigmaリン酸緩衝化生理食塩水 製品番号D8537(PBS)、Invitrogen OptiMEM I(OM)、又はAmaxa Nucleofector溶液V(N.V.)などの、いくつかの異なる緩衝液が使用され得る。トランスフェクションは、トランスフェクション試薬、例えばLipofectamine 2000を含み得る。
【0118】
本明細書において詳述されているシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれらの少なくともそれらの1つの成分、或いはそれらを含む医薬組成物は、対象に投与され得る。そのような組成物は、特定の対象の年齢、性別、体重及び状態、並びに投与経路などの要因を考慮して、医学分野の当業者にとって周知である投与量及び技術で、投与され得る。本開示のシステム若しくはその少なくとも1つの成分、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、経口的に、非経口的に、舌下に、経皮的に、直腸内に、経粘膜的に、局所に、鼻腔内、腟内、吸入経由、頬側投与経由、胸膜内に、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、皮内に、表皮に、筋肉内、鼻腔内、髄腔内、頭蓋内、及び関節内、又はそれらの組合せなどの、種々の経路によって、対象に投与され得る。特定の実施形態において、上記システム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、対象に、筋肉内投与されるか、静脈内投与されるか、又はそれらの組合せで投与される。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、対象に、インビボ電気穿孔を伴うか又は伴わないDNA注射(DNAワクチン接種とも呼ばれる)、リポソーム媒介性、ナノ粒子促進性、組換えベクター、例えば、組換えレンチウイルス、組換えアデノウイルス、及び組換えアデノウイルス随伴ウイルスなどの、いくつかの技術によって送達され得る。その組成物は、脳又は中枢神経系の他の成分へ注射され得る。その組成物は、骨格筋又は心筋に注射され得る。例えば、その組成物は、前脛骨筋又は尾に注射され得る。獣医学用途のために、そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、通常の獣医学の実務に従って、適切に受容可能な処方物として投与され得る。獣医は、特定の動物にとって最も適切な投与レジメン及び投与経路を容易に決定し得る。そのシステム、遺伝的構築物、又はそれらを含む組成物は、従来のシリンジ、針なし注射デバイス、「微粒子銃(microprojectile bombardment gone gun)」又は他の物理的方法、例えば、電気穿孔(「EP」)、「水力学的方法」、若しくは超音波によって、投与され得る。代替的に、非ウイルス遺伝子導入若しくは非組込みウイルス遺伝子導入によるか、又は精製タンパク質及び細胞膜透過モチーフを含むgRNAの直接送達による、CRISPR/Casベースのシステムの一過性インビボ送達は、外因性DNA組込みのリスクが最小限又は皆無である、インサイツでの非常に特異的な修正及び/又は復元を可能にし得る。
【0119】
本開示のシステム若しくは本明細書において詳述されている遺伝的構築物、又はそれらの少なくとも1つの成分、或いはそれらを含む医薬組成物、及び上記ベクターを対象の細胞へ送達した際には、トランスフェクトされた細胞は、gRNA分子と、Cas9分子又は融合タンパク質とを発現し得る。
【0120】
(a.細胞型)
本明細書において詳述される送達方法及び/又は投与経路のいずれもが、無数の細胞型を用いて、利用され得る。本明細書において詳述されているシステム又はその成分を用いて形質転換又は形質導入された細胞が、本明細書においてさらに提供される。例えば、本明細書において詳述されているCRISPR/Cas9システムをコードする単離されたポリヌクレオチドを含む細胞が、本明細書において提供される。適する細胞型は、本明細書において詳記されている。いくつかの実施形態では、細胞は、不死化筋芽細胞、例えば野生型及びDMD患者由来の系統等、原始DMD皮膚線維芽細胞、幹細胞、例えば誘導多能性幹細胞等、骨髄由来の前駆体、骨格筋前駆体、DMD患者由来のヒト骨格筋芽細胞、CD133+細胞、中血管芽細胞、心筋細胞、肝細胞、軟骨細胞、間葉系前駆細胞、造血幹細胞、筋肉細胞、衛星細胞、平滑筋細胞、及びMyoD-又はPax7-形質導入細胞、又はその他の筋原性前駆細胞を含む、ただしこれらに限定されない、細胞ベースの療法用として現在調査中の細胞型である。ヒト筋原性細胞の不死化は、遺伝的に修正された筋原性細胞のクローン誘導のために使用され得る。細胞は、遺伝的に修正又は復元されたジストロフィン遺伝子を含み、そのゲノム中のタンパク質コード領域中にヌクレアーゼにより誘導される他の変異を含まない、不死化DMD筋芽細胞のクローン集団を分離及び増殖させるために、エクスビボで改変され得る。細胞は、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムをスクリーニングするためにインビトロで改変することができ、当業者にとって公知の任意の細胞系が使用され得る。いくつかの実施形態では、細胞系は、ヒト胚腎臓293(HEK293)又はHEK293T細胞である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、少なくとも0.1、少なくとも0.2、少なくとも0.3、少なくとも0.4、少なくとも0.5、少なくとも0.6、少なくとも0.7、少なくとも0.8、少なくとも0.9、又は少なくとも1の感染多重度(MOI)で細胞に添加される。
【0121】
(9.キット)
ジストロフィン遺伝子に対する機能を修復するのに使用され得るキットが本明細書に提示される。キットは、遺伝的構築物又はそれを含む組成物、及び前記組成物を使用するための指示書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、配列番号5~78から選択されるポリヌクレオチド配列、その相補体、そのバリアント、又はその断片を含むか又はそれによりコードされる少なくとも1つのgRNA、或いは配列番号55~78を含むか又はそれから選択されるポリヌクレオチド配列、その相補体、そのバリアント、又はその断片に結合し、及びそれを標的とする少なくとも1つのgRNAを含む。いくつかの実施形態では、キットは、配列番号79~102から選択されるポリヌクレオチド配列、又はその相補体、又はそのバリアント、その短縮物を含む、少なくとも1つのgRNAを含む。キットは、CRISPR/Casベースの遺伝子編集システムを使用するための指示書をさらに含み得る。
【0122】
キットに含まれる指示書は、包装材料に貼り付けられ得、又はパケージ挿入物として含まれ得る。指示書は、典型的には印刷物に記載されるが、そのようなものに限定はされない。そのような指示書を保存すること及び指示書をエンドユーザーに伝達することが可能なあらゆる媒体が、本開示によって企図される。そのような媒体としては、電子記録媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書において使用される場合、用語「指示書」とは、その指示書を提供するインターネットサイトのアドレスを含み得る。
【0123】
ジストロフィン遺伝子に対する機能を修復するための遺伝的構築物又はそれを含む組成物は、上記したように、gRNA分子及びCas9タンパク質又は融合タンパク質を含み、ジストロフィン遺伝子のある領域に特異的に結合し、そしてそれを切断する改変されたAAVベクターを含み得る。上記したようなCRISPR/Casベースの遺伝子編集システムはキットに含まれる場合があり、遺伝子内の特定の領域、例えばエクソン51に特異的に結合し、そしてそれを標的とする。
【0124】
(10.方法)
(a.ゲノム核酸を編集するためのgRNA分子の対についてスクリーニングする方法)
CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムで使用されるgRNA分子の対についてハイスループットスクリーニングする方法が、本明細書に提示される。方法は、異なる核酸配列を標的とするgRNA分子の複数の対を生成するステップを含み得る。例えば、スクリーニングの方法は、複数のgRNA分子の個々の対毎に、核酸編集レベルを定量するステップを含み得る。核酸はゲノム核酸であり得る。各gRNA分子の対は、第1の核酸配列を標的とする第1のgRNA分子、及び第2の核酸配列を標的とする第2のgRNA分子を含み得る。第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、異なるイントロン、同一のイントロン、異なるエクソン、又は同一のエクソンの一部分であり得る。いくつかの実施形態では、第1の核酸配列は、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン50の一部分であり、及び第2の核酸配列は、ヒトジストロフィン遺伝子のイントロン51の一部分である。第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、それぞれエクソン由来の少なくとも5kbであり得る。第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、それぞれエクソン由来の約1kb、エクソン由来の約2kb、エクソン由来の約3kb、エクソン由来の約4kb、エクソン由来の約5kb、エクソン由来の約6kb、エクソン由来の約7kb、エクソン由来の約8kb、エクソン由来の約9kb、又はエクソン由来の約10kbであり得る。各gRNAは、0個の連続したチミンヌクレオチド(T)を含み得る。各gRNAは、最大4個の連続したT、最大3個の連続したT、又は最大2個の連続したTを含み得る。各gRNAは、ヒト又はマウスゲノムにおいて予測されるオフターゲット結合を有さない可能性がある。各gRNAは、その標的となる核酸配列と最大1個のミスマッチ、2個のミスマッチ、3個のミスマッチ、4個のミスマッチ、又は5個のミスマッチを有し得る。各gRNAは、標的核酸配列に対して95%相補的、標的核酸配列に対して96%相補的、標的核酸配列に対して97%相補的、標的核酸配列に対して98%相補的、標的核酸配列に対して99%相補的、又は標的核酸配列に対して100%相補的であり得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1の核酸配列はジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、第2の核酸配列はジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含む。いくつかの実施形態では、第1のイントロンは少なくとも1つのエクソンの一方の側に隣接しており、第2のイントロンは、前記少なくとも1つのエクソンの他方の側に隣接している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエクソンは、ゲノム核酸内の第1のイントロン及び第2のイントロンの間にある。いくつかの実施形態では、ゲノム核酸はジストロフィン遺伝子の2つ以上のエクソンを含み、第1のイントロンは2つ以上のエクソンの一方の側に隣接しており、第2のイントロンは前記2つ以上のエクソンの他方の側に隣接している。いくつかの実施形態では、2つ以上のエクソンは、ゲノム核酸において、第1のイントロン及び第2のイントロンの間にある。
方法は、複数の細胞内で、Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質、及びgRNA分子の複数の対を発現させるステップを含み得る。gRNA分子の1つの対は各細胞内で発現され得る。第1のgRNAは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第1の核酸配列を切断するように指令することができ、第2のgRNAは、Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して第2の核酸配列を切断するように指令することができ、これにより切除された核酸及びゲノム核酸内新規接合部を形成する。
【0126】
いくつかの実施形態では、発現は、複数の細胞に複数のベクターをトランスフェクトすることによって有効化される。各細胞に、gRNA分子の1つの対をコードする第1のベクター、及びCas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする第2のベクターがトランスフェクトされ得る。いくつかの実施形態では、各細胞に、異なるgRNA分子の対をコードする異なる第1のベクターがトランスフェクトされる。方法は、細胞がCas9タンパク質を発現するように、前記細胞に、Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質をコードするベクターを含むレンチウイルスをトランスフェクトするステップを含み得る。方法は、Cas9タンパク質発現細胞に、様々なレンチウイルス(各レンチウイルスはgRNA分子の対をコードするベクターを含む)をトランスフェクトするステップも含み得る。各ウイルスは、異なるgRNA分子の対をコードする異なるベクターを含む。各細胞に異なるレンチウイルスがトランスフェクトされる。細胞内では、第1のgRNA分子がCas9タンパク質を第1の核酸配列に仕向け、第2のgRNA分子がCas9タンパク質を第2の核酸配列に仕向ける。この場合、標的とされるゲノム座位において部位特異的二本鎖切断が導入され、そして核酸を切除することでゲノム核酸の改変が引き起こされる。方法は、当技術分野において公知の方法、例えばDNA抽出キット等により、細胞から改変されたゲノム核酸(すなわち、ゲノムDNA)を単離するステップをさらに含み得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、切除された核酸はエクソン51を含む。いくつかの実施形態では、第1の核酸配列はジストロフィン遺伝子のイントロン50内にある。いくつかの実施形態では、第2の核酸配列は、ジストロフィン遺伝子のイントロン51内にある。
【0128】
単離されたゲノム核酸内の接合部は、第1の核酸配列の一部分に対して特異性を有する第1の結合プローブにより濃縮され得る。プローブに結合したゲノム核酸は、当技術分野で公知の任意の方法、例えばマグネットビーズ等、例えばストレプトアビジンコーティングビーズ等を使用して単離され得る。次に、単離されたゲノム核酸は、第2の核酸配列の一部分に対して特異性を有するプローブと共にインキュベートされ、そして単離され得る。プローブは、ゲノム核酸内の二本鎖切断部位(すなわち、新規接合部)に結合し得る。少なくとも1つのプローブが新規接合部に特異的に結合することができ、少なくとも2つのプローブが、新規接合部に特異的に結合することができ、少なくとも3つのプローブが新規接合部に特異的に結合することができ、少なくとも4つのプローブが新規接合部に特異的に結合することができ、及び少なくとも5つのプローブが新規接合部に特異的に結合することができる。プローブは、それぞれ新規接合部及び第1の核酸配列の異なる部分と結合することができる。いくつかの実施形態では、ゲノム核酸は第1のプローブのプールと接触しており、その場合、1つ又は複数の異なるプローブが各新規接合部及び第1の核酸配列の一部分に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、ゲノム核酸は第1のプローブのプールと接触しており、その場合、少なくとも3つの異なるプローブが各新規接合部及び第1の核酸配列の一部分に特異的に結合する。第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸は単離することができ、次に第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸は第2のプローブのプールと接触することができ、その場合、1つ又は複数の異なるプローブが各新規接合部及び第2の核酸配列の一部分に特異的に結合する。第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸は単離することができ、次に第1のプローブのプールに結合したゲノム核酸は第2のプローブのプールと接触することができ、その場合、少なくとも3つの異なるプローブが各新規接合部及び第2の核酸配列の一部分に特異的に結合する。第2のプローブのプールに結合したゲノム核酸は単離され得る。
【0129】
プローブは、ゲノム核酸内の二本鎖切断部位から10bp離れて結合し得る。プローブは、ゲノム核酸内の二本鎖切断部位から20bp離れて結合し得る。プローブは、ゲノム核酸内の二本鎖切断部位から30bp離れて結合し得る。プローブは、約100bp~約140bp、約105bp~約135bp、約110bp~約130bp、又は約115bp~約125bpの長さを有し得る。プローブは、約102bp、約103bp、約104bp、約105bp、約106bp、約107bp、約108bp、約109bp、約110bp、約111bp、約112bp、約113bp、約114bp、約115bp、約116bp、約117bp、約118bp、約119bp、約120bp、約121bp、約122bp、約123bp、約124bp、約125bp、約126bp、約127bp、約128bp、約129bp、約130bp、約131bp、約132bp、約133bp、約134bp、約135bp、約136bp、約137bp、約138bp、約139bp、又は約140bpの長さを有し得る。いくつかの実施形態では、プローブは約120bpの長さを有する。
各プローブは、当技術分野において公知の任意の適するアフィニティー標識を含み得る。いくつかの実施形態では、プローブはビオチン化されたプローブである。
【0130】
(b.gRNA分子の対を特定する方法)
ゲノム核酸内で固有の接合部を比較的高頻度で生成し、また高い欠失効率をもたらすgRNA分子の対を特定する方法が、本明細書に提示される。上記した方法に付加して、方法は、第1の核酸配列の一部分に対して特異性を有するプローブ、及び第2の核酸配列の一部分に対して特異性を有するプローブに結合したゲノム核酸を配列決定するステップを含み得る。配列決定は、当技術分野において公知の方法により、例えばIllumina NextSeq等を使用して実施され得る。さらに、方法は、gRNA分子の対を含むCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムにより形成された新規接合部を特定するために、配列決定されたゲノム核酸をアライメントするステップ、及び各新規接合部を対応するgRNA分子の対に対して割り振るステップを含み得る。新規接合部の数が最大で、欠失効率が最大のgRNA分子の対が、先行するアサインメントから決定可能であり、その場合、欠失効率は各新規接合部の頻度により測定可能である。
【0131】
本明細書において詳記する方法により特定されるgRNA分子の対が本明細書にさらに提示される。そのようなgRNA分子の対を含むCRISPR/Cas9システムが本明細書にさらに提示される。gRNAは、配列番号55~78の少なくとも1つを含むポリヌクレオチド配列によりコードされ、又はそれに結合し、及びそれを標的とし得る。gRNAは、配列番号79~102から選択されるポリヌクレオチド配列を含み得る。
【0132】
(c.対象においてゲノム核酸を編集する方法)
細胞又は対象においてゲノム核酸を編集する方法が、本明細書に提示される。ゲノム核酸は、疾患、例えばDMD等を引き起こすジストロフィン遺伝子突然変異体又はヒトジストロフィン遺伝子突然変異体であり得る。方法は、上記したように、細胞又は対象に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。方法は、上記したように、骨格筋及び/又は心筋においてゲノム核酸を編集するために、対象の骨格筋及び/又は心筋に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを骨格筋又は心筋に送達するために、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を使用することで、完全に機能的又は部分的に機能的なタンパク質の発現を復元させることができる。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、標的とされるゲノム座位において部位特異的二本鎖切断を導入するのに使用され得る。部位特異的二重鎖切断は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的DNA配列と結合するときに創出され、これにより標的DNAの切断が可能になる。このDNA切断は、天然のDNA修復機構を刺激することができ、2つの可能性のある修復経路:相同配列指向性修復(HDR)経路又は非相同末端結合(NHEJ)経路のうちの1つに継続する。方法は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを投与するステップ、例えばCas9タンパク質若しくはCas9融合タンパク質、前記Cas9タンパク質若しくはCas9融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び/又は少なくとも1つのgRNAを投与するステップ等を含み得るが、その場合、gRNAは異なるDNA配列を標的とする。標的DNA配列は重複してもよい。細胞に投与されるgRNAの数は、上記したように、少なくとも1つのgRNA、少なくとも2つの異なるgRNA、少なくとも3つの異なるgRNA、少なくとも4つの異なるgRNA、少なくとも5つの異なるgRNA、少なくとも6つの異なるgRNA、少なくとも7つの異なるgRNA、少なくとも8つの異なるgRNA、少なくとも9つの異なるgRNA、少なくとも10個の異なるgRNA、少なくとも15個の異なるgRNA、少なくとも20個の異なるgRNA、少なくとも30個の異なるgRNA、又は少なくとも50個の異なるgRNAであり得る。この戦略は、活性なCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムの迅速かつ強靭なアセンブリを、遺伝性疾患(フレームシフト、未成熟終止コドン、異常なスプライスドナー部位、又は異常なスプライスアクセプター部位を引き起こす非必須コード領域における突然変異によって引き起こされる)を処置するための効率的遺伝子編集法と一体化させることができる。
【0133】
(d.遺伝子突然変異体を修正し、及び対象を処置する方法)
細胞内の遺伝子突然変異体(例えば、ジストロフィン遺伝子突然変異体)を修正し、及び遺伝性疾患、例えばDMD等に罹患している対象を処置する方法が、本明細書に提示される。方法は、上記記載の通り、細胞又は対象に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。方法は、上記記載の通り、骨格筋及び/又は心筋においてゲノム編集するために、対象の骨格筋及び/又は心筋に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを骨格筋又は心筋に送達するために、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を、修復テンプレート又はドナーDNA(遺伝子全体又は突然変異を含有する領域と置き換わることができる)と共に使用することで、完全に機能的又は部分的に機能的なタンパク質の発現を復元させることができる。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムは、標的とされるゲノム座位において部位特異的二本鎖切断を導入するのに使用され得る。部位特異的二重鎖切断は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムが標的DNA配列と結合するときに創出され、これにより標的DNAの切断が可能になる。このDNA切断は、天然のDNA修復機構を刺激することができ、2つの可能性のある修復経路:相同配列指向性修復(HDR)経路又は非相同末端結合(NHEJ)経路のうちの1つに継続する。
【0134】
本開示は、リーディングフレームを効率的に修正し、そして遺伝性疾患に関与する機能的タンパク質の発現を復元させることができる、リペアテンプレートを用いないCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムによるゲノム編集とさらに関連する。開示されるCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム及び方法は、相同的組換え又は選択ベースの遺伝子修正になじまないおそれのある増殖制限型初代細胞系内での効率的な修正を可能にする、相同配列指向性修復、又はヌクレアーゼ媒介式の非相同末端結合(NHEJ)ベースの修正アプローチを使用することと関係し得る。この戦略は、活性なCRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムの迅速かつ強靭なアセンブリを、遺伝性疾患(フレームシフト、未成熟終止コドン、異常なスプライスドナー部位、又は異常なスプライスアクセプター部位を引き起こす非必須コード領域における突然変異によって引き起こされる)を処置するための効率的遺伝子編集法と一体化させる。
【0135】
本開示は、細胞内の遺伝子突然変異体を修正し、また遺伝性疾患、例えばDMD等に罹患している対象を処置する方法も提示する。方法は、上記記載の通り、細胞又は対象に、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システム、前記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムをコードするポリヌクレオチド若しくはベクター、又は前記CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムの組成物を投与するステップを含み得る。方法は、CRISPR/Cas9ベースの遺伝子編集システムを投与するステップ、例えばCas9タンパク質、又はヌクレアーゼ活性を有する第2のドメインを含有するCas9融合タンパク質、前記Cas9タンパク質若しくはCas9融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び/又は少なくとも1つのgRNAを投与するステップ等を含み得る。gRNAは、異なるDNA配列を標的とし得る。
【0136】
(e.疾患を処置する方法)
それを必要としている対象を処置する方法が、本明細書に提示される。方法は、上記記載の通り、対象の組織に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、上記記載の通り、対象の骨格筋又は心筋に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、上記記載の通り、対象の静脈に、ここに開示されるシステム若しくは遺伝的構築物、又はそれを含む組成物を投与するステップを含み得る。ある特定の実施形態では、対象は、変性又は衰弱又は遺伝性疾患を引き起こす骨格筋又は心筋の状態に罹患している。例えば、対象は、上記記載の通り、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに罹患している可能性がある。
【0137】
(i)デュシェンヌ型筋ジストロフィー)
方法は、上記記載の通り、ジストロフィン遺伝子を修正し、及び前記突然変異したジストロフィン遺伝子の完全に機能的又は部分的に機能的なタンパク質の発現を回復させるのに使用され得る。いくつかの態様及び実施形態では、本開示は、対象におけるDMDの効果(例えば、臨床症状又は兆候)を低下させるための方法を提示する。いくつかの態様及び実施形態では、本開示は、対象におけるDMDを処置するための方法を提示する。いくつかの態様及び実施形態では、本開示は、対象におけるDMDを防止するための方法を提示する。いくつかの態様及び実施形態では、本開示は、対象におけるDMDがさらに進行するのを防止するための方法を提示する。
【0138】
(f.治療剤をスクリーニングするための方法)
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置するための治療剤をスクリーニングする方法が、本明細書に提示される。方法は、1つ又は複数の治療剤を、本明細書において詳記するトランスジェニックマウスに投与するステップを含み得る。1つ又は複数の治療剤は、小分子、アンチセンスRNA、ベクター、CRISPR/Cas遺伝子編集システム、又は生物学的薬剤、又はそれらの組合せであり得る。ベクターは、対象とする遺伝子をコードするウイルスベクター、例えばAAVベクター等であり得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の治療剤が投与された後のマウスは、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、寿命の延長、体質量の低下、身体強度の増加、運動協調性の増加、バランスの増加、前肢強度の増加、筋損傷の低下、及び/又はCKレベルの低下を示す。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の治療剤が投与された後のマウスは、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、ジストロフィン遺伝子の発現増加を示す。ジストロフィン遺伝子は、短縮されたヒトジストロフィン遺伝子であり得る。短縮されたヒトジストロフィン遺伝子は、野生型ヒトジストロフィン遺伝子と比較して複数の欠失を含み得る。いくつかの実施形態では、欠失の少なくとも1つは、エクソン52内にある。
【実施例
【0139】
(11.実施例)
上記は、以下の実施例を参照することによって、より良く理解され得、以下の実施例は、本発明の例示目的のために提示されており、本発明の範囲を限定することは意図されない。本開示は、複数の態様及び実施形態を有し、付随する非限定的な実施例によって説明される。
【0140】
(実施例1)
(エクソン欠失用のgRNA対のプールのスクリーニング)
ヒトDMDエクソン51のSaCas9欠失の場合、ヒトゲノムにおいてポリTを含まず、予測されたオフターゲットを有さず、最大3個のミスマッチを含む、エクソンから5kb以内のgRNAを使用した(図1A)。関連する各イントロン内に位置する個々のgRNAを、GTスキャンソフトウェアを用いてコンピュテーショナルに特定した。転写を妨害するので、4個以上連続したTを含む配列を廃棄した。ゲノム内のその他の場所に対する潜在的な結合部位を計算し、そして予測されたオフターゲット有さず、最大3個のミスマッチ塩基対を含むgRNAのみを選択した。gRNA対のライブラリーを、第1のイントロン内のあらゆるgRNAを第2のイントロン内のあらゆるgRNAと対形成させることにより作成した。これより、イントロン50において52個のgRNA、及びイントロン51において40個のgRNA、総計2,080個のgRNA対が得られた(図1B)。各gRNA対の配列を一本鎖DNAオリゴとしてプールフォーマットで合成した。このプールを増幅し、そしてヒトU6プロモーターとSaCas9足場の間のプラスミド骨格中にクローン化した。このプラスミドはピューロマイシン選択カセットも有した。このプラスミドプールを調製した後、2つのgRNA間の第2の消化を実施し、そして第2のプロモーター(マウスU6)及び第2のSaCas9足場をプラスミド内に挿入した。結果は、レンチウイルスプラスミドプール(各プラスミドにはhU6-イントロン1gRNA-SaCas9足場-mU6-イントロン2gRNA-SaCas9足場が含まれた)であった。このプラスミドプールについて、次に配列決定してgRNA対ライブラリーの完全なカバレッジを確認し、次にレンチウイルスを生成し、その後力価を決定した。各レンチウイルスには1つのgRNA対が含まれた。
【0141】
2Aハイグロマイシン選択カセットを有する構成的EFSプロモーターからSaCas9を発現するレンチウイルスを生成した。HEK293T細胞にレンチウイルスを形質導入し、ハイグロマイシン選択を施し、次に96ウェルプレート中に、各ウェル内に単一の細胞が含まれるようにソーティングした。この単一の細胞のクローンを増殖させ、そしてSaCas9の高発現について染色した。Cas9発現HEK293T細胞に、gRNA対を含有するレンチウイルスライブラリーを形質導入した。いずれの細胞においても最大1個のウイルス粒子、したがって1つのgRNAの対が導入されるように、ウイルスを0.2のMOIで添加した。ライブラリーを1,000×のカバレッジで形質導入した(各gRNA対がおよそ1,000個の細胞に導入されたはずである)。すべての非形質導入細胞が死滅するように、ピューロマイシンを用いて細胞を5日間選択した。すべての細胞を初回形質導入から7日後に採取した。ライブラリーで処置されなかった同一系統由来の細胞も採取した。
【0142】
gRNA対のライブラリーで細胞集団を処置した後、接合部を濃縮した(図1C)。ゲノムDNA(gDNA)を、Qiagen血液及び細胞培養Midiキット(Qiagen Blood and Cell Culture Midi Kit)を用いて採取された細胞から抽出し、そしてDNA濃度を定量した。Kapa HyperPlusライブラリー調製キット(Kapa HyperPlus Library Prep Kit)を使用して、gDNAをランダムに断片化し、そしてアダプターを添加して、スクリーンgDNA及び未処置gDNAの両方から約350bpのライブラリーを創出した。1サンプル当たり20μgのgDNAを、このライブラリーを生成し、gRNA対ライブラリーについて1000×カバレッジを維持するのに使用した。2つのdsDNAビオチン化プローブのプール(gRNAを含有する各イントロンについて1つ)を設計した(図2)。gRNA毎にプローブを設計したが、同プローブは、理論的には、DNAがどのように編集されたかとは無関係に、野生型であるか又はエクソン欠失がgRNA間のいずれかを問わず、結合することができる。特に、いくつかの領域を配列決定するためのプローブによって引き起こされたバイアスが明確になるように、プローブは未処置DNAにも適用可能である。プローブを、それが各gRNAの予測される切断部位から開始し、そして予測される欠失の方向から遠ざかるように120bp伸長するように設計した。この120bpプローブのうち3つを、欠失から遠方10bpタイルバックするように、各gRNAに対して毎回設計した。配列決定する前に、対象とする領域内で編集後の断片が濃縮するように、ステップ5における配列決定ライブラリーを、第1のイントロンプローブプールとハイブリダイズさせ、ストレプトアビジンコーティングビーズを用いてプルダウンし、次に第2のハイブリダイゼーションを施し、そして第2のイントロンに対するプローブプールを用いてプルダウンした。両方のプローブプールの標的となる配列を有する分子のみが残留したはずであり、したがって編集後の配列をコードする分子について濃縮がなされたこととなる。未処置サンプル由来のライブラリーにもプローブプルダウンを(ただし両プールを同時に用いて)施した。配列決定したときにプローブが有したすべてのバイアスを相殺して、特定の領域がメリハリをもって表わされるように、このサンプルをプルダウン後の配列決定カバレッジを決定するのに使用した。別の重要な標準化ステップは、開始レンチウイルスライブラリー内の各gRNA対の初期存在量を相殺することであった。これを測定するために、ライブラリー処置細胞から500×のカバレッジで採取されたgDNA上でPCRを実施して、その細胞ゲノムに組み込まれたデュアルgRNAレンチウイルスゲノムを増幅した。
【0143】
編集後の配列について濃縮するのにプローブハイブリダイゼーションステップが使用されたにもかかわらず、ある1つのgRNAについて固有の接合部を含有する配列決定読み取りのパーセントは、それ以外のgRNAに対して約0.065%と低い。その結果、数億もの配列決定読み取りが、オリジナルのgRNA対ライブラリーについて100×カバレッジを実現するのに必要である。プローブとハイブリダイズしたすべてのサンプルをIllumina NextSeq上で配列決定した一方、増幅後のgRNA配列をIllumina MiSeq上で配列決定した。最終ステップは、エクソン欠失により形成された新規接合部を特定するために配列決定データをアライメントし、各接合部をそれを創出したgRNA対に割り振り、該当する変数を標準化し、及び各gRNA対の相対的有効性を決定することであった(図1D)。各gRNA対は固有の接合部をもたらすので、各接合部の頻度は、gRNA対に関する欠失効率の直接的な指標であった。濃縮及び配列決定方法を、単一のgRNA対のみが導入された細胞上で最初にテストした(図3)。これにより、固有のイントロン-イントロン接合部を検出する能力、並びに大部分の欠失は予測されたgRNA切断部位の完全なライゲーションであるという仮説の両方が確認された。配列決定により欠失形成gRNA対が特定された頻度を、初期のgRNA存在量及びプローブハイブリダイゼーションにより導入されたバイアスにより標準化した。表示する2,080個の対すべてについて、多くは検出されなかったが、しかしgRNA対毎に配列決定読み取りカウントによって測定したとき、いくつかの対が高頻度で検出された(図4)。高頻度で特定された対のトップ25を、配列番号55~78を含め、図5及び表1に示す。表1内の配列は、gRNAが結合しそれを標的とするDNA標的の配列である。対応するRNA配列を表2に示す。
【0144】
【表1】

【0145】
【表2】

【0146】
(実施例2)
(ジストロフィン及びユートロフィンダブルノックアウトマウスの生成)
1つのDMDヒト化マウスモデルは、C. E. Nelson et al., Science 10.1126/science.aad5143 (2015)により記載されるmdxマウスモデルに基づく。mdxマウスは、マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内にナンセンス突然変異を担持し、完全長ジストロフィンmRNA転写物の生成を引き起こし、そして短縮されたジストロフィンタンパク質をコードする。この分子変化は、mdx筋肉における収縮力及び強縮力の低下を含む機能的変化を伴う。mdxマウスは、エクソン52の欠失を含む完全長ヒトジストロフィン導入遺伝子の付加によりヒト化されている(「hDMDΔ52/mdxマウス」)。
【0147】
hDMDΔ52/mdxマウスを、化膿性連鎖球菌Cas9分子及びヒトジストロフィン遺伝子のイントロン51及びイントロン52をそれぞれ標的とするgRNAの対を含む、CRISPR/Cas9システムを、ヒトジストロフィン導入遺伝子を含有するmdxマウスの胚に注入することにより作成した。hDMDΔ52/mdxマウスの心臓及び前脛骨筋内では、ジストロフィンタンパク質は検出されない。
【0148】
+は、マウスが突然変異又は遺伝子について1つのアレルを有することを示唆する。例えば、hDMDΔ52+/+は、マウスがhDMDΔ52突然変異について2つの陽性アレルを有すること(すなわち、ホモ接合性)を示す。このマウスを交配目的で使用したが、このマウスはジストロフィンヌルである。下記の試験では、hDMDΔ52+/-;mdxマウス(すなわち、ジストロフィンヌル)を使用した。雄の種畜(Utrn-/-;mdx)をJackson laboratory(ストック番号014563)から購入し、そしてmdxホモ接合性の雌と交配してUtrn+/-;mdxの雌を取得した(図6)。Utrn+/-;mdxの雌を、雄のhDMDΔ52+/+;mdxマウスと交配させてhDMDΔ52+/-;Utrn+/-;mdxの雌を取得した(図7、ステップ2)。雄のhDMDΔ52+/+;mdxマウスをhDMDΔ52+/-;Utrn+/-;mdxの雌と交配させてhDMDΔ52+/+;Utrn+/-;mdxの雄を取得した(図7、ステップ3)。雄のhDMDΔ52+/+;Utrn+/-;mdxをUtrn+/-;mdxの雌と交配させてhDMDΔ52+/-;Utrn-/-;mdx雄試験マウスを取得した(図7、ステップ4)。
【0149】
(実施例3)
(ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdxマウスのDMD表現型が悪化する)
運動協調性、全身強度、及びバランスを評価するために、マウスに6週齢より開始するロータロッドテストを施した。マウスをロータロッド上に配置し、5分間にわたり4から40rpmまで加速させた。最初に落下するまでの時間を記録した。マウスがランニングから30秒以内に落下した場合、2回目の試みを行うためにロータロッド上に配置し直した。孤立した時点(8、12、及び16週間)から得られたデータを図8A図8Cに示す。後の時点において、hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウス(すなわち、hDMDΔ52+/-;Utrn-/-;mdx)は、Utrn WT(すなわち、hDMDΔ52+/-;Utrn+/+;mdx)及びUtrn het(すなわち、hDMDΔ52+/-;Utrn+/-;mdx)マウスと比較して、ランニング時間の有意な短縮を示した。Utrn KOマウスについてランニング時間の有意な低下を実証する、経時的なロータロッド成績を図8Dに示す。図8A図8C内の複数の群を比較するために、Welchの補正を伴うt検定を使用しながら統計分析を実施した。経時的なロータロッド成績に対して、Tukeyの検定を用いた2元配置分散分析を実施した(表3)。全体として、これらのデータは、ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdxマウスの表現型が悪化することを実証する。
【0150】
【表3】
【0151】
前肢強度を評価するために、マウスに前肢グリップ強度テストを施した。孤立した時点から得られたデータを、図9A図9B、及び図9Cに示す。hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスは、Utrn WTマウス及びUtrn hetマウスと比較して、特に8週齢において、グリップ強度の低下を示した。複数の群を比較するために、Welchの補正を伴うt検定を使用しながら統計分析を実施した。ロータロッドアッセイから得られた結果を図9Dに示す。このデータより、ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdxマウスの表現型が悪化することが示唆される。
【0152】
(実施例4)
(ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdxマウスのDMD生理学的特徴が悪化する)
hDMDΔ52/mdx/Utrn WTマウス、hDMDΔ52/mdx/Utrn hetマウス、及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの体質量を経時的に記録した(図10A)。Tukeyの検定を伴う2元配置分散分析を使用しながら統計分析を実施した(表4)。筋肉質量を24週齢において記録した(図10B)。このデータより、ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdxマウスの体質量及び筋肉質量が減少することが明らかである。
【0153】
【表4】

寿命を異なる遺伝子型の間で比較した。hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスが顕著な寿命短縮(約19週齢のメジアン生存長)を示した一方、その他の遺伝子型は、試験の全過程にわたり生存したままであった(図11)。
【0154】
横隔膜筋におけるジストロフィー病理を評価するために、24週齢時点でH&E染色を実施した。コントロールhDMD/mdxマウスは、末梢核(青色)を有する、組織化され均一な大きさを有する筋線維(ピンク色)から構成される正常な筋肉組織学を呈した(図12A)。核が中央に集まった再生(より小型の)線維、無秩序な構造、及び免疫細胞浸潤(点状の群化した核染色)により特徴付けられるジストロフィー病理が、hDMDΔ52/mdxマウスに認められた(図12B)。hDMDΔ52/mdx/Utrn hetの筋肉は、ジストロフィー表現型のマーカーのすべて、すなわち筋線維の低下、免疫細胞浸潤の増加、及びアポトーシス性線維(より暗色の肥大化した線維)の増加を呈した(図12C)。hDMDΔ52/mdx/Utrn KO筋肉も、筋線維の顕著な低下、免疫細胞浸潤の増加、及びよりアポトーシス性の線維(より暗色の肥大化した線維)といった、ジストロフィー表現型のマーカーのすべて示した(図12D)。したがって、ユートロフィンの喪失は、hDMDΔ52/mdxマウスの筋肉変性を悪化させることが実証される。
【0155】
横隔膜筋における線維化を調べるために、24週齢時点でマッソントリクローム染色を実施した。コントロールhDMD/mdxマウスは、筋線維(赤色)を取り巻くコラーゲン沈着物(青色)がほとんど形成されない正常な筋肉組織を示した(図13A)。コラーゲン沈着物の増加(筋肉質量の大部分と置き換わった)が、hDMDΔ52/mdxマウスに認められた(図13B)。線維化した沈着物は、hDMDΔ52/mdx/Utrn hetの筋肉(図13C)、及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOの筋肉(図13D)においてきわめて明白であり、横隔膜の半分超が置き換わっているように見える。これらのデータは、ユートロフィンが喪失すると、hDMDΔ52/mdx筋肉において線維化した沈着物が増加することを示唆する。
【0156】
各マウス系統における筋肉変性レベルを評価するために、24週齢時点で血清クレアチンキナーゼ(CK)を測定した。コントロールhDMD/mdx血清には低レベルのCKが含まれた一方、hDMDΔ52/mdxマウス及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスでは、筋線維損傷を示唆するより高レベルのCKが含まれた(図14A)。ユートロフィン欠乏マウスは、体質量(図14B)及び生存率(図14C)についてジストロフィー表現型の一般的な特長を呈した。複数の群を比較するために、Welchの補正を伴うt検定を使用しながら統計分析を実施した。したがって、ユートロフィンが喪失すると、筋損傷の血清バイオマーカーが増加する。24週の時点で、筋肉質量は大幅に低下した。hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの生存率は、全体として低かった。また、多くのhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスもこの時点で死亡した。
【0157】
(実施例5)
(hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスをCRISPR/Cas9で処置すると、ジストロフィン発現が復元する)
DMDのヒト化マウスモデルにおいて観察された遺伝子型及び/又は表現型の変化から、本開示の構成物及び方法を用いて処置されたヒト患者における遺伝子型及び/又は表現型の変化を予測することができることを、当業者は認識する。特に、ヒト化マウスモデル内の疾患(又は疾患様)遺伝子型又は表現型を救済する上で有効である方法又は組成物を、当業者はヒト対象における治療用途に容易に適合させることができ、そのように適合させることも本開示の範囲内にある。
【0158】
Utrn欠乏系統における病理及び表現型の救済に対するCRISPR/Cas9処置の効果をテストするために、及び処置されたUtrn欠乏マウスにおける表現型の改善を比較するために、新生獣及び成獣に注射を行った(図15)。新生獣のUtrn het及びUtrn KOを、AAV9-ROSA26コントロール又はAAV9-Δエクソン51のベクターゲノム、合計7.5×1011個を用いて、側頭静脈注射を介して処置した。成獣のUtrn KOを、AAV9-ROSA26コントロール又はAAV9-Δエクソン51のベクターゲノム、合計4×1012個を用いて、尾静脈注射を介して処置した。図19Aは、AAV9-ROSA26コントロール(図19B)又はAAV9-Δエクソン51(図19C)を用いて成獣として処置したUtrn KOマウスと比較するための、年齢が一致したhDMD/mdx野生型コントロールに由来する筋肉を示す。gRNAを表5に示し、表示する配列は、gRNAが結合しそれを標的とするDNA標的の配列である。
【0159】
【表5】

CRISPR処置後、ゲノムDNAの欠失PCRを、エクソン51欠失を実現したか確認するために実施した(図16、上段)。コントロールと比較して、CRISPR-Δエクソン51で処置すると、その結果、hDMDΔ52/mdx/Utrn hetマウス及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの両方においてエクソン51が切除された。処置されたマウスにおけるジストロフィン発現を測定するために、ウェスタンブロッティングを実施した(図16、下段)。ジストロフィン発現は、CRISPR-Δエクソン51を用いた処置後の両マウス系統において明白であった。
CRISPR処置後に、免疫蛍光染色を実施した。コントロールと比較して、CRISPR-Δエクソン51で処置すると、その結果hDMDΔ52/mdx/Utrn hetマウス及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの両方の筋肉においてジストロフィン(赤色)が復元した(図17A図17B図18A、及び図18B)。CRISPR-Δエクソン51で処置すると、その結果hDMDΔ52/mdx/Utrn hetマウス及びhDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの両方において血清クレアチンキナーゼ(CK)もやはり低下した(図18C)。hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスの機能的側面と関連してジストロフィンが復元することが確認されたので、このマウスを対象として本発明者らの試験を継続することとした。成獣マウス、hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスを、8週齢の時点で、コントロールベクター又はCRISPR-Δエクソン51を用いて処置した(図19A図19B図19C、及び図19D)。処置後16週間の時点で前脛骨筋の免疫蛍光染色を行い、CRISPR-Δエクソン51処置マウスにおいて広範囲に及ぶジストロフィン染色が明らかとなった(図19C)。ジストロフィン陽性線維についても定量した(図19D)。エクソン51が欠失することで、Utrn KOマウスにおいて生存率(図19E)及び運動機能(図19F)が改善した。
【0160】
特定の態様についての上記の記述は、他の者が、当業者内の知識を適用することにより、過度の実験をすることなく、本開示の概括的概念から逸脱することなく、そのような特定の態様を種々の応用のために容易に改変及び/又は適合できる、本発明の概括的性質を、非常に十分に明らかにする。従って、そのような適合及び改変は、本明細書において提示される教示及び指針に基づいて、開示された態様の等価物の意味及び範囲の内部にあることが、意図される。本明細書の用語又は術語が上記の教示及び指針を考慮して当業者によって解釈されるべきであるように、本明細書における用語又は術語は記述を目的とするのであって限定を目的とはしないことが、理解されるべきである。
【0161】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な態様のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲及びその等価物に従ってのみ定義されるべきである。
本出願において引用されているすべての公開物、特許、特許出願、及び/又は他の文書は、あたかも個別の公開物、特許、特許出願、及び/又は他の文書の各々がすべての目的のために参考として援用されると個別に示されたかのような場合と同じ程度に、すべての目的のためにその全体が参考として援用される。
完全であることを期すために、本発明の種々の態様が、以下の番号付けされた条項に示される。
【0162】
条項1。対象においてゲノム核酸を編集するためのgRNA分子の対についてスクリーニングする方法であって、
(a)gRNA分子の複数の対を生成するステップであって、各対が第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNAが第1の核酸配列を標的とし、前記第2のgRNAが第2の核酸配列を標的とするステップと、
(b)複数の細胞内で、Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質、及び前記gRNA分子の複数の対を発現させるステップであって、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、前記第1のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第1の核酸配列を切断するように指令し、前記第2のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第2の核酸配列を切断するように指令するステップと
を含む方法。
【0163】
条項2。ステップ(b)において、前記複数の細胞内で前記Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質、及び前記gRNA分子の複数の対を発現させ、gRNA分子の1つの対が1つの細胞内で発現され、前記第1のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第1の核酸配列を切断するように指令し、前記第2のgRNAが前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質に対して前記第2の核酸配列を切断するように指令し、それによって、前記ゲノム核酸において切除された核酸及び新規接合部を形成する、条項1に記載の方法。
【0164】
条項3。前記切除された核酸がインフレームである、条項2に記載の方法。
条項4。前記ゲノム核酸が、ジストロフィン遺伝子の少なくとも1つのエクソンを含み、前記第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、前記第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、前記第1のイントロンが前記少なくとも1つのエクソンの一方の側に隣接しており、前記第2のイントロンが前記少なくとも1つのエクソンの他方の側に隣接している、条項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【0165】
条項5。前記少なくとも1つのエクソンが、前記ゲノム核酸内の前記第1のイントロン及び前記第2のイントロンの間にある、条項4に記載の方法。
条項6。前記ゲノム核酸が、ジストロフィン遺伝子の2つ以上のエクソンを含み、前記第1の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第1のイントロンを含み、前記第2の核酸配列がジストロフィン遺伝子の第2のイントロンを含み、前記第1のイントロンが前記2つ以上のエクソンの一方の側に隣接しており、前記第2のイントロンが前記2つ以上のエクソンの他方の側に隣接している、条項1~5のいずれか1項に記載の方法。
条項7。前記2つ以上のエクソンが、前記ゲノム核酸内の前記第1のイントロン及び前記第2のイントロンの間にある、条項6に記載の方法。
【0166】
条項8。前記発現が、前記複数の細胞に複数のベクターをトランスフェクトすることにより有効化され、各細胞に、gRNA分子の1つの対をコードする第1のベクター及び前記Cas9タンパク質又は融合タンパク質をコードする第2のベクターがトランスフェクトされ、各細胞に、異なるgRNA分子の対をコードする異なる第1のベクターがトランスフェクトされる、条項1~7のいずれか1項に記載の方法。
条項9。前記第1のベクター及び前記第2のベクターが、それぞれウイルスベクターである、条項8に記載の方法。
条項10。前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター、AAVベクター、又はアデノウイルスベクターである、条項9に記載の方法。
【0167】
条項11。
(c)前記複数の細胞から前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(d)前記ゲノム核酸を第1のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが、各新規接合部及び前記第1の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは
(e)前記第1のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(f)前記第1のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を第2のプローブのプールと接触させるステップであって、1つ又は複数の異なるプローブが各新規接合部及び前記第2の核酸配列の一部分に特異的に結合するステップ;並びに/或いは
(g)前記第1のプローブのプール及び前記第2のプローブのプールに結合した前記ゲノム核酸を単離するステップ;並びに/或いは
(h)前記第1のプローブのプール及び前記第2のプローブのプールに結合した単離された前記ゲノム核酸を配列決定するステップ;並びに/或いは
(i)配列決定された前記新規接合部を特定するために、配列決定された単離された前記ゲノム核酸をアライメントするステップ;並びに/或いは
(j)各配列決定された新規接合部を、対応するgRNA分子の対に割り振るステップ
をさらに含む、条項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【0168】
条項12。ステップ(i)が、配列決定された前記新規接合部を特定するために、単離された前記ゲノム核酸の配列をコンピュテーショナルにアライメントするステップを含む、条項11に記載の方法。
条項13。前記gRNA分子の対がより高い効果を有するように、より多数の配列決定された新規接合部を有する前記gRNA分子の対を特定するステップをさらに含む、条項12又は13に記載の方法。
条項14。前記プローブが、それぞれ約100bp~約140bpの長さを有する、条項11~13のいずれか1項に記載の方法。
条項15。前記切除された核酸が、ジストロフィン遺伝子のエクソン51を含む、条項1~14のいずれか1項に記載の方法。
条項16。前記切除された核酸が、ジストロフィン遺伝子のエクソン45~55を含む、条項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【0169】
条項17。前記第1の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン50内にある、条項1~15のいずれか1項に記載の方法。
条項18。前記第2の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン51内にある、条項1~15のいずれか1項に記載の方法。
条項19。前記第1の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン44内にある、条項1~16のいずれか1項に記載の方法。
条項20。前記第2の核酸配列が、ジストロフィン遺伝子のイントロン55内にある、条項1~16のいずれか1項に記載の方法。
条項21。前記プローブが、ビオチン化されたプローブである、条項1~20のいずれか1項に記載の方法。
条項22。条項1~21のいずれか1項に記載の方法により特定されたgRNA分子の対。
【0170】
条項23。条項22に記載のgRNA分子の対を含むCRISPR/Cas9システム。
条項24。ポリヌクレオチド配列に結合し、それを標的とするgRNA分子であって、配列番号55~78から選択される配列を含むポリヌクレオチドに結合するか若しくはそれによりコードされ、又は配列番号79~102から選択されるポリヌクレオチド配列を含むgRNA分子。
条項25。マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、第5染色体上のヒトジストロフィン遺伝子突然変異体、及びマウスユートロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するトランスジェニックマウス。
条項26。前記マウスジストロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスジストロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる、前記マウスジストロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む、条項25に記載のマウス。
【0171】
条項27。前記マウスジストロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスジストロフィン遺伝子のエクソン23内に未成熟終止コドンを含む、条項26に記載のマウス。
条項28。前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体が、少なくとも1つのエクソンを欠失している、条項25~27のいずれか1項に記載のマウス。
条項29。前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体が、エクソン52を欠失している、条項25~28のいずれか1項に記載のマウス。
条項30。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子の機能的欠失である、条項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
【0172】
条項31。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子からのタンパク質発現を妨げる、前記マウスユートロフィン遺伝子内の挿入又は欠失を含む、条項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
条項32。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、前記マウスユートロフィン遺伝子のエクソン7内に挿入を含む、条項31に記載のマウス。
条項33。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異が、全マウスユートロフィン遺伝子の欠失を含む、条項25~29のいずれか1項に記載のマウス。
条項34。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてヘテロ接合性である、条項25~33のいずれか1項に記載のマウス。
【0173】
条項35。前記マウスユートロフィン遺伝子内突然変異についてホモ接合性である、条項25~33のいずれか1項に記載のマウス。
条項36。野生型マウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、条項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
条項37。野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、条項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
条項38。野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、その寿命が短縮し、体質量が低下し、身体強度が低下し、運動協調性が低下し、バランスが低下し、及び/又は前肢強度が低下している、条項25~35のいずれか1項に記載のマウス。
【0174】
条項39。(i)野生型マウス、(ii)野生型ユートロフィン遺伝子及びマウスジストロフィン遺伝子内突然変異を含むゲノムを有するコントロールマウス、並びに/或いは(iii)野生型ユートロフィン遺伝子、マウスジストロフィン遺伝子内突然変異、及びヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を含むゲノムを有するコントロールマウスと比較して、筋損傷が増加している、条項25~38のいずれか1項に記載のマウス。
条項40。前記筋損傷が、筋肉の変性、筋肉の線維化、及び血清クレアチンキナーゼの上昇のうちの1つ又は複数を含む、条項39に記載のマウス。
条項41。心臓又は骨格筋において検出可能なジストロフィンタンパク質を示さない、条項25~40のいずれか1項に記載のマウス。
条項42。hDMDΔ52/mdx/Utrn KOマウスである、条項25~41のいずれか1項に記載のマウス。
【0175】
条項43。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスから得られる単離された細胞又は生体物質。
条項44。タンパク質、脂質、ヌクレオチド、脂肪、筋肉、又は組織を含む、条項43に記載の生体物質。
条項45。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスにCRISPR/Cas9遺伝子編集組成物を投与するステップを含む、ジストロフィン遺伝子突然変異を修正する方法。
条項46。前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、(a)ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体を標的とする少なくとも1つのガイドRNA(gRNA);及び(b)Cas9タンパク質又は前記Cas9タンパク質を含む融合タンパク質を含む、条項45に記載の方法。
条項47。前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNA及び前記第2のgRNAが、前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン51に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロンの中に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン51を欠失させるように構成されている、条項46に記載の方法。
【0176】
条項48。前記CRISPR/Cas9遺伝子編集組成物が、第1のgRNA及び第2のgRNAを含み、前記第1のgRNA及び前記第2のgRNAが、前記ヒトジストロフィン遺伝子突然変異体のエクソン45~55に隣接する第1のイントロン及び第2のイントロンの中に第1の二本鎖切断及び第2の二本鎖切断をそれぞれ形成し、これによりエクソン45~55を欠失させるように構成されている、条項47に記載の方法。
条項49。前記ジストロフィン遺伝子突然変異が、前記マウスの細胞内で修正され、前記細胞が、筋肉細胞、衛星細胞、又はiPSC/iCMである、条項45~48のいずれか1項に記載の方法。
条項50。前記修正が、ヒトジストロフィン遺伝子のリーディングフレームを復元する、条項45~49のいずれか1項に記載の方法。
【0177】
条項51。前記修正が、少なくとも部分的に機能的なヒトジストロフィンタンパク質の発現を引き起こす、条項45~50のいずれか1項に記載の方法。
条項52。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスにより生み出された配偶子。
条項53。機能的なマウスジストロフィンタンパク質又は機能的なマウスユートロフィンタンパク質をコードしない、条項52に記載の配偶子。
条項54。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスから単離された、単離されたマウス細胞又はその子孫細胞。
条項55。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスに由来する、一次細胞培養物又は二次細胞系。
【0178】
条項56。条項25~42のいずれか1項に記載のマウスに由来する、組織若しくは臓器外植片又はその培養物。
条項57。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を処置するための治療剤をスクリーニングする方法であって、条項25~42のいずれか1項に記載のマウスに、1つ又は複数の治療剤を投与するステップを含む方法。
条項58。前記1つ又は複数の治療剤が、小分子、アンチセンスRNA、ベクター、CRISPR/Cas遺伝子編集システム、又は生物学的薬剤、又はそれらの組合せを含む、条項57に記載の方法。
条項59。前記ベクターが、対象とする遺伝子をコードするウイルスベクターである、条項58に記載の方法。
条項60。前記ウイルスベクターがAAVベクターである、条項59に記載の方法。
【0179】
条項61。前記1つ又は複数の治療剤が投与された後の前記マウスが、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、寿命の延長、体質量の低下、身体強度の増加、運動協調性の増加、バランスの増加、前肢強度の増加、筋損傷の低下、及び/又はCKレベルの低下を示す、条項57~60のいずれか1項に記載の方法。
条項62。前記1つ又は複数の治療剤が投与された後の前記マウスが、前記1つ又は複数の治療剤の投与前と比較して、ジストロフィン遺伝子の発現増加を示す、条項57~61のいずれか1項に記載の方法。
条項63。前記ジストロフィン遺伝子が、短縮されたヒトジストロフィン遺伝子である、条項62に記載の方法。
条項64。前記短縮されたヒトジストロフィン遺伝子が、野生型ヒトジストロフィン遺伝子と比較して複数の欠失を含み、前記欠失の少なくとも1つがエクソン52内にある、条項63に記載の方法。
【0180】
(配列)
配列番号1
NRG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号2
NGG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号3
NAG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号4
NGGNG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号5
NNAGAAW(W=A又はT;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0181】
配列番号6
NAAR(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号7
NNGRR(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号8
NNGRRN(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号9
NNGRRT(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0182】
配列番号10
NNGRRV(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号11
NNNNGATT(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号12
NNNNGNNN(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号13
NGA(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号14
NNNRRT(R=A又はG;Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号15
ATTCCT
【0183】
配列番号16
NGAN(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
配列番号17
NGNG(Nは、任意のヌクレオチド残基、例えば、A、G、C、又はTのうちのいずれでも、あり得る)
【0184】
配列番号18
化膿性連鎖球菌Cas9タンパク質
MDKKYSIGLDIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0185】
配列番号19
黄色ブドウ球菌Cas9タンパク質
MKRNYILGLDIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEENSKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKG
【0186】
配列番号20
化膿性連鎖球菌Cas9アミノ酸配列(D10Aを有する)
MDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDHIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0187】
配列番号21
化膿性連鎖球菌Cas9アミノ酸配列(D10A、H849Aを有する)
MDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGD
【0188】
配列番号22
黄色ブドウ球菌Cas9のD10A変異体のポリヌクレオチド配列
atgaaaagga actacattct ggggctggcc atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
atccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagagaac
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0189】
配列番号23
黄色ブドウ球菌Cas9のN580A変異体のポリヌクレオチド配列
atgaaaagga actacattct ggggctggac atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
atccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagaggcc
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0190】
配列番号24
化膿性連鎖球菌Cas9をコードする、コドンを最適化されたポリヌクレオチド
atggataaaa agtacagcat cgggctggac atcggtacaa actcagtggg gtgggccgtg
attacggacg agtacaaggt accctccaaa aaatttaaag tgctgggtaa cacggacaga
cactctataa agaaaaatct tattggagcc ttgctgttcg actcaggcga gacagccgaa
gccacaaggt tgaagcggac cgccaggagg cggtatacca ggagaaagaa ccgcatatgc
tacctgcaag aaatcttcag taacgagatg gcaaaggttg acgatagctt tttccatcgc
ctggaagaat cctttcttgt tgaggaagac aagaagcacg aacggcaccc catctttggc
aatattgtcg acgaagtggc atatcacgaa aagtacccga ctatctacca cctcaggaag
aagctggtgg actctaccga taaggcggac ctcagactta tttatttggc actcgcccac
atgattaaat ttagaggaca tttcttgatc gagggcgacc tgaacccgga caacagtgac
gtcgataagc tgttcatcca acttgtgcag acctacaatc aactgttcga agaaaaccct
ataaatgctt caggagtcga cgctaaagca atcctgtccg cgcgcctctc aaaatctaga
agacttgaga atctgattgc tcagttgccc ggggaaaaga aaaatggatt gtttggcaac
ctgatcgccc tcagtctcgg actgacccca aatttcaaaa gtaacttcga cctggccgaa
gacgctaagc tccagctgtc caaggacaca tacgatgacg acctcgacaa tctgctggcc
cagattgggg atcagtacgc cgatctcttt ttggcagcaa agaacctgtc cgacgccatc
ctgttgagcg atatcttgag agtgaacacc gaaattacta aagcacccct tagcgcatct
atgatcaagc ggtacgacga gcatcatcag gatctgaccc tgctgaaggc tcttgtgagg
caacagctcc ccgaaaaata caaggaaatc ttctttgacc agagcaaaaa cggctacgct
ggctatatag atggtggggc cagtcaggag gaattctata aattcatcaa gcccattctc
gagaaaatgg acggcacaga ggagttgctg gtcaaactta acagggagga cctgctgcgg
aagcagcgga cctttgacaa cgggtctatc ccccaccaga ttcatctggg cgaactgcac
gcaatcctga ggaggcagga ggatttttat ccttttctta aagataaccg cgagaaaata
gaaaagattc ttacattcag gatcccgtac tacgtgggac ctctcgcccg gggcaattca
cggtttgcct ggatgacaag gaagtcagag gagactatta caccttggaa cttcgaagaa
gtggtggaca agggtgcatc tgcccagtct ttcatcgagc ggatgacaaa ttttgacaag
aacctcccta atgagaaggt gctgcccaaa cattctctgc tctacgagta ctttaccgtc
tacaatgaac tgactaaagt caagtacgtc accgagggaa tgaggaagcc ggcattcctt
agtggagaac agaagaaggc gattgtagac ctgttgttca agaccaacag gaaggtgact
gtgaagcaac ttaaagaaga ctactttaag aagatcgaat gttttgacag tgtggaaatt
tcaggggttg aagaccgctt caatgcgtca ttggggactt accatgatct tctcaagatc
ataaaggaca aagacttcct ggacaacgaa gaaaatgagg atattctcga agacatcgtc
ctcaccctga ccctgttcga agacagggaa atgatagaag agcgcttgaa aacctatgcc
cacctcttcg acgataaagt tatgaagcag ctgaagcgca ggagatacac aggatgggga
agattgtcaa ggaagctgat caatggaatt agggataaac agagtggcaa gaccatactg
gatttcctca aatctgatgg cttcgccaat aggaacttca tgcaactgat tcacgatgac
tctcttacct tcaaggagga cattcaaaag gctcaggtga gcgggcaggg agactccctt
catgaacaca tcgcgaattt ggcaggttcc cccgctatta aaaagggcat ccttcaaact
gtcaaggtgg tggatgaatt ggtcaaggta atgggcagac ataagccaga aaatattgtg
atcgagatgg cccgcgaaaa ccagaccaca cagaagggcc agaaaaatag tagagagcgg
atgaagagga tcgaggaggg catcaaagag ctgggatctc agattctcaa agaacacccc
gtagaaaaca cacagctgca gaacgaaaaa ttgtacttgt actatctgca gaacggcaga
gacatgtacg tcgaccaaga acttgatatt aatagactgt ccgactatga cgtagaccat
atcgtgcccc agtccttcct gaaggacgac tccattgata acaaagtctt gacaagaagc
gacaagaaca ggggtaaaag tgataatgtg cctagcgagg aggtggtgaa aaaaatgaag
aactactggc gacagctgct taatgcaaag ctcattacac aacggaagtt cgataatctg
acgaaagcag agagaggtgg cttgtctgag ttggacaagg cagggtttat taagcggcag
ctggtggaaa ctaggcagat cacaaagcac gtggcgcaga ttttggacag ccggatgaac
acaaaatacg acgaaaatga taaactgata cgagaggtca aagttatcac gctgaaaagc
aagctggtgt ccgattttcg gaaagacttc cagttctaca aagttcgcga gattaataac
taccatcatg ctcacgatgc gtacctgaac gctgttgtcg ggaccgcctt gataaagaag
tacccaaagc tggaatccga gttcgtatac ggggattaca aagtgtacga tgtgaggaaa
atgatagcca agtccgagca ggagattgga aaggccacag ctaagtactt cttttattct
aacatcatga atttttttaa gacggaaatt accctggcca acggagagat cagaaagcgg
ccccttatag agacaaatgg tgaaacaggt gaaatcgtct gggataaggg cagggatttc
gctactgtga ggaaggtgct gagtatgcca caggtaaata tcgtgaaaaa aaccgaagta
cagaccggag gattttccaa ggaaagcatt ttgcctaaaa gaaactcaga caagctcatc
gcccgcaaga aagattggga ccctaagaaa tacgggggat ttgactcacc caccgtagcc
tattctgtgc tggtggtagc taaggtggaa aaaggaaagt ctaagaagct gaagtccgtg
aaggaactct tgggaatcac tatcatggaa agatcatcct ttgaaaagaa ccctatcgat
ttcctggagg ctaagggtta caaggaggtc aagaaagacc tcatcattaa actgccaaaa
tactctctct tcgagctgga aaatggcagg aagagaatgt tggccagcgc cggagagctg
caaaagggaa acgagcttgc tctgccctcc aaatatgtta attttctcta tctcgcttcc
cactatgaaa agctgaaagg gtctcccgaa gataacgagc agaagcagct gttcgtcgaa
cagcacaagc actatctgga tgaaataatc gaacaaataa gcgagttcag caaaagggtt
atcctggcgg atgctaattt ggacaaagta ctgtctgctt ataacaagca ccgggataag
cctattaggg aacaagccga gaatataatt cacctcttta cactcacgaa tctcggagcc
cccgccgcct tcaaatactt tgatacgact atcgaccgga aacggtatac cagtaccaaa
gaggtcctcg atgccaccct catccaccag tcaattactg gcctgtacga aacacggatc
gacctctctc aactgggcgg cgactag
【0191】
配列番号25
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaaaagga actacattct ggggctggac atcgggatta caagcgtggg gtatgggatt
attgactatg aaacaaggga cgtgatcgac gcaggcgtca gactgttcaa ggaggccaac
gtggaaaaca atgagggacg gagaagcaag aggggagcca ggcgcctgaa acgacggaga
aggcacagaa tccagagggt gaagaaactg ctgttcgatt acaacctgct gaccgaccat
tctgagctga gtggaattaa tccttatgaa gccagggtga aaggcctgag tcagaagctg
tcagaggaag agttttccgc agctctgctg cacctggcta agcgccgagg agtgcataac
gtcaatgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcta caaaggaaca gatctcacgc
aatagcaaag ctctggaaga gaagtatgtc gcagagctgc agctggaacg gctgaagaaa
gatggcgagg tgagagggtc aattaatagg ttcaagacaa gcgactacgt caaagaagcc
aagcagctgc tgaaagtgca gaaggcttac caccagctgg atcagagctt catcgatact
tatatcgacc tgctggagac tcggagaacc tactatgagg gaccaggaga agggagcccc
ttcggatgga aagacatcaa ggaatggtac gagatgctga tgggacattg cacctatttt
ccagaagagc tgagaagcgt caagtacgct tataacgcag atctgtacaa cgccctgaat
gacctgaaca acctggtcat caccagggat gaaaacgaga aactggaata ctatgagaag
ttccagatca tcgaaaacgt gtttaagcag aagaaaaagc ctacactgaa acagattgct
aaggagatcc tggtcaacga agaggacatc aagggctacc gggtgacaag cactggaaaa
ccagagttca ccaatctgaa agtgtatcac gatattaagg acatcacagc acggaaagaa
atcattgaga acgccgaact gctggatcag attgctaaga tcctgactat ctaccagagc
tccgaggaca tccaggaaga gctgactaac ctgaacagcg agctgaccca ggaagagatc
gaacagatta gtaatctgaa ggggtacacc ggaacacaca acctgtccct gaaagctatc
aatctgattc tggatgagct gtggcataca aacgacaatc agattgcaat ctttaaccgg
ctgaagctgg tcccaaaaaa ggtggacctg agtcagcaga aagagatccc aaccacactg
gtggacgatt tcattctgtc acccgtggtc aagcggagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaatgata tcattatcga gctggctagg
gagaagaaca gcaaggacgc acagaagatg atcaatgaga tgcagaaacg aaaccggcag
accaatgaac gcattgaaga gattatccga actaccggga aagagaacgc aaagtacctg
attgaaaaaa tcaagctgca cgatatgcag gagggaaagt gtctgtattc tctggaggcc
tccccctgg aggacctgct gaacaatcca ttcaactacg aggtcgatca tattatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa ttcctttaac aacaaggtgc tggtcaagca ggaagagaac
tctaaaaagg gcaataggac tcctttccag tacctgtcta gttcagattc caagatctct
tacgaaacct ttaaaaagca cattctgaat ctggccaaag gaaagggccg catcagcaag
accaaaaagg agtacctgct ggaagagcgg gacatcaaca gattctccgt ccagaaggat
tttattaacc ggaatctggt ggacacaaga tacgctactc gcggcctgat gaatctgctg
cgatcctatt tccgggtgaa caatctggat gtgaaagtca agtccatcaa cggcgggttc
acatcttttc tgaggcgcaa atggaagttt aaaaaggagc gcaacaaagg gtacaagcac
catgccgaag atgctctgat tatcgcaaat gccgacttca tctttaagga gtggaaaaag
ctggacaaag ccaagaaagt gatggagaac cagatgttcg aagagaagca ggccgaatct
atgcccgaaa tcgagacaga acaggagtac aaggagattt tcatcactcc tcaccagatc
aagcatatca aggatttcaa ggactacaag tactctcacc gggtggataa aaagcccaac
agagagctga tcaatgacac cctgtatagt acaagaaaag acgataaggg gaataccctg
attgtgaaca atctgaacgg actgtacgac aaagataatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaaaagtc ccgagaagct gctgatgtac caccatgatc ctcagacata tcagaaactg
aagctgatta tggagcagta cggcgacgag aagaacccac tgtataagta ctatgaagag
actgggaact acctgaccaa gtatagcaaa aaggataatg gccccgtgat caagaagatc
aagtactatg ggaacaagct gaatgcccat ctggacatca cagacgatta ccctaacagt
cgcaacaagg tggtcaagct gtcactgaag ccatacagat tcgatgtcta tctggacaac
ggcgtgtata aatttgtgac tgtcaagaat ctggatgtca tcaaaaagga gaactactat
gaagtgaata gcaagtgcta cgaagaggct aaaaagctga aaaagattag caaccaggca
gagttcatcg cctcctttta caacaacgac ctgattaaga tcaatggcga actgtatagg
gtcatcgggg tgaacaatga tctgctgaac cgcattgaag tgaatatgat tgacatcact
taccgagagt atctggaaaa catgaatgat aagcgccccc ctcgaattat caaaacaatt
gcctctaaga ctcagagtat caaaaagtac tcaaccgaca ttctgggaaa cctgtatgag
gtgaagagca aaaagcaccc tcagattatc aaaaagggc
【0192】
配列番号26
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaagcgga actacatcct gggcctggac atcggcatca ccagcgtggg ctacggcatc
atcgactacg agacacggga cgtgatcgat gccggcgtgc ggctgttcaa agaggccaac
gtggaaaaca acgagggcag gcggagcaag agaggcgcca gaaggctgaa gcggcggagg
cggcatagaa tccagagagt gaagaagctg ctgttcgact acaacctgct gaccgaccac
agcgagctga gcggcatcaa cccctacgag gccagagtga agggcctgag ccagaagctg
agcgaggaag agttctctgc cgccctgctg cacctggcca agagaagagg cgtgcacaac
gtgaacgagg tggaagagga caccggcaac gagctgtcca ccaaagagca gatcagccgg
aacagcaagg ccctggaaga gaaatacgtg gccgaactgc agctggaacg gctgaagaaa
gacggcgaag tgcggggcag catcaacaga ttcaagacca gcgactacgt gaaagaagcc
aaacagctgc tgaaggtgca gaaggcctac caccagctgg accagagctt catcgacacc
tacatcgacc tgctggaaac ccggcggacc tactatgagg gacctggcga gggcagcccc
ttcggctgga aggacatcaa agaatggtac gagatgctga tgggccactg cacctacttc
cccgaggaac tgcggagcgt gaagtacgcc tacaacgccg acctgtacaa cgccctgaac
gacctgaaca atctcgtgat caccagggac gagaacgaga agctggaata ttacgagaag
ttccagatca tcgagaacgt gttcaagcag aagaagaagc ccaccctgaa gcagatcgcc
aaagaaatcc tcgtgaacga agaggatatt aagggctaca gagtgaccag caccggcaag
cccgagttca ccaacctgaa ggtgtaccac gacatcaagg acattaccgc ccggaaagag
attattgaga acgccgagct gctggatcag attgccaaga tcctgaccat ctaccagagc
agcgaggaca tccaggaaga actgaccaat ctgaactccg agctgaccca ggaagagatc
gagcagatct ctaatctgaa gggctatacc ggcacccaca acctgagcct gaaggccatc
aacctgatcc tggacgagct gtggcacacc aacgacaacc agatcgctat cttcaaccgg
ctgaagctgg tgcccaagaa ggtggacctg tcccagcaga aagagatccc caccaccctg
gtggacgact tcatcctgag ccccgtcgtg aagagaagct tcatccagag catcaaagtg
atcaacgcca tcatcaagaa gtacggcctg cccaacgaca tcattatcga gctggcccgc
gagaagaact ccaaggacgc ccagaaaatg atcaacgaga tgcagaagcg gaaccggcag
accaacgagc ggatcgagga aatcatccgg accaccggca aagagaacgc caagtacctg
atcgagaaga tcaagctgca cgacatgcag gaaggcaagt gcctgtacag cctggaagcc
atccctctgg aagatctgct gaacaacccc ttcaactatg aggtggacca catcatcccc
agaagcgtgt ccttcgacaa cagcttcaac aacaaggtgc tcgtgaagca ggaagaaaac
agcaagaagg gcaaccggac cccattccag tacctgagca gcagcgacag caagatcagc
tacgaaacct tcaagaagca catcctgaat ctggccaagg gcaagggcag aatcagcaag
accaagaaag agtatctgct ggaagaacgg gacatcaaca ggttctccgt gcagaaagac
ttcatcaacc ggaacctggt ggataccaga tacgccacca gaggcctgat gaacctgctg
cggagctact tcagagtgaa caacctggac gtgaaagtga agtccatcaa tggcggcttc
accagctttc tgcggcggaa gtggaagttt aagaaagagc ggaacaaggg gtacaagcac
cacgccgagg acgccctgat cattgccaac gccgatttca tcttcaaaga gtggaagaaa
ctggacaagg ccaaaaaagt gatggaaaac cagatgttcg aggaaaagca ggccgagagc
atgcccgaga tcgaaaccga gcaggagtac aaagagatct tcatcacccc ccaccagatc
aagcacatta aggacttcaa ggactacaag tacagccacc gggtggacaa gaagcctaat
agagagctga ttaacgacac cctgtactcc acccggaagg acgacaaggg caacaccctg
atcgtgaaca atctgaacgg cctgtacgac aaggacaatg acaagctgaa aaagctgatc
aacaagagcc ccgaaaagct gctgatgtac caccacgacc cccagaccta ccagaaactg
aagctgatta tggaacagta cggcgacgag aagaatcccc tgtacaagta ctacgaggaa
accgggaact acctgaccaa gtactccaaa aaggacaacg gccccgtgat caagaagatt
aagtattacg gcaacaaact gaacgcccat ctggacatca ccgacgacta ccccaacagc
agaaacaagg tcgtgaagct gtccctgaag ccctacagat tcgacgtgta cctggacaat
ggcgtgtaca agttcgtgac cgtgaagaat ctggatgtga tcaaaaaaga aaactactac
gaagtgaata gcaagtgcta tgaggaagct aagaagctga agaagatcag caaccaggcc
gagtttatcg cctccttcta caacaacgat ctgatcaaga tcaacggcga gctgtataga
gtgatcggcg tgaacaacga cctgctgaac cggatcgaag tgaacatgat cgacatcacc
taccgcgagt acctggaaaa catgaacgac aagaggcccc ccaggatcat taagacaatc
gcctccaaga cccagagcat taagaagtac agcacagaca ttctgggcaa cctgtatgaa
gtgaaatcta agaagcaccc tcagatcatc aaaaagggc
【0193】
配列番号27
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atgaagcgca actacatcct cggactggac atcggcatta cctccgtggg atacggcatc
atcgattacg aaactaggga tgtgatcgac gctggagtca ggctgttcaa agaggcgaac
gtggagaaca acgaggggcg gcgctcaaag aggggggccc gccggctgaa gcgccgccgc
agacatagaa tccagcgcgt gaagaagctg ctgttcgact acaaccttct gaccgaccac
tccgaacttt ccggcatcaa cccatatgag gctagagtga agggattgtc ccaaaagctg
tccgaggaag agttctccgc cgcgttgctc cacctcgcca agcgcagggg agtgcacaat
gtgaacgaag tggaagaaga taccggaaac gagctgtcca ccaaggagca gatcagccgg
aactccaagg ccctggaaga gaaatacgtg gcggaactgc aactggagcg gctgaagaaa
gacggagaag tgcgcggctc gatcaaccgc ttcaagacct cggactacgt gaaggaggcc
aagcagctcc tgaaagtgca aaaggcctat caccaacttg accagtcctt tatcgatacc
tacatcgatc tgctcgagac tcggcggact tactacgagg gtccagggga gggctcccca
tttggttgga aggatattaa ggagtggtac gaaatgctga tgggacactg cacatacttc
cctgaggagc tgcggagcgt gaaatacgca tacaacgcag acctgtacaa cgcgctgaac
gacctgaaca atctcgtgat cacccgggac gagaacgaaa agctcgagta ttacgaaaag
ttccagatta ttgagaacgt gttcaaacag aagaagaagc cgacactgaa gcagattgcc
aaggaaatcc tcgtgaacga agaggacatc aagggctatc gagtgacctc aacgggaaag
ccggagttca ccaatctgaa ggtctaccac gacatcaaag acattaccgc ccggaaggag
atcattgaga acgcggagct gttggaccag attgcgaaga ttctgaccat ctaccaatcc
tccgaggata ttcaggaaga actcaccaac ctcaacagcg aactgaccca ggaggagata
gagcaaatct ccaacctgaa gggctacacc ggaactcata acctgagcct gaaggccatc
aacttgatcc tggacgagct gtggcacacc aacgataacc agatcgctat tttcaatcgg
ctgaagctgg tccccaagaa agtggacctc tcacaacaaa aggagatccc tactaccctt
gtggacgatt tcattctgtc ccccgtggtc aagagaagct tcatacagtc aatcaaagtg
atcaatgcca ttatcaagaa atacggtctg cccaacgaca ttatcattga gctcgcccgc
gagaagaact cgaaggacgc ccagaagatg attaacgaaa tgcagaagag gaaccgacag
actaacgaac ggatcgaaga aatcatccgg accaccggga aggaaaacgc gaagtacctg
atcgaaaaga tcaagctcca tgacatgcag gaaggaaagt gtctgtactc gctggaggcc
attccgctgg aggacttgct gaacaaccct tttaactacg aagtggatca tatcattccg
aggagcgtgt cattcgacaa ttccttcaac aacaaggtcc tcgtgaagca ggaggaaaac
tcgaagaagg gaaaccgcac gccgttccag tacctgagca gcagcgactc caagatttcc
tacgaaacct tcaagaagca catcctcaac ctggcaaagg ggaagggtcg catctccaag
accaagaagg aatatctgct ggaagaaaga gacatcaaca gattctccgt gcaaaaggac
ttcatcaacc gcaacctcgt ggatactaga tacgctactc ggggtctgat gaacctcctg
agaagctact ttagagtgaa caatctggac gtgaaggtca agtcgattaa cggaggtttc
acctccttcc tgcggcgcaa gtggaagttc aagaaggaac ggaacaaggg ctacaagcac
cacgccgagg acgccctgat cattgccaac gccgacttca tcttcaaaga atggaagaaa
cttgacaagg ctaagaaggt catggaaaac cagatgttcg aagaaaagca ggccgagtct
atgcctgaaa tcgagactga acaggagtac aaggaaatct ttattacgcc acaccagatc
aaacacatca aggatttcaa ggattacaag tactcacatc gcgtggacaa aaagccgaac
agggaactga tcaacgacac cctctactcc acccggaagg atgacaaagg gaataccctc
atcgtcaaca accttaacgg cctgtacgac aaggacaacg ataagctgaa gaagctcatt
aacaagtcgc ccgaaaagtt gctgatgtac caccacgacc ctcagactta ccagaagctc
aagctgatca tggagcagta tggggacgag aaaaacccgt tgtacaagta ctacgaagaa
actgggaatt atctgactaa gtactccaag aaagataacg gccccgtgat taagaagatt
aagtactacg gcaacaagct gaacgcccat ctggacatca ccgatgacta ccctaattcc
cgcaacaagg tcgtcaagct gagcctcaag ccctaccggt ttgatgtgta ccttgacaat
ggagtgtaca agttcgtgac tgtgaagaac cttgacgtga tcaagaagga gaactactac
gaagtcaact ccaagtgcta cgaggaagca aagaagttga agaagatctc gaaccaggcc
gagttcattg cctccttcta taacaacgac ctgattaaga tcaacggcga actgtaccgc
gtcattggcg tgaacaacga tctcctgaac cgcatcgaag tgaacatgat cgacatcact
taccgggaat acctggagaa tatgaacgac aagcgcccgc cccggatcat taagactatc
gcctcaaaga cccagtcgat caagaagtac agcaccgaca tcctgggcaa cctgtacgag
gtcaaatcga agaagcaccc ccagatcatc aagaaggga
【0194】
配列番号28
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccagagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaggcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0195】
配列番号29
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
accggtgcca ccatgtaccc atacgatgtt ccagattacg cttcgccgaa gaaaaagcgc
aaggtcgaag cgtccatgaa aaggaactac attctggggc tggacatcgg gattacaagc
gtggggtatg ggattattga ctatgaaaca agggacgtga tcgacgcagg cgtcagactg
ttcaaggagg ccaacgtgga aaacaatgag ggacggagaa gcaagagggg agccaggcgc
ctgaaacgac ggagaaggca cagaatccag agggtgaaga aactgctgtt cgattacaac
ctgctgaccg accattctga gctgagtgga attaatcctt atgaagccag ggtgaaaggc
ctgagtcaga agctgtcaga ggaagagttt tccgcagctc tgctgcacct ggctaagcgc
cgaggagtgc ataacgtcaa tgaggtggaa gaggacaccg gcaacgagct gtctacaaag
gaacagatct cacgcaatag caaagctctg gaagagaagt atgtcgcaga gctgcagctg
gaacggctga agaaagatgg cgaggtgaga gggtcaatta ataggttcaa gacaagcgac
tacgtcaaag aagccaagca gctgctgaaa gtgcagaagg cttaccacca gctggatcag
agcttcatcg atacttatat cgacctgctg gagactcgga gaacctacta tgagggacca
ggagaaggga gccccttcgg atggaaagac atcaaggaat ggtacgagat gctgatggga
cattgcacct attttccaga agagctgaga agcgtcaagt acgcttataa cgcagatct
tacaacgccc tgaatgacct gaacaacctg gtcatcacca gggatgaaaa cgagaaactg
gaatactatg agaagttcca gatcatcgaa aacgtgttta agcagaagaa aaagcctaca
ctgaaacaga ttgctaagga gatcctggtc aacgaagagg acatcaaggg ctaccgggtg
acaagcactg gaaaaccaga gttcaccaat ctgaaagtgt atcacgatat taaggacatc
acagcacgga aagaaatcat tgagaacgcc gaactgctgg atcagattgc taagatcctg
actatctacc agagctccga ggacatccag gaagagctga ctaacctgaa cagcgagctg
acccaggaag agatcgaaca gattagtaat ctgaaggggt acaccggaac acacaacctg
tccctgaaag ctatcaatct gattctggat gagctgtggc atacaaacga caatcagatt
gcaatcttta accggctgaa gctggtccca aaaaaggtgg acctgagtca gcagaaagag
atcccaacca cactggtgga cgatttcatt ctgtcacccg tggtcaagcg gagcttcatc
cagagcatca aagtgatcaa cgccatcatc aagaagtacg gcctgcccaa tgatatcatt
atcgagctgg ctagggagaa gaacagcaag gacgcacaga agatgatcaa tgagatgcag
aaacgaaacc ggcagaccaa tgaacgcatt gaagagatta tccgaactac cgggaaagag
aacgcaaagt acctgattga aaaaatcaag ctgcacgata tgcaggaggg aaagtgtctg
tattctctgg aggccatccc cctggaggac ctgctgaaca atccattcaa ctacgaggtc
gatcatatta tccccagaag cgtgtccttc gacaattcct ttaacaacaa ggtgctggtc
aagcaggaag agaactctaa aaagggcaat aggactcctt tccagtacct gtctagttca
gattccaaga tctcttacga aacctttaaa aagcacattc tgaatctggc caaaggaaag
ggccgcatca gcaagaccaa aaaggagtac ctgctggaag agcgggacat caacagattc
tccgtccaga aggattttat taaccggaat ctggtggaca caagatacgc tactcgcggc
ctgatgaatc tgctgcgatc ctatttccgg gtgaacaatc tggatgtgaa agtcaagtcc
atcaacggcg ggttcacatc ttttctgagg cgcaaatgga agtttaaaaa ggagcgcaac
aaagggtaca agcaccatgc cgaagatgct ctgattatcg caaatgccga cttcatcttt
aaggagtgga aaaagctgga caaagccaag aaagtgatgg agaaccagat gttcgaagag
aagcaggccg aatctatgcc cgaaatcgag acagaacagg agtacaagga gattttcatc
actcctcacc agatcaagca tatcaaggat ttcaaggact acaagtactc tcaccgggtg
gataaaaagc ccaacagaga gctgatcaat gacaccctgt atagtacaag aaaagacgat
aaggggaata ccctgattgt gaacaatctg aacggactgt acgacaaaga taatgacaag
ctgaaaaagc tgatcaacaa aagtcccgag aagctgctga tgtaccacca tgatcctcag
acatatcaga aactgaagct gattatggag cagtacggcg acgagaagaa cccactgtat
aagtactatg aagagactgg gaactacctg accaagtata gcaaaaagga taatggcccc
gtgatcaaga agatcaagta ctatgggaac aagctgaatg cccatctgga catcacagac
gattacccta acagtcgcaa caaggtggtc aagctgtcac tgaagccata cagattcgat
gtctatctgg acaacggcgt gtataaattt gtgactgtca agaatctgga tgtcatcaaa
aaggagaact actatgaagt gaatagcaag tgctacgaag aggctaaaaa gctgaaaaag
attagcaacc aggcagagtt catcgcctcc ttttacaaca acgacctgat taagatcaat
ggcgaactgt atagggtcat cggggtgaac aatgatctgc tgaaccgcat tgaagtgaat
atgattgaca tcacttaccg agagtatctg gaaaacatga atgataagcg cccccctcga
attatcaaaa caattgcctc taagactcag agtatcaaaa agtactcaac cgacattctg
ggaaacctgt atgaggtgaa gagcaaaaag caccctcaga ttatcaaaaa gggctaagaa
ttc
【0196】
配列番号30
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaag
【0197】
配列番号31
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列
aagcggaactacatcctgggcctggacatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaaaacagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggc
【0198】
配列番号32
黄色ブドウ球菌Cas9をコードする、コドンを最適化された核酸配列をコードする、ベクター(pDO242)
ctaaattgtaagcgttaatattttgttaaaattcgcgttaaatttttgttaaatcagctcattttttaaccaataggccgaaatcggcaaaatcccttataaatcaaaagaatagaccgagatagggttgagtgttgttccagtttggaacaagagtccactattaaagaacgtggactccaacgtcaaagggcgaaaaaccgtctatcagggcgatggcccactacgtgaaccatcaccctaatcaagttttttggggtcgaggtgccgtaaagcactaaatcggaaccctaaagggagcccccgatttagagcttgacggggaaagccggcgaacgtggcgagaaaggaagggaagaaagcgaaaggagcgggcgctagggcgctggcaagtgtagcggtcacgctgcgcgtaaccaccacacccgccgcgcttaatgcgccgctacagggcgcgtcccattcgccattcaggctgcgcaactgttgggaagggcgatcggtgcgggcctcttcgctattacgccagctggcgaaagggggatgtgctgcaaggcgattaagttgggtaacgccagggttttcccagtcacgacgttgtaaaacgacggccagtgagcgcgcgtaatacgactcactatagggcgaattgggtacCtttaattctagtactatgcaTgcgttgacattgattattgactagttattaatagtaatcaattacggggtcattagttcatagcccatatatggagttccgcgttacataacttacggtaaatggcccgcctggctgaccgcccaacgacccccgcccattgacgtcaataatgacgtatgttcccatagtaacgccaatagggactttccattgacgtcaatgggtggagtatttacggtaaactgcccacttggcagtacatcaagtgtatcatatgccaagtacgccccctattgacgtcaatgacggtaaatggcccgcctggcattatgcccagtacatgaccttatgggactttcctacttggcagtacatctacgtattagtcatcgctattaccatggtgatgcggttttggcagtacatcaatgggcgtggatagcggtttgactcacggggatttccaagtctccaccccattgacgtcaatgggagtttgttttggcaccaaaatcaacgggactttccaaaatgtcgtaacaactccgccccattgacgcaaatgggcggtaggcgtgtacggtgggaggtctatataagcagagctctctggctaactaccggtgccaccATGAAAAGGAACTACATTCTGGGGCTGGACATCGGGATTACAAGCGTGGGGTATGGGATTATTGACTATGAAACAAGGGACGTGATCGACGCAGGCGTCAGACTGTTCAAGGAGGCCAACGTGGAAAACAATGAGGGACGGAGAAGCAAGAGGGGAGCCAGGCGCCTGAAACGACGGAGAAGGCACAGAATCCAGAGGGTGAAGAAACTGCTGTTCGATTACAACCTGCTGACCGACCATTCTGAGCTGAGTGGAATTAATCCTTATGAAGCCAGGGTGAAAGGCCTGAGTCAGAAGCTGTCAGAGGAAGAGTTTTCCGCAGCTCTGCTGCACCTGGCTAAGCGCCGAGGAGTGCATAACGTCAATGAGGTGGAAGAGGACACCGGCAACGAGCTGTCTACAAAGGAACAGATCTCACGCAATAGCAAAGCTCTGGAAGAGAAGTATGTCGCAGAGCTGCAGCTGGAACGGCTGAAGAAAGATGGCGAGGTGAGAGGGTCAATTAATAGGTTCAAGACAAGCGACTACGTCAAAGAAGCCAAGCAGCTGCTGAAAGTGCAGAAGGCTTACCACCAGCTGGATCAGAGCTTCATCGATACTTATATCGACCTGCTGGAGACTCGGAGAACCTACTATGAGGGACCAGGAGAAGGGAGCCCCTTCGGATGGAAAGACATCAAGGAATGGTACGAGATGCTGATGGGACATTGCACCTATTTTCCAGAAGAGCTGAGAAGCGTCAAGTACGCTTATAACGCAGATCTGTACAACGCCCTGAATGACCTGAACAACCTGGTCATCACCAGGGATGAAAACGAGAAACTGGAATACTATGAGAAGTTCCAGATCATCGAAAACGTGTTTAAGCAGAAGAAAAAGCCTACACTGAAACAGATTGCTAAGGAGATCCTGGTCAACGAAGAGGACATCAAGGGCTACCGGGTGACAAGCACTGGAAAACCAGAGTTCACCAATCTGAAAGTGTATCACGATATTAAGGACATCACAGCACGGAAAGAAATCATTGAGAACGCCGAACTGCTGGATCAGATTGCTAAGATCCTGACTATCTACCAGAGCTCCGAGGACATCCAGGAAGAGCTGACTAACCTGAACAGCGAGCTGACCCAGGAAGAGATCGAACAGATTAGTAATCTGAAGGGGTACACCGGAACACACAACCTGTCCCTGAAAGCTATCAATCTGATTCTGGATGAGCTGTGGCATACAAACGACAATCAGATTGCAATCTTTAACCGGCTGAAGCTGGTCCCAAAAAAGGTGGACCTGAGTCAGCAGAAAGAGATCCCAACCACACTGGTGGACGATTTCATTCTGTCACCCGTGGTCAAGCGGAGCTTCATCCAGAGCATCAAAGTGATCAACGCCATCATCAAGAAGTACGGCCTGCCCAATGATATCATTATCGAGCTGGCTAGGGAGAAGAACAGCAAGGACGCACAGAAGATGATCAATGAGATGCAGAAACGAAACCGGCAGACCAATGAACGCATTGAAGAGATTATCCGAACTACCGGGAAAGAGAACGCAAAGTACCTGATTGAAAAAATCAAGCTGCACGATATGCAGGAGGGAAAGTGTCTGTATTCTCTGGAGGCCATCCCCCTGGAGGACCTGCTGAACAATCCATTCAACTACGAGGTCGATCATATTATCCCCAGAAGCGTGTCCTTCGACAATTCCTTTAACAACAAGGTGCTGGTCAAGCAGGAAGAGAACTCTAAAAAGGGCAATAGGACTCCTTTCCAGTACCTGTCTAGTTCAGATTCCAAGATCTCTTACGAAACCTTTAAAAAGCACATTCTGAATCTGGCCAAAGGAAAGGGCCGCATCAGCAAGACCAAAAAGGAGTACCTGCTGGAAGAGCGGGACATCAACAGATTCTCCGTCCAGAAGGATTTTATTAACCGGAATCTGGTGGACACAAGATACGCTACTCGCGGCCTGATGAATCTGCTGCGATCCTATTTCCGGGTGAACAATCTGGATGTGAAAGTCAAGTCCATCAACGGCGGGTTCACATCTTTTCTGAGGCGCAAATGGAAGTTTAAAAAGGAGCGCAACAAAGGGTACAAGCACCATGCCGAAGATGCTCTGATTATCGCAAATGCCGACTTCATCTTTAAGGAGTGGAAAAAGCTGGACAAAGCCAAGAAAGTGATGGAGAACCAGATGTTCGAAGAGAAGCAGGCCGAATCTATGCCCGAAATCGAGACAGAACAGGAGTACAAGGAGATTTTCATCACTCCTCACCAGATCAAGCATATCAAGGATTTCAAGGACTACAAGTACTCTCACCGGGTGGATAAAAAGCCCAACAGAGAGCTGATCAATGACACCCTGTATAGTACAAGAAAAGACGATAAGGGGAATACCCTGATTGTGAACAATCTGAACGGACTGTACGACAAAGATAATGACAAGCTGAAAAAGCTGATCAACAAAAGTCCCGAGAAGCTGCTGATGTACCACCATGATCCTCAGACATATCAGAAACTGAAGCTGATTATGGAGCAGTACGGCGACGAGAAGAACCCACTGTATAAGTACTATGAAGAGACTGGGAACTACCTGACCAAGTATAGCAAAAAGGATAATGGCCCCGTGATCAAGAAGATCAAGTACTATGGGAACAAGCTGAATGCCCATCTGGACATCACAGACGATTACCCTAACAGTCGCAACAAGGTGGTCAAGCTGTCACTGAAGCCATACAGATTCGATGTCTATCTGGACAACGGCGTGTATAAATTTGTGACTGTCAAGAATCTGGATGTCATCAAAAAGGAGAACTACTATGAAGTGAATAGCAAGTGCTACGAAGAGGCTAAAAAGCTGAAAAAGATTAGCAACCAGGCAGAGTTCATCGCCTCCTTTTACAACAACGACCTGATTAAGATCAATGGCGAACTGTATAGGGTCATCGGGGTGAACAATGATCTGCTGAACCGCATTGAAGTGAATATGATTGACATCACTTACCGAGAGTATCTGGAAAACATGAATGATAAGCGCCCCCCTCGAATTATCAAAACAATTGCCTCTAAGACTCAGAGTATCAAAAAGTACTCAACCGACATTCTGGGAAACCTGTATGAGGTGAAGAGCAAAAAGCACCCTCAGATTATCAAAAAGGGCagcggaggcaagcgtcctgctgctactaagaaagctggtcaagctaagaaaaagaaaggatcctacccatacgatgttccagattacgcttaagaattcctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagagaatagcaggcatgctggggaggtagcggccgcCCgcggtggagctccagcttttgttccctttagtgagggttaattgcgcgcttggcgtaatcatggtcatagctgtttcctgtgtgaaattgttatccgctcacaattccacacaacatacgagccggaagcataaagtgtaaagcctggggtgcctaatgagtgagctaactcacattaattgcgttgcgctcactgcccgctttccagtcgggaaacctgtcgtgccagctgcattaatgaatcggccaacgcgcggggagaggcggtttgcgtattgggcgctcttccgcttcctcgctcactgactcgctgcgctcggtcgttcggctgcggcgagcggtatcagctcactcaaaggcggtaatacggttatccacagaatcaggggataacgcaggaaagaacatgtgagcaaaaggccagcaaaaggccaggaaccgtaaaaaggccgcgttgctggcgtttttccataggctccgcccccctgacgagcatcacaaaaatcgacgctcaagtcagaggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggaagctccctcgtgcgctctcctgttccgaccctgccgcttaccggatacctgtccgcctttctcccttcgggaagcgtggcgctttctcatagctcacgctgtaggtatctcagttcggtgtaggtcgttcgctccaagctgggctgtgtgcacgaaccccccgttcagcccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggtaagacacgacttatcgccactggcagcagccactggtaacaggattagcagagcgaggtatgtaggcggtgctacagagttcttgaagtggtggcctaactacggctacactagaaggacagtatttggtatctgcgctctgctgaagccagttaccttcggaaaaagagttggtagctcttgatccggcaaacaaaccaccgctggtagcggtggtttttttgtttgcaagcagcagattacgcgcagaaaaaaaggatctcaagaagatcctttgatcttttctacggggtctgacgctcagtggaacgaaaactcacgttaagggattttggtcatgagattatcaaaaaggatcttcacctagatccttttaaattaaaaatgaagttttaaatcaatctaaagtatatatgagtaaacttggtctgacagttaccaatgcttaatcagtgaggcacctatctcagcgatctgtctatttcgttcatccatagttgcctgactccccgtcgtgtagataactacgatacgggagggcttaccatctggccccagtgctgcaatgataccgcgagacccacgctcaccggctccagatttatcagcaataaaccagccagccggaagggccgagcgcagaagtggtcctgcaactttatccgcctccatccagtctattaattgttgccgggaagctagagtaagtagttcgccagttaatagtttgcgcaacgttgttgccattgctacaggcatcgtggtgtcacgctcgtcgtttggtatggcttcattcagctccggttcccaacgatcaaggcgagttacatgatcccccatgttgtgcaaaaaagcggttagctccttcggtcctccgatcgttgtcagaagtaagttggccgcagtgttatcactcatggttatggcagcactgcataattctcttactgtcatgccatccgtaagatgcttttctgtgactggtgagtactcaaccaagtcattctgagaatagtgtatgcggcgaccgagttgctcttgcccggcgtcaatacgggataataccgcgccacatagcagaactttaaaagtgctcatcattggaaaacgttcttcggggcgaaaactctcaaggatcttaccgctgttgagatccagttcgatgtaacccactcgtgcacccaactgatcttcagcatcttttactttcaccagcgtttctgggtgagcaaaaacaggaaggcaaaatgccgcaaaaaagggaataagggcgacacggaaatgttgaatactcatactcttcctttttcaatattattgaagcatttatcagggttattgtctcatgagcggatacatatttgaatgtatttagaaaaataaacaaataggggttccgcgcacatttccccgaaaagtgccac
【0199】
配列番号33
ヒトp300(L553M変異を有する)タンパク質
MAENVVEPGPPSAKRPKLSSPALSASASDGTDFGSLFDLEHDLPDELINSTELGLTNGGDINQLQTSLGMVQDAASKHKQLSELLRSGSSPNLNMGVGGPGQVMASQAQQSSPGLGLINSMVKSPMTQAGLTSPNMGMGTSGPNQGPTQSTGMMNSPVNQPAMGMNTGMNAGMNPGMLAAGNGQGIMPNQVMNGSIGAGRGRQNMQYPNPGMGSAGNLLTEPLQQGSPQMGGQTGLRGPQPLKMGMMNNPNPYGSPYTQNPGQQIGASGLGLQIQTKTVLSNNLSPFAMDKKAVPGGGMPNMGQQPAPQVQQPGLVTPVAQGMGSGAHTADPEKRKLIQQQLVLLLHAHKCQRREQANGEVRQCNLPHCRTMKNVLNHMTHCQSGKSCQVAHCASSRQIISHWKNCTRHDCPVCLPLKNAGDKRNQQPILTGAPVGLGNPSSLGVGQQSAPNLSTVSQIDPSSIERAYAALGLPYQVNQMPTQPQVQAKNQQNQQPGQSPQGMRPMSNMSASPMGVNGGVGVQTPSLLSDSMLHSAINSQNPMMSENASVPSMGPMPTAAQPSTTGIRKQWHEDITQDLRNHLVHKLVQAIFPTPDPAALKDRRMENLVAYARKVEGDMYESANNRAEYYHLLAEKIYKIQKELEEKRRTRLQKQNMLPNAAGMVPVSMNPGPNMGQPQPGMTSNGPLPDPSMIRGSVPNQMMPRITPQSGLNQFGQMSMAQPPIVPRQTPPLQHHGQLAQPGALNPPMGYGPRMQQPSNQGQFLPQTQFPSQGMNVTNIPLAPSSGQAPVSQAQMSSSSCPVNSPIMPPGSQGSHIHCPQLPQPALHQNSPSPVPSRTPTPHHTPPSIGAQQPPATTIPAPVPTPPAMPPGPQSQALHPPPRQTPTPPTTQLPQQVQPSLPAAPSADQPQQQPRSQQSTAASVPTPTAPLLPPQPATPLSQPAVSIEGQVSNPPSTSSTEVNSQAIAEKQPSQEVKMEAKMEVDQPEPADTQPEDISESKVEDCKMESTETEERSTELKTEIKEEEDQPSTSATQSSPAPGQSKKKIFKPEELRQALMPTLEALYRQDPESLPFRQPVDPQLLGIPDYFDIVKSPMDLSTIKRKLDTGQYQEPWQYVDDIWLMFNNAWLYNRKTSRVYKYCSKLSEVFEQEIDPVMQSLGYCCGRKLEFSPQTLCCYGKQLCTIPRDATYYSYQNRYHFCEKCFNEIQGESVSLGDDPSQPQTTINKEQFSKRKNDTLDPELFVECTECGRKMHQICVLHHEIIWPAGFVCDGCLKKSARTRKENKFSAKRLPSTRLGTFLENRVNDFLRRQNHPESGEVTVRVVHASDKTVEVKPGMKARFVDSGEMAESFPYRTKALFAFEEIDGVDLCFFGMHVQEYGSDCPPPNQRRVYISYLDSVHFFRPKCLRTAVYHEILIGYLEYVKKLGYTTGHIWACPPSEGDDYIFHCHPPDQKIPKPKRLQEWYKKMLDKAVSERIVHDYKDIFKQATEDRLTSAKELPYFEGDFWPNVLEESIKELEQEEEERKREENTSNESTDVTKGDSKNAKKKNNKKTSKNKSSLSRGNKKKPGMPNVSNDLSQKLYATMEKHKEVFFVIRLIAGPAANSLPPIVDPDPLIPCDLMDGRDAFLTLARDKHLEFSSLRRAQWSTMCMLVELHTQSQDRFVYTCNECKHHVETRWHCTVCEDYDLCITCYNTKNHDHKMEKLGLGLDDESNNQQAAATQSPGDSRRLSIQRCIQSLVHACQCRNANCSLPSCQKMKRVVQHTKGCKRKTNGGCPICKQLIALCCYHAKHCQENKCPVPFCLNIKQKLRQQQLQHRLQQAQMLRRRMASMQRTGVVGQQQGLPSPTPATPTTPTGQQPTTPQTPQPTSQPQPTPPNSMPPYLPRTQAAGPVSQGKAAGQVTPPTPPQTAQPPLPGPPPAAVEMAMQIQRAAETQRQMAHVQIFQRPIQHQMPPMTPMAPMGMNPPPMTRGPSGHLEPGMGPTGMQQQPPWSQGGLPQPQQLQSGMPRPAMMSVAQHGQPLNMAPQPGLGQVGISPLKPGTVSQQALQNLLRTLRSPSSPLQQQQVLSILHANPQLLAAFIKQRAAKYANSNPQPIPGQPGMPQGQPGLQPPTMPGQQGVHSNPAMQNMNPMQAGVQRAGLPQQQPQQQLQPPMGGMSPQAQQMNMNHNTMPSQFRDILRRQQMMQQQQQQGAGPGIGPGMANHNQFQQPQGVGYPPQQQQRMQHHMQQMQQGNMGQIGQLPQALGAEAGASLQAYQQRLLQQQMGSPVQPNPMSPQQHMLPNQAQSPHLQGQQIPNSLSNQVRSPQPVPSPRPQSQPPHSSPSPRMQPQPSPHHVSPQTSSPHPGLVAAQANPMEQGHFASPDQNSMLSQLASNPGMANLHGASATDLGLSTDNSDLNSNLSQSTLDIH
【0200】
配列番号34
ヒトp300コアエフェクタータンパク質(配列番号33のアミノ酸1048~1664)
IFKPEELRQALMPTLEALYRQDPESLPFRQPVDPQLLGIPDYFDIVKSPMDLSTIKRKLDTGQYQEPWQYVDDIWLMFNNAWLYNRKTSRVYKYCSKLSEVFEQEIDPVMQSLGYCCGRKLEFSPQTLCCYGKQLCTIPRDATYYSYQNRYHFCEKCFNEIQGESVSLGDDPSQPQTTINKEQFSKRKNDTLDPELFVECTECGRKMHQICVLHHEIIWPAGFVCDGCLKKSARTRKENKFSAKRLPSTRLGTFLENRVNDFLRRQNHPESGEVTVRVVHASDKTVEVKPGMKARFVDSGEMAESFPYRTKALFAFEEIDGVDLCFFGMHVQEYGSDCPPPNQRRVYISYLDSVHFFRPKCLRTAVYHEILIGYLEYVKKLGYTTGHIWACPPSEGDDYIFHCHPPDQKIPKPKRLQEWYKKMLDKAVSERIVHDYKDIFKQATEDRLTSAKELPYFEGDFWPNVLEESIKELEQEEEERKREENTSNESTDVTKGDSKNAKKKNNKKTSKNKSSLSRGNKKKPGMPNVSNDLSQKLYATMEKHKEVFFVIRLIAGPAANSLPPIVDPDPLIPCDLMDGRDAFLTLARDKHLEFSSLRRAQWSTMCMLVELHTQSQD
【0201】
配列番号35
VP64-dCas9-VP64タンパク質
RADALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMVNPKKKRKVGRGMDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGDSRADPKKKRKVASRADALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLGSDALDDFDLDMLI
【0202】
配列番号36
VP64-dCas9-VP64 DNA
cgggctgacgcattggacgattttgatctggatatgctgggaagtgacgccctcgatgattttgaccttgacatgcttggttcggatgcccttgatgactttgacctcgacatgctcggcagtgacgcccttgatgatttcgacctggacatggttaaccccaagaagaagaggaaggtgggccgcggaatggacaagaagtactccattgggctcgccatcggcacaaacagcgtcggctgggccgtcattacggacgagtacaaggtgccgagcaaaaaattcaaagttctgggcaataccgatcgccacagcataaagaagaacctcattggcgccctcctgttcgactccggggaaaccgccgaagccacgcggctcaaaagaacagcacggcgcagatatacccgcagaaagaatcggatctgctacctgcaggagatctttagtaatgagatggctaaggtggatgactctttcttccataggctggaggagtcctttttggtggaggaggataaaaagcacgagcgccacccaatctttggcaatatcgtggacgaggtggcgtaccatgaaaagtacccaaccatatatcatctgaggaagaagcttgtagacagtactgataaggctgacttgcggttgatctatctcgcgctggcgcatatgatcaaatttcggggacacttcctcatcgagggggacctgaacccagacaacagcgatgtcgacaaactctttatccaactggttcagacttacaatcagcttttcgaagagaacccgatcaacgcatccggagttgacgccaaagcaatcctgagcgctaggctgtccaaatcccggcggctcgaaaacctcatcgcacagctccctggggagaagaagaacggcctgtttggtaatcttatcgccctgtcactcgggctgacccccaactttaaatctaacttcgacctggccgaagatgccaagcttcaactgagcaaagacacctacgatgatgatctcgacaatctgctggcccagatcggcgaccagtacgcagacctttttttggcggcaaagaacctgtcagacgccattctgctgagtgatattctgcgagtgaacacggagatcaccaaagctccgctgagcgctagtatgatcaagcgctatgatgagcaccaccaagacttgactttgctgaaggcccttgtcagacagcaactgcctgagaagtacaaggaaattttcttcgatcagtctaaaaatggctacgccggatacattgacggcggagcaagccaggaggaattttacaaatttattaagcccatcttggaaaaaatggacggcaccgaggagctgctggtaaagcttaacagagaagatctgttgcgcaaacagcgcactttcgacaatggaagcatcccccaccagattcacctgggcgaactgcacgctatcctcaggcggcaagaggatttctacccctttttgaaagataacagggaaaagattgagaaaatcctcacatttcggataccctactatgtaggccccctcgcccggggaaattccagattcgcgtggatgactcgcaaatcagaagagaccatcactccctggaacttcgaggaagtcgtggataagggggcctctgcccagtccttcatcgaaaggatgactaactttgataaaaatctgcctaacgaaaaggtgcttcctaaacactctctgctgtacgagtacttcacagtttataacgagctcaccaaggtcaaatacgtcacagaagggatgagaaagccagcattcctgtctggagagcagaagaaagctatcgtggacctcctcttcaagacgaaccggaaagttaccgtgaaacagctcaaagaagactatttcaaaaagattgaatgtttcgactctgttgaaatcagcggagtggaggatcgcttcaacgcatccctgggaacgtatcacgatctcctgaaaatcattaaagacaaggacttcctggacaatgaggagaacgaggacattcttgaggacattgtcctcacccttacgttgtttgaagatagggagatgattgaagaacgcttgaaaacttacgctcatctcttcgacgacaaagtcatgaaacagctcaagaggcgccgatatacaggatgggggcggctgtcaagaaaactgatcaatgggatccgagacaagcagagtggaaagacaatcctggattttcttaagtccgatggatttgccaaccggaacttcatgcagttgatccatgatgactctctcacctttaaggaggacatccagaaagcacaagtttctggccagggggacagtcttcacgagcacatcgctaatcttgcaggtagcccagctatcaaaaagggaatactgcagaccgttaaggtcgtggatgaactcgtcaaagtaatgggaaggcataagcccgagaatatcgttatcgagatggcccgagagaaccaaactacccagaagggacagaagaacagtagggaaaggatgaagaggattgaagagggtataaaagaactggggtcccaaatccttaaggaacacccagttgaaaacacccagcttcagaatgagaagctctacctgtactacctgcagaacggcagggacatgtacgtggatcaggaactggacatcaatcggctctccgactacgacgtggatgccatcgtgccccagtcttttctcaaagatgattctattgataataaagtgttgacaagatccgataaaaatagagggaagagtgataacgtcccctcagaagaagttgtcaagaaaatgaaaaattattggcggcagctgctgaacgccaaactgatcacacaacggaagttcgataatctgactaaggctgaacgaggtggcctgtctgagttggataaagccggcttcatcaaaaggcagcttgttgagacacgccagatcaccaagcacgtggcccaaattctcgattcacgcatgaacaccaagtacgatgaaaatgacaaactgattcgagaggtgaaagttattactctgaagtctaagctggtctcagatttcagaaaggactttcagttttataaggtgagagagatcaacaattaccaccatgcgcatgatgcctacctgaatgcagtggtaggcactgcacttatcaaaaaatatcccaagcttgaatctgaatttgtttacggagactataaagtgtacgatgttaggaaaatgatcgcaaagtctgagcaggaaataggcaaggccaccgctaagtacttcttttacagcaatattatgaattttttcaagaccgagattacactggccaatggagagattcggaagcgaccacttatcgaaacaaacggagaaacaggagaaatcgtgtgggacaagggtagggatttcgcgacagtccggaaggtcctgtccatgccgcaggtgaacatcgttaaaaagaccgaagtacagaccggaggcttctccaaggaaagtatcctcccgaaaaggaacagcgacaagctgatcgcacgcaaaaaagattgggaccccaagaaatacggcggattcgattctcctacagtcgcttacagtgtactggttgtggccaaagtggagaaagggaagtctaaaaaactcaaaagcgtcaaggaactgctgggcatcacaatcatggagcgatcaagcttcgaaaaaaaccccatcgactttctcgaggcgaaaggatataaagaggtcaaaaaagacctcatcattaagcttcccaagtactctctctttgagcttgaaaacggccggaaacgaatgctcgctagtgcgggcgagctgcagaaaggtaacgagctggcactgccctctaaatacgttaatttcttgtatctggccagccactatgaaaagctcaaagggtctcccgaagataatgagcagaagcagctgttcgtggaacaacacaaacactaccttgatgagatcatcgagcaaataagcgaattctccaaaagagtgatcctcgccgacgctaacctcgataaggtgctttctgcttacaataagcacagggataagcccatcagggagcaggcagaaaacattatccacttgtttactctgaccaacttgggcgcgcctgcagccttcaagtacttcgacaccaccatagacagaaagcggtacacctctacaaaggaggtcctggacgccacactgattcatcagtcaattacggggctctatgaaacaagaatcgacctctctcagctcggtggagacagcagggctgaccccaagaagaagaggaaggtggctagccgcgccgacgcgctggacgatttcgatctcgacatgctgggttctgatgccctcgatgactttgacctggatatgttgggaagcgacgcattggatgactttgatctggacatgctcggctccgatgctctggacgatttcgatctcgatatgttaatc
【0203】
配列番号37
マウスユートロフィンDNA配列
配列番号38
マウスユートロフィンアミノ酸配列
MAKYGDLEARPDDGQNEFSDIIKSRSDEHNDVQKKTFTKWINARFSKSGKPPISDMFSDLKDGRKLLDLLEGLTGTSLPKERGSTRVHALNNVNRVLQVLHQNNVDLVNIGGTDIVDGNPKLTLGLLWSIILHWQVKDVMKDIMSDLQQTNSEKILLSWVRQTTRPYSQVNVLNFTTSWTDGLAFNAVLHRHKPDLFSWDRVVKMSPIERLEHAFSKAHTYLGIEKLLDPEDVAVHLPDKKSIIMYLTSLFEVLPQQVTIDAIREVETLPRKYKKECEEEEIHIQSAVLAEEGQSPRAETPSTVTEVDMDLDSYQIALEEVLTWLLSAEDTFQEQDDISDDVEEVKEQFATHETFMMELTAHQSSVGSVLQAGNQLMTQGTLSEEEEFEIQEQMTLLNARWEALRVESMERQSRLHDALMELQKKQLQQLSSWLALTEERIQKMESLPLGDDLPSLQKLLQEHKSLQNDLEAEQVKVNSLTHMVVIVDENSGESATALLEDQLQKLGERWTAVCRWTEERWNRLQEISILWQELLEEQCLLEAWLTEKEEALNKVQTSNFKDQKELSVSVRRLAILKEDMEMKRQTLDQLSEIGQDVGQLLSNPKASKKMNSDSEELTQRWDSLVQRLEDSSNQVTQAVAKLGMSQIPQKDLLETVHVREQGMVKKPKQELPPPPPPKKRQIHVDVEAKKKFDAISTELLNWILKSKTAIQNTEMKEYKKSQETSGMKKKLKGLEKEQKENLPRLDELNQTGQTLREQMGKEGLSTEEVNDVLERVSLEWKMISQQLEDLGRKIQLQEDINAYFKQLDAIEETIKEKEEWLRGTPISESPRQPLPGLKDSCQRELTDLLGLHPRIETLCASCSALKSQPCVPGFVQQGFDDLRHHYQAVRKALEEYQQQLENELKSQPGPAYLDTLNTLKKMLSESEKAAQASLNALNDPIAVEQALQEKKALDETLENQKHTLHKLSEETKTLEKNMLPDVGKMYKQEFDDVQGRWNKVKTKVSRDLHLLEEITPRLRDFEADSEVIEKWVSGIKDFLMKEQAAQGDAAALQSQLDQCATFANEIETIESSLKNMREVETSLQRCPVTGVKTWVQARLVDYQSQLEKFSKEIAIQKSRLSDSQEKALNLKKDLAEMQEWMAQAEEDYLERDFEYKSPEELESAVEEMKRAKEEVLQKEVRVKILKDSIKLVAAKVPSGGQELTSEFNEVLESYQLLCNRIRGKCHTLEEVWSCWVELLHYLDLETTWLNTLEERVRSTEALPERAEAVHEALESLESVLRHPADNRTQIRELGQTLIDGGILDDIISEKLEAFNSRYEELSHLAESKQISLEKQLQVLRETDHMLQVLKESLGELDKQLTTYLTDRIDAFQLPQEAQKIQAEISAHELTLEELRKNVRSQPPTSPEGRATRGGSQMDMLQRKLREVSTKFQLFQKPANFEQRMLDCKRVLEGVKAELHVLDVRDVDPDVIQAHLDKCMKLYKTLSEVKLEVETVIKTGRHIVQKQQTDNPKSMDEQLTSLKVLYNDLGAQVTEGKQDLERASQLSRKMKKEAAVLSEWLSATEAELVQKSTSEGVIGDLDTEISWAKSILKDLEKRKVDLNGITESSAALQHLVLGSESVLEENLCVLNAGWSRVRTWTEDWCNTLLNHQNQLELFDGHVAHISTWLYQAEALLDEIEKKPASKQEEIVKRLLSELDDASLQVENVREQAIILVNARGSASRELVEPKLAELSRNFEKVSQHIKSARMLIGQDPSSYQGLDPAGTVQAAESFSDLENLEQDIENMLKVVEKHLDPNNDEKMDEEQAQIEEVLQRGEHLLHEPMEDSKKEKIRLQLLLLHTRYNKIKTIPIQQRKTIPVSSGITSSALPADYLVEINKILLTLDDIELSLNMPELNTTVYKDFSFQEDSLKSIKGQLDRLGEQIAVVHEKQPDVIVEASGPEAIQIRDMLAQLNAKWDRVNRVYSDRRGSFARAVEEWRQFHHDLDDLTQWLSEAEDLLVDTCAPDGSLDLEKARAQQLELEEGLSSHQPSLIKVNRKGEDLVQRLRPSEASFLKEKLAGFNQRWSTLVAEVEALQPRLKGESQQVLGYKRRLDEVTCWLTKVESAVQKRSTPDPEESPQELTDLAQETEVQAENIKWLNRAELEMLSDKNLSLREREKLSESLRNVNTTWTKVCREVPSLLKTRTQDPCSAPQMRMAAHPNVQKVVLVSSASDAPLRGGLEISVPADLDKTITELADWLVLIDQMLKSNIVTVGDVKEINKTVSRMKITKADLEQRHPQLDCVFTLAQNLKNKASSSDVRTAITEKLEKLKTQWESTQHGVELRRQQLEDMVVDSLQWDDHREETEELMRKYEARFYMLQQARRDPLSKQVSDNQLLLQELGSGDGVIMAFDNVLQKLLEEYSGDDTRNVEETTEYLKTSWVNLKQSIADRQSALEAELQTVQTSRRDLENFVKWLQEAETTANVLADASQRENALQDSVLARQLRQQMLDIQAEIDAHNDIFKSIDGNRQKMVKALGNSEEATMLQHRLDDMNQRWNDLKAKSASIRAHLEASAEKWNRLLASLEELIKWLNMKDEELKKQMPIGGDVPALQLQYDHCKVLRRELKEKEYSVLNAVDQARVFLADQPIEAPEEPRRNPQSKTELTPEERAQKIAKAMRKQSSEVREKWENLNAVTSNWQKQVGKALEKLRDLQGAMDDLDADMKEVEAVRNGWKPVGDLLIDSLQDHIEKTLAFREEIAPINLKVKTMNDLSSQLSPLDLHPSLKMSRQLDDLNMRWKLLQVSVDDRLKQLQEAHRDFGPSSQHFLSTSVQLPWQRSISHNKVPYYINHQTQTTCWDHPKMTELFQSLADLNNVRFSAYRTAIKIRRLQKALCLDLLELNTTNEVFKQHKLNQNDQLLSVPDVINCLTTTYDGLEQLHKDLVNVPLCVDMCLNWLLNVYDTGRTGKIRVQSLKIGLMSLSKGLLEEKYRCLFKEVAGPTEMCDQRQLGLLLHDAIQIPRQLGEVAAFGGSNIEPSVRSCFQQNNNKPEISVKEFIDWMHLEPQSMVWLPVLHRVAAAETAKHQAKCNICKECPIVGFRYRSLKHFNYDVCQSCFFSGRTAKGHKLHYPMVEYCIPTTSGEDVRDFTKVLKNKFRSKKYFAKHPRLGYLPVQTVLEGDNLETPITLISMWPEHYDPSQSPQLFHDDTHSRIEQYATRLAQMERTNGSFLTDSSSTTGSVEDEHALIQQYCQTLGGESPVSQPQSPAQILKSVEREERGELERIIADLEEEQRNLQVEYEQLKEQHLRRGLPVGSPPDSIVSPHHTSEDSELIAEAKLLRQHKGRLEARMQILEDHNKQLESQLHRLRQLLEQPDSDSRINGVSPWASPQHSALSYSLDTDPGPQFHQAASEDLLAPPHDTSTDLTDVMEQINSTFPSCSSNVPSRPQAM
【0204】
配列番号39
SV40 NLS
Pro-Lys-Lys-Lys-Arg-Lys-Val
配列番号40
GSリンカー(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)n、式中、nは0~10の間の整数である。
【0205】
配列番号41
Gly-Gly-Gly-Gly-Gly
配列番号42
Gly-Gly-Ala-Gly-Gly
配列番号43
Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Ser-Ser
配列番号44
Gly-Gly-Gly-Gly-Ala-Ala-Ala
【0206】
配列番号45
化膿性連鎖球菌dCas9-KRABポリヌクレオチド配列
atggactacaaagaccatgacggtgattataaagatcatgacatcgattacaaggatgacgatgacaagatggcccccaagaagaagaggaaggtgggccgcggaatggacaagaagtactccattgggctcgccatcggcacaaacagcgtcggctgggccgtcattacggacgagtacaaggtgccgagcaaaaaattcaaagttctgggcaataccgatcgccacagcataaagaagaacctcattggcgccctcctgttcgactccggggaaaccgccgaagccacgcggctcaaaagaacagcacggcgcagatatacccgcagaaagaatcggatctgctacctgcaggagatctttagtaatgagatggctaaggtggatgactctttcttccataggctggaggagtcctttttggtggaggaggataaaaagcacgagcgccacccaatctttggcaatatcgtggacgaggtggcgtaccatgaaaagtacccaaccatatatcatctgaggaagaagcttgtagacagtactgataaggctgacttgcggttgatctatctcgcgctggcgcatatgatcaaatttcggggacacttcctcatcgagggggacctgaacccagacaacagcgatgtcgacaaactctttatccaactggttcagacttacaatcagcttttcgaagagaacccgatcaacgcatccggagttgacgccaaagcaatcctgagcgctaggctgtccaaatcccggcggctcgaaaacctcatcgcacagctccctggggagaagaagaacggcctgtttggtaatcttatcgccctgtcactcgggctgacccccaactttaaatctaacttcgacctggccgaagatgccaagcttcaactgagcaaagacacctacgatgatgatctcgacaatctgctggcccagatcggcgaccagtacgcagacctttttttggcggcaaagaacctgtcagacgccattctgctgagtgatattctgcgagtgaacacggagatcaccaaagctccgctgagcgctagtatgatcaagcgctatgatgagcaccaccaagacttgactttgctgaaggcccttgtcagacagcaactgcctgagaagtacaaggaaattttcttcgatcagtctaaaaatggctacgccggatacattgacggcggagcaagccaggaggaattttacaaatttattaagcccatcttggaaaaaatggacggcaccgaggagctgctggtaaagcttaacagagaagatctgttgcgcaaacagcgcactttcgacaatggaagcatcccccaccagattcacctgggcgaactgcacgctatcctcaggcggcaagaggatttctacccctttttgaaagataacagggaaaagattgagaaaatcctcacatttcggataccctactatgtaggccccctcgcccggggaaattccagattcgcgtggatgactcgcaaatcagaagagaccatcactccctggaacttcgaggaagtcgtggataagggggcctctgcccagtccttcatcgaaaggatgactaactttgataaaaatctgcctaacgaaaaggtgcttcctaaacactctctgctgtacgagtacttcacagtttataacgagctcaccaaggtcaaatacgtcacagaagggatgagaaagccagcattcctgtctggagagcagaagaaagctatcgtggacctcctcttcaagacgaaccggaaagttaccgtgaaacagctcaaagaagactatttcaaaaagattgaatgtttcgactctgttgaaatcagcggagtggaggatcgcttcaacgcatccctgggaacgtatcacgatctcctgaaaatcattaaagacaaggacttcctggacaatgaggagaacgaggacattcttgaggacattgtcctcacccttacgttgtttgaagatagggagatgattgaagaacgcttgaaaacttacgctcatctcttcgacgacaaagtcatgaaacagctcaagaggcgccgatatacaggatgggggcggctgtcaagaaaactgatcaatgggatccgagacaagcagagtggaaagacaatcctggattttcttaagtccgatggatttgccaaccggaacttcatgcagttgatccatgatgactctctcacctttaaggaggacatccagaaagcacaagtttctggccagggggacagtcttcacgagcacatcgctaatcttgcaggtagcccagctatcaaaaagggaatactgcagaccgttaaggtcgtggatgaactcgtcaaagtaatgggaaggcataagcccgagaatatcgttatcgagatggcccgagagaaccaaactacccagaagggacagaagaacagtagggaaaggatgaagaggattgaagagggtataaaagaactggggtcccaaatccttaaggaacacccagttgaaaacacccagcttcagaatgagaagctctacctgtactacctgcagaacggcagggacatgtacgtggatcaggaactggacatcaatcggctctccgactacgacgtggatgccatcgtgccccagtcttttctcaaagatgattctattgataataaagtgttgacaagatccgataaaaatagagggaagagtgataacgtcccctcagaagaagttgtcaagaaaatgaaaaattattggcggcagctgctgaacgccaaactgatcacacaacggaagttcgataatctgactaaggctgaacgaggtggcctgtctgagttggataaagccggcttcatcaaaaggcagcttgttgagacacgccagatcaccaagcacgtggcccaaattctcgattcacgcatgaacaccaagtacgatgaaaatgacaaactgattcgagaggtgaaagttattactctgaagtctaagctggtctcagatttcagaaaggactttcagttttataaggtgagagagatcaacaattaccaccatgcgcatgatgcctacctgaatgcagtggtaggcactgcacttatcaaaaaatatcccaagcttgaatctgaatttgtttacggagactataaagtgtacgatgttaggaaaatgatcgcaaagtctgagcaggaaataggcaaggccaccgctaagtacttcttttacagcaatattatgaattttttcaagaccgagattacactggccaatggagagattcggaagcgaccacttatcgaaacaaacggagaaacaggagaaatcgtgtgggacaagggtagggatttcgcgacagtccggaaggtcctgtccatgccgcaggtgaacatcgttaaaaagaccgaagtacagaccggaggcttctccaaggaaagtatcctcccgaaaaggaacagcgacaagctgatcgcacgcaaaaaagattgggaccccaagaaatacggcggattcgattctcctacagtcgcttacagtgtactggttgtggccaaagtggagaaagggaagtctaaaaaactcaaaagcgtcaaggaactgctgggcatcacaatcatggagcgatcaagcttcgaaaaaaaccccatcgactttctcgaggcgaaaggatataaagaggtcaaaaaagacctcatcattaagcttcccaagtactctctctttgagcttgaaaacggccggaaacgaatgctcgctagtgcgggcgagctgcagaaaggtaacgagctggcactgccctctaaatacgttaatttcttgtatctggccagccactatgaaaagctcaaagggtctcccgaagataatgagcagaagcagctgttcgtggaacaacacaaacactaccttgatgagatcatcgagcaaataagcgaattctccaaaagagtgatcctcgccgacgctaacctcgataaggtgctttctgcttacaataagcacagggataagcccatcagggagcaggcagaaaacattatccacttgtttactctgaccaacttgggcgcgcctgcagccttcaagtacttcgacaccaccatagacagaaagcggtacacctctacaaaggaggtcctggacgccacactgattcatcagtcaattacggggctctatgaaacaagaatcgacctctctcagctcggtggagacagcagggctgaccccaagaagaagaggaaggtggctagcgatgctaagtcactgactgcctggtcccggacactggtgaccttcaaggatgtgtttgtggacttcaccagggaggagtggaagctgctggacactgctcagcagatcctgtacagaaatgtgatgctggagaactataagaacctggtttccttgggttatcagcttactaagccagatgtgatcctccggttggagaagggagaagagccctggctggtggagagagaaattcaccaagagacccatcctgattcagagactgcatttgaaatcaaatcatcagttccgaaaaagaaacgcaaagtttga
【0207】
配列番号46
化膿性連鎖球菌dCas9-KRABタンパク質配列
MDYKDHDGDYKDHDIDYKDDDDKMAPKKKRKVGRGMDKKYSIGLAIGTNSVGWAVITDEYKVPSKKFKVLGNTDRHSIKKNLIGALLFDSGETAEATRLKRTARRRYTRRKNRICYLQEIFSNEMAKVDDSFFHRLEESFLVEEDKKHERHPIFGNIVDEVAYHEKYPTIYHLRKKLVDSTDKADLRLIYLALAHMIKFRGHFLIEGDLNPDNSDVDKLFIQLVQTYNQLFEENPINASGVDAKAILSARLSKSRRLENLIAQLPGEKKNGLFGNLIALSLGLTPNFKSNFDLAEDAKLQLSKDTYDDDLDNLLAQIGDQYADLFLAAKNLSDAILLSDILRVNTEITKAPLSASMIKRYDEHHQDLTLLKALVRQQLPEKYKEIFFDQSKNGYAGYIDGGASQEEFYKFIKPILEKMDGTEELLVKLNREDLLRKQRTFDNGSIPHQIHLGELHAILRRQEDFYPFLKDNREKIEKILTFRIPYYVGPLARGNSRFAWMTRKSEETITPWNFEEVVDKGASAQSFIERMTNFDKNLPNEKVLPKHSLLYEYFTVYNELTKVKYVTEGMRKPAFLSGEQKKAIVDLLFKTNRKVTVKQLKEDYFKKIECFDSVEISGVEDRFNASLGTYHDLLKIIKDKDFLDNEENEDILEDIVLTLTLFEDREMIEERLKTYAHLFDDKVMKQLKRRRYTGWGRLSRKLINGIRDKQSGKTILDFLKSDGFANRNFMQLIHDDSLTFKEDIQKAQVSGQGDSLHEHIANLAGSPAIKKGILQTVKVVDELVKVMGRHKPENIVIEMARENQTTQKGQKNSRERMKRIEEGIKELGSQILKEHPVENTQLQNEKLYLYYLQNGRDMYVDQELDINRLSDYDVDAIVPQSFLKDDSIDNKVLTRSDKNRGKSDNVPSEEVVKKMKNYWRQLLNAKLITQRKFDNLTKAERGGLSELDKAGFIKRQLVETRQITKHVAQILDSRMNTKYDENDKLIREVKVITLKSKLVSDFRKDFQFYKVREINNYHHAHDAYLNAVVGTALIKKYPKLESEFVYGDYKVYDVRKMIAKSEQEIGKATAKYFFYSNIMNFFKTEITLANGEIRKRPLIETNGETGEIVWDKGRDFATVRKVLSMPQVNIVKKTEVQTGGFSKESILPKRNSDKLIARKKDWDPKKYGGFDSPTVAYSVLVVAKVEKGKSKKLKSVKELLGITIMERSSFEKNPIDFLEAKGYKEVKKDLIIKLPKYSLFELENGRKRMLASAGELQKGNELALPSKYVNFLYLASHYEKLKGSPEDNEQKQLFVEQHKHYLDEIIEQISEFSKRVILADANLDKVLSAYNKHRDKPIREQAENIIHLFTLTNLGAPAAFKYFDTTIDRKRYTSTKEVLDATLIHQSITGLYETRIDLSQLGGDSRADPKKKRKVASDAKSLTAWSRTLVTFKDVFVDFTREEWKLLDTAQQILYRNVMLENYKNLVSLGYQLTKPDVILRLEKGEEPWLVEREIHQETHPDSETAFEIKSSVPKKKRKV
【0208】
配列番号47
黄色ブドウ球菌dCas9-KRABポリヌクレオチド配列
atggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccaagcggaactacatcctgggcctggccatcggcatcaccagcgtgggctacggcatcatcgactacgagacacgggacgtgatcgatgccggcgtgcggctgttcaaagaggccaacgtggaaaacaacgagggcaggcggagcaagagaggcgccagaaggctgaagcggcggaggcggcatagaatccagagagtgaagaagctgctgttcgactacaacctgctgaccgaccacagcgagctgagcggcatcaacccctacgaggccagagtgaagggcctgagccagaagctgagcgaggaagagttctctgccgccctgctgcacctggccaagagaagaggcgtgcacaacgtgaacgaggtggaagaggacaccggcaacgagctgtccaccaaagagcagatcagccggaacagcaaggccctggaagagaaatacgtggccgaactgcagctggaacggctgaagaaagacggcgaagtgcggggcagcatcaacagattcaagaccagcgactacgtgaaagaagccaaacagctgctgaaggtgcagaaggcctaccaccagctggaccagagcttcatcgacacctacatcgacctgctggaaacccggcggacctactatgagggacctggcgagggcagccccttcggctggaaggacatcaaagaatggtacgagatgctgatgggccactgcacctacttccccgaggaactgcggagcgtgaagtacgcctacaacgccgacctgtacaacgccctgaacgacctgaacaatctcgtgatcaccagggacgagaacgagaagctggaatattacgagaagttccagatcatcgagaacgtgttcaagcagaagaagaagcccaccctgaagcagatcgccaaagaaatcctcgtgaacgaagaggatattaagggctacagagtgaccagcaccggcaagcccgagttcaccaacctgaaggtgtaccacgacatcaaggacattaccgcccggaaagagattattgagaacgccgagctgctggatcagattgccaagatcctgaccatctaccagagcagcgaggacatccaggaagaactgaccaatctgaactccgagctgacccaggaagagatcgagcagatctctaatctgaagggctataccggcacccacaacctgagcctgaaggccatcaacctgatcctggacgagctgtggcacaccaacgacaaccagatcgctatcttcaaccggctgaagctggtgcccaagaaggtggacctgtcccagcagaaagagatccccaccaccctggtggacgacttcatcctgagccccgtcgtgaagagaagcttcatccagagcatcaaagtgatcaacgccatcatcaagaagtacggcctgcccaacgacatcattatcgagctggcccgcgagaagaactccaaggacgcccagaaaatgatcaacgagatgcagaagcggaaccggcagaccaacgagcggatcgaggaaatcatccggaccaccggcaaagagaacgccaagtacctgatcgagaagatcaagctgcacgacatgcaggaaggcaagtgcctgtacagcctggaagccatccctctggaagatctgctgaacaaccccttcaactatgaggtggaccacatcatccccagaagcgtgtccttcgacaacagcttcaacaacaaggtgctcgtgaagcaggaagaagccagcaagaagggcaaccggaccccattccagtacctgagcagcagcgacagcaagatcagctacgaaaccttcaagaagcacatcctgaatctggccaagggcaagggcagaatcagcaagaccaagaaagagtatctgctggaagaacgggacatcaacaggttctccgtgcagaaagacttcatcaaccggaacctggtggataccagatacgccaccagaggcctgatgaacctgctgcggagctacttcagagtgaacaacctggacgtgaaagtgaagtccatcaatggcggcttcaccagctttctgcggcggaagtggaagtttaagaaagagcggaacaaggggtacaagcaccacgccgaggacgccctgatcattgccaacgccgatttcatcttcaaagagtggaagaaactggacaaggccaaaaaagtgatggaaaaccagatgttcgaggaaaagcaggccgagagcatgcccgagatcgaaaccgagcaggagtacaaagagatcttcatcaccccccaccagatcaagcacattaaggacttcaaggactacaagtacagccaccgggtggacaagaagcctaatagagagctgattaacgacaccctgtactccacccggaaggacgacaagggcaacaccctgatcgtgaacaatctgaacggcctgtacgacaaggacaatgacaagctgaaaaagctgatcaacaagagccccgaaaagctgctgatgtaccaccacgacccccagacctaccagaaactgaagctgattatggaacagtacggcgacgagaagaatcccctgtacaagtactacgaggaaaccgggaactacctgaccaagtactccaaaaaggacaacggccccgtgatcaagaagattaagtattacggcaacaaactgaacgcccatctggacatcaccgacgactaccccaacagcagaaacaaggtcgtgaagctgtccctgaagccctacagattcgacgtgtacctggacaatggcgtgtacaagttcgtgaccgtgaagaatctggatgtgatcaaaaaagaaaactactacgaagtgaatagcaagtgctatgaggaagctaagaagctgaagaagatcagcaaccaggccgagtttatcgcctccttctacaacaacgatctgatcaagatcaacggcgagctgtatagagtgatcggcgtgaacaacgacctgctgaaccggatcgaagtgaacatgatcgacatcacctaccgcgagtacctggaaaacatgaacgacaagaggccccccaggatcattaagacaatcgcctccaagacccagagcattaagaagtacagcacagacattctgggcaacctgtatgaagtgaaatctaagaagcaccctcagatcatcaaaaagggcaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaagggatccgatgctaagtcactgactgcctggtcccggacactggtgaccttcaaggatgtgtttgtggacttcaccagggaggagtggaagctgctggacactgctcagcagatcctgtacagaaatgtgatgctggagaactataagaacctggtttccttgggttatcagcttactaagccagatgtgatcctccggttggagaagggagaagagccctggctggtggagagagaaattcaccaagagacccatcctgattcagagactgcatttgaaatcaaatcatcagttccgaaaaagaaacgcaaagtt
【0209】
配列番号48
黄色ブドウ球菌dCas9-KRABタンパク質配列
MAPKKKRKVGIHGVPAAKRNYILGLAIGITSVGYGIIDYETRDVIDAGVRLFKEANVENNEGRRSKRGARRLKRRRRHRIQRVKKLLFDYNLLTDHSELSGINPYEARVKGLSQKLSEEEFSAALLHLAKRRGVHNVNEVEEDTGNELSTKEQISRNSKALEEKYVAELQLERLKKDGEVRGSINRFKTSDYVKEAKQLLKVQKAYHQLDQSFIDTYIDLLETRRTYYEGPGEGSPFGWKDIKEWYEMLMGHCTYFPEELRSVKYAYNADLYNALNDLNNLVITRDENEKLEYYEKFQIIENVFKQKKKPTLKQIAKEILVNEEDIKGYRVTSTGKPEFTNLKVYHDIKDITARKEIIENAELLDQIAKILTIYQSSEDIQEELTNLNSELTQEEIEQISNLKGYTGTHNLSLKAINLILDELWHTNDNQIAIFNRLKLVPKKVDLSQQKEIPTTLVDDFILSPVVKRSFIQSIKVINAIIKKYGLPNDIIIELAREKNSKDAQKMINEMQKRNRQTNERIEEIIRTTGKENAKYLIEKIKLHDMQEGKCLYSLEAIPLEDLLNNPFNYEVDHIIPRSVSFDNSFNNKVLVKQEEASKKGNRTPFQYLSSSDSKISYETFKKHILNLAKGKGRISKTKKEYLLEERDINRFSVQKDFINRNLVDTRYATRGLMNLLRSYFRVNNLDVKVKSINGGFTSFLRRKWKFKKERNKGYKHHAEDALIIANADFIFKEWKKLDKAKKVMENQMFEEKQAESMPEIETEQEYKEIFITPHQIKHIKDFKDYKYSHRVDKKPNRELINDTLYSTRKDDKGNTLIVNNLNGLYDKDNDKLKKLINKSPEKLLMYHHDPQTYQKLKLIMEQYGDEKNPLYKYYEETGNYLTKYSKKDNGPVIKKIKYYGNKLNAHLDITDDYPNSRNKVVKLSLKPYRFDVYLDNGVYKFVTVKNLDVIKKENYYEVNSKCYEEAKKLKKISNQAEFIASFYNNDLIKINGELYRVIGVNNDLLNRIEVNMIDITYREYLENMNDKRPPRIIKTIASKTQSIKKYSTDILGNLYEVKSKKHPQIIKKGKRPAATKKAGQAKKKKGSDAKSLTAWSRTLVTFKDVFVDFTREEWKLLDTAQQILYRNVMLENYKNLVSLGYQLTKPDVILRLEKGEEPWLVEREIHQETHPDSETAFEIKSSVPKKKRKV
【0210】
配列番号49
Tet1CDポリヌクレオチド配列
ctgcccacctgcagctgtcttgatcgagttatacaaaaagacaaaggcccatattatacacaccttggggcaggaccaagtgttgctgctgtcagggaaatcatggagaataggtatggtcaaaaaggaaacgcaataaggatagaaatagtagtgtacaccggtaaagaagggaaaagctctcatgggtgtccaattgctaagtgggttttaagaagaagcagtgatgaagaaaaagttctttgtttggtccggcagcgtacaggccaccactgtccaactgctgtgatggtggtgctcatcatggtgtgggatggcatccctcttccaatggccgaccggctatacacagagctcacagagaatctaaagtcatacaatgggcaccctaccgacagaagatgcaccctcaatgaaaatcgtacctgtacatgtcaaggaattgatccagagacttgtggagcttcattctcttttggctgttcatggagtatgtactttaatggctgtaagtttggtagaagcccaagccccagaagatttagaattgatccaagctctcccttacatgaaaaaaaccttgaagataacttacagagtttggctacacgattagctccaatttataagcagtatgctccagtagcttaccaaaatcaggtggaatatgaaaatgttgcccgagaatgtcggcttggcagcaaggaaggtcgacccttctctggggtcactgcttgcctggacttctgtgctcatccccacagggacattcacaacatgaataatggaagcactgtggtttgtaccttaactcgagaagataaccgctctttgggtgttattcctcaagatgagcagctccatgtgctacctctttataagctttcagacacagatgagtttggctccaaggaaggaatggaagccaagatcaaatctggggccatcgaggtcctggcaccccgccgcaaaaaaagaacgtgtttcactcagcctgttccccgttctggaaagaagagggctgcgatgatgacagaggttcttgcacataagataagggcagtggaaaagaaacctattccccgaatcaagcggaagaataactcaacaacaacaaacaacagtaagccttcgtcactgccaaccttagggagtaacactgagaccgtgcaacctgaagtaaaaagtgaaaccgaaccccattttatcttaaaaagttcagacaacactaaaacttattcgctgatgccatccgctcctcacccagtgaaagaggcatctccaggcttctcctggtccccgaagactgcttcagccacaccagctccactgaagaatgacgcaacagcctcatgcgggttttcagaaagaagcagcactccccactgtacgatgccttcgggaagactcagtggtgccaatgctgcagctgctgatggccctggcatttcacagcttggcgaagtggctcctctccccaccctgtctgctcctgtgatggagcccctcattaattctgagccttccactggtgtgactgagccgctaacgcctcatcagccaaaccaccagccctccttcctcacctctcctcaagaccttgcctcttctccaatggaagaagatgagcagcattctgaagcagatgagcctccatcagacgaacccctatctgatgaccccctgtcacctgctgaggagaaattgccccacattgatgagtattggtcagacagtgagcacatctttttggatgcaaatattggtggggtggccatcgcacctgctcacggctcggttttgattgagtgtgcccggcgagagctgcacgctaccactcctgttgagcaccccaaccgtaatcatccaacccgcctctcccttgtcttttaccagcacaaaaacctaaataagccccaacatggttttgaactaaacaagattaagtttgaggctaaagaagctaagaataagaaaatgaaggcctcagagcaaaaagaccaggcagctaatgaaggtccagaacagtcctctgaagtaaatgaattgaaccaaattccttctcataaagcattaacattaacccatgacaatgttgtcaccgtgtccccttatgctctcacacacgttgcggggccctataaccattgggtc
【0211】
配列番号50
Tet1CDアミノ酸配列
LPTCSCLDRVIQKDKGPYYTHLGAGPSVAAVREIMENRYGQKGNAIRIEIVVYTGKEGKSSHGCPIAKWVLRRSSDEEKVLCLVRQRTGHHCPTAVMVVLIMVWDGIPLPMADRLYTELTENLKSYNGHPTDRRCTLNENRTCTCQGIDPETCGASFSFGCSWSMYFNGCKFGRSPSPRRFRIDPSSPLHEKNLEDNLQSLATRLAPIYKQYAPVAYQNQVEYENVARECRLGSKEGRPFSGVTACLDFCAHPHRDIHNMNNGSTVVCTLTREDNRSLGVIPQDEQLHVLPLYKLSDTDEFGSKEGMEAKIKSGAIEVLAPRRKKRTCFTQPVPRSGKKRAAMMTEVLAHKIRAVEKKPIPRIKRKNNSTTTNNSKPSSLPTLGSNTETVQPEVKSETEPHFILKSSDNTKTYSLMPSAPHPVKEASPGFSWSPKTASATPAPLKNDATASCGFSERSSTPHCTMPSGRLSGANAAAADGPGISQLGEVAPLPTLSAPVMEPLINSEPSTGVTEPLTPHQPNHQPSFLTSPQDLASSPMEEDEQHSEADEPPSDEPLSDDPLSPAEEKLPHIDEYWSDSEHIFLDANIGGVAIAPAHGSVLIECARRELHATTPVEHPNRNHPTRLSLVFYQHKNLNKPQHGFELNKIKFEAKEAKNKKMKASEQKDQAANEGPEQSSEVNELNQIPSHKALTLTHDNVVTVSPYALTHVAGPYNHWV
【0212】
配列番号51
gRNA定常領域のDNA配列
gtttaagagctatgctggaaacagcatagcaagtttaaataaggctagtccgttatcaacttgaaaaagtggcaccgagtcggtgc
【0213】
配列番号52
gRNA定常領域のRNA配列
guuuaagagcuaugcuggaaacagcauagcaaguuuaaauaaggcuaguccguuaucaacuugaaaaaguggcaccgagucggugc
配列番号53
JCR 179 DNA
AACACACAGCTGGGTTATCAGAG
【0214】
配列番号54
JCR183 DNA
GAACTGGTGGGAAATGGTCTAG
配列番号103
JCR 179 RNA
AACACACAGCUGGGUUAUCAGAG
配列番号104
JCR183 RNA
GAACUGGUGGGAAAUGGUCUAG
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
【配列表】
2023515710000001.app
【国際調査報告】